半沢直樹「8億円の回収?」(159)

内藤「正しく言えば回収するのは『現金』ではない、一冊の本だ」

半沢「本?それがなぜ8億円の回収になるのか分かりかねますが…」

内藤「ここ数年…元号が正化になってからだが…検閲が厳しくなったな?」

半沢「はい…でもそれはあくまで図書館の問題で私達銀行とは何の関係も無いのでは?」

内藤「いや…それがあるんだ…実際に『日野の悪夢』の日に8億円が忽然と無くなっている…そしてそれはある貿易会社の社長と検閲、そして銀行員が行った汚職事件だ」

半沢「!!」

内藤「その事件自体はその銀行員の自白と言った形で決着がついた…だが8億円だけは見つからなかった…だが最近になってその男は8億のありかを獄中で書いた手記に記した」

半沢「ということはその手記が出版され、それが検閲に引っ掛かった…と言うことですか?」

内藤「そうだ…半沢、悪いが今日からしばらく『関東図書隊』の基地へ行ってくれ、幸い法が改正され検閲も実弾は使わないはずだ…頼んだぞ!」

半沢「…わかりました」

柴崎「…恐ろしいことになりそうね」

手塚「どうした麻…し、柴崎」

柴崎「相変わらず固いわねーあんた結婚してもそーいうとこは変わんないわねホント…仕事だからって無理して『柴崎』だなんて」

手塚「う、うるさい!それよりさっきのはどういうことだ?」

小牧「さっき今月の違法図書のリストが来た、コレを見ればどういう意味かわかるよ」
パサッ

手塚「えっと…『床屋の町おこし』『村八分』『悪夢のの8億え…』!!」

小牧「気付いたみたいだね、そう、あの汚職事件の内容さ、犯人もちゃんと書いてある、だからこの本には検閲にも銀行にも上流層の人にも大きな危害を加えるもの…だからそうそうに検閲も切りたいだろうね」

