小鞠「逆転びより」 (205)

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■12月20日 午後9時05分 晴れ


???「こ、これは…脱ぎたての小鞠パンツ!その名もこまパン!」

???「やっぱり脱衣所は天国だよぉ~」

???「後はカメラも設置して……えへっえへっ」

■12月22日 午前9時55分
田舎裁判所 第1控え室


小鞠「開廷まであと5分…うぅ…緊張する…」

一穂「緊張?弁護士のこまちゃんが緊張したらだめだよ?」

小鞠「かず姉…じゃなくて所長!来てくれたんですか!」

一穂「もちろん、こまちゃんは初めての弁護だからねー」

一穂「れんちょんが、ばっちりみっちりアシストしてくれるからね」

れんげ「ウチ!?ウチはアシストマンですか!?」

一穂「あははは。そうだよー」

小鞠「え?かず姉じゃなくて?」

れんげ「ウチ!ウチに任せるん!」

小鞠「…うぅ…胃が痛くなってきた…」



小鞠「ところで、今日の裁判に関して何も聞かされてないんですけど…」

一穂「ああ、忘れてた。それを届けに来たんだった…えーと…はい」

証拠品 メモを手に入れた


小鞠「えーと…『こまちゃんパンツ連続盗難事件!?』」

小鞠「って、何ですかこれ!私知らないんですけど!」

一穂「だから、今言ったでしょー?」

小鞠「いやいやいやいや!って!被告人は『兄』!?」

小鞠「って、お兄ちゃんが弁護を依頼してきたの!?」

一穂「いやはや、兄を助けるために妹が頑張るって感動するよね~」

小鞠「なにやってんの…お兄ちゃん…」

兄「…」

小鞠「てっきり応援に来てくれたと思ってたのに…」

兄「」

小鞠「え?俺はやってない?知ってるよ。お兄ちゃんがそんな事をするはずないよね」

兄「」ウン

小鞠「うーん、ということは真犯人が別に…」

小鞠(というか、担当する検事は…『一条 蛍』か…)

小鞠(小学5年生の最年少天才検事…)

小鞠(今まで無敗の伝説を持っているらしい)


小鞠(検事局きっての天才検事と言われてるけど)

小鞠(パンツの為なら何でもやるという黒いうわさもある)

兄「…」

一穂「」Zzzzz

れんげ「お腹減ったん」

小鞠(こんな状況で勝てるのかな…)

■12月22日 午前10時00分
田舎裁判所 第1法廷


裁判長(サイバンチョ)「それでは法廷を開廷します」

裁判長「弁護側、検察側、準備はよろしいですか?」

蛍「キャーセンパイ!!弁護士になったんですね!素敵です!」

小鞠(うぅ…恥ずかしい…)

ザワザワ

カンカン!

裁判長「静粛に静粛に」

裁判長「蛍検事、小鞠弁護士とはお知り合いで?」

蛍「はい!将来を誓い合った仲でして!」

小鞠「してない!してないから!」

蛍「センパイったら照れちゃって可愛いですよ?」

小鞠「なっ!?」

裁判長「ほほう。最近の若者は女性同士で…進んでますなぁ~」

ザワザワザワザワザワザワ
ザワザワザワザワザワザワ

小鞠(うぅ…恥ずかしい)

カンカン!

裁判長「では改めて、弁護側、検察側、準備はよろしいですか?」

蛍「検察側、準備完了しております」

小鞠「べ、弁護側も準備完了しております」

裁判長「確か小鞠弁護士は今日が初めてで?」

小鞠「は、はい!頑張ります!」


裁判長「ふふっ。初めてというものは初々しいですな。私も初めての時は」

蛍「裁判長!」

裁判長「どうかしましたかな?蛍検事」

蛍「この法廷、5分以内に終わらすことを宣言します!」

裁判長「おぉ!さすがは一条蛍検事!」

蛍「残った時間はお食事に行きましょうね。センパイ♪」

小鞠「いや、そういうノリはもうマジでいいから、本当に真面目にやらないと絶交するよ?」

蛍「うぅ…はい…」

裁判長「では、蛍検事。冒頭弁論をお願いします。」

蛍「被告人、お義兄さんは、とても晴れた事件当日、小鞠センパイが入浴中の脱衣所にいました」

蛍「その時に問題の被害者…越谷小鞠さんのパンツを盗んだと考えられます…羨ましい話です」

蛍「ちなみに部外者の可能性はありません。家の周辺の盗撮カメラに人影はありませんでしたので」

小鞠(こ、これ証拠になるかも、法廷記録に登録しておこう)

証拠品 パンツを盗まれた状況を手に入れた

裁判長「ふむ。しかし園児のパンツなど欲しいものですかな?」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「私は中学生だ!」

裁判長「中学生?……………………………………ほほぅ」

 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨

蛍「何で頬を染めてるんですか?通報しますよ?」


カン!


裁判長「ご、ゴホン。では、蛍検事。証人を召喚してください」

蛍「…最初で最後の証人。被告人、被害者の妹、越谷夏海さんの話を聞きたいと思います」

小鞠「し、証人?…かず姉、私は何をすれば?」

一穂「ぐーぐー」Zzzz

小鞠「うぅ…役立たず…」

れんげ「今は情報を集める事が優先だと思うのん。だからしっかり聞くのん」

小鞠「そ、そうだよね。うん」

小鞠(って、何で小学1年生に励まされてるんだろう…)

………

夏海「…」

蛍「証人。名前と職業を」

夏海「越谷夏海。中学生。そこの弁護士の妹をやってます」

裁判長「妹…?」

蛍「では、夏海センパイ。あなたは被告人が…被害者のパンツを盗む瞬間を見たんですね?」

夏海「はい。ばっちり見ました」

蛍「裁判長!これ以上の証言は無いと思います」

裁判長「そうですね。これ以上の証言は無いと思います」

カン!

裁判長「では、これでお兄さんに対する判決を…」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


れんげ「ちょっと待つん!」

れんげ「弁護側には尋問をする権利があるのん!」

蛍「まぁ、そうですよね」


小鞠「じ、尋問?」

小鞠(そ、そういえば本で読んだ事あるような)

