男「私と猫娘こと東さんとの結婚過程」 (375)

朝にやっている0655って番組の猫の歌を聞いて思いついた。
タイピング練習もかねて書くから遅いし、つまらんかもしれないが
まあ、暇な時にでも見てレスくれると嬉しいです

じゃあ書きまーす

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1362757449

私が出会ったのは

雨の降りしきるなかでした。

「..........」バイト帰りのことでした。

いつもなら一直線に帰宅するのですが
今日に限ってあえて遠回りして帰ることにしたのです。

何故かと問われると自分でもわかりません。しかし、
遠回りしなければ会うことはできなかったでしょう。

彼女(猫)に会うことが...

「いや〜雨の中ゆっくり帰るのもなにか楽しいものがありますね」

「おお、これは懐かしい」

私の目の前には幼い頃に遊んでいた空き地がありました
イメージするならばドラ○もんの空き地ですね

「たしか最後に来たのは中学二年生くらいの時ですね」

私は空き地に入り

「あれからまったく変わってませんね」

独り言を呟く

「土管もそのままです」

土管に触れようとしましたが雨が降って濡れていたので断念

「晴れているときにまた来ますかね」

そして私が立ち去ろうとしたときです

にゃー...

私は立ち止まりました

にゃー...

どうやら空耳ではないと判断し

「土管の中ですね」

戻り、土管の中をのぞき込むと

「これはこれは...」

真っ黒な猫がいました

「初めまして」

私は自己紹介しましたが

「..........」

私を見つめてくるだけで
鳴き声一つあげません。ただ

「喉を鳴らしているということは、警戒されていないようですよね?」

猫の生態など、猫を飼ったことがない私には分かりませんが

とりあえず自己完結しておき

「君は私を呼びましたか?」

「...........」

「さっきのように鳴いてはくれませんね」

「いや、ここはあえて逆に...泣けないというのはどうでしょう?」

「後ろ足怪我をしていますね」

「...........」

「大丈夫ですよ。悪いようにはしません」

「病院へ行きましょう」

私は真っ黒な猫を抱え、病院へとそこそこ急いで行きました

「にゃ.....」

「お、やっと聞けましたね。可愛い声です」

「はい、これで大丈夫ですよ」

「獣医さんありがとうございました」

「はいはい、この怪我はまあ、他の猫と喧嘩したときのでしょう」

「しばらくすれば、元気に走り回れるようになりますよ」

「それまでは、安静にね」

「分かりました」

「あとコレ」

「これは...首輪ですね」

「ここに来る動物達に渡している。まだ名前つけてないのだろ?」

「いい名前をつけてあげなさい」

帰宅

つい先ほどまでコンビニで買った猫缶を
夢中で食べていた真っ黒猫、今はグッスリ眠っている

「名前...ですか」

「..........」

「君にぴったりな名前...ふむ」

「...............」

「難しく考えるとだめですね」

「....................」

あーだこーだと考え視線を泳がせていると
本棚にしまい忘れた本を見つけました。

私はそれを手に取り...

「決まりですね.....」

そして目の前寝ている真っ黒猫にそっと首輪をつけ

そっと頭を撫でました。

「君の名前が決まりました」

首輪のプレートには「東」の文字

「今日から君の名前は...」

「東(あずま)です」

真っ黒な猫改め、東さん

一人と一匹の生活が始まりました

私は猫を飼うというのは初めてのことなので

猫について調べることにしました

ネットで調べ、さらには本屋へ赴き猫の雑誌を買い
先日お世話になった動物病院へ東さんと通院がてら
獣医さんに猫の飼い方についてアドバイスをもらったりと
精力的に活動していました

「東さーんご飯ですよ〜」

「にゃーお」ハグハグ

「よしよし」ナデナデ

「東さーん」

「ナーウ」トコトコ

「毛づくろいしましょう」ワシワシワシ

「ナー...」ゴロゴロ

「東さーん」

「ナー?」

「可愛いですよ〜」ナデナデ

「アーウ」ゴロニャん

「最初は猫を飼うのに不安がありましたが」

「今は早く東さんの顔がみたくてたまりません」

「ホント、バイト先でも惚気ちゃってこのおじさんは(笑)」

「でも、東さんスゴく可愛いんですよ」

「でも猫を飼っている友達に聞くと中々大変だって言うけどね」

「東さんはお利口なので苦労しませんよ」

「はいはい、とにかく今はお仕事ね」

数時間後

「男ーもう上がっていいよー」

「はい!お疲れさまでした!では!」ダッ!!!カランカラン

「おお...はや(笑)」

私は急いで我が家へ帰宅しました

「東さーんただいま帰りました」

玄関の鍵を開け靴を脱ぎ
東さんがいるであろうリビングに向かいました

なによりも先に東さんをナデナデするために

「元気でしたか?東.....さん?」

しかし、私がリビングを開けて最初に目に入ったのは

「おかえり、主」

黒髪褐色で私のYシャツを着ている女の子でした

「..........東さん?」

一瞬呆然としましたが

「なんじゃあ?主」

東さんであろう彼女に一言

「メスだったんですか.....」

「他に言うことはないのけ?」

「オスかメスか調べてなかったので」

「まあ、主らしいのぅ」

「それに」ギュ

「あ.....」

「一目見て東さんだと分かりましたから」

「ん....そうか」

その台詞を聞くやいなや東さんも私を抱きしめ返してくれました

だって首輪に東と書いてますから。とは言えなかった

こんな感じで書いていきます

東さんの口調はなまってたり老人口調だったりしますが

気にせず読んでください

おもしろそう!
楽しみに読ませてもらいます!

続きを

レスありがとうございます

では投下

拾った猫がなんと女の子になってしまった

「改めて我は東、主の飼い猫じゃ。よろしくの主」

「はい、よろしくお願いします」

「我が人型になったというのに、あまり驚いておらんのう主は」

「いえいえ、かなり驚いてますよ」

「そうかの?そんな風には見えんが.....」

「確かめますか?」

そう言い私は東さんを胸に抱き寄せた

「ぬ、主!?イキナリ何を.....」

直後、東は理解した男の心臓が早鐘をうっていることに

「可愛い東さんがもっと可愛くなって私はとても驚いていますよ」

「ぬ、主.....」

「分かっていただけましたか?」

「う、うむ」

私は東さんを解放する。いきなり抱き締めたせいか

東さんの頬がほんのりと赤く染まっている

「ぬ、主.....」

「なんです東さん?」

「いやな.....我が何故この姿になったのかをの.....」

言うと同時に東さんの顔がさらに赤くなる

「わ、我々猫はの、心の底から慕ってくれる者と出会うと
 人型になれるようになり言葉も交わせるようになる」

「なるほど、人間になれるんですね」

「そうじゃ我は主ともっと親密な関係を築きたい」

「そう願いこの姿になった.....」

「け、結論を言うとだの.....」

東さんは二回深呼吸をしたあと、私を見据えこう言い放った

「主、大好きじゃ我と結婚してほしい」

男こと「私」28歳独身

人生初のプロポーズ、しかも相手は

つい昨日まで猫だった東さん

東さんの瞳は潤んでいる

きっと不安なのだろう

身体も震えている

「東さん」

「う、うぬ.....」

私は思いました

東さんが私を好きだと、震えながらも言ってくれたことに

私もそれ相応の誠意をもって返答することに

そして私は.....

「す...すいません...無理です」

人生初のプロポーズを拒否した

「な、なぜじゃ.......」

「いや、えっとですね」

「我に魅力がないからか?」

声を震わせながら、東さんは言う

「いえ、あの.....」

「我が猫だからか.....?」

「あの.....話を」

「.....主の嫁にはなれないのけ?」

涙が頬を伝わり、下のカーペットに染み込む

「ぬし...主.....」

東さんは止めどなく流れる涙を拭うことなく
ただただ私を見つめていました

また後ほど投下

「東さん」

私は泣き崩れる東さんを優しく抱き締めた

「ヒック......グス........主」

「東さんにはとても魅力がありますよ」

正直に言うと私は人型になった東さんを見たとき
つい見惚れてしまいました

少し幼さが残ってはいますが均整のとれた容姿

黒髪褐色という東さん独特の魅力を醸し出している

東さんに十分魅力があることは間違いない

「プロポーズしてくれたのも嬉しかったですよ」

「じゃったら何故?」

「普通に考えてまだ一ヶ月もたってない方に
 いきなり結婚しようなんて言われたら困惑します」

「東さんはまだ私という人間をしりません」

「そして私も東さんのことをしりません」

「まずは互いのことを理解してから」

「それまでこの件は保留にしましょう」

いいですね。と東さんに返事を促す

東さんは私の胸に顔を埋めているので表情は見えませんが

コクリと小さく頷く

「だから、もう泣かないでください」

「ほら、顔を上げてください」



「い、いやじゃ」

「なぜ?」

「は、恥ずかしいけん.....」

「......わかりました」

それから数十分ほどしてようやく東さんは顔をあげる

男のシャツは東さんの涙やら鼻水やらでグショグショになってしまった

「落ち着きましたか?」

「うむ.....」

「その...主。すまなかった」

「たしかに性急すぎた」

「主の言う通りもっと主のことを理解してから」

「改めて、申し込む」

「それまでよろしくの主」

「こちらこそ」ナデナデ

グゥ.....

「ふぬ.....」

「おや、東さんお腹が減ったんですか?」

「う、うん」

腹の音を聴かれて照れくさそうに肯定する東さん
そんな東さんを見て私はいいことを思いつきました

「東さん一緒にご飯を作りましょう」

「だ、だが我は料理したことが.....」

「それは承知していますよ」

「だから、これからの事も考えて東さんには
 料理をできるようになってもらいます」

「わ、笑うなよ.....主」

これは料理ができない東さんを笑うなと言うことですね

「私が東さんにきちんと教えてあげますよ」

「では雰囲気を出すためにエプロンをつけましょう」

そして私は東さんにエプロンを手渡す。
東さんはエプロンをつけようとするが.....

「ぬ、主!紐が結べん.....!」

ワタワタと悪戦苦闘する東さん。可愛いですね

「ハイハイ、私がやってあげますよ」

「.....今、笑ったじゃろ?」

料理が始まってすらいないのでもちろん

ノーカウントです

私がエプロンをつけてあげて料理に取りかかる

東さんに包丁の握り方、ガス、調理器具の
使い方を教えていく

「主、こうか?」

私の隣でぎこちなく作業している東さん
下着をつけず、私のYシャツの上に
エプロン姿の東さん、

ーー主、大好きじゃ我と結婚してほしいーー

「主、言われた通りにできたぞ」

私は改めて東さんにプロポーズされたことに
深い喜びを感じていた

「初めてにしては上出来ですよ東さん」ナデナデ

「ふふん、もっと褒めてくれ」

その後も東さんに指導しつつ、なんやかんやで
親子丼が完成した

「東さん、覚えがいいですね」

「そ、そりゃあのぅ.....主においしいと言ってほしいから真剣じゃ」

「主の嫁になった時にとびきり上手い料理をご馳走するんじゃけぇ」

頬を上気させ視線を横にしたまま呟く東さん

「そうですか楽しみにしていますね」

言って東さんの口元についたお米をとり自分の口へと運んだ

「う、うむ....///」

今日の親子丼はすこぶる美味でした

「そういえば聞きたいことがありました」

「なんじゃ主?」

「私を好きになった理由をぜひ聞きたいと」

「そ、それを聞いてどうするんけ」

モジモジしている東さん

「ニヤケます」

「気持ちわるいのうぅ...」

「でも、気になりますよ」

「むう.....」

「ああ、今日は暑いですね」

「ぬ?我は少し寒いが」

カレンダーはまだ四月肌寒い日はあるが暑い日はそうそうない

「今日は一人で寝ますかね」

「な.....!」

「では、今日はもう眠いので東さんおやすみなさ」

言って寝室に行こうとしたら

「主!」バ!

東さんが素早く回り込み目の前で両手を広げる

「は.......」

「なんです東さん?」

「話すから.....」

「何をですか?」

「その、主に惚れた理由を話すから」

「何時ものように一緒に寝てほしい」

頼む.....と私に懇願する東さん

「まったく東さんは甘えんぼですね」ナデナデ

「主....」

東さんは頭撫でられて気持ちよさそうに目を細める

「いいですよ、一緒に寝ましょう東さん」

「ん......」

キリがいいので投下終了

これすごく好きな雰囲気
是非完結して欲しいです

出かける前に少し投下

寝室

「さぁ、白状してもらいましょう」

「ぬ、主!」

「何です?」

「は、白状するだけなら.....」

「そ、その....別にこんな」

「気にしなくていいんですよ」

「私は東さんの頭を胸へと引き寄せ抱きしめているだけです」

というより東さんの身長は私の胸くらいなので

抱きしめると自然とこうなる

「でも、嫌なら言わなくてもいいんですよ」

「東さんに嫌いじゃー何て言われたくありませんし」

「我は、主のこと嫌いだなんて思っとらん!!」

赤面しながらも即答してくれる東さん

「それを聞けただけでもうれしいです」

私に純粋な思いをぶつけてくれる

「言いたくなったら言ってください」

「それまで待ってますから」

そんな東さんを撫でずにはいられなかった

「主.....」

東さんは私を上目遣いで愛おしそうに見つめたあと

俯き、目を閉じ深呼吸。そして小さく「よし」と呟き

「我は主のことがすきじゃ」

「その気持ちを少しでも理解してほしい」

「だから.....ちと恥ずかしいが話すけんの」

そう言い頬を赤らめながら、はにかむ東さん

「我は最初こそ主がどんな人間か警戒しておった」

「だが、我の怪我を見てすぐ病院へ連れていってくれた」

「我のために夜遅くまで.....我を飼うからと猫について猛勉強してくれた」

「人型になった我を嫌な顔をせず抱き締めてくれた....」

東さんは私の首の後ろに手をまわす

「そんな主を.....」

「誠心誠意尽くしてくれる主を」

「好きにならない理由がないんじゃ」

「と、簡単に説明したわけじゃが.....」

「少しは分かってくれたか?」

照れているのを笑ってごまかす東さんに

「伝わりましたよ東さん」

私は東さんの額に優しくキスをしました

「ホニャ!?」

何をされたのか理解が追いついていない東さん
そんな東さんの頬に触れると沸騰したお湯くらい熱かった

そして東さんにしたことを改めて思い返すと

自分まで東さんと同じくらい顔が熱くなっていました

「そう言ってくれるだけでもうお腹いっぱいです」

「ぬ、主」

「はい?」

「ど、どうせなら......」

東さんは人差し指を遠慮がちに唇にあて

かつ期待を込めた眼差しで私を見つめて

「こっちにしては.....くれんか?」

「それは遠慮しときます」

「..........にゃあ」

それはないじゃろうと言わんばかりに

私を睨みつける東さん

私の胸くらいに東さんの顔があるので

東さんは会話するとき終始上目遣いになる

もはや殺人的なレベルの可愛さ

「お楽しみは後でとっておくんです」

「今日はこれで我慢してくださいね」

私はベットに東さんを寝かせる

「主は少しイジワルじゃぁ.....」

「拗ねた顔も可愛いですよ」

私も横になり東さんを抱き締める

「...今日は暑いんじゃないのけ?」

「うーんそうですね、では離れましょう」

「あ.......」

「そのかわりに」

私は東さんの頭の下に腕を入れる。

俗にいう腕枕である

東さんは一瞬呆けたあと、あんまり変わらんのぅ

と笑みを浮かべて至極満足そうに

「これならすぐ眠れそうじゃ」

すりよってきた

「おやすみ、主」

「はい、東さんおやすみなさい」

「ん......」

東さんの頭をそっと撫で、自身も眠ることにしました

続きは帰ってきたら

少し書くことにします

雰囲気いいな

納豆には葱を入れる派ですか
それともタングステンですか

あ、誤爆しました

乙ー
東さんの名前の名前の由来になった、本棚に仕舞い忘れた本が気になる。

ちょっと寝るつもりがこんな時間まで寝てしまった

とりあえず投下

「今日は一段と寒いのう」

東さんの視線の先は外へと向けられている

濁りきった空、たゆまず降り続ける雨

カレンダーは5月田植えと梅雨の季節である

「東さん」

「にゃ?」

私は東さんに通販で買った

カーディガンを羽織らせる

「ありがとう、主」

「どういたしまして」

「あったかいのう」

「それはなにより」

「それと主が抱き締めてくれるとより暖かくなるんじゃが」

「そうしてほしいですか?」

「.....意地悪じゃのう」



「私は東さんの色々な表情をみたいだけですよ」

ちなみに今の東さんの格好はYシャツではなく

カーディガン同様、通販で買った黒のTシャツにロングスカートを着ている

黒のTシャツには右肩から斜め下に殴り書きしたかのような白い字で

「マタタビ酒」と大きくプリントされている

可愛いですよ。東さん

「我の顔を見るのがそんなに好きなのけ?」

「見ていて飽きません」

「そうかのぅ」

自分の頬をつねったり、ひっぱったりする東さん

可愛いですよ

ちなみに照れたり拗ねたりする顔が一番気に入っている

当然本人には秘密ですが

「特に笑っている顔が可愛いですよ」

「さあ、笑いましょう、レッツスマイル」ム二

「ほっへをひっふぁるな、にゅし」

「本当は抱きつきたいの一言ですが」

「今日は用事がありま」

本当か!?と言いきる前に、私の抱きつきたいという言葉に反応して

満面の笑みで抱きつこうとする東さんをさける

な、なぜじゃ.....と私を睨みつける東さん

私は拗ねた東さんを撫でながら

「用事があるといったでしょう」

「用事じゃと?」

「人の話は最後まで聞きましょうね?」

「す、すまぬ主」

「というわけで東さんも一緒にいきますよ」

「我もか?」

「そうですよ」

「主とお出かけか、ふふ楽しみじゃ」

「じゃあ手もつないでみましょうか」

投下終了

レスくれた人ありがとう

東さんの名前の由来はスレ主が中学生のときに気に入って読んでいた

イジメを題材にした小説の主人公の名前が東だったので

そこから、いただきました

調べてみたけど、わからなかった
乙! この雰囲気がいつまでも続けばいいな……!

