女提督「艦娘にセクハラされて辛い」(136)

女提督が力で勝てない艦娘達にセクハラされるお話って需要あるん?

あるんちゃう?

物は試し

はよ

はよ

はよ

はよ

うーん

はやく

なにこれみたい

逆ならあるな

確かに逆の方が読みたいな

逆のスレタイ教えて下し

逆って男提督が漢娘にセクハラってことか?

とんでもねえホモ軍人スレじゃねえか勘弁しろ

西暦20XX年!世界は深海棲艦によって脅かされていた。

「此処が私の赴任する事になった横須賀鎮守府ね……」

一人の女性が緊張した面持ちで、『海軍横須賀鎮守府』と彫られた表札の掛かった門を前に佇んでいた。

深海棲艦が出現し、地球の7割を占める海という活動地域を失った人間は窮地に立たされていた。

既存の軍事力では全く歯が立たず、瞬く間に世界中の海軍は蹴散らされていった。

「貴女が、新任の提督ですか?」

濃紺色の制服に身を包んだ女性に話しかける一人のセーラー服姿の少女。

「え?あ、はい。そうですけど……
 貴女は?」

「私は提督の秘書官である安価一個下です!」

シカゴ丸

不知火

艦娘になってる“軍艦”でお願いします

「不知火、ですか?」

提督と呼ばれた女性が目の前に立っている中学生ぐらいの少女を無遠慮に見た。

少女は少し怪訝そうに女性を見る。無表情に近いその顔には『不愉快』の文字が。

「なんでしょうか?不知火に落ち度でも?」

「あ、いえ!?そんな事は、もう、はい」

明らかに年下な少女?に女性は思わず怯んでしまった。

「取り敢えず、中に入りましょう」

「そ、そうですね!」

不知火に促されるように女性こと提督は横須賀鎮守府に着任した。

案内された部屋は越してきたばかりの新居に近く、質素なカーテンが置かれ、壁紙や床は如何にも安っぽそうだった。

資源が無い島国日本。海運を止められて生き残れる訳がない。

当初、深海棲艦のせいで日本は経済的に日本沈没を迎えようとしていた。

海上自衛隊も現代兵器が効かない深海棲艦の前には何の歯も立たず、壊滅状態だった。

そんな折に唐突に現れたのが、艦娘と呼ばれる、嘗て日本が大日本帝国と名乗っていた頃に活躍していた軍艦達だ。

そして、そんな艦娘は深海棲艦を相手に戦える事が分かり、日本政府は正式に彼女達を対深海棲艦部隊として自衛隊、警察に並ぶ第三の暴力装置として取り込んだのだった。

すいません。
潜水艦からの魚雷攻撃で沈んだので、軍籍を持つ軍の輸送艦だと思っていました。
確認したら民間船籍の民間の貨客船でした。
重ねてすいません。

勿論、最初は各国から反発があった。

特にお隣の赤き大陸や半島の南側は凄まじかった。

国内にも左巻きの団体が連日連夜の大抗議。

しかしながら、大半の国民は『取り敢えず、今の状況が解決するなら問題なし』と過去よりも未来を取ったのだった。

そして、そんな艦娘を従え、日本の周辺海域や太平洋の安全を守るのが艦娘と彼等を総括する提督と呼ばれる存在だ。

当初は、海上自衛隊から提督を輩出しようとしたのだが、艦娘の登場までに艦隊指揮が出来る人材が全て戦死していたので、急遽、防衛大学校を卒業したての物を送り込んだのだ。

そして、その一人がこの女性提督である。

女性である理由は、艦娘が単に少女っぽい外見をしているからだ。

また、フェミナチ団体向けのパフォーマンスでもある。

「殺風景な部屋ですねぇ」

女性提督は広々とした一室を目にしてポツリと呟いた。

「当たり前です。我がていk……失礼、日本国は資源輸入国。
 資源を輸入するための船団護衛に対して、私達艦娘の数には限りがあります。
 なので、輸入出来る資源量は必然的に決まってきます」

提督の呟きを不知火が説明する。提督もその事は痛い程よく分かる。

「いえ、あの、そこは十分理解してますが、もう少しこう……ねぇ?」

提督の同意を求める視線は不知火の冷めた視線に敢え無く撃沈。

「何でもないです」

「はい」

二人はダンボールに纏まっている荷物を解く事にした。

期待

女提督が横須賀鎮守府、通称横鎮に着任した初日は荷解きで終わった。

「おはようございます」

二日目、女提督に割り当てられた寮に不知火が迎えに来た。朝の5時だ。

「おはよう、ございます」

今しがた起きたと言わんばかりの格好をした女提督がショボショと目を瞬かせながら不知火に挨拶する。

「あの、こんな朝早くに一体何の御用でしょうか?」

「お迎えに上がりました」

女提督は不知火の言葉に思わず首を傾げた。

「お迎えって、朝の5時ですよ?」

「それがなんでしょうか?
 不知火に何か落ち度でも?」

不知火の凄味の効いた物言いに女提督は思わず首を横に振る。

「まぁ、廊下で立ち話もなんです。中に入りましょう」

そして、不知火が部屋の奥を指差す。

女提督は、散らかってますがどうぞと渋々部屋に上げる。

部屋に入ると不知火は予定が書き込まれたスケジュール帳を広げる。

「それで、本日のご予定ですが」

「いや、始業は9時からなんですけど……」

「それが何か?」

不知火怖い、それが女提督が二日目にして抱いた不知火への感想だった。


「いえ、ですから、えっと、私、9時に鎮守府に着任するんです」

「海軍士官に休みはありません」

海軍じゃねーし!!と言う女提督の思いは、不知火には届かない。

「取り敢えず、朝食にしましょう」

「あ、はい」

早くも女提督と不知火の間に微妙な上下関係が出来上がっていた。

「でもね、不知火さん。食堂は6時30分から開くんですよ?」

「では、さっさと着替えて身支度を整えておくべきでは?」

こうして、女提督の二日目は始まった。

「それで、提督。本日の予定です」

「あ、はい」

「本日は工廠部や兵站部を見学及び機能説明を聞いて貰います。
 また、午後には艦隊編成についても説明しますので」

「はい」

女提督は不知火の説明に頷き、素早くメモを取り出して書き込んでおく。

その後、6時30分に食堂が開くまで二人でテレビを見ていた。

「不知火さんは何か好きなテレビ番組とかあるんですかね?」

「いえ、特にはありません。
 そもそも、私は艦娘としてつい最近生まればかりで、テレビを始め20世紀後半の出来事は殆ど知りません。
 私が軍艦としていた頃はテレビなんてものはありませんでしたので」

