キャラ一同「ハンター試験?」 (62)

このスレはレスがつかない作者の合同SSです

他作者が考えたハンター試験の試験内容を、別の作者が好きなキャラで挑ませるという趣旨のスレとなっています

試験内容は一定期間が過ぎると、新しいのに更新されていきます



【重要】このスレでSSを書かれる作者は以下の10項のルールをお守り下さい


1、SSを投下する際には酉をつける事

2、チートキャラ禁止(ドラえもん、ハルヒ、ラッキーマン、オリキャラ、等々)

3、飛び入りOK、途中抜けOK(どちらも宣言や許可は不要)

4、完結まで書きためて一気投下する事

5、他作者が投下中は、自分のSSを投下しない

6、投下開始時には投下開始宣言をする事、完結した後は完結宣言をする事

7、自分が書いた作品(原作)を次の試験でも書きたい場合は、酉をつけた上でキープ宣言をする事(キープ宣言の有効期間は次の試験終了時まで。途中取消可)

8、キープ宣言があった作品(原作)に関しては、原作に出てくる他のキャラなども全て含めて、その作者の許可なく書かない、自分のSSに絡ませない
(許可求めの書き込みに対して36時間以内に返答がなかった場合は、自動的に許可されたものとする)

9、念やオリジナルの念能力を出すのは可。ただし、原作同様、バランスを崩さない程度の自重をお願いします

10、舞台設定は全て現代日本で統一する事



【重要】試験内容を書かれる場合

必ず↓のスレで許可と確認を取ってから書いて下さい。次の試験日時までに反対意見や修正意見がない場合は、自動的に許可とします


どちらも詳しい事は↓のスレをお読み下さい
質問、要望、他作者への許可願い、打ち合わせ、相談などもこちらでお願いします
キープ宣言をした作者は、出来るだけ頻繁に目を通すようにして下さい

『書いたSSにレスがつかない作者の合同SS』


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373110232

ー 東京駅 ー


ジリリリリリリリリリリリ!!



ザワザワ……


審査員「……さて、お集まりの皆さま」

審査員「只今の時刻をもって、ハンター試験の受付け時間を終了とさせて頂きます」


審査員「あらかじめ説明しておきますが、ハンター試験の中には大変厳しいものもあり、運が悪かったり実力が乏しかったりするとケガしたり死んだりする事もあります」

審査員「それでも構わない、という方のみこの場にお残り下さい」


シーン………………


審査員「……承知しました。第一次試験、1085名。全員参加ですね」


審査員「それでは、これより第一次試験を発表させて頂きます」

第一次試験

参加者から現金、カード類を徴収した上で、東京駅→名古屋駅まで36時間以内にたどり着く事

ちなみに
東京駅→名古屋駅までの距離は約350キロ
新幹線で二時間ぐらい、車なら高速使って六時間ぐらい
マラソン(約42キロ)の世界記録は二時間ほど

審査員「それでは、ハンターライセンス授与試験の一次試験を始めたいと思います」

審査員「ルールは>>3の通りで、開始時間は一分後、本日の正午とします」

審査員「皆さんの健闘を祈っています」

審査員「それでは、3、2、1、一次試験スタートです!」

投下していきます

作品はワンピースで、キャラはルフィ、サンジ、ナミ、ウソップ

ー ルフィ、サンジ、ナミ、ウソップ組 ー

試験開始前

サンジ「……しかし、ナミさん。ここはずいぶんと文明が進んだ島のようだな」

ナミ「そうね。グランドラインの中でもかなり珍しい島なんじゃないのかしら」キョロキョロ…

ルフィ「おれはそんな事より肉が食いてえ……。昨日からろくに食べてないんだぞ」グー、キュルルル……

ウソップ「この島に着いた時、お前が調子に乗って、ヨコハマの中華街で色んな飯を食べ歩いたせいだろ」ポカッ

ナミ「誰のせいで、こんな危なそうな試験に参加してると思ってるのよ」つねり

ルフィ「す……すびばせん……」

サンジ「……とはいえ、ハンターライセンスってのは売って金にも出来るし、今後、役立つ事が他にも色々とあるそうだからな。取っておいて損にはならないだろ」

ウソップ「お前もルフィを止めなかった時点で同罪だ!」ポカッ

サンジ「……面目ない。料理の事になるとつい……」

ルフィ「まあ、どっちにしろ、こんな面白そうな事には元々、参加するつもりだったけどな!」ドン!!

ナミ「そうよね……。ルフィはそういうやつだもんね……」ハァ…

試験開始

審査員「……それでは、3、2、1、一次試験スタートです!」

ルフィ「よっしゃ、行」

ナミ「ちょっと待った、ルフィ!」ガシッ!!

ルフィ「どうしてだ、ナミ! 早く着いた方がいいんだろ!?」グイグイ

ナミ「ちょ、ちょっとルフィ、落ち着いて! とりあえず止まって!」ズルズル……

サンジ「待てよ、ルフィ。ナミさんが引きずられてるだろうが!」ガシッ!!

ルフィ「だけど、早くしないと、他のやつらに先を越されるぞ!」

ウソップ「その前に、ルフィ。お前、ナゴヤがどっちの方角かも知らないだろ……」

ルフィ「……あ、そうか」ポン

ルフィ「で、ナミ、ナゴヤってどっちだ?」

ナミ「方角は向こうの方だけど……」

ルフィ「よし、あっちだな!」

サンジ「だから、待てよ。ルフィ」ガシッ!!

ルフィ「何でだよ、とにかくあっちの方向に向かえばいいんだろ?」

ウソップ「ルフィ、ナミがまだ何か言いかけてただろ。うちの航海士は陸に上がっても優秀なんだから、どっかへ行こうって時は、船にいる時と同じでナミの指示に従うべきだろ」

サンジ「そうだぞ、ルフィ。で、ナミさん、俺らはどう動けばいい?」

ナミ「うーん……ちょっと待ってくれる。少し考えなきゃいけないから……」

ナミ「この島に着いた時、手に入れた地図によると、トーキョーからナゴヤまでの距離は約350キロ。これは到底歩いて行ける距離じゃないの」

ナミ「おまけに制限時間は36時間と区切られている。休憩なしで一時間に10キロ進まないと、時間までに間に合わないのよ」

ルフィ「それぐらい、おれなら余裕だぞ?」

サンジ「バカ、俺やお前はいいとしても、ナミさんが無理だろ。例え無理じゃなかったとしても、レディーにそんなキツい思いをさせるなんて俺には出来ない!」

ウソップ「サンジ君、おれもいるんですが……」

サンジ(いや、待てよ。それなら、ナミさんを俺が背負っていく事にすれば……)

サンジ(ナミさんの豊満な胸が、俺の背中に何時間も常に密着状態で……!!)