小説のタイトル思いだせないんですよね
けっこう気に入ってたのに
とりあえず投下

「夫婦みたいじゃのう」

「どちらかというと恋人ではないかと思います」

「まぁ、どっちでもいいけ」

手をつなぎ二人で玄関へと向かう

「東さん......」

「どうした主?」

「東さんの靴がありません」

「にゃんとぉ.......」

思えば東さんに服は買っていたが

靴なんて見向きもしていなかった

これからは靴も買いましょう

「今日だけ私のサンダルで我慢してくださいね」

「ちと大きいが問題ないぞ」

「あとは雨が降っているので傘を......」

そして傘立てに視線を移すがそこには

黒い傘が一つだけ寂しく立ててあるだけだった

「主はしっかりしてるようでちょっと抜けとるのぅ」

クスリと小馬鹿にしたような笑顔をする東さん

「そんなことを言っていいんですか?」

「にゃにぃ......?」

「東さんは相合い傘というのは知っていますか?」

「あいあいがさ?」

「相合い傘とは男女二人が一つの傘に身を寄せあうことです」

「............は!!」

自分なりに解釈したのだろう

何かを閃いたかのような声をもらす東さん

「たしかに私の準備不足でしたね」

「ここは反省の意味もかねて一人でいくことに」

最後まで言い切る前に

東さんが猛烈な勢いで私の片腕にしがみつく

「主、二人で相合い傘をしよう!」

キラキラした瞳でこちらを見つめる東さん

「でも、せまいですよ?」

「それがなおさら.....いいんじゃろ?」

東さんの腕により一層力がこめられ

東さんの柔らかい胸が私の腕と密着する

すっかり乗り気のようだ

「わかりました」

しかし、私も

「一緒にいきましょうか」

東さんと相合い傘をしたいと考えていたので

快く了承する

「にょし!では早くいくぞぬし!」

「待って下さい鍵を閉めてから.....」

と言ったところでリビングに鍵を置き忘れたことに気づく

「やっぱり少し抜けとるのぅ主は」

隣で無邪気に笑う東さんに

「そうですね、まったくです」

今度は何も言い返せなかった

短いけど投下終了

あとこれからの展開をはなすとこの物語は

気づいている人もいると思うけど

カレンダーの月の季節にそっていくような

作品にしようと思っている

書きためはしてあるけどなにかリクエストあれば

例 8月は夏だから海水浴の話書いて

とかあれば書いていく

ないなら無しでサクッと進める

思いついたら上げて見てほしい

この時期はやっぱりお花見シーズンですよねー!

めぼしい物があれば書いていきます

投下

「それでどこに行くんじゃ?」

「服を買いに行きます」

「通販だけでええじゃろうに」

雨の中を相合い傘をしながら歩く

「東さんと一緒に外出したかったんですよ」

「それに東さんの色々なファッションもみたいです」

「そ、そうかの.....」

「さらに言うと私のYシャツを着ないでほしいです」

「えぇー 別にいいじゃないけ」

「こっちが良くないんです」

私のYシャツ事態が少ないので東さんに着られると

バイトに行くときに着る服がなくなる

「そこをなんとか.....」

「ダメです」

「........ケチ!」

「Yシャツくらい買ってあげますよ」

だからそっちを着てください。と言ったら

「.....分かってないのう」

と溜め息をつかれてしまう

「なら、何が分かってないか教えてくださいよ」

「......ぬぅ」

途端に黙りこむ東さん

「どうしたんですか?早く言ってくださいよ」

「そ、それを聞くのは野暮ってもんじゃ!!」

「言わないと傘から出します」

「ぬ、濡れるのは嫌じゃ.....」

「だったら私が傘から」

「そしたら相合い傘できないけぇ......」

雨に濡れたくない

しかし、男とは相合い傘をしていたい

どちらも選べず、オドオドしている

「すいません少々からかいすぎました」

さすがに可哀想なので、謝罪する

「ふにぃーー」

「そんなに拗ねないでください」

東さんの頭にポンと手を添える

「主が悪いんじゃ......」

「お詫びに一度だけなんでも言うことを聞いてあげますよ」

「本当か!?」

「本当ですよ」

「じゃあ何にするか考えとくけんの」

「主、楽しみにしとくんじゃけぇ」

「あまり難易度が高いのはやめてくださいね」

頑張ってー

今日と明日は私用で書けません

後ほどキッチリ書きます

投下


東さんと他愛ない会話をすること約三十分

駅前のショッピングモールに到着した

「にょー......」

「そういえば東さんがここにくるのは初めてですよね」

「うむ、こんなところがあったんじゃのう」

「して、そのショッピなんたら、というのはなんじゃ?」

「えっとですね......簡単に説明すると」

「色々なお店を一つの場所に集めた.....そうですね建物です」

「うーん......」

「大きいコンビニがあると思えばいいですよ」

「コンビニか......我によくお弁当の
余りをくれたオババは元気かのぅ」

「私が言ってあれなんですが、コンビニは知ってるんですね」

「我の縄張りの近くに来た人間がそういってたのを覚えていたんじゃ」

「なるほど」

「では話がそれてしまいましたが、
 これから東さんの服を買いに行きましょう」

「主〜期待しておるぞ!」

「東さんも何か希望があったらいってくださいね」

といって女性用の服を多く取り揃えている店へと入店

東さんに似合う服を張り切ってさがす

「これはどうでしょうか......」

「主!あれはどうじゃ!」

「上がこれで、下は......」

「色は黒がええの」

服選びを開始して約二時間

めぼしい服を購入し帰ることに

店を出たときこころなしか

来る前より雨の勢いが増している

そんな気がした

「して、我に似合う服は見つけたのかのぅ主よ」

 東さんは途中まで一緒に服を見ていましたが

「あきた」

 深くため息をしたあとそう言い残して

「後は頼んだぞ主」

 と散策に出て行ったのが服を選び始めて数十分後のこと

 東さんは服にそれほど関心がないのだと悟りました

「はい、厳選に厳選を重ねた物ばかりですよ」

 対する私は東さんに服を着せるのが

 最近の楽しみと化しているので

「どれもこれも東さんに着せたいものばかり」

 たとい周囲からの視線が多少冷ややかな

 ものだったとしても、動じることなく

「帰ったら着てみてください」

服を選びました。そして会計をするさいに

レジの年若い女性が私に苦笑した顔が心に残りました

「まあ、楽しみにしとるけ」

「はい、期待しといてください」

そして私が東さんに微笑んだと同時に

降りしきる雨のなか、空に突如閃光が煌めく

そして数瞬の間があいた後、衝撃音のような音が

当たりに響いた

「雷ですか......」

雷が鳴るだろうと店をでたときに予想はしていたが

「予想よりも近いですね」私は空を仰ぐ

私は東さんに急いで帰りましょうと

そう言おうと東さんの方へと視線を移しました

しかし、東さんは先ほどのような勢いはなく

ただ、唇をキュッと噛み、私の片腕に

震えながらしがみついていました

可愛い……

「もしかして、雷が怖いですか?」

「い、いや......いきなりでちょっと驚いただけじゃ」

すまぬと言って東さんは私の抱きついた腕から離れようとしたが

また閃光が煌めくと先ほどより強い力で私の腕を掴んだ

「ッ......!」

「無理しないでいいですよ」

私は東さんの頭をそっと撫でる

「......しばらくこのままでいいけ?」

「いや、それはダメですね」

「じゃが我は腰が抜けて」

「だからサッさと帰りましょう」

私は傘を折りたたみ

「ひゃ......主! 傘をたたんだら、雨に濡れるけ」

「でも感電死なんてしたくありませんからね」.

両手を頭の上に置き小さな抵抗をしている東さん

「ほら、東さん落としちゃダメですよ」

東さんに購入した服と傘を持たせる

「あ......え....主?」

「では、失礼して......」

東さんを抱き上げる

俗にいうお姫様抱っこだ

「ぇ......ふぇ!?」

うわずった声をあげる東さん

「さぁ帰りますよ」

そして勢いよく我が家へ走って帰りました




「ふぅ.....到着です」

「.......」

走って数分、無事に帰宅東さんを下ろす

傘をささず、走って帰ってきたので

二人ともずぶ濡れになってしまっていた

少し寒気もでてきている

「風邪を引くわけにもいきませんね」

「まずはお風呂を沸かさなければ.....しかし.....」

私は玄関の前で座りこんでいる東さんに

「......主」

ギュッと服を握られているせいでいけませんでした

「東さん」

「わ、我が儘なのは分かっておる......」

「じゃが......そばにいてほしい......」

「でも、風邪を引いてしまいますよ?」

「でも......」

東さんの服を握る手が強まった

私にいかないでくれと瞳で訴えている

私はどうすればいいか数瞬悩み

そして閃いた

「東さん安心してください」

「その不安を一気に解決する方法がありますよ」

「そ、そうなのけ?」

「はい、というわけで」

私はさっきのように東さんを抱き上げ満面の笑みで

「東さん、一緒にお風呂に入りましょう」


「ホニャ?」

「え?」

そして東さんは脱兎のごとく逃げだした

「ほに!?」

わけもなく足がもつれそのまま崩れるように転倒

「あ、東さん......」

「動け!動いてくれー!」

某ロボットアニメのパイロットが言うような台詞を叫ぶ東さん

しかし、東さんは腰が抜けて歩けない

「そんなに嫌なんですね......」

濡れるのが......

「もう、濡れとうない〜!」

「はぁ仕方ないですね」

「東さん今までお風呂入ったことありますか?」

「.......それは」

「最近の東さんちょっと臭いますよ」











「.........................」















「うぅ...........」










「うぁぁぁぁ.......」ポロポロ






東さんは今まで見たことがないくらい






「ああ......ひっく.....ぐす......うぁぁ......」






大粒の涙を流して泣いてしまった

しまった。と思った時にはすでに遅く

目の前の儚げな彼女を泣かせてしまった

そんなつもりはなかった

ただ、何時ものように

からかって、

そのあと抱き締めるつもりだった

「あ、東さん......」

私は彼女に手を伸ばした

「ッ......!!」

しかし、それは払われた

完全な拒絶の意志で

「......東さ」

「主は......」

「え.....」

「夜遅くまで我を飼うからと」



そうです



「猫について懸命に勉強をしてた」



東さんと楽しく暮らしいと



「猫の生態のことだって」



本屋に行ってネットでもしらべて



「よく知っとるじゃろ?」



猫について他人より知っていると自負していました



「濡れるのが嫌いじゃと」



そうです



「知ってとるじゃろ?」



「それは.....」



そんなことは分かりきっていたことだった

「この姿になったからには......」


東さんは


「克服しなければと」



涙声になりながらも



「思っておった......」



涙を流しながらも私に言い聞かせるように話す

「でも...のぅ......」


「臭い、なんて......」


「主には」


「主だけには」



「言われたく......なかった」

私は絶句していました


「でも、悪いのは我じゃ」


だから私は


「風呂に入らない我が悪い」


涙を流さないよう必死にこらえながら話す彼女に



「主、喚き散らしてすまなかっ.....」



私は土下座した

投下終了

東さんは男以外になら

きっとすぐ反論しただろうね

泣くことはなかった

「主?」

「すいません東さん」

「私は東さんにヒドいことをいってしまいました」

私は顔を上げる。目の前には可愛い女の子がいる

そう、東さんは女の子

元は猫であれ今の東さんは女性なのだ

「東さん許してくれませんか?」

私は東さんを真剣に見つめ、彼女の返答を待つ

「..........」

「..........」

「......分かったゆるすけ」

東さんは大きくため息したあとそう言った

私はホット安心しましたが

「だが、我にヒドいこと言ったんじゃ」

「そんな主にはおしおきじゃ」

と言われ心中穏やかにとはなりませんでした

「お仕置きですか?」

「大したことじゃないけ」

「たんなるケジメじゃ」

そして刹那、私の頬に鋭い痛みが走る

「......ッ」

私は東さんに平手打ちされました

そして抱きつかれました

「痛かったか?」

「......少しだけ」

「ごめんのぅ主」

「女性からすれば当然の反応です」

「これでおあいこですよ」

「たしかにそうなんじゃが.....」

「じゃあ仲直りも兼ねてお風呂いきましょう」

「......明日じゃだめかのう?」

「さっき克服しないとっていってましたよね」

「.......ぬう」

「それに風邪を引きますよ」

「......じゃが.....むう」

「大丈夫ですよ」

「慣れたらどうってことないです」

「.....う、うむ...分かったけんの」

「が、頑張ってみるけ」

「ほわ〜あったかいの〜」

「ついさっきまであんなに嫌がってたのに.....」

「まさか、こんなに気持ちいいとは思わなんだら」

ウンウン、とうなずきながら満足そうに東さんは呟く

そんな彼女を私は後ろから抱き締める形で入浴している

「(でも、気に入ってくれたようなので...いいですけどね)」

「しかし、主よ」

「はい?」

「主はこの状況をなんとも思わんのけ?」

「......ああ、まあ」

「東さんをこうやって抱き締めることができて」

「なんといいましょうか....ぽかぽかします」

「こう......ムラムラッとはこないのけ?」

「いえ、とくには」

「なんじゃと......!!」

「お、男というものは....こういう時に興奮したりしないのけ」

「ああ、普通なら興奮するかと」

「じゃあ主は?」

「あ、えっと......私の場合」

「東さんをお世話...人型になる前ですよ?....してたせいなのか」

「ただ、純粋に可愛いと思っています」

「にゃんと.......」

「はあ.....どうりで人型になった我と初めてあったとき」

「主の対応が冷静だったわけじゃ」

「あのYシャツのときですか?とても可愛いかったですよ」

「そ、そうかのう.....て、ちがう」

「ぬう、せっかくあれで主を悩殺できると踏んでいたんじゃが」

「ざんねんじゃ.....」

「でも、よく思いつきましたね」

「私以外なら悩殺ですよ絶対に」

「それは知らん男が我の縄張りに落とした本を見て学んだんじゃ」

「なんてもの読んでいるんですか.....」

「でも効果はなかったのう」

「ほかの男どもはその本を見るなり
 鼻息を荒くさせながら見ていたというのに」

「私はそんな風になりたくないです」

「たしかに、主がそんな風になっていると考えると....よろしくないの....」

「結論これでよし」

「そうじゃの」

「...............」

「................」

「主.....」

「なんです?」

「その....もう少し強く抱き締めてほしい.....」

「こう.....ですか.....」

「あ.....ん....これくらいがええの」

「............」

「.............」

「あったかいの.....」

「あったかいですね」

「ぽっかぽかじゃ」

「ぽっかぽかです」

>>76辺りから眉間にシワ寄せてたけど、一気に開放されたわwww
俺んちにも東さん欲しい……

「主......」

「なんです?」

「我は.....あの音が嫌いでの.....」

きっと雷のことだろう、そういえばもう一人

雷が苦手な人がいたなと考えている間にも東さんは続ける

「主と会う前は......とにかく怖くて......」

「あの音が去るまで震えながら耐えていたもんじゃ」

「さっきも足が震えて動けんかった」

「だから.......」

東さんは顔を伏せたあと、こちらを向き

「主がだっこしてくれたときは嬉しかったけ」

優しく私に微笑み、そのあと照れくさそうに

お、重くはなかったか?と聞かれ

軽すぎて少し心配です。と笑顔で返した

私の返答に目を見開き数瞬ほど固まると、次に目を細めて

「主は......優しいのぅ」と言って頬を赤らめる

そして東さんは体ごと私の方へ向き直る

「そんな風に優しくされたら......」

「もっと好きになってしまうじゃろ?」

「あ、東さん?」

「主が......悪いんじゃ......」

「一緒に入ろうなどと言うから.....」

東さんは息を荒くさせながら私を見つめている

「主がよくても......我は我慢できそうもない」

「主......我を受け入れてほしい.....ん」

目を閉じ唇を私の方へと近ずけてくる東さん

「(これは.....困りました.....)」

「(しかし、断るのも気がひけます)

