ニート「なぁ、あかり」 (45)

あかり「なぁに?ニートくん」

ニート「最近金欠だからさ、金貸してくんね?」

あかり「ええっと…あかりは良いけど確か昨日も貸してって言わなかったっけ…?」

ニート「は?そんな事言ってねぇよ いいから早く貸せよ!」

あかり「ご、ごめんね!あかりの気のせいだったみたい…で、いくら貸せばいいのかな?」

ニート「そうだな…飯とパチンコ代でせいぜい3万ってところか」

あかり「さ…3万」

ニート「あ?貸せねぇってのか?」

あかり「う、うぅん!これぐらい全然良いよ!」アセアセ

ニート「へへっ…悪りぃな」

あかり「うぅん、ニートくんもたまには遊ばないとね!」

ニート「さすがアッカリ~ン、天使なところに惚れるぜ」

あかり「んもぉ!その名前で呼ぶのやめてよね!」ぷすんぷすん

ニート「んじゃ、ちょっくら出かけるわ」

あかり「えっ」

ニート「あ?何か文句あんのか?」

あかり「う、うぅん!こんな時間に何処に行くのかなぁって…」

ニート「あぁ、学生時代の後輩と呑みに行くんだよ」

あかり「後輩さんなら仕方ないね…」

ニート「俺だけ悪りぃな、あかりの飯は何か適当に済ましとけ」

あかり「う、うん…行ってらっしゃい…」

ニート「…」パタン


あかり「記念日の事忘れちゃったのかなぁ…」

~3年前 コンビニ~
あかり「い、いらっしゃいませー…」

店長「赤座!もっと大きい声で言わないと客からの印象が悪いぞ!」

あかり「ご、ごめんなさい…」シュン

店長(か、可愛い…!)


店長「ゴホン…まぁいい。レジは良いから店前の掃除頼んだぞ」

あかり「は、はぁい!」

ザッザッ

あかり「はぁ…1人で上京してきたのは良いけどやっぱり都会って大変だなぁ…」

あかり「京子ちゃんは漫画家の卵で結衣ちゃんは専門学校…ちなつちゃんは地元の大学かぁ…」

あかり「都会生活に憧れてたけどこんなに大変だなんて…はぁ」

ニート「赤座さん」

あかり「は、はい!」ビクッ

ニート「店長が急に出なきゃいけなくなったからレジよろしく」

あかり「わ、わかりましたぁ!」

あかり「いらっしゃいませぇー!弁当温めますか? はい!…合計1250円になります! 2000円からですね!」


バイトA「なんか赤座さん声出るようになったわね」

バイトB「さっき店長に叱られてたからね、でもすぐ直せる子って感心ねぇ」


ニート「…シャッセー」

バイトA「それに比べニートさんは…」ボソボソ

あかり「ふぅ、今日のバイトは終わりだよぉ…」

店長「赤座、急用が出来て悪かったな。今日のバイト代、少し多めにしといたぞ」

あかり「そ、そんな!あか…私は当然の事をしただけですよぉ!」

店長「まぁそう言うな。声もハキハキしてたし今日は頑張ってたぞ。明日も頼んだぞ」

あかり「は、はい!お疲れ様でした!」

あかり「わぁい、多めにお給料貰っちゃった!今日はケーキでも買って帰ろっと!」アッカリ アッカリ

~数週間後~
あかり「えぇ!ニートさんが出られない?」

バイトA『そうなの…私もそろそろ上がらなきゃいけないし他にシフト組める子があかりちゃんしかいないから…ね、お願い!』

あかり「うーん…あか…私は別に良いですけど…」

バイトA『ホント⁉なら頼むわね!』

あかり「あっ、はい!」

あかり「うぅ…せっかくの休みなのにバイトかぁ…」

あかり「まぁ、お給料も貯まるし良いか!」

~コンビニ~

あかり「いらっしゃいませぇー!あ、おでんですね!えぇっと、卵と糸こんにゃくと大根ですね!からし付けますか?」

店長(ホントに良い子だなぁ…)


あかり「ぶっひぇ~ 疲れたよぉ~」

店長「お疲れさん、休みなのに悪かったな。今回も多めにしといたぞ」

あかり「ま、またですか⁉ただニートさんの代わりに出ただけですよぉ!」

店長「赤座はニートより頑張ってるからな、俺からのご褒美だ。」

あかり(ニートさん…)

あかり「あ、あの…」

店長「ん?どうした」

あかり「ニートさんってどうして休んだんですか?」

店長「うーん、それが俺にも分からないんだ。連絡しても出ないし風邪かな?」

あかり(もし風邪なら大変だよぉ!)

