やる夫が正史を書くようです５８

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【主要参考資料】

　●正史三国志１～８　ちくま学芸文庫
　●中国の歴史０３　ファーストエンペラーの遺産　講談社
　●中国の歴史０４　三国志の世界　講談社
　●中国の歴史０５　中華の崩壊と拡大　講談社
　●図説中国文明史５　魏晋南北朝　創元社
　●三国志　正史と小説の狭間　白帝社
　●西晋の武帝　司馬炎　白帝社
　●世説新語　上・中・下　明治書院

【お約束】

※魏晋の士大夫の行く末を生暖かく見守るスレです。

※基本、正史三国志準拠のフィクション・やる夫スレです。

※蛇足的な内容なので、お暇な方のみ御付き合い下さい。

※長文・ネタバレに関しては気になさる方もいらっしゃるので、御配慮頂けるとありがたいです。　

※話の都合上、特定のキャラが不快な行動をとる可能性がありますが御容赦下さい。

【前スレ>>994の続き】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∫ι＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ./丁了

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾｰ─ｰ─ｰ──ｰ──ｰ──ｰ─ｰ,ィ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|　||　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|　||　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ ﾌ　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋ｪｪt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ｪ,ｨ　　 |　　劉琨殿、お待たせー　　　|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iｌ＿,└───────┘ ,　 i!　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣||　|￣￣|i　|￣￣||　|￣￣|l　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|￣￣|￣||

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ|￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|ｌ
　|￣￣|i　　　|￣￣|ｌ　　　|￣￣||　　　||￣￣|￣￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣|￣￣|￣||　　　|￣￣||　　　|￣￣|i　　　|￣￣||
￣|￣`~|i￣￣|￣￣￣i￣￣|ﾞ ''￣i￣　||￣!￣￣/ ￣￣￣￣￣￣ﾞヾ￣|￣￣.|ｉ￣|￣`~|i￣￣|￣￣￣|￣`~|i￣￣|￣￣
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　　　　　　　　 [ｱK[:.:.:.:.:.:.:.:/:::／:.:.:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.,
　　　　　　／/:.:｝〉:.:.:..／／:.:.:.:.:.:〈//:.:.:.:.:.:.:.:.:[ト､
　　　　　　 /:.:>〉//:.:.:.<／∧:.:.:.:.:.:.:.:./ ∨:.:.:.:.:.:.|:.:.ﾊ
　　　　 /:.:</:.|/:.:.:.:.:.:.Ν｀∨＼／ ´　∨:.:.:.:.ﾘ:.:.:.:.＼
　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.|〕:.:.:.:.f灯たヽ　　ィた灯|:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　　ああ、そうだ。
　　　　/|:.::.:.:.:.:.八:.:.:∧|　Vツ. 　　 Vツ /:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ
　　　 /.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼{八　　　　　　　　 ,′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:|　　　　　こんなご時世だから、
.　　　|:.八:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.込、　ﾏ⌒7　　|:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／|:.ﾘ　　　　　アタシたちが別々にいると妙な疑いを招くかも。
　　八{　 ∨.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.＞　　　　＜∨:.:.:.:.:.:.:.:.:／　,.::/
　　　　 _＿〕:.:.:／:.:.:.:.:.／:./　.〕　爪__　 )＼:.:.:.:.:./　　/:/　　　　　　.アタシの配下の兵が
　　　　＼:._∠＿,,...-┴一 ''〈　　　　〉 `''┬--＜ｰ=彡'′　　　　　　劉琨殿を護衛するからここにいたらどう？
　　　　　　　 / : : |/　　　 ‘,__＿_/　　　|/: : : ∨
　　　　　　　　/: : : :.|　　／｀ﾏ∨　/r'＾ヽ.八: : : 八

　　　　　　 /: : : : /＿ | 　⌒〕∨ ｆ⌒　}_〕〉: :/: : :,
　　　　　　／: : : : :.|:::::::人　　ﾝΥ:「`　 .八:::∨: : : ｀、
　　　　 /: : :_:_＿_|::::::|／　 /|∩圦　〈ﾆ|::::::| : : : : ｀、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,／￣￣`￣＼
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /二◎二ヽヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ﾙﾉﾊヽゝ,ﾊi　〉 .i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iv､!●　　● i　i' 〈
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　…………　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿iﾊ`ｰｩ　ｔ-ﾉ i　　〈
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　　 ,/　　　 ./-'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ´　　　　 ,　'´　　　　　　　　　　　　　　　 _ 　／::::⌒｀´⌒:::: ＼
　 ,ノ　　　 ,r:'´:::::::::::::::::::::::::::::::;ノ￣　　　　 , -'´　　　　　　　　　　　　　　　　／´　 .|　,-）　　　　（-、|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./'　　　　| l　　ヽ＿＿ノ　l. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾞ　／ )　＼　　`⌒´　／、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |／_／　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／二二二7　　　 u'　__　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/'´r　-―一ｧ"i　　　　　　　　　.-‐ 　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / // 　广¨´ 　/'　　　　　　/´￣｀ヽ ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ ' /　ノ　　　:::/　　　　　　/ 　　　ヽ　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／｀丶　/　　　　 ::i　　　　　　 {:::...　　　　　　ｲ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　結局、段匹磾は劉琨を自分の下へ留めた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　だが、これはあまりにも中途半端な対応だった

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　/ﾌＹ　ヽ

　　　　　　　　/(>)(◎) ヽ
　　　＿　　／⌒｀´⌒:#;; ＼
　　　　　　| -）＿＿＿（-、 |　　　　　　　　　　大変ですっていう！
　　　　　.__ |#；　|!!il|i|!li| 　ｌu.|

　　　　／　＼　･｀⌒´ 　／　　　　　　　　　　段匹磾が劉琨様を捕らえましたっていう！！
　　　　〈_／＼ .`ijｰ─‐'"　＼／゛〉
　　　　　　　）　　　　　／＼__／　　　　　　　.兵が集まっており、すぐにこちらへ攻めて来るでしょうっていう！！！
　　　　　　　/ 　＿　／
　　　三　／ __　ヽ
三　　　!　/r .）

　　　　　ヽヽ _／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　＼ﾆ=-　 _　　 ∨_-_-_-_━─-...ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_-_-_-＞'"~~~"''～､、::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_-/:::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈__,{:八:::::::::::::::::`､:::::::::::::::::::`､::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 .::|∧:::::＼:::::::::::::::`､::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.::/|:::∧:::l_,,.`'＜:::::::::`､::::::::::::::|::::::::::::::::::|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ＼::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/

　　　なんですって！！？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .::/ j八::::从　 V} '　　 |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈:〈 /'　 l:/':ノ　　　　　 |/::::::::::::::/:::::::::::::/
　　　こちらが常々誠意を見せてきたのに、　　　　　　　　　　　　｀＞>　l:::::＼　　　　　 /:::::::::::／::::::::::::::::{
　　　それを仇で返すのが鮮卑のやり方なのかしら！！　　　　 .(:::(　　l::::::::::::... っ　　/::::::::／!:::::::::::::::::::::::.　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 )ノ　八:::::::＼:::＼　/:::::／　 |::＼::::::::::::::::::::... 　 ⌒):)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::::＼::::/::／::::}／|:」　＼::::::::::::::::::::::.....／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼::::::∨::(､:::／　　／-_-_⌒＼:＼:::::::::...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:::::::::::)＼::::::...... ／-_-_-_-_-_-_`､:＼::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈::::厂/-／＼::::::ﾉ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 )/ /／　／:／∧_-/-_-_-_-_-_-」|:::∧:::.

　　　　 /ﾆＹﾆヽ　　　　　　　　　　 /＼Ｙ/ヽ
　　　　 /（ﾟ )( ﾟ）ヽ　　　　　　　　/ （ 0) (0）ヽ　　　　　　　　　向こうが攻めて来る？
　　　／::::⌒｀´⌒::::＼　　　 .　　／::::⌒｀　 ´⌒＼　　
　　 |　,-）＿＿＿（-、|　　　　　|::::::::::-）＿＿（-|　　　　　　　　だったら劉遵様を奉じ、　
　　 | l　　 |-┬-|　　l |　　　　　l:::::::　ヽ|!!il|i|!l|. l |　　　　　　　　この征北将軍府で籠城して徹底交戦するっていう！　
　　　＼　 `ー'´ 　／l!| !　 .　　＼::　　 lｪｪｪｪ| ／　　
　　／　　　　　　　＼ |i　　.　　/⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
　／　　　　　　　ヽ !l　ヽi　　　　|　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃　　　　　　　　　　　　そうだそうだっていう！！
..（　　丶- 、　　　しＥ　|そ　　. | 　　　　　　｀l￣
　　`ー､＿ﾉ　 ∑　l､Ｅﾉ　　　|　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ＼　　　＿_　　／:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:.:.:.:ヽ__i/__):ﾉ_/:.:.::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 [十].:.:.:.:.:./　（＼:.:.:.:.:.::.:ﾏt]x
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /[t].:/:.:.人:.:.:.:＼＼:.:.:.:.:.: v/＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:/.:.:.:|⌒八:.＼⌒＞　　Ｖ/:.:ヽ(

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ/:: /:/:.:.:.や仇八| 仇うV:.:.:.:.V/:.:.:ヽ
　　　　　分かりました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .（:/. / / :.:.:.ﾄ Vり　　　Vり l:.::.ｉ:.:.:|＼:.:.:.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:: /　|:.:.:.:.小　　｀　　　小:. |:.:.:|　 )／
　　　　　卑劣な段匹磾を倒して父上を取り戻しましょう　　　　　　　　　　i:.（　人:.ｲ:.:公､　｀　´　.ｲ.八:.| )ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐x､_⌒　　)ノ＼:.:.:.〕.ﾆﾆ/ﾄ:｣ﾉ　)ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛ / / ﾄ､　　／¨ｱ　 T＿/　|　　￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿」ｱL/ j//　　　|／　　＼　 V　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ] i i i_ﾉ |ﾆ/　　　 fj　　辻　 )　|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ￣　 |-i|　　　 .h　　　　 /　 |　ノ|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　晋　劉琨の庶子　劉遵

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　『晋書』『劉琨伝』によれば、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　劉琨の庶長子の劉遵は誅殺されるのを恐れ、征北将軍府に立て籠もった。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .以前、拓跋部へ人質に出されていた人物
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　ﾉ＼　　　＿_　　／:|
　　　　　　 {:.:.:.:ヽ__i/__):ﾉ_/:.:.::ﾉ
　　　　　　　V／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V＼

　　　　 [十].:.:.:.:.:./　（＼:.:.:.:.:.::.:ﾏt]x
　　　　 /[t].:/:.:.人:.:.:.:＼＼:.:.:.:.:.: v/＼__
　　　　/:.:.:.:/.:.:.:|⌒八:.＼⌒＞　　Ｖ/:.:ヽ(　　　　　　　　でも、廬諶殿と廬綝殿、
　　ノ/:: /:/:.:.:.や仇八| 仇うV:.:.:.:.V/:.:.:ヽ　　　　　　　　それと崔悦殿はすぐにここを離れて下さい。
　　（:/. / / :.:.:.ﾄ Vり　　　Vり l:.::.ｉ:.:.:|＼:.:.:.}

　　 i:: /　|:.:.:.:.小　　｀　　　小:. |:.:.:|　 )／　　　　　　　　あたしの裁量で、父の客分の三人の命は預かれません
　　 i:.（　人:.ｲ:.:公､　｀　´　.ｲ.八:.| )ﾉ
　　　　　　　 )ノ＼:.:.:.〕.ﾆﾆ/ﾄ:｣ﾉ　)ﾉ
　　　　　　／¨ｱ　 T＿/　|　　￣＼
　　　　　　 j//　　　|／　　＼　 V　ヽ
　　　　　　|ﾆ/　　　 fj　　辻　 )　|　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　＼　　＿　　　　 /　　.:八
　　　　　　|-i|　　　 .h　　　　 /　 |　ノ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　八　　 Y´:::／::￣:::`:く　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ゝ､_メ:::::: __::::::::ヽ::::: ヽ..人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ヾﾚ'''7::::::::://A:::::!::::丶::､ﾑ::::∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |,ｨ介y'::/:／~~~~',: !::::::∧::! ﾑヽ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::ｨ !:::: !/＿　　 |::ト､;::斗:!:::::l::!: ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ｲ:::| |:::: |´＿ヽ　 l/´__≧|::!::::::!:l:::::∨
　　　　何を言っているのよ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　!:::ｹｌ::::::!《ｌ::心　 ′ ｌ::心ｱ}:::: Y:::::: }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::!　l:::У:!:: l　｀"´　、　｀"´ ':|:::::::!:::: /
　　　　私たちも一緒に戦うわ！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.V:､ V:::::ﾑ:::!　　　　　　　　 /:::|:::::::}:::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヽ:〉l::::::::ﾑ::ﾄ　　　'　ヽ　 /::::ｿ:::::ﾘ:::{　 (
　　　　どれだけ劉琨殿にお世話になってきたと！！！　　　　　　　　.ﾄ､ﾘλ::::::::从:l}i:.､　　　.イ{:::/::::::/::::::`ー')
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .乂::_::_〉::::::::::|:ﾘ/ﾄ.｀¨.´,.ィl V: /:/::::::ｌﾄ::::く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./:::ｲ::::ﾑ:::::: V､　∧∧　.ｌ/::::{/_::::::: | ヽ::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:: {／={ﾄV:::::}｀~~~~~~~´l:::: /=kく＼!　}/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f≦´　　　}::::人,､,､,､,､,､,.从:::V　ヾ=メｭ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾆく__　 }-ｲ'､/// .o　l | |__ﾑ::: V ./ 　／ニV

　　　　　　ﾉ＼　　　＿_　　／:|
　　　　　　 {:.:.:.:ヽ__i/__):ﾉ_/:.:.::ﾉ
　　　　　　　V／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V＼

　　　　 [十].:.:.:.:.:./　（＼:.:.:.:.:.::.:ﾏt]x
　　　　 /[t].:/:.:.人:.:.:.:＼＼:.:.:.:.:.: v/＼__　　　　　　　　　.お家の事も大切にしないと。
　　　　/:.:.:.:/.:.:.:|⌒八:.＼⌒＞　　Ｖ/:.:ヽ(

　　ノ/:: /:/:.:.:.や仇八| 仇うV:.:.:.:.V/:.:.:ヽ　　　　　　　. できれば皆さんには、
　　（:/. / / :.:.:.ﾄ Vり　　　Vり l:.::.ｉ:.:.:|＼:.:.:.}　　　　　　　段末波の所にいる弟を助けて下さい。
　　 i:: /　|:.:.:.:.小　　｀　　　小:. |:.:.:|　 )／
　　 i:.（　人:.ｲ:.:公､　｀　´　.ｲ.八:.| )ﾉ　　　　　　　　　　　どうせみんなダイヤちゃんの方が可愛いでしょうし
　　　　　　　 )ノ＼:.:.:.〕.ﾆﾆ/ﾄ:｣ﾉ　)ﾉ
　　　　　　／¨ｱ　 T＿/　|　　￣＼
　　　　　　 j//　　　|／　　＼　 V　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '／, /　　　｀ヽ― ､　＼＼　　　ｖ
　　　　　　|ﾆ/　　　 fj　　辻　 )　|　　|　　　　　　　　　　　　　　　＿ /　 / .: 　　　　　＼　＼　＼＼　　∨
　　　　　　|-i|　　　 .h　　　　 /　 |　ノ|　　　　　　　　　　　　　　　　＼/　 /　:{　　　　i　　　ｖ　　　　＼〉__　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/}　 ,'　　{　　　　Ｎ　　　:. 　 ∨　　∨)　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉　 .:　　 {　　　　{　＼　 }　　 ∨　　∨――ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　　 {　　 :.　　＼{　, ' ＼ﾊ　　 ∨　　∨乂Xｖ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| {　　{　　　　､　　＼ ,ｨi斧竿ｱ　〉　　 ∨乂X}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| {　　{　 { ￣　＼　　＼乂ｒソレｲ　　　ﾄ乂X.ｖ
　　　　　良い覚悟ね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.| {　　{　 { ｨｆ斧㍉＼, '⌒)　　　 }　　　 } ＼乂ｖ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ∨　{　 {《乂ﾂ　,　　　　　　　ノ　　　 ,'　　＼}
　　　　　最期まで見届けた上で、　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..|　∨ i　Ｎ　　　　　　　　　　 ⌒７　／: ､　　 |
　　　　　劉群殿の所へ向かわせてもらいましょう　　　　　　　　　 ,ﾉ ∨　 {.人　　　ｒ　　　ｧ　　　/ ／: : : : :ｖ　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ∨　{ : : ＼　　　　　　　 ,'ｲ ∨¨¨＞､∨　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒７¨¨ .∨ }: : : : :＞__　　　／　＿レ´ 　 } :∨　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　ﾊ八: : : :{ (＿}＞＜　 _＞ ´　　　　:: : ｖ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　,'　　ｖ: : {　　　)　　「/　　　　〈〉　ト､ :Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 /　　　{: : 入　　|‐　 ‐/　　　　　　　,}:::〉＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 ./　　　 :{／　〈〉　|　　/　　　　　　　 ,'::/　　＼

　　　　　　ﾉ＼　　　＿_　　／:|
　　　　　　 {:.:.:.:ヽ__i/__):ﾉ_/:.:.::ﾉ
　　　　　　　V／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V＼

　　　　 [十].:.:.:.:.:./　（＼:.:.:.:.:.::.:ﾏt]x
　　　　 /[t].:/:.:.人:.:.:.:＼＼:.:.:.:.:.: v/＼__
　　　　/:.:.:.:/.:.:.:|⌒八:.＼⌒＞　　Ｖ/:.:ヽ(　　　　　　あっ、肝心な事を言っていませんでした。

　　ノ/:: /:/:.:.:.や仇八| 仇うV:.:.:.:.V/:.:.:ヽ　
　　（:/. / / :.:.:.ﾄ Vり　　　Vり l:.::.ｉ:.:.:|＼:.:.:.}　　　　　ここで皆さんが逃げてくれないと、

　　 i:: /　|:.:.:.:.小　　｀　　　小:. |:.:.:|　 )／　　　　　エンディングに到達できなくなるので大人しく逃げて下さい
　　 i:.（　人:.ｲ:.:公､　｀　´　.ｲ.八:.| )ﾉ
　　　　　　　 )ノ＼:.:.:.〕.ﾆﾆ/ﾄ:｣ﾉ　)ﾉ
　　　　　　／¨ｱ　 T＿/　|　　￣＼
　　　　　　 j//　　　|／　　＼　 V　ヽ　　　
　　　　　　|ﾆ/　　　 fj　　辻　 )　|　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l|-＼　　　　　　　 {_＼
　　　　　　|-i|　　　 .h　　　　 /　 |　ノ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l|-_-_＼　　　　　　　　 {-_-∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　八-_-_-_ヽ　-,──‐-ミ{_-_-.∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＼-_／:.:.:/´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼-_-}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ >r'"/:.:.:.:.:.:.:r:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.ヽ/,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /7~7''ﾞ:.:.／~~~ｉ:.ｉ＼:.:.:.:.:.∨:.:.:'/,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:/ ,:ﾞ:.:.:./ 　　 l:.l 　＼:.:.:.|.:.:.:.:.'/,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 ,:/,ﾞ i:.:.:.:;ﾞ　／　|/　　＼＼:l:.:.:.:.:.i:.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l_|__|:.:.:.{ 　 ∩　　　∩ 　 }:.:.:.:.:.|:.|
　　　　　　　　　　　　　……分かったわ　　　　　　　　　　　 .　　　　　　八:ヽ |:.:.:.{ 　 ∪　　　∪ 　 }:.:.:.:.:.l:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　):.:.)|:.:.:.{　　　､_,､__,　　　 /:.:.:.:./:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ '"八:.:人　　　　　　 /:.:.:.:./:.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧:.:.:.:ﾆ=‐-r---r=ﾆ(:.:.:イ:.:.:.{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠二ニ7--‐''"~~）¨ｱ'//　）:.:.:）:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {二二ﾆ{--,-‐ｧ''"-/＞'ﾞ　i(:.／＼:.:.:「｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　` 7¨~:.:.:.:.:i .ol　i　l o　　　{ヽ.　　＼!_

　　　　　　　　　 ,;:''""'':;,
　　　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　　　 ,iﾞ　／　　　　　　　＼　ﾞi!　　　　　　　ダメです
　　　　i!　　　●　　　　●　　　,l
　　　　ﾞi,,＊　　（__人__）　　＊,/　　　　　　　.劉遵は説得に応じません
　　　　　ヾ､,,　　　　　　　　 ,／
　　　　　　 /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
　　　　　 /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　＼＿_. : ´::/::::::Y:.:l`l: .､／　　　__／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　　／ア´ : : /:::::::: |: :|::|: |: ＼　 _//
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ア/:/: : : : :／::::::::／: : : /: :∧: : : : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /|_|＿_|／__彡イ: : : : /: :./　∨: : : |: :|__

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | || | | : : ﾄ: :/ |:.:|: : :.:／|:.／　ノ∨: : :|: :| ├‐ . 、
　　　　仕方ない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／|_||_| |: : /∨｀""j__／　／ ""´　 ∨: :|: :|_｢:.:.|: : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: /: : ﾉ:.|: / 斗r干ト　　　　斗r干ト､|: :/:./:.:.:./|: : : : :＼
　　　　劉遵殿を攻めるけど、　　　　　　　　　　　　　　　 ./: : : l ／⌒l∧　乂_ツ　　　　乂_ツﾉ|:/:./:.:／:/: : : : : : : .
　　　　必ず生かして捕らえるように　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : ＼:.:.∧　〃〃　　' 　　〃〃厶:'／: :./: : : : : : : :.:ト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : : : : : : : ＼:∧　　　　　　　　　　　 /:.／: : : : : : : : : : : : : |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : :.＼)h，　　 ´､｀　　　 .ｲ: : : : : : : : : : : : : : :..:.:.|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|:.. ＼:.. : : : : : : |:.:.:＼)ｈ，　　　　 ,.イ::/: :／: : : .:.:／: : : .:.:.:.:.:ﾉ_ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈:.|:.:.:.:.:.＼ :.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.|｀|　ｰ‐. . . . |´|／: : :.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.／(＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)|:.:|:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.ﾉ :.:.:.: |:.:.| .| . . . . . . . |〈:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{⌒~~~´

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　段匹磾は劉遵の説得を試みるも不調に終わったため攻撃を決断。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　劉遵側の兵糧切れもあり、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .彼らを降伏に追い込んでいる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　ﾉ＼　　　＿_　　／:|
　　　　　　 {:.:.:.:ヽ__i/__):ﾉ_/:.:.::ﾉ
　　　　　　　V／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V＼

　　　　 [十].:.:.:.:.:./　（＼:.:.:.:.:.::.:ﾏt]x
　　　　 /[t].:/:.:.人:.:.:.:＼＼:.:.:.:.:.: v/＼__
　　　　/:.:.:.:/.:.:.:|⌒八:.＼⌒＞　　Ｖ/:.:ヽ(　
　　ノ/:: /:/:.:.:.や仇八| 仇うV:.:.:.:.V/:.:.:ヽ　　　　　　　　　父上。
　　（:/. / / :.:.:.ﾄ Vり　　　Vり l:.::.ｉ:.:.:|＼:.:.:.}

　　 i:: /　|:.:.:.:.小　　｀　　　小:. |:.:.:|　 )／　　　　　　　　 .役に立てず申し訳ありません
　　 i:.（　人:.ｲ:.:公､　´　｀　.ｲ.八:.| )ﾉ
　　　　　　　 )ノ＼:.:.:.〕.ﾆﾆ/ﾄ:｣ﾉ　)ﾉ　　　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　　／¨ｱ　 T＿/　|　　￣＼　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　　　 j//　　　|／　　＼　 V　ヽ　　　　　 ≧　　　　　ここで大人しくしてろお坊ちゃん！　　　　　ニ=-
　　　　　　|ﾆ/　　　 fj　　辻　 )　|　　|　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　　　　|-i|　　　 .h　　　　 /　 |　ノ|　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,／￣￣`￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /二◎二ヽヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ﾙﾉﾊヽゝ,ﾊi　〉 .i
　　　　　　　　後の事は心配ないわ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iv､!●　　● i　i' 〈

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lﾘ〈　　ワ　 i　i'　ﾘ
　　　　　　　　あの子たちが私たちの名を保ってくれるはず　　　　　　　　　　　＿iﾊ`ｰｩ　ｔ-ﾉ i　　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ/」」」.ｌ/ﾘl ly ,ィﾘヽ､　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l | / `.ｌシl==j　　＼　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l ,/ー､{::::::::::/ー､!　＼

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『劉琨伝』では、劉遵の消息はここで途絶えている

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

【紀元３１８年５月　晋　幽州　薊】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∫ι＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ./丁了
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾｰ─ｰ─ｰ──ｰ──ｰ──ｰ─ｰ,ィ　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|　||　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|　||　　＜　　　　大変です！！！　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ ﾌ　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋ｪｪt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ｪ,ｨ　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iｌ＿,└───────┘ ,　 i!　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣||　|￣￣|i　|￣￣||　|￣￣|l　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|￣￣|￣||

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ|￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|ｌ
　|￣￣|i　　　|￣￣|ｌ　　　|￣￣||　　　||￣￣|￣￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣|￣￣|￣||　　　|￣￣||　　　|￣￣|i　　　|￣￣||
￣|￣`~|i￣￣|￣￣￣i￣￣|ﾞ ''￣i￣　||￣!￣￣/ ￣￣￣￣￣￣ﾞヾ￣|￣￣.|ｉ￣|￣`~|i￣￣|￣￣￣|￣`~|i￣￣|￣￣
|￣￣i￣″|￣￣|i ￣￣|￣￣i`~￣|￣ｉ|￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣||￣￣i￣″|￣￣|i￣|￣￣i￣″|￣￣|i￣
|￣i￣￣|￣￣i￣~￣|￣;ﾞ|i￣￣l ￣￣||￣|￣￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣ｉ￣￣||￣i￣￣|￣￣i￣~`|￣i￣￣|￣￣i￣~`ll`l
ｌ￣￣|￣｀~|i￣″| ￣￣i￣￣|￣￣i､ ;||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣|ｌ￣￣|￣｀~|i￣″|￣ｌ￣￣|￣｀~|i￣″|￣
|￣|￣￣i|￣￣|￣￣i￣｀~|￣ヾｌ;￣￣ｌ|￣|￣￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣|￣￣||￣|￣￣i|￣￣|￣￣|￣|￣￣i|￣￣|￣￣
|￣ﾞﾞi￣￣|￣ヾ|￣`..￣|￣￣i￣￣|￣||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣!￣||￣ﾞﾞi￣￣|￣ヾi|￣ﾞﾞi￣￣|￣ヾi|￣
|￣i￣￣|￣￣i￣￣ |￣￣　|￣!,,￣￣ｉ|￣!￣ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : ｉ￣|￣￣||￣i￣￣|￣￣i￣￣|￣i￣￣|￣￣i￣￣ll
|￣゛|￣￣|i￣￣|￣|￣~~i￣￣|￣ i;￣||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣||￣゛|￣￣|i￣￣|￣|￣゛|￣￣|i￣￣|￣___

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.

: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　それから一ヶ月が過ぎた頃。
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　段匹磾が名士である劉琨を捕らえた事に対して遠近が憤り嘆いたという
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′

　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

　　　　　　　(~)

　　　　 γ´⌒｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　代郡太守の辟閭嵩が謀反！
　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}≡≡　　　　　(´⌒(´
　　　　　（・ω・｀　）∩∩≡　 (´⌒;;;≡　　　　.劉琨の配下たちと共謀して武器を製造しているとの事！！
　　　　　 ⊆⊂´::::(´⌒(´(´⌒(´⌒;;

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ]:ﾍ　　　　＿＿___　/::「)::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨]::::＼...:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:./::「)::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨]::::::,≫‐:.:.:.:.:.:.:.:.:‐≪]:::::::人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__冫／_:.:.:.:.:厂l:.:ｎ:.:.:.:.:.:.＼/:.:.:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔＿只＿_〕:.:/::/:.:.|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.厶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,, イア:.://:.:.:./:/:.:.://:.:/＼:.:.:.:.:.:.:√｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／:.:|／/:.:.／:/:.:.://:.:/ __ ∨:.:.:.:/ﾊ:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:┌く:::/∠_／:.:.:〈/:.:/ ´　　∨:.:/:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.｀、
　　　　　　　　　アタシが任命した奴じゃん。　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:`I爪:.:.:.r￢禿/}／　ィ禿￢y/:.:.:.ﾘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.八ﾚ＼|{ 弋ツ　　　弋ツ/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　関わった連中は全員殺しといて　　　　　　　　　　|:.:.:.:./.:.:.:.:∨:.:.∧ ''''　　　　　 ''' {:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨:.:|:.:.:.:.:.:.:.＼:.:込、　 - -　　ｲ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼{＼:.:.:.:.:.:.:.:Υ　＞　 _,. イ　 ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞-ミ:.:.ﾘ __／〔} 　 _／＼|:.:.:.＿／⌒^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　}/ ∧＿_/Υ｛＿_／＼(　　｀、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 jﾆ{// [廷_] // }ﾆj/　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　　　/ﾆゝ--ｲ⌒ト--くﾆ{　　　　丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }T"⌒7ﾆく＿__」ﾆ八＿__]人　　 __／

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　そして、またも事件が起きる。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　段匹磾が任命した代郡太守辟閭嵩、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　劉琨が任命した雁門郡太守王拠、後将軍韓拠が共謀して謀反を画策。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　段匹磾の息子の妾だった
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　韓拠の娘から情報が洩れ、王拠と辟閭嵩の徒党は全て誅殺されている
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |人>::∧
　　　　　　 /＼　　　　　 ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト､
　　　　　　 <人>＼＿__／:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.＼
　　　　　　　　<人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Ⅵ:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.ヽ

　　　　　　　　　<人>／:.:.:.:.:/:::ﾘ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.｀､:.:.:.ﾊ

　　　　　　　　匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:｀､:.:人__
　　　　 ,≫―==彡/::/＿／:::/:.:.:.:.〈/:/　∨:.:.:.:.:.:.:|:.√￣＼
　　　く/ ┌―=≦∠＿＿／:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　　　　　.これは失敗だったな。

　　　　／¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧￢ト／}/　　　　∨:.／:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:｀、
　　　／　　 ∠__:.:|人:.:{ ,≫￢y　　　-=彡 У:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀、　　　　　　叔軍が言ってた通りになっちゃった。
　　　/　　 ,，‐┬'’:.:.:.:.＼ヽ弋ツ　　　　 '''／:.:.:.:.::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀、
　　 ,′ /´　　/:.:.:＼:.:.:.:.:.:.ﾊ ''' 　　　　　/:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|　　　　　　かといって、
　　.′　|　　 /:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.込、　 -　　 |:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ﾉ　　　　　　どうやって劉琨殿を殺す？
　　′　 |　 ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.＞　　イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／}∧:.:.＼_ノ〉
　　　　 |　 |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀､__／ア┘　　|:.:.:.:.:.:.:._＿／⌒＼ `'ー‐彡
　i 　　 |　 |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ　 ./｀　 ´／|:.:.:.＜/::::/: : : : : : ＼
　|.　　 ├―ﾍ　＼:.:.:.:.:.∧.:.::|　 |'⌒У　八(⌒´::::/: : : : : : : : : ﾆ=┐　　　　　　　　　　　　 ,;:''""'':;,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　　　　　申し上げます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,iﾞ　／　　　　　　　＼　ﾞi!
　　　　　　建康から勅使が来ました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!　　　●　　　　●　　　,l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi,,＊　　（__人__）　　＊,/
　　　　　　晋王が皇帝になった件で伝達事項があるとか　　　　　　　　　　　　　ヾ､,,　　　　　　　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::: { 　/::::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ √:::::::::ﾔム::::: {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _､+ｧ.:'".:.:.:.:|:::::::::::::::V/.:.~^':.､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィiﾞ:／.:.:.:. ､.:.:.:|:::::::::::::::::V/.:.:.:.:.:.:.` ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／i:／.:/.:.:.:.:.:.:Ⅵ.:!::::::::::::::::::}!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:i:i:/.:.:. l.:.:.:.:.:.:.:.: '/乂:::::::::: ィ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ﾞ:i:i/.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.:.:.: '/.:.:.:￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:ｉ:√.:.: /{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅶ!.:.:.:/-ﾔ .:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.__.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ!:.:. ,ｘぅぃ .:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:/.:.:.｀:.､.:.:.:.:.:-‐ :.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶:ﾉ:}　ﾉ :.:. /.:.: √:7.:.:.:.:.:.:.:.V/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐　り　 !.:./.:.:.:./: /.:.:.:.:.:.:.:.:.: V/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　 }/l.:/.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: }V/.:.:.:.:.:.:. /
　　　　　　　　すぐにアタシの所へ通して　　　　　　　　　　　/∧__　　　　 ′／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:V/ :.:.:. ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /∧ 　　､丶｀.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.V/／.:.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､丶｀.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:. V/.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.: ハV/.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 /.:.: ／.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:. /.:. }:}.:.:.:.:.:}.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 √.:/.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:ﾉﾉ.:.:.:.:/.:.:.:.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:/ ∨/.:.:.:.:.:／.:.:.:./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./{.:.{_　〉.:.:.:.:'".:.:.:.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:{.:.:.:.:.:. ′.:.:.:.:.:.:.: _､+く　ﾟ､{ 　 V/- -=彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！.:.:.:.:.{.:.:.:斗-=ミ:i:i:i:i:i丶　　　 Ⅵ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『劉琨伝』にはこうある

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　ﾉ＼　　　＿_　　／:|
　　　　　　 {:.:.:.:ヽ__i/__):ﾉ_/:.:.::ﾉ
　　　　　　　V／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V＼

　　　　 [十].:.:.:.:.:./　（＼:.:.:.:.:.::.:ﾏt]x
　　　　 /[t].:/:.:.人:.:.:.:＼＼:.:.:.:.:.: v/＼__
　　　　/:.:.:.:/.:.:.:|⌒八:.＼⌒＞　　Ｖ/:.:ヽ(　
　　ノ/:: /:/:.:.:.や仇八| 仇うV:.:.:.:.V/:.:.:ヽ　
　　（:/. / / :.:.:.ﾄ Vり　　　Vり l:.::.ｉ:.:.:|＼:.:.:.}　　　　　　　　　　建康から勅使が来ているみたいですね

　　 i:: /　|:.:.:.:.小　　｀　　　小:. |:.:.:|　 )／
　　 i:.（　人:.ｲ:.:公､　´　｀　.ｲ.八:.| )ﾉ
　　　　　　　 )ノ＼:.:.:.〕.ﾆﾆ/ﾄ:｣ﾉ　)ﾉ
　　　　　　／¨ｱ　 T＿/　|　　￣＼
　　　　　　 j//　　　|／　　＼　 V　ヽ　
　　　　　　|ﾆ/　　　 fj　　辻　 )　|　　|　
　　　　　　|-i|　　　 .h　　　　 /　 |　ノ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,／￣￣`￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /二◎二ヽヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ﾙﾉﾊヽゝ,ﾊi　〉 .i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iv､!●　　● i　i' 〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lﾘ〈　　ワ　 i　i'　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿iﾊ`ｰｩ　ｔ-ﾉ i　　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ/」」」.ｌ/ﾘl ly ,ィﾘヽ､　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l | / `.ｌシl==j　　＼　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l ,/ー､{::::::::::/ー､!　＼

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　王敦の密使が段匹磾へ劉琨を殺すよう求めた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　王敦の使者が至ったと聞いた劉琨は、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　使者が自分に会わないのは、王敦が自分を殺すつもりだろうと言った。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　何故か唐突に王敦の名前が登場するのだ
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.　
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　　この頃の王敦は
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　荊州・江州の責任者として杜曾の乱平定に追われていた。
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　　　　　司馬睿の皇帝即位直後の時期に

　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　　　　　.発起人の一人だった劉琨の暗殺を謀るものだろうか？
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/

i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rへ_／.:.:.:.:＞＜⌒＼〈i:i＼/i:i∨/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈i:i:i/.:.:.:／⌒7:.:〈＼.:.:.:Vﾊi:〈〉i:i:iV/__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノi:V.:.:／.:.:.:.:/.:.:.:.:.'，:丶.:Vﾊ:i:i:へi:i}i:i/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <i:i:i:/.:.:':/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.}.:.:.:.:Vﾊ ∨i:i:i:i:iV
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒7:/.:.'.:.:.:.:.ｲ.:.:.:.:.:.:.八.:.:.:.}.:.:'，＼(⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //.:.:i.:.:i.:/ {.:.:.:.:.:.:i ／∨:}.:.:.乂　＼ __
　僕と劉琨殿や祖逖殿とは昔からの友人だよ。　　　　　　　　//:.:.: l.:.:{‐-八.:.:.:. { TT Ⅵ.:.:.:..:.:＼⌒ヽ〉_

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　':/.:.:.:.:'{.:.ﾊ　TT㍉:.:.､∪ 　}.:.:.:.'.: i.:.:.<＼<⌒

　だいたい劉琨殿を殺したら、　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.'.:.／.:八.:.Ⅵ∪　, ⌒　　ﾉ.:./.:.:.:}.:.:.:.:＼⌒＼ __
　祖逖殿を敵に回すようなもんでしょ？　　　　　　　　　　 /.:./ィ.:.:.:.'.:.:.:＼乂　　　 _ 　 ⌒7:.:.:.八.:.:.<⌒. . . . .<⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／⌒}／}.:.:.:./.:.个: ..　′　　ィ/.:.:../.:.:.V.:.ﾊ. . .､　 . .＼
　むしろ、二人とも僕の味方になってほしいぐらいさ　　_{. . . . . . ..八.:.:{ィ. .}.:r‐:}≧＜_人.:.:.人.:.:.:.i.:.:.∧. .ﾊ　 '}. . ＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ/. . ''. . . .: .: .⌒乂彡}i:i:i:i:i:i／i:i:八}.⌒ア.:{.:./.:.:V. .}/八. .: 「⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒7. . {. . . . . .: .: .: .: 彡:i:i:i:i:i<:i:i:i:i:i:i:ノ. . .{.:.:.:.y.:.:.:.ﾉ. .　　.: .: 人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ.:i. . .'，. . ﾞ. . ⌒).: .:(ﾆ=- -=ニニﾆ{ィ:_人.:./.:.／. . .　. ./. .(⌒　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒人. . .}. . . . ヽ.:(.: .: .:〉=--=ﾆニニﾉ.: {.:.:.:.Y´.:}. .　　ノ:(.: .人-=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ⌒ヽ:ﾊ. . . .: .: .: .: .ノ〕iト __ -=ﾆ￣^7:i.:.／.:.:人. . ／⌒ V......}.: .: .

