兄「妹があー言えばこー言う」(177)

【日曜・朝】

兄「おはよう」フワァ

妹「おはようございます」

兄「8:30か……チャンネル変えるな」
ピッ

妹「ちょっと待ってください」

兄「?」

妹「私は今ニュース番組を見ていたんですけど」

兄「いつもこの時間はアニメを見ているだろう」
兄「それに、この30分以外のチャンネル権は全てお前に譲渡しているじゃないか」

妹「兄さんを更正させるためです」

兄「はあ?」

妹「アニメばかり見ていては録な大人になれません」

兄「……勉強は頑張ってるだろ」

妹「交友関係が疎かになっています」
妹「アニメを見ている暇があるなら、その分の時間を友達とのコミュニケーションに割いたらどうですか?」

兄「……誘う友達がいたらな…」

兄「アニメが無い世界などいらぬ。邪魔をするな」

妹「いいえ。このままニュース番組を見ます」

兄「早くしないとアバンが終わるだろ!!」

妹「? 専門用語はわかりません」
妹「あと、冷蔵庫に入っていたプリン。食べましたから」

兄「おいアレは俺のだろ」

妹「賞味期限は昨日まででした」
妹「私はキチンと日付が変わるのを確認してから食べましたから」

兄「だからあのプリンは俺のだって…」

妹「賞味期限切れのプリンを食べて兄さんがお腹を壊したらどうするんですか?」
妹「認められませんね」

兄「それは俺が決める事だろ……っ」

兄「もし俺が賞味期限切れのプリンが好きだったらどうするつもりなんだよ」

妹「そんな食癖、危ないのでやめさせます。そしてやはり日付が代わり次第、私が食べます」

兄「賞味期限切れと言ったって、半分は俺が食べていたじゃないか」
兄「楽しみに取っておいたのに……」

妹「未開封ならまだしも、一度手を付けたモノなら尚更食べさせられませんね」

兄「ぐぬぬ……」
兄「な、ならっ」

兄「とうしてお前は俺のYシャツを着てるんだよ!」

妹「私のブラウスと間違えたんです……代わりに私のブラウス着て良いですよ」

兄「いらねえよ……」

妹「どうやらお母さんが洗濯物を間違えて私のタンスに入れたみたいですね」

兄「……あれ」
兄「そのYシャツ、昨日付けた汚れが落ちてないみたいだけど……本当に洗ったやつなのか?」

妹「……さあ、おっちょこちょいですねお母さんは。」

兄「……」

妹「……」

兄「……まあいい」

妹「……」フゥ

兄「じゃあ、俺のトランクスを履いてる理由は?」

妹「……私の下着と間違え… 兄「おい」

妹「……」
妹「……変わりに私の下着を履いて良いでS…

兄「だからいらねえよ」

妹「そうこうしている間に15分が過ぎましたね」

兄「Aパート見逃したぁああぁああああ」

妹「……では、残りの15分は見て良いですよ」

兄「……なんの気変わりだよ?」

妹「急に全てを禁止というのも賢くありません」
妹「禁煙と同じで、徐々に量を減らしていけばいいかなと」

兄「タバコとアニメを一緒にするんじゃないっ」
兄「初めから最後まで大事なんだよ!」

妹「……」
妹「このアニメの後に放送されている某海賊アニメは、OPと前回放送分の回想で前半が潰れますが」

兄「アレは……現在ストックの問題があるんだよ…触れてやるな」

妹「では私はこれで……」

兄「おい待て」
兄「なぜ俺が洗顔に使ったタオルを持っていく」

妹「代わりに洗濯物籠に入れてあげます」

兄「洗濯物籠はお前の部屋にあるのか」

妹「兄さん。先ほどからなんですか」

兄「お前の凶行がなんなんですかって言いたいよ」

妹「私は勉強があるのでこれで」
スタスタ…

ガシッ

妹「……なんですか?」

兄「タオルを置いていけ」

妹「ついでに私も洗顔をしようと」

