花陽「大変!」真姫「入れ代わっちゃった!」 (152)

更新がゆっくり目になるかと思いますが、どうぞお付き合い下さい。
まきぱなほのぼのスピリチュアル

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真姫「私が真姫ちゃんで…」

花陽「私が花陽?」

真姫「…」ジー

花陽「…」ジー

真姫「…」

花陽「…」

真姫(鏡を見てるみたい…)

花陽(ちょっと髪が伸びてきたかも…)

花陽「って、見つめ合ってる場合じゃないでしょ!」

真姫「ひゃあ!」ビクッ

花陽「原因は分かってるわ」

~数分前~

花陽「今日も頑張ったね」

真姫「そうね、次のライブも決まったし、気合い入れていかないとね」

花陽「うん!」

ズルッ

花陽「あっ」

真姫「花陽危ない!」ガシッ

まきぱな「きゃーー!!」ゴロゴロ

ーーー
ーー

真姫「間違いないよね… 」

花陽「ええ、信じられないけど…」

真姫「これからどうしよう」オロオロ

花陽「私たちは一緒に階段から落ちたから入れ代わった」

花陽「なら、もう一度階段から落ちたら元に戻るんじゃないかしら!」

真姫「えぇっ!?」

という訳で
真姫→かよちん
花陽→まきちゃん


花陽「さぁ、準備はいい?」

真姫「うん…」

花陽「あ、そうだ花陽、私のことを抱きしめて」

真姫「…エ゛ェ!?」カァァ

花陽「変な意味じゃないわ、私の提案で大事な花陽の身体にケガさせたらダメでしょ?」

真姫「でもそれだと真姫ちゃんが…」

花陽「私なら大丈夫だから、心配しないで。ほら」

真姫「う、うん、分かったよ…」ギュー

花陽(自分に抱きしめられるのって変な感じね…)ドキドキ

真姫(あったかい…)ドキドキ

花陽「じゃあ行くわよ」

真姫「」コクコク

まきぱな「せーの!」

絵里「あら、真姫と花陽じゃない」

まきぱな「」ビクッ

希「こんなところで何してるん?」

真姫「え、絵里ちゃーん、希ちゃーん、あはは…」

花陽「こんなところで会うなんて奇遇ねー、あはは…」

絵里「???」

花陽「はなy…私が階段から落ちそうになったところをね、真姫ちゃんが助けてくれたのー」アセアセ

真姫「そ、そうなのよー」アセアセ

希(真姫ちゃんがかよちんを抱きしめてるようにしか見えんかったけどなー)

真姫「もうまきちゃ…花陽は気をつけなきゃダメだよぉ~」ボーヨミ

花陽「ごめ~ん、真姫ちゃん」ボーヨミ

絵里「そ、そうだったの…ケガしなくて良かったわね~」アハハ

花陽「ほ、本当にね~」

絵里「じ、じゃあ私たちは帰るから、二人も早く帰りなさいね~」

希「また明日な~」

真姫「ばいばーい」

希「…」

花陽「危なかったわ…」

真姫「ねぇ、どうして二人に私たちが入れ代わっちゃったことを説明しなかったの?」

花陽「説明したところで誰も信じてくれないわよ!私だって信じないわ!」

真姫「でも今は信じてるんだよね」

花陽「当たり前でしょ!今実際に自分に起きたことなのよ、信じるしかないじゃない!」

花陽「それに花陽だって私に合わせてたでしょ!誰にも頼れないってこと分かってたんじゃないの!?」

真姫「…」

花陽「?」

真姫「ぷっ」

花陽「なんで笑うのよ!」

真姫「だって…ちっちゃい自分に怒られるのって、すごく変なんだもん」クスクス

花陽「はぁ…私も自分を見上げながら説教するのっておかしな気分だわ」ヤレヤレ

真姫「」ギュッ

花陽「ちょっと何!?」

真姫「大丈夫、きっと元に戻れるから心配しないで…私がついてる よ」ギュー

花陽「」カァァ

花陽「ごめん…ちょっと興奮し過ぎたわ…」ギュー

真姫「いいよ、きっと誰だってそうなっちゃうと思うから」

花陽「…花陽で良かった」ボソ

真姫「え?今何か…」

凛「かよちーん!まきちゃーん!」

真姫「あ、凛ちゃんだ」

凛「探したにゃー!一緒に帰ろ!」

~小泉家~

花陽「で、花陽の家に来た訳だけど…」

真姫「うん、なるべく一緒にいた方がいいと思ったし」

花陽「そうね、その方が私も安心だわ」

真姫「これからどうしようね」

花陽「確実に元に戻れる方法を考えましょ」

花陽「あのまま階段から落ちたとして、花陽の身体がまもれたとしても、花陽自身が痛い思いをするかもしれないし」

真姫「いや、私は大丈夫だよ。でも私のために真姫ちゃんがケガしちゃうかもしれないのは、私は嫌だなぁ…」

花陽「…」

花陽「花陽、今夜は泊まらせて」

真姫「え?」

花陽「というよりあなたが泊まることになるんだけど。少しでも一緒にいる時間が長い方がお互い安心でしょ」

真姫「…うん!じゃあ真姫ちゃんのお母さんに電話するね」

真姫「真姫ちゃんのお母さんは泊まってもいいって」

花陽「花陽のお母さんもいいって言ってくれたわ」

真姫「真姫ちゃんと二人でお泊まりなんて初めてだね」ニコニコ

花陽「そうね…なんでそんなに楽しそうなのよ?」

真姫「えへへ、だって真姫ちゃんと二人っきりなのは久しぶりだから嬉しくって」

花陽「な!」カァァ

花陽「べ、別にそんなこと…花陽さえ良ければ、私はいつでも…」ボソ

真姫「本当!?じゃあ今度のお休みは一緒に…」

花陽「ちょ、ちょっと待って!///」

真姫「?」

花陽「今は元に戻る方法を考えるのが先でしょ?」

真姫「…そうだった…ごめんね」シュン

花陽(あぁ、もう!やりづらい!)

花陽「今度のお休みね!私は大丈夫よ」

真姫「いいの?」

花陽「当たり前でしょ!さっさと元に戻って、計画を立てるわよ!」

真姫「うん!」ニコッ

~高坂家~

凛「~でね、今夜は真姫ちゃんがかよちんの家にお泊まりするみたいなの」

穂乃果「うーん…」

海未「花陽と真姫が凛にも言わない隠し事ですか…」

凛 「もしかして凛は仲間外れにされちゃったのかにゃー」ウルウル

穂乃果「そんなことは絶対にないよ!二人共凛ちゃんの大切な友達なんでしょ」

海未「誰にだって隠し事の一つや二つはあります」

穂乃果「穂乃果だって海未ちゃんにも言えない事があるんだよ」

海未「え、それは本当ですか!?」

穂乃果「うん、内緒だよー♪」

海未「そんな、教えてください!」

穂乃果「まだダメー」

凛「うーん、凛もそんな風に内緒にされてるのかにゃー」

穂乃果「そうかもしれないよ、だからそのうち教えてもらえるんじゃないかな」

海未「私もそのうち教えてもらえるのですか?」

穂乃果「もちろんだよ!」

凛「うーん…やっぱり納得いかないにゃー」

海未「凛、あまり気にしないのが一番ですよ」

凛「?」

海未「気にし過ぎてしまうと、真姫と花陽のことをますます信じられなくなってしまいます」

海未「そうなると、凛が自分から二人を遠ざけてしまいますよ」

穂乃果「そうだよ、凛ちゃんには二人と仲良くしていてほしいから」

凛「うーん…」

凛「分かったにゃ、二人が今まで通りになるまで凛は待つことにするにゃー」

海未「凛…」

凛「二人とも、今日は話を聞いてくれてありがとう。お陰ですっきりしたよ」

穂乃果「良かった、こっちこそありがとうだよ」

海未「私たちも二人の異変に気付けて良かったですから」

穂乃果「また何かあったらすぐに教えてね」

凛「任せるにゃー」

凛「ばいばーい」ガチャ

バタン

穂乃果「ねぇ、海未ちゃん」

海未「なんですか?」

穂乃果「今夜は泊まっていかない?」

海未「…はい」

花陽「晩御飯、食べても食べても食べ足りなかったわ…」

真姫「私はもっと食べたかったのにお腹いっぱいになっちゃったよ」ショボン

花陽「私はそんなに食べない方だからね。っていうかあなたって、普段からあんなに食べてるの?」

真姫「うん、ご飯ならいっぱいおかわりするよ!」

花陽(この小さな体からは想像できないわ)

