妹「おせっくす」 (10)

兄「押せX?」

妹「おせっくすです」

兄「新鮮な響きだ」

妹「わたくしもです」

兄「で、それは何なのだ」

妹「学校の方が仰るには大切な事なのだそうです」

兄「ふむ」

妹「わたくし、どういう意味なのか気になってしまって」

兄「あいにく俺も知らない言葉のようだ」

妹「おにい様がお知りでないのならわたくしに分かるはずもありませんね」

兄「待て。妹の疑問に答えられないようでは兄の沽券に関わる」

妹「はい」

兄「こういう時のために辞書があるのだ」

妹「さすがです、おにい様」

兄「ない」

妹「本当ですか?」

兄「ああ。この辞書におせっくすはない」

妹「そんな。辞書を作られた方がお忘れになったのでしょうか」

兄「まさか」

妹「では、どうして?」

兄「もしかすると俺達は気付いてはいけない事に気付いたのかもしれない」

妹「それは」

兄「おせっくすは辞書に載せてはならない言葉に違いない」

妹「どうしましょう」

兄「忘れるしかないだろうな。もしおせっくすを知っている事がバレれば」

妹「……」

兄「いや、これ以上は言わないでおこう。妹、お前も忘れるんだ」

妹「は、はい」

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