コピペでショートSS (44)
これは>>1が手持ちのコピペリストから適当に選んだコピペをネタに
ショートSS風にアレンジして書こうという、突発的に思いついたスレです。
投下は次から
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376496446
【喫茶店にて】
カランカラン……
女友「いらっしゃいま……何だ、友か」
友「それが客に対する態度か?」
女「こんにちは女友ちゃん」
女友「あれ? 女も一緒なんだ。……もしかしてデートとか?」
友「バーカ。そんなんじゃねーよ。……男に呼び出されたんだよ」
女友「男に?」
女「えーと……男くん、まだ来てないみたいだよ?」
友「ったく、人呼びつけといて遅刻すんなよな……。まぁいいや、女友。水くれ水」
女友「水しか飲まないくせに偉そうにするな!! 今度からアンタは出入り禁止にするよ!? ……あ、女はいつでも大歓迎だからね?」
女「あはは……ケンカしちゃ駄目だよぉ」
友「ちっ……バイトのお前にそんな権限あるのかよ」
2
カランカラン……
男「ようお前ら、待たせたな」
女「あ、やっと来た」
友「おせーよ男! 何やってたんだお前」
男「悪い悪い……あ、女友。俺アイスコーヒーね」
女友「はいはい……ちょっと待ってて」
※※※
友「そんで?」
男「あん?」
友「いきなり呼び出して何の用だよ?」
男「ああ、そうだったそうだった……聞いて驚けお前ら。俺は『超能力者』になったんだ!」
友「は?」
女友「ほへ?」
女「ふぇ?」
男「…………」ニヤリ
一同「……………………」
女「……厨二病?」
女友「アンタは友と違って、まともな人間だと信じてたのに……」
友「ああそうか、夏だもんなぁ……って、女友! 俺と違ってってどういう意味だ!?」
男「まぁ聞けよお前ら。まずは俺が、この力を手にした経緯を説明してやる」
友「いやもう何一つ興味ないから帰っていいか?」
男「先週みんなでプールに行ったろ? その時なんだけどさ……」
女友「あー……駄目だコレ。勝手に話し始めちゃってるよ」
女「と、とにかく話だけでも聞いてあげようよ? ね?」
――1週間前
男「……ちょっと早く来すぎたか」
男「今日も暑いなぁ……」
男「早くプールに入りたい……」
男「いや……」
男「正確には女の水着姿が見たい」
男「あと、女友のも」
男「友は……別に来なくていいや」
男「……………………」
男「まだ来ないのかなアイツら……」
ゴソゴソ
男「ん?」
ホームレス「…………」ボケー
男(ホームレスか……こうは成りたくないもんだな……)
ホームレス「……豚」ボソッ
男「?」
男(今、通り過ぎたオバサンのことか? まぁ確かに太ってたけど……)
ホームレス「……牛」ボソッ
男(……? あのサラリーマン風の人を見ている……けど、どっちかって言うと、痩せた鳥みたいな人だけどなぁ……)
ホームレス「……牛蒡」ボソッ
男(牛蒡? あのデブ女が? 豚の間違いだろ)
???「ん? 男じゃないか」
男「え!? ……あ、先生」
担任「よう! こんなところで何やってるんだ?」
男「友たちと待ち合わせッスよ。暑いからみんなでプールに行こうって……」
担任「そうか。まぁ、夏休みだし遊ぶのは構わんが、あまり羽目を外しすぎないようにな。それと、宿題もちゃんとやれよ?」
男「あ、あはは……」
担任「その顔はやってないなお前?」
男「そ、それより先生は何やってたんスか?」
担任「お前たちと違って、教師は夏休み中でも仕事があるんだよ。これから学校だ」
男「へぇ……大変なんスね」
担任「そうだ、大人は大変なんだ。じゃあな」
男「さいなら~」
ホームレス「……………………」ジー
男(ん? 今度は担任を見てるのか?)
