寺生まれのTさん「その幻想をぶち殺す!破ぁ!!」 (90)







―――――その男、寺生まれのその少年。


通称、寺生まれのTさん。


異能の力を消す、幻想殺しを持ち、


あらゆるものを吹き飛ばす、青白い光を操る者。


―――――彼の名は、上条当麻、と言った。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375003629

ムシャクシャして建てました。
後悔はしていません。

このストーリーは、寺生まれのT(当麻)さんが、無双するスレです。

数分後に投下します。

鉄橋にて

「ねぇ、超電磁砲って言葉、知ってる?」

「あん?」

「理屈はリニアモーターカーと一緒でね、超強力な電磁石を使って金属の砲弾を打ち出す艦載兵器らしいんだけど」


ピン、と少女は親指でメダルゲームのコインを真上に弾き飛ばす。
ひゅんひゅんと回転すコインは再び少女の親指に載って、


「―――――こういうのを言うらしいのよね」

言葉と同時。
音は無く、いきなりオレンジ色に光る槍が彼の頭のすぐ横を突き抜ける―――――

「そこまでだ」

先程まで会話していた声、寺生まれで霊感の強いTさんだ。

「破ぁ!!」

Tさんがそう叫ぶと、彼の右手が青白く光弾が放たれ、オレンジ色の光を吹き飛ばした。

「な、何ですって!?」

「電磁砲の原理はリニアモーターカーと同じじゃない。覚えておくんだな」

そう言ってさっそうと去っていくTさん。

寺生まれってスゴイ。その時初めてそう思った。

学生寮廊下にて

「世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ(MTWOTFFTOIIGOIIOF)

 それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり(IIBOLAIIAOE)

 それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり(IIMHAIIBOD)

 その名は炎、その役は剣(IINFIIMS)

 顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ―――――――――――――――――ッ(ICRMMBGP)!」


ステイルの修道服の胸元が大きく膨らんだ瞬間、内側からの力でボタンが弾け飛んだ。
轟! という炎が酸素を吸い込む音と同時―――服の内側から巨大な炎の塊が飛び出した。

それはただの炎の塊ではなかった。

深紅に燃え盛る炎の中で、重油のような黒くドロドロしたモノが『芯』になっている。

それは人間のカタチをしていた。

タンカーが海で事故を起こした時、海鳥が真っ黒な重油でドロドロに汚れたような―――そんなイメージを植え付けるモノが、永遠に燃え続けている。


その名は、『魔女狩りの王』。その意味は『必ず殺す』。

必殺の意味を背負う炎の巨神は両手を広げ、それこそ砲弾のように上条当麻に突き進み、



「破ぁ!!」



Tさんは何か呪文のようなものを唱えそう叫んだ。

すると叫び声とともにこの建物中に仕掛けていたルーンがすべて燃え上がり、魔女狩りの王まで霧散した!

「こんな見かけ倒しの炎を使って、あんな小さな女の子を追い回してたのかい小悪党め!!」


ステイルの首筋を掴んでブン投げるTさん。

その後、ステイルは気絶し起きあがってこなかった。


寺生まれってスゴイ、あらためてそう思ったんだよ。

道路にて




「神裂火織と申します。……できれば、もう一つの名は語りたくないのですが」

「もうひとつ?」

「魔法名、ですよ」

「―――てことは何か。お前もステイルと同じ、魔術結社とかいう連中なんだな」

「………?」

神裂は一瞬だけ不審そうに眉をひそめ、「ああ、禁書目録に聞いたのですね?」

「率直に言って」神裂は片目を閉じて、「魔法名を名乗る前に、彼女を保護したいのですが」

「……いやだ、と言ったら?」


「仕方ありません」神裂はもう片方の目も閉じて、「名乗ってから、彼女を保護するまで」


ドン!! という衝撃が自身のように足元をふるわせた。

まるで爆弾でも爆発したようだった。

視界の隅で、蒼い闇に覆われたはずの夜空の向こうが夕焼けのようなオレンジ色に焼けている。

どこか遠く―――何百メートルも先で、巨大な炎が燃え上がっているのだ。



「………!」



敵は『組織』だ。そして彼は炎の魔術師の名前を知っている。

彼はほとんど反射的に炎の塊が爆発した方角へ目を向けようとして、






瞬間、神裂火織の斬撃が襲いかかってきた。





 