花陽(ん?もしかして、花陽はご飯をいっぱい食べてるからこんなにも胸が…)サワサワ

真姫「…ま、ままま真姫ちゃん、な、なんで胸を///」

花陽「あ」カァァ

花陽「ごめん///」

真姫「そろそろお風呂に入ろうよ」

花陽「先に入ってていいわよ、上がったら呼んで」

真姫「一人ずつ入るの?」

花陽「え、違うの?まさか一緒に入るなんて言うんじゃあ」

真姫「…そのつもりだったんだけど…」

花陽「?」

真姫「あ、あの…真姫ちゃんは今私の身体で、私は今は真姫ちゃんの身体だから///」カァァ

花陽「あ///」カァァ

真姫「洗いっこした方が恥ずかしくないと思ったんだけど…ダメかな?///」

花陽「そ、そうね、じゃあ一緒に入りましょ///」

花陽(私は一緒に入ること自体に抵抗があるんだけど。でも確かに人の身体を洗う方が恥ずかしくなるかも。もう訳分かんないわ)

真姫「♪~ 」ヌギヌギ

花陽「はぁ…楽しいわね…」ヌギヌギ

真姫「うん!」

真姫「♪~」

花陽「力加減は大丈夫?」ゴシゴシ

真姫「うん、ちょうどいいよ」

花陽(自分の背中を洗うのってすごく変な感じ)

真姫「じゃあ次は私が…」クルッ

花陽「ちょっ、早過ぎるでしょ!まだ全然洗えてないじゃない!もうちょっとあとだから///」アセアセ

真姫「はーい」

花陽(もう、どうしてこの子はこんなにノリノリなのよ///)ゴシゴシ

花陽「…じゃあ花陽、次はお願いね」

真姫「うん、任せて!」クルッ

\サバーッ/

真姫「温かいね」

花陽「そうね」

真姫「♪~」

花陽「楽しんでるわね」

真姫「うん、入れ代わっちゃって大変なことよりも、真姫ちゃんと一緒にいられてうれしいって気持ちの方が大きいから」

花陽「」カァァ

花陽「ね、ねぇ花陽、しりとりでもしない?///」

真姫「いいよ~」

花陽「じゃあ、μ'sの"ず"からね」

花陽「ず~…"図形"」

真姫「い?い~…"稲"」

花陽「ね~…"猫"」

真姫「心」

絵里『小衣ちゃんって言うな!』

花陽「ロシア」

真姫「絢瀬絵里」

花陽「理科」

真姫「傘」

花陽「秋刀魚」

真姫「真姫ちゃ…あ、ちゃんは無しで」アセ

花陽「私?き…きっと青春が聞こえる」

真姫「ルネサンス」

花陽「START:DASH」

真姫「百合」

花陽「りんご」

真姫「ごはん」

花陽「」ニヤッ

真姫「あ」

花陽 「勝った!」

真姫「い、今のはナシにして」アセ

花陽「だーめ、私の勝ちなんだからね」

真姫「じゃあもう一回やろ」

花陽「しょうがないわねー、もう一回だけよ」

花陽「こんどは花陽の"よ"からね、はい」

真姫「よ、よ~…"横浜"」

花陽「真姫」ドヤッ

真姫「ぷ」

花陽「なんで笑うのよ!」

真姫「ご、ごめん…"京都"」

花陽「東条希」

真姫「ミルキィホームズ」

花陽「頭脳」

真姫「海未ちゃ…あ」

花陽「海未ね、み、"μ's"」

真姫「ず、"ズッキーニ"」

花陽「にこ」

真姫「高坂穂乃果」

花陽「風上」

真姫「南ことり」

花陽「凛」

真姫「!?」

花陽「?」

花陽「あ!」

真姫「勝ったぁ!」

花陽「ちょっと、今のな…」

真姫「おあいこだよ♪」

花陽「むぅ~、じゃあもう一回よ!これで決着をつけましょ!」

真姫「いいよ」

真姫「じゃあ今度は音ノ木坂の"か"からね」

花陽「か、か、か~…か」

花陽「やってしまったわ…」グデー

真姫「のぼせちゃったね…」グデー

花陽「粘り過ぎた、私たちはバカよ…」

真姫「夢中になってたもんね…」

花陽「花陽、大丈夫?」

真姫「あんまり…かな、真姫ちゃんの方こそ大丈夫?」

花陽「全然大丈夫じゃないわ」

真姫「しばらく休んでよっか…」

花陽「うん」グデー

真姫「ー…」グデー

真姫「結局今日は何も考 えられなかったね」

花陽「そうね。まぁ、明日になってから一緒に考えましょ」

真姫「うん…」

花陽「何事もメリハリが大切よ、それに今日は楽しかったし」

真姫「真姫ちゃん…」

花陽「…楽しかったってのはおかしかったわね」

真姫「ううん、そんなことないよ。私も楽しかったもん」

花陽「うふふ、ありがとう」

真姫「じゃあもう寝ちゃおうか」

花陽「そうね、おやすみ」

真姫「おやすみなさい」

花陽「…」

真姫「…」

花陽「μ's」

真姫「ズッキーニ」

~翌朝~

真姫「真姫ちゃん無理しなくていいよ」

花陽「無理はしてないわ…」プルプル

真姫「誰だって初めてのコンタクトは怖いと思うから」

花陽「うぅー…」プルプル

真姫「真姫ちゃん?」

花陽「あ!」ポロッ

真姫「あー」

花陽「はぁ…」メガネソウチャク

真姫「私は元々眼鏡かけてたから、問題ないと思うよ」

凛「おーい!かよちーん!真姫ちゃーん!」タタタ

真姫「凛ちゃ…こほん」

真姫「おはよう、凛」

凛「おはよう真姫ちゃん」

花陽「凛ちゃんおはよう」

凛「おはよう、あ、今日は眼鏡なんだね」

花陽「うん、ちょっとね」

凛「眼鏡のかよちんも好きにゃー」ダキッ

花陽「きゃ!ちょっとやめてよ!」

凛「真姫ちゃんも好きにゃー!」ダキッ

真姫「あはは、くすぐったいわ」

凛「!?」パッ

まきぱな「?」

凛「さ、そろそろ学校に行かないと遅刻しちゃうよ、行こう!」ダッ

真姫「あ、ちょっと凛ちゃ」

花陽「待ちな…待ってー!」

凛(今、何かがおかしかった気がする)

花陽「花陽、大変よ」

真姫「え、何が?」

花陽「今日の練習どうするの?」

真姫「練習って…あ!?」

花陽「私たち、入れ替わっちゃったから、お互い違うパートで練習しなきゃならないわよ…」

真姫「ああああ…」

花陽「しかも今、私は海未と新しい曲を作ってるところだったのよ」

真姫「え!?私…ピアノ弾けないよ」

花陽「ケガしてピアノが弾けないってことにすれば、少なくともあなただけは練習も休めるんじゃない?」

真姫「え、でもそれだとみんなに心配かけちゃうし」

花陽「そうね、私がバカだったわ」

真姫「誰かに相談した方がいいんじゃないかな?」

花陽「隠し通すのは無理があるわね、でも信じてくれるかしら?」

真姫「凛ちゃんなら信じてくれると思うよ」

花陽「そうね、直ぐに受け入れてくれそうだわ」

真姫「側にいてくれるし、いいかなとは思うんだけど…」

凛『えぇーっ!?入れ替わっちゃったのー!!?』

凛『大変だにゃー!なんとかしなきゃ!』

凛『でもどうしたらいいんだろう?何をしたらいいんだろう?凛分かんないよー!』

凛『うえーん!かよちん、真姫ちゃん、ごめんねー!凛には何も出来ないよー!』シクシク

花陽「ってなりそうね」

真姫「いっぱい心配かけちゃうよね」

希「なんや話って?」

真姫「希ちゃん、今から話すことは本当のことだから聞いてほしいの」

花陽「私たち、入れ替わっちゃったのよ」

希「ほう」

真姫「つまり、私が花陽で」

花陽「私が真姫ってこと」

希「…やっぱりな」

まきぱな「!?」

希「二人に異変が起きてる…」

希「カードがうちにそう告げとるんや」

真姫「じゃ、じゃあ、信じてくれるの?」

希「もちろん」

花陽「ちょっと安心したわ」ホッ

希「なるほどな、で、まずは練習をなんとかしないとあかんって話やね」

花陽「そういうこと」

真姫「お願い希ちゃん、助けて」ウルウル

希「分かった、うちに任せて」

希「その代わりに花陽ちゃん、もっかい今の顔やって、写メ撮りたいから」

花陽「ちょ、ちょっと希!そっちは花陽だけど、身体は私のなんだからやめなさいよね!」

真姫「お願い希ちゃん」ウルウル

花陽「花陽も乗らないの!」

希「やっぱムービーにした」

花陽「ああああああ!!!」

希「という訳で、今日の練習はおやすみや」

一同「はーい」

真姫「さすが希ちゃんだね、私たちの見てないところで手をまわしてくれたみたい」

花陽「何をやったのか全然分からないから怖いけどね」

ことり「かよちゃん、新しい衣装のデザインを考えたんだけど、ちょっと見てもらえるかな?」

花陽「へ?私?」

海未「真姫、新曲についてお話が」

真姫「えっ?えぇっ!?」

希「あーみんな、今日はしっかり休むなり遊ぶなりしてくるんやよ」

希「二人もな」

ことうみ「…はい」

まきぱな「」ホッ

凛「」ジー

凛(やっぱり二人とも、様子が変にゃー)

