青「俺達が!!」緑「世界を救う!!」赤「かもしれない」 (453)

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勇者「○○した結果」

勇者「○○した結果」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1373/13733/1373376375.html)

今回も本編とおまけがある予定です。
ある意味おまけも本編だけど…。

と、いうわけで次から本編です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1380637220

東の王「息子よ、さっきの話を聞いておったな?」

東の王「南の国は大神官によって滅ぼされたそうじゃ」

東の王「お主は伝説の勇者の子孫」

東の王「さぁ!!今すぐ立ち上がり、一刻も早く大神官の野望を阻止するのだ!!」

青「行くわけないだろ、ハゲ」

東の王「なんじゃと!?瀕死でここまで来た兵士を見て何も思わなんだのか!?」

青「乙って感じ」ホジホジ

東の王「このバカ息子が?!行ってくるんじゃ!!」

東の王「平和を取り戻すまでこの国の敷居をまたぐのは禁止にする!!放り出せぇ!!」

青「ちょ…お前ら引っ張るな!!マジで追い出すのかよ!?」ズリズリ

青「なんとか準備するまではいていいように説得できたが…」

青「こんな貧相な装備と金しかくれねぇのかよ…クソ親父が…」

青「何が悲しくて俺が大神官なんて倒しに行かないといけないんだよ」

青「行きたいヤツにいかせとけばいいだろこんなの…」

娘「王子様…本当に出てかれるのですね…私は心配で心配で…」

青「はは、大丈夫さ!俺ならすぐにでもあんな奴ら壊滅させられるよ」キリッ

青「それより…しばらく戻って来れないわけだし俺と愛を語り合わないか?」

娘「いけません!こんな身分違いの小娘となど…」

東の王「まだおったのかバカ息子!さっさと出て行け!!」

青「げっ!?何で監視してんだよ!!ゆっくりもできねぇ…」タタッ

スライムs「ピキー!!」

青「ふん、ザコが…叩き潰してやるぜ」

スライムs「ピキキー!!」ゲシゲシゲシ

青「いてっ!!ちょ…集団はさすがに!?」

スライム「ピッキキー!!」ゲシゲシゲシ

青「おい…いい加減に…」

青「しろやゴルァ!!」パァン!!

 【スライムAは踏み潰され破裂した】

スライムs「ピキィ!?」

青「コロス」ゴゴゴ…

 【スライムBは驚き、すくみあがっている】

スライムC「ピーッ!!」ピョーンピョ-ン

 【スライムCは逃げ出した】

青「なーに逃げてんだよ、おい!!」ザッ

 【しかし回り込まれてしまった】

青「あれだけやっておいていい度胸だな、ゴルァ…」

青「しねやぁぁぁぁぁぁ!!触るものみな傷付けたらぁぁぁ!!」

スライム「ピキィィィィィ…(絶叫)」

 【スライムたちは会心一撃を何度も受けた】

 【スライムたちを倒した】

青「随分と南東のほうに進んだがなんもないぞ」

青「こっちじゃなかったのか?」

バブル「ブクブク」ズーリズーリ

青「あーん?なんぞお前、俺様は今機嫌が悪いんだよ」

青「はじけろや!!」ブゥン!!

バブル「ヒギ…」パァン!!

【バブルスライムは霧状になった】

青「お?なんか建物があるぞ」

青「行ってみるか」

青「歩くのめんどくさ…」

老人「王子様、銀の鍵を持っておるか?」

青「カギぃ?そんなのねーよ」

老人「だったら遥か西の洞窟の奥にあるので取りに行くがよい」

青「なんでまたそんなダルいところにあるんだよ?」

老人「ワシが隠したwwwwwwほっほwwwwww」

青「テメェかよ!?ふざけんな!!」

老人「こういう世界って何故いつもめんどくさい事やらせるんじゃろな?」

青「知るか!?そんなもん取りにいかねぇからな!!」ズカズカ

老人「最近の若者はキレやすいのぅ…」

老人「なんてね、あー面白いなっと」ゴソゴソ

青「やっと北の国に着いた…」

青「まてよ…自分ん所戻れないならここに住めばいいんじゃね?」

青「そうと決まれば早速ここの王に交渉してこよっとー♪」

青「こっちか?」ガチャリ

姫「誰?お兄ちゃんのお友達?」

青「おぉっ!?これは美しいお嬢さんじゃないか!!ここの王女かな?」

姫「美しいだなんてそんな…」ポッ

青「ずっとここにいると退屈だろう?俺とイイコトでも…」

兵士「はい、そこまでです東の王子様」ガシッ

青「なんだと…まだ何もしてないのに早すぎないか!?」ズリズリ

青「あだっ!!」ドサリ

兵士「東の国王様の命により、あなたをここに入れるなとの事ですので」

兵士「お引取りを」

青「あのクソジジィ、根回しまでしてんのかよ!?」

青「さすが親ってところか…俺の考えてる事を把握してやがるとは…」

兵士「あと、我らの国王様が旅に息子を連れて行ってはどうかと」

青「ここの王子か…いらんと言っておけ」

兵士「しかし…」

青「俺一人で十分だ」テクテク

青(仲間いたって邪魔なだけだろ)

青「何があるんだこの洞窟」ザッザッ

青「もしかしてどこぞのジジィの言ってた鍵か?」

青「かったるいなぁ…」ゲシッ

ネズミ「ブキュ」ブチィ

青「今まで毎日パーティ開いて遊んでいたのに…」バシッ

アリ「ギィ」ブチィ

青「なのに何でこんな事しなきゃいけないんだ!!」ブゥン

ドゴォ!ベキィ!ガスゥ!ブチーン!!

魔物「」チーン

青「マジいい加減にしてくれよ?!」

神官「勇者の血を引く者よ…ここで清めていくがよい」

青「これ、何か効果あるのか?」

神官「洗礼は受けておくべきじゃぞ」

青「いや、だからその洗礼受けたら何かあるのかって…」

神官「本音を言うと傷が癒される」

青「そりゃすげぇと思うけどよ…」

青「もっとこう…勇者としての力を授けてくれるとかないのか?」

神官「ない」

青「だったら最初の台詞必要なくね?」

神官「言うな…そういうものなんじゃ…」

青「小さな町についたわけだが…」

青「どこからか凄まじい視線を感じる…」

青「またジジィの差し金か?監視とか…」キョロキョロ

青「いねぇな…でもまだ視線が…」

?『…』ニコニコ

青「宿屋の窓からかよ!?何遠くからガンたれてんだよアイツ」

青「もしかしてアレ……北の王子じゃね?」

青「俺を探しに来たのかもしれんな」

青「放っておこう…」

?『…』ジー

青「小さな町についたわけだが…」

青「どこからか凄まじい視線を感じる…」

青「またジジィの差し金か?監視とか…」キョロキョロ

青「いねぇな…でもまだ視線が…」

?『…』ニコニコ

青「宿屋の窓からかよ!?何遠くからガンたれてんだよアイツ」

青「もしかしてアレ……北の王子じゃね?」

青「俺を探しに来たのかもしれんな」

青「放っておこう…」

?『…』ジー

青「よっしゃ防具がやっとそろったぜ」

青「これだけありゃまぁなんとかなるだろ」

青「さてと…ジジィの手の届かないところまで行くか」

青「南の方ならなんとかなるか…」クルリ

?「何で無視するんですかぁ!?」

青「うおっ!?いつの間にいやがった!!」

?「ボクは北の国の王子の緑です」

緑「気付いてましたよね?ボクの事」

青「いや?初めて見たが?宿屋の窓から笑顔の北の国の王子なんて見えてなかった」プイッ

緑「思いっきり見てるって言ってるようなものじゃないですかぁ!?」

緑「ボクも一緒に大神官を倒しに行きます」

青「何聞いたか知らんが俺はそんな事するつもりはない」

青「ついてくんな」

緑「そう言って心の中では激しく怒りに震えているはず!!」

青「なんかお前の中で俺がすごく美化されてないか…?」

青「悪いがお前の考えているより俺はクソヤロウだぞ」

青「諦めて一人で行くなり家に帰るなりするんだな」

緑「絶対そんな人じゃないはず!!一緒に行きましょうよぉ!!」

青「何これウザい…」

緑「世界を平和に導きましょう!!」

青「はぁ…」

青「結局ついてきやがった…」

緑「どうしました?」

青「もうどうにでもしてくれ」

緑「?それよりこれからどうします?」

青「南に行こうと思っていたが?」

緑「おそらくボクがいればあっさり通してくれますよ」ニッコリ

青「ほー、なら行くか」

緑「あ、その前に鍵を探しに行きませんか?」

青「は?鍵?」

緑「西の洞窟に隠されていると言われている銀の鍵ですよ」

青「お前もまさかあのジジィから聞いたのか…」

緑「青さんも聞かれたんですか?なら話は早いですね」

青「全然早くねーし、わざわざ探しにいかねぇよ」

緑「え?行きましょうよ」

青「俺は楽で愉快な事だけしかやらん」

緑「そ、そんなのダメですよ…ちゃんと…」

青「やりたきゃ自分でやれ」テクテク

緑「待ってください!!」ガシ

青「触んな!!」バシッ

青「世界平和なんかクソくらえだ…」

緑「なんでそんな…」

青「これが俺だ、テメェは自分の信じる道でも進むんだな」

青「俺といれば平和なんか戻りやしない」

緑「…」

青「じゃあな、もう止めるなよ」テクテク

緑「青さん…」

青「ちっ…なんだよ…」

青「調子狂うな、くそ…」

青「…」

兵士「申し訳ありませんがお通しする事は出来ません」

兵士「緑様と一緒にお越しください」

青「さいですか…」

青(やっぱりアイツが必要なのか…)

青「西の方って言ってたか」

青「そうだ、これは俺のためなんだ…」

青「世界平和とかなんとかは全然関係ないんだからなっ!!」

青「…」

青「町戻って毒消し草でも買い貯めしておくか」

青「あ~あ、めんどくせ…」

緑「くっ…毒受けちゃったな…治せる呪文も道具もないからそのままにするしかないかな…」

緑「こんなところで倒れるわけにはいかないんだ…」

コブラ「シャー」

緑「またきた…負けるか!!」シャキ

コブラ「シャシャー!!」ガブッ

緑「うぁ!?うぅ…」ガクリ

緑「まだ…やれる……!!」ググ…

青「あの程度の攻撃ぐらいかわせよ、ほれ」ポーイ

緑「え…?」パシッ

青「毒消し草ぐらい常備しとけ、バカ」

緑「なんでここに…」

青「南の関所さ…お前がいないと通してくれないようだし…」ポリポリ

青「し、仕方なく来たんだぞ!分かったか!!」

コブラ「シャ…」

青「ヘビが!取り込み中だ!!邪魔すんなボケェ?!」ブチィ ポイッ

緑「ヘビがちぎれ…あーっはっはっは!!」

青「何突然笑ってんだよ?ついにおかしくなったか」

緑「いやいや…やっぱり青さんはいい人ですよ」ボソリ

青「何か言ったか?」

緑「いえいえ、行きましょう!!」

青「で、鍵は見つけたのか?」

緑「いえ、まだです」

青「あれだけ経ってまだこの場所で足止めされてたとか言わんよな…?」

緑「いやぁ…魔物ってなかなか強いものですねぇ」

ゴン!!

緑「いたい!!」

青「慣れてもないヤツが一人でこんなところ来るんじゃねぇよ?!」

緑「でも、今は青さんいますし問題ないかと?」

青「今じゃねぇ!?さっきまでの話だ!!」

緑「はぁ」

青「大分深くまで入り込んじまったな…そろそろあるか?」

緑「んー…こっちかな」トコトコ

青「おい!勝手に行動するな!!」

緑「ボクの直感ではこっちと言ってるんです」

青「信用ならねぇ…」

緑「あっ!ありました!!」

青「マジか…」

緑「これですよこ…」ツルッ ポチャン

青「…で、どこにあるんだ?」ジトー

緑「わざとじゃないですよぉ!?」バシャバシャ

青「無駄に時間食ったな…鍵はなくしやがったし…」

緑「ごめん…ボクのせいで…」

青「いや、別に気にしちゃいねぇよ」

青「時間はまだあるんだ」

緑「そ、そうですよね!!まだ世界は救える!!」

青「いや…」

青(最後まで一緒にいるつもりねぇし、そういう意味で言ったんじゃないんだが…)

緑「では関門を通りましょう」

青「おう」

青(コイツといるのも次の町までだな)

兵士「これは緑様、どうぞお通りください」

緑「ありがとう」

青「おい…扉があるんだが…」

緑「鍵かかってますね…」ガチャガチャ

兵士「我々は扉に関しては何も聞かされていないので」プイッ

青「扉あるならお前らの必要性なくね?!」

緑「どうしましょうか…やっぱりあの鍵が必要じゃ…」

青「あ?こんなの普通に開けれるわ」ゴリュン キィィ…

緑「今すごく鈍い音が…しかも開いてる…」

青「何ぶつくさ言ってんだ?行くぞ」

緑「ボク、高熱呪文が得意なんですよ」

青「いきなり何だ?」

緑「青さんは呪文使えないから、武器が効かないとき役に立ちますよ」

青「そうか、ふーん」ゴシャ!!

ムカデ「ギ…」ベシャ

緑「…」

緑「ところでソレ(武器)はどこで買ったものです?」

青「いきなり話変えるな…拾ったんだよ、強えぇだろ?」ブゥンブゥン

緑「どう見ても看板ですよね…」

 E町にあった看板 攻撃力5(+使用者の気合)

青「やっと町に着いたか」

緑「なかなか賑やかでいい所ですねぇ」

青「そんじゃ俺は…」

緑「あ、犬さんがいますよ!犬さん!!」タッタッタ

青「って、おい!?話を聞け!!」

緑「おいでおいでー」フリフリ

犬「…」ベシッ

緑「えぇ…なんで払いのけるんだよぉ…」

青「変なオーラ出してるからだろ」

緑「動物好きオーラぐらいしか出してませんよ!失礼な!!」

青「しょうがねぇな…ほれ、ちっち」

犬「…」ガブリ

青「いっでぇ!!離せクソ犬が!!」ゲシゲシ

犬「…」ギリギリ

緑「そんな事しちゃダメですよ、おいでー」フリフリ

犬「…」パッ ベシッ

青「くっ、やっと離しやがった…」

緑「うぅ…また払いのけられたぁ…」

犬「…」ジー

犬「…」プイッ

青「どこか行きやがったか…とりあえず宿屋行こうぜ」

緑「あ、はい」

青(朝になったらコイツ置いていこう)

青(よく考えたら話しても会った時と同じで勝手についてきそうだしな)

緑「あ、武器屋覗いてもいいですか?」

青「別にいいけど大した装備もつけれんくせに見るのか」

緑「装備できるものは常にいいものにしておかないといけませんよ?」

青「時々お前とちゃんと会話になってるのか不安になるよ…」

緑「?」

犬「…」ヒタヒタ

青「ふわぁ~朝か…」

青「起きてすぐだけど出るか」ゴソゴソ

緑「むにゃむにゃ…ボクはバッタじゃないんだぞぉ…」

青「どんな寝言だよ…」

青「ちょっとの間だったが退屈ではなかったよ、じゃあな」ガチャ バタン

犬「…」

青「…あ?」

犬「…」ガブリ

青「いでぇぇぇぇぇ!?なんでここにいやがるんだよ?!」

緑「う~ん…どうしましたぁ?」ゴソゴソ

青「げ」

緑「もう起きてたんですかぁ~早いですねぇ…」ポー

犬「…」ジー

青「くっ…コイツが表にいやがったんだよ」

緑「あぁ…犬さんまたお会いしましたねぇ、おいで~」フリフリ

犬「…」ゲシッ

緑「あうっ、今度は強めにされたぁ…」

青「変なヤツ…」

青(逃げるタイミング失ったな…)

青(この犬、まさかわざと…ってありえんよな)

緑「青さん青さん」グイグイ

青「んだよ?引っ張んな、テメェは女か」

緑「そんなことよりこの扉開かないですかね?あ、もしかして鍵…」

青「はぁ?扉なんてこうすりゃ…」グリュン ボトリ

青「ほれ、開いたぞ」

緑「…を探す気はなかったんですね…」

青「開けれないか聞いたのはお前だぞ?」

緑「そ、そうですけどこれは強引すぎじゃ…」

青「鍵なくしたのは誰だ?」

緑「でももしかしたら合わなかったかも…ごめん、なんでもないです…」

緑「魔物さんが檻の中にいますね」

青「なんかあの辺に落ちてるな…ぬぉぉぉぉ!!」ギチギチ…バキィン!!

緑「鉄格子が…」

青「なんだこれ?見たことねぇ形してるわ」ヒョイ

魔物「キィ!!」

緑「危ない!?」バッ

青「分かってんよ!!おらぁ!!」ベシッ!!

緑「ひゃぶ!?」

青「何前に出てきてんだよ…おい?」

【緑は息絶えた】

青「うぜぇ!!」ドガッ

サル「ウホォ!?」ドシーン

緑「高熱呪文!!」ボワッ

ムカデ「ギィィィ…」メラメラ

青「おい、ぼやっとすんな!!後ろにネズミ!!」

緑「え?わぁぁぁぁ!?」

犬「ガフッ」ガブッ

ネズミ「チィ…」ジタバタ

青「もらったぁ!!」ビタン!!

ネズミ「」ベシャ

緑「犬さん、ナイスアシスト」

犬「…」プイッ

青「なかなか空気を読むヤツだな」

緑「犬さんって基本的に賢い生き物ですからねぇ」

犬「…」グイッ

緑「わ、なんでボクの頭を抑えるんですかぁ…」

青「分からんけど、お前下に見られてるんじゃね?」

緑「確かに犬さんは家族とかに順番つけるみたいですけど…」

犬「…」グイグイ

青「『無駄な労力使わせやがって、このノロマ』って言いたいのかもな」

青「なぁ」

緑「はい?」

青「コレ、なんでずっとついて来ると思う?」

緑「犬さんですか?ボクにはさっぱり…」

青「腹空かしてるにしては全然飯食いやがらねぇしな…」

緑「懐いてるかといえば…」フリフリ

犬「…」ゲシッ グイグイ

緑「これですしね」グスン

青「何も涙目にならんでもいいだろ…」

緑「動物好きなのに嫌われてるとさすがに辛いですよぉ」グリグリ

緑「これが南の国…なんてひどい…」

青「ホントに滅ぼされてたんだな」

緑「もう二度とこんな所ができないようにボク達が頑張らないと!!」

青「お熱いこって」

人魂「そこにいるのは誰じゃ…」

緑「ひっ!?」

青「この程度でビビるんじゃねぇよ、ここの王か?」

人魂「ワシの娘を誰か…」

青「声は届いてないのか…娘?」

緑「そういえば南の国には王女さんがいたんでしたっけ」

青「探してみたがどこにもいねぇぞ」

緑「まだ南の王様がしゃべっていたような…」

青「すでに死んだヤツの話聞いてどうするよ?」

緑「でも、兵士さんの魂が沼にある鏡の話をしてくれましたよ?」

青「さいですか」

青「それよりだ…」

犬「…」ジー

青「いつまでついて来るんだ、この犬」

青「いい加減どこか行ってもいいはずだが…」

人魂「ワシの………は犬…さ……」

青「よし、町まで帰ってきたぞ」

緑「それじゃまず防具屋行って…」

娘「もしかして青様ではないですか?」

青「そうだけど?誰、お姉ちゃん」

娘「前にお城に仕えていた者です、ご立派になられて…」

青「へへ、常に俺は自分を磨いてキミのような人を…」

犬「…」ガブリ

青「うぎぃ!?またかよぉ!?」

緑「考えてる事が分かったりしてるんですかね?」

青「知るかよ…くそっ、同じところばかり噛み付きやがって…」ズキズキズキ

青「誰も王女見てないようだが…」

緑「どこ行っちゃったんでしょうね?」

緑「話聞く限りではちゃんと無事逃げ延びてるみたいなんですけどね」

緑「でも、青さんが真面目に探すとは思いませんでしたよぉ」

青「あーん?」

緑「鍵の時みたいに『勝手にすればいい』って言いそうだったのに…」

青「そりゃ王女なんだからいい女だと思って頑張ってたんだが」

緑「かわいい人だとは思いますけどねぇ…王女だし」

犬「…」ゴンッ

青「~っ!?!??!俺の大事な黄金球がぁぁぁぁ!?!?」

青「ホントにこんな所に鏡なんてあるのかよ…」キョロキョロ

緑「沼の毒で痛いけど探さなきゃ…」ジャボジャボ

犬「…」ゲシ

緑「わぷっ」ドボン!!

青「おいおい、何やって……あったぞ」バシャン

青「さすがだな、体を張って見つけるとは」

緑「いやっ、今のは…いたた…」

犬「…」プイッ

青「で、これをどこで使うんだ?」

緑「さぁ?」

青「あれだけ情報集めておいて分からずかよ…」

緑「何かの正体を見破れるとか何とか」

青「分かってんじゃねぇか!!」ゲシゲシ

緑「あぁっ…犬さんと同じ事しないでください…」

犬「…」ゲシ

カシャン

青「あ、何しやが…」

パァァァァァァ!!

緑「壊れたのですか!?」

青「壊れてはいないがなんか光りだしたぞ!!」

青「鏡の中に…」

緑「女の子が見えますね…」

青「向こうにはあのクソ犬が…あ、鏡割れた」パリーン

?「…クソ犬ではないよ」

?「キミの目は節穴?」

緑「え?ええっ!?犬さんが女の子に?!」

青「マジかよ…」

?「わたしは南の国の王女」

赤「赤と呼んでくれると嬉しい」

緑「それより早く服を着たほうがいいと思うんだ…」プイッ

青「そうか…とりあえずだ」

赤「?」

青「こっちに背中向けて屈め」

赤「こう?」スッ

青「そうそう…それでこれを…」ゴソゴソ スー…

パキン!!

青「おmあbdsfyぐwdfth」ゴロゴロゴロー

赤「何これ、変態?」ヒュンヒュン

緑「木の棒で男の棒が…女の人が好きみたいですよ…これどうぞです」ファサ

赤「…これで何を隠せと?」

緑「いや、裸のままだとさすがにまずいと思ってマントを…」

赤「こんなので町に行けるわけがないでしょ」

赤「買ってきてよ、服」ゲシゲシ

青「お…俺かよ…!?」

赤「あれくらって生きてられるなら一人で行ける」

青「犬の時からテメェどれだけバカにすれば…?!」

赤「人として曲がりきってる人に制裁を加えただけ」

青「女ごときが調子に乗るんじゃねぇよ!!」グイッ

青「力で敵うとでも思っているのか?!」

緑「や、やめてくださいよ…」

青「――」チーン

赤「力で負けたから満足でしょ?行ってきて」

青「くっ…なんだこのモンスターは…」テクテク

緑「この子怖い…」ガタガタ

赤「キミはほわほわしすぎて見てたらイライラする」

緑「そんな事言われたってぇ…」

赤「そんなのじゃ大神官には勝てない」

緑「赤さん…」

赤「もっとしっかりしてくれないとわたしの国が直らない」

緑「せっかく感動しそうだったのに最後で台無しだよ!?」

赤「助けてくれた事には感謝してる」

赤「ありがとう」

緑「いやいや、無事で良かったです」

青「お前ら楽しそうだな……はぁ」

緑「ホントに買いに行ったんだ…」

青「羽使わなかったらもっと時間かかったけどな」

赤「そんなのいいから服をちょうだい」

青「ほらよ!この俺をパシらせやがって…」バッ

赤「それじゃどっか行って、着替えるから」ゴソゴソ

青「さっき全裸でも平気にしてた気がしたが…」

サル「ウホホッ!!ウホー!!」

青「うぜぇなサルが!!」バチーン

サル「グェ…」ドサ

ムカデ「シャシャッ!!」

緑「あっ!!赤さん危ない!?」

赤「…ふん」シュッ ズブッ

ムカデ「シャ…」ピクピク…

緑「刺さった…」

青「おい…何だその凶悪な武器は…」

赤「ひのきの棒も知らないの?」

青「普通刺さらない代物だろそれ…」

赤「昔、毒針っていうのがあったみたいで」

赤「それ真似て先尖らせてみた」

緑「ど、毒塗ってるのですか…?」

赤「そんなものないない」

青「普通に刺しただけかよ!?何で硬いヤツ平気で貫通させてんだよ!?」

赤「だから尖らせて攻撃力を上げた」

緑「どう考えてもそれだけじゃないですよね…」

赤「軽くて使いやすくて便利よ?」

 Eひのきの棒カスタム 攻撃力10(+乙女の本気)

青「思ったが…」

赤「なに?」

青「何でお前、俺達についてきてるんだ?」

赤「大神官倒すんでしょ?犬にされた仕返しするからついてくことにしたの」

緑「それに赤さんも勇者の子孫でもありますしね」

赤「そういうこと」

青「さらに逃げにくくなるじゃねぇか…」ボソリ

赤「何か言った?」

青「言ったけどお前には言わねぇ」

赤「ふーん、さっさと先行こう」プイッ

青「この塔に何があるってんだ?」

緑「マントがあるとか聞きましたけどねぇ」

青「いらんな、次行くぞ」

緑「そんなこと言わずに取りに行きましょうよぉ…」

赤「時間の無駄だね」

緑「赤さんまでそんなこと言うんですか…うぅ…」

青「こんなところまで足運ばせやがって」ペッ

赤「ホント最悪」

緑「この二人、変なところで気が合うんだなぁ…」

青「なんだって?早く来い」

青「もう夜か」

緑「もうそろそろ休みませんか?」

赤「さすがに疲れた」ドサッ

緑「あぁ…そんなところで寝転ばないでくださいよぉ」

青「女のくせに豪快すぎるだろ」

青「そんなだと男なんて寄りつかんだろうな」

赤「そんなの必要ないからいい」

緑「まー、焦る必要はないですしねぇ」

赤「バカにしてる?」

青「してるとしか思えんな」

緑「うぅん…」

赤「…」

青「…寝たか」ムクリ

青「やっと離れられるな…うおっ…」ドタッ

青「いつの間に足縛られてるんだ…」

赤「逃げる気だったでしょ?」ムクリ

青「お前か…これやったの」ジョキン

赤「やったというか仕掛けてた」

赤「『また』逃げる気だったの?」

青「そいや犬の時も邪魔されたが、あれはやっぱ狙ってやってやがったのか…」

赤「楽してばかりでいいと思ってるの?」

青「いいに決まってるだろ」

青「何が悲しくて大神官だかを倒しに行かないといけないんだよ」

赤「勇者の血を引いているからでしょ」

青「だからって何で俺なんだ?!」

青「俺みたいなやる気もないヤツにやらせなくていいだろ!!」

青「俺には重いんだよ!!お前たちでやれよ?!」

青「俺は何と言われても降りる!!」タッタッタ…

緑「んん…どうしましたぁ…?」

赤「悪いヤツの『フリ』してるバカが逃げた」

緑「本当に二人で行くんですか…?」

赤「やる気のない人連れても仕方ないでしょ」

緑「そうですけど…」

赤「嫌ならキミもやめていいよ」

緑「いえ…ボクは最後まで頑張りますよ」

赤「そう…なら行こう」

緑「あの、赤さん…本当に青さんは…」

赤「青?誰それ?」

緑「すでに記憶から消されてるし…」

緑(今頃何してるんだろう…)

青「しつこいんだよ!!クソ目玉!!」ザシュ

目玉「グシュゥゥゥ…」ボテッ

青「はぁ…一人だとやっぱり面倒だな…」

青「このまま逃げて何処かでまったりすりゃよかったのに何してんだろ…」

青「アイツの言うとおり楽していいわけねぇ…」

青「勇者の子孫だかが関係あろうがなかろうが滅びれば世界は終わるんだ」

青「『誰か』が動かないとダメなんだろうな…」

青「あの二人はやる気だった…」

青「俺はどうすればいいんだろうな…」

青「お、これがマントか」パサリ

緑「やっと頂上に着きましたよ…はぁはぁ…」

赤「その程度で情けない人」

緑「キミだって魔法使い系なのに何でそんなに体力あるのですか…」

赤「うざい男共蹴散らすために鍛えた」

緑「王女さんなのになんて男勝りな…」

赤「それより早く向こう側に行こう」ゲシッ

緑「ちょ…まだ準備がぁぁぁぁ…」ヒューー---ン……ドッボォォォォン!!

赤「あ…海に落ちた」

赤「普通に飛んでも届かないのか…」

赤「めんどくさいな…」

赤「これぐらいでいいかな……助走」コツコツコツ…

赤「ほとんど意味は…なさそうだけどっ!!」タタタ…タンッ!!

