【咲-Saki-】淡「白糸台さいこー!」【白糸台】 (13)




菫「どうだ誠子、最近困ったことはあるか?」ズズズ


誠子「そうですね…。強いて言うならまだ部長に名前で呼ばれることに慣れないことでしょうか」ズズズ


菫「なら特に問題はないな」


誠子「まぁそうですかね」


菫「それにしても大会が終わってもう1週間か……。時間が流れるのは早いものだな」


誠子「お年寄りみたいな発言ですね」


菫「誰がババァだ。シバくぞ」


誠子「オブラートに包んで言ったのに……」


菫「ふん。で、誠子は今回の大会を通してどう思った。なんだかんだで個人団体共に3連覇を果たしたわけだが」


誠子「良くも悪くも照先輩と淡中心のチームだった、ですかね」


菫「なるほどな。それに関しては私も同じだ。準決勝では照、決勝では淡に大きく助けられた」


誠子「なんというか、完全に私達足手まといでしたよね」


菫「強い選手は先鋒と大将に集まるというのにな」


誠子「部長はどうですか。大会が終わって何か思ったことは」


菫「部長として不甲斐ないばかりだったとか挙げればキリはないが、一番思ったことは『淡の表情に笑顔が加わったことが本当に良かった』だろうな」


誠子「表向きの目標が白糸台3連覇だとしたら、私達が頑張ってきたこの4、5ヶ月のもう一つの目的はそれでしたもんね」




淡『たかみー、お茶ちょうだ~い』


尭深『うん、今注ぐから待っててね』


淡『は~い』






菫「……本当にあいつも変わったな」








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・白糸台ss


・ほのぼの系


・微百合……かも?