堂上「確かにな…俺達はおろか玄田一監すら知らない事だからな…当事者の検閲からすればすぐにでも消したいさ」

笠原「でも許せない!こんなことするなんて!日野の悪夢でどれだけの人が傷付いたと思ってるの!今度図書館に検閲や銀行員が来たら一発殴ってやる!」

柴崎「あんた無差別やりそうだから怖いわ…あんまりそういうことしちゃだめよ…それに、あんたまだ大丈夫って言うけど命を二つ抱えてることも忘れないこと!」

笠原「わかってるってば!」

玄田「おお!待ってたぞ!半沢!さ、入ってくれ入ってくれ」

半沢『いきなり呼び捨て…』

半沢「はい、失礼します」
バタン

玄田「はい、注目!!!この人は東京中央銀行から来た半沢直…」

笠原「銀行!何でそんな人入れたんですか!玄田隊長!今回の事件の敵ですよ!」

堂上「このドアホが!!!玄田隊長がそんな人を入れるわけないだろうが!」

笠原「あっ…」

小牧「もうwwwすぐに臨戦態勢になるんだからwww笠原さんはwww」

笠原「小牧教官!笑わないでください!」

玄田「賑やかで悪いな…いつもこんな感じなんだ」

半沢「いえ、賑やかでいいと思いますよ…」

笠原「っていうか何で銀行員さんがうちに来たんですか?汚職なんてバレたら大変なのに…」

半沢「ああ、それは…」

柴崎「ホントに恋愛が絡まなきゃ察しが良いわねあんた」

手塚「うるさいな」

半沢「盛り上がっているところすみませんが、今から作戦を立てましょう、対策は早いに越したことありませんから」

玄田「よし!作戦会議を始める!また、今回は業務部も防衛部も合同で会議を行うこと、この件はどちらか一方が行っても解決は難しいと判断する!」

>>7
訂正
手塚「大方、8億円を回収するためにその本を共に守りに来たって訳ですか?」

柴崎「ホントに恋愛が絡まなきゃ察しが良いわねあんた」

手塚「うるさいな」

半沢「盛り上がっているところすみませんが、今から作戦を立てましょう、対策は早いに越したことありませんから」

玄田「よし!各班に別れて作戦会議!」

玄田「まず、この本に書かれている犯人、検閲の君島、貿易会社の奥村に接触する事!これは堂上班と半沢に行ってもらう!」

柴崎「隊長!奥村って人の家には私も同行していいでしょうか?」

玄田「おお、そうだったな!お前は奥村と知り合いだったな」

柴崎「息子が元ストーカーなだけですがね 」

半沢「それは知り合いではないのでは?」

笠原「隊長にツッコミは通用しないですよ」

半沢「ハハハ…」

玄田「では、堂上班以外は本を守ること!検閲がいつ来ても…」

半沢「待ってください!」

玄田「どうした?」

半沢「その本を狙ってるのは検閲だけではありません、本を回収して銀行そのものの損失にしようとしている金融庁も狙ってきます」

玄田「弱ったな…どこかに隠すところは無いか…」

バタン

毬江「あたしの家に置いてください!それが一番安全です!」

小牧「毬江ちゃん!?どうしてここに?」

毬江「幹久さんに借りた本を返そうと思って待ってたら雨が降ってきて…業務部の人に案内されたのがここで…」

小牧「話…聞いてたの?」

毬江「悪いこととは思ってたけど幹久さんの力になりたくて…ごめんなさい」

小牧「謝らなくていいんだよ…大丈夫…でもどうして君の家が安全なのか聴かせてくれるかな?理由もなく危険な目に合わせたくないから」

毬江「金融庁の人って検閲と密接なんです、だから障害者に対して家宅捜索何て絶対に出来ません…ただでさえ障害者に対してシビアすぎる検閲と密接なんですから」

小牧「毬江ちゃん…ごめん、俺の方こそ勘違いしてたみたいだ、君は強くなったんだね、俺の知らない間に」

毬江「笠原さんや、柴崎さん見たいな喧嘩強い人に囲まれてたら強くもなりますよ!」

小牧「そっか…でも正直少しは俺にも守らせて欲しいかな…」

毬江「////」

毬江「それに…覚えてますか半沢さん、あたしのこと」

半沢「中澤さんですよね?」

毬江「覚えていてくれてよかったです、あの時はありがとうございました!お陰で会社はなんとか持ち直すことが出来ました!」

半沢「それはよかった、ですが私はあなた達に力を貸したまでです、会社再建はあなたの尽力ですよ中澤さん、私はあなたの覚悟に心を打たれて融資をした、ただそれだけです」

毬江「とにかく…その事で恩返しもしたいので…」

玄田「よし!本は中澤家に保管することにする!以上、解散!と、行きたいところだが…半沢からもうひとつ言うべき事があるそうだ」

半沢「申し訳ありません、大した時間はとらせませんので…相馬博貴という男が図書隊にいませんか?」

堂上「相馬二監がどうかされたのですか?」

半沢「私の友人が調べたところ彼は、あの事件の当事者の一人、検閲の内通者です」

堂上「そんなバカな!その友人の情報は本当に信用できるんですか?」

柴崎「出来ます…渡真利忍、私もビジネス関係で情報を交換したことがあるので」

小牧「柴崎さんが言うからには本当みたいだね」

笠原「そんな…」

半沢「当然今の話は他言無用でお願いします」

玄田「よし!話は以上、解散!」

笠原「…」

柴崎「そんなに思い詰めないの!あんたが心配したらお腹の子供にも悪影響よ」

半沢「子供がいたんですか?申し訳ない、ならあまりああいった話を聞かせるべきではなかった…」

笠原「あ、大丈夫ですよ!それにあたし強いですから!いざとなれば自分の身は自分で…」

堂上「アホか貴様!」

笠原「な、なんですか篤さんいきなり怒って!」

堂上「お前がいつもの調子で動いたらそれこそ流産するぞ!」

笠原「う…でも」

小牧「心配しないで、俺達に任せてよ」

手塚「そうだ、休んどけ」

半沢「無理はいけませんよ、それに、戦闘以外でもたよりにしてますから」

笠原「あ、ありがとうございます」

半沢「では堂上さん、今日はこの辺で失礼します」

堂上「ああ…」

手塚「むしろ笠原より半沢さんの方が心配だな」

小牧「そうだね」

柴崎「どういうこと?」

手塚「お前は笠原が絡むと察しが悪くなるな」

柴崎「あんたが良すぎるのよ」

笠原「えっ、何?どういうこと?」

堂上「図書隊員しかも二監クラスのだ、その汚職をああも公にしてしまったんだ確実に査問にかけられるだろうな」

小牧「だろうね、内通者があの場にいないとは言い切れないしね」

半沢宅

花「へぇ~そんなことやってるんだ~大変だねー」

半沢「ああ、昔みたいにドンパチ無いだけ命の保証があるから安心だけどさ」

花「当たり前じゃない、直樹もしドンパチあったら行くのやめてよ、死んじゃったら元も子も無いんだから」

半沢「わかってるよ」

花「そのわかってるよは分かってないときのわかってるよだね?」

半沢「違うって…」

花「ホントかなぁ~?ま、いいや、主婦からしたら良化法も直してほしいんだけどね~」

半沢「それは無理だよ」

花「何でよ~いいじゃない」

半沢「管轄外だよ」

花「ふぅーん、ま、頑張ってよ」

翌日

彦江「半沢直樹さん…ですね?」

半沢「はい」

彦江「相馬二監から話は聞いています、後でこの場所へ来るように」

笠原「査問…来ましたね」

半沢「査問?」

笠原「危険思想みたいなのとか持ってないかの取り調べみたいなものです…表向きは」

半沢「表向きは?」

笠原「あたしも、査問は経験してますが、ただの吊し上げですよ、それにしばらくは基地のほとんどが敵になります」

堂上「郁、悪いが半沢さんの査問に同行してくれないか?」

笠原「わかりました…何があっても守りますから!」

半沢「ありがとうございます!本当に心強い」

半沢・笠原「失礼します」

小木曽「半沢、久しぶりだなー」

半沢「お久しぶりです」

小木曽「お久しぶりですじゃないだろう?お前がまたトラブル起こすから出向先からわざわざ出向いてやったんだろ?」
バンバン

相馬「聞かせてもらおうか、俺が癒着した確証は?」

半沢「まだ上司から聞いただけです」

相馬「はあ?ふざけるなよ!わかったぞお前、反行政派だな…だから」

半沢「そちらの派閥は知りません」

小木曽「知りませんじゃないだろ?知ってるだろ」
バンバン

小木曽「どうなんだ半沢!」
バンバン

笠原「ああああー!!!もうさっきからバンバンバンバンうるさい!あんたは机を打楽器にしないと何も言えないのか!」

小木曽「お前も反抗的な態度を改めろ」
バンバン

相馬「まあまあ小木曽さん」

半沢「で、他に質問は?」

相馬「質問なんかもうないよお前は無罪の人間を証拠もなく貶めたんだ、一ヶ月後に出向の辞令が降りるだろうからまってな」

半沢「私はそれより前にあなたを摘発してみせます!」

相馬「だから!お前は終わりなんだよ!」
バシッ

半沢「そうですか…では、もしあなたなら今したことを後悔することになりますよ」

相馬「ハハハ…話にならん」

半沢「では最後に、私は人の善意は信じますが、やられたらやり返す…倍返しだ!それを覚えていてください」

録音聞き後…

小牧「派手に啖呵切ったね」

笠原「あのギョロ目ムカつくんですもん!バンバンバンバン…机はティンパニかっての」

小牧「wwwwwwwwwwwwwww」

笠原「笑いすぎです!」

堂上「…正直心臓止まるかと思ったぞ、あまり啖呵切らないでくれ、お前と同じ職場で働きたいんだ…でも…よくやった」
ポンポン

笠原「////」

柴崎「バカップルはほっといて…半沢さん」

半沢「はい」

柴崎「これからどうしますか?」

半沢「何とかして癒着摘発の糸口を探します」

手塚「泊まり込みでできれば良いのですが…」

柴崎「光、あんたの元一人部屋は?」

手塚「誰か使ってないか?」

柴崎「寮監情報だと誰もいないみたいよ」

手塚「寮監情報って…パソコンでデータを見てるだけだろ…」

柴崎「緊急事態だから許してくれるわよ」

手塚「お前な…」

半沢「助かります…ではお借りしてもよろしいでしょうか?」

手塚「案内は後で俺がします」

笠原「え?泊まるんですか?改めてよろしくお願いします!」

小牧「俺の部屋も近くにあるんでたまに一緒に飲みません?」

半沢「いいですね」

堂上「俺もたまに行って良いか?」

小牧「もちろん、ね、半沢さん」

半沢「はい」

笠原「あっ!篤さんズルい!あたし妊娠中だから酒飲めないのに」