赤(このままだとわたしも海かも…)ヒュゥゥゥ…

赤(あの男がいれば投げ飛ばしてくれそうだったけどな…)

青「うおぉぉぉぉぉぉ!!」バサッ ガシッ

赤「!?」

青「ギリギリセーフッ…!!」ズサー

赤「…どこから飛んできたの?」

青「あー?海岸のギリギリからジャンプしただけだが」

赤「どんな跳躍力…」

青「何であんなところから落ちてきたんだよ?自殺か?」

赤「飛べば向こう岸に届くかと思って?」

青「普通に考えて無理だろ…ったく…」

赤「どうして戻ってきたの?」

青「よく考えたら俺がのんびりできるところがこの辺になかったんだよ」ポリポリ

赤「ふーん…」ジー

青「んだよ?」

赤「さっきはありがと」

青「あ?おう…」

緑「あっぷ…た、助けてぇ…」バシャバシャ

緑「し、死ぬかと思った…」

青「その年で泳げないなんてダサすぎるぞ」

緑「年は関係ないですよ!?…あれ?なんで青さんが」

青「おせぇ?!今頃気付いたのかよ!!」

赤「さすがのんき者」

青「し、仕方なくまた俺も一緒に行く事にしたんだよ…」

緑「やっぱり青さんいないと面白くないです」ニコ

青「これはバカにしてるよな?」

赤「多分してる」

緑「何でそうなるんですかぁ!?」

青「港町か」

緑「結構賑わってますねぇ…」

赤「宿とってくる」テクテク

緑「あ、お願いしますね」

緑「武器防具屋どこだろう?」キョロキョロ

緑「こっちかな…」テクテク

女「あら、キミかわいいね」

緑「はい?ボクですか?」

女「そうよーパフパフしなぁい?」

緑「パ…?なんですかそれ?」

青「うーむ…いい女がいねぇな…」

青「こんな片隅なんかにいるはずが…」

少女「あ!!助けて!!」タタッ

青「おほ、まさかこんなところでかわい子ちゃんと遭遇するなんて…」

魔物「ギギィ」バッサバッサ

青「って、何で町に魔物がいるんだよ」

魔物「ギギ…カワイイコミカケタカラ」

青「お前もかよ!?とりあえず消えろや!!」ブゥン

魔物「フギャ」ブチッ

少女(何でこの人看板で戦ってるんだろう?)

青「ふぅ…大丈夫だったかい?」

少女「ありがとうございました!!何とか無事に済みました」

青「そうか…なぁ、俺と気持ちいい事しな…」

赤「…」ジトー ギラリ

青「…いや、早くここを離れたほうがいい…危ないからね…」

少女「あ、はい…そうだ、おじいちゃんに会ってください」

青「あ、あぁ…」

赤「はぁ…」

青(何でアイツ俺を監視してるんだよ…あれは絶対刺すヤツの顔だった…)

赤(くだらないことばかりして…何が面白いのやら)

じいさん「キミ達が孫を助けてくれたんじゃな」

赤「はい」

少女「あれ?その人いつの間に…」

青「さっきから後ろにいた俺のツレだよ…」

じいさん「よし、お礼に孫の婿になってくれい」

青「はぁ!?俺ぇ?!それは礼でもなんでもねぇよ?!」

赤「ついでに本人の意思は無視っていう」

少女「おじいちゃんいつもこうなんですよ…お礼に船を貸しますね」

赤「それは嬉しい」

じいさん「いや!!婿になったら船だろうが何でも自由にしてよいぞ!!だから!!婿に!!」

青「あの子が止めてくれなかったらマジで婿にされてたぞ…」

赤「船は他の場所まで出しておいた」

青「おぉ…もうじいさんの前通りたくなかったから正直助かるわ…」

赤「それよりあのほわほわ少年はどこ行ったの?」

青「変なあだ名だな…そういやさっきから見てないわ」

緑「やっと…見つけましたぁ…」フラフラ

青「えらいゲッソリしてるが何があった?」

緑「パ…いえ…ちょっと鼻血を出してしまって貧血で…」フラフラ

赤「どうして血が出たんだろう?」

青「さぁ?」

青「寝静まったか」

青「罠も今日はさすがに張られていないようだな」キョロキョロ

赤「監視はしてるけど」モゾ…

青「っ!?まだ起きていたのか…」

赤「今日は逃げないの?」

青「もう逃げるのはやめた」

青「結局さ、世界滅んだら遊ぶとかの問題じゃねぇし」

青「それに勇者の血引いてるらしいし、少しぐらい世界平和に貢献しようかなーっと?」

赤「…どういう気の迷い?」

青「迷ってねぇよ…早く寝ろ」ボフッ

緑「船を手に入れたのはいいんですけど…」

緑「次はどこへ向かうので?」

青「そこに見える大陸でいいんじゃね?」

緑「そんな適当なぁ…赤さんは何かありますか?」

赤「そこに見える大陸でいいんじゃない?」

緑「青さんとまったく同じ返答しないでくださいよぉ…」

青「迷うぐらいならさっさと行ける所行きゃいいんだよ」

赤「行き先はキミが決めていいよ」

緑「わ、分かりましたよ、もぉ…」

緑(何でこの二人はここまでめんどくさがりなんだろう…)

青「ここって昔勇者がいた大陸なのか?」

緑「そうですよ、もうここしか町は残ってないですけどね」

赤「昔話は聞いた事あるんじゃない?」

赤「攫われた姫を助けるため勇者が出かけようとした矢先…」

緑「姫様が自力で帰ってきたんですよね」

赤「そう…で、何故か二人で攫った本人である竜王倒しに行ったと」

青「聞いた事はあるけど…普通姫といえばどこかで囚われてたりするんじゃね?」

赤「何でもこの姫様は呪文が使えたとかいう変わり者だったんだって」

緑「しかもその姫様がドラゴンになって遊びで町一つ滅ぼしちゃったとか」

青「何だそれ…その姫やばすぎねぇか…」

緑「え?王様がいなくなった?」

兵士「あぁ…今も探しているがどこへ行かれたのだろうか…」

青「大神官程度が怖くて逃げるなんざ大した王じゃないな」

赤「キミがそれを言える資格なんてない」

青「あーん?」

緑「どこ行ったんでしょうね…」

赤「多分町にいる」

緑「え?何で分かるんですか?」

赤「敵前逃亡するような人がここを出れるわけがない」

青「外は魔物いるしな…クソ面倒だが探してみっか」

緑「ん…ここ鍵かかってますね」

赤「青、やっちゃいなさい」

青「命令するんじゃねぇよ…ほれっ」ゴリュン ギィ…

王「誰じゃ?武器屋は下じゃし、わしゃただの隠居じゃぞ」

赤「でも王様はここ」ガシッ

青「こんな所にいたか、来やがれ」ガシッ

王「イヤじゃ!?大神官怖い!!城の兵士怖い!!この子供達怖い!!」ブンブン!!

緑「何でボク達まで…?」

青「こうやって引きずり出してるからじゃね?」

王「誰か助けてくれぇ!?」

青「結局あの部屋に戻りやがったな」

緑「しかも入り口にベッドやら置いて入れないようにされちゃいましたね…」

老人「そこの者達ちょっと…」

緑「はい?」

老人「これは…呪われておるな」

赤「呪い?ちょっと前まで犬にされてたけど」

老人「いいや、まだ呪われておる…ワシが解いてやるからこっちへ来るのじゃ」

老人「そのかわいさはどう見ても行き過ぎた呪いである!!」ドーン

青「おいジジィ…それあんたにだけとか言わねぇよな…?」

緑「変な人に捕まっちゃいましたね…」

青「で、どのかわいさが呪いだって?」

老人「無論この娘じゃ」チョン

赤「!?」ゲシッ

老人「おふっ…年寄りはいたわるべきじゃぞ…やはり呪いのせいで性格が荒れてしもうておる…」

赤「元からよ変態じいさま」

老人「解くためもっとお胸を触らせ…ごほっごほっ…うぅ…」ガクッ

青「…行くぞ」テクテク

緑「そ、そうですね…危ない人のようですし…」

赤「じゃあねじいさま、仮病お大事に」テクテク

老人「バレテーラ…面白い子達だねぇ」ケラケラケラ

緑「ここが昔竜王が住んでいたという城ですね」

青「臭そうな所だな」

緑「それはいくらなんでもひどい…」

赤「さっさと入る」ゲシッ

緑「うわっ!?け、蹴らないでくださいよぉ…」

赤「じゃあこっちがいい?」スッ

緑「そんなので刺されたら死んでしまいますよ!?」

青「いいから入るぞ」

緑「わ、分かりましたよぉ…」

赤(相変わらずいじりがいのある子だ)

青「何だこの複雑な道はぁ!!」ゲシゲシ

緑「しょうがないですよ…そういう構造なんですから」

赤「壁壊して道増やす?」ゴゴゴ…

緑「やめてください!!ここが埋まったらどうするんですか!?」

赤「それもそうね…やめとく」シュポッ

青「お?やっと階段があったぜ」

青「って…ただでさえ歩くのがめんどくせぇのに出てくんな!!」ドゴォ!!

魔物「ヒギ…」ベシャ

緑「いつの間にか青さんの武器が石柱に…」

 Eどこかで引っこ抜いてきた石柱 攻撃力+50

青「お?お宝じゃん」

緑「罠はなさそうですね、開けてみましょう」ギィィィ

赤「剣ね」

緑「し、しかもこれ伝説の勇者が使ってた剣ですよ!?」

青「ほー、これは競売にかけたらすげぇ値段になりそうだな」

緑「う、売らないでくださいよぉ…これは使わせてもらいましょう」スッ

赤「これよく考えたら誰が入れたんだろうね?」

青「確かにそれだけのもんがこんな扱いってよく考えたらおかしいよな」

青「ニセモンかもしれんからやっぱ売るか」

緑「だからやめてくださいって!?本物ですよ!!」

赤「ふん…」シュバッ

魔物「ウゲェェェ」ドサッ

青「…」

緑「…」

赤「勇者の剣、案外使えるわね」ヒュンヒュン

緑「青さん…赤さんって魔法使い系ですよね…?」

青「あぁ…なんで剣使えるのかってんだろ?俺にも分かるかよ…」

緑「しかも軽々と扱ってますよね…」

青「俺を力で負かせる女だしな…」

赤「何ブツブツ言ってるの?行くよ」

竜王「勇者の子孫か、よくきたね」

緑「!?」バッ

竜王「争う気ないから武器下ろしてよ」

青「お前竜王だろ?なんで戦わないんだ?」

竜王「正確にはひ孫だけどね」

赤「しかもかわいい女の子っていう」

竜王「む、今弱そうだって思ったっしょ?変身して炎ぐらいなら吹けるよ」

緑「只者ではないとは思ったけど…」

竜王「そりゃ只者じゃないよー、絶賛引きこもり中だしー?」

青「引きこもりかよ!?」

竜王「キミ達が大神官倒してきてくれるの?」

竜王「あのバカに痛い目見せてくれるならこっちは嬉しいな」

青「…知り合いなのか?」

竜王「そんな怖い顔しないでよー、あんなヤツ嫌いなんだからー」

赤「悪い事企んでる?」

竜王「まっさかぁ、ひいじいさんじゃあるまいしー」

竜王「あたしは面白おかしく過ごせたらいいだけなんだ」

緑「変わったヒトですね」

赤「…」ジー

青「同類だって思ってんだろ…こっちみんな」

青「次どこ行くよ?」

緑「…」Zzz

赤「寝てる」

青「コイツ移動中に…殴って起こすか」バキベキ…

赤「もう今日はここで休んでもいいんじゃない?」

青「…まぁそうすっか」ドサッ

赤「キミ、随分と真面目にやるようになったね」

青「コイツがしっかりしねぇからだよ」コツコツ

緑「うぅん…キュウリに牛乳は合わないんだ…むにゃむにゃ」

赤「どんな寝言」

青(しゃべらなくなって大分経ったな)

青「…おい、寝たか?」

赤「…」

青「今日はしっかりと寝たようだな」

青「それじゃ当初の目的を…」スッ

ゴソゴソ スルスル…

青「ん…これはなかなか…」

緑「…」ポー

青「!?びっくりさせるんじゃねぇよ…」

青「まだ完全に起きてないっぽいから無視して続きすっか」ゴソゴソ

緑「んむぅ…」ゴシゴシ

緑「何やってるんですかぁ?」

青「あん?決まってるだろ、夜ば…」

スコーン!!

青「どっぺるぎゃろっぱ?!?!?」ゴロゴロゴロ

赤「まさか寝込みを襲われるとは思わなかった」

緑「物騒な世の中ですねぇ…むにゃ…」フラフラ

赤「これは何か対策とらないと危険かもしれない」ゴゴゴ…

青「お、おい…何を…」

赤「とりあえず罰を与える」ヒョォォォ

青「なんだその竜巻……ひぎぃ?!」バシュン!!

赤「んぅ…」

緑「あ、おはようございます」

緑「起きてすぐですけど食事できましたよー」

赤「ありがと」

緑「今日はここから南にある大灯台へ行ってみましょう」

赤「ん」コクリ

青「おい…」ギシ…

赤「なに?強○魔」

青「いつまで俺は縛られたままなんだ!?いい加減解いてくれてもいいだろ?!」ギッシギッシ

緑「何があったんですか?」

青「どけどけぇ!!」ドガグシャベチョ!!

赤「らくちん」

緑「ですねぇ」

青「なんで俺にばかり戦わせるんだよ?!」

赤「襲った罰」

緑「後ろから回復はしますので頑張ってくださーい」

青「何テメェまで後方にいやがるんだよ!!」

青「くそがぁぁぁぁぁ?!」ゲシゲシゲシ

赤「それは壁です」

青「分かってるわ!ちくしょうがぁ!!」

老人「旅の者か、ついてきなさい」

緑「え?は、はい…」

赤「待って、おじいさま」スンスン

老人「なんじゃ?」

赤「へったくそ」ザクッ

青「お、おい!?」

老人「ゲフゥ!?…なんでバレた…んだ…」シュウン

緑「魔物…?」

青「いきなり刺すからビビッただろうが…よく分かったな?」

赤「犬になってたおかげで嗅覚が強くなったの」

青「よし、ちょっと探し物しようぜ」

緑「何を探すのですか?」

赤「前の港町で財宝を海に落としたって人がいたらしいよ」

緑「それを探してきてあげるんですね、お優しい」

青「まぁ何割かはもらうけどな」

赤「当然の報酬よね」

緑「えぇ!?無償じゃないんですかぁ!?」

青「アホ言うなよ、こちとら寄り道してまで探すんだぞ」

赤「落としたのは自業自得だしね」

緑(やっぱりこういう時は同じ意見なんですね…)

青「この辺か?」

赤「他所で話聞いた限りでは間違いない」

緑(本当に見つかるのかな…)

赤「見て、海が輝いてる」

青「財宝の輝きってか?よし、いってくる」タッ

ドボーン!!

緑「え?えぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

緑「生身でしかも手で上げるなんて無理ですよぉ!?」

赤「大丈夫じゃない?」

緑「何でそんなにあっさりしてるんですかぁ!?青さぁぁぁぁん!!」

赤「やっと上がってきた」

緑「えっ!?早くないですか!?」

青「ぶはぁ!!」バシャ

赤「あった?」

青「おうよ!!ロープで縛ってきたから今から引き上げるわ」シュルシュルシュル…

緑「ロープ一本で…」

青「よいしょぉ!!」ドスーン!!

赤「これは……うん、本物だね」ギィィィ ゴソゴソ

青「これで報酬ゲットだな、へっへ…」

緑(もうツッコむべきじゃないのかな…)

抜けはないですがちょっと分かりにくかったみたいなので説明を…

>>85で言ってる大灯台の場面が>>86>>87になっておりまして、一応同じところの続きとなっています
ネタ元をプレイしながら書いたものなので一度書き溜めた後挿入する形で追加したところだからおかしいのかも?
つーか、場所とかあまり表記させないから分かりにくいのか……勢いで書いてるので申し訳ありませぬorz

分かり難いところはまた説明しますので遠慮なくどうぞー

青「うっへっへ…大金だぜぇ」ジャラジャラ

赤「これでしばらくはリッチに過ごせる」

緑「あの人泣いてましたよ…可哀相に…」

緑(すべて終わったら取った分返しにいこう…)

青「次の町でうまいもん食べ歩くか?」

赤「ほら、次の目的地はどこ?食べ歩きが待ってる」ユサユサ

緑「え、えっと次は…」

青「もう面倒だ!!東へ舵を回すぜ!!」ググッ

青「適当に行きゃどこかに辿り着くだろ」

緑「こ、こういう時はちゃんと調べてからにしないと…」

青「…」

赤「…」

緑「…」

赤「おいしいものがある町どこ?」

緑「だから言ったのに…ここどこだろう…」

青「何で止めなかったんだよ!?分かってたくせに!!」

緑「だって青さん怖いし…」

青「何が怖いんだ?!話ぐらいは聞くわ!!」

赤「そうやって叫んでるからじゃ」

緑「もういやだぁ…」メソメソ

青「ダメだ…出てきやしねぇ…」

赤「どこまで脅したの?」

青「脅すか!?叫ばず冷静に話し合いで解決しようとしたわ!!」

赤「だったらどうして出てこないんだろうね?」

青「知るかよ…」

赤「しょうがないから本気で大陸探そう」

赤「キミも手伝って」

青「いいけどどうやって探すよ?」

赤「心当たりがあるからまず羽で戻ってそこ行ってみる」

青「よく分からんが方法あるってんならやろうぜ」

緑「…」ジメジメ

青「まだこんなところでオオナメクジみたいになってんのかよ」

青「新しい大陸に着いたぞ」

緑「…」ボー

青「コイツ…予想以上に手がかかるな…頼むよ」

?「おまかせください…コラーッ!!出てきなさーい!!」

緑「この声は…」

姫「お兄ちゃん!!旅の途中でサボっちゃダメでしょーが?!」

緑「何で…お前がいるんだ…?」コソコソ

赤「大陸探すついでに呼んできたんだ」

姫「お兄ちゃんがご迷惑をおかけしました」ペコリ

青「いや、元はといえば俺達のせいだしな」

赤「船を勝手に進ませたのはキミだよ」

青「テメェだって頭ん中うまいもんの事だけだったろ!!」

緑「もういいからケンカしないでくださいよ…」

姫「大変そうだねお兄ちゃん」

緑「まぁね」

姫「だったらあたしを連れていってよ」

緑「だからダメだって何度も言ってきただろう?」

姫「今ならもれなく噂のあの人に会えるよ?」

赤「誰それ」

姫「赤お姉ちゃん興味ある?聞きたい?聞きたいよね??」

赤「その人に会ったら何か良い事あるの?」

姫「そりゃあ…最高の人だよ?」

青「曖昧すぎて怪しすぎるな」

姫「青お兄ちゃんも会えるなら会っておくべきだよ?あたしいたら100%出会えるよ?」

姫「だからあたしを仲間に…ふぎゅ!?」ドスッ!! ドサリ

緑「ごめん、ちょっとこの子返してくるね…」ヒョイ

赤「キミ、妹に対しては結構容赦ないんだね…腹パンチするとは思わなかった」

青「でもその噂の人ってのは気にはなるよな」

青「城があったわけだが…」

赤「国王に楽しませたら何かくれると言われ…」

緑「どうしてこうなったんでしょうね…」

トラ「グオォォォォン!!」ザッザッ

国王「ソイツを倒したらええもんやるぞー、頑張るんじゃー」

赤「半ば強制的にこんなことさせられたら萎えるんだけど?」

青「今日はのんびりここで過ごそうとしたのに…くそがぁ!!」ガンッ

トラ「グルルル…」ジリジリ…

緑「ボ…ボク達の周りを歩きながら近づいてきてますよ…」

赤「…これは本気を出さざるをえない」キュピーン

赤「国王のおじさま…あまりこちらをなめてもらっちゃ困るよ」バチバチ!!

国王「ほぅ…どれほどものか見せてもらおう…」

ドバババァッ!!バァン!!

国王「か…」ズル…

トラ「」プシュー

赤「おわり」フリフリ

青「何だ今の…」

緑「あんなの見たことありませんよ…なんて呪文ですか?」

赤「呪文じゃなくて必殺技」

赤「名前はジゴ……やっぱり面倒だから名前は知る必要ないよ」

緑「紋章いただきましたけど他には何かありませんかねぇ」

青「あるかじゃなくて探すんだよバカ」ゴソゴソ

青「お?鎧発見したぜ!!」ガチャ

緑「そこは…」

武器屋「…」

赤「何も見てない…おっけー?」バチバチバチ

武器屋「お、おっけー…」

緑「脅したらダメですよぉ!?」

青「どうせコレ、珍しいモンだからって独占してたんだろ」

武器屋「…」ギクッ

青「よっしゃ、次どこ行くよ?」

緑「結局また泣かせちゃいましたね…」

赤「今度は悪い事してたから文句は言わさない」

緑「まぁボクも何も言いませんけど…」

緑「絶対これいろんな人を敵に回してますよね…」ボソボソ

青「おい、早く次の場所探すぞ」

緑「分かりましたよ…もう次の所は大体の位置はつかんでますのですぐにでも行けますよ」

青「マジか…引きこもってたくせにいつの間に…」

赤「この子を馬鹿にしてた…今でも馬鹿にしてるけど」

緑「青さんも赤さんもひどい!?」

青「ほぉ…水の町か」

赤「割と綺麗な所ね」

緑「…」

青「よっしゃ!!まずはナンパでも…」

赤「疲れたからさっさと宿屋で寝るわ…」ガシッ

青「お、おい!!眠いならお前だけ行きゃいいじゃねぇか!?」ズルズル

緑「…」フラフラ

緑(ここに着いてから何だか体の調子が悪い…)

緑(風邪とは違う気持ち悪さみたいなのを感じる…)

緑(休んで治ればいいけど…)

青「ふわぁ~…朝か」

青「結局どこも行くことなく寝ちまったぜ…」

赤「いい加減つまらないことはやめてくれない?」

青「うお!?起きてやがったのか…テメェには関係ないだろ?」

赤「人様に迷惑」

青「迷惑なんかじゃねぇよボケ!!」

赤「こっちまでそういうイメージで見られるじゃない」

青「知るかよ……なぁ?」

赤「言いたい事は分かる…いつも止めてくれる人の反応がないんでしょ?」

青「これだけ騒いだら起きてくるはずだが…みど…」

緑「はぁはぁ…」

青「なんつー顔してんだコイツ…しっかりしろや」ペチペチ

赤「すごく顔色が悪い」

緑「あ…もう朝だったん…ですね…」ズル…ドサッ!!

赤「それはいつから?」グイッ

緑「すいません…ここに来てから急に…です…」

緑「これは…大神官の…呪いかもしれません…」

青「呪いだぁ?それが仮病の理由か?」

緑「はぃ…」

青「『はい』ってお前…」

緑「ごほっ!!ボ、ボクはここまでのようです…」

緑「ボクの事はいいから…二人で大神官を…」

赤「…」

青「そうかい、そんじゃ俺らで行ってくるわ」

緑「お願い…しますね…」ニコ

赤「ちょっと…」

青「コイツが置いていけと言ってるんだ」

青「何も問題はないだろ、行くぞ」テクテク

緑「はぁはぁ…ごほっ!!ごほっ!!」

赤「…」タタッ

青「そんじゃ行きますかね」

赤「本気でこのまま行く気なの?」

青「いいから行くぞ」

赤「あの子、ヌケてるしあまり役には立ってくれない」

赤「でも、わたしたちにとっては必要な子だよ」

青「…」

赤「それでも置いていくの?」

青「いいから黙ってついて来い」

青「俺じゃ突っ込むだけでブツを見つけられんかもしれん」

赤「え?」

青「これか」プチッ

赤「本当にそれでいいの?」

青「あぁ、死者を蘇らせる不思議な葉らしいわ…これで治るかもしれないと聞いた」

赤「いつの間にそんな情報仕入れてたの?」

青「…別に町に行くたび遊んでるだけじゃないんだよ」

赤「ふぅん」

青「ア、アイツいねぇと俺達のケンカ止めるヤツいなくなるし…」ブツブツ

青「いなかったら面白くねぇじゃん?だからだよ…」

赤「あんたって変に素直な時あるよね」ニッ

青「…ふん」プイッ

緑「ごほ…今頃どこまで進んだんだろう…」

緑「置いて行けとは言ったけどやっぱり…」ジワ…

青「おう、暇そうじゃねぇか」

緑「え…どうして…?」

赤「キミだけ放っておけるわけないじゃない」スッ

緑「これは…ごほごほっ!!」

赤「いいから飲む」グイッ

緑「むぐーっ!?」ビクッビクッ!!

青「生かよ…せめて絞って汁ぐらいにはしてやれよ…」

赤「面倒だったから、つい」

緑「すぅすぅ…」

青「ホントに効いたみたいだな」

赤「半信半疑だったの?」

青「それぐらいしか情報なかったしな」

青「ちょっと外出てくるわ、気になる所がある」

赤「ふぅん、途中でナンパなんてしないでよ?」

青「今そんな気分じゃねぇよ」ガチャ バタン

赤「随分とやるようになったな…」

赤「でも気になるものなんてあったかな?この町に」

緑「あぁそんなダメですよぉ…人面樹の葉っぱで雑炊なんてぇ…むにゃ…」

緑「ご迷惑おかけしました、もう大丈夫です」

青「ホンット時間の無駄だったぜ」プイッ

赤「暇でたまらなかった」プイッ

緑「もぉ、この二人は…」ニコ

赤「そういえば昨日、どこまで行ってたの?」

青「あ?町の奥のところに転送できるところあったから飛んで先見てきたんだよ」

青「山に囲まれた場所に出たけど何もなかったから戻ってきた」

緑「そんなところに飛ぶぐらいなら何かありそうですけどね」

赤「その内来る事になるんでしょ」

赤(どうせ普通入れない扉壊して強引に行っただけだろうし)

緑「ここは漁師の町だそうです」

赤「でもそれらしい人がいないみたいだけど?」

緑「それがほとんどの海の男たちの船が魔物に襲われて…って聞きました」

青「なんだこりゃあ!?」

緑「ど、どうしましたぁ?」

青「女ばかりじゃねぇか!!ここは楽園か何かなのか!?」

緑「それぐらいで大げさな…」

赤「はぁ…」

老人「そこの若いのも分かるか!!この町は実にええのぅ!!」

青「誰か知らんが最高だよな!!」ガシッ

老人「だが、そこの娘っ子が一番じゃと思うんじゃがどうじゃ?」

青「そこで俺のツレを指されるとなんとも言えねぇ…」

赤「この世界のおじいさまは変態ばかりなの?」

老人「失礼な!!ワシは本当は…げふんげふん!!」

老人「それではな若いの…」テクテク

緑「なんか途中で言いかけてやめましたね」

青「よく分からんじいさんだな…しっかしホントここはええのぅ…」

緑「しゃべり方が若干うつってますよ…」

赤「はぁ…」

緑「それじゃあ情報収集しますよぉ?」

青「結局分かったのは月の欠片とやらが必要だって事ぐらいか」

緑「どこにあるんでしょうね?」

赤「また適当に走らせれば…」

緑「もうやめてくださいよぉ!?」

青「つーか今思ったんだけどよぉ…世界地図持ってなかったか?」

赤「そういえば竜王少女の所で取ったかも」

緑「あ…ありました…」ゴソゴソ カサリ

赤「とりあえず殴る」ググ…

緑「なんでですかぁ!?ボクだけのせいじゃないですよぉ!?」

青「みんな揃ってボケかましちまったってわけだな…」

青「そういえばよ、あの痺れる床がある先には何かないのか?」

緑「あったとしても無理ですよぉ…体力もちませんって…」

赤「あの先に行きたいの?」

緑「行けるなら行きたいですけど…まだ浮遊呪文使えませんし…」

赤「余裕」バサッ

青「ただの布切れ敷いてどうするんだ…って…」

赤「誰も知らない回避法があったの」テクテク

緑「そんなので防げるものなんですね…」

赤「布いっぱいあるからみんなで敷こう」ズルズル…バサリ

青「ちょっと待て…お前の腰のちっこいバッグにその量の布がどう入っていたんだ…」

青「ホントにこの先に村なんてあるのかよ…」

緑「間違いなくありますよ」

赤「この自信はどこからくるのか」

緑「何で信じてくれないんですかぁ!?」

緑「ちゃんと情報収集した結果ですって!!」

青「そうか、すごいぞー」

赤「頑張ったねー、なでなでしてあげようか?」

緑「今度はあからさまにバカにしてるし!?」

青「よく分かったな、今のは本気で感心したぜ」

緑「変なところで感心されても…」

クビ「ヒッヒー!!」

青「何だコイツらぁ!?」

赤「頭悪そう」

緑「みなさん気をつけ…あっ!?」ザシュ

青「言ったそばから食らってんじゃねぇよ!!」ドゴッ!!

クビ「ヒギャ!?」ズサー

クビ「ホシイクビクビクビ…ヒヒヒッ」ザックザックザック

青「木を無心に切り刻んでやがる…コイツら別の意味でやばすぎるだろ…」

赤「首がほしいならあげるよ」シュカッ ゴトリ

緑「仲間の首あげないでくださいよ!?」

青「ちくしょうが!?ずっと追いかけてくるぞ!!」ダダダッ

緑「しかも倒した先からやってくるから一向に減りませんしね…」タタタッ

クビ「クビクビクビ!!」

緑「あ、赤さん!!前使ってた必殺技で一掃…」

赤「もうだめぽ…疲れた…」ガシッ

青「重てぇ!?俺の首に捕まるんじゃねぇよ!!」

緑「…できそうにありませんね」

緑「どうすれば!?」

青「もう体力もねぇってのにいい加減にしてほしいぜ…」

赤「ぐでーん」ズリズリ…

ドガァァァァァァァァァン!!

クビ「ヒッヒィ!?」

青「なんだ?突然爆発したぞ」

カキーン!!ゴォォォォ!!

