ほむら「宇宙人と」 QB「時間遡行者」(145)


ほむら「………」

ほむら「……ほむぅ」ムクリ

ほむら「朝ね」

ガラッ

QB「おはよう、暁美ほむら」

ほむら「………」スタスタ

ほむら「牛乳、牛乳っと……」ガチャ


QB「朝の挨拶をしたのに無視とはひどいね」

QB「返してくれたっていいだろうに」

ほむら「朝の貴重な体力を、あなたに使うなんてもったいない」

ほむら「さて、学校へ行く準備をしないと」

QB「朝食はどうするんだい?」

ほむら「昨日の夜ご飯の残りを食べるわ」

ほむら「あなたはこれでも食べてなさい」ポイ

QB「………」

QB「……またバナナか」キュプキュプ


ほむら「ガスもチェックしたし、電気も消した」

ほむら「対インキュベーター用トラップの動作確認も終わり」

QB「さりげなくひどいことをしているね」

ほむら「あなたに無断入室する権限なんてないわ」

ほむら「鍵も閉めて……」ガチャ

ほむら「それじゃ、いきましょう」

QB「そうだね」


ほむら「あなたに聞いてないわ」

QB「やれやれ……」


通学路

まどか「おはよう、ほむらちゃん」

さやか「おっす、ほむら!」

ほむら「おはようまどか、それと美樹さやか」

QB「やぁ鹿目まどか、美樹さやか」

まどか「おはよう、キュゥベえ」

QB「どうだい?契約する気にはなったかい?」

ほむら「よく私の前でそれを言えるわね」メキョメキョ

QB「ちょっとしたインキュベーター流のジョークだよ」パタパタ


教室

さやか「ねぇねぇほむらぁ」

ほむら「何かしら?」

ほむら「ちなみに次の数学の宿題なら見せないわよ」

さやか「うぐっ!?どうしてそれをぉ……」

ほむら「はぁ……」

ほむら「あなたが授業前に話しかけるとしたらそればかりじゃない」

さやか「いやいや、普通に話しかけることもあるじゃん!」

ほむら「それよりも回数が多いということを自覚していないのね」

さやか「ぐぬ……」


さやか「頼むよほむらぁ……」

さやか「今日仁美は休みだから、頼れるのがほむらしかいないの」

ほむら「そう、あなたにとっての私はその程度の存在なのね」

さやか「あーっ!そういう意味じゃなくって!」

ほむら「ふふっ、冗談よ」


まどか「ほむらちゃーん!宿題見せてー!」マドマド

ほむら「かまわないわ」ホムッ!

さやか「予想はしてたけど、これはずるいぞ!」


QB「やれやれ、美樹さやかにも見せてあげればいいじゃないか」

ほむら「どうしてここまで来ているのかしら?」

QB「どこに行こうが僕の自由だろう?」

ほむら「あら、私の縄張りであなたに行動の自由を与えたつもりはないのだけど」

QB「だからといってこの人の多い場で僕を拘束するかい?」

ほむら「………」


ほむら「あなたの私の家での衣食住の権利をはく奪してもいいのだけど」

QB「それは困るなぁ」


ほむら「巴マミの家という温室に慣れきったあなたに」

ほむら「佐倉杏子同様の生活ができるとは思えないのだけど」

QB「やれやれ、君に言いくるめられる日が来るとはね」

まどか「マミさん、受験で大忙しだもんね」

さやか「この前久しぶりに会ったら、大分やつれてたもん……」


~~~~~~~~~~~~~

マミ「おはよう、美樹さん」

さやか「おや、マミさんじゃないですか―――」


さやか(た……縦ロールが横ロールになってる!?)

