王様「行け、勇者よ!魔王を倒すために!」 (158)

女勇者「あの、王様」

王様「なんじゃ?」

女勇者「私は本当に伝説の勇者の血を引いているのですか?」

王様「な、何を言っているのじゃ!?」

女勇者「いや…自分がそうとはとても思えず」

王様「勇者に決まっておろう!行くのだ!さあ!」

女勇者「は、はい…」

女勇者「魔王討伐のため、長き旅へ出ます!」

王様「それで良い!さあ征け!!」

女勇者「それでは失礼します!」

スタスタスタ バタン

王様「ふう、上手く誤魔化したわい」

大臣「誤魔化せているのか怪しいものですがね」

王様「言うな、若い女をよこしていればこの街は安全なのじゃ…」

大臣「心が痛みますな…」

王様「だが、あの魔王は強すぎる、伝説の勇者などという存在も実在などしてはおらぬ」

――最初の平原

スライム「ピギャアアア!!」

女勇者「うわ、超怖い!!くっ!!」ズバッ

スライム「ギャバアアア!!」

女勇者「気持ち悪い…」

化けガラス「カアアアア!!!」

女勇者「うわわわわわ!!」

化けガラス「カアアアア!カアアアア!」

女勇者「はあああっ!」ズバァッ

化けガラス「カアアアア…」

女勇者「はぁ、はぁ…こんなのが…いや、もっと強いのがこの先出てくるのか…」

ザグッ

女勇者「えっ…?」

大サソリ「シャアアア」

女勇者「がっ…はっ…」

大サソリ「キシャアアアアア!」シャキンシャキン

女勇者「はは…私の力じゃこんなもんか…」

ザグッ

女勇者「うっ…がっ…」

女勇者「短い人生だったなぁ…」

スパァンッ

大サソリ「ギィィ…」

女勇者「はぁ…はぁ…」

?「小回復魔法」

パァァァ

女勇者「え?」

?「大丈夫か?」

女勇者「あれ、傷が…」

?「旅に出るなら回復魔法くらいは習得しておいた方がいいぞ」

女勇者「あ、あの、ありがとうございます。あなたは…?」

旅人「旅をしてるものだ、旅人ってとこかな」

女勇者「あ、どうも…あの!」

旅人「ん?」

女勇者「良かったら一緒に旅してくれませんか…」

旅人「…ふむ」

女勇者「だ、駄目ですかね…」

旅人「構わんよ」ニコッ

女勇者「良かった!よろしくお願いします!」

旅人「ただ俺の旅には目標があってね、それを達成したら抜けさせてもらう」

女勇者「はい、じゃあそれまで一緒に行きましょう(その間に強くならなきゃ)」

女勇者「旅人さんはどちらから旅してるんですか?」

旅人「ミナミの村から」

女勇者「じゃあ私の住んでた街よりずっと遠くから来たんですね」

旅人「あんたは…そういや、あんたの名前を聞いてなかったな」

女勇者「あ、私は女勇者って言います。勇者やってます」

旅人「ふふ、勇者か…」

女勇者「な、何を笑うんですか!」

旅人「いや、こんな混沌とした世界で未だに勇者を名乗る無謀なものがいるんだなぁと少しおかしくてな」

女勇者「う…私だって名乗りたくて名乗ってるわけじゃ…」

旅人「…そうなのか?」

女勇者「大体、絶対私は勇者じゃないと思うんですよ」

女勇者「父は農民だし母も農民だし、どうすれば勇者が産まれるのか」

旅人「拾われてきたのかもしれんな」

女勇者「なっ!?私は正真正銘の両親の娘です!」

旅人「ははっ、冗談さ、ほら街が見えてきたぞ」

―――ツギの街

旅人「お前、金は?」

女勇者「200ゴールド」

旅人「ぶっ…それで何を買うつもりなんだ…」

女勇者「お、王様がこれしか持たせてくれなかったんです!!」

旅人「あ、ああ…とりあえず鋼の剣くらいは欲しいな」

女勇者「重そう」

旅人「あんた勇者だろ…」

女勇者「それはそうですけど、もっとこうレイピアみたいなやつが」

旅人「あれじゃ斬りつけられないぞ」

女勇者「うーん…もっとこう、華麗にね、シュパアーンって」

旅人「…俺が買って来よう」

女勇者「で、何で鉄棍棒なんですかね」

旅人「強いぞ、さっきのサソリなんかも殻ごと破壊できる」

女勇者「華麗にって言ったじゃないですかぁ…」

旅人「仕方ないだろう、それ180ゴールドもしたんだぞ」

女勇者「えぇ!?あと20ゴールドしか無い…」

旅人「…宿に行くぞ」

女勇者「ああ、待ってくださいよー!」

―宿屋

店主「今日の晩御飯と明日の朝食つきで15ゴールドになります」