堂上「お前は普段酒飲んでも騒ぎ起こすからこれを期に禁酒しろ」

笠原「ひっ、ひどい!あたしがいつ騒ぎ起こしたんですか!」

堂上「毎回だアホウ!!!」

小牧「wwwwww」

半沢「ハハハ、楽しいですね」

柴崎「やっぱり銀行とは違いますか?」

半沢「大違いですね、むしろここの方が楽しいです」

玄田「おう!なら転職するか?」

半沢「気持ちだけ受け取っておきます」



笠原「もうっ!篤さんたらホントに行っちゃうんだから!こんな可愛い嫁放っておいて…って柴崎かあたしは」

笠原「一人ボケツッコミ…さ、寂しい」

笠原「あ、あたしも寮に行くぐらいなら…いいよね、うん!いい!…ハズ」
ピーンポーン

笠原「え?あ?うわわわ、い、行こうとなんてしてませんよ!ハイ、全然」
ガチャッ

安達「え?」

笠原「あれ?安達?…どうしたの」

安達「実は…大切な話があって堂上教官のところに…寮監さんには許可をとってあります!」

笠原「どうしたの?」

安達「相馬二監に半沢さんの情報漏らしたのあたしなんです!」

笠原「え?」

安達「ごめんなさいごめんなさい!」
ポロポロ

笠原「ちょ、ちょっと待って…理由を教えてくれない?とりあえず」

安達「あたしの父は銀行に勤めてて…小木曽って人の部下で…」

笠原「それで?」

安達「情報を漏らさなきゃ父を出向させるって…」

笠原「はあ?安達と安達のお父さん何の関係があるのよ!」

安達「ごめんなさい…」

笠原「安達は悪くないよ、むしろ小木曽に心底ムカついたわ!一発ぶん殴ってやる!」

安達「堂上教官…あたし…クビですか?」

笠原「絶対クビにしない!あたしが守るから…でも、一応玄田隊長達には伝えないと…ごめんね」

安達「はい…」

プルルルルル

笠原「小牧教官ですか?今少しだけ話したいことがあります」

半沢「では、乾杯!」

小牧「乾杯」

堂上「乾杯」

手塚「乾杯」

小牧「そう言えば毬江ちゃんから半沢さんの話はたくさん聞いてますよ」

半沢「中澤さんから?」

小牧「どこの銀行からも融資を断られた自分の会社を救ってくれたって」

半沢「そんな大それた話ではありません、ただあそこなら大丈夫だと思ったから私は融資をしたまでです」

堂上「中澤さんって優秀な社員らしいからな、半沢さんもだけど…図書隊がたまに泊まる伊勢島ホテルの再建とかな」

手塚「あれも半沢さんが?」

半沢「懐かしい話ですね…あれは色々と大変でした…」

手塚「聞かせられる範囲で聞いてもいいですか?」

半沢「…構いませんが…皆さんが知ってることぐらいしか言えませんよ」

手塚「わかりまし…」
プルルルルルルル

堂上「小牧、ケータイ鳴ってるぞ」

小牧「あ、ホントだ、ん?笠原さん?普通堂上にかけるのに俺にかけるって…ただ事じゃないかもね」

ピッ
小牧「もしもし」

笠原「小牧教官ですか?今少しだけ話したいことがあります」

小牧「堂上にかけないところを見ると深刻だね?」

笠原「はい…実はあたしの部下の安達が小木曽に『自分の部下の安達のお父さんを出向にしたくなければ情報を教えろ』って言われて…」

小牧「…なるほどね、確かにその事を伝えるのは堂上より俺の方が適任だね」

笠原「ご迷惑おかけしてすみません」

小牧「笠原さんが謝ることじゃないよ、でもこの話は手塚が居ないとこの方が良かったかな?家族ぐるみの話で手塚はトラウマ持ってるしね」

手塚「???」

笠原「そうですね…すみません」

小牧「それと安達さんに代わってくれるかな?」

安達「こ、小牧教官…」

小牧「怒らないから…怖がらないで?あったことを話してくれるかな?」

安達「会議の数日後に小木曽って人に呼ばれて、会議室に連れ込まれて父を出向させると言われました」

小牧「…嫌がらせが得意な人なんだね」

安達「…」

小牧「心配しないで、こっちはこっちで対策をたてるから」

安達「すみません」

小牧「大丈夫、今日はゆっくり休んで、おやすみ」
ピッ

堂上「どうした?」

小牧「かくかくしかじか」

堂上「!!!」

半沢「相変わらずですね…小木曽は昔からそういうやり方ばかりだ少しも成長していない」

堂上「汚いやり方をするやつだ…」

小牧「手塚、だから君には聞かせたくなかったんだけど…」

手塚「大丈夫です、俺は手塚光である前に堂上班です!それに…そっちがその気なら…俺には優秀な妻が居るってことを教えてやる」

半沢「私も信頼できる同期が二人いることを教えてやる!やられたらやり返す、小木曽にはもう一度倍返しだ!」

渡真利「おう、半沢どうした?」

半沢「よう」

渡真利「図書館はどうだ?」

半沢「大変だよ…小木曽のやつも出てきたしな」

渡真利「ホントか!」

半沢「ああ、そこで一つお前に調べて貰いたいことがある、小木曽の部下の安達さんって人だ、こっちにその娘がいて、小木曽に無理矢理言うことを聞かされている、父親の出向をエサにな」

渡真利「了解、多分明日にはわかると思う」

半沢「あ、あと安達さんはたぶん小木曽から出向をちらつかされて不安だろうから、いざとなれば広報部に行けるよう近藤にも取り合ってくれ」

渡真利「お安いご用で、その代わりランチおごりな」

半沢「了解」

渡真利「っていうか無理を通すんだから近藤にもおごれよ」

半沢「当たり前だろ、イタリアンでいいか?」

渡真利「交渉成立!」

手塚「麻子か、俺だ」

柴崎「光?業務中に電話かけてくるなんて珍しいわね」

手塚「監視カメラの映像とかってそっちで読み取れないか?」

柴崎「いきなりどうしたの」

手塚「小木曽と相馬が動いた」

柴崎「…随分早いのね」

手塚「笠原の部下の安達ってやつの父親が銀行員なんだと、しかも小木曽の部下」

柴崎「…家族からめちゃくちゃにしようって魂胆ね?」

手塚「出向なんて銀行員にとって恐怖でしかないからな」

柴崎「わかったわ、調べてみる、その代わりあんたは今回バックアップに回って」

手塚「何でだよ!」

柴崎「家族絡みで光が冷静になれるとは思えないもの、あんたがあたしを大切にするって言ったみたいにあたしもあんたを大切にしたいの」

手塚「お前その急に可愛くなるの反則」

柴崎「急に?元々の間違えでしょ?」

手塚「はいはい…んじゃまた後でな」

柴崎「了解、何か分かったら連絡するわ」

じんたん「ああ、ゆきあつ、久しぶり」

ゆきあつ「どうした?」

じんたん「いや、一週間後に秘密基地で集合しないか?皆で、超平和バスターズで」

ゆきあつ「ああ、俺はいいけど…じんたん、車の免許持ってるか?」

じんたん「持ってるけど?」

ゆきあつ「なら秘密基地前で車で待っててくれるか?」

じんたん「…わかったよ」

ゆきあつ「ありがとな、リーダー」

じんたん「リーダー言うなw」

ゆきあつ「ハハハ、んじゃ授業だから」

じんたん「おう、またな」
ピッ

じんたん「お前の足の事知ってんだぜ見栄張らないで言えよ…ホントに皆バラバラになりやがって…」

翌日

小木曽「このクソ忙しい時に呼び出してなんなんだ?」

半沢「…」

小木曽「なんだと聴いてるんだよ」
バンバン

半沢「もうすぐわかりますよ」

彦江「私も必要なのか?」

半沢「はい?この男の処遇を決めねばなりませんので?」

小木曽「俺の処遇だぁ?」

堂上「堂上班、到着しました」

半沢「では、始めましょうか、小木曽さん、あなたは笠原さんの部下の安達さんの父親が自分の部下だと知り、父親の出向をちらつかせ強制的に情報を自分に言わせた」

小木曽「何を根拠に」

柴崎「根拠ならここに」

ピッ

半沢「このカメラを見てください、会って間もないしかも自分よりはるかに若い女性と随分と親しく接しているように見えませんか?それに会議室にまで入っている」

小木曽「当たり前だ、自分の部下の娘が自分の行った先にいたら仲良くもなるだろう、それともお前は声もかけないのか?知り合いの娘に」

小木曽「どうなんだ?」
バンバン

柴崎「パーソナルスペースって言葉をご存じですか小木曽さん?」

小木曽「はあ?当たり前だろ」

柴崎「パーソナルスペースって言葉を知っているならここまで近づきませんよ」

小牧「それに余程重要でなきゃ会議室なんて…」

小木曽「それと、父親となんの関係があるんだ?」

堂上「会議室で脅したのでは?」

小木曽「証拠はあるのか証拠は」
バンバン

相馬「君達ここまで言うからにはクビを覚悟しておけよ」

半沢「残念ですがクビにするつもりはありませんよ」

相馬「なら証拠を見せろと言ってるんだ!」

半沢「…」

小木曽「なんだ、まさかまた今はありませんじゃないだろうな?」

手塚「待ってください」

小木曽「?」

手塚「あの会話がもし脅しでないのなら、セクハラになりますよ…手の位置からして」

小木曽「言うに事欠いてでっち上げか!無駄だ無駄だ!この会議は終了」

笠原「ふざけんなこのギョロ目」

手塚「笠原、やめろ!」

笠原「安達に謝れ!」

堂上「落ち着け!」

小木曽「すぐにつかみかかる、最近の図書館は…」

彦江「半沢くん、他には無いのかねなら終わりにするしかないのだが…」

半沢「証拠ならありますよ」

小木曽「ほう…」

半沢「友人に安達さんの父を調べていただきました…本当はあなたにどのように脅されているのか聞くだけだった…ですが安達さんは机の上に置いてあった決算資料を必死で探しており、話すことが出来なかった…この決算資料どこにあったか分かりますか?」

小木曽「フン、知るか」

半沢「シュレッダーの中です、小木曽さん、あなた安達さんの父を出向させるために決算資料をシュレッダーにかけましたね?」

小木曽「言いがかりだ!」

半沢「言いがかりかどうか、これを見てから言うんだな!」

柴崎「このケータイの映像…隠しカメラですか?なんにせよ、このカメラの中の人物は小木曽さんですね、間違いなく」

小木曽「なぜわかる?社内には似た人間だって…」

堂上「これは、昨日寮に泊まったものの時間表です、あなたは何故か深夜に出ている、何故でしょうか?」

小木曽「そ、それはコンビニに…」

半沢「コンビニ?嘘はやめてください、このカメラには明確に時間も載ってるんですよ、ちょうどあなたの勤め先は目と鼻の先だ、この時間でピッタリ間に合うぐらいだ、つまりあなたはコンビニに寄ってなどいない!」

