【伝説のスタフィー】ママスタ「スタフィー、またおしっこもらしちゃったの?」 (15)


スタフィー「うぅ……ごめんなさいフィー」

ママスタ「うーん、困ったわね。ここ最近毎日じゃないの。」

 両親と3にんでお昼ごはんを食べていたときのことだった。王子の座っていた椅子はビチャビチャになっている。

スタフィー「最近、おしっこが我慢できないフィ……何でだろう?」

ママスタ「テンカイから落ちる前までは殆ど失敗しなくなってたのにねぇ……」

パパスタ「……海で冒険していた時は、どこでおしっこしていた?」

スタフィー「うんとね……海の中でそのまましちゃってたフィ……トイレ無いし。」

パパスタ「……おそらく、きっと冒険中に海でするのに慣れてしまって、それからのような気がするのう。」

スタフィー「でも帰ってきたばっかりのときはそんなこと無かったのに、なんで……」

ママスタ「とにかく。もし、これがこれからもずっと続くならやっぱり……」

パパスタ「……むむ。しかたないかもしれんのう……」

スタフィー「え、待ってよ! 今度こそ絶対におもらししないから! ぜったいいやだからねぼく!」

ママスタ「それでも床を毎回拭くのだって大変なのよ。……もし次も失敗しちゃったら、約束だからね」

スタフィー「いやなのはいや! ……もういい! ごちそうさま!」



 * * *


スタフィー「……はぁ、もう一度漏らしたら絶対させられちゃうよね……“おむつ”」

 廊下をとぼとぼと歩きながら両親がほのめかしていた“約束”のことをつぶやいた。先ほどのやり取りはここ毎日のことのようだった。

スタフィー(そんなのぜったいにいやだフィー。なんで僕が生まれたばかりのコドモが穿くようなものを……)

スタフィー(……今日はもうずっとおトイレにいよう。おトイレ探さなきゃ……)

 その時――

 ガシャンと何か壊れる音がした。

 それと一緒に『何者かが侵入した!』というヘイシ達の叫び声が聞こえた。

 スタフィーはすぐに察した。オーグラが封印された後も、彼が生み出したマモノの残党がテンカイに侵入して、攻撃を仕掛けてくることが時々あったからだ。

スタフィー(ぼくがやっつけなきゃ! いつもおもらししちゃうから、ここでカッコいいところ見せるフィー!)

 

 スタフィーは音がした方へ一目散へと駆け出す。するとその先には――

パパスタ&ママスタ「スタフィー!」

 自分の両親が空を飛ぶ敵に襲われている。周りのヘイシ達もあたふたしている。

スタフィー「大丈夫、ぼくに任せて!」

 そう叫びながら、物凄い勢いで身体を回転させはじめ、その衝撃を敵にぶつける。

スタフィー「まいったか!」

 空を飛んでいた敵は、瞬く間に地に堕ちる。抵抗する様子を見せたが、スタフィーそれを見るや否やすぐさま回転攻撃を加え続ける。そして――

パパスタ「よし……もうこれくらいで大丈夫だろう。」

 スタフィーの猛攻によって敵は息絶えた。そしてその敵はもう元がどんな姿だったか分かりづらいほどにまで叩き潰されている。

スタフィー「えっへん! ぼくに任せればワルモノなんてこんなもんだフィー!」

パパスタ(……さすが、それでこそワシの息子だ。)

 国王は頷いて感心し、周りのヘイシ達も『流石はスタフィー王子』『あのオーグラをひとりで叩きのめしただけはある』と喝采を送る。母親だけは表情に曇りを見せていたが。
 
 その時――

スタフィー(どうしよう! おしっこしたくなっちゃった……)

 敵を倒すのに夢中になって気づかないうちに我慢してしまっていたようだ。

スタフィー「あっ、あの! ぼくおしっこ行ってくる!」

 こんなことしている場合じゃないとその場を後にして、トイレを探し始める。

ママスタ「あっスタフィー待って! トイレなら……」

ヘイシD「私が案内に……」

ママスタ「いえ、私が行きますわ。貴方は敵の掃除の方をよろしくね!」

ヘイシD「ははっ! ……あと、そういえばさっきガクシャさんから連絡が入っていたな……」



 * * *


スタフィー(どうしよう……走ってると、どんどんおしっこしたくなってきちゃうフィー。さっきのお昼ご飯でジュース飲んじゃったからかな……)

スタフィー(こういうときテンカイって本当に広すぎて困っちゃう……あ!)

