番外個体「ってことは第一位と子作りができるわけで」 (626)

とあるサイトで投稿中の番外通行R-18モノ。
以下注意点

・R-18
・更新速度不安定(うちのプロバイダがよく規制かけられるので突如の失踪があるかもしれません(-_-;))
・途中タイトル詐欺。主に世紀末帝王が出張る
・時系列等の矛盾が出るかも


少しでもみなさんに楽しんでもらえれば幸いですっと

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1377438003

番外個体「何か最近だるいにゃー」

一方「あァン?テメェはいっつもそんな感じだろうがァ」

番外個体「わかってないなぁ。それでもミサカの彼氏なの?」

一方「誰がテメェの彼氏だってェ?寝ぼけたこと言ってねェで、メシだから早くテーブルんトコに来い」スタスタ

番外個体「はいはい今行きます」ノソノソ


打ち止め「ん、おはよー。早く食べないと大好物の中華まんを一人で食べちゃうぞって言いながら、ミサカはミサカは既に三つ目に手を出してみたり!」ガシッ

番外個体「あっ、ミサカも食べるっ!」

黄泉川「お寝坊さんには当たらないじゃんよ?」

芳川「あなたもついさっきまで寝たわよね……」

黄泉川「細かいことは気にすんなじゃんよ」

一方「あァ、相変わらずうるうせェな。朝ぐらい静かにできねェのかテメエらは」

打ち止め「って、最後の一つは譲らないよって、ミサカはミサカは全力で中華まんに飛びついてみたり!」

番外個体「たまには妹に譲る寛容なココロも大事だよって、渡さないしねっ!」ドン

打ち止め「た、体当たりとは卑怯なっ、ってミサカはミサカは講義してみたり!」

番外個体「はむはむ……、うまうま(´ω`*)」

打ち止め「むきーっ!まるで聞いてないっ!?」


一方「だァァかァァらァァァァァ、うるさいって言ってんの聞こえてねェのかクソガキ共!」


一方「番外個体ォ、テメェがもうちょい自重しねえとそこのクソガキが騒ぐだけだろうが」

番外個体「な、なんでミサカだけ……」

一方「ラストオーダーはまだガキだろうが。言ったところで無駄だろォが」

打ち止め「」

番外個体「ミサカだってラストオーダーと大して歳変わらないよ?」

一方「テメエは別だろォが」

番外個体「何が別なのさ」イライラ

一方「一々構ってやる必要もねェだろっつってんだよ」


ブチン


番外個体「じゃあ勝手にラストオーダーだけ構ってなよ!!」バンッ ガタンッ


一方「はァッ?」

番外個体「……」スタスタ

一方「なァにキレてんだ?ガキかよ」

芳川「いっつも自分でガキって言ってるじゃない」

打ち止め「寝不足なのかな?」

黄泉川「いやきっと──」


黄泉川「生理じゃんよ?」


一方「」

芳川「」

ラストオーダー「?」

スタスタスタ

ガチャリ

バタン

番外個体(あ~、なんでこんなにイライラすんの~!?デフォで刷り込まれてた憎悪とかそういうのとは何か違うしさ……)

番外個体(ここ最近イライラがおさまんない……。いや、元のミサカに戻っただけなのかな……)

番外個体(イライラだけじゃなくてなんか気分も悪いし……)

番外個体「……っ、って普通に具合悪いし……うぇぇ、ちょっとトイレ……」

 番外個体は廊下に出てトイレに向かった。
 途中、居間の一方通行と目が合うが、番外個体はすぐにフイッと目をそらした。

番外個体(う~……ナニコレ、貧血?ちゃんとお野菜採ってるはずなんだけどなぁ)

 便座に腰掛けてしばらく膝を抱え込んでいたが、一向に具合がよくなる気配はなく、なんとも言えない気だるさが番外個体の体を満たしていた。

番外個体(……さっきの一連の流れ、ラブコメとかなら、付き合う前のヒロインって感じなんだろうけど──)

番外個体「あひゃひゃ!そりゃぁないわ!第一位はミサカにとっては憎むだけの存在なんだからさぁ!」

 ──打ち止めに嫉妬していたなんて有り得ない。
 これはきっと、具合が悪いせい。
 明日にでもなれば治るだろうか。

番外個体「……カエルの医者のところにでも行くかな~……。ちょっとこれは耐えられないかも……」

 そして番外個体が下半身に違和感を感じたのはその時だった。

 ヌチャリ

番外個体「……は?」

番外個体「……っっ!?はにゃああぁぁぁぁっ!?」

一方「っなンだァ!?」

芳川「ワーストの声ね」

黄泉川「見てくるじゃんよ!」

一方「いやァ俺が見てくる!」

一方(──なんだァ、敵襲か!?いや、番外個体のヤロウは確かトイレに入っていったはずだが……?)

一方(……あン?トイレだとォ……?)

一方(……オイオイそいつァ、ヨミカワの言ってた通り──)

バタン!

ダダダダ

 トイレから飛び出した番外個体は一方通行など気にも留めずに居間の方へと走っていった。

番外個体「ヨ、黄泉川ァ……」

黄泉川「どうしたじゃんよ?なにかあったn」

番外個体「ち、血がぁ……」

黄泉川「どこ怪我したn」


番外個体「股から出たんだけど……」


芳川「」

黄泉川「やっぱりじゃんよ」

一方「……マジかよ」

打ち止め「??」

打ち止め「それって病気じゃないのってミサカはミサカは珍しくワーストの心配してみたり」

一方「あァン?おいクソガキ、これぐらいの知識、学習装置に入ってねェのかよ」

芳川「入ってないってことはないと思うけど……。ワースト、今自分の体に起きてることがなんだか分かる?」

番外個体「え?い、いや……」


芳川「……ズバリ、生理よ」


番外個体「……へ?これが……?学習装置からのデータにはあるけど……ふぅん?」

一方「その様子だと初めてなンか?」

芳川「女の子に『初めて?』ってデリカシー無さ過ぎじゃないかしら……」

一方「悪りィな、ンなモン生まれてこの方持ち合わせたことねェよ」

打ち止め「いいないいなーってミサカはミサカは大人の女性の証に憧れが隠せなかったり!」

番外個体「……あひゃひゃ、体中ねじれきれそうな痛みだけどいいのかにゃー?あ~、脳が擦り切れそうだにゃー」

打ち止め「ひっ!それはごめんだよってミサカはミサカはさっきの取り消し!」

 番外個体の冗談に、打ち止めは本気になって怖がった。
 それを見て笑う黄泉川と芳川。
 さらに追い打ちをかける番外個体と、わーわーと耳を塞ぎながら逃げる打ち止め。
 こんな平和な光景に自分がいるなんて、少し前の自分は想像もしていなかっただろう。

一方通行(ンと、ヌルくなったなァ、俺の日常もよォ)

 一方通行は誰へというわけでもなく、一人で静かに笑った。

番外個体「……それにしても、ミサカが生理ねぇ……」


 そう言った番外個体は気のせいか、泣きそうで、それでいて嬉しそうに見えた。

一方「どォした?」

番外個体「ってことは第一位と子作りができるわけで」

一方通行「……あァ?」

 気のせいだったようだ。

番外個体「あれー嬉しくないのかにゃー?こんな超絶美少女とセックス出来るなんてなかなかある機会じゃないよー?」

一方「はいはい、そうですねェと。オイ黄泉川ァ、不純異性交遊をしようとしてる馬鹿がいるが止めなくていいのかァ?教師だろ?」

黄泉川「もちろん止めるじゃんよ」

番外個体「えー、なんでー」


黄泉川「──打ち止めのいないところでヤるじゃんよ」


芳川「……そこなの?」

一方「そこじゃねェだろうがァ!」バァン

──一週間後

番外個体「ん~……」

一方通行「あァン?どォしたアホみたいな声出して」

番外個体「いやぁ、なんか頭が」

一方「オカシイのは知ってる」

番外個体「最後まで言わせてくれないかなー」イラッ

番外個体「ボーっとするんだよね~」

一方「生理は終わったンじゃねェのか?」

番外個体「そうなんだけどさ。何か生理の時とはまた違う感じ」

一方「そォかい、なんでもいいからそれも早く治してくれ。オマエの生理の時のイライラオーラのせいでこっちまでイライラさせられたンだからな」

番外個体「あひゃひゃひゃ、第一位が嫌がってんならむしろミサカは嬉しいね!ミサカの本領だし☆」ニヤニヤ

一方「ウゼェ……。ってか、生理中と後で機嫌の良さいくらなんでも違いすぎだろォが。なンかあったのか?」

番外個体「ん~?いや別にぃ?」

番外個体「まあ強いて言うなら生理かにゃー」

一方「はァ?生理がいいコトって、マゾですかァ?」

番外個体「さてどうでしょうかねえ?それより第一位サマはさっきから純情少女に生理生理って、羞恥でミサカをイカセるつもりなのかにゃー?」ニヤ

一方「この部屋のどこに純情少女が居やがンだァ?」

番外個体「ぎゃは、目の前目の前」

一方「(スルー)……そォいやオマエ、生理ン時、自分で気が付けなかったみてェだが、学習装置には入ってたンだろ?何で分かんなかったンだ?」

番外個体「んー、ミサカたちが学習装置から得られるのはあくまで辞書的な知識だけだから」

番外個体「例えば思春期の普通女の子達とミサカが一緒に過ごしてたらなら気がついたかもしれないケド、そういう日常のサイクル無しの状態だと、知識と現実が結びつきにくいみたい」

一方「……なァるホドなァ……」

 一方通行は番外個体のセリフの中の自虐の言葉をあえてスルーした。

──普通女の子達とミサカが一緒に過ごしてたら『なら』

 
 アクセラレータという怪物を[ピーーー]ために、培養機のでとある細胞から生まれた兵器。
 外見こそ十七、八歳だが、実際にはまだ生まれてそれほど経っていない。
 望んでも『普通の女の子』になれないのではない。望むことすら出来なかったのだ。

一方(そもそもそういう風にこの世に生み出しちまったのは俺のせいだがなァ)

 かつて第三位が二万のクローンが死んでいくのは自分のせいだと責めていたが、きっと同じような心境だったのだろうか。

一方(その時の加害者であるオレは何も言えたモンじゃねェな……)

番外個体「な~に考えてるのかにゃ~?」

 番外個体が上半身を乗り出して一方通行に顔を近づける。
 知らない人が見ればまるで恋人同士のような格好だが、残念ながら二人はそういった間柄ではない。
 健全な男子ならば少しは照れるであろうシチュエーションだが、一方通行は表情を少し歪めた程度で、そういった素振りは見せない。

番外個体「まさか、『ミサカが生まれたのは自分のせいだ』──とか、まだ思ってんじゃないよね~?」

一方「……」

番外個体「ええ!?図星ぃ~?」

一方「そンぐらい思っちゃ悪いか?」

番外個体「あ~、違う違う。ミサカはねぇ、むしろ感謝してるぐらいなんだからさ」

一方「……あン?」

番外個体「だって第一位がいなければミサカだっていないんだから。こうやってアホみたいに平和な毎日をヨシカワやヨミカワや打ち止め達と過ごせるのだって、こうして今第一位と話していることだって、今目の前の第一位を憎むことだって、第一位無しではそもそも存在しなかった日常なんだからさ」

 番外個体は更に一方通行へと詰め寄り、腕を一方通行の首へと回す。
 番外個体の吐息が一方通行の頬を撫でる。
 エロティックなシチュエーションだが、やはり一方通行は反応を示さない。

番外個体「今ミサカの中を渦巻く憎悪も含めて、ミサカは感謝してるよ」

一方通行「……そォかい」


バターン!


打ち止め「な、ななななな何をしているのかなってミサカはミサカは赤面しながら聞いてみたり!」

黄泉川「お~、昼からお盛んじゃん。まあ残念だけど打ち止めが帰宅したのでそこまでじゃんよ」

芳川「愛穂、教育者として、というかアンチスキルとして少しは指導したらどうなのかと最近思うわ」

一方「なァに勘違いしてやがる馬鹿共が……」

黄泉川「勘違いもなにもまんま愛の行為じゃん?」

芳川「……ワカイッテイイワネエ」

打ち止め「ダメだよダメだよ!その人はミサカのものってミサカはミサカは断固抗議してみたり!」

一方「だァァァかァァァらァァァ違うってんだろうがァ!おいワーストォ、お前もとっとと離れ──」

番外個体「……」カァァァ///

一方「…………あァ?」

番外個体「……っと、ちょっと……えぇっと…………ちょっとミサカ限界っ!!」バン!

一方「ごふっ!?──ってェ!なにしやがン──」

番外個体「……っ!!」ダダダダダ バタン

一方「…………ハァァァ??」ポカン

芳川「あらあら、本当に青春しちゃってるのね」

黄泉川「年相応になってきたってのはいいことじゃん」

打ち止め「全然よくないよってミサカはミサカは────」


一方(──なァに勝手なこと言ってやがンだこいつらは……)

一方(しかし明らかに番外個体の様子はおかしい)


一方「ま、俺の知った話じゃねェか」

──番外個体自室

番外個体「ぎゃぁぁぁぁっ!なんなのこの感じはぁぁぁぁっ!生理終わってから、ミサカ何かおかしい!!」バタバタ

番外個体「今まではなんともなかったのに……、ヨミカワ達が来た瞬間……来た瞬間『恥ずかしくなった』……!?」

 番外個体は顔を真っ赤にしながらベッドの上でのたうち回った。

番外個体「からかいで第一位に抱きつくなんて別にいっつもやってるのにぃ……。突然来た生理もそうだけどなんかミサカの体おかしい……」

番外個体「やっぱりカエルの医者のところに行ったほうがいいのかぁ……」

 総独り言を言っている間にも心臓はバクバクと音を立て、頬は熱いままだった。

番外個体「あ~駄目だっ、耐えらんない!今すぐ病院行く!」

 そうして番外個体は部屋を飛び出した。

* * *

冥土返し「つまり、今までなかったのに突然生理が来たと」

番外個体「そーなんだよねぇ。急に来ちゃったからビックリしてさ」

冥土返し「ふぅむ、原因として考えられるのは、生活環境が変わったからじゃないかな」

番外個体「……?と言うと?」

冥土返し「君がロシアにいた時には、ほぼ毎日のように培養基漬けだったと思うんだけどね、学園都市に来て以来、調整技術の向上のお陰もあってその回数も格段に減ったはずだ」

冥土返し「おそらく私が思うに、超電磁砲の体細胞から促成剤でその姿になったばっかりの君は、ホルモンのバランスが崩れてたんだけれど、培養基に入る頻度の減少のおかげでホルモンが安定してきて、それで通常通りに生理が来たんじゃないかな」

番外個体「通常通り?」

冥土返し「そりゃそうじゃないか、『人間の女の子』は生理が来るのが普通だからね」

番外個体「普通の……」

冥土返し「ああそうだ。ホルモンバランスと言えば、第一位の彼も常に能力を使っていることがなくなったからバランスが戻り居つつあるみたいだね。彼も君の様に普通の体に戻っていくはずだよ」

番外個体「……うひひっ、オッケ~大体わかったよ~ん。今日はありがとうね~」

冥土返し「また何かあったら来なさい。ああ、次の調整日は再来週の火曜日だよ」

 番外個体が診察室の扉を開けて出ようとするとそこには──

番外個体「あれ、第一位?」

一方「あン?ここに居やがったのか」

番外個体「ん、ちょっと聞きたいことがあってね~。一位は?」

一方「あァ、チョーカーの改良版ができたそうなンでな。時間かかるから先帰ってろ」

番外個体「にゃはは、もともと待つつもりなんてないけど。あるぇ~、もしかして第一位はミサカに待ってて欲しかったのかにゃ~?」ニヤ

一方「チッ、ンな訳あるか。いいから寄り道しねえでとっとと帰れ。晩飯の準備してたからスグにできンと思うぞ」

番外個体「了~解」

* * *


番外個体「……暑い……。昼は冷やしさぅめんとかがいいなって、ミサカは前もって言っておけばよかったかも……」

番外個体(……この路地裏、日陰で涼しそう……。近道っぽいしこっちから行くかなぁ)

ジャリッ ジャリッ ジャリッ

ピタ

番外個体「ん~?ミサカに何か用かにゃー?」

スキルアルトA「いやいや、わざわざこんな路地裏通ってるってことはよォ」

スキルアルトB「誘ってんだろォ?イヒヒヒ」

スキルアルトC「見ろよコイツ、めっちゃいいカラダしてんぜ?」

番外個体「ん~?ミサカに声かけるならもう少し立派なモノを持ってからにするだね~粗チンクン?」

スキルアルトB「テメエ……状況わかってんのか?」

番外個体「ミサカは昼飯を食べるために急いでるからどいてくれない?」

スキルアウトB「上等だ、ナメやがって!」ブンッ

番外個体「──素人無能力者なんてミサカの敵じゃないのにさっ!」バチバチッ

スキルアウトA「チッ、やっぱ能力者か!──オイ!」

スキルアウトC「オーケィ!オラ、食らえ!」

──キィィィィィィィンッ!

番外個体「っ!?……頭……痛っ……!?」

スキルアウトA「ハハッ!キャパシティダウンは今となっちゃスキルアウトでは常識だぜ?」

番外個体(キャパシティ……ダウン……!?っ……ヤバイ、演算できな……!)

スキルアウトB「だぁ~れが……──」ヒュッ

スキルアウトB「──粗チンだぁ!?このクソアマァッ!!」ドゴッ!

番外個体「っが……!ゴホッ!」ドサッ

番外個体「っはぁはぁ!……うひゃひゃ、こりゃミサカのピーンチかにゃ~……?」

スキルアウトC「とっとと眠らせて連れてっちまおうぜ」バチチチ

番外個体「……ひひっ、スタンガンなんて……効かないしねッ!」バチンッ!

スキルアウトC「うぉっ!?スタンガンがぶっ壊れた!?こいつまだ能力が使えんのか!?」

スキルアウトA「っとなるとかなり高位の能力者見てぇだな」

スキルアウトB「あん?LEVEL4でもキャパシティダウンには耐えらんねえじゃなかったのか?」

スキルアウトA「いや、十分に効いちゃいるが、今みたいにキッカケがあれば少しは暴発するみてえだな。丁度電気系の能力者みてえだしな」

スキルアウトC「んじゃあめんどくせえから、出力上げて黙らせっか」ダイヤルマワース

──ブツッ!ギィィィィィィィィィン!

番外個体「……っ!!!うガァァァァァッ!!」

スキルアウトB「はははっ、余計うるさくなったじゃねえか!」

スキルアウトA「おいおいぶっ壊すなよ?──これから壊すんだからよ」

スキルアウトC「わーってるって。そんじゃあ運びますか」

番外個体「……っはぁ……っはぁ」

 番外個体はキャパシティダウンの搭載された黒いバンの後部座席に投げ込まれると、どこかへと連れ去れてしまった。

* * *


番外個体(……あれ、ミサカ何してたんだっけ……?頭がガンガンするんだけど……)

スキルアウトB「お、やっと起きたみてえだぞ」

スキルアウトC「やっとか。俺の準備も出来たぜ」

番外個体「……あれ、ミサカは何を……?」

 鎖で腕を吊るされた状態で立たされている。この状態になったまでの経緯がぼんやりとしか思い出せない。

スキルアウトB「あん?まだ寝ぼけてやがんのか。まあ、さっきもう一回キャパシティダウンやってやったからな」

スキルアウトB「気絶しやがってだらしねえ。軽く失禁したんじゃねえのかぁ?」

番外個体(あ~思い出した……。あ~も~油断した……。どうしよっかなぁ、逃げれそうにないし……)

番外個体「にゃはは、あの程度でミサカがイッちゃうワケないでしょ」

スキルアウトA「この状態でもそんな強がりが言えるか……。いいぜ気に入った。──オイ、やるか」

スキルアウトC「だな。くひひ、イかなかったら解放してやんよ」カチッ ブブブブブ

 スキルアウトの一人が手に持っているのは振動で肩こりなどを治すハンドマッシャージャーだ。
 もっとも本来の使い方をするわけではないのだが。

スキルアウトC「大型ラジコン用の強力なモーターに付け替えてんからな。威力は保証するぜ?」 

スキルアウトB「オイ、一個貸せよ」

スキルアウトC「ほらよ」ポイッ

スキルアウトB「ククク……、死ぬほどイカせてやるから覚悟しな」

番外個体「うひひっ、機械に頼らねきゃならないほど自分のイチモツに自信がない──がほっ!」

スキルアウトB「マジで状況分かってねえみてえだな……。オラァ!イキ[ピーーー]っ!」ブブブブッ!

 その瞬間、番外個体の体を、かつて体験したことのない感覚が襲った。

番外個体「……っ!!!???あひゃぁっ!?」ビクン

スキルアウトB「ぶはははっ!なんだそりゃぁ!あんだけ言っといて自分がめっちゃくちゃ感じてんじゃねえか!」ブブブ

番外個体「……っはぁ!……んぁっ」

番外個体(っ……!やっぱりデータだけなんて当てにならないよねえ……!当然ホルモンバランスが崩れてたせいで性欲なんて湧いたことなかったんだからさっ……!普段第一位をからかうためにそういうカラミはしてたけど、実際は自慰すらしたことないしねっ……!だからっ……!)

番外個体「んくぅっ!」

番外個体(当然耐性あるわけないしねーっ!ちょっとほんとにヤバイかもにゃー!)

スキルアウトC「はははっ、コイツ感じまくってんじゃん」

スキルアルトA「さぁて、具合はどんな感じかな」サワサワ

番外個体「っ……」

スキルアルトA「あん?もしかして全然濡れてねえのか?……服の上からだと良くわかんねえな」

スキルアルトB「おお、じゃあ脱がせっか」グイッ

番外個体「……!っ!」バシッ

スキルアルトB「痛っ!……テメエ!」

番外個体「……あはっ、汚い手で触んないでっての」ニヤァ

スキルアルトB「……」ブン!

番外個体「っ……!っおぇぇ……」

スキルアルトB「あ~も~決めたわ。コイツ二度と使えなくなるまでぶっ壊してやるわ」

番外個体(……あ~もう目眩するし……ダメかにゃ~……)

番外個体(……こんな時まであの人のこと考えてるなんて、一回助けられたからって頼りすぎだって……)

スキルアウトC「ハサミ使うか?」

スキルアウトB「ああ。……クククッ、間違って肌まで切っちまっても文句言うなよ?」

スキルアウトC「ギャハハハ!鬼畜だなお前」

スキルアウトA「……?」

スキルアウトB「あ?どうした?」

スキルアウトA「いや、何だあいつ……」

スキルアウトB「っ!誰かに見られたか!……オイお前、こっち来やがれ!」

 スキルアウトがそう言うと、その人影は廃工場の中へと入ってきた。


一方「あァん?なにやってンだオマエ。とっとと帰ってろって言ったろォが」


番外個体「……あっは、やっぱり助けに来てくれるんだ……。……もう第一位のカッコよさに、ミサカの色んなところ勃っちゃったゾ☆」

一方「クソガキが腹減ったってさっきから電話でうるせェんだよ。とっとと帰るぞ」ザッザッザ

スキルアウトB「なんだテメエ、こっちはお取り込み中だってんのが見て分かんねえのか?」バチバチバチ

一方「……あァ?三下がナニ言ってやがンだ?こっちの方がお取り込み中なンだよ」

スキルアウトB「何ゴチャゴチャ抜かしてやがる!オラァッ!」

一方「……ハァ、めんどくせ」カチッ


──ッドォン!


スキルアウトB「があああああ!?」

 一方通行が軽く地面を蹴ると、アスファルトが砕け散り、破片がスキルアウト目掛けて飛んでいった。


スキルアウトC「お前も能力者かっ!なんならなんでこのキャパシティダウンが効かねえ!?」

スキルアウトA「なんだか知らねえがやばそうだなコイツは……!オイ、もっと出力上げろ!」

スキルアウトC「うるせえ!とっくに限界値だ──ぐぶっ!」

 今さっきの瞬間まで二十メートルは先にいた一方通行は、いつの間にかスキルアウトの目の前まで接近しており、その一人をキャパシティダウンの機械に叩きつけて沈黙させる。

スキルアウトA「っぐ……!何故お前はコレの影響かで能力が使える!?これじゃあまるで──」

 そして、その次の瞬間には最後の一人の目の前へと移動していた。

一方通行「そのキャパシティダウンってのはLEVEL5への完全な効果はまだ実証されてねェんだろ?」

スキルアウトA「……じゃ、じゃあお前は……」

一方通行「一応肩書き上は学園都市第一位をやらせてもらってンだがな。──一方通行、名前と顔だけは覚えて帰ってくれよなァ?


一方通行「──二度とこうやって顔を合わたくなければなァッ!!」ドゴォ!


* * *


 排工場には三人のスキルアウトが転がっていた。
 見るからに大怪我だが、死んでいないということが一方通行が幾分か丸くなったことの証明であるという。

一方通行「こんな雑魚共に遅れとってンじゃねェよ」

番外個体「にゃはは、ありがとありがと」

一方「チッ、反省してるよォには見えねえんだが」

 一方通行は番外個体の腕の鎖を鎖を外した。
 すると、番外個体は二、三歩ふらふらとして、その場にへたり込んでしまった。

番外個体「っととと……」

一方「チッ、マジで手間かけさせやがって……」ヒョイ


番外個体「っ!?ちょっちょっと下ろしてくれな──」ジタバタ

一方「オイッ、暴れんじゃねェ!生まれたてのバンビみたいに足腰ガクガクの奴を歩かせるワケねェだろうが」

番外個体「い、いやでも……」

番外個体(ぬ、濡れてんのバレないよね……)

──ピピピピピ

一方「チィッ!おらまた電話きやがった!スグ帰ンぞ!」

 一方通行は番外個体の講義を無視して、ビルの屋上から屋上を飛んで黄泉川達のマンションへ急いだ。

* * *


打ち止め「ごちそうそま!ってミサカはミサカは誰かさん達のせいでとっても空腹だったお腹を満たせたことに満足してみたり!」

一方「ハイハイ、遅れて申し訳なかったねェ」

打ち止め「は、反省の色が微塵も見られないってミサカはミサカは──」

一方「あァ食った食った。ラストオーダァ、食器の片付けは任せたぞォ」

打ち止め「あっ、ちょっと待ってって──」

一方(……一日中あんな騒いでてつかれねえのかあのクソガキは……)

 一方通行が自室の方へと向かうと、そこには番外個体が待っていた。


番外個体「……今日はありがとねー。ミサカは第一位に惚れ直しちゃったよ」ニヤニヤ

一方「そォかい。……まァ、俺もお前がちゃんと女してて安心したぜェ?」ニヤリ

番外個体「…………へ?」

一方「抱いて帰って来る間、手がずっと湿っててなァ……スキルアウトなんざに感じるたァ少し鈍りすぎじゃねえのかァ?」ニヤニヤ

番外個体「……ば、バレてたーーーー!?うわあああああああ」ダダダダダ

 番外個体は一方通行を突き飛ばすと自室に飛び込みカギを閉めた。

番外個体(バレてたバレてたバレてたバレてたバレてたバレてたっ……!うわああああああ、どうしようってミサカは本気で困ってるっ!!!)

今日はこんな感じです。
どうでしょうか?
まあ、たまにR-18がある普通のSSとして捉えていただいたほうがいいかもしれません。

次の更新がいつになるかは未定です。
次の日にすぐ書いたり、少し時間が空いたり。
長時間更新がない場合は、誰かさんが暴れたせいでアク禁になってるか、私が現実世界で暴れまわってるかの二つです。
気長に待っていてください。というか待っていていてくださいお願いしますヾ(´▽`;)ゝ

では、おやすみなさい(´(ェ)`)

おつおつ
ここってアク禁あんの?

>>36
初めての投稿なので、まだSS板のことはよくわかってません;

ただ2chはよく書き込めなくなるので……
プロバイダごとに規制を入れるんでしたっけ
ほんとにどこの誰でか知りませんが、結構しょっちゅうなるんですよ;

たぶんここは大丈夫だよ

>>38
そうなんですか!
なるほど、ありがとうございます(´(ェ)`)

ええな

おつ
最近番外通行よく見かけるから嬉しいわ

支部からこっちに移ったんかな

>>40 >>41
頑張らせていただきます(`・ω・´)
>>42
こちらでは手直しをしながらゆっくり追加していく形で、向こうが完全停止というわけでありませんので
こちらだけの追加エピソードなんかもたまにあるかもしれません
無いかもしれません!ヾ(´▽`;)ゝ

──番外個体自室にて。

番外個体「……ミサカネットワークに接続中の全ミサカに告ぐ。これより緊急会議を始める……」ゴゴゴゴゴ……

10777号『どのような用件でしょうか』

13577号『……どうやら今ネットワークでの会話に接続できる状態のミサカは少ないようです。時差の問題でしょうか、ミサカのほとんどが就寝しているようで』

10039号『それならば何故ロシアにいるはずの100777号がログインしているのでしょうか。現在モスクワは午前5時35分、まだミサカの起床時間ではないはずですが?』

10777号『ちょっと早起きでもしないとにでもないと出来ないことがあったので…………ぐふふ、上条さん……///』ヌチュ

10039号『10777号の妄想と淫行がミサカネットワークにダダ漏れになっている状態になんとも思わないのでしょうか』

10032号(以下『御坂妹』)『……番外個体の要件とはなんですか、とミサカは半ば脱線しかけた話題を元に戻そうと試みます』

番外個体「……今会話に接続中のミサカ相談なんだけど……」

10777号『ふむふむ、一歩通行にアソコを濡らしていいるのがバレてしまったのですね』

番外個体「ぶっほ!?な、何でそれを……」

10777号『会話に参加してようがなかろうが、ビジョンを見てようが見てなかろうが、記憶の共有を常に行われていますから。大丈夫です、ミサカは上条さん派なのであのセロリには全く興味がありません。どうぞお好きにやっちゃてください。上条さんに脳内変換してオカズにしますから』

13577号『ミサカもアナタほど欲望に直球であれば、と羨ましい限りです。そうすればミサカも……うふふふふうぇっうぇっ』クチュクチュ

御坂妹『アナタも十分直球だと思うぞ、とミサカは冷静にツッコミを入れます』

御坂妹『そうではなくて、番外個体はミサカ達にこの後どのように一方通行にアプローチをかかければいいのか、ということを相談したいのですよね』

番外個体「……微妙に違うニュアンスを含んでいる気がするけど……、大体その通りかな」

御坂妹『……そうですね──』

10777号・13577号『『──有無を言わさず押し倒せ、です』』

番外個体・御坂妹・10039号(((ダメだコイツら早く何とかしないと……!)))


* * *


番外個体「──結局、何事もなかったかのように振る舞うのが一番なのかなにゃー。その内忘れるだろうし」

御坂妹『そうですね。それが一番無難だと思います、とミサカは一番まともな意見を当然肯定します』

10777号『黙っておしt』

御坂妹『一番まともな意見を当然肯定します……、と普通なら言いたいところですが』

番外個体「?」

御坂妹『本当にアナタはそのままでいいんですか?』

番外個体「な、何のコトかにゃー?」

御坂妹『そのままの意味です。本当にアナタは一方通行とこのままの関係でいいのですか?』

番外個体「……ちょっと言ってる意味が分かりかねますが、ねおねーたま?」

御坂妹『……本当に、ですか?』

番外個体「……あひゃひゃ!本当にも何も、ミサカと第一位の関係は生まれた時からこれから死ぬまでずっと変わらないよ?ミサカは第一位を殺すために生まれてきた!殺す側と殺される側、それ以外の関係に──」

御坂妹『……もう一度聞きますが、本当にですか?』



御坂妹『──そう思うなら、なぜ、一方通行と一緒にいる時のアナタの精神波形はあんなにも嬉しそうなのですか?』


番外個体「……そ、そんなん知るかっ!」ブツッ

御坂妹『……会話を強制遮断しましたか』

10032号『やれやれ、ですね』

10039号『お前が言うとなんかウザイです』

10777号『さてさて、これからあの二人はどうなるのでしょうかね。御坂たちは見守ってあげるとしますか』

御坂妹『お前が締めるんかい』

* * *


番外個体(……有り得ないって、ミサカが嬉しい?第一位と一緒にいるだけで?)

──冗談もいいところだ

──彼を憎むためだけに造られた自分が

──彼と一緒にいるだけで嬉しいなんて


一方通行「よォ、入ンぞ。晩飯の買出し、量が多くなりそォだから付いてこい」


番外個体「っ……!」

──本当に冗談もいいところだ

一方通行「先行ってンから早く来──」

番外個体「──待って」

一方通行「あン?」

番外個体「……ちょっとだけ、待って」

一方通行「……どォしたどォしたァ?らしくないンじゃねェのォ?なんか悩み事ですかァ?」

番外個体「……そうだね~ある意味悩み事。いやもうホント悩ましいわ」

一方通行「サッパリ話が伝わってこねェんだが、さっきイッたついでに頭までイッちまったんですかァ?」

番外個体「ひひっ、そうかもね~……っと!」グイッ ドサッ

一方通行「あァン?なんで俺が押し倒されて馬乗りされてンだァ?ついに発情期かこのヤロ──ムグッ!?」

番外個体「んっ……んちゅぅ……ぷはぁ……はぁ……。あひゃひゃっ、発情期ってのを言い訳にしていいなら都合いいんだケド」

一方通行「……っテメエ……」


黄泉川「──一方通行いるかー?芳川と打ち止めと出かける用事が入ったから留守番頼むじゃん。晩御飯の材料はついでに買ってくるからさ」


番外個体「」ニヤニヤ

一歩通行「……チッ、……あァ分かった、大した腹減ってねェからゆっくり出かけてこい。どうせ打ち止めのワガママなンだろ?」

黄泉川「そゆこと、んじゃ行ってくるわ」ガチャ

芳川「行ってくるわ」

打ち止め「あ、待って待ってってミサカはミサカは──」ガチャリ パタパタ


一方通行「……行ったか」

一方通行「それで?この状況を説明してもらおうかァ?」

 一方通行は番外個体に押し倒されたまま仰向けの体勢で番外個体の方を見た。

番外個体「……」

一方通行「あァ?黙っててもわかンないんですがァ」

番外個体「…………あ~、やっぱ無し!今日のことは忘れて!」

一方通行「あァ?」

番外個体「ちょっと色々あって気が動転してただけだから。うひひひっ、別にそのままミサカのベッドで寝ててもいいよ?ミサカは今に行ってくるから」

 そう言って番外個体は一方通行のい上からどいて、部屋から出ようとした。

一方通行「……待ちやがれ」ガシッ

 しかし、その腕を一方通行が掴んで止めた。

番外個体「ん?どうしたん?……あ、もしかして逆に発情しちゃったのかにゃー?あひゃひゃひゃっ!」ニヤニヤ

一方通行「散々勝手なことしておいてよォ、そのまま逃すと思うのかァ?」

番外個体「な、なんのことかにゃー」

一方通行「……」

番外個体「……あ、あれっ、本気?」

一方通行「……」ガバッ ドサッ

番外個体「っ……」

番外個体「……うひひっ、ちょっと顔怖いよ?」

一方通行「……今まであンだけ挑発してきたんだ。文句はねェだろ?」

番外個体(あれ……、これもしかして本気?)アセッ

番外個体「あはは☆童貞クンにミサカのリードができるのかな~?」ニヤッ

番外個体(あああぁぁぁっ!?なんで思ってもいないことが口に出るの!?)

一方通行「……はァン、それは肯定として受け取っていいンだなァ?」イッラァ

番外個体「長い間反射のおかげで保護されてきたイチモツなんて敏感すぎてすぐイッちゃうんじゃないの?」ニヤニヤ

番外個体(そうじゃなくて!この状況を何とかしないと……!)

一方通行「……」ワシッ

番外個体「ひゃっ!?」ビクン

一方通行「……胸触られたぐらいでンな反応してンじゃねェよ。敏感なのはどっちだってンだ」

番外個体「い、いや……、今日はあんなことあったばっかりだからさ、取り敢えずここまででってコトで……」


一方通行「……解放するわけねェだろ」カチッ

 一方通行は電極のスイッチを入れた。
 どのように反射を使っているのか、ベッドに押さえつけられた番外個体は体を全く動こすことができなかった。能力を使っていない状態ならば、番外個体の方が力があるのだが。
 一方通行は番外個体を片手で押さえつけたまま、もう片方の手で股の方に手を伸ばした。

番外個体「っ……!」ビクンッ

一方通行「おーおー、まだ濡れてやがンのか……、それとも今濡れたのかァ?」グチュゥ

番外個体「ちょっ、指入れっ……!んっ!」グチュッ

 一方通行は番外個体の下着をずらして強引に指を進める。番外個体の体が少し跳ね上がり、膣内がうねるのがわかった。

一方通行「ったく狭いなオイ。二本入りゃ十分ってとこかァ……なっ!」グチュッ

番外個体「──っんあぁ!ちょっと、ほんとにヤバイから抜いてっ……」

 珍しく弱気になった番外個体が一方通行に懇願した。
 先述の通り、番外個体は挿入の有無以前に自慰の経験すらない。そんな完全未使用の膣にいきなり指を二本いれるとキツイのは当然だ。
 しかし一歩通行は口を三日月のように歪めて笑った。


一方通行「わりィが、俺は他人にナメられんのが一番嫌いなンだよ。普段のナメた態度のオトシマエをここで付けてもらうぜェ?」

 一方通行は人差し指と中指を番外個体の膣から抜いたり挿したりを繰り返した。もともと濡れていたおかげで初めての割にはスムーズに行われた。

番外個体「んっ!ひっ!っ……はぁはぁ……。わ、悪かったって……、ミサカも普段の態度は反省してるから──あぁっ!?」

 突如番外個体の膣の中へ侵入しているモノの体積が増えた。
 一瞬さらに指を入れたのかと思ったが、よく見るとそうではなかった。
 膣の中で何かがうねっているのだ。

番外個体「……な、なんなのっ……?」ビクビク

一歩通行「ベクトル操作で、ちょォッと指の周りに空気の層をつくっただけだ。まァこんだけ小さい体積だと逆に制御が難しくてなァ、中で空気が流動してるだろォが、まァむしろ良い効果を出してるみたいだなァ」

番外個体「ってか、あんまっ……広げないでって……!……んくぅっ!」

一方通行「オイオイ本当に処女なのかァ?濡れまくりじゃねェか」グリグリ

番外個体「……っさいなぁ……!第一位だって童貞、じゃん……!」

番外個体「……普段の態度的に、こういうコトには興味がないと思ってたんだけど……っん」ハアハア

一方通行「あ~、確かに前までは、なァ。ただホルモンバランスが戻って性欲も湧いてきたみてェだな」

番外個体「それは、あの医者から聞いたし……、そうじゃなくてっ……!急に……こんな強姦するほどの性欲が湧くってのはどうなのさっ……」

一方通行「普段からあンなに誘われたら、むしろこれぐらいの反応が年相応で自然だろォが」

番外個体(いや、そんなことはないと思うけど……)

一方通行「ガタガタ言ってねえでオマエは黙って感じてなァ!」グチュチュチュチュッ!