兄「タオルは他にもあるだろう」

妹「まだ濡れきっていないので、色々と使えます」
妹「それに、私が併用すれば洗濯物の数も減りお母さんも嬉しく、エコで地球も嬉しいと思います」

兄「……タオル一枚が何のエコに繋がるんだよ」

妹「その認識の甘さが、節電が捗らない理由に繋がるんです」
妹「なので電気節電のため、しばらく兄さんの部屋で生活をしようと思います」

兄「そうそう使う照明が一つで済むもんな……ってコラ」

兄「母さんも何か言ってくれよ」

母「良いんじゃない? 節電にもなるみたいだし」

妹「さすがお母さんは理解があります」

兄「……父さん」

父「兄妹仲良くするもんだ」
父「だが、兄にとってアニメは大事なものなんだ」

父「早くチャンネルをプリk…アニメに変えなさい。終わってしまうだろう」

妹「さすがお父さんです」
妹「そうですね、お父さんがそう言うのならアニメの件は保留にします」

兄「……母さん、俺はプライバシーを守りたいんだ」

母「? 妹と仲良くしなさい」

父「EDが聞こえないだろう。気が散るから、さっさと二階に上がりなさい」

兄「俺の理解者はいないのか」

【兄の部屋】

兄「……」

妹「……」コキコキ

兄「クッションなら自分のを使えば良いだろう」

妹「兄さんの枕を抱きながらだと集中出来るんです」

兄「俺は昼寝がしたいんだが」
妹「代わりに私の枕を持ってきました。使ってください」

兄「……汗っかきだから、匂いが付くかもしれないぞ」
妹「仕方ないですね。我慢します」

兄「そうか? なら良いが…」

兄「……」
兄「いつまで俺のトランクスを履いてるんだ」

妹「私にはちょっと大きめですね。構いませんが」
兄「構えよ……」

妹「……」カキカキ
兄「……勉強、捗るか?」

妹「おかげさまで」カキカキ

兄「……そうか」フワァ

クッション使ってコキコキか・・・

――…
兄「……ん…」パチ
兄「感覚的に1時間位寝ていたのかな…」

スゥ…

兄「……?」
妹「……すぅ」zzz

兄「おい」
デコピンッ

妹「あぅっ」

兄「どうしてベッドに入ってきているんだ」
妹「勉強が一段落付いて、眠くなったので」ヒリヒリ

兄「自分の部屋で寝れば良いだろう」
妹「枕が変わると眠れなくなるタイプなんです」

兄「ああ、俺が枕使っていたんだっけ…」
兄「じゃあ返すよ」

妹「いいですよこのままで。二人で枕を使いましょう」
ピト

兄「……近すぎじゃないか?」
妹「……構いません」

兄「…………構えよ」

兄「……?」
兄「Yシャツがブカブカで、色々と見えそうだぞ」

妹「……見なければ良いんです」
妹「兄妹ですし…構いません」

兄「構わないか? 普通」

妹「兄さんは他の兄妹の普通をご存知なんですか?」

兄「いや、世間一般的に考えてな……」

妹「信用に足るデータが無いと信用出来ませんね」
ピタ

兄「……胸か当たってるぞ」

妹「これは失礼」

兄「子供の頃からだけどさ、足を絡める癖。どうにかならないのか?」

妹「癖なので。仕方ないですね」

兄「トランクスがブカブカだからか、ズレかかっているぞ」

妹「では毛布をかけましょう」

兄「ああ言えばこう言う……」ハァ

実に素晴らしいですね

ガチャッ
母「あらあら」
兄「……ノックしろって何回言ったら…」

母「仲が良いのね。ウチの兄妹はケンカをしなくて楽だわぁ」

兄「親がケンカしないからな。ケンカの仕方ってのを習わずに来たんだ」

母「そう……」
母「夜のケンカは… 兄「言わせねえよ」

母「残念」
母「母さんまだ30代だし、まだピチピチだから父さんが離してくれなくて」

兄「いらねえ情報だな」