不知火の事に、女提督は改めてこの少女が自分とは違うのだと思い知らされる。

「そうでしたね。
 因みに私はクイズ番組が好きですよ」

女提督の言葉に不知火はだからなんだ?という表情でそうですかと切ってしまった。

不知火との友好ゲージが一向に増える気がしない、女提督だった。

はじまってた
支援

その後、朝食を取った女提督は不知火を引き連れて執務室へ。

「工廠に行くんですよね?」

「はい。司令には工廠の役割を知って貰います。
 まず簡単に此処で説明するので聞いて下さい」

不知火は言うと執務机に座る女提督の前に立つと、机の上にB3サイズのプリントを置く。

プリントには4つの項目があり、それぞれに『建造』『解体』『開発』『廃棄』とあった。

「説明するので聞いて下さい」

「はい」

不知火はプリントを指差しながら説明し始める。

「まず、建造です。
 建造とは、艦娘を、正確に言えば艦娘の装備である艤装を作ります」

「え、艦娘って艤装をつけたまま発見されるんじゃないんですか?」

「まさか」

女提督の発言に不知火が鼻で笑いながら答えた。

「私達が見つかった時はこの体のみです。
 最初は陸軍の武器兵器を使用していましたが、駆逐艦ですら50口径機関銃を軽々と扱えます。
 なので、艦娘のサイズに合わせた武器兵器を開発しました。
 また、艤装は私達は特殊な力があるので、それを増幅させる装置でもあります」

女提督が不知火の説明を聞いてへ~っと感心した。

提督とは言え着任するまでは艦娘自身については全くと言っていいほど教えられていない。

『海の上を走り回れるスゲー強い女の子』と言うイメージしかないのだ。

「取り敢えず、次に進みます。
 次に、解体ですが、これは余剰な艤装を解体し資材に回します。
 なので、艤装が余った場合は此方で解体するのも手ですね。
 ただし、解体した艤装はなくなるので、不必要に解体しすぎると戦力低下になりますのでお気を付けを」

不知火の説明を女提督はホウホウと頷きながら聞いていく。プリントには注意書きを書き込んでいた。

「次は開発です。
 此方は、艤装の為の装備を作ります。艤装には基本となる砲や推進装置等が積まれています。
 しかし、場合によってはそれでは戦力不足になるので、更なる強化が出来るのです。
 ただし、各艦級によって装備出来る物と出来ない物がありますので、それは別紙に纏めてあります」

「態々ありがとうございます」

女提督が深々と不知火に頭を下げると、不知火が目を少しだけ大きく開いていた。

「……いえ、それが秘書艦である私の仕事ですから」

「いえ、でも、ありがとうございます」

女提督の言葉に不知火はゴホンと咳払いをして、続きをと告げた。

「つぎに、廃棄です。これは、まぁ、余剰に開発した装備を廃棄します。
 その際に僅かばかりの資源も入手出来ます。まぁ、雀の涙ですが。
 此処までに質問は有りますか?」

「あの、艤装を持っていない艦娘って今、居るんですか?」

「ええ、いますよ。
 艦娘専用の兵舎で寝泊まりしています。なんなら後で見に行きますか?」

「はい、見に行きます」

女提督が頷くと、不知火は手元のスケジュール帳に何かを書き込む。

「では、早速工廠に向かいます」

女提督は制帽を被り、身形を整えてから、執務室の外に出た。

司令官たるも常に服装には注意せよと、今朝不知火に言われたからだ。

工廠は横須賀海軍工廠、今でいう横須賀海軍施設、またの名は横須賀基地だ。

横須賀基地は米軍の管理下に置かれているが、現在、残ってる米軍はイージス艦が3隻しかいない。

他の空母は全て深海棲艦にやられていまい、沈没したか修復不可能として廃棄された。

その為、日本政府が米国政府に掛け合って、艦娘の母港とする事に決定した。

「ここが我が横須賀鎮守府の横須賀工廠です。
 因みに、私は浦賀船渠で造船されました」

「へ~
 浦賀船渠、通称は浦賀ドックですね」

「はい。横須賀工廠からも水雷艇等の造船を依頼されていたので。
 他にも鈴谷、阿武隈等色々な水雷艦が建造されました」

「へぇ~」

二人は工廠の中に入る。

工廠の中には繋ぎを着た技師が居り、様々な作業をしていた。

期待

「主任を」

不知火は近くにいた技師に告げると、技師は無線でどこにかに連絡を取る。

もともとは大型船舶を修理するための場所である。艦娘と言う小さな少女達の為に使用するにはあまりにも広すぎるのだ。

「普通の艦艇も作っているんですね」

入口から中を見ている女提督が誰に言うでもなく告げる。

「ええ、そうですね。
 通常のタンカーや貨物船だと攻撃されると沈んでしまうので、ある程度の被弾も耐えられる様に改装してます」

暫く技師と談笑していると主任がやって来る。

技師はではこれでと挨拶をして自分の持ち場へ向かった。

主任は50代を過ぎた男だ。

「アンタが、新しく入った提督か?」

「はい、女提督と言います」

女提督は主任に敬礼をする。主任はそれに宜しくと告げて工廠内部を見渡した。

「ご覧の通り、此処は艤装作ったり装備作ったりする場所だ。
 上からはアンタに此処の使い方を教えてやるよう言われてる。
 まぁ、俺は口下手だから、実際に見て貰った方が早い」

主任はそう言うとオイと近くにいた技師を呼ぶ。技師は直ぐに駆けつけた。

「DD艤装用意」

主任の言葉に、技師は無線でどこかに連絡した。

「DDとは?」

不知火が珍しく女提督を見た。

「駆逐艦の略称よ。英語では駆逐艦をDestroyerと言うから、DDと名付けられたわ。
 因みに軽巡がCLで重巡がHL、空母がACで軽空母がLAC、戦艦がBBね」

「聞いたことありませんね」

「ええ、艦娘のクラス分けをする際に日本が独自に決めましたから。
 一応、表向きは全員『護衛艦』として表記してますから、内部でしか呼んでません」

日本は軍隊を持たないのだ。勿論、自衛隊から国防軍への改名運動もあったが、左翼側が頑なにして譲らなかった為に、艦娘達は全員『護衛艦』と言っている。

「ほら、あぶねーからお嬢ちゃんたちもこれ被ってな」

俄かに忙しくなった工廠内部で主任が二人にヘルメットを差し出した。

工廠の壁には『作業中はヘルメット、安全ベルトの確認を』とでかでかと書いてある。

工事現場と同じである。

「まぁ、1時間もすれば出来てるからよ。次は開発部に付いて説明する。
 遅れないようについて来いよ」

主任はそう告げると歩き出した。

その後を二人は付いて行く。ちょっとした工場見学の様で楽しかった。

そういえば、次の駆逐艦娘を決めていなかったので、安価下

「開発部ってのは、要は大砲とか新型の航空機とかを作ったりするんだ」

「新型と言っても、超高価なラジコンみたいなもんですけどね」

 主任の言葉に開発部の担当が付け足す。

「飛行機の場合は一機あたり30万ぐらいするな。
 今の所、空母用に97式艦攻、96式艦戦、99式艦爆はあるが、それも空母一隻分だ。
 必要になり次第、生産してくれ。あと、水上偵察機として零式水上偵察機が用意してある。
 こっちは、載せれる船が決まってくるから、気を付けてくれ」

