暗い夜道を男は一人で歩いていた。
男「…。」テクテク
女幽霊(生気は感じられず見た目もさえない、生きているのは辛いけど自殺は怖いってところでしょうね。)
女幽霊(ならばせめて者の、私があの方に安楽死をさしあげましょう。)サーッ
男「…えっ。(今何か白いものが通ったよな?)」
男「いや、疲れているだけだな。連日のサビ残とパワハラで。さっさと帰って寝ないと。」スタスタ
女幽霊(ふふ。やはりあの方の神経は衰弱しておられますね。恐怖を感じている人間の魂の味は格別な物です。もっと恐怖してくださいね。)カランコロン
男「うわッ!」クルッ
男「なんだ空き缶か…。」クルッ
女幽霊「ア゛ア゙ア゙ア゙ア゙ーーウウウウーー」
男「う…うぼぁーーー!」タッタッタ
ドテッ
男「ツッ…」(さっきの空き缶に躓いて・・・ってかあの場所に空き缶なんてあったか?投げる人なんていたか?いやそんなこと考えている暇じゃない!)ピキッ
男「えっ。」(体が動かない…そんな。)
女幽霊「ア゛ア゙ア゙ア゙ア゙ーー」(振り返ったら目の前に私がいて、走って逃げたら空き缶に躓いて転ぶ…ふふふ。ここまでは予定通り。)
女幽霊(でも私の霊力じゃ金縛りは出来ないのに・・・どうしてかしら。まぁ勝手に怯えてくれてこっちとしては好都合。今晩の主食は・・・あなたです!)
男「うぅ…」(ここで俺は死ぬのか。そんなの嫌だぞ。こんなことなら職場の女共でも拉致ってレ○プして・・・童貞のまま死ぬなんて・・・)
女幽霊「・・・シネ!」ブン
ドコッ!
男・女幽霊「えっ。」
女幽霊(えっと・・・さっき私はあの方にトドメを・・・なのにどうして私が地面に倒されているの?)
男(死んでない・・・?えっと体が動かなくなって殺されたはずなんだよな。どうして俺がこの幽霊のことを押し倒しているんだ?今は体が動きそうだけど・・・あれ、意外と幽霊って人間のような肉感がある!?)
男(ヘッヘ。どうせ呪い殺されるんなら・・・!)バサッ・・・バサッ・・・
女幽霊「あっ」(私の白装束に手を・・・まさか私は・・・)
女幽霊(夜這いされる・・・!?)
男「やっぱり白装束の下は裸なんだなぁ。おかげ様で脱がしやすかったよ。お化けちゃん。」ガシッ
女幽霊「離して・・・離せ!」(この方、意外と力が強い!手の自由が利かない!)
男「ハァ・・・ハァ・・・」ズポッ
女幽霊「んっ・・・」(落ち着かないと落ち着かないと落ち着かないと落ち着かないと・・・!霊力を使えば拘束の解除ぐらい・・・!ここは落ち着いて気を平常に・・・)
男「ハァ・・・ハァ・・・」パコッパコ
女幽霊「あっあっ・・・!」(駄目・・・!こんな状態で気持ちを落ち着かせるなんて出来ない!でも落ち着かないと、早く落ち着かないと!)
男「ハッハッ・・・」バコバコ
女幽霊「いっ!あんッあん・・・」(もう・・・そんな・・・)
男「うっ!」ドビュッドビュッ!
女幽霊「あ・・・あぁ・・・」(あたたかい・・・そんなのって・・・)
男「はぁ・・・はぁ・・・これで童貞は卒業できた。ありがたく思えよ、俺の初めてをゲット出来て!」
男「さぁ、呪い殺せよ!さっさと!」
女幽霊「はぁ・・・はぁ・・・」(体に力が入らない・・・今日はもうだめ・・・)
男「殺さねえのか・・・?んじゃあさっさと逃げるか」タッタッタ!
