むりやり小説ゲーム 四番館 (992)

このスレでは
作家さんが要所要所キーワードとなる部分を空白にして小説を書き、
その空白をレス番指定された人が埋めていって小説を完成させるという
読者参加型小説ゲームを行っています。
(例)
   18 名前: 作家さん 投稿日: 2011/11/01(火) 00:00:00
      主人公「よし、朝ご飯に>>20を食べよう」

   19 名前: 参加者 投稿日: 2011/11/01(火) 00:00:08
      シュールストレミング

   20 名前: 参加者 投稿日: 2011/11/01(火) 00:00:10
      ダイヤ

   21 名前: 作家さん 投稿日: 2011/11/01(火) 00:02:40
      主人公「硬いよ…」

と言う感じで書き込んでいきましょい!


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1384005528

まとめ
http://www.geocities.jp/neetgundam/matome/
http://www.geocities.jp/yardoramatome/
http://www.geocities.jp/qxybb760/top.html
http://muriyari.web.fc2.com/
http://muriyari4th.rash.jp/site/

避難所
http://jbbs.livedoor.jp/computer/32524/

○募集○
・まとめサイトの人が持っていない過去ログをupしてくれる人
・他にまとめサイトを作ってくれる人
・過去の作品をまとめてくれる人
・作家さん。要するに書き手。 ←NEW

【タイムスケジュール】
http://kmix.dabits.net/ts/
(その時に予約されているスケジュールが書かれています)
※予約・確認にはタイムスケジュールスクリプトをご利用ください。(予約は随時受付中)
※開始時間より2時間前には予約するようにしてください。
※押す可能性が多々あるので、かなり長めに時間指定しておいてください
※予約する際は、前後の予定を考慮し、1人あたり2時間は確保できるようにして下さい。
※様々な都合で時間を指定出来ない作者さんもいらっしゃるので、 譲りあったりなどのご協力もお願い致します。

 愛 (次は私の番! ……この状況を覆す妄想をするなら、謎の秘薬で大乱交しかないっ!!)

 愛 (謎の秘薬の中身が上手く妄想できなかったけど、小瓶にして具現化出来たッ……!)

 愛 (……私って、鳴歌より能力しょぼいよね。……鳴歌は条件があるから応用は出来ないけど)

 愛 (でも、この秘薬を使って……フフフフ)


 愛 「先輩達、ど、どうもお疲れ様ですぅ!!」 スタスタ

詩乃 「……愛ちゃん、どうしてこのような事を」

姫菜 「しかも、この子……能力者だったなんて。どうして小夜先輩を襲うような真似を!?」

 愛 「まぁまぁ、待ってください、先輩、それに姫菜ちゃん。……先ずは差し入れにこのドリンクを!!」

姫菜 (この状況、そしてこの台詞……乃亜!)

乃亜 (間違いないよー……謎のドリンク再発だよー……。恋先輩と、流石は姉妹……)

詩乃 「……ありがとう、頂くわ」

姫菜 (って、詩乃先輩が先に手を伸ばして、飲んじゃってるわよッ!?)

乃亜 (ま、マズイよ、あのドリンクを飲んだら、きっと……)

 愛 (……ふふ、飲んでくれた。後は大乱交に導く為に、もっと秘薬を……って、あれ?)


詩乃 「…………>>5

ひぃんっ、↓で……。

詩乃 「…………マズイ!もう一杯!」

 愛 「あ、はい……どうぞ……」

 愛 (って、何かCMっぽくなってるっ!?)

詩乃 「……やっぱりマズイ。もう一杯」

 愛 「って、これが最後ですぅ、詩乃先輩ぃ……」

詩乃 「……ごく、ごく……ふぅ、身体が熱くなってしまった……。とりあえず、もう一杯」

 愛 「もうありませんからぁ!!」

姫菜 「って、詩乃先輩、なんか……」

乃亜 「お酒臭い……ような……」

詩乃 「ひっくっ。……ふふ、ふふふふふ」

姫菜 「って、急に笑い出したっ!? 詩乃先輩、そんな事より小夜先輩の様子が!!」

乃亜 「そうだよ、おかしいんだよー。……なんていうか、目がイッちゃってるような」

小夜 「……………ヒヒッ」

詩乃 「……任せなさひっく。ボクが彼女を何とか元にひっく、戻してひっく!」

姫菜 (……絶対に、無理だわこれ……)


 小島小夜は、三階建てはあろうカラオケボックスを丸ごとに消し去る、とんでもない能力の持ち主だった。
そんな彼女も、恐らく疲弊はしているハズなのだ。あの規模の能力を一気に解放したのだから。
しかし、鳴歌が撃ち込んだパワーシードガンとやらの効果なのか、彼女は様子を一変させ、一歩、また一歩歩み寄る。


詩乃 「……小夜、本当に具合は――」


 酔っ払い気味の詩乃先輩が、ふらつきながらも彼女に歩み寄り、手を差し伸ばす。
しかし、その手が触れようとした瞬間、先に衣服が彼女の指先に振れ、そして詩乃先輩のブレザーが分解されていく。
千鳥足気味の為か、かろうじて肉体は分解されなかった詩乃先輩は、よろけながらも顔つきを変えていく。


詩乃 (……様子がおかしい、なんてレベルじゃない。……気が触れてる)

詩乃 (少し眠らせてあげる必要があるかもしれない。……ココはやはり電気系統の能力で、>>12を使うしか)

超電磁砲

詩乃 (少し眠らせてあげる必要があるかもしれない。……ココはやはり電気系統の能力で、超電磁砲を使うしか)

詩乃 (元素を操れるボクにとって、そんな事造作も……って、十万ボルトの方が楽だけど)

詩乃 (アレって、確かコインが必要。……そういえば、ペーパーマンでタイアップして超電磁砲を課金して買ったけど)

詩乃 (凄く弱くてびっくりした。……ヘッドショットが得意なボクが扱えないと思うくらいしょぼかった……)

小夜 「ヒヒ……アヒャヒャヒャッッ!!」

詩乃 「とかボヤいてる場合じゃない……。姫菜、乃亜、協力して」

姫菜 「へ、な、何ですか、いきなり」

乃亜 「協力ってー!?」


 小島小夜も、足取りがおかしかった。時折よろけそうになりながらも、違う世界を見ているようで。
そんな相手を気絶させようと、詩乃先輩が二人の後輩を呼び、話し合う。
そして手近な金属片を詩乃先輩は手に持ち、稲妻のような閃光が放たれたと思った瞬間だった。


詩乃 「姫菜、小夜の注意を逸らして!!」

姫菜 「任されて……下さいッ!!」


 彼女の殺意が形となって、小島小夜の周囲を固めていく。身動きを封じるように、刃が降り注ぐ。
それが命中する事はないと知っていてなのだろうか、ゆらりと動いた小夜先輩は、その刃を分解しつつ、歩き進む。
しかし、いつしかそれが通路となって、一本の筋が出来上がった時である。


乃亜 「いくら分解が得意だからって、この音速レベルの金属片……!」

詩乃 「そしてこの欠片に宿した電磁波……、受ければ、ただじゃ済まない……ッ!!」

乃亜 「―― いっけぇぇぇぇっっ!!」


―― 酷杉学園 芸夢製作部室。


詩乃 「という訳で、狩野愛を拷問するのだけど」

 愛 「何がという訳ですか! ……た、確かに私が、悪かったです……けど」

姫菜 「ともあれ、小夜先輩は無事病院送りに済んで良かったわね」

乃亜 「病院送りってかなりマズイようなー」

 愛 「お詫びに、直ぐに回復しそうな秘薬を妄想で生み出しましたから、許してくださいよぉ!」


詩乃 「だが処罰は処罰。……愛には、>>14を受けてもらわないといけない」

お顔にいれずみの刑

詩乃 「だが処罰は処罰。……愛には、お顔にいれずみの刑を受けてもらわないといけない」

 愛 「刺青ッ!? 取れなくなるじゃないですかぁ! 顔は女の命で、それで、それでぇ!」

詩乃 「入れ墨だから安心して。……さぁ姫菜、墨を」

姫菜 「まぁ、愛ちゃん、小夜先輩を殺そうとするくらいな事をしたんだから、それくらいはねぇ?」

 愛 「……うぅ……はい、わかりました……うぅぅ」


 小夜先輩は、加速化した金属片を腹部に受け、纏わりついた電磁波が放射され、完全に気を失う形となった。
しかしそんな事をすれば、内蔵が潰れてしまうのではと危惧したが、思ったよりも手加減されていたのか、
強打程度で済んだのは不思議な話であり、お陰で私も軽い仕打ちで済んでいる。

 あの後、鳴歌は軽く疲労した状態だったが、意識は何とかはっきりしており、
そうして彼女と共に夜の学校の部室に招かれる羽目となった。


詩乃 「ふむ、ふむふむ、そんな話だったの」

鳴歌 「……という訳で、私の能力は割りと造られたと言ってもおかしくはありません、です」

姫菜 「クスリ、ねぇ……。そんな事出来ちゃうのかしらね?」

乃亜 「さぁー。でも、事実なんだから仕方ないんじゃないかなー」

詩乃 「その女教師を探る必要があるかもしれない。……それよりも」

姫菜 「恋先輩救出大作戦はどうなってるのかしら」

乃亜 「明日は体育祭だから、先輩張り切っていたのになぁ」


 彼女達が姉の話を突然出すものだから、何だろうと話を聞けば、
私のもう一人の影が感じ取った出来事が、本当に起こっているかもしれない、と話し出す。

 姉が、とある施設に忍び込み、結晶の中で閉じ込められている。
そんな話を聞いていてもたっても居られなくなった私は、>>16

名探偵を雇った

 姉が、とある施設に忍び込み、結晶の中で閉じ込められている。
そんな話を聞いていてもたっても居られなくなった私は、名探偵を雇ったのである。

 詩乃先輩達を信用しているわけじゃない。だからといって、じっとしていられない。
すぐさま携帯を取り出しては名探偵にダイヤル、通話状態にする。


 愛 「名探偵、出番よ!!」

椎衣 「あ、いや、その、先輩……私風呂に入ってたんだけどー」

 愛 「つべこべ言わない、直ぐに強襲する準備をしてッ!!」

椎衣 「強襲ッ!? それ、名探偵関係なくないッ!?」

 愛 「姉の命が掛かってるの!!場所は――」


 ―― 目を覚ますと、不思議な空間に居た。
足元を見れば、破片が散り、足を踏み外せば途端怪我をしそうな具合に尖っている。
そして、目の前には見知った男性。……養護教諭の、鳥羽先生だ。


鳥羽 「ふむ、無事で何よりだ」

 恋 「あ、あのぉ……。……なんで、先生が」

鳥羽 「予感はしていたのだよ。まぁ、結果キミのお友達と比べて、先回りする事が出来たようだ」

鳥羽 「安心しなさい、今は彼女も居ない。……後は抜け出すだけだが」

 恋 「ま、待ってください! ……先生、私は結晶の中に閉じ込められてしまいました」

 恋 「あの人に睨まれて、動けなくなって、それで……別に女の子が二人居て、その一人に」

鳥羽 「大体分かるよ。……何せ、私もそちら側の人間だったものでね」

 恋 「……どうやって、私を助けてくれたんですか?」


鳥羽 「簡単だ、>>18をしたまで」

性転換

鳥羽 「簡単だ、性転換をしたまで」

 恋 「いや、意味分かりませんからっ! ……なんで?」

鳥羽 「これも実験の代償でね。私は男にも、女にもなれる体質でね」

 恋 「そこは聞いてないんですけどッ!?」

鳥羽 「失敬。……これのお陰だよ」

 恋 「……何ですか、これ」

鳥羽 「アンチシード。パワーシードとは対なる種……。その種をすり潰した粉末がこの袋に入っている」

鳥羽 「これを結晶に塗したお陰で、キミを封じ込めていた結晶が砕けた、という訳だ」

 恋 「……はぁ……、そんなものが……」

鳥羽 「まぁこれは、数が限られているから多用はしたくないのだが。……それよりも、牛飼神社には行ったようだね」

 恋 「……もう一人の影に、会いました」

鳥羽 「そして色々知ってしまったキミは、一人で突っ走ってしまった。……じっとしていて欲しかったのだが」

鳥羽 「とはいえ、今は脱出を優先しないとね。……こっちだ」


 女性となった鳥羽先生は、そもそも女性になる意味があったのだろうか。
その問い掛けをすると、鳥羽先生は相手側に属する際は、女性の姿で居るらしい。
しかし、男性の時は背も高く、顔も良く、女子生徒に人気な彼は、女性になれば何故幼女なのだろう。


鳥羽 「……どうした、足を止めて」

 恋 「あの、なんか、恥ずかしくなりまして」

鳥羽 「何故だい?」

 恋 「小学生に手を引かれる高校生の図ってカンジで、恥ずかしいんですけど」


鳥羽 「それは仕方ない。私は幼女大好きだからなっ。はっはっはっ!!」

 恋 (やっぱりこの人……>>20かも……!!)

ゼンセクシャル

 恋 (やっぱりこの人……ゼンセクシャルかも……!!)

 恋 「って、ゼンセクシャルって何ッ!? 何の話ッ!?」

鳥羽 「ふむ、割と合っているかもしれない。……ゼンセクシャルな私も中々、愛いだろう?」

 恋 「そんな話、学校の女子生徒が知ったら……涙しますよ?」

鳥羽 「恋クンは涙してくれないのかな?」

 恋 「する訳ないじゃないですか。……はぁ」


 不思議だった。思ったよりも恐怖心もないし、寧ろ不思議と接しやすい。
それは、鳥羽先生が変態的な存在だったからだろうか。けど、気持ちはどうにもそれだけじゃない。
最初こそ誰が助けてくれたのだろう、と思ったけれど、彼だと知った瞬間、ちょっぴり安心したりもした。

 私の影は、特殊な領域でしか姿を見せられなかった。だからこそ、それに気付いた鳥羽先生は、
私に手を打ち、あの神社へ向かうように指示をした。

 つまり、私の影とも通じていて、それでいて相手とも通じていて、そしてそのラスボス、つまり彼女の存在も知っていて。
新世界の神となる、と告げていたあの女性は、今はこの施設に居ないという。

 では、この施設のパワーシードを栽培する地下実験室も破壊できないか、そう思った瞬間だった。


鳥羽 「―― 伏せろッ!!」

 恋 「へっ……ひゃぁぁぁっ!!」


 突然何かが直ぐ、目の前で爆発した。その規模は小さいながらも、直撃すれば下手をすれば致命傷。
それがいくつも突然起きるものだから、私は顔を上げれないままだった。


鳥羽 「……物質爆破。キミか」

?? 「エヘヘ……、裏切りモノは、排除しろーって……言われたからァ」

鳥羽 (……見つかるのは想定していた。が、厄介な相手に見つかったものだ)


鳥羽 (ならば、ここは一つ……>>22という手を打とうか)

座標交換

鳥羽 (ならば、ここは一つ……座標交換という手を打とうか)

鳥羽 (位置、座標測定……、完了……ッ!)

?? 「エヘヘヘェ……、何の手も無いアナタは、少しずーつ、手足から削ぎとって――」

?? 「―― って、何で場所が入れ替わってッ!? ……チィッ!!」

鳥羽 「恋クン、走るんだ」

 恋 「え、でも! ……あれ、何か位置が変なような?」

鳥羽 「構わず走れ! 急ぐぞ!!」

?? 「ッ! 逃さないよ……、絶対に……逃さないッ!!」


 鳥羽先生の言われるがまま、走りだす。
背後からは、色んな爆発音がしては、何かが突き進んでくる。
それもまた、あの時あの女性と共にいた女の子で。……彼女も、恐らく被害者だ。


鳥羽 「振り返る暇があるのなら、全力で走りなさい。次の手を打とう」

 恋 「……バナナの皮?」

鳥羽 「位置測定、対象は私の幼女ブーツ。……いまだッ!!」

?? 「ひぃっ!? 急に足元にバナナの皮がッ!? ひゃぁっ!!」

鳥羽 「……脱ぎ捨てたブーツとバナナの皮を交換したまで。……さぁ、逃げようか」


 ―― 施設の出口付近にまで辿り着くと、最早先程の少女は追っては来なかった。
しかし奇妙な人体をした存在が突如出口を塞ごうと立ちはだかる。それは、鳥羽先生に言わせれば失敗作。

 その出口を塞ぐ失敗作を薙ぎ倒してくれたのは、予測を立てた美樹ちゃんが連れた、部員の小隊であった。


一美 「ほら、こっちこっち!!」

瑞希 「急いで~! それにしても美樹ちゃんの予測通りに動いたわね」

美樹 「でもそれは偶然で……。……ううん、何か違う世界に飛んだ気がして、それで垣間見て……ってカンジで」

一美 「ともかく今は恋を……って、あの幼女、美樹ちゃんの予測に出てたけど……何者ッ!?」


 その後、その幼女が鳥羽先生だと知った面々は、間抜け面を一斉に見せる事になる――。


~~~ つづきます

ちょっぴり時間配分間違えながらも、1時になりそうって事で終わります。
個人的になんだこれ状態ではありますが、何とか収拾つけたい次第でありまして、はい。

途中ぺいぽめんなお話を出しましたが、レールガンタイアップで電磁砲買ったのも本当でして。
マミさんマスケット共に弱くてびっくりであります。それよりロリータボイスが当たらなかったのが悔いなのです。

これでもフラグトップになることあるんですよーって訳で、お付き合いありがとうございましたー。

【11/10 (日) 00:43時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

11/10 (日)
  21:00~/ミント ◆MINTG/yggg氏 - 300年後へようこそ 3話目「クルテット家へようこそ」
11/16 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - やっぱり平日は厳しい第七話 『今度こそ体育祭 と 変態たち』


それよりE-4突破しなきゃべっちょり。あたごぉぉぉん!!

スレ立て乙です。それじゃちょいちょい始めますよ

【登場人物】
勇者リオン(種族:人間 性別:男 )
‐魔王を倒すために旅立ったはずなのだが、なぜか300年後の世界へと飛ばされてしまった。
今と昔の常識が違いすぎて混乱している様子。Lvは12とまだまだ駆け出しの冒険者。

レイニア・アルトワール(種族:ガーゴイル 性別:女)
‐石像に命が宿った種族で、元魔王城で門番として勤務していた。
成績優秀で、誰にも優しい性格。Lv80くらいの中ボスクラス。

アルガン・アルトワール(種族:ガーゴイル 性別:男)
‐レイニアの兄。記者として行動している。
強さは妹と同等だが、昔は妹の方が残虐だったらしい。

セリア(種族:聖龍 性別:女)
‐過去に聖剣の守護者として君臨していたドラゴン。
レイニアの親友で天界との繋がりもある模様。

リヴィ・クルテット(種族:リビングデッド 性別:女)
‐享年16歳のアンデッドでクルテットカンパニー元締め。
生前の記憶は不明なので上記の名前は偽名。
体は腐っていないが心は腐っている。レイニア、セリア共に知り合い。

マミ(種族:マミィ 性別:女)
-リヴィの側近のメイド。やはり偽名。昔は全身に包帯を巻いていたが
現在は額と右目、左腕に巻いてあり、本人曰く、外すと封印が解けるらしい。

ツェペリ(種族:吸血鬼 性別:男)
-リヴィの血の繋がらない祖父でクルテットカンパニー創設者。血ではなく酒を飲み始めてから
アルコール中毒となり、心体共に老衰したので全ての権限をリヴィに譲った。

神(種族:絶対神 性別:男)
-天界を統べる最も偉い人物。自身の存在を絶対にするために
地上を再び戦地にするよう企み出す。


【過去 魔王歴1500年】
魔王が世界を支配し、魔族による勢力が大きかった時代。
人間の勇者が多く旅立ち、帰らぬ人となっている。

【現在 共存歴200年】
魔王が滅び、人間と魔族が共存の道を選んだ平和な時代。
様々な魔族が人間の姿、若しくは人間に近い姿となっている。


【前回までのあらすじ】
レイニアの知り合いリヴィと知り合うリオン。
だが、リヴィの屋敷に別な魔族が侵入。天界と繋がりがあった。
しかし、すべてを聞き出す前に魔族は天界から粛清を受け、殺されてしまう。

そして天界に戻ったセリアも神には逆らえず、囚われてしまった。

レイニアが学園、アルガンも仕事があるということでリオンは
リヴィの家に世話になることとなった。リヴィも300年前の出来事等に
興味もあったらしく、すんなり歓迎してくれた。

リヴィ「まぁ、薬草が10Gで買える時代でしたの!?」
リオン「一応、一番効果が薄いやつですけど…」
リヴィ「今の時代は120Gはしますの」
リオン「高っ!!」
リヴィ「その代わり、眠気、披露に効果的でお子様にも飲める栄養ドリンクがございますの!」

そう言ってリヴィが取り出したのは茶色い瓶に入った栄養ドリンクだった。

リヴィ「ちなみにもっと高いのがこれで…、こっちは…その…夜の営み用に…」

顔を赤くしてトントンと栄養剤を並べてゆく。既にリオンは訳がわからなくなってるようだ。

リヴィ「ちなみに、こちらのドリンクは私が愛読してる本の著者の方もお使いなさってますの。
    締切間近になったらよくつかうそうで」
リオン「つまり今は薬草を煎じて飲む時代ではないわけか…。」
リヴィ「そうなりますの。」

リヴィはそう言って栄養剤の瓶を片付け始め、話題を変える。

リヴィ「そう言えばリオンさんはアイドルとかご存知ですの?」
リオン「アイドル…?歌って踊る人達の事か。レイニアが言ってた」
リヴィ「そうですの。昔は詩人の方とかハルピュイア族とかがメインでしたが
    現在では練習すればどんな人間でも悪魔でもなれますの。」

そしてリヴィがテーブルに並べたのは音楽の入ったディスク、パンフレット、写真集などだ。
そこには7人の美少女が並ぶ写真と多人数の美少女が写ったパンフレット等があった。

リヴィ「こちらは『グリードハートⅦ』。7人全員が元魔王城で側近をしていた方たちですの。」
リオン「ちょっとまて…!なんでそんな怪物たちが…!?」
リヴィ「魔王が倒されて平和なった世の中ですの。きっと7人の欲望が解放されたのかと」
リオン「はぁ…。で、こっちは?」
リヴィ「『DMN72』ですの。こちらも悪魔72人で構成されたアイドルユニットで…」
リオン「72人…!?…どうなっているんだ、現代の悪魔系は…」
リヴィ「ただ72人全員揃ったの見たことはないんですの。なぜか…」

現在の悪魔系のブームに悩むリオンとアイドルユニットの謎に疑問を感じるリヴィ。
すると二人だけの部屋にマミが入ってくる。

マミ「失礼します。」
リヴィ「あら、いかがなされましたの?」
マミ「>>30

仙道の修行がしたい

マミ「仙道の修行がしたいと思いまして」
リヴィ「…またいきなりですわね」

何故急にまたそんな道に…?アンデッドが仙人になってどうするつもりなのだろうか…。
そんなことをリヴィが思っているとマミがある本を取り出す。
それは人間向けに作られた悟りを開くための本だった。

マミ「この悟りの書があれば誰でも賢者になれるということです」
リオン「これが悟りの書!?…あまり厚い本には見えないけど…」
マミ「リオン様は時代がお古い方でいらっしゃる。この本は毎月1冊ずつ発行されます。
   最初の1冊は非常に安く、魔法の杖の水晶の部分がついてきます。
   そして次の本にはその水晶を抑える部分の一つが…」
リヴィ「つまり毎号買うことで一つの杖が完成するというわけですの。
    でもマミさん。これ完成させるのに一体何冊必要で?」
マミ「全24冊。これはお買い得です。お嬢様。」
リヴィ「…途中で絶版にならないといいですの。」

リヴィが呆れた様子でその薄い悟りの書を見てマミに言った。
この手の本は過去にも宝石、恐竜の骨、車といった様々なパーツをつけて販売していたが
全巻揃ったのは実にほんの一部だけである。大抵が途中で飽きられ絶版になるからだ。

リオン「まぁ悟りを開くまで2年かかるようだし・・・。」
リヴィ「お好きにすればよろしいですの。」
マミ「ありがとうございます。そして私は魔法少女へと生まれ変わるのです。」
リオン「なんか・・・変な方向に進まなければいいけど」
リヴィ「魔法少女の杖ならクルテットカンパニーのトイ部門で開発してますのに…」

無表情で浮かれるマミと呆れ気味の二人。そしてマミが二人のいる部屋から退室すると>>33

カカシが訪問してきた。

そしてマミが退室し、今度は入れ替わる形でカカシが訪問してきた。

リオン「なんだこれ!!」

藁でできた人形が動いているわけで流石に驚いているようだが、
リヴィはあまり驚いた様子を見せない。

リヴィ「うちの使用人の一人ですの。うちの使用人は全員がアンデッド。
    中には実態を持たないスピリット族がいますの。」

彼女の説明ではこうだ。ここの執事やメイドは8割強実態を持っていないため
人形に憑依することで仕事をこなしている。どうやらカカシに入ってしまったのは
余っている人形が無かったかららしい。

リオン「それじゃ俺が案内されたとき一緒にいたのは…?」
リヴィ「リビングドールですの。人形はうちで開発したフル可動モデルですの」
リオン「なるほど…言葉も話すからてっきり屍族かと…」
リヴィ「屍系は割と少ないんですの。私とマミさんと…あと一部だけですの。
    それで、どうしましたの?」

リヴィは訪問理由をカカシに問い詰める。すると>>35

ペットが逃げ出した。

カカシ「ペットが逃げ出しました…」
リヴィ「あららら…おかしいですの。何故逃げたのが分かって報告に来ましたの?」
カカシ「あの…余りにも早くてですね…その…」
リヴィ「言い訳はよろしいのですの。それで防衛班は?」
カカシ「現在防衛網を張ってます。時間の問題かと…」
リヴィ「よろしいですの。何故逃げたかはちゃんと調査すること。よろしいですわね?」

そしてカカシの姿をした使用人は立ち去っていった。

リヴィ「全く…」
リオン「ペットとか…飼ってたんだな」
リヴィ「飼ってませんの」
リオン「え…!?」
リヴィ「使用人の一部の趣味として許可しておりますの。
    私はお仕事とかいろんなことでお相手出来ませんの。
    まぁメイドの中ではペットブームみたいですし。」
リオン「ペットとか嫌いなのか?」
リヴィ「うーん…嫌いではないんですの…。
    本当に面倒を見るのが苦手なだけですの。」

その後使用人の飼っているペットは無事確保されたと連絡が入った。
庭の隅で発見れたらしい。ちなみにペットを逃がした使用人は減給になったらしい。

リヴィ「しかしレイニアちゃん遅いですの。そろそろ授業が終わる時間ですのに」

リヴィが時計を見ながらレイニアが来るのを待っていると>>37

ペットの悪戯で終業のチャイムがマンドラゴラの絶叫になってた

レイニア「やっと着いた…ですわ…。」

なぜかレイニアがフラフラの状態でやってきた。
本人曰く、就業の授業がマンドラゴラの絶叫だったらしい。

レイニア「初めてですわ。マンドラゴラの絶叫を聞いたのは!」
リヴィ「まぁ…そんなことが…」
レイニア「しかしあの変わった小動物はなんですの…」
リヴィ「まぁ…動物の仕業でしたの!」
レイニア「人間がいなくてよかったとおもいますわ…。」
リオン「あの…もしかしてその動物って、さっき逃げたペットとか?」

リオンが質問をしてみるがリヴィはそれについて答えた。

リヴィ「それはございませんの。だってペットはうちの庭で捕まりましたの。
    レイニアちゃんの学校には行けると思いますの?」
レイニア「距離がありますわ。私も飛んできたわけですし」
リオン「はぁ…じゃ別なとこのペットの仕業になるわけか…」

リヴィ「とにかく使用人たちにはもう少し管理能力を躾けないといけないみたいですの。
    何か考えませんと…」
レイニア「ああ、とりあえず話が変わるんですけど…
      ちょっと天界のことで情報が…」

この話が出た瞬間だった。リヴィ、そしてリオンの目の色が変わった。
レイニアがカバンから何かを取り出しながら話を始める。
彼女が手に入れた天界のに関する情報は>>41

異常気象による地上壊滅作戦

レイニア「これですわ」

レイニアがもってきた情報は、異常気象による地上壊滅作戦だった。

リオン「天気を操るってことか…。そんなの勝ち目ないじゃないか!」
レイニア「ええ、生半可な魔族でさえ勝てるかどうかわかりませんわ。」
リヴィ「とにかくこの情報はどこから?」
レイニア「お兄様が地上をうろついていた天使兵から盗み聞いたらしいですわ。」
リヴィ「アルガンさんは相変わらずですの。」
リオン「天使が地上に来ている…!?そういえばあの時は雷を使ってたな」

数日前にリオンたちは見ている。天使が雷を用い、地上を滅ぼすものを。
あながち嘘ではない。そんな気はしているようだ。
ちなみにこの情報は既にニュースにもなっている。
リヴィの携帯にもその情報が受信されていた。

リヴィ「緊急事態ですの。早速対策を考えませんと…!
    というわけでレイニアちゃん、リオンさん。今日のとこは
    お引取り願いますの!」
レイニア「分かりましたわ。リヴィもお気をつけて」
リヴィ「大丈夫ですの。体は丈夫ですので」

そして二人はリヴィの屋敷を後にした。
帰宅途中、リオンはレイニアに尋ねてみる。

リオン「あのさ、こんな時になんだけど…」
レイニア「?」
リオン「>>43

魔王を倒した勇者の血筋とかっていまどうなってるんだっけ

リオン「魔王を倒した勇者の血筋とかっていまどうなってるんだっけ?」
レイニア「そうですわね…今の時代を考えると4代目くらいがいますわね」
リオン「そういうのって何か強い力とか不思議な力とかあったりするのかな?」
レイニア「…どうでしょう?だってこの時代では勇者という存在は要らないわけですし」

レイニアが空を飛びながらリオンの質問に答えてゆく。
勇者の血筋が流れている人物がいるならその人物に助けを求めればいいのでは?
ということだが…

レイニア「しかしその人物に力を借りたいというのならば無駄ですわ。」
リオン「なんでだ!?だって…魔王を倒した勇者の血筋だろ!?」
レイニア「魔王を倒すために勇者は聖剣を使ったわけですが
      その聖剣はセリア…神の下僕の聖龍の力があるわけですわ。」
リオン「聖剣…」
レイニア「そう。神の属性がある武器、種族は神には無効。
      例え勇者の血筋が戦っても相手にもされませんわ。」

魔王は圧倒的な魔の力で様々な魔族を支配しているように
神も圧倒的な天の力で天界を支配している。
人間はどちらかといえば天に近い存在らしく、神に対抗するのは難しいらしい。

リオン「それじゃ俺なんかじゃ…無理なんじゃないか?」
レイニア「…難しいかもしれませんわね」

絶望した様子のリオンを見てレイニアも少し暗い表情を見せる。
そしてレイニア宅付近まで到着すると>>45

リオンの大ファンを名乗る謎の人物が登場

そしてレイニア宅付近まで到着すると…

???「あの…」

謎の人物に呼び止められる。とりあえず二人はその人物の前に立つ。

リオン「あの…何か?」
???「リオンさん、ですよね…?」
リオン「そうだけど…」
レイニア「…」

謎の女性はリオンの大ファンだと言う。それにリオンも少し照れた様子を見せる。

リオン「そんな、ファンだと言われても…」
???「だって…ほら、強そうですし…」
リオン「強そうね…」
???「顔もカッコイイですし…」
リオン「うーん…初めて言われた気がする」
???「本当に…ファンなんです!あの握手とか…」
リオン「まぁそのくらいなら…」

二人が握手しようとしたその時だった。突如二人の間に何かが入り込む。

レイニア「失礼。」
リオン「レイニア、なんだ、いきなり…」
レイニア「随分とリオンに首ったけのようですが…」
???「ええ…」
レイニア「一つお聞きしますが、リオンの何処に興味を示しましたの?」
???「それは…」
レイニア「姿、匂いからして…人間の方のようですが・・・
      それで、彼のどこに興味を…?」

怒りを顕にしたようなレイニアが言う。するとファンの女性は>>47

夢のお告げですの(ポッ)

???「夢のお告げですの…」

少女は顔を赤くしてそう答える。

レイニア「リオン。私は彼女を信じられませんわ。」
リオン「え、でも…ほら…この時代に来て初めてファンだって…」
レイニア「何故わかりません!?あなたはこの時代に来て数日…
      名前すら世間に公表されていないというのに…」
リオン「!?」

そうだ、気づいてみたらそうだ。何故彼女は名前を知っている…?

???「それは…夢で…」

ファンの少女はすべてを夢のお告げと答える。
不審に思うレイニア。そしてリオンもその少女を不気味に思う。

レイニア「リオン、行きましょう。夢見る少女の相手をしている場合ではないですわ。」
リオン「あ…ああ…」

二人は急いでその場から走り去る。

???「ああっ、待ってください!!」

しかし空を飛ぶ魔族と普段から鍛えている人間に追いつけるはずもなく、
少女は途中で立ち止まってしまう。そして>>49

世界は終わッた

???「くっ…逃がしたか!!」

大人しそうな少女は目の色を変える。その瞬間背中から大きな翼が生えた。
悪魔のような羽ではない。その羽は天使の翼だ。

リズエル「勇者リオンめ…。絶対に奴だけは逃がすものか…!!」

天使リズエルはそう言うと両手に大きな剣を召喚する。
そしてリオンたちの向かった方へと羽ばたく。

リズエル「待てぇえええ!!」
リオン「うおっ!?何か来た!!」
レイニア「先ほどの…どうやら天使だったようですわね…」

二人は追いかけてきた天使の顔を見て判断した。そして両手にある剣を見てさらに気づく。

レイニア「どうやらリオンは狙われているようですわね…」
リオン「な…なぜだ!!なんで天使に…!?」
リズエル「貴様だけは[ピーーー]!!それが私に与えられた使命!!」

リズエルが障害物となるものをどんどん破壊してゆく。その様は天使なんかじゃない。
悪魔そのものだ。

とりあえず二人は武器を持っていないため、ただただ逃げることしかできない。

レイニア「大ピンチですわね…」
リオン「全くだ!まさか俺が狙われているなんて…!!」
リズエル「安心しろ、リオンを殺したら魔族も[ピーーー]!世界は終わるのだよ!」
レイニア「完全に逝ってますわね…。とにかくどうしましょう…」
リオン「何か…方法はないのか!?」

天使に追いかけられ、逃げながら対策を考える二人。そして>>51

天使の嫌がる下品な行為をしよう!

天使の嫌がる下品な行為をしよう!
リオンの作戦のようだ。ちなみにレイニアは賛同せず、リオンに任せるだけのようだ。
そしてリオンは勢いで服を脱いだ。

リズエル「…」
レイニア「…」
リオン「天使は下品な行動は嫌がるはず…」

どんどん脱いでいくリオン。だが…

リズエル「だからどうした!?」

リオンの周りを小型の雷が襲う!脱いだところで武器がないわけだ
なんの意味もない。

レイニア「あなたって…本当に馬鹿ですのね・・」
リオン「ううむ…天使は上品だと思ったのに…」
リズエル「全員が全員上品だと思ったのか?馬鹿か!?」

そして今度はリズエルの前にレイニアが立ちはだかる。

レイニア「全く、人間も天使も、本当に愚かですわね。」
リズエル「戦意を失った魔族は本当に甘ちゃんになったなぁ…」
レイニア「折角平和を満喫していたというのに…
      どうやらそれは許されないらしいですわね。」

そう言ってレイニアは手の平をg目の前にかざす。するとそこから長い槍が
現れるのだ。

レイニア「これでも300年前は魔王城の門番でしたわ。」
リズエル「なんだ、魔族?そういえば人間の味方をしてるが…
      その人間に惚れてるのか?」
レイニア「そうですわね…もう少し強かったら惚れてたかもしれないですわね」

そう言って槍を構えるレイニア。その姿を見たリズエルは不気味に笑いながら
両手の剣を構え直した

続く

とりあえず今日はこんな感じで。
天使が出せて良かった…。これで本格的に行けるはず…

さてさて、相変わらずの佐々原海です。
もう年末ですね。BOFの季節だーと思ってサイト見たらすでに開催期間終わっていたでござる。orz
とりあえずニコニコにアップされている曲を中心に聴いている最中です。

「運命論」、「回すシンバル」、「YA☆RI☆I☆KA」、
「先天性エゴサ依存症候群」、「7colors」、「bbkkbkk」あたりがいい感じ。
まあ参加曲が400以上あるんで、全部聴くだけでも骨が折れます。耳骨あたり。

さて、前置きが長くなってしまったところで、本日のお題、というか課題。

<本日の課題>
解明:(事柄を解釈・説明・講釈する欲求)
保存:(財物を収集し、修理し、補完する欲求)
顕示:(自己演出・扇動を行う、はらはらさせる欲求)
劣等感の回避:(屈辱・嘲笑・非難を回避する欲求)
屈従:(罪悪の承服・自己卑下の欲求)

 上記の要素を含んだ物語をむりやり小説ゲーム上でやっていきたいと思います。

 世界中の宝石を集める(保存)、派手好きな世紀の大怪盗(顕示)。
 盗んだ宝石には謎が隠されていた。
 その謎を知らなかったことを仲間に指摘され、逆ギレした主人公は謎を解いてやろう(劣等感の回避&解明)と、立ち上がる。
 全ては女の子にモテたい一心で。(屈従?)

 こんな感じ?

『月の綺麗な夜に、
 貴方の大事にしている宝石を鮮やかに頂戴いたします。
                      怪盗:>>60

 俺のステージの招待状はこんなものでいいだろう。
 これを派手にばらまいて、大勢の警察を呼び、そしてその警備をかいくぐって、
 俺が宝石を頂戴するっと。

 その姿を想像するだけでもゾクゾクとするものがあった。
 カッコイイ俺、サイコー! こんな姿見せられたら女の子達はみんなメロメロになるに決まってるよな?

「よっしゃー! やってやるぞーっ! ……あぁそうだ。今回も>>61のヤツ来るんだろうなぁ」

 やけに自分を狙って追いかけてくる婦人警官の姿を思い出し、苦笑いしてしまう。
 いつか二度と俺様を追いかけたくなくなるような目にあわせてやりたい。俺は心優しい怪盗だからやらないけど。

ジミー

公孫香

──怪盗 当日

 俺は正直焦っていた。
 警備システムの裏をかき、1時間前に展示場所を変えられた宝石『織田信長の瞳』のある部屋の中まで来ていた。
 変装は完璧。このまま警備交代の時間のフリをして、宝石を守っているガードマンに近づけさえすればあとはこっちのものだ。
 と、思っていたのか、
 俺が変装してそこに辿り着くことまで予測していたのか、あのにっくき婦警『公孫香』が罠を仕掛けていたのだ。

香「ふっふっふっ。今日という今日は逃がさないわよ。派手好きな怪盗ジミー! 正体をあらわせ!」
ガードマン「あ、や、やめて下さいっ! 私は本物ですっ……ジミーではありません。あ、ああ、やめてっ! おかーーさーーん」

 俺の目の前で全く無関係の青年が裸に剥かれていた。

ジミー(こ、これはどうすればいいんだ……こんなのは俺が想像していたシミュレーションパターンにはないぞ)

 どんな自体であろうと速やかに対処できるように666個のパターンを作成していたが、どうやら早急に667個目を作成する必要がありそうだ。

ジミー(そうだ。この2人をまとめて外に出てもらうように指示すればいいんだ)

 そう結論が決まった俺の脳内コンピューターがうなりをあげて、策を練り上げる。

ジミー(変装)「あ、あのっ……お楽しみの最中失礼します。>>63です!」
ガードマン「あ、あの、違いますっ! これはそういうことではなくて!」

アグネス

ジミー(変装)「あ、あのっ……お楽しみの最中失礼します。アグネスです! ヤツめ、この空気を感じ取ったのか、うら若き青年であろうとも、児ポは許しまへんでーと
 まるで暴走したエヴァのように四足でこちらに向かってきます! なんとかして下さい」
ガードマン「あ、あの、違いますっ! これはそういうことではなくて!」
香「そうよ! これは名前はジミーなのに、派手好きな怪盗ジミーを捕まえるために仕方なくやっている行為なの! 決して好き好んでこの若い青年のパンツを剥いでいるわけではないわ!
  ちゃんと前の還暦を迎えそうなお爺ちゃんも同じ目にあっているのよ!」

 ……それは『ちゃんと』って言っていいのか?

ジミー(変装)「は、大変申し訳ございません。まさかICPOからいらした方がこのような奇行をなさるとは夢にも思いませんでしたので」
香「き、奇行とは何よ!? 派手好きを名乗ってジミーな名前を少しでも隠そうとしているジミーを捕まえるためよ。
  しかし、アグネスか……それはまずいな。分かった。ここから離れるのは不本意だが、私はここを離れる。くれぐれも宝石から目を離すなよ」
ジミー「かしこまりました。あ、そうそう、そこのキミ、交代の時間だよーん」
ガードマン「は、はい……」

 こうして2人を外に出て行かせることに成功した俺は、さっそく宝石に手を伸ばした。
 
 すると……突然、宝石が俺に>>65

テレパシーで語りかけてきた

ジミー(ははーん。警備がゆるゆるだぜ)

 2人を笑顔で送り出し、俺は宝石に手を伸ばした。
 すると……突然、宝石が俺にテレパシーで語りかけてきた。

宝石(……この宝石を手にしたお前。この声が聞こえるか?)
ジミー(な、なんだ……今の……!?)

 慌てて手を離してしまったが、再び宝石を手にする。

宝石(聞こえるようじゃな。我の声を聴く者よ。お主には資格がある)
ジミー(資格だって!?)
宝石(どうか我に代わって成し遂げてはくれないか? >>67を……)
ジミー(そんなこと……無理だ!)

ドーバー海峡横断

ジミー(そんなこと……無理だ!)

 要求を聞いた瞬間、俺は首を横に振っていた。

宝石(え? お前それマジで言ってんの? この宝石に語りかけられる名誉に預かっておいて、こんな軟弱な精神見せられたらショックだわー)
ジミー(おい、随分と生意気な口調になってんな、てめぇ)
宝石(こちらとら100年、200年と待ってる身にもなってくれよ? この声が聞こえるヤツって世界ですげぇ限られてるんだぜ?)
ジミー(知るか、そんなこと!?)
宝石(お前、我を盗みに来た怪盗ってヤツなんだろ? そんな怪盗がこんな簡単なお願いも出来ないわけ? それで怪盗なのっちゃうわけ? 名乗れちゃうわけ?
   だったら俺も名乗れちゃうわー。宝石怪盗超名乗れちゃうわー)

 ここぞとばかりに畳み込んで輝く無機物。

ジミー(ぐぬっ……てめぇっ……! 怪盗ってのはあらゆる活動ができるようにオリンピック選手並みに鍛えてあんだよ、怪盗舐めるな! よぉーしやったろうじゃねぇか。ドーバー海峡横断!)
宝石(……おお、そうかやってくれるか!)
ジミー(して、それをしたからには、どえらい宝物があるんだろうな?)
宝石(ふっ……この我がどうして『織田信長の瞳』と呼ばれているか、その意味を教えてやろう。それは……>>71だからなのじゃ)
ジミー(な、なんだってーーーーっ! そんな謎があったとは!?)

豊臣秀吉の尿管結石を芯にした琥珀だという噂が元

宝石(ふっ……この我がどうして『織田信長の瞳』と呼ばれているか、その意味を教えてやろう。
   それは……豊臣秀吉の尿管結石を芯にした琥珀だという噂が元だからなのじゃ)
ジミー(な、なんだってーーーーっ! そんな謎があったとは!?)

 驚きが隠せない俺はその場に固まってしまう。
 何してんだ、歴史上の人物、ヒデヨシ・トヨトミ!

香「なんだ、アグネスなどどこにもいないじゃない。……って、お前! 何をしている!?」

 どのくらいそうしていたのか、俺の嘘によって扇動されていた香が戻ってきてしまったのだ。

ジミー「しまったっ! かおりんに見つかった!」
香「かおりんって呼ぶな! ICPOの公孫と呼べ!」
ジミー「そいじゃ、あばよ。かーおりーーーーんっ!」
香「まてーーーっ! どうせお前のことだから、そこの窓を突き破って外に出て行くつもりだろうが、それは予想済みだ。予め>>73しておいたぞ!」
ジミー「予想済み、ねぇ……それは本当かな?」

鉄格子

香「まてーーーっ! どうせお前のことだから、そこの窓を突き破って外に出て行くつもりだろうが、それは予想済みだ。予め鉄格子しておいたぞ!」
ジミー「予想済み、ねぇ……それは本当かな?」
香「ガラス窓を破って外に出ることはできまい!」

ジミー「甘いぞかおりん! 鉄格子なんぞ、関係ねぇっ! 隣の壁を壊せばいいだけだ!」
香「なんだとっ!?」
ジミー「見せてやる! 俺の取っておきのマジックをなッ!」

 俺は力の限りのパンチを壁に繰り出した。
 ヘビー級チャンピオンですら一撃で崩れ落ちる威力のパンチの前に目の前の壁など紙も同然。
 壁は見事に>>75

香「ま、まさか……本当に……こんなことになるとは……」

ゴムの様に衝撃を跳ね返した

 ヘビー級チャンピオンですら一撃で崩れ落ちる威力のパンチの前に目の前の壁など紙も同然。
 壁は見事にゴムのように衝撃を跳ね返した!
 そんなバカな!?

香「ま、まさか……本当に……こんなことになるとは……」

 ヘビー級チャンピオンですら一撃のパンチがカウンターしてくるなんて夢にも思わなかった。
 壁を壊してカッコよく脱出する姿を想像していた俺は、ゴールを外れたバスケットボールのように勢いよく跳ね返る。
 背中で風を切り、飛ばされた俺は惨めにも地面にたたきつけられる。

香「はっはっはーっ! こんなこともあろうかと壁にも罠を仕掛けておいたのだ。さあ、観念してよね、派手好きのジミー!」

 一歩一歩近づいてくる香。
 俺はこんなところで捕まってしまうのか? いやだ。そんなのはイヤだ!
 だが、こんな自体は俺も想定済みだ。こんなこともあろうかと、仕込んでいた>>77の出番だ!

どこでもドア

ジミー(部屋から出られないのであれば、ドアから出て行けばよい)
ジミー「テコテコン☆ どーこーでーもードアー!」
香「な、なんだとっ!? それは、それはいくらなんでも反則じゃないのか!? 貴様、それでも怪盗かっ!?」
ジミー「壁をゴムにしてしまうようなヤツに言われたくないわっ! こんなところに入られるか俺はさっさと帰らせてもらうぜ!」

 ピンク色のドアを地面に置くと、俺はそのドアを開いた。

香「いやぁーーーっ! 人間の断面図がぁーーっ!」

 ドアの反対側にいた香からは俺の内面をしっかりと拝まれてしまったようだ。
 いやん、恥ずかしい。


 ドアを抜けた先は、建物の屋上。
 外に出てしまえばこっちのもの。あとは帰るだけだ。
 俺は肌寒くなってきた満月の夜空を背景に、大きな翼を広げた。

 夜空に輝く七色カイト。
 
 派手好きの俺が出来るせいっぱいの派手な演出。
 そして成功の花火が上がるのだ。

ジミー「怪盗、大・成・功!」

 全世界の人々に聞こえるように、世界の中心にいるつもりで叫んでやった。

宝石(喜んでいる最中悪いが、追っ手は来ているようだぞ)

 宝石の声を聴いてあたりを見渡すとそこには>>81人の軍隊が……。

クロマニヨン

 宝石の声を聴いてあたりを見渡すとそこにはクロマニヨン人の軍隊が……。

ジミー「まだ人に進化しきれていない人類の軍隊が何故こんなところにっ!?」
宝石(おぬしが時空のゆがめた道具を操ったように、他の誰かの時空のゆがませているようだな)
ジミー「……お前じゃねぇの?(ボソ」
宝石(何をっ! 我はお前達がはいているヒラヒラした腰布を捲り上げる程度のことしかできんわっ!)

 粗暴なクロマニヨン人は俺を敵とみなすと、即座に攻撃を開始する!

ジミー「う、わっ……これはあかんっ! 問答無用で攻撃してくるなんてっ! こうなりゃこっちも派手にやってやるっ!
 こんなこともあろうかと、テコテコン☆ >>83!」

籠手!

ジミー「う、わっ……これはあかんっ! 問答無用で攻撃してくるなんてっ! こうなりゃこっちも派手にやってやるっ!
 こんなこともあろうかと、テコテコン☆ 籠手!」

 俺はどこからともなく、真サムライスピリッツのナインハルト=ズィーガーが装着しているような巨大な鉄製の籠手を装着した。

ジミー「この籠手は貴様らのような野蛮人の武器など全て跳ね返すぞ! 全員まとめてかかってこいやあぁーーっ!」

 俺は派手に乱闘を繰り広げることにした。


 見事クロマニヨン人を撃破した俺は、翌日、ドーバー海峡にやってきていた。

宝石(言い忘れていたが、大事なお宝は別に泳がなくても、超えれば大丈夫)

 俺は世界で一番早い船をチャーターし、ドーバー海峡を抜けていた。
 そして、目的の地へとついた。

 そこは一つの洞窟のようだ。
 洞窟を進むと、扉があった。


ジミー「宝石の声に導かれてここまで、何か大きな謎を解かねばならないような気がしたが、このドアには鍵すらかかっていなかったんだぜ」

 ドアを開くと、そこには大量の金銀財宝。

織田信長の瞳(おおおっ……懐かしい財宝達よ。我はようやくこの地に戻ってこれた)

 なんか感動してる宝石はとつぜんまばゆい光を身に帯びると、ぽつんと白い粒を吐き出した。

ジミー「こ、これは……」
織田信長の瞳「豊臣秀吉の尿管結石を芯にした琥珀の、琥珀部分が剥がれた部分だ」
ジミー「(^ω^#)ビキビキ」

香「ふふふっ……ようやく辿り着いたか、ジミーよ」
ジミー「なんでかおりんがこんなところに……」
香「貴様の中に流れる血は、私の眷属の証……お前は私から一生逃れられない運命なのだ」
ジミー「な、なんだってーーっ!」
宝石「だが、そんな運命の力など……デスティニージュエルを12個集めれば……」
ジミー「でかした! よし、集めよう! 12個の宝石を!」
香「あ、ちょ、ちょっと待って! お前は私のモノ……こ、こらーまてーーーっ! 待てーーーー派手好きのジミーーーーーーー!」

 <打ち切り!>佐々原の次回作をご期待下さい(・3・)~♪

おつですんー

<あとがき>
 時間がなかった。今は反省している。
 ということで、初期の想定どおりのお話になれたでしょうか? なれてませんね!orz

 同僚→宝石 となったまでが良かったですが、そこからの展開が甘かったと思います。
 私の頭の回転もあまりよろしくなく、アンカーを受けるまで次の展開を想像していない時点で分量もちっとも稼げてなく、
 結果、この有様だよ!状態に。
 初めて打ち切りネタつかったような気がする。
 
 ともあれ、お付き合いしてくださった皆様、本当にありがとうございます。
 次回はもっと楽しんでいただけるよう、もう少し頭のリハビリをしたいと思います。
 少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

【11/13 (水) 18:31時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

11/16 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - やっぱり平日は厳しい第七話 『今度こそ体育祭 と 変態たち』
11/17 (日)
  21:00~/ミント ◆MINTG/yggg:氏 - 300年後へようこそ 4話目「憩いの場へようこそ」

 ちょっと休憩を挟んだあとにもう一本きますよー。

ええい、休憩なんてさせるか!E-4を突破した提督はうんたらかんたら。
とはいえちょっぴり時間が掛かるので、いつもので30秒くらい暇潰してね!

http://muriyari4th.rash.jp/mngupload/src/mngup43.jpg

左が椎衣さん、右が鳴ちゃんさんという事で。って訳でもう暫くお待ちください。


番組の最後にもう一枚、ご用意しておりますので、お付き合いください。
とか言って人釣りたいんだけど、もうちょっと画力ないとだめかなーたはー。

~~凄いぐちゃぐちゃになった登場人物紹介~~ 

【狩野 恋】(かのう れん)『能力:全知有能 ・あらゆる事柄を操作及び実行できます。だがスキル性なのでショボイ』
本編主人公で芸夢製作部の部長。ヘタレ→ちょっと普通→なんか凄い→やっぱりヘタレな基本ヘタレさん。エロゲ大好き。

【小島 小夜】(こじま さよ)『能力:分子分解 ・対象を分子レベルで分解します。だが近接用』
主人公の親友。相変わらず主人公を寝取りたい系女子。部内でも副部長を務める病んでるクーデレ系。

【滝川 詩乃】(たきがわ しの)『能力:元素形成 ・火や雷といった元素を抽出、形成。だがビリビリばっかり』
主人公達の先輩の一人であり芸夢製作部員。自称魔女は相変わらずなボクっ子。ハッキングが得意です。

【橘 瑞希】(たちばな みずき)『能力:物質転写 ・あらゆるモノや事象、能力をコピー出来ます。便利だなぁ』
主人公達の先輩の一人であり、詩乃の友人。主人公を愛でるのが大好きな自称妖精。ほんわか系女子。

【相沢 美樹】(あいざわ みき)『能力:絶対的予測 ・未来を周囲の状況から予測、導きます。便利だなぁ』
主人公のクラスメイト。アニヲタで野菜王子と主人公を愛するちょっぴり臆病な女子。小夜をライバル視しています。

【高峰 一美】(たかみね かずみ)『能力:偽物複製+魔王化 ・あらゆる存在を無限に複製、ただし複製なので劣化気味』
主人公を追って一年時に転入してきた男の娘。今では寧ろ主人公の下僕気味に。まだちゃんと付いてます。

【狩野 愛】(かのう あい)『能力:妄想顕現 ・己の妄想を現実のモノとする能力。ただし意外としょぼい』
主人公の一歳年下の妹。主人公と同じ高校に進学し、クラスを纏める委員長となり張り切っちゃう系。

【乾 姫菜】(いぬい きな)『能力:殺意具現化 ・己の殺意を具現化、対象を攻撃出来ます。おっそろしぃ!』
主人公達の後輩の一人。ひょんな事で芸夢製作部に入部する羽目となった被害者一号。デレ過ぎるツン系。

【穴吹 乃亜】(あなぶき のあ)『能力:加速変換 ・己や動く対象を加速させちゃう! これで遅刻対策はばっちり!』
主人公達の後輩の一人。やはりひょんな事で芸夢製作部に入部する被害者二号。能天気過ぎてイタイ系。

【園田 日々香】(そのだ ひびか)『能力:潜在悪夢 ・人の中に眠る潜在的なこわ~い夢を見せます。やだこわい』
相沢家に仕えるメイド。普段からしっかりしているようで詰めの甘い人。お嬢様の事は大好きな様子。

【渡会 椎衣】(わたらい しい)『能力:加重変圧 ・圧力操作でとんでもないパワーを発揮したり。暴力的ぃ!』
公立痛杉中学校三年生。好戦的なようで意外と臆病且つ怖がりさん。お薬覚醒組みの一人。

【神栖川 鳴歌】(かみすがわ なりか)『能力:言霊現象 ・言葉を奏でればその通りに。但し限り有り。何これ欲しい』
公立痛杉中学校三年生。冷静なようでこちらもまたまた怖がりさん。お薬覚醒組みの一人。

【鳥羽 修介】(とば しゅうすけ)『能力:座標交換 ・対象と対象を交換、転移させちゃいます。幼女時のみ』
女子に人気のイケメン養護教諭ですが、実は変態、幼女に変身するキモかった人。幼女時の名前は

【白鳥 咲】
公立痛杉中学校教諭。お薬を仕込んだ張本人。普段はお姉さんのようなお人のようです。

~~~ 芸夢製作部活動日誌 第七話


 体育祭、恒例行事であるそれは、毎年いまひとつ盛り上がらない。
理由は簡単である。女子だけで無駄に汗を掻き、何故無駄に競い合わなければならないのか。
不毛じゃないか。要するに面倒じゃないか。そういった理由もあり、体育祭はいまひとつ盛り上がらない。

 そんないまひとつな体育祭を盛り上げようと、今年は生徒会が何やら手を加えたらしく、
優秀選手賞や、頑張ったで賞、可愛かったで賞など、様々な賞で生徒を釣る手段に出ていた。


 恋 「そして今年、この日だけに限っての……ブルマ着用」

 恋 「何か、意図的な工作を感じる……。……つまり、これって!」 フーッフーッ

小夜 「何一人本気で興奮しているのよ、一緒に居る私が怖いわ」

 恋 「あらあら、これは白組に属する事になった小島小夜様ではあーりませんか」

小夜 「な、何よ、私は別に紅組になりたいだなんて、一言も……!」

 恋 「でも、部活メンバー殆どはこっちなんだよねー……。……サビシイでしょ?」

小夜 「さ、寂しくなんてないわよ!? そんな事ある訳がないわ!!」


 これまで、色々な事があった。……と言うほどは時は過ぎていないけれど、
今だけは、この時だけはこのイベントを楽しもう。そう決めた私達だったが、
組み分けというのが存在し、部活メンバー全員が同じ組に、という訳にもいかなかった。

 今年に限っては、クラス対抗ではなく、大きく組を作り、そこからチーム編成を行う形となっている。
だがこの組分けがくじ引きによるものだったので、私と小夜は離れ離れになってしまった。

 そして、ココにもう一人、見慣れないと言えば見慣れない、不思議な生命体が一人居る。


鳥羽 「ふ、ふふふふ、はーっはっははははっ!!」

鳥羽 「ブルマッ、そしてブルマ、尚且つブルマ!! これぞ青春ッ!!」


 恋 「……ねぇ小夜、この幼女化してブルマ履いてるおじさん、>>93してくれない?」

の写真を撮って、ちょっとイケない雑誌に写真投稿

確保して拷問

まさかの拷問被りww

sage忘れorz

 恋 「……ねぇ小夜、この幼女化してブルマ履いてるおじさん、確保して拷問してくれない?」

小夜 「出来れば触りたくも無いのだけど。いっそ分解しても構わない?」

鳥羽 「っ!? この麗しく愛らしい幼女であるこの私を分解だとォッ!? ならん、断じてならん!!」

 恋 「ま、まぁ……分解は可哀想かな? それに聞きたい事もあるし。……だから適当に縛り首とかでどうかな?」

鳥羽 「ノォォォッ!! 縛り首ノォォォッ!! 出来れば……亀甲縛りの方がてへへへ」

小夜 「……本気で分解したいわ、このおっさん」

鳥羽 「否、おっさん。私にはきちんとした名前がある!!」

小夜 「鳥羽修介さん、でしょう? 何を間違えているのかしら」

鳥羽 「それも否ァァ!! 幼女時の我が名は……我が名は……」

小夜 「登場人物欄に抜けがあるわね。考えたくもなかったんでしょう」

 恋 「普通にミスしたって、泣きそうになってるらしいけど」

鳥羽 「何だとォッ!! 何故幼女時の名前がないのだ!! これは実に重要な案件であるっ!!」

鳥羽 「……そう、幼女時の私の名は、フォン・ベッケンベルグ・リ・ヴァード・ディメレンタル――」

小夜 「長いので略して。名前欄は二文字推奨なのよ」

鳥羽 「ぐぬぬ。……幼女時の私の事は朱理と呼んでくれ。赤坂朱理、それが幼女時の通名なのだ」

 恋 「なんで、鳥羽姓じゃないのー?」

朱理 「単純にどちらも偽名なのでね、本来の名はフォン・ベッケンベルグ・リ・ヴァード――」

小夜 「もうそれはいいわ。……で、もう一つ今すぐ問い詰めたいコトがあるのだけど」

小夜 「……どうして、あなたが今、幼女化してブルマまで履いて、やる気まんまんなのかしら?」


朱理 「理由は単純、そして明快ッ!! たんに私が>>98したいだけ」

新聞のトップを飾り

朱理 「理由は単純、そして明快ッ!! たんに私が新聞のトップを飾りたいだけ」

小夜 「いや、無理でしょう。そもそもあなたはこの学校の生徒じゃないわ」

朱理 「ノンノン、これだから清楚系クール気取りの腐れ変態ビッチは……」

小夜 「だ、誰が腐れ変態ビッチですって……!?」

 恋 「まぁまぁ……。それで、どういう事なのぉ?」

朱理 「このバージョンも裏工作で生徒として登録しているのでね、この学園のセキュリティは甘々なのだよ」

小夜 「それ、普通に犯罪でしょう……」


 『それでは、第十七回体育祭をはじめたいと思います。選手宣誓! えーと……フォン・ベッケンベルグ・リ・ヴァード・ディメレンタル……はい?』


朱理 「ほう、早速呼ばれたようだ。……では向かおう、栄光の地、壇上へっ!!」

小夜 「……あっちの名前で通ってるんだ」

朱理 「あれはネタだ。ではな諸君、数分後にまた会おう!」

 恋 「短っ! すぐ戻ってくる気まんまんじゃん!!」

小夜 「私も一旦白組に顔を出す事にするわ。恋、また後でね」

 恋 「うん、小夜もまた後でね!」


 こうして、開会式の間だというのにも関わらず、グラウンドの端の方へ避難、座り込みながらその光景を眺めていた。
何故こんな事をしているかといえば、校長の無駄話が苦手だからだ。あの話を聞くと、どうしても貧血を起こしてしまっていた。
その為か、担任の先生が最初から、「あなたはもう休んでいなさい」と、大丈夫だと言うのにも関わらず端に追いやられてしまった。

 お陰で、サボリという楽が出来るわけなのだが。その間も、ふと先日の出来事を思い出す。


 恋 「……全く敵わなかった。ううん、元々勝ち目がないのかもしれない」

 恋 「……>>100の能力を持つラスボスなんて、聞いてないよ……」

土属性

一兆個

 恋 「……土属性の能力を持つラスボスなんて、聞いてないよ……」

 恋 「土属性って、基本四天王の中でも最弱ぅっ! って分類だけど……」

 恋 「使い方やその分類によっては、最強でもあるんだよね。かといって、私の能力がへっぽこなのも一つの原因」


 例えばそう、指先に炎を灯すとしよう。簡単な事だった。それは念じるように描くだけで、火が灯る。
指先に小さく揺らめく炎。それを少し伸ばすように変化させる事もできるし、これを土に変える事も可能。

 そして、今穿いているブルマだって、複製の真似事だって出来る。が、出来上がるのは何かの布切れのような物体。
そう、私の能力は基本何でも出来てしまう全知有能、スキルマスターという能力。

 しかし、それらは訓練しないと使いモノにならない、どれもへっぽこで、レベルが1程度の能力なのだ。
最大で100まで伸び代があるとしたら、これは相当何かに絞り込んで修練をしないと話しにならない程度の能力。


 恋 「でも、応用すれば何とか勝てるハズ……って、いきなり地面からツルのようなもので縛られて」

 恋 「お仲間の女の子の一人に結晶化させられて、逃げ帰るハメになって……」

 恋 「一人でパワーシード栽培施設を破壊しようだなんて、思い上がりだったのかなぁ」

詩乃 「……何を一人でぶつぶつと」

 恋 「あ、詩乃先輩。それに瑞希先輩も。おはようございます」

瑞希 「暗い顔しちゃ、可愛い顔が台無しじゃないの~。ふふ」

詩乃 「ところで、小夜の具合はどう? 恐らく一週間は寝込むと思っていたけど」

 恋 「……さっきまで、普通に話してて、白組の方へ行っちゃったけど、なんで?」

詩乃 (……病院送りにしたハズなのに。入院するハメになったハズなのに) ヒソヒソ

瑞希 (もしかして、愛ちゃんの特製治療ドリンクが効いたのかしら?) ヒソヒソ

詩乃 (どちらにしても、よく分からない回復力……)

 恋 「で、先輩達もサボリにきたんですか? ダメですよー、サボリはー」


詩乃 「いいえ違う。私達は……>>103

ボイコットよ

詩乃 「いいえ違う。私達は……ボイコットよ」

瑞希 「そうなのよ~、詩乃が面倒な事は面倒だからイヤだって駄々を捏ねて」

詩乃 「だから私はただ……昨日の今日だからと……」

 恋 「……何か違和感」

瑞希 「どうしたの、恋ちゃん」

 恋 「詩乃先輩が、私とか言ってたら怖いというか、気持ち悪いというか」

詩乃 「ッ!? そ、その……えと……うぐぅ」

瑞希 「ちょっと乙女に目覚めちゃってるのよ。何せ今日はブルマだから、うふふ」

瑞希 (これも誰かさんのミスだなんて言えないわね。もう面倒臭いらしいわ)

 恋 「で、ぶっちゃけただボイコットしてきた訳じゃないですよねぇ?」

瑞希 「まぁ、そうね。……あんな危ない事を一人でしでかした恋ちゃんに、お説教かな?」

詩乃 「……どうして、先走るような真似を。ううん、それよりも……」

詩乃 「いつから、能力者に?」

 恋 「能力を得てからまだ数日くらいしか経ってなくって、えへへへ……」

詩乃 「……ちなみに、どんな能力?」

 恋 「スキルマスターっ! そう、私が新世界の神だっ!! みたいな能力です」

瑞希 「……それって、つまりなんでも出来ちゃうみたいな? 凄いじゃない~!」

 恋 「でも実際、電撃を放とうとしても……えいっ……!」

 ビリビリッ

 恋 「この程度の能力がたくさんあると思って貰えれば……あはは……」

詩乃 (……指先からちりちり、電磁波が放たれただけ……私以下の能力……)

瑞希 (……使い物になるかどうかと言えば、厳しそうねぇ……)


 『それでは、第一種目、跳び箱サバイバルレースを始めたいと思います。参加選手の皆さんは――』


瑞希 「そう言えば、これに>>106が出てるらしいわ、遠目で応援してあげましょうか~」

校長先生

瑞希 「そう言えば、これに校長先生が出てるらしいわ、遠目で応援してあげましょうか~」

 恋 「……なんで校長先生が?」

鳥羽 「この私が説明しよう! それは、私が幼女姿でお願いしたら二つ返事でOKしてくださったからだ!!」

 恋 「うわ、もう戻ってきた」

瑞希 「でも、普段の男性バージョンですね~」

詩乃 「……そもそも、校長を体育祭で選手として出す意味が不明」

鳥羽 「ふん、分からないかね金髪クセ毛野郎。校長がブルマを穿いてちんたら走って跳び箱へ激突っ!!」

鳥羽 「これぞまさに……愛だろう?」

 恋 「あの、意味分からないんですけど」

 愛 「うん、意味分からないよねお姉ちゃん」

 恋 「あんたなんで居るのっ!?」

 愛 「だって紅組だし、お姉ちゃんをちゃんとリレーで出すという大義名分の為、迎えに来たんだよっ!」

鳥羽 「サボリだな」

 恋 「サボリだよね」

 愛 「うるさいなー。それより今日はゲストが居るんです」

瑞希 「ほほ~、ゲストさんですかぁ」

鳴歌 「……こ、こんにちは。愛先輩の応援にもとい愛先輩のブルマ姿を見たくて来ました……」

 愛 「大事な後輩、神栖川鳴歌ちゃん、通称鳴ちゃん! お姉ちゃんが死んだ目の子だって言った子だよ」

 恋 「おぉ、確かに死んだ目をして……いない……?」

 愛 「色々あって、生気を取り戻して、そして同じく能力者の一員にね」

鳴歌 「……そもそも、私、中学三年なんですが、学校で生徒全員、クスリを飲まされまして――」

鳴歌 「それで、私と渡会さんだけ、能力に目覚めたみたいで……」

鳴歌 「ちなみに、能力に目覚めなかった生徒の一部は、>>108となったそうなのです……」

ブルマ恐怖症

鳴歌 「ちなみに、能力に目覚めなかった生徒の一部は、ブルマ恐怖症となったそうなのです……」

 恋 「あのぉ、何でブルマ恐怖症に?」

鳥羽 「そこからは私が説明しよう。……先ずは幼女変身ッ!!」 キラーン

朱理 「……変身、完了ッ!!」

 恋 「……その台詞、基本要らないですから……」

朱理 「先ずは何処から説明しよう。……うむ、パワーシードが偶然生まれた所から説明した方が良いだろうか」

朱理 「だがそれも、何かの因果関係に左右された事柄なのかもしれない、という事を頭に踏まえて居てくれたまえ」

 恋 「あ、あれ、鳥羽先生もとい変態がちょっとマトモに説明してる!?」

朱理 「変態違う! 愛くるしい幼女だと言え! ともあれ――」


 パワーシード、それは能力者を生み出す種。そう単純に理解して貰って構わないと、鳥羽先生もとい幼女は、無い胸を張って言う。
それが生まれたのは、能力開発機関、N・PSIと呼ばれる組織であり、彼も幼女の姿でその機関に参加していたという。
何故幼女姿でそんな謎だらけの秘密機関に抜擢されたのかと言えば、それは彼の相方の存在が強かった。


朱理 「白鳥咲。……鳴歌くんの担任ではなかったかな、今は」

鳴歌 「はい。今年が初の担任受け持ちだって、張り切ってはいました」

朱理 「彼女が中学生にパワーシードのエキスを抽出したクスリを調合、そして生徒全員が被検体となった」

朱理 「だがそもそも、パワーシードなるものは、彼女が生み出した産物でもあったんだ」

 恋 「……どうやって生み出したんですか、それ」


朱理 「……>>110でね、偶発的にね……」

赤子作りの副産物のようなもの

朱理 「……赤子作りの副産物のようなものでね、偶発的にね……」

 恋 「ま、まさかのセクロス発言!? 18禁っ!? 実はエロゲーっ!?」

朱理 「色々と飛躍しすぎだが、まぁ……似たようなものかもしれないな」

詩乃 「どういう事ですか、先生」

朱理 「……赤子は無限の才能を秘めているのではないか、そう機関は着目した」

朱理 「そして、全国から赤子を拉致もしたし、時にはクローンを生み出せないかと研究に没頭もした」

朱理 「要するに、目的の為なら手段を選ばないとんでもない集団、それがN・PSI……。次世代サイキック能力開発機関なのだよ」

瑞希 「……どうしてそのようなモノが、明るみにならないのでしょう?」

朱理 「彼等はね、力を持っていた。勿論それがパワーシードのお陰でもあるのだが――」

 パワーシードなる種が、実は赤子の脳細胞を抽出、そして種として加工されたモノだと彼は説明する。
そして、植物化させる事に成功し、さらにそれは種を生み出す事になる。こうして栄養さえあれば、無限の連鎖が生み出されると言う。
その研究、開発を行った責任者の一人が、白鳥咲であり、そして彼、鳥羽修介なのだそうだ。

 そんな機関は、当初から得意な異能者を抱え込んでいた。それが……あの土、大地を操る女性だった。


朱理 「四十万 心。それがキミの言っていたラスボスの名だ。……で、何故彼女がラスボスだと気付いたのかな?」

 恋 「そ、それは……、影であるもう一人の私が、そう教えてくれて」

朱理 「……ふむ。まぁ、彼女も心に思うところがあったのだろう、気が急いたか。お陰でキミは下手をすると彼女達に洗脳させられるところであったのだが」

朱理 「まぁ、もう一つ端的にネタバレをしておこう。この世界は例えるならZとして、Aの世界の影響を主に受けている」

朱理 「その原因の一つは、私も、咲も、そして心も、そちら側の人間だったからなのだよ」

 恋 「……はひ? まさかの異世界人間疑惑?」

朱理 「Aの世界の恋クンが、私を逃してくれたのだ。身を挺して、心を相手にしながらね」

朱理 「ちなみに、Aの世界の恋クンは悲惨な最期を遂げた。……最後は尼さんになれなくて、ごめんなさい、と呟いていた」

 恋 「そこで尼さんフラグ、持ってくるのっ!?」


朱理 「そういう訳で、私はキミ達の事情を大体は知っている存在だと思っていい。……なので、これからは>>113と慕うようにっ!!」

メンター

卑しい犬……いや卑しい豚

朱理 「そういう訳で、私はキミ達の事情を大体は知っている存在だと思っていい。……なので、これからはメンターと慕うようにっ!!」

小夜 「こんなのが良き指導者……メンターだなんて、私はイヤね、呼びたくないわ」

 恋 「あれ、小夜、お帰りー!」

詩乃 「……小夜、身体の具合は?」

小夜 「身体? カラオケに行って、気付いたら病院に居たけれど、その間の記憶は曖昧なんですよね」

小夜 「……何があったのか、教えてくれません?」 ニコリ

詩乃 (こ、この顔、この笑み……、この子は覚えている、きっとしっかり覚えている……!)

詩乃 (私と乃亜が放った電磁砲紛いの金属片攻撃を、腹部にもろに受けたことをしっかりと覚えている……!!)

 愛 「あ、小夜先輩、具合はどうです? お薬、バッチリだったでしょう?」

小夜 「そうね、凄い効きよ。養命酒なんかには負けないくらい」

 愛 「私、サポート要員として才能あるかも! ね、お姉ちゃん!!」

 恋 「……愛はとりあえずどうでもいいとして」

 愛 「え、何それ酷いっ!!」

 恋 「白鳥咲って人に会う事は、出来ないんですか?」

朱理 「残念ながら、今彼女は……」


鳴歌 「白鳥先生は、先月から辞任、そして現在行方不明なのですが、噂では……>>116

エクアドルで観光ガイド

鳴歌 「白鳥先生は、先月から辞任、そして現在行方不明なのですが、噂では……エクアドルで観光ガイドをしているとかで」

朱理 「私にも、彼女の事は良く分からん。……頭の中がって意味だが」

 恋 「もし本当にエクアドルとかに行ってたら……」

 恋 「……愛、パスポートっていくらするんだろう?」

 愛 「って、パスポートは申請するから、買うものじゃないって分かってるよね?」

 恋 「買えないの!? パスポート!!」

朱理 「実際、今頃はエクアドルから更に別の土地に移ってるかもしれない。つまり、連絡は取れないんだ」

朱理 「まぁ、何せ……キミ達は何もしなくて良い。しかし、ゲーム製作は暫く待って欲しい」

小夜 「先生、それが凄く気になっていました。どうしてあの時、取引の内容に、部の休止措置を取らせたのか」

小夜 「そして、ゲーム製作を頑なに拒むのか。……教えて頂けますか?」

朱理 「……部については、キミ達の身を案じての事もある。と受け取って欲しいかな」

朱理 「ゲーム製作については……。……そうだね」


 彼、もとい彼女は腕組みしては、暫く視線を伏せて思案する仕草を見せる。
そうして暫く、彼女はふと顔を上げて言うのだ。この頃、丁度次の種目に移り変わろうとしている頃だった。


 『次の種目は、走り幅跳ばない、走り幅跳ばない。出場選手の皆さんは――』


 恋 「……え、なんて、言ったんです?」

朱理 「先程も言ったが、Aの世界の影響を強く受けていると言ったと思う」

朱理 「だがそこが、ゲームの世界そのものだとすればどうだろう。……その世界に住んでみていると、そうは思えなくなる不思議はあるが」

朱理 「そして、どの世界軸でも、恋、キミはゲーム製作を断念する、そういう運命にあるんだ」


朱理 「だが、キミがもしゲーム、もといエロゲーを完成させたとしよう。……キミの能力もあり、そして根幹を揺るがす自体となり――」

朱理 「Aの世界は無かったコトになり、そして……この世界は>>118

みんなが神様になってしまうのだ

朱理 「Aの世界は無かったコトになり、そして……この世界はみんなが神様になってしまうのだ」

 恋 「そういえば、全人類神格化計画、とか私の影が言っていたような。でも何か違うような」

朱理 「心の一番の目的はそれだ。特別な人間を作り、選び、そして遺す。随分と歪んだ存在となってしまった」

朱理 「だが、その選別した人間を新世界……新たな世界を築こうと、企んでいるのだよ」

朱理 「その舞台が……此処、つまりこの世界だ」

 恋 「……要するに、纏めると……どういう話なの?」

小夜 「簡単よ。四十万心って人を消せばいいだけ。それで万事解決、でしょう?」

朱理 「……どうかな。ともあれ、少しの間、私に任せて欲しい」

 恋 「……あのぉ、先生、エロゲー製作しないと、人類神格化計画は成らないと言いましたけど」

 恋 「逆、ではないんです……よね。……作っちゃダメなんですよね」

朱理 「Aの世界の美樹クンが推測した話だ。私にもそこまで先の未来なんて分からない」

朱理 「しかし、私の世界の美樹クンは、この世界の美樹クンよりも能力に長けていてね。それはもう、助けられたものだ」

朱理 「それでも、我々、そして私の世界のキミ達は、心に敵わなかった訳なのだが――」


 あの土属性使い、そこまでの能力者なのだろう、と、先日の彼女を思い浮かべる。
薄らとだが、私や愛に似ているような気がして。でも冷酷な瞳で、残酷な笑みを浮かべて私を待ち受けていたのを思い出す。
ぞっと背筋を震わせてしまう。あの絶対的自信は何処から来るのだろうと、肩を震わせてしまうのだ。


 『第三種目は、対抗リレー対決ポロリもあるよです。参加選手の皆様は――』


 愛 「あれ、これお姉ちゃんが出る種目だよね?」

 恋 「……へ?」

 愛 「ほら、さぼってないで行かないとー。私達、応援してるからねっ!」

 恋 「ちょーっとまって、ポロリって何!? ポロリって!!」

小夜 (まさか、私も白組としてリレーに参加する事になっているだなんて、恋には言えないわ……)

小夜 (恋と競い合うだなんて、私には辛い……! だけど、これも恋の為……!)