番外個体「……っ!?んあああぁぁぁっ!」ビクビク

 一方通行が作り出した空気の層が番外個体の膣の中で激しく振動した。その動きは、大人の玩具のようなモーターの作り出す単調な振動ではなく、全方向に不規則な動きをするため、信じられないほどの快感が番外個体を襲うことになった。

一方通行「ったく、普段があんな感じなのになァ。耳年増もいいトコだろォが」ニヤリ

番外個体「分かってんならどうしてここまで酷いことするかなぁ……」ハァハァハァ

一方通行「いつもの仕返しだっての。……ッチ、服が邪魔だなァ」

番外個体「……!ち、ちょっと待った!この服は破いちゃダメだって!お気に入りなんだからさ!」

一方通行「……あァン?ンなこと知るかってン──」

番外個体「……」

一方通行「──アァ、はいはい分かりましたよ────────って言うとでも思ったか馬鹿が」ビリィィッ

番外個体「っな……!」



 生まれた時与えられた服は、戦闘用のツナギのようなスーツだった。まさに自分の生まれてきた意味を形容したかのような服だった。
 それから彼に助けられ、日本に来て、初めて普通の服……とは言い難いが、それでも女の子らしい服を買ってもらえた。
 彼は「プレゼントなんてガラじゃねェ」って、嫌そうにしてたし、こっちだって昨日の仇敵に贈り物なんてされたくなったけど、それでもミサカはやっぱり嬉しかった。


一方通行「……っくあひゃひゃうぇっうぇ最高だねェ!何だ何だァその顔はよォォ!悲しいんですかァ!?似合わねェンだよオマエにはっ!!」

番外個体「……悲しいけど、これなら大丈夫かな」

一方通行「アァん?」


 彼が普通ならばこんなことするはず無いのだから。


番外個体「それはミサカが一番知ってるんだからさっ!」バチンッ!

一方通行「っ!?電磁波を使ったジャミングかァ!?……いや、ミサカネットワークに直接働きかけやがったか!」

番外個体「そゆこと♪」ガシッ

一方通行「っ!」グルン ドサッ

 一方通行が動揺した一瞬の隙を付いて番外個体は巴投げのように一方通行を回して上下を逆転した。

一方通行「チッ!」

番外個体「あぶないあぶない♪」カチッ

一方通行「スイッチを……!」


 スイッチを番外個体にキープされている時点で一方通行は反撃の手段がなくなった。
 しらばらくそのままの体勢でいると番外個体はスイッチから手を離した。


番外個体「頭冷えたかにゃー?」

一方通行「…………あァ、わりィ」

番外個体「やっぱり新しい電極の暴走が原因なのかな?」

一方通行「そォみてェだな……。だが、それを言い訳にするつもりはねェ。どうオトシマエつけりゃオマエは納得する?」

番外個体「それじゃぁ、一つ目は……」

一方通行「ひとつじゃねェのかよ!」

番外個体「この服気に入ってたんだからさ、新しく買ってよ」

一方通行「あァそれぐらいなら──」

番外個体「二つ目はねぇ……────この先もミサカとずっと一緒にいること」

一方通行「……………………あァ?」

番外個体「にゃはは、そのままの意味だって。日本語おーけー?この先も、例え第一位にとって何があっても、ミサカにとって何かがあっても、ミサカの前から姿を消さないこと」

番外個体「何よりもウチのアホ毛の上位個体が悲しむと思うんよねー」

一方通行「ンなことでオマエは何か得すンのか?」

素晴らしい

番外個体「ひひっ、それがちゃんと分かるまでは傍にいてもらうかにゃー」

一方通行「……意味わかンねェ」

番外個体「じゃあ三つ目」

一方通行「まだあンのか!?」

 そのツッコミに満足したような笑みを浮かべた番外個体は一方通行の首筋に腕を回した。

 そして電極のスイッチを入れた。


番外個体「さっきの続き、してくれない?」

とりあえず今日は一区切りで

>>62
有難うございます(´(ェ)`)

ふざけんな氏ね!
どうしてくれんだ責任とれ!
今なら番外個体のエロ画像3枚で許してやる

乙でした


続き待ってるぞー

>>66 >>68-71
頑張りますヾ(´▽`;)ゝ
>>65
切りどころが悪かったですね、次から気をつけますσ(´┰`=)

今日は少しだけかも
ご飯のために途中失踪するかも

一方通行「続きって、正気かオマエ」

番外個体「女性からの一夜のお誘いを断る気かにゃー?」

一方通行「まだ昼だ」

番外個体「今のはボケ?」

一方通行「……うるせェ。大体、電極のスイッチなんて入れやがって、また暴走したらどうするつもりだァ?」

番外個体「第一位サマが二度も同じミスを犯すとは思えないかなー」ニヤニヤ

一歩通行「信用していただいてるようでどォも。……それからそろそろ上をどきやがれ」

番外個体「うーぃ」 

 番外個体は素直に一歩通行の上から退けて、一歩通行の横に座った。一方通行も体を起こして番外個体と向かい合う形になった。
 そして何も言わずに番外個体を抱き寄せ、そっと唇を奪った。
 番外個体はそのまま一方通行に体をゆだねて後ろに倒れる。二人は一度唇を離し、それから再びお互いの唇を重ね合う。番外個体は下を一方通行の口へ入れて、下と舌を絡ませ歯茎をなぞった。
 その度に部屋にはぬちゃぬちゃと音が響いた。

番外個体「……んっ、早く……やってよ」

一方通行「……」

 一方通行は電極のスイッチが入っている今だけ学園都市最強の能力者だ。
 しかしよもや“こんなこと”にその能力を使うことになろうとは思ってもいなかった。

 指の表面を覆う反射のベクトル能力を渦を描くような流動的なものに変化させる。そしてその指を番外個体の秘部、そこの充血して腫れ上がった小陰核へと触れさせる。
 すると、番外個体の体がビクンと跳ね上がった。

番外個体「────っ!!!???」

 一センチにも満たない小さな突起に大量の神経が集まっている小陰核から襲う快楽は、ほかの体の部位の刺激とはレベルが違う。たった一度触れたれただけで頭が一瞬真っ白になった。

番外個体「っはぁ……っはぁ……。……や、やばいこれ」

一方通行「まだ始まったばっかだがなァ」

番外個体「っく……!あぁっ……!」

 一方通行は小陰核を包む皮をむき、二本の指ではさみコリコリと刺激を与える。

番外個体「っ!んひぃっ!!っっっぁぁああ!ちょっ、イクっ……!」ビクン!

 プシャッ、と番外個体の秘部から透明な液が溢れ出た。絶頂を迎えた番外個体はだらしなくヨダレを垂らしており、目の焦点がうまくあっていないようだ。

一方通行「初めてでも潮って吹けンだな」

番外個体「……し、潮なんて言葉を知ってるなんて意外だなぁ……」ハアハア……

一方通行「相当辛そォだな……。今日はここまでにするかァ?」

 一方通行が手を離しベッドから降りようとした時、その腕を番外個体が弱々しく掴んだ。

番外個体「……待ってってば……。……まだ、挿れてないじゃん?」

 番外個体が震えるような声でそう言ったので一方通行は振り返ってその顔を見た。
 するとその顔は今にも泣きそうな顔だった。そんな番外個体の顔を見たのは初めてだった。


 ──なンで泣きそうな顔してやがンだァ?泣くような場面じゃねェだろォが……。


 しかしやはり、番外個体は袖を握って一方通行の方を見上げ、ほとんど半泣きだった。


 ──はあ……、なンて顔しやがる……。打ち止めでもこんな顔したことねえぞ……。流石末っ子ってかァ?


一方通行「よく分かんねェが、挿れてやりゃァその鬱陶しい顔をやめンのか?」

番外個体「……」

一方通行「……その沈黙は肯定ととっていいンだな?……ったくこんな時だけ末っ子しやがってメンドくせェ」

 袖を握る腕をつかんで再び押し倒す。一方通行は電極のスイッチを切ると、そのままの体勢で片手でベルトを外してイチモツを取り出す。
 以前ならそれはただの排尿管だったのだが、ホルモンバランスが正常に戻るにつれ、雄としての重要な機能を取り戻したのだった。
 一方通行の腰にそびえるソレは、痩せ体型からは想像できないサイズで、日本人男性の平均を4、5センチは上回っているだろう。
 腰を落として陰茎を番外個体の秘部に押し当てる。番外個体は今自分の体に入ろうとしているモノを見てビクリと肩を震わせる。


 ──ッンとに、さっきまでとは別人だなオイ。何があったってンだァ?


一方通行「オイ、挿れんぞ?」

番外個体「あ、う、うん……────んくっ……」

 『先が入っただけで』とよく言うが、(硬さは置いておいて)男性器の中では一番太い部分である。ついさっき初めて指が侵入した膣には少し刺激の強すぎるものだ。

番外個体「あぁっ……っ……!」

一方通行「オイ大丈夫か?きついならやめンぞ?」

番外個体「ううん、だ、大丈夫だから……」

一方通行(顔が大丈夫じゃなさそうなンだよ……、無理しやがって)

一方通行「あと少しだからなァ、ちょっと我慢しろよ」

 ゆっくりと時間をかけて挿入していく。番外個体の目には先ほどとはまた別の涙を瞳に浮かべていた。それでも必死に笑顔を作ろうとしていた──また、今まで見たことのないような顔で。
 ぶちり、と処女膜を破る感覚があった。繋がった箇所からは赤い血がどろりと溢れた。

番外個体「っはぁはぁ……。は、入ったね…………んんっ」

 番外個体を落ち着かせるために優しくキスをする。一度唇を離し、それからもう一度唇を求め合う。そうしている内に挿入部分の境目から透明に愛液が垂れ始めていた。
 そして更に番外個体の瞳から涙が溢れ出す。

一方通行「ンなに痛ェのか?」

番外個体「……っぁあ……はぁ……ん~ん、違うの」

番外個体「嬉しいんだよ」

 番外個体は涙を浮かべながらも笑ってそう言った。

番外個体「──だって、ミサカが本当の人間みたいだから」

一方通行「……」

番外個体「ヨミカワ達と一緒に『普通の』暮らしをして、『普通』の食事をして、買い物をして、ゲームをして…………」


番外個体「そしてこうやって好きな人と一つになれた。こんな人間らしいことが、ミサカは泣きたいほど嬉しいんだよ」


番外個体「……馬鹿みたいって思う?」

番外個体ォ……これで寿命が数年だったら悲しいな……

pixivのがこっちにも引っ越し?

一方通行「…………あァ、馬鹿だな」


番外個体「……」


一方通行「──お前が人間なのは当たり前だろォが。そうじゃなかったらなんだって言うんだァ?」


番外個体「……っ、第一位もあの医者と同じこと言うんだね」

 既に泣いている番外個体の瞳をさらに大粒の涙が満たしていく。
 生まれて初めてしゃくり上げて泣いた。
 
 子供みたいに、人間らしく──────人間だから

* * * 


番外個体「あ~あ、見られたくないモン見られた……」

一方通行「そォかァ?可愛かったと思うぜェ?ば・ん・が・い・こ・た・い・サ・ンよォ?」ニヤッ

番外個体「~~っ!」

一方通行「いつもの仕返しだよばァか」


番外個体「はぁ、御坂人生最大の屈辱だよ────さて、そろそろいけそう、かな」

一方通行「あァ、ゆっくりな」

番外個体「あひゃひゃっ、優しいね、相変わらず」

一方通行「あァ?俺がいつオマエに優しくした?」

番外個体「いっつもだよ」

一方通行「……記憶に無ェな」

番外個体「ひひっ、照れ隠しなさんなって」

一方通行「……そういう舐めた口は、未だに止まんねェ目元の涙を止めてからにするンだなァ」

番外個体「……っさいなァ」グスン

一方通行「ンじゃあいくぞ」

番外個体「ん」

 一方通行は挿入されたままだったモノをゆっくりと引き抜く。そして全て抜ける前にもう一度挿入する。
 たったそれだけの行為で両者の脳には未知の刺激が襲っていた。

一方通行(ンなこと初めてだから具体的には分かんねェが……)

一方通行「あンま持たねえかもしンねェ」

番外個体「っはぁはぁ、そ、それはミサカも……。もう意識飛びそう」

一方通行「お互い敏感すぎンな」

 それから徐々に腰を振る速度が上がっていく。どこぞのバカ面によるとAVみたいに激しく振っても相手は痛いだけで気持ちよくないんだとか。勿論童貞マスター浜面も直接体験からではなくネットから得た情報なのだが。
 そのことを聞いていたこともあるし、また自分が持ちそうにないことからある程度の速度で一定に保つ。
 
 ただの正常位、しかも単調なストロークだというのに一方通行は今にも果ててしまいそうだった。
 それもそのはず、幼少期から反射によって守られてきたイチモツへの刺激は、初めて皮がむけたそれよりも遥かに敏感なのだ。それでもまだ持っているだけすごいぐらいだ。
 対する番外個体は激しく喘ぎながら一方通行に抱きついていた。苦しそうで、それでいて快楽を訴える喘ぎは抱きつかれている一方通行の耳に直接伝わる。
 
 その番外個体が一方通行を抱く力を強める。

番外個体「……っやばっ…………んあああっ!!」

 ブシャァッ、と挿入されたままにも関わらず、勢いよく潮を吹き上げた。完全に達した番外個体はガクガクと痙攣している。

一方通行「っオイ平気か」

番外個体「……だ……ぃじょ……うぶ」ビクンビクン

 既に番外個体の目の焦点はあっておらず、もはや腕にも力が入らないのか一方通行の体に回していた腕がするりと抜け、ベッドにその体をあずけた。

一方通行「っ、オレもそろそろ……!」

 中はまずい、そう思った一方通行は急いで引き抜こうとするが、

一方通行「っ!なにしてやがンだァ!?」

 まだ僅かに余力があったのか、番外個体の脚が一方通行をホールドして離さない。

番外個体「……出して、ナカに……」

一方通行「馬鹿かオマ──っ!!」

 ビュルルルルッ!! 

 人生初めての射精、精通がまさか膣の中で行われるとは思ってもいなかった。
 しばらくの間一方通行の思考は快楽で埋め尽くされたが、徐々に冷静さを取り戻していった。

一方通行「オマエ……何したのか分かってンのか?万が一──」

番外個体「──万が一は無いから……大丈夫……」

 未だに苦しそうな番外個体は絞り出すようにそう言った。

一方通行「……どういう事だ?」

番外個体「……あ、あのカエルの医者が言ってたんだけどね……ミサカたちクローンは、子供を作ることは出来ないって……。DNA上無理らしいんだよね……」

 確かにそのとおりだったと一方通行は思い出す。クローン技術によって生まれた生命体には生殖機能がない。それはクローン技術における一つの壁だ。

 ──しかしそれではあまりに酷だ。ついさっき言ったことはどうなる。

 やはり人間とクローンとでは根本的に違うのだろうか。


番外個体「──だから、大丈夫だって」

一方通行「……」

番外個体「ミサカはちゃんと人間だよ。さっきあなたが認めてくれたでしょ?それだけでミサカにとっては本当になるんだからさ」

* * *


 それからまもなく

 一方通行は道路の真ん中で大の字になっていた。

麦野「……何してんの?」

滝壺「……あくせら、日なたぼっこ?」

浜面「違うと思うぞ?」

 最悪な連中に見られた。

浜面「どうしてそうなった?」

一方通行「……どォしてこうなった……」

 『──説明しよう!二人が一通りの行為を終えたところ、まさかの黄泉川、芳川、打ち止めの帰宅!いそいで服を着るも、部屋のノブをひねる音が!番外個体の機転によって一方通行は窓の外に投げ捨てられたのだ!』

 幸い落下前に電極のスイッチを入れることができたので無傷だが、状況はあまり良いとは言えない。

絹旗「なんかちょっとイカ臭いです」

麦野「なっ!?」///

浜面「まさかまさか──ぶるああっ!?」

一方通行「余計な詮索するな……」

浜面「ず、ずいまぜん……」

滝壺「……元からアレなのに、浜面の顔が救いようのないことに……」

浜面「酷い!」

絹旗「っていうか、麦野の反応超初々しくないですか?」

麦野「……で?何かしら、き・ぬ・は・た・ちゃん?」

絹旗「やべっ」

一方通行「……帰っていいか?」

* * *


 そんな光景を遠くから立ち止まって見ている影があった。

美琴(アイツら……!)

 常盤台のエース、御坂美琴はかつての宿敵たちの姿を見て目を見開いた。

美琴(暗部の連中ってのはこんな一般の目につくようなところにいていいワケ!?……それともまた何かしようとしているっていうの……?)

黒子「お姉さま?あの方々がどうかしましたの?」

美琴「えっ?い、いや何でもないわ」

初春「何か顔が怖かったですよ?」

佐天「……ははーん、さては……、あの人は御坂さんが昔捨てられたオトコとかですね?」

美琴「は、はいっ!?」

黒子「んまっ!そうですのお姉さま!?もしそうだというなら、今すぐ成敗してまいりますわ!!この麗しきお姉さまを捨てるなど言語道断!!!キーッウラウヤマシ!」

初春「あれ?もういないみたいですね」

 麦野たちはもうすでに立ち去ったらしく、裸足でマンションに入っていく一方通行の姿だけが遠くに見えた。

美琴(あそこに住んでいるのかしら……。割と普通のマンションだけど……、意外ね)

美琴「何でもないわ。さ、時間もないし急ぎましょ」

* * *


 ──マンションの一室で

黄泉川「あれ、アクセラレータはどうしたじゃん?」

番外個体「さ、さぁ?買い物じゃないかにゃ~?」

芳川「……裸足で?靴あるけど」

番外個体「やべっ」

今日はここまでです。
一応これで完結でもいいのですが、続きも書いてます。
とはいえかなり蛇足的な内容で、>>1にある通り、エロくなかったり、途中では最早HAMADURAが主人公化してたりします。

蛇足はいらん、という方はここで切り上げるのがよろしいでしょう。
それでも読むぜっ、という方はいずれ濃厚な番外通行の流れに戻りますので、それまで暫しご辛抱を。

>>80
原作でのクローンの今後の扱いが気になるところですね(-_-)

>>82
レス>>43の通りです


>>84は「ばんがいこたい」はからかって言ったんだよね?

>>95
ですね
この先の日常会話ではワーストで統一してます(のつもりです)

子作り……できないんじゃないですかー!


あ、乙

乙 再燃したわ

後冥土帰しって一人称「僕」じゃなかった?

>>99
セリフ引用の題名でしたからね。あとで自分でも気づきました、「できねえじゃん!」って(笑)

>>102
あ、訂正し忘れてました;あとの話では直っているんですが……
SS板貼る前にもっと点検したほうがいいですね、すいません(-_-;)

そのほか皆さんもレスありがとうございます。
レスだけが日々更新の心の支えです(笑)

今日の更新はほんとに少しです

 ──番外個体の『初めて』から二週間。二人はハワイに赴き、後に『バゲージシティ事件』と呼ばれる一種の『戦争』の渦中にいた。
 
 そこで一方通行は、かつてあの忌々しい実験の実験場で相見えた学園都市第三位、『超電磁砲』御坂美琴と遭遇する。
 目先の事件の解決のための一時的な共闘であって、美琴と和解という形が取ることはできなかった。
 
 また、番外個体の存在に美琴は驚きはしたが、これもまた文字通り言及している暇もなく事件の流れによって二人はバラバラとなってし

まった。

 
 帰国後10039号経由で美琴は番外個体のことだけではなく、打ち止めの存在なども詳しく説明を受けたが、一方通行については触れること

はなかった。

 そして事件は“表向きは”収束し、学園都市勢は日本へと帰国していったのだった。──ただ一人の少年を除いては。

 その後、学園都市で御坂美琴は腹を打ち抜かれているその少年と再会したのだった。
 ──また、何か面倒ごとに首を突っ込んでいるのか、と呆れ半分で。

* * *


佐天「それじゃあ御坂さんだいぶ前に『旅行』から帰ってきてたんだ」

初春「そうみたいですね、白井さんから言い忘れてた、って連絡があったんです」

佐天「そっかぁ、じゃあ久々にみんなでなんか食べに行かない?」

初春「いいですねえ。行くとしたらどこにします?」

佐天「う~ん、まあとりあえずファミレスとかでいいんじゃない?」

初春「そうですねえ、その方がいいかもしれませんね。今白井さんに連絡入れてみます」

佐天「うん、おねがい────……っ!初春っ!」

 道路際に止めてある黒いバンを不審に思った瞬間、その中から伸びた手に初春が引きずり込まれた。

不良A「おい、そっちの女も攫え!」

佐天「っ!」

 狭いとはいえ、佐天たちは別に人通りの少ない裏路地を歩いていたわけではない。
 それでも人通りがないのは、今日が佐天たちの学校の開校記念日で休日だからである。学園都市は名の通り総人口の八割が学生の都市で、平日昼間はあまり人が出歩いていないのが普通なのだ。
 それでもこんな白昼堂々と人攫いをするのは異常だが。

佐天(取り敢えずアンチスキルに通報を!電波さえ飛ばせば駆けつけてくれるはず!)

 佐天はスマホを取り出してアンチスキルに連絡を入れようとするが、とある違和感に気がつく。

佐天「アンテナが立ってない……!?」

不良B「ひゃはっ!そりゃそうだぁ!この辺には今特殊なジャミングを飛ばしていてな!携帯はおろか、街頭の監視カメラも機能していいないぜえ!」


佐天「そんなっ!」

 まさに絶体絶命、不良グループの一人が佐天の腕をつかもうとした瞬間、

不良B「──ぐわっ!」バチバチッ

不良C「何だ!?」

不良A「電撃だと……?能力者か!」

番外個体「にゃははっ☆ご名答~。こんな昼間っから女攫いなんてセコイことやってんね~」

不良A「チッ!調子に乗るなよ、今の威力なら精々レベル3ってところか?……いいか、一つレベルが上だからってなぁ──」

 どこから湧いて出てきたのか、更に三、四人の不良が現れ、番外個体を囲んだ。

不良A「──数が多いほうが勝つに決まってんだろ!はははっ!俺は、レベル2の水流操作(ハイドロハンド)だ、ヨロシクゥ!」

 一人が水の塊を番外個体に向かって射出すると、他の不良たちも炎や風の能力で一斉に攻撃した。
 が、しかし

番外個体「ひひひっ!レベル3程度って……舐めすぎじゃないかなぁぁあっ!」バチバチバチバチッ!!

 自分を囲むように飛んできた攻撃を横に大きく跳躍してよけると同時に、額の当たりから電撃を発生させ、三方向にイカヅチを飛ばす。
 イカヅチは佐天に当たらないように正確に不良たちを貫き、一撃で沈黙させた。

 残った不良は言葉を失う。
 完全に見積もりを誤った、と。

不良F「な、何がレベル3程度だよチクショウッ!これじゃあ完全にレベル4はあるじゃねえか!」

不良G「クソッ!一旦引くぞ!」

番外個体「──逃がさないよ~」バチチチチッ!

不良F「ひぃっ!」

 ドオッ!と番外個体は両手から大きな雷撃を飛ばす。
 御坂美琴(レベル5)に比べれば見劣りするものの、番外個体はれっきとした大能力者(レベル4)なのだ。当たればただでは済まない電気の渦が不良たちに迫る。

番外個体「!?」

 しかしその攻撃が不良たちに届くことはなかった。
 突如、電撃がその『進行方向を曲げられた』のだ。

不良H「何をやってんだのさぁ、早く逃げんぞぉ」

不良G「リ、リーダー!」

不良F「助かった!よし、早く乗り込め!」

番外個体「逃さないっての!」

不良H「ん~っと、ふれみんぐ~、っとな♪」
 番外個体が再び電撃を放つが、金髪の不良が左手を差し出すとやはり標的に届く前にその進行方向を曲げられてしまう。
 番外個体は、リーダー、と呼ばれていた金髪の間抜けな顔の男を見た。


番外個体「う~ん?同じ電撃使い(エレクトロマスター)って訳じゃなさそうだけど……」

不良H「あ~俺っちの能力のこと?そーそー、根本は同じ系統なんだけどさぁ、特化の仕方が違うんだなぁ」

不良H「俺っちの能力は電磁気力(エレクトロマグネティック)、レベルは同じく4だぜぇ、ヨロシク美人さん」ニヤッ

番外個体「……なるほど、磁場を発生させて曲げたってわけ?」

不良H「そーだよーっと。レベルは4だけどね。『磁力にのみ特化した能力』だからね。第四位の原子崩し(メルトダウナー)や第三位の電撃だけの攻撃なら防ぐ自信があるんだぜぇ」ニヤニヤ

番外個体「おねーさまの攻撃も、ね……、あははっ!大した自信だね。……それじゃあミサカ『程度』の電撃ぐらい防げるよねえ!」

不良H「おーっと待った待った、今攻撃すると、その娘に当たっちゃうよぉ?その娘の方に電気が誘導されるようにしてるから」ニヤッ

 指をさされた佐天がビクリと震える。
 もしレベル0の佐天に番外個体の電撃が当たれば一溜りもない。

番外個体「人質とは卑怯だねー」

不良H「なんとでも♪」

番外個体「……一つ不思議に思うことがあるか聞いていいかな?スキルアウトならいざ知らず、見たところみんな能力者みたいだけど人攫いなんかして何が目的なのかなー?」

不良H「んー、そういう事は他言無用なんだけどなぁ。ま、キミもこの後攫わせてもらうし、話してもいっか」

不良H「ん~っとな、俺っちはな──」

番外個体(……さてさて、またどこかで『暗部』が産声を上げたのかにゃー?)

今日はこのぐらいで寝ます。
短くてすいません……Zzz

乙でした

>>113-115
ありがとうございます^^

今日もだらだら 少しだけ

不良H「──ただ女とヤリたいだけだよチクショウッ!」


番外個体「…………ん?」

 あるぇー、なんか期待してたのと違うぞぉ?

不良H「俺たちはなぁ!ずっと男子校生活だったんだよぉ!女子と触れる機会ゼロ!おぉ、確かにレベルは上がったぜぇ?さすがはそれなりの名門だぜ!でもな、そんなことどうでもいいんだよぉ!」

不良H「『外』ので男子校に通ってて、学園都市来れば共学に行けるって聞いて来たのにさぁ!来たのにまた男子校だったんだよチクショォォォォォ!」

番外個体「あ、うん、死ね☆」

不良H「なっ!?」

 ベキキキキッ!ガシャァン!

 不良の頭上のビルの広告看板が音を立てて崩れ落ちてきた。
 電撃による攻撃が出来ないならば、もっと直接的に攻撃すればいいだけの話である。流石に美琴のように車を持ち上げて飛ばすような芸当は出来ないが、上にあるものを落とすぐらい造作ないことだ。

不良H「っぐ、おおおぉぉぉおおおっ!」 


 不良は左手を差し出し能力を全開にして巨大な広告看板を止めようとする、しかし完全に勢いを殺すことができそうにないとみるや、どうにか横方向に勢いを流し、プレスされるのをどうにか逃れた。

不良H「はぁっはぁっ、……あははっ!残念だったねぇ!わざわざ話を長引かせて時間稼ぎをしたっていうのにさぁ!言ったろ?磁力は俺っちのほうが専門なんだ──」

番外個体「やほー」ニコニコ

不良H「なっ……!」

 上の広告看板に気を取られているうちに番外個体は不良の懐まで飛び込んでいた。身体能力も非常に優れている番外個体の拳が振りかぶられる。


番外個体「ッエーイ☆」


不良H「ごばぁっ!」

 不良は地面をゴロゴロと回転して、それっきり動かなくなった。

番外個体「全く、もっと暗部絡みのディープは事件かと思ったのにさあ。時間割いて損したー」プンプン

番外個体「大体一々左手つかわなきゃなんないほどの演算速度じゃ百年経っても勝てないってば☆」


不良G『ひ、ひいっ!バケモンだ!とっとと車出せ!』

不良F『わかってら!』


 自分達の頭領がやられたのを見て黒バンは慌てて走りだした。

佐天「初春っ!」

番外個体「……あ~、もう大丈夫だわ」

佐天「へ?」

 番外個体が見ているのは黒バンの進行先。
 そう、そこに立っているのだ。白い悪魔が。
 悪魔がスイッチを、入れた。

佐天「あぶなっ──」





佐天「──あ、あれ?車が……『止まってる』……?」

番外個体「ふーん、器用だねえ」

 一方通行は単純に反射するのではなく、徐々に車を減速させることで中の初春にダメージがないように車を停止させたのだ。

一方通行「オイ、中の二人。怪我したくなかったら抵抗しないで出てくるンだな」

不良G「ひっ!?」

不良F「分かったから待ってくれ!攻撃タンマ!」

 慌てて二人は黒バンから降りた。

 第一位の顔は世間的にはあまり知られていないが、『裏』、もしくは『裏』と呼ぶには浅い所あっても、そういった世界では彼はは有名である。かつて第一位を討ち取って学園都市の頂点に立つ、などといった無謀な試みが流行った頃にネットを通して広まったのだ。
 
 どんなに馬鹿でも、この状況で自分たち程度がレベル4相当の電気使いと学園都市第一位に勝てるなどと思うはずがない。
 
 こんな怪物達にやられるぐらいなら警備員(アンチスキル)に捕まったほうがましだと両手を上げたのだった。

* * *


番外個体「中の娘大丈夫だった?」

一方通行「ああ、スタンガンで気絶させられてるうみてェだが、呼吸はしてるし目立った外傷はねェな」

 一方通行は気絶している初春を車から降ろし、近くのベンチに寝かせた。
 すぐアンチスキルが到着し(一方通行が呼んだ黄泉川達)不良達はご用となった。初春は一応病院で診てもらうことになり救急車で運ばれることになった。


黄泉川「ご苦労さんじゃん。打ち止めと芳川が家で待ってるからとっとと帰って昼ごはん食べて来るじゃん」

一方通行「はいはい、ンじゃあ行くぞ」

番外個体「うーい」

 不良たちの引渡しも完了したので一方通行達はマンションの方へと歩き出した。 

佐天「あ、あの!」

一方通行「あン?」

佐天「そちらの方って、御坂さんの姉妹か何かなんですか?」

番外個体「へ?……あ、あ~いや、えっと」

佐天「顔も似てるし、同じ電気使いですし、姉妹でなくとも親戚かな~って」

一方通行(チッ、あの女(第三位)の知り合いかよメンドクセェ……)

 佐天はじっと番外個体の顔を覗き込む。御坂美琴を知ってる人ならば、必ず彼女と同じように思うことだろう。
 親戚のように見えるのも当然。なんせ同じDNAを持っているのだから。

番外個体(こ、これは困った……。面倒なことになるから第三位の知り合いには遭遇しないように心掛けてたんだけど)

一方通行(オイ……どォすンだ?)

番外個体(どうするったって、『美琴おねーさまのクローンですテヘッ☆』なんて言うわけにはいかないでしょ)

一方通行(いいから何とか誤魔化せ)

番外個体(そう言われてもさあ……)

番外個体「ええっとねミサカは……」

佐天「“ミサカ”ってことはやっぱり親戚なんですね!」

番外個体「 /(^o^)\」

一方通行「オイ……」

番外個体「はぁ……、もういいや、取り敢えず従姉妹ってコトで」

佐天「と、取り敢えずってなんですか!?」

番外個体「ではでは、グッバイ!アディオス!じゃーね!にゃははっ!──ホラ、第一位!」

一方通行「メンドくせェ……」カチッ

佐天「あっ──」

 ドォッ!

 次の瞬間には、一方通行が番外個体を抱えてビルの屋上まで飛び上がってしまっていた。


佐天「むむむむむ……、結局ちゃんと聞けなかった。……しかしこれは調べがいがありますね」


* * *


打ち止め「末っ子ミサカが来ないねって、ミサカはミサカは食事を前にして食べられない生殺しに怒ってみたり」

芳川「ほら、一方通行呼んで来て」

一方通行「めんどくせェ……」

打ち止め「じゃあじゃあミサカが行ってくる!もうお腹すいて待てないんだもん!」

芳川「ダメよラストオーダー。ほら、あなたが行きなさいってば」

一方通行「……チッ」

 一方通行は立ち上がると廊下の突き当りの番外個体の部屋に向かう。


番外個体『んくっ……、あぁっ気持ちいい……。んあぁっ……!』


一方通行「ごッ飯の時間ですよォォォォォッ!」

番外個体「わひゃぁっ!?ノ、ノックぐらいしてくんない!?」

一方通行「帰ってきて数分で何やってンだオマエは。どンだけ盛ってンだよ」

番外個体「だってあれから一回も相手してくんないじゃーん!」

一方通行「知るか、オレは忙しいンだよ。ってか見たことねェおもちゃも増えてるみたいだが?」

番外個体「Amaz○nで買った」

一方通行「なンで学園都市で大人のおもちゃが買えンだよ」

番外個体「教員用でしょ」

一方通行「……あァ、うちの奴らみたいな独り身用「何か言ったじゃん?」なンでもねェよ」

番外個体「?どうしたの急に」

一方通行「イヤ……何か聞こえた気がした」

一方通行「あとよォ、さっきの吉川の反応的に、オマエ、自慰行為バレバレみたいだから気を付けンだなァ」

番外個体「嘘ぉ!?」

一方通行「あれは気づいてるなァ。いいからとっととメシ食うぞ。さっきからクソガキがうるさいンだよ」

番外個体(第一位呼びながらやってんのバレてないよね第一位呼びながらやってんのバレてないよね第一位呼びながらやってんのバレてないよねっ!?)



芳川「……ふふっ、バレバレよ」

打ち止め」「?」

今日はここまでちゃん

次投稿するときは、番外編として書いていた話を時系列的にちょうど合うので投稿します。

乙でした

>>131-132
あざっす

 さて、諸事情で突然更新がしばらく途絶える期間がありそうなので、少し加速して更新(したい)

番外個体「にゃはっ☆やっと届いたかあ……!」

 番外個体はクロネコYAMAT○が届けたAMAZ○Nの箱を自室で開封していた。

番外個体「学園都市の技術の粋を集めて作った、超小型にして超強力モーターを使用した赤外線リモコン式ローター──世紀末帝王HAMADURAっ!」

 本来は備え付けのリモコンで操作するものだが、番外個体が、バチリ、と能力を使うと手の中の小さなローターが勢いよく振動した。

番外個体「おお~、予想以上の振動。……うひひっ、それじゃあ早速……」

 番外個体は自分の指をしゃぶって唾液で濡らすと、寝巻きの中に手を入れてさらに下着の中へと手を侵入させる。

番外個体「んっ……」

 しばらく大陰唇などを指でまさぐってから、大分“ならした”ところで中へと指を入れる。

番外個体「んあっ……」

 思わず甘い声が漏れるがそれをなるべく抑える。
 同居人三人が不在といえど、マンション住まいのため、壁や天井の向こうは他人の住居だ。『この間のこと』が会ったあとに、上の階に住んでいるおばさんとゴミステーションであった時に妙に生暖かい笑みを向けられたのは気のせいではないはずだ。

 じゅぷじゅぷと指を動かすこと十五分弱、番外個体の方がビクンと大きく揺れた。


番外個体「はーっ、はーっ……」

番外個体(ちょっと濡らすだけのつもりだったのにイっちゃったにゃあ……。まあ今日は元気だから大丈夫だけど……)

 ベッドの上に転がしてあったローターを手にとって、下着の中へと入れる。そして自分の駅で濡れた膣の中へとゆっくりと押し込んでいく。

番外個体(ふぅ……、第一位の肉棒もよかったけど、無機質なものが侵入する感覚もやっぱりキモチイイんだなこれが)

 そして恐る恐る能力を使って電気信号を送る。次の瞬間──

番外個体「っ!!」ビクンッ

 体を大きくのけぞらせ、ガクリ、とベッドに倒れ込む。

番外個体「ふぅっ、ふぅっ……、こりゃあホントに予想以上☆」

番外個体(慣れたら外ブラブラしてみよっと)

サーバー移転だかで一旦止まっちゃいました。申し訳ない

あと少し上げたら時間的に退散します

* * *


番外個体(──他人に見られる趣味はないケド、バレるかバレないかの瀬戸際ってのは楽しいもんだね)

 番外個体は学園都市の市街を一人で歩いていた。もちろん先程のローターを入れたまま。

番外個体(とは言ってももう一回イってるし飽きてきたかな~……。お腹も空いたしどっか店はいるか……)

 そこで取り敢えず目に入ったファミレスへと入ることにした。もちろん入店前にローターの電源は切って。

* * *


麦野「──遅い……!絹旗と滝壺はともかくとして……、バツゲームだって呼び出した浜面が遅いってのはどぉいうことだんだよクソが……!」

 ポーカーで浜面にまさかのボロ負けをした麦野たちは、ファミレスで浜面に奉仕をするというバツゲームをすることになったのだ。
 しかし、時間になっても麦野以外の三人は現れなかった。絹旗と滝壺は別にいいのだが、浜面は自分で指定した時間になってもファミレスにやってこないのだ。

麦野(こりゃあ遅れたバツと引き換えにバツゲームなしでもいいんじゃねえのか……?)

 昼休みの時間帯で割と店内は混んでいたが、その怒れる美女の圧倒的オーラにほかの客は近くに座り難く、麦野の周りの席は空席となっていた。


番外個体(ん、あのへんせき空いてるじゃん。ラッキー☆)

 番外個体が席に着いたところでその麦野が視界にうつる。

番外個体(ありゃありゃ、なんだか知らないけど、大変お怒りの様子で。男絡みかなんかかにゃ~)ニヤニヤ

麦野「……オイテメエ、何見てやがんだ」

番外個体「ん?ミサカのこと?」

麦野「そうだテメエだよ──って、……あ?“ミサカ”だと?」

番外個体「あれあれ?おねーたまのお友達?」

麦野「友達じゃねーよ。まあ知り合いではあるけどな。……それで?オマエはあの例の“欠陥電気(レディオノイズ)”とかいうのの関係か?」

番外個体「なぁんだ、おねーたま“達”のことまで知ってるんだ」

麦野「……どういう事だ?」

番外個体「アナタも相当な暗部の関係者ってわけか……。あ、正面座っていい?」

麦野「……勝手にしな」

番外個体「よっこいせーっと」

麦野「……それで?さっきの“おねーたま達”ってのはどういう意味だ?オマエも“姉妹達(シスターズ)”ってやつの一人じゃねえのか?」

番外個体「まあ同じクローンであることには変わらないんだけど、ミサカは絶対能力進化(レベル6シフト)計画のために造られた個体じゃない。──シリアルナンバー外の個体、だから番外個体(ミサカワースト)なんて呼ばれ方をしてるけど」

麦野「なるほど?それで、お前は何のために造られたの?まさか今更軍事用の量産型クローンとか言ってるわけじゃねえよな」

番外個体「もちろん違うよ?ミサカの造られた理由は──学園都市第一位、一方通行(アクセラレータ)を殺すため」

麦野「あん?オリジナルでも手も足も出なかった第一位にクローンなんかぶつけて、上はそれで勝てるとでも思ったのか?」

番外個体「ぎゃは☆まあそう思うのもわかるけど、勝機がなかったわけじゃない。あの人の弱みに付け込んだってだけさ」

麦野「無敵の第一位サマに弱点なんかあんのか?」

番外個体「まあね。──それは、第一位はミサカ達を殺せないってこと」

麦野「あ?今までクソみたいに殺してきたんじゃねえのか?」

番外個体「まあ、色々あってね。この間の第三次世界大戦の時も、とあるクローンを助けるためにロシアまで来たんだからさ。その時が、御坂と第一位の初対面だったんだけど。……まあ見事にミサカも救われてしまったよ」

麦野「なんだ、第一位もロシアに来てたのか?」

番外個体「あれ?むぎのんもいたの?」

麦野「……私まだ名乗ってなくねえか?」

番外個体「いまちょっとミサカネットワークから検索かけたから」

麦野「便利だなオイ……、……まあそれはいい」

麦野「それにしたってわざわざ一人の女のためにロシアまで行く馬鹿が二人もいるとは思わなかったわ」

番外個体「むぎのんの知り合いにもいたの?」

麦野「……まあね」

* * *


番外個体「ぎゃははっ、まったく、ぶっ倒されるついでに救われるなんて、似た者同士だねえ!」

麦野「ああまったくだわ。──つくづく男運の“悪い”」


 その時、新たに三人の客が入店してきた。

浜面「おお、悪い、遅れた」

麦野「チッ、おせえぞボケが。ビームかましてあげようかあ?」

浜面「いや、絹旗と滝壺に車で向いに来てくれって言われてな──って、お前……!」

番外個体「やっほー久々だね」

麦野「あん?知り合いだったのか?」

浜面「ん、ああちょっとな」


滝壺「……はまづら、この女(ひと)、誰?」

浜面「滝壺さん?お顔が怖いのですが……」

絹旗「浜面には超不釣合なナイスバディーのお姉さんですけど、どういうふうに知り合ったんですか?」

麦野「浜面ァ……、洗いざらい吐いてもらおうかァ?」

浜面「あ、あれぇ?バツゲームを受ける立場が逆転してません?ちょっと、ワーストさん!助けて!」

番外個体「あ、ミサカ用事思い出したから帰るね」

浜面「え、待って!へるぷm」

ゴンガンドンバンガンギン ドンガングジャ!!!!!! と。 直後に、原始的な暴力の音がした。


番外個体「さあて、一旦家に戻るか」

 この数時間後、番外個体と麦野一行は病院で再開することになる。

これで今日は終わりっす!
お休みなさい☆GOODNIGHT☆(・д・)

いよいよ世紀末帝王の出番だぜぇ……


なんかこの麦野って浜面(CV.日野聡)に惚れているかイマイチわかんないんだけど……

陰核なら知ってるが小陰核ってなンだァ?