ここは風呂場逃げるのは、ほぼ無理

仮に拒絶したりでもしたらさっきのように、なりかねないので

「(東さんが気の済むまで好きにさせてあげましょうか)」

「主......ん......」

「好きぃ......」

甘い吐息と一緒に今にも私の唇をふさごうとする東さん

そしてもう互いの唇が重なる直線に

東さんは湯船の中へと消えていった

「............」







「ああ、のぼせましたか」


続きがきになる

レスくれた方ありがとう

最近になってスレタイミスったと後悔してます

では少しだけ投下

「ぬ〜し〜頭がボーとするけ.....」

私の肩に寄りかかっている東さんは力が抜けきったような声で言った

「長湯しすぎましたね」

東さんがのぼせて湯船に消えた後、私はすぐ彼女を引き上げ

身体を拭き、用意しておいた服に着替えさせた

「あのままいけば、主ともっと親密に......」

東さんは心底残念そうに事の結果に悔やんでいた

「でも、ちょっとだけ興奮しましたよ」

とりあえずフォローをしておく

「おぉ!ほんとうか!?」

「ムラムラしたけ?」

「まぁ、そうですね......」

自分で言っといてはなんですが

東さんが私に迫ってきたことを思いだしたら

顔が熱くなってしまいました

「おぉ、照れた主をみるのは初めてじゃ」

「の、のぼせて顔が赤くなっているだけです」

「照れるな主よ、だがその顔も新鮮で中々可愛いぞ?」

「可愛いなんて言われてもうれしくないですよ」

「まぁ、主に可愛いという言葉は似合わないのぅ」

「どちらかと言われれば主は男らしさがある」

「そこらへんのほそっちょろい男よりいいけ」

「ぬ〜し〜.....」

私に自身の頬をすり寄せてくる東さん

匂いをこすりつけている猫のようにも見える

「東さん雷やみましたよ」

ふと外をみると雨は止み雷の音も聞こえなくなっていた

「やっといなくなったか、ふぅ.....」

「雷はやっぱり苦手なんですね」

「じゃが少しだけ雷も悪くないと思ったぞ」

「え?そうなんですか?」

「だって......」






「主とこうして触れ合っていられるからのぅ......」




「東さん......」

「だから、少しだけ雷のことも好きになったけ」

「そう.....ですか」

「だからまた雷がきたらよろしくの、主」

「まったく....仕方のない猫ですね.....」

「可愛いじゃないですか!」

「おわー!主、撫でるならもっと優しくしろ!」

「今日は私の気の済むまで撫でますので覚悟してください」

「ふにゃー!」

東さんが解放されたのはそれから一時開ほど経った後だった

いいぞ

もっとやれ

猫に会いたくなるー

可愛いな

可愛い〜

ちょっと書きためしてました

では投下

私の趣味は読者です

いざ本を開けば周りの音が聞こえなくなるほど集中できます

そして今の私はその趣味である読者に没頭している

自分の世界へと浸ろうとする

しかし.......

「ぬ〜し〜 教えて〜」

「またですか.....」

「だって分からんのじゃもん」

「東さんは急いで解きすぎです、ゆっくり解いていけば問題ないですよ」

このやりとりが.....かれこれ五回ほどつづいている

つまり五回ほど私は読書をじゃまされている

「......めんどっちぃ」

「東さんですよ私に算数を教えろって言ったのは」

「む〜それはそうじゃが.....」

難しそうな表情をしながら

机の上にある算数ドリルとにらめっこしている東さん


まだまだ雨の日が多い、六月の出来事


「我にさんすーなるものを教えてくれ」

キッカケは東さんのこの一言でした

突然どうしたのかと聞くと

「主の嫁になったら、主に料理をもてなす」

「料理をもてなすためにまず食材を買う」

「食材を買うにはおカネを使う」

「おカネを使うなら...さんすーなるものを覚えなければならん」

「じゃから教えてくれ」

と、いう経緯があって東さんには

ダ○ソーでかった算数ドリルをしてもらっている

最初こそ悪戦苦闘していた東さんですが

私が指導した効果もあって

今では足し算、引き算は勿論、かけ算とわり算もできるようになってきました

「ほら、もうちょっとで終わるじゃないですか」

「そうなんじゃがここがどうも.....」

「それですか.....これはですね」

「まず一番最初がかけ算です」

「でもその後ろに括弧がありますね?」

「その場合、最初に計算するのは括弧の中です」

「おぉ! なるほどのぅ〜」

「あとは....よし! 出来たぞ主!」

「終わりましたかどれどれ..........」

「あ、東さん......」

「う、うむ......」

今か今かと待ちわびている東さん

「これは.......!」

「あ、東さん.....!」

「ど、どうじゃ?」

「全問......」

「ぜ、全問......」

「不正解です」

「にゃーーーーーー!?」

「い、意義あり!」

「意義なんてよく知ってましたね」

「でも、残念でした東さん」

「あなたは名前を書いていない」

ちなみに名前を書けば文句なしの満点でした

「.......えー......」

「なんですかその目は?」
 
「主の意地悪! 名前書けなんて言ってないけ!」

「名前欄あるじゃないですか?」

ほらここに。

と算数ドリルの右上を人差し指でトントンと小突く

「むぅ......」

東さんは私から算数ドリルをとりあげ
名前欄に名前を書き込む

「これでいいじゃろ?」

「はい、名前有り、問題も全問正解です」


「でも、あんまりうれしくないけ」

「今度から名前も書きましょうね」

「でも、問題自体は完璧に解けていたので」

「東さんには次のステップに進んでもらいましょうか」

「にょ? 何をするんじゃ?」

キョトンとした表情をしている東さんに

一枚の二つ折りにされたメモ用紙を渡す

「ん? これは....」

「まだ開いちゃだめですよ」

「今から東さんには......」

「買い物に行ってきてもらいます」

「おぉ! ついにこの時がきたけぇ!」

「そのメモ用紙には今日の晩ご飯に使う食材が書いてます」

「その食材を買ってきてくださいね」

「分かった! 主、いってくるけ」

「もちろん着替えてからですよ」

「.......あ」

「あえて言いませんでしたが....」

今の東さんは下着の上に私のYシャツという

なんとも眼福な格好をしている

「家の中ならまだしも、外にでるのはダメですね」

「と、いうわけで着替えましょうか」

東さんの着ているYシャツを脱がす

「あぁ〜 主の温もりが....」

「あとベッドの下に隠している私のYシャツは没収します」

「にゃあ!? なぜバレた!」

「寝室を掃除をしたときに...」

「う、うかつじゃった.....」

「そしてYシャツに顔を埋めるのは禁止です」

「な! それは.....ちょっと.....」

「不満でもあるんですか?」

「お、おおありじゃ!」

「何故?」

「だ、だって.....」

「その、主の....匂い....好きじゃから」

東さんは顔を上気させ、胸の前で両方の指を弄りながら

消え入りそうな声で言った

「つい....出来心で.....す、すまぬ」

心底申し訳なさそうに謝罪する東さん

しかし、視線が顔がこちらを向いていない

「人に謝るときは」

私は東さんの両頬に手を添える

「あ.......」

「ちゃんと相手の目を見ないとだめですよ」

「は、恥ずかしいけ......」

「ほら、目を逸らさないでください」

「あ....う.....え......」

東さんは瞳はこちらに向けたり逸らしたり忙しない

猫を見つめすぎるとケンカになるらしいが.....

「その、えっと.....主....あんまり見つめないでくれぇ......」

東さんは違うようだ

「ちゃんと謝ればいいですよ」

「あ.....う....ご、ごめんなさい.....」

「主の...男のYシャツの匂いを嗅いで......ご、ごめんなさい」

「ちゃんと目を見て言えましたね」

「にょわ!?」

「ご褒美に好きなだけ嗅いでいいですよ」

「.........ん」

「どうですか?」

「すぅ......はぁ......ん.....主の匂い....」

「Yシャツよりも.....主の匂いが濃くて」

「嗅ぐたびに胸がギュと締め付けられるような感覚が」

「き、気持ちいいけ.....」

「にゃ〜 ぬ〜し〜 」

東さんは感極まったのか

「....はむ......」

私の首もとを噛む

所由、猫が親愛の情をもって行うとされる

甘噛みというものだ


読み返したら

誤字脱字が多いですね

申し訳ないです。次からは慎重に投下します

「はむ.....ふぅ.....はむ......」

「主........」

東さんは私の首を、噛む、舐める、キスをする

ここまでくると、懐いているというより

発情されているように思えてくる

「はぁ......主」

若干息が荒くなっている東さん

「はい、ここまで」

私は東さんを引き離した

「にゃ...もう少し....」

「おおっとダメですよ、東さんにはまずやることがあるでしょう?」

「にゅ.....そうじゃった.....」

「続きは帰ってきてから...いいですね?」

「.......ん」

「気をつけてくださいね」

私は東さんをYシャツから着替えさせ

買い物袋と財布を渡した

「うむ、いってくるけ...主」

「........主」

「はい?」

「帰ったら......その.....続きを.....」

「はい、まってますよ」

「...! なるべく早く帰るけ!」

そして東さんは勢いよく駆け出していった

その姿を手をふって見送る

「さて、やっと読書に集中できます」

しかし

「集中できませんね...」

「いつもなら周りの音すら聞こえなくなるほど集中できたんですが....」

「................」

<主〜 構って〜 > 

<主のこと....大好きじゃぞ>

<主.....ありがとう...>

< ぬし! >

「..................」

「ふぅ.........」

「今日は休みなんですがね」


縺翫▽

東さーーーーーーーん!!!!!

>>>1さん頑張って!

誤字脱字とか気づかないくらい読みやすいし、東さん可愛い
俺生まれ変わったら>>1に人生書いてもらうわ。ヒロイン東さんで

カランカラン

扉をあけると新聞紙を読んでいる美少女がいた

「こんにちは、店長」

「あれ男? 今日は休みだったはずだけど?」

「いや、そのなんだか.....暇だったので」

「暇でバイト先にくるとは....そんなに私のお手伝いしたかったのかな?」

「まぁ.....そんなところですよ」

そう言うと、店長は私をジッと見つめたあと

持っていた新聞紙を丸め、その新聞紙で私の頭を小突く

「ふふ、今日の男は悪い子だね」

「なんでそう思いますか?」

「嘘をついたから」

「嘘、ですか」

「どうして嘘をついてると?」

「うーん、なんとなく」

「なんとなくですか?」

「そうだよ」

「ただ.....」

「ただ......?」

「変に意地をはらなくていいと思うよ」

「...............」

「それにそんな顔、男には似合わないよ〜」

「そうですか.....」

「分かった?」

「すごく良く分かりましたよ、店長」

「ふふ、よろしい」

「さて男が手伝いに来てくれたわけだし」

「男、私買い物行ってくるね」

「だから帰ってくるまでお店頼んだよ!」

「店長は鋭いですね.....」

気づけば私は頬を緩めていた

店長は買い物にいった

そして私は店番をしている

店長の経営してる店、そして私が働いているここは喫茶店である

木造だった建物を店長が買い取り一手間かけて

この喫茶店ができた。

そして色々あって私はここで働いている

近い内に、東さんを招待したい

きっと気に入ると思うから



「にゃ〜 相変わらず賑やかじゃのぅここは...」

東はショピングモールにきていた

「さて、そろそろ開けていいじゃろ」

東は男に渡された紙をポッケからだし、開く

「ふむ.....」

東は紙に書いてある食材を一瞥し、閉じる

「主、まっとれよ〜」

言って笑みを浮かべ、東は食品売り場へと向かった

東は食品売り場につくと早くも行動を開始

紙に書かれた食材をお店の買い物カゴに入れていく

入れつつ、そのカゴの中に入れた食材の値段の合計を計算

「は! あれは!」

ふと、東はある物を凝視する

欲しいと、直感的に思い、手を伸ばしたが

しかし、それは紙に書いていない物だったので断念

そして再開、紙に書いてあった食材を購入

合計金額も自分の計算したものと同じだった

「ふふ、計算どうり」

そして会計の際に財布を開くと

合計金額ピッタリにお金が入っていた

「..............」

「..............ぬし」

「帰ったら覚えちょけよ......」

おつ?

「まぁ、それはさておき」

「買ったものをこっちの袋に入れるけ」

「うんしょ うんしょ」

ガサガサと買い物袋に食材をいれ

入れ終わると、東は店をでた

「ふっふーん、まっとれよ主〜」

「帰って、ご飯つくるからの〜」

「そして、主に抱きしめてもらうんじゃ.......ん?」

意気揚々と帰ろうとした直後

ふと、通りすがった子供に視線が動く

いや、正しく言うとその子供が手に持っていた

「あ......あれは」

そう手に持っていたアイスクリームだった


「ぬ..........」

東の視線はアイスクリームに釘付けだった

「(おいしそうじゃのう.....)」

「(最後に食べたのは.....猫の姿をしていた頃かの)」

「(にょ〜! 食べたいけ!)」

東は猫の頃に口にしたアイスクリーム(バニラ味)を食べて以来

アイスクリームが大好物になったという過去がある

しかし、男はそれを知らない。東が言わなかったからだ

東は子供が歩いて来た方向に視線を向ける

アイスクリームのお店があった

しばしの逡巡の後......

「......見るだけ」

「見るだけだからの......」

そして視線の先にある店へ歩を進める

東の足取りは軽かった






少々遠慮がちに店に入った東を

「いらっしゃい」

透き通る声を発し、かつ笑顔で出迎えたのは

店員であろう若い男だった

「あれ、見ない顔だね?」

「さ、最近ここに来たんじゃ」

「そっか.....ご注文は?」

「あ、いやただ見に来ただけじゃ......」

「........ぶっは(笑)」

「な、なにを笑っておるけ?」

「いや、だってそれ.......」

「堂々と冷やかしに来ましたって言ってるようなものだよ?」

「.........にゃ!」

「ち、違う! 冷やかしではないぞ!」

「た、ただアイスを買うお金がないから」

「見るだけで我慢しようと思っただけじゃ!」

「...........」

「だっはっはっはっは!!」

「にゃあ! 笑うな!!」

「なにその理由! 面白いんだけど!」

「にゃーー! 正直にいったけ! バカにするな!」

「いや、正直過ぎだよ」

「お客さん、面白いね..........ぶふぅ(笑)」

「なんじゃあ人のことバカにしおって....」

「そんなこと....なくもないよ」

「自覚しとるじゃないけ!」

「お客さん変わった喋り方してるね?」

「話をそらすんじゃないけ!」

「あ、ごめん.....ワザと」

「にゃーー!! ムッかつく!」

「まぁまぁ、落ち着いて....」

「元をたどれば.....えっと.......」

「青年だよ」

「も、元をたどれば青年が我をからかうから......」

「でも、少しは肩の力抜けたでしょ?」

「.......え?」

おい、NTRっぽい奴はやめてくれよ・・・?