~~~~~~~~~~~~~~


QB「彼女も勉強ばかりで世話をしてくれなくなったからね」

QB「ほむらの家に駆けこんだのさ」

ほむら「迷惑千万な話よ」

ほむら「そもそもあなたって人間の生活に依存する必要ないのでしょう?」

QB「仕方ないだろう」

QB「マミに愛玩動物同様の生活環境を提供され、生活していた」

QB「体が慣れきってしまったんだよ」

ほむら「インキュベーターも地に落ちたわね」


QB「しかしどうして美樹さやかに見せてあげないんだい?」

ほむら「その方が美樹さやかのためになるからよ」

ほむら「他人の宿題を写すだけじゃ、自分の力にはならないわ」

QB「なるほどね」

QB「つくづく人間というのは不便だ」


QB「しかし、まどかに見せているのは彼女のためにならないんじゃないのかい?」

ほむら「いざとなれば私が教えるからいいの」

さやか「私には教えてくれないのかい!」


まどか「ほむらちゃん、さやかちゃんにも……」

ほむら「まどかが言うなら仕方ないわね」

ほむら「まどかに感謝して写しなさい」

さやか「うおっ!サンキューほむら!」


キーンコーンカーンコーン

さやか「あ……」

QB「チャイム。時間の区切りを知らせる音だね」

ほむら「残念、時間切れ」サッ

さやか「こんなのあんまりだー!」

QB「驚いたよ……まさか君の願いが」

まどか「……」ドンッ

QB「魔女になる事だったとはね……」


放課後

さやか「結局、ほむらのを写したまどかのをちまちま写して何とか間に合ったわけだけど」

ほむら「最初からしておけばなんてこともないのよ」

さやか「優等生発言だねぇ、ほむらぁ」グリグリ

ほむら「あんまりからかわないでちょうだい」


まどか「でも、明日急にテストだって……」

さやか「あの先生いきなり言うもんなぁ」

ほむら「あなたの場合、いきなり言われたって変わらないでしょ」

さやか「ほむら~、そろそろあたし泣くぞ」

見切った
これは濃厚なほむさや本……!!


ほむほーむ

ほむら「それで、私の家で勉強会?」

さやか「やっぱ一人じゃ勉強できなくてさ」

まどか「分からないところ、教えてほしいなって」

ほむら「……まぁいいわ」

さやか「よっしゃあ!ほむらがついてれば安心だ」

ほむら「それで、どこからやるの?」

まどか「えっと、数学の……」

さやか「あたしは英語が……」


~~~~~~~~~~

ほむら「だからこのXを代入すれば」

まどか「すごいやほむらちゃん」

さやか「こんな応用問題よくできるねぇ」


QB「しかし君たちは回りくどいね」

ほむら「どういう意味?」

QB「そんな方法で計算しなくても」カキカキ

QB「こういう風にすれば……簡単だよ」キュップイ

まどか「えっ?えっ?」

ほむら「まどか、安心して。コイツがやっているのは中学生の解き方じゃないわ」

さやか(それが分かるほむらもすごいよ)


~~~~~~~~~~~

ほむら「……これでテスト範囲は終わりかしら」

さやか「あ゙ー!おわったぁ」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「まどかのためならなんでもするわ」

ほむら「その気になればカンニングだってさせて……」

さやか「アウト!それはアウト!」

まどか「うぇひひ……そこまでしなくても大丈夫だよ」

ほむら「まどかはえらいわ」

さやか「いやいや、それが普通ですから」


さやか「しっかし、こうしてみるとほむらの家って色々な本あるよね」

ほむら「本はいいわ。楽しみながら知らない事を学ぶこともできるから」

QB「同意だね」

QB「本というものはまさに知識の宝庫さ」

さやか「ちょっと本棚見せてよ」

ほむら「構わないわ」

さやか「どれどれ……」

さやか「シェイクスピアの本がすごいある」

まどか「あっ、グリム童話だ……?」


まどか「『本当は残酷なグリム童話』……」


さやか「ああ、なんか聞いたことあるわ」

ほむら「あまりお勧めはしないわ」

ほむら「まどかみたいな純粋な子には見せられないわね」

まどか「そんなに怖いの?」


さやか「こっちの本棚は?」

ほむら「ああ、そっちは……」

さやか「『現代兵器の全て』『改訂版自衛隊の装備』『爆弾の歴史』」

まどか「『最終戦争論』『はじめての物理学』……」

QB「こんな本を読む中学生なんてそうそういないだろうね」


さやか「……おや?この本棚、なんか二重になってる」

ほむら「!?」

さやか「手前の本棚をずらすのかな?」グググ

ほむら「やめなさい、美樹さやか!」ガッ!

さやか「わっ!どうしたのさ」

ほむら「えっと……」

ほむら「この本棚、不安定だからよく倒れるのよ」

QB「別にそんなことはなかったはずだけどきゅぶ!」ガッ!

ほむら「ほら、本が崩れ始めたわ。早く戻しましょう」

さやか「え、あ、うん……」

まどか(今明らかにほむらちゃんが落としたような……)


ほむら(この奥のシークレットスペースは見せられないわ)

マミ「もうキュゥべえとは暮らせないわ…!」
ほむら「……そう、なら預かるわ」
QB「え、ちょ……」
ほむら「丁度よかったわ、サンドバッグが破れてしまったの」
QB「いぃやあだああ!! 助けてマミしゃあぁぁ!!!」

さやか「ああ、マミさんの下着泥棒、犯人見つかったんだってさ」
まどか「へー」


ほむら「……っと」

ほむら「気付いたらもうこんな時間ね」

まどか「わっ!早く帰らなきゃ」

さやか「そんじゃ、今日はお開きということで」

ほむら「送っていくわ。まどか」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん!」


さやか「それじゃ、また明日!」

ほむら「ええ」

まどか「またね~」


翌日

さやか「テスト終わったー!」

まどか「ほむらちゃんのおうちでお勉強しててよかったよぉ」

QB「二人とも、パッと見でも正解が多かったよ」

ほむら「当然ね」

さやか「それじゃ、お昼食いに行きますか」

まどか「そうだね」

ほむら「今日は屋上だったかしら?」

まどか「うん、マミさんが来るって」


屋上

まどか「おはようございまーす……」

マミ「おはよう」

まどさや(今度はドリルが上に……)

