エルシィ「神にーさまの攻略法を見つけましたよ!」 (90)

ハクア「攻略法ねぇ……でもあいつ3次元に全く興味ないじゃない」

ディアナ「度重なる色仕掛けも通用しません、お手上げです」

エルシィ「ちっちっち、そんな方法じゃにーさまは倒せません!」

エルシィ「にーさまの弱点、それは……」

ハクア「それは?」

エルシィ「ずばりNTRです!」

エルシィ「ギャルゲー脳のにーさまにNTRは致命傷なはずです!」

エルシィ「それっぽい素振りだけで大ダメージでしょう!」

ハクア「なるほど……一理あるわね」

ディアナ「NTR……なんのことでしょう」

天理(寝取られのことだよ!)

ハクア「分かったわ、協力しましょう」

ディアナ「仕方ありませんね……これも天理のためです、力を貸しましょう」

エルシィ「それじゃあ作戦を……」



桂馬「おいエルシィ、こんな時間にどこに行くんだ?」

エルシィ「あっ、にーさま……ちょっと散歩です」

桂馬「そうか…」ピコピコ

次の日

桂馬(エルシィの奴今日も散歩か……)


1週間後

桂馬「おいエルシィ……また散歩か」

エルシィ「は、はい……朝までには帰るんで心配しないでくださいね」

桂馬「そうか……っておい!朝ってどういうことだ!」

エルシィ「行ってきますー」

桂馬「ちょ、ちょっと待て!」

桂馬「……もういない……くそ、何処に行ったんだ」

エルシィ(羽衣ステルス)「にーさま…焦ってる……効いてるみたい」

桂馬「……」

次の日

桂馬「おい」

歩美「はい?」

ちひろ「何か用?」

桂馬「相談に乗れ」

歩美「また偉そうに……何様?」

ちひろ「相談する人間の態度じゃないよねー」

桂馬「うるさい、悔しいがお前等のリアルでの力を認めているから相談しているんだ」

歩美「褒めてんのか貶してんのかはっきりしなさいよ、もう……」

桂馬「とにかくだ、最近エルシィの様子がおかしいんだ」

ちひろ「エリーが?」

桂馬「夜に外出するようになってな……」

歩美「彼氏でも出来たんじゃないのー」

ちひろ「あー、あり得るあり得る!エリー可愛いもんねー」

桂馬「彼氏?あのバグ魔に?ははっ、笑わせる」

桂馬「いくらリアルの住人とはいえ、そこまで愚かではないだろう」

歩美「じゃあさー援交とかじゃない?」

ちひろ「悪いおっさんに騙されてんのかもねー」

桂馬「そんなバカな……いや…待て」

桂馬(そんな展開のギャルゲー…プレイしたことがあるぞ……)

桂馬(全ての純愛ファンに送る、とか言いながら全ヒロイン寝取られ落ちの糞ゲー……)

桂馬(正直あんなもの、ギャルゲーと認めたくない。かなりのトラウマだが……)

桂馬(今回の……展開…似ている)

歩美「どしたの桂木?」

ちひろ「まさか本気にしちゃった?」

桂馬「い、いや……別に」

ちひろ「まあエリーに限ってそんなことないっしょ」

歩美「そうそう、心配し過ぎだって」

桂馬「……」



エルシィ「行ってきまーす」

桂馬(……リアルにはなるべく関わりたくない)

桂馬(だがあいつに何かあればボクの首が飛ぶ)

桂馬(だから仕方なくだ、仕方なく後をつけるんだ、他意はないぞ)


エルシィ(神にーさまついてきました!)

エルシィ(作戦Bです)ピカッピカッ

ハクア(エルシィからのサイン……ようやく私の出番ね)

桂馬(公園?……やっぱりただの散歩なのか……?)

桂馬(いや待て、この展開は……ベンチだ!)

桂馬(……誰かいるぞ)

おっさん「ふふふ、エルシィちゃん今日も可愛いねー」

エルシィ「おじさま、こんばんは」

おっさん「こんばんはエルシィちゃん」

桂馬(な、なんだあのおっさんは!?)

桂馬(まさか……いやそんなはずは……)

おっさん「いやー、今日も暑いね」サワサワ

エルシィ「きゃっ!……もぉー、太もも触らないでくださいよぉ……」

おっさん「すべすべしててつい触っちゃうんだ……」

桂馬(あいつエルシィに何て事を……)

桂馬(……っと、待て待て。所詮リアルだ。熱くなりすぎるな)

おっさん「でもいつも触ってるからいいだろう?」

桂馬(い、いつもだと!あいつエルシィに一体何をしているんだ…)

エルシィ「」ジー

おっさん「ぐふふふ」

桂馬(ま、まさか……このルートは)

エルシィ「おじさま……その…ちゅーしてください」

桂馬(うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)

ガサガサ ドスン

エルシィ「だ、誰かいるんですかぁ?」

桂馬(に、逃げるんだ!ゲームの世界に……!)