海未「凛の言った通り、どこかおかしいですよね」

凛「ね、でしょ?」

穂乃果「なんだか二人とも違う子になっちゃったみたいだよね」

海未「あともう一つ気づいたことがあります」

ほのりん「?」

海未「希です」

穂乃果「希ちゃんがどうかしたの?」

海未「今日のミーティングのとき、半ば強制的に練習を中止しただけでなく、私とことりを二人に近づけないようにしていました」

凛「そうか、おかしいと感じたのは希ちゃんが原因だったんだ」

海未「今回の件に、希は少なくとも関わっているでしょうね」

穂乃果「じゃあつまり…」

海未「希は二人の秘密を知っているはずです」

凛「にゃ!?」

穂乃果「どうして希ちゃんが?」

海未「これはあくまで推測ですが、もしも真姫と花陽の身に何かがおきていたとします」

海未「その何かというのが親友の凛にも言えないくらいの一大事で、二人だけではどうしようもなくなったとき、誰に頼ると思いますか?」

穂乃果「あー、なるほど」

凛「希ちゃんは頼りになるもんね」

凛「凛なんかよりも…」ボソ

海未「これはあくまでも私の推測です。凛、あまり悲観的になってはいけませんよ」

凛「海未ちゃん」

穂乃果「そうだよ凛ちゃん、優しい二人のことだから、凛ちゃんに心配をかけたくなかったのかもしれないし」

凛「穂乃果ちゃん」

海未「大丈夫、凛には私たちがついてます」

穂乃果「だから心配しないで、私たち9人でμ'sなんだよ」

凛「…うん!」

希「今日はとりあえずなんとかなったけど、毎日練習を中止するのは無理や」

真姫「これからどうしよう」

希「お互いの振り付けを覚えたら?」

花陽「はっきりいって、今はそうするしかないわよね」

真姫「うーん…」

希「まぁ練習はいいとして、問題は真姫ちゃんの作曲やね」

花陽「そうよ」

真姫「あぁ、そうだった」ガーン

花陽「ついてないわ、たまたま海未の作詞と一緒に作っていたところだったから」

希「ピアノの練習する?」

真姫「無理だよ、間に合わない」

真姫「それにピアノが 弾けたとしても、作曲なんてやったことないし」

希「海未ちゃんを説得する必要があるな」

花陽「よりによって海未なのね」

真姫「しっかり筋の通った説明をしないと納得してくれないよね」

希「これはかよちんがちゃんと話し合わないといかんね」

真姫「自信ないよぉ」

~次の日の昼休み、屋上にて~

海未「どうしたのですか、急に呼び出したりして」

真姫「ごめんなさい、新曲のことについての話なんだけど」


屋上の扉の内側から

花陽「花陽は上手く説得出来るかしら」

希「大丈夫、かよちんを信じてあげよ」


さらに二人の後ろから

穂乃果(海未ちゃんが急に出て行ったから来てみれば、呼び出したのは真姫ちゃん?)

穂乃果(扉の出前には花陽ちゃんと希ちゃんもいるし…これは何?どういうことなの?)

真姫「実は私ね、今はちょっとスランプ気味で…その…曲が作れないっていうか…いい曲が浮かばなくて困ってるところだったの」

真姫「だからごめんなさい、しばらく曲は作れそうにないの!」ペコッ

花陽「なるほどね」

希「これなら海未ちゃんも嫌とは言えないはず」

穂乃果(よく聞こえない)

海未「そういうことだったのですか、少し意外です」

真姫「そ、そうかな?」

海未「大丈夫ですよ、焦ってもいい曲は出来ません」

海未「アイデアが浮かんだときに、自分のペースで作って下さい」

真姫「え、それでもいいの?」

海未「締め切りがあるわけではありませんから心配いりませんよ」

海未「悩みを打ち明けてくれて、ありがとうございます」

真姫「う、ううん、私の方こそありがとうだよ」

真姫「良かったぁ、ダメって言われちゃったらどうしようかと思ったから」ホッ

海未「そんなこと言う訳ありませんよ、私たちは仲間なんですからもっと信頼して下さい」フフッ

真姫「…うん!ありがとう!」

海未「そうやって話してもらえると…嬉しいですし」

真姫「海未ちゃん照れてる?」

海未「て、照れてなんかいません///」

海未「それより今、海未ちゃんって…」

真姫「あ、いや、海未って呼んだわよ!」

海未「それに喋り方も何だか違う人のような…お米みたいにふわふわした喋り方のような気がします」

真姫「エ"ェ!?そ、そんなことないわよ!」アセアセ

海未「変な真姫ですね」フフッ

真姫「からかわないでっ!」

希「上手くいって良かったね」

花陽「ホッとしたわ」

希「あれ、穂乃果ちゃんは?」

花陽「え?」

希「さっきまでそこにいたのに」

花陽「そういえば誰か走っていったような」

タッタッタッタッ

ガラガラガラ

穂乃果「凛ちゃん!」ダキッ

凛「あれ、穂乃果ちゃん?どうしt」

穂乃果「うわーん!」ポロポロ

凛「え!?なんで!?凛何かしたかにゃ?」

クラスのみんな「…」ジー

凛「こ、ここだとみんなが見てるから外に行こ!ね!」アセアセ

穂乃果「うえーん!」グズグズ

凛「そっか、それってつまり…」

穂乃果は海未が急に出て行ったので、気になってついて行った。
行き先は屋上で、真姫が待っていた。
扉の手前には花陽と希がいた。
会話はよく聞き取れなかったが、真姫の頼み込みに海未が了承していたのは分かった。
二人ともとても嬉しそうだった。
花陽と希も喜んでおり、真姫のことを応援していたように見えた。
穂乃果は「真姫が海未に愛の告白をし、海未がそれを受け入れた」のだと思った。
真姫と花陽、そして希の最近の奇妙な行動はこれのためだったと考えた。

凛「っていうことなんだね?」

穂乃果「うん」ションボリ

凛「でもどうして泣いたりなんか」

穂乃果「私ね、海未ちゃんのことが好きだったんだ」

凛「!?」

穂乃果「いつか告白しようと思ってたんだよ、そしたら真姫ちゃんに先を越されちゃった」

凛「…」

穂乃果「幼なじみだから…ずっと一緒にいたから…焦ることないと思ってた」

穂乃果「海未ちゃんも私と同じ気持ちだと思ってたのに…違ったんだよね」

穂乃果「私の思い込み…ただそれだけだよ」

凛「そ、そんなことは」

穂乃果「好きになんかならなければ、こんなに悲しむことはなかったのに」グスッ

凛「にゃ!」

穂乃果「うぅ…海未ちゃん…こんなに好きなのに…ずっと好きだったのに…」ポロポロ

穂乃果「海未ちゃん…海未ちゃん…うわーん!」

凛「ま、待ってよ、まだ決まった訳じゃないんだよね?」アセアセ

凛「二人が何を話してたのか、ちゃんと聞こえなかったんでしょ?」

穂乃果「」コク

凛「なら本人たちにちゃんと聞いてみよ、ね?」

穂乃果「…怖くて聞けない」

凛「そうだよね、じゃ、じゃあ凛が聞いてみるよ」

凛「だから泣かないで、ね」

~授業中~

穂乃果「…」

ことり(穂乃果ちゃん昼休みが終わってから、ずっと机に突っ伏したままだよ)

海未(寝てはいませんね、なんだか落ち込んでいるような)