QB「やぁマミ。調子はどうだい?」

マミ「毎日が苦しいわ……」

マミ「受験勉強ってこんなにきついのね」

まどか「ま、まぁマミさん!今くらい忘れちゃいましょうよ!」

さやか「パーッとしましょう!パーッと!」

ほむら「言い方がオヤジ臭いわね」


さやか「そういやさ、明日休みじゃん」

さやか「マミさんの勉強の息抜きも含めてさ、遊ぼうよ」

まどか「あっ、それいいかも」

ほむら「あなたにしてはまともなことを言うのね」

さやか「マミさん、どうですか?」

マミ「最近あまり休んでないし……そうしましょう!」

さやか「よし、じゃあ決定!」

杏子「場所はどうすんのさ」

さやか「んー、そうだなー……」


まどか(……あれ?)


さやか「杏子!?」

杏子「よ!」

さやか「なんであんたがここにいるのよ!」

杏子「飯の臭いがした」モグ

さやか「あたしのウィンナー!」

マミ「時々佐倉さんが羨ましくなるわ」

杏子「あたしはそんなこと考えなくていいもんな」

さやか「あんたも来るの?」

杏子「飯にあり付けそうだしな」


翌日 マミホーム

さやか「これで終わりだよ!」スッ

QB「……本当にいいのかい?」

さやか「当然!」

QB「そうか」スッ

さやか「……!?」

杏子「これ出せばいいのか?」スッ

マミ「あ、持ってたわ」スッ

まどか「わ…私も……」スッ

ほむら「悪いわね、美樹さやか」スッ

さやか「あ……あ……」


さやか「自分がドロツーを出した分、一周する可能性もある……」

さやか「あたしって、ホントバカ」バサバサ…


ほむら「初めの周回からドロツーを出すなんて、無謀もいいところよ」

ほむら「そういうカードは最後の方で形勢逆転を狙うためのカード」

さやか「このカードの山をどうやって払えと……」

マミ「まぁまぁ美樹さん、まだやり方によっては……」

まどか「そ、そうだよ!頑張ればできるよ!」

ほむら「………」


~~~~~~~~~

まどか「えと、ごめんねさやかちゃん」スッ

まどか「あがり!」

さやか「………」

杏子「最下位はさやかになっちまったな」


ほむら「美樹さやかが勝てる確率はあったの?」

QB「まさか、そんなの不可能に決まってるじゃないか」

QB「ブラックを引いたならともかく、それらしい様子もない」

QB「彼女は運がなかったのさ」


ほむら「UNOをやって敗者には罰ゲーム」

ほむら「提案した本人に回ってくるとは、皮肉ね」

さやか「あ、あんまり厳しいのは勘弁願いたいなぁと」

まどか「それじゃあ一番のマミさん」

マミ「ん~、そうねぇ」

マミ「ちょっとした買い出しに行ってもらおうかしら?」

さやか「ほっ……無茶なのじゃなくてよかった」

まどか「よかったね、さやかちゃん」

マミ「はい、これがメモよ」

マミ「お菓子用の調味料なのだけど……」


さやか(マミさん、細かすぎてわかりません!)


QB「僕が一緒にいこう」

QB「マミの買うものなら、少しはわかるよ」

さやか「お、それは助かるよキュゥベえ」

ほむら「………」

ほむら「美樹さやか」

さやか「ん、なに?」


ほむら「その淫獣がおかしな行動をしたら、このスタンガンで懲らしめなさい」スッ

さやか「さやかちゃん普通の女の子ですから!あんたみたいな真似できないって!」


~~~~~~

二回戦目

さやか「いよっしゃ!あがり!」

杏子「ん」スッ

まどか「う……」

まどか「また手元にないカードだ……」ドロー

まどか(このままじゃ罰ゲームだよぉ……)