サンジ「ナミさん! 俺にいい案が!!」ダラダラ←鼻血

ナミ「却下」

サンジ「ナミさん、どうして! みんなが試験をクリア出来る名案が思い浮かんだっていうのに!」ダラダラ

ウソップ「とりあえず、鼻血ふけよ、サンジ……」

ナミ「とにかく! この距離を私やウソップが走って行くのは無理! トーキョー湾に停泊させてあるサニー号を使っても、制限時間内には多分間に合わない!」

ウソップ「なら、どうするんだ? 俺達はここでリタイアして、サンジとルフィだけに任せるか?」

ナミ「ダメよ、ウソップ。それはダメ。どうせ試験を受けるなら、四人とも合格しなきゃ!」

ウソップ「珍しいな……。お前がそんなやる気になるなんて……」

ナミ「当たり前じゃない。私たちは仲間なんだから。誰一人欠けてもダメよ」←目がベリー

ウソップ(ハンターライセンスを売る事しか考えてないな……)

ルフィ「で、どうするんだ、ナミ! おれはハンターライセンスを売った金で、早く肉をたらふく食べたいんだ!」←目が肉

ウソップ「色欲に金欲に食欲か……。この中でまともなのはどうやら俺だけのようだな……」

ウソップ「なら、仕方がない! ここはこの俺様が名案を考」

ナミ「そうだ! いい事、思いついた!」

ウソップ「……」

サンジ「で、いい事ってなんだい、ナミさん?」

ナミ「ちょっと待ってて」ニマリ

ナミ「」トコトコ……

ウソップ「あいつ、人混みの中に消えていったけど……何を思い付いたんだ?」

サンジ「さあな……」スッ、カチッ、シュボッ

サンジ「」プカー……


数分後


ナミ「」トコトコ……

ナミ「お待たせ♪」

ウソップ「で、何を思い付いたんだ、ナミ?」

ナミ「」ニコッ

ドサッ、ドサドサッ、ドサッ……

サンジ「……財布の山?!」

ウソップ「お前、ひょっとしてまさか……!」

ナミ「そっ♪ ちょっとすってきたの♪」ニマリ

ナミ「このお金を使って、新幹線とかいう乗り物に乗れば、二時間ぐらいで着くみたいだから」

ウソップ「いや、だけどこれルール違反じゃないのか……? 何の為に試験官が俺たちからお金を徴収したのか、わからなくなるぞ……」

ナミ「あら? 試験官は別に、乗り物を使うな、なんて一言も言ってなかったわよ? ただ、ナゴヤ駅までたどり着く事としか、言ってなかったんだから」ニヤリ

ナミ「わかった? これは別にルール違反でも何でもないのよ。 さ、行きましょ!」ドン!!

ルフィ「いや、ちょっと待て、ナミ!」ドン!!

ナミ「何よ、ルフィ」

ルフィ「言ってる事はよくわからなかったけど、おれはズルなんてしたくないぞ! しかも、人のお金を盗んでそのお金で行くのなんて嫌だ! それなら、おれだけで行」

ナミ「お弁当、たくさん買ってあげるから」

ルフィ「!」ジュル…

ルフィ「いや、でも、やっぱり俺はズルとかし」

ナミ「トーキョー名菓ひよこもつけるから」

ルフィ「!」ゴクッ…

ナミ「それに、財布の中に身分証明書みたいなものがあったから、後で落とし物として届けるし、使ったお金は私たちの財布が戻ってきたらきちんと返すわよ。……これで納得した、ルフィ?」

ルフィ「よし、わかった。じゃあ、早速行こう。ほら、サンジもウソップも早く行くぞ」←目がひよこ

ウソップ「相変わらず、単純だな……」

サンジ「でも、まあ、確かにルール違反って訳でもなさそうだしな。それに俺たちは海賊。元々、無法者だから、こういうやり方も悪くはないだろ」

ナミ「じゃあ、三人とも。私からはぐれないようについてくるのよ。特にルフィ」ジロッ

ルフィ「任せろ!」ドン!!

ナミ「……サンジ君、ルフィから絶対に目を離さないでね」

サンジ「……了解した」

試験開始より5時間12分経過

審査官「受験番号218番、モンキー・D・ルフィ」
審査官「受験番号219番、ナミ」
審査官「受験番号220番、サンジ」
審査官「受験番号221番、ウソップ」

審査官「四人とも、第一次試験を合格とする!」


ウソップ「……それにしても」キョロキョロ

サンジ「時間的に俺たちが一番乗りだと思ってたんだが、意外と合格者がいるもんだな……」

ナミ「途中、ルフィが勝手に駅で降りなきゃ、あと二時間は早かったはずだけどね」ジロッ

ルフィ「ナミ! 向こうの店にナゴヤ名物味噌カツとか書いてあるぞ! 早速、あれを食べに行こう!!」

ナミ「懲りてない」つねり

ルフィ「いでででで!」

サンジ「まあまあ、ナミさん。早く着こうが遅く着こうが、そこは評価とはあまり関係ないみたいだし、新幹線で来た事についても何も言われなかったから、ここは良しとしとこうぜ」


ウソップ「何はともあれ……」

ナミ「ハンター試験、第一次試験……」

サンジ「全員揃って……」

ルフィ「合格だー!!!」ドンッ!!!