【紀元３１８年５月　晋　幽州　薊】

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　　　　　　　　　人f7:::／:.:.:.:.:.:.:./ヽ:｀丶、:::::f7:|
　　　　　　　　　　　匸[]匸]:.:.:.:.:.:.:/:.:./:./}:i:.:＼f7/
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　　　　　　　 /:.:.:く[:|:.:.く[:.:.:.∠／:.:.:.:.〈/:∧:.:.:.:.:.:.:.:.|＼
　　　　　　／/:.:.:.:.八:.:.:.:.:.-―-ﾊ:.:.:.:.:.≠‐ jﾊ:.:.:.:.:/:.:.:.｀、

　　　／:.:/:.:.:.:.:.:.:.:｀、:.:.:.r虍ヵИ／ r虍ヵ |:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.　
　　　 /:.:.:./:.:.:.:.＼:.:.:.:.:＼::代ツ　　弋ツ.厶イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　 /:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:＼''''　　　　　　''' 厂:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
. 　　И:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ:.:.:.:.:.:.:〉　　　　　　人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧|
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　　＼＿／ ⌒＼＿厶/:|　八　　　 |　　|'∧:.:.:.:/＼＿__／
　　　　　　　/ : : : : : : く／　　 ∨⌒^|　　||　＼(: ﾊ
　　　　　／: : : : : : : : : ∨　　　∨: : |　　||　 |: : : :人
　　　　人: : : : : : : : : : :冫==ミ. ∨:/,　=┘　|: : : : : :〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .ただ、段匹磾が劉琨殺害に
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　皇帝司馬睿の密詔を名目にしていたのは証言が残っている。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .私見になるが、実際には勅使が薊を訪れていたと思われる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　ﾉ＼　　　＿_　　／:|
　　　　　　 {:.:.:.:ヽ__i/__):ﾉ_/:.:.::ﾉ
　　　　　　　V／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V＼

　　　　 [十].:.:.:.:.:./　（＼:.:.:.:.:.::.:ﾏt]x
　　　　 /[t].:/:.:.人:.:.:.:＼＼:.:.:.:.:.: v/＼__
　　　　/:.:.:.:/.:.:.:|⌒八:.＼⌒＞　　Ｖ/:.:ヽ(　
　　ノ/:: /:/:.:.:.や仇八| 仇うV:.:.:.:.V/:.:.:ヽ　
　　（:/. / / :.:.:.ﾄ Vり　　　Vり l:.::.ｉ:.:.:|＼:.:.:.}　
　　 i:: /　|:.:.:.:.小　　｀　　　小:. |:.:.:|　 )／
　　 i:.（　人:.ｲ:.:公､　´　｀　.ｲ.八:.| )ﾉ
　　　　　　　 )ノ＼:.:.:.〕.ﾆﾆ/ﾄ:｣ﾉ　)ﾉ
　　　　　　／¨ｱ　 T＿/　|　　￣＼
　　　　　　 j//　　　|／　　＼　 V　ヽ　
　　　　　　|ﾆ/　　　 fj　　辻　 )　|　　|　
　　　　　　|-i|　　　 .h　　　　 /　 |　ノ|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,／￣￣`￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./ /二◎二ヽヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　ﾙﾉﾊヽゝ,ﾊi　〉 .i
　　　　　　　勅使が来たのに私に告げないのは、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .iv､!●　　● i　i' 〈
　　　　　　　段匹磾が私を殺すと決めたのでしょうね。　　　　　　　　　　　　　　　　lﾘ〈　　ワ　 i　i'　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿iﾊ`ｰｩ　ｔ-ﾉ i　　〈
　　　　　　　生と死には命運があるから仕方ないけれど……　　　　　　　　　ﾋ/」」」.ｌ/ﾘl ly ,ィﾘヽ､　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l | / `.ｌシl==j　　＼　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l ,/ー､{::::::::::/ー､!　＼

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　では、『晋書』『劉琨伝』の記述は何を意味するのか？
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　これは、後々段匹磾を悪役にしづらくなったため、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .最終的に謀反人扱いされた王敦に劉琨殺害の罪をかぶせた感がある
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　／＞‐ <　　　 } [ '，　＼　〕iト
　　　　　　　　　　　／く〈(__)〉i:'，　　} [　[ ヽ　　`､　　＼
　　　　　　　　　　 .:　　　＼i:i:i:i:i‘, 　 } [　〔　[ 　　 '，　　　`､
　　　－－ﾆ　　 / ′　. / . `､i:i:i:i:'， { 〔　〔　[　　 .[　　　　 ∨__　　　　__　－
　　　　　　　　　/ ,′　 /{　　 .`､i:i:ｉ}　} :[ . [　〔　　〔　　　　 Ⅵ! 　　　　　　 _
.　　　　　　　　/　′ . / :{　　　}‘,i:i:} ,′[　〔　〔　　　[　　　　 }__
　　　　　　　　′ {　￣￣~ﾟ^''' ,′∨:　　[　〔　‘, 　 . [　　　　 }廴　　　_｣L∟L
.　　　　　　　 { 　 }　/　　}　　 ′ . /　　 :　‘,　ﾟ｡　 [　　　　 }⌒``冖冖Z彡'
.　　　　　　／{ 　 / うぅx､'， /　　/　　 /　{:‘, .　ﾟ｡　.〔　　　 ′　　_､‐^⌒　　
.　　　　／／彡' 　り　)〉V . 　/　　 /　八 ‘, 　ﾟ｡　-_ 　　 :{ .`''く⌒　　　　　
.　　／／: ハ　　とつ　/　　/　　 /　/⌒'，`､ .　`､　-_　　 {　　　≧=- - =≦
　　 .: , ﾞ　　/ }　　"　" /　　/　　 /　/ ツ}/ 　 `､　. ＼　-_　 '，乂_　　　　 _､　　……恥を雪げなかったのが心残りよ。
.　 //{　　　八､　 _彡' . ／ ./　/　/__､イ　　　＼　＼　-_ )>｡.⌒'' ー ''´　
　 {.′'，　　　/ }＇　 _/:／ } ./　/　/{　 :八＼　　　､　｀`～､、 ≧=- - =　　　地下で両親に合わせる顔がないわ
　 {i　　乂.　　/ {　 ⌒¨´　 // . /: , ﾞ ‘,　　{＼　､、　　｀`～､、　 ~"''～=ﾆ二
　 {i　　　　　　 ≧=- ‐┬//　/／　　.‘,　　`､_)>｡.｀`～､、　　｀`～､、__,,.､vヽ
.　乂_　　　　　　　 i|:{/　/､　　 .／ `､　 `､　:})>｡.　｀`～､、　　　　　￣
　　｀¨⌒.　　　　　 i|/　/ 沁,:／ . . . . ＼　＼{廴　〕Iｯ｡.,,_　 ´^''冖￢…￢
　　　　　　　　　　　 /　/{　／ . . . 　 . . . . 〕Iｯ｡.,~''＜　　　｀^''　ー _､‐''~ 　
　　　　　　{′　　　　 .:　/ ／(　　　　　　. . . . . ⌒)>｡.　｀^'' ー ― ''^´　　 _　-
　　　　 /∧' ，　　／／ｱﾟ　 }　　　 . . _､‐''^~￣￣＼´^''冖￢…￢冖''^　　　
　　　　　　　＼￣　イ／廴___/　　_ -=ﾆ . .　　　　　､＼ __　－－　￣Ξﾆ‐
.　　　　　　　￣_)／　　　　_ -=ﾆ . .　　　 _,.､､ ----->｡. ﾆ- __　ﾆ‐ ‐ ‐
　　　　　　　_)ｱﾟ　　_ -=ﾆ . .　　　　　. :　　　　　　 }Ⅵ'，　__⌒ﾆ=---　　 _
　　　　　　　　)ｱﾟ　　／ . . .　　　　　　／　　　　　／　Ⅵ'， =-　^''冖￢…￢
　　　　　　　「 '，　/ . . .　　　　　／　　　　　　／　　 }　ﾆ‐　　　　　　　　　
　　　　　　_/＿＼′ . . .　　　　／‐―― ￢冖^｀　　　　{´,　－－　￣Ξﾆ‐

　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',　　　　　　　　劉琨殿。

　　 ,iﾞ　／　　　　　　　＼　ﾞi!　
　　i!　　　●　　　　●　　　,l　　　　　　　　.あなた方を誅殺するよう詔勅が下りました
　　ﾞi,,＊　　（__人__）　　＊,/
　　　ヾ､,,　　　　　　　　 ,／
　　　　 /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ＼　　　＿_　　／:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:.:.:.:ヽ__i/__):ﾉ_/:.:.::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 [十].:.:.:.:.:./　（＼:.:.:.:.:.::.:ﾏt]x
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /[t].:/:.:.人:.:.:.:＼＼:.:.:.:.:.: v/＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:/.:.:.:|⌒八:.＼⌒＞　　Ｖ/:.:ヽ(　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ/:: /:/:.:.:.や仇八| 仇うV:.:.:.:.V/:.:.:ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（:/. / / :.:.:.ﾄ Vり　　　Vり l:.::.ｉ:.:.:|＼:.:.:.}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　そんな事って　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:: /　|:.:.:.:.小　　｀　　　小:. |:.:.:|　 )／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:.（　人:.ｲ:.:公､　´　｀　.ｲ.八:.| )ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 )ノ＼:.:.:.〕.ﾆﾆ/ﾄ:｣ﾉ　)ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／¨ｱ　 T＿/　|　　￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j//　　　|／　　＼　 V　ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾆ/　　　 fj　　辻　 )　|　　|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|-i|　　　 .h　　　　 /　 |　ノ|

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　段匹磾は遂に劉琨を縊死させたと『晋書』『劉琨伝』は記す。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　縊死という表現を見るに、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　段匹磾なりに三公である劉琨の殺害に気を遣った様子が見て取れる。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　『晋書』『元帝紀』はこれを太興元年五月の事としている
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∫ι＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ./丁了

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾｰ─ｰ─ｰ──ｰ──ｰ──ｰ─ｰ,ィ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|　||　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|　||　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ ﾌ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋ｪｪt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ｪ,ｨ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iｌ＿,└───────┘ ,　 i!　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣||　|￣￣|i　|￣￣||　|￣￣|l　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||￣￣|￣￣ｌ＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从人从_人__从_从人_人／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ|￣|￣￣|　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　|￣￣|i　　　|￣￣|ｌ　　　|￣￣||　　　||￣￣| -=ニ　　太尉劉琨は帝位を狙い、法を犯す企みを為した！　≦　　　
￣|￣`~|i￣￣|￣￣￣i￣￣|ﾞ ''￣i￣　||￣!|￣￣| ≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦`~|i￣
|￣￣i￣″|￣￣|i ￣￣|￣￣i`~￣|￣ｉ|￣￣| 　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒WWW⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼￣i￣″

|￣i￣￣|￣￣i￣~￣|￣;ﾞ|i￣￣l ￣￣||￣|￣￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣ｉ￣￣||￣i￣￣|￣￣i￣~`|￣i￣￣|￣￣i￣~`ll`l
ｌ￣￣|￣｀~|i￣″| ￣￣i￣￣|￣￣i､ ;||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣|ｌ￣￣|￣｀~|i￣″|￣ｌ￣￣|￣｀~|i￣″|￣
|￣|￣￣i|￣￣|￣￣i￣｀~|￣ヾｌ;￣￣ｌ|￣|￣￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣|￣￣||￣|￣￣i|￣￣|￣￣|￣|￣￣i|￣￣|￣￣
|￣ﾞﾞi￣￣|￣ヾ|￣`..￣|￣￣i￣￣|￣||￣￣|￣|: : : : : : : : :　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
|￣i￣￣|￣￣i￣￣ |￣￣　|￣!,,￣￣ｉ|￣!￣ ; :|: : : : : : : : :　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
|￣゛|￣￣|i￣￣|￣|￣~~i￣￣|￣ i;￣||￣￣|￣|: : : : : : : : :-=ニ　　　　　よって、詔勅により誅殺した！！！　　　　　≦

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.

: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　　享年四十八。
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　　劉琨親子四人と、兄劉輿の子二人が殺害された
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′

　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

　　　　　　　 ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞─‐〉
　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::-‐　　　￣＞､::::::::::::::::::::::／
　　　　　　 |:::::::::::::::/'"　 .◎　　　　　　　　　＞─'Tﾊ
　　　　　　　ヽ､　　∧／77ﾆﾆ三三三三三ヲ"|TT'i:i| .|V
　　　　　　　　　｀¨／／/三三三三三三ヲ'V　| ', Vi} ,' .V
　　　　　　　　　／i'､ ./三三三三三ヲxfzzzzｧ !､.', V/　,}!

　　　　　　　　/　 ,!　/ィっ《V 万ヽ＼尓ﾆノ"ﾉｲﾊ　V ./,!
　　　　　　/´ヽ､ '　　,イヽ. ﾞ｀" ´　､｀　　　　__/ 　 }　lイ/
　　　　　./:::::::::::::ﾞ〈´/! !ヽミ=-　　 ,　　､＜＿. イ ./.! /
　　　　 /:::::::::::::::::/ { {! ヽミ二.＞s｡　　｡s≦Yム／/イﾘ
　　　 ./:::::::::::::::／　乂ゝ-<　/ /.i'｀!ﾆ|. r:::::::::}／イ／
　　　/::::::::::::::/　　　　　　,ィ-<／!/○|::|彡イ==､　　　　　　　　　　　　＞''¨¨¨''＜
　　./::::::::::::::/　　　　　.／|:::::::::ヽ:/╋∧／:::::ヽ三三ﾆ＞､　　　＿ｧ',ｨzzzzx　　ヽ
　 /::::::::::::::/　＿_ ,..イ´::::::!:::::::::::,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::| 　　　＼〃　 ,ｨ　　 .___∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜フ . / ,ｌ|　ﾄ､　０XXＶ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | | |　|l| ‐}‐-.}＼Xx＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从从从/=‐}ｲ从　ゞｧ'´≧、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾊ )ｈ､ｰイ.ィ//彳/　/: : : `''＜,,,,,,　ｧ''ヾ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | .|　{* ｧ'´￣{ { .//*/ : : : :／ * ／´_フヽ〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | .|　ﾊ {　/＼ゞ彡___}: : : :/ 　／‐''´　/　',｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | .|. l: :ﾍ {＞''￣≧､:_:_:_ノ *／､__／　/　　',　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ. l: : / { ＿, イ´ハ_*_,, イ　＿／/　　 }　　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　,' :/* }/乂乂乂iﾉ{}　　{}　ヽ　　 /　　　 }　　　∨ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　,': :l .* } ／ ./　　| {}　ゆ　ヽ　/　　　ハ　　　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/: : l* *}　　/　　/|<>　　　　　 ∨　*　 /　　　　　lヽ

　　　|ﾆﾆ=- _　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:|ﾆﾆﾆﾆ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶、
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　　　　　 /:.:.:.:人　./:.:.:.:|ヽ弋ぅ　〈/　ィ弋Jﾘっ㌢:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.＼:.::.:.:.:.:.:.:.:く
.　　　　人:.:.:.:.:.:.∨∧:.:.|::::ﾊ｀｀　　　　　　　､､､､　|:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　｀¨¨ヽ:|:.:.:.:.:八:::圦　、　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.八__／￣￣＼:.:.:.:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　ﾉ八:.:.:.{:.:.:＼込、　、　_,.、　　　 j:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨　　　　　＼:.:.:.:.|
　　　　　　　 /／⌒＼}:.:.:.:.:.∨ 丶｀⌒"　　　ィ /:.:.:.:.:.:.:.:.}〉:.〉　　　　　 ∨八
　　　　　人廴　　丿人:.:.:.∨　　〕ト-＜｀ヽ ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／＼　　　　　　　∨]＼＿ﾉ〉
　　　　　　　　 ⌒／:.:/　＼_r一'⌒｀｀￣｀`' 人:.:.:.:.:.:.:.:.く　　＼＼　　　　　　∨/:.::／
　　　　　　　　　　人:.:.｛　r一'ﾝi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:乂:.:.:.:.:.:.:.:｝＼　＼＼＿＿___//:イ
　　　　　　　　＼〉厶イi:i＿i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧ﾟoi:i｀￣＼:.:/　　＞――ミ--γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　〈i:i:i:∠つ｀¨¨¨7⌒｀V,＼o／￣∨〉／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i｀¨|　　名残惜しいけど、もう行きましょう　　|
　　　　　　　　　　　　　　＼＿_え　 ∨　　　∨,∧　　　 ∨i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　／￣￣｀ヽ∨i:∧　　　｀､￣Т￣＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:〉
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　　　　 !ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾕr
　　　　 | ||￣||￣￣||￣|| |l
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　　 `＝=＝'　　　　　　　　ヾ._ !__,ﾝ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_-_ﾆ=-　 _　　　　　　　　　　　　 |_-_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`''＜_-_-_-ﾆ-''"ﾟ~~::::::::~~ﾟ"'::.､　 -_-_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:::::::::::::ノ:人:::::::::::::∨:::＼:/_-_-_]
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:/::::::/::／⌒l::::::::::::::∨::::∧-_-_ノ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 / ,ﾞ::::::::::/　　　l::|';:::::::::::|::::::::∧::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　:::::::::/＼　　 :::| ＼::::::|::::::::::::|::::::::}:::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　|::::::斗=ﾐ　 /:/─‐＼：:::::|:::::|::::::::}::::::
　　　　　どこへ行くのよ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人::::ヽVｿ /'゛斗=ミ　|::::::|:::::|::::::/:::::′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .::::ハ乂x　,　　　弋ツ >:::::::::::/:::/::::::′
　　　　　それに馬車はあるけれど、馬がいないじゃない　　　　　　　　　　::/　.::::.　　　　　 xxx　/:::/:::/:／::::::'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　廴_八:込,　丶　　　　/:::/:::/:::::::::::/)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (⌒ﾊ::l::＼_,,. 　-=/:::/／:::::::::::::':(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 )　ﾉ::|:::__::ｰ┴=彡'::::::::::::::::::/(⌒ｰ--
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..:::::／乂⌒＼　　八:::::::::::/乂::.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　八:::(/　　 ⌒乂＼(⌒:::::::::::＼} ):〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　／/　　　　　 }乂＼ﾉ人:＼ヾ::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 ,　'ﾞ__√　　　　 ,/　　／'´⌒)::::::.}):〉

　　　　　　　　　　　／＞ ¨　￣￣￣¨ )h､

　　　　　　　　　／／／　　　　　　＼　　＼
　　　　　　　　 /　./ /　　　./　　　＼＼　　＼
　　　　　　 /　/ /　　　 .:　　　　　　ヽ　∨ 　 ∨
　　　　　　　/　 .{ {　　　　 |　　 |　　　　|　 ∨　　∨
　　　　　　./「＼.{ {　　　　 |　　 |　　　　|　　〉　　　　　　　　　段末波の所にいる劉群殿の所へ行きましょう。
　　　　　 .' ∧　ヽ:{　　　　 |　　∧ 　　 |／　Ⅵ　 }　
　　　　 /　　>ー{｀ヽ　　 |―/-∧　　/.,ｨ斧| }　八　　　　　段匹磾に追われたと言えば、
　　　 /　／　人　＼　斗劣示ｧ∧人∧ﾂ |/ ./　　　　　　　段末波は歓迎してくれるでしょう。　
　　　 '　　フ¨¨　 |{ﾆ=-ゝ:{:　乂ｒソ　　丶　八∧　
　／　／　　　　| |｀７ヽ {　　　　　　 , 　,.:　/ ∧　　　　　　後、馬ならいるから心配無用よ
／　／　　／　　| | /　八＞..　　　´　／　/ / ∧　
　／　　／　　　ﾚ／￣(￣ﾄ､　 ≧s-くー＜ / / ∧
／　／　　　　／　　　　　=-　}{ﾆﾆ}{::::::｀ヽ　＼ / ∧
　 .／　　　　 , '　<>　　　<>　　　=-＜｀¨¨ }　 }　＼ ∧　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::::::::::::::::::::::::::/:::/:::::::｡s≦i:i:A__／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／{:::::::::::::::::::::／:::/;s≦i:i:i:◎:i:i:i:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./::::::::::::::::::::::／:::::::,!i:i:i:i:I:i:i:i:i:｡s≦三ヲ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::／:::::::::::/i:i:i:i:i:i:i:i,イ三三ヲ∧ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::／::::::::::::::/i:i:i:i:i:i:i,/三三ヲ ,イヽ､＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::イ:::::::::::::::,ｲi:i:i:i:i:i:i,イ三ﾆヲiヽ}り　V ヾ､ Y
　　　　　お前も無茶を言う。　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::::::::::::::::｡s≦i:i:i:i:i:i:7'T"|´!,ィｿヽﾉ　　 |ﾞヽ } .}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞-ｧ'7i:i:i:i:i:i:i:i:i:イ!´', ヽィ:::::! 　　　｀ _　 !ノｿ}./
　　　　　最期まで見届けるなんて言わなければ、　　　　　　　　 /ｲ /フ"´/　/|､ヽヽ.ﾞ.｀ ´ 　　 ( _ﾉ /　 /ｲ
　　　　　もっと簡単に脱出出来ていただろうにな　　　　　　　　　{.／./　 /　./ ﾄ､ヽ二二フ､＿,. 　＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／　,ｲ　 /　 /　{ゝヽ＼__＞-'"＼＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./ ,!　/ {　ｲ　　{ヽ. ＼ミ={::::::::::::イ:::::::::ア¨V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　{! /!､ヽ !　　ヽ､/!⌒::::､￣::::::::::::::::/:::::::::V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ Уヽヽ _＞､　　フ::::::::::i::::::::::::::::::/:::::::::::::|､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀¨´　　｀¨T´V:::/::::i:::::::::::::::/:::::::::::::::|::V

　　　　　　　　　 |-_
　　　　　　　　　 |-_-_
　　　　　　　　　 |-_-_-_
　　　　　　　　 ∨-_-_-_
.　　＼ﾆ=-　 _　　 ∨_-_-_-_━─-...ミ
　　　＼_-_-_-＞'"~~~"''～､、::::::::::::::::＼
　　　　　＼_-/:::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::＼
.　　　　　 /∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::.
　　　　　〈__,{:八:::::::::::::::::`､:::::::::::::::::::`､::::::::::::::::.
.　　　　　 .::|∧:::::＼:::::::::::::::`､::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
　　　　　.::/|:::∧:::l_,,.`'＜:::::::::`､::::::::::::::|::::::::::::::::::|

　　　　/:/:::|:::::::}:/斗-=ァ＼::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::/

　　　 .::/ j八::::从　 V} '　　 |:::/::::::::::::::|:::::::::::::::
　　〈:〈 /'　 l:/':ノ　　　　　 |/::::::::::::::/:::::::::::::/　　　　　　　　　　　　　　　いや、だから馬はどこに？
　　　｀＞>　l:::::＼　　　　　 /:::::::::::／::::::::::::::::{
　　　(:::(　　l::::::::::::... っ　　/::::::::／!:::::::::::::::::::::::.　　　＿
　　　 )ノ　八:::::::＼:::＼　/:::::／　 |::＼::::::::::::::::::::... 　 ⌒):)
　　　　　　　＼:::::::＼::::/::／::::}／|:」　＼::::::::::::::::::::::.....／
　　　　　　　　　＼::::::∨::(､:::／　　／-_-_⌒＼:＼:::::::::...
　　　　　　　　　 .:::::::::::)＼::::::...... ／-_-_-_-_-_-_`､:＼::::/
　　　　　　　　〈::::厂/-／＼::::::ﾉ/-_-/-_-_-_-_-_.}l:::::＼　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　 )/ /／　／:／∧_-/-_-_-_-_-_-」|:::∧:::.　　　　　　　 |　　　私の目の前にいるじゃない　　 |
　　　　　　　　　　／⌒Ｘ:::／,. /-_∨-_-_-_-_-_-Ⅵ}/　 '/:　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　／-_-_⌒´／_-_-_./-_-_-_-_-_-_-∨ /(　):}
　　　　　　　　∨-_-_-.／ _-_-_-_＼-_-_-_-_-_-_-_〉乂:::ノ

　　　　　　 /|∨__／　 {-_-_-_-_-{三三三三三}
.　　　　　 / .l-_-∧　　 {_-_-_-_-_-_}　　　　 {

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∫ι＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ./丁了

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾｰ─ｰ─ｰ──ｰ──ｰ──ｰ─ｰ,ィ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|　||　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|　||　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ ﾌ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋ｪｪt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ｪ,ｨ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iｌ＿,└───────┘ ,　 i!　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣||　|￣￣|i　|￣￣||　|￣￣|l　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|￣￣|￣||

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ|￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|ｌ
　|￣￣|i　　　|￣￣|ｌ　　　|￣￣||　　　||￣￣|￣￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣|￣￣|￣||　　　|￣￣||　　　|￣￣|i　　　|￣￣||
￣|￣`~|i￣￣|￣￣￣i￣￣|ﾞ ''￣i￣　||￣!￣￣/ ￣￣￣￣￣￣ﾞヾ￣|￣￣.|ｉ￣|￣`~|i￣￣|￣￣￣|￣`~|i￣￣|￣￣
|￣￣i￣″|￣￣|i ￣￣|￣￣i`~￣|￣ｉ|￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣||￣￣i￣″|￣￣|i￣|￣￣i￣″|￣￣|i￣
|￣i￣￣|￣￣i￣~￣|￣;ﾞ|i￣￣l ￣￣||￣|￣￣|: : : : : : : 　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
ｌ￣￣|￣｀~|i￣″| ￣￣i￣￣|￣￣i､ ;||￣￣|￣|: : : : : : : 　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
|￣|￣￣i|￣￣|￣￣i￣｀~|￣ヾｌ;￣￣ｌ|￣|￣￣|: : : : : : : -=ニ　　　　　劉琨の手下どもが逃げたぞ！！！　　　　　≦
|￣ﾞﾞi￣￣|￣ヾ|￣`..￣|￣￣i￣￣|￣||￣￣|￣|: : : : : : : 　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
|￣i￣￣|￣￣i￣￣ |￣￣　|￣!,,￣￣ｉ|￣!￣ ; :|: : : : : : : 　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
|￣゛|￣￣|i￣￣|￣|￣~~i￣￣|￣ i;￣||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣||￣゛|￣￣|i￣￣|￣|￣゛|￣￣|i￣￣|￣___
　　　　　　　　　　　''- ．._　　　~""'''　‐- ．..,,__　　　　　　　　　　　　　_,,..-‐''~""'''　‐- ．..,,___,,.-‐'

　　　　　　　　　＞ｧ''~二≧x
　　　　　　　　　／／／　　　　ヽ
.　　　　　　　 / ∧／　　　　　　　'，
　　　　　　　　 l　{　}　　 | |　|　|.|.　 |!
.　　　　　＜⌒Χ　　 | |　|　|ﾊ　 |l
　　　　　　 |_｡o彳　　|ﾞ≧|　{ﾂ}! 从　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　崔悦。
　　　　　　 {乂Ｙ|　　《炒∨' 八＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　／⌒`''^`h､爻 zz≦ニニニﾆﾆ|::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}zzzzz｢ﾆ|＿_,,zzz　　　　　あなたは走る事だけに集中。

　　　　　／*.,ｨ――――彡ニニニニニニ|::::::::::nnn;;;;;;;}＞―――――┘
. 　　 (⌒* ./:::::::::::::::::::::::::|ニニニﾆ二二二|＿ｧ''ﾉﾉ/￣┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨　　　　.追手は私たちで片付けるわ
.　　 /＾＞‐{::::::::::::::::::::::＞―‐‐))<{///∧＞'´　,,ィ´
　　〈／　〈　｀''ー‐''´　　　 }彳.　∨//∧　／　　　　　　　　　　　ヾ≠ﾐヽ
　／､､,,__〈　〈　〉＿＿＿__ﾉY＼　∨//∧　　　　　　　　 _)>　　　　　 )ﾊ
／: : : : : {〈　〈　〉　　ノ　　　几〉`''〈.∨///ヽ　　　　　　　　´廴乂_＿_／￣ニニ=z_
: : : : : : :.〈　〈　〉≧≦乂__　ィ′〉: : 〈　.寸 //　　　　　　／ ....::::::::::::...;,⌒ ＼＿_ ⌒ﾒ､.　　　　　　　／／
.: : : : : :.〈　〈　〉ﾆﾆﾆﾆｱ: : : : 〈〈　〉: 〈　〉.ヽ/　　　　　　　 /　_-=ー=z::,,'' 　　　　／　ヽ､}　　　　　　　 / ／ｉ／|／i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ /'　　　 /´´..　　　　_彡ﾐx､¨ン　　　　　 /　|／|／i／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒}/　　-=彡′::::..　｀､::::)> .、＼{　　　　　　 /　￣二／ﾆ==─ ‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′ 　ノ::::::::::::,x=====--__}_ノﾘ　　　　　　 |li　　　　￣￣二ニﾆ==
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒ー=彳: . :_ノ三!／＞-.、　　　　 /i　　　　─ ─ ─=ﾆ二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｝／. :}三｛. :/. : ャ!　　　　 /　　　　　￣二ﾆ=‐ ─
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／. __ /ﾆ三!. :!. : . 〈〉､＿＿}i!_ヾ　　　 ─ ==ﾆﾆ二二
　　　　　　　　　劉琨殿の弔い合戦だ　　　　　　　　　　　　　　／l| -=ﾆ三三|. :ゝ. : . :〈〉、////¨ﾉ　　　　￣二ﾆ=‐ ─
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {_|三三三三ﾆ|x-=＼. : . : ┐''"　(　　　　￣二==── ─
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }三三三三三{:{::::::}}. ヽ: .／　　＼￣二ニﾆ==─ ‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }三三三三三:{{::::::}}x. :ノ=-. ___　　　＼i＼| ､￣二ﾆ=彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ三三三三三!幵幵幵_三三ﾆ!　　　　＼|＼|＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {三三三三／￣///. :└-ミ三|_　　 ┣¨┣¨┣¨┣¨

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　.ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ＞―――r'　　　　 /
　　　　　　ト　　　　　　　＞::::::::::::::::::::::,::::::::::⌒￣｀::＜

　　　　　　∨ ＼　　.／:::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::＞...、

　　　　　 .∨　丶.':::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼_:::...、
　　　　　 ∨　　ヽ:::::,ｨ:::::::::::::::::::::::::＞＜::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ￣ヽ.__　　　　　　　　　　　　 .あなたたち！
　　　　　　　　∨　　　.У::::::::::::::::::::::::´:::,ｨ,ィz≧､::::::､::ヽ:::ヽ:::::::丶　ヾ:ヽ

　　　　　　　　人　　 /::::::::::::::::::::::::::ノ＾´　　　　　ﾏ::::!::::::ﾏ::::V::::::: ＼ Y:l　　　　　　　　　　　後で覚えていなさいよ！！
　　　　　　「ヽ_＞-|::::::::::::::::′:::/　　　　　　　ﾏ:ト､:__::ﾏ::V::::::::: l! }::!　　 ⌒ト、
　　　　　　　 |_に{ 　 !::::::::::::::|!::::::'　　　　　　　　 }'／＼::::ﾏ::v: ∨:l/7 　　　 }:::!　　　　　この一流の士大夫を
　　　　　 .／ﾉ:ﾊ｀-１:::::::::::: l!:::::|　　　　　　　　　_ノ´.zｪぇ┬!::}:::: ∨7　　　　／::::l　　　　　馬扱いしてこき使うなんて！！
　　　　／.イ::/ j:::::::|::::::::::::: l!::::il　　　　　　　　 ,.ｲｆ心　ﾄ:}∧_:::::ﾏー―＜::::::::┴―‐::::
　　　　/ ././:;ｲ　!:::::::l::::::::::::::::ﾏ:::l-―＝≦ﾆ´　　　　　じﾘ　|:'::ﾒ.__::ヽ:ﾏ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::

　　　Y　_{/::/7　l:::::::′:::::::､::::::Ⅵ　,..ｨ炸丐ヽ　　　　　｀"´ .ﾄ:::::ム:ヽ}:::ﾏ::::::::::::::::::::::::-=≦

　　 .ｹ~V::/　l__」::::::!::::::::::::::ﾄ:::: ﾑｲ{ 　じﾊ　　　　、　　!::::`ｰ}:::ﾉ::::::ﾏ::::::::::::::::::::::::::＿::
　　　〉-'::.' 　.ひ､:::::|:::::::::::::::: ＼:::::.`.､_ ゝ'’　　　　　　　　ト､__::ﾘ:::::::::::::〉----＜::::::::::::ヽ ` :::::}　　　　＿_　ト
　　　.l::::::::|　　　　ヽ乂::::::::::::::`::::ヽ:::乂_　　　　　　　ｨ　 ∧._ヽ/::::::::: ｲニニニﾆﾆヽ:::::::::l!　 }/　　　　⌒ヽ::ヾ::::＼
　　　.|:::::::乂＿＿_　ヽ::＞.､::::::::::::::::､下⌒　　 v' _￣ｯ　 /　　У:::::／ ,'ニニニニニム＼ﾘ　ﾉ'　　　　　　　}:::::}:::::::::V
　　 .乂＿::::＞'⌒)L....、、:::ト､:::::::::: `ト､::`:.、　ゞ‐ ´　　/ヽ／:::::／　_.llニニニニﾆﾆﾆﾑ:::丶　　　　　　　 !::::ﾘ::::::::: V
　　　　　　　　 .ん⌒}:} l:: ﾘ′＼::八乂.≧､ト. ＿＿_ .ｲ ./::::::,.ｲニﾆﾆjニニニニニニﾆﾑ⌒ヽ　　　　　　 .′::::::::::::::::!
　　　　　　　　ノ'　}:/!ﾄﾆﾆﾆ}::::::ヽ:::..ーヾ:._r'´　ヽ７:::::/ニニﾆﾆi!ニニニニニニニi|　　　　　　 /::::::::::::::::::::ﾘ
　　　　　　　　　　 '　八ニﾆ7::::::::::ト::＼　ﾘ||　　　Y:::::::{＼ﾆﾆニ.ﾊニニニニニﾆノ>'ﾄ､　　　　　　　/:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　 ∧. Vﾆ,' :::::::: 八ﾆ＞≠ｭ__.＞'|::::::∧　＼ﾆﾆ.∧ニニニニ＞'゜ .>'iﾄ　　　　　 /:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　 r'{　ヽУ::::::::::/.ニﾆ/　　L!|{ 　 l::::::{::::＼__.＼ﾆﾆY＿__＞'゜ .＞'゜ﾆﾆl　　　／::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　 j=乂_/:::::::::／=ﾆﾆ/　　　 l:!| 　 ∨::`:::::::::::::≧s､〈　　_.＞ '゜ニニﾆﾆl!　　.／::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　 ,'ﾆﾆУ:::::::λニﾆﾆi!　　　 |:!|　　丶:::::::ノ⌒}::}⌒l￣ニニニニニニﾆl!_／:::::::::::::::::: Y
　　　　　　　　　 {ﾆニ!::::::: /∧ニニi!　　　　川　　　　　　 }/.　 ∨ニニニニニニニi!::::::::::::::::::::::::: |┣¨┣¨┣¨┣¨

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...　..::. .. .　..　.　..　.:::
　　　　　　　　　　　　　　　　::　::　:.　...　.:::::　:...　.
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,-‐''"´'':､,,　　　　　　　　　　　　　 ,,_,__　　　　　.
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／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.

: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ　　　　　　『晋書』『盧欽伝』に曰く。

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　劉琨が敗亡すると、
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　当時南への道が断絶していたため、盧諶は遼西郡の段末波に身を投じた。
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′

　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　　　　　　　　　　僅かに生き残った劉琨の子弟や崔悦ら劉琨配下の人々も同行したらしい
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　.ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ＞―――r'　　　　 /
　　　　　　ト　　　　　　　＞::::::::::::::::::::::,::::::::::⌒￣｀::＜

　　　　　　∨ ＼　　.／:::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::＞...、

　　　　　 .∨　丶.':::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼_:::...、
　　　　　 ∨　　ヽ:::::,ｨ:::::::::::::::::::::::::＞＜::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ￣ヽ.__
　　　　　　　　∨　　　.У::::::::::::::::::::::::´:::,ｨ,ィz≧､::::::､::ヽ:::ヽ:::::::丶　ヾ:ヽ

　　　　　　　　人　　 /::::::::::::::::::::::::::ノ＾´　　　　　ﾏ::::!::::::ﾏ::::V::::::: ＼ Y:l　　　　　　　　　　　私たちは諦めない！
　　　　　　「ヽ_＞-|::::::::::::::::′:::/　　　　　　　ﾏ:ト､:__::ﾏ::V::::::::: l! }::!　　 ⌒ト、
　　　　　　　 |_に{ 　 !::::::::::::::|!::::::'　　　　　　　　 }'／＼::::ﾏ::v: ∨:l/7 　　　 }:::!　　　　 .絶対に！！
　　　　　 .／ﾉ:ﾊ｀-１:::::::::::: l!:::::|　　　　　　　　　_ノ´.zｪぇ┬!::}:::: ∨7　　　　／::::l
　　　　／.イ::/ j:::::::|::::::::::::: l!::::il　　　　　　　　 ,.ｲｆ心　ﾄ:}∧_:::::ﾏー―＜::::::::┴―‐::::＜
　　　　/ ././:;ｲ　!:::::::l::::::::::::::::ﾏ:::l-―＝≦ﾆ´　　　　　じﾘ　|:'::ﾒ.__::ヽ:ﾏ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿::::ヽ

　　　Y　_{/::/7　l:::::::′:::::::､::::::Ⅵ　,..ｨ炸丐ヽ　　　　　｀"´ .ﾄ:::::ム:ヽ}:::ﾏ::::::::::::::::::::::::-=≦s...、`}

　　 .ｹ~V::/　l__」::::::!::::::::::::::ﾄ:::: ﾑｲ{ 　じﾊ　　　　、　　!::::`ｰ}:::ﾉ::::::ﾏ::::::::::::::::::::::::::＿::::::::＼
　　　〉-'::.' 　.ひ､:::::|:::::::::::::::: ＼:::::.`.､_ ゝ'’　　　　　　　　ト､__::ﾘ:::::::::::::〉----＜::::::::::::ヽ ` :::::}　　　　＿_　ト
　　　.l::::::::|　　　　ヽ乂::::::::::::::`::::ヽ:::乂_　　　　　　　ｨ　 ∧._ヽ/::::::::: ｲニニニﾆﾆヽ:::::::::l!　 }/　　　　⌒ヽ::ヾ::::＼
　　　.|:::::::乂＿＿_　ヽ::＞.､::::::::::::::::､下⌒　　 v' _￣ｯ　 /　　У:::::／ ,'ニニニニニム＼ﾘ　ﾉ'　　　　　　　}:::::}:::::::::V
　　 .乂＿::::＞'⌒)L....、、:::ト､:::::::::: `ト､::`:.、　ゞ‐ ´　　/ヽ／:::::／　_.llニニニニﾆﾆﾆﾑ:::丶　　　　　　　 !::::ﾘ::::::::: V
　　　　　　　　 .ん⌒}:} l:: ﾘ′＼::八乂.≧､ト. ＿＿_ .ｲ ./::::::,.ｲニﾆﾆjニニニニニニﾆﾑ⌒ヽ　　　　　　 .′::::::::::::::::!
　　　　　　　　ノ'　}:/!ﾄﾆﾆﾆ}::::::ヽ:::..ーヾ:._r'´　ヽ７:::::/ニニﾆﾆi!ニニニニニニニi|　　　　　　 /::::::::::::::::::::ﾘ
　　　　　　　　　　 '　八ニﾆ7::::::::::ト::＼　ﾘ||　　　Y:::::::{＼ﾆﾆニ.ﾊニニニニニﾆノ>'ﾄ､　　　　　　　/:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　 ∧. Vﾆ,' :::::::: 八ﾆ＞≠ｭ__.＞'|::::::∧　＼ﾆﾆ.∧ニニニニ＞'゜ .>'iﾄ　　　　　 /:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　 r'{　ヽУ::::::::::/.ニﾆ/　　L!|{ 　 l::::::{::::＼__.＼ﾆﾆY＿__＞'゜ .＞'゜ﾆﾆl　　　／::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　 j=乂_/:::::::::／=ﾆﾆ/　　　 l:!| 　 ∨::`:::::::::::::≧s､〈　　_.＞ '゜ニニﾆﾆl!　　.／::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　 ,'ﾆﾆУ:::::::λニﾆﾆi!　　　 |:!|　　丶:::::::ノ⌒}::}⌒l￣ニニニニニニﾆl!_／:::::::::::::::::: Y
　　　　　　　　　 {ﾆニ!::::::: /∧ニニi!　　　　川　　　　　　 }/.　 ∨ニニニニニニニi!::::::::::::::::::::::::: |┣¨┣¨┣¨┣¨

【紀元３１８年夏　晋　揚州　建康】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ叉7

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　　　　　　,,． '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ､,,
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　　　｀`ヾ､;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r＝=;:;:;r＝=､;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r＝=;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´　.
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　　　　　　　　　　　　　　　,､r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ､

　　　　　　　　　　　　,､r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::｀'ヽ､　
　　　　　　　　　　　　｀`ヾr＝=;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´　
　　　　　　　　　　　　　　 `ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r'　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､:;:;;;;;;;;:;:.:.:::＝=.:.::::::.:.:.:.:／　　　　|　　　などと、段匹磾は申していました　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヾ.:;;;;;;;＝=.::.::.:.:..:.::r'´　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j

　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ヾ;:;:; :;::;;: ;r＝=.:.j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 1;:;:;:;:r＝:.::{　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:｀`;:ｰ-..､,,_

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『元帝紀』は劉琨殺害について、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　劉琨が段匹磾によって殺害されたとのみ記している

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　/＼＿＿_／ヽ

　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　　　　　　　　とはいえ、鮮卑段部は未だ強盛です。
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､　　　　　　　　　　　.彼らの力は石勒討伐に不可欠と言えるでしょう

:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,､､､､､､､斗==ミs｡,,,,_

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::-===ミ:::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}(___ノ:::::::::::::::::::::::::::::≫'’￣｀`ﾘ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ア:::::::::::::::::::::::::::/　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::{　　_,､　　__,,,､}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:::::::::::::::::::::::::::::::::}.　 {__,ィぅ　}"＼
　　　　　　胡人というのは勝手なものだ。　　　　　　　　　　　　　　　{　　｝:::::::::::::::::::::::rミ:::|　　　｀ーく.　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .≧=:::::::::::::::::::::::::{ ､,｀　　､_ 　　　 -ィ′　
　　　　　　ですが、あなたの言い分も理解できます　　　　　　　　｡s≦￣￣￣ ≧s｡_:ヽ__　　　｀`､　　_..._ﾉ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j{ﾆﾆﾆﾆ=-　_　　　　￣}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .j{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝- _　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝- _r―-イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . . . . . . . . .j{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝- ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : : : : : : : : :}｢ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-　　 `､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　7ﾆﾆﾆﾆﾆ=-_≧s｡_ニﾆﾆﾆﾆﾆ=-　　　　.`､　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　しかし、『晋書』『劉琨伝』にはこうある。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　朝廷は段匹磾が依然強力であるとして、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .石勒討伐に当たらせるべきだと考えていた
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　_,､､､､､､､斗==ミs｡,,,,_

　　　　　／:::::::::::::::::-===ミ:::::::::::::}
　　　}(___ノ:::::::::::::::::::::::::::::≫'’￣｀`ﾘ　　
　　　￣ア:::::::::::::::::::::::::::/　　　　　　ヽ

　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::{　　_,､　　__,,,､}

　　　 {:::::::::::::::::::::::::::::::::}.　 {__,ィぅ　}"＼　　　　　　　　やむを得ません。
　 {　　｝:::::::::::::::::::::::rミ:::|　　　｀ーく.　　ヽ
　 .≧=:::::::::::::::::::::::::{ ､,｀　　､_ 　　　 -ィ′　　　　　　劉琨殿へ哀悼の意を示すような行為は差し控えましょう
｡s≦￣￣￣ ≧s｡_:ヽ__　　　｀`､　　_..._ﾉ　　　
　　　　　　　 j{ﾆﾆﾆﾆ=-　_　　　　￣}
　　　　　 .j{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝- _　　　　ヽ
　　　　　　 j{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝- _r―-イ
. . . . . . . . . .j{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝- ＼

: : : : : : : : : :}｢ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-　　 `､　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 ,. /: :_: : : ´: : : : : : : : : :-:､: :＼:､
7ﾆﾆﾆﾆﾆ=-_≧s｡_ニﾆﾆﾆﾆﾆ=-　　　　.`､　　　　　　　　　　　　　　　　　／: :.|: /:,: : : : : : : : : : : :,ﾊﾊ: ＼: :ヽヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イⅥ:.:{: : Ⅵ ﾊ斥 ∨　　ら:刈　 |:/:{:.:|:.|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-ｲ: :ﾄ､: 圦ら::ﾑ　　　ﾏしｿ　 }: :.|: |:.|
　　　　　　　　　　　　どうしてこんな結果に　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ､:＼:｣ﾏし' 　 ,　　 "´　 /: /: :{ﾘヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: ﾊ　　　＿ __ ι ｨ: /r≦―-､
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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　そこで段匹磾の主張を実質認め、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　太尉劉琨への哀悼を捧げる儀礼を行わなかった

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
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|　　　　　　　　　おしまい　　　　　　　　　|:::::::::::::|　　ゝ::::|
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
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　　　　　　　　＼::::| |:::::::::ィ !{　ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´
　　　　　　　　　　　 | |　　　ヾN ゞｿ　　ゞｿ//　　　　　　　　　　　　　　　　　幕間は日を改めて。
　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜
　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　イ |::::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　.お疲れ様
　　　　　　　　　　　 | |　　　＞-､＼!　 !／::,-＜　
　　　　　　　　　　　 | |　　/´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､
　　　　　　　　　　　 | | 　ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　 | |　 /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|　
　　　　　　　　　　, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|　
　　　　　　　　　　 |　ｰjヽ＼::::::'"::／ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　ヽﾆj　} 　＼:／＼　|:::::::::::::::::::::::::::|
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　　　　　　　　　　　|:!.|:＼　　ﾉ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
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　　　　　　　　　　 |:|_!:::::::::::::::/　 /　　|:::::!::::::::::::::::|::::::|
　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::/　 /　　.!:::::!::::::::::::::::|::::::l
　　　　　　　　　　|::::::::::::::::/　 /　　　 !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
　　　　　　　　　　　!:::::::::::／　 /　　　　|::::::|::::::::::::::::|::::::::!