先生「高坂…おい高坂!聞いてるかー?」

先生「南、悪いけど起こしてやってくれ」

ことり「え!?あ、はい」

ことり「ほ、穂乃果ちゃーん、授業中だよー」オソルオソル

穂乃果「うん、ごめんね」ムクッ

ことり「」アセアセ

海未「」アセアセ

先生「最近頑張ってるみたいだけど、もうすぐテストなんだからもうちょっとしっかりしろよ」

穂乃果「はい、すみません」

ことり「…」

海未「…」

~授業後~

ことり「穂乃果ちゃん、大丈夫?何かあったの?」

穂乃果「うん、大丈夫だよことりちゃん」

海未「本当に大丈夫ですか?無理しているように見えますが」

穂乃果「うっ…ほ、本当に大丈夫だから…心配しないで、ね?」

穂乃果(海未ちゃん、本当に心から私のことを心配してくれてる)

穂乃果(友達だから当然だよね、友達だから…)

穂乃果「ちょ、ちょっと用事を思い出した!」ダッ

ことり「あ、穂乃果ちゃん!」

海未「穂乃果!」

海未「穂乃果は帰ってきませんね」

ことり「こないね」

ミカ「ことりちゃん、この間はノート見せてくれてありがとう、助かったよ」

ことり「どういたしまして」

ミカ「そういえばさっきトイレに行ったら、隣で誰か泣いてたからびっくりしたよ」

ことり「え、誰が泣いてたの?」

ミカ「分かんない。かわいそうだけど、顔見るのも悪いからさっさと出てきちゃったわ」

ことり「そうだよね、私でもそうすると思う」

海未「失恋でもしたのでしょうか?」

ミカ「うーん、分かんないね」

ことり「それにしても、穂乃果ちゃんこないね」

海未「きませんね」

ミカ「?」

~廊下~

にこ「♪~」

にこ「!」

穂乃果「あ、にこちゃん」

にこ「穂乃果、あんた顔色が悪いわよ、大丈夫?」

穂乃果「う、うん、大丈夫だよ」

にこ「それに目が真っ赤に腫れてるじゃない!どうしたのよ」

穂乃果「なんでもないよ、これは」

にこ「隠し事はダメよ、前にもそれで揉めたでしょ」

穂乃果「うぐっ」

にこ「あたしで良ければ相談にのるから、何があったか話してくれる?」

穂乃果「…にこちゃん」ポロポロ

にこ「ちょ」

穂乃果「うわーん!」ダキッ

にこ「あんた、ここ廊下よ!みんなに見られるじゃない!」

にこ「わ、分かったから、どっか人のいないところに行くわよ、ね?」

にこ「メンバー間でそんなことがあったなんて、知らなかったわ」

穂乃果「うん」グス

にこ「でも確かに、真姫ちゃんたちの様子が変だとは感じたかも」

にこ「あんまり気にしてなかったけどね」

穂乃果「うん」

にこ「ねぇ穂乃果、このあと暇?」

穂乃果「暇…だけど」

にこ「あたしと付き合わない?」

穂乃果「え?」

にこ「練習も休みだし、気晴らしにどっかでパーっと遊びに行きましょ!」

穂乃果「にこちゃんと私で?」

にこ「部長とリーダー、たまにはいいでしょ?こういう組み合わせも」

穂乃果「で、でも」

にこ「いいから、たまには先輩らしいことさせなさいよ」グイッ

穂乃果「あー」

凛「真姫ちゃん真姫ちゃん!」

真姫「何?」

凛「お昼休みに屋上で何やってたの?」

真姫「エ゛ェ!?な、なんで屋上にいたことを知ってるの!?」

凛「穂乃果ちゃんから聞いたにゃー」

真姫「なんで穂乃果ちゃんも知ってるの!?」

凛「それは話せば長くなるよ」

真姫「えーと、海未話してて…」

凛「やっぱり」

真姫「?」

花陽「ちょっと凛ちゃん、何の話をしてるの?」

凛「かよちんも知ってるんだよね、昼休みのこと」

花陽「昼休み?」

凛「えぇーっ!?新曲のことを話してただけだったのー!?」

真姫「そうよ」

花陽「何と勘違いしてたのよ」

凛「いやー、穂乃果ちゃんから真姫ちゃんが海未ちゃんに告白して、海未ちゃんがオッケーしたって聞いたから」

花陽「もう、凛ちゃんったら」

真姫「確かに海未のことは好きだけど、そういう好きとは違うから」

凛「そっか、びっくりしたよ」アハハ

花陽「穂乃果ちゃんもうっかりだったね」

凛「あ」ピクッ

真姫「どうしたの?」

凛「穂乃果ちゃん…大変だにゃ」

まきぱな「?」

凛「早く穂乃果ちゃんに教えてあげなきゃ!」ダッ

真姫「あ、凛!」

花陽「待って、どこに行くの!?」

~秋葉原のゲームセンター~

♪~

穂乃果「よっ…ほっ…」

にこ「あっ…違っ…」

♪デェーン

穂乃果「やった!勝ったー!」

にこ「あーん!にこ負けちゃったー」ガックリ

穂乃果「ふー!やっぱりダ○レボは最高だよ!」

にこ(何よ、思ったよりも元気じゃない…良かった)

穂乃果「ねぇにこちゃん、次はポッ○ンやろうよ!」

にこ「オッケー、今度は負けないわよ!」

~二年生教室~

凛「失礼しまーす!」ガラガラガラ

ミカ「あ、星空さん」

凛「あれ、穂乃果ちゃんはいませんか!?」

ミカ「見てないなぁ、ホームルームが終わった後すぐに出ていっちゃったみたいで」

凛「えぇー!?あ、ありがとうございましたー!」ダッ

ミカ「?」

花陽「失礼します!」

真姫「し、失礼しまぁす!」

ミカ「あ、小泉さんに西木野さん」

花陽「穂乃果がどこいったか分かりませんか?」

真姫「凛ちゃんを見てませんか?」

ミカ「えーと、穂乃果は分かんないんだけど、たった今穂乃果を探しに星空さんが来たところだよ」

ミカ「もういっちゃったけど」

花陽「ど、どっちに行ったんですか!?」

ミカ「あっち」

花陽「あーもう!」ダッ

真姫「あ、ありがとうございましたー!」ダッ

ミカ「?」

ミカ「今なんかおかしくなかったかな?」

ドンッ

凛「あいたっ!」

希「いたた…あ、凛ちゃん」

凛「希ちゃん!大変だよ!」

事情を説明する凛。

希「それは一大事や!急いで穂乃果ちゃんを探さんと!」

希「あと、海未ちゃんと真姫ちゃん、花陽ちゃんも!」

凛「え、真姫ちゃんとかよちんなら」クルッ

凛「あれ、いない!?」

花陽「りーん!」ゼェゼェ

真姫「凛ちゃん…速過ぎるよぉ」ゼェゼェ

希(慌て過ぎて素に戻ってる)

凛「二人とも遅いよ!急がないと!」

希(バレてなさそうやね)

ドンッ

凛「あいたっ!」

希「いたた…あ、凛ちゃん」

凛「希ちゃん!大変だよ!」

事情を説明する凛。

希「それは一大事や!急いで穂乃果ちゃんを探さんと!」

希「あと、海未ちゃんと真姫ちゃん、花陽ちゃんも!」

凛「え、真姫ちゃんとかよちんなら」クルッ

凛「あれ、いない!?」

花陽「りーん!」ゼェゼェ

真姫「凛ちゃん…速過ぎるよぉ」ゼェゼェ

希(慌て過ぎて素に戻ってる)

凛「二人とも遅いよ!急がないと!」

希(バレてなさそうやね)

~スクールアイドルショップ~

にこ「今日はね、A-RISEの新作グッズが入荷される日なのよ、忘れるところだったわ」

穂乃果「そうなんだ」

にこ「あった、これよこれ!これが欲しかっ…」ピクッ

穂乃果「え、何?」クルッ

穂乃果「μ'sのコーナー…」

『海未ちゃんキャンペーン開催中!!』
『対象商品を買うと、オリジナルステッカーをプレゼント!』
『さらにステッカーを全種類揃えると、園田海未のサイン入り生写真をプレゼント!!』
『先着10名様まで!急げ!』

にこ(し、しまった!何よこれ!?)