あまりオチとか考えないので以上含め苦手な人バック推奨




~4月~



照「今日皆を呼んだのは他でもない。私とチームを組んで欲しい」


誠子「私達…ですか?」


菫「私は去年から一緒だったし別に構わんが……」


尭深「私と誠子ちゃんでいいんですか……?」


誠子「正直、宮永先輩の実力を考えるとどう考えても足手まといにしかなりませんよ……?」


照「そんなことない。ここに呼んだのは私が一緒にチームとして戦いたいと思ったメンバー。だけど、イヤなら正直に言って欲しい。無理強いはしたくないから」


誠子「………いえ、是非ともよろしくお願いします。宮永先輩の下で麻雀が出来るなんてこんな経験他にないですから」


尭深「えっと…本当に迷惑でないなら私も……」


照「よかった…。断られたらどうしようかと思ってた……」


菫「それにしてもなんで4人なんだ?あと一人はどうした。まだ決めてないのか?」


照「ううん。もう決まってるよ。淡、入ってきて」



ガチャ



淡「………」


誠子「君は…一年生の子だよね」


照「そうだよ。ほら淡、自己紹介」


淡「大星淡……です。よろしくお願いします……」




~~~~~~~~~~







誠子「今考えてみても凄い変化ですよね。最初は何も話さないで照先輩の後ろをついてまわってたんですから」


菫「淡が中学生の時から照は目をつけていたらしくてな。生憎中総体には出てなかったらしく、学校の推薦枠で引き抜くことが出来なかったから照が淡に白糸台に入学して欲しいと直談判したみたいなんだ」


誠子「牌に愛された子故の悩み……でしたっけ」


菫「淡が入部して少し経ってから照が話していたあれか。周りの人間に避けられるとかいう」


誠子「正直私には全く意味が分かりませんでしたけど、部長は照先輩を見てたからその意味が分かってたんですよね?」


菫「まぁな。あいつ、入学直後に麻雀部で早々に暴走してな。すぐに周りから避けられていたよ」


誠子「確か2年3年問わずボコボコにしたんでしたよね。でも部長は気にせず照先輩と仲良くしてたとか」


菫「単純に興味があったってのもある。あんな麻雀みたことない、もっと近くで見てみたい、ってな。けどどこか照の表情を見てると放っておけなくてな。こいつには誰かがついてなくちゃいけないって」


誠子「凄いですよね。それで照先輩が救われて、自分と似た雰囲気を感じた淡をうちに入れることになったんですから」


菫「私自身たいしたことをしたなんて思ってないさ。私だって照に助けられている。麻雀の面以外でも、数えきれないくらいにな」


誠子「でもその辺り、部長になった器だと思いますよ」


菫「けどそれを言えばお前も一緒だ。淡があそこまで良くなったのはお前のお陰が大きいと思うぞ」


誠子「そうですかね?」


菫「あぁ。黙ってて無口な淡に積極的に話しかけて、心を開いたと思えばワガママばかりの淡に先輩らしく適切に対応していた」




誠子「先輩らしくって…。ただある程度ワガママを聞き入れながらあまりにも酷いなって時に怒ってただけですよ?」


菫「それが先輩らしく適切だと言っているんだ。甘すぎるわけでもなく、厳しすぎるわけでもない。あの時の淡にとって一番必要な人だよ」


誠子「では部長のお言葉ということで有難く受けとっておきます」


菫「そうしておけ。後、チーム虎姫のことだが……」


誠子「チーム編成は4月だからそれまでに目ぼしい人を探さないと」


菫「そうだ。私も照も卒業ギリギリまで部活には顔を出すつもりだ。だが来年の4月からは2人入れないといけない。当然、淡に対して理解のある人間だ」


誠子「一応1年生に目ぼしい子が1人。後一人はもう1人1年生を入れるか、来年の新入生を考えてます」


菫「……2年にはいないのか?」


誠子「これから各チームで引っ張っていく子ばかりですからね…。うちを睨んでる子が多いのは仕方ないですよ。それに来年度私達が卒業するのも見込んでの編成にしようかと。淡にとってこれ以上先輩が増えるのはあまり良いことではないような気がしますし」


菫「ふむ。なるほどな。しかしながら誠子はやっぱり部長に向いていると思う。推薦を押しきれなかったのが残念で仕方がない……」


誠子「あはは…。顧問の独断で別チームの子になりましたもんね。仕方ないですよ。私は大会であんな醜態晒しちゃいましたし……」


菫「それを部長云々に加味するのはどうかと思うが、3連覇でマスコミの注目度も高い。評価されるのは仕方ないというところか」


誠子「それよりもこれからの予定ですよ。残り8ヶ月もないんですよ?その間にもっと思い出作っちゃいましょ」


菫「それもそうだな。淡!夏休みの虎姫の皆で行く旅行についてなんだがどこに行きたい?」


淡「旅行!?やたっ!えっとねえっとね、皆と行くならね~……」














ガチャ


照「やっと解放された……」


尭深「あ、照先輩こんにちは。お疲れ様です。今お茶注ぎますね」


照「ありがとう。……羊羹も付けてくれると嬉しいかな」


尭深「ふふっ。買ってありますよ。一緒に出しますね」


照「助かる」


尭深「いえいえ。それより職員室に寄ってたみたいですけど進路のお話ですか?」


照「うん。プロからのスカウトの話。私はいかないって言ってるんだけど……」


尭深「プロ行かないんですね。大学でもうちょっと経験を積みたいとか?」


照「それもあるけど……一番はまだ菫と一緒に過ごしていたいってことかな」


尭深「なるほど。部長、大学進学希望でしたもんね。あ、これお茶と羊羹です」


照「ありがとう。私は菫のおかげで人と関わることの楽しさを教えてもらった。でもそれもたったの3年だけだからもっと菫と楽しいことして過ごしたい」


尭深「愛されてますね、部長は」





照「この3年間ずっと側で見守ってくれた人だから。で、その菫達は3人で集まってるけどあそこで何をしてるの?」


尭深「今度の優勝旅行でどこに行こうか決めてるんですよ」


照「そっか。もうそろそろ決めなきゃいけないもんね」


菫「おっ、来てたのか照。お前はどこがいい?ある程度候補は出したんだが……」


照「その候補を教えてくれない?」


菫「食旅行なら北海道、大阪、福岡。パワースポットめぐりなら奈良、鹿児島ってところだな。あまり忙しく遊ぶっていうのは好きじゃないだろ」


照「皆で行ったら楽しいだろうけどね。でも今回の旅行はのんびりしたいからそっちの方がいいな。菫達はどこがいいの?」


菫「一昨年が大阪、去年は北海道に行ってるからな。今年はそこ以外がいいというのが正直な意見だ」


淡「私は福岡!豚骨らーめん食べたい!」


尭深「私はどこでも構いませんよ。皆に合わせます」


誠子「私も。候補に上げたところはどこも行ってみたいところばかりですし」


照「そっか。じゃあ淡が行きたいって言った福岡にしよう」


淡「ほんとっ!?やったー!福岡だーー!」


菫「ほらほら。あまり騒ぎすぎるなよ淡」


誠子「まだ旅行まで時間はあるからな~」


淡「むふー!それでも楽しみなものは楽しみなの!せーこっ、今週の日曜日旅行に必要な物買いにいこうよっ!」


誠子「へいへい。了解しましたよ」


尭深「あまりはしゃぎすぎて病気にならないようにしないとね」クスクス


照「シャレにならないからね」


淡「はーい!」



某デパート


誠子「えっと…旅行用洗顔剤にハブラシ……アメニティグッズは置いてある所に泊まるつもりだけど淡はどうする?」ヒョイヒョイ


淡「誠子と同じの買う~」


誠子「何故にまた……ま、いいか。同じのな」ヒョイ


淡「あわ~……それにしても広いね~、ここ」キョロキョロ


誠子「都心のデパートだしこんなもんじゃないか?」


淡「そんなものなの?」


誠子「多分な。私は小さい頃からよく来てるから分からないよ」


淡「こんなに大きなお店初めて来たよ。誠子はここにはお母さんとかと来るの?」


誠子「ん~、最近はあんまりないかな。尭深とか照先輩とか部長とか、後はクラスの友達なんかと来ることが多いかも」


淡「え~!?照達とも来てたの!?なにそれずっこい!」


誠子「そんなこと言われてもな……。今度から淡も誘ってやるから」


淡「む~。絶対だからね!」


誠子「絶対な。約束するよ」


淡「次置いて行ったら怒…あわっ!?」ドンッ


通行人「あ、すみません」


淡「こ、こちらこそ……」


誠子「ふらふらしながら歩いてるからぶつかるんだ。ほら、誘導してやるから」スッ


淡「ん……ありがと」ギュー


誠子「どういたしまして。後はブレスケアか。よし、日用品はこんなものでいいかな。これ会計して次は洋服買いに行くぞ」スタスタ


淡「お~」テクテク

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