緑「魔物が一掃されていきますよ…」

??「集団で何追いかけてるかと思えば…」

??「勇者の子孫さま達か」

緑「あなたは…」

??「ん?何者かって?」

??「ただの通りすがりの旅人!!」ドーン

旅人「ああいう危険な魔物いるからもうちょっと慎重に行くんだよ?」

緑「はぁ」

旅人「んじゃね~」フリフリ

青「待てよ、あんたナニモンだよ?」

青「どうして俺達が勇者の子孫だって知ってんだ?」

旅人「割と有名よ?あんた達」

旅人「ずっこけ三人組とか呼ばれてるみたいね」

青「そうか…その件はもういいや、それよりあんた…」

青「俺とイイコトしよう」

旅人「はぃ?」

青「そのフードから見え隠れする顔だけでコイツと同様かそれ以上のレベルと分かる!!」

赤「…」クゥクゥ

旅人「おっほ!!寝顔かわええ!!モエキュン!!」

旅人「その子お持ち帰りオッケー??」

青「聞けよ?!」

緑「聞く必要はないと思いますよ?」

青「テメェは黙ってろ」

旅人「悪いけど私、かわいい女の子にしか興味ないから」

青「は…?」

緑「特殊な性癖の人だったみたいですね…」

旅人「できればあんたらに素の姿見られたくなかったんだけどねぇ…」

旅人「まぁいっか、長旅頑張りなさいよ~」フリフリ

青「ちょ…待ってくれ?!」

旅人「これ以上ここにいたらあんたにいやらしいことされそうだから逃げる~」ピカーン

バヒューン

緑「飛んで行っちゃいましたね」

青「くそっ!!あれほどの人材はそういないってのに!!」

緑「あれだけいた魔物を殲滅できる人そういませんよね…」

青「俺が言いたいのはそこじゃねぇ!?」

赤「ざまぁ…むにゅむにゅ」

青「やっと村に着きやがったか」

緑「のどかなところですねぇ」

赤「眠くなっちゃう」フラフラ

緑「さっきまで寝てましたよね!?」

青「別に寝てもいいぜ」ニヤ

赤「…起きる」

青「ちっ…」

赤「また寝込み襲われてはたまらないから」

青「あぁそうかい…」

緑「そ、それより村を見てまわりましょうよぉ」

緑「お、おじゃまします…」

名人「お主ら誰じゃ?」

青「何かお宝ないか入ってきたんだが?」

緑「そ、そんな言い方はやめましょうよ…」

名人「まぁええわい、何か織ってほしいものないか?」

赤「この男の首」

青「その『折る』じゃねぇだろ!?しかもなんで俺?!」

緑「えっと…あ、どこかにあった織機ならありますが…」

名人「ほぉ…これはいいもんじゃな」

緑「でも糸がありませぇん…」

赤「あ」

緑「どうしました?」

赤「どこかで糸の事聞いたかも」

青「思い出せないなら別にいいじゃん」

緑「ダ、ダメですよぉ…思い出してください!!」

赤「ここまで出掛かってるんだけど」ポンポン

青「ふくらはぎ付近って…全然出てくる気配ないじゃねぇか」

名人「いつでもいいぞ」

緑「思い出してからにしますね…」

赤「うーん…この手の辺りまで出てるんだけど…」ポンポン

緑「これで全部回りましたね、次へ行きましょうか」

青「待て、あの奥に水門らしきものが見えるぞ」タタッ

緑「あっても何かあるわけじゃ…」

バキィン!!ザァァァァァ!!

緑「あぁっ!?勝手に開けちゃった?!」

赤「ついでに鍵がかかってたはずだけど、アレ」

緑「すでに見た後だったなら言ってくださいよぉ!?」

赤「糸について思い出してたから」

青「勝手に開けてやったわ、はっはっは」

緑「そんなしてやったりみたいな顔で戻ってこないでください!?」

老人「水門を開けよ!!さすれば道は開かれん!!」

女性「おじいちゃんったらこれしか言わないのよ」

青「ボケてんのか、乙だな」

緑「ついでにもう開けた後ですけどね…」

赤「本当にそれしか言わないの?…ほら」チラッ

老人「服を脱げ!!さすれば道は開かれん!!」

女性「おじいちゃん…」ジトー

赤「よかったね、完全にボケてなくて」

緑「服脱いだらどういう道が開かれるんでしょう?」

青「そんなの真ん中の…いや、なんでもない…」

青「あーやっと塔まで来れたか…」

緑「水門開けててよかったですね」

赤「コレならマントあれば飛べる距離だったのに」

青「俺様をコレ扱いとはいい度胸してやがるな?!」

赤「やる気?」シャキン

青「…さっさと行くか」

赤「なによ、面白くない」ゲシゲシ

緑「何でボクを蹴るの!?何だか懐かしい気もするけど…」

赤「そういう趣味があったなら言ってくれれば良かったのに」ゲシゲシゲシ

緑「ちがっ!?痛いからやめて!?」

赤「月の欠片ってコレ?」ヒョイ

緑「どうやらそうみたいですね」

青「これをどこかの海で使うんだっけか」

赤「あ」

青「どうした?」

赤「ぅ…なんでもない…」ゴソゴソ

緑「あれ?足元に何か粉みたいなのが落ちてますよ?」

赤「え、どこに?」ザッザッ

青「明らかに挙動が不審なんだが…」

緑「どうしたんでしょうね?」

青「こんな辺鄙な所に何があるんだ?」

緑「確か太陽の紋章というのがあるらしいです」

赤「…あった」ヒョイ

青「はやっ!?よく見つけれたな」

赤「光に反射されて光ってたから」

緑(青さん、何だか赤さんの様子がおかしくないですか?)ボソボソ

青(塔行ってからだな…よく分からんが何かやらかしたか?)ボソボソ

緑(分かりません…大人しいというか元気がないというか…)ボソボソ

赤「ちょっと二人ともこっち来て」

緑「はーい、何ですかぁ?」トコトコ

赤「ここに転送ポイントがあった、三つも」

青「こんなの見つけてどうするってんだ?」

赤「みんなバラバラに乗ってみない?」

緑「そんなチャレンジャーな…」

青「実は同じところに繋がってるってオチじゃないだろうな?まぁ乗ってみっか」

緑「えぇ!?ちょちょ…もうちょっと考えてから…」

赤「いいから乗る」ドンッ

緑「ちょ、えぇぇぇ…」シュン!!

赤「あんたも」ドンッ

青「おまっ…」シュン!!

緑「とっと…ここは…」

老人「おぉ、勇者の子孫の子じゃな?どうしたんじゃこんなところ来て」

緑「転送で飛んできたんですけど…」

老人「またいじめられたのかい?」

緑「いえ、いじめられては…え?『また』?」

老人「にしし」ボフン

緑「あなたは…」

旅人「そう、途中で会ったね少年」

緑「何故こんな所で変装など…」

旅人「ほほほ…わたしゃ楽しい事出来るならどこにでもいるさ」ニッ

青「どこだここは…」

神官「おや、お客さんとは珍しい」

青「あん?何だそこに落ちてる金の冠は」

神官「これか?これは伝説の勇者がつけていたという冠だ」

青「んー?普通は兜じゃないのか?」

神官「それには同意だが経緯などは分からんからな…」

青「まぁいいや、それくれね?」

神官「ダメだ、それを手に取りたいなら勇者の証を持ってくるんだ」

青「そんなモンあるかぁ!!俺が勇者だ!!」ズカズカ

神官「そこに乗るな?!だから勇者の証を!!」

赤「漁師の村でこっそり拾っておいた鍵が使えた」カチョン ギィィィ…

赤「ここどこだろう…」

赤「あぁ、あの港町からちょっと離れた所か」

赤「どうしようかな、これ…」カラカラ…

赤「半分に折っちゃったなんて言えないよね…」

赤「あれだけ調子に乗ってたくせにこんなことしちゃったよ」

赤「あのバカにどれだけ怒られるかな」

赤「もしかしたら襲われるかもしれないなぁ」

赤「はぁ…戻ろ…」

赤「そういえば乗ってからの事言ってなかった気がした」

赤「こんな所で何してるの?」

緑「集合場所聞いてなかったのでここまで歩いてきました」

赤「そう…よく一人で頑張って戻ってきたね」

緑「あれ?いつもの雰囲気が感じられなかった…」

赤「そこまでキミ達嫌ってるわけでもないし」

緑「そうなんですかぁ」

赤「でもわたしと初めて会ったこの町にいるって分かったね」

緑「ちょうど中間点でもあったからかなぁ」

赤「ふぅん、ちょっと聞いてほしいことあるんだけど」

緑「いいですよ、どんな事です?」

緑「月の欠片を割ったんですかぁ!?」

赤「割ったじゃなくて折ったね」

緑「はぁ…つい力加えちゃったんですか?」

赤「バカにしてる?」

緑「してないですって!?しかし困りましたね…」

赤「怒らないの?」

緑「わざとじゃないんでしょ?」

赤「そりゃわざとする人がいるわけないでしょ」

緑「それでずっと様子がおかしかったんですね」

緑「でも大丈夫ですよ、青さんだって許してくれますよ」

赤「やっぱり謝らないとダメ?」

緑「そりゃそうですよぉ…悪い事しちゃったのですから」

赤「ぅ…」

緑「いつもの調子で言ったら間違いなく怒られますよ」

赤「ぅぐ…」

緑「いいですか?謝る時に誠意を見せるんですよ?」

赤「分かった…」

緑「それにしても青さんはここにやってきますかねぇ?」

赤(このほわほわ少年に諭されるとは…)

赤(でも今回ばかりはわたしに非があるから素直に従おう)

青「はぁはぁ…こ、こんなところにいやがったか…」

緑「ごめん、書置きでも残してたらよかったね」

青「ま、しゃーないんじゃねぇの?」

赤「今日はここで休もう」

青「そうだな、さすがに複数の転送往復しまくって疲れたわー」

赤「あ、あとで…話があるから…」

青「あ?なんだ、ここでじゃダメなのか?」

緑「聞いてやってくださいよ」

青「お前は知ってるのかよ…不審な行動と関係ありそうだし聞くわ」

赤「…」コクリ

青「で?」ドサッ

赤「これ…」スッ

青「おい…なんで真っ二つになってんだよ?」

赤「力入れすぎて折ってしまったの…本当にごめんなさい…」

青「はぁぁぁぁ!?どこまで馬鹿力なんだよ…」

青「これはちょっとシャレにならねぇんじゃねぇのか?」

赤「どんな罰でも受ける覚悟はできてる…何でも…する」

青「…ふぅん」

青「それじゃあよぉ」グイッ

赤「あっ」ドサッ

青「おしおきだ」グイッ

赤「…」

青「本当に何してもいいんだな?」ゴソゴソ

赤「!?」ビクッ

赤「それだけの事をやったから…」

青「そうか…」スルスル…

赤「…」

青「最初に見たがやっぱりいい体してるな」スッ

赤「…っ」ジワ…

青「…」

青「イヤなら抵抗ぐらいしろよな」スッ

青「さすが俺だって無理矢理する気はねぇよ」

青「もうおしおきは終わりだ」

赤「!!」

青「何か言いたいことあるなら言ってみろ」

赤「…最初の頃、無理矢理しようとしてた気がしたけど?」

青「いきなりツッコむのそこかよ!?普通どうしてやめたんだとか聞くだろ!!」

赤「自分でする気ないって言った」

青「コイツは…まぁいいわ」

青「俺だって考えが変わる時もあるんだよ…」ガチャ バタン

緑「どうでした?」

青「襲った」

緑「ちょ…なんてことを!?」グイッ

青「アホ!?ウソだウソ!!俺はそこまでクソヤローじゃねぇよ!!」

緑「そ、そうですか…よかった」

青「ちょっと泣かせたぐらいだよ…ついでに暴力はふるってねぇ」

緑「やっぱり青さんはいい人ですね」ニコ

青「うるせぇ!!飯食いに行くぞ!!」ゲシッ

緑「あうっ…えへへ…」

緑(よかったですね、赤さん)

青「伝説の勇者の盾がお前の城にあるだぁ?」

緑「ずっと奉っていましたがこの際使わせてもらいましょう」

青「そいや俺もこれなら取ってきたが」スッ

赤「冠?どこの王族のやつ?」

青「いや、これも勇者用だったらしいぜ」

緑「どう見てもどこかの王様の冠ですよね?」

青「おっさんが証がどうとかぬかしてやがったからぶんどってきた」

緑「ひどい…」

赤「いらないならもらう」ヒョイ

青「別にかまわねぇけど装備でき…るのかよ!?」

緑「えっとここですね」

青「鍵閉まってんのか…どっせぇい!!」ドゴォ!!

老人「おや、派手に入ってきたのぅ…」

緑「すみません…勇者の盾をお借りしてよろしいでしょうか?」

老人「かまいませんぞ、そのかわり…ふひひ」ジリ…

赤「どうしてわたしに近づいてくるの?」

老人「なに、ただちょっと人肌のぬくもりがほしかっただけじゃよ」ジリジリ…

緑(この老人もまたあの人かも…懲りないなぁ…)

緑(今思えば結構いたる所で会ってた気がする…)

青「おーい、盾はまだかよ?」

緑「じゃあ開けますね」キィィィ

青「…おい」

緑「こ、これはどう見ても…」

老人「伝説の勇者が使っていた盾…『お鍋の蓋』じゃな!!」ギュウ

赤「もはや盾ではないね…それよりコレ、どうにか剥がして」ググ…

老人「その盾は微妙に見えて微妙な装備じゃ!!ゴミじゃ!!」スリスリ

緑「一応勇者の装備をゴミ扱いはやめてください!?」

青「じゃあ使うか?その皮の盾の代わりに」

緑「ただでさえ弱いボクが余計弱くなっちゃいますよぉ…」

赤「だから…この変態を…引き剥がして…」グググ…

青「おい…」

赤「なに?」

青「確か設定だとそれら装備できるの俺だけだったよな?」

緑「設定とか言わないでください!!」

青「何で全部コイツが装備できるんだ!?」

赤「実はわたしが伝説の勇者です」ドーン

青「なんでじゃぁぁぁぁ!?」

赤「ほしいなら奪い取ってみなさい」

青「ぶっちゃけ全部ほしいと思わねぇ…」

緑「なら問題ないですね」ニコニコ

青「しっかしコイツが本当の勇者じゃねぇのか?」

赤「本物募集中」クルリン

緑「本物って…さっき自分がそうだって言ったじゃないですかぁ」

姫「はいはーい!!あたしが本物だったのですよーっ!!」ピョンピョン

青「俺たち以外にいたのか…って…」

緑「…だったら赤さんに打ち勝って本物の証明したらいいよ」

赤「さぁきなさい」ブンブン!!

姫「ちょ…絶対ミンチにされるぅぅぅぅ!?」

青「何であんなに仲間になりたがるんだお前の妹は?」

緑「ずっとお城にいるから退屈なだけだと思うんだけど…」

青「終わったみたいだぞ」

緑「はぁ…これに懲りて大人しく…」

姫「勝ったーっ!!」

赤「負けた」ガックリ

緑「はいぃぃぃぃ?!」

緑「え?ちょ…どうやって戦ったの…?」

赤「普通に負けた」

緑「この子戦い方なんて知らないはずじゃ…」

姫「こう剣を避けて…ガシッ!!っと」

赤「早すぎてどうにもならなかった…妹さん強いね?」ポンポン

緑「いやいや待って!!どう考えてもありえないから!!赤さん、もしかして…」

青「残念だな」ポン

青「お前と彼女…チェンジだ」

緑「なんでですかぁぁぁぁぁ!?」

青「お前よりつえーから仕方ないだろう」

緑「いやだぁぁぁぁぁぁぁ!?」

姫「…はい、約束のおやつ」コソコソ

赤「久しぶりに甘いものが食べられるわ」モギュモギュ

緑「やっぱりやらせですか?!」

緑「しかも物であっさり釣られてるしぃ!?」

姫「すいませんでした…」

緑「もう変な事しないでくれよ…」

姫「くっそー!!もういいもん!!噂の人に頼むもん!!」

青「前も言ってたがそれはどこの誰なんだ?」

姫「え?多分どこかで会ってると思うよ?どこにでも現れてくれるし」

赤「そう言われても全然分かんない」

緑「まさか…」ダッ

姫「何処行くのお兄ちゃん?」

緑「ボクの考えが合ってたらこのお城にいたよ!!」

赤「あぁそういう…」ポン

緑「はぁはぁ…おじいさん!!」

老人「なんじゃ?おぉ王子様、こんな所でどうなさった?」

緑「あれ?おじいさん、さっきまでここにいましたよね?」

老人「先ほどまでちょっと呼ばれて出かけておりましたが?」

緑「やっぱりあの人だったか…」ガックリ

姫「お兄ちゃんいた?」

緑「もう逃げられていたよ…」

姫「あはは~、見つけてもそう簡単に捕まえられる人じゃないからねぇ」

緑「あの人とお前の関係が気になるよ…」

赤(やっぱり、変態はすべてその噂の人だったのか)ウムウム

緑「多分ここで月の欠片使えばいいはずです」

赤「…」ショボーン

青「何しょぼくれてんだ?使えるかもしれねぇだろ、ほれ」スッ

ゴゴゴゴ…

緑「塞いでいた岩が沈んでいきました…よ?」

青「なんかすっげー迷路みたいな形で残ったんだが…」

緑「お、折れてるせいですかねぇ…船で近づくのは大変ですよぉ…」

赤「先入って様子見てくる」タンッ タンッ

青「ちょ…待てって…!?」

緑「まだ責任感じてるんでしょうね…」

赤「…」

赤「熱い…しかも入った瞬間詰んでる…」

ゴォォォォォォォ!!

赤「完全にドロドロのマグマが渦巻いてたら入るの無理でしょJK」

赤「仕方ない…誰もいないから使ってしまおう」シャキン

赤「マ○ャド斬り!!」ピキーン

パキパキパキパキ…

赤「あとはこれを…はぁっ!!」

ドバババァッ!!バァン!!

赤「ふぅ…あとは二人に任せよう」テクテク

赤「大丈夫、バグってたけど入れる」

青「遅かったからどうしたのかと思ったぞ」

赤「邪魔なもの取り除いてたから」

緑「ありがとうございます、それでは行きましょうか」

赤「おー」ガシッ

青「また俺の首にしがみつきやがった!?離せ!!」ブンブンッ

赤「疲れたからしばらくよろしく」ズルズル

青「『憑かれ』てんのは俺だ!!」

緑「まぁまぁ、お仕事してくれたみたいだし少しは休ませてあげましょうよ」

赤「らくちーん」

青「しっかし…あっちぃな…」

緑「しょうがないですよ…このマグマ溜まりの中じゃ…」

青「つーかコレのせいで余計に暑苦しいんだが」ユサユサ

赤「早く行く」コツコツ

青「何故か涼しい顔してやがるし……コレ、マグマに落としていいか?」

赤「もぉ、しょうがないな…ほら」ヒョォォォ

青「何だか涼しくなってきたぞ?何した?」

赤「秘密のおまじない」

青「よっしゃ!!これなら楽勝だな!!進むぜ!!」

緑「ボ、ボクにはナシですかぁ…?」ダラダラ…

青「宝箱があるぜ」

緑「こんなところにですか?怪しいですね…」

青「怪しい?開けてみりゃ分かるだろ」ガチャ ブシュー!!

緑「うわぁ!?毒ガスですよ!!」

バタン!!

青「うるさいやっちゃなぁ…これでいいだろ?」

緑「閉められるんだ…」

青「開けれるのに閉めれない宝箱なんかあるかよ」

緑「そうなんですけどね…何かおかしいなと…」

赤「むにむに…人食い箱なんていなかったぁ…」スゥスゥ

青「なんだこりゃ…」

緑「何だか地形がグッチャグチャですねぇ…」

青「やっぱ折れてたからか?」

緑「かもしれませんけど進めないほどじゃなさそうなので進みましょ…」ザッ

緑「熱い!?」バッ

青「おいおい…それはただの土の地面…マジだ…」チョンチョン

緑「どうなってるんですかこれぇ…」

青「本格的にバグってやがるな…浮遊呪文使ってくれ」

緑「これは仕方ないですね…浮遊呪文!!」ホワァ

青「よっしゃ行…ぶはっ!?壁なんてないのに何かにぶつかったぞ?!」ベシャ!!

使い「人間共がよくここまで来たな…だが死ね!!」ブゥン

青「当たるかそんなもん!!」サッ

緑「食らえ!!高熱呪文!!」ゴォッ!!

使い「くっ…やるじゃないか!!だがこっちも負けてられん!!」

赤「なにこの像」ヒョイ

使い「貴様!?我々を無視して大切な像を!!」

青「隙だらけだ、ボケェ!!」ズブッ

使い「がふ…勇者のくせに…卑怯な手を…」ガクリ

赤「勝てばいいのだ」フンス

緑「ちょっとボクは納得できないかな…」

青「もう行くところないぞー?」

緑「ちょっと待ってください…もう一つ町があったはず…」パラリ

赤「あ」

青「んだよ?突然変な声出して」

赤「変な声は出してない…オッケー?」バチバチバチ

青「お、おっけー…ソレを止めてくれ…」

赤「前忘れていた糸の件、やっと思い出した」

緑「どこにあるんですか?」

赤「確か大分前に頂上から飛んだ塔の北側がどうとか」

緑「そこなら結構戻らないといけませんけど行ってみましょうか」

青「ホントにこの塔に落ちてるのかぁ?」

赤「糸売りのおねぇちゃんがそう言ってた」

緑「うーん…一階にはないですねぇ」

青「だりぃな…」

赤「じゃあ床、呪文で吹き飛ばす?」ゴゴゴ…

緑「糸ごと吹き飛んじゃうでしょ!?ちゃんと探しましょうよぉ…」

青「俺はここにいるわ…二人で探してきてくれ…」ドサッ

緑「もぉ…しょうがないなぁ…」

赤「早く行くよ」

緑「あ、はーい!!」タタタ

青「ふぁ~…ねむ…」

カツンカツン…

青「あん?何かいるのか?」キョロキョロ

カツンカツン…

青「あいつらか?…いや、音は上からじゃないぞ…」

カツンカツン…

青「バカ緑だとこういう場合幽霊だとか騒ぎそうだな」シャキン

青「出てきやがれ!!いるのは分かってんだよ!!」

?「くすくす」

青「!?」ジリ…

緑「うん?」

赤「見つけたの?」

緑「いえいえ…さっき下から青さんの声が聞こえた気がして」

赤「どうせ寝言でも言ってんでしょ、ほらもっと上行くよ」

緑「そうなんですかねぇ…」コツコツ

緑「えっと…ここまでのようですよ…」

赤「あら、糸がいっぱい詰まってる」

緑「階段が埋まるほどこの糸に何があったんだろう…」

赤「分裂を繰り返した結果」

緑「そんな怖い糸あってたまりますか!?」

青「出て来い!!出ないと斬り捨てっぞ?!」

?「隙あり」シュッ

青「なにっ!?」サッ

?「残念、今のはフェイクでしたっ!!」グイッ

青「ぐはっ」ドサッ

?「さぁ!!覚悟はいいかな!?」ヌギヌギ

青「いや…待て…待ってくれ!?」

青「バカ緑の妹さんがここで何やってる?」

姫「青お兄ちゃんとイイコトしに」

青「は?」

姫「最初に出会った時からずっと忘れられなかったの」モジモジ

青「確か部屋でナンパした時か」

姫「美しいお嬢さんなんて言われて…胸にズキューン!!ときたんですよ」

青「はぁ?」

姫「あの時イイコトしようとしたはウソだったのですか?」

青「あんときゃマジだったが…」

姫「だったら今からでも遅くないよ!好きにめちゃくちゃにやって!!」

青「言葉が若干おかしいだろ!!それにする気はねぇ!!」

姫「ひどいっ!あんなに愛を語ったくせに捨てるの!?」ウルウル

青「なんだこの子…マジキチなんだが…」

旅人「せっかくあんたのために来たんだから無下にしなさんな」

青「あんた…あん時の…」

旅人「その子にお願いされてね」

旅人「『どんな手を使ってでも仲間に入りたい!!』って」

青「もしかして、俺が逆に襲われてるのは…」

旅人「自分を捧げるんだから常に一緒にいさせてよね?って事じゃない?」

姫「さぁあと一枚脱げば…」

青「いつの間にか下着一枚にされとる!?」

姫「早く合体しましょ?」

青「合体言うな!!ぜってぇしねぇからな!!」

緑「何やってるのですか…?」

青「見ての通り襲われてんだよ…」

緑「この人も一緒か…」

旅人「よく会うねキミ達」ニコニコ

赤「やっぱりこの人が噂の人か」

緑「とりあえず理由は分かりませんが逃げましょう…転送呪文!!」バヒューン!!

姫「あぁっ!?逃げられた…」

旅人「あまり自分のお兄ちゃん困らせちゃダメよ、帰ろっか?」

姫「やだやだ!!青お兄ちゃんのお嫁さんになるんだ!!」

旅人「仲間になるだけじゃなくてそこは本気だったんかい…」

緑「妹がごめん…」

青「いや…かまわねぇがもう少し教育はしとけ…危ないヤツすぎる・・・」

赤「念願のかわいい子とイイコトできそうだったのに?」

青「…うるせぇよ」

青「で、糸とやらはあったのか?」

赤「あった、こんなにも」ボトボトボト

青「多っ!?何でこんなにあるんだよ!?」

緑「上の階に何故か溢れていたんですよ…まだ増えてるみたいでしたし…」

青「意味分かんねぇ…」

緑「とりあえずまずこれを持っていきましょうか」

緑「持ってきました」

名人「おぉ、待っていたぞ」

赤「これ全部お願い」ボトボトボト

名人「ちょ…なんだこの量は…こんなに無理だ…」

赤「じゃあ…」ゴニョゴニョ

名人「時間をくれるのであればいいが…」

赤「一つだけ完成品くれたらあとはそこまで急がなくていいから」

名人「分かったよ…これは大変な仕事になりそうだ…」

青「お前、何を依頼したんだ?」

赤「わたしにとってイ・イ・コ・ト」

緑「確かここに町があるらしいのですけど…」

青「小さい建物が一つしかねぇが…」

赤「扉がある…扉壊し代行よろしく」

青「また俺任せかよ…おらぁ!!」ドガッ

メキ…メキメキメキッ…グシャーン!!

青「げ…」

緑「建物ごと壊れたんですけど…」

青「扉壊し代行依頼者、どうしてくれる…」

赤「加減知らずのキミが悪い」

緑「あ…もしかしてこの建物の中に階段とかあったのかも…瓦礫のけてみましょうよ」ガラガラ…

緑「階段あって何とか入れましたね…」

青「くそ…無駄な労働させやがって…」

赤「お腹すいた」グー

緑「とりあえずどこかで休憩しましょうか」

道具屋「そこのお兄さん方!!寄っていってくれよ!!」

青「道具屋なぞ用はねぇ」スタスタ

道具屋「ここにしか置いてないお宝があるって言ってもか?」ニヤニヤ

青「そんなので騙される俺じゃ…」

赤「見せなさい」ドンッ

青「おま…」

道具屋「よっしゃ、この     とかどうよ?」

緑「えっと…何もありませんし名前が表示されてませんよ?」

道具屋「あるだろ?ほれ!!」ブンブン

道具屋「あとこっちにある怪しげな壷とかどうよ?!今ならお買い得だぜ」

緑「そっちは実物あるのに今のはなんだったんだろう…というか自分で『怪しげ』って…」

青「買わないならどうでもいいだろ」

赤「え?」ヒョイ

道具屋「まいどありぃ」ニヤニヤ

緑「さっきの壷買ってるし!?」

青「あの女捕まえとけ!!これ以上妙なもん買わせんな!!破産するぞ!!」

青「結局どれだけ買われたんだ…」

緑「覚えてるだけでも四つ以上は…」

赤「珍しいものばかりだからつい」

青「ついじゃねぇよ?!宿屋代まで使い切りやがって!!」

緑「仕方ないので船に戻って休みますか?」

青「それもなんかイヤだな…」

赤「じゃあここで」トサッ

青「地下に花壇がありやがる…が、ここで寝るヤツはお前ぐらいだろうな…」

赤「…」スゥスゥ

緑「早すぎ…寝ちゃいましたが…」

緑「女の子がこんな所で寝たら変な人にイタズラされちゃいますよぉ…」

青「そういう問題か…?」

青「気が変わった、お前コイツ見張りながら休んでろ」

緑「えぇ!?ボクもここで野宿ですかぁ?!」

青「仲間を守るのは大切じゃないのか?」

緑「そうですけど…青さん、変わりましたね」

緑「最初の頃は何もかもがどうでもよさそうだったのに」

青「今でもどうでもいいよ」

青「俺の好きに動けたら満足なんだよ…」トコトコ

緑「きっとあれが本来の青さんなんでしょうね」ニコ

青「ここは牢か」カツカツ

老人「おぉ…若いの…ここから出してくれんかの…」

青「あん?出してやってもいいが…」チャキ

青「生きて出られると思うなよ?魔族」

老人「おやおや、大神官様の元へ帰りたいだけなんじゃがの」

青「その大神官がいるところへの行き方を教えろ」

老人「そう簡単に教えるとお思いで?」

青「そう言うと思ったよ」

バキィン!!

青「しゃべるか死ぬか選べ」ツカツカ

青「ちっ…くたばるまで言いやがらなかった…」

青「反対側にも罪人がいるのか?」ガシッ メキメキメキ!!

