灼「おばあちゃん服買ってきてくれたの!?」(165)

祖母「いつも店番頑張ってるからねえ」

ガサガサ…

灼「わぁ~、アライグマがプリントされてる!」

祖母「灼、そういうの好きだと思ってねえ」

灼「うん!ありがとうおばあちゃん、今度遊びに行く時に着るね」

灼(あ、値札ついたままだ…)チラ

灼(!! に、2,000円もしたんだ……!おばあちゃん……)ジワッ

灼「おばあちゃん…;;ほんとにありがとう……;;」

祖母「おやおや、どうしたんだい灼……」ポンポン

-後日-

穏乃「今日も練習お疲れさまでしたー!」

玄「お腹すいちゃったー」

憧「あ、ねえ。明日日曜じゃん?皆でどこか遊びに行かない?」

穏乃「おーっ、いいねー!!」

憧「玄も宥ねえも、いいでしょ?」

玄「うん」

宥「いいよ~」

灼「……」

憧「それじゃ昼前に…松実館で集合でいっか」

穏乃「灼さんは?誘わないの?」

灼「」ピクッ

憧「あー、だって灼はあれでしょ?店番じゃないの?」

灼「い、いや、えっと…… ……うん……」

憧「ほらね」

穏乃「う~、残念……」

玄「大変だね灼ちゃん」

灼「ま、まぁいつもの事だし。はは」

・・・

カチャカチャ

灼「……」モグモグ

祖母「美味しいかい灼?」

灼「うん。 ……おばあちゃん、あのね」

祖母「ん?なんだい?」

灼「明日なんだけど…店番、変わってもらえないかな、って……」

祖母「え?」

灼「あっ、日曜は私がやる約束なのは分かってるんだけど! ……その、友達、が……」

祖母「…… いいよ。店はおばあちゃんに任せて、遊んできなさい」

灼「! ほ、ほんとおばあちゃん!?ありがとう!!」

祖母「あの服、着ていくのかい?」

灼「うん!」ニコッ

祖母「そうかいそうかい、楽しんでおいで」ニコニコ

灼「さっそく玄に電話しなきゃ…!」ジーコジーコ…

・・・

-日曜、松実館-

穏乃「こーんにーちはーっ!!」

憧「玄~?宥ねえー?きたよ~」

「は~い」

トタトタ…

宥「お待たせ~」

憧「よっしゃー。んじゃ行こっか」

玄「あ、灼ちゃんがまだだから」

憧「え、灼?」

玄「うん、何か来られるようになったからって」

憧「ふーん」

穏乃「やったー!麻雀部勢揃いだね!!」

宥「ふふ、そうだね~」

玄「暑いし中で待ってようか」

憧「あ、お茶ちょうだいお茶」

穏乃「私もー!!」

・・・

穏乃「でもお店どうしたのかな?お休みになったのかな?」

玄「あ、店番おばあちゃんに変わってもらったんだって」

憧「へー」

>「こ、こんにちはー」

穏乃「あっ!来たみたい!!」

玄「はーい! よし、みんな行こ~」

憧「へえい」

ドタドタ…

玄「いらっしゃーい灼ちゃん」

灼「あ……へへ、お待たせ//」

憧「ん」ピクッ

憧(な、何このダサいシャツ……タヌキ……?)

灼「……」

灼(ん?反応ないなぁ……折角かわいい服着てるのに……)

穏乃「灼さんこんにちはー!!」

灼「あっ、うん」

穏乃「ってなんですかその服~www」

灼「え?」

穏乃「タヌキですかー!?www」

灼「いや、アライグマだけど」

宥「かわいい~♪」

灼「あ、やっぱり?//」

穏乃「それってあれですよねー!ジョークTシャツ…でしたっけ!?ww」

憧「ちょっ、シズ……!」

灼「え?そういうブランドなの?ごめん、あんまり服詳しくないから」

穏乃「いや、ブランドっていうかwwwそのwwwすいませんww」

憧「…それ、どこで買ったの?」

灼「え?いや、これはおばあちゃんが買ってきてくれたやつだから…」

憧「えっ」

玄「そっかぁー」

灼「何、欲しいの?よかったらおばあちゃんにどこで買ったか聞いt」

憧「あー!いや、いいのいいの!!」

灼「そんな遠慮しなくても」

憧「いやいや!確かにかわいいけどさ、カブっちゃうのもアレじゃん?恥ずかしいじゃん?」アセアセ

灼「……そういうものかな…」

憧「そうそう!!」

穏乃「おばあちゃんってwwwどうりでwwwwタヌキww」

憧「墳ン!!」ズドムッ!