れんげ「こまちゃん!しっかりするのん!」

れんげ「こまちゃんがしっかりしないと兄にぃが泣いちゃうのん!」

小鞠(そ、そうだ!私がしっかりしなきゃ!)

~~~尋問開始~~~

~事件当日、目撃した事~

夏海「はい。ばっちり見ました」


~~~~~~~~~~


蛍「どうですか?矛盾は見つかりましたか?」


 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨


小鞠「も、もうちょっと長めでお願いします。ほ、ほらその詳細とか…さ」

夏海「はぁ…しょうがない姉ちゃんだな~」

裁判長「しょうがないお姉さんですねー」

蛍「しょうがないセンパイですねー」

小鞠「ぐっ…いいから早く!」

~~~尋問開始~~~

~事件当日、目撃した事~

夏海「その日は大雪でさー、もう寒くってね」

夏海「それでお風呂でぬくもろうと思ったわけで…」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「夏海…今なんて言った?」

夏海「え?お風呂に入りたいと思って?」

小鞠「その前!」

夏海「その日は大雪で、寒くって?」

蛍「…」

小鞠「裁判長!この証人の発言は矛盾しています!」

裁判長「どこがですかな?」

小鞠「それは…」


 ∧
<く>
<ら>
<え>
<!>
 ∨

裁判長「…!」

裁判長「パンツを盗まれた状況?」

小鞠「その日は晴れです。雪なんてふっていません!」

裁判長「…確かに!」

小鞠(やったぁ!これで!)

 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨


蛍「ふぅ…」

小鞠「え?な、何?」

蛍「天気が晴れ。そうですね。だからと言ってそれが何になるんですか?」

小鞠「…へ?」

小鞠「あっ…その…そうだ!雪が降ってないならお風呂でぬくもる必要性がない!」

蛍「関係ありませんよ…ね?夏海センパイ」

夏海「まぁ、そうだねー。晴れてても冬だし、寒いし」

小鞠「…!!」

蛍「今回の事件に関して天気は関係ありません!それとも弁護士さんは天気が重要だと考えますか?」

小鞠「…」

裁判長「どうですかな?」

小鞠「…いえ、ありません」

裁判長「弁護側はもっと考えて発言するように」

小鞠「すみません…」


蛍(では、夏海センパイ証言の続きをどうぞ)

蛍「ハァハァ…しょんぼりしてるセンパイもたまらないよぉー」

裁判長「…」

小鞠(あ、後で殺してやるっ!)

夏海「え、えーと…」

~事件当日、目撃した事~

夏海「ま、まあ、とにかく寒かったからお風呂でぬくもろうと思ったわけで」

夏海「あっ、もちろん姉ちゃんが入ってるのは知ってたよ?」

夏海「ただたまには姉妹水入らずでお風呂に入るのもいいかなーって」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「よくありません!姉妹でなんて不潔です!」

カン!カン!

裁判長「話が、予定よりただでさえ長くなっているので、検察側は自重するように」

蛍「す、すいません」

小鞠(で、でも、蛍のお陰で緊張は解けたかも…)

~事件当日、目撃した事~


夏海「と、とにかくお風呂に入りたくて」

夏海「それで脱衣所に行ったら兄ちゃんがいて…」

 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨

小鞠「…」

裁判長「あ、あの…小鞠弁護士?何で固まってるんですか?」

小鞠(ここだ。ここで何とかしないと…お兄ちゃんが)

一穂「うへぇ、ラーメン美味しい~」Zzzzz

れんげ「こまちゃん…ウチ、暇なのん」

小鞠(私が頑張らなきゃ!)

小鞠「それは…本当にお兄ちゃんだったの?」

夏海「どういう事?」

小鞠「私も一緒に住んでいるから知ってるけど、お風呂に入っている間は、脱衣所は湯気でもくもくとなるんだよね」

夏海「うんそうだね」

蛍「そうですよね」


小鞠「さっき天気を勘違いしてたよね?もしかして、お兄ちゃんも勘違いしたんじゃないの!?」

夏海「え?あの眼鏡はどう考えても兄ちゃんだし」

蛍「夏海センパイ!?」

小鞠「!?」

小鞠(ずっとニヤニヤしていた蛍が初めて動揺した!?)

小鞠(きっとここに何かヒントが!)

小鞠「裁判長!ここは重要な部分だと弁護側は考えます!」

裁判長「では、証人は目撃した部分を訂正してください」

~事件当日、目撃した事~

夏海「と、とにかく脱衣所に行ったら!眼鏡をかけた兄ちゃんがいたの!」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「…」

蛍(センパイのドヤ顔…//)

夏海「な、なに?」

小鞠「それは本当にお兄ちゃんだったの?」

夏海「め、眼鏡だったし!」

小鞠「もしかして、眼鏡しか見えてなかったんじゃないの!?」

夏海「!?」ギクッ

裁判長「ど、どういうことですかな?」

小鞠「そもそも天気は勘違いするわ。成績は悪いわ。昨日私のプリンは食べるわで」

夏海「ぐっぐぐぐぐ、プリンと成績の話は関係ないし」

小鞠「この証人は眼鏡だけでお兄ちゃんと勘違いしている可能性があります!」

夏海「そもそも!兄ちゃんしか眼鏡キャラはいないから!眼鏡=兄ちゃんじゃん!」


小鞠「今の発言…夏海は眼鏡しか見えてなかった事を否定しないんだ?」

夏海「うっすらと人影は見えてたよ!あと眼鏡!」

小鞠「ふふふふ。認めたね。眼鏡しか見えてなかった事を」

夏海「だから、何なんだよ!」

裁判長「小鞠弁護士…何を言いたいんですか?はっきり言ってください」

小鞠「裁判長!のんのんびよりの眼鏡キャラはお兄ちゃんだけではありません!」

蛍「ま、まさか!?」

小鞠「ふふふふっ。さすが本人は気付いているみたいだね」

蛍「そ、そんな」

裁判長「もったいぶらずに話して下さい。その人物とは?」


小鞠(私が提示する人物とは…?)


   →ほたるんパパ
    大人の女性に変装したほたるん
    お兄ちゃん



小鞠「そう蛍のお父さんです!」

裁判長「なんと!?」

夏海「!?」

蛍「………………ふぅ」

ザワザワザワザワ
ザワザワザワザワ

カンカン!

裁判長「静粛に静粛に」

蛍「…」

小鞠(あ、あれ…蛍がまったく動揺していない?)

裁判長「こ、これは…まさかの展開になってきました」

裁判長「では、弁護側は犯人は別にいると主張するのですね」

小鞠「はい!眼鏡だけでは蛍のお父さんがいます。絶対にお兄ちゃんとは言えないはずです」

裁判長「なるほど、確かに」

異議あり


裁判長「…へ?」

蛍「異議ありです」

小鞠(声が小さくて一瞬誰が喋ったか気付かなかった)

蛍「はぁ…えーと、まぁ、あまり喋りたくないのですが、パパにはアリバイがあります」

裁判長「そうなんですか?」

蛍「はい」

 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨


小鞠「そのアリバイとはなんですか!」

蛍「その日の夜…パパとママはよろしくやっていました」

小鞠「なっ!」

蛍「週に一回。私はその日だけ家を追い出されるので…」

蛍「ちなみに私は小鞠センパイの家にお泊まりしたのですが…」

裁判長「そ、そうなんです…ね」

蛍「さらに野外プレイとか、うるさいSMプレイとかもやってるので、ご近所さんも目撃していると思います」

裁判長「ということは…アリバイは完ぺきそうですね」

蛍「はい。証言を取るだけ時間の無駄かと」

裁判長「どうしますか?弁護側は何かありますか?」

小鞠「…」

裁判長「小鞠弁護士?顔が赤いようですが風邪ですか?」

小鞠「い、いえ!何でもありません!赤くなってなんかいません!」

裁判長「では、これで決まったようですね。眼鏡キャラで犯行が可能だったのはお兄さんしかいない事が!」

夏海「ふふーん。やっぱりウチの言った通り」

小鞠(し、しまった!これで余計お兄ちゃんが犯人に!?)


裁判長「弁護側は何かありますか?なかったら判決を…」

小鞠(…)

小鞠(つ、つんだ…)

小鞠(ごめん、お兄ちゃん…私…もう…)




発想を逆転するんよー




小鞠「…へ?」

れんげ「そういう時は発想を逆転するん!姉ねぇがいつも言ってるん!」

小鞠「ぎゃくてん…?」

れんげ「なんで眼鏡をかけていたんじゃなくて、なんで眼鏡をかける必要があったん?」

小鞠「そりゃあ…眼鏡がないと視力が悪くて…目が見えない…」


小鞠「…あっ!」

裁判長「何もないようですね。では判決を…」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨

裁判長「!?」

蛍「!?」

夏海「!?」


小鞠「異議ありです!」

蛍「粘りますね。センパイ…」

小鞠「ふふん。余裕もここまでだよ!蛍!」

裁判長「どういうことですかな?小鞠弁護士」

小鞠「夏海の話だと、犯人は眼鏡をかけていたそうですね」

夏海「うん」

小鞠「でも、よく考えてください。なぜ犯人は眼鏡をかけていたのか…」

裁判長「パンツを盗むのに、眼鏡がなかったら、どれがパンツか見えないからなのでは?」

蛍「なっ!?」

小鞠「ふふっ、さすが天才検事様は気付いたみたいだね」

夏海「ど、どういうことなの!?ほたるん」

蛍「…くっ…」

小鞠「そもそも脱衣所は湯気が酷かったんです!眼鏡なんてかけていたら曇って余計に見えないじゃないですか!」

夏海「なぁっ!?」


小鞠「さらに当日は私の次にお兄ちゃんがお風呂に入る番だったんです!」

小鞠「わざわざ私の入浴中ではなく、自分の入浴時に脱衣所をあさればすむ話です!」

夏海「なーーーーーっ!」


ザワザワザワザワ
ザワザワザワザワ

カンカン!

裁判長「静粛に静粛に」

裁判長「こ、これは…」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「センパイの入浴中に盗みを犯す背徳感に興奮する性癖を持っていた可能性も!」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「お兄ちゃんは猫耳+ショートカット+年上+巨乳好きの変態です!そもそも私は対象外です!」

蛍「!?」

裁判長「な、なんと!」

兄「…」

夏海「うわぁー、兄ちゃん幻滅するわー」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「レンズがあるから曇る?では、レンズがなかったらどうでしょうか?」

小鞠「そもそもお兄ちゃんは目が悪いんだから、レンズがなかったら見えないじゃん!」

蛍「くっ!」



カン!

裁判長「ふぅ~。どうやら一つ見えてきたようですね」

裁判長「確認します。弁護側の主張は?」

小鞠「弁護側の主張としては…」


    犯人は眼鏡をかけていなかった
   →犯人は眼鏡をかけていたがレンズがなかった
    このみちゃん可愛いよこのみちゃん


小鞠「そう、犯人は眼鏡をかけていたのですが、レンズがなかったということです」

蛍「!?」

裁判長「それはさきほど蛍検事が…」

 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨

小鞠「いえ弁護側は、真犯人が変装して『レンズがない眼鏡』をつけていたと主張します」

裁判長「な、なんと…」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨

蛍「で、でもそれなら…眼鏡なんて必要ない…」

小鞠「いいえ、これは眼鏡キャラのお兄ちゃんに罪をかぶせる為に必要だったんです」

蛍「も、もしかしたら、別の知らない眼鏡キャラが…」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「だったら、何で脱衣所で眼鏡が曇らないの?夏海が顔を認識できないくらい湯気が酷いのに…」

小鞠「さらに言うと、私を知らない人が何で私のパンツをピンポイントで狙うの?」

蛍「くっ…うぅ…それは…」

カン!

裁判長「現時点では被告人に判決を下すのは、適切ではないと判断します」

裁判長「では、本日は…これにて、閉廷…」


 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨


裁判長「!」

小鞠「!」

夏海「!」

蛍「その必要はありません。こんな事もあろうかと、次の証人を用意しておきました」

裁判長「さすが蛍検事。準備のいい事で」

裁判長「では、証人を呼んでください」

 
………

このみ「…」

蛍「証人。名前と職業を」

このみ「あっ、小鞠ちゃん。なっちゃんもいる!あっ眼鏡君まで!」

このみ「越谷家オールスターズだねっ」

 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨

蛍「私も越谷蛍です!」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨

小鞠「蛍はまだ一条でしょ!」

蛍「え?『まだ』?」

小鞠「なっ…あっ…勢いで…」

小鞠「さ、裁判長!さっさと裁判を進めましょう」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨

蛍「検事側は今の弁護側の発言の詳細を要求します」

裁判長「却下します」

裁判長「蛍検事。ただでさえ予定より長くなっているというのに、これ以上裁判の進行を妨害しないように」

蛍「そ、そんな…」

蛍「はぁ…え…とその…証人。名前と職業を」

このみ「富士宮このみ。職業は越谷家マスターをやっています」

裁判長「ほう…で、えーと、彼女に何を証言してもらうのでしょうか?」


蛍「彼女は越谷家の事なら、基本何でも知っています。今回は被告人の問題の『眼鏡』に関して証言してもらいます」


小鞠(え?眼鏡?どういう事?)

夏海「姉ちゃん。ウチも手伝うよ!」

小鞠「夏海!?」

夏海「やっぱり兄ちゃんがそんな事するはずないよね」

小鞠「まぁ、私は最初から信じてたけどね」

夏海「あはははは。ウチも信じてたんだけど、ほたるんから100円貰ったら心が揺らいじゃってさー」

小鞠「100円で揺らぐな!」

