ハキリアリ「せっせせっせ」 (49)

ハキリアリA「行くべ」

ハキリアリB「んだ」

ハキリアリC「俺はアレだよな」

ハキリアリB「んだ」

ハキリアリA「よし、行こう」

「これで最後だぞー」「わかったー」

ハキリアリA「ん?」

ハキリアリB「最後だとかなんとか……おーい、あの葉終わったのか?」

ハキリアリD「お、今から行くところか? そうなんだ、新しい葉に移る事になったんだよ」

ハキリアリE「丁度今からだから、前の奴らに付いて行けばいいから」

ハキリアリC「そうか、どうもありがとな」

ハキリアリE「お互い様よ」

ハキリアリD「その代わり、俺あと一週間ほどしたら死ぬから死体処理よろしくな」

ハキリアリA「わかった」

ハキリアリB「じゃあ行くべ」

ハキリアリC「んだ」

ハキリアリA「この様子じゃ結構遠いっぽいなー」

ハキリアリB「雨降らなきゃいいけど」

ハキリアリA「んだ」

ハキリアリC「雨降った時は頼むぜホント」

ハキリアリA「お前は置いて行ってやるよ」

ハキリアリC「そんな事しやがったらぶち殺す」

ハキリアリB「ん? 何だこれ」

ハキリアリA「お? ……草木じゃねえな」

ハキリアリC「おーい、これなんだ?」

「知らねえよ、俺に聞くんじゃねえ」

「今兵隊呼んでるから来るまで待ってろってよ」

ハキリアリA「そうか、ありがとう」

「お互い様よ」

「礼をするなら明日俺死ぬからその時に死体処理してくれ」

ハキリアリB「わかったよ」

ハキリアリC「おいおい、他の奴に頼めよ」

ハキリアリA「まあ別に良いだろ、やらなきゃ困るのは俺たちだ」

ハキリアリC「ったくよ……」

ハキリアリB「で、こりゃ何なんだ?」

ハキリアリA「さあなあ……なんだろな?」

ハキリアリF「おうおう、えたいが知れねえもんがあるって聞いたが、それはこれかい?」

ハキリアリA「お、兵士様が来たぞ」

ハキリアリF「兵士様だとか皮肉ってんじゃねえぞ」

ハキリアリB「ジョークは良いから、さっさとこれ退かしてくれよ」

ハキリアリF「わあったよ、ちいと退いてな」

ぶすり

ハキリアリF(自慢のアゴが決まった! さあ、退きやがれ……)

ドスンドスン

「わー何だ?」「動き出したぞ、逃げろ!」「つぶされるなよー」
「葉を死守しろー」「警備組は働け!」「急げ、急げ」

ハキリアリA「うわあ、こりゃでかい生き物だったみたいだな」

ハキリアリF「敵は蹴散らすまでよ、俺に任せろ!」

ハキリアリB「あ、おい」

ぷちっ

ハキリアリC「あーあ死んじまった」

ハキリアリA「ダイイングメッセージ残して逝ってるぞ。なになに、『死体処理よろしこ』だってよ」

ハキリアリB「しゃあねえな、俺がやるよ」

ハキリアリA「おう、頼んだよ」

ハキリアリC「よろしくな」

ハキリアリB「おいすー」

ハキリアリA「それにしても『よろしこ』だってよ」

ハキリアリC「ははは」

雨が降るとそれまで使っていた道は当分使えなくなる
なんでも、葉の水分の度合いがとても大事なんだとか

ハキリアリA「……随分歩いたけど、まだなのかな」

ハキリアリC「お、見えて来たぞ。あの葉だろ」

ハキリアリA「おお、本当だ。噂をすればなんとやら」

ハキリアリC「じゃ、早速やるか」

ハキリアリA「おう」

「そっち切って」「切ったぞー」「この葉はダメだ」「うわ、やめろチビ」

ハキリアリA「……活気あるなー」

ハキリアリC「新しい職場だしそらそうだろ」

ハキリアリA「せっせせっせ」

ハキリアリC「おうなんだこのチビやんのかオラやめて痛い痛い」

ハキリアリA「ほい、そろそろ切り終えるぞ」

ハキリアリC「わかった。……オーライだ」

ハキリアリA「切断、完了……と」

ハキリアリC「じゃあ後はよろしくな」

ハキリアリA「おう」

「来たぞ、奴だハエだ」「追い払え追い払え」
「兵士はまだか」「おいこいつ死んでるぞ、手が空いてる奴は運べ」

ハキリアリA「えっほ、えっほ」

ハキリアリC「直ぐ近くの仲間が奴らと戦ってるな。急ごう」

ハキリアリA「無茶言うな、これ以上は無理」

ハキリアリC「じゃあ仕方ない、臨戦態勢だ」

「奴らのうち一体を討伐ー」「よくやった」
「ぐあああ、援軍を求む」「今行くぞ」

ハキリアリA「今日は奴らの数が多いみたいだな」

ハキリアリC「んだな」

ハキリアリA「……急ぐか」

ハキリアリC「急げ」

ハキリアリA「ただいま」

ハキリアリD「お帰り」

ハキリアリC「じゃあ俺はゴミ捨てて来るから」

ハキリアリA「おう。じゃ、お前も頑張れよ」

ハキリアリD「ああ、またな」

ハキリアリB「お、帰ってきたか」

ハキリアリA「結構収穫あったぜ」

ハキリアリB「そうかそうか、そりゃよかった」

よく考えたらこいつら全員、俺っ娘か

>>30
そのへんかんがえてなかた

ハキリアリA「ああ、そうそう。この葉を納めたらそのまま死ぬから、死体処理よろしく頼むよ」

ハキリアリB「そうか、じゃあ俺がこのゴミを捨てて戻ってくるまでには死んでおけよ」

ハキリアリA「了解」

ハキリアリB「…………ああ、雨が降ってきた」



終わり?

どうしよう本当にこれで終わりのつもりだったけど不完全燃焼だ…

こんなもんだよ 予定した以上にだらだら引き延ばすとよくない

乙!

別の昆虫で書いてくれても嬉しかったり

>>40
だよな
まあ書きたければまたいつか書くとするよ

>>42
ワイルドライフとかいう番組見て衝撃受けて書いたSSだから、
またその番組で感銘を受けることがあれば書く…と思う

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