モバP「ちひろさん、飲みに行きましょう」ちひろ「んー……」 (27)

P「今日は予定でも?」

ちひろ「いえ、予定がある訳ではないんですが……」

ちひろ「最近酔ってプロデューサーさんに迷惑ばっかり掛けてますから、お酒は飲まないでおこうと思うんです」

P「ちひろさんがそう言うならそれでも」

P「ただ俺は迷惑なんてこれっぽっちも思っちゃいないですからね。気にしないで下さい」

ちひろ「酔った私を家までおんぶしてくれたのに、吐きましたよね。頭から」

ちひろ「しかも覚えてるのはそれしかないんです。すみません」

ちひろ「だけど他にももっと、もっと酷い事してるんだと思います」

P「あぁ、そういえば色々ありましたね」

P「でも酔ったら誰でもそうでしょう? 俺だって今までそんな経験が沢山ありましたし」

P「ま、やっぱり迷惑なんかじゃないって事です。それに酒を無理に我慢しようとしないで、量を減らすとかでいいんじゃないですか?」

ちひろ「……はい、ありがとうございます」

P「それじゃ早速行きましょうか。いつもの店に」

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――


P「生1つ」

ちひろ「……ウーロン茶で」

P「あとは焼き鳥とタコのから揚げと枝豆と後は……」


P「……ちひろさん、どうしちゃったんですか? 暗いですよ?」

ちひろ「……その……ノリが悪いって思われたんじゃないかと」

P「まさか。お酒を飲む飲まないは人の自由ですよ。ちひろさんこそ素面で酔っ払いの相手、大丈夫ですか?」

ちひろ「プロデューサーさんはお酒強いですから。あんまり普段と比べて違和感が無いです」

P「なるほどなるほど。記憶もはっきりしてますしね」

P「お互い大丈夫ということで。ほどほどに楽しみましょう」

ちひろ「はい」

ちひろ「あ、そうだ……実は1つ相談ごとがあるんです」

P「はい、俺で良ければ聞きますよ」

ちひろ「実は、ファンレターで最近過激な物がありまして」

P「ちなみに誰宛てですか?」

ちひろ「ゆかりちゃん、美波ちゃん、美嘉ちゃん、薫ちゃんです」

ちひろ「薫ちゃんはまだ、『意味が分からない』で済むかもしれませんが……」

ちひろ「子供達に見せる物では、ないです」

ちひろ「今日は、特に酷い物が一通あって……私も気味が悪くなっちゃって……」

P「……それで相談に至ったという訳ですか」

ちひろ「すみません……内容は、口にしたくないです」

P「いえ、結構ですよ。むしろ謝るのはこっちの方です」

P「その4人は勿論、アイドルへのファンレターは全部俺が先に目を通しますね」

P「大丈夫ですよ。安心してください」

ちひろ「頼れるのはプロデューサーさんしか居なくて……すみません」

P「ほらほら、もう気にしない」

P「ちひろさんは今まで引き受けてくれてたんですから。任期満了で俺に引き継ぎましょう」

ちひろ「……はいっ。プロデューサーさんに相談して、良かったです」

P「こちらこそ。話してくれて感謝します」

ちひろ「いえ、そんな……」

P「あとはアイドル達の送迎も……いや、理由を聞かれたら困りますね……」

P「しかし妙な贈り物が来たり、激化してきたらいよいよ警察を頼る事にしましょう」

ちひろ「はい」

――


ちひろ「よし、今日は奢ります。気にせずいつものノリで食べて下さいね」

P「それは却下します。割り勘で」

ちひろ「まぁまぁ。相談料ということで」

P「……なら余計に却下したいですね」

ちひろ「うぅ……別にいいじゃないですか」

P「良くないですよ。俺はちひろさんが悩んでいるなら、いくらでも話を聞きますし助けます」

P「相談料ってのは……ちょっと嫌ですね」

ちひろ「……そう、ですね。すみませんでした」スッ

P「あ、あぁいや! こちらこそすみません! も、もう酔ってるんですかね俺ってば!」

ちひろ「確かに、プロデューサーさんの言う通りです。いつの間にか2年の付き合いですからね」

ちひろ「でもだからこそ、本当に感謝していますし、お返しがしたかったんです……内容は悪かったですけど」

ちひろ「それは、信じて下さい」

P「……はい」

ちひろ「飲みましょうか。もうこの話は終わりですっ」

ちひろ「店員さーん!」

――


ちひろ「柑奈ちゃん、どうです?」

P「やる気あり、声もハキハキして大きいし、仕事相手に嫌な顔をさせないタイプです」

P「ま、言動はほんのちょっと変わってますけどね」

ちひろ「なるほどなるほど……」

ちひろ「ラブ&ピース、プロデューサーさんはどう思います?」

P「好きですよ結構。アイツはやかましいですけどね」

ちひろ「もーそんなこと言っちゃ可哀相ですよ」