穏乃「ーーー~~っっ!!?!?!」

玄「あ、憧ちゃん!?」

どたっ!

穏乃「ゲホッ!ぉえっ、げほげほっ……!!!」オエェ

宥「し、穏乃ちゃん大丈夫~!?」

穏乃「な゛っ 何゛する゛んだよ゛ぉお憧ぉお;;」ゴホッ

憧「さっきっから馬鹿笑いしてうるさいからよ、馬鹿」

穏乃「えぇ゛え゛何それえええ;; ゲホッ!」

灼「というか何で笑ってたの?」

穏乃「えっwだってそれはーーーwww」

憧「あーーーほらほら、もう出ようよ!」

玄「そ、そうだねあんまり遅くなるとお昼混んじゃうし…」

灼「お昼どこで食べるの?」

憧「えーっと……」チラッ

灼「……ん、何?」

憧「あ、いや」

宥「えっとね、確か憧ちゃんが調べてたパスタ屋さn」
憧「らっ、ラーメンっっ!!!」

玄「えっ?」

灼「ラーメン?」

憧「そ、そう!ラーメンがいいかなって!!(っておい、何言ってるんだ私…!?)」

穏乃「あれ?憧が言ってたお店ってラーメン屋だったっけ……?」

憧「なな、なーに言ってんのよ!ラーメンよラーメン!シズ、あんた好きでしょ?」

穏乃「いや、そうだけど……なんかオシャレな店とか言ってなかった?」

憧「ばっ馬鹿ね!オシャレなラーメン屋だってあるに決まってるじゃない!」

宥「私は別にラーメンでもいいかなぁ、ラーメンの方があったかそうだし~」

玄「まぁ、お姉ちゃんがそういうなら私も……」

灼「良く分からないけど、私は皆に合わせるから」

憧「あホント!?よっしゃーそれじゃラーメンに決定ねー!あはははは」

玄「えーと、それでどこのラーメン屋さんに行くの?」

憧「えっ」

灼「……ん?決めてたんじゃないの?良く分からないけど…」

憧「ぁ…あ、うん!いやもちろん、当然じゃーん!あははは……!」

穏乃「オシャレラーメンか~、この辺りの店は制覇してたはずだけど知らないなー」

憧「あ、新しく出来たのよ!!」

穏乃「え、ホント!?うわーっ、新しいお店かー!楽しみだなぁあ//」

灼「それじゃ早く行こうよ、新しいんじゃ混むかもしれないし」

憧「そっそうよねー!行こ行こ~!!」

全く気にしない安定の松実姉妹でした

・・・

テクテク…

憧「……」キョロキョロ

穏乃「ねえええ憧ぉお~、まぁだああ~?」

憧「うっ、うるさいわね!もうちょっとだって!!」

穏乃「だあぁあってお腹すいたよおぉ~……!」

憧「……」キョロキョロ

玄「…何ていうお店なの?」

憧「えッ!? …あっ、いやー……忘れちゃった、っていうか」

玄「へ?」

憧「み、見れば分かるんだけどさ!」

憧(ぅう……なんで私がこんなに追い詰められなきゃいけないんだ……)イライラ

憧「……」チラッ

灼「……ん?どうかした?」

憧「…いや、別に……」

憧ちゃんだめ!!苛ついちゃだめ!!