ドタドタドタ

タッタッタ

エルシィ「行ったみたいだよ」

おっさん「……ふぅ、全くもう……」

エルシィ「お疲れ!ハクア!」

ハクア「いくら作戦とはいえ羽衣でおっさんの振りだなんて……」

エルシィ「迫真の演技だったよ!すっごく気持ち悪かった!」

ハクア「……エルシィ?私怒るわよ?」

エルシィ「あはは、ごめんねハクア」

エルシィ「でもこれで神にーさまはだいぶ弱ったはずだよ!」

ハクア「そうかしら……ならいいけど」

ディアナ「さて……お次は私達、ということですね」

エルシィ「そうです!」

エルシィ「幼馴染から追撃を喰らえばいくらにーさまといえども再起不能です!」

ハクア「桂木を2次元から3次元に呼び戻す」

ディアナ「ゴッドフォール作戦、といったところでしょうか」

エルシィ「か、かっこいいですー!」

翌朝

エルシィ「おはよーございますにーさま!」

桂馬「……ああ、おはようエルシィ」

桂馬(こいつ……昨日はあの後……駄目だ!考えるな……)

エルシィ「にーさま、今日はゲームしないんですかぁ?」ニヤニヤ

桂馬「ん?……あぁ、そうだな……」

桂馬(ゲームのプレイを忘れるなんて…動揺しているのか?このボクが?)

桂馬(くそっ、リアルめ……ボクを倒せると思うなよ……)

エルシィ(にーさまーゲームをする手が止まってますよー)

エルシィ(ふふふ、かなり効いてますねー)

教室

桂馬(しかしリアルもよく見てみれば……)

歩美「だからそれはさー」

ちひろ「ないない!それありえないって!」

桂馬(なかなか可愛いじゃないか……)

桂馬(……くそ、こんなことを考えてしまうなんて……だがリアルは糞ゲーだ!これは揺るがないぞ!)


桂馬(……屋上に行こう。とにかくゲームだ、ゲームで冷静さを取り戻すんだ)


エルシィ(にーさま屋上に行きました!)ピカッピカッ

ハクア(エルシィから合図だわ!)

ディアナ「待ってください、屋上に誰かいます」

屋上

桂馬「ふぅ……」ピコピコ

かのん「桂馬くん!」

桂馬「!……なんだ、かのんか」

かのん「こんにちは」

桂馬「どうした?ボクに何か用か?用が無いなら忙しいからほっといてく」

かのん「用事ならあるよ!」

桂馬「な、何だよ……」

かのん「今日の桂馬くん、元気ないよね?」

桂馬「い、いや……別にそんなことは」

かのん「嘘!私には分かるよ」

かのん「ずっと桂馬くんのこと…見てたから」

かのん「それで私、桂馬くんのことが心配になって……」

ハクア「どーしてこのタイミングで邪魔が入るのよ!」

ディアナ「弱った獲物に群がるのはめがm…、愛のハンターとして当然のことでしょう」

ディアナ「彼女も本能的にそのことを感じ取ったのでしょうね」

ハクア「そ、そんな……」

ディアナ「心配いりません、私がなんとかします」

桂馬(かのんに感づかれるなんて……普段ならありえないな)

かのん「何かあったら私に言って欲しいの!」

かのん「桂馬くんが望むなら……あなただけのアイドルになっても」

かのん「かまわないから」

桂馬「かのん……」

桂馬「ボクは……ボクは……かのんのことが」

プルルルル

かのん「あっ電話……ごめんね」

かのん「はい、はい、分かりました」

かのん「ごめん、急に仕事が入っちゃって」

桂馬「ああ……」

かのん「また後でね!」



ハクア「とりあえず邪魔者は排除したけど……どうするのよ?」

ハクア「桂木ってば、もうあの子に落ちかかってるじゃない」

ディアナ「それを利用するのです。羽衣を少し借りますね」

桂馬「教室に戻るか……」

桂馬「……あれはかのん……帰ったんじゃなかったのか」


かのん「またプロデューサーさんと寝るんですかー」

かのん「そりゃ仕事のためには仕方ないですけどー」

かのん「今からですか?制服で?マニアックですねー」

かのん「はいーわかりましたー」



桂馬「」

ディアナ「どうです」

ハクア「桂木、完全に沈黙って感じね」

エルシィ「や、やることがえげつないですぅー」

ディアナ「これも作戦のため、天理のためです」


教室

桂馬「ははは……ゲームだゲーム」

桂馬「……ふふ……ははは」


二階堂「なんなんだ、あいつは」

放課後

桂馬(確かにリアルは糞ゲーだ)