 廊下の先にトイレのマークが描かれているドアが王子の目に入る。

スタフィー(やった! もう少しだフィー!)

 これでおもらししなくてすむと思って、更に足を速める。しかし、

スタフィー(わっ!)

 急ぎ過ぎたあまりの失敗。なんの変哲もない床でつまづき、ドテンと思いっきり転んでしまった。

スタフィー(なんでこんな時に限ってぼく……あぁっ!)
 
 我慢していたものがじょわわとあふれ出てくる。なんも無い所で転んでしまい、またもおしっこを少しもらしてしまう。

スタフィー(お願い止まって……! 次失敗したら、おむつになっちゃうのに……!)

 そう考えると情けなくて涙があふれ出てくる。おしっこも頑張って止めようとするけど、徐々にもれてしまう。

スタフィー(うう。ひっく。ぐすっ、どうしよう。涙も……おしっこも……止まらないよぉ……)

 うつぶせになって涙を抑えきれないまま、スタフィーはまたもテンカイの床を汚してしまうのを止められず、その場に伏してしまうのだった。



 * * *


??「……ぷぷっ、無様だな。」

??「いい気味だよ。オーグラをまるで一人で倒したかのように振る舞っているスタフィーとそれを助長させる周りがいけないんだ。」

 テンカイの廊下の暗所で、ある3にんがひそひそと話をしていた。先ほどの王子の様子を遠くから観察していたようだった。

ヘイシA「……おれたち3にんだってあのオーグラにはダメージを与えたんだ。なのにスタフィーと、後あのよう分からんハマグリばっかりチヤホヤされて、王様もおれたち3にんへは何のご褒美も無し。このままじゃシャクじゃねぇか。」

ヘイシB「本当にね。それどころか僕たち3にんは周りからは“オーグラを止められなかったダメなヘイシ達”なんて冷たい目でさえ見られてね……」

 彼らはどうやらかつてオーグラがテンカイに侵入したときに3にんがかりで戦ったテンカイヘイシ達だったようだ。結局オーグラには全く歯が立たず、さらなる侵略を許してしまったが。

ヘイシC「とは言っても、“おしっこがしたくてしょうがなくなる薬”をご飯に混ぜ込んでひと前で粗相させるようにするなんてよく思いついたね……」

ヘイシA「薬品庫から原材料盗んで調合して作ったんだぜ。まぁ、これであの王子は7歳を過ぎても粗相ばかりして、テンカイを救ったヒーローどころか、恥晒しとなるわけさ!」

ヘイシB「さすが! ほんと頭良いよね! それに槍の扱いだって本当はヘイシ達の中で一番上手なくらいだし。」

ヘイシA「お前が食事作る班だったからできたことさ。それに、おれから言わせりゃ、他のヘイシの連中が情けなさすぎるんだ。ロクに戦えもしないことを棚に上げて無思考にスタフィーばかり称賛して……このままだと俺たちの仕事が減って、どんどん肩身が狭くなりかねない。」