ほむら「大丈夫よまどか」

ほむら「あなたのカードは、私が流す」スッ

ほむら「色変え、色変え……」

マミ「すごい……鹿目さんのカードが次々に減っていく」


まどか「あがり!」

ほむら「よかったわね、まどか」

さやか「それより自分の心配をしなよ、ほむらぁ」

ほむら「!?」

QB「君が自分の事を顧みずに、鹿目まどかがカードを出せるように貢献した」

QB「その見返りに、君は最下位になったんだよ」

ほむら「まどかに罰ゲームを受けさせないためよ、悔いはないわ」

ほむら「どんな罰ゲームでも、乗り越えてみせる」

さやか「ほう、自信満々ときたか。それじゃあ罰ゲームは……」


『キュゥベえと疑似夫婦生活』

ほむら「………」

ほむら「……ごめんなさい。耳がおかしくなったみたい」

さやか「キュゥベえとままごとやれって言ってんのよ恥ずかしい」

ほむら「わけがわからないわ」

QB「本当だ。わけがわからないよ」

さやか「いやー、あまりにも自信満々だったからさ」

さやか「ちょっとほむらの音を上げるのが見たくて……」

ほむら「………」ムッ


ほむら「いいわ、やってやろうじゃない」


さやか「んじゃあシチュエーションその一」

さやか「帰宅したキュゥベえを労うほむら。スタート!」

~~~~~~~

QB「ただいま、ほむら」

ほむら「おかえり、キュゥベえ」

QB「今日も疲れたよ」

ほむら「仕事の調子はどうなのかしら」

QB「最近は契約が取れなくてね。業績が上がらないんだ」

ほむら「さっさと給料あげてちょうだい」

QB「でもね、もう少しで大きい契約ができそうなんだ!」

ほむら「へぇ」


ほむら「して、その契約先というのは?」

QB「鹿目まどかという少女でね―――」


ほむら「今すぐその契約やめなさい、悪いものがつくから」

ほむら「相手方に」

QB「ひどいなぁ。僕の業績はどうでもいいというのかい?」

~~~~~~~~~~

さやか「カットカーット!」

さやか「なんか全然夫婦って感じがしない!」

ほむら「ごめんなさい」

ほむら「コイツ相手だと演技じゃなくて素で労ってしまって」

さやか「これが労い!?」


さやか「シチュエーションその二」

さやか「些細な意見の食い違いでケンカする。スタート!」

~~~~~~

QB「やれやれ、君は本当にわけがわからないね」

QB「どうしてそれを選ぶのかが理解できないよ」

ほむら「物はいいようね、インキュベーター」

ほむら「今日ほどあなたを憎たらしいと思ったことはないわ」



QB「きのこの良さが分からないとは、人類の中でも底辺だね」

ほむら「知らないの?たけのこのよさがわからない宇宙人に人類を語る資格なんてないのよ」


QB「確かに食品としての筍は高級品な場合もある」

QB「人類の失敗は、それを菓子にしてしまったことだ」

ほむら「きのこなんて元は菌類なのよ」

ほむら「それを今さらお菓子にしたところで、なにがかわると―――」

~~~~~~~

さやか「カットカット!」

さやか「それ以上はいけない!」

QB「邪魔する気かい?美樹さやか」

ほむら「これは人類とインキュベーターの戦いなの」

まどか「二人とも落ち着いてよ……」

マミ「もう手遅れね」

杏子「どっちもうめーのに……」バリボリ


さやか「これならどうだ……」

さやか「シチュエーションその三」

さやか「お互いを褒め合う!スタート!」

~~~~~~~~~

ほむら「………」

QB「………」

~~~~~~~~~

まどか「す……進まないよ……」

マミ「まぁ、暁美さんとキュゥベえの組み合わせなら当然なのかしら」

杏子「あいつがキュゥベえを褒めるなんて想像できねぇ……」


ほむら「………」

QB「………」

さやか「おーい、おわらないぞー!」

ほむら「無理な要求なのよ」

QB「全く同意だね」

さやか「だめ!お互い一つだけでも出さないと次に移れません!」

ほむら「そうねぇ……キュゥベえのいいところ」


ほむら「宇宙のために尽くしている、という建前を作り出した事かしらね」

ほむら「よく考えれば確かにすばらしい考えね。ええ、ほんとに」

ほむら「いずれ人類があなたたちの仲間に入るための露払いをしてくれてるのよね」

ほむら「ほんと、すばらしい建前を見せてくれるのが素晴らしいわ」


さやか(うわぁ……)

QB「………」イラ

QB(なんだろう、このもやもやするのは……)

QB「それじゃあ、次は僕の番だね」

QB「ほむらのいいところは、その努力の一点集中にあるね」

QB「鹿目まどかという守る相手を見つけ、何度も繰り返しながら守る」

QB「その執念というものはもはや人類のそれを超えている気がするよ」

QB「なんたってその気になれば嫌われることもいとわない」

QB「その決意があって、あんなことやこんなことをきゅぷい!」ガスッ!

ほむら「素晴らしい褒め言葉をありがとう。感動して姿勢が崩れてしまったわ」

QB「落ち着いてよく聞いてほしい」

QB「続けたまえ」

QBはいじめ過ぎると中の人が出るって本当ですか?


