魔導師「私、BLとやらに目覚めそうなの」 (135)

注意*この話にはタイトル通りBL要素(?)が含まれています。苦手な方はご注意ください。
*スレッド初投稿なのでやり方がよくわかってません、おかしな事をやったりしてしまうかもしれませんがご了承ください。

*遅筆です*

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1382022348

魔導師「…そろそろ来るかしら」

魔剣士「あ、いたいた、おーい魔導師ー、なんか話があるって聞いたんだけど、呼び出した相手ってのは俺で間違いないよな?」

魔導師「あーやっと来たわね、間違いないわよ。そもそも貴方しか私の相談聞いてくれる人いないし。」

魔剣士「お前そいえば俺以外と一緒にいるところをあんま見ないってので有名だもんな…んで、相談ってなんだ?」

魔導師「…心して聞いてくれる?」

魔剣士「おっ、おう」

魔導師「じゃあ話すわね…」

魔剣士「…(ゴクリ)」


魔導師「私、BLとやらに目覚めそうなの」

魔剣士「は?」

魔導師「いや、最近ね、なんかこう、熱くこみ上げる何かがあって」

魔剣士「まてまてまてまてストップストップはいストップー」

魔導師「何よ一体」

魔剣士「お前いきなり深刻そうな顔で俺の事呼び出しといて話の内容がそれ? というかなんでいきなりそんな話なの? しかもなんでよりによって俺なの???」

魔導師「だって貴方くらいしか話せる相手がいませんでしたし」

魔剣士「いやだからってそんな男性陣からしたらデリケートな問題をいきなり話すの? というかなんで目覚めそうなの? 一体お前どうしたの?」

魔導師「いや実はね、私、王子と騎士団長が兄弟って事はまあ当然知ってたんだけどさ、どうやら最近王子が騎士団長に稽古をつけてもらってるらしくて」

魔剣士「その現場を覗いたのか」

魔導師「話がわかるわね貴方、流石私の相方」

魔剣士「いやいやそうじゃなくてさ、いやあのそのちょっと待って」

魔導師「それで会話の内容が妙にアレで」

魔剣士「ちょっと俺の話聞いてる? 魔導師? 魔導師さーん?」

魔導師「しかも王子はまだ13のショタでしょ? しかも兄弟揃って金髪イケメンだからそれはもう見ててヨダレが…」

魔剣士「これダメだわ」

可愛いかガチムチかで見るかどうか変わる。どっち?

魔導師の話によると、王子が夜中にわざわざ騎士団長を稽古場に呼び出し、剣術の稽古をつけてほしいと申し出たらしい。
魔導師に聞いた話の内容はこうだ。


王子「あっ、兄さん?」

騎士団長「いきなり稽古場になんか呼び出したりしてどうしたんだ一体?しかもこんな夜中に。」

王子「実は兄さんに頼み事があって…こんな夜中に呼び出しちゃってごめんね、兄さんも疲れてるみたいなのに…」

騎士団長「いや、別に大丈夫さ。それにお前の力になれる事があるならなんなりと言ってくれ。」

王子「兄さんありがとう…?それでね、あの、兄さんにお願いしたい事っていうのはね、僕、剣術を習いたいんだ?」

騎士団長「剣術…?それで俺に稽古を頼みに呼び出したって事か?」

王子「そうなんだ…でもね、朝から晩まで兵士の皆さんは稽古場を使ってるし、深夜に兄さんを呼ぶしか方法がなかったんだ、ごめんね兄さん…」

騎士団長「いや大丈夫さ、お前はなかなか外にも出れないし、お前が一人の時もあまり俺は構ってあげられないからな…稽古ぐらいならいくらでも付き合うさ。」

>>4
可愛いの方ですかね…ガチムチは個人的にもよくわからないので…

王子「ふふっ、嬉しいな、久しぶりに兄さんと二人っきりの時間ができてよかった!」

騎士団長「そうだな、俺も帝国に行ってなかなか戻ってこれなかったし、こうやって二人になるのは久しぶりかもな。よし、それじゃあ早速稽古を始めるか?」

王子「うん!」

かくして、王子と騎士団長の秘密の稽古が始まった訳だが
どうやらここからが本番らしい

王子「えいっ、てやっ、えいっ!」

騎士団長「もっと踏ん張れ?そんな太刀筋じゃ敵は切れないぞ?」

王子「てやっ!てやっ!えぇい!」

騎士団長「もっと背筋を伸ばせ?」

王子「てやっ!…てやっ!はぁ、はぁ…」

騎士団長「バテてる場合じゃないぞ、もっともっと勢い良く、かつ迅速に対応しなければいざ戦うとなった時に役に立たない。命を落としてしまったらそれで全て終いだからな。」

王子「僕…もう…これだけで…ヘトヘトだよ…」

騎士団長「まあ長い間あまり体を動かしてなかったしな。どれ、ちょっと姿勢を直してみるか。これで少し負担が減るだろう。」

そして騎士団長が王子に剣術の基本姿勢を手取り足取り教え始めたらしい

魔導師「そこでね、私は見逃さなかったのよ、」

魔導師「王子が顔を赤らめたのを!」

>>6
よし、期待大にして全裸待機するわ

なんだか文字化けしてしまってますね、変な?は!だと思ってくださいすみません

>>8
こんな寒いのに全裸ではお風邪をひいてしまいますよ(・ω・`)つ【帽子】

王子「ひゃっ、に、兄さん!?」

騎士団長「ほら、もっと姿勢を正せ、じゃないとちゃんと相手を切れないぞ?」

王子「…うん///」

騎士団長「そうそう、その調子だ!」

王子「…///」

騎士団長「ん?どうした王子、なんだか顔が赤い様な…」

王子「な、なななななんでもないです? 決して、決して密着してドキドキなんてしてないです…!」

騎士団長「そうか? ならいいんだが…無理はするんじゃなよ?体調が悪くなったらすぐ俺に言うんだぞ、わかったか?」

王子「…うん!」

魔導師「(キマシタワー)」

魔導師「…と、いうわけなの。」

魔剣士「なるほどなぁ…まぁ、うん、なんとなくわかった、うん、王子と騎士団長可愛い。やっぱこの兄弟可愛い。」

魔導師「でしょでしょ? やっぱショタいいわー、可愛いわー」

魔剣士「でもさ、それってBLとして成立してないんじゃないのか?」

魔導師「ハァ?」

魔剣士「えっ」

魔導師「貴方バカですの? つまらないボケはやめてくださる?」

魔剣士「いや俺はいたって真面目であり」

魔導師「いい事? BLっていうのは相思相愛だからBLって訳じゃないの、相手が自分を好きでなくても成立するんです! むしろその甘酸っぱい恋の気持ちはBLにとって酸味料? 勘違いも甚だしくてよ!」

魔剣士「お、おう」

魔導師「大体貴方何故誰ともフラグを立てないの?! ずっと一緒にいるのにことごとく回避しやがって!!」

魔剣士「」

魔導師「もういいですわ、私は寝ます。貴方も夢の中で素敵なお相手を見つける事ですわね! では、ごきげんよう!!!」

魔剣士「…嵐の様だった。」

魔剣士「というか、アイツ絶対あの会話を聞く前から目覚めてたよな? てかそのうち俺も引きずりこまれそうな勢いで怖いわマジで…。」

魔剣士「…まあいい、俺も寝よう…」

ー翌日ー

魔剣士「昨日色々あったせいで眠いな…しかも今日は新兵達の試験日だっけ…めんどくせ…」

下級兵士「あ、魔剣士さん! お疲れ様です!」

魔剣士「おう、相変わらず元気いいなお前…ふわあぁ…」

下級兵士「あれ、寝不足ですか?また何か魔術の研究を?」

魔剣士「ん? ああいや、ちょっと昨夜考え事をしててな。」

下級兵士「考え事…ですか?」

魔剣士「そうそう、いつも俺と一緒にいるアイツの事なんだけどな。ホント、色々と勘弁してほしいわ…」

下級兵士「そうだったんですか…魔剣士さんはなかなか休憩する暇もないでしょうし、あまりご無理はしないでくださいね」

魔剣士「ああ…ありがとな、お前も見回りの最中だったのにに悪いな、俺も試験があるからそろそろ行くわ、じゃあまたな」

下級兵士「はい! 魔剣士さんも頑張ってください! それでは!」

魔剣士「全く、アイツこれ以上悪化しなきゃいいんだがな…」

……

下級兵士「いいな~、恋とは悩ましい物ですねぇ~、いいですね~、あぁ、あのお二方が噂ではなく本当のカップルになる日も近いのかなぁ」

ー稽古場にて 新兵卒業試験ー

騎士団長「これより! 新兵卒業試験を始める! この試験に合格できない者は次の試験まで兵士昇格への機会はないので心してかかる様に!」

魔剣士「えー、一昨年、去年と全員が合格という輝かしい成果が出ている。ので、諸君等にも是非とも頑張ってほしいものだなぁ………ハッ、(いかんいかん)」

騎士団長「試験場所は王国から西に位置する洞窟だ。地図は試験開始後配布、試験内容は現地で試験官から聞く様に!」

魔剣士「では諸君等の健闘を…祈…る…グゥ…」

騎士団長「魔剣士様? どうかされましたか?」

魔剣士「う…ハッ!? す、すまない騎士団長様、何でもありません」

騎士団長「様はおやめください魔剣士様…大丈夫ならよかった。では、これより試験開始とする! 地図は城門付近の兵士から受け取る様に! では、試験開始!」

開始の合図と共に一斉に試験会場へ向かう500人あまりの新兵達。これが毎年毎年あるから大変だ。
…まあ、昔は俺もその新兵達の一人だったのだが。

騎士団長「あまり顔色が良くありませんが大丈夫ですか?魔剣士様…、いえ、お師匠様。」

魔剣士「その呼び方はおやめください陛下…まったく、他の人にこの会話を見られたら私は恥ずかしいですよ…」

騎士団長「何故ですかお師匠様、別にいいじゃないですか! 正直、俺はお師匠様に感謝してもしきれないくらいお世話になりました…貴方なら騎士団長の座なんていつでも取れた筈なのに、何故魔剣士なんて…」

魔剣士「私はそんなに感謝される様な事、何もしていません…それに陛下は剣の腕がとってもいいのだから、私がいなくたって平気ですよ…! あと、私はあんまり表に出る様な人間ではありませんし、地位なんてそんなに高くない方が気軽でいいんです。」

騎士団長「お師匠様…どうしてお師匠様はそんなに謙虚に振る舞うのですか、もっと、もっとこう、ガツンと言ってくれたっていいんですよ!」

魔剣士「ハハハ…陛下はとてもいいお方なんですから、私から言う事なんて何もありませんよ…」

騎士団長「お師匠様はいつもそうやって僕への返答をはぐらかしますね、まったくお師匠様はもっと堂々としていていいのに…」

この騎士団長、いや、「国王陛下」とは陛下が産まれた時からの付き合いで、昔から俺が陛下の教育係件側近の様な立場にいる。
実は陛下は王子と腹違いの兄弟であり、陛下は事実上元国王陛下の愛人(城のメイド)の子供らしい。それを知った国民からは様々な元国王に対しての不満が飛び交った。
そしてそれを皮切りに元国王陛下が長年に渡る隣国との戦争で未だ平和協定を結ばないとして国民からの不満は増大し、支持は急激に落ちてしまったのだ。
だが国王のお妃である王女様はとてもお優しい方で、陛下が自分の子でなくても育てると宣言し、この国の守り神である歌姫様も陛下には何の罪もないとして王族に迎い入れる事となった。
そして、その時に陛下の教育係として任命されたのが王宮専属魔法剣士として側近を務めていた俺だった。

しかし自分の後継ぎとしては納得しなかったのか、元国王陛下は陛下の後継ぎとしての権利だけは譲らないまま月日は経ち、その4年後に産まれた王子が正当な後継者になったのだ。

しかしそれでも自分の地位を守る為、元国王はなんと王子が5歳になった直後に殺害計画を企てた。

国民からの支持は王子が産まれた事により回復しつつあったが、それでもまだ信頼できる物ではなかった。

若者が王宮兵士を志願しなくなり、王国騎士団も続々と人数が減り、戦争に兵士を送りこめない事により王国は瀕死の状態であって、近衛兵であっても王宮の内部事情に手が回る状態ではなかったのだ。

そして遂に殺害計画は実行に移されてしまったのである。

騎士団長「お師匠様は覚えていますか? 俺が貴方に弟子入りした時の事を…」

魔剣士「弟子入りというかいきなり抱きついてきましたよね…しかも半泣きで」

騎士団長「うっ…」

魔剣士「陛下も、昔と比べたらずいぶんとお強くなられましたよね。昔はやたら王子、王子はどこだ、と王子の事をとてもご心配になられていた。それが今や立場が逆転して王子の方が陛下に懐いていらっしゃる。」

騎士団長「そっそれは王子の身にまた何かあったらと思って…!」

魔剣士「でも今だに王子に甘いところは変わりませんよねー、やっぱり陛下はまだ王子の事が可愛いくt(ry」

騎士団長「えぇい! お師匠様といえどこれ以上は怒りますよ!」

魔剣士「HAHAHAHAHA、やはり陛下はまだまだ子供ですね」

騎士団長「うぅ…まったく、お師匠様は意地の悪い方だ…」

まず、王宮内部の警備は元国王と女王を重点的に警備していた為、子供にはあまり向けられていなかった。そんな手薄な警備の中城を抜け出すなど9歳の少年には簡単なことだ。なので王子が兄である陛下と一緒によく街に遊びにくる事は国民の間では有名だった。

お二人は昔からとても仲の良い兄弟であり、街の人々も心優しいお妃様と歌姫様の加護を受けたお二人をとても可愛がってくれていた。まあ俺はその度にお二人を探す事になっていたのだが…