あとォ地の文いれンなら台本形式やめたほうがいいと思いますゥ

乙でした

>>148
一応惚れてるはずです
>>149
小陰唇と混ざってました。申し訳ない、曖昧な知識で。こうのような指摘は是非、気が付き次第してください。
あと、地の分だけでやるには、どのキャラがしゃべっているのかを伝えれるような文章力がないんで、台本形式をとってます。
違和感を感じられるかもしれませんが、そういうものだと流していただけると幸いです(^。^;)
>>150
ありがとうございます^^

 それから番外個体は、自分がなぜ生み出されたのかということ、第三次世界で一方通行が上条当麻と戦ったこと、一方通行と戦い敗れ、そして自分を救ってくれたこと、今黄泉川達と一緒に暮らしていることなどを話した。

上条「へえ、黄泉川先生と暮らしているのか」

番外個体「知り合い?」

上条「ああ、クラスは違うけど、学校の先生だ」

浜面「俺も昔だいぶお世話になったな……。……補導的な意味で」


美琴「それにしてもアンタまでロシアにいたとは知らなかったわ」

一方通行「それはこっちのセリフだな。……大方そこの三下のケツでも追っかけに行ったのかァ?」ククッ

美琴「なっ!ばばばばばば馬鹿じゃないの!?ななな何で私がっ!」

麦野「図星かよ」

佐天「慌てる御坂さん、可愛ええのぅ」

初春「ああでもやっぱり御坂さん、第三次世界中はロシアにいたんですね」

美琴「……“やっぱり”?」

初春「あっ……」

黒子「……初春……アナタねえ……」

麦野「ぎゃははははっ!こりゃぁ確かに隠しててもいつかはバレたかもしれないなあ!」

美琴「はあ……、初春さん。わかってると思うけど、知ったら危ない情報とかもあるんだから、あんまり危険なことはしないでね?」

初春「は、はい、以後気をつけます……」


浜面「ロシアといえば俺と滝壺……あと麦野も行ってたんだけどな」

絹旗「え、なんですかそれ、超初耳です」

美琴「そういえばアンタってこの馬鹿とどういう経緯で知り合ったの?」

上条「あの、馬鹿って私のことでせうか?」

番外個体「そういえばハワイでも同行したけど、お互いのことを詳しく話したことはなかったね」


浜面「そうだな……そしたらまず美琴ちゃんに謝らなきゃなれねえことがあんだ」

美琴「え、私に?」

浜面「ああ、こればっかしは許してもらえないかもしれねえけど、こういう機会だから話しておいたほうがいいと思ってさ」

美琴「……いいわよ、言ってみなさい」

浜面「俺が元スキルアウトって話はしたと思うんだが、色々あってスキルアウトのグループの存続が困難な状況になってさ、そこに舞い込んだ高報酬の依頼に思わず食いついたんだけどよ……」

浜面「……人攫いの依頼だったんだが、そのターゲットってのが、美琴ちゃん、お前の母親だったんだ」

美琴「……!」

浜面「あの時、大将が俺をぶん殴ってくれなかったら、取り返しのつかないことになっていたと思う。もちろん俺のしたこと自体がもう取り返しのつかないことなんだが、それでも謝罪しておきたかったんだ。スマン……!」

 浜面が深く頭を下げる。
 美琴から電撃か、拳かが飛んでくるかと身構えたが、いつまでたってもその様子はない。

投下順番ミスったああ;;

文章訂正して辻妻合わせますヾ(´▽`;)ゝ

浜面が深く頭を下げる。
 美琴から電撃か、拳かが飛んでくるかと身構えたが、いつまでたってもその様子はない。

美琴「……はあ、まあ、お母さんに実害がなかったならいいわ。それに説教ならこの馬鹿から十分されたでしょ?」

浜面「……ははっ、まあな」

一方通行「ククッ、だろうなァ」

上条「な、なんだよ……。……ったく、なんていうか今見ても、変なメンバーが集まってんな。何でこんなことになったんだ?」

美琴「偶然よ偶然。私だってこんなメンバーとファミレスで、病院でと次々と鉢あわせるなんて思わなかったわよ」

上条「ファミレス?アクセラレータが?」

美琴「いや、第四位一行の方ね」

上条「え、あんまりファミレスとか行きそうなオーラじゃないんだが。どんな感じ出会ったんんだ?」

美琴「ああ、えっとね──」

* * *


──五時間前

黒子「──ではつまり、お姉さまに似た電気使いの方に助けていただいた、と」

初春「私は気絶していたので見ていないんですけどね」

佐天「自分のこと“ミサカ”って言ってたし、絶対親戚だと思うんだよなあ」

黒子「ですが、お姉さまにご姉妹がいらっしゃるなんて聞いたことありませんがね」

初春「ですね~。お母さんは何度か学園都市に来ているみたいですけど」

佐天「もし親戚がいるなら紹介してくれてもいいのにね」

初春「一度も親戚関連の話題に触れたことがなかったから、単に話してなかったこともあるとは思いますけど」

黒子「──もしくは何か話せない理由がある、ということも考えられますわ」

初春「あ……」

 シスターズの一連の騒動の時、美琴は自分一人の責任であって周りは巻き込めないと、黒子たちにも理由も話さず一人奔走して時があった。
 もちろん黒子たちを関わらせなかったのは正解だが、三人は『自分たちは頼ってもらえない』という意識を多少なりとも持ってしまった。
 美琴がハワイに行っていた少し前、世の中が第三次世界大戦という学園都市と“表面上は”反学園都市派の国々との戦争が行われていた時、御坂美琴は常盤台の学生寮から姿を消していた。
 学園都市内の方が外より安全であるという理由から全学生の都市外への移動が完全制限されていたため実家に帰ったという可能性は低い。もし学園都市の外にいるとすれば、何らかの目的があって、自分の意志で外にいるということになる。

 第三次世界大戦中の美琴の足取りがどうしても気になった三人は、違法と分かりながらも初春の力で学園都市のデータベースにクラックした。
 しかし流石はレベル5の情報、美琴以上とされる初春の技術を持ってしてもデータの開示には一苦労で、さらに情報自体が膨大な量のため、手に入れた情報から美琴の足取りを調べるにおいてプラスになるものを見つけ出すことは出来なかった。たまに見かける『欠陥電気(レディオノイズ)計画』という単語も気になりはしたが、深く調べている余裕はなかった。
 あまり成果が上がらない中で、捜査の方針を変え、“学園都市の外に出る時に痕跡を残す場所”のデータを集中的に当たることにした。
 そこで目をつけたのが第二十三学区。そこに直接美琴がいたという足跡は残されてはいなかったが、一つ気になるものがあった。

 『試験飛行場内のパスが物理損傷なしにオールダウン』
 『超音速爆撃機HsB-02が無許可発進。ロシア上空で消息を断つ』

 どう見てもテロリストか何かの侵入があったことには間違いないが、だとすればその正体はただものではない。
 第二十三学区といえば『窓のないビル』の次に重要な施設といってもいい、ツリーダイアグラムとも大きく関わる航空・宇宙研究開発分野の施設で専有されている。その為セキュリティもトップクラスで突破するのは困難である。

 そのセキュリティをダウンさせ、尚かつ最新爆撃機を乗っ取ってロシア上空まで飛ばすことができる人間が果たしてどれだけいるのだろうか。 

初春「この間行ったらしいハワイに関しても不明な点が多いですしね……」

佐天「それでも、今回だって帰ってきてくれたんだから、私達は御坂さんを信じるしかないんですよ」

黒子「……そうですわね。きっとお姉さまなら、止めたって行ってしまいますもの────わたくし達を信じているからこそ、『そっちは任せたわよ』なんて仰ったりして」

初春「……ふふっ、そうですね」

佐天「それでその御坂さんは?」

 現在三人はとあるファミレスいる。美琴を含め四人で待ち合わせしていたのだが待ち合わせ時間から三十分経っても美琴は現れない。

黒子「ああ、それならば先程連絡がありましたわ。初春が特に外傷もなくすぐに病院を出たことを知らされてなかったようで、行き違いになってしまったようですわ」

佐天「なるほど、あの病院ここから遠いもんね。それじゃあしばらくドリンクバーで時間潰しますか」

初春「私追加行ってきますよ」

佐天「あ、私も行く」

初春「白井さんは何にしますか?」

黒子「それじゃアイスティーでお願いしますわ」

* * *


 ドリンクバーには先客がおり、その後ろでしばらく待つこととなった。

初春(うわあ、美人さんの集団ですねえ)

佐天(だねえ。うちらと同い年ぐらいの茶髪の娘は太ももが眩しいし、ピンクのジャージの娘も特に着飾ってないのに小動物的可愛さがあるし、真ん中のお姉さんはナイスバディーすぎるし!)ムッハー

初春(佐天さん佐天さん!声が大きいです!)

佐天(とは言ってもさ、これほどの美女軍団をこの目に焼き付けない手はないって)

初春(佐天さん、オジサンくさいですよ……)

* * *


絹旗「うぅぅ、超悔しいです!浜面なんかにドリンクバーの往復させられるなんて!」

滝壺「……バツゲームだから仕方がない」

麦野「なんであいつあんなにポーカー強いんだよ。アホ面すぎて逆に読み合いできなかったわ」

絹旗「明日、リベンジマッチやりますよ!このまま超浜面勝ちっ放しなのは許せないですから」

麦野「オイ、そういやあいつは何持ってこいって言ってた?」

絹旗「ん~っと、カフェラテだったと思いますが」

麦野「チッ、オシャレぶりやがって。滝壺、そこの味噌汁カフェラテに混ぜろ」

滝壺「……了解」

絹旗「滝壺さんは浜面が味噌汁入りカフェラテくらってもいいんですか?」

滝壺「私ははまづらのいろんな表情を見てみたい。笑った顔も、怒った顔も……泣いた顔も……ふふっ」

絹旗「フレメアが現れてからなんだか滝壺さんが超怖くなっきましたね……」

麦野「フレメアにはメロンソーダでいいか──っと」ガチャーン

佐天「わわっ、す、すいません!」

麦野「いや、こっちの不注意だったわ。ガラスで怪我してない?」

佐天「い、いえ、大丈夫です」

初春「もー、佐天さんがボーッとしてるからですよ」

絹旗「まあまあ、お互いの超不注意ってことで。店員さんも来てくれたし取り敢えず席の方もどりましょう。……どうしたんですか滝壺さん?」

滝壺「……ラテの濁りならコーンスープ入れても気がつかないかも」

絹旗「」


* * *


麦野「何だ結局隣の席か」

浜面「おーおーやっと戻ったか。ん、そいつらは友達か?」

絹旗「いえ、ドリンクバーで会ったばっかりです」

佐天「佐天涙子です!」

初春「初春飾利です。初めまして」

浜面「おお、俺は浜面仕上ってんだ。よろしくな」

初春「あ、はい」

初春(金髪に染めてて怖い人かと思ったけどそうでもないみたいですね)


ガタンッ


美琴「な、なんであんたらがここにいるのよ……!」

佐天「あれ、御坂さん来てたんですか」

美琴「あ、うん、遅れてごめん────それで、何であんたらがここにいるのよ」

 美琴がキッと麦の方を睨むとが、それに対して麦野は軽く笑っただけだった。

麦野「私たちがファミレスにいたら悪いかしら」

美琴「そういうことじゃないわよ。なんで佐天さんたちと一緒にいるのかって聞いてんのよ。返答によってはただじゃおかないわよ」

麦野「そこでたまたま会っただけだっての」


佐天(なんか知り合いだったみたいだね)

初春(そうですね。ただ、お友達って感じじゃなさそうですけど)


黒子「……あら、確かあなたはあの時の」

麦野「ん?あん時のツインテールジャッジメントじゃねえか。っていうかよく私の顔なんて一々覚えてたな」

黒子「そりゃ忘れもしませんわ。───あの時お姉さまの小ぶりな胸を馬鹿にしてくれやがいましてっ!今日という今日は決着を──って、あの時の金髪野郎がいませんわね」

麦野「……」

 以前別のファミレスで美琴・黒子ペアと麦野・フレンダペアが遭遇し、お互いのリーダーの胸のことで口論(美琴、麦野は全く関与せず)を繰り広げたということがあった。

黒子「あんなチンチクリンわたくしの手にかかれば一瞬で──」


麦野「──オォイ」ギロリ


一同「──!!」

 さっきまでは普通に話していた麦野の声が急にドスの効いたものに変わる。それを初めて聞く佐天や初春や黒子はビクリと肩を震わせ、横で見ていた浜面や絹旗は「マズい」と麦野を止めるべく身構えた。

麦野「──そりゃぁよォ、忘れようなんて思っちゃいねえさ。忘れちゃならねえ、自分の墓まで持っていくことさ」

麦野「ただなぁ、故意とか、そうじゃねえとか関係ねえ。人のワタまで届くような深い傷を抉り返してぶちまけようとしたんだぞ?────手前の腹もかっ裂いてやらねえと気がすまなくなるってもんだろうがぁ!」

 麦野が黒子を睨んでゆらりと立ち上がる。
 黒子が一歩後ずさりながらも、足に巻いてある鉄心入りのバックルに意識を集中させる。
 そしてその黒子を制して美琴が一歩前に出る。

 第三位と第四位、二度目の死闘が始まろうとしたその時──


フレメア「にゃあ、むぎの、メロンソーダの上にアイスを乗っけて、大体フロートにして欲しい」


浜面「お、おいコラ、フレメア!」

フレメア「だってアイスも食べたいんだもん!にゃあにゃあ!」

浜面「今そういう感じじゃないの!分かる!?超シリアスシーンなわけ!」

フレメア「だってむぎの暇なんでしょ?さっきから怒った顔してるけど、大体怒ったフリの顔だよ」

フレメア「大体面倒くさくなったから理由つけて帰ろうとしただけだよ、にゃあ」

浜面「フレメア馬鹿っ!んなこと言ったら殺されるぞ!おい麦野、子供だから大目に…………麦野?」

麦野「……」

浜面「……あれ、図星でした?」

麦野「違う」キュガッ ゴッ! ジュワ~…

浜面「うおおぉ!?バカお前!店ん中で能力ぶっぱなしてんじゃねえ!」

絹旗「十歳児に図星突かれてキレるなんて、なかなか麦野も可愛くなりましたね──なんでもないですすいませんだからその能力を引っ込めてください超お願いしますっ!」ローリング ゴロン ジュワッ!

絹旗「あぶねー!あぶねー超あぶねーです麦野!」

麦野「最近あんたら私のコト舐めすぎじゃないかにゃ~?」

 麦野の後ろに『ゴゴゴゴゴ……』という効果音が見える気がする。そして『新手のスタ○ド使いかァァァッ!』とか言ってパンチを繰り出してきそうである。実際に繰り出されるのは魔法少女も驚きのマジカルビームなのだが。


初春「な、なんか、シリアスな感じから急にムードが変わりましたね」

佐天「う~ん、私にもよくわからん……」



絹旗「ま、まあまあ!フレメアのお蔭で結果として超面倒くさい事態は避けられたんですし!レベル5同士のドンパチをこんなところでやったら超跡形も残らなかったと思いますよ!?」

麦野「まあそうだけどよ……」


 麦野はやっと気を落ち着けて自分の席に戻った。それを見て安心した浜面や絹旗も続いて席に戻る。自体を収拾させた本人、フレメアは浜面の膝の上のポジションを確保すると、足をばたつかせて「うにゃー!フロートはまだなの!?」叫んでいた。その正面から滝壺の刺さるような視線が向けられているのに気がつかずに。

 さて一度収束したように見えた騒ぎだが、また一方でがやがやと騒がしくなり始めた。

黒子「レベル5同士、ですって……?」

初春「ってことは麦野さんって……」

佐天「レベル5!?」

麦野「ん?ああ、じゃあ改めて自己紹介するか。私は麦野沈利。学園都市第四位のレベル5。能力名は『原子崩し(メルトダウナー)』。一応順位は四位だが、リミット外しゃあそこの第三位なんて瞬殺できるけどね」

美琴「ふ、ふ~ん?まあこの間一戦やった時には私の勝ちだったけどね」ドヤッ

麦野「あれは実力勝負じゃねえだろうがぁぁぁっ!」

絹旗「どうどう、落ち着いてください麦野。あ、私は絹旗最愛、最も愛する、で“さいあい”です。『能力は窒素装甲(オフェンスアーマー)』。レベルは4です」

滝壺「……滝壺理后。レベル4の『能力追跡(AIMストーカー)』。よろしく」


佐天「レ、レベル4が二人にレベル5ですか!?すごいですね!」

初春「ってことは、そちらの方も高位能力者の方なんでしょうか?」

浜面「俺か?いやいや、俺はただの無能力者だ」

佐天「へ、そうなんですか?それなら私と一緒んですね」

浜面「お、そうか、無能能力者同士よろしくな」

佐天「……ん~、無能力者って言い方は私あんまり好きじゃないんです。だって自分の可能性を否定してるみたいじゃないですか。だから私は自分のことをレベル0っていうようにしているんです。いつかこの数字を上げれるように頑張ろうって意味も込めて」

初春「佐天さん……」

浜面「……そう言われりゃその通りだな。……ったく自分に絶望してスキルアウトになった俺とは大違いだな」

佐天「え、浜面さんスキルアウトだったんですか?」

浜面「ま~な。ま、色々あって今はこいつらとつるんでいるけどな」

絹旗「つるんでいる?浜面ごときが思い上がりも超甚だしいですね。超浜面は私たちの下僕に決まってるじゃないですか。主従関係ですよ」


黒子「あの~皆さん、お話は食事を頼んでからにしませんこと?」

美琴「そうね、私も少しお腹が空いたわ」

浜面「ん、そうすっか」

フレメア「うにゃああああ!フロートは大体忘れられてる感じ!?」

 こうして、思いもよらない奇妙な組み合わせで食事が開始されたのだった。


* * *


番外個体「なになに出かけんの?」

一方通行「病院だよ。電極修理してもらわなきゃなンねェだろォが。前みたいに暴走したらどォすんだ?」

番外個体「あ、それならミサカも行く行く」

一方通行「あァン?邪魔だついてくンな」

番外個体「いいじゃんいいじゃん。美女とのデートだよ?うれしい?にゃはは☆」

一方通行「……うぜェ……」

* * *


 皆が集まって2時間少々、さすが女子(+約一名、馬面)といったところか、全く話題が尽きることなく話し続けていた。
 美琴たちが加わったのをいい口実に浜面にドリンクバー往復係を任せると、学園都市で最も恐ろしい女の子(笑)二人を中心とした女子会が華を咲かせていた。
 ちなみに女子会が始まって早々、疲れたのかフレメアは滝壺の膝枕で眠り始めた。普段の半ば狂気的な嫉妬はなく、時々フレメアの頭を撫でている滝壺の光景がなんとも微笑ましかった。


佐天「えっ、あそこも超名門ですよね!すごいですね!」

麦野「あ~、名門名門たって、実際たいしたことないもんよ?天下の常盤台だってそこの二人を見れば実態がわかるってもんでしょ」

美琴「うっさいわね!……いや、自分で言ってて悲しくなるけど、私たち以外は割と“普通にお嬢様”ばっかりよ?」

黒子「お姉さまも大概だと思いますけどね……。主に金銭感覚で」

美琴「ちょ、黒子!そんなことないわよ!」

黒子「それじゃあお姉さま、今朝は寮を早く出発なさったので外食だと思いますが、いくらかけたんですの?」

美琴「そんな大したことないわよ。ん~……せんにひゃ──」

絹旗・佐天「はいアウトーッ!!」ガタッ

 絹旗と佐天の身を乗り出したツッコミ、そして他のメンバーの若干冷めた目線が美琴に向けられる。

美琴「え?え?」

佐天「御坂さん、さすがに朝食で千円超はないです!てか晩御飯でもないです!」

絹旗「ぐわー!これだからレベル5は!それとも生まれ持った家柄の違いからですか!?超不公平です~~!」

滝壺「みさかはむぎのに負けないぐらいお嬢様なんだね」

初春「あ、じゃあ麦野さんの朝食はなんだったんですか?」


麦野「え?シャケ弁」


初春・佐天「……」

黒子「……お姉さまの圧勝ですわ。……まあ、不名誉な勝利ですけど……。なんですの“シャケ”弁って。お嬢様なのに質素な食事と訛りで新たなファン層の開拓でもするつもりですの?」

美琴「ちょっと黒子、どういう意味よ!」

麦野「意味わかんねえし、それに“サケ弁”よりは語呂がいいからいいだろうが」

麦野「大体金は美容とファッショにつぎ込む派だからな。食事は栄養取れりゃいいと思う程度だし」

 そう言った麦野を、黒子・初春・佐天の三人は頭から足までざっと見る。
 そして次に美琴の方を見る。常盤台生は原則外出中でも制服着用のため比較にならない────ので、黒子がスカートの中を見て「ふぅう」と一息してから、

黒子「ジャッジですの」

佐天・初春「ごくり……」

黒子「────お、お姉さまの完敗ですわ……!」クヤシナミダッ

佐天・初春「あ~……」

美琴「く・ろ・こ?」バチバチッ


黒子「大丈夫ですの!お姉さまのためにこれから毎日服から下着のコーデまで一晩中一緒に考えて差し上げますわっ────あばばばばっ!」ビリビリビリッ

美琴「どさくさに紛れて何やってんだぁぁぁ!」バリバリバリ

黒子「あぁんっ!お姉さまの電撃がっ!黒子を新たな官能の境地へっ!これは、まさにっ──ヘヴンッ!」ビクーン

初春「御坂さん御坂さん、お店の中ですから少し抑えて……」

美琴「はーっ!はーっ!……はぁ……、分かってる。……黒子?次はないからね?」

黒子「りょ、了解ですわ……」


浜面「おーおー、何かすごいことになってんな。ドリンクお待たせ」

絹旗「超遅いです浜面、たかが八人分に誰だけ時間かけてんですか?」

浜面「いや、俺も入れて九人分な。大体こんな量何度も往復させられたら疲れるに決まってんだろうが」

絹旗「はあ……、超根性なしですね」

佐天「あ、次から私手伝いましょうか?」

滝壺「……それなら私も」

浜面「ああ、いやいいよ別に。慣れてっからこういうの」

 「やっと座れるぜ」と浜面は席に着く。
 席の組み合わせとしては、四人がけテーブルを二つ繋げて、絹旗・滝壺・佐天・初春・フレメア・浜面・黒子が座っており、一間隔置いた席に麦野と美琴が座っている。

絹旗「何か浜面、佐天さんや滝壺さんに対する態度と、私や麦野への態度が超違いすぎません?」

浜面「そりゃあ、佐天ちゃんや初春ちゃんは守ってあげたい感じだし──もちろん滝壺は守ってやらなきゃならないけどよ、お前や麦野はそこらの男じゃ敵わないぐらい強いわけだし別に──」

絹旗「ほほう?」ゴキリ

麦野「へぇ?」キュィィィン

浜面「あ、嘘です、何でもありません」


初春「ふふっ」

浜面「あ?何だよ?」

初春「いえ、浜面さん、最初の印象とだいぶ違ったので。金髪ですし、元スキルアウトって聞いた時にはやっぱり怖い人なのかなあって思ったんですけど、面白いですし、文句言いながらもちゃんとドリンク運んだりしていい人だなあと思って」

佐天「あ、それ私も思った」

絹旗「な、何なんですかこの浜面が黒髪っ娘にモテるの法則は!?」

麦野「チッ」

滝壺「……はまづら?」

浜面「え、滝壺さ~ん?違いますよ?モテてるとかそんなことあるわけないじゃないですか」

滝壺「……あとで話があるから」

浜面「/(^o^)\」

* * *


美琴「仲良さそうにやってるわね」

麦野「ふん、うぜえな」

美琴「混ざりたいな混ざってくればいいじゃない」

麦野「あぁ?誰がんなこと言った?大体、テメェが用があるからこっちに分かれて座ったんだろ?」

美琴「……まあね」

 美琴はミルクティーを一杯飲むと視線を麦野に戻す。

美琴「さっきの話を蒸し返すつもりはないわ。ただ一つ答えて。……アンタらの言う『闇』っていうのはまだこの学園都市にあるの?」

麦野「……研究所の時に言ったよなぁ?テメェはな、たかがとある一つの研究に触れた程度の“一般人”なんだよ。先を知れば引き返せなくなるぞ?あいつらを巻き込む事態になったら、テメェは責任取れんのか?」

 麦野は視線を佐天たちの方に向ける。美琴と同じ『表』の人間たちの方へと。

美琴「そうね、確かに私達は一般人よ。……でもね、私はあの実験に、黒子も樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)の残骸(レムナント)を追う事件に巻き込んでしまったし、佐天さんや初春は幻想御手(レベルアッパー)事件に巻き込まれたわ。この都市にいる以上、自分達から関わらなくても、向こうから来ることだってある。だから、攻めるんじゃなくて守りに徹するのよ。そのために敵を知っておくことも必要だと思う」

麦野「……あのなあ、やっぱり甘いわテメェは。“その程度”で闇に関わったと思っている時点で甘すぎる。──まあ教えてやるよ。闇は解体されたことになっている。ただ、この都市自体が闇みたいなもんだ、どうせまたすぐ復活するさ」

美琴「……」

麦野「──だから私らは、それを片っ端からぶっ潰してく。上の便利な道具(アイテム)のフリをしてなぁ。──くくっ、どっかの闇のお節介野郎の助言でね、優等生であることはやめたんだよ────二度と“フレンダを生み出さないためにな”。さっき言ったでしょ?──これは墓場まで持っていく使命だから」

美琴「……そう、分かったわ」


 これ以上は聞かないし、聞けない。
 今の言葉で確信した。あのフレンダという少女はもういないのだ。
 生きているか、死んでいるかは問題ではない。彼女たちの日常に、当たり前のようにいた一人の少女は、もうそこにはいないのだ。

麦野「はあ、せっかくメシ食いに来てんだから暗い空気作ってんじゃねえよ。向こう混ざって何かオーダーすんぞ」

美琴「ん、そうね」

 そう言って麦野が席を立って机を浜面たちとくっつけようとした瞬間、


チャラ男A「ってぇなコラ」

チャラ男B「おいおい何してんだよ、リーダーの服コーヒーで汚れちまったんですけどぉ?」

チャラ男C「お、君たち可愛いじゃん。そんな冴えないのと一緒にいないで俺たちと一緒にお茶しない?」


絹旗「な、こんな超テンプレナンパ野郎がまだこのご時世に生き残っていたなんて……!浜面が超さえないのは否定できませんが!」

浜面「って、おい!」

チャラ男B「へへっ、邪魔すんじゃねえぞチンピラ」

浜面(どっちがチンピラだよ……。って、マズイなこりゃ。店内で麦野とかに暴れられると非常に困る。……ってかなんかこの感じ前にも──)

麦野「きゃ~、浜面~。助けて、怖い~」キャピッ

絹旗「私たち超襲われそうになってるぅ~」キャピッ

滝壺「ぐーすかぴー」

フレメア「ぐーぐー」

 浜面の両脇から麦野と絹旗がわざとらしい声と共に抱きつく。

浜面「あー!やっぱりこのパターンかあああっ!」

チャラ男A「おーおー見せつけてくれちゃってよぉ!」

チャラ男C「喧嘩うってのかゴラァ!」

 チャラ男の一人が浜面に掴みかかる。麦野と絹旗は浜面から手をはなして、してやったりとクスクスと笑っている。

佐天「こ、これ止めたほうがいいんじゃないの?」アセアセ

黒子「そうですわね……」

 そう言ってジャッジメントの腕章を取り出そうととした黒子を浜面が手で制す。

浜面「ああ、大丈夫だから。先に店出るから会計しておいてくれないか?後で払うからさ。──ここじゃ店の迷惑になるから外で話をつけようぜ?」

チャラ男B「かっ、女の前だからって格好つけやがって」

黒子「え?ちょっとお待ちになって──」

 黒子が止めるまもなく浜面とチャラ男たちは店の外に出ていく。その後を、まだ半目で寝ぼけた滝壺とフレメアをそれぞれ麦野と絹旗が手を引いて付いていった。

初春「白井さん、早く追いましょう!」

黒子「そうですわね。ですけどその前に会計をしないと……」

美琴「あ~いいわよ。私がやっとくから」

 そう言って美琴が取り出したの何やら漆黒のカード。

初春「……佐天さん。何でしょうかね、あの黒いカード」

佐天「……私たちが一生手に入れることのないカードってことしかわからない」

黒子「……お姉さま、ファミレスの会計でそれは……」

美琴「?ほら、早く追うわよ」

* * *


 浜面とチャラ男はファミレスのすぐそばの裏路地に入った。黒子たちが駆けつけると、既に浜面とチャラ男たちは向かい合って臨戦態勢に入っていた。

浜面「ま、この辺でいいだろ」

チャラ男C「三対一で随分と余裕だなあッ!」ブンッ

 一人が拳を振りかぶって浜面に襲い掛かる。
 大振りで隙だらけの素人の拳。

浜面(そりゃあ俺はプロの格闘家じゃねえけどよ……y○utubeの空手講座見て強くなった気になってるような雑魚とは一緒にされたくないなぁ!)

浜面「脇が空いてんだよ馬鹿!」シュッ

チャラ男C「がふっ!?」ドサッ

浜面「一撃かよ……。お前、喧嘩してんだから腹に力ぐらい入れとけよ……。喧嘩したことねえのか?」

 強い弱いという話ではなく最早問題外の相手に浜面は呆れてため息をついた。
 残った二人は、一番大柄な一人が一撃でのされて焦っている。
 ふと一人が足元の廃材に気がついて、それを拾い上げる。

浜面「いやまあストリートファイトでは武器ってのも定石だけどよ……」

チャラ男A「うおらああぁっ!」ブンッ

 男は鉄パイプを縦に横に振るが浜面には当たらない。 

浜面「素人が武器持ったところで逆に隙ができるだけだぜ?両手に意識が行き過ぎんだよ……ってのをあのウニ頭野郎との一戦で思い知ったんだよなあ」

 浜面は鉄パイプをよけながら、ふとツンツン頭の少年のことを思い出した。

 ──駒場利徳というリーダーを失ったスキルアウトは、急遽、浜面仕上というリーダーを立てた。
 スキルアウト勢の起死回生の手段は“上”からの依頼の人物をさらうことだった。
 相手は学園都市の人間ですらない一般人。
 そこに正義などなかった。
 そんな彼を正してくれたのはあの少年の拳だった。
 彼の拳はきっと浜面より劣る。多少喧嘩慣れしてるとはいえ鍛え方が違う。
 でも、
 彼の拳には浜面以上の重みがあった。確かな芯があった。

浜面「──俺はあいつに、教えてもらったんだよ!本当の拳の使い方ってのをなあ!!」バキッ

チャラ男A「がはっ!!」

 鉄パイプを持った男が後ろに二、三回転して動かなくなる。

チャラ男B「ひ、ひいっ!」

浜面「ほら、そいつら連れてもう行けよ」

 浜面は残った一人にそう言うと裏路地から出た。

麦野「一人残すなんて甘いんじゃないの~?」

浜面「逆だ逆。ああいうのは意識がちゃんとしたのを残しといた方がちゃんと学習して再発しにくいんだよ」

絹旗「うへぇ、今の浜面主人公臭くて、正直超似合わなすぎてキモいです」

浜面「うるせえな」


佐天「はぁぁぁ、強いんですね」

初春「ですねぇ、凄かったです」

黒子「全く……ジャッジメントの前で堂々と殴り合いなんて少々舐めすぎでは?」

初春「まあまあ、大怪我を負った感じではなかったですし──って、あ!」

美琴「ん?どうしたの初春さん」

初春「びょ、病院に忘れ物してしまいました」

美琴「あ~、私も病院に用あるから一緒にいこっか?」

黒子「むう、二人ですか。わたくしのテレポートでは一緒には運べませんね」

初春「大丈夫ですよ、バスと電車で行きますから」

黒子「しかしそれだと、今からでは時間がかかりすぎるのでは?」

浜面「なんなら俺らが送ってやろうか?俺らもあっち方面に用があるんだが」

麦野「ってか私も病院に用あるわよ。義手のこととかで」

佐天「え!?義手なんですか!?」

麦野「左腕がね。気がつかなかった?右目も義眼だしね」

初春「ぜ、全然」

美琴「……」

佐天・初春(この辺もあんまり詮索しちゃいけないところなんだろうな……)

美琴「……まあ、それはいいとして。送ってくって、車でもあるの?」

浜面「ん、ああそこにな──」

* * *


──病院

黒子「あれ、絶対、未成年・無免許・盗難車両だと思うんですの……」ハァ……

初春「ま、まあまあ」

黒子「まあまあって、初春、自分が何者かお忘れになったの?はあ……、ジャッジメントとして見過ごしてよかったのでしょうか」

佐天「あははっ……まあ、見なかったことにしましょうよ。さて、麦野さんたちも、もう病院の中に行っちゃったし、私たちも初春の忘れも探しに行きましょうよ」

美琴「落し物ならロビーの受付に届いてるかもしれないから行ってみましょうか」

初春「あ、はい、そうしましょうか」


* * *


──病院

黒子「あれ、絶対、未成年・無免許・盗難車両だと思うんですの……」ハァ……

初春「ま、まあまあ」

黒子「まあまあって、初春、自分が何者かお忘れになったの?はあ……、ジャッジメントとして見過ごしてよかったのでしょうか」

佐天「あははっ……まあ、見なかったことにしましょうよ。さて、麦野さんたちも、もう病院の中に行っちゃったし、私たちも初春の忘れも探しに行きましょうよ」

美琴「落し物ならロビーの受付に届いてるかもしれないから行ってみましょうか」

初春「あ、はい、そうしましょうか」


* * *


 そして、彼女たちは出会う。
 まさに運命の悪戯と言わざるを得ない、最悪のタイミングで。

 先に病院に入ったはまづら一行と話をしていたのは──

 電極の調整をしに来た一方通行。
 ついでに自分のメンテナンスに来た番外個体。
 同じくメンテナンスに来ていた打ち止め。
 自分の『妹達』に顔を合わせに来た御坂“妹”。


佐天「え、あ、あれって?」

初春「御坂、さん……?」

黒子「お姉さま……どういう事ですの?……さすがに、姉妹です、では通らないですわ……」


美琴「ッ……!アンタら……!」


番外個体「あ、あ~あ」

打ち止め「こ、これは」

御坂妹「言い訳が思いつきません、とミサカは降参のポーズです」


一方通行「……クソッタレが……、面倒ごと増やしてんじゃねえぞ第三位ィ……!」

 
 ──出会うべきではなかった。
 
 しかし、ここまで来ては後戻りはできない。
 下手な言い訳は余計な詮索を生む。
 これは日常の崩壊を意味する、“どちらを取っても”。

 ならばせめて真実を伝えよう。


* * *


黒子「お姉さま、覚悟は出来ていますの。真実を教えてくださらないでしょうか」

佐天「御坂さん……」

 言い訳はできない。番外個体や打ち止めだけならばまだどうにかなったかもしれないが、ここには『御坂妹』がいる。容姿は全く同じ、そして身につけているのは常盤台の制服。
 同じ常盤台生の黒子ならば知っている。常盤台に美琴の親戚はいない。


一方通行「あァ、ちょっといいかァ?」

 そこで第一声を放ったのは意外にも一方通行だった。

一方通行「初対面でいきなりこんなこと言うのもアレだがよォ、あンま詮索しないでやってくれるかァ?人には言いたくないことの一つや二つだってあンだろうが」

 意外だった。まさかあの一方通行が美琴を庇うようなことを言うとは。

美琴(でも──)

美琴「──いや、話すわ。これ以上嘘は付きたくないから」

麦野「……ついさっきまで関わらせたくない、とか言ってたのに随分と意見が変わるもんだね」

美琴「こうなった以上隠したほうが危ないわ。止めたって“自ら踏み込むことになっちゃうでしょ”?」

麦野「……ま、それもそうね」



冥土返し「──話があるなら場所を貸すよ?」

美琴「あ……」

 いつの間にやらカエル顔の医者が美琴の後ろに立っていた。

冥土返し「丁度“彼”の病室が空いているから。部屋番号は503だから行っておいで」

美琴「……ありがとうございます」

浜面「……俺らって残ったほうがいいよな、これ」

冥土返し「いや、“彼”も関わる話だから君たちも行くといい。詳しく知らない部分も多いだろうしね」

浜面「……わかった。……ただ、フレメアには聞かせたくねえ。どこかで預かっててくれないか」

冥土返し「分かった。手の空いているナースを探して頼んでおくよ」

 カエル顔の医者は佐天たちの方を向くと、こう告げた。

冥土返し「……これから君たちは触れるべきでは無かったものに触れる。僕も医者として、いや一大人として君たちのような子達にには関わらせたくないことだ。──でも、こうなってしまったからには知っておくべきことだ。だから一つだけ約束してくれないか。──これ以上は深く関わってはいけないよ?」

* * *


 503号室の扉前に来るまで皆無言だった。
 美琴が扉をノックすると、「どうぞ」と返事が返ってきた。

美琴「入るわよ」


上条「ん、ビリビリか、お見舞いに来てくれたんでせうか……ってなんだその人数!?見た事無いヤツもずいぶんいるけど!?」


浜面「よう大将、久しぶりだな」

一方通行「チッ、なるべく会いたくねェンだがなァ」

打ち止め「あ、迷子のお兄さん!久しぶりって、ミサカはミサカは特に感動はしない再会だけど手を振っていみたり!」

黒子「む、アナタは確かお姉さまに付きまとうストーカー豚野郎……!」

上条「ぶ、豚野郎は酷くないか!?」

 ガバッ、とオーバリアクションで抗議した瞬間、「イテテ」とお腹を抑えてうずくまった。

美琴「まだ怪我治んないの?」

上条「ああ、一回仮に塞いだあとに動いたのが悪かったみたいでさ。もともと銃弾は貫通してたから手術も割と楽で完治も早かったはずなんだけどな。ちょっと無理したらこれですよ」