小木曽「け、決算資料は…明確な証拠がなければ…」

半沢「それなら私の同期であり、あなたが出向させた近藤が徹夜で繋ぎ合わせてくれましたよ」

小木曽「…」

半沢「さあ、まだ言い訳を続けるのか!なんとか言ってみろ!小木曽!」

小木曽「…」

半沢「言えないなら、あなたの負けだ」

彦江「小木曽、あとで指令室に来るように」

小木曽「た、たかが一家族の事でうるさい奴らだ俺は帰るぞ」
バタン

笠原「ふ、ざ、け、ん、な…「笠原、待て」

笠原「え?手塚?」

手塚「待てよ」

小木曽「え?」
バキッ

手塚「たかが一家族だと?お前はその家族がこの先どうなるかか考えたことがあるのか!」
バキッ、ドカッ

小木曽「ご、ごめんなさい、ゆ、許して」

手塚「うるさい!お前なんか「手塚、止めろ」

手塚「離してください!」

堂上「これ以上は暴力になる」

手塚「はい、すみません…」

手塚「頭冷やして来ます」

笠原「手塚…」

小牧「不味いね…」

堂上「そうだな…」

笠原「え?」

小牧「いくら弁護してもあれは暴力になる…」

半沢「それに相馬もいる、このままでは危険すぎますね…」

安達「あ、あの」

半沢「はい?」

安達「申し訳ありませんでした!!」

笠原「あたしからも謝ります!安達を許してやってくれませんか?」

半沢「何を謝ることが?」

笠原「え?」

半沢「子どもが親を思うのは普通の事じゃないですか、それがたまたま私達に関係あった、それだけの事です」

安達「あ、ありがとうございます!」

半沢「いえいえ、礼も言うこと無いですよ、それより…」

小牧「相馬さんがどう動くかですね」

半沢「はい…」

笠原「手塚…クビとかにならなきゃ良いんだけど…」

堂上「心配するな、俺も小牧もついてる」

小牧「それに柴崎さんもいるしね、彼女もやられたら倍返しの人だし大丈夫でしょ」

笠原「確かにそうですけど…」

半沢「皆さん、今日は本当にお疲れ様でした、ですが本番はこれからです!もっともっと力を入れていきましょう!」

笠原「半沢さん、手塚は…」

半沢「私も全力で守ります!」

小牧「手塚は幸せ者だね、こんなに沢山の人に守ってもらえるなんて」

柴崎「ホントは守る側ですけどね…ったくあのバカ…」

堂上「柴崎…いたのか」

柴崎「いたのかって失礼ですね!あたしの旦那やられて黙ってられません、やられたらやり返す倍返しってあたしもやりたくなりました」

半沢「ええ、やってやりましょう」

プルルルル
半沢「ん?近藤?」

半沢「もしもし?」

近藤「半沢、お前なにしたんだ?」

半沢「え?」

近藤「お前が行っている図書隊の相馬って人からお前の免職を打診する手紙が頭取に届いたと噂になってるぞ」

半沢「!!!」

近藤「一体何をしたんだ…」

半沢「汚職の摘発をした…ただそれだけだ」

近藤「気を付けろよ半沢、お前が思ってるよりこの案件は手強いぞ」

半沢「ありがとな近藤、気を付けるよ」
ピッ

柴崎「どうしました?」

半沢「少し不味いことになりました…」

手塚「どういうことですか?」

半沢「私の免職が打診されているようです…」

笠原「そ、そんな!どうして!」

小牧「自分の身の危険を感じたから…まぁ、当然の行動だろうね」

堂上「取り込み中、すみません、半沢さん、お客さんが…」
ガチャ

黒崎「おひさしぶりねぇ…」

半沢「お久しぶりです」

黒崎「今日は挨拶に来てあげたわよ、絶対に違法図書を摘発するからそのつもりでね、それまであなたがここに居られたらの話だけど」

半沢「不味いな」

堂上「金融庁もお出ましか…」

小牧「四面楚歌…だね」

柴崎「これからさらに事態は悪くなると思いますよ…金融庁も動いた…となると」

小牧「検閲も本格的に動くね…確かに今は図書隊にも相馬っていう立派な内通者がいるし圧倒的有利だからね」

柴崎「これを機に世論も規制の方向性に向けられるかもしれませんしね」

笠原「どういうこと?」

柴崎「汚職をしてる人がいる場所で本なんか借りたいと思う?」

笠原「あっ…」

半沢「何か良い手があれば良いのですが…」

柴崎「世論なら何とかなるかもしれません」

半沢「本当ですか?」

柴崎「光の兄はそういう類いに強いんです」

堂上「柴崎…お前まさか…?」

柴崎「はい、未来企画に協力を要請します」

慧「もしもし?麻子さんですか?どうしました?」

柴崎「少し未来企画さんにお力を貸していただきたくて、お義理兄さんにお願いをと思いまして」

慧「ああ、そろそろかなと思ってました」

柴崎「あなたのそういうことに頭が回るとこ嫌いじゃないですよ」

慧「その言葉そっくりお返しします…と、冗談はさておき、今回は私達もピンチでしてね…どうも未来企画内に内通者がいるみたいで…そこで、私達が世論を動かす間に、あなた達の誰かをこちらに派遣していただきたい」