乙
ついに華北の王朝が名目ともに斃れて東晋が生まれたが
漢もボロボロで段部も分裂、石勒に都合のいい展開だ

お疲れ様でした。

凄い、どうして勝ち筋を丁寧に自分から潰して回ることができるのだろう、晋の面々は。
王敦の讒言に見せかけた段匹磾の讒言、ならまだマシで、司馬睿が本当にやらかしていた可能性も低く無さそうなのが本当にもう。

いや、石勒の打った手が利いているというべきなのか。
うまく行く時は、どんな策略でもうまく行く、「勝ち将棋鬼の如し」という展開。

お疲れ様でした
劉琨さんも乙
劉琨さんの外伝の主人公感きらいじゃなかったです
能力は超一流じゃなくても、その生き様は確実に一角の人物だった

【幕間】

　　　　　　　　　　　　　　 / } 　　 _｣L∟L｣_
　　　　　　　　　　　 /.:_ -=ﾆ⌒　＿| 乂￣/
　　　　　　　　　　　／￣__. -=ﾆ⌒:: | 　＼
　　　　　　　　　　 ‘,¨¨_乂_:::::::::::::_ 八　　　＼
　　　　　　　　　　　　　＿.‘, ((<>))-=ﾆ⌒　∧　　 {＼、
　　　　　　　　　　　 |:::::＼ﾉ｀^''冖冖''＾´　 ∧　.八.:ﾊ　　　　＿＿＼＿_人＿人从＿人＿人从／
.　　　　　　　　　　八:::::: |::　　　　　　　　 .乂＿Vﾊ}　　　　 (⌒＼＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿　
　　　　　　　　　｀¨T:|.: 　　　　＼　､　　＼.__v}　　　　　　　　　）　　　黒略ッ！！　　　　（
　 _〈⌒乂　　　　　　　　　八. :. 　＼　　＼　＼　 / ∧　　　　　　　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　〈: ‘i, ‘i,＼　　　　　　 | :尖ミx､　｀`～､ jI斗fﾁ√-=|乂´￣ Y .／_､　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
. 〈/,: ‘i, ‘i, /,　　　　　八　込⌒r､￣__彡rｯ _丿:|[-=ﾉ､ .｀¨¨¨¨´　　 _､‐''゛　''"ﾟ~￣￣￣￣~"''～
　 v/,: ‘i, ‘i, /,　　　　　　 .＼ハ.ｰゞ〉　　冖''"´　 L／ヘ｀^''冖冖''＾´ 　／　　　 -‐…‐- 　　　＼
.　　v/,: ‘i, ‘i, /, 　　　　　 ⌒〉.　′　 _ -r七ｱ　ﾉー_ -‐…ミ　＿＿彡　　''^~￣￣￣~"''～　＼
　　　v/,: ‘i, ‘i, /,　　　　　　 { .＼　<ﾆ=-＾'イ／　／　　　　 ‘, ｀^''冖''＾´　＼　　　　　　)　　)　丶
　　　 V/　　　　 /,　　　　　　　八　　.＞　＜ / ／}/　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／　
　　　 {.: 　　　　 /,　　　　　　　　＼/.::::::::::::>./.::/.′　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　 .八.: 　　　　　乂　　　　　　 L.:::::::::_L/.::::lﾉ　　　　-=ニ　　　　　　　ちょっと匿ってくれ！！！　　　　　　　　　≦
　　　　 .＼::　　　　｀`～､、　　　　　 .√／へ／￣ﾆ=- _　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦　
　　　　　￣'/　　　　　＼　　　　 √＼　/￣ﾆ=　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
　　　　　　　 '/　　　　　　./ ＼. 　 .√＼ /￣~"''～　＼.:/＼γ⌒ヽ＼　　　　　／／⌒＼　 }
　　　　　　　　　'/.:　＿＿彡　 /乂　.{:::::;:: ′ 　　　＼_/＼./ /⌒)).::∧''＜＿＿彡／　　　　 )ノ
　　　　　　　 V/＿＿／. / 　｀~"''～ﾉ　　　　　　./.:::::::::乂＿乂.::./∧::::.:.:マ'冖''＾´ 　　／
　　　　　　　　　 V/＿＿／　　　　　　＼.:'　　 ._〈.::::::::::イ／ヘ.:::.::.::.＼.::.::.::.::＼
　　　　　　　　　　￣￣￣＼　　　　　ﾞ丶　 }　　　<''冖''＾´.::-=彡.::＼.::.::.::.＼.::.:.::.::.＼
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　／/.￣~"''～.へ..::.: /∧.::.::.::.: ＼::.::.::.::.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　￣- ._ 　　／ ./.::_ ﾆ=-￣ √.::.::.::.:/∧..::.::.::.:.: 丶::.::.::.:.‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣- イ　 /￣￣~"''～ √.::.::.::.:..:/∧.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.ﾉ

　　　　　　　 _,...........,__
　　　　 ,.ｨ'" ...:::;;;;;;;;;;;~`:;、
　　　 /　　...::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
　　　 | ,rrｪヒﾐ〈;;;:リﾅナｸ,;:l!　　　　　　　　　　　おう和尚。
　　　 !斥ｙ'r｡xﾂﾍ '･`,,,ｼﾐ;:;;:|　
　　　 |ﾄﾆ斗ﾃi"| :;ﾌﾊｺ=7-i;;|　　　　　　　　　　どうしたんだ？
　　　 :|::ll::::l!:|l|ﾊ::;;| | ! !| li　,l、
　　　 .|ﾄ|!:::l!:||ｋｷ;|干!,!,!ﾉﾉ:,!;l　　　　　　　　　　そんな年甲斐もなく全力疾走して？
　　　　!|ヽヾヾﾄ'＾"~'' ,'' "//;;;;'、　
　　| ,r'-:ゝ ,ｨ;'　 ,.-...,,;:,,'　/l::::;;;`
　　-'ﾐ　　,:':;/ヾ､　　.,,.　,,_;:' l!

　　ミ::`:'";;,'　　`:;､　:;;:　,;'　.,!　　　　　　　　　　　　　　　　　ニニニニ／　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニﾆ=-／　　　 _　　　｀`ヽ､　　　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニ二/　　　　　　｀`ヽ､　　　＼　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニ=/　　　　 _ 　　　 ` ／　 _　-‐ ヽｒ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニ/　　、　　　 -　_　　′`／ ,ｘ　⌒'　Ｖl＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐ ﾞ　　　＼　　　　　　　 -／ｨiだぃ　　　Ｖ/ﾊ
　いやあ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .｛:ヽ　　　　 `　.　　　　／　　乂:_ソ　　　　Ｖ/}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .^:::::ﾍ　　　　　／､_／　　　　　　　　　　　　Ｖ
　石勒の野郎が　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｔ::ｒ┘　　　　 /　 /　　　　　　､　　 __　　　ﾔ,
　自分で召し抱えた道士どもを皆殺しにするらしくてな。　 .┘　　＼　　/ .ｨiだぃ　　　／:::::｀ヽ　　ｌ '/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /∧､　､　 `'ｰ、/ 乂:_ソ　　　 /.: -‐, ‐ ′　!　Ｖ/
　天下の大将軍様の慈悲に縋ろうと　　　　　　　　　　　　　 ./∧＼ `　_ / Ｌ　　　　　　　 l/　 /　　　厂　Ｖ/
　弟子たちに行き先は他言無用と言って逃げてきたのさ　　　　＼｀'＜＾ト　_　　　　　　　|　　{　　　　/{__　　Ｖ/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰ} 乂//＞｡.,_ 　　 ‘,___ﾉ　　イ　{ﾌ^ヽ　Ｖ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } 　｀`'ｰ-‐　≧=-　 -=≦　　／ ’,　〉　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　「￣「￣￣',　　　} '" }　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′　　　　　 _　-ｧ　　！　　 ′＿_! 　 `ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /_　　-‐ ￢ニニ圦　　 ', 　　 }　　！　　　　＼

ニﾆ=-／　　　 _　　　｀`ヽ､　　　丶
ニ二/　　　　　　｀`ヽ､　　　＼　　ヽ
ニ=/　　　　 _ 　　　 ` ／　 _　-‐ ヽｒ､
ニ/　　、　　　 -　_　　′`／ ,ｘ　⌒'　Ｖl＼
‐ ﾞ　　　＼　　　　　　　 -／ｨiだぃ　　　Ｖ/ﾊ
｛:ヽ　　　　 `　.　　　　／　　乂:_ソ　　　　Ｖ/}
^:::::ﾍ　　　　　／､_／　　　　　　　　　　　　Ｖ　　　　　　　　　　　頭おかしいんじゃねぇのあいつ？
Ｔ::ｒ┘　　　　 /　 /　　　　　　､　　 __　　　ﾔ,
　┘　　＼　　/ .ｨiだぃ　　　／:::::｀ヽ　　ｌ '/
　/∧､　､　 `'ｰ、/ 乂:_ソ　　　 /.: -‐, ‐ ′　!　Ｖ/
.　 /∧＼ `　_ / Ｌ　　　　　　　 l/　 /　　　厂　Ｖ/
　　　＼｀'＜＾ト　_　　　　　　　|　　{　　　　/{__　　Ｖ/
　　　　｀ｰ} 乂//＞｡.,_ 　　 ‘,___ﾉ　　イ　{ﾌ^ヽ　Ｖ/
　　　　　　　 } 　｀`'ｰ-‐　≧=-　 -=≦　　／ ’,　〉　＼　　　　　　　　　　　／ニニニニニニニニニニニニニヽ
　　　　　　　 }　　　　　　　　　「￣「￣￣',　　　} '" }　　＼　　　　　　　　　 ’ニニニニニニニニニニニニニニﾊ
　　　　　　　,′　　　　　 _　-ｧ　　！　　 ′＿_! 　 `ｰ､　　　　　　　　　　ｉニニニニニニニニニﾆ}ヽｨニニニニｉ|
　　　　　 /_　　-‐ ￢ニニ圦　　 ', 　　 }　　！　　　　＼　　　　　　　　　|ニニニニニニニニ /}/　/∨ヽニニﾆ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　ﾄ.!ニニニニニニ==─…ﾐｘ 0 ／》ﾆﾆﾆ│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅳ≧ー…ｬ77//--｡-ｫ///l} 0 彳ニニﾆ|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　》　f77ﾊ　 ∨/≧==彡//ノ　《ニニニl|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀7 V//}　　∨////厶イ==ﾐ　 iニニニ|　
　　　　　兄者の頭がおかしいのは昔からだが、　　　　　　　　　　　　　　⌒i￣＿＿￣￣´ 　》//∧　lヽﾆﾆﾆl|　
　　　　　さすがに今さら和尚を殺すとは思えんな。　　　　　　　　　ﾄ　　　 ∨ .//|　ﾄ.　{7∧ ∨///i|　∨＼ニゝ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|∧　　　 ∨//|　|∧ ∨∧ ∨//l|　ｉ}///777{厂三
　　　　　ひとまず俺が話を聞いてくるから、　　　　　　　　　　　　　 .|/∧　　　 }ヽ/|　|/∧ ∨∧ ∨/l|　ﾘ　 }////|∧三
　　　　　それまで俺の邸から出るんじゃないぞ　　　　　　　　　　　 |　 ∧　　､|__i/|　|//∧ 》/∧仆ー=彡'　'/// l|/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 /∧　　≧彡. 》====≦///　　　l　i　'//三|　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　|　　 ∧イ三／三》 ∨////　　　　j　ｌ //三 i|　 /
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:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ

::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ　　　　『晋書』『仏図澄伝』に曰く。

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　.ある時、石勒は虫の居所が悪かったのか、
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　諸道士を殺そうとして仏図澄を苦しめようと欲した。
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′

　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　　　　　　　　仏図澄は郭黒略の下へ逃げ、弟子たちには行き先を漏らさないよう言いつけた
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_

　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　　　　　　.おお、黒略よ。
　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　　　　　　仏図澄がどこへ行ったか知らぬか？
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　　　　　　弟子どもが言うには、
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　　　　　　 .出かけたきり、夜になっても帰って来ていないらしい
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,. -─- ､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,;:;:;;;;;:;:;:;:;:｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'.:..:.:.:.;;;;;;rrrr､:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .l::;ｨ'´;;;;' ｀ヽ｡-､ヽ.::!　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{ﾐﾚ'"´.　,..　""｀,ｨ;;彡.　
　　　　俺も探してんだよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .{ﾐ!. i i::i l.:::! l:l .l:! l;;彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .iﾄ､i i:::iﾉ:::l/::l/::!ﾉ:::|
　　　　和尚の事だから、そのうち帰ってくるとは思うが　　　　　　　　　　ヽ入　　　　　｀VⅥ 　　　　　 /l　/l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　　　`1 ﾐヽﾆﾆ彡'´　L､､､,,_　　　_./　ﾚ' ..!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､.　!　Vl ,..ィ´.:j! ',::,,,,,/ ,::′ ,' `ヽ`ヽ`Y´.:./l　｀`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ヽ|　〃／.:.:.:.j!...',;,,/ ,::′,,,,,........ﾘﾉ.:::l　/ .l.:.:.:.:.／ﾄ､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.ィ´ヽﾉ／ /　　;;;'''ﾞﾞﾞﾞ｀,.''''ﾞﾞﾞ´　　　　{: :i i!.::! ゝ '　／.ィ´ `ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､/　ﾄ､, ´/　./:::''　 .人 ..:;;′　.人　　　.:i: :.! i!:::!.:.;.ィ彡'´ ;;　　 .ﾞ､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌‐　┌ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　　　　　　　　　　　　　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　
　　　　　　　　　　　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　
　　　　　　　　　　　　　　　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ　　　　　俺が仏図澄に悪意を向けたから、
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈　　　　　ここから去ってしまったのかもしれんな
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　　　￣｀　:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒ γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　 |　　　勘が鋭いからな和尚は　　　 |
　　　　　　＿＿　　　　　／　　　ﾉ)　　i　　 } / 　 /　　　　　　　　　´　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　´　　　　￣￣＿＿＿＿＿　　　＿　　--――一' 　／　　　　/　　　　　＼　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ノ´　　　　　　　　　 /　　＼　　　　　　　　　　　ヽ　　　　丶
　　／　　　　　　　／　　　　　　　　　ｒ'　　　　　　　　　 i　　　　　ー―　　　　　　　　　　＼　　＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒は仏図澄が消息不明と知り、驚いてこんな言葉を述べている

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__

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　　　　　　乂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿＿＿|_ 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 X爻爻爻爻爻爻爻爻
　　　　　　　　爻爻爻爻爻ﾞ　　　　　　　　　ｒ┐┌iT┤＿＿__|二ﾆ|　　　　　　　　　　　　　　水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
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乂爻爻爻乂乂乂乂乂ミ＿ |┌|_冂「 |└二|: : : : : :|　　　|丁Ｔ┬Ｌ　　　　　　　　　　　　　　淡淡淡炎炎淡戀戀淡淡淡

い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s｡　　,｡s≦ﾏ≧s｡: :.:|_┌'¨:|￣￣~~||li　　　　 |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
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爻爻父父炎灸炎i爻i爻jﾉ⌒|┌i |￣|┌┐:|　卩|￣＼|:.:: :|　Ｉ　Ｉ　| : |　 |¨|_| |: : : : :| 　［］　|　　　　　　　000 ∨ﾚ'
￣|｀｀``爻彡从ミﾐ'⌒∩　　 |└' |─|└┘:| 　　¨¨¨¨¨|: : |　Ｉ　Ｉ　|_ :|　　: : : |: : : : :|　　　|￣L|￣| 　　 ||　 {i:i{
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|i:i|　∪　∪　　 |　　ﾞΤ¨¨¨~~:|　　　　 :|: : |　ｉ⌒ｉ　 | :|　　: : : |: : : : :|:　 ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
￣￣￣￣￣|i:i|洲州ｘｘ　　　|　п |￣|　　 |　ﾛ　　　　:|: : |　|　 |　 | :|　　: : : |: : : : :| 　 |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}＿
　|￣| 　冂 |i:i:|洲洲洲￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　 :|: : |　|王王王王王王王王王王王───‐ |￣|===ｒﾉi:i:i{
｢￣￣￣￣ |洲￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　＿|: : |　|¨¨7~¨:|￣”二¨¨¨“““　　''''|　　　　　 |　辷三|ﾉi:i:i:乂
　　　　　＿jjjjＬ　　---──……￢冖'''　¨¨￣___二二￢三三二ﾆ|ｨシ´　｀':,　γ⌒ヽ |　　　┌┴-- 　　＿
￣￣￣￣＿＿　　　　‐……￢冖ﾆ二三三￣　　　　=ニ　三三　ﾆ……===ニニニﾆﾆ|＿　　 |　　　　　　　　￣￣
￣￣￣───………………＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／　　====ﾆﾆﾆﾆ￣三三三三￣三三二ニ=…ー

.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐Ξ　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　 =====二二　　‐‐……　　‐…==＝＝＝三
　: : : : : : : : : : : : ──==＝Ξ ＜　　　石勒将軍の命令だ！　　＞　　 =====二二　- - ￣　: : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(　　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^　　　　　　　　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　仏図澄様を探せ！！　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、

:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　そして、一晩中仏図澄の行方を探させた
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′

　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jI斗　──＜
　　　　　　　　　　　　　　　　／///////ノ}／}ﾐh､
　　　　　　　　　　　　　　　　　//)＼/_｣Ｌ∟Ｌ｣_／]ノ心

　　　　　　　　　　　　　 }h､ィi　　}ニニニﾆﾉ ≧=‐/ﾊ
　　　　　　　　　　　　　 |i/ﾆﾉ⌒　￣￣｀`～､、> ≫/,　　　　　　　　　つーわけだ。
　　　　　　　　　　　　　 |{／r　 {i:i:}　{i:i}　ｨi{　　./≫/,
　　　　　　　 |〉　　　　 |〉　|ｉ|　|i:i:|　|i:i| ∥i:}　 /////｝　　　　　　　　.姿を見せても問題ないだろう
　　　　　　　 |∧　　　 .∧〉 !i|　|i:i:|　|i:i|∥i|＼/^7＼'/}　
　　　　　　　 |/∧　　 .//∧ !i|　|i斗f七Iてj{　　 /＼/＼　
　　　　　　　 |//∧　.///ヽ∨'"　　　　　 `'＜' 　　＼/＼　　
　 l＼　　　 jI斗|///∧,'////,＼㍉　　　　　　　 /　　/　 ∨/ﾊ　　　　r‐-　-‐…‐- 　　 /ﾆ＞ｘ、 V/ニニニニ＼
　∧'/＼／////|////jI斗ｆｾﾆ二}j{{⌒≧=‐'　　/　　/　　 }/／)　　　｀`'＜ニ=-　　_,＞''^~ 　　　￣~"''＜ニﾆﾆヽ　
./ ∧'//,＼////≧≦＼_=_=_=_=!从　　　　　 '　　　 {i 　／／(　　　　　　￣／　 ,　　 /　 /　 />　}:i:i:} `'くﾆﾆﾉ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／/-‐ /　厶- ﾞ　ﾌ }:i:i:}　‘, `'く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/ /　└‐___￣　　　　＞‐㍉,　 ‘,　 ‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く~"''‐-.{ 　ィ灯⌒ｿ　　 /／:: ::ヽV/　　 ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: : : :　　 {り　　　　　 {::{ :: :: :: :}:}＞｡.,_　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐ '’　　　　　　　　　ﾔ:: :: :: ://~''≪ﾆ＞ｘ
　　　　　　　　　　　面倒くさい奴だな本当。　　　　　　　　　　　.　　　　　　！　　　　　　　　　　　丶:＿／　＼　~''ｰ'’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 ',　　　　　　　　　　　 /i:i:/　　　_ . -‐- 　
　　　　　　　　　　　朝になったら顔を出してくるか　　　　　　　　　　　　　　　､｀ヽ　　　　　　　　/i:i:/　　／{　_ ...--㍉,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　　　　　／i:i:/ 　 /::::／::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘､_　　　　　 ∠＞'"＼　.{:::/:::::/￣::／:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ￣　「￣＼　　／{　Ｖ:::::/::::::く::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 !　　　 _,>'(　　',　}:::/:::::::::::::ヽ:::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 :{　　く (　 ',　　＼::{::::::::::::::::::::::::::

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　仏図澄は石勒の様子を知ると後悔し、翌朝石勒へ会いに行った

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　' 　　＼　|´￣乂__乂￣|　_,､‐''゛ /

　　　　　　　　　　　＼＿| >''"””””""''㍉_|/／　 /
　　　　　　　　　　　/二アﾟ　　/　　　　　＼＼_／
　　　　　　　　　　 |__/ :|　｜:|｜　　| 　 |　 | い,
..　_　　,-、　　　　　 | |　|_,斗┴Ｌ___八＿|　 |　| |
_〈　Ｖ｜ |　　　　　　| |／＿　ヽ　　 _￣＼,|　| |　　.,-、　　__　　　　　　　　グッモーニン！
..‘i，〈| ｜　　　　　/ いxｆ---ミ　　　ｘ--ﾐ　|_//　　 |　|　 /　〉ｘ┐
`、‘i，',　',　　　　.|　:| | : : : :　　,　 '´￣＼/ ∧　　 | ｜/　/ /　/　__　　　.みんなのウマドル仏図澄ちゃんだよっ！！
.＼　　　　',／⌒>　|　:| |,　　 , --- 、　: : :/ /_/_ 　 .|　|/　/ /　/／ /
＼　　　　　／　 .辷_込、　乂.:.:.:ｿ　　 / /_>、＼ | 　　 '´　／／　　　　しゃいしゃーい！！！
　 `、　　　/￣＼　'∨　/ 丶、　　　　イ＼/　＼　⌒　　　　／
.　　`、　　 {＼＼｀Ｖ　 /　 |___｀~￣|　 :|　 |　　／ヽ　　　　　/´
　　　|＼＿__ノ　 | :|ﾏ冖f⌒＼Ｖ¨ア⌒ｉ冖ﾏｱｱ:/　ﾉ　　　／　　　　　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}　
　　　|＼　　　　　:| :|∧　|.:.:.:.:.:.ＹＹ.:.:.:.::|　/｛｛:|::|　乂＿_ノ´|　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　　＼::＼＿_,／／ /∨:.:.:.:.:.／＼.:.:.:.Vﾊ＼|::＼＿＿___/|　　　　　　　　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　
　　　　｀'ｰ‐‐‐＜　 /_〈＿__<　◇　>___,〉‘，　＼::::::::::::::::／　　　　　　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ
　　　　　　　　　　おお、戻ってきたか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　　　　昨夜はどこへ行っていたのだ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.，'"´￣ﾞア
　　　　　　　　　　　　　　　,∠/ /.:.:／／￣＼

　　　　　　　　　　　　　／|__/￣ヽ／--x:::::::::|
　　　　　　　　　　　／　／/|＼.:.::| 　　＼　|￣｀`ヽ、
　　　　　　　　 /　 _/Ｖ_∧_√　｜　　　寸ﾆつ''⌒
　　　　　　　　　 /_／⌒＼＼__|___八　 |　　 ‘,￣
　　　　　　　 /__|　　　 |　|　ｒ┬k ＼|＿|　 |　　　　　　昨夜は将軍の機嫌が悪いと聞いて会うのを避けたのさ。
　　　　　　 /　人_____／／　 └リ＾　 ⌒|Ｖ
　　　　　　　／　　　/ :|￣|　　　　　　　　ｆ]Ｖ |　　　　　　　今機嫌が直ったと聞いて、

　　　　　／　　　／　人:圦　　　　___　　｀|__/　　　　　　　.ここへやって来たというわけだ
　　　／,．-‐　￣｀'＜￣´|＼　　｀ｰ　xく　　
　　 /／　　　　　　　　＼_|__,/＼＿. イ }　|
　／　　　　　　　　　　＿_Ｖ7⌒ｉ人￣∨　.|
　　　　　　　　　　　／.:.:.:＿<'＼|／',　〈　　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　
　　　　　　　　　道人でも間違う事はあるようだな　　　　　　　　　　　　　　　　Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　道人とは道士の事を指す

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　＿|￣|＿|￣|　 |￣|_|￣|＿_|￣|_|￣| 　 |￣|_|￣|＿|￣|
　|＿　＿||　 |￣　　 |　 |　　　　 |　 |￣　　　|　 |　　　￣|
　ｒ┘└へ|　 |二ｺ ┌'| 　|二ｺ ┌|　 |二ｺ ┌'|　 |二ｺ ┌┘
〈〈]　ﾟ,、〈|　 |　o　ヽ|　｜ o　ヽ|　 |　o　ヽ|　 |　o　└「￣＼
　ヽ-ﾍ_>ﾉ_ﾉ|＿|､＿ハ/|＿|､＿八ﾉ|＿|､＿ハ/|＿|､＿ハ/｀⊇.ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ…―-　..,,_／ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ :::::::::::''´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＞､_::::::ヽ､ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣i　｀丶､:::｀丶､_: :::::::::::::::::::::::: ﾄ､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ! iﾊト､ i､丶､___` ー--::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾊﾉ!ｲ仄ゝヽ　ﾅアi`ー-=....,,,___＿,,.ゝ
　　戻ってきた仏図澄の話を聞いた石勒は大笑いしたというお話。　　　　　 |'、`┘　 '^i下心!ﾊj　 ,ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/＼　､　　ゞ-イ　/／

　　最後の石勒の言葉は、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.☆ '　ｒ‐ｉ＞ ‐ｒｧ='7.イ´

　　仏図澄の早とちりを笑ったのか、安堵した故の強がりなのか　　　　　　＼ ⌒ヽ､,.ヘ.::´:::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ｒイ　,.ｨﾍ.:::::ハー- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └攵ｱﾄ=ヘ、::::ヽ ::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／〈::::::::::::＼:::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉―ｧi'´ ＼ :::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　 /_ア^'┘　　｀ヽ､::j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └ ′　　　　　｀

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_...._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.-':::::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ

　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ::ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l

　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|

　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　';:::|
　　　　　　 / | |｀ﾄ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　　さて、今の話で石勒は仏図澄を「道人」と呼んでいる。
　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ
　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀　　　　　　　　　　　　. 後世仏僧として有名な仏図澄だが、
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、　　　　　　　　　　石勒視点では変わった道士ぐらいの認識なのだろうか
　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ　
　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ　
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. 　 |　:::|　　　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
.　　|　｜　　　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　　ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ｰ-　一ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ

　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ

　　　　　　　　　／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
　　　　　　／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
　　　　　　　／::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀

　　　　　　　　　　　　　- - ──ー - -､

　　／i　　　　 ,.-‐''"´ 　　　　　　　　　＼　　　　 i＼
　　l　＼＿／　　　＿,,　　　　 ,,＿　　　ヽ､＿／　 l
　　l　　::::::/　　　　━━　　　　　━━ 　　　ヽ:::　　 l　　　　　　　和尚。
　　ヾ＿,;;;l　　　, , ,　　　　　　　　　　　　　　 l;;;__ジ
　　　　　 |　　　　　　i￣i￣i￣i　　"""　　　　 |　　　　　　　　　　.今日の石勒将軍はかくかくじかじか
　　　　　l　　　　　 .￣￣￣￣￣　　　　　　　 .l　
　　　　　 ` ､　　/⌒⌒i　　　/⌒ヽ　　　　　 /
　　　　　　　　`/　　　　| 　　| 　　　＼　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘i,　￣'/.::.:_ -=ﾆ￣　＼　乂: /V/∧’,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘i,　　}／: 　　 i:　　　＼　＼. V/∧.’,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼/.: /　　　 {. :　　　＼　　V/∧ ‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′　　　　　＼　　　　 V/_|:　ｉ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ.:　 |::　　　　＼　＼　八　　 v/|:　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |. : 　 .: 　　　　　''^~￣　＼.　ｨi〔＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八.: 　＼_､‐''゛　 jI斗f=㍉ . /=-.　　‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼´⌒｀　　　　　 vり＾ √=-　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ忙ｿ　　　　　　　 |=-　　　八
　　　　　　　　　　　まるまるのうまうま、と　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧"´　 '　　　　　乂=-　ノヘ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　，　　　 ./ |｀¨¨´ |_ノ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　 ´　　　／　:|　:|　 :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　＼＼＞　　 _､<⌒.‐┐:ｉ|　八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __／　　〉_〉_ﾉレ＿う7爪／￣￣:| : |　　/,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　￣／／.::.::.::.:＼ﾉ　　　 .:| 八:　　/,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _､<⌒　乂＿／／(￣~^'' rヘ}-=ﾆ￣＼＼ :＼　 /,

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　逆に、仏図澄は石勒との付き合いに慎重を期していたのが分かる。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　以前紹介した話もそうだったが、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　常に石勒の動向を見通した言動・行動を重ねている。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .石勒の気分一つで命の危険があるのだから、当然と言えば当然だ
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　 /::::/〈　:｝}::::::::::(　）:::|-‐…'７
　　　　　　　　 |／廴∨/￣￣￣＼|　／/
　　　　　　 / /|ﾆ0ﾆ7 /　 /　　＼{　/
　　　　　　　/　|く_/|__| /　 /　|　 |　| ∨
　　　　　　 |　_|＿|　／|_,メk＿,,/|　|　|　　　　　　　　　　将軍。
　　　　　｜/⌒ヽヽ _,.斗+ﾐ　 └く_,,|
　　　　　　　|_|　　 | | └リ　　 ,xヶv'　　　　　　　　　　　 .今年獲れたネギの中に虫が湧いている。
　　　　　　／乂＿,ノ　　　　　　〉' /　
　　　　　　∨　 |　 |:.、　　 , 、　∧　　　　　　　　　　　　.食べると人に害があるから、
　　　　 / 　 /　｜ )>｡,　　／|＼＼Γ「|　　　　　　　　百姓にネギを食べないよう命令を出しておくといい
　　　　 _,/＿_彡'ア　　う千　 |　Г| ＼_|　
　　　／/:/　　　 |＿＿_／　　｀＞x|　/⌒ヽ
　／: ::|:::|　　　　|⌒アﾞ　　　 /:::::/:|└厂　|＼
　〈: : :ｙﾞ:::|＿＿___|／　　　 /::::/ : | └　 /　＼　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /
　　　　では、ネギを食べないよう俺の領内に通達しておこう　　　　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　そして、ひたすら石勒の信を得る事に腐心した。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　彼が助言や予言によって、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .何度となく石勒を助ける様子が『晋書』『仏図澄伝』に描かれている
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　/　　　　 '.
　　　　　　　　　　 §~ヽ{　　　　　 }
　　　　　　　　　　　＼, `　､　　　丿
　　　　　　　　　r‐ う⌒!′　　｀ﾞﾞ ‐＜ _
　　　　　　　　　| 　 { 　　　 γヽ　＿ §　
　　　　　　　　乂_.ﾉ　 (U ) _ﾉ　 j´　　`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,: :＼､/二二二＼　　
　　　　　　　　　　乂_　　（＿_ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i|r : :.}/,ﾆﾆﾆﾆﾆ/∧
　　　　　　　　　　　　｀ー ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八てﾉ{./,ﾆﾆﾆﾆﾆ/∧＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _〕:＼八∧￣＼｀~"''～ ,,_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 /∧i:i:i:/,　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/　:|厂 /∧i:i:i:/,　　　　 ‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 /　　|｀~"''～:i:i:i:/,　　　　　 ‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　|　l　　 |八　 _ - …-ミ　　　　 ‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　|　|　＿|　　/. : : : : : : :‘,　　　　‘,
　　　　　　　　この楊枝を水で濡らしてっと。　　　　　　　　　　　　　　　　　　八￣jI斗fｾﾁ {: : : Y⌒Y: :: }.　　　　 /,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } 　沙　八: : :.乂_乂: :八　　　　 /,
　　　　　　　　ゴルシンゴルシンゴルシン。　　　　　　　　　　　　　　　　.＿＿＿丿　　　　＼: : : : : ／￣ﾆ=- _ 　/,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　_ - …-　/⌒＼＼ハ　　　　　 /i:i:i:/冖''´　￣-=ﾆ_￣ﾆ=-
　　　　　　　　起きろ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣　　＼　　　　＼. 公　　　　 /i:i:i/　八　　　　　　￣-=ﾆ_|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八　　　　　｀`～､、　:|: | . 心　　/_イ.　　/∧::　　　　　　 ‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　｀`～､、　｀¨_)　|／￣　/∧::　　　　　　　　‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　＼　　　　　　 /.i:i:/　/ヘ￣Ll√　　　　./∧::　　　　　　　 ‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒> _.　　　/.i:i:/　/.i:i:/　ー―― ミ　　/∧:　　　　 /,　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八￣-=ﾆ _:i:/　/.i:i:/　　　　　　　＼　/∧.　　　　 /,

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　死んだと思われていた石虎の子石斌を蘇生させた事もある。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　他にも五臓六腑を取り出し洗ったという

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .医術に精通していたような記録が残っている
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　　　/　　　　 '.
　　　　　　　　　　 §~ヽ{　　　　　 }
　　　　　　　　　　　＼, `　､　　　丿
　　　　　　　　　r‐ う⌒!′　　｀ﾞﾞ ‐＜ _　　　　　　　　　　　ヴェエエエ～ン！！
　　　　　　　　　| 　 { 　　　 γヽ　＿ §
　　　　　　　　乂_.ﾉ　 (U ) _ﾉ　 j´　　`　
　　　　　　　　　　乂_　　（＿_ノ　　　　
　　　　　　　　　　　　｀ー ´　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;ｲl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈､|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノﾌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾐ三从;;从|;（;;;;|l;;;;l|;;;（（;;;;;(ヽ乂;;;;;;／ﾉ人､从;;;;;;;;ヽ ∠ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐ二ミﾐ从 ; ;;;;;;ﾞ;;;;ﾞ;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rﾃ'';''iﾞ''ミﾞ　ｲ;;;;{ミヽ∠ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ乏ﾞﾞ从ﾞ ;;ヽ､､_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ﾉﾉ=-ﾞ'''"´彡　　 ';;;;;;ヽﾞ,,', ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜彡l|;;;;;;;l､;}:/;r't;;;)＞| 彡￣""´ 　　　　 |;;;;;;〈 |.|　}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノノｲ;;;;;;之"ﾞ"''"´　 |､　 _,,､:::::　　　　　　 |;;;;;ノﾉﾘ;∠
　　　　　　　　おお！　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ彡l|;;;;ヽﾞ:::::::: 　 j　_,､ -)ﾞヽ::...　　　　 |;;/- /;;/ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l|//l|;;;l~､'､ :::: 　　ﾞ''::ヽ,／　　　　　　　 |（,,ノ;;;ヽ〉ﾐ
　　　　　　　　息を吹き返したぞ！！　　　　　　　　　ﾘﾉｲ;ヽヽ'､　　　｀ﾞ'､l__,,､､､,,_,,　　　　 /　l||;;;;;;;;|∠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"´ﾉ|;;;;｀'-;',　　　　 (t -'''ﾍﾍ)}}　　　　ﾘ　ﾘ;;;;;;;/从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/l|;;;;;;;;ヽ　　　　ﾚ- '''""´　　　　/:::"　{;;;从;;;;;;;;）"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l|l||;;l|;;;;;;;;'､　　　,,､;;''";;￣::　　　,/:::::"　ヽl|ﾘ;;;r''､ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽl |;;;;;;;;;＼　　"　　｀ﾞ　　／::::::"　　　ﾚ',､-ｰﾞ''""ﾞ''ｰ､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／|;;;;;;;', ＼　〈　　　　／　:::::::　　　,､ '´　　　　　　　ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（从l|;;',　ヽ,　ヽ:::ノ／　　 ::::::　,､ '´　　　　　　　　,､ '´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞﾞﾞ''', 　ﾞ'' ｰ '''"　　　　::::／　　　　　　　　　／

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　これ以後、石勒は一族の諸子を仏図澄の寺で養育させたという。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　後年石虎が仏図澄に傾倒したのも、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .息子に起こった「奇跡」を見聞きしたのなら無理もない
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ

::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.　
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､　　
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　ただし、仏図澄の「奇跡」は、
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　確かな知見と技術・経験に裏打ちされたものだろう。
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　　　　人は理解に苦しむ事象を分かりやすい言葉に置き換えてしまいがちだ

　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼　　
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/

i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　＼ヽ{ニニﾆ {｛　 ∨　 } }ニﾆi}/　／　 / }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|h　　　..| ｛iニニﾆ＼＿　_ノ´ニニ}　 i　　　}:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　Ｖ＼　　|　}ニニ_､‐''^~￣　~^'' 　ﾆ}　 |＿_ノ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼｀`　ﾉ_､‐''/　 i　　　`､　　i　｀'＜|_､‐''゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ_ -､/　　　　.{　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉/:::Y　　　　　　　　 i　　　 '， '， '/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈::{:::::(|　i　　　 /{　　　 |ﾊ＿＿|_.　'，'/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　〉:::<^　{＿＿/..{＿＿＿|_,.､-‐- ､＼}} '/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　^"´|／￣ _､‐''　　　　 -‐ー‐- ｀＼}_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |_| 　|_､‐''゛　⌒　　　　ィfう灯㍉､.|)}:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 /=＼ | 　斗ｬそﾃ　　　　ｆ;;;;;;り ''^　|/ﾆ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 {ニﾆ∧　气ﾋr- '^　　　ヽ　　　　　　　 |ニニ}
　　　　　　　　　ジーニアスな気分だ　　　　　　　　　　　　　　 {.ニニ∧　　　　　　　　　　　　　　　　ニﾆﾆ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八.ﾆﾆﾆ∧　　　　　　　　　　　　　　 .ﾆﾆ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.ニﾆ}　　　ー‐-─　　　ｱ　　 /_／　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ ＼ノ込、　　＼;;;;;;;;;;;;;;;;／　　　　　|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　　/. 个　.,　　　　　　　／　　|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　//　　|　　]Iｯ｡,,_　　　　イi{　　　...|　　　
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　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_

　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}　　　　　　仏図澄よ。
　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ
　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　　　　　　お前はこれまで我らのために尽くしてくれた。
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　　　　　 .何か官職を与えよう
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ヽ､　　　ﾏニニニニ＼
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　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　　　　　　｀`'＜ニ=-　　_,＞''^~ 　　　￣~"''＜ニﾆﾆヽ　
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　￣／　 ,　　 /　 /　 />　}:i:i:} `'くﾆﾆﾉ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／/-‐ /　厶- ﾞ　ﾌ }:i:i:}　‘, `'く
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く~"''‐-.{ 　ィ灯⌒ｿ　　 /／:: ::ヽV/　　 ′
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　　　　　いやいや、そんなもんいらねえよ。　　　　　　　　　　　　　！　　　　　　　　　　　丶:＿／　＼　~''ｰ'’

　　　　　ｳﾏ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　　　　　　　 ./i:i:/_ . -‐- 　＼
　　　　　仏の教えを広める許可さえあれば充分さ　　　　　　　　　 .､｀ヽ　　　　　　　　/i:i:/　　／{　_ ...--㍉,　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　　　　　／i:i:/ 　 /::::／::::::::::::::::::::｀`ヽ､　、
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/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒は仏図澄をますます重んじ、彼に物事を諮った後で実行に移した

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
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　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_

　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}　
　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　　　　　　それでは胡乱な邪教の徒と変わらん。
　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　　　　　　仏の教えには指導者を示す地位はないのか？
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ヽ､　　　ﾏニニニニ＼
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　なるほど、そういう考え方もあるか。　　　　　　　　　　　　　　.　　 r‐ '’　　　　　　　　　ﾔ:: :: :: ://~''≪ﾆ＞ｘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！　　　　　　　　　　　丶:＿／　＼　~''ｰ'’
　一応、アタシは弟子や信者から和尚と呼ばれているけどな。　　 ',　　　　　　　　　　 ./i:i:/_ . -‐- 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､｀ヽ　　　　　　　　/i:i:/　　／{　_ ...--㍉,　＼
　それ以外には特にないぞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . {　　　　　　　／i:i:/ 　 /::::／::::::::::::::::::::｀`ヽ､　、
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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　和尚。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　出家して戒律を授かった僧が教えを受ける指導者を指す。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .サンスクリット語を音写して表記されており、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　各宗派で表記や読みが異なり、鑑真和上も意味としては鑑真和尚になる
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　
　　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　
　　　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}
　　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ　　　　　　　　お前が他の和尚より優れているのは間違いない。
　　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ
　　　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ　　　　　　　　これからは、大和尚と称するがいい
　　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈　
　　　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘, ＼　／ニ二二ﾆ7 　 }ﾔ
　　　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　＼{＞''^~ ￣　 {　 /　}、
　　　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　′ ／　　　　ヽ　ﾞ .ノi:i＼
　　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r::Ｖ　 {　　{　　 V/　'/ {　ﾔi:, V/
　　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒ヽ_　　　　　　　　　　　　　 {::/ 　 {　　'⌒`ヽV/　'/　　ﾔi:, Ⅴ/
　　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾞ. '⌒{＼__{＼__　} ＿}､　　ﾔi:,　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:{ _ ／　　 ,x'"⌒ヽ　　ヽ/⌒＼}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！___　　　　（rうﾉ　　　√:::{::::‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　fぅﾉ　　｀"´　　　 {::::::{:::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　「　　　　　　　　 V:圦::ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､__ へ　　　　　　　/7¨´ |
　　　　　　　　　　　　　　　　安直だなオイ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、　＼/＾ヽ　　　 //　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 ` ｰ '　　　／イ. . 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }＼　　 _､＜　 {. . .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }. . う7爪　　　　 {. . . .　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /__　_ .ノ　　　　､､ . . |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ .　-‐ ''^~　 ‘i,　　　　　　　　` ‐`ヽ､

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　石勒は仏図澄に大和尚の号を与えている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　まだ後世知られる高僧への尊称がなかった時代であり、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .仏図澄の布教活動が石勒との信頼関係で成立していたのが分かる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::ヽ
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|　　　　　　　　　おしまい　　　　　　　　　|:::::::::::::|　　ゝ::::|
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ー:､::::::::::ﾍ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::ヘ＿
|________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、

　　　　　　　　＼::::| |:::::::::ィ !{　ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´
　　　　　　　　　　　 | |　　　ヾN ゞｿ　　ゞｿ//　
　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜　　　　　　　　　　　　　　　　　怪僧仏図澄
　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　イ |::::::::|
　　　　　　　　　　　 | |　　　＞-､＼!　 !／::,-＜　
　　　　　　　　　　　 | |　　/´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､
　　　　　　　　　　　 | | 　ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　 | |　 /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　 |　ｰjヽ＼::::::'"::／ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　ヽﾆj　} 　＼:／＼　|:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　〈:| |Ｖ　　　 }>､___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
　　　　　　　　　　　|:!.|:＼　　ﾉ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
　　　　　　　　　　　|:!.|::::::`ー':::/　 /　 |::::|:::::::::::::::::!:::::!
　　　　　　　　　　 |:|_!:::::::::::::::/　 /　　|:::::!::::::::::::::::|::::::|
　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::/　 /　　.!:::::!::::::::::::::::|::::::l
　　　　　　　　　　|::::::::::::::::/　 /　　　 !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
　　　　　　　　　　　!:::::::::::／　 /　　　　|::::::|::::::::::::::::|::::::::!