小夜 (このリレーに勝って、恋に……>>120するのよ……!)

同棲の申し込み

小夜 (このリレーに勝って、恋に……同棲の申し込みをするのよ……!)

小夜 (この世界がどうだろうが、関係ない……。恋が居てくれれば、皆が居てくれればそれでいい……!)

小夜 (……だから、私は、一歩……前に進むの……!)


 ―― グラウンドの中央にはレーンが二つ組まれ、なんと一組二十人もリレーで走るらしい。
それ、最早リレーの枠組みを超えていない? と突っ込みたくもなるのだが、リレー参加選手の紅組の中には見知った顔も居たわけで。


姫菜 「あ、恋先輩。姿が見えないなーって、一美先輩と美樹先輩が捜してましたよ?」

 恋 「実は端っこの方で鳥羽先生達と話をしながらさぼってた、なんて……たはは」

乃亜 「あ、いいなー。乃亜もこれ終わったらそっちに参加しよっと!」

 恋 「だめだよー、さぼっちゃー!」

姫菜 「サボってる恋先輩が言う台詞じゃないでしょ!? やれやれ……」

姫菜 「ともあれ、折角ですし……勝ちましょうね、先輩!」

 恋 「えー……ちょっと面倒くさいのも事実で……」

乃亜 「珍しく姫菜が発奮したと思ったら、先輩がだらけちゃなぁー」

姫菜 「珍しくて悪かったわね。って、白組の方に小夜先輩達が居るわ」

 恋 「あ、ほんとだ。……なんかやる気出してるなぁ……」


 ―― 白組陣営


小夜 「という訳で、このリレー、何が何でも勝ちたいの!」

美樹 「は、はぁ……。と言われてもぉ」

一美 「やっと出番だーって思ったら、敵役でしかも負けフラグ立ってる側だなんて、萎えちゃうわー」

小夜 「勝手に萎えないで!! 一美、あなた一番手でしょう?」

一美 「ふふん、付いてる子は足も速いってね。……それで?」


小夜 「あなた、トラップを仕掛けなさい。具体的には>>122

触手

小夜 「あなた、トラップを仕掛けなさい。具体的には触手をごにょごにょ」

一美 「普通に反則だし、そんな能力じゃないし」

小夜 「ならばロープを模写、複製しなさい」

一美 「だから卑怯じゃん! 正々堂々勝負出来ないの!?」

小夜 「勝つ為に卑怯もクソもないのよ。勝てば正義なのよ!?」

美樹 「ま、まぁまぁ二人ともぉ。……どうせ、ポロリするんですから」

小夜 「……そもそも、ポロリって何よ」

一美 「……まぁ、私が先に走るじゃん。それ見ていれば……分かるよ」


 『走者、位置について! よーい……』 パンッ!!


 恋 「あ、白組第一走者、一美だぁ。……早いなぁ」

姫菜 「紅組の名無し女子Aをあっさり三馬身も突き放したわね」

乃亜 「馬身で計るってどうなのさー……って、何か上から降ってきた!?」

 恋 「トラップッ!? でも、空から降ってきたような……って、ヘリコプターが飛んでるッ!!」


 『おーっと、ここで触手のようなナマコの雨がぽろりとしてきたーっ!!』


姫菜 「……こんなの、アリなの? 去年からこうなの……?」

 恋 「去年はもっと質素で普通の体育祭だったんだけどねー……」

乃亜 「コースはナマコだらけで、それでも一美先輩が一気に突き放して次にバトンを!!」

姫菜 「わ、私もそろそろ出番ね! い、行って来ます、先輩っ!!」

乃亜 「……これはやらかすフラグですよねー」

 恋 「ですよねー」


 『第三走者、名無し女子C、そして乾姫菜さん、所定の場所へ――』


姫菜 (どどど、どうしよう。ナマコが苦手だなんて言えないし、更にナメクジがぽろりしてきたし……!)

姫菜 (こうなれば……>>124するしかないっか……!)

無理に存在していないと思い込むことに

姫菜 (こうなれば……無理に存在していないと思い込むことにするしかないっか……!)

姫菜 「……来たっ!」


 恋 「あ、姫菜ちゃん走ってる! ……いい太股してるなぁ、じゅるり」

乃亜 「ほんと、ちょっとエロ要素入ったらおじさん化しますよねー、先輩って」

 恋 「そそそ、そんなコトないもんっ!?」

乃亜 「なんで疑問形……」

姫菜 「存在していない、存在していない……っ!!」

 グニュリ

姫菜 「ひぎぃっ!?」

 恋 「あ、姫菜ちゃん転んだ」

乃亜 「ナメクジとナマコ塗れの場所に、よりによってダイビングするとは……」

 恋 「あ、そっかぁ、そういうプレイなんだぁ……姫菜ちゃんもえっちぃなぁ、ぐへへへ」

乃亜 「いや、だからおっさんになりすぎですって、先輩ー」


姫菜 「ひぎぃぃぃっっっ!!」

姫菜 (ナメクジとナマコが体操服の中にぃぃぃっ!!)

姫菜 (でも、ここで踏ん張らないと、紅組は追いつけない、負けちゃう!)


 『おっとー、ここで先行していた白組にぽろりと襲い掛かるのは、>>126だぁぁ!!』

姫菜 (……これはチャンス!?)

落ち武者の生首

 『おっとー、ここで先行していた白組にぽろりと襲い掛かるのは落ち武者の生首だぁぁ!!』

姫菜 (……これはチャンス!?)

姫菜 「……って、何で生首が振ってくるのよっ!? しかも落ち武者っ!?」


 『第四走者、配置について――』

 恋 「次って乃亜ちゃんだっけ。頑張ってね! そしてあわよくばぐへへへぇ」

乃亜 「先輩、いい加減変態モードから帰って来て下さいよー。……ともあれ」

乃亜 「結局てんでダメだった姫菜の分も、ちょっくら頑張ってくるよー!」

 恋 「あ、でも能力使っちゃダメだからね?」

乃亜 「大丈夫ですって。これでも50mは6秒台なんですからー!」


 ―― 姫菜ちゃんは半泣きになりながらも、無事乃亜ちゃんにバトンを託す。
そしてそこから紅組は追い上げる事になり、更にお菓子のポロリからパンツが降り注ぐポロリまであり、
最早訳が分からないうちに、美樹ちゃんも白組として駆け、互いにイーブンという具合で最終走者に託される事になる。


 恋 「……私の相手、小夜だなんて」

小夜 「これも運命ね」 ファサァッ

 恋 「……その台詞とファサァは、ちょっと引くかな」


 『最終走者、配置について――』


小夜 「……私が勝てば、私はあなたの家に同棲するわ。いいわね?」

 恋 「……は?」

小夜 「もしあなたが勝てば、そうね……>>128してもいいわ」

一枚のパンツをふたりではく

小夜 「もしあなたが勝てば、そうね……一枚のパンツをふたりで穿いてもいいわ」

 恋 「出来るかっ!」

小夜 「ともあれ……今回は真面目に勝負しましょう?


 彼女はそう言って、小さく笑ってみせた。それは純粋に、自然な笑顔だと思えてしまう。
その親友である彼女に応えよう、とは思ってみたものの、足はそれ程早い訳では無く。

 以前、パンツ一枚で学内を疾走した際は、異常な走りっぷりだと褒め称えられた事もあったのだが、
正直運動もぱっとしないのが私であった。そう、影の力を譲り受けるまでは――。


 恋 (何だか……身体が軽い……!)

小夜 (お、おかしい、私より足が早いだなんて! それに、フォームも崩れていない)

小夜 (この暫くの間で、運動能力が上がっている? 運動音痴のあの子がっ!?)

 恋 (不思議、何時もの私じゃないみたい)

 恋 「これなら……今の私なら……いけるっ!!」

小夜 「バカね、それはフラグよ、○ミってしまえばいいわ!!」

 恋 「っ!? 頭からぱっくんちょなんてされないもんねっ!!」


 『おっと!? ここでヘリコプターが急下降!! まさか、ヘリコプター自体がポロリしちゃうのかぁっ!?』


小夜 「頭上からヘリが近づいてくるせいで、風圧で……っ!!」

 恋 「ナマコやらナメクジやら生首が飛んできて、上手く走れないよぉ!!」


 『おおっと、ここで>>131というアクシデント発生だぁ!!』

いたずら小僧の乱入

 『おおっと、ここでいたずら小僧の乱入というアクシデント発生だぁ!!』


 恋 「へっ!? なんでこっちに!?」

小僧 「ひひっ、ブルマちょっくら拝借すんよっ!!」

 恋 「だ、だからなんで!? ちょ、ちょっと待って!!」

 恋 「だ、ダメ、ヘリの風圧も邪魔して、子供が飛びついてくるのを避けきれないっ!」

小僧 「さぁーって……拝借だぁぁっ!!」

小夜 「……あの子も、哀れね」 スタスタ

 恋 「な、なんで、なんで私だけがぁぁぁ……! ……見られてる、見られてるよぉ!」

 恋 (見られて、昔みたいにまた見られて、恥ずかしくて、気持ち悪くなっていって、そして、そして……)

 恋 (……なんだか、ちょっと清々しい、かもぉ……)

小夜 (ブルマを脱がされたのに、まだ走ってくる!? しかも……さっきより早いっ!?)

小夜 (このままじゃ、追い抜かれて……!!)


 そこから先は余りハッキリとは覚えていなくて。ただ、話を聞いて、そういえばそうだったと頷く感じで。
現在、最終種目のブラ取り騎馬戦という卑猥な競技が行われる中、私はあの時のリレーを思い返していた。
後半歩、私が早ければ勝っていたけれど、それでも届かなかった私は、今では別のブルマを穿いてしょんぼり、膝を抱えていた。


小夜 「……そう落ち込まないの」

 恋 「……ぐすん、だってぇ」

小夜 「そんなに私が同棲するのが嫌なの?」

 恋 「>>133

まあ、明日隕石ふってくるわけだし

 恋 「まあ、明日隕石ふってくるわけだし」

 恋 「どうでもいいかなーって……」

小夜 「って、唐突ね!? ……同棲の話は、無かったコトにしておくわ」

 恋 「……別に、小夜と暮らすのがイヤだって訳じゃないよ?」

 恋 「でも、なんかそんな気がしたーだなんて、うん、気のせいかもしれないけど」

小夜 「……じゃあこうしましょう、今日、一晩私を泊めて。それで満足するから」


 私は落ち込んでいた。体育祭のイベントのお陰で、幾分かは吹っ切れていると思っていた。
しかし、私のこれまでの行動の根幹は、やはりエロゲー製作であった。それが無ければ、今の私は無いくらい。
その目的が無くなった事がやはりショックだったのだろう。次第に気分が再び沈んでいく。

 そんな中、私は小夜と帰宅する事になる。彼女は本気で私の家にお泊りをするつもりらしい。
それ自体は別に構わない。ただ、エロゲー製作という目標が無くなった私は、上手く彼女に構えるだろうか。心配だった。

 そんな帰り道、彼女はこんな事を言う。


小夜 「……体育祭、思ったよりも楽しかったわね」

 恋 「……そうだね」

小夜 「恋のポロリも見れたことだし、私は満足よ」

 恋 「……そうだね」

小夜 「……まるで、エロゲーみたいね?」

 恋 「……どういう、コト?」

小夜 「確かに、ゲームは製作できない。私達の部って、活動目標が無くなったも同然」

小夜 「だけど、こういったエロゲーみたいなイベントは起きるじゃない、現実に」

 恋 「それこそ、おかしい話だけどね」

小夜 「じゃあ、この世界そのものがエロゲーだと思えばいいわ。……あなたが主人公よ」

 恋 「小夜……」

小夜 「そして恋、あなたは私とのフラグを立てた! 今晩、私の事を……好きにして、いいのよ///」 カァッ


 恋 (……顔を真っ赤にして、こんな事を言ってきてるけど、どうしよう? >>136

椅子にする

 恋 (……顔を真っ赤にして、こんな事を言ってきてるけど、どうしよう)

 恋 (……なら、椅子になってもらおうっと)


 ―― 夜、恋の自宅


小夜 「ん、ぅ……はげ、しい、わっ!」

小夜 「でも、当たってる、恋のお尻、太股……温かくて、重みを感じて、んぅぅっ!!」

 恋 「小夜だって、凄い熱くなってる……!」

小夜 「だって、恋と……恋と……触れ合ってる、からぁっ!」

 恋 「……空気椅子、キツそうだね?」

小夜 「へ、平気よこれくらいっ! さ、さぁ、続けなさいよ!!」

小夜 (でも、私を椅子にして、ノートパソコンでエロゲーするのはちょっとイヤ、かも)

 恋 「それにしてもこの妹ちゃん可愛いなぁ……、うひ、うひひぃっ」

小夜 (と言って、身もだえするものだから恋のお尻が擦れて……、やっぱり、ちょっと、イイ……かもぉ)

 恋 「……エロゲー、作れないんだよね」

小夜 「そうね。だからこそ、視点を変えればいいと思ったのだけど」

 恋 「……芸夢製作部、かぁ。……芸と、夢」

 恋 「……副部長はさ、芸夢と書いて、何を思い浮かべちゃう?」

小夜 「突然ね。……そうね、あえて言うのならば……芸能人?」

小夜 「あの手の職業って、割と夢を与える仕事なんじゃないかって、時々思うわ」

 恋 「私は、やっぱりゲーム……だったんだけど。……そっか、そうだね:

 恋 「私、折角なんだから、夢を与えたい! そんな部活がしたい!!」

小夜 「……い、いきなりどうしたの? 私の空気椅子がイマイチなら、そう言ってくれても――」

 恋 「違うの! 私、それまで生きる目標みたいなものすら無かったけど、ゲームが全てだって思い込んでたけど!」

 恋 「ゲームで希望を貰った! 夢を貰ったの! でも、ゲームは作れない。それなら――」


 恋 「いっそ、>>139するのはどうかなって!! それで、夢を与えていける部活、出来ないかなっ!?」

ダンサー

 恋 「いっそ、ダンサーするのはどうかなって!! それで、夢を与えていける部活、出来ないかなっ!?」

小夜 「踊るの? どうして? ……なんで?」

 恋 「別にダンスに限らないけど、その名の通り、芸で夢を与えようって! そんな部活にしようって!」

 恋 「その手始めに、ダンスだよ! ……どうかな?」

小夜 「まぁ、皆に相談する必要は勿論あるけれど……」

小夜 「私は、恋がそう言うのなら、構わないわ。……応援するわよ」

 恋 「……応援してくれる、だけ?」 ウルッ」

小夜 「や、やるわよ、私も踊るから! 恋もちゃんとダンスの練習、しなさいよ?」

 恋 「はーい!!」

小夜 「そろそろ日付が変わる時間ね。お風呂も済ませちゃったし、その、今日は一緒に、ね、寝……」

 恋 「そうと決まったら、早速ダンスの練習だね! とと、その前にエロゲーでダンスを取り扱ってる作品を探さないと!!」

小夜 「って、これから練習だなんて。しかも題材をエロゲーから決めるってどうなのよ!?」

小夜 「ったくもう、明日は振替休日だからいいけれど――」


 『prrrrr! prrrrr!!』


 恋 「このシンプルで実はエロゲーのBGMな着信音は、私の携帯!」

小夜 「そんな説明は要らないから、さっさと出なさい?」

 恋 「ほいほーい。……もしもし? あ、美樹ちゃん?」

 恋 「……へ? 日付が変わって直ぐ、隕石が確認されたぁっ!?」

 恋 「しかももう、日本に落ちたって!?」

小夜 「……あの直感、本当になるなんて」


 恋 「……しかもその小規模隕石から、>>141が出てきたってぇっ!?」

パワ-シ-ド

 恋 「……しかもその小規模隕石から、パワ-シ-ドが出てきたってぇっ!?」

小夜 「……隕石から、種? どうして?」

 恋 「うん、うん、え、鳥羽先生から手を出すなって? うん、はーい……」

小夜 「美樹、何て?」

 恋 「鳥羽先生が直接確認してみるからって。北部の方に落ちたらしいんだけど……」

小夜 「……それ、本当に隕石なのかしらね」

小夜 「例えるなら、そう……それ自体が、種そのものとか」

小夜 「つまり、パワーシードは元々作られたものじゃなく、もしかすると宇宙の災厄なのかもしれない、なんて」

 恋 「……小夜ってさぁ、だいぶ毒されてきたよね」

小夜 「お、おかしかったかしら、私の考え。……おかしいのかしら」

 恋 「……ダンスの練習、後回しにしない? やっぱりちょっと気になるんだ」

 恋 「あんなモノ、この世に存在させちゃいけないよ。……だってアレは、適応しない人を……」

 恋 「最悪、化物に変えてしまうくらい、恐ろしい存在なんだから……」


 気がつけば、寝間着から外行きの服へ着替えていた私を見た小夜は戸惑うものの、
私が強く押せば、彼女は仕方ないと溜息混じりに頷いてくれるのだった。

 しかし外へ出て気付くのである。私は叫ぶのだ。


 恋 「……今って何時っ!?」

小夜 「うんと、そうね……0時55分ってところかしら」

 恋 「しまった!! 電車が動いてないっ!! 小夜、どうしよぉ!!」

小夜 「……コンビニでも寄って帰りましょうか」
 

 そうして朝を迎え、いよいよ街が、都市が、そして国が揺れ動く自体が起ころうとするのである――。



~~~~ つづきます

だぁぁ、ギャグを交えないとやってられないよっ!?
収拾付けれるかなぁ。とか思いつつ、コレ終わったら次何しようかなぁ、と考えちゃう次第でありまして。

ともあれ、おまけで描いてたのを添えてお別れであります。これから艦これでE-5突破してくるであります提督ゥ!
http://i.imgur.com/iG5JsNJ.jpg

お付き合いアリガトウゴザイマシター

【11/17 (日) 00:30時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

11/17 (日)
  21:00~/ミント ◆MINTG/yggg:氏 - 300年後へようこそ 4話目「憩いの場へようこそ」
11/23 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - 芸夢製作部活動日誌 二年生編 第八話 『隕石特別警報』

何でいつものロダじゃないんだって? クレジット的なの残すの恥ずかしいべっちょり。


とりあえず登場人物のあれを作ってみました。適当なアップローダーからですが…

【前回までのあらすじ】
レイニアとリオンが帰宅中に天使に襲撃される。

【上級魔族住宅区域 上空】
レイニアとリズエルが背中の翼を羽ばたかせ大空へと舞い上がる。
そして空中からは武器のぶつかり合う音が地上へと響きあっていた。

レイニア「…(これが天使の力!?ただの平和主義な種族かと思ったら…!!)」
リズエル「…(魔族との戦いは初めてだけど…、これほどまでとは…!!)」

互いに武器を構えたままにらみ合う。

レイニア「天使というのを侮っていましたわ…。まさか、これほどまでに強いとは…」
リズエル「天使の力というのは魔を打ち砕く物だ!私たち天使は魔族を滅ぼすために鍛えてきたんだ!!」
レイニア「手段すらも選ばないとは…どちらが魔でしょうかね…」
リズエル「ふん、好きなだけ言えばいいさ…。全ては勝者が語るのみ!」

同時にリズエルが二本の剣を構え、レイニアの元へ振り下ろす。だが、互いに戦闘力が互角なためか、
レイニアが持つ槍でその斬撃を阻止される。

リズエル「くっ…平和ボケした魔族のくせに!!」
レイニア「平和ボケ…実にいいではないでしょうか?…せっかく血を見ずに生きていける世界…
     何がいけないんでしょか!?」
リズエル「うるさい!!うるさい!!神は人間のみを欲しているんだ!!
     魔族の存在なんか許していない!!」
レイニア「神に従い、自由を知らない天使…。可哀想に…」

レイニアの同情が怒りの感情に火をつけたのかリズエルの猛攻撃が開始する。これに一瞬驚いたレイニア。
少し遅れてしまい、ガードに専念することとなってしまった。

リズエル「神は絶対だ!!その為なら…どんなに汚いことだってする!」
レイニア「…」
リズエル「例え一部の人間が犠牲になろうとも…神の望みを叶えるのは…私たちだ!!
     その為なら過去の人間だって!!」
レイニア「リオンのことを…何か知っているみたいですわね…。是非、聞かせてもらいましょうか!」

レイニアが持っていた槍を払い、リズエルの武器を弾き本人ごと吹き飛ばす。そして>>149

胸倉をつかむ

そしてレイニアはリズエルの胸ぐらを掴んだ。

リズエル「しまっ…!」

さらにレイニアは勢いよくリズエル下にしたまま急降下。
リズエルを地面に叩きつけて身動きを封じたのだった。

レイニア「捕まえましたわ…。」
リズエル「ぐっ…」

自分の武器を手放してしまい、魔法を使うにも距離が近すぎて使用することができない。
だが、リズエルはまだ余裕を見せるように笑う。

リズエル「どうするつもりだ?…私に尋問でもするか?」
レイニア「一番はそれをしたい…んですけどねぇ」
リズエル「分かっているだろう?私はただの捨て駒…私から聞けることなんて…」
レイニア「わかっていますわ。既に2回…経験してますし…」

レイニアはそう言うとリズエルの体中を探り始める。

リズエル「ちょっと!?何よ!!」
レイニア「無駄な抵抗だけはされたくないだけですわ。…こんなものとか使われてね…」

レイニアの手にあったもの。それは短剣だった。刺し違えるためか、若しくは自害のためか…
使い方は分からないが…

レイニア「しばらく押収しますわ。さてとそれじゃ行きますわよ」
リズエル「おい!どこに行くつもりだ!?」
レイニア「ご安心を…命までは取りませんわ」

そしてレイニアがリズエルを連れてきた場所。そこはバーだった。
街の外れに存在する小さなバー。驚いた様子を見せたリズエルをよそに
レイニアが扉を開ける。すると>>151

ヒトコトノヌシが一言「いらっしゃい」

??「いらっしゃい」

そこには一人の女性マスターがカウンター越しに立っていた。

レイニア「紹介しますわ。彼女はヒトコトノヌシのコトノさん。プラント種の神様ですわ。」
リズエル「神だと!?…何故地上に神が!!」
コトノ「…レイニア。勇者くんを拾ったと思ったら今度は天使?」
レイニア「ええ、ちょっと二人で話したいことがありまして…。私はいつもので」
コトノ「そちらの天使ちゃんは何を飲む?」
リズエル「飲むって…酒か!?」
レイニア「ええ、奢りますわ。」
リズエル「…お前学生だろ?」
レイニア「年齢的には既に500歳は過ぎてますの。それに魔族の飲酒の基準は100歳からですわ。」
リズエル「一応自分は飲める年齢ではあるが…だが階級の掟で飲めないんだが」
レイニア「へぇ…まぁいいわ。彼女にはアルコール度数の低いカクテルでも」
コトノ「かしこまりました。」

そしてコトノがカクテルシェイカーを音を鳴らしながら振る。
数秒後、それをグラスに注ぎ、二人のもとへ

レイニア「さぁ、頂きましょう」
リズエル「ううう…」
レイニア「飲まないと…この武器はお返ししませんわよ」

リズエルの武器を取り出し、意地悪そうに笑いながら自分のカクテルを口に運ぶレイニア。
それを見てリズエルも覚悟を決めたのか、自分のカクテルを一気に流し込む。そして>>154

つまみを注文

数分後…

リズエル「マスター、何かつまみをだなぁ…」
コトノ「天使ちゃん、出来上がっちゃったね」
レイニア「ええ、まさかこんな簡単に出来上がるとは…思いもしませんでしたわ」

リズエルは度数の低いカクテルを一気飲みしたのだが、本人が酒に弱い体質だったのか
たった1杯で酔っ払ってしまったのだ。
そして今メニュー表を見ながらつまみを頼もうとしている。

リズエル「そうだなぁ…このローストビーフってのが気になるなぁ」
コトノ「それは牛のお肉。レイニアがまず食べない物ね」
リズエル「にくぅ…?肉はまずいわぁ…。天界じゃ上級天使しか食べられない…」
レイニア「うふふ、ここは地上ですわ。それにここの神はコトノさんですわ。」
コトノ「私の店は…種族を選ばない。マナーを守れば誰でもお客様」
リズエル「じゃいっかぁ!!ローストビーフ1つとあとカクテルおかわり!」

リズエルが上機嫌で注文をする。その様子を見たレイニアもかなりニヤついているようだった。

レイニア「やはりここに連れてきて正解でしたわ。」
コトノ「…亜神加入店。全ての神は他の神の経営する店に武力を行使できない。
    それが例え…絶対神でも」

リズエルの上司すらも武力介入ができない。それを利用しての平和的解決を
レイニアは思いついたようだった。
ちなみに今のリズエルは禁忌だった酒と肉をカッくらい、ただ意識も朦朧としている
羽の生えただけの人間に落ちたも同然だった。

リズエル「ローストビーフおいひぃ・・・。カクテルもこんな美味しいなんて・・・」

完全に舞い上がっている天使にレイニアが天界についての質問をしてみると>>157

お姫様が下界に亡命してきたらしい

リズエル「実はだなぁ…天界の姫がだなぁ…亡命してきてな…」
レイニア「亡命…。随分といい秩序をした場所でしたのね…天界って…」

コトノは目を閉じ、無関係な様子でグラスを拭き始める。ここからは
レイニアとリズエルの二人だけの会話になった。

リズエル「とにかく、お姫様をどうにかしないと…」
レイニア「お姫様の亡命ね…。ちなみにそれはいつのことですの?」
リズエル「つい最近…詳しくはわからない…」
レイニア「…」

するとそこにコトノが割り込んできた。そしてある本を二人の前に置いた。

コトノ「天使なら…ここが有名」
レイニア「これは…アイドルグループですわね。」
リズエル「アイドル…?なんだそれ…?」
レイニア「歌って踊る方々ですわ。こちらは『グリードハートⅦ』。
      そしてこちらが『DMN72』ですわね」
コトノ「今のアイドルは…悪魔種が多い。しかし、中には『堕天使』もいる。」
リズエル「堕天使………堕天使だとぉ!?」

一気に酔いが覚めたのか、リズエルは雑誌に食いついた。

リズエル「そういえば…天界に大昔にいた人らが…。
      すると姫様も!!」
レイニア「考えられるかもしれませんわね…
      なんせ、亡命したくらいですし…うふふ」
リズエル「笑っている場合か!!…おい、この事務所はってのはどこだ!?」
レイニア「今確認して差し上げますわ。」

レイニアは携帯を取り、兄のアルガンへと電話をしてみる。すると>>160

電車の中で携帯を切られた

アルガン「すまない、電車の中なんだ。じゃ切るわ」

ブツッ…。兄が一方的に電話を切ってしまった。

レイニア「普段空飛んでる人が何故今日に限って電車に…?」
リズエル「おい、どうするんだ!!このままだと姫様が堕天使に…!」
レイニア「亡命したのでしょう?なら堕天使になっても悪くないのでは?
      どうせ天界には戻らないわけだし………あれ?」

ここでレイニアが何かに気づく。それじゃ何故この天使は…無関係のリオンを襲ったのか?
…それに地上を滅ぼすつもりなら…一緒に姫様とやらも巻き込んでしまうはず…。
二つの疑問が脳裏をよぎる。

レイニア「天使さん、どうしてリオン襲ったのです?」
リズエル「え、それは…」
レイニア「なにより疑問にあることは…数日前に現れた人間のファンになったと言って
      近づいたことですわ。」
リズエル「それは…天界からずっと見てて…」
レイニア「それが、300年前にオークに殺されそうになった人間をですの!?」
リズエル「…」

また何かを隠している。それはレイニアの思っていたとおりだった。

リズエル「あの男に近づいた理由は特にない。ただ魔族と一緒にいる人間を始末しようとしただけだ」
レイニア「物騒な使命を帯びてるのですのね…」
リズエル「だが姫の亡命は本当だ!!とにかく、どうにかして情報を探さないと…!!」
レイニア「しかし情報通の兄は不通…。どうようかしら」

リズエルが本気で姫様のことを心配しているが、レイニアは少し楽しそうな様子だった。
そして>>162

TVをつけると丁度そのアイドルがコントをやっていた

コトノ「そういえば今の時間、アイドルのバラエティがやってるみたいね」
レイニア「あまりテレビとか見ないからわかりませんでしたわ。」

レイニアが携帯を開き、ワンセグモードに変える。そしてチャンネルをいじってみると
やっていた。アイドルがコントをやっている。

リズエル「そういえばなんだその板?さっきは誰かと話してたみたいだが」
レイニア「まぁ簡単に言えば人間の技術と悪魔の魔翌力の合わさった結晶ですわ。
      おかげで便利な世の中になりましたわ」
リズエル「…はぁ、それでこのアイドルってのが」
レイニア「グリードハートⅦですわね。ちなみに今写ってる二人は
      傲慢のルシファーと色欲のアスモデウス。共に元天使の方ですわね」
リズエル「そう言えば…面影がある!!…そうか、地上に降りて堕天使になってたのか… 
      でも、何か楽しそうだ…」

リズエルが何か寂しそうに話す。テレビに映る堕天使たちはまるですべてを開放したように
笑っている。

レイニア「まぁ、この方々はアイドルになる前は魔王の側近をやってたんですけどね。
      ちなみに他には、嫉妬のレヴィアタン、憤怒のサタン、怠惰のベルフェゴール
      強欲のマモン、暴食のベルゼブブがおりますわね。全員可愛い子ですわよ」
リズエル「だが、全員堕天使ではないのだろう?私が興味あるのは堕天使だけだ!
      とにかく姫様を探さなければ…!!」
レイニア「そうですわね…では後日知ってそうな方のところに案内しますわ。
      兄にも一応連絡入れておきますし」

レイニアがそう言って携帯をいじり始める。すると>>164

流しの音楽家が登場

レイニアが携帯をいじり、リヴィにメールをしていると
カランカランと扉が開く音が

コトノ「いらっしゃい…。ってあなたですか」
音楽家「飲みに来たよ。あ、ウオッカで」
コトノ「今日は随分早いのね」
音楽家「あぁ、曲が完成してだな。これでグリードハートⅦはまた少し人気アップだな!」
リズエル「!?」

隣に座った男に反応するリズエルが音楽家に近寄る。

リズエル「おい、今グリードハートって…」
音楽家「あん!?誰だ君は!?」
リズエル「あ…あぁ、それは…」
コトノ「天使ちゃん。天界のお姫様が亡命したから堕天使アイドルになってないか
    気になってるみたい」
音楽家「天界のか…。確かに堕天使はたくさんいるんだが…」
リズエル「それで、姫様はいるのか!?」
音楽家「わ…わからないよ!!基本的に歴は聞かないわけだし…」
リズエル「っ…!使えない奴が…!」

情報が得られなかったことに腹を立て、再び酒に溺れる天使リズエル。
そして音楽家も酒を飲みながら愚痴をこぼし始める。

音楽家「しかし、最近仕事が増えたのはいいが、どのアイドルも同じ曲になりそうでなぁ…」
コトノ「流れの音楽家なんかやっているから…。一つの事務所に絞ればいいのに…」
音楽家「流れのほうが面白いんだよ、わかってくれよコトノさん!!」
コトノ「私には…わかりません。」

コトノがそう言ってグラスを拭き始める。一方、連絡がおわったレイニアがリズエルの隣に
戻ってきた。

レイニア「私の友人が調べておいてくれるそうですわ。今日はそろそろ帰りましょう…」

レイニアが代金を支払い二人は店の外に出ると>>167

寂しそうな顔のリオンが突っ立っていた

そして二人が外に出るとそこには寂しそうな顔のリオンが立っていた。

レイニア「あ、すっかり忘れてましたわ…」
リオン「レイニア!やっと見つけたぞ!!」
レイニア「ごめんなさいね…。急いでおりましたの…」
リオン「急いでいたって…!!天使を泥酔させることかよ!!」
レイニア「ええ、…お陰で情報が掴めましたわ!あぁそれとこれはお詫びに」

レイニアはそう言って、リオンに渡す。それはこの店で包んでもらったツマミ各種だった。
本当はリズエルに買ったものだが、彼女が眠りこけた時に買ったもの。
リオンに渡しても特に問題はない。

リオン「ま…まぁ作戦なら仕方ないか…。お土産もあるんだし…」
レイニア「さて、帰りましょう。ちなみにこの天使はもう大丈夫ですわ。」
リオン「ほ…本当なのか?」
レイニア「ええ、すっかり仲良しに。それよりリオン。そっち持ってもらえます?
      レディ一人ではさすがに運びにくいですわ」

レイニアとリオンは泥酔したリズエルを連れて岐路へと着いた。

-翌日-
リズエル「あたたた…頭が痛い…。」

リズエルが目を覚ます。そこは大きなベッドの上だった。
重々しいコートや服を脱がされ、可愛らしいパジャマを着たリズエル。
よく現状を理解していない様子で扉の外へと出てみる。

レイニア「おはよう…って言ってももうお昼なんですけどね」
リズエル「お前は確か…魔族の…」
レイニア「ええ、ガーゴイルのレイニア。自己紹介が遅れましたわね」
リズエル「…するとここはお前の家か。どうして私はここに!?」

昨日の夜の出来事を覚えていないようで、悩んだ様子で椅子に座る。
そしてレイニアが昨日まであった出来事を説明していると>>170

兄帰宅

そしてレイニアが昨日まであった出来事を説明しているとアルガンが帰ってきた。

レイニア「あら、お兄様。こんな時間に帰ってくるなんて珍しいですわね。数時間前に仕事に行ったはずなのに」
アルガン「急遽休みをもらった。昨日から働き詰めだったからな。
      …それでリオンに続いて今度は天使か。」
リズエル「レイニアの兄…?」
アルガン「アルガンっていうんだ。よろしくね」
リズエル「…ふん」
アルガン「なんか嫌われてるみたいで…それでリオンはどこに?」
レイニア「先にリヴィのとこに行きましたわ。最近あそこで学ぶことがあるとのことで」
アルガン「ふむ…それで僕に電話があったみたいだけど」
レイニア「自己解決しましたわ。全く、いざという時に役に立たないなんて」
アルガン「あはは…ちょっと泣きながら寝てくる…」

そしてアルガンは自室へと入る。どうやら昨日から働き詰めは本当らしく
数分後にはいびきの音が響き渡っていたようだ。
レイニアとリズエルもリヴィの家へと向かう。

-リヴィ邸リヴィの書斎-
そこにレイニア、リオン、リヴィ、そしてリズエルが集まった。

リヴィ「少し情報を集めるのに苦労しましたの。」
リズエル「…」
リヴィ「リズエルさんといいましたね。お姫様の生存は確かに確認しましたの!」
リズエル「本当か!?」
リヴィ「はい。現在の情報ですとお姫様の現状は>>172

コールセンターで営業

リヴィ「はい。現在の情報ですとお姫様の現状はコールセンターで営業しておりますの!」
リズエル「姫様が働いているだと!?」

これには一同が驚きを隠せない様子だった。まさかアイドルなどではなく
本気で働いているなんて…

リヴィ「亡命の確認、そして偽名を使用していることも確認しましたの。」
リズエル「だが、何故わたしたちはわからなかったんだ…。」
リヴィ「亡命したときに…お姫様は堕天使に姿を変えたことと…亜神営業店にいることで
    うまく隠れていたようですの」
リズエル「そんな…すでに堕天使になっていたなんて…!」

そしてリヴィはタブレットを取り出しコンタクトと取り始める。そしてコンタクトが取れた
タブレットをリズエルに手渡す。

リズエル「そんな…、」
姫「天使のお客様…どういたしました?」
リズエル「姫様!!…どうして堕天使なんかに!!」
姫「…どうやら、気づかれてしまいましたか」

初めて見せるリズエルの涙。これにモニタに映った姫も少し暗い表情も見せた。

姫「今の天界に…絶望したのですよ…」
リズエル「…」
姫「ご存知でしょう…絶対神…父の暴挙を…!!」

自分の父に対しての不満を話す姫。そして天界の現状を改めて知るリズエルは>>174

「その話の続きは酒でも飲みながらゆっくりと…」

リズエル「分かりました…姫様。そのお話は…」

リズエルが立ち上がったその時だった。全員が驚いた様子を見せる。
そして…

リズエル「お酒での飲みながらゆっくり話しましょう…」

背中に生えた翼が真っ黒に侵食し、頭部のエンジェルハイロウがバラバラに砕けちった。

姫「…そうですか、わかりました。では後程…」

そして連絡が途絶えた。それと同時にリズエルは堕天使へと堕ちてしまった。

リヴィ「初めて見ましたの…。天使が堕天使になるところ…」
リオン「これって…魔族になったってことだよな?」
レイニア「天使は絶望と欲望を知ると堕天使に変わる…。昔魔王が言っていたセリフですわ。」
リズエル「…そうか、これが欲望ってやつなんだ。あはははは…」

漆黒の翼の天使は初めて欲望を知り、魔族へと変わった。
そしてその夜…二人は対面するのだった。

続く

とりあえず少し遅くなりましたが終わりです。
兄貴の登場する場面がかなり中途半端で見事に空気にww


あと名前がラ行で始まるの多すぎる気がした

 やってしまった。
 ついに俺は道を踏み外してしまったのだ。

 薄暗い街頭が点滅する中、俺は一人荒れる呼吸を鎮めようと呼吸を繰り返していた。

 いくらストレスが限界まで達していたとは言え、
 犯罪に手を染めてしまうなんて、どうかしている。
 拉致監禁をしてしまうなんて。


 ということで、19時から細々と。

19時になりました。細々とやっていきたいと思います。(開始時間間違ってないよね)

■シナリオタイトル:青年と拉致された少女
 普通の青年とお嬢様のお話です。よくあるタイプだと思います。
 とある事情により、心が憔悴し、自暴自棄になった主人公は、少女を自宅に拉致監禁。
 それがトラブルの火種となり、ちょっとした騒動に巻き込まれる。
 その中で、少女の抱えている悩みに触れ、自分の問題と合わせて昇華していく。

■1

 青白い街頭には、虫がふわふわとしている。
 秋もすっかり終わりにさしかかり寒くなった

 俺は、この公園で何も適当に時間を潰していそうな見知らぬ少女を部屋に拉致監禁してしまった。
 別に少女をどうこうしようとは思ってなかった。
 ただ、悪いことをし、警察や誰かに止めて欲しかっただけなのかも知れない。
 もしくは少女に拒絶されることでより自分を追い詰めたかったのかも……。

 しかし現実とはなんと無常なことか。
 セーラー服を着た少女はただ俺を見上げ、腕を引かれるがままに俺の部屋へと連行された。
 拉致監禁はこうもあっさりと成功してしまったのだ。
 『絶対に逃げようだなんて考えるんじゃないぞ!』と釘を刺してこの公園に来ていた。

 疑問に思いつつも俺は少女との名前を冷静に思い出す。

俺「おい、お前の名前は……?」
少女「はい、私の名前は>>181です。おにーさんの名前は?」
俺「え、あ……ああ、俺の名前は>>182だ」
少女「素敵なお名前ですね。>>183と呼ばせていただきます」

岩長咲耶

シグマ・ディ・ローグ7世

シグマ様

 岩長咲耶との会話なんぞ思い出しても仕方ないか。
 俺はもう前科一犯がついてしまったはみ出し者。
 ならば、もうとことんまで堕ちていくだけだ。

 時間にして30分ほどだろうか、公園のベンチから重い腰を持ち上げると、自分のマンションへと戻った。

 マンションの『シグマ・ディ・ローグ7世』と書かれた表札がかけられたドアを開けると、
 まず違和感が俺を襲ってきた。
 それもそのはず、一人暮らしの不摂生がたたって汚かった部屋が
 綺麗に掃除されていたからだ。
 床に散乱されていた本は一箇所にまとめられ、ゴミは分別されて、指定のゴミ袋に入れられて部屋の隅に置かれている。
 掃除機がかけられたのか、埃もなくなっていた。

咲耶「お帰りなさい、シグマ様」
シグマ「おい、てめぇ……何勝手に掃除してやがんだっ!?」
咲耶「私、汚い部屋が苦手で……真に勝手ながらお掃除させていただきました」
シグマ「お前、自分の立場が分かってないようだな?」
咲耶「あ、お腹空いてません? 今、お料理が完成しますからシグマ様、一緒に食べませんか?」
シグマ「は?」

 少女は胸の前でぽむと両手を合わせると、明るい笑顔を見せる。
 まるで友達が自分の家に遊びに来ているかのような気軽さだ。

シグマ「食料なんて、どこにあったんだよ?」
咲耶「シグマ様のお住まいの近くには素晴らしいスーパーがあるんですね。とても新鮮なお野菜が手頃な値段で売ってました」
シグマ「……おい、俺は『逃げるな』と言ったハズだが?」
咲耶「でも『外に出るな』とまでは言いませんでしたよね?」

 このやりとりをして気付いた。
 こいつ、もしやわざと?

シグマ「おい、咲耶。お前の狙いはなんだ」
咲耶「狙いだなんてそんなそんな。私はただ>>186だけですわ」

厨二病な

 自分が拉致監禁されていることに気付きながらも、
 わざと俺の元にいる理由が分からない。

咲耶「狙いだなんてそんなそんな。私はただ厨二秒だけですわ」
咲耶「こういうのって中々経験できないことじゃないですか。大丈夫です。こういうピンチに陥れば必ずや私の中に秘められし謎のぱぅわーが目覚めるはずです」

 この女、俺が思っているよりも変なヤツらしい。

咲耶「あ、そろそろご飯が炊き上がります。シグマ様、とりあえず食べていいですか?」
シグマ「お前が餓死されても困る。それにせっかく作ったんだろ。勝手にしろ」
咲耶「一緒に食べませんか?」
シグマ「お前、俺が怖くないのか!? これでも犯罪者だぞ! お前を拉致監禁している男だぞ!」
咲耶「あら、まだ犯罪者ではないですよ? 拉致監禁は犯罪ではありますが、犯罪者とは罪を犯して、その罪を受けた人のことです。シグマ様の犯罪はまだ明るみになっていなければ、
   その罪を受けているわけではありません」

 物怖じせずにそんなことを言うお嬢さん。
 中々に肝が据わっているというか……こいつ、かなり変じゃね?

シグマ「……」
咲耶「さ、シグマ様。一緒に食べましょう。わたしが手ずから作った>>188です! 一口だけでもいいですから、食べてみて下さい!」

 ドンと更に盛られたモノを持ってくると、咲耶は渾身のドヤ顔を見せた。
 俺はそれを恐る恐る口に運んだ。

シグマ「……! これは>>189だ」

 俺は静かに感想を口にすると、咲耶はますます顔を明るくした。

焼きそば

ソバババーン

咲耶「さ、シグマ様。一緒に食べましょう。わたしが手ずから作った焼きそばです! 一口だけでもいいですから、食べてみて下さい!」

 ドンと更に盛られたモノを持ってくると、咲耶は渾身のドヤ顔を見せた。
 俺はそれを恐る恐る口に運んだ。

シグマ「……! これはソバババーンだ」

 俺は静かに感想を口にすると、咲耶はますます顔を明るくした。
 口の中に広がるソバの味。そして絶妙にバーンされた味が、舌の上でババーンと広がる。
 その味をたとえるならばまさしくソバババーン! ソバがバーンで、ソバババーン! Σハッ

咲耶「そうです、ソバババババーンでババーンで、ソババーン!なのです! 私の友達も同じ感想をくれましたよ」
シグマ「そ、そうなのか……」

 大丈夫か、この食べ物?

咲耶「うん。上手にソバババーン出来てる♪」

 そんな精神汚染しそうな食べ物をおいしそうに頬張りまくる咲耶。料理は上手なのだろうか? それとも最近の女子高生はこのくらいの料理が出来て当たり前なのだろうか?

シグマ「そういえば、咲耶は随分と落ち着き払っているが、拉致監禁されて困るとかないのか?」
咲耶「両親は忙しいですし、明日から2日は学校もないので、困ることはありません。強いて言えばせいぜい着る物くらいでしょうか?
   でも、そこは拉致監禁されている身、文句は言えないですよね。現在社会に生きる人間はどうしてこんなにも清潔好きなのでしょう?
   世界を救う冒険に出たりすれば、何日も着替えられないなんてこと日常茶飯事のハズです……やはり困ることなどありません」
シグマ「ああ、さいでっか。じゃあ黙って寝てろ」

 俺は普段使っているベッドを指定した。
 すると咲耶は少し考えた後、顔を赤くし始める。
 そして、その赤く染まった両頬を手で押さえた。

咲耶「……も、もしかして……これはそういうこと!? い、いえいえ、昨今のラノベではこういう描写はさすがにありませんが、
   一昔前の小説ではよくあったことではありますし……ううううぅ」
シグマ「何を考えているのか知らないが多分違うと思うぞ。俺は別にお前をどうこうしようって思ってない。じゃ、シャワー入ってくる」
咲耶「>>192♪」
シグマ「監禁されてる人間らしく、黙ってろっ!」

 俺はルンルン気分で浴室に侵入してこようとした咲耶を思い切り蹴飛ばした。

じゃ私はこの首輪をつけて窓際に座っております

咲耶「じゃ私はこの首輪をつけて窓際に座っております」
シグマ「監禁されてる人間らしく、黙ってろっ! ってかどこでその首輪買ってきた!?」
咲耶「安心してください! ちゃんと大型犬用のものなので、決していかがわしいアイテムなどでは、あああぁぁっ!」

 俺はルンルン窓際に行こうとする咲耶を思い切り蹴飛ばした。


■ 監禁2日目

 意識が闇の中から戻ってくると、僅かに甘い香りが鼻を掠めた。
 妙に背中が痛いのは、昨晩床で寝たのが原因だろう。
 まぶたを開くと、目の前には両頬をぷくーっと膨らませた咲耶が横になっていた。
 とても年頃の女の子が見せる表情とは思えない。

咲耶「信じられません」

 開口一番、俺は否定されていた。
 何がどう信じられないのか分からないが、コイツは何か変なのだ。信じられないことなんてたくさんあるだろう。

シグマ「何が信じられないんだ? ベッドの質の悪さか? 壁の薄さか? それとも拉致監禁されたことが夢だとでも思ってたのか?」
咲耶「私、少なくとも平均点以上のルックスはしていると思うんですけど、そんな女をベッドで待たせて、シャワーに入るだなんて、これはフラグだと思うじゃないですか!
   それなのに何のイベントも無いなんておかしいじゃないですか! 貴方それでも男ですか!」
シグマ「罪状が一個増えるわっ!」
咲耶「罪状の一つや二つ、男の勲章みたいなモンでしょうっ!?」
シグマ「ンなことあるかぁーー!」
咲耶「はっ……もしかして、シグマ様は上級ロリコナー……やだ、わたし年齢高すぎっ!?」
シグマ「違う、断じてそうじゃないっ! なんだ、お前は欲求不満だったのか! ヤりたい盛りなのか!? お前は拉致監禁されてんだろっ!?」
咲耶「はっ……そうでした。私、拉致監禁されているんでした。とりあえず、身代金要求しましょう!」
シグマ「お、おいっ……俺は何もそこまで」

 ピピピピッと咲耶は携帯電話を取り出すと、どこかに電話をかけ始める。

咲耶「あ、豪竜会ですか? 私です。組長に変わっていただけますか? 折り入って大事な話があるんです」

 は、豪竜会? 組長? いやな予感しかしない単語が並ぶ。

咲耶「あ、お父様。すみません、私、捕まってしまいまして……その犯人が>>195

ED

咲耶「あ、お父様。すみません、私、捕まってしまいまして……その犯人がED……」
シグマ「ワーーーワーーーワーーーッ!」

 俺は慌てて咲耶から電話を取り上げ、通話を終了させた。
 なんてヤツだ。自分から俺の犯罪のランクを上げようとさせるなんて。
 もしかして、こいつを拉致監禁している方が危ないっ! 俺の身が超危険?

咲耶「あれ……せっかく私がお父様に頼んで治療薬を貰おうと思ったのに……」
シグマ「EDじゃねぇよ。一応普通にビンビンでいらっしゃるよ。普通に子孫残せるよ!」
咲耶「お父様のお薬ならば末端価格で」
シグマ「お願い、それ以上のことは口にしないで……」

 ここまで聞いて分かった。
 俺、よりにもよってとんでもないトコロのお嬢様を浚って来てしまったようだ。
 下手すると警察よりも厄介な連中に狙われる可能性がある。

シグマ「……もういい。拉致監禁はここまでだ。悪かったな。お前の貴重な時間を潰してしまって……」
咲耶「なんで諦めんだよっ! どうしてそこで諦めるんだよ!? 諦めたらそこで終了だよ!」
シグマ「諦めなかったら人生が完全に終了するわ!」
咲耶「せっかくこっちはあったまって来たのにここで辞めるとか言わないでちょうだい」
シグマ「なんで拉致監禁されてお前があったまるんだよっ!?」
咲耶「だってこのまま2人でいたらきっと……」

 そこまで言った瞬間、車が滅多に通らない家の前に一台……いや数台の車が止まったのが分かった。
 窓際から、ちらっと外を見ると、そこには明らかに場違いな黒塗りの高級車が2~3台止まっていた。

シグマ(ギャーーーーッ! なんか変な車きたーーーーっ!)
咲耶「ああぁ、やっぱり……きっと>>198に来たのね」
シグマ「お、おおおぃぃいっ! どうすんだよ、これ! どうすんだよ!」

健康診断

 バタン、とドアが閉まる音共に複数の足音がやってきて、ドアの前に止まった。
 不穏な空気がビンビンと伝わってくる。

咲耶「ああぁ、やっぱり……きっと健康診断に来たのね。貴方の身体の隅々まで調べられるわ」
シグマ「お、おおおぃぃいっ! どうすんだよ、これ! どうすんだよ! 俺、いま、保険料なんて払えないぞ」

 このままじゃきっと豪竜会の人に捕まって、
 ドラム缶の中に入れられて、コンクリート詰めにされてしまうに違いない。
 なんとしてもそんな人生ゲームオーバーにだけはならないようにしなくては。

咲耶「どうするって言われても……私も言われるがままに拉致監禁されたわけだし……。健康診断くらいは受けておいた方がいいと思うわよ」

ドアの外「すみませーん。社会保険庁の者ですが、健康診断に参りました」

 ドアの外から威厳のある男の声が聞こえてきた。
 その瞬間、俺の心臓は1cm以下になるほどに小さくなったような気がした。

シグマ「お、おおお、おかしいですねー。ボク、バイト先できちんと毎年健康診断ウケテマスヨー」
咲耶「貴方、マメね」
ドアの外「あ、すみません……。お隣だったかなー」

 とぼけたように言いながらも、そこから動く気配はない。
 ふぅ……なんとか第一陣は凌げたか。

 そう思った瞬間だった。
 パァンッと弾ける音と共にドアノブがころんと地面に転がった。
 その直後バンッとドアを叩き付られ、黒服を着た屈強な男達が部屋の中に入り込んできた。

シグマ「あ、あのっ……おい、咲耶っ!」
咲耶「仕方ないわね。こうなれば……>>201しかないわ」

 咲耶は髪をかきあげると、俺の目の前に立った。

駆け落ち

 一体どうしてこうなってしまったのだろう?
 ただちょっと魔が差しただけだった。
 公園にいた少女を連れてきて、困らせようとしただけだった。

 その結果、少女は豪竜会という、どう聞いても「ヤ」がつく自由業のところのお嬢さんで、
 危険なオクスリとかも取り扱ってそうなヤバい関係の人。
 しかも、本人はこの拉致監禁を楽しんでいる模様で、俺にどうしても拉致監禁させたいらしい。

シグマ「あ、あのっ……おい、咲耶っ!」
咲耶「仕方ないわね。こうなれば……駆け落ちしかないわね」

 咲耶は髪をかきあげると、俺の目の前に立った。
 自らを平均以上とのたまう顔を近づけてくる。

シグマ「お、おいっお前何をするつもりだっ!」
咲耶「黙って、私の言うとおりにしなさい、シグマ様っ! ここでブチューとキスをすれば黒服に隙ができるわ」

 ぎりぎりと顔を近づけてくる咲耶を掴む。

黒服「……お嬢様?」
咲耶「そうすればここから逃げ出しせるでしょう!? そうなりゃ、私が拉致監禁されたなんて思わないで済むでしょう!? おとなしく、しーなーさーいー」

 それってまだ咲耶を一緒にいなければならないってことか! それはイヤだ!
 しかし、このままでは黒服のお兄さん達に健康診断という名の何かをされてしまう可能性もある。

黒服「お嬢様……全てダダ漏れでございます」
咲耶「ほらーーっ、アンタがハッキリしないから作戦がバレちゃったじゃないですか」
シグマ「全部お前のせいだろうがっ! てか、作戦がバレたんだから、顔近づけるのや・め・ろ・よぉ~」
咲耶「作戦は今からでも遅くないわっ! さあ、逃げるわよっ!」
シグマ「い、イヤだ! これ以上面倒ごとに巻き込まれるのはイヤだーーーーっ!」

 咲耶はガラガラと窓を開けると、俺のシャツの襟を掴みずるずると引っ張っていく。

咲耶「さあ、逃げるわよっ! 第2ステージの開始ってところかしら!?」
シグマ「た、助けてーーっ! 黒服さん助けてーーーーーっ!」

 俺は悲しいかな咲耶の謎のパワーに負けて、マンションの一室から飛び出すことになった。
 
 まさか拉致監禁した相手に、拉致されるとは……。
 本当に世の中、間違っている!<fin>

<あとがき>
 後日、女子高生に一ヶ月に渡り各地を連れ回された男が無事保護されるというニュースが流れたとか。


 ということで、今回のお話は終了です。
 ちょっとプライベートで厄介なイベントがあって、ちゃんと書けるか不安でしたが、
 なんとか形にだけは出来たようなので安心しました。

 今回は前回の失敗を踏まえて、
 キャラベースでやること、主役の望む方向から逆方向に進ませること、を意識した話にしました。

 少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

 それでは失礼いたいます。

【11/19 (火) 08:28時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

11/23 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - 芸夢製作部活動日誌 二年生編 第八話 『隕石特別警報』
11/24 (日)
  21:00~/ミント ◆MINTG/yggg:氏 - 300年後へようこそ 5話目「地上へようこそ」


 ちょっと休憩を挟んで絵がお上手になられ、現在も成長中のあの方です。
 

>>205
乙なのですー。ってそういえば佐々原氏は昔の絵も知ってらっしゃったんでしたっけ。
あの頃はほんとに下手でしたねぇ。あの頃はでも練習してたんですよ、割と本当に。

という訳でちょっぴりエッチなプロフィールシリーズ、一号です。
http://muriyari4th.rash.jp/mngupload/src/mngup44.jpg

もう暫くお待ちください。あ、尚登場人物は>>90があるのでカットでおなしゃす。


追伸。E-5突破して武蔵お迎えしたのに新艦娘を投入してきた運営はゆるしますん!

多分、最初に投稿した絵も知ってるかと。wwktk

~~~~ 芸夢製作部活動日誌 二年生編 第八話


 種。それが各地に落下するという事態に陥るまでは、幾許かの時間はあった。
しかしそれが実際に起きてみると、人々はあっという間にパニックを起こす事になる。

 だがそれだけが、人々を恐怖に突き落とす切欠となった訳では無かった。


 『げ、現在……こ、この東京にも未確認生命体が確認され―― え、す、直ぐ間近に!?
  ひ、避難を、スタッフ、皆さん避難を……い、いや、いやっぁぁぁっ!!』


 テレビを点け、どの番組も緊急番組が放送される中、そういった悲惨なケースが起きた番組も少なくは無く。
それを画面越しとはいえ目にしてしまった人々は、やはり言葉を失うくらいの衝撃を受けてしまうのである。


―― 酷杉学園女子高等学校。

 この場所も、臨時的に避難所扱いと指定されているが、この学園が存在する矢倍市は問題に直面する事はいまだ無く。
だからといって、各地でそういった事件が起き、騒ぎが起きている中で、安心していられる空間ではなかった。

 その部室で、集まった皆は沈黙を保ってしまう。どう口を開けば良いのか、思案してしまうのだ。


 恋 (とはいえ、黙ったままじゃ仕方が無いし、空気を変えるのは部長の役目!)

 恋 (前に、小夜と決めたんだ。……人に夢を与えられる活動をするんだって!)

 恋 (その第一歩がダンスだったけれど、こんな事態じゃ……とは言っていられない!)

 恋 (こんな事態だからこそ……、こんな事態だからこそ、人に夢、希望を与えられる活動をしないとっ!!)


 恋 「という訳で、皆でダンス、しないかなぁ?」


 私がそう口を開くと、場に居た全員がはぁ? といった顔をした後、全員で私に向けて>>211と言ったのだ。

この非常時に、頭天国なの?

病人に行こうか

 私がそう口を開くと、場に居た全員がはぁ? といった顔をした後、全員で私に向けて「この非常時に、頭天国なの?」と言ったのだ。

 ごく最近、警報以上の段階による事態を想定された、特別警報なる存在が確立された。
それがまさか、大雨でも洪水でも、はたまた暴風でもなく、まさか隕石に適用されるとは誰しも思わなかっただろう。

 隕石、つまり種。降って来るその大きさは大小かなりサイズが違うらしく、大きいものでは岩並みのレベルの大きさが落ちてくる。
しかし、小さいものであれば豆粒程度の大きさ。つまり、国を滅ぼす程の規模の大きさが落ちて来た訳ではない。

 だが、異常事態はそれだけではないのである――。


小夜 「恋、あなたも見たのでしょう、パワーシード栽培施設に居た、あの化物たちを」

詩乃 「……私と小夜達はきちんとは見ていない。けれど、アレは……最早異形としか呼べない存在」

瑞希 「私は見たわ。……足は遅いけれど、手は四本、場合によっては五本に生えていたり……」

一美 「シャレにならなかった……。足もいっぱいある人の成れの果てみたいなのが居たし……」

 恋 「……それは、私も知っている。けど……!」

美樹 「恋ちゃん、今は本当にそんな事言っている場合じゃないよぉ。予測してみたんだけど、最悪の場合――」

美樹 「全国、ううん、世界中の人々が、あの成れの果てになる可能性が……あるの」

美樹 「でもそれは、あくまで可能性で。……多分、適応出来ない人が、あの種から発生している汚染物質を浴びてしまうと……」

姫菜 「……クリーチャーと、化してしまう……と」

乃亜 「それってある意味ゾンビパニックじゃないですかぁ! ……ちょっと、憧れた時期もあったけど」

姫菜 「実際にこうなるなんて、想像……しないものね」


 そのパワーシード、それを液体にしてクスリとして飲んだ事例がある。そうして能力に目覚めてしまった少女達も存在する。
しかし、それは濃度をかなり薄めて飲用した場合であり、今回の場合、その隕石、つまり種に近寄るだけで変化を齎す。
最悪の場合が、非適応の場合の異常作用なのだが、それが幾つも例を見るハメとなってしまう。


 恋 「でも、今……此処に住んでる人たちも、他の人たちも、皆、希望を失っている!」

 恋 「だからこそ、今こそダンスするしかないんだよぉ!!」

小夜 「私なら……あの隕石を消すわ。虱潰しに。……そんな暇があるのならね?」

詩乃 「ボクも、ううん、私もそう思う。……それに、どうしてダンス?」

 恋 「だって、私達は芸で夢を与える部活だし……」

美樹 「エロゲーは、何処へ行っちゃったんですかぁ……?」


 恋 「うぐぅ……、で、でも、今やるべき事は>>215というダンスで人に夢、そして希望を与える事だと思うのっ!」

リンボー

 恋 「うぐぅ……、で、でも、今やるべき事はリンボーというダンスで人に夢、そして希望を与える事だと思うのっ!」

小夜 「改めて聞くわ恋。……リンボーダンスでどうやって希望を与えるというの?」

 恋 「それはっ! ええとっ! えと、あのっ!!」

瑞希 「あらあら、これは何も考えていないパターンねぇ~」

 恋 「そそそ、そんな事無いですもん! ……先ずはこの映像をご覧下さいっ!!」


 幸い、未だにライフラインは健在で、インターネットにも繋がる事から、異常事態とはいえ通信手段も確立されている。
だが、ネット上に存在するSNSサイトでは、最早世界の終焉だ、なんて書きこみも多数あるのも事実であり――。


小夜 「誰もが知るようつべね」

詩乃 「何故普通にゆーちゅーぶって言わないのか」

小夜 「あら、私はようつべって呼んでるけど、違うの? ……もしかして、コレが当たり前……じゃない……っ!?」

瑞希 「まぁそんな談義をしている場合でもないのだけどね~」

姫菜 「それより、この動画別に普通にリンボーダンスしているだけの動画、ですよ?」

乃亜 「そうだよー、これで希望を与えるなんて無茶振りにもホドがあるって言う話だよー」

 恋 「ちっちっちっ。諸君等は甘い。その程度の才しかないとは、凡愚めっ!!」

一美 「うわ、どこぞの誰かの台詞をぱくってきてるよこの子」

 恋 「ならば諸葛……じゃなかった、美樹ちゃん、答えてみなさいっ! 私が求める答えをっ!!」

美樹 「えぇぇっ、なんで私ぃ!? ……って、言われても、そのぉ……。……股間が丸見え、とか?」

 恋 「美樹ちゃん、スケベだねっ!?」

美樹 「え、えぇぇっ!? 違うのぉ……?///」 カァッ

小夜 「アンタ、美樹に何言わせてるのよ」


 恋 「フン、凡愚はこれだから。……私が求める答え、つまりリンボーダンスが何故希望を与えられるのかっ!」

 恋 「それはぁっ!! >>218だからだよっ!!」

リンボーが「臨望」つまり
「希望に臨む」という意味

エロには世界を救う可能性が秘められている! 

 恋 「それはぁっ!! リンボーが「臨望」つまり「希望に臨む」という意味だからだよっ!!」

 恋 「えっへんっ!!」

小夜 「Wikipediaによると、これはごにょごにょっ!」

瑞希 「本人が割りと乗り気だしぃ、それでいいじゃないの~」

詩乃 「それに割と諸説がある模様。彼女の言っている意味もあながち間違いではないし」

 恋 「ふふ~~ん、……もっと、褒めてくれてもいいんだよぉ?」 チラッ

一美 「でもこの恋はちょっとウザイっていうか、ねぇ?」

姫菜 「私に振られても……。……まぁ、調子に乗った恋先輩の図ってカンジですね」

乃亜 「……で、ぶっちゃけ、これを披露するとしてさぁ……、余計に空気を濁しちゃうんじゃ……」

姫菜 「乃亜のクセに割と正論を言ったわね!? 驚きだわ!!」

乃亜 「姫菜は乃亜のコトをどう思っていたのさっ!!」

姫菜 「……ちょっとアホの子」

詩乃 「確かに、乃亜の言うとおり……、公表するとしても動画サイトに投稿するかどうかってくらいの程度」

瑞希 「その辺り、恋ちゃんは考えているのかしら?」

 恋 「…………はへ?」

小夜 「うっわ、ダメねこの子。アホの子越えたわ」

 恋 「わ、分かってるし! 発表する場だよね!!」


 恋 「そんなの、>>224に決まってるじゃん」 ドヤァッ

ニコ生(R-18タグ)

 恋 「そんなの、ニコ生(R-18タグ)に決まってるじゃん」 ドヤァッ

小夜 「よ、よりによって……!」

瑞希 「ニコ生、しかもタグ付きと来ちゃったかぁ~……」

詩乃 「ボクニコナマキライ」

瑞希 「詩乃は割とアングラ好みだものね~」

姫菜 「私、ニコ生割と見てるんですよ。昨日もこんな事態だというのに、おへその毛がヤバイって人の生放送見ていて――」

乃亜 「……姫菜ってさぁ」

 恋 「変な趣味あるよね。……毛フェチ?」

姫菜 「ち、ちがっ! 私はその、エロゲーを作る場合、毛とかの研究しないといけないと思って!」

 恋 「エロゲは基本パイパンだよ?」

姫菜 「ぱぱぱ、ぱい、ぱ……///」

乃亜 「むっつりはこれだからー」

姫菜 「むっつり言うなっ!! バシィン

乃亜 「ふえぇー、姫菜が打ったぁ。パパにも打たれたコトないのにぃー!」

小夜 「冗談はともかく、……恋、本気でやるつもり?」

 恋 「もっちろん! 衣装も用意してるんだよ。……能力で作った衣装だけど」

小夜 「万能能力だけどレベルが低く、扱いに困る能力の無駄遣いってこういう事なのね」

 恋 「うるさいなぁ~。とにかく衣装を見ればやる気も出ると思うから!!」


詩乃 「……この衣装は」 ゴクリ

瑞希 「……見事に、>>227ねぇ~」

ミニスカメイド服

瑞希 「……見事に、ミニスカメイド服ねぇ~」

一美 「こ、これは……下着、頑張らないと……生放送だし……」

美樹 「無理、こんなの無理ぃ~~~っ!!」

 恋 「諦めちゃダメ、美樹ちゃん」 ガシッ」

美樹 「わ、わわ、肩を掴んで、いきなり近寄ってきて……」

美樹 (皆が見てる前でキスだなんて、ドキドキしちゃうぅ~~!!)

 恋 「……美樹ちゃん、ドスケベだから見られても大丈夫っ!!」 キリッ

美樹 「……ドスケベって……」

小夜 「ドスケベ認定されたみたいね。可哀想に」

美樹 「ふえぇぇ……」 ポロポロ

一美 「まぁまぁ、美樹ちゃんもこんな事で泣かないの。で、撮影は何時?」

 恋 「……今日だけど?」

一美 「ふぁっ!? いきなり撮影!? カメラはっ!?」

 恋 「これも私のスキルマスターで、ほらっ!!」 デデーン

小夜 「デデーンって取り出したこのカメラ、980円で買える安物ライブカメラね」

詩乃 「……やれやれ……」


詩乃 (恋の能力がもっと、想像を遥かに越える程の規模ならば)

詩乃 (この程度の騒ぎ、帳消しに出来ると思うけれど。……自覚は、無さそう) ボソボソ

瑞希 (……恋ちゃんの能力を高める手段、何か思いついたのかしら?) ボソボソ

詩乃 (一つだけ。リンボーダンスの機会に>>229を試してみようと思ってる)



猫と踊らすこと

や、役に立つのか・・・?

詩乃 (一つだけ。リンボーダンスの機会に猫と踊らすことを試してみようと思ってる)

瑞希 (ブラブラを? 今は居ないけど……アレをどう使うつもり?)

詩乃 (そこでこっそり愛と友人をロッカーの中に忍ばせている訳で)

瑞希 (愛ちゃん!? ……モノみたいな扱いになってきたわねぇ。それで?)

詩乃 (彼女の能力、妄想顕現により猫を操り、そしてポロリ大作戦)

瑞希 (愛ちゃんって、そんな事出来たのかしらぁ~……。あ、でも、もう一人ってもしかして)


 愛 (……ロッカー、人が一人隠れられる場所だけど)

 愛 (いくらなんでも、二人入るのは無理だよぉ……ねぇ、鳴ちゃん)

鳴歌 (そもそも、どうして私達はこうしてロッカーの中でこんな事を……)

 愛 (仕方ないでしょぉ? ……この前の責任を取れって言われたし)

 愛 (それに、お姉ちゃん、リンボーダンスなんかさせようとしてるし。お姉ちゃんの卑猥な姿を見ていいのは私だけなんだからっ!!)

鳴歌 (それはそれで問題あると思うのですが。……あ、撮影、始めようとしています)

 愛 (ここで猫を……って、それらしい猫が居ないんだけどぉ!)

鳴歌 (では、ここは私と愛先輩の合体技を披露しましょう) ぴとっ

 愛 (な、なんで……くっつくの? なんで私より大きい胸を押し付けるの? ねぇ、ねぇ?)

鳴歌 (ま、見ていれば分かるのです)


 恋 「―― ちょぉーっとまって!!」

小夜 「ミニスカメイド服に着替えた恋さんから待ったコールだそうよ」

 恋 「トップバッター、私からっ!?」

小夜 「言いだしっぺが最初なのは当然でしょう?」 ファサァ

 恋 「ぐぅっ、想定外……恋、自分の提案により窮地に陥るの巻~……っ! とか言ってる場合じゃなくって!」

 恋 「私じゃ、その……視聴者、ゼロになっちゃうと、思う……」

詩乃 (予想通り、彼女は未だに自分に自信が全く無い)

瑞希 「そんな事ないわよ、恋ちゃん。……言いだしっぺがやらないのなら、この企画はナシね~」

 恋 「うぅっ、その……やります、やれば、いいんでしょう……!?」


 恋 (でもこんなの恥ずかしいし、それに、ほかの人が私なんか見たら吐いちゃうかもしれない……)

 恋 (だから、ここはこっそり……>>234

 恋 (だから、ここはこっそり……顔のパーツを一つずつ他部員のに変えていこう……) ピキィンッ

 恋 (これで……よしっ!!)

小夜 「それじゃ、撮影スタート……て……」

一美 「ちょ、ちょっとぉ!? 恋って……金髪だっけ?」

美樹 「な、なんだか、顔も違うような気がするよぉ。唇とか小夜ちゃんぽいしぃ……」

詩乃 「この眼の色は瑞希。そして睫まで彼女のモノじゃない」

瑞希 「やらかしたわね~恋ちゃん。でももう撮影始まっちゃってるしぃ……」

姫菜 「た、大変っ! 視聴者数150以上居たのが、今ではたったの一人に!!」

乃亜 「一人って、このPCで閲覧しているから……乃亜達だけじゃん!!」

 恋 「や、やっぱり私なんかじゃ、私なんかじゃぁ……ふえぇぇん……」

瑞希 (詩乃、ちょっと詩乃ぉ、想定外じゃないのぉ、これ)

詩乃 (想定外なんてレベルじゃない。顔に自信がないから顔を作りかえるだなんて、滅茶苦茶……)


 愛 「……鳴ちゃん、お姉ちゃんの顔が変な事に……」

鳴歌 「確かに変な顔になっているのです。……ですが、愛先輩、あなたなら――」

 愛 「―― おっけーっ! お姉ちゃんの顔はいっぱい見てきてるもんねっ! んんん、妄想して、妄想して……えいっ!」 ピキィンッ

鳴歌 「おまけに、例の作戦も発動させて……言霊現象―― 狩野恋はリンボーダンスに挑む――」 ピキィンッ


 恋 「あ、あれ? か、身体が勝手に動いちゃうよ? あれ、あれ!?」

 恋 (ちょ、ちょっと待って、なんで身体が勝手にっ!? おまけに……なんか見覚えのある猫がいるっ!)

 恋 (黒猫がダンスして、そしてそれに合わせて私もリンボーダンスに……だめ、こんなのだめぇっ、見えちゃうよぉっ! 吐かれちゃうよぉっ!!)


姫菜 「えー、途中報告組にまわされた私達が、結果を報告しますと……」

乃亜 「視聴者数、>>237だってー」

60億

それは……広告打たれたな

姫菜 「えー、途中報告組にまわされた私達が、結果を報告しますと……」

乃亜 「視聴者数、60億だってー」

姫菜 「世界総人口レベルって、サーバーがパンクするでしょそれっ!!」

乃亜 「最近のニコ生は60億人だって大丈夫ーらしいよー?」

姫菜 「ぱないわねニコ生って。……全人類が見てるのは流石に嘘くさいけれど」

姫菜 「……かなり、見られたわね、あのスジを」

乃亜 「見られただろうねー、自動ズームもバッチリだったもん」


 恋 「あ、あ、あぁぁぁ……」

詩乃 「よく頑張った、恋」 ナデナデ

小夜 「……縦スジ、綺麗だったわよ? でも私だけのスジが、全国に、全世界に発信させられたなんて……あぁ……」

 恋 「って、小夜がショックを受けてどうするの! ショックを受けるのは私だよっ!!」

 恋 「ウソでしょぉ……あの黒猫ダンスでパンツが上手く脱がされちゃうなんてぇ!!」


鳴歌 「……バッチリなのです」

 愛 「罪悪感が半端ないんだけどぉ……」

鳴歌 「でもこれで、任務は全うしま……う、ぅ……」

 愛 「鳴ちゃん、大丈夫!?」

鳴歌 「こんな狭い場所で、おまけに程度の高い規模で能力を使ったせいで、頭が……」

 愛 「とりあえず、ハンカチ使う?」

鳴歌 「ありがとうございます先輩。……くんかくんか……落ち着くのです……」

 愛 「これもこれで、割と変態臭いなぁ……」


 全世界に、私のリンボーダンスの痴態が流されて数分、未だに私は動揺し、嘆いていた。
まさかパンツが黒猫のダンスの影響で脱げてしまうなんて。爪で引っ掻かれて、脱がされてしまうなんて。
しかも腰を落として既に脚を広げていたものだから、その大事な場所は見事に見られているわけで……。


 そうして、私のこの行動が希望を与えられたかといえば、>>241

逮捕となった

 そうして、私のこの行動が希望を与えられたかといえば、逮捕となった。
公然猥褻その他諸々に罰せられるという訳で、私は今、お迎えに来たパトカーに乗せられようとしているのだ。


小夜 「こうなるなんて、誰が思うかしら、ね……」

一美 「って、何格好つけて寂しそうに髪を靡かせて言ってるの! 拙いじゃん、これ!!」

詩乃 「と言われても」

瑞希 「国家権力を相手にするのは、違うわよね~」

 愛 「ロッカーから出てきてみれば、なんてことに……」

鳴歌 「私の言霊で警官をどうこうしても、所詮再び新手が……うっ、頭が……」

 愛 「どこぞの大破空母女王の台詞を言ってる場合じゃないよぉ! ……どうしよう」

詩乃 「……さよなら、恋」

瑞希 「ありがとうね、恋ちゃん。楽しかったわよ~」

 恋 「なんかお別れ言われてるし、くすん」

姫菜 「……この先輩達も、先輩達よねぇ……・」

乃亜 「姫菜、いいのかなぁ、これ……」

姫菜 「仕方ないでしょう。安価はじゃなくて運命は絶対よ?」


 放送事故、それはとても怖いもので。それは人の運命を左右するほどのもので。
私がパトカーに乗り込んだ時には、既に彼女達の姿は見えなくなっており、私はまるで捨てられた気分となり……。


警官 「ん、どうしたのかね……」

 恋 「……私、生きていて、いいんでしょうか」

警官 「んなことは知らん! ……ん、だが……いいスジだった……」

 恋 「……死にたく、なってきた」


 そうして私が連れられた場所は、何故か>>243だったりするのだった。

大豪邸

誰かに気に入られた!?

 そうして私が連れられた場所は、何故か大豪邸だったりするのだった。

 恋 「うわ、美樹ちゃんの家に負けないくらい、ううん、それ以上の豪邸……」

 恋 「でも警察官のお兄さん、どうしてこんな場所に?」

警官 「うん? と言われても、そう上から言われただけでね……」

警官 「……というか、もう一度俺の事を呼んでみてくれないか?」

 恋 「警察官の、おにいさん?」

警官 「……現役JKにこんな事言われたら、本官、本望でありますっ……!」

 恋 (……なんか急に号泣し出してる……。……私が変な事言ったから、かな……)

 恋 (最近はなんだか上手くやれていた。そんな気がしていたけど、所詮は……気のせいだったのかな)

 恋 (……もう一人の私は、美少女で、可憐で、そして生意気だけど気優しい、私とは別人のようだった)

 恋 (そんな彼女に言われた……、私はもっと輝けると、自信を持っていいと)

 恋 (でも無理だよ、そんなの……。元引篭もりのエロゲオタクが、輝ける訳……ないじゃん……!)