・・・30分後・・・

穏乃「憧ぉおおぉお~……!」

玄「も、もう1時半……あはは」ボソッ

憧「ぅう……」

宥「ホントにこの辺りなの?」

憧「あ…いや……うん……」

灼「あ。そこにラーメン屋あるけど」

憧「えっ!?」バッ

玄「ホントだ!」

憧「ここ!ここだよここ~、いやーやっと見つかったー!」

穏乃「あれ、ここ前からある店だよ」

憧「はぁ!?」

穏乃「オシャレとは程遠いし……それに、ここって…」

憧「なな、何言ってんのよ黄色い感じが超オシャレじゃん!?」

穏乃「……憧さー、ホントにこの店知ってるの…?」

憧「知ってるわよ!!ほら、いいから入ろ!あんたお腹すいてるんでしょ!?」

穏乃「……まぁ、私は別にいいけど……」

玄「憧ちゃんが言うんなら間違いないんだろうし、入ろっか」

灼「うん」

ガララ

店員「らっしゃーい」

玄「あれ、カウンターだけ?」

憧「えっ。 …ま、まぁいいじゃん!ラーメンはやっぱカウンターでしょ!座ろ座ろ」

店員「…お先に食券お願いします」

憧「へ?」

穏乃「……」ピッ カラン

穏乃「ここは食券買うタイプなんだよ。憧知らなかったの?」

憧「や、やだなー知ってるってー!食券ね!!」

憧「えーと…… ね、ねえシズあんたどれにしたのー?」

穏乃「え?私はお腹減ってるから大にしたけど、憧達は」

憧「じゃあ私も大にしよっと」ピッ

穏乃「…やめといた方がいいかなって言おうとしたんだけど…」

憧「へ?なんで?」

穏乃「いや、まぁ憧知ってるんなら大丈夫かー!」

憧「?」

玄「お姉ちゃんどうする?」

宥「普通のでいいかな」

玄「そだね」ピッ

灼「えーっと、私はどうしようかな」

店員「あ、お客さんうちかなり多いですよ」

憧「えっ」

灼「あ、そうなんですか。…じゃあ小ってやつで」ピッ カラン

・・・

憧「……」ソワソワ

穏乃「どしたの憧」

憧「えっ?べ、別に?」

店員「えー、3番の方ニンニクどうしますか」

客「ニンニクヤサイマシマシアブラカラメで」

店員「はい」チャッチャッ

憧「…な、何?今の」

穏乃「何って、あはは」

店員「はいどうぞー」

ゴトッ

憧「えっ……!?」

憧いじめは意外と心が痛む…

客「ども」スッ

玄「な、何あれ?」

宥「ら、ら、らーめんなの?」

灼「山みたい……」

店員「はい9番の方」

客「えーっと全マシでー」

店員「はい全マシ」ゴト

「ヤサイマシアブラニンニクチョモで」

「野菜少な目ニンニク無し…アブラカラメ」

ガヤガヤ…

憧「……と…えっと……」キョロキョロ

穏乃「何々、どーしたの?」

憧「あ……い、いや……」ざわ…

店員「はい5番の大の方~」

穏乃「あ、はい野菜少な目で。あとニンニク無しでお願いしまーす」

店員「はい野菜少な目ね」ゴト

憧「うっ」

店員「はい4番の大の方」

憧「……」

店員「大の方ニンニクどうします?」

憧「……」キョロキョロ

店員「…トッピング。どうします?」

穏乃「憧、呼んでるよ」

憧「えっ!?あっあっ…ぁ、と、とトッピングですか?えっと」アタフタ

穏乃「普通って言っとけば?」

憧「あっ、じゃ、じゃあふつう…で」

店員「はい、大ね」ドン!

