剣士「魔物と人間のコンビ?」 (44)

―――――魔王はまだ生きている…
          ―――――――大物勇者パーティが四天王に…
―――――また討伐団壊滅…
          ―――――――東の洞窟に盗賊が…
―――――魔物も凶暴化…
          ―――――――魔物と人間のコンビが…
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情報屋「信じられない話だが、魔物とともに行動する人間がいるらしい」

情報屋「洗脳されているだ、利用し合って悪事を働いてるだ、噂は数え切れないほどある」

情報屋「一部の人間は崇拝していたりもするらしいが、信憑性はない」

情報屋「ま、なんにせよ碌なものじゃない…係わらないほうがいいだろう…係わりたくてもかかわれないだろうがな」

情報屋「それよりもまた魔物が凶暴化して人々が困っている、あんたも十分気をつけなよ?」

剣士「ああ」

情報屋「とまあ、こんなもんだ」

剣士「どうも」チャリ

情報屋「まいど…また仕入れとくよ」

剣士「…魔物と人間のコンビねぇ…」

剣士(ギルド覗いてくか)

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町ギルド

剣士(……)

店主「いらっしゃい、初めてだね?」

剣士「…ああ」

店主「なら軽めの仕事を……っと、この中から選んでくれ」バサ

戦士「………東の洞窟に賊が住みついてるみたいだが?」

店主「確かに、住みついてみんな困ってるな」

戦士「それの討伐依頼はないのか?」

店主「あるにはあるが初めてのあんたに受けさせるわけにはいかないね」

店主「腕のある傭兵が行ったっきり帰ってこなかったんだ」

店主「ギルドの信用にもかかわるからめったなことじゃ行かせられないよ」

剣士「……」

店主「それに魔物の凶暴化は知っているだろう?」

店主「あんたが行ったって洞窟に着く前におじゃんさ」

剣士「……ならばまず魔物を討伐するか」

店主「無謀な事はよしな、新人は無難な仕事から始めることだ」

剣士「…魔物の討伐依頼書をくれ」

店主「だから…」

剣士「他所の街から来たが、目的のために金がいるんだ。ギルドの信用を落とすようなマネはしない」

店主「根拠は?」

剣士「頼む」

店主「はぁ…ったく……ほらよ」

剣士「ふむ…ではこの魔物どもを狩ってきたら盗賊討伐の依頼を受けさせてくれ」

店主「死んでも知らないよ」

剣士「気をつけよう」

店主「あ、そうだあんた、魔物と人間のコンビの話は知ってるかい?」

剣士「先ほど情報屋から」

店主「そうかい…この町の近くにいるかもしれないからそいつらにも気をつけなよ」

剣士「忠告感謝する」

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町外


剣士「……」ザシュ

魔物「ぎぇっ」ドサ

剣士「こんなもんか」

剣士(しかしこんなやつらいくら殺したところで大した稼ぎにならんな)ソギソギ

剣士「さて、そろそろあいつも探さないと」

――――ッドォオン!!!!!!―――――

剣士「手間省けたな」

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「…」ピク

剣士「またやったな?」

「おお!どこにいっとったんじゃ貴様!探したぞ!!」

剣士「嘘つけバカ」

「バカとはなんじゃ!!貴様がふらっとどこぞに行くのが悪かろうっ!!」

剣士「ふらっとどこかに行ったのはお前の方だバカ」

「またバカといったな!!喰らうぞ?」

剣士「今まさに喰ったばっかだろ?」

「こんなの何の足しにもなりゃあせん」

剣士「はぁ…お仕置きが必要だな」

「や、やるのか貴様っ!!」バッ

剣士「……覚悟しろ」スッ

「んぁあああっ!!バカッやめろっ!!」

剣士「まだ片方だぞ?」スルスル

「わかった…!わかったから!!もうやめてくれっ」ゾクゾク

剣士「ったく、無駄な時間をかけさせるな」

「ったく…あれほど妙な布を足につけるなといっておろうに」ヌギヌギ

剣士「靴下くらい覚えろ、まだ言うなら靴も履かせるぞ?」

「っく!あんなものつけたら気持ち悪くて死んでしまう」

剣士「嘘つけ」

「素足こそ最高のふぉーむじゃ!」

剣士「はいはい、さっさと行くぞ!バカ鬼!」

鬼娘「またバカといいおったなー!!」

―町―

ザワザワ

鬼娘「んまぁい!!何度食べてもこのしちゅぅとやらはうまいの!!」ムグムグ

剣士「じゃあちょっとギルドに行ってくるから大人しくしてろよ」

鬼娘「この口の中でとろける感じがたまらんのぅ」ニコニコ

剣士「……行ってくる」

アノボウシノオンナノコ…
ナンデハダシナンダ…?
カワイイナア
オイシソウニタベテルナ…デモハダシ
モチカエリテェ
ヒソヒソザワザワ

剣士(やっぱ裸足は目立つよな…さっさと行って戻ろう)