母「最近、私に変なステッキを持たされて魔法を唱えながらするのがお気に入りらしいんだけど」

兄「ほんっとうにいらねえ情報だなそれ」

母「まあ……」
母「避妊はしなさいよ」

バタン…

兄「何の話だよ……」

妹「……」

兄「それでお前はどうして顔真っ赤なんだよ」

兄「よし、出掛けるか」

妹「どこかに行くんですか?」

兄「せっかくの休みだしな。本屋にでも行くかな」

妹「では私も行きます、丁度欲しい本がありまして」

兄「ああ、友か女でも誘って行くよ」

妹「……」
妹「そう、ですか」

兄「タイトル言ってくれたらついでに買ってくるけど」

妹「……いえ」
妹「いいです。行ってらっしゃい、兄さん」ニコ

兄「? ああ」

――…
兄「誰にも連絡が付かなかった……一緒に行くか」

妹「……仕方ないですね…」ニコニコ

兄「やっぱり友達なんて……」

妹「用意は出来ましたか?」

兄「ああ」
兄「って……」

妹「?」

兄「Tシャツにデニムのショートパンツとは。夏仕様はまだ早いんじゃないか?」

妹「そうですか? もう暖かいので良いかなと」

兄「にしても足長いよな……ショートパンツが栄える」

妹「上はどうですか?」

兄「うーん……小ぶりで成長しないな」

妹「そうでなく……」ハァ
妹「肌寒いならにいのYシャツを着て…」

兄「やめとけ」ハァ

――…【本屋】
兄「新刊出てると良いな」

妹「そうですね」
ギュッ

兄「……なあ」
妹「?」

兄「いい加減、子供の頃と違うんだし手を繋いで歩くのやめないか」
妹「……却下します」

兄「迷子の心配だって無いだろう」

妹「あります」
妹「……兄さんが」
兄「俺がっ?」

兄「……まあいいか」
兄「じゃあ俺は漫画コーナーに…」

妹「……そうですね」
妹「子供の頃と違うのなら、手の繋ぎ方も変えましょうか」
ニギ

兄「……恋人握りってやつか? 他人から勘違いされるぞ」

妹「他人です。構いません」ニコニコ

兄「何が楽しいのやら……」

兄「……で、このまま漫画コーナーに行くのか?」

妹「? そのつもりでしたが」

兄「仮に手を繋いだカップルが聖地に来たら、俺ならさっさと帰れと念じるね」

妹「……はあ」

兄「イチャつくのは構わないか、見えないところでやってくれって話だ」

妹「なるほど」

兄「わかったならお前は自分の買い物へ行け」

ギュッ

兄「……」

妹「でも私たちはカップルではなく兄妹なので」

兄「他人から見てカップルなら一緒なんだって」

妹「迷子にならないように手を繋いでいるだけです」

兄「だから他人から見れば……」
兄「ああ言えばこう言う…」ハァ

すみません筋トレの時間なので少し離脱します

゚<(・ω・)>゚。腹筋しながら待つとしよう
へノへノミ 。゚

――…
兄「またせたな……新刊大量に入手してきたぜ」

妹「私も自分の欲しい本を探してましたので」

兄「じゃあレジに行くか。一緒に買うから、その本渡して」
妹「どうもです」

『あ……』

兄「ん? ああ、女か」

女「さっきはごめんね。寝てて」
兄「気にしてない」

女「サンキューサンキュー…」
女「……で」チラ

妹「?」

女「彼女さん? はじめまして」ペコ
妹「あ……はじめまして」ペコ

兄「彼女じゃないからな」

女「手まで繋いでラブラブじゃん、私はお似合いだと思うよ」ニッ

妹「……兄さん、この人は良い人だと思います」

兄「? ああ……??」

女「『兄さん』? もしかして妹さん??」

兄「ああ」

妹「……」ペコ

女「へえ~」
女「兄がこんな美人と付き合えるなんておかしいと思った」ニシシ

兄「ほっとけ」
兄「……で、何買いに来たんだ?」

女「? ああ、漫画」