あかり「あ、あの…ニートさんの住所って…どこですか?」

店長「わざわざ見に行ってくれるのか?ニートの奴も羨ましいな」

あかり「えっ?」

店長「い、いや、何でもない。住所は面接の時の履歴書に書いてたからファイルを見るといい」

あかり「分かりました!ではお疲れ様でしたぁ!」アッカリ アッカリ

店長(走り方可愛いなぁ…)

~○○アパート~

あかり「こ、ここにニートさんが住んでるんだ…」

あかり「まるで幽霊屋敷だよぉ…」

あかり「階段も上がるたびギシギシ言ってるし…」ギシッギシッ

あかり「この部屋…かな」ピンポーン

あかり「うーん…留守かな?」

ガチャ

ニート「はい…ってあんたは確か」

あかり「あっ!えっとバイトで一緒のあか…ざです!」

ニート「ども…」

あかり「えっと、今日バイト休んで連絡しても出ないって店長さんが心配してたから顔を見に来…ました」

ニート「あぁ…うち電話回線ないから…」

あかり(えぇー!嘘の電話番号書いてるのぉ⁉)

あかり(しかもよく見たらこれフリーダイヤル付けるとや○やの番号だよぉ!)

あかり「そ、そうなんですか!今日はどうしてお休みに…?」

ニート「えっと…まぁ、その…怠かったんで…」

あかり「か、風邪ではないんです…ね」

ニート「風邪気味…」

あかり「ニートさんって1人暮らし…ですか?」

ニート「そうだけど…」

あかり「わ、私も1人暮らしなんですよ!」

ニート「…」

あかり「…」

あかり(無理に話題繋げようとしたから気まずい雰囲気だよぉ…!)

ニート「あの…」

あかり「は、はい!」

ニート「寒いんで、話なら中で…」

あかり「ご、ごめんなさい…」

ニート「狭いけど…適当に座って」

あかり「お邪魔しまーす…」

あかり(わぁ…アニメのキャラクターさんが壁じゅうにいるよぉ。フィギュアも沢山ある…!)

あかり「アニメ…好きなんですね」

ニート「そうだけど…悪い?」

あかり「い、いいえ!あか…私も友人にアニメが好きな子がいるから…」

ニート「へぇ…」

あかり「…」

ニート「…で用事は?」

あかり「あ…えっと、ニートさんが1人暮らしだから何かご飯作ってあげようかなって…」

ニート「ご飯…?」

あかり「あ、迷惑だったら帰ります!」

ニート「いや…嬉しい」

あかり「えっ?」

ニート「いや、だから…ありがとう」

あかり「…」クスッ

ニート「…なんすか」

あかり「あ、ごめんなさい。ニートさんが照れてるからつい…」

ニート(可愛い…)