~~~尋問開始~~~

~眼鏡君の眼鏡に関して~

このみ「眼鏡君の眼鏡はすごいんだよっ!」

このみ「例えば」スッ

\パーン/


兄「!?」

小鞠「あ…え…」

夏海「け、拳銃!?」

蛍「なっ!?」


このみ「ね?眼鏡が割れないでしょ?」

このみ「何でも眼鏡君には特殊能力があって…」


キャーけんじゅうよー
ザワザワにげろー


このみ「あ、あれ?」

カンカン!

裁判長「せ、静粛に静粛に」


………

裁判長「蛍検事。証人は?」

蛍「き、緊急逮捕いたしました」

裁判長「まさか高校生が拳銃とは…恐ろしい時代になったものですな」

小鞠(怖すぎ!まだ震えが止まってないよ)ブルブル

夏海「」ブルブル

兄「…」

裁判長「先程の証人には何を証言させるつもりだったんですか?」

蛍「え、えーと、では私が代わりに証言させていただきます」


小鞠「き、来た!」

夏海「ここでほたるんをボコボコにできれば」

小鞠「うん!この長い裁判に勝てる!」

夏海「頑張れ姉ちゃん!」

小鞠「うん!」

~~~~~尋問開始~~~~~

~お義兄さんの眼鏡に関して~

蛍「このみさんが証言しようとした内容は、眼鏡なんです」

蛍「何でも被告には特殊能力があって」

蛍「必殺技ゲージを一つ消費すれば眼鏡が割れなくなるそうなんです」

 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨

小鞠「そ、そんな事!人間に可能なわけが!」

蛍「でも、さっきこのみさんが拳銃を使用しましたよね?」

小鞠「!」

蛍「どうですか?被告の眼鏡は割れてます?」

小鞠「そ、そういわれれば…」

兄「…」

小鞠「わ、割れてない」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「そもそも眼鏡に命中してない可能性も」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「残念ながら、先ほど私が小鞠センパイ用盗撮カメラで録画していました」

蛍「なんなら、ここでお見せしてもいいんですよ?」

小鞠「ぐっ…」

小鞠(蛍がああまでいうなら、本当に命中してるんだ…)

小鞠(ここで見せてもらったら、立場がさらに危なくなる可能性が…)

小鞠「い、いえ。ここは検事を信用します」

蛍「ふふっ♪」

~お義兄さんの眼鏡に関して~

蛍「えーと、とにかく特殊能力があって、眼鏡が割れないんです」

蛍「こんな能力があるなら、曇らない能力もあるのではないでしょうか?」

蛍「ね?お義兄さん?」


~~~~~尋問終了~~~~~


蛍「以上です」


小鞠「…証拠はないんですね?」

蛍「はい。曇らないという、証拠はありません」

小鞠「裁判長!この証言は話になりません!」

小鞠「眼鏡が曇れば、犯行は不可能!無罪を要求します!」

裁判長「…しかし、眼鏡が割れないということは…曇らないという事も可能なのでは…むむむ」

蛍「」ニヤニヤ

小鞠「なっ!」

小鞠(証拠はないけど、裁判長は眼鏡が曇らない可能性が高いと考えている!?)