柴崎「わかりました、では近々弟の光をそちらに派遣します」

慧「それが得策ですね、では後程私達もそちらへ向かいます」

柴崎「わかりました」

翌日

慧「初めまして、未来企画の手塚慧と申します」

半沢「東京中央銀行の半沢直樹です、こちらこそよろしくお願いします」

美紀「半沢さん?」

半沢「ふ、藤沢さんどうしてここに?」

美紀「半沢さんの助言以来ネイルアートの店を開くことができたのですが…良化法の煽りを受けて表現が規制されそうなので未来企画…政府とパイプのある団体と組んだんです」

笠原『なんか…柴崎に似てるなぁこの人…性格とか…』

小牧「藤沢さん…って確か半沢さんの敵…だった人だよね?それもかなり半沢さんを苦しめたとか?」

美紀「懐かしい話ですね」

小牧「ま、今回味方なら良いのかな?頼りになりそうだし」

堂上「ホントに信用できるのか?」

小牧「まだ何も起こってないし信用するしかないでしょ?疑うのは裏切ってからでも遅くないと思うけど」

半沢「それよりも…慧さん…あなたの弟が心配ですね…今は謹慎だけで済んでいますが…果たしてそれだけで済むかどうか…」

慧「法律側なら何とかコントロールすることができるのですが…」

半沢「検閲となると難しいですか?」

慧「はい…」

美紀「私もそちら側のパイプはありませんし…」

半沢「…では、こういうのはどうでしょうか?」

慧「何ですか?」

半沢「手塚さん…あなたの弟さんを名目上『左遷』にし、さも未来企画に飛ばされたというようにするということです」

柴崎「確かに…それならいいかもしれませんね…」

小牧「安全だし、検閲も引っ掛かるだろうしね」

堂上「それに今は相馬も居る、ここに居る方が危険だろう」

笠原「…仕方ない…ですね」

柴崎「そんな悲しそうな顔しないで、光がこんな目にあったままあたしだって黙って引き下がらないわよ」

半沢「笠原さん、今はとりあえずこうするといったあくまで『妥協案』ですので」

小牧「柴崎さん、今日は手塚のそばにいてあげて、きっと心細いだろうからさ」

柴崎「わかりました」

笠原「半沢さん、すみません、ちょっとトイレに…」

半沢「あ、もう話は終わりですので許可はいいですよww」

笠原「いや、一応確認をと思って…」

半沢「なるほどw」

堂上「あいつ…」

裏庭
堂上「久しぶりに裏庭だな…」

笠原「グスッ…見ないでぐだざい」
ポロポロ

堂上「泣いていい」

笠原「泣いてません」
ポロポロ

堂上「このやり取り何回目だ、もう諦めろ、分かってるんだからな」

笠原「悔しい…あたし悔しいです…手塚は悪くないのに…こんな理不尽なことって…」
ポロポロ

堂上「大丈夫、絶対に俺が守ってやるだだから安心しろ」
頭ポンポン

笠原「篤さん…ありがとうございます…」
ポロポロ

堂上「友達のためにそこまで泣けるなんて…俺はお前みたいな奥さんがいて嬉しいよ…惚れ直した」

笠原「こんな時に…ずるいです///」

翌日

手塚「兄貴には苦労かける」

慧「ま、たまにはこういうのもいいだろ」

手塚「すまない…今回はそれしか言えない…」

柴崎「なーに言ってんの、さっさと帰ってきなさい検閲を脅かすくらいのスピードで」

手塚「お前な…」

柴崎「できる!って言うかあたしの旦那ならそれぐらいしろ」

手塚「勝手言ってくれるよ…」

半沢「お待ちしてます」

手塚「ご迷惑おかけします」

慧「そろそろ行くぞ」

手塚「ああ…」

半沢「…」

渡真利「随分暗い顔してるな」

近藤「このままやられるお前じゃないだろ」

半沢「渡真利、近藤!」

渡真利「よっ!」

柴崎「渡真利さん!?」

渡真利「お久しぶりです柴崎さん」

半沢「どうしてここに?」

近藤「お前を助けに来た…と、言いたいところだが…」

渡真利「どうしようもなくまずい事態なんだよな…」

半沢「?」

近藤「黒崎がもうすぐでここに来る」

半沢「黒崎が!次の検査まではまだ日が空いているはずだ…」

渡真利「一気に勝負を決めるハラさ、強力な味方も居るしなアイツには」

半沢「味方?」

渡真利「柴崎さんをつけ回してた奥村ってヤツのお母さんだよ」

半沢「確かに奥村は関与してるが…金融庁とは関係がないはず…」

渡真利「そうだと思って俺も無警戒だったんだけどね…その母親の働いてる会社がさ」

半沢「会社?」

近藤「ラフィットだよ」

半沢「!!」

渡真利「つまりお前に一番恨みを持った人間が間接的に攻撃を仕掛けてる…そういうことだ」


東京中央銀行常務室

大和田「半沢くん…あのままじゃ済まさないよー、倍返しも出来ないしどーするんだろうねぇ…」

関東図書隊、玄関

渡真利「ほーら敵さんのお出ましだ」

柴崎「一気に勝負を決める…か」
スタスタ

堂上「柴崎、どこに行く?」

柴崎「ちょっと野暮用でーす」

小牧「野暮用って?」

柴崎「まぁ、色々です」

堂上「こんな状況でそれは無いだろ」

柴崎「言わなきゃ分かりませんか?」
ギロッ

笠原『柴崎いつになくイラついてるなー特別な日みたいに…あっ!』

笠原「篤さん、今回は許してやってください」

堂上「お前まで何を…」

笠原「ゴニョゴニョ」

堂上「き、許可する…」
ボソッ

小牧「wwwwww」

黒崎「随分楽しそうじゃない、何か良いことでもあったのかしら?」

半沢「検査にはまだ早いようですが?」

黒崎「あら?早めちゃいけない理由でもあるのかしら?例えば…本、とか?」

半沢「いえ、別にありませんが」

黒崎「そう…ま、今日はあなたに用がある訳じゃないんだけどね…小牧さん、あなたに用があるのよ」

小牧「何でしょうか?」

黒崎「あなたの彼女、可愛いわねぇ…でも聞いた話によると本を隠すいけない子らしいじゃない?」

小牧「なんの事を言ってるのかわかりかねますが?」

黒崎「部下が毬江ちゃんの家捜索してるわよ今頃」

小牧「…検閲の許可は?」

黒崎「そんなのいらないわよあくまで『捜査』だもの」

小牧「…」

笠原「卑怯者…」

黒崎「あら?そんなの社会じゃ通用しないわよ」

小牧「笠原さん、心配しないで、毬江ちゃんだってもう弱いわけじゃないから」

笠原「…」

渡真利「おい、半沢どうするんだ?」

半沢「大丈夫だ」

堂上「大丈夫?黒崎はほぼ核心を突いてますが」

半沢「まぁ、見ててください」

毬江宅

調査員A「ここに本があると聞いたので調べさせてもらいます」

毬江「帰ってください!これから仕事なんです!」

調査員B「ちゃんと私達がそちらには許可をとってあります」

毬江「困ります!会議があるんです!」

調査員A「遅らせてくれると思いますよ、おい、そっちも調べろ」

調査員B「はい」
バタバタ

毬江「…」

調査員B「おかしい…何もない…」

調査員A「よく探せ!」

毬江「もう探すところはありませんよ、朝早くからお疲れ様でした」

調査員A「黒崎さんに報告だ…」
スタスタ

毬江「…」
プルルル

小牧「毬江ちゃん?」

毬江「大成功ですwww」

小牧「うそ、ホントにww」

毬江「ここまでうまく行くなんて思いませんでした半沢さんに代わってください」

小牧「了解」

半沢「中澤さん、やっぱりあなたのところに来ましたか…」

毬江「『黒崎の勘の良さは野性動物並み…』半沢さんの言った通りですね」

半沢「だからこそあなたのところへ行く、そう思ったんです」

毬江「大当たりですwではあたしは仕事行ってきます」

半沢「お疲れ様です」
ピッ

半沢「…というわけで黒崎さん本日はありがとうございました」

黒崎「…これで済んだと思わないことね」

堂上「すでに移動してたって事ですか?」

半沢「はい」

笠原「ど、どこに?」

半沢「私の机の上にw」

笠原「はあ?…あ、すみません」

半沢「灯台もと暗しってやつです」

柴崎「もー皆さん遅いですよぉ~」

笠原「あ、お帰り」

柴崎「もう相馬さん糾弾しちゃいましたwwww」

全員「!!!」

全員「!!!」

半沢「し、柴崎さん、さっきあんな風に言ったのは?」

柴崎「嘘です、名演技でした?」

渡真利「相変わらず過ぎるだろ…」

柴崎「仕方ないじゃない、旦那が苦しめられてるんだし」

小牧「どうやって糾弾したの?」

柴崎「今から皆さんにお伝えしますねwww」

数時間前

柴崎「…何とか誤魔化せた、ありがとう笠原、小牧教官は気付いてたみたいだけど」

柴崎「失礼します」

相馬「ああ、君か」

柴崎「お久しぶりです」

相馬「で?なんの用だね?」

柴崎「単刀直入に言いますね、やっぱり相馬さん、関与してますよね?」

相馬「何を言い出すかと思えば、旦那が転勤させられたことへの当て付けか?」

柴崎「そんな、仕事は仕事ですよ」

相馬「なら、君にも辞令を受けてほしいんだが…」

柴崎「はい?」

相馬「当然だろう、上官をここまで疑い隊内の風紀を乱した挙げ句、旦那は暴力、異動させられない方がおかしいだろう?」

柴崎「転勤先はどこに?」

相馬「福岡なんてどうだい?」

柴崎「ほとんど左遷ですね」

相馬「そう思うならそれで構わないが…」

柴崎「旦那ももうすぐ戻るのでそれは…ちょっと」

相馬「なら、どうしてそもそも私を疑った?」

柴崎「それは…あなたが… 「犯人だから…か?もういいもういい退出しなさい、証拠もなく…さすがに気分が悪い」

柴崎「ぷっ…あははははははっ」

相馬「な、何がおかしい」

柴崎「もう、今日でクビになるあなたにキャラ作ってもしょうがないと思いながら、ギリギリまで待ってようかと思ったけど限界ですねwww滑稽すぎますwwwwww今度は芸人目指したらどうでしょうか?きっといいとこ行けますよwwwwww」