旅人「じゃあそれで」

女勇者「あ、あの、部屋は別ですよね?」

店主「それだと30ゴールド頂きますが…」

旅人「別に手出しなどせんが」

女勇者「うぅ…」

女勇者「結局、同じ部屋になっちゃった…」

旅人「…」

女勇者「あの、隅っこに座ってなにしてるんですか?」

旅人「…」

女勇者「あのー」

旅人「うるさいな、寝てるんだよ」

女勇者「えぇ!?あの、布団ありますよ」

旅人「一人分しかない」

女勇者「あっ///」

旅人「一緒に寝たいのか?」

女勇者「お、おやすみなさい!!」

旅人「ふっ」

女勇者「…zzZ」

旅人「…zzZ」

――翌朝

旅人「ほら、朝だぞ」

女勇者「ふぁい…」

旅人「…むっ」

旅人「…(胸が意外とあるのか)」

旅人「トイレに行こう」

バタン

女勇者「むにゃ…ん、あれ?」

女勇者「旅人さんはもう部屋から出てるのかな、早いなぁ」

女勇者「私も準備しなきゃ」

――宿屋、食堂

女勇者「パン美味しいなぁ」

旅人「ふぅ…」

女勇者「あ、遅かったですねー」

旅人「ああ、ちょっとな」

女勇者「パン美味しいですよ」

旅人「ああ、頂こう」

女勇者「えへへ」

旅人「ん?」

女勇者「私、仲間が出来るなんて思ってなかったから楽しいんです」

旅人「ほう、そうか…」

旅人「俺も今まで一人だったよ」

女勇者「え、あ、そっか、そんなに強いならそうですよね」

旅人「ああ…」

女勇者「ごちそうさまでした」

旅人「さ、行こうか」

女勇者「はい!」

女勇者「…」

旅人「どうした?」

女勇者「いや、鉄棍棒ってのがどうも…」

旅人「いいじゃないか、強いんだから」

女勇者「うーん…」

旅人「そもそも鋼の剣より重いんだけど問題無さそうだな」

女勇者「確かに、私って意外と力持ちなんですね」

旅人「かもしれんな」

――――

旅人「この海を渡るには船か地下洞窟しかない」

女勇者「わーい、船旅ですね!」

旅人「そんな金がどこにある」

女勇者「うっ…」

旅人「ほら、洞窟だ」

女勇者「うう…」

旅人「足元に気をつけろよ」

スタスタスタ

オーク「バヒャアアアア!!!」

女勇者「ひいいいいい!!!」

オーク「おお、人間の雌だ!ゲヘヘヘヘ」

オークB「オホホホ、こいつぁ良い、久々に発散出来そうだ!」

オーク「ん?雄もいるな、こいつは殺っちまおう」

オークB「バッヒャアアア!!」

旅人「はっ!」

シュパアーン

オーク「ぶひゃっ?」

ドサッ

オークB「!?」

旅人「誰を殺っちまうって?」

オークB「てめええ!!」

ドゴォッ

旅人「ほう、岩を殴るのが趣味なのか」

オークB「ぐうううう!!!」

旅人「勇者」

女勇者「は、はい!」

旅人「お前がやれ」

女勇者「えっ!?」

旅人「俺では瞬殺してしまうからな」

旅人「魔王の倒すならそんな豚くらいは倒せないといけないな」

女勇者「は、はい!」

オークB「ブヒイイイ!」

女勇者「…はああああ!」

バゴォォンッ

オークB「ガヒャッ」

ドサッ

旅人「…やるな」

――サンの街

女勇者「疲れた…」

旅人「あそこに酒場があるぞ」

女勇者「酒場でもなんでもいい…ご飯…」

犬「わんわん!!」

旅人「む?」

幼女「こらー!ヴィッペル!!また人に吠えたりしてだめでしょ!!」

ヴィッペル「くぅん…」

旅人「…ブサイクな犬だな」

女勇者「そんなことよりほら、酒場行きましょう!!」

――酒場

店主「いらっしゃい!」

女勇者「鶏の丸焼きください!!」

店主「10ゴールドいただくよ!」

女勇者「た、足りない…」

旅人「はぁ、俺が払っておこう」

女勇者「ありがとうございます…」

店主「出来たら持ってくからね、かけて待ってな!」

女勇者「はい!ご飯ご飯♪」

旅人「しかし、さすがに俺も疲れたな…」

女勇者「洞窟長かったですねー」

ドンッ

女勇者「わっ、ご、ごめんなさい」

いかつい男「気ぃつけろ馬鹿野郎…ん?」

女勇者「は、はい…」

いかつい男「中々べっぴんさんじゃねえか、おい!」

きつね顔の男「へい!」

いかつい男「今晩はこいつにしよう」

きつね顔の男「へへへ、旦那も趣味が良い」

旅人「何を勝手に話を進めている?」ギロッ