蛍「」ニヤニヤ

小鞠(蛍…ニヤニヤしてこんな作戦を考えていたなんて…)

蛍(スーツ姿のセンパイもいいなぁ~)ニヤニヤ


裁判長「被告の眼鏡が曇らないか?ここで再現するのはどうでしょうか?」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「この能力は好きに使えるようなので、被告が発動させない可能性が高いです」

裁判長「むむっ」

夏海「な、なんか能力バトルものみたいになってきたね」

小鞠「…でも、どうしよう…このままじゃお兄ちゃんが無罪にならない…」


発想を逆転するんよー


小鞠「え?」

れんげ「こまちゃん!こういう時こそ逆転なん!発想を逆転するん!」

夏海「逆転か…この場合は…えーと?眼鏡が曇るから、曇らないを考えるのかな?」


小鞠「違う。この場合は、『お兄ちゃんの無罪』を考えるんじゃなくて…」

小鞠「そうだよ!『真犯人の有罪』を立証できれば」

夏海「おおっ!兄ちゃんが無罪に!?」

小鞠「うん!」

夏海「えーとじゃあ、事件を整理して…そもそも、あの日…家にいたのって」

小鞠「私、夏海、お兄ちゃん、そして泊まりに来ていた…ほ…」



あーーーーーーーーっ



れんげ「!?」

蛍「!?」

裁判長「!?」

小鞠「!?」


夏海「ウチ…犯人がわかちゃったかも…」

小鞠「裁判長!弁護側は目撃者の夏海に証人として、再度証言させることを要求します!」

裁判長「わかりました。弁護側の主張を認めます」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「こういうのは前代未聞です。勝手に証言台にたたせるなんて!」

小鞠「いいの。裁判長の許可は得てるし」

蛍「ぐっ…」


小鞠「では、証人。名前と職業を」

夏海「越谷夏海。中学生です!」

夏海「今から、真犯人に関する情報を証言したいと思います!」

蛍「!?」

夏海(ウチが証言して)

小鞠(そして私が真犯人を暴きだしてやる!)