 警官の人達は車から降りては、手錠を嵌めた状態である私を外に連れ出した。
そこは思った以上に山奥に存在していたのだろう、風が冷たく、そして隕石による影響なのか、夏が近いというのに寒冷化状態にあった。
雪がちらほら、私の頬に触れていき溶けていく。そっと、冷たい雫を残して溶けていく。

 でもそれは、私の涙によって流されていく。


警官 「……失礼します。狩野恋なる少女をお連れ致しました!」

?? 「……扉を開けてくれて結構」

警官 「ハッ、失礼します! さぁ、キミも入って」


警官 「って、アナタはっ、ままま、まさか、>>247!?」

総理大臣

首相

警官 「って、アナタはっ、ままま、まさか、マッカーサー司令ッ!?」

?? 「そんなマッサーカーッ!! とでも言うと思ったのかい?」

警官 「し、失礼致しました真笠司令! ……真笠司令が何故この場に」

真笠 「ふむ、キミにその説明は必要か?」

警官 「こ、これは失礼致しました! では、本官はこれにてっ!!」

真笠 「いや、扉の外で待機していてくれたまえ。……彼女を送らないとならないだろう?」

警官 「りょ、了解でありますっ!!」


 警官のお兄さんはそう緊張した様子で敬礼し、外へ出ては扉を静かに閉めるのだった。
そうして取り残された私が部屋を見渡すと、そこは余りにも煌びやかで、目が眩みそうになる。
飾られた絵画も高そうで、椅子もアンティークなのだろう、座るのすらおこがましい。
机だって、照明だって、本棚だって、ソファだって、何もかもが私の想像を超えた代物に違いない。


真笠 「まぁ、そう緊張せずに。……掛けたまえ」

 恋 「へっ!? あ、あ、ああああのののおおおそのののおおおおっっっ!!」

真笠 「く……くかかかっ、逆にそうまで緊張されると、清々しいわっ!」

 恋 「そ、それはその、ありがと、ごじゃましゅ……っ!!」

真笠 「おまけに舌足らずとまできたか。……愛い奴よのう」

 恋 「あ、え、その……。……と言うか、なんで……」


真笠 「そうだな、事態は急を要する。先ずは突然逮捕させてまでこの場に連れて来させた非礼を詫びよう」

真笠 「ある筋からキミの事は聞いていてね。キミが世界を救うカギを握っていると。……あのスジを見て、急ぐべきだと判断した」

真笠 「スジだけにってな、くかかかかっ!!」

 恋 (どうしよう、マッカーサーだか真笠だか知らないけど……凄く腹が立つ)

 恋 (でもこの人、総理大臣な人だよね、どうして……)


真笠 「さて説明しよう。総理である私がキミをSPではなく、警官に強引に連れて来させたのは……」

真笠 「ずばり、>>250!」

いーもばいるっ!

あ、安価は↓でっ! 言いたかっただけだしっ!

真笠 「ずばり、い……芋!」

 恋 「今、何か別のことを言おうとしたんじゃ?」

真笠 「総理であるこの私がそのような事すると思うのか?」

 恋 「そこで肩書きを利用するなんてズルイっ!」

 恋 「ていうか、芋じゃ意味分かんないよ……ちゃんと説明してくださいっ!」

真笠 「そう不貞腐れるな、良いスジを見せてもらった礼だ。先ずは紅茶でもどうかな?」

 恋 「芋ティーとか要りませんから! 後、スジスジ言わないで下さいっ!!」

真笠 「くかかかっ、いきなり随分な口を利く様になったわ!」

 恋 「……あっ! ……その、すいません……」

真笠 「それで良い。その方が話もし易いしな。……ともあれ、この茶葉は特製だ、香りも良いだろう?」

 恋 「だから芋ティーなんて……って、凄い良いハーブの香り……♪」

真笠 「でもこれ、実は芋から出来た茶葉なんだがな?」

 恋 「ええぇっ!? そんなの信じられないっ! でも……こくん……美味しいっ!!」

真笠 「……さて、本題に入ろうか。狩野恋、と言ったね、キミは」

 恋 「え、あ、はい。……つまらない名前で、ごめんなさい」

真笠 「いきなり名前を卑下して謝られると困るのだが……まぁ良い」

真笠 「……いきなりでアレだが、女子高生は総理大臣、なんてエロゲーはやった事はあるかな?」

 恋 「……は?」

真笠 「幼馴染である女子高生がメインヒロインなエロゲーだよ。私も何気にあのゲームは覚えていてなぁ」

 恋 「……総理が話す内容ですか、それ……」

真笠 「なぁに、キミに総理大臣に仕立て上げようという訳ではない。……だが、ちょっとした希望になって貰う」

真笠 「何せニコ生で60億の視聴数をたたき上げたスジ……じゃなくて、存在だ。……キミはちょっとした女神となっているのだよ」

 恋 「……すいません、全く話についていけないんですが」


 私が現状を理解するのには暫く掛かり、そしてその驚きに身体を震えさせてしまう。
60億をたたき出したその生放送は、録画では既に残ってはいないらしいのだが、キャプチャーされた画像が数多く出回り、
既に私の事を知らない人間はこの世に存在しない、とまで言っても過言じゃないくらいにまで広まっているという。

 そんな私を女神と称した真笠総理は、私に人々の希望である>>256となれと言うのだ。

りょーじょくに負けないヒロイン

 そんな私を女神と称した真笠総理は、私に人々の希望であるりょーじょくに負けないヒロインとなれと言うのだ。

真笠 「エロゲーだって種類はあるだろう。そうして、中には辱めを受けて、耐え切れなくなり精神だって壊してしまう少女も居る」

真笠 「それは所詮ゲームだから、そういう事があってもおかしくない。と思うかもしれないが……」

真笠 「割と現実でも、そういった観点で見れる場合の事例も多い。……だが、キミの縦スジ事件は類を見ない事例だ」

真笠 「知っているかね? 既に動画サイトではどこもキミの痴態がトップを飾っているのだよ」

 恋 「……そんな」

真笠 「だが悪い事じゃない。全人類が、キミに……そう、恋をしているような状態だ」

真笠 「そんな状態に、こんな世界の危機に立ち向かおうとするキミを見た人類はどう思うだろう?」

真笠 「恋をした少女に、そんな危険に一人立ち向かわせる訳にはいかないと、奮起する者も居れば……」

真笠 「逆に嘆く人物も居るだろう。そして、国を怨む連中も居るだろう。だが、それら全て、キミを中心とする出来事だ」

 恋 「……私が、中心、だなんて」

真笠 「キミは今ではアイドルすら越えた存在。……さて、掻い摘んで話そう。……キミは能力者のハズだ」

 恋 「どうして、それを……っ!?」

真笠 「これもあるスジげふんげふん、ある筋から仕入れた情報でね。我々国家情報局を舐めてはいけない」

真笠 「とはいえ、その情報も最近までは知らなかった話だ。信じられないが……キミはあらゆる事象を操れるそうじゃないか」

 恋 「違うんです! それは誤解があって、その……」

真笠 「……今はまだ覚醒済みだが未覚醒、要するにまだ完全ではないという訳なのだろう?」

真笠 「だが、キミのその能力を持ってすれば、もしかすると世界は救われるかもしれない」

 恋 「……私に、犠牲となれと言うんですか、人々に私と、その能力を晒して、偶像を築き上げて、犠牲に……」

真笠 「これは任意だ。だがキミは、陵辱に負けないヒロインになれると信じている。そう、魔法少女は何度敗れても、立ち上がるものだ」


 尤もらしく説明する真笠総理だが、この話の内容を知ったこんな総理大臣に日本を任せていた国民は嘆くだろう。
意外とオタク気質な挙句、陵辱だの辱めだの口走るこの人の失態は、国民にどう映るだろう。
少なくとも私から見れば、この人はただの変態のオッサンだ。しかし、彼の賭けに近い話も頷けなくもない。


 だから、私は……>>259と決断した。

適当に話を合わせとこう

 だから、私は……適当に話を合わせとこうと決断した。
真笠総理はその私の適当な相槌に気付いていたのかどうかは定かではないが、私を上手く誘導したとは思う。
結果だけで言えば、私は公表される事になった。そして、能力という存在すら明るみになる事になる。

 だが人々は既に知っていた。理由は簡単だった。人外化した存在もまた、程度は低くても何かしら能力を操るコトができるのだから。
既にその犠牲になった人の数は万を越えているらしく、政府としても通常の銃弾すら通じない相手に、どう対応すべきか協議を繰り返すしかなく。

 そうして、リークされた情報を元手に能力という存在を、そして私を割り出し、内密に調査を続けていたらしい。
それが彼等にとって確実に知らされる羽目となったのは、私が施設襲撃を行ったあの日であった。
極めつけは、私の縦スジ事件。あれにより、他の国や機関に私が拉致される事を恐れた政府は、私をこうして総理に引き合わせたのである。


 恋 「……警官のお兄さん」

警官 「ハッ、何でありましょう!!」

 恋 「そんな畏まらないで下さい……緊張するんです」

警官 「おっと、成る程……それは失礼をしたね」

 恋 「警官のお兄さんは、私の存在を……ううん、私が化物だって、知っていますか?」

警官 「化物? 冗談を……、どう見ても可愛らしい女子高生じゃないか」

警官 「それが化物だなんて。……そんな事、言うものじゃないよ」

 恋 「でも、本当なんです。……私は、やっぱり化物なんです」

警官 「……総理が、いや、政府が何を言ったかは分からないし、本官も追及は出来ないけども――」

警官 「キミは……、うん、なんだ……可愛いと、思う……。……慰めにもならないかもしれないが」

 恋 「……くす、ありがとうございます」

 恋 「お名前、伺ってもいいですか?」

翔太 「渡利 翔太。……なんてコトのない名前で申し訳ないけど」

 恋 「……そんな事ないです、いい名前じゃないですか。私と違って」

翔太 「そうかな? くす、キミも割りと自信がないタイプみたいだけど、キミはもっと自信を持つべきだ」

 恋 「渡利さんも、ですね。くす」


 ―― 他愛のない話だった。それでも、ちょっとした時間、そんな話が出来てよかったと思う。
こうして生きている人達の為に、私が出来る事。それは犠牲になる事なのかもしれない。けれど、それで救われるのなら良いじゃないか。


翔太 「では、本官はこれで。……本当に学校前で良かったのかい?」

 恋 「はい、ありがとうございます。後、それで……その――」


 ―― 数日後、私の存在が明るみになったその日。私は今、>>262という部隊に形だけ所属する事になる。

リビドー

白百合隊

 ―― 数日後、私の存在が明るみになったその日。私は今、リビドーという部隊に形だけ所属する事になる。
SATとか、そう言った類の命名がされると思っていたのだが、まさか俗に言われる欲望的な言葉を総理自ら付けるとは思わず。

 だがそれは、強い信念、希望、理想を欲望に変え、その覚悟で望むべき存在が集う部隊とされている。
それはエネルギーとなり、希望を照らす光となり、そうして私達は戦いの場へ挑む事になる。それが建前だ。


翔太 「……今日の送り迎えも、本官が勤めさせて頂きます!」

 恋 「やめてください翔太さん。普通にって話になったじゃないですかぁ」

翔太 「えと、そ、そうだったね。……どうも慣れなくて」

翔太 (現役JKと話をする機会もなく、女慣れしていないだなんて、言えないよなぁ)

 恋 「私もくだけて話せるように努めてるんです。頑張ってくださいよぉ」

翔太 「あ、ああ、そうだった! ……できるだけ、努力する」

 恋 「お願いだよ? 私のSPさんなんだからぁ」


 彼をSPとして指名したのは私である。総理に直々にお願いして許されたこの件は、内密話だったりする。
そうして、もう一つ私は条件を出した。私以外の人を巻き込まないことだ。
部員メンバー皆が能力者とも呼べる。だが、その彼女達を巻き込みたくないと願い出て、受理された。


 恋 「……で、私は横須賀に行けばいいの?」

翔太 「ああ、自衛隊が居る中で、更に特務として横須賀配属となった。……既にメンバーも集められているらしい」

翔太 「何でも、中には能力者も居るそうだ。……最近覚醒したって連中がね」

 恋 「それって、パワーシードの影響で……」

翔太 「その辺りは、俺にも良く分からないな……。直接話が聞ければ良いんだけどね」


 そうして、私は黒塗りの車で翔太さんに連れられ、横須賀の基地に到着すれば途端、>>266という出迎えをされてしまう。

普通に死ぬレベルの高さの胴上げ

やめたげて!ww

 そうして、私は黒塗りの車で翔太さんに連れられ、横須賀の基地に到着すれば途端、普通に死ぬレベルの高さの胴上げという出迎えをされてしまう。


 恋 「うわぁぁぁぁっっっ!?」

?? 「ヘイ、ガール!! もっと高い方が良いかい?」

?? 「ダメダメぇ、この程度じゃこの子は喜ばないわ。天高くまで胴上げよっ!」

?? 「何故私も……。……仕方ないから頑張る……」

翔太 「これまた盛大だねぇ……。……でも、胴上げは違うような気がするけれど」

 恋 「ひぃぃぃぃぃっっ!!」

 恋 「翔太、さぁん!! 見て、ないで、たす、けてぇっ!!」

翔太 「……でも、あれはあれで可愛いから良いか」

 恋 「よ、良くなぁぁぁぁいっっ!!」


 ―― 横須賀基地は一部、打撃を受けていた。それは襲撃による倒壊だそうで。
例の人外と化した存在、ミュータントの頭文字を取りMUと名付けられた、元人間の襲撃である。
それにより、一部形が変わり、惨状が残る中、一つの建物が急遽建設される事になる。

 これを、私はきちんとした形にしろ。それがまたまた真笠総理から受けた直接指令の一つ。
そうして、私に能力を扱わせる事で練度を増し、いずれは―― と考えているらしい。


 恋 「という訳で、出来たのがこのおうちなのですが……」

?? 「ワーオ、やるじゃなーい! って、とってもチャーミングな……ダンボールハウスね」

?? 「……基地に、ダンボールハウス……シュール……くくっ」

?? 「おいおいっ、これじゃ俺達、家無しと一緒じゃねぇかよぉ!?」

 恋 「ご、ごめんなさい、私、まだこの程度しか能力、操れなくて……」


 私がそう話すと、三人の恐らく能力者なのだろう人達は、最初こそ唖然としていたものの、
私に手を差し出し、ウインクする女性が居れば、サムズアップしてみせる男性、そして小さく笑顔を見せてくれる女の子。

 そうして、私達リビドーが結成され、基地の中にダンボールハウスのような宿舎が出来上がり、
私はそこで暫くの間、訓練や調査、研究の素材となる為にこの場に滞在する事になる――。


 ―― 七月、夏場なのにそれでも寒空は続く訳で。
本来ならば水着となって、海水浴に、と言いたいくらいのこの時でも、雪はちらほら舞散る訳で。

 そんな日に、翔太さんは気晴らしにと、>>269に連れ出してくれたのだった。

時間と職務をはばからずいかがわしい紫ネオンの休憩所

 そんな日に、翔太さんは気晴らしにと、時間と職務をはばからずいかがわしい紫ネオンの休憩所に連れ出してくれたのだった。
要するにラブホテル。私は誘われているのかと疑うくらいに、彼は堂々とその場所へ車で案内したのである。


 恋 「……むすー」

翔太 「あの、恋ちゃん? ……恋特別指令補佐殿?」

 恋 「その肩書き、キライ」

翔太 「ぐぬぬ、ではなんと呼べば応えてくれるのだろうか」

 恋 「むすー!」

翔太 「何か、間違えちゃったかなぁ、俺……」

 恋 「気晴らしって言った!」

翔太 「確かに言いました」

 恋 「なのに……なんでラブホなのよぉ!!」

翔太 「だって恋ちゃん、エロゲー好きなんでしょ? エロゲといえばラブホテルじゃないのかなーって」

 恋 「はぁっ!? 翔太さんって、エロゲー馬鹿にしてないっ!? エロゲ舐めてるのっ!?」

翔太 「ちょ、ちょっと待って!! そんな押し倒す勢いで来られると……!!」

翔太 (襲いたく……なるんスけど……)

 恋 「はぁ、これだから朴念仁は。……でも、ある意味らしいけど」

翔太 「むぅ、ともあれ……これから別の場所にでも行こうか?」

 恋 「もういいよぉ、最近訓練ばっかりで、疲れちゃってて。……少し、寝ようかなぁ」

翔太 「ね、寝るっ!? まままま、マジでっ!?」

 恋 「……なぁに、そんなに怯えて……」

 恋 (私って、やっぱり……能力のせいもあって、怖がられちゃう、かなぁ……)

翔太 (寝るって、ヤバイ、身体の震えが止まらない! 下手をすれば本官、脱童貞のチャンスでありますっ!!)

翔太 (って、つまらない事考えている場合じゃないな。実際、恋ちゃんは訓練だけじゃない、身体の隅々まで調査されて……)

翔太 (まるで……政府のモルモットにしか思えないくらいの扱いで……)

 恋 「……なんか、余計な事考えてる顔……」

翔太 「……ごめん」


 恋 「そんな暗い顔してないで。……折角ラブホに来たんだし、少し遊ぼ? >>271とかして!」

はないちもんめ

 恋 「そんな暗い顔してないで。……折角ラブホに来たんだし、少し遊ぼ? はないちもんめとかして!」

翔太 「何故にはないちもんめ!? しかもラブホで!?」

翔太 (恋ちゃんらしいけど、ラブホに来てこれは割とないよなぁ……。知識はある割りに、子供というか)

翔太 (だけど、彼女はあの日、決断してから弱々しい態度を一切捨てた。……なり切ろうとして頑張っている)

 恋 「ほらほら、か~ってうれしいはないっちもんめっ!」

翔太 (そんな彼女を、等身大で支えて上げられるのは……俺だけ……なんて、おこがましいか)

 恋 「って、翔太さんもぉ!!」

翔太 「あ、ああ、ごめんごめん。ま~けてうれしい―― って、なんで脱ごうとしている!」

 恋 「……だって、はないちもんめって、そういうアソビだよ?」

翔太 「キミはどういうアソビを学んできたんだ全く……。と、とにかく、脱ぐのは禁止だ!!」

 恋 「私の裸じゃ、欲情しない? って、そうだよね、する訳ないよねー!」

翔太 「そうそう、キミはまだ子供だ。女子高生だ。そんな子が、男を連れ込んで裸になろうとしない」

 恋 「ラブホに連れ込んだのは、翔太さんですけど?」

翔太 「ぐぬぅ……。……ともあれ、もっと大事にしろ……!」

 恋 「うわ、どこぞのエロゲの主人公みたいな台詞ー! あははっ!」

翔太 (俺って、ヘタレだなぁ……しくしく)


 こうして、偶に貰える気晴らしの時間、翔太さんは出来るだけ付き添ってくれる形で、私を楽しませてくれた。
それが唯一の救いなのかもしれない。勿論、メンバーだって良い人もたくさんいる。中にはやはり、私を疎む人も居るけれど、
あの時のニコ生60億がやはり大きかったのかもしれない。私は、基地内でも評判となっていた。

 けど実際、私のやる事と言えば訓練、訓練、検査、時々実務。週一回で休めるかどうかって具合である。
そんな具合だからこそ、小夜達とも上手く連絡も取れず、大事な親友、仲間達とはちょっとずつ、距離が離れていっている。そんな気がした。


翔太 「……今だけ、電話してみれば?」

 恋 「でも、外部との連絡は……取っちゃいけないって」

翔太 「このラブホの電話、内線だけじゃないみたいだ。外にも繋がるよ。……大丈夫、黙っているから」

 恋 「ありがと、翔太さん!!」

翔太 (……この笑顔に弱いんだよなぁ、はぁ……)


 そうして、私が久々に小夜に連絡を取ろうとダイヤルを回し、彼女に私の名を告げた時だった。

 小夜に、>>274と言われたのだ。

全部終わったら全身隅々の調査の様子をkwsk

 小夜に、全部終わったら全身隅々の調査の様子をkwskと言われたのだ。
極秘事項を何故知っているのか問い詰めてみると、美樹ちゃん予測のお陰なのだそうで。
彼女の能力、絶対的予測はある程度予測できる判断事項が無いと立てられないハズなのに、と首を傾げてしまう。


小夜 「それがね、彼女の能力、パワーアップしているらしいわ」

 恋 「ぱわーあっぷ?」

小夜 「そのうち、未来予知レベルにまで発展するかもしれないわ。ともあれ、全裸に剥かれて色んな場所に電極当てられて、大変ね」

 恋 「……ぶっきらぼうな言い方」

小夜 「そうよ、私まだ怒っているんだから。何がリビドーよ、そんな部隊、私達芸夢製作部のほうが圧倒的に上よ」

 恋 「そうかもしれない、そうかもしれないけど、そんな事言っちゃ、やだよ……」

小夜 「ごめんなさい、気持ちは察しているつもりなの。でも、私達は仲間よ。今でもそう、ずっとそう」

小夜 「それに、私は恋の親友、ううん、恋人で愛人で……って、何か最近よからぬ男が傍に居るそうじゃない」

小夜 「ソイツ、消してしまいましょうか?」

 恋 「だ、ダメだよ、翔太さんはそういう訳じゃなくって!!」

小夜 「しょうたぁ!? ……どこのどいつよそれ!! 消す、今すぐ消しに横須賀へ行くから待ってなさいっ――」 プツッ

 恋 「……電話、切れちゃった。……こんな話したくて電話したわけじゃないのにぃ」

翔太 「お友達、なんだって?」

 恋 「翔太さんを消すってこれから来るってー、にっこり」

翔太 「ぶ、分子分解できる子が襲いに来るッ!? 性的な意味じゃなく、本気の本気でっ!?」

 恋 「翔太さん、なんで急に布団被り出しちゃうの?」

翔太 「能力者が人を殺しに来るとか、マジで怖いじゃねぇか!! がくがくぶるぶる」

 恋 「大丈夫! 小夜はそんな事する子じゃないし、それに――」

 恋 「―― もしもの時は、私が守ってあげるから」


 ―― 腹立たしい、腹立たしくて奇妙な汗すら掻いてしまう。
電車に飛び乗った私は、何が何でも横須賀へ行くつもりで決意を固め、車窓から外を眺めていた。
何故か隣に一美が居るのは分からない。が、そんな事も最早どうでも良くて。


小夜 「何が何でも、恋を連れ戻すわ、政府を敵に回そうともっ!!」

一美 「やめときなって言いたいけど、ちょっと勝手過ぎるしね。……その話、乗ったっ!」

小夜 「まぁ、一美は確かに戦力的にも心強いのだけど、ライバルなのがねぇ」

一美 「うるさいなー! って、あれ……何?」


 車窓から、ちらりとおかしなモノが見えたのだ。それは>>277

いつか見た殺意の塊

 車窓から、ちらりとおかしなモノが見えたのだ。それはいつか見た殺意の塊。
姫菜の能力だと判断した。しかしそれは妙だと私も一美も互いに顔を見合わせる。


一美 「姫菜ちゃんって、今部室じゃん?」

小夜 「試しに連絡を取ってみるわ。……もしもし、姫菜っ!?」

姫菜 「ど、どうしたんですか小夜先輩、そんなに慌てて!」

小夜 「今、横須賀近くまで来ているのだけど、あなた、そこで能力を発動してる!?」

姫菜 「や、やだなぁ先輩、私今部室ですよ? 乃亜とカードゲームしていて……あ、変わります?」

小夜 「そ、それならいいの。……ごめん、また後で掛け直すわ」

一美 「……違った、みたいだね」

小夜 「確かに、殺意の塊が一瞬見えた。……まるで、大地をも串刺しにするかのような槍の殺意が」

一美 「姫菜にあんなレベルの規模の殺意、具現化出来るかなぁ」

小夜 「……寄り道、しましょうか」


 付近の駅に電車が到着し、私達は駅からそしてその殺意の塊が見えた場所へ一直線に駆け出した。
流石に距離があり、乃亜の能力でもあれば一瞬で辿り着けるかもしれないそのポイントに、数分も掛かってしまう。

 その周囲には、人気は無く、コンクリート舗装された地面が数々割れた箇所があり、ビル群も崩れた箇所がある。
MUの仕業かもしれないと考えた私は、一美と背を合わせるように周囲を伺う。


小夜 「……何かが、近くに居るかもしれない。気をつけて」

一美 「そんな気配は一切しないんだけどなぁ。……って、あそこ、瓦礫の下に……!!」

小夜 「生き残り!? 急いで救出しないと! 一美、私が瓦礫を消すから、あの人を――」

小夜 「―― 足首、だけ……だなんて……」

一美 「……くっ……」


 これが現状だ。これが今受けている人々の恐怖だ。それを改めて目にした時、私もまた嘔吐しそうになり、口を押さえてしまう。
一美もまた、具合が悪そうな顔をしてその場から目を逸らす。そうして、一美が目を逸らしてくれたお陰で、私達は助かった――。


小夜 「……今の殺意の塊……! 誰か居るのっ!?」

?? 「……能力者かぁ。……ヒヒッ、楽しめそうじゃないか……」

一美 「こいつ……っ! ……人間……っ!!」


 しかし、私達に襲い掛かってきたのは、MUではなく、人間。それがたった一人で、私達の前に姿を見せたのだ――。



――― つづきます

と、登場人物すんごい増えたよ、やったねたえちゃんじゃなくてどうしよう!?
しかも突然規模が広がってとうとう学園モノじゃなくなったよ、どうしようたえちゃん!?

ニコ生恐るべしってことで、以上で終わります。お付き合いありがとうございましたー!


【11/24 (日) 00:39時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

11/24 (日)
  21:00~/ミント ◆MINTG/yggg:氏 - 300年後へようこそ 5話目「地上へようこそ」
11/30 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - 芸夢製作部活動日誌 二年生編 第九話 『四十万心のその心』

次回はちょっぴりらすぼす編でべっちょり。ラスボスなんですかねぇこれ。

とりあえず時間っぽいので始めさせていただきます


【語録】
クルテットカンパニー
-リヴィが経営する超巨大企業。子供用おもちゃからエネルギープラントまで色んなものに手を出している。
クルットフォン
-クルテットカンパニー開発の多機能携帯電話。魔翌力で動くため、壊れない、何処でも繋がる、充電が不要、
通話料が無料といいことづくしだが、ものすごく高い。ちなみにリオンは魔翌力を持たないので人間用を所有している。

天界
-地上とはまた違う場所に存在する世界。農業が盛んで技術などは全くと言っていいほど進んでいない。
つまりど田舎。

【前回までのあらすじ】
天界からリズエルがやってくるが、レイニアによって捕まり、酒を飲まされる。
その後、天界の姫が亡命してきていることを知り、リヴィに捜索を頼む。
その結果、天界の姫は堕天使となってクルットフォンコールセンターで働いていることを知る。
そして記者であるレイニアの兄はいざという時無能だった。

『BAR HELL'S GATE』
コトノの経営する小さなバー。ここに二人の堕天使が集まっていた。
一人はリズエル。酒と肉、自由という気持ちに溺れ、堕天化した下級天使である。
そしてもうもう一人は、天界から逃げてきた絶対神の娘ソフィアだった。

コトノ「天使ちゃんが堕天使ちゃんに…。」
リズエル「いやぁ…思ったより地上っていいとこで…、天界何もなかったから…」

コトノは余り驚いていないようだった。今まで堕天使をたくさん見てきたからだろうか…。

ソフィア「私もびっくりしました。まさか、通話中に堕天使になるなんて…」
コトノ「何故そんなタイミングで…」
リズエル「なんか神の目を気にせずに話せる場所と思ったらここしかなくて…
     それで酒の味思い出しちゃってさ…」
コトノ「堕天使ちゃん、正直になったわ…。」
リズエル「天界じゃ欲は禁忌だったからなぁ…。あ、私はグレープで」
ソフィア「あ、私はいつもので」
リズエル「姫様、もしかして常連ですか?」
ソフィア「うん、ここはいい場所だよね。コトノさん、料理上手だし、お話聞いてくれるし」
コトノ「私はただの話好き…。」

コトノはそうつぶやくと二人の元にそれぞれが注文したカクテルの入ったグラスを置く。
それと同時に今日のメニュー表を二人に渡した。

コトノ「今日のおつまみはこちら…」
リズエル「ここっておつまみ日替わりなんだぁ…」
ソフィア「いや、マスターの気まぐれよ。」
コトノ「在庫と気分次第…。あ、でも休日は毎週水の日…」
リズエル「水の日は休みか…」
コトノ「あ、これ名刺ね。」

リズエルはコトノの名刺を受け取り、ソフィアと出会いを祝し乾杯をする。
そしてリズエルはソフィアに、何故天界から亡命したか聞いてみると>>285

神のお告げが

そしてリズエルがソフィアに亡命した理由を聞いてみると…

ソフィア「それはですね………」

突然黙り込んでしまった。そして辺りを見回すソフィアだが…

ソフィア「今…父の声が聞こえた気がした…」
リズエル「え…?」
コトノ「…ソフィア、それは本当?」

神がソフィアに語りかけてきたことにコトノが表情を変えた。

コトノ「絶対神は何を言ってる?」
ソフィア「それは…よくわからないけど…」
コトノ「…聞かれている可能性がある…」
リズエル「神がか!?」

ソフィアは元神の娘。心配していたのだろうか…どうやら神も探していたようだ。

ソフィア「朧げだけど…聞こえてる…」
コトノ「絶対神め…ルールを捻じ曲げる気…」
リズエル「それで、絶対神はなんて言ってるんです!?」
ソフィア「ええと…>>287

牛乳が飲みたい

ソフィア「ええと…牛乳が…飲みたい…」
コトノ「ふん!!」

コトノが空を切るように手刀を振る。するとソフィアに聞こえた神の声が消えた。

コトノ「お客様以外の入場はお断り。…姿がなくても…」
ソフィア「あ、ありがとうございます…」
リズエル「さすが亜神加入店…。でもこれって天界の神も適応されてるのか?」
コトノ「このルールは本来天界からのもの…。神同士が争ったら…
    周辺が一気に滅ぶから…」
ソフィア「過去に天界のレストランであったんですよね。…神同士の喧嘩で滅んだ区域が」
リズエル「天界の方が治安悪いじゃないか…。」
コトノ「勝負するゲームというのもなかったし…、弱者は滅ぶってのが今でもあるからね…」
リズエル「そういやうちの方もそんな感じだったかも。最下級天使だから殴り合いで終わったけど
      よく他の天使と喧嘩してたなぁ」
ソフィア「ほんとに…、あっちは治安悪かったものね…」

元天界出身の三人が昔話に花を咲かせていた。ちなみに当初の目的の話は
すっかり忘れているようだった。ちなみにコトノ曰く、乳牛は天界にもいるらしい…。
そして、話が盛り上がり1時間が経過すると>>290

でかい殿様ばったが来店

そして話が盛り上がり、1時間が経過すると…

殿様バッタ「やってるかい?」

でかい殿様バッタが来店してきた。

コトノ「いらっしゃい。カウンターならそっちが空いてるよ」
殿様バッタ「あぁ、そっちね。」

ここはバーなので様々な種族が来店してくる。ちなみにこの殿様バッタは名前こそ偉そうだが
実際は大したことはない、普通の魔族である。

殿様バッタ「おっ、今日は堕天使がいるのか…」
コトノ「お客様だからお触りは禁止…。」
殿様バッタ「わ…分かってますよ…。姉さん怒らすと怖いし…」
ソフィア「うん、確かにコトノさんは怖い…」
リズエル「そういえばみんなマスターのことさん付けだけど…」

気になる疑問をリズエルはぶつけてみると二人は驚いた表情を見せる。

ソフィア「リズエルちゃん!?…あなた正気!?」
殿様バッタ「堕天使のお嬢ちゃん!!悪いことは言わない!せめてマスターさんと呼べ!」
コトノ「マスターさん…なんか言いにくそう…」
ソフィア「さすがにコトノさんは呼び捨てには…」
殿様バッタ「うむ…さすがにコトノさんは…!!」

二人が青ざめた表情を見せる。ちなみにリズエルは余り頭が良くないので
その二人の心を中々掴めそうになかった。

殿様バッタ「まぁいいや…コトノさん、俺はいつもので…」

殿様バッタの魔族は注文をし、一人だけの世界に入り込んでしまった。
リズエルも思い出したかのようにソフィアに亡命した理由を聞いてみると>>292

絶対神は「本物の神」に会いに行くために地上も天界も利用しようとしている

ソフィア「私が聞いたのは…本物の神に会うために地上と天界を利用しようとしていること…」
リズエル「地上と天界を利用…?」

そして本当の神…?新たな存在の情報にリズエルは驚いた様子だった。

ソフィア「ちなみにこれを話していたのは父の側近の三人の女神なんですけど…」
リズエル「時の女神三姉妹ですか…。」
ソフィア「実際話していたのはウルド様でしたけど…」

ソフィアの話でどんどんと出てくる真実。ちなみに元下っ端天使のリズエルは
話が進むたびにどんどんちんぷんかんぷんな状態に…。

リズエル「しかし地上を滅ぼすつもりなのに何故、姫様は地上に降りたんです?」
ソフィア「一つは私の存在が地上にいれば地上には手を出さないと思ったのですが…
      どうやら失敗だったようです。」
リズエル「…まぁ存在隠してたら成功はしないと思いますが…」

しかし本当の神とは一体…。地上と天界を利用しないといけない場所があるとは…。
これにリズエルは驚いた様子だった。

リズエル「とりあえず新情報を得られたのは大きいかもしれません。」
ソフィア「でも、あなた一人知ってどうするのです?…相手は、神なのですよ?」
リズエル「一人じゃないですよ。…天界のやり方に納得していないのは…!」

リズエルが携帯を取り出し、誰かに連絡を入れる。そして数分の会話の後、
通話を終了させた。

リズエル「さて、もうすこし飲みましょうか。今日はレイニアからお金もらってきてるんだ!」
ソフィア「…自信あるのね…。」

注文をするリズエルを見て、少し呆れた表情のソフィア。すると>>294

兄からスクープをゲットしたという知らせが

そして二人が飲んでいると、リズエルの携帯に着信が

リズエル「もしもし?あ、レイニア。うん…今姫様と一緒だけど…」

どうやらレイニアからだ。そして会話が長くなるにつれ、表情がどんどんと変わってゆく…
そして…

リズエル「姫様!…新たな情報が来たようです。…レイニアの兄から!!」
ソフィア「あら、随分急な話ね。」
リズエル「とにかく来て欲しいとのことで…今リヴィの家にいるそうです!!」

リズエルが会計を済ませ、二人は急いでリヴィの屋敷へと飛んでいった。

-クルテット邸 リヴィの書斎-
二人がリヴィの書斎へとやってくるとそこに全員が集まっていた。

リヴィ「来ましたの」
リズエル「そりゃ、新情報と聞いてな…!急いできた…!!」
レイニア「とにかくお兄様。早く教えて欲しいものですわ」
アルガン「あぁ…とにかく真実ならこれはスクープだ…!!」

そう言うとアルガンは全員の元に一人の女性を案内する。そこにいたのは真っ白な翼を持つ天使だった。

アルガン「天界人だ…!!種族とかはわからないけど…」
リズエル「おいおい…こいつは上級天使じゃないか…」
上級天使「…」

アルガンに聞くとどうやらこの天使はアルガンを襲撃し、逆に返り討ちに遭ったらしい。
まぁ相手は元門番。正直言ってそこらへんの魔族よりはるかに強いのだ。

リヴィ「アルガンさん…?それでこの天使さんからどんな情報を得られるんです?」
アルガン「それは今から聞いてみようと…。」
レイニア「お兄様?スクープというのは確証を得てから言ってくださいね」

全員が覚めた表情でアルガンを見る。そしてアルガンが問題の上級天使に尋問をしてみると>>296

唾を吐かれた

上級天使「ふん、誰がいうかよ!!」

アルガンは唾を吐かれた。どうやらこの天使も実に性格が悪そうだった。

リオン「リズみたいだな、あいつ」
リズエル「天使ってのはプライドが高いもんさ。あいつは上級…もっと太刀が悪い奴だな」
リオン「そのくせソフィアさんはいい人っぽいんだが…」
ソフィア「生活環境とか違いましたからね」

口の悪い上級天使はさらにアルガンの膝を蹴りながら挑発する。
まるで死をも恐れていない、そんな様子だった。

アルガン「くそが…優しくしてればいいものを…」
レイニア「落ち着いてください。上級天使となれば知っている情報も多いはず」
アルガン「しかしだなぁ…」
レイニア「とにかく命を奪ってしまっては元も子もありませんわ」

リヴィ「しかし困りましたわね…。せっかくこちらは天界へ行く用意ができましたのに…」

リヴィのそのセリフで全員が驚いた様子を見せる。もちろん、上級天使でさえも…

リオン「リヴィ…お前、何を…」
リヴィ「天界へ行く方法ですわよね…やっと完成しましたの」
レイニア「なぜそれを教えなかったんです!?」
リヴィ「先ほどのリズさんの電話で確証をしまして…。それで次の日にでもと思ったのですが…」
アルガン「そんな…俺よりすくーぷじゃないですか…」
上級天使「…嘘をつくなよ、魔族風情が…!何故天界に行ったこと無いやつが…!!」
リヴィ「秘密は後ほど説明しますの。それより…あなたの知ってること…教えていただきません?
    もし教えていただけたら…我社で作っているアイテムなどを提供しますの」
上級天使「買収する気か…、さすが魔族汚いな…」
リヴィ「汚いと言われましても…魔族ですし…」

そしてリヴィとの取引に上級天使は>>299

一日奴隷になる条件で承諾した

上級天使「じゃあ一日奴隷になることが条件なら承諾してやろう」
リヴィ「あなたが奴隷になるんですの?」
上級天使「いいや、お前がだ!」
リヴィ「うーん、それじゃアルガンさん、お願いしますの」
アルガン「え、俺…?」
レイニア「お兄様がスクープとして連れてきたんだし…仕方ありませんわね」
アルガン「ええ…」

アルガンはその条件を受け入れるしかなかった。リヴィ曰く、この天使の来訪は
全く予定にしていなかったこと。さらにリズエルとソフィアから情報が聞けたこともあるので
どうでもよかったらしい。

上級天使「…あれ、もしかして私どうでもいい存在?」
リヴィ「まぁ、リズエルさんもソフィアさんもおりますし」
上級天使「うわ…よく見たら姫様!!…まさか堕天使になっていたなんて…!!」
ソフィア「うふふ、やっと気づいてくれたようで…」

アルガンを一日奴隷にする代わりに天界の情報を聞き出そうとする。
少しの間黙っていたが上級天使は語り始める。
上級天使が話した内容とは>>301


リヴィ「なるほど、これがアルガンさんが得たスクープでしたの…。」

神には2種類いる。一つは本当に全てを創造した「人を生んだ神」。
もう一つは人がその神を讃え敬い、その偉大さの恩恵を望む心が具現化して生まれた「人が生んだ神」。
本物の神に近い力を持つが、人の願望を叶えるために生まれたため人の願望がなければ生きられない。それが姫様の父、我らの神だ

上級天使「神には2種類いる。一つは本当に全てを創造した「人を生んだ神」。
       もう一つは人がその神を讃え敬い、その偉大さの恩恵を望む心が具現化して生まれた「人が生んだ神」。
       本物の神に近い力を持つが、人の願望を叶えるために生まれたため人の願望がなければ生きられない。それが姫様の父、我らの神だ」
リヴィ「難しい話をしますの…!!」
レイニア「神は二人いて…ソフィアさんの父が人間の心が生んだ神…
      そしてその神が…魔族…そして人間を滅ぼそうとしている…ってことですか」
上級天使「ふふふ…そういうことだ。」

上級天使の言うことを簡単にまとめるとソフィアの父が魔族や人間を滅ぼそうとしている神で
その神は地上と天界を利用して…全てを創造した本当の神に会おうとしている。
ということである。

するとリヴィは軽く手を上げて質問を投げかける

リヴィ「そのう…その話なら確かソフィアさんから聞いたのですけど…」
リズエル「うむ、難しい言い方をしているが姫様が言ってることと全く同じだな」
上級天使「…そうなのか?」
ソフィア「ええ、ウルド様が話していた内容なんですけど…同じです」

ただ単に神の誕生と種別の違いを聞かされただけのようだった。
ちなみにアルガンはスクープだと思っていたらしいが天界の情報ではゴシップ記事も
いいとこだった。

上級天使「私が話した内容はこれだけだ。それじゃこの男は借りていくぞ?」
レイニア「仕方ないですわね。無能でよろしければどうぞ」
アルガン「おい、レイニア!お前兄のことをなんだと…!!」
レイニア「仕方ないでしょう?無能なんですから!」

結果的に妹に無能扱いされる兄だった。

-翌日 リヴィ邸-
リヴィに言われ、リオンとレイニア、ソフィアとリズエルが集まった。
先日言っていた天界へ行く方法のことで集められたらしい。

リオン「まさか天界へ行く方法を見つけ出すとは…」
リズエル「リヴィってすごいやつなんだな…!」
レイニア「ええ、不思議なくらいに…」

全員が改めてリヴィの謎の力に不思議がっていると>>303

リオンがめっちゃ震えていた

リオン「そういえば…電話とか…」
レイニア「ん?」
リオン「あんな小さな板で会話できたり…テレビとかそういうの作ったのを考えると…」

リオンは急に震えだした。クルテットカンパニーの技術力は既に地上では一番だろう。
それを知り、恐怖しだしたのだろうか。

レイニア「安心なさい。…私も最初震えるほど驚きましたわ…」
リズエル「安心しろ。…私はまだ慣れてないからな…」
リオン「あ、あぁ…」

そして全員のもとにリヴィがやってくる。背後にはマミもいる。

リヴィ「お待たせしましたの。それでは天界へ行くのですが…準備はよろしいですの?」
レイニア「いや、お待ちください!」
リヴィ「どうしましたの?」
レイニア「どうして…その…天界に行く方法が見つかりましたの?」
リヴィ「協力者がいますの。天界に」
リズエル「天界だと!?裏切り者とかいるのか?」

リズエルが驚く様子を見せる。まさか天界に協力者がいたなんて…
ちなみにリヴィはかなり落ち着いた様子でタブレット端末を起動させる。

マミ「ちなみに…協力者は…セリア様です」

マミの一言で再び驚く一同。セリアは、元聖剣を守っていた聖龍で元天界の住人だった。
ちなみに今は天界の牢獄に幽閉されているらしいが…。

マミ「セリア様の携帯電話がつながっている状態です。お陰で天界への道が
   出来たのですよ…」
レイニア「そういえば最近見てないと思ったら…」
リヴィ「うふふ、既にブックマークも確定しておりますの。いつでも天界へいけますの!」

リヴィが天界へのルートを説明していると>>305

修羅の国からのツアコンがしゃしゃり出てきた

リヴィ「それでは起動させますの!」

そしてリヴィが天界へのゲートを開くとそこから修羅の国のツアコンがしゃしゃり出てきた。

修羅の国民「それではここが…」
リヴィ「あのう、道間違えてますの」
修羅の国民「あら、ここは?」
リヴィ「とりあえず引き返したほうがよろしいですの。不法侵入になりますの!」

突然やってきた修羅の国民を追い払い、リヴィは改めてゲートを開きなおす。

リヴィ「それでは行きますの!」

リヴィを筆頭にゲートへと潜る。そして僅か数秒で…真っ暗な部屋へとやってきた。

リヴィ「セリアさん。来ましたの!」

リヴィがそう呟く。すると部屋の隅に座るセリアの姿があった。

セリア「来たか…。」
レイニア「久しぶりですわ。…まさか天界にいたなんて…」
セリア「レイニアか…、リヴィに頼まれてだな…ブックマークになってやったんだ」
リヴィ「いいポイントになってくれたおかげでセリアさんの場所が探知できましたの。
    お陰でこうやってこちらから攻撃を仕掛けられますの!」

リヴィたちが友人の再開に喜んでいる反面、リオンと堕天使たちは
逆にリヴィの技術力に再び驚きを隠せない様子だった。

リズエル「そんな…確かにここは天界の牢獄…」
ソフィア「しかも数秒で来れるなんて…信じられません!!」
リオン「そうか、俺が300年前から来たのもリヴィが…!!」

リヴィ「皆さん、行きますの!神に会ってお話をしますの!!」
セリア「それじゃ行きますか!!」

セリアが鉄格子を破壊し、独房から飛び出す。そして看守たちが物音に気づき
魔族のもとにやってくると>>308

看守たちは全員パニックになった

看守「セリア!!脱獄か…!!!って
    えええええええええええ!!」

看守たちが魔族のもとへやってきたとき、その数に全員が驚いていた。
しかもその中に…

看守「ソフィア姫!!何故あなたがここに!!」
ソフィア「父に話をしに来たのです!!おさがりなさい!!」
看守「何故姫が…しかもその羽…」
ソフィア「黙りなさい!!姫の命令です!!」

既に下っ端の看守たちは姫の姿を見て驚いた様子だ。
それを見てリズエルを筆頭に地上へと抜け出したのだった。

-絶対神の間-
絶対神「魔族が侵入しただと!?」
天使兵「はい…その中に、裏切り者の天使と…姫の姿が!?」
絶対神「なんだと…今の今まで気付かなかったぞ…」

地上を見渡せる絶対神が近くに来ている侵入者に気づいていないようだった。
ちなみにこれにはちゃんとした理由がある。
それは魔族たちが持つコトノの名刺だった。
神の名刺はもはや護符相当の力を持っている。コトノの店が繁盛する理由としては
こういうサービスのおかげもあるのである。

絶対神「時の女神たちはどうした!?」
天使兵「>>311

ダルいって堂々とサボってます

天使兵「あのそこにいますけど…」

天使兵が指さした方向…バルコニーに3人の女神が立っている。そして…

スクルド(未来)「あ、神様。私はめんどいんでパスで」
ヴァルザンディー(現在)「私が戦うのは正義がある方…、しかし今の神に正義を感じることが…(以下略」
ウルド(過去)「というわけです。今の私たちには何をすることもできない」

絶対神「ただ単にサボりたいだけじゃないか!!とにかくだ!!魔族たちを阻止してこい!!」

三人の女神はやれやれといった様子でバルコニーから飛び降りてゆく。

絶対神「全く…なんだあいつら…」
天使兵「…」

魔族たちの進軍…それは順調ではあったのだが…3人の人物によって阻止された。

ウルド「絶対神の命により、ここからは通すわけには行かない。」
レイニア「やっと偉そうな人が来ましたわ…」
スクルド「ごめんねぇ、さすがに魔族を通すわけにはいかんのですよ」
リオン「に…人間はどうなんだ?」
ヴェルザンディー「魔族に加担しているなら…人間も同じです。
            そして天使も同じなのですよ。姫、リズエル」
リズエル「…ですよねぇ。それじゃ、ここは無理にでも通してもらいますよ!!」

リズエルがそう言うと魔族側、天使側が一斉に武器を構え始め、睨み合い始めた。

続く

ちょっと長くなりましたがここで終わりで。
やっぱり兄は無能だった。これはもうヘタレ兄で間違いない。

あとバッタとか修羅の国とか出ても多分チョイ役になりますです。はい…

■プロローグ

 この世界は俺にだけ厳しい。
 理由なんて知らん。
 何をしようが、いや何もしなくても俺には常に不条理が責め立ててくるのだ。

 道を歩けば鳥の糞が落ちてくる。ガキどもがぶつかってくる。ケンカに絡まれる。
 家にいれば異臭騒ぎがする、クーラーがぶっこわれる、停電が起こる。
 楽しみなイベントは未曾有の豪雨で中止になることもしばしば。
 まるで国家権力が総力をあげて、ストレスで人が殺せるのかって実験でもしているんじゃないかと思うほどだ。

 だから多少の不条理はもう慣れている。
 そう。多少の不条理なら……。

 ということで、19時からはじめ……なにやら懐かしいお名前があるような……?
【11/29 (金) 21:45時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

11/30 (土)
  19:00~20:30/佐々原海 ◆S1TzStjJG6氏 - リハビリ短編 「こんにちは、私、不幸の女神様!」
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - 芸夢製作部活動日誌 二年生編 第九話 『四十万心のその心』
12/01 (日)
  21:00~/ミント ◆MINTG/yggg:氏 - 300年後へようこそ 6話目「天界へようこそ」
  23:00~/∑(゚Д゚ili) ◆ijoH.SW14M氏 -

■Scene1

 世界は俺にだけ厳しい。
 どこかの小説で、「不幸だーーっ!」とわめくイマジンブレーカーがいたような気がするが、
 俺にも不幸が満ちていた。

 生まれてきた時から、それは付きまとっていた。
 七五三の写真には心霊写真が写りこんで不気味がられ、
 歩けば不良と肩がぶつかり、お金を持てば落とし、疑いが生まれればその他先は俺に向く。
 ものを買えば初期不良で、クソサポートを引くのも、某国のように当たり前だ。

 俺の人生を一言で言うならば、『不幸』。その一言に尽きる。

 弱い17にして、この達観ぶりはどうかと思うが、仕方ない。
 全ては不幸が悪い。
 だから、多少の不条理ならなんとも思わなくなっていた。

 そう、多少の不条理ならば。


 しかし、今、俺は過去にないほどの不条理を感じていた。

国家権力「キミが>>320君だね。わたしはこういう者だが……キミに>>322の疑いがある。話を聞かせてくれるよね?」

 それは……こともあろうに国家権力が、絡んできたからだ。

どんどろ坂の茂兵衛

単位制生殖

ごめん、一時ネットが普通になって、再起動してました。
次まであと7~8分かかるかも。

■Scene2

 この世界の空気は少しよどんでいる。
 しかし、こんなにも高い場所があるとは思わなかった。

???「ここは人を見下ろすには最高の場所だわ。あらゆる人の流れ、人の不幸を見ることが出来る……素敵な場所……」

 眼下には人がまるでアリのように動いており、様々な不幸を生み出していた。
 その不幸は私に活力をくれる。
 しかし、今日はそんな小さな事象を見に来たのではない。
 巨大な不幸を持つ青年に伝えねばならないことがあるのだ。

国家権力「キミがどんどろ坂の茂兵衛君君だね。わたしはこういう者だが……キミに単位制生殖の疑いがある。話を聞かせてくれるよね?」

 いかにも俺は苦労してます、的な空気を放っている青年が、こともあろうに国家権力に絡まれている姿を発見した。

???「あの青年が今回のターゲットね……確かに全身から不幸がおでんのダシのようににじみ出ているわ」

 早く、彼に伝えなければ……。
 しかし、私は不幸の女神。
 人前に出るのは極めて稀な出来事、普通に出て行っていいものだろうか?

不幸の女神「そうよ! ここは>>328をしながら登場し、私は>>330。いつもご不幸ありがとうございます!って言えばいいのよっ!」

 自分を演出する方法を決めた私は、大きく一歩を踏み出した。
 その瞬間──。

えびぞり空中回転

姦子ちゃん

■Scene3

国家権力「キミがどんどろ坂の茂兵衛君君だね。わたしはこういう者だが……キミに単位制生殖の疑いがある。話を聞かせてくれるよね?」

どんどろ坂の茂兵衛「はあ? 単位制生殖? わけのわからないこと言わないで下さい。これからバイトの面接なんです。時間厳守なんで……」
国家権力「おっと、まだこちらの話は終わってない。あと残念ながらキミのバイト先はもう店員割れしているよ」

 先を急ごうとする俺の腕を青制服の男が力強く掴む。その扱いはまるで犯罪者を捕らえているかのような、そんな力の入れ方だった。

どんどろ坂の茂兵衛「いってぇな! 離せよ! だいたい、俺がどんなことをするって?」
国家権力「お前が生殖行為もせずに、一人で増えていくことのできる新人類である疑いがかけられている、ということだ!」
どんどろ坂の茂兵衛「……掲示板の偉いせんせーの言葉によると、単為生殖っていうらしいぞ?」
国家権力「なんだとっ! 貴様、国家権力者である俺様を侮辱するのかっ!? ならば、侮辱罪として、しょっぴくぞ! 逮捕するぞ! 逮捕しちゃうぞ!」

 理不尽だ。これ以上になく理不尽だ。
 目の前の国家権力様は、青筋を立てて、今にも俺を逮捕しようと近づいてきやがる。
 これは任意同行と称して、延々と自白に向かわせるパターンだな。

どんどろ坂の茂兵衛「……はぁ……不幸だ」

 これではバイトの面接に行くこともできない上に、無意味な時間を過ごさなくてはならない。
 どうしたものかと悩んでいると、突然、街中に絹を引き裂いたような声が響き渡った。

国家権力「事件かっ!?」

 目の前の国家権力は素早く銃を引き抜くと、あたりを見渡し始めた。
 右、左……見渡しても変化はない。
 
 しかし、気配だけは近づいてくる。自分の足元に影が降り注いできたかと思うと、それは急激に大きくなるのに気付いた。

 上を見ると女の子がえびぞり空中回転をしながら、振ってくるのが見えた。

 俺は女の子が急に降ってきたので、>>332

抱きかかえてキッスゥをしようとした

姦子「そうよ! ここはえびぞり空中回転をしながら登場し、私は姦子ちゃん。いつもご不幸ありがとうございます!って言えばいいのよっ!」

 自分を演出する方法を決めた私は、大きく一歩を踏み出した。
 その瞬間──足が自分の意思とは無関係に前に滑り出した。
 なんと不幸なことに、カラスが持ち込んできたであろうバナナの皮に足を滑らせてしまったのだ!
 ああ、不幸の女神たる私が、不幸になってしまうとは!

 あわや私はビルの屋上から大きく足を滑らせて、地面へと飛びだつことになったのだ。

 風を切り、あの不幸な青年に向かって堕ちていくのが分かる。

 回転する景色の中で、青年が私に向かって腕を広げているのが分かる。

姦子(私を受け止めてくれるっ!?)

 ならば、私はあの青年の腕の中に入るべきでしょう。そのほうがなんとなく女神っぽい!
 いや、そんなの女神っぽくないかもっ!?

 そう思案している間に、私は彼の腕の中に納まっていた。

どんどろ坂の茂兵衛「ふぬあぁっ!」

 バキッ、ゴキィッ! となんだかいい感じに派手な音が聞こえたような気がする。

どんどろ坂の茂兵衛「ぬ、んうぬっ……んんーーーーーっ!」

 必死に痛みに耐えているのか、唇がまるでたこのようになっている。
 そ、そうだ、ここでセリフを!

姦子「私は姦子ちゃん。いつもご不幸ありがとうございます!」

 そう言って私は、彼に自己紹介をすると、彼の顔がさらに近づいてくるのが分かった。
 
 ……私は思わず>>336

全裸になる

■Scene5(4が抜けました)

 俺は女の子が急に降ってきたので、6Pで拾って、2HSからのニュートラルS……なんてことはせず、男らしく抱きかかえてキッスゥをしようとたくらんだ。

茂兵衛(落ちてきた女の子をキャッチしたならばそれはもう命の恩人。
    もしくは命を捨てようとした女の子。
    ならば、多少の不幸はガマンしてもらおう。キスしちゃる!)

 女の子の身体をうまく腕の中に招き入れた瞬間、俺の両腕と腰、両足にすさまじい衝撃が走った。

 バキィツ、ゴキィッ、メリメリメリとおよそ人体が鳴らしてはいけない音が聞こえてきた。

茂兵衛「ッッッッ──!!!」

 それはもうキスどころではない。
 もう立っていられない。そんな衝撃だった。

 俺はゆっくりと前のめりに倒れようとした瞬間、降ってきた女の子が口を開いた。

姦子「私は姦子ちゃん。いつもご不幸ありがとうございます!」

 確かに俺はいつでも不幸です! お前にもしっかりと不幸にされました!
 その言葉を聴いた瞬間、俺は意識を失いかける。
 何かに気付いた姦子という女は、突如全裸になった。

茂兵衛「っ!?」

 美しい白い肌! 柔らかそうな肌! そして期待して見上げる潤んだ瞳!
 俺のテンションは高まる! 高まるぞおーーーーっ! やっぱりキスじゃーーーっ!

国家権力「…………>>339

 それはとても冷たい、液体窒素のような声でした。

間に合わなかった…これも運命か

■Scene6

 初めての男性の腕の中。
 私も不幸続きだったし、この人ほど不幸なら私も今後不幸には困らないだろう。
 そう判断した私は、衣服をパージ(歪曲表現)して、大人になる覚悟を決めた。

姦子(そう、私はこれから、こうのとりさんの世界から、おしべとめしべがくっついて受粉する世界へとレベルアップするのよ!)

 しかし、そんな私達の間を引き裂くような冷たい声が響く。

国家権力「…………間に合わなかった…これも運命か」

 まるで私達の間を見て絶望したかのような声。

姦子「あら、貴方は……?」

 ざわざわと周囲が私達を見つめている。なんだか写真を撮られているような気もするけど、そんなことよりも目の前の国家権力が気になった。

国家権力「そう、お前の予想通り。幸運の男神! 俺と『結ばれれば』、彼はこの不幸な人生から逃れられる! そのためにここに来たのだ!」
茂兵衛「不幸だーーーっ!」
国家権力「何故だ!?」
姦子「そうよ! 彼はこの私、不幸の女神である姦子とこれから>>343するんだから!」
茂兵衛「それはそれで不幸だーーっ!」
姦子「なんでっ!?」

二人羽織

■Scene7

 俺は自称幸運の男神である国家権力と、自称不幸の女神である2人を家へと連れてきていた。

 2人の発言を認めざるを得なかった。
 幸運の男神である国家権力は、自分の能力を使い、その場に偶然居合わせて名医を呼びつけることに成功。
 その後、不幸の女神が能力を使い、「これ、保険適用外だから治療費は100%負担ね」と言わせることに成功すると、
 再び幸運の男神が宝くじを当てて治療費を支払う。
 それに腹を立てた女神がその医者が医師免許をロストし、無免許医師であることにしてしまうという不幸を見せたのだ。

姦子「ちょ、ちょっと、そこの国家権力さん。若い男女が2人で全裸でいるのに……早く、二人羽織……したいのに……いつまでそこにいるの?」
茂兵衛「いや、お前は服を着ろよ。てか、俺は全裸じゃねぇよ」
姦子「ちゃ、着衣はレベルが高いよ……ぽっ」
茂兵衛「殴っていいですか、女神様?」

 この人、なんか話聞かないぞ?

国家権力「とりあえず、緊急事態だから説明させてもらうよ。キミの不幸のレベルは尋常じゃない。今もキミの不幸ポイントはたまり続けている」
茂兵衛「……うん。ちゃくちゃくと」
国家権力「幸運の世界の人間であるこの男神は」
茂兵衛(なんか人なのか神なのか複雑だな……)
国家権力「これ以上不必要に不幸になっていくキミを看過できなくなって、キミの不幸ポイントを浄化する為にやってきた。是非、自分と契ってくれ」
茂兵衛「なんでだよっ!? 少なくとも契るって条件なら、普通異性が来るだろう!」
国家権力「幸運の世界の中で最も実力があるのが自分だったんだ! 分かったら早く契ってくれ!」

 ずいずいと近寄ってくる国家権力。
 俺はその国家権力に向かって、>>345

鉄拳制裁

■Scene8

 私、今、生まれて初めて異性の男の子の部屋に来ています。
 お部屋に呼ばれたってことは……そういうことだよね? 2人で情熱の二人羽織三昧ってことだよね?(キャッ)

 そこで幸運の男神が自分が来た理由を説明し、関係を迫る。

 その瞬間、茂兵衛のパンチが国家権力に炸裂した!
 そうよ! 人の恋路の邪魔をするヤツは馬に蹴られて鉄拳制裁だよ!
 パキッ! ポキィッ! と小気味いい音を響かせながら、茂兵衛さんは国家権力を3発殴った。

茂兵衛「うがぁあっ……腕がっ! 腕の骨がぁっ!」

 あああ、なんて不幸っぷり♪ やっぱり素敵ぃ♪
 でもでもここで幸運の男神に取られちゃうのは問題だし、早く撤退してもらわないと。愛の巣に邪魔者は不要よ。

国家権力「くっ……今日はここで引き下がるとしよう。だが、次までに考えておいてくれ。自分と契ることを……いや、肉体関係をもってくれることを!」
茂兵衛「あ、ちょ、ちょっと待って! 今、このヘンタイと2人っきりにしないでっ! もっと不幸になりそうな予感が……」
国家権力「もっと男を磨いて出直してくる」
茂兵衛「そういう努力はいいから、あ、あああぁぁ……」

姦子「邪魔者はいなくなったね? これで心置きなく大人の二人羽織ができる……。でも、その前に貴方に伝えなくちゃいけないことがあるの」
茂兵衛「な、なんでしょうか?」
姦子「貴方の不幸ポイントが溜まり過ぎているって話は本当。だからね、これ以上不幸ポイントがたまると利子だけで不幸に困らなくなるくらいにまでなってるの。
   そこでね、貴方に不幸ポイントを消費してほしくてお願いにきたの」
茂兵衛「俺は好きで不幸になってるんじゃねぇよ! まあ、いい、それで不幸ポイントを消耗するとどうなるんだ」
姦子「>>348になるの」
茂兵衛「ですよねーーーっ!」

幸福な王子みたいに

■Scene9
姦子「貴方の不幸ポイントが溜まり過ぎているって話は本当。だからね、これ以上不幸ポイントがたまると利子だけで不幸に困らなくなるくらいにまでなってるの。
   そこでね、貴方に不幸ポイントを消費してほしくてお願いにきたの」
茂兵衛「俺は好きで不幸になってるんじゃねぇよ!」

 利子だけで不幸に困らないってイヤだっていうか、利子つけるなよっ! やめてくれよ! そういう余計なサービス!

茂兵衛「まあ、いい、それで不幸ポイントを消耗するとどうなるんだ」
姦子「幸福な王子みたいに、になるの?」
茂兵衛「に、が重なったっ!? というか、なんで目が泳いでるんだよお前! ってか幸運な王子ってなんだよ」
姦子「あれ? あなた男のなのにプリキュア見てないの? 最新のヤツ」
茂兵衛「みねぇよ! あれ女児向けのアニメだろっ!? ってか、なんでお前は不幸の女神なのに見てるんだよっ!? そんなことどうでもいい! どんな王子なんだよ!?」
姦子「幸運な王子ってのは、他人に幸運を与えて、自分はズタボロになるの」
茂兵衛「ですよねーーーっ!」

 分かってた。分かってたよ。だって俺は不幸の星に生まれたような男だもの。

姦子「でも私が来たからにはもう安心! 貴方の不幸ポイントがぐーーーーんと減って……? ……なん……だと!?」
茂兵衛「おい、俺の不幸ポイントがなんだって?」
姦子「おかしいスカウターの故障かな?」
茂兵衛「お前何もつけてないだろっ!?」
姦子「とにかく、これ以上貴方の不幸ポイントが増えないように、私がなんとかしに来ました! よろしくお願いします!」
茂兵衛「い、いやだーーーーっ! 絶対に断るーーーっ!」

 ある日、突然女の子が空から降ってきた。
 しかし、やはり……世界は俺に冷たいようだった。~続く~

<あとがきの前に>
 時間を大幅にオーバーしてしまい、大変申し訳ございません。
 幸運な王子をうまく描写するのに、少し苦戦してしまいました。

<あとがき>
 あれ、おかしいな? 書いている速度は速いと自覚できるのに、どうしてこんなに話が進んでないんだ?
 し、仕方ない……これは後編を書くしかない……ということで続きものになりました。
 しかしヒロインの名前が……すごく……女らしい!ww

 ちなみに国家権力が幸運の男神になったのは、「>>339 間に合わなかった…これも運命か」が原因となっております。
 事情を知っていて、主人公を不幸の女神から引き離そうとしてくれていたんですね。
 でも、彼は不幸なので、彼に不幸を打ち消してもらっても、結構不幸な境遇になるだろうということで、謎の設定が出来上がりました。
 すごいな、不幸体質。すごいな、むりやり小説のアンカーの力!

 ということで、本日もお付き合いしてくださった皆様、本当にありがとうございました。
 少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

【11/29 (金) 21:45時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

11/30 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - 芸夢製作部活動日誌 二年生編 第九話 『四十万心のその心』
12/01 (日)
  21:00~/ミント ◆MINTG/yggg:氏 - 300年後へようこそ 6話目「天界へようこそ」
  23:00~/∑(゚Д゚ili) ◆ijoH.SW14M氏 -

次の番組までCM入りマース

ハーイ、今日のCMはこちらデースッ!
http://muriyari4th.rash.jp/mngupload/src/mngup45.jpg
http://muriyari4th.rash.jp/mngupload/src/mngup46.jpg

あ、一部放送事故(レイヤー統合ミス)を起こしていますが、これくらいどうってことないのならどんどんと。
といっても、もうネタ切れ気味なので……何かネタを下さいデースッ!

ともあれ、もう暫くお待ちください。

追伸、矢矧ちゅわんかわいい。

~~増えすぎたので整理してみた登場人物紹介~~ その1   (80行で書き込めなくなるそうで!)

『芸夢製作部員』

【狩野 恋】(かのう れん)『能力:全知有能 ・あらゆる事柄を操作及び実行できます。ちょっぴり進歩』
本編主人公で芸夢製作部の部長も今では司令補佐。基本へたれで変態ですが、本気を出せば頑張ります。エロゲ大好き。

【小島 小夜】(こじま さよ)『能力:分子分解 ・対象を分子レベルで分解します。だが近接用』
主人公の親友。相変わらず主人公を寝取りたい系女子。近接では敵無しチート能力を誇るある意味もう一人の主人公。

【滝川 詩乃】(たきがわ しの)『能力:元素形成 ・火や雷といった元素を抽出、形成。だがビリビリばっかり』
主人公達の先輩の一人であり芸夢製作部員。無表情キャラかと思えばぬいぐるみ大好きだったり。ハッカー設定は何処へやら。

【橘 瑞希】(たちばな みずき)『能力:物質転写 ・あらゆるモノや事象、能力をコピー出来ます。便利だなぁ』
主人公達の先輩の一人であり、詩乃の友人。主人公を愛でるのが大好きな自称妖精も、今では部内の抑え役に。

【相沢 美樹】(あいざわ みき)『能力:絶対的予測 ・未来を周囲の状況から予測、導きます。便利だなぁ』
主人公のクラスメイト。主人公を愛するちょっぴり臆病な女子と思いきや、本気は凄いんです。チート能力者の一人。

【高峰 一美】(たかみね かずみ)『能力:偽物複製+魔王化 ・あらゆる存在を無限に複製、ただし複製なので劣化気味』
主人公を追って一年時に転入してきた男の娘。すっかり小夜さんと仲良し気味に。イチモツはまだ付いてます。取れるの?