鬼娘「おかわりじゃ!」パタパタ

町ギルド

店主「…」アゼン

剣士「書かれてた内容は済ましたはずだが…何か不備があっただろうか?」

店主「あ、いやいや…問題無く出来てるよ」

店主「それにしても驚いた、あんた強いんだな」

剣士「どうも」

店主「ま、これだけ出来たら任せられるな…ほら」スッ

店主「だが無茶はするなよ」

剣士「ああ」

剣士「ところで宿をさがしてるんだが…」

店主「それならギルドと提携してる宿を使うといい場所は…」

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・・・・・・・
・・・・・

宿

鬼娘「んはーっ!ふかふかじゃ」

剣士「はしゃぐな鬱陶しい」

鬼娘「何をつんけんしておるんじゃ、もっと心にゆとりを持つがよいぞ?」

剣士「お前のせいで稼いだ金が一瞬で無くなったんだろがボケ」

鬼娘「まだ食えるぞ?」

剣士「……」スッ



鬼娘「んぁあっ!布っ…やめっ…はぁっ…謝るっ!!からぁっ」ゾクゾク

剣士「次は無いぞ」

鬼娘「鬼じゃ…はぁはぁ」

剣士「鬼はお前だろ」

鬼娘「そうじゃの」

剣士「ったく、おいバカ鬼、明日は仕事だ…食った分は自分で稼げ」

鬼娘「やれやれじゃ」

剣士「あ?」

鬼娘「わかりましたっていったんじゃ!」

剣士「そうか」

鬼娘「そうじゃ」

剣士「じゃ、明日に備えて早く寝ろ」

鬼娘「…死ぬほど寝たんじゃがの…ふぁ」

剣士「いいから寝ろ」

鬼娘「ぐー」

剣士「相変わらず早いな」

剣士「俺も寝るか」

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おやすみ

―東の洞窟―

剣士「見張りがいるし、ここで間違いなさそうだな」

鬼娘「おい貴様!腹が減ったぞ」

剣士「知るか!さっさと終わらせて報酬をもらうぞ」

鬼娘「そんでしちゅうじゃな?」

剣士「乾パンで充分だろ」

鬼娘「乾パンもよいな」ジュル

剣士「結局何でもいいんだろ」

鬼娘「だの」

剣士「じゃ行くか」

鬼娘「うむ」

ザッ

盗賊A「なんだぁ?お前ら」ジロ

剣士「会話する気もねぇよ」ドス

盗賊A「うごっ…」ドサァ

鬼娘「おーおー容赦ないの~」

剣士「置いてくぞ」スタスタ

鬼娘「あ、待つんじゃ」トテトテ

・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
洞窟内

剣士「入り組んでるな」

鬼娘「そうじゃの」

剣士「ま、関係ないか」

鬼娘「あっちじゃな」トテトテ

剣士「ああ」

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・

剣士「んだこらぁ?トラップのつもりか?誰が引っ掛かるんだよ」

鬼娘「ぬわああっ!!?」ガキン

剣士「…置いてくぞ」スタスタ

ンダテメェラ…ザシュ
ウルセーウルセー…ドシュ
グギャッ
キサマナゼタスケンカッタ…

ドッドッ……バゴォオ…ズゥウン

盗賊共「!」

剣士「お邪魔しますよ」

盗賊頭「なんだぁ?」

剣士「ったく洞窟で扉とかつけてんじゃねえよ…酸素薄くなんだろうが」

盗賊頭「おい」クィ

盗賊共「へいっ」ザッ

鬼娘「貴様!無視をするでないぞバカ者!」

剣士「バカはお前だ」

盗賊頭「何のようだか知らねえが、同胞がやられてるんじゃあ生きて返すわけにいかねぇな」

盗賊共「へへへ…もうお前らは囲まれてるんだぜぇ?」

剣士「そうかい」

剣士「おいバカ」

鬼娘「おい呼ばれとるぞ」

盗賊頭「…」

剣士「お前だ」ガ

鬼娘「あたっ!わしはバカではないぞ!!」

剣士「もう何でもいい、お前がやれ」

鬼娘「えー」

剣士「ちったあ働け」

鬼娘「弱い者いじめはあんまり好かんのじゃがの」

剣士「どの口が…」