上条と神裂の間には10メートルもの距離があった。

加えて、神裂の持つ刀は2メートル以上の長さがあり、女の細腕では振り回すことはおろかさ山で引き抜くことさえ不可能にみえた。

―――、はずだった。



なのに、次の瞬間。

巨大なレーザーでも振り回したのように上条の頭上スレスレの空気が引き裂かれた。

―――、はずだった。



「破ぁ!!!」



斬撃の正体である七本のワイヤーが千切れ飛ぶ。

青白い光が、全てのワイヤーを焼き切ったのだ。



「………なん―――――ッ!!」

直後、彼女の後ろに、光弾に乗って移動していたTさんが現れる。


そのまま右手を振りぬき、神裂を殴り飛ばす。



「さて、コーヒー牛乳でも飲みに行くか」



寺生まれってスゴイ、私は久しぶりにそう思いました。

いったん終了、続きは夜に。

一発ネタなのでスゴク短いので、多分今日中に終わります。

投下。
書きためなしで建てるんじゃなかった。
書きながらなので遅いかも―。

小萌の家にて





「―――侵入者個人に対して最も有効な魔術の組み込みに成功しました。これより特定魔術『聖ジョージの聖域』を発動、侵入者を破壊します」

バギン! と凄まじい音を立てて、インデックスの両目にあった二つの魔法陣が一気に拡大した。

インデックスの顔の前には、直径2メートル強の魔法人が二つ、重なるように配置してある。

それは左右いとつずつの眼球を中心に固定されているようで、インデックスが軽く首を動かすと空中に浮かぶ魔法陣に同じように後を追った。





「    。     、」

インデックスが何か―――――もはや人の頭では理解できない『ナニカ』を歌う。

瞬間、インデックスの両目を中心としていた輝いて、爆発した。

ニュアンスとしては空中の一点―――インデックスの眉間のあたりで高圧電流の爆発が起き、四方八方へ雷が飛び散るような感覚。

ただし、それは青白い火花ではなく、真っ黒な雷のようなものだった。

全く非科学的な事を云って申し訳ないが、それは空間を直接引き裂いた亀裂のようなものに見えた。

バギン! と。二つの魔法陣の接点を中心に、ガラスに弾丸をぶち込んだように、空気に真っ黒な亀裂が四方八方へ、部屋の隅々まで走りぬけていく。

まるでそれ自体が何尾と足りともインデックスに近づけまいとする、一つの防壁であるかのように。

めき……、と。何かが脈動するように、亀裂が内側から膨らんでいく。

わずかに開いた漆黒の亀裂の隙間から流れ出るのは、獣のような匂い。



たった4メートル。

彼は、『亀裂』へ―――――その先にいるインデックスの元へ走った。

同時、ベギリ―――――と、亀裂が一気に広がり、『開いた』。

ニュアンスとしては、処女を無理やり引き裂いたような痛々しさ。

そして部屋の端から端まで達するほどの巨大な亀裂の奥から、『何か』がのぞきこんで、







ゴッ!! と。亀裂の奥から光の柱が襲いかかってきた。




もう例えるなら直径1メートルほどのレーザー兵器に近い。

太陽を溶かしたような純白の光が襲いかかってきた瞬間、彼は迷わず右手を顔の前に突き出した。



「破ぁ――――――!!!」


彼は叫ぶ、今までにない大声で。

右手からは部屋を埋め尽くすほどの光弾が発射されている。

ねむい、やっぱりむりだ、おやすみなさい

とうかなのだー。
今日こそ完結するぞー

しかし、光の柱とほぼ互角。

今まで圧倒的な力で敵をねじ伏せてきた彼にとって、初めての拮抗。

お互いにぶつかりあい消えては、また生まれていく。



(単純な物量だけじゃねぇ……ッ! 光の一粒一粒の『質』がバラバラじゃねぇか!!)