純愛ほのぼのなので問題ないです
投下


「あんなに挙動不審でさ」

「この店に入ってくるから、ちょっとリラックスさせようと......な?」

「ぬ......そうか」

「それとハイ」

「にょ! アイスクリーム...」

「食べなよ」

「最初ということで今回はサービス」

東は目の前に差し出されたアイスクリーム(バニラ味)を受け取り

一口食べる

「.......!」

口の中に甘味が広がり、ふわっとした食感に

ひんやりとした冷たさが東の幸福感を満たす

「お、美味しい......」

「美味しいぞ! 青年!」

「.......!」

「どうした顔が赤いぞ?」

「あー、なんでもないぞ」

「ぬ、そうか」

言って東はアイスを食べるのに意識を戻す

「(なんだこの子......可愛すぎだろ...)」

心の中で青年は呟いた

それは非常に的を射た言葉だった

実際東がショッピングモールに来るまでに

何人もの人が東に熱い視線を向けていた

それだけの魅力が東にはあった

しかし本人は自覚していない

「(パッと見ると大人の雰囲気なんだが.....)」

「(アイスを食べた瞬間の無垢で子供のような表情....)」

「(これがギャップ萌えか......)」

「(そこらへんの無駄に制服とか改造したり)」

「(顔ばっかり作っている女子高生よりずっといいな.....眼福)」

「にゃ〜ご馳走さまじゃ」

「お、早いねもう食べたか」

「美味しくて、食べるのが止まらなかったけ!」

「そう言ってくれると嬉しいよ」

「そうだ名前なんて言うの?」

「ん......そうじゃの青年が名乗ったのだから我も言わねばの」

「我の名はあずま」

「ひがしと書いて東じゃ」


「東.....ちゃんっていうのか.....」

「そうじゃ男が付けてくれたんじゃ!」

「男? 」

「うむ、我の大切な人じゃ」

そこから東は青年に話した

自分が拾われたこと

世話を焼いてくれたこと

優しいところ

いつも撫でてくれること

思いつくかぎり東は男を褒めちぎる

青年はその話にひたすら耳を傾けている

世間一般でいう惚気というものだが

一生懸命に話している東を見ると

どうでもよくなっていた

「にょ!? いかんもう行かねば」

青年に男の良さを語っているのについ熱中していた東

「お、もう帰るのかい?」

「ん、男に御飯を作ってやるんじゃ」

「そっか、今の時間だと柄の悪い奴が多いから」

「気をつけてね、東ちゃん」

「なんなら送ろうか?」

「お、心配してくれるのけ?」

「さっきまでは...我をからかっていたのにのぅ?」

「ただ純粋に心配なんだよ」

「気持ちだけ受け取っておくけ」

「じゃあの青年、美味しかったぞ」

「どうも、またのご利用お待ちしてるよ」

投下終了

スレ主はNTRを好んでおりません

純愛ほのぼのを目指します


俺なら純愛ほのぼの路線でもあえて読者にNTR意識させちゃうと思うんだけど
その点>>1は優しいなww

やはりNTRは最悪だ

>>1はよく分かっている

「にゃ〜美味しかったのぅ」

先ほど食べたアイスの味を思いだし、東は口元を緩めながら帰宅している

「(食品売り場で見つけたときは、諦めたが.....)」

「(青年だったかの良い奴じゃ)」

「主にも食べさせてあげたいの」

ふと東の視線に不審な影が映る

「ん......? あれは....」

それは買い物袋を持った女性に、若者三人が絡んでいるところだった

「姉ちゃんさ〜俺ら今お金ないのよ!」

「だから俺らにちょっとお金くれないかな〜て」

「君達にあげるお金なんてないよ」

「え? いいの? そんなこと言って?」

「お姉さん周りよく見て考えたほういいよ?」

「考えるまでもありません」

「君達のような人間にあげるお金なんてありません」

「うわーコイツ生意気」

「俺達が穏便に済ませようとしたのによ」

若者三人は女性の回りを囲うように動く

そして若者三人は下卑た笑みを浮かべながら

女性の方へと距離を近づけていく

「........」

「あれ? ビビってる?」

そしてギャハハと笑いだす

「そうだね......」

「君達みたいに複数でつるんでないと」

「なにもできない人に」

「ビビるなんて無理があるよ」

「うわー殴りてー超殴りてー」

「できるの?」

「......てんめぇ....」




「青年が言っていたのはアイツらのことか」

「ふーむ.......」

「よし、助けちゃろう」

「知らん顔なんて我にはできん」

見ると若者の一人が女性に殴りかかろうとしている

「....! いかん」

「いい気になりやがって.....」

そして若者は腕を振りかぶる

「泣かす.....!」

そして女性に拳を振り下ろーー

「猫キ〜ック」

そうとしたら後頭部に強烈な衝撃を受け下ろせなかった

「はが!?」

と頓狂な声を上げて崩れる若者

「な!?」

と仲間の一人が突然倒れたことに困惑する若者二人

東は駆け出した

狙いは拳を振りかぶっている男

助走の力を利用し、そのまま跳び蹴りを

「猫キッ〜ク」

後頭部にかます

「はが!?」

とマヌケな声をあげて崩れる若者

それを見て困惑する若者二人

「やるなら.....今!!」

そして東は着地と同時に

「フン!」

跳躍、その高さ約五メートル

そして若者の一人に

「ふりゃ!」

踵落としをくらわせる

踵落としをくらった若者は

小さく悲鳴をあげ、ノックアウト

「あと一人」

「なんだてめーは!」

怒りに顔を染めて最後の一人が東に殴る

しかし、それは殴ること叶わず

「なんじゃあ、口だけかぁ?」

がっちりと東の手のひらに収まっていた

視界の隅では女性が驚きで目を見開いていた

「な! 離せ! 糞がぁ!!」

「いいぞ」

そう言って手を離す

若者は手にかかっていた力がなくなり後ろにバランスを崩す

そしてその隙を逃さず

若者の鳩尾に鋭い打突を一発打ち込んだ

「ぴぃ!」

声を上げてピクピクと痙攣したあと、土下座のような形で気絶した

「..........猫パンチ」

投下終了

私用で3日ほど書けないのでご了承ください

流石猫www

ねっこ♪ねっこ♪

帰還しました

投下

「なんじゃあ、呆気ないのぅ」

東は目の前に転がっている若者を一瞥し

先ほどまで若者達に絡まれていた女性の様子をうかがう

「お主、大丈夫かーー」

「メシアーーー!!!」

女性は東の言葉を待たないで

奇声を上げながら猛烈な抱擁をしてきた

「ほみゃ!?」

突然抱きつかれ、東は転倒しそうになるが

なんとか持ちこたえる


「ど、どうしたんじゃ!? いきなり抱きついて......」

「ありがとう! ありがとう! 」

「こりゃ! 話を聞け!」

「あ! ごめんなさい!」

「..........」

「.........」

「は、離れてくれんか.....」

「うあぁ! そうでした! ごめんなさい!」


女性は抱きつくのを止め、東は猛烈な抱擁から解放され

大きく息をはいた

「ごめんなさい、つい興奮しちゃって(笑)」

「先ずはお礼を言わないとね」

「助けてくれてありがとう!」

「いんや、気にするな我が助けたいからそうしたまで」

「私の名前は店長、アナタは?」

「店長というのか.....我の名前は東じゃ」














「............あれ?」

「ん? どうした?」

店長は首を傾げる

「(聞いたことがある名前.....)」

東という名前を聞いてどこか引っかかるような気持ちを覚える

「(というよりいつも聞いてるよね?)」

しかし、頭にでかかっているそれを

思い出そうとしても思いだせなかった

「(うーん........)」

チラっと店長は東へと視線を向ける

「ん?」

目の前には黒髪の美少女

「大丈夫か?」

店長を心配そうに見つめる美少女

先ほどチンピラに絡まれていたいた所を

助けてくれた美少女

「........まぁ、いいや(笑)」

そして考えるのをやめた店長だった


「店長?」

「あ! ごめんね! ちょっと考えごとを......」

「む.......そうか、ではの店長」

そして東は踵を返す

「まてーい!?」

「ふぎゃ!?」

ガシッと首元をつかまれ東はおもわず声をあげた

「な、なにするんじゃぁ....」

「あ、いや、えっと.......」


「(あれなんで引き止めたんだろ.....?)」

店長は何故東を止めたのか自分でも理解できなかった

ただ身体が勝手に動いてしまったのだ

「にゅー.....首が......」

東は恨めしそうに店長を見ている

「えと、その、ああ! そう!」

「私ね、ここら辺で喫茶店をやっているんだけど......」

「良かったら....寄っていかない?」

「喫茶店?」

「そうそう! 東ちゃんは私の恩人!」

「歓迎するよ!」

「......むぅ」

「んや、悪いが今日は遠慮するけ」

「ええ!?」

「断られるとはおもわなかったよ......」

「すまないのぅ」

「理由を聞いてもいい?」

「え.....あ.....う、うむ」

「(な!! 顔が赤く......)」

「我の大切な人がの.....待っているんじゃ」

「だから、今日は遠慮するけ」

「その喫茶店には今度お邪魔するけ」

「そ、そっか......」

「わかったよ」


「今度でいいから絶対来てね」

「東ちゃんなら大歓迎だよ」

「うむ、またの店長」

そして東は今度こそ踵を返し立ち去った

それを百メートルほど店長は見送り

「さてと、私も帰るか......」

自身も帰ることに

「東ちゃんかぁ、綺麗な子だったな〜」

「しかも、あの時のまっ赤な顔」

「可愛かったな〜」

「しかも腕っ節も強いし」

「男より強いかも」

「あ、そうだよ男に店番任せてきたんだった」

「いそいで、かえら」

「店長」

「ひゃあ!?」


「あ、東ちゃん!?」

「店長は男のこと知ってるのけ?」

「な!?」

店長は驚愕した

百メートルもの距離が空いていたのにも

関わらず自身の声が聞こえていたことに

百メートルもの距離を一瞬できたことに

なにより一番驚愕したのは

「東......男.......あ」

ーー東さんの声が聞きたくてたまりませんーー

「あ! あーーーー!」

男が飼っているという猫の名前が

東ということに今更気づいたことだった

休憩

あとは夜にでも書きます

いいぞ 続けたまえ(迫真

投下

カランカラン

「ありがとうございました」

「さてと、そろそろ閉店の時間ですね」

「しかし......店長が帰ってきませんね」

「まったく......どこで道草をしているのか......」

店長に店番を頼まれて、はや数時間

窓から外を見ると空は紅に染まりつつある

「そのうち帰ってきますね」


カランカラン

「あ、すみません」

「今日はもう閉店に......て.....店長じゃないですか」

「ふふ、たっだいま〜」

「買い物にしては遅かったですね?」


「ちょっと......チンピラーに絡まれてね」

「え!? 大丈夫でしたか?」

「大丈夫だよ、心配しないで」

「絡まれたところをが助けてくれた人がいたからね」

「そうですか......はぁ、良かった」

「でね、その恩人を連れてきたんだ」

「入っていいよー!」

カランカラン

「よぅ、主」

「あ、東さん!?」


「え.......店長をチンピラから助けたのって......東さん?」

「そうだよ、男」

「......そうだったんですか」

「東さん、店長の助けてくれたんですね」

「......」

「あ、東さん?」

「......」

「どうしたんですか?」

「......主は......言った」

「え?」

「待ってるって言った!!」

おお!始まってた!

>>1さんって他に何か書いてるのー?


「......!! それは......」

「さっき男の家に行ったんだ」

「東ちゃんが、君がまってるって言ってね」

「でも....家にいなかったけ」

「こ、これにはですね......」

「言い訳なんて聞かないけ......ふん」

「東さん......」

「ふん......」

「.......はぁ、またやってしまった」


「(そうですよ、私はまってるって言いました)」

「(なのに......)」

「............」

「(また、東さんに悪いことをしてしまっていた)」

「(だから......)」

「東さん、すみませんでした」

「........」

「どうしたら......許してくれますか?」

「......」


「ん」

東は買い物袋を男に突き出した

「えっと、これは......」

「主が......」

「?」

「主が晩御飯作ってくれたら許す」

「......!! いいですよ」

男は買い物袋を東から受け取る

「店長、キッチン借ります」

「いいよ〜」

「では、ちょっとだけまっててくださいね?」

そして男はそそくさと奥にあるキッチンへと行った


投下終了
寝落ちしそうなので今日はここまで

>>166
前にバカみたいに戯れで書いていましたが
見せるような作品ではないのでご勘弁を

このSSも これが終わったあとの>>1さんのSSも楽しみですねー

乙です

>>171 それはこのSSが完結してから話そうぜ!

とりあえず>>1さん乙です


〜時は少しさかのぼって〜






「ぬし! ぬし!」

「東ちゃん.......」

東と店長は男の家にいた

なぜか、男がまってると行ったからだ

だから東は家に帰った

「ぬし! ぬし......」

「......どこにも、いないけ......」

しかし、男はいなかった

「うそつき......」

「まってるって......いったじゃないけ......」

「あ、東ちゃん」

「なにもそんな悲観することじゃ」

「ぬしの.......バカぁ......」

「........」

「ヒック......グズ......ぬしぃ......」

店長は東のことを励まそうとした

しかし、東が泣いているのを見て

何かを言うよりも

そっと頭を撫でてあげた


「よしよし」

「て、店長......」

「そうだよね、寂しいよね」

「甘えたいもんね」

店長は東の頭を優しく撫で続ける

東からは道中で自分は猫だったことを教えてもらった

男の友達なら大丈夫だと

「ちょっと不安になったんだよね」

「うん......」

「よし、じゃあ今から男のところに行こう」

「東ちゃんを心配させたんだから、反省させないとね」


「とまぁ、こういうことがあったんですよ」

「そうでしたか......」

晩御飯を作りながら、店長の話を聞く

「でも、そんなに......」

そう、そんなに大したことでもない気がする

私がいないからと言ってなにも泣くことはないばず

「東ちゃんは君が思っている以上に」

「一途な女の子だよ」

「男にまっていて欲しかったんだよ」

「それくらい東ちゃんは男に惚れてるの」

「分かった?」









「惚れている......ですか」

「私も東さんのことは好きですよ」

「一人の女性として......」

「だったらいいじゃん相思相愛」

「でも、以前言ったんです」

「まずは、お互いのことを理解しようって」

「私はまだ東さんのことを完璧に理解していません」

「だから.......」

「他人を完璧に理解なんてできないよ、男」

「......」

「時には仲睦まじい夫婦のように」

「時には約束を破って喧嘩したり」

「はたまた互いを傷つけて後悔したり」

「そして互いに謝って、また仲直りする」

「そういう風な関係でも、いいんじゃないかな?」

「互いに惹かれあっているのにすれ違いなんて」

「寂しいことこの上ないことだよ」


「自分の気持ちくらい素直にいいなよ?」

「......」

たしかに

「そうですね」

店長が言ったような関係も悪くはない

それに東さんは充分、私に想いをぶつけてくれている

「私も誠意を持って東さんに今の気持ちを伝えることにします」

「おお! やる気になったね!」

「でも、今の東ちゃんは一筋縄ではいかないよ?」

「それは問題ないですよ、店長」

「ふぇ?」

「伊達に二カ月も一緒に暮らしていないです」










「東さん、晩御飯できましたよ」

「......」

東さんは頑なに口を閉じ

私には視線を向けなかった

「今日は親子丼です」

しかし、それでも構わず

私は東さんにスプーンで親子丼をすくい

東さんの口元へともっていく

「........むぅ」

「東さん、あーん」

「ひ、一人でできるけ!」

そして、東さんはスプーンを奪って自分で食べる

「美味しいですか?」

「.......美味しい」

「それは良かった」

「.........」

「.........」

「店長は?」

「なにか用事だとかで消えちゃいました」


「そうか......」

「..........」

「.........」

「ぬし.........」

「なんです?」

「なんで.......待っててくれなかったんじゃ?」

「帰って.....ぬしがいなくて......」

「すごく......不安じゃった」

東さんは私に視線を向けた

瞳に涙をためて

「なにより、我に嘘をついたことだ」

「はい」

「約束を破るな」

「はい」

「消えないでくれ......」

「消えません」

「傍に......いてくれ」

「いますよ」

「我は.....主のこと.....」

ポンと東さんの頭に手をのせる

「ぬし......?」

「東さん」

「東さんは私に素直な気持ちをぶつけてくれました」

「そんな東さんに、私も素直な気持ちをぶつけたいと思います」

「だから、今から言う言葉は」

「私の正直な気持ちです」

「え.......?」







「東さん」















               「大好きですよ」









私用ができました

では後ほど

えんだあああああああああ

追い付いた

途中投下しちゃった…(´Д`)