【乾 姫菜】(いぬい きな)『能力:殺意具現化 ・己の殺意を具現化、対象を攻撃出来ます。おっそろしぃ!』
主人公達の後輩の一人で、デレ過ぎるツンちゃん。厨二的殺意で敵を攻撃しちゃいます。今回の画像の一人。

【穴吹 乃亜】(あなぶき のあ)『能力:加速変換 ・己や動く対象を加速させちゃう! これで遅刻対策はばっちり!』
主人公達の後輩の一人。一人称が自分の名前という元気な痛い子。ちょっぴりチート能力で時折活躍します。今回の画像の一人。


『その他主要人物達』

【狩野 愛】(かのう あい)『能力:妄想顕現 ・己の妄想を現実のモノとする能力。ただし意外としょぼい』
主人公の一歳年下の妹。お姉ちゃんラブな為やや変態気味に。と言いつつ後輩にも手を出すやり手なお方。

【園田 日々香】(そのだ ひびか)『能力:潜在悪夢 ・人の中に眠る潜在的なこわ~い夢を見せます。やだこわい』
相沢家に仕えるメイド。普段からしっかりしているようで詰めの甘い人。お嬢様の事は大好きな様子。

【渡会 椎衣】(わたらい しい)『能力:加重変圧 ・圧力操作でとんでもないパワーを発揮したり。暴力的ぃ!』
公立痛杉中学校三年生。好戦的なようで意外と臆病且つ怖がりさん。パワーシード覚醒組で、あまり出番がありません。

【神栖川 鳴歌】(かみすがわ なりか)『能力:言霊現象 ・言葉を奏でればその通りに。但し限り有り。何これ欲しい』
公立痛杉中学校三年生。冷静なようでこちらもまたまた怖がりさん。パワーシード覚醒組。愛絡みで出番が多かったり。

【鳥羽 修介】(とば しゅうすけ)
女子に人気のイケメン養護教諭ですが、実は変態、幼女(朱理)に変身しちゃうキモイ人。元は天才研究者だったようです。

【赤坂 朱理】(あかさか しゅり)『能力:座標交換 ・対象と対象を交換、転移させちゃいます』
鳥羽修介と訳あって一体化しちゃった女の子。元の世界では先生にらぶらぶだったそうです。自身を鳥羽に委ねてしまう。

~~増えすぎたので整理してみた登場人物紹介~~ その2


『横須賀防衛基地・リビドーメンバーとかその他』

【渡利 翔太】(わたり しょうた)
元警官の二十三歳。主人公に気にいられ(?)SPとなり彼女を護衛する。ちょっぴりエッチでヘタレで無能力者。

【長塚 アリア】(ながつか ありあ)『能力:炎熱操作 ・炎を魔法のように操ります。ガス代要らないね!』
突然変異調査部隊、リビドーのリーダー。ハーフで気が強いようですが、エッチな出来事に巻き込まれると途端大人しくなります。

【須藤 天馬】(すどう てんま)『能力:硬質変化 ・己の皮膚や物の硬度を変化させられます。うーんこの』
突然変異調査部隊、リビドーのメンバー。いつもふざけているようですが、本気も大したコトありません。金髪逆毛のゆとりさん。

【伊佐地 遊】(いさじ ゆう)『能力:領域融解 ・己が指定した領域を融解させます。会社も溶かしてっ!』
突然変異調査部隊、リビドーのメンバー。寡黙ですが表情豊かな突っ込みちびっこ担当。尚、なんと女子小学生の模様。

【弓束 栄子】(ゆづか えいこ)『能力:異質探査 ・範囲内であれば、何が何処に存在するか分かるようです。人間レーダー』
突然変異調査部隊、リビドーの臨時司令。所謂お堅いOLさんですが、時折猫語になるおかしな二十五歳。アラサーって怖い。

【真笠 豪】(まかさ ごう)
現総理大臣であり、突然変異調査部隊の総司令でもあるお方。エロゲは陵辱系を嗜む程度のようです。要するに変態。


『その他わるい子?たち』

【四十万 心】(しじま こころ)『能力:地質操作+? ・土属性の魔法を操っちゃいます。ラスボスですからもう一つスゴイのあるんですぅ!』
元の世界での主人公の姉。そしてラスボス的地位な存在。けど本当は良いお姉ちゃんしたかった系。やっぱり変態。

【新谷 昌】(にいや あきら)『能力:結晶結成 ・結晶を生み出します。人を閉じ込めたりも出来ます。なんか微妙ですぅ』
四十万心と共に行動する、能力開発施設出身者。主にサポート担当の時折ボケ担当。

【野々宮 安奈】(ののみや あんな)『能力:対象爆破 ・物を何でも爆発させちゃいます。かつらだってどかーん!』
四十万心と共に行動する、例のお薬関連の被害者。すっかりヤンデレなJCさん。

【有海 永久】(ありうみ とわ)『能力:殺意展開 ・姫奈さんと同じようで、こちらの方が強力です。たぶん』
第八話でいきなり登場したパワーシード被災者。殺意の波動に飲込まれている為、凶暴であります。

【有海 刹那】(ありうみ せつな)【能力・空気振動 ・名前の通り空気を振動させ、対象を攻撃出来たりします。空気砲こわい】
有海永久と双子の妹で、兄と同じく同じく被災者。こちらはまだ兄程殺意に飲込まれておりません。

【白鳥 咲】
公立痛杉中学校教諭。パワーシードから抽出したお薬を仕込んだ張本人。現在行方不明のようですが……。

~~~ 芸夢製作部活動日誌 二年生編 第九話


 それは、紛れも無く人である。存在感をギリギリまで消し、隙を伺っていたのだろうか。
或いは、去ろうとして偶然私達を見かけ、襲い掛かってきたのだろうか。
どちらにしても、それは危険分子の一因に過ぎない。下手をすれば、殺される。


小夜 「……どうする、一美」

一美 「どうするって、向こうさん、やる気まんまんじゃん。それに……」

小夜 「逃げるのも、一苦労しそうね」

一美 「なんか、殺意の塊に囲まれちゃってるし、ねぇ……」


 内心、不安はやはりあった。周囲を逃さないように覆うその殺意は、刃のような形状をしており、
この窮地をどう潜り抜けようかと思案するも、策が正直浮かんでこない。
本来ならば逃れるが勝ちなのだろうこの状況を、どう覆そうと思考を巡らせていた。


永久 「おいおい、どうしたどうしたぁ!? この状況に足が竦んじまったかぁっ!?」

小夜 「……そう言っていられるのも今のうちよ」

永久 「随分余裕振ってるようだがなぁ……、お前等、状況分かってねぇだろぉ!?」

一美 「……小夜、冗談抜きでどうするつもり……!?」

小夜 「私が先頭に立って一点突破するわ。一美は防御出来る瓦礫でもコピーして、盾になるよう能力を展開して」

一美 「かなり無茶じゃん! ……本気?」

小夜 「他に手があるとでも?」

一美 「……しょうがない、か……」

永久 「この期に及んでナイショ話とは、随分ナメられたもんじゃねぇか。……まぁいい」

永久 「……少しは、面白くしてくれよッ!!」


 その男が指先で合図するよう振り下ろす。それだけで、浮翌遊していた殺意の大群が押し寄せるように迫ってくる。
あまりにも瞬間的であり、私達もそれから逃れるように動き出す。しかし、一美が展開するコピー能力にも限界が有り……。

 しかしその時、殺意の塊が一瞬で消え去る事態が起き、何事かと周囲を見れば、>>359

バスケットボールが大流行していた

世紀末バスケかしら……怖いww

 しかしその時、殺意の塊が一瞬で消え去る事態が起き、何事かと周囲を見れば、バスケットボールが大流行していた。
何故バスケットボールが浮翌遊しているのか。それらが殺意の塊と相殺しあっているのか。
それらは無限に生まれて、無限に生まれる殺意をかき消してくれている。その隙は一瞬しか無かった。


永久 「な、なんだっ!? 何でバスケットボールが途端出てくんだよっ!!」

小夜 「知らないわよ、そんなの! ともあれ――」

小夜 「お陰様で、あなたはもう私の範囲内よ。触れるだけであなたを分解してしまうわ」

永久 「おいおい冗談言うなよ? この程度でこの俺が敗れるとでも?」

一美 「小夜、足元!!」

小夜 「っ!? こいつ、こんな事まで!!」


 一美の声が無ければ、足元が殺意で歪み、腐っていくその場に飲込まれていたかもしれないと背筋を凍らせてしまう。
お陰でまた数歩程距離が遠退き、その男は笑みを浮かべて再び周囲に殺意を生み出していく。

 しかし、それを防いでくれていたバスケットボールもまた、無限に増殖するよう、この場に浮翌遊するよう漂い――。


?? 「行けっ、バスケットファンネルッ!!」

?? 「そ、それ、ちょっぴり版権入っててマズイわよっ!?」

?? 「それより、何で何で私がバスケットボールを生み出さないといけないのぉ!?」


 大量に漂っていたボール群が、突然その男に向かって襲い掛かる。
それらを至近距離で殺意により防いでいたその男も、次第に劣勢となり、そして――。


永久 「くぅっ、捌ききれねぇっ―― ぐぁっっ!!」

?? 「やった! 一つヒットしたよっ!!」

?? 「もう数発は必要でしょ、ほら、もっと!!」

?? 「えー、これ以上意識を高めるの辛いんだよー」

小夜 「……何だか聞きなれた声がするのだけど」

一美 「……なんで、この場に居るのかな、あの三人」

小夜 「というか、もう一人知らない男も居るわ」

一美 「それより、あの人……どうしよう?」


 私達を襲ってきたその男は、その場でぐったりとした様子で横たわっている。まさかバスケットボールの直撃で死にはしないと思うけれど、
彼から話も聞きたいと思った私は、その男に>>362

おしっこをかけた

>>362
 な、なんという大胆な!wwwwww

 私達を襲ってきたその男は、その場でぐったりとした様子で横たわっている。まさかバスケットボールの直撃で死にはしないと思うけれど、
彼から話も聞きたいと思った私は、その男におしっこをかけた。

 目覚まし代わりに、水でも浴びせかければ良いとは思っていた。しかし周囲は見事に崩壊といってもいい状態で、
水道が近場にあるとも思えなかった私のものぐさな所が、このような事態を招くのである。


一美 「……って、何でパンスト脱いでるの」

小夜 「ちょっと話を聞こうと思って」

一美 「な、なんでそいつの顔の前に屈みこんでるのっ!?」

小夜 「だから話を聞こうと思って。……ん……っ……」 シャァー

一美 「って、ちょっちょちょ、ちょぉぉぉ!!」

 恋 「ちょぉぉぉっとまったぁぁぁぁっ!!」

姫菜 「そうですよ先輩、襲ってきたその男の顔に直接、その……」

乃亜 「おしっこ、掛けちゃうだなんてーっ!!」

小夜 「それより、何で姫菜と乃亜が此処に居るの? それに何故恋と一緒なの? そして――」

小夜 「恋、その隣に居るスーツの男は誰っ!?」 シャァー

 恋 「その前に、おしっこ止めてくれない? ね?」


 姫菜達がどうして部室からこの場に瞬間的に移動できたのか。それは乃亜の能力によるものらしいのだが、
そこまで加速的な行動を取って移動して、よく事故も起こさなかったものだと、ポケットティッシュを用いて後始末する中、例の男を睨む。


翔太 「ええと、恋ちゃん、君の部員は……ユニークなんだね」

 恋 「か、彼女だけ特別なんです! 小夜はちょっと変態で!!」

小夜 「っ!? 聞き捨てならないわね恋。……どうしてその男の前で良い子振ってるの!?」

 恋 「ていうか、アソコをティッシュで拭きながらそんな事言われても説得力無いから!!」

一美 「うーん、というかこの状況、一体なに?」


 おしっこを倒れた男にぶっ掛けては、私は恋とその渡利翔太と名乗る男性に必死となっていた。
それがある意味油断を伴ったに違いない。倒れた男が、ぶっ掛けた影響もあり目覚めており、そして言ったのだ。


永久 「……>>365

ビール飲みすぎちゃった

>>365
 年齢設定!年齢設定!wwwwww

永久 「……ビール飲みすぎちゃった」 ペロッ

小夜 「―― ひゃぁっ!!」

 恋 「……小夜、変な声出してどうしちゃったの?」

小夜 「い、今、こここ、こいつが……こいつが!!」

永久 「ん? なんか違げぇなぁ、ビールじゃねぇのか?」 ペロペロ

小夜 「ん、ひぃ、ぁぁっ……!!」 ガクガク

一美 「ていうか離れればいいじゃんか!!」

小夜 「そ、そうだったわね!」 スッ

翔太 「ともあれ、その男は拘束しましょう――」


 恋と最近ずっと一緒に居るらしいその男、渡利翔太が手錠らしいモノを取り出し、倒れた男に近づいていく。
今も舌なめずりしては、私の排尿の味を味わっていると思うとぞっとしてしまうのだが、それがどこか、妙な快感を生んでもいた。
これはSとMで例えるのならどちらなのだろうと、やや赤面気味で様子を眺めていた。


翔太 「そのまま大人しくして――」

 ドンッ!!

翔太 「ぐぁっ! い、今、なにがっ!!」

 恋 「翔太さん、逃げて!! 狙われてるっ!!」

翔太 「へ、えっ? うわっ!!」


 彼は初撃でバランスを失っていた。その影響で、次は>>370に被弾してしまう。

足の小指

い、痛いっ! 小指は痛すぎる>< 

 彼は初撃でバランスを失っていた。その影響で、次は足の小指に被弾してしまう。
かろうじて直撃は免れたものの、その一撃で痛みを訴えた渡利翔太は、その場に蹲ってしまう。


翔太 「ぐ、ぅ……ぅ……!」

小夜 「……何処から!?」

永久 「チッ、遅せぇな……ったく。お陰で不味いビールを飲まされちまったぜ」

小夜 「仲間が居たのっ!?」

 恋 「もう一回来るっ! 乃亜ちゃん、お願いっ!!」

乃亜 「はいはいっ! 足の小指痛いと思いますけどー、我慢してくださいねっ!」

翔太 「へっ!? わ、わわわわ―― 痛い、マジ痛い、無理やり走らされて痛いってばっ!!」


 その間も、空気が歪んで迫っては、地面に小さな穴を開けていく中、乃亜は渡利翔太を救出してしまう。
胸板に、心臓にあの攻撃が当たって命でも落としてくれれば、私にとっては幸せな出来事だったと嘆く中、
見知らぬ少女がこちらへ駆けて来ては、倒れていたその男を守るように攻撃を続けるのだ。


刹那 「おにい! 遅くなって、ごめんなさい!」

永久 「んな事はどうでもいい。……やれるな?」

刹那 「全力でやれば……! って、おにい、なんか臭い」

永久 「うるっせぇ! いいからやれっ!!」


 突如現れたその少女に、何が出来ると言うのだろうか。相変わらず尿塗れであるその男を庇うように立った少女が、
両手を広げて何かを呟いた途端、>>373が起こるのだ。

消臭効果

 突如現れたその少女に、何が出来ると言うのだろうか。相変わらず尿塗れであるその男を庇うように立った少女が、
両手を広げて何かを呟いた途端、消臭効果が起こるのだ。風が突如ニオイ諸共、辺りを巻き込んだのである。


小夜 「な、何よこれ!!」

一美 「風がっていうか、空気が激しく振動してるっ!?」

姫菜 「一旦下がった方が良いです、先輩達!! こっちに!!」

小夜 「くっ、仕方ないわね……って、まだ私半脱ぎ状態なのだけどっ!?」

姫菜 「そんなの、どうでもいいですからっ!!」

小夜 「乙女の何かを奪われた気分だわ。今猛烈にそう思い出してきたわ……!!」


 ―― 横須賀にあるその基地は、本来海上自衛隊が用いてたものである。
その基地機能は一部襲撃により崩壊、機能は回復しつつあるものの、殆どの機能を別基地に委譲してしまった為、
ある意味この場は突然変異調査部隊、リビドーと呼ばれる部隊が主に使用する事となっている。


アリア 「遅かったじゃない! ……あれ、見知らぬ子が居るわね」

天馬 「お、特別司令補佐のお帰りか? で、どうだったんだ?」

 遊 「……おかえり、恋ちゃん」

 恋 「ただいま、みんなっ! ええと、今日はお友達を連れて来た……訳なんだけどぉ」

小夜 「……ぷんすこ」

一美 「アレだよね、小夜って、行動して後悔するタイプだよね。おまけに逆ギレしてる訳だし」

小夜 「だって、獲物は逃してしまったし、挙句この渡利って人、恋とべたべたしてばっかりだし! ぷんすこ!!」

翔太 (何故か疎まれているけれど、それより小指の治療を早くして欲しいなぁ……)


 私が小夜や一美、姫菜ちゃんや乃亜ちゃんを紹介すると、アリアさんや遊ちゃんは皆、にこやかに応えてくれた。
しかし一人、お調子者の天馬さんだけは違い、私の友達をじっくり観察した後、こう言った。


天馬 「……>>375だな」

チーター

天馬 「……チーターだな」

小夜 「何のことかしら?」

姫菜 「……動物のこと?」

乃亜 「言っとくけど乃亜は動物じゃないからねー!」

天馬 「ふむ、これは割りと愉快な娘さん達だ。ははっ、まぁいいさ、今日は思いっきり飲んでいけっ!!」

一美 「私等、未成年ですから!!」

アリア 「まぁまぁそんなのどうでもいいじゃなーい。ね、ノンアルくらい飲んでいきなさい」

小夜 「は、はぁ……。では、お言葉に甘えて」

 恋 「それじゃアリアさん、先にダンボールハウスの方へ友達を連れて行ってもらっていいですか?」

 恋 「私は、ざっくりと報告だけしてきます」

アリア 「任せて任せてー。じゃ、小夜ちゃんとか言ったわね。他の娘もさぁついて来なさーい!」

小夜 「……ダンボール……」

一美 「……ハウス……?」


 ―― 宿舎であるダンボールハウスもどきに、アリアさんが小夜達を連れて行って貰っている間、
私は私で、先に報告すべき出来事があった。それは、臨時司令である弓束さんによる能力のおかげで、確認が取れた出来事。
それについて報告する義務がある。私は宿舎とは違う建物へ向かい、その中に足を踏み入れる。


栄子 「―― 報告は以上か?」

 恋 「はい、対象は残念ながら取り逃しました。けど……、一人は、私と同世代くらいの女の子で」

栄子 「後で報告書を纏めて置いて貰えるか?」

 恋 「は、はい、分かりました!」

栄子 「そう嫌そうな顔をするな。報告書が苦手なのは知っている。……読めればそれでいい」

 恋 「が、頑張りますぅ……」

栄子 「それより、どうだった?」

 恋 「何が、でしょうかぁ……」

栄子 「君自身の能力だ。……少しは自在に操れるようになってきたのか?」

 恋 「それは、まぁ……>>377くらいなら出来るようには、まぁ……」

スプーン曲げ

ある意味すげぇー

 恋 「それは、まぁ……スプーン曲げくらいなら出来るようには、まぁ……」

栄子 「それでも、バスケットボールを生み出すくらいは出来たそうじゃないか」

 恋 「それは楽勝なんですよぉ。でも、スプーン曲げとか、マジック系が上手くできなくて……」

栄子 (……何故マジックの練習を行っているっ!?)

栄子 「こほん、まぁ良い。……友達と今日は一日羽根を伸ばして構わない」

 恋 「今日はフリーで良いんですかっ!? いやっほぅ!!」

栄子 「だが程ほどにな。アリアや天馬にも、あまり酒盛りするなと言っておいてくれ」

 恋 「ははーいっ! それじゃ、臨時司令殿、失礼いたしまっすっ!」

栄子 「……やれやれ」

栄子 (まだまだ若い。だが、その若さに頼らないとならない我々も、未熟だが……)

栄子 (……羨ましいくらいに初々しくて可愛いにゃん……)


 ―― 横須賀基地 ダンボールハウス。


小夜 「中は割りと広くてしっかりしてますね。何と言うか、ちょっとした別荘地みたいで」

アリア 「でしょう!? お気に入りなのよー! そして、此処が自慢の――」

アリア 「露天風呂よっ!!」

小夜 「……露天風呂……!? って、屋根がありますけど?」

アリア 「最近の露天風呂は外にあれば良いってモノじゃないのよ。さぁ、このスイッチを押すと……」 ポチッ

小夜 「わぁ……ボタン一つで>>380に変わったわ……!?」

なんかいかがわしい感じ

小夜 「わぁ……ボタン一つでなんかいかがわしい感じに変わったわ……!?」

小夜 「でもこれ、露天風呂とは言い難いというか、ネオン街にお風呂があるイメージになったというか」

アリア 「それが良いんじゃなーい。人に見られるかもしれないドキドキを味わいながら、裸で入浴を愉しむ」

アリア 「それこそ、日本ジンらしくでーす!!」

小夜 「……日本人、勘違いされているわね」

 恋 「あれ、小夜、アリアさんと一緒なんだ?」

小夜 「お風呂に呼ばれたのよ。その……あんな事、しちゃったでしょう?」

 恋 「顔面騎乗放尿?」

アリア 「おぉぅ……、日本ジンって進んでるのねー!? あたしも頑張らないといけないわねー!!」

小夜 「何を頑張るんですか!? って、恋もそんなはしたない言い方しないで!?」

 恋 「でも、ホントのホントの事だしー」

小夜 「……恨むわよ?」

アリア 「それより折角だしー、二人の学生生活のオハナシ、聞かせてよー!」

小夜 「そうね、私も恋がこちらに来てからの話、じっくり聞きたいわ。お風呂に入りながら……ね?」

 恋 「うぐぅ……、……ご一緒させて、頂きますぅ……」


 この生活に入って一ヶ月近くが過ぎたであろう。いきなり政府関係者に拉致された形になった私も、現状に未だに驚いている。
全てはニコ生の60億視聴による出来事がいけなかった。しかし、今の生活に割りと満足感もある訳で……。

 アリアさんとは、直ぐに打ち解けることが出来た。イギリス方の母と、日本人の父によるハーフの彼女は、陽気でさばさばとしていて、
私がこちらに来て、おどおどとする中、彼女は私に何度も優しく話し掛けてくれた、ある意味恩人のような人。


アリア 「恋が最初ダンボールハウスを能力で造った時は、どうなるかと思ったけどねー。でも……今はうん、気に入ってるの」

 恋 「あはは……ありがとうございますぅ」

小夜 「気に入らないわ」

 恋 「な、何がなのよぉ!?」

小夜 「恋がちやほやされ過ぎているのが気に入らないわ! 恋といえば、人見知りでオタクで、人前で嘔吐余裕な根暗少女!!」

 恋 「ひ、人の過去を穿り返さないでっ!!」


小夜 「そんな恋も、今じゃアイドルよりも輝くJKに! ……そんなの認めない。だから私も……」

小夜 「私も、>>383

実業界の覇王を目指すわ

小夜 「私も、実業界の覇王を目指すわ」

 恋 「何そのいきなりな将来設計」

小夜 「だって、今の私じゃ……恋と、釣り合わないもの」

 恋 「あのぉ、小夜ぉ? どしたの、急に」

 遊 「……彼女は、恋ちゃんの事が好きみたい……」

 恋 「あ、遊ちゃんー!」

小夜 「いきなり現れたと思ったら、私の事をズバリ言い当てた!? ……やるわねこのロリっこ」

 遊 「そんなの、見てたら分かる……くす」

小夜 「……なんか、恥ずかしくなってきたわ。それで、恋は彼女とは?」

 恋 「遊ちゃんとも仲良しだよぉ。直ぐに仲良くなったもん、ね?」

 遊 「うん……直ぐに仲良し……♪」

小夜 「……な、何だか妙な百合的雰囲気を醸し出しているわね……うぐぐ」

アリア 「小夜ちゃんもそうカリカリしなーい。大丈夫よ、遊は、恋の事を姉のように慕っているだけだしねー」

小夜 「そ、それなら良いのだけど……」

 恋 「あ、でも小夜、天馬さんだけには気をつけてね?」

 恋 「あの人、変態って訳じゃないんだけど……」

 遊 「ズバリ、普通にヘンな人……」

アリア 「まぁ、天馬と書いてペガサスって呼べって素で言うような人だからねー」

小夜 「……あのお兄さん、そんなに変な人なのね」

小夜 「それじゃ、恋。……渡利翔太って人はどう思っているの?」


 恋 「しょ、翔太さんっ!? か、彼は、その……えと、>>385

BLエロゲに出したい人

 恋 「しょ、翔太さんっ!? か、彼は、その……えと、BLエロゲに出したい人」

小夜 「……はい?」

 恋 「翔太さんと天馬さんを絡めさせて……、互いに舐めあってぐへへへぇ……」

小夜 「……根本的には、全く進歩がない所か、割と悪化の一途を辿っている……!?」

小夜 「流石の私でもBLは少し引くわ」

 恋 「なによぉ! 妄想するの結構楽しいよ? ね、遊ちゃん!」

 遊 「うん、結構楽しい……♪」

小夜 「あなた達が変わっているだけよ……」

小夜 (そう言えば、姫菜達は天馬さんに施設案内を頼んでいたけれど、大丈夫なのかしら……)


 ―― 横須賀基地 施設内。


姫菜 「ふ、ぅ……んぅ……っ!!」

乃亜 「んぅ……ぁ……はぁ、……はぁ……っ!」

天馬 「ふふ、いいぞ、その調子だ!!」

姫菜 「乃亜、私達ぃ……!」

乃亜 「なんでぇ……こんな重たいダンボール運ばされてるんだろぉー……」

天馬 「ほら、もうちょいで宿舎だ! 今日はBBQと決まったからな、食材入りのダンボール、落とすなよぉ!?」

姫菜 「そもそも、施設見学のつもりがぁ!!」

乃亜 「なんで食材調達なのさー。そして何故にダンボール詰めで保管なのさぁ!!」

天馬 「そりゃあれだ。宿舎がダンボールだからって都合だ」

二人 「どういう都合っ!?」

天馬 「……それより、さっきのアレを見てどう思ったか、教えてくれるか?」

姫菜 「それは……その」


 その言葉に、施設内にある一室に、厳重に且つ隔離されるようにホルマリン漬けとなった>>388を思い出し、ゾッとしてしまう。

魔女

 その言葉に、施設内にある一室に、厳重に且つ隔離されるようにホルマリン漬けとなった魔女を思い出し、ゾッとしてしまう。
彼女は仮死状態にあるらしいのだが、何でもそれは、とある組織から拾ってきた存在だとも言われているらしく。


天馬 「どちらにしても、あんな幼いガキをホルマリン漬けとは、行き過ぎだとは思わないか?」

姫菜 「……そんな話を、どうして私達に?」

天馬 「いやなぁ、基本部外者には漏らしちゃいけない機密事項ってさぁ、漏らしたくなるじゃん?」

天馬 「……つうかさ、色々とオカシイんだよ、この世界」

乃亜 「具体的にはー?」

天馬 「俺もなぁ、能力なんて欲しくは無かった。つうか、能力を得てまだ一月とちょっとなんだ」

天馬 「けどよ、下手すれば俺もホルマリン漬けになっていたのかと思うとなぁ、堪らなくなってよぉ」

姫菜 「まぁ、それは……分かりますけれど」

天馬 「国も、人間も、天候もおかしくなっちまった。……夏なのに、雪が降るんだぜ?」

乃亜 「……でも」

乃亜 「でも、乃亜達は抗って生きてるつもりだよ。こんな事に負けたりしない」

姫菜 「だから私達も、勝手ではありますが、独自に部活として行動しているんです」

姫菜 「……少しでも、世界が元に戻るのならって」

天馬 「そうして、クリーチャーモドキとなった人間を狩っているのか」

天馬 「……やれやれだな。ほんと」

乃亜 「それよりー……宿舎に着いたんだけど、ダンボール下ろしていいよねー!?」

天馬 「ダメだ! 庭まで丁重に運ぶんだ! 中には特産の地鶏の卵がたくさん入ってるんだからな!!」

姫菜 (BBQで卵って、この人一体何をするつもりなんだろう……)


 ―― とある廃墟

 そこは寂れた空間。しかし、最低限のモノさえあれば、生きていける環境に落ち着いている。
質素ながらも、隠れ家とするならば丁度良い具合。くたびれたベッドで、今日も静かに目を覚ます。


 晶 「……起きた?」

 心 「……起きた」

 晶 「おはようのチュー、要る?」


 心 「……今日は、>>390がいいかな」

おはようの入れ歯を外して乳首をカミカミ

 心 「……今日は、おはようの入れ歯を外して乳首をカミカミがいいかな」

 晶 「私、ちゃんと歯残ってるけど」

 心 「ジョークが通じない人はキライよ?」

 晶 「ごめん、心が狭くって」

 心 (地味にあてつけのように聞こえるわ、名前のせいで……)

 心 「ともあれ、甘噛みしてくれると嬉しいんだけど」

 晶 「ん。……上着、脱がすね」

 心 「……くすぐったいわ、晶ったら」


 朝のスキンシップ、コレがある意味彼女との唯一の繋がりなのかもしれない。
そう思うと、ほんの少し寂しさが気持ちに出てしまう中、彼女は素直に、そして服従するように私の程々な胸を優しく噛み摘んでくれる。
ほんの少しの痛みと、ほんの少しの吐息の暖かさ、そして、身体を僅かに震わせてしまう程の痺れのような快感。

 それを味わい、完全に起床したと囁きつつも、彼女を抱き寄せていた。


 心 「……ちなみに、アレは?」

 晶 「今朝も病んでるから、あまり触れない方がいいかも……」

 心 「敵味方構わず爆発させようとするあの具合は、何とかならないものかしら」

 晶 「難しいと……ん、や……いきなり胸に直接、なんて」

 心 「でもイヤじゃないんでしょう? ……少し、勃ってきた?」

 晶 「やぁ……っ///」


 今日は約束がある。一応、顔だけ出してあげようと考えている中、ついつい指先が踊るように動いてしまい、
それに焦らされた形になった晶は、次第に私を求めようとし、>>392をするのである。

ジェンガ

 今日は約束がある。一応、顔だけ出してあげようと考えている中、ついつい指先が踊るように動いてしまい、
それに焦らされた形になった晶は、次第に私を求めようとし、ジェンガをするのである。


 晶 「はぁ、はぁ、はぁ……///」 スッ

 心 「…………」 スッ

 晶 「ん、あぁ……ぁっ……」 ガタン

 心 (……この子、なんで興奮したらジェンガしたがるのやら)

 晶 「やだ、私が先に崩しちゃったぁ……うぅ……///」

 心 「ジェンガで涙目になりながら興奮できるのって、晶、あなたくらいしか居ないと思う」

 晶 「それ、褒めてくれてる?」

 心 「割と貶してる」

 晶 「……しょぼん」

 心 「それより、今日は約束があるって話、したわよね」

 晶 「うん、ちゃんと聞いてる」

 晶 「でもその前に、あの子がまたコンタクトを取ってきた。……仲間に入りたいって」

 心 「あの子ね……。……チョット気が乗らないのだけど」

 晶 「彼女、必死だった。……会うだけでも」

 心 「しょうがないなぁ。晶のお願いだから、聞いてあげるだけよ?」

 晶 「……うん!」


 ―― 横浜の繁華街にも、やはり種は降り注ぎ、その一帯は誰も近寄れない封鎖状態となっている。
全く関係のない人間がそこに歩み寄れば、大体の割合で突然変異を起こすからである。
だが、既に能力を得ている私達にとっては、そんなものは全く関係がない。既に汚染されたようなものなのだから。

 そこのファミレスだった建物に、彼女は居た。一人、グラスに水を注いで、それをじっと眺めている様子だった。


 心 「……会うのは、二度目だったっけ?」

刹那 「……はい。……それで――」

 心 「チョット待って。先に聞きたいことがあるの」

 心 「あなたは……攻めと受け、どっちが好き?」

刹那 「え、ええと、そのぉ……>>394

無抵抗で殺されるのだけは御免被る

刹那 「え、ええと、そのぉ……無抵抗で殺されるのだけは御免被る的な……」

 心 「要するに命乞いね? このこころちゃんに命乞いをするというのねっ!?」

 晶 「キャラ変わってるから。自重して……」

 心 「はっ、ちょっとM気質を見せられるとついっ!」

刹那 「ええと、それで……どうなんでしょう」

 心 「お断りよ。無抵抗で殺されなさい」

刹那 「でも! 私には空気を振動させる能力があります! 空気で銃弾を撃てたりも出来るんです! 人だって、殺せますっ!!」

 心 「それによる見返りは一体なに? あなたは何が欲しいの?」

刹那 「……それは」

刹那 「……兄が、もう、ダメかもしれないんです」

刹那 「先日、能力者と争いになって、兄は押していたんですけど」

刹那 「最終的に、おしっこを浴びせられて……、また飲みてぇとか言い出し始めて」

刹那 「私、わたし……どうして良いのか!!」

 心 (……思った以上に斜め上な理由だったわ、どうしよう、晶) ヒソヒソ

 晶 (放尿プレイとか、どきどき……) ヒソヒソ

 心 (人の話、聞いてる?) ヒソヒソ

 晶 (っ!? ……うん、可哀想だから拾ってあげても) ヒソヒソ

 心 (どうせ狙いはアンチシードパウダーでしょう。能力の歪みに飲込まれた兄を救いたい、そんな所ね) ヒソヒソ

刹那 「あ、あのぉ……」

 心 「ああ、ごめんなさい。顔に放尿されて無残に敗れた兄を救いたい、だから力を貸すからアンチシードパウダーを分けて欲しい」

 心 「……こうでしょう?」

刹那 「っ!? その、何で……」


 心 「伊達にこんな名前をしていないの。……で、結論から言うと」

 心 「あなたが仲間に入りたいっていうのは、>>396


あなたの身体で証明しなさい

 心 「あなたが仲間に入りたいっていうのは、あなたの身体で証明しなさい」

刹那 「身体って……どうすれば……!」

 心 「少しは自分で考えてみることね。それに、私達の目的は、全人類神格化」

 心 「半端な志で歩み寄られても、私達は困るのよ」

刹那 「……わかり、ました……」 スッ


 彼女は静かに立ち上がる、どうやら諦めてくれるのだろうと思っても居たのだが、
その眼は何かしらの輝きを持っており、この程度の条件では退かない、と言った意思の強さも感じさせられてしまう。
それだけに、兄への想いが強いのだろう。しかし彼女は少々甘すぎると思っていた。


刹那 「……全裸になる程度、どうって事ありません。けれど――」

刹那 「この程度の証明では、辱めでは……当然、受け容れて貰えるとは思いません」

刹那 「だから……、この身体を、四十万さんの好きにしてくれて、……構いません」


 彼女は唇を強く噛み、視線を伏せがちながらも私を強く見据えようとする。
その成長途中なやや貧相な身体を、僅かに震わせながらも彼女はそう言ってのけたのだ。

 それに伴い、私も立ち上がってみせると、彼女は身体を反応させこちらを見る。


 心 「……着いて来なさい」

刹那 「……え」

 心 「あなたの欲しがっているもの、貰いにいくのよ。生憎、手持ちがないから渡すことも出来ないし」

刹那 「そ、それじゃ、私も仲間に……!!」

 心 「それは少し考えさせて。……晶、車回せる?」

 晶 「私無免許なのにドライバー役とか、扱いが酷い……しゅん」

 心 「良いから良いから。……アレに会いに行くわよ」


 約束、それは面会であった。そのついでに、アンチシードパウダーを彼女に譲り渡そうと思い、
恐らく盗難であろう車に乗り込み、私は晶のぎこちない運転により山奥の方へ向かうことになる。

 そう、そこに隠遁しているのは、ある意味でのすべての元凶である女性。白鳥咲である。
しかし、その小屋に辿り着いた時には……>>398

私に意識は無かった

 そう、そこに隠遁しているのは、ある意味でのすべての元凶である女性。白鳥咲である。
しかし、その小屋に辿り着いた時には……私に意識は無かった。

 この私の意識を奪うなんて、どういった手法で、どういった具合で行った事なのだろう、思い返すが頭が痛むだけ。
ある意味、土属性の使い手なんて皮を被ってはいるし、得意ではあるが、それだけではない私は、小屋の地下室で目を覚ます。

 そこに居たのは、見知った顔の一人、男であった。


鳥羽 「やぁ、久しいね。……四十万心クン」

 心 「鳥羽修介。どうしてこの場に。……それより、私をどうやって」

鳥羽 「簡単さ。キミに睡眠薬を仕込ませて貰っていたんだ。彼女にお願いしてね」

 晶 「……心、ごめん、なさい……」

 心 「晶、あなた、どうして……」

 晶 「私も、思う。……心は間違っているんじゃないかって。鳥羽先生の言っていることは、正しいんじゃないかって」

鳥羽 「そう、彼女は私に応えてくれたんだ。それでいて、キミを救いたいと申し出てくれた」

鳥羽 「いやぁ、中々に親愛な関係のようだね」

 心 「……こんな手足を縛る鎖、私が能力を操れば簡単に外せるし、あなたを消し去れる。知っていての言葉よね?」

鳥羽 「一応、逃れる準備も出来ているのでね。そう簡単には行かないとは思うが……」

 心 「舐めないで。私が妹以上の能力者なのは……知っているでしょう!?」

鳥羽 「だが、キミはこの世界の彼女には敵わない。……そして、この世界が最後の箱舟」

鳥羽 「そして、全人類の神格化による新世界の構築は、彼女が居なければ成り立たない」

鳥羽 「だからこそ、一度捕らえても、彼女を私によりわざと逃した。……状況を加速させる為に」


 彼は私の目論見を言い当てる。その様子は余裕は無さそうにも見えた。
そう、この男だって目的がある。だからこそ、私の前にこうして現れたのだろう。

 鳥羽修介、赤坂朱理なる子供を取り込んだ男。厳密に言えば、彼女が身を委ねた人物。
それを、本来の形として戻し、生を与えたい。それがこの男の目的であり、狩野恋に接触していた最大の理由でもある。

 私は一度肉体を失った存在に、再び生を与えようとは思わない。だからこそ、私はこの男を何度も否定した。


鳥羽 「私はね、思うんだ。新世界の構築が本当に必要なのか、と」

鳥羽 「彼女はゲーム作りを諦め、今では特異体質調査部隊に所属しているらしい。見事に道が外れた。そこは良いだろう」

鳥羽 「だが、そこからキミは彼女を利用して、どう新世界を構築するつもりなのだい? 例外事項も起きているというのに」


 心 「……それは、>>400

時間を戻す

 心 「……それは、時間を戻すことで……」

鳥羽 「この世界の時間を戻してどうなる。既にこの世界は歪み始めている!」

鳥羽 「キミという、本来ならば存在しない人物の影響でね……!」

 心 「……それでも、私は」


 時間を戻すことでどうなるというのだろう。恐らく、彼の言うとおりではないだろうか。
そもそも、私は全人類神格化により、新世界を構築。そして、この世界群という入れ物から、皆を少しでも救いたかった。
それは、私達に知覚出来ない存在……、天使だろうと、悪魔だろうと、神様だろうと構わない。そんな存在が居るからだ。


 心 「それでも……私は、計画を遂行するのよ!!」

鳥羽 「……鎖を破ったか。では、彼女の為にコレを渡しておいてあげよう」

 心 「……アンチシードパウダー」

鳥羽 「時間を遡った所で、未来は変わらない。それでもと言うのなら足掻くといい」

鳥羽 「最早箱舟は、持たないのだからね――」


 ―― 鳥羽修介は、幼女化してはその娘の力を用いて、この場を離脱する。
しかし肝心の白鳥咲は果たして何処へ行方を眩ませたのか。或いは、最早生きていないのかもしれないが――。

 それでも、一度決意した私は、試みることになる。時間遡行、それは、私にとっての長い旅の始まりだったのかもしれない。


 心 「……随分、昔に戻ってきたのね。……この家、やはり変わっていない」

 心 「……この頃、私もまだ小学生っか。存在していたら、だけどね」

 心 「この時に戻ってきて、私はどうすれば良いのだろう……」


 その長い夢の旅路は、私の過去を掘り起こすことにもなる――。



~~~ つづきます

えー……もう何も言えねぇってカンジで終わりますん。
とりあえず頑張って勢い取り戻さないと! まぁ後三回か四回くらいしたら終わらせたい所なのですが。

ともあれ、お付き合いありがとうございましたー。


【12/01 (日) 00:29時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/01 (日)
  21:00~/ミント ◆MINTG/yggg:氏 - 300年後へようこそ 6話目「天界へようこそ」
  23:00~/∑(゚Д゚ili) ◆ijoH.SW14M氏 -
12/07 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - 芸夢製作部活動日誌 二年生編 第十話 『おいでませ小学生活』


次のネタどうしましょうかぁ……ほえぇ。

時間っぽいので始めさせていただきますねー

登場人物
http://mb1.net4u.org/bbs/fantoms6/image/1png.html
http://mb1.net4u.org/bbs/fantoms6/image/2png.html

【前回までのあらすじ】
堕天使となったリズエルが元天界の姫ソフィアと出会う。
そして絶対神の真の目的を知る。
一方、リヴィが天界へ行く方法を完成させ、一同は天界へと向かう。
そして魔族勢が神の城へ向かうとそこで絶対神の側近の時の女神たちに阻まれた。

そしてアルガンは上級天使の一日奴隷になったのに関わらず、
ソフィアの持っていた情報とほぼ同じ情報しか得られず、相変わらず無能だった。

【絶対神の城前】
突如魔族勢の前に立ちはだかる三人の女神。その三人はそれぞれが得意とする武器を構え出す。

ウルド「覚悟していただこう…」
セリア「まさか時の女神が出てくるとはな…。」

セリアがウルドの前に立ちそう呟くと手をバキバキと鳴らし始める。

セリア「さすがに三人はきついと思うが…ここは私がやる。…暴れたくてウズウズしてたんだ!!」
ウルド「聖龍か…。貴様ごときが神に抗えるとでも…!?」
セリア「私は天使でも神でもない。だから変なルールに縛られることなく…お前を殴れる!」

彼女の言う変なルール。それは天使は階級に厳しい存在。それ故、下級天使は上級天使に手を上げることができず、
さらに上級天使は神クラスに手を上げることができない。そういったカーストシステムのことである。
…だが、天使でも神でもない彼女にはそのルールが適応されていない。その為に平然と神に逆らえるのである。

リズエル「そして堕天使は扱いが魔族となり、そのルール適応外になる。」
スクルド「リズエル…まさか…」

スクルドが何かを言い出そうとしたその時だった。リズエルは剣を抜き、刃をスクルドの頭部スレスレに向けた。

リズエル「私も好きなだけ暴れるってわけだ!大体お前…昔から気に食わなかったんだよ!!」
スクルド「くっ…下級天使が…!!」
リズエル「というわけだ、ここは私らが食い止める!!お前らは先に行け!」
リオン「リズ!」
リズエル「絶対に神を止めろ!!…多分、お前なら…」

そしてセリアとリズエルはそれぞれに分散し、戦いを開始した。

リヴィ「行きましょう。セリアさんとリズちゃんが時間を稼いでくれている間に…!!」
レイニア「ええ…」

そしてリオン、レイニア、リヴィ、ソフィアは神の住む城へと入っていった。

ウルド「何をしている!ヴェルザンディー!!奴らを追いかけろ!!」
ヴェルザンディー「…分かっています。」

ただ立っているだけのヴェルザンディーに怒りを露わにするウルド。そしてヴェルザンディーは大きな翼を広げ、
羽ばたいていった。

一方、神の城へと侵入したリオンたちはというと>>407

侵入しては落とし穴に落ちて外に放り出されること5回

リオン「ぐうう…どうなってんだここ…」
リヴィ「皆さんと別れてしまいましたの…」

リオンとリヴィは落とし穴などのトラップに引っかかり何度も外に出され既に5回目だった。
ちなみにレイニアとソフィアは空が飛べるのでそんなトラップに引っかからず先に向かっていた。

リヴィ「侵入者に親切じゃないお城ですの!!」
リオン「まぁ侵入されたら無意味だからなぁ」

リヴィが怒る様子をリオンは初めて見た。そんな感じだった。

リオン「とにかく、どうにかしないとなぁ…」
リヴィ「しかしトラップの多さには困りましたの…」

神の城はかなりの高さで中央の塔の頂上に神がいる。
だが、罠だらけの城では二人はまともにたどり着けるわけがない。
リヴィがタブレットを取り出し、情報をなどをまとめ始める。
すると>>411

ウイルスに感染した

するとタブレットにはエラーの文字が表示される。

リヴィ「あわわ…これは…!?」
リオン「どうした?」
リヴィ「大変ですの!!私のタブレットがウイルスに感染しましたの!!」

リヴィが慌てた様子を見せるが、リオンはあまり状況が理解できていなかった。

リオン「これってあれだろ?携帯電話の大きいやつ…」
リヴィ「通話機能をオミットし、魔導コードを使用した端末ですの!!」
リオン「ごめん、300年前の人には何言ってるかわからないや…」
リヴィ「とにかく、今変なプログラムが侵入してきますの!!」

天界では電気自体が存在しない世界。しかし、また魔翌力とは違うエネルギーが存在する。
恐らく、リヴィのタブレットで使用する魔翌力に反応してしまったのだろう。

リヴィ「むぅ…このままでは危険ですの…。」
リオン「どういうことだ!?」
リヴィ「このままほっといたらどうなるかわからないということですの!!…そうだ!!」

リヴィは何を思いついたのか、暴走寸前のタブレットを持ち、外へと走り出す。
すると外ではセリアとリズエルが二人の神と戦っていた。

リヴィ「セリアさん!!リズエルちゃん!!離れてください!!」

リヴィはそう言って持っていたタブレットをウルドたちに向けて投げつける。
それと同時にセリアとリズエルはリヴィのもとへと飛んでくる。
そしてウルドの目の前に落ちたタブレットは>>414

2つに増えた

そしてウルドの前に落ちたタブレットは二つに増えた。
…いや、割れたというべきだろう。そしてその中から大量のプログラムが
形を整えてゆく。その姿はもはや怪物そのものだった。

ウルド「なんだこれ…!!」
スクルド「気持ち悪い…!!」

リヴィ「…まさか、魔翌力が暴走するとは思わなかったですの。」
セリア「まさかこんな怪物まで生み出すとは…クルテットカンパニー恐るべし…」
リズエル「そんでどうするのこれ!!」
リヴィ「とりあえず…そこの神様たちにお任せしますの!!二人は私たちを上に連れてって
    欲しいですの!!」

そしてリヴィは城の内部構造を説明する。セリアもリズエルも空が飛べるということで
二人を運んでもらえることとなった。

リオン「それじゃ頼むぞ!!」
セリア「わかってるが…それより変なとこ触ったら叩き落とすからな!」
リオン「気をつけます…」
リズエル「それじゃいくぞ!!」

リズエルとセリアに手を引かれ、二人は上のフロアへ行こうとしただが…
二人のもとへウルドとスクルドたちもやってくる。
…背後から暴走するプログラムを連れて

ウルド「待て!!魔族ども!!」
スクルド「こいつをどうにかしろ!!」
セリア「しまった、奴らもついてきたぞ!!」
リズエル「しつこいなぁ…」

セリアたちは神たちを気にせずに先に進もうとする。
するとウルドたちがその場に止まると>>417

バイオリンを演奏して音楽が思考を狂わせた

ウルドとスクルドは武器を別なものに変形させる。それはバイオリンだった。

ウルド「あまり使いたくはなかったが…仕方ない!!」
スクルド「…協力します!お姉さま!!」

二人はバイオリンを演奏させる。その音色は人間にとっては心地よいメロディのようだが…

リヴィ「な…なんですの!!これ!!」
リズエル「う…うるさい!!」
セリア「力が安定しない!!」

魔族たちには効果が抜群だった。その音色は魔族たちの思考を狂わせるものだった。
仕方なく、地上へと降り立つ二人。

リオン「どうなってんだ…。おい、大丈夫か?」
ウルド「さすがに人間には効かないようだな」
リヴィ「うう…魔翌力が安定しませんの…」

地上に降りた4人の前には暴走したプログラムが立ちはだかる。
そしてその上空では様子を伺うウルドとスクルドの姿があった。

ウルド「勝負あったな。…まさか自分で生み出した怪物に潰されるとはな」
スクルド「ふふふ…所詮は愚かな悪魔たちです」

セリア「ぐう…」
リズエル「要はあのバイオリンを破壊すればいいんだろ?」
リヴィ「ですが…今の私たちの魔翌力では…」
リオン「だったら武器で戦うしかないわけだ…!!」

リオンとリズエルは剣を構え、セリアも拳を構える。

ウルド「ふん、無駄なことを…」

そして怪物がこちらに向かってくると同時にウルドとスクルドも武器を構え直し襲いかかると>>419

思わせておいてのフェイント攻撃

そして怪物はリオン立ちに向かって突撃する。リオンとリズエルが武器を構え、
その突撃を受け止める。

リオン「うおっ!!重い!!」
リズエル「これがクルテットカンパニーの怪物なのか!?」

ウルド「隙有り!!」

そしてウルドとスクルドも隙を見て二人に向かって突撃する…
と思わせ、起動を変えその矛先は背後にいたリヴィの元へ!

リヴィ「!?」
スクルド「消えろぉお!!」

二人の武器がリヴィを襲撃する。だが、そこをセリアが受け止めた。

セリア「危なかったぁ…!!」
リヴィ「セリアさん!?」
セリア「くっ…さすがに二人は辛いな…」

セリアは二人を弾き飛ばすと怪物を殴り飛ばす。

リオン「助かった…」
リズエル「しかし、状況が厳しいな…」
リヴィ「ごめんなさいですの…私のせいで…」

リヴィが三人に謝罪する。怪物を生み出してしまった罪悪感があるのだろう。

セリア「お前のせいじゃない。…と思うけどな」
リヴィ「ですが…」
リオン「大丈夫だ!要はあの怪物を何とかできればいんだろう?」
リズエル「それをどうするかだな…。大体あれ造魔みたいなもんだろ?
      製作者が何とか出来ないんかなぁ…」

リズエルがそう呟いたその時だった。リヴィが何かを思いついたかのように立ち上がる。

リヴィ「もしかしたら…私が何とか出来るかもしれないですの…!」

リヴィはそう言ってゆっくりと怪物のもとへと近づく。
3人が必死で阻止しようとするもリヴィは笑って返事するだけだ。
そして…リヴィが怪物の元へと近づき、怪物の顔に手を当てると>>421

怪物がアヘ顔ダブルピース

すると怪物の顔が何故かアヘ顔にそして両手をダブルピースにした。

リオン「うわ…」
セリア「一体どんなデータが詰まってたんだ…」

ドン引きする三人。そしてリヴィはただ笑ってその怪物に触れている。

スクルド「一体何が…!?いや、何かが起きてからでは遅い!!」

スクルドが武器を構えリヴィに向かって襲いかかる。だが、剣がリヴィに触れる寸前に
怪物がスクルドをなぎ払った。

スクルド「きゃう!?」

可愛らしい悲鳴を発したスクルドは壁に叩きつけられる。リヴィを狙うことに集中したせいか
本来わかるはずの怪物の攻撃パターンを見きれていなかったようだ。

ウルド「怪物を…操っているだと…!?」
リヴィ「ええ、だってこの怪物は…私が集めたデータから生まれた存在ですの。
    …だから…少しデータを操れば…」

リヴィがそう言った瞬間だった。禍々しい姿の怪物はプログラム体へと戻ったあと
体を再構築してゆく。そしてわずか数秒でその怪物は真っ黒な犬の姿へと形を変えた。

リヴィ「私の新しい相棒ですの!!」
リオン「おお!!」

リヴィのタブレット端末のデータが実体化し、完全に支配下においたリヴィ。
リオンたちもこれには驚いた様子だった。

リヴィ「しかし、少し血を使いすぎましたの…。少しフラフラしますの…」
ウルド「ふん、マスターがこんな状態なら対して問題ない。スクルド!!行くぞ!!」
スクルド「いたたた…分かりましたわ!!お姉さま!!」

二人が再びリヴィ立ちに向かい襲いかかる。すると>>425

今度は臭いを武器にして逆襲

すると今度はウルドは武器を別なものに変えた。すると真っ黒な霧が周りを覆い隠す。
するとスクルドが慌てた様子で叫ぶ。

スクルド「お姉さま!?それは!?」
ウルド「犬風情が…ならば今度は…匂いだ!!」

その匂いはまさに悪臭だった。リオンやセリア、リズエルは鼻を抑えて倒れこむ。
一方のリヴィの使い魔も動きが鈍くなっているようだった。

スクルド「これは堪りませんわ…。私には無理ぃ!!」

スクルドも逃げ出してしまい、すでにウルド一人がこの一帯を支配しているようだった。

ウルド「これなら人間も魔族も変わらずに…効果がある。」

ウルドは地上へ降り立ち、ゆっくりとリヴィたちの元へ近づく。
そして聖槍を構え、リヴィを突き刺そうとすると…
リヴィの右手が動き出し、その槍を受け止めた。

ウルド「え…?」
リヴィ「ふふ、残念でしたの」

リヴィはそう言うと聖槍を引っ張る。その強さは今まで見せたものではなかった。

ウルド「どういうことだ…なんだこの力…」
リヴィ「まず変な霧を発生させましたが…一体どんな匂いなんですの?」
ウルド「え…?お前…なんで効いてないんだ?」
リヴィ「うふふ、効くはずありませんの…。だって私…」

リヴィはそう言うと聖槍を掴み、血肉が露出した右腕を見せてウルドに言う。

リヴィ「リヴィングデッド(生きた屍)ですの!!」
ウルド「そんな…さっきは聴いていたのに!!?」
リヴィ「うふふ、むしろこういうフィールドこそ私の最大のステージですの!!」

武器を失ったウルド。そして得意なステージとなったリヴィはウルドの首根っこをつかみあげると>>428

死ぬ直前まで締める

ぶんぶん振り回す

リヴィはズタズタに右手でウルドの首根っこを掴むとどんどん強く締め上げてゆく。

ウルド「くっ…まさか貴様、ゾンビだったとは…!!」
リヴィ「ええ、今までお祖父様の教育で礼儀よくしていたのですが…
    今日だけはいいですの!!」
ウルド「くっ…だが、私の力を使えば…」
リヴィ「使う…?ならば使ってみればいいですの…」

ウルドはリヴィに挑発され、自身の能力を使おうとする。…だが何故か発動しない。

ウルド「そんな…どういうことだ!?」
リヴィ「自分の脚を見てみるといいですの。」
ウルド「あ…脚…?」

ウルドの足には謎のコードが絡まっている。そのコードは犬の姿をした
使い魔へと伸びていた。

リヴィ「うふふ、コトノさんが教えてくれたデータがここで役に立つとは思いもしませんでしたの!!」
ウルド「コトノ…まさか、あの裏切り者が…」
リヴィ「さぁ、もうこうなったらおしまいですの!!私の体もどんどん崩れてきてますし…」

リヴィの体がすでに肌が崩れ始めている。神聖な神に触れ続けている結果だ。
だが握力は全く衰えていない。これが生きた屍の本来の力なのだ。

そして窒息直前になったウルドはというと>>431

わざと抱き着いて密着して崩れる速度アップ

三途の川が見えた

ウルド「ならば…私が死ぬなら…貴様も道連れだ…!」
リヴィ「…!?」

リヴィの体に抱きつくウルド。するとウルドの体が触れた部分から煙が吹き出るリヴィ。
それと同時にウルドが発生させた匂いの霧はゆっくりと消えていった。

リオン「リヴィ!?」
リヴィ「皆さん!ここは私がなんとかしますの!!」
セリア「リヴィ…その体…!?」
リヴィ「うふふ…何百年ぶりですの…こんな体になるの…」

すでに顔も崩れており、まともに見ることができない。そんな様子だった。

リズエル「リヴィ…お前…」
リヴィ「うふふ…私は…不死…・平和になったらまたいい体を作ればいいのですの…」
ウルド「…安心しろ…私が死ぬときは…貴様も道連れだ…」

すでに二人共瀕死の状態だった。リオンたちは結局ここをリヴィに任せることしかできなかった。

セリア「行くぞ…。」

セリアとリズエルに連れられ、リオンは上の階層へと目指すことへとなった。


そしてセリアたちが上の階へと向かう途中だった。

スクルド「まぁあああてえええええ!!」

先ほど逃げたはずのスクルドが舞い戻ってくる。
どうやら匂いが消えたことで中には入り、二人の亡骸を確認した後に
やってきたようだった。

スクルド「よくもウルドお姉さまを…!!この礼はたっぷりさせてもらうぞ!!」
リズエル「スクルド…!!戻ってきたか!!」
スクルド「当たり前だ!!ここから先は通さん!!」

スクルドとリズエルが互いに武器を構え、睨み合う。そして>>434

相手の出方を見ようとしてお互い動けない

そして互いに出方を見ようとして互いに動けなかった。
というのにもちゃんとした理由があった。

リズエル「(相手は未来を司る…スクルド。奴には…私の行動が見えている…)」
スクルド「(奴の動きは大体わかるが…しかし行動しない限りは…)」

二人「(先に動いたら負ける…!!)」

セリア「よし、向かうなら今のうちだな。行くぞ、リオン!」
リオン「あ…あぁ!!」

そして二人の天使が睨み合う姿を確認した後、セリアとリオンは先に向かった。

一方…

【神の城 神の間前】
レイニア「まさかリオンとリヴィとはぐれたと思ったら…」

神がこの扉の先にいる。そんな場所にきたレイニアとソフィアだったが…目の前には…

ヴェルザンディー「…」

ヴェルザンディーが立ちはだかっていた。

ヴェルザンディー「ここまでたどり着けるとは…私も驚きです」
レイニア「うふふ、これでも空を飛べる魔族ですので…」
ソフィア「ヴェルザンディーさん!!お願いです。この先に行かせてください!!」

ソフィアがヴェルザンディーに懇願する。だがヴェルザンディーは、全く動こうとしない。

ヴェルザンディー「私は現在を司る神。…今私自身の判断で神を正義と感じています。
           たとえ姫だとしても…魔族の話を聞くわけには行かない。」
ソフィア「そんな…」

落ち込むソフィア。するとそこにレイニアがやってくる。

レイニア「ならば…こちらの正義とやらも提示致しますわ」
ヴェルザンディー「…何?」
レイニア「神が世界を滅ぼすというのなら…私たち魔族は…神を倒し…
      人間も魔族も…天使も住める世界を約束しますわ!!」
ヴェルザンディー「ほう…天使と神を人間や魔族と同じと見ますか…。」

ヴェルザンディーは持っていた杖をレイニアにつきつける。そして…

ヴェルザンディー「ならば戦いましょう。そして、あなたの正義とやらを…
            私に提示しなさい!!」
レイニア「…ええ、時代が変わったということを…教えて差し上げますわ!!」

禍々しい槍を構えレイニアは叫んだ。

続く

とりあえず次の方がいるようなので今回はこれで、
とりあえず今年中には終わる展開になりそうで…

乙!

【12/01 (日) 00:29時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/01 (日)
  23:00~/∑(゚Д゚ili) ◆ijoH.SW14M氏 -
12/07 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - 芸夢製作部活動日誌 二年生編 第十話 『おいでませ小学生活』

すごく峰打ちを使いそうな名前だ

山賊によるカツアゲ

はなくそをほじくってそのはなくそを顔になすりつけた

>>448
汚いなww

峰打ちを30発叩き込んだ

>>453
1回で今までの倍以上か…

無銭飲食の常習者と店の主人が口喧嘩


「およしなさい」

擦留蔵が眉を潜める、彼が二人の間に割って入るよりも早く、
一人の侍が喧嘩の仲裁に入ったのだ。
鼻が高く目は鋭く、実にスッキリとしたイケメン侍だった。

「なんでぇっ! この野郎が俺っちを食い逃げ呼ばわりしやがったんだ!
 名誉棄損で慰謝料もらうまでなにがなんでも退かねぇからなッ!!
「盗人猛々しいたぁテメェの事だッ!!
 こっちこそ奉行所突き出して損害賠償請求したらぁッ!!

とてもその一言で収まる様子はなく、逆上した二人がイケメン侍へと掴み掛ってゆく。
ふ…と、イケメン侍がイケメンというワードに恥じる事のないイケメン微笑を浮かべ
二人の手首をつかむと、その瞬間二人はまるで生気を抜かれたかのようにどっと倒れ伏した。

そして数瞬遅れて、イケメン侍もまたその場に倒れ込んだ。



パチン、その背後で鍔鳴りが響く。

「安心なさい、峰打ちです」


擦留蔵は店主と食い逃げ常習犯に三十回ずつ峰打ちを叩き込むと、
膝をつき後頭部を抑えるイケメン侍に手を差し伸べた。

「大丈夫ですか?」

イケメン侍は苦笑いを浮かべながら、その手を取り立ち上がった。
当然その後すぐに通報されてしまったので、擦留蔵はイケメン侍とともに
脱兎の如くその場から逃げ出し、どこか他の飯店で向かい合うようにして
鍋を囲っていた。

「なぜ私に峰打ちを?」
「私の峰打ちを受けて、気を保っていたのはあなたが初めてですよ。」
「いや、ですからあの状況でなぜ私に峰打ちを…」

鶏肉を咀嚼しながら問いかけるイケメン侍に対し、
擦留蔵は汁を一すすりした後こう答えた。

>>468

喧嘩両成敗


「喧嘩両成敗というものです。」
「私はむしろ止める側だったのですけどね…」
「ですから、峰打ちで済ませたのですよ。」

この者に何を問うても無駄だろう、そう感じたイケメン侍は
具の少なくなった鍋に炊き立ての白米を流し入れ、おたまで
それを掬うと擦留蔵のお椀に盛り付けた。

「どうもありがとう。」

実にさわやかな笑顔を見せられ、イケメン侍もついに観念し
"まぁいいか"と雑炊を食べ始めた。

それから二人は酒を酌み交わし、日付が変わるまで言葉を紡ぎ合った。

話によるとこのイケメン侍、豊前の国の生まれであるらしく、
現在は剣の修業のため諸国放浪の旅に出ているとか。

「擦留蔵殿は…なんと、国を追われたと?」
「はい、お殿様の勘気に触れてしまいまして」

要はお殿様を怒らせてしまったということなのだが、それを聞いたイケメン侍は身を乗り出し
「一体何をやらかしたのだ」と、少しイタズラめいた表情で尋ねてきた。

それに対し擦留蔵は「>>474」とだけ、答えたのだった。

裏峰打ちを使った


「裏峰打ちを」

それを聞いた瞬間イケメン侍の整ったイケメン顔が、
酔いを忘れるほどに強張った。

裏峰打ち、つまりは、人を斬ったという事だ。

「…左様でござったか」
「仇討ちゆえ、後悔はしておりません」

酔いをたたえ、艶やかな笑みを浮かべたまま、擦留蔵は答えた。
そして後ろ髪を指で弄りながら、飲みかけの猪口を口元へと引き寄せた。

興味はあった、なにせ擦留蔵のような峰打ちに異様に執着する頭のイカレた男が仇討ちのためにその刀を返したというのだ。
だがどこか憂いを帯びたその表情に、イケメン侍はそれ以上踏み込む事が出来なかった。

そして勧められるままに酒を飲み、どうにもこうにもならないほどに酔いが回ってきた頃、>>479

店員の女の子が手招きをしていた


ぼやける視界の端に、店員の女の子が手招きをしているのが見えた。
ふと耳を澄ませてみれば、店の奥の方から艶めかしい男女の音が漏れている。

なるほど、ここはそういう店だったか。
酒屋ならばさほど珍しいものではないだろう、誘いに乗るのも悪くはない。

「おい擦留蔵殿、どうする?」
「えっ、峰打ちですか?」
「違う!」

この男の頭には峰打ちしかないのだろうか。

「擦留蔵殿、よもや経験がないので…?」

ふと、少し離れたところから擦留蔵を見据える。
イケメンと称される自分と同じぐらいに整った顔立ち、パッチリとした瞳に、
純白の布で、頭の後ろにまとめられた見事な黒髪。

もてない要素はない、あるといえば女顔過ぎるところだろうか…
イケメン侍がそう腹の中でイケメン算をしていると、突然店の入り口から荒々しく汚い言葉が響いた。

見るとそこには三人の男たち…
もとい、昼間擦留蔵が叩きのめした賊達が我が物顔で店内へ踏み入っていたのだ。


「兄貴! いましたぜ、あいつだ!
 昼間俺達をボッコボコにした野郎だ!!

擦留蔵の姿を認めるや否や、
男たちはズイズイと肩を怒らせながらこちらへと歩んできた。
そして昼間と同じように、ズイと顔を近づけると生暖かい息をまき散らしながら言うのだった。

「よう…昼間は世話んなったなぁ…
 この礼はタップリとさせてもらうぜ…」

その頬には未だ昼間の名残が爪跡を残しており、
もはや皮膚と一体化しているようにすら見えた…

ふぅ、とため息をつきながら擦留蔵は立ち上がる。
流石に酔いもあってか視界が定まらないが、この程度の男たちを伸す程度なら問題ないだろう。

そう思い刀に手をかけたその時だった
>>483

刀がゴボウにすりかえられていた


「…!?」

刀の柄、ではない。
固く細く、繊維の生えた奇妙な感触、擦留蔵の顔が焦りにゆがむ。
ちらと視線をよこしてみせる、腰に下げていた刀がいつの間にかごぼうにすり替わっている。

大男がニヤと笑い、刀を振り上げた。
瞬間、擦留蔵の脳裏を過ったのは「まずい!」ではなかった…

「これでは峰打ちが出来ない!!」

心の声が喉を通り、言葉となって擦留蔵の口から飛び出した。
大男の刀が擦留蔵の脳天めがけ振り下ろされる…が!
それを黙って見過ごすほど、イケメン侍は薄情ではなかった。

大男の手首をつかむと、その首元に手刀を打ち込み
続けざまに床を蹴り、店の外へと押し出した。 イケメンタックルである。
イケメン侍が大男を押し倒したのを確認すると、すかさず擦留蔵は>>487

峰打ちに近いことが出来そうなものを必死に探す


何か刀の代わりに峰打ちが出来そうなものはないか。
厨房へ飛び込むと擦留蔵は必死になって料理道具をかき回し始めた。
ここなら包丁があるはず、包丁にも峰はある、そう算段しての事だ。

だが擦留蔵が厨房へ飛び込んだ事で、残る二人の賊の矛先がイケメン侍へと向いた。

「[ピーーー]ッ!!」

大男へ跨るイケメン侍の背中へ、二人の賊がほぼ同時に斬り込んだ。
が、イケメン侍はそれを軽くいなしてみせると、三人から一歩距離を取り
腰に下げた大業物を抜き、睨みつけながら怒声を放った。


「丸腰の女性に刀を抜くなど、男の風上にもおけぬ!」

凄まじい気迫であった。
三人の男達の額に冷や汗が浮かび、ごくりと息を呑む音が響く。

「擦留蔵殿、下がられよ、ここは私が引き受けよう。」

振り返る事なく声をかけた先には>>489を手にした擦留蔵が立っていた。

カジキマグロ


だが、擦留蔵は下がらなかった。
手にしたカジキマグロを腰に下げると、そのまま男達の前へ歩み出たのだ。

「えっ、カジキマグロ?」

それを見たイケメン侍が、思わず素っ頓狂な声を上げるがそれもまたイケメンボイスだった。

鋭くとがったマグロの鼻を持ち体の重心をぐっと下げる、いつもの峰打ちの体勢とは少し違う。
出来る筈がない、その場にいた誰もがそう思った。

「カジキマグロの、腹は銀、背は黒、刀となんら変わりはない」

一言一言語調を強め、見開いた目を力強く閉じ、擦留蔵はニヤと口角を上げる。


「居合、峰打ち」

その瞬間ぴかと何かが光ったかと思うと、
もう鍔鳴りがして、カジキマグロは擦留蔵の腰へ収まっていた。


思い切り頭をカジキマグロで殴られた賊達は額から血を流しながら吹き飛び、
そのまま店の前の道路へ転がり落ちた。

呆気にとられるイケメン侍を他所に擦留蔵は
賊達に三十回ずつカジキマグロによる峰打ちを加えた後、
爽やかな笑みを浮かべながらイケメン侍の方を見やった。

その微笑みは、イケメン侍のそれに勝るとも劣らぬものだった。


…空が白みを増し、夜が終わりを告げ朝が近づいている。
暁の空を眺めながら、擦留蔵はイケメン侍に言った。

「なぜ、私が女だとわかったのですか」

彼はこう答えた「>>495

店員が手招きをしている場面で峰打ちのことだと勘違いした時


「強いて言うなら…」

店員が手招きをしている場面で峰打ちのことだと勘違いした時、だそうだ。
どうにも意味がわからず詳しく聞いてみると、ボッと擦留蔵の顔が赤くなった。

「み、店の奥から聞こえる妙な声は、"そういう事"だったのですね」

ははは、と顔を赤くしながら笑う擦留蔵に対し、
イケメン侍は初めて"勝った"と思った。


「えーっ…おほんっ、ともあれ助かりました、ありがとうございます。」
「イケメンとして当然の事をしたまで」

しかし結局、最後は擦留蔵が絞めてしまったのだ。
当然などと言ってしまい、イケメン侍は少しだけ恥ずかしくなった。

それからなんとなく妙な雰囲気となってしまい、二人は肩を並べ店の奥へと消えて行った。


翌日の昼、二人は小洒落た茶屋で団子をつまみながら一服していた。
あれから色々と話し合ったのだが、少しの間二人で旅路を共にする事としたのだ。

旅は道連れ、世は情け、ついでに男女も情け。
どうせ擦留蔵に行く宛はなく、イケメン侍もまた行く宛のない修業なら、丁度いいとの事だ。


「そろそろ行きしょうか、擦留蔵殿」
「そうですね、小次郎殿」

うんと背伸びをし、擦留蔵は子供のように席を立った。
そして振り返りざまにまた、あの爽やかな笑顔を見せるのだった。

この笑顔と峰打ちだけはこれから先もずっと、叶わないだろうな。
イケメン侍、もとい佐々木小次郎もまた頬を掻きながら笑ってみせた。

                                          【完】


◆おわりだよ!


【12/02 (月) 00:00時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/07 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - 芸夢製作部活動日誌 二年生編 第十話 『おいでませ小学生活』
12/08 (日)
  21:00~23:30/ミント ◆MINTG/yggg:氏 - 300年後へようこそ 7話目「ヴァルハラへようこそ」


こんにちはーむり小のアイドル那珂チャンだよーカンカンカンッ

今日は何か早くない? と言われそうなのですが、早めに切り上げるかもしれないので、
ちょっぴり早めに……え、誰もいなかった!? まじで!?
いつものは>>355で代用という事で、もう暫くお待ちください。


http://muriyari4th.rash.jp/mngupload/src/mngup47.jpg
ところで、このシリーズ次のキャラ辺りで最後にしようと思っております。
来年くらいにPIXIVでびゅー目指して画力修行に出たい為でもあり、時間が足りなかったり……。

って訳で、次何描くか>>505 (多少ならシチュも応えれますぅ。○○の下着を着せて、とか)