主任と技師の説明を聞きながら女提督はそれをメモっていく。

また、各種砲に付いても説明を受け、カタログスペックと主な使用方法を聞いた。

「そんじゃ、そろそろ完成しただろうから、見に行くか」

みてるよ

期待
安価なら夕立

3人が建造部に戻ると、担当がちょうどいいところにと出迎える。

「ちょうど、完成した所です。
 今、艦娘の子に装備して貰ってますよ」

「よし。じゃあ、その子は女提督の艦隊に配属だ。
 まだ、不知火の一隻だけだろ?」

主任の問いかけに不知火がええと頷いた。

「艦娘はどういう艦娘なんですか?」

「来てからのお楽しみって奴さ。ほら、出来たみたいだよ」

技師の指差す先を見ると一人の少女が歩いてきていた。

背中には艦橋と煙突をモチーフにしたらしい大きな装置を背負っている。

黒いセーラー服のような服装で、何処かポケポケした印象を与える艦娘だった。

「こんにちは、白露型駆逐艦「夕立」よ。よろしくね!」

「よろしくお願いします。
 貴女の指揮官でもある女提督です」

夕立が女提督に挨拶すると、女提督もニコリと笑ってそれに返した。

「では、そろそろ鎮守府に戻りましょう」

不知火が時計を見て告げる。

「そうですね。
 まだやる事は多いですし」

「もう行くのか。用があるなら何時でも来てくれ。
 俺達に出来る事なら何だってやるからよ」

主任の言葉に技師がコクコクと頷いた。

3人は主任達に礼を言って工廠を後にする。向かう先は鎮守府である。

「次は編成と任務に付いてです。
 基本的に我々の任務は船団護衛ですので、手の空いている艦娘は船団護衛に向かいます。
 また、緊急事態の場合に備え、鎮守府には4つの艦隊が待機しています」

不知火が女提督に簡単に任務や編成に付いて教えていく。

女提督はそれを真剣な表情でメモをとる。そんな様子を夕立が不思議そうに見つめていた。

「提督って、真面目っぽい?」

「真面目っぽいって……
 普通ですよ、私は」

女提督は夕立の質問に苦笑を交えて答えた。

彼女は提督と言えども新人である。軍隊とは体面的には星の数で偉さが決まる。

しかし、実際には星の数より飯の数で、どれだけ現場が長かったかで決まる。

それは何処の軍隊でも同じであり、昨日着任したばかりの女提督は言ってみれば赤ん坊もいいところだ。

故に彼女は出来る限り、現場に長くいる艦娘達から学ぼうとしているのである。

「任務に付いては以上です。
 次に、編成ですが、此処までに何か質問はありますか?」

「あ、大丈夫ですよ、不知火さん」

女提督は不知火にニコリと笑って答えるが、不知火は無表情で頷き、編成の説明に入った。

「我々艦娘は1艦隊に付き6隻で行動します。
 船団護衛の際は護衛艦1隻につき2隻づつ搭乗し、一隻につき2隻の輸送船を守る形をとります」

不知火はそこまで言って、鎮守府にたどり着いた。

3人は中には入り、そのまま執務室に向かう。

「さて、此処が私の執務室よ。
 今はあんまり物がないけど、明日から出撃が決まってない場合は此処に来てちょうだい」

女提督は夕立に振り返って告げる。夕立はキョロキョロと辺りを見回し、頷いた。

「了解したっぽい」

セクハラ!セクハラ!

「さて、編成ですが、これについては1艦隊に6隻までの艦娘を配置出来ます。
 空母を中心に配備すれば、機動艦隊、軽巡や駆逐艦を中心に配備すれば水雷戦隊等色々あります。
 この編成も3隻の護衛艦に分乗して海域まで向かいます」

「そこは、昔の編成とあまり変わらないのですね」

「ええ、私達の区分が今の区分と違って大東亜戦争、今で言うアジア太平洋戦争でしたか?
 その時の物と同じですからね。」

不知火が告げ、一枚の書類を女提督に差し出した。

そこには『鎮守府近海を警備せよ』と書かれた指令書だった。

「こ、これ作戦指令書じゃないですか!?」

「はい。編成に付いての説明を終えた後に実際に艦隊を編成し、出撃するのが今日の仕事です。
 近海には敵の駆逐艦が単艦で偵察に出ていますからね。それを潰す役目もあります」

不知火がでは私と夕立を第1艦隊として出撃して下さいと告げた。

3人が護衛艦の係留されている港に行くと、一隻の護衛艦が出撃万端で待機していた。

「あれが我々が今回乗船する護衛艦です」

「本物の護衛艦ですね……」

「はい。訓練に近い出撃とは言え、実戦も交えます。気を引き締めて出撃して下さい」

「はい」

不知火の言葉に女提督は頷き、背筋を正す。そして、堂々とした足取りで船に向かった。

護衛艦の前には艦長達が並んで待機している。

「ようこそ、DD-013号へ」

そして、艦長が柔和な笑みを浮かべ女提督に敬礼する。

女提督もそれとほぼ同時に答礼を返した。

艦娘達用に用意された護衛艦には愛称という物が無い。

これは艦娘達にも名称があり、それらが搭乗する船にまで愛称があるとややこしくなるからと言う物である。

故に、建造された護衛艦は全て001番から名前が付いているのだ。

「よろしくお願いします。
 女提督です」

「存知と思いますが、我々が操艦をします。提督が艦娘の指示を。
 我々の船では深海棲艦との戦闘はできませんが、支援は出来ます。その際には我々に指示を」

「了解してます。よろしくお願いします」

女提督が告げると、船員達がそれに敬礼で答える。

3人は艦長に続いて護衛艦の中に入った。

護衛艦は76mmの単装速射砲が1基、2基の高性能20mm機関砲を搭載し、各種ミサイル等も乗っている。

「今の船はすごく弱そうっぽい。
 大砲1つしかついてないっぽい?」

船を見た夕立が告げると艦長と副艦長が苦笑する。

ほう

「現用の艦艇は厳密に言えば駆逐艦級しかないのよ。
 装甲とかも、貴女達艦娘が船だった頃に比べて圧倒的に薄いのよ」

「それじゃあ、戦えないっぽい!」

夕立の言葉に不知火も賛同したのか頷いてみせる。

「現在の海戦は基本的に戦艦が大砲を撃ち合うよりもさらに長距離で戦闘をするの。
 で、その際に使用するのがミサイルって武器。これはロケットに半自律制御装置を付けて目標に突っ込むように考えた物ね」

 女提督が後部甲板に見えるミサイル発射機を指差した。

「あれって爆雷投擲機じゃないの?」

「違うわよ」

「対潜水艦戦闘では爆雷よりも対潜水艦用ミサイルに変わって使用しているね。
 アスロックと言うのが一般的に有名な対潜ミサイルだよ」

女提督の代わりに艦長が答える。

「大和の46cm砲よりも強力で、長距離を飛び、命中率も段違いだったら、誰もがミサイルを取るよ。
 それに、戦艦を建造するよりも駆逐艦を建造した方が圧倒的に安いからね」

因みに、当時大和を建造する時に掛かった費用は国家予算の3パーセントだと言われている。

今の国家予算が80兆だとして、約2兆4千億だ。

単純計算で1200億円のこんごう級イージス艦が20隻程買える値段になる。

イージスシステムを載せていない船ならその倍は買えるだろう。

「じゃあ、私もミサイル乗せたら強くなるっぽい?」

「「う~ん……」」

夕立の質問に艦長と女提督は首を傾げてしまった。

実際に、ミサイルを小型化して艦娘に搭載したらどうなるのだろうか?