いかつい男「なんだ、連れがいたのか」

いかつい男「すまねぇな」

旅人「ああ」

いかつい男「お前をまずは潰しておかんとなぁぁ!!」グワァッ

旅人「幻惑魔法!」

キィィィィイン

いかつい男「うっ…おぉ、ここは…」

旅人「おい、お前」

きつね顔の男「なんだよ!」

旅人「早く逃げたほうがいいぞ」ニヤッ

きつね顔の男「どういう意味だコラァ!」

旅人「あの男にはお前が絶世の美女に見えるように魔法をかけた」

きつね顔の男「へっ!?」

いかつい男「俺と良い事しようぜぇ!」ドスドスドス

きつね顔の男「ぎええええええええ!!!」

ダダダダダダダ

旅人「やれやれ」

店主「鶏の丸焼きお待ちー、にしてもあんた面白いことするんだねぇ」

旅人「殺しても良かったがあまり騒ぎは起こしたくないものでな」

店主「その方が助かるよ」

店主「それに連れのお嬢さんはあんな男には勿体ないくらいさね」

女勇者「へっ…」

旅人「さ、食べるぞ」

女勇者「はい!頂きます!!」

旅人「そういえばお前、何で金持ってないんだ?」

女勇者「何でって、お金をくれる人がいないからですよ」

旅人「え?」

女勇者「え?」

旅人「換金所を使ったことは?」

女勇者「換金所…?」

旅人「お前、モンスター倒したらどうしてるんだ?」

女勇者「放っておいてます」

旅人「…。」

女勇者「え?」

旅人「モンスターの身体は場所によっては良い金になるんだぞ」

女勇者「…知らなかった」

旅人「さっきのオークは鎧が高く売れる」

女勇者「そうだったんですか…」

旅人「次からは敵を倒したら売れそうな部分を探してみろ」

女勇者「はい!」

旅人「いつまでも鉄棍棒は嫌だろう」

女勇者「でも少し良いなって思い始めました」

旅人「そうか、ならいいが…」

――宿屋

女勇者「今日も疲れましたねー!」

旅人「ああ、そうだな…」

主人「いらっしゃい!」

主人「ベッド二人分で25ゴールドだよ!」

旅人「じゃあそれで」チャリン

女勇者「あの…」

旅人「俺が払うから構わん」

女勇者「ありがとうございます!」

―――宿屋、部屋

女勇者「二人分て…」

旅人「ダブルか…」

女勇者「あのぅ///」

旅人「床で寝るから構わん」

女勇者「で、でも…2日連続は…」

旅人「それは…」

女勇者「ベッド大きいから大丈夫ですよ!」

旅人「そうか、なら遠慮せずに」

女勇者「…///」

旅人「…zzZ」

女勇者「あの、旅人さん?」

旅人「…zzZ」

女勇者「私も寝よっと…」

――翌朝

旅人「…む?」

女勇者「うーん」

旅人「…何故に抱きつかれているんだ」

女勇者「むにゃむにゃ」

旅人「…下手に動くと起きてしまいそうだな」

旅人「寝たふりしてるか…」

女勇者「うーん…あ、朝かぁ」

女勇者「ん?わああああああ!!」

ババッ

女勇者「何で私抱きついてるの!?!?」

旅人「何だ朝から騒がしいな…」

女勇者「ななななんでも無いんですよ!はははー!」

旅人「…そうか」

旅人「ちょっとトイレ」

女勇者「いいいい行ってらっしゃい、食堂にいますね!!」

―食堂

女勇者「チキン美味しいモグモグ」

旅人「ふぅ…」

女勇者「あ、遅かったですね!」

旅人「まあ、ちょっとな」

女勇者「チキン美味しいですよ」

旅人「ああ」

旅人「この街から南下すればヨーンの街だ、今日はそこまで向かう」

女勇者「はい、わかりましたー」

旅人「よし、出発だ」

ガチャッ

少女魔法使い「あ、あの!」

旅人「む?」

少女魔法使い「私も連れてってください!!」

旅人「唐突だな…というか誰だあんたは」

少女魔法使い「あ、あの、酒場の店主の娘で、少女魔法使いって言います!」

少女魔法使い「中威力の魔法が使えます!!」

旅人「それは心強いな、でもな旅は遊びじゃないんだ。命を落とすかもしれない」

女勇者「ですね、お父さんも心配してるから戻った方が良いと思いますよ」

少女魔法使い「お父さんの許しは得ました!」

旅人「得られたのかよ」

女勇者「参りましたね…」

旅人「うーむ」

少女魔法使い「あの、駄目ですか…?」

旅人「あんたが決めるんだ勇者」

女勇者「え、うーん…」

女勇者「でも、この歳で中威力魔法が使えるってことは才はありますよね」