小鞠・夏海((お)兄ちゃんを助けるんだ!)

~~~尋問開始~~~

~真犯人にかんして~


夏海「そもそもよく考えたら、あの日、うちにいたのは」

夏海「姉ちゃん、兄ちゃん、ウチ…そして、ほた…」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「今の話だと、まるで家の中にいた人が、センパイ達が言う真犯人に聞こえます!」

蛍「部外者による犯行の線も考えるべきです!」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「そもそも部外者の可能性はない!と蛍が言ったでしょ!!」

蛍「…あっ。盗撮カメラ!?」

小鞠「そう!あのカメラによると、その日、越谷家に訪れたのはただ一人だけ…」

蛍「ま、まさか、そ、そんな」

蛍「くっ…」

小鞠(まだ、証拠がない。もと揺さぶって動揺させないと)

~真犯人にかんして~

夏海「そう、家には数人しかいなかった…」

夏海「ちなみに父ちゃんは外出。その日は帰ってこなかったんだ」


夏海「というわけで、真犯人は消去法で…」



夏海「母ちゃん!お前だ!」

雪子(母)「なっ!?」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「ば、バカ!」

夏海「母ちゃん…まさか娘のパンツに手を出すなんて…しかも兄ちゃんに罪を着せる何て…とんだ変態だよ」

夏海「母ちゃんなら洗濯ものを干す時に、いつでも手が出せるじゃんか!」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「そもそもパンツは、脱ぎたてが一番価値があって!」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「今そんな話してない!あと夏海!!!」

夏海「え?なに?」

小鞠「眼鏡!お母さんは眼鏡なんかしてないでしょ!?」

 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨


蛍「眼鏡なんて誰でも購入可能です。例えば最近駄菓子屋さんでも購入可能になりました!」

蛍「そうフレームだけの眼鏡が格安で…ですね」

蛍「きっとお義母さんはそこで購入をしたのでしょう」

小鞠「…」

夏海「し、知らなかった…眼鏡売ってたなんて…」

小鞠「ひっかかったね。蛍」

蛍「え?」

小鞠「裁判長。そこの天才検事さんの話通り」

小鞠「私達の身近な駄菓子屋で、眼鏡は簡単に購入が可能なんです!!」

蛍「しまった!?」


ザワザワザワザワザワザワ
ザワザワザワザワザワザワ

カン!カン!

裁判長「せ、静粛に!静粛に!!!」


裁判長「ということは…もしかして!?」

小鞠「そうです!犯人は駄菓子屋で眼鏡を購入!そして犯行に及んだわけです!」

蛍「くっ!?」

裁判長「どうやらその駄菓子屋さんの従業員の方にお話を聞く必要がありそうですね」

蛍「…」

小鞠(ここだ!蛍が焦ってる!ここが決着のつけどころ!)

小鞠「弁護側は新たな証人として、駄菓子屋に証言させることを要求します!」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨

蛍「そもそもここから駄菓子屋さんまで車でも3時間はかかります。そんなの無理です!」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨
小鞠「だったら、電話でいいじゃないですか!」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨
蛍「電話なんて非常識な!」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨

小鞠「逆転裁判2というゲームでは殺し屋に」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨

蛍「ゲームと現実を一緒にしないでください!」

小鞠「…」

小鞠(だ、ダメだ。ここで諦めたら…お兄ちゃんが犯人に…何か手を…)

夏海「だったら、駄菓子屋に来てもらえばいいじゃん」

小鞠「え?」

蛍「ですから、3時間くらいはかかるので」


夏海「裁判長。私が駄菓子屋を呼んできます」

夏海「…30分でね」

小鞠・蛍「なっ!?」

裁判長「いいでしょう。では、ここで30分の休憩を入れます」

裁判長「弁護側はそれまでに証人を召喚しておくように」

小鞠「は、はい」

■12月22日 午後00時10分
田舎裁判所 第1控え室

小鞠「駄菓子屋に電話、終わったの?」

夏海「あはははは。1時間はかかるんだって」

小鞠「なっ!?」」

夏海「ちなみに駄菓子屋を呼ぶのに10万円だから、姉ちゃん払っておいてね」

小鞠「なっ!!??」


夏海「聞いてるよータンマリ稼いでるんでしょ?」

小鞠「バカ!私は今日が初日だ!給料は今回から発生するんだぞ!」

夏海「あ、あれれ?」

兄「…」スタスタスタ


小鞠「え?」

夏海「駄菓子屋は任せろって?」

兄「」ウン

小鞠「妹たちにばかり任せてられないから?」

夏海「兄ちゃん行っちゃった…」

小鞠「って、裁判中に外に出ていいわけがないじゃない!特に被告が!」

夏海「あっ!え、えーと…じゃあ、連れ戻してくる!」

小鞠「夏海任せたよ!」

夏海「ラジャー!」

小鞠「…」

小鞠「今のうちに法廷記録を見直しておかないと…」

れんげ「にゃんぱすんぱすー」

小鞠「ごめん、今集中したいから…」

れんげ「姉ねぇがこれを…」

小鞠「へ?」

証拠品 夏海が目撃した後の状況を記したメモ
証拠品 スタンガンを手に入れた

小鞠「え?」

れんげ「なっつんが犯人を目撃してからどうしたと思うん?」

小鞠「え?…犯人を目撃して…夏海の性格的に…そりゃあ、捕まえようと…」

小鞠「あっ!あああああああ!!!!!!」

れんげ「こまちゃんはダメなのん。その犯人とどうなったのか?を考えてないのん」

小鞠「それがこのメモに…」

■当時の状況--------------------------------------------------

夏海「なっ!何で姉ちゃんのパンツを!?」

???「!?」

夏海「泥棒だな!くらえ!夏海ちゃんパーンチ!!」

ビリビリビリビリ

夏海「って、あれ?」

夏海「」バタン

………

夏海「朝!?あれ?あの泥棒がいなくなってる!?」

夏海「って、何でウチは自分の布団で寝てるの!?」

--------------------------------------------------------------

れんげ「起きたら自分の部屋だったらしいん」

小鞠「…そして、夏海を倒すために使った凶器が『スタンガン』か…」

小鞠(このスタンガン電気が最弱に設定してある…)

小鞠(殺すつもりはなかった…)

小鞠「…」

小鞠「うぅ…重要なのかな?これ」

れんげ「必要なかったん?」


小鞠「…」

小鞠「ううん、証拠品に無意味なものなんてないよね…ありがとうれんげ」

れんげ「こまちゃんの役に立てて、よかったのん」

■12月22日 午後00時40分
田舎裁判所 第1法廷


ザワザワザワザワザワザワ
ザワザワザワザワザワザワ

カン!カン!


裁判長「審理を再開します」

裁判長「では、弁護人。証人を証言台へ」

小鞠「いえ、その前に事件の整理をしましょう」

裁判長「そうですね」


小鞠(早く来て!夏海!)

小鞠「事件は私のパンツが盗まれた事です」

裁判長「はい」

小鞠「犯行は脱衣所。脱ぎたてのパンツを手に入れる必要があったと、そこの天才検事さんは考えているようです」

蛍「そうです」

小鞠「そして、私の妹。越谷夏海が目撃。眼鏡をかけた人物です」

裁判長「はい」

小鞠「しかし、ここで問題点が」


小鞠「脱衣所は当時、湯気が酷かった」

小鞠「そこで弁護側の主張としては眼鏡をかけていれば見えるはずがない。よって眼鏡のフレームだけを付けた真犯人がいるという事」


小鞠「検察側の主張としては、あくまで被告が特殊能力などを使って眼鏡を曇らないようにした」

蛍「いえ、そこの主張を少し変えさせてもらいます」


小鞠「へ?」

蛍「検察側で調べた結果。お義兄さんの眼鏡は曇るようです」

小鞠「なっ!?」

蛍「単行本で確認したところ、暖かい食べ物を食べた時に眼鏡が白くなってるような気がしなくもないシーンが目撃されました」

裁判長「ほう。では、弁護側の言うとおり、真犯人が?」


 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨


蛍「いえ、そうは言っていません」

蛍「ただ、お義兄さんの今の眼鏡は曇るようです。そこは認めます」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「待って下さい!曇ったら的確にパンツを盗むなんて犯行は不可能です!」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「ふふ。今の眼鏡は…ですよ。『今』の眼鏡は…ね?」

小鞠「なっ、まさか!?」


蛍「検察側の主張はこうです!被告は当時!曇らない眼鏡を使用していた!」

蛍「しかもそれを駄菓子屋さんで購入していたと考えます!」

小鞠「なっ!?」

蛍「さあ、早く駄菓子屋さんを証言台へ召喚してください」

蛍「今度こそ5分で決着を付けて差し上げましょう」

小鞠「…」

裁判長「…」

蛍「…」


………


蛍「な、何でこんなに静かなんですか!」

小鞠(夏海!まだなの!?)

裁判長「ふむ。お昼を食べたばかりで眠くなってきましたな…」

蛍「…まさか駄菓子屋さんがまだ裁判所に来ていないのでは?」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「そ、そそそおそそそそそんなわけないもんねっ!」

蛍「では、召喚を」

小鞠(うっ、ど、どうしよう。もう限界かも!)


\バーン/


夏海「姉ちゃん到着した!到着したよ!」

兄「」ハァハァ

楓(駄菓子屋)「お、おい、やめろって」


小鞠「夏海!!!!」

 
………


裁判長「で、その証人は?」

蛍「いつでも召喚できるようです」


小鞠「夏海!ありがとう!」

夏海「もう夏海ちゃんも焦っちゃったよ」

れんげ「でもどうして駄菓子屋は間に合ったん?」

夏海「レンタル用の高級スポーツカーで来てもらって…」

兄「」フフン

夏海「兄ちゃんが動物たちを使って、他の車を全部、車線上からどかしてしまったんだ」

小鞠「へ、へぇ~」

小鞠(絶対にスピード&信号無視してるだろうけど、知らなかったことにしておこう)


裁判長「では、証人を証言台へ」

小鞠「は、はい!」

 
………


楓「…」

蛍「証人。名前と職業を」

楓「加賀山楓。職業は駄菓子屋だ」

蛍「証人に聞きたい事があるのですが…」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠(ここは蛍のペースにしちゃダメだ!)

小鞠「弁護側は、眼鏡を買った人物を証言してもらう事を主張します!」

裁判長「わかりました。証人は最近眼鏡を買った人物を証言するように」

楓「わかりました」

~~~~~尋問開始~~~~~

~眼鏡を買った人物に関して~

楓「そうだな。最近では二つ売れてるな…」


 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨

蛍「全部話してもらっても時間がありませんので、一番近いのでお願いします」



楓「えーと、ほら、そこの卓だ」

裁判長「すぐる?」

楓「そいつが曇らない眼鏡を買って行ったぞ」

 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨


小鞠「そ、それは本当に…被告なんですか?」

楓「ひこく?なんだそれは?」

蛍「それは本当にお義兄さんなんですか?」

楓「ああ、間違いないな。小さいころから知っている顔見知りだしな」

小鞠「なっ!?」

裁判長「どうやらこれは決まったようですな」

裁判長「眼鏡が曇るから犯行は不可能だった」

裁判長「しかし、被告人は曇らない眼鏡を用意していた…」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「異議…あり…です」

裁判長「何ですかな?」

小鞠「ぐっぐぐぐぐぐぐぐ」

裁判長「異議を却下します」

夏海「って、兄ちゃん曇らない眼鏡を何に使ったの?」ボソボソ

兄「」

夏海「は?猫耳の等身大のお人形の女の子に?」

夏海「………最低」ボソッ

兄「」シュン

小鞠(ぐっ、こんな会話、証拠にすらならない!)


カン!

裁判長「長い裁判でしたが、どうやら我々は結論にたどりついたようです」

小鞠(ど、どうすれば、も、もう終わっちゃう!?)

夏海「ね、姉ちゃん!」

小鞠「うっうううううう」

裁判長「それではお兄さんに対する判決を言い渡します。有…」


 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨


蛍「!?」

兄「!?」

夏海「!?」

れんげ「!?」

小鞠「!?」

楓「!?」

裁判長「ど、どなたですかな?今の声は初めて聞く気がしますが?」

一穂「裁判長少しお待ちください」

小鞠「か、かず姉!?」

一穂「弁護側はまだ提示していない決定的な証拠品があります」

一穂「さあ、こまちゃんあれを…」

小鞠「え?あ、あれ!?」

小鞠(あれって何だろう?)