ちなみに王子の教育係として任命されたのは当時魔導師としていきなり王宮に訪ねてきたアイツだった。

何故かよくわからないが、歌姫様がアイツを気に入ってしまい、そこからの流れで王子の教育係として働く事となったらしい。

そして、お二人が無断で街に出かけている事を知った元国王はこれを利用しようと殺害計画を練っていたらしく、丁度王子が陛下と街で昼食をとっていた最中、陛下が片付をしていた時に不意を突かれ王子が拐われてしまった。

その時一番最初に異変に気づいたのは陛下だった。

陛下は王子が拐われる所を目撃していたらしく、反射的に追いかけてしまったらしい。
俺はそんな事を知らず、また遊び疲れてひょっこり出てくるだろうなどと考えていた。
しかしそんな俺に街の者がこう伝えてくれた。
「陛下が血相を変えて街の外へ走っていった」と

騎士団長「俺、あの時の行動をとても後悔してるんです。でも、でも…、あの時俺が王子を追いかけていなかったら、王子は今頃殺されてしまうかもっと辛い目にあっていたとも思えるんです。」

魔剣士「…。」

騎士団長「俺、あの時なんでも自分でできると思ってた。自分を過信し過ぎていた。だから、貴方にとても迷惑をかけてしまっていた。」

魔剣士「たしかにあの頃の陛下は悪戯大好きでしたねー、勉強サボって私に悪戯してましたね、水風船を上から落としたり小麦粉をベッドにばら撒いたり画鋲を靴の中に入れたり…」

騎士団長「ハ、ハハハ、ハ…(お師匠様目が笑ってない」

誘拐犯は4人グループの男で、いずれも元国王から金を渡されていた。

王子を殺害する目的で雇われていたのに、途中で金になるからという理由で奴隷として売買する予定になったらしい。

その為、犯人グループが自分達の拠点に入ったのが幸いし、陛下が到着した時まだ王子は拘束されていただけで無事だった。

そして陛下は無謀にも王子を助けようとしたがここはやはり大人と子供、あっさり捕まってしまったのである。

そこでなんとか助けに入ったのが俺。

王子は泣いていたが陛下は物凄い勢いで抵抗していたので犯人グループもたじろいでいた。

犯人グループはいきなりドアをぶち破って入ってきた俺に驚いていたが、すぐ体制を立て直し俺に襲いかかってきた。

犯人グループはどうやら盗賊団らしくなかなか素早い身のこなしで俺を翻弄してきた、だが流石に王宮直属の近衛兵がただの盗賊に負けるわけが無い。

自分が不利だと悟った犯人グループは、なんといきなり王子と陛下を抱えて逃げて行ったのだ

流石の俺でも盗賊のスピードには追いつけなかった。

そんな絶体絶命のピンチに颯爽と現れたのがアイツ、魔術師だった。

今まであまり話した事はなかったのだが初めてアイツの魔法を見て驚いたのはよく覚えている。

なんとアイツは何かの呪文を唱えたと思ったら地中から死霊を呼び出したのだ、しかも上級の死霊なのでとても賢い。
あっという間に犯人グループは上級死霊に取り押さえられたのだ。

魔剣士「お前…凄いな…」

魔導師「あら、ありがとうございます。魔剣士さんにお褒めの言葉を頂けるなんて光栄ですわ。」

魔剣士「たしか魔導師…だったよな? 上級死霊を呼び出すなんて普通の人間じゃできないのに…というより、死霊を呼び出す時は力を抑制する魔法陣を書かないと失敗する事が大半なのに呪文だけで呼び出すとは…」

魔導師「あら、私呪文なんて唱えてませんわよ?」

魔剣士「えっ?」

魔導師「ただ、『来い』と命令しただけですの。」

魔剣士「???」

魔導師「さあ、早く王宮に戻りましょう、折角あの兄弟のアレなシーンが見られると思ってましたのに、これでは台無しですわ。さあ死霊、私達を王宮まで運びなさい。ついでにその出来損ないの犯人達も。」

上級死霊「かしこまりましたお嬢様。」

魔導師「さ、帰りましょう?」

これは、俺が王子の側近として魔導師と組むキッカケになった事件でもあった。

魔剣士「いやーあの事件の後たしか陛下がずっと王子の事慰めてたのは覚えてますよ、いやぁ、ずっと王子の頭を撫でてあげてましたよね陛下。可愛いかった。」

騎士団長「お師匠様なんでそんな事まで覚えてるんですか…まあ、あの事件があったからこそ俺は今こうして騎士団長になれてる訳なんですが、どうも複雑ですね。」

魔剣士「それもいい体験だったと思いますよ、まあ終わり良ければすべて良しです…で、魔導師はいつまでそこに隠れてるつもりなんだ?」

魔導師「ゲッ」

魔剣士「お前の気配すごい感じるんだよこっちは…視線が背中に刺さるんだよ!気 配消してガン見するのやめろ!!」

魔導師「何よ、私だって当事者なんだから別に思い出話を聞くぐらいいいでしょ!?」

魔剣士「でもお前上級死霊を城に連れてきたせいで叱られたよな」

魔導師「…。」

魔剣士「というかお前試験の担当者だったろ、早く現地に行けよ…」

魔導師「私はテレポート魔法が使えるからいいんですー、それより貴方だって担当者じゃない」

魔剣士「俺だってテレポート魔法ぐらい使えるんですー! ったく、魔剣士の称号舐めるなよ…それに俺は陛下と一緒に現地に行くの!!」

騎士団長「お、お師匠様その呼び方は…」

魔剣士「陛下は気にし過ぎなんですよ、こんな奴にかまってないでさっさと支度して行きましょう!」

騎士団長「は、はい、じゃあちょっと兵士の名簿をとってきますね、少し待っててもらってもいいでしょうか?」

魔剣士「陛下の部下なんですから、それが私の義務です。急いで転ばない様に気をつけてくださいね?」

騎士団長「お師匠様ちょっと過保護ですよ、では、すぐ戻ってきますので…」


魔剣士「…。」

魔剣士「なんでお前まだいるんだよ…」

魔導師「…貴方、」

魔剣士「なんだよいきなり怖い顔して…いやマジで怖いからどうしたの」

魔導師「貴方、なんで、なんで、どうしてなんですの!? 一体なんなんですか貴方!! どうしてこんなにフラグビンビンなのにどうして、どうして何も進展がないんですの!?」

魔剣士「は?」

魔導師「騎士団長は貴方に少なからず好意を持ってるでしょうよ! 気がつけよ! なんで手を握るだけでもしないんだよ! 貴方どんだけフラグをクラッシュすれば気が済むんですの!?」

魔剣士「あのあのあの」

魔導師「それにさっきの下級兵士! 何故ああまでしてフラグが立たないか! 王子と騎士団長はもう産まれた時からカップル状態みたいなもんなのに! 何故貴方はそんなに進展がないのか! 私には理解し難いですわ!!」

魔剣士「」

ちょっと時間がアレなので今日はここら辺にしてまた書き溜めてきます。お疲れ様でした。

魔導師「本当に正真正銘の期待外れですわね貴方。今まで17年も騎士団長と一緒にいるのにどうしてこう貴方はいつも軽くあしらうのかしら。少しぐらいあざとい事言いなさいよ目覚めなさいよ新たな悟りの境地に立ちなさいよ!!!」

魔剣士「いやいやいや俺陛下はたしかに可愛いと思うけどそれは親として見てる時の可愛いだし、一応俺教育係だしさ、しかもそんな関係になったら俺処刑されるだろ絶対」

魔導師「あら、その可愛いって気持ちは本当に、絶対、正真正銘、マジで、親子的な立ち位置からきているものだと言えますの?」

魔剣士「そう言われちゃうとまあ少しぐらいなら嘘になるかもしれないけどさ…」

魔導師「本当に正真正銘の期待外れですわね貴方。今まで17年も騎士団長と一緒にいるのにどうしてこう貴方はいつも軽くあしらうのかしら。少しぐらいあざとい事言いなさいよ目覚めなさいよ新たな悟りの境地に立ちなさいよ!!!」