憧「」

店員「はい6番の方」

玄「ろく…あ、私か。えっとその……上に乗ってるの、少な目とか出来るんですか…?」

店員「野菜少な目ですねー。できますよ」

憧「!?」

玄「あ、じゃあそれで…」

宥「私もそれで…」

灼「私も」

憧「……」

穏乃「いっただっきまーす!」パキン

憧「……ぃ、いただきます……」

ガツガツ

穏乃「んー、久しぶりだからおいしーっ!」モグガツ

宥「く、玄ちゃんこれどうやって食べるのかな?」

玄「……麺が見えないね……」ツンツン

灼「穏乃は麺食べてるけど…」

穏乃「んん~」ズルズル

玄「えっ?あっ、ホントだ!!ど、どうやって…?」

憧「……」チラッ

穏乃「あー、玄さん達はそのまま上から食べた方がいいですよーwこぼしちゃうからw」

玄「そ、そうなの?」

穏乃「そうそう!」ズルルー

憧「……(ええい、眺めてても減らないし食べよう…!)」ガッ

モグモグ…

~5分後~

玄「ふぅふぅ……やっと麺が見えてきた~」グイ

宥「わぁ、太~い」

灼「小で良かった」ズルズル

憧「……」チマチマ

憧(うぅ、私のはまだまだ野菜ばっかり…これじゃ茹でたもやし食べにきたみたいだ……;;)モグモグ

穏乃「ハムッ ハフハフッ、ハフッ!」モグモグ

玄「す、凄い!もう半分ぐらい食べてない?」

穏乃「いやー全然遅いですよこれぐらいじゃあ//」

灼「ほんと小で良かった」モグモグ

憧「……(や、やばいよ私だけ進みが遅い……ぅう……)」モグモグ

~10分後~

玄「ふー、半分ぐらい食べたかなぁ」モグモグ

宥「うぅ、玄ちゃん早い~…」フゥ

玄「…ずっと気になってたんだけどこのお肉の塊って手違いじゃないのかなぁ」ゴロン

灼「チャーシューってレベルじゃないよね」ツンツン

穏乃「それ最後に残すとキツイですよーw」

宥「そんなぁ~……;;」

穏乃「あははは、憧はどうかなー?」

憧「……」モグモグ

穏乃「憧?」

憧「……  ゥッ!」ウプ

憧「んぐっ! ふぅっ!はぁ… な、何よ話しかけないでよ集中してるんだから!」

穏乃「へぇーいw」

・・・

穏乃「どうですかー?食べ終わりました?」

玄「私は一応……」

灼「私も。小で良かった」

宥「ぅう…玄ちゃああん;;」

玄「お姉ちゃん無理そうだったら私が食べてあげるから」

宥「本当~?」

玄「おまかせあr ウプッ あれ!」

玄「憧ちゃんは?」

穏乃「憧どう?」

憧「ま、まだ半分ぐらい……ッぷ」モグ…

穏乃「うーんどうしよ…並んでるお客さんいるしなー」チラ

憧「……」

憧「…いいわよ先出てて。私は自分でなんとかするから」

穏乃「ホント~?豚一枚ぐらいなら食べてあげてもいいよ」

憧「い、いいって!ほ、他のお客さんに迷惑なんでしょ?」

穏乃「いやまぁそれは既に……」

憧「え?」

穏乃「まぁほら、豚だけ食べてあげるからさー」ヒョイパク

憧「あっ」

穏乃「モグモグ…んぐっ。 それじゃ私達は出てようか玄さん」

玄「えっ、でも」

灼「……私もうちょっとスープ飲もうかな…」チビチビ

灼「ぅぷッ」

憧「……い、いいわよ無理しなくて。先出ててよ」

玄「ホントに?それじゃあ……」ガタッ

宥「頑張ってね憧ちゃん…」ガタ

穏乃「ごちそーさまー!」ガタン

穏乃「ふー食べた食べたぁー!」ポンポン

玄「憧ちゃん大丈夫かな……」

穏乃「まぁ残しても死ぬわけじゃないからwすっごい気まずいけどww」

宥「そ、そんなぁ」

灼「……憧、なんでこんな店選んだのかな?」

玄「うーん…昨日はイタリアンのお店に行くって言ってたんだけどね」

灼「え?」

宥「そ、そうだよね?私、勘違いしてたのかと思ったけど」

灼「そうなんだ。なんで変えたんだろ」

・・・

憧「……ぅう…」モグ…モグ…

憧「……(もう限界だよ……)」ツンツン

憧(どうしよう……なんかすっごい見られてる気がする……)ざわ…

客「……」

店員「……」

憧「……」モグ…

憧「っ! ゴホッ、ゲホ!」

ざわっ

店員「……」

憧「あぅ……」

店員「下げますか?」

憧「えっ」

ざわっ…!