青「いねぇな…」

青「こんな所で無駄時間食ってる場合か」

青「出よう」コツコツコツ…

マッチョ「ん?人の声が聞こえた気がしたけど…」

マッチョ「寂しいから誰かに見つけてほしかったんだけどなー?」

兵士「…」

マッチョ「げげっ」

兵士「こんな所にいたのか!?穴を掘って逃げたフリしやがって!!飯抜きだ!!」

赤「ん…」

赤「やば、本気でこんな所で寝てたよ…ふわぁ…」

赤「…」キョロキョロ

緑「うぅん…」

青「…」

赤「結局ここで寝てるじゃん」

赤「この二人、もしかしてわたしを…」

赤「…ありがと」

赤「…」

赤「ちょっと散歩してこよう」テクテク

青「くっ…あんなところで寝てたせいで町人共にバカにされたじゃねぇか…」

緑「し、仕方ないですよ…」

赤「はっ」

赤「そろそろアレできたかな?」

緑「アレ?あぁ、水の羽衣ですか」

緑「行ってみましょう」

青「げー、またまたあそこ通るのかよぉ…」

緑「また追い回されないといいですけどね…」

赤「行く度に追いかけてくるよね」

青「あのキチガイ族いい加減にしてほしいぜ…」

クビ「クービー!!」ドタドタドタ

青「やっぱり来やがったか!?」

緑「さすがにあの人もいないしどうしますか?!」

赤「今は元気だからまかせんしゃい」コォォォ…

青「この際だ!!反則技でも何でもいいからアレを潰せ!!」

赤「反則技とは聞き捨てならない」クルリ

緑「あぁぁぁぁ!?今それどころじゃないですって!!アレを倒してくださいぃ!!」

赤「じゃあキミ達は伏せていて」

赤「失敗しなければどうということはないと思う」ゴロゴロゴロ…

青「おい…失敗したら死ぬと遠まわしに言ってねぇか…?」

赤「いくよ」カッ

ピシャァァァァ!!バリバリバリバリッ!!

クビ「ヒゲェェェェ!?」ドサドサ

緑「青さん…ボク達生きてますよね…?」

青「あぁ、なんとかな…容赦なしに稲妻落としやがった…」

赤「殲滅完了」

緑「い、今のはなんですか…」

赤「昔勇者が使っていた呪文」

青「装備もそうだが何でお前が使えるんだよ…」

赤「そりゃ勇者の子孫ですもん」エッヘン

名人「ちょうどできたところだ、持っていきなさい」

赤「はいどうも」

緑「水の羽衣でしたっけ?」

赤「そう、はいどうぞ」グイ

緑「へ?さすがにそれは赤さんが着るものでしょ?」

赤「イヤだよこんなの恥ずかしい」

青「いいからお前が着ればいいじゃないか」

緑「何でだよぉ!?」

赤「一番弱いから…はい納得ですね、どうぞ?」グイグイ

緑「納得してないです!!やめてぇぇぇぇ…」

緑「…」

青「おー、よく似合ってるぞ」

赤「女の子みたい」

緑「どう見ても男です!!」

赤「このゴーグルとか外せばいいんじゃない?」グイッ

青「うむ、それなら間違われても文句は言えまい」

緑「ボクは女の子じゃない!!」

旅人「かわいい女の子と聞いてっ」ズサー

青「何処から現れた!?」

旅人「じゃーん、けn…お姉さん参上」

緑「かわいい女の子はいませんから帰ってください…」

旅人「あら、少年かわいくなってるじゃない」

旅人「でも、あんたじゃなくてもかわいい子いるじゃん」ジロジロ

赤「こっちみんな」

旅人「あらひどい、お姉さん泣いちゃう」

青「すっげぇ満面の笑顔だがな…」

緑「もう行きましょうよ…」

赤「そうだね、その格好のままで」

緑「これは脱がせてください…」

旅人「ちょっと待ちな、少年達」

緑「まだ何か?」

旅人「次の目的分かってないんでしょ?」

青「そう言われてみりゃ今のところ何も情報がないな」

旅人「海底の洞窟で拾った像を持って山に囲まれた場所に行ってみなさい」

緑「何でそんな事知っているのですか…」

旅人「本来そういうのを教えるためにいたし私」ニッ

青「だったら最初から教えてくれよ…」

旅人「やっぱりこういうのは苦労して見つけないと面白くないでしょ?だからよん♪」

緑「そういうもんですか…」

旅人「ま、そういうことで頑張って悪者退治してらっしゃーい」バヒューン

赤「結局いい人だったのかな」

青「じゃね?賢者とかそういう人だったのかもな、色んな呪文使えてたし」

緑「ほとんど何もしてませんけどね…」

赤「像の事完全に知ってたからすごい人だとは思う」

青「まるで過去に冒険してきたような感じだったな」

青「俺達の場所とかも把握していたみたいだった」

緑「本当に不思議な人でしたね」

青「まぁさっき聞いた場所行くか」

青「前に一人で行った場所がそうらしいから分かるし」

緑「そうですか、なら行きましょうか」

緑「こんな地域あったんですね…」

青「何もなかったがな…やっぱり山しかないな」

赤「像は?」

青「もちろん持ってきてるぞ、ほれ」スッ

ゴゴゴゴゴ…

緑「山が割れて洞窟が…」

青「マジでこんな不気味な像が必要だったのか…」

赤「もういらないなら捨てちゃえば?」

青「そうだな」ブンッ バキャ!!

緑「あぁっ…まだ使う所があったらどうするんですかぁ…もう遅いけど…」

青「いくつか階段があるがどれだ?」

緑「登りと降りがあるみたいですから普通に考えたら登り…」

赤「ストップ、一人消えた」

緑「はい?青さんならすぐ隣に……穴がありますね…あの一瞬で…」

赤「本人も不意をつかれて声も出せなかったみたいね」

緑「しょうがないですね…下へ降りてみましょう」

赤「わたしここで待ってる」

赤「笛吹いて遊んでるから」

ピ~ポ~ピ~ポ~ポ~ピポポ~ピ~ポポポ~ピポピ~ポ~ポ~♪

緑「それならついてきてくださいよ…ん?音がどこかから返ってきてないですか?」

青「っつー…穴があるなんて聞いてないぞ…」

青「それに…」

ゾンビ「ヴァー(どうも)」

ゾンビ「ヴァヴァーヴァー(ずっとここにいて退屈だったので宝探ししてました)」

青「こんな場所に宝なんてあるのかよ…」

ゾンビ「ヴァッヴァ…ヴァーヴァ(こんなものなら…どうせあっしには使えないからどうぞ)」

青「お、悪いな…例の紋章ってやつじゃんか」

ゾンビ「ヴァヴァーヴァ…(お役に立てて光栄で…)」カッ バチュッ!!

青「あ゛」

赤「ゾンビぐらいさっさと倒しなさいよ」フリフリ

緑「よかった、無事だったのですね」

青「あの程度で死ぬかよ」

青「それよりコレ見つけたぞ」

緑「おぉ!さっき笛に反応してたのはコレだったのですね!!」

緑「ヒントなしによく見つけられましたね?」

青「あぁ…これは…」

赤「もう何もないならさっさと行くよ」

緑「はい、そうしましょう」

青「…」

青(さすがに哀れに感じたわ…感謝するぜ、安らかに眠れよ…)

赤「宝箱あった」

緑「えっと…青さんお願いします」

青「あぁ?何で俺なんだよ?」

緑「罠あったらまたあれなので…」

青「このチキンが…ほれ」ガキャン!!

緑「上の部分が外れた…とりあえず中身は…」

赤「中身は何?」

緑「……行きましょう」

青「おい!わざわざ開けてやったのになんで無視するんだよ?!」

緑「い、いらないものなので…」

青「どけ!!俺がいるかどうか確認して……」

赤「見た瞬間固まったけど何が入ってたの?」

青「…どうやら伝説の勇者の装備品らしいが…」

赤「だったらちょうだい」

緑「そ、装備する気ならどうぞ…」

赤「何を言ってるの?…見せて?」

赤「……放置決定」

青「水の羽衣装備する気ないならこっち必要じゃね?」ニヤニヤ

緑「どっちも際どいと言えばそれまでですが…」

赤「こんな危ない水着着るぐらいなら自決する…」

青「しかしだな…これで伝説の勇者の事が一つ分かったぜ」

青「間違いなく女だな、しかもかなり変人」

緑「装備見てたらそれには納得ですねぇ」

赤「防御低くてもいいからこれはやめよう…」

青「勇者様なんだから専用の装備は着ていただかないと」ニヤニヤ

赤「この男、ここぞとばかりに…」

緑「今までの反撃でしょうね…」

青「どうするんだ?ゆ・う・しゃ・さ・ま!!」

赤「…着ればいいんでしょ」

青「げ、マジか…怒って無視したりで終わると思ってたわ…」

赤「これでいいでしょ?進むよ」

緑「うわぁ…さすがにそれは目を合わせられませんよぉ…」プイッ

青「とか言いながらチラチラ見る気だろ?」

緑「そんなことしませんよ!?」

青「でも見ないと戦闘はできねぇよな?」ニヤニヤ

緑「ぅ…」

赤「行くよ?」バチバチバチ…

青「げっ!?分かったからここで稲妻落とそうとするな!!」

緑「意地張らずに脱いでもいいんですよ…青さんだって冗談で言ったみたいですし…」

赤「キミもソレ着たままじゃん」

青「だー!!また落とし穴かよ!?」

緑「今度は全員落ちちゃいましたね…ここは広い空間のようですね」

赤「まだ向こうのほうに穴が開いてるみたいだけど?」

青「さすがにそこに開いてるのは怪しいな…」

緑「この際だから落ちてみますか?」

赤「そうだね、いってらっしゃい」ゲシッ!!ゲシッ!!

青「テメッ…」ヒューン

緑「ひ、ひどい!!」ヒューン

赤「さっきの仕返し」

赤「わたしは少し楽して進んでおくかな」トコトコ

青「あのクソ女がぁ…」

緑「いつものことと言えばそれまでですけどね…」

青「さっきも恥かかせたししゃーないか」

緑「あっ、あそこに剣が落ちてますよ!!」

青「今度は宝箱に入ってなく生身か」

青「無駄に軽いな」ヒュンヒュン

緑「これ使えば青さんかなり強くなれそうですよ」

青「俺はこれで十分だからいらね」カラーン

緑「気になってましたが、その『バールのようなもの』はどこから拾ってきたんですか…」

緑「一応この剣は拾って赤さんに見せてみようかな…」

赤「遅い」

青「人を叩き落しておいてよく言うぜ…」

緑「一階からまた頑張って戻ってきたんですよ…」

赤「あっそー」

青「殴っていいか?」ググ…

緑「また同じ事の繰り返しになりますよ…それよりこの剣使えますか?」

赤「今の剣よりよさそうだね、もらう」ポーイ

緑「あぁっ!?あっちのも一応勇者の剣なのに…ボクが使おうかな」

青「今頃だがこの女仲間にしたのは間違いだったな…」

赤「強○魔がいるのも間違いだと思うけど?」

青「段々敵が強くなってきやがったな!!」ゲシッ

ドラゴン「ゴォォォ…」ドシャ

赤「油断はしない事」バシュッ

ロボ「ガガ…」ガシャン

緑「と言いつつこの二人の強さは異常な気がしますねぇ…」

赤「何か言った?」

緑「いいえ何でも…あ、回復呪文」ポォォォ

青「おう、悪いな」

緑「ボクこれぐらいしかできないので」

緑「代わりにお二人は好きなだけ暴れちゃってください」ニコ

緑「あ、出口ですよ」

青「やっと表に出れたのか…よ?」

ビョォォォォォ…

赤「…寒い」

緑「雪が積もってますね…とりあえず進みましょうか」ザクザク…

青「最悪じゃねぇか…あれだけ戦わせた上にこんな過酷な場所歩かせるなんてよぉ…」ザクザク…

緑「しょうがないですよ…」

バヒューン

青「は?」

緑「赤さんが羽使って飛んで行った…」

青「あのバカは何やってんだ!?」

青「この程度でイヤになって何故逃げた!?」

青「アホかぁぁぁぁ!!俺だって出来れば逃げたいわぁぁぁぁ!!」

緑「あの…青さん…」

青「んだよ?今最高に機嫌がわりぃんだ!つまらん事言うならはったおすぞ!?」

緑「いや…赤さんって水着のままでしたよね…?」

青「あ゛」

青「そうか…そんなので歩かされたらそりゃ死ぬわ…」

緑「一旦ボク達も戻って対策しましょうか…」

青「お、おう…」

緑「いましたか?」

青「どこにもいねぇな…どこ行きやがった?」

緑「ここじゃないとするとあとは北にある転送使ってボク達の住んでる大陸まで戻ったのですかね…」

青「またあの町かぁ?」

緑「それぐらいしか思いつかないんですよ」

青「船は?」

緑「ちょっと見てきましょうか」

赤「船は使ってない」

緑「そうですか…だとするとやっぱり…」

青「おい、さりげなく会話に割り込んでるやつがいるぞ…」

緑「あっ!どこ行ってたのですか?心配しましたよ」

赤「ちょっとお買い物してきた」

緑「え?転送呪文使えましたっけ?羽は決められたところにしか戻れないはずじゃ…」

赤「仕様が違うもの使ったからどこにでも飛べるのです」

青「仕様ってなんだよ…それにしても温そうなもん着てんな?」

赤「ミンクのコート」

赤「二人の分もあるから着て」

緑「ありがとうございます」

緑(やっぱり考えて行動してくれたみたいですね)ボソボソ

青(だからって何も言わず飛んでくのは普通ありえないだろ)ボソボソ

緑「やっと抜けれましたよ」

赤「これなら耐えられそう」

青「それでも寒い事に変わりはないが…」

緑「気合ですよ!!」

赤「これでどう?」グイッ

青「何すんだ!?」

赤「キミもだ」グイッ

緑「わっ」

赤「こうくっついていたら暖かくない?」

赤「歩きにくいけど」ギュー

青「まぁ…悪くはない…」

緑「暖かいですね・・・」

赤「この子顔が赤い、変な事考えたな?」

緑「か、考えてませんよ!!」

青「ムッツリだから仕方ないだろ」

緑「だっ、誰がムッツリですか!?」

赤「もうすぐ旅も終わるんだね」

青「そうだな…俺がここまで頑張るとは思わなかった」

赤「初めは逃げる事で頭がいっぱいだったのにね」

青「うるせぇ!!」

緑「ボク、お二人と旅できてよかったです」

緑「振り回されてばっかりだけど楽しかった」

青「アホ」

青「んなの終わってから言え…」プイッ

赤「そうだね、まだもう少しだけやる事残ってるし」

緑「確かにそうですね」

緑「最後までみんなで力を合わせて頑張りましょう!!」

赤「信じれるのは自分だけ」

青「俺もだな、テメェは好きにやってくれ」

緑「何でそこで頷いてくれないんですかぁ!?」

神父「ここまでよく来られた…しばしの間休んでいくがよい」

緑「ありがとうございます」

青「この転送はどこに飛ぶんだ?」

シスター「あぁそれは遙か南の祠へ飛びますのでそのまま町まで帰れますよ」

赤「ラッキー、ちょっと忘れ物したから戻ってくる」グニョーン

青「俺もだ」グニョーン

緑「これ本当に転送できるのですか?」

シスター「えぇ、ただ一方通行なのでここには戻れませんが」

緑「えぇぇぇぇ!?それを先に行ってくださいよぉ!?」

緑「また洞窟からやり直しじゃないですかぁ?!ひーん…」

青「さすがにもう行きたくないわ…」

赤「こうして世界は最後を告げたのでした…終わり」

緑「お、お願いですからやる気を…」

青「まさか一方通行だとは思わなかったんだよ?!」

赤「こんな目にあったらそりゃやる気もなくなるよね」

緑「ボクだってあとで聞かされたんですよ…うぅ…」

旅人「あれ?まだこんな所にいたのかい、あんたら」

緑「どうも…何度か往復するはめになってしまいまして…」

旅人「ふーん、転送呪文は?」

緑「使えますけどそれが…」

旅人「あの山に囲まれた地方の祠でしょ?」

旅人「普通に転送呪文で戻れるはずだけど?」

緑「ほ、本当ですか!?」

旅人「ウソなんかつかないさ」

青「それならやる気が出てきたぜ!!」

赤「さっきまで死んだしびれクラゲみたいな目してたくせに」

青「そんなわけの分からん目してないわ!?」

旅人「あっはっは、相変わらず楽しい子ばかりだね」

旅人「あー、もう一つ忘れてる事ないかい?紋章とか」

緑「あ、そういえば全部そろってたんでしたっけ?」

旅人「どこぞの場所に持って行くといいみたいよー」

赤「また誰も知らないような情報を」

旅人「わたしゃチートだから何でも知っているのさ」

青「チート?」

旅人「それじゃあお姉さんはいい加減自分の幸せでも見つけに行くよ」

旅人「長かった旅もそろそろ終わりにしようと思ってね」

緑「どういう意味ですか?」

旅人「そのままの意味さ、じゃあねバイバ~イ」テクテク

赤「やっぱり変な人」

青「よく分かんねぇがもう会えねぇような気がするわ…」

青「こんな海のど真ん中に祠があるとは思わんかった…」

緑「完全に見落としていましたね」

赤「そういえばホントに紋章全部あるの?」

緑「そういえば確認してませんでしたね…祠入る前に確認しておきましょう」ゴソゴソ

青「こっち二つあるわ」

赤「わたし一つ」

緑「ボクが二つですね…うん、大丈夫」

青「おい、また折るなよ」

赤「さすがに同じ過ちは…あ」

青「な、なんだよ!?まさかまたやったんじゃないだろな?!」

赤「ここ、ここ」チョンチョン

青「あん?何があるんだ?」

赤「てぇい」ゲシッ

青「うお!?」ドボーン

赤「見て、騙されたバカがいる」プークスクス

緑「何やってるんですかぁ…」

青「テメェ…覚悟はできて……ん?」ゴソゴソ

青「紋章一つ落とした…」サー

緑「ちょ…海に落としたんですかぁ!?」

赤「…」ダラダラ…

青「泳いで探してこいや!!」グイグイ

赤「無理…勘弁して…」

緑「どうしてこういう時に限っていたずらするんですかぁ…」

赤「ごめん…」

青「もう俺は知らん!!」プイッ

緑「こればかりはボクにもどうすることもできませんね…」

赤「ぅ…」

緑「一応見つける方法は考えてみますけど…」

緑「諦める事も考えておかないといけませんね…」

赤「…」シュン

緑「ん…いつの間にか寝ちゃってたぁ…」

バシャン……ドボーン……バシャン

緑「何の音だろぉ…魚が跳ねてるのかなぁ…」ボー

赤「はぁはぁはぁ…」

赤「もう一回…」ドボーン

緑「赤さんだったのか」

緑「もしかして本当に自力で探しているのかな…」

緑「こんな海の真ん中なのに潜って探すのはほぼ不可能だと言うのに…」

緑「前もそうだったけど、自分が悪い時は逃げないんだなぁ…そこはすごいと思うな」

青「…」

赤「ごほっ…水…飲んだ…」

赤「さすがに深すぎて…見つけられないや…」

赤「どうしてこういう時だけやっちゃうんだろう…」

赤「ホントサイテーねわたしは…」

赤「もう一回行こう…今度は限界まで頑張ろう…」スゥー ドボーン

青「…ちっ」トコトコ

緑「青さん…」

青「お前はここで待ってろ」

青「あのバカ連れ戻してくる」タッ ドボーン

緑「やっぱり赤さんのこと心配してたんですね」

赤(ない……ない……)

赤(もう届かない場所まで落ちたのかな…)

赤(でも諦めたら…きっと進めなくなるから…)

赤(ごめんね…二人とも…)

青(…)ゴボ…

赤(!?何でここにいるの…?)

青(もうやめて上に上がってろ)クイクイ

赤(上がれって?でも…)

青(あとは俺がやる、無茶するんじゃねぇよバカヤロウ)ポン ゴボゴボ…

赤(青…)

赤「はぁっ!!」バシャン

緑「あ!!赤さん、大丈夫ですか?」

赤「なん…とか…」

緑「あれからずっと探してるとは思いませんでしたよ…」

緑「確かに責任はあるだろうけど無茶はやめてくださいよ…」

赤「アイツにも怒られたわ」

緑「水中でですか?そんな人初めてですよ」ニコ

緑「とりあえず青さんにまかせましょう?」

緑「財宝の時だってあっさり見つけてきたぐらいだから大丈夫ですよ」

赤「うん…」

青「あー…一週間分は働いたぞ…」

緑「お疲れ様です、本当に深海の底から見つけてきてくれたんですね」

青「ないとさすがにまずいだろうしよ」

赤「…」

青「おい」

赤「!?」ビクッ

青「もうああいうのはやめてくれよ?」

赤「…怒らないの?」

青「あれだけ水中にいたら熱も冷めるわ」

赤「なにそれ」

青「お前の奇行は今に始まった事じゃないし」

青「もう解決した事だ」

緑「だからもう面倒だから怒る気はない…ですか?」

青「そうだよ、わりぃか?」

緑「いえいえ、ボクはいいと思いますよ」ニコ

緑「紋章も見つかった事だしもうこの件は終わりですよ?」

赤「分かった」

赤「ご迷惑をおかけしました…」ペコリ

青「あ?あぁ…」

緑「それじゃあ明日は祠に入りましょうね」

青「ずいぶん下まで歩かされたな」

緑「ここで行き止まりのようですね」

青「お?紋章が勝手に…」フワァ…

ピカァァァァァ

???『よくここまで来ましたね、勇者の子孫』

赤「声が…」

???『これを渡しておきましょう』

青「守りか」

青「だがこんなものより姿を見せてくれ」

???『はい?』

青「女神か何かなんだろ?」

青「きっと俺を満足させてくれる容姿をしてるはず!!」

???『えっと…この子大丈夫?』

緑「えっと、ちょっとした発作ですので…」

青「発作言うんじゃねぇよ!?俺の本音を言ってるだけだ!!」

青「姿見せろ!!やらせろ!!」

???『随分前にこういう変な人間に会ったことがあったわね…』

緑「すみません…最近大人しかったのですが…」

赤「早く外へ」グイグイ

青「おい、押すな!!まだ用事は終わってない!!姿を見せろよぉぉぉぉ!!」

青「くそ…戻ってもすでに声がしなくなってやがった…」

緑「あれは誰でも逃げるでしょ…」

赤「それじゃ早く向こうへ飛んで進みましょう」

青「仕方ないな…」

緑「そうですね、早く大神官を倒さねば…」グッ

青「どんなのか知らねぇが瞬殺してやるぜ」

緑「頼もしいですね」

赤「ほら、転送呪文お願いしますね」

緑「分かりました、転送呪文!!」バヒューン

緑(あれ?何か違和感が…)

青「よっしゃ、行くか」

緑「北の橋渡って西の方へ向かってみましょうか」

赤「はい、行きましょう」

緑「…」

青「…」

赤「?」

青「さっきから気になってたが…なんだその気持ち悪い話し方は?」

緑「あ、何かおかしいと思ったら赤さんの話し方だったんだ」

緑「どうしたんですかそれ?」

赤「何かおかしなところでもありますか?」

青「お前もっとなれなれしい話し方だったろ」

緑「いきなり丁寧な話し方だと気になって仕方ありませんね」

赤「緑さんだって同じだと思いますけど?」

青「コイツは最初からだしこれでいいんだよ…いきなり変えるな気持ち悪い」

緑「もしかしてですけど…大人しくしようとしてそんな風に変えたのですか?」

赤「…」

青「どういうことだ?」

緑「今まで性格上ああいう感じできて迷惑かけてきてたから」

緑「それを封印しているんじゃないかなって思ったんですよ」

緑「もう迷惑にならないようにって…」

青「はぁ?つまり控えめな性格にチェンジしたってことか?」

緑「そういうことですね」

赤「…」

青「俺からすると今更何やってんだお前ってところだな」

青「変えたほうが気持ち悪くて一緒にいる気なくすっての」

緑「ボクはそこまでは言いませんけど、いつも通りがいいと思います」

緑「赤さんはクールだけど破天荒でやることめちゃくちゃだけど」

緑「悪い事は素直に悪いと思えるそんな人です」

赤「わたしは…」

緑「普段の赤さんでお願いできませんか?」

赤「…」

青「ほれ、行くぞ」パシン

赤「…なにするの」バチーン!!

青「ぶべら!?」ズサー

緑「青さんが吹っ飛んだ!?」

赤「行こうよ」

緑「赤さん…はいっ!!」

赤「やっぱりいつも通りが一番よね?悪かったよ」

青「や、やっぱり変わっててくれないか…?」ヒリヒリ

赤「いつも通りでいいって言われたからもうやらない」プイッ

強サル「キキーッ!!」バッ

緑「くっ…!!」キィン

青「もらったぁ!!」ズババッ ズババッ

強サル「ヒギィ…」ドサッ

緑「青さん、いつの間に剣を…」

青「あ?何かに使えないかって買ってたんだけどよ」

青「二刀流したらすごいんじゃね?って気付いて使い始めたのよ!!」シュッシュッ

赤「それ、一本でも普通に二回攻撃できるやつらしい」

緑「じゃあ四回攻撃ですか…すごすぎる…」

青「今の俺様に敵はいねぇ!!なんでもこいやぁ!!」

緑「あっ」

青「何だ?」

緑「ついにすごい呪文を覚えちゃいました!!」

赤「ふーん」

緑「興味なさげですね…」

青「それが役に立つならお前への評価は上がるんだろうがな」

緑「もちろん役に立ちますよ!!見ててくださいよ?」

緑「敵です!!くらえ!!自爆呪文!!」

ドゴォォォォ!!バラバラ…

青「自爆かよ!?その呪文覚えるってことは普通どういうもんか分かってるもんじゃないのか…?」

緑「すみませんでした!!」

赤「無駄な魔力使わせないでくれる?」ゲシゲシゲシ

緑「生き返らせてくれたのには感謝してますから蹴らないでぇ…」

青「もうお前には何の期待もしない事にした…」

緑「うぅ…ひどい…」

青「ひどいのはどっちだ!?勝手に死にやがって!!」

赤「彼の役割決まった……困った時の自爆要員」

青「それだ!よかったな、役割あって」ポン

緑「そんな役割イヤだぁ?!」

青「ほれ、もういいから行くぞ自爆要員」

緑「ついに…ここまで来ましたね…」

青「ここまでって…これ、うちの城じゃねぇか…」

赤「こんな城なんだ?ふぅん」

緑「いやいや!?これはきっと幻ですよ…こんな所にあるはず…」

青「ちょっとクソ親父殴ってくるわ」トコトコ

緑「どうしてですか!?だからこれは幻だって…」

赤「だからこそ憎い親父様を殴りたいんじゃない?」

赤「幻なら何でもやりたい放題できるし」

緑「どれだけ恨んでるんですか!?やめてくださいよぉ」

緑「でも何で赤さんが憎いとかが分かるんですか?」

青「クソ親父ぃ!!ツラ貸せやぁ!!」

東の王「おぉ、青よ何やっておるのじゃ?」

東の王「いつまで戦いに明け暮れておるのじゃ?もう戦う必要なんてな…」

青「誰だテメェ?モノホンならまだ終わってもないのに帰ってくるなと放り出してくるぞ」ズシュッ

???『さすがですね、これを幻と見破るとは…』

???『しかし…少々やりすぎではと思いますが…』

青「お?またあんたか!!姿見せろ!!可愛がってやるからよぉ?!」

赤「相手が神様だろうと関係なしに欲望に忠実」

緑「何でこんなにも青さんは女性を求めるんですかね?」

赤「ただの変態だから」

???『私がいないと幻を解けないままなので仕方なく…って、誰も聞いてませんね…』グスン

青「くそっ…声が聞こえなくなった」

緑「そりゃ身の危険感じたら逃げますよ」

緑「それより周囲が禍々しく変わりましたね…これが本当の大神官の神殿…」

青「仕方ねぇ…進むか」

緑「あれ?赤さんはどこ行きました?」キョロキョロ

青「あれじゃね?」クイッ

赤「ほら、さっさと飲み物用意してきなさい」

魂「ヒィィィ…」ヒョロヒョロ…

赤「早くしないと呪文で消し去るよ?」コォォォ

緑「どこの魔王ですか彼女は…」

赤「何で邪魔するの?」

緑「いやいや…ここに来た目的を思い出してください…」

赤「それはキミ達がやってくれるんじゃないの?」

青「コイツ、もうそこの痺れる床に叩き落してやろうぜ」

緑「また布出して防がれますよ…」

赤「よく分かってるじゃない、ほらまだいっぱいある」バッサバッサ

青「だからどうやってその量が入ってるんだよ!?」

緑「早く行きましょうよ…」

赤「仕方ないな」

青「本気で大神官倒す気あるのかコイツ…?」

赤「鎧見つけた」ドスン

青「明らかにやばい代物だろそれ」

緑「さすがにそれは捨てませんか?」

赤「イヤだ、わたしの代わりに装備してみてよ」グイ

緑「イヤですよ…って勝手に体に装着されたしぃ!?」デロデロデロデロデロローン

青「おぉすげぇ…予想通り呪われてやがる」

緑「ひぃぃぃ…体が勝手に動くぅ?!」ブンブンブン バシュッ!!