初春「じゅ、銃弾って……」

美琴「……そういうことも含めて一から追って説明するわ」

上条「えっと……で、これは一体どういう状況なんだ?」

美琴「……説明会よ説明会」

上条「説明会?」

美琴「全部話すのよ、妹達(シスターズ)のことも含めて」

上条「な……、お前、それがどういうことかわかってんのか!?」

美琴「承知の上よ」

上条「……分かった。取り敢えずは……」

美琴「分かってるわ、私の口から説明する」


。O ○ 少女説明中 ○ O 。


黒子「……」

初春「み、御坂さんのクローンが二万人も……!?」

佐天「一時期流れたレベル5のクローンが造られているっていううわさはその事だったんですか……」

初春「でもクローンのレベルがオリジナルよりもはるかに劣るってことは計画自体は失敗したんですよね?」

御坂妹「そうです、とミサカは肯定します。ここからはミサカが代わって説明したいと思います」

。O ○ 少女説明中 ○ O 。


佐天「っ……!」

初春「な、んですかそれ……!“クローンを二万人殺害することでレベル6になる計画”……!?」

浜面「……絶対能力進化(レベル6シフト)計画……。詳しく聞いたのは初めてだが、そういうことだったのか……」

佐天「……なんで、何でそんなことができるんですか……?クローンだって、同じ人間じゃないですか……!それなのに……!その学園都市第一位っていうのはそんなに偉いんですか……?超能力者ってのは何をしても許されるんですか!?」

一方通行「……」

浜面「……」

上条「……アクセラレータ……」

一方通行「……偉い、偉くないの問題じゃねェ。許す許されるの問題じゃねェ。……そいつらにはそれが悪いことだっていう認識がねェンだよ」

佐天「……それってどういう──」

一方通行「そのまンまの意味だ。研究者や“第一位”にとっちゃァ、クローンはただのモルモット。罪の意識なんかそこにはねェってことだ」

黒子「……狂ってますわ……」

一方通行「あァ、そうだ。そいつらは狂ってる、救いようのねェ程な──」


一方通行「──それが、俺、一方通行(アクセラレータ)っつう人間だ」


佐天・初春・黒子「……っ!」

 病室の空気が一気に張り詰める。
 特に“闇”を知らない三人からアクセラレータに向けられるのは、恐怖とそして──

 ──怒り

黒子「……っ!」ガシッ

美琴「黒子っ!」

 美琴の静止も聞かずに黒子が一方通行に掴みかかる。
 堪えきれない怒りに歯ぎしりをする。
 その沸上がった怒りを発散する。暴力ではなく言葉で。

黒子「なぜ、なぜですの!なぜあなたはお姉さまのクローンを殺したんでですの!?佐天さんの言うとおりですわ!あなたがそんなに偉いんですの?許されると思ったんですの?二万という命を絶って、あなたは何がしたかったんですの!?二万という命を秤にかけても、レベル6というのはそんなに大事なものなんですの!?」

一方通行「……“あァ”」

黒子「……っ!」

 ゴンッ、と黒子が一方通行の頬を殴る。

初春「白井さんっ!」

 初春が慌てて黒子を羽交い絞めにする。
 殴られた一方通行は、フラリと杖をついて立ち上がると黒子の方を見た。それから杖をついていない方の手で当麻を指差した。

一方通行「そンでクソッタレの悪党は、そこの“ヒーロー”に倒された。最強のはずのレベル5がレベル0に倒された。この予定外の事態に上の連中は実験の見直しを検討し、そのまま計画は凍結。残された一万のクローンはソイツのおかげで助かったってことだ」


打ち止め「──そう、この人は、一万のミサカの妹達を殺害した。──でも、その後の起きた事件で、命をかけて御坂達を救ってくれた」


 小学生ぐらいの、まだ未成熟なクローンが一歩前に出てそう言った。


打ち止め「──えっと、自己紹介がまだった。ミサカはミサカは“ミサカ20001号”、最終信号(ラストオーダー)って言います。よろしく、オリジナルのお姉さまと他のみなさん!」

絹旗「20001号?クローンは二万体しか造られなかったんじゃないんですか?」

打ち止め「え~っと、そのへんを詳しく話すと長くなっちゃうから端的に言うけど、ミサカは全ミサカの司令塔。ミサカたちは電気の能力を使ったネットワークで繋がっているんだけど、それを総括するホストだと思ってくれればいいかな」

美琴「……それで?残りの一万を救ったってのはどういうことなの?そのへんの話、私も知らないんだけど」

打ち止め「分かった、じゃあミサカがミサカが今から説明するね」


。O ○ 少女説明中 ○ O 。


美琴「ウィルスを使ったテロですって……?そんなことがあったなんて……」

打ち止め「その時、この人は自身の演算能力を駆使してウィルスコードの解除に取り掛かってくれたの。でもその間に、その天井っていう研究者が目を覚まして御坂達に銃を向けてきたの」

打ち止め「引き金が引かれたとき、この人はウィルスコードの解除を中止して弾を跳ね返すこともできたはず。──だけれでも最後までウィルスコードの解除をやめなかった。ギリギリで反射を適用させたものの、銃弾は頭蓋を貫いて脳に達してしまった」

美琴「……!」

打ち止め「それでもね、それでもこの人は立ち上げってミサカのために戦ってくれた。──そしてこう言ったんだよね」


『──ああ綺麗事だってのは分かってる、今さらどの口がそンな事を言うンだってのは自分 でも分かってる!でも違うンだよ! たとえ俺達がどれほどのクズでも、どンな理由を 並べても、それでこのガキが殺されて良い事になンかならねェだろォがよ!!』


一方通行「……チッ、余計なことまで言ってンじゃねェ」ゴン

打ち止め「いてっ!?って、アナタの名言をみんなに紹介してあげただけなのに、ってミサカはミサカは殴られる理由が見当たらない!」

一方通行「……あァ、そンでその時の脳への損傷が結構ひどくてなァ。自分で能力の演算はおろか、杖なしでは立って歩くことも出来なくなっちまったンだがなァ」

御坂妹「ですから今はミサカネットワークを使って演算の補助をしています。首につけているチョーカーは、ミサカネットワークと接続するための電極です。能力使用時はバッテリーの消費が早いためもって数十分といったところです、とミサカは追加説明します」

一方通行「おォイ!弱点ばらしてンじゃねェ!」

麦野「はは~ん。じゃあ三十分かそこら逃げ回れば第一に勝てるかもってわけだ」

一方通行「試してみるかァ、この三下がァ……!」

絹旗「……第四位だから“三下”ってことですか!?……やりますね……!」

麦野「き・ぬ・は・た?」

絹旗「──とかくだらないことを浜面がつぶやいてました!」

浜面「って俺!?」

麦野「二人とも、後で──ブ・チ・コ・ロ・シ確定ね」

絹旗・浜面「ひぃっ!?」



黒子「……それで、いいんですの?」

打ち止め「それはミサカへの質問?」

黒子「そうですの。……一万人を救ってくれたとはいえ、一万人を殺した相手を許せるんですの?」

打ち止め「……ううん」

黒子「……」

打ち止め「ミサカ達は、ミサカを1万人も殺したことについては許してはいない。──でも、そうなってしまったのは私たちの責任でもあるから……」

一方通行「……」

美琴「どういう意味?」

打ち止め「そもそもこの人が絶対能力進化(レベル6シフト)計画に加担した理由は、『誰も傷つけたくない』からだった。能力に目覚めてから孤独になったこの人は思ったの、『絶対的なチカラを手に入れれば誰も戦おうなんて思わない。そうすれば、またみんなと一緒にいられるんじゃないかって』。この人はただ助けて欲しかっただけなの。そのサインは何度も出ていた。それでもミサカたちは研究者たちの便利な実験道具に成り下がって、この人のサインに気づいてあげられなかった」

打ち止め「だから思うの、御坂たちがもっと早く気づいてあげれば、この人はこんなに辛い思いをしなくて済んだんじゃないかって……」


黒子「……そう、でしたの。……すいませんですの、アクセラレータ、さんでいいですの?……その、アナタという人を誤解していたみたいで……」

一方通行「……それが誤解だ。何しようが俺がクソッタレであることには変わりはしねェ」

黒子「……それとあと、昨日わたくしの親友二人を助けていただいたみたいで……本当にありがとうですの」

 黒子が一方通行に深く頭を下げた。

一方通行「礼なら主にワーストの方に言ってくれねェか?俺は大して何もしてねェ」

 一方通行は一拍置くと、佐天たちにこう確認した。


一方通行「──それでどォだ、こんなンでも、まだこの先もまだ聞くか?」


 “表”の人間からすれば非日常。
 聞けば聞くほど引き返せなくなっていく。
 それでも──

初春「ここまできたからには、全部聞きます」

佐天「大事な……大事な先輩を取り巻く環境についてもっと知りたいんです」

黒子「わたくしも、お姉さまの理解者になりたいんですの」


一方通行「……そォか」


番外個体「それじゃあ次はミサカのことでも話そうかな」




※ここで改装終了です >>158-197 → >>152-154 が時系列的には正しいです
アホなミスでわけのわからない文章になってしまあって申し訳ないです;;

ウトウトしながら投下していたら、全く関係のないところをコピペしていて……;;

次からはこのようなミスがないように気を付けます;;







美琴「──と、まあこんな感じで今に至るわけね」

上条「なるほど、理解した」

一方通行「そォいや、レールガンの母親の件だけどよォ、あの場に俺もいたンだが、俺の拳もくれてやったほうがよかったかァ?」

浜面「な……!ま、まさかあの銃弾って……!ってかあ冗談じゃねえぞ!?あんたの拳なんて食らってたまるか!(もちろん能力ありの場合)」

 ちなみに作者公式であるが、三ヒーローのパワーバランスは『上条>一方通行>浜面>上条』となっており、どうあがいても浜面は一方通行に勝てないのだ。上条が浜面に勝ったのはストーリ上の都合です。

浜面「ま、そんで、それをきっかけに暗部落ちした俺は麦野たちの下っ端として働く人生が始まったのさ」


麦野「下っ端じゃねえよ、下僕だよ」

浜面「どっちでも変わんねえだろ……俺が惨めなことにはよ」


黒子「あれ、それではお姉さまと麦野さんとはいつ出会ったんですの?」

麦野「ああ、こいつが『計画』潰すために暴れまわってた頃に、こいつが研究所潰すのを阻止しろって依頼が来てな」

美琴「その言い方だと私が悪ものみたいじゃない」

麦野「視点を変えりゃあ、あながち間違いでもねえだろ」

美琴「うっさいわね」

初春「それにしても何につけても上条さんは関わってくるんですね」

美琴「超がつくほどのお節介焼きだから」

一方通行「今回も腹の怪我もどうせそういう理由なンだろ?」

上条「いやまあ、否定はしませんよ。……そういや初春ちゃんだっけ?“あの時”怪我はしなかったか?」

初春「あの時?」

上条「ほら、デパートで爆発に巻き込まれた時……」

初春「ああ、あの時ですか!え、でもあの時上条さんいましたっけ?」

黒子「……なるほど……、あの不自然な焦げ跡はお姉さまには無理だと思っていましたが、そういうことでしたの」

美琴「そういうこと。あの時初春さんを庇ったのは私じゃなくてこの馬鹿よ」

初春「そ、そうだったんですか!?あ、ありがとうございます!」

佐天「……それにしても、爆発を防いだってのもそうですし、レベル5である一位に勝ったってのもただのレベル0にできることじゃないと思うんですけど、どういうことなんですか?」

上条「あ~それは……。実は俺の右腕はさ(略)なんだよ」

佐天「能力を打ち消す力?」

黒子「ああ、だから寮の部屋でテレポートができないかったんですの」

初春「そんなすごい力があるのにレベル0なんですか?」

上条「なんか学園都市の能力検査では測れないかららしいんだけどさ」

御坂「ま、レベル0と入っても本当のレベル0ではないってことね(レベル0に負けたことを認めたくない)」

一方通行「あァ、そうだなァ(上に同じく)」


絹旗「だとしたら、正真正銘のレベル0ですけどレベル5の麦野に勝った浜面が最強になるんじゃないですか」

初春「ええ?そうなんですか!?」

麦野「絹旗ァァ!余計なこと言わなくていいだよテメエェェ!」

浜面「え、何?俺最強説?世紀末帝王HAMADURA伝説ですか?」

麦野・絹旗「雑魚が調子乗んな」ギロリ

浜面「フヒヒサーセンww」


初春「そう言えればアホ毛ちゃんと私は前にあったことありましたよね」

打ち止め「そうだよ!忘れもしない、ミサカを馬鹿にした風紀委員(ジャッジメント)のお姉さん!」

一方通行「…………あ~、あの時かァ」

黒子「以前にお会いしたことが?」

初春「はい。私がホスト風の怪しい人からアホ毛ちゃんを匿った時、そのホスト風の人に襲われてしまって。その時アクセラレータさんに助けてもらったんです」

一方通行「ったく、運がいいぜェオマエはよォ。あの野郎は未現物質(ダークマター)。……学園都市の第二位のクソッタレだ」

美琴「初春さんが第二位に……!?……何か本当に、私の知らないところでいろんな人がお世話になっちゃたみたいね……」

一方通行「借りに感じンじゃねェよ。俺はテメエに永遠に返しきれねェ負債があンだからなァ」

美琴「そんなことは関係ないわ。礼を言うべき時は言うものよ。だから言っただけ」

一方通行「チッ……、昨日の敵は今日の味方ですかァ?三下病が伝染(うつ)ってンじゃねェのか?」

美琴「このバカの病気と一緒にしないでくれる。主に異性への吸引力が凄まじいから別種だと思うわ」

上条「さっきから俺の扱い酷くないか!?」

初春「あ、そう言えればあの後黄泉川先生は大丈夫でしたか?直接会ってき話す機会が無くて気になって」

一方通行「あァ、傷は完治して今までどォりうぜェぐらい元気だよ」

初春「よ、よかったです~」ホッ

浜面「第二位と交戦……ってもしかしてあのババア、あの後お前のところにも向かったのか……!ホント世話焼きなババアだな……」

一方通行「あン?黄泉川と会ったのか?ってか、なンで俺がメルヘン野郎と交戦した日を知ってるンだァ?」

浜面「いや、恐らくだが麦野が第二位と戦った時と同じだと思うからよ」

麦野「嫌なこと思う出させんなクソが。……っていうかちゃんとトドメ刺しとけよ第一位サンよォ?テメエがちゃんとしねえからこの間みたいにメンドくせえことになるんだよ」

一方通行「あの時は殺したと思ってたンだよ。冷蔵庫になってまで生きてるなンて普通思わねェだろうが」

佐天(な、なんか物騒な話に逆戻りだね)

初春(でも確かに死人が出なかったのが不思議なぐらいの戦闘でしたよ?さすがは第一位と第二位って感じでした)


浜面「ってかよ、水臭いな大将。そんな大怪我するぐらいの事件に巻き込まれてたんなら俺やアクセラレータに連絡入れてくれりゃよかったろ」

上条「いや、ちょっと自分で解決しなきゃいけないことだったからさ。次なんかあったら遠慮なく頼らせて貰うぜ」

一方通行「……俺は嫌だがなァ」

上条「えぇっ!?やっぱり冷たくないですか!?」

美琴「……ってか、あんたらいつの間に番号なんて交換する中になってたのよ」

絹旗「浜面にスキルアウト以外の友人が……!?」

浜面「そこ驚くところか!?」


* * *


一方通行「と、まァ、俺たちからの話はこんなもンだ」

黒子「大体は分かりましたわ」

一方通行「分からない方がいいンだがなァ……。……最後にひとつ忠告させろ。──これ以上は関わるな、だ。こンだけ話しといて言うのもなンだが、オマエ等も分かっただろォ?お前たちの関わっていい世界じゃねェんだよ」

黒子「……分かっていますわ……!でも──」

麦野「──でももクソもねえんだよ甘ちゃんが。せっかくの第一位の忠告だ、黙って従やいいんだよ」

麦野「……そうね──“こっち”と“そっち”の違い、分かる?」

 麦野がそう言って、当麻のベッドを挟んで両側に立っている黒子と初春と佐天の方を指差す。

麦野「簡単なことよ────人の命に関わることに携わったかどうかだ。但し救命の方じゃねえぞ」

黒子・初春・佐天「……っ!」

麦野「これが、どれだけ深い溝かなんて、あんた達だってわかるでしょ?滝壺とかは直接手をかけたことはないけど、それでも私たちと一緒に“仕事”をこなしていた。

 病室が再び静まり返る。
 そしてその沈黙を破ったのは、意外にも一方通行だった。

一方通行「あ~、だからなんつゥンだ?つまりは……“今まで通りでいろってことだ”」

黒子「……?」

一方通行「だからよォ、お前らと第三位は今までどおりオトモダチでいりゃあいいってことだ。風紀委員(ジャッジメント)の二人はジャッジメントとして“表”の治安を守ってりゃいい。“裏”は俺たちに任せてりゃいいンだよ。適材適所の役割分担、当然だろォが」

一方通行「──でもよォ、それでお前らがオトモダチやめるっていう理由はどこからも湧いてこねェだろ?だからそれでいいンだよ」

浜面(一方通行が……)

上条(……まともなことを言っている!?)

一方通行「……オマエら後で殺す」

上条・浜面「ひぃっ!?」

麦野「浜面は私が予約済みよ」

一方通行「知るかボケ。……ンで?返事は?」


黒子「はぁ……、分かりましたわ。そうしたほうが良さそうですわね。……でも、もしもお姉さまが本当に危ない目にあったら、何を言われようともわたくしは助けに参りますわ」

初春「……そうですね!」

佐天「あったりまえです。っていうか、それも今まで通りだしね」

美琴「三人とも……」


一方通行「はいはい、美しい友情ですねェ」

麦野「ああいうふうに誘導したのはあなただけどね。噂の第一位からは随分と丸くなったみたいね」

浜面「……それはお前もだ」


 そう、なにも恐ることはなかった。
 真実を知ろうと知るまいと、そんなことでそう簡単に壊れるような人間関係など、築いてなどいない。
 つまりはそういうことだったのだ。

デパートの時って上条さんインデックスと出会う前だから記憶無いんじゃ

>>206
ここでも俺のにわかが炸裂……
確かに、言われてみれば

そこの会話はなかったことでヾ(´▽`;)ゝ

* * *


佐天「さて、一番気になっていたことなんですけど、聞いていいですか?」

一方通行「まだあンのかよ」

佐天「ズバリ!成人女性二人、未成年女子二人との同棲生活のご感想は!」

一方通行「……くっだらねェ──」


番外個体「──最っ高でぇぇす!第一位は幸せすぎて、ムラムラきて思わず番外個体ちゃんを襲っちゃいましたぁ!」ヒャッホーゥ


一同「………………へ?」

一方通行「オォォォォォォォォッィ!何言ってやがんだワーストォォォォォォォォォォッ!!」

美琴「ア、アンタ人の妹に何してんのよ!お、襲ったて、あの、その、アレなんでしょなのっ!?」カァァァッ

麦野「ひゅーっ!さすがァ第一位じゃん!」ゲラゲラゲラゲラ

御坂妹「……ないわー、とミサカは吐き気を交えた感想をもらします。相手なら上条一択です」

佐天「お、オトナだなぁ」カァァッ

黒子「大きなお姉さまの濡れ場……!フヒヒ今晩のおかずが手に入ったですの」フヒヒヒヒ

打ち止め「……ihbf殺wq」ゴゴゴゴゴ

初春「アホ毛ちゃんっ!?言語機能に障害が!?」←トイイツツモ「カァァッ」

上条「ってか男だったの!?」ガタッ

浜面「大将!そこじゃない!」ガタッ

滝壺「襲ったってどういうこと?」

絹旗「いやですから、一方通行と番外個体がセックスしたってことですよ」ヤレヤレ

滝壺「……ふぅん……。大丈夫だよあくせられーた」ボヤーッ


滝壺「──私とはまづらもせっくすしてるから」


一同「」

滝壺「ちなみにはまづらは、むぎのとも、きぬはたともせっくすしてるから大丈夫」

浜面「大丈夫!?どのへんが!?今ここでそれを暴露したことのどこに大丈夫な要素が!?」

初春「」パクパク

佐天「う、初春にはまだ早すぎたみたいだね……!」カアアッ

上条「こ、このプレイボーイめっ!断じて許さん!ってか俺だけ取り残されてるぅっ!?そんなの嫌だぁぁぁっ!俺も卒業したい!」

美琴「え、ええ!?卒業したい!?それって私へのお誘い……ゴニョゴニョ」

黒子「っていうか、滝壺さんはそれでいいんですの?見た感じ滝壺さんが付き合ってる感じでしたのに……?」

滝壺「うん……?はまづらと付き合っているのは私だけだよ?」

黒子「?どういう……」

滝壺「むぎのときぬはたははまづらの“せふれ”だから。……せっくす“ふれんど”、友達なら浮気じゃない」

黒子「……いや、まあ本人がそれでいいないいのですけど……(浜面さんと麦野さんと絹旗さんは「余計なこと言いやがってェ……」って顔のまま固まってますわね。……無理もないですけれど)」


一方通行「ラストオーダー、見ちゃいけませェン、聞いちゃいけませェン」

打ち止め「どうでもいいけど、ミサカはミサカは後であなたとお話があるかも」

一方通行「…………全部てめえの所為だからなァ……」

番外個体「うひゃひゃひゃひゃ!しばらく構ってくれなかったバツだよ~ん。…………ま、今晩こそは抱いてもらうから」ニヤッ

一方通行「……(あァもォ疲れた……)」

* * *


フレメア「あ、みんなだ、おーい!…………って、なんかだいたい気まずそうに見えるかも」

浜面「……フレメア、帰るぞ」

フレメア「??」


冥土返し(気まずいのも当たり前さ……。“闇”という真実を、今まで隠し通してきたものを打ち明けたんだからね……)



食蜂(友情出演)「きっとそれが理由じゃないと思うわぁ☆」ババーン

削板(友情出演)「ま、なんだ、取り敢えず根性で乗り切れ!」ババババァーン

* * *


──帰り、再び浜面の(仮)車内で

初春「……今思えばすごいことですね」

黒子「何がですの?」

初春「だって、あの狭い空間に学園都市の第一位と三位と四位が同時にいたんですよ」

佐天「言われてみれば確かに……。なかなかある事じゃないね」

黒子「そもそもレベル5というのは学園都市に七人しかいないのですから、出会うだけでも幸運ですわ。わたくしたちは普段からそばにお姉さまがいるから感覚が麻痺してただけですの。……でも、“それが正常なんですけどね”」


浜面(……ほんとは第二位もいるんだけどな)

白カブト(まあ、話がややこしくなるでしょうし、黙っていて正解だったと思いますよ)

フレメア「すーぴー」ZZZ……


浜面(──しっかし、その通りだよなあ。俺たちだって普段から麦野が傍にいるから、それが普通だと思ってるけど、あいつはこの学園都市の“たった七人の内の一人”なんだよなあ)

浜面(──でも、一緒にいればいるほどわかってくるんだ。──いくらレベルが高かろうと、俺たちと何も変わらないんだって。レベル5だって笑うし、怒るし、泣くし、失敗だってするし、不得意なことだってある。レベル5である前にただの人間なんだってことなんだよな。……それとおんなじでさ──)

浜面「妹達(アイツら)だって、特別なモノなんかじゃないんだからさ、早くみんなの日常に溶け込めるといいな」

美琴「……うん、そうね」


美琴「私もあの娘達は“特別”なんかじゃないから」

今日の投下はこれにて終了です

ほんとに今日は、色々申し訳ないです;
最初の投下ミスのせいでかなり読みにくい構成になってしまったと思います(||´Д`)o

あと、原作とも矛盾点など、読み込みが甘くて本当に申し訳ないです……;

こんな駄文でも、ここまで読んでくださっている方、有難うございます_(._.)_
今後は間違いを極力なくして、楽しく読みやすい文章を投下したいです。

一方通行の所行を知る超電磁組、な展開は大好物なので嬉しい
特に黒子がブチ切れる展開はとっても大好物なので嬉しい

乙です
浜面もげろもげやがれもげてください
滝壺がいるというのに麦野と最愛にまで手出しやがって
黒夜はどうなんだろう

>>214
自分もこういう展開が好きすぎて、我慢できなくなって自分で書いてみた始末(笑)
もっと文章力の豊かな人にこういう展開の書いていただきたい(m´・ω・`)m
>>215-216
実は真に警戒すべきは、上条さんではなく浜面だということを伝えたかったがためにこの文章を書きました(大嘘)
こんな感じ暗部オールスターズを出していきたいので、黒夜も出します。世紀末帝王のお手つきかどうかは不明です。

取り敢えず、ミスをしない集中力と、矛盾を作らないための知識を養っておきます(´ε`;)

上条と一方通行と浜面の三すくみは、かまちーがそうなったら面白いよねって言っただけだから公式設定ってわけじゃない

上条>一方通行>浜面>上条がなりたってるわけじゃない

浜面が上条に負けたのは話しの都合じゃなくて浜面に信念がなかったから、信念があれば浜面は上条に勝てるはず、信念によるけど

>>233
なるほど、勝手な思いこみだったようで申し訳ない(m´・ω・`)m

もげづらコメが多いですね(笑)
自分としてはアイテム(と黒夜?)以外にはもげづらはフラグを立てる気がしないですね。
まあ、かみやんみたいに次々と女をとっかえていく感じではないので、尚更もげづら展開が多くなるわけですから

今日はどれぐらい更新できるかわかりませんが、今日をもってしばらく更新を停止します(三週間ぐらい?)
その間もレス返しなどはしたいと思ってます

──黄泉川宅、リビング


番外個体「ねーねー、暇だから構ってー」

一方通行「……めんどくせェ」

番外個体「大丈夫、第一位には手間かけさせないから。そのまま仰向けでいてね」

一方「……?」

番外個体「騎乗位なら第一位は何もしなくても──」

一方通行「……」ゴンッ

番外個体「痛っ!何すんのさ!」

一方通行「ラストオーダーがそこにいるだろうがァァッ!」

打ち止め「……?」

番外個体「大丈夫、一万のシスターズが全力をもってラストオーダーに大人な知識が入るのを妨害しているから」

一方通行「それはそれで将来が大変になる気がすンだが……。ってかよォ、お前らも大して歳変わらねェだろ」

番外個体「えー?じゃあどうして今、ラストオーダーがいるだろ、とか言ったのさ?御坂と対して歳変わらないのに」ニヤニヤ

一方通行「……別にィ」

番外個体「またそうやってはぐらかす。言っちゃいなよ、楽になるよ?『僕はロリコンなンですゥ』ってさぁ!ギャハハ☆」

一方通行「ちげェよ、殺すぞテメエ。とにかくラストオーダーがいるところではそういう発言は控えろって言ってンだ」

打ち止め「むむっ、さっきからよく分からないけど、二人が私を除けものにしようとしているってことだけは分かる!」

一方通行「あ~あ~、うるせェぞクソガキ。何にしろテメエには俺が聞かせたくねえから聞かせねえ」

番外個体「あらあら、過保護──もといロリコンですなあ」

一方通行「オイ、なンで言い直した」

番外個体「……さて、“おねーちゃん”?昨日の続きからゲームしない?」

打ち止め「MARI○?」

番外個体「そう。まだあのステージクリアしてないしょ」

打ち止め「うん分かった!先に行ってセッティングしてくるねってミサカはミサカはリビングに一番乗り!」

一方通行「……オイ、見事にスルーしてんじゃねェぞ」

番外個体「ん、何のことかにゃ~?」ニヤニヤ

一方通行「テメエ……、最近、とぼけりゃ何でも話題流せるとでも思ってねェだろうな……」

番外個体「何のことだか分からないってば」ニヤリ


一方通行「──そォか、そんなに舐められてンじゃあ、俺も黙ってらンねえなァ」ニヤリ


番外個体「……!?」ゾワッ


一方通行「……ラストオーダーが呼ンでンぞ」

番外個体「……え、あ、うん……」

番外個体(い、今の悪寒は何……?)

* * *


打ち止め「ぐわーっ、またここで落ちたぁ!」

番外個体「さ、ミサカの番だよっと」

黄泉川「ほらほら、飯じゃんよ。一旦片付けて」

番外個体「え~、ミサカの番なのにぃ」ブーブー

黄泉川「飯食った後でもできるじゃんよ。いいから冷める前に食べな」

芳川「それじゃあ頂くとするわ」

打ち止め「いっただっきまーす☆」

一方通行「……」パンッ(手だけ合わせて)

番外個体「いただきっ」

芳川「……」モグモグ

打ち止め「……」ムシャムシャ

一方通行「……」ズズッ

番外個体「……」ピロピロリン

番外個体「キノコ美味っ」

黄泉川「……」ゴンッ

番外個体「いったぁ……ぃぃ!」

黄泉川「食ってからにするじゃんよ?」

番外個体「はぁ……、分かった分かった、分かりましたー」

打ち止め「はぁ、全く。末っ子は行儀が悪いんだから」

一方通行「テメエも大概だ。里芋、箸で掴めないからって手で食うんじゃねえ」

* * *


番外個体「いや~、お腹いっぱいだわあ」

芳川「……里芋の煮っ転がしまではいいわ。でもね愛穂、私にはどうやって炊飯器でアイスパフェを作ったのかは理解不能だわ……」

黄泉川「炊飯器は万能だからじゃん?」

芳川「答えになっていないわ……」

黄泉川「細かいこと気にしすぎじゃん?最近珍しく働いて疲れでも溜まったか?」

芳川「言葉に何だかトゲがあるけど、ここはスルーしておくわ。……そうね、ちょっと疲れてるかも」

黄泉川「そう言えばビールとか飲んでる姿もあんま見かけてなかったけど、そんなに忙しいのか?」

芳川「ええまあちょっと、『あの娘達』の調整について冥土返しと研究してたことが進展があってね。……まあ昨日で一段落ついたし、ビールでも飲みましょうかね」

黄泉川「了解、私が注いでやるじゃんよ。──って、あれ?買い足してなかったっけ。切れてんじゃん」

芳川「……」チラッ

黄泉川「……」チラッ

一方通行「……チッ、はいはい、行けばいいンだろ行けば」

芳川「あら、まだ何も言ってないわよ?」

一方通行「じゃあ行かねェぞ」

芳川「冗談よ。いつもどおり四、五箱買ってきてくれる?ワーストも付いて行ってあげて?」

番外個体「え~、めんどくさぁい」

芳川「いいから、ほら、病人に荷物を持たせるのは可哀想でしょ?」

番外個体「ん~、しかたないな~。病人はいたわんなきゃねえ……」

一方通行「オォイ!生暖かい眼で俺を見るなクソがァ!」

番外個体「ほれほれ行くよ~?あ、肩貸してあげようか?」

一方通行「…………す」ボソッ

番外個体「え、何?」

一方通行「……」

番外個体(やっぱりさっきといいなんか様子がおかしい……?)

申し訳ない、少ないですがここまでで(m´・ω・`)m

一方の打ち止め呼びと、打ち止めの一人称が私なのは、どっかで説明されてたっけ?

乙でした

>>248 >>251-252
有難うございます(o ̄∇ ̄o)♪

>>249-250
いえいえ、ご指摘ありがとうございます
書きながら自分でもわけわからなくなってます(笑)
一人称でわたしって言うことありませんでしたっけ?無かったですか、はい(笑)

PCおわたヽ( ̄д ̄;)ノ

復旧のめどが立ちません(-_-;)
取り敢えずあと一週間の用事が済んでから考えますね( ̄◇ ̄;)

さて、用事は済んだのですが、PCどうしよう(^◇^;)

親戚に一時的に借りられないこともないんですが、根本解決にはなりませんし、どちらにせよ、ハードディスクからデータを取り出したりとか、やる事が沢山ですね……

本当に長い間更新出来ていなくて申し訳ないです

パソコンにかんしては一時的に借りる当てができたので解決しました

次はハードディスクの中身を取り出さないといけないのですが、専用の機器は流石に友人も持っていなかったので(ネットブックだったため規格が小さいみたいで)、それに関しては自分で買うことにします。

今までも大変長くお待たせしていましたが、復旧は相変わらず未定ですが後少しだけお待ちくださいm(_ _)m
待って下さっている方、本当にありがとうございますいます

年内には必ず……!

えいちでぃーでぃーけーす なるモノを購入。
着実に復旧に向かってます

お待たせしました!HDDケースを使って抜き出した書き溜めてあった文章から少しだけ投下します!

とはいっても、借り物PCなのでほんとに一時的な措置で、書き溜めも少ないので、とりあえずの限定復活だと思ってください……

では、久々の更新、行きますよ~♪



* * *


番外個体「あれ、ア○ヒでいいんだっけ?」

一方通行「芳川はSAPPOR○派だから二箱ずつ買ってくぞ」

浜面「あ、第一位じゃん」

一方通行「馬面ァ……」

浜面「浜面だ!は・ま・づ・ら!畜生、みんな俺のことナメやがってぇ!」ウワーン

番外個体「やほー馬面。最近よく会うねえ」

浜面「……もういいよ。……んで?なんでこんなところで買い物してんだ?」

一方通行「あァ、それはなァ……」

 今アクセラレータ達がいるのは第七学区の小さなコンビニである。
 なぜこんなことろまで買い物に来ているかというと、“まともな”店では未成年にお酒など売ってくれないからだ。なので、黄泉川達のパシリの時には必ずこの辺に買い物に来ることになっている。


一方通行「──というわけだ」

浜面「あの人は教師として……警備員(アンチスキル)としてそれでいいのか?」

一方通行「こっちとしてはプライベートはあれぐらい適当な方が楽でいいがなァ」

一方通行「それじゃァ俺らはもう帰るわ」

浜面「ああ、じゃあな」

 アクセラレータが店を出ようとしたとき、後ろから浜面が呼び止めた。

浜面「そういやさ、さっき、廃車とかを一時的に置いておく廃材置き場みたいなところにフロントの潰れた黒いT○YOTAのバンが来たんだけどさ。あれ、お前らが止めたっていうスキルアウトの乗ってたやつだろ?」

番外個体「TOY○TAならきっとそうだね」

一方通行「それがどォした」

浜面「いや、少し気になってよ……。積んでるエンジンとか、めっちゃくちゃイイ奴だったんだよ」


一方通行「なンでエンジンなんて見たんだよ」

浜面「いやちょっと拝借させていただいて」

一方通行「……相変わらずダセェクズっぷりだな」

浜面「うっせーな!レベル5何かと違って、こっちは奨学金なんて雀の涙なんだよ!大体、学校いかなくなってから支給されてねえし!」

一方通行「ンで?それが何だって言うンだよ」

浜面「いやだからさ、“一学生ごときに買える代物じゃない”んだよ。いくらレベル4がいたとはいえ、レベル4とレベル5の奨学金では単位が違う。それこそ、何らかの支援がないと無理だ」

一方通行「大規模なバックアップか……」

番外個体「そういいやさ、私を攫ったスキルアウトも、たった三人なのに、キャパシティダウンなんて大層なもの持ってたよね」

一方通行「……」

浜面「それとこれは半蔵からの情報なんだが、どうやら俺の知らないところで大規模なスキルアウトのグループが活動を開始したらしい」

一方通行「大方のスキルアウトは、お前の代理で半蔵のヤロウがまとめてんじゃねェのか?」

浜面「いや、スキルアウトはすげえ人数が多いんだぜ?ただでさえ学園都市の人口の大半がレベル0やレベル1なんだからさ。俺みたいにあぶれちまうやつも沢山いるんだよ。大きく活動してない奴を合わせれば大体一万に程度はいるって言われている。、駒場さんや黒妻さんだって一学区分のスキルアウトをまとめるのが限界だったんだからさ」

一方通行「それで、どこの学区のスキルアウト共なンだ?」

浜面「いや、学区ごとの集まりじゃなくて、それぞれのグループを抜けて集まった学区をまたいだ集団みたいだ」

浜面「うちの七学区のグループは、あれ以来、能力者狩りとかそういう活動は一切禁止したし、一〇学区の黒妻さんの後任の蛇谷だって、黒妻さんの鉄拳でそれなり更生したみたいでさ、大した活動はしてないんだよ。だから、単純に能力者が嫌いで集まってた連中の中には不満が出てきた奴らだっているんだ」

一方通行「そいつらが集まってなンか始めた可能性が高いと」

浜面「まあアンタに行っても意味がないと思うけどさ、一応気を付けといてくれ」

一方通行「雑魚はどれだけ集まっても雑魚だ。……テメエやあのヤロウぐらいのが集まンねェと相手のし甲斐がないなァ」

浜面「珍しいな、俺を褒めてんのか?」

一方通行「……まァ、お前が一万いても、俺が勝つことには変わんねェがな」

浜面「うるせー!とっとと帰りやがれ!」



* * *


番外個体「それじゃあ帰りますか」

一方通行「あ?何言ってンだ?まだ帰らねえぞ?」

番外個体「へ?」

一方通行「……」ピッ Prrrrrr……

一方通行「……結標、俺だ。今第七学区のあのコンビニの前にいるンだが、ビール置いとくから黄泉川のマンションに届けてくれねェか?」

結標『はあ!?何で私が!?』

一方通行「じゃァな」プツッ

結標『ちょっ、待ちなさ──』

一方通行「さァて、行くぞ」

番外個体「ど、どこに?」

一方通行「このへんは治安が悪ィからな、カメラすらついてねェ個室サロンがあンだよ」

番外個体「へ……、それって」

一方通行「オシオキの時間だァ」ニヤァ

番外個体「」ゾクゥッ



* * *


──個室サロン

番外個体(な、流されるように来ちゃったけど……)

 番外個体が個室の中を見渡すと、ソファーやテーブル、カラオケセットの他に、普通の個室サロンならいらないはずのダブルベッドがある。

番外個体(初めてのあの時以来ヤってないから、ヤれるのはいいんだけどさ……)

 ふと先ほど一方通行が浮かべた不敵な笑みを思い出す。


 ──オシオキの時間だァ


番外個体(何されるのこれ!?あの時と違って完全に自我がある状態で激しく攻めてくるってこと!?)

一方通行「はァ……」

番外個体「っ!」ビクッ

一方通行「疲れた……」ゴロン

番外個体「……へ?」

一方通行「……寝る」

番外個体「??」

一方通行「……」

番外個体「……」

一方通行「Zzz……」

番外個体(って本当に寝たの!?何がしたいのこの人は!?)

番外個体「……」

一方通行「Zzz」

番外個体「……」

一方通行「Zzz」

番外個体(あーもう!罰ゲームってこういうこと!?期待させて連れてきて、結局おあずけかよ!)


一方通行「……」スースー

番外個体(……起きてる間はあんな顔してんのに、寝てる間だけはやっぱり年相応の顔だよねえ……)

番外個体「……ふふ、この程度で罰ゲームとは甘いね第一位ちゃーん?」


番外個体「──ミサカが我慢できなくなったので罰ゲームとして成立しませーん!」ガバァッ


一方通行「はい罰ゲームゥゥゥゥッ!」ガバァッ


 飛びかかってきた番外個体をそのまま巴投げする

セロリが体術だと!

