キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」(21)


俺を取り巻く状況は何時だって波瀾万丈で奇想天外、この所は自らその破天荒っぷりを受け入れ、それを楽しんでる節がある俺ではあるが、余裕…というには些か疑問だが、まあそれなりにその時期は心中穏やかでいられた時期ではあった。

それもそうだろ? 朝比奈さんサイドとは別の思惑で動く未来人やら天涯領域とかいう長門とは違う親玉から生まれた宇宙人やら古泉とは違う神さまを崇め奉る超能力者やら、
さらには中学時代の親友まで巻き込んだ陰謀から始まる分裂劇も色々と驚愕させられつつもなんとか丸く収まって久しい頃合いだったんだからな。

まるで登山における最大の難場を過ぎたかのような心中であった俺を誰が責められようか?
否、実際に誰も責めたりなんかしなかったのさ。

だからなのか、俺は油断していたんだ。

涼宮ハルヒってのはいつ何をやらかすのかわからん爆弾なんだってことをな。


何かがおかしい。

月に三度は言っていそうな常套句を呟いて辺りを見渡す。

場所は我らが根城たる文芸部室SOS団本部である。ついでにいえば放課後の活動中。

周りに居るのはたった今チェスでチェックを掛けてやったばかりの古泉に、可憐なメイド姿でお茶のおかわりを注いでくれていた朝比奈さん、それに所定の位置で分厚い本を読んでいる長門だ。

団活のくせに団長であるハルヒは居ない。

何故か?

知らんそんなもん。

古泉「…あの、すみませんがなんと?」

心なしか意表を突かれたというような古泉の表情。

なんだ?ただ妙な感じがするってだけだぞ。

みくる「はわっ、きききキョンくん!?」

朝比奈さんまで何かに驚いたような声を出す。かわいい。

長門「………………」

長門も読書を中断して、そのビー玉のような瞳を向けている。

長門「ユニーク」

何がだ。

キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

古泉「え?」

キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

古泉「…あの?すみませんがなんと?」

キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

みくる「はわっ、きききキョンくん!?」

キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

長門「……………」

キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

長門「ユニーク」

キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

古泉「…ふざけている訳ではないですよね…貴方がそういった悪ふざけをする人間でないのはわかっていますし」

今度は何か考え込んでやがる…

おいなんなんだ一体?

長門「言語の変換、もしくはジャミングによる意思疎通障害」

なんだそれは、よくわからんぞ長門。

古泉「長門さん、つまり彼はこれでも普段通りに会話しているつもりだと?」

…おい!!ホントになんなんだよ!?

長門「貴方の発する言語は現在同一の単語に変換され発信されている、その単一の言語でコミュニケーションをとるのは人間には難しい」

長門のポーカーフェイスにおまけのように付いている小さな口からはよくわからん説明が放たれるだけ、すまん古泉、解説頼む。

古泉「んっふ、予測するに貴方は僕に分かりやすく説明しろと言いたいでしょう?了解ですよ」


古泉「貴方は現在、普通に会話しているつもりで、こう叫んでいるのですよ」

古泉「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

古泉「…っていう具合にね」

………なんだと?

意味が分からん。俺が今の古泉のようなすっとんきょうな言動をしていたと言うのか、そんな馬鹿な。

みくる「あぅ…」

オロオロしながら顔を真っ赤にする朝比奈さん。かわいい。

違う、確かにかわいいがそのいきなり卑猥な事を言われてどうしたら良いかわからないって反応はかなりショックですよ?