ほむら「執念言えば、あなたのまどかへのこだわりもすばらしいわね」

ほむら「わざわざ自分の体を傷つけて、『たすけて』」

ほむら「どこぞの営業もビックリの手口を、あなたは一人で思いついたのね」

QB「」キュプ

QB「ありがとう、暁美ほむら」

QB「その話で思い出したけど、君の銃の腕も素晴らしいよね」

QB「魔法を使っているとはいえ、あの命中精度は大したものだ」

QB「逃げている僕を“弱らせる”という目的で見事なポイントで掠らせるのには頭が下がるよ」

QB「一発で当てずに殺さないとは、まさにプロだね」

ほむら「」ピキ


ほむら「ふふふ……」

QB「きゅっぷい……」


杏子「やべーよおい。なんかほむらから翼でてんぞ」

まどか「さ…さやかちゃん……」

さやか「あれ?あたし地雷踏んだ?」

マミ「誘爆して手が付けられなくなってきたわ」

さやか「つ、つぎのシチュエーション行こうか!」

さやか「これで最後!」

さやかちゃんはかわいい
さやかちゃんは歌がうまい
さやかちゃんは世界を救ってる


さやか「シチュエーションその四」

さやか「夫婦喧嘩だったのを仲直り!スタート!」

~~~~~~~~~~

ほむら「いい加減にしてちょうだい」

QB「感情というものを持つ人間は本当に厄介だ」

QB「君こそ、もうすこし理性的に考えられないのかい?」

ほむら「理性的……?」

ほむら「感情を持たない生き物が、よく理性なんて言葉をつかえるわね」

ほむら「さしずめ、エリート宇宙人といったところかしら」


QB「やれやれ、これでも譲歩しているつもりだというのに……」

ほむら「……どうも私たちは合わないようね」

QB「奇遇だ、僕もそう思っていたところさ」

ほむら「離婚ね」

QB「そうだね」

~~~~~~~~~~

さやか(さやかちゃん流『遊びの中で仲直り作戦』失敗……)

杏子「そう肩落とすなって……」

マミ「この二人をくっつけるのは、神様でも至難の業よ」

まどか「あわわ……」


ほむら「~~~~~」

QB「~~~~~」


さやか「お二人さん、もう事態の収拾が不可能なので罰ゲームは終わりです……」

まどか「だからほむらちゃんもキュゥベえもそろそろ……」

ほむら「あら、そうなの」パッ

QB「やれやれ、演技は疲れるね」クルッ

杏子「切り替えはええ……」

ほむら「罰ゲームごときで、私が本音を出すわけないじゃない」

QB「額に汗まで浮かべて、よほど迫真の演技だったんだねぎゅぷい!」

ほむら「さて、次は……」ゲシ!ガス!

あわわ……


ほむら「……!」

QB「お決まりの魔女イベントだね」

杏子「しかし五人そろってる時に来るとは、いい度胸だな」

マミ「私も久しぶりに体を動かしたいわ」

さやか「それじゃ、行きましょうか!」

ほむら「そうね、さっさと倒していきましょう」

QB「方角はこっちだ!」

まどか「わわ、みんな待ってよぉー」


魔女結界

マミ「ティロ・ボレー!」

使い魔「ぎゃわー!」

マミ「二人とも!道が開いたわ!」

杏子「行くぞさやか!遅れんなよ」バッ!

さやか「あんたの方こそね!」ダッ!


ほむら「圧倒的ね」

まどか「ほ……ほむらちゃんは行かなくていいの?」

ほむら「あんな魔女相手なら三人で十分よ」

ほむら「それに私はまどかの護衛という重要な任務があるのだから」


QB「僕からしたら、単なるサボりにしか見えないのだけどね」

ほむら「あら、いたの?」

QB「ちゃんと道案内をしてたじゃないか」

ほむら「ごめんなさい。道案内なんて使ってないから覚えてないわ」


マミ「ちょっと暁美さん!すこしは手伝って」

ほむら「仕方ないわね」ガサゴソ

ほむら「これでいいかしら」

QB「なんだい?それは」

ほむら「06式小銃てき弾の改造版よ」


ほむら「89式の銃口の先につけて、銃弾でグレネードを飛ばすの」

ほむら「それを改造して、いろいろなものが飛ばせるようにしたのよ」ガシ

QB「え?」

ほむら「どこかの時間軸で、美樹さやかに爆発物を嫌われていたのを思い出して」

ほむら「だったら、弾頭が爆発しなきゃいいじゃない、って思って」

QB「あの、ほむら?」キリキリ

ほむら「飛んでいきなさい、インキュベーター」ボスッ!