「....................」

最初、東さんは信じられないとばかりに目を見開き



「...............じゃ」

次に瞳から涙をながし


「不意打ちじゃろぉ........」


私に微笑んだ

私は東さんの髪を撫でる、サラサラした感触が心地いい

「主......」

東さんは目を細めて、髪を撫でていた私の手にすりつく

「私の気持ち受け取ってくれますか?」

「............うん」

「主の気持ち受け取ったぞ......」

言って東さんが抱きついてきた

いつもより少しだけ締め付けが強い

「主......ギュってしてくれ......」

「分かりました」

「ぁぁ......」

彼女を抱きしめる腕にいつもより力をいれる

東さんから小さく切なげな吐息が漏れた


「大丈夫ですか?」

「ん......ふぅ......ちょっと苦しい」

東さんはほんの少し苦しげに私に訴えてきたので

腕の力を弱めようとすると東さんが

先ほどより強く抱きしめてきた

「く、苦しいけど......」

「これくらいでいいけ」

そう言い、頬を上気させ、上目遣いで私を見つめる東さん

「東さん......大好きですよ」

「にゃ......主ぃ.....ぅん......」

えんだぁぁぁぁぁぁぁぁ


「主......もう一回......」




「好きです」




「もう一回....」




「大好きですよ」




「もういっか.......」




「愛しています」




「〜〜〜〜〜!!!」







「我も好き......」



「主のこと大好き.....」



「好き......好き......大好き......」



「主〜〜〜〜!!!」



東さんは好き好きと連呼したあと



「ん..........」



目を閉じ口をすぼめて



「あ、東さーーん!?」



自身の唇を私の唇へ押し付けた


「んむっ、ぬしぃ.....ふぅ.....」

東さんに唇を押し付けられ

「んふっ......んむ、んふ......」

私は一瞬頭が真っ白になる

私はなんとか離れようとしましたが

東さんは私の首にガシっとしがみついており

「(は、はなれられない......!!)」

それでもなんとか振り解こうと腕に力を入れ

東さんの口づけを振り切る

「んっぷぁ.....主.....」

物足りないような、

淋しいような東さんの表情に胸が熱くなる

「にゃ....ぬしぃ.....」

東さんはまたキスしようと唇を押し付けうとする

「東さん、ちょっとまってください心の準備というものが.....」


「我は主のことが好き」

「え?」

「主は我のこと好きじゃろ?」

「あ、いや.....その.....好きですよ......」

「それに......」

そして東さんはおもむろに私の手を取り

「主、触って」

そっと胸にあてた

服の上からでも分かる東さんの柔らかな肉質に心臓が激しく脈打つ

そして東さんの胸も激しく脈打っていることを

手からの振動で感じとる

「主が.....初めて好きって言ってくれたからじゃ」

「主が好きって言ってくれて......胸が張り裂けそうで.....」

「だから、のぅ...?」

つづく

あぁん、いいところで乙

あぁん!生殺しかよおおお


「止まらないんじゃ......」

「えっと、気持ちはとっても嬉しいですけど......」

「その......このままされると......む!?」

「ん、はぁ.....ちゅ、ふむ」

「ぷはぁ、止まらんといったじゃろ?」

「はぁ、わかりました」

「好きにしていいですよ」

「しばらく離さんぞ?」

「いいですけど......背伸びしてするのは大変ですよ?」


「が、がんばるけ......」

「そんなにキスしたいんですか?」

「今まで......出来んかったもん......」

「それに......」

「それに?」

「こ、恋人になったんじゃから......キスくらい.......いいじゃろ?」

「え」

「え?」


「そんなこと言いましたっけ?」

「え......だって......好きって......」

「言いましたね」

「じゃから......」

「でも付き合ってなんて言ってませんよ?」

「え?......あ......」

「だから私はまだ東さんの恋人じゃないですよ」

「.......そ、そんにゃ......」

「じゃったら、どうしたら......」

「主と恋人になれるんじゃ?」


「なら私と約束してください」

「約束?」

「私の話を最後まで聞くことです」

「東さんアナタは人の話を最後まで聞かない」

「にゅ......すまん」

「だから、これからはキチンと聞いてくださいね?」

「わ、わかったけ」

「よろしい」

「って、主よ約束ってこれだけか?」

「そうですよ」

「まぁ、約束もですけど」

「東さんの困った顔が見たかっただけです」


「な......!!」

「困ってる時の東さん可愛くてつい......」

「ぬぅ.....おのれ主ぃ〜!」

「まぁまぁ、そう怒らず」

「今までイジワルしてきたのもそれか?」

「もちろんです」

「そ、即答するな!」

「事実です」

「くぬ.......」

「ぬ......」

「あれ、爪先立ちしてたんですか?」

「つ、疲れた.......」

「キスはお預けですね」

「にゃ......やじゃ!」

「冗談ですよ」

そう言い私は東さんを抱き上げる

「ぬぉ!?」

「どうです?」

「これならキスできますよ?」


「ぬ、主......」

「ああ、重くないので大丈夫ですよ」

「う、うむ.....」

「だから、遠慮はいりませんよ」

「うん......」

「ぬ、主......」

「東さん......」


「はい、続きは帰ってからね〜」

「あ、店長」

「ほぁ!?」

「てか、よくもまぁ堂々とイチャついて.......」

「途中から店長がいるの忘れてました」

「で、どうすんの?」

「え?」

「その男にしがみついてる猫さん」

「あ、えっと......」

「主のバカたれ!! 店長いないって言ったじゃないけ!」

「ぐぅ、東さん耳元でそんな.....」

「は、恥ずかしい.け....」

「......すみません」

「もうね、あまりに甘々でしたので、でてきました」

「タイミング悪いです」


その後、東さんが拗ねて

「先に帰る!!」

と店を出て行く

私も帰ろうとしますが

店長に「自分で作ったんだから最後まで......ね?」

と言われ親子丼を完食する

店長に二、三文句を言い残して帰宅すると

遅いと言われ怒られる

さらに、財布の中に買い物金額ピッタリに

お金をいれていたのを問い詰められる

「あれじゃ計算する意味なかったけ!」

「ぐ、偶然です」←ほんとである

とりあえず東さんには謝罪をし、丸くおさめて就寝

「今日は疲れました」

「主......」

「はい?」

「おやすみ」

そして東さんにキスされた

曰わく、 こ、恋人なんじゃからいいじゃろ? だそうだ

お返しに私も東さんにキスしてあげる

すると真っ赤になって私に抱きつきそのまま寝てしまった

「なんだかんだで......」

「東さんと恋人になりましまたね」

私は東さんを撫でながら呟いた

「ん?」

「これは......」

ふと東さんの髪の毛に白髪が混じっている

「とってあげますか」

ぷっ

「これでよし」

「私も寝ますか......おやすみ、東さん」

一部的なのは終了です、しかし

まだまだ続きますので

皆さんよろしくお願いします

乙!

続き楽しみだわ

白髪・・・?

白髪が不安でしょうがない…( ゚Д゚)

鬱エンドは嫌だな


ミーンミーン


「......」

「六十七......」


ミーンミーン


「......むぅ」

「六十八......」



ミーンミンミンミンミンミン



「にゃー! うっるさーい!」

「東さん、落ち着きなさい、騒いでも何も変わりません......六十九...」


「じゃって主〜あいつらミンミンうるさいぞ......」

「蝉は鳴くのが仕事なんですよ、ふっ......七十...」

        〜七月〜

 カレンダーが一枚めくれ、暑さに身をよじる季節となった

ミーンミンミンミンミンミン

「食べていいけ?」

「それは止めてください」


「主〜暇ぁ〜」

今日の東は上はTシャツ、下はハーフパンツといかにも
夏という格好をしている

「東さん、下着つけてないんですか?」

ふと男は布地越しに先端が突き出ている東の胸を見る

「じゃって暑いんじゃもん......」

「下着はつけた方がいいですよ...七十一......」

「じゃあ......主がつけてくれ」

「私は今忙しいので自分でつけてください...七十二......」

「にゅ〜腕立てなんて後でもいいじゃないけ」

「筋トレは私の日課なのでこればっかりは譲れませんよ」

七十三と男は腕立てを繰り返す


東が男と恋仲になってはや数週間
最初こそ東は恋人同士になったことに胸を躍らせた

しかし

「主はなにもしてこないけ......」

その実、いつもと同じ日常が繰り返されるだけだった

「にゅ......」

キスすらあの告白以降してこないのだ

ちょっと誘ってみようとあえて下着をつけずTシャツを着るが
簡単にかわされてしまう

「七十四......」

当の本人は腕立てに夢中のようだ


「......ふぅ」

「七十五......」

「......実に暇じゃ」

「七十六......」

「主〜構ってくれ〜」

「ちょっと無理です、七十七......」

「..............」

「ぬ〜し〜」

「七十八......」

「にゃあ......主め......こぉんのぉ......」

「イジワルぅ!!」


東は腕立てをしている男の背に飛びついた

「ぐ......重い......」

「どうじゃ主? できんじゃろ? 腕立てできんじゃろ?」

「なんの.......これ.....しき......フン!!」

「七十九......!!」

「にゃんと......」

「(さすが我をだっこして走るだけのことはあるのぅ)」

「じゃが......」

「は、はちじゅう......」

「きゅ、きゅう......」

「主はいつも限界まで腕立てをする」

「その限界が八十回、今七十九回目つまり......」

「我が乗れば自ずと限界がくるじゃろ?」

「ぐ..............はぁ......ぎ、ギブアップ......」

そして志半ばで男は崩れ落ちた


「ふふん、我の勝ち〜」

「あ〜ず〜ま〜さ〜ん?」

「.......にゃ?」

「悪い猫にはお仕置きです」

「ふゃ......!!」

背中にのる東を引き剥がす

「今日のおやつ、アイスは抜きです」

「にゃあ!? それだけは!!」

「私の筋トレを邪魔した罰ですよ東さん」

「そ、そんにゃ〜!?」

「反省してください」

「主、悪かったけ......ごめんなさい ......」

「本当に?」

「ほ、本当じゃ......」

「次からは邪魔しないでくださいね」

「むぅ、元はと言えば主が構ってくれないから......」

来た来たあああああ!!!


「え、いっぱい構ってるじゃありませんか......」

「抱きしめたり、撫でたり、髪をとかしてあげたり、マッサージしてあげたり......」

「ち、違うけ! そういう構ってじゃなくて......」

「せっかく恋仲になったんじゃからもっと.......その」

「恋仲らしいことを......主としたい......」

「恋人らしいこと......ああ、なるほど」

「そういうことですか」

「駄目か? 」

「いや、駄目ってわけじゃ......」

「なら、ええじゃろ?」
 


「東さんの気持ちは分かりましたけど......」

「その心の準備というものが......」

「主の意気地なし......」

「ぐ......」

「でも、主が嫌というのなら我慢するけ」

「す、すいません......」

「でも、我慢するといっても限界がある」

「主と違って、我は猫じゃからのぅ」

「そんときまで、心の準備なるものを済ますんじゃぞ?」

「さ〜て、そろそろ十時のおやつタイムじゃ! アイスでも食べるかの」

そう言って東さんは冷蔵庫のあるキッチンへと向かった

「東さん.......」

「私も東さんのこととっても大好きですよ......」

「でも、はぁ......」

「だ、駄目だ......」

「どうしても東さんが猫の時と被ってしまう......」

「キスしたときだって、ちょっと自己嫌悪したというのに......」

「おまけに東さんは私と男女のそれをしたいと......」

<我慢するといっても限界がある>

<主と違って、我は猫じゃからのぅ>

「それって......発情期のことですよね?」

「..........」

「仮に.......もし」

「発情期の東さんに迫られたとすると......」

「...........はぁ......無理だ......」

「猫に何をしているんですか......」

「ハァ.......」

短いけど投下終了
エロって書いていいのかな?



このSSの雰囲気に合わないほど生々しくなければいいんじゃない?
そこは>>1のお好きなように('-ω-)



濃厚なのじゃなくイチャイチャした感じなのでいいんじゃない?

エロでもイチャイチャでもバッチこい

考えた結果、イチャイチャにすることにしました、投下

「主〜!!?」

悲痛な声を上げながら東が戻ってきた

「ど、どうしました?」

「アイスがないけ〜!?」

「え、そうですか?」

「おかしいですね......まだあったと思うんですが......」

「結局今日は......おやつは抜きなのけ?」

「う〜ん......」

「主ぃ......」

東は両手を懇願するように胸の前で握るようにし、上目遣いで男を見つめる

東の瞳に男の顔が映った


「大丈夫ですよ、アイスくらい買ってあげます」

東のアイスに対する切実な思いに苦笑を漏らし、男は彼女の頭を撫でた
彼女の髪は別段これといった手入れはしていないというのに撫でてみると
手に引っかからないほどサラサラで、それでいて指に触れる感触が


とても心地良かった



「にゃは〜! やったけ! 主ぃありがとう!」

東は男に満面の笑顔で微笑んだ

「でも私はこのあとバイトがあるので一緒には行けません」

「えぇー」

男が一緒に行けないというと、一転

途端に悲しげな表情へと変貌、そして東を撫でている男の手を

両手で掴んだ



「東さん?」

「主も一緒にアイス買いに行こ?」

「ちょっとそれは、厳しいです......」

「むぅ......」

「今度一緒に行きましょう? それまでは我慢」

「..............」

東は男をスゥと見据え、名残惜しそうに両手を離す

「約束じゃぞ?」

「守りますよ」


「そうじゃ、主バイトにいくまえにお昼を食べんとのぅ」

「ん? そうですね......」

「ちょっと早いですけど......食べますか?」

「うむ! 決まりじゃの!」

「今日は我がつくるぞ!」

にゃにゃーんと言いつつ、どこからともなく黒のエプロンが登場

「お、東さんが作るんですか......」

東は料理をするためにエプロンをつける

そして後ろの紐を結ばず、男の方へ背中を向ける


男はその意図を察し、微笑を漏らしたあとエプロンの紐を結びはじめる

「今日のお昼はなんですか?」

「ふふん、カレーじゃぞ」

でも玉ねぎは入れんぞ、と一言

「じゃ晩御飯の分もかねて、多めによろしくお願いします」

男はエプロンの紐をリボン結びで結ぶ

「はい、できましたよ?」

「まだじゃ」

と言って東はヘアゴムを男に渡す

「じゃあ料理の時、邪魔にならないように......」

「..........はい、できましたよ」

東さんの頭をポンポンとたたく


「おお! できたか!」

東は男の方へクルッと振り向く

そのうごきに同調するように

ボニーテールがなびく

「主ぃ! 似合っとるけ?」

「はい、可愛いですよ東さん」

「にゃは! それじゃあ主、まっとれよ今作るけ!」

そして東は無邪気に微笑んだあと、足取り軽く、キッチンへ向かった

投下終了

続きは夜にでも



「どうじゃ主ぃ?」

「ん......東さんの作ったカレーとっても美味しいですよ」

「そうか! それは良かった!」

東さんが作ったカレーに舌鼓をうつ

東も男に喜んでもらって上機嫌のようだ

「東さんは食べないんですか?」

「ん? 我は後で食べるけ」

東は自分の皿にはカレーを盛らず

テーブルに頬杖をかきながら男が食べているのを楽しそうに見ていた

「それより主が食べてるのを見とる」

「た、食べづらいです.....」


「気にしないでいいんじゃぞ?」

「き、気になるものは気になるんですよ」

そう言い、男はカレーを口の中に一気にかきこんだ

「おお、いい食べっぷりじゃ」

「.......ご馳走さまでした!」

「お粗末さまじゃ」

「食器は我が片付けておくけ」

東は男の食器を取り、キッチンへ向かう

「お、そろそろバイトの時間ですね」

「東さん、アイスのお金はここに置いておきますよ?」

チャリンと男はテーブルにお金を置く

「うん、主いってらっしゃい」

「行ってきます」

そしてキッチンにいる東さんを軽く撫でた後、男は玄関を開いた

「東さ〜ん!」

「なんじゃ〜主〜?」

「東さんも気をつけてくださいね!」

バタン

「...........」

「まったく主は......」

「心配症じゃのぅ......」

そう呟いた東の表情は優しく、にこやかだった

そして東は男の使っていた皿にカレーを盛り

これまた男の使っていたスプーンを使い

すくったカレーを一口頬張る

「.......ん、美味いの......」

顔を朱色に染めて

カレーをゆっくりと味わいながら食べるのだった

あ、眠い......ごめんなさい
寝落ちしせそそとのほ

>>1いいいいい!! 大丈夫かああ!?