兄「へえ……少女漫画とか?」

女「ううん、"シグ〇イ"」

兄「マジかっ、俺も大好きなんだよ」

女「うそっ、良かったぁ話せる友達いなくて」


妹「……」

妹「……」ムゥ

――…【家】

兄「いやー楽しかった」

妹「……」

兄「まさか女が漫画好きだなんてなぁ」

妹「……」パラ

兄「? 妹??」

妹「……?」

兄「なにを読んでるんだ? 小説じゃないっぽいし」

妹「……漫画です」

兄「漫画? お前が??」

妹「……少しだけです」

兄「何を読んでるんだ?」

妹「"銀と金"という……」

兄「おあっ、それはなぁ」ペチャクチャ

妹「……はい…」ニコ

妹「兄さん、クリームシチューをカレーライスの用に食べるのは……」

兄「美味しいから良いんだ。人前ではやらないし」
兄「第一、カレーはライスにかけてシチューはかけちゃダメな理由がわからない」

妹「シチューはスープ類ですから」

兄「カレーだって…」
兄「……カレーはカレーか」

妹「そうです、カレーはカレーなので」

兄「でも人の食べ方にケチをつけるなよ」

妹「では、空になった納豆のパックにご飯を入れて食べるのは……」

兄「なんでだよっ、アレを含めての納豆だろぉ……」

妹「兄さんのためです」

兄「その大義名分は卑怯というか、ズルいと思うんだが……」

――…

兄「ただいまー」

母「おかえり~」
母「テストの結果、帰ってきてるんでしょ?」

兄「はいはい」
パサ

兄「玄関に知らない靴があったけどお客さん?」

母「ああ、そうだった」
母「妹の彼氏が来てるのよ」

兄「……は?」

おやおや

兄「……」

妹「……ショタ君です」

ショタ「はじめまして。お兄さん」ニコッ

兄「……はじめまして」ペコ

妹「ええと……ショタ君とは、漫画で…」

母「はいはい、お菓子とお茶ですよー」

妹「……」

兄「妹に、その」
兄「男友達がいたなんて知らなかったよ」

ショタ「はい。クラスでも高嶺の花ですから」ニコ

兄「……そうか」
兄「ウチじゃあしつこいくらい構ってくるけどな」

ショタ「でも、今日はこうして遊びに…」

母「はいはい若い二人の邪魔をしないようにね」

妹「……兄さん」

兄「待てよ、まだ話は終わってな……」ズルズル

――…【兄の部屋】

兄「……」

兄「可愛い系の美少年じゃないか」

兄「お似合いだな」

兄「……」

兄「漫画読むか……」

兄「……福本漫画と押切漫画は妹が持って行っちまってるか」

兄「……」

兄「むう」

兄「……なんとなく」
兄「なんとなくだが……」


兄「……さみしい気がするのは気のせいだろうか…」

兄「まあ、恋愛だってするさ」

兄「ゆくゆくは結婚だってするんだろう……」

兄「……」

兄「まあ、関係無いか」

母「ふーん」

兄「っ、なんだよいきなり!」
兄「ノックしろって… 母「妹が遠くに行っちゃうようで寂しいとか?」

兄「っ、なにを言ってるんだ」

母「まあ、良いけどさ」

兄「イケメンの彼氏を連れてきて母さんも嬉しいだろ」

母「……」ハァ
母「言っておくけど」

母「イケメンが好きならお父さんと結婚してると思う?」

兄「!」
兄「……なんという説得力…」

母「良い人だから結婚したのよ」

兄「……父さんは、母さんの方が構ってきてしつこかったと言っていたぞ」

母「あの人……」チッ

母「ま、まあとにかく」
母「アンタはお父さん似だけど」

母「妹は私似なのよ」

兄「? そんなの顔を見ればわかるけど」

母「中身の話よ、中身の」
母「ようは……」

母「妹は顔でなんか恋人を選らばないってわけ」ニコ

兄「……」
兄「小じわ、増えたな」

ゴツンッ