女幽霊(あの方の初めて・・・思えば私も霊なってからは…)
ツーッ
女幽霊(あの人の精液・・・)スクッ
女幽霊「・・・いい匂い。」
ペロッ
―――おいしい。
次の日の昼
ブーーーーン
男「あっ。フェラーリだ。あれ何千万するんだろ。」
男「一方俺は走行距離15万のボロ軽だよ。なんなんだろ、俺の人生。」
スラー
男「うわッ!」プップー!キーー。
男「あぶねえよバカヤロー!ひき殺されてぇのか!ってあれ?」
男「・・・誰もいない?」
?「こんにちは」
男「うわ!」(いつの間に助手席に乗り込みやがった!でもこの女、かわいいかも・・・。)
?「お隣失礼しますね。」
男「お・・・おう。」
ブーーーーン
?「・・・。」
男「・・・。」
?「・・・。」
男「・・・。」
男(すごく気まずい。何か無理やり話題でも)
男「いやーきょうh」
?「覚えてますか?昨晩のこと。」
男「昨晩ですか?」
?「はい。」
男「えっと・・・昨晩何処かでお会いしましたっけ?」
?「えぇ。夜道で・・・。」
男(夜道は誰にも会ってないよな。走って帰ってたから気づかなかっただけ?・・・ちがうコイツは・・・)
男「・・・まさか。」
?「そうです。昨晩の幽霊です。」
夜這いの意味分かってんのか
ブーーーーン
男「・・・。」
女幽霊「・・・。」
男「・・・幽霊ってそういう服着れるんだね。」(そういえば暗闇と必死だったせいで顔は見れなかった。)
女幽霊「えぇ。今までに呪い殺した女性から拝借した御洋服から選びました。」
男「に・・・にに似合ってると思いますよ。」ゾクッ・・・
女幽霊「そう・・・でしょうか。」
男「とても綺麗ですよ!うん、綺麗!とても綺麗!」(実際綺麗だと思うけど、間違っても怒らせないように念を押しておこう。昨日あんな事言ったがやっぱり死にたくないし・・・)
女幽霊「ですが少し恥ずかしいです・・・私には華やかすぎます」
男「そんなことないですって!」
女幽霊「・・・///」モジモジ
男(なんか知らんけど今の所は殺されずにすみそうだ。)
ブーーーーン。
男「あっ。ここ止まっていいですか。」
女幽霊「えっ!あっはい。」
キキーーーッ
女幽霊「あっ・・・ここ。」
男「あれ、ご存知なのですか?」
女幽霊「いや、知らないです!知らない・・・です。」
男「・・・?まぁいいや。あそこ、ベンチあるんで座ってませんか?」
女幽霊「はい。」
テクテク。
男「暇なときここに来るんです。ここ、涼しいし人いないし。」
女幽霊「・・・。」
男「昨日のこと。復讐に来たのですよね?」
>>9 司馬の燃えよ剣の冒頭みたいな。
女幽霊「・・・!」
男「本当は死にたくなんか無いけどね。でも君を昨日無理やり犯した事実は変わらない。」
女幽霊「・・・ちがいます」
男「情けない男だよ全く。後は君の好きにしてくれ」
女幽霊「ちがいます!ただ・・・」
男「・・・。」
女幽霊「貴方とお逢いするべく、ここへ来たのです!」
男「はい?」
女幽霊「私を幽霊としてでなく、女として取り扱ってくださった貴方に!」
男「でも俺は君に乱暴をしたんだぞ!?」
女幽霊「乱暴であったとしても、私に女としての気持ちを思い出させてくださったのは貴方です!」
女幽霊「私だって何がなんだか分かりません。でも・・・貴方の言葉通り、好きにさせてもらいます!」
女幽霊は男のジーンズのファスナーに手をかける
男「まて!何を」
女幽霊「お黙りになって。もう私は貴方のものです・・・ですが今は、貴方が私のものです!」
女幽霊は男のモノを取り出す。
男「やめ・・・」
女幽霊「嬉しいです・・・もうこんなになっているなんて。私を女として見て下さっている。」
ズブ・・・
女幽霊「動き・・・ますよ。」パンパン
男「あっ・・・」(やばい・・・昨日よりも気持ちいい。)
女幽霊「んっんっ・・・」パンパンパン
男「うっ・・・」(激しい!もう駄目・・・出ちゃう)
ビュク・・・ビュク
女幽霊「ハァ・・・ハァ・・・すぐ出ちゃいましたね。もっといいですよね」
ピュピーン
男「・・・ん?」
女幽霊「霊力を使いました。・・・何をしたかは教えませんけどね。じゃあそこに横になってください。」
男「はい・・・」
女幽霊「貴方の・・・とても温かい。私と貴方の汁でヌルヌルしてる」シュッシュッ
男「くぅ・・・」(白くてか弱い手が俺のを擦って・・・自分の手より気持ちいい・・・)
男「あっ!」ビクッ
女幽霊「ここが好きなのですね・・・!ではもっと」ニコッ
シュッシュッ!