魔剣士「いやいやいや俺陛下はたしかに可愛いと思うけどそれは親として見てる時の可愛いだし、一応俺教育係だしさ、しかもそんな関係になったら俺処刑されるだろ絶対」

魔導師「あら、その可愛いって気持ちは本当に、絶対、正真正銘、マジで、親子的な立ち位置からきているものだと言えますの?」

魔剣士「そう言われちゃうとまあ少しぐらいなら嘘になるかもしれないけどさ…」

魔導師「認めたわね、よし、決めた、こうなったら私が意地でも騎士団長を王子か貴方のどちらかにくっつける事にしますわ。」

魔剣士「…?…?!」

魔導師「こうなったら意地でもこの国にホモカップルを成立させてやるわ…いやむしろフラグが立ってる人達全員カップルにしてやりますわ!!!」

魔剣士「お前は一体何を言っているだ」

魔導師「とりあえず貴方は誰とくっつきたいんですの?騎士団長?下級兵士?それとも王子と…!?」

魔剣士「ふざけてないでちょっと俺の話も聞けよ!!」

魔導師「…ッ!」

魔剣士「お前昨日から少しおかしいぞ、いきなりBLがどうのこうの言い出したりして、それに言ってる事も滅茶苦茶だ。もしかして、何かあったのか?」

なんだか書き込みが反映されないのだがこれは時間差なのだろうか(・ω・`)
とりあえず少し後に再開します…

時間がたったら治ったみたいなのでよかったです。
>>36 は誤爆なので気にしないでください

魔導師「…貴方には関係ありませんの。これは好き勝手言ってるだけであって…そうであって…」

魔剣士「もし何かあったなら、俺でいいならでいいんだ、相談に乗るぞ…?」

魔導師「…勝手にすればいいですわ。」

魔剣士「全く、素直じゃないなお前…まあ、それがお前の個性でもあるがな。俺は嫌いじゃないぞ、お前のそんなところ。」

魔導師「…」

騎士団長「お師匠様ー、名簿とってきましたー!」

魔剣士「へ、陛下!(なんとタイミングが悪い時に帰ってきてしまったんだ…)」

魔導師「…魔剣士」

魔剣士「すまないが相談を聞くのは後になりそうだな…」

魔導師「本当は誰にも話すつもりはなかったですけど」

魔導師「貴方にだけは話しておこうかしら。」

魔剣士「えっ、話はまた後でに…」

魔導師「貴方だったら私の秘密、きっと口外しないと信じていますわ。」

魔剣士「秘密?」

魔導師「じゃあ行きましょうか」

魔導師「深い深い地下にある死者の砦、『地獄』に。」

魔剣士「えっ地獄?はっ?ちょっ、えっ、なんだこれ転移魔法!?」

騎士団長「おおおお師匠様!?お師匠一体何処へ!お師匠様!?お師匠様、お師匠様ーーー!!」

ーーー
ーー

魔剣士「うぐっ…んん…イテテテテテ…なんか全身痛いんだけど魔法失敗してないかこれ…」

じゆうな死霊「なんだこいつ、ニンゲンか?」

きままな死霊「ああニンゲンだニンゲンだ。しかも生きてるぞこいつ」

魔剣士「…なんだお前等、俺の顔をそんなにジロジロ見て楽しいか…?」

じゆうな死霊「なんか喋ってるぞ」

きままな死霊「いきがいいな」

じゆうな死霊「食っちまおうか」

きままな死霊「そうしようか」

魔剣士「ちょ、お前らなにすんだよ、ちょ、痛い痛い噛むな噛むな顔を噛むな!!」

じゆうな死霊「なんかコイツ抵抗してるぞ」

きままな死霊「これじゃあ食えない」

じゆうな死霊「どうしたものか」

きままな死霊「どうしたものか」

魔導師「コラー!!あんた達魔剣士に何やってるの!?」

じゆうな死霊「お嬢だ!」

きままな死霊「逃げろ!」

魔導師「逃がさないわよ!大人しくお縄に入りなさい!」

じゆうな死霊「うわっ、魔法」

きままな死霊「これじゃあ逃げられないぞ」

じゆうな死霊「こまった」

きままな死霊「こまった」

魔導師「魔剣士、体は大丈夫かしら?何処も怪我してないですわね?」

魔剣士「怪我はしてないけど全身が痛いわ…お前着地失敗しただろ」

魔導師「あらあっさりバレましたわね。そうですの、人をいっぺんに二人も運ぶのは始めてでしたので、どうやら制御が難しかったみたいですわ。」

魔剣士「魔法失敗たのにお前はピンピンしてるな…」

魔導師「そりゃあ乙女の顔に傷なんてついたら大変ですから、優先的に抜けさせてもらいましたわ」

魔剣士「お前ほんと他人に対する思いやりの心ってのががないよな」

魔導師「ホホホ、気のせいですわ」

じゆうな死霊「きついよー」

きままな死霊「痛いよー」

じゆうな死霊「ほどいてよー」

きままな死霊「謝るからさー」

じゆうな死霊「今ならなんと」

きままな死霊「そこのいきがいいニンゲンをプレゼント」

魔導師「元々コイツは私の物ですわ!勝手に貴方の物にされては困りますの!!」

じゆうな死霊「なんだってー」

きままな死霊「知らなかったー」

じゆうな死霊「ねー」

きままな死霊「ねー」

魔剣士「一体いつから俺はお前の物になったんだよ…なあちょっと全身強打したもんで痛くて起き上がれないから手伝ってくれないか」

魔導師「起き上がれない程の痛みなのによく平気な顔してますわね…ほら、手伝ってあげるから捕まりなさい」

魔剣士「ああ、ありがとう魔導師」

ギュッ

魔導師「…!!」

魔剣士「ん?どうした?」

魔導師「な、なんでもありませんわ! それよりも貴方歩いて大丈夫なんですの?」

魔剣士「ああ、なんとか平気だ。ただ少し体が重いから歩く速度は遅くなると思う。というか、何処か行くのか?」

魔導師「ええ、どうせなら私の実家でお話でもと思いまして。」

魔剣士「お前の実家かー、地獄にあるとかお前何者なんだよもう突っ込みどころが多すぎて突っ込む気にもなれねえよ」

魔導師「ほ、ほらうだうだ言ってないで行きますわよ!!」

魔導師「(今までずっと一緒に居たのに、手を握られたのは初めてでしたわ)」

魔導師「(…手が大きい割にあったかかったですわね…。)」

じゆうな死霊「ちょっとー」

きままな死霊「何処行くのー」

じゆうな死霊「縄ほどいてよー!」

きままな死霊「キツイよー!」

じゆうな死霊「おれたちこのままじゃ動けなくて死んじまうよー!」

きままな死霊「もう死んでるけどー!!」

魔導師「あ、忘れてましたわ。まあ特に害はなさそうですしほどいても大丈夫ですわよね」

じゆうな死霊「やったー!」

きままな死霊「自由だー!」

じゆうな死霊「もう苦しくないぞー!」

きままな死霊「やったー!」

魔剣士「まあ俺の事喰おうとしてたけどさ」

魔導師「あっ」

じゆうな死霊「ちょ、ちょっとちょっとちょっと!」

きままな死霊「また魔法かけようとするのやめて!手を降ろして!」

じゆうな死霊「お嬢の為だったらなんでもするから!」

きままな死霊「するからー!」

魔導師「本当に?」

じゆうな死霊「ほんとだよー!」

きままな死霊「死霊は嘘つかないよー!」

じゆうな死霊「わかんないけど!」

きままな死霊「多分これが嘘だね!」

魔剣士「(こいつらバカだ…)」

魔導師「まあいいわ、新しい小間使いとしてこき使ってあげるから覚悟しなさい」

じゆうな死霊「よかった!」

きままな死霊「一生ついて行きますお嬢!」

じゆうな死霊「もう死んでるけどね!」

きままな死霊「ね!」

魔剣士「お前こうやって死霊集めてたのかよ」

魔導師「まあ交換条件ってやつですわねー、私に逆らったら死んでても死ぬよりキツイ目に合いますから」

魔剣士「怖い…この人怖い!」

魔導師「ほらほら早く私の家に行きますわよ」

じゆうな死霊「行きましょう行きましょう!」

きままな死霊「護衛しますよ護衛!」

魔導師「じゃあほらちょっとこっち来なさい」

じゆうな死霊「?」

きままな死霊「?」

魔導師「ほらこの魔法陣に触れてみなさい」

じゆうな死霊「怪しいけど…」

きままな死霊「触るしかないね…」

じゆうな死霊「ドキドキ…」

きままな死霊「ドキドキ…」

魔剣士「…(ドキドキ」

魔導師「もうじれったいですわね、早く触りなさい!(グイッ」

じゆうな死霊・きままな死霊「「ギャーーーーーーーーーーーーー!?!!?!!」

魔剣士「ーーーッ、お前一体何したんだ!?」

魔導師「私の家には結界が張ってますの。それを超える魔法は意外と魔力の負担が大きいのでこの二人に代行してもらったんですのよ」

魔剣士「お、おいお前等大丈夫か!?」

じゆうな死霊「う~ん、ビリビリビリビリ…」

きままな死霊「魔力がすっからかんだよ~」

魔剣士「一応大丈夫みたいだな…まあ流石に死霊だから死なないとは思うが、よかった」

魔導師「さあ、その二人はほっといてお入りになって、せっかく早く着いたのですから」

魔剣士「へー、これがお前のい…え……??」

魔剣士「家というより城じゃねえか…しかも王宮より大きいんじゃねえのこれ…」

魔導師「大きすぎて移動が大変なんですの、迷わない様にしっかり私についてきてぐださいまし」

魔剣士「お前一体どんな生活してたの?」

魔導師「まあ城の中で不自由はありませんでしたけど、人間界に行くまではあまり外の世界を知らなかったのは事実ですわ。」

魔剣士「お前変な喋り方だと思ったけどお嬢様というかお姫様だったんだな…こりゃやべえわ」

魔導師「さあさあ立ち話じゃなくて客間で話しましょう!お母様はお仕事であまりお家には帰ってきませんの。」

魔剣士「あ、ああ。というよりあいつ等は大丈夫なのか?」

魔導師「ほおっておいても何の問題もありませんわ。さっきの魔法陣に触れた事で私の使い魔になったはずですから、きっと後でついてきますわよ。」

魔剣士「(コイツ一体何人死霊を従えてるんだ…)」

ー魔導師の実家ー

魔剣士「ちょっと広すぎやしねぇか…今まで100部屋はあったけど厨房とか浴槽とかまだ見てないし…ここ何部屋あるんだよ」

魔導師「んー、多分兵士が増える度に増築してますから、正確な数はよくわかりませんわね。あとさっきから見えてる部屋は全部兵士の物ですわ。一部屋100~200人が入ってるとか」

魔剣士「多くね!?お前軍隊でも作ってるの???」

魔導師「ええ、全員お母様の管理してる軍ですけど。天界との兵力差を考えれば普通の兵士は全然足りませんわね。」

魔剣士「そいやぁここ地獄か…スケール違いすぎだろ…というかちゃんと天界もあるんだねこの世界って」

魔導師「当たり前でしょう、私たちが仕えてきてる歌姫様だって天界出身ですもの」

魔剣士「ゑ」

魔導師「知らなかったんですの?全く、何処まで貴方はバカなのかしら。まあ普通の人間…だと思うからまあ知らないのも無理はないかしら」

魔剣士「たしか歌姫様って王国が造られる前からいるって伝承に残ってるけど…ま、マジでそうなのか?」

魔導師「ええもちろん。歌姫様は5818歳、私は8328歳ですわ。」

魔剣士「お前歳上だったんだ…ハハハハ…もうちょっとした事じゃ驚かないわ…」

魔導師「まあ人間からしたら異常ですけど、私達からしたらまだまだ子供ですわ。」

魔剣士「人間の一生って短いんだなぁ…大切にしよ…」

~一時間後~

魔剣士「部屋、部屋、部屋…部屋ばっかだな。」

魔導師「まあこの部屋は今は空いてますけど色々起きたりした時は一斉に兵士が集まるから。」

魔剣士「地獄の軍勢を敵に回したら地上はひとたまりもないんだろうなぁ…」

~二時間後~

魔剣士「景色が移り映えしないな…」

魔導師「まあこれが普通ですわ。

~三時間後~

魔剣士「やっと厨房があったと思ったら今度は厨房ばっかりなんだけど」

魔導師「まあこれだけ兵士がいれば妥当でしょう。」

~四時間後~

魔剣士「…。」

魔導師「…。」

~五時間後~

魔剣士「魔導師…俺はもうダメだ…もう歩けん…治癒魔法で痛みを抑えてたが歩き詰でもう体力的にも無理だ…まさか部屋に行くだけでこんなになるとは思ってなかった…」

魔導師「あら、疲れたなら疲れたと早くおっしゃればいいのに。私久しぶりに帰ってきたものですからただ家の中が変わっていないかチェックしていただけですのよ?」

魔剣士「!?」

魔導師「じゃあ客間にでも行きましょうか。」

魔剣士「お前さ…転移魔法で行けるなら早く言ってくれない…?俺死にそうになりながら頑張ってたんだけど…」

シュンッ

魔導師「あら?何か言いました?ごめんなさいね気がつきませんでしたわ。さ、着きましたわよ。」

魔剣士「( ?Д?)」

魔導師「何ですかその顔、変顔にしても面白くないですわよ」

魔剣士「俺こいつとこのまま一緒にいたら絶対早死する気がする」

ー客間ー

魔剣士「客間広いなー、俺の部屋の200倍ぐらいあるなー」

魔導師「ちょっと待っててくださいまし、お紅茶でも淹れてきますわ」

魔剣士「あ、すまないな、ありがとう。」

魔剣士「ふー、やっと休める…何故こんなところに連れてこられたのか…」

魔剣士「それにしても地獄ってのは暑いなやっぱ、暑いというか熱いに近い物がある…」

魔剣士「…」

魔剣士「こんなとこに8548年…いや9000年だっけ?とにかくそんな長い間いたのか…」



魔剣士「…、誰かいる?」

何かの気配がする。その気配はこちらが身構える前に俺の後ろに回り

そして俺の首元に鋭いレイピアを突き立てた。

魔剣士「!!」

???「貴方は誰…?私の可愛い娘に手を出した哀れな魂は…」

魔剣士「お前こそ一体誰だ…まず自分から名乗るのが筋じゃないか?」

???「あら、随分面白い事を言いますのね? 私面白い人は嫌いじゃありませんの。」

???「だけどね? 貴方は私の娘に手を出した。…残念ですけど、人の宝物を盗みに入る様な奴は」

???「大嫌いですの」

魔剣士「…ッ!」

魔導師「ママ!!?」

???「ま、魔導師ちゃん!?」

魔導師「ちょっとママ! 私のお客様に一体何してるの!?」

???「えっ、魔導師ちゃんのお客様だったの? これは失礼したわ…」

魔剣士「あ、いや、大丈夫ですお構いなく…(あぶねぇ…太刀筋に迷いがなかったよ…首斬り落とされるかと思った…)」

魔導師「もう…ママが私の事心配しすぎるから私地上に行くまでお友達が一人もできませんでしたのよ?」

???「だって魔導師ちゃんが変な事されたらと思うと…」

魔導師「おかげでこの方に会うまで私の周りには召使いの死霊しかいませんでしたわ。」

???「まあ…知らなかったわ…じゃあこの方は魔導師ちゃんのお友達?」

魔導師「ええ、そうですわ。」

魔剣士「一応俺はお前の上司だぞ…」

魔導師「まあいいじゃないですの」

???「お友達に大変な事をしてしまったわね、ごめなさい、私もちょっと熱くなりすぎたわ。ところで貴方のお名前は?」

魔剣士「あ、俺は魔剣士と申します。一応魔導師さんが仕えてる王宮で相方として働いてます…」

???「魔剣士さん、宜しくね。私は死霊の管理を全て任されている者であり地獄の統治者。女神ハデスですわ。」

魔剣士「ハ、ハデス!? ハデスってなんか歴史書とか童話に出てくる地獄の女神ハデス!?」

ハデス「ええそうですわ。地上では悪役として扱われてるみたいですけど。まあ当たりっていっちゃ当たりですわね。」

魔導師「ママ、ちょっと私この人とお話がありますので少し席を外してもらえます?」

ハデス「まあ私抜きでなんの話をしようとしてるのかしら。まさか、あんな話しやこんな話を…!?」

魔導師「違いますわ!期間も残り少ないですし、最後に色々と伝えたかったんですの。」

ハデス「あら…まだ此所に戻る気ではなかったんですのね。てっきり早めに帰ってきたのだとばかり。」

魔導師「まだ終わってませんわ。期限までは後2週間もありますもの。私は諦める事なんてしない主義ですの!」

ハデス「よくぞいいましたわ!! その心意気や良し! 流石私の娘ですわ!! でも後2週間で、国を変えるなんてできまして? もう結婚するのは決定ですわね! オーッホッホッホ!!」

魔剣士「魔導師が結婚?」

ハデス「まあ精々最後まで頑張ってくださいまし! オーッホッホッホ!!…」ガチャ

魔導師「…」

魔剣士「お前…結婚する…のか?」

魔導師「ええ…まあ期限までに目的を果たせばいいのですけど…」

魔剣士「目的ってなんだ…?」

魔導師「私の誕生日…8329歳の誕生日までに地上の国に大きな変化を起こす事。」

魔導師「それができなければ…私は強制的にお見合いをさせられてそのまま結婚させられてしまいますの」

魔剣士「国に大きな変化を起こすって、例えば何をするんだ?」

魔導師「まあそうですわね、直接自分がやるのではなければ暗殺とか、戦争を起こすとか」

魔剣士「もうちょっと平和的なのないのか?」

魔導師「後は…政略結婚を破棄させる事。」

魔導師「てっとり早やく言えば王子を許嫁意外の人とくっつければいいんですの。」

魔剣士「あー、それで」

魔導師「そう、それを一番確実に起こせる方法、それは」

魔導師「『王子と他の異性ではない誰かを一緒にさせる事』ですわ」

諸事情で3日程携帯を触れなくなるので更新がストップします。
また3日すれば戻ってくるのでその時はまた宜しくお願いします。

お待たせいたしましたやっと帰ってきたので投下を再開したいと思います

魔剣士「でも許嫁意外と結婚させるんだったら別に異性でもよくね?」

魔導師「いえ、それではもし妃が死んだ時に再婚するとなってしまったらその時は許嫁と結婚する事になってしまいますわ」

魔剣士「あー」

魔導師「ですから同性と恋愛させてしまえば…ねぇ?」

魔剣士「お前時に恐ろしい事言い出すよね」

魔導師「一体何の事ですの??」

魔剣士「あ、なんでもないです」

魔剣士「でも一応俺達王国を護る為に仕えてる訳だし…あんまり秩序を乱す様な事をするってんなら見逃しておけないぞ」

魔導師「まあまあちょっとお待ちなさい…とりあえず平和的に解決すればいいんでしょう?」

魔剣士「それはまあそうだが…」

魔導師「なら相手から婚約を取り下げさせればいいんですのよ!」

魔剣士「それ平和的じゃないね!? それやっちゃったら国際問題だね!?」

魔導師「うふふ、それが意外と平気かもしれませんの」

魔剣士「大丈夫って一体どういう事だよ」

魔導師「実は婚約の契約は前国王が勝手に決めた物なんですの。一応王子だけは許嫁の事として聞いてますけれど、相手側はきっと了承してないはずですわよ。」

魔剣士「つまり?」

魔導師「つまり、許嫁側は王子との結婚を了承していない。その証拠さえ手に入る事ができたらきっと婚約は破棄になりますわ!」

魔剣士「そんでさ、なんでそんな国家機密をお前が知ってるの?」

魔導師「ああ、それなら前国王から直接聞きましたわ」

魔導師「もちろん死霊となった前国王ですけど」

魔剣士「…処刑された後か」

魔導師「まあ王国も帝国もあの時はとんでもない事をしでかしてくれましたわねー、今はとりあえずお二人共重罪なのでお母様の管理下ですけど。」

魔剣士「まあそれだけ情報があればやれるんじゃないかな、王国の革命」

魔導師「革命って程でもないですけどね」

魔導師「でもこれって貴方的にはあまりよろしくないお話なんじゃないですの?」

魔剣士「んー…まあアレだよアレ、流石に嫌がってる許嫁と王子を無理矢理結婚させてもなんか後味悪いじゃん」

魔剣士「だからその…俺も一緒に手伝う」

魔導師「…!」

魔剣士「か、勘違いするなよ、俺は王子と許嫁のお方が不幸にならない様にする為にやるんだ! その後は協力しない! わかったか!?」

魔導師「うふふ、わかりましたわ!」

魔剣士「おいやけに嬉しそうな顔をするな! や、やめろ! お前の欲のない笑顔とかあんま見た事ないからやめろ!」

魔導師「やっぱり貴方にお話を聞いてもらって正解でしたわ、私はきっと貴方が私に協力してくれると思ってましたもの」

魔剣士「やっぱりお前との縁は切っても切れないし…というかやっぱ最初から明確な目的があったんだよなやっぱなんか冷めた」

魔導師「ちょっと! 一度協力すると言ったのですからしっかりお手伝いしてもらいますわよ! それに許嫁と結婚できないとなったら王子は多分多少なら落ち込みますし、その隙に騎士団長と接近させるのもアリですわ」