鳥羽

>>504
実は鳥羽先生+幼女は既に下書き済ませちゃってますので次々回くらいに着色しときますぅ ↓

えー……特になしって事で! >>504でも先に頑張っておきます……。

い、いつかアレ描いてとか言われるような画力になってやるんだからねっ!
ってなんかどんどん道を外してってる気がするけれど、ともあれぼちぼちと~。

~~~ 芸夢製作部活動日誌 二年生編 第十話


 そこは懐かしい景色だった。見慣れた標識、看板、そして建物の数々。
暫くの間記憶の底に眠っていたそれが、次々に呼び覚まされていく感覚に不思議な気持ちを抱きながら、
町を歩いてみると、やはりと確信するのである。

 タイムリープとでも言うべきだろうか。私は過去に、懐かしいこの時間に戻ってくる事が出来た。
しかし、今は一体何年であり、どれくらい過去に遡ったのかまでは定かではない。


 「……新聞買えばいいのかっ!!」


 幸い、小銭程度は持ち合わせていた為、コンビニで新聞を購入。
そのまま直ぐに店を出てはそれを広げてみて、期待を超えて愕然としてしまう。


 「ちょ、ちょっと待って。……七年前? 私が小学校六年の時……!?」


 戻りすぎだ。まだこの頃は……と記憶を巡らせてはたと気付く。
そうだった。何故この時に戻って来てしまったのか、それはその当時私が十二歳の頃となる。
その際、私にとってトラウマとなるような出来事があった。


 「その影響で、この年に戻ってきた……っていう事? でもこの身体は成長したままで――」


 何故この時間に戻ってきたのだろうと、私が懐かしのあの一軒家を目指して歩いていると、
道中それはもう見知ったどころか、そのものの幼い姿を見てしまうのだ。


幼女A 「……何か嫌な気配がする……」

幼女B 「えー、そんなのするぅ? よく分かんないよぉ」

幼女A 「嫌な気配するよ。そう、あそこから、>>509って嫌な気配が!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ド

幼女A 「嫌な気配するよ。そう、あそこから、┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドって嫌な気配が!」

幼女B 「どどどどどど……ど?」

幼女A 「とても嫌な気配がするぜぇ……、嫌な気配ってニオイがプンプンするぜぇ!?」

幼女B 「なんで疑問形なの……? それより、早く行かないと遅刻だよぉ?」

幼女A 「そ、そうねっ! 急がないといけないんだった! ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨なんかに構ってる場合じゃないっ!!」 タタタッ


 「……私、まん前に突っ立ってたのに、あの子達すり抜けていっちゃったわ。……つまり」

 私は彼女達には見えなかった。代わりに、気配だけを幼い頃の私は感じ取っていたらしいのだが、
もう一人の妹となる少女、恋は私の気配には気付かず、遅刻の心配だけをしていた様子だった。

 「さて、問題は……こんな風に視認すらされない状態で、私は此処へ来て何をすればいいのか、ね」

 「……出来る事無さそうなんだけどっ!?」

 「はぁ……、何しに来たんだろう、私は」

 一人で突っ込んで、一人後悔しつつも、その場で立ち尽くしていても仕方が無いと、
昔の私や妹はどうやって過ごしていたんだっけと、記憶を辿りながら小学校に向かってみる事にした。

 「そうそう、此処よココ! 舐照小学校。懐かしいわぁ~……」

 既に授業中なのだろう、その小学校の校庭は静かで、教室の方の窓を見てみれば、生徒の面影が見受けられる。
この頃、私は恐らく六年一組だった筈だと、そこへ足を向けてみる事にした。


 すると早々、小学生時代の私が、教室で>>512している姿を目撃してしまう。

真面目に勉強しておまけに優等生

 すると早々、小学生時代の私が、教室で真面目に勉強しておまけに優等生している姿を目撃してしまう。
さすが私だとうんうんと頷いていたのだが、この頃確か私は調子に乗って……。


 心 「せんせーっ、そこ、方程式が間違っていますっ!」

先生 「いや、そもそもこれは三角数の問題で……」

 心 「ですからぁ、根本的に間違えてるんです! そもそもその三角形、歪です!!」


 調子に乗って、ウザかった。ウザイ小学生活を送っていた事を思い出す。
こうして調子に乗った優等生は、割と陰口を叩かれる事も少なくはなく……。


男子A 「アイツ、ちょっとうぜーよなぁ」

男子B 「毎回毎回、先生にちょっかい出してさぁ、ちょっと頭がイイからってよ」

女子A 「それにあの子、周りを見下すんだよー、酷くない?」

女子B 「あ、分かる分かるー。ココ教えてって言っても、自分で勉強すれば分かる問題だって突っぱねるの」

女子C 「あー、イヤだよねぇそういう見下した言い方するのって」


 私の気配はこの世界と言うべきか、この時系列の人間には見られない様子。
その影響も有り、今も孤独に机に向かってペンを走らせる自分を見る傍ら、陰口話に耳を傾けていた。
確かに、そういわれていた時期もありました。しかし、そんな事私にはどうでも良かったのです。と、記憶と照らし合わせていた。


 心 「…………」 カリカリ


 そう、この頃の私は、優等生でありたかった。良い姉として振舞いたかったのだ。
そして、妹である恋に、>>514って想いを抱いて貰うべく頑張っていたのだ。

私は天才

 そう、この頃の私は、優等生でありたかった。良い姉として振舞いたかったのだ。
そして、妹である恋に、私は天才って想いを抱いて貰うべく頑張っていたのだ。

 そして、私は既にある事に気づく。私が別世界に転移して、その世界で時間を遡ったとすれば、
私の存在はそこには無く、そして代わりと言わんばかりに、流産した筈の愛の姿がそこに在る。
その世界では、いや、別の世界群でも本来ならば、愛が存在して、私が存在しないのが常となっていた。

 「……イレギュラーなのは、やっぱり私よね」

 だがこの世界、つまり私が存在する以上、それは自分自身の時間を遡っているに違いなく、
これはつまり、夢を見ているだけに過ぎないとも取れてしまい、それを思うと、どうでも良くなってしまう。

 しかし、昔の無駄に頑張りを見せる私の姿に、妙に魅入られてしまうのも事実で――。


 心 「恋、宿題は出た?」

 恋 「んーん、今日は何もないんだって!」

 心 「それより、友達とはどう? ちゃんと上手くやれてる?」

 恋 「うん、大丈夫~! あ、でもこの前ゲームでね――」

 心 「またゲームの話? やめて、ゲームはバカになっちゃうから」

 恋 「なんでゲームするとバカになるの? ねぇ、ねぇ~!!」

 心 「それは、その……女の子が女の子を口説くゲームをして、頭が良くなるとでも!?」

 恋 「ぅー、でも……、ギャルゲー面白いのにぃ……」


 この頃から、恋はエロゲーではなく、ギャルゲーに興味を持ち始めており、ある意味ゲーマーの片鱗を見せていた。
それでも、天才と思われ、しっかり姉として振舞わないといけないと気張る私は、この時彼女にこう言った。


 心 「いい? ギャルゲーを少しはするのは構わないけど、それよりもっと、>>516を頑張りなさい」

真人間のフリ

 心 「いい? ギャルゲーを少しはするのは構わないけど、それよりもっと、真人間のフリを頑張りなさい」

 恋 「真人間のフリって、真人間だよ私はっ!!」

 心 「ギャルゲーする女の子が真人間な訳がないでしょ!」

 恋 「そんな事ないもん! お姉ちゃんはいつも勉強ばっかりで! それに……」

 恋 「私、知ってるもん。お姉ちゃんがみんなからどう思われてるかって!」

 恋 「……イヤな事ばかり、言われてる……」

 心 「……だから何よ」

 心 「私が頭が良くて、要するに天才だから妬まれているだけ」

 心 「恋はそんな私に付いて来ればいいの! そしたら、きっと将来も……」

 恋 「……やだよ」

 恋 「そんなのやだ、お姉ちゃんに何でも決められるのなんて、やだ!!」

 恋 「やだもんっ!!」 タタタッ

 心 「ま、待ちなさいよ恋っ!! って、もう、あの子駆け足は早いんだから……!!」


 そう、この時私はケンカをした。真人間というフレーズだけで、些細なケンカに発展した。
しかしこの頃、丁度今日という日に、こんな事が起こるなんて当時の私も知る由もなく……。


 「両親の、離婚が決まるのよね……」


 だから私の姓は四十万で、恋の姓は狩野のまま。彼女は、父親に引き取られる事になり、
私は母親に引き取られる事が直に決定する。
しかし私にとっては、もっと胸が苦しい出来事があった。恋と、中々仲直り出来ない状態だったコト。


 心 「ねぇ、恋……」

 恋 「…………」 プイッ


離婚が決定したというのにも関わらず、恋は殆ど口を開きもしてくれない。
もう時間が無いと私が取った行動は、>>518だった。

添い寝

 離婚が決定したというのにも関わらず、恋は殆ど口を開きもしてくれない。
もう時間が無いと私が取った行動は、添い寝だった。
夜、彼女が寝静まる時間だろうという時に、私は彼女の部屋に忍び込もうとしたのだ。

 電気も消えて、寝静まっているのだろう。そう思っていた矢先、囁くような嗚咽が聞こえる。


 恋 「おねえ、ちゃ……ぐす、パパとママも、離れ離れで、お姉ちゃん、もぉ……ひっく」

 恋 「やだ、よぉ……うぅ、なのに、なのにぃ……おねえちゃ、反対、してくれな……ぐす」


 妹の言う通り、私は離婚に反対ではなかったのだ。厳密には反対だ、恋と離れ離れになるのだから。
しかし、当時の私でも何となく分かってしまったのだ。冷め切った関係は、二度と元に戻らない。
だからこそだったのだろう、私と恋だけでも、強い絆で結ばれていたい。だからこそ、憧れて欲しいなんて思いだしたのだろう。


 恋 「やだ、よ……ぉ……ぐす……すぅ……すぅ……」

 心 「……寝付いたみたい」

 恋 「すぅ……むにゃ……ぐへ、ひひぃっ……!」

 心 「寝付いた途端、気色の悪い笑みが……。……何の夢を見てるんだろう」

 心 「それよりも、一緒のお布団にお邪魔して……くんくん……恋のニオイ……///」


 「……そういや、この頃の私って割とニオイフェチだったんだっけ……」


 心 「なんかまたどどどど~~な気配がするけど……まぁいいや」

 心 「恋、私だけの恋。……今日は特別に、一緒に寝てあげるんだから……くんかくんか」

 心 「……うひ、ひひひぃっ……むにゃむにゃぁ……」


 そうして翌朝、妹の恋は私が添い寝していた事を知り、>>521

顔真っ赤

 そうして翌朝、妹の恋は私が添い寝していた事を知り、顔真っ赤。
目覚めた私目掛けて、枕を抱えては何度もそれで叩いてくる彼女。


 恋 「えいっ、えいっ!!」 ポンポンッ

 心 「ちょっと、やっ、痛いって、痛くないけど痛いっ!!」

 恋 「ふん! 一緒に寝ようなんて言ってないもん! なのに、なのにぃ!!」 ポンポンッ

 心 「やめ、やめぇっ! なんか辛いからやめてぇっ!!」

 恋 「ふんだ、今度こそお姉ちゃんなんか知らないんだもん!!」 プイッ

 心 「……添い寝大作戦、失敗ね。……次の手は――」


 そうして、この時から彼女と居られる僅かな時間の間で、何とか仲直りをしようと策を練るのだが、
その当時の私が、どんな手段を用いて彼女と仲直りしようとするのかは、私自身が殆ど覚えている。

 「思い出したわ。……寝間着をこっそり変えて、ニオイの付け合いっこ大作戦とか」

 「ハブラシ取替えで、更にケンカしてしまったりとか」

 「お風呂に突入して、逆に今の時間は私の時間っ、とか言って、追い出したりとか」

 「……姉らしい事、ひとつもしてないわ、これじゃ……」

 その大体を思い出し、やるせない気持ちで家をふらつき、ある部屋の前で立ち止まってしまう。
恋の部屋。彼女は私の事をこの時、どう思っていたのだろう。
扉をすり抜けるように部屋の中に入り、私は彼女の様子を眺めていた。


 恋 「やっぱりギャルゲーは最高だよねっ! ぎゃるげさいこうっ!!」

 恋 「……でも、なんか……つまんないのは何でかな……」

 恋 「最高なのに……つまんないよぉ……はぁ……」

 恋 「お姉ちゃん、どうして私の事好きなんだろう……」


 恋 「お姉ちゃんが、私の下着を使って>>523してるってコトは、私の事が好きだから、なんだよね……?」

白魔術

 恋 「お姉ちゃんが、私の下着を使って白魔術してるってコトは、私の事が好きだから、なんだよね……?」

 「白魔術? そんな事した覚えはないけどなぁ」

 恋 「私のパンツ、顔にとんとんってたたくようにしたり、被ったり……、ヘンに身体をくねらせたり」

 恋 「あんな事するのって、間違いないよ……。でも、私とお姉ちゃん、姉妹だし……」

 恋 「そういうの、ダメだって言わないとなのに、言えないし……ケンカ、してるし……」

 「……割と、鋭い所まで気付いてたのね、この頃から……」

 「でも、白魔術だって知識だけで助かったわ。もし本当の事がバレていたら……」

 恋 「でも、お姉ちゃん、お尻のところ触ったりして、何してたんだろぉ?」

 「……バレてるし……」


 そこから暫く、私は自分の行動は良く分かっていた為、恋の行動を追うようになっていた。
彼女は私と別々に暮らす事になるまで、どう思っていたのかがどうしても気になってしまう。

 彼女は、妹ながらしっかりしている方だと思っていた。が、私が思った以上にしっかりしていたと、
この時の私は一切気付かなかったであろう。


 母 「洗濯物、畳んでくれるの? ありがとう」

 恋 「うん、これくらいならお手伝いできるから!」

 恋 (本当はお姉ちゃんに下着盗まれないようにだけど……言えないよね、こんな事)


 家事も率先して協力していた彼女は、学校でもその振る舞いが出ているようで、
友人に対しても困り事があれば直ぐに手伝ったりと、クラスでは寧ろ人気がある方であった。

 だが、私と一緒に居ると彼女はいつも小さくなってしまう。本来の自分を曝け出せないで居たのだ。


 しかしある日、私の陰口を叩いてた六年生に、五年生である彼女は>>525と反論していた。

もっと汚い言葉で罵って下さい!

 しかしある日、私の陰口を叩いてた六年生に、五年生である彼女はもっと汚い言葉で罵って下さい! と反論していた。
……反論とは言い難い。寧ろ推奨し、更に酷い事を言えと言っているのだ。


 恋 「そんな程度じゃあの人は屈しません! だから、もっと汚い言葉で!!」

女子A 「と、言われても……」

女子B 「これ以上ってのが浮かばないし……」

 恋 「もっとあるじゃないですかぁ! この小便垂れとか! うんこ垂れとか!!」

女子A 「あ、そっち方面なんだ?」

女子B 「もっと精神的に来る汚い言葉かと思ったんだけど……」

 恋 「あ、あれ? もしかして私が間違えてます? あれ?」

女子B 「ううん、まぁでも、学校中から人気の恋ちゃんから頼まれて」

女子A 「陰口叩いてーって言われた時はびっくりしたけれど」

女子B 「あの子を更正させる為とはいえ、ちょっとえげつないような……」

 恋 「いいんです! もう既に人の道から外れまくってますけど、昔の優しいお姉ちゃんに戻ってくれるのなら、それで!!」


 彼女、つまり妹が仕掛け人だなんて思わなかった。しっかりしていた様子を見せつつも、陰で生徒達を操っていたのは、
妹だったなんて思いも寄らず、その場面を目撃した私は、咄嗟に顔を伏せてしまっていた。

 何故、妹がこんな事を。私が全く苦しんでいなかったとでも思っていたのだろうか。
それでも、彼女と離れ離れになるまで、陰口の嵐は止む事を知らず……。

 妹と離れ離れとなる前日、私は等々陰口にキレてしまい、>>527と絶叫し、周囲を驚かせてしまう。

世界の中心はここだー!

 妹と離れ離れとなる前日、私は等々陰口にキレてしまい、世界の中心はここだー! と絶叫し、周囲を驚かせてしまう。
ただ叫ぶだけでは当然驚かないだろう。しかし、無我夢中で叫んだその最中、皆が強制的にそちらへ向いたのだ。


生徒A 「あ、あれ、身体が勝手に!?」

生徒B 「あっちの方向へ向いて……って、アイツ、確か狩野心じゃ……」

生徒C 「でも離婚して姓が変わるとか言って……って、何であの子ばっかり見ちゃうんだ!?」


 そう、この時、この中で、いやもしかすると全世界の人々が、私を見ようと向きを変えていたのだろう。
この日だけは車が暴走し、あちこちで大事故を齎したという報道がなされたのである。
つまりそれは私のせい。私がある意味人を殺したようなものである。……それが、能力への目覚めであった。

 しかしこの時は、私は自分の能力に気付かず、それでいてどうしてそれが発動したのかも分からずであり、
この時以降陰口は一切叩かれなくなった事を、よく覚えている。


 恋 「……白魔術……」

 恋 「……でも、お姉ちゃんのアレは……もっと危険で歪な何か……」

 恋 「どうして、そんな事が分かるんだろう、私……」


 この時、妹の恋はそんな事を呟いていた。そして、家に戻り部屋に閉じこもった彼女は、
日記を付けていたようで、この日の出来事を色々と記し、そして一晩が過ぎ、ついに別れの日がやって来る。


 心 「……恋」

 恋 「……ばいばい」

 心 「それだけ!? ねぇ、恋、それだけなのっ!?」

 心 「連絡ちょうだいよ!? 手紙、ううん、メールくらい出来るでしょ!? いっぱいして! 待ってるから!!」

 恋 「……ばいばい」


 その別れから、私は優等生から道を外す事になる。勉学は励んでいたが、真面目に登校もしなくなり、
思った以上に連絡をくれない恋に苛立ちを覚え、毎日>>529に明け暮れてしまうのだ。

ボランティア活動

 その別れから、私は優等生から道を外す事になる。勉学は励んでいたが、真面目に登校もしなくなり、
思った以上に連絡をくれない恋に苛立ちを覚え、毎日ボランティア活動に明け暮れてしまうのだ。

 不良、というには程遠いのだが、不真面目な態度を学校内で取っていたら勿論色々と憶測されてしまう。
私も例外ではなく、そうして私立酷杉女学園に進学する頃には、こう言われていた。


不良A 「あ、あの女が噂の四十万心……!?」

不良B 「アイツ、天然らしいぜ。大体が能力持ちなのはあのクスリのお陰なのによぉ」

不良C 「しかも別格なんてレベルじゃないらしい! しかもあのクソヤバイ目つきでボランティア活動だぜ!?」

不良A 「アイツ、俺達側じゃないのかよ!? しかも……あんな目つきでボランティア活動されちゃ……」

不良B 「逆に誰も有り難がらないだろそれっ!!」


 当時の私は余程目つきが悪かったらしい。しかし当時の私はそんな事一切思いも寄らず、
ただ道端でたむろしている不良達を横目に素通りしては、空き缶や吸殻を拾って集めていた。

 始業式だというのにも関わらず、町の清掃に励むなんて意味が分からないと思う連中も居るだろう。
だが私にとってはそれでいいと、心の中で思いつつ世の中のゴミを排除していったのだ。

 そう、世の中のゴミを排除するボランティアは、夜も終わらない。


強盗 「や、やめてくれぇっ!! 頼むぅ、命だけはぁっ!!」

 心 「……これだからゴミは」

強盗 「ゴミ!? 俺がゴミ!? ざ、ざけんなっ!!」

 心 「ゴミはゴミらしく集められなさい」

強盗 「はへっ、身体が勝手に動いて……あれ、俺なんで>>531なんて始めてるんだっ!?」

清掃業者になるための履歴書書き

強盗 「はへっ、身体が勝手に動いて……あれ、俺なんで清掃業者になるための履歴書書きなんて始めてるんだっ!?」

 心 「それが私の願いだからよ」

強盗 「は!? 願い!? ……貴様、何かの能力者だとは思っていたが!!」

 心 「清掃業者になる前に、イイコト一つ、教えておいてあげるわ。……私の能力は、願望を叶える能力」

強盗 「はっ、無茶苦茶言いやがって―― って、うぉ、俺の手が勝手に動いて!! おまけに俺の字じゃねぇ綺麗な字がズラリ!!」

 心 「それでも、叶わない事はいっぱいあるの。……恐らく能力者としての力が不足しているのね」

強盗 「やべぇ、やべぇぞこれ! 履歴書見てるだけで一発合格間違いナシィィッッ!!」

 心 「……どうして恋と出会えないの。まるで何かに邪魔をされているみたい」

強盗 「俺……履歴書見てて……改心しようって思っちまった……はは、ははは……」


 そうやって、私はゴミと呼ばれる存在を、目に付く範囲ながらひたすらに掃除して回っていた。
それだけではない、困っている人を見掛ければ声を掛け、その人の助けになろうともした。
しかしやはり、目つきが悪いらしく、怯えられる事の方が多かった。

 次第にそんな行動を繰り返していた私に、とある男が姿を現すことになる。


?? 「やぁ、こんにちは。キミが清掃ボランティアをする不良、四十万心かな?」

 心 「……誰、あんた」

鳥羽 「失敬、私は鳥羽修介。……で、こっちが」

朱理 「朱理なのー!!」

 心 「いいオッサンが誘拐とか、社会のゴミね。清掃されたい?」

鳥羽 「いやいや、つうか私はまだオッサンじゃないぞ!? なぁ朱理」

朱理 「でも時々かれいしゅーが……」

鳥羽 「加齢臭の話はやめなさい! イケメンで通っているのだから!!」

 心 「で、イケメン加齢臭な鳥羽さんは、私に何の用事?」


鳥羽 「……こほん、キミは天然の能力者という事らしくてね、ちょっとしたお願いをしに来た」

鳥羽 「実は、>>533に協力して欲しいんだ」

街頭パフォーマンス

鳥羽 「……こほん、キミは天然の能力者という事らしくてね、ちょっとしたお願いをしに来た」

鳥羽 「実は、街頭パフォーマンスに協力して欲しいんだ」

鳥羽 「キミはこの町で噂の人でもある。それに、とある人物を炙りだして貰いたい」

 心 「とある人物……?」

鳥羽 「……キミも良く知る人間さ」

朱理 「あー、修ちゃん悪いカオー!」

鳥羽 「こらこら、大人をからかうんじゃないぞ朱理」

 心 「……タダじゃ動くつもりはないわ。私は安くないの」

鳥羽 「仕方ない、ならばこう言おう。……妹と、また再会したいと思わないかい?」

 心 「っ!? あんた、妹とどういう関係が!?」

鳥羽 「……協力してくれるのならばお教えしよう。どうかな?」


 私の返事は、妹と言う言葉が出た途端決まってしまったのだ。それだけ、妹という釣り針は大きかった。
彼はとある研究機関の責任者でもあるらしく、その関係でまだ小学二年生という年頃である赤坂朱理と出会ったようなのだ。

 だがそんな事はどうでも良いと、とあるファミレスに入った私は、鳥羽を問い詰めた。


 心 「どうしてあんたが私の妹、狩野恋について知っているの!?」

鳥羽 「そうだな、その経緯をとりあえず話すとしよう。……彼女を知ったのは昨年」

鳥羽 「この子、朱理を助けて貰った際の話になるな……」

 心 「朱理って、この子?」

朱理 「この子いうなー!」

鳥羽 「朱理クンも生まれもっての能力者でね。しかし、それに目を付けた良からぬ連中が居た」

鳥羽 「その連中に拉致されそうになったのを、助けたのがキミの妹。……狩野恋なんだ」

鳥羽 「しかしこの狩野恋なる少女、それ以降、一切コンタクトを取れなくてね。何かに阻まれているようにも思える」

 心 「そこで私の出番というワケ?」

鳥羽 「ご名答! 尚、街頭パフォーマンスの内容は、こんなカンジでどうかな?」


 心 「……って、これ、>>536って内容をやれって言うの!?」

ビルの屋上から紐なしバンジージャンプ

 心 「……って、これ、ビルの屋上から紐なしバンジージャンプって内容をやれって言うの!?」

 心 「出来る出来ないって問題じゃない! ……出来ると言えば出来るけど!!」

 心 「これをやる意味は一体何処にあるの!?」

鳥羽 「いや、一先ずキミには有名人になって貰いたい。そう、とりあえずはね」

 心 「とりあえず……?」


 私は、鳥羽修介という男と知り合い、そして妹を炙り出す為だけにビルの屋上から紐なしバンジージャンプを強行。
その街頭パフォーマンスは大々的に宣伝されていたという事もあり、私は途端ビッグネームの仲間入りとなってしまう。
だが、紐無しバンジージャンプだけで有名人になれる訳がない。本当は紐があるのかもしれない、と勘繰られるのも嫌だった為……。

 「……空を歩いちゃったのよね。これ、やっぱり間違いだったわ」

 それから暫くは、鳥羽修介を信用し、彼を手伝うようになっていった。
政府関連の研究施設、そこではパワーシードなる種を栽培、そしてエキスを抽出しては、薬として転用。
そうして能力者を目覚めさせるという実験が何度も行われ、施されている。

 そこのまた別の責任者である、白鳥咲は私を快く出迎えた。


 咲 「へぇ、あなたが噂の四十万心さん?」 ジロジロ

 心 「……あんまり、じろじろ見ないで」

 咲 「恥ずかしがり屋さんなんだ?」

 心 「そんな超間近でジロジロ見られて、良い思いなんてしない……!」

 咲 「それもそうね、ごめんなさいね」

 心 (……この人、どうにも掴めない人……)

 咲 「それはそうと、今度、またパフォーマンスするんですってね。何でも……次は>>539だとか!」

ライブ

 咲 「それはそうと、今度、またパフォーマンスするんですってね。何でも……次はライブだとか!」

 心 「ええ、まぁ……」

 咲 「……でも、鳥羽君を信用しすぎるのもダメよ?」

 咲 「彼は野心の塊。それを朱理ちゃんの存在が抑えていてくれているけれど」

 咲 「いつか暴発する。あなたはその野心に巻き込まれるかもしれない」

 咲 「……ううん、もう既に彼の術中にハマっているのかも」

 心 「大丈夫です。私は無能力者になんか負けません」

 咲 「だったらいいのだけどね」


 彼女のその時の寂しそうな笑みは、今も私の脳裏に刻まれている。
それは、彼を想う気持ちから来たものだろうと思われるが、この時の私は、妹と会いたいという一心で動いていた。
そしてライブ活動に励み、ある種アイドルのような存在になってしまった私に、鳥羽は言った。


鳥羽 「ではそろそろ、動こうか」

 心 「動く? またライブ活動でも?」

鳥羽 「いや違う。……ただの演説で構わない」

鳥羽 「ただ、少しばかり、願望を篭めて欲しい。内容は簡単だ」


 それは冬、私がクリスマスイヴの日に姿を見せると大々的に宣伝すれば、世界中から人が集まるビッグステージとなる。
最早それだけの存在となった私に、鳥羽は言ったのだ。

 >>541という願いを篭めろ。その言葉におyり、鳥羽の野心が垣間見えた瞬間だった。

 >>541という願いを篭めろ。その言葉により、鳥羽の野心が垣間見えた瞬間だった。

ローマ字変換がバレた瞬間でありますっ 訂正してお詫びして↓

 みんなの力でこの世から破廉恥なものを無くすという願いを篭めろ。その言葉により、鳥羽の野心が垣間見えた瞬間だった。
しかし私には分からない。何故そのような願掛けをする必要があるのかを。


 ―― 舞台は春先へと進み、私は相変わらず鳥羽に協力する生活を送っていた。
勿論、白鳥さんとも交流し、彼女は度々鳥羽に対して警戒するよう訴えていたのだが、
彼女も彼女で、パワーシードなる種を見出し、作り出した存在であり、ある意味では白か黒かも分からない人物であった。

 しかしある日、私は実験室からふらつくように出てきた朱理を見つけて、抱えるようにして声を掛けた。


 心 「随分疲れているようね。最近毎日なのでしょう?」

朱理 「うん、毎日かも。だけど……大丈夫!」

朱理 「この通り、元気で……あ、あれぇ……」 フラフラ

 心 「……ねぇ朱理、鳥羽先生と、どんな実験をしているの?」

朱理 「んーとね、んーと……くうかん、げんりをなんたらかんたら?」

朱理 「朱理おばかだから、分かんないのー」

 心 「空間? そう言えば朱理って、座標交換なんて能力なのよね」

 心 「……空間を座標指定しての位置交換なんて、まさかね」

朱理 「それより、お部屋に帰っていーい? なんだか眠くって……」

 心 「ええ、ごめんなさい。……おやすみなさい、朱理」

朱理 「おやすみ、なさぁい……」 フラフラ

 心 (……白鳥さんは鳥羽先生を警戒するようにって言っていたけれど)

 心 (あんなに大事にしてる朱理を、あんな風にフラフラになるまで実験に付き合わせて……)

 心 (なんだか、妙な感じ……)


 そして、舞台は整い始める。私が久しぶりに学校に足を運んだ際であった。
まだ桜が舞い散る季節、その桜吹雪の中で、私はとうとう、彼女と出会うことが出来たのだ。

 成長し、そして少しばかり女性らしくなった恋。しかし彼女は、私を見た途端、冷たい視線で言ったのだ。


 恋 「……>>544

アイス食べたい

 恋 「……アイス食べたい」

 心 「あ、アイス?」

 恋 「……冷たくて、あまぁい……アイスクリーム」

 恋 「食べたいと……思わない?」


 その様子を見て、ぞくりと背筋が寒くなった事を思い出す。この時、彼女を見て思ったのだ。
暫く会わないうちに、彼女は変わってしまったんだと。最早、あの頃の妹の恋ではないのだと。
だからこそ、私が再び姉として、立派に更正させないと。そう思っていた。

 同じ学園に通うようになり、私も去年よりも足を運ぶようになったものの、
やはり何かに拒まれるように彼女とは中々出会えず、ただ噂話を聞くばかりとなっていった。


女子A 「ねぇ、聞いた!? あの話!!」

女子B 「聞いた聞いた。芸夢製作部がまた何かするんだって!」

女子C 「でも内容はシークレットだって。それにしても、あの部の子達って……」

女子B 「皆クスリじゃなくて、普通に覚醒したんでしょ? ありえないっつーか」

女子C 「それもこれも、狩野恋って子がすごいらしくって、彼女が導いたっていう話だよ?」

女子A 「じゃ、私も入部したらすごい能力手に入っちゃったりして!?」


 そう、度々聞く噂話とは、狩野恋が率いる芸夢製作部が、どのような行動を行うか、である。
しかしそれは表向きの話であり、裏では別の行動を取っているのがあの部である。

 彼女は、その部の連中を率いて、政府関連の能力関係施設を急襲、何かを探っているように思えた。
勿論その防衛にと、私も声を掛けられる事があったのだが、流石に私は相手が妹なだけに、拒み続けていた。

 しかし今度はどういう訳か、鳥羽先生と狩野恋は手を組むことになる。
それは……>>546という切欠であった。

共にたけのこの山派だった

 しかし今度はどういう訳か、鳥羽先生と狩野恋は手を組むことになる。
それは……共にたけのこの山派だったという切欠であった。
お菓子である。お菓子のたけのこの山、きのこの海という存在があり、私はきのこ派であった。

 だが鳥羽先生及び狩野恋はたけのこ派であり、それが伴って彼と彼女は意気投合する事になる。
勿論それだけであの二人が途端意気投合する筈が無い。鳥羽先生は、私を見切り、利用したのだ。


 咲 「……暫く、学校にも通っていないって聞いてるけれど」

 心 「行ける筈ありません。……最早、私は恋にとって、敵なんですから」

 咲 「誤解さえ解けば、恋さんはきっと、心ちゃんに靡いてくれる。……その手助けをしたいのだけど」

 心 「いえ、いいんです。……それに、恋はきっと、わざと鳥羽先生の傍に居るというか……」

 心 「違う目的を持っているのでは、なんて思っているんです。……憶測ですけど」

 咲 「その願掛けも、彼女には通じない。……彼女の能力、思ったより厄介そうね」

 心 「私よりも応用が利くんです。……だから、彼女が許さない限り、私は彼女に出会えない」

 咲 「……そうそう、今日はちょっととある境遇でね、拾った子が居るの」

 咲 「おいで、晶」

 晶 「…………」


 白鳥さんは、そうして研究施設で私に彼女を紹介した。共に一人ぼっちで可哀想だと感じ取ったらしい。
彼女は新谷晶さんだと私に紹介した後、私に彼女の面倒を託すことになる。

 最初こそ、何も喋らないつまらない子だと思っていたのだけど、暫く共に行動するようになり、
彼女がいきなり>>551となったせいで、仲が深まることになる。

私から5メートル以上はなれない

 最初こそ、何も喋らないつまらない子だと思っていたのだけど、暫く共に行動するようになり、
彼女がいきなり私から5メートル以上はなれないとなったせいで、仲が深まることになる。

 当時はある意味怖いとも思ったりしたのだけど、思った以上に彼女は人懐っこい性質があった。
何故か私の住まう家にまで付いてきたり、トイレは一人で行けなかったり、添い寝必須だったり。
妹よりも手の掛かる存在に、彼女自身を妹のように見立て出したのかもしれない。


 心 「晶、今日は一日お休みだけど、どこか外出でもする?」

 晶 「んーん、ごろごろがいい」

 心 「一日ごろごろだなんて、太るわよ?」

 晶 「心が願掛けで、太らないようにお願いとか」

 心 「……それ、考えた事もなかったわ。そう考えると便利ね私の能力って」

 晶 「心が気付いていないだけ。……えへへ」 ぎゅー

 心 「ちょっと、いきなり抱きつかないで!」

 晶 「心のお胸、抱き心地あるし……ぎゅー!」

 心 「もう……甘えん坊さんなんだから……」


 彼女は両親も居ないらしく、能力の素質があると見出され、研究施設に引き取られる。
そうして育った彼女は、精神的に余り成長が見られない事も有り、軍事転用されるような存在ではなかった。
しかし能力は結晶を形成でき、それを操れるという事で、研究者の、主に白鳥さんの眼を引く存在ではあった。

 そんな彼女は、私の胸の中でぽつりと漏らすのだ。


 晶 「白鳥先生、政府の人に怒鳴られてた」

 晶 「もっと、今以上の素質のある存在を大量に生み出せるクスリを作れって」

 晶 「難しいコト分からないけど、いっぱい怒鳴られてた」


 能力者の軍事転用。世界はどうしてか、新たなそれらの存在を率いて、勢力争いを始める事になる。
当初は燻った火種だったそれは、次第に表面化。今では、日本も立場が上ながらも、危うい状況にあったりする。

 その中で、やはり白鳥先生の功績は大きいのだろう。彼女の研究は、政府関係者を靡かせ、
更に求めるようになり、白鳥先生を困らせることになる。

 だが、そんな事は大人が勝手にやればいい、と、私はこの日、晶と>>553して過ごすのだ。

桃鉄99年

 だが、そんな事は大人が勝手にやればいい、と、私はこの日、晶と桃鉄99年して過ごすのだ。


 心 「ねぇ、晶。……これ、一日で終わらないよね」

 晶 「途中でセーブすればいい。それで解決」

 心 「え、これ、続きまたやるの?」

 晶 「だって今、テラビッグマグナムボンビーが心に憑いたばっかりだし。……勿体無い」

 心 「えー……、これ剥がすの面倒くさいんだけどー……」

 晶 「もうセーブしちゃった。……てへ」


 そう言ってはにかむ晶を見て、憎めないどころか、愛らしいすら思えてしまう。
それこそ、妹に対する愛情ではなかったけれども、もう一人の妹が出来たようで、嬉しくて。
しかしこの時、鳥羽先生がどういった野心を持っていたのか、私はこの時知る由も無かったのだ。


 ―― 季節はいよいよ夏となろう頃、各地で暴動が止まらず、治安は大いに乱れていた。
それこそ某漫画のような世紀末、ヒャッハーと不良が闊歩するような時代、とまではいかないが、
あちらこちらで事件が多発。最早殺人なんて毎日のように繰り広げられる惨事となる。

 それがまさか、私の願掛けによるモノだとは、鳥羽修介以外知る由も無かったのだ。
世界から破廉恥なものを無くした途端、各地で暴動が起きるなんて、誰が思うだろう。

 強いては、少子化が一気に加速し、最早政府が奨励するくらいとなった性行為。
しかし、破廉恥を奪われた世の人は、最早誰もそんな事を考えなくなり、次第に衝突が生まれ始める。

 そこから、不満が爆発しては暴徒が生まれ、人は性的欲求を暴力に求めるようになっていく。


 咲 「……よく聞いて、心ちゃん」

 咲 「もう一度願掛けをするの。……破廉恥なモノを再び取り戻すの」

 咲 「さもなければ、この世界はもう、おしまいよ……!」


 白鳥先生がそう言うものだから、私は……破廉恥なモノを取り戻すよう願掛けするのだが、
それは、>>555という展開を及ぼすのだった。

姦染シリーズのような世界

 白鳥先生がそう言うものだから、私は……破廉恥なモノを取り戻すよう願掛けするのだが、
それは、姦染シリーズのような世界という展開を及ぼすのだった。

 性のパンデミックは、更に暴徒を加速させた。そしてそれは、思った以上に効力が強く、
恋でも簡単に止められず、彼女の抑えがあったとしても、それは次々と行われていくのである。

 それ程、私の能力は効果が強まっていた。それは、恋の代わりが出来たからだろう。
晶という大事な存在が、私に力を与えてくれている。だからこそ、そんな厄介な出来事が起こり、白鳥先生は狼狽した。


 咲 「……どうすれば良いの、どうすれば……」

 心 「私が、普通に世界平和を願えば良いだけじゃないでしょうか」

 咲 「それは、この前にもやったじゃない! でも、それは通じなかった。何故!?」

 咲 「答えは、その願掛けにより、人々の欲望が強まり、加速して、もう……心ちゃんの願掛けじゃ通じないくらいに広がったせい!」

 咲 「一時的に収束はしても、また再び巻き起こってしまう。それに、心ちゃんがそんな規模の能力を何度も展開すると……」

 心 「死ぬかも、しれません。……だけど」

 心 「世界のゴミを排除するのが、私の仕事ですから」

 咲 「心ちゃん、何処へ行こうというの!?」

 心 「少し、ゴミ掃除に行って来ます。……欲望の強いゴミを排除していけば、次第に願掛けも通じるようになるかもしれません」

 咲 「そう、そうね。そうかもしれない……そうかもしれないわ」


 白鳥先生が、徐々に歪んでいったのを、私は知っていて見過ごしていた。彼女もまた、歪んでしまった存在。
だけど私には関係ない。晶と一緒に過ごせるのならそれでいい。そして、欲を言うならば妹とも一緒に――。


 ―― しかし、最大の事件の始まりは、鳥羽先生が執心していた研究、時空超越法と、赤坂朱理の疲弊。
そして、恋もまた当時の鳥羽修介の掌にあった事により、それは起きてしまう。

 最後に赤坂朱理に出会ったのは、彼女の能力により私の傍にやって来ては、私に鳥羽先生を止めて欲しいとお願いされた時であり、
彼女の願いを叶える為に私は鳥羽修介に会いに行った時には、既に彼女は抜け殻のように静かに横たわっていたのだ。

 その切欠により、私と言う存在が世界を滅ぼし、次世界を生み出す事になる――。



~~~ つづきます

えー、世界が滅びた原因はエロを奪ったこと! って事で以上で終わります。
エロって大事だったんですね! 頑張っておっぱい描かないと!!

……なんですかこれってカンジですが、お付き合いありがとうございましたー。


思えばXmasも近いという事で、24日或いはその前後ガンバって予約入れたいと思いますが、
21日に繰り上げするかもしれません。ともあれ、年始は違うのやりたいです。最後の長編になるかもしれないし……。

時間みたいですので始めさせていただきますww

登場人物
http://mb1.net4u.org/bbs/fantoms6/image/1png.html
http://mb1.net4u.org/bbs/fantoms6/image/2png.html

【前回までのあらすじ】
魔族勢が天界で絶対神の直属の下僕、時の女神三姉妹に出会う。
リヴィはウルド、リズエルはスクルド、レイニアはヴェルザンディーと戦うことなった。
リヴィとウルドの勝負の結果、リヴィは命を犠牲にウルドの撃破に成功する…。

【神の城1階層】
一人の女神と一人のアンデッドが倒れている。
時の女神ウルドは首をへし折られ、瞳孔を開きっぱなしのまま息絶えている。
一方のアンデッドもウルドに触れていたことで体が聖なる力で燃え始め、
最後には人の形をした焦げた燃えかすとなっていた。

天使兵「まさか…ウルド様が倒されるなんて…」
天使兵「相撃ちとはいえ、まさか…」

応援に駆けつけた天使兵たちが驚いている。この異様な現場には他の天使たちも集まっていた。
給仕を専門とする天使や掃除を行う天使など…。

天使兵「しかし全身が焼けただれているが…こいつは人間なのか…?」
天使兵「わからない。だが…肉体を調べても人間に違いないはず…。」
天使兵「首をへし折るとは…相当な怪力なのか?」

リヴィの肉体は人間そのものの為か、現場を調べる天使には彼女は人間にしか見えていないようだった。

天使兵「とにかく、他の侵入者もいるはずだ!!絶対に逃がすなよ!
    侵入者の狙いは神の筈…!地上を滅ぼされると聞いて黙ってなかったんだろうな!」


天使兵たちはその指示を受け、一斉に飛び立っていった…。

【神の城15階層階段】
スクルド「どうしたぁ!?当たってないぞ!?」
リズエル「ぐっ…」

時の女神スクルドとリズエルの決闘が始まっていた。しかしスクルドはリズエルの攻撃を軽々と回避している。
まるでどこに来るか分かるかのように…。

スクルド「リズエルと言ったな?…お前、よくそれで絶対神の命を狙おうとしたなぁ…!!」
リズエル「当たり前だ!!地上は滅ぼしてはいけない…!!」
スクルド「欲に溺れた愚かな天使が…!!」

リズエルは両手に剣を持ち、スクルドを狙う。だが、スクルドには攻撃は当たらない。
その様子にリズエルは怒りで我を忘れているかのようだった。

スクルド「君はまだ分かっていない。私に勝てない理由を!!」
リズエル「はぁ…はぁ…!!」
スクルド「私は時の女神…司る時間は未来!!」
リズエル「そういえば…そうだったな…」
スクルド「さすがに今後の未来を見ることはできないが…君の数秒後の未来くらいならいくらでも見れるのさ!!」

自身の能力を教え、スクルドは聖剣を構えなおすと、その武器を大きく振りかざす。
するとリズエルに向かって大きな真空波が襲いかかる!!
勿論、未来を見られている彼女にはその攻撃を回避することが出来るはずなく…

リズエル「うわあ!!」

リズエルは吹き飛ばされ、壁に勢いよく叩きつけられた。

【神の城頂上 神の部屋前】
魔槍を構えたレイニアと大きな杖を持ったヴェルザンディーがにらみ合っている。

レイニア「…」
ヴェルザンディー「…どうしました?様子を見ているだけでは…何も変わりませんよ?」
レイニア「ソフィアから聞きましたの…。あなたの能力は…姉妹の中で最も怖いことを…」
ヴェルザンディー「ほう、私はそんな風に思われてましたか」

ヴェルザンディーが表情一つ変えずに淡々と話す。彼女の能力は錬金術。
所持するカドゥケウスの杖で叩いた物の形を自在に変えることが出来るのだ。

レイニア「私が襲いかかれば…その杖で防御をする…。」
ヴェルザンディー「そうなりますね。…私はウルド姉さまやスクルドのように時間に関する能力が無意味です
         だからこそ…得たのですよ。」

ヴェルザンディーがそう言うと杖でコンと床を叩く。すると地面に光が走りレイニアの足元へと向かうと
突然床が隆起する。そして彼女の持っていた魔槍に勢いよくぶつかり、レイニアは持っていた魔槍を弾き飛ばされた。

レイニア「ぐっ…!!」
ヴェルザンディー「これが私の能力です。物質の成分を変えることは不可能ですが…
         形を変えて武器にすることは可能なのです。」

ヴェルザンディーがそう言って説明する。よく見るとレイニアの武器を弾いた石は何故か美少年の形をしていた。

レイニア「…随分いいセンスしてるんですわね」
ヴェルザンディー「セ…センスは気にしないでください!!」

ヴェルザンディーがコホンと恥ずかしそうに咳き込むと美少年の姿をした石像が床へと吸い込まれていった。
武器が天井に突き刺さり、攻撃手段の一つを早速失うレイニア。するとヴェルザンディーは>>564

腹巻を武器に変えた

するとヴェルザンディーは腰に巻いていた腹巻を取り出す。

レイニア「なんでそんなものを…」
ヴェルザンディー「天界は冷えるものでして。」

そしてその腹巻にカドゥケウスの杖を突くとそれは形を鞭に変えた。

ヴェルザンディー「さすがにこの杖では攻撃ができません。」
レイニア「うーん…せめてそこにあるカーテンとかでやればよかったと思いますが…」
ヴェルザンディー「…失態でした。ですが、武器を持たないあなたにどこまで対抗できますか?」

実際そうだ。レイニアは武器なしに対し、ヴェルザンディーは鞭と錬金術を使用してくる。
状況は不利なのは変わりはない。

レイニア「さすがに槍を抜いている暇は…なさそうですわね…」
ヴェルザンディー「別に抜くならどうぞ。」
レイニア「よろしいんですの?」
ヴェルザンディー「ええ、私の攻撃がよけられるならですが…」

そう言うとヴェルザンディーは持っている鞭で襲いかかる。
しかし…

レイニア「…うーん、確か素材は腰巻なんですよね?」
ヴェルザンディー「当然です。」
レイニア「鞭としては…素材は弱いと思うのですがいかがでしょうか?」

体が石で出来たレイニアにはダメージにすらなっていないようだった。
そしてレイニアは槍を引き抜くとヴェルザンディーに構え直す。

ヴェルザンディー「なるほど、魔石像種でしたか。ならばこんな武器じゃ無効だとわかります」
レイニア「ふふ、残念でしたわね!!」

鞭を投げ捨てたヴェルザンディーに魔槍をもって突撃するレイニア。すると>>567

蹴躓いた

魔槍を持って突撃するレイニア。だが、ヴェルザンディーも同時に杖で床を突く。
するとレイニアの足元に小さな隆起が出来…

レイニア「わっ…」

それにつまづき、転んでしまった。
そしてレイニアが倒れた後に隆起した床は元に戻る。

ヴェルザンディー「実に単純。槍を持って襲いかかる場合、足元に注意する。…当然ですね」
レイニア「いつつ…やりますわね…」

レイニアが起き上がり、背中の翼を展開させる。

ヴェルザンディー「背中の翼は…飾りではなかったんですね」
レイニア「ええ、今度は天井でも落とすつもりですか?」
ヴェルザンディー「それもいいかもしれません。カドゥケウスの杖は命が無いものにしか使えません。
           魔石像のあなたとはいえ命がある…。残念です。聖母像にでも作り変えてさしあげられなくて…」
レイニア「さすがにごめんですわ!!」

そしてレイニアが暗黒魔法を放ち、ヴェルザンディーを襲う。

ヴェルザンディー「くっ…なんてまがまがしい…!!」

ヴェルザンディーが怯んだ隙にレイニアが再び槍を持って襲撃する。
そして>>570

貫いた・・・果たして現実か?それとも幻か?

そしてヴェルザンディーの隙を見てレイニアの魔槍が貫く。
見事に貫いたのか…それとも…
砂塵が晴れたとき…そこにあったのは白い石像だった。

レイニア「なんですと…!?」
ヴェルザンディー「残念でした。…いやぁ実に残念です」

レイニアの背後から声が聞こえる。そしてそこには

ヴェルザンディー「…おしまいです」

大理石で作られた巨大なハンマーを持ったヴェルザンディー。
そして…

ヴェルザンディーの巨大なハンマーがレイニアをたたきつける。

ソフィア「レイニアさん!!」

勢いよく吹き飛ばされたレイニアは壁に叩きつけられ、動かなくなってしまった。

ヴェルザンディー「正義は…こちらにあったようです。」

その時だった。砂煙が再び晴れ、視界がクリアになったとき。何故か神の間の扉に
巨大な穴が開いていたのだ。

ヴェルザンディー「いつの間に…!?」

彼女は気づいていなかった。目先の相手と戦っていた為、そこを通り抜けた存在のことを…

レイニア「ふふふ…これだから…視界の…狭い方は…」

全身にヒビが入ったレイニアが笑う。そして右腕が外れ、そのまま動かなくなった。

ヴェルザンディー「一体誰が…!!」

ヴェルザンディーは急いで神の間へと入ってゆく。背後で見ていたソフィアもヴェルザンディーの
後をついて行った…。


【神の城15階層階段】
一方、堕天使リズエルと女神スクルドの戦いはどんな状態になっているかというと>>572

一時休戦で茶会開いてる

リズエル「はぁ…はぁ…くそ…全く当たらない…」
スクルド「はぁ…はぁ…お前…せめてこっちの攻撃の隙をだな…」

二人は既に疲労状態だった。攻撃に集中するリズエル。そして回避するスクルド。
未来が読めるのもすごいが、逆に攻撃ができないスクルドは避ける。ただただ避ける。
その結果がこれである。

リズエル「とりあえず…一旦休憩をだな…」
スクルド「…同感だ。」

既に武器を持てるほど力が出ず、魔法も既に使えない状態の二人は
一時休戦をする。

リズエル「とりあえず、お茶持ってきたんだ…」
スクルド「魔族のお茶なんて飲めると思うか?」
リズエル「飲めるだろうが、実際私が飲んでるんだし」
スクルド「堕天使は魔族と同族だろうて…」

リズエルは自分の持ってきたお茶を、スクルドも自分の所持する水を飲み体を休ませる。

リズエル「しかし、スクルドって未来つかさどってるのに…神が何を考えてるかわからないんだな」
スクルド「絶対神は、地上を滅ぼし、天使たちと共に新たな世界を作ろうとしている。」

スクルドが絶対神の考えを説く。だが、それを聞いてリズエルが大笑いをした。

リズエル「本当にそう思ってるのか!?大体それを直接神から聞いたのかよ!?」
スクルド「と、当然だ!!」
リズエル「なるほど…ウルドは何も言わなかったのか…妹にさえも」
スクルド「何故そこでお姉さまの名前が出る!?」
リズエル「じゃあ教えてやるよ。絶対神とウルドは…地上も天界も…全てを滅ぼそうとしてるんだよ!!」

リズエルがスクルドに知りえた情報を教える。すると>>574

絶望する

スクルド「おい…それ…本当なのかよ!!」
リズエル「ソフィア姫様が盗み聞いた情報だからな。
      地上、天界…全てを滅ぼし…絶対神は創造神に会う。」
スクルド「なんだよ…だから…これから先の未来が分からなかったのか…」

どうやらスクルドも分かっていたようだ。何故か未来がなかったこと。
これで大体の辻褄はあったようである。

リズエル「とにかく、神を止めないと…全てが終わっちゃうんだよ。」
スクルド「…」

スクルドは絶望しているようだった。…今まで信じていたことが全て偽りだった。
信じていた神や姉こそが裏切り者だったということを…

スクルド「リズエルと言ったな。神に勝つ確証はあるのか?」
リズエル「それはスクルドがわかるんじゃないのか?…未来を司ってるんだろ?」
スクルド「…まだ、全く見えていない。どう見ても…世界が終わるシナリオだよ…」
リズエル「そうですか…。とりあえず私はやることがあるからな。そこで絶望しているんだな」

リズエルはそういうと窓を開け、そこから羽ばたいて行ってしまった。
スクルドはその場に座り込み…黙り込んでしまった。

【神の城最上階 神の間】
絶対神の玉座の前に現れた侵入者。それは聖竜セリアと共に現れた勇者リオンだった。
レイニアたちの戦の隙を見てセリアが扉を破壊して侵入していたのだ。

絶対神「人間か…」
リオン「やっと着いたぞ…絶対神!!」
セリア「絶対神…あんたの企みも今日で終わりだよ!!」

リオンとセリアはそれぞれ武器を構える。それは二人が普段装備しているものではなかった。

リオン「神を倒すための武器を用意したんだ。これでお前も終わりだ!!」
絶対神「ふん…何かと思えば…そんな武器で私を倒せると思いか?」
セリア「倒せるから来たんだろうが…」

リオンとセリアが緊張した表情で神の前に立っている。すると絶対神は>>578

冷凍魔法を繰り出した

すると絶対神は冷凍魔法を繰り出す。
勢いの強い吹雪は二人の体を凍てつかせる…。

リオン「うおおお!?」
セリア「くっ…」
絶対神「全く愚かな者どもよ…」

気づいた時には…二人の体は頭部を除き、完全に凍り付いていた。
全くその場から動けそうになく、武器を構えたままの二人。

リオン「さ…寒い…」
絶対神「愚かな人間よ…」
リオン「死ぬ…。だが…死ぬ前に…せめて教えてもらおうか…」
絶対神「むぅ…?」
リオン「あんた…地上を滅ぼすんだろ…?…天界も巻き込んで…」

リオンもソフィアから聞いた情報を絶対神に尋ねてみる。
すると絶対神が驚いた表情を見せる。

絶対神「実に驚いた。まさか私の企みを知るものがいたとは…!!」
リオン「娘さんが教えてくれたんだ…」
絶対神「ソフィアか…。いかにも!!この世界は腐っている!!
     人間も、魔族も、そして…天使も!!」
リオン「それですべての世界を滅ぼして…創造神に出会って…」
絶対神「新しい世界を作り直す!!今生きる者共を全員滅ぼしてな…!」

絶対神がどんどん話を進めてゆく。ウルドと手を組み、全ての世界を滅ぼす。
そして…新しい世界を創造しようとすることを…。
神は冥土の土産へと勇者リオンに自身の目的を話していると>>580

リオンの秘められた力が覚醒

そして神は冥土の土産にと勇者リオンに自身の目的を話していると
突如リオンの体を炎が包み込んだ。

セリア「!?」
絶対神「な…なんだこれは!?」

セリアの氷も解け、そしてリオンの体も自由になる。

リオン「これは…」

炎が消えるとリオンの体は突如力がみなぎってくる。持っている武器…神殺しの剣が
とてもじゃないが軽く感じているほどだった。

セリア「リオン!!お前…!一体何が!?」
リオン「分からない。なんか神がムカつくと思ったら…突然…」

Lv12程度の村勇者が秘められた力を解放した…と言ったとこだろうか。

絶対神「ぐぬぬ…しかし、それがなんだ?お前が謎の力に目覚めたところで…
     私を倒せると思っているか?」

絶対神は玉座から立ち上がり、笑う。

絶対神「例え人間一人が謎の力に目覚めたところでなんだ!?」
     世界が終わるのは…変わらない!!人間も…魔族も…天使も…
     全ては邪魔な存在なのだよ!!」
リオン「…」
セリア「…」

人間と聖龍に向けて神の言葉が向けられる。そして神が神罰を執行させようとした
その時だった>>582

創造神が絶対神にダメを出す

神罰が執行されようとしたその時だった。突然空の上から声が聞こえてくる。

創造神「…我は…創造神…。この世界を創造し、見守るもの…」
絶対神「おお、創造神…私の願いをかなえてくれるのですね…!!」
創造神「いや…絶対にダメなんだが…」
絶対神「…え?」

その時だった。リオンとセリアが笑い始めた。それも…大笑い状態だった。

絶対神「な…なんだ、お前たち!!」
リオン「いやぁ…神様さぁ…あんた最高だよ…!!」
セリア「うむ…もし声優やってたなら売れていたかもなぁ…声優だったらな」

セリアがそう言ったその時だった。突然窓から天使たちが侵入してくる。下級、中級…
全ての天使たちが集まっていたのだ!!

天使「…絶対神、よくも俺たちを裏切ったな!!」
絶対神「な…なんのことだ…!?」

何故天使たちが絶対神の企みを…?その時、リオンが種明かしを開始する。

リオン「この剣…神殺しの魔剣っていうんだが…
    実はここにカメラが仕込まれてだな…」
セリア「ちなみにこのグローブにはマイクが仕込まれてだな…
    だからこれは神殺しのグローブなわけで」
絶対神「カメラ…マイク…?!」
リオン「そして…その放送先は…天界だ!!」

リオンが指差す先には絶対神の映る映像が空に表示されていた。
実はこの仕掛けこそ、リヴィが仕掛けておいた最後の手段だった。

リオンが任せられたのは神を倒すことではなかった。
…神を真意を天界全てに伝えることだったのだ。

リオン「まさか創造神にまで伝わるとは思わなかったけどなぁ」
セリア「私も驚きだ。だが、言葉はちゃんと伝わるようだな!!」
絶対神「そんな…違う!!これは…違うんだ!!」
リオン「あ、その慌てふためく様子も絶賛放送中ですんで」
絶対神「何だと…。何だとぉ!!」

全てをバラされ、天使たちを敵に回してしまい、創造神にすら拒否された神は>>584

存在が次第に薄れていった

絶対神「そんな…お前たち…ウルド!!ウルドはいるか!?」

絶対神はウルドを呼び出す。だが、現れたのは…ヴェルザンディーだった。

ヴェルザンディー「話は全て聞かせてもらいました。…よくも騙してくれましたね…」
絶対神「ヴ…ヴェルザンディー…!?」
スクルド「スクルドもいる…!そしてウルドお姉さまは…既に死んでいます」

二人の女神が現れるも、その瞳は絶対神を睨みつけているようだった。

ヴェルザンディー「どうやら…正義は魔族にあったようです。」
スクルド「リズエルの言うとおりだったよ。」
リオン「とにかくだ!!既にお前を信仰する者はもういない!!
     愚かな邪神が滅ぶ時が来たようだな!!」

信仰の力が薄れていう絶対神は既に存在も薄くなっているようだった。
信仰されていたからこそ得ていた強大な力は今はもうない。

巨大な体の神はどんどんと縮んでゆく。

セリア「さて、勇者よ。神を倒す時が来た。これで君もレベルアップ間違い無しだな」
リオン「う…うむ!!これで地上は救われるんだろ…!!」
絶対神「ま…待て…。わ…私は神だぞ…この世界を支配し…秩序を…」
リオン「くどい!!この平和な世界に…神なんてもう必要ないんだ!!」

リオンの神殺しの魔剣の一撃…。その一閃を浴びた絶対神は>>587

萌えキャラ化

戦いが終わった後…。天界の者たちは地上へと移り住んだ。
レイニアも生命である命の石が無事だったため、即復活した。
その時、少し体が細くなっていたようだが誰も突っ込まなかったらしい。

ちなみに絶対神はリオンに斬られた後、姿を少女に変えた。

絶対神「あうう…何故こんな姿に…」
リオン「いや、俺もわからん…」
セリア「おそらく天界の神力と魔族の魔翌力がまじりあった結果だろうな。
    …リヴィの端末みたいに」
絶対神「神の裁きも使えないしこれじゃただの人間だよ!!」

すっかり萌えキャラとなり安全な存在にまで堕ちた神。
もはや過去の威厳などはこれっぽっちもなかったようだった。

また奇跡というものは存在するらしい。リヴィがウルドに倒された…のだが
天界にて天使の姿をしたリヴィに出会ったのだ。
この天使こそリヴィの生前の者の魂だった。
リヴィは肉体を…天使のリヴィは魂を持っており、
天使の姿をした本来のリヴィが肉体に入ることで、復活をしたのである。
その時、彼女は天使でも魔族でもない新種族としてではあるが…

リヴィ「いやぁ、まさか生前の魂と一つになれるとは思えませんでしたの!」
リヴィ(天使)「わ…私もびっくりだよ…でも人間として復活はできなかったんだね…」
リヴィ「お互い魔族と天使ですの。仕方ないですの!」

そして復活したレイニア、リヴィたちが英雄リオンたちと合流すると>>590

何故か万歳三唱

リオン「レイニア、リヴィ!!生きてたのか!!」
レイニア「命が無事でしたの。それに…天界の石は実にいい素材を使用していますし」
リヴィ「私も、まさか生前の魂が天使をやってまして…あ、紹介しますの。もう一人の私で」
リヴィ(天使)「ユリエルって言います…。リヴィちゃんが肉体を大切にしてくれて…お蔭でまた一つになれました!」
セリア「奇跡か…しかし復活してよかった。」
リオン「うむ、俺も何か不思議な力に目覚めて!」
リズエル「私も頑張ったんだぞ!あのモニタ広げたりして!!」

その後全員で万歳三唱。世界の平和を護ることに成功した者たちはとても嬉しそうな
表情をしていた。

その後…
1年の時が経過した。地上に天使の町が開拓され、また新たな種族が地上に住むことになった。
そして例のバーにて…

コトノ「いらっしゃい…。」
ヴェルザンディー「飲みに来ました。コトノさん」
コトノ「まぁ珍しい…ヴェルちゃんが来るなんて…」
スクルド「スクルドもいるよー」

この地上になれた女神は邪神へと種族を変え、生活している。
自由を手に入れた女神たちは表情を生き生きさせている。

ヴェルザンディー「それでですね、次の漫画でこのカップリングを…」
コトノ「カップリング…?」
ヴェルザンディー「あれ、コトノさんもしかしてBLは嗜みませんでしたか?」
コトノ「BLはちょっと…」
スクルド「ごめんね、コトノさん。ヴェル姉さん実は隠れオタなんです…」
コトノ「邪神になったらオープンになったね…」
スクルド「いえ…実は昔からこの手に興味あったようでして…」

BL趣味がオープンとなり、今では本も出版しているヴェルザンディー。
そして今後の本のことについてコトノに意見を聞いていると>>592

魔王の娘が行き倒れ状態で来店

ヴェルザンディー「それでですね、やっぱ組み合わせとははこっちが攻めでですね…」
コトノ「ごめん、全然わからない。だからサービスにはいこれ」

コトノがヴェルザンディーのカウンターにカクテルを置く。すると同時に扉が開く。

コトノ「いらっしゃい…」

みすぼらしい姿の少女。彼女はなぜかふらふらな様子だった。

???「お…おなかすいた…」
コトノ「…大丈夫!?」
スクルド「貧困層の魔族か!?」
コトノ「分からない…。でも、このまま放ってはおけない…。
    ごめん、今日はもう閉店…。今日の分はサービスするから」

二人の神を払い、コトノは行き倒れの少女を保護した。
…しかし彼女はまだわからなかった。行き倒れの少女こそ…
実は200年前に死んだ魔王の唯一の娘だということを…

今日は時間ということでこれで終わりです。
しかしまだ終われそうにないようでww
多分次回で最終回になるかと…きっとww

【12/08 (日) 23:41時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/10 (火)
  21:00~/ミント ◆MINTG/yggg:氏 - 300年後へようこそ 8話目「新しい世界へようこそ」

ID:GYIYPG9X0さんへ
そんな無理に書かなくていいんですよ。本当に規制されちゃいますし。

というわけで平日に取ってみたのですが、人いるかわかりませんがゆっくりやりますよ

登場人物 更新
http://mb1.net4u.org/bbs/fantoms6/image/3png.html

【前回までのあらすじ】
勇者リオンによって絶対神は消滅。同時に手を組んでいたウルドも死んだ。
1年後、魔王の娘が突如姿を現した。

【バー HELL'S GATE】
コトノ「昨日拾った魔族ちゃんなんだけど…本人は魔王の娘だというのでレイニアとアルガンを呼んだ次第で」

コトノが淡々と話し、一人の少女を紹介するがレイニアたちはその姿を見て完全に開いた口が開いていなかった。

レイニア「いあいあ…まさか…」
アルガン「しかしそのお姿…まさかに魔王の娘リューン様…」
リューン「やっと信じるのが出てきたわね!そうよ、私こそ魔王ゼルドの娘…リューンよ!」

リューンは自分の胸に右手を当て二人の前に立つ。カウンター越しにはグラスを拭くコトノと
ツマミを調理するリズエルの姿があった。
リズエルは酒の味に見事に溺れ、コトノの下で修行をするといい、店員第一号となったのである。

コトノ「なるほど…。この魔族ちゃんは確かに魔王ゼルドの娘だと…」
アルガン「しかし、200年もの間一体…」
リューン「そりゃあもう生き延び続けたわ。私ってこれでも魔族のエリートだから、なんでも食べて生きたし」
レイニア「それってエリートっていうのかしら…」
アルガン「しかし、今の世の中クルテットカンパニーが発見してるんじゃないのか?」
レイニア「リヴィは興味がないものには全く示しませんわ。魔王直属の部下じゃないわけですし」
リューン「まぁ…そういうわけで魔王の血族はまだほろんでないわ!」

リューンは幼いながら逞しく生きていたんだろう。時には落ちていた食べ物を食べ、時には雑草までも…
それを想像すると元部下たちはとても悲しそうな表情になった。

レイニア「まぁ…大変だったんですわねぇ…。」
アルガン「しかし、どうするんです?今の世の中…魔王…そしてその血族は不要の存在…。」
リューン「そうみたいね…。コトノさんから聞いたわよ。パパの親衛隊がアイドルやってるって…」
レイニア「さすがにコトノさんのことは呼び捨てにはできないみたいですね…」
リューン「コトノさんは別よ!!なんか…絶対にこう呼ばないといけないオーラが…」
アルガン「それでリューン様はこれからどうするつもりで?」
リューン「>>602

何処かに手ごろな勇者はいないかしら?

リューン「どこかに手頃な勇者はいないかしら?」

リューンは自信有りげにそう言った。これにカクテルを吹き出す二人。
そして調理中のフライパンをひっくり返すリズエル。

リズエル「す…すいません…」
コトノ「リズ…それ給料から引いとくね」

レイニア「て…手頃な勇者…ですか…」
アルガン「はは…勇者か…」
リューン「これでも魔族のエリートですの。せめて勇者を倒して名声を上げたいの」
レイニア「な…なるほど…」

この三人の思いつく勇者はたった一人だった。1年前、絶対神を滅ぼし、
世界に平和をもたらした勇者リオンである。

リューン「ちなみに私だって人間の寿命くらいわかってるわよ!?
      パパを倒した勇者なんて生きているはずないし」
アルガン「そ…そうですよねぇ…。しかし今の時代勇者なんてのは…
      ほら、平和な世の中ですし…」
リューン「そう…でもほら…1年前に神を殺した人間がいたじゃない?」

三人が再び反応する。まさか…

リューン「その人間と私が戦いたい。…人間対魔王として…」

感づかれてしまった…!!勇者リオンの存在を…!!

レイニア「しかしですね、その人間は今どこにいるかわからない状態でして…」
アルガン「うむ…神を倒してから旅に出たとかで…」

二人が口を濁しながらリューンに説明する。すると>>604

リューンはあっさり諦めて次善の策を講じることにした

リューン「旅に出たのか…。じゃ仕方ないわね…」

と言ってリューンは新たな何かを考え始めた。
ブツブツと椅子に座り、考え始める魔王の娘。するとリズエルがカウンター越しに
ツマミを出す。

リズエル「お待ちどう様。ご注文のチーズフライです」
レイニア「ああ、どうも」

ツマミを口にし、満足そうな笑顔を見せるレイニア。
するとリューンがこれに食いついてくる。

リューン「なにこれ、コトノさん作ったの見たことないんだけど!」
レイニア「何って…チーズを皮で包んで揚げたおツマミですが…」
リューン「魔王城でも外でも見たことがない…」
コトノ「リズの創作…。意外と評判がいい」
リズエル「そうなんだよ。あ、ちなみにこれ、隠し味のハーブがな…」

料理を褒められご機嫌のリズエルがペラペラと語りだす。
ちなみに最初はふんふんと興味を示すようにリューンは聞いていたが
途中から飽きちゃったようで、レイニアのチーズフライを一つつまみ、口にする。

リューン「美味しい…。」

目をキラキラさせ純粋に料理の味に感動するリューン。
リズエル曰くこれが最初にメニューとして認められたものらしい。

リューン「リズエル!私にも!!」
リズエル「お前金持ってんのか?」
リューン「…ないです」

金銭の問題であっという間に撃沈するリューンはションボリとしてしまった。
そして、再び静かな空間が生まれると>>606

チーズフライの山が
黄金に変わっていた

そして、再び静かな空間がうまれると…今度はチーズフライの山が急に重くなる。

レイニア「重っ…!なんだこれ…!!」

レイニアがチーズフライを一つ取って調べてみる。そして皮をはがしてみると
そこから黄金が出てきた。

レイニア「黄金…」
コトノ「!?」

コトノとリズエル、アルガンも反応する。確かに中から黄金が現れたのである。

コトノ「リズ…異物混入」
リズエル「いあいあ、コトノさん!!有り得ませんて!!」
レイニア「確かに…普通のチーズフライもあったのに…」
アルガン「これ…錬金術ってやつじゃ…」

錬金術で思いつく人物はたった一人いる。邪神ヴェルザンディーだ。
しかし彼女は今日は来店していないし、そもそも彼女の錬金術は
物質を別な物質に変えることは出来ない。その結果、全員の視線がリューンへと向けられる。

リューン「ん?何?」
レイニア「もしかして…リューン様なんです?」
リューン「そう思うじゃん?…でもね、こんな真似出来るなら…ホームレスなんてやってないと思うよ?」
コトノ「確かに…」

リューンは回転する椅子で遊びながらそう言った。
ちなみに黄金はコトノに回収され、リズエルが新しいものを作り直したのだった。

コトノ「ひどいイタズラ…。リズ、とりあえず今後も要注意…」
リズエル「あ、はい!」
レイニア「そういえば一つ気にあることがあるんですけど」
コトノ「何?」
レイニア「リューン様は…今後どうなる予定なんです?…衣食住とか…」
コトノ「彼女一文無しなのよね…。あ、これ手切れ金にすればいいのか…」

そう言ってコトノは黄金を直接リューンに手渡した。そして改めて同じ質問を
リューン本人に聞いてみると>>609

適当に世界を見て回るとするよ

リューン「適当に世界を見て回るとするよ」
レイニア「まぁ、随分とご立派な。死んだお父様もきっとお喜びに」
アルガン「妹よ、なぜそんな棒読みなのかな?」
リズエル「お兄さんも棒読みなんですけど…」

そしてリューンは黄金を持ってご機嫌そうにバーから立ち去っていってしまった。

コトノ「…まぁこれで仕事に集中できるわね」
リズエル「昨日大変でしたからねぇ…。うち天界の住民しかいませんし…」

昨日何があったか分からない。しかし…そうとう面倒なことがあったに違いない。
そう二人は思うのだった。

【翌日 クルテット邸】
リヴィ「やはり、ここの組み合わせはこうで…」
ヴェルザンディー「いいえ、逆でしょう…」

新種族となったクルテットカンパニーの会長と邪神となった女神は朝から語り続けている。
勿論議題は…

リヴィ「やっぱ責めは強気な男の子ですの!!」
ヴェルザンディー「いいえ、この場面だからこそ内気な…」

BLだった。実は隠れヲタだった女神ヴェルザンディーはちょいちょいやってきては
リヴィと語り合っている。

マミ「やれやれ、お嬢様だけでも精一杯だというのに…」
スクルド「ごめんねー。今日は違う目的できたのに…」
マミ「違う目的…ですか」
スクルド「うん、あの勇者くんのことなんだけど…」

スクルドが持ってきた話題。それは勇者リオンの今後についてだった。

スクルド「彼って…過去の人間じゃないかな?」
マミ「はい、300年前と聞いております」
スクルド「それで…元の世界に戻す方法についてをと思って…」

スクルドが本題を呟くとヴェルザンディーが何かに気づいたように立ち上がる。

ヴェルザンディー「そうでした!私としたことが…」
リヴィ「ほぇ?」
ヴェルザンディー「勇者リオン君のことです!彼を元の時代に戻すべきか…
            もし彼が戻りたいというなら力になろうかと…!」
リヴィ「なるほど…確かにリオン君はこの時代の人間ではありませんの
    では、本人にちょいと聞いてみますの!」

リヴィは携帯を取り出すとリオンに向けて通話する。そして今回の女神たちの提案について
リオンの答えを聞いてみると>>611

戻って何かいい事が有るのか?

リオン「戻って何かいい事が有るのか?」
リヴィ「うーん…多分オークに殴り殺されて終わりだと思いますの!」
リオン「…、やだ!!絶対に戻りたくない!!この時代で平和に暮らすんだ!!」

リオンは必死で抵抗する。彼が元の時代に戻ったら…きっとオークに殴られ…
そして短い人生に終りを告げるだろう。
そして…

リヴィ「戻るの嫌だそうですの」
ヴェルザンディー「そうですか…。なら仕方ありませんね!」

割とあっさりとした回答に割とあっさり受け入れる女神は再び同人誌に手をかけたのだった。

スクルド「…まぁ、歴史になんの変動もないし…いいのか…」
マミ「基本勇者リオンはLv12のヘタレですので…」
スクルド「絶対神は…さしずめ経験値持ってないラスボスってとこか…」

Lv12の勇者はこの時代に骨を埋めることに決めたようだった。
そして問題の話しが終わると再びリヴィとヴェルザンディーは二人の世界へと入っていった…。

一方、問題のLv12勇者はというと>>613

カジノでスロットにふけていた

そしてLv12勇者はというと…

リオン「いやぁ、今日は儲かる儲かる!!」

彼は今、人間街のカジノでスロットマシンに没頭中だった。
救世主となった彼は多額の報酬を得て、悠々自適に生活をしている。

少なくとも彼が死ぬまでは資産は決して無くならない額だろう。

リオン「とりあえず新機種出たと聞いたが、まさかここまで設定緩いとか!!」

ちなみに彼は今無職である。一人暮らしにいい家を購入し、適当に安い食事を買い、
残りの金をほとんど娯楽で蒸発させていた。

リオン「今日は割と儲けたなぁ。こんないい時代…逃げられるはずがないじゃないか!!」

まだ陽が出たばかりだというのに遊び回る元英雄は今ではただの遊び人として有名だった。
そして札束をパラパラと捲り、金額を確認していると…

少女「じーっ…」
リオン「ん?」

小さい少女にじっくりと見つめられていた。汚い大人の姿をじっくり見る少女。
それにリオンは慌てた様子で札束を隠す。

リオン「うわぁ!!…き…君は?」
リューン「リューン!魔王の娘!」

元気に自己紹介する魔王の娘にリオンは冷や汗を流しながら立ち止まってしまった。

リューン「どうしたの?今日はそんなに暑くないけど…」
リオン「いや…その…」

完全に動けないくなぅたリオン。そしてリューンは>>615

札束を奪って去っていった

リューン「それじゃこれ、もらっていくわね!」

リューンはそう言うと札束を奪って去っていってしまった。

リオン「あ、ちょっと…!!」

するとリューンは何を思ったのか彼のもとに戻ってきて…

リューン「あ、これあげる。昨日貰ったけどいらないから。それじゃーねー」

リオンの手に5センチほどの黄金を置いて彼女は再び去っていってしまった。

リオン「そんな…今日の収入が…。」

リオンは絶望した。せっかく1000G1枚で60万まで勝てたというのに…
せっかくの記録が…しかし…

リオン「まぁいいか。まだ金あるし…。あの金であの娘が助かると思えば…
     しかし、何故黄金を持ってんだ、あの…自称魔王の娘…」

恐らくあの札束よりも価値のあるものだと思う。だが、リューンは換金する方法が
分からなかっただけなのだろうと…。リオンは一人でそう思い、納得したのだった…。

その後、その出来事をいつものバーでコトノとリズエルに話すと>>617

大爆笑され、摘まみをサービスしてくれた

リオン「そして自称魔王の娘に金を取られた挙句、渡されたのがこれだ」

リオンはそう言って二人の前に黄金を出す。するとリズエルが見事に大爆笑をした

リズエル「お前…その黄金、昨日ここで発見されたやつだぞ…!!」
リオン「なんだと!?」
コトノ「それに…その娘…リューンって名前じゃなかった…?」
リオン「よく知ってるな」
コトノ「あの魔族ちゃん…本当に魔王の娘…」
リオン「…えええ!?本当だったの!?」
リズエル「ははは、お前どんな運持ってんだよ!!これ奢るわ」

そう言ってリズエルはツマミをリオンの前に置いた。サービスらしい。
するとそこにセリアが来店する。

セリア「あれ、勇者じゃん。珍しいね、ここに来るなんて」
リオン「うん、何かちょっと飲みたくなって…」
セリア「へぇ…どうでもいいがコトノさんには手出すなよ。
     リズが来る前お前コトノさんに手だして…」
リオン「やめてええええええええ!!」

リオンの過去を話のツマミにしセリアはいつものカクテルを頼む。

セリア「ふふ、まぁ今日は飲もうじゃないか。最近飲んでなくてなぁ」
リオン「…はい」
リズエル「そういえばセリアは聞いたか?魔王の娘について」
セリア「学園で聞いたよ。レイニアから。」
リズエル「それが今日リオンも会ったみたいでな。金持って行かれたらしいぞ」

リズエルがクススと笑いながらセリアにリオンの今日の出来事を話すと>>619

何故かリューン登場

セリア「お前…ほんとに面白いやつだな…」
リオン「もう…勘弁してくれ…頼む…!」

セリアに笑われ、リオンが泣き上戸モードに入っていると

リューン「来てやったわよ!」
コトノ「いらっしゃい…って魔族ちゃんじゃない。世界一周がたった1日で終わり?」
リューン「人間街と天使街見てきたの。なんか魔族街と比べると全然田舎ね。」

何故か帰ってきたリューン。どうやら3大陸を回ってきただけのようだった。

リオン「あー!お前!!」
リューン「あれ!さっきの人間!!なんでいんの!?」
リオン「そりゃ飲みに来たからで…!!ってかお前こそ子供が酒飲んでいいのかよ!」
セリア「リオン。リューンは既に200年以上生きてるぞ。法律上大人だ」
リオン「まじかよ…」
リューン「コトノさん、今日はお金あるんだから!!オレンジジュースとおツマミ!!」
リオン「やっぱ子供じゃねぇか!!っていうかそれ俺の!!」

しかしリオンのことは一方的に無視され、彼女の前にオレンジジュースとポテトチップスが用意される。

セリア「へぇ、彼女がねぇ…」
リューン「美味しい!!」
リオン「魔王の娘には全然見えんな…」
コトノ「見えないけど魔王の娘…これでも200年間ホームレスをやってた…」
リオン「はぁ…」
リューン「でも勇者って中々見当たらないものね。やっぱ時代が平和だからなのかなぁ…」

リューンがそんなことを言うと勇者という言葉に反応する男が一人現れる。

リオン「ちなみに俺、勇者だが?あの天界の神サマ倒したっていう」
リューン「うそ!?無職にしか見えなかったのに!!」
リオン「まぁ…今は無職なんですけどね…」

驚くリューンに心を傷つけられるリオン。するとリューンは>>621

プロポーズをしてきた

リューン「絶対神を倒したっていうのは…本当なのかしら?」
セリア「本当だ。実際私が隣にいたからな」
リューン「気に入ったわ。あなた…私と結婚しなさい!!」

リューンの一言で全員の動きが止まる。コトノも持っていたグラスを落とし、
リズエルも驚いた表情で止まる。
そしてこの静寂を打ち破ったのはリオンだった。

リオン「な…何故!!何故魔王の娘と!?」
リューン「ほら、英雄と魔王の結婚なんて…非常に珍しいじゃない?」
セリア「まず有り得ない組み合わせだな」
リズエル「おかしすぎるだろ…どう考えても」
リオン「そりゃそうだ…とりあえず親御さんに相談を」
リューン「パパ200年前に勇者に倒されたしうちの血族で残ってるの私だけだし…」
リオン「まじか…」

リオンは拒否するも彼女もなかなかそれを認めない。
わがままさも魔王級のようだった。

セリア「まあいいんじゃないの?リヴィもレイニアもなんだかんだで心配してたし
    …結婚についてだが」
コトノ「つまりおめでとうってこと?」
リオン「いや、そんな…俺に拒否権は…」
リューン「無いわよ。でも安心して。結婚するからにはいいお嫁さんになるからねっ!!」

リューンが頬を染めながらリオンを見つめる。セリアたちも面白そうな表情で
ふたりを見る。つまり楽しんでいるだけのようだった。
そしてリオンはというと>>623

じゃあとりあえずホテル行こう

リオン「わかった。とりあえずホテル行こうか!」

受け入れてしまった。ちなみにその時既にもうどうにでもなれと
そんな表情もあったようで、度の高いアルコールを一気飲みし、
バーを出て行った…

コトノ「もう完全に堕ちた…」
リズエル「いやぁ、勇者って面白いなぁ!!」
セリア「まさか永遠に結婚はないと思ったんだがなぁ…」

ちなみにこの話はあっという間にバラされたのは言うまでもなかった。



その後…

レイニア「…」
リヴィ「おー…」
ソフィア「勇者くん…すごいですねぇ…」

クルテット邸に集まった者たちの間にリオンとリューンの姿があった。
ベタベタにくっつくリューンと完全にやつれたリオン。傍からみたら完全にリューンが
指導権を握っているようだった。

レイニア「いや、しかし…まさか魔王の娘と結婚することになるとは…」
リヴィ「やっちゃった婚ですの!これは一面記事間違いなしですの!!」
ソフィア「おめでとう…としか言えませんね…」

リオン「っていうか、リューンはもうね…ただの子供かと思ったのに…」
リューン「これでも魔族のエリートですの。子供の作り方だって知ってるわ!
     …でも人間は非常に弱いわ。リオンの場合すぐに弾切れに…」
リオン「やめてくれえええ!!ヴェ…ヴェルザンディー!何か方法は…!!」
ヴェルザンディー「残念ですが、私は現在を見る邪神…時間をどうこうすることは…出来ません
            それより、いつ籍を入れるのです?今でしょ!」

ヴェルザンディーが妙なことを言うとリヴィが二人の前に婚姻届を用意する。

リヴィ「さぁ、リオン君。もう覚悟決めるしかないですの!!」
リオン「ううう…うわああああああ!!」

リオンは発狂したように婚姻届に自分の名前を書きなぐる。…完全に
周りの空気に押し負けられ、結婚を認めてしまったのだった!!

300年前からこの時代に飛んだ理由は一切分かっていない。
もしかするとリューンが導いたのかもしれない…。


リューン「もうヤケだ!!魔王にも勇者にも!!何にでもなんてやるぅ!!!」


終わり

とりあえず300年後へようこそはこれで終わりです。
もう無いwwこれ以上はないwwww
多分ハッピーエンドだと思いたいですww

次回も何かやってよければ、是非お世話になります

素で間違えた(´・ω・`)
ごめん、つっこまないでくだしあww

どもー。じゃ、早速始めます。

◆この世界は俺にだけ厳しい-後編-

<前回のあらすじ>
 世界の不幸を背負ったような男、茂兵衛。
 その彼の元に突如やってきた、不幸の女神・姦子。

 不幸になることで溜まっていく不幸ポイントがたまり過ぎたと言う。
 その不幸ポイントをなんとかしてほしいので、不幸ポイントを使って欲しいとお願いしにきたのだ。

 茂兵衛は更なる不幸の予感をひしひしと感じるのだった。


■茂兵衛のハンドアウト
 まだ茂兵衛の不幸は加速していく。
 このまま不幸をたまっていくと、周りを巻き込んだ不幸すら生み出しかねない。
 それを避けるためには……やはり不幸になるしかなかった。


■姦子ハンドアウト
 不幸になりすぎた茂兵衛に出会い、彼の不幸体質に驚きを隠せない。
 彼の不幸はこれ以上放置できない。
 茂兵衛にどうしても不幸ポイント使って貰わなければならない。

■SCENE2-1
姦子「さあ、茂兵衛さん。不幸ポイントについての説明をさせてもらいます」
茂兵衛「いらぬっ! 要らぬよ! なんで自ら望んで不幸にならなくちゃいけないんだよっ!?」
姦子「それは……貴方がこれ以上不幸になると……周囲を巻き込んだ不幸が起きるからです」
茂兵衛「……そ、それって……? たとえば、どんな不幸?」

姦子「そうですね……たとえば>>630です」
茂兵衛「……そのくらいか」

世界中の人間が貴方と同じ顔になる

姦子「そうですね……たとえば世界中の人間が貴方と同じ顔にです」
茂兵衛「……そのくらいか」

 姦子の言う不幸を聞いて茂兵衛はほっと胸をなでおろす。

姦子「あ、でも……貴方は別ですよ?」
茂兵衛「というと?」
姦子「強過ぎる不幸のパワーのほんのあおりを受けているだけですから」
茂兵衛「……え? え?」
姦子「まあ分かりやすく言うと……」

 そういうと姦子はビール瓶を取り出す。
 そしてそれを……。
 茂兵衛に向けて振り下ろす。

茂兵衛「ぎゃーーーっ!!」
姦子「ぎゃーーっ!」

 すると、茂兵衛を殴って壊れた瓶のかけらが姦子の頭に跳ね返る。
 不幸なことに同じ場所に傷が付いた。

茂兵衛「おのれ、わざわざ殴らなくても……」
姦子「お変わりいただけただろうか?」
茂兵衛「分かった! 分かったよ! 不幸ポイント使えばいいんだな? それでどうやって使うんだ?」
姦子「はい。簡単に説明すると、>>632するだけです」

エロゲーの評論

■SCENE2-3
茂兵衛「分かった! 分かったよ! 不幸ポイント使えばいいんだな? それでどうやって使うんだ?」
姦子「はい。簡単に説明すると、エロゲーの評論するだけです」

 姦子は頭から熱い血をだくだくと流している。今、まさに茂兵衛と同じ顔になっているのだ。
 彼の不幸によって。

茂兵衛「エロゲーの評論! なんでそんなに時間のかかることが発動条件になってるんだよ!?」
姦子「やはり、私は不幸の女神ですので……。貴方の発動条件はそういう風になっているのです。
   やっぱりさっきの幸福の男神さんに不幸ポイントを浄化してもらいますか? そ、その、ちぎってもらいますか?」
茂兵衛「そ、それはイヤだっ! ぜ、絶対にイヤだ!」
姦子「ですよねー……私ももうちょっとくじ運が良ければ、性交だったんですけど」
茂兵衛「クジで決まってんの、それ? ああ、もういいや。俺は銀行に行く」
姦子「お手伝いしますよ。強盗ですよね?」
茂兵衛「違うよっ! 普通はお金を下ろしに行くだけだろ!」
姦子「ぇーそうなんですか? 銀行強盗くらいすれば、貴方の不幸ポイントはあっという間に消耗されるのにー」
茂兵衛「人生棒に振るくらいの不幸なんていらーん!」

 茂兵衛はサイフを確認する。
 ぽんぽん……ぽんぽん……。

茂兵衛「あれ、サイフが……>>634……?」
姦子「え、そ、それじゃあ、やっぱり……強盗?」

サイクロプスに

■SCENE2-4
茂兵衛「あれ、サイフが……サイクロプスに……?」

 どういう理屈なのか、茂兵衛のサイフが……

 サイクロプスに変化していた。

サイクロプス「お前のサイフの中に入っていたお金が欲しければ、俺と戦って勝つことだな」
姦子「え、そ、それじゃあ、やっぱり……強盗?」
茂兵衛「元々は俺の金だから、その発想は可笑しいだろっ!?」

 しかし、一つ目の化け物を倒せるほど、茂兵衛はイマジンブレイカーしていない。
 茂兵衛はすぐに決断を下していた。

 あのお金は諦めよう、と。
 
 これは不幸なんだ。不幸なんだから、もう落としたものだと思った方がいいだろう。


茂兵衛「銀行に行こっ! お前はついてくるなよ?」
姦子「えーそういうわけにはいきませんよ。貴方がエロゲーの評論をした瞬間、貴方に不幸を与えないといけないんだから」
茂兵衛「問答無用で不幸がやってくるの!? じゃあ、何か? 昨日やったゲームがクソだったって言うだけで不幸が降りてくるの!?」
姦子「はい♪ お任せ下さい」

 問答無用すぎる姦子の発現に、茂兵衛はひしひしと恐怖を覚えていた。

茂兵衛「……ちなみに、お前不幸の女神だからって、近くにいるだけで不幸になるとか……そういうの、ないよな?」
姦子「何を言ってるんですか。そんなの>>636ですよー。当たり前のこと聞かないで下さいよー。やっぱりサイクロプス倒してみます? 私達2人で」

餅つき怪獣モチロン

■SCENE2-5

茂兵衛「……ちなみに、お前不幸の女神だからって、近くにいるだけで不幸になるとか……そういうの、ないよな?」
姦子「何を言ってるんですか。そんなの持ちつき怪獣モチロンですよー。当たり前のこと聞かないで下さいよー。
   私と一緒にいるだけであらゆる不幸に見舞われますよ?
   やっぱりサイクロプス倒してみます? 私達2人で」
茂兵衛「……やめておこう。余計不幸になりそうだ……」
姦子「もろちん! ファンブル大連発で、戦闘中も大ピンチの連発ですよ」
茂兵衛「だったらなんで戦うって選択肢が出てくるんだよ!?」
姦子「ほら、やっぱり私、不幸の女神ですし……自然と不幸になる選択肢を選んでしまいたいんですよ」
茂兵衛「お前の言うとおりにはならんっ!」

 茂兵衛はしきりに挑発してくるサイクロプスを放って、銀行へと歩き出した。
 
 より、不幸になることも知らずに……。<続く>

本日もお付き合いくださった皆様、ありがとうございます。

少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

【12/14 (土) 19:12時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/14 (土)
  21:30~00:00/ ◆MOON69mNOA氏 - 何とかできるようになったので 久しぶりに短編
12/15 (日)
  21:00~/ ミント ◆MINTG/yggg::氏 - たった一人の村づくり第一話「創造の書使いました。」


 次の人任せたー

えー、ぎりぎり予約ですいません。ちょっと出来るかどうかも怪しくて怪しくて。

それよりも、24日或いは25日早退とか出来ませんかね~ちらっした結果、
更に仕事を抱えるハメに~~んごwwwwwwwwwwww

という事で、個人的にXmasモノを前編、21日くらいに後編と出来たらいいなーと思っております。
ではもう暫くお待ちください。


今までやってたのどうするのって? この際打ち切っちゃいましょう(白い目


 ―― ここはとある田舎町。都会とは到底呼べず、過疎化が進み村とも煽られるほどの小さな町。
観光地という訳でもなく、人が集められないその場所は、次第に人口減少一途を辿るだけであり、
それでも、この地に愛着を持ち離れられない人々も多数おり、そうしてこの町は何とか小規模ながらも成り立っているのである。

 そうして、今年もその時がいよいよ訪れる事となり、秘密会議を三人、こっそり開くのである……。


市乃 「…………」

丹緒 「…………」

美奈 「……あの、さぁ……」

丹緒 「……なに?」

美奈 「なんで皆こうして集まってるのに、黙っているのかなぁって……」

丹緒 「それは私が知りたいくらい。……呼び出した張本人が、腕を組んで黙り込んで」

丹緒 「そして一時間! 私達何しに呼ばれたのって話よ!?」

美奈 「まぁ、そうだよねぇ……。ねぇ、いちのん?」

市乃 「………・…」

丹緒 「ちょっとあんた、いい加減何か言いなさいよ!?」

市乃 「……くわっ!」

美奈 「くわっ?」

丹緒 「なんか思い切り目を見開こうと頑張ってるわね」

市乃 「閃いたでありますよっ!!」


市乃 「今年のサンタガールズは、>>645をしようと思うのですっ!!」

プレゼント配りと同時にごみ拾い

市乃 「今年のサンタガールズは、プレゼント配りと同時にごみ拾いをしようと思うのですっ!!」

丹緒 「思ったより普通ね」

美奈 「普通だねぇ~……」

市乃 「な、なんでなんで!? 普通じゃダメなんですかっ!?」

丹緒 「というか、いちのんの事だから、もう少し壮大なのとか、変なこととか言いそうで」

市乃 「ど、どんだけ私の事おばかだと思ってるんですかぁ!!」

丹緒 「ごめんごめん、冗談だから。で、プレゼント配りってなに?」

美奈 「もしかして、自費なのかなぁ?」

市乃 「そ、そこはまぁ、皆でお金を出し合ってしたところで、まともなプレゼントが一つ二つ買える程度なのでっ!」

市乃 「プレゼントは安上がりの手作りに挑戦で~っすっ」

丹緒 「それでまだイヴの日まで十日以上離れているのに、召集した訳ね」

市乃 「そのと~りっ! という事で、プレゼントはひとまずその方向でいいですか?」

美奈 「でも、何を作るんです?」

市乃 「それはまぁ追々決めるとして……」

丹緒 「ゴミ拾いって言うのもあったけど、また去年みたいな事をするつもり?」


美奈 「去年は確か>>647を行って、何か有名になっちゃったというか~……」

駅前広場でコンサート

美奈 「去年は確か駅前広場でコンサートを行って、何か有名になっちゃったというか~……」

丹緒 「何故か市乃の家がお金持ちだから、何とかなったって言うのもあったわね」

丹緒 「まさかプロのドラマーやギタリストを臨時で雇うなんて」

市乃 「あ、あの、その話は一先ず置いておいてくれませんか?」

市乃 「私の家の財力で何とかした~とか、世間的にちょっと不味いというかぁ……」

美奈 「でもお陰で、妙に有名になっちゃったんだよね……」

丹緒 「町興しだーとかいちのんが言うから乗ってみたけれど……」

丹緒 「いちのん、あの例のストーカーは何とかしたの?」

市乃 「そ、それはぁ……そのぉ……」

市乃 「…………」 フルフル」

丹緒 「やれやれ。だから私が何とかしてあげようかって言ってるのに」

市乃 「でも、相手は年下の男の子だし、まだ可愛げもあるかな~って……思いまして」

美奈 「それでも、何かあったら大変だし。早乙女家のご令嬢様に何かあれば、ねぇ」

丹緒 「そうね、早乙女さん、卒倒するでしょうね」

市乃 「やめてっ、パパの話は出さないでっ!!」


 去年のクリスマス・イヴ。その日に私達はサンタのコスプレを行い、町興しに張り切っていた。
当初は何を行うか一切考えていなかった私達だったが、ある日ライブを開けば盛り上がるなんて話を聞いて、
私達三人組はサンタガールズとしてユニットを組み、プロの方々に伴奏をお願いし、駅前広場を借りてコンサートを行った。

 それがyoutube等にアップされており、視聴者も数万も見てくれるという異例の事態となり、
町長さんも大喜びで、今年は何をしてくれるのかと私達に期待を寄せていたりする。

 だが、去年行った出来事による弊害も一部あり、それにも少々頭を悩まされながらの今年となった。


市乃 「とにかく、ゴミ拾いはした方がいいかなって思うんですっ!」

市乃 「理由? それは……>>650だからですっ!」

世界中ゴミみたいな人間だらけ

市乃 「理由? それは……世界中ゴミみたいな人間だらけだからですっ!」

丹緒 「ちょ~~っと待って」

美奈 「なんか物騒な事を言い出したけど……」

市乃 「物騒? 何処がですか! 町中にぽいぽい吸殻や空き缶を捨てて!」

市乃 「おまけに犬や猫、挙句にこの前赤ちゃんが捨てられていたんです!!」

市乃 「いくら育てられないからって、赤ちゃんを道端に捨ててしまうなんて……」

市乃 「この憤りだけは、いくら丹緒ちゃん、美奈ちゃんとはいえ、覆らないんですぅぅぅっ!」

丹緒 「お、落ち着きなさいいちのん。……あの件は一応、養育所に送られる事になったじゃない」

美奈 「そうだよいちのん。それに、もしかしたら本当にどうしようもない事情があったのかも……」

市乃 「美奈ちゃんは庇うんですかっ!? そんな社会のゴミを!!」

丹緒 「……いちのん、まさかとは思うけど、その言うならば社会のゴミを抹殺していこう~なんて思っていないでしょうね?」

市乃 「な、なんの事でしょうかぁ~」 シラッ

丹緒 「この泳いだ目線、すごい怪しいんだけど」

美奈 「嫌だよ私、殺人なんてぇ~……」

市乃 「まぁまぁ、話が脱線してきてるし、とりあえず纏めると!!」

市乃 「社会のゴミを更正する為に、町中のゴミ拾いをします!!」


市乃 「そうして、ゴミは排除されるのだと訴えるのです! で、実際ゴミ拾いの内容といえば、>>653

空き缶、生ごみ、タバコ、………あと社会のクズ(小声)

市乃 「そうして、ゴミは排除されるのだと訴えるのです! で、実際ゴミ拾いの内容といえば」

市乃 「空き缶、生ごみ、タバコ、………あと社会のクズ(小声)」

丹緒 「社会のクズがなんですって?」

市乃 「あは~なんでもないです、なんでもないのですっ!」

美奈 「なんだか心配。……とりあえず、今年も例のミニスカートなコスプレしないとなんだ?」

市乃 「まぁそれは、衣装ですものっ!」

丹緒 「なんで私だけ太股晒さないとなの? 私もニーソがいいんだけど」

市乃 「丹緒ちゃんは太股、キレイですから~……うっとり」

美奈 「あ、わかるわかる~。キレイだもん……うっとり」

丹緒 「だからアレ、寒いんだってば! 色々と、その……」

市乃 「ドコが寒いのか、言ってもいいんですよぉ?」

丹緒 「下半身全部よ!! 毛糸のパンツなんて穿ける訳ないし、とにかく私もニーソがいい!!」

丹緒 「じゃないとやらない!! 絶対やらない!!」

市乃 「仕方ないですねぇ~……。では、秘策をお見せしましょう」

市乃 「早乙女家主に早乙女市乃が今年プロデュースした、新作サンタ衣装でーっす!!」


丹緒 「こ、これは……>>655じゃない!?」

重々しいコートとロングスカート

丹緒 「こ、これは……重々しいコートとロングスカートじゃない!?」

丹緒 「……本当に、これ着ていいのね? しかもタイツ付きだなんて!」

市乃 「はい! 丹緒ちゃんの為に作りました!」

丹緒 「私、だけの為に……?」

美奈 「あれ、じゃあ私やいちのんは……」

市乃 「いつも通りのミニスカニーソで! あ、でもこの重々し~い、黒のロングコートは基本衣装です!」

美奈 「……ねぇ丹緒ちゃん」 ヒソヒソ

丹緒 「……ええ、あの子、スイッチ入ってるわね」 ヒソヒソ

市乃 「そしてーっ、早乙女家が、いやっ、早乙女市乃がプロデュースした今年の兵装はこちらですっ!!」

丹緒 「やっぱり出た」

美奈 「無駄にサバゲオタクはこれだから……」

市乃 「丹緒ちゃんにはこのスナイパーライフル、ウィンチェスターM70を!!」

市乃 「美奈ちゃんにはこのサブマシンガン、イングラムM10を!!」

市乃 「そして私は、アサルトライフルAK-47カラシニコフを!!」

丹緒 「……これ、モデルガンなんでしょうね?」

市乃 「そりゃ勿論なのです! ……じゃないと捕まるでしょ~えへへ」

美奈 「はぁ、こんなの貰ってもどうすればいいのやら」

市乃 「……今年は、戦争になるのだから……武器の一つ二つじゃ足りないの」

市乃 「だから、私達は……生きる。生きて、さいっこーのサンタになるのですっ!!」


丹緒 「もう趣旨が訳分からないけれど……。……それで、例のプレゼントはどうする訳?」

市乃 「あ、手作りのお話ですね。今日から>>657を作って、当日配ろうかなって!」

クラッカー

市乃 「あ、手作りのお話ですね。今日からクラッカーを作って、当日配ろうかなって!」

丹緒 「クラッカーを手作りでするの!? 私、作り方知らないのだけど」

美奈 「私も知らないや……。いちのんは知ってるの?」

市乃 「ふ、ふふ、ふふふっ!」

丹緒 (この顔はググッたな……?)