まどか「キュゥベえがきれいな放物線を描いて飛んで行った……」


ほむほーむ

ほむら「ふぅ、今日はよくはしゃいだわ」

QB「はしゃぐ、ね」

QB「僕は君にさんざんいじり倒されたよ」

ほむら「あなただって、私に皮肉をぶつけまくってたじゃない」

QB「僕は本音を言っただけなんだけどね」

ほむら「そう、あなたが私をどう思っているかがよくわかったわ」

QB「僕は以前から分かっていたけどね」


翌日

QB「………」ダラン

ほむら「よくもまぁ堂々とだらけていられるわね」ゲシゲシ

QB「うぅ……やめておくれよ……」

QB「なんだかこの個体の調子が悪いんだ……」ズリズリ…

ほむら「這ってないで立ちなさい。気持ちが悪いわ」

QB「そうはいってもね……」プルプル…

QB「やっぱり駄目だ。立てないんだ……」ポテッ


ほむら「顔を貸しなさい」スッ

ほむら「………」ピトッ

QB「僕の額がどうかしたのかい?」

ほむら「これは風邪ね」

QB「風邪だって……?この僕が風邪になるなんて……」

ほむら「食べ物を食べて地球生物同様の生活をしている以上、風邪はひくでしょうに」

QB「となると、この個体がダメなのか……」

QB「ほむら、お得意の銃でこの個体を殺しておくれよ」

ほむら「………」

ほむら「いやよ」


QB「君が断るとは意外だね」

ほむら「殺しを娯楽にしているわけじゃないのよ」ホムッ

QB「よく言うね……」

QB「暇があれば僕をマトに遊ぶくせに」

ほむら「刃向うほど余裕があるなら、殺す必要もないわね」

ほむら「寝てればなおるわ」

QB「なかなか……風邪というのは苦しいね……」

ほむら「いい体験じゃない」


ほむら(こいつが活動できないなら、まどかの契約機会も減る)

ほむら(放っておきましょ)


QB「体が……熱いよ……」

QB「ほむら……助けてくれ……」

ほむら「………」

ほむら「……少し待ってなさい」

QB「ほむら……?」

ほむら「………」ガラッ


ほむら「これを飲みなさい」

ほむら「風邪薬よ」

QB「やれやれ……この僕が、人間の薬品に頼ることになるとは……」

QB「きゅぷ……きゅぷ……」

QB「……!?」

QB「にがい!にがいよほむら!ぐむぅっ!」

ほむら「それが薬。黙って飲みなさい」

ほむら(子供に薬を飲ませるより、手間がかかるんじゃないかしら)


QB「はぁ……はぁ……」

ほむら「どう?気分は」

QB「最悪だね……」

QB「この世にあんなに苦いものが存在するなんて思わなかったよ」

ほむら「これでも、人間が飲む分をさらに減らしたのよ」

QB「もっと苦いのを飲むというのかい?」

ほむら「あなたの舌が巴マミの甘味に慣れ過ぎているだけでしょう」

ほむら「あとは一晩寝るくらいでいいんじゃないかしら」

QB「なら、そうさせてもらうよ……」


QB「ありがとう、ほむら」

ほむら「……おやすみ」


数日後

QB「きゅぷあぁ……」ゴロン

ほむら「治ったら治ったでめんどくさい奴ね」

QB「人間らしいと言って欲しいね」

ほむら「宇宙人やめたらどうかしら?」

QB「せっかくだけど、断るよ」


ほむら「しかし、暇ね」

QB「そうだね……」


ほむら「テレビ……」ピッ

『今日、〇〇で事故があり~』

ほむら「………」ホムー…

QB「………」キュップーイ…


『次のニュースです』

『日本政府は新日米ガイドライン法に基づいた海上自衛隊の海外派遣を決め』

『それに伴い明日、横須賀からイージス護衛艦群が出港する予定です』


ほむら「!?」ガタッ!

QB「どうしたんだい?」


ほむら「こうしちゃいられないわ!」

ほむら「………」ガサガサ

ほむら「………」ゴソゴソ

QB「出かけるのかい?」

ほむら「ええ」

QB「どこへ?」


ほむら「横須賀へ行くわよ」

QB「」


ガタンゴトン……

ほむら「電車に乗るなんて、久しぶりね」

QB「魔法少女が持ち場を離れるとは」

QB「いいのかい?」

ほむら「グリーフシードは持ってきたし」

ほむら「携帯まどかも持ってきた。準備に抜かりはないわ」

QB(携帯まどか……?)