後半ゲシュタルト崩壊してるzw

投下

「男ともっと親密になるにはどうすればいいって?」

「うむ、そうじゃ何かいい方法はないか? 青年?」

東は今、青年がいるアイスクリーム屋に来ていた

「二人とも仲良しじゃん」

青年は注文されたバニラ味のアイスを東に渡す

「前に二人で来たときは手繋いでたし」

「ん......主に......我をみてほしいと思ってのぅ」

東はバニラを一口食べる

「男さんは十分東ちゃんを見ていると思うよ?」

「えっとその......もっと見てほしい......」

「も、もっと!?」

「なんじゃ突然変な声を上げて?」

東はアイスを食べながら聞いた


「あんな新婚夫婦みたいな雰囲気をだしておきながら......」

「も、物足りないんじゃ......」

「なるほど、東ちゃんは男さんに構ってほしいんだね」

「簡単に言えばそうじゃの」

「だったらあれに一緒に行ってみたらどうだい?」

そして青年は壁の方へと指をさす

「なんじゃ? あの花みたいな物が描いてあるポスターは?」

「それは花火な」

「花火?」

「そっか花火って名前はしらないのか」

さすが猫と青年は呟やく、ちなみに元猫ということは既に明かしている

ちなみに明かしたとき青年は

「まぁ、いいんじゃない?」と軽く流された

東は、男といい店長といい、今回の青年といい

皆、驚くリアクションをとらないことに

どこか物足りなさを感じていたりしていた


「して、あの花火とやらが描いてるのはなんじゃ」

「うん、あれは夏祭り開催への......宣伝ポスターだな」

「夏祭り?」

「そう」

「なんじゃそれは?」

「簡単に言うと、屋台を出したり」

「屋台?」

「屋根がついて移動できるお店のこと、で花火を打ち上げたり」

「花火とはなんじゃ?」

「打ち上げるとね、大きな音を立てて空に輝くんだ......綺麗なものだよ」

「まぁ、それはさておき」

「言いたいことはそれじゃないんだ」

「ん? どういうことじゃ」

「では説明しよう、実はこの夏祭りはある神社で開催されるんだ」

「そしてその神社にはこんな言い伝えがあるんだよ」

「恋人同士が花火が打ち出上がっている時にキスをすると」

「その恋人達はずっといつまでも一緒にいられるんだって」

「ほ、本当かぁ!?」

「そうだよ〜(うわ、すごい食いつきっぷり......)」

「これを機会に男さんとの仲を縮めることも......できたりして?」

「お......おぉ!!」

「まぁ、縮めようもないだろうけど......ほとんど零距離だし」

「いや! いくぞ! 我は主と夏祭りに行く!」

「それでその夏祭りはいつやるんじゃ?」

「あした」

「あしたじゃと!?」

「だから急いで言いに行ったら?」

「分かってけ......はむ!! 青年ご馳走さま!」

「うぉ、アイスクリームを丸飲み」

「では、いってくるけ!」

「まいど〜ご武運を祈ってるよ〜」

「じゃあの〜」

「.....ふう」

「男さん、愛されてるねぇ.......」

「羨ましいな......」

短いですが投下終了
私用ができたので次の更新は多分来週の月曜日です

主の帰りをじっと待つ

この作者、某スレで愚痴ってたからなぁ
今ごろ話を練り直してんのかもしれんぞ?

帰還 そして投下


「え、東ちゃんが積極的で困るって?」

「はい......そうなんですよ」

「うわ〜贅沢な悩みを抱えているねぇ」

店長は男の話を聞くや、呆れたような表情を浮かべ、笑う。

「あんなに綺麗な子が自分を慕ってくれてる証拠だよ?」

「素直に喜びなって。ハイ」

男は店長の入れてくれたコーヒーを一口飲む。

「でもですよ? 私にはどうしても東さんが猫だったころの姿がかぶってしまいます」

「男ぉ、東ちゃんは女の子! 人間! 人! 分かる?」

「わ、分かってますよ」

「だったらいいじゃない」

「............」

「東ちゃんを一人の女性として好きって言ったの......誰だっけ?」


「............」

「男、君だよ」

「今の東ちゃんを受けとめてあげなよ」

そう言って店長は男に柔和に微笑んだ

「店長......ありがとうございます」

男も店長に微笑んだ

「部下の面倒を見るのも、私の役目よ!」

「さぁ、迷える子羊よ、なんなりと打ち明けたまえ.....」

「じゃあ、東さんの雷嫌いについてーー」

「それは無理!!」

店長は手を前に突き出す。これ以上踏み込んでほしくない話だからだろう

「ええ......」

「もう! そんな顔で見ないでよ! か、雷は......苦手なの!」


「さっきはあんなにカッコよかったんですがね」

男は苦笑して、目の前にいる店長をからかう

「店長としての威厳はどこに?」

「むぅ......」

店長は幼い頃から雷が嫌いだ。それはもう家にいるあの彼女くらい

「う〜......ごほん、ひ、人には長所と短所がある」

「私にも弱い部分があるんだよ

きっと雷が短所なのであろう。雷と聞いて

五月の雷がひどかった日を思いだしたのか

店長の膝が笑っていた。ちなみに店長はその当時、布団をかぶってやり過ごしたそうだ


カランカラン

「ん? お客さんかな? いらっしゃいまーー」

「ぬーーし!」

「あ、東さん!?」

「おぉ、東ちゃんいらっしゃ〜い」

「店長ご無沙汰じゃ」

「東さん、アイス買いにいったんじゃ......」

「うむ、もう食べてきた」

「あ、そうでしたか」

「と......そんなことよりコレじゃ!!」

東は服のポケットから一枚の紙をとりだし男たちに見せる

「これは......」

「ああ、夏祭りのポスターじゃない!」

「そうじゃ、主! 我と夏祭り行こ!」

「いいねそれ! 男、行ってあげなよ!」

「え?」

店長が男の耳元に近づき、呟く。

「この機会に東ちゃんを......ね?」

「は、はぁ......」


「頑張れ色男!!」

店長から激励の言葉をもらい背中を叩かれる。痛い。

「そうですね......行きましょうか」

「本当か!? にゃっほーい!」

「やったね! 東ちゃん!」

「ふふん、主とお出かけじゃあ、明日が楽しみじゃのぅ」







翌日 午後六時三十分


「ぬぅ、ちょっと動きづらいけ......」

東は店長から貸してもらった浴衣をきている。

いつも活発な印象を受ける東だが、浴衣をきた東の印象は一転

落ち着いたそれでいて上品な雰囲気を醸し出している。

浴衣の色が華やかな色ではなく、黒を基調とした色が東をそう見えさせて

いるのかもしれない。要は似合っている。この一言に尽きる。

「東ちゃん似合ってるよ!」

「そ、そうかの......」

東は店長の褒め言葉に照れながらも、まんざらではなさそうに笑う。

「ぬ、主?」

クルッと、東は男へ身体を向ける

「ど、どうじゃ? に、似合っとるか?」

眉を下げ、男の表情を不安げに見つめる。

男は彼女の頭に手をのせ、優しく撫でて、笑顔で言った。

「とっても似合ってますよ」

「そうか......ん」

東は視線を俯かせる。若干頬が赤く染まっていた。


「東さん」

男は今だ俯いている東に、手を差し出す。

その手を東はとり、指を絡めるように繋いだ。

恋人繋ぎというやつだ。「お熱いねぇ!」と店長の冷やかしをさらっと聞き流し

「では、行きましょう東さん」

「うん......」

男と東は夏祭りへ向かうのだった

投下終了
思いのほか早く私用がすんだので少し投下しました
これからも毎日とはいきませんが、ちょくちょく投下していきます

ひゃっほおおおお!!主が帰ってきたーー

更新まだかな〜ワクワク


夏祭りをしている神社まで二人は他愛のない会話をしていた。

「東さんは耳や尻尾は生えてないですね」

「なんじゃ突然」

「いえ......今更ですが、ネコ耳や尻尾がないなと......」

「人間になれば、人間と同じ姿になる」

「耳の位置も変わる。尻尾も消えるけ」

「なんとか生えさせたり出来ないのですか?」

「できないことは......ないんじゃが......」

「それより、なんでそんなことを聞いてくるんじゃ?」

「ネコが人間になったらネコ耳と尻尾はデフォルトかと思ったのがそうです」

「む......」

「できるなら見せてくださいね?」

「まあ......そのうちの」


二十分後、二人は神社に到着する。すでに神社には、祭りに来た人々が
多く、東は人の多さに顔を驚愕させている。

「お、多いのぅ」

「東さんは、夏祭りって初めてでしたよね?」

「う、うむ。しかし、これほど人がいるとは......」

「はぐれないように、しっかり繋いでてください」

男は東の手を強く握る。東も男の手を強く握った。

東が見たいという花火は、8時半かららしい。

現時刻は7時を回ったところ、まだ花火まで時間がある

「花火はまだなので、出店にでもよって、時間をつぶしましょう」

「おお、いいのう!」

「東さん、どこいきたいですか?」

「うーんと......あれ!」

東の指先には<射的>と書いている出店があった。


「射的ですか」

「あれ!」

「ん? あれは」

東が指を指す先に、猫のぬいぐるみが射的の台に置かれている。

頭にはネクタイが巻いており、右手にはビールをもっている。

そしてポッチャリだ。メタボなサラリーマンを連想させる。

「あれが欲しいんですね?」

「う、うむ!」

と、いうわけで私は、そのぬいぐるみを狙うことにする。

店の店員にお金を払い、コルク銃を手にとる。

渡されたコルクをつめ、レバーを引き、猫のぬいぐるみへと狙いをつける。

「............」

息を整える。しっかりと狙うために... 



狙いはぬいぐるみの眉間。

そして狙いをすまし、引き金を引く。

ポン、と音をたて発射されたコルクは、ぬいぐるみの眉間へと一直線。

そしてぬいぐるみにコルクが直撃。台からぬいぐるみが落ちる。

「おぉ!!」

男の隣にいた東が声をあげた。

「お客さん凄いね! 一発で落とすとは!」

言われながら、男は店員から落としたぬいぐるみを受け取る。

受け取ったぬいぐるみは、枕くらいのサイズで思いのほか大きかった。

「東さん」

はい、と東にぬいぐるみを渡す。

渡されたぬいぐるみを、東は両腕でギュと抱きしめた。

「ありがとう。主」

「気に入りましたか?」

東は笑顔で頷いた。

その後も男と東は祭りを満喫した。



〜金魚〜


「おお、主! あれ食べたい!」

「あれは食用じゃないですよ」

「にょおう......」



〜わたあめ〜


「はむ、はむ......うまい!」

「もっとゆっくり食べないと喉に詰まりますよ?」

「にょんふぁいにゃいふぇ〜」

「もう何を言っているのか分かりませんよ......」



〜焼きそば〜

「む......ふん......ふ!」

「............」ズルズルズズー

「にゃあ、主みたいにズルズルッといけん!」

「別に無理に音をたてなくても......」

「やじゃー!」

「こ、こうなったら......ズルズルズズ!」

「自分でしゃべってどうするんですか」

「ズルズルズズー!」


「東さん」

「ん?」

「そろそろ時間ですよ」

「お、そうか。なら急がねば」

「主、いくぞ」

「え?」

「どこに行くんです?」

「花火がよく見える場所じゃ」

「青年に教えてもらったけ」

「そうですか......なら、案内してもらいましょう」

「うむ、こっちじゃ」


「ここじゃな」

「ここなら花火も見えて人もこないけ」

「こんな場所があったんですね。知りませんでしたよ」

東と男がいる場所は神社から少し離れたところに位置している。

獣道を通ってきた時は本当に大丈夫かと心配したが、それも杞憂に終わり、

変わりに花火が打ち上げられる、町の大きな河川を一望できる場所についた。

「主、気に入ってくれたか?」

「もちろん、気に入りましたよ」

「む、そうか.......」

「.........」

「.........」

二人の間に沈黙が流れた。

東は視線だけ男へと向ける。すると男もこちらへと視線を向けていた。

「!!」

東は慌てて視線をそらす。

「東さん」

沈黙に終止符を打ったのは男だ。

「な、なんじゃ......」

「キレイな夜空ですね」

「我には.......ただ黒いようにしか見えん」

「たしかに黒いだけかもしれません」

「でもそう言っていられるのも、今のうちです」

そして

男がそう言ったと同時に河川から一筋、光が立ち上り、

そして弾けた。

「おお!?」

弾けた光は大輪の花を咲かせ、夜空を明るく彩る。

「あれが花火ですよ」

「あれが......花火」

東の目は次々と打ち上げられる花火に釘付けだった。

「昼間では味わえない光景です。どうですか?」

「うん、最初に花火を見たとき、お腹の中がゴワッて揺れて......」

「そのあと、あの真っ黒な空に大きな花が咲いて......」

「とっても......綺麗じゃのぅ......」



「東さん」

「ん?」

「整いましたよ」

「何がじゃ?」

「それはもちろん、心の準備」

「え......」

「東さん......」

驚きに顔を染める東に、男は彼女の唇に優しく自身の唇を重ねる。

東の身体が一瞬強張るが、ゆっくりと男の首へと手をまわし、男を抱きしめる。

二人は数十分ほど互いの唇を求めあう。

唇のから伝わる相手の体温。互いの息づかい。愛しい人を抱きしめている感触。

すべてを堪能し、

そしてゆっくりと唇を離し、見つめ合う。

鼻がこすれ合う距離。

東の顔は真っ赤。男も真っ赤。

そして二人とも笑顔だ。


「ふふ」

「どうしました?」

「いや、嬉しくての」

「私も嬉しいですよ」

「そうかそうか」

「東さん」

「ん......」

男は東を撫でる。東は男へと身体を預け、男の、撫でてない方の手をキュッと握る。

乙!!


「こういうのを......幸せって......いうんじゃろ?」

「そうですね......幸せです」

「あったかいのぉ......」

東は、握った男の手を頬につける。

「はぁ......」

東の頬は熱かった。

「東さん、ほっぺ熱いですね?」

東の頬をさわさわと撫でる。

「......ん」

東は頬を撫でられる心地よさに、切なげな吐息を漏らす。

「主......」

男はひとしきり東の頬を撫でたあと、東の背中に手を回し抱きしめる。

東もまた強く抱きしめ返す。

東は男の胸に顔を埋めて、大きく大きく深呼吸。

男の匂いを胸いっぱいに吸う。

そして胸いっぱいに吸い、顔を上げた。

東は見つめていた。男を熱のある視線で。


東の息は荒く、モジモジと身体をよじらしている。

男は、東のしたいことを理解した。

「準備ができたとはいったんですが......まさか外でとは」

「主が......悪いんじゃ、我をじらすから......」

「ちょっと加減できないかもしれません」

「いいけ、来て。主」

東の言葉を皮切りに、激しくも慕いあう男女の契りを、交わしたのだった。

二人の仲を祝福するかのするように、空には大輪の花が輝いていた。

えんだぁぁぁぁぁぁぁ

いやああああぁぁぁぁぁぁぁ


〜 一カ月後 〜






「主、はやく〜」

「東さん待ってくださいよ」

男は十メートル程前を歩く、東を追いかける。

カレンダーは八月になった。相変わらず蝉の声は煩わしい。

「東さんは普通に歩くだけでも早いですから、一回止まってくださいよ......」

男が制止の声をあげる。東が振り向いた。

「ふふん、主が遅いだけじゃないのけ?」

純白のワンピース姿の東は、二ヤッと意地の悪そうな笑みを浮かべる。

ワンピースと同じく白い帽子からは黒い髪をさらさらとなびかせている。

東と男は近くの公園に散歩に来ていた。


契りを交わしたあの夏祭りから一カ月がたった。

関係は良好。雰囲気は新婚。そして相思相愛。

契りを交わした直後、男は東がこれまで以上に迫ってくるのかと思っていたが

思っていた以上だった。

朝、起床と同時に一緒に寝ていた東を起こす。

東を起こす時はひたすら撫でる。とにかく撫でる。

「撫でて起こしてくれないといやじゃ」と言われたのが理由。

だいたい三十分ほど撫でると、東は覚醒し、そのまま

今度は撫でてくれたお礼とばかりに、顔に首、腕、指ととにかく舐める、しゃぶる。

そして首にしがみつき、頬をこすり合わせ、男の匂いを胸一杯に吸い込む。

「にゃあ......主......」

元ぬこだからこそ許せるもののこれ第三者からみたら
変態に見えなくも無いぞ


ひとしきり甘えた後は

「主、うー」

男の唇に吸い付き、舌を差しこむ。

舌先で口の中を撫で回す。首に手を回されているので逃げられない。

これがまた三十分ほど続く。

東が満足すればこれで朝は終わり。

満足しなければ......察してあげてほしい。

と、朝だけでこれだけ愛情表現される。

さらに昼や夜も加わると、もはや男のプライベートなどほぼなくなる。

鬱陶しいと感じる。だが自分にここまで好意を寄せる

東が嫌ではない自分に苦笑する男。


しかし、何故これほどまでに迫ってくるのかは男には分からなかった。

東のしている行為は少し度が過ぎているようにも受け取れる。

そういえば以前より東の髪に白髪が多くなってきた。

今は黒く染めているので目立たなくなっている。

白髪について男は東に聞くが、言葉を濁すばかりで容量をえない。

その態度に、どうして何も言ってくれないのかという苛立ちより

話せないほど深刻なことなのかと、男はつい深読みをしてしまう。

しかし、こうして元気にはしゃいでいる東を見ると

男は自分の考えていることが杞憂に感じた。

なにより彼女は元は猫だ。

猫が人に姿を変える。人間側から考えれば非常識だ。

今更、そんな髪が白くなった程度の<非常識>で何を臆することがあろうか。

たとえ髪がすべて黒から白に変わろうと、東に抱く気持ちは変わらない。

男そう結論づける。

「ほれほれ、止まっておると。先に行ってしまうぞ?」

「東さんも、そんなにはしゃいでいると転びますよ?」

「にゃはは、我の三半規管をなめるなよ?」

東は片足を軸にクルッと一回転、ワンピースが優雅に踊る。

回転したことで帽子が落ちる。

「うぉっと!?」

東は地面に落ちるぎりぎりのところで帽子をキャッチ

安堵のため息をつき、今度は落ちないようにと帽子を深くかぶった。

東が男に視線を戻すと、笑みを浮かべてこちらを見ていた。

「こりゃ、笑うな主」

東は顔を赤らめ、唇を尖らせて言う。

「笑わせたのは東さんですよ?」

「う、うるさい」

「次はきちんとかぶりましょうね」

男は東に追いついて、帽子ごしに東の頭を撫でた。

「.......ん」


これからは地の文多くなると思うので
 
ご了承ください。

投下終了


まあ、流れ的に地の文は多くなるだろうね
ラスト近いっぽいけど、最後まで頑張って

ちょっと、鬱エンドはなしよ···?(·ω·`)

まさか猫エンドか?


