椎名法子「ドーナツパフェだよ☆DNP」 (41)

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椎名法子「というわけで、さっそく作っちゃおうっ!」


小関麗奈「えっ」


法子「えーっと、まずはドーナツを作るところから……」


麗奈「ち、ちょっと待ちなさい法子ッ!」


法子「どうしたの?」


麗奈「だから……何を作るのよッ」


法子「ドナパだよ、ドナパ!」


麗奈「……ドーナツのパフェ?」


法子「うん。略してドナパ!」


麗奈「……ドナパ?」


法子「うん、ドナパ!DNPだよっ!」




麗奈(あれ……どうしてこうなったんだっけ……?)


麗奈(えっと、原因は多分さっきのアレ、よね……)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



法子「おおーっ!紗南ちゃんすごーい!」


麗奈「フンッ、やるじゃない!」


三好紗南「へへっ、あたしにかかれば音ゲーだって簡単簡単っ!」


法子「うーん……やっぱりあたしには難しいよー」


紗南「最初はやっぱり難しいよね!あたしも最初は戸惑ったもん!」


麗奈「あ、アタシだってこれくらいできるわよッ!」


紗南「あれー、じゃあ今から変わろうかっ?」


麗奈「き、今日は遠慮しておくわ……」





紗南「そっかー。……よーしっ、次はこの曲っ!」






日向美ビタースイーツ♪ - ちくわパフェだよ☆CKP


http://youtu.be/ba9gsRtxHSA






紗南「やったっ!今日もフルコンっ!」


法子「……はっ!!」ピコーン


麗奈「……どうしたのよ、法子?」


法子「紗南ちゃん!それだよっ!!」


紗南「へっ?」


法子「――こうしちゃいられないっ!麗奈ちゃん、行くよっ!!」ダッ


麗奈「えっ!?ま、待ちなさいッ!ちょっ、法子!痛い!腕を引っ張るのやめなさいッ!!」


法子「ありがとね、紗南ちゃんっ!あとで事務所に戻ってきてね!」


紗南「……へっ?」


法子「腕によりをかけて作るから、楽しみに待っててねっ!それじゃっ!」


紗南「……えっ、まさか本当にCKP作るの?」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



麗奈(それで、スーパーで材料を買って、事務所まで来たんだっけ……)


法子「生クリームに、バニラのアイスに、イチゴにバナナ……♪」


麗奈「……ここまでは普通のパフェね」


法子「メインはもちろん……ドーナツ!」


麗奈「どうしてそうなるのよッ!!」


法子「だって、ドナパだよっ!?ドーナツのパフェなんだよっ!」


麗奈「確かにドーナツのパフェよね……って、そこじゃないわよッ!」


法子「おいしくておしゃれでしょ?」


麗奈「な、何よ……?」


法子「おしゃれだよねっ?」


麗奈「ひぃっ」ゾクッ


麗奈「……そ、そうねッ!このレイナサマが言うんだから間違いないわッ!」


法子「さっすが麗奈ちゃん!分かってるねーっ!」


麗奈(な、何なのよさっきの目は……)


法子「とろけたチョコをかければ……ほらっ、完成!」


麗奈「フンッ……み、見た目はまともじゃない……」


法子「ドナパで大丈夫だよっ!うん、絶対大丈夫っ!」




三村かな子「あれっ、なんだか甘い香りが……」フラー


麗奈「ふん、かな子じゃないの」


かな子「あっ、麗奈ちゃんに法子ちゃん!何か作ってたのかな?」


麗奈「……アタシは法子の手伝いよ!法子が……その、ど、ドーナツパフェを作るって言うから……」




法子「……はっ!!」


麗奈「……法子?」


法子「現れたなっ、悪のスイーツ大魔王っ!!」


麗奈「!?」


かな子「え、えぇ~っ!?」


かな子「え、えっと……法子ちゃん、どうしちゃったの?」


麗奈「し、知らないわよッ!突然ドーナツパフェを作るって言い出して……一体どうなってるのよッ!?」


かな子「ど、ドーナツパフェ……?」




麗奈「というか何なのよッ!大魔王はこのアタシ、レイナサマでしょう!?」


法子「落ち着いて麗奈ちゃん!このドーナツステッキで魔法ドーナツ少女に変身するよっ!」


麗奈「ドーナツステッキって何よッ!?なんでオールドファッションが刺さってるのよッ!?」


法子「大丈夫だよ!衛生上もばっちり!」


麗奈「どこが大丈夫なのよッ!?それに魔法ドーナツ少女ってのも何なのよッ!?そんな設定聞いてないわよッ!!」


法子「大丈夫、絶対大丈夫だよっ!!」


麗奈「だから何が大丈夫なのか説明しなさいよッ!!」




かな子(……二人とも、どうしたんだろう)