【第百五回に続く】

新規CAST

～晋～

●崔毖（さいひ）　洪秀英（ヒカルの碁）
●劉遵（りゅうじゅん）　キタサンブラック（ウマ娘プリティダービー）
●劉群（りゅうぐん）　サトノダイヤモンド（ウマ娘プリティダービー）
●王含（おうがん）ブラダマンテ（Fate／Grand Order）
●桓宣（かんせん）　リシュシュー（艦隊これくしょん）
●庾亮（ゆりょう）　セミラミス（Fate/Apocrypha）
●蘇峻（そしゅん）モードレッド（Fate/Apocrypha）

【>>67修正】

　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_

　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}　　　　　　仏図澄よ。
　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ
　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　　　　　　お前はこれまで我らのために尽くしてくれた。
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　　　　　　 .何か官職を与えよう
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ヽ､　　　ﾏニニニニ＼
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　　　　　いやいや、そんなもんいらねえよ。　　　　　　　　　　　　　！　　　　　　　　　　　丶:＿／　＼　~''ｰ'’

　　　　　ｳﾏ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　　　　　　　 ./i:i:/_ . -‐- 　＼
　　　　　仏の教えを広める許可さえあれば充分さ　　　　　　　　　　.､｀ヽ　　　　　　　　/i:i:/　　／{　_ ...--㍉,　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　　　　　／i:i:/ 　 /::::／::::::::::::::::::::｀`ヽ､　、
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【>>68修正】

　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_

　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}　
　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　　　　　　それでは、胡乱な邪教の徒と変わらん。
　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　　　　　　仏の教えには指導者を示す地位はないのか？
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /　
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ヽ､　　　ﾏニニニニ＼
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　　　　　　　r‐-　-‐…‐- 　　 /ﾆ＞ｘ、 V/ニニニニ＼　
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　なるほど、そういう考え方もありか。　　　　　　　　　　　　　　.　　 r‐ '’　　　　　　　　　ﾔ:: :: :: ://~''≪ﾆ＞ｘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！　　　　　　　　　　　丶:＿／　＼　~''ｰ'’
　一応、アタシは弟子や信者から和尚と呼ばれているけどな。　　 ',　　　　　　　　　　　/i:i:/_ . -‐- 　＼
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　それ以外には特にないぞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　　　／i:i:/ 　 /::::／::::::::::::::::::::｀`ヽ､　、
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　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .サンスクリット語を音写して表記されており、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　各宗派で表記や読みが異なり、鑑真和上も意味としては鑑真和尚になる
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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お疲れ様でした。
和尚ってかなり上位の称号だったんですね。

>>73
唐招提寺公式サイトでも、鑑真「大」和上でした。
https://www.toshodaiji.jp/ganjin.html

本貫は揚州広陵郡江陽県、俗姓は淳于氏。
時代が離れすぎていて、死神との血縁関係はわかりません。

乙です～
これは、和尚は殺されると思って逃げたけど石勒にはその気はなかったってこと？
それとも、むしゃくしゃして本当にやっちゃうところだったのかな？
石勒陣営も内部の緊張感ヤバいｗｗ

【「やる夫が正史を書くようです」反省会会場】

　　　　　　　／￣￣￣￣丶
　　　　　　／　　　　　　　　 .|
　　　　　　 |　　-=・=　=・=-　|
　　　　　　 |　　　　　－　　　ﾉ、
　　　　　 /＼＿＿＿＿＿イ,リ、
　　　　　 |ヽ――――――　ヘi!
　　　　　 | 、　　　　　　　　　　　!
　　　　／ﾉ　　　　　　　　　　　|＼
　　　／／　　　　　　　　　　　 .|＼丶　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |,ﾍ＼　 __　-====- _∧
　　／／.|　　　　　　　　　　　　|　　ヽ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |....V　} .ﾊ三三／三_/ ...'、
　／／　.|　　　　　　　　　　　　|　　　＼ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_〉 }/ﾆ＼／≦ﾆ.//....} '、
／／　　.|　　　　　　　　　　　　|　　　　丶ゝ　　　　　　　　　　　　　　＿〈o＞´　＼〈Y〉ﾆﾆﾆ〈ヽ../　}
／　　　 .|　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }／|/　／　　￣￣￣　＼〈　/＼
　　　　 .|　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／　／　　　 |　　　　|　 |//|ヽ
　　　　 .|　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　 /.|　　　　　|　　　　|　 |//|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼/ヘ_|　|　　　 /　　 |　 |＼|//||　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'/|　　｀ヽﾍ＿ﾊ/―　/|　∧ .j// |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {//|《´うx　　　　￣　∨∨⌒ヽ |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V/} 　 vｿ　　ぅ丐㍉　　/・/⌒}　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ぃv 　 ,　　　ゞソ　》　/・/: : :八}/〉
　　　　　　　　　　いい感じの仏像が彫れたぞ　　　　　　　　　　　　　　　　公:.　　　　　　　　ぃv　{・.{: : :/≦ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::〉＼　　r　､　　 __-=ヽ≧ｲ|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __rﾍ/::::/　 }ノ＞――==≦ ／　￣＼　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ヽL｢⊂ヽ　 /　〈../　 /`　/ 　　／⌒＼ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈＼_)_:::/'ﾞノ　／　.:/　　{￣/ 　　 /...| 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､、＿_|i! ＼)/´_ノ／　　　|＿＿,_/＿＿_/.... |/　　　　}

>>42 >>45
石勒視点で見ると段末波君が凄く仕事してくれるというね。

>>48
劉琨に関しては読者の皆さんの反応を見たかった一人でした。
彼のやった事はやらかしもあれど、後世に影響を与えた事も多いので。

>>78
鑑真和上の大和上は日本の朝廷が与えてたはずです。

>>80
幕間冒頭の話は本編で紹介した予知ネタの続きみたいになっていて、
石勒としては仏図澄の予知が外れるかどうか見たかったのでしょう。
それで仏図澄がトンズラしたもんだから慌てて探させたような感じで解釈しています。

【さっきBS見てて思いついた】

　　　　　　　　　　　　　- - ──ー - -､

　　／i　　　　 ,.-‐''"´ 　　　　　　　　　＼　　　　 i＼
　　l　＼＿／　　　＿,,　　　　 ,,＿　　　ヽ､＿／　 l
　　l　　::::::/　　　　━━　　　　　━━ 　　　ヽ:::　　 l　
　　ヾ＿,;;;l　　　, , ,　　　　　　　　　　　　　　 l;;;__ジ　　　　　　何故石勒軍は勝ち続ける事ができたのですか？
　　　　　 |　　　　　　i￣i￣i￣i　　"""　　　　 |　　　　
　　　　　l　　　　　 .￣￣￣￣￣　　　　　　　 .l
　　　　　 ` ､　　/⌒⌒i　　　/⌒ヽ　　　　　 /
　　　　　　　　`/　　　　| 　　| 　　　＼　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　
　　　　　　　　　　　　　　　　弱いからです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　
　　　　　　　　　　　　　　　　臆病だからです　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

※次回（前半分）の投下３/２４（金）の２２：００頃から始める予定です

　　　　　　　　　　　　　　〈∧　　　 _ ,,..　 ..,, _　　　 i⌒'
　　　　　　　　　　　　　　_」」≫''~.::.::.:.::.::.::.::.: ｀`ヽ､l /⌒ヽ
　　　　　　　　　　　 {≧=ｧ'ﾞ.::.::.:.::.::.::.::.::.:.::.:: `丶､:.:＼ｰ‐‐'┐
　　　　　　　　　　　／.::.ｱﾟ.::.::.:.::.::.::,.::.::.::.::.::.､.::.::.:.::.＼::.`､:￣、
　　　　　　　　　　　､'ﾟ.::.: /.::.::,::.::.::.::./L.::.::.::.::.::.`､::.::.::.::.::`､∧.::. ＼

　　　　　　　､`.::.::.::,'.::.::/ .::.::. /⌒`,::.::.::.::.::. ‘,:.::.::.::.::. ∨ﾟ,::.::.::.:＼
　　　　　　　　　,.::.::.::.､`ﾞ.::.::'::.::.::.::,'___　　,.::.::.:}､ ___'.::.::.::.::.::.:.Ⅵ､::.::.::.::.:`､

　　　　　　 /.::. ､`　ｉ{.::.:{.::.::.:´′　　 }.:}.::.}＾＼l{`､il.::.::.::.::.,:.::.＼:.::.::.::.::..
.　　　　　 /.::､`′　ｌ{.::.:{.::.::.::.斗劣ミ j/}:./ 芹ﾃ㍉iﾄ､ .:.::. {`､.::.:.＼.:.::.::.::.
.　　　　　　 /.:,:`:,'　　从.::. ､.::.:｛{ Ｖツ　ﾉ' 　V ツ　ﾘ:: ＼.::.{　 , .::.:}^ヽ :.:.::.,
　　　　　 /.:/{.: {　　　　＼「＼「　 ~´　　′　｀~　从 ::}＾ヽ{ 　ﾟ.::.::} 　ﾟ:,:.::.′　「やる夫が正史を書くようです」第百五回。
. 　　　 /.:/＾乂{　　　　 {.::.::.込. " 　 r　 ┐ 　".仏}}.::}　　　 }.::.:}　　 .::.:}
.　　　　/.:/　　　　　　　　　､::.::{⌒iト　　`　ﾞ　イ　　 }.::}　　　 }.::ﾉ　　　}.::.}　　当スレにおける本編の内容、
　　　　' /　　　　　　　　　＼{　／{i{≧　≦ ｝ }＼__}ノ　　　 .ﾉｲ　　　.}.::,　　.先の展開のネタバレ行為は禁止よ。
.　　　 {｛　　 __,r┐　　　 , ‐七I{!　 V.,　　　 ,　,　厂￣ ~"ヽ　　　　ﾉｲ
.　　　人、／...__}_」　　　 / 　 i.....iﾟ, 　 V ､　 / /　 ,　　　　　　 _r‐ ､　　　よろしくお願いするわね
　　　　　 {....´.___ﾉ‘,　　　　　　l.....liﾑ　　＼_/ /　 /　　　　　,　} 　_{｀`ヽ ∨
　　　　　∧....{--'､__, 　 j{　　厂￣＼__　　`/　 /　　　　　/　 ,　L(`' ､
　　　　　 /∧..乂´　j}　 j{　　 {ニニﾆ人}三二ﾆ=‐- 　 .,,_r'′ ∧　{＾'　　　 }
　　　　　　 ∧......｀¨{　/＾,　／≧ｧ≦ﾆﾆ≧=‐-　-=ﾆ二ﾆヽ　'ﾞ　∨ﾑ
　　　　　　　 l}≧≦∨　 Y≧=‐'---------------‐=≦~}　　　､ j}　　 /
.　　　　　〈｀¨¨¨¨ﾞ`,　 l=ニ！二二ニニニニニニﾆﾆ／} 　 ___,/辷= '＾i
.　　　　　　　｀ﾏ^^^^´ ､∧ﾆ=！二ニニニニニﾆﾆ=／ﾆﾆ}／ﾆﾆ乂竺彡'
　　　　　　　 ∧　　　　Ｖ，ﾆ！二二ニニニﾆﾆ／=ﾆニ7ﾆﾆア　　　/
　　　　　　　/∧　　　　W , =！ニニニニニ／ニニニ7{ニ7 　　 /
　　　　　　　　　､　　 }il∧=！ニニﾆ= イニニﾆ=-r'　＼{　　　 '
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【紀元３１８年５月　晋　幽州　令支】

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　　　　　　　　　　　　 ┌─┴┴─┐　
　　　　　　　　　　　　 │ .段　部 .│
　　　　　　　　　　　　 └─┬┬─┘
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　　　　 ⌒ﾆ￢ｧ'´:.:.:.￣￣｀丶、:.:.:.:.:.:＼　　　 )〉　　　　　　　　
　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶、:.:.:.人　　　　}廴　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　死ぬかと思ったわ。
　　　　　　　 |:.:.:.:.:⌒＼jI斗-ミ:.:.:.:.:.Y:.:.:.:.:.＼__／:.⌒＼　　　　　　　　　　　　　　 j￣￣￣＼
　　　　　　 r┴―-:.:.／ヽ r炸 ∨:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／⌒Y:.:}　　　　 /⌒㍉　　／￣￣:::::::::::::::::(⌒　 .もう二度とやらないわよ
　　　　＿人:.:.:.:(⌒㍉　ﾉ |rﾘ　ﾔ:.:.:|／￣￣¨`'ー＜:./　　　 ∥　　　＿_/／:::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　／ : : ／|:.:.:.:.∨　　′ 　　ﾔ:.┝━o　　　　　　＼　　　∥　／＿／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣〉
　∠　-イ＼|:.:.:.:.:.{　　 j ,, 　 /⌒|:.:.|　　┃　、　　＿___｀丶、|| ／/:::::::::::::::::::::::＿＿::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　八:.:.:.:.:.ゝ　〈 {{` └--|r┴―┸- ∨／: : : : : : : : :У: 〈＼／￣￣⌒｀　　｀`ヽ、:::::::::::::::/辷_――. ._
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　　　　＼__/:.:.:/　　　　∨:.:.:.:.八:.:.:| 人: : : : : ＼: :＼: : ∨: : :/　　　　　　　　　／. . . . {＿　|::/:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:√:::::::::::::::::::::::::::／
　　　　 ⌒}:.:.|　　　　〉:.:.:/　 }:八__　＼_／￣＼/∨〈: : :└ｧ　　　　／(＿__j. . . . . . . . .[__|/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:√:::::::::::::::::::::::／
　　　　　人八　　　　〈:.:.八　ゝｧ/　　人i:i:／⌒ヽ∨|: : : /　　／(_／／⌒^⌒＾⌒^ヽ . . . /|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./::::::::::::::::::::::::/＿＿
　　　　　　＼＼__　　＼:.∧　〈｛　　　　 Υ　　　 |/八: :/　　/　　　　_/⌒＼　　　＼.〈/j:.:.:.:./:.:.:.:.:.∧::::::::::::::::::::::/ : : : :/
　　　　　　　 ⌒て　　　):.人　〈し　　　　‘,　　　∥∨|: | /∨　　　／⌒　　　 ||⌒L厂[/. ./:.:.:./.:.:.:.:.:.∧ ￣｢::::::::::::/＿_:／
　　　　　　　　　　　　　　　　＼(　　　　　　八　　∥　Ⅵ八　　　(￣　　　　　　 ||　　　 └y′.:/:.:.:.:.:.:/ヽ∨.人＿__:::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘，∥ 　ﾔ＼〉　(￣　　　　　 ∥　　　　 j:.:.:.:.:.:.:.:.:／　　 Ⅳ　　／(_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　υ　　　　　　　　∨　　 ∧　| √　　　　　　　 ∥　　　 /:.:.:.:.:.:.／　　　 j |　／: : : _〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /∧　 /i:i:∨/ 　　　　　　 ∥　　　　,:ﾞ.:.:.:.:.:./　　　　　/ 厂: : :√
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ο　　　　　 //　 ∨i:i:i:i:|/　　　　　　　　 ∥　　　 ,ﾞ:.:.:.:.:.:./ 　　　 / /: : :__/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|　　/i:i:i:i:i:,ﾞ　　　　　　　 ∥　　　 /　:.:.:.:./　　　　　/, ′／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|　〈i:i:i:i:i: |　　　　　　　　　 /　　　, ﾞ:.:.:.:.:../　　　　　//⌒^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 L〉γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ▽|　　　　　　　令支へようこそ盧諶殿　　　　　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　＼＿＿＿_/＿／〉　 |:.:.:.:|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i√　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　/　 /　　|　 ∨ Ζ　八:.:八i:i:i:i:i:i:i:i:i:|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　晋　太尉従事中郎　崔悦

　　八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^'，::}
　　　　/. .／￣￣ノ:. :＼:. :.:'，::.
　　　　〉/／)¨¨´:.}:. :＼:. ＼:.'，ﾉ

　　　 /／／.: ./⌒＼＼:. ､:.，＼
　　 .乂__／.:/／ x==ﾐ}/:.:.＼:.:l､:::::＼　　　　　　　　　劉琨殿の件は残念でした。
　　　　. 八込^　　　ノ.:.::|:. :.. :| ＼::::::＼
　　　　　|:. :､::.､Vフ　|.:.: /.:: .:: |　　＼::::::　　　　　　　匹磾は凶賊と言わざるを得ません

　　　　八:. ::.≧=‐≦､／.: .: .:ﾉ　　　＼
　　　　　＼:. .: ノWノ.:.:.:.:／-ﾐ　
　　　　　　　l.:)／个､(.:: ／　　
　　　　　　｢__//::::/:::::|八＼　　　l　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.､＜⌒　 /:.:.:.:.:.:.::.:|.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　//　⌒¨⌒゜ |/,　＼____〕　　　　　　　　　　　　　.　　/／＼/ 　／.:∧.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.
　　　　　八: : : 0: : : : :|//, 　　___|　　　　　　　　　　　　　／　 /⌒¨¨´.:.:./　∨.:.:.:.:|／.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:.:.::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈　　〉.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:|
　　　　　段部　大人　段末波　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::∧　/.:.:.:./:∧.:.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:}.:.:.:.::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:|.:.:.:.:|.:.:.:.:|.:.:.∨.:.:.:/.:.:.::∧.:.:.:.:.:.:.::∨.:{＼.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:|.:.:.:.:|.:.／|.:.:.:.:.:.:.:.{.:.:.:.:. : |.:.:.:.:.:.:. : |.: ＼∨|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:|.:.:.:丁T'''T.:.:.:.:.: ､} ＼___:|.:.:.:.:.:.:. : |＼＿〉:ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:|.:.:.:.:j__{─ｘ.:.:.:.:.:.:{｀""＼|.:.:.:.:.:.:. : |.:.:.:＼__|.:〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|人.:／─Yﾟ~う从ﾊf⌒＾＼|.:.:.:.|.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:〈.:.∧
　　　　　　　　お父様ばかりかお兄様まで　　　　　　　　　　　 .{　二つﾟ ′　{j⌒´つ|.:.::/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:. ∨:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_{　　 }_,)＼ ┌ー￢　 /／.:.:.:.:∧.:.:.:.:.:.:.:.::〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼しヘﾉ＞　/)>｡,⌒..､イ＿___／⌒＞x、.:.:.:.::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿　　/　/ / /::::::/ﾆﾛﾆア´:::::／／⌒＼.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /⌒ハ／./ /:┌/⌒Tヽ:::::::／／／￣　 }.:.:.:.::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　|　　　　 |　/ﾆニ{　　　　 }::::/ / ／　　　 }.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　|　　　　 |　　|￣ V⌒ヽ／∨/{/　　　　　∧.:.:.:.:.:.:.＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　晋　劉琨の子　劉群

　　　　　　 { 　 Y　 {　／／　　　 ≧s｡
　　　　　　 { 　 ;　 /／／｡s≦､　　　　｀ヽ
　　　　　　 {　八 {,'／／　　 /　＼　　＼　＼
　　　　　　　＼　Ｙ／　　　 / 　:.　＼　　 :､
　　　　　 -ミ　＼{　| 　　 :|　　 }　　}＼　　　ﾄ､
　, -=ﾆ　　　　＞{　 |　　　　　　 }　　 } 　ヽ　　 |　＼
../ ィー―≦二ﾆｲ　　　　　 |　　'　　 '　　 }　 _八　　)
´ 　　　　|／＼|　 |　　　　|　/＿ _./　　八´　　)／
　　　　　　|／＼|　 |　　　　|,/　　 /＿／ 'ｨｆ笊ｱ,'　　　　　　　　　　　建康へ？
　　　　　 L＿_イー|　　　 |ｨｆ笊示㍉)／　ﾋｿ |/
　　　　　　 |　　ﾄ「八　　 | 乂ソ　　　、　 |　　　　　　　　　　　　劉琨殿の名誉回復に協力してもらえると？
　　　　　　 |　　 |八ﾙﾐ､　人　　　　　　　　　八
　　　　　　八　.人　｀¨　＼　ヽ　　　　, ，　/ 　ヽ/

　　　　　　　　/＼　　　八＼{　　　　　 ,.'　八(/ /
　　　　　,'　 /〉　　｀¨¨¨¨ミ､:::::::≧::::r---ヘ__〈　 .∨ /
　　　 /／ﾐ､　　　　〈〉　　　 ≧s｡:{ﾐ､　　　､｀ヽ　∨ /
　　　〃　　 }　　　　　　　　　　＼　　 ;} 〈〉}　 ∨ /　　　　　　　　　　　八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^'，::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/. .／￣￣ノ:. :＼:. :.:'，::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉/／)¨¨´:.}:. :＼:. ＼:.'，ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／／.: ./⌒＼＼:. ､:.，＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .乂__／.:/／ x==ﾐ}/:.:.＼:.:l､:::::＼　　
　　　　　勿論です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八込^　　　ノ.:.::|:. :.. :| ＼::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:. :､::.､Vフ　|.:.: /.:: .:: |　　＼::::::
　　　　　お互いにとって悪い話ではないでしょう？　　　　　　　　　　　　　　　八:. ::.≧=‐≦､／.: .: .:ﾉ　　　 .＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:. .: ノWノ.:.:.:.:／-ﾐ　
　　　　　匹磾討伐や舟の都合もあるのですぐにとはいきませんが　　　　　　　 l.:)／个､(.:: ／　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｢__//::::/:::::|八＼　　　l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　⌒¨⌒゜ |/,　＼____〕　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八: : : 0: : : : :|//, 　　___|　

　　　　　　　　　　　　　　 .|:::::＼　　　　　　　　　　　／::::::::,
　　　　　　　　　　　　　 (⌒)::::::{ヽ-～''"¨￣￣¨''-､　　／/:::::::::/
　　　　　　　┌──ﾐY⌒Yノ-------------./___　/:::/:::::::::/
　　　　　　　＼///／/￣/-----～''¨¨¨¨7:: :: :: :＼:::{::::::::/
　　　　　　　　　＼/::/_／／-／　　　　ﾉ:丶:: :: :: ::＼::ノ
　　　　　　　　　　　　/----／-／　　　　／i|:: :: ::}:: :: :: :: :: :.
　　　　　　　　　　------／　　　　／: / |: : ::::}:: ::＼:: :: :::.
　　　　　　　　　　　八___{／　　.. ..-～':: :: /　ﾉ:: : 人:: :: :::＼:: :::.

　　　　　　　　　　　.///{　　／::／: ::＼__/／:: :: /__ノ＼::___::＼:::.
　　　　　　　　 ///八／::／:: ::l:: :: :／:: :: :: /　x==ミ<／>:: ::＼
　　　　　　　　　　////／:／:: ＼____／ー‐‐=彡　ん(_,　Ⅵ:: :: :: :: ､)

　　　　　　　 /--彡／/:: :: :: :: ::|　乂ツ　　　乂ツ　　|:: :: :: :: ::.
　　　　　　　　　　　　:: :: :: :: :: :|　､､　　 '　　　､､,　 |/:: :: :: :: l　　　　 . とにかく今が匹磾を倒す絶好の機会！！
　　　　　　　　　　　|:: :: :: :: :込､　　　┌　 ┐　　　//:: :: :: :: ::|　
　　　　　　　　　　　　　八:: :: :: :: :: :: ＼　　　　ノ　　ノ/:: :: :: :: ::/　　　　　.すぐに軍勢を差し向けます！！
　　　　　　　　　　　　 .////､:: :＼:: :: :: ::'｀≧=-=≦´:::::ﾉ:: ／:: :: //､　
　　　　　　　　　　.//////＼:: ::＼:: :: :'，∧Ⅴ∧_／／:: :: :: ////＼　
　　　　　　　　.////／⌒7＼:: :::＼:: }--〔〕‐‐/／:::／: :: /¨＼////,
　　　　　　　　　 /////　┌'⌒)::＼:: :: : }--个--乂／:: :: ::/／¨⌒i//∧
　　　　　　　 /////_____} /⌒>､: ＼::./--/----/:: :: :: :::/＼＼ }///∧
　　　　　　　　 ///ノ　　八　 /／)＼:: ::)-/　|--八:: :: :ノ/ 　　　　ﾉ＼__∧
　　　　　　 //⌒ノ---ﾐ　'，　　/／／-/.　 L----)八　 7　　　/　___ノ/∧
　　　　　　　 //／ /　　　／_}　　 }八　　)　l|　|l　(　　　　 {　　ﾉ＼　　＼/∧
　　　　　 ///　　　　　 {---､__ノ.　　　 {　l|　|l　 }　　　　乂／---}　　　〉/∧
　　　　　 ///{　　　　　､-／/ 　　　 }　l|　|l　 {　　　　　 }＼-／　　　　＼.∧
　　　　　 ///八　　　　　　 /:::/､______／＼________／＼______ノ}　　　　　　　　 //∧

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.『晋書』『石勒載記』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　段匹磾が太尉劉琨を殺害すると、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　劉琨の配下たちは相次いで石勒に降伏した。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　段末波は弟に幽州の段匹磾を攻撃させた
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年５月　晋　幽州　范陽郡】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　　　もう段匹磾はおしまいだ！
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　　　段末波の軍勢に呼応して幽州へ攻め込むぞ！！
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　　　　　　進めっ！！！

　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､

. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!　
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|　
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼＿／￣￣＼_／|　　　　　　　　　　　　 |＼＿／￣￣＼_／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿|　 ▼　▼ |_／∧彡　　　　　　　　　＼＿|　 ▼　▼ |_／∧彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　皿／ _彡　・＼　　　　　　　　　　　＼　皿／ _彡　・＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　⊃　⊃彡　人.ヽ.）　　　　　　　　　　　　（　⊃　⊃彡　人.ヽ.）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,-(＿)--y"'''--/'''"￣　　　　　　　　　　　　,-(＿)--y"'''--/'''"￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　=≡=（｜石.｜　　ヽ　　　　　　　　　　　=≡=（｜石.｜　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / └─‐┘　　　）　　　　　　　　　　　　 / └─‐┘　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ノノ￣丶　　ｿ　＼　　　　　　　　　　　 /　ノノ￣丶　　ｿ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .（⌒;;／／/ /　　　　＼ヽ＼ .＼　　┣¨┣¨（⌒;;／／/ /　　　　＼ヽ＼ .＼
　　　　　　　　　　┣¨┣¨┣¨（⌒;;（⌒;;《_/　《_/　　　　　　ヽ/ラ丶/ラ　 .（⌒;;（⌒;;《_/　《_/　　　　　　ヽ/ラ丶/ラ

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　また、石勒軍の石越の軍勢がこの機に乗じて幽州へ侵攻

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

【紀元３１８年５月　晋　幽州　塩山】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　　　　　　　　 /＼　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　段匹磾は逃走した模様ッ！！！　　　　　ニ=-
　　　　　　　　　　 {)::::::＼　　__＿＿__　　　,:┐　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　　　　　　　　　　　　{):::::::::::冫:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.｀／:.:.|　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
　　　　　　　　　　 ┌ｎ￢／＿___:.:.:.:.:.:.:.:.:/「):::八｀、
　　　　　　　　　　　 ┌=ナ'⌒:.:.:.:.:.}＼:.￣｀丶:「)::::::::::|:.｀、
　　　　　　　 ┌y:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:／:::/:.:.:/):.:.:.:＼:::::／:.:.:ﾊ　　　　　　　　　,，⌒＼
　　　　　　　　 [|:.:.:.i:.:.:.:.:._,，'’::／:.:.://:.:.j:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.|　　　　　　／　　　　｀、
　　　　　　 ┌√ﾍ ∨:.|＜＿＿／:.:.:.:.く/:.:./:.:.:.:.:.:.|ア⌒¨¨``丶、／＼　　　　　　　｀　　　　　石勒軍まで出てくるとか
　　　　　　　| .| |　|. ∨:.:.:.:.∧:./:.:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼//∧　　／＼　｀、
.　　　　　 /｀ | |　|┐∨∧| И:.:.:.:.:.:.:／∨:.:.:.:.:.:./:.j:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:ﾊ∨∧／　/:.:.丶、＼_　　　　＿__
.　　　　　 |　┘　.ｉ｜ ∨:.:ﾊfﾝ}／}／／　∨:.:.／:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀、:.:.:.| ∨∧　 |:.:.:.:.:.:.:ﾊ　　｀丶／⌒Ⅵ
　　　　　　j 　　 /丿 ,/＼:.:|　　 ⌒苳ｋ,,_j／:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨:.:.|　∨/　 j:.:.:.:.:./　＼＿＼〉　　 |[
.　　　　 ,ﾞ　　　' / ／＼_j八 '　　　弋ツ./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.∨ﾘ　 У　/:.:.:.／　　　　/ 　⌒Y _.八
　　　　　 j_　　イ ⌒＼ ∧　ヽつ　　u |:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|/ .／　 .:.:.:／　　　　／＼／∨ /　|
.　　　　 /　　　丿　　　 V∧　　 >―=≦人:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／)__／　／＼／／　　　　.／　　 /　　＼_.丿
　　　　 ′　　 ,　　　　〉⊥ﾆ=―ヘ |＿　＼|:.:.:.:.:.:.:.:.:.::(＿　／　 }/ﾊ￣＼　　 , ﾞ　　 /
　　　 {　　　 /　　,ｘ≪⌒¨´ 　　　 |///＼__＞―┬―=≦ /　　,//| |:::::::::::＼ /　　　 /
.　　　八　　, ﾞｘ≪ 　　　　　　　 |///////////,＼　　　　　_/／ /:::::::::::::::::∨　　 /
.　　　｀¨¨　　　　　　　　　　　　　　＼＿＼/////// ＞―‐＜／／::::::::::::::::::::::|　　 , ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒＼＿___,,ｘ＜￣＿／::::::::::::::::::::::::::/　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 √:::::::::::::::::::::::::::::::::/_／┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　段匹磾は塩山で大敗を喫している

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年５月　晋　幽州　令支】

　　八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^'，::}
　　　　/. .／￣￣ノ:. :＼:. :.:'，::.