帰ったら、防衛省に尋ねてみようと女提督はメモにそのことを記入した。

護衛艦一隻による単艦出撃は基本的に行われない。

最低でも2隻以上の護衛艦に2隻以上の艦娘が同行する事になる。

しかしながら、今回の場合、陸地から10海里程しか離れていない近海を航行し半日で帰ってくる。

仮にもし、撃沈される事があっても、最悪泳いで陸地にたどり着けれるので単艦出撃が行われるのだ。

また、潜水艦型の艦娘は未だ発見されていないので対潜哨戒任務も無い。

「……」

洋上に出た護衛艦013号で女提督はズッと黙っていた。

周囲の艦長達は少し忙しそうだった事もあるし、不知火と夕立は後部にある艦娘用出撃待機所にて待機している。

「どうしました?
 緊張でも?」

CIC内部のレーダー係が女提督に話しかける。

女提督は無表情でレーダー係を見詰め返す。

「ど、どうかしましたか?」

「ええ」

女提督は声を押し殺して告げた。

「船酔いしました」

「薬は?」

「飲みました」

「外で風に当たってきますか?」

「CICにて戦闘体制で待機ですよ?
 幾ら駆逐艦とは言え相手は深海棲艦。この船では勝てません。
 それに私は彼女達の指揮官です。指揮官が戦闘時に指示できなくて何が提督か」

「取り敢えず、エチケット袋と水を置いておくんで、使って下さい」

女提督の横には大量のエチケット袋と水が用意されていた。

「船の中央にあたる壁に張り付いて暫くじっとしている船の揺れが消えますよ」

砲雷長がニヤリと笑って告げる。女提督は素早く立ち上がり、船の中央に面する壁に張り付いた。

勿論、そんな物で消える訳がない。

「消えません……」

「いや、冗談ですからね?」

砲雷長の言葉に女提督はエチケット袋を一つ消費して答えた。

女提督はこの様子は艦娘には見せられないと思った。

『海軍軍人として恥ずかしいですね』

『提督が船酔いとか、不安っぽい?』

不知火と夕立の失望した顔がアリアリと浮かぶ。

続けて

外洋に出て1時間。

それは唐突に起こった。

「レーダージャミン!
 10時の方角です!」

レーダー係が叫ぶ。周囲の動きが騒然となった。

深海棲艦はどう言う仕組みなのか、レーダーを無効化させる能力を持っている。

海上に高校生程の人間が立っていても見付からないが、レーダーを妨害するので探知は可能なのである。

「え?え?」

突如と鳴り出したけたたましい警戒音に女提督は船酔いもすっかり吹っ飛んだ。

「お仕事さ、提督さん」

脇にいた砲雷長がにやりと笑って女提督に無線の送信機を渡す。

「ほら、艦娘の嬢ちゃん達に命令を下達してやりな。
 レーダー報告!」

「ホワイトアウトの規模から言って駆逐艦級が1隻でしょう。
 詳しくは甲板にいる観測員の報告を待たねばいけませんが」

「距離は?」

「おおよそ30km。奴さんがこっちを見つけてれば砲撃をしてくるでしょう」

レーダー係が告げると、艦内放送が入る。

『敵のイ級駆逐艦と確認!艦娘の出撃を求む!』

「不知火さん、夕立さん。聞こえていましたね?」

そして女提督が無線を開き待機所に居るはずの二人に声を掛けた。

『ええ、聞こえていました。
 旗艦は私でよろしいですね?』

直ぐに不知火からの返事が来る。

女提督は不知火を旗艦に指名し、陣形は縦陣を指示する。

「相手は一隻でしかも駆逐艦です。しかも、相手は撃って来ます」

『ええ、知っています』

「気を付けて下さい」

『はい』

「では、早く終わらせて一緒に家に帰りましょう」

『了解です、提督。
 水雷戦隊、出撃します!』

おもしろくなってきたな
セクハラとは一体何だったのか

むしろセクハラなくてもいいよな…
普通に面白いし

セクハラまでのみちのりが長いだけだろ

艦娘の戦闘を一言で例えるならば、インラインスケートをしながらの撃ち合いだ。

勿論、水面を滑走する為、波がうねれば艦娘も上下に飛ぶ、なだらかならば比較的飛ばずに済む。

もっとも、概要なのでなだらかと言っても湾内とは比べ物にならない程に揺れる。

なので、インラインスケートをしながらの撃ち合いになるのである。

「不知火、準備できたっぽい?」

護衛艦の後部にある艦娘を海面に下ろす装置に夕立は立ち、告げた。

「では、行きます。
 陣形は縦陣、敵の進行方向は我々と並行する形になります」

「同航戦ね」

「はい」

二人は敵の情報を再度確認し、装置を操作している乗員に合図を送った。

射出装置は船の移動速度に合わせて艦娘を海面に飛ばすカタパルトである。

言ってみれば、ガンダムのカタパルトと同じ感じで、足を固定し火薬、又は油圧、蒸気の力で押し出す。

勿論、人間がやれば足首だけを持っていかれ、良くて一生車椅子、最悪死亡してしまう。

しかし、艦娘は人間以上の強度があるのでこの程度ではビクともしない。

そうじゃなければ、艤装の砲は撃てない。

「真後ろから横に抜けます」

「了解!」

イ級駆逐艦は何と言うか、電車の先頭車両の様なずんぐりむっくりでそこに大きな口がついている。

大きさはいるかかそれよりも少し大きい。

「見えたわ。
 提督、敵駆逐艦を目視に確認」

『了解したわ。
 射程圏内に入ったら、貴女の一任で砲撃開始』

「了解」

不知火は無線を切って振り返る。夕立はそれに12.7cm連装砲を構えてみせる。

2隻は30ノットという速度で海洋を進み、敵の駆逐艦に接近する。

目標までの距離が5kmに近づいた時だ。イ級が2隻の接近に気が付いたらしく回頭した。

「見つかったぽい!?」

「問題ありません。
 距離1300で一斉射、続く800で仕留めます」

「了解!」

夕立が頷き、12.7cm連装砲を握る。

イ級は既に発砲を開始しているが、5kmもあり、更には波に揺られている。

当たる訳がないのだ。

勿論、運が悪いと当たる事もあるが、基本的には当たらない。

二人は前傾姿勢を取りながら艦隊を維持しつつ接近する。

距離が2kmを切ると流石に命中率も上がってくる。

AP弾故に至近弾を受けても然程大した事はない。

だが、精神衛生にはあまり良くないだろう。

「射撃準備」

「射撃準備了解、照準よし」

距離1300に到達。

「撃ちー方始め」

不知火の合図で主砲を一斉射。当たりはしないが、イ級は回頭を始る。

「逃がさないわ。
 提督、追撃を意見具申します」

『追撃の要を確認。許可します』

「行くわよ」

「ええ!」

2隻は逃げるイ級に追撃を掛ける。

「沈め」

不知火が距離800に到達したので砲撃を開始する。

2隻の放った砲弾は次々にイ級の付近に着弾していき、その内の一発が直撃する。

船で言えば艦橋があるあたりだろうか?

