主人公「ミセリア・ミシーレ《不幸弾》」 敵「グアアアア!」 (6)

敵「な、なんだそれは…」

主人公「説明しよう。自分に訪れた不幸を体に蓄積させ一気に銃弾《ビーム》へと変換させ放出する…つーのが不幸弾だ」

敵「クッ…そんな能力があったとは信じられん!だがしかし!避けられぬスピードではない…。タネが分かれば恐るに足らず」

主人公「まぁ、不幸弾を加速させることも出来なくはないけど…一気に不幸度使っちまうんだよな…本当めんどくせー能力だよ」

敵「どうした…!もう終わりか?確かに面白い能力ではあるが見かけ倒しだな。次はこちらから行かせてもらう!」

主人公「えーとっ…?今放出した不幸は30%だから残りは70%か。おいアンタ、後70%耐えきれば勝てるぞ。俺は不幸度がなくなりゃ普通の人間と大差ねえからな」

敵「射け!サーマルガン!」

主人公「さすがにその厄介な光線見飽きたけど、避けられるスピードじゃねぇ…クソッ!!!」

ドガガガガーン!!!

敵「フッ爆発により散ったか…。少しは楽しめると思ったが呆気なかったな」

主人公「だれが散ったって?こっちのセリフだっつの!」

敵「き、貴様!いつの間に背後に…!それになんだ?その白く染まった髪と体を包む白くオーラは!?」

主人公「烈・ミセリア・クエルポ《不幸体》って名付けたんだけどダサいか?さっきは掌に収集させてクエルポ放ったけど今度は体全体に放出させたんだ」

主人公「ただ、この不幸体モードは一気に不幸度を放出しちまうから身体能力を大幅に上昇させる代わりに短時間しか戦えねぇんだ」

主人公「しかもその後にいつもよりキツイ不幸がくるから使うの嫌なんだよ」

敵「クソ!サーマル――」

主人公「効かねえってば!このオーラはバリアにもなってるから並大抵の能力じゃ貫通出来ねぇよ。残念だったな」

主人公「喰らえ!ミセリア・パルマ!《不幸拳》」


敵「くそ…貴様さえいなければあの小娘を捕獲出来たと言うのに…」ッ

主人公「あんたにも守りたい物があるのは分かるよ。だけど自分の気持ちに反して悪に走るなんてそんなの全然嬉しくないだろ!胸が傷まなかったか?悲しくなかったか?その人に申し訳ないとは思えなかったのか?」

主人公「その守りたい人だって、こんな真似されて嬉しいわけないだろ!ならいったい誰が得すんだっ!あんたはだって一生その重みを背負って生きていかなきゃいけねぇのに誰が助かるんだ!」

主人公「それはいけないことなんだ!誰かを犠牲にして得た幸せなんて決して長続きはしないんだ…!偽物に過ぎないんだよ!」

敵「く…お前に…は…」バタッ


主人公「ハァハァ…フゥ…疲れた。この能力相変わらずリスク高すぎんぞ…!」

ヒロイン「だ、大丈夫?怪我なかった主人公?」

主人公「おいコラ…疫病神…お前いったい何回襲われれば気が済むんだよ」

ヒロイン「あ、あたしが頼んで襲われてる訳じゃないし…ってか疫病神ってなによ!」

主人公「疫病神じゃねーか…お前の側にいる時に限って必ず不幸が訪れるんだけど確実にお前に原因あるよね?」

ヒロイン「仕方ないじゃん。あたしは多少なり幸運に恵まれてるし…だから助けられるんだけど」

主人公「それで俺は不幸だからお前の幸運にひきづられるのね。はいはい運命共同体運命共同体」

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