母「……ああそうそう」
母「ショタ君、彼氏じゃないみたい」

兄「……は?」

――…
ガチャッ
兄「……」

ショタ「ああ、お兄さん」

兄「……」チラ
妹「……」

兄「ショタ君。その、だ」
兄「簡潔に聞くが……」
ショタ「はい?」ニコ

兄「妹とは付き合っているのかな?」
妹「えっ?」

ショタ「……まだ…」アハハ

兄「そうか……」
兄「『まだ』か……」

兄「どこが良いんだ?」

ショタ「ええと……」ポリ
ショタ「美人で、優しくてクールなところでしょうか」ハハ

兄「……そうか」
兄「確かに、我が妹ながら器量は良い」

妹「に、兄さん……」カァ

兄「優しい……か、まあ良く気がつくし。良い子だ」

ショタ「はい」ニコ

兄「……けどな」
兄「クール? そう言ったね」

ショタ「はい、教室でも冷静で物静かで……」

兄「全っ然、ちがうねっ」

妹「っ……」

ショタ「違う……?」

兄「ああっ、妹はクールどころか甘々の甘えん坊だ!」

ショタ「え?」

兄「人のトランクスを履いたり、ベッドに潜ってきたり……クール要素なんてゼロなんだよ!」

ショタ「トランクス……ですか??」

妹「に……にぃ…」カアァ

兄「だからな」
兄「妹の、外出用の上っ面しか見られてないお前にはまだ妹はやれんっ!!」

妹「……兄さん…」

兄「……わかったか、わかったなら出直してこい!」

ショタ「……わかりました」ニコッ

兄「……随分あっさりしてるな…」

ショタ「はい」
ショタ「今日は、妹さんが『兄妹で仲良くなるにはどうしたらいいのか』と聞いてきたので」

ショタ「一度、ご自宅に訪問してこの目でお兄さんを見てみたいと思いってお邪魔したんです」ニコ

兄「……ん?」

ショタ「出来れば僕自身、妹さんと今より仲良くなれたらなぁとか思いましたが…」
ショタ「……お兄さんの言う通り、出直してくる必要があるようですね」

兄「……?」

妹「……」カァ

ショタ「では僕は帰ります」
ショタ「妹さん。良いお兄さんみたいで僕も安心したよ」

妹「……ありがとう」

――…
兄「……その」
妹「……」モジ…

兄「母さんに唆されたとはいえ、俺の早とちりではあった」
妹「……」フルフル

兄「なんだ……一人でヒートアップしてしまった」
兄「娘が彼氏を連れてきた時の親父の気分を味わった」

妹「……」
妹「……その」

兄「?」

妹「お父さんの目線として――…嫌だったんですか?」

兄「……まあ」
兄「兄として…も、そうだが」

兄「嫌だったんだ、なんとなく」
兄「寂しいだろ……そりゃあ」ポリ

妹「兄さん……」

父『ただいま~』
母『今日妹の彼氏が来て~…』
父『∞∴♂♀°′″☆★○●&#●▽☆☆』

兄「……被害者二人目…」ハァ

――…

父「……」パク
兄「……」パク
母「……」パク
妹「……」パク

父「……その、なんだ」
父「兄、そのイケメン少年はどうした?」

兄「謀らずとも追い返してしまう結果になった」

父「そうか……お客様に対してそれは不躾だな」
父「お小遣い3000円アップだ」

母「……」ムゥ

父「……妹」
妹「……はい」

父「お前が好きだと言うのなら私は止めない」
父「これでも理解ある父親のつもりだからな」

母「……お父さんは自分の気持ちに正直になれって事を言いたいのよ」

妹「っ……うん」コク

母「お父さんのお小遣いが3000円減ったというのに、子供想いねぇ」ニコ

父「え? えっ」

父「まあいい」
父「兄、お前は妹の男友達だけでなく私の煙草代も追い出してしまったが」

兄「後者については俺はノータッチだけどな……」

父「なに、丁度禁煙しようと思っていたんだ良い機会だと思うことにする」