男「くっ!」(もう出ty)
女幽霊「クスクス・・・今ですね。」パッ
男(寸止め・・・)ビクビク
女幽霊「もう一回・・・いきますよ」シュッシュッ
女幽霊「・・・。」パッ
男(また寸止め・・・激しくしごかれてるのに的確なタイミングで・・・まさか!)
女幽霊「そうです。その・・・射精に達する性的快感の閾値寸前が私に伝わる呪術をつかったのです。」
女幽霊「では・・・続けましょうか。」
―――この後寸止めを30回程繰り返しました。
男「あ・・・う・・・」
女幽霊「ではそろそろ終わりにしましょうか・・・」
男「う・・・ぅ・・・」
女幽霊「ここまで許しを乞わなかったご褒美です。えい!」
ピピーン
女幽霊「いつもの射精の2倍気持ちよくなる呪術をかけました。ですが・・・私が気持ちよくなるまで貴方は射精できないです///」
女幽霊「・・・今度は貴方が私を好きなようにしてください。」
男「・・・じゃあ俺に乗ってください。もう疲れてしまって・・・」
女幽霊「こう・・・ですか。」プチュ
男「そうだよ。」(こう見るとこの子のま○こ・・・綺麗な色してるなぁ。)
女幽霊「あんまり見ないでください!・・・はずかしいです。」
女幽霊「では・・・」パンパン
男「うっ・・・」(やばい・・・気持ちよすぎて頭が回らない・・・)
男(挿れたばかりだしまだあの幽霊ちゃんは逝きそうに・・・)
女幽霊「あぁ!・・・ん・・・!」パコパコ
男「えっ」(まだ5ピストンなのに・・・かなり感度がいい子?)
女幽霊「もう・・・だめ・・・」
ドビュッドビュッ
男 (8ピストンで・・・)カクッ
女幽霊「ハァ・・・ハァ・・・」クター
女幽霊「とても幸福な気分です・・・///貴方は?・・・って」
女幽霊「気絶してしまわれましたか・・・クスクス、可愛らしい顔ですこと。」
女幽霊「後は車の中で添い寝してさしあげましょう。」
ピューン
男「・・・んー」ショボショボ
女幽霊「起きられましたか?お疲れのようですね。」
男「そりゃあ・・・。でも君があんなに凄い子だったとはなぁ。」
男「自分から乗ってきたり、焦らしてきたり・・・」
女幽霊「あっ・・・///」カーッ
男「俺も人の事言えないけどすぐに逝っちゃったり。」
女幽霊「・・・さっ先ほどのことはもう忘れてください!」
男「んっ…もうだm」
女幽霊「忘れてください!!」
男「ハハハ・・・面白いね君は」
女幽霊「もう!私は帰ります!!」ピピューン
男「あっ…消えちゃった」
女幽霊「私…淫らな姿をあの方に見せてしまって…」
男・女幽霊「嫌われちゃったかな。あの子(方)に」
二週間後の夜。男宅
男「あーぁ。今日もムダに過ごしちまったなぁ…。」
男「こういう時はロリ物で抜いてさっさと寝るかぁ」カタカタッ
ピンポーン。
男「ロリ ブルマ 無修正っと…」カタカタッ
ピンポーン
パソコン「アンアンイクイクー」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
男「だぁーーー!るっせえ!!」
ガチャ
男「どちらさま」イライラ
男「って…え?」
女幽霊「お久しぶりです。来てしまいました。」
男「おっおう。」
男「折角だしあがっていきなよ。」
女幽霊「お邪魔します。」トコトコ
女幽霊「!?」
男「どうしたの?いきなり立ち止まって…ってうぼぁーー」
パソコン「ジュポジュポオニイチャンノオチンチンオイシー」
ブチィ!
男「ハハハ…。」
女幽霊「…貴方は童女好きなのですか?」
男「いや違う違う!あれはコンピューターウイルスの一種で…ハハハ。」
男「それより!なんで俺の家が分かった?」
女幽霊「呪術で調べてしまいました///」
男(あれ、俺ストーカー被害にあってる?)