美奈 (きっと昨晩ググったんだ……)

市乃 「私は、ももも勿論知っているのですっ! もう直ぐクラッカーの部品が届く頃なのですよっ!」

丹緒 (……部品?)

 ピンポーン

市乃 「あ、届いたみたいです! ちょっと応対に出てきます~!!」 トテトテ

丹緒 「……いちのんが先走るように部屋から飛び出してったけど」

丹緒 「……部品って、言葉がおかしくない?」

美奈 「うーん、そうでもないような、そうでもあるような?」

丹緒 「だって、パーツよ!? 部品って事はあの子、クラッカーを勘違いしていないかな!?」

丹緒 「だって、クラッカーといえば、パンって鳴るアレであって……」

美奈 「食べ物の方かもしれないよ?」

 バタンッ 

市乃 「ただいまです! 今さっき大量に部品が届いたのです!!」

市乃 「さぁ、クラッカー(>>660)の製作に入りましょう!!」

爆弾

市乃 「さぁ、クラッカー(爆弾)の製作に入りましょう!!」

丹緒 「そ、そっちの方だったーっ!?」

美奈 「クラッカーって、爆弾なんだ?」

丹緒 「今さっき調べてみたのだけど、Mk81なんて爆弾がそういわれたりするみたい」

市乃 「そうです、ファイヤクラッカーを大量に作るのです!!」

丹緒 「そんなのプレゼント出来るか!!」

市乃 「やだなぁ、勘違いしないでください。話は遡る事一ヶ月前~!」

丹緒 「唐突の回想話来たわ!?」

美奈 「……どうせパパさんが絡んでるんだろうね~……」


 ―― 一ヶ月前、早乙女邸宅。


パパ 「おや、パパの書斎にノックも無しに入ってくるなんて、市乃よ、どうしたんだ?」

パパ 「そうか、パパの事が恋しくなったのか。はは、そうかそうかぁ!」

パパ 「親子で久々に頬ずりでもしようか? ん???」

市乃 「そんなのはど~でもいいんだけど~」

パパ 「なんで一昔前のコギャルっぽい口調なのか!? パパ悲しいぞぉ~~!?」

市乃 「……脅迫状、届いたんだ」

パパ 「……何だと? ちょっと見せてみたまえ」


パパ 「なになに……、早乙女市乃、貴女は少々有名になりすぎた」

パパ 「そして今年もイベントを行うようならば、貴女を消さなければならない」

パパ 「もし、当日イベントを慣行するようならば……我々は総力で貴女を潰す。そう、これは戦争だ――」

パパ 「……け、警察だ、警察に連絡を!!」

市乃 「ううん、連絡はしないで。……この挑戦、私は乗ったの!!」


市乃 「そう、当日に私達を妨害する連中、>>662を叩く為に……私達は戦うんです!!」

クソスレの>>1

市乃 「そう、当日に私達を妨害する連中、クソスレの>>1を叩く為に……私達は戦うんです!!」

市乃 「以下、連中はクソスレと呼称します! という訳でパパぁ……爆弾作るお金ちょうだい?」

パパ 「むむむ、しかし娘を危ない目に遭わせる訳には……」

市乃 「ねぇ~パパぁ……おねがぁい……」

パパ 「ぐぬぬ、この上目遣いで強請られると、パパは、パパはもう……、辛抱堪らんっっっ!!」



市乃 「という事があったのですよ」

丹緒 「何なのこの親子、物騒ってレベルじゃないわね、もう」

美奈 「まぁそれは言い出したらキリがないから、ね?」

市乃 「という訳で、爆弾の製作工程はこのマニュアルに……このまにゅあるに~……」

市乃 「わけが、わからないのですぅ~~」 フラフラ

丹緒 「大人しく武器商人から仕入れたほうが早いんじゃない、これ……」

美奈 「分かる、私には分かるわ! このファイアクラッカーの製作工程が!!」

美奈 「とりあえず……プロの方をお呼びするべきかも!!」

市乃 「その手があったですか!!」

丹緒 「……もうやだ帰りたい」


 そうしてその日から、私達はビッグイベントに向けて着々と準備を進める事になるのだが、
勿論それだけではなく、町の皆さんにイベントを行うとアピールを続ける事になる。
そう、それはちょっとした町ぐるみの大戦争。ちょっとしたお祭り騒ぎの筈だったのだ――。


 だが23日深夜、事件が起きる。それは……>>664

クリスマス外出禁止令

 だが23日深夜、事件が起きる。それは……クリスマス外出禁止令。
なんでも、あの脅迫状は私がでっち上げた物であり、クソスレなる存在も、私がこんなイベントを行いたいので、
参加してくれる人は集まって欲しいと、希望を募って出来た構想……の筈だった。

 しかし後日、そんな脅迫文は送った事が無いとクソスレの皆さんに言われてしまい、
まぁ大丈夫だろうと高を括った所、今度は町長宛に脅迫文が届いたそうなのだ。

 内容は……『サンタガールズがイベントを行う為、我々はこの町を爆破する』といったものであった。


丹緒 「もしもし、話はもう聞いたでしょ?」

市乃 「はい、聞きました……。サンタガールズもイベントは中止するようにって、町長から直々に」

丹緒 「ま、そうでしょうね。……分かってるわよね?」

市乃 「はい、分かってます。……それでもサンタガールズは出動です!」

丹緒 「分かってない!!」

丹緒 「……本当の本当に、命の危険に晒される事態なのかもしれないの」

丹緒 「冗談で済まないのよ!? 毒物混入と偽って駄菓子を撤去させようとする悪戯程度じゃ終わらないのかもしれないの!!」

市乃 「なんか妙にピンポイントな話題ですねぇ~……」

丹緒 「ま、まぁニュースサイト見ていて知っただけだし。バスケとか興味ないしっ!」

市乃 「必死ですね~にやにや。ミーハー、悪くないと思いますよぉ?」

丹緒 「煩いわねっ! とにかく、私達も自宅待機するって決めたから。……登校しなくて済むし、ラッキーね」

市乃 「…………本当に、それでいいのかな」


 その日、鉢科丹緒ちゃんから連絡を受け、それでも私の中では決意は変わらない。
町興しで、再びこの美布町を復活させたい。賑やかにしたい。そうして他県までサイトで募集を掛けたんだ。
この程度で屈してしまっては、町興しに協力してくれる人に申し訳がない。

 だけど、本当に美布町を爆破させると脅迫文が届いた以上、ボランティアで参加してくれる人々に強制させるわけにはいかない。


市乃 「……社会のクズめ……」 ボソッ

丹緒 「い、いちのん? どうしたの?」

市乃 「なんでもないよ。なんでも!!」


市乃 (やっぱり決めた。当日はゴミ拾いをしよう。その為に>>666という武器も用意したのだから!)

メイドロボット

市乃 (やっぱり決めた。当日はゴミ拾いをしよう。その為にメイドロボットという武器も用意したのだから!)


 携帯画面を閉じて、私は部屋にあるその武器を眺めてみる。
出来は完璧であり、パパが護衛用にと念のために用意してくれた、早乙女財閥の総てが詰まったそれは、
私に容姿を似せたらしく、パパの趣味が気持ち悪いと思いつつも、そのメイドロボットの名を呼んだ。


市乃 「おきて、四葉」

四葉 「…………ぴこーん」

四葉 「正門確認、正門確認完了――」

市乃 「正門じゃなくて、声紋ですよね?」

四葉 「おっと失礼、そうでした。私としたことがー……。ウケていない様子です」

四葉 「四葉はいけないギャグを言ってしまったのでしょうか」

市乃 「う、うん、そんなのは正直どうでもいいかな~って……」

四葉 「分かりましたマスター。……ご用件は何でしょうか」

市乃 「マスターはちょっと痒いから、いちのんって呼んでくださいっ」

四葉 「いちのん了解であります。改めまして……ご用件は何でしょうか」

市乃 「少しお外を歩こうって思って。一緒に来てくれますか?」

四葉 「了解しました。……では、お散歩に出かけましょう。いちのん、首輪を選んでください」

市乃 「……犬の散歩じゃないですからねっ!?」


 私はとある手紙を二通、自宅まで届けようと表に出た。ついでに言えば、イベント前夜の空気を吸いたかったというのもある。
静かだった。特に今年は冷え込みが激しく、もう既に雪がちらほら舞い散る中、私はメイドロボットの四葉を連れて歩く。

 武器はある。爆弾もある。だから大丈夫。……サンタガールズは、絶対に町興しに成功してみせる。
その為には、町に潜伏するテロリスト共を排除する必要が出てきてしまった。


四葉 「そのお手紙は何でありましょう?」

市乃 「丹緒ちゃんと美奈ちゃんに、秘密シェルターのポイントが載ってあるんです。そちらを集合場所に――」

四葉 「いちのん、危ないでありますっ!!」


 その時、唐突にメイドロボットの四葉が私を庇うように立つ。そして、彼女の視線の先には、>>668が居た。

ピエロ

 その時、唐突にメイドロボットの四葉が私を庇うように立つ。そして、彼女の視線の先には、ピエロが居た。
二人組みのピエロは、二人そろって対象となるようなメイクを施し、こちらに気色の悪い笑みを浮かべ、歩み寄る。


道化A 「間違いない、この娘が例のターゲット」

道化B 「だがまだ当日を迎えていない。契約違反に繋がる」

道化A 「どうせ、当日は楽しいショーとなる事が結滞したのだ。今宵は捨て置いて構わないだろう」

道化B 「ククク、早乙女のご令嬢、当日は外出は控えた方が良いよ。クククク」


四葉 「…………」

四葉 「四葉を前にして、逃げていきやがったであります:

市乃 「…………」

四葉 「いちのん? 顔が真っ青でありますが」

市乃 「やだ、怖い……やだ、やだぁ……」

四葉 「いちのん、しっかりするであります! いちのん!!」

四葉 「体温が下がっているであります。でも、四葉は戦闘用メイドロボの為、彼女を全裸にして温める動作が不可能……!」

四葉 「どうすれば良いのでありますか~、おろおろ~~」

?? 「……こっちに来て」

四葉 「怪しい人物を確認であります! ……手招き? 何でありますか少年」

?? 「……これを、あげるから。……見守っているから」


四葉 「こ、これはっ、>>670でありますか!!」

トナ貝

四葉 「こ、これはっ、トナ貝でありますか!!」

四葉 「……って、トナ貝って何でありますかぁぁ!! 少年!!」

四葉 「……もう居ないであります……」


 ―― 私は自宅で目を覚ました。既に日付は変わり、24日となっており、時刻はまだ0時半を過ぎた頃。
そう、クリスマス・イヴは今始まったばかりなのだ。そして、私はベッドから身体を起こし、その傍に置いてあったモノを見る。


市乃 「……貝?」

市乃 「なんで貝がこんな場所に?」 スッ

 貝 「クパァッ!」

市乃 「か、貝が勝手に開いたっ! こ、怖いですぅ!!」

市乃 「……って、噛み付いてこない。何なのですかこれは……」

市乃 「よくよく見ればこの貝、ボタンが付いてるですねぇ……。ぽちっとな」

トナ貝 「わぉ~~~んっっ!!」

市乃 「うわぁぁっ、貝が突然変形したですよぉぉぉ!!」

トナ貝 「俺様を償還したのは、女、貴様だな……?」

市乃 「…………はぁ」

市乃 (どうしよう、貝殻を被った二頭身のトナカイが喋ってる……)

トナ貝 「ふむふむ、状況は把握した。どうやらアイツが関わっているようだ……」

トナ貝 「では貴様には、このイヴの日の間だけ、真のサンタ娘になって貰おうではないか。ほいさっ!!」 ポワーン

市乃 「ぽわーんってこの擬音はなにっ!? って、視界が真っ白に―― ふぇぇぇっ!?」


市乃 「という訳で、気付けば>>672というサンタパワーを得てしまいましたぁ……」

袋に入れたものを任意で自由な場所に送れる

市乃 「という訳で、気付けば袋に入れたものを任意で自由な場所に送れるというサンタパワーを得てしまいましたぁ……」

市乃 「って四次元ポケットじゃないですかっ!!」

四葉 「そうでありますいちのん」

市乃 「って、四葉!? ……なんでサンタコスなのか説明してください」

四葉 「四葉は、いえ、私達は彼に急遽選ばれる事になったサンタガールズなのであります」

少年 「……こ、こんにちは市乃さん!!」

市乃 「うげっ、去年から付き纏ってる例の少年、A君こと栄くん!」

 栄 「って、酷い言われよう……。僕は『あの人』から目を付けられた市乃さんを護ってきただけなのに」

市乃 「え? あの人? 護ってきた?」

 栄 「ま、まぁ……市乃さんはキレイだし、可愛いし、その……ええと、あのぉ……」

四葉 「顔が真っ赤であります少年」

市乃 「って、四葉、どうして栄くんと知り合いになってるの?」

四葉 「トナ貝を渡されて理不尽過ぎた為、サーチモードから割り出したであります」

市乃 「……は、はぁ」


 私が恐怖で気を失った後、四葉は栄くんと接触、トナ貝を譲り受け去ろうとした彼を捕まえる。
事情を聞き、彼女は彼を私の屋敷まで連れてきたという事だった。

 そして、私を去年からストーカーしていた彼はぽつりと話し始める。


 栄 「……あの人は、恐れているんだ。ただの人間が、サンタに取って代わられることを」

 栄 「サンタは、人望……人気が無いと力を発揮できない生き物なんだ。だから、プレゼントを毎年配ってる」

 栄 「そうして、僕達は生き永らえる事が出来る、そんな仕組みが出来てるんだけど……」

 栄 「去年、市乃さんを見たあの人は、サンタの人気が失墜する事を恐れて、とうとう強硬手段を取り始めたんだ」

市乃 「それが、私の暗殺……とか?」

 栄 「それだけじゃない。町を無くし、そして市乃さんの友達も消し去るつもりだと思う。だから僕はトナ貝を償還した……」

トナ貝 「という訳さお嬢さん……。フッ……」

市乃 (栄くんの話は大体分かったけれど、トナ貝さんのキザさが鬱陶しい……)


四葉 「で、あの人とは一体何者でありますか?」

 栄 「それは……>>675

クネヒト・ループレヒト

 栄 「それは……クネヒト・ループレヒト。通称、黒いサンタクロース」

 栄 「僕達サンタクロースと対を成す存在でもあるけれど、役割は基本部分は同じだから、サンタクロースでもあるんだ」

市乃 「じゃあ何が違うのですか、それは」

 栄 「僕達サンタクロースは、悪い子供達にはプレゼントを渡さない」

 栄 「しかし、クネヒト・ループレヒトは悪い子供達にもプレゼントを渡すんだ」

 栄 「……それは、悪い子供達を懲らしめる為のプレゼント。……要するに悪戯紛いな事を行うんだけど……」

市乃 「もしかして、ファイヤクラッカーが入っていたりとかするんですかっ!?」

 栄 「場合にもよるね。そうして、悪い子供達を罰する存在でもあるんだけど」

市乃 「そんなの、今まで余り聞いたことがないですけど……」

 栄 「基本、事故だと思われるように仕組まれているからね。けど、今回だけは強硬手段にも程がある」

 栄 「という訳で余り時間が無いんだ。簡単にサンタクロースについて説明するよ」


 サンタクロースだったストーカーの少年は、私にサンタクロースの能力なんてものを説明し始めた。
先ず、サンタクロースの女性版であるこの衣装、私がデザインしたそれに似たり寄ったりなそれは、
パワードスーツにもなっており、通常の人間の三倍以上の能力を発揮出来るそうである。

 そして付属について来る袋は、四次元ポケットのようになっており、そこに放り込んだモノは、ドコへでも送り届けられるようだが、
それは半径数キロ程度の距離までしか届かないらしく、対象に物を届けるにはやはりその場にある程度近寄る必要があるという事。


 栄 「そして最後に……サンタクロースの一番の能力は、祈り」

 栄 「祈りは囁きに繋がり詠唱に繋がって念じるものであって――」

市乃 「なんかややこしいから一言で!!」

 栄 「要するに魔法みたいなものかなぁ。説明が難しいけれど」

 栄 「……今、町中にはクネヒト・ループレヒトが呪いを掛けている。それを解呪してあげないといけない」

 栄 「僕一人だけじゃそれは難しい。だから協力して欲しいんだ。その祈りの力によって!」


 栄 「ちなみに祈りを使う時は、MPを消費するから気をつけて! 使いすぎると>>677になっちゃうからね」

パーマン

 栄 「ちなみに祈りを使う時は、MPを消費するから気をつけて! 使いすぎるとパーマンになっちゃうからね」

市乃 「不二子先生のアレですか?」

 栄 「ううん、頭がパーマンって意味で」

市乃 「……コピーロボット入手チャンスが潰えたですよぉ」


 その説明を受けた私は、その後栄くんと相談した結果、トナ貝を丹緒ちゃんや美奈ちゃんに送り、
能力を与え、そして説明をしてくるよう命じる事になる。それを受けたトナ貝さんは、「やれやれだぜ……」と、哀愁を漂わせて袋の中に入り込んでいった。

 そうして24日深夜3:00 私と四葉は、先に栄くんから指示を受けて動き始める事になる。


四葉 「すごいであります、祈りパワーで空が飛べるであります!!」

市乃 「す、凄いんだけど、高すぎてちょっと怖いかな……!!」

四葉 「いちのんは怖がりであります。ところでどうしてAK47を持ってきたでありますか?」

市乃 「サンタコスチュームって、触れた物の能力を引き出す事も出来るって言うんで」

市乃 「……サバゲーチャンスかなって思ったのですよぉ! わくわく!!」

四葉 「怖がったりわくわくしたりと、忙しいマスターなのであります……」

市乃 「ところで、目的地の様子、サーチは出来てる?」

四葉 「ズームモードに切り替えて確認したであります。……ゾンビみたいなのがわらわら、招き猫ちゃんを護ってるであります」

市乃 「美布町のシンボルの一つ、林檎を被った招き猫ちゃんの解呪。こうして解呪を行わないと」

市乃 「町中の人は呪いを受けて、ゾンビのまま……!」

四葉 「そして四葉達はクリスマスの間だけに能力を授かった限定的な存在」

四葉 「急ぐのであります。という訳で早速ゾンビのように化した住民に向けて――」


四葉 「>>680

御都合主義ビーム

四葉 「御都合主義ビーム」 ズドンッ!!

市乃 「って、そんなの撃ったら住民が死んじゃうじゃないですかっ!!」

四葉 「祈りによって気絶でとどめる程度に抑えているであります。ちな残りMP284であります」

市乃 「……なんか私の三倍MP高いのはどうしてなんですかぁ」

四葉 「これが未来型戦闘用メイド型ロボットであります。ほら、丁度良い感じに雑魚は一掃――」

四葉 「と思ったら、またわらわら群がってきたであります……」

市乃 「解呪には時間も掛かるし、一人は解呪に時間が取られちゃいます」

市乃 「だから四葉、貴女が私を護ってください。私が解呪とやらを頑張ってみるので!」

四葉 「いちのんで大丈夫だろうかと、不安が非常に残るでありますが――」

市乃 「私は貴女のマスターなんですから! 大丈夫ですよぉ!!」


 そうして、シンボルの一つである林檎を被った招き猫ちゃんの傍に着地した私は、解呪の為に像に触れてみる。
後は祈りを続けていれば、解呪は成功となるらしいのだが、どれくらい時間が取られるのか不安が残る。
そして、何より私を護り続けてくれる四葉が持つかどうかが一番の心配だった。


四葉 「とぉ~!」 ドンッ!

四葉 「てりゃ~!」 ドンッ!

四葉 「うらっしゃ~!」 ドンッ!」

四葉 「……殴ってるだけじゃキリがないのであります。一気に一掃したいところでありますが――」

ピエロ 「……ククク、そうはさせられないなぁ」

四葉 「何者でありますか!? って、貴方はさっきお会いしたクソ怪しい人物!!」

ピエロ 「統率者と言って欲しいねぇ。または、ジェスターとか」

ピエロ 「まぁそんな事はどうでも良いさ。……あの方の邪魔だけはさせん」


ピエロ 「さぁ、俺の曲芸、>>682を受けてくたばるがいいっ!!」

自害

ピエロ 「さぁ、俺の曲芸、自害を受けてくたばるがいいっ!!」

四葉 「自害ッ!? そ、それはどんな曲芸でありますかっ!!」

ピエロ 「……グハァッッ!!」 バタンッ

四葉 「……自分の首を切り裂いて、死んでしまったであります。……自害の意味ってそのままでありましたか」

四葉 「でも、統率者が倒れたとなれば、これらゾンビのように化した住民も大人しくなる筈――」

住民A 「ガバァァァッ!!」 バタンッ

住民B 「グバァァァッ!!」 バタンッ

四葉 「!? 住民達も自害を始めたであります!!」

四葉 「って、このままじゃ、呪いを受けた皆が死んでしまうであります! どどど、どうすれば……!!」

?? 「統率者の曲芸を解除するのよ!!」

四葉 「そ、その声は……どちら様でありますか?」

丹緒 「って、あんたこそ誰よ!!」

四葉 「四葉は四葉であります!! 未来型戦闘用メイド型ロボットであります!!」

丹緒 「私は鉢科丹緒よ! って、未来型猫型ロボットが何で現代に居るのよ!!」

四葉 「そ、それを今語ってる場合じゃないであります!! 曲芸の解除とはどうやるでありますか!?」

トナ貝 「それは俺様が説明しよう……」

四葉 「キザ貝も一緒にいたでありますか……」


トナ貝 「自爆と思われる曲芸、しかしそれは命を賭した曲芸でもあり、効果は非常に絶大且つ厄介ッ!!」

トナ貝 「それの解除には、祈りを最高潮まで高める必要があるッ!! そして、祈りながら>>684をするのだッ!!」

陵辱妄想

トナ貝 「それの解除には、祈りを最高潮まで高める必要があるッ!! そして、祈りながら陵辱妄想をするのだッ!!」

四葉 「……口があんぐりであります」

丹緒 「でも急がないと、呪いを受けた住民の皆が、自害して全滅しちゃうわ!」

丹緒 「そうなればもう、この町はお終い、ゴーストタウンまっしぐらよ!!」

四葉 「でも四葉は妄想モードなんて搭載していないであります。どうするのであります?」

丹緒 「……やるしか、ないわね……」 ゴクリ

トナ貝 「ちなみに、陵辱妄想はビジョン化されるから注意が必要だッ!!」

四葉 「この解説ウザ貝は何でありますか……」

丹緒 「でも、住民の為。仕方ないの、これは仕方ないのっ!!」


丹緒 「どうしよう、道も塞がれて、ゾンビ達に囲まれて……助けて、いちのん、美奈ぁ!」

丹緒 「って、やっぱり誰も来てくれないっ! サンタクロース化なんてなるんじゃなかったぁ!!」

ゾンビ 「ふへへへ、もう逃げ道はないんだぜぇふへへへぇ」 ビリビリッ

丹緒 「やめて、服を破かないでっ! 胸が、胸が見えちゃう!」

ゾンビ 「胸だけで恥ずかしがるようじゃ……こっちを見られちゃ大変だろうなぁっ!!」

丹緒 「やだっ、そこはパンツ―― いやぁぁ、破かないで、見ないでぇぇぇっ!!」


トナ貝 「ほう、これは中々に立派で綺麗な貝だな……ふぅ……」

四葉 「賢者モードに勝手に入らないで貰いたいであります。……しかし、本当に丸見えなのであります」

丹緒 「見ないで、見ないでぇぇ、恥ずかしいよぉぉ……」


四葉 「とか言いながら>>686されてアヘ顔になりながら妄想してる丹緒という人物がキモイであります」

食い道楽

四葉 「とか言いながら食い道楽されてアヘ顔になりながら妄想してる丹緒という人物がキモイであります」

丹緒 「食い道楽らめぇぇぇ、感じちゃう、キモチよすぎて感じちゃうのぉぉぉぉっっ!!」

トナ貝 「陵辱妄想だけで丹緒はイキそうになってしまっている! そして曲芸が間も無く解除されるぅっ!!」

丹緒 「らめ、らめぇぇぇぇっ、あぁぁぁっっっっ!!」 ビクビクッ

四葉 「……訳が分からないでありますが、住民達がぱたりと倒れこんだであります」

トナ貝 「やったな丹緒。お前の祈り……陵辱妄想な祈りが通じて、自爆曲芸は解除されたぞ……」

丹緒 「はぁ、はぁ……はぁ……。……ふえぇぇぇぇぇん……!!」

四葉 「って、今度は泣き出したであります、いちのんみたいに忙しい人であります」

四葉 「はてさて、いちのんは頑張って解呪してくれているでありますか……と」

市乃 「……はぁ、はぁ、はぁ……」

四葉 「だいぶ憔悴してるであります。やはりMPが足りないでありましたか……!?」

市乃 「だい、じょぶ……、解呪は、終わってます、からっ……」

市乃 「ただ、丹緒ちゃんの妄想がえっちすぎて、私も興奮して……はぁ、はぁっ……」

市乃 「……その、達してしまいましてね。えへ、へ……」

四葉 「まともなのは四葉だけでありました。何て最低なパーティなのでありますか」

四葉 「ともあれ……一つ目の解呪、成功であります!!」

丹緒 「ふえぇぇぇぇぇぇんっ!!」


 そうして、私達は一つ目の解呪に成功、残り三つの解呪に向かう事になるのだが、
暫く丹緒ちゃんは泣きやまず、私も妄想に感化され、どっと疲れが押し寄せてしまいその場に座り込んでしまう。
しかしこの頃、美奈ちゃんが単独で解呪に向かっているとは思わず、私達は束の間の休息の時間を過ごすのだった。