母「やだかっこいい」

兄「……ごちそうさま」

妹「ご馳走様でした……」

母「今日の勉強は?」

妹「これからする……」

母「我が家は節電期間中だから……わかるわね?」

妹「……うん」ニコ
兄「?」


――余談だが、翌月から父さんのお小遣いが2000円アップしたらしい……。

――…

妹「兄さん、ここがわからないんですけど」

兄「どれどれ……ああ、ここは…」

コチョッ

兄「ん?」

妹「それで、ここの問題は……」

コチョコチョ

兄「……テーブル越しに足でチョッカイかけるなよ」

妹「座ってばかりなので、血行促進のためです」

サワサワ

兄「……減らず口というかなんというか…」

妹「ニーソ脱いで素足で触りますか?」

兄「……俺が靴下を脱がない限りどちらでも変わらないけどな」ハァ

――…【学校】

妹「……次は数学か」

『妹さ~ん』

妹「?」

クラスメート♀「この前、彼氏と歩いてなかった?」

妹「? いえ……」

クラスメート♀「またまた~本屋で手を繋いで歩いてたじゃない」

妹「……」
妹「あっ」

クラスメート♀「やっぱり? 彼氏?? 妹さんみたいな美人なら彼氏もいるよねぇ」

妹「……あの」

クラスメート♀2「でも確か『兄さん』って…」
クラスメート♀2「兄妹で手を繋いで歩くの?」

妹「……あ、あの」

ショタ「珍しいけど、変では無いと思うな」ニコ

妹「……ショタ君…」

クラスメート♀「そうかなあ、兄妹でしょ? ウチならあり得ないけど」

ショタ「僕にも姉がいるけど、繋げと言われたら繋ぐよ」
ショタ「それに他人の事をとやかく言えるほど偉くないしね」ニコ

クラスメート♀2「ショタ君が言うなら……」

妹「……」

――…

妹「あの。さっきはありがとう」

ショタ「? いいよ、気にしなくて」
ショタ「僕は応援してるから」

妹「……」
妹「そう言えば兄さんが言ってました」

ショタ「?」

妹「イケメンが言うと女子は大体納得するって」

ショタ「……はあ」ハハ

――…

兄「次は移動教室か……」

女「おっす」

兄「おーす」

女「そういえばさ、この前 妹さんと歩いていたじゃん?」
兄「? ああ」

女「どうして恋人握りしてたの?」

兄「っ、それは……」

女「その1。実は他人で、兄妹プレイ中の恋人でした」
兄「……ちがうな」

女「その2。ガチで妹さんと出来てる」
兄「ないない」

女「じゃあその3…」
女「……妹さんが不憫でFA」

兄「? なんのこっちゃ」

女「んー、ウチにも顔の良い弟がいるけど」
女「仲が良いと手くらいは繋ぐか」フム

兄「繋ぐんじゃないか?」

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

――…
妹「兄さん、料理出来ましたよ」
コトッ

兄「サンキュー、お茶やらは用意しといたから」
兄「作らない代わりに皿洗いは任せとけ」

妹「はい」ニコ

兄「……」

妹「? どうしました??」

兄「いや、な」
兄「この角度から見ると、丁度服の線が隠れて裸エプロンに見えなくもない」

妹「……」フム
妹「いっそのこと挑戦してみますか」

兄「そこは、くだらない事を言うなと怒るところじゃないのか」

妹「まあ……男性がなにかにつけてそっちの方向へ考えるのは聞いてますし」
妹「そういう生き物だと理解して、諦めてます」

兄「おお、理解があるのは嬉しいが諦められてるのがわかって軽くショックだ」

妹「冗談ですよ」クス
妹「それで……裸エプロンしますか?」

兄「しなくていい」ハァ

女「偶には手繋ごうか」
ショタ「姉さんがそう言うなら」

兄「……父さんも母さんも今日はいないからな」