旅人「確かにな」

女勇者「私達がフォローすればなんとかなるんじゃないですか」

旅人「あんたがそう言うなら、良いだろう」

少女魔法使い「本当ですか!やったー!!」

女勇者「前より賑やかになりそうですね」

旅人「…ふっ、そうだな」

少女魔法使い「あ、これお父さんが選別にって!」

女勇者「これは、あっ、干し肉!こんなに!」

少女魔法使い「じゃ、しゅっぱーつ!」

旅人「やれやれ」

女勇者「じゃ、旅人さんと私が前衛ですねモグモグ」

旅人「食うのが早いだろうさすがに」

女勇者「えへへ」

――迷いの森

女勇者「こ、ここは…?」

旅人「ヨーンの街へはここを抜けださないと行けない」

少女魔法使い「明らかに迷いそうですよー」

旅人「まあ、迷いの森って呼ばれてるくらいだからな」

女勇者「そんなとこ通ったら危ないですよ!!」

少女魔法使い「そうだそうだー!」

旅人「しかしここを通らなければヨーンの街にはいけないぞ」

女勇者「うぅ…仕方ないか…」

少女魔法使い「3本の矢って言いますし大丈夫ですよ」

女勇者「あんま関係ないかなぁ…」

旅人「だいぶ歩いたな…」

女勇者「はぁ、はぁ、まだ出口につかないんですかー」

少女魔法使い「ていうか全部同じ道に見えてきましたよぉ」

旅人「まずいな、迷ったかもしれん」

ガサガサ

旅人「誰だ!」

女勇者「…いや、違います!これは…!」

旅人「…!!」

女勇者「木々が私達が歩くに連れて形を変えて…」

少女魔法使い「私が…!!中威力火炎魔法!」

バァァァァン

トレント「ふぁふぁふぁふぁ、人間どもよよくぞ見破った」

トレント「この罠を見抜いたのはお主らでちょうど100組目だ、おめでとう」

女勇者「結構いるんですね」

少女魔法使い「ですね」

トレント「そしてここで殺される人間共もお主らでちょうど100組目だ!」

バババッ

旅人「くっ、ツルが!!」

バシィン

旅人「しまった!!」

女勇者「旅人さん!!」

トレント「ふぁふぁふぁふぁ、次はおぬしだ!」

女勇者「はあああ!」

バゴォォンッ

トレント「効かんなぁ」

少女魔法使い「中威力火炎魔法!!」

バァァァァン

トレント「木には炎と思ったか、じゃが!!」

少女魔法使い「はあああ!!」

バァァァァンバァァァァン

トレント「じゃ、じゃが!!」

少女魔法使い「でやあああああ!」

バァァァァンバァァァァンバァァァァン

トレント「こ、小娘がそんなに魔法を…」

少女魔法使い「うおおおおおおおおお!!」

バァァァァンバァァァァンバァァァァンバァァァァンバァァァァン

トレント「ぎ、ぎえええええ!!」

少女魔法使い「っしゃあ!!!」

少女魔法使い「倒しました!!」

女勇者「あなたの魔力どうなってるんですか…」

少女魔法使い「実は今ので無くなりました…倒せなかったらどうしようかと」

旅人「しかし強いな」

少女魔法使い「へへー、どうですか?これで力になることが証明出来ました」

女勇者「ですね、頼りにしてます」

旅人「ヤツを倒したことによって森の道が開けたみたいだな」

女勇者「よかったぁ~…」

――ヨーンの街、宿屋

少女魔法使い「わーい、ふかふかベッドだー!!」

旅人「勇者、ちょっと良いか?」

女勇者「何ですか?」

旅人「外に出よう」

女勇者「…?はーい」

ガチャッ

女勇者「あの、話って何ですか?」

旅人「ここから東へ向かえばゴウの街だ。かなり繁栄した都市だ。防衛設備も万全、軍事力も高い」

旅人「そしてそれは魔王の城が近いということを意味する」

女勇者「…!」

旅人「それから、俺はここで抜けさせてもらう」

女勇者「どうして!?」

旅人「言ったろう?俺は俺の目標がある、と」

女勇者「あ…」

旅人「すまんな、できれば最後まで同行したかったんだが…」

女勇者「良いんです、短い間でしたけども旅人さんと会えて良かったです!」

旅人「俺もだ」

旅人「これを持っていけ」シャキン

女勇者「これは…?」

旅人「破邪の剣、邪悪なものを斬り裂く聖なる力が籠められたものだ」

女勇者「破邪の剣…」

旅人「鉄棍棒は俺がもらっていこう、捨てるのも勿体ない」

女勇者「じゃあ、私からもプレゼントがあります!」

旅人「む?」