相馬「口をつつしめ!私は二監だぞ!」

柴崎「あんたなんかに慎む口は持ってない!それに二監ですって?これを聞いてもまだそれが言えますか?」
つICレコーダー

柴崎「再生♪」

相馬「俺昔8億横領したんだwwwこの金もそこからだったりしてww」

藤沢「え~そんなことしてたんですかぁ~悪い人ですね~」

相馬「この事はひみちゅだぞ~お口チャック!」

藤沢「しゃべっちゃおーかなー」

相馬「クビになったらドンペリ飲めないよ?」

藤沢「えーじゃあ喋んなーいwww」

相馬「ハハハ、乾杯!」

柴崎「藤沢さんって、あたしたちの味方なんですよ」

相馬「ふ、ふざけるな!こんなの違法だ!」

柴崎「違法?どの口が言ってるの?人の旦那に手を出して!あんたはあたしの逆鱗に触れたのよ、言ったわよね?倍返しって」

相馬「…」

柴崎「では、報告に行ってきます」
バタン

相馬「…もしもし、相馬です、あ、お久しぶりです奥村さん…はい、やっちゃってください」

柴崎「というワケです…」

小牧「さすがだね柴崎さん」

堂上「よくやった」

半沢「安心するのは早いですよ、まだ本丸が残ってます」

笠原「いよいよ…本丸、あ!あたし力仕事なら…「馬鹿!」

笠原「痛っ!なにするんですか篤さん!」

堂上「前にも言ったろう!子どもがいるんだ!」

笠原「えーだって居る意味無いじゃないですかー」

半沢「いえ、そんなことは…「だから事務に慣れておけと言ったんだ馬鹿!」

笠原「さっきから馬鹿馬鹿って…もう怒った!このっ!」
バキ

堂上「だから暴れるなと言ってるだろうが!」

柴崎「半沢さーんあたしも旦那迎えに行きますね、あの二人はほっとけば終わるんで、それより小牧教官笑い死にさせないように別室にお願いします」

半沢「わ、わかりました」

半沢『慣れてる…』

ロビー

大和田「いやーすばらしい!」

柴崎「誰ですか?」

大和田「あ、失礼…東京中央銀行常務の大和田と申します」

柴崎『大和田?ってことはこの人が渡真利くんから聞いた半沢さんの親を殺した男?』

大和田「話は聞いたよ…どうだね?その腕を僕の側で発揮してみないか?給料も倍だそう、あ、それに女司令のイスもつけるようにするぞ?そうすればより強固なつながりになると思わないかね?」

柴崎「大和田さん…この話…」

大和田「はい」

柴崎「丁重にお断りします、あ、それとスカウトは時間外にお願いします、こんな美人呼び止めたらナンパだと思われますよ」

大和田「後悔しますよ?」

柴崎「どうでしょうか?では」

大和田「半沢より私につく方が…「俺の妻になんか用ですか?」

柴崎「光!」

大和田「いやいや、ただのヘッドハンティングですよ、では失礼します」

柴崎「光…」

手塚「麻子…その…心配かけた…すまない」

柴崎「…」
パンッ

手塚「痛っ…」

柴崎「ちょっとこっち来なさい!」

手塚「え?」

柴崎「いいから!この馬鹿亭主!」

手塚「は?」

手塚「おい!どこまで行くんだよ!」

柴崎「うるさい!」
ギュウウウ

手塚「おい、麻子…」

柴崎「バカバカバカ!」
ポロポロ

手塚「泣いてるのか?」

柴崎「泣いてない!誰が泣くかバカ!」
ポロポロ

手塚「悪かった…」

柴崎「心配…させないでよ」

手塚「ホントに悪い」
ギュッ

柴崎「…守ってよ」

手塚「え?」

柴崎「結婚するときにちゃんと誓ったんだから守ってよ…あたしのこと」

手塚「…ああ」

その頃

半沢「柴崎さんも主人が帰ってきてなんとか落着ですね…」

堂上「そうですね…どうですか、久し振りに俺の部屋で飲むなんて?」

半沢「いいですね」

渡真利「おっ、同行させて貰おうかな♪」

半沢「…仕方ないな、お前は、近藤、お前はどうする?」

近藤「じゃあ俺もお言葉に甘えるか」

小牧「堂上、俺は今回パス」

堂上「何でだ?」

小牧「この後毬江ちゃんとデートなんだ!」

堂上「…しっかりな」

小牧「大丈夫、堂上見たいに噛まれたりしないからwww」

堂上「さっさと行け!」

堂上「…ったく」

半沢「…仲いいですねwww」

堂上「そうですかね…あいつは…」
ドン!!ピシッ

堂上「銃声!図書館の方からか!」

手塚「一正!今のは!」

堂上「手塚か!お前も一緒に来い!」

手塚「はい!」

半沢「私達も行きます!」

堂上「…ではこれを」
つ防弾チョッキ

半沢「ありがとうございます」

堂上「小牧には…余計な気を回せないか…郁!」

笠原「はい!」

堂上「半沢さん達を守れ!だがお前は自分の身も同じぐらい気にしろ、いいな!」

笠原「はい!」

図書館

堂上「防弾ガラスに…検閲用の強化されたゴム弾?」

手塚「なぜそんな無意味なことを?」

笠原「なにか理由があるんでしょうか?」

半沢「わかりません…ですが、嫌な予感がします…」

渡真利「怒りはヒシヒシと伝わってくるしな」

ナレーション(ドラマの半沢風):図書隊内部の反抗を見事暴いた半沢達、しかしそれはこの事件の尻尾を指でつまんだに過ぎなかった…また尻尾を摘まんだと同時に大きな事件へと足を踏み入れてしまった

検閲編に続く…

検閲編

高級レストラン

毬江「どうしたんですか?急にこんな高級な所なんて…」

小牧「たまにはこういうのもいいでしょ?」

毬江「そうですね…あ、お金…」

小牧「いいよ、奢る」

毬江「あ、ありがとうございます」

小牧「この後ちょっと歩くけど大丈夫?」

毬江「大丈夫です!外回りで慣れました」

小牧「そっか、そうだね…」

毬江「幹久さん?」

小牧「いや、なんか遠いところに行っちゃったなと思ってさ、もう守ってばっかりじゃないんだなって」

毬江「もう社会人ですから…」

小牧「嬉しい反面寂しいなww」

毬江「でも幹久さんの側を離れませんよ?」

小牧「それだと嬉しいんだけど…」
ドンッ

小牧「あ、すみませ…え?」

毬江「み、幹久さん!ナ、ナイフがお腹に…」

小牧「…ッ、逃げて…毬江ちゃ…」
ドサッ

毬江「幹久さん!幹久さん!誰か救急車お願いします!」

毬江「で、電話しないと…」

プルルル
堂上「電話だ」

半沢「誰からですか?」

堂上「中澤さんです」

笠原「毬江ちゃん?」

堂上「もしもし、小牧と一緒じゃないのか?…なに?…わかったすぐに行く」
ピッ

笠原「篤さん?」

堂上「小牧が路上で刺された」

全員「!!」

堂上「今から病院へ向かう、乗れ」

病院

堂上「小牧!大丈夫か!」

小牧「堂上、病院内では…静かに…ね」

手塚「教官…」

小牧「手塚もそんなに深刻にならないで、俺は大丈夫だからさ」

笠原「大丈夫じゃないです!」

小牧「笠原さんは優しいね、でも大丈夫、それより毬江ちゃんの側に居てやって、突然すぎて気が動転してると思うからさ」

笠原「…はい」

柴崎「毬江ちゃんの側にはあたしもついてますから大丈夫ですよ、だからゆっくり休んでください」

小牧「ハハハ、怖いぐらい心強いね」

半沢「小牧さん、必ず本は守ってみせます」

小牧「宜しくお願いします」

堂上「よし、車に戻るぞ、基地もどうなってるかわからないからな」

小牧「堂上!」

堂上「ん?」

小牧「俺の分も倍返しよろしく」

堂上「倍返しじゃ足りないな…10倍返しだ!」

毬江「幹久さん…」

笠原「心配しないで…絶対大丈夫だから…」

毬江「違います…幹久さんのためにあたしも仲間に入れてください!」

柴崎「それは危険すぎない?」

半沢「心配ありません、彼女は私と過去に会社再建に尽力し、そこで私は何度も救われているので」

手塚「そうですね…半沢さんが推薦するなら私たちも意義はありません、ですよね、教官?」

堂上「そうだな、それにいくら殺気立っているとはいえ、民間人に発砲することはないだろうな」

分かってるよ
がんばって書けぃ

>>122
ありがとうございます!

