絵里「ハラショー」穂乃果「またそれか」 (35)

絵里「ハラショー」

穂乃果「絵里ちゃん!」

絵里「?」

穂乃果「ロシア語って他にどんな言葉があるの???」

絵里「………ハラショー」

穂乃果「それはもう知ってるよー!」

絵里「うっ……」

穂乃果「おしえておしえてー!」

絵里「…………」

穂乃果「わくわく!」

絵里「ルイズフランソワーズルブランドラヴァリエール」

穂乃果「わー!なんか呪文みたいだね!
ロシア語ってすごい!」

絵里「でしょ?」

ことり「絵里ちゃ~ん、助けてぇ~」

絵里「どうしたのことり」

ことり「ここのフレーズの歌詞が決まらないの……時間がないよぅ……どうしよー!」

絵里「ハラショー、ってどうかしら」

ことり「………!ハラ、ショー……」

絵里「どうかしら」

ことり「何かが閃いた気がする!ありがとう絵里ちゃん!」

絵里「作詞期待してるわね」

花陽「はぁ……」

絵里「あら、どうしたの花陽。なにか悩み事?」

花陽「あ、絵里先輩……」

絵里「ハラショー、食べる?」(モグモグ

花陽「ありがとうございます……もしゃもしゃ。えへへ……おいしー」(モグモグ

絵里「少しは元気が出たみたいね」

絵里「何かあったの?」

花陽「……このサイト見てください」

絵里「ミューズのメンバーで一番のデブといえば誰か、ですって?」

花陽「みんな私の名前をばっかり挙げてるんです……
……うぅ、私ってデブだったんだぁ……」

絵里「……花陽。ハラショー、って言ってみて?」

花陽「ハラ……ショー?」

絵里「もっと元気よく!」

花陽「ハラショー!」(ニコッ

絵里「いい笑顔ね。可愛いわ花陽」

花陽「うぇぇ?!い、いきなりなんなんですか?!」

絵里「デブでも別にいいじゃない
たとえデブでも、あなたが魅力的なアイドルであることに変わりはないわ」

花陽「え、絵里ちゃん………!」

絵里「行くところがあるから私はこれで………ハラショー(幸運を祈る)」

花陽「ハラショー!(幸運を祈る)」

部室
ガチャ
絵里「あら?にこ一人?」

にこ「あら絵里じゃない。どうかしたの?」

絵里「少し資料を見にきたのよ………それよりもにこ。貴方その顔………」

にこ「なによ」

絵里「………顔に何つけてるの?」

にこ「キュウリパックよ!知らないの?」

絵里「学校で何をしてるのよあなたは……ハラショー……」

絵里「なぜキュウリを顔にくっつけてるの?」

にこ「お肌の手入れよ。知らないの?」

絵里「ハラショー………そんなお手入れの仕方があるのね。
私はいつもハラショーでしかスキンケアしてないから知らなかったわ……」

にこ「ハラショー?
なにそれどこかのメーカーの名前?
……まぁ別にどうでもいいや。資料持って早く出て行きなさいよ」

絵里「………にこ、何があった?」

にこ「………べつに」



それって学校でしなきゃいけないことなの?」

にこ「私みたいに総合的に劣るアイドルはこういう地味な」

あ、やべ。ミスった

絵里「それって学校でまでやる必要のあることなの?」

にこ「……仕方ないでしょ
にこみたいな無個性アイドルはこういう地道なところで努力するしかないのよ……」

絵里「ぷっ……にこが無個性?
ハラショーを通り越してハラショーねそれ!面白いハラショーだわ!あははは」

にこ「何言ってるか全然わかんないんだけど……」

絵里「あ……ごめんなさい。母国語がいくつか混じっちゃったわね」

にこ「ハラショーしか見当たらないけど……」

絵里「にこは頑張りすぎなのよ。もっと肩の力を抜いてもいいと思うわ」ナデナデ

にこ「………でも私は歌もダンスもパッとしないし、
正統派アイドルキャラは最近じゃ空回り気味だし……」

絵里「…………」ナデナデ

にこ「……オシャレは自信あるけど、表の舞台で活かせる場所はほとんどないし……
背も低いから舞台映えしないし………」

絵里「………にこは偉いわね。自分の弱点と正面から向き合ってる
誰にでもできることじゃないわ」

にこ「……だからなんだって言うのよ」

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