青「でっ!?何しやがる!!」ゴキャ!!

緑「ふぎゃぁぁぁぁぁ?!」ズシャー パキョン

赤「あ、鎧が壊れた」

赤「尻尾見つけた」ポテッ

青「捨てろ」

緑「捨ててください」

赤「こんなに可愛いもの捨てろと?また装備してみてよ」グイ

緑「お、お断りします!!」サッ

赤「うぁ」ドサッ ピコピコ

青「自爆してやんの…尻尾かわいいぞ~」

赤「何で避けたの?こんなの付けられてわたしがかわいそうじゃない」グイグイ

緑「同じパターンだと思ったので…あとさっきのボクはかわいそうだと思ってなかったんですね…」

赤「自爆要員のくせに生意気だ」

赤「と、いうわけで引っこ抜いてよ?」ピコピコ

青「しゃーねぇな…ふんっ!!」グイッ

赤「っ!?」バチーン

青「おぶっ!?何しやがる!?」

赤「すごく痛かった」

青「だからって何故しばかれたんだ俺は?!」

赤「何もしてないよ?あとで殴ろうとは思ってたけど」ピコピコ

緑「見てたんだけど…さっき尻尾が青さんに攻撃してましたよ…」

青「マジか…意思持ってんのかその尻尾」

赤「少し気持ち悪いけどこれは便利かもしれない」ピコピコ

緑「あれ…何もないですよここ…」

赤「もう全部の部屋通ったし」

青「何か道具がいるとかかぁ?だりぃ…」

緑「でももうどこにも宝箱もありませんでしたけど…」

赤「この真ん中に立つとか」トコトコ

シュン!!

青「…消えた」

緑「えぇっ!?あ、赤さぁぁぁん?!」

赤「あーびっくりした」シュン!!

青「戻ってこれるのかよ…」

緑「ど、どこに行ってたのですか?!」

赤「よく分からないところに飛ばされたみたい」

青「俺たちがそこ立っても何も起きなかったんだがな」

赤「悪魔だから?」ピコピコ

緑「その尻尾と関係があるかは分かりませんが…」

青「普段から悪魔だろコイツは…へぶっ」パシーン

赤「また勝手に動いた」ピコピコ

緑「とにかくです…赤さんに捕まって真ん中に立ってみましょう」

赤「悪魔のお通りだ」

シュン!!

青「どういう原理かは分からんが何とか全員移動できたな」

緑「ここは神殿の上の階のようですね」

赤「わたしを崇め奉るのだ」ドーン

青「黙れ邪神」

緑「赤さんのおかげではありますが崇めたくはありませんねぇ」

赤「しょんぼり」

赤「もう二人とも尻尾様に叩き殺されろ」

青「尻尾様ねぇ…」

緑「ほら、早く行きますよ」

赤「誰もノッてくれないからつまんない」シュボーン

青「コイツしつけぇな!?倒しても倒しても起こしやがって?!」バシュ

仮面「わはは、生き返らせれるのは貴様らだけではないのだ!!」ピカァァァ

悪魔「ブホォォォォ!!」ムクリ コォォォォ…

緑「大爆発呪文きますよ!?」

赤「あ」ピシャン

悪魔「グヘ…」シュウン

青「尻尾が呪文の発動止めやがった…おらぁ!!」バシュ

悪魔「オォォォ…」ドシャ

仮面「バカめ!!また起こせばいいだけよ!!」ピカァァァ

赤「何これ超便利」ピコピコ

青「あれから30分ぐらい経ったか?」

緑「ずっと繰り返してるだけですけど…普通この行動に意味ないはずじゃ…」

赤「全然傷付かないし、簡単に経験値稼げるからいいじゃない」ピシャン

青「もういくら倒したか分からねぇぜ…尻尾さまさまのおかげかもな」ザシュ

仮面「も、もう勘弁してくれ…魔力がない…」

赤「このどこかでいっぱい拾った指輪でまた魔力回復させるから」

青「さすがにダルくなってきたしもういいんじゃね?」

赤「それもそうか…おつかれさま」カッ バチバチバチ!!

仮面「そこまでやって殺すのか!?ひどでなしぃぃぃ…」ピシャァァァバリバリバリ!!

緑「血も涙もないってこういう時使う言葉ですよねぇ…」

緑「何かいますよ」

一つ目「勇者の子孫共か…ここは通さないぞぉ!!」

青「通せよ」

一つ目「だったらオレ様を倒してから…」

青「通せよ?」バキゲキゴキッ!!

緑「奴らがそんな脅しに屈するわけ…」

一つ目「どうぞお通りくだせぇ…」スッ

緑「道譲った!?」

赤「身の危険感じたらどんな生き物でもそりゃ安全なほうを選ぶ」

一つ目「命大事に…命大事に…」ガクブル

青「いくつも入り口があるが…」

緑「どこに次の階段あるのでしょうね…」

赤「探すの面倒だから天井に穴開けよう」カッ ドォォォン!!

緑「それをどうやって登るのですか…?」

赤「……青、わたしを上に投げて」

青「できるかアホォ!?できたら一人だけ上に行こうとしただろお前!!」

赤「バレたか」

緑「一つずつ調べるしかなさそうですねぇ」

青・赤「「やだ、ダルい」」

緑「この二人はこんな時にまで…」

超サル「キーッキッキ、通りたければ倒してみろ!!」

赤「お猿さん、反省」スッ

超サル「ウキッ…って、なにやらせるんじゃい!?」サッ パシーン!!

赤「ほーら道具を使って果物を取ってみなさい」ポトポト

超サル「ウキキー…って、バカにしてるのか!?」ヒョイ ビターン!!

青「それなら言う事聞かず無視すればいいだろ」

超サル「そうだった…くたばれ!!」シャッ

赤「はい拍手ー」

超サル「ウキウキ♪…はっ!?」パチパチパチ

緑「元が元だけにノリノリで反応しちゃうんですねぇ」

青「一本道か」

緑「しかも先に魔物がいますよ…」

赤「めんどくさいなぁ」

悪魔「ついにここまで来たな、覚悟しろ!!」

青「しょうがねぇ、たまには真面目に相手してやるよ!!」ダッ

緑「赤さん、今のうちに背後に回りましょう!!」タタッ

赤「了解」トコトコ

悪魔「いかせるかぁ?!」ゴォォォ

緑「大爆発呪文!?」

赤「緑、下がって」スッ

赤「反射呪文」キィン

悪魔「は…グギャァァァァァ!?」ドゴォォォォォ!!

青「俺までぇぇぇぇぇ!?」ドゴォォォォォ!!

赤「面倒だったからつい巻き込んじゃった」ニヤニヤ

緑「絶対この顔は最初から巻き込むつもりでしたね…」

悪魔「見たことのない呪文使いやがって!!キサマから死ね!!」バッ

青「お前が死ね」ドンッ

悪魔「うおぉぉぉ…」ヒューン…

青「最初から落としゃよかったぜ」

緑「相変わらずやることが無茶苦茶ですね…」

悪魔「くっ…ふざけやがって下等生物が…!?」バッサバッサ

姫「…あ」

悪魔「まだ他に人間がいたのか!?まずキサマから消し去ってくれよう!!」ゴゴゴ…

旅人「はいストーップ」

悪魔「げー!?人間で一番関わってはいけないヤツが何故ここに…」

旅人「あら、ブラックリストにされてるの?ひどいわぁ」

旅人「コレどうする?」

姫「お兄ちゃん達の邪魔になりそうだから倒しちゃってー」

旅人「はいはい、んじゃ悪魔さんそういうわけだから」コォォォ

悪魔「やめ…」カチーン

旅人「で、もう役目終わったはずの私をここまで連れてきてどうする気?」

姫「ごめんなさーい、やっぱりお兄ちゃん達のお手伝いしたくて」

旅人「そりゃ分かるけど、どう手伝うってんだい?」

姫「陰で敵さん倒したり、罠を取り除いたり…」

旅人「もうあの上が最上階っぽいけど?」

旅人「これでプリチーガールじゃなければ殴り飛ばしてるところだよ」

姫「えっと…後ろから援護するとか…」テコテコ

旅人「もういいからここで見守ってあげなさい」ガシッ

姫「やだやだ!!お兄ちゃんたちーっ!!今行くよぉぉぉぉ!!」グイグイ

姫「そして青おにいちゃんはあたしとイイコトをーっ!!」

緑「?」キョロキョロ

青「どうした?」

緑「今、妹の声が聞こえたような気がして…」

赤「いるわけないじゃない」

緑「ですよね…疲れてるのかな…」

赤「ここまで来て何言ってるの?」

青「せめて自爆してから家に帰れ」

緑「粉々のまま帰れと!?ひどすぎる!!」

赤「だったらいらない事言わず働きなさい」

緑「分かりましたよ…」

青「どうもここが最上階らしいな」

緑「…」ゴクリ

赤「声がする」

大神官「立ち退きしろぉ?今忙しいからあとで話を聞くって言っておけ!!」

魔物「あと、勇者共がここへやって来ているらしいですがいかがいたしましょう?」

大神官「何でこんなクソ忙しい時に限って来るんだよ!?」

大神官「魔物の給与調整や他種族争いの解決案の提出とかで手一杯なんだっての!!」

大神官「下の階の悪魔とかにまかせとけ!!」

緑「あれが大神官らしいですけど…忙しそうですね…」

青「出直すか?」

大神官「ん?誰だお前ら」

赤「見つかった」

緑「ボク達はお前を倒しにきた!!」

大神官「あぁ、勇者共か…もう来たのかよ…」

大神官「悪いがもうしばらく待ってくれんか?仕事が立て込んでいてな」

大神官「話ぐらいならその間にでも聞いてやるから」カリカリカリ…

青「お前が南の国壊滅させたのはホントか?」

大神官「うむ、手を貸せと言ったが断ったのでな」

赤「何の協力だったの?」

大神官「アレフ…なんとかって大陸のところにいるバカ泣かせようという話」

青「あそこに何かいたっけか?」

赤「引きこもり王ならいたけど違う気がする」

緑「もしかして竜王ですか?」

大神官「そうそう、このクソ忙しいのにかまってかまってとうるさい小娘だ」

緑「こう聞いてると何だか親子みたいなイメージが…」

赤「あのバカがどうとかって向こうも言ってた気がする」

大神官「無視したからスネてるだけだ、放っておいていい」

緑「何だかかわいいですね」

大神官「かわいいだぁ?アレがいたから完全に南の国が滅んだんだぞ?」

青「今さらりと新事実を告げられた気もしたが…」

大神官「お前達にとっては私が敵なのは間違いないだろうが…」

大神官「こっちはただのビジネスでああいう事をしたまでだ」

緑「仕事だからってあんなのはひどすぎる!!」

赤「…」

大神官「ちなみに私が行ったのは城の破壊のみ」

大神官「魔物放出してんのも町などのいたるところに魔物がいるのもアレがやったことだ」

大神官「あと部下が勝手に進めたのもあったか」

青「魔物は確かに色んな所にいたが何で竜王が出してるんだよ?」

大神官「私探してたみたいだな、総出で」

緑「待ってくださいよ…だとすると本当の黒幕って…」

赤「わたしの事はどうなるの?」

赤「わたしを犬にしたのは誰なのか覚えてないわけ?」

大神官「狂ったように襲い掛かってきたのを止めるにはあれしかなかったんだ」

大神官「下手したら我々すべてが殺されかねん勢いだったからな」

緑「そりゃ自分の家破壊されたら怒りますよね」

青「俺が言うのもあれだが問題はそこじゃないだろ」

赤「大体合ってる」

青「合っとんかい!?」

赤「わたしの大事なマッチョ人形達を消し炭にされたあげく家無き子にされたんだよ…」ゴゴゴゴゴ…

青「家無き子はともかく、マッチョ人形ってなんだ…」

大神官「それに関しては南の王のせいだぞ」

竜王「いいや!!あんたが悪い!!」ドガァァァァァ!!

緑「黒幕きちゃいましたよ…」

青「黒幕言うな、こいつら一貫して悪いだろ」

竜王「まぁ待ってよ、確かにあたしが大体悪いさ」

竜王「でも!あたし1人相手にするだけであの国は救われたのかもしれないんだよ?」

大神官「そんなわけないだろう」

大神官「南の王も私の協力に頷いてくれていれば何も起こらなかったわけだ」

竜王「あたしいじめようとしたからいけないんだよーだっ!!」

青「これ収拾つくのか…?」

大神官「私は悪くない」

竜王「あたしだって…悪いわ…」シュボーン

緑「竜王ちゃん素直ですね」

竜王「ちゃんを付けてくれた人初めて!!好き!!」

青「コイツは普段からこんなのか?」

大神官「うむ…底抜けに明るいのはいいがうるさすぎて困るのだ」

青「お互い別に嫌っているわけではないのか」

赤「…どちらもわたしに謝る気はないんだね?」バチバチバチ!!

大神官「おいやめろ…そんなの打ち込まれたらまた無駄な仕事が増えるではないか…」

竜王「ご、ごめんなさーいっ!!」

バリバリバリ!!ピシャァァァァン!!ゴゴゴゴゴ…

赤「悪は滅んだ」ドサリ

緑「わっ、何で赤さんが倒れるんですか?!」

青「途中で思ってたが、変な呪文使うと結構疲れるんじゃねぇか?」

赤「当たり…おんぶ希望」

青「あーん?しゃーねぇな…」グッ

緑「これで終わりですかね…ボク達何もしてないですけど…」

青「いいんじゃね?楽できてよ」

大神官「しばらく…仕事もできんな…これじゃ…」プスプス

竜王「だ、だったら…一緒に…遊んでー…けほっ」プスプス

青「やっと終わったのかよぉ?」

緑「微妙な終わり方でしたけどね…でもこれで平和になりますね」

赤「死んでないっぽいけどいいの?」

青「話聞いてたらそこまで悪くなさそうだしいいんじゃね?」

緑「今更ですけど青さん、あの子には何もしないんですか?」

竜王「うー、お洋服が真っ黒けだよぉ…くすん」ポフンポフン

青「魔族じゃん、それにロリっ子は好きじゃねぇんだ」

緑「そこはちゃんと区別してるんだ…」

赤「じゃあ帰ろ」

ボッ!!ボッ!!ボッ!!

緑「炎に囲まれた…」

赤「何これ近づけない」

青「おい!!テメェら何してくれてんだ!!」

大神官「うーむ…セキュリティが働いてしまったようだな…」

緑「セキュリティ?」

大神官「私が倒れた時に賊を逃がさないよう破壊の神呼び出すようにしとる」

青「何やってくれとるんじゃゴルァァァァァ!!」

大神官「ついでに私なんかと比べ物にならんぐらい強いよ」

青「知るかぁぁぁぁ!?ここから出せぇぇぇぇ!!」

ゴォンゴォンゴォン!!

破壊神「グゴゴゴ…」

赤「あ、これはさすがに冗談じゃすまないって分かる」

緑「当たり前ですよ!?戦うしかないですね…!!」

竜王「ねぇねぇ、あなたのお名前なんてーの?」クイクイ

緑「こ、こんな時に!?今それどころじゃ…」

竜王「おーなーまーえー!!」ジタバタジタバタ

緑「ここまで空気読んでくれないとは…」

大神官「だから困っているんだよ」

緑「緑ですよ!!これでいいですか!?」

竜王「緑ちゃんかぁ…じゃああたしと遊んで?」

青「とりあえずアレぶっ殺すぞ!!テメェも手伝えや!!」

大神官「大したことできんがいいのか?」

赤「いい、大体は青がやってくれる」

大神官「分かった、できる限りはやろう」

青「全部俺に丸投げすんな!?テメェもやれ!!全力でいいから!!」

赤「何か起きた時、責任は取ってくれるの?」

青「おう!!何でもするからやってしまえ!!」

赤「何でも…どうしてくれようか…」ニヤニヤ

緑「いいから戦いましょうよ?!」

竜王「あーそーんーでーっ!!」ジタバタジタバタ

青「おらぁ!!」ズババババッ

破壊神「グ…オォォォ!!」ブゥン

青「ぐぇ!?」バキィ!!

緑「青さん!?ど、どうすれば…」

竜王「緑ちゃん、遊んでくれないの?」ジー

緑「えっとぉ…火遊びはどうでしょう?アレ相手に」

竜王「いいよぉ!!見ててね?へ~んしんっ!!」メキメキメキ!!

赤「キミ結構ずるいね」

緑「正攻法じゃ収まってくれないので攻撃ついでに遊ぶ方法をと思いまして」

緑「でも本当に『竜王』だけのことはあるなぁ…」

竜王「ぐおーん!!」ボワァァァァァ!!

破壊神「オォォォ…」ブルンブルン

緑「効いてますよ!!次々攻撃をしましょう!!」

大神官「私はこれぐらいしかできないが…大爆発呪文だ」カッ ドガァァァァァ!!

緑「いえいえ、十分すごいですよ!!」

赤「わたしの出番?」シャキン

青「好きなだけ暴れちまえ!!」

赤「まかせんしゃい」タタタッ

赤「ギガス…す…すっごい斬りつけ!!」ズバァ!!

緑「何か言い直しましたね…かっこ悪い名前になったし」

破壊神「グオォォォォォ!!」キュィィィ…

大神官「いかん!!大爆発呪文だ!!」

竜王「おっとー!!やるならあたしにやってみろ!!」ドシーンドシーン

ドガァァァァァァァ!!

竜王「ぎゃふぅぅぅ…」ドシャァァァ

緑「竜王ちゃん!?」

青「敵だけどカッコいい事するじゃねぇか」

青「助けてもらったからにはそれに応えてやるよ!!」ダッ ズバババッ

赤「今のは評価してあげる」バリバリバリ ピシャァァァァン!!

竜王「えへへぇ…きゅぅ」カクリ

破壊神「グォ…」フラフラ…

緑「大分弱ってきてるみたいです!!」

青「「はぁはぁ…でもよぉ…」グッ

赤「ふぅ…頼みの尻尾も燃え尽きたし…も…限界……」ドテッ

大神官「わたしも魔力がもう残りわずかだ…」コォォォ

緑「そんな…あと一歩なのに…」

破壊神「オォォ…」ボボボ…ゴォォォォ!!

緑「炎…もうダメか…」

竜王「諦めちゃダメだー!!んぅぅぅ!?」バッ

青「アイツ…さすがに何度も受けてたらもたないだろう…」

竜王「ぁ…ぅ…」シュウン コテッ

緑「無茶しないでくださいよぉ!!」グイッ

竜王「えへ…キミにかっこいいところみせたかった…もんね…」

赤「ホントに惚れちゃったみたいだね」

赤「裏技の裏技使うしかないか…みんな手を」スッ

青「なんだ?」グッ

緑「何があるか分かりませんが…」グッ

大神官「裏技とは何だ?」

赤「勇者と仲間の合わせ技」

赤「これで終わらなかったら後は知らない」ゴロゴロゴロ…

赤「魔力全部使うからそのつもりで」

青「おい!?俺魔力なんか最初からないぞ?!」

赤「誰でも体の隅にわずかな魔力もってるの知ってる?」

緑「聞いたことありますね、使えないけど微量に秘めてるって」

赤「それごと使わせてもらう…いくよ」バチバチバチバチ!!



 「みんなで稲妻落とし!!」



ビシャァァァァァァァァン!!

みんな「その名前どうにかならないのか!?」

破壊神「グォ…ォォォ…ォ…」カッ ボロボロボロ…

青「いよっしゃぁぁぁ!!粉々だぜぇ!!」

緑「やりましたね!!」

大神官「こんな危険なものを呼び出していたとはな…さすがに少し反省しなくてはいけないな…」

赤「みんなのおかげ…」ドサッ

青「あとコイツもな」

竜王「すぴーすぴー」

緑「あれだけ痛めつけられたのに寝てる!?」

大神官「あぁ、ソレはあれぐらいじゃビクともせんよ」

緑「でもボク達を助けてくれましたし、この子のおかげでもありますよ」ナデナデ

青「今度こそ終わったか?」

緑「そのようですね」

大神官「めでたしめでたしだな」

緑「あの…もう無差別に人間襲うのやめてもらえませんか?」

大神官「だから私では…ゴホン、分かったすべての魔物を大人しくさせよう」

赤「まだ懲りてないのかと思った」バチバチバチ

大神官「さすがにもうそれはくらいたくないからな…誰か!!」

魔物「はい?」シュタ

大神官「…」ボソボソ

魔物「ほむほむ」

魔物「それでは行って参ります」バッサ

大神官「これでもう大丈夫だろう」

緑「よかったぁ」

青「信じるの早いな、ホントに信じていいのか?」

大神官「もちろん、こっちのビジネスに干渉しないなら気にはしない」

緑「ちなみにどういうお仕事だったのですか?」

大神官「冒険者の邪魔をする簡単なお仕事」

大神官「お前らは分からないかもしれないが死んだ人間共が教会に運ばれるだろ?」

大神官「あれ、実は魔物共に蘇生できる程度に倒せって教えている」

青「だったら死を恐れる事ないじゃねぇかよ…そんな事知ったらよぉ…」

大神官「ついでに言うと運んでるのも魔物共だし」

大神官「冒険者の所持金の半分は運搬賃としていただいているがな」

緑「まさにビジネス…ですね…」

大神官「そうだ、そっちと同じように倒せば倒すだけ儲かるんだ」

大神官「あとは個人的な仕事や依頼された仕事をこなしているぐらいか?」

青「その辺は突っ込まないほうが良さそうだな…」

赤「早く帰らない?こっちはしばらく動けないけど」ブラーン

青「いつの間にぶら下がってやがった!?」

緑「帰りたいのは山々ですけどこれだけ建物崩壊したら道が…」

???『わ、私がかえっ…帰してあげましょう…』

青「この震えてる声は!?」ガタッ

緑「もうやめてあげましょうよ…きっと怖いけど頑張って出てきてくれたのですよ」

青「姿出てねぇじゃん!?お願いだ!!見せてくれよ?!」

赤「神様まで襲おうとするな、いい加減にしろ強○魔」グイー

青「ぐぇ…もうその呼び方やめてくれねぇ?」

大神官「帰るのか、迷惑かけたな…特にお前には」

赤「稲妻落としたしもう満足だから気にする事ないよ」

大神官「そうか、達者でな」

竜王「うぅん…」

緑「その子には暇な時遊びに来ますって伝えておいてください」

シュン!!

青「お?お?って、ただ外に飛ばされただけじゃねぇか!?」

緑「もう魔物も襲ってこないみたいですしのんびり帰りましょうよ」

赤「賛成ー」グイー

青「あぁっ!!分かったからぶら下がるなって!!」グイッ

緑「本当、青さん優しくなりましたよね?」

青「んなわけあるかっ」

赤「やさしくてやらしい強○魔」

青「…コイツは相変わらずだけどな」

緑「この人はこれでいいんですよ」ニコ

赤「ですよ?」

旅人「終わって帰るところみたいだね」

姫「もがもがもが」

旅人「もう暴れたり大声出さない?」

姫「もがっ」コクリ

旅人「さるぐつわだけ解いてあげよう」シュル

姫「うるさいからって縛り上げることないと思うんですけど?」

旅人「あのままだと絶対彼らに突っ込んでいってただろう?」

姫「だってぇ…」

旅人「それに気付いてないだろうけどあんたにとってお邪魔虫ができたようね」

姫「何のこと?虫嫌いなんだけどー」

緑「水の町に戻ってきましたね」

青「テメェがぶっ倒れた所な」

緑「もう…あれはたまたま…」

赤「たまたま仮病使って休んだんだよね?」

緑「あんな苦しい仮病あってたまりますか!?」

赤「コレが珍しく仕事した場面ではあった」

青「コレ言うなや!!死なれたら後味悪いからだよ!!」

赤「ふーん」ニヤニヤ

緑「ふーん」ニヤニヤ

青「緑…テメェまでなんだその顔は…」

クビ「クビクビクビクビーッ!!」ダダダッ ヒュン!!ヒュン!!