魔剣士「本当お前よく考えてるよな…」

魔導師「まあ私自身王子と騎士団長ならすごく美味しいですし」

魔剣士「お前もう黙ってよう」

魔導師「そうと決まったら早速地上に戻りまs(ガチャッ

ハデス「魔導師ちゃーん!! 一緒にケーキ食べない!?」

魔導師「ママ!! 部屋に入る時はノックしてっていっつも言ってるでしょ!?」

ハデス「おほほほごめんなさいね、久しぶりにヴァルキリアが天界のパティシエが作ったケーキ持ってきたものだから舞い上がっちゃって…」

魔導師「あらヴァルキリア様g(魔剣士「ヴァルキリア!?」ガタタッ

ハデス「あら魔剣士さんまだいらっしゃったのね。お茶もお出しできなかったし一緒に頂きませんこと?」

魔剣士「ヴァ、ヴァルキリアってあの冥府の管理者って言われてる戦女神ヴァルキリア様ですか!?」

ハデス「えっ、ええ、そうよ、確かに冥府の管理はしてるし女神ですわね。」

魔剣士「あ…ああ…本物のヴァルキリア様がここに…」

コンコンッ

ヴァルキリア「ハデス…入っても大丈夫か…?」

ハデス「あらごめんなさい! お入りになってもよろしくてよ」

魔導師「じゃあ紅茶でめ淹れてきm(魔剣士「俺が淹れてきます!!」ダッ

ハデス「あら、頼もしい子じゃないの」

魔導師「(あの野郎2回も喋ってる途中で乱入してきやがって…後で仕返ししてやりますわ…!」

声出てるよ-

魔剣士「お待たせいたしましたヴァルキリア様! 紅茶を淹れてきました!!(なんだかさっき殺気がした気がする)」

ヴァルキリア「うむ…? 君は…何処かで会った事があっただろうか? 人との出会いは大切にしているのだが、どうも忘れっぽくてな…」

魔剣士「いえ、お初にお目にかかります魔剣士と申す者です!」

ヴァルキリア「そうか、君とは初対面か。では今回の出会いにも感謝しなければな。」

ハデス「なんだかやけにハキハキし始めましたわね…もしかして魔剣士さんはヴァルキリアの事を知っていましたの?」

魔剣士「ええもちろん。一応他にも武神様はいますが王国の騎士達の憧れはなんといってもヴァルキリア様ですからね! 人気No.1ですよ!」

ヴァルキリア「君は地上の出か? 王国の事は歌姫を通じてよく知っているよ。少し前までは戦争を起こしてしまっていたみたいだが王子と騎士団長が頑張って解決したと伺った。」

魔剣士「ハイ! 王子が王位継承者として王国を動かす様になってからは平和な毎日が続いていますよ! 騎士団長様も民の事をとても気遣っておられますから、建物の復帰なんかも順調に進んでいます。」

ヴァルキリア「そうだったのか…それを聞いたら二人の母も安心するだろうな。ありがとう魔剣士殿。」

魔剣士「そんな、俺には勿体無いお言葉です」テレテレ

魔導師「…チッ(面白くねぇですわ…)」イライライライラ

>>69 ほんとだ出てたスマソ

魔剣士「そういえば、歌姫様とヴァルキリア様はご友人か何かなのですか? ヴァルキリア様のお話は昔から歌姫様に伺っておりますので…」

ヴァルキリア「そうだな、彼女とは長い付き合いだ…いつの間にか彼女の監視係にされていたからな。まあとても優しくていい子だよ。ただ力があり過ぎるんだ、ちゃんと護ってやってくれ…」

魔剣士「王国の騎士の一員として命に変えても歌姫様はお護りする所存です!」

ヴァルキリア「君は頼もしいな…」

魔導師「…。」

魔剣士「ヴァルキリア様は天界で何を…」

ヴァルキリア「天界では戦士達を鍛えて…」

魔導師「(なんで、どうして)」

魔剣士「それは凄く…」

ヴァルキリア「そうだな、確かに…」

魔導師「(どうして)」

魔導師「(どうしてアイツが私以外の人と楽しく喋ってると)」

魔導師「(こんなに苦しくなるの…!?)」

魔導師「(きっとさっきの事でイライラしてるから! そう、きっと、きっとそうですわ…!)」

魔導師「(そうだわ…アイツが持ってる熱々のお茶全部ぶっかけてやりましょう!)」

魔導師「(暑いとか言っていつの間にか薄着だし…憧れの人の前で服透かして辱めてやろうかしらね…)」

魔導師「おおっとつまずいてしまいましたわ!! ごめんあそばせー!!」

魔剣士「ッ魔導師!?」

ヴァルキリア「危ない!」

ガッシャン!

ハデス「ちょ、ちょっと貴方達!? 怪我はない!? 大丈夫ですの!?」

ヴァルキリア「大丈夫、カップは割れたがなんとか二人とも回避させた。多少お茶はかかってしまったがな。」

魔導師「うぐ…」

魔剣士「おい…魔導師」

魔導師「あ…」

魔剣士「…大丈夫だったか」

魔導師「…ッ!!」

魔導師「ちょ、ちょっと! 私の上からどいてくださいまし!」

魔剣士「あっ…すまない」

魔導師「…いきなりぶつかってしまって申し訳なかったですわ。貴方こそ大丈夫でしたの?」

魔剣士「ああ、ヴァルキリア様が避けてくれたから大丈夫だ」

魔導師「それは…よかったですわ」

ハデス「ヴァルキリア大丈夫? 熱くなかった?」フキフキ

ヴァルキリア「ああ大丈夫だ。私は甲冑を着ているしあまり液体は体に触れないからな。」

ハデス「おかげで拭くのも楽ですわ、結構シンプルな形ですし…」

ヴァルキリア「…」

ハデス「胸の辺りも汚れが真っ直ぐ落ちてくれるから…あっ」

ヴァルキリア「(・ω・`)」

ハデス「あっ…あっ…ヴァルキリアごめんなさい別に悪気があって言った訳じゃないんですの…」

ヴァルキリア「大丈夫だ…慣れてるから…」

ハデス「あの、本当にわざとじゃないんですの、あの、あのっ」

ヴァルキリア「お前の大きさからしたら…私の…私のこんな貧相な胸など…」

ハデス「ご、ごめんなさい! お詫びに何か言う事聞きますから! ね?」

ヴァルキリア「ホントに…?」

ハデス「ホントにホントですわ! だからお願いそんな悲しい顔をしないで…」

ヴァルキリア「じゃあ…昔みたいにまたあーんってしてくれるか…?」

ハデス「え?」

ヴァルキリア「小さい頃私が怪我して利き手が使えなかったから、食事の時お前に食べさせてもらっていたのが嬉しくて…」

ハデス「あ、あれは…」

ヴァルキリア「ダメ…なのか?」

ハデス「も、もう! しょうがないですわね!今回だけですわよ!! まったく…///」

ヴァルキリア「ふふふ、じゃあほら早く早く…」

ハデス「うぅ…もう!///」

魔導師「」

魔剣士「」

魔導師「…早いとこ帰りましょうか」

魔剣士「ああ…そうだな…」

魔導師「まっひゃくひどひめにあひまふぃたわ」モグモグ

魔剣士「あれはお前がいきなり倒れかかってきたから危ないと思ってだな」

魔導師「おひょめのうえにうまのりふぃなるなんひぇひぃひょうひぃきしゅぎまひゅ!!」モグモグ

魔剣士「だから悪かったって」

魔導師「もっひょはんひぇいの意をしめひてほしいでひゅわね!」

魔剣士「お前さっきから何食ってんだよ物を食べながら喋るなよ」

魔導師「あらひひゅれい(ゴクン)久しぶりに天界のケーキなんて食べたものですから美味しくて」

魔剣士「お前ケーキ持ってきてたのか、食い意地だけは張ってるよな…」

魔導師「なによ…アンタだってヴァルキリア様にあんなにベタ惚れだったくせしてよく言えます事。」

魔剣士「あ、あれはちょっとテンション上がっちゃっただけだ!」

魔導師「ふぅーん?」

魔剣士「う…うぐ…」

魔剣士「そのケーキ…美味かったのか…?」

魔導師「もちろんですわ、天界のパティシエが全ての素材にこだわって作ったケーキですもの。天界では予約100年待ち、店舗に行っても1分で完売する超人気商品! 地上のケーキなんかと比較しないでいただきたいですわね。」

魔剣士「…!! そ、そもそもお前甘い物食べ過ぎなんだよ、この前厨房であまってたホールケーキ丸々一個食ってたし、しかも紅茶に角砂糖8個も入れてるの知ってるんだぞ」

魔導師「アナタよく見てますわね…ぐぐぐ…」

魔剣士「そんなに食べると太るぞ」

魔導師「…いいですもの後で運動すればー、あなたの分のケーキも持ってきていましたけどやっぱり私が食べますわねー」

魔剣士「お、おいちょちょちょちょっと待てって」

魔導師「あーん」

魔剣士「話せば、話せばわかる…! 待て!! やめて!! おい!!」

じゆうな死霊「お嬢ーーーーー!!!」

きままな死霊「探しましたよーーーーー!!!」

魔剣士「あ、そいやいたな忘れてたこいつら」

魔導師「あなた達来るのが遅いですわ!! 小間使い失格ですわよ!!」

じゆうな死霊「だってー」

きままな死霊「こんなに広いと思わなかったんだもんー」

魔導師「はぁ…この死霊は転送魔法を使う事もわからないのかしら…」

じゆうな死霊「あ、お嬢が持ってるのってケーキ?」

きままな死霊「おれたち頑張ったからご褒美に…!?」

魔導師「え?」

魔剣士「は?」

じゆうな死霊「お嬢…なんて優しいお方なんだ…!! うぅ…」

きままな死霊「それじゃあお嬢のご好意に甘えて…」

じゆう・きままな死霊「いただきまーす!!」

魔導師「あ、ちょ、ちょっとちょっと!?」

パクッ

じゆうな死霊「…。」

きままな死霊「…。」

じゆう・きままな死霊「うんめぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

魔導師「あーあ」

魔剣士「」

じゆうな死霊「うめぇ、うますぎる!!」ガツガツ

きままな死霊「おれこんなもん食った事ねぇよ!!」ガツガツ

魔導師「そんなに食べてたらあなた達もう助からないですわね」

じゆうな死霊「え?」

きままな死霊「え?」

魔導師「天界のケーキなんですから、少なからず天界の味付けになっていますし。使ってる小麦は聖水で育てたれた聖なる小麦粉、クリームだって牛乳の時点で清められていますわ」