ほむら「それより、どうしてあなたもついてきてるのよ」

QB「どうしようと、僕の勝手だろう?」

ほむら「……邪魔しないなら別にいいのだけど」


ほむら「………」カチカチカチ

QB「携帯で何をしているんだい?」

ほむら「宿の予約よ」

ほむら「日付をまたぐから、この際泊まるわ」

ほむら「魔法少女だって、たまには旅行に行ったっていいでしょ?」

QB「それは構わないけど……」


QB「学校だよね?」

ほむら「……一日くらい休んでもいいわよ」


学校

さやか「あれ?ほむらは?」

まどか「朝も会わなかったし……」

まどか「お休みみたいだね」

マミ『暁美さんなら、キュゥベえと遠くにお出かけしてるみたいよ』テレパス

まどか「あ、マミさん」

マミ『朝急に「私はふねを見に行くから、ここの魔女は任せわ」とだけ言ってすぐ消えちゃうし……』

さやか「あの真面目なほむらがサボり?珍しい」

さやか「こりゃ明日は天変地異か大事件が起こるね」

まどか「さやかちゃんそれ言い過ぎだよぉ……」


横須賀

ほむら「おおお……」

ほむら「これが、海上自衛隊の力なのね」

QB「これが人類の海上兵器か」

QB「イージス艦のこんごう型といったかな?」

QB「たかが船一隻に、そこまで熱中するものなのかい?」

ほむら「ちょっと黙ってなさい」ジー

QB「やれやれ……」

ほむら「まさか動くところを見れるなんて……」


ほむら「そうだわ」バッ!

QB「どこへ行くんだい?」

QB「ふね、いっちゃうよ?」

ほむら「人目の憑かないところで変身して……」

ほむら「時間停止!」カチッ!

QB「暁美ほむら、君は一体何を……」カタノリ


ほむら「今のうちに艦を近くで撮りまくるわよ」

QB「正しくない魔法の使い方だね」


カチャン

ほむら「ふぅ、十分堪能したわ」

QB「それでもまだ見るんだね」

ほむら「めったにない機会だもの」

QB「基地に入ったりしていたんだろう?」

ほむら「それは陸上自衛隊よ。船はないわ」

ほむら「せっかく来たんだから、もうちょっと楽しまないと」

QB「キャラが違って見えるね」


宿

ほむら「さて、カメラの確認をしましょう」

QB「やれやれ、わけがわからないよ」

QB「僕から見れば、ただ鉄の塊が進んでいるようにしか見えないんだけどね」

ほむら「鉄の塊とは聞き逃せないわね」

ほむら「みなさい、この素晴らしいステルス性に優れた船体を」

ほむら「一昔に軍艦とは打って変わってすっきりした姿だ思わない?」

ほむら「そして最終防衛ラインのファランクス」

ほむら「イージスの核となるこの部分のフェイズドアレイ・レーダー……」

QB(眠いなぁ……)


ほむら「ミリオタはつらいわね」

QB「もう魔法少女じゃなくて魔“砲”少女に改名すればいいんじゃないかな」

ほむら「他の人から怒られるからやめておくわ」


QB「しかし、君ほどの能力があればあれを盗むのもいとわないと思ったのだけど」

ほむら「愚かね」

ほむら「あれを操艦するのに何人必要だと思ってるの?」

ほむら「まぁ魔法を使って出来なくもないけど」

ほむら「流石に大変なことになりそうだからやめたわ」

QB「すでにミサイルと発射機を盗んでいる時点で大変だけどね」


ほむら「そろそろ温泉にでも入りましょうか」

QB「温泉なんてあるのかい?」

ほむら「いい宿を選んだのよ」

ほむら「せっかくだしね」

QB「それは楽しみだ」

ほむら「………」

QB「どうしたんだい?」



QB「魔法で囲った備え付け金庫に閉じ込めるなんて」

QB「こんなのあんまりだよ」

ほむら「覗き淫獣に対して当然の処置よ」


ほむら「ふぅ、いいお湯だったわ」

ほむら「久しぶりに長風呂したわね」

QB「ほむらー!だしてよー!」

ほむら「あーあー聞こえないー」

QB「あんまりだー!」


ほむら「仕方ないわね……」ガチャ

QB「蛍光灯がまぶしいよ」

ほむら「ならまた入るかしら?」

QB「やめておくよ。もうあの狭さにはうんざりだ」


ほむら「それじゃ、寝ましょうか……」

QB「布団が一つしかないよ」

ほむら「当たり前でしょ」

ほむら「一人で来たのに、仲居さんに二人分なんて頼めるわけないじゃない」

ほむら「というわけであなたはそこら辺の座布団で寝なさい」

QB「そんなぁ……」

ほむら「電気消すわよ」カチ


QB「……きゅぷい!」クシュ!