穂乃果「…」

にこ「ほ、穂乃果?」オソルオソル

穂乃果「すみませーん!これとこれと…えーと、全種類ください!」

店員「はい、お待ち下さい」

にこ「え?」

穂乃果「生写真は10人までだって!急がないとなくなっちゃうよ!」

にこ「え…あんた…え?」

店員「お待たせしましたー」

店員「こちらが商品とステッカーです」

店員「ステッカーが揃いましたので、生写真をプレゼントいたします」

穂乃果「やったー!」

店員「あなたが10人目です」

穂乃果「ほ、本当ですか!?良かったぁ」

店員(本当はとっくになくなってたはずなんですが、あなたがきっと来ると思ってとっておいたんですよ)

店員(ちなみに一人目は南さんでした)

にこ「ねぇ、あんたにとって海未ってなんなの?」

穂乃果「海未ちゃんは、私の大好きな人だよ」

にこ「恋愛対象としてってこと?」

穂乃果「確かにそれもあるけど、友達としても好きだし」

穂乃果「憧れっていうか、にこちゃんがA-RISEが好きなのと同じ理由でもかな」

穂乃果「海未ちゃんってカッコいいし可愛いし」

にこ「そ、そうなの」

にこ(あー、この子は本当に海未のことが好きなのね)

にこ(幼なじみでずっと一緒にいたのに、海未は穂乃果の気持ちに気づかなかったのかしら?)

希「もう学校にはおらんみたいやな」

凛「じゃあ凛が電話してみるよ!」

オカケニナッタデンワハゲンザイデンパノトドカナイ…

凛「つながらない!」

花陽「どうしよう」

真姫「もーっ!こんなときに」

希「手当たり次第探すしかないみたいやな」

凛「穂乃果ちゃんどこにいっちゃったのー!?」

~高坂家付近~

海未「穂乃果はいったいどこへ行ってしまったのでしょう」

海未「電話には出ない、家にもまだ帰ってない」

海未「うーむ」

にこ「それでね、頭にきたからそいつのアレを蹴り上げてやったのよ」

穂乃果「アレって何?」

にこ「はぁ?アレって言ったらもちろん…あ」

海未「にこ!それに…」

穂乃果「海未ちゃん」

にこ(今度こそヤバい、状況は最悪じゃない)

海未「穂乃果!良かった、どこへ行ったのかと心配しましたよ」

海未「大丈夫なんですか?」

穂乃果「う、うん、一応はね」

穂乃果「海未ちゃんごめんね、何も言わずに帰っちゃって」

海未「いえ、そんな」

にこ「ちょっとなんで穂乃果が謝らないとなんないのよ!」

海未「え?」

にこ「一体誰のせいでこんなことになったと」

穂乃果「にこちゃんやめて!海未ちゃんのせいじゃないんだから」

海未「私のせい…とは?何の話をしているのですか?」

にこ「察しなさいよ!そういえばあんた、真姫ちゃんは一緒じゃないの?」

穂乃果「にこちゃん!」

海未「一緒ではありませんが、なぜ真姫なのですか?」

にこ「白々しいわね、今日の昼休みに告白されたんでしょ?あたしは知ってるんだからね!」

海未「えぇ!?こ、告白なんてされてませんよ!///」

穂乃果「え」

にこ「とぼけるんじゃないわよ!真姫ちゃんに呼び出されて、昼休みに屋上に行ったって聞いたけど!」

海未「昼休みに屋上…ああ、それは真姫に新曲が作れないと相談されたのですよ」

にこ「え?」

穂乃果「本当なの?」

海未「本当です、本当にその話しかしていません」

穂乃果(私の勘違いだったんだ、あんなに大騒ぎしちゃって恥ずかしいなぁ)

穂乃果「…そっか…あの」

海未「それに、もし告白されていたとしても、私は受け入れなかったでしょう」

にこ「どうして?」

海未「私には、ずっと前から心に決めていた人がいます」

穂乃果「え」

海未「穂乃果、私はずっとあなたのことが好きでした」

海未「私と恋人としてお付き合いして下さい」

にこ「!?」

穂乃果「はい…」ポロポロ

海未「ほ、穂乃果!?」

穂乃果「海未ちゃーん!」ダキッ

海未「ちょっ、穂乃果…え?」

にこ「あーあ、また泣かせたわね」

海未「またって、どういうことですか?」

にこ「今日穂乃果があんたに泣かされるのは、これで4回目よ」

海未「え!?」アタフタ

穂乃果「うわーん!」ギュー

にこ「罪な女ね」フフッ

花陽「家に帰ったかと思ってこっちの方へ来てみれば」

真姫「もう大丈夫みたいだね」

花陽「とんだ人騒がせね」

真姫「元はといえば、私が海未ちゃんを屋上に呼び出したりなんかしたからこんなことに」

花陽「もう解決したんだから、そんなことは考えることないわよ」

真姫「う、うん…」

花陽「希に連絡しないとね」

真姫「あ、私も凛ちゃんに教えなきゃ」

花陽「あ、もしもし希?」

希「そう、良かったわ」

希「ほな」ピッ

希「一件落着やね」

~~

凛「良かったぁ、もうダメかと思ったよ」

凛「はーい、またね!」ピッ

凛「安心したら、どっと疲れたにゃー」ドター

にこ「あんたたち、何やってるの?」

花陽「きゃあ!」

真姫「にこちゃん!?」

にこ「ほら、邪魔者は帰るわよ!」グイグイ

花陽「ち、ちょっとにこちゃん!」

真姫「押さないでー」

~次の日~

穂乃果「海未ちゃーん!」ダキッ

海未「はいはい」ギュッ

にこ「いつもとあんまり変わらないじゃない」

絵里「まぁでも、ちゃんと恋人に見えるわよ」

希「穂乃果ちゃんは海未ちゃんにメロメロやしな」

穂乃果「ううーん、あったかーい」スリスリ

海未「くすぐったいですよ」フフッ

ことり「今度みんなでお祝いしようよ!」

絵里「いいわね」

ワイワイ

花陽「とりあえず落ち着いたからいいけど…」

真姫「うん」

花陽「私たち、どうやったら元に戻れるのかしら」

真姫「分からないよね、どうしよう」

希「入れ替わることが出来たんやから、元に戻る方法だって必ずあるはずや」

希「なんか、二人でやることをいろいろ試してみたら?」

花陽「いろいろって…」

真姫「例えば何をするの?」

希「えーっと…バレエとか?」

♪~

絵里「二人とも、ちゃんと音楽にあわせて」

まきぱな「は、はい!」

絵里「なんでまたバレエなんか?」

希「あー…ダンスで周りと合わせる練習をしたいんやって」

希(ってことにしとこ)

絵里「ふーん」

絵里「花陽、ちゃんと足を上げて!」

花陽「はい!」プルプル

絵里「もうちょっと上半身を反らして」

花陽「はいぃ」プルプル

希「ふぇ…」

絵里「真姫、あなたがちゃんと支えてないと花陽がバランスとれないわよ」

真姫「はい」プルプル

希「くしゅん!」

真姫「あ!」ヨロッ

花陽「きゃっ!」

ドターン!!

絵里「ハラショー」

希「バレエは無理があったかな」

希「次はシンクロやね」

花陽「はっ…ふっ…」バシャバシャ

真姫「あっぷ…ぷはっ…」ブクブク

穂乃果「真姫ちゃん大丈夫?」

真姫「身体が思うように浮き上がらない…」

花陽(別に私はカナヅチじゃないのにどうしてかしら?)

希(身体が入れ替わったから、動き辛いんかな?)

花陽(そういえば、水に浮かぶのが元の身体のときよりも楽な気が…!)

希(あ、花陽ちゃんの身体は、胸の脂肪で浮かんでるんか)

花陽「何よもーーーっ!!」ガクガク

真姫「え、何々!?やめてー!」タスケテー

穂乃果「?」

希「餅つきは?」

真姫「はい!」ペッタン

花陽「はい!」グシャ

真姫「はい!」ペッタン

花陽「はい!」グシャ

希「花陽ちゃんはへたっぴやね」

海未「ご飯といえば花陽ですが…」

海未「もち米を扱うは苦手なのでしょうか?」

希(まぁ、中身は料理なんかやったことのない真姫ちゃんやから仕方ないか)

海未「ちょっと交代してみて下さい」

花陽「よいしょ…あら?」ヨロッ

真姫「ひぃっ!花陽、危ない!」

花陽「何これ、力が入らな…」フラッ

海未「おっと」パシッ

花陽「海未ちゃん、あ、ありがと」

海未「すみません、無茶をさせてしまいましたね」

希(かよちんよりも真姫ちゃんの方が力が強いみたいやね)

にこ「はい!」ペッタン

穂乃果「よいしょ!」ペッタン

にこ「はい!」ペッタン

穂乃果「よいしょ!」ペッタン

希「上手いな」

海未「私も穂乃果と一緒にやりたい…」

希「お風呂で背中を洗いっこはどうかな」


~西木野家 浴室~

真姫「力加減はどう?」ゴシゴシ

花陽「うん、ちょうどいいよ」

花陽「って、こんなことやる意味あるの!?」

花陽「それにここのところ毎日やってるんだけど!」

真姫「そういえば」

希「へぇー、それは知らんかったな」

花陽「あ」カァァ

真姫「///」

希「いいやん」ゴシゴシ

凛「ずるいにゃー!凛も二人と洗いっこしたーい!」

希「少女マンガでよくある曲がり角でぶつかるやつをやってほしい」

花陽「なんでこんなこと」ブツブツ

真姫「痛くならように気をつけなきゃ」

希「あともうちょっとや」

真姫「あっ」コケッ

花陽「へ?」

ブッチューー!!