笠原「ですね…」

柴崎「本当はこんなとき隊長が居れば指示を仰げるのですが…」

堂上「あの人は『最強の仲間を二人つれてくる!』って言ったきり音信不通だからな…こんなときに何してるんだ…ったく」

プルルル
手塚「兄貴から電話?」

手塚「もしもし?」

慧「光、やられた…」

手塚「え?」

慧「麻子さんに代わってくれるか?」

手塚「麻子、兄貴からだ」

柴崎「お義兄さん?どうしたんですか?」

慧「すまない…相馬の糾弾をしている最中に…逆に俺達の政治的権限を剥奪された…多額の金とともに」

柴崎「誰にですか?」

慧「大和田という男だ」

柴崎「大和田…ですか?」

半沢「大和田!?」

笠原「ど、どうしたんですか半沢さんいきなり大声出して」

半沢「いや、すみません…ですがアイツが出てきたとしたら最悪の事態ですね…」

柴崎「そうですね…お義兄さんの話を聞いてみても、あたしと一対一で話したときも只者じゃないように思えましたから」

半沢「…」

柴崎「でも半沢さん、大和田はあたしに任せてもらえませんか?」

半沢「それは危険すぎます」

柴崎「大丈夫です、あたしこういうので負けたこと無いんで」

半沢「しかし…」

堂上「俺からも柴崎は大丈夫だと推薦することができます、戦わせてやってくれませんか?」

半沢「…わかりました、では私は検閲と奥村を糾弾することに専念させていただきます」

堂上「ありがとうございます、手塚俺達は検閲との戦闘に向けて訓練だ」

手塚「戦闘ですか…恐らく実弾が使われるかもしれませんね」

堂上「ああ…」

笠原「それは法律で…」

堂上「何にでも特例がある…そう言うことだ…」

笠原「篤さん…」

堂上「心配するな」
ポンポン

毬江「あたしはどうすれば?」

半沢「私と一緒に検閲について調べてください」

毬江「わかりました」

緒方「小牧の容態は?」

堂上「命に別状ありませんがかなり深刻な状態です」

緒方「そうか…」

堂上「図書館の方で何か変わったことはありませんでしたか?」

緒方「昔柴崎をストーカーしていた奥村ってヤツが図書館に最近よく現れるらしい」

手塚「あいつが!いったいどんな理由で?」

緒方「分からない、本も借りず、ずっとうろついてるらしい」

堂上「業務部ではどのような対応を?」

緒形「何をしているのか尋ねたらしい、そしたら『暇潰し』だと言われたそうだ、それ以上は追求していない」

柴崎「得策ですね、変に突っ込んで疑われたら世論も味方にできなくなりますから」

緒形「それと、半沢さんに内藤という方から伝言を預かっています」

半沢「部長からですか?何と?」

緒形「『あと数日で検閲の汚職を摘発できなければ出向だと常務から連絡がきた』だそうだ」

半沢「…わかりました、ですが必ず期限には間に合わせます、と伝えておきます」

渡真利「何か策でもあるのか?」

半沢「いや…だが検閲ももうすぐここに突入してくる、時間はどっちにしろ無い」

渡真利「なるほどな」

近藤「出来れば今日中に資料を集めれるだけ集めておきたいな」

半沢「そうだな…緒形さん、会議室を一室貸していただけないでしょうか?」

緒形「本来は無理なのですがこの場合仕方ないですね…」

半沢「ありがとうございます」

柴崎「申し訳ありません、私は明日も業務があるので残るのは難しいのですが」

半沢「大丈夫です、これは業務外の事ですから自分の業務に支障をきたすのは良くない」

柴崎「ありがとうございます、あ、毬江ちゃん」

毬江「はい?」

柴崎「奥村は任せて大丈夫?」

毬江「大丈夫です!」

柴崎「最近まで普通の女子大生って感じだったのに強くなったのね」

毬江「もう社会人ですから」

柴崎「心強いわ」

毬江「半沢さん、あたしも残ります!一緒に戦いましょう」

半沢「ありがとうございます」

毬江「幹久さんを傷つけた人を許すことはできません」

渡真利「よし、じゃ行くか」

手塚家
柴崎『大和田について色々と調べておく必要がありそうね』

手塚「麻子」

柴崎「何?」

手塚「あんまり危険なことはするなよ」

柴崎「わかってるわよ」

手塚「ホントか?」

柴崎「他に何て言ったら信じてくれるのよ…」

手塚「前みたいになったら困るしな」

柴崎「ならないわよ、今は仲間もちゃんと頼ることにしてるわ」

手塚「そうか」

柴崎「じゃあ、お休み」

手塚「お休み」


翌日
奥村「柴崎さん、久しぶりだね」

柴崎「お久しぶりです」

奥村「久しぶりにレファレンスお願いできるかな?」

柴崎「…」

奥村「やっぱり駄目かぁ…あ、じゃあこれだけ言っておくね、お父さん達を糾弾しようなんてバカなことはやめた方がいいよ、検閲も手段を選ばなくなるから」

柴崎「すみません業務外の事は終わったらにしていただけますか?」

奥村「相変わらず固いね、んじゃあバイバイ」

柴崎『奥村家が動いてるってことは…こっちを無警戒もしくは安心しきってるってとこかしら?』

病院

平賀「まさかお前がやられるとはな…」

小牧「すみません…」

平賀「まぁいい、今回は休んどけ、困った親戚がうちに来たから俺も協力する」

小牧「玄田隊長が?」

平賀「しかも今回は上層部に掛け合ってる、だいぶ大掛かりな捜査になるからな」

小牧「事件性も無いのにですか?」

平賀「その事件…追い続けてる人間が警察に何人いると思ってる」

小牧「なるほど…でもそう言うのは彼の前で言うのはやめた方がいいですよ」

部下「え?俺ですか?」

平賀「小牧、捜査協力はするが疑われるなんて聞いてないぞ」

小牧「警察そのものを疑ってるわけじゃないですよ、ただ…彼は俺を刺した犯人です、ここに明確な証拠が」
つ血だらけの警察手帳

部下「!」

平賀「部下…お前…」

部下「これは…その」

小牧「なぁ、本当はお前あの子狙うつもりだっただろ?」

部下「う…」

小牧「一直線に彼女の近くに走っていったよな?」

部下「…」

小牧「どこで手に入れた情報か知らないけどあの子の耳が不自由なの知ってたよな?」

部下「う…うう…」

小牧「そういう子なら自分でも始末できると思ったか?俺が止めなきゃ躊躇わずに刺したよな?」

部下「検閲の上が…「なぁ…」

小牧「死ねばいいよお前」

隊舎

笠原「奥村がまた来たぁ!」

柴崎「声が大きいわよ笠原!」

毬江「例のストーカーですか?」

堂上「ああ、そうだ…だが何故こんなにも強気なんだ?」

手塚「やっぱり…家の問題では無いでしょうか?犯罪行為に関与したとはいえ、大層なお金持ちですから」

柴崎「それだけじゃなさそうよ」

渡真利「さっき、知り合いの貿易会社のヤツに聞いたところその奥村ってやつは黒崎と関係があるみたいだぞ」

半沢「黒崎と?」

渡真利「そ、金融庁絡みで昔からの仲だそうだ」

堂上「そのつながり…厄介だな」

柴崎「そうですね…迂闊に手を出せば過去の失態や図書隊の機密が外部に漏れる可能性もありますから…」