ヘイシC「それは間違いない。さっきの敵も結局王子が倒してしまったみたいだからね。」

ヘイシA「まっ、ちょっとしたお仕置きだ。もう少しみんなで楽しもうぜ!」

 3にんが一斉に笑い合う。すると――

ヘイシD「一体何を楽しむんですか?」

 声がした方を向くと、更にもうひとりのヘイシがいつの間にか後ろに立っていた。


ヘイシA「……何ってお前には関係ないことだよ。」

ヘイシD「大アリですよ。さっきガクシャさんから“何者かに実験用の薬品の一部が盗まれてるからドロボーが侵入したかもしれない”って連絡がありました。」 

ヘイシA「なるほどな。それじゃあドロボー退治頑張ってくれよ。」

ヘイシD「とぼけないでください! さっきの話も全て聴かせてもらいました! あなた方にも“同じこと”させましょうか!」

ヘイシB「さっきから意味の分からないことばっかり……って、あぁ!」

 先ほどの言い合いを隙に、更に周りに沢山のヘイシが槍を使って3にんを包囲した。これでは身動きが取れない。よく見ると録音用の機械を持っているひともいる。

ヘイシD「私についてきてください! 王様とお妃様に全て報告させてもらいます!」

ヘイシABC「……!」


 * * *


ヘイシABC「……本当に、申し訳ございませんでした。」
 
 3にんは物凄く屈辱そうな表情で国王に向かって土下座をする。

パパスタ「お前のことは知っておるぞ。オーグラの退治に失敗しただけに飽き足らず、盗みを働き、そしてスタフィーにそのような真似まで……!」

 今にも殴りかかるのではないかという程の形相を見せる国王。

ヘイシD「このダメな3にん組は今日から丸1年間、隔離した牢屋に閉じ込めておきましょう。王子も最近のことでひどく傷ついておられますし……」

パパスタ「それくらいせねばならないかもな。」

ヘイシA「あーはいはいはいはいはい! どうぞ好きにすれば!?」

ヘイシD「こいつ! この期に及んでなんて無礼な!」

ヘイシC「もう! こうなるから僕は最初からやりすぎだと反対してたんだ! 主犯はこの自棄を起こしてるアホです! どうか僕だけはもう少し……」 

ヘイシB「何言ってるんだ! 裏切る気か! ここまで来たらお前も道連れだ……」

ママスタ「待ちなさい!」

 皆がしんと静まり返る。

ママスタ「この3にんの処罰はどうか私に決めさせていただけないですか? あと、私と3にんだけで話したいことがあります。」

パパスタ「むむ、しかしそれは……」

ママスタ「“丸1年”閉じ込めるだけではどうにも気が収まりませんので!」

 お妃と3にん組以外の者が“なるほど”と顔を見合わせる。

パパスタ「……分かった。しかし、こやつらはもはや何をしでかすか分からない。何かあったらすぐに助けを呼んで欲しい。」

ヘイシD「すぐにこのバカどもを拘束できるように見張っておきますね。」

 そう言い残して、お妃と3にん組を残して、パパスタ達はその部屋を後にしていった。

ママスタ「さて……」

 これから3にん組に向かって、ママスタが言ったことは、彼らにとって予想にもしない内容だった。



 * * *


スタフィー「あっあれ? ぼくって確か……」

 転んでしまったはずだったが、普通に廊下に立っていることに気付く。床もそこまで汚れていない。そして、

スタフィー(目の前にトイレがある……!)

 思わず一目散にかけこみ、そこで用を足しはじめる。

スタフィー「えへへ。ちょっともれちゃったけど、これならセーフだフィーね……ってあれ?」

 トイレで用を足しているはずなのに、おまたのところが急に暖かくなっていく。そして、

スタフィー(……何これ?)

 更にはトイレからはお湯のような液体があふれ出てき始めた。

スタフィー「どうしよう! 助けて! 扉も開かない! 助けて……」

 ――はっ、とふと目を開けると天井が見えた。

スタフィー(あれ? 夢? ってことは……)

 このときにやっと全て察した。今自分はベッドで寝ていて、そして……

スタフィー(うそ……おしっこ……出ちゃってる……! そんな、ぼく、おねしょまで……)

 丁度おしっこしてるときに目が覚めたことが分かった。

ママスタ「あらあら、スタフィーいっぱいおしっこ出ちゃったね。」

 ベッドの上からスタフィーをのぞき込む。そして、

ママスタ「……でもよかったわね。“おむつ”してるからベッドは濡れてないよ。」

スタフィー「!?」

 自分の身体の下部を確かめると、白くてふわふわとした不織布とおしっこを吸い取る布のようなものがあてがわれている。そして、その布のようなものがぶくぶくにふくれあがっていることに気付いた。