緑「うわぁ!?斧投げてきてますよ!?」

赤「どれだけ首がほしいんだろう」

青「あれだけ一掃してまだあんなにいるとかどうなってんだこの地域は…」

赤「分裂した結果」

緑「それどこかで聞きましたよ!?ですから怖いって!!」

赤「まぁあれよ」

赤「こんなのでも面白かった」

青「そうだな」

緑「ですねぇ…もう追われたくはないですけど…」

赤「ここも久しぶり」

青「あぁ、お前が花壇で寝こけてたところか」

緑「女の子なんですからあんな場所で寝てはいけませんよ?」

赤「あの時何かしなかった?」バチバチバチ

青「するかよ!?」

緑「ボクも何もしてませんよぉ」

赤「怪しい」ジー

青「存在自体が怪しいテメェに言われたかねぇ」

緑「確かに不思議な呪文とか使ってましたけどそこまでは…」

赤「わたしは不思議少女で十分」

青「ここには特にいい思い出はねぇな」

緑「無理矢理トラと戦わされましたしねぇ…」

赤「もう一回行って国王のおじさまの驚く顔見に行こうかな」

緑「もうやめてあげてくださいよぉ」

赤「仕方ないな」

青「そういえばこの辺は赤がろくな事しなかったな」

赤「…」

緑「もう終わった事ですよ?」

青「分かってるよ、普段ない一面見れてちょっとあれだったなってな」

赤「あれって何よ…もぉ」

赤「船返しに来た」

少女「あ、お疲れ様です」

じいさん「おぉ!!やっと婿になってくれる気になったか!?」

青「げっ!?まだんなこと言ってやがったのか?!」

緑「そんな事言われていたのですか…」

じいさん「お主でもよいぞ!!婿になるんじゃ!!」

緑「わぁ!?そんなの無理ですよぉ…」

青「男なら誰でもいいのかよ…」

赤「あんなのの孫で苦労しない?」

少女「面白い人だから好きですよ」ニッコリ

赤「…」

王の魂「そこにいるのは誰じゃ…ワシには何も見えん…」ボォォォ

南の王「はっ!?見えるぞ!!ワシのかわいい娘が見える!!」

赤「父さま、もうすべて終わったから土に還りなさい」

南の王「なにそれひどい!?娘ぇぇぇ…」シュウン

青「おい…親父に対してあんなので良かったのか…?」

赤「死人に口なしと言う言葉があってだね」ツゥー

緑「赤さん…むぐっ」

青「何も言ってやるな」

赤「きっと何も言わなくても分かってくれてるんだよ…親だから……」ポタ…ポタ…

緑「ここの町で全員がそろったのですよね」

赤「正確には沼地のところだけど」

青「こまけぇこたぁいいんだよ」

青「この辺だと俺全然やる気なかったなぁ」

緑「ボクは信じてましたけど!!」

青「はいはいそうですか…」

赤「キミはそういうところ見せるのが嫌いだったんでしょ?」

青「…んなわきゃねぇ」

青「お前らが必死に頑張ってるから少し手伝っただけだよ」プイッ

赤「そんなキミだから最後までいけたのかもね」

北の王「よくやった我が息子よ!!」

緑「ボクだけじゃないです、お二人と力を合わせたからこそ…」

青「アイツほどんど何もしてなくね?」

赤「ほんのちょびっとはしてくれたじゃない?自爆要員とか」

緑「聞こえてますよ!!またそれですか!?一度もしてないじゃないですか!!」

北の王「自爆…要員?」

赤「背後で補助や回復役として役に立ってくれました」

青「俺達のツッコミ…まとめ役として役に立ってくれたよ」

北の王「そうか…いい仲間をもったな緑よ」ニッ

緑「二人とも…はいっ!!」

姫「お兄ちゃーん」パタパタパタ

青「げっ、マジキチが来た」

緑「気持ちは分かりますが…もうちょっと言い方を…」

姫「結局仲間にしてくれなかったねっ!?プンスコだよ!!」

赤「何もできないみたいだし」

姫「うわひどい!?」

緑「正直足手まといだったからね」

姫「お兄ちゃん!!今のグサーッときたよ!?」

青「…」

姫「青お兄ちゃんは何も言ってくれないの?」

青「もう変な事言うのはやめてくれるなら…」

姫「えー?変なこと言ってないよー?」

姫「ただ青お兄ちゃんにヒィヒィ言わされて赤ちゃんが出来ればいいだけだよー」

青「…帰る」トボトボ

姫「だーめ、もう逃がさないんだからねっ!!」

青「た、助けろ?!」

赤「悪いけどコレには責任とってもらわないといけないから」ズルズル

青「ちょ…引っ張るな…」

緑「あまり困らせちゃダメだ、東の国行ってくるから」タタタ

姫「まさか…お邪魔虫ってあの人じゃ…むぅ」

青「マジで俺ん所に行くわけ?」

緑「一緒に行ってやりなさいって言われましたし」

赤「家族の一員にしてくれたし」

青「何だそれは!!そんな話いつした!?」

赤「大分前にマジキチ姫連れてくる時に寄ったら…」

赤「『それならうちの家族になるといい』って青のお父さまが」

青「あのボケ親父がぁぁぁぁ!!いつの間に!!」

赤「わたしが家族でイヤ?」

青「う…べ、別に…変なちょっかいかけなけりゃ…」

緑「素直に嬉しいとは言えないんですねぇ」ニコニコ

青「もしかして責任取れって言ってたのはそれか?」

青「お前の事だからきっとろくでもないこと言い出すんじゃないかと思っていたが」

赤「全然全くさっぱり違う」

赤「今言ってもいいけど」チラッ

緑「?」

赤「あとにする」

青「よく分からんが…おう…」

緑「もしかして、ボク邪魔かな?真面目な話なら離れてるけど?」

赤「急ぐ事ないからいつでも大丈夫」

赤「早く東の国へ行こう」

東の王「よくやった息子よ!!そして緑王子と赤王女も!!」

青「あぁ…」

東の王「あれだけやる気を見せなかったお前が本当にやってくれるとは…うぅ…」

緑「本当に最初はやる気なかったんですね?」

青「うるせぇ!!」

東の王「こやつ随分とわがままで困ったじゃろ?」

赤「寝込み襲ってきたりしたし?」

東の王「…そこを動くな」スラリ

青「ちょ…何言ってんだ!?ウソではないけどここで言う事じゃないだろ?!」

東の王「この恥さらしが!!死んで償え!!」

旅人「ねぇここに住んでもいい?」

大神官「何でここなんだ?お前は人間だろう」

旅人「数百年も生き続けてきた人の姿をしたバケモノだよ」

大神官「なんだと…」

旅人「色んな勇者見てからかってきたけどそろそろ腰下ろして過ごそうかと思ってね」

大神官「呪いか何かなのか?」

旅人「大昔、チート…反則技ばかりしてきたからその副作用かなぁ」

旅人「ただの賢者だったはずが今では不老不死のバケモノだよ」

大神官「そうか、大変だな…まぁ好きに住めばいい」

旅人「マジ?ラッキー、仕事ぐらいはするからよろしく~」

旅人「あんたも悪気がなかったなら早く言ってあげりゃよかったのに」

大神官「城の事か…所詮魔族だしな」

大神官「罰は受けるつもりでいた」

旅人「やらしいねぇ…あ、優しいだったわ」

大神官「…それよりお前が彼らの手を貸していたと報告があったが?」

旅人「そりゃ元冒険者だし、あの子の子孫だからなぁ…」

大神官「お前がまだ普通だった頃の勇者か」

旅人「そうだよ、見てないけどきっと最後の時まで幸せに過ごせたんだろうな」

旅人「その証拠にあの子達がいるわけだし」

旅人「本音言うとあの楽しかった冒険思い出してつい相手しちゃったんだよ」

大神官「もう十分ではないか?」

旅人「うん、さすがにもう何があっても手は出さないよ」

旅人「私いなくても大丈夫そうだし」

大神官「お前、本当はここに住むのではなくて…」

旅人「うん、私を終わらせてほしかった」

大神官「こう見えても魔族の神官だ、お前を本来の仲間の元へ還してやろう」ピカァァァ

旅人「ありがとね…あぁ、勇者と愉快な仲間達…あんたらの知らない楽しい話を聞かせに還るから…」

旅人「…」

大神官「さらばだ」シュウンシュウン…

旅人「向こうでもまた楽しい旅…できたらいいな…」ヒョォォォ…ォォ…

青「ふわぁぁぁ…あれから一ヶ月か…」

青「退屈でたまらねぇな」

兵士「青様、お友達がお待ちです」

青「あ?ご苦労さん、誰だ?」トコトコ

姫「あたしだ!!」ガバッ

青「はいはい、いつもいるだろうお前さんは」グイ

姫「いけず!!でもそんな青お兄ちゃんも悪くない!!」

青「いい加減諦めろよ…」

姫「まだまだ!!寝込み襲ってまで青お兄ちゃんを手に入れるんだから!!」

青「はぁ…そりゃ北の国もこんなやばいヤツ放置するわな…」

赤「どこ行くの?」

青「出たなマジキチ二号」

赤「わたしはただ責任を取ってもらうために」

青「だからってお前は無茶苦茶しすぎだ!!」

青「そっちの責任だって分かってたら全力で断ってたのによ…」

赤「責任取るといえばそういうことでしょ、はい納得ですね」

青「できるか!!」

赤「できないならこっちがやるまで」ヌギヌギ

青「おい!!やめろ!!こんな場所で服を脱がすな強○魔!!」

緑「何やってるんですか…」

青「客ってお前だったのか、これ、どうにかしてくれよ…」

緑「責任は取ってあげるべきですよ」ニコ

青「テメェ、最近あしらうのがうまくなってきやがったな…」

緑「そりゃあれだけ一緒に旅してましたし」

赤「そっちはどう?あの竜王と」

緑「そりゃ大変ですよ…言う事聞かないとすぐスネて暴れますし…」

緑「ボクもどこかに隠れてやり過ごそうとここに来たんですけどね…」

青「だったらここはやめとけ…マジキチの巣窟だ」

赤「マジキチとは失礼な」ヌギヌギ

青「そう言いつつ人の服脱がすお前には絶対当てはまるぞ…」

赤「じゃああの時ウソついたの?」

青「はぁ…わぁったよ!!責任でも何でも取ってやるから変な事はやめろ!!」

赤「!?」

緑「よかったですね」ニコ

青「べ、別にお前のことは嫌いじゃなかったし…すぐとは言えないが…」

赤「それでもいいよ」グッ

姫「あぁぁぁぁ!?」

青「マジキチ一号に見つかったか…」

緑「早く逃げないといけませんね」

青「くそ…こうなったらまた旅にでも出るか?三人でよぉ」

緑「それいいですね!!」

赤「わたしも賛成」

青「よっしゃ、そうと決まれば転送乗って行くか」

姫「まだ!!まだ最後までやってないからあたしにもチャンスが?!」

竜王「緑ちゃん見つけた!!遊んでー!!ずっと一緒に遊んでー?」バッサバッサ

青「お前にいたってはあんなのに好かれたわけだから大変だよな…」

緑「普段はいい子だし悪くはないんですけどね…」

青「まぁいいか!!行くぜ!!」グイッ

緑「はいっ!!」グイッ

赤「うん」グイッ

青「そいやぁよ、金がないから何もできんの思い出したわ」

緑「ボクも持ってきてないですねぇ…」

赤「わたしのあるから大丈夫」ジャラジャラ

青「そんな金いつの間に所持してたんだよ…」

赤「ほら、思い出して?」

赤「大量にあった糸を織ってもらってることを」

緑「もしかして完成品を売りさばいてそのお金を…」

赤「糸は無限に湧いてくるから実質お金不足にならない」フンス

青「その発想は思いつかなかったわ…」

緑「糸織りの名人さんが過労死しないか心配ですねぇ…」

青「しっかし、見事に何もない場所出たな…」

緑「これはさすがにここからの旅は大変ですねぇ」

赤「向こうに見える町まで泳がないと」

緑「ボク泳げませぇん…」

青「大丈夫だ、引っ張ってやるよ」

緑「そ、それなら頑張ります…」

赤「わたしも引っ張って」

青「お前絶対普通に泳げるだろ…」

青「んじゃ、またいつまで続くか分からない旅でも始めますか」

二人「おぉっ!!」

――後に某所で見つかったある手記にこう記されていた。

 二人の少年と一人の少女が旅をする姿を見た一人が彼らにこう名づける。

 『見ているだけで楽しそうだけど何かしらやらかすずっこけ三人組』と。

 しかし、そんな三人は伝説になった勇者達だった。

 楽しむ事は旅をすることでもっとも大事だ。

 それは昔から変わることはなかった。

 楽しいから続けられるのだ。

 どんな問題だって冗談で済ますことができる。

 いつまで経ってもそれだけは同じで嬉しく思った。

 そのままのキミ達でいてほしいと私はただ願う。

本編終わり

そのままおまけを後日より投下していきます。
本編の途中にちらっと語ってた『アレ』の詳細となりますです。


とある勇者と変わり者姫様



王様「伝説の勇者の血を引きし者よ、娘と光の玉を頼む…」

勇者「そんなに頭を下げないでください…必ず姫様を救い出し、竜王を倒してきますので」

勇者「行って参ります」ツカツカツカ

王様「頼んだぞ…勇者…」

……

勇者(俺は勇者、伝説の勇者の子孫だ)

勇者「この国の姫様を妻として迎えるために攫い、光の玉を奪っていった竜王…」

勇者「ヤツを倒さなければ世界のすべてが終わる!!平和のために行くぞ!!」

姫「そうだね、いきまっしょい!!えいえいおーっ!!」

勇者「あれー?」

勇者「ありえないとは思いますが…ひとつ確認のためお聞かせてください…」

姫「ひとつといわずジャンジャン聞いてよ、勇者くん!!」

勇者「俺の名前…いやいや…あなたはこの国の姫君ですよね…?」

姫「そうですよー」

勇者「確か竜王に捕らわれていると聞きましたが…」

姫「あんな何もない牢にいても暇だから抜け出してきちゃった」

勇者「ど、どうやって…?」

姫「え?こうやってドカーンと」ピッ

ドガァァァァァン!!

勇者「城が!?自分の家だからってやめてください!!」

姫「あたしは魔法が使えるのです、えっへん!!」

勇者「何故か外へ逃げてきてしまった…そんな自慢気に言われてもですね…」

勇者「まぁ無事で何よりです…さぁ、王様にお顔を見せてあげてください」

姫「え、ヤダ」

勇者「はい?」

姫「あたし、勇者くんと旅に出ると決めたのです!!」

勇者「はぁ!?…ゴホン…き、危険な旅になりますのでどうかお城でお待ちになってくだ…」

姫「言う事聞きなさーいっ!!じゃないとここも荒地にしちゃうよ!!」バチバチバチ!!

勇者「だから自分の家を荒地にはしないでください!?」

勇者(『ここも』ってことはすでにどこかを…)

姫「勇者くん年いくつ?」

勇者「え?18ですけど」

姫「じゃあお兄ちゃんと呼ばないといけないな…」ブツブツ

勇者「今何と?」

姫「旅に連れて行ってよお兄ちゃーん!!」ジタバタジタバタ

勇者「誰がお兄ちゃんですか…国王様と相談してください」

姫「イヤだよ、今度はあのおっさんに軟禁されちゃうじゃん」

勇者「親をおっさん呼ばわり…」

姫「もうどうでもいいからいこっ?」グイ

勇者「ちょ、ちょっと…」ズルズル

勇者「結局そのまま町まで来てしまった…」

姫「いいのいいの!!えっと、まずは装備を整える?」

勇者「どうなっても知りませんからね…そうですね、大切な事です」

姫「じゃあゴーゴー!!」

勇者「でもお金はまだほとんどなくて…」

姫「あたし持ってるから大丈夫だって!!ほらほらぁ!!」ジャラァ

勇者「それはご自分のお小遣いでは?」

姫「向こうからの帰りに魔物からカツアゲ…倒して得たものだから遠慮なく使ってよ」

勇者「それが本当だとしたらあなたはどれだけ強いんだ…」

姫「い・い・か・ら!!いいやつ買っちゃおうよ、ね?」

勇者「装備もそろいましたし、そろそろ行きますか」

姫「はーい!!…あ、これ全部食べてよ」コロコロ…

勇者「何かの実ですか?これは…」

姫「戦わずして強くなれる実だよ!!」

勇者「そんな物使ってまで強くなりたくは…」

姫「先回りして宝箱から強奪…取って来た物だし、どうせその内いただくことになるからいいのっ!!」

勇者「さっきから時々物騒な言葉が聞こえるのは気のせいですか…?」

姫「はぇ?」

勇者「気のせいということにします…まぁそう言うならいただきますね」モグモグ

姫「えへへー、強く育ってね?」

勇者「スライムか!!」シャキッ

姫「やっぱり最初から剣と盾持ってないとカッコつかないよねー」

勇者「容姿は旅には関係ないです…」

スライム「ピキキー!!」ピョーン

勇者「!?しまった、背後を取られた!!」

姫「こらこら、慌てないでよ」バチーン

スライム「プギュ!?」ベチョ

勇者「平手打ちでスライムが…」

姫「さぁ勇者くん、次々倒しちゃいましょー!!」

勇者(うわー…やり辛すぎる…)

姫「あ、勇者くん勇者くん!!」バッバッ

勇者「何ですかその小さな子供が抱っこをせがむような手は」

姫「そうだよ?せがんでるんだよ?」ピョンピョン

勇者「さっき聞いたのではあなたは16だと言っていた気がしましたが?」

姫「疲れたからじゃないし、ただの抱っこじゃないですよー」

勇者「じゃあなんです?」

姫「聞いて名のとおりお姫様抱っこ!!」

勇者「疲れたらおんぶぐらいはしますのでそれはご勘弁を…」

姫「抱っこーっ!!」ドガンドガンドガン!!

勇者「ひぃ!?殺人級の駄々っ子じゃないか!!」

姫「えへへー、らくちんらくちんっ♪」

勇者(結局逆らえなかった…)

姫「あーコウモリきたよ?ほらほら!!」

コウモリ「キキー!!」

勇者「大人しくしていてくださいね」シュバッ

姫「わわ…揺れ…ない?」

勇者「くらえ!!」バシュッ

コウモリ「ギィィィ…」ドシャ

姫(ほとんどあたしを揺らさずに戦った)

姫(すごいバランス感覚してるなぁ…)

勇者「っ!!はぁはぁはぁ…」

姫「えっとね…もう降ろしてくれていいよ?」

勇者「大丈夫です…まだいけます…はぁはぁ…」

姫「ちょっと最初から無理な鍛え方させちゃったかなぁ」

勇者「鍛え…?」

姫「こうしたら絶対守ろうと頑張っちゃうでしょ?」

勇者「それならそうと言ってくれれば…」

勇者「姫様のことだからただの我侭かと思ってましたよ」

姫「失礼しちゃう!!我侭なんて一度も言ってないじゃない!!」プリプリ

勇者(じゃあ俺についてきたのは我侭じゃなくて何だというのか…)

勇者「やっと町に辿り着きましたね」

姫「ここ知ってる!!吟遊詩人が有名な町だよね?」

勇者「そうですね、正確にはある吟遊詩人が町を作りその人の名がこの町の名前になったそうです」

姫「勇者くんは物知りだね!!」

勇者「一応世界は一通り旅したことありますし」

姫「じゃあ洞窟とかの場所も知ってたりするの?」

勇者「大体なら分かりますね」

姫「なーんだつまんない…じゃなくて、すごーい!!」

勇者「それは間違えたってレベルじゃないですよ姫様…」

姫「そんなのどうでもいいじゃん、見てまわろうよ?」

勇者「ここから東の方に伝説の勇者を奉った洞窟があるそうです」

姫「へー、あとで行ってみよっか」

勇者「はい…それよりこの壁の先はどう行けばいいのか…」

勇者「唯一の入り口は鍵のかかった扉だけか」

姫「向こう側が気になるの?」

勇者「えぇ、ずっと気になってい…」

姫「ほーい!!」カッ

ドゴォォォォォン!!

勇者「なぁぁぁぁ?!」

姫「開いたよー!!って、わわっ!!引っ張らないでぇぇぇぇ…」ドタドタドタ!!

勇者「はぁ…ひぃ…とんでもないことやらかしてくれましたね…」

姫「みんな何があったってビックリしてたよ」ケラケラ

勇者「わ、笑い事ですか…つい勢いで奥の階段まで逃げてしまいましたが…」

姫「うわー…暗いねぇ…」

勇者「ちっ…松明ぐらい持って来てればよかったか…」

姫「大丈夫だよ、ほら!!」ボワッ

勇者「…そういえば呪文使えるんでしたね」

姫「呪文なら任せてよ!!」

勇者(今思えば何故竜王はこんなバケモノ姫様を妻にしようとしたのか…)

勇者(やっぱり顔なのか…?)

姫「ねぇねぇ」

勇者「何ですか?」

姫「後ろにおじいさんいるよ」

勇者「こんな所にいるわけないで……ひっ!?」

老人「すまぬな、慌てていたので話しかけられなんだ」

勇者「そうですか…すみませんでした」

老人「気にすることはない、ここはこれでも墓である」

姫「…帰ろうよ」

勇者「な、なんでですか!?」

姫「お墓だって!?荒らしたらダメだよ!!」

勇者「しかし、ここに重要なものがあるかもしれませんし…」

老人「ここには竪琴がある」

老人「必要になることがあるであろう」

勇者「そうですよね…やはり奥へ行きましょう」

姫「うぅ…」

勇者「何でそんなに嫌なんですか?」

姫「そりゃお墓だもん!!勝手に入るのはいけないよ!!」

勇者「今まであれだけ強引に進んできたのに…俺一人でも行きますよ」

姫「待ってよぉ!?あたしも行くーっ!!」タタッ

老人「頑張るんじゃぞ…」シュウン

勇者「ふっ!!」シュバッ

カタツムリ「ヴェ…」ガシャ

姫「わーい、エスカルゴー!!食べれないかな?ね?ね?」

勇者「一応魔物ですから食べるのはちょっと…」

姫「何よー、それ言ったら牛とか鳥とか豚だって同じ事じゃなーい」

勇者「いやいや…それでも俺は食べたく…たぁ!!」ガキィ!!

骨「隙ヲツイタノニ…ダガ人間ゴトキニ負ケン!!」ググッ

勇者「うっ!!押される…まだレベル不足か…」グググ…

姫「消滅呪文!!」ピカァァァ

骨「ナンダコノ光ハ…キモチヒィィィ…」シュゥゥゥゥ

姫「ほら!!いこいこ!!」グイグイ

勇者「何だ今のは…」

姫「よわーい子なら一発だよ!!しかも魔力あまり使わなくてお得♪」

勇者「それは知りませんが…便利なものもあるんですね…」

オバケ「ヒェヒェ…」スゥ-

姫「!?」

勇者「弱いヤツか…できるならアレもお願いできませんか?」

姫「――」チーン

勇者「立ったまま気絶!?もしかしてこういう類の苦手なのか…?」

姫「幽霊怖い…触れないもの怖い…」ブツブツ

勇者「これが吟遊詩人の持っていた竪琴かな」

姫「わぁぁ…綺麗だね!!」

勇者「でもずっとこんな所にあるということは呪いがかかってるかもしれないな…」

姫「ねーねー、弾いてみてよ?」

勇者「ダメです…これはさすがに怪しいので…」

姫「そう言いながら実は弾けないんじゃなーい?」

勇者「…旅に出ていた者として色々な知識は身に付けているつもりです」

勇者「楽器ならどれもある程度弾けます」

姫「へぇー、食べられる草見分けたり?」

勇者「それもできますが何故それをわざわざ聞きました…?」

勇者「やっと地上ですね…」

老婆「そこの若い者よ」

姫「どうしたのおばあちゃん?」

老婆「さっき壁を壊したのはあんたらかえ?」

勇者「そうです、驚かせてすみません…」

老婆「ほほほ、素直でいい子だのぅ」

老婆「別に説教するつもりで呼んだわけではない」

老婆「そこのお嬢さんにちとお願いがあってのぅ」

姫「あたし?」

姫「いいよー、できることなら何でも引き受けちゃうよ」

老婆「少しの間でいいんじゃ、あるものを着てほしくてな」

勇者「はぁ…よろしいですか姫…げふんげふん!!」

老婆「風邪かぇ?気をつけんしゃいよ」ニコニコ

勇者(何とか誤魔化せたか…姫様なんて呼べるわけないよな…)

姫「おばあちゃんいいよー!!着てあげる!!」

老婆「おぉ!!そうかそうか…いい子ばかりだのぅ」グスグス

姫「泣かなくていいじゃなーい…ほら、服見せて?」

老婆「そうだの、こっちへおいで…ふひひ」

姫「はーい!!」テコテコ

勇者「今なんかすごく嫌な笑い方しなかったか…」

姫「ふーい」

勇者「あ、終わりましたか…ってその格好…」

姫「昔使っていた服もらっちゃったーかわいい?」クルリン

勇者「えぇよく似合ってますよ」

勇者(昔、賢者と呼ばれた者が着ていた服じゃなかったっけ…)

勇者「それでどんな服を着たのですか?」

姫「え?なんか布が少ない水着とかそういうの色々ー」

姫「それ見てふひふひ笑いながら抱きついてきて喜んでくれたよ」

勇者「ただの変態じゃねぇか?!やべぇぞあのばあさん!!」

姫「あ、やっと普通に話してくれたね」

勇者「あの…普通とは?」

姫「今までなんか堅苦しい話し方だったもん」

勇者「しかし、姫様相手だと失礼に…」

姫「今は勇者くんと旅している普通の女の子だよ?」

勇者「…」

姫「あたしは姫様って呼ばれるのはやだなぁ」

勇者「分かりました…分かったよ、姫」

姫「んっ!!よし!!」

勇者「でも旅の間だけだから…」

姫「はーい!!」

姫「勇者くん勇者くん」クイクイ

勇者「なに?」

姫「こんな人気のないところ連れてきて何するつもりぃ?」ニヤニヤ

勇者「何かすると思う?」

姫「そんな真面目な顔で言わないでもいいじゃーん」

姫「冗談通じない勇者くんだなぁ…」

勇者「魔物がいないとはいえ、こんな場所で冗談言える姫に呆れてるんだ」

姫「童貞のくせに生意気なー」

勇者「童貞は関係ないだろう?!」

勇者(本当に一国の姫君なのか彼女は…)

勇者「石碑か」

姫「あ!!あたしが読んであげるね…どりどり…」

姫「『勇者の血を引く者にこれを残す』」

姫「『― 中略 ―』」

姫「『最後に自分の一族はとんでもないものに好かれる性質があるのが分かった』」

姫「『これを見た自分の子孫…すぐ逃げて』」

姫「『手遅れになるその前に誰もいない遠くへ…』」

姫「おしまい」

勇者「最初は賢者たちに何かを渡したって話だったが後半が…」

勇者(ご先祖様よ…多分手遅れだと思いますよ…)チラッ

姫「じゃあその賢者さん達を探さないといけないって事?」

勇者「うん、ご先祖様の記したことだしな」

姫「じゃあ探そっかー!!」

勇者「今度は東へ行こう」

姫「ねー、勇者くんって昔からお城に来てた?」

勇者「時々来てたよ」

姫「そっか」ニコニコ

勇者「?」

勇者「ほら、道は遠いんだからしっかり歩いてくれ」グイグイ

姫「うへーい」テコテコ

勇者「かなり暗くなってきたな、ここまでにしよう」

姫「今日は野宿?」

勇者「そうだよ、夜は危険だし安全な場所で体力を温存しないと」

姫「野宿って初めて!!えへへー」

勇者「ちょっと薪拾うから待って」カラカラ

姫「何だかこういうのっていいよね?」

勇者「そう?」カラカラ

姫「ワクワクしてくるんだよね!!」クネクネクネ

勇者「嬉しいのは分かるけど変な踊りは踊らないでくれ…気が散る…」

姫「姫は不思議な踊りを踊った!!勇者くんは集中力が低下した!!」

パチパチ…

姫「こういうご飯って何で外で食べたらおいしいんだろう?」

勇者「気分的な問題だろうと思うな」

姫「きっと勇者くんと一緒に食べてるからだ!!」

勇者「何で俺とだとうまく感じるんだよ…」

姫「そりゃあ…えへへぇ…」

勇者「ご飯が落ちそうだって!?」

姫「おっとっと…失敗失敗えへへ…」

勇者(変な子だな…)

勇者(ついて来たのも一緒だと楽しいからだろうか…)

勇者「寝たか…」

姫「くぅくぅ…」ギュ

勇者「なんというか…くっつきすぎだろう…」

勇者「こんなので寝れるわけないだろ…」ドキドキ

姫「んむぅ…勇者くふぅ~ん…」ギュッ

勇者「姫だけあってすごいかわいいな」ドキドキ

勇者「頭ぐらいなら撫でてもいいのだろうか…?」

姫「変な事したらカッチコチにして叩き割っちゃうんだからぁ…んふふ…」スースー

勇者「…寝よう」

勇者(起きてようが寝てようが何かすれば呪文で消されるだろうな…)

姫「温泉の村に来たよー!!」テケテケ

姫「あいたっ!?」ドテッ

勇者「そんなに走り回るから…大丈夫?」

姫「大丈夫だけど何かにつまづいたよぉ」キョロキョロ

姫「あった!!笛だよ」ボコッ

勇者「何でそこに埋まってたんだろうな…」

姫「これ吹いてみるから勇者くんは竪琴お願いね?」

勇者「分かった…」ゴソゴソ

勇者「って、思わず本当に弾きそうになったわ!?」ビターン!!

姫「ちぇっ…もう少しで弾かせれたのになぁ」

姫「ふぅ~温泉気持ちいい~」パチャ

姫「勇者くんいるー?」

勇者「はいはい、いるよ」

姫「勇者くんも一緒に入ればいいのに」

勇者「それは本気で言っているのか…?」

姫「?」

勇者「ゆっくり入ってていいから…俺はちょっと買い物してくるよ」

姫「ダメぇ!!そこにいてっ!!」

勇者「もぉ…何でだよ…」

勇者(さっきから止められてるが何で離れたらいけないんだろう…)

占い師「そこの者…勇者か」

勇者「何故分かったのですか?」

占い師「プンプンと勇者特有のくっさいオーラが立ちこもっておるからの、ほっほっほ」

勇者「何だかすごく嫌な感じのオーラですね…」

姫「勇者くんは嫌な感じゃないよ!!」

姫「お日様のにおいがするんだよ?」

占い師「ほー、直に嗅いでみたのかぇ?」

姫「うん!!」

勇者「そんな事正直に答えなくても…それにあなたも変な事聞かないでください…」

占い師「変な事ではないと思うよ…おっと、素が出てしもたわ…ほっほっほ…」

賢者「よくここまで来なさった」

賢者「しかしおぬしを勇者と認めるためにあるものを取ってきて…」

姫「こうかな?」ポロローンポローン♪

勇者「ちょ!?だからそれは怪しい物だってあれほど?!」

勇者「しかも空気を読んで…げぇ…」

魔物「キィーキィー!!」ゾロゾロ

賢者「そ、その竪琴は…!?」

勇者「あとで説明しますので…とりあえずこれを片付けます」シャキッ

賢者(すでに竪琴を手に入れておるとは…只者ではないなこやつら…)

姫「あ、これ魔物呼んじゃうんだ?びっくりだよー」ケラケラ

勇者「と、いうわけで吟遊詩人の墓から持ってきたものです」

賢者「やはりか…ならばこれを渡さねばなるまい」スッ

勇者「杖ですか…」

姫「これ使ったら攻撃できたりしないの?」

賢者「そういうものではないんじゃこれは」

姫「なーんだつまんなーい」

勇者「こ、こら…ありがたくいただきます」

賢者「頑張るんじゃぞ勇者よ」

姫「はーい!!」

勇者「キミが答えてどうする…」

勇者「次はどこ行けばいいんだろうな…」

姫「南の沼地にあった洞窟は?」

勇者「うーん…そこでもいいけど…」

姫「実はあたし、そこに捕らえられていました!!」

姫「捕まってすぐに壁ぶっ壊して逃げたけど」テヘッ

勇者「そんな顔で言われてもやってることは全然かわいくないけどね…」

姫「それから色々歩き回っちゃったの~」

勇者「だったらもうどこも知ってるんじゃないの?」

姫「うん、でも勇者くんと二人だと全然違うよぉ」

勇者「はぁ…そうっすか…」

姫「で、結局こっち来ちゃったんだね」

勇者「一応幽閉されてた場所が気になってね」

勇者「それに向こう側にいけるし」

姫「じゃあ行きまっしょー!!」

勇者「元気だな…」

ドラゴン「あ、どうも」ズシン

姫「あれ?」

勇者「こ、こんな所に何故こんなヤツが!?今の俺にやれるか…?」シャキ

ドラゴン「落ち着いてくだせぇ、争うことなく交渉できればと思っておりやす」

勇者「じゃあ何でこんな所で待ち伏せしているんだ!!」

ドラゴン「姫様を捕らえていた番してたモノで…ここを通るまで待っていました」

ドラゴン「竜王様とのお約束でここを出るなとのことなのでこうして待って捕らえようと…」

姫「残念でした~!!もうそこには戻らないよん!!」

勇者「らしいのでお前に渡すわけにはいかない」

ドラゴン「交渉はできそうにないっすね…強引ではありますが姫様を奪…」

姫「そんなつまらない所にいてられるかーっ!!」カッ

ドラゴン「ゲヒィィィィ!?」ドガガガガガァァァァン!!

姫「もげろ!!千切れろ!!粉砕しろーっ!!」ズゴゴゴゴ

ドラゴン「ホギィィィィィィィ!?」バゴゴリズギャ!!