ひょっとすると、インデックスは10万3000冊の魔導書を使って、10万3000種類もの魔術を使っているのかもしれない。

一冊一冊が「必殺」の意味を持つ、その全てを使って。



と、アパートのドアの向こうが騒がしくなった。

今頃「異変」に気付いたのか、と彼が思った瞬間、勢い良くドアが開いて二人の魔術師が飛び込んできた。

「……ど、『竜王の殺息』って、そんな。そもそも何であの子が魔術なんて使えるんですか!」



彼は振り返らない。

振り返るだけの余裕がないのも事実だったし、振り返るまでも無かったからだ。



「騙されてたんだよ、お前たちは」



「な………」



魔術師たちが絶句する。



じりじり、と。彼の光弾が押されていく。

畳を切り裂く衝撃が、刻一刻と近づいてくる。

「冷静になれよ、冷静に考えてみろ!禁書目録なんて残酷なシステムつくりやがった連中が、テメェら下っ端に心優しく真実を全部話すとか思ってんのか! 
 目の前にある現実を見ろ!!」


「……、」


ステイルはほんの一瞬、本当に一瞬だけ、奥歯が砕けるほど歯を食いしばって、



「―――――Fortis931」

その漆黒の服の内側から、何万枚位というカードが飛び出した。

炎のルーンを刻んだカードは台風のように渦を巻き、あっという間に壁や天井や床を隙間なく埋めていく。

それこそ、まるで耳なし芳一のように。

だが、それは目の前の男を救うためではない。



インデックスという一人の少女を助けるために、ステイルは彼の背中に手を突きつけた。



神裂もまた、刀を構え、彼の首筋に刀を添わせる。

「曖昧な可能性なんて、いらない。あの子の記憶を消せば、とりあえず命を助ける事が出来る。

 僕はその為ならだれでも殺す。いくらでも壊す! そう決めたんだ、ずっと前に」



「『竜王の殺息』―――伝説にある聖ジョージのドラゴンの一撃と同義です。

 いかなる力があるとはいえ、人の身でまともに取り合おうなど、馬鹿げています」



ギチリ、と。ずっと押し負けていた上条の光弾が、様子を変える。

青白い光弾は、さながら何かの顎のように形を変えていく。

「あいまいな可能性? とりあえず!? 馬鹿げている、だぁ!?」



球体だった光弾は、中心部が裂け、牙を剥くような形態になる。

青白い光は、だんだんと色を増し、光を強くしていく。



「ふざけやがって、そんなつまんねぇ事どうでもいい! 理論も理屈もいらねぇ、たった一つだけ答えろ魔術師!!」



彼は、息を吸って、






「―――――テメェは、インデックスを助けたくはないのかよ?」








魔術師の吐息が停止した。



彼は、光の柱へと一歩踏み出す。



「テメェら、ずっと待ってたんだろ? インデックスの記憶を奪わなくても済む、インデックスを敵に回さなくても済む、そんな誰もが望む最っ高に最っ高な幸福な結末ってヤツを!!」



光はますます力を増すが、それに相対するように、光弾も力を増していく。

「ずっと待ち焦がれてたんだろ、こんな展開を! 絵本みたいに映画みてぇに、命を掛けてたった一人の女の子を守る、そんな魔術師になりたかったんだろ!」



もう一歩。

もう一歩。



その少年は恐れない。



「立ちはだかる壁がなんだ! 必要悪の教会!? 10万3000冊の魔導書!? 知ったこっちゃねぇ!
 人の手で作れる異能なんてたかが知れてる! 普段から俺はもっと巨大なもんと戦ってるんでな!!」




もう、目と鼻の先。







あと一歩でその光の柱が飲み込むという所で、彼は右手を振り上げる。









「―――――手を伸ばせば届くんだ。それを俺が証明してやるよ、魔術師!!!」




 