女勇者「喜んでくれるかわからないけど、ちょっと目を瞑ってもらってて良いですか?」

旅人「あ、ああ」

チュッ

旅人「え?」

女勇者「えへへ…」

女勇者「もしかしたら死んじゃうかもしれないから」

女勇者「二度と会えないかもしれないけど、旅人さんは私にとって仲間以上の存在になっちゃってたことを教えたくて」

旅人「…そうか」

女勇者「あ、あの、じゃあ、おやすみなさい…!」

旅人「ああ…」

バタン

旅人「…俺もだよ」

ガチャッ

少女魔法使い「…もうチキンは食べられないよぉzzZ」

女勇者「ふふっ」

女勇者「さて、私も寝ようっと」

女勇者「…zzZ」

――――――

旅人「さて、行くか…」

―――翌朝

女勇者「…ふぁ~」

女勇者「そうか、もういないんだ」

少女魔法使い「おはよーございます!」

女勇者「おはよう」

少女魔法使い「あの、旅人さんは?」

女勇者「やりたいことがあるからもう一緒には旅できないんですって」

少女魔法使い「えっ!?そんな…」

女勇者「元からそういう話だったから仕方ないですよ」

少女魔法使い「あ、テーブルに何か置いてありますよ!」

女勇者「ん?手紙?」

朝を待たずに出ることにした。
さようならを言えなくて申し訳ない。

魔王の使う魔法は非常に強力なものらしい、
そしてそれを防ぐためには竜人族が作ったという盾を使うといいそうだ。

竜人族の塔はちょうどヨーンとゴウの間にある、
途中で寄ることをおすすめしよう。

向こうから何を要求されるかはわからないが、
上手くやれると良いな。


旅人より

女勇者「竜人族…」

少女魔法使い「聞いたことがあります!炎を自在に操り、空間を縦横無尽に駆け巡ることが出来るという種族」

女勇者「言葉は…通じますよね」

少女魔法使い「もし通じなかったらどうしましょう…」

女勇者「…い、行きましょう。竜人族の塔へ」

少女魔法使い「は、はい…」

女勇者「も、もし何かあったときは魔法使いちゃんは逃げてくださいね…」

少女魔法使い「そ、それは、申し訳ないですし…」

女勇者「いいから…」

少女魔法使い「は、はい…」

―竜人族の塔

女勇者「つ、ついた…」

少女魔法使い「これが…竜人族の塔」

竜人族の女「誰だ!」

女勇者「あ、あ、あの!!盾をください!!」

少女魔法使い「ちょっ…」

竜人族の女「何!?」

竜人族の女「貴様、賊か!」

女勇者「ちちち違います!!勇者です!!」

竜人族の女「…ふむ」

竜人族の女「よし、良いだろう!入れ!」

竜人族の長「盾が欲しいとな」

女勇者「は、はい」

竜人族の長「なるほど、では貴様が勇者であると証明するものはあるか?」

女勇者「それは…」

竜人族の長「うむ」

女勇者「それは、ありません」

竜人族の長「ない?」

女勇者「正直、自分が勇者なのかもわかりません」

女勇者「それでも選ばれたのだから勇者としての使命が私にはあるのです」

竜人族の長「なるほど、あいわかった!」

女勇者「え?」

竜人族の長「だが、ただではやれん。竜剣士!」

竜剣士「はっ、ここに」

竜人族の長「勇者よ、彼と戦うのだ」

女勇者「え!?」

竜人族の長「もし勝つことが出来たら盾を授けよう」

女勇者「勝てば…」

竜剣士「準備が出来たら言え」

女勇者「…わかりました。やります!」

少女魔法使い「よぉし、頑張りますよー!」

女勇者「魔法使いちゃんは見ててください」

少女魔法使い「えっ!?」

女勇者「私一人で戦うから意味があるんです」

竜人族の長「ほう」

何このドラクエ3の影響受けました的な駄作

竜人族の長「では二人共、準備はいいかな?」

女勇者「はい」

竜剣士「いつでも」

竜人族の長「始め!」

竜剣士「はっ!!」

ズバァッ

女勇者「あぐっ…!!」

少女魔法使い「勇者様!!」

竜剣士「はぁっ!!」

ザクッ

女勇者「がっ…!!」

女勇者「くぅっ…あああ!!」

ブンッ

竜剣士「なんだそのふざけた剣技は…!」

ズバァンッ!

竜剣士「火炎斬り!!」

ズバアッ

女勇者「っつ…!」

竜剣士「奥義!七龍聖剣!!」

少女魔法使い「竜剣士が七人に!?」

竜人族の長「常に全力を尽くすのが竜人族の礼儀だ」

竜剣士「七龍の痛み、その身体に焼き付けるが良い!!」

ズバババババンッ!!