完結です。キープ宣言はなしで

~~暦・忍side~~



開始五分前


暦「はあ。何で僕がこんなことを……」

暦「しかも、周りにいる人達、みんな目付きが怖いし」

忍「ぐだぐた言ってもしょうがあるまい、お前様よ。あの臥煙伊豆湖からの頼みごとじゃ。これからのことを考えれば簡単に断るわけにもいくまい」

暦「そうなんだよな。つーか、これからのことっていえば、今回の試験で合格して貰えるっていうハンターライセンスを使って、これからもいろんなことを手伝わされる気がするんだけど」

忍「まああの女も、これから必要になってくる、とか言ってからの。確実にそのつもりじゃろう」

暦「まあ、あの人の頼みを断るなんておそろしいこと、僕にできるわけないしな。覚悟を決めるか」?

審査員「それでは、3、2、1、一次試験スタートです!」?

暦「…………………………」?

忍「…………………………」?

暦「…………………………」?

忍「…………お前様よ」?

暦「なんだよ、忍」?

忍「レースが始まったようじゃぞ」?

暦「わかってるよ」?

忍「ならば、なぜ走り始めんのじゃ?」?

暦「いや、だって吸血鬼の力が一番発揮できるのは夜だろ?だから、夜になるまでここで待ってようかな、と思ったんだけど」?

忍「なるほどの。じゃが、夜になる前に、自力で距離を稼ぐこともできるのではないか?」?

) 20:22:18.61 ID:oY6r43tN0
暦「いや、どうせ夜通し走るんだから、今から体力を使うわけにもいかないだろ」

忍「ふん、ちっとは自分の力で歩みを進めようとは思わんのか?」

暦「何言ってるんだよ忍。僕とお前は一心同体だろ?つまり、お前のお陰で手に入る力は、僕自身の力でもあるということだ」

忍「いや、そんな都合よくジャイアンみたいなことを言われてもの。どうせお前様が楽をしたいだけじゃろ」

暦「いやいや、断じてそんなことはないから」

忍「まあよい。儂は一度寝る。時間になったら起こせ」

暦「了解」

十二時間後


暦「忍、時間だ。起きてくれ。」

忍「……………………」

暦「夜だぞ、こら!早く起きないと、遅刻しちゃうよ!」

忍「……………………」

暦「忍、ミスターd」

忍「ぱないの!」

暦「……………時間だ、忍」

忍「お前様、ドーナツはどこじゃ?」

暦「いや、その前に僕の血を………」

忍「ドーナツはどこじゃ!?」

暦「…………行く途中で買ってやるよ」

忍「そうか。そうと決まればさっさと行くぞお前様。もたもたするな」

暦「……………………………」

暦「なに!?」

忍「たしか、我があるじ様は勉強でも社会が苦手じゃったな。そんなお前様が、儂の道案内なしで目的地に辿り着けるのか?」

暦「くっ!なんでそんなことばっかり覚えてるんだよ」

忍「ふん。無駄口を叩いてる暇があったら、さっさと走れ。もたもたしてると、本当に時間がなくなってしまうぞ」

暦「………忍、今思ったんだけど、僕お金没収されてるから、ミスタードーナツに行ってもドーナツ買えないぞ?」

忍「…………………………」

暦「…………………………」

忍「…………………………」

暦「…………今度、十個くらい買ってやるk」

忍「約束じゃぞ!?」

暦「わかったから、涙目で言うのは止めてくれ」

審査員「受験番号71、阿良々木暦。受験番号72、忍野忍。所要時間、二十二時間四十八分。一次試験通過です」

暦「ふぅーー」

忍「ふむ。移動し始めてから約半日か。思ったよりもかかったの」

暦「いや、お前がミスタードーナツの前を通り過ぎるたびに、未練がましく僕が走るのを止めなけりゃ、もっと早く着いたんだけどな」

忍「ふん、細かいことは気にするでない。見たところ、まだそれほど到着した者は少ないようじゃしの。結果は悪くないじゃろう」

暦「みたいだな。なんかちょっとズルしてるみたいで罪悪感がないでもないけど。まあとりあえずは、一次試験合格だ!」

忍「うむ。次の試験もこの調子で行くぞお前様」

暦「ああ!」

終了です。キープで

魔法先生ネギま!から綾瀬夕映・宮崎のどか


試験官によって掲示板にかけられた布が取り去られ、試験内容が明らかになる。
試験内容がB4サイズの紙の印刷されて掲示板にずらっと並んでいる。当然、遠くからでは見えない。

「ルールはこの通りで、開始時間は一分後、本日の正午とします」

到着が早かった人から自然と前の方につめていったため、早く着いた者は楽に試験内容を見ることができる。
逆にいえばこの1000人以上の大人数、大部分の参加者は内容を知る段階からかなり遅れを取ることになる。

「皆さんの健闘を祈っています」

早く動き出すために試験内容の確認後すぐに人込みから抜け出す者もいたが、
一方で試験内容を見ようと前に出て来る参加者の邪魔をするため掲示板前に留まる者もいる。
正式な試験開始は一分後とされているが、試験内容を知る段階から戦いは既に始まっていた。


そんな中、掲示板を見もせずに人だかりから離れていく二人組がいる。

「ここから先は通行禁止♤ この程度で焦っちゃだめだよ♥」

駅の出口へと歩いていくと、試験官がたちはだかった。

「試験官のヒソカさん、でしたっけ。なるほど。試験開始の時刻はそういう意味ですか」

「あと三十秒くらい待って試験が始まったら通してくれるんですよね」

「ん~♥ どうかな?」

他の受験生に問題を見せまいと掲示を破壊しようとする者が出始めていた。
試験官もそれを止めるつもりはないようで、掲示板に張られた紙面は次々と剥ぎ取られていく。
受験生の数に対して明らかに足りない問題用紙。さらに一人で何枚も奪っていく者もいる。

にも関わらず、二人組の少女は一向に掲示に近付こうとはしない。
かといって東京駅の出口付近、試験官の側で待機するでもなし。
二人は人気の少ないところへ進んでいく。


臙脂色のブレザーに赤チェックのスカート。お揃いの制服を纏った二人が学生なのは一目瞭然。
加えて、ハンターを目指す者ならその校章から学校名まで分かってもおかしくないだろう。
隣県の麻帆良学園といえばかなりの知名度だ。表向きには国内最大級の学園都市として。
                             ――そして一部では、魔術の遺跡として。