番外個体「起きてたか!」

一方通行「たりめーだバァカ。……さて、」

一方通行「この手に持っているものはなンでしょうかァ」

番外個体「それは……!」

一方通行「そォです大正解ィ!学習装置(テスタメント)でェす!」ジャジャーン


一方通行「──今からこいつで、直接オマエの脳に快楽の刺激の信号を送る」ニヤァ


番外個体「…………へ?」

……と、まあ今日はここまでです

ズ ボ ン を 下 げ る 準 備 を し て い た 方 に は 申 し 訳 な い
……今日は生存報告みたいなものだったので

>>294
射撃場で片手で銃を撃ってたりしましたし、最近筋トレでもしているんじゃないでしょうか(笑)



一方さんマジどS

てか0歳になんてことを
してるんだ

2ヶ月もパンツ穿いてなかったのに焦らす>>1の方がどS

           ミ\                      /彡
           ミ  \                   /  彡
            ミ  \               /  彡

             ミ   \            /   彡
              ミ   \         /   彡
               ミ    \      /   彡
                \    \   /   /
    ミ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  |  |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄彡

     ミ____        \  |.  .| /        ____彡
           / ̄ ̄\|´ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄`i|/ ̄ ̄\

          /   / ̄|               || ̄\.   \
        /   /   |〕   帝凍庫クン   .||   ´\   \
       /    │   ..|              ||    |     \
     /    /│    |___________j|    |\.     \
     彡   /  │  ./..|   -―- 、__,        |ト、  | ´\    ミ
      彡/   │ ../ |   '叨¨ヽ   `ー-、  || \ |    \ ミ

            │ / ..|〕   ` ー    /叨¨)  ..||   \|     
    r、       |/   !         ヽ,     || \  \      ,、
     ) `ー''"´ ̄ ̄   / |    `ヽ.___´,      j.| ミ \   ̄` ー‐'´ (_
  とニ二ゝソ____/ 彡..|       `ニ´      i|  ミ |\____(、,二つ
             |  彡...|´ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄`i| ミ |
             \彡 |               .|| ミ/
                       |〕 常識は通用しねぇ  ||
                  |             ..
まだーかなー

みんな、聞いてくれ





再来週新しいPCが来るぜ、ひゃっほぅ!!*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

待ってましたあああああああああああああああああああああああああ

>>299-302
>>304

書きだめがありますので届き次第少し投稿できると思うのでお待ちを

>>297
ご、合法……だ!(アウト)

>>298
ふふふ……

        _____
        ´ ̄.≧=--ミ≦ ̄ミ 、_
          /      ̄`  -ミ   \
        , '    /  i|   、丶 \ 丶
     / /  /   i|     \\ \∧
      {/  /i  /  リ   从 \`≧==}=-
      /  /i ! /{  /  / / }厶 、Ⅵヽ |
   .ノi イi.i ,」 !」厶ki イi/},ィ筏}Ⅵ}从ヽⅥ、

     、 、i从| iy芹ミ\{  ″Vリ从V}`V从{
     ∨\|爪 Vリ      ´ // {_人{ `
          |.!.ハ`   } .    /イi リ  `
          |.!、人    ___    从/
       八{\介; . _     イ/}″
             ,_j仏}Ⅵ¨´  |{────;;=、、
           /_,x≦{〔____ ノ ,〕}≧x,__;{___}}
            '´ / ̄,≧===≦爪   「`'く:::::::i|
          /{ /  /       ∨ i/,ハ:::i|
          . ∨  ,′          |_ { ,  |:::i|
         {  {   {           {  ∨ 、{:::i|
       /}  |   |          ∨ |   Ⅵ
       〔_   |冖 |          };=J    }i|
        `'ト-ヘ宀{     \     {{__}} __..イ:i|
         }   }=}       \  `T}「   |::i|
需要あるかは分からないがショタコンの方はこれみてハアハアしててくれ


待ってたぞ1いいいいいいいい!!!!!

早く!早く!早く!早く!早く!早く!早く!

306
うっ・・・ふぅwwwwwww

>>307 >>308

未だにスレに来てくださっている方がいるどは感動しています(T_T)ありがとうございます
あと少しだけお待ちください
オフライン用のPCで大分書き溜めていますので、クリスマス前後からもりもり更新するつもりです

──大変お待たせいたしました。

ついに完全復活を遂げました。
話も終盤に近づいている中でのうp休止で申し訳ありませんでした。

残すところ少ないですがよろしくお願いいたします。

番外個体「だ、大体テスタメントなんて一級のブラックな代物どうやって手に入れたのさ?」

一方通行「黒いシロモンなんざ俺にとっちゃ珍しいもんでもねェだろ」

一方通行「芳川が、もしまたラストオーダーがウイルスとかにやられたことがあった時のために、すぐに処置できるようにって、冥土返し(ヘブンキャンセラー)が改良したのをくれたンだよ」

番外個体「明らかに今は使用用途が違うように見えるんだけど」

一方通行「さァて、どォだろうな」ピトッ

番外個体「へ?電極シール的なのなくても──ふにゃぁぁっ!?」ビクビクゥ

一方通行「だから改良版だっていってンだろ?電極シール使わなくても、俺の体で触れれば信号を送れるようになってンだよ。この機能は、万が一このテスタメントを盗られた時に俺以外の奴には使えないっていう保険的な意味もあるンだがなァ」

番外個体「く……ふぅ……」

一方通行「オイオイ、まだ始まったばかりだぞ」ピトッ

番外個体「ふぐぅっ……!?首筋触られてるはずなのに……乳首がビクビクするっ……!」ビクン

一方通行「直接脳に干渉してるからなァ、触った場所は関係ねェ」

番外個体「──っ!いだだだだっ!ち、乳首とれるからぁっ!そんなグリグリしないでってぇ!」ガクガク

一方通行「そう感じてるだけだから安心しろォ」スッ

番外個体「……っふぅ……ふぅ……」

一方通行「っともう一度だァ」ピトッ

番外個体「ふぁぁぁああっ!?っぅぅ!両方は無理だってぇぇ!」ビクビクビク

一方通行「少し難しい演算にも挑戦してみっかァ」

番外個体「へっ!?ちょっと、“舐めてる”……!?」ビクン

一方通行「おォ、成功したみたいだなァ。“舐められてないのに舐められてる”感覚はどォだァ?視覚と触覚の矛盾で頭が混乱しちまってるかァ?人間の脳ってのは二感覚の矛盾で相当混乱するらしいからなァ」

番外個体「頭っ……、頭おかしくなるからぁぁっ!」ガクガク

一方通行「……オイオイ、まだ一度も下に“触れてない”のに、なンで濡れちゃってンだァ?」

 部屋着であるホットパンツの股下の部分には、既に番外個体の愛液でシミができていた。

番外個体「ふぅ……ふぅ……」ガクガク

一方通行「なンですかァその物欲しそうな目はァ?」スッ

番外個体「……!?……な、なんで止め……」

一方通行「なンでじゃねェだろが。人にモノ頼むってこともできないのかァ、ワーストちゃんよォ」

番外個体「……!……じゃ、じゃあいいし別に……。これで終わりでもいいけどお?……まあ第一位の下半身が納得してるようには見えないけど……?ぎゃは☆もしかして遅漏にでもなっちゃったぁ?」ニヤァ

一方通行「入れてもいねえンだからイくわけねェだろォが、この早漏が」グイッ

番外個体「ああああっ!」ガクン

一方通行「おうおう、盛大に吹きやがって。こりゃあもう脱がせてやンないとダメだなァ」

番外個体「……ちょっと、じ、自分で脱げるから……」ハアハア

一方通行「なンだ、脱がされんのが恥ずかしいのかァ?なら好都合だな」カチャカチャ グイッ

番外個体「っ……」

一方通行「……なンもない日からこンな下着付けてンのか変態が」

番外個体「くっ……!」

一方通行「そんなに盛ってンなら、発散してやンなきゃなァ!」

番外個体「っ、ふにゃぁぁぁぁぁ!?」ビクン

 突然の挿入感が番外個体を襲う。とはいえ、実際に何かが挿れられているわけではないので、快楽で溢れる愛液を止めるものがなく、じゅぷじゅぷと割れ目から溢れ出てくる。

番外個体「も、もう限界だからっ……!」ガクガク

一方通行「そォか、じゃァピストン速度を上げンぞ」

番外個体「ぐっ……!」ビクビク

番外個体「早漏の……第一位はさあ……、直接挿れたらすぐ終わっちゃうから、んっ……、こんなのに、頼ってるってわけぇ?」ニヤニヤ

一方通行「はァい、更に奥いきますよォ」


番外個体「────かっ……!?……そ、こ、子宮の中っ……!」ビクビクビクゥ


一方通行「子宮口を押し広げて出し入れする感じで、っとォ」

番外個体「ふぁぁぁぁっ!?」ビクビク

一方通行「あァ?ヨダレたらしてアヘってんじゃねェぞコラ。さっきの威勢はどォした」

番外個体「ひぐぅっ!も、もう無理だからっ!ホントに無理ぃ!」ガクガク

一方通行「それじゃァラストスパートといきますかァ」


番外個体「────あ……?」


 文字通り、脳を電流が駆け巡ったかのようだった。


番外個体「──ぅ」


 初めは何が起きたかわからなかったが、徐々に感覚が鮮明になっていく。


番外個体「──ぅ、ぁあ」


 その感覚はまるで、そう──“拳大の何かが膣を抜けその先の子宮口をブチ破った”かのような感覚。


番外個体「────あがああああぁぁぁぁぁっ!?」ガクガクガクッ

一方通行「オイオイどォした、愉快な顔しやがってよォ。こっち見えてますかァ?」ケラケラ

番外個体「んぐぅぅぅっ!」ビクンッ


一方通行「中でねじってやるか」

番外個体「かはっ──!?──それ、い、イグからぁ……っ!」ビクビク


番外個体「も、駄目……、……っ!ふにゃああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」ビクンビクン


 “栓”の無い膣から際限なく潮が吹き出す。それはベッドの大部分を濡らし、体内の水分不足が心配されるほどだ。


一方通行「ハイ、罰ゲーム終了ォ」

番外個体「……」ビクンビクン

一方通行「聞こえちゃいねェと思うが……、お前が目覚め次第黄泉川ンとこ戻るぞ。それまで休め」



番外個体「……まだ」


一方通行「あ?意識あンのか」

番外個体「……まだ第一位は挿れてないじゃん」

一方通行「……俺は十ゥ分楽しんだが」

番外個体「……ちゃんと体で気持ちよくなってくれないと納得できない。……ミサカだけ一方的に気持ちいいなんて……」

一方通行「だから満足したって言ってンだろォが」

番外個体「……じゃあ、次は罰ゲームじゃなくて、普通にやろうね……」カクン

番外個体「……すぅすぅ」

一方通行「……いつもこォいう素直な会話ができるなら楽でいいンだがな」

……ふぅ、久々のコピー&ペースト作業に俺の右腕の体力は限界だぜ……

見てる人いますかねー
もう少し時間ずらして落とした方がいいのかなあ……

見てる

>>327-328
了解
ゆくーり落としていきます

なに?どうやらまた世紀末帝王の出番のようです
スレタイ詐欺もいいところですね



* * *


打ち止め・芳川「「あなたが言うの!?」」

黄泉川「……は?二人とも急にどうしたじゃん?」

芳川「あ、いや、何か感じるものがあって……」

打ち止め「……?なんだったんだろう」

黄泉川「……?」



* * *


──牛丼チェーン『好きや』店内

黒子「あら、浜面さん」

浜面「ん、黒子ちゃんに佐天ちゃんに初春ちゃん、あと小さいほうの御坂ちゃん」

御坂「誰が小さいほうだゴラァァッ!」

浜面「どわっ!?落ち着け美琴ちゃん!いや、最初に会ったのがワーストだからどうしても、な?」

初春「相変わらずですねえ」

佐天「デリカシーとか、見た目通りゼロですからね」

浜面「最近の中学生は胸に刺さることをオブラートに包まず全力投球してくるんだな」

黒子「殿方は、調子に乗る前に徹底的に叩きのめしたほうが良いと習いましたので」

浜面「最近の学校教育はどうなってんだ」

初春「浜面さんはお一人で食事すか?」

浜面「ん、まあな」

美琴「……寂しいわね」

黒子「ご友人はいらっしゃらないのですの?」

佐天「あの~、えっと……、頑張ってくださいね」ニコッ

浜面「何なんだよォォォその反応は!?ちげえし!そんなんじゃねえし!友達ぐらいいるわコラァ!」


半蔵「ん?浜面じゃん」


浜面「あ、半蔵。お前も昼飯?」

半蔵「まあな」

黒子「あら、ご友人ですの?」

浜面「まあな!ホラ見たかこの野郎!ちゃんといるじゃねえかよ!」ドヤヤーン

黒子「え、ええ、まあ……」

美琴(……必死ね)

初春(必死ですね)

佐天(なんか余計かわいそうに見えてきた)


半蔵「で、そっちの娘達は知り合いか?」

浜面「ああ、この間(略)ってことがあってな」

半蔵「なるほどな。お前がアイテム以外の女子とつるんでるなんて錯覚かと思ったら、別にそういう感じではないのな」

浜面「ちょっとまてどういう意味──」

半蔵「俺は半蔵、服部半蔵だ。よろしくな」

佐天「は、はあ、よろしくお願いします」

初春(なんだか忍者みたいな名前ですね)

佐天(私も思った)

美琴「……それで?アンタも“闇”の一人なのかしら?」

半蔵「ん、なんでそう思う?」

美琴「体中に武器を隠し持ってるでしょ?さっきから私の能力が敏感に反応してて……」

半蔵「……このコ何者?」

浜面「超電磁砲──学園都市第三位の“レールガン”なんだってよ」

半蔵「レ、レベル5か!?……はあ~、なるほどな。すげえなそりゃ」

半蔵「ああ、そうだ。そんな警戒すんなって。俺は闇って言うほど深みには浸かってないからさ」

美琴「……」

初春「まあまあ、御坂さん、浜面さんのお友達なら大丈夫なんじゃないですか?」

黒子「ですわね。負けず劣らずのアホヅラをしておりますし」

佐天「ですねー」

半蔵「あれ、なんで俺初対面なのにこんなに言われてんの」

浜面「……慣れろ」

半蔵「……アイテムはリーダーは言うまでもなく、あのちっこい娘もドSだし、滝壺ちゃんも隠れSだし。そして今はこんな毒舌中学生たちに絡まれてるし……。お前ってドM?」

浜面「ちげーよぉぉぉぉぉっ!」

半蔵の携帯『ユーガッタメール』

半蔵「ん、メンバーからだな」カチカチ

半蔵「……なん、だと……?」


浜面「どうした」

半蔵「うちのグループを抜けた連中が能力者といざこざを起こしたらしい」

浜面「……先に手を出したのは?」

半蔵「スキルアウト側みたいだな」

浜面「はぁ……馬鹿が……」

黒子「その話、詳しく聞かせていただけます?」

半蔵「え?いや、でもよ……」

浜面「そいつらなら大丈夫だ」

半蔵「……そういうことなら、分かった。とは言ってもさっきの電話じゃあんまり詳しく聞けなかったんだがな。帰宅途中の能力者三、四人相手に十人ぐらいで喧嘩ふっかけたみたいだな。まあ、その能力者ってのが皆レベル3以上の連中だったみたいでよ、返り討ちにされたみたいだが」

黒子「……わたくしが聞いた話と違いますわね。昨日風紀委員(ジャッジメント)に入ってきた事件の情報だと、無能力者二、三人に能力者六人が病院に搬送されたって話でしたけど」

半蔵「いや、俺の今の話はさっき起きたことみたいなんだが……」

美琴「じゃあ別の事件ってこと……?二日も連続して?」

初春「なんだか物騒ですね」

浜面「……」

佐天「さっきの黒子さんの話ですけど、無能力者二、三人相手に能力者が六人も病院送りって、ちょっと異常じゃありません?」

半蔵「……さっき言い忘れてたんだが、返り討ちにされたスキルアウトは強化篭手(パワードアーム)をつけていたらしい」

佐天「強化篭手(パワードアーム)?」

初春「簡単に言えば強化装甲(パワードスーツ)の腕だけバージョンですね。主に工場とかで重いものを持ち出すのに使われたりします」

佐天「それって一学生に買えるものなの?」

初春「そうですね~、型によりますが、新品の車を買うようなものですね」

佐天「く、車っ!?」

黒子「成るほど、昨日の犯行グループもそういったものを使っていたとすれば能力者相手に勝ったのも納得できますわね。でも──」

美琴「どうやってそんなものを手に入れたのか、ね……」

浜面(やっぱりここ最近の事件は裏があるみたいだな……)

浜面「……ここ最近物騒だからお前らも気をつけろよ」

黒子「わたくしたちに手を出してくるなんて相当の物好きに違いありませんわ」

浜面「ははっ、違いねえな。じゃあ俺たちは先に失礼するわ」

半蔵「ごちそーさん。──おねーさん、会計頼む!」


黒子「殿方は食事を済ませるのが早いですわねえ。あまり健康にはよろしくないですわ」

初春「『好きや』で食事している時点であんまり健康にはよくないんですけどね……」

美琴「まあね」

黒子「そういう意味じゃありませんの~」



* * *


半蔵「……浜面」

浜面「分かってる、放っておける規模じゃないみたいだな。俺は俺で連絡を取る奴らがいるから、スキルアウトはお前に任せる」

半蔵「分かった。何か進展があったら連絡してくれ」

浜面「ああ、じゃあな」

 浜面は半蔵と分かれると、電波の通じやすい通りに出てスマホの電話帳を開いた。

浜面(……さてと、まずは大将に……。それから、あんまり掛けたくないんだけどなぁ……)

とりあえず、ここまでで

明日からは小出しで更新できたらなーと思っています

さて、本日の分投下します
ぐだぐだしてきましたが、どうか最後までお付き合いください



* * *


番外固体「なになに、誰からの電話だったの?もしかしてセフr──もがもが」

一方通行「あ~?ちげェよ、馬面だよ馬面」

番外固体「な~んだ」

打ち止め「セフってなに?セフって」

一方通行「ガキは知らなくていいコトでェす」

打ち止め「ぶ~、また内緒ごとなの、ってミサカはミサカは不満を口にしてみる!」

番外固体「簡単に言えばミサカと一位の関係みたいなものだよ☆」

打ち止め「そうなの?」

一方通行「言ってる意味が分かりませェん」

番外固体「それで?どういう内容の電話だったの?」

一方通行「あァ……」



。O ○ モヤシ説明中 ○ O 。


番外固体「……なるほど、この間ミサカたちを襲った連中のバックと同じ奴らが絡んでいる可能性が高いと」

一方通行「あァ、チンピラが粋がってるだけなら放っておこうかと思ったが、全体としての規模からそういう訳にもいきそォにはねェからな」

番外固体「ということは……」ニヤッ

一方通行「あァ……、久々だなァ、こういうのも」ニヤァ……

『──本日未明、第十一学区の資材搬入庫で小規模の爆発があったとアンチスキルに通報がありました。幸い怪我人がなかったものの、一部搬入口が使用できない状況になり、学園外との物流に若干の支障が出ると思われます。また、ほぼ同刻に第五学区においてスキルアウトと思われる少年四人が、能力によるものと思われる重軽傷を負っているのを近くの大学院に通う学生が発見し──』

打ち止め「なんだが最近物騒だね~」

一方通行「……まァな。オマエも出歩くときは俺や末っ子や黄泉川と一緒にしろ」

芳川「あれ、私は?」

一方通行「NEETは頼りないンだよ」

芳川「酷いわね」

打ち止め「ん~、分かった。外出するときは気をつけるね。……それよりまたヨミカワは朝早くからいないんだね」

番外個体「ここ最近事件続きで忙しいんでしょ?上位個体サンみたいなお子様と違って大変なんだろーねー」ケラケラ

一方通行「オマエも養って貰ってる時点でまだガキだろうが」

番外個体「いや、それは一位も同じじゃん」

一方通行「俺は学園都市からの膨大な援助金が出てる。ちゃんとした所得者なンだよ」

番外個体「え~、働いてるとは言わないじゃんそれ~」

>>344から>>345の間には数日の時間経過があります。
わかりにくくて申し訳ないです

一方通行「才能を有すること自体が労働に等しいものになるンだなこれが」

番外個体「ちょっと世の中の99%の凡人に殴られて来い」

打ち止め「はあ……、ヨミカワ忙しそうだし、週末のテーマパークは無理かな……」

一方通行「あァ?そンなに行きてェなら俺が連れてってやるよ」

打ち止め「本当は家族みんなでお出掛けしたかったなぁ……」ショボーン

番外個体「──だそうですが?」

一方通行「チッ、それでェ?」

番外個体「前言ってたじゃん。ミサカ達でこの一連の騒動解決しちゃえばいいじゃん。そうすればヨミカワも忙しくなくなるでしょ」

* * *


──第七学区──


一方通行「……とは言っても、手引きしてる野郎の目的が全く見えねェ以上、やれることが限られるな」

番外個体「スキルアウトに出回ってる、キャパシティダウンやら車のパーツやら強化篭手やらの出所を入念に探るしかないだろうね~」

一方通行「あァ、その辺りはもう浜面達にも探らせてる。他に出来ることが無い以上俺たちも足を使って探すしか──」

番外個体「一位の能力でデータバンクに侵入して取引データとか洗えないの?」

一方通行「アレは能力の本来の使い方じゃねェから演算がクソみたいに面倒くせェンだよ。つーかテメエのオリジナルが専門だろォが。アイツに頼んでおけばいいだろうが」

番外個体「あ~確かに。あとで電話しとこっと」

一方通行「……」

一方通行「……止まれ」

番外個体「ふえ?」

──ガキィンッ!

 二人のすぐ目の前にコンクリートブロックが三つ落下してきた。

番外個体「コンクリートブロック?何処から……」

 一方通行と番外個体の目線の先には登校中と思われる男子高校生三人の姿がうつった。

一方通行「この距離……素の力じゃ無理だな。能力か」

番外個体「肉体強化系か念動力系かだね」


男子高生A「おい止めろって!スキルアウトって決まったわけじゃないだろ!」

男子高生B「こんな時間にこの辺りを私服で出歩いてんのなんてスキルアウトぐらいだろうが!やられる前に先手うたねえと!」

男子高生C「大学生とか一般人だったらどうすんだよ!」

男子高生B「し、知るか!」

男子高生A「知るかってお前な!」



一方通行「ハイハイ、勝手に襲ってきて勝手にそっちだけで喧嘩してンじゃねェよ」

男子高生B「ひっ!」キュイーン

 男子高生の一人が足元のコンクリートブロックを拾い上げて一方通行に投げつけた。ブロックは普通の力で投げたときには出ないであろう速さで二人に迫った。
 が、

一歩通行「あァ……?」ガキィン!

男子高生B「む、無傷!?」

男子高生A「ていうか普通に能力者だったじゃねえか!謝れよ!」

男子高生B「すすす、スイマセン!スキルアウトと勘違いしてて!」

一方通行「それは俺がスキルアウトだったら当たっても問題なかったってことか?」

男子高生B「い、いやそれは……」

男子高生C「お、俺たちの仲間がこの間スキルアウトの奴らにぼこられて、それでちょっと神経過敏になっているというか……」

一方通行「自己防衛目的か、復讐の為かしらねェがな、ンなことやっても逆に復讐されるってことが分からねェのか?」

男子高生A「でも、一件や二件じゃないんです!学園都市全体で見れば最近のスキルアウトによる能力者の被害件数は……!」

一方通行「その逆もまた然り、だがなァ」

男子高生A「ッ……!」

一方通行「……チッ、こんな所で油売ってるほうがスキルアウトの連中との遭遇確率があがンじゃねのか?さっさと学校行きやがれ」

男子高校生ABC「「「は、はいっ!スイマセンでした!!」」」ダッ



番外個体「意外だね~、一二発痛めつけたから解放すると思ったのに」

一方通行「ンな無駄な運動はしたくねェ」

番外個体「はいはいモヤシモヤシ。っと、そうだ、おねーたまに電話しよっと」ピッピッ

一方通行「こっちにも聞こえるようにしろ」

番外個体「はいはい」ピッピッ

Prrrrrrrr……──ガチャ

美琴『はいはいもしもし』

番外個体「可愛い可愛い末っ子だよおねーたま☆」

美琴『はいはい。で、こんな時間にどうしたの』


番外個体「もっとリアクションくれたっていいじゃん。あ~、ちょっと調べてもらいたいことがあって」

美琴『……もしかしてこの間の話のこと?』

番外個体「話が早くて助かるぅ~」


美琴『実あのとき結構きになって、ちょっと調べてみたんだよね』

番外個体「おお、それでそれで?」

美琴『明らかに不自然な物流、お金の動きがあるのは確かね。“外”が絡んでいるみたいだけど』

番外個体「学園都市の外が……?またなんでだろうね?」

美琴『それは分からないけど、外から莫大な援助金が色々な施設に送られてるわね。おそらく施設のほとんどは実在しないダミーなんだろうけど。とは言ってもその流れも今朝途切れたみたいだけど』

一方通行「今朝……、第十一学区の爆発か」

美琴『うわっ、あんたも聞いてたの』

一方通行「ひでェリアクションだな」

美琴『あ、ごめんごめん。……そうね、私もおそらくアレが原因だと思うわ。今後も引き続き調べてみる』

一方通行「あァ、頼む」


美琴『……それでね、一つ気になったことがあったんだけど』

一歩通行「なンだ?」

美琴『データバンクをあさっている時に時々出てきた研究所名、なんか見たことあるなって思ったら、量産型能力者(レディオノイズ)計画のことを調べているときに見かけた研究所名だったわ』

一方通行「な、ンだと……!?」

番外個体「ここで絡んでくる、か……」

美琴『私も見つけたときは、頭真っ白になって、それから隈なく情報を探し回ったんだけど、違和感があるのね』

一方通行「違和感……?」

美琴『うん、これだけ研究所の名前が出てくるのに、妹達(シスターズ)に関するワードが一つも出てこないの』

番外個体「ミサカ達の研究施設だったところが資金集めをしていたのに、ミサカたちとは全く関係がなさそうってこと?」

美琴『断定は出来ないけどね。ごめんね、結局分からないことばっかりで。あ、さっきから黒子が呼んでるからもう学校行くね。電話切るわよ』

番外個体「あ、いやいや、こっちも調べることに大方見当付けられたし。じゃあね~☆」プツンッ ツーッツーッ……

一方通行「これは芳川にも仕事が出来たなァ。あとは──」

今日の分はここまでです^^

いまいち念動力というものが理解できていません



芳川さんニート脱却だと!

>>356
アイデンティティーが……


芳川は本編で脱ニートしたのにニートがアイデンティティと化してしまったせいでそれに触れてくれるssがほとんどないのが悲しところだな

>>358
それだけ印象が大事ってことでしょうね(笑

今日もちょろっと行くぞ~



上条「──あれ、アクセラレータとワーストさん?」

佐天「あ、ほんとだ」

初春「おはようございまーす」

一方通行「……ジャストタイミングだなァ、オイ」

番外個体「あれ、キミたち同じ学校なの?」

上条「いや、学区は同じだけど学校は違う。大体俺は高校だけど、この二人は中学生だし」

初春「たまたまそこで一緒になったんです」

佐天「そんなことよりもお二人さんのほうがこんな時間にどうしたんですか?もしかして朝帰りとか」

初春「あ、朝帰りっ……!?」カァァァ

一方通行「ちげェよ、ただの調べ物だ。それより三下、浜面から連絡はいってるな」

上条「あ、ああ」

一方通行「ここ最近の騒動、、立て続けに起きているということは偶然じゃねェ。これは俺の勘だが、こいつはこれから更に拡大する。俺達は事態が悪化する前に大本をぶっ潰す。お前はお前でやれることを探せ」

上条「待てよ俺も──」

一方通行「今回の相手は能力者や“魔術師”とかいう連中の仕業じゃない可能性が高い。テメエじゃ役不足どころか足手纏いなンだよ」

上条「ッ……」


一方通行「……オイ三下ァ、適材適所って言葉知ってるか?一連の騒動、既にスキルアウトだけの問題じゃなくねェ、能力者連中も動き出している。そこでテメエの出来ることは何だ?」

上条「……」

一方通行「今までだってそうだったンだろうが。テメエは目にうつった連中を救ってきただけだ。“結果として一万人救おうが、一都市救おうが、世界を救おうが、テメエの本領はそこなンだよ”。テメエの中のヒーローってのは事件の最渦中でスポットライトを浴びなきゃ満足できねェモンなのかよ」

 アクセラレータの言葉に当麻は目を見開き、そしてハッと我に返って笑った

上条「……ははは、上条サンがまさかアクセラレータに説教されることになるとは」

一方通行「ククッ、テメエには散々説教食らったからなァ。たまには仕返しさせてもらうぜェ」

一歩通行「おいそこの二人もだ。テメエらが標的にならないとは限らねェ。用心することで回避できることも多いはずだ」

初春「は、はいっ!」

佐天「気をつけるようにします!」

上条「わざわざありがとなアクセラレータ。俺達はもう学校だから行くよ」

初春「では失礼します」




番外個体「ぷぷぷぷ……似合わないセリフお疲れにゃ~ん☆」

一方通行「うるせェ。それより話してる間にメールが来てたな」ゴソゴソ ピッ

番外個体「だれだれ?」

一方通行「浜面、だな」

 そしてアクセラレータの表情がスマホの画面を見て固まる。

番外個体「どうしたの?」

一方通行「……」



______________
From:浜面仕上
To :accelerate@gakuen.ne.jp
Sub :件名なし
______________
マジヤバイんだけど
コレマジヤバイよ
どれくらいヤバイかっていうと
マジヤバイ
______________


番外通行「「……」」

ピロリン♪

番外個体「あれ、また来たみたいだね」

______________
From:浜面仕上
To :accelerate@gakuen.ne.jp
Sub :件名なし
______________
あまり余裕がないから簡単に説
明する
半蔵の所に来ている際に襲撃を
受けた

どうやらうちのグループを離反
した連中のようだ

詳しくはまた後で話す
______________


番外個体「余裕がないなら一通目いらないでしょ」

一方通行「……確かアイツのアジトここから近いよな」

番外個体「え、うん、確か第七学区内だったよね」

一方通行「行くぞ」

番外個体「え、何で!?助っ人にでも行くの?」

一方通行「ンなわけねェだろ。今までの奴らはもうアンチスキルの所だが、今回は直接聞けそうだからなァ」


* * *


──第一○学区、路地裏──


麦野「なんだァこいつらは?私たちを“アイテム”って分かってて挑んできたのか?……いや、それにしちゃあ……」

絹旗「超あっけないですね。おそらく何も知らず挑んできたのかと」

滝壺「でも一応それなりの武装をしているから“裏”との関わりはあるはず」

麦野「ああ?こんな雑魚共におもちゃ与えて得する奴がいるのかよ。浜面に与えたほうがまだいい仕事するだろ」

絹旗「まあたしかに目的は超不明ですね」

──ピロリン♪

麦野「メール?……浜面から二件か」

絹旗「全員に送ったみたいですね。私のところにも来てます。なんか面倒なことになってるみたいですね」

滝壺「はまづら、ピンチ。助けに行こう」

麦野「あ~?相手もスキルアウトなんだろ?わざわざ必要ねえだろ」

滝壺「でもこの人たちみたいに武装してたら危ないよ?」

麦野「……チッ。あぁぁ、わかったわかった、行くぞお前ら」

滝壺「ありがと、むぎの──」

──キィィィィィィィィィィィィン

絹旗「ッ!何ですかこの音!?」

滝壺「能力で、特定できない……!能力じゃない……!と言うより──」

麦野「演算自体を妨害してんなこれは。キャパシティダウンとかいうやつだろうな」

あんまり一気に投下しすぎると書き溜めが枯渇するので今日はここまでで……

ちょろっと



スキルアウトD「正解だぜ能力者さんよぉ!」

スキルアウトE「へへっ、ラッキーだな。全員上玉じゃねえか」

スキルアウトF「じゃあ俺は茶髪のちっこいのもらうぜ」

スキルアウトG「やっぱお前ロリコンだろ。俺はジャージの娘にするわ」

スキルアウトE「おいおい、一人につき一人じゃ足りねえだろ」

スキルアウトD「いや大丈夫だろ。俺はそこのおねーさんの胸使うからよ」

スキルアウトE「うっは、そりゃいいな」

絹旗「超ゲスいですね……!」

スキルアウトE「ははっ!何とでも言え!」

スキルアウトG「それでは三名様ごあんな~い!」

麦野「……る……ぇ」

スキルアウトF「あぁ?なんだって?」

麦野「るせぇ……」

スキルアウトD「聞こえねえよコラァ!」



麦野「──そのハエみてぇにうるせぇ音を止めやがれゴラァァァァッ!!」キュィン ゴバァッ!

 スキルアウト四人の頭上すれすれを麦野のビームが通過した。

スキルアウトF「……へ?」

スキルアウトG「な、何で能力を……?」

麦野「あ~?こんな小虫の羽音でレベル5の能力をとめられると思ったのか?」

スキルアウトE「レッ、レベル5!?」

麦野「さて、絹旗。片付けちゃって」

絹旗「りょーかいです。ほら、眠っちゃってください」ゴシャッ

スキルアウトE「ごふっ!?」

スキルアウトG「な、何でお前も!?」

麦野「あ~?何で私がわざわざビームを外してやったと思ってんだ?」

スキルアウトG「も、もしかして……」

 スキルアウトたちが後ろを振り向くと、自分たちが乗ってきたバンが黒煙を上げてスクラップになっていた。

麦野「まあそういう訳だ」

絹旗「それじゃあ、おやすみですね」ゴオォッ

スキルアウト達「「ひぃっ!?」」


* * *


麦野「それじゃあ、浜面のとこ行くか」

絹旗「そうですね」

 そう言って三人がその場を立ち去ろうとする時、脇の通路から数人のスキルアウトが出てきた。

???「待ってくれねえか」

麦野「ああ?まだ残ってたのか」キュィィィン

???「いや、待て待て違う!話を聞け!」

麦野「ああ何だよ!早く用件を言いな!こっちは急いでんだよ」

???「あ、ああ。あんたは“アイテム”の麦野静利でいいんだよな?」

麦野「てめえは先に名乗らずに相手の名前を聞くのか?」

???「っと、すまん」


蛇谷「俺は蛇谷次雄。スキルアウトグループ『ビッグスパイダー』のリーダーをやっているモンだ。あんたら“アイテム”に頼みがある」


麦野「あぁ?」



──第七学区──

浜面「くっそ!連中、強化装甲系だけだと思ったら、それなりの火気も持ってやがんな!こっちは何かねえのか!」

半蔵「一キロ先の三番倉庫跡に強化ゴム弾入りのグロックが十数丁ある!」

浜面「チッ!それじゃあ本末転倒じゃねえか!この状況を打破するために得物がほしいって言うのによ!」

 溜まり場である倉庫に集まっていたときに正面玄関からスキルアウトの一団の襲撃を受けた浜面たちは、出入り口がほかにないため上の階への撤退を余儀なくされ、現在三階の最深部の部屋に鉄扉を硬く閉ざして篭城している。

味方スキルアウトA「浜面さん!半蔵さん!あいつら強化篭手(パワードアーム)で扉をこじ開けようとしてやがる!ここもあまり持ちません!」

半蔵「浜面、どうする」

浜面「……半蔵、こっち来い!」

半蔵「馬鹿野郎、窓の外には捕まるところもねえ。こんな所から飛び降りても怪我するだけ──」

浜面「こいつを向かいのビルの排気用パイプに引っ掛けてくれ!」

半蔵「作業用のワイヤー?……ああ、なるほどな、分かった」

浜面「時間がねえ!外すなよ!」

半蔵「俺を誰だと思ってんだ?──   の末裔   服部半蔵だろうが!」ブンッ

 半蔵の投げた錘つきのワイヤーは道一つ分離れた向かいのビルの二階部の排気用パイプに上手く絡まり、人がぶら下がっても落ちないようにしっかりと固定された。

味方スキルアウトB「もう扉が破られます!」

浜面「俺が先に行く!」


 そう言って浜面がワイヤーを握って外に飛び出したと同時に、最後の鉄の扉が破られた。

スキルアウトH「手間かけさせやがって浜面ぁ!」

浜面「おい半蔵!他のやつらも早く来い!」

半蔵「浜面、つかまっておけよ」

浜面「おい!?半蔵!!」

スキルアウトI「半蔵も浜面もまとめて死ねやぁ!」ダッ

半蔵「……おい、ガードしてくれよ?」

スキルアウトI「あぁ!?」

 半蔵が壁にあるレバーを引くと、ガコン、という音とともに浜面のつかまっているワイヤーが急速に緩み始めた。

浜面「うおぉぉぉぉっ!?」

 そしてワイヤーのつながれた滑車がいやな金属音を立て回転し、ワイヤーのもう片方につながれている錘が真横に向かって飛んでいった。

スキルアウトI「なぁっ!?」

 とっさに強化篭手でガードするも勢いを殺しきれず、後ろの数人を巻き込んで部屋の外に吹き飛ばされた。

半蔵「おい大丈夫か!」

浜面「痛てぇ……、が、まあ大丈夫だ」

半蔵「よし浜面、トラックだ!」

浜面「……!了解、三分で用意する!」

味方スキルアウトC「半蔵さん!俺達はどうすれば!?」

半蔵「とにかく三分生き延びろ」

ここまでで!
ほんとにチョイ出しですいません

書き溜め完結したら一気に投下します

あけましておめでとうございます。
今年も駄文、もそもそ更新していきたいと思います。
読んでくださっているやさしい方々、今年もよろしくお願いいたします。


スキルアウトH「半蔵ォォォッ!てめえよくもやってくれやがったな!」

 額や腕などから流血したスキルアウトたちが再び部屋の中に進入してくる。

スキルアウトH「もう容赦しねえぞゴラァッ!」

半蔵「おいおい何だよ、今まで容赦してくれてたみたいじゃねえか」

スキルアウトH「るせぇっ!」ガチャッ

 スキルアウトの一人がMP5を構える。学園都市としては完全に型遅れの『外』の火気である。

半蔵「火気がなかったら何もできねえとでも──思ったか?」ヒュンッ

スキルアウトH「んだこりゃぁ!?」

 半蔵の投げたクナイがMP5の銃口に刺さった。このまま撃てば暴発をしてしまうため撃てない。

スキルアウトH「クソッ!」

味方スキルアウトB「すげえ!半蔵さんマジで忍者!」

味方スキルアウトD「いいからお前も応戦しろ!」

スキルアウトI「丸腰の雑魚どもに何が出来るんだよ、あぁ!?」

半蔵(浜面、まだか……!?)