女幽霊「えっと…迷惑でした?」
男「いや全然!来てくれて嬉しいよ!」(まぁいいか。幽霊とはいえ可愛い子だし)
男「あの…飲み物でも持ってくるね」スタスタ
女幽霊(童女の…あの方は童女が好きなのでしょうか?私だと…っ!そうだ!)
ピピューン
男「お待たせ…はい?」
童女幽霊「ええっと…どっどうかな?お兄ちゃん///」
男「ハハハ…疲れてるのかなぁ俺。」
童女幽霊「生憎私の幼少期にしか変化できなくて・・・服までは何とか先ほどの童女と同じ物を作れましたが・・・どうでしょうか?」
男「凄く良いよ…うん。最高」
男「とっ取りあえずこれでも飲みなよ。お茶しか出せないけどさ」コトッ
童女幽霊「ありがとう。でも私が飲みたいのはこっち」
ズルッ
男「あっ」
童女幽霊「先ほどの童女…男性のを飲んでましたよね…。私も飲みたいの」パクッ
男「うわっ!」
童女幽霊「先ほどの行為をしたこと無いので貴方を気持ちよく出来るか分かりませんが・・・」ジュポジュポ
男(ロリ幽霊ちゃん可愛すぎる・・・!しかもブルマで俺のを…。上目遣いで俺を見つめて…)
男「出る…」ドビュ
童女幽霊「んっ…」ゴクッ
童女幽霊「…お兄ちゃんのおちんちんおいしい…でいいのでしょうか///」
男(やばい…もう死んでもいい!)
男「ごめんね、このままの格好でいてなんて言っちゃって。」
童女幽霊「いいえ、いいのです。貴方が喜んでくれれば。」
男「じゃあ…さっき言った体勢になれる?」
童女幽霊「こう・・・ですか?」
くぱぁ
童女幽霊「あんまり…見ないでくださいね///」
男「このまま開いてる手で中に入れて」
童女幽霊「…ん///」クチュクチュ
男「へぇ。いつもこうやってたんだ。」
童女幽霊「こんなこと…してません…!ハァハァ…」
男「じゃあ最後にしたのは?」
童女幽霊「ここ一週間は呪術に費やして…ン・・・8日前です。…あっ!」
男「やっぱしてるんじゃん」
童女幽霊「…///」
クチュクチュ
童女幽霊「そろそろ…もう…あぁ!」ビクビク
童女幽霊「はぁ…はぁ・・・挿れて…」
男「うん…行くよ」
ズブッ
男(体格が小さくなって…膣もきつく…気持ちいい)
童女幽霊「んッ・・・あぁ!」(小さい頃に戻っているからかしら、今まで以上に…)
パコパコパコパコ…
男「行くよ…いい?」
童女幽霊「どうぞ…私の中に出して」
ドビュドビュ
童女幽霊「もっと…」
男「もちろん」
童女幽霊「次の体勢は…こうですか?」
男「うん、いいよ!」
童女幽霊「貴方の顔が見えないのは少し寂しいです…。あの、あんまりお尻も見つめたりしないでくださいね!」
男「えーっ、いいお尻なのになぁ。」
男「…挿れるよ。」プチュ…
童女幽霊「んっ…」(後ろからあの方の物が…)
童女幽霊「もっと!激しくおねがいします!」
男「…うん!」バコバコバコ
童女幽霊「アッアッ!」モミモミ
男「ちっちゃい何をもんでるのですか?」クスクス、バコバコ
童女幽霊「ちっちゃいは…余計です…!ンッ」モミモミ
童女幽霊「…あぁ!逝く、逝っちゃう!」
男「よし、じゃあ出すぞ」
ビュクビュク
男「クスクス…逝っちゃったの?」
童女幽霊「その…ちょっとだけ…///」
男「じゃーもっと逝かせてあげる!」
童女幽霊「もう…///」
そんなこんなで五回戦まで続きました。
男・童女幽霊「はぁ・・・はぁ・・・」
童女幽霊「少し…やすもう。」ゲホゲホ
男「大丈夫?」
童女幽霊「ごめん・・・元の姿に戻るね。」
ピピューン
男「ははは。やっぱりこの姿も可愛いね」
女幽霊「ありがとう…」ゴホゴホ
女幽霊「あのね…これから話さなくてはならない事があるの。聞いてくれる?」
男「…?うん。いいよ」
女幽霊「多分だけどね、私、そろそろこの世界から消えるの。」
男「…え。」
女幽霊「幽霊にも色々な種類があるのって知ってるよね?」
男「何となくは…」
女幽霊「私はね、その中でも地縛霊っていう種類なの」
男「それとなんの関係があるんだよ!」