 アデアット
「来たれ」

二人のうちの片方、うさぎをモチーフにしたリュックを背負っている方が宮崎のどか。
他人の心の中を絵本に書き出して読む魔導具『いどのえにっき』の使い手だ。

ディアーリア・エーユス・ミノーラ・クウァッドルプラ ・ アデアント
「いどのえにっき簡易小型版四分冊、来たれ。渋井丸拓男、トンパ、ヒソカ、阿良々木暦」

正しく呪文を発音すれば、四冊の本が現れてのどかの周りに浮かぶ。

名前を知っている相手の心を読めるこの『いどのえにっき』を用いれば、試験内容を知るのは簡単だ。
自分から名乗ってナンパして来た相手に、親しげに近づいて毒入りジュースを渡して回る男。
それに先ほど自己紹介した試験官と、道中で少し話した受験生を加えて四人の心を読む。

「読めたよ、ゆえゆえ。36時間以内にここから名古屋駅にいけ、っていう試験みたい」

「ちなみに、誰が当たりでしたか?」

「トンパさんが一番正確に試験内容を頭に浮かべてくれてたよ。流石ベテランだねー」

「そういえば発表の少し前に参加者をかき分けて前に出ていってましたね。
この展開、予想してたのかもしれません。侮れませんね」

「あと阿良々木さんも結構前の方にいたみたいで、試験内容はばっちりでした。
心の中も落ち着いてたし、あの人たち一次試験合格じゃないかな」

掲示板前に集まる人々を尻目に、二人は早々に立ち去った。

「それで、どうする?」

のどかが話しかける相手、今回の試験におけるパートナーの名前は綾瀬夕映。
腰まで伸ばした髪と広いおでこが特徴的。どこか眠たげな目をした少女だ。

「他の受験生たちはどんな方法を考えていたのですか?」

「お金を盗んだり、車を盗んだり、あとは全力で走ったり。どれも私はちょっと……」

「のどかは箒に乗る練習はしてないのでしたね。二人乗りとなるとスピードが落ちますし、
名古屋まで飛び続けるとなると私の魔翌力量では厳しいのです」

「うーん、じゃあヒッチハイクでもする?」

「流石に第一試験からそんな不安定なことをしていては先が思いやられます。
ここはやはり交通機関の利用が確実でしょう。薩摩守ただのり、というやつなのです」

「た、ただのりは良くないよ。もっと他の方法を考えようよ!」

「では代案の提出をお願いするです」

のどかの顔がみるみる曇っていく。
生まれつき悪いことができない性格な彼女は必死に夕映を納得させられる代案を考え始めるが
時間経過で焦りが増し、夕映の足を引っ張る罪悪感に悩み、自分の発想の貧困さに絶望し、
数分後にはもはや考え事などできなくなってしまう。

「ではのどかが妙案を思いつくまで、私は国会図書館にいますです。
ここから御所沿いに歩いていけばすぐに見えてくるですよ」

夕映がいってしまったあと、のどかは道路端に立って手を上げるが
ヒッチハイクなどそう簡単に成功するものでも無く。

代わりにつかまったタクシーに「ごめんなさいお金もってないんです」とペコペコ頭を下げた後、
軽く涙目になりながら夕映のもとにやってくるのであった。

本好き仲間の夕映のことだから、何かまた分厚い本を抱えて待っているだろうと思ったが
のどかの予想に反して夕映は図書館内のPCスペースにいた。

「ごめんゆえ。何にも思いつかないよぅ……」

「それはただ乗り案に賛同するということですか?」

「ぅ……う……ん」

「では、これが私の提案するルートです。まず無人駅の宮ノ平駅からスタート。
青梅線で立川までいき、そこから中央快特で新宿に。1番線に移って……」

「そんな急に言われても私覚えきれないよ」

夕映が図書館にいったのは、情報端末を利用するため。
来館者に開放されたPCスペースでなら、お金が無くてもインターネットで検索ができる。
のどかが悩んでいる間に、夕映は名古屋行きのルートを検索済みだ。

「こちらにメモを取っておきましたから大丈夫です。では、いきますよ」

とことこと歩いていく夕映に、あわててついていくのどか。

夕映は一度立ち止まって振り返り

「目の端が少し濡れていますよ」

ハンカチを手渡した。

「うん。ごめん。ありがとう」

「のどかのそういうところは、かけがえのない利点だと思うのです。
無理に変える必要は無いです。のどかが気になるなら、
試験が終わったあとで駅員さんに謝りにいきましょう」

 アデアット
「来たれ」

路地裏に入って一言つぶやけば、夕映のアーティファクトが現れる。
魔法学校で配布される『魔法使い初心者セット』に擬態したレアもの――あるいは違法もの――だが
今必要なのは表向きの能力の方だ。

教科書に箒、とんがり帽子にローブと杖のセット。
箒にまたがれば、絵に描いたような魔女の出来上がりだ。

「のどか、後ろに乗ってください」

「うん」
                      ヴォス・ ノン・ ヴォルタス
「では、しっかり掴まっているですよ。いないいないばあ」

もっとも初歩的な認識阻害呪文を唱え、一般人から姿を隠す。
次の瞬間、夕映とのどかは空に飛びあがった。
                  アクケレレット
「もっと強くつかまってください。加速」

しばらく飛行を経て目的の無人駅につく。

アベアット
「去れ」

魔法使いの国を救う計画に向けて、少しずつ魔術の存在は公開されていっている。
まだ噂段階だが、噂としてはかなり広範囲に広まっているし、
大きな会社になると既に魔法使いと提携し始めていたりもする。

「このフェンスを乗り越えれば駅に入れるです。
のどか、周囲の警戒をお願いします」

日本最大の鉄道会社ともなれば魔法使いとの繋がりももっている。
東京駅や京都駅、空港といった場所以外はまだ魔術的な防犯は実施されていないらしいが
一応の用心ということで駅の外で箒を降り、こうしてフェンスを登ることにした。