あかり「じゃあ、ニートさん風邪気味らしいからお粥作りますね!」

ニート「タメ口でいいよ」

あかり「えっ?でも私のが年下…」

ニート「ここまでしてくれる子に今まで会った事ないからさ…」

あかり「じゃ、じゃあ…そう…するねっ!」

ニート「うん…」

あかり「ニートさんはどうして1人暮らしを?」

ニート「ん…赤座さんと一緒だよ。」

あかり「一緒…?」

ニート「若い頃…つっても6年前か…都会暮しを夢見て上京して専門学校に通ってたよ」

ニート「でも漫画やアニメみたいに上手くいかないのが現実。ギリギリ卒業出来ても職は見つからない。何回も企業に出向いては面接、不合格通知の繰り返し」

ニート「このままではいけないと思いながらも気づけば20代後半。職も無いし金も無い」

ニート「最近いっそのことバイトで終わる人生も良いかなって思ってきてな…もう疲れた…」

あかり「ニートさん…」

ニート「でもそんな日々はもうやめだ」

あかり「えっ?」

ニート「今ここに希望が見えた」

ニート「赤座さん…いや、赤座」

あかり「えっ?えっ?」

ニート「諦めかけた俺の夢を…もう一度夢を見るチャンスを与えてくれた赤座がいる」

ニート「こんな俺でも…心配してくれる人がいた。だから、俺と付き合ってくれ!」

あかり「えっ…えええええ!?」

あかり「ちょっと、急過ぎるよぉ!」

ニート「はっ!…ご、ごめん…つい熱くなって…い、今のは忘れてくれ!」

あかり「えっと…う、うん…」

ニート「き、今日はもう帰って…くれ」

あかり「うん…あかりで良かったら…ニートさんの夢の現実…支えられるかな…」

ニート「えっ?」

あかり「あかりはサポートしか出来ないかもしれないけど…頑張るよぉ!」

ニート「あ、ありがとう!赤座!」

あかり「あかりでいいよぉ」

ニート「あかり、俺、頑張るから!」

あかり「うんっ!頑張ろぉ!」

~今~

あかり「はぁ…あれから3年経つけどニートくん毎日出てばっかり…」

あかり「もう夢の事忘れちゃってるのかな…」

ピンポーン

あかり「あれ、もう帰ってきたのかな…」

あかり「はぁ~い」ガチャ

ニート「あ…あかり。その…記念日…おめでとう」

あかり「ニートくん…!」

ニート「あと、その…明日面接…だから…二次試験」

あかり「えっ?えっ?」

ニート「今まで迷惑かけてすまなかったな、あかり。もうすぐ夢が叶おうとしてる」

あかり「良かった…!本当に良かったねぇ!」

ニート「ばか、まだ決まった訳じゃないから…明日が本番だ」

あかり「じゃあ今日はご馳走だねぇ!」

ニート「…気が早いよ」

あかり「んもぉ!そういう事なら早く言ってよねぇ!」ぷすぷす

ニート「あかりの驚く顔が見たかったからさ…本当は今日まで内定貰いたかったんだけどさ…」

あかり「うぅん!あかり嬉しいよぉ!」

ニート「まったく…あかりは」

あかり「じゃあ今日は早く寝るんだよぉ!」

ニート「お母さんかよ…」

~次の日~

ニート「じゃあ…行ってくるわ」

あかり「うん…!頑張るってね!」

ニート「…おう」

あかり「ニートくんなら内定間違いなしだよぉ!」

ニート「そう焦らせるなって…んじゃ、行くわ」

あかり「うん…!待ってるね!」

ニート「ん、じゃあ」

あかり「うん!」


あかり「ふぃ~ドキドキするよぉ。よぉし!今日はニートくんのためにご馳走作るぞぉ!」

~面接会場~

面接官「次の方、どうぞ」

ニート「はい!失礼します」

面接官「では、早速面接に移りたいと思います」

ニート「はい!」


あかり「フ~ンフンフフンフン♪」 トントン


面接官「では、面接は以上です」

ニート「ありがとうございました!」


面接官B「彼元気が良いね、やる気もあるみたいだしリストに入れといて」ボソボソ

ニート「ふぅー…やる事はやった。あとは結果か…」

ニート「うっし…帰るか」

ニート「俺も働く事になったらニート脱出か…まさか俺がニートになるとか子供の頃思わないもんな」

店員「ッシャーセー!ただいまセールやってやーっす!」


ニート「…あかりの好きなケーキ買って帰るかな」

あかり「…よしっ!味付けはこんなものかな!あとはニートくんが帰るのを待つだけだよぉ…あっ、ケーキ買わなきゃ!」ドタドタ


ニート「まさかホールが890円とは…あの店ヤケクソか?」

ニート「まぁ…美味しそうだし良いか」

「 キャー!」「 ダレカー!」

ニート「何だ何だ!?」

強盗「どけオラァ!」

ニート「ご、強盗!?」

強盗「んだてめぇ!どけ!」

ニート「えっ?」

強盗「くそっ!邪魔だどけ!」ドスッ

ニート「…!」

あかり(ん?ケーキ屋さんの前が騒がしいような…)

あかり「あれは…!」

あかり「ニートくん…ニートくん!」

警察「救急車が来るまで近づかないで下さい!」

あかり「そんな…!知り合いなんです!ニートくん!」ガバッ

警察「ちょっと!」

あかり「ニートくん…!どうして…」

ニート「あぁ…あかり…か…」ゴホッ

あかり「喋っちゃダメだよぉ!」

ニート「悪いな…俺…ダメみたい…だわ」

あかり「そんな…!」

ニート「あかり…ごめんな…迷惑かけて…」

あかり「やだ…ニートくん…!」

ニート「こんなダメ人間を…更生してくれて…ありがとう…な」

あかり「もうすぐ救急車が来るからね!もう治るよぉ!」グスッ

ニート「泣くなよ…あかり…せっかくの笑顔が…台無しじゃ…ないか…」

あかり「…!」

ニート「俺な…あかりの笑顔があったから頑張れたんだ…」

ニート「この3年間…クソみたいな人間だったけど…あかりと過ごせて幸せ…だっ…た…」


あかり「ニートくん…?」

あかり「ニート…くん?」

あかり「うわぁあああんん!!!!」


京子「っていう同人誌なんだけどさ、この後あかりがニートくんを生き返らせる為に7つの

結衣「言わせねーよ!?って何だよこの話…無茶苦茶過ぎて意味分からんわ」

ちなつ「私の出番地元の大学だけですか…」


あかり「ってまた京子ちゃんの同人誌オチー!?シリアスな場面がニートだらけで台無しだよぉ!」

こんなクソスレ最後まで見てくれてありがとう

京子の同人誌オチでした

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