小鞠「え?心当たりがないんですけど…」

一穂「実を言うとウチもないんよ」ボソボソ

小鞠「え!?」

一穂「こういうときはハッタリだよ」

一穂「それにほら、楓は今日の裁判を何も聞いてないんだから」

一穂「何か見せたら、面白い証言をするかもよ?」

小鞠(面白い…証言?)

裁判長「それで小鞠弁護士。何か決定的な証拠が?」

小鞠「そ、そうですね…弁護側には決定的な証拠があります」

蛍「そ、そんなバカな!」

小鞠「それは…」


    私のパンツ
    夏海が目撃した時の状況を記したメモ
   →スタンガン


 ∧
<く>
<ら>
<え>
<!>
 ∨



蛍「なっ!?それは!」

裁判長「何ですか?これは?」

小鞠「実は、目撃者…越谷夏海は犯人に一度襲われています」

裁判長「そうですね。法廷記録に書いてありました」

小鞠「その時に夏海を気絶させたのがこのスタンガンなんです!」

裁判長「…ほう」

蛍「…」

裁判長「…で、それが何か?」

小鞠(うぅ…やっぱりこうなる…)

小鞠「証人!これに見覚えはありませんか?」

楓「え?見覚えも何もそれはうちの商品だぞ?」

小鞠「そうですかありませんか………………………は?」

蛍「…」

小鞠「え?もう一度いいですか?」

楓「だからさ、それうちの商品だって。この前売れたんだ」

小鞠「だ、誰にですか!?」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨

蛍「それは今回の事件とは関係ありません!そもそもスタンガンが事件に使われた証拠なんて!」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「目撃者が気絶させられています。さらに現場にスタンガンが落ちていたんです!」

小鞠「この状況でスタンガンが事件と無関係なんて考えられません!」

蛍「し、しかし」

カン!

裁判長「検察側の主張を却下します。それでは従業員さん。続きを」

楓「ん?誰が買ったって話だったっけ?大人の女性だったぞ?」

夏海「…」

れんげ「…」

一穂「…」

裁判長「…」


楓「え?何だこの空気は?私は変な事を言ったか?」

小鞠(か、勝った勝った勝った勝った勝った!大人の女性!お兄ちゃんは男!お兄ちゃんのわけがない!)

小鞠(ということはお兄ちゃんは犯人じゃない!証明できる!)

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨

蛍「…」

小鞠「え?」

蛍「そもそもそのスタンガンが駄菓子屋さんで購入された証拠がありません」

蛍「もしかしたら、町の方の他のお店で買った可能性も…」

楓「は?でも、それは明らかにうちの」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「では、このスタンガンはいつごろ売れましたか?」

楓「は?…1ヶ月前くらいかな?」

蛍「では、1ヶ月前の夕ご飯を覚えてますか?」

楓「覚えてるわけないだろ!」

蛍「ええ、普通はそうです。その通りなんです」

蛍「なのに、何で駄菓子屋さんは、ハッキリこれが駄菓子屋さんで売れたスタンガンだとわかるんですか!?」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「そ、そんなのは、確か…えーと…そうだ!スタンガンを買った時の届け出を見れば!」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「スタンガンには届け出の必要はありません。あくまでも護身の為ですので」

小鞠「そ、そんな…」

小鞠(か、勝ったと思ってたのに…)

小鞠(え?これからどうすれば…?)

楓「いや、だからそれはうちの商品だって」

蛍「だから、そんな証拠はどこにも」

楓「そんなはずないって、ほら一番底を見てみてくれよ」

裁判長「わかりました。えーと…………………なっ!?」

裁判長「Made in 駄菓子屋!?」

小鞠「へっ?」


楓「自分で作った方がコストがかからないから、試しに一つ作ってみたんだよ」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨

蛍「そ、そんな…ひ、非常識すぎます!」

楓「いや、だって自分で作った方が安く済むだろ?」

蛍「だ、だからと言って」

楓「いや安く作れるんだって。意外と」

蛍「うっうううううう」


小鞠(こ、これはチャンス!この流れに乗らないと!)

小鞠「証人!その時の大人のお姉さんはスタンガンを買いましたよね」

楓「だから何度言えばいいんだよ。買ったってば」

小鞠「一緒に眼鏡を買いませんでしたか!?例えばフレームだけとか!」

楓「うーん…」


楓「あっ、そういえば買ったな。レンズはないんですけどいいんですか?って何度か聞き直したから覚えてる」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「い、今のは誘導尋問の可能性が…」

裁判長「ないですね。異議を却下します」

蛍「うぅ…」

小鞠「裁判長!今回の事件はスタンガンが絶対に関与しています!」

小鞠「しかし、このスタンガンを買った人間は被告人ではありません!」

小鞠「弁護側にはスタンガンの持ち主…真犯人に心あたりがあります!」

蛍「なっ!?」


裁判長「犯人は誰だというんですか!?」


小鞠(ここが正念所だ!)

小鞠「真犯人…それは…」


   →一条 蛍
    大人の女性
    越谷 雪子(母)



小鞠「そこの検事さん!一条 蛍です!」

蛍「なっななななななななっ!?」


ザワザワザワザワザワザワ
ザワザワザワザワザワザワ

カン!カン!

裁判長「せ、静粛に静粛に」

裁判長「な、なんと…これは驚きました。まさか真犯人が蛍検事とは」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「まだ私と決まっていません!」

蛍「証拠は!証拠はあるんですか!?センパイ!」


小鞠「まず事件当日、私の家には『私』『夏海』『お兄ちゃん』『お母さん』…そして、『蛍』がいました」

小鞠「ここで、よく考えてください」

小鞠「スタンガンを買った大人の『女性』が真犯人だと弁護側は考えます」

裁判長「そうなりますね」

小鞠「まず目撃者の夏海と被告のお兄ちゃんは当てはまりません」

 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨


蛍「な、夏海センパイが変装をすればあるいは…」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「夏海と駄菓子屋は小さいころからの知り合いです。声や仕草で確実にわかります」

楓「まぁ、そうだな」

蛍「うっ」


小鞠「そして、残ってるのは『お母さん』と『蛍』です」

小鞠「先程の夏海と同じ条件で『お母さん』は駄菓子屋と古い付き合いの為、確実にわかります」

楓「そうだな」

小鞠「残ったのは…」

裁判長「な、なんと!?」


小鞠「そう!一条蛍!この事件の真犯人はあなたです!」

小鞠「あなたは変装して大人にみせかけた!そうですね!?」


ザワザワザワザワザワザワ
ザワザワザワザワザワザワ

カン!カン!カン!

裁判長「せ、静粛に静粛に」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「センパイ…さっきから言っていますが証拠がありません」

蛍「それに私も数ヶ月前からですが、駄菓子屋さんには良く行きます…変装していてもきっとわかってくれるはずです」

楓「いや、お前あまり来ないだろ。町にばっかり行ってさ」

蛍「ぐっ!?」


裁判長「小鞠弁護士。確かに消去法だと犯人は蛍検事になるのですが」

裁判長「これだけでは真犯人と言うには少し足りない物があります」

裁判長「何か証拠はないんですか?」

小鞠「弁護側は…証拠を持っています」

蛍「なっ!?」

小鞠「それは…」


    私のパンツ
   →夏海が目撃した時の状況を記したメモ
    スタンガン


 ∧
<く>
<ら>
<え>
<!>
 ∨



小鞠「よく思い出して下さい。夏海は一度気絶させられて、その後何故か夏海の部屋まで連れていかれているんです」

小鞠「そんな怪力の持ち主は一人しかいません!」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「わ、私はか弱い小学生です!怪力なんて…そんな酷いです!」

裁判長「そうですね。とても蛍検事が力持ちには見えませんね」

小鞠「なっ!?」

小鞠(…)

小鞠(ど、どうしよう)


カン!