イルカで言えば頭あたりである。

綺麗に吹き飛び、轟沈した。

「敵、撃沈を確認。これより帰投します」

不知火はそう告げるとコチラへ向かっている護衛艦に進路を取った。

2隻が護衛艦までたどり着く。護衛艦に戻る際は、側面を同航しつつ下げられたタラップで上がるのだ。

「久しぶりの戦闘、楽しかったっぽい!」

「そうですか。ですが、今後はもっと戦闘が増えます」

夕立と不知火がタラップを上がると、整備員が直ぐにやって来て2隻の艤装を解除にかかった。

小型の牽引クレーンを使用して艤装を吊るし、整備の為の燃料や弾薬を入れるのだ。

また、実に不思議な事に艦娘が登場した頃と同時期に妖精と呼ばれる小人が現れるようになった。

妖精は艦娘の艤装や装備等を開発、運用するうえで欠かせない存在である。

また、艤装や装備の操作も彼女達がやっている様で、対空砲等は彼女達が運用している。

「お疲れ様でした。
 どうぞ、飲み物です」

二人が艤装の取り外しをしていると女提督がペットボトルを片手に現れる。

「提督!?」

二人は慌てて立ち上がり、敬礼する。女提督はそれに寸分違わずに合わせて敬礼し、二人にペットボトル入りのお茶を差し出した。

「何故このような場所に?」

同様を何とか隠して不知火が尋ねると、女提督は少し怯んだように尋ね返した。

「あ、えっと、邪魔でした?」

女提督が周りで忙している作業員を見るが、彼等は作業の邪魔さえしなければ文句は言わない。

また、艦娘も服や髪の濡れ等を着替えたり、乾かしたりするだけなので然程問題はない。

「いえ、提督がこんな場所まで来るとは思わなかったので」

不知火が答えると夕立も頷いていた。

「前の提督さんはしーあいしー?って場所にずっと居たし、鎮守府でもあんまり話しはしなかったから」

前の、とはつまり彼女が赴任する前に一時的に海上自衛隊から派遣されていた提督の事である。

海上自衛隊は表向きは鎮守府に協力的だが、実際は『自分達の仕事を取った敵』と捉える者が多い。

また、平然と数百キロもある艤装を持ち上げる彼女達を同じ人間として見る事が出来ず、化物と捉えている者も多い。

故に、海自から出向してきた提督は艦娘に積極的に関わらないようにしているのだ。

「そうなんですか。
 私は、烏滸がましいですが、山本五十六の様な人になりたいと思ってます。
 なので、私の部下である貴女達には出来るだけ気持ちよく戦って貰いたいと思っています」