「右よし左よーし。大丈夫、怪しい人も怪しくない人もいないよ」

「よ、っと。では私が駅ホームについたらのどかも来るです」

「うん」

二人で駅に侵入し、一度身体を伸ばしてから椅子に座る。

のどかはすでにうとうとし始めていて、
夕映に寄り掛かっては申し訳なさそうに起きることを繰り返していた

「電車が来るまで20分ほどありますね。しばらく休憩が取れます。
のどか、大丈夫ですか? 二時間ほど飛びっぱなしでしたが」

「ゆえゆえが大丈夫なら私もへいきー」

「それならよかったです。これからしばらくは電車の中ですから、のどかは睡眠を取ってください。
目的地についたら私が起こしますから、ご心配なく」

「え、それじゃあゆえが休めないよ。交代で休もう? 
降りる駅の名前だけ言ってもらえれば、私でもそれくらいはできるよ」

「のどかがそういうのでしたら、お言葉に甘えさせてもらうです」

全てJR内で完結するように組まれた計画のため、乗り換えに改札を使う必要は無し。
電車に揺られること約八時間。ようやくたどり着いたのがこの定光寺駅だ。

「ゆえゆえ、着いたよ」

「ん……ぁ」

「ゆえゆえー!」

「ぁ、はいです」

簡易改札の無人駅、ただ乗りに適した駅だが、残念ながら名古屋市の外。
ここから箒で20分ほどで名古屋市に、さらに30分飛べば名古屋駅につく。



箒に乗って空を駆ける。
都市部に近付くにつれて建物の数が増え、ビルの高さが伸びていく。
二人の身体が風で冷えだした頃、気付くとその男はビルの上に立っていた。

「ん~♥ おつかれさま♠」

オールバック風の髪型に、目の下に涙と星のマークがペイントされた顔。
認識阻害の術を無視して彼女たちに話しかけたということは、彼が一般人ではないということ。
だがそもそも、二人はこの男が誰かを知っている。

「まだ名古屋駅にはついていませんが、試験官が何のようです?」

「ちょっとした、間引きかな♣。あんまり弱い奴が残っても痛い目見るだけだろう?
君たちは他の受験生に比べてちょっと弱そうだったから♦」

ヒソカの言は正しい。

のどかは最初の試験内容発表の時に上手く立ち回った。
だが同時に、他の受験生を押しのけて掲示板前に至る戦いをやらずに済むことを喜んでいた。

争いを好まず、どころかはっきりと嫌ってさえいる彼女の考え方は、ヒソカの価値観からすれば弱者でしかない。

 アデアット
「来たれ。対象、ヒソカ!」

いどのえにっきを呼びだして、相手の思考を読み取り始める。
分厚い装丁の本がのどかのすぐ横に浮かび、箒の速度に合わせてついていく。

直後、ビルの屋上から男が跳躍した。凝縮された筋肉が弾け、踏みつけられた床が凹む。
空中にいる二人に向かって、ジャンプだけで距離をつめきったのだ。
思考様式も、身体能力も、共に常識の範囲外。これがヒソカという男であり、ハンターの世界だ。
アクケレレット
「加速っ」

ヒソカにつかまる直前で箒を加速させることで、ヒソカに箒を掴まれることは回避。
しかしそのまま重力に引かれて落ちていくはずのヒソカは、箒のすぐ下に滞空している。
どころか、ヒソカにかかるべき重力が何故か夕映とのどかの乗っている箒にかかる。

「ゆえ、この人の念能力みたい。念にゴムとガムの性質を与える力」

「せーかい♥」

バンジーガムを飛ばして箒にくっつけ、それにつかまっているのだ。

ヒソカが糸を昇っていくのに合わせて、箒が揺れる。
もともと一人用の箒だ。二人までならなんとかなるが、三人ともなるともはや限界。
箒の高度は少しずつ下がりつつある。

「ヒソカさん、私たちはどうすれば合格できますか!?」

「自分で考えないと、だーめ♠」

「ゆえ、名古屋駅上空までいければ合格、そこで許してくれるって!」

「了解です!」

「……へぇ♥」

箒の高度が下がるのに抵抗せず、自分から下に落ちていく。
高度エネルギーと引き換えに速度エネルギーを得て、箒はさらに加速する。

だが高度を下げた目的は、速度を増すためだけではない。

「のどか、揺れますよ!」

箒に回転をかけ、ぶらさがっているヒソカを揺さぶる。
そこからの急旋回で、前方に立ちふさがっているビルにヒソカを叩きつけるのが目的。
高度を落としたのは、ビルにぶつかる高さまで降りるためだ。

「やりましたか!?」

轟音。煙が立ち込めて視界が隠される。
箒を駆る夕映には十分な手ごたえがあった――否、手ごたえがありすぎた。

「思ったより、できるね♣」

確かにビルとヒソカはぶつかった。ビルの壁面に大きな穴があいた。
だがヒソカは止まらない。バンジーガムが縮むのに合わせて飛びあがり、再び箒に向かってくる。

「ゆえ! またこっちに向かってくる! 加速して!」

「既に最大速です……!」

代わりに減速を行うことで、ヒソカで跳んでくる軌道を避ける。
この回避で一度はヒソカとの距離が離れるが、すぐに伸びたバンジーガムが戻る勢いでヒソカも戻ってくる。
同時にバンジーガムが縮むことで箒で後方に引っ張られてさらに箒の速度が落ちる。

「ゆえ、また来る!」

「駄目っ、もう避けきれないです!」

      「 つ か ま え た ♥ 」

ヒソカが箒に飛び乗る。後ろからのどかの首に手をまわす。
どこから取り出したのか、トランプのカードが首筋に押し当てられる。
念で強化されたトランプは立派な凶器。のどかの首の皮が裂かれて血が伝わり落ちていく。

「の、のどか……」

夕映が諦め、ヒソカが笑う。口元が曲がり、単なる笑いの枠に収まらない不気味な表情が作られる。
全身を悪寒が襲い夕映が目を瞑ったとき、のどかが動いた。

「待って! ヒソカさん!」

喉の動きに合わせてトランプがまた少し食い込み、血が流れる。

「私の能力は、人の心を読むこと。だから、ヒソカさんの願いが分かります」

「だからぁ?」

首から血の滴が零れ落ちる度、少しずつ生気が失せていく。
どうしようもない敗北感。ヒソカがあと1cm指を動かせば死ぬのだという実感。

いどのえにっきに書き出された、ヒソカの願いを読むために視線を動かす。
目の動きに付随して少しだけ首元が動いてしまい、トランプがまた首を傷つける。

それでも、のどかは臆せず話し続ける。

「世界中のお菓子を集めたいってその願い、私が協力します!
約束します! だから、私達を合格させてください!」

「そんな交渉、通るとでも?」

「通ります! だってこんな願い、絶対ヒソカさんは良い人です!」

大量のお菓子に囲まれた子供の絵が、いどのえにっきの挿絵として表れている。
チョコロボ君やチョコビといった有名なものから、バンジーガムなどの古いものまで。
挿絵の細かさは、そのまま細やかな意識の働きを意味する。