「主、なんじゃこれは?」

遡ること数時間前、東はある雑誌を見ていた。

以前、男の宅に届いた観光地の特集雑誌だった。

東が開いているページにはある落葉高木が映っている。

「それはですね、桜という木です」

「さくら?」

なんじゃそれは? と無垢な小学生みたいな表情を男に向ける。

男は桜について簡潔に説明した。

「にゃるほど、桜というのは春を代表する花なんじゃな」

「大正解ですよ東さん」

「して春というのはいつ頃なんじゃ?」

「四月ですよ。今から数えると半年以上先ですね」

「む、そうか......」

そう言い、東は視線を下に向けなにやら考え込む。

そして顔を上げた。

「主、前に一つだけお願いを聞いてくれると言っていたのは覚えてるけ?」

>>61の時ですね、覚えてますよ」

「そのお願い、今決めたぞ」

「それはなんです?」

男の問いに東は満面な笑みをなうかべ言った。

「主と桜を見に行きたい」

「桜を見に......ですか?」

「おっと、勘違いさせる言い方をしたけ。我は桜の木を見に行きたい。そう言った」

別に花が咲いていなくてもいいと東は補足する。

「木だけでも一目見たいんじゃ」

「......東さんが桜を見たい気持ちは分かりました」

「いいのけ?」

「いいですよ、桜の木を見に行きましょう」

「にゃはあ!! 主、ありがとうのぅ」


と、こういう過程を経て、東は男に連れられてこの公園に来ていた。

二人がいる公園は中央に大きな湖があり、その湖を外周できるようにと

舗装された道がある。この道はよく学生の団体などがランニングコースとして

利用されてもいる。ちなみに東と男も今この道を歩いている。

そしてこの公園を囲うように植えられているのが

今日この公園に来た理由、桜である。

今は夏ということもあり、蒼々としていて一瞬桜なのかと疑う。

だが、その堂々たる存在感は来年も咲き誇るだろう桜であった。

待ってました!!

嫌な予感しかしない('・ω・`)


「のう、主」

「なんです?」

東は顔は向けず、隣を歩く男に話しかける。

男は東へと視線を向けた。

東の身長は男の胸あたり、男からは白い帽子についている純白のリボンが
東の動きにあわせて、ゆったりと動いているのしか見えない。

東の後ろではユラリと揺れる水面が陽光を跳ね返し眩い光となって彼女を照らす。

男は目を細める。

「これ全部が桜の木なのけ?」

東は公園を見渡し言った。

「はい、全部桜の木ですよ東さん」

「ほぇ〜」

東は信じられないといった面もちだ。


「桜を見るのは初めてですか?」

「初めてじゃな」

「春には淡い桃色の花を咲かせるんですよ。あの雑誌に載っていたように」

「おぉ、それは楽しみじゃのう!!」

東は一際声を張り上げて言った。

そして東は続けざまに言う。

「まったく......毎日が新鮮じゃ!!」

「突然どうしたんですか?」

男はその東の調子に微笑する

「んや、我は主に拾われる前まであの空き地、少し広い程度の場所までしか見たことがなかった」

「じゃが主と一緒に暮らすようになってから、随分と視界が広がったけ」

「料理を覚えた。洗濯も覚えた。算数の問題も前より難しいのも解けるようになった」

「色々な言葉も覚えた。主の読んでいる本を読めるようにもなった」

「他にもたくさんのことを主から教えてもらった」

「主が我を変えたんじゃ」


「今もこうして主と話していることが......とても楽しい」

「東さん......」

東は今までの思い出を水を優しくすくうようにゆっくりと語る。

声の調子も比例して落ち着いた声音へとなる。

「主は、我に強烈な思慕の念を抱かせた」

「我にとって大切な人なんじゃ」

だが、東が紡ぎ出す声は、風が吹けばあっさりと散ってしまうような

脆さ、儚さが滲みでているような声だった。

男からは東の表情が見えない。思わずその白い帽子をとりたくなる。

だができなかった。

もし、とったら......何かが終わってしまうような、そんな思いが男を制止させる。

しかし、東は男の葛藤になど気づかない。

「この想いはもう変わることはない」

「我は主を慕い続ける」

彼女は話し続ける。か弱い幼な子のような声で。

「主は我のこと......慕っていてくれるか?」

「当たり前じゃないですか!」

東の声に男は反比例して声を張り上げてしまう。

「どうしたんじゃ声を荒げて? 変な主じゃのう」

東が顔をこちらに向け微かに笑う。顔は見えない。

しかしそのとき、男の視線に煌めく光がうつる。

それは目下のコンクリートに斑点を刻み消えた。

男は手を伸ばした。

白い帽子に優しく手を添え、そして帽子をとる。

「東さん......」

彼女は嗚咽もあげず、ただただ、静かに泣いていた。


「どうして泣いているんですか?」

東はポカンと口を開けたまま固まる。

「え......」

「もしかして気づいてなかったんですか?」

「............」

「言いたくないことなんですか?」

「......」

ゆっくりと、彼女はゆっくりと話し始めた

「口にだしたら......だめなんじゃ」

「言葉にしたら......主といられなくなりそうで......」

苦悩な表情を浮かべ、頬に伝う涙を拭わず佇む東。

男はそんな東をそっと抱きしめた。

「いいたくないのなら、それでも構いません」

「あなたが打ち明けるその時まで、私は何もいいませんよ」

「だから、泣かないでください」

男はより強く東を抱きしめた。

東も男を強く抱きしめた。

蒼々と茂る桜の木が、風に吹かれてゆれていた。


追いついた、どんな落ちにもっていくのか期待



東さん…('・ω・`)

···ブワッ(´;ω;`)


>>1です。

デカイ私用ができたので多分二十八日まで投下できません。
読んでくれている人には申し訳ない。
でも>>1にとって大事な用事なのでどうかお許しを

なんか知らんが頑張ってくれ
大人しく舞ってるよ

>>1をじっと待っとるでー

>>1です。一応生存報告しておきます。
あと時間ができたので、少しだけ投下します


「きゃー!!」

しかし、突然の悲鳴に二人の時間は終わりを告げる。

「なんじゃ?」

「あ、東さん。あれ」

男が視線を向けた先に、一人の女性を、三人の若者が囲んでいた。

「にゃ...あいつら......」

「知ってるんですか?」

「前に店長を襲っていた奴らじゃ」

「ああ、あれが......」

「こりないのぅ......」

言って、東は盛大な溜め息をついた後、男に顔を向き直り

「ちょっと助けてくるけ」

「無茶しないでくださいよ?」

「うむ、とその前に......」

そして東は、男の胸に顔を埋める。


「あ、東さん?」

東は困惑している男を知らんぷり、男のシャツに、上下左右と顔を動かす。

それを三回ほど繰り返したあと

「ふ〜、すっきりしたけぇ」

と、顔を離す。彼女は満足気な表情を浮かべていた。

男のシャツは、彼女が顔を埋めていた場所だけ濡れていた。

「東さん、涙くらい自分の服で......」

「たしかにそれもある......じゃが......」

「これは一種の感謝でもあるんじゃ」

「え?」

「主の言葉......嬉しかったけ」

「主、ありがとうの......」

「......どういたしまして」

東の笑顔で男に感謝をおくる、男もそれに笑顔で答える。

「ほんじゃ、ちょっと懲らしめてくるけぇ!!」

「油断しちゃ駄目ですよ」

「わかっちょる〜」

そして東は駆け出していった

これだけですが投下終了です。
では28日に。

待ってる

ガンバレーーーー!!

この>>1って最近なんか書いた?なんか似た雰囲気のSS見たんだけど...

そろそろ再開か('-ω-)

こんばんは>>1です。
おかげさまでデカい私用が終わりました。
しかし、頑張ったせいでまたデカい私用ができてしまいました......。
明日には投下しますので今日は寝ることにします。
待っていてくれた人には申し訳ない。

待っていたぞ。そして待っているぞ。


東は駆け出しながら、手を軽く握り、ゆっくりと息を吸う。

自分が涙を流しているとは思いもしなかった。

男に言われるまで気づかなかった。

そして、なぜ泣いているのか、なぜ何も言ってくれないのかと、男に問い詰められるのかとも考えた。

だが、男は待つと言った。優しく抱きしめてくれた。

東にはそれが嬉しくてたまらなかった。

待っていてくれると言うなら、もうしばらく待っていてほしい。

そう遠くない未来、男に打ち明けないといけないことに

だから今だけは、もう少しこのままでいたい。

そう心で思いながら、東は若者三人のところへ疾走する。

疾走したことで東の首輪がせわしなく動いていた。

キターーー

>>1ガンバ


「にゃー!!」

東は声を上げ突貫。若者たちとの距離を縮める。

突然の声に、何事かと若者たちは声のする方へ振り向く。

それとほぼ同時に.......

「ふんす!!」

「ぶべら!?」

若者の一人の顔に拳をかます。そしてその若者はうつ伏せに倒れる。

「ああ!! てめぇは!!」

「アン時の女!!」

「なんじゃ覚えとったか......まぁええがの」

「さっさとやっつけるけ!!」

刹那、東は若者達の間へ入り

「ちょりゃ!!」

掌底を一撃

「ぴゃ!?」 「ぴゅ!?」

掌底は若者二人の顎へ当たり、二人は一回転したあと、ヘナリと倒れた。

東は足下に倒れた若者達を一瞥した後、襲われていた少女へと振り向く。

「ケガはないかの?」

「......あ......はい......ありがとうございます......」

東の声に少し遅れて少女は応答した。

少女は驚愕していた。

先ほどまで絡んできたチャラい男三人が

突然現れた少女にコテンパンにされたことに。

「そうか、それは良かったけ」

「えっ......と、あの.......お名前は......?」

「ん、我か?」

「我は東じゃ、お主がコイツらに絡まれて困ってたからの、だから助けた」

「そ、そうでしたか! ありがとうございます!」

「にゃ、好きでやったことじゃからええよ」


「.............」

男は男性三人が倒れている真ん中で

天使にも匹敵するであろう東の笑顔に釘付けになっていた。

「東さん......あんなに強かったんですか......」

以前、店長があの若者達から東に助けてもらった話を聞いた時

店長は東がどれくらい迅速かつ、エレガントかつ、豪快に若者達を

打ち負かしたのかを熱く語っていた。

そのときは、店長は若者に襲われて気分が高まっていたから。

きっと東に助けてもらったことを事実より盛っていたのだと...... 

ついさっきまで思っていたのだ。


しかし、さっきの東の戦いぶりは店長の話は決して

膨張させた話ではなかったと理解した。

「それでも、あそこまで強いとは......」


男から見た東の一連の動きはこうだ。

およそ百メートルを五秒弱ほどで駆け抜け若者達の場所へ到達。

走ったことで勢いがました力で若者の一人を拳の一撃で沈める。

そして間髪入れずに若者二人へとてつもなく素早い

アッパー掌底をお見舞いさせる。

所要時間、やく十五秒の出来事だった。


昨日は寝落ちしてしまいました.......申し訳ないです......

>>310、私は今このスレしか書いていませんよ。

短いですが投下終了です。  

地の文が多くなりましたがかんばります。


男の視線の先では

東が、襲われていた少女にお礼を言われている。

「まぁ、一件落着ということで」

そして男は東達のところへ歩きだす。

と、同時に若者の一人が起き上がり東に腕を振りかぶった。

しかし、当の本人は気づいていない。

「東さん!!」

男は力の限り叫んだ。


「東さん!!」

突然の自分を呼ぶ声に東は驚く。

しかし、その声の直後、背後から殺気を感じた。

「!!」

東は勢いよく後ろを振り向く。

眼前には迫りくる拳。拳は東の顔へと向かう。

先ほど拳で顔面を殴りつけた若者の拳だ。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

奇声を上げながら東に殴りかかる若者は、せめて一矢報いると言わんばかりの形相をしている。

「くぅ!!」

そしてまさに若者の拳が東に炸裂せんほどの距離になる。

だが東は迫りくる脅威を、持ち前の機敏な動きでかわした。


東は内心冷や汗をかいていた。

本当にギリギリの距離だった。もう少し遅かったら

顔に一撃もらっていただろう。

あの声がなかったら危なかっただろう、と。

あの声のおかげで、なんとか拳が首を掠めるだけの被害ですんだ。

東は声のした方を見る。声の主がこちらへ走ってきていた。

額に汗をかき、息を切らしながらも懸命に走っている。

その姿は東の心になんともいえない幸福感をもたらす。

「(ふふ、我は愛されとるのぅ......)」

東はその幸福感に自然と顔が笑顔に咲き誇る。


ブチッ

しかし、そんな幸福感も無慈悲な音に崩れさる。

「え......」

東はその音の行方をさがした。

視線を騒がせる。

そして東の視線は若者の手に止まった。

東の瞳が大きく揺らぐ。

「(コイツは何をしている......?)」

若者の手には東と書かれた首輪が握られていた。

「(コイツが何故、我の首輪を持っている......?)」

首輪、それは東の男から初めて貰った宝物でもあり

東が東たる存在の証であり

男が心を込めてつけてくれた名前である。

ことの重大さに幸福感などぶっ飛び

変わって、東の心には火山の噴火にも匹敵するほどの憎悪と

とてつもなく深い哀しみが東の心を引き裂く。

「(返せ......)」

唇が震え、四肢に今までとは比べものならないほどの力が加わる。

「(それを返せ......)」

首輪は無残にも引きちぎられており、もうつけられないのは......

「返せ!!!」

誰の目から見ても明らかだった。


今日は投下終了です。見てくれた人ありがとう。

首輪があああああ


ゲシャッ!!