店員「……下げましょうか?」

憧「…………はぃ……すいません……」シュン

「なんだアレ……」

「さぁ…調子乗って大でも頼んだんじゃねーの?」

「仲間内じゃ大食い自慢ってか…wいるいる……w」

ヒソヒソ…

憧「……」ガタン

憧「ご、ごちそうさま、でした……」フラフラ

・・・

玄「あ、出てきた!」

宥「憧ちゃん!」

憧「……」

穏乃「どうだったー?」

憧「……残した……」

灼「……」

穏乃「あちゃー…ちゃんと店主に謝ったぁ?」

憧「あ、謝ったよ……」

玄「ま、まぁしょうがないよあれじゃ…私だって普通のでいっぱいいっぱいだったし…」

憧「……ぅッ!」ダッ

憧「おェエッ!!」ビチャビチャッ

穏乃「うわっ、きたなっ!!」

宥「あ、憧ちゃん大丈夫……!?」

憧「…………」

玄「憧ちゃん…?」

憧「……大丈夫…じゃない……」ジワッ

宥「え?」

灼「あ、憧」

憧「ぅう……うう~っ……;;」グスッ

玄「!」

穏乃「ちょ、店の前で泣いたらやばいってー!いや吐いてもやばいけど!」

憧「ヒグッ!うぅ…;;こん゛なはずじゃな゛がっだの゛に゛ぃ~……!;;」ポロポロ

宥「あっあっ、憧ちゃん!?どどどうしよう~!」

灼「とりあえずこっちに……!ほら、憧…!」

・・・

玄「落ち着いた…?」サスサス

憧「ぅ…うん……」

穏乃「ったく、無理するからさー」

宥「じ、穏乃ちゃん」

穏乃「知らないなら知らないって言えばいーんだよー」

憧「……」

灼「や、やめなよそういうのは」

穏乃「なんでですか?だって憧が勝手にお店変えてさ、嘘ついてさ?それでこうなったのに」

玄「まぁ、そうかもしれないけど……」

憧「……みんな、ごめん……」

宥「そんな、憧ちゃんが謝らなくても」

玄「とりあえずどこか喫茶店にでも入って落ち着かない?」

灼「そうだね」

穏乃「はぁーい。あーあ、何か私が悪いみたいじゃんっ」

宥「憧ちゃん行こう?」

憧「うん……ごめんね宥ねえ…」

宥「いいよいいよ」

穏乃「憧~、なんかオシャレな喫茶店教えてよー」

玄「し、穏乃ちゃん!」

穏乃「もー、冗談だよ玄さん……ちぇっ」

ガーッ

店員「いらっしゃいませー」

灼「スターバックスなんて始めて入った」キョロキョロ

玄「そうなの?」

灼「っていうか外食自体ほとんどしたことないし……」キョロキョロ

店員「ご注文お決まりでしたらどうぞー」

玄「あ、はい。えーっと…」

穏乃「わーなんかオシャレっぽい名前の飲み物ばっかりだ」

玄「……」キッ

宥「い、今のは天然じゃないかなー、天然!」アセアセ

穏乃「はへ?」

灼「私良く分かんないから本日のコーヒーってやつでいいや」

・・・

穏乃「ふー」チュー

玄「外暑かったし生き返るね~」

憧「そだね……」チュー

穏乃「にしてもなんで急にお店変えたの?」

憧「えっ」

宥「し、穏乃ちゃんもうその話は……」

穏乃「だって気になるんだもん」

憧「……」

玄「憧ちゃん別に話さなくってもいいからね?私別に気にしてないから…」

穏乃「えーっ」

宥「……」

灼「……私ちょっとお手洗い」ガタッ

玄「あ、うんいってらっしゃい」

憧「……」

穏乃「今がチャンスだよ?」

憧「え…?」

玄「チャンス?」

穏乃「灼さんでしょ?変えた原因」

憧「!!」

宥「灼ちゃん……?」

玄「えっ、どういうこと?」

穏乃「灼さんが居たら恥ずかしいなって思って変えたんでしょ?」

憧「し、シズ!」

玄「恥ずかしい…?」

穏乃「だって絶対そうだもん。玄さんと宥さんは知らないけど、
   憧は絶対灼さんのシャツ恥ずかしいって思ってるよね」

宥「え?アライグマさん?」

憧「いや、べ、別にそんな」

穏乃「思ってるよ。だって私が笑ったら怒ったじゃん」

憧「あ、あれは……」

穏乃「一緒に行くと思ったら急に恥ずかしくなっちゃってそれで変えたんだよね?」

憧「ち、違う!気が付いたら何か言っちゃってて……」

穏乃「だから、思ってるから咄嗟に嘘が出ちゃったんじゃないの?」

憧「ぁ……」

玄「……」

憧「だ、だってシズが笑うから!」

穏乃「関係ないよ。別に笑ったけど一緒に居て恥ずかしいとは思ってないもん」

憧「ぅ……」

玄「……よ、よく分からないけど、その……憧ちゃんは気を遣ったんじゃないかな?」