魔導師「まあ下級死霊程度でしたら浄化してしまうでしょうね」

じゆうな死霊「いやだぁぁぁぁぁおれまだ死にたくないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

きままな死霊「もう死んでるけど浄化はいやだよぉぉぉぉぉぉぉお嬢助けてぇぇぇぇぇぇぇ!」

魔導師「私にも助けるのは無理ですわ、体内に入ってしまっているのですもの。腹を割って解体するしか…」

じゆう・きままな死霊「「もっとやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

魔導師「じゃあ大人しく浄化される事ですわね」

じゆうな死霊「う…グスッ…なんか体が光り始めた…」

きままな死霊「おれたち浄化されちゃうのか…」

じゆうな死霊「貧相だったけど、死霊生活楽しかったよな…」

きままな死霊「そうだな…ああ、光がどんどん強くなりはじめた…!」

じゆうな死霊「なあ、おれたち次に生まれ変わってもまた一緒にいられるよな…?」

きままな死霊「当たり前だろ相棒…!」

じゆうな死霊「ああ、光が全身を包み込んできた…!!」

きままな死霊「とうとう地獄ともお別れか…グスッ」

魔導師「う、眩しい…結構強力ですわねこれ…」

魔導師「でもこれだったら聖なる力が上回って浄化じゃなくて…」

魔導師「天使になるかもしれませんわね」

魔剣士「俺のケーキが…」

じゆうな死霊?「う…」

きままな死霊?「な…」

じゆう・きままな死霊?「なんだこれぇぇぇぇぇぇ!?」

じゆうな死霊?「お、おれ天使に、天使になってるぞー!?」

きままな死霊?「おれもだ! なんだこれ!! スゲぇ!!」

魔導師「やっぱり天使になってしまったんですわね、これで管理がめんどくさくなりましたわ! もう!」

じゆうな天使「羽生えてる! 飛べる! やべえ!!」

きままな天使「なんか白い! しかも生きてた頃の姿に戻ってるっぽい! すげぇ!」

魔導師「死霊と違って天使は相手の魂を糧にする必要がないですからね。別に容姿が怖くなくてもいいからきっと戻ったんですわ」

じゆうな天使「やったぁぁぁ!おれこれならまたちゃんとした生活おくれそう!!」

きままな天使「おれもこれなら立派な枕で寝ても汚さなさそう!!」

魔剣士「ケーキ…」

魔導師「天使は私の管轄外ですわ…なかなか面倒な事になりやがってくれましたわね」

じゆうな天使「お嬢ありがとう!!」

きままな天使「これでおれたち転成も夢じゃない!!」

魔導師「あら転成なんて私が許しませんわ。転成しそうになったら私の特製お菓子でまた死霊に戻してやりますからね!!」

じゆうな天使「えーお嬢酷い…」

きままな天使「怖い…」

魔導師「怖くて結構。私は地獄の女神の娘なんですのよ!? あー…天使なんてあまり接した事がないですからよくわかりませんわね…」

魔剣士「グスッ…」

魔導師「でも一応また度の過ぎた悪戯なんかをしでかすと容赦無く堕天させられますから。堕天したらまた死霊へ戻る日も近くなりますので覚えておいてくださいまし」

じゆうな天使「えー、悪戯できないの」

きままな天使「せっかく高いところに手が届く様になったのにそれじゃあつまんないよー」

魔導師「聖なる力はあまり得意ではありませんの。だから体の管理はキチンとあなた達だけでお願いしますわね、じゃないと次は本当に浄化させるわよ!! わかった!?」

じゆうな天使「ひぃぃぃ! わ、わかりましたぁぁぁぁ!」

きままな天使「ひぇぇぇぇ!!」

魔剣士「うっ…ぐす…」

魔導師「アナタ一体いつまで泣いていらっしゃいますの?」

魔剣士「だって…100年待ちだし…ヴァルキリア様が買ってきてくれたケーキだし…えぐっ…」

魔導師「あーもーうだうだうだうだ貴方は悲劇の乙女ですの!? もっとシャキッとしなさいシャキッと!! 大体ケーキぐらいで男が泣くんじゃありません!!」

魔剣士「うん…ごめん…ケーキ…天界のケーキなんて初めてだから…食べたかったんだよ…」

じゆうな天使「魔剣士のケーキだったのかアレ…」

きままな天使「うー…ご、ごめんな…」

じゆうな天使「おれたちも食べたかったたら、つい…そんなに食べたかったなんて知らなかったんだ…」

きままな天使「反省してるよ…」


魔導師「ほら、こいつらもこう言ってますし許してあげてくれませんこと…?」

魔剣士「うん、ありがとう…そうだよな、ケーキ一つぐらいで泣くなんて男としても騎士としても情けないよな…!」

魔剣士「それに俺は魔導師のケーキの方が食べたいし…」ボソッ

魔導師「…ほら、早く地上に戻りますわよ、試験なんですから」

魔導師「それと、試験が終わったらケーキ作りの手伝いをしてもらいますからね! 覚悟しておいてくださいまし!」

魔剣士「…ああ覚悟しておくよ」

魔剣士「というか、こっちに来てから何時間も経ってるけど大丈夫なのか?俺達試験官としての役割も持ってるからやばくね? 現地大混乱じゃね?」

魔導師「ああ、そこらへんは大丈夫ですわ。実は時空間をいじって地上の経過時間は半分程にしてありますの!」

魔剣士「俺達がここにいたのってどれぐらい?」

魔導師「ざっと6時間ぐらいですわね」

魔剣士「試験会場に着くまでの時間は?」

魔導師「休憩を挟んで3時間ちょっとですわね」

魔導師「あっ」

魔剣士「これ急がないとやばいよね? アウトだね? 完全にアウトだね!?」

魔導師「ととととにかく帰りましょう! そして早急に会場に向かいますわよ!!」

じゆうな天使「お嬢どこ行くの?」

きままな天使「会場ってなにー?」

魔導師「ええい、あんたたちもしょうがないから一緒に行きますわよ! …転移魔法!!」

ーその頃地上ではー

騎士団長「お師匠様遅いなぁ…本当に地獄にいっちゃったのかなぁ」

騎士団長「馬を走らせても1時間半はかかるし…しょうがない、王子に送ってもらうしかないか…」

騎士団長「おーい、王子ー、王子ー」

騎士団長「あれぇ…? 部屋にもいないなぁ…今日は試験だったから予定も無いはずだし、歌姫様にお言いつけを貰った訳でもなさそうだし…」

騎士団長「もしかして城下町で兵士の見送りでも行ってそのまま遊んでるとか? うーん、なんにせよ王子がいないとなると…困ったなぁ…」

ドカーーン!!!

騎士団長「!? 今の音はお師匠様が消えたところから聞こえた?」

騎士団長「か、帰ってきたのか…?」

魔剣士「ぐえぇ…」

じゆうな天使「うえぇ…」

きままな天使「ふえぇ…」

魔導師「ふー、なんとか成功ですわね!」

魔剣士「なんとか成功ですわね!、じゃねえよ!! これ明らかに失敗してるだろ!!早く上から降りろ!!」

じゆうな天使「お、重い…」

きままな天使「お嬢早く降りて…」

魔導師「なっ、レディに対して重いだなんて! 失礼しちゃうわ!」

じゆうな天使「はー重かった…」

きままな天使「重かった…」

魔導師「(ギロリ)」

じゆうな天使「ヒイッ!!」

きままな天使「すいませんでした!!」

魔剣士「陛下は…流石にもう行ってしまっただろうか」

騎士団長「お師匠様ー!!!」

魔剣士「あれ!? 陛下!?」

騎士団長「よかった…! もう帰ってこないんじゃないかと思いましたよ!!」

魔剣士「すみません陛下ご心配をおかけしてしまって…新兵達がまだ会場に着いていなければいいのですが…」

騎士団長「とにかく早く会場に向かわないと…魔導師さん、お願いできますか?」

魔導師「ええもちろん、全速力で行きますわよ!」

じゆうな天使「えー、せっかく来たのにまた移動?」

きままな天使「つまんなーい」

魔導師「だまらっしゃい!!」

騎士団長「(王子、一人で置いて行っちゃって大丈夫か…?)」

騎士団長「(まあ、王国内だったら近衛兵もいるし…大丈夫かな)」

ー少し前 移動中新兵グループー

新兵A「あー、やっと休憩だぁぁぁぁ」

新兵B「移動で3時間…しかもちゃんとした装備だから重たいしキッツイよなー」

新兵C「僕軽装がいいんだよねぇー、まったく、こんな重っ苦しい装備じゃ女の子に自慢の顔も見せられない!」

新兵A「お前どんだけカッコつけたいんだよ…まあ兜は重いし息苦しいし、たしかに外して歩きたいな」

新兵C「騎士団長も兜つけてないし、魔剣士とかいうやつも胸当てだけの軽装。なんで僕らはこんな重装備なんだよ不公平だよ!」

新兵A「まあ身を守る為の装備だけど…たしかにコレはキツイもんなー」

新兵B「お前はどう思うんだ?D。」

新兵D「えっ、えっ!?ボ、ボクは…えっと…あの…」

新兵A「やっぱお前も鎧に兜はキツイと思わないか?」

新兵D「ボクは…」

新兵C「というかDは兜ぐらい取りなよ、訓練中は全員兜で顔よく見えないからできるだけ大体のヤツの顔見てみたいし、何より蒸れるから髪によくないよ?」

新兵A「お前ほんとオシャレだけには気を使うよな…」

新兵D「あ、えっと、ボクはこのままで大丈夫ですので…」

新兵A「そんな堅苦しい事言うなよー、俺ら仲間なんだし! ホレ!」グイグイ

新兵D「ひゃあ!?」

新兵D「う…うぅ…」

新兵B「お前…」

新兵A「女…?」

新兵D「えぇ!? ボクはれっきとした男ですよ!?」

新兵C「こんな綺麗な金髪見たことない…」

新兵A「お前ほんとに男なの? 女の子にしか見えないんだけど??」

新兵D「ボクのどこが女の子に見えるんです!?」

新兵C「マジで? 男? 女の子だったらガチで付き合いたいんだけど?」

新兵D「だってボク男用の鎧を着てるんですよ!? それに女騎士志望の方は皆さん女性用の鎧なんですから…」

新兵B「だが女性用の物は胸の部分にゆとりがあるという事ぐらいしか違いは無い。もしかしたら胸の無い女性という可能性もあるだろう?」

新兵A「確かに…」

新兵C「胸の無いレディ…」

新兵D「皆さん何を言っているんですか!? ボクは本当に男です!!」

新兵A「でももしお前が女の子だった場合…」

新兵C「僕らが守らないと…」

新兵B「口を割らないのなら、アレを確認するしかあるまい…」

新兵A・B・C「「「…………ゴクリ」」」

新兵A「Dはその…あ、アレはついてるのか?」

新兵D「アレ?」

新兵C「その…なんて言うか…バナナ?」

新兵D「バナナ?バナナがどうかしましたか?」

新兵A「あ、えっ、えっとあのさDってバナナ好き?!」

新兵D「え? バナナですか? 好きですよ~! 甘くて美味しいですし、よく朝食の時に食べてます!」

新兵C「じゃっ、じゃあ! スライスしたバナナとまるごとの太いバナナ、どっちが好きなんだい?!」

新兵D「うーん…スライスしたバナナはよく朝食に出てきますが、まるごとはあまり出てこないのでまるごとのバナナの方がいいですかね?」

新兵A「(これじゃわかんなくね?! 普通にバナナの事聞いてるだけになっちゃったけど?!)」

新兵C「(だって! 僕の口からそんな、ひ、卑猥な言葉を言うのはちょっと…!)」

新兵B「バナナカット(物理)」

新兵D「oh…」

新兵A・C「(あっ、男だ)」

新兵A「ごめんごめん…いきなり変な事聞いて悪かったよ…兵士ってどうしても男ばっかになるからさー…」

新兵C「たまには女の子も来て欲しいよねほんと。むさ苦しくてたまんないよ!」

新兵D「でも、騎士の皆さんはかっこいいですよね! 女騎士さんもいいですが、ボクはやっぱり騎士団長みたいになりたいです!!」

新兵A「そうだよなー、やっぱ騎士自体がかっこいいよな…俺らその騎士目指して今こうやって頑張ってるんだし、絶対合格しねぇと!!」

新兵C「この試験さえ受かれば後は薔薇色の人生…!! よーし頑張るぞ!!」

新兵B「お前も休憩中だったのに悪かったな。ほらバナナでも食って元気出せ」

新兵D「あ! やったぁ! ありがとうございます!! もっきゅもっきゅ…」

新兵D「…美味しい!!」パァァ

新兵A・B・C「「「(可愛い)」」」

リーダー的な新兵「おーい、お前らー、もう休憩終わりだぞー早く準備しろー」

新兵A「もう終わりかよー、そいや飯もないんだよなこの試験!」

新兵B「まあ騎士になってから実戦となると、きっとこれ以上に厳しいんだろう。」

新兵C「うわぁそれマジキッツー…」

リーダー的な新兵「ほらそこ早く準備しろよー!!」

新兵D「皆さん、きっと会場はもうすぐですよ、頑張りましょう!」

新兵A「ああ! さあ気合いれて行くぞー!」

新兵一同「「「「「おーっ!!!」」」」


ー魔導士一行 会場前ー

魔導士「ふーっ、なんとか成功ですわね!」

騎士団長「やはり魔導士様は腕がいいのですね」

魔導士「うふふ、それほどでも~あるかしら! オーッホッホッホッホッ!!」

「………ぁぁあああ」

魔導士「あら? 魔剣士達は?」

「……あああああァァ」

騎士団長「…魔導士様!! 上! 上!!」

魔導士「え?」

魔剣士と天使2人組「うわぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

魔導士「え」

騎士団長「お師匠様…!? ま、魔導士様!! 空からお師匠様が!!」

魔剣士「なんで俺はいつもこうなるんだぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

じゆうな天使「びぇぇぇぇぇん!! 折角天使になったのにまだ死にたくないよぉぉぉぉぉ!!」

きままな天使「もう死んでるけどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

魔導士「流石に5人はきつかったんですわねー…あー、しょうがない」

魔剣士「そうだ! おいお前ら飛べるんだったら俺ごと減速ぐらいならさせられるんじゃね!?」

じゆうな天使「そうか!! なるほど!!」

きままな天使「お前頭いいな!!」

じゆうな天使「じゃあ魔剣士をつかんで…」

きままな天使「よいしょっ…と…」


魔剣士「…かわんなくね?」

じゆうな天使「やっぱ無理ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

きままな天使「重すぎるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

魔剣士「なんだと!? うわぁぁぁぁぁぁぁ魔導士どうにかしろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

ちょっと忙しくて更新できていませんでしたが、また再開します。
これまで通り遅めのペースではありますが、もう少しお付き合いいただけたら幸いです。

魔導師「私浮遊魔法とか使えませんし…やっぱしょうがないですけど頼るしかないですわね」

じゆうな天使「もうダメだぁぁぁぁ!」

きままな天使「落ちるうぅぅぅぅぅ!」

魔剣士「クソッ…!」

騎士団長「お師匠様ーーーーっ!!!」

魔導師「遅いですわよ、早く来なさい、執事風情が。」


魔剣士「ぐっ…」

じゆうな天使「うぅ…」

きままな天使「あれ…?」

執事死霊「お待たせ致しました、お嬢様。」

魔導師「やっと来ましたわね、前呼び出した時より3.7秒遅かったですわ!」

執事死霊「それは失礼致しました…以後気をつけます」

魔導師「貴方の事ですからまた掃除やら料理の仕込みやらやっていたんでしょう? まあいいですわ、ご苦労様」

執事死霊「流石、お嬢様は感が鋭いお方ですね…料理長のお頼みで料理の味付けを見ていました。お嬢様のご期待に添いかねた無礼を御許し下さい。」

じゆうな天使「すっげえ、本物の上級死霊だ…」

きままな天使「初めて見た…」

騎士団長「これは…一体…」

魔剣士「あ…うあー…あ? あれ? なにこれ助かったの?」

魔導師「さ、貴方はこの1人と2匹を置いたら帰っていいですわよ。多分また呼び出すと思いますから、3時間ぐらいは即座に対応できる様になさい」

執事死霊「…御意」

魔剣士「うおっ!?」ドサッ

じゆう きままな天使「ひゃう!?」ドサドサッ

魔剣士「あたたたたた…結構乱暴な降ろし方だなぁ」

騎士団長「お師匠様! 大丈夫ですか!? お怪我はありませんか!?」

魔剣士「大丈夫ですよ陛下、ありがとうございます。ほんとにさっきからご心配おかけしてすみません…」

騎士団長「俺、いつもお師匠様に何かあったらって思ってしまって…お師匠様には魔導師さんもついてますし、大丈夫だとわかってはいるんですがね…」

魔剣士「そうだったのですか…陛下はお優しいお方ですから多くの問題を抱えてしまう。俺の事はいいですから、もう少し肩の荷を降ろしてはいかがでしょうか? あまりに悩みを抱えては身体がもちませんよ」