女提督が足元にも及びませんけどねと苦笑した。

「二人共、濡れた服とか髪を乾かしたいですよね。
 私は中に戻ってますから」

女提督はそれだけ言うと揺れる甲板に時々よろけつつ中に戻っていった。

ほう

今更ながら、『海軍横須賀鎮守府』っておもっクソ付けちまったよ、まぁ、良いか

護衛艦が外洋航行から戻ると時刻は既に16時を過ぎていた。

「今後貴官が行動する時は私の船に乗船して貰いもう何隻かで行動すると思う。
 今後とも宜しく頼むよ」

女提督が地上に戻り、まだフワフワとする地面の感触を感じていると艦長が話しかけてきた。

「はい。よろしくお願いします」

女提督は船酔いから解放されたお陰か、素晴らしい笑みで敬礼をする。

艦長や副艦長はそれににこりと笑って答礼。艦に戻っていった。

「では提督、行きましょう」

「はい。貴女達の寮に行くんですよね?」

「ええ、そうです」

女提督がメモで確認を取ると、不知火が頷いた。

提督は不知火の後に続いて艦娘の住む寮に向かう。

艦娘の寮はクラス事に訳、部屋割りも出来るだけ艦級事に同じようになるようにしている。

勿論、駆逐艦だと凄まじい数になるので6人部屋が基本で、足りない場合も少ない者同士で集まっている。

ただし、正規空母や戦艦等体格が大きい艦娘の部屋は駆逐艦達よりもさらに大きくなっている。

「はぁ~大きいですね」

女提督の第一声はそれだった。

それもそうだ。未だ発見されてはいないがこの寮には日本で作られたありとあらゆる軍に籍を置いた船が入れるようになっている。

現に、補給艦の間宮が出てきた際には大慌てで寮の設計を書き直しさせた程だからだ。

また、海軍船に限らずに陸軍で作られた船も出てくるかも、と言う“念には念を”と言う考えで、陸海軍の船隻が全て入る大きさに作られた。

「中にはコンビニ、と言うのですか?
 24時間やっている店や雑貨屋等が入っています」

これは単純に艦娘への配慮ではなく、ここで生活していれば外に出なくても住むだろう?と言うお役所的都合である。

艦娘の存在は外に知られているが、その存在が公私で鎮守府の外に出たのは殆ど無い。

なぜならば、日本がアメリカにすら公表していない国家機密なのだから。

お陰で、艦娘は深海棲艦を味方にしたモノとか、クローン人間だとか様々な事を言われている。

勿論、正体不明なのは日本政府も同じなので向こうが勝手に推論してくれるならそれでいいと言う状態である。

「では、何処の寮から行きますか?」

不知火が女提督に告げる。

女提督は案内板を見ながら答えた。

「では、安価下の寮に行きます」

駆逐艦

「では、不知火さん達の寮から行きましょう」

「分かりました」

不知火と夕立に先導され女提督は駆逐艦娘が居る寮に入った。

寮の入口は下駄箱があり、確りと靴が入れられている。

不知火や夕立もまた自分に宛てがわれた下駄箱に靴を入れ、上履きと言うかスリッパに履き替えた。

女提督は靴を来賓用の下駄箱にいれこれまた来賓用のスリッパに履き変える。

「では、案内するので付いて来て下さい」

「はい」

寮内は比較的小学校に似た雰囲気で、家具等も駆逐艦娘に合わせてか幾分小さい。

「なんだか、小学校みたいですね」

女提督は談話室に置かれた机等を見て微笑ましく笑う。

「つまり、小さいと?」

不知火の言葉に、女提督はいえ、そういう訳ではと慌てて弁解するが、発言内容は撤回できない。

なので、女提督は気に障ったらごめんなさいと告げる。

不知火は問題ありませんと告げ、部屋を後にする。

女提督は未だ不知火の表情を読む事が出来ないのだ。

「そういえば、夕立さんは……」

「夕立なら先に部屋に戻ってしまいましたよ」

「あれ、不知火。何やってるの?」

そこに一人の艦娘がやって来る。

「安価下さん。
 今、新しい提督の案内をしています」

見てる

うちの艦娘がハルナを狙わなさ過ぎて腹立つ
キリシマ沈める努力するなら、ハルナを沈めろと小一時間(ry

「貴女は?」

「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ」

艦娘、響の自己紹介に、女提督は以後お見知りおきをと告げる。

「ほかの皆さんは?」

「まだ帰って来てないよ。
 帰って来ている船達は皆、食堂でテレビを見てるよ」

響の言葉に不知火は食堂に向かいましょうと告げ歩き出した。

響も女提督と不知火の後に付いて来る。

セクハラにはまだ時間かかりそうですかね?
これもおもしろいけども

セクハラは艦娘によっては素早いですが、そうでもない艦娘だと長いです
なので、安価の時は皆さん頑張って下さい

無口な2隻と歩く廊下は凄く静かで、シンとしている。

建造されてから5年と経っていない新築の寮は実に真新しい。

廊下の至る所には艦娘が書いたと思われる書道や絵画が貼ってあり、さながら小学校だ。

「ここが食堂です」

案内された大きめの部屋からは光とともに甲高い笑い声や話し声が聞こえてきた。

「では、行きましょう」

女提督が食堂に入ると、その場の空気が一瞬で静まり返る。

女提督に向けられる視線は好奇、畏怖、警戒。

少なくとも歓迎された雰囲気ではない。まるで、異国人を見詰める日本人其の物だ。

「昨日より、こちらで正式に配属された女提督です。
 至らぬ所はあると思いますが、よろしくお願いします」

女提督はそれに怯む事なく、背筋を伸ばし見事な海軍式敬礼で告げる。

女提督の思わぬ行動に全員が呆気にとられていたが、不知火が機転を利かせる。

「総員気をー付けッ!!」

不知火の言葉に全員が慌てて立ち上がり、気を付けをする。

「提督閣下に敬礼ッ!!」

そして、全員が号令に合わせて敬礼をする。

女提督はそれに答礼して、にっこり笑った。

「よろしくお願いね」

女提督が笑みを見せたのを皮切りに駆逐艦娘達がわらわらと寄って来てあれこれと自己紹介したりともみくちゃにされる。

女提督が不知火に助け出され30分間は小学校にやって来た教育実習生の様だった。

「で、では、また明日」

女提督は来た時とは違いひどく疲れた笑みを浮かべて艦娘達に挨拶をして駆逐艦寮を後にする。

「提督、他の寮も見に行きますか?」

「そうですね。
 安価下(行くか行かないか、行くならば何処の駆逐艦娘寮以外の指定)にします」

「分かりました」

1日に3~5レスの更新を目指します
ただし、現在艦これでイベントしてるので早くもこの目標は破られています

おつ
たのしみにしてるよ

おつ
安価なら重巡

「では、帰りましょう」

「はい」

不知火と女提督が外に出ると、一人の少女がカメラ片手に立っていた。

「ども、恐縮です!青葉です!
 一言お願いします!」

青葉と名乗る少女を見た女提督は首を傾げる。そして、不知火を見た。

不知火に比べて体格的に大人びている。不知火が中1ぐらいだとしたら青葉は高校生だ。

「あの、この子も駆逐艦娘で?」

「いえ、彼女は重巡洋艦の青葉です」

不知火の言葉に女提督はですよねとちょっとホッとした様に青葉に向き直った。

「初めまして。この鎮守府に赴任した女提督です」

女提督が敬礼すると、青葉もそれに慌てて敬礼で返す。

「これはこれはご丁寧に!恐縮です!!」

「それで、えっと、貴女は何を?」

女提督は某芸能レポーターを思い出しながら青葉を見る。

「はい!正式にこの鎮守府にも提督が着任したという事で取材しに来ました!」

青葉が告げると、不知火が彼女は鎮守府内で壁新聞を発行しているんですと補足した。

女提督はなるほどと頷き、青葉の取材を快諾した。

「こんな所では何ですから、私達重巡の寮でどうぞ!」

3人は駆逐艦娘の寮から重巡の寮へと向かう。

重巡の寮は高校と同じような、駆逐艦の寮よりも大人びて落ち着いた雰囲気だった。

「此処が重巡の寮ですか」

「はい。重巡艦娘はこの寮で生活してますよ。
 今のところ18人で生活しています」

青葉が簡単に寮の説明をし始め、女提督がそれをメモを取りつつ聞いていく。

不知火も同じように女提督の傍で説明を受けた。

「青葉。何をしているの?」

そこに一人の重巡と思われる艦娘が現れた。

「あ、安価下さん!
 今、昨日着任したばかりの司令官の取材をしているんですよ!」

愛宕

おつ

乙!