ホームレス「……人」ボソッ
男(担任は人? ……何のこっちゃ)
男(その後、友たちがやってきて、俺は予定どおりプールへ行った)
男(女のおっぱいデカかった。巨乳だった)
男(女友はもっとデカかった。爆乳だった)
男(いや、それはどうでも良くて、俺はあのホームレスがどうにも気になって、次の日も、その次の日も、彼に会いに行ってみた)
男(あのホームレスの男は、いつもあそこにいて、通り過ぎる人を眺めながら『烏賊』『キャベツ』などと、ボソボソ呟いていた)
男(そして四日目。俺は意を決して、あのホームレスに話しかけてみた)
男「……あの」
ホームレス「……?」
男「それって、何を言っているんですか?」
ホームレス「…………」
男「…………」
ホームレス「…………見えるんですよ」
男「見えるって……何が?」
ホームレス「…………」
男「えっと、それ超能力……みたいな?」
ホームレス「…………」
男「あの……」
ホームレス「欲しければ差し上げますよ?」
男「へ?」
男(そう言うと彼は俺の頭に手をかざし、無言で立ち去った)
男(それ以来、俺は彼の姿を見ていない)
男(あのホームレスが何者だったのかは分からない)
男(だが……あの日から、俺にも彼に見えていた物が見えるようになった)
男「……こうして俺は超能力者になったんだ」
女友「はぁ……」
友「うさんくせー」
男「フッ……信じられないなら実際に見せてやろう。いや、見てやろう」
男「まずは友……お前は『マグロ』だ」
友「マグロ? 何で?」
男「女友。お前は『プチトマト』だな」
女友「は? プチトマト?」
男「女は……『鶏』のようだな」
女「私……鶏なの?」
男「お前ら……昼飯は何を食べた?」
友「え? ああ、俺のとこは刺身だったけど……」
男「何の刺身だ?」
友「何かマグロの赤身だったけ……ど!?」
男「女は?」
女「えっと、お母さんがケンタッキー買っていたから……って、ええっ!?」
男「女友はどうだ?」
女友「お、お店が忙しかったから……サラダだけ」
男「プチトマトは?」
女友「…………入ってた」
男「これがあのホームレスから、俺が授かった能力……」
男「相手が『最後に食べたものが見える』力だ!!」ドヤァ
女友「…………いや、そんなどや顔されても……」
友「何の役に立つんだよ? そのくっだらねー能力は……」
男「それはさして重要じゃない。大事なのは『俺が超能力者になった』という事実を、お前らが信じるかどうかだ」
女「う、う~ん……」
女友「まぁ……ねぇ……」
男「信じられないか? なら、今後もお前らが最後に何を食べたか言い当ててやるよ。
……お前らが俺の力を信じるまで毎日な」
友「あーいや、分かった。分かったから。信じるから、それは勘弁してくれ鬱陶しい」
男「よし、みんなが俺の超能力を本物だと信じてくれたところで、本題だが……」
女「本題?」
男「あのホームレスの人さ、担任を見てこう言ったんだよね…………『人』って」
友「!?」
女友「!?」
女「!?」
男「そこで相談なんだけど……」
男「俺…………どうしたらいいと思う……?」
友「……………」
女「……………」
女友「………………」
友・女・女友「ヒィィ((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル」
・元ネタ
ニューヨークの地下鉄を私はよく利用する。
毎朝通勤の度に地下鉄構内で何やらぶつぶつ言ってる一人のホームレスの男がいた。
男の近くの壁に寄り掛かり内容を盗み聞きした。
目の前をおばさんが通る。すると男は
「豚」
と呟いた。
私は思った。なんだただの悪口か、動物に例えているだけか…。
次に普通のビジネスマンが通る。すると男は
「人」
あぁ、まさに普遍的人間って感じの人だな…。
別の日、暇潰しにまた盗み聞きしてみる。
男の目の前をやつれた男が通る。すると男は
「牛」
と呟いた。
牛?どちらかと言うと痩せた鳥だが…?
次に典型的な肥満の男が通る、すると男は
「野菜」
と呟いた。
野菜?豚の間違いだろ?
私は家に帰り考えた。
もしや、次に生まれ変わる生き物、すなわち転生を言い当てるのか!?