　　　　〉/／)¨¨´:.}:. :＼:. ＼:.'，ﾉ　
　　　 /／／.: ./⌒＼＼:. ､:.，＼　　　　　　　　　匹磾は薊に逃げたそうですよ。
　　 .乂__／.:/／ x==ﾐ}/:.:.＼:.:l､:::::＼　
　　　　. 八込^　　　ノ.:.::|:. :.. :| ＼::::::＼　　　　　ただ、石越殿が戦死してしまったそうで。
　　　　　|:. :､::.､Vフ　|.:.: /.:: .:: |　　＼::::::

　　　　八:. ::.≧=‐≦､／.: .: .:ﾉ　　　＼　　　　　.これは思っていたより長引くかもしれません
　　　　　＼:. .: ノWノ.:.:.:.:／-ﾐ　
　　　　　　　l.:)／个､(.:: ／　　　　　　　　
　　　　　　｢__//::::/:::::|八＼　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦――=-＜
　　　　　//　⌒¨⌒゜ |/,　＼____〕　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|＞゛¨¨¨¨¨¨＞ｓ。　　｀ヽ
　　　　　八: : : 0: : : : :|//, 　　___|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >' ., ´　　.　　　　＞ｓ､　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　/　　　.:i　　　　　　　〈＼　　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　/　　 .:　|　　|　　　　　∨::＼　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　:.　　 .:|　|　　　　 .:　.:　∨乂＼∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　{　　　∧八__::|　　.:　.:　　ル乂X<ﾌ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人 {　:.　∧ｬｔｆ=ｧ:|　 /　/　/レ＼乂X{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｎ＼人　り　　レ'| ,ｲ　/}　∨　｀＜
　昨日の敵は今日の友とはいえ、妙な流れになってきたわね　　　　 |　〈　　　　　ノ'　ﾚイ}　:::∨　　/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　∧　_　　　　　／　∨　 ::∨　　/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|:　＼｀　　　イ　／¨∨　:::∨　　/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|:　　へ..::＜〉¨¨¨///＞‐､　:∨　　/∧

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|:　　　,'　／}}///∨　　　＼::∨　　/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|:/　 /／∨⌒／　　　<>　　＼v　　 /∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| :/　　.ｨ　　 }／　　　　　　　　＼　　/∧

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ただし、戦に参加した石勒軍は大将の石越が流れ矢に当たって戦死。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　彼は優秀な将軍だったようで、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .石勒は三ヶ月の間音楽を止めさせ、平南将軍を追贈している
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年５月　晋　幽州　薊】

　　　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',　　　　　　　　段匹磾様。

　　　　 ,iﾞ　／　　　　　　　＼　ﾞi!
　　　　i!　　　●　　　　●　　　,l　　　　　　　　.また晋人が逃亡しました
　　　　ﾞi,,＊　　（__人__）　　＊,/
　　　　　ヾ､,,　　　　　　　　 ,／
　　　　　　 /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |人>::∧
　　　　　 /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!　　　　　　　　　　　　　 /＼　　　　　 ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <人>＼＿__／:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Ⅵ:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<人>／:.:.:.:.:/:::ﾘ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.｀､:.:.:.ﾊ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:｀､:.:人__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,≫―==彡/::/＿／:::/:.:.:.:.〈/:/　∨:.:.:.:.:.:.:|:.√￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く/ ┌―=≦∠＿＿／:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧￢ト／}/　　　　∨:.／:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:｀、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 ∠__:.:|人:.:{ ,≫￢y　　　-=彡 У:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀、
　　だからと言って、　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 ,，‐┬'’:.:.:.:.＼ヽ弋ツ　　　　 '''／:.:.:.:.::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀、
　　そんな簡単に幽州を捨てられるかっての　　,′ /´　　/:.:.:＼:.:.:.:.:.:.ﾊ ''' 　　　　　/:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.′　|　　 /:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.込、　 -　　 |:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ﾉ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′　 |　 ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.＞　　イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／}∧:.:.＼_ノ〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀､__／ア┘　　|:.:.:.:.:.:.:._＿／⌒＼ `'ー‐彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i 　　 |　 |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ　 ./｀　 ´／|:.:.:.＜/::::/: : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.　　 ├―ﾍ　＼:.:.:.:.:.∧.:.::|　 |'⌒У　八(⌒´::::/: : : : : : : : : ﾆ=┐　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　『晋書』『石勒載記』によると、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　段匹磾は部衆数千を率いて厭次の邵続の下へ逃走を図っていたという。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .それが石越の軍勢に大敗したため、退いて幽州を保ったと
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　　／ア´ : : /:::::::: |: :|::|: |: ＼　 _//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__r[／: : : : :/::::::::: /:.:.|::|: |: : : ＼{_/

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　ア/:/: : : : :／::::::::／: : : /: :∧: : : : : : :.
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | || | | : : ﾄ: :/ |:.:|: : :.:／|:.／　ノ∨: : :|: :| ├‐ . 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／|_||_| |: : /∨｀""j__／　／ ""´　 ∨: :|: :|_｢:.:.|: : :＼
　　　　　　　　　　　　　　／: /: : ﾉ:.|: / 斗r干ト　　　　斗r干ト､|: :/:./:.:.:./|: : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　 /: : : l ／⌒l∧　乂_ツ　　　　乂_ツﾉ|:/:./:.:／:/: : : : : : : .　　　　　末波め。
　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : ＼:.:.∧　〃〃　　' 　　〃〃厶:'／: :./: : : : : : : :.:ト､
　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : : : : : : : ＼:∧　　　　　　　　　　　 /:.／: : : : : : : : : : : : : |　|　　　.来るなら来ればいい
　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : :.＼)h，　　 ´､｀　　　 .ｲ: : : : : : : : : : : : : : :..:.:.|　|
　　　　　　　　　　　　 /|:.. ＼:.. : : : : : : |:.:.:＼)ｈ，　　　　 ,.イ::/: :／: : : .:.:／: : : .:.:.:.:.:ﾉ_ﾉ
　　　　　　　　　　　〈:.|:.:.:.:.:.＼ :.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.|｀|　ｰ‐. . . . |´|／: : :.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.／(＿
　　　　　　　　　　　　　　　　)|:.:|:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.ﾉ :.:.:.: |:.:.| .| . . . . . . . |〈:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{⌒~~~´

　　　　　　　　　　　　 ⌒)人:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:./⌒ソ. . . . . . . 人{:. |:.:.:.:.:/|:.:.:.:.:.／⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒＼:.:.:.) ＼:.:.:./｀¨´. . . . . . . . . ...｀¨乂_ノ八:.:.:./　　　⌒ﾆ=-　_

　　　　　　　　　　　 _　-=ﾆ⌒　　 )ノ　　 )ノ＼＿＿＿＿＿＿__／　　　＼{: . 　　　　　 ⌒ﾆ=-
　　　　　　　　　　 -=ﾆ　　　　　　　 . : : |―――‐ ＼ﾆニ二二二／ ―――|. : : : : : : .　　　　　　　　　＼
　　　　　　／　　　　　　　 . : : :人　　　　　　＼ﾆﾆﾆﾆ／　　　　　 |: :/｀`～､、: : : : : . .　　　　 __　　＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ただ、彼が実際取った行動を見ると、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　幽州刺史として幽州を支配する事にこだわっていたように思われる。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .ここから約一年半の間、薊を拠点に段末波と戦闘を続けるのだから
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年夏の勢力図】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､-' ﾍ
　　　 ,r'｀ｰ-､_;＿,　　　拓跋部　　　　　　　　　段末波　 /´　　/
　　 r'´　　　　　　￣ヽ,　　　　　　　　（段匹磾）　　　 ,r'´　　　r'　 r‐
　　 }　　　　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　　 ,.､＿ﾉ　　　　_"7 /
　　/　　　　　　　　　 r'　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　 'ｰ'´
　 ./　　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 '　　　　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　　　　'ｰ､　　　 r'‐-,_,_ｨ_
　　　　　　　　　　　 } 　　　　　　　　石勒　（邵続）／ヽ＿r'　　　 _r'´
　　　　　　　　　　　 {　　劉聡　　　　　　　　　　r-'´　曹嶷　　　 r'
　　　　　　｀ヽ　　　}　　　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　}'ｰ'
　　　　　　　　{　　 {　　　　　　　　　　　　r　（郗鑒）　　 r'
　 '´｀ー-,　　　ヽ　 /　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　 r'　
　　　　　＼　　 'ｴ＿,.-‐'｀ー―‐'―= ‐'　　　　　　　　　 .,
　￣￣｀ー‐'―'´　　　　（趙固）（李矩）　　　　　　　　　　　>　　　　　　　　
　　　　　　劉曜　　　　　　　　　　　　　　　　(祖逖)　　　,ﾍ'　ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r-v'γ　ヽ　ﾊ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ-v　　　　　　__ゝ､｀{_,､　　　　　　　　【】（）は晋王朝系
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､_　 r'　　　｀,＝-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　(周訪)　　　　　　｀'　r'　　　 {__'ｨ　　}
　　　　　,. -――'´｀ヽ　　杜曾　　 ,　　　　　_,.r'【司馬睿】　 __／｀
　　　　 _/　　　　　　　ヽ　　　　　,/　ヽ　　　ﾉ　　　　　　　　｀^ｰ'｀>　　
　 _ｨvｰ'´　　　　　　　　　Z､　／（王敦）ｰ-,r'　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　 ,. :-:.' ｰ ' ¨ :.ゝ.､
　　　　　　　　　　　　　　 r-‐'´}　　　　　　　{｀ﾍ　　　　　　　　　　} 　　　　　　　　 ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　'ｰ'｀"　　　　　　　｀ｰ' 　　　　　　r､} 　　　　　　　　,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`､｀ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ﾊ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｲﾊ:!:.:.:l:/ i/ ﾉノﾉリﾘハﾘ:!:i:.:.!:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;　　 ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨|:.:.!　　　　　　　　　ﾉ/i/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ!:|　　　　　　　　　ﾉ!/′
　　　　　　　　　　　　劉琨の死から二ヶ月が過ぎた　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヾ!＞ｰ- ´｀-- ＜ｲﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（;;;;;ｿ⌒)￣｀´￣(⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;;=;;/＿_,,､＿/;;｀ソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉;;;;;;;;ｿ:/Ａ.i:ｌ;;;;;;!′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く;;;;;;;;;;;;i;!;;;;;;;;i;!;;;;;ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i､__,,/ 　!､__,,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ'′　 `ｰ'′

【紀元３１８年７月　漢　首都　平陽】

　　　　　　　　／￣｀ー -- 、｀／　ヽ |/ ＼∧

　　　　　　__/　／ ´￣￣｀＞｀Y　　厶,/ﾊ　　ヾヽ
　　　-ｰ:´.:ﾉ／　　　　　／　　 | 　 / 　　 |　　ハ: :＼
　／: : : : :.∨　　/　　 /　　　　l　 /　　　 |　 /　i|: : : ヽ
/: : : : : : : /　　/　　　ｌ　　ート､L__ 粲　|／　__}: : : :/
{: : : : : : :./　　 |　　　 | 　　　ヽ/　　　　´ ￣　.,': : :/
: : : : : : :/　/　_| 　　 |　,ィ示テミﾄ、　　　,ィテﾄ､ﾄ; :./　　　　　　　　　　　陛下。
＼: : : : ｿ /　/ |＼　　!　ヽ　代ノ}　　　　　{ﾍﾉ!. ﾊ∨

　＼: / / 　ヽ|　＼ |　　　ゞー′ 　　　ゞｿ ,' |　ヽ　　　　　　　　　　　お気を確かに
　　　/ ∧　　 l　　　ﾍ　U　　　　　　ヽ　　　 |. ! 　 ',
　／ /　ヽ　 |　　　　{　　　　　　　 __　　　　ハl 　ハ
／ ∨　　　＼.!　　　　',＼　　　　（　ﾉ　　イヽ|／　ﾍ
.　 /　　　　　　|、　　　 ∨!≧ｭ、　　ィ´ 　　 | 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.....-――-..､　　
　/　　　＿ _| ＼　　　! 　　＼￣ｿ｀ト、　　 |_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヾ
./ヽ、　　/::::::::::| 　＼　 | 　　　 ∧ ∧ |　ヽ　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i':.:.:.:.:.; '´￣￣｀ヽ/./
　　ヽ／:::::::::::::|　　　＼ !:＼／ ‐十ｰ | 　　＼.|:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､ｰ一'l　l　l ヽヽ　ヽヾ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､)　/ ﾊ._ｌ　!＿ヽ. ヽヽヽ､
　　　　　　　　　　　　　　漢　皇太子　劉粲　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ﾘﾙﾊ,:::::::::::::::::::/!　lヽヽ-'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　l::::::::::::::::〃l.　!ﾉヽj

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑイ人　っ　　/ ノ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　永明はまだ来ていない？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l lヽ,｀ｰ一'´〃-‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ' ﾉ: :Y: : :ｌ/::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　後事を託さないと　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／: : ﾉl:.／j:::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ヾｰ--'´:::l:／::"r''´::::::::::::::::::＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_.　　　｀,ニﾆヽｌ‐'/'´ヽ､‐-､::::::::::::::/＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿,. :':´｀ヽ､::::::::::｀ｰ-一'::::::／/: /:.:.:.:.:.:/､:::｀ｰ一´:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ､:::::::::::::::／:.:.:|ｰ':.:.:.:.:.:./:.:.l::::::::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　漢　皇帝　劉聡

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　永明は劉曜の字

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　／￣｀ー -- 、｀／　ヽ |/ ＼∧

　　　　　　__/　／ ´￣￣｀＞｀Y　　厶,/ﾊ　　ヾヽ
　　　-ｰ:´.:ﾉ／　　　　　／　　 | 　 / 　　 |　　ハ: :＼
　／: : : : :.∨　　/　　 /　　　　l　 /　　　 |　 /　i|: : : ヽ
/: : : : : : : /　　/　　　ｌ　　ート､L__ 粲　|／　__}: : : :/
{: : : : : : :./　　 |　　　 | 　　　ヽ/　　　　´ ￣　.,': : :/
: : : : : : :/　/　_| 　　 |　,ィ示テミﾄ、　　　,ィテﾄ､ﾄ; :./　　　　　　そ、それが、中山王は丞相任命は辞退したいと。
＼: : : : ｿ /　/ |＼　　!　ヽ　代ノ}　　　　　{ﾍﾉ!. ﾊ∨　
　＼: / / 　ヽ|　＼ |　　　ゞー′ 　　　ゞｿ ,' |　ヽ　　　　　　未だ関中の情勢が
　　　/ ∧　　 l　　　ﾍ　U　　　　　　ヽ　　　 |. ! 　 ',　　　　　　不穏につき離れられないと使いの者が……
　／ /　ヽ　 |　　　　{　　　　　　　 __　　　　ハl 　ハ
／ ∨　　　＼.!　　　　',＼　　　　（　ﾉ　　イヽ|／　ﾍ
.　 /　　　　　　|、　　　 ∨!≧ｭ、　　ィ´ 　　 | 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.....-――-..､　　
　/　　　＿ _| ＼　　　! 　　＼￣ｿ｀ト、　　 |_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヾ
./ヽ、　　/::::::::::| 　＼　 | 　　　 ∧ ∧ |　ヽ　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i':.:.:.:.:.; '´￣￣｀ヽ/./
　　ヽ／:::::::::::::|　　　＼ !:＼／ ‐十ｰ | 　　＼.|:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､ｰ一'l　l　l ヽヽ　ヽヾ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､)　/ ﾊ._ｌ　!＿ヽ. ヽヽヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ﾘﾙﾊ,:::::::::::::::::::/!　lヽヽ-'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　l::::::::::::::::〃l.　!ﾉヽj

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑイ人　っ　　/ ノ /
　　　　　　　　　　　　　　　　何を考えている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l lヽ,｀ｰ一'´〃-‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ' ﾉ: :Y: : :ｌ/::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　石勒はどうなっている？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／: : ﾉl:.／j:::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾｰ--'´:::l:／::"r''´::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_.　　　｀,ニﾆヽｌ‐'/'´ヽ､‐-､::::::::::::::/＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿,. :':´｀ヽ､::::::::::｀ｰ-一'::::::／/: /:.:.:.:.:.:/､:::｀ｰ一´:::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ､:::::::::::::::／:.:.:|ｰ':.:.:.:.:.:./:.:.l::::::::::::::::::::::::::

　　　　　　　　／￣｀ー -- 、｀／　ヽ |/ ＼∧

　　　　　　__/　／ ´￣￣｀＞｀Y　　厶,/ﾊ　　ヾヽ
　　　-ｰ:´.:ﾉ／　　　　　／　　 | 　 / 　　 |　　ハ: :＼
　／: : : : :.∨　　/　　 /　　　　l　 /　　　 |　 /　i|: : : ヽ
/: : : : : : : /　　/　　　ｌ　　ート､L__ 粲　|／　__}: : : :/
{: : : : : : :./　　 |　　　 | 　　　ヽ/　　　　´ ￣　.,': : :/
: : : : : : :/　/　_| 　　 |　,ィ示テミﾄ、　　　,ィテﾄ､ﾄ; :./
＼: : : : ｿ /　/ |＼　　!　ヽ　代ノ}　　　　　{ﾍﾉ!. ﾊ∨　　　　　　　　石勒も大将軍・録尚書事の任命を辞退すると

　＼: / / 　ヽ|　＼ |　　　ゞー′ 　　　ゞｿ ,' |　ヽ
　　　/ ∧　　 l　　　ﾍ　U　　　　　　ヽ　　　 |. ! 　 ',　
　／ /　ヽ　 |　　　　{　　　　　　　 __　　　　ハl 　ハ
／ ∨　　　＼.!　　　　',＼　　　　（　ﾉ　　イヽ|／　ﾍ
.　 /　　　　　　|、　　　 ∨!≧ｭ、　　ィ´ 　　 | 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.....-――-..､　　
　/　　　＿ _| ＼　　　! 　　＼￣ｿ｀ト、　　 |_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヾ
./ヽ、　　/::::::::::| 　＼　 | 　　　 ∧ ∧ |　ヽ　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i':.:.:.:.:.; '´￣￣｀ヽ/./
　　ヽ／:::::::::::::|　　　＼ !:＼／ ‐十ｰ | 　　＼.|:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､ｰ一'l　l　l ヽヽ　ヽヾ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､)　/ ﾊ._ｌ　!＿ヽ. ヽヽヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ﾘﾙﾊ,:::::::::::::::::::/!　lヽヽ-'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　l::::::::::::::::〃l.　!ﾉヽj

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑイ人　っ　　/ ノ /
　　　　　　　　　　　　　　もう一度石勒に使者を。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l lヽ,｀ｰ一'´〃-‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ' ﾉ: :Y: : :ｌ/::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　大将軍への任命を受けるようにと　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／: : ﾉl:.／j:::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾｰ--'´:::l:／::"r''´::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_.　　　｀,ニﾆヽｌ‐'/'´ヽ､‐-､::::::::::::::/＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿,. :':´｀ヽ､::::::::::｀ｰ-一'::::::／/: /:.:.:.:.:.:/､:::｀ｰ一´:::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ､:::::::::::::::／:.:.:|ｰ':.:.:.:.:.:./:.:.l::::::::::::::::::::::::::

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.『晋書』『劉聡載記』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　漢の皇帝劉聡は重病の床にあり、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　劉曜を丞相・録尚書事に任命しようとしたが固辞されて中止となった。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　また、『晋書』『石勒載記』には、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　石勒を大将軍・録尚書事に任命しようとしたが、石勒が受けなかったとある
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　　　　　　　　　　　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿
　　　　　　　　　　　　　　）　　　　　陛下！！　　　　（
　　　　　　　　　　　　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.....-――-..､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヾゝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i':.:.:.:.:.; '´￣￣｀ヽ/./_,ｨｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､ｰ一'l　l　l ヽヽ　ヽヾ'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､)　/ ﾊ._ｌ　!＿ヽ. ヽヽヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘﾙﾊ,:::::::::::::::::::/!　lヽヽ-'
　　　　　　今の世は難の最中。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　l::::::::::::::::〃l.　!ﾉヽj
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑイ人　っ　　/ ノ /
　　　　　　私の亡骸はすぐに棺に入れ、十日したら埋葬するように　　　　　　　　　　　　　　l lヽ,｀ｰ一'´〃-‐､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ' ﾉ: :Y: : :ｌ/::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : ﾉl:.／j:::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾｰ--'´:::l:／::"r''´::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_.　　　｀,ニﾆヽｌ‐'/'´ヽ､‐-､::::::::::::::/＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿,. :':´｀ヽ､::::::::::｀ｰ-一'::::::／/: /:.:.:.:.:.:/､:::｀ｰ一´:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ､:::::::::::::::／:.:.:|ｰ':.:.:.:.:.:./:.:.l::::::::::::::::::::::::::

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　太興元年七月。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　劉聡が死に、息子の劉粲が偽りの位を嗣いだと『晋書』『元帝紀』は記す

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　／　　￣　￣＼／∧　/ﾍ＼
　　　　　 ,　-―￢７　―‐＝=＞ーｰ┤ /ヽ∨/ !ヽヽ
　　　　／　　　　 /　ー-―ｧ''´　　　 l　| ｀｀"´´|　ﾊﾍ
　　　／　　　　　　{ミ､_ 　 /　　　　 l　|　　　　j /　｝!
　　　＼　　　　　／ヾ三三{　　　　＼　ヽ{　粲　 //　　ﾘ
　　　　ヽ、　／　　　勹!　! 　､__　　`ーヾ　　'イ_　〃　　　　　石勒を討伐しなければなりません。
　　　　　　l／ヾ＼　/　,′ l　‐千f天圷　　　　ﾃzｧk/

　　　　　 /　　　ヾ:/　/　　',　　　ゞ-┘　　　　Lｿ/ﾊ　　　　　　再三に渡る命令拒否に
　　　　/　　　 / ∨　ミミﾊ　　　　　　　、　　 {∧　　　　　 .司隷の民の略奪、先帝の遺命にすら従わない。
　　　　/ ＼　　 /ヾ､l　　　　 !　　　　　　　 ′ 　 j │
.　　　/ 　ヾ＼/　　 |　　　 l＼　　　　 _　　 , .ｲｉ:小　　　　　これでは私の治世の障害になりますわ
　　 /　　　　 /ミ: 、 |　ミ≡= l　｀ヽ､　　 ´ 　.ｨ个彡　iﾍ　　
.　 /　　　　 /　　ﾐミ:|　　　　ｌ`ｰ- ､`ｰｫ＜ l彡|　　 |:∧
　/ミﾐ　　 / 　／＾ｰ|　　　　　ｌ　　　ヽ〈　/ｌ｀ヽ|　　 |彡ﾍ
./　　　ﾐ/_,r'´:::::::::::|ミﾐ、　　|　　 /＾∨ｲ　| ::::|: =彡|!　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:''""'':;,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,iﾞ　／　　　　　　　＼　ﾞi!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!　　　●　　　　●　　　,l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi,,＊　　（__人__）　　＊,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､,,　　　　　　　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.新しく皇帝となった劉粲。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　若くして俊傑で文武の才を兼ね備えていたが、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　忠賢を遠ざけて奸佞を近付け、本性は厳酷で恩恵を施さない人物だった。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　飢饉で死者が相次ぐ中で好んで宮殿を建造し、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　酒色に耽って後宮で宴に興じたというから、良くも悪くも父親似なのだろう
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　／　　￣　￣＼／∧　/ﾍ＼
　　　　　 ,　-―￢７　―‐＝=＞ーｰ┤ /ヽ∨/ !ヽヽ
　　　　／　　　　 /　ー-―ｧ''´　　　 l　| ｀｀"´´|　ﾊﾍ
　　　／　　　　　　{ミ､_ 　 /　　　　 l　|　　　　j /　｝!
　　　＼　　　　　／ヾ三三{　　　　＼　ヽ{　粲　 //　　ﾘ
　　　　ヽ、　／　　　勹!　! 　､__　　`ーヾ　　'イ_　〃　
　　　　　　l／ヾ＼　/　,′ l　‐千f天圷　　　　ﾃzｧk/　　　　　　　靳準。

　　　　　 /　　　ヾ:/　/　　',　　　ゞ-┘　　　　Lｿ/ﾊ　
　　　　/　　　 / ∨　ミミﾊ　　　　　　　、　　 {∧　　　　　 . あなたを大将軍・録尚書事にします。
　　　　/ ＼　　 /ヾ､l　　　　 !　　　　　　　 ′ 　 j │
.　　　/ 　ヾ＼/　　 |　　　 l＼　　　　 _　　 , .ｲｉ:小　　　　　石勒討伐の準備を始めなさい
　　 /　　　　 /ミ: 、 |　ミ≡= l　｀ヽ､　　 ´ 　.ｨ个彡　iﾍ　　
.　 /　　　　 /　　ﾐミ:|　　　　ｌ`ｰ- ､`ｰｫ＜ l彡|　　 |:∧
　/ミﾐ　　 / 　／＾ｰ|　　　　　ｌ　　　ヽ〈　/ｌ｀ヽ|　　 |彡ﾍ
./　　　ﾐ/_,r'´:::::::::::|ミﾐ、　　|　　 /＾∨ｲ　| ::::|: =彡|!　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:''""'':;,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,iﾞ　／　　　　　　　＼　ﾞi!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!　　　●　　　　●　　　,l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi,,＊　　（__人__）　　＊,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､,,　　　　　　　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　彼は即位早々、一族の者を何人も誅殺している。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　一方で石勒討伐を目論み、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .外戚の靳準に大将軍・録尚書事とし、軍隊と国家の事を一任したという
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年８月　漢　首都　平陽】

　　　　　　　　　。∴{!　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,ｨ(。
　　　　　＿,ｨ(　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'''´⌒'・
　　　　　,ｨ圭||ｱ　'’　　　　＿_　　　　　　　　　　　　 ,ｨ(＿＿＿_,ｨ∵ 　　　　　　　 ,ｨ(＿
　　　　　炸圭( 　　　 ,ィ升彡　　　　　　　　　　　ノ圭圭圭圭そ　　　　　　　　　。　佳圭心､_
　　　　 ⌒`寸ﾄ､　　 ,{抄'⌒ 　　　ﾉ斧ﾐ､　o　　 ∴炸圭圭圭|iて ',∴ ･　　　　　　　　 _ノ佳佳佳て。
　　　　　　゜　　　　ﾉ/　　　　　 ⌒∴　　・　ﾉ(_ノ圭斥⌒',寸ﾐ､　　　　　　　　',.:,：･'｀¨∵¨¨⌒´
　　　　　,,、　　　／/　　　ノ(　　　　　　　　　/少'⌒ `　　　　　　　..,, _,.｡x≦少"・　　　　　　　,ｨ(＿∴_,：･・
　　π_ノ心､_ノ(,炸||(　　 ,,.,⌒　・っ　　∴ ･　　　　　　　　　　　　　 ;,,ｨ炒⌒;.　　　　c=≠二,ｨ炸圭圭(;''
　　　)圭圭圭圭圭ア　　∴：¨'`　　　`　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',∴ ･　　　　　⌒　寸筵τ'⌒``
　τ｀Ⅷ:圭圭圭圭(_ノ廴　τミx｡、∴＿_　　　　　　　ノ廴_,ｨ炸廴ｨ
　　　)}圭圭圭圭圭そ `⌒'・　　 __,ｨ圭掛x、∵　　　 ,ｨ炸圭少⌒'・
　_,ｨ炸圭圭才寸圭廴｡x:≦少"´⌒''''⌒¨∵¨´　　　　　 ⌒¨¨∵：･　
　　　⌒`寸ﾄ､∴｀寸ﾐ､　∵：･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　`寸そ：¨'`沁っ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:''""'':;, 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　.,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　　　　　　　今の状況で石勒に勝てるわけないでしょ。　　　　　　　.|::l|：･　　.,iﾞ　／　　　　　　　＼　ﾞi!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::l|　　　 .i!　　　●　　　　●　　　,l
　　　　　　　　常識的に考えて　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|::l|　　　　ﾞi,,＊　　（__人__）　　＊,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l|　：･　　ヾ､,,　　　　　　　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l|　　　　　　/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l|　　　　　 /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　ところが八月。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　靳準が劉粲を殺し、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.自ら漢王を称したと『晋書』『元帝紀』は記す。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　『晋書』『劉聡載記』は漢天王を称したとしている
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　 ,;:''""'':;,
　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'

　　';:.:.:.:.. ／　　　　　　＼　':,　　　　　　　　　というわけで、私靳準が漢天王となります。
　 ';::.:.:.:. .　●　　　　　　●　　;'
　　 ';:::.::.:.　　　（__人__）　　　;'　　　　　　　　　.さっそくですが、我々は晋朝に帰順しようと思います
　　　'':;,:.:.:.:.:. . 　　　　　　､:'
　　　 ,;:'':.:.:.　　　　　　　　　 '':,

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　墓暴きしよーぜ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そもそも勝てるわけないし　　　　　　　　　(~)　　　　(~)

　　　　　　　まあいいんじゃねえ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(~)　　γ´⌒｀ヽγ´⌒｀ヽ　　(~)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　王様がボンクラじゃな　　　　　　　　　　　　　　　　{i:i:i:i:i:i:i:i:}（　´・ω・)(・ω・｀　）{i:i:i:i:i:i:i:i:}

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　´・ω)（::::：::Ｕ）（つと:::::）(ω・｀　　）
　　　　　　　　　漢人が騒いでるぞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（::::::Ｕ::：)（　　　´・) (・｀　　　）(：::Ｕ::::::）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とりあえず鎮圧はよ　　　　　し─Ｊ　（l::::○::::）（:::::○::::l）　し─Ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し─Ｊ　　し─Ｊ

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　　　　　　　　 .屠各の逆賊ども！
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　　　　　　私の両目を西門と東門に置くがいい！
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　　　　　相国と大将軍が平陽へ入るのを見届けてやろう！！
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､

. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　≧　　　東宮に立て籠もった漢人どもを討て！！　　　ニ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >‐-　　──　── ､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　': : : : ／!: : : : : :､: : : : : : : : ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l: :--匕ゝl: : : : /`ヾ‐: : :※: : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `l: : /f⌒l　　　　 l⌒ｌ ¨l: : : : l: : : l
　　　いや。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ:/)弋ノ　　　　弋ノっl, イV: : : : ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j: l: {　　　　　　　　　 /: : : : : : : :/
　　　私たちが劉曜と石勒が来るのを期待するのはおかしくない！？　　　　 Vゝ: ゝ､　_ l~ ~ ~ l　/: : : : : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼j＞ｲゝ==─ﾃ)l:/: : : ／l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r─'´　　l:::ﾉ‐'‐''''´　ﾉ＼/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 q＿＿／l<l　　 _／ l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　漢　尚書　北宮純

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.靳準の謀反に平陽は混乱に陥った。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　劉氏の男女は東市で処刑され、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　漢の朝廷にいた晋人たちは東宮に集まった所を靳準に攻め滅ぼされた。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　北宮純が死んだのはこの時の話となる
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

【紀元３１８年８月　晋　司隷　滎陽】

　　　　　　　　　 (~)
　　　　　　　　γ⌒ヽ.　　　　　(~)　　　　♪

　　　　(~)　　 {i:i:i:i:i:i:i:} ♪ 　γ⌒ヽ
　　 γ⌒ヽ　.( ・ω・ ) 　　 (~)i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　　♪　　　李矩将軍！
♪　{i:i:i:i:i:i:i:}　(:(~):::::ヽ、γ⌒ヽω・ ) 　(~)

　　 ( ・ω・ ) γ⌒ヽノ　 {i:i:i:i:i:i:i}:::::::｀γ⌒ヽ　　　　　　　　我ら匈奴一同、
　(( (:::つ::::::ヽ{i:i:i:i:i:i:i:}_) ( ・ω・ ):とノ {i:i:i:i:i:i:i:}　　　♪　　 .帰順の証にかの安禄山も舞った胡旋舞を披露致します！！
　　　〉::とノ:::::( ・ω・ )( (:::::つ::::::ヽ ^ (( ・ω・ ) ))

　　（__ノ^(＿(:::::つ:::::::ヽ　〉::とノ:::::))( (::::つ:::::ヽ　　　　　　我らの腹の中にあるのは赤心のみでございますよ！！
　　　　　　　　〉::とノ:::::))(__ノ^(＿)　　〉:::とノ::::)))　　♪
　　　　　　　（__ノ^(＿)　　　　　　　　（__ノ^(＿)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　∧∨ﾉ{　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　　　厶ﾊ },ノ{　　 |＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　／ /　　｀⌒{　　 |　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ノ/´/￣/ヽ　　　 __{__|_l |　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　|／ ,∠ 　　　　 ∨ ｀ﾄ､│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/＾{__ィｆ笠ミ　　　　 --∨l |ヽ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {（ |　|　　　　　 , 　 '符ぅ} l ∨
　　　　　　　　　　　　　　　判断が遅い　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼|　|　　　　　　　 |＼/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ |　|　　　ｰr‐､_,　　 /|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ /|　| ＼　　￣　　ｨi　|　ﾄ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ //|　|(￣l＼__　　i〔_)|　 |ｌ　|∧　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ //∧│￣￣￣門￣| |　 |l　| ∧　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　／／厶ィ　} |　　　　　{{　　厂￣＼|　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／＼　　＼＼＿＿_{{_／　　　　 |＼　＼　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　晋　安西将軍　李矩

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.『晋書』『李矩伝』に、この事件の顛末がまとめられている。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　劉粲は即位してから昏虐が甚だしかったため、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　靳準が挙兵して劉粲とその宗族を殺し、劉聡の墓を暴いて屍を斬った。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　そして、李矩へ派遣した使者は次のように称したという
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

【靳準さんの言い分＠『晋書』『李矩伝』】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ

　　　　　　　 ,;:''""'':;,　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　我らの主、靳準はこう申していました　　　|
　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'
　　';:.:.:.:.. ／　　　　　　＼　':,
　　;::.:.:.:. .　●　　　　　　●　　;'　　　　　　　　劉淵は屠各の道化に過ぎず、

　　 ';:::.::.:.　　　（__人__）　　　;'　　　　　　　　.大晋の事故の際、幽州・并州で乱を起こし、
　　　'':;,:.:.:.:.:. . 　　　　　　､:'　　　　　　　　　偽りの天命を称し、二帝を虜庭に幽閉して殺すよう命じました。
　　　 ,;:'':.:.:.　　　∫∫　　 '':,
　　　;'::　　　;,　┌─┐　　,; ';,　　　　　　　　　即座に二帝の棺を兵に運ばせる事をお許し頂きたく

　　　;::: 　　　""''':.晋 }:'''"" 　';
　　　':;:;:;:. 　　　,;ニﾉ,, 　　　,;'
　　　　;:::"""''''''''"　　　""'';''"

　　　　;;:::　　　　　｀:,　　　｀:,
　　　;'´　｀"　　　　　;　　　　 :;
　　　:;:;.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,::'',,.,.,.,.,.,.,::''

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　懐帝・愍帝の棺の送還。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　事実上、李矩を介して東晋への帰順を申し出たに等しい

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年８月　晋　首都　建康】

　｛::::.＼::::::::::_;. -‐'　　　／　-‐:::::::: 　∧::::/　∧::.＼::::::ハ
　　＼:::::::ヽ::::ｱ　　　　　/／.::::　 ‐-ミ　　Ｖ　ｊうトミ:::Y:::::{／
　　　｝::::::::∨　-‐　￢く::::::イ　　 =＝ｒく　　　ｱ　}::::::.｀ヽ:/.:.:.:
　　　人:::::::/ _ ,......::::く`　ﾞＹ人〃　　ﾉ　　　　ﾚ /::::＼::::/.:.:.:.:　　
　　（:::::::ミ=＼　,ィ　 __ヽ　∨　ト-‐　　　　 }　ｒ《∧::} ∨.:.:.:.:.:　　　　　　　これも陛下の御威光ですな
　　　　ｰ-ミ三iヽ〃⌒}∧ ∨ ヽ.　　　　 /　 |　ヽ}/∨.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　 ∧ ﾞト-‐ヘ:::::.、>‐-》　　　　　｜　ﾉ　,′.:.:.:.:.:
　　　　　 /.:.:.＼､　　　Ｖ , _ア　　　　_,　　,′　　'.:.:.:.:.:.:.:.:
.　　　　 /.:.:.:.:.:.:.`丶、　｀　 _　 -‐　￣　 /　　　｜:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　　　　／　___　　 r―‐-　.　＼
　　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　/　,......::::７　　　/　　　　.|:.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　　　 /　／r┐`ー'＾ゝ'　 o ＼
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　　　/　　　　　|_ 　-‐…　　　　　　　 /ｏ｀¨ （｀Y´) r‐==ミヾ `､
　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　　／　　　　 |:::::::::::::::::　　　　　　 : 　 r‐'ｒ‐ヘ〈〉　|⌒ト　∨ ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　|〈　|{7´　ⅥＬﾉ|＼|_厶 }|oﾟ | 　`､
　　　　　　　　　　　　　　晋　驃騎将軍　王導　　　　　　　　　　　　　　　 .|　|く( |{∧___{⌒´ 〉'^⌒^i:}|_,ノ　　`､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ∧ﾟ oﾄ〃⌒＾ｰ.　　´´│〔　〕　 |＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　∧__/ 「 ´´ 　　 __ 　 |　{f}f}、 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ｉ　〔　〕人　　＜　ノ　.ｲ: / 　 |＼
　　　　　おだてても何も出ませんよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ^|　/f}f}＼〈＼　 __ ／ :|/..┐ :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　 |:∧　 |＼∧ '.辷____,,..彡'|=|'|/
　　　　　すぐに懐帝と愍帝の棺を迎える手筈を整えましょう　　　　　　　 ./　＼|＼__,f‐|「∨ 　//´|=|ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐=ﾆニr'⌒ー┐ .厶斗ir｡ﾆﾆﾆﾆﾆ=‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ﾆﾆﾆﾆﾆｒｆ＼｀二V´｝ﾆﾆﾆﾟir｡ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾆﾆ＼ﾆｒｆ∧ 　｀マ,ﾉ_,.ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ%ﾆ/ﾆ/ニﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 //}ﾆﾆﾆﾆ%｡o 〉　　}::/____)｡o％￢冖'＾∨ﾆﾆﾆ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 ,.:.:/ﾆﾆ｛:∨ﾆﾆ｝￣｀V7∧ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽﾆ/ﾆ|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　晋　皇帝　司馬睿

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　李矩より報告を受けた司馬睿は、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　太常の韓胤らを派遣して二帝の棺を迎えようとした

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●平陽
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○襄陵

,,‐''''´´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,!　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　
　｀、　　　　　　　　　　　　　 /黄　　　　　【河東郡】　　　　　（　　　　　　　　　　　〉　　　　朝歌○　
　　　',　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､　　　　　　　 /　　　　　　　　
　　　 ',　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､　　　 _,,,,,,-‐'′【河内郡】　　　
　　　 ',　　　○粟邑　　　　　　/河　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀‐-‐´　　　　　　　　　 ,-‐'´
　　　　　',　　　　　　　　　 / 　　　　　　〇安邑　　　○垣　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,-‐'i´ ○酸
　　　　）　　　　　　　　 ,'　　　 ○解　　　　　　　　　　 ,,,..-‐- ､,,,_　　　　河橋　温　　　〇懐_,,,-‐'´　　｀-､
　　　 ,''´　　　【馮翊郡】　　 ,'　　　　　　　　　　　　 ,,／　　　邙山▲ -､,,_　○　○ ＿,,,-一'´　　　　　　 l　
　　　 '、　　　　　　　　　　　ｌ ○蒲阪　　　大陽○,,-‐'´　　　　【河南尹】　洛陽○河陰~´　　成皋　○滎陽　　　!
ヽ,　　）　　　　　　　　　　入　　　 _,,,,...-一'´〇陝　　　○十三里橋× ○　　〇偃師　　　○　　　　　 ○
　　｀~´　渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○　　　　　　　新安　　　　　 ○　　〇緱氏　　　▲　　　　　　中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´　　　　　 ○華陰　　　　弘農　　　 ○　　　　　○宜陽河南　＿,,..-‐- ､嵩山○轘轅　　　.,,-一
,--‐‐'^´　　　　　〇　　▲　　　　　　　　　　　澠池　　　　　 ○　　 (´ 　○輪氏　｀､　○密　 ,／
〇長安　〇隠盤　鄭　華山　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新城　　｀`'''‐-､,,_　　　｀‐-‐'''´´　｀~~`ヽ､
　○覇上　　　　　　　　　　　　　　　　【弘農郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ○梁　 _,) 　　〇陽翟　　　　　　
　【京兆郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,,_　　 ,ィ´　【潁川郡】　　　 ○許昌
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　一大事ですッ！！　　（

::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　　だが、靳準の望みが叶う事はなかった
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/

i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/

【紀元３１８年８月　漢　司隷　襄陵】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ﾄ､/ |ィ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.'´￣｀ヽ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.イ{､｡ 0 ｡ﾉ-ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,--}_f‐r‐ｧV__　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ⌒ヽ　　乂(__ﾉ_〈 - {,ノ´ﾉノニ=-_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／fﾆ''ヽ､ィﾆﾆ／≧==く⌒'＜二ﾆ=--　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿

　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　〈=γ´:::⌒≧s｡.,_⌒7ヘ＿二ﾆ=-‐　　　　　　　　　　　　,.イi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:彡'
　　　　　　　　　　(＼ト､ /{　　　{ :{　　/7'^＼::::::::／{　　｀ヽ'´　　　ノ/ﾊ　　　　　　　　　　　,ｲi:i:i:i:i:i:i:＞ー‐‐''"
　　　　乂＿＿ノ）_〉　｀　　`ーヘ＼ヽ//　／＼::{ﾆ乂__,::　-‐‐ｧ=彡ｲi:ｱ　　　　　　　　　　/i:i:i:i:i:iア´

　)￣｀ヽ､　｀ヽ､　　￣｀ヽ､￣＼-=ミ //ｰ/_,′　ト.，⌒ヽ　＿ノヘイi　　　　　　　　　　　 /i:i:i:i:i:／
)￣｀丶､｀`丶､＼⌒＼⌒＼￣＼ .//＼⌒ヽ　ﾍ二ﾆ=ﾆ二二二/／　　　　　　　　　　 /i:i:i:i:ｱ
￣｀`ヽ､｀`丶､＼＼　 ): : : ): : : V/＼　＼ト．ﾉ-f⌒Y¨¨¨¨ﾆ=/-､　　　　　　　　　　,ｲi:i:i:i:ｱ
￣＼／＼￣￣＼＼)⌒: : : /: : ://: : ::)/⌒)⌒ヽー_二ﾆ=-‐…Ｖ ∧-=ﾆ¨¨¨ﾆ=- ､／i:i:i:i:i:/

　＼{;;;;:::::∨⌒ヽ: : : : : : : : : : : ://: :　　　: : : ／⌒＼:: : : ::_:_:_:_ﾉ}　 }二ﾆ=-￣　　-=ミ､i:i:/
亥亥ﾑ:::::::::}〕ト｡　　〈-=ﾆ二::::::://: : :　　:　: /￣`Y´￣7-=ﾆ二: :ﾉ ,人ﾆ=-　　　　　　　 ∨
::..￣｀ヽー‐‐f⌒ヽ＿^ｰ=ミ::::: :// : : : 乂__　{　　　}　(_）^Y-=ニｱ／　＼ﾆ=-　　　　　｀ヽ､
::::::::...　＼ｰ八　　V￣）:::::Vﾆ//ﾆ=-　:　:　:ﾊ＿_ノ(_)ソ⌒ヽｰ=彡ヘ　　 ∨ﾆ=-　＼　　　＼
:::::::::::..　＼＼　ゝ-ｲ￣ヽ::::::∨/二ﾆ=-　　 ∧(_)　ノ⌒ー-=∨　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
::::::::::::::::...　＼(　∨ﾊ　　{:::::::| |寸二ﾆ=-　癶乂_ノ　　ｰ=ﾆﾆ|　／≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　
乂::::::::::::::＼　）,.ｨ∨ﾊ　 Y:::::| |::::寸二ﾆ=/　 )ﾍ/,V;;::..　ｰ=ニ|'　≧　　　　石勒軍が東より接近しています！！　　　　ニ=-
　}:::::::}::::＼::∨fｼ_人:ﾊ　}l:_::| |_;;;;;;＼二ｱ__／　V∧;;;::..　ｰ=ﾆ|　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦　
ノｲ:::ノ:::＼:＼）ー=彡∧j{ﾆﾙ.| 刈ﾆ=-‐＜::...　　V∧;;...　ｰ=ﾆ|　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼　
　乂い:_:_:＞´::::::::{　(__)/{ ﾊﾘ/´　: : : :　　￣＼::::Y∧;;:::..ｰ=「」コ　／//::-=ﾆﾆ二ｱ::::::::::::::三二ﾆ=ﾘ

　　　｀ヽ､;;;;;;;;;::::::::､　|　|ﾊし'/　　..: : : :/￣＼　＼|＼＼;;;:::　{`'＜///{-=ﾆ二彡ー-=＿::::三二ﾆｱ＼