勇者「ちょ…いくらなんでもやりすぎでは…」

ドラゴン「ゲヒ…」プスプス…

姫「やっと大人しくなったよ、ふぅ~」

勇者「哀れすぎる…」

姫「ほら勇者くん、早く行こっ!!」グイッ

勇者「あ、あぁ…」

勇者「逃がした時点で命令違反だろうし、ここから離れたほうがいいんじゃないか?」

ドラゴン「そうですね…ぐふぅ」

勇者「姫も多分そのために生かしておいてくれたんだと思うぞ」

ドラゴン「おぉ…なんてお優しい…この恩は必ず…」ペコペコ

勇者(こんなでかいヤツが頭下げるとなんか怖いな…)

姫「やっと町だー」

勇者「とりあえず宿をとるので…」

姫「えー早速お楽しみタイム?」モジモジ

勇者「何だよそれは…少々お待ちを…」テクテク

姫「うーん、今日の勇者くん疲れてるのかな?」

姫「ちょっと散歩してこよーっと」テコテコ

女性「いつまで待たせるのかしら…」

姫「ん?どうしたのー?」

女性「ちょっと待ち合わせ相手がなかなか来なくてね」

姫「ふーん、じゃあ探してきてあげるよー」テコテコ

姫「町の隅っこ?に来てみたけどー…」

男性「何で来ないんだ…」

姫「あ、あの人かな?おーい、そこの人ーっ!!」

男性「ん?何だい?」

姫「人、待ってるの?」

男性「え?あぁそうだよ」

姫「その人反対側の場所にいたよ?」

男性「うげ、待ち合わせ場所間違えてたのか!?あ、ありがとう!行ってみるよ!!」ダダッ

姫「頑張ってねー」フリフリ

勇者「あれ?姫がいない…また勝手にどこか行ったのか…」キョロキョロ

勇者「ここか?」コソー

女「ちょっと?!着替え中なんだから覗かないでよ!!」

勇者「あ、すみません…」トコトコ

女「んん?ちょっと待って」

勇者「はい?」

女「声が渋いからどんな人かと思ったらイケメンじゃない」

女「お兄さん、私と付き合わない?」

勇者「いえ、自分はやることがありますのでそれどころでは…あとまだ着替え中じゃないですか…」

女「もうそんなのどうでもいいわ、付き合ってよ!気に入っちゃったのよ!!」グイグイ

勇者「だからそれどころじゃないって…だから着替えを…」

姫「ここは何かな?」ヒョイ

老人「む?そこのプリティでキュアキュアなお嬢さん、魔法のカギはいらんかね?」

姫「カギー?んー、いらなぁい」

老人「どんな扉でも開く事ができるのじゃぞ?」

姫「心の扉も?」

老人「そんな見えない扉は開きません…おっと」

老人「心の扉は無理じゃがお嬢さんの大切な部分を開くことができるワシを連れて行かんか?」

姫「なーに、その大切な部分って?」

老人「女の子なら誰でも持ってる秘密の部分じゃ…ふひ」

老人「大丈夫、全然怖くないからね~…怖くないからの~」

勇者「姫、こんな所にいたのか…」

姫「あー勇者くんだ、ねぇねぇおじいさんが仲間になりたそうにこちらを見てるよ?」

勇者「へ?えっと…どういうことですか?」

老人「その子の大切な部分を開くためにワシが必要なんじゃ」ニヤニヤ

勇者「何ですかその…」

姫「女の子の秘密の部分だってー」

勇者「それって……無視して行くよ」

姫「もしかして分かったの?教えてよー?」

勇者「ダメです…おじいさんにもう目を合わせないでください…」

老人「あーあ、バレちゃったか…真面目に見えてそういうのも分かるとは…さすが勇者ってところかな」

勇者「ある程度情報が集まったな」

勇者「竜王の所へ行くために橋を架けないといけない事」

勇者「そして、とある石が城にある事」

勇者「十分な収穫だ」

姫「そっか、他に何か変わったことなかったのー?」

勇者「…いや、特には」

女「こんな所にいたのね!!」

勇者「げっ!?町を出るよ!!」グイッ

姫「えー?もうちょっとのんびりしようよー」

姫「それとあの追いかけてきてる人、だぁれ?」

姫「結局宿屋に泊まらなかったんだね」

勇者「面倒事に巻き込まれて町に居辛くなってね…」

姫「あーやっぱりあたしのいない間に何か面白い事あったんだー!ぶーぶー!!」

勇者「全然面白くないよ…」

勇者(いっそ姫と付き合ってるとか出まかせ言っておくべきだったか)

勇者(でも姫に迷惑かかるし…うーむ…)

姫「勇者くん勇者くん」クイクイ

勇者「ん?」

姫「これあげるから元気出してー?さっきおじいちゃんからもらっちゃったの」

勇者「なんだこのカギ束…いくつ付いてるんだ…」ズッシリ

賢者「お主が勇者である証を見せよ」

勇者「ありませんね」

賢者「愚か者が!証を見つけてから出直して来い!!」

姫「勇者くんは愚かじゃないもん!!」カッ ドガァァァァン!!

賢者「ひぃ!?」

姫「勇者くん馬鹿にしたら許さないよ!!」

勇者「そ、そこまでしなくていいだろ…」

姫「だってだってー!!」

賢者「は、早いところ出て行ってはくれないか…」

勇者「すみません…今すぐに…」グイ テクテク

姫「このやろーっ!!」ガキーン

犬人「ガ…」カチンコチン

勇者「えらい荒れてるな…」

姫「だってあの死にかけのゴミジジィ…おじいちゃんが馬鹿にするんだもん」

勇者「また物騒な言葉が…だからって魔法撃つ事ないだろう」

姫「でもー…」

勇者「俺の為に怒ってくれたのは嬉しいけど無茶はしないでくれ」

姫「うん…」

勇者「よし、次行くか」

姫「はいはーい!!」

勇者「はっ!!」ザクッ

サソリ「!?」ビクッビクッ

勇者「敵が多いな…」

姫「ホントだねー、回復呪文~」ポォォォ

勇者「ありがとう…しかし何故姫はそんなに呪文を使えるんだ?」

姫「先祖様が魔法使いだったんだってー」

姫「その先祖様にあたしすごく似てるとか言われたことあるかな」

勇者「そうだったのか」

勇者(こう言っちゃ何だが…その先祖の周囲の人間は振り回されたんだろうな…)

勇者(彼女と似てるならおそらくは…な)

姫「お水だー」

勇者「少し休む?」

姫「うんー」パチャパチャ

勇者「さっき話してた先祖の話他にないのか?」

姫「気になったの?うーん…」

姫「元々別の世界にいた魔法使いの女の子だったんだって」

姫「その子を王様が養子にしたとかなんとかかんとか」

勇者「マジか…」

姫「いたずら好きで色々大変だったって当時の兵士さんの日記に書いてあったよ」

勇者「それは安易に想像できるわ…やっぱりって感じだな…」

魔法使い「くらえ!!」ボワァァァ

勇者「くっ…」

勇者「高熱呪文のせいでなかなか近づけない…」

姫「そこであたしの出番だね!!それぇ!!」ドォォォォン!!

勇者「か、壁に穴が…しかも敵に当たってないし…」

魔法使い「…」コソコソ

姫「こらこら、敵前逃亡は死、あるのみだよ?」カッ

魔法使い「いやぁぁぁぁ!?」ゴォォォォ!!

勇者「そこまでするか…」

姫「敵を見たら死ぬ気で向かってくるのが当たり前でしょ?」

勇者「宝箱だ」

姫「壁にいっぱい穴開けたおかげであっさり進めたねー」

勇者「生き埋めにされるかと思った…」

姫「それよりお宝まだー?」

勇者「はいはい…」キィ-

姫「およ?首飾りだー」ヒョイ

勇者「いかにも呪われてますって感じの代物だな…これは置い…」

姫「呪い?」カチッ

パキーン ポロポロ…

勇者「言ってる傍からかけるか普通!?それより何で砕けた…」

姫「むぅ…」

勇者「まだスネてるのかい」

姫「だってー…首飾りに拒否されたら誰だってヘコんじゃうよ…」

勇者「あれだ、きっと姫の聖なる力が働いて…」

姫「くやしいよ!!もぉっ!!」ドガンドガン!!

勇者「こんな場所で暴れるんじゃない!!」

骨「ガタガタ…」ボテ…

勇者「何故か分からないが俺のレベルが上がっているんだが…」チャラララッチャッチャッチャー♪

姫「もう魔物全殺しにしないと落ち着かなーいっ!!」ドガン!!ガキーン!!ボゥン!!

勇者「また物騒な言葉を言ってるし…彼女は本当に一国の姫なのか…?」チャラララッチャッチャッチャー♪

勇者「町が…これはひどいな…」

勇者「竜王め!!よくもこんな大きな町を壊滅させやがって!!」グッ

姫「あー…前壊しちゃった町かぁ」

勇者「…今、何て?」

姫「えっとね、牢から逃げた時に何だか破壊衝動にかられたのでー」

姫「呪文でドラゴンになって魔物の気持ちになって破壊しました!!」

勇者「なっ…」

姫「あー、人はもう町に住んでいなかったよ」

姫「みんな逃げたかもう死んじゃってたみたいでー」

勇者「そ、そうか…心臓に悪い…」

勇者「すでに魔物に襲われていたのか」

姫「そうそう、だから壊したのです!!」ドーン

勇者「壊す意味は分からないが犠牲者出してないならいいよ…」

姫「それにね?この町もう水がなかったからいずれにせよ滅びただろうって」

姫「どこかでそういう話聞いたよ」

勇者「そうか…この町は滅ぶ運命だったのかもな」

魔騎士「む?人間がこんな所で何している!!」ブゥン

勇者「姫、危ない!!」ドンッ

姫「あぅっ」ドサッ

勇者「竜王の手先か?!」ガキィン!!

魔騎士「勇者か、ちょうどいい!!ここで死に絶えろ!!」ブゥン

勇者「死ぬのはお前だ」グッ

カァン!! ヒュンヒュン…ザクッ

魔騎士「オ、オレの斧が…」

勇者「終わりだ」シュバッ

魔騎士「グォォォ…つ、強すぎる…」ドシャ

勇者「力は普通以上についてるんだよ、姫のおかげでな」キン

姫「あんな強そうなの一撃ってすごーい!!」

勇者「大丈夫か?いきなり押してゴメンな」スッ

姫「んーん、かっこいい勇者くん見れたからいいよ!!」ガバッ

勇者「ん…何か地面に埋まってるな」ザクザク

姫「あ、そこさっき倒した鎧さん埋めたよ」

勇者「何でこんな所にわざわざ埋めたんだよ!?」

姫「一応生きてる者だったからお墓ということでー」

勇者「だからってこんな紛らわしい所に…あれ、布みたいなのも埋まってるな」ザクザク

姫「それはあたし知らないよ?」

勇者「何だ…水着?」ズルリ

姫「こ、これは昔勇者が着ていた伝説の鎧…水着だねっ!!」

勇者「そんなわけないだろう!!しかも言い直したな…」

姫「でもその勇者、女の人だったらしいよ?」

姫「早速装備するかい?」

勇者「何その口調…するわけないだろう」

勇者「サイズからして着れるわけがないし…」

姫「そっかーじゃあ一応伝説の鎧ってことで宝箱に入れて隠しとけってお城の兵士に渡しておくよー」

勇者「むしろ投げ捨ててもいい気がするけど…」

姫「今後勇者出てきた時、女の子なら着れるように残しててもいいじゃなーい」

勇者「嫌がらせか!?」

姫「にっへっへ、さぁ次行っちゃいましょー!!」テコテコ

勇者「誰にも見つからないと一番いいんだがな…」

勇者(それか今後の勇者が女でない事を祈るばかりだ…)

鳥「ケ-ッ!!」バッサバッサ

勇者「くそ…多いな…」ズバッ

鳥「ケケッ!!」ツンツンツン!!

勇者「いてっ…この!?」

姫「勇者くーん、この草食べれるー?」

勇者「せぇい!!やっと一匹倒したか!!」シュバッ

姫「くーさーっ!!」

勇者「高熱呪文で一掃するか…それともこのまま直接攻撃で潰していくか…」

姫「もういいもん!!食べてやる!!」シャクシャク

勇者「それは食べられるものじゃない!?もうちょっと空気読んで話してきてくれよ!!」

勇者「やっと全滅したか…はぁ…」

姫「おつかれさまー、はい草」

勇者「うん…これはちょっと苦味が利いてておいし…」シャクシャク

勇者「って、今度は俺に食わせるのかよ!?」ベターン

姫「勇者くんってノリツッコミもするんだねー」ケラケラ

勇者「姫のせいだよ…」

姫「ねーねー、これ食べれる?」ブチッ

勇者「…お腹すいたの?」

姫「何で分かったのー?すごーい!!」

勇者「そりゃいきなり聞いてくるからそれしかないよ…」

ゴーレム「…」

勇者「この石人形は…」

姫「あっ!!向こうに町が見えるよー」

勇者「城塞都市か、行ってみよう」トコトコ

ゴーレム「グゴゴ…」ブゥン

勇者「え…ぐはぁぁぁぁぁ!?」ズシャー

姫「ゆ、勇者くん?!このぉ!!」カッ ドォォォン!!

ゴーレム「ゴゴゴ…」フラ…ズシンズシン

姫「あ、あれ?効かない?他ならどうだぁ!!」ヒュゴォォォ!! カキーン!!

勇者「ひ…め…逃げ……」

姫「ウソ…なんで効かないのぉ!?」

ゴーレム「ゴッ」ブゥン

姫「あぐっ!!」ベターン ズリズリ…

勇者「姫…!?なんなんだこれは?!魔物じゃないし、何故襲ってくるんだ!?」

ゴーレム「ゴゴゴ…」ズシンズシン

勇者「何かは分からないが破壊するしかない!!」ジャキン ダッ

勇者「くらえ!!」シュバッ

ゴーレム「ゴゴ…」ビキ…

勇者「っ!!…硬いな…」

勇者「剣も魔法もほぼ効かない相手をどう倒せというんだ…」

勇者「くっ!!はぁはぁはぁ…」

ゴーレム「…」ズシンズシン

勇者「もう手の感覚がない…でもここで諦めるわけには!!」ヒュッ

バキィン!!

勇者「剣が折れた…ここまでか…」ガクッ

ゴーレム「…」ズシンズシン

~♪~~♪

ゴーレム「ゴ…」ピタリ

姫「適当に…笛吹いたら…当たりだったぁ…」カクリ

勇者「弱点見つけてくれてありがとう…このチャンス絶対に無駄にしない!!」グッ

姫「すぅすぅ…」

勇者「…」

宿屋の親父「大丈夫だ、そこまでひどい怪我じゃなかったよ」

勇者「すみません…助かりました」

宿屋の親父「それにしてもまさかあのゴーレムを素手で破壊するとはな…」

宿屋の親父「あれはこの都市を守っている機械人形だったんだ」

勇者「それを俺が破壊したということは…」

宿屋の親父「いいんじゃね?あれのせいで誰も外に出られなくて迷惑してたみたいだし」

勇者「内からも守ってどうするんだよ!?…いたた」

姫「うにうに…」Zzz

勇者「この扉の先に誰かいるみたいだが…」

勇者「どういう情報を得られるか分からないし行ってみるか」ガチャリ ギィィィ

勇者「ダメージ床か…でも通らないとダメなんだろうな」

勇者「ぐっ…意識が飛びそうだ…」バチッバチッ

??「あ…何やってるの?」フヨフヨ

勇者「はぁはぁ…誰…ですか…?」

勇者(この女性は誰だろう…浮いているし…)

??「対策もなしに突っ込んでくるなんてチャレンジャーだねぇ」

勇者「対策ってそんなのな…うぐ…」フラ…

??「もー!!勇者ってのは何でこうも無茶するのよ!!」ポワァァァ

??「それならダメージで死ぬことはないから歩いておいで」

勇者「何だこれ…足がわずかに浮いた…」フヨフヨ

??「昔あった呪文だけどこういう場所では便利よ」

勇者(何者だこの人は…)

??「さてさて…わざわざ頑張って来たようだし、いい情報を与えてあげよう」ボゥン

勇者「老人になった…」

??「うん、本当はこっちで会うつもりだったんだけど」

??「タイミング悪かったなぁ…失敗失敗」ボゥン

勇者「じゃあそっち(女性)が本来の姿ですか」

??「誰にもバラしちゃダメよ?面白おかしく人をからかって遊んでるんだから」シー

勇者「勇者の印ですか」

??「そうだよ、それがここから南の沼に転がってる」ポォォォ

??「はい!!治ったぁ!!」バシーン

勇者「いっ!?見知らぬ呪文を自在に扱えるあなたは何者なんですか…」

??「かなり昔、冒険者だったんだ」

勇者「その割には大分お若く見えますが…」

??「色々あって年取らなくなっちゃったのよ、へへ」

勇者「詳しくは聞かないほうがよさそうですね」

??「別に話してもいいけど面白くないよ?」

勇者「いえ、怪我まで治してもらった上にこれ以上迷惑はかけられませんので」

勇者「ありがとうございました、俺はこれで…」トコトコ

??「待ちな」

勇者「何ですか?」

??「あんたの相方の子にさ…」

勇者「彼女まで知ってるのですか…それで?」

??「いつか『また』抱きしめに行くって言っておいて」

勇者「『また』…?」

??「はっはっは、じゃあ頑張りなさいよ」フリフリ

勇者「は、はぁ…それでは」トコトコ

??「私はどこにでも現れるからね…あんたらのような子追いかけて」ニッ

おじさん「うちのじいさんは代々武器屋だったんだ」

勇者「その武器屋はどこに?」

おじさん「残念ながら町が魔物に襲われて壊滅しちまったんだ」

勇者「そうですか…」

おじさん「確か伝説の勇者の鎧とやらを所持していたらしいが…」

勇者(ア、アレか…という事はあの場所に武器屋があったってことなんだろうな)

おじさん「ポカパマズじいさん生きてればよかったんだけどなぁ…」

勇者「ポカ…?すごい名前ですね…」

おじさん「何でも昔、ひぃじいさんが勇者一行に聞いた名前の案を採用したとか」

勇者「俺の先祖達は何を考えてそんな名前を口走ったのやら…」

勇者「姫、起きてたのか」

姫「…」ジー

勇者「どうした?」

姫「お兄ちゃんだぁれ?」

勇者「はい?」

姫「うーん、勇者ちゃんどこだろう?」キョロキョロ

勇者「勇者ちゃん?ど、どうしたんだ?」

勇者「頭を打ってたようだから記憶がちょっと混乱しているのだろうか…」

勇者「俺の事が認識されてないみたいだし、勇者ちゃんって誰だよ…」

姫「勇者ちゃんどこー?」

神父「これは呪いではありませんね」

勇者「だとするとやはり頭を打ったせいで…」

神父「でしょうな…しばらく様子を見られてはいかがだろうか?」

勇者「そうします…ありがとうございました」ペコリ

神父「いえいえ、旅先お気をつけて」テクテク

勇者「はぁ…どうすりゃいいんだよ…」

勇者「いくつか質問したけど全然一致する話題がないんだよな…」

勇者「まるで別人になったかのように…しかも元より大分幼くなってる」

姫「お話終わった?」

勇者「うおっ!?いきなりでびっくりした…うん、終わったよ」

姫「お兄ちゃん、勇者ちゃんどこ行ったか知らない?」

勇者「その人はどんな人なんだい?」

勇者(別人だとして、彼女の持ってる情報を聞き出してみるか)

勇者(何か分かる事があるかもしれない)

姫「えとねえとね…かっこかわいい!!」

勇者「どっちもってことでいいんだね…他にはないかい?」

姫「優しくてツッコミ上手で悪い事が許せなくてー」

姫「いい人だよ、『勇者』だしーっ!!」

勇者「勇者…?」

勇者(どういうことだ?勇者は他にも存在しているというのか?)

勇者「その人以外に知ってる人いないかい?」

姫「いたよー、壁でも扉でもバッキンバッキン壊しちゃう戦士くんとかー」

勇者「壁…?」

勇者(そういえば姫も壁を破壊していたが…おそらく関係はないだろうな)

姫「何でも面白い事が好きな賢者ちゃんもー」

勇者「面白い事…」

勇者(ほんのちょっと前にそういう事言う人いたような…)

姫「でもみんなどこ行っちゃったんだろ?探してこよっかな」テコテコ

勇者「ちょ…待ってくれ!!俺も一緒に探してあげるから!!」

姫「ホント?やたー!!一人だとつまんないもんねっ」

勇者「いつもどこにいたか分かる?」

姫「えとねー…色々!!」

勇者「どこだよ…お城は?」

姫「うんうん!!お城にも遊びに行ってたよ!!」

勇者「じゃあ行ってみようか」

勇者「ちょっと変装させないとやばいか…仕方ない…」

勇者「このローブ着てくれないかな?」

姫「いつも着てたやつにそっくりだー、着るー」ゴソゴソ

勇者「こ、こんな所で着替えるのはやめてくれよ…」

勇者(精神年齢は明らかに落ちているが、肉体は姫のままだし…)

勇者「ここは覚えてるかい?」

姫「もちろんだよー、だってここで勇者ちゃんが王様と一緒にいなさいって」

勇者「え?」

姫「それからどこか行っちゃって、会いに来てくれなくなったの…」

姫「だからね、ずっと探してたんだぁ」

勇者「それって…」

??「お?少年、何でまたこんな所にいるんだい?」

勇者「あなたは…すいませんがちょっとお話する暇では…」

??「やぁお嬢ちゃん、いつ見てもかわいいねぇ」

姫「あ!!賢者ちゃんだ!!」

勇者「もしかしてこの人が知ってる人の一人かい?」

姫「うん!!」

??「ちょ…私をその名前で呼ぶ子がこんな所にいるわけないんだけど…」

勇者「え?知り合いなんですよね?」

??「その子自体は全然知らない」

勇者「ど、どういうことですか…?」

??「まずその子の事を聞かせなさい、話はそれから」

勇者「そういえば知ってるんでしたっけ?彼女を」

勇者「ちょっと強く頭を打ってしまいまして…」

??「それからこんな風に変わったって?」

??「どうしてこうなったかは分からないけどさ…」

??「この子の今の人格の本人がいるわけないのよ」

勇者「人格の方は知ってる子なんですか?」

??「そりゃ一緒に冒険してたし…」

姫「あれー?何でわたし賢者ちゃんと同じぐらい大きいんだろ??」ピョコピョコ

??「どうしてあんたこんなになってんのよ…」ナデナデ

??「この子がここにいるはずないんだよ」

勇者「何故です?」

??「もうこの子はすでに亡くなってんだよ…数百年も前にね」

勇者「すうひゃく…ねん…?」

??「わたしゃ死なない体になっててね、ずっとこの世界に居続けてんだ」

??「昔、ありえない事ばかりしてきたからその代償なのかね…」

??「その当時、仲間がいた」

勇者「勇者の仲間だったのですよね?さっき聞きました」

??「そうだよ、すごくかわいい子だった」

??「あの子によく懐いてたんだよねこの子は」

??「でも突然姿を消した…どんなに探しても見つからなかった」

勇者「でも装備とかは残されてたようですけど…」

??「あぁ、全部持って消えたみたいだから私が適当に用意してでっちあげたのさ」

勇者「偽物だったのかよ!?道理でおかしいと思ったわ!!」

??「結局のところ…亡くなるまで何を考えていたかは分からない」

??「ただ勇者…あの子にまた会いたかったんでしょ」

勇者「それだけ懐いてたらきっとそうでしょうね」

??「その想いがずっと子孫に残されて当時のあの子の人格を生んだのかもね」

勇者「そうですか…でもこのままというのは…」

??「もちろんダメさ、そこであんたの力が必要だ」

勇者「俺ですか?姫のためもあるから手伝いますが…」

??「そう?んじゃあの子抱きしめてきなさい」

勇者「はぁ!?さすがにそれは…」

??「子孫とはいえ、あんただって『勇者ちゃん』なんだから頼むよ」

勇者「どうにでもなれ!!」グイッ

姫「?どうしたのお兄ちゃん?あれ…」

勇者「…『あたし』はここにいるよ」

勇者(声が勝手に…なんだこれ…)

姫「勇者…ちゃん?ホントに勇者ちゃんなの?」

勇者「突然いなくなってごめんね、もうどこにも行かないから」ギュウ

姫「勇者ちゃぁぁぁぁん…」ポロポロポロ

勇者(まったく感覚がないんだが…もしかして俺の肉体もその当時の勇者に…?)

勇者「ほら、一緒に帰ろう?みんな待ってるよ」

姫「うん…うんっ!!」ホワァァァァ…

勇者「…はっ」

姫「…」グタ…

勇者「あれで彼女達は再び会えたわけか」

??「おつかれさん」

勇者「これでよかったのですか?」

??「うん、やっぱりあんたも彼女の想いを受け継いでたか」

勇者「あなたはこれからどうするのです?」

??「私はこのままさ、いつかみんなの元へ還れたらいいんだけどねぇ…」

勇者「そうですか」

勇者(ずっと死なずに百年以上を生き続けて…一番辛い思いをしているのはこの人なのかもしれない…)

姫「んん…」

勇者「おはよう、姫」

姫「あれ?勇者くん…なんだかすごく長い間寝てた気がしたんだけどぉ」

勇者「まぁ二日は寝てたからね」

姫「えー?無駄な時間過ごしちゃったのぉ!?」

勇者(俺は過去の事が少し知れて無駄とは思わなかったけど)

姫「そういえばあの石人形はどうなったの?」

勇者「俺が破壊したよ」

姫「さすが勇者くん!!あれぇ?でも武器壊れたんじゃなかった??」

勇者「素手でね…今思い出したら痛くなってきた…」ズキズキ

姫「ふわぁ…お店がいっぱいだねぇ」

勇者「一人でここには来なかったのか?」

姫「こんな辺鄙なところに町あるの知らなかったしー」

勇者「辺鄙ってひどいな…城塞都市なのに…」

姫「掘り出し物探そうよー?」グイグイ

勇者「うわ…そんな慌てなくても…」

姫「いいものなくなっちゃうかもしれないじゃーん!!」

勇者「まったく…」

勇者(先祖様もこんな風に旅を楽しんでいたのだろうか?)

勇者(いや…今も『あちら』で楽しんでるのだろう)

勇者「ここに勇者の印があるのか…」

姫「印ってなーに?」

勇者「前に印持ってこいって言われてただろう?」

姫「…あのムカツク死にぞこないジジィのところねぇ」ギチギチ

勇者「もはや修正する気もないんだな…」

勇者「毒沼だが踏み込まない限り探せないよな」ジャブ

姫「泥んこじゃないのこれ?」

勇者「いやいや…こんな毒々しい色した泥はないと思うけど…」

姫「これがなくなっちゃえばいいわけだね?ちょっと沼から出てー」シュゴォォォ

勇者「何する気だ!?おい!!」ジャバジャバ!!

姫「液体なら蒸発させればいいじゃなーい!!」バシュゥゥゥ!!

勇者「そんな簡単に……干上がった…」

姫「これで毒に苦しむことなく探せるね♪」

勇者「キミの扱いには苦しむけどね…」

姫「にゃにおー!!」

姫「あ、これが印ってやつじゃないかな?」ヒョイ

勇者「見事なまでに黒焦げてるな」

姫「一緒に焼いちゃったみたいねっ」

勇者「知っててやっただろう…」

姫「おーほっほっほ…見つかればいいのですよ!!」

姫「あ、お城に戻ってきちゃったね」

勇者「ちょうど用事あったからそのまま寄るかな」

姫「あたし入りたくないー」

勇者「じゃあ待ってて」トコトコ

姫「むー」

姫「入りたいけどおっさんに見つかるだろうしなぁ…」

姫「見つからずに勇者くんについていく方法はぁ…むっ!!」

姫「誰にも見えなかったらいいんだよ!!そうだそうだ!!」

姫「透明化呪文ー」スゥー

姫(これでしゃべらずにいればバレないよね…にししっ)

勇者「とある石がここのどこかにあるはずなんだが…」

兵士「お?勇者じゃないか」

勇者「壁の修理ですか?」

兵士「おうよ、誰がやったか分からねぇがいきなり爆発したらしくてな」

兵士「お前が出たときとほぼ同時ぐらいじゃなかったかな」

勇者「だだ、誰がやったのでしょうね…」

兵士「さぁな、爆発してからは何もないから国王様狙ったわけでもなさそうだぜ」

兵士「不思議な事もあるもんだ」

勇者「そ、それじゃあ俺はこれで…」

勇者(姫がやったなんて誰が言えるっていうんだよ…)

勇者「裏の方だろうか」

勇者「ここの扉開けた事ないな…こっちで合ってそうだな」

キィィィ…

勇者「え…勝手に開いたんだけど…誰かいるのか?」キョロキョロ

勇者「あの…この扉開けましたか?」

兵士「ん?いいや、今この辺に来たところだぜ」

勇者「じゃあ何だったんだ今のは…」

兵士「うおっ」ドサッ

兵士「っつー…なんで俺転んだんだ…?」

勇者「さぁ?足元に何もありませんでしたよね…」

勇者「若い恋人同士か…」

勇者「俺もそういう相手ほしいな…」

勇者「でも今は竜王を倒す事だけを考えないといけない!!」

勇者「…ん?俺の肩を誰かが触ったような…」

勇者「早く行けと背中を押しているみたいな…」

勇者「本当にここは変な事がよく起こるな」

勇者「今度、誰かにここで何かあったか聞いてみるか」

勇者「霊的なものだったら姫が家に帰らなくなりそうだな」プッ クスクス

勇者「いてっ…何か頭を殴られたみたいな…」コツン キョロキョロ

勇者「なんか怖いな…早く例の石を探そう」トコトコ

 [姫VIEW]

姫(勇者くんー後ろで見守ってるよー)

勇者「…」トコトコ

兵士「お?勇者じゃないか」

勇者「壁の修理ですか」

兵士「おうよ、誰がやったか分からねぇがいきなり爆発したらしくてな」

姫(あたしが前壊したところだー)

兵士「お前が出たときとほぼ同時ぐらいじゃなかったかな」

勇者「だだ、誰がやったのでしょうね…」

姫(知ってるくせにー誤魔化さないでもいいのになぁ)クスクス

勇者「ここの扉開けた事ないな…こっちで合ってそうだな」

姫(ここって普通に人とかいるのにいつも鍵かかってるよね)

姫(おっさんのせいかな?適当にお城建てたせいだ、勇者くんめんどくさそうじゃないか!!)プンスコ

姫(そうだ!!びっくりさせちゃおっ)

姫(タイミング見計らってー…開錠呪文!!)カチャリ キィィィ…

勇者「え…勝手に開いたんだけど…誰かいるのか?」キョロキョロ

姫(ここにいるよー、勇者くーん!!)フリフリ

勇者「あの…この扉開けましたか?」

兵士「ん?いいや、今この辺に来たところだぜ」

勇者「じゃあ何だったんだ今のは…」

姫(あ、兵士さんとお話してる)

姫(あたしを置いておきながら自分は会話を楽しむなんてぇぇぇ…)

姫(こうしてやる!!)ガッ

兵士「うおっ」ドサッ

兵士「っつー…なんで俺転んだんだ…?」

勇者「さぁ?足元に何もありませんでしたよね…」

姫(ほら!!そんな人放っておいて早く早くっ!!)