日常では絶対聴かないような、鈍い音が男の耳へと入っていく。

男は目撃した。

自分を殴りつけようとしてきた若者を

先ほどとは比べものにならない、桁外れの速度で殴りつける東を

そして殴られた若者が数メートルほど吹っ飛ぶ様を

吹っ飛んだ若者は、一瞬ピクリと身体を震わせそのまま動かなくなった。

「東さん......」

男は東のもとへ走り寄り

息を整えることなく、すぐさま東の名前を呼んだ。

「......」

しかし、東は何も言わず。

ユラユラと足を進める。今にも転んでしまいそうな......そんな歩み。

「東さん......?」


男はもう一度東の名前を呼ぶが、東は振り向きかずユラリと

弱々しい歩みを続ける。

そして数メートルほど歩を進め、立ち止まる。

そこには白目を剥いて気絶している若者がいた。

そして東はその場に崩れるように座り込む。

力なく座り込む彼女の所へ、男はゆっくりと近ずく。

隣まで来たところで視線を若者へと向けた。

若者の右手には東が首につけていた首輪が握られている。




「......ごめんなさい」

東の最初の言葉は謝罪だった。

「ごめん......なさい......」

肩を震わせて何度も謝罪の言葉を口にする。

「ごめんなさい......ごめんなさい......ごめんなさい......」

「せっかく主に貰った物なのに......」

「うぐ......えぐ......ひっく......」

泣き崩れる東に男はどう言い返せばいいか分からなかった。

最初はそんなこと気にしなくていい。

と、言おうとした。が東にとってはそんなことでは済まないことだった。

逆に、自分があげた首輪がこれほどまで大事にされていたことに

嬉しさを感じていた。

だが、泣いてほしくはない。

男は東の隣に屈んで、彼女の頭をそっと撫でた。

「東さん」
 
「うぅ......ぬしぃ......」

「私は東さんが無事ならそれでいいんですよ」

「で、でもぉ......」

「壊れたのなら、また獣医さんの所にいって貰えばいいじゃないですか」

「そ、そういう問題じゃないけぇ......」

「分かってますよ。でも過ぎたことは仕方ないですよ?」

「いきなり切り替えろなんては言いません」

「落ち着くまで、そのままでいいですから。ね?」

「.......うん」

「東さんは笑顔の方が素敵ですよ」

「......うん、主すまんの.......今日は泣いてばかりじゃ......」

「いえいえ、気にしないでください」

「泣きたい時は、素直に泣いていいんです」

言って、男は東の帽子ごしの頭に軽く口づけをする。

男に口づけをされて東は一気に頬を赤く染める

「な、ならお言葉に甘えるけぇ......」

そして何かを誤魔化すかのように勢いよく男に抱きついた。

「よしよし」

「......ん、主......好きじゃあ......」

「私もですよ」

「......んん」



「あ、あのぅ......」

そのとき男の背後から声をかける者がいた。

男は振り向く。

「あ、すみません。お怪我はありませんか? えっと」

「私は少女といいます。先ほどは東さんに助けていただいて、ありがとうございます......でも」

言って少女は東へ視線を向ける。

東は男の胸に顔を埋めたまま動かない。

「少女さんご心配はいりません」

「そ、そうですか......」

「ですが、少女さんには悪いのですが、少し二人にさせてください......」

東を撫でながら、少女に懇願するような面持ちで男は言った。

「は、はい分かりました!」

「お気をつけて少女さん。あ、私は男です。○○という喫茶店で働いています。ぜひいらしてください」

「あ、ありがとうございます! ぜ、絶対いきますね!」

そう言い残し、少女は走り去っていった。


「......ふぅ、東さん」

「私達も帰りましょう」

「いやじゃ......」

「なぜ?」

「離れてほしいないけぇ......」

「それに......」

「それに?」

「こ、腰が抜けて......あるけん......」

「............ふぅ」

「主、すまん......」

「謝らなくていいんです......っよ!!」

男は胸にくっついている東を、そのまま抱き上げた。

東の顔が露わになる。顔には涙が流れた軌跡が残っていた。

「ぬ、主......!?」

男に見られたくないと、腕で自身の顔を隠そうとする。

「これなら、離れずかつ、家に帰れますよ」

「にゃあ......! 恥ずかしいけぇ......」


羞恥に顔を染める東。抱き上げたことで男と東の目線が同じくらいになる。

「せ、せめてお姫様抱っことか......お、おんぶ......とかにしてほしいんじゃが」

「これでいいですよ」

「だ、だからこれは......」

「問答無用です。それに......」

男は自身の額を東の額へとつける。

「なんじゃ......ぬーー」

「アナタには笑っていてほしいんです」

「......!!」

「ただ......それだけですよ」

「............」

「......と、いうわけです」

「.....バカ」

「そ、そんな風に笑顔で言われたら......」

「嬉しくて......死んじゃいそうじゃ......」


そう言いながら彼女は笑った。

瞳から、涙を流し、流しながら。

でもそんな東さんは......


















               




                









              とても、綺麗だった。
























調べたら、ラストにはあと300レスほどかかることがわかりました.......
これは長編になるのかな?

なんか終わりそうな空気だったから、まだまだ終わらないときいてホッとしたのは俺だけじゃないはず

同じく


〜9月〜

夏の猛暑は過ぎ去り、秋の気配が吹き込む。

動物達は深い眠りに備えため、活動的になる。

春夏秋冬を彩る花びら。

そんな季節、ほんの一部分。

だが、この町に住む獣医にとっては、この季節は特別な時期であった。

それは......















「おはようございます......」

獣医の暮らす病院の裏にある美しく咲き誇る紅葉並木。

「お変わりないですか?」

そしつ紅葉並木の奥にそれはあった。

「私は元気ですよ」

獣医は語りかける。目の前の墓石に

この紅葉並木の奥に作った。

大切な人が眠る小さな墓石に。

「では仕事があるので......また後で......」

彼は墓石に笑いかけた後、静かにその場を後にした。


「獣医さん、こんにちは〜」

「おお、よく来たね男君」

「元気にしてたかい?」

「はい、おかげさまで......」

数日前、男は東の首輪を貰いに獣医へ電話をかけた。

電話をかける前に、市販のものでいいのでは、と男が東に聞いたが

「あれじゃなきゃ嫌じゃ!!」

と、怒られたので獣医にお世話になることになった。

まぁ、男も獣医に聞きたいことがあったから、それは気にしていないのだが

「と、いうわけでして......」

「そうか、首輪がきれましたか......」


獣医は首輪が切れたことを聞くと、考え込むような顔を浮かべる。

「ど、どうかしましたか?」

「いやね......ちょっと考えごとを......」

「..............獣医さん」

「ん、なんだい?」

「獣医さんに聞きたいことがあるんです」

「え、聞きたいこと? なんだい?」

男は東が人間になった当初から気になっていたことがあった。

最初は気のせいだと思ったのだが、先日に東の千切れた首輪を見て、確信した。

「獣医さんは......」

そうこの人は......

「猫が人間になるのを知っていますよね?」

東さん達について何か知っていると。


「.......!!」

獣医は男の言葉に驚く......が

「そうか......」

「そういうことか......」

全てを受け入れるような優しげな表情をし、何度も頷く。

「良かった.......」

「獣医......さん?」

獣医は涙を流していた。

彼女との日々を思い出していた。

自分の人生を変えてくれた。

「ああ、すまない。ちょっと感動してね」

大切な彼女との思い出を

「感動......ですか?」

「ああーー」







〜獣医さん!!〜





「東ちゃん、いい人と出会ったね......」

「?」

「ふむ、さて、男君」

「は、はい」

「君の質問に手っ取り早く解答できるある場所に、招待しよう」

「ある......場所ですか?」

「ああ、ついて来たまえ」

今日は投下終了です。
見てくれた方ありがとう。
長いけど最後まで見守っていてください。

乙。
もちろん最後まで付き合わせてもらうぞ

むしろ途中で止めるなんて許さないんだから、ここまで期待させた責任とってよね


男は獣医につれられて病院の裏手、紅葉並木に来ていた。

「獣医さん、綺麗ですね!」

男と獣医を歓迎するかのように、穏やかな風が二人に流れる。

二人は会話をしながら紅葉並木の奥へ進んでいく。

「ああ、ここは私のお気に入りの場所なんだ」

「秋はこのとうり美しく紅葉が咲き乱れ、冬には雪化粧をして幻想的な姿になる」

「そして夏には、青々と茂る木々の梢越しに、差し込む光が暖かく出迎えてくれる」

「そして春には......」

獣医はそこで会話を止める。

「獣医さん?」

「男君、東ちゃんと出会ったのを......詳しく覚えているかい?」

獣医の突然の問に慌てながらも男はこたえた。

「あ、はい、4月20日です」

「なら......間に合うな」

「間に合う?」

「その顔を見るあたり、まだ彼女から何も聞いてないようだね?」

「......はい」

「なぜかな?」

「私は東さんから口を開いてくれるまで待つことにしました。それはーー」

「彼女にあんなツライ顔をしてほしくないから......だろ?」

「......はい」


やっぱり獣医は東さん達のことを知っている。

男はそう思った。

「そういえば男君、どうして私が東ちゃん達のことを知っていると思ったんだい?」

男は即答で答えた。

「首輪です」

「首輪......か」

「はい、前に獣医さんに首輪を貰って、東さんに付けた後でした」

「そのあと人間になったときの、東さんの首輪を見て驚きました」

「ピッタリだったんですよ......普通なら猫の首より太い人間の首に
 あんな小さな首輪が合うはずがない」

「千切れても可笑しくないんです。でも首輪は東さんの首にしっかりと付いていた」

「まるで......人間になるのを、想定していたかのように......」

クライマックスじゃないのにクライマックスみたいな感じ・・・ドキドキ


「そして......これです」

男はそう言って、獣医に千切れた東の首輪を見せた。

「.......」

獣医は振り返り、男が持つ首輪を見つめる。

その千切れた首輪はちょうど、猫の首につけられるくらいの大きさ。

人間には小さくて、つけられないくらいの大きさだ。

「私はこれを見て、あなたが何か知っていると思い、ここにきました」

「.......そうか」

そして獣医はまた歩きだした。男もそれについていく。

「男君」

「はい」

「東ちゃんは元気かい?」

「今日は、別行動で私の知人のところへ行っています......」


「じゃあ、先輩の私からアドバイスしよう......」

「アドバイス?」

「そうだよ、お、到着だ......」

紅葉並木が終わり男の眼前に開けた場所が広がる。

そこで男が見たのは、相変わらず美しく咲き乱れる紅葉と

木々の間から見える青空と

「......これは」

「では男君にアドバイスしよう」

獣医は歩を進め、開けた場所の中央でとまる。

獣医の目の前には墓石があった。

「いいかい? これからは......」

それは小さな小さな墓石だった。

「東ちゃんの隣に、ずっといてあげなさい」

そのときの秋の風は、肌寒く感じた。

墓石には紅葉と刻まれていた。

「はい......」

男は、小さく答えた。

「はい......」

そして、もう一度答えた。

頬に涙が伝っていた。

なんで泣いているのかは

男にもよく分からなかった。

実は>>1
ある部活でインターハイ行けるか行けないかの瀬戸際なんです。
部活に専念したいので、二週間ほど休みます。
身勝手ですみません。

部活頑張れ、待ってるぞ

>>1ヘ なんの部活入ってるか分からんが頑張ってな

さげわすれた。

こんばんは>>1です。燃え尽きました。完全に燃え尽きました。
ちょっと精神的ダメージが強いので、あと少し休みます。
まってる方には申し訳ない。
あとコテをつけることにしました。

続きを楽しみにしてる

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「彼女、紅葉と出会ったのは、今日みたいに、この綺麗な秋の景色を眺めていたときだった」


紅葉と書かれた墓に手を添えながら獣医は話し始めた。


「当時の私は高校生二年生でね。進路について考えていた時だった」


「そんな時に、私は彼女に出会った」


「彼女は最初、野良猫でね、私が見るやいなや、こっちを睨みつけてきたよ」


「でもね、そのときの私は、睨みつけてくる彼女がとても可愛く見えたんだ」


「それから毎日、ここに来るようになった」


「最初は凄い警戒されたけど、ご飯をあげたりと努力したかいあって、徐々に懐いてきてくれたんだ」


「にゃーにゃーってね、私が来ると擦りよってきてくれたんだよ」


「彼女は、親や先生にも進路についてうるさく言われていた私の日常の、ささやかな癒しだったんだ」


「でもある日の学校の帰り道、いつものように彼女のいるこの場所へ来たときだ」


「そしたらね、猫のかわりに女の子がいたんだよ」


「しかも、第一声がーー」


<べ、別に、あんたのために人間になったんじゃないからね!!>


「という感じでね、トゲトゲした娘だったよ」


「でもね、なんでか私はその女の子のことを」


「いつも遊んでいた野良猫だとわかっていたんだ」

そう語る獣医の表情はとても穏やかだった。


「それから彼女を家へ連れて行った」

「いや、その前に服をとりに家に戻ったな......」

「たしか彼女は裸だったからね。当時の私には刺激が強すぎた」

「とまぁ、そんなことが私にもあったんだよ」

「今の君と東ちゃんのような日々がね」

獣医はそこで話を区切る。

そして深呼吸をし、墓に向けていた顔を男の方へむけた。

「でもね......ずっとは続かなかった......」

「.......」

男は口を開かず無言で獣医の言葉を待つ。

「男くん、東ちゃんの髪、白くなっているでしょ?」

「はい、今は半分くらいまで......」

獣医の質問に男は答える。

「.............そうか」

「あの、髪が白くなるのは何故なんですか?」

「......聞きたいかい?」

「.......はい」

「分かった、なら教えよう。それはーー」


「老化」

「.............」

「あまり驚かないね?」

「心あたりが......あるので」

「そうか.......」

「はい........」

「男君は冷静だね」

「そんなこと......ないですよ」

「私はまだ、そのことに現実味が湧かないんです」

「せっかく恋人になれたのに......」

「でも彼女はそれを、口に出さないんです」

「悲しそうな顔を私に向けて」

「彼女達はいつもそうさ、大事なことを語ってくれない」

「そして.......」

「........」

「........」

「髪が完全に白くなったら、その瞬間から徐々に身体は衰弱しーー」

「そして、死ぬ」

「髪は半分くらい白いと言ったね」

「なら、あと半年あるかないか......」

「......東さんといられるのは、あと半年ですか.......」

「ああ、だから.......一緒にいてあげなさい」

「私は彼女と最後まで一緒にいてあげられなかった.......」

「一緒にいられたのに、一緒にいることを拒んでしまったんだ......」

「だから男君には東ちゃんのそばに.......彼女が寂しくないように」



「支えてあげてほしい」


おいマジかよ・・・

やっぱり寿命は猫のそれだったのか…(´Д`)

 
「そんなの当たり前ですよ」

「そうか、でも君ならそう言うと思ってたよ」

「私もできる限り協力する」

「ありがとうございます。獣医さん」

「だが今日はもう帰りなさい、そして東ちゃんの側に」

「わかりました。では」

「ああ、言い忘れていたことがある」

「なんです?」

「いやなに、ちょっとしたアドバイスだよ」

「いいかい、男君」

「掴んだら離しちゃだめだ」

「.......アドバイス、ありがとうございます」

「二人の幸福を心から祈ってるよ」

「.......はい!」


頼む!!鬱endだけは止めてくれーーー

無理にハッピーエンドにされるのも何か違う…

とにかく今は大人しく見守ろうや


〜〜〜〜〜〜〜〜



男「.............」


男「(東さん.......)」


男「(東さんと出会って.......半年がたちました)」


男「(.............)」


〜掴んだら離しちゃだめだ〜


男「(東さん.......私は.......アナタに何をしてあげられますか?)」


男「(..............)」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「東さんだだいま帰りました〜」



「? いつもならすぐ出迎えてくれるのですが.......」


「..............!!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「..............ほ」

 
東「にゅ〜ぬし.......むにゃ.......zZZ」


「ふぅ、まったく......東さん、起きてください」


「ふぇ.......ぬし......?」


「ぬし.......ぬし.......」


「!! ぬし〜!!」


「うわ!! いきなり抱きつかないでくださいよビックリしました......」


「ふふん、ぬし〜」


「東さん、寝ぼけてますか?」


「ふふん、ふにゃ〜 はにゅ〜」


「寝ぼけてますね......」



「.......」


「ふひゃー ぬっし〜 ぬっし〜 ぬっし〜」


「.......よしよし」


「ふにゅ〜 ゴロゴロ〜」


「中身は猫ですね。東さんは」


「にゅ〜 ふぁ〜」


「眠いですか? いいですよ。寝てて」


「ん......ぬし〜う〜」


チュ


「......!!」


「ん.......主......スゥ......スゥ......」



















                 〜主、大好きじゃ〜   



































              〜我と結婚してほしい〜























「.............結婚」


「...........」


「東さんと結婚ですか」


「いいですね」


「とってもいいですよ」


「結婚は和風がいいですか?」


「それとも洋風?」


「東さんはどっちも似合いそうですね」


「..............」














                           「......東さん」

おい、まさか…('・ω・`)

おい・・・ おい・・・!

おいふざけんな


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

真っ白な世界に東はいた。

何もない白い世界、見渡す限りどこまでも続いていた

<主〜!!>

そんな中、東は男を見つけた。
東は声を張り、男を呼ぶ。

すると男は一度振り返る。そしてまた歩きだした。

<主?>

いつもと違う。東は追いかけた。

男の足取りはゆっくりだ。すぐに追いつくだろう。

しかし、追いつけない。むしろ差が開いている。

まるで東を突き放すかのように


<主、主〜!!>

東はもう一度男の名を呼んだ。

しかし、男は振り返らなかった。

<まて、どこへいくけ?>

振り返らない。

<のぅ、どこにいくんじゃ?>

歩みは止まらない。

<主!!>

止まらない。

<こら! 我を置いていくな!>

東は全力で走っている。

しかし、男との差は広がっていく。

<まって、まって主!!>

徐々に東の声は震え始めた。

<まって......主......>

<はぁ......はぁ......>

走っても、走っても、まるで追いつけなかった。

<主、主!!>

男の名前を東は呼ぶが、それは聞こえてすらいないような、冷たい足取りだった。
段々と、男の姿が見えなくな

またすごい切り方しやがったな

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