だからそれを見てのどかは少し安心し、だから直後に激しく動揺することになる。

「ふっ、ふふ、あは、あはははははッ!
ざぁーんねん! その絵本、見直してみなよ♢」

ヒソカの言葉に従って再度いどのえにっきを見直すと、
そこに書かれた内容はまったく別のものに変わっていた。

『これが僕の能力、ドッキリテクスチャー。
ものの上にかぶせて、見た目を変える念能力さ♣』

「っ……!?」

三人分の重力に対し、箒はもはやとぼとぼとしか進めない。
もはや万策尽きた。この状況、夕映とのどかにヒソカをどうこうする手はもはや無い。

ヒソカは一度のどかから手を離す。トランプについた血を舐めとってますます笑みを深める。

「それじゃあ……」








「合格だ」

「……?」「!?」

「だってほら、もうさっき名古屋駅の上を通り過ぎたところだ♦ ぎりぎりゴール、おめでとう♤」



試験開始から14時間38分。

「受験番号426番、綾瀬夕映。受験番号427番、宮崎のどか。合格だよ♤」

「……本気で殺す気はなかった、ということですか。
もしあなたがあのゴムとガムの能力で箒とビルをくっつけていたら、私は合格できませんでした」

「そういう発想ができるってだけで、今後に期待できるからねぇ♣
僕が二つとも能力を見せるなんてそうは無い。心から期待してるよ。だから、くれぐれも僕を失望させるなよ♥」

心を読まれるのなら、能力を隠すことに意味はない。だが、能力を知られることにリスクがあるのは変わらない。
ヒソカは能力を知られたままにするリスクと、二人を生かしておくことで得られる将来の楽しみとを秤にかけて、後者をとった。

「じゃ、ばいばい♦」



――試験内容を調べるために『いどのえにっき』を開いたときは、ヒソカさんに細工はされてないはず。
――ならきっと、ヒソカさんはそう悪い人じゃない。

ヒソカが箒から飛び降りたあとで、のどかは心の中で呟いた。

神聖モテモテ王国より
ファーザー、オンナスキー

ー 試験前 ー

オンナスキー「ファーザー……どうして僕らが東京駅にいるんだ?」

オンナスキー「しかも、こんな妙な番号がついたバッチまでもらってきて。一体、何の勧誘をされたんだ?」

ファーザー「ふっ……これも全て今回の作戦の為じゃよー」

オンナスキー「また無駄な作戦を立てたのか」

ファーザー「やれやれ、これじゃから。モテない男の嫉妬は見苦しいだけじゃよ?」

オンナスキー「」グイッ ←胸ぐらを掴む

ファーザー「ダメー、メガネスキー! 公衆の面前でワシを殴るのはダメなんじゃよー! ワシの国王としての威厳に傷がつく!」

オンナスキー「黙れ」

ファーザー「暴力はいかんのじゃよー! とにかく放したまえ、ルビンスキー君! 殴るのは今回の作戦を聞いてからにするんじゃよー!」ジタバタ!!

オンナスキー「よし、聞くだけ聞いてやる」

ファーザー「今回の作戦はアレじゃよー。アレ」

オンナスキー「アレ?」

ファーザー「あれ? なんじゃったけ?」

オンナスキー「…………」


バキッ!!

『時々、殴ってなおす』

ファーザー「そう。今回の作戦はハンターじゃよ!」

オンナスキー「ハンター?」

オンナスキー「ハンターってこの世で最も気高い仕事なんだろ? お前とは全く真逆だが大丈夫なのか?」

ファーザー「ふっ……資格さえ取ってしまえば後はこっちのもんじゃよ。仕事なんか放り出して、ライセンスをいい事にやりたい放題の毎日じゃよ?」

オンナスキー「それはハンターじゃなくてニートと言わないか?」

オンナスキー「いや、ニート以前に人としてダメな気がするが……」

ファーザー「オンナスキー、ハンターはモテるんじゃよ?」←純真無垢な顔

ファーザー「アリんこ退治するだけで、ハンターとしては一流なんじゃよ?」

オンナスキー「お前、またどこからか適当な知識を仕入れてきたな。ネットの情報を鵜呑みにするなとあれほど言ったのに……」

ファーザー「機はいつの間にか熟したのじゃよー! 今こそ立ち上がれ、全国民よ! 国をあげてハンターの資格を全て奪い尽くすのじゃよー!」

ファーザー「ジークナオン!!」

オンナスキー「略奪したハンターライセンスは無効なはずだが……」

ファーザー「あれ、ちょっと。全国民? ジークナオン!!」

オンナスキー「ファーザー、ハンター試験を受けるならお前一人で受けてくれ。今回の作戦、僕はどうにも乗り気がしない」

ファーザー「なんじゃってぇー!!」

ファーザー「乱心したか、オンナスキー! お父さんの国政にどうして従わない! 我が国は絶対王制なんじゃよー! 王様の言う事は絶対なんじゃよー!」

オンナスキー「いや、だけど、ハンター試験って結構危ない目にあうって聞いたぞ。それに、単なる高校生の僕が参加しても到底受かるとは思えないし……」

オンナスキー「その点、お前なら何回死んでも大丈夫だから問題ないしな。だから、今回はファーザーだけで作戦を遂行してくれ」

ファーザー「まさかの単独作戦じゃってぇー!?」

ー スペースコロニー ー

デニム「手柄のないのをあせる事はない。あ!ファーザー、何をする!」

ファーザー「シャア少佐だって、戦場の戦いで勝って出世したんじゃよー!」

デニム「おい、ファーザー、きさま! 単独作戦をする気か! やめろ、ファーザー!」

ファーザー「ふんっ。手柄を立ててしまえばこっちのもんじゃよー!」

ファーザー「敵を倒すには早いほどいいんじゃよ?」

デニム「おい、よせ、やめろ、ファーザー!!」


中略


アムロ「逃がすものか! ぶ、武器はないのか? 武器は?」

アムロ「これか!」

デニム「ファーザー、スレンダーが待っている所までジャンプできるか?」

ファーザー「補助カメラが使えるから、なんとかいけるんじゃよー。今からそっちにジャンプするんじゃよー」

アムロ「逃がすものか!」

ファーザー「や、やめるんじゃよー!!」

ファーザー「ぎゃあああああああああ!!!」


ボンッ!!