裁判長「他に証拠はないんですか?」

小鞠(な、ない…蛍が犯人だとわかりきっているのに…証拠が何一つ……ない)

 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨

小鞠「そ、そうだ!指紋!指紋です!スタンガンに指紋が!」


 ∧
<待>
<っ>
<た>
<!>
 ∨

蛍「それは既に調査済みです。指紋は全部拭きとられているようです」

小鞠「くっ!」

小鞠(…ダメだ証拠がない…)

小鞠(後一歩…後一歩なのに)

一穂「ふふっ、こまちゃん困ってる顔してるね」

小鞠「そ、そりゃあ…後一歩なのに…」

一穂「ダメダメ。そんな顔しちゃ?」


一穂「弁護士はピンチの時ほどふてぶてしく笑うものなんよ」

小鞠「!?」

小鞠「ピンチの時ほど…でも、反論の…証拠が…」

夏海「姉ちゃん!そうだ!発想を逆転するんだよ!」

小鞠「で、でも、何を逆転させれば…」

れんげ「そ、それはウチにもわからないのん…」

夏海「何でもいいんだよ!何でもいいから逆転させてよ!このままだと!」


小鞠(逆転…なぜ証拠がないのか?…違う)

小鞠(そうだ!何で夏海を部屋まで連れ行ったのか?)

小鞠(犯人は夏海を部屋まで連れて行く必要があったんだ!)


小鞠(でも何でだろう…もし、誰かに見られでもしたら…)

小鞠(見られたら困る…………見られたら困るもの?)

小鞠(…)

小鞠(あっ…あああああああ!!!)

裁判長「何もないようですね。では、真犯人に関しての審理を終了…」



 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


夏海「!?」

れんげ「!?」

裁判長「!?」

蛍「…………………!?」


小鞠「異議ありです」

小鞠「そもそもこの事件はおかしいと思っていたんです」

裁判長「え?」

小鞠(裁判長に教えてあげよう…この事件のおかしいところを)



   →私のパンツ
    夏海が目撃した時の状況を記したメモ
    スタンガン

 ∧
<く>
<ら>
<え>
<!>
 ∨


小鞠「そもそも私のパンツが盗まれたのに、何で私が知らないんですか?」

裁判長「それは弁護士が間抜け…」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


小鞠「ですから、もし被告人…お兄ちゃんが盗んでいれば、パンツは私の手元に戻ってきているはずなんです!」

小鞠「だって、警察にすでに押収されているはずですから!」

裁判長「あっ」

蛍「!!!!!!????」


小鞠「では、パンツはどこに消えたのか…それは一つしかありません」

裁判長「ま、まさか…真犯人が持っていると…?」

小鞠「いえ、そんな危険はしないでしょう」

小鞠「この真犯人は非常に慎重です」

裁判長「で、では、どこに?」

小鞠「盗んだ後、どこかに隠したのでしょう」

 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨

蛍「どこか?話になりません!」

蛍「今からそんな魅力的なパンツを探している時間はありません!」

小鞠「いえ、どこにあるかの検討はついています」

蛍「なっ!?」

小鞠(蛍の慌てよう…やっぱり推理は間違ってなかったんだ…)

小鞠(私の最後の推理…パンツの隠し場所…それは…)



    私の部屋
   →夏海の部屋
    兄の部屋



小鞠「犯人はなぜか夏海を気絶させた後に夏海を部屋に運びました」

小鞠「ヒントはそこにあります!今すぐに夏海のゴミ部屋を捜索させてください!」

夏海「ゴミじゃなくて宝物なのに!」

………


裁判長「どうですか?何か出ましたか?」

蛍「…」

裁判長「蛍検事!?」

蛍「先程現場から電話があり…パンツが数点見つかりました…」

蛍「パンツにマジックで名前が書いてあるので…被害者…越谷小鞠さんの物だと思われます」

小鞠(やっぱり!)

小鞠(蛍はきっとこう考えたんだと思う)


小鞠(問題点① 夏海の処理)

小鞠(気絶させてしまった以上、事件になる)

小鞠(そこで少しでも事件の発覚を遅らせる為に、夏海を部屋に連れて行って、寝ているように見せる)


小鞠(問題点② パンツの処理)

小鞠(パンツを盗んだのはいいけど、どうするのか?)

小鞠(事件になった以上、持ち歩いたり、自室に隠したりすれば…ばれた時に言い訳ができない)



小鞠(そのリスクがあったから、夏海を部屋に置いた後、パンツを隠しておいたんだ)

小鞠(きっと事件が終わった後に、また取りに行く予定だったんだ)