桂馬(だが糞ゲーにしているのはボク自身なのかもしれない…)

桂馬(かのんだって救ってやれたかもしれないじゃないか……)

桂馬「……あれ?」

桂馬「いつの間にか図書館まで来ていたのか…気付かなかった」

エルシィ「神にーさま、まだ帰りませんよー」

ハクア「図書館に入っていったわね」

ディアナ「嫌な予感がします。私達も後を追いましょう」

栞(な、なんなのあの人!)

栞(突然入ってきたかと思えばキョロキョロしだして……)

栞(ま、まさか私に会いに来たとか……いやいやないない……でも)

栞(もしそうだったら……ど、どうしましょう)

桂馬(カウンターにいるのは……栞か)

桂馬(いくら何でも栞は僕を裏切らないだろう……)

桂馬(まずい……いつまにかリアルにすがるように……)

桂馬(仕方がない……今だけ特別だ…)

栞(えーと…なんて話しかけよう……)

栞(やっぱり挨拶からだよね…うん、そうよ、挨拶は大事だもの)

栞(でもこんにちは!……は普通すぎるし)

栞(会いたかったよ!……これは駄目!論外!)


桂馬「栞、少しいいかい」

栞「ふぁ、ふぁい!?」

栞(うわぁぁぁーやっちゃったー)

栞(突然話しかけられたからまだ準備が!)

栞(そ、それより早くお返事しないと!)

栞「あの…その……うぅ……」

桂馬(いつもどおりの栞だ……)

桂馬(少しは冷静に慣れた気がする……)

桂馬(そうだ、リアルがなんだって言うんだ)

桂馬「ごめん。何でもないんだ。もう帰るよ」

栞(えっ?何?もう用事終わったの?どういうこと……?)

栞(これはもしかして…君の顔を見たら元気が出たよ!……って奴ですか!?)

栞(でもそ、それって私がこの人の中でそういうポジションなわけで……うぅ)

栞(でも別に嫌な気はしないというか……でもはっきりしてほしいというか)

栞(そもそもキスしたわけだから一般的には彼氏彼女なわけで……)

栞(ならさっきの挨拶はおかえりなさいがベストなのかも?)

栞(いや、やっぱり彼女でおかえりなさいは重いかな……)

栞(……あれ?いない……)



ハクア「どーすんのよ!桂木の奴元気になっちゃったわよ!」

エルシィ「ここもや、やっぱり……」

ディアナ「私がいきます」

ディアナ「天理のためです、仕方がありません」

天理(私はこんなことしたくないよ!)

ディアナ(天理は引っ込んでなさい!これは私の仕事です)

桂馬「帰ったらエルシィを問い詰めてやる……」ピコピコ

桂馬「かのんだって何かの聞き間違いかもしれないじゃないか」ピコピコ


女子H「ねぇねぇ知ってる?あの栞って図書委員、実はかなり遊んでるらしいわよ」

女子L「静かな振りしてそこらのイケメンをとっかえひっかえらしいですー」

桂馬「……何?」

桂馬「……いや、所詮噂だ。気にすることはない」

桂馬「……誰か追いかけてきてるな」

栞「桂木くん……」ハァハァ

桂馬「栞……どうしてここに」

栞「何となく!何となく追いかけてきたんです、それより……」

栞「聞いてしまったのですね……桂木くん」

桂馬「栞……お前……さっきの話、本当なのか?」

栞「そうです、私は男を取っ替え引っ替えしている遊び人なのです」

栞「桂木くんとも遊びだったんです…
…ごめんなさい」



桂馬「」


栞「ふふ、さようなら。桂木さん」ボソッ

エルシィ「これは……」

ハクア「……致命傷ね」

エルシィ「そもそも展開が少し雑すぎますよー」

ハクア「いつものあいつなら一発で気づくんだろうけど……今の状態じゃ」

ディアナ「さて!予期せぬ乱入もありましたがいよいよ仕上げです」

ディアナ「ついに私の出番ですね」

エルシィ「この作戦、成功するのかなぁ……」

風呂

桂馬「」ブクブク

桂馬(くそ、何故だ…所詮リアルはリアルじゃないか…)

桂馬(2次元の住人たる僕がこの程度のことで……)

桂馬(ちくしょう……)