勇者「とりあえず俺は行きますね」トコトコ

姫(やった!早く用事終わらせてあたしのところに戻ってきてね♪)

姫(なーんてずっと後ろにいるんだけどね♪)

勇者「若い恋人同士か…」

勇者「俺もそういう相手ほしいな…」

姫(あ、やっぱり真面目な勇者くんでもそういう事思うんだ?)

勇者「でも今は竜王を倒す事だけを考えないといけない!!」

姫(大丈夫だよ、心配しなくても…ね?)ポンポン

勇者「…ん?俺の肩を誰かが触ったような…」

姫(やば、つい触っちゃった…)

勇者「早く行けと背中を押しているみたいな…」

姫(ちっがーうっ!!いやぁ…違うこともないかな)

姫(えへへ)

勇者「今度、誰かにここで何かあったか聞いてみるか」

姫(聞いても無駄だよん♪)

勇者「霊的なものだったら姫が家に帰らなくなりそうだな」プッ クスクス

姫(むーっ!!勇者くんのいじわるっ!!)コツン

勇者「いてっ…何か頭を殴られたみたいな…」キョロキョロ

姫(つーんだっ!!)

勇者「なんか怖いな…早く例の石を探そう」トコトコ

姫「…」スゥッ

姫「ずっと思ってたけど勇者くんって『昔』と変わらないなぁ」

姫「早く元の場所戻ろうっと」テコテコ

勇者「おまたせ」

姫「つーん」

勇者「何で怒ってるの?放って行ったから?」

姫「いいからほら、いこっ」ギュッ

勇者「ちょ…なんでそんなに密着するの…」

姫「探しものは見つかった?」

勇者「うん、これだよ」スッ

姫「へぇ、これが…ねっ!!」ブンッ

勇者「おいぃぃぃぃ!?何で投げた?!」

姫「投げたら良く飛びそうだなぁって思って」ペロ

勇者「やっと見つけたわ…」

姫「ごめんねー」ニコニコ

勇者「さっき怒ってると思ったらもう笑顔だし…」

勇者「あんまりいたずらはしないでくれよ…」

姫「反応が面白くてついー」

勇者「まったく…えっと次は…」

姫「クソジジィのところ?」

勇者「そうだったね」

勇者「今度は暴れないでくれよ…?」

姫「『多分』大丈夫だと思うよー」

勇者「これが勇者の印です」

賢者「ふむ…少々焦げておるが本物のようじゃな」

賢者「よろしい、杖と石を祭壇にささげよ」

姫「何でそんなにえらそうなの?最初馬鹿にしてたくせにー」

賢者「!?つ、杖と石を祭壇にかかげてくだされ…お願いします…」

勇者「やめてやって…もう気にしてないから…」

姫「だってー…」

勇者「すみません何度も…」

賢者「ワ、ワシも悪かったから祭壇に…」

勇者「はい…うっ…」ピカァァァァァ

勇者「これは…」

賢者「それを使えば竜王の所へ橋を架けることができるのじゃ」

勇者「分かりました、行ってきます」

賢者「世界はお主にかかっておる、頑張るんじゃぞ」

姫「…」ジー

賢者「ま、まだ何か…?」ビクビク

姫「そのアイテム渡すためにおじいさんはずーっとここにいたの?」

賢者「まぁ…そうじゃな、大切な物だからの」

姫「ふーん…お疲れ様でしたっ」ペコリ

勇者(なんだかんだで人には優しいんだな)

勇者「この辺りがいいんだったかな」スッ

姫「それ使うの?」

勇者「コイツで道ができるらしい」

パァァァァァ シュゥゥゥゥン

姫「わぁぁぁ…虹色の橋…じゃない…」

勇者「虹色には光ったけど普通の橋だな…」

姫「詐欺だ!!誇大広告だ!!大ウソツキだ!!」

勇者「もしかして期待してたんだな」

姫「もしかしなくてもメルヘン期待してたよ?!きぃぃぃ!!」

勇者「世の中そんなに甘くないってことかな…」

勇者「通りに沼か」

姫「これはまたあたしがやらねば!!」シュゴォォォ

勇者「うおっ!?またか!!」

姫「ほーら、これで通れるでしょ?」

勇者「いや…助かるけど…」

姫「じゃあ行っちゃおう!!」

勇者「ここから先はもう冗談じゃすまない」

勇者「帰れとは言わないが場合によっては相手にしてあげなくなる」

姫「分かったよー本気出せばいいんだね?」

勇者「え?う、うん…なんだか嫌な予感するけど…」

姫「うーわー、なんだか気持ち悪いところだなぁ」

勇者「行くぞ…」

姫「待って、ここ空けよう」カッ

ドガァァァァァァン!!

勇者「ばっ?!」ダッ

姫「えぇっ!?何で逃げるのぉ!!道できたよぉ!!」

勇者「こんな音立てたら魔物に気付かれるって…!!」

姫「あー…」ポン

勇者「そこで今気づきましたみたいな顔するの!?」

姫「逃げなくても全部倒しちゃうのになぁ」パチパチパチ

勇者「本当に置いてきてしまった…」

勇者「大丈夫だろうか…?」

勇者「いや、あれだけ呪文を扱えるんだ…なんとかすると思いたい…」

勇者「竜王は妻にするため監禁していたわけだ」

勇者「こっちが不利になることはあってもいきなり殺すのはないだろう」

勇者「行こう」コツコツ

勇者「おそらく鍛えるのも限界までやったことだし…」

勇者「竜王…お前は絶対倒してみせる!!」

竜王「…」ブツブツ

勇者「…え?」

竜王「何が妻だ…逃げられてるじゃないか…ぶつぶつ」

勇者(咄嗟に隠れてしまったが…)

竜王「世界さえ手に入ればどうでもいいのに…」

勇者(これが…竜王?)

竜王「バカ部下が変に気を回しおって…」

勇者(勇者としてあまりよろしくないかもしれないが不意打ちで倒すか…)チャッ

魔物「竜王様、まーたこんな所を散歩して…」

勇者(ちっ…邪魔が入ったか…)

竜王「いいじゃないか、暇なんだし」

魔物「まったく…それより報告します、姫を城内で確保しました」

勇者(な…姫が…そんなばかな…)

竜王「もうここまで?」

魔物「はい、呪文を使い暴れておりましたが数で押し切りました」

竜王「数で押さないといけないほど姫はそこまでやばかったのか?」

魔物「やばいというか…単純と言うか…」

竜王「ふーん、とりあえず最下層まで連れてきてくれ」

勇者(前しか見てなかったのか…バカ…)

竜王「それでは私は戻ってる」

魔物「はっ」

勇者(どうして俺は彼女を放って行ったのだろうか…)

勇者「どけぇ!!」ザクッ

魔物「ギャァァァス!!」ドシャッ

勇者「っざけんなよぉぉぉ!!」バシュッ

ドラゴン「ゴ…」ドサッ

勇者(俺の責任だ…最後まで傍にいるべきだった)

勇者(いつもの調子で良かったんじゃないのか?)

勇者(無茶苦茶するけど、今まで戦い中に邪魔する事はなかった)

勇者「だから!!俺は!!彼女に何かあっては困るんだ!!」

勇者「人に頼まれたからとかじゃない!!」

勇者「これは俺の本音だ!!」ダッ

勇者「道を間違ったか…」

勇者「宝箱には何が…」ギィィィ

勇者「これは…剣?伝説の勇者の所持してたやつか?」

勇者「本物の装備は勇者ごと消えたんじゃなかったか…?」

勇者「または本人がここに隠したか…」

勇者「まぁいいか、使わせてもら…重っ!?」ズッシリ

勇者「まてまて!!こんなの振り回せないぞ!?」グググ…

勇者「どこのバケモノがこんなの使ってたんだよ?!ちくしょう!!」グーッ!!

勇者「でも…これはこれで使えるかもしれないな…」

勇者「普段は自分の剣でやるしかないか」ズリズリ…

勇者「雰囲気が変わった…最下層か」

勇者「姫…待ってろよ!!」

姫「呼んだ?」

勇者「いや、呼んでない…」テクテク

姫「でも聞こえたんだけどなー?」

勇者「空耳です…竜王はどこだ…」テクテク

姫「竜王?こっちだよこっちー」テコテコ

勇者「…」

姫「ほら、この扉の向こう側だよー」ガチャ

勇者「そうか…ありがとう」グイッ バターン!!

勇者「この奥だろうか…」テクテク

姫『あれぇ?何で閉じ込められたのー?あーけーてーっ!!』ドンドンドン

勇者「無視だ…無視…」

勇者「あれだけ心配させておいて…もう相手にしない…」

姫『もぉぉぉ!!壊しちゃうもんね!!』

ドガァァァァァァァン!!

勇者「ぐはぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」ベシャ

姫「ふぅ、出れた出れたっと…おりょ?」

姫「勇者くん大丈夫?回復回復っ」メラメラ シュゴォォォ

勇者「あじゃぁぁぁぁぁ!??!!」ゴロゴロゴロー!!

姫「どうしたの?まだ治ってないよ?」バチバチバチ

勇者「な…何があった…」

姫「ほら動かないでー、傷治しちゃうんだから!!」バシューン

勇者「つぅお!!言ってることとやってることが違うぞ?!」サッ

姫「治療治療♪」ヒョォォォ

勇者「どうやらマジのようだな…」シャキ

姫「剣出してどうしたの?怪我は?」

勇者「もうそれどころじゃないんだよ!!」ヒュッ

姫「わっ!!何するのっ!!」プンプン

勇者「…お前は誰だ?」

姫「姫だよ?ホントにどうしたの?」

勇者「俺の知っている姫は俺を傷つける事などしない!!」

姫「治そうとしてたじゃなーい、だからこっちきて?怪我治そ?」ビキビキビキ

勇者「そんなもの受けたら俺が死ぬ」グッ

勇者「じゃなくて!!もうバレバレなんだよ」

勇者「彼女は単純バカだけど俺のためにする事は何の間違いもなかった」

勇者「何故俺にここまでしてくれたかは俺の頭脳じゃ分かりはしない」

勇者「だが偽者なのはよく分かる!!」

姫「本物だって!!もー疑り深いんだからぁ」

勇者「いい加減にしろよ!?」シュッ

姫「うわっ!?」ドテッ

勇者「惑わそうとしても無駄だ…これで終わりだ」ス…

姫「うーん…偽者だって言うなら仕方ないよね!!」バッ!!

勇者「!?うおぉぉぉ!!」ズッ

姫「うぐっ!!」ズブッ

勇者「何かされる前にやれたか…?」

姫「だから…何も…しないって…」ニコ

勇者「もうその顔を見せるんじゃねぇ!!」グッ!!

姫「あっ…は…ぐ…」ガクッ

勇者「これだけやれば死ぬだろう…」ズル…トコトコ

勇者「くそ…胸糞悪い事させやがって…」

勇者「竜王!!どこだ!!貴様だけは許さないぞ!!」ダッ

竜王「こっちだ、勇者よ」

勇者「そこかっ!!」

勇者「…お前が竜王か」

竜王「よく来たな、ワシの用意した余興は楽しんでいただけたかな?」

勇者「あぁ、最悪だったよ!!」

竜王「ふふ、そうか…」

竜王「勇者よ、ワシと手を組まないか?」

勇者「なに?」

竜王「お前が手を組むと言うなら、世界の半分をくれてやろう」

竜王「造るなり壊すなり自由にするといい」

勇者「…」

竜王「どうだ?これだけ良い条件はないぞ」

勇者「断る…」

勇者「そんな事に耳を貸す俺ではないんだ!!」シャキ

竜王「そうか、残念だ…ここで消し去ってくれよう」ゴゴゴ…

竜王「姫と仲良くここを墓場とするがいい」

勇者「そうだ!!姫はどこへ?!」

竜王「もう手遅れだ」ニヤリ

勇者「貴様…まさかもう…」

竜王「ふ、まだ気付いておらんのか?」

勇者「何の事だ?」

竜王「くっくっく…お前は勇者失格だな」

竜王「モノの区別も付かないとはな!!」

勇者「だから言ってる意味が分からないんだよ!?」

竜王「じゃあ言うてやる」

竜王「さっきお前は『何』を倒した?」

勇者「は…お前が作り出した幻か何かだろ?」

竜王「あれは姫本人だ、少々手は加えたがな」

カラーン

勇者「ぇ…?」

竜王「考えた行動とは裏腹にお前を攻撃する呪いをかけておいた」

竜王「本人もそんな事している自覚はなかったろう」

勇者「そんなのに騙される俺ではない!!俺を混乱させるためなんだろ?!」

竜王「それでもかまわないがな…お前が絶望するかしないかだけだ」

勇者「もっともらしいこと言うんじゃねぇよ!!」

竜王「わざわざ面白い余興としてやったのに信じぬとはつまらん」

竜王「さっさと死ぬがいい」ボワッ

勇者「うわぁ!!…お前だけはこの手で倒してみせる!!」ガシッ

勇者「そこだ!!」バシュッ

竜王「ぐっ…お前はかわいそうなヤツだ」

竜王「生きても死んでも絶望しか待っていないとはな」

勇者「貴様にそんな事言われる筋合いはない!!」シュッ

竜王「ぐふぅ……くく…はははっ!!」

竜王「ワシをここまで追い詰めたな…そろそろ本気で挑んでやろうではないか!!」メキメキメキ

勇者「姿が…」

竜王「グウオォォォォォォォォ!!」ビリビリビリビリ!!

勇者「これが竜王の真の姿か?!」

竜王「骨一つ残さず焼き尽くしてやろう!!」

ドラゴン「お待ちください!!」ドシーン

竜王「む…貴様は牢の守をしていたドラゴンか」

勇者「洞窟の所にいたヤツか」

ドラゴン「勇者、あなたに届けに来たものがあります」スッ

姫「はぁ…はぁ…」

勇者「な…姫……」

竜王「まだ死んでおらんかったか…まぁよい、これでワシの話が真実と分かったであろう」

勇者「本当に…俺が刺した姫は…」

竜王「本物よ!!はーっはっはっは!!」

勇者「そんな事って!?」ガクッ

竜王「そう!!その絶望する顔が見たかったのよ!!」

竜王「さぁ、二人仲良く炭にしてやろう」ボボボ…

勇者「させるかぁ!!」ダッ

ドラゴン「ダメです!!」ガシッ

勇者「何をする!!離せ!?」ググ…

ドラゴン「これは命令です」

勇者「竜王の…か…」グググ…

姫「あたしの…だよ…」グッ

勇者「何!?」

姫「ちょうど…ここに来たから…お願いしちゃった…」

竜王「ヒュ~…」ボォッ

勇者「くるっ!?」

姫「大丈夫だよ…あんなの止めてみせるんだから…」

姫「最後ぐらいかっこよく終わらせてよ?」ニコ

勇者「何する気だ!?やめろ!!」

姫「ばいばい…自爆呪文」カッ


ドゴォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!


勇者「ひめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

パラ…パラパラパラ……

竜王「ぐ…は…ははっ!!その程度か?!」

勇者「姫…」

竜王「今度こそ食らわせてやろう!!ふぅぅぅ…」ボボボ

勇者「俺のせいで…こんな事に…」ドン!! 

勇者「いつも笑顔で明るくて…」

勇者「俺のようなヤツにずっとついてきていた…」

勇者「何で俺なんだよ…」

勇者「何でだよぉっ!!」カッ

竜王「死ねぇ!!」ゴォォォォォォォ!!

勇者(…何かが頭に流れてきた)

 『約束したからねっ!!』

勇者(あの言葉は誰の言葉だっただろう)

 『絶対絶対強くなるから!!』

勇者(いつの事だったか…懐かしいな…)

 『イヤと言っても絶対ついていくもんね!!』

 『一緒に旅するんだもん!!』

勇者(そうだ、あれは…あの約束は…)




 『姫との約束だよ、勇者くん!!』

竜王「燃え尽きたか…なかなか楽しませてもらった」

竜王「これでこの世界は我のモノ…」

シュゥゥゥゥ…

勇者「…」

竜王「何!?あれを食らって生きているだと…」

ドラゴン「生きている…」

勇者「何で忘れていたんだろうな…」シャキ

勇者「約束したから…俺についてきてたんだな…」

竜王「何をわけの分からぬことを!!」シャッ

勇者「でも…それを貴様が壊した!!」ガキィン!!

竜王「ぬぅ…やっと戦う目になったか」

勇者「お前だけは許せない…」

勇者「俺の大切な人を死なせたから!!」

ドラゴン「…」ピクッ

竜王「かたき討ちか?できるものならやってみるがいい」ゴォォォォォォ!!

勇者「そんなの効くかぁ!!」ブワッ!!

竜王「剣圧で火炎を消し飛ばしただと?!」

勇者「うおぉぉぉぉぉ!!」ズバッ

竜王「ぐあぁぁぁぁ!?」

勇者「まだだ!!」キッ

ドラゴン「まぁ待ってよ」グイッ

勇者「!?何をする!!」

ドラゴン「さっきすごい事聞いちゃった」

勇者「…ん?なんか別人になってないか?」

ドラゴン「さっきさ、大切な人って言ったよね?ね?」

勇者「え、あぁ…俺は姫が…」

ドラゴン「うんうんっ!!」

勇者「ちょ…待て待て!!お前まさかとは思うが…」

竜王「くっ…そのドラゴン…姫だな」

ドラゴン「ありゃー、バレちゃったぁ」ボゥン

勇者「どどどどういうこと…?」

姫「えとね、死にかけてるとこにドラゴンさんが来てくれたのね」

姫「なんだか変わった葉っぱを飲ませてもらったら復活しちゃったの」

姫「その後、変身して入れ替わろうとドラゴンさん言うものだから替わったのね」

姫「そしたらその後にドラゴンさん言ったの…」

姫「『一度生かされた命、あなたのために使いましょう』って…」グス

勇者「それで自爆呪文で竜王倒そうとしたのか」

姫「ずっと我慢してたの…かっこよかった…」ポロポロ

勇者「あぁ…アイツは最高にかっこよかったよ」

姫「ありがとう…ドラゴンさん!!」ペコリ

竜王「えっと…そろそろよいか?」

姫「まだ話終わってないから待って?!」

竜王「むぅ…」

勇者「完全に姫のターンだな…」

姫「さっきのだよ!!さっきの!!」

勇者「さっきって?」

姫「た・い・せ・つ・な・ひ・とって言ったじゃん!?」

勇者「げ…いや、あれは勢いというか…もういない人だったからこそと言うか…」

姫「じゃああたしの事どうでもいいの?」

勇者「それ以前に今大事な時だから!!空気読んでくれよ?!」

姫「こっちだって大事な事聞いてるんだよ!!」

勇者「こっちは世界がかかってるんだって!!」

姫「世界なんか知ったことかぁぁぁぁぁぁ!!!!」ガオーン

勇者「ちょ…」

竜王「ワシ、どうしたらいいんだろうか…」

姫「世界なんかより勇者くんが大事だよ!!」

勇者「いやいや…世界がなくなったらそれどころじゃ…」

竜王「おい勇者、今さらっと告白のようなこと言われたぞ」

勇者「え?」

竜王「鈍いにもほどがあるだろ!?」

勇者「何で俺なんだ?」

姫「だって…んー…」

勇者「俺は特に何もしてないんだが」

姫「何も覚えてないの…?」

勇者「いや…約束の事は思い出した」

姫「思い出したんだね!?やった!!」

勇者「だからこの旅についてきてたんだよな?」

姫「そうだよ、イヤと言われてもついてくるって言ったもんね!!」

勇者「うん…そうだったな」

竜王(いつになったらコレ、終わるんだろうか?)

姫「も~、さっき大切な人って言ったよね?」

姫「これってあたしが好きだってことだよね?ね?」

勇者「う~…そうだよ!!好きになったんだ!!悪いか!?」

姫「えへへ…悪くないよ…」ピト

竜王「…もうよいか?」

姫「いいよー」

勇者「またせたな…今度こそ決着をつけようか!!」チャッ

竜王「いつまで強がっていられるかな?」

勇者「最後までだ!!…姫、離れてくれないか?」

姫「やだよーもう離れたくないもん」

竜王「また待ったほうがよいか?」ハァ

勇者「いや…かまわない!!」ヒョイ

姫「わっ…お姫様抱っこだー!!」

竜王「それは貴様が死ぬ時は道連れになるのだがよいのか?」

勇者「大丈夫だ、姫には指一本触れさせやしないからな!!」

姫「きゃーかっこいいー!!」

竜王「ふざけおって!!しねぇ!!」ブゥン

勇者「ふっ」サッ

姫「空振ってるぅかっこわるーい」ベロベロベー

竜王「ぐっ…イライラさせおる…」

勇者「くらえ!!」シュバッ

竜王「く…その程度まだ大した事ないわ!!」ボォォォ

姫「竜巻呪文!!」ヒョォォォ

竜王「火炎が逸らされただと!?」

勇者「姫、ありがとう!!」ダッ

姫「へへ」

勇者「せいや!!」バシュ

竜王「ぐぁぁぁ…なんだこやつら…」

姫「勇者と姫様だ!!」

勇者「いや、そんなの聞いてないから…」

竜王「ならばこれで終わらせようぞ…ふぅぅぅ…」ボボボ…

勇者「くるか!?」バッ

姫「火炎出される前にやっつけちゃう?」

勇者「間に合わないだろ…何かいい手はないか?」

姫「んーじゃあ最後の手段使うかぁ…あ、降りるね」シュタ

勇者「最後の手段?」

姫「えっとね、チート」バチバチバチ

勇者「チートって何…その魔力の塊なんだ!?」

姫「きっとこれなら倒せるよ」バチバチバチ

姫「竜王覚悟ー、略してMDNT!!」ゴバッ

竜王「!?」ズズズズズ…

竜王「かはっ…何だこれは…潰される…」ベキベキベキ…

勇者「それでもまだ死なないのか…」

姫「ふんばってるみたいから竜王攻撃してみたら?」

勇者「攻撃と言われても普通にやるだけじゃ…あっ!!」

勇者「これが…あった…!!」ズシッ

姫「うわー重そうだぁ」

勇者「実際…重いんだよ!!これで一撃…決めてくる…!!」

竜王「くっ…ははは…お前こそ潰されそうではないか…!!」

勇者「だまれ…」ググ…

勇者「いくぞ…うおぉぉぉぉぉ!!」ダッ

竜王「動けぬ……ふっ、ワシが負けるとはな…」

竜王「だがまたお前達人間は繰り返す事になるのだ!!」

勇者「その時はその時だ!せいっ!!」ブォン

ズバッ!!

竜王「くはっ…がぁぁぁぁぁぁぁ」メキメキメキ

バシュウン!! カラン…コロコロ…

勇者「はぁっ…はぁっ…これが光の玉か」スッ ピカァァァァァ

姫「やったぁぁぁぁ!!勇者くーん!!」ガバッ

勇者「あぁ、すべて終わったんだ」ギュッ

勇者「まったく…驚かさないでくれよ」

姫「さっきの事?もう終わった事だからいいじゃなーい」

勇者「よくないって…よっこいしょ」グイッ

姫「えとね、降ろしてくれてもいいんだよ?」

勇者「そんなわけにはいかない」

勇者「これ以上暴れられては困る」

姫「むぅぅぅぅ!!あたしそんなことしないもん!!」ジタバタ

勇者「言ってる傍からやってるこれはなんだっていうんだ!?」

姫「えへへー」ギュウ

勇者「はぁ」

姫「もう少しでお城だね」

勇者「そうだな…やっと旅が終わる」

姫「…」

勇者「どうした?」

姫「んーん…なんでもない」

勇者「そうか?」

姫「あのね…」

勇者「やっぱり何かあるんかい」

姫「真面目な話」

姫「あたしは旅が終わってほしくない…」

勇者「そんな事言われたってなぁ…」

姫「…」ギュウ

勇者「大丈夫だ、俺はどこにも行かない」

勇者「あなたの傍にいる」

姫「ホント?」

勇者「あぁ、いきなりいなくなったりしないさ」

勇者(そんな事すれば過去の勇者と同じになってしまう)

勇者「あ…」ガク

姫「わっ」グラ…

勇者「ごめんよ、足にきてるみたいだ…」グッ

姫「ホントに?疲れてるだけなんだよね??」

勇者「心配性だな、大丈夫さ」テクテク

姫「いきなりパタリなんてなしだよっ」

勇者「姫を放り投げるかもしれないけど」

姫「なんでよー!!」

勇者「うそだよ、大切な人投げるものか」

姫「ですよねー」グググ

勇者「首絞めるな!?」

姫「さっきのおかえしだよん!!」

勇者「まったく…」

国王「勇者よ!!よくぞ竜王を倒し、光の玉を取り戻してくれた!!」

勇者「この通り姫様も無事に連れてまいりました」

国王「おぉ…姫よ、心配したのだぞ…」

姫「こっち来ないでよおっさん」

勇者「ひどいな…本人を前にしてもおっさん呼ばわりだし…」

おっさん「姫ぇぇぇ!!そんなこと言わずに父に抱きつきにきておくれよ!?」

姫「髭がもじゃもじゃだし息臭いんだもん、気持ちわるぅ」

おっさん「姫ぇぇぇぇぇぇ…」ダバー

勇者「本当に心配してたのだからそこまで言うのは…」

姫「分かってるけど素直になれないのね…」

おっさん「勇者よ、お主がよければだがここの王になる気はないかね?」

勇者「お言葉ですが…私はまだまだ知識も経験も浅いです」

勇者「もっと頼れる者にまかせた方がよろしいかと」

おっさん「毎日うまいもの食べ放題じゃぞ!?それでもか?」

勇者「いえ…食べ物の問題ではなく…」

おっさん「分かった!!いるものであれば何でも手に入れることができるのも追加じゃ!!」

勇者「そういう問題じゃ…」

姫「おっさん」ゴニョゴニョ

おっさん「!?ダメじゃダメじゃ!!姫は渡さんぞ?!」

勇者「姫…様!!何を言ったのですか!?」

姫「この条件をのめないと?」

おっさん「ワシの大事な姫をそんなあっさり渡せるはずがないであろう!!」

姫「そっか…ならば戦争だ…じゃなかった、家出るよ」

おっさん「へ?えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!??!」

姫「いこっ、勇者くん」グイ

勇者「え、いいのですか…?」

姫「今日からお城から縁切るからいつも通りでいいよー」

おっさん「やめてぇぇぇぇぇひめぇぇぇぇぇ!?だだっだれかぁぁぁぁぁ!!」

勇者「国王様が発狂してるんだけど…」

姫「もう赤の他人だしー勝手に叫ばしてたらー?」

勇者「結局外まで出てきてしまった…」

姫「これからどこで新生活する?」

勇者「本当に帰らないつもり…?」

姫「気が向いたら一度は顔見せに戻るけどそれだけー」

勇者「俺が本当に倒すべきは竜王じゃなくて国王様なのかもしれないな…」

姫「何か言ったぁ?」

勇者「いいや、なんでもない」

姫「あたしには勇者くんいればそれでいいもんねー」ギュッ

勇者「俺もだよ、姫」ギュ

勇者「それじゃあどこかいい場所見つかるまで旅するかな」

 数日後

勇者「…お尋ね者ってなんだよ」

勇者「勇者だったはずなのに凶悪犯にされているんだが…」

姫「勇者くーん、面白いもの見つけたよー」

勇者「ごめん、それどころじゃなくなったかも…」

姫「ほへ?」

勇者「城からお尋ね者として追われてるみたいなんだ、俺…」

姫「あー、大丈夫だよ!!あたしが追っ払うから!!」メラメラメラ

勇者「返り討ち!?やめてくれよ!!」

勇者「どうしてこうなった!!」

その後、お尋ね者勇者と家出姫は逃げ続けた

それでも彼らは笑っていた

姫は言う、「何もないよりは毎日が忙しいほうがいい」

勇者は言う、「妙な事にはなったけど今が幸せならそれでいい」

お互い後悔はしてないようだ

二人の旅はいつまでも続くだろう

約束したから…

きっと破ることはできない

 『一緒にずっと旅をしようね、約束だよ』

二人の道に咲く花がまるで見守るように揺れていた

     おしまい


これで例の三部作はすべて完結であります
見てくれてる人いるか知らないけど見てくれた人はありがとう
(つーか、元がドラ○エだってことすら知らなかった人いそうだ)

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