浜面「──半蔵ォ!準備で来たぞ!」


半蔵「……!おいお前ら!窓から飛び降りろ!」

味方スキルアウトB「へ?窓って……」

半蔵「いいから早くしろ!」グイッ

味方スキルアウトB「うっ、うわああぁぁ!」ドサッ

 思わずコンクリートに落下する衝撃を身構えたが、思ったような衝撃はやってなかった。それもそのはず、スキルアウトたちが落下したのはトラックの荷台に張られたシートの上だったのだ。

半蔵「ジャストだぜ浜面!よし、車を出せ!」

浜面「りょーかい!」ブゥン

スキルアウトH「オイ、行かせんな!」

スキルアウトI「撃て撃てっ!」

浜面「ハハッ!もうおせーよ!」

 あっという間に浜面たちの乗ったトラックは視界の外へと消えて行ったのだった。

スキルアウトH「追うぞてめえら!」

スキルアウトI「……いや、これはチャンスだぞ」

スキルアウトH「あ?」

スキルアウトI「あいつらは今俺達から逃げることに専念している。つまり、“邪魔”をしに来る余裕がねえってことだ」

スキルアウトH「……クククッ、なるほどなぁ。その通りだ。これでおれたちの本当の目的に専念できるってわけだ」ニヤァ

初詣行ってました。すいません

* * *


浜面「よし、全員銃は持ったな」

半蔵「とりあえずトラックで路地を抜けるぞ。市街地の方がどうなっているか知りたい」

味方スキルアウトC「オッす!」


一方通行「なんだァ?便利なモンがあンじゃねェか。俺たちも乗せてくれねェか?」


味方スキルアウトB「!?誰だ!」チャッ

浜面「待て待て、敵じゃねえよ」

浜面「それで、なんでお前がここにいんだ?」

一方通行「あァ?メールよこしたのはテメェの方だろうが」

浜面「あ、ああそうだったな」

一方通行「まァ俺が来たのは情報収集のためだがな。敵はどンな奴らだった」

浜面「うちのグループを抜けた奴らってことだけで、どことパイプがあるのかとかは全然わからなかった」

浜面「ただ、奴ら強化篭手(パワードアーム)だけじゃねえ。火器まで大量に持っていやがった。やっぱりバックアップがあるのは確定だな」

一方通行「そォか……。分かった、とりあえず俺の言うとおりに走らせろ。そう簡単には見つからねェ車庫を知っている。そこでこの後のことを決める」

浜面「了解」


番外個体「そうだ、また何か情報が入ったかおねーたまに聞いてみる?」

一方通行「あァ、そうしろ」

半蔵「俺も他のメンバーに連絡取るか」

 番外個体がスマホに耳を当ててからコール音が十数回流れるが美琴が電話を取る気配はない。

番外個体「あれ、おっかしいなあ。電話に出んわ」

一方通行「……」

番外個体「少しぐらい反応してよ」

一方通行「……向こうで何かあったのかもなァ」

番外個体「……それって──」

 番外個体が何か言いかけたところで、その言葉は突如の爆音にかき消された。

味方スキルアウトB「何だぁ!?」

番外個体「爆発?近いね」

一方通行「ちょっと待ってろ」カチッ

 一方通行は電極のスイッチを押すとトラックの荷台から飛び上がりビルの上に着地し、しばらくしてから再びトラックに追いつき乗り込んだ。

一方通行「能力者とスキルアウトがやり合ってるみてェだな。他の場所でも衝突しているのが見えた」

番外個体「何々?また戦争でも始まったの?」

一方通行「……あァ、そうかもな。もしかしたらそれが狙いなのかもしれねェ」

半蔵「どういう意味だ?」

一方通行「着いたら話す」

番外個体「あ、おねーたまからメール」

番外個体「ん?リンクだけ何個か張ってある。にゃるほどあとは自分で調べろってこと」

一方通行「それだけ向こうは切羽詰まってるって訳か。オイ、見せろ」


 一方通行がメールに張りつけられたリンクをタッチすると白地に黒文字の飾り気のないページが開かれた。まさに情報を保存するためだけに作られた、人に見られることを必要としていないページだ。
 そのページの中に出てくる単語にアクセラレータは眉間にしわを寄せた。

一方通行(どれもこれも見なれた研究室の名前だなァオイ。あのクソッタレな研究の時にお世話になったところばっかりじゃねェか。オリジナルの言っていた通りだな)

一方通行(ただそれだけじゃァ何の進展にもらなねェ。あのヤロウは俺たちに何を見せたかったンだ?いや、何も見つけられなかったから後は任せたってことか。確かにあの研究のことなら俺の方が詳しい。問題はあの研究がどう今回の事に絡んでくるかだ)

浜面「アクセラレータ、次はどっちだ?」

一方通行「次を右折、四つ目の車庫だ」

半蔵「鍵は?」

一方通行「空いてるはずだ。シャッターを上げて早くトラックを中に入れろ」

飯の時間なのとキリがいいのとで、今日はここまで
明日は書き溜めを終わらせる方に集中しようかな



半蔵△

>>399-401
乙コメありがとうございます

今日はiPodからtxtを使って更新出来るか試してみます。

早速ですがかなりタイムラグが生じるみたいですね
PC付けようかな……
取り敢えず数レス行ってみます



 トラックを車庫の中に入れた後、車庫の奥に積んであったパイプ椅子を並べて全員腰掛けた。

一方通行「それじゃァ、今回の騒動について、俺の推測を話す」

一方通行「まず、首謀者の目的はわからねェ」

浜面「オイオイ」

一方通行「黙って聞いてろ早漏が。クソッタレの最終目的はわからねェが、“その目的に至るまでの手段”は予想がついた」

浜面「……?」


一方通行「テメエらちょっとネット開いてみろ。何が起こってる?」

 一同は促されるままに携帯電話やスマートフォンでインターネットに接続する。

半蔵「能力者集団による学校襲撃、スキルアウトとの衝突、いやそれだけじゃねえ……」

浜面「どうなってやがる……!まるで学園都市全体で一斉に暴動が起きたみたいな……」

一方通行「一斉に、じゃねェよ。火種はすでに撒かれ続けていたはずだ」

半蔵「その火種がここ数日の事件か」

一方通行「そォだ。立て続けにあンな事が起これば人間ってのは不安定になる。あとは、ちょっとつつけばあちこちで連鎖爆発が起き始める」


浜面「いや待てよ、それならその“火種の火種”どうした。まさか偶然にも立て続けに事件が起きましたっていうんじゃねえだろうな」

番外個体「……なるほど、そういうことか」

浜面「どういうことだよ」

番外個体「火種の火種になりうるもの、それは浜面も何度も指摘していたことじゃん?そう、ミサカたちの頭を悩ませていた“学生が持つには高価すぎるツール”のこと」

番外個体「まず、スキルアウトと能力者の両方にそれぞれが使いやすいツールを提供する。高価で危険なおもちゃを手に入れたそいつらは当然それを使用する」

番外個体「初めのうちはそんな感じ。ミサカがキャパシティダウンを使われて襲われた時や、佐天たちが能力者グループに襲われた時はまだこの状態。でも、おもちゃの供給量が増えていけばいくほど一般人の被害者も増えていく。そしてついには小規模ながらも“襲撃”から“衝突”へと変わっていく」

浜面「……そしてその衝突が衝突を呼び、大きな対立が生まれた訳か」

一方通行「大きく分ければ能力者とスキルアウト、よくある対立だが今回はそれだけじゃねェ。オマエらみてェなスキルアウト同士の対立もあれば、全く関係のない一般生徒と能力者との対立までありやがる」

半蔵「となるとやっぱり目的が見えてこないな」

一方通行「だから言っただろうが。最終目的はわからねェ。だがな、さっきは手段と言ったが、その手段が一つの目的なンだよ。第一段階ってことだ」

浜面「……?」

一方通行「その一つの目的はつまり、今この学園都市の状態だ。この状態から一体何を得ようとしているのかは知らねェが、この騒乱こそが目的への一つの中継地点にして要だ」

一歩通行「俺は何をすればいいのか分からず右往左往しているテメエらに一つ目的を与えてやる。少なくともこの学園都市で起きているイザコザを全部止めちまえば、顔も知らねェクソッタレの何も知らねェ目的をつぶせるってことだ。さァこれでやることは分かったか?」

浜面「はあ……、俺たちが欲しかったのは全体の解決方法じゃなくて目の前のことをどうするかってことなんだよ。結局今の俺たちには何の打開策にもならねえな。……だが、」


浜面「馬鹿は馬鹿らしく手当たりしだいに目に入ったものからシラミ潰しに全部ヤッちまえってことだろ?いいぜ、頭の悪い俺たちには丁度いい」


 シャッターを開けて男たちがガレージに入ってくる。先ほど集合をかけた半蔵のメンバーたちだけではなく、何故か麦野を連れた蛇谷達までいる。

 その数は、それだけで学校が一つ建てられる様な。
 学園都市最大の無能力者集団が、ここに結集した。



番外個体「ややっ、むぎのんじゃん」

麦野「おーおー、末っ子か。久しぶりだな」

絹旗「ちっ、浜面は生き残っていましたか」

麦野「ちっ」

浜面「おい舌打ちが二回聞こえたぞ」

滝壺「よかった、はまづらが無事で」

浜面「ありがとうよ滝壺、俺の心配をしてくれる女神はアイテムでおまえただ一人だ」ウルウル

絹旗「……」イラッ

麦野「はまづらぁ、テメエ今晩覚悟しておけよ」

浜面「……」


浜面「で、蛇谷。なんでお前が?」

麦野(決定だ。今晩は骨抜きにしてやる)

蛇谷「お、おう。いや、今回の騒動で俺のところもだいぶ被害受けてんだ。お前らが動いてるって聞いたんでな」

浜面「それで助けに、か?いやいや、俺たちとそんなに仲良かったか?むしろ結構抗争した覚えが……」

蛇谷「浜面ァ!」

浜面「なんだよ」

蛇谷「ちょっとこっちこい」



浜面(なんだよ)

蛇谷(いいかよく聞け)

浜面(だからなんだよ)

蛇谷(俺たちビッグスパイダーにはかつて固法美偉という一輪の花が咲いていた……)シミジミ

浜面(はあ?)

蛇谷(しかし今ではこのビッグスパイダーも男の蒸し風呂だ)

蛇谷(だからお前にお願いがあるんだ)

浜面(……滝壺は渡さねえ)


蛇谷(安心しろ。俺の狙いは麦野さん一択だ。何とかして俺と二人で会ってくれるようにアポとってくれないか?)

浜面(まさかと思うが、お前、それを言うためにあいつらに接触して俺のところまで来たのか?)

蛇谷(俺にとっては大事なことだ)

浜面(……)

浜面(わかった。このゴタゴタが解決したら話を通してやるよ)

蛇谷(恩に着るっ!)ガシィ

浜面(こんなことで着られてもなあ……)



絹旗「何話してたんですか?」

浜面「いや、何でも」

一方通行「おい、そろそろイイか?」

浜面「あ、ああ」

一方通行「さっき言った通りお前らは街で争ってる連中を手当たり次第に鎮圧してこい。大体一グループ四、五人で行動しろ。浜面はアイテムに戻れ」

一方通行「半蔵と蛇谷はそれぞれのグループをまず小分けにしろ。その総指揮はいつも通りお前らがやれ。ただし、お前ら二人は定期的に連絡を取れ」


一方通行「お互いのメンバー同士はろくに顔も覚えてねェンだ。同士討ちなんて馬鹿な真似はしたくねェからな」

一同「「「オッス!!」」」」

半蔵(あ、あれ?みんないつも以上にいい返事)

蛇谷(き、気のせいだろ?俺のカリスマパワーに勝てるわけが……)

半蔵(だといいんだが……)

一方通行「テメエらはもう行け」

一同「「「オッス!!」」」

蛇谷「……」


半蔵「そ、それじゃあ班分けするぞお前ら。集まれ──」


 半蔵と蛇谷は手際よくグループ分けをすると、それぞれ騒乱の市街地へと出発していった。

うぃ、今日はここまでっす。
また今度見にきて欲しいっす。

いつも通りちょっとだけッス


番外個体「それじゃあミサカたちも行く?」

一方通行「待て。あと少しオリジナルからの連絡を待つ」

番外個体「ぶー、ひまー」

一方通行「少しは待つことも覚えろォ……」イラァ

番外個体「待つのはつまんなーい。さっき送られてたリンク、自分で調べよっと」カチカチッ


番外個体「?♪」

番外個体「……」

番外個体「……ん?」

一方通行「どォした?」

番外個体「この名前……」


番外個体「木山、春生……?」

一方通行「木山春生?知り合いか?」

番外個体「いや、直接は知らないんだけどミサカネットワークで……」

 番外個体は以前ミサカネットワークでシェアされたレベルアッパー事件について説明した。

一方通行「共感覚性を使った能力者の脳波の多重接続、そして幻想猛獣(AIMバースト)だと……?」

 一方通行は幻想猛獣(AIMバースト)自体は知らないが、似たようなモノは知っている。

一方通行(ヒューズ=カザキリ ……、そして俺……)

一方通行(なぜそんな研究をしていた奴の名前が出てくる……。関係性がみえねェ……。ネットワーク、AIM拡散力場、暴走……)


一方通行「AIM拡散力場の暴走だと……?」

番外個体「え、なになに?なんか分かったの?」

一方通行「……あァ、段々見えてきたぜェ……」ニヤァ

番外個体「じゃあ黒幕の正体も?」

一方通行「それはまだ確証がねェ」

番外個体「だめじゃん」

一方通行「“事”が起これば自然と正体もわかってくるンだろうがなァ……」


番外個体「ただ待つだけってこと?事が大きくなるまで?」

一方通行「……」

一方通行「他になァンも思いつかねェから」

番外個体「え?」

番外個体「てかさ、さっき浜面達にイザコザ止めてこいみたいに言ってたけど、実際には大きくなって欲しいわけ?」

一方通行「あァ?別にそういう訳じゃねェ。ただ止める過程で一悶着あるだろ?それでいいんだよ」



* * *


──第七学区のとある高校


吹寄「何!?何が起きてるの!?」

土御門「襲撃……?」

上条「……!」


──柵川中学校


佐天「あわわわわっ」

初春「さ、佐天さん!しっかりして下さい!」


──常盤台中学


婚后「な、なんですの!?」

御坂「……はぁ」

食蜂「馬鹿ねぇ……」



* * *


アンチスキル無線『──学園都市全域で学生の暴動が起きている模様。第二〇学区東ブロック支部。こちらの人員だけでは足りない!応援求む!繰り返す──』ブツッ

一方通行「大分暴れてるよォだな」

番外個体「アンチスキルの無線?周波数とかどうやって……」

一方通行「黄泉川に聞いた」

番外個体「やっぱりあの人アンチスキルとしてどうなのかと思う」

一方通行「……暇か?


番外個体「まあね」

一方通行「行くか?」

番外個体「どこに?」

一方通行「オマエはさっきのブリーフィングはなンにも聞いてなかったのか?言ったろォが、今回の騒動、学校やグループ同士の復讐合戦みたいなもンだ」

一方通行「となれば戦場は決まって学校施設が多くなっている」

番外個体「なるほどなるほど」

一方通行「マジで聞いてなかったのかこの野郎」


一方通行「……まァ、いい。それでまずだ、この第七学区の柵川中学校に向かう」

番外個体「佐天達のいる?またなんでピンポイントにそこなの?──はっ、もしかして!やっぱり佐天狙い……」

一方通行「違げェよ。今、アンチスキルもジャッジメントも混乱していて組織として成り立ってねェ。ここは一人司令塔(ブレイン)が必要だ」

番外個体「司令塔(ブレイン)?初春のこと?」

一方通行「あァ、あいつは見た目とは裏腹にそういう能力には相当長けているみてェだ。今は授業時間で恐らく学校にいる」

一方通行「まずは囚われのお姫様を救出してジャッジメントの支部まで送りとどけんぞ」

番外個体「うぃ?、了解」

あれ?文字化けしてる。iPodだからかなぁ
最後の番外個体の「うぃ
の後ちゃんと波形の伸ばし棒になってますか?こちらからだと“?”に見えるのですが
大丈夫でしたら再開します

?になってます

>>432-433
わかりました、ありがとうございます
手直しながら残り書き込みます
とは言っても今日の分は残りわずかですが……


番外個体「あ、でもその前に」チラッ

一方通行「あ?」

番外個体「んっ」チュッ

一方通行「むぐっ」

番外個体「んっ、んぐっ」

番外個体「ぷはぁ。……ミサカ、この戦争が終わったら第一位と結婚するんだ」

一方通行「オイ、フラグ建てんな」

番外個体「フラグはクラッシュするものだよ☆」

一方通行「当然そォさせてもらうぜ。そンじゃあ」

番外個体「行きますか」

さて、このSSもクライマックスが近付いて来たのですが(時間かかった割に短い\(^o^)/)、ここからは一旦上の無線にある通りの三つの場面に分かれます。
三場面は同じ時間に別の場所で起きた事を書くので、即ち2/3は一方通行も番外個体も出ません(笑)
タイトル詐欺?今更でしょう( ^ω^ )

取り敢えず今日は一方通行たちの登場する柵川中学Sideの冒頭を貼って寝ます……ッス( ^ω^ )

↑上の“無線”ではありませんね、すいません
>>427のことです



──柵川中学校Side──


アケミ「ど、どうなってんの!?」

マコちん「う、初春ぅ」

担任教師「み、皆さん、落ち着いてください!」

むーちゃん「落ち着いてって言われても……」

佐天「能力者、だよねあれ」


 佐天がそっと窓から身を乗り出してみると、校庭の前に集まった襲撃者──それも能力者とみられる集団が、アンチスキルに所属する教員たちと戦っていた。
 初春が手元で必死に小型PDAを捜査しているようだが、成果が上がらないようで首を横に振る。

初春「駄目です、支部とも本部とも連絡がとれません」

アケミ「どうすんのー!?」

初春「どうするもこうするも応援が来るのを待つしか──」

 初春のその言葉を遮るように突如窓ガラスを割って能力者が教室に飛び込んできた。


むーちゃん「きゃぁっ!?」

初春「佐天さん!ガラスで怪我していませんか!?」

佐天「私は大丈夫……、それより三階なのにどうやって……」チラッ


飛翔系能力者「ははっ!ビビってんぜこいつらぁ」

肉体強化系能力者「あ??中学校かよここ。外れだぜオイ」

飛翔系能力者「いや、そこの黒髪ロングの子はなかなか……」

肉体強化系能力者「おっ、確かに」ニヤニヤ

今日はもう寝るッス!
ではでは( ^ω^ )

【予告】今日の夜に少し書きたいです

どーんと少しだけッス

きたか!


佐天「……!野球部の人、バット借りるよ!」

 佐天はロッカーから金属バットを取り出して能力者に振りかざした──が、

肉体強化系能力者「あぁ??」

佐天「弾かれた!?」

初春「佐天さん!気を付けてください!恐らくその人は肉体強化系能力者です!」

肉体強化系能力者「正解だぜ嬢ちゃん」ガシッ


佐天「かっ……!」

初春「佐天さん!」

アケミ「涙子!」

飛翔系能力者「ん?そこのお花畑……」

初春「な、なんですか!?いいから佐天さんを離してください!」

飛翔系能力者「確かジャッジメントだよな」

肉体強化系能力者「知り合いか?」グググ

佐天「うぐぐ……」ゲホッ

バンバンバンバンバンバンバン
バン     バンバンバン
バン (∩`・ω・) バンバン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
   \/___/ ̄ ̄


  バン   はよ
バン (∩`・ω・) バン はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/
  ̄ ̄\/___/

    ; '  ;
     \,( ⌒;;)
     (;;(:;⌒)/
    (;.(⌒ ,;))'
 (´・ω((:,( ,;;),
 ( ⊃ ⊃/ ̄ ̄ ̄/
  ̄ ̄\/___/ ̄ ̄

       /\
      / /|
     ∴\/ /
     ゜∵|/
  (ノ・ω・)ノ
  /  /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ     ポチポチポチ
ポチ (∩`・ω・) ポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/
    /_/ ̄ ̄ ̄ ̄


飛翔系能力者「前パクられた時になぁ。確かお前能力者だったよな」

初春「そ、それがどうしたっていうんですか!?」

飛翔系能力者「いや、お前さ、そいつらとつるんでて楽しいか?」

 飛翔系能力者がざっと教室を見渡す。全員教室の隅に逃げたり固まっているだけで能力などを発動する素振りはない。

初春「どういう意味ですか?」

飛翔系能力者「いや、そのままの意味だよ。──“無能力者のカス共といて楽しいのか”って聞いてんだ」


初春「みんなはカスなんかじゃありません!撤回してください!」

飛翔系能力者「お?お?、美しい友情だこと。表面上はな」ククッ

飛翔系能力者「じゃあ聞くがよ、お前、テストの点数が悪かったときどう思う?」

初春「な、何ですか突然?」

飛翔系能力者「いいから答えろや」

初春「そ、それは、反省しますけど……」

飛翔系能力者「そうだろ?自分は駄目だったて思うだろ?」

飛翔系能力者「でもよ、それがお前にとって失敗した点数でも、“その得点が努力した結果の限界だってやつだっているんだぜ”?」

またやってしまった……

お?お?

の?は伸ばし棒の文字化けです。次からは直しながらいきます

飛翔系能力者「能力についても同じだ。お前が無能力者の時、そりゃあ努力したんだろうな。このままじゃだめだ、ってよ?そんで今は念願の能力を手に入れたわけだ」

飛翔系能力者「無能力だった頃の“駄目な自分”から“出来る自分”になったんだ。おめでたいことじゃねえか、ええ?」


飛翔系能力者「──んで、今お前の周りにいる奴らは何だ?昔の“駄目な自分”と何が違う?」


初春「……!」

飛翔系能力者「同じだよ。あの頃さんざん嫌悪していた無能な自分と周りの奴らはよお!」


初春「ち、違います!」

飛翔系能力者「違わねえよ。なに、恥じることはねえよ。お前は努力して能力者になったんだ。無能な過去の自分、周りのカス共は切り捨てろ」

初春「違いますってば!!」

飛翔系能力者「いい加減認めろよお!お前はなあ!周りのカス共を過去の自分と重ね合わせて見下してたんだよ!はははっ!」

初春「違います!違いますってば……!違うんです……!ううっ……。ぐすっ」ポロポロ


佐天「いい加減にしてください!」


飛翔系能力者「……あ?」

 佐天は胸倉を掴まれたまま飛翔系能力者の方を睨んだ。

佐天「初春はそんなこと考えたりしない!言ったりしない!あんた達みたいなやつと一緒にしないで!」

初春「佐天さん……」グスッ

飛翔系能力者「あ??なんかそいつウゼエな。無能力のカスのくせに。あ?、もうヤッちまっていいわそいつ」

肉体強化系能力者「ん、おう」


肉体強化系能力者「そんじゃあちょっと眠っててろや」ググッ

初春「佐天さん!」

アケミ「涙子!!」

 肉体強化系能力者が片腕に力を込める。そして振りかぶって佐天の鳩尾に拳が──届くことはなかった。


肉体強化系能力者「がっ……!なっ、く、釘!?」

 肉体強化系能力者の腕には釘が一本刺さっており、そこから血がどくどくと流れ出ていた。

肉体強化系能力者「俺の……、強化した腕に……、釘が刺さるだと……!?」ポタポタ


???「うぃー、間一髪だったかなぁ?」


佐天「あ……」

むーちゃん「だ、誰?」

初春「わ、ワーストさん……!?」

 教室の入り口に立っているのは電気を帯びた釘を指に挟めた番外個体だった。

番外個体「大丈夫だった?」

初春「わ、私は大丈夫です!それよりも佐天さんを!」

肉体強化系能力者「ぐがああああ!痛てえええ!このクソアマァァァァ!」

番外個体「ほら、離してあげてよ」バシュッ

肉体強化系能力者「ぐああああっ!」ドサッ

初春「佐天さん!大丈夫でしたか!?」

佐天「ごほっごほっ……、うん大丈夫。ありがとう初春、みんな」

初春「良かったあ……」グスッ


飛翔系能力者「くそっ!なんだこいつ……!一旦撤退──」

一方通行「逃がさねえよ」

飛翔系能力者「へ……?」


 飛翔系能力者が飛び出した外には白い悪魔が待ち構えていた。
 アクセラレータは飛翔系能力者の頭を片手でつかむと、そのまま降下していった。
 それから再び三階の窓枠に姿を現す。

番外個体「もしかして、殺した?」

一方通行「ンなわけねェだろ」

佐天「アクセラレータさんまで……!」

初春「助けに来て下さったんですか」

一方通行「まァ、そうだな。目的はオマエを連れて行くことだが」

初春「え、どういうことですか?」

あ、書き忘れてましたが今日はここまでッス

いいところで切る・・・この1ますます出来るようになった・・・

遅れましてスミマソン
>>463小分けで本当に申し訳ない


行くッスよ


一方通行「177支部とやらに戻ってお前がジャッジメントをまとめねェといつまでも組織が混乱したまンまになるだろォが」

初春「あ、そうですね、確かに」

アケミ「初春、涙子、この人たちは?」

初春「あ、えっと……」

 クラスメイトや先生がアクセラレータと番外個体の方を見てざわざわとしている。

初春「えと、えーっと、と、友達です」

 少し無理があった。突如教室に現れた二人は、初春の友人と言うにはあまりにも人相が悪かった。

一方通行「あー、何だ。そのよォ、怪しいもンじゃねェから安心しろ」

クラス一同(あ、怪しい……)

一方通行(あ~、めんどくせェな)

一方通行「オイ、そこの教員」

担任教師「な、何でしょうか」

一方通行「まだ校内には能力者どもが残ってる。俺達が片付けるけまで生徒を教室からださねェように他の教員に伝えろ。携帯電話ぐらい通じるだろ?」

担任教師「分かりました……。あの、あなた達は……?」


一方通行「なンでもねェよ。ただの通りすがりだ」

番外個体(ぷぷぷ……、またベターなセリフを)ニヤニヤ

一方通行「……ワースト、伏せろ」

番外個体「ん?」ヒョイ

水流操作系能力者「な、避けただと!?」

ワーストがしゃがむことで打ち出された水塊が一直線にアクセラレータの方へ飛んでいく。
 当然その水塊は反射され、元の方向へ戻っていく。しかも更なる加速付きで。

水流操作系能力者「がふっ!?」ドサッ

番外個体「おー危ない」

一方通行「油断しすぎだ馬鹿が」

マコちん「す、すごい……」

むーちゃん「これが能力者同士の戦い……」

水流操作系能力者「ぐぐ……、糞がぁっ!」ドシュッ

一方通行「!」

佐天「おっとっと!」キィン


水流操作系能力者「なぁっ!?」

 佐天に向けて放たれた水塊を佐天はバットで弾いて起動をそらした。

番外個体「まだ起きてたんかい」ビリッ

 水流操作系能力者は番外個体の電撃で次こそ本当に意識を失った。

佐天「みんな!能力者だとか、そうじゃないとか関係ないんだってば!まず、私たちにできることをやろう!」

佐天「ほらほら、みんな立ち上がって、まずは机でバリケードとか作ろう」

男子生徒「……ああ」

女子生徒「そうね……」

佐天「それじゃあ一丁やりますか!」

一同「「おぉっ!!」」


番外個体「さっきまで胸ぐら掴まれてたのに元気だねー」

一方通行「アイツはあれでいいンだよ」

一方通行「そンじゃァお花畑、校内の奴ら片しながら支部に行くぞ」

初春「は、はいっ!」

佐天「アクセラレータさん、初春をよろしくお願いします!」

一方通行「ハッ、俺を誰だと思ってやがる」

番外個体「それじゃあ行こっか」

ドーン

ガッシャーン

バリバリバリッ

ギャー

バケモノー

アケミ「結局あの人達は何者なの?」

マコちん「さあ……?」

佐天「あはは……」

* * *


──風紀委員第177支部

初春「送っていただいてありがとうございます。後は私一人でなんとかなりますから」

番外個体「って言ってもさ、もしここが襲われたらどうすんの?」

初春「それは……」

先輩風紀委員A「それは大丈夫です」

一方通行「テメェらは……?」

先輩風紀委員B「初春と同じここのメンバーです。うちの後輩が世話になったみたいで」

先輩風紀委員A「ここは私たちが守るのでお二人はどうぞ行ってください。何かすることがあるのでしょう?」

一方通行「わりィな、そンじゃァ任せる」

先輩風紀委員B「ええ、お気をつけて」

一方通行「あァ、言い忘れるところだった。オイ、お花畑こいつをだな──」


 そして、二人が支部を出た時それは起こった。

番外個体「ん?向こうの空が……」

一方通行「クカカッ、やっと来たか……!」

 時間的には赤く染まり始めるはずの空が、青白く輝いていた。
 この光は過去に何度か見たことがある。
 一度は猟犬部隊(ハウンドドッグ)との戦いの夜に。
 一度はロシアの白い雪原で。

一方通行「しっかし、あいつらと比べたら随分ときたねェ光じゃねェか。益々誰だかわかっちまうぜオイ」

うぃ、柵川中学校Sideはここまででッス。
次からは常盤台中学校Sideで、例のごとく世紀末帝王が出てきますッス。
きっと俺、一方通行より浜面が好きなんだと思うんだ。

続きは今晩投下予定ッス。少しだけど!
じゃ、出かけてきますッス!

蜀埼幕

──常盤台中学校Side──


婚后「スキルアウト集団の襲撃、ですの?」

美琴「最近ニュースになってるアレね」

黒子「全く、ここを天下の常盤台だとしっての狼藉ですの?馬鹿が多くて困りますわ」

美琴「なるべく周りに被害が出ないように片してしまいましょう」

湾内「御坂さん、生徒だけで行動するのは危険なのではありませんか
?それにわたくし争いというのはどうにも苦手ですし……」


美琴「大丈夫よ湾内さん。あんな奴ら相手じゃないわ。ああ、えっと、今のは相手がレベル0だからってことじやないわよ?ああいう目的もなくただ暴れたいだけのバカなんて大したことないってこと」

黒子「それではお姉様、行きますわよ」ガシッ

美琴「そうね」シュンッ

婚后「あ、お待ちになってくださいの!」パタパタ

湾内「あ、婚后さん」

泡浮「お待ちになってくださーい」パタパタ


* * *


 美琴達が着いた時には既に校門前では数人の生徒や教師がスキルアウトに応戦していた。

常盤台生徒A「あら、御坂さんが来てくださったわ!」

常盤台生徒B「本当ですわあ。御坂さんが来てくださったならもう安心ですわね」

スキルアウトJ「げっ、御坂ってあのレールガンじゃね?」

スキルアウトK「マジかよやべえじゃん」

上のは「再開」の文字化けです
何故文字化けした(笑)

1はハマヅラよりゴーグル好き
であるべきだろ

スキルアウトL「いや待てよ、よく見ろただのガキじゃねえか」

美琴「……」イラッ

スキルアウトJ「本当だ大した事なさそうだな」

スキルアウトK「所詮はガキだからな」

スキルアウトL「俺たちの相手じゃねえべ」

美琴「……」イライラッ

スキルアウトJ「つーかあんなガキじゃ勃たねえわ。マジハズレ」ビンビン

スキルアウトK「いや、俺的にはストライク」ギンギン

スキルアウトL「マジかよ趣味悪いなお前」ビュクッ

美琴「……」プッチン


美琴「アンタら……」ワナワナ

スキルアウトL「あ?」


美琴「いい加減にしろっ!!」ビリビリビリッ

スキルアウト三人「ありがとうございますっ!!」ビリビリビリッ


美琴「はあっ……!はあっ……!」

黒子「お疲れですの。全くこれだから殿方は……」

美琴「途中からまるで黒子を三人相手してるかのように錯覚したわ」

黒子「……」

婚后「はあっはあっ、……やっと追いつきましたわ」ゼーゼー

黒子「あら、遅かったですわね、婚后光子」チラッ

婚后「テ、テレポーターと一緒にしないでくださいます?」

湾内「やっと追いつけましたわぁ」

泡浮「それで、こちらの状態は?」

美琴「取り敢えず玄関前にいたのは片したけど……」


 そう美琴が言ったところで、バンが玄関に突っ込んできた。そしてそれから間も無くスキルアウト達があっという間にあたりに溢れかえった。

美琴「……前言撤回。見ての通りよ」

婚后「全く、荒っぽい殿方ですこと」


スキルアウトM「クッソ舐めやがって!やっちまえ!」

スキルアウト達「「おぉぉっ!!」」

泡浮「これは、あの、どうしたらいいんでしょうか?」

美琴「どうするって、倒すしかないでしょ」

湾内「困りましたわ?。わたくし余り争い事は好きではないのですが……」

黒子「じゃあなんで出てきたんですの……」

湾内「それはあの、婚后さんを追いかけていましたら外に出てきてしまいましたの

 この湾内絹保という少女は生まれてこの方ほとんど、いや、ついこの間までは喧嘩どころか怒ったこともなかったという非常に温厚な性格なのだ。
 その湾内の初の怒りというのが大覇星祭の時に馬場芳郎に向けられたものだった。しかしその怒りの発端も“親友の婚后光子が傷つけられた”ためであり、それ程のことがなければ怒ることも、人に能力を向けることもまずない。

黒子「戦わないのでしたら後ろに下がっていた方がいいかと思いますわよ」

湾内「そうさせていただきますわ」

泡浮「婚后さんも下がりましょう」

婚后「……いえ、わたくしは前で御坂さん達の手助けをしますわ」

泡浮「そうですの……、わかりましたわ、無理はしないでくださいね」

婚后「心配には及びませんわ」

ここまでッス
>>477 そうかもしれないッス

さて、個へで書き溜めも枯渇したッス







え?

ぐっといぶにんぐ ↑乙コメさんくすッス
全然書き溜まってない……

完走はするから許してくださいッス
ではスタートッス


スルアウトN「おらぁ!無視して話してんじゃねえ!」

婚后「!」

黒子「あら、話している時ぐらいは待てませんの?あまりせっかちですといけませんわよ?」ヒュンッ

スキルアウトN「なっ、テレポーターだと!?」

黒子「ちょっとそこでじっとしててくださいな」ヒュヒュヒュン

スキルアウトN「なにっ!?」

 黒子の放った鉄芯がスキルアウトの衣服と壁を括り付けて固定する。脱いで脱出しようにも鉄芯が多く打ち込まれているため腕や足を少し動かすことすらままならない。

黒子「さて、お次は誰ですの?」シュンッ


スキルアウトM「何だ、こんなモンどっから飛んできた!?」

婚后「まだまだいきますわよ!」

スキルアウトO「ぐあああっ!死ぬぅ!」バリバリバリッ

美琴「ちょっと、人聞き悪いわね!ちゃんと出力押さえてるわよ!」

スキルアウトP「おいっ、何だお前!味方だろ止めろ!」

スキルアウトQ「……」

スキルアウト「おい止めろ!うわああっ!」

食蜂「うふふ、助けに来たわよぉ御坂さん☆」

美琴「げぇっ、食蜂操祈っ!」

食蜂「素で落ち込むのでやめてほしいかな」


美琴「あ、うん、ごめん」

食蜂「まったく、助けに来てあげただけなのにぃ」プンプン

美琴「その様子なら大丈夫そうね。それで?規模はどれぐらいなのかしら」

食蜂「そうねぇ、私の操っている子たちからの情報だと学び舎の園の割と外にある校舎は侵入を許しちゃってるみたいねぇ」

美琴「はぁ……面倒ね」

食蜂「ここの面子なら余裕なんじゃないかしら?何なら“敵から味方を作ってもいい”ワケだしぃ」

美琴「油断していると足元すくわれるわよ?」


食蜂「学園都市第五位に限ってそんなことは無いんだゾ☆」

美琴「それならいいんだけど……」


* * *


スキルアウトR「全車配置につきました。いつでも作動できます」

???「……あのさぁ、聞いていい?」

スキルアウトR「なんでしょうか」

???「お前らがココを襲っている理由って、能力者への復讐なんじゃないの?俺っちも能力者だけどいいのかい?」


スキルアウトR「ああ、いえ。相手が女性だから意味があるんです」ニコッ

???「……くくっ、そりゃあ気が合うなぁ!」ニヤァ

???「よし、全部起動させちまっていいぜぇ!」

???→不良H(アンチスキルの混乱に乗じて拘留場を抜け出せたのに加えてこんな面白そうなことに参加できるとはなぁ)

不良H(願わくばあのツリ目の姉ちゃんにも復讐させてもらうぜぇ)ニヤニヤ


* * * 


黒子「この分ならとっととカタが付きそうですわね」

美琴「それフラグよ」


スキルアウトR「それはフラグですよ?」

美琴「!……いつの間に……!」

スキルアウトR「ふふっ、それでは行きますよ!れっつぱーりぃ!」ピッ


ギィィィィィィィィィィィンッ


黒子「っ!?この音はっ!」

美琴「キャパシティダウン!?あいつらには聞いてたけど本当にこんなものが出回ってたってわけ!?」

スキルアウトR「さあ、反撃の時間です」ニコッ


黒子「くっ!」

美琴「アンタ達は一旦校舎の中に引きなさい!私はギリギリ能力が撃てるからキャパシティダウンを探して破壊するから!」

黒子「それならわたくしも……!」

美琴「駄目よ!今のアンタには能力は使えないし、撃てたとしても暴発してアンタが危険な目にあうだけよ」

スキルアウトR「話している暇はありませんよ?」ヒュッ

黒子「っぐ!」ゲホッ

美琴「黒子っ!」バチバチバチッ

スキルアウトR「当たりませんねえ」

美琴「くっ……!黒子、早く立ち上がって他のみんなを連れて避難して!」

スキルアウトS「行かせねえよ!」ザッ

黒子「囲まれました、の……!」

美琴「っ……!食蜂、アンタは今どれぐらい出来そうなの!?」

食蜂「あ、相手の思考を読むのが限界ねえ。操るのは無理そうだわぁ」

食蜂「……御坂さぁん」

美琴「何?何か打開策でも思いついた?」

食蜂「あの殿方、私たちにゲスいことしようとしているわあ」

美琴「んなことわかってるわ!」

ごっはん ごっはん ごっはっん


スキルアウトR「ふっふっふ」ジリジリ

スキルアウトS「へっへっへ」ジリジリ

黒子「くっ……!」


ゴンッ


スキルアウトR「痛っ」

スキルアウトS「モップ?どこから……」

 黒子達ににじり寄るスキルアウトRの頭に当たったのはプールの掃除に使うモップだった。

湾内「あ、あの……、やめてくださいっ……!学び舎の園から出て行っていただけませんか……?」


泡浮「湾内さん、戻って!」

スキルアウトR「……」クルッ

湾内「!」ビクッ

スキルアウトR「……」ザッザッ

湾内「な、なんでしょうか……?」ビクビク

スキルアウトR「謝れやコラァァァッ!!」ビリビリッ

湾内「ひぃぃっ!?」ビクゥッ

スキルアウトR「人様の頭にモップぶつけておいて出て行けだぁ!?順序っちゅーモンがあるだろうがコラァッ!!」

湾内「あ、あぅ……」ガクガク


スキルアウトR「あぁん!?聞こえんぞボケがぁ!はっきりモノ言えやぁ!」

湾内「あ……う、うぇ……」ガクガク

スキルアウトR「イライラすんなこいつぁ!」ピキピキ

美琴「いい加減に、しろ!」バチバチッ

スキルアウトR「んなフラッフラの能力で当たるかコラァ!」

美琴「くっ!」

 スキルアウトRは落ちているモップを拾い上げるとそれを振りかぶった。

スキルアウトR「やられたらやり返す、十倍返しだコラァッ!」ブンッ

湾内「ひっ!」

泡浮「湾内さんっ!」

すいません寝落ちてました(ーー;)
今晩残り書き込みます

昨日の残り投下



バンバンッ


 乾いた発砲音の後に金属音が二回。薬莢がアスファルトを転がる。


湾内「……あ、あれっ?」

美琴「あ、アンタ……」

スキルアウトR「ぐ、ふっ……」ドサッ

 スキルアウトRはモップから手を放し地面に崩れ落ちた。そしてその横にはには二発のゴム弾が。命に別条はないが、あばら骨は砕かれていた。 

浜面「よっ、また会ったな」


美琴「何でここに……」

浜面「いや、第一位に言われてさ。……いや?学び舎の園なんて入るの初めてだぜ」

美琴「でしょうね」


スキルアウトS「てめえっ!」ブンッ

半蔵「そりゃっ」ゴンッ

スキルアウトS「ぶっ」ドサッ

黒子「半蔵さんも……」

半蔵「よっ」

浜面「他にもいるんだが、来る途中で混乱による渋滞につかまってな。少し遅れてくると思う」

黒子「そうですの……、たすかりますわ」


???「あれ、浜面じゃん?」

浜面「あ?ん?よ、黄泉川っ!?何でここにいんだよ!」

黄泉川「何ではこっちのセリフじゃん?まさか今回の騒動……」

浜面「んなわけあるかっ!そういうアンタは仕事か?」

黄泉川「格好見ればわかるじゃん。とは言ってもネットワークが混乱していて殆ど統率も取れていないからほぼ自主行動だけどな」

鉄装「一応学び舎の園に駆け付けたメンバー同士ではハンディレシーバーで連絡を取っていますけどね」

浜面「……一つ協力してくれないか?」


黄泉川「その様子だと何か知っているんじゃん?」

浜面「ああ、奴らは今キャパシティダウンっていう能力者の演算を邪魔する音波みたいなものを出す機械を使っている。大掛かりな装置だからおそらく車とかに積んであると思うんだが、そいつを見つけ次第破壊していってほしい」

食蜂「さっきのスキルアウトから少しだけ読み取れたんだけど、この学び舎の園の全域をカバーできるように複数設置しているみたいなのよお」

黄泉川「わかったじゃん。今仲間にも連絡する──」


不良H「させねーよっと」ギィン

浜面「!?誰だ!」

不良H「俺が誰かなんてどうだっていいことだろう?」


黄泉川「くっ!ハンディレシーバーが通じない……!」

鉄装「あ、あの子、この間拘留場に入れたことじゃないですか?」

黄泉川「あの電磁気使いか!能力で電波妨害ってことじゃん」

美琴「面倒そうなのが来たわねっ!」バリリリリッ

 美琴の電撃に対して不良Hは右手の三本の指を差し出し、その中指の方向に電撃が逸れる。

美琴「電磁気使い……、面倒ね……!」

不良H「ん??あの時のツリ目の姉ちゃんとは違うのか?でも似てるなあ。でももっとグラマスだったような……」

美琴「決定!殺す!」バリリリリッ


不良H「当たらんってば」

美琴「くっ!」

浜面「おい、妙じゃねえか?」

黒子「ですわね……」

美琴「なにがよ」

黒子「今はキャパシティダウンの影響下なのにどうして能力を平然と使っていられるのでしょうか?お姉さまでさえちゃんと制御できていないのに……」

美琴「た、確かに」

半蔵「……恐らくあの耳につけている機械だ。あれからキャパシティダウンを打ち消す音波か何かが出ているんだろう」

不良H「大・正・解!でもどうする?わかったところでレベル0共に何ができるんだ?鉛玉ぶち込もうったって、俺っちの能力で……」ニヤニヤ

浜面「……」バンバン

不良H「ごふっ!?」

浜面「ごめん、これゴム弾なんだわ」

不良H「そ、そりゃないぜえ……」ドサッ

まーた浜面か

おやすみッス

復活したのかー
近いうちにあげたいですね

今晩更新(したい)

ささ、始めますか~

* * *


浜面「そんじゃあこいつらの拘束は任せるわ」

黄泉川「任されたじゃん。それでお前たちはキャパシティダウンの破壊に向かうんだな?」

浜面「ああ、仲間を待ちたいところだが早めに行動しちまった方がいいかもな」

不良H「……」

不良H「……」ピクッ

不良H「……まだ終わりじゃねえぞ」

浜面「こいつまだ意識が……」

不良H「まだ終わりじゃねえぞぉぉ!出て来いやテメエらぁ!」

 不良Hの怒声とともにあちこちからスキルアウトや不良Hと同じく耳に機械を付けた男達が現れた。

美琴「まだこんなにっ!」

不良H「くかか……形勢逆転だなっ」ギィィィン

浜面「しまっ……!」

 浜面が不良Hの耳から機械を取り外そうとした時にはすでに遅く、能力でレンガ舗装の道を突き破って出てきた水道管が辺りを水浸しにする。
 そしてその隙に不良Hは拘束を解いて仲間の方へ脱出する。

不良H「さあ、数の暴力で圧倒しちゃうぜえ☆」

浜面「……何を言っているんだ」

不良H「ひょっ?」

浜面「俺のバトルフェイズはまだ終了していないぜ!」

不良H「な~に言ってるだ」


ズドォォォォンッ!!