法子「そーれっ、変身!」


ボフンッ


麗奈「ゲホッゲホッ……どうして変身なのに小麦粉が舞うのよッ!?」


法子「えへへっ、見てよ麗奈ちゃん!あたし達、ドーナツになっちゃったよっ!!」


麗奈「……あっ!!な、何なのよこれッ!?いつの間にドーナツ衣装になってるのよッ!?」


法子「ドーナツの魔法だよっ!ほら、こんな魔法もっ!」ドナナッ


かな子「ああっ、法子ちゃんの手からドーナツが!」


麗奈「というか、何なのよその魔法はッ!?どういう効果音なのよッ!?」


法子「ほら、麗奈ちゃんもやってみて!ドーナツを考えながら念じてみてよ!」


麗奈「……や、やればいいんでしょう!?」ドナナナッ


かな子「すごい、麗奈ちゃんもっ!!」


麗奈「ど、どうなってるのよ……なんでアタシまで魔法使えてるのよ……」


法子「悪のスイーツ大魔王めっ!これでもくらえーっ!!」ササッ


麗奈「さっきのドーナツを皿に乗せて出してるだけじゃないッ!!」


かな子「これ、食べてもいいんですか?ありがとうございますっ♪」




麗奈「ああもうッ!!何がなんだか分からないわッ!!どういうことなのよ!?」ブンブンッ


かな子「れ、麗奈ちゃん!そんなにステッキを振っちゃうと……!」


ポロッ


法子「ああっ!オールドファッションが折れちゃった!」


麗奈「あっ!?……あ、アタシは悪くないわよ、オールドファッションなんか刺してるから……」


法子「麗奈ちゃん……」


麗奈「な、何よ……ッ!」


法子「――大丈夫っ!必殺☆ドーナツの穴から生クリーム光線だよっ!」ドナナナッ


麗奈「えっ」


かな子「……さ、さらにドーナツが……美味しそうですね♪」


麗奈「……ドーナツの中にクリームって、エンゼルフレンチじゃないの」


法子「細かいことは気にしないっ!えいっ!」



ドグシャーンバリバリドッカーンドナナナー



麗奈「さっきから何なのよこの効果音はッ!?」


かな子「えへへ、どれも美味しいです……あっ!」


かな子「Pさんに呼ばれてたの、忘れてました!……ドーナツパフェはまた今度作ってほしいな♪」


麗奈「えっ、ちょっと、待ちなさいよッ!」


かな子「次のお仕事の話だから……ごめんね。それじゃ、また今度ですっ!ドーナツ、ごちそうさまでした♪」


スタスタ……


麗奈(ひ、一人で法子の相手とか……無理に決まってるじゃないッ!!)