その後、何度もホームレスを観察しているうちに疑問も確信に変わった。
ある日思い切ってホームレスに疑問をぶつけ、能力を身につける方法を教えてくれと懇願した。
ホームレスは淀んだ目で私を見つめた後、私の頭に手をかざした。
次の日からホームレスはいなくなった。仙人だったのだろうか?はたまた神か?
私は能力を身につけた。
それは期待するものとは違っていた。
ただ単に、その人が直前に食べたものだった
私はあまりのくだらなさに笑ってしまった。
【披露宴にて】
上官『えー、本日はお日柄も良く……』
男「うーん……」
海自隊員1「ん? どうした男?」
男「いやさ……やっぱりうち(海上自衛隊)の結婚式って、ちょっと異様だよなーって思ってさ」
海自隊員2「ああ……新郎の同僚が全員、制服姿だからな」
海自隊員3「まぁ仕方ないんじゃないの? これ(制服)が俺らの正装なんだし」
男「いや、俺も別に文句がある訳じゃないんだけどさ……」
海自隊員2「それより男。お前どうするんだ?」
男「は?」
海自隊員3「友も結婚したし、同期で独身なのお前だけだぞ? 結婚しないのか?」
男「……したくても相手が居ないんだよ」
海自隊員1「あー止めとけ止めとけ……結婚は人生の墓場だぞ」
海自隊員3「実感こもってるなぁ……何? カミさんとケンカでもしたのか?」
海自隊員1「ケンカどころか、もう一ヶ月、ロクに口きいてねーよ」
海自隊員2「何だ? 家庭内別居か?」
海自隊員1「そんなとこだ。子供がいなかったら、とっくに別れてるっての」
男「お前らなぁ……それが他人の結婚式でする話か?」
司会「それでは親族を代表して、新郎のお爺様の祖父様より、ご挨拶をいただきます」
祖父「」スッ…
男「親族代表の挨拶か……披露宴もそろそろ御披楽喜だな」
海自隊員2「だな。お前ら二次会行く?」
海自隊員3「俺行く」
海自隊員1「俺はパス。男は?」
男「俺は……どうしようかな」
祖父『新郎・友の祖父でございます。両家を代表いたしまして一言御礼のご挨拶を申し上げます』
祖父『本日は、ご多忙中にも関わらず、このように多数ご列席をいただき誠にありがとうございます。
またありがたいご祝辞と励ましのお言葉をいただきまして、 新郎新婦はもちろんのこと、私どもも身に余る光栄でございます』
男「あれが友のお祖父さんか……入退院繰り返してるって聞いてたけど、元気そうだな」
海自隊員3「というか、両家代表の挨拶って、普通は父親がやるもんなんじゃないのか?」
祖父『……戦時中は私自身、海軍に所属しており、艦に乗っておりました。
孫である新郎・友が海上自衛隊の一員として、日本の領海を守る任についていることを
本当に誇りに思っております』
男「…………友のお祖父さん。海軍にいたのか」
海自隊員2「知らなかったな……」
海自隊員1「本当の『戦争』を経験された人なんだよな……」
祖父『えー……私事ではありますが、海自隊員の皆様に、お詫びをさせていただきたいと思います。
我々の世代が不甲斐ないばかりに、今の海上勤務の皆様方に苦労をかけてしまい
本当に……本当に申し訳ない』
男「…………」
海自隊員1「…………」
海自隊員2「…………」
海自隊員3「…………」
祖父『……慣れない宴席で不行き届きの点もあったかと存じますが、どうかお許しください。
結びに皆様のご健康をお祈り申し上げ、両家代表のごあいさつにかえさせていただきます。
本日は、まことにありがとうございました』
パチパチパチパチパチ……
上官「……友くん」
友「……はい?」
上官「お爺様は何に乗っておられたのだ?」
友「……………………」
友「大和です」
上官「!!」ガタッ!
男「!!」ガタッ!
海自隊員達「!!」ガタタッ!
上官「……~~っ! 敬礼!!」ビシッ!
男「」ビシッ!
海自隊員達「」ビシッ!
祖父「……………………」
祖父「」ビシッ!
・元ネタ
ある披露宴、新郎が海自の方でした。同僚上司達は制服で出席。
披露宴も御披楽喜に近づき、新郎のおじいさんの挨拶がありました。
一通りの祝いの言葉の後に、
自分が海軍にいた事。孫が艦に乗っている事を誇りに思う事。
自分達の世代の不甲斐なさのせいで今の海上勤務の方達には苦労を
掛けていると思う事。
たとたどしくですが話されました。
同僚達は知らなかったらしく酔っ払っていたのが、段々背筋が伸びていき
神妙に聞き入っていました。挨拶が終わり高砂の席の一人が「何に乗っておられたのだ」
と尋ねると、新郎は小声で「大和です」
それを聞いた海自組一同すっ転ぶような勢いで立ち上がり直立不動で敬礼を送りました。
おじいさんも見事な答礼を返されました。
私はその後は仕事になりませんでした。
本日は以上です
【ブラックサンタの贈り物】
北米のとある街に、トムという名の男の子がいた。
トムは生まれつき足が不自由で、車椅子での生活を余儀なくされていた。
それはトムが八歳のクリスマスの朝だった。トムが目を覚ますと、クリスマスツリーの下に、三つのプレゼントが置かれていた。
トムがプレゼントを開けようとクリスマスツリーに近づいたとき、窓の外に人影が見えた。
サンタ「」ニヤニヤ……
トム(……何だよニタニタして)
不機嫌に思いながらプレゼントの所に行ったトムは、まず一つ目のプレゼントを開けてみた。
トム(あ……ローラーブレードだ……)
サンタ「プッ……ククッ……!」
トム(僕が足が悪いのを知ってて……!)
トム(こっちの箱は……)ゴソゴソ……
『サッカーボール』
サンタ「フ、フヒヒ……プハハハハ!」
トム(こ、この……!!)
トムは腹を抱えて笑うサンタに憤慨しながら、三つ目の大きな箱を開けた。
その中から出てきたのは……
トム(じ、自転車……!!)プルプル……!
サンタ「ブハハハハハハハハッ! フヒッ! フヒッ! ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」ゴロゴロ
トム「う……うくっ……ううぅぅぅ~~……!!」
ガタッ!
バタンッ!
ドダダダダダダダダダダダッ……!!
トム「なに笑っとんじゃテメェェェッ!!」ドゲシッ!!
サンタ「ヘブゥッ!?」
母「立った……? トムが立ったぁ!!」
・元ネタ
クリスマス、トムはサンタクロースからのプレゼントを楽しみにしていた。
朝起きるとクリスマスツリーの下にプレゼント箱が3つほどあった。
窓からサンタが中を覗いているのが見える。サンタはニタニタと
笑いながらトムを見ている。トムはニタニタ笑っているサンタを見て少し
不機嫌に思いながらもプレゼントの置いてある所に行った。トムはまず
一つ目のプレゼントを手に取った。サンタは更にニタニタと笑っている。
プレゼントの箱を空けると中から長ズボンが出てきた。トムは少しがっかり
したような表情をしながらも次の箱を手に取った。サンタは腹を抱えて
笑っている。二つ目の箱を開けると中からサッカーボールが出てきた。
トムはますます不機嫌になり、とても腹が立った。
トムは続けて一番大きな最後の箱を開けた。
すると中から自転車が出てきた。サンタは雪の上を転がりまわって笑っている
トムはとうとう耐え切れなくなってサンタにドロップキックをお見舞いした。
※注
改変コピペらしいです。
原文は「泣き出してしまった」です。
【仄暗い水の底から】
お盆が過ぎれば夏も、もう終わりである。秋の気配はすぐそばまで迫っていた。
この時期、長期休暇を満喫していた学生たちにとって、頭の痛い問題があった。
そう、夏休みの宿題である。
閑静な住宅街の一角にある、二階建てのごく平凡な一軒家の一室に四人の少年少女が集まり
協力して課題を片づけていた。
そして、時刻が午後八時を少し回った頃……
女友「……よし、終わり!」
友「え? もう終わったのか?」
女友「アンタが遅すぎるのよ。どうせ今日まで何もなってなかったんでしょ?」
友「は? んなことねーよ。俺だって少しは……」
男「やってたのか?」
女「やってたの?」
友「……はい、すいません。やってませんでした」
男「お前、昔っから最後の一日で、まとめてやってるもんな」
女「それで結局終わらなくて、半分以上白紙で提出して、先生に怒られてるよね」
友「う……。こ、今年は! 今年こそは全部終わらすって!」
女友「アンタ毎年言ってるよね、その台詞」
男「しかも、終わらせた例がないという……」
友「ぐぎぎ……!」
男「ほれ、手伝ってやるから唸ってないで、さっさとやろうぜ」
女「あと何が残ってるの?」
友「えっとな……」
<オフロガワキマシタ
女友「あ、お風呂沸いた」
男「入ってきていいぞ。こっちは俺と女で見ててやるから」
女友「そう? じゃあ、お言葉に甘えて……あ、女。覗かないように、そいつら見張っといてね」
友「誰が覗くか!! 早く行けよ!」
女「あはは……」
女友「お風呂♪ お風呂♪ 入浴剤何入れよっかな~」
カパッ
『真っ赤』
女友「え……何これ……? 何でお湯が赤いの……?」
ゴボゴボゴボゴボ……
女友「な、何? 何なの!?」
生首「」プカ~
女友「!?」
生首「」ジロリ
生首「」ニタァ~
女友「~~~~~~~~っ!!」
男「……で、こいつをここに代入して」
友「え? え? ゴメ、もう一回最初から説明して」
女「友くーん……普段ちゃんと授業聞いてる?」
女友の声『キャァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』
友「っ!? な、何だ?」
女「今のって、女友ちゃんの声……?」
男「どうしたんだアイツ……。ゴキブリでも出たのか?」
女友の声『私の風呂に何してくれてんだぁぁぁ!! 入れないじゃねーかぁぁぁぁぁ!!』
男「」
友「」
女「」
女友の声『掃除しとけバカッ!!』
友「……………………」
男「…………何があったんだ?」
女「さぁ…………?」
・元ネタ
141 名前:恐い139[sage] 投稿日:2008/06/16(月) 16:05:11 ID:RGFkp3Or0
リロ忘れごめん…お詫びに都市伝説っぽい恐い話。
私の友達の友達(この辺都市伝説)が曰く付きの安いアパートに入居した。
入居して初めての大修羅場の後、風呂に入って寝ようと湯を溜めた。
修羅場中はシャワーだけだったから、その風呂を使うのは初めてだった。
入浴剤何にしようとウキウキしながら蓋を開けると、そこには女の首が。
長い髪が水面にうねり、湯は血で真っ赤だった。その子は修羅場脳で、とっさに風呂桶の底で首を叩き付けた。
「私の風呂に何してくれるんじゃ!入れねーじゃねえか!!1!」怒りのあまり怒鳴りつけ、「きれいに洗っておけバカ!」と捨て台詞を残し、部屋に戻って寝てしまった。
起きたら風呂はきれいで沸かしたてだったらしい。
でもそれより、全裸で寝る気持ちよさに目覚め、裸族になったらしい。
【映画監督】
男「ちょっと思ったんだけどさ?」
友「…………何を?」
男「『○○のファン』っていうので、一番格好良く見えるのって何だろうな?」
友「は?」
男「色々あるだろ? 例えばアイドルのファンとか、スポーツ選手のファンとか」
友「ああ……なるほど」
男「そういうので『この人のファン』って言ったら、なにが格好いいだろうなーって話」
友「うーん……作家とか定番じゃないか?」