 爆発音とともに崩れ落ちるレンガの塀。その向こうには道を埋め尽くすバン車とトラック。そして荷台に仁王立ちで緑色の光の玉を出している茶髪の女。

浜面「数の暴力?まだ学び舎の園に何人お前らの仲間がいるか知らないが、数なら互角なんじゃないのか?」

不良H「ぐっ……!」

浜面「そんで──」


浜面「──質なら負けないぜ?」


麦野「は~ま~づ~らぁぁぁぁ、助けに来てやったぜぇぇぇぇ」ニヤァァァッ

浜面「敵より怖いっ」

半蔵「つーかその塀の修繕費どうすんだよ」

浜面「麦野全持ちに決まってんだろ……」

半蔵「はぁ……、派手な登場は脇役のやることじゃねえってのに。キャラじゃねえなあ」

絹旗「はぁ~、ここが噂の学び舎の園。超きれいなところですね」

滝壺「ぐーすかぴー」

婚后「な、何ですの貴方たちは!?」

麦野「あ~ん?助けに来てやったのに何はねえだろお嬢サマよぉ」ギロッ

婚后「た、助けに?」ビクビク

美琴「アンタら……」

麦野「レェェェルガァン、何こんなザコ共に苦戦してんだよ」

美琴「むっ、仕方がないじゃない。アンタだって聞こえてんでしょこの音」

麦野「あ~?キャパシティダウンだっけか?確かにこれはウゼエな」

不良H「お~い、俺っち無視して話し続けてんじゃないよ~?」

麦野「あん?誰だこの短小顔は」

不良H「た、短小……!?」

麦野「てめえがリーダーっぽいな。オイ、この音ウゼエから止めろ」

不良H「は、はあ?んなことするわけないっしょ」

不良H(さっきの爆発がこの巨乳の能力だとするとレベルは少なくとも4……。面倒な増援だなあ……)

不良I「ここは取りあえず引き上げようぜ」

不良H「……そうだな」

麦野「……あの後ろのバンか」

不良H(ああ~、もうばれちったか)

麦野「オラァ!!」キュイーン

不良H「……っ!」ギュイン

麦野「原子崩しを、曲げた?」

不良H「さっきの威力、キャパシティダウンの影響下にしては威力がでかいと思ったけど、まさかの原子崩し(メルトダウナー)ですかい……」

不良I「何、第四位だと?」

スキルアウトT「まじかよ……」

不良H「そうと分かればとっとと撤退だな!行くぞお前ら!」ダッ

麦野「チィッ」キュイン

不良H「うわわっち」ギュガッ

麦野「クソがっ!」

不良H「ふう危ない。電気攻撃と違って直線的で曲げにくいなぁ。さあ、おいとまさせてもらうよっ!」ダッ

 先ほど壊した水道管の水しぶきを浴びながら不良たちは撤退していく。
 慌てて浜面がグロックを構えて引き金を引く。
 放たれたゴム弾は惜しくも直撃せず、不良Hの耳を掠める。それによって不良Hの耳からヘッドホンのような装置が外れ、崩れ落ちたレンガの道路の下の方へと転がり落ちていった。

不良H「くそっ!だが、まあいい!あれの替えはいくらでもある!」

麦野「おいレールガン!テメエの電撃はあのバンまで届かねえのか!」

美琴「今の威力じゃ無理よ!」

麦野「チッ、使えねえ!」

浜面「麦野、下がれ!」ダダダダダンッ

 浜面がグロックを連射するが、ハンドガンの精度ではなかなか当たらない。

浜面「クソッ!」

 このままでは逃げられてしまう、あきらめかけたその時、


湾内「えいっ!」

 ついさっきまで地面にへたり込んでいた湾内が、いつの間にか瓦礫の奥底から見つけ出したヘッドホン状の装置を耳につけて、手を振るっていた。
 その動きに合わせるように水道管から噴き出た水が踊り、不良、スキルアウトの一団に向かっていく。


不良H「おい!」

不良I「わかってる」グオッ

 不良Iの手に合わせて水の鞭が地面に叩き落される。それは不良たちの足元に水溜りを作っただけでダメージにはならなかった。

不良I「残念だったな」

美琴「いえ、十分よ」バチバチバチッ

不良H「……!オイ!」

美琴「遅いわ!」バチチチチッ

 放った美琴の電撃が水の鞭状に不良の足元に伸びた水溜りを伝っていく。

不良I「ぐああぁぁぁっ!!」バリバリバリッ

スキルアウトT「クソッ!」

麦野「どぉこ見てんだ?」ニヤァ

スキルアウトT「いつの間にっ……!」

麦野「たった今だよォっ!」ドンッ

スキルアウトT「ごふっ!?」ゴロゴロッ ドサッ

浜面(で、た、よ、麦野の超体力)

美琴(私も蹴られたとき軽くバウンドしたしね)

麦野「ん~こいつを付ければこのウゼエ音が消せんのか?てか、さっきの電撃でこの機械死んでねえだろうな」

 麦野はスキルアウトTの耳から片耳ヘッドホンのような機械を取り上げ自分の耳に装着する。

不良H「しまっ──」

麦野「だからおせぇっての」キュウン キュガァッ

 レベル5の力を取り戻した麦野のビームは不良Hの能力の介入ももろともせず一直線にバン車に届き、そして爆炎とともに文字通り消滅させた。

婚后「……」

湾内「……え」

泡浮「……えぇ?」

黒子「ですの……」

 レベル5の威力というのは美琴のレールガンで何度も見てきた。のだが、単純に攻撃の威力に関して上である麦野の能力を目の当たりにして流石の常盤台の面々も言葉を失う。

麦野「あ゙~調子ワリィ」

 その一言で、次こそその場にいた全員が戦慄した。

* * *


浜面「麦野があのバンをぶっ壊したからこの辺では能力を使えるはずだ」

食蜂「あら、本当ね」

黒子「しっかりと使えますわね」

浜面「ただしまだほかの場所ではキャパシティダウンの影響下の区域が多い。だからこれからはうちのスキルアウトと常盤台の能力者のセットで行動してくれ」

黒子「わたくしたちがこの山猿たちとですの?」

 黒子は心底嫌そうに辺りを見回す。確かに周りにいる不良たちは普段山猿と呼んでいる上条当麻以上に山猿かもしれない。

美琴「ちょっと黒子」

黒子「はぁ、わかってますわ。今はそんなこと言ってる場合じゃありませんものね」

食蜂「でも他のキャパシティダウンとかいうのはどうやって見つけるのかしらぁ?私の能力で他の娘達を操って探すことはできるけど、“私はここで能力は使えるけど、あの娘達はその場ではキャパシティダウンの影響下にある”から危なくて行動させられないわぁ」

美琴「あら、アンタでもさすがに他人の心配はできるのね」

食蜂「さすがにひどいわぁ」シクシク

浜面「それは大丈夫だ」

 そう言って浜面はハンディレシーバーを取り出した。

???『みなさん、聞こえてますか?』ザザッ

美琴「この声……!」

黒子「初春ですの!?どうして山猿の無線に?」

初春『先ほどアクセラレータさんに周波数の書いた紙を渡されたんです。私が学び舎の園に設置された監視カメラにクラックしてバンの位置を割り出しますので指示に従ってください』

浜面「というわけだ。お前ら話は聞いてたな?」

味方スキルアウトD「勿論だよ」

黒子「わかりましたわ」

半蔵「抜かりなくいくぞ」

湾内「が、頑張ります!」アセアセ

美琴「アハハ、湾内さんは無理しなくてもいいのよ?」

湾内「いえ、わたくしも皆さんのお役に立ちたいんです!」

婚后「御坂さん、先ほど活路を開いたのは湾内さんですし、戦力としても申し分ないと思いますわ」

美琴「……そうね。頑張りましょう湾内さん!」

湾内「は、はいっ!」パァッ

泡浮「わたくしも参加しますわ」

浜面「よし、それじゃあ──」


黄泉川「ちょっと待つじゃんよ。アンチスキルの立場としてこのまま黙って見過ごせると思っているのか?」

浜面「なっ、そんな場合じゃ……」

黄泉川「他のアンチスキルに間違えられたらどうするつもりじゃん?電波が復活しているのもこの周辺だけで、お前たちのことを伝える手段がない。だからこいつを付けて行くじゃんよ」

 そう言って黄泉川が差し出したかごの中には大量の腕章があった。しかしそれはジャッジメントのものではなく、アンチスキルのものだった。

黄泉川「私服巡回中の時に使う腕章だ。今からお前たちスキルアウトはアンチスキルの研修生だ。学び舎の園に居座ってるバカどもを制圧する目的に限って戦闘を許可するじゃんよ」ニヤッ

浜面「……りょぉかい」ニヤッ

浜面「よし、それじゃあテメエら──」

滝壺「はまづらはまづら」ツンツン

浜面「ってなんだ滝壺?寝てたんじゃないのか?」

滝壺「なんか、へん」

浜面「変って何がだ?」

滝壺「AIM拡散力場の流れが、生まれてる」

浜面「……ワリィけど俺にはAIなんとかってのもよく分かってないんだが」

滝壺「流れが、一方向にあつまってる」

 そう言って滝壺が振り返ったその先には

浜面「なんだ、あれ……」

美琴「あれは……!」

 青白く光る何かが遥か先に見えた。
 滝壺が浜面の袖をクイクイと引っ張った。

滝壺「あれ、ほうっておくとまずい」

美琴「……あそこには絶対あの馬鹿がいるはず……!」

浜面「まずいってどういうことだよ!?ってか何であそこに大将がいるってわかるんだ!?」

 状況を飲み込めていない浜面だが、しかし、今自分はあそこに行くべきなのだろうということだけは理解できた。
 確認の意味も込めて麦野の方を振り返ると、麦野は一々聞くなといった顔で、手で払うモーションをした。

浜面「わかった滝壺、行くぞ」

滝壺「うん」

美琴「ちょっと、私も連れて行きなさいよ!」

 そうして三人は車に乗り込み、光の方へと向かっていった。

 
 残るは、あと一人

さて、ここで常盤台中学校Sideは終わりです
本来なら次は、上条さん達の『第七学区のとある高校Side』の場面なんですが、さすがに一方成分が少なすぎるので……
ちょっとだけ挟みます。

時系列的には、柵川中学校Sideと常盤台中学校Sideが同時で、第七学区のとある高校Sideが少し遅れてます。
遅れの分の時間で一方達がしていたことがこの後書く部分です。


──第七学区の廃止された研究所

 長い間放置され埃の積もった研究室に一人の男が座っている。
 座っている、という表現が正しいのかはわからないが。

 何故なら男は、車椅子のようなものに座っているようで、実は“下半身そのものが車椅子のような機械でできていた”。
 下半身がないのは、ある時拳銃で腹部を撃ち抜かれ、神経が駄目になり切断する羽目になったからだ。

 男は笑っていた。
 己の研究が今まさに成功しようとしているのだ。

 予算が下りず、同僚に出し抜かれ、己の立場を失いそうになり、起死回生を狙うもたかが一学生に阻まれてしまった。

???「だがっ!そんなことはもうないっ!今度こそ、今度こそ完璧だっ!」

???「木原幻生!貴様でも成し遂げられないことを!俺が成し遂げてみせるっ!」


一方通行「なァに一人で叫んでんだテメェは?」

???「なっ」

一方通行「相変わらず三下未満だなァ、天井クンよォ」


天井「……アクセラレータか。また邪魔をしに来たのか?」

一方通行「それ以外に何かあると思うのか?」

天井「……ククッ……クカカカッ……」

一方通行「ンだァ?急に笑い出しやがって気持ち悪ィ」

番外個体(お前が言うな、っと)

天井「止める?止めるだとぉ!?無理だ無理っ!!今回ばかりはお前にも無理だよアクセラレータッ!!」

天井「お前は、学園都市の200万のAIM拡散力場に一人で勝てるというのか?」


一方通行「名演説の途中だがちょっといいかァ?」

天井「……なんだ」

一方通行「オマエ、さっき木原幻生を超えるみたいなこと言ってたけどよォ……、テメエが参考にした木山春生の論文と報告書があるよなァ」

天井「な、んでその事を!?」

一方通行「知り合いにそりゃァハッキングの特異な女がいるンだよ。……ンでだ、その木山春生ってのは木原幻生の弟子だぜ?それで超えるとかなんとかよォ……」


一方通行「ば~~~っかじゃねェの!?」


天井「ぐっ!!」

一方通行「そンなンじゃァ、一生かかっても超せねェよォ!」

天井「く、糞がぁぁっ!こいつを見てからもそんな口が利けるかぁぁぁっ!!」


 壁と天井を突き破って現れた球体。その頭上(?)には光る輪のようなものが浮いていた。

今日はここまでッス

次は第七学区のとある高校Sideッスね

再び、長い間更新が途絶えてしまい申し訳ないです。
実は私引っ越しまして、まだインターネットが繋がっていない状態なんですね。
四月は非常に工事以来も多いようで、中々開通しない日々です。
書き溜めは行なっていますので、再開したときはよろしくお願いします。

一応、書き溜めは完結しました。
今日投稿するか、後日にするか…

今日投稿してくれるとおじさん嬉しいよ?

>>536-540
乙コメありがとうございます
>>545
スマンのおじさん。テザリングなるものの使い方が分からなかったんじゃ

というわけで、回線がつながるのが待てないので、テザリングを駆使して投稿したいと思います!!

* * *



──第七学区のとある高校Side──


吹寄「上条!これはどういうことだ!またお前が何かやったのか!?」

上条「問題事があったらとりあえず俺疑うのやめてくれない!?」

上条(その可能性が高いんですけどね!!)

土御門「取りあえず分かっているのは、襲撃者は能力者の奴らだってことだ」

吹寄「なぜ能力者がうちの学校を襲っているんだ!誰か恨みをかうことでもやったのか!?この3馬鹿共が!」

青髪ピアス「なんでボクらで決定なん!?きっとカミやんの痴情のもつれが原因や!」

土御門「あり得るにゃー」

上条「なんでだよ!」

 能力者の襲撃を受けた学校は騒然としていた。この学校に在籍する生徒のほぼ全員が無能力者であることに加えて、アンチスキルに勤務している教員がまとめて外の仕事で不在であることが生徒たちの不在を加速させた。

青髪ピアス「しっかし、わざわざこんな学校襲って何がしたいんやろなあ?」

 恐らく理由などない。暴れたいから暴れる、そういう単純な思考に付け込んだのが今回の黒幕だ。制御する必要のない雑兵を大量に作り上げたのだ。

上条(敵の数や能力もちゃんとわかっていないから迂闊に動くべきじゃないか……)


校内放送『生徒の皆さん聞こえますか。現在大変危険な状況です。皆さんは速やかに体育館に集合し、教員の指示に従ってください』


上条「なっ!?」

土御門「馬鹿が!この状況で迂闊に教室から出させるな!それにこの放送は能力者どもに丸聞こえなんだぞ!体育館が危険になっただけだろうが!」

青髪ピアス「アンチスキルに所属している先生たちがいないあからなあ、判断力に欠けるのしか残っとらんのや!」

 三人の心配をよそに生徒たちは次々と教室を飛び出していってしまう。

上条「おい待てよお前ら!」

青髪ピアス「だめや!みんな冷静やない!」

吹寄「どどど、どうするのだ上条!?」アセアセ

上条「ま、まずお前が落ち着け」

上条(しかしどうする!?もう俺たちが声をかけたところ止まる勢いじゃねえぞ!)

土御門「カミやんどうする!?こもままじゃあ……!」

上条「全員に話を聞かせるなんてもう一度全校放送を流すぐらいしか……!」

上条「……そうか!」

 当麻は思い出したように携帯電話を取り出して、ある女性に電話をかけた。

上条(あんまりあの人には頼りたくないんけどな……、今は頼むから出てくれ……!)

???『──おや、上条当麻か?』

上条「雲川先輩、頼みがあるんだ!」

土御門(雲川芹亜か……!)

雲川芹亜『言わなくても要件は分かっているさ。全校放送をかけて欲しいのだろう?』

上条「あ、ああ!話が早くて助かる!」

雲川芹亜『ふふっ、こういう時は先輩を頼るの遠慮はいらんさ』

雲川芹亜『それよりも、このゴタゴタが済んだら一発付き合ってもらうぞ?』

上条「一発ってカラオケとかか?まあそれぐらいなら……」

雲川芹亜『ふふ……まあカラオケででも構わないさ。それじゃあな』プツッ

上条「カラオケ“で”でも?……時々変なこと言うけど、いい先輩であることには変わりないか」

青髪ピアス(カミやん……)

土御門(電話の内容は聞かなくてもわかるにゃー……。これでも分からないカミやんは何なんだ……)


校内放送『ん゙ん゙っ、あー、聞こえるか全校生徒の諸君。今体育館に行っても危険なだけだぞー?さっさと教室に戻りたまえ』


ザワザワ

ナニナニドウイウコト

ドウスリャイインダヨ!

上条「よ、よし!今なら!」

土御門「お前ら放送が聞こえなかったのか!すぐに教室に戻れ!」

 生徒たちが慌てて教室に戻り始めたとき、廊下に轟音が響き渡り、窓ガラスが次々と割れていく。

クラスメイト女「きゃあああっ!?」

クラスメイト男「何だ!?」

青髪ピアス「な、何だか分からへんけどみんなすぐ教室に入るんや!」

上条「能力者か!?」

土御門「ああ、恐らくな」


発火系能力者「ん~?ここだっけか?例の奴がいるって噂の学校は」

念動力系能力者「あくまで噂よ?」

精神干渉系能力者「噂がウソだったら帰るのカ?」

発火系能力者「いやいや、せっかくだから暴れて帰ろうぜ?それにまだ噂がウソだって決まったわけじゃない」


吹寄「な、何だ貴様たちは!これは学校への不法侵入、異物破損に当たるぞ!即刻出て行け!」

発火系能力者「お、じゃあそこの巨乳の娘でいいや。あのさあ、俺たち噂でこの学校に学園都市第一位の能力者を倒した無能力者がいるって聞いたんだけどさ。誰の事だか知らない?」

上条「……!」

吹寄「が、学園都市第一位?」

発火系能力者「そうだ。その第一位を倒した奴がこの学校にいるっていうんだが知らんか?」

吹寄「この学校に……?」

発火系能力者「知ってるのに隠そうとすんだったら容赦はしねえぞ?」

精神干渉系能力者「イヤ、恐らくそいつは何も知らン」

念動力系能力者「あら?あなた、相手の考えを読むことなんて出来たかしら?」

精神干渉系能力者「イヤ、最近少しだけできるようになっタ」

念動力系能力者「あら、おめでとう」

発火系能力者「な~んだいねえのか。なんか萎えたな」

念動力系能力者「あら、帰るの?」

発火系能力者「だって萎えたし」


上条(帰ってくれそうか……?)

土御門(まだ油断はできない……)


念動力系能力者「あらそう。でも私はちょっと暴れてから帰りたいわ」

上条「……!」

発火系能力者「なんだ?あの巨乳の娘に嫉妬でもしたか?」

念動力系能力者「……」ピクッ

発火系能力者「ブッ、図星かよ!」ゲラゲラ

念動力系能力者「チッ!」イラァ

念動力系能力者「ちょっとあなた、こっち来てくれません?」グイッ

 そう言って女の能力者が手を引き寄せるモーションを取ると、直接触れられていない吹寄の体が引きずられるようにして女能力者の方へと向かっていった。

上条「っ!待てっ!」ダッ

念動力系能力者「邪魔よっ!」ヒュンッ

 もう片方の腕で女能力者は机を浮かせ、当麻の方へと投げつけた。

上条「っ!」

 とっさに右手を構えるが、能力がかき消されるような様子はなく、初めの勢いのまま腕に激突し、腕をつっぱていたため肘関節から嫌

な音がした。

上条「がぁっ!?」ドサッ

土御門「駄目だカミやん!あいつの能力は、浮かせて投げるまでだ!飛んできた机にはもう能力が働いていない!」

発火系能力者「なんだよ~、お前が暴れんなら俺も暴れよっと」

精神干渉系能力者「俺の能力はそういうのには向かなイ」

土御門(どうする……!?流石に能力者三人相手に素手は危険だ。とは言ってもクラスメイトの前で魔術なんて論外だ)

念動力系能力者「さあてどうしてくれようかしらねこの牛チチは……。もごうかしら」イライラ

発火系能力者「ぶっは!もぐっておまっ!そんならその前に一旦貸してくれよ。俺らで回した後でもいいだろ?」

念動力系能力者「めんどくさいわね~」

発火系能力者「いいだろ別にぃ。ああそうだ、撤退前にこいつら全員焼いちまっていいだろ?」

クラスメイト達「「!?」」

念動力系能力者「焼くって……、さすがに殺しちゃだめよ?」

発火系能力者「分かってるって。ちょっと熱いだけだからよ」ニヤッ

土御門(……カミやん!今や!教室全体に炎なんて放たれたら流石にお前の右手でもカバーできん!発火点に右手をブチ込め!)

上条(ああ!)

上条「うおおおぉぉぉっ!」

発火系能力者「っ!?」

 当麻は拳を握りしめ発火系能力者のもとへ一気に駆け寄り、その拳を振るう。
 しかしその拳は相手へ届くことなく“横へと流れていく”。いや正確には“当麻の体ごと横に飛ばされた”のだ。

上条「がっ……はっ!?」

精神干渉系能力者「読めてましたカラ」

上条(なんで……俺の思考まで読めるん、だ……!?)

土御門(右手が効いていない!?……いや、俺の方の思考を読んだのか!!)

精神干渉系能力者「サテ、私まで丸焦げにされたくないので撤退させていただきマス」

発火系能力者「そんじゃあ、そろそろ……」


上条「っ!おおおおぉぉぉっ!!」


発火系能力者「チッ、しぶといな糞が!」

念動力系能力者「私に任せて」

 立ち上がる当麻に一つ、二つと机が飛び交う。当麻はその一つ一つを、体をひねり、伏せ、飛び、多少はカスリはしながらも避けてい

く。

念動力系能力者「やるじゃない!」

上条(ビアージオの十字架(メノラー)に比べりゃ楽勝だぜ!)

念動力系能力者「じゃあこれならどうかしら?」

念動力系能力者「じゃあこれならどうかしら?」

 そう言って右手をかざした先では“何か”がメキメキと音を立てる。
 その何かとは、

上条「ま、さか……」

念動力系能力者「“壁ごと”なら避けられないでしょう?」メキメキバキッ

 そうして、“能力によってもぎ取られた教室幅の壁がそのまま教室の幅に沿って上条達クラスメイトの方に迫る”。器用に襲撃者三人

と吹寄のスペースだけを空けて。

発火系能力者「ははっ!さっきまで殺すのは駄目とか言ってたやつの攻撃かよ!」

 すでに能力によるものではなく、慣性の法則にしたがって進み、摩擦によって微々たる減速をしながら壁はクラスメイト達に迫る。器

用なもので、面白いぐらいまっすぐに、倒れることなく飛んでいた。

上条「く、くそぉぉぉっ!」

 
 当麻が叫び、そして土御門のアロハシャツの内ポケットが光るまで一秒。

 そして、教室を轟音と閃光が包むまでさらに一秒。


雲川芹亜「やれやれ、これは貸しだぞ土御門元春」


 そして壁の砕けた瓦礫の上に、雲川芹亜が現れるまでには十秒も経過していた。

上条「雲川、先輩……?」

 未だに謎の閃光と轟音で明瞭になっていない目で、その女を捉える。

雲川芹亜「まったく、私に貸しを作るとは土御門元春もまだまだだな」フッ

上条「土御門がなんだって──って、大丈夫か土御門!?」

 ハッと後ろを振り返ると、そこには全身血まみれで倒れた土御門の姿があった。
 クラスメイト達の視界も徐々に戻ってゆき、そしてその血だまりを見て悲鳴が飛び交う。

クラスメイト女「キャアアアッ!?」

青髪ピアス「な、なんやこれ!?カミやん、いったい何があったんや!?」

上条(これは魔術を使った代償だの傷だけど……、そんな説明をするわけにはいかないしどうする!?)


雲川芹亜「あ~これは、土御門がお前たちを庇ったんだ。ちなみに能力者どもは崩れた壁に巻き込まれて自爆したぞ?すぐに命に係わる状態じゃないとはいえ重症だ。誰か救急車を呼んでやれ」



* * *


上条「え、えっと雲川先輩……」

雲川芹亜「まったく、私のスタングレネードが無ければ今頃土御門のアレはクラスメイト全員に見られてしまうところだったぞ」

上条「……先輩はどこまで知っているんですか?」

雲川芹亜「さて、何のことやら。それよりもまず片づけなければならない事があるぞ」チラッ

吹寄「っ……」ビクッ

上条(吹寄だけには見られた、か……)

吹寄「か、上条……、さっきのは何なんだ?土御門は能力者だったのか?」

上条「……」

吹寄「こ、答えられないのか?」

上条「……あれは、能力じゃない」

吹寄「能力じゃない……?じゃあ一体……!?」

上条「それは──」


土御門「カミやん、あとは俺に任せてくれ」


上条「土御門!?お前、まだ動いたら駄目だろうが!」

土御門「俺は大丈夫だ。それよりも携帯電話がさっきから鳴ってるぜぃ?」

上条「っ!本当だ……」パカッ

土御門「今時ガラケーとは貧乏だにゃー」

上条「う、うるせいっ!今の時代はガラケーとスマホの二台持ちが主流なんだよ!」

土御門「で?そのスマホは?」

上条「あーもしもし?」

土御門「逃げたにゃー」

吹寄「逃げたな」

土御門「……」

吹寄「……」

土御門「……吹寄には後で説明する」

吹寄「わ、分かった……」


上条「浜面か?どうしたんだ?」

浜面『た、大将!急いで来てくれ!』

上条「急いでってどこに!?」

浜面『外に出ればわかる!』ブツッ

上条「あっ、おい!……切れちまった」

上条「外、だって?」

 そうして当麻が外を見ると、ソレは目に映った。

上条「なっ!?あれは風斬か!?いや、それにしては……」

吹寄「か、上条!どこに行く!?」


上条(なんだって“天使”がこんな所に!?)


* * *


──第七学区の廃止された研究所


一方通行「クカカカッ、なんだその球体はよォ?俺が見たのはもっと人の形をしていたたぜェ?」

天井「黙れ。形などどうでもいい。今重要なのはこいつが私の制御下にあるということだ」

一方通行「なんだと……?」ピクッ

 確かに目の前の球体は壁を突き破ってから微動だにしない。すぐ下にいる天井のことも気にかけていないような様子だ。

天井「木山春生の事後レポートによると、学園中のAIM拡散力場を一か所に凝縮することで莫大な力を有する生命体のようなモノが生じ、AIM拡散力場の集合体は己の制御を離れて自我を有するように見えた、とある」

天井「木山春生の研究はあくまで樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)の代替品の製造だったようで、こいつはただの副産物。制御する術など考えるどころか、そもそものイレギュラーだ。あっけにとられて終わったに違いない」

 そこで一呼吸おいて天井は「だが」と切り出す。

天井「あらかじめ起こる事象が分かっているならば恐れることなどない。イレギュラーを知っている科学者にできないことなどないのだよ。かかる時間がどうかは置いておいて、必ず真実に辿り着ける」

天井「どうだアクセラレータ。もう一度聞くぞ?お前は、学園都市の200万のAIM拡散力場に一人で勝てるというのか?」


一方通行「ハッ、本当にオマエ如きに制御ができているなら、ちったァビビったかもなァ」

天井「強がりはよせアクセラレータ」

一方通行「強がりかどうかはいずれ分かるさ。少なくとも今まで俺が見てきた“ソイツら”は人間一人に制御できるようなモンじゃなかったがなァ。精々暴走しないように祈っておくんだなァ」ニヤ

一方通行(まァ、天井クン製のポンコツであろうと普通にやったら勝てない相手だってのは分かってる)

番外個体(どうすんのさ)

一方通行(どォするもこォするも……)

 アクセラレータは自分の首元の電極のスイッチにてを伸ばす。

一方通行「アレが動く前に片付けてやンよォ!見る限りまだ完成ではないみたいだからなァ!」ドォッ

 アクセラレータが地面を蹴り、天井が瞬きをした時には既にアクセラレータは球体を自分の体で突き破っていた。

天使?『ギ#ィ2&”ッ?』グチャァ

天井「チッ、相変わらず規格外な奴め……!」

天井「だが、そんなものでこいつは壊れはせん!」


一方通行「ンなことは分かってる。壊れるまで壊すンだよ」


* * *


一方通行「ゼェ、ハァ……」

天井「ば、馬鹿な……!未完成とは言え、ここまで一方的に……!」

一方通行(クソッ、負ける気はしねェがその逆もだ。このままじゃァバッテリー切れに追い込まれちまう)

一方通行(俺もあの状態になれりゃァ世話ないンだが、なろうと思ってなれるもンでもねェ)

番外個体「むぅ~、ほとんど不死身じゃんかアイツ~。ミサカもいい加減疲れてきた~」

天井「ふ、ふふ、そうだ!こいつは不死身だ!こいつを止めるには学園都市200万の能力者を殺すことでもしなければならんなあ!」

一方通行「チッ、めんどくせェ。外の騒ぎも収めなきゃならねェッてのによォ」

天井「外の騒ぎねえ。彼らはいい仕事してくれているよ全く」

番外個体「ん?どゆこと?」

一方通行「説明が面倒クセェ。自分で考えろ」

番外個体「え~、ケチ~」

天井「別にいいだろう一方通行。私の偉大な研究成果を説明してやってくれたまえ」

一方通行「うぜェ……。が、まァいい。一回だけしか言わねェからよく聞け」

一方通行「散々言っている通り、ここ数日の事件は全部そこにいる三下が扇動したモンだ。学園都市中の能力者が一斉に能力を使う状況が欲しかったみてェだな」

番外個体「そうするとどうなるの?」

一方通行「AIM拡散力場はわかるな?」

番外個体「能力者が無意識のうちに出している微弱な力だっけ?」

一方通行「そォだ、黙っていいても出ているが、能力使用時にはその量が格段に増す。学園都市中を漂っているAIM拡散力場の濃度を増すことで、この化けモンを練り上げたってカラクリだな」

番外個体「AIM拡散力場だけであんなものが作れるわけ?」

一方通行「……前例もあンだよ」

番外個体「?」

一方通行「まァいい。とにかく、あの三下は学園都市中にキャパシティダウンとか、パワードスーツ系のおもちゃをばら撒くことでスキルアウト共を暴徒化、そンで、能力者との対立構造を作って争わせることで、AIM拡散力場を活性化させたってことだ」

番外個体「なるほどね~。……でもあのオッサン、一度研究に失敗した上、死亡扱いだったんでしょ?どこからそんな予算が出てきたんだろ」



美琴「──そんなの簡単よ、“外”と取引したってこと」

番外個体「あり?おねーたまじゃん」

 さっきまで三人の姿しかなかった研究所のホールには、いつの間にか美琴の姿があった。

一方通行「第三位……、てめェ、どうしてここに……」

美琴「これだけ光ってれば誰でも気になるわよ。それに、詳しい位置はこの娘がね」

滝壺「ん、あくせられーた」

浜面「という訳だ」

一方通行「チッ、ぞろぞろと来やがって」

天井「ふむ?虫が数匹増えたみたいだが、まあいいだろう。それで?レールガン、俺の資金がどこから沸いてきたのか推理を聞こうじゃないか」

美琴「わたしのことを……、やっぱりあなたはあの計画の関係者なのね」

天井「今はそんな話をしていないのだが?」

美琴「……決定ね。事が済んだら殴らせてもらうわ」

美琴「それで、あいつの資金源のことだけど、ここ最近の不振な流通データとかをクラックしてみたから大筋はわかってたわ。要するに

学園都市では型遅れのガラクタを“外”に向けて売りさばいたのよ」

美琴「学園都市では研究が遅れたり、求められる研究ができないようなところは次々とつぶれていくわ。そうなった研究所は設備も何も

かも置いて空になることが多いわね。あいつはそんなものを売りさばいて金を造ったみたいね。こっちではガラクタでも“外”では最新

だもの、高くついたんでしょうね」

美琴「もちろんそういった事が起きないように学園都市の検閲は非常に厳しいわ。だからある程度稼いだところで、残りのガラクタを他

の証拠ごと倉庫と爆破したんでしょうね」

番外個体「ああ、あのニュースでやってた倉庫の爆破事件ってそのこと」

天井「……驚いたな、完璧だ」

天井「そこまで知られてると、生きて返すわけにはいかなくなるな」

浜面「いや、そもそも生きて返すつもりなんてねえだろ」

天井「くははっ……、まあな!」

 天井の声と共に、再び天使らしき物体が動き始めた。


天使?『ギュ*@”ァァ。ァ+ッ!!!』


浜面「どわあぁっ!?俺の出る幕ないんじゃねこりゃ!?銃なんか効かねえだろ絶対!」

美琴「確かこいつみたいなやつと前に戦った時は、三角柱の核診たいのをぶっ壊したら倒せたわ!」

滝壺「ほんとだ、まんなかに力場の圧縮された部分がある……」

一方通行「そいつをぶっ壊してとっとと終わらせんぞクソがァッ!」ギュアッ

美琴「体のどの辺よ!?」

滝壺「……だめ、なんか絶えずぐにゃぐにゃ移動している」

一方通行「欠陥品だからこそか、メンドクセェ……」

美琴「それならっ……、これでどうかしら!?」バチチチチチッ

 美琴の放った超強大な電撃は、巨大な天使のような物体を包み込む。
 しかし、爆音と閃光の後見えたのは、表面が焦げ、肉の腐臭を漂わせながらも何食わぬ顔でいるソレだった。

美琴「やっぱり“点”の攻撃じゃないとダメージにならないってことね……」

一方通行「かと言って、見えねェ動く核には当たらねェ」ギュイン

天井「ふはははっ!どうしたどうした!レベル5が二人いてそのザマかっ!」



天使『───=====#”&ァァァァァッ!!!!』

浜面「な、なんかあの化けモン、さっきよりでかくなってねえか!?」

天井「く、くはは!お前たちのお仲間共が街で暴れてくれてるおかげで、AIM拡散力場の凝縮度が増しているようだな!それにここで戦っ

ているお前たちもなあ!」

美琴「ってことは、私たちが戦えば戦うほど強くなるってこと!?」

浜面「どうすんだよこんな化けモン!」

一方通行「……ッ!オイ、テメェら!ボサッとすんな!」

浜面・美琴「「っ!」」

 天使のような物体の口(?)に光が徐々に集まったかと思うと、次の瞬間それが一気に放出された。

浜面「滝壺っ!」

美琴「ほらこっち!」

 浜面と美琴はそれぞれ滝壺と番外個体を光の軌道からどうにか逸らす。
 光の波動は四人の後ろの壁をやすやすと破壊し、その破片が頭上から降り注ぐ。


滝壺「っ……!」

浜面「滝壺っ!」

 浜面が覆いかぶさるようにして滝壺をかばった直後、こぶし大のコンクリートの破片が浜面の後頭部を打った。

浜面「がっ!?」

滝壺「はまづらっ!」

一方通行「くそがッ!何しにきやがったンだテメェは!」

美琴「っ!次が来るっ!」

番外個体「このまま避け続けてたら、いつか持ちこたえられなくなるね……!早く核を破壊しないとさあ!」バチバチバチッ ギュィンッ

 番外個体は指の間に挟んだ釘を磁力の力で飛ばした。釘は天使のような物体に突き刺さると、その肉片にボーリング検査のように穴を

開けた。
 そこには、三角柱というには歪な何かがあった。

美琴「歪だけど、あれがおそらく核よ!」

番外個体「もう一発!」


天井「──チッ!させるかクソがぁっ!」ドンッ ドンッ


番外個体「……あ、……ぐふっ」ドサッ

 天井のはなった弾丸のうち一発が番外個体の腹部に風穴を開けた。真っ白なアオザイに赤いシミが広がっていく。

美琴「ちょっと!しっかりしなさい!!」

 美琴が番外個体に駆け寄ろうとするも、死角からの模造天使の横なぎの余波に二メートルも横に飛ばされ、肺の空気をすべて吐き出す

と同時に血を飲むことになった。

美琴「ごほっ!げほっ!」

一方通行「クソがァッ!」

 一方通行が鬼の形相で天井に迫るも、天井は余裕の表情を崩さない。


天井「──アクセラレータ、“俺たちが死んだあの日”の続きといこうじゃないか」


 天井がそういった瞬間、アクセラレータは平衡感覚を失い、地に伏したのだった。

* * *


 この感覚には覚えがある。
 演算補助が行われていない状態だ。

 しかし、なぜ?
 わずかに動く眼球をチョーカーバッテリーランプに向ける。
 色は緑、正常に起動している。

 では、なぜ、だ?