女勇者「」

ドサッ

少女魔法使い「勇者様ー!!」

>>85
でもここまで読んだんだツンデレ娘め

女勇者「…ぐっ」

竜剣士「…何、立ち上がっただと?」

女勇者「へへ…農民の娘が世界を救えるかもしれないんだから、そう簡単に諦められませんよ」

竜剣士「ちっ…ただの小娘と侮っていたが」

竜人族の長「なるほどな…」

竜剣士「長、もういいでしょう」

竜人族の長「うむ」

女勇者「え?」

竜人族の長「盾を授ける」

女勇者「え…?」

女勇者「あっ…」ドサッ

少女魔法使い「勇者様!!」

竜人族の長「秘薬を」

竜剣士「ここに」

竜人族の長「さあ、飲め」

女勇者「あ、あれ、傷が…」

女勇者「あの、私勝ってませんよ!」

竜剣士「いや、私の負けだ」

竜剣士「おぬしには感服した」

竜剣士「七龍聖剣を食らって立ち上がった人間はおぬしが初めてだ」

竜剣士「そこまでの強さがあるならば盾を授けても問題ないであろう」

竜剣士「だが、私も同行させてもらう」

女勇者「え?」

竜剣士「その無様な剣術では魔王になど到底届きはしないだろう」

女勇者「…」

竜剣士「短期間でみっちり扱いてやるから覚悟するが良い」

女勇者「は、はい!」

――ゴウの街、訓練場

竜剣士「期限は一ヶ月、その間にお前を一流の剣士にする」

女勇者「一流の…」

少女魔法使い「あの、私は…」

竜剣士「魔法研究所があるはずだ、そこで同じく特訓すると良い」

竜剣士「見ると膨大な魔力を抱え込んでいるようだ。素質は十二分にあるだろう」

少女魔法使い「は、はい!!頑張ります!」

そして勇者たちの特訓が始まった。

竜剣士「剣に腰が入ってない!」ガキィン

女勇者「あっ…」

竜剣士「剣を扱う時は重々しくそれでいてしなやかに云々」

女勇者「…はい(また始まった)」

―2週間目

女勇者「やあっ!!」

キィンッ

竜剣士「良いぞ、いい太刀筋だ!」

女勇者「はっ!!」ガキィン!

竜剣士「うむ、そこまで!」

女勇者「はぁ、はぁ…」

―魔法研究所

少女魔法使い「豪炎魔法!!」

ヴォワアアアアッ

魔法訓練生たち「オオオオオ!」

少女魔法使い「えへへへ…」

GO is GOD

―そして一ヶ月が経った

竜剣士「うむ、私が教えられることは全て教えた」

女勇者「それじゃあ!」

竜剣士「ああ、剣技に関してはもう大丈夫だろう」

女勇者「ありがとうございました!」

竜剣士「ああ、だが喜ぶのはまだ早い、肝心の魔王を倒さねばな」

女勇者「魔王…」

竜剣士「安心しろ、私がついている」

女勇者「は、はい」

少女魔法使い「勇者様ー!!」

女勇者「魔法使いちゃん!」

少女魔法使い「どうでしたか!この一ヶ月間!」

女勇者「剣を使いこなせるようになったみたいです」

少女魔法使い「良かったです!」

少女魔法使い「私は色々ととっておきを教えてもらいましたよ!」

女勇者「とっておきなのに色々なの?」

少女魔法使い「はい!たくさんあります!」

女勇者「期待してますね」

少女魔法使い「はい!」

竜剣士「それで、出発はいつにするのだ?」

女勇者「明日にしましょう」

竜剣士「死ぬのかもしれんぞ、もう少し楽しんでは」

女勇者「きっと、楽しいことが増えると決意が鈍ると思うんです」

竜剣士「…そうか、わかった」

女勇者「じゃあ、宿を取りましょう」

――宿屋

竜剣士「私は個室で頼む」

女勇者「私と魔法使いちゃんは一緒でいいですね」

少女魔法使い「はい!」

竜剣士「では、明日に」

バタン

女勇者「何か今更だけど、不思議な人だね」

少女魔法使い「ですね、性別もよくわからないです」

女勇者「女の子だったりして」

少女魔法使い「まさかぁ」

女勇者「あはは」

―翌日

竜剣士「おはよう」

女勇者「お早うございます」

少女魔法使い「おはようございまーす」

竜剣士「行くか?」

女勇者「はい!」

女勇者「…(旅人さん、私やりますよ!)」

――

兵長「勇者殿」

女勇者「はい?」

兵長「この街の軍の兵長をしているものです」

兵長「勇者殿に我が軍が誇る最高の防具を差し上げようと持ってきた次第です」

女勇者「防具を…?」

兵長「はい、強靭な合金であるオリハルコンで出来た鎧と兜です。」

女勇者「ありがとうございます」

兵長「どうかご無事で、勇者殿が帰ってきた時の為に盛大な宴の準備をしておきます」

女勇者「楽しみにしてます」

兵長「それでは!」ビシッ

兵士一同「ご健闘を!」ビシッ

竜剣士「大して会話をしたわけでもないというのにな」

女勇者「ええ、すごいですね。こんなに期待されるなんて」

少女魔法使い「勇者様かっこいー!」

女勇者「えへへ」

――魔王の城

ケルベロス「ガアアアアアッ!!!」

竜剣士「はっ!!」

ズバッ

女勇者「でやっ!」

バシュッ

少女魔法使い「光矢魔法!」

シュババババ

ケルベロス「グギャアアア!!」

女勇者「早く進みましょう!次から次へと魔物が!」

竜剣士「ああ!」

魔王の鎧「よくぞ来た!」

魔王の鎧「俺は魔王の鎧!決して魔王様が着る鎧という意味ではない!」

魔王の鎧「魔王様を守るという意味で魔王の鎧と名付けられたのだ!行くぞ!」

女勇者「よくわからないけどでやぁっ!」

ガキィン

女勇者「か、硬っ!」

竜剣士「はああっ!」

ガキィン!

魔王の鎧「ふはははは!」

少女魔法使い「超豪炎魔法!!溶けちゃえ!!」

ズオオオオオオッ

魔王の鎧「ぎ、ぎええええ!!」

女勇者「いまだっ!!」

ザグゥンッ!!