まきぱな「!!?」

希「あらあ」

真姫「ま、真姫ちゃんごめんね…大丈夫?///」

花陽「わ、わた、私は大丈夫よ!花陽は?///」

真姫「私も…大丈夫…///」

真姫「もしかして、は…初めてだった?///」

花陽「…ええ、まぁ///」

真姫「ごごご、ごめんなさい!」

花陽「いいわよ別に…それに相手が花陽ならその…嫌じゃないし///」クルクル

花陽「あなたこそどうなの?初めてだった?」

真姫「ううん、ち、違うから心配いらないよ」ユビコウサ

花陽「本当に?」ジー

真姫「うん…」

花陽「」ジー

真姫「…初めてだった///」

花陽「でしょー…じゃなくて、私こそごめん!」

真姫「ううん、そんな、私も真姫ちゃんで良かったっていうか…///」

真姫「それに今は身体が入れ替わってるから、お互い違う人とするよりも良かったんじゃないかな///」

花陽「そ、そうね、相手は自分ってことだからノーカウントよね///」

真姫「そうだよね///」

希「二人とも真っ赤っかや」

花陽「っ///」カァァ

真姫「…///」カァァ

希(いいもんが見れたな)

希「適当にいろいろ試したけど、どれも上手くいかんかったなぁ」

花陽「ちょっと、適当って」

希「こんなことはうちも初めてやから、手当たり次第やってみたんよ」

希「今のうちじゃあ力になれんかったってことや、かんにんしてな」

真姫「希ちゃんの力を借りても分からないなんて…」

花陽「そんな、他に何かないの!?」

希「いや、必ず元に戻れるはずや」

希「方法はうちが絶対に見つけておくから、二人は普段の生活を頑張ってな」

真姫「本当?」

花陽「信じていいのかしら?」

希「二人がうちを頼ってくれたんやもん、力になりたい」

真姫「希ちゃん…」

花陽「希…」

希「適当にいろいろ試したけど、どれも上手くいかんかったなぁ」

花陽「ちょっと、適当って」

希「こんなことはうちも初めてやから、手当たり次第やってみたんよ」

希「今のうちじゃあ力になれんかったってことや、かんにんしてな」

真姫「希ちゃんの力を借りても分からないなんて…」

花陽「そんな、他に何かないの!?」

希「いや、必ず元に戻れるはずや」

希「方法はうちが絶対に見つけておくから、二人は普段の生活を頑張ってな」

真姫「本当?」

花陽「信じていいのかしら?」

希「二人がうちを頼ってくれたんやもん、力になりたい」

真姫「希ちゃん…」

花陽「希…」

~音ノ木坂学院 図書館~

希「とはいったものの、二人の身体を入れ換える方法なんてそう簡単には…」

希「…」パラパラ

希「違うな」

希「何かおまじないとか、そういう類いのものを探してみるとか」ゴソゴソ

凛「あ、希ちゃん」

希「ああ凛ちゃん、どないしたん?」

凛「借りた本を返しに来たにゃー、希ちゃんは?」

希「ちょっと調べ事をな」

凛「ふーん…何この本?」パラパラ

凛「願い事を叶えてくれる神様?」

希「ああ、どんな願い事でも叶えてくれる神様の言い伝えやね」

凛「どんな願い事も!?」

希「そう、どんな願い事もな」

希「隣街の山奥に祭ってあるらしいんやけど、どこにあるのか分からない上に、道が険しくて危ない から、誰も行こうとしないんよね」

凛「なーんだ、何かお願い事しようと思ったのになー」

希「ふふっ」

希(さ、一刻も早く二人を戻す方法を見つけないと)

凛「かよちんありがとう!この間教えてもらったお陰で、英語の小テストが満点だったよ!」ニコッ

花陽「そ、そう?それは良かった…」クルクル

凛「?」

花陽「で、でも頑張ったのは凛ちゃんだし、そんなお礼を言われるなんてことは…」クルクルクル

凛「…」ジー

花陽「…何?」

凛(指で襟足をくるくるいじってる)