「女提督です、よろしくお願いします」

「私が愛宕。提督、覚えてくださいね?」

愛宕がニコリと笑い、女提督に敬礼する。女提督もそれに答礼した。

そして、視線は愛宕の胸に行き、次に自分の胸に。最後に青葉の胸を見る。

「あの、重巡洋艦ですよね?」

「ええ、そうよ?
 高雄型重巡の二番艦なの、うふふ。
 呉海軍工廠で生まれたの。バランスがとれた重武装ボディでしょ?」

「ええ、本当に一部が重武装ですね」

不知火が何時になく厳しい目で愛宕を見ながら告げる。

青葉も女提督もその言葉には頷かずにはいられなかった。

「でも、タンクが大きいと肩が凝るのよねぇ」

愛宕がタユンタユンとタンクを揺らしながら肩に手を置く。

「不機嫌なので帰ります」

不知火はそう告げると凄まじい殺気と共に帰っていった。

「じゃあ、私はこれで失礼しますね」

愛宕が不知火に続き、戦線離脱。

女提督はタユンタユンと揺れる愛宕の胸を見ながら青葉に尋ねる。

「彼女は、なんであんなに胸が大きいので?」

「青葉の情報収集能力を持ってしても不明です」

それから二人は取材をそっちのけであの胸の秘密を話し合っていた。

青葉の取材は2時間ほどで終わり、気が付いたら食堂が閉まっていた。

「うぅ、夕飯無しですか……」

トボトボと女提督が自分の部屋に戻ると中から良い匂いがする。

「随分と長い事取材をしていましたね」

「あれ?不知火さん……何を?」

部屋の中には不知火がエプロン姿で立っており、小さめのキッチンには鍋が掛けられている。

「提督の事ですから食堂が閉まって困っていると思って夕飯を持ってきました」

駆逐艦寮の物ですがと告げる。鍋の中を覗くと肉じゃがと味噌汁があった。

白米は流石に無かったのでサトウのごはんで我慢する。

「あ、有難うございます」

肉じゃがをよそっている不知火に礼を告げ、手洗いうがいをしてくる。

「どうぞ」

「はい。頂きます」

女提督の中で不知火は『怖い人』から、『怖いけど良い人』に変わった。

この不知火が提督にセクハラするさまが浮かばないww

ハルナをゲットし、調子こいてコンゴウに挑んでハルナが大破した……
修理で鉄鋼が余裕で4桁、笑えない

翌朝、例によって朝の6時に起こされた。

「おはようございます、司令」

「お、おはようございます……」

女提督は何故部屋の中にいる不知火に驚きつつ挨拶をする。

「あの、不知火さん?どうやって部屋に?」

「戸締りは確りしておくべきです」

不知火に言われて、そういえば鍵を掛けた記憶がないのを思い出す。

「め、面目ないです」

「いえ、それよりも支度を」

女提督の3日目が始まった。

午前9時に女提督が執務室に入室。業務が開始される。

提督の基本的な仕事は艦娘に関する事である。

港を出は入りする民間の輸送船舶を護衛する艦娘を決めたり、艦娘の訓練を決めたりするのである。

また、それらに関連して消費する燃料や弾薬等の申請も提督の仕事である。

「と、言う事で先ずこの鎮守府にどう言う艦娘がいるのかを知って貰います」

不知火は執務室の前に座る女提督に告げる。

「分かりました。
 具体的にはどうすれば?」

「基本的に非番の艦娘は寮にて過ごします。
 なので、各寮を回って下さい」

「つまりは、昨日と同じと言う事ですね?」

「はい。
 昨日は駆逐艦と重巡の寮に行きました。今日はそれ以外の寮に行ってください」

「分かりました。
 では、安価下の寮にいきます」

「了解」

軽巡

軽巡の寮に向かおうと二人が執務室を出ると夕立がやって来た。

「あれ?
 二人共何処か行くっぽい?」

「夕立、提督よりも遅れてくるとはどう言う事ですか。
 5分前行動が原則です。弛んでいますね。腕立て伏せ50回」

「う、提督さん」

夕立が可愛らしく提督を見る。

女提督は少し困ったように笑い、告げた。

「私達も此処で待ってるから」

夕立はガックリとうなだれてその場で腕立て伏せをし始める。

女提督の中で不知火は『怖いが優しい。怒る時は怒る頼もしい人』と評価が上がった。

夕立の腕立て伏せが終わってから三人は軽巡の寮へ向かった。

軽巡の寮は重巡の寮よりも少し大きく、また少し幼い印象を受ける。

差詰中学校といった所だろう。

「此処が軽巡の寮です」

「軽巡、ですか。
 どんな子達がいるんでしょうか?」

女提督が寮の扉を開く。

「ん?誰ですか?」

そこには一人の軽巡洋艦娘と思われる少女が立っていた。

「あ、私は女提督といいます。
 この度、この鎮守府に着任しました」

「私は安価下です」

女提督が敬礼すると艦娘も慌てて敬礼して名乗った。

名取

期待してる

もう、ハルナは使わない(戒め)
あと、名取はどっかのライターの嫁だそうです

「取り敢えず、中に上がっても?」

「あ、はい!?どうぞ、提督」

名取に先導されて3人は寮に入る。

寮の壁には大きく『夜戦主義』とか『海上護衛』と書かれた長半紙が貼ってある。

「す、水雷戦隊は基本的に海上護衛や夜戦で効力を発揮するので」

名取が女提督の気が付き空かさず告げる。

名取の言葉に不知火と夕立も頷いた。

「なる程。
 では、駆逐艦娘は軽巡洋艦娘と組ませるほうが相性は良いんですね」

「そうですね。
 お互いにお互いの特徴を知っていますし、速力も同じですから」

女提督は名取や不知火の意見をメモに書き込んでいく。

3人はそのまま寮の談話室に向かう。

談話室には常に何人かの艦娘達が屯っていると言うのだ。

「あぁ?誰だテメェ?」

談話室に入ると一人の艦娘と鉢合わせする。

「この度着任した女提督です。
 よろしくお願いします」

女提督がそう告げて姿勢を正すと、その艦娘も一瞬驚いた顔をする。

しかし、すぐに不敵な笑みに戻って敬礼しながら告げた。

「俺は天龍。フフフ、怖いか?」

天龍は冗談粧しに告げると、女提督の肩を叩く。

「まぁ、よろしく頼むぜ提督。
 おい、お前ら!新しい提督の着任だ!」

天龍が談話室の中にいる艦娘達に告げる。全員が立ち上がって敬礼をした。

「女提督です。
 よろしくお願いしますね」

女提督はそれに答礼しつつ答えた。

「あっちにいる頭の軽そうなのが川内型の那珂で、その隣は妹の神通だ。
 ま、ボチボチ覚えていけばいいさ」

天龍はそれだけ言うと、他の奴も呼んで来てやると告げ、去っていった。


このSSでの天龍はおっぱいの付いたイケメンです
ヘタレな天龍は余り出ません

おつ

軽巡洋艦娘との関わりの中で女提督は気がついた事がある。

天龍と木曾は何故か眼帯をしているのだ。

天龍の格好や言動からして思春期特有の“黒歴史”をやっているのかと思った。

しかしながら、極端に痛い行動はなく、実に不思議であった。

だが、木曾の姉である球磨や多摩もまた中々に強烈なキャラだった。

故に、あんまり関係無いのかもしれないと女提督は一人で納得していた。

「……」

「ん?
 俺の顔に何か付いてるか?」

女提督がジッと天龍を見つめていると天龍がその視線に気が付いた。

女提督は慌てて首を振るが、天龍が遠慮せずに言えよと告げる。

なので、思い切って尋ねてみたのだ。

「あの、天龍さんは何故眼帯をしているのですか?」

「ん?
 ああ、これか……」

女提督の言葉に天龍は苦笑して眼帯を指で叩いた。

あけおめ

「第一次ソロモンでやっちまってさ。
 で、この体になったら何か眼帯になってたんだわ」

天龍がほらと眼帯を取ると左目は傷付き機能していない事を示していた。

「まぁ、あんまり気持ち良いもんじゃねーしこれは俺の責任だ。
 恥ずかしいからあんまり見るなよ」

天龍はそう笑うと他の奴にも絡めよと球磨や多摩を引っぱて来て女提督に押し付ける。

「おぉ、アンタが球磨達の新しい提督くまか?」

中々にキャラの濃いメンツだと思っていたがまさか当の2人を押し付けられると思っていなかった。