裁判長「しかし、わかりませんね」

小鞠「え?」

裁判長「これが真犯人への証拠にどう繋がるんですか?」

蛍「そうです!私が拾ったパンツは見つかってしまいましたが、私が犯人だという証拠にはなりません!」


小鞠「ふふふふふふ」

蛍「!」

小鞠「これが、証拠になるんです!ええ!決定的な証拠に!」

小鞠「さあ今すぐパンツについている体液検査を!」


 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨


蛍「そ、そそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそ!」

蛍「そんな事をしてどうなるというんですか!?」

小鞠「きっと私以外のDNAが見つかるはずです…そうどっかの検事さんのね?」

裁判長「どういうことですかな?」

小鞠「蛍検事。教えてあげてください。パンツの使い方を…」

蛍「…」

裁判長「蛍検事?」

蛍「…くっ」

裁判長「くっ?」

蛍「くんかくんかすることです…」

裁判長「くんか?」


小鞠「簡単に言うとパンツを鼻につけて匂いを嗅ぐ事です」

裁判長「なっ変態!?」

小鞠「その時に涎を垂らす人も多いので、きっと体液…DNAがパンツに付着しているでしょう」

れんげ「こまちゃん詳しいのんな」

夏海「姉ちゃんは何度もほたるんにパンツを盗まれているからね」

兄「」ウン

一穂「うへぇ~。もう眠い…」Zzzzzz


\バンバンッ/

小鞠「とにかく!弁護側はすぐに体液検査をすることを要求します!さあ!蛍!すぐに指示を!」

蛍「うっ…」

裁判長「蛍検事。すぐに行動してください」

夏海「ほたるん?」

れんげ「ほたるん!すぐにするん!」

兄「」ウン

蛍「…………………………………………………ふ」

小鞠「ふ?」

蛍「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん」

小鞠「うわっ、すごい涙!」

蛍「ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい」

蛍「私がやりましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


蛍「パンツを盗んだのは私ですーー!!!!」

 
………


れんげ「ほたるんが…手錠してるん!うちも逮捕されるん!ガチャってしたいん!」

一穂「あとでねー」




蛍「ごめんなさい…ごめんなさい」グスグス

小鞠「蛍…」

蛍「ごめんなさい。センパイ…嫌いにならないで…」

小鞠「ねぇ、蛍は何で検事になったの?」

蛍「え?」

小鞠「それは凶悪犯を裁判でしっかり裁くためでしょ?」


小鞠「だから、刑務所から戻ってきたら…その初心を思い出して、また頑張ってよ」

小鞠「ね?私も協力するからさ…」

蛍「私はセンパイへの性犯罪の証拠を隠滅するために検事に…」

小鞠「…」

蛍「そうですね。初心に戻って…小学生の軽犯罪ですし…明日には出所しますので、また頑張ります」

小鞠「もう二度と顔を見せないでね?蛍」ニコッ

蛍「え?」

小鞠「バイバイ」

蛍「しょ、しょんなー」

蛍「いつもだったらセンパイのデレがあるはずなのにーーー!!」


小鞠「蛍なんて知らないっ!」

裁判長「蛍検事は?」

小鞠「緊急逮捕されたようです」

裁判長「そうですか」

裁判長「今回の事件はとても複雑なものでした」

裁判長「たかがパンツされどパンツということですな」

裁判長「いやはや、パンツは奥が深い」


裁判長「では、形式になりますが…」

裁判長「おにいさ…越谷卓に対する判決を言い渡します」

       r-、                 , -──‐‐-、         r、________,.へ
      / '------------'^ゝ      / ,-─==-‐‐、\         | r--、 r--、 r--、 r'′
    ノ ィ r-、 r-、 r-、 r--′    / ,,---、  ,,,---、ヽ       | |__| |__| |__| |
   ノノ | | | | | | | |   ,.、    i ''"フ-ァ'ハ ,r‐< i       し'─ r-z r-z ─‐-'
  lニニニ  ニ  ニ  ニ  ニニ ゝ   |   '`ー゚ 」  L`゚‐'^ |     lニニニニニ |  | ニニニニ'^ゝ
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     ノ j ヽヽ ヽヽ  ヽ丶    ノ  ∠__/\_ヾ、  ヽ   ゝ、,.. -''~フノ  | ニニニ'^ゝ
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   `ー´   `´   `´   `´  i  /   ,'    i   ヽ ヽ   !  -''~       ー
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            ,、-''"    ヽ ヽ  ヽ丶   !   ノ ノ  /    `‐-、,_
         ,、-'"         \ \ ヽヽ  !  /    //         `'‐、,_
        /            \ヽ、,,__ ヽ、,, i/ //  /            \
       / \             ヽ  `r-、,  _/ /   /            / i

ワーワーワー
キャーキャー


カン!

裁判長「では、本日はこれにて閉廷!」

■12月22日 午後5時38分
田舎裁判所 第1控え室

ギュウウウ

小鞠「ちょっちょっと夏海!?」

夏海「姉ちゃんすっげーーーー!ウチ初めて姉ちゃんを尊敬したかも!」

れんげ「こまちゃん凄いのん!うち感動したのん!」

兄「」ウンウン

小鞠「そ、そんなお兄ちゃんまで」



一穂「こまちゃんは弁護士なんだから、そういう時の言葉は素直に受け取っておくもんよー」

楓「今日のお前は頑張ったしな」

兄「」ウンウン

小鞠「え、えーと…」

小鞠「どういたしまして。お兄ちゃん♪」

夏海「でも、ほたるんが犯人だったなんて…」

れんげ「まさかの超展開でしたのん」

夏海「それにしてもほたるんは姉ちゃんだけで、ウチらのことはどうでもいいのかな?

れんげ「ほたるんは…薄情なのん?」

兄「…」

小鞠「…」

一穂「ほら、こまちゃん。ほたるんが夏海達の事を嫌いじゃないって、証拠を見せてあげて」

小鞠「え?でも…」

一穂「いいから、ほら」

小鞠(そ、そんな証拠なんてあったかな…?)

小鞠(…)


    私のパンツ
    パンツを盗まれた状況
   →スタンガン


 ∧
<く>
<ら>
<え>
<!>
 ∨


小鞠「薄情…そんな事はないと思う。これを見てみて」

夏海「え?スタンガン?」

小鞠「ほら一番最弱になってるでしょ?」

小鞠「本気で夏海達の事がどうでもいいなら、殺さない程度の設定にするはずでしょ?」

小鞠「それにほら、蛍は何だかんだ言いながら、夏海を自室の布団の上に寝かせてくれたじゃん」

小鞠「どうでもいいなら、畳の上に捨てておくはずだし…」

小鞠「まぁ、気休めにしかならないかもだけど…」


夏海「…」

夏海「ううん。ありがとう姉ちゃん。やっぱりほたるんは優しいんだよ。絶対」

小鞠「…」

小鞠「うん、私もそう思う」

一穂「よし!じゃあ、みんなでご飯食べに行こうか」

一穂「こまちゃんの初弁護のお祝いにラーメン奢るよー」

小鞠「やったぁー♪」

………

このみ「わぁーーーーん。なんで私が捕まるのーーー!?」

このみ「もぅ!楓ちゃんのエアガンは強力すぎだよぉー!」

このみ「誰かー助けてー」

蛍「では、私はもう出所しますので」

このみ「あっ、蛍ちゃんの裏切り者!」

このみ「こうなったら、私が言うよ!言っちゃうよ!!!」






 ∧∧
<あ異>
<り議>
<! >
 ∨∨




       終わり

                                                                                       . -‐‐-ミ
       /´                                                                             / /⌒:::::.`ヽ
    ⌒≫' ⌒ ヾ¨ : :、                                                                         / /.:::/.:::/∧::::::.
    〃 . : : : : : . \: .:.       ____                                                              i ≧彡'彡 /⌒j::: i  
    .' .:.i f^^}イi: i: i:. .ヽi      /ニニニニ=\                                                         {::::{乍:T彡乍丁:::|
   i :从j⌒j从人从人〉!     =ニニニニニニニ\                                            〃ニニニニニニニニニヾ:::〉ゞ゚'   ゞム::::l
    !:{ r=ミ  r=ミj : }:|      /ニニニニニニニニニニ\                                           rー┐ ゝニニニニニニニニニニノ::::ゝ. 、 ,  イ.::/
   人:.ミ r─┐彡:イ l!    /ニニニ/___\ニニニ=i                                  r──|ニニ|─‐┐   /ニニ/人从r≧=≦从人
   | :j从≧=-=≦:ノ从:|   /ニニニ/ニニニニニニ}\ニノ          rー┐    iニニi                   l=ニニニニニニニニi  /ニニ/    /  |`¨゙| ヽ
   人: : i:〃f父i ヽ : : 八 /ニニニ/ニニニ二二ノ                |ニニ|── |ニニ|ー‐┐fニニニニニニヽfニニニニニニヽ──|ニニ|─‐┐ /ニニ/ fニiニi / 1 `|  '.
fニiニi: : : : i |_| |: : : : : :.{=ニニ/  _____ ________,|ニニ|ニニニニニニニニニi 'ニニニニニニニ} 'ニニニニニニニ}ニニニニニニニニニi /ニニ/   |ニ|ニ|人 イ |__| ト、_〉
|ニ|ニ|: i : i L.」//L.」 i: : i :i !彡゙  〃ニニニニニニニニ=iニニニニニニニニニニ|ニニ|   _|ニニ|__       (ニニ/      (ニニ/   _|ニニ|,__ lニニ'    |ニ|ニ|_/ |__,|   |__j \,ゝ
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このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月09日 (木) 16:38:24   ID: DUsbf7ci

すげえ 面白かったです。

また裁判もので 書いてくれると嬉しいです

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