凛「真姫ちゃんみたいだね」

花陽「ヴェ!!?な、急にどうしたのー?私はかよちんだよ」アセアセ

凛「だよね、かよちんはかよちんだよね」

凛「…」

凛「ねぇ 真姫ちゃん、最近かよちんの様子が変だと思わない?」

真姫「エ゛ェ!?別にそんなことないと思うけど…」

凛「最近よく一緒にいたから、真姫ちゃんなら何か知ってるかと思ったんだけど」

凛「希ちゃんなら分かるかな?」

真姫「の、希も知らないと思うわよ」

凛「…真姫ちゃん、何か隠してない?」

真姫「エ゛ェッ!?な、何も隠してないよ…」ユビアワセ

凛「!!!??」

凛「今、嘘ついたよね…かよちん」

真姫「な、なんで嘘なんか」

凛「嘘つくときにそうやって指を合わせるのは、かよちんの癖だよ」

真姫「…」

凛「ねぇ、かよちんなんでしょ?」

花陽「もう隠すのは無理みたいね、全部話すわよ」

真姫「え」

凛「そっちのかよちん」

花陽「あなたの言う通り、そっちは真姫の姿をしているけど、本当は花陽なの」

花陽「そして私が真姫よ、私たちは訳あって入れ替わってしまったのよ」

真姫「凛ちゃん、隠しててごめんね」

凛「えぇーーーーーっ!!?」

~星空家~

凛「まさか二人がそんなことになってたなんて」

凛「しかも隠してたのは、凛に心配かけないため…」

凛「確かに心配はするけど、凛も何か力になりたいよ」

凛「友達なんだから」

凛「でも、希ちゃんでも分からなかったことを、凛がなんとか出来る訳が…」

希『どんな願い事でも叶えてくれる神様の言い伝えやね』

凛「隣街の山奥…これだにゃ!」

凛「すぐに希ちゃんたちに連絡して…」

希『どこにあるのか分からない上に、道が険しくて危ないから、誰も行こうとしないんよね』

凛「心配かけちゃうかな…」

凛「よーし!凛が一人で行って、かよちんと真姫ちゃんが元に戻れるようにお願いしてこよう!」

凛「二人をびっくりさせちゃうぞ!」

希「っ!もしかして…」

真姫「希?」

希「真姫ちゃん、かよちん、二人のことをみんなに話すよ」

真姫「え!?」

花陽「ちょっと何言って」

希「うちの予想が正しければ、凛ちゃんが危ないかもしれん」

希「これは二人にも関係していることや」

まきぱな「!?」

真姫「希ちゃんが言うなら」

花陽「そうね、お願いするわ」

希「みんな聞いて!話がある!」

あ、投稿ミスった申し訳。
>>107はスルーでお願いします。

>>106の次

絵里「みんな、大変よ!凛が行方不明になったって!」

一同「えぇーーーっ!?」

真姫「なんで…」

花陽「どういうこと!?」

穂乃果「どうして凛ちゃんが!?」

にこ「なんで行方不明になるのよ!?」

ことり「いついなくなったの?」

海未「お、落ち着いて下さい!慌てても何も」

希「そうや!慌てても何もならんよ」

希「えりち、詳しく説明してや」

絵里「昨日の夕方にはもう出掛けてたみたいで、遅くなって携帯にかけても通じず、結局朝になっても帰って来なかったって親御さんから学校に連絡が来たそうよ」

にこ「出掛けてって、どこに?」

絵里「それが全く誰も分からないみたいで」

希「っ!もしかして…」

真姫「希?」

希「真姫ちゃん、かよちん、二人のことをみんなに話すよ」

真姫「え!?」

花陽「ちょっと何言って」

希「うちの予想が正しければ、凛ちゃんが危ないかもしれん」

希「これは二人にも関係していることや」

まきぱな「!?」

真姫「希ちゃんが言うなら」

花陽「そうね、お願いするわ」

希「みんな聞いて!話がある!」

ことり「えぇー!?入れ替わっちゃったの!?」

海未「つまり、真姫が花陽で花陽が真姫で…」

穂乃果「もう訳が分からなくなってきた」

にこ「なんでそんな大事なことを今まで黙ってたのよ!」

真姫「ごめんなさい…」

花陽「…」

絵里「やめなさいにこ、気持ちは分かるけど今はそれどころじゃないわ」

にこ「そ、そうね、凛を探さないと」

ことり「隣街の山奥…」

絵里「遭難してるかもしれないわね」

海未「でも私たちが行くのは危険なのでは!?」

穂乃果「例え危険な場所だったとしても、凛ちゃんが危ないかもしれないんだからじっとしてられないよ!」

理事長「待ちなさい」

絵里「理事長!」

理事長「話は聞かせてもらいました」

にこ「盗み聞き?」

理事長「星空さんの捜索は、警察の方たちに任せます」

ことり「待ってお母さん!凛ちゃんは大切な友達なんだよ!」

花陽「私たちも出来ることはしたいんです!」

理事長「あなたたちも我が校の大切な生徒です」

理事長「生徒たちを危険な目に合わせるわけにはいきません」

海未「そんな!」

希「警察の人が一緒なら大丈夫なんじゃないですか?」

理事長「認められません」

穂乃果「でも!」

理事長「星空さんのことは私たちに任せて、早く帰りなさい」

絵里「…分かりました」

にこ「ちょっと絵里ちゃん!何言って」

絵里「みんな、理事長の言う通り、今日はもう帰るわよ」

花陽「自分が何を言ってるのか分かってるの!?」

理事長「じゃあ絢瀬さん、皆さんのことよろしくお願いしますね」

絵里「はい」

ことり「そんなぁ」

海未「絵里…」

希「…」

穂乃果「絵里ちゃん、どうしてあんなことを言っちゃったの!?」

海未「気持ちは分かります、でも絵里は凛を助けたいとは思わないのですか!?」

絵里「…」

にこ「さっきから黙ってないで、なんとか言いなさいよ!」

花陽「っていうかこれ、どこに向かってる訳?絵里の家はあっちでしょ」

絵里「…駅よ」

一同「!?」

希「そろそろいいか」

真姫「え、それってどういう…」

絵里「私だって凛を助けに行きたいわよ!」

ほのうみことにこ「!」

花陽「もしかして 絵里は…」

希「えりちは理事長を納得させるために、みんなを連れて帰るふりをしてたんよ」

穂乃果「えっ!そうなの!?」

絵里「流石は希ね、全部お見通しじゃない」

海未「敵を欺くにはまず味方から…ですか」

にこ「やってくれるじゃない」

ことり「お母さんは敵じゃないよぉ!」

海未「わ、分かってます!言葉のあやですよ!」アセアセ

花陽「まったく…」

真姫「良かったぁ」

絵里「さぁ、事態は一刻を争うわ!急ぐわよ!」

一同「おー!!」

希「みんな気をつけて歩いてな」

にこ「何よこれ、崖と坂道ばっかりじゃない」

真姫「わ、危ない」ヨロ

花陽「おっと、大丈夫?」

真姫「うん、ありがとう」

絵里「落ちたらひとたまりもないわね」

海未「何か落ちていますね」ヒョイ

穂乃果「ハンカチ?」

真姫「それは!凛ちゃんの…」

花陽「あ、本当ね」

にこ「ってことはやっぱり凛は…」

希「この山で迷子になってるのかもな」

~一時間後~

絵里「凛は一体どこなの!?」

穂乃果「全然見つからないよ」

にこ「ねぇ、もしかして凛は」

希「にこっち!それは言ったらダメや!」

真姫「凛ちゃん…」

花陽「花陽、大丈夫よ、凛ならきっと」

真姫「うわーん!」ダッ

花陽「あ、ちょっと待ちなさい!」

穂乃果「あ、二人とも!」

ことり「走ったら危ないよ!」

絵里「見失ったわ…」

海未「こんなところで別行動は危険です、凛に続いて二人までいなくなっては…」

希(うちのせいや、うちがこの場合を教えたばっかりに)