男「作家か……太宰治とか川端康成とか?」
友「うん」
男「でも純文学書いてる人だけが作家って訳じゃなくね? ラノベ作家も絵本作家も、作家には違いないだろ?」
友「いや、そんなこと言い出したらキリがないだろ」
男「そもそも俺、文字読んでると眠くなるんだよね」
友「知るか」
男「本だけ集めてもさ、内容まったく知らなかったら、逆に恥ずかしいだろ?」
友「読めばいいだろ」
男「だから眠くなるんだって」
友「んなこと言われてもなぁ……なら映画化されたのを観ればいいんじゃねーか?」
男「いや、全部の作品が映画化されてるわけじゃ……待てよ? 映画か……」
友「ん?」
男「『映画監督のファン』ってのはどうだ?」
友「あー……なんかソレっぽいかも」
男「スピルバーグとかジョン・ウーとか……定番だけど黒澤明とか」
友「あんまり有名すぎる人だと、いかにもって感じでね?」
男「だよなぁ……北野武とか松本人志とかだとミーハーすぎるし」
友「北村龍平は?」
男「うーん……いまいち」
友「何て言うかこう……『通好み』って感じの人だと、格好良く見えそうなんだけどな」
男「だよな……ちょっと考えてみるか」
※※※
男「……というわけで、同じ監督の作品を買い集めてみた」
友「ほう、誰の作品にしたんだ?」
男「これ」
『痴漢電車 満員豆さがし』
友「日活ロマンポルノ!?」
男「ほかにも色々買ってみた」
友「何々……『痴漢女教師』に『痴漢電車 もっと続けて』に『痴漢電車 けい子のヒップ』に
『 痴漢電車 ちんちん発車』……見事に痴漢物ばっかりじゃねーか」
男「痴漢以外にも『 官能団地 上つき下つき刺激つき』とか『桃色身体検査』とか『はみ出しスクール水着』なんてのもあるぞ?」
友「とりあえず、お前はこの監督のファンを自称することの、何が格好いいと思ったのかを聞きたい」
男「そして、この人の最大のヒット作がこれだ」
『おくりびと』
友「……………………マジで?」
男「マジで」コクン
・元ネタ
滝田洋二郎監督作品
# 痴漢女教師 (1981年)
# 痴漢電車 満員豆さがし (1982年)
# 官能団地 上つき下つき刺激つき (1982年)
# 痴漢電車 もっと続けて (1982年)
# 連続暴姦(1983年)
# 痴漢電車 百恵のお尻(1983年)
# 痴漢電車 けい子のヒップ(1983年)
# 痴漢電車 ルミ子のお尻(1983年)
# 痴漢電車 下着検札(1984年)
# 痴漢電車 ちんちん発車(1984年)
# グッバイボーイ(1984年)
# OL24時 媚娼女(1984年)
# 真昼の切り裂き魔(1984年)
# 痴漢電車極秘本番(1984年)
# 痴漢保険室(1984年)
# ザ・緊縛(1984年)
# 痴漢電車 聖子のお尻(1985年)
# 桃色身体検査(1985年)
# 痴漢電車 車内で一発(1985年)
# 痴漢通勤バス(1985年)
# 痴漢電車 あと奥まで1cm(1985年)
# 絶倫ギャル やる気ムンムン(1985年)
# ザ・マニア 快感生体実験(1986年)
# 痴漢宅配便(1986年)
# はみ出しスクール水着(1986年)
おくりびと(2008年)
【シャワールーム】
これは私が従兄の結婚式へ行った夜のことです。
式を挙げ、披露宴・二次会と続き、三次会が終わる頃には、時計の針が深夜1時を回ろうとしていました。
私は遠くの街に住んでいたので、その日は叔父が用意してくれたホテルに泊まることになりました。
酔いも回っていたので、普段ならそのまま眠ってしまうところですが、その日はどうしても起きていなければならない事情があり