毬江「そうでしょうか?」

柴崎「え?」

毬江「むしろこれはチャンスでは?」

手塚「何で?」

毬江「考えてみてください金融庁がもしも汚職者と親交があるとばれたらどうなると思いますか?」

柴崎「それはそうなんだけど…だからこそ向こうも躍起になってこちらの情報を漏洩させに来るでしょ?」

毬江「それこそチャンスですよ、人間攻勢の時が一番隙があるんですから」

柴崎「…確かにね…んじゃ、任せるわ」

笠原『毬江ちゃん…こういうことじゃ一番凄いわ…てか怖いわ』

半沢「相変わらず策略家というか…強心臓というか…」

毬江「これも二人のお陰です」

半沢「笠原さんと柴崎さんですか?」

柴崎「毬江ちゃん、ちょっとひどくないそれ?あたしはどこかの戦闘職種と違って返り血浴びt…「キャーッ、それダメ!絶対に言っちゃダメ!」

柴崎「冗談よ冗談w」

笠原「冗談にも程があるわよ」

手塚「さすがにあの時は恐怖を感じたよ…だって」

ジリリリリリ!

アナウンス『業務部より通達、西側に検閲の車発見、武器を所持しています、直ちに戦闘配備をお願いします』

半沢「予定よりいくらか早いですね…」

堂上「手塚付いてこい!戦闘配備だ!」

手塚「はい!」

柴崎「半沢さん、毬江ちゃん会議室をひとつ開けました、使ってください!」

笠原「柴崎、あたしも何か手伝う!」

柴崎「ありがと、あとで頼むわ」

玄田「ちょっと待った!」

笠原「げ、玄田隊長!」

柴崎「今まで何処に行ってたんですか?」

玄田「最後の戦いだからな、警察の上層部に出動を掛け合ったんだ」

柴崎「それだけですか」

玄田「いや、折口に頼んで事件の背景や事実を新世相に書いてもらうことになった…そのときに、半沢、ある記者からお前に情報だそうだ」
つメモ

半沢「記者といえば…」

玄田「そして俺達にとって最高の切り札になる人を連れてきたぞ!」

笠原「切り札?」

稲嶺「切り札とまでは言い過ぎじゃないか?」

柴崎「い、稲嶺顧問!」

稲嶺「すまないね、地方で講演会をしていたんだ…もう少し早く来れればよかったんだが…」

半沢「稲嶺和市…あの事件の被害者であり、初代図書隊指令」

稲嶺「そんな豪勢なものじゃないよ、それよりきみのことはよく知ってるよ、あの伊勢島ホテルを再建したとか」

半沢「あなたに比べればそこまで大それたものでは…それよりも稲嶺さん、教えていただけますか?あの日の全貌を?」

稲嶺「そのために私は戻ってきた、良いでしょう、教えます」

半沢「ありがとうございます」

玄田「あとの会議はそっちで頼む俺は現場にいく」

半沢「わかりました」

笠原「…あれは良化隊員…もう来たの…っていうかやっぱり銃が実弾…篤さんに連絡しないと」
プルルル

図書館:外

ピッ
堂上「郁?どうした?」

笠原「篤さん、良化隊は実弾持ってる!」

堂上「やはりか…すまない、助かった…手塚には俺から連絡を入れておく」

笠原「お願いします」

堂上「ああ」
ピッ

手塚「無線?」
ピッ

堂上「手塚、俺だ」

手塚「堂上一正、どうしました?」

堂上「良化隊員の銃は実弾使用だと進藤三監に伝えてくれ」

手塚「わかりました」
ピッ

進藤「どうした?」

手塚「良化隊員の銃は実弾使用だそうです」

進藤「なんだと!だとすると…ここからは危険だな…付いてこい、手塚」

手塚「はい」

安逹「実弾戦なんて初めて…」

吉田「怖いのかよ?」

安逹「当たり前でしょ!バカじゃないの!あんたは怖くないわけ?」

吉田「いや、ちょっと気になるっていうか、それどころじゃないっていうか…」

安逹「何が?」

吉田「良化隊員の人数が少ないからさ」

安逹「そりゃ本を奪うために上から来たりするんだから正面からはこんなもんでしょ?」

吉田「そうなんだけどさぁ…」

安逹「何?まさか秘密の入り口が図書館にはあるとか言いたいの?東京駅の都市伝説じゃあるまいし」

吉田「あっ!」

安逹「何?まさか信じちゃった?」

吉田「違うんだよ!ホントにあるんだよ抜け道!良化隊員もそこに気付いてるんじゃ?」

安逹「なんであんたが知ってるのよ?」

吉田「友達の家に行って寮の門限破る度にそこ使ってたからさ」

安逹「最悪!信じらんない!」

吉田「最悪ってお前…俺のお陰でわかったくせに」

安逹「門限破るまで何してたのよ!」

吉田「ま、麻雀とか…」

安逹「返す言葉もないわ…まぁいいや…堂上一正!」

堂上「どうした?」

安逹「吉田の見立てを伝えます」

堂上「ほう…」

安逹「かくかくしかじか」

堂上「わかった、そっちはお前らに任せる」

吉田「ありがとうございます!」

堂上「吉田、あとで郁に伝えておく」

吉田「や、やっぱり逃げられないか…」

安逹「当たり前でしょ!」

玄田「あいつらには何か褒美をやらんとな、いくら初版本がここにないとはいえそれ以外を奪われれば終わりだからな」

堂上「隊長、今何て言いました?」

玄田「初版本はここにはないって言ったぞ?」

堂上「じゃあどこにあるんですか?」

玄田「小牧の病室だ」

堂上「」

玄田「ガハハ、心配するな、良化隊も患者には手が出せん!入院患者が退屈しないようにとたまたま借りた本が初版本だっただけだ」

堂上「…はぁ」

堂上『相変わらず反則技のオンパレードだなこのオッサン』

堂上「ん?無線?」

進藤「堂上か?」

堂上「どうしました?」

進藤「手塚が被弾した」

堂上「本当ですか?」

進藤「ああ」

堂上「そちらが手薄になりましたね」

進藤「その辺は大丈夫だ、俺が狙撃主は全員倒したからな」

堂上「手塚はどうですか?」

進藤「出血が激しいな…俺の部下を病院に付き添わせる」

堂上「ありがとうございます」

手塚「教官、申し訳ありません」

堂上「気にするな、ここから先は俺たちで止める、だからお前はいつでも帰ってこい」

手塚「…はい」

抜け道内部

吉田「良化隊員見つけ」

安逹「よし、行くわよ」

吉田「は?」

安逹「行くわよ!」

吉田「いやいやいや、銃持ってるかもしれないだろ!」

安逹「持ってるわけないでしょ!」

吉田「なんで!」

安逹「あの本は事件が書かれてるんだから原物のまま持ち帰るに決まってるでしょ!」

吉田「上のために?」

安逹「上のために」

吉田「よし、そうと決まれば行くぞ!」
ダッ

安逹「あっ!ちょっ!バカ」

作戦会議室

柴崎「では私は先に大和田を倒してきます」

半沢「もうですか?」

毬江「せめて作戦だけでも…」

柴崎「大丈夫!あたし負けたことないから」

渡真利「相変わらず自信過剰だな」

柴崎「じゃああたしが負けたの見たことある?」

渡真利「はいはい、無いですよ」

半沢「何か秘策でもあるのですか?」

柴崎「あるけど…秘密ですwそれじゃ」
バタン

半沢「強引な人だなぁ…」

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