法子「あっ……行っちゃった」


麗奈「し、仕方ないじゃない。Pに呼ばれてたんだから」


法子「ということは……」




法子「こうして事務所に平和が訪れたよっ!」




麗奈「……えっ?」


法子「ドーナツのおかげだねっ!」


麗奈「ドーナツは何も関係無いでしょッ!?それに誰よりもアンタが今一番アタシの平和を乱してるわよッ!!」


法子「えへへっ、ドーナツはみんなを笑顔にするんだよ!味と食感、無敵のハーモニーだよねっ!」


麗奈「アンタのせいでアタシは笑顔になれないわよッ!!」


法子「でも、麗奈ちゃん!見て、こうやってドーナツの穴を覗けば……」ドナナッ


麗奈「だから、どうやったらドーナツが出せるのよ……」




麗奈「何よ、ここから見てもいつもの事務所じゃない」


法子「違うよ、麗奈ちゃん。確かにいつもの事務所だけど……」


法子「こうやって、いつも通りの事務所がここにあるのは……とっても、幸せでしょっ?」


麗奈「法子……」


法子「こうやってドーナツを食べたり、麗奈ちゃんだったら……プロデューサーにいたずらしたり……」


法子「当たり前だって思ってるものをずっと、当たり前にしておくのって……難しいけど、大切でしょ?」


麗奈「……そうね。Pにイタズラできないのは……何だか張り合いがないわ」




法子「……ほら、麗奈ちゃん、見える?」


法子「ドーナツの穴から、ほら。キラキラ光る、未来が……ねっ?」




麗奈「法子……!」






麗奈「……ダマされないわよッ!いつも通りの事務所を今ぶち壊してるのはアンタじゃないのッ!!」


法子「えへへっ♪」


法子「さーてっ、もっともっとドーナツで飾り付けて……」ドナナナッ


麗奈「……どうしてドーナツしか出せないのよ?」


法子「ええっ、ドーナツじゃ駄目なの!?」


麗奈「だから、ドーナツが駄目かどうかじゃないわよッ!『どうしてドーナツなのか』聞いてるのよッ!!」


法子「仕方ないなぁ……えいっ」パパパパイッ


麗奈「……この際効果音はもうどうでもいいわ。見ればわかるけど、これは何なのよ」


法子「アップルパイに、フランクパイに、エビグラタンパイだよっ!」


麗奈「アンタはミ○タードーナツの回し者か何かなのッ!?」


法子「業務提携だよっ!」


麗奈「妙に現実的なこと言うんじゃないわよッ!!」



ガヤガヤガヤ……


紗南「うーん……法子ちゃん達は、こっちの部屋かな?」


ガチャッ




法子「ごめんね麗奈ちゃん!ほら、ミスタードー◎ツの優待券あげるから!」


麗奈「ドーナツなんて手から出てくるんだからいらないわよそんなものッ!!というか――あれっ、紗南じゃないのッ!」


紗南「えっと……」




紗南「――おっ、お邪魔しましたーっ!」


麗奈「待ちなさい紗南ッ!!アタシを一人にしないでよッ!!」


紗南「い、今フラベベの厳選に忙しいから……またねっ!」


法子「えー、待ってよ紗南ちゃんっ!」ドナナナッ


ギュッ


紗南「えっ?わわわっ、なにこれっ!?大きなドーナツっ!?」


麗奈「な、何よこれッ!?何でアタシまでドーナツの穴に挟まってるのよッ!?」


法子「えへへ、せっかく作ったんだから……三人で食べようよっ!」


紗南「た、食べようって……CKP?」


法子「ううん……DNP、ドナパだよ!」


紗南「ど、ドナパって……もしかして……!?」













法子「――ドーナツパフェだよっ!さあ、二人とも……召し上がれっ♪」












――後日



P「はい、分かりました。とりあえず、二人には甘いものを見せないようお願いします」


P「ええ、はい。特にドーナツは近づけないように、はい、ではそれで」


ピッ


かな子「麗奈ちゃんと紗南ちゃん、大丈夫ですか?」


P「順調に回復してるみたいだぞ。あれで甘いものや法子がトラウマにならなきゃいいんだが……」


双葉杏「あー、確かに。ドナパだっけ?」


P「ああ。聞いただけでも胸焼けしそうだな……」


杏「杏は食べてみたいけどねー。カロリー多そうだから、徹ゲーの時とか便利そうだし」


P「駄目だぞ、俺も少し見たが……アレはヤバい」


かな子「そういえば、法子ちゃんは今どうしてるんですか?」


P「反省中だ。真奈美さんと早苗さんに監視されてる。もちろんドーナツ禁止」


かな子「手からドーナツを出してましたけど……どうやってたのかな?」


杏「桜が枯れたら、その力も消えたりしてねー」


杏「そういえば、今日はスイーツ食べるだけでいいんでしょ?」


P「まあな。名物スイーツのレポートだ」


かな子「えへへ……楽しみですねっ!」


杏「食べるだけでいいなら……やってあげなくなくなくもないよ」


P「ははは、期待してるぞ。ちゃんと感想もな。そうじゃないと、こんな遠くの街まで来た意味がなくなっちまう」


杏「杏はずっと寝てたけどねー。快適だったよ?」




「すみませーん!準備できました!」


P「はーい、了解です!それじゃ、頼んだぞ!」


かな子「はいっ!よろしくお願いします♪」


杏「はーいっ。よろしくー」


杏「そういえば、ここの名物スイーツって何なのかな?」


かな子「えーっと、何でしたっけ?Cなんとかだったような……」


杏「Cなんとか?」


かな子「はいっ、アルファベット三文字だって聞きました」


杏「ふーん……あれっ、なんか聞いたことあるような――」





「お待たせしました!この商店街の名産品、ちくわパフェです!」





かな子「わあっ、とっても美味しそう♪……あれ、杏ちゃんどうしたの?」


杏「し、CKP……だと……!?」ガクガク


かな子「あれ、杏ちゃんは食べないんですか?」




杏「……い、嫌だっ!私は絶対に――」






P(その後……杏はしばらくちくわ恐怖症となり、かな子のスイーツのレシピがひとつ増えることとなった)




P(そして数日後、事務所にて……いちごパスタ、ドナパに次ぐ第三の事件、ちくパテロが発生する)




P(事務所のアイドル数名と一人のプロデューサーがCKPの犠牲となるが……それはまた、別のお話)





おわり




以上で終わりです

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