投下いったん終了、多分夜に来ます。

急にシリアスっぽくしたくなった。やっぱり中二的言い回しって楽しい。

とうかー。
シリアスなギャグです。

「―――――手を伸ばせば届くんだ。それを俺が証明してやるよ、魔術師!!!」





そう叫んだ直後、光の弾丸が、すべて消える。


もはや彼を守るものはない。


目と鼻の先に迫る光の柱。



死。



彼が久し振りに感じた、その雰囲気。

だが、そんなものは関係ない。


そんな『幻想』など、簡単に『殺せる』右手があるから。





「いいぜ、神様」





『上条当麻』は、笑う。



笑って右手をふるう。



「この物語が、神様の作った奇跡の通りに動いってるってんなら―――――」




まるで、物語の終幕を称賛する、観客のように。


まるで、完結をたたえる拍手のように。





(―――――まずは―――)










「破ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!」








叫び声と同時。


光の柱と右手が激突すると同時。


彼の右手から、青い、蒼い、龍の顎が顕現する。








「       g    、  。    y  」






ぱっくりと口を開いた『ソレ』は、声なのかどうなのかすらわからない雄叫びをあげながら。



まるで光の柱を食い荒らすかのように光の柱を押しのけて。

パキン、と。



まるでプレパラートでも割るように、あっさりと魔法陣を砕く。



「―――――警、こく。最終………章。第、零―――……。『 首輪、』致命的な、破壊……再生、不可……消」



ブツン、とインデックスの口からすべての声が消えた。

光の柱が消え、魔法陣も無くなり、部屋中に走った亀裂が消しゴムで消すように消えて行き、




その時、彼の頭の上に、何十枚もの羽が粉雪の如く舞い降りようとしていた。

それは、竜王の殺息の余波。

たった一枚でも触れてしまえば大変な事になる、光の羽。



だが、彼は動じない。



蒼い龍が、羽を食い荒らす。


音すら立てずに、一枚残らず殺された羽。



ゆっくりと龍は彼のもとへもどり、右手に重なって消えた。

呆然とする魔術師たちに対し、少年は笑い掛ける。


右手を彼らのもとへ向け、ゆっくりと口を開き、告げる。




「まずは、その幻想をぶち殺す、ってな」




寺生まれってスゴイ。彼らは心の底からそう思った。






寺生まれのTさん「その幻想をぶち殺す!破ぁ!!」 END

おわりー。
最初上条さんに「破ぁ!!」って言わせたかっただけだから特に考えずに深夜のテンションで書いて行った結果、
竜王の顎を操れるようになってました。
深夜って怖い。

暇なので小ネタでも書こう。

正直二巻三巻とひたすら「破ぁ!!」って言ってるだけで終わると思うので、やりません。

小ネタ1 コピペ改編、本当は登場させたかった人たち




くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、Tさん達のみんなへのメッセジをどぞ

寺生まれのT(当麻)さん「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと破ぁ!!なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

神社生まれのT(土御門)さん「いやーありがとだにゃー!
オイラのかわいさは二十分に伝わったかな?」

教会生まれのT(テッラ)「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいですねー・・・」

メルヘン生まれのT(帝督)さん「見てくれありがとな!
正直、作中で言った俺の気持ちは本当だぜ!」

雷神うまれのT(トール)さん「・・・ありがと」ファサ

では、

T、T、T、T、T、☆「皆さんありがとうございました!」



T、T、T、T、T「って、なんでアレイスターくんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

オマケ

没エンド案

なんやかんやで記憶を失った上条さん。



「案外、俺は自分の家の事をまだ覚えているのかもしれないですね」



カエル顔の医者は、少しびっくりしたように透明な少年を見た。



「君の『思い出』は、脳細胞ごと『死んで』いるはずだけどね?」



我ながらつまらない事を言ってるな、と医者は思う。

けれど、医者は言った。



「パソコンで言うならハードディスクを丸ごと焼きはらった状態なのに。

 脳に情報が残ってないなら、いったい人間のどこに家の思い出が残ってるっていうんだい?」



なんとなく、この少年の答えは。

そんなつまらない理屈など、一発で吹き飛ばしてくれるかも、と思ったから。



「どこって、そりゃあ決まってますよ」



透明な少年は答える。







「―――――お寺に、じゃないですか?」



我ながら意味が分かりませんね。
深夜のテンションって怖い。

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