宥「気を遣った?」

玄「だ、だからその、灼ちゃんの服が…良く分からないけど、恥ずかしいって思ったなら」

玄「灼ちゃんが浮いちゃったらその、アレだから……それでっていう感じなんじゃ…」

憧「……」

穏乃「ふーん……でも何かそれも、灼さん本人は良いと思ってるのに勝手にっていうか」

憧「…………」

宥「し、穏乃ちゃん……」

憧「…そ、そうよ……穏乃の言う通りよ……」

玄「えっ」

憧「一緒に居たら恥ずかしいなって、思っちゃったんだと思う……多分」シュン

宥「あ、憧ちゃん……」


灼「……」コソッ

・・・

憧「ごめん……」

宥「ま、まぁ……特別悪気があったわけじゃないんだからもういいよ~」

玄「そ、そうそう、そうだよ……」

憧「……灼、知ったら傷付くよね…おばあちゃんが買ってくれた服なのに……」

玄「……」

「ふー、ただいまー」

憧「!」ビクッ

玄「あ、灼ちゃんおかえりー」

宥「…あれ?上に着てたシャツは?」

灼「あっ。いや、なんか…トイレの帰りに他の人にぶつかって。飲み物かかっちゃって」

憧「えっ」

灼「まぁもう洗ったんだけどね。でも濡れちゃったし……へへ」ポリポリ

玄「そ、そっかぁ。大変だったね!」

灼「うん」

憧「…………」

灼「……あっ。お菓子でも食べようよ、せっかくだしさ」パン

宥「そ、そうだね~!おいしそうなのいっぱい並んでたもんね」

灼「そうそう」

穏乃「じゃあ私チーズケーキにしーようっと!」ガタッ

玄「そっそれじゃあ私は……お姉ちゃん何にする?」ガタン

宥「え~っと……」

憧「……」

灼「…ほら、憧も行こうよ」

憧「…………うん……」ガタ

・・・

玄「ふー、おいしかったね~!」

穏乃「お腹いっぱいだー!」

灼「三つは食べ過ぎ」

宥「あははは」

憧「……」

穏乃「さーて次はどうしよっかー!」

玄「えっとー…」チラ

憧「……」

玄「あ、もうこんな時間だ!今日はもう帰ろう?」

穏乃「えー、まだ4時前ですよー?」

玄「ほ、ほら私とお姉ちゃんは家の手伝いがあるから~…ね?お姉ちゃん」

宥「そっそうだね帰ろっか~」

灼「そっか。じゃあ私も帰って手伝おうかな」

穏乃「なーんだー、それじゃ出ましょー」

・・・

玄「それじゃ私達こっちだから~」

穏乃「また明日ー!」

灼「私も、ここで」

憧「……あっ、灼」

灼「何?」

憧「えっと…………ご、ごめん!」

灼「ごめん?」

憧「いや、えっとその…な、なんていうか……」

灼「……別に気にしてないよ」

憧「で…でも」

灼「まあ多過ぎかなって感じはしたけど、味は悪くなかったと思うし」

憧「へ、味っ?って……あっ。 …その……うん…」

灼「…まあとにかく、気にしなくていいから。なんか憧が落ち込んでると調子狂いそうだし」

憧「えっ」

灼「それじゃね。また明日」

憧「う、うん」

・・・

-Sagimori Lanes-

灼「……」テクテク

灼「……」

灼「…あっ。そうだ、シャツ着とかないと……」モゾッ

灼「ふー」パンパン

灼「……よし」

ガーッ

灼「ただいま~っ」

祖母「おかえり灼。どうだった?楽しかったかい?」

灼「うん。楽しかったよ」

祖母「あぁ、やっぱりその服、灼に似合ってるねえ」

灼「うん。着て行って良かった。ありがとうおばあちゃん」

祖母「そうかい、そうかい」

灼「それじゃ店番変わるね」

祖母「あぁ、ありがとうよ灼。次はどんな服を買ってあげようかねえ」

灼「おばあちゃんに任せるよ。おばあちゃんが選んでくれたものならなんでもいい」

祖母「そうかい…?」

灼「うん。だって私、おばあちゃん大好きだもん」ニコッ



-終わり-

憧「……ところでふざっけんなよあの猿…」

・・・

穏乃「はあ疲れたなあ」

憧「おい」

穏乃「うわあ!?なに?憧!?」

憧「ふんっ!!」

ドゴォ

穏乃「うぐえぇ!?」

憧「てめぇ私に恥かかせやがってよお…」

穏乃「う…げ…うえぇえええ」ビチャビチャ

憧「お客さん困りますう~ちゃんと全部食べてくださあい」ガンッぐりぐりぐり

穏乃「うが…あ…や、めで……ごめんなさいごめんなざい」



終わり

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom