綾乃「骨だけでも愛してる」(108)

綾乃「歳納京子…」


私の呼びかけにも、歳納京子は応えない。

それはそうだ、私があんなことをしてしまったのだから。

歳納京子は、今、私に背を向け、生徒会室の椅子に腰掛けている。

骨だけの姿となって。


綾乃「どうして、こうなっちゃったんだろう…」

~前日の夜~

~綾乃宅~

綾乃「はぁ…歳納京子の写真、何時見ても飽きないわね…」

綾乃「これは、生徒会室でプリンを食べてるときの写真…」

綾乃「これは、海水浴で水着になったときの写真…」

綾乃「これは、修学旅行で浴衣になったときの写真…」

綾乃「どれも、可愛い…」ポー

綾乃「…いや、駄目よ、駄目駄目よ、私!」ブンブン

綾乃「歳納京子は確かに超絶可愛いけど、私が好きになったのは歳納京子の外見じゃなくて…」

綾乃「何時も我侭に過ごしてる癖にふとした時に私を気遣ってくれて…」

綾乃「私が素直になれなくても、全て受け入れてくれる、そんな歳納京子の内面なんだから…」

綾乃「……でも、やっぱり可愛いわね、可愛い…歳納京子…」

綾乃「プリンみたいな頬、可愛くて食べちゃいたい…」ニヘラ

綾乃「歳納京子の普段見えないところ、もっと見てみたいな…」

綾乃「べ、別にえっちな所じゃなくて、そうじゃなくて、あの…」

綾乃「耳の後ろとか、舌とか、お臍とか、そういう所も、もっと見てみたい…」

綾乃「こないだ、一緒にお風呂入った時は恥ずかしくて全然見れなかったし…」

綾乃「あー、歳納京子の全部が見たいなぁ…」コロン

綾乃(歳納京子の口の中って、どんな感じなのかな…)

綾乃(そうだ、今度、歳納京子がプリンを食べてる様子をもっと観察してみよう…)

綾乃(可愛いピンク色の舌とか、真っ白で小さな歯とか…)

綾乃(見えるかもしれない…)

綾乃(歳納京子…)zzz

~朝~

綾乃「ふごっ」

綾乃「あ、しまった…ちょっと寝過ごしたかな…」

綾乃「急いで学校に行かないと…」ゴシゴシ

綾乃「うーん、なにか目がしょぼしょぼするわね…」

綾乃「まあ、顔洗ったら直るでしょ…って」

綾乃「歳納京子の写真、出しっぱなしじゃない」

綾乃「は、早くしまわないと…」ゴソゴソ

~教室~

綾乃「んー、まだ目がしょぼしょぼする…」

綾乃「目薬とかさした方がよかったかしら…」

結衣「綾乃、おはよう」

綾乃「ああ、船見さん、おは…」

綾乃「ええええ!?」

結衣「え、な、なに、どうしたの綾乃、いきなりそんな声出して」

綾乃「ど、どうしたもこうしたも///」

綾乃「ふ、船見さん、どうしてそんな格好してるの///」

結衣「え、ああ、ちょっとイメチェンしようと思ってね」

結衣「それにしても、綾乃よく気づいたね、京子も気づかなかったのに」

綾乃「い、い、い、イメチェンって///」

綾乃(そんな、下着だけの姿だなんて、イメチェンどころの話じゃないわよ///)

綾乃(こ、ここはちゃんと注意しないと///)

綾乃「ふ、船見さん、何があったのかは知らないけど、流石にその格好は…」

千歳「綾乃ちゃん、おはよう、朝から元気やねえ」

綾乃「ああ、千歳おはよう、それより千歳も何か言ってあげ…」

綾乃「ええええええええええええええ!?」

千歳「あ、綾乃ちゃん、どうしたん、いきなりそんな声でして…」

結衣「何か様子がおかしいんだよね、今日の綾乃、どうかしたの?」

綾乃「ど、ど、ど、どうかしたもなにも///」

綾乃(ど、どうなってるの、千歳、全裸じゃない///)

綾乃(全裸と下着で通学して来たの?この2人///)

綾乃(だ、だめ、流石に直視は出来ないわ///)

千歳「綾乃ちゃん、どうしたん?なんでうちの方、向いてくれへんの?」

綾乃「そ、そんなの当たり前じゃない///千歳、どうしてそんな格好してるの///」

千歳「え、ああ、綾乃ちゃん気づいてくれたん?これ、新しい制服なんやぁ、似合う?」

綾乃(せ、制服って…な、何もつけてないじゃない///)

綾乃(ど、どうしちゃったのこの2人///他の生徒も全然騒いでないけど、どうしてこんな///)

千歳「あ、そういえば、綾乃ちゃん」ボソボソ

綾乃「な、何よ千歳、あんまり接近しないで///」

千歳「え、ええ、そんな事言われたら傷つくわあ…」

千歳「あ、そんな事より、歳納さんが屋上に来て欲しいって言うてたよ?」ボソボソ

綾乃「と、歳納京子が…?」

千歳「何か真剣な顔してたさかい、急いで行って上げてな?」ボソボソ

綾乃(う、うう、この2人がどうしてこんな格好してるのかも気になるけど…)

綾乃(……歳納京子が呼んでるなら急がないとね、他のこと全て放り出してでも)

綾乃「ありがとう、千歳、じゃあ、私ちょっと行って来るわね!」

千歳「綾乃ちゃん、頑張ってなぁ」ニコ

綾乃「ありがと、千歳、千歳もちゃんと服着なさいよ」タッ

千歳「ふく?」

~屋上~

綾乃「歳納京子!」バーン

京子「あ、綾乃、来てくれたんだ」

綾乃「……」

京子「あのね、綾乃、私、綾乃に伝えたいことがあるの」モジモジ

綾乃「……」

京子「えっと、冗談とかじゃないから、真剣に、考えた結果だから…」

京子「わ、わたし、綾乃の事が…好きなの」

京子「だから、あの、恋人として、付き合って欲しいなって…」

綾乃「……」

京子「私ね、綾乃が何時も娯楽部に来てくれて嬉しかったの」

京子「だから、何時もわざとプリントださなかったんだ…」

京子「そうすれば、綾乃が会いに着てくれるから…」

京子「けど、最近、それだけじゃ我慢できなくなって…」

京子「この間、一緒にお風呂に入ったとき、告白しようと思ったんだけど…」

京子「あの時はドキドキして、それ所じゃなかったし///」

京子「私ね、もう、本当に我慢できないほど、綾乃の事が好き」

京子「綾乃の努力家な所も、少しドジなところも、真面目なところも、全部好き」

京子「あの、だから…返事、聞かせて欲しいな…」

綾乃「……」

京子「綾乃?」

綾乃「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!」

京子「……!?」ビクッ

京子「あ、あやの…?」

綾乃(こ、この声は、歳納京子、なのよね、やっぱり、けど、けど…)

綾乃「骨やんけ!」

京子「……」

京子「……綾乃、私、真剣に…」ウルッ

京子「真剣に、告白したんだよ、ひ、酷いよ…」グスン

綾乃(う、歳納京子の声、涙声になってる…)

綾乃(けど、けど、どう見ても骨が立ってるだけにしか見えないし…)

綾乃(これ、どういう事なの?歳納京子の悪戯という訳でもなさそうだし)

綾乃(と、いうか、動いてるし、骨だけでも!)

綾乃(と、とりあえず…私、歳納京子に告白された…って言う事でいいのよね)

綾乃(凄く嬉しい反面、全然ドキドキしない…)

綾乃(そうだ、もしかして、これ、夢なんじゃ…)

綾乃「ち、違うの、歳納京子!違うのよ!」

京子「もう、いいって、綾乃」

京子「綾乃は優しいから気を遣ってくれてるんだろうけど…」

京子「私、そんな気にしてないから、どうせ駄目元で告白しただけだし…」

京子「じゃ、じゃあ、そろそろ授業始まるから、行くねっ」タッ

綾乃「ま、まって、歳納京子!まって!」

綾乃「……行っちゃった…」

綾乃「……私、どうして無理やりにでも止めなかったんだろ…」

綾乃「姿は骨でも、あれは確かに歳納京子だったのに…」

綾乃「歳納京子が、本音で告白してくれたのに…」

綾乃「私は……私は、歳納京子の骨の外見に気をとられて返事できなかった…」

綾乃「制止することさえ出来なかった…」

綾乃「昨日は、外見に惹かれたわけじゃないとか偉そうに言ってたのに」ウルッ

綾乃「……駄目よ、泣きたいのは、きっと歳納京子の方なのよ…」ゴシゴシ

綾乃「……ちゃんと、謝ろう」

綾乃「謝って、ちゃんと私の気持ちを伝えよう…」

綾乃「例え骨だけでも、愛してるって…」

~教室~

綾乃(何とか、ギリギリ授業には間に合ったけど…)

綾乃(歳納京子は…)チラッ

京子「……」

綾乃(だ、だめ、骨だけだから表情判らない…)

綾乃(というか、冷静になって考えると…おかしいわよね)

綾乃(クラスの誰も…先生ですら、歳納京子の骨の外見を気にしてない)

綾乃(船見さんや千歳の格好についても同じ)

綾乃(そして、あの三人以外は、みんな普段通りの格好をしてる…)

綾乃(……多分、この異常は私にしか見えてないのよね…)

綾乃(どうして、あの三人だけが変に見えるのかしら…)

綾乃(共通点といえば…私と親しいという事…?)

綾乃(あれ、もしかして…)

綾乃(船見さんの事は、友達だと思ってる…けど、親友って程ではない)

綾乃(千歳の事は、一番の親友だと思ってる)

綾乃(歳納京子のことは、世界で一番愛してる…)

綾乃(これは、ひょっとして…)

綾乃(相手への想いの強さに比例して、相手の衣服が透けて見えてる…って言う事なのかも)

綾乃(という事は、私は、服どころか、皮膚や肉も透かして見えるほど、歳納京子を好きって事かしら)

綾乃「////」

綾乃(何故こんな事になったかは判らないけど、取りあえず何が起こってるかは判ったわ)

綾乃(今一番大切なのは…歳納京子の誤解を早急に解くこと)

綾乃(そして、歳納京子の告白に、応えてあげる事…)

綾乃(さっきのシーンを肉つきの歳納京子で再生するのよ…)

綾乃(そうすれば、ドキドキ感も出てくるはず…)

綾乃「……」

『私ね、綾乃が何時も娯楽部に来てくれて嬉しかったの』

『だから、何時もわざとプリントださなかったんだ…』

『そうすれば、綾乃が会いに着てくれるから…』

『もう、本当に我慢できないほど、綾乃の事が好き』

『綾乃の努力家な所も、少しドジなところも、真面目なところも、全部好き』

『全部好き』

『だから私を抱いて』

『強く強く抱きしめて』

『私をむちゃくちゃにして』

綾乃「と、歳納京子、わ、私も歳納京子の事が///」

綾乃「けど、そんな抱きしめるだなんて、恥ずかしい///」

綾乃「と、歳納京子がどうしてもって言うなら、仕方ないから、抱きしめてあげるわ///」

千歳「綾乃ちゃん?」

綾乃「あ、あれ、千歳、どうしたの、授業中にこんな所まで来て…」

綾乃(って、千歳は全裸に見えるんだった///)プイッ

千歳「綾乃ちゃん、授業はとっくに終わってるけど…」

千歳「…今日はどうしたん?うち、何か嫌われること、してしもたやろか…」

綾乃「あ、ち、違うのよ、千歳、全然そんなんじゃなくて…」

綾乃(バカか私は、歳納京子のときの経験を生かせてない…)

綾乃(私が変な反応すれば、その分、周りの子が傷つくんだ…)

綾乃(なら、恥ずかしいとか、恐いとか、そんな事は放っておいて、ちゃんと普段どおりにしてあげないと)

綾乃「本当に、なんでもないのよ、千歳、ごめんね///」ニコ

千歳「綾乃ちゃん…顔、赤いよ?」

綾乃(流石にそれは抑えられないわよ…だって、千歳全裸だもん///)

綾乃「ごめん、ちょっと風邪気味で…けど、朝薬飲んできたから大丈夫よ///」

千歳「そうなん…やったら、朝から様子が変やったんも頷けるわ」

千歳「無理したら、あかんよ?」

綾乃「ええ、ありがとう、千歳///」

千歳「それで、さっきは歳納さんと、どうやったん?」

千歳「何か、歳納さんだけ、恐い顔で1人で先に戻ってきてたけど…」

綾乃「……うん、実は…あの、歳納京子に告白されちゃって…」

千歳「…確かに、朝もそんな雰囲気やったけど…それで、どうなったんやろ?」

綾乃「……返事に失敗して、歳納京子を悲しませちゃった…」

千歳「そっかぁ…」

綾乃「だから、その事を歳納京子に謝らないと…」

綾乃「それで、許してくれるなら…改めて、返事をちゃんとしたい…」

千歳「綾乃ちゃん…」

千歳「わかった、うちも、協力するわ」ニコ

綾乃「千歳…ありがと///」

~お昼休み~

千歳「一応、放課後、生徒会室に来て貰うよう歳納さんに頼んどいたけど…」

千歳「大分、落ち込んでるみたいやね…」

綾乃「……うん」

綾乃(当然よね、頑張って告白した相手に、絶叫されたんじゃ…)

綾乃(私がもしそんな目にあったら…そのまま屋上から飛び降りても不思議はないと思う…)

綾乃(もうあんな事を繰り返したくない…)

綾乃(けど、けど、私、大丈夫なの?)

綾乃(今でさえ、歳納京子に声をかけられないのに…)

綾乃(ちゃんと謝って、告白の返事なんて出来るのかしら…)

綾乃(せめて、骨の外見に慣れる事が出来るなら…)

千歳「綾乃ちゃん?」

綾乃「……千歳、私、ちょっと化学室に行ってくる」

千歳「え?何しに?」

綾乃「これは…私が歳納京子に告白する為にどうしても必要なことなの…」

綾乃「午後の授業は受けられないかもしれないけど…放課後には戻ってくるから!」タッ

千歳「あ、綾乃ちゃん!?」


ドシーン


綾乃「いたたた…ご、ごめんなさい…あ」

結衣「こっちこそ、ごめん、綾乃、大丈夫?」

綾乃「ふ、船見さん///」

綾乃(うう、船見さんは下着だけに見える///)

結衣「あ、綾乃?どうしたのさ、朝から私を見ると顔を赤らめるけど///」

綾乃「な、なんでもないわ、ごめんなさい、ちょっと急いでるから///」

結衣「あ、う、うん、どうぞ///」

千歳「綾乃ちゃん、化学室に何の様なんやろ…」

結衣「……化学室に行くって言ってたの?」

千歳「うん、午後の授業は出られへん、とか言うてたなあ」

結衣「ふーん…」

結衣「あ、私もちょっと用事思い出した、ちょっと行って来るね」

千歳「船見さん、もう授業始まるよ~?」

千歳「……行ってしもた」

~化学室~

綾乃「……あった、骨の人体模型…」

綾乃「こ、これを眺めて慣れれば…骨だけの歳納京子も愛せるはず…」

綾乃(けど、正直気持ち悪い)

綾乃(こ、この気持ちを克服しないと…)

綾乃「これを歳納京子だと思って…」

綾乃「千歳、力を貸して…」

綾乃「……灯れ!我が妄想よ!疾走せよ!」

『綾乃、大好き、私が骨でも愛してくれる?』

綾乃「ええ、勿論よ、歳納京子…どんな外見だって、私はあなたの事が好き…」

『本当に?指だって、こんなだよ?』

綾乃「ふふ、白くて綺麗な指じゃない…私、全然気にしないわ…」スッ

『あ、綾乃、そんな、指、舐めちゃ駄目だよ///』

綾乃「だって、こうでもしないと、歳納京子、判ってくれないでしょ…」ペロッ

綾乃「私は、歳納京子が好き、骨だけの歳納京子も好き…」チュッ

綾乃「この骨と骨の隙間も好き、綺麗な曲線を描く腕の骨も好き…」チュッ

『あ、あやのぉ///』

綾乃「ふふ、歳納京子、骨だけの癖に凄い可愛い声で鳴くのね…」

『だって、だって綾乃が…』

綾乃「歳納京子…思ってたとおり、歯が小さくて可愛い…」

綾乃「けど、ごめんなさい…キスは本当の歳納京子と…したいから…」

綾乃「ごめんなさい…」

~廊下~

結衣(綾乃、今日は妙に、私に対して好意を向けてきてくれてる気がする…)

結衣(今まで、綾乃は京子の事を好きだと思ってたんだけど…ひょっとして)

結衣(ひょっとして私のことを好きなんじゃ…)

結衣(けど、その思いを私が分かってあげられなくて、それで隠れて泣いてるんじゃないかな…)

結衣(そう思って、綾乃を追いかけてきたんだけど…)コソコソ

綾乃「はぁ…はぁ…貴女の事が好きなの…」

結衣(骨の人体模型を相手に何やってるんだろう、綾乃…)

結衣(正直、引くわあ)

結衣(綾乃って、もしかしてネクロフィリアとかそういう趣味の人なのかな…)

結衣(というか、さっき、骨の事を京子って呼んでた気がするんだけど…)

結衣(こ、これってひょっとして、京子を殺して骨だけにした後に愛する予行演習とかなのかな…)

結衣(骨だけにするって、肉はどうするんだろ…ひょっとして…)

結衣(ひょっとして、肉は美味しく食べちゃうとか…)

結衣(確かに京子の頬とか見ると時々、噛んじゃいたくなる事はあるけど…)

結衣(それを実際にすると京子が可愛そうだろ…)

結衣(だから私だって我慢してるのに、綾乃のヤツ…)

結衣(もし綾乃が本気だとしたら…京子は私が守ってあげないと…)

結衣(そうすれば、感極まった京子は…)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『結衣!守ってくれてありがとう!』

結衣「まあ、子供の頃から京子を守ってきたからね、当然の事だよ」

『結衣、本当に格好いいよね///』

結衣「どうしたの、京子、そんなに頬を赤らめて」

『だって、結衣が悪いんだよ、そんなに格好良く何時も守ってくれるから///』

『そ、そんな事されたら、私、私、全部を結衣にあげたくなっちゃう///』

結衣「京子?ぜ、全部って?」

『全部は全部だよ…結衣…』

結衣「きょ、京子、どうして裸に///」

『結衣…どうぞ、私を美味しく食べて?』

結衣「京子…きょうこぉっ!」ガバッ

『あんっ!結衣ったら///』

結衣「京子、美味しいよ京子///」ハムハム

『あっ、そ、そんな、噛んじゃだめぇ///』

結衣「だ、大丈夫、怪我させたりはしないから、ね?」

結衣「何時も鳥の腿肉とかで練習してるから、安心して?」

『もう、結衣ったら、何時も私のことを妄想してそんな事をしてるの?』

結衣「う、うん、私、私、ずっと前から、子供の頃から、京子の事が好きだから///」

結衣「だから、中学入ってからはずっと練習してた///」

『結衣はえっちな子だなあ…』

結衣「きょ、京子?」

『そんなえっちな結衣は…狼さんに食べられちゃうべきかな…』

結衣「え、どうしたの、京子…」

『ふふふ、今から私が狼さんの役ね』

『結衣を美味しく食べちゃうんだから…』

結衣「あ、あ、そ、そんな、京子///」

『ほら、結衣、どうして欲しいのか言って?正直に…』

結衣「う、うん、私、京子に…」

結衣「京子に全部食べて欲しい///」

『よく出来ました…』カプッ

結衣「ああんっ///」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

結衣「という感じに///」モジモジ

綾乃「……」ジー

綾乃(船見さん、廊下で何やってるのかしら…)

綾乃(正直、引くわあ…)

綾乃(と、言うか、気がつけばもう放課後だわ)

綾乃(そろそろ生徒会室に行かないと…)

綾乃(船見さんは…私に気づいてないみたいね、まあ、お楽しみのようだから、放っておいてあげましょう)

~生徒会室~

綾乃「スーーハーーー」

綾乃「……よし」ガラッ

綾乃「と、歳納京子…」

京子「……」

綾乃(応えてくれないか…そりゃそうよね、私、あんな事をしちゃったんだし)

綾乃(……思い出したら、泣けてきた…)ウルッ

綾乃「どうして、こうなっちゃったんだろう…」ボソッ

綾乃(…だめよ、今は自分の事より、歳納京子の方を優先しないと…)

綾乃「……歳納京子」

京子「……ごめん、綾乃」

京子「今は、顔、ちょっと合わせられないよ…ごめん…」

綾乃「……いいわ、そのままで、聞いてちょうだい」

綾乃「さっきは、ごめんなさい…」

綾乃「私ね、今、ある悩みを抱えてて…」

綾乃「歳納京子が告白してくれた時、叫んじゃったのは、それが原因なの…」

綾乃「歳納京子が嫌だから叫んだとかじゃないの…」

綾乃「歳納京子を傷つけてしまった後で言うのも、卑怯だけど…お願い、信じて…」

京子「……」

綾乃「歳納京子?」

京子「うん…本当は、わかってた…」

京子「綾乃は、そういう子じゃないって、判ってた」

京子「けど、私…あの瞬間、恐くなったの」

京子「もし、綾乃が私の告白にOKしてくれなかったら…どうなっちやうだろうって」

京子「だから、ヒック…だから、綾乃が叫んだのを理由に、逃げ出しちゃった…ヒック」

綾乃「歳納京子…」

京子「ごめんね、ヒック、あ、綾乃…私、結局、お、臆病なんだ…ヒック」

京子「自分の気持ちを綾乃にぶつけても…その応えを聞く勇気は無い…ヒック」

京子「だから…もし、綾乃が私の想いに応えられないなら…」

京子「返事はしなくていいから…」

京子「こ、このまま、ここから立ち去ってくれるだけで…」

綾乃「……」

京子「……」

綾乃「……」

京子「綾乃…?」

綾乃「歳納京子、私ね」

綾乃「貴女の事が好きなの」ギュッ

京子「……!」

綾乃「何時も、歳納京子にぶつかってたのは、貴女に相手にされたかったからなの…」

綾乃「好きって気持ちを伝えられなくて、けど、傍に居たかったから…」

綾乃「だから、私と会う為にプリントをわざと忘れてたって言う歳納京子の言葉…」

綾乃「嬉しかった…」

綾乃「だって、その想いは、私と同じだから…」

京子「綾乃…」

綾乃「私も、歳納京子の事を愛してる…」

綾乃「友達としてじゅなくて…恋人として…」

京子「ほ、ほんとう…?」

綾乃(そう、本当に憶病なのは、私のほう…)

綾乃(歳納京子は、こんなにも私の事を想ってくれていたのに…)

綾乃(外見がどうとか、もう関係ない…)

綾乃(私は、私は歳納京子の事が…好きなの…)

綾乃(我慢できないくらい…好きなの…)

綾乃(だから…もう、隠し事は止めよう…)

綾乃「歳納京子…聞いてほしい事が、あるの…」

京子「え…?」

綾乃「私が悩んでる理由…」

綾乃「実は…私、今、歳納京子が骨に見えてるの」

京子「……は?」


カクカクシカジカ


京子「相手への好感度によって服が透けて見える能力?」

綾乃「あー…まあ、簡単にいえばそうね」

綾乃「それで、その、歳納京子の場合は…好感度が高すぎて服どころか皮膚や筋肉も透けて見えてるみたいで…」

京子「それで、私が骨に見えてる…って言う訳かぁ」

京子「じゃあ、あの時叫んだのも…」

綾乃「ええ、歳納京子が骨になってるのに驚いたからよ…」

京子「そ、そうか…けど、ちょっと安心した…」

綾乃「え?」

京子「私、てっきり綾乃がもっと、命にかかわるような悩み持ってるんじゃないかな―って思ってたし」

綾乃「これだって、ある意味、命にかかわるわよ…」

京子「そっか…私が骨に見えるんだから…その、やっぱり、恋人とかは嫌だよね…」

綾乃「そ、そんな事ないわ!さっき言ったじゃない!私は歳納京子の恋人になりたいって!」

京子「あ、綾乃、声が大きいよ///」

綾乃「あ、ご、ごめんなさい///」

京子「けど、その、綾乃、本当の事を言って?」

京子「骨の私は、嫌でしょ?」

綾乃「…さっき、化学室で骨の人体標本使って大分慣れたから、平気よ?」

京子「けど、私は嫌だな…綾乃から骨に見られてるのは…」

綾乃「歳納京子…」

京子「解決方法は二つあるけど…」

綾乃「え!?あるの!?」

京子「一つは…私が嫌だから、必然的に、もう一つの解決方法を試す事になるかな…」

綾乃「どんな方法かしら?」

京子「えっと、ちょっと綾乃には辛いかもしれないから…」

京子「目を、瞑っててほしいな…」

綾乃「…判ったわ、歳納京子を信じる」スッ

京子「ありがとう、綾乃…」

綾乃(…そうか、見なければいいんだ…)

綾乃(これなら、真っ暗だから、歳納京子がどんな外見でも…)

綾乃「……」

綾乃(いっそ、自分で両目を潰そうかしら…)


チュッ

綾乃「え、い、今の、歳納京子///」

京子「まだ、目を開けちゃ、だーめ」


チュッ


綾乃「ひゃう///」

京子「解決方法は二つ…」

京子「一つは、私が綾乃から適度に嫌われる事…」

京子「そうすれば、私は千歳や結衣くらいの透け具合に戻れる」

京子「けど…私はそんなの嫌だよ」

京子「それくらいなら…私は、もっと、もっともっと綾乃から好かれたい…」

京子「そうすれば…」と


チュッ


綾乃「と、歳納京子///」

京子「綾乃、大好き、世界で一番好き…」


チュッ


綾乃「歳納京子、わ、私も歳納京子の事を…あんっ///」


チュッ


京子「ありがとう、綾乃…もっと、もっと私を好きになって…」ギュッ

綾乃(あ、私、私、今、歳納京子に抱きしめられてる…)

綾乃(凄く、柔らかい…そっか、骨だけっていうのは見かけだけだもんね…)

綾乃(本当の歳納京子は、こんなに、こんなに柔らかくて、良い匂い…)スリスリ

京子「綾乃、温かいね…」ギュウ

綾乃「歳納京子も、凄く、温かいわ…」ギュッ

綾乃「今までも歳納京子の事を好きだったけど…もっと、もっと好きになっちゃった…」

京子「そっか…じゃあ、そろそろいいかな…?」

綾乃「歳納京子…?」

京子「綾乃、目を開けて…?」

綾乃(うん、もう、平気…)

綾乃(歳納京子がどんな姿でも、私は愛する事ができるから)

綾乃(もう、怖くないわ…)

綾乃「……」パチッ

綾乃「……あれ?」

京子「綾乃、私が見える?」

綾乃「え、歳納京子、ど、何処に…」

京子「うん、成功したみたいだね」

綾乃「え…?」

京子「私に対する好感度が最大限になったから、多分、綾乃にとって私は完全に透明になってるんだと思う」

綾乃「え、え?」

京子「これなら、骨に見える心配もないでしょ?」ギュッ

綾乃(あ、歳納京子、私を抱きしめてくれてる…)

京子「例え綾乃から見えなくなったとしても、私はここに居るよ…」

京子「ずっと、綾乃の傍に居て、手を繋いでいてあげるから…」

京子「だから、安心して?」

綾乃「歳納京子…」

綾乃「ありがとう、歳納京子…」ギュッ

京子「私の方こそ、ありがとう、綾乃」

京子「こんな私を愛してくれて」

京子「大好きだよ、綾乃」チュッ

綾乃「うん、私も、歳納京子の事、大好き」チュッ

京子「あ、綾乃、良く私の唇の場所わかったね///」

綾乃「そりゃあ、何時も歳納京子の事を見ていたもの…」

綾乃「ぎゅってしてくれていれば、歳納京子の身体の位置くらい、判るわ…」

京子「うう、折角、綾乃に悪戯し放題だと思ったのに///」

綾乃「なっ、歳納京子、まさか最初からそんなつもりで透明化したんじゃないでしょうね///」

京子「えー、いいじゃん、折角、その、恋人になれたんだし///」

綾乃「も、もう…悪戯したいなら、そんな事しなくても、させてあげるわよ…」

京子「///」

~2年教室~

千歳「綾乃ちゃん、歳納さん…!」

綾乃「千歳、ごめん、色々迷惑かけたわね…」

綾乃「あの、何とかなったから…本当にありがとう///」

千歳「うん、二人とも仲良う手を繋いでるし、おめでとうやね」ニコ

京子「うん、手を繋いでないと綾乃が寂しがってさあ///」

綾乃「ちょ、歳納京子///」

京子「もう、照れなくてもいいじゃん、綾乃」チュッ

綾乃「も、もう、歳納京子、人前で///」

綾乃「歳納京子、今笑ってるでしょ」

京子「う、私の姿が見えないのに、手を繋いでるだけでそこまで判るんだ、綾乃…」

綾乃「そりゃそうよ、だって、私は貴女の事を、全力で愛してるんだもの」

京子「あ、綾乃///」

綾乃「だから、お願い…歳納京子」

綾乃「私の手を、離さないでね…」

京子「うん、ずっと、ずっと一緒だよ、綾乃」





変化球投げすぎた
まさかNG登録されるとは思わんかった

殺人物にする場合はほのぼの系の名前にするし、ほのぼの系にする場合は鬱系とか怖い系の題名にする癖がついてる

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom