アルミン「夢を買う」 (62)

※一部キャラクターが崩壊してます。
※10巻までのネタバレがあるかもしれません。


クリスタ「なんで、コニーは立体起動が得意なの?」
コニー 「感じろとしか言えん」


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クリスタ「やっぱり、狩猟民族の才能かな?」

コニー 「俺の家の先祖は、内地出身だ」

クリスタ「そうなの?」

コニー 「内地に居られなくなって、外に出てきたらしい」

クリスタ「なんで……あ」

クリスタ(これって、触れちゃいけない話よね?)

コニー 「気にすんなよ」

クリスタ「ごめんね」

コニー 「俺の生まれるよりも、ずっと昔の話だ」

クリスタ「えっと、あのね、コニーの立体起動を見るとね、子供の頃の怪談を思いだすんだ」

コニー 「坊主頭の幽霊でも出るのかよ」

クリスタ「ううん、バネ足ジャックって言う怪人」

コニー 「ああ、その話は、俺も知ってる」

クリスタ「コニーは、立体起動も小回りが利く移動の仕方だからかな。ピョンピョンって」

コニー 「バネ足男が、怖かったのか?」

クリスタ「足にバネをつけて、人を驚かすっていうだけの怪人なのにね」

コニー 「俺の知ってる話と違うな」

クリスタ「そうなの?」

コニー 「俺の知ってるバネ足ジャックは、実在した快楽殺人者だった」

クリスタ「それは、怖いね……」

コニー 「何人も刺して、殺して、バネ足で逃げた」

クリスタ「コニー?顔が怖いよ?」

コニー 「でも、ちゃんと掴まったんだ」

クリスタ「そうかぁ。よかったぁ」ホッ

コニー 「新聞の見出しはこうだった」

 スプリンガー
”バネ足男、掴まる”


クリスタ「え?スプリ……え?」

コニー 「クリスタって、平民じゃないよな」

クリスタ「な、何言ってるの?そんなわけ」

コニー 「肌のキメ細やかさ、質感が全然違う」

クリスタ「そ、そうなんだ」

コニー 「時々、無性に、破壊衝動に襲われる」

クリスタ「もう、戻ろうよ……」

コニー 「綺麗なものや、美しいものを、滅茶苦茶にしたくなるんだ」

クリスタ「コニー、やめて、戻ろう。みんな心配するよ」

コニー 「あぁ、戻ろう。でも、戻るのは、俺だけだ」

クリスタ「……何で、そんな……怖い顔するの?」

コニー 「感じろとしか言えん」

(おわり)

(おわり)
(  )
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コニー 「という夢を見た」

クリスタ「怖い話やめて」

コニー 「俺も怖かった。二度寝できなかった」

クリスタ「私も眠れなくなる」

コニー 「サシャなら悪い夢も食べてくれるんじゃないかと思った」

クリスタ「そうかも」

コニー 「頼んでみよう」

クリスタ「サシャーちょっときてー」

サシャ 「なんですか?」

クリスタ「悪い夢を食べてください」

コニー 「二度寝できないから」

サシャ 「言ってる意味が分かりません」

クリスタ「あのね、コニーがね、スプリンガーでね」

コニー 「クリスタが貴族だった!」

クリスタ「違うよ!?」

コニー 「それは、夢の話だった」

クリスタ「コニーが内地出身なの」

コニー 「違うよ!?」

サシャ 「埒が明きませんね。通訳を呼びましょう。アルミーン!」

アルミン「どうしたんだい?」

クリスタ「あのねアルミン、コニーのご先祖様が、内地出身のスプリンガーなの」

コニー 「クリスタが平民じゃなくて、怖いから、サシャなら食べるかと思った」

アルミン「ふんふん」

サシャ 「分かるんですか?」

アルミン「要約すると、怖い夢を見たから、
     サシャなら夢も食べてくれるんじゃないかと思ったみたい」

サシャ 「食べられるものなら、ありがたく頂きますけど、流石に夢は食べられないです」

コニー 「アルミン凄い」

クリスタ「頭いい」

アルミン「夢を食べる動物はバクだね」

サシャ 「そんな動物がいるんですか?」

アルミン「空想上の動物だから、実在するわけではないよ」

クリスタ「なぁんだ」

コニー 「いないのかー」

サシャ 「そんなに怖い夢だったんですか?」

クリスタ「怖いの大丈夫?」

サシャ 「怪談は好きですよ」

アルミン「じゃあ、コニーから夢を買ってみたらどうかな」

コニー 「夢って、買えるのか」

クリスタ「おいくらかしら?」

サシャ 「どうやって売買するんですか?」

アルミン「何でもいいんだよ。ヘアピンと交換とか」

サシャ 「はぁ。コニーにヘアピンあげても使い道ないでしょうけど。どうぞ」

コニー 「まいどあり」

クリスタ「サシャは怖い夢みるの?」

アルミン「見るか分からないけど、夢の所有権はサシャに移ったよ」

コニー 「俺、二度寝しても大丈夫か?」

アルミン「大丈夫だと思うよ」

クリスタ「私は?」

アルミン「元々、クリスタは怖い夢みてないから大丈夫だよ」

クリスタ「そうだった」

サシャ 「じゃあ、今夜楽しみにしてみますね」

コニー 「本当に怖いからな!」

クリスタ「泣いちゃうよ?」

アルミン「もし見たら、明日教えてね」

次の日

アルミン「怖い夢は見られた?」

サシャ 「いいえ、朝までグッスリでした」

アルミン「そんなもんだよね」

サシャ 「コニーとクリスタはどうしたんですか?」

アルミン「開拓地に行ったよ」

サシャ 「え?」

アルミン「二人とも、訓練兵には向いてなかったんだよ」

サシャ 「でも、昨日まで普通にいましたよ?」

アルミン「食糧事情もあるからね、食料を減らす方よりも増やす方に力を入れたいんだよ」

サシャ 「言ってることは分かりますが、それにしたって急ですよ」

アルミン「まぁまぁ、その代わりに今日は豪華なご飯がでるんだから」

サシャ 「これは、もしかしてお肉ですか!?」

アルミン「大人数なら硬いパンと薄いスープだけど、少人数なら肉も出るんだ」

サシャ 「そういうことなら、悪い話ではないですねぇ」モグモグ

アルミン「そうだろう? コニーとクリスタも喜ぶよ」

サシャ 「……なんでその二人が?」

アルミン「美味しいかい、サシャ?」

サシャ 「はぁ、美味しく頂いてますけど……アルミン?」

アルミン「どうしたんだい?」

サシャ 「これは、何のお肉ですか?」

アルミン「コニーとクリスタも喜ぶよ」

サシャ 「あの、アルミン?」

アルミン「……サシャは、開拓地に行きたくないだろう?」

サシャ 「私もう、お肉、いらないです」

アルミン「気に入らなかったの?」

サシャ 「いえ、何というか、お腹、いっぱいで」

アルミン「じゃあ仕方ないね」

サシャ 「ええ、済みませんけど」

アルミン「コニーとクリスタも喜ぶよ」

サシャ 「え?」

(おわり)

(おわり)
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サシャ 「という夢を見ました」

コニー 「ギャアアアアア!」

クリスタ「キャアアアア!」

アルミン「僕が悪役なの?」

コニー 「アルミンの食人鬼!」

クリスタ「私、食べられちゃった……」シクシク

サシャ 「夢見が悪くて、今日は食欲ないです」

アルミン「まさか、本当に悪夢を見るなんてね」

サシャ 「アルミーン、責任とって夢を買ってくださいよー」

アルミン「え、うーん。それなら、パンと交換で」

サシャ 「普段なら嬉しいんですけど、今日は食べ物は」ウプッ

アルミン「じゃあ、僕の胃薬と交換で」

サシャ 「ありがとうございます」

クリスタ「今日は、アルミンが怖い夢みるの?」

アルミン「見なければ良いんだけどね」

コニー 「すげえ怖いぞ!」

クリスタ「泣いちゃうよ?」

サシャ 「心に来る恐怖でした」

格闘訓練中

アルミン「だから、今日は寝るのがちょっと怖いかな」

ミカサ 「アルミン、私がその悪夢を買い取ろう」

アルミン「ええ、そんなの悪いよ。ミカサ」

ミカサ 「構わない、代金としてアニとの訓練を設定しよう」

ミカサ (エレンも引き剥がせる。Win-Winの関係)

アルミン「それは……うん、ありがとう」

ミカサ 「じゃあ、アニを呼んでくる」スタスタ

ジャン 「ミ、ミカサ、訓練相手がいないなら、俺とやらないか?」テレッ

ミカサ 「……」

ジャン 「いやなら、構わないんだが……」

ミカサ 「訓練相手は、既に決まっているので応えられない」

ジャン 「そ、そうか。悪かったな……」ガックリ

ミカサ 「その代わり、私の大事なものを買い取って欲しい」

ジャン 「な、なにをだ!?何でも買うぜ!」

ミカサ 「代金として、立体起動をエレンに教えてあげて欲しい」

ジャン 「おう!いくらでも教えてやるよ!」ヒャホー

ミカサ 「ありがとう。今夜、楽しみに待っていて……」ニコッ

ジャン 「こ、今夜!?」

キース 「……」

ミカサ 「ええ、今夜、きっとあなたは悪夢を見るから」

ジャン 「え、夢?」

キース 「……」

ミカサ 「そう、買い取ってくれてありがとう」スタスタ

ジャン 「ハハッ、イイッテコトヨー」

キース 「面白い話をしているようだな」ギロリ

ジャン 「そ、そんなに面白い話では」ビクン

キース 「私がその夢を買い取ってやろう。代わりに、死ぬ寸前まで走って来て良いぞ」

ジャン 「そ、そんな……」

キース 「すぐに行って来い」

ジャン 「は、はっ!!」

ジャン (俺が何をしたってんだよ!?)


(おわり)

(おわり)
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キース「懐かしい、夢を見たな」

キース「あの頃から逸材揃いとハ言われていたが、中身はまだまだ子供だったな」フフフ

キース「悪夢というが、巨人の恐怖に怯える今こそが悪夢だろう」

キース「いよいよ今日が解散式だが、悪夢に打ち勝てるよう訓練は施した」

キース「人類に貢献して欲しい気持ちはあるが、何よりも若い命を散らさないで欲しいものだ」


コンコン

キース 「どうぞ」

ピクシス「失礼するよ」

キース 「こ、これは!ピクシス指令!?」

ピクシス「ああ、いいんだ。そのままでいい」

キース 「こんなところに、何故……?」

ピクシス「実は、君に伝えなければいけないことがある」

キース 「はっ!」

ピクシス「先ほど、超大型巨人が出現した」

キース 「なっ!?」

ピクシス「幸い、人類最強のリヴァイが近くにいたんでな、即座に駆逐された」

キース 「そ、それは、喜ばしい知らせです」

ピクシス「リヴァイが到着するまでの間、私が104期訓練兵に時間稼ぎを命じた」

キース 「……はっ」

ピクシス「その結果、主席のアッカーマン以下、104期訓練兵は、全滅した」

キース 「……私の、鍛え方が、足りませんでした」

ピクシス「いや、十分に鍛えてくれた、彼らは勇敢に戦い、そして勝利の礎になった」

キース 「もったいない、お言葉です」

ピクシス「訓練兵の家族へ遺品などを送る必要があるだろう。それだけ伝えに来た」

キース 「ご足労頂き、ありがとうございます」

ピクシス「命じた私が言うことではないが、あまり、気に病むな」

キース 「気に病むなど。人類は超大型巨人という悪夢から、ひとつ解放されたのです」

ピクシス「彼らの尊い犠牲の上でだ」

キース 「この犠牲は無駄ではありません。きっと喜びを口にするでしょう」

ピクシス「彼らには何らかの褒章を考えている。それでは失礼するよ」

キース 「はっ」

キース「……」

キース(何故、私は奴らをもっと鍛えてやらなかったのだ?)

キース(何故、人類最強はもっと近くに居なかったのだ?)

キース(何故、奴らが死なねばならなかった……)

キース(褒章など貰って喜ぶ遺族がいるものか)

キース(死体がどうやって喜びを語るというのだ)

キース(奴らの夢は、希望は、将来は、全て無駄だったのか)

キース(人は、無力だ……)

キース(年を取ったな)

キース(…少し……疲れたようだ)


(おわり)

(おわり)
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キース「はっ!? ……夢か」

キース「とんでもない、悪夢だった」

キース「いや、夢で良かった……!」



キース 「私は貴様らに謝罪をしなければならない」

コニー 「なんだ?」

クリスタ「ごめんなさい?」

キース 「今まで、鍛え方が足りかったようだ」

アルミン「え?」

キース 「貴様らを巨人の餌にしてしまうのは本意ではない」

ジャン 「どういうことだよ……」

キース 「そういうわけで、本日から訓練量を一律3倍に増やす」


「「ええええええええええええええ」」


通常の三倍の訓練をこなす事になった訓練兵達は、ヘトヘトに疲れ果て
毎日ぐっすり眠ることが出来るようになり、怖い夢からも解放されました。


(おわり)

本当に終わりです。

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