盗賊E「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇよ」

盗賊D「おい俺はあのちっこい娘をヤる」

盗賊F「あ、おいらも狙ってたのに!」

盗賊G「頭ぁ!みんな飢えてんでさぁ!!あのガキを犯したくてたまんねぇ!」

盗賊頭「しょうがねぇ奴らだな」

盗賊共「へへへ」

盗賊頭「わかったわかった、もう一匹の方はこいつがやる…おい」

傭兵「…へい」ザッ

剣士「あ?お前は盗賊じゃないな」

傭兵「今から死ぬお前には関係ない」

剣士「確かに関係ないな」

盗賊D「へへへ…激しく犯してやっからな~」ジュル

盗賊E「犯しつくした後はちゃんと殺してやるから安心しろ」

盗賊F「えへえへ女だぁ」

盗賊G「ひゃっはー」

鬼娘「……」

剣士「おいバカ鬼、やりすぎんなよー」

傭兵「敵前で余所見とか余裕だな」バッ

剣士「あ?」ドシュ

傭兵「あ…かっ…な…」

盗賊頭「!」

盗賊D「さあ楽しもうぜぇ~!!」ジリジリ

盗賊G「可愛がってやんよ」

盗賊F「まずはあそこからおかs」ザリュッ

盗賊頭「なっ!???」ゾク

盗賊D「」

盗賊F「」

盗賊G「あ?何が…」ドシャ

盗賊E「おおおおお前らっ!!!」ガクガク

鬼娘「まっずいのぉ…」ペロ

盗賊頭「喰われた…だと?」

盗賊E「かかっか頭ぁ!!こいつやべぇっ!!」ズザァア

鬼娘「どこに行こうというんじゃ?」ガシ

盗賊E「頭ぁあっ!!助けっ…!かしらぁああああああ!!!!」

グチュ…

盗賊E「」

鬼娘「うむ…何の足しにもならんの」ポンポン

剣士「腹壊しても知らねえぞ」

鬼娘「壊したことなど無い」

剣士「知ってる」

盗賊頭「あ…なっ…」ダラダラ

鬼娘「じゃ、後はお前さんだけかの?」

盗賊頭「た、助けてくれ…!何でもする!!」

鬼娘「助けて…?すまんの、わしはそんな言葉知らんのでな」

盗賊頭「あ…ああ…」

鬼娘「あー…」

剣士「ストップ」ガシ

鬼娘「あ、貴様…!何故止めるんじゃ!」

盗賊頭「はあ…はあ…」ダラダラドクドク

剣士「こいつ喰ったら討伐依頼の証拠がなくなるだろ」

鬼娘「そうか、なら仕方ないの」スッ

盗賊頭「た…助かった…」

ズバッ

盗賊頭「」ゴロン

剣士「首から上がありゃいい」

剣士「後は喰っていいぞ」

鬼娘「こんな不味いのもういらんわ」

剣士「そっか」

鬼娘「ほれっ!さっさと帰ってしちゅうじゃ!」

剣士「乾パンな」

鬼娘「鬼!」

剣士「鬼はお前だろ」

鬼娘「そうじゃったな」

―町ギルド―

店主「え?」

剣士「盗賊の討伐は終了した」

店主「昨日の今日で…?」

剣士「証拠はすでに提出した」

店主「あ…あぁ」

店主「これは報酬だ…」ジャラ

剣士「どうも」

店主「な、なああんた!うちのギルドの専属にならないか?あんたがいたらうちのギルドは安泰だ」

剣士「悪いが無理だ」

店主「そうか…しかしあんた何者だ?」

剣士「…ただの放浪剣士だ」

剣士「時に頼みたいことがある」

店主「ああ、なんだ?」

剣士「さらに報酬がいい仕事が受けられるギルドを紹介して欲しい」

店主「ああ、だったら西の街のギルドがいい」

店主「何でも西の街の近くにここよりも凶暴で強力な魔物たちが巣くいだして困っているらしい」

店主「さらに、その魔物たちのボスは魔王軍の四天王にも匹敵するらしい」

店主「西の腕利きが牽制してるおかげで街はまだ無事だがいつどうなることやら」

剣士「そうか」

店主「西の街のギルドに行くならどんな依頼も受けられるように紹介文を書いてあげよう」カキカキ

剣士「感謝する」

店主「ただ、あんたが強いのは充分わかったが、気をつけろよ」

店主「ほら、紹介文と西の街の行き方だ」

剣士「世話になった」

店主「何かあったらまた来い、力になってやるよ」

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