騎士団長「そうですね、どうも弟と似て心配性なところがあるみたいで…」

魔導師「ちょっとー、あんまりお話ばかりしてますと兵士達に先を越されますわよー」

じゆうな天使「おれたちさっきから大変な目にあってばっか…」

きままな天使「お嬢は人使いが荒すぎるよぉ…」

魔導師「 何 か 言 い ま し て ? 」

じゆう きままな天使「ヒィィィィッ!!!」

騎士団長「(魔導師様にくっついているアレは一体…)」

魔剣士「さあ陛下、試験会場まではもう少しです。俺も魔導師のおかげで怪我もないですし、先を急ぎましょうか」

騎士団長「あ、は、はい! そうですね! 」

魔剣士「ありがとな魔導師、色々すまない。」

魔導師「なっ、か、勘違いしないでくださいまし、私の魔法で貴方を殺してしまう訳にはいきませんの! それに私はただ執事になんとかしろと命令しただけで助けろとは言ってないですもの…!!」

魔剣士「ホント、素直じゃないよなぁお前」

魔導師「よ、余計なお世話ですわ!///」

じゆうな天使「ねぇねぇ早く試験会場とかに行こうよ~」

きままな天使「せっかく地上に来たんだから早く帰っていろんなとこ見たいよ~」

魔導師「まあ確かに早く終わらせて帰りたいですわね、じゃあ行きましょうか」

騎士団長「(あれは一体なんなんだ…)」

騎士団長「(ソワソワ)」

魔剣士「あれ、陛下どうかしましたか?」

騎士団長「あ、ああ…あの…」

魔剣士「まさか体調が優れないのですか!?」

騎士団長「ち、ちがう、違うんです! お師匠様、ちょっと御耳を貸してもらってもよろしいでしょうか…」

魔剣士「…? ええ大丈夫ですよ」

魔導師「!!」

魔導師「ちょっと待ちなさい貴方達」

じゆうな天使「ん?」

きままな天使「お嬢様どうかしたの?」

魔導師「シッ、黙って待ってなさい」

じゆうな天使「?」

きままな天使「お嬢様なんかおかしい…目が鋭くなってる…」

騎士団長「(かくかくしかじか)」

魔剣士「えっ…(ボソボソ)」

魔導師「これは…」

魔導師「(師匠×生徒…悪くないですわ!)」

魔剣士「(えっ…マジですか)」

騎士団長「(本当です! お師匠様が帰ってきた時にもいたなんて知りませんでしたし…)」

魔剣士「(そうだったんですか…でも陛下はあまり魔力をお持ちでないですから、見えなかったのも不自然ではありませんよ)」

騎士団長「(そ、そういうものなんですか…?)」

騎士団長「(で、アレは…本物の天使なんですか?)」

魔剣士「(そうです、一応元死霊ですが今は天使です)」

騎士団長「(そうなんですか…お師匠様、も、もしよければ後で羽を2本程貰ってきてくれますか…?)」

魔剣士「(ええ本人達に聞いてきますので大丈夫ですよ、何かに使われるのですか?)」

騎士団長「(そ、それはちょっと言えないのですが…あの…本で見かけてちょっと作りたい物があって!)」

魔剣士「(わかりました、では後で陛下にお届け致しますね。)」

魔導師「ふむ…ほうほう…」

魔導師「いいわねー、やっぱり初代がイケメンって話聞いて王国に来てよかったわー血筋は衰えないわね」

じゆうな天使「お、お嬢…?」

きままな天使「なんかすごく目がキラキラしてるけど…」

魔導師「うふふ、うふふふふ…」

魔剣士「お前目覚めそうってかもう目覚めてんじゃねえか」バシッ

魔導師「痛! ハッ、わ、私は何を…」

魔剣士「お前このまま悪化とかしないだろうな…」

魔導師「な、そんな、私だって恥じらいくらいありますわ!! (自主規制)な妄想とかは流石にできませんもの!」

魔剣士「ああそうか…なんか安心した…」

じゆうな天使「どうしたの? 悪化するってなぁに?」

きままな天使「まさかお嬢病気なの!?」

魔剣士「まあたしかに病気みたいなもんだが違うっつうか…」

じゆうな天使「うわぁーーーん!! ヤダよぉお嬢が死んじゃうなんてやだよぅ!!」

きままな天使「せっかく地上に連れてきてもらったばっかりなのにぃぃ!! うわぁーーーん!!」

魔導師「ちょっと! 勝手に病気にしないでくださいます!? 私は病気じゃないですし余命宣告もされていませんの!!!」

じゆうな天使「じゃ、じゃあお嬢大丈夫なの? 死なないの…?」

きままな天使「よかったよぅ! うわぁぁぁぁん!!」

魔導師「ちょ、抱きつくな! どいてくださいまし! くすぐったいって!」

魔剣士「忙しいやっちゃ…」

騎士団長「(お師匠様! ほ、本当に頼みましたよ!)」

魔剣士「(大丈夫ですよ、任せてください!)」

騎士団長「(噂のまじない…)」

騎士団長「(天使の羽さえあればきっと、きっと彼の方に思いを届ける事ができるはず…!!)」

天使かわいい。天使組の性別って書いてあったっけ?

祝初の100レス目だねやったね!
>>100 多分書いてなかったはず

ー試験会場 新兵グループー

ザワザワ…ザワザワ…

新兵A「いやーやっとついた!! 移動キッつかったなぁ~」

新兵B「しかし本場はこれからだぞ…」

新兵C「うっわぁめんどくさ…もーやんなっちゃうよー、Dも疲れたよね?」

新兵D「あ、は、はい…!」

新兵A「どうしたD? なんか顔が白いけど大丈夫か…?」

新兵D「だだだ大丈夫ですよ!? ちょっ、ちょっと緊張してるだけですよあはははははは」

新兵A「本当に大丈夫か…?」

新兵B「体調が悪くなったら俺たちに言うんだぞ…」

新兵C「キミぐらいだったら、試験の途中でも担いで救護班に渡せるぐらいの体力はあるからね!」

新兵D「皆さん…ありがとうございます!」

新兵B「む…そろそろ試験の説明があるみたいだな」

新兵A「おーいよいよか、ドキドキすんなぁ」

試験官「新兵一同整列! 敬礼!!」

新兵一同「ハッ!!」ザッ

試験官「よし、全員いるな? 現段階でバテてる様じゃ試験は合格できないから覚悟しとけよ」

試験官「じゃあ試験内用の説明をする。一回しか言わないからよーく聞けよー」

試験官「まず、この洞窟の中にある兵士の証、それを取ってくるのがこの試験の目的だ。」

試験官「だが洞窟内には雑魚ともいえど野生の魔物がいる! それに魔法を使う下級死霊も混じっている。今までの訓練をしっかりしていたら負ける様な相手ではないが気を抜いたらどんな事態になるかわからん」

試験官「まあ怪我をした時の為に救護班を洞窟入口付近に配置しているが、全員無事に合格する事を祈ってるぞ。」

新兵A「(証を取ってくるだけなら楽勝だな…!)」

新兵B「(野生の魔物とは今まで王国近辺にいた魔物と何が違うのだろうか…)」

新兵C「(あー、早く終わらせてレディ達とデートしたいなぁ)」

新兵D「(このまま…このまま上手く行けばボクだって兄さんに認めてもらえるはず…!)」

試験官「そして、安全性などの為最低4人グループになって洞窟内に入ってもらう。ちなみに20人以上は洞窟内部の大きさとか試験の難易度とかも考えて原則無しだから注意しとけよー」

試験官「じゃあ今から10分間時間をやる。それまでにじっくりどいつとチームを組むか考えるんだぞー。チームができた者から此方に来てクジを引け、それが洞窟に入る順番になるからな」

試験官「では、チーム決め開始! ケンカすんなよ!」


ワイワイ…ガヤガヤ…

新兵A「えー、じゃあこのまんま俺ら4人でいいんじゃね?」

新兵B「しかし戦力に多少の不安が残るな…魔法学を修得している者、少なくとも初級の簡易治癒魔法が使える者がいればいいのだが…」

新兵C「えー、じゃあ僕可愛い女の子がいいー」


「ジョシシンペイハイッショニイキマショウ!!」

「サスガリーダー! タヨリニナル!」

新兵A「あー…取られちゃってるわ…」

新兵C「ただでさえ少ない女の子がみんなあのリーダー気取りに取られただと…!?」

新兵B「しょうがない…他の奴等を…」

「オレラナカヨシ! ミンナナカーマ!」

「コノママコノチームデサイソクキカンダー!」

「ボッチモアツマレバコワクナイ!!!」

新兵B「…ダメみたいだな」

新兵A「うっへー困ったな、これじゃ死霊になんか攻撃なかなか当たんねぇだろうし、軽い怪我でも治せないよな…」

新兵C「うーん…僕は他のチームに入れさせてもらう事にするよ、顔になんか傷が残ったりしたら大変だし…」

新兵A「だからお前兜しとけよ」

新兵B「それなら俺も他のところに行く…Cが抜けてしまってはメンバーが足りんからな。」

新兵A「みんな行っちまうのかよつまんないなぁ…Dはどうする? 別れて別のとこ行く?」

新兵D「あ、えっと、ボクはAさんと一緒について行きます!」

新兵A「おっ? やったね~Dは俺が貰ってくわ!」

新兵C「えぇ!? D、Aなんかじゃなくて僕と一緒に来ない? 他の新兵の友人のとこに入れてもらうよう言うからさ~」

新兵B「むっ…D、俺と一緒に来ればお前に苦労はかけさせまい。 お前は俺が守ろう」

新兵D「えっえっと、あのその、ボクは…」

新兵C「こんな友達が少なそうな奴等より僕と一緒に来るよね、D?」

新兵B「D、俺と一緒に来い、絶対に苦労はかけん。」

新兵A「なんだよなんだよ、Dは俺と一緒に来るって決めてるの! なぁD?」

新兵D「ボクは、皆さんで一緒に行きたいです…!!」

新兵A B C「えっ」

新兵D「ボクあんまり親しい人以外と喋ったことがなくって、あの、地図をもらう時に地図を落としてしまったボクなんかに皆さんが声を掛けてくれた時凄く嬉しくって…その…」

新兵A「D…お前…」

新兵D「だから、ボク達4人で行きたいんですが、ダメ…ですかね…?」

新兵C「うっ…も、もうしょうがないなぁ、Dが言うんだったらついてってあげない事もないかな…!」

新兵B「Dがそう言うのであれば、俺もお前について行こう。」

新兵D「み、皆さん…!」

新兵A「へへっ、やっぱ俺たちのグループはこの4人が揃ってなきゃな!」

新兵B「うむ、そうだな」

新兵C「僕もそれだけはAに同意するよ!」

新兵A「よし! そんじゃ早速クジを引きに…」

試験官「よーし抽選終わり! あ、そこの最後のグループ! お前ら一番グループ決めが遅かったペナルティで洞窟にはいんの一番最後な!」

新兵A「ええ!? そっそんなぁ~…」

試験官「じゃっ、試験開始前に騎士団長様からのお言葉を…騎士団長様、よろしくお願いします」



試験官「…騎士団長様?」

試験官「あれ?騎士団長様? 騎士団長様どこ!?」

ザワザワ…

「えっ、何々、なんかあったの?」

「えー試験開始じゃなかったの?」
ザワザワ…

試験官「お前ら落ち着け! 多分もう少しで来るはずだから…!」

ザワザワ

新兵D「うー…み、見えない…何かあったんですか?」

新兵A「そいやお前背ちっちぇえよな…なんかなー騎士団長がまだ来てないんだってよ、困るよなぁ」

新兵D「えっ兄さんが!?」

新兵A「兄さん?」

新兵D「いっ、いや、なんでもないです! き、騎士団長様どうしたのかなぁあははははは…」

新兵A「???」

新兵D「(兄さん、何かあったのかな…どうしたんだろ…)」

じゆうな天使「なんで毎回!!」

きままな天使「おれたちだけ!!」

魔剣士「魔法が失敗すんのぉぉぉぉぉぉぉ!!!?」

ドゴォ…

試験官「!?」

魔導師「あら…あなた達速度魔法もダメでしたの? やっぱり魔力を持っている人には効きすぎてしまうのかしら?」

騎士団長「お師匠様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

試験官「き、騎士団長様!? これは一体!?」

魔導師「あなた達大丈夫ですの?」

魔剣士「大丈夫じゃねえよ!! お前の魔法のせいで今日何回死にかけてるんだよ!? こいつらが下敷きになってなかったら死んでたわドアホ!!!」

じゆうな天使「天使じゃなかったら…即死だったぜ…」

きままな天使「もう死んでるけどぉ…ゲフッ」

騎士団長「お師匠様、大丈夫ですか!? 生きてますか!?」

魔剣士「なんとか生きてます…」

ザワザワ…ザワザワ…

魔導師「ほらー、いきなり洞窟の壁にめり込んだりしたりしたから新兵さん達驚いちゃってるじゃないの」

魔剣士「原因は速度加速魔法で会場まで走るとか言い出したお前だよ!」

試験官「あ、あの騎士団長様、お取り込み中の処申し訳ないのですが、新兵達に何かお言葉を頂けないでしょうか…?」

騎士団長「えっ、もうそんな所まで進んでたんですか!? 遅刻ですよね…すみません…」

魔剣士「陛下、俺は心配ないですから新兵達を落ち着かせてあげてください」

騎士団長「でも、お師匠様なんだかすごい怪我して…」

魔剣士「これぐらい平気ですよ! さ、行ってあげてください」

騎士団長「…わかりました、あまり無理なされないでくださいね…」

魔剣士「わかってますよ、全く、陛下は心配性なんだから…」

魔剣士「(全身強打の事もあるしこれじゃ何かあった時ヤバイなぁ…)」

騎士団長「…そして、今回の試験も何事もなく無事に終わる様祈っている。君達にも歌姫様の祝福がありますように。」

試験官「では、クジの順番通りグループで5列に並べ。グループ内の人数は関係なく5グループづつ洞窟に入る事になっているからな。」

試験官「ちなみにクジの枚数分だけ証は用意してあるので、途中で無くなるという事はない。探せば必ず見つかる場所にあるので根気良く探せ! そしてグループ内の1人でも証を持ってくれば合格、全員動けなくなった時点で失格だ。」