花陽「花陽!待ちなさい!」

真姫「凛ちゃん!うわーん!」ポロポロ

花陽「しっかりして!私たちが凛を見つけなきゃならないのに、あなたが取り乱してどうするの!」

真姫「うん、でも…」グスッ

花陽「きっと大丈夫、希望を捨ててはいけないわ」

真姫「…うん、そうだよね…私たちが…あれ?」

花陽「あ、みんなとはぐれてしまったわね」

花陽「っていうか、どこよここ?」

真姫「どうしよう、私たちまで迷子に…」

\ピカー/

花陽「何!?何か光って」

真姫「祠?何かの神様を祭ってあるんじゃ…」

まきぱな「!?」

真姫「もしかしてこれって」

花陽「希の言っていた、願いを叶えてくれる神様よ!」

真姫「やった!これで元に戻れる!」

花陽「…」

真姫「…」

花陽「違うわ」

真姫「今お願いするべきことは」

花陽「…」

真姫「…」

花陽「神様お願いします、凛を見つけて下さい!」

真姫「神様お願いします、凛ちゃんを見つけて下さい!」

ーーー
ーー

凛「…うーん」

凛「ハッ!ここは!?」キョロキョロ

凛「そうか、あのとき気を失って…」

凛「一応助かったみたいだね」

凛「早くお願いを聞いてもらわなきゃ!」ギシッ

凛「…」

凛「崖から伸びた枝に、リュックが引っ掛かってる」

なぜこうなったのか、数時間前…


凛「道が険しくて危ないよー」

凛「でも、かよちんと真姫ちゃんのためならこれくらい…」

凛「神様っ上の方にいるのかな?」

凛「ならこの崖を登っていけば、早く見つけられるかも」ガシッ

凛「うにゃー!」ヨジヨジ

ガラガラ…

凛「へ?」

\ドドドド/

凛「崖崩れ!?」

凛「にゃああああああああああああ!!!」

ガラガラガラ…

凛「崖から転げ落ちたときに、リュックがこの枝に引っ掛かって助かったんだ」

凛「枝が折れたら凛はまっ逆さまにゃ」

凛「あんまり丈夫そうには見えないし」

凛「手を伸ばしても崖には届きそうにない」

凛「ヤバイにゃ…」

凛「誰か助けてーー!!」

\ダレカタスケテェーー!!/

花陽「今のは!?」

真姫「凛ちゃんの声だよ!」

花陽「あっちから聞こえたわ!」

真姫「早く行こう!」

花陽「ええ!」

花陽「いた!」

真姫「凛ちゃん!」

凛「真姫ちゃん!かよちん!」

花陽「なんでこんなところに?」

凛「話せば長くなるにゃー」

真姫「枝もすぐに折れそうだし、このままだと危ないよ!」

花陽「花陽、私の足を押さえてて」

真姫「え?」

花陽「私が乗り出して、凛を引っ張り上げるわ」

花陽「だから、押さえるのは任せるわ」

真姫「そんな、危ないよ」

花陽「周りに役に立ちそうな物は何もないし、助ける方法はこれくらいしか思いつかないわ」

真姫「でもそれじゃあ真姫ちゃんが…」

花陽「花陽の力じゃ私の身体は支えられないわ、だから今は私がいく」

真姫「…そうだね、分かった!」

真姫「いくよ」

花陽「ええ、ゆっくりお願い」

花陽「凛!手を伸ばして!」

凛「かよちん!じゃなくて真姫ちゃん!」

花陽「さぁ、早く!」

凛「うん!」パシッ

花陽「花陽、引き上げて!」

真姫「う…重い…」グググ

花陽「しまった…引き上げるときは凛がいる分重くなるわ…」

凛「え!?」

ミシミシ…バキッ

花陽「枝が、きゃー!」ズルッ

凛「にゃー!」

真姫「うわー!」

ガクンッ

花陽「っ」プラーン

凛「ひえぇ」プラーン

真姫「うぅ…足が引っ掛かって…助かった…」プルプル

花陽「花陽!絶対に手を離しちゃダメよ!」

凛「かよちん!頑張って!」

真姫「も…もう…足が…」ズルズル

花陽「ずり落ちてるわ!花陽!しっかり!」

凛「かよちん!頑張って!」

真姫「もう…ダメ…」ズルー

花陽「花陽ー!」

凛「かよちーん!」

パシッ

真姫「!?」

希「待たせてごめんな、もう大丈夫や!」

ことり「助けに来たよ!」

真姫「希ちゃん、ことりちゃん」

花陽「みんな!?」

凛「来てくれたの!?」

穂乃果「よし、ロープオッケーだよ!」

絵里「ありがと、じゃあ降りるわよ!」

海未「ロープを身体に巻きつけて命綱代わりにし、自ら降りて凛を救助する作戦とは考えましたね」

穂乃果「ほんと、レスキュー隊みたいでカッコいいね!」

にこ「穂乃果!あんた見てないで手伝いなさいよ!」

穂乃果「あ、ご めーん!」

絵里「凛、もう大丈夫よ」

凛「絵里ちゃん!」ダキッ

花陽「絵里!」

絵里「しっかり捕まっててね」

絵里「いいわ、引き上げて!」

ほのうみにこ「せーの!」グイー

希「さ、こっちもいくよ」

ことり「うん」

ズルズル

真姫「みんな、ありがとう」

花陽「た、助かったわ…」

希「言ったやろ、力になりたいって」

花陽「物理的に力になってくれた訳ね」

ことり「まあまあ」

真姫「あはは」

花陽「凛!どうして勝手なことをしたの!」

穂乃果「花陽ちゃん、そんな言い方しなくても」

花陽「花陽じゃなくて真姫よ!」キッ

穂乃果「あ、ご、ごめん!」

凛「二人の役に立ちたかったにゃ」

花陽「意味分かんない」

海未「はな…ではなくて真姫、今はそんな話をしている場合では」

凛「二人は凛に心配をかけないために、入れ替わったことを黙ってたんだよね」

真姫「うん、まあ」

凛「だから、凛も心配かけないように一人で来て、二人をびっくりさせようと」

花陽「バカ!」パシン

凛「いたっ!」

真姫「真姫ちゃん…!」

にこ「ちょっと」

花陽「それであなたが危険な目にあってたら隠してる意味ないでしょ!私たちまで死ぬかもしれなかったのよ!!」

絵里「真姫、やめなさい!」

凛「うっ…ひぐっ…」ポロポロ

ことり「あぁ」オロオロ

凛「大事な…友達だから…」グスッ

凛「頼ってほしかった…凛だって力になりたかった…」

真姫「凛ちゃん…」

凛「だから…」グスッ

花陽「もういいわ」

凛「…?」

花陽「あなたがとっても優しくて、仲間想いなのはみんながよく知ってる」

真姫「うん、そ、そうだよ…」

花陽「だからこそ心配かけたくなかったの」

花陽「こういう結果になってしまってごめんなさい」

真姫「黙っててごめんね」

凛「ううん、凛もごめんなさい」

海未「非なら私たちにもあります」

真姫「海未ちゃん?」

穂乃果「凛ちゃんはね、最初に私たちのところに相談しに来たんだよ」

海未「真姫と花陽の様子がおかしいとね」

花陽「そうだったの」

穂乃果「そこで私たちは気づけなかった」

にこ「あたしも少し穂乃果から話を聞いたわ」

にこ「心配することはないと思っちゃった」

希「うちだって凛ちゃんにこの場所を教えてしまった」

ことり「私なんか何も出来なかった」

絵里「もう止めましょ」

絵里「これはみんなの責任、凛たちにも気づけなかった私たちにも非があると思うわ」

絵里「仲間なら当然よ」

凛「…うん、ありがとう」

絵里「なんにしても凛が無事で良かったわ」

真姫「あれ、こっちじゃない…」

花陽「おかしいわね」キョロキョロ

にこ「ねぇ、本当に祠なんてあったの?夢でも見てたんじゃない?」

花陽「本当にあったから言ってるんでしょ!」

穂乃果「場所が分からないんじゃあしょうがないよね」

海未「うーん」

凛「凛は信じるよ!」

真姫「凛ちゃん」

凛「気を失ってるとき、二人の声が聞こえたんだ」

凛「あとなんか光ってたような」

花陽「そういえば祠は光ってたわね」

ことり「少し暗くなってきたし、光ってたらすぐに分かると思うなぁ」

真姫「確かに…」

希「もしかしたら、そこはこの山じゃなかったのかもしれんな」

にこ「は?」

希「願いを叶える必要がある人だけが行くことが出来る場所、会える神様」

希「真姫ちゃんとかよちんの『凛ちゃんを助けたい』っていう強い気持ちが、祠の場所まで導いてくれたのかもな」

絵里「つまり?」

希「スピリチュアルやね」

一同「…」

~山の麓~

絵里「理事長!」

理事長「星空さん、無事だったみたいね」

凛ママ「凛!」

凛パパ「良かった、無事で良かった!」

凛姉1「ケガはない?」

凛姉2「心配したんだよ!」

凛「ただいま…心配かけてごめんなさい…」ポロポロ

にこ「星空家総出のお迎えね」

穂乃果「感動の再会だね」ジーン

海未「少し違うと思います」

凛「じゃあ凛は念のため、病院に行ってから帰るね」

真姫「うん、なんともないといいね」

花陽「見たところ大丈夫そうだけど」

凛「真姫ちゃんが言うなら心配いらないよね」

真姫「そうだよね」

花陽「な、何よ」

星空一家「本当に、ありがとうございました」

海未「い、いえ私たちは何も」

凛「ばいばーい」

ピーポーピーポー

絵里「理事長、勝手な行動をとってすみませんでした」

一同「すみませんでした!」

ことり「ごめんなさい」

理事長「あなたたちならきっと来ると思いました」

一同「!?」

理事長「厳重注意です」

理事長「お友達を探すためとはいえ、もうこんな危険なところに来てはいけませんよ」

一同「はい!」

理事長「本当に、皆さんが無事で良かった」

理事長「私の願いは叶いましたよ」ボソッ

希「?」

希「まさか理事長は!」

理事長「」スタスタ

花陽「凛が無事で良かったわね」

真姫「うん、本当に良かった」

花陽「今日はすごく疲れたわ」

真姫「そうだねー」

花陽「今日はどっちの家にする?」

真姫「昨日はうちだったから、今日は真姫ちゃん家でいい?」

花陽「いいわよ」

花陽「それじゃあそろそろ」

ズルッ

花陽「あっ」

真姫「真姫ちゃん、危ない!」ガシッ

まきぱな「きゃーー!!」ゴロゴロ

花陽「いたたた…」

真姫「いったー、花陽大丈夫?」

花陽「うん、真姫ちゃんは…」

まきぱな「!?」

真姫「私が真姫で」

花陽「私が花陽」

真姫「これって」

花陽「そうだよ、元に戻れたんだよ!」

まきぱな「やったーー!」ダキッ

真姫「やっと戻れたのね」

花陽「良かった、良かったよ」ポロポロ

真姫「もー、泣かないの」ナデナデ

花陽「ごめん、嬉しくて」グスッ

花陽「もう戻れないかもって思ったし」

真姫「そうね、でもこうして戻れたんだから」

花陽「うん!みんなにも教えなきゃ!」

花陽「落ち着いたらお腹空いちゃった」グー

真姫「私も」グー

花陽「じゃあ私はそろそろ帰るね」

真姫「え、うちに泊まってくんじゃなかったの?」

花陽「お互いをフォローするためにだったから」

花陽「元に戻れたし、もうお泊まりする理由がなくなっちゃったよね」

真姫「別に泊まってくぐらいいいじゃない」

花陽「え」

真姫「友達なんだし…」

真姫「嫌だったら別にいいけど」

花陽「ううん、嫌じゃないよ」

花陽「いいの?」

真姫「そう言ってるじゃない」

花陽「ありがとう、お世話になります」ニコッ

真姫「何よ、改まっちゃって///」プイッ

~次の日~

真姫「いい天気ね」

花陽「うん、どこかお散歩に行きたいね」

凛「おーい!かよちーん!真姫ちゃーん!」タタタ

真姫「凛!?」

花陽「凛ちゃん!昨日は大丈夫だったの?」

凛「うん、軽いかすり傷だけだったから心配いらないよ!」

花陽「良かったぁ」

真姫「まったく…」ホッ

凛「ところで、今日はコンタクトだね」

花陽「うん、この方が動きやすいし」

真姫「かわいい」

凛「眼鏡じゃないかよちんも好きにゃー」ダキッ

花陽「あはは、くすぐったーい」

凛「真姫ちゃんも好きにゃー!」ダキッ

真姫「きゃ!ちょっと!」

凛「ふふーん」パッ

まきぱな「?」

凛「二人ともいつも通りだね」

花陽「うん」

真姫「当たり前でしょ」

凛「さ、そろそろ学校に行かないと遅刻しちゃうよ、行こう!」ダッ

真姫「あ、ちょっと凛!」

花陽「待ってー!」

凛「競争だー!」



END

以上になります。
ちょっと時間はかかりましたが、無事に終わらせることが出来て良かった。
読んで下さったみなさん、本当にありがとうございました。

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