QB「寒いよ……」キュプルプル…


ほむら「………」ゴロゴロ…

ほむら「………」ススス

ほむら「………」ポスッ

QB「……ほむら?」

ほむら「マドカァーマドカァー……」

QB「なんだ、ただの寝返りか」ガサガサ

QB「でも、都合がいいから利用させてもらうよ」ヌクヌク


QB「おやすみ、ほむら」

ほむら「………マドカァー」

まどか「ほむらちゃんが呼んでる」ムクッ
さやか「ど、どこに行くんだ!」
まどか「私行かなきゃ……異なる世界線の因果律に導かれた少女の如く!!」


帰宅電車

ガタンコトン…

QB「やれやれ、あわただしいね」

ほむら「学生という身分は忙しいのよ」

QB「一日休んだのに、よく言うね」

ほむら「でも、社会人になったらもっと暇がないのよね」

QB「そうだろうね」

ほむら「はぁ、お先真っ暗ね」

QB「真実を知った魔法少女になった時点で、大人の事を考えるのも野暮なことさ」


ほむら「………」グゥ

QB「………」

ほむら「キュゥベえ、お腹がすいたのかしら?」

QB「素直に認めなよ。今のは君のお腹の音だ」

ほむら「むぅ……」

QB「この路線には“駅弁”なるものがあるんだろう?」

QB「買ってみたらどうだい?」

ほむら「……そうね」

ほむら「次の駅で買いましょう」


QB「いいかい、次の駅は特段大きい駅でもない」

QB「すぐにドアが閉まるから、タイミングが肝心だ」

ほむら「時間関係なら、私の得意分野よ」


プシュー……

QB「今だ!」

ほむら「時間停めっ!」カシャン!

ほむら「売店は……あそこね!」

ほむら「そして解除!」カチャ


ほむら「〇〇弁一つ!」

店員「うぇ?は……はい!」

店員(いきなり目の前に……)

ほむら「お釣りはいらないわ」ジャラ

プルルルルルルル……

QB「ほむら!はやく!」

ほむら「そしてもう一回時間止め!」カチャン!

ほむら「………」カツコツ

ほむら「……解除」ファサ

プシュー……ガチャン


店員(き……消えた……)

QB「もっと時間を止めたい?
   そんな貴方には静止時間増加ポーション!
   不慮の事故が心配ですか?
   それなら時間巻戻しポーションがおすすめですよ!
   おやおや砂時計が空のようですね
   ですがご安心を、今なら500円の課金で砂時計が追加できますよ!」


ガタンゴトン……

ほむら「駅弁というのも、なかなかいいわね」ホムホム

ほむら「包み紙にも楽しい絵があるし、飽きないわ」

ほむら「味もいいし」ホムホム

QB「そんなにおいしいのかい?」

ほむら「……あげないわよ?」

QB「少しぐらいいいじゃないか!」ピョンピョン

ほむら「こら!やめなさい!」


「ままー、あのひとひとりでなにやってるのー?」

「あんまり見ちゃだめよ」


QB「さぁ、どうするんだい?」

QB「このまま奇行を続けながら、駅弁を独り占めするか」

QB「常識人として、僕に弁当を分けるか……」

ほむら「くっ……」

ほむら「……わかったわよ」

ほむら「ほら、口開けなさい」

QB「賢明な判断だね、暁美ほむら」アーン

ほむら「ムカつくわ……」

QB「……うん、たしかにおいしいね」キュップイ!


ほむら「マドカァーマドカァー……」

QB「すっかり寝てしまったね」

QB「まぁ、確かに電車の揺れは気持ちがいい」

QB「一定の振動が繰り返し来ることによって、眠気が襲う」

QB「一分のF揺らぎ……だったかな……?」

QB「……きゅぅ」スースー…

~~~~~~~~~~~

『見滝原~見滝原~』

ほむら「マドカァーマドカァー……」

QB「キュゥ…キュウ……」スースー…

『ドアが閉まりまーす』

ぷしゅー


~~~~~~~

「お客さん、お客さん」

ほむら「……ほむぅ?」

車掌「終点ですよ」

ほむら「あの、見滝原は……」

車掌「ずいぶん前に過ぎましたが……」

ほむら「……ああ、折り返しのに乗ります」

車掌「お気をつけて」


QB「きゅぷぅ……」

ほむら「ちょっと起きなさいよ!」ゲシ

QB「きゅぷ!?」


ほむら「なんであんたまで寝ているのよ!」

QB「仕方ないじゃないか!」

QB「インキュベーターも、揺れにはあらがえないんだよ!」

ほむら「使えないわね……」

QB「そういう君だって熟睡だったじゃないか」

ほむら「人間だから仕方ないのよ!」


ほむら「全くもう……」

ほむら「まぁいいわ。もうすこし、電車の旅を楽しみましょう」

おわり

きゅっぷい!きゅっぷい!

山もなく繋ぎもなくオチもない
これ自体が没ネタの集まりだからだよ!

オマケも入れたいけど、時間がない

とりあえず言いたいのは
ほむQいいよね!

終わってた乙

ほむらとさやかと、ディレクターにQB、カメラマンに杏子で
群馬を目指さなきゃいけないのに何故か博多に行く番組やろうぜ

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