みくる「……え、あの、そにょ……ふぇぇ…」

話しかけると怯えたようにじりじりと後ずさる。オイオイマジか?朝比奈さんの拒絶っぷりが古泉と長門の説明を真実だと言っているようだぞ。

古泉「あまり迂闊に話さない方がよろしいかもしれませんね、正直誤解を招く可能性が相当ありますから」

そんな事言われてもどうしたら良いんだおい。

どうやら本気で言葉が通じていないらしい、困った。

古泉「…ふむ、長門さん、どうにか彼との意思疎通を可能に出来ませんか?」

俺からも頼む、会話が成立しないのがここまで大変とは考えた事もなかった。

長門「現在解析中。少し待って」

待つさ、こういう時はお前だけが頼りだからな。

古泉「しかし、これは一体何が原因なのでしょうか?」

首をかしげてそう呟く古泉。

何言ってんだ、こんなヘンテコな事態の原因なんざハルヒ以外に何かあるのか。

古泉「なんとなく分かりますよ?涼宮さん以外に考えられないと言っているのでしょう?確かにそうですね」

……こいつの聡さも異常だな、助かるがお前とツーカーはなんか嫌だ、顔近いし。

古泉「貴方の異常、その発端は涼宮さんで恐らく間違いないでしょう、僕が知りたいのは何故、涼宮さんが貴方に異常をもたらしたのか、その原因ですよ」

………ああそうかい。確かに発端となった出来事はあるだろうな。

長門「解析が終了した」

その言葉と共に立ち上がる長門、なんとかなりそうか?

長門「完全に修復するのは難しい、でも任せて」

俺のそばに近寄って、じぃっとまばたきもせずに見つめられる。さて、どんな方法で治すんだろうな?

まさか胸を触れとか?おっぱいおっぱい言ってるらしいし。

長門「その方法での治癒を望むならそのように組み換える、どうする?」

…冗談だ、やめろ女の子はそんな事しちゃいけません。

長門「そう」

興味自体はまあ、俺も男なのであるが変態にはなりたくないんでな。

長門の口が構造で動き呪文のような言葉を放つ。

さて、どうなる事やら。

長門「…終了した」

実感はないが終わったらしい。もう大丈夫なんだろうか。

古泉「長門さん、完全な修復は不可能と言ってましたがどのように対策を?」

それは俺も気になる。

長門「放たれた言語が強制的に変換させられるプロセスは把握したがそれを無効化する事は非常に困難、さらに言えば私の目的である涼宮ハルヒの観察、その行動理念からも外れる為手を出せなかった。

手を出せなかった?つまり治してないのか?おい古泉、まだ通じてないのか?

古泉「…いえ、今は貴方の言葉はきちんと理解出来ます」

みくる「わ、わたしにもちゃんと分かりますぅ」

……治ってるよな?どういう意味なんだ長門?

長門「貴方自身には何もしてない、貴方との意思疎通が出来ない対象、つまり古泉一樹と朝比奈みくるを貴方と同じ力の影響下に置くことにより言語の共通化と意思疎通可能なデバイスを取り込む事に成功した」

古泉「え?」

みくる「そ、そそそそそそそれって…」

長門「この場にいる私以外の存在はみんなおっぱいおっぱいと言っている」

なん…だと…

硬直する朝比奈さん。

顔がひきつってる古泉。

長門よ…話が通じるのはありがたいがもうちょいどうにかならんかったのか?

長門「…不満?」

首を僅かにかしげさせて呟く長門。不満はないが不憫だ、古泉はともかく朝比奈がそんな風になるのは忍びない。

長門「了解した、少し時間が欲しい」

…ホントに頼むぞ。

みくる「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」 ピキン

古泉「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

長門「…不満?」

キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

長門「了解した、少し時間が欲しい」

キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

みくる「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」 オロオロ

古泉「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」 ヤレヤレ

谷口「ちーっす!!おーいキョン居るかー?」ガチャ

キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

みくる「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

古泉「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

長門「……」

谷口「な、なんじゃあこりゃあ!?」

ドゴォ!!

キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

長門「迂闊。部外者への対策を怠っていた」

キョン「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!!おっぱい!!」

谷口「ちーっす!!おーいキョン居るかー?」

谷口?!ええいノックもせず入ってくるなこの馬鹿!!

みくる「ひっ!?あわあわあわ!?」

古泉「まずいですね」

長門「………」

いかん、いくら谷口でも誤魔化せるか?アホだけに口も軽そうだしこのままではSOS団は変人揃いのバカ集団のレッテルを……あまり変わらないような気がしたのは気のせいと思っておく…!!

谷口「な、なんじゃあこりゃあ?!」

谷口のすっとんきょうな声を聞いた瞬間、長門がまるで加速装置でも使用したかのような素早さで谷口の腹に正拳突きをヒットさせる。うわ痛そう…

長門「迂闊。部外者への対策を怠っていた」

おいおい、あんまり無茶すんなよ…

ミス、>>20は見ての通り翻訳ありで

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