天井「シスターズ2万の万が一の暴走や反逆を防止するための総括個体、最終信号、か」

天井「よくできたシステムだ」

一方通行「ま、さか……て、め……」

天井「勘違いするな。お前の大事な大事な最終信号には何もしておらんよ」

天井「あの時私は、司令塔である最終信号にウィルスを打ち込むことでシステムを乗っ取ろうとした」

天井「まあ、お前のせいで失敗に終わったがな」

天井「もう一度同じことをやろうとも、どうせ対策が講じられているんだろう。大方あのカエル顔の医者によってな」

天井「司令塔が使えないならどうする?簡単な話だ、司令塔からその権利を剥奪すればいいのだよ」

天井「司令塔である最終信号がMNWが離脱する唯一の瞬間。それがカエル顔の医者の下でのメンテナンスだ。今日の14:30から、ついさっきからだな」

天井「司令塔がMNWから消えた瞬間にウィルスが起動するようにセットしてあったのだよ。そう、“セキュリティの甘い通常の個体にな”」

天井「内容はこうだ、『司令塔である最終信号がMNWから切断された場合、司令塔の権利を放棄したとみなし、以降その権利をネットワークから削除する』とな」

天井「メンテナンスが終わり、上位個体がネットワーク復帰したとしても、“司令塔という権利自体が消滅したネットワーク上ではいかなる命令も無効だ”。それが、お前への演算補助に関することであってもな」

天井「通常の個体のセキュリティを高めなかったのが敗因だな、アクセラレータ」

天井「もう言っていることも聞こえていないのか?それとも反応したくてもできないのか……。まあいい、どちらにせよお前は邪魔だ。とっとと消して、『木原』への復讐へと向かおうじゃないか」


 

 天井が手を振り上げる。
 模造天使が動く。
 アクセラレータは動かない。
 
 天井が手を振り下ろす。
 模造天子が動く。
 アクセラレータは動かない。

 動かない。



 天子がいつまでたっても動かない。



上条「──間一髪セーフ、か?」

 三ヒーローと、三ヒロイン。
 ここからは反撃の時間。



* * *


 天井は目の前の光景を疑わざるを得なかった。
 自分の最高傑作が、学園都市200万人の結晶が、たった一人の高校生が片手で制止しているのだ。

天井「な、何だ貴様……!どうやって、どうやってこいつを止めているっ!?」

上条「悪いけど俺の右手は特別製でな。能力も魔術も奇跡も、全部ぶち壊しちまうんだよ」

天井「な、何を言っている……!?」

上条(っても、この天使みたいなやつ、触っただけじゃ壊れないか……)

美琴「か、核よ!そいつは三角柱状の核を壊さないと倒せないわ!」

上条「美琴と……そいつはミサカワーストか!クソッ、あんまりもたもたしてる時間はねえみたいだな!」

上条(アクセラレータも浜面も倒れてやがる……。滝壺は戦力にならないはずだし、御坂はワーストの止血で手一杯だし。俺一人で片付けるしかないか……!)

上条「くそっ、核ってのはどこにある!そもそも学園都市中から絶えず力が供給されてる所為で、拳をぶち込んでもすぐに再生する!核ってやつにとどくかも分からないぞ!」

天井「くははっ!せっかくの増援も役立たずか!」

 その場の全員が、打ちひしがれたその時、滝壺がふと顔を上げた。


滝壺「……とま、った?」

美琴「ど、どうしたの?」

滝壺「核の動きが、とまっている……」

美琴「核の位置が特定できるってこと!?」

滝壺「うん、ちょうど、まんなかあたり」

美琴(何で今になって急に……。……もしかしたら、あいつの右手が触れてることが関係しているのかしら?)

美琴「なににせよ場所が分かれば早いわ!」

 美琴は番外個体の止血を終え、ポケットからゲームセンターのコインを取り出し、指ではじき、最大出力の電撃とともに射出した。
 しかしレールガンは数十センチめり込んだところで止まってしまった。

美琴「なんで!?さっきはもっと柔らかかったはずよ!」

滝壺「かみじょうの右手で押さえられてからAIM拡散力場の濃度が増している……。さっきまで流動していたのをせき止めたからかもしれない」

美琴「そんな子といったって、止めておかないと核が狙えないじゃない!」

上条「ぐがが……、お、押さえてんのもかなりきつい……!はやく、核を壊してくれ!」

美琴「くっ……!」



浜面「──狙ってる場所は合ってんだろ!?なら核にぶちあたるまで掘り進めりゃいいんだろうが!」

滝壺「はまづら!?意識が戻ったの?」

浜面「まーな!ただまだ頭は痛むからとっととあいつを倒して病院行くぞ!」ジャキッ

 浜面は肩に下げていた自動小銃を抜くと、美琴が模造天使の腹部に作った窪み目掛けて引き金を引いた。

浜面「おらあああああぁぁぁぁぁっ!!」ドパパパパッ

美琴「それもそうねっ!」ピィン バチバチチチッ

 美琴と浜面の連携に、少しずつ穴は深くなっていった。ソレは悲鳴を上げるも、上条の右手に押さえ込まれ逃れることができないでいた。

天井「な、なにをやっているこのポンコツが!早く動いてそいつらをぶち壊さんか!!」

上条「さ、せ、ねえよおおぉっ!!」ググググッ

天使?『ピィギャァ</:`[ァァッ!!』

浜面「いけるっ!」ドパパパパッ

美琴「はぁぁぁぁっ!」ドギュゥゥン

 そしてついに、核がその姿を現したその時だった。

天井「させねえよクソがぁぁぁぁっ!!!」ドンッドンッドンッ

上条「っ!」

 天井が放った銃弾は、当麻の足を掠めるも、致命傷になるようなものではなかった。
 しかし、バランスを崩したせいで、押さえつけていた右手が離れてしまった。

上条「しまっ──」

美琴「核がっ!」

 模造天使の肉体は再生をはじめ、核は再び流動的に体内を移動しようとしていた。

浜面「クソッ!!」

 美琴がポケットのコインを取り出そうと、浜面がマガジンを取替えにかかるが到底間に合わない。
 しかし、一人、地に伏しながらも拳銃の引き金を引く姿があった。


一方通行「──終わりだ、クソ野郎」



* * *


──天井が上条に発砲する二分前──


一方通行(なにも、できねェ)

一方通行(クソが)

一方通行(いつもの“アレ”はどォした)

一方通行(駄目だ、頭がはたらかねェ)

一方通行(もう、寝るかメンドクセェ)


一方通行(あ?なンだアイツ)

一方通行(大怪我してンのにこっち来てんじゃねェよ。ジッとしてろ)

一方通行(なに額に手なんか当ててンだよ。熱なンかねェぞ)


番外個体「あなたの演算補助は、一万弱のシスターズの脳を並列に繋ぐことで成り立っている」

番外個体「そのシステムじゃ、ミサカ一人じゃどうにかなることじゃない」

番外個体「今のアナタに能力を取り戻すようなことはできない」

番外個体「でもね、指を、引き金を引くために動かさせることぐらいはできる」


番外個体「“今ミサカが持っている演算能力を全部あげるからさ”」



* * *


 乾いた発砲音が、何かが砕ける音が、一度ずつ。
 耳を覆わねば耐えられない断末魔が鳴り響き、それからは覚えていない。


* * *



──二週間後──


カエル顔の医者「やあ、やっと目覚めたかい」

一方通行「……何日経った」

カエル顔の医者「君は二週間寝ていたね」

一方通行「テメェにしては時間がかかったな」

カエル顔の医者「そう言わないでおくれ。あの娘達に入っていたウィルスのクリーンアップに時間がかかったんだ。万全の状態でないの

に君をMNWに繋ぐ訳にはいかなかったんだよ」

一方通行「他のやつらは?」

カエル顔の医者「詳しくは聞いてないけど倒壊する研究所から君を助け出すときに多少なりとも怪我をしたみたいでね。二人は軽症だっ

たから二日三日で退院させたよ。浜面君は後頭部を縫う手術をして、一週間ほど安静にしてもらったけど」

カエル顔の医者「……あの娘も、お腹の銃弾は取り出して縫合はしたよ」

一方通行「……縫合“は”した、か」

カエル顔の医者「ああ、一時的とはいえ、君に全ての演算能力を君に接続したため、彼女の脳はほとんどからの状態になってしまったん

だね」

一方通行「……」

カエル顔の医者「とはいえ、植物人間になる前にあらかじめインストールされていたプロテクトが起動したようでね。どうやら最低限の

データを残すために“初期化”されたようだね」

一方通行「初期化、か。記憶が消えただけ、ってわけではなさそうだな」

カエル顔の医者「……そうだね。“人間”にこういう言い方をするのもなんだけど、分かりやすい言い方をすると“プロトタイプ”にな

ったってことかな」


一方通行「初めて培養機から出た常態か」

カエル顔の医者「そうだね。脳内は赤ん坊そのものさ。だから今は学習装置(テスタメント)を使っているところだよ」

一方通行「だが、か……」

カエル顔の医者「……そう、彼女はそもそも20001人の仲間ではない。イレギュラーなウィルス的な要員として造られた子だ。“通常の子と同じプログラムを用いてもMNWに入る権限がない”んだね。あの子用のロシアの施設は既にないし、データも上が抹消したはず。あの子のためのMNWに介入するためのクラックプログラムの作り方はもう分からないんだよ」

一方通行「MNWに入れないことで何が起こる」

カエル顔の医者「生活するうえでは問題はないんだがね。もし、MNWに入ることができれば、常に彼女たちが保存し続けているバックアップデータから記憶を復元できるはずなんだ。それができないんだよ」

一方通行「……」

カエル顔の医者「彼女は、もう君を知らない。彼女はもう君の知っている彼女じゃないんだ」


一方通行「……」

一方通行「……いいじゃねェのか別に」

一方通行「記憶が有ろうと無かろうと、アイツはアイツだ。それに、これでやっと、あいつの望んだ普通の女のこってのになれんじゃねェのか?」

カエル顔の医者「それは君の本心かい?」

一方通行「本心、か……。ンなモンまだ整理のついていない今じゃァ分かンねェ……」

一方通行「ただ、最後の最後にアイツは言った」


番外個体『──恨むよ、アクセラレータ』


一方通行「アイツは結局俺を許してなンかいねェ。恨んで恨んで、最後まで恨んで、それで消えやがった」

一方通行「俺は一生恨まれる。俺はそれでいい。ただ、次はアイツはそんなことの為に生きてほしくねェんだ。俺は一生恨まれ、アイツは一生そんなことに縛られずに生きられる。俺はそれでいいと思ってる」

カエル顔の医者「……背負うことに決めたんだね」

一方通行「ンなことは、頭をぶち抜かれたときに決めてる」

カエル顔の医者「……ふむ。彼女は5031号室にいるよ」

一方通行「世話ンなったな」

カエル顔の医者「これが仕事だからね」


* * *


 目の下のくまは相変わらずだ。
 しかしその下に見える表情には、憎悪の念は見えない。
 何も知らない、無垢な瞳。
 何も考えていないのではないかと思ってしまうほどの微動だにしない表情。

 毎日毎日、顔からにじみ出ていた憎悪はそこに無い。
 しかしアクセラレータは救われない。常に“彼女”の顔が思い出される。
 救われる権利も、そんな願望も無い。
 

 しかし目の前の彼女は救われた。
 これはハッピーエンドにも見える。
 バッドエンドなのかもしれない。



番外個体「初めまして、アクセラレータでお間違えないですね。ミサカは個体番号なし、ミサカワーストです。アナタの家でお世話になっていると聞きましたが……」 



一方通行「……俺の家じゃねェよ。怪我が治ったら、家主に挨拶にでも行くか?」



 騒動での怪我人は多く、特に学生の入院者で病院はあふれていた。
 死人が出なかったのだ何よりも幸いなことであった。
 混乱していた市街も徐々に元に戻り始め、最後の一仕上げにアンチスキルの職員が慌しく走り回っていた。
 
 そんな日常に戻りつつある家路を、数日後二人の男女が帰っていった。




END

くぅ疲、これにてこのSSは終了です!
まず初めに謝っておきたいことがあります。

時間かかりすぎて申し訳ございませんでした!!
途中で投稿順番のミスを起こしてしまいすいませんでした!!

後書きなんて書くほどの文章でもないので、この先はレス反応に徹したいと思います。

えっこれで終わり?
エピローグとかもなくすげー唐突に終わったな

>>578
一応後日談を考えていたので、中途半端になってしまいましたね…
反応次第で載せようかどうかというところです

乙です
後日談も是非おねがいします!

>>581
最後まで読んでいただきありがとうございます!
後日談は検討してみますね( ̄ー ̄)

やはり後日談は書いた方が良さそうなので、書き溜めではなく、リアルタイム更新して行きたいと思います。
そもそもタイピングが遅いのに、更に家事をしながらの片手間なので、ゆっくりですがよろしくお願いします。

   ===後日談===


──騒動から三週間──


黄泉川「くは~っ!や~っと事後処理も大方片付いたじゃんよ」ゴクゴク

一方通行「だからって昼間からビール飲んでンじゃねェよ。明日から授業だろォが」

黄泉川「この三週間授業が無かったから、テスト範囲が終わってなくて、遅れを取り戻すために体育の授業は消えたのさ。飲み放題じゃんよ」ゴクゴク

一方通行「それでも学校に行って事務仕事があンだろォが馬鹿が」

黄泉川「知らんな~」プシュッ ゴクゴク

打ち止め「ダメダメだねって言おうと思ったけど、もう今更かも」

一方通行「保護者その2がいればまだマシ……、いや、悪化するか」


番外個体「保護者その2、とは芳川様のことですか?」


一方通行「あンな干物女に“様”なんて付けなくていいンだよ」

番外個体「しかし、ここの家主様ですし……」

一方通行「家主というならそこに転がってる緑ジャージのことだ。芳川は完全なニートだ」

番外個体「ニート、ですか」

一方通行「つゥか、俺への敬語も禁止だ。違和感がありすぎンだよ」

番外個体「しかし……」

打ち止め「ま、徐々にでいいから慣れていこう、ってミサカのミサカの提案だよ」

番外個体「……はい、お姉さま」

打ち止め「お、お姉さまとな!?ってミサカはミサカは動揺を隠せないで──」

一方通行「朝からうるせェぞクソガキ。……あァ、家主様ァ?がアレな状態なんで俺は昼と夜の買出しに行ってくるわァ」ゴソゴソ

番外個体「それなら付いて行きますと、ミサカは」

一方通行「俺一人で十分だから来ンな」

番外個体「……付いて行きます」

一方通行「俺の言うことを聞かねェところは何も変わってねェなオイ」

打ち止め「ヨミカワの面倒はまかせて!



* * *


番外個体「あの」

一方通行「あ?」

番外個体「最寄のスーパーは通り過ぎてしまったようですが」

一方通行「買い物は帰りでいい」

番外個体「帰り、ですか?」

一方通行「あァ、少し会う奴らがいる」


カランカラン

イラッシャイマセー、ナンメイサマデスカー

ア、ソレナラ、アチラノテーブルデスネ


番外個体「ここは?」

一方通行「ファミレスだろうが」

番外個体「いえ、そうではなく、なぜ朝食後にファミリーレストランに来たのか、とミサカは質問し直します」

一方通行「別に飯を食いにきたわけじゃねェ」



浜面「おー、来たな」

滝壺「ん、あくせられーた」

絹旗「どうも」

フレメア「にゃあ、白いのだ」

半蔵「よお」

美琴「あら、ワーストも連れて来たの?」

黒子「あら、本当ですわね」

初春「おはようございます、アクセラレータさん、ワーストさん」

佐天「おはようございまーす!」

土御門「うぉーい、ちょっと遅いぜぃ」

上条「お前もついさっき来たところだろうが!」

吹寄「え、えぇと、初めまして、だな」


番外個体「この方々は?」

一方通行「腐れ縁プラス三下だァ」

上条「俺だけ別枠!?」

一方通行「麦野がいねェみたいだが」

絹旗「麦野は超めんどくさい状況にありまして、少し遅れるみたいですが、もうすぐ来るでしょう」

滝壺「ん、噂をすれば」


麦野「ゼェ、ハァ……、はぁ、遅れたな」

美琴「アンタも大変ね」

麦野「うるせえ、人事だと思ってよぉ」

一方通行「何があったンだよ」

絹旗「いやー実は、“あの日”の学び舎の園での麦野の活躍っぷりで、常盤台の女学生たちのハートを打ち抜いちゃったみたいで」

絹旗「それ以来ファンクラブとかできちゃったみたいで、毎日追っかけに囲まれてるってわけです」ニヤニヤ

麦野「絹旗ァ!余計なこと言ってんじゃねえ!」



浜面「そういえば、湾内ちゃんが半蔵に惚れたようにも見えたがアレはどうなったのかな?ん?」ニヤニヤ

半蔵「し、知らねーな」

浜面「くノ一のあんな可愛い娘もいるのに、浮気性だなーお前は」

上条「お前が言うのかよ」

その他「「お前が言うのかよ」」


初春「あの、お二人も立ってないでこちらに座ってください」

一方通行「ああ」

番外個体「失礼します」

佐天「むむむ……」

番外個体「……?なんでしょうか?」

佐天「いやいや、なんかワーストさんの敬語が違和感ありすぎて」

初春「し、失礼ですよ佐天さん」

番外個体「私が記憶がなくなる前はどんなだったのか、興味はありましたが聞くのが怖いですね」

一方通行「知らない方がいいかもなァ」

番外個体「そうですか」

番外個体(……)


番外個体(この方達の言う“ミサカワースト”は以前のミサカであって今のミサカではない。それなら、今のミサカは一体……)


番外個体「……」

一方通行「……」

一方通行「おいテメーら、ちょっと聞け」

一方通行「知っての通りこいつはあの日以来記憶を失った」

一同「「……」」


一方通行「だが、特別気を使う必要はねェ」

番外個体「え……」

一方通行「コイツが俺たちのことを覚えてなかろうと、コイツがミサカワーストであることには変わりねェ。別人になったわけじゃねェ」

番外個体「……」

浜面「んなこと言われなくても分かってるって」

美琴「今更ね」

上条「何を言い出すかと思えばそんなことか」

番外個体「皆さん……」

一方通行「そもそも俺たちは気を使いあうような関係じゃねェんだよ。畏まンなくていい。楽にしてろ」

番外個体「……はい。“お気遣いありがとうございます”」

一方通行「……チッ」

上条「ははっ、これは一本だな」

一方通行「うるせェ潰すぞ」

上条「ひぃっ」

マテコラ!

フコウダー!

ガッシャーン

ナニヤッテンノヨー!


番外個体「……」

番外個体「そうですね、早く皆さんと気軽にお話したいので、お名前を伺ってもいいですか」



* * *


一方通行「つゥことは何だ?テメーがヘマして見られたってことかァ?」

土御門「まあ、そういうことだな」

吹寄「あの時ははさすがに驚いたんだぞ、分かっているのか?

土御門「まあ、突然血まみれで横たわってりゃ驚くか」

吹寄「それもそうだが、そのことじゃない!魔術だの何だのわけの分からんことを説明し始めて、気でも狂ったかと思ったぞあの時は」

土御門「なんだ、信じてないのか?」

吹寄「まだ半信半疑だ。突然、魔術などといわれて信じられるか。とはいえ、アレが能力でないのだとしたら……」

一方通行「正体がばれるなんて、プロとしてどォなんだ」

土御門「どうなんだろうなにゃー」

上条「軽いなオイ」



初春「ワーストさん、ワーストさん、好きな色って何ですか?」

番外個体「好きな色、と言われましても、まだ自分の好みが分かるほど生活していないのですが……。そうですね、しいて言うなら桃色ですね」

佐天「よっしゃー!当たったー!」

初春「やっぱり変わってないんですねー」

番外個体「変わっていない、と言うと、以前のミサカもそう言っていたのですか?」

初春「そうなんですよー。やっぱり好みとかは、そう簡単に変わるものじゃないんですねー」

番外個体「そうでしたか」

佐天「ちなみに今日の下着の色は」

番外個体「桃色です」

浜面「ぶっ!?」ゲホゲホ

絹旗「うわっ、浜面超キモイです」

麦野「つーか汚ねえぞクソが!」

滝壺「はまづら?」

浜面「ふ、不幸だー!」


* * *


一方通行「……それで、だ。俺はあの時、途中で気を失ったから覚えてねェンだが……結局どうなった」

上条「俺たちも全部を把握できたわけじゃないんだがな」

一方通行「構わねェ、目で見たことを話せ」

上条「……分かった。自分で拳銃を撃ったところまでは覚えているな?」



* * *


──三週間前──


天使?『ギャ.;ァァ^ァァァφァ*@|ァァァッ!!!!!』

上条「っ!」

美琴「耳がっ……!」

浜面「くそっ……、どうなった!?」

 模造天使は叫び声を上げながら激しくのた打ち回っていた。
 腹部から覗く核らしきものはヒビが入り、今にも粉々になりそうだった。

天井「馬鹿な、馬鹿なっ……!集大成が……!220万の結晶が……!」

上条「……いや、まだだ……!」

 よく見るとヒビの入った核が少しずつ自己修復しているのであった。

天井「ふ、ふはは……、そうだ。こんな簡単にやられるはずが無い……!」

天井「よし、いいぞ……!殺せ!奴らを次こそ殺せっ!」

天使?『……』

天井「ど、どうした?早く殺しに行け!」

天井「殺しに行けといっているんだ!命令が聞けないのか!!」


天使?『いらっしゃiまs∃-』


天井「っ!?」

美琴「なっ!?」

浜面「なんだありゃあ……」

上条「に、人間?」

 ただの球体に口と小さな手足が付いているだけだったソレの上から、“人間が生えていた”。


天使?『お弁当あt∀ためmsKあー』

天井「な、何を言っている……!?」

天使?『お箸はOつけし_ま∫Uかー』

美琴「コンビニの、店員?」

浜面「みたい、だな……」

上条「いや、まだ何か」


天使?『Jゃッジメント#すの!』

美琴「黒子!?」

天使?『kみヤんどうsr!?この8まじゃ……』

上条「土御門!」

天使?『はぁ~、こ‘が噂の学び舎:園。超きR#なところです@』

浜面「絹、旗……?」

天使?『ひどい&ぁ、御坂^ん』

天使?『だめy@!みんな冷静や>い!』

天使?『脇役n”yrことじゃねえって+「。キャラj=ねえなあ』


上条「これは……」

滝壺「AIM拡散力場に僅かに含まれた、みんなの残滓、かな」

美琴「木山春美の時も確かそんなことがあったわね……」

滝壺「みんなの意識と記憶から独立した一つの精神を保てるほど完成した個体ではないみたい。すごく不安定」

滝壺「……でも消えかかってる意識が最後の抵抗をしてる。逃げないと巻き込まれるかも」

浜面「巻き込まれるってどういうことだ!?」



天使?『イャアアアアアア%アアアアァァァァ*ァアァァッ!!!』


 今までで一番“鮮明”に模造天使は慟哭した。
 しかし、“彼女”の最後の抵抗もむなしく、体が徐々に崩れ、散り散りになっていく。

浜面「な、なんだ!?」

滝壺「異常な濃度に圧縮されていた力場が拡散を始めたみたい……!逃げないと……」

浜面「くっそ!さっきから何言ってるかわかんねえけど、逃げりゃあいいんだな!」

美琴「私はワーストを背負うから、アンタはアクセラレータをお願い!」

滝壺「かみじょうは?」

上条「俺は銃弾が脚をかすめただけだから何とか走れる!急ごう!」


天使?『アアァァァ‘ァァ?ァァァ、ァ=ァ¥¥%ァ^x、、、、、、、、、────』


 ドン、と鼓膜を揺さぶった短い音のあと、天使だった球体は青白い光になって爆発した。
 爆発、と言っても、炎を出すわけでもなく、光を放った。空間が歪み、音が消え、六人はその光に飲み込まれそうになった。


 まぶしさに瞳を閉じて、ふと、もう一度開くと、既に気を失っていたはずのアクセラレータが立っていた。
 その背中には白い羽が生え、頭の上には光る輪が浮いていた。
 そして、光の向こうの“彼女”に何か話しかけると、光はふと消え、音が戻った。
 
 そこには六人と、崩れはじめの廃研究所が残っただけだった。



* * *


上条「あの天井っていう研究者は、崩落に巻き込まれたのかどうなのかも分からない。あとでアンチスキルが現場の調査をしたけど死体とか、そういうものは無かったらしい」

一方通行「……なるほどなァ。まあ、天井クンは生きてようが死んでようがどうでもいい。もし生きていて、また何かしやがるなら、次こそ完全に潰してりゃァいい」

美琴「あのさ、これ、頼まれていた資料」

一方通行「おォ、悪ィな」
 
 アクセラレータは美琴から紙の束を受け取ると、一枚一枚目を通していく。

一方通行(AIM拡散力場の歪みの濃度が一番高い地点……、滝壺の何らかの実験のときに判明した地点が丁度あの廃研究所か)

一方通行(ある程度、力場の歪みがあの地点に定着するまでは、暴動の起きる位置を調整していたのか……)

一方通行(一度歪みが定着すれば、あの地点に力場は自然と集まる、と)

一方通行(天井クンがこの記録を付け始めたのはあの日から三週間前、今から六週間前、か)

一方通行「……」

美琴「どう?何か分かった?」

一方通行「イヤ、帰ってゆっくり見る必要がありそうだ」

一方通行「飯の買出しがあるからそろそろ帰るわ」

上条「お、そうか?」

浜面「じゃあな、また今度」

初春「さようなら、また今度会いましょうね」

絹旗「超暇なアクセラレータにはいつでも会えると思いますよ」

麦野「今度はシャケ弁パーティーな」

半蔵「なんだそれ」


一方通行(……異常だな)

一方通行(こんな面子がそろって談笑してやがるなんざ、“歪んでいる”)

一方通行(歪んでいるっつゥのになァ……)


一方通行「……あァ、またな」

番外個体「それでは失礼します」



* * *


一方通行「今日は楽しかったか?」

番外個体「そうですね、皆さんとも仲良くなれました」

一方通行「ハッ、談笑なんざしてやがったからな」

番外個体「そうですね、笑っていたかもしれません、とミサカは楽しかった先ほどを思い出します」

一方通行「そォだ、オマエは笑っていた」


一方通行「──明確な違和感だ」


番外個体「……え?」

一方通行「今まで一万というシスターズを見てきたが、“こんな早い段階で笑うなんざ有り得ねェ”。もちろん、あいつ等が俺の前で笑ったことなんて無かったが、あの三下といた個体を見ていると分かる。感情を表に出せるようになるまではかなり時間がかかるはずなンだよ」

番外個体「……」

一方通行「いるンだろ?そン中によ」

番外個体「……」




番外個体?『──久しぶりね、私と同じ出来損ないさん』

一方通行「やっぱりかァ……。テメエは爆発の後、ギリギリで“完成した”」

番外個体?『完成といっても、所詮は中身だけ。器は出来損なったわ。だからこの人間の体を借りている』

一方通行「……生まれてきて、どォだった」

番外個体?『そうね、生まれてから六週間、明確な意識を得てから三週間しかたっていないけれども、“私は220万人分生きたわ”』

番外個体?『でも不思議ね。私はそのなかでもついさっきの短い時間が一番楽しかったわ』

一方通行「そりゃ不思議だなァ。人間っつゥのは、笑うだけで楽しくなるみてェだな」

番外個体?『ええ、本当に不思議ね』

番外個体?『……なんだかもう満足しちゃったわ』

番外個体?『そろそろ“消えようかしら”』

一方通行「いいのか?せっかく生まれたンだろ?」


番外個体?『若いとはいえ、220万回分も生きれば十分よ』

番外個体?『それよりあなたこそいいの?私が消えれば、この六週間の出来事はみんなの記憶の中から無かったことになるわ』

番外個体?『この六週間分のAIM拡散力場の管理権限は私にある。私が消えればそのバンクごとすべて消えるわ』

番外個体?『あの微笑ましい光景も、消えてしまうわ』

 黒子も初春も佐天も、アクセラレータとは出会わず、シスターズのことは知らず、アイテムの面々と食事に行くこともなく、上条や吹寄とも知り合わなかったたことになる。

一方通行「だが、それが正しい。それが、普通なンだよ」

番外個体?『そう……。まあ利害が一致しているし、反対することも無いわね』

番外個体?『それじゃあ、さよならね』

一方通行「……あァ」

番外個体?『……最後に、私からプレゼントをあげるわ』

一方通行「あ?」

番外個体?『出来損ないの私でも、一人分の上書きぐらいはできるわ』


番外個体?『──期間、六週間。220万の事象から復元』



* * *



黄泉川「くっは~!朝から飲むビールは最高にうまいじゃんよ!」ゴクゴク

一方通行「今日は月曜日だろうが!授業はどォした!」

黄泉川「あ~、“なんだか知らないけど、授業が大幅に遅れてて”、体育の授業を潰して急ピッチで進めるんだと。小萌が大変そうにしてたわ」

一方通行「少しは同僚を助けてやろォとは思わねェのか?」

黄泉川「面倒くさいじゃんよ~」

一方通行「コイツは……」


番外個体「お、朝から飲んでるね~。ミサカも一杯いただきたいかにゃ~」

黄泉川「お、飲め飲め~」トクトク

一方通行「テメエは仮にも教員だろォが!?」

番外個体「大丈夫大丈夫~。ニシシッ、酔った勢いで第一位を襲っちゃたらどうしよ~」

一方通行「あァ?“テメェを抱くなんざ、一生勘弁願うわ”」

番外個体「ミサカだって“始めてはもっといい男にあげるしね!”」

一方通行「……」

番外個体「……」

一方通行「あァ~、買出し行ってくるわ」

番外個体「いてら~」

黄泉川「ワーストも行くじゃんよ。怪我人に荷物を持たせるモンじゃないじゃん?」

番外個体「え~?“知らない間に怪我した御馬鹿さん”のことなんて気にかけなくていいってば」

黄泉川「そういうワーストもお腹に“知らない間に大怪我してたみたいじゃん”?」

番外個体「う、それは……。ってか、ミサカも怪我人なら手伝わなくていいじゃん!」

黄泉川「いいからつべこべ言わずに行ってくるじゃんよ!」



* * *


番外個体「あ~、サイアク~、なんでミサカが~」ブツブツ

一方通行「うるせェな。なンなら邪魔だからどっか行ってろ」

番外個体「ヤだ」

一方通行「テメェ……」

一方通行「……」

番外個体「……」


佐天「ねえねえ、あの人の髪の毛真っ白!地毛かな?そめてんのかな?」

初春「さ、佐天さん!知らない人に指差しちゃ駄目ですってば!失礼ですよ!」

黒子「む、隣の女性、お姉さまにそっくりですわね」

美琴「はいはい、なに馬鹿なこと言ってるの。とっとと行くわよ」

黒子「あ~ん、お姉さま、お待ちになって~!」

佐天「次はド金髪の不良だ!」

初春「佐天さんってば!」

佐天「むむむ、でもあんなに美女をはべらせてるのには違和感が……」

黒子「尻にしかれてる感じですわね」

美琴「って、映画始まる時間じゃん!三人とも急いで!」


一方通行「……」

番外個体「……」

一方通行「……オイ」

番外個体「……何さ」

一方通行「“テメェは覚えていないのか”?」

番外個体「は?何のこと?」

一方通行「……そォか」

番外個体「どうしたの急に」

一方通行「イヤ、なんでもねェ」


番外個体「……覚えてるよ」

一方通行「あ?」

番外個体「全部、この六週間、ミサカは全部覚えてるよ」

一方通行「……あの野郎ォ」

番外個体「プレゼントってのはこういうことだったってわけ。学園都市の生徒や、シスターズ全体の情報からミサカを復元するだけでなく、六週間分のデータをミサカの中に定着させてくれたみたいだね」

一方通行「俺の場合は単に同属だから、AIM拡散力場のバンクに記憶が収容されてなかったからなのか、それとも俺の分もプレゼントに含まれてンのか」

番外個体「どっちにせよ、この六週間を覚えているのはミサカと、第一位、あとあのツンツン頭君ぐらいだろうねー」

一方通行「あァ、そォだな」


番外個体「あーあ、ルイコもむぎのんも、せっかくいい友達になれたんだけどなー」

一方通行「もう一度なりゃァいいだろうが」

番外個体「へ?でも、それじゃあ第一位が昨日言ってたことと違わないかにゃー?もうミサカ達と一般の人は関わらない方がいいってことでしょ?」

一方通行「違ェよ馬鹿が」

番外個体「んー?」

一方通行「あン時は、あいつらにいらねェモンまで見せちまったし、聞かせちまった。今回はそういうの抜きで普通に付き合えばいいンじゃねェのか?」

番外個体「んー、でもミサカがクロ-ンであることの説明とかはどうすんの?またあの説明会開くの?」

一方通行「あらかじめ第三位の遠い親戚であるっていう、偽装身分証明書でも用意しときゃいいンじゃねェか?第三位にも協力してもらってよォ」

番外個体「なるほどなるほど」

一方通行「そォいや、MNWの方はどォした。オマエの六週間のデータは広まっちまったンだろ?」

番外個体「それがさ、私一人に対して、一万の個体が『そのような事実は存在しない』って判断して、情報の受け取りを拒否したみたいでさ、結果オーライ。広まってないよ」

一方通行「そォか」

番外個体「そーなのさ」

一方通行「そンじゃあ、買い物してとっとと帰るぞ」


* * *


──黄泉川宅──


番外個体「ただいま~、っとな」

打ち止め「おかえり~、ってね」

一方通行「黄泉川は……、潰れたか」

番外個体「ヨシカワはまだいない、と」

打ち止め「ここ一ヶ月ぐらいヨシカワが忙しそう、ってミサカはミサカは異常事態に首を傾げてみる」

一方通行「職にありついたンならいいことだろォが」

番外個体「なんなんだろうねー一体」

一方通行「噂をすれば、その芳川サンから電話でェす」ピッ


一方通行「なンだ」

芳川『ようやく完成したわ』

一方通行「あ?」

芳川『そうね、ワーストがいいわね。あの娘を連れて、私のラボに来なさい──ブツッ』ツーツー

一方通行「切りやがった……」

番外個体「なんだって?」

一方通行「わかンねェ、がとりあえず行くぞ」

番外個体「?」


* * *


──芳川の研究室──


一方通行「ンで?用件はなんだ。何が完成したって?」

芳川「そうね、どこから説明しようかしら……」

一方通行「話がまとまってから呼びやがれ」

芳川「まあ、待ちなさいってば」

芳川「……ワースト、あなた達は肉体は人間のそれと変わらないけど、一部問題が起きているの知っているわね?」

番外個体「培養機による急激な成長による細胞の寿命低下や生殖機能の消失、だっけ?」

芳川「そうよ。その原因は、培養機での成長そのものというよりも、その成長を覚えて維持しようとしている細胞そのものね」

一方通行「細胞が異常活性化されたまま、ってことか」

芳川「そうね。異常活性化されているのに、体自体の成長が止まっている状況が体への異常を生み出しているみたいなの」



芳川「──それでね、ついにその細胞の活性化を抑える方法を見つけたわ」



一方通行「なン、だと……」

番外個体「え……」

芳川「これで全ての問題が解決するわけじゃないけど、大きな問題は解消されていくでしょうね」

番外個体「……」

一方通行「……本当に、解決した、のか……?」

芳川「ええ、早速だけどプログラムと薬品注入を開始するわ。アクセラレータ、ワーストをあっちの部屋に連れて行って、器具のセットを手伝ってあげて」

一方通行「いつも思うんだが、素人にやらせていいことじゃねェだろ」

芳川「細かいことは気にしないの」

一方通行「チッ……、行くぞ」

番外個体「う、うん」




芳川「……」

芳川?『ふぅ、“この人の記憶も取っておいて正解だったわね”』

芳川?『さて、次こそ本当にお別れね』

芳川?『ふふっ、本当に楽しかったわ──さようなら』



* * *


番外個体「あ、あのさ第一位」

一方通行「あン?」

番外個体「これってさつまり」

一方通行「なンだよ」

番外個体「完全に普通の人間の女体としての機能が戻ったって事でしょ?」

一方通行「そォ言ってただろうが」

番外個体「ねるほどね~」ニヤニヤ

一方通行「だから、なンなンだよ」




番外個体「──ってことは第一位と子作りができるわけで」

一方通行「……この歳で子持ちは勘弁だぞオイ」

番外個体「今晩からがんばるぞ~」ニヤニヤ


一方通行「いやだから、マジで洒落になんねェぞオイ!!!」




──後日談END──

こんなものでしょうかねー
綺麗な終わらせ方がわかんなーい!
とりあえず、伏線をすべて回収した(つもり)し、書いた本人としては満足です。
また、レス返しをしまして、問題がなければHTMLか申請?なるものをしようと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

>>615 >> 617
こんな時間まで呼んでいただきありがとうございます!
拙者は眠々でござる

おっとsage忘れ
以下sageます


スレタイ回収も含めてきれいに終わったんじゃね?

AIM拡散力場さんまじぐう聖

乙! 久し振りに来たら終わっててびっくりしたわ。 次作とかもあるのかな? あるなら期待だ!

pixivで見つけてこっちに来たら完結してた!
乙でした!


ありがとう

>>620
ありがとうございます!最初はあの天使もどきに意思を持たせるつもりは無かったんですが、気に入っていただけたようで何よりです。
>>621
ありがとうございます!
>>622
もともと前半のいちゃいちゃ部分と後半の世紀末浜面ストーリとでは別々のSSにするつもりだったんですね。
繋がりそうだったんでつなげちゃいましたが(笑)
要するに、ネタ切れ中です!今は別サイトで全く別の名前でまったく別ジャンルのWeb小説を始めようかと考えています。
>>623
pixivからですか!ありがとうございます!無効では今後も修正しながら投下する予定です。追加エピソードなんて書けたら楽しそうですね。
>>624
いえいえ、むしろこんなに長い間お付き合いいただき、むしろ私のほうから感謝したいです。

HTML化依頼スレッドにエラーで入れないんですが、接続でき次第申請する予定です。
いままで読んでいただいた皆さん、またどこかで会いましょう。
お疲れ様でした!!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年03月18日 (火) 22:08:03   ID: yaM3N-lZ

楽しみすぎる

2 :  SS好きの774さん   2014年03月22日 (土) 03:04:43   ID: N-jyH2tK

まだかにゃー

3 :  SS好きの774さん   2017年01月18日 (水) 12:19:15   ID: qMzBXJru

ローター入れたままシリアスなシーン入んなよw

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