スタフィー「そんな……なんで……ぼく、いやだって言ったのに!」

 恥ずかしい下着を勝手に付けられたことがショックで、目にいっぱいの涙を浮かべ始める。

ママスタ「廊下でお漏らししたまま、そのまま寝ちゃってたところをママがベッドまで運んで付けてあげたのよ。それに元々約束だったじゃない。」

スタフィー「知らない! いやだって言ったのに!」

 それを聴いてスタフィーは更に泣きだし、止まらなくなってしまう。そんな自分の子供をママスタはぎゅっと強く抱きしめた。

スタフィー「やめて。離してよ……」

ママスタ「……そうだね。いやなものはいやだよね。だけど……おもらししちゃうからおむつするのはしょうがないことだし、おねしょなら今のスタフィーくらいの年の子だって普通にしちゃうこともあるのよ?」

 ぶんぶんと顔を横に振りながら、おむつを取ろうと手を伸ばす。しかし――

スタフィー(あっ……)

 まだおしっこが全部出ていなかったことに気付かなかった。再びおしっこが止まらなくなってしまい、やがて――

ママスタ「……おむつからも漏れてベッドが汚れちゃったね。でも気にしなくていいからね。」

 おむつまでさせられて、ベッドまで汚してしまった。スタフィーはもう泣く気力も失い意気消沈してしまう。

スタフィー「ぼく……いつもおっちょこちょいでドジって言われて。それにおもらしやおねしょまでしちゃって……もうぼくなんか良いところなんて何も無い……」

ママスタ「そんなこと言っちゃダメ。さっきだって敵をやっつけてママを守ってくれたじゃない。それに……」

 スタフィーを撫でてあげながら、一瞬ためらうような表情をした後に続けた。

ママスタ「……それに、ママはおもらししちゃっておむつを汚しちゃうスタフィーのことだって大好きだよ。」

スタフィー「そっ、そんなの……ウソだもん……ぼく、もう7才を過ぎたのに……」

 抱きしめながら今度は背中をとんとんと優しく叩いて続ける。

ママスタ「スタフィーはね。初めての冒険で頑張りすぎちゃって少し疲れてるのよ。だからおもらしもおねしょもおむつも全部しちゃって当たり前で、恥ずかしいことじゃないんだよ。」

スタフィー「……」

ママスタ「それに、……さっきスタフィーはとても嬉しそうに飲んでいたのよ。」

 手に持っていたのは哺乳瓶だった。中は空になっていて、誰かが飲んだ後のように見えた。

スタフィー「これを……ぼくが?」

ママスタ「さっきおねしょしちゃって、おむつから溢れちゃったのも、うとうとしながらいっぱいミルクを飲んだからよ。すぐに全部飲んじゃって。きっとスタフィーも本当は赤ちゃんになれて嬉しいんだよ。」

スタフィー「そんな……」

ママスタ「そうなの。だからまずは、汚れちゃったおむつ替えてあげるから、タッチして欲しいな。」

スタフィー「……」

 しばらく無言のまま、やがてすっくと立ちあがり、母親に体を寄せかけた。そして、

スタフィー(新しいおむつ……ふわふわ……)

 ママスタに新しく替えてもらったおむつをぼーと眺める。

ママスタ「うふふ。気持ちいいでしょ? これからはおしっこしたくなったら全部おむつにしちゃえばいいからね。ママが替えてあげるから。」

スタフィー「……うん!」

 顔を赤らめながらも、涙を拭って、笑顔を取り戻して返事をした。



 * * *


 その日の夜は、スタフィーはママスタに久しぶりに添い寝をねだったので、一緒のベッドで寝ることにした。
 
 スタフィーが眠りについた後、横でママスタは少し涙を浮かべ深いため息をついた。
  
ママスタ(……こんなこと、パパにバレたら、絶対に叱られるよね。粗相を治すどころか、むしろスタフィーを退行させちゃうなんて。)
 
ママスタ(……でもしょうがない。……元はと言えば全部あの3にんが悪いのよ。そのせいでヘンなことを思いついたんだから。)