私は酔い醒ましにと、シャワーを浴びに部屋の風呂場へと入り、汗を流すことにしました。
シャーーー……
男「……ふう、いい結婚式だったよなぁ」
男「俺もあんな風に盛大な式を挙げたいなぁ……」
男「だから……とりあえずは今夜……!」
いつもより長めのシャワーを浴び終え、私はバスローブを羽織ってベッドに転がり
枕元に放り投げておいたラジオのスイッチを入れると、ちょうど毎週欠かさず聴いている
深夜番組が始まるところでした。
『はい、皆さんこんばんは。DJ・Tです。今夜も始まりましたMidnight Talk、みんなイツも聞いてくれてありがとぅ!』
OPテーマと共に、ラジオDJの軽快なトークが聞こえてきます。いつもこの番組を聞きながら眠りにつくのですが
私にとってその夜の放送は特別なものでした。
当時の私には、つき合い始めて二年になる恋人がいました。彼女もこの番組のファンで、二人が交際を始める切っ掛けになったのも、この番組でした。
そんな思い入れのある番組で……私は彼女にプロポーズをしようと計画していたのです。
私は少々影響を受けやすいのか、以前観たTV番組で、ラジオ番組を通して恋人にプロポーズしたという
アメリカ人の男性の話が強く印象に残っていました。
そこで私は番組のリクエストコーナーに、恋人へのプロポーズの言葉を
メッセージとして添えることにしたのです。
ラジオを聴きながら、私の心臓は緊張でどんどん早くなっていきました。
男「聴いてくれてるかな? 聴いてくれてるよな?」
もし、彼女が番組を聴いていなかったら、このプロポーズ作戦は、全て無駄になってしまう。
念のために彼女にメールを送ろうかなどと考えていると……
シャーーー……
男「あれ? シャワーの音が……」
男「あっれー? 何でシャワーが出てるんだろ? 俺、確かに止めたのになぁ……」
風呂場のドアを開けると、出るときに止めたはずのシャワーが、勢いよく流れていました。
不思議に思いながらも、私はラジオを聴きたい一心でシャワーを止めて、部屋へと戻りました。
『えー、それでは……リクエストコーナーの方に行きましょうか』
『まず最初のお手紙。ラジオネーム「寺生まれのTさんは☆最強」さんからのメッセージ』
リクエストコーナーが始まり、ついに私の手紙が読み上げられることになりました。
『付き合ってもうすぐ2年になるな由美子……今まで色々あったけど、これからもお前を守っていくよ……結婚しよう』
『……おっと、これはプロポーズの言葉だね。彼女さんは聴いてくれてるかなぁ?』
男「……~~! よしっ!!」
私がベッドの上で思わずガッツポーズをした、その時……
シャーーー……
男「……え?」
風呂場から、さっき止めたはずのシャワーの音か聞こえてきたのです。
恐る恐るドアを開き、中を確認すると、やはりシャワーが勢いよく流れていました。
男「な……何だよ…これ……」
さすがに不気味になって、ラジオどころではなくなりました。
ベッドに戻った私がフロントに連絡して、部屋を変えてもらおうかと思ったその時でした。
バァーーーーーz___ンッ!!
男「ひっ!!」
窓の外に手が張り付いているのが見えました。私は慌てて部屋から逃げ出そうとしました。
しかし、部屋のドアが強い力で押さえつけられているように動かず、開くことが出来ませんでした。
ズリ……ズリ……
男「!? う…あ……」ガクガク
振り替えると、全身傷だらけの女が黒髪を振り乱しながら床を這いずってくるのが見えました。
私は腰を抜かし、その場にへたり込んでしまいました。
(よ゛……も゛……う゛ら゛……っ゛……な゛……!)
男「く……来るな……来るなぁ!!」ガクガク
(…るざ……なぃ…ゆ゛る゛ざな゛いぃぃ……!!)