女提督はよろしくお願いしますと笑った。

「球磨型軽巡洋艦の1番艦、球磨だクマ。
 佐世保生まれだクマ。ちょっと古いところもあるけど、頑張るクマー」

待ってる

女提督は思わず球磨の頭を撫でてしまう。

「なでなでしないで欲しいクマー!ぬいぐるみじゃないクマー!」

すると球磨が少し怒ったようにそう告げる。

「あ、すいません。つい……」

女提督がそう答えると球磨がプリプリと怒りながら、ついとはなんだクマーと詰め寄ってくる。

球磨は語尾は変だが、それ以外は愛らしい軽巡洋艦娘だと言う認識が女提督に出来た。

他にも多くの軽巡洋艦娘が居たのでそれぞれの特徴と名前を素早くメモっておく。

2時間程交友を広め、お互いに顔を覚えた辺りで寮を後にした。

何かホスト規制されてるんでスマホから更新してます
スマホ使い難い……

支援

支援

軽巡の寮を後にした女提督はウンと背伸びをする。

「お疲れ様です。
次はどの寮に向かいますか?」

不知火が女提督に訪ねる。

女提督はそうですねと告げ思案する。

現在軽巡と重巡に駆逐艦の寮に行った。

残るは戦艦、空母に潜水艦の寮である。

「では安価下の寮に行きます」

「分かりました」

空母

提督LOVE勢はよ

「空母の寮に行きます」

「分かりました」

「鳳翔さんのところにいくっぽい?」

夕立が首を傾げる。

「鳳翔さん、ですか?」

「鳳翔型航空母艦一番艦です。
私達駆逐艦娘には毎月お小遣い代わりに慰問袋をくれます。
また、私達に食事の作り方を教えてくれます」

不知火の言葉に女提督は相当なお婆ちゃんを想像する。

「そうなんですか」

女提督はお婆ちゃん艦娘も居るのかと一人驚きながら空母寮に足を踏み入れる。

「お、何や?
新しい提督か?」

寮に入ると某ファーストフード店の店員がしている様なバイザーを被った艦娘が居た。

女提督はその艦娘の胸を見て艦種をは駆逐艦だろうと検討付ける。

「貴女この前訪問した時は居なかったですよね?
関西弁ですから……陽炎型の子ですか?」

「陽炎型?
うちには姉妹艦は居らんよ。
強いて言うなら龍驤型やね」

「龍驤型駆逐艦ですか」

「ン?」

「え?」

二人がお互いに首を傾げる。

「提督、彼女は空母ですよ」

一人提督の勘違いに気が付いた不知火が指摘する。

「え?
でも彼女……」

女提督が龍驤の胸を見ながら不知火を見る。

「ひ、貧乳で悪かったなアホー!!」

「ぎゃぁ!?」

龍驤に胸を激しく揉みしだかれること10分。

「中々ええ乳しとるやないか」

「うう……
もうお嫁にいけない」

ふうと一仕事終えた雰囲気を出す龍驤と乱れた制服の胸元を押さえて脇で崩れている女提督。

一体何の安っぽい昼ドラなのか?と不知火は思ったが口には出さなかった。

「コントは終わったっぽい?」

そして不知火と同じ様に脇でそれを見ていた夕立が訪ねる。

「こ、コントですか……」

夕立の言葉に女提督は更に落ち込む。

不知火が氷のような目で見つめてるのが浮かんできますわ

「そんで、あんた何もんや?
見たところ、ジエータイの士官様っぽい格好しとるな」

龍驤が女提督の服装を見ながら尋ねるので女提督は自己紹介をする。

「はほぅ、
ほな、君がうちの司令官になるかもしれないっちゅー事か?」

「ええ、まぁそうですね」

「ほなうちが空母寮を案内したるさかい、確りついてきーや」

龍驤がそのフルフラットの胸を叩くと3人に寮を案内し始めた。

おつ

「龍驤さん。軽空母、と言うとどう言う区分なのですか?」

何時もの様にメモを取り出した女提督が尋ねる。

女提督の質問に龍驤はウーンと唸ってから答えた。

「はっきり言って、うちらが出来た当初は軽空母なんて区分は無かったんや。
 うちら海軍は最初から空母して作れてたら皆正規空母なんや。さかい、うちかて本当はもっと胸が大きくてもええはずなんや!」

思わぬ地雷を踏んだ女提督は苦笑するより他はない。

「じゃ、じゃあ、何故龍驤さんは軽空母に分類されているので?」

とにかく話題転換をする為に女提督は質問をする。

「せやなぁ~
 うちが一航戦や二航戦の連中に比べて小柄やからや」

「一航戦、ですか?」

「そや。
 第一航空戦隊の略で赤城と加賀が所属しとったわ。
 あ、一航戦のモンに五航戦の連中と組ませるのは止めた方がエエデ」

「五航戦、第五航空戦隊ですね?」

「せや。翔鶴と瑞鶴の二人や。
 戦史勉強しとったら知っとるかもしれんけど、一航戦が沈んだ後に機動部隊率いとったんが五航戦なんや。
 せやから、一航戦は五航戦の事あんま快く思っとらんのよ。機動部隊取られるかもって思って」

龍驤がんな訳ないっちゅーにな?と笑う。

女提督は今の話をすべてメモに書き込んでおく。これは艦隊編成で非常に重要な事だからだ。

しかし、同じ空母で仲が悪いとなると今後の作戦にも支障が出かねないのでこう言う事は早急に解決すべき問題である。

ふむ

「他に何か知っていることとか有りますか?」

「例えば?」

「誰々と誰々は仲が良いとかその逆や、誰々はこう言うことを気にしているとか」

女提督の言葉に龍驤は暫く考えて一言。

「人の一部を見て艦種を特定するんは止めた方がええなぁ」

「その節は申し訳ございません」

女提督はただただ謝るしかなかった。

それから3人は龍驤の案内で寮を見学した。

しえ

航空母艦娘達は結構、複雑な関係だというのが寮を回っていて分かったことだ。

軽空母に分類される艦娘達は比較的にお互いに交流があるのだが、正規空母だと別だ。

完全に派閥が出来てしまい、主に一航戦と五航戦に分かれている。

一航戦側には赤城と加賀を筆頭に二航戦所属の蒼龍と飛龍が付き、五航戦には翔鶴と瑞鶴に軽空母の瑞鳳がついている。

他の軽空母達はお互いに不干渉を貫いていると龍驤が教えてくれた。

お陰で談話室には正規空母は居らず、装甲空母なる分類の大鵬と陸軍所属のあきつ丸がいるだけだ。

ぶっちゃけた話、あきつ丸はあきつ丸でかなり浮いていて、空母寮は問題児の巣窟だと女提督は確信した。

きてた

しえん

取り敢えず、正規空母同士の件は遺恨が深すぎて、今日明日で解決出来るものではない。

故に先ずはあきつ丸に話を掛ける事にした。

「あの、初めまして」

「貴官が自分の隊長となる将校殿でありますか?
 自分は大日本帝国陸軍所属の特殊船丙型のあきつ丸であります」

女提督が一人談話室の隅で何をするでもなく、佇んでいるあきつ丸に話しかける。

あきつ丸は踵を揃えて陸軍式敬礼をする。女提督もそれに釣られて海軍式敬礼をして答えた。

「えっと、貴女は軽空母なのですか?」

「いえ、自分は今の区分で言えば強襲揚陸艦でありますな、将校殿」

あきつ丸の言葉に女提督はフムフムと頷きメモを取っていく。

強襲揚陸艦とは上陸部隊を支援するための揚陸指揮と上陸部隊への指揮を兼ね備え、更には上陸部隊の運搬も担っている。

もっとも、第二次大戦時に作られた彼女にはそこまでの能力が無かった。

上陸部隊を支援するための航空機発艦と上陸部隊の輸送を担っている。

それを考えれば彼女は強襲揚陸艦の先駆けと言っても過言ではないだろう。

まだかな?

「貴女を運用する時は、正規空母や軽空母と同等に考えてはいけないのね?」

女提督は確認をとるとあきつ丸はそうでありますと頷いた。

強襲揚陸艦、名前は強そうだが実際は航空機による攻撃能力を保有している上陸要舟艇及び人員輸送船である。

となると、彼女は空母の様な本格的な航空打撃能力を期待するのは厳しい物だ。

「そう言えば、強襲揚陸艦と言う事ですが、上陸用舟艇も?」

「はい、ありますよ」

あきつ丸がタミヤあたりが出してそうな大きさの到底人間が乗れるような物ではない上陸用舟艇を出してみせる。

ふむ

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