妹「二人きりですね……」アム

兄「今日は早く寝るか……」フワァ
妹「そうですね…」ウト

兄「……ああそうだ」

妹「?」

兄「ここに酒がある」

妹「……まさか」

兄「一口、一口だけ飲んでみたい」
兄「お前は飲まなくて良いからな」

妹「飲酒はいけませんよ」

兄「……お神酒みたいなものだって」
兄「よし……」ゴクッ

妹「あっ」

――…

兄「……空だ」ヒック

妹「……兄さんがいっぱい…」エヘヘ

兄「……ほら、ベッドに行くぞ」

妹「……にい、抱っこ」

兄「……」ポリ
兄「はいはい」
ダキッ

妹「かっこいい……」

兄「? そうかそうか」

妹「えへへ……」ニコ

――…
兄「……暑い…くっつくなよ」

妹「やーです……あったかい…」ムニャ
ギュッ

兄「酒癖わる……」ウェ

――…
兄「……頭痛い…」

妹「……うーん…」

母「昨夜はお楽しみでしたね」

兄「……は?」

父「なんだお前らは、親がいない間に酒なんか飲んで」

兄「……すみません」ペコ

父「それは不問に帰すが」
父「どうして妹がお前のパジャマを着てるんだ?」

兄「……」チラ
兄「あれ…寝る前は自分のを来ていたよな……」

妹「……」スピー

兄「……まあいいか」

母「いや、アンタに至っては全裸なんだけど」

兄「……」

父「……まだまだ子供だな」

兄「俺のドリルは天を衝くんだよ!!!」

兄「おはよう」

妹「……おはようございます」ウト

兄「まだ寝ぼけてるのか?」パク

妹「……」コク
妹「夢を……見ていました」

兄「夢?」

妹「はい。兄さんと楽しい家庭を築く夢でした」ウトウト…

兄「はあ……」
兄「まだ寝ぼけてるのか?」

母「それで? 子供は何人??」

妹「……」
妹「10人? 多くてよくわからなかったです…」zz

父「ふむ……孫か…」

母「見た目は兄に似ないと良いんだけど」

父「それもそうだ」

父&母「あっはっは」

兄「……親だけど殴りたくなってきたわ」

兄「あっ、またプリンが無い」

妹「すみません、後で代わりのプリン買ってきますので」

兄「まあいいけど…あまり人の物食べるのは感心しないな。買ってくるとしても」

妹「すみません……」

妹「ですが」

兄「……はじまった」

妹「昨日、お兄さんも私のプリンを食べました」

兄「新しいの買ってきただろう?」

妹「人に注意する前に自分がしてちゃ世話がないですね」

兄「すみません……」
兄「……あとさ」

妹「?」

兄「そのシャツ、俺のなんだけど」

妹「……全く、お母さんは」

兄「いやソレ俺のクローゼットに入ってたやつだからね」
兄「まあ着てないから良いんだけどさ……」ハァ

――…
ガチャッ

妹「ただいま」

母「おかえりー」
母「御使い頼んでわるかったわね」

妹「いえこのくらい」
ガサ

妹「それと、見慣れない履き物がありますが……お客様ですか?」

母「ああそうそう」

母「兄の彼女が来てるのよ」


妹「……え?」

ガチャッ
妹「……」
兄「おう、お帰り」

女「はじめまして……じゃないよね、二回目かな妹さん」ニコ
妹「……」ペコ

妹「……」
妹「……」
スタスタ…
チョコンッ

兄「……?」
妹「……」

兄「どうして隣に座るんだ?」
妹「……なんとなく…です」

女「……」
女「あーあ、兄が好きだって言うから巨乳の子のグラビア雑誌を弟から借りてきたのに」
妹「な……」

女「兄は大きい子が好きなのよねえ」ニコニコ

妹「……」チラ
テキニュー

妹「…………」ハァ

兄「なんの話だ……?」

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