試験官「さて…まず番号1~5の奴はこっちに来い!」

新兵グループ1~5「はい!!」

魔導師「さ~て…ここからが私の出番ですわね」

魔剣士「そいやお前は俺みたいに何かあった時の為の見張りとかじゃないんだよな…毎回毎回よくもまあそんなに死霊をポンポン出せるもんだ」

魔導師「まあ私の役目は下級死霊に新兵の相手をさせる事ですし特に関与はしませんけど…数が数ですから意外と大変なんですのよ?」

魔導師「ま、今回は執事を呼び出してしまいましたし彼奴に任せますけど」

魔剣士「(これで軽々しく上級死霊呼び出すから説得力がない)」

魔導師「さあかかってらっしゃい新兵さん達…一部の証は私の死霊が持っていますことよ…執事!」

執事死霊「お呼びですかお嬢様。」

魔導師「今度はちゃんと来ましたわね。適当に下級死霊を出して洞窟に配置しておいてくれないかしら? この証を何匹かには持たせてちょうだい。死霊の補給は私がしますから、貴方は新兵さん達をイジメない程度に頼みましたわよ」

執事死霊「承知致しましたお嬢様。では下級死霊を集めて洞窟内部に置いて参ります。」

魔剣士「お前、前は一人でこの作業やってたよな? 執事呼び出せるんなら断然そっちの方が楽なのに、仲でも悪かったのか?」

魔導師「いえ、仲は悪くありませんわ。ただ彼奴はお母様の配下ですし、できるだけ自分の力でどうにかしたいんですの」

魔導師「…それに、誘拐騒動の時に執事を出していたおかげで試験で死霊を出す係りなんてのになっちゃいましたし」

魔剣士「あー、お前もアレで歌姫様に見込まれちゃったんだっけ、意外と大変だよなお前も」

魔導師「ま、地獄の死霊なんて私からしてみればただの下僕ですから呼び出すのなんて他愛も無い事ですけど。貴方が魔剣士なんてビッミョーな地位になったのも歌姫様に見込まれたからでしたっけ?」

魔剣士「騎士団長以下近衛兵長以上ってなんなんだろうな…状況に応じて自由に動ける地位らしいんだが、正直俺もよくわからん」

魔剣士「…なんていうか、歌姫様って」

魔導師「ワガママ…いえ、たまに余計な事をしてくださいますよね…」

魔剣士・魔導師「「ハァ~…」」

ー試験会場 洞窟内部ー

「うわぁぁ本物の死霊だ!!」

「やっだ、スライムべっとべとじゃない!」

「証、証どこだ証ぃぃぃぃぃ!!」

試験官「いやー、今年も皆頑張ってますねー。全員合格といきたいところですなぁ」

騎士団長「今のところ戦争も終わり、帝国とも平和協定を結べそうですしこのまま兵士を募る事も無くなればいいのですが…」

新兵A「うへー、これってアレだろ、前半のチームがみんな簡単なとこにある証取っちゃって後半になるにつれてどんどん証の入手難易度が上がるってやつだろ…」

新兵C「うっわ僕ら一番最後だから絶対近場なんて残ってないでしょ…それにみんな魔物とかとも戦いたいだろうし、洞窟内の死霊とか野生の魔物とかみーんな狩られちゃってるんだろうなぁ」

新兵B「俺達の取れる証が残っている場所はきっと洞窟の最新部辺りだろう…」

新兵A「あーあ、早く順番こねぇかなぁ…」

新兵D「…。」

新兵A「んー? Dどうしたぁ?なんか元気ないな?」

新兵D「…あ、いや、な、なんでもないです!」

新兵A「なんか悩み事か? 少しぐらいなら俺も相談に乗るけど…」

新兵D「いえ、その、ちょっと…そうですね…心配、で」

新兵A「心配?」

新兵D「ボク、あんまり剣術も上手くないですし、しかも何かを相手にして戦うのって初めてで…」

新兵A「あれ、お前訓練で対人武術とかやんなかったの? 全体訓練とかでも顔見かけなかったけど…」

新兵D「そ、それはちょっと事情がありまして…!」

新兵A「それに、さっき騎士団長の顔見て思ったんだけどさ、お前と騎士団長ってなんか似てるよな? まあそりゃあ体格も年も目の色とか違ったりするけど…それにしても顔が似てるんだよなぁ」

新兵D「!! そ、そんな事は…」

新兵A「なあ、騎士団長には兄弟がいるって聞いた事あるんだけどさ、もしかしてお前ってーーー」

新兵C「おーい、隣のチームからトランプ借りてきたよー」

新兵B「待ち時間、何もする事が無くては退屈だろう。ババ抜きでもやろうじゃないか。」

新兵A「えーっ、俺大富豪がいい!」

新兵D「(た、助かった…!」

魔導師「オーッホッホッホ!! さあ下級死霊共! どんどん新兵さんを死なせない程度にお相手してあげなさい!」

下級死霊「キシャァァァァァッ!」

標的にされた新兵「う、うわぁぁぁ! 死なない程度とはいえ魔法でちまちまスネとか狙ってくるのめっちゃ痛い!!」

下級死霊「キシャァァァァァッ!」

じゆうな天使「待って待って待ってぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

きままな天使「なんで俺等まで狙ってくるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

下級死霊「キシャァァァァァァァァァァッ!」

じゆう・きままな天使「イヤァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

魔導師「さあ苦しみなさい! 無駄に痛いこの地獄を耐え抜いて証を手に入れる事ができまして!?」

標的にされた新兵「うわぁぁぁぁ助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

魔導師「さあ恐れなさい! 逃げ惑いなさい! そして絶望するがいいですわ! オーッホッホッホッホッホ!!」

魔剣士「(こいつが一番敵らしいな…)」

魔導師「ふふふふ…試験は順調ですわね…!」

魔剣士「お前が死霊使って新兵イジメぬいてるだけじゃねーかよ…まあ確かに死なない程度だけどさ」

魔導師「あら、私はただ鍛えてあげてるだけですもの。前は死霊全員の管理に加えて追加もしなきゃいけなかったですし、他の事なんてしてる暇はありませんでしたけど執事が管理を受け持ってくれましたからとーっても楽ですの!」

魔剣士「まあ大怪我してる奴もいないし証も続々と入手されてるみたいだしさ、文句はないんだけど…なんかなぁ…お前の高感度下がるぞ?」

魔導師「高感度なんて二の次ですわ! まずは服従させて逆らえない様にする、そうすれば高感度なんてなくたって従ってくれますもの」

魔剣士「お、お前なぁ…ハァ…」

魔導師「そういえば、あの天使2人組はどこに行ったんですの? 新兵達の偵察にでも行かせようと思いましたのに」

魔剣士「それなら、さっき死霊に追いかけまさわれてた気がするが」

魔導師「あー、元死霊とはいえ天使ですものね、そりゃあ敵対視されますわよねぇ…」

魔剣士「…それって大丈夫なのか?」

魔導師「まあ平気だとは思いますわよ、多分」

魔剣士「多分ってそれ一番危なくね?!」

魔導師「ま、また死霊に戻れば敵対視される事もなくなりますし…やっぱり後で戻してあげましょう」

ー洞窟内 最新部ー

じゆうな天使「うっへぇ疲れた…なんでおれたちがこんな目に…」

きままな天使「まったく、お嬢は人使いが荒いよ…」

じゆうな天使「生前もパン盗んだら捕まって殺されちまったもんなー、まったく、生まれてこの方ロクな事がないな!」

きままな天使「もう死んでるけど!」

じゆうな天使「それにしてもここら辺人がいないなぁ…お嬢達が言ってたしとやらのしんぺい?とかも来てないしもしかしてずいぶん奥に来ちゃったのか?」

きままな天使「そいえば天使になったからかわからないけど、ここら辺はやけに怖い雰囲気が…」

ヒュオォ…

じゆうな天使「うおっ!」

きままな天使「ひゃあ!?」

じゆうな天使「お、おう…」

きままな天使「ねぇもう帰ろうよ怖いよおれ!」

じゆうな天使「ななななんだよーだらしないなぁははははは…!」ガタガタガタガタ

きままな天使「お前だって怖がってるじゃねぇか!」

じゆうな天使「う、うるさい! お、おれはあくまでも生前は男だったんだ…! 怖がってる訳あるわけねえよ!」

きままな天使「なんだよおれが女だったからってバカにしてるのか…!? い、いいよ一緒に行ってやるよ! 女だってお嬢みたいに強い人はいっぱいいるんだぞ!」

じゆうな天使「言ったな!? 言ったな!? 絶対逃げ出すなよ!?」

きままな天使「あ、当たり前だろ!? 逃げ出す訳ないじゃん!」



じゆう・きままな天使「(どうしよう…帰れなくなった…)」

ヒュオォ…

じゆうな天使「(なんか奥に行けば行く程寒くなってきた…)」

きままな天使「(大丈夫かなぁこのまま行っちゃって…嫌な予感がする…)」

じゆうな天使「…。」

きままな天使「…。」

じゆうな天使「お、おい、なんか喋れよ!」

きままな天使「なっ、なんだよ! お前こそなんで無言なんだよ!」

じゆうな天使「いいじゃねえか別に!」

きままな天使「お前から言ってきたんだろ!?」

ビュオォ…ビュオォ…

じゆうな天使「な、なんか音がだんだん大きくなってないか?」

きままな天使「き、気のせいだろ!? これは風の音だろうし、きっと奥に吹き抜けでもあるんじゃ…」

グオォォ…グオォォ…

じゆうな天使「なあこれ風の音じゃねえよな!?」

きままな天使「ななななななに言い出すんだよ!? クソッ…おれはこの風の音の原因を絶対突き止めてやるからなぁ!!」

じゆうな天使「おい、どこ行くんだよ!? 危ねえよ! やめとけって!!」

きままな天使「うるせービビリ!! おれ一人でも平気ってところを見せてやる…!」



きままな天使「(くっそうムキになって一番奥まで来ちゃったよ…)」

きままな天使「(今まであいつと離れた事なかったし…正直心細いなぁ…)」

グオォォ…グオォォ…

きままな天使「ひっ」

きままな天使「(…なんか、今まで感じたことなかった邪悪な力ってのを感じる)」

きままな天使「(でも死霊の時に一度だけ同じ様な力を感じたことがあるけど…もしかしてこの洞窟って…)」

きままな天使「…? なんだろこれ、石造? なんか貼ってあるし…しかも、この声みたいな音、これから聞こえる気が…」

じゆうな天使「おーい! なにしてんだよ!」

きままな天使「うおっ!? なんだよなんで来たんだよ!」

じゆうな天使「そりゃお前に何かあったら嫌だからだよ!! 悪いか!?」

きままな天使「…ッ、し、心配なんてしてくれなくたって平気だっての!! まったく…」

じゆうな天使「それにしても、この石造なんだぁ?こんな洞窟の奥になんで石造なんかあんだ?」

きままな天使「それはわかんないけどよ、とりあえず普通の石造じゃないよコレ…」

じゆうな天使「なあ、なんか貼ってあるぞ、なんだこれ、オフダってやつか?」

きままな天使「おっおい触るなよやめとけって! おい!」

じゆうな天使「大丈夫大丈夫、そんな触ったぐらいじゃはがれる訳が」

べリッ

じゆうな天使「あっ」

きままな天使「えっ」

謎の石像『グ…グォォォ…グォォォ…! グォォォォォォォォ…!!』

ゴゴゴゴゴゴゴ…

じゆうな天使「おいこれマズイやつだよ! 多分絶対ダメなやつ!!」

きままな天使「お前のせいだかんな!? 今石像動き出したの絶対お前のせいだかんな!!?」

謎の石像『グ…クックック…なんと馬鹿な天使2人組よ…まさか我の封印を解いてしまうとは…』

じゆうな天使「キェェェェェァァァァァ!!!!!シャベッタァァァァ!!!!!!!!」

きままな天使「うわぁぁぁぁぁ逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

試験官「えーっと、次のチームは…お前達で最後か。」

新兵A「くっそー、待ちだけで2時間もかかったし…しかも本当に俺たちだけで行くのかよ!」

試験官「ま、最後までもたついてたお前達も悪いんだが…丁度お前達を除くと全部5チームづつまとめて行けたもんだからなぁ、まさか最後だけ余りの1チームでの参加になるとは思わなかった、わりいわりい」