―魔王の間

ガチャァッギギィー

魔王「ほう、待ちかねたぞ」

女勇者「あなたが魔王…!」

魔王「さあ勇者よ、お前に選択肢を与えよう」

魔王「一つは今すぐに我の女となること、もう一つは敗北した後に我の女となること」

女勇者「三つ目、あなたを倒して世界を平和にする!!」

魔王「バカなやつだ、真の勇者でもないくせに」

女勇者「やっぱり、私は伝説の勇者ではないんですね!」

魔王「ふっ、そうだ、そんなものは最初から存在しない」

魔王「我への気休めとして女を送り込んでいるだけだ」

魔王「最も大体の人間の女はオーク辺りに犯され殺され喰らい尽くされているがな、フハハハハ!」

魔王「つまり、だ」

魔王「魔王とて生物、発情しているのだよ」

少女魔法使い「うわ、キモい」

女勇者「うん、ちょっと引いた」

魔王「まずは竜人族の女、貴様から頂こうか」

竜剣士「なっ…」

バシュゥンッ!!

魔王「魅了魔法」

竜剣士「あっ…」

女勇者「えっ、本当に女の人…?」

少女魔法使い「ちょっ…」

竜剣士「くっ…」

魔王「どう犯してやろうか、久々のメスなものでな、壊してしまうかもしれんな」

少女魔法使い「やらせませんよ!!天空魔法!!」

天井を突き破り大量の光の槍が魔王に降り注ぐ!

ズガンズガンズガンズガンッ!

竜剣士「今だっ!!」

魔王「ちぃっ!逃げられたか」

魔王「仕方がない、動けなくなるぐらいになぶってから全員犯し尽くしてくれるわ!!」

女勇者「竜剣士さん、女性だったんですね」

竜剣士「…」

少女魔法使い「生きて帰れたら女子会開きましょう」

竜剣士「…そうだな」

少女魔法使い「強化魔法!!」

ブゥゥゥゥン

女勇者「これは…」

少女魔法使い「みなさんの力を強化しました!ただ、時間制限があります!」

女勇者「切れる前に決着を…!」

魔王「ふふふ、我はせっかちなものでな、早速こちらから決着をつけさせてもらおう」

女勇者「まさか…」

魔王「結末を見せてやろう。――カタストロフィ!!」

女勇者「二人共盾の影に!!」

魔王「ははは、無駄だ!この魔法は何者にも防げぬ!」

ゴゴゴゴゴゴ ガアアアアアアン!

女勇者「二人共無事ですか!?」

竜剣士「なんとかな…」

少女魔法使い「すごい盾です!」

魔王「な、なにぃ!!」

女勇者「今度はこっちの番!やあああ!」

魔王「片腹痛いわ!」

バキィッ

女勇者「がっ!!」

竜剣士「はあああっ!」

魔王「ぬううん!!」

ドゴォッ

竜剣士「がふっ!?」

魔王「小娘よ、我と魔法勝負でもするか?」

少女魔法使い「…くっ、望むところです!!」

少女魔法使い「宇宙魔法は星々を砕く!!食らえ!ギャラクシアンブレイカー!!」

魔王「魔界呪文ダークネスエクスプロージョン!!」

少女魔法使い「まだまだあああ!!!」

ゴオオオオオ

魔王「はははは!無駄だぁ!」

ズゴオオオオンッ

少女魔法使い「きゃああああっ!!!」

女勇者「魔法使いちゃん…」

少女魔法使い「へへへ、負けちゃった…」

女勇者「竜剣士さんは…」

竜剣士「…両腕が折れてしまったようだ」

女勇者「そっか…私も足が動かないです…」

竜剣士「どうやら選択肢は2つだな」

女勇者「2つですか…」

竜剣士「ああ」

竜剣士「1つ、ここで自害する。2つ、生きて慰み物になる」

女勇者「…そんな」

少女魔法使い「嫌だよぉ…」

魔王「はっはっは、どうやら選択肢がその2つであると悟ったか」

魔王「我としては2番目の選択肢を選びたいところではある」

女勇者「くっ、誰が…!!」

魔王「だが選択肢はもう1つあるぞ?」

魔王「我に慰み物になった挙句になぶり殺されるという、な」

シュルシュルシュル バゴォォンッ!