ガチャ

ディアナ「失礼します」

桂馬「天理…いや、ディアナか……」

ディアナ「少し話があります」

ディアナ「桂木さん……天理は幼馴染です」

桂馬「唐突だな……だから何だと言うんだ……」

ディアナ「桂木さん…あなたも分かっているのでしょう?」

ディアナ「幼馴染だけはあなたを裏切りません……」

桂馬「そんなことを言うためにここまで来たのか」

ディアナ「お風呂場に来るのなんていつものことではありませんか」

桂馬「お前が勝手に来るだけだろう……誰も呼んでないぞ」

ディアナ「天理はあなたが好きなのですよ」

ディアナ「そしてこれは天理だけではなく……その、わ、私の意思でもあります!」

ディアナ「で、ですから!どうか自分に正直になってください!」

ディアナ「ではし、失礼します!」

ガラガラ ピシャン

桂馬(幼馴染……か……)

エルシィ「準備できましたよー」

ディアナ「当然です、そのために時間を稼いだのですから」

ハクア「時間稼ぎにしては随分自分をアピールするのね」  

ディアナ「このぐらい役得があっても良いでしょう」

エルシィ「それにしても恐ろしい作戦です……」

ハクア「そうね……でもこれはさすがにやりすぎじゃない?」

ハクア「下手したら一生女の子と口をきけなくなるわよ」

ディアナ「いいえ、ここで彼を完膚無きまでに2次元から引きずり下ろすのです」

ハクア「ま、まぁそうなったら私が何とかするから心配はいらないけど……」

ディアナ「はい?」

エルシィ「あっ、ほら!そんなことよりにーさまが!」

桂馬「ふぅ……さっぱりした」

桂馬「気を取り直してゲームでも…ん?」

桂馬「メールが来ているな……誰からだ」

桂馬「差出人不明、おまけに添付ファイル付き……」

桂馬「あからさまに怪しいじゃないか」

桂馬「そしてこのファイル名……NTR……なんだこの胸騒ぎは……見たら駄目だ。そんな気がする」

桂馬「でも……見ないわけにも」

ポチッ

おっさん「見ているかね、落とし神…いや桂木桂馬くん」

桂馬「なんなんだこの裸のおっさんは……」

桂馬「はっ!こいつはエルシィと一緒にいた……」

桂馬「!?」

桂馬「足元にいるのは……エルシィ……」

桂馬「ハクアにかのん、栞……歩美にちひろ、今までの攻略女子に……天理まで……」

ジュポジュポ

おっさん「悪いが君のヒロインは全員調教させてもらった」

エルシィ「おじさまー優しくしてくださいねー」

おっさん「これも全て君が悪いのだよ……」

おっさん「現実で美少女に囲まれていながら2次元2次元と……」

おっさん「私がこの子たちと楽しんでいる間、君はお得意のギャルゲーでもしていると良い」

おっさん「それでは失礼するよ。はっはっはっ」

桂馬「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

桂馬「嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ!」

桂馬「エルシィ……冷たくして悪かった……」

桂馬「ハクアも……天理も……すまない」

桂馬「みんなボクが悪かったんだ……」

桂馬「もっとリアルに目を向けるべきだった……」

桂馬「何が落とし神だ……現実じゃただの人間じゃないか……」

「少しは懲りましたか、にーさま」

桂馬「エルシィ?エルシィなのか?」

エルシィ「そうです、エルシィですよ」

桂馬「ハクアに天理まで……一体何がどうなって……」

桂馬「あのおっさんに全員さらわれたんじゃ……」

天理「その……全部お芝居だったの」

ハクア「そのおっさん、私よ。どう?良い演技だと思わない?」

桂馬「じゃあこの動画は……」

エルシィ「ハクアが羽衣で作った偽物です!」

ハクア「これで少しは3次元に興味が出たんじゃない?」

エルシィ「にーさま、2次元の女の子は何時でも手に入ります」

エルシィ「でも3次元の女の子は何時離れて行くか分かりませんよ?」

エルシィ「それでもにーさまは2次元を選ぶんですか?」

桂馬「ぼ、ボクは………」

天理「桂馬くん……」

ハクア「桂木……」

桂馬「分かったよ……ボクの降参だ!ボクは3次元を選ぶ!」

エルシィ「やった!やりましたー!大勝利ですー!」

ハクア「やったわね!エルシィにしては流石だわ!」

ディアナ「これで一見落着。良かったですね、天理」

天理(う、うん……)



あれから神にーさまは2次元を捨て……とまではいかず………まあ半分ぐらいには減りました
ちなみに神にーさまの1週間は毎日デートです
同時に8人も付き合ってるんですから当然ですよね……
あっ、今日私の番でした!

おしまい!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年09月23日 (月) 22:53:10   ID: _YxAMp7M

桂馬可愛そうだなぁ~~

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