新兵A「というかこれ洞窟の中に証残ってるんですか…?」

試験官「まあ個数を確認してる分だと全部は取られてない様だぞ。ま、あと一つや二つぐらいならあるんじゃないか?」

新兵A「一つや二つって…そんなアバウトな…」

試験官「まっ、早く行ってきてさっさと戻ってくる事だな。よし行ってこい!」

新兵A「洞窟の最深部とか勘弁してくれよ~!」

新兵C「でりゃ!」

新兵B「ふんっ!」

新兵A「でぇぇぇぇい! …やったか!?」

死霊「キシャァァァッ」

新兵C「うわっやっぱ物理攻撃全然効いてないよ! …っ!」

死霊「シャァァァァッシャァァァァァァッ!」

新兵B「C! 危ない!」

新兵C「うわ…あ…ぁぁもうダメだっ…!」

死霊「シャァァァァァァッ!?」

新兵C「うぐ…、あれ? 死霊がいなくなって…」

新兵D「皆さん大丈夫ですか!? 」

新兵C「D! お前が助けてくれたのか!」

新兵D「そ、そんな、僕はただCさんが危なかったからな、なんか反射的に…」

新兵B「D、お前、魔法が使えるのか?」

新兵D「え!? いや、その、ちょっとだけ…」

新兵A「という事は…D、お前魔法が使える事隠してたのか。」

新兵D「そう…ですね、一言も魔法が使えるなんて言ってないですし隠してた事になりますね…」

新兵A「なんで隠してたんだよそんな重要な事!」

新兵D「ボク、あまり自信がなくて、他の方の方がきっと凄い魔法を使えるんだろうなって思って、言い出せなかったんです…」

新兵A「これなら楽勝で最深部まで行けるじゃねえか! Dありがとよ!」

新兵D「えっ?」

新兵C「僕等が不安に思ってたのはあくまでも死霊に物理攻撃が通用するかどうかだ。他の野生の魔物ぐらい、3人がかりで殴れば簡単に倒せるしね」

新兵D「ええっ、でも、僕なんかの魔法で本当に大丈夫…」

新兵B「俺たちは訓練生だ、そんな者が完璧に魔法を撃てる訳ないだろ? それに訓練生の魔法学トップでも詠唱に時間はかかるし、弾道だって確実に当たるわけじゃない、魔法を拡散させて弱い魔法を少しづつ当ててる奴が殆どだ。」

新兵B「それに比べてDは死霊を確実に倒せるだけの魔法の威力、とっさの判断で魔法が撃てるだけの瞬発力、そしてなによりそれを的確に当てる技術がある。お前に魔法で勝てる奴なんて訓練生の中で誰一人いないだろうな」

新兵D「ほ、本当ですか?」

新兵C「そうだよ、君はもっとその力を誇るべきだ!」

新兵A「じゃっ、これからサポートというか…まあお前の方が強いけど、まあとにかくこの調子で頼むぜD!」

新兵D「は…はい! 全力で頑張ります!!」

じゆうな天使「うわぁぁぁぁお嬢ぉぉぉぉ魔剣士ぃぃぃぃぃぃ!!」

きままな天使「助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

魔剣士「うわっ、お前等どこいってたんだよ…しかもそんなに慌ててどうした?」

じゆうな天使「かかかかかか怪物! 怪物が!」

きままな天使「ああ、奥に! 奥に!」

魔導師「なんなんですの? 慌てすぎて言ってる事がよくわかりませんわ!!」

じゆうな天使「死霊に追いかけられて逃げたら変なとこに入っちゃってててててて」

きままな天使「奥に変な石像があってこいつがお札みたいなの剥がしちゃったから石像が動き出してぇぇぇぇぇぇ」

じゆうな天使「おおおお前が先にどんどん進むからだろ!?」ガタガタガタガタ

きままな天使「だだだだだだってお札剥がしたのお前だしぃぃぃぃ」ガタガタガタガタ

魔剣士「とりあえずお前等落ち着け」

魔剣士「とりあえずお前等落ち着け」

執事死霊「お嬢様、ご報告が」

魔導師「あら、執事どうしたの?」

執事死霊「実はですね…」

魔導師「…へぇ? そうなの。」

執事死霊「如何いたしましょうお嬢様…やはりここはハデス様の軍をお借りして…」

魔導師「いえ、ここは私達でどうにかしますわ。だから貴方は他の死霊達を連れて逃げなさい、石像の魔神なんかに踏みつぶされたら下級死霊なんてひとたまりもないんだから。」

執事死霊「しかし、それではお嬢様に危険が…!」

魔導師「いいのよ、私は一人で全部やるって決めたの。お母様には頼らないわ。」

執事死霊「お嬢様…」

魔導師「さあ他の死霊達を集めて早く避難しなさい、執事。」

魔導師「私は、最後まで一人でやり通しますの、絶対に最後まで…!」

魔導師「やっかいな事になりやがりましたわ…ま、多分貴方達が原因でしょうけど」

魔剣士「なんかあったのか…? 執事さんまで慌てるなんて…」

ゴゴゴゴゴゴ…

魔剣士「!? な、なんだ!? 地震か…!?」

じゆうな天使「うわ…もうここまで来たのかよ…!」

きままな天使「アイツ石でできてるのに動けるとか一体なんなんだよ!?」

魔導師「あー…とりあえず説明するとアレは石像の魔神ですわ。遥か昔に地獄から脱走した魔神の残党だとかで王国近辺に封印されたと聞いてましたけど、まさかここに封印されてたとは思いませんでしたわ…」

魔剣士「ま…まじ…ん?」

じゆうな天使「ましん? マシン! メカなのか!?」

きままな天使「バカか! まじんだ、ま・じ・ん!!」

魔剣士「そいや試験ってまだ終わってないのか…?名簿みるともうさっきのグループ辺りで最後だったと思うんだが…」

魔剣士「…ん? あれ、最後の最後に4人1組が残ってる!? まさか今そいつらこの洞窟の中にいるんじゃ…」

魔導師「あーっもう! なんなんですの!? 全くどいつもこいつもみんな何かと面倒事が多すぎるんですのよ!」

魔剣士「(全部お前から始まってる気もするんだが)」

魔導師「とにかく! とっととそいつらを追い返すか見つけるかして危害を加えない様速やかに魔神を片付けますわよ!」

魔剣士「その前に魔神なんかそんなとんでもなさそうな奴に勝てるのか?!」

魔導師「当たり前ですわ! 魔神風情が女神の娘に勝てると? ボッコボコのケチョンケチョンにして地獄の底に突き落としてやりますわ! オーッホッホッホッホッ!!」

じゆうな天使「さっすが地獄に咲く赤い薔薇と言われるお嬢! 」

きままな天使「死霊の扱いの雑さに定評があるにも関わらず地獄トップの人気があるだけの事はあるね!」

魔導師「うふふ、なんだか褒められると照れますわね」

魔剣士「とにかく外に危害が及ばない内に魔神をどうにかしよう、何か対処法考えとかなきゃな…」

新兵A「えっーと、ここは…行き止まりかぁ、もうちょい奥があると思うんだけどなぁ」

新兵D「Aさん! こっちに人が一人通り抜けられるぐらいの穴がありますよ!」

新兵A「でかしたD! 多分この先がこの洞窟の最深部な筈なんだが…なんでこんな岩で塞がってんだ? 洞窟も聞かされたのとはなんか地形が地味に違う気がするし、なんかさっきからここら辺石が崩落したみたいになってんだけど…」


グォォォォ…

グォォォォォォォォォ…!

新兵A「な、なんだよこの音…!」

ドガァァァァァッ

石像の魔神『クククククク…! 早速丁度生きの良さそうな奴がいたわ! 魔物なんて不味くて食えんし、さっきまで気配があった死霊なんかもどっかに行ってしまったからなぁ。二人とはまたシケているが、まあ前菜ぐらいにはなるだろうな?』

新兵A「なんだこいつ、いきなり洞窟の壁を壊して…!」

石像の魔神『俺は石像の魔神…どれだけ傷つけられようと水中に投げ入れられ様と何をされても滅びぬ不死身の魔神だぁ!!』

新兵A「ま、魔神!? …ってなんだっけ?」

新兵D「ままま魔神って歴史書とかに出てくる悪魔より邪悪な種族ですよ! たしか魔神ってずっとずっと前に封印されてたって聞きましたけど…というか御伽話じゃなかったんですね!!」

新兵A「ああ! 絵本とかによく出てきたアレかぁ! うっひょー実物だカッケー!!」

石像の魔神『お前等! 真面目に人の話を聞け! 俺は今からお前達を食おうとしてるんだぞ!? 少しは怖がれよ!!』

新兵A「でっけーなー! これ上乗らしてくれない? ねえダメ?」

新兵D「Aさん! やめましょう! BさんとCさんも別の場所の探索に行っちゃってるんですから早く逃げましょうって!!

新兵A「えー、まあそうだよな、俺たち今ピンチなんだよな、でもよ…」

新兵A「目の前にこいつがいて、後ろには壁で…どうやって逃げる?」

新兵D「……。」

新兵A「……。」

新兵D「なにがどうあってもピンチじゃないですかぁぁぁぁぁ!!」

新兵A「どうすっかなーこれじゃあ試験どうこうの前に死ぬなー」

新兵D「ちょ、ちょっとAさんなんでそんな無責任なんですか!? ななな何か秘策とか!?」

新兵A「ないねー、こりゃダメだわハハハハハ」

新兵D「(ダメだ、Aさんあまりの事に完全に思考停止してる…)」

石像の魔神『さあ、大人しくそのまま食われる事だな、動いたらすぐ踏み潰してしまうぞ?』

新兵D「ひゃっ…! や、やめてください! ぼぼぼボク食べても美味しくないですよぉぉぉ!」

石像の魔神『ふむ…最後に顔ぐらいは拝んでやろうか。この邪魔な兜やら鎧やらを外してと…』

新兵D「ななななんか色々と嫌です!」

新兵D「あんまりまじまじと見ないでください…うっ…ううぅ…」

石像の魔神『お前、女なのか…?』

新兵D「違います! なんで間違うんですか! ボクのどこが女の子なんですか!?」

石像の魔神『えっ、あ、悪い違うんだったら謝るから、だからそんな涙目にならないでくれよ』

きままな天使「女の子になにしてんだオラァァァァァァッ!!」

石像の魔神『グアッ!? やめろ! スネにタックルしてくるな! 流石に石でもそこは響く!!』

新兵D「ひゃあっ!」

新兵A「おっと危ねぇ!」ドサッ

新兵D「た、助かりました…ありがとうございますAさん!」

新兵A「いいっての、俺たちチームだしな! それになんか形成逆転してきたんじゃねぇの?」

魔導師「さあ!追い詰めましたわよ石像の魔神! 私直々に成敗してあげるから感謝しなさい! オーッホッホッホッホッ!!」

魔剣士「はぁ…まったくこいつなんでこんなデッカいの目の前にして余裕なんだよ…」

きままな天使「おーい相棒、大丈夫かー!?」

新兵D「魔導師さんに魔剣士さん!? それと…天使?」

新兵C「おーい! 二人とも大丈夫かい!?」

新兵B「まさかこんな事になっていたとは…今助けるぞ!」

新兵A「B…C…お前ら!」

石像の魔神『グヌゥ…なんだ貴様らこれからだという時に集団で出てきおって! 卑怯だぞ!』

魔剣士「卑怯とかお前のそのでかい図体でよく言えたな!?」

魔導師「フフフフ…魔神とあれば地獄に送り返すのは決まっていますわ! さあ、ここが貴方の地上での墓場ですわよ! さっさと地獄に落ちなさい!」

石像の魔神『いきなり出てきて地獄に落ちろとかそれが初対面の人にかける言葉かよ!? 流石にそれは魔神傷つく!!』

石像の魔神『しかし! 貴様等などに負ける程ヤワな体はしておらんわ! 覚悟せい!!ふんっ!』

魔剣士「おおっと危ねぇ! 俺じゃなくてこいつ狙えよ!」

魔導師「何を言ってるんですの! 私の盾になるのが貴方の役目でしょう!?」

魔剣士「なんだよそれ!? 俺お前の盾になった覚えねぇよ!!」

魔導師「まあそんな事はどうでもいいですわ、灰になるまで燃えなさい!」

石像の魔神『ぐっ、腕が…! なかなかやりおるな…しかしタダでは転ばぬ、せいっ!』ドスッ

新兵D「ひゃっ…!」

新兵A「落石!?」

魔剣士「こいつ…! 崩れかけてた自分の手を犠牲にして腕がぶつかった衝撃で壁を崩しやがった!」

新兵A「畜生、石が崩れてきたせいでBとCのとこまで逃げらんねえ…!」

新兵D「Aさん! こっちの方はまだいけそうです!」

新兵A「バカお前どこに行ってんだ!? 上見ろ上!でっかいのが落ちてくるって! 早く逃げろ!!」

新兵D「あっ…」

石像の魔神『クククク、そのまま潰れてしまうがいい!』

新兵A「(あいつ完全に腰が抜けてやがる! これじゃあ走っても間に合う訳が…)」

騎士団長「せぇぇぇぇぇぇい!!」

新兵A「!? 岩が真っ二つになった!?」

石像の魔神『なんだと!?』

騎士団長「お師匠様! 全員ご無事でしたか!」

魔剣士「き、騎士団長!?」

試験官「なんだか大きい地震が起きたと思ったらこんなのが出てきてたとは…こりゃ試験は中止ですなぁ」

騎士団長「とりあえずなんとかなったみたいだね、君、大丈夫だった…」

新兵D「兄さん…」

騎士団長「…王子?」

石像の魔神『ふむ…また厄介なのが増えたが踏み潰してしまえば同じ事!』

魔剣士「おおっと、お前の相手はこっちだぜ! 氷結魔法!」

石像の魔神『な、足が動かぬ…!?』

騎士団長「とにかく、今はお師匠様達が彼奴を引きつけている間にここを離れよう。…立てるか?」

王子「えっと…あの…ボク…」

騎士団長「とりあえず話は後だ、…よし、よっと」ヒョイッ

王子「わっ、あっ、に、兄さん!?」

騎士団長「軽いなお前、ちゃんと食事取ってるのか? お師匠様ー、ありがとうございますー!」

魔剣士「よかった、 新兵も無事だったんですね! そこの取り残されてる新兵、お前もちゃんと逃げろよー」

新兵A「アザーッス!!」

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