魔王「がっ!!」

女勇者「えっ?」

魔王「な、何が…?」

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                 わ た し で す 
   \            _,,  ---一 ー- ,,,_

      、  _,,,, _,, -.'"           ` 、           -‐
ー     ミ三ミ三ミ三ミミ                ヽ_,
     -==三ミ彡三ミミ     ,,=-==     ==、 iミ=-、_
     _,,ンミミ三ミ三ミミ]  -彡-一 ー-、 r一 ーミ、|ミミ三ミ=-'      --

__   _, -==彡ミ彡ミミミ|  ン| ,=て)> (|ー| ,て)>、 ||三ミ彡==-'
_     ,彡彡三ミ三ミミレ'~ .|. '     |  ヽ   `  |ミ三彡三=-  = 二
     (_彡三ミ彡ミミミ'   ヽ、    ノ   \__ノiミ彡ミ三=ー
     ー-=二三ンーミミミ     `ー /(_r-、r-_)   .|彡ミ三=-、
     )(_ミ彡ミ| i' ヽヽミ       | : : : __ : :__: :i   .|彡ミ三=-、     --
     と彡ミ彡ミヽヽ<ヽミミ      |: ン=-ニ-ヽ、   .|彡ミ三==-
      彡ミ彡ミミヽ  ) `    、 .' <=ェェェェェン |    |彡ン=-=      --
-‐    -==彡三ミ `ーヽ : : : : : :i: :  `ー--一''  : : ノミ三==''

      '' てノこミ彡三ミ`i : : : : : :ヽ: : : .      .:, :/ミ三=-、
        '' 三ミ=三三ミ|ヾ、: : : : :ヽ: : : : : : : : :_ノ:./三=-'
         -=='' ̄ .        : ̄ ̄ ̄    彡 `

               /               ヽ          \
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   /    /    /       |     i,       丶       \

女勇者「鉄棍棒…?まさか!」

旅人「4つ目、突如として現れた伝説の勇者に無残にも殺される」

魔王「何…?」

旅人あらため伝説の勇者「待たせたな」

魔王「貴様…まさか」

伝説の勇者「そのまさかだ!!」

魔王「その装備は…」

伝説の勇者「揃えるのに思ったより時間がかかった」

伝説の勇者「さあ、決着をつけようか」

女勇者「あ、ああ…旅人さん…」

伝説の勇者「隠していてすまなかった」

魔王「そんなことがあってなるか、なるものかああああ!!!」

伝説の勇者「はああああっ!!!」

ズバアアアアアアアッ

魔王「バカな…伝説の勇者など…いるわけが…」

伝説の勇者「うおおおお!!」

ザグゥンッ!!

魔王「ぐあああああああああ!!」

伝説の勇者「永遠に眠れ…!」

ズシャッ

魔王「」

女勇者「す、すごい…」

魔王「まだだ…マダマダ…オワッテイナイ」

伝説の勇者「む…」

魔王は巨大な龍へと姿を変えた!

伝説の勇者「ほう、なるほどな」

魔王「イクゾ!!ガアアアアアアア!!」

伝説の勇者「決着をつける!はぁっ!!!!

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              }:::::::::::::';r'ソ ゙'    ,.-━;;;ァ; ;:!   ガ
          、、__,....ノ;::::::::::::::iヾ      ` ゙フ´ : i゙   |
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           ノi::::::::::::::::::ゞ'"   .      ,._ `ヾ:::;'    で
         ノ;::::::::::::::::/   :   :_  i:   '゙``ー:/    あ
         i'i;、:;;r‐'" ̄``丶、 .ヾ::::゙:...._   '"゙:i'     っ
          / -ー- 、、   `ヽ、ヾ:;;;;;;;;;;;;;;'ノ     た

―エピローグ

伝説の勇者あらため旅人「さあ、もうすぐミナミの村だ」

女勇者あらため女「旅人さんの故郷、どんなところか気になってたんです」

旅人「ああ、小さな村だよ」

女「そうなんですか、早く見てみたいですね」

旅人「ふふ」

一方、ゴウの街

少女魔法使いあらため魔法使い「ほらほら、そんなんじゃ強い魔法は使えないよ!」

候補生「しかし魔法使い先生、僕たちは魔力が足りなくて」

魔法使い「私が君たちくらいの頃は既に宇宙魔法まで使えたよ!」

候補生「うそぉ…」

魔法使い「よーし、それじゃあ」

魔法使い「一番最初に天空魔法を使いこなせた人は私と一日デート出来る権利を与えまーす!」

候補生一同「うおおおおお!!」

俺「天空魔法ーーーー!!!」ドピュ

デートしてくる

竜剣士「太刀筋が甘い!」

バキィンッ

兵士「くそっ、可愛い顔して強すぎるぜ」

竜剣士「ほう、私みたいな女が好きなのか?」

兵士「えっ…」

竜剣士「ではこの中で私みたいな女が好きだというものはいるか?」

兵士たち「はーい!!」

竜剣士「よし、では私に最初に一太刀入れられたものはお茶してやろう」

兵士たち「うおおおおおおおお!!!」

俺「うぉぉぉっぉぉぉぉぉ!!」ドピュ

お茶してくる

―ミナミの村近郊

旅人「見えたぞ、あれがミナミの村だ」

女「あれが、旅人さんの故郷」

旅人「ああ、それから」

女「はい?」

旅人「俺の両親に会って欲しい」

女「えっ…」

旅人「嫌か?」

女「ううん、すごく嬉しいです。」

旅人「良かった」

女「旅人さん」

旅人「ん?」

女「ありがとう、これからもよろしくお願いします!」


終わり

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