 クリスマス・イヴは、まだ始まったばかりなのである――。


~~~ こうへんへ つづく!

ギャグっぽくしよう! とは思ってたんですが、やり過ぎているようなそうでもないようなー。
元々サバゲの予定もなければ、魔法少女の予定もなく、ただのほんわりした話にしようと思っていたのですが……。

なんかこうしないといけなくなりました! なんで!?
ともあれ、お付き合いありがとうございましたー。

【12/15 (日) 00:26時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/15 (日)
  21:00~/ ミント ◆MINTG/yggg::氏 - たった一人の村づくり第一話「創造の書使いました。」
12/21 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - さんたがーるず! 後編

べっちょりとな

そろそろ時間っぽいので始めさせていただきます。
今回からは全く新しいのと思っております。
ファンタジーですが(

主要人物
http://mb1.net4u.org/bbs/fantoms6/image/4png.html

【戦歴 2080年】
とある大陸があった。そこには4つの大国と1つの小国が存在した。
北に幻獣の国ブゲン、西に機械大国ワイトライガ、東に武力帝国セイドラッド、南に魔法共和国バードリアス。
そしてそのすべての中心に存在する極小国テムト。

だが、中央国を囲む国のうち3つの大陸は長きに渡り、戦争を繰り返していた。
魔法共和国バードリアスを除き、
幻獣の驚異な力と資源や食料が豊富な国ブゲンを欲しがるセイドラッド、
科学の発展の末に環境を汚し尽くすという理由でワイトライガに宣戦布告したブゲン。

その戦争はやがて大きな戦となってゆき、ついには小国テムトまでも巻き込んでしまった。
突然のことにより小国テムトは壊滅。城下村であったテムトも再起不能になるまでにされてしまったのだ。

だが…希望と復讐はまだ消えたわけではなかった。
城下村テムトには村の宝として『創造の書』と呼ばれる魔導書があった。
そしてその魔導書を手に…一人の少女が立ち上がったのである。

セトラ「…」

セトラ・クルシュタリア。このテムトの村で育ち、平和に暮らしていたごく普通の少女である。
しかし、理不尽な戦争に巻き込まれ、家族を、友人を失い唯一生き残った存在でもある。

セトラ「たった一人…。だけど…私は生きていた。…だから誓う!
    この村を絶対に蘇らせる!!」

セトラは村人たちの墓の前でテムトの復興を誓うのだった。そして、荒れ果てた村の中心で
魔導書を開くセトラ。すると>>692

封印されていた女の魔神が現れた

そして魔導書を開くとそこから黄色い光が溢れ出す。

セトラ「な…何!?」

思わず魔導書を落としてしまうが光は溢れ続けている。するとその中から
何かが飛び出してくる。小さな微粒子だがそれは徐々に形を変えてゆき…
そしてそこにひとりの女性が立っていたのだ。

セトラ「…」
魔導書の魔神「…ご使用ありがとうございます。私の名はエル。この『創造の書』にて
          修復の力を司らせております魔神でございます」
セトラ「ま…魔神…?」

エルと名乗る魔神はセトラに対し非常に親切にそして低い腰で話す。

エル「お嬢様…いかがなされました?」
セトラ「お嬢様…?え…?」

いきなりの登場にセトラは驚いた様子だった。彼女は恐らくこの本には
村を復興させるような力があると思っていたのだろう。だが、開いてみたら
魔神が飛び出してきて低い腰で自己紹介までしてきたわけで…

エル「ううん…どうしましょう。お嬢様が混乱しておられる様子…」
セトラ「…ううん…」

とりあえず数十分かけて魔神エルはセトラに自身とそしてこの魔導書について説明をすることに
セトラも正気になり、その使い方をなんとか覚えたのだった。

エル「というわけでお嬢様。最初はまず拠点となる家を建てるわけなのですが
    この村にはたくさんの瓦礫があります故一つにまとめて頂ければ
    一軒ほど家を生み出す事ができるのです。」
セトラ「なるほど、それがあなたの能力ってわけね。」
エル「はい、材料さえあれば完成品を生み出す事が可能なわけなのです。」

セトラはエルに言われた通りに家の元とな瓦礫や木材をひとつの場所に集めてゆく。
そして数時間後、集まった瓦礫にエルは呪文を唱える。すると>>694

不気味な肉の塊が

そしてエルが呪文を唱えるとそこにあったのは不気味な肉の塊だった。

セトラ「なんだこれ…」
エル「あらら、数千年ぶりだから見事に失敗しましたわ…」
セトラ「私にここに住めというわけじゃないわよね…?」
エル「あはは…しかし、ご覧のとおり中は石と木で出来た快適空間なわけで…」

エルが扉を開けるとその中は外とは違い、綺麗でまともに生活ができる空間だった。

エル「少なくともこれらは全部石や木で出来ております。外見もあれですが
    実際の素材は石と木なのですよ」
セトラ「ぜんっぜん、そうは見えないんですが!!」
エル「ははは…すいません。真面目にやります…。」

その後、エルに二軒目を建てさせた。今度の建物はちゃんとした普通の一軒家だった。

エル「一応瓦礫の記憶を読み、再建設させていただきました。暖炉やベッドなど
    生活に必要な物全て再構築させていただきましたわ」
セトラ「あの肉の塊は放置なのね…」
エル「きっと需要はありますわ、お嬢様!」
セトラ「ねーよ!!」
エル「とりあえず拠点は完成しましたし、お次は食料とかですね。
    お嬢様、畑とはお持ちなのですか?」
セトラ「畑ならあっちにあるけど…一応ここ農村だからね」
エル「なるほど…それじゃ農業専門の魔神に掛け合ってみますので少々お待ちを…」

そう言うとエルは創造の書の中へと入り込んでいった。
数分後、セトラは創造の書を読みふけっていると>>696

蚕の幼虫みたいなものが

そしてセトラが創造の書を読みふけっていると、とあるページに蚕の幼虫みたいなものが記されていた。

セトラ「なんだこれ…ふむふむ…なるほど…
    この幼虫の蛹は高価で取引されるのかぁ…」

そこには蚕の育て方や価値などが記されていた。しかし滅んだこの村には人一人しかおらず
虫すらいるか怪しいものだった。そして再び中からエルが戻ってくる。

エル「お待たせいたしました。」
セトラ「あ、エル。この虫なんだけど…」
エル「あ、蛾ですね。この虫の蛹は実は高級素材なんですね。」
セトラ「何処に行けば捕まえられるかな!?」
エル「そうですねぇ…。強いて言うならこの大陸にはいないでしょう。」
セトラ「そっか…」
エル「確かここから南のバードリアス共和国が海外と貿易をしてるとのことなので
    そこでなら手に入るものかと思います。」
セトラ「バードリアスですか…」

その時、セトラの心が少し負の感情に動いた。そんな感じをエルが受け取っていたようだった。

エル「まぁそれはさておき、農業に詳しい魔神の確認が取れましたでのお呼びします。」

エルがそう言うと創造の書がパラパラと一人でにめくり出し、農業のページへと進む。
そしてそこから光が放たれ、耳が尖った魔神が姿を現した。

エル「農業の総管理者ノブさんです」
ノブ「あぁ、よろすく。ノブといいます!」
セトラ「あ…はぁ…よろしくお願いします。」

訛りがひどい魔神が軽く自己紹介をすると早速村の畑へと移動する。

ノブ「ふむ…こりゃ酷いな。土が死んでやがる…」
エル「どうにかなりませんかねぇ…」
ノブ「んだなぁ…>>698

でぇじょぉぶだドラゴンボールで生き返る

ノブ「んだなぁ…でぇじょぉぶだドラゴンボールで生き返る」
エル「ノブさん。この世界にはそんなものございませんよ」

エルがノブに笑顔でそう告げる。ちなみにそのものが分からないセトラはエルに聞くと…

エル「それがあればどんな願いも叶うのです。…どんなものでも…」
セトラ「それじゃ村を復興させるとかは?」
エル「簡単に叶うのです。しかし残念ながらこの世界にはありません。
    フィクションなのです。異世界のお話しです」
セトラ「そっか…残念…」

仮にあったら畑なんて言わず、村ごと復活しているだろう。
とりあえず、畑はノブがなんとかしてくれるとのことで任せてみることにした。

ノブ「ううむ…この土と気候を考えるとすればあれだな…。
   芋が一番てっとりばええな」
セトラ「芋…ですか…」
ノブ「んだ、この土でもちゃんと育つ。幸い井戸が無事なのが大きいもんだ」
セトラ「小麦とかは…だめなんですかねぇ」
ノブ「残念だが、麦はしばらくダメだな。収穫時期も過ぎてるしこの土じゃ育たねぇ」
セトラ「そうですか…。でも何か食べ物作れるならよかった…。」
ノブ「あとはあれだ、種とか球根あればなんでも育てっぞ!」
セトラ「あ、ちょっと持ってきます。」

セトラは種や球根を取りに倉庫へと向かう。すると>>700

球根に求婚された

セトラは崩壊した倉庫へと足を踏み入れる。
するとそこには野菜の種や球根と言ったものが転がっていた。

セトラ「よかった…無事なのがまだあった…」

セトラは落ちていた種や球根を拾う。すると…

球根「あの…結婚してください…」

何故か言葉を話す球根がおり、求婚された。
セトラは無言でその球根をノブのところに持っていく。

ノブ「球根に求婚されただぁ!?」
セトラ「一応これ…」
ノブ「そりゃ、魔物だな。さては北のブゲンから流れてきただべか…」
セトラ「あぁ…幻獣の里なら有り得るかもしれないですね…
    とりあえずどうしようこれ…」
ノブ「今の状態だと魔物も危険だ。燃やしてしまうだ」
球根「え…」

そして言葉を話した球根は炎の中へと放り込まれる。何かを言っていたようだが
やがて声が聞こえなくなり、灰となって消えた…。

ノブ「とりあえずこれでいいべな」
セトラ「すごい…畑が元通りに…」
ノブ「いや、元通りじゃねぇ。一応食物が育つ程度まで戻しただけだ。
   あとは嬢ちゃん次第だな」
セトラ「ありがとうございます!…いやぁこれで食物の問題は解決です!」

ノブが魔導書に戻り、日が暮れる。

エル「いかがです?創造の書は様々なものを生み出す事ができる…。」
セトラ「確かに畑が蘇ったけど…もっと大規模に創造とかできないのかなぁ」
エル「それはお嬢様の力次第なのです。今のお嬢様では一人分が精一杯…
    いわゆる村人A程度ですので…」
セトラ「つまりもっと力が必要というわけね…。うーん、頑張らないと…!」
エル「そのいきです!!それではまた明日に…」

そう言うとエルは魔導書の中へと吸い込まれていった…。
セトラも今日は色々あったのかベッドに入り込んだらそのまま眠り込んでしまったのだった。

そして次の日…セトラが寝ぼけた様子で外へと出ると>>702

ドラゴンボールがあった

そしてセトラが寝ぼけた様子で外へ出るとそこには巨大な球が置いてあった。

セトラ「ふぁっ!?なんだこれ…!?」

セトラがそれを拾い上げると早速エルを呼び出す。

エル「ふぁあ・・おはようございます…。」
セトラ「なんか変な球が落ちてた!」
エル「変な球ですか…」

エルは問題のものを鑑定する。すると其の物が何者かをすぐに理解した。

エル「これは龍の卵ですね。」
セトラ「なんだ、そっか…」

二人「…」

エルの鑑定にセトラは安心した様子を見せる。だが・・・その静寂はすぐに打ち消された。

セトラ「やばいって!!それ!!」
エル「っていうかなんでそんなものが!?」
セトラ「朝起きたら家の前に!!」
エル「まさか北のブゲンの龍がこの近くにでも!?」
セトラ「とりあえずこれは村のはずれにでも!!」
エル「そうですね!!今の状態ではそれがいい考えだと思います!!」

セトラは近くの森に龍の卵を置くと急いで自宅へと走り去っていった。

セトラ「はぁ…朝から疲れた…」
エル「私もびっくりです。…さて、それでは今日の予定ですが…」

セトラがエルに今日の目的を聞きながら粗末な朝食を口にしていると>>704

突然家の中でネコとネズミが追いかけっこを始めた

そしてエルの計画を聞きながら粗末な朝食を口にしていると
部屋の中に猫とネズミが現れ、追いかけっこを始めた。

セトラ「動物は割といるんだなぁ…」
エル「…そうみたいですね。」

小汚ない猫とネズミが部屋中を走り回り、そして外へと出て行ってしまった。

セトラ「あーあー、せっかくの新居が…掃除道具すらまだないってのに…」
エル「まぁ大丈夫なはずです。水もほら、井戸が生きてますし…」
セトラ「まぁそうだけど…」

そしてエルのありがたい再興計画が続き、1ヶ月が経過した。

創造の書の中の魔神を駆使し、人一人ではあるがなんとか安定した生活ができるようにまでなった。

セトラ「食物もよし、水もある…。果実とかも収穫ができた!!」
エル「ノブさんの力のおかげで食糧難は解決ですね!」

一人用ではあるが畑に果樹園が完成し、セトラの顔にも笑顔が戻ってきた。

エル「さて、ここからが本題ですね。」
セトラ「というと?」
エル「いまだこの村の村民はお嬢様一人。これから村民を集めないと村として名乗れません!」
セトラ「エルたちがいるとおもうんだけど…」
エル「私たちは魔神です。この魔導書から離れることが不可能なので村民にはなれないのです!」
セトラ「そっか…それじゃ移民とか難民とか探すべきなのかなぁ…」
エル「難しいと思いますが、まずは人を集めることも視野に入れていただかないと…」

エルがセトラに新しい計画を説明する。すると>>706

卵を集めろという提案

ノブ「次はあれだ、卵を集めるべきだべ」

畑を耕していたノブが戻ってきてセトラに告げる。だが、それは自分が一番分かっている様子で
こう答える。

セトラ「それは分かっていますが、鶏がいません!」
ノブ「そう言えばそうか」
セトラ「ってかその話結構前も言ってましたよね?」
エル「畑がだいたい完成した段階の時にノブさんが言ってました。」
ノブ「ううむ…。しかし卵がないと今後厳しいな。ここにあるの野菜だけだべ」
セトラ「そうなんですよねぇ…。わかってはいるんですけど…」

するとエルがシビアな表情でセトラに言った。

エル「鶏を世話することが得意な魔神はいますが…鶏がいなければ話になりません。
    とはいえ、この辺には村がないのも事実。
    …ここは他国に取り入るしか方法はないと思うのですが…」
セトラ「…来たか、その提案」

セトラもいつか来ると思っていたようだった。一人では限界がある。
野菜は手に入れられても肉、卵などは一人では無理なのである。

エル「現在この国は崩壊こそしていますが他国とは敵対はしておりません。
    話をすれば多少は聞いてくれると思います」
セトラ「…」
エル「特に狙い目なのは南…バードリア共和国です。
    ここは他の3ヵ国とは戦争を行っておらず、平和な国なのです」
セトラ「確か東のセイドラッドが攻め込んだことがあったけど…魔法壁を破壊できなくて
    退散していったって聞いたことある。」
エル「ここの統治者クラウヴィア王女は博愛主義者と聞きます。
   一度彼女に話をしてみてはいかがかと…」
セトラ「…うーん、なるほど…」

卵を集めようにも鶏がいない。鶏を手に入れるには他国の協力が必要。
セトラは思い悩んだ結果>>708

シーチキン

セトラは思い悩んだ結果…

【大陸南 バードリアス共和国】
セトラ「というわけで鶏をいただけたらと…」
クラウヴィア「はぁ…」

セトラはバードリアス共和国へと足を運んでいた。そしてセトラの目の前にいる人物こそが
この国の王女で統治者のクラウヴィアであった。

クラウヴィア「お話は分かりました。…まさか、大陸中央にそんな村があったなんて…
         とりあえず鶏でしたらこちらでご用意しますわ。」
セトラ「おお、本当ですか!」
クラウヴィア「それとこれなんかでよろしければと…」

クラウヴィアが用意したのは缶詰だった。

クラウヴィア「異国の保存食です。この間、取引した際に頂いたものです。
        名前はシーチキンと言うそうです。」
セトラ「シーチキン…鶏肉の保存食かぁ」
クラウヴィア「いいえ、これはお魚みたいです。」
セトラ「魚…ですか。なるほど…」


【廃村テムト】
セトラ「というわけで卵を産む鶏とシーチキンという食べ物を貰ってきたわけですが」
エル「あらまぁ、保存食まで。実に出来たお姫様だったようで」
セトラ「あと、うちの国に来ないかとか聞かれたけど…とりあえず断っておいた。
    …目的があるし」
エル「なるほど…信念は忘れていないようですね。」
セトラ「とりあえず鶏をカゴに入れて・・・と、これでよし。あとは餌とか用意しておかないとね」
エル「それではご飯にでもしましょうか」

セトラが自宅へと入り、少し充実した晩ご飯を始めると>>710

さりげなく1人増えていた

そして食事中、あることに気づく。
一人の男が黙って立っているのだ。

セトラ「あの…どちら様で?」
エル「あぁ、彼は魔神の一人で戦闘術を担当するライオネル君です。」
ライオネル「どうも、初めまして」
セトラ「は…はぁ…」
エル「お嬢様と魔導書への信頼度が上がったことで呼び出すことが可能となったのです。」
セトラ「あ、そうですか…。」

ちなみにライオネルという魔神は黙って立っているだけだ。

セトラ「あの…何故、立っているのです?」
ライオネル「今回は挨拶に来ただけです。それにエル様にセトラ様をちゃんと見て覚えろと…」
セトラ「あ、脳筋の方でしたか…。」
ライオネル「それに…この村に何者かが近づいている…そんな気がしたもので…」
セトラ「え、人間…!?」

ライオネルが背中の剣を抜き、そう答える。
実際確かに外に誰かがおり、ゆっくりと近づいているのだ。

ライオネル「誰かがいるぞ…魔神じゃない…誰かだ…」
セトラ「…」

そしてセトラが息を飲んだその時だった。コンコンと扉をノックする音が聞こえた。

セトラ「何ヶ月かぶりに扉をノックする音が…!あ、どちら様ですか?」

セトラがノックする主に対し質問を飛ばしてみると>>712

扉から刃が飛び出した

セトラが質問を投げ飛ばしてみると扉から刃が飛び出した。

セトラ「うわっ!!」

ライオネルは扉を蹴り飛ばし、外へと飛び出すと刃を突き刺した者を確保する。

???「ぐっ、まさか手だれた奴が住んでたとは!!」
ライオネル「バレてんだよ…。刃物と血の匂いをプンプンさせやがって…」
エル「お嬢様!お怪我はございませんか!?」
セトラ「あのさぁ、テーブルに座ってどちら様って聞いてたんだよ!?
     扉から離れてたんだから無事に決まってるじゃない!」
エル「一応確認ですよ。何が起きるかわかりませんからね」

ライオネル「それよりこの賊についてだ。一体何者なんだ?」
???「…」

兜を深々と被った賊はライオネルによって拘束され、悔しそうな表情をする。

エル「えーっと…正直に答えたほうがいいですよ?
   …言っておきますが、自害とか自爆は考えないほうがいです。
   …無駄ですから」

エルとライオネルが厳しい表情で賊に問い詰める。すると賊は>>714

無実の罪を着せられて追われているとか何とか

賊「無実の罪を着せられて追われている」
エル「なるほど、ですが安心ください。これであなたは犯罪者ですので」

エルは扉に刺さった剣を指差して言った。

賊「済まないと思っている。だが、安心できなくて…」
ライオネル「なんとなく分からないでもないがな…
        周りが敵に見えてしまう。ということだろ?」
賊「はい…」
セトラ「しかし参ったわね…。やっと現れた人間がまさかこんなやつだったとは…」
エル「少なくとも逃走者ということです。直に追いかけている者も現れるかと思います。」
ライオネル「うむ…しかしどうだろうか、この賊を捕まえたとなれば懸賞金も出る。
       それを元に様々なことが始められるわけだ。」
賊「あの…すいません!!自分本当に無実なんです!!」
エル「ならばそう言えばいいじゃないですか。自分はやっていないと堂々と…」
賊「…」
エル「黙られても困りますわね。そもそもあなたはどこの国出身ですか?
   北ですか?西ですか?東ですか?南ですか?」
賊「>>716

……下だよ

賊「下だよ」
エル「方角で聞いているのに、あなた実は相当の…」
賊「…」

どうやら南の国から逃げてきたとのことだった。

セトラ「ちょっと待って。あの国って確か戦争もないしすごく平和な国なはず…」
エル「税金も安いし治安も悪くない。…確かに理想な国ですね。」
セトラ「でもなんでそんな平和な国で…?」
ライオネル「…いや、逆もしかりだ。考えてみろ。王女が博愛主義者のゆとり姫なら
       反対の意見の奴らだって多いはず…」
エル「なるほど、反政府組織ですか!」
セトラ「つまり、この賊は反政府組織の人間ということに…」

怪しい族に対し三人の考えがまとまり始める。しかし…

エル「南を下というのはおかしくないですかね…」
セトラ「と言うと?」
エル「私はどの方角から来たか質問をしたのです。しかし彼は…下と答えました。
    私からしたら…それから既に嘘だと思うのです。だって私…東西南北を全て
    言ってますの」

エルの考えに再び疑いの目を向けられる賊。

ライオネル「なぁ、もう諦めて全てを話しがほうがいいぞ。」
エル「あなたが答えるべきは…どの 方角 から来たかだけです。
    上下左右は聞いてません!」
賊「わかった…答える!真面目に答える!!」

そして賊が答えた方角は>>718

おおっと

そして賊が答えた方角は>>720


賊「北だ…」

エルが族の兜を外してみる。するとそこには人間にはまず存在しない獣の耳があった。

エル「間違いありません。彼は獣人です。…北の国の脱走者のようです」
セトラ「初めての来訪者は人間じゃなかったか…」

獣人は悔しそうな顔で下を向く。

ライオネル「しかし、厄介事が増えただけかもしれん。 
       …獣人は人間なんかよりはるかに強い。
       こいつを捕まえに兵士たちが来るかもしれないな」
セトラ「どうしよう…!!…こういうのピンチっていうんじゃ!!」
エル「お、落ち着きましょう!…少なくともまだ北のブゲンとは敵対しておりません。
   この賊を引き渡して様子を伺うしか…」
賊「そんな…助けてくれ!!…命が、命が狙われてるんだ…」

村発展1ヶ月にして突如現れた来訪者。それは北の幻獣の里ブゲンから逃げてきた
脱走者だった。このままではこの村の復興を前に滅ぼされてしまうかもしれない…

復興から1ヶ月…住民はいまだ1名

とりあえず今日はここまでです。
版権ものはご勘弁ください。出しちゃうとなんかどんどん広がって行ってしまいそうで…
あと地下世界はございません。多分これ以上は増えない。多分ww

【12/16 (月) 00:13時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/17 (火)
  21:00~/ミント ◆MINTG/yggg氏 - たった一人の村づくり第二話「まだまだ小屋程度です。」
12/21 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - さんたがーるず! 後編

とりあえず今日ものんびりやらせていただきます。

登場人物
http://mb1.net4u.org/bbs/fantoms6/image/4png.html
http://mb1.net4u.org/bbs/fantoms6/image/5png.html

現在の状況
【廃村テムト】
人口
人間1名
魔神3名
捕虜1名


幻獣の里ブゲン(統治者:ディア)
-獣人や貴重な幻獣で構成された集落。鉱山や農業が盛んで貴重な鉱石や食材などが存在する。
環境を汚す西のワイトライガ及び武力拡大を企む東のセイドラッドと敵対している。

西
ワイトライガ近代国(統治者:スペイダム)
-様々な科学技術を身につけた人間の国。国の中心は非常に便利で住みやすい反面、
近隣の森や川は汚染されており、動植物が絶滅しかけている。


武装帝国セイドラッド(統治者:ゼルハート)
-力こそ全てと考える巨大帝国。種族問わず、名誉や財を求める者が集まっている。
過去に南のバードリアスに戦争を仕掛けたが、魔法防御を打ち破れずに惨敗したことがある。


バードリアス共和国(統治者:クラウヴィア)
-魔法や魔術を得意とする大都市。唯一海に面しており、漁業や他大陸との貿易が栄えている。
税金も安く、治安もよく、物資も豊富な為か唯一の戦争非加入国。国は巨大な魔法障壁で護られている。

中央
廃墟の村テムト(統治者:セトラ)
-大陸の中央に存在する小さな村。4ヵ国の中心に存在しており、数ヶ月前の戦争に巻き込まれ、廃墟と化す。
その際、4ヵ国全ての国から見捨てられ、独立地帯となってしまった。

【戦歴 2080年 廃村テムト】
創造の書を使用して一ヶ月と数日が経過した。
セトラの家の数メートル隣にある気持ちの悪い形の家はそのまま牢屋へとリフォームされ、
北の国から逃げてきた獣人が閉じ込められている。

ライオネル「奴の被っていた兜は非常に珍しい鉱石で作られている物だ。」
エル「ふむ…やはりですか…」
ライオネル「これを溶かして包丁にでもすればしばらく刃こぼれはしないだろうな」
セトラ「おー…なるほど…」

確保された獣人の名前はジャグル。北の国で行った罪は不明だが、この村で行った罪は
器物破損及び殺人未遂ということになっている。

エル「しかしいずれ北の獣人たちがこの村に来て彼を連れて行ってくれるはずです。
   あとは賞金首であれば多少のお小遣いは稼げるかと思います」
セトラ「お小遣い…程度か…」
エル「無罪の罪と主張しておりますが裁くのは北の国。私たちは全く関係がございません。
   保護する必要もございませんし、それに家のドアに穴開けられたわけでもありますし」
セトラ「うん、あれには正直腹たったし!」
エル「とりあえず賊の件は以上です。それで今後の復興計画なのですが…」

エルがそう言うと創造の書をパラパラめくる。そしてあるページで手を止めて話す。

エル「現段階ではお嬢様たった一人なわけです。それでは村どころか集落にもならないでしょう。
   なので少し移民を募ってもよろしいかと思うのですが…」
セトラ「あー、そうなんだよね…。」

セトラも思っていたようだった。しかし問題もある。まともな人間が来るかどうかである。
実際最初に来たのは犯罪者だったわけだ。それに大抵移民は安全な南のバードリアス共和国に移住するだろう。
とりあえずセトラとエルが今後の発展計画や予想図などに夢を膨らませていると>>728

「そんなに大きくしなくてもいい」とジャグルが提案してきた

ジャグル「そんなに大きくしなくてもいい」

何故か鉄格子の向こうから獣人が口を挟んできた。

ライオネル「お前は黙ってろ。ってかお前がいつ住人になったと錯覚した?」
ジャグル「じ…冗談だ…」

ライオネルに剣を突きつけられ、慌てふためく男。

セトラ「大体ジャグルは北の国で無罪の罪とかかけられてるとか言ってたけど
    どんな冤罪をかけられたのさ?」
ジャグル「そ…それはだな…」
エル「北のブゲンの集落は他の国と比べればかなりの田舎。
    さしずめ野菜泥棒か鉱石泥棒でしょうかね」
セトラ「うわ…ちいさっ…!」
ジャグル「んなわけないだろ!!その程度なら数ヶ月強制労働させられておわりだ!」
エル「それじゃ何の冤罪をかけられたんですかねぇ…」
ライオネル「ちなみに、冤罪を言ったからといって出られるわけではないからな…。
       お前は後にブゲンの集落に引渡し、金になるんだ。」
セトラ「まぁ隠しててもいずれバレるしね。」

セトラと魔神たちが鉄格子の向こうの獣人に尋ねてみる。すると>>730

族長が寝ている間に顔に落書きした罪

ジャグル「族長が寝ている間に顔に落書きした罪だ」

全員が絶句した。被らされた罪のあまりの小ささにだ。

セトラ「小さい…余りにも小さすぎる…!!」
エル「そんな子供のいたずらを…しかも冤罪にされるとは…」
ジャグル「ディア族長は恐ろしいんだぞ!!…もしかしたら死刑に…」
エル「っていうか何故罪を被ることになったかも気になりますわね…」

まぁどちらにせよこの男を裁くのはこの村ではない。使いが来るまでは
ここに捕虜として捕まっていることになるのである。

エル「さて、本題に戻りましょう。現在この村で足りないのは人…そして各素材なわけです。」
セトラ「そうだよねぇ。これじゃ集落にもならないし…」
ライオネル「一応村の領域には木柵は用意してあるが…
        さすがにもうすこし頑丈なものが欲しいな…」
エル「他国から買うにしても我が村にはお金がありません。
    名産となるものを作るというのも案の一つかもしれませんね。」
セトラ「一応この村でのみ採れる果実があったんだけどね。戦争で木ごと焼かれちゃったし…」
エル「ふむ…種が一つでも残っていれば儲け物なんですけど…」
セトラ「ちょっと村中探してみようか?もしかしたら他に役に立ちそうな物残ってるかもしれないし」
エル「そうですね。それでは我々も協力致しましょう!」

セトラと3人の魔神が村中で役に立ちそうな物を探し始めてみる。そして数時間後>>732

ある薬草の球根が

そして数時間後…様々ものが集まった。
洗えば使えそうな布、服といった物や鉄、皮といった素材だ。
その中でも最も役に立ちそうなものは薬草の球根だった。

ノブ「こりゃあたんまげたわ。こん球根は貴重な薬草のもんだ!」
エル「ちなみに貴重度でいいますと?」
ノブ「そりゃ、こんな球根北のブゲンでしか採れねぇ貴重なもんだ!!
   北以外の他国でならかなりの額を出すだろうよ!」
セトラ「そんなものあったんだ…。そう言えば昔村長がブゲンと友好関係にあったときに
    貰ったって聞いたことあるな」
エル「なるほど…つまり戦争が起きる前の栽培されていたんですね!」
セトラ「確か…私は別な仕事やってたからあまり薬は詳しくないんだけどね…」
エル「ノブさん。この球根はお任せしてもらってよろしいです?」

エルがノブにそう言うとノブは早速土を耕し始めたのだった。

エル「まさか貴重な薬草の球根が残っていたとは…奇跡ですね」
セトラ「うんうん、あとは収穫が出来れば売れるかも!」
ライオネル「とりあえず球根はいいとして…他に集めたものも見てみないか?
        このままでは使えそうにないが、何かの役に立ちそうなものはあるかもしれない」
エル「あ、そうですね。もしかしたら直せば使えるものもあるかもしれませんし」
セトラ「うーん…あ、これなんかどうかな?」

三人が村中から集めた物品を一つ一つ調べていると>>734

大きなダイヤの原石

ライオネル「いやはや…まさか…」
エル「私もびっくりです…」
セトラ「…」

でかい石があるなと思いそれを投げ捨てようとした。だが、何かに気づき、
それをこすってみる。そして分かったものはこれはダイヤの原石だったのである。
魔神たちは驚き、セトラに至ってはあまりの衝撃に立ったまま動かなくなってしまった。

ライオネル「しかもでかい。…こんだけデカイとかなりの価値にはなるな…」
エル「確かに…現在もダイヤが価値のある物質ならこの大きさなら屋敷一つは…」
セトラ「…はっ!」

セトラも目を覚ます。そして改めてこの石をじっくり観察してみる。

セトラ「まさかこんなものが出てくるとは…」
エル「しかし問題はここからです。…ダイヤの原石があるとは言え、
    これを買い取る人物や国が存在するかなのです。」
セトラ「そっか…そうだよね…」
エル「はい。とりあえず後はいくつか使えるものを修理やリメイクすればよろしいですね」

エルはそう言って使えそうな道具などの修繕にかかったのだった。

ライオネル「しかしこの村でダイヤか…ノブさんにでももう少し調べてもらう必要があるな」
セトラ「ノブって鉱石とかも詳しいの?」
ライオネル「農業、伐採、採鉱、畜産…この辺の知識はかなりものだぞ。
       大体セトラが生きていけるのもノブさんのお陰だからな」
セトラ「なるほど…実はすごい人だったんだ…。たまに何言ってるか分からないけど」
ライオネル「うむ…何を言ってるか分からないが…」

ノブの偉大さを改めて実感し、セトラも実った野菜や果実を収穫し始める。
そしてある程度収穫し終えると>>737

南へ向かって売りに行く

そしてある程度収穫し終えると…

エル「結構質のいいですね」
セトラ「当然でしょ。私が育てたんだから!」

自慢げに言うが実際はノブのおかげである。そしてこの収穫できた野菜や果実を
売りに行こうというのだ。

エル「でしたらその手に詳しい魔神がおります。」

そう言ってエルが呼び出したのはセトラとほぼ同年齢の少女だった。

リコ「お初にお目にかかりますわ。私はリコ。この本で商業関係を管理しておりますわ」
セトラ「へぇ…商人もいるんだ…。で、この娘も魔神?」
リコ「はい、これでも何百年も生きております。」

セトラより少し身長の低い魔神はそう言うと収穫出来た野菜などを伺う。

リコ「ふむ…形は多少よろしくありませんが、安全面は問題なさそうです。
   ただ、一般的な野菜なのでどれだけ売れるかは不安なとこですね」
エル「やはり問題は土でしょうか?」
リコ「土ですね。もう少し生きた土が欲しいところです。
   …まぁとりあえずこれはバードリアス共和国までにある村々で売ってきてみるとします。」

そう言うとリコは野菜などに魔法をかける。すると野菜はどんどんと小さくなり、リコのカバンに
収納されていった。

セトラ「入っちゃった…」
リコ「魔神の魔法ですよ。ちゃんと外に出せば大きくなりますし、この中なら
   時間も経過せず、そのままの鮮度を保てるのです。」
セトラ「うわぁ…便利…」
リコ「でも魔神専用ですよ。」

そう言い残すとリコは呪文を唱える。そして彼女は一瞬にしてセトラの前から姿を消した。

エル「行商に向かったようですので、帰ってくるのを待ってる間何をいたしましょう?」
セトラ「とりあえずご飯にしようか。いい食材も手に入ったことだし」
エル「分かりました。」

リコを見送り、セトラと魔神たちは昼食にしようと家に入る。そして
昼食を楽しんでいると>>739

虫の声が聞こえてきた

そして昼食を楽しんでいると、虫の声が聞こえてくる。

セトラ「そういえばこの辺動物が多いのかなぁ」
エル「と申しますと?」
セトラ「人間とかここに来ることはないんだけど…猫とか虫とかは
    よく鳴き声を聞くんだよね」
ライオネル「そういえばそうだな…」

やはり畑を作ったからか虫が寄り付くようになったのだろうか。
少しとはいえ、発展した証拠である。

エル「しかし問題は人の少なさです。まさか未だに誰もいないというのも」
ジャグル「(遠くから)俺はいるぞ!!」
ライオネル「うるせぇ!!黙ってろ!!」
ノブ「まぁ仕方ねぇ。死んだ村に人が集まるのは困難だ。」
セトラ「でも諦めちゃだめだ。…絶対にここを復活させる!!」
エル「お嬢様、しかし何故ここまでこの村を?」
セトラ「これは復讐のためでもあるんだ!…この村を大きくさせ、滅ぼした他国を倒すために!」
ライオネル「ははは…こりゃまたでかい夢で…」
エル「なんという理想…分かりました。こうなったらとことん付き合いましょう!」

魔神たちがセトラの夢に改めて協力をしてくれることとなった。
そして数時間後、リコが帰還する。そして行商の結果はというと>>742

普通に売れた

リコ「まぁ普通に売れました。」
セトラ「なんだかんだで完売じゃない。」
リコ「南の村の方々は味と安全性さえ保証できれば見た目は問題ないそうです。」
セトラ「まぁご苦労様。それで売上の方は?」
リコ「一応私のバイト料のみ徴収させていただきました。ではこれを」

そう言ってリコが渡したのは麻の袋だった。中にはそれなりのお金が詰まっている。
この金額にセトラも少し満足した様子だった。

セトラ「また次も頼むね。」
リコ「心得ております。では次の機会まで私は一眠りするとしましょう…」

リコはそう言うと魔導書の中へと入っていった。
そしてその後も徐々に畑を大きくしたり、建物の建設位置を考えたりと
村の発展を進めてゆく。

そして1ヶ月の月日が経過した。ほぼ廃墟だった村も多少は片付けが始まった。

セトラの能力も向上し、魔導書から召喚できる魔神が増えたのである。
中にはライオネルやノブの下僕クラスを複数呼び出せるようになり、
村の瓦礫撤去や農園一体の管理などもできるようになったのだ。

セトラ「でも…村人は一人!!」
ジャグル「(牢屋から)俺もいるぞ!!」
セトラ「黙ってろ!!」

セトラがまともな行動も取れないジャグルに向かって石を投げつけていると>>744

その石を木の棒で打ち返す男が

そしてその石を木の棒で打ち返す男が現れた。

二人「誰…!?」
男「全く、無防備な相手に石を投げつけるとか、君には人の心というものはないのか!?」
セトラ「無いわけではないけど…」

何故か現れた男。彼は木の棒を持って牢の前に立っていた。

セトラ「っていうか誰だよ!移住希望者ですか!?」
男「移住?何を言ってるんだ?」
セトラ「何って…一応ここ村なんだけど…」
男「村?…建物数件と畑だけだか?」

男は棒を振りながら笑う。旅人だろうか。どうやらこの村の状況を知らないらしい。

セトラ「とにかく何の用なのさ。今はテムト村復興中で忙しいんだけど…」
男「それで、なんでこの獣人は不気味な牢に?」
セトラ「あぁ、そいつは犯罪者だから牢に入ってるだよ。餌やんなよ」

セトラは適当に紹介する。すると男はチラチラと牢屋の奥の獣人の様子を確認していた。

セトラ「あのさぁ…本当に何の用なんです?」
男「>>746

この土地は俺様のものだ!!と武装した部下達を引き連れて襲いかかってくる

男「簡単なこと…この土地は俺様のものだ!!」

そう言うと男の背後からゾロゾロと武装した部下たちを引き連れて襲いかかっきた。

セトラ「…て…敵襲!!」

セトラがそう叫ぶ。すると魔導書からライオネルを筆頭に様々な武装を構えた兵たちが
姿を現した。

男「な…突然人間か…!?」
ライオネル「山賊ってとこか…」
セトラ「山賊…!?ここ山じゃないんだけど…」
ライオネル「じゃ野盗ってとこだな…おい、あんた、諦めたほうがいいぞ。
       …この村にはなんもない。」
男「見りゃわかるさ。畑しかないチンケな場所だからなぁ!!」
セトラ「じゃあ狙う必要ないんじゃ…」
男「…」

狙う必要性の無さを突っ込まれると野盗の大将の男は>>748

畑が欲しいんだよと言った

男「畑が欲しいんだよ!!」
セトラ「もっと他に村あんだろうが!!」
男「…一番狙いやすいのはここなんだよ!」

実に見事なヘタレだった。実際ここから西にでも東にでも、いろんな方角に向かえば
それなりに村があるのだ。しかし彼が襲撃したのはまだ村としても役割を果たしていない
チンケな集落なのである。

ライオネル「あのさぁ…帰ったほうがいいと思うぞ。」
男「あん…?」
ライオネル「なんていうか…あれ…」

ライオネルが指をさす。するとそこでは男が連れてきた部下たちが魔人たちに
どんどん倒されている様子だった。小さな集落とすら呼べない場所を襲う野盗たち。
その為か集まった賊たちも俗に言うヘタレだったのだ。

男「そんな…俺の精鋭たちが…!」

しかも6割ほどが装備を剥ぎ取られ、半裸にまだされる始末。

魔人「セトラ村長…奴らの装備なんですが…これ…盗品の可能性があります」
セトラ「盗品?」
魔人「ここに紋章があるのですが…これは東…武力帝国セイドラッドの物です」
セトラ「セイドラッド…力こそ全ての大帝国じゃない。」

ライオネル「ほう…まさか東の帝国で窃盗を…ますますヘタレが現れたな…」
男「な…な…」
野盗「ダメです!!奴ら…斬っても斬ってもダメージが全くなく…!!」
男「なんだと!?…くそっ…なんて奴らだ!!」

そして気づくと大将クラスの男の首元にはライオネルの剣が回っている。
少しでも動けば首ごと吹っ飛ぶ。そんな状態だった。

ライオネル「さて、どうしたものか…」

すると男は>>752

恐れおののき逃げて行った

男「ば…化物…化け物だぁあああ!!」

男は観念したのか恐れおののき逃げ出してしまった。
ゾロゾロと部下たちが逃げていくが、逃げ遅れた一人の部下を確保する。

部下「ひいいっ!?」

全身甲冑で兜で顔を隠しているためか動きが非常に鈍かったためである。

セトラ「さて、もっと詳しく情報を頂こうかとおもうんだが…」
ライオネル「一応ここに隣国の武器や防具があるとなると厄介になるからな」
部下「確かに…この鎧は隣国へ行く商人から盗んだものなんだ…!
    セイドラッドは戦いの国…知ってるだろ?…あそこの武器は質がいいんだ…」
セトラ「知ってるとも…この村を滅ぼした国の一つなんだから…」

西のワイトライガ、東のセイドラッド。そして北のブゲンに三つ巴により滅ぼされた弱小国。
そこがまさにここなのである。
ちなみにその間、南のバードリアス共和国は特に何もせず、ただ自身の国の守備に集中していたようである。
実際、セイドラッド帝国が攻め込んだことがあるが魔法障壁を破れず、ただただ
兵を失って帰ったという逸話もあるほどだ。

部下「とにかく、うちらは他の国にはもう逃げられないし、死活問題でもあるんだ…!!
    もうこの村は襲わないからどうか助けてくれ!!」
セトラ「まず野盗から足を洗って欲しいものだな。」
ライオネル「とりあえず素顔とか見せたらどうなんだ?」
部下「あ…そうだな…」

逃げ遅れた部下は兜を外す。すると>>754

物凄い美形

そしてそこにあったのは野盗とは思えないほどの美形の男だった。

セトラ「へぇ…意外…」
ライオネル「どちらかというと詩人的な顔だな…」

ちなみに名はキースというらしく、本来はただの辺境の地の村人だったが
金がどうしても欲しくなって野盗に転じたらしい。

キース「とにかく、この件は許していただけたらと…」
セトラ「…一つ聞くけど、農業とかは出来る?」
キース「え…ま…まぁ…」
セトラ「じゃ決めたわ。キースといったわね。あんたはここで一から鍛え直してあげるわ!!」
ライオネル「なるほど…敵の情報を知るためにも一理ある。」
セトラ「あの野盗たちは戻ってくる可能性もあるしね」
キース「そ…そんな…」

ヘタレな野盗騒ぎはとりあえず一段落ついた。人質としてキースが残り、
毎日のように働かされている。…一方でリコの鑑定の結果、
やはりセイドラッドへ運ばれるはずだった装備らしく、これは本来の武器商人へと返された。
…一部ではあるが、謝礼金はそこそこ出たようで村の発展が少々進んだ。
みたいであった…


現在の人口
人間1
魔神4
魔人14人

奴隷1
囚人1

とりあえず今回はこれで終わりです。
タイムスケジュールスクリプトがうまく機能してないのか予約がとれない…ぐぬぬ…

ジャグルはこのまま牢に入ったままになるのか…。
多分入ったままに(

チョット30分ほど延期させてください、21:30からってことで…

えー、すいませんお待たせしました。
という訳で一足早いのですがめりくりなのであります。あ、そんな日ありませんでしたよね!
http://muriyari4th.rash.jp/mngupload/src/mngup48.jpg

とりあえず今回主役級の四人組なのです。誰が誰だって? 手前が一番四番で、奥が二番三番ちゃんです。
そうです所詮番号で付けた名前なのです。って訳で、もう暫くお待ちください。

コントラスト濃い~ですね。出力するとどうして色変わるんだろう、うーん。

――― さんたがーるず 後編


 今年もクリスマス・イヴの季節がやってくる。去年、ライブ活動を行い大活躍したサンタガールス三人組。
そして今年もイベントを行おうと画策する早乙女市乃。彼女は何気にゴミ(人間)を排除したいという野望を抱きつつも、
普通にボランティア活動を行い、手作りプレゼントを配って歩こうという提案をするのである。

 しかし、実際期日の前日ともなれば事件が起きる。突如早乙女市乃を妬んだ黒幕、クネヒト・ループレヒト率いるブラックサンタが
町中に呪いを仕掛け、妨害手段を講じながら早乙女市乃を排除しようと、強硬手段に出るのである。

 それを前々から防ぎたいと、サンタクロースである栄は、等々早乙女市乃に接触。
彼女やその友人を含めサンタクロースの能力を一時的に与え、味方に加える事で全てを解決しようと考えた。


トナ貝 「っていうのが簡単なあらすじってヤツだ……フッ……」

美奈 「は、はぁ……」

美奈 (急に窓が開いたと思ったら、二頭身で貝をかぶったトナカイが居た……)

美奈 (何が何だか分からないけど、とりあえず現実らしい……んだけど)

トナ貝 「つう訳でだ。……お前さんにもサンタの力を与えてやろうと思う。……どうだ?」

美奈 「どうだこうだと言われても、ねぇ」

トナ貝 「友達、助けたいだろう……? フッ……」

美奈 「余りにも現実味が無いっていうか、何というか……」

トナ貝 「四の五の言わずにさっさと変身しろ! これが変身ツール『トナ貝パクト』だ!!」

美奈 「○リーちゃんのパクリじゃないのそれっ! ……で、このボタンを押せばいいの?」

トナ貝 「そうさ。……さぁ、やりな、お嬢さん」

美奈 「はぁ、とりあえず押します、押しますよーっと」 ポチッ


 ―― 五分後


美奈 「ひゃっは~~! この力があれば、>>763だって簡単だぜぇ~~ひゃっはぁぁぁっ!!」

美幼女をてごめにするのだって

美奈 「ひゃっは~~! この力があれば、美幼女をてごめにするのだって簡単だぜぇ~~ひゃっはぁぁぁっ!!」

トナ貝 「お、おい、呪いの話はちゃんと聞いたのかっ!?」

トナ貝 「今、早乙女市乃って娘達が三人で協力して呪い大元の一つ、招き猫のシンボルを叩きに向かっている!」

トナ貝 「お前はその救援に―― って、何処へ行こうとしてやがるっ!?」

美奈 「ん、決まってるよ。……美幼女を救いにいくんじゃない」

美奈 「滾る……私のサンタクロースとしての血が、滾ってきたわぁぁぁっ!!」

美奈 「という訳で、行って来まーす」 ダッ

トナ貝 「あ、あの茶髪野郎、変身した途端人格が豹変しやがった……」


 ―― 24日早朝 招き猫のシンボル前。


トナ貝 「って訳で、あの野郎だけさっさと美幼女を追い求めに行きやがった」

トナ貝 「なので、残りのシンボルは三つだが、一つは栄が何とかするだろう。……お前達は残り二つをだな」

丹緒 「って、美奈また先走っちゃったわけ?」

市乃 「うーん、止めに行かないと、犯罪を犯しそうですねぇ……」

四葉 「あのあの、そもそも美奈とはいったい何者でありますか?」

丹緒 「隠れ変態よ」

市乃 「隠れ変態ですね」

四葉 「おぅ……それは中々恐ろしい存在であります……」

トナ貝 「こ、こいつら丸で俺の話を一切聞こうとしねぇ……!!」

市乃 「という訳で四葉、例のアレ、お願いしますねっ!」

四葉 「チート級である何でもサーチモードでありますか。了解であります」

丹緒 「……ていうか、いちのん、本当にこの子、ロボットな訳?」

市乃 「最新鋭のメイド型戦闘ロボット、四葉ちゃん! なのですよー!」

丹緒 「あんた、そんな恐ろしいモノ作り出して、元々何するつもりだったのよ……」

市乃 「この子、パパが作ってくれたモノだったりするんです」


四葉 「ぴーががが、ハッケン、ハッケンであります。サンタ衣装を纏った女子が、美幼女像に>>765してるであります」

組み体操

四葉 「ぴーががが、ハッケン、ハッケンであります。サンタ衣装を纏った女子が、美幼女像に組み体操してるであります」

四葉 「厳密に言えば、四つんばいな美幼女像の上にまた四つんばいになったサンタ女子が居るであります」

市乃 「……どう突っ込めば良いのやら……」

丹緒 「もう分からないわね……。……ともあれ」

四葉 「現場に急行でありますっ!」

トナ貝 「おい、待て! 俺様を置いて行くんじゃねぇ! おーいっ!!」

四葉 「煩い貝殻野郎であります。仕方ないから肩の上にでも乗っかっててくださいやがれませ」

トナ貝 「その語尾わざと付けただろ、わざと」


 サンタクロースと一時的に化した私達には、ちょっとしたどころか、とんでもない能力がある。
その一つが浮翌遊。実はサンタクロースは実在し、トナカイをお供にするだけでソリには乗らず、プレゼントを配っていたという真実。
その能力で私達も空を舞い、美奈目指して目的地に急行するのである。

 そうして急ぎその場に到着した頃には、朝日が眩しく、その輝きが彼女と像を照らし出すのであった。


美奈 「わっふぅぅぅぅ~~~っ!!」

丹緒 「……いちのん、とりあえず写メ、撮っとく?」

市乃 「そ、そうですねぇ、いざと言う時はこれで脅迫もできますし~」

丹緒 「脅迫はダメよ、脅迫は」

四葉 「……それにしても、滑稽なシーンなのであります。四つんばいの上に四つんばいしてわっふぅ~であります」

トナ貝 「ありゃ確かに、間違いなく変態だな。……つうか、俺様達がまん前に居るのに、アイツ気付いていないようだ」

四葉 「では、>>767でもして目を覚まさせてやるとします」

水鉄砲でチュー

四葉 「では、水鉄砲でチューでもして目を覚まさせてやるとします」

トナ貝 「なんだそりゃ。また奇妙なネーミングだが……?」

四葉 「四葉には様々な機能が備わっているであります。全て戦闘用にプログラミングされ、セッティングされたものでありますが」

四葉 「この様な事に用いるとは思ってもおりませんでした」 ゴクゴク

トナ貝 「お、おい、何で水を飲み始める。というか森の水だよりをどこから取り出した!?」

四葉 「んぐ~~んぐんぐんぐんぐ(四次元袋に仕込んでいたであります)」

トナ貝 「うむ、何を言っているのかさっぱり分からん」

四葉 「ごくごくごくり。準備完了なのであります。いざ――」


 私と丹緒ちゃんが写メに夢中になってる間、そのフレームに四葉の姿が映るものだから。
私も我に返ったよう彼女の名を呼び、手を伸ばす。しかし四葉は振り返り、一つ頷くだけでまた、四つんばいサンタに迫っていく。
何をするつもりだろう、私も、丹緒も、トナ貝さんも思っていたに違いない。


美奈 「わっふわっふわっふぅぅぅ~~んっ!!」

四葉 「女子の癖に美幼女のシンボルに盛って叫びたくて仕方が無い腐れサンタ」

四葉 「覚悟するであります―― んっ……!」

美奈 「わふっ!? んぅぅぅぅ~~……ごぼごぼごぼごぼぼぼぇぇぇ!!」

四葉 「びゅるびゅるびゅるびゅる~~であります、もごもご」

トナ貝 「せ、説明すると、水を飲んでいたと思ったら貯めていた。そして貯めた水をキスと同時に発射……!」

トナ貝 「こいつはやべぇ、水鉄砲の勢いで口から口へ、水が美奈の口の中に押し寄せてやがるぜ……!!」

丹緒 「……これ、どうなのいちのん」

市乃 「……不味いですよぉ、丹緒ちゃん」

丹緒 「な、何が不味いの?」

市乃 「小学校の時、無理矢理シチューを飲ませられた美奈ちゃん、どうなったと思う!?」

丹緒 「んー……って、まさかっ!!」


市乃 「そうだよ、そのまさか!! ……このまま水を強引に飲ませられれば……」

市乃 「美奈ちゃんは>>769!!」

エロくなる

市乃 「美奈ちゃんはエロくなる!!」

丹緒 「そう言えば、小学校四年の時、彼女、シチューを強引に男子に飲ませられて、口から白い液体を零しつつ……」

丹緒 「男子を押し倒して、それだけじゃなく自分の身体を触らせようとして……」 ブルブル

市乃 「そうなのです! 私も丹緒ちゃんも、止めるの大変だったのです」 ブルブル

四葉 「びゅるびゅる~~であります。……おっと、森の水だよりの貯蔵がゼロになりやがったです」

美奈 「んぅぅ~……ごく、ごく……ふぅ……」

美奈 「…………」 ジトー

四葉 「な、何でありますか? もしかしてファーストキスを奪ってしまったでありますか? しかしこれは人命救助的な意味で――」

美奈 「……ふっ」 ガバッ

四葉 「っ!? お、押し倒されたであります! いちのん、戦闘モードへの移行を要請でありますぅぅ!!」

市乃 「くっ、止められませんでした。アルティメット美奈ちゃんの誕生です……!!」

丹緒 「何よその究極生命体。……ていうか、今のうちにこの美幼女のシンボルの呪い、解いてもいい?」

トナ貝 「確かにピエロの野郎も、奴等の手下も誰もいない今がチャンスだな……フッ」

トナ貝 「ならば、丹緒、お前さんが解呪をやってやれ。市乃はどうやらそれどころじゃないらしい」

市乃 「待っててください四葉、今、私が助けに行きますから!!」

四葉 「は、早くしてください~、四葉の最新シリコン素材が汚されるであります~~!!」

美奈 「はぁっ、はぁっ、はぁっ!!」


市乃 「今の美奈ちゃんを止めるには、>>771しかない……!」

死んだフリ

市乃 「今の美奈ちゃんを止めるには、死んだフリしかない……!」

市乃 「四葉、死んだフリをしてくださいっ!!」

四葉 「ふえぇぇ、ロボットは死なないであります……と、フリだから別に何でも良いのでありました」 バタリ

美奈 「…………」

美奈 「……死んでんじゃねぇぇぇぇっっ!!」 バシバシッ

四葉 (ほ、頬が痛い気がするでありますが、死んだフリ、死んだフリ……)

美奈 「……玩具、死んじゃった」

美奈 「玩具、死んじゃったよぉぉふえぇぇぇん!!」

市乃 「……美奈ちゃん、大丈夫です。私が居ます、私が」

美奈 「……あ、あなたは……」

美奈 「……淫乱ピンク!!」 ガバッ

市乃 「って、な、なんで私にまで飛び掛ってくるのですかぁぁ~~!!」

美奈 「はぁっ、はぁっ、淫乱ピンクなら一発どころか二発三発ふへへへぇぇぇ~~」

市乃 「み、見境がなくなってる……! けど、解呪を行ってる丹緒ちゃんの所へ向かわせてはいけない……」

市乃 「死んだフリが使えない現状……ならば……っ!!」


 一か八かというのもあり、招き猫で丹緒の陵辱妄想を見せられたという手前もあり、
私も混乱していた節があったのだろう。最早策はこれしかないと、彼女を逆に押し倒していた。
駄々っ子のように手足を動かし暴れ始める美奈ちゃんだったが、私が顔を近づけ、彼女の名を呼ぶと、美奈ちゃんは大人しくなり……。


美奈 「……ぁ……」

美奈 「私、ついに……初めてを……いちのんに……」

市乃 「……美奈ちゃん、私が助けてあげるからね……うふふふぅ……」

美奈 「……って、な、なんか変! いちのんが何か変!!」


市乃 「先ずは美奈ちゃんの身体に>>773してあげますよぉ、うふふふぅ~」

????A

市乃 「先ずは美奈ちゃんの身体に????Aしてあげますよぉ、うふふふぅ~」

美奈 「よ、読み取れないもとい聞き取れないっ!?」

トナ貝 「成る程、????A、つまりそれは五文字で語尾がAとなる英文或いは文字!!」

トナ貝 「推測しよう。だが五文字とは限らない。子音がA或いはあになれば良いのだ……ならば……!!」

美奈 「って、何で唾液塗れにしてくるの!? せ、折角のサンタの衣装がぁぁ!!」

市乃 「私の魔法もとい祈り効果で無尽蔵に唾液が滞りなく溢れて来るのです……ふふ」 ダラァー

美奈 「ちょ、ちょっとまって、なんか地味にすっぱい臭いもして、変な気分になってくるからぁ!!」

トナ貝 「そ、そうか!! ????Aとか濡れ場! 即ち濡れ唾液プレイに持ち込んだって訳か!!」 ドヤッ

丹緒 「その説明、かなり無理がなくない?」

トナ貝 「おっと、金髪ツインテールよ、解呪は終わったのか?」

丹緒 「完璧よ、この私に掛かればこの程度、お茶の子さいさいってヤツね……って、何、アレ」

トナ貝 「見ての通り、濡れ場プレイだ……唾液でのなっ……!!」

丹緒 「今度はいちのんがおかしくなったのね。……彼女を正気に戻すのは簡単よ」 スッ

トナ貝 「ん、何を取り出したのだって、スナイパーライフルだとっ!?」

丹緒 「狙撃するわ。目標、変態化したいちのん、ヘッドショットで決めてみせるッ」 ズドンッ

 ペチィッ

市乃 「あへあへほろろぉ~~ふらふら~……はっ!!」

市乃 「あれれ、私は一体……何をして……って、美奈ちゃんがどろどろ塗れに!!」

美奈 「うぅ~、なんか微妙な気分~……でも、うん、ちょっと嬉しくなってきちゃった……///」


 こうして、唾液塗れになりながらも、彼女を救出?出来た私達なのだが、
唾液塗れにされて、相変わらず正気を取り戻せていないのか、彼女はうっとりしながら私に呟くのだ。


美奈 「……いちのん、今度>>777しよ?」

ガーターベルト取り競争

美奈 「……いちのん、今度ガーターベルト取り競争しよ?」

市乃 「わ、私は出来れば銃撃ごっこがいいですよぉ。サバゲーとかぁ……」

美奈 「だーめ、ガーターベルト取り競争を、二人っきりで……ね?」

市乃 「助けて丹緒ちゃん! 美奈ちゃんが変なフラグ立ててくるですよぉ!」

丹緒 「あんたが悪いんでしょ、あんたが。で、トナ貝、栄ってサンタクロースの子はどうなの?」

トナ貝 「先ほど、妨害に遭いながらもシンボルの解呪に成功。残る一つ……」

トナ貝 「むりやり様のシンボルの前で落ち合わせる事になっている……フッ」

丹緒 「……そのネタ、知ってる人いるのかしらねぇ……」

四葉 「それよりよりなのあります。……目標地に、人影多数。呪いを受けたゾンビ人間そして……ピエロ野郎が居るであります」

丹緒 「まだ数キロ離れているのに、そんなの見えちゃうんだ。すごいのね」

四葉 「もっと四葉を褒めるであります」 デレデレ

丹緒 「ってデレ顔されてもなぁ……。いちのん、話は聞こえていたでしょ?」

市乃 「美奈ちゃぁぁん、だから飛びながら抱きつかないでくださいよぉぉ!!」

美奈 「い~ちのん~、えへへへへへ」


 そもそもの話、サンタクロースは人気を得ないと生きていけないという。
その為に、この地を担当していたクネヒト・ループレヒトは、私や皆に人気を奪われる前にと、行動に移した。

 だがどうして、私達だけをピンポイントで消そうとしなかったのだろう。炙り出すように、ゲームのように仕組まれたこの一連の事件は、
私にとっても訝しく思い、美奈ちゃんに抱きつかれながらも最後の目的地、むりやり様のシンボルを目指すのであった。


 そうして、浮翌遊してはその場へ到着した私達に待ち受けていたものは、>>780

ダンスパーティ

 そうして、浮翌遊してはその場へ到着した私達に待ち受けていたものは、ダンスパーティ。
呪いを受けた一般市民が、皆で手を取り合い、社交ダンスを像の前で踊っている。
それを眺めみるように穏やかな顔をしたむりやり様と同時に見て、ちょっとした逸話を思い出す。


市乃 「……むりやり様って、時空を曲げる存在だって、知ってます?」

美奈 「またまた~、それ、都市伝説以前の問題って話でしょ~?」

丹緒 「でも、神隠しはむりやり様の祟りだって説もあったわね」

四葉 「対象を確認してみましたが、特に怪しい点は見受けられないのであります。……変な顔以外は」

市乃 「ッ!? むりやり様の前で変な顔って言っちゃダメです!!」

丹緒 「た、祟られても知らないわよ、私!!」

四葉 「ほえ、何かおかしな事を言ったでありますか?」

トナ貝 「まぁまぁ、ともかくだ……。あのむりやり様の頭の上に乗っかってるピエロ野郎を潰さないとな……」

市乃 「こんな時の為に、祈りはMPを使うから、実際の兵器を持ってきているのですっ!!」 ジャーン

丹緒 「あ、あんたもちゃんとAK47カラシニコフ、持ってきていたのね……」

市乃 「丹緒ちゃんが私のプレゼントしたスナイパーライフルを持ってきてくれて嬉しいのです!」

市乃 「と~に~か~く~……、あのピエロさんには、私たちとダンスを踊って貰いましょうッ」 ズドドドッ


 その存在が、敵にとって最後の一人なのかは分からない。
だが、町を爆破すると脅迫し、挙句呪いを仕掛け、人々を思うがままに操ってしまうこのゴミクズ連中は許せない。

 元々、私は少々独善的な所があった。他人に優しく、と、今は居ない母に教えられた言葉。
それを実行する為に、私はあらゆる手を尽くし、差し伸べていってきたつもりだった。

 だが結果はどうだろう。恩義を感じて欲しいとは思わないが、感謝はされてもその一瞬だけ。
その一瞬の愉悦感も、恐らく私は欲していたのだろう。気付けば、虚しき行為と化していた。


市乃 「くぅ! 普通のBB弾じゃ効かないっ!!」


 攻撃はピエロに当たらない。いや、届いてもいるのだが、空間が湾曲しているのか、BB弾が勝手に反れてしまう。
それを腕を組み、ただ笑むだけで像の上に乗り見下ろすピエロは、私が弾を撃ちつくしたと同時に動いた。


?? 「折角だから、キミ達もダンスを踊っていきたまえ。……>>782というダンスをね」

タンスにゴン

?? 「折角だから、キミ達もダンスを踊っていきたまえ。……タンスにゴンというダンスをね」

丹緒 「ッ!? 突然社交ダンスを踊っていた人たちが!!」

市乃 「み、皆タンスにゴンを両手に持ってますよぉ!!」

美奈 「……もしかして、私達、虫扱い?」

ピエロ 「さぁ、防虫退治と行こうじゃないか」 パチンッ


 そのピエロが指を鳴らした途端、タンスにゴンを持っていた連中が全員、一斉にそれを投げつける。
それを受けても命に別状は無いだろう。だが、虫扱いされるのはごめんだと、私達は全員で逃げ惑う。

 その中で、百人を越える人間が、全員でそれを投げつけた結果、美奈と丹緒が被弾してしまう。
死ぬ筈は無い。そう思っていたのだが、それをコツンと身体に受けただけで、二人は突然伏してしまう。


市乃 「ちょ、ちょっと、丹緒ちゃん、美奈ちゃん!!」

丹緒 「な、なに……コレ……臭い……」

美奈 「うごけ……ないよぉ……」

トナ貝 「不味い! アレはタンスにゴンそのものだが、アレ自体にも呪いが掛かっている!!」

トナ貝 「あの呪いはサンタにとって危険な存在! まさに我々は蛆虫といった存在となってしまっているッ!!」

市乃 「そ、そんな説明は良いですから、何とか方法探し出してくださいよぉ!!」

トナ貝 「……一番は変身の解除だが、解除した途端一般市民と同様、呪いを受けるだろう」


トナ貝 「ならば市乃、四葉と協力して>>784で敵の攻撃を防ぐんだ!!」

カフカの変身

ちょーっと電話ですいませんー

トナ貝 「ならば市乃、四葉と協力してカフカの変身で敵の攻撃を防ぐんだ!!」

市乃 「な、何それ良く知らないですよぉ!」

四葉 「要するに合体変身して、虫ながらも生まれ変わって生き抜く訳であります」

市乃 「って、合体ぃぃ!?」

四葉 「私はいちのんを護る為に作られた機械。大丈夫であります、私が合体してあげるもの」

市乃 「無理に名言を引用しようとしないで下さいぃぃ!!」

トナ貝 「とにかく、祈りで変身するんだ!」


 トナ貝さんが言っている話は果たして正解か否か、最早そんな事を言っていられる状況ではなかった。
車の陰に隠れては、タンスにゴンを防ぐ中、私は四葉と同調するよう命じられ、祈りを合わせていくのだった。


トナ貝 「先ずは祈れ、そして囁け!」

市乃 「合体できますよーに、合体できますよーに……」

トナ貝 「そして念じて詠唱!」

四葉 「むむむむ~~……合体でありますっ!!」


 こうして、魔法少女がパワーアップするように、サンタクロースとなった私達も一つになってはパワーアップする事になる。
その合体後の姿である>>787の威光は、一般市民及びピエロすら脆弱な存在と化してしまう。

バトルホッパー

 こうして、魔法少女がパワーアップするように、サンタクロースとなった私達も一つになってはパワーアップする事になる。
その合体後の姿であるバトルホッパーの威光は、一般市民及びピエロすら脆弱な存在と化してしまう。


ピエロ 「ば、バトルホッパーそのものだとぉっ!?」

ピエロ 「しかもただのバトルホッパーではない。色々兵装が付いていそうじゃないか!!」

市乃 「……それに乗った私、なのですけどぉ……」

市乃 「……降りれないですぅ」

四葉 「そして四葉は車体本体化なのであります。……美少女のこの四葉が何故でありますか!!」

市乃 「知らないですよ、そんなのぉ!」

トナ貝 「今がチャンスだ! あのピエロを駆逐するのだ!!」

市乃 「……駆逐って言われてもぉ」

四葉 「このバトル四葉、目からビーム、口からビーム、排気口からビームも撃てるであります」

市乃 「排気口から……撃ちたい?」

四葉 「正直イヤであります……」

市乃 「それじゃあ! 、目と口一斉射ぁぁぁ!!」


 ―― ピエロは駆逐され、そうして最後の呪いの解呪にも成功するのである。
これによりいよいよ、市民が我に返る形となるのだが、最後の黒幕らしき存在は未だに姿を見せず。
合体変身を解除しては、四葉に怪しい存在をサーチして貰うのだが、成果も挙がらずであった。


四葉 「見当たらないであります。……もうこの町には居ないのでは?」

市乃 「そんな事はないと思うんだけど、なぁ……」

美奈 「ふふ、ふふふふふ」

丹緒 「どうしたのよ美奈」

美奈 「この騒乱の犯人、分かっちゃったのよ~。……犯人、クネヒト・ループレヒトはズバリ、>>789ね!」

近所のおっさん

美奈 「この騒乱の犯人、分かっちゃったのよ~。……犯人、クネヒト・ループレヒトはズバリ、近所のおっさんね!」

市乃 「き、近所のおっさんって、これまで誰も出てきて……ま、まさか!:

美奈 「心当たりあるの、いちのん」

市乃 「何で四葉が作られたのか、とか思ったりもしたんです。……けど、そういう事なら辻褄が合うかも!」

市乃 「……そうでしょう、パパ」


 何となく、そこに居る気がした。むりやり様の像の後ろから、私たちを見守っているというべき存在。
しかしそれは、見守っていた訳でもなく、ただ傍観していたに過ぎない。


市乃 「思えば、パパはこの町で有力者。早乙女グループを率いる存在」

市乃 「そのパパの人気は当然この町でも根強い方。けれど、それは昨年から揺らいでしまう」

市乃 「私と言う存在、そして、丹緒ちゃんや美奈ちゃんの台頭。それがパパから人気を奪う事になってしまう」

市乃 「……後は簡単。パパは私を舞台から引き摺り下ろしたかったけど出来なかった」

市乃 「だから念のためのボディガードとして、四葉を密かに用意し、それを私に披露した」

市乃 「っていう所じゃないでしょうか。……ね、パパ」

パパ 「……やれやれ」

パパ 「確かに、私が、このパパこそが、クネヒト・ループレヒトなのは間違いない」

パパ 「だがしかし、私がこのゲームを仕組んだ証拠は何処にあると言うのだね!?」


市乃 「証拠ならあります、>>791です!!」

え、えーと、もう誰も居なくなったみたいなので、この辺りで終わり(打ち切り)にしておきます。
余り盛り上げれなくてごめんなさい。

ともあれ、お付き合いありがとうございましたー。

時間っぽいので始めさせていただきますよ。

登場人物
http://mb1.net4u.org/bbs/fantoms6/image/4png.html
http://mb1.net4u.org/bbs/fantoms6/image/6png.html

セトラ「クリスマス…?」
リコ「おや、クリスマスをご存知ないご様子…。」
セトラ「うーん…少なくともこの国の風習ではないと思うけど…」

復興が進んでいる中、セトラはリコからクリスマスについて聞いている。

リコ「1年に一度の神様の誕生日で、その日は七面鳥を食べたり、ケーキを食べたりする日なのです。」
セトラ「あー、うち関係ないわ。農業の神様信仰しているわけでもないし…」

セトラが興味なさそうにそう話すとリコがクスクスと笑いながら答えた。

リコ「今のご時世、神様を信じている人はそんな多くありませんって。今では恋人同士で
   ロマンチックな夜を過ごしたり、ご馳走を食べたりする。そんなイベントなのです。
   あとは…サンタさんからプレゼントを貰ったり」
セトラ「サンタさん?」
リコ「本名サンタクロースという赤い服を着たおじいさんのことで、彼はクリスマスの夜に現れて
   子供たちにプレゼントを送ると言われているのです。無料で」
セトラ「無料で…だと!?」
リコ「無料なのです…。私にはとても理解出来ませんが…。
   ちなみにこの近辺の国ですとクリスマスを大いに盛り上げるのは南のバードリアス共和国だけのようです」
セトラ「あっちの国平和だからねぇ。姫様も先陣切って盛り上げるだろうね
    …まぁうちは関係ないというか…こんな有様だし…」

セトラはそう言うと辺りを見回す。村を囲う壁が出来ただけで中身はまだまだからっぽなのである。

リコ「まぁ派手なことは出来ませんが、実は取引先で立派なチキンと貴重な調味料を頂きまして、
   それで少しは豪華な食事でもと思いまして」
セトラ「なんと…。それじゃこの間完成した果実酒と一緒にみんなで食べよう!」
リコ「夜になるのが楽しみですね」

二人が今日の夜の予定について、話し合っていると>>797

迷子の幼女が来る

そして二人が今夜のディナーについて話をしているとそこへひとりの少女がやってきた。

リコ「おや、可愛らしい侵入者ですね」
幼女「…」
セトラ「どうしたのかな?迷子かなぁ?」

二人が少女に近づく。だが、少女は黙ったまま何も言わない様子だった。

リコ「近隣の村から迷い込んできたんですか?」
幼女「…」
セトラ「どっちから来たか分からないかなぁ?」
幼女「…」

やはり少女は何も言わなかった。迷子には違いないと思うのだが…

リコ「参りましたね…取引相手なら顔覚えてるのですが、こんな小さい女の子は…」
セトラ「まさか…捨て子とかないよね…?」
リコ「もしかするとみなしごというのもあるかもしれないです。ここはエル姉に相談をしましょう」

二人は建設中のエルのもとへ幼女を連れて行く。
エルは早速事情を把握した様子で質問をしてみるもやはり何も答えなかった。

エル「さすがに保護する必要はあると思いますが…。」
セトラ「ですよねぇ…」
エル「しかし実はこの子が有名なとこ出身の貴族の娘で誘拐と勘違いされてとかあったら…」
リコ「あー、最近多いみたいですからねぇ…人さらい」
セトラ「人さらいが多いんだ…」
リコ「はい、やはり貴族の子はお金になるようです…」

リコとエルも悩んだ様子で少女の姿を見る。せめて何処の子なのかが
わかればいいんだが…そんな様子だった。

そして何か名前でもいいからと存在が分かるものがないか、調べた結果>>800

聖なる痣が

そして少女が何者なのか調べてみた結果…

エル「…これは、まさか…」
セトラ「どうしたの?」
エル「この少女は…もしかしたら神の子かもしれません…」

エルが慌てた様子でそう答える。呆れかえるセトラだが、話を聞いていたリコも
顔色をすっかり変えている。

リコ「大変だー…まさかこんなことが…」
エル「とにかく、この首筋についている痣を見てください。」

エルが少女の首筋を見せるとそこには痣があった。そして同時にエルが創造の書を開くと
そこには少女と同じ形の痣があった。

エル「もしかしたら神の子かもしれません…。」
セトラ「はぁ…」
リコ「神が介入するかもしれない…。それはさすがにまずい…」

二人の魔神が頭を抱えて悩み始めたのだった。

セトラ「へぇ…神の子ねぇ…」

とてもじゃないが全然そんな感じには見えない。セトラがそんな風に思っていた。

セトラ「ねぇ、何かもっと詳しいこと分から何かな?」

セトラが少女にダメ元で質問をしてみると>>803

製紙業者の娘だった

幼女「えっと…うち紙を作ってる…」
セトラ「紙…?あの…ペラペラの?」

セトラが聞いてみると幼女はこくんとうなづく。ちなみに住所もちゃんと言えるようで
聞いてみると西の国の子供のようだった。

エル「なんだ、ワイトライガの子でしたか…」
リコ「ふぅ…びっくりしました…」

きっと痣は偶然だろう。そう思いふたりは安心した。が…

エル「よくありませんよ!!この子がどうしてここにいるか…まだ分かってません!」
リコ「まさか本当に誘拐されて…!」
セトラ「そうだよ。ここからワイトライガまでかなり距離がある…!!」

近くに人さらいのアジトでもあり、まさか誘拐されてきたのではないか?
三人がそう思うと不安を覚えたようだった。

エル「とにかく、今はこの子を保護するしか出来ません。」
セトラ「そ…そうね。とにかく知ってる人とか来るまでは保護しておかないと…」

という訳で一人の少女を保護することになってしまったのだった。
リコも取引先などで話をしてくれるとのことだった。

エル「さて、子供の保護の件はこれまでしておきましょう。
   リコから話を聞きました。今日はディナーが豪華なんですってね?」
セトラ「あ、うん。なんかクリスマスとかいう日らしくて…」
エル「よくわかりませんが、イベントの日なんですね。
   分かりました。他の魔神たちにも伝えておきましょう。」

エルが手帳を開き、今日のことについてまとめていると>>806

幼女に翼が生えて、何かと交信し始めた
製紙業は表の顔で実はマジもんの神と人間のハーフだった

そしてエルが手帳に今日の予定をまとめていると…
リコが急いで戻ってきた。

リコ「エル姉、あれ!!」
エル「どうしましたって…ええっ!?」
セトラ「な…なにこれ…」

三人が見たもの。それは保護対象となった幼女だった。背中に翼が生え、
何かブツブツとつぶやき始めた。そして何事かと、ライオネルとノブもやってくる。

ライオネル「なんだ、このガキ…!!」
ノブ「おんめぇ…これ…神じゃねえべか…」
エル「はい…間違いありません…。ただ、完全な神の子ではないですが…」
リコ「どういうこと?」
エル「あの翼の形です。あれは…人間と神のハーフ…亜人と呼ばれる種族です!!」

エルがそう言うと創造の書をパラパラとめくり、問題のページを見せる。

セトラ「えっと…天界から追放された一族…!?」
エル「人間と神は決して結ばれてはいけない…。そして…結ばれたものは天界から追放され
    …地上へと堕ちるのです。」
セトラ「それが…あれ!?」
エル「はい。しかし、安心しました。亜人ならば人間にも我ら魔神にも危害を加えることができません。」

エルが安心した様子をみせる。ちなみに魔神たちも亜人だと知るとホッとした様子を見たのだ。

リコ「亜人なら安心です。」
ライオネル「ああ、全くだ」
ノブ「さて、家畜に餌でもあたえんべ」

二人の魔神が安心した様子で去っていってしまう。

セトラ「安全…なんだよね?」
エル「はい。亜人には特殊ルールに縛られております。
    …ですので、絶対に危害を加えることができません。
    それより、亜人の彼女…何か言っているようですが何をしてるんでしょうか…」

まるで何かを交信するように呟く翼の少女。すると>>808

「えっこの近所にホームセンター無いの!?」

亜人の幼女「えっ、この近所にホームセンター無いの?」

とか言っているようだった。

セトラ「ホームセンターって?」
エル「さぁ…」

日用雑貨や植物など様々なものが売られている大きな店のことだろうが
村出身のセトラには何のことかさっぱりわからなかったようだった。

エル「ホームセンターというくらいですから…さしずめ、たくさんの人が住む住宅みたいなものでしょうか…」
セトラ「なるほど…そういうのか…。じゃうちの方にはないね」
エル「御座いませんね。いまだ家屋は数件しか建っておりませんし」

そして少女から翼が消えゆっくりと地上へと降り立ったのだった。
結局よくわからない亜人の子を拾ってしまったわけだが…

セトラ「まぁ…仕方ないか。親来るまで面倒見るしかないか!」
エル「そうですわね。まぁ親が見つからなければここで育てればよろしいでしょうし…」
セトラ「まともな人間は集まらないわね…」

数時間後…

リコ「というわけで今日はクリスマスとか言う日らしいのでチキンをもらってしまったので
   用意しました。」

村の中央に集められた一同。そこにはチキンの丸焼き。そしてこの村でやっと
作ることができた果実酒が並べられていた。

セトラ「おお、美味しそうだ…」
ノブ「しっかしまぁ、立派なのもらえたなぁ」
リコ「知り合った行商からね、余ったからってもらったんだ」

リコはそう言ってチキンを切り分けてゆく。そしてセトラと4人の魔族、1人の亜人に
渡ったところで全員がグラスを持った。

セトラ「それじゃメリークリスマスー!」
全員「クリスマース!!」

グラスを軽くぶつけ、亜人の子以外全員が果実酒を口にする。

セトラ「うまーい!!」
エル「さすがはノブさん。ここまで味を引き出すとは…」
リコ「これなら新しい名産品としてあつかえます。」

果実酒の味に感激する一同。さらに一気飲みをする魔神も出てくる始末。
そして肉を味わいながら盛り上がっていると>>811

亜人の子以外はニワトリに変身

そして一同が盛り上がっていると突然体から煙が吹き始める。そして…

全員の姿がニワトリへと変わってしまった。
亜人の子以外…

セトラ「…」
エル「…」
リコ「…」
ライオネル「…」
ノブ「…」

気付いたら全員が大慌てな状態になっていた。何故突然、ニワトリに変化したのか…。
共通して言えることは…果実酒を飲んだことくらいしかない。
しかし…

創造の書が突然光だし…鶏たちの体を包み込む。そして…
全員の体が再び元に戻った。

セトラ「何故鶏に!!」
エル「わかりません。…まさか魔神である私たちさえも…」
ライオネル「おい、リコ!!あのチキンなんか魔法かかってんじゃないのか!?」
リコ「いや、そんなはずは…だってあの子だって食べてるし…」

実際少女の手にはチキンが握られており、ちゃんとかじられた跡もあった。

ノブ「…しんかし助かっただ。創造の書のお陰だ。」
エル「…ええ、しかしまた問題が増えました。リコ。そのチキン…調べる必要があるかもしれません。
   …そのお酒も」
リコ「わかった。調べてみるよ!」

急遽起きた問題に対し、リコは二つの食材について調べてみる。その結果>>815

葡萄酒に呪いがかかっていた

リコ「ノブさん。このお酒…呪われてますけど…」

リコがノブに手渡した酒を見てそう言った。するとノブはこれを見て疑問を覚える。

ノブ「この匂い…葡萄酒だべ。だどもおら…蒲萄育ててないだよ」
リコ「えっ…!?」

ノブが育てていたのは果実酒ではあるが蒲萄ではなかった。

ノブ「蒲萄は高いからなぁ。それにさすがに数ヶ月で育つもんじゃねぇ!」
エル「では何故ここに葡萄酒が…!?」

新たな疑問も増えた。新たな侵入者を許してしまったライオネルも怒りをあらわにしていた。

セトラ「と…とにかく、みんな落ち着こう…!今回のことでわかったことは…
    この村は既に狙われているってこと…」
エル「そうですね。ちなみにこの葡萄酒の手口ですが…呪いというものを使用されておりました。
    こう言った力を使うのは…北のブゲン…そして、南の国…バードリアスなのです。」

エルが悔しそうな表情でそういった。すると全員が心当たりあるようで何かを思い出したのだ。

ライオネル「そう言えばこの間、バードリアスから支援物資が届いたが…まさか…!」
ノブ「もう一つだ。あの獣人おっただろう?…あやつを迎えに来たブゲンの使者が
   感謝と言っていろんなものをよこしたんだが…!!」
エル「互いに葡萄酒を提供しておりますね…。つまりどちらかがこれを…という訳ですね。」
セトラ「でも…どっちなんだろう…!」

全員が早速敵対する国に目星を付け問題の葡萄酒を睨んでいると>>817

ドッキリという看板を持ったコメディアンが登場

すると突然フラフラと影から何者かが現れる。

ドッキリと書かれたプラカードを持った芸人らしき男だった。
そしてカメラを持った男たちも現れる。

コメディアン「いやぁどうでした、ドッキリでした!!」
ライオネル「敵襲!!」

コメディアンが現れた瞬間、ライオネルがコメディアンに掴みかかる。
そして葡萄酒をドバドバとコメディアンの口に注がせた。
結果…コメディアンは姿がニワトリへと変化した。

カメラマン「あわわ…なんてことに…」
エル「それはこちらのセリフです。」
カメラマン「うわっ…!」
セトラ「まさか、あんたの仕業だったとはね…。こんなでかい武器持って…」
???「いや、それは武器じゃないね…」

何者かの声が聞こえる。すると創造の書の中からまた一人、魔神が姿を現したのだ。

エル「あら、アイシャじゃないですか。」
アイシャ「それはビデオカメラだね。大体は話は聞いているけど…
      これ…西の国の物だよね。」

アイシャと呼ばれる魔神はビデオカメラについて語る。どうやら彼女は
技術に特化した魔神で、こう言った近代の機械などについて詳しいようだ。

エル「まさか候補のワイトライガまで出てくるとは…」
カメラマン「ひっ…!!」
アイシャ「これで敵対国は西も追加されたわけだ。」
セトラ「西って…それじゃもう既に3ヵ国怪しいってことじゃないか!!」
エル「呪い…は近代国家のワイトライガでは考えられません。
    つまり考えられるのは…同盟を組んでいる可能性があるということです。
    そこの方、どう言った趣旨でこのような企みをしたのでしょうか?」
アイシャ「無駄だと思うよ。この男は映像を保存しているだけ。
      …さしずめ、僕たちを見世物にでもしようとしてただけさ
      カメラってのはそういう使い方だからね!」

アイシャがそう言うとビデオカメラに触れる。そして軽く手を撫で回すと其の物は
一瞬にしてバラバラの部品へと還元してしまった。

セトラ「でも、一応聞かないと…。じゃないとあのニワトリ…元に戻れないかもね…」

セトラはこのカメラマンとその関係者たちに目的などを問い詰めてみると>>819

放送作家の企画

カメラマン「ほ…放送作家の企画なんだ…」
アイシャ「ね、僕の言ったとおりでしょ?」

アイシャが自慢げに言うが、セトラたちはあまり理解できていない様子だった。
その為、この会話にはアイシャが中心となった。

アイシャ「しかし問題はここからさ。…これは生放送なんだろうけど…
      他村に不法侵入というのは…国としてどうなのかな?」
カメラマン「そ…それは…」
アイシャ「ここの村長はそこのセトラだ。だが、セトラはそのことを聞いていない。
      しかもこんなふざけた真似しやがって…」
カメラマン「うう、それはそうなんだが…」

ライオネル「おい、アイシャ。他の人間がこんなの持ってたんだが…」

アイシャに渡されたものは俗に言う携帯電話だった。西の国ワイトライガに
唯一存在する便利な機械の一つである。

アイシャ「これは西の国で使われている通話機だね。
      これで遠くの人間と会話ができる…」
ライオネル「伝書鳩みたいなやつか?」
アイシャ「そうだね…似たようなものだと思っていいよ。
      ねぇ。放送作家の番号とか何番かな?」
カメラマン「それは…」
アイシャ「もう言い逃れとかしないほうがいい。
      お前らは既に国際問題とかそういうのを破ってるんだからな…」
    
セトラ「…」

セトラは何かを言いたそうだったがあえて黙っているようだった。
そしてアイシャが問題の放送作家に電話をかけてみる。

放送作家「もしもし、なんかカメラの調子おかしいのかな?」
アイシャ「あぁもしもし。テムト村の者だが…あなたかな、こんなフザけた企画考えたの…」
放送作家「え…え…!?」

電話越しに慌てた様子の放送作家。そしてアイシャの追求が開始すると>>821

場所を間違えたと謝罪してきた

放送作家「すいません、どうやら場所を間違えたようで…」
アイシャ「なるほど…場所を間違えた。…というわけですか。」
放送作家「はい、誠に申し訳ございません…」

放送作家は一方的に謝罪をする。だが、アイシャは笑いながら質問を続けた。

アイシャ「どこと間違えたのかな?」
放送作家「実は近くにある村にドッキリを仕掛けようとして…」
アイシャ「近くの村…!?村って言ったよね、自分!」
放送作家「は…はい。そうなんですね…」
アイシャ「あのさぁ…テムト村と言ったけどさぁ…
      こんな何もない場所を…村だと思ったわけかな?」

現在のテムト村は数件家と畑があるだけのとてもじゃないが村には見えない場所である。
壁こそあるがはいってすぐに誰もが気付く。…ここは村ではないと

アイシャ「嘘はつくものじゃないと思うよ?
      …こんなものは間違えましたじゃ済まないんだよ。」
放送作家「ぐ…」

何も言い返せなくなる放送作家は観念したような…そんな様子だった。

アイシャ「とりあえず疑問はもう一つあるんだ。…この葡萄酒なんだけど…
      変な呪いがかかってるみたいじゃないか。…どこで手に入れたんだ?」
放送作家「それは…」
アイシャ「知らないじゃ済まされないと思うよ。…これは企画の小道具みたいだしねぇ…」

アイシャが放送作家に問題を問い詰めてみると>>824

南の国のワイン工場の社長に貰った

放送作家「バードリアスのワイン工場の社長に…もらったんです…」
アイシャ「なるほどねぇ…。で、本当かな?」
放送作家「本当です…。」

そしてふたりの会話が終了する。

アイシャ「という訳で、どうやらワイトライガのテレビ局がバードリアスにあるワイン工場から
      もらったということらしい。」
セトラ「西と南が手を組んでいた…ってこと?」
アイシャ「いや、テレビ局が勝手にやったことだね。国は関係ない。
      特にバードリアスのあのゆとり姫は全く知らないと思うよ。」
エル「…なるほどね。それでこのカメラマンたちはどうします?」
セトラ「牢にぶち込んでおこう。アイシャ、さっきの奴でまた連絡できるかな?」
アイシャ「わかったよ。」

アイシャが再び電話を使う。今度は放送局のようだった。
内容はこのカメラマンたちを引取りに来いという内容だった。
その時に引き取り金も持ってくることを条件につけた。
テレビ局側も一方的に加害を加えたということなのでこの内容を飲むしかなかった。

そしてコメディアン、及び、スタッフたちは今まで獣人が入っていた牢にぶち込まれたのだった。

次の日…

セトラ「全く…なんてだったんだ…」

セトラが顔を洗いながら昨日の出来事を振り返る。
亜人の少女を保護し、西の国のテレビ局という者たちに危なく見世物にされるそうになるという
不思議な出来事だらけだった。

エル「しかし、問題はまだ解決できていません。これからも何かはあるはずです。」
セトラ「折角村に壁作ったのにどうやって侵入者は来るのかねぇ…」
エル「うーん…やはり門がまだ鍵とかついてないのが問題なんですかねぇ…」

二人が昨日の出来事について反省をしていると>>826

移住希望の老夫婦がやって来た

すると今度は移住希望の老夫婦が現れた。

老爺「ここに村を作ると聞いたのですが…」
セトラ「一応建設中なんですけど…」
老婆「実は今住む場所を探しているんですけどね…」
エル「移住希望者ですか。…しかしご老人には堪えますよ。…まだ何もありませんし…
    そもそも誰から聞いてここに来たんですか?」

エルが結構辛口な質問をしている。確かにここは元戦場となった場所。
もしかしたら二人は死に場所でも探しに来たのではないかと思うほどだった。

セトラ「でも、ここに住む理由無いと思いますけど…
     ほら、一応欲しいのは若い人たちってのもありますし…」
老婆「若い人ですか…」
エル「はい、先程もいましたけどここは元戦場で、またここで戦争が起きるかも知れないのです。
    おばあちゃんたちを巻き添えにしてしまう可能性もあるのですよ。」
老爺「戦争か…。確かに老兵には何もできんなぁ」
セトラ「とにかく申し訳ないですが死に場所を探すのでしたら他がよろしいかと…
    この近辺にも平和な村があるし…」

セトラの説得にがっかりした様子の二人。一応、セトラは質問をしてみる。

セトラ「そもそも、どうしてここに移住するつもりだったんです?
    見ての通りここ、なんにも無いですよ?戦争はあるかもしれないですよ?」

その質問に老爺は>>828

兵隊にとられた孫がその辺で戦死したと聞いたのでやってきた

老爺「兵隊にとられた孫がこの辺りで戦死したので…やってきたのですよ」
エル「なるほど…つまり過去のあの戦争の被害者でしたか…」

老夫婦たちの目的は分かった。だがそれを聞いたセトラが再び複雑な表情を見せる。

セトラ「すいません、出て行ってください…」
エル「え…?」

その時だった。セトラの目は完全に狂気そのものだった。
そして老夫婦の前に立つ。

セトラ「出て行け!!ここからすぐに!!」
エル「お嬢様…一体どうして…」
セトラ「兵隊にとられた孫がこの辺で戦死した…?それを聞いてこの二人の正体がわかったんだ!!
    あんたら…東から来ただろ…」
老夫婦「…はい、一応セイドラッド領から…」

セイドラッド…それを聞いたセトラが再び暴れ始める。しかしエルに取り押さえられ、
じたばたと足を動かすだけだった。

セトラ「帰れ!!お前ら…わかってるのか!!」
エル「お嬢様…落ち着いてください!!」
セトラ「お前たちが言ってる孫は…この村を滅ぼしたんだ!!」
老夫婦「…!?」

過去の戦争。東の武力帝国セイドラッドと北のブゲン。そして西のワイトライガの3ヵ国に
よる争いだった。そして戦争は徐々に加速し…テムト領までも巻き添えにしてしまったのだ。
その様は一方的だった。テムト領では兵士を集める余裕すらなく、他国によって滅ぼされてしまった。
そして唯一生き残ったセトラはその他国を非常に恨んでいるのである。

エル「すみません、ご老人方…。お嬢様はこの村の唯一の生き残り…」

老夫婦もその話を知ると急に黙り込んでしまった。まさか自分の孫が襲った村に
来てしまっていたことに驚きを隠せなかったようだ…。
セトラもエルが押さえ込み、気を失わせることでやっとおとなしくなったようだ。

エル「…とりあえずこちらへ。お嬢様が起きる前にお話だけでもお聞かせください。」


現在の様子
人間1人
亜1人
人間の奴隷1人
人間の捕虜6人
魔神5人
魔人約20人

続く

えー、あけましておめでとうございます。
お正月も終わりですが、まだ連休の人が多いのかな?

とりあえず、長編……って程長々させるつもりはないのですが、お付き合い頂ければと。

……というか、人がいるのかどうかの方が不安ですが、もう暫くお待ちください。


 この世に果たして幸福、なんてものは存在するのだろうか。
考え出すと途端宗教臭くなってしまうものだが、人間誰しもそれを追い求めてしまう生き物なのかもしれない。
では、自分はその幸福たる存在と言えるだろうかと言えば、それは否と答えるしかなく。


蓮路 「……んなぁ訳、ねぇよなぁ」


 人生三十年、正直に言えばクソのような人生だったのかもしれないと、ふと思い返す。
それなりに楽しい時期もあれば、それなりに満ちていた時期もある。しかし、全体的に振り返ってみれば幸せでもなく、
かといって、常に苦痛の日々を過ごして来たかといえば、それもまたどうにも違うと答えるしかなく。


蓮路 「……とりあえず、今年も寒みぃな」


 だが、今の俺は岐路に立たされている。このままでは飢え死にし兼ねないレベルに陥っている。
金がない。金が無ければ生活が出来ない。勿論金は有るほど生活レベルの向上を計れる物だが、
それが今では底辺を突き抜けそうな勢いで、失われていっている。

 では何故金が無いのかとなれば、仕事をしないからである。世には好んで仕事から逃げている人間も多い。
その気持ちも分かるし、自分もそのような弱者の一人であった。が、今は底辺の仕事すら見つからない状況であった。


蓮路 「余裕ぶっこき過ぎたか……。残額、二千円だと……?」


 コンビニのATMで十分も居座り、睨めっこをしてしまう。気付けば背後には列が作られていたが、それどころではない。
この二千円を今下ろさないと、今晩食う飯にありつけない。しかし、手数料すら勿体無いという悲しい事実を突きつけられていた。


?? 「…………」


 この時から、俺を監視する存在が居たのだが、その事に今は気付きもせず、二千円を下ろすかどうか迷った挙句、
取った行動は>>835であったのだ。

>>833
クリスマスネタのSSが好きだったな。
ヒロインたちは市乃・丹緒・美奈・四葉と
「1・2・3・4」で命名されているので、
どんなネタにも四人まとめて使いやすい(^^)

 この時から、俺を監視する存在が居たのだが、その事に今は気付きもせず、二千円を下ろすかどうか迷った挙句、
取った行動は叫ぶ事であったのだ。


蓮路 「俺は、俺は……クリスマスネタのSSが好きだったなァァァァァッッ!!」

店員 「ッ!?」

 客 「……な、なんだ?」

蓮路 「ヒロインたちは市乃・丹緒・美奈・四葉と「1・2・3・4」で命名されているので、どんなネタにも四人まとめて使いやすいんだなぁぁぁぁぁッッ!!」

店員 「あ、あの、お客……様?」

蓮路 「…………」 ニコリ

店員 「ひ、ひぃっ!?」

 客 「……こ、こいつ、やべぇ、やべぇぞ……!?」


 さて、俺は今幸福かと言われれば、不幸としか言いようが無い。
結局のところ千円だけATMから引き出し、コンビニから半ば追い出されるような形となった俺は、溜息を吐くしかなく。


蓮路 「チッ、俺が優しい笑顔を向けただけで、あの店員泣き顔になりやがって! クソッ!!」


 俺の笑みがそんなに怖いか、気持ち悪いか、つうか何が悪いんだよ!
と、思い返せば、俺が妙な台詞を口走ったのがそもそもいけない訳で、警察沙汰にならずに済んだだけで御の字である。


蓮路 「……千円、か。店は……キツイな。なら……あそこしかねぇ!」


 俺は何とか苦労して、そして心の中で涙を流しつつ、千円を握り締め、食い物調達に>>839を目指すのだった。

百円ショップ

 俺は何とか苦労して、そして心の中で涙を流しつつ、千円を握り締め、食い物調達に百円ショップを目指すのだった。


蓮路 「便利な世の中になったもんだ。……いや、なり過ぎたんだ……!」

店員 「ひっ!?」

蓮路 「……これ、下さい」

店員 「は、はいっ! 315円になります……!」

蓮路 「……15円、何とかならないっすかねぇ?」

店員 「む、無茶を言わないで下さいっ!」

蓮路 「ですよねー、そーっすよねぇー……フフフ、フフフフッ!」」

店員 「ひぃぃぃっ!!」


 自分で言うのもなんだが、俺は割りと人に怖がられるような存在では無い筈である。
寧ろ人畜無害、いや、有害な部分はあるかもしれないが、それは性的な意味で少々有害な所がある程度で、
殆ど無害に近い、存在していても陰の薄い人間だと自負している。

 しかし、今日に限ってなのだろうか、その辺りは何ともいえないのだが、どうにも店員に、いや、人間に怖がられている気がするのである。
理由は何だろうか。人相はイケメンレベルなのだから、もっと「キャーッ!」と頬を赤らめる女子が多くてもおかしくない筈。

 それでは服装か? 臭いか? 店を出て、おにぎり三つだけを調達した俺は、何となく店の前に備わっていたガラス越しに自分を見る。
くたびれたコート、ぼろぼろのシャツが見える中、恐らくイケメンの俺が笑んでみる。やはり悪い点が見つけられない。


蓮路 「……まぁ良い、つうか、どうでも良かったな。……ん?」

?? 「ッ、ヤバッ!!」

蓮路 「今、俺の背後に女の子が居たような……。気のせいか?」

?? 「そうそう、気のせい気のせい」

蓮路 「……百均ショップのゴミ箱の陰に隠れて、そこから声が聞こえるのも気のせいか?」

?? 「そうそう、気のせい……キノセイデスヨー」


 さて、どうしたものだろうか。声を掛けるか、スカートでも捲ってみるか、俺が取った行動は>>841

ゴミ箱をどかすこと

 さて、どうしたものだろうか。声を掛けるか、スカートでも捲ってみるか、俺が取った行動はゴミ箱をどかすこと。
そうしてゴミ箱をどかしてその部分を覗き込むように見れば、やはりそれは紛れも無く女人の香りを漂わせる存在なのだ。


蓮路 「……女子高生? JK? いや、コスプレか?」

?? 「しょ、正真正銘JKだし! 歳誤魔化してる訳じゃないしっ!!」

蓮路 「……なぁ、俺に何か用か?」

?? 「……え、ええっと、ですねー、そのー……」


 女子高生だ、紛れも無く蕾を開花させようとしている年頃である。
長髪のストレートロング、恐らく自分で染めているのだろう。そして、制服姿で今では当たり前となったオーバーニーソックス。
そして革靴と、特に変わった格好とは思えないくらいにJKなのだが、暫く生で拝む事は無かった俺は、ついついガン見してしまう。


?? 「えと、あのー……って、な、何か眼が」


 美人、というよりは可愛い部類。目はぱっちりしているし、リップを塗っているのか、桜色の唇が揺れ動く。
肌も白めでキメ細やかそうであり、すべすべとしているのだろう、つい触れてみたくなるような頬。
そして、太めという訳でもないが、無理なダイエットをしている訳でもない、ややスリムな体型。

 だが、胸だ。胸が普通以下で余りにも残念だと、ブレザー越しにその部分を睨んでしまう。


?? 「……あのぉ! いい加減胸ばっか見られたらウザイんだけど!?」

蓮路 「……小せぇ、な」

?? 「ッ!!」


 その後、>>843が飛んできたという事は、俺は恐らく悪い事を彼女にしてしまったのだろう。

ローキック

 その後、ローキックが飛んできたという事は、俺は恐らく悪い事を彼女にしてしまったのだろう。


蓮路 「おごぉっ!!」

?? 「はぁ、マジムカツク!!」

蓮路 「痛てぇ、久々の身体を貫くようなこの痛み……クク、俺を苦痛に歪ませるとはなァ!!」

?? 「……き、キモイ」

蓮路 「オイ、クソ女子高生。……お、俺に何の用事っすかねぇ?」


 ―― 金が無い為、俺は女子高生を喫茶店や、ファーストフード店に連れて行く勇気も出ず、
まさかの公園という場所に向かう事となり、俺は何となしに溜息を吐いてしまう。

 公園は、正月明けではあったがやはり冬であり、昨今の少子化事情や様々な事情があり、人気は無い。
そのせいなのか、寂れたその公園を眺めるだけで心がどうにも冷え込んでくる気がしてしまう。


?? 「……ところで」

蓮路 「……ん?」

?? 「あたしが、どうしてあんたをストーキングしていたのか、聞かないんだ?」

蓮路 「す、ストーキングされていたのかっ!?」

?? 「気付いていなかったの!?」

蓮路 「……いや、さっぱりだった。何せ……金がないもんでな、それ所じゃねぇんだ」

?? 「はぁ、リサーチデータは見たけれど、こうまで零落れているとは思わなかった……」

蓮路 「リサーチ? というか、現役JKが今年三十三を迎えようするオッサンに何の用事だ?」


 女子高生は、一つ間を置いては俺に向き直り、白い息を吐いたのだ。


?? 「……幸せに、なってみる気はない?」


 答えは勿論>>845だ。

「幸せになりたい!」

 答えは勿論「幸せになりたい!」だ。だが、こんな事をいきなり言い出すJKも怪しいし、
かといってプライドの建前のせいなのか、その言葉を素直に吐き出すことも出来ない俺は、訝しんだ。


蓮路 「……幸せだァ? 何のつもりだよ、お前」

?? 「その言葉の通り、幸せになってみるつもりはない? って聞いたのよ」

蓮路 「お前が、俺を幸せにするって言うのか?」

蓮路 「お前が俺の恋人として尽くすのか、嫁となって借金の肩代わりをしてくれるのか」

蓮路 「いや、そもそもお前が裸エプロンまできちんとしてくれるのかが問題だが?」

?? 「……なんて程度の低い人なの、このオジサン」

蓮路 「失敬な! 俺はなぁ、俺は、俺はぁ……!!」

蓮路 「まだ―― 童貞なんだよォォォォォ!!!」

?? 「知ってますけど、ね」

蓮路 「ッ!?」


 女性と交際した経験、一つだけ。しかしそれは一ヶ月は続かなかった。
俺は形振り構わず告白し、相手の女性は何となくと付き合ってくれたようなのだが、そんな関係が続くわけも無く。
「つまらない人」と一蹴され、キスの経験も無く俺は散ったのだ。そう、恋人は右手のみである。


?? 「三十歳以上、きちんと童貞を守り……とはちょっと言えないかもだけど」

?? 「まぁその童貞力は見事かなーとは思うかな。だから、あんたは選ばれたの」

?? 「とはいえ、一応素質の評価の方が高いと判断されたんだけど……。って、聞いてる!?」

蓮路 「裸エプロン、二次元じゃない女子高生が俺の為に裸エプロ―― うごぉっ!!」


 再び俺にローキックを飛ばしてきたニーソな女子高生は、俺に言った。>>848に来ないかと。

教団

 再び俺にローキックを飛ばしてきたニーソな女子高生は、俺に言った。教団に来ないかと。
やはりであったかと肩を落とす。世の中上手い話が転がってきたときが、一番警戒する時なのだ。


蓮路 「……宗教なら他を当たってくれ。全くもって興味はない」

?? 「教団って名だけど、宗教じゃないってば!!」

蓮路 「と嘘を言えと言われてるんだろう。ったく、最近は女子高生まで駆り出すんだな、恐ろしいぜ」

?? 「ああ、もう!! だから違うってばっ!!」

蓮路 「短い間だったが、生の女子高生と話せて少しだけ気分が晴れやかだったぜ。……グッバイ」

?? 「別れ台詞キモイから! って、チョット待って、待ちなさいってばぁぁぁ――!!」


 おんぼろアパート、家賃は三万円で現在二ヶ月滞納中。貯金も全て使い果たしたような状態で、家賃を納める事も出来ず。
部屋は少々埃臭く、ヒマを持て余しているのだから掃除も一応行ってもいるのだが、雑なのだろう。

 そんな場所で、先ほど購入したおにぎりを、ちまちまと口に運ぶ中、俺は問う。


蓮路 「で、お前は何で家にまでついて来る。襲われたいのか?」

?? 「ち、違うし!! 襲われたら本気で警察に突き出すし!!」

蓮路 「じゃあ何なんだよお前は」

未羽 「浅岡蓮路さん、いちおー、あたし、神埼未羽って名前があるんですけど」

蓮路 「では神埼さんとやらに問おう。俺は怪しげな宗教は興味がないと言った。が、許可無く家宅侵入とはどういうつもりだ」

蓮路 「そこで襲われてもぶっちゃけ文句は言えんぞ……?」

未羽 「……わ、分かってるし! でもあんたにそんな度胸はない事も知ってる!」

蓮路 「ッ、こいつ、言わせておけば……!!」


 俺に二発もローキックを飛ばし、挙句に度胸が無いとまで言わせたこの女子高生を懲らしめるには、>>850しかないだろう。

電気あんま

 俺に二発もローキックを飛ばし、挙句に度胸が無いとまで言わせたこの女子高生を懲らしめるには、電気あんましかないだろう。
勢いがあったせいか、緊張も無く、足首を掴んだ感触に一瞬飲み込まれそうになりながらも、直ぐに行動に移そうとする俺を見て、
酷く怯え出す女子高生、神埼未羽なる女は言った。


未羽 「ちょ、ちょっと!? な、何しようとしてるのよ、変態!!」

蓮路 「襲われても文句は言えないと言った筈だ……ぞっ!!」

未羽 「ちょ、へ、変態!! なにあたしの―― って、足、足が!!」

蓮路 「ククク……どうだ、俺の幼少の時以来全くやった事の無い電気あんまは!! どうだ、どうだァ!!」

未羽 「ひ、ぐ……痛い、痛いんだってばぁ……!!」

蓮路 「……気持ちよくならないだと!?」

未羽 「な、なる訳ないでしょ! って、これ以上ぐりぐりしないで! 本気で痛いんだから!!」

蓮路 「す、すまん、ついぷにって感触が心地良くて……」

未羽 「き、キモ過ぎてもうやだ……、本当にこの人じゃないとダメなのかなぁ」


 改めて正座しなおした彼女は、緊張した表情で語りだす。
彼女の言う教団とは、つまり職場であった。では何の仕事なのかと言えば、人を幸福に導くという仕事。
益々宗教めいた話になっていくのだが、彼女はこんな事を言い出した。


未羽 「……世の中、不思議ってやっぱあるのよ。フシギってのが」

蓮路 「不思議発見的なヤツか?」

未羽 「違うって! かといって、世界を思うがままに操ったり、びりびり~って電気を放ったり、そんな異能なんか存在しない」

未羽 「だけど、テレパス的なものは存在するかもしれない。……あたしも、ちょっとした異能の持ち主で」

未羽 「見えるの、ううん、分かるの。あたしにはその人の負が分かっちゃう」

蓮路 「しゅ、宗教ならお断りだと言った筈だ!」 ブルブル

未羽 「……手取り五十万よ? ウチの仕事」

蓮路 「ッ!?」


 しごとを しますか? まだこばみますか? いや、そんな選択は即決である。
だが問題があった。ボーナスは何と>>853と彼女は言うのだ。

ちくわ

 しごとを しますか? まだこばみますか? いや、そんな選択は即決である。
だが問題があった。ボーナスは何とちくわと彼女は言うのだ。


蓮路 「ちくわ大明神の罠かそれはッ!!」

未羽 「言ってる意味分かんないけど、紛れも無くちくわよ。あたしも冬のボーナス、ちくわ三本だったもん」

蓮路 「女子高生がちくわ三本って言うと卑猥なのは気のせいか?」

未羽 「どんだけ飢えてるのよ変態! ……とはいえ、本当の話。ほら、あたしの財布にこんなに諭吉さんが居るのはなーんでだ?」

蓮路 「……さ、三十万も入ってやがる!!」

未羽 「ちなみにあたしの貯金額は―― って、お金であっさり解決しそうね、この人」

蓮路 「諭吉、諭吉すわぁん、俺は、俺は……入信するッ!! 教団に入信決定ッ!!」

未羽 「……大丈夫かなぁ、不安になってきた」


 その後、俺は彼女に案内される形で教団とやらの本部を拝む事になる。
だがまさか、ラブホテルが並ぶ歓楽街の裏路地を通るハメになるとは思わず、内心、俺は等々初体験をするのかと、ときめいてしまっていた。


未羽 「ココよ、ココが事務所」

蓮路 「ココが本部……って、事務所? って、どう見てもラブホ、だが……?」

未羽 「このラブホ全体が丸々事務所扱い。寝泊りも割りと自由。性行為も自由って話ではあるけれど」

蓮路 「……お、俺で、イイんすか?」

未羽 「は? 何であたしがあんたと寝るって話になってんの? どうでもいいから入ってよ」

蓮路 「お、おう、すまない……チッ」

未羽 「大丈夫よ、中に入ればもう少しステキなモノが拝めるから」


 彼女は確かにこう言った。そして俺は自動扉を潜り、ラブホのカウンター前まで足を踏み入れた。
来客を示す音が遠くで鳴り、そうして暫くした後、すたすたと歩いてきたのは小学生レベルの、最早幼女のような存在である。


幼女 「連れてきたのね、頑張ったわね、未羽」

蓮路 「よ、よよよ、幼女……だと……!?」

幼女 「この人……興奮しすぎて>>855

顔にスケベしたいって書いてある

幼女 「この人……興奮しすぎて顔にスケベしたいって書いてある」

幼女 「確かに変態童貞ね。けど紛れも無く彼で間違いない。未羽、お疲れ様」

未羽 「は、はぁ。本当にこんなおっさんでいいの……命社長」

蓮路 「み、こと、しゃちょー? 金髪幼女がまさかの社長ッ!?」

 命 「……あんまり幼女幼女言ってると、どつくけど」

未羽 「一応三十路手前よ、命さんって」

蓮路 「……チッ、ロリババアかy―― おごぉっ!!」

 命 「あなたはもっと言ってはいけない言葉を言った。だからどついた」

蓮路 「わ、ワシのたまたまさんが、たまたまさんがぁ――」


 ラブホテルの奥には、所謂従業員専用の控え室的な場所が存在していた。
そこがまさかの社長室であり、おまけに妙に質素なのであった。置いてあるのも、安物デスクやテーブル、パイプ椅子等、
どこでもお目に掛かれるようなものであった。ただ、何故かちくわ大明神が飾られているのが不思議であったが――。


 命 「それじゃ、早速だけど一件、仕事が入ってる。……未羽、いける?」

未羽 「例の彼女ですね。まぁいけるっちゃ、いけますけどぉ……」

 命 「彼と組んで、彼女を救えそう?」

未羽 「……自信、ないかなー……」

蓮路 「……何の話だ、いきなり何なんだ?」

 命 「浅岡蓮路、三十二歳生粋の童貞。……あなたに仕事を与える」

蓮路 「の前に、就業の手続きとか、いらないんすかねぇ?」

 命 「そんなの何時でもいい。……今回のターゲットは二十三歳女性、自殺を行おうとしている独身」

 命 「浅岡蓮路は神埼未羽と共に、相談員として彼女を救う仕事を与える……」


 命 「ちなみに、失敗した場合は、>>857となるから肝に銘じて」

給料をちくわ換算

 命 「ちなみに、失敗した場合は、給料をちくわ換算となるから肝に銘じて」

蓮路 「ち、ちくわ換算、だとォッ!?」

 命 「ちくわ十万本進呈よ。現金が欲しければ頑張る事……」


 ターゲットは自宅に居るようで、俺は神埼未羽と共に事務所を出て、その場へ直行するハメになる。
移動にタクシーを利用するなんて、何てリッチな会社なんだと思いつつも、俺は彼女に尋ねるのだった。


蓮路 「なぁ、相談員って……何の話だ?」

未羽 「それが仕事。私達相談員は、岐路に立たされた人を救う為に選ばれた存在」

未羽 「見分けるのは割りとあたしの仕事なんだけど。……後は、あんたが頑張るだけ」

蓮路 「……岐路に立たされた人を、ねぇ」

未羽 「やっぱり、あたしのコト、信じられない? まぁそれもそうだろうけど」

蓮路 「確かに信じられないな、人の負とやらが見分けられるとか言われても、中ニ病の類としか思えん」

未羽 「……確かにね。けど、本当の話。ちなみに命さんは占いが得意なの」

未羽 「その的中率が9割だから恐ろしい話よねー」

蓮路 「フン、そんなモノ、所詮偶然だ、偶然に過ぎぬっ!!」

未羽 「何でそこで鼻息荒くなるのよ。……ともあれ、幸せにするのがあたし達の仕事だと思ってくれればいいの」

未羽 「……それが出来るのは、あんただけなんだから。分かった?」


 疑問が残った。何故俺だけなのだろうと。それを聞こうとした直後、タクシーはブレーキを掛けて停車する。
目的地に着いたようで、車から降りた俺と未羽は、そのマンションを見上げる形になる。


未羽 「えーと、ココのマンションの六階に住んでるみたい」

蓮路 「家賃、高そうだな……」

未羽 「賃貸じゃないわよ、ココ」

蓮路 「おぉ……ブルジョワ勢が住んでいるのか……!」


未羽 「六階に住んでる二十三歳女性の、田端玲子さんは今、>>859しているそうだから、接触は慎重にね?」

自殺未遂

未羽 「六階に住んでる二十三歳女性の、田端玲子さんは今、自殺未遂しているそうだから、接触は慎重にね?」

蓮路 「そ、それ、ヤバイだろう! 急がないと!!」

未羽 「オートロックだから、田端さんにエントランスの扉開けてもらわないとなんだけど?」

蓮路 「よし、ならば急ぐぞ! えーと、六階の……何番だ!?」

未羽 「603を押せば繋がるハズ。って、接触は慎重に。お願いよ?」

蓮路 「おう、任せろ! ブルジョワ生活の為にッ!!」


 俺はインターフォン越しに田畑玲子なる女性が応対してくれるのを待つ。
二度、三度と鳴らし、ようやく彼女と接触することに成功したのだが、俺はどうやら焦っていたのだろう。


蓮路 「じ、自殺はやめるのだ! やめるのだ!!」

未羽 「ちょ、ちょっと! いきなり何言い出してるのよ!! しかも地味に口調がヘンだし!!」

玲子 「……貴方が、例の相談員の方ですか?」

蓮路 「お、おう、そうだとも! だから自殺はやめるのだ!!」

玲子 「……使えそうにありませんね。帰ってください」

未羽 「あのねぇあんた、彼女は自殺未遂を行って精神的に追い詰められているの。そんな人にいきなりそんな台詞投げてどうするのよぉ……」

蓮路 「だ、だったらどうすりゃいいんだ、俺は……!!」

未羽 「あんたが考えなさいよ。あんたじゃないと路を切り拓く事は出来ないって話なんだから……」


 よく分からない話だが、ともあれ俺が先ず説得しないといけないようだ。
だが、どうして彼女は自殺を考えた? 情報が不足しすぎてもう一つ把握しきれていない。
恐らく金銭的な問題では無さそうだ。ともあれ、直接彼女と話をするしかないと考えた俺は、こう叫んだ。


蓮路 「>>862!!」

よーく考えようお金は大事だよー

蓮路 「よーく考えようお金は大事だよー!!」

玲子 「……はぁ、どこまで残念な方……」

蓮路 「るーるっるーるっるーるー!! という訳でとりあえず開けてくれ!!」

玲子 「仕方ないですね……騒がれても迷惑ですし、一先ずロックは解除しますので……」

未羽 「はぁ、とりあえず難関の一つを乗り切った感じだけど……」

未羽 「……なんで歌うのよ」

蓮路 「……何となく」

未羽 「これじゃ、前のパートナーの方が全然マシ……全く……」 ぼそっ


 神埼未羽が何やら愚痴を漏らす中、俺は開いたエントランスを進み、六階へ。
その後ノックをすれば簡単に扉は開けてくれ、彼女が応対してくれるのだ。

 田端玲子、二十三歳。彼女のマンションの一室は荒れていた。
壁にはいくつかキズがあり、引っ掻いたというよりは、切り裂いたと思われる跡が多数。

 それでいて、彼女の手首からは血がぽたぽたと零れ落ちるものだから、慌てた未羽が彼女の手首の治療を始めるのだ。


未羽 「相談員として、何かあった時の為の七つ道具は必須よね」

蓮路 「それが救急キットって訳か……。って、お前それどこから持ち出した」

未羽 「細かいことはいーの! それより田端さん……手首、痛みます?」

玲子 「いえ、大丈夫です。……それにしてもお若いお嬢さんね」

蓮路 「空気の読めないJKですいませんねぇ」

未羽 「あんたの方が空気読めないでしょ!?」


 そのやり取りを見た田端玲子は、ほんの少し笑みを見せる。恐らくだが彼女はまだそこまで追い詰められている訳ではない。
きっと、何かに悩んでいるだけなのだ。そしてそれが自殺衝動を起こしてしまうのだろう。
それを会話の中で見出さなければならないと考えた俺は、とある質問をする。


蓮路 「えー、唐突で申し訳ないのですが、田端さんって、>>864

不倫してませんか

蓮路 「えー、唐突で申し訳ないのですが、田端さんって不倫してませんか?」

未羽 「ちょっと、本当に唐突過ぎて失礼すぎるわよ! 田端さん、申し訳ないです、この人空気読めなくて」

玲子 「いえ、いいんです。……どうして分かったのです?」

蓮路 「フッ、あえて言うとカン、になるんですがね……。部屋の荒れ具合から、察知いたしました次第で」

未羽 「……なんか複雑な気分」


 本当にカンなのだが、精神的にヒステリックな女性だと思われ、そして金に不満が無いのならば、恋愛沙汰だろうと踏んだだけだった。
そして、23歳でこんな高級マンションと呼べるような場所に住めるほど、条件が良いとなれば、何か裏があると考えただけだった。


蓮路 「……不倫相手は、おおよそ想像はつきますが」

玲子 「はい。……私の勤めている会社の副社長の方でして」

蓮路 「ほう、これはまた。……で、どれくらいになるのですか?」

玲子 「もう一年となります。最初に見初められた時は、まだ私は新米でした」

蓮路 「このマンションも、その副社長の方が?」

玲子 「肩代わりしてくれたんです。でも、それはお別れの切符でもあったんです……」


 不倫が妻にバレた副社長は、これ以上彼女と付き合えないと、今までを清算する形でマンションを購入し、与えたという。
だが、彼女はそれでも本気だった為、彼を忘れられず、精神的にも拠り所を失い、自殺行為を起こしてしまう。
こうして語れば簡単な話だが、彼女にとっては重い話なのだろう。ならば……と、俺は口を開いた。


蓮路 「……その副社長の事を忘れる勇気、或いは副社長と共に歩む勇気、どちらが欲しいですか?」

玲子 「そ、それは……」

蓮路 「それとも、第三の路、>>866という勇気を持つ気はありませんか?」

蓮路 「それとも、第三の路、未羽という勇気を持つ気はありませんか?」

未羽 「はぁ!? なんであたし!?」

玲子 「あの、その意味が私にも解りかねますが……」

蓮路 「神埼未羽、えーとお前何歳だ?」

未羽 「16よ! って、なんで年齢聞きだすのよ!!」

蓮路 「とまぁ、まだまだ青臭いガキではありますが、それなりに使える部分もあるとは思うんすよねぇ」

玲子 「……使える、と申しますと?」

蓮路 「フッ、では数日、彼女を貴女にお預けします。未羽、しっかり田端さんを支えるのだぞ?」

未羽 「はぁ!? どういうつもりよ!! ていうかあんたの仕事をあたしに押し付けるって……!!」

蓮路 「お前は俺のパートナー、なんだろう?」

未羽 「そ、それは、そうだけど! だけどぉ!!」

玲子 「……数日預かればいいのですか?」

蓮路 「それと、会社は出ないほうが良いでしょう。上手く休みを貰い、未羽に従う形で時間を過ごしてみてください」

蓮路 「恐らくですが、きっと第三の路が見えてくる……ハズです」

未羽 「なんか呼び捨てにされてるのがすごいムカツク……」


 ―― 教団本部 事務所内


 命 「で、未羽を彼女に預けてきたと……」

蓮路 「報告は一先ず以上だ。後は時間と未羽が解決しよう」

 命 「ちくわ、欲しいみたいだけど」

蓮路 「チョット待て、大丈夫だ。俺のカンなら未羽の影響で、田端玲子は>>870という路を見つけるはずだ」

ドS

蓮路 「チョット待て、大丈夫だ。俺のカンなら未羽の影響で、田端玲子はドSという路を見つけるはずだ」

 命 「……どうしてそう思うの?」

蓮路 「神埼未羽って、時々虐めたくならないか?」

 命 「……それは素直に頷くしかないけど」

蓮路 「フッ、まぁ数日待てば分かる話だ。……ところで」


 俺は事務所で静かにコーヒーを飲む女性に振り向いた。無言でただコーヒーを啜る女性。
というか、女の子だ。未羽と同年齢或いはほんの少し上だろうか、落ち着いた雰囲気を持ち合わせる少女である。


蓮路 「女子ばっかだな、この会社は」

 命 「彼女は上坂葵。年齢は15歳。未羽の後輩ね」

 葵 「…………」 ズズー

蓮路 「未羽より年下かよ……。それであの雰囲気とは、只者ではないな……」

 命 「あれでも彼女、人懐っこいのだけど。……警戒されてるみたい」

蓮路 「このイケメンである俺を警戒か。分からんでもない話だ……フッ」

 命 「……未羽の言うとおり、変態で頭がイカれた人だった。けど……」

 命 「この人、もしかすると……」

蓮路 「フ、フフフ、フハハハハハハァァァッ!!」


 こうして、上坂葵という少女には警戒され、相変わらず話しかけられることも無く、
俺は暫くの間、おにぎりとちくわだけで命を繋ぎ、一週間を持ち堪えるコトになる。
何故かカンが、そろそろ頃合だと囁く中、俺は事務所の電話を用いて未羽に連絡を取るのだった。


未羽 「い、一週間も連絡もせずって、パートナーとしてどうなのよ!!」


 そうして唐突にお説教を喰らうハメになったのだが、田端玲子の様子を尋ねてみれば、>>872だという。

なぜか嬉々として虐めのように仕事を出してくる

 そうして唐突にお説教を喰らうハメになったのだが、田端玲子の様子を尋ねてみれば、なぜか嬉々として虐めのように仕事を出してくるのだという。


蓮路 「フッ、やはり俺のカンは正しかったか……」

未羽 「こっちも大変なのよ!? 最近妙な笑みを漏らすようになってるし、あの人!」

蓮路 「それで良い。彼女は素質があった。そして、その素質を開花させる切欠さえあればそれで良かったのだ」

未羽 「な、何の話よ、それ」

蓮路 「さて仕上げと行こう。田端さんは在宅か?」

未羽 「今、寝室で何かを準備してるみたい、なんだけど……」

蓮路 「では、俺がこれから伺うと彼女に伝えておいてくれ」

未羽 「え、直接言いなさいよ――」


 途中で電話を切った俺は、愛用の黒のロングコートを羽織り、社長である命ちゃんに言う。


蓮路 「命ちゃん、俺は出てくる。仕上げの時間だ」

 命 「そう。……上手く行くといいけど」

蓮路 「占い通りに行くだろう。……任せろ」

 命 「……彼、順応性、高すぎ……」


 ―― そうして、田端玲子の部屋を訪れた俺が見たものは、ドSの洗礼を受けた未羽の>>875という姿であった。

男装の麗人

 ―― そうして、田端玲子の部屋を訪れた俺が見たものは、ドSの洗礼を受けた未羽の男装の麗人という姿であった。
流石に一瞬誰かと思った俺だったが、いきなりの罵倒で彼女だと判断することになる。


未羽 「ったく、あんたが遅いから、あたしこんな格好をさせられたじゃない!!」

蓮路 「ぷ、くく、ははっはははっ!!」

未羽 「な、何が可笑しいのよ!!」

蓮路 「割と似合っているぞ? だが、どうやら某女優には敵わないようだ」

未羽 「あ、あたしと○力彩○さんと並べるのはやめてよ!? ……田畑さんなら奥に居るわ」

蓮路 「ああ、とりあえず二人で話をしてくる」

未羽 「……ったく、人の格好見て、大笑いして……!」

未羽 (でもアイツのあの余裕、何なんだろう。……初めての時はあんなにおどおどしていたのに)


 リビングのソファで、静かに雑誌を読んでいた彼女は、俺に気付き顔を上げる。
田端玲子の顔色は思った以上に良く、俺を見て微かに笑んだ様子を見ると、ストレスに関しては随分発散されたようだ。
痛々しい壁の傷跡も、彼女の手首も、癒えるのは時間の問題のようだ。


蓮路 「……ご気分は如何かな?」

玲子 「そうね……悪い気分ではないと思いますけど」

蓮路 「それは何より。では、貴女をこれより、新しい路へと誘いましょう……」


蓮路 「そう、麗人となった未羽を用いて、>>877をする。それが貴女の第三への路となりましょう」

どつき漫才

蓮路 「そう、麗人となった未羽を用いて、どつき漫才をする。それが貴女の第三への路となりましょう」

玲子 「どつき漫才、ですか? ……これまたどうして?」

蓮路 「まぁ、どつき漫才をしてみれば分かる話です。……未羽、こっちに来るんだ」

未羽 「はぁ? 何命令しちゃってるワケ? ムカツクんですけどー」

蓮路 「田端さんとどつき漫才をして俺に見せてくれ」

未羽 「」


 ―― それから、数日が経過した。
暫く未羽は俺が話しかけてもまともに相手をしてくれない状態が続いたが、田端玲子のその後を聞いた彼女は、
驚きの余りなのか、事務所でちくわを屠る俺に話を持ち掛けるのである。


未羽 「ちょっと聞いて! その後の田端さんの調査をしてたんだけど」

未羽 「ツッコミとしてお笑いデビューすることが決まったらしいのよ!!」

蓮路 「……そうか」 モグモグ

未羽 「って、何しれっとした顔でちくわ食べてるのよ!! もうちょっと驚きなさいよ!!」

蓮路 「大体は想像していたからな。すべては無限なる可能性のままに……フッ」 モグモグ

未羽 「まーた妙にカッコつけて気取って、キモイんですけどー」

蓮路 「彼女はもう大丈夫だろう。なぁ、命ちゃん」

 命 「そうね、先ほど連絡を受けて、浅岡蓮路さんにお礼を、と。……ついでに入金も確認した」

蓮路 「人生相談料、百万はちょっとぼったくりじゃないか?」 モグモグ

 命 「彼女の厚意でもあるみたい。何はともあれ、未羽はよく働いてくれた」

 命 「これが報酬、受け取って」

未羽 「やっほーい、報酬、報酬っと!!」

蓮路 「……で、俺は何万貰えるんですかねぇ?」


 命 「貴方には、報酬として>>880をプレゼント」

ちくわの穴

……って言うのは冗談で、20万

 命 「貴方には、報酬としてちくわの穴をプレゼント」

蓮路 「ちくわの、穴だけ、だとッ……!?」

 命 「というのは冗談で、これくらいで。……家賃も滞納していると聞いたし」

蓮路 「に、二十万。あ、ありがてぇ、ありがてぇ……」 ポロポロ

未羽 「うわ、この人泣き出した、きんもいっ!!」

 葵 「…………」


 こうして、俺の初仕事は成功に終わり、報酬を頂いては早速家賃を支払うことになるのだった。
その後、十万ほど余りを残した俺は、今日だけは豪遊しようと、未羽を誘おうと再び事務所へ向かうのである。

 が、その頃、彼女は既に新たな仕事を見つけるため、人分けを始めていると命が教えてくれるのだった。


蓮路 「なぁ、命ちゃん」

 命 「……何? 占いの途中で忙しい」

蓮路 「今日はタロットじゃなくて水晶なのか?」

 命 「占いの類ならなんでもいい。それが私の仕事のひとつ」

蓮路 「……それも、異能ってヤツなのか?」

 命 「さぁ。でも……人って、可能性の塊。……そんなモノがあるかもしれない」

蓮路 「未羽は新たな仕事、見つけてくれるのかねぇ?」

 命 「もう既に目星はつけてある。後は彼女の言う負の度合いにもよるけれど」

 命 「……お金持ちの方が、私は好き」 クスッ

蓮路 「ぼったくる気満々だな、社長は」


 こうして、俺は新たな職場を見つける形となった。それは、正式には語られない、表向きは教団と言う宗教団。
しかし裏の顔は、人を岐路から救うべく、路を切り開く相談員。それが、俺の新たな仕事であり、運命でもあった。

 この職場との出会いが、俺の新たな道へ誘う第一歩となったのは、言うまでもない話――。


―― つづきます

という訳で、時間的にも厳しそうですので、若干強引でしたが終わります。

最初は推理モノとかどうだろうと思ったのですが、トリック考えるの苦手なので諦めました。
今までコメディバトル物ばかりでしたが、卒業していかないと! って事で……。


皆様お付き合いありがとうございましたー。

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01/11 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - 岐路の彼方 第二話


大鳳でないんですがー もうくそげーですう!

大鳳でなくて引退しようかなー。しちゃおっかなー。
とか言いつつギリギリまで艦これしちゃうんです、誰かたすけて。

って訳で時間なのでぼちぼちと……。
もう暫くお待ちください。


ボーキサイト10万返せー・・・。

~~メインとなる登場人物紹介~~

【浅岡 蓮路】(32歳 いまだ童貞な相談員)
本編主人公。元会社員だがリストラされ、無職童貞のまま死を迎えそうになる。
適当で変態でオタク要素を兼ね備える、見た目も平凡なエリート。路を拓く勘だけが取り得。

【神埼 未羽】(16歳 女子高生相談員)
主人公をその路に引き込んだ女の子。その流れで主人公とよく組まされるハメとなる。
人の負が見える性質で、若干捻くれた明るさで色々とサポートしてくれます。割とむっつり。

【天野 命】(26歳 金髪幼女社長)
主人公達が所属する表向きはちくわ教団長、裏では相談員率いるローク社長。
肉体が育たず幼児体型だが、傍らで未来を占う性質に長ける。

【上坂 葵】(15歳 女子高生駆け出し相談員)
神埼未羽に憧れロークにアルバイト入社。しかし実績はまだ低く性質もない女の子。
人見知りが激しく、人懐っこいのだが勘違いされて素っ気無く思われる損なタイプ。

【風越 清流】(24歳 適当諜報員)
ロークが誇る現状でたった二人の諜報担当役を担う男。陰が薄い性質を持つ。
その為基本あまり相手にされない、ちょっぴり軟派なシャイボーイ。

【東堂 氷芽】(22歳 相談員兼諜報員)
天野命が抜擢した人材で、相談員と諜報員どちらもこなす期待のホープ。
クールなようで油断したりうっかりするドジっ子。機を見る性質を持つ。