ー 東京駅 ー

ファーザー「ぎゃあああああああああ!!!」

オンナスキー「」ビクッ!!

オンナスキー「ど、どうした、ファーザー?」

ファーザー「ダメなんじゃよー、オンナスキー! 単独作戦は危険なんじゃよー! まさか連邦軍のモビルスーツがあんな高性能だとは思ってもいなかったんじゃよー!」ガクガク、ブルブル

オンナスキー「いつものごとく、何の話だかわからんが、とにかく僕は断るからな」

ファーザー「オンナスキー! お父さんを見殺しにする気かー!!」ウワーン

オンナスキー「泣くぐらいなら、初めから試験を受けなければいいだろ」

ファーザー「ええい、かくなる上は実力をもって言う事をきかせるのみ!」

ファーザー「歯を食いしばれ! 修正してやる!!」←殴りかかる


バキッ!!

ファーザー「」←クロスカウンター


ファーザー「お、親にも殴られた事なかったんじゃよー……」

ファーザー「」ドサッ……


オンナスキー「……何だったんだ、一体?」

ファーザー「」←気絶


オンナスキー「まあいいか、先に帰ろう……。こいつの事だから、このまま放っといても大丈夫だろうし」テクテク……

ファーザー「」


ファーザー「」←路上に気絶したまま放置








ザワザワ ←当然、人だかりが出来る

ー 試験開始5分前 ー

ファーザー「」



ファーザー「まさかララァ!?」ガバッ!!

ファーザー「ん? あれ? ここは?」キョロキョロ

警察官「警察だ」

ファーザー「なんじゃってえー!!!」

警察官「あんた、あんな所で倒れてたから、とりあえずこ」

ファーザー「嫌じゃよー! 警察は嫌いなんじゃよー!!」ダダダダダッ!!! ←逃亡

警察官、数名「あ、おい、待て!!」←追いかける

ー 東京駅 ー

ファーザー「」ゼエハア、ゼエハア

ファーザー「ふう……危ないところじゃったよー」


審査員「それでは、3、2、1、一次試験スタートです!」


ファーザー「どういう事じゃよー! この急展開はー!?」

ファーザー「そしてナナシスキーは一体どこに!?」


ファーザー「ぐっ、謎が謎を呼ぶミステリーじゃよ。これは体が子供の名探偵をどこかしらからか国王命令で呼んでこなければ……」

ファーザー「とにかく試験の内容も知らなければ、受かる事も出来んのじゃよー」キョロキョロ……

ファーザー「よし、あの審査員に聞いてみるんじゃよ。聞くは一時の恥、聞かぬは一生懸命頑張ってバカをみるんじゃよー」トコトコ

女審査員「…………」←受験生を監視中


ファーザー「」トコトコ……

女審査員「」ギョッ!

女審査員(なんだ、コイツ……! パンツ丸出しで……! 変態?)

女審査員(こんなやつ、受験生にいたか?)


ファーザー「……ちょっとそこの可愛らしいお姉さんに聞きたい事があるにゃー」

女審査員「……何だ?」←かなり警戒

ファーザー「ワシに試験内容を教えて欲しいんじゃが? ついでに試験が終わるまで、ワシ専属の監視をお願いするにゃー」←ゲス顔

女審査員(絶対、変態だコイツ)

女審査員(こんなのに関わるべきじゃないわね)

女審査員「試験内容を知る事も含めての試験だ。教える訳にはいかない。さっさっとあっちに行け!」

ファーザー「なんじゃってえー!!!」

ファーザー「それだとワシはずっと試験をクリア出来ないんじゃよー! これは陰謀じゃよー!」ジタバタ!!

女審査員「ええい、騒ぐな! あっちへ行け!」



警察官「む、いたぞ!」

ファーザー「ぎゃああああああ!!!」←再度、逃走

警察官「待て!!」

ファーザー「何で追いかけてくるんじゃよー!! ワシが何をしたー!」ダダダダダッ!!! ←必死で逃亡

ー 名古屋駅 試験終了間際 ー

審査員「よし。もう受験生は来ないだろう」

審査員「これで第一次試験は終了にし」

ファーザー「」ヨロヨロ……

審査員「」ビクッ!!

審査員「あ……ええと……受験生か?」

ファーザー「み…………」

審査員「み?」

ファーザー「み、水…………」ヨロヨロ……

ファーザー「」ドサッ……

ファーザー「」

審査員「…………」

審査員「」←とりあえず脈をとってみる

審査員「し、死んでる!?」

ー 翌日 オンナスキーの家 ー

ファーザー「」パクパク ←トンカツ

オンナスキー「」モグモグ ←トンカツ


ファーザー「いやー、危うく火葬されるところじゃったよー」テヘッ

ファーザー「生きてるって素晴らしいにゃー」

オンナスキー「結局、また死んだのか?」

ファーザー「そうじゃよ?」

オンナスキー「そうか」

ファーザー「でも、第一次試験には何故か受かってたみたいだにゃー。試合に勝って勝負に負けたみたいな感じじゃろか?」

オンナスキー「物は言いようだな」モグモグ

ファーザー「なんにせよ、もうハンター試験なんてこりごりなんじゃよー。あんな職業なんてよく考えたら全然モテないんじゃよねー」パクパク

オンナスキー「そうか」モグモグ

ファーザー「という事でオンナスキー、次の作戦はグリードア」

オンナスキー「お代わりするか、ファーザー?」

ファーザー「うん」コクン

オンナスキー「ほら」←ご飯をよそう

ファーザー「」モグモグ

オンナスキー「美味いか、ファーザー?」

ファーザー「もちろんじゃよ?」モグモグ

オンナスキー(良かった……。忘れたみたいだ)