P「まぁ……声は正直デカいです」

ちひろ「ですよね……」

P「でもあの性格なら大人しい組とも馴染めそうですし、大して心配はしていません」

P「スカウトしたばかりで、あまり性格掴めていないのもあるんですけどね」

ちひろ「そこが腕の見せ所……ですか」

P「はい」

ちひろ「智絵里ちゃんとまゆちゃん、ついにCDデビューですね」

P「はい」

ちひろ「2人の歌ってどうなんですか? ぶっちゃけたところ」

P「まゆは普通にレベル高いですよ。いつも通り、何でもそつなくこなしてます」

ちひろ「む、智絵里ちゃんは?」

P「別に下手って訳じゃないです。ただ飛び抜けて上手い訳でもないですけどね」

P「人に見られると、どうも歌う事を恥ずかしがるようで。あとあまり大きい声も出しませんし」

ちひろ「でも智絵里ちゃん、前向きになりましたしね」

P「えぇ、ここがアイツの踏ん張り所ですよ」

ちひろ「まゆちゃんは……問題無さそうですね」

P「まず間違いなく問題無いです。アイツは今回も上手くいきますよ」

ちひろ「なんだかなー……まゆちゃんって総合的にスキル高過ぎて嫉妬しちゃいますね」

P「よく気が利きますし、色んな知識を持っているし、積極性があって両利きですからね」

ちひろ「……最後関係あります?」

P「ありますよ。両利きってだけでカッコいいじゃないですか」

ちひろ「うーん……そうですか? 珍しいといえばそうですけど」

P「あー右手も使えるようになりたいな……」

ちひろ「年齢に比例して習得までの時間が伸びますからね。苦労すると思いますよ」

ちひろ「小さい頃から両方使っていたら、それが当たり前になるんでしょうけど」

P「俺左利きで苦労しましたよ。ノートをとると手が汚れるのなんのって」

P「習字の授業は無理矢理右手で書かされましたし……あとハサミが専用じゃないと使えないのが地味にキツかったですね」

ちひろ「現代社会は右利きが圧倒的多数ですからね。仕方ないです」

ちひろ「裕美ちゃん」

P「はい?」

ちひろ「可愛いですよね」

P「はい。成長して前向きになったアイドルの1人ですね」

ちひろ「話は聞きましたよ。脱いだらしいですね」

P「愛梨のマネらしいですよ。それを普通にやっちゃうのは、純粋だからなんでしょうね」

ちひろ「愛梨ちゃんもそうですが、脱いだらプロデューサーさんがどうなっちゃうか考えないんでしょうか」

P「冷静に服を着させるだけです」

ちひろ「そうですか」

P「ちょっと、真面目に聞いてます?」

ちひろ「本当でしょうかねー愛梨ちゃんの身体ってかなりのモノですしねー」

P「まぁ確かに冷静になるのは無理です。全力で止めに掛かるだけです」

ちひろ「ふふん♪」

P「……なんです」

ちひろ「いえ、べっつにー♪」

ちひろ「こずえちゃんって」

P「ヤバいですね」

ちひろ「はい、何がとは言いませんがヤバいです」

ちひろ「……いや、別に文句言ってる訳じゃないですよ。ただ……」

P「まぁ特別困ることも無いですけど、って事ですよね」

ちひろ「会話がたまに噛み合いませんからね。プロデューサーさんはなんとかなってるんですか?」

P「噛み合ってはいますよ。ただリアクションは予想から外れる場合がありますけど」

P「普通のちょっと変わった子、ってだけですね」

ちひろ「普通……? よく考えたらプロデューサーさんが相手出来ない人って多分居ないですよね」

P「楽観的に褒め言葉として受け取ることにします」

――


ちひろ「日中、外はそれなりに暑かったらしいですね。大丈夫でした?」

P「意外と辛かったです。まったく、天候が安定していなくて嫌になりますよ」

P「事務所に戻るなり即アイスですからね」

ちひろ「で、元気になると」

P「はい。そういえば事務所じゃチョコミントの人気が高いみたいですね。もう無くなりましたよ」

ちひろ「また補充しておきますね。しかしチョコミントですか……」

ちひろ「結構人を選ぶと思うんですけどね。私は好きですけどプロデューサーさんはどうですか?」

P「俺も小さい頃から好きですよ。美味しいですよね」

ちひろ「ふふ、気が合うんですね。私達」

P「案外似た者同士かもしれません」

P「酒好きで、仕事熱心で……あとはチョコミント好き」

ちひろ「……案外共通点少ないですね」

P「……みたいです」

P「でも性格が反対の男女の方が相性が良いという説もありますから」

ちひろ「その言い方だとまるで私達が理想のカップルになれそう、って聞こえますよ」

P「これは失礼」

ちひろ「失礼では、ないんですけどね」

P「というと?」

ちひろ「それ聞いちゃいます?」

P「おっと、これまた失礼」

ちひろ(しかし素面で観察してみると……この人相当アレだなぁ)