女幽霊「ゴホッ…はぁはぁ…。落ち着いて聞いてね。一般に幽霊自身が持つ霊力がゼロになった時、その幽霊はこの世から消えるの。」
女幽霊「それでね、地縛霊ってのは他の霊と比べて霊力のキャパシティは小さい。でも霊力供給源が大きいから自身が消滅することは滅多に無いの」
男「じゃあなんで!」
女幽霊「霊力の供給方法ってのは2通りあって、一つは人間の魂を食うこと、もう一つは霊力供給源によるもの、」
女幽霊「一般の幽霊の霊力供給源はその場に生じている気なの。所謂パワースポットとか心霊スポットみたいな。」
女幽霊「でもね、地縛霊は他の霊とは異なる霊力供給源を持つの。なんだと思う?」
男「なにって…」
女幽霊「恨みと妬み、後悔よ。」
男「…!」
女幽霊「その代償といったら変だけど、地縛霊は自分の領域、自分の怨念のたまった地から基本的には移動できない性質を持つ。」
女幽霊「一つだけ移動する方法があって、それは霊力を消費して移動すること。」
女幽霊「呪縛霊にとって領域とは単なる檻と一緒。この場だけは唯一霊力を消費しなくて住む場所。他の霊たちのような、安息の地にはなり得ないの」
男「まさか君の領域ってのは…」
女幽霊「そう、最初に私たちが出逢ったあの道。」
男「じゃあここにいるだけでも霊力ってのがなくなってるんだろ?はやく戻れよ!!」
女幽霊「それももう出来ないわ」
男「どうして!!」
女幽霊「もう誰も恨んだり妬んだりしてないから…!」
男「…!!」
女幽霊「仮に私の領域へ戻れたとしても霊力供給源が無い以上何も変わらない。」
女幽霊「戻ったところで人間の魂を食うための、自身を具現化させる霊力すら残っていない。」
男「ならば俺をこの場で食え!もともとそうだったじゃないか!」
女幽霊「ダメ、それは絶対出来ない!」
男「どうして!」
女幽霊「そしたら私を女として見てくれる人がいなくなる…また私はこの世界を恨んだり妬んだりしちゃう…!」
男「もう…君は助からないのか…?」
女幽霊「違う、助けられたのよ…貴方に!」
男「…君の生い立ちを聞いていい?」
女幽霊「あまり思い出したくないから…手短に言うとあの地で私と兄弟全員がゴロツキに惨殺されたの。そのゴロツキは私の夫を中心とした集団だった。残されたのは虫の息で寝たきりの父だけ。上手いように父は夫に利用されて、家の権力を持ってかれた挙句殺害されたわ。」
男「そんな・・・。」
女幽霊「それで私はあの地に縛られてしまった。あそこが一家最後の幸せに満ちていた場所だったから!」
女幽霊「でも…もう縛られないですむの。貴方が私を檻から開放してくれた!」
男「でも…君が消えるのは…つらい。」
女幽霊「あはは…こういうのに限って早く進むのよね。もうそろそろお別れだわ。」
男「そんな…」(足が消えかかっている…!もう本当に!)
男「消える前に教えてくれ!君の生前の名前は!」
女幽霊「霊子よ。貴方は?」
男「霊次だ」
霊子「ごめんなさい、もっと早く名前を知って、名前で呼んであげればよかった。」
霊次「俺のほうこそ…」
霊子「ふふ…今度こそ本当のお別れのようね。」ツー
――――さようなら霊次さん、愛しています。
あれから16年の月日が経ち…
霊次(あれからそれなりに会社での地位も高くなり、休みは土日となった。給料もそれなりに高くなったが…)
友人A「それでさー嫁が恐ろしくてさ」
友人B「まじで!?お前のカミさん優しそうな顔してるのになー」
友人A「ところで霊次、お前はいい相手見つかったのか?」
霊次「いや…」
友人A「探せば見つかるって。街コンでも行けよ」
霊次「バーカ、40過ぎの男を捕獲する女なんていねーだろ!」
一同「それでは霊次君のフィアンセ発見を祈って乾杯!」
霊次「よけいなことするなー!」
帰り道
ブーーーン
霊次「全く、これだから酔っ払いの介抱は疲れる。」
※霊次くんは下戸です。
霊次「車種は走行距離15万の軽から型落ちのセダンに変えたけど…なんだかなぁ。」
スーッ
霊次「うわ!」
キキーッ!