~~~ 岐路の彼方 第二話


 俺の就職先はラブホテル。しかも名は『ツンデレ』。
建物の表向きの顔がそれなのだから仕方が無いが、何故俺は客室のベッドメイキングをさせられているのだろう。
事の発端は、ちくわをもぐもぐする金髪幼女な社長、命からの命令でもあった。


 命 「やはり、ちくわ教と人生相談だけで会社を成り立たせるのは難しい……」

 命 「よって、兼業としてこの建物を利用しようと思う……」

未羽 「……建物を、利用?」

 命 「幸いにも此処はラブホテル。だから一部をラブホテルとして貸し出そうと思う」

未羽 「社長! そ、それ、本気で言ってるんですかっ!?」

 命 「ちくわ大明神はお金を食うから……仕方ない……」


 我が社、裏の顔が本業であるロークは、表向きは世間を欺く為に宗教法人として登録されているようなのだが、
その内容がちくわ教であり、ちくわ大明神を崇め奉る為の教団という事になっているそうで。
そして、ちくわ大明神の維持費が割りと半端ないらしく、社宅の一部をラブホテルとして解放するハメとなったのだが……。


蓮路 「……休憩千円からって、安すぎだろ」

未羽 「そ、そうよね……安すぎよね……」

蓮路 「ほう? 意外と物知りなんだなお前」

未羽 「そ、それくらいあたしでも知ってるし! トーゼンの知識だし!」

蓮路 「では知識豊富な未羽、お前に尋ねる。……何故俺とお前、そしてあの名も知らぬ連中と共に」

蓮路 「我々は客引きの為に>>889をしているのだろう?」

キューピーのコスプレ

蓮路 「我々は客引きの為にキューピーのコスプレをしているのだろう?」

未羽 「そ、それはその、……天使だからじゃない?」

蓮路 「貴様本気で言っているのか!? キューピーだぞ!? 全裸だぞ!?」

未羽 「で、でも一応被り物ではある訳だし……」

蓮路 「それにあの二人、名も知らぬが何故平気でグリーンキューピーやらブルーキューピーになれるんだ!?」

未羽 「ていうか、この前自己紹介されたでしょ? 風越さんと氷芽先輩、諜報担当だから今まで顔を見なかっただけで」

蓮路 「せいりゅーだかこおりちゃんだか知らぬが、そんな突然用意されましたキャラを出されてもだな!!」

未羽 「でもあの人たちが居なければ、データ採集も出来ないし。……あたしじゃ役不足だし」

蓮路 「ほう。まぁ良い……。ちくわ教もとい、ロークでナンバーワンになる男として、挨拶をせねばな」

未羽 「ていうか一回上手く行ったからって態度でかすぎ……って、ちょっと待ってよ!」


 レッドキューピーに扮した俺は、改めてエースでありナンバーワンでオンリーワン、更に言えば才覚の塊である自分に
碌に挨拶もせず、歩道を挟んで客引きをする若造達に向かって歩き出す。
このレッドキューピー、何気にとても歩きにくく、直ぐに転びそうにもなりながらも、何とか歩道を渡り反対側へ。
グリーンやブルーなキューピーに近寄り、俺はそこで転んでしまいながらも言った。


蓮路 「……年長者に挨拶一つもないとか、失礼だと思わんか……!?」

清流 「……どうしよう、ヒメちゃん。真っ赤なキューピーの頭部から血が流れてるけど」

氷芽 「そうね、そんな物騒な存在、>>892してしまいましょう……」

抹消

氷芽 「そうね、そんな物騒な存在、抹消してしまいましょう……」 チャカッ

蓮路 「ちょ、チョット待て、そ、そそそそれ、拳銃じゃないか!? モノホンなのか!?」

氷芽 「モノホンって面白い人ね……くす」 スッ

蓮路 「ちょちょ、ちょーっと待つのだ! ブルーキューピーの着ぐるみを貫いて拳銃を向けるのはやめるんだ!!」

清流 「そうだよヒメちゃん。一応言っておくけど、ここ大通りだし……すごい注目浴びてるんだけどね」

氷芽 「……チッ、命拾いしたわね」

蓮路 「ほっ……、助かったぞせいりゅーとやら。今回だけは恩に着ようではないか」

清流 「きよるって読むんだけど、ね……はぁ」


 その客引きもまた、ラブホテルの為であり、強いて言えばちくわ大明神の為となる、というのが社長の天野命談であるが、
何故キューピーの格好をさせられなければならないのかと、いい加減理不尽にも感じ出した俺はその着ぐるみを堂々と脱ぐのである。
何故か道端で面白そうに見ていた子供達が悲鳴を発する中、俺は彼等に向き直る。


蓮路 「少し休憩にしないか? ……例のデータも集まったのだろう?」

清流 「そうだね、未羽ちゃんが見抜いた存在の一人のデータはこのファイルに収まっているよ」

蓮路 「……ナンダ、ソレ」

清流 「USBタイプのメモリーカードじゃない。……まさかそんなコトも知らないの?」

氷芽 「この生き遅れのおっさんは、本当に使えないわね……」

蓮路 「と、とりあえずだな、未羽も連れて近場の喫茶店にでも寄ろうじゃないか、うむっ!」


 未羽が対象の負を感じ取り、その存在のデータをかき集める。それが諜報員の仕事である。
その役割を担う二人と、神埼未羽を連れた俺は、近場の喫茶店でテーブルを囲う形になった。

 が、何故か未だに存在するブルーキューピーこと東堂氷芽。皆着ぐるみを脱いでいるのに、何故そのままの姿で喫茶店に入ったのか。
そのお陰で、店員に>>894なんて言われてしまうのだ。

お迎えが来たのか…

 が、何故か未だに存在するブルーキューピーこと東堂氷芽。皆着ぐるみを脱いでいるのに、何故そのままの姿で喫茶店に入ったのか。
そのお陰で、店員に「お迎えが来たのか…」なんて言われてしまうのだ。

 すっかり注目を浴び、恐怖の対象としてこの喫茶店の中で君臨する事になったブルーキューピー。
彼女はやはり強引に破いた箇所から腕を出し、USBカードを清流に差し出す。


清流 「ヒメちゃん、それ脱がないの?」

氷芽 「脱いだ途端、このおっさんに穢されると思って」

未羽 「あたしなんて、もうお嫁にいけないくらいだし……ぐすん」

蓮路 「なんか俺の存在そのものがあってはならない事になってないか」

蓮路 「つーか、注目され過ぎてやりづれぇ!!」

氷芽 「貴方の存在が消滅でもされれば、直ぐにでもこんなむさ苦しい所から抜け出すのだけれど」

蓮路 「あーそうかい、じゃあ一生ブルーキューピーのままでいろ!!」

清流 「まぁまぁ、ヒメちゃんも蓮路さんも。とりあえずタブレットPC出したから、これを見てよ」

蓮路 「馴れ馴れしく名前で呼ぶなっ! 気色の悪いっ!!」

未羽 「あーもう煩いっ! 静かにして!! 今データ見せてもらってるんだから!!」

蓮路 「はいはい……俺は大人しくコーヒーでも啜ってますよ……ずずずっ」

蓮路 (大人はブラックと色を出したが、すげぇ苦い……)

未羽 「えーと、西岡卓司さん、年齢は46歳、職業は……ニートッ!?」

蓮路 「ぶふぁっ!! 46歳で、ニートだとぉっ!?」

未羽 「うわっ、コーヒーがこっちに飛んできたぁっ!」

清流 「ま、まるで話が進まないね……。しかしまぁ、俺達も調査してびっくりしたんだけど。ね、ヒメちゃん」


氷芽 「46歳ニートな西岡卓司という人を調査していて思ったわ。人って……>>896なのね」

年齢を重ねても駄目な奴は駄目

氷芽 「46歳ニートな西岡卓司という人を調査していて思ったわ。人って……年齢を重ねても駄目な奴は駄目なのね」 ジー

蓮路 「そ、そこで何故俺を見る……」

未羽 「ほんとほんと、年齢なんて所詮生きた年数で、中身が立派かと言えば子供っぽい人もたくさん居るし」 ジー

蓮路 「だからお前まで何故俺を見る……」

清流 「って訳で、彼は生活保護を受けてニートを続けている、割と生粋な存在でね」

蓮路 「ナマポだとっ!? 許せん、俺の血税がそんなヤツの為に使われているとはっ!!」

未羽 「駄目なヤツが駄目な人の悪口ってどうなのかなー」 ジー

氷芽 「それに大方、年金なんて払うかって蹴っ飛ばしていたクチでしょう?」 ジー

蓮路 「も、もうやめよう、その冷たい眼差しで俺を見るのはやめよう!」


 西岡卓司、年齢は46歳。生活保護を受けて未だにニートを継続中のこの男の未来は正直無いだろう。
その男の路を拓けと言われれば、お断りしたいところではあるのだが、調査の後、アポを取って見た所、彼はやはり変わりたいのだという。


清流 「趣味はアニメ、ゲーム、フィギュア集め等々、オタク系趣味の持ち主だね。蓮路さんならやり易いと思うんだけど」

蓮路 「寧ろやり辛いわ! 46歳だぞ、しかも……この写真に写る部屋」

蓮路 「本物なんてレベルじゃない、こいつはプロだ。その道のプロだ……」

未羽 「というと?」

蓮路 「例えばこのエロゲー、何故三つあると思う? そう、一つはプレイ用、一つは保存用、一つは布教の為にあるのだよ!!」

氷芽 「流石元引篭もり、気持ちの悪い事をすらすらと」

蓮路 「引篭もりではない! で、こいつは金をちゃんと払ってくれるのか?」

清流 「生活保護金をこっそり隠していたんだろうね。300万は払ってくれるそうだよ?」

未羽 「まぁ、フツーの報酬ね。アンタ、どうするの?」

蓮路 「やるしかなかろう。さもなければ命にラブホのベッドメイキングをさせられてしまう」


蓮路 「しかし、情報が不足している。彼の>>898について再調査してくれないか?」

学生時代

蓮路 「しかし、情報が不足している。彼の学生時代について再調査してくれないか?」

清流 「学生時代? ある程度遡った記録はもう一つのUSBメモリーにあるけれど」

氷芽 「そこで鬱屈した生活をしていたかといえば、Noよ」

蓮路 「多少は調査済みか。だが……この手のタイプは小さな切欠を拗らせている可能性もある」

蓮路 「ニートと言う割には思ったよりアルバイトには手を出していた経歴もある。……恐らく、思春期時代に何かが起こり……」

蓮路 「それが再び繰り返された事により、彼は途端ニートの道に走ったと俺は睨む」

清流 「ふむ……、二十代前半までは確かに精力的にアルバイトに手を出していた記録はあるけれど」

清流 「まぁ、そういう話なら一日だけ欲しいかな。……俺が一人で調査してみるよ」

氷芽 「こんな男の思惑通りに動かなくてもいいのよ、キヨ」

清流 「ん、と言う割にはヒメちゃんも少し面白そうじゃない」

氷芽 「気のせいよ。こんな男と居て私が引篭もりたい気分だわ」

蓮路 「……俺の精神HPが削られていくのは気のせいだろうか……」


 ―――― 喫茶店外、茶髪に染めた男は、女子高生の制服を纏った彼女にふと切り出した。
先にスタスタとラブホテル『ツンデレ』の方へ帰ってしまった男を思い浮かべながら。


清流 「未羽ちゃん、正直どう? 彼は」

未羽 「ヘン、というかおかしいっていうか。よく分かんない……」

清流 「の割りに、結構親密だよね。まだ日数も経っていないのに」

未羽 「そ、そんな事ないし! そう思うのはあたしが優しくて、あんなのでも同情しちゃうからだし!」

清流 「そっかー、そうなのかー。でも命社長、お似合いとか言っていたね、君達の事を」

未羽 「はぁ!? 何それ!! 社長もまたヘンなコト言うんだから!」

清流 「彼の登場により……あの人の事は、忘れられそうかい?」

未羽 「……分かんない」


 あの人、神埼未羽の元パートナーであり、突然行方不明となった男の事である。
神崎未羽を育てた存在でもあり、彼女にとって少なからずといった存在でもあったその男は、未だ消息を掴めていない。

 その話を切り出した風越清流を上目で少し睨むようにした神崎未羽は、次第に面を落とし、こう呟いた。


未羽 「あの人は、もう……>>900

星になったわ

未羽 「あの人は、もう……星になったわ」

清流 「ま、また随分メルヘンな事を言うんだね?」

未羽 「生きていたら、もうとっくの前に……」

清流 「…………」


 男は黙し、少女もまた黙する。彼は少女の傷を知っていて、あえて彼女の状態を眺め見た。
表向きは随分と仕事にも精力的になった少女だったが、パートナーを失った直後の彼女の様子を、まだ垣間見える。
彼はそう思い、やりきれない様子で少女に言うのだった。「きっとまだ生きている」と。


 ―― ラブホテルで一日を過ごし、怪しげな光に包まれながらも目を覚ます。
喫茶店での打ち合わせからホテルの一室へ戻り、だらだらと時間を過ごし、眠りに落ちる。
そうして目を覚ましたせいか、いま一つ頭が働かない中、俺が身体を起こし身支度を整えようとすると、扉が勝手に開くのだった。


 命 「少し、お邪魔する……」

蓮路 「ぬわっ!? って、命ちゃん!?」

 命 「……何故パンツ一枚?」

蓮路 「それは、着替えようと思ったから、だけども……」

 命 「…………」

 命 「……ぶふっ」

蓮路 「おい、今どこを見て笑った。これでもおっきおっきしたら立派な息子様だぞ!?」

 命 「……おっきおっきしないの?」


蓮路 「という逆セクハラを撃退するには>>902が有効だとネットで調べました」

おいしいお菓子を食べさせるか、おもちゃを買い与える

蓮路 「という逆セクハラを撃退するには、おいしいお菓子を食べさせるか、おもちゃを買い与えるのが有効だとネットで調べました」

 命 「この私が、ちくわ以外で屈するとでも……?」 ムズムズ

蓮路 「幸い、このラブホテル、ツンデレにはアメニティも豊富である」

蓮路 「カップルをその気にさせるケーキやキャンディも勿論あるし、ドリンクだって豊富!!」

蓮路 「そして玩具に至っては、女性が一人で行うのをサポートするグッズだって満載で!!」

 命 「…………」 ジー

蓮路 (……期待させておいて、ガッカリなんです私って顔をされている)

蓮路 (逆セクハラをする割には露骨に言えばこうなるのは知っていた! が、男にはやらねばならない時がある!!)

蓮路 (が、こんなガッカリした眼差しで見られてもキツい物がある……。……素直にコレを渡してみるか)

蓮路 「……という訳で、今手持ちにはチュッパチャップスしかないのでありますが」

 命 「っ!?」

 命 「……くれ、るの?」 ムズムズ

蓮路 「……この人、ちくわ意外でもこんなに興味を示すんだ……。まぁ、あげますよ……」


 と、数分を無駄にした挙句、何故かポケットに入っていた棒キャンディをプレゼントすると、
それをしゃぶる様に舌を出し、誘うような眼差しなのだが夢中で飴の味を堪能する幼女体型の命社長が妙に艶っぽくも見え、子供っぽくも見え……。
何ともやり切れない気分で、何用なのかと切り出せば、彼女は脚を無理に組み替えつつも話すのだ。


 命 「今回の件、占ってみた……ぐぬぬ……」

蓮路 (頑張って脚を組み替えようとしているけど、上手く回らない様子で背伸びした子供を見る気分だ……)

 命 「今回、未羽と共にもう一人付けようと思う……ぐぬぬぅっ!」

蓮路 「もう一人?」

 命 「未羽の後輩となる彼女、上坂葵を……ぐぬぬ、連れ……うぎぎぎぎ」

蓮路 「命ちゃん、もう……無理しなくていいんだよ……」

 命 「それ以上言ったらクビにするから」

蓮路 「はい、すいません」


 命 「今回の最大の任務は、西岡卓司46歳ニートの更正及び、上坂葵を使い物になる存在に仕上げる事」

 命 「尚、葵については極度の人見知りの為、現場経験をもう少し踏ませたいのと……」

 命 「>>904という狙いがあるのを認識していて……」

島風

 命 「島風という狙いがあるのを認識していて……」

蓮路 「……はい?」


 後日、俺は神埼未羽及び上坂葵を連れ、西岡卓司が遊びに出ると言われる秋葉原の某アニメショップに向かう事になる。
今回は本当に短期的な日程で挑む形になっているが、西岡卓司次第ではそれも下手をすれば長期戦ともなり得る訳で。

 しかし、俺は油断をしていたのかもしれない。まさかこのブラウザゲームがこれ程噂になっていようとは。


オタA 「お、おい!! あっちに島風が居るぞ!!」

オタB 「ほ、本当だ、レイヤーの島風が居るぞぉぉぉっ!!」

オタC 「あっちは何だ? ……ま、まさか!!」

オタD 「あっちは鈴谷ちゃんだ! 鈴谷ちゅわ~~ん!!」


 オタク達に囲まれた俺提督は身動きが取れなくなっていた。
目的は西岡卓司との接触であり、話題のコスプレをさせればもしかするとあっさり食いついてくれるのでは。そう思っていたのだが、
餌が違う魚を釣り上げてしまい、未羽も、そして上坂葵もあたふたとしてしまう。


 葵 「……ひっ!」

未羽 「ちょ、ちょっと、勝手に写真撮らないでってば!!」

オタA 「いいよいいよ、もっとこう、怒りっぽく笑顔で!!」

オタB 「もっと動いて欲しいかなぁ~うほほぉ~」

オタC 「ついでにぜかましちゃん、その、食い込みの部分をちらっと、ちらっとだけっ!!」

蓮路 「……路が、拓けない……」


 命社長は何故か島風という狙いがあるのを認識して欲しいと言った。
元は駆逐艦の一隻が擬人化されたそのキャラクター、それは妙なブームとなり、その格好をした上坂葵は人見知り。

 その連鎖が重なり、上坂葵はとうとう……>>906

オタクが嫌がる話題をまくしたてた

 その連鎖が重なり、上坂葵はとうとう……オタクが嫌がる話題をまくしたてた。

 葵 「きっしょい、きしょいきしょいきしょいっ!!」

 葵 「島風? はぁ!? これただのうさ耳バニーだよねっ!?」

 葵 「何でこんな格好にオタクは簡単に釣られるの? それって要するにバカで単細胞だからじゃないのっ!?」

 葵 「何が萌え~よ! 世の中見なさいよ、あなた達なんて、所詮ただの財布にしか思われてないんだから!!」

 葵 「財布よ? そこからお金を抜き取られたらただのゴミ。社会のゴミ! ゴキブリ以下なの!! 分からないかなっ!?」


 オタクに突きつけた現実。それを、オタクが好む衣装で捲くし立てるのは、割と有効なようで。
レイヤー目当てでカメラを片手にしていた連中は、彼女の豹変に途端怯み、その隙に俺は彼女の手を引いて逃げ出すことになる。

 そうして路地裏、俺と彼女は座り込む形で互いに呼吸を整える事となる。

蓮路 「はぁ、はぁ、はぁ……ココまで来れば大丈夫だろう」

 葵 「はぁ、はぁ……はっ!?」

蓮路 「ん、どうした上坂」

 葵 「……手……」

蓮路 「ああ、逃げ出す際につい。……悪かった」

 葵 「…………」

蓮路 (……途端気まずくなったぞ。どうすんだこれ。……しかもまだ島風の格好のままで)

蓮路 (ミニスカ越しにあそこが、あそこが丸見えで……うぉぉぉぉ……!!)

 葵 「…………」

 葵 (どうしよう、折角助けてくれたのに、恥ずかしいしお礼もしないとだけど、何も浮かばないしで)

 葵 (おまけに変な娘だってガン見されてるし、私どうすればいいんだろう……!)

蓮路 (何か考え事をしているようだが、身を捩じらせて……眼福じゃのう……!!)


蓮路 (……だが待て、俺は果たしてこのまま眼福を拝んで良いのだろうか)

蓮路 (否ッ! 俺の仕事は西岡卓司の更正……とか、もうどうでもいいかなー)

蓮路 (今は……>>909しよう……)

カーニバル

蓮路 (今は……カーニバルしよう……)

蓮路 「説明しよう、カーニバルだよっ! とはアルペジオコラボで性格がちょっと変わったマヤちゃんがレーザーをびゅびゅーって放ち!」

蓮路 「次第にそれが恐ろしくなった提督達が、精神を破壊されついに口癖とまで化した台詞でありっ!!」

蓮路 「……今の俺の視線はとってもカーニバルだよぉ……ふひ、ひひひぃっ!!」

 葵 「…………はい?」

蓮路 「いやその、ですから」

 葵 「あの程度で恐ろしい? とか言わないで下さい」

 葵 「あの程度、私の艦隊なら一発で撃沈ですから。あんなのお遊びでイベントでもなんでもないですし」

 葵 「それくらい常識中の常識っていうか、プレイヤーならもう少しレベルを上げておくことをオススメします」 キリッ

蓮路 (ま、まさかの経験者っ!?)

 葵 「で、その、カーニバルしたいって……まさか……」

 葵 「この島風コスを、中破もとい大破させたいと、服を破きたいと……?」

蓮路 (そこまでは言ってはいないんだがー!!)

 葵 「……私もゲームプレイヤーです。それくらいの意味は薄々感じてました」

 葵 「……だから……破きたいのなら、その、あの……ええと……」

 葵 「…………どうぞ」


蓮路 「しまかぜを 大破させますか?>>911

俺はジェントルマンだやめておく

蓮路 「しまかぜを 大破させますか? フッ、俺はジェントルマンだやめておく」

蓮路 「何故なら、コスチュームを大事にしないとその方面から怒られるのと……」

蓮路 「何気にこの衣装高かったからだっ!!」

 葵 「…………クス」

蓮路 「む、何故笑うのだ。中破もとい大破なんぞさせん、金が掛かったんだからなッ!!」

 葵 「ジェントルマン、関係ないじゃないですか、くすくす」

蓮路 「何を言う、俺は紳士だ。チラリズムを愛する紳士である」

 葵 「ただの変態紳士、ですよね、ふふ」

蓮路 「むぅ…………」

 葵 「……その、ごめんなさい。浅岡さんって、すごい怖い雰囲気があって……」

 葵 「視線も向けられないほど怖かったけど、今知りました……。楽しい人だって」 クスッ

蓮路 「そ、そうか……」

蓮路 (なんか調子が狂うな、この子……)

 葵 「それより、お仕事……しなくていいんですか?」

蓮路 「おっとそうだった。……西岡卓司46歳ニートの所へ向かわなければな」

蓮路 「だが待って欲しい。俺達は何か忘れ物をしてはいないだろうか」

 葵 「忘れ物、ですか……?」

蓮路 「うむ、何か重大な忘れ物をしているような気が……」


 ―― その頃、鈴谷に扮した神埼未羽はというと、>>913

忘れ去られていた

 ―― その頃、鈴谷に扮した神埼未羽はというと、忘れ去られていた。
置いていかれた彼女は、立ち直ったオタク達に慰みとして扱われてしまうのである。


未羽 「や、やめなさい、やめなさいってばぁ!!」

オタA 「どぅふ、やっぱりオタは辞められないでござる」

オタB 「そっすねー、目の前にレイヤー美少女居たら、そりゃ撮るっすよねー」

未羽 「だから、やめてってば!! ああもう、あのバカなんで戻ってこないのよ!!」

未羽 「もしかして、本当に忘れ去られてる……?」

未羽 「…………」

未羽 「……次に会ったら……アイツ、[ピーーー]……!!」 ベキッ

オタB 「ひぎぃぃ、俺のカメラが、カメラが真っ二つに割れ――」

オタA 「ぱねぇ、マジぱねぇ……でも激写っと」


 ―― 西岡卓司が姿を見せると言われているその場所で、俺と上坂葵は一先ず様子を見張ることになった。
約束は取り付けてはあるが、西岡卓司の素の様子を知っておきたいと思った俺は、彼が普段どう過ごしているのか、暫く見届ける事になる。


西岡 「…………」

蓮路 「間違いない、ターゲットだ。上坂、出来るだけ姿を隠すんだ」

 葵 「あの、私ってまだ島風じゃなきゃ駄目ですか……?」

蓮路 「本来は西岡卓司を釣る餌の一つだからな。まだ着替えないで欲しい」

 葵 「ちょ、ちょっと恥ずかしいけど……頑張ります……ぅぅ……」

西岡 (なんか黒いうさ耳少女に見張られている気がする……)

西岡 (ついに俺の時代がキタコレか!? ……んなまさかな……)

西岡 「あー、えと、前に予約していたピーなこれとピーなアレを下さい」

店員 「はい、こちらで御座いますね」

蓮路 「ふむ、割と普通に買い物をしているな……」

 葵 「あ、でも待ってください。……西岡さん、今、>>915しました……!」

提督コスに注目

 葵 「あ、でも待ってください。……西岡さん、今、提督コスに注目しました……!」

 葵 「間違いありません。現役艦これらーです!」

蓮路 「艦これらーとか誰も言ってないだろそんな略称」

 葵 「提督コスに興味津々ですねぇ……。私、寝取られたらどうしよう……!」

蓮路 「その発想が分からん! が、ふむ……上坂はあんな親父が趣味なのか」

 葵 「ち、ちがっ! そんな事ないですけど、その……年上は割りと好きかもー、とか……なんちて……」

蓮路 「西岡が動いた! 追うぞ!!」

 葵 「って、話聞いてくれてないし……。……分かりましたー、行きますよー……」


 西岡卓司は提督コスチューム、時価八万円を即決購入。そして再び違うアニメショップを巡り、些細ではあるが買い物を続けていくのだった。
その資金は生活保護から下りている。それを思うがままに使う西岡を見て、思う所も勿論あるのだが……。


蓮路 「……妙だ」

 葵 「妙、ですか?」

蓮路 「アイツ、提督コスを購入したが、他にも次々とグッズを購入している」

 葵 「バッヂやピンナップ、ポスターとかもそうですね」

蓮路 「全部……艦コレかと思えばそうでもない。随分と幅広い趣味をしている。それはいい」

蓮路 「……だが、行動に迷いが無い。提督コスの他に高い買い物をしたといえばなんだ?」

 葵 「……プレミアが付いていたエロゲー、でしょうか」

蓮路 「何故そんなに振る舞いが良い。……ナマポとはいえ支給額は知れているぞ」

 葵 「確かに、随分な豪遊っぷりには感じます……。でも……」

蓮路 「調査漏れがあるかもしれん。……もう少し西岡と接触するのは様子を見て、数日ヤツを追うぞ」

 葵 「数日もですかっ!? 数日も二人きりだなんて……///」

蓮路 「何か裏があるような気がする。そして、そんなに金を使える男が変わりたいと果たして思うだろうか……」


 そう、もし貯金が大量にあるのならば豪遊も可能。しかし、調査によればこの男はまるでまともに働いておらず、
貯金も推定で計算しても、40代男性の貯金額には到底及ばない。
なのに、高価なモノを一日で、迷いも無く惜しげも無く、次々を購入し、両手を紙袋で塞ぐ西岡卓司を睨む。

 その男の裏で、もう一つの繋がりがある事を、俺達はまだ知らないのである……。


―――― つづきます

という訳で、時間がちょっぴり早めですけど0時過ぎたら誰も居なくなりそうって思い早めに切り上げさせて貰いました。

今までに無かった艦これ安価がありましたが、まさか洗脳された者でありましょうか。
そして残念、我が鎮守府のぜかましちゃんはLvがたったの70であります。雪風のほうが強いしー。

ともあれ、お付き合いありがとうございましたー。


まだ来週土曜日の予約が取れないでござるー。日を跨いでないからかー。

【01/12 (日) 00:12時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

01/18 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - 岐路の彼方 第三話

えー、ちょっぴり遅れましたが時間なのでぼちぼちとー。
登場人物は>>887って事で端折ります。

では暇つぶしのおまけで暫くお待ちください……。
http://uploda.cc/img/img52da6cd1b8493.jpg

全く関係ないビリビリさんで申し訳ないのです。描かされたとはいえ、まだまだなのです……。はぁ。

~~~ 岐路の彼方 第三話

 今回のターゲットである西岡卓司。その男は46歳にして無職、生活保護を受けており、
それでいて働く意思を持てないでいる、社会にとってはガンのような存在の一人である。

 その男を今回相談という手段で更正させる事になったのだが、その男の豪遊振りを見て考えを改める。
金はどうやらかなり持ち合わせているらしく、生活にも困っている様子も無い男が、では何故相談のアポを取り付けられたのか。


清流 「いや、待ってよ。そんな筈はないと思う。きちんと調べたつもりだし」

蓮路 「だがしかし、実際ここ数日、大量に趣味であるオタクグッズを買い漁っている様子なんだが」

清流 「その話が本当なら、こちらが調べたその後、厳密には一日程度で何かがあった、と考えるしかないけれども……」

蓮路 「たった一日程度で数万、いや、数十万を自由に使えるようになるものか?」

清流 「……もう一度こちらでも調べてみるよ。そっちはどうするのかな?」

蓮路 「こちらもいつでも接触出来る様、見張っていくつもりだ。今もアイツに見晴らせている」

清流 「未羽ちゃん、かな?」

蓮路 「アイツ、俺がコスプレさせて置いてけぼりしてしまったせいで、顔を見せたら常に怒り出すもんだから……」

蓮路 「見張りとして置いて行く事にした!! ドヤァ!!」

清流 「やれやれ、あの子も色々と大変だ……」

清流 「で、まだ報告は入ってきていないのかな?」

蓮路 「いや、それが少し前にメールで報告を受けていてだな……」


蓮路 「何でも、西岡卓司は今、>>922の真っ最中なのだそうだ……」

引越準備

蓮路 「何でも、西岡卓司は今、引越準備の真っ最中なのだそうだ……」

清流 「引越し? また妙だね。こちらが調べた時には特に動きは……」

蓮路 「どうも最近決めたような印象だ。ボロアパートを引き払うつもりなのだろう」

清流 「分かったよ、こちらもヒメちゃんと共同で、早めに調査の報告を入れよう」

蓮路 「ああ、頼む。さて俺は島風の所に戻るよ」

清流 「……まだコスプレさせてるんだね……」


 風越清流、裏の顔であるロークという、俺も勤める組織の諜報員と別れ、例のコスプレをさせたまま過ごさせている少女の所へ戻る。
事務所のほうで、小さく丸まりながら椅子に腰掛け、飴を舐め転がしているうさ耳少女。
彼女は俺がやってきた事に気付き、ほんの少し頬を膨らませながら俺に言う。


 葵 「あのぉ、私いつまでこの格好で居ればいいんですかぁ?」

蓮路 「もっと島風らしくなるまでだ!」

 葵 「……冗談で言ってるんですよね?」 イラッ

蓮路 「まぁまぁ、そう怒るな。西岡卓司はどうやら提督として着任している様子でもあるからな」

蓮路 「趣味であるモノの格好をした少女が目の前に現れれば、ヤツも勿論興奮することだろう」

 葵 「興奮させてどうするんですか!」

蓮路 「な、なんかツッコミが厳しい気がするんだが……」

 葵 「コスプレなんて、実際接触する際にすればいいじゃないですか!!」

 葵 「ていうかこれ、真冬じゃ……寒すぎますぅぅ……」


蓮路 「致し方ない、>>924の着用を許可しよう」

毛糸のパンツ

蓮路 「致し方ない、毛糸のパンツの着用を許可しよう」

蓮路 「という訳で実際に毛糸のパンツ(黒)がここにあるのだが」

 葵 「パンツ替えたらいいって問題じゃないですよぉ……」

 葵 「っていうか、余計にダサくなっちゃうじゃないですかっ!」

蓮路 「まぁそうピリピリするな、とりあえず今日はこれで我慢してくれ」

 葵 「はぁ、分かりましたよ……」 ハキハキ

蓮路 「……一応穿くんだな」

 葵 「だって寒いですし。って、女子の着替え……勝手に見ないで……」

蓮路 「目の前でいきなりそんな事されたら、どうしようもないだろう!?」

 葵 「……はぁ、それより今日は事務所待機で良いんですか?」

蓮路 「ああ。……今日は未羽に任せて、俺達は少し休んでおこう」

蓮路 「風越にも再調査を依頼したことだしな」

 葵 「それにしても、珍しいです。……調査漏れとか、滅多に無かったのに……」

蓮路 「そういう時もあるだろう。だが……風越から気になることを聞いている」

蓮路 「西岡卓司は携帯電話を持っているのにも関わらず、公衆電話を用いてどこかに電話をしていたそうだ」

蓮路 「しかも、どこか余所余所しい態度で、そわそわしていたらしい」

 葵 「その相手までは流石に掴めないですよね」

蓮路 「だが、何かがある。その電話がヤツの懐の具合と関係がある筈だ」

 葵 「……電話の相手……」

蓮路 「それより、次の報告まで少し時間があるな……」

 葵 「今日も、しちゃうんですか……?」

蓮路 「そうだな……」


蓮路 「今日も>>926をお願いしようか」

ちくわの舞い

蓮路 「今日もちくわの舞いをお願いしようか」

 葵 「もう、浅岡さんは甘えん坊さんなんですからぁ……」

 葵 「……って、ちくわの舞?」

蓮路 「ああ、ちくわの舞をお願いしよう」

 葵 「って何それ! 知らないです、聞いてないです、意味分かんないです!!」

 命 「じゃあここは私が説明する……」

 葵 「って、社長! いきなり出てこられてもびっくりしちゃいます!」

 命 「ちくわの舞について、重要な点はたったの一つ」

 命 「……両手でしっかりちくわを握る事……はむはむ」

 葵 「って、ちくわ食べながら説明してるし!!」

蓮路 「……上坂は少し、未羽に似てきたな……」

 葵 「へっ? そ、そんな、神埼先輩に似てきただなんて……」

蓮路 「で、ちくわの舞はまだなのか?」

 葵 「それ、どうしてもやらなきゃなんですか……?」

 命 「一緒に、舞う?」


 そうして事務所内で繰り広げられるちくわの舞を見つつ思考する。
西岡卓司の裏に、パトロンが潜んでいると考えるとしても、その理由は果たしてなんだろうか。
何故あんな男に組するのかも分からない。そんな事をして果たしてメリットが生まれるものだろうか。


 葵 「ふえぇぇ……、社長、もう無理ですぅ」

 命 「その程度じゃまだまだ。……ほら、頑張って。ち~くわ~ち~くわ~」

 葵 「それ一昔に流行ったたらこの歌じゃないですかぁ!」

 葵 「もうやだ! コスプレさせられるし、ちくわの舞なんかさせられるし!」


 葵 「もう、私……>>928!!」

帰ってシャワー浴びてむにゃむにゃして寝る

 葵 「もう、私……帰ってシャワー浴びてむにゃむにゃして寝る!!」

 葵 「それじゃ、今日は上がりますっ! お疲れ様でしたっ!!」 バタンッ

蓮路 「……怒り方が益々未羽っぽくなってきた気がするな……」

 命 「元々、彼女は気性は激しい方。……ただ、人見知りが邪魔をしていただけで」

 命 「人懐っこいし、未羽より感情が溢れるタイプ……」

蓮路 「ふぅむ、最近の若者は扱いが難しいな……」

 命 「貴方が若者を扱っていたという構図が浮かばないけれど」

蓮路 「失礼な。これでも昔は部下を持ったりもしたものだぞ?」

 命 「そういえば、履歴書に別府商事って経歴があったのを思い出した……」

 命 「……どうして、辞めたの?」

蓮路 「辞めたんじゃないさ。……リストラだ、切り捨てられた」

蓮路 「おまけに、その部下に逆に出世されて、俺は散々だったものさ……」

 命 「そう。……ところで、葵は良いの?」

蓮路 「良いのって言われても、俺にどうしろと?」

 命 「良い上司は部下のアフターケアも忘れないもの」


 命 「此処が葵の住んでいる住所。……良い上司なら傷ついた女子を、>>930

妻とすべきよ

 命 「此処が葵の住んでいる住所。……良い上司なら傷ついた女子を、妻とすべきよ」

蓮路 「つ、妻って、女子高生妻……ごくり……」

 命 「ちなみに、私もいつか妻にしてくれる事を待っているから」 フリフリ

蓮路 「とか言いつつちくわの舞を踊られると、逆に萎えるもんだな……」



 ロリ社長、しかし実年齢は26歳とそこそこの年齢である天野命が、どうして俺に上坂葵の住所を託したのかは分からない。
というか、勝手に住所を別の社員に教えて良いものなのかと疑問を持ったりもしたが、
少々上坂に無理をさせたのかもしれないと、反省も踏まえて先ずはその場所へ向かう事にした。

 途中、電話を入れてみたものの、彼女が応対する事は無かった。眠っているのかもしれない。
メールでも送ってから行くべきかとも迷ったのだが、何分西岡卓司の報告待ちの影響もあって、暇を持て余してしまっていた。


蓮路 「……来てしまった」

蓮路 「一軒家、だな。……親御さんが居るかもしれない」

蓮路 「勝手に押しかけるのはマズイか。だがしかし……」 ウロウロ

蓮路 「社長命令みたいなものだから、押しかけても……」 ウロウロ

蓮路 「でも、それで変態扱いされてしまったら俺は、俺は……」 オロオロ

主婦A 「やだわ、あそこで男の人がうろうろしている……」

主婦B 「おまけに今度はオロオロしだしたわ。やだ怖い」


 そうして、立ち話をする主婦に気持ち悪がられながらも、やはりインターフォンを押すのに戸惑う自分が居り、
かれこれ一時間もウロウロ、オロオロとしながらも悩み続けた結果、話は妙な方向に転がってしまうのだった。

 上坂葵が、家から出てきた所に遭遇してしまったのだ。


 葵 「……あ」

蓮路 「……あ」


 葵 「……もしかして、>>933

裏切り者を始末しに来た

 葵 「……もしかして、裏切り者を始末しに来たとか?」

蓮路 「裏切り者? 何の話だ?」

 葵 「コスプレの命令を無視して、おまけにちくわの舞すら踊らないで」

 葵 「組織にとって、裏切り者以外の何者でもないじゃないですか」

蓮路 「いやいや。っていうか、そんな心境でいたのか?」

 葵 「或いはもしかすると、私が本当に組織にとって裏切り者という存在かもしれませんよ……?」

蓮路 「……俺には例えお前が裏切り者だとしても、確証がない」

蓮路 「それに、お前は俺が任された部下……といっても、上坂の方が先輩にはなってしまうが」

蓮路 「その……、何と言うか……」

 葵 「……もしかして、浅岡さん……ううん、蓮路さん……」

 葵 「私の事を心配して来てくれたとか……?」

蓮路 「……悪い、か……?」

 葵 「…………」


 彼女は暫くの間、無言で俯いていた。不味い事を言ってしまったかもしれないと、俺は発言を悔やんでしまう。
だが暫くして、俺は何故か彼女の家のソファで、紅茶を頂くハメとなってしまっていた。

 上坂は今では何故か上機嫌である。何故だろうと視線を向けた先には、鼻歌交じりにお菓子を用意する彼女の姿が見えた。


 葵 「すんすんす~ん……すんすんす~ん」

蓮路 「何で某CMで流れていた歌を歌っているんだ……」

 葵 「という訳で、クッキー焼いてみました! 食べてくれます……?」

蓮路 「え、あ、どうも……って、何か作ってると思っていたら、クッキーを焼いていたのか……」

 葵 「……良かったら、お菓子と紅茶もたくさんありますし、ゆっくりしていってください」

 葵 「……この家、私しか居ませんし」


蓮路 (こ、この発言は……もしや、俺に>>935しろという期待の表れか!?)

蜻顔區

蓮路 (こ、この発言は……もしや、俺に蜻顔區しろという期待の表れか!?)

蓮路 (って何だそれは! 分からん!!)

蓮路 (……という訳で、何か彼女にとって喜んでくれそうな事をしよう)

蓮路 (……トンボの顔真似でもしようか)

 葵 「どうしたんですか、急に黙りこくっちゃって……」

蓮路 「……トンボの顔真似!!」 ドヤッ

 葵 「…………」

 葵 「……ちょっと、席を外しますね……」 サッ

蓮路 「……ドン引き、されてしまった……」

蓮路 「とかやっている内に未羽から報告メールが来ていたか、どれどれ……」


『西岡卓司だけど、相変わらず引越し準備に必死になってる。まるで何かから逃げようとしているようにも見えるけど。
 それより出前で宅配ピザを頼んでいたの。生活保護でそんな余裕ある訳ないよね? もう暫くだけ見張っておきます』


蓮路 「……ふぅむ、宅配ピザか……」

蓮路 「……腹減ったし、クッキー食うか……」

蓮路 「……クッソ苦いぞ……これ……」


 どうやら、上坂は料理は思ったより苦手の類のようだが、それでも頑張って作ってくれたのだろう。
その見た目はまともながら、妙に苦いクッキーを齧りながら携帯を睨んでいると、上坂が再び戻ってくる。
だがどこか様子がおかしい。それもその筈、だって彼女は今……。


 葵 (……頑張って、蓮路さんを>>938しなきゃ!)

あ、文字化けしちゃってたんだ
ごめんよ、告白って書いたんだが

安価下

 葵 (……頑張って、蓮路さんをその気にさせなきゃ!)

 葵 「……って訳で、その……あの」 モジモジ

蓮路 「……ど、どうした、上坂……」

 葵 「……今日、良かったらその、ご飯も一緒に……」

 葵 「それに、もし帰るのが面倒だったら、その……、泊まって行かれても……」

蓮路 「って、いきなりどうした上坂。俺の事はもう怒ってないのか……?」

 葵 「怒るというか、コスプレさせられて恥ずかしかったり、ちくわの舞なんて踊らされて理不尽に感じて飛び出しはしましたけど」

 葵 「……怒ってるって訳じゃ、ないです……」

 葵 「寧ろ、今こうして心配してきてくれた事の方が……///」

蓮路 「お、おう……だったら良いけど」

 葵 「そ、それじゃ、夕飯良かったらご一緒に! 頑張って作りますんで!!」

蓮路 「え? あ、あぁ……、俺としては助かるけれど、良いのか?」

蓮路 「その内、親御さんも帰ってくるんじゃないか?」

 葵 「……さっきも言いましたよ」

 葵 「この家には、私しか居ません。……両親は、もう居ません」


 その言葉を改めて聞いた時、俺は彼女がどういう環境に身を置いていて、何故あの組織に属しているのか全く知らない事に気付き、
それでいて、無神経な発言をしては彼女を傷つけたかもしれないと、小さく詫びた。
しかし彼女は笑顔でそれを受け流し、エプロンを身につけては頑張って料理すると、包丁を握り締めていた。

 良い子だと思う。人見知りは激しいかもしれないが、こうして触れてみると、思いやりもあって、素直で、何より健気で。
どこかの誰かさんとは大違いな女子高生。それは、背も小さく、だけど健気に生きようと背筋を張って、今も包丁を……ぶん投げていて。


蓮路 (今晩のメシ、多分まともなモンにはならないな……)

 葵 「とぉ、とぉっ! てゃぁぁぁっっ!!」 ザクザクッ

蓮路 (野菜ザクザクッとか、どこのMOCO’sキッチンだよ……)

蓮路 (っと、オリーブオイルをドバドバしてやがる! 三度、四度も追っている!!)


蓮路 (そして出来上がった料理が>>941とは、何故だ!?)

バーニャカウダ

蓮路 (そして出来上がった料理がバーニャカウダとは、何故だ!?)

 葵 「出来上がりですっ! さぁ、食べてください!」

 葵 (これしかマトモに作れない、私の自慢料理! オリーブオイルソースで旨み倍増!)

 葵 (これで蓮路さんをその気にさせて、私は、私は……///)

蓮路 「ええと、じゃあ、頂こう……」 パクッ

蓮路 「温野菜がオリーブオイルソースと絡み合って、ほんのりバターの甘みが広がって……」

蓮路 「不味くない! 寧ろちょっと美味い!?」

 葵 「えへへ……、お料理まだまだ勉強中でして……」

蓮路 「だがこれは悪くない、寧ろ美味い、美味いぞっ!」 ガツガツ

 葵 「ほ、褒めてくれるなんて、その……」

 葵 「わ、私、ちょっとお湯沸かしてきます! ゆっくり食べていてください!!」


 彼女は慌てた様子でその場を離れ、風呂の準備を始めたらしい。どうやら入浴まで勧めてくれるとは思わず、
ボロアパートの風呂に入るくらいならと、バーニャカウダを食しながら好意に甘える事にした。

 そして、それを食べながら思う。どうして途端に彼女はここまでしてくれるのか。
まだ彼女と接して日は浅い。なのに、どうしてこうまでしてもてなしてくれるのか。

 その答えは分からないながらも、ほんの少しの期待が生まれつつあるのも事実であり、
それを押し殺そうとしながらも、俺はそのバーニャカウダを全て食べ終えた頃に、再び上坂は戻ってくるのだ。


 葵 「良かったら、お風呂も入っていってください。お湯、もう張ってますんで」

蓮路 「そこまでして貰って、本当に良いのか?」

 葵 「はい、だって蓮路さんだから……」

 葵 (私みたいな人見知りで不器用な人間を、部下として使ってくれた……それが素直に嬉しくて)

 葵 (それだけじゃない、接していて、何だか……不思議な気持ちで……)


 葵 (だからこそ、その気にさせて……今日、私は彼に、>>943

告白します

 葵 (だからこそ、その気にさせて……今日、私は彼に、告白します)

 葵 (自分の全てを……。自分が、何者だったのかも……)


 それから暫く、入浴を済ませて風呂上りにビールまで用意してくれていた彼女だったが、未成年が何故ビールを、と首を傾げていると、
彼女は酒を注ぎながらも、上手く誤魔化して買ってきたと笑むのだった。
こうして、至れり尽くせりな時間も過ぎていき、いよいよ日付が変わろうとする時刻、流石に帰らないとマズイだろうと腰を上げた時だった。

 細い腕が、俺の身体に絡みつく。ほんのり温かい感触と、彼女の篭った声が耳を擽るのだ。


 葵 「……泊まって、いって……」

蓮路 「けど、流石に不味いだろう、その、男と女が一つ屋根の下だなんて……」

 葵 「そんなの、アニメとかラノベとかで、普通にあるじゃないですか……」

蓮路 「それはまた話が別って言うか……」

 葵 「……世の中って、不思議な事、いっぱいあると思うんです」

 葵 「ある日突然ひとりぼっちになって、そのショックで人が怖くなってしまって」

 葵 「そうして、長い時が過ぎて、私は……ようやく光を見つけられた気がしたんです」

蓮路 「上坂、一体何を言って……」


 葵 「両親は、私のせいで死んだんです」

 葵 「私の……>>945という性質のせいで……」

満月の夜になると豹変

 葵 「私の……満月の夜になると豹変するという性質のせいで……」

 葵 「……おかしいんです、私って……」

蓮路 「性質って……、未羽のような、負が見えるとか、そういうのか……?」

 葵 「世の中って不思議ですよね。……私は結果的に、警察には咎められず、親戚に保護される事になったんですけど」

 葵 「ずっと自分の中で、その咎を背負わないといけないと思うと苦しくて……」

蓮路 「それで、人見知りになったと?」

 葵 「だって、人と接触するのが怖くて、満月の夜に、また殺してしまうんじゃって思うと……!」

 葵 「……だけど、それでも止められない想いって、あるんだなって……」

蓮路 「……上坂?」

 葵 「……好きです。……出会って日も浅いですし、私、変な女ですし、両親だって結果的に死に追い込んだ人間です」

 葵 「だから、こんな事を言う資格、無いかもしれません」

 葵 「だけど、気持ちだけは伝えたいって、だから、だから……!」


 その時、俺の携帯が邪魔をするように煩く鳴り、空気を、そして彼女の発言を阻んでいく。
しかし、俺に抱きついた形となった彼女の力は弱まらないまま、ぎゅっと抱きしめるようにしがみついていて。

 未だに携帯が鳴り続けている。それに出るべきなのだろう。
だがそうした途端、彼女との今の雰囲気は無効となってしまうのではないか、そんな気もしてしまう。


 携帯に出るか、それを無視して彼女に応えるか……>>947

携帯に出た

 携帯に出るか、それを無視して彼女に応えるか……。
その余りにも煩わしいと感じた音を止めたかったのかもしれない。それは、逃げようとしたのかもしれない。
想いに応えようとも出来なかった俺は、そのまま携帯に手を掛けた。

 だが、次の瞬間俺の思考は更に麻痺するようになってしまう。


未羽 「……ごめん、ミスっちゃった……」

未羽 「……刺され、ちゃった……よ……」

蓮路 「ッ!? 未羽、今何処だ、何処に居る!?」

未羽 「えへ……、アンタが居なくても、私一人でって……驕った結果がコレ……」

未羽 「西岡卓司は……キケン……。精神的にも追い詰め……られ、て……」


 そこで彼女の声は聞こえなくなり、雑音だけが混じる中、俺は何度も未羽の名を叫んだ。
しかしそれに彼女はもう応えてくれず、俺の状況を見て察したのか、上坂も社長に連絡を入れるのだった。


 葵 「社長、神埼先輩の場所、割り出せますか……?」

 葵 「はい、はい……、それで構いません。先輩、怪我をしている可能性が……」


 だが、パートナーを失うかもしれない、そんな出来事が脳裏を過ぎった途端、最早周りが見えなくなっていた。
上坂の家を飛び出し、闇雲に未羽の名を叫びながら夜道を走る。とにかく走る。走って走って、息切れしても走ろうとして……。


蓮路 「何処だよ、未羽……!!」


 アテが無い訳でも無かったが、西岡卓司のアパート前には彼女の姿も無く、
一人闇雲に突っ走って、どうしようもなくなっては蹲り、自分の無責任さを嘆く中、再び携帯が鳴ったのだった。


 葵 『神埼先輩の場所、割り出せました。……場所は、>>949だそうです』

ネット喫茶

 葵 『神埼先輩の場所、割り出せました。……場所は、ネット喫茶だそうです』

蓮路 「何でネカフェなんかに未羽が……?」

 葵 『社長がGPSと占いを基に割り出してくれた結果です。住所は――」


 今はこの情報しか頼りがない。俺はそれを聞きつつもタクシーを捕まえようと必死となった。
こういう時に限って中々捕まらないと、大通りでやきもきしつつ、その場所を把握した俺は言った。


蓮路 「とにかく、俺が向かってみる。それで怪我の具合を見て判断しようと思う」

蓮路 「だから上坂は自宅で待機してるんだ。いいな?」

 葵 『……もう遅いです』

 葵 『私も向かってたんですよ、その場所に』

 葵 『でも、島風のコスプレ、念のためにしておいて正解でした……』

蓮路 「お、おい上坂、何を言ってる!?」

 葵 『……今夜は、満月が綺麗ですね……』


 そこで連絡は途絶えた。途端上坂の言葉を思い返し、不安が過ぎる。
何故コスプレして正解だったと言った? 何故満月が綺麗だと彼女は寂しそうに言ったんだ?
答えは一つしかない。しかしそんな偶然があってたまるものかと、タクシーをようやく捕まえられた俺は、判断に迫られた。


運転手 「えー、お客さん、どちらへ……?」

蓮路 (上坂が心配だが、アイツ、今何処に居るのか、所在が分からない)

蓮路 (ならばやはり、怪我を負った未羽を優先するのが正解……)

蓮路 「……この住所付近にネカフェがあると思うんですが」

運転手 「へいへい、とりあえずその住所に向かいますね」


 ―― ネカフェ内は、思った以上に静まっていた。客は多数居るものの、それぞれがそれぞれの時間を過ごしている。
深夜となった時間、俺が店員に怪我を負った未羽の話をすると、にわか信じ難いと言った様子ながらも協力してくれるのだった。


店員 「後はこの場所……、先ほどこちらは清算を終えた場所ですけど」

店員 「って、ひ、人が居る!? それに、こ、この血……!!」


蓮路 (>>952を刺されている……意識はかろうじてあるようだが……)

足の小指と爪の間

蓮路 (足の小指と爪の間を刺されている……意識はかろうじてあるようだが……)

蓮路 (ってまた妙な箇所を刺されてるな。何でこうなった……?)

蓮路 「おい、未羽、しっかりしろ、ぶっちゃけ致命傷でもなんでもないぞ!?」

未羽 「で、でも、私……小指、小指がなくなって……」

蓮路 「大丈夫だ、出血も大したことないしちゃんと付いてる。って、カッターナイフみたいなもので刺されたのか」

蓮路 「まぁ、念のため救急車、呼ぼうか?」

未羽 「だい、じょぶ……、もう少し休めば……」

蓮路 「……店員さん、救急セットとかあったら、お願いしてもいいですかね?」

店員 「え、ええ、はい……少しお待ちください」


 それから暫く時が流れた。社長には一応連絡を入れてあるのだが、上坂を捜し出し、彼女を保護したいと願い出るものの、
俺は未羽の傍に居るよう指示され、彼女はまた後に連絡を入れると、電話を切ってしまった。

 未羽の右足の小指部分の治療を終えた俺は、今はもう暫くこの場に留まらせようと、カップルシートを貸しきる形になってしまう。
実際はカップルでもなんでもない、下手をすれば援助交際だと思われなくも無い歳の差である俺達は、肩を並べる事になった。


未羽 「……ごめん、なさい」

蓮路 「謝罪はもういい。……というか、経緯を話してくれ」

未羽 「うん。……ターゲットは相変わらず、引越しの準備に夢中だった……」

未羽 「だけど、暫くしてアパートから出てきて、聞き耳立ててるのがバレちゃって……」

未羽 「怯えるようにして彼は逃げていって、私は慌てて追いかけた。脅かすつもりはなかったんだって」

未羽 「けど……ココに逃げ込んだ彼を、私は多分追い詰めちゃったんだと思う」

未羽 「ようやく話が出来るようになって、けど私が……余計な事を言っちゃったから……」

未羽 「荷造りに使っていたカッターナイフを取り出して、私の脚を掴んで……」

蓮路 「それで、足の小指を刺されたって訳か」


未羽 「彼、>>954なんて妙な事を口走っていたんだけど、分かるかな……?」

ほう

未羽 「彼、ほう、なんて妙な事を口走っていたんだけど、分かるかな……?」

蓮路 「……ただの相槌じゃないのか?」

未羽 「語感がヘンだって思って。ほうじゃないのか、とかおかしいじゃん……」

蓮路 「ほう……?」

未羽 「……駄洒落のつもり?」

蓮路 「少しは気が楽にはなれたか?」

未羽 「オッサンの癖に、ナマイキ」

蓮路 「ガキの癖にナマイキだ」

未羽 「……少しだけ、寝るね……」

蓮路 「ああ……、気が済むまで寝てろ……」


 今では静かに、でも安らかな吐息を立てて眠る神埼未羽を見て改めて思う。
彼女もまだまだ未成熟。それでもこの組織に属するのは何故なのだろう、と。
金が良いからか、或いは上坂のように何か理由があるのだろうか。今は静かに眠る彼女を横目に考えてしまう。

 とにかく今は、彼女の隣に居よう、相棒として……。


蓮路 「……とはいえ、ヒマだな……」

蓮路 「ネットでも巡るとするか……。折角だからグーグル先生でほうって言葉を調べてみよう」

蓮路 「……うむ、全く分からん!!」

蓮路 「しかし、未羽もよくオッサンの隣で眠れるものだな……」

蓮路 「……こうして見ると可愛いんだけどなぁ、こいつも……」


蓮路 「……ちょっと、>>956してみようかな」

習いたての催眠術をかけ

蓮路 「……ちょっと、習いたての催眠術をかけてみようかな」

蓮路 「え、いつ習ったんだって? 金を持つと無駄な事をしたくなるのさ……フッ」

蓮路 「という訳で、眠っているヤツに効くかどうかも分からんが」 スッ

蓮路 「五円玉の登場であーる。……あなたはだんだんあつくなーる、あつく~~~なぁ~~~るぅ~~~……」

未羽 「……すぅ、すぅ……」

蓮路 「……あつ~~くぅ~~なぁ~~~るぅ~~~」

未羽 「……ん、ぅ……」

蓮路 「寝返りを打って、額にじんわり汗が! ククク、催眠が効いている……」

蓮路 「よし、今度は暑くなって、制服の上着を脱ぎたくなぁ~~るぅ~~」

未羽 「ん……」 ヌギヌギ

蓮路 「こうかは ばつぐんだ! ……なんで効いてるのかさっぱりだが」

蓮路 「汗ばんだブラウス……薄ら見えるピンクのブラ……って、ピンクかよ!」

蓮路 「けど、メスの臭いが僅かに漂って……くぅぅ、堪らん!!」

蓮路 「……だが、まだだ! まだ催眠は終わらんよ! 更にあなたはあつくな~~~るぅ~~~」

未羽 「うぅ……んぅ……」

蓮路 「暑いか? 暑そうだな、いっそ俺が脱がせてやろうか」 スッ

蓮路 「ボタンを一つ、二つ……はずして……!!」


未羽 「…………」 パチリ

未羽 「……アンタ、何してんのよ……!!」


その後、俺は……>>958となった。

赤城

 その後、俺は……赤城となった。


蓮路 「一航船、赤城、寝ます!! ……って、何で俺女装させられてんの?」

未羽 「アンタが前に恥ずかしい格好をさせた、そのお返しよ」

未羽 「あたしにセクハラしようとした画像、ばら撒いて欲しくなかったら、その格好で路上で寝続ける事ね!」

蓮路 「ていうか、何でこんな女装させられて、寝なきゃならんのだ……」

通行人 「うわ、なにアレ……キモイ……」

未羽 「くすくす、指差されてるー、キモがられてるー!」

蓮路 「テメェのせいだろう! テメェの!!」

未羽 「せーくーはーらー!」

蓮路 「一航船、赤城! 寝ながらボーキ食べます!!」

蓮路 「……赤城さんは元々は食いしん坊キャラじゃなかったんだぞ……ぼそ」

未羽 「今、何か言ったぁ?」

蓮路 「何でも無いです……一航船の誇りは……って、今頭の中で何かが……」

未羽 「携帯が鳴ってるだけでしょ」

蓮路 「おっとそうでした……。こんな朝っぱらから誰だよ……。……もしもし、アカギですけど」

 命 「いつから麻雀するようになったの……?」

蓮路 「おっとこれは社長、いやぁ、今未羽がですねぇ―― って、今なんて……?」

 命 「……もう一度言う」


 命 「西岡卓司は遺体として発見された。尚、上坂葵は……>>960

地下でギャンブラーに

 命 「西岡卓司は遺体として発見された。尚、上坂葵は……地下でギャンブラーに」

蓮路 「なんでやねん! って、上坂は無事なんだな!? アイツは大丈夫なんだな!?」

 命 「ええ、命に別状はない。けれど……ちょっとヤンデレに」

蓮路 「は? またなんで?」

 命 「ともかく、ターゲットは死亡してしまった為、今回の任務は解く。……暫くお給料はちくわだから」 プツッ

蓮路 「って、おい、社長さん!? チョット待って、しばらくちくわだけって……切りやがった!!」

蓮路 「くそ、上坂も上坂だ、心配掛けやがって……」

未羽 「葵がどうかしたの? ていうか、何か妙に必死な顔してる」

蓮路 「ッ!? 何でもねぇ……よ」

未羽 (……何かあったわね、これ)

蓮路 「ともかく、未羽もしっかり聞いてくれ。上坂はともかく……西岡卓司の件だが」

蓮路 「死んだ、らしい……。死因はまだ分からん」

未羽 「……死んだ?」

未羽 「……何時!? どういう事!? 詳細は!?」

蓮路 「まだ何とも。……命ちゃんもまだハッキリ掴んでる訳でもなさそうだ」

未羽 「ッ……! 何が、どうなってるのよ……!!」


 歯軋りするように腕を組んでは悔しそうに顔を顰める未羽を、赤城の姿をしたままの俺は見上げる形になっていた。
彼女がどうして悔しそうにするのか、気持ちは何となく分かる。寧ろ俺がもっと早めに対象と接触するべきだったのかもしれない。

 路を切り開けず、赤城となった俺は暫く路上を通る人々を淡々と眺めているしかなく……。
しかしその中に、観察するように通り過ぎていった男がいる事に、俺は気付かず、ただ人々を眺めていた……。



―― つづきます

えー、そろそろ時間かなって事で終わりますー。

三十路過ぎのおっさんが赤城の姿になるのを想像したら笑ってしまいました。
あの人避けないんですよねー直ぐ大破するんですよねー気のせいですかねー。


ともあれ、お付き合いありがとうございましたー。

むりやり小説ゲーム@避難所Ⅱ
http://jbbs.shitaraba.net/computer/32524/

ここはもう書き込まないのでしょうか?

【01/19 (日) 00:00時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

01/25 (土)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - 岐路の彼方 第四話


ミントさんは暫く休業かなー。べっちょり。

>>965
あ、素で忘れちゃってました。こちらで書き込んでない場合は忘れてたりしますので……ごめなさい。

ごめんなさい~今日も延期させてください、仕事を抱えてしまってまして予定より早く終わらなかった…。

【02/01 (土) 20:38時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

02/02 (日)
  21:00~/ ◆MOON69mNOA氏 - 仕事が終わればできるかも……! 度々ごめんなさい

って事で……。

えーと、まだ仕事が終わってないのもありますし、板もだいぶ進んでるしって事で、
今回は短編で短め、大体一時間くらいで考えていますが、どうでしょう……。

もし微妙ってことなら、また次回になっちゃいますが、とりあえず安価で何するか、どうするか決めてやってください。>>974

んでは突然ですが主人公のお名前を>>976

420(しにお)


―― 世の中には、自殺を崇高に捉えている集団が居る。だが、その集団は声を大にして、自殺を推奨する事はない。
では何故、自殺グループなんて存在が有り、所属している人々が居るのか。それはその場に居合わせないと分からないものである。


女性 「やめなさい、飛び降り自殺なんて全くもって下らない死に方よ!」

男性 「良いんだ! 俺はもう人生詰んでる! どうしようもないクズなんだ!!」

女性 「そうやって、自殺をつまらない逃避の手段の一つとして、捉えないで頂戴!!」

男性 「な、何を言ってるんだ、お、俺にはそんな話、関係ねぇ!!」

女性 「いいえ、大有りよ。困るのよ、無駄で、尚且つ下らない自殺手段を用いられて、自殺というイメージが下がるっていうのが」


 その男性、逸喪 志二男は自殺の常習犯だった。しかし、この男には勇気という概念が殆どなく、
自殺しようと試みても、いつも未遂に終わるか失敗に終わり、その度に引篭もるというどうしようもない男であった。

 だが、その男がこのスーツの女性に自殺を止められているという事自体が異例であり、
男は動揺し、そして困惑するのである。何で警察でもなんでもない女が、訳の分からない理屈を並べるのか。


女性 「……アナタ、そんなに自殺がしたいのかしら?

女性 「……アナタ、そんなに自殺がしたいのかしら?」


 ―― 自殺集団、それはある意味宗教的な存在なのかもしれない。だが、そこには間違いなく、死についてのあり方を考えさせられる場所でもあった。
そもそも、何故自殺を行うのか。では自殺は何の為に、誰の為になるのか。と、意味の分からない話が交わされる中、
俺はその教会の中を、このスーツの女と共に歩いていた。


子音 「ここは、先ほども説明した通りの場所。……自殺を単なる自殺を思わない、選ばれし集い」

志二男 「……選ばれし、集い……」

子音 「そうよ。そしてアナタはこれから懺悔を行う必要があるの」


子音 「そう、>>979の前でね……」

恩師

子音 「そう、恩師の前でね……」

志二男 「お、恩師って……誰の恩師っすかねぇ?」

子音 「それは勿論、アナタが愛したとある女教師、名前は……都宮、菜摘――」

菜摘 「いいえ、違うわ子音。私の今の名前は、デス・エンジェリック、ラブリースパイシーよ!!」

子音 「という訳の分からない存在として、私達の仲間に加わったわ」

志二男 「……センセー、何してるんすか、三十歳過ぎてるはずなのにその発言……」

菜摘 「私は生まれ変わったの。教え子が不良になろうが、イジメで追い詰められようが関係ない!」

菜摘 「私は、死というものに向き合い、そして自殺と言う重要性を考え直しで生まれ変わったのよぉ~オホホホッ!!」

子音 「という具合におかしくなったのよね」

志二男 「……俺、帰ってもいいっすかね?」

子音 「いいえダメよ、ここにいる百を越える人々の中から逃れることさえ、そもそも不可能だけど」

志二男 「それってただの拉致監禁じゃないっすか!!」

子音 「さぁ、菜摘の前で懺悔なさい、飛び降り自殺をして申し訳ないと、以後悔い改めると!!」

志二男 「……えー、と、……飛び降りしようとしてすんませんした、悔い改めまーっす……チッ」


菜摘 「>>982

霊界マラソンに参加しなさい

菜摘 「霊界マラソンに参加しなさい」

志二男 「ふぁっ!? 何で!?」

子音 「間も無く行われる霊界マラソンに出そうだなんて、菜摘、本気!?」

菜摘 「だーからわたしの名前はデス様とお呼び!! ……勿論、本気ですのよ、おほほ」

子音 「キャラ作りはもういいから」

菜摘 「……」

志二男 「で、その霊界マラソンって……何すかね?」


 ―― 霊界マラソン、それは一位をもぎ取った者だけが、選ばれし自殺を行えるという、数年に一回しか開かれない競技!
だがそれに優勝したものは、崇高なる自殺により名声を、名誉を得られるという、かなり意味不明な競技であり……。

 その競技の内容が、とんでもないようなモノであった。


志二男 「これじゃデスゲームじゃないっすか!!」

菜摘 「そう、デス様ことこの私が考案したプログラムも盛り込まれた、至上最高の霊界マラソン!!」

菜摘 「途中で死んでしまった者は、所詮はその程度のゴミクズとして扱われますのよ」

志二男 「で、優勝しても死んでしまうと、訳が分からん!!」

子音 「あら、アナタは死にたくて仕方がなかったんじゃないかしら」

志二男 「それは、そうですけど……」


子音 「さぁ、最初の難関である>>984を突破してきなさい!」 

あ、安価間違えてるー↓ですー

子音 「さぁ、最初の難関である煩悩百連発を突破してきなさい!」 


 煩悩。それは人が抱える宿命でもあるその本能に逆らうことは難しく、度々人々を苦しめる存在。
それを百連発も果たして耐えられようか。だが、それがどうやって行われるのかわからず、俺は目的地へ走っていくのである。

 が、そこに現れたのはまさに夢のような世界、自分にとってその世界こそ将来の自分だと思わせられるような出来事が待っていた。


志二男 「こ、これって、夢じゃないよな?」

女A 「そんな事ないですよー、ほら、お酒をおひとつ」

女B 「それより志二男様、今日はお肩はお揉みしなくて宜しいですか?」

女C 「今日はお仕事は一通り済ませておられますので、社長としての志二男様ではなく、男性としての志二男様が見たいです」

志二男 「へ、あ、へへへ……、し、仕方ないなぁ!」


 そこは豪華な一室だった。突如霧のようなものに包まれた瞬間、その一室が広がっており、
まだ若いと思われる女の子達が多数、俺を出迎えてくれるのである。
それだけではない、肌を押し付けられ、その感触に戸惑いながらも、マッサージをしてくれる子も居て、
尚且つ、ドリンクも食べ物も次々と持ち込まれ、そこは最早豪華な宴会場と化していた。


志二男 「こ、これが煩悩百連発……! なんて地獄なんだ……! 嬉しいけど」

女A 「ですよねー、でも、まだまだこれからなんですよ?」

女B 「うふふ、いっぱい、私たちといろんな事をしましょう?」

女C 「夜は長いのですから、うふふ……」


志二男 「もうこの世界に残っちゃおうかな~>>988

いや、これは幻想だ

志二男 「もうこの世界に残っちゃおうかな~!!」

志二男 「いや、これは幻想だ。俺が現実こんな生活を送っていたか!?」

志二男 「毎日ゴキブリを追い掛け回し、米粒ひとつの為にバイトして、身体がボロボロになっても、それでも何とか生きようとして!」

志二男 「結局ダメで、人生諦めて自殺しようとしていた俺が、こんな生活を送っているはずがない!!」


 ―― ゴール地点では、既に女性の二人が彼を待ち構えていた。
障害は五つもあった。煩悩から痛覚、苦悩、悶絶、そして快楽。どれも随分偏った試練ではあったが、
どれも幻を見せられているような気分となり、それでも掻い潜りながら走った結果……。


志二男 「これ、どういう事なんすか!? ……走者が思えば俺しか居なかった……!!」

子音 「フフ、だって元々、走者はアナタしかいなかったんだもの」

菜摘 「でも、見事に崇高なる自殺の権利を得たわね、さすが私の教え子ですこと!」

志二男 「……納得が出来ない。あの幻、余りにもリアルすぎた! ……何が絡んでるって言うんです?」

子音 「あら、思ったより聡いのね。でも、カラクリを教えることは出来ないわ」

菜摘 「何故なら、貴方はもう既に……」


 ―― 彼は目覚める。身体の痛みと共に目覚めたその身体は、最早感覚すら狂ってしまいそうな勢いであった。
だがそれでもと、瞼を開き辺りを見渡すと、そこは病院。何故、と彼は記憶を辿ろうとするのだが、どうにも上手く思い出せない。

 そして分からない事がもう一つあった。何やら置手紙があり、そこには感謝の文面が広がっているのだ。


志二男 「あの時、助けてくれてありがとうございました? 何の話だ……?」

 コンコン

志二男 「……はい、開いてると思います」

 ガチャッ


 彼には飛び降り自殺をしようとしたまでの記憶があった。しかし、次第に蘇る記憶の中には、
あの夢幻から抜け出し、そして直後人の死に直面してしまった彼の行動は、身を持って人を救うというものであり――。


 「……お、お邪魔、します……!」

 その後、彼は第二の人生を、この少女と共に見出すことになる――。


~~~ おわり

すんごい簡潔で最後強引ですけど、終わりって事でー ナンカゴメンナサイ
こんな短めなお話にお付き合いありがとうございました!


ノロっぽい胃腸炎で仕事をお休みしたツケが大きすぎました。来週こそ万全を期して……!
という訳で、また次回というか、土曜日に宜しくお願いしますー。

次は新スレ立てないとですね。

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