ちひろ(……一応対象としては見て貰えてるのかな、自惚れって訳じゃないけど。私アイドルじゃないし)

P「どうかしました? そう正面から見つめられると照れますね」

ちひろ「いえ、酔ったプロデューサーさんを観察しようかと思いまして」ゴク

ちひろ「何せ今までは酔って記憶が飛んでいましたからね。貴重な機会です」

P「うーん、やっぱりちひろさんもアルコール入れませんか?」

ちひろ「今日は飲まないつもりで。飲むとしても後半からですね」

P「俺は酔ったちひろさんも好きですよ」

ちひろ「『も』ですか。ちなみに普段の私と敢えて比べるならどちらが好みですか?」

P「甲乙付け難いですね……敢えて、なら普段のちひろさんかな」

ちひろ「……なるほど」

P「アイドル達や俺への気遣い、グッと来ます。まさに聖母の微笑みです」

ちひろ「聖母ですか。ありがとうございます」

P「じゃ反対に、ちひろさんはどうなんですか?」

ちひろ「?」

P「俺の事、どう思っているのかです」

ちひろ「そ、そうですね……」

P「……」

ちひろ「……んーと」

P「……無いんですね、残念です」

ちひろ「あ、ありま……はい、あります……」

ちひろ「ちょっと、恥ずかしいので勘弁してください……」

P「お酒飲めば、言えるようになるんじゃないですか?」

ちひろ「どうあってもお酒を飲ませたいようですね……」

P「酔いちひろさんはぶっちゃけトークが好きな御方ですからね」

P「というか俺は言いましたし」

ちひろ「……分かりました。別にプロデューサーさんに言われたからって訳じゃないですからね」ピンポーン

P「お、飲む気になりましたか」

ちひろ「一杯だけ、ですよ」


ちひろ「生……2つで」

店員「かしこまりました」

P「すみません、なんか」

ちひろ「もう、本当に反省してます?」

P「実はあまり。ちひろさんがお酒好きなのは知ってますからね。我慢はかえって良くないですよ」

ちひろ「……本当にプロデューサーさんは厄介な人です」

P「すみません。これは反省してます」

ちひろ「はぁ……」

P「ほら、幸せ逃げますよ」

ちひろ「余計なお世話ですっ」


店員「お待たせしました、生2つです」

ちひろ「ありがとうございます」

ちひろ「……」ゴク

P「あーそんなに控え目に飲んで……」

ちひろ「だから一杯だけのつもりなんですってば」

P「まぁいいです。それで返答を貰いたいんですが……」

ちひろ「……好きですよ、普段のプロデューサーさんは」

P「うわぁ、ということは……」

ちひろ「酔ったプロデューサーさんは……ちょっといじわるです」

P「……」

ちひろ「でも……それはそれで楽しいかな、って」

P「そ、そうですか……」

ちひろ「ちょっと! 何か反応してくれてもいいじゃないですか!」

P「ちひろさんだってあんまり良い反応してくれなかったじゃないですか……」

ちひろ「う、それはそれこれはこれです!」

P「いや、まぁ……なんと言いますか」

P「一応、好意的に見られているようで嬉しいですよ」

P「俺も……その、同じですから」

ちひろ「は……はい……///」

P「……」

ちひろ「そ、そろそろお開きにしましょうか!?」ゴクゴクゴク

P「で、ですね! じゃあ俺勘定に……」ゴクゴクゴク

ちひろ「は、はいこれどうぞ!」スッ

P(……ジャスト半額。よくまぁこんなパッと出せるな……)

――


ちひろ「……あの、プロデューサーさん」

P「はい?」

ちひろ「さっきの……深い意味は、無かったんですよね?」

ちひろ「ただの良い仕事仲間として……って意味ですよね?」

P「俺、酔ってるんですよ。別に深い意味は無いです」

ちひろ「そうですか……」

P「ただ」

P「また今度、一緒に飲みましょう。そう約束して頂けますか?」

ちひろ「……はいっ、勿論です」



おわり

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いいね。こういう雰囲気

毎度おつ


俺も酒飲みてえ。
風邪ひいてるし卵酒でも作ってくる

おつー
今日は冷えるからホットウィスキー

おつ

おつー

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