霊次「あぶねーバッキャロー!ミンチになりてえのか!」
?「こんばんは!」
霊次「こんばんはってのんきな野郎だなテメェ!…ってあれ?」
霊次「霊子…?」
霊子「良かった…覚えてくれてた///」
霊次「何で君が…?」
閻魔大王の間
コンコン
閻魔大王「入りたまえ」
霊子「失礼します」
閻魔大王「ふむふむ・・・女か。何の用で」
霊子「霊力が失われたため、こちらへ参りました。」
閻魔大王「そうか。えっと幽霊リストっと。君の名は?」
霊子「霊子です。」
閻魔大王「霊子・女性・地縛霊…であってるか?」
霊子「はい。」
閻魔大王「地縛霊か!地縛霊がここを訪れるのはひさしぶりじゃな!実に334年ぶりの出来事じゃ!」
閻魔大王「どれどれ、君の地上での生活を見させてもらおう…」
ピピピーン
閻魔大王「ほうほう・・・なるほど。君、霊力を失った地縛霊の最後を知ってるか?」
霊子「はい、輪廻転生の準備や現世への懺悔すら行えず、ただ固体としての概念そのものが消えうせます。」
閻魔大王「ただしい。しかしもう一つある。なんだか分かるか?」
霊子「…申し訳ありません。存じ上げません。」
閻魔大王「転生じゃ。それもこの場で今すぐじゃ。」
霊子「知りませんでした。」
閻魔大王「そりゃ当然じゃ。地縛霊共に公表しとらんからな。そもそも地縛霊はなかなかここに来ないし、かろうじてここに来た者も転生の条件を満たしていない。」
閻魔大王「では条件とはなんだと思う?」
霊子「分かりません。」
閻魔大王「簡単なことじゃ。ある人間一人と相思相愛の関係になり、一晩のうちに5回ほどその人物の精液を体内へ収める。あるいは自分の精液をその人物の体内へ流す。」
閻魔大王「なるほど、そちは霊次という男とイチャラブしとったようじゃな!」
霊子「…///」モジモジ
閻魔大王「ガハハハ!恨みと愛は霊界においては対極の存在、そちは恨みを乗り越え、さらには愛を手に入れた!もう霊としてではなく、他のどんな人間よりも人間らしい心を得た!」
閻魔大王「よかろう!そちには転生を命じる!次の人生では真の幸せをつかめ!」
霊子「はい。」
閻魔大王「それと、これは餞別じゃ。」ピピューン
霊子「一体何を…?」
閻魔大王「ハハハ!愛するものへの記憶を忘れないようにしておいた。必ずその者と出逢うんじゃ!」
霊子「ありがとうございます!」
閻魔大王「んじゃ、二度とここには戻ってくるなよー」
霊子「お世話になりました!」スー
閻魔大王(あともう一つ、秘密でラブラブ永続の呪術もかけておいたぞ。ワシとしたことが、これじゃ恋のキューピットじゃな)
閻魔大王「ガーッハッハッハ!」
霊子「そんな訳で、あの時いっぱい交わったので生き返ったのです!」
霊次「そうか…そうか…!」ウルウル
霊子「ねぇねぇ、まだあの家なの?早く行こうよ!」
霊次「えーっでも散らかってるよ。」
霊子「そういってエッチな物が散らかってるだけでしょー。」
霊次「違う!」
霊子「もうなんでもいいから早く行こう!あの時程の幼女じゃないけどまだ16歳だからピチピチだよ!…もちろん転生してから一回もした事ないし///」
霊次「…。」
霊子「…嫌なの?」
霊次「違うよ、嬉くてさ。何がなんだか分からないくらい…。」
ギュッ!
霊次「霊子」
霊子「霊次さん?」
―――愛してる。
――――私も。
おしまい
今更ですが④して下さった方どうもです。
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