　　　　　 `､;;;;;;::::::::ゝ|　|{　〉ﾊ　..::::;;;;;;;;;;-=ミ　＼ |　＼　＼:::ト　　｀¨´ヽ-=ﾆ／　　　　≧=--=彡. . ::＼
　　　　　 `､;;;::::}::::_:(⌒)ノﾆi|　:::::;;;;;;;;;-=ミ｀`ー |　　　ヽ　ヽ〉二ﾆ=-=ニｱ:::::::＼　　　　　　　＼
　　　　　　　 }::::::{/⌒Y::}刈ﾆﾊ　::::;;;;;;;;{-=ミ｀`ー‐|　　　__＞'´}三三二ﾆア:::::::::::::::::
　　　　　　　f^　乂_ノノﾊﾆﾆﾆ　 ::::;;;;;;トミ　｀`ー-フ¨￣ﾆﾘ　ﾊ三二彡'ﾞ: : : ::::::::::

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .ここで石勒が動いた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『石勒載記』によれば、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石勒は靳準の乱の一報を受けると五万五千の兵で襄陵へ進軍。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　襄陵は平陽から汾水を挟んだ東方に位置する
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　 (~)
　　　　　　　　γ⌒ヽ.　　　　　(~)　　　　♪

　　　　(~)　　 {i:i:i:i:i:i:i:} ♪ 　γ⌒ヽ
　　 γ⌒ヽ　.( ・ω・ ) 　　 (~)i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　　♪　　　　石勒将軍！
♪　{i:i:i:i:i:i:i:}　(:(~):::::ヽ、γ⌒ヽω・ ) 　(~)

　　 ( ・ω・ ) γ⌒ヽノ　 {i:i:i:i:i:i:i}:::::::｀γ⌒ヽ　　　　　　　　　我ら羌族一同、
　(( (:::つ::::::ヽ{i:i:i:i:i:i:i:}_) ( ・ω・ ):とノ {i:i:i:i:i:i:i:}　　　♪　　　　帰順の証にかの安禄山も舞った胡旋舞を披露致します！！
　　　〉::とノ:::::( ・ω・ )( (:::::つ::::::ヽ ^ (( ・ω・ ) ))

　　（__ノ^(＿(:::::つ:::::::ヽ　〉::とノ:::::))( (::::つ:::::ヽ　　　　　　　 .我らの腹の中にあるのは赤心のみでございますよ！！
　　　　　　　　〉::とノ:::::))(__ノ^(＿)　　〉:::とノ::::)))　　♪
　　　　　　　（__ノ^(＿)　　　　　　　　（__ノ^(＿)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.........:.:::ll:::.:.:.:.:.....:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ＿＿ /~ゝ､::::＿＿___ .:.:.:.:.:.::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::∨//.会目会 Y///∨-､.:.:.:::::;::::ゝ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:::::∨/∧,目ゝ,////∨ゝく::::::::/::::〆..`‐-　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..,ィチ:} l (_jゝ=ﾆi目/ム=＝ (_ )( _ｿ:::::::/:::..　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 .. ＜　::::::::::::| tー ( ( Y⌒) ) )ｿ　-‐＝‐」::::::/:::::::.......　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　:::::::::::::::{ rｰ＝＝ﾐ'ｰ彡ｨ-三二￣ヽ.:::::::::::::::::::::::::.:.:.:
　　　　　ひとまずここで様子を見るか　　　　　　　　／................::::::::::::::ム.ﾍ弋竺ｧゞY ヒ"ﾞtァﾃﾐ ,-ﾍ:::::i::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　::::::::::::::::::::::::::::Y⌒ヽﾍ:::　.:.:.| ﾞ'´ }:.:.:.￣　 {　,込:.ﾍ::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 i　::::::::::::　_ 三＝{ !{｀王ﾍ::: .:.:.|　....ヽ:.:..　　人|i王}::ゝ丶ー ‐--
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 {　::::::::::∠　＿＿ゝj`王::∧ :.: ゝ:.レ′ 丶　　l王!::::_::::::.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ -‐≠込　 :::人　　　 _　ﾚi｀王::::∧ 'r ‐‐-- ､　 :.:.∧}王|:人｀ ‐ ...＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨチ　/´　　　＞ ..　 `‐ _〆//lﾍ_〉ｰ'::::::ﾄ, :.:.￣.:.:.: 　　 |　ﾞ　 }:.:... `＜＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　弋　　　　　　　￣　 ∨　ゝ__ ﾉ`':.:.l ｉ　 :::　　　　∠ゝ _.ノ:.:.:.:.＞´　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く _　　ゝ　＿＿＿　　 -〆 . . : : : : . :.:.:.} ゝ＿＿／.:.:.:.:..　＞' ´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　 r ‐-､　　　　＞'´　: : : : : : : : ::::〈　:.:｀ ;:.:.:.:.:.:.　＞ ´ 　　　

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　襄陵を拠点とした石勒軍は、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　羌と羯の集落四万余戸を降伏させている。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .靳準は数度に渡って攻撃するも、石勒軍の堅壁の前に失敗に終わった
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

【紀元３１８年８月　漢　雍州　長安】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.;'"~⌒'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ⌒ヾ`'"~
＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ _,.,_,人⌒`'"~　　　　　　　(⌒'"~
　　::::／|`⌒',=-　　　,_ _,. .､-ー'"~⌒ヽ⌒';ζ　　　　　　~"`'ー- 'ﾍ.,_,.ソ^ヽ.,ヾ､.,__ソ^`

￣￣|　:|`'"~　　　　　　 ~"'^(.,_,.ノ'"~`ヾ.,_ソ'
: : : : |　:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
: : : : |　:|n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n

: : : : | n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n
: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
: : : : |:| : : : ＿＿＿＿ _: : : : : : : : : : : : : :_.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,._ : :＿＿＿＿ : : : ＜　　　靳準謀反ッ！！！　　　＞
: : : : |:| : :/＿＿＿＿/_|: : : : : : : : : : : : :.[二][二][二];| /__________/_ヽ.: :　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(

: : : : |;|ｺﾆ|| ,＿＿＿||,||ﾆiﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆi|;;;;;=====;;;;|;;| ||　　　.||　||ﾆﾆ　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
￣￣.:￣7||'＿＿＿_||,||..ﾉ囮￣￣品品7.|;;;;|　　　|;;;|;;|.|￣￣￣"|￣| ﾉ皿皿￣￣卅
￣7. :―. :￣7. :―. :￣./＿＿＿＿＿/. :￣7. :―. :￣7.￣￣￣7￣　
￣￣￣￣／＼-. :／￣￣￣￣￣／]￣7. :―. :￣7. :―. :￣7. :―. 　　　
￣￣￣￣＼／| -[|三三三三三|]／| :―. :￣　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　　　　　　　　　　　-=ニ　　　　　　皇帝陛下を殺害しました！！！　　　　　　≦
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.　　　　　　　　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ　
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　一方、劉曜は靳準の乱当時長安にいた
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′

　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

【紀元３１８年１０月　漢　司隷　蒲阪】

　　　_人_ 　　,....::'´::::::＿＿_ノヽ

　　　｀Y´,イ´::::::::::::／::::::::; -,ゝ'´ヽ､　 _人_
.　　　 f::､/:::::::／::::::;　'´／､　　　ヽ｀Y´
　　　　 !く｀::／Y）／:::／ヽ.　｀ヽ、　 ',＋
　　　　 l::::＼ミ／:::／　l　　ヽ　ヽヽ.　 ',
　　　　ヽ＿;ゞ!::::/　l　.l　　ヽヽ　ﾊ. lヽ. ',
　　　　　　　　l ｀´ l　l　ﾊヽ　 ! ,ｨﾃﾊ.r┐. ',
　　　　　　　ヽヽヽ,rﾃ示゛'´ヽヒソｌ)ﾉヽヽ
　　　　 _人_　　｀ｉｰf ヾVソ　, 　　ﾉ´､　ヽヽ
　　　　｀Y´_人_ l /｀ｰヽ、　 r ヽ／　　ヽ.　ヽヽ ._人_
　　　　　＋.｀Y´/,-―――｀ｉｰ':::/｀ｰ―- .、　ヽ｀Y´　　　　　こうなった以上、私が皇帝になる以外ない！

　　　　　　／￣~｀`ﾆヽ／Yf）'´‐'l'｀´/;┬')、、ヽ
　　　　　,／ヾ､l::ヽlく::::::/┐r''´:::＿!:l:/`'´ヽ/ヽヽヽ　　　　　.石勒には大司馬・大将軍・趙公に封じると伝えておけ！！
　　　,..::'´::::::::::::::Yヽ´:｀/　／:r‐､斗'::lヽ::::::::::::::::ヽヽ｀ヽ

　r::'´:::::::::::::::::;-/ ｀ヽ::::! /:;＞'｀´､/:::ヽ:::ヽ:::::::::::::::ヽヽ　｀
　l::::｀ヽ::_;　'´ ,i'::l:::!:/:):/':´:/:::/:::/:::::/::/　ヽ::::::::::::::ヽヽ
　|::::::::::::l　/　/ヽｰ┘)O:::ヽｰ-､/:／／! ヽ. ヽ,ゞ'´:::::::ヽ｀

'´|::::::::::::l /／,／l:::::::::):::::::::ヽ::::::/:::/l　ヽ ,._／:::::::::::::／ｰ
-ﾊ; 一'´:ヽ／／{＿__:O::::::::::ヽ::!::/　l,...:'´l:::::::::::::::／ｰ-､

-ヽ:!::::::::::::ヽ´　⊥/_◯`ｰ‐┬-､/ /´:::::::::ヽ_人_´＼ヽ　ヽ
　 ,ﾊ:::::::::; -ヽ､/::Yr､｀ー―ヽ_／´ｌ:::::::::::::::::｀Y´,）　））
' ´（ l::／ﾆヽ)'）:::l::`'::::::::r:'´r/　 _ﾉヽ__;＞'´ 　ヽ､_l （／
┬ 、｀ヽ-､,）'/:::::l::::::::::::::l/｀ヽくl'))〈ｰ-､　)ヽ`ー- ､ヽヽ＿

　　　　　　　　　　漢　皇帝　劉曜

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.十月。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　劉曜は長安へ逃れてきた胡人・漢人の支持を受け蒲阪で皇帝に即位。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .自ら黄河を東へ渡ると同時に、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　配下の軍勢を汾水の北へ展開させている
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○平陽
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○襄陵

,,‐''''´´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,!　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　
　｀、　　　　　　　　　　　　　 /黄　　　　　【河東郡】　　　　　（　　　　　　　　　　　〉　　　　朝歌○　
　　　',　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､　　　　　　　 /　　　　　　　　
　　　 ',　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､　　　 _,,,,,,-‐'′【河内郡】　　　
　　　 ',　　　○粟邑　　　　　　/河　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀‐-‐´　　　　　　　　　 ,-‐'´
　　　　　',　　　　　　　　　 / 　　　　　　〇安邑　　　○垣　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,-‐'i´ ○酸
　　　　）　　　　　　　　 ,'　　　 ○解　　　　　　　　　　 ,,,..-‐- ､,,,_　　　　河橋　温　　　〇懐_,,,-‐'´　　｀-､
　　　 ,''´　　　【馮翊郡】　　 ,'　　　　　　　　　　　　 ,,／　　　邙山▲ -､,,_　○　○ ＿,,,-一'´　　　　　　 l　
　　　 '、　　　　　　　　　　　ｌ ●蒲阪　　　大陽○,,-‐'´　　　　【河南尹】　洛陽○河陰~´　　成皋　○滎陽　　　!
ヽ,　　）　　　　　　　　　　入　　　 _,,,,...-一'´〇陝　　　○十三里橋× ○　　〇偃師　　　○　　　　　 ○
　　｀~´　渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○　　　　　　　新安　　　　　 ○　　〇緱氏　　　▲　　　　　　中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´　　　　　 ○華陰　　　　弘農　　　 ○　　　　　○宜陽河南　＿,,..-‐- ､嵩山○轘轅　　　.,,-一
,--‐‐'^´　　　　　〇　　▲　　　　　　　　　　　澠池　　　　　 ○　　 (´ 　○輪氏　｀､　○密　 ,／
〇長安　〇隠盤　鄭　華山　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新城　　｀`'''‐-､,,_　　　｀‐-‐'''´´　｀~~`ヽ､
　○覇上　　　　　　　　　　　　　　　　【弘農郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ○梁　 _,) 　　〇陽翟　　　　　　
　【京兆郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,,_　　 ,ィ´　【潁川郡】　　　 ○許昌

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ

::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.　　　
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､　　
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　.乱勃発から二ヶ月ほどの間で、
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　靳準は石勒と劉曜の軍勢に追い詰められた形だ
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/

i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　

【紀元３１８年１０月　漢　首都　平陽】

　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'　　　　　　　　　卜泰殿。
　　';:.:.:.:.. ／　　　　　　＼　':,
　　';::.:.:.:. .　●　　　　　　●　　;'　　　　　　　　　石勒と和睦したいので使者をお願いしたい。

　　 ';:::.::.:.　　　（__人__）　　　;'
　　　'':;,:.:.:.:.:. . 　　　　　　､:'　　　　　　　　　　石勒が喜びそうな天子用の車馬や衣服も持たせるから
　　　 ,;:'':.:.:.　　　　　　　　　 '':,

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / （0)(0）ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　￣｀´￣　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　,-）　　　　（-、.|
　　　　　　　　　　　　　　　分かりましたっていう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l　＿＿＿＿　l |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀ ⌒´　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､-='l　＼_,ﾝ g< ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ＼　└〆＼ i=i|＼' ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　i　　＼　＼=i|　/ 　i|

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .ところが、ここから話がややこしくなる。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　当初、靳準は石勒と和睦するべく侍中卜泰を使者として派遣した

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

【紀元３１８年１０月　漢　司隷　襄陵】

.　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　 / （0)(0）ヽ
　　　／　￣｀´￣　＼　　　　　　　　　石勒将軍。
　　　 |　,-）　　　　（-、.|　
　　　 | l　＿＿＿＿　l |　　　　　　　　靳準は将軍との和睦を望んでいますっていう
　　　　＼　｀ ⌒´　／
　　 ,､-='l　＼_,ﾝ g< ＼　　　　　　　　　天子の車馬・衣服一式も献上致しますっていう
　/ ＼　└〆＼ i=i|＼' ＼

丿　　i　　＼　＼=i|　/ 　i|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.........:.:::ll:::.:.:.:.:.....:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ＿＿ /~ゝ､::::＿＿___ .:.:.:.:.:.::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::∨//.会目会 Y///∨-､.:.:.:::::;::::ゝ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:::::∨/∧,目ゝ,////∨ゝく::::::::/::::〆..`‐-　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..,ィチ:} l (_jゝ=ﾆi目/ム=＝ (_ )( _ｿ:::::::/:::..　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 .. ＜　::::::::::::| tー ( ( Y⌒) ) )ｿ　-‐＝‐」::::::/:::::::.......　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　:::::::::::::::{ rｰ＝＝ﾐ'ｰ彡ｨ-三二￣ヽ.:::::::::::::::::::::::::.:.:.:
　　　　逆賊に選ぶ道などないぞ。　　　　　　　　　　／................::::::::::::::ム.ﾍ弋竺ｧゞY ヒ"ﾞtァﾃﾐ ,-ﾍ:::::i::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　::::::::::::::::::::::::::::Y⌒ヽﾍ:::　.:.:.| ﾞ'´ }:.:.:.￣　 {　,込:.ﾍ::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　劉曜の下で裁きを受けるがいい。　　　　　 i　::::::::::::　_ 三＝{ !{｀王ﾍ::: .:.:.|　....ヽ:.:..　　人|i王}::ゝ丶ー ‐--
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 {　::::::::::∠　＿＿ゝj`王::∧ :.: ゝ:.レ′ 丶　　l王!::::_::::::.:.:.:.:.ヽ
　　　　連れて行け　　　　　　　　　　　　　　_ -‐≠込　 :::人　　　 _　ﾚi｀王::::∧ 'r ‐‐-- ､　 :.:.∧}王|:人｀ ‐ ...＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨチ　/´　　　＞ ..　 `‐ _〆//lﾍ_〉ｰ'::::::ﾄ, :.:.￣.:.:.: 　　 |　ﾞ　 }:.:... `＜＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　弋　　　　　　　￣　 ∨　ゝ__ ﾉ`':.:.l ｉ　 :::　　　　∠ゝ _.ノ:.:.:.:.＞´　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く _　　ゝ　＿＿＿　　 -〆 . . : : : : . :.:.:.} ゝ＿＿／.:.:.:.:..　＞' ´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　 r ‐-､　　　　＞'´　: : : : : : : : ::::〈　:.:｀ ;:.:.:.:.:.:.　＞ ´ 　　　

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.『晋書』『劉曜載記』によれば、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　石勒はやって来た侍中卜泰を捕らえ、そのまま劉曜の下へ送った。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　結果的にこれは失敗に終わるため、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .『晋書』『石勒載記』は石勒を擁護するような不自然な記述をしている。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　ここでは『劉曜載記』の記述を採用しておく
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

【紀元３１８年１０月　漢　司隷　蒲阪】

　　　　　　　 /tYT:::::::、::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　　l:::::::,::::::::, ィー―-- 、:::::ﾉ

　　　　　　 /:::::::!,イヽ}'::::, ィ ':/^　´ヽ
　　　　　 ./::::::::/ ＞ ' ´:::::::::ノ　ヽヽヽ
　　　　　/:::::::/／:::::::::::,.　'´从ヽ,.ヽヽ l ､

　　　　　＜::::/ヽ=- イ .l　ヽヽイ,ｭ.､∨l.! l　　　　　　　　　　.あなたが石勒から送られてきた卜泰殿か。
　　　　　　　/ .! l　l.__ヽ_l_､　〉'f{ﾋ:ﾊｿ, ', .l

　　　　　　　!　l .!´.',yt示､　　｀'"´ .ll .', .ヽ　　　　　　　　　ちょうど良い機会だから、
　　　　　　　从', ヽ　ヽゞ='　 '　　　 !从',　.ヽ　　　　　　　　平陽へ戻って私の言葉を靳準に伝えてほしい
　　　　　　　　 l Ylヽゞヽ. 　　 '` 　,ｲ､ l ﾊヽ　ヽ
　　　　　　　　ﾘ//! lヽヽ.ﾞ, =t-- ' .ﾘ.　!从ﾄヽ　ヽ
　　　　_, .., ノﾉ/l　j--／::::∧:ゝ_ｲ::∧:Yﾊゝ-､ヽ　)
　　／::::::::::ヽ´ﾉゝ'／::::::::/:::::Y┘'┐::',ﾘ　!::::::ゝ｀.Y
　 /::::::::::::::::::::｀ヽヽ:::::::::::/:::::::::ﾌl__l¨::::/　 l:::ヽ、::::l
　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::＞ﾐ::./:::::／ヽゝ- ' , .ノ､:::::::/::ﾘ

　　＞､:::::::::::,.　'´:::::::::::＞､　　, ｀''' "ヽ::::.ﾊ:::〈::ﾉ:!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / （0)(0）ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　￣｀´￣　＼　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　,-）　　　　（-、.|　　
　　　　　　　　　　　　　解放してもらえるのですかっていう？　　　　　　　　　　　　　　　 | l　＿＿＿＿　l |　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀ ⌒´　／　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､-='l　＼_,ﾝ g< ＼　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ＼　└〆＼ i=i|＼' ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　i　　＼　＼=i|　/ 　i|

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　問題は、蒲阪に到着した卜泰へ劉曜が持ち掛けた提案にあった

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　 -=ﾆ二二二二二二二二二二二二≧=-
　　　　　　　　-=ﾆ二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ}
　　　　　　　-=ﾆニニ二二二二二二二二ニニニニニﾆ=-

　　　　 -=ﾆニﾆ=-≦γ⌒ヽ }ﾍ三三≧=--=ﾆニニﾆ=ノ
　　　　　-=ﾆﾆ=-≦{ {ﾆ乂　ﾉ }ﾉ三三三三三三三三ﾉ
　　　　　{=-≦三三ゝ'三三三三三三三三三三＞'´ ｀｡

　　　　　ゝ〈三三三-=≦ﾆ二二ニﾆﾆﾆ=-　ﾍ　　　　　ﾟ｡
　　　　　　　Y≦ニニ二二二二ニﾆ=-／　　ﾟ｡　　　　　｡
.　　　　　 /ﾆﾆニニ二ニニニﾆ=-／　 |　　　｡　　　　　ﾟ
.　　　　　　　-=ﾆニニニニニﾆ=イ　　　 |',　　　lﾟ｡　　　　｡
　　　　　　 /　-=ﾆﾆﾆ=- イ　 l.　　　 | | 　 | |_ ｡　　　　ﾟ　　　　　　先帝の治世は人倫が乱れていた。
.　　　　　　 i　　 / 　ﾄ､　　ト--ヽ　　　l'.| 　 | |　lﾟ
.　　　　　　 | 　ｉ　　 .l　ヽ__l__　　＼__ |.从___/__:!ﾍ　　　　　　　　　　靳準は伊尹・霍光の権を行使したに過ぎない。
　　　　　　　乂　|　　.∧く　{ﾉ笊｀　　　　´{ﾉ笊ﾉ ∧　　　　ﾟ｡
.　　　　　　 /ヽi　 ./ (ﾍ.　乂ソ　　　　乂ソ　/ﾉ∧　　　　ﾟ　　　　.靳準が大駕を迎える忠誠心があるのなら、
.　　　　　　　/　　　 !/ヽﾍ　　　　　　i}　　　　 /／/∧　　　　ﾟ　　　 .政治を靳準の一族に委ね、私が祭祀を行おう
　　　　　　/　　　　////}::::::.　　　　　　　　　 /::ｉ ///∧　　　　ﾟ｡
.　　　　　 /　　　　/////::::::::ヘ　 - ､ o ＿_ .／:::::∨///∧　　　　｡
　　　　　/　　　　/////:::::::: ＜￣　ー＜　　｀　､::::∨///∧　　　　　＼
.　　　 /　　　　/////{:::／　　/ー -- ､＼ノ　　｀　＜////＼　　　　　＼　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　 /　　　　∧/// イ　　.ノ　／＜／ゝノ　　　　　　｀ヽ///,＼　　　　　＼　　　　　　　 |　　　はい？　　　 |
.　　　l　　　　///／　　　　ゝイ　＞'　ｘ＜＞. 　　　　　　 >‐､//＼　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿乂
.　　　| 　　／/≧=-　　　fく:::::::::ゝ-イ　　7´::::::::::::7¨¨T　／ﾆニ∨//,＼

.　　　|　 /.//二二二≧x'//＼::::::::::::! 　/::::::::::::／///／ﾆ二二ﾆ∨/// ＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　劉曜は卜泰を介して、靳準へ自分に帰順するよう促したのである

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年１０月　漢　首都　平陽】

.　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　 / （0)(0）ヽ
　　　／　￣｀´￣　＼　　　
　　　 |　,-）　　　　（-、.|　　
　　　 | l　＿＿＿＿　l |　　　　　　　　　　……以上が劉曜からの伝言ですっていう
　　　　＼　｀ ⌒´　／　　　
　　 ,､-='l　＼_,ﾝ g< ＼　　　
　/ ＼　└〆＼ i=i|＼' ＼

丿　　i　　＼　＼=i|　/ 　i|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:''""'':;,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;　　／　　　　　　　＼　　::::;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;　　　●　　　　　●　　　:::;
　　　　　　でも、劉曜の母親と兄貴殺しちゃったしなあ　　　　　　　　　　　;　　　　（__人__）　　　　 ::,;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀: : 　　　　 ,丶‐､､_　::::::､′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､''"｀｀｀゛''':､;.　: : .,:'　　:::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,:'　｀ヽ､、　　｀｀'｀｀　　　　:::::;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　　　_｀丶　　　　　　　、　::::'．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : "-､- ‐″: ｀'、、: : : .,,.．｀　　::::.ヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.何故劉曜がこのような真似をしたのかは判然としない。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ただ、当時の劉曜軍は、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　東の趙固・李矩、西の南陽王・長安政権残党と戦闘を繰り返していた。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　『晋書』『石勒載記』には
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　劉曜軍が疲弊していたとあり、自軍の損耗を避けた可能性が高い
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

マジで？

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (~)　　　　(~)　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(~)　　γ´⌒｀ヽγ´⌒｀ヽ　　(~)　　　　　　　　これは神対応
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒｀ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}（　´・ω・)(・ω・｀　）{i:i:i:i:i:i:i:i:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　´・ω)（::::：::Ｕ）（つと:::::）(ω・｀　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（::::::Ｕ::：)（　　　´・) (・｀　　　）(：::Ｕ::::::）　　やっぱ劉曜様も思う所あったんだな
　　　そうと決まれば一安心　　　　　　　し─Ｊ　（l::::○::::）（:::::○::::l）　し─Ｊ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し─Ｊ　　し─Ｊ

　　　　　　　　　　劉聡様と劉粲様はバカ殿だったよね
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　WBCのMVPはチェコ代表
　　　　　劉曜様は四世紀の大谷

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (~)　　　　(~)　　　　　　　　文と武の二刀流
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (~)　　γ´⌒｀ヽγ´⌒｀ヽ　　(~)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒｀ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}（　´・ω・)(・ω・｀　）{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　
　さすがに土産なしはあかんやろ　　（　　´・ω)（::::：::Ｕ）（つと:::::）(ω・｀　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（::::::Ｕ::：)（　　　´・) (・｀　　　）(：::Ｕ::::::）　　　じゃあ靳準殿を殺して降伏する？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し─Ｊ　（l::::○::::）（:::::○::::l）　し─Ｊ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し─Ｊ　　し─Ｊ　　　　　　　　　　　　そうだな
　　　　　　誠意は言葉ではなく首

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　えっ？　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:,:　　　　　　　　　　 :(::)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒''⌒) :,,゜　　　　　 '　　　　　　　　 ,,,,,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(:::::::::::::::!'　　　　　　　　　　　　　　　　 (::::::)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::';'''　　　　　　　　　　　　　　　　　''~~　　。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 τ'::/ .;:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 )/
　　　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　'　　、　　　　　　　;:　。

　　　　　　　　　　　　f''`⌒(　　　　　,,,,　　　　　　　　　　　　　　　!:(',,,,　　　　　　　　　　　　　　::,,,,,、...
　　　　　　　　　　　　,!,,,、(　　　　　/::　　　　　　　　　　　　　　ノ:::::::::::::::::)　　　　　　　　　。　!::::::::::`!　、
　　　　　　　　:.、　　　　　　　　　　!:::(　　　　　ﾉ::`!　　o　　(::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　(:::,,;,;,、; 。
　　　　　　　　　　　　　゜　　　　　(/　　　　　　⌒ 、　　　　;::::::::::::;;.;~~''
　　　　　　　　　　　　,,、..　　　／/　　　ノ'　　　　　　　　　/／'''~~　　　　　 ..,,.. _,,,.、　　　　　　　　　　,, ...:　..
　　　　　　　　　　 /;::::::::(,.,.(;;;::::(　　 ,,.,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;,;;( ):::::;.　　　　c::── '＾'''::::::::::;'
　　　　　　　　　　):::::::::::::::::::::::::::/　　'''''　　　　　　　　　　　　　'`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒　; !.:::τ''　
　　　　　　　　　　!::::::::::::::::::::::::::::)／,,,,,　　　　　　　　　　　　　　　　　 :'~~~:
　　　　　　　　　　(::::::::::::::::::::::::::::冫 ~~~　　　、,:'::::::`:::,,,,　　　　　　　 !:::::ノ
　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ｰ''''　''''''''"

　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::';''

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ただ、劉曜の言葉は靳準に味方した人々を動揺させるに充分だった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　彼らは靳準を殺害し、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .その従弟に当たる靳明を尚書令に推戴
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年１１月　漢　司隷　蒲阪】

.　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　 / （0)(0）ヽ
　　　／　￣｀´￣　＼　　　　　　　　　　劉曜様。
　　　 |　,-）　　　　（-、.|　　
　　　 | l　＿＿＿＿　l |　　　　　　　　　　靳準の首と伝国六璽をお持ちしました。
　　　　＼　｀ ⌒´　／　　　
　　 ,､-='l　＼_,ﾝ g< ＼　　　　　　　　　　御検分をっていう
　/ ＼　└〆＼ i=i|＼' ＼

丿　　i　　＼　＼=i|　/ 　i|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_..　-====-　　　...__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..　ィ升ニニニニニニニニニﾆ=a
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈二二二二ﾆ=＝＝＝=ﾆ二二二ア
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ‐f升ニニニニニニニニニﾗ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　斗=ﾆ二二二二ア~￣￣`〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀Y升ニニニニﾆ＞く　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛ニニニﾆ≧'’　　l'" }　　　`　人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ｧ=f爪Ｌ...,ﾄ､__{_jヒﾉ＿}､　}　｀Y´
　　　　私が神璽を得て帝王となれたのは、あなたのおかげだ　　　　　　　{　 l　灯仍k　　灯仍ｋ｝ j　.从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　!　､ヒリ　　､ヒリ　j厶 '　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｝ト　とつ　.　,　とつ　　　　ﾟ｡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｝　　个　‐ｯｪ.r＜,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　〃ヽ只／　ヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.平陽にあった伝国六璽を劉曜に献上してしまった。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『劉曜載記』には、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　劉曜が伝国六璽を得て大喜びした様子が記されている。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　一見、劉曜が靳準の乱を首尾よく鎮圧したように見える
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　(~)
　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ　
　　　　　　　.　{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　　　　　　　り、じゃなくて皇帝陛下！
　　　　　　　. （´・ω・｀）　　≡(""
　　　　　　　(mへ◎へm)　("⌒("　　　　　　　石勒軍が平陽に迫ってきました！！

　　　　　　　　/_,/>ノ、　　（⌒("≡
　　　　　　　〈/")/_ノミ　　 ≡≡(⌒　　　　　　.どうかお助け下さい！！！
　　　　　　　（_/^~　　　(⌒(("⌒;;

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ--,y__―――ー､ __ ,.　'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ{ノﾉ´＿＿＿_,.. ､_, _ ,〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r ' ｨ'-　''　''ﾔー '''' " ､　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /∠,..　- '　´/!ﾊ∨　｀ヽ＼　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /∨ﾞ　/ 　 /　　/ l　 !.N　　ﾊ .＼　　ﾊ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　/::ゝ、./　　/　　/! 从 |　',　　　∧　＼　 ∧う.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::lｨ　 !　 ./!| .!l l .ﾄ、.',　　　∧　　ヽ　∧ ﾉ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　ノ::::::::::::::::::从l　l{:}､ !-l￣tf｀ヽ〉　　 .∧　　　ヽ ∧　　ヽ　,　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧::::::::::::::::::::::! l r'´　　　ﾁ示ｬ､､´ヽ　　 ∧　　　 ',　ヽつノrノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　/:::::::｀ー　-- ∧ l　　　　　､{ﾋ::ｼ,ゞ　.〉　　 ∧　　　ヽ　ヽノノ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::イY^∧ﾍ　　　　ﾞ"　　 ∠ゝ　　 ∧　　　　ヽ　ヽ、ノ_
　　　　　　　　　　　何？　　　　　　　　　　　　　　　!::::::::::::::::／/ィ::::::::ヽヽ　　　　 ,.　' ´ ,人ヽ　　　ヽヽ　　＼　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ::/｀ー'',"__ ,.　'´::／ヽ　ヽ　　ヽ　ヽ　　 .＼-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `丶､:::::::::::::::::::ﾉ/::::／l::::::::::::::::イ/::´ヽ｀ヽ＼　　ヽ　｀ヽ　　 `
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`丶､::./／/ .ﾘ:::::,.　'´/ /::::::::::/:ﾊ　 `丶､ヽ　　`丶､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｨ/ /／::／::::/:/ /::::::::::::l::､:lﾞー'´｀ー‐-｀､　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::Y::/:/::/:::::::::! ::l:::l:::::::::::::ﾉ:::::::＼::＼::::::::::::::::ヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:::::ﾚﾍ::::::!:::::::::::!::::l__l-- ､::|:::::::::::::::＼::ヽ::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ/::::l_',.!:::::::::/´::::::::::::::::ﾊ!l:::::::::::::::::::＼::ヽ:::::::::::::::

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　これに石勒は激怒した

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年１１月　漢　司隷　襄陵】

　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::::ヽ　　 l:::::l　　!:::|. 　 l:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::ﾍ　　 l:::::|　　;::::|.　　}:::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',::::::ﾍ _ 」::::L _/:::::}.　 ,'::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ゝ::::/:.:.:.:.:.:.:.:.:: ＞' ､/ :::;'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠:::::iﾚ:::.:...　　　　　..:.:.::ヽ/

　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 .:.::ﾞ::::.:.:.:.:..　　　　.:.:.::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.........:.:::ll:::.:.:.:.:.....:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　 / ＿＿ /~ゝ､::::＿＿___ .:.:.:.:.:.::::∧
　　　　　　　　　　　　　　 {::∨//.会目会 Y///∨-､.:.:.:::::;::::ゝ､
　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:::::∨/∧,目ゝ,////∨ゝく::::::::/::::〆..`‐-　_
　　　　　　　　　　　　　　..,ィチ:} l (_jゝ=ﾆi目/ム=＝ (_ )( _ｿ:::::::/:::..　　　　　＞､　　　　　　　 .劉曜め。
.　　　　　　　　 .. ＜　::::::::::::| tー ( ( Y⌒) ) )ｿ　-‐＝‐」::::::/:::::::.......　　　　　　ヽ
　　　　　　　／　　　:::::::::::::::{ rｰ＝＝ﾐ'ｰ彡ｨ-三二￣ヽ.:::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.....　　　　ヽ　　　　.小賢しい真似を
　　　　　／................::::::::::::::ム.ﾍ弋竺ｧゞY ヒ"ﾞtァﾃﾐ ,-ﾍ:::::i:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:...　　 ∧
　　　　　　 /　::::::::::::::::::::::::::::Y⌒ヽﾍ:::　.:.:.| ﾞ'´ }:.:.:.￣　 {　,込:.ﾍ::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.....　　 |　　　平陽の靳明に
.　　　　　 i　::::::::::::　_ 三＝{ !{｀王ﾍ::: .:.:.|　....ヽ:.:..　　人|i王}::ゝ丶ー ‐--　_　::::.:..　　 |　　　靳準殺害の件を詰問しろ
　.　　　　 {　::::::::::∠　＿＿ゝj`王::∧ :.: ゝ:.レ′ 丶　　l王!::::_::::::.:.:.:.:.ヽ ‐-) :.:　　　∨
　　_ -‐≠込　 :::人　　　 _　ﾚi｀王::::∧ 'r ‐‐-- ､　 :.:.∧}王|:人｀ ‐ ...＿＞'´　　　／
ｨチ　/´　　　＞ ..　 `‐ _〆//lﾍ_〉ｰ'::::::ﾄ, :.:.￣.:.:.: 　　 |　ﾞ　 }:.:... `＜＿＿　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　)　弋　　　　　　　￣　 ∨　ゝ__ ﾉ`':.:.l ｉ　 :::　　　　∠ゝ _.ノ:.:.:.:.＞´　　　　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿　
く _　　ゝ　＿＿＿　　 -〆 . . : : : : . :.:.:.} ゝ＿＿／.:.:.:.:..　＞' ´　　　　　　　）　　　　御意ッ！！　　　　（　　　
　　)　 r ‐-､　　　　＞'´　: : : : : : : : ::::〈　:.:｀ ;:.:.:.:.:.:.　＞ ´ 　　　　　　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.恐らく石勒は、劉曜が逆賊に与した卜泰を誅殺すると考えていたのだろう。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　劉曜に先んじて平陽を攻略したいなら、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　自身が卜泰を使って靳準を降伏させれば終わった話なのだから。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　それをしなかったあたり、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　この時点では表面上にせよ劉曜を立てる気はあったと思われる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　＿.,. -‐- ....､
　　　　 x≦〃〃／ミﾐミﾐミ､
　　　／ﾉノﾉ〃ヾ⌒彡ミミﾐミﾐ､
　　/ミﾐﾙ'　／＿＿ヾ彡ミﾐミﾐ､.

　　{ﾐ'''´ 　 {∠仡孑　　`ヾﾐﾐ毛刈
　　';ﾊ, ｀〕､ Yミ　　　　;::::　∨ソYﾊ　　　 x≦￣ア´　　　　　　将軍、まずい事になりました。
　　 }:( くﾂ1 | っ　　　 {:::　　　ｰりﾘ　／ :::::::／:::::
　　ヾ:ヽ ,ﾉヾｰ'⌒ヽ　ヾ　　 Y￢从〃:.:.:.／:::::::::::　　　　　　.平陽の靳明がこちらの使者を斬り捨てました。
　　　｀ヽ { √￣~｀ヾ　　　　 Y ヾﾘ ||:.:／ :::::::::::::::
　　　　　沁ヾ　⌒　　　　　:／　　 /∧:::::::::::::::::::::::　　　　　　如何致します？
　　　　　ﾊ　　r::.......,..::／//　／:::::::::≧=＝＝＝
　　　　　　 '､　{///,／///　＞'ﾞ´:::/:|幵幵幵幵
　　　　　　｀T¨¨´///＞'ﾞ´::::::::／:ﾆ|幵幵幵幵
　　　　　 ,.．-―∨　　／::::::::::::／ :三圦W幵　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.........:.:::ll:::.:.:.:.:.....:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:::::ﾍ　　　
　　　／/////::∧／::::::::::::／ :::三三/八幵　　　　　　　　　　　　　　　 / ＿＿ /~ゝ､::::＿＿___ .:.:.:.:.:.::::∧　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::∨//.会目会 Y///∨-､.:.:.:::::;::::ゝ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ:::::∨/∧,目ゝ,////∨ゝく::::::::/::::〆..`‐-　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..,ィチ:} l (_jゝ=ﾆi目/ム=＝ (_ )( _ｿ:::::::/:::..　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 .. ＜　::::::::::::| tー ( ( Y⌒) ) )ｿ　-‐＝‐」::::::/:::::::.......　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　:::::::::::::::{ rｰ＝＝ﾐ'ｰ彡ｨ-三二￣ヽ.:::::::::::::::::::::::::.:.:.:
　　　ならば俺が逆賊を皆殺しにしてやろう。　　　　　 .／................::::::::::::::ム.ﾍ弋竺ｧゞY ヒ"ﾞtァﾃﾐ ,-ﾍ:::::i::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　::::::::::::::::::::::::::::Y⌒ヽﾍ:::　.:.:.| ﾞ'´ }:.:.:.￣　 {　,込:.ﾍ::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　平陽へ進軍する。　　　　　　　　　　　　　　　　　.i　::::::::::::　_ 三＝{ !{｀王ﾍ::: .:.:.|　....ヽ:.:..　　人|i王}::ゝ丶ー ‐--

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 {　::::::::::∠　＿＿ゝj`王::∧ :.: ゝ:.レ′ 丶　　l王!::::_::::::.:.:.:.:.ヽ
　　　冀州から季龍の軍勢も呼び寄せろ　　　_ -‐≠込　 :::人　　　 _　ﾚi｀王::::∧ 'r ‐‐-- ､　 :.:.∧}王|:人｀ ‐ ...＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨチ　/´　　　＞ ..　 `‐ _〆//lﾍ_〉ｰ'::::::ﾄ, :.:.￣.:.:.: 　　 |　ﾞ　 }:.:... `＜＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　弋　　　　　　　￣　 ∨　ゝ__ ﾉ`':.:.l ｉ　 :::　　　　∠ゝ _.ノ:.:.:.:.＞´　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く _　　ゝ　＿＿＿　　 -〆 . . : : : : . :.:.:.} ゝ＿＿／.:.:.:.:..　＞' ´　

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒は平陽攻撃を決断

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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. . ...　.::::..　.　.　.::　:　:..　.　...　:::　:::..　... .. .. . ...　...　..::. .. .　..　.　..　.:::::　::　:.　...　.:::::　:...　.　.:::
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　: ﾞﾞ"'ｰ-､,, ..::::）　　　ﾉ::::::........　.　.::::::... .... ..:::::::｀⌒ :::::::::....::::::........　（　　　　　::::::::

　: : : : : : : ｀（（　　 ,,,;）..::::::::::::::::....::::::........　.　.::::::（;;､(,,,　　　、::::::....::::::..）　　　ﾉ:::::... ....:::::::::
: : : : : : : : 　　　）　ﾉ　　､.. .. . ...　.::::..　.　.　.::　:　,,）　　　　(　::::　::　（（　　 ,,,;）　:...　.　.::::　..　.
　: : : : : : : : （ _　⌒) 　　`ｰ（　　　　　 .. .. . ...　..（　(　　　　,;;.　..　｀⌒）　ﾉ　　.. .. . ...　...　..::. .. .　.
　　　　 : : : : : 、:（　(　　　　: :）　　　ﾉ　... .. .. .　　ヽヽ　 ,,ﾉ　..　..::. .（ _　⌒) .　..　.:　:::..　... .. .. . ...　.
　　~~^^;:;:'',,,,.....=)　ﾉ-;;;;;~~^（（　　 ,,,;）^^~~~~~^^"'''~）　）)　　^^'',,~~~~~（　(　''＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　"^　 )ﾉ　　　　　　）　ﾉ　　.,"'`',（　　　（,, （　　　　　''.,,.....=)　ﾉ-':　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
. ...　.::::..　.　.　.::　:　:..　.　...　:::　:::..　... .. .. . ...　...　..::. .. .　..　.　..　.:::::　::　:.　...　.＜　　　　大変です！！！　　　　＞

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ!´￣｀`i''ー─- ､､､,,_
　　　　　　　イ三二二ﾆﾆﾆゞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　j〉　　　」´￣￣｀`ー-､ヽ　　　　.,.:,..:.. 　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　... ,...　　　　　　　　　　　　　　　｀`ｰ─'"´ ￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　,ィゞ　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. ... ,...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-
　　　　　　　... ,... 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　... ,... 　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　　　　＿, 　-─‐- ､ー‐-､ー-､　　;: ;:;: :;:;: ; ;　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　　　　　　　　,ｲ､,r'⌒ヾ　　　　ヽヾ｀`''ー- -､-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; 　;: 　.　　　　　　　　　　　.,.:,..:..

　　　　　　　　　　　 ,r/　 (::;;:;:;;/ー-､　　j　 `,　　　＿ /ィ´　　;:; :;　;:; :　;:　　　　　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　　　　　　ヽ「i''ー'"´　　 ,r-‐'ー''''"´￣

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.

: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　靳明は迎撃に出たが石勒軍の前に破れ、
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　 .以後城門を堅守して野戦を行う事はなかった。
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′　　　　　　　　　　.この戦で二里に渡って死体が転がっていたと『晋書』『石勒載記』は記す

　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿　　　　　　　　　　　　　　　,,（（彡从((彡;;;;彡彡彡彡,､;;',､"
　　）　石勒軍の増援が！！　（　　　　　　　　　　　　　　　,r'"ｲヽ从从〉从//从从彡彡ｰ彡彡彡;
￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣　　　　　　　　　　　　|（（;;;;从ijj|从〉/从彡彡;;;彡彡彡彡彡
　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼　　　　　　　　　　　　　　ミｱミ从ﾐ十ン＜<ヽ{（ヽ从三三三;;三|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（(~ﾐミ三ii从ﾐ三ﾐ);| ヽ三;;;;三ミミミミﾐ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'=三((（（（从iii」（ヲ''~￣'''ヽ~;ヽ~'　ｰ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾇ彡tヽ,=マ~;（;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ii;;;;L;;;;＿

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (彡''~＊｡;ﾘ⌒' ､; ;;;;;;;;;;;;;ノ";;ﾉ''|;;;;;;;)）ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |i　ij;;;;;;/ﾉ::::::::::'､＝=≦ｰ'"::: |/ﾚノノﾉ;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'itk;;;;ノi､｀:::''つ:::.､　 ::::::::::::::::::::彡,r';;;;;;;;;;;;'ﾘ､
　　　　世の中、死ぬほど悪い奴らが多すぎる　　　　　　　　.~'ｰt''~:::｀';;､::::::::::::::　　　:::::::ﾘ｀~;;"ヽﾉ）;j;;;j､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　:: ,ｧ'''' ｰ-､::::::　　:::::j;;;;:;:;:;:;:;:::: :::: t;;､,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: " (⌒'::::::::::　　:::::/;;;:;:;:;:;:;:;:::: ::::: ヽ;;;ﾐ~~~

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　ヽ''''" '':::::::::::::::;､-'";;;'"彡:;:;:;:::::: :::::: ）ﾐ;;;r'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　...::::::::;､-'";;;;;;'"::::::;:;:;:;:;:;:::::::::／ﾐ;;;;t､;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　,,､､｀'t'''''''''";;;;;;;;;;;;;;;;::::::;:;:;:;:;:;;;;;;;／ミ;;;;;;;";;;;;

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,､-ｰ ''''"~;;;;;;;;;;;;ヽ　　　つ;;;;;;;;;;:::;:;:;:;:;:;;;;／~' ､;;,,､-ｰ''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;ﾚ;;r;;;;;;／／／ヽ　:::::　;;;;;;;;:;:;:;:;:;''":::/:: ;;;;;;;;:;:;:;~""''''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､／;;;;;;;;／;;;//;;;／:ヽ　:::::　;;;;:;:;:;:;彡:::/:: ;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ヽ;;;;;;;;Y;;;;/;;;;;/三::::ヽ　:::::　'':::::ﾘ彡/::彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　漢　世紀末救世主　石虎

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　加えて、石虎が幽州・冀州の兵を率いて石勒と合流すべく進軍していた

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

【紀元３１８年１１月　漢　司隷　蒲阪】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　　　　　　　　皇帝陛下。
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　　　　　我が主石勒が
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　逆賊靳明を平陽城外で打ち破った事を報告致します。
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　　　　.現在靳明は平陽城内で震えているでしょう

　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､

. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!　
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|　　　　　　　　　　　　　　　 -==≠二三三二ﾆﾆ/
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　　　　 x≦二二二二二ニニニﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛ﾆ(ヾ' 二二二二二二二ﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y=(∧)二ニﾆﾆ=-　' 　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 }ニニｒ ) '=-=／　　　＼　　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`…’〉'ﾆﾆ／　　　＼＼ヽ。　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾃ¨´./　　＼　.＼　iﾊ　//∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　l.|　|､　　.|ヽx==ﾐｖ- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　､!､r=ﾐヽ┘"π'c!ﾘヽ'　　∧
　　　　　　　　　　　石勒は何を望んでいる？　　　　　　　　　　　　　　　　｀＾ｰ/-夂ｿ　　 `ｰﾟ　ﾝ　　//∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　人　'　_ _　　ｲ、　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >‐-_＞、_　.イノ=ﾄ､　　＼　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::／ﾆ/〃└,=-=人= .､　＼　　｀ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／{:::<ﾆﾆ/_, ｖ／ニﾆﾆ{:::＼_〕ﾄ､　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　／::::;=「ﾆﾆ/　／ﾆ|ニニﾆ{:::::::::::::::∧. 　＼

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　この時点で石勒は左長史の王修を派遣し、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　劉曜に戦勝報告を行ったと『晋書』『石勒載記』にある。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .まだ靳明が平陽で生きている時点でだ
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_

　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､

. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!　
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|　　　　　　　　　　　　　　　 -==≠二三三二ﾆﾆ/
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　　　　 x≦二二二二二ニニニﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛ﾆ(ヾ' 二二二二二二二ﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y=(∧)二ニﾆﾆ=-　' 　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 }ニニｒ ) '=-=／　　　＼　　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`…’〉'ﾆﾆ／　　　＼＼ヽ。　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾃ¨´./　　＼　.＼　iﾊ　//∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　l.|　|､　　.|ヽx==ﾐｖ- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　､!､r=ﾐヽ┘"π'c!ﾘヽ'　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＾ｰ/-夂ｿ　　 `ｰﾟ　ﾝ　　//∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　人　'　_ _　　ｲ、　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >‐-_＞、_　.イノ=ﾄ､　　＼　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::／ﾆ/〃└,=-=人= .､　＼　　｀ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／{:::<ﾆﾆ/_, ｖ／ニﾆﾆ{:::＼_〕ﾄ､　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　／::::;=「ﾆﾆ/　／ﾆ|ニニﾆ{:::::::::::::::∧. 　＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　私見になるが、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ここで靳準の乱の後始末について話し合われたのだろう。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .以降の石勒軍と劉曜軍の行動が、戦をするにしては徹底性を欠くためだ
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_...._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.-':::::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ

　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ::ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l

　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|

　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　';:::|
　　　　　　 / | |｀ﾄ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l　
　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ
　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀　　　　　　　　　　　両軍の行動を
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、　　　　　　　　　『石勒載記』と『劉曜載記』からまとめると次のようになる
　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ　
　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ　
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. 　 |　:::|　　　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
.　　|　｜　　　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　　ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ｰ-　一ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ

　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ

　　　　　　　　　／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
　　　　　　／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
　　　　　　　／::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀

【紀元３１８年１２月　漢　司隷　蒲阪】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ彡
　　　　　　　　　　　　　 ,.,､　　　　　　　　　　 /;ｲ'二x
　　　　　　　　　　　　ｨ;fr二ｘ　　　　　,、　　,ﾊ　　　' ｲ､廴ﾊ　　　　　　　　　　　　 ,ﾊ
　　　　　　　　　　　　彡{_i､_ﾒ　　　　 .| ヽィ=xl 　,ィ:べ-;ｭﾊｰ､　　　　　　　　_,.ﾄ､､込ﾍ_,. -┐
　　　　　　　　　 ,. -ﾍ┘ｰﾄ､　　 ∧i;//,.斗､/: : /‐┴‐トヾ,　　　　　　_≧斗''"ヽ＼ _／
　　　　　　　　　　　 |:ヽ: /T二ヾ:､　ｨ;∧ ﾊヾ'　/: イv_,､_　」_iハ,.,.,. ､_ヾミ`ﾞ｀　　　　ヽ.Xﾍ
　　　　　　　　　　　 i : : 「　　 !L:斗'ｿ　 { !＼､ｰ-廴_/_,ｿ､ｴ7ﾞ　　ｨ彡ﾞ'　　 .:　　　/／'ヽヽ',
　　　　　　　　　　　 .!: : :┬-,-'-L,.,.ｲ;　　,. --=-､/;|-‐┤ｰヘ＼ィィ　　　　 .:.: 　／'　　ﾏ| ',
　　　　　　　　 , -=､.＞-廴ィ-/　／　＿{__,.ノﾞ｀/: :㌢:´;､:o: Y＼＼_　　　　.:.:　/　｀￢　_,ｲ　〉
　　　　　　　 _{　ﾉ_/i二才:o: :i_／,.　´　／ｲ .／:／; :／: : ヽ:{　ノ＼ｰ￣二　 ┴--‐'"＜_／
　　　　　／　人ゞ: : :fニ＞／ ,/ 　／／ﾐ　＼ : ´:/}: : :_:_:」ﾞ:´　　＼＼　￣i￣フ´
　　　　 /　／／}　ヽﾍニ//.,ｨ/　／／　　廴　ヽ'　 L:/ニ/ :.:.　　、＼＼i_.ﾉ"ﾞ´　　　　　　　ｨ､　　､　 ,.
　　　 ./／／　 {ヾ┬r -!ﾆ i/;';f／／i　　　　｀t‐ ┬f'' /ニ/　　ﾞ　　　ヽ　ヽ-/　　　　　　　　　　　 ,]:i:i､　 ,ﾉ:i:i:〈
　　　/ ／　　　＼_! l　.У/;';'ｲ''" 　 ! ヽ､　､＼_|　!こУﾑ　､　　　　', .:/ ｲ　　　　　　　　　　　/:i:i:i:iУ:i:i:i:i:i:ﾊ
　　 i´　　　　　 ! i¨ヾ''{;';';λ　　　＼ヽヽ `　 ‘，', ｀¨¨´　　ヽ、　　 i/'" !　　　　　　　　　　,.､_,.]:i:i:i/:i:i:.:...7ﾆi:i}
　　　|.　　　　　　ヽ＼ﾉ;';';八　　　　 `　､_　　　ヽ＼　　_＼　ヽ　　|　 /　　　　　　　　　　У:i:〈:i:i:∨:i:i:i:if／~
　　　.}　　　　 ./´￣￣.／ｲ／　,〉　　　　/イ:i:i:i:i:「￣　¨¨　￣｀ヽ、ﾞ　　レ'　　　　　　　　　__/:i:i:i:i:i:iﾍ:i:i:〉i:i:i:i:i!
　　　 i　　　　ハ　　／　r─'"　　　／ヾ;i:i:i:i:i/　　　　　　　 /:i:iﾍ. 　 |　　　　　　　　　/:i:i:ﾔ:i:i:i:i:i:...ﾍ〈　:.:.;iﾘ
　　　ﾉ　_,.／／　　／　ハ　辰¨￣〈.　/:i:i:i/ 　　　　　 /:i:i／‘，　Y　　　　　　　 /ｲ/´ ﾏ:i:i:i:i:}-- ､　ﾄ､＼
　　ノ　ﾉ　　ヽ　　{　　　｀ﾍ. ‘，＼　　r':i:i:i∧ 　　　　　 }:i:/　　.i:.:.:i′　　　　　　　　　　 jli!　ノ　　 !、i / /
　 .i　　|　　　 ‘，ヽ　　　　ﾊ　ヽ　{　　:i:i:i:{　ヽ　　　　　 /:i:i! 　 f:.:.ノ　　　　　　　　　　　 ilil'＼ヽ　　 | !ﾍ/
　 i　　.!　　　　　 ' 　 }　　　 .ﾉ　 /'┘　 :i:i:i:＼　〉　　　.／｀:i:i:'　_,ﾉ:i:i:|

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　「劉曜は征東将軍の劉暢の軍勢を靳明救援に派遣」

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年１２月　漢　司隷　平陽郡】

　　　　　　　　　　　　　　 |＼_／￣￣＼＿／|
　　　　　　　　 /＼／＼＼_| ▼　▼　 |＿／
　　　　　　　 /　／＼　＼＼皿　／　　　　　　　　　　　　　　　　　申し上げます！
　　　　　　　（）)ノ__　○二○二⌒/../　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　／／||(二ニ) （＿＿_/../　几l　　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨　　　劉曜配下の軍勢が
　　　γ ⌒ ／|Ⅲ||彡Ｖミ/⌒＿ノ二二ノl0　　　　　　　　　　　　　　　 .平陽の南に姿を現しました！！
　　　l|　(◎).|l　|((||（(ﾟ )/⌒/||三三三・） ||　　(´⌒(´　　　　　　
＿＿ゝ_＿ノ　　　￣（_＿_）￣　　ゝ＿_ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣(´⌒(´⌒;;

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.........:.:::ll:::.:.:.:.:.....:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ＿＿ /~ゝ､::::＿＿___ .:.:.:.:.:.::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::∨//.会目会 Y///∨-､.:.:.:::::;::::ゝ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:::::∨/∧,目ゝ,////∨ゝく::::::::/::::〆..`‐-　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..,ィチ:} l (_jゝ=ﾆi目/ム=＝ (_ )( _ｿ:::::::/:::..　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 .. ＜　::::::::::::| tー ( ( Y⌒) ) )ｿ　-‐＝‐」::::::/:::::::.......　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　:::::::::::::::{ rｰ＝＝ﾐ'ｰ彡ｨ-三二￣ヽ.:::::::::::::::::::::::::.:.:.:
　　　　全軍に手出し無用と伝えろ。　　　　　　　　　.／................::::::::::::::ム.ﾍ弋竺ｧゞY ヒ"ﾞtァﾃﾐ ,-ﾍ:::::i::::::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　::::::::::::::::::::::::::::Y⌒ヽﾍ:::　.:.:.| ﾞ'´ }:.:.:.￣　 {　,込:.ﾍ::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　奴らが去った後に平陽へ入るぞ　　　　　　 i　::::::::::::　_ 三＝{ !{｀王ﾍ::: .:.:.|　....ヽ:.:..　　人|i王}::ゝ丶ー ‐--
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 {　::::::::::∠　＿＿ゝj`王::∧ :.: ゝ:.レ′ 丶　　l王!::::_::::::.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ -‐≠込　 :::人　　　 _　ﾚi｀王::::∧ 'r ‐‐-- ､　 :.:.∧}王|:人｀ ‐ ...＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨチ　/´　　　＞ ..　 `‐ _〆//lﾍ_〉ｰ'::::::ﾄ, :.:.￣.:.:.: 　　 |　ﾞ　 }:.:... `＜＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　弋　　　　　　　￣　 ∨　ゝ__ ﾉ`':.:.l ｉ　 :::　　　　∠ゝ _.ノ:.:.:.:.＞´　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く _　　ゝ　＿＿＿　　 -〆 . . : : : : . :.:.:.} ゝ＿＿／.:.:.:.:..　＞' ´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　 r ‐-､　　　　＞'´　: : : : : : : : ::::〈　:.:｀ ;:.:.:.:.:.:.　＞ ´ 　　　

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　「石勒は軍勢を蒲上に駐屯させた」
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　少なくとも、石勒軍は平陽にいなかった

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年１２月　漢　首都　平陽】

　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　',ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii,'　　　　　　　　　漢の征東将軍劉暢だ。
　　;::::　　／　　　　　　　　＼　';

　　';::::　　　●　　　　　　●　　;'　　　　　　　　 .皇帝陛下の命令で君たちを保護しに来た。
　　 ';:::.::.:　　（__人__）　　　　;',,
　　　'':､::::.. 　　　　　　　　,.,::'´　｀;　　　　　　　.君たちには一緒に関中へ来てもらおう
　　　　｀;'' ｀""'' '' '' '' '' ''""´　　,;:''
　　　　,:'::　　::::::::::::　○:::::: '; ,,::''

　　　,:'::　　,:'':::::::::　　　::::::::: ';'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (~)　　　　(~)
　　　　　　　　　　しょうがないか　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (~)　　γ´⌒｀ヽγ´⌒｀ヽ　　(~)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　石勒軍怖いし　　　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒｀ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}（　´・ω・)(・ω・｀　）{i:i:i:i:i:i:i:i:}
　　　　　なんかあの人靳準に似てね？　　　　　　　　　　　　　　　（　　´・ω)（::::：::Ｕ）（つと:::::）(ω・｀　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（::::::Ｕ::：)（　　　´・) (・｀　　　）(：::Ｕ::::::）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やめなさい　　　　　　　　　し─Ｊ　（l::::○::::）（:::::○::::l）　し─Ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し─Ｊ　　し─Ｊ

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　「靳明が率いる平陽の軍勢は劉曜の下へ逃げた」
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　『晋書』『劉曜載記』によると、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .靳明は平陽の士女一万五千人と共に劉曜へ帰順したとある
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年１２月　漢　司隷　蒲阪】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　　　　　　　　首尾よく事が運んだようですな。
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　　　　　.では、私も関中へ随行致しましょう。
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　　　　 .互いに約定の履行を確認する必要がありますので
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､

. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::ﾘ　
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::/＼,.　 -　､　　
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|::: 　　　　　　　　　　　／:::::::::::::ノrv'　　　　　ヽ、　　　　　　　　　,　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::r‐"´//r －　､　　　　　ヽ、　　　　　,　'´／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,､::::://:::://　.､｀ヽ y〈ヽ, 　　　　｀ヽー_ ' ,ィ ´　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ly;//-/'ﾊ.　　ヽ ∧,,ィt､ヽ、　　　　　｀　ー　"´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::!l::.//:::ﾘ､ヽ､ヽ'.|yﾁ心)　 lY,- ､　　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヽ::t!::(!::::/ ,ｬ､｀´　　｀ﾞ´　　!¨ ヽヽ､￣｀ '''　"　　
　　　　　分かっている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . ∧::丿!〈　'､ f(心,　　, ､　 /v-ーヽヽ｀　　‐--‐ ''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　｀^～ヽヽ" ｀ゝ '　/!Y∨}:::::::ヾー ''' ィ´-y,
　　　　　近いうちに石勒を趙王に封じるつもりだ。　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀ ''､''' " /!"´::::::::::::::::::ﾞl￣:::::::::l l;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽrγﾊヽ..!;;;;ヽ::_＿＿ヽ＿ー.八.
　　　　　それまでは私の下にいてもらおう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人{ヾ .) |.!;;;;;;ｨ::::::::::::::::::::::::｀'''ﾊ"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀" } /　 Y!Y l rﾞ､::::::::::::::::::::::::.ﾊ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　y'´;;￣|r｀ヽ_/:::::::::::::::::::::, ｨ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.「劉曜は西の粟邑へ逃走した」
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　粟邑は黄河を西へ渡った馮翊郡にあり、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　劉曜が長安攻略時に拠点としていた地に当たる。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　靳明らを回収して自領へ帰還したのだが、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　後の記録を見る限り、石勒の使者王修も同行していた模様
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年１２月　漢　首都　平陽】

　!　　 .＼、　　ヽ.!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　/ 　　　　　　　　 /　ｌ
　.!　　｛ヽ,＼　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,!　./ 　　　　　　 !　　ｌ
∨　　 l　 `'Λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ｌ　　　　　　　　　│　　│　　　　　　　　 i′
　　　　.l　　　ﾞ'レ　　　 |.ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ l　　　　　　　 lr'ﾞ､Х.!　　　　　　　　.il|
　　　　 !　　　｀　　　　从　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ,!　　　　　　　　　　〈`.|ﾘ　　　 /!　 ./ |
　　　　.!　　　　　　　　 l　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ　　　　　　　　／＼.　＼＿_人＿人从＿人＿人从／　　
　　　　ｌ,　　 |.ｌ　　　　 .!　.ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/.:::.:.::〉＿）　　　　　　　　　　　　（＿
　　　　 .＼　ﾞl　ｌ　　 .、│ . ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉へ::.:/ﾇ/　　）　　ヒャッハーッ！！　（　
　　　　　　｀''″ﾞヽ　　廴）　 .ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'个ｙ´￣L￣￣）　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　ｌ　　!　ﾉ⌒i　廴　　　　　　　　　　ノ|　　　　　　 |:.'.;|　[]　. :::　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼　
　　　　　　　　　　 l　 ...ｌ .!.　._.、そ　　　　　　　　　 lﾞ .lﾞ　　　　　　|;'.:.|　. : : : :ﾛ.::|.　　ﾉｲ　ilﾞ　　　　　　　ノ/
　　　　　　　　 !　　ヽ|../:/＼..ヽ　　　　　　　　　　　! .,!　　　　　　 |.:::;|.: :.: :.:.::.:.::.:|.　./　し' {　　　　　　 ,ﾉ./
　　　　　　　　 ┌个┐| |　.:_|＿＿＿.　　　　.i　　　|　.ｌ,〃　　　　 |_.' |.::.:..:.[]::.:.::.:|　｀Y　　ｌ　　　　　／./
　　　　　　　　　 | .:|...:|/:/...:.:|..: : : : : :.:｀L..r─┬i. 　/　　て.ﾄ､　 ...//| |.: :.: :.:.:.:.:..::|　　　}　　 .|　　　　　ﾉ ./
＼　　　　　　　 | └┴┬i::::|==========|: : ://__....　 .l.　ノ（.rr┴' | |.:.::.[]:.:: : : :|./　 / 　　 .ヽ,　　 .／ ./
:::...>、　　　　　　　 .|[]..::[]. 〈〈::::|::::::[]::::.:.:[]..r､.､　　,　　　`Y　　 |.]:]:: : | | :.:: ::..::.::.:::.|. ┌::､　　...../〉..／　　{　 /
‐く.:〈　　　　　,、　 |. : : : :.: :＼:|:::::::::::::::::::::/. ,ﾉ） : :〉〉　　.!.|　　人.:: : :| | : :.::.::.:::..::.:|-┘:::L、r‐//┐　,、.廴ｨ
.: ::L└i 　 _　.||＿　| : : : : : :、〉.,./〉::::::;;:.｀Y´（: : :〈 '　　 ..,/　　　く、::..::.::_|:::/Tl::::;二/ﾑ、|　 ||　＿r─.　　｛
::.: :└i:|　//＼| ::::ﾄ､＿_ : : :||＿'/ヽ､　∥::..|　　）､..〉. 　／　　　　　 }.:./rへ/ﾚ.丿）.:>┘/ﾄ┘.//::::.｀L「|-┘ 、.ﾄyｨ
工エ::「 /〈. ::〈|-､_/::::::..＼r':.|.::[,.__,ﾉ）　'　/　(＿,ﾉ）　（::::::::::::::::::::::　＼ﾉ!.＿_./　(.L:冂_|.ﾉ!.　 .::::::ｉr==| |.::,ﾉ）[]:}iｌ|{´
: :∠7ﾍlｺ:::|:.:..|-i_::_r√ソ＼>　（.　 (＿,／　　　（＿＿）　　　 ::::::::::::::::::::::ゝ／　　,）.|＿...|　＼.==ｌ|＿..｀Y´（.─|i|l|
: :|ｪ| .:::::|:.:.|:::..|::::.|＼.::::》: :::L;:..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　ﾙﾍ:

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　「石勒は平陽の宮室を焼いた」
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　劉曜軍の撤退後に石勒軍が平陽入城を果たしている

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年１２月　漢　雍州　粟邑】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○平陽
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○襄陵

,,‐''''´´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,!　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　
　｀、　　　　　　　　　　　　　 /黄　　　　　【河東郡】　　　　　（　　　　　　　　　　　〉　　　　朝歌○　
　　　',　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､　　　　　　　 /　　　　　　　　
　　　 ',　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､　　　 _,,,,,,-‐'′【河内郡】　　　
　　　 ',　　　●粟邑　　　　　　/河　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀‐-‐´　　　　　　　　　 ,-‐'´
　　　　　',　　　　　　　　　 / 　　　　　　〇安邑　　　○垣　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,-‐'i´ ○酸
　　　　）　　　　　　　　 ,'　　　 ○解　　　　　　　　　　 ,,,..-‐- ､,,,_　　　　河橋　温　　　〇懐_,,,-‐'´　　｀-､
　　　 ,''´　　　【馮翊郡】　　 ,'　　　　　　　　　　　　 ,,／　　　邙山▲ -､,,_　○　○ ＿,,,-一'´　　　　　　 l　
　　　 '、　　　　　　　　　　　ｌ ○蒲阪　　　大陽○,,-‐'´　　　　【河南尹】　洛陽○河陰~´　　成皋　○滎陽　　　!
ヽ,　　）　　　　　　　　　　入　　　 _,,,,...-一'´〇陝　　　○十三里橋× ○　　〇偃師　　　○　　　　　 ○
　　｀~´　渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○　　　　　　　新安　　　　　 ○　　〇緱氏　　　▲　　　　　　中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´　　　　　 ○華陰　　　　弘農　　　 ○　　　　　○宜陽河南　＿,,..-‐- ､嵩山○轘轅　　　.,,-一
,--‐‐'^´　　　　　〇　　▲　　　　　　　　　　　澠池　　　　　 ○　　 (´ 　○輪氏　｀､　○密　 ,／
〇長安　〇隠盤　鄭　華山　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新城　　｀`'''‐-､,,_　　　｀‐-‐'''´´　｀~~`ヽ､
　○覇上　　　　　　　　　　　　　　　　【弘農郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ○梁　 _,) 　　〇陽翟　　　　　　
　【京兆郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,,_　　 ,ィ´　【潁川郡】　　　 ○許昌

＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／

　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
＜　　陛下の御命令だ！！　　＞
　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(

　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ニ　　　　　逆賊靳氏一族を誅殺せよ！！！　　　　　≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

.　　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　./（ﾟ )( ﾟ）ヽ

.　　　　／::::⌒｀´⌒:::: ＼
.　　　　 |　,-）＿＿＿（-、|　　　　　　　 jl　
.　　　　 | l　　 |-┬l［］.　l |　　　　　　　 l ||　　　　　　　　　　　　悪く思うなよっていう！
.　　　　＼　 `ー|| |＿／／"'''ヽ　　　| ||　
　　　　,,,-彡＿,r''"￣「/￣/￣/;二"二"二((二(（三三Ｃ　　　　　悪いのは先帝を殺した靳準だっていう！！

　　_,-|　 r'"　二　=＝i　ﾆﾆ二/＼/ccccccc//＿ヽ
　<､、ﾞl　　-￣￣C＝]　ﾉ;ヾ / ⊂ﾆﾆﾆ二二ソﾆﾆﾆｿ

　　 ,lﾞﾞ'l、　　」ﾆﾆ二二〈ｰ;;　＼/二L＿」　j
　／　 l　　/;:: /{￣`)ﾉ　ーーｰ＼　　　/
/´　　　ゝ　;;::/　{　￣ｿ　　ヽ　　　　　　/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何、どういう事？

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　えっ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (~)　　　　(~)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (~)　　γ´⌒｀ヽγ´⌒｀ヽ　　(~)
　　　　ひょっとして騙された？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ´⌒｀ヽ {i:i:i:i:i:i:i:i:} {i:i:i:i:i:i:i:i:}γ´⌒｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　劉曜ってクズじゃね？　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}（　´・ω・)(・ω・｀　）{i:i:i:i:i:i:i:i:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　´・ω)（::::：::Ｕ）（つと:::::）(ω・｀　　）
　　　　　　　　劉曜を大谷に例えた奴　　　　　　　　　　　　　　　　　（::::::Ｕ::：)（　　　´・) (・｀　　　）(：::Ｕ::::::）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　誠意と翻意の二刀流　　　　し─Ｊ　（l::::○::::）（:::::○::::l）　し─Ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し─Ｊ　　し─Ｊ

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　「劉曜は靳明を誅殺するよう命じた」

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

.　　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　./（ﾟ )( ﾟ）ヽ

.　　　　／::::⌒｀´⌒:::: ＼
.　　　　 |　,-）＿＿＿（-、|　　　　　　　 jl　　　　　　　／/
.　　　　 | l　　 |-┬l［］.　l |　　　　　　　 l ||　　ヽ　＼／
.　　　　＼　 `ー|| |＿／／"'''ヽ　　　| ||　　　ゝ　　　/
　　　　,,,-彡＿,r''"￣「/￣/￣/;二"二"二((二(（三三Ｃ≡＝─

　　_,-|　 r'"　二　=＝i　ﾆﾆ二/＼/ccccccc//＿ヽ　）　　　ヽ
　<､、ﾞl　　-￣￣C＝]　ﾉ;ヾ / ⊂ﾆﾆﾆ二二ソﾆﾆﾆｿﾉ／⌒ヽ＼

　　 ,lﾞﾞ'l、　　」ﾆﾆ二二〈ｰ;;　＼/二L＿」　j┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
　／　 l　　/;:: /{￣`)ﾉ　ーーｰ＼　　　/
/´　　　ゝ　;;::/　{　￣ｿ　　ヽ　　　　　　/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣`ｰ--_====圭圭圭≧=､___｀ｰ=_r-　　　｀＼x　　｀守≧ﾐ{ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　_-_　　 ┌===＿__　　　　　　　　　｀¨--圭圭圭圭圭迂圭≧x　上≧爻x爻圭ﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　迂迂圭圭圭圭圭⌒`-‐=圭≧=ｘ　　　　　　　　￣~=圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭爻x
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ冖^-'~⌒~＝=＝==ｘ_　　｀¨＝圭圭圭迂圭圭≧====圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 =辷_,,¨圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣二圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　==＿＿_,,,,,,≦圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,_____ｧｧ‐‐￣圭迂圭圭圭圭圭圭‐¨￣￣二二二二圭圭圭圭圭圭圭圭
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _彡⌒''　_,_r'''￣圭圭}宀￣￣￣　　　　　　　　　　__,,=圭圭圭圭圭圭圭圭
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .≦彡¨´　　て彡　　 ¨´　　　　　　　　＿_ｚｚｚr'''二二￣￣ _____,￣圭圭圭圭圭

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　「靳氏一族は老若男女問わず皆殺しにされた」

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　,.ｨー―-= 、_＿＿
　　　　　　　 /tYT:::::::、::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　　l:::::::,::::::::, ィー―-- 、:::::ﾉ

　　　　　　 /:::::::!,イヽ}'::::, ィ ':/^　´ヽ
　　　　　 ./::::::::/ ＞ ' ´:::::::::ノ　ヽヽヽ
　　　　　/:::::::/／:::::::::::,.　'´从ヽ,.ヽヽ l ､

　　　　　＜::::/ヽ=- イ .l　ヽヽイ,ｭ.､∨l.! l
　　　　　　　/ .! l　l.__ヽ_l_､　〉'f{ﾋ:ﾊｿ, ', .l　　　　　　　　　　　　　終わったか。

　　　　　　　!　l .!´.',yt示､　　｀'"´ .ll .', .ヽ
　　　　　　　从', ヽ　ヽゞ='　 '　　　 !从',　.ヽ　　　　　　　　　　 .しかし、これでは石勒が強くなり過ぎる
　　　　　　　　 l Ylヽゞヽ. 　　 '` 　,ｲ､ l ﾊヽ　ヽ
　　　　　　　　ﾘ//! lヽヽ.ﾞ, =t-- ' .ﾘ.　!从ﾄヽ　ヽ
　　　　_, .., ノﾉ/l　j--／::::∧:ゝ_ｲ::∧:Yﾊゝ-､ヽ　)
　　／::::::::::ヽ´ﾉゝ'／::::::::/:::::Y┘'┐::',ﾘ　!::::::ゝ｀.Y
　 /::::::::::::::::::::｀ヽヽ:::::::::::/:::::::::ﾌl__l¨::::/　 l:::ヽ、::::l
　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::＞ﾐ::./:::::／ヽゝ- ' , .ノ､:::::::/::ﾘ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　石勒は王修を派遣してきましたが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{/ /ゝ､ﾉｲﾉl/ ―　ﾄl!: : :|
　　外は慎み深く装い、内は陛下の力を推し量っているに違いありません。　　　　　|l:/|/● 　　　●　　ト、: :|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜
　　と、元石勒軍の曹平楽は注意を喚起します　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒ヽ__|ﾍ　丶_ノ　　 ..ｲ:i : :/⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . .＼ /:ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}ﾉ/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　//ヾゝ八__／:.:.//ﾍ､__∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_　,'

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .粟邑へ入った劉曜は、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　靳氏一族を皆殺しにすると共に、彼らに殺された生母の葬儀を行った。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .また、自身の高祖父・曾祖父・祖父・父へ皇帝の諡号を追贈している
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　 , '´￣￣｀ｰ-､
　　　　／: : : r‐r==========、
　　　 /: : /├l‐１ ―――――|
　　　,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.｣

　　　{: :ｉ: ｉ /ゝﾉｲﾉ　l/　―　ｌ :}　　　　　　　　　王修の帰還を待って陛下を襲う謀を企むでしょう。
　　 | :ﾚ　| 　　●　　　●　ｌ :|　
　　　|: i: （|.⊂⊃　､_,､_,　⊂ l:/　　　　　　　　　　と、元石勒軍の曹平楽は陛下のお役に立ちたく存じます

　　i⌒ヽ: :ゝ　　　　　　　　ﾙ|_／⌒)
　　ヽ　ヽ从ヽ,､　 __,　イ从/ ヽ／
　　　∧___,ﾍｉ.ｉ:.:＼__八__／:ｉ.ｉ　　ﾊ

　　ヾ　　 .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.}　　ｿ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -==≠二三三二ﾆﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 x≦二二二二二ニニニﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛ﾆ(ヾ' 二二二二二二二ﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y=(∧)二ニﾆﾆ=-　' 　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 }ニニｒ ) '=-=／　　　＼　　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`…’〉'ﾆﾆ／　　　＼＼ヽ。　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾃ¨´./　　＼　.＼　iﾊ　//∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　l.|　|､　　.|ヽx==ﾐｖ- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　､!､r=ﾐヽ┘"π'c!ﾘヽ'　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＾ｰ/-夂ｿ　　 `ｰﾟ　ﾝ　　//∧
　　　　　　　　　　　　　　　　…………　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　人　'　_ _　　ｲ、　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >‐-_＞、_　.イノ=ﾄ､　　＼　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::／ﾆ/〃└,=-=人= .､　＼　　｀ー　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／{:::<ﾆﾆ/_, ｖ／ニﾆﾆ{:::＼_〕ﾄ､　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　／::::;=「ﾆﾆ/　／ﾆ|ニニﾆ{:::::::::::::::∧. 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::/ｘニ|ﾆ_/／ニニﾆ==‐:::::/:／::::::::∧　　　＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　劉曜は選択に迫られた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　靳準の乱が終わった今、石勒との関係をどうするのか？

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１８年１２月　漢　首都　平陽】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/.:::.:.::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉へ::.:/ﾇ/〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'个ｙ´￣Lﾑ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.'.;|　[]　. :::.ヒ!
　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;'.:.|　. : : : :ﾛ.::|
　　　　　　　　　　　　 /:/＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.:::;|.: :.: :.:.::.:.::.:|
　　　　　　　　 ┌个┐| |　.:_|＿＿＿.　　　　　　　　　　　　　 |_.' |.::.:..:.[]::.:.::.:|
　　　　　　　　　 | .:|...:|/:/...:.:|..: : : : : :.:｀L..r─┬i　　　　　　　 .//| |.: :.: :.:.:.:.:..::|
＼　　　　　　　 | └┴┬i::::|==========|: : ://__.　　　　　 rr┴' | |.:.::.[]:.:: : : :|
:::...>、　　　　　 |[]..::[]. 〈〈::::|::::::[]::::.:.:[]..r､]: :.[_[;;::::.}　　　　　　]:]:: : | | :.:: ::..::.::.:::.|. ┌::､　　 /〉
‐く.:〈　　　　　,、　 |. : : : :.: :＼:|:::::::::::::::::::::/. : : : : :〉〉　　　　　　 //:: : :| | : :.::.::.:::..::.:|-┘:::L、r‐//┐　,、
.: ::L└i 　 _　.||＿　| : : : : : :、〉〉/〉::::::;;:::〈 : : : : :〈〈　　　　　　ｒく〈:.;:..::..::.::_|:::/Tl::::;二/ﾑ、|　 ||　＿r─
::.: :└i:|　//＼| ::::ﾄ､＿_ : : :||＿'//､п∥::.:l| : : : : 〉〉　　　　　 |　:.|::|..::./rへ/ﾚYL;/:>┘/ﾄ┘.//::::.｀L「|-┘/:::ﾄyｨ
工エ::「 /〈. ::〈|-､_/::::::..＼r':.|.::[,/T>.:/ﾛ〃乢.: :: :〈〈　　　　　　￣└─匚|＿_| :| |:L:冂_| :|┐ .::::::ｉr==| |.:::.｢.:[]:}iｌ|{´

: :∠7ﾍlｺ:::|:.:..|-i_::_r√ソ＼>へ:| :|:ln| :]:|:П叮￣　　　　　　　　　　　　　　｡ｌ;_|_|ー|＿＿!｣====ｌ|＿<>‐┴─|i|l|
: :|ｪ| .:::::|:.:.|:::..|::::.|＼.::::》: :::L;:.::r| .L/∟ﾛ⊥!　　　　　　　　rｭ　　　　´　　　　　 '　　　　　　　　　　　　　　ﾙﾍ:
: :|ｪl:∩ ﾄi:.|::::.l＼|_;;||;;:|L:<)┴‐'''"~　　　　　　　　　　　　　 .
: :|ｪ|_|::|/＜＞｡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　　　　　.
: :ﾚ|[:::《　　　'　　　　　、　　　　　　　　　　　　　／レ:ﾍ　　　　　　　'　　　　　　　　　　　　　　　.
_〈l〈V＼|コ　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,‐|　.: : .:.| 7!＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、
:ﾄ|ｪ|:|;;ﾚ'　rｭ　　　　　　´　　　　　 '　　　　 /　/　ﾞ'ｰ-‐''´//　 /|　　　　　　　　　　、
: :|ｪﾚ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　lニﾆﾆﾆﾆﾆl/　 //
／　　　　　　　'　　、　　　　　 `　　　　　 lニニニニニﾆﾆﾆﾆl/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　陵墓の修復だァ？　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　 ,r≦ﾆﾆﾆﾆﾆ≧:.､
　　　　　　　　　　 /ﾆﾆﾆﾆ.ｨ傘寸ﾆﾆﾆヽ
　　　　　　　　　　　　'ﾆﾏﾏﾏ（:oHo::）ﾁﾁﾁﾆ '

　　　　　　　　　　　 | ﾆﾆ込ミヽH∠-彡=ﾆﾆ|
　　　　　　　　.,,r=≦|ﾆﾆﾆ=（（（◎）））=ﾆﾆﾆ|≧=ｰ　　　　　　　　　　　　　　うむ。

　　　　 ,,r≦ﾆﾆﾆﾆﾆ|ﾆ{≧竓芋)Y(毛屶≦ﾆ|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≧ｭ,,　　　
　　.／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆYヽ.!　￣´　}{　｀￣　:|/ Yﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ　　　　　　　　劉淵・劉聡・劉粲の陵墓を修復する。
　 /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ| {ﾐﾄ､　　　小.　　丿|ﾐ} |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆム
　ﾑﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ Xﾐ| .:}　　-─-　　{　:|ﾐ.Xﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ }　　　　　　お前は指示通りに
圦ﾆﾆﾆ⊂二二二 /| {ﾐ|从.　　⌒　　ﾉ .l|ﾐ} |ｰ======彡ﾆﾆﾆﾊ　　　　　　兵を動かしていればいい
　 .寸ﾆﾆﾆﾆﾆﾆイﾑ:乂ﾉ　＼　　　　　／込ノ弋::＞＜二二彡'　　
　　　　　　　　　{::::::|　　　　＼_＿_／　　　 |::::::}　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,. -─- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,;:;:;;;;;:;:;:;:;:｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'.:..:.:.:.;;;;;;rrrr､:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::;ｨ'´;;;;' ｀ヽ｡-､ヽ.::!　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾐﾚ'"´.　,..　""｀,ｨ;;彡.
　　　　　陵墓の修復って、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{ﾐ!. i i::i l.:::! l:l .l:! l;;彡
　　　　　連中の死体を元の場所に埋め戻すだけだよな？　　　　　　　　　　 iﾄ､i i:::iﾉ:::l/::l/::!ﾉ:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ入　　　　　｀VⅥ 　　　　　 /l　/l
　　　　　誰の指示がいるんだよ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　　　`1 ﾐヽﾆﾆ彡'´　L､､､,,_　　　_./　ﾚ' ..!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､.　!　Vl ,..ィ´.:j! ',::,,,,,/ ,::′ ,' `ヽ`ヽ`Y´.:./l　｀`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ヽ|　〃／.:.:.:.j!...',;,,/ ,::′,,,,,........ﾘﾉ.:::l　/ .l.:.:.:.:.／ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.ィ´ヽﾉ／ /　　;;;'''ﾞﾞﾞﾞ｀,.''''ﾞﾞﾞ´　　　　{: :i i!.::! ゝ '　／.ィ´ `ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､/　ﾄ､, ´/　./:::''　 .人 ..:;;′　.人　　　.:i: :.! i!:::!.:.;.ィ彡'´ ;;　　 .ﾞ､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　漢　石勒配下　郭黒略