ファーザー「」モグモグ

オンナスキー「」パクパク


ファーザー「やっぱりトンカツは最高なんじゃよねー♪」





おしまい

投下終了
キープはもちろんなしで

BLACK RAGOONより
ロック、レヴィ、ダッチ、ベニー

審査員「それでは、これより第一次試験を発表させて頂きます」

ロック「……?」

レヴィ「どうしたよ、ロック」

ロック「いや、いろいろと噂に聞くハンター試験ってどんなものかと思ってたんだが、これじゃ子供の…」

レヴィ「! おい伏せろ!」

引っ張り倒された頭上を何かがかすめていった。
そして爆発。
試験内容が貼りだされていた掲示板は木っ端微塵に吹き飛んで黒煙を上げていた。
巻き込まれたらしい何人かは姿が見えず、周囲ではパニックが生じていた。

ロック「おいマジかよ! ここ日本だろぉっ!?」

ベニー『何事だい? 問題発表にしちゃ演出が派手過ぎないか?』

レヴィ「呑気なこと言ってんじゃねえ!

     つまりあれだろ、この試験ってのは『あたしらの流儀』で構わねえってこったろ!」

ロック「勘弁してくれ…」

とは言え大人数の群衆がパニックを起こせば、身動きすら取れなくなる。
とにかくこの広場を出ようと出口へ向かった先に、急ブレーキで車が横付けした。

ダッチ「グズグズするな! 早く乗れ!」

レヴィ「用意がいいこった、このジープ、トヨタ製か?」

ベニー「こいつはハマーだ、トヨタじゃないよ」

ダッチ「それより試験問題だ、ちゃんと覚えてるか、ロック?」

ロック「あ、ああ…ここから名古屋駅まで36時間以内で向かえってさ」

ダッチ「ほお…そいつは遠いのか?」

ロック「いや、だから妙なんだ、せいぜい高速を飛ばせば6時間で…」

ダッチ「なるほど、予想した通りだ。コイツにしといて正解だったぜ…ベニー!」

ベニー「合点! トヨタがいい車なのは認めるけど、さすがにこういう用途にゃ向いてないだろうからね!」

ロック「はっ!?」

ハマーが大きく蛇行した。
なにか大きなものがすぐ脇を転がっていく。爆発した。

レヴィ「ヒュゥッ! まるでアクションムービーだなおい!」

ロック「言ってる場合かよ!? 車が火だるまで吹っ飛んでいったぞ!?」

ダッチ「ロック、あの試験問題、俺とベニーもモニターしてたがな…

     『何語で書いてあった?』」

ロック「何って、普通に日本語で…あっ!?」

もともと日本人であるロックは意識せずに読んでしまったが、よく考えれば妙なのだ。
あの試験問題には対訳も何もついてはいなかった。
つまり日本語を…この小さな島国の固有言語を読むことができなければ、
そもそも試験問題の内容を理解さえできない。
もしかしたら対訳なり、別の言語で書かれた問題を入手する手段があるのかもしれないが、
その方法は知らされていない。

ダッチ「気づいたか? こいつはただのお気楽なオリエンテーリングじゃねえ」

ベニー「知識、情報、それがなければいかに知ってるやつから聞き出すか、

     そして相手を出し抜くか…まさにハンターのための試験だよ」

レヴィ「そういう面倒なことはあたしの領分じゃねえな」

ダッチ「お前の出番は別にある、なんで6時間で着くはずの目的地に36時間も猶予がある?」

またハマーが揺れる。

ロック「つまり…妨害?」

ベニー「ご名答、さっきからも仕掛けてきてる。200m先の黄色のバン」

レヴィ「ちっ…ちょいと遠すぎるな」

ダッチ「それじゃトゥーハンデッドに半年早いクリスマスプレゼントだ。後ろのケース」

レヴィ「ひょぉっ! イカスぜダッチ、おいベニー、ハンドルしっかり握ってろよ!」

ロック「おいダッチ! どこからこんなモン調達してきたんだよ! 自衛隊か、在日米軍か!?」

ダッチ「わかってるだろロック、この稼業、詮索はしねえほうが身のためだ」

レヴィ「ヒャホォォッ!」

対物ライフルの発砲音が響く。
木っ端微塵に吹き飛んだバンの残骸をかわしながら、ハマーは東名高速に乗った。
目指すは一路、名古屋。

なおこの後間もなく、原因不明の多重事故により東京から西へ向かう高速及び幹線道路は
10時間以上にわたって通行止め。
その後も大渋滞が発生した。

以上
キープはなし

審査員「お集まりの皆様、大変お待たせいたしました。まずは第一次試験の合格、おめでとうございます」

審査員「それでは早速ですが、これより第二次試験会場までご案内させて頂きます」

審査員「こちらへどうぞ」


ゾロゾロ……

一次試験合格者は全員、貸し切りにして無人になった30階建てのビルの一階に集められる
(ビルの高さは約115メートル)

そのビルの屋上には正方形の鉄の塊(巨大なサイコロみたいなもの)が400個置いてあるので、それをビルの一階(初期位置)にいる試験官のところまで持ってくる事

一人一つ持ってくれば合格

なお、受験者には知らされてないが、鉄の塊は一番軽いので10キロ。あとは↓のように1キロずつ増えていく

10キロ→11キロ→12キロ→13キロ→14キロ→15キロ……以下略
つまり、一番重いので410キロ(成人男性約7人を運ぶのと同等)

重さは明記してない。重さ順に並べられてはおらずランダム。大きさで何となく重さがわかる程度
ちなみに、大きさの目安としては
10キロ→ 一辺の長さが約10センチ
410キロ→ 一辺の長さが約37センチ


第一次試験の合格人数は724人という設定でお願いします
つまり、最低でも324人は落ちます
早くビルの屋上までたどり着いた人間が有利です
遅くたどり着いた場合は、鉄の塊がない。あっても重いので運びきれないという事態が生じます

ー ビル一階 ー

審査員「試験開始はこれより30秒後からです」

審査員「第二次試験の内容は>>58の通りです」

審査員「皆さんのご健闘を祈っています」

審査員「それでは、3、2、1、第二次試験スタートです!」

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