男「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
『やれやれ……今夜は特に、世話の焼けるリスナーが多いな』
私が恐怖のあまりに悲鳴を上げた直後、ラジオからDJ・Tさんの、そんな声が聞こえてきました。
『破ァーーーッ!!』
寺生まれで霊感の強いTさんが叫ぶと、ラジオから強い光が放たれ、周囲を包み込んでいきました。
光の中で、私はその女の傷が逆回転映像のように、みるみる癒えていくのを見ました。
(ありがとう……辛かった…………苦しかった……あり……が……とう……)
女性は穏やかに微笑み、一筋の涙を流して、スーッと消えていきました。
『こんな切ない夜は……この曲を流そうか……T-BORANで「離したくはない」』
ラジオから流れたT-BORANの切ないバラードを聴きながら、私は『寺生まれってスゲー』と頻りに感心しました。
後で聞いた話なのですが、私の宿泊した部屋は女性の惨殺事件があった
地元では有名な曰く付きの部屋だったのだそうです。
ですが、私にはそんなことよりも、一つ気になることがありました。
それは……
男「Tさん……俺がリクエストした山根康広の『Get Along Together』は?」
・元ネタ
俺は深夜ラジオが好きで毎週欠かさずよく聞いていた。
ちょうどその番組がある日、田舎の親戚の結婚式と被ッたんだ。
盛大に式を挙げ、2次会3次会と続き…気付くともぅ夜中の1時をまわッていた。
親戚が予約してくれていたホテルに戻りラジオのスイッチを入れる。まだお気に入りの番組はやッていなかッた。
シャワーを浴びる時間くらいあるな…
俺はラジオまでの時間潰しと、酔い覚ましも兼てシャワーを浴びる事にした。
はぁ…イィ結婚式だッたなぁ~俺もあんな盛大な結婚式を挙げたいなぁ~
いつもより長めのシャワーを浴び終え、脱衣所で体を拭いていると…
“今晩は~今夜もMidnight Talkの時間だぜ~!!みんなイツも聞いてくれてありが~とぅ!!”
どうやら、番組が始まッたようだ!!急いで体を拭きバスローブを羽織ると、髪の毛も乾かさないままラジオの前へと転がり込んだ。
何故そんなにラジオにコダわるのかッて?
実は…ラジオのリクエストコーナーで彼女にプロポーズしていたんだ。もちろん今日の放送は彼女にも聞いてもらッている。 聞いてくれているかな? 彼女にメールしようかなぁ???アレコレ考えている時に…
シャーーー…
風呂場からだ…シャワーの流れる音が聞こえきた。
アレッ???
確かに止めたはずなんだけどなぁ…
仕方なく風呂場に戻りシャワーを確認した。誰も居ない風呂場でシャワーが隆々と流れている…。ラジオを聞きたい一心で止め忘れたんだろうな。
さほど気に留める事もなくシャワーを捻り、部屋へと引き返した。
“さぁ続いてはペンネーム「寺生まれのTさんは☆最強」さんからのリクエストだ。読み上げるよ~”
“付き合い出してもう2年になるな…由美子。オマエの事を一生守ッて行くよ。結婚しよう!!”
決まッた!!そんなコトを思い浮かべてベッドでニヤついていた時に…
シャーーー…
シャ……ワー???
嫌な胸騒ぎに襲われ、恐る恐る風呂場へと…意を決してドアを開けた!!!
が…やはりシャワーが流れているコト意外、変わッたトコロはない。
ダーーンッ!!!!!!
部屋から物凄い音がした!!!!!!!振り返ると19階の窓の外に手が張り付いているッ!!!
俺は声にならない悲鳴を上げると同時に、窓をすり抜けるように黒髪を振り乱し、全身傷だらけの女がはいずッてきた…
「う゛あ゛…あ゛…ぁぁだ…ま……だな…」
女は喉も潰されているのか、何を言ッているのか解らない…。ただシャガれた声からは悪寒が走るほど、怨みの念が込められているのがすぐに分かッた。
「…るざ…なぃ…ゆ゛る゛ざな゛いぃぃ…!!!!」
手足や頭を潰されハイズリ近寄る女の異様な光景に俺はガク然とし、半ばあきらめカケたその時ッ!!
“やれやれ…今夜は一段と世話の焼けるリスナーが多いようだな…”
淡く光りを帯びたラジオから聞き覚えのある声。
寺生まれで霊感の強いTさんだ!!
「破ぁ~!!!!!!!!!!」
次の瞬間ラジオは眩い強烈な光りを放ち、辺りを包む!!みるも無惨だッた黒髪の女は、傷もみるみる癒え優しい顔立ちに戻ッていッた。
“ありがとう…苦しかッた…辛かッた…ありが…とう…”
黒髪の女性は一筋の涙を流し、俺に優しく微笑むとスーッと消えていッた…
“こんな…切ない夜は…この曲を流そうか…”
“T-BORANで…離したくない”
寺生まれはスゴイ!!!俺のリクエストを無視しするTさんの傍若無人さに、驚きを隠せない夜だッた。
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