 ママスタがあの時ヘイシ3にん組に言い渡したのは、“深く反省をしているのなら牢屋で丸1年を丸10日に縮めてあげること。そして、代わりに持っている薬の全てを差し出してもらうこと”だった。

 つまりスタフィーの尊厳を貶めるために作られた薬は今、全てママスタが持っている。

ママスタ(そして、その薬をこのミルクに混ぜて、これからもおむつが外れない赤ちゃんにしちゃおうだなんて、本当にどうかしてるわ。

ママスタ(でも……あの時、本当は少し怖かった。)

 思い浮かべていたのは、少し前に、自分の子供が、侵入した敵を徹底的に攻撃を加えて息の根を止めて自慢げにしていた時のこと。

ママスタ(オーグラを封印して帰ってきた時からも、スタフィーはどんどん強くなっちゃって、強くなりすぎて……可愛かった頃のスタフィーがもういなくなってしまうんじゃないかって思っちゃった。)

ママスタ(それくらいなら、もう少しだけこのまま……赤ちゃんで幼くて可愛かった頃を見ていたい。この薬が余っているうちは、いっぱいスタフィーを甘やかすんだから。)

 また息子の可愛い頃をやり直せることに想像を膨らませながら、母親がふふっと笑みを浮かべた。

 先ほどおむつから溢れるほどのおねしょをしてしまったのも、全てはママスタのわるい心が顔を出してしまったからだった。



* * *


 それから数日後のこと――

ママスタ「あらら、スタフィー、おむつがパンパンになっちゃってるね」

 子供のおむつの中に手を入れて、湿っていることを確認する。

スタフィー「ひゃっ。うぅ……最近、気が付いたらおしっこが出ちゃってるフィー。」

ママスタ「お遊びに夢中で気づかなかったのよ。さっ替えてあげるから、こっちへいらっしゃい。」

スタフィー「はーい。」

 ママスタは新しいおむつに替えてあげる。

ママスタ「はい、できました! じっとできててえらいねー」

 そう言って息子をぎゅっとして撫でてあげる。

スタフィー「えへへ。……あのね、ミルクちょうだい。それとね……」

 両手を差し出して、無言のまま何かをねだる。

ママスタ「うんうん。抱っこしてあげるね。そこでミルクいっぱい飲みましょうね。」

スタフィー「わーい!」

 きゃっきゃとよろこぶ息子を抱っこし、ミルクを飲ませる。もちろんそのミルクにも薬は混ぜられている。

 それを何回も飲ませ、おしっこはおむつにさせたため、スタフィーはすっかり尿意に気付く前におむつを汚してしてしまう身体になっていた。

ママスタ(まだもう少しだけ残っているから、できるだけ大事に使わないとね。そうだ……もしあのお友達がまたここへ遊びに来たいと言い出したら、それまでにはトイレトレーニングもしなきゃね。今度はおまるを用意して……うふふ。)
  
 それでも、その様子を可愛らしいと母親は喜んでお世話をし続け、子供は無邪気な笑顔を振りまき、ふたりはとても幸せそうに過ごしていた。

 ――そこから数年経って、その“お友達”が本当に遊びに来て、再び平和が脅かされることになるのは、また別の話である。


* * *


 数年後――

キョロスケ「バッカヤロー! 今までどんだけ平和ボケしてたんだ!」

 ロブのどうくつにて、復活したオーグラに攫われた母親を取り返すために、スタフィーは忘れてしまったアクションの練習をしていた。

キョロスケ「ったく……オメェ、テンカイにいる間、一体何してやがったんだ? ただ何もしてなかっただけでここまで全部忘れちまうなんてありえねぇだろ?」

ロブじいさん「まったくのう。前の冒険では最初から覚えていたはずのムササビジャンプまで忘れてしまいおって。」

スタフィー「う、うーんとね……」

 困惑するキョロスケとロブじいさんを前にして、スタフィーは少し顔を赤らめながら、笑顔で言った。

スタフィー「……それはね、ぜったいに、ぜったいに、ひみつだフィー!」



おわり

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