　　　　　　　　　　　　　　　　''"ﾟ~￣￣~ﾟ"''

　　　　　　　　　　　　 ´　　　　　　　　　丶
　　　　　　　　／　　　 l　／　＿　　　＼　＼
　　　　　　　　 /　　　　-=ミv'-‐≠─=ミ､　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　／⌒ 7´　　　　　ヽ＼　　 i
　　　　　　　 i　　 , （　　　{　　　　　　　　ﾉ　ヽ　　　　 i
　　　　　　　 |　 /　｀　　、　　　　　　 │|ｌ　 |　　 |　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　 l　 {　　　　　　＼　　　_　-─-　|　l　 |　　 |　　　　 |　　　詳しい者が教えてくれるそうだ　　 |
　　　　　　　　 .　l:　　_　 -‐　　　　　,. -　　　 |　:　 |　　 |　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　 . ｀ :､　　 -‐　　　　　　　　 |　　 l|　　 |
　　　　　　　､　ﾍ　　　　　　　ー==彡 |　　 |　　 l
　　　　　　　　 i. 　､ｰ=彡　　　　　　　　 |　　∧
　　　　　　　　　　ハ　　 .　　　 ′　　　　 :　 / ∧ 　　､
　　　　　　　　　　,　∧ 　 '、　　一　　／'　/ /　丶　　＼
　　　　　　　 / /　jl　　| 〕h｡　　　 .ィ｢ /　/ヽ、　　　　　＼
　　　　　　　　　　ﾉ|-‐　￣rく≧=-‐　|/　/　 ;　＼　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　／　／/∧　　　 rｌ　l0　　　/　/　 ∧　　＼|　　俺たちには天子の陵墓に関する知識がないのでな　　　|
　　　　／　／ ,,...,.x､丶.,,､_从,,.l0　.ィ/　/　　⌒丶､　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　 X､+''"ﾞ`｀　　　　　　　,.､　´"'''X,.､/　　　　　'⌒ヽ＼　＼　;　　　 |
　　,､+'" ;､　　　｀`　,.:　..,,..　　　''　　　　ﾞ"' ,,　　 / 　　 ! :| 丶　}7
,､''｀　.,,　　.., 　 ''　　　　　　 ´"'　., 　　　 ,.. '':., /　　　　| |l　　V/ 　　 /
';　　'`｀..　　　　 ,,,..､､...,,､､､..,,　　　　 .　　'"~　　+,, 　　 |ｿ　　 / 　　 /
ﾐ　´"　　 ,,.､+''"´　　 _　--　 ´"'':､　　　　　　　 ,,, ^,:.　　|　_彡　　　 ⌒ヽ
｀ヾ,､,.､+'' 　　 l　　 /　｣　〉　　 ':;,. 　　　　　 ´,乂_| {　　　／ /　 ;

　　　　　　　　　　漢　大将軍従事中郎　裴憲

　　　　　　　　　／　　v, -　　＼
　　　　　　　　/´ ,≠‐t,'⌒ヾヽ､　ヽ
　　　　　　ｌ　i(　　 l　　 __　ｉｌ　i
　　　　　　 l　l　-=ミ　 ´,.=､│l　|l
　　　　　　　　', l:. { irﾘ　　 irﾘ ' |│ l|l　　　　　　　　　　　　黒略殿！
　　　　　　 l |∧　　　' 　　 ,　|ｌ　＼
　　　　　　 i'⌒ヽ､　（⌒,　.ｲ,　!乂　＼　　　　　　　　　.今作った道の両脇に等間隔で木を植えて頂戴！！
　　　　　　人__ノ､-≧ｰ＜l:/　廴　｀＼丶
　　　　　／ /´‐ヲ} r{　|：／{　｛: : /｀ヽ_ヽ　):､
　　　　/　ﾉ:l　´ﾌ: }:乂ア. : :乂　ー､: : : :ー＜ヽ
　　　　r_jィ＞ﾍ　l|l|//´: : : :，|: : :ヽ　 }: : : : : : : : ￣⌒ . . . _
　　／ ´〈: : : :',ﾉ}l| { : : : : : : |: : :/l　/,≧s｡,: : : : : : : : : : : ://^: ┐　　　　　　　　　　　 ,,.､::,,
　　/: : : : : ',: : : V:}i l， j､: : :’l: : :Ｙ_/,ハ:＼｀ヽ≧s｡, : : : ://: : : :厂,ゝ- . _ _ .　 -=ﾆ二,,ﾞ　　ﾞ:
　人_:_:_:_:_:_〉-‐ 7:}i l : : ｀ : : :ﾄ : : : 〈, ｲ: : ﾉノﾉ　　　)} ＞ <: : : :/.ｨ==|l￣　　　　　　　　:'　　;',
＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／

　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -=ﾆﾆﾆ∠:::＞､＿
＜　よしお前ら、木を植えろ！　＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　┘ヽ／｀Y＼__｀>
　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 / ∧　　　　廴＿l',＼
　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　/ 　/ /　 ',　 |　　 |　　',::' 　V /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　/／ l / 　　 ,　|　　 |　　ｉ::|　 ∨　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 / 　 |'　　　　', |', 　 |　　 |::| 　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　|//＼　　　　 ',| ',　 |　　 |/　　 |　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　V} rf㍉　、＿＿ｌ__',　l　　 | 　　 |　
　　　　何故晋の旧臣が　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|　〈}　Vﾘ　　　　ｘ==ﾐ　∨　　 |　　　 |　
　　　　賊の墓の修復を指揮しているのか小一時間　　　　　　　　　./ :| ＼(　　　　　　 V:ソ》/ 　　 |___　 l/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　人.込　　'　　　　　　 /　　　　|／　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 /／￣　ヽ＼　ｒ‐-- 、　∠イ　／｜　　｜ /　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ′　　　 V-＼　￣_,. -ｧ７彡_____!　　　∨ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　〈｜　　　　ﾉ―‐{￣＿_/__l／＿＿,,＞ﾐ　 V　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　漢　大将軍参軍　荀綽

　　　　　. . : : : : : : : : .　　　　　　.,,_　　 |_,　 -┼‐- 　 __|　　 '.　.::| 　 |: : : . .　　　 |　　　　 |:::: : : :::|　　|:::
.:. .　　　　　. . : : : : : : : .　　　　　　　´´「_,　　-┼‐‐.:.:.::::__]　　|　:.:| 　￣| : : /⌒Y ‐|　　　　 |:::: : : :::|　　|:::
.:.: : .　　　　 . . . : : : : : ..　　　　　　　　|　 . : ::|.:.:.:.:.:.: .:.:|　ｰ'-　_|_　　 | : : |　　|　 |.:.:　　　__」::::　 -┴=ﾆ¨
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´¨"ﾆ=‐-　　__　　　　. . : : :.　　　　　　　：　⌒i |.:.:.::'⌒ｉ.:.|　　 . : : : .　　　　. : .:.:.:￣二7:　　　｜　　　. : : : : .
-ミ::::::::::::::::::::::::´~¨ﾆ=‐-　　..,,_　　　　 :　:　 : :　 i　　|.:.|　　　 . : : : 　　　 . : :.:.:.:.:.:.:./: : 　　 |　　　　 . : : : : :
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.　　　￣|¨ﾞ| |.:. : |¨ﾟ''Ｔ' ┯ー─--- 　　 :　　　 :.　　 ┘:|¨ﾆ=…‐-　　　..__: :.:.:.:.:／: : : . 　　 |: : .　　　　　. : :
:: .　　　 |.:.:| |.:. : |.:.:.:.|　｜　 :|　 |　　　　:　　　 :　　　　 |"Ｔ￢ー--=ﾆ...___￣ﾌ廴__　　　　 |==＝￢冖 ¨￣
: : ｉ　　 . : | |.:. : |.:.:.:.|　｜　 :|　 |　　　　:　　　 :　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／　
: : |　　　　 :|.:. : |.:.:.:.|　｜　 :|　 |　　　　| 　　 : 　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
: : | 　　　　 .. :|.:.:.:.|　｜　 :|　 |　　　　|￣　 : 　　≧　　　　　劉粲の棺を運んで来いッ！！！　　　　　　ニ=-
: : |　　 |::.　　　 |.:.:.:.|　｜　 :|　 |　　　　|.:.: : : .　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
: : |　　 |.:.:|: .　　 ..::.:|　｜　 :|　 |　　　　| : : : : |: .　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
: : |　　 |.:.:| |: .　　. ::|　｜　 :|　 |　　　　| : : _:_:|:_:_:..　　　　　　|　. . :|　　| : : |　　　　 _} 　 |二ﾆ=＝--一
: : |　　_|／￣´ 　 ´´＼|　　 :|　 |　　 |¨¨￣: : :|: : : : . 　 : 　　 .:　　:￤　 | ／￣￣￣＼{　　.|: : ┌…￢冖ﾆ
＼/￣,;;/　　/￣:::.　　￣＼　:|　 |　　 |: : : : : : :|: : : : ::.　 | ｉ　　　´￣￣￣/　　　　　　／￣＼: :｜ｉ""¨¨￣
;;:;:＼／￣￣;;:;:;::: : .　　 . : :}　|　 |　　 |: : : : : : :|: : : : : : ...i┴く　　　　 _ ' ´ ::..　　　　　/　_,,／;;;＼|::|: : :／￣
;;;:;:;:::};;:;:;::／::::;:;::::: : : .　　 .:「￣＼""""|.:.:.:／￣￣￣￣.:.:::;;;;;ﾉ　::::...ノ´　　　　　　. : :::/　ﾉ::＼;:;:;:;;;;＼／:::::: : :
::::;:;:::{;;;;;;＼＿:::::::: : : : : .　　　. : :::}／￣￣　　　　. . : ::::;;;;;;／:::::::／　:::::::.....＿ノ　: ::::::{　/＼:::::＼:::::::/＼:::::::::::

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　『晋書』『石勒載記』に曰く。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石勒は裴憲・石会に

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .劉淵と劉聡の墓を修復させ、劉粲以下百余人の遺体を収容・埋葬させた
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　＿.,. -‐- ....､
　　　　 x≦〃〃／ミﾐミﾐミ､
　　　／ﾉノﾉ〃ヾ⌒彡ミミﾐミﾐ､
　　/ミﾐﾙ'　／＿＿ヾ彡ミﾐミﾐ､.　　　　　　　　　　　　　　荀綽殿。

　　{ﾐ'''´ 　 {∠仡孑　　`ヾﾐﾐ毛刈
　　';ﾊ, ｀〕､ Yミ　　　　;::::　∨ソYﾊ　　　 x≦￣ア´　　　 .兵士たちが宮殿で色々な物を見つけてきましてな。
　　 }:( くﾂ1 | っ　　　 {:::　　　ｰりﾘ　／ :::::::／:::::
　　ヾ:ヽ ,ﾉヾｰ'⌒ヽ　ヾ　　 Y￢从〃:.:.:.／:::::::::::　　　　我々では用途の分からぬ物もあるので確認をお願いしたい
　　　｀ヽ { √￣~｀ヾ　　　　 Y ヾﾘ ||:.:／ :::::::::::::::
　　　　　沁ヾ　⌒　　　　　:／　　 /∧:::::::::::::::::::::::　
　　　　　ﾊ　　r::.......,..::／//　／:::::::::≧=＝＝＝　　　　　　　　　　　　　　　　／:ヽ
　　　　　　 '､　{///,／///　＞'ﾞ´:::/:|幵幵幵幵　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:＿__}ニニ'～､、
　　　　　　｀T¨¨´///＞'ﾞ´::::::::／:ﾆ|幵幵幵幵　　　　　　　　　　　　　／￣::YV＿／　　　　＼＼
　　　　　 ,.．-―∨　　／::::::::::::／ :三圦W幵　　　　　　　　 .　　　　　　　　 |:::／::/|/　　　　　　　　　ヽ::、
　　　／/////::∧／::::::::::::／ :::三三/八幵　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 |/:::::ｲ:/　　　　　　　　　　　',i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ |V　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 r┴|　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　＼|　　　　　 |　　:l 　　　 |
　　　　　これ、渾天儀じゃない！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|│　　　　｜　｜　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |｜　　　　　　 l　　　　 |
　　　　　他にも洛陽の朝廷で使われていた楽器もあるわ！！　　　　　　　　ﾉ７　　　　　　 |　　　　 `、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 |/　　　　　　　',　| 　　　　 `、
　　　　　ここに置いておいても　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 V　　　　　　 `、
　　　　　宝の持ち腐れになるから襄国へ持ち帰りましょう！！　　　　　　／　　　　　　　　　 |　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　ノ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,`く/＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　/

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.また、平陽にあった渾天儀や楽器を襄国へ移している。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　渾天儀は天体の位置を観測する器械で、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　中国では古来より暦の計算などにも利用されてきた。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　恐らく元々洛陽にあった物が楽器共々平陽へ移されていたのだろう
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　 _,...........,__
　　　　 ,.ｨ'" ...:::;;;;;;;;;;;~`:;、
　　　 /　　...::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
　　　 | ,rrｪヒﾐ〈;;;:リﾅナｸ,;:l!
　　　 !斥ｙ'r｡xﾂﾍ '･`,,,ｼﾐ;:;;:|　　　　　　　　まさか、あの丸っこいデカブツにそんな役目があるとはな。
　　　 |ﾄﾆ斗ﾃi"| :;ﾌﾊｺ=7-i;;|　　
　　　 :|::ll::::l!:|l|ﾊ::;;| | ! !| li　,l、　　　　　　　俺には分からん世界だ
　　　 .|ﾄ|!:::l!:||ｋｷ;|干!,!,!ﾉﾉ:,!;l　　
　　　　!|ヽヾヾﾄ'＾"~'' ,'' "//;;;;'、

　　| ,r'-:ゝ ,ｨ;'　 ,.-...,,;:,,'　/l::::;;;`
　　-'ﾐ　　,:':;/ヾ､　　.,,.　,,_;:' l!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　ミ::`:'";;,'　　`:;､　:;;:　,;'　.,!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,ィ７ｱ´￣　　　　　　 ≧､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rｆ⌒/{/ ／／　_r'⌒ト==彡⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ﾄﾐwｰ┴‐一'´　　ﾐ==≦　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　｝ }　　__,r―一　　　}二　ミｰ--|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 {´厂　}'"´　　　　　　ﾐ==―　 ___|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ　 j八==r‐tチｧ　　￣ト--- ､{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾓｔｯ　}　ﾄ￣｀　　　　　} ﾐﾘﾊ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厂}　ｰ {＿　　 ,ィ'⌒}ﾐｸﾉ} ﾘ
　　　　　　　　危うく貴重な文物が散逸する所でしたな　　　　　　　　　　　.八　＞ｰへ__　　　　　　 |(し'|　l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　 Y_,rｰｰミ､} 　　　　 |　ﾊ从{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　-=ﾆT　　　　　　 }　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　＼　　 j＿　ｲ￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　／　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　 __|＿＿＿／　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/　　　 {　　　 / |　　／￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　／　　/＼＿＿}＿＿＿_| 　 /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , 　, ..-‐=_:ﾆﾆｒ:l￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　／／::::　'´　／　LＬ_::::::ﾄ､＿
　　　　　　　　　　　　　　 , 　 /:::／　／／　　　Ｌ＞`トﾐ_}
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /:::/　　/／　　　 :/／ヽ　＼_>
　　　　　　　　　　　　　 /　 /:::/　　/'　　　 ,. //　　 ',　　',
　　　　　　　　　　　　　　 ′　|:: ′ 　　　／ // 　　 :i | 　i
　　　　　　　　　　　　　　 ′　 |:;′　｜ ‐／-ミｌ/　　　 |ﾊ.　|
　　　　　　　　　　　　　　 ′　寸　　 l　/ｘ==ﾐ｀　　　斗┤ |
　　　　　　　　　　　　 ,′　　｜　　l ∨《ん::ﾘ　　　　ｘf竹 |　'
　　　　　　　　　　　 /　　　　|: 　人｛　 `ｰ　　　　ﾋ.ｿ /|/
　　　　　　　　　　／　　　　/|　　　 |＼　　　　　 , 　　,' /｜　　　　　　　平陽郡に残っていた雑胡六千戸、
.　　　　　　　　　／　　　　｜　　　|、　　　 __ 　　ﾊ　/|　　　　　　　巴氐・羌・羯の集落が十余万戸あるのね。
　　　　　　　　　／　　　　 _,_ ／|　＼　:| ＞　　　　　. イ　　'　|
　　　　　　／　　　　　／: : `'く|　　　ﾄ､　　/＞≦Ｌ⊥∠　⊥＿＿__　　　司隷の諸県に振り分けて移住させましょう
.　　　　　／　　　　　／ : : : : : :｜　　　ﾄ､ Y {_　 //￣￣￣￣￣¨¨¨¨7
　　　　八　　　 ,: : : : : : :.:∧:.L,__　　 l' へ＼ //　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : :∧:{―-ミ, |＼__>//　　　　　　　　　　 /
　　　　　　＼　{: : : : :ハ : : : ∧',　-ﾐ｀|‐(　) ,′　　　　　　　　　,′
.　　　 ∧　　　　｝人: : :.:{: :}: : : : : } L_　　ﾉ:／¨二⊃　　　　　　ｒ-ミ
.　　　 {　＼＿_ノ　ノ: : ;⊥ﾑﾐ: : : /:∧ _ミ{/ ／　-―）　　　　　　ﾉﾆヽヽ
.　　　人　　　　　 {＼_; へ: : :`く : ＼}/</　　 ´,二フ　　　　　　{-､ヽ｛
.　　　　｀¨ア　　　'ｰ|　　　＼＿:>: (|/　ヽ　　 /|　　　　　　　　 `ﾄ.` 　ﾉ
.　　　　　/　／7　　 |　　＼ {: : : :／{　/人, ィ:| |　　　　　　　　　　|_)／}
. 　　　 |／　 {　　 |　　＿_レ '´{　＼'　／::| |　　　　　　　　　　| ／ﾉ

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.石勒軍はその性格を変えつつあった。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　人口・人材を自軍に吸収するばかりか、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　陵墓の修復、文物の接収といった賊らしからぬ動きを見せている。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　こうした変化は士大夫社会に通じた名士の加入が大きい
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_

　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　　　　　　　.お前が傅暢か。
　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　　　　　　　話は裴憲と荀綽から聞いている。
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　　　　　　　 .俺に仕えるなら、二人と同様の待遇で迎えよう
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒　
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　　／,γ　／　　　　 ,　　　　　　　　　＼　　＞､｀＼　　　
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　 ,´,イ ,'　/　　　　/　 /',　　 ,　ﾄ､　､　　　　',　　 ,∧　ヘ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'´　,' ,　,'　　　　ｲ　ｲ,/|　　,ﾄ､',ﾍ　｀,､　　　 ', 　 ',　',　,　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,',ｲ　'　　　　/i　/'/　, 　,'　ﾏ,＞,ﾄ ,´､　　 i! 　　,　, ,i ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '´|　,　　　　,'￣｀ヽ　, ,/ ／',|　ﾞ,上x､　　 |ﾄ, 　 i '´ﾍ入ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ｲ　　　 ' ,ｨ=-x､　,ｲ　　　,イﾟ｡利｀'}　　i! ヽ　i! ,/;;',､′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'´ V　　　{ﾞﾄ､乍ﾑﾞ　　　 "弋ｚ)ｿ '',　仆/仆从;;;;;ﾘ
　　　　　　　　　分かりました。　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　'∧ﾞ戈ｿ　　　　　　　　ﾉ　,'-ﾒﾄ､/　ヽ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　',､ﾍ;;;.　　　　　　　　　 , イ　/,/
　　　　　　　　　よろしくお願いします　　　　　　　　　　　　　＼ﾄ､　',;ﾄ､u　｀　　　　　　 / イ､x､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾄ､｀　　ー‐ 　'　　　／ﾞ,　＼会itx､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　　イ/ 　}　　ヽ寺圭会ｉtx､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　￣　／　　'　　　　',寺圭圭会ｉtx､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ' ,ヘ､　' ,　　 /,､　　　　}圭圭圭圭圭}＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　漢　北地郡の人　傅暢

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ちなみに、以前漢に降伏した傅暢は靳準の乱後に石勒に仕えている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石勒の大将軍司馬に任命され、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .裴憲・荀綽と共に石勒の属官という立場で迎えられた
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１９年２月　漢　首都　平陽】

　　　　　　　　　　＿__　
　　　　　/　　　 / ））））
　　　　/　　　／＿ ⊂ﾉ
　　　/　　　/|＼＿／￣￣＼_／|
　　/　／　＼＼＿|　 ▼　▼ |_／　　　　　　　　　　大変です！
　 / ／　　　　＼　　＼　皿／　　
　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 ⌒＼　　　　　　　　　　劉曜の下にいる王修様が殺されました！！
　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　／>　>
　　　　　　　　/　　　　／　6三ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ノ_,ノ／二ﾆ=─　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _rァ'⌒{　r―==彡ｰ―～'　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　入ｉ{ i{　　 jｆ⌒　￣｀ー==一'⌒　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-＞へｰﾍ廴{し'ー====彡く＿_ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾆ }　　　ｉ　　　ﾘ　　　　　　}ミヽ　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {レj 　　＼　ノ　　　　　　ﾐ三三　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈// 　＿_＼八{　　＿　　　　ﾐ、￣　人
　　　　　　　　　　何！？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ﾊーｔ‐もﾃト　{　亡をﾃラ'　　ﾄミ＿　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ| ´￣￣ﾊ　 i　´￣￣｀　　 jﾘﾊ j }｀Y
　　　　　　　　　　どういう事だ！！？　　　　　　　　　　　　　　　　　　N　　　r‐〈　 {　 }　　　　　 /ｲｸ＾リ人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}ヘ　　　｀ｰﾍ　＼___　　　 |ー' |i{　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　＿＿＿＿＿_| | |　 f⌒￣＿⌒ミ､ i｀ヽ　 {　　jﾉ　八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　／　　／　　／　L| l　 ,ﾚ' {￣￣￣) ﾘ　　　 |　　廴{___〉／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／　　／　　/_｣人　　　´丁¨¨｀　　　　　_ﾉ　　　 {　/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　／　　／　　　 { |　　 {__{ l　＼| 　ﾉ　　　 jﾘ／/　　　　／{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..　　／　　／/　　　　 | |　　 {__}_l　　 |＿＿＿＿_/イ　 /　　＿,ノ　_{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　　 /　/　　　　　| | 　 /＼＼　　　　}　　　　　　／／￣ｰ___／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ...　　　　{　 |　　　　　 | |___/　　＼＼　　　　　　　／　/　ー／／}　|

【紀元３１９年２月　漢　雍州　粟邑】

　　　　　　　　　。∴{!　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,ｨ(。
　　　　　＿,ｨ(　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'''´⌒'・
　　　　　,ｨ圭||ｱ　'’　　　　＿_　　　　　　　　　　　　 ,ｨ(＿＿＿_,ｨ∵ 　　　　　　　 ,ｨ(＿
　　　　　炸圭( 　　　 ,ィ升彡　　　　　　　　　　　ノ圭圭圭圭そ　　　　　　　　　。　佳圭心､_
　　　　 ⌒`寸ﾄ､　　 ,{抄'⌒ 　　　ﾉ斧ﾐ､　o　　 ∴炸圭圭圭|iて ',∴ ･　　　　　　　　 _ノ佳佳佳て。
　　　　　　゜　　　　ﾉ/　　　　　 ⌒∴　　・　ﾉ(_ノ圭斥⌒',寸ﾐ､　　　　　　　　',.:,：･'｀¨∵¨¨⌒´
　　　　　,,、　　　／/　　　ノ(　　　　　　　　　/少'⌒ `　　　　　　　..,, _,.｡x≦少"・　　　　　　　,ｨ(＿∴_,：･・
　　π_ノ心､_ノ(,炸||(　　 ,,.,⌒　・っ　　∴ ･　　　　　　　　　　　　　 ;,,ｨ炒⌒;.　　　　c=≠二,ｨ炸圭圭(;''
　　　)圭圭圭圭圭ア　　∴：¨'`　　　`　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',∴ ･　　　　　⌒　寸筵τ'⌒``
　τ｀Ⅷ:圭圭圭圭(_ノ廴　τミx｡、∴＿_　　　　　　　ノ廴_,ｨ炸廴ｨ
　　　)}圭圭圭圭圭そ `⌒'・　　 __,ｨ圭掛x、∵　　　 ,ｨ炸圭少⌒'・
　_,ｨ炸圭圭才寸圭廴｡x:≦少"´⌒''''⌒¨∵¨´　　　　　 ⌒¨¨∵：･　
　　　⌒`寸ﾄ､∴｀寸ﾐ､　∵：･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　`寸そ：¨'`沁っ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲﾉl/ ―　ﾄl!: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l:/|/● 　　　●　　ト、: :|
　　　皇帝陛下の命令に従って王脩を誅殺しましたと曹平楽は報告します　　　　　 |/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒ヽ__|ﾍ　丶_ノ　　 ..ｲ:i : :/⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . .＼ /:ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}ﾉ/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　//ヾゝ八__／:.:.//ﾍ､__∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_　,'

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　『晋書』『石勒載記』によると、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　劉曜は曹平楽の進言を受けて石勒との折衝役だった王修を殺害。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .王修が疲弊していた自軍の内情を漏らす事を懸念したためという
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
ﾄ､　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　 ,:ｲ
|　＼_＿＿/　　＿＿＿　,,),,) ＿＿＿　ヽ＿／　|　　　　　　劉曜に寝返った曹平楽が、

|　　　　 ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/　　　ヾ::::::::::/　　|　　　/　　　　　　石勒将軍に謀反の意志ありと吹き込んだとか。
＼　....::::;;;;ジ:::::::　ヾ;;;;;/　　　　ヾ;;;;;/　　 |;;::. シ
　￣￣￣|:::::::::::::::::　　i￣i￣i￣i　　　　　|￣　　　　　　　　.俺はどうにか劉曜の下から逃げてきました
　　　　　ヽ:::::::::::::::::::￣￣￣￣￣　　　ノ　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,. -─- ､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,;:;:;;;;;:;:;:;:;:｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'.:..:.:.:.;;;;;;rrrr､:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::;ｨ'´;;;;' ｀ヽ｡-､ヽ.::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾐﾚ'"´.　,..　""｀,ｨ;;彡　
　曹平楽？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾐ!. i i::i l.:::! l:l .l:! l;;彡

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iﾄ､i i:::iﾉ:::l/::l/::!ﾉ:::|　　　　 /l　/l　　　
　随分前に劉曜への使者になって帰って来なかった奴か。　　　ﾄ､　　　　ヽ入:::::::::::::::::::｀VⅥ　　 _../　ﾚ' ..!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､.　!　Vl ,..ィノ::`1 ﾐヽﾆﾆ彡'´　L:爪Y´./l　｀`　ヽ
　ロクな奴じゃねぇな　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　ヽ|　〃／./::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣:ｒl　/ .l.:.:.:.:.　　／ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ´ヽﾉ／ /　　:::.人::::::::::::::::::::::::::::::::!!::! ゝ '　　／.ィ´ `
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､, ´/　./:::''　 ::::｀Y::::::::::::::::::::::.人::::::// .i!　／　 ´ ;;　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ V.:.:.i　 / ,:: 　 |:::::::::::::::::::::::::::::::｀Y::　 !' ﾉｲ　i　　:;:;:;;:;ﾞﾞﾞ　

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　騒動の発端になった曹平楽という人物は、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒に仕えていた所を劉曜の使者となり、そのまま劉曜に仕えていた。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .それが、旧主の使者を殺させたのだから、完全に裏切り行為である
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　! i　　　 .!l 　　　 !ii i
　　　　　　　　　　| i!i/: : : : !l|ｒ"-'"-i| i`i|‐､
　　　　　　　　　　|,ｲ|,,.．r''"!l|　　i!　　|ヽi　 `i　　　.,./　　　　　　 ,/
　　　　　　　　 ,ｒ'''! |i!　　　　　　 ii |　　| |`i　 i　　／/　　　　,.r"/
　　　　i､　　　 /　 !　　　　　　 ,,,,.i! l-ー|--i!､ .i:／ ./　　　,,.r'"　/
＼　　 i ＼　　/i　　　　　,,.．r''"　 i! i. 　 !　 i! l .i　 ./ 　 ,ir''　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　＼　!　 .＼/ .:i.　　　　　　　　　　　　|　　 i ヾ､./:r''"　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　`'　　 / .::/　　　　　　　　　　　　.!|,,.rヾ､,,ノ　　　　　-=ニ　　　　　　　見下げ果てた輩どもだ！！！　　　　　≦　
.　　　　　　〈 .::::i　 i　　|　　　　,,.．-‐ ''"|i　　　i　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　　　　　ヾ;::ヽ､i　　!　　　　　　　　　　　　/　　　　　　/　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼　
　―－―――ヾ;::::i 　 ! 　 !|i　　　　　　　 !|/ヾ;― =＝　　　
　　　　　　　　　ヾ:i, 　|i.　 !||　　 i |i　,,.ｒ"!| 　〉　　　　　　　
　　　　　　　　　　 `i、 ||　　|i　　　i ||'"　　　　/
　　　　　　　　　　　 .ヽ||　　　　　　　　　　　i|'　　　　　　　　 ,,　　　　　　　　　　　　,,. 　　 ,.
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　　　　　　　　　　　　....:::::::::ヽ|i,,,,,|,,..r''":::::::.......　　　　　　 /:::::i　 /::i　|:::::i　 ./'''"´:::::/ .／:::::::|.　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:::::::::::::::／　　i::／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ　　　　　曹平楽の三族は皆殺しにしろ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈　　　　　王修には何か官職を追贈してやれ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　　　￣｀　:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒ヽ__　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　　＿＿＿＿_＼
.　　　　　　　　　＿＿　　　　　／　　　ﾉ)　　i　　 } / 　 /　　　　　　　　　´￣　　--── ､￣￣｀　､
　　　　　　　　　 ´　　　　￣￣＿＿＿＿＿　　　＿　　--――一' 　／　　　　/　　　　　＼　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ノ´　　　　　　　　　 /　　＼　　　　　　　　　　　ヽ　　　　丶
　　　　／　　　　　　　／　　　　　　　　　ｒ'　　　　　　　　　 i　　　　　ー―　　　　　　　　　　＼　　＼
.　　　／　　　　　　　／　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　 /　　　　　　／　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　|　　　＼　　　　　　　　　ヽ

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.石勒は激怒した。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　曹平楽の三族は誅殺され、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　非業の死を遂げた王修は太常を追贈している。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　ただ、これに関しては、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　日頃の漢に対する舐め切った態度が招いた結果かもしれない
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::＼
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::＼
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::f ＼::::::::}
|　　　　『晋書』『石勒載記』に曰く　　　 .|:::::::::::::|　　ゝ::::|
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ー:､::::::::::ﾍ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::ヘ＿
|________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、

　　　　　　　　＼::::| |:::::::::ィ !{　ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´
　　　　　　　　　　　 | |　　　ヾN ゞｿ　　ゞｿ//　　　　　　　　　　　　　　　この事件を受けて、
　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜　　　　　　　　　　　　　　.石勒は布告を行っている。
　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　イ |::::::::|　
　　　　　　　　　　　 | |　　　＞-､＼!　 !／::,-＜　　　　　　　　　　　　　　.内容は劉曜に対する絶縁状だ
　　　　　　　　　　　 | |　　/´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､
　　　　　　　　　　　 | | 　ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　 | |　 /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|　
　　　　　　　　　　, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|　
　　　　　　　　　　 |　ｰjヽ＼::::::'"::／ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　ヽﾆj　} 　＼:／＼　|:::::::::::::::::::::::::::|
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　　　　　　　　　　　|:!.|:＼　　ﾉ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
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　　　　　　　　　　 |:|_!:::::::::::::::/　 /　　|:::::!::::::::::::::::|::::::|
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　　　　　　　　　　|::::::::::::::::/　 /　　　 !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
　　　　　　　　　　　!:::::::::::／　 /　　　　|::::::|::::::::::::::::|::::::::!

【石勒の布告＠『晋書』『石勒載記』（大意）】
┏─────────────────────────┓
　我ら兄弟が劉家を奉じる事は人臣の道を過ぎる程であり、
　もし我ら兄弟がいなければ、果たして朕と称せたであろうか。
┗─────────────────────────┛

　　　　　　　　　　　　　　　　／三三`;ヽ-､_
　　　　　　　　　　　　　　　／; ; ;;; ;; ミ　ﾐ　　ヽ
　　　　　　　_,,.-‐''''''''ヽ､_ /; ; ;;: ;;:::::::::::::::ミ　､;::i
　　　　　 -'´　　　　　::　`‐､_:: ::: :::: :: ｒ/ _::::ﾉ |::ﾉ
　　　　 /　　　　　　　:::　　　`ヽ、_／|.// `,_　|'´
　　　 /　＿_,,....,,..__　 ::::　　　　ヽ　　ｿ　　ゞｖ
　　 ./-'´　　　　　`ゞ;;:::::,,,　　　　 i .ｲ　　　.ｨ.i
　／　　　　 :::　　　　`‐､_:::::　　ノヽ_i　 /./-'
　/　　::::　　:::　　　　　::::::`y_,.／　　　ヽ_i'　　|

　i :::::::　　　　　　　　::::::::::::i::::::::::　　　　　＼ |
/::::::::　　　　　　::::::::::　 ::::::i::::::　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.,,
::::::::　　　　　　　:::::::::::::::::::i:::::::::::::　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　/|　　　　　　ｒ'´";;:;~ヽ,
:::::::::　　　　　　　:::::::::::::::ﾉ::::::::　　　　　　　　　ﾊ|　　　　　　　　　　　　　　 / |　　　　　 |;:;:;:___:;:;:;:;:i
::::::::　　　　_-‐‐､_＿,,.＞､:::::::::　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　i　‐'ﾌ　　　　ヾｨ-‐ヾrｧ;;i
::::::::::　　／:::::::::::::::::::￣　＼:::::::::　　　　　　　　　 i,　　　　　　　　　　　　　/_,,../　　　　　　'i=　ノ‐'ヽ__
::::::::／`´::::::::::::／`ーﾍ::::::::::|　　　　　　、:::::::::::　ヽ　　　　　　　　　　　　 (´彡ヽ､　　　　　.ﾄイ'´⌒　`ヽ、
.i／::::::::::::::::::::/　　ヘ　ヽ:::::::i::::　　　　　＼_::::::::::::::::>　　　　　　　　　　　　＼　／ >､_　_／-‐' ::::::...　　::::ヽ

. |::::::::::::::::::::::i　　i　　 i　|::::::::i:::::::　　　　　　`‐、_　/　　　　　　　　　　　　　ヽ/~／／_／　　_,...-''　　　　 i
　､:::::::::::::::::::（　　レ　　 i:::::::::i:::::::　　　　ー､＿_　/　　　　　　　　　　　　　　　ヽ/／`　　,,..-''　　　／　:::::::::|
　ヽ::::::::::::::::::ヽ　　　ｒー::::::::::i:::::::　　　　　　:::::::/　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　＿,,....-'´　　　:::::::i
　　ヽ::::::::::::::::::`-'´‐''''''''' ､:::::i::::::　　　　　:::::､/＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ー'ｨ''´、ノ　）:::　　　　::::i
　　　`,:::::::::::::::::::::/　／`ヽ::::::::|:::::　　　　　::::::|:::::::>_,,..-、　　　　　　　　　　　　　　　　|::::-　　　　　　　　 /

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　興味深いのは、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　この布告が「我ら兄弟」で始まっている点だ。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .史書では悪く言われるが、石勒が石虎を片腕と恃んでいたのが分かる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

┏───────────────────────┓
　それにも関わらず、礎が立つや謀をなそうとしていた。

　天は悪を助けず、靳準の手を借りたのである。
┗───────────────────────┛

　　　　　＿,ｨ(　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'''´⌒'・
　　　　　,ｨ圭||ｱ　'’　　　　＿_　　　　　　　　　　　　 ,ｨ(＿＿＿_,ｨ∵ 　　　　　　　 ,ｨ(＿
　　　　　炸圭( 　　　 ,ィ升彡　　　　　　　　　　　ノ圭圭圭圭そ　　　　　　　　　。　佳圭心､_
　　　　 ⌒`寸ﾄ､　　 ,{抄'⌒ 　　　ﾉ斧ﾐ､　o　　 ∴炸圭圭圭|iて ',∴ ･　　　　　　　　 _ノ佳佳佳て。
　　　　　　゜　　　　ﾉ/　　　　　 ⌒∴　　・　ﾉ(_ノ圭斥⌒',寸ﾐ､　　　　　　　　',.:,：･'｀¨∵¨¨⌒´
　　　　　,,、　　　／/　　　ノ(　　　　　　　　　/少'⌒ `　　　　　　　..,, _,.｡x≦少"・　　　　　　　,ｨ(＿∴_,：･・
　　π_ノ心､_ノ(,炸||(　　 ,,.,⌒　・っ　　∴ ･　　　　　　　　　　　　　 ;,,ｨ炒⌒;.　　　　c=≠二,ｨ炸圭圭(;''
　　　)圭圭圭圭圭ア　　∴：¨'`　　　`　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',∴ ･　　　　　⌒　寸筵τ'⌒``
　τ｀Ⅷ:圭圭圭圭(_ノ廴　τミx｡、∴＿_　　　　　　　ノ廴_,ｨ炸廴ｨ
　　　)}圭圭圭圭圭そ `⌒'・　　 __,ｨ圭掛x、∵　　　 ,ｨ炸圭少⌒'・
　_,ｨ炸圭圭才寸圭廴｡x:≦少"´⌒''''⌒¨∵¨´　　　　　 ⌒¨¨∵：･　
　　　⌒`寸ﾄ､∴｀寸ﾐ､　∵：･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　`寸そ：¨'`沁っ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:''""'':;, 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　.,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::l|：･　　.,iﾞ　／　　　　　　　＼　ﾞi!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::l|　　　 .i!　　　●　　　　●　　　,l
　　　　　　　　　いったい石勒はどっちの味方だ　　　　　　　　　　　　 |::l|　　　　ﾞi,,＊　　（__人__）　　＊,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l|　：･　　ヾ､,,　　　　　　　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l|　　　　　　/::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l|　　　　　 /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!

┏────────────────────────┓
　私は君主の礼を受け入れる者であるから、
　再び有徳の君主を尊重し、当初の如く友好を保とうとした。
┗────────────────────────┛

.　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　 / （0)(0）ヽ
　　　／　￣｀´￣　＼　　　　　　　　　石勒将軍。
　　　 |　,-）　　　　（-、.|　
　　　 | l　＿＿＿＿　l |　　　　　　　　靳準は将軍との和睦を望んでいますっていう。
　　　　＼　｀ ⌒´　／
　　 ,､-='l　＼_,ﾝ g< ＼　　　　　　　　　天子の車馬・衣服一式も献上致しますっていう
　/ ＼　└〆＼ i=i|＼' ＼

丿　　i　　＼　＼=i|　/ 　i|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.........:.:::ll:::.:.:.:.:.....:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ＿＿ /~ゝ､::::＿＿___ .:.:.:.:.:.::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::∨//.会目会 Y///∨-､.:.:.:::::;::::ゝ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:::::∨/∧,目ゝ,////∨ゝく::::::::/::::〆..`‐-　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..,ィチ:} l (_jゝ=ﾆi目/ム=＝ (_ )( _ｿ:::::::/:::..　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 .. ＜　::::::::::::| tー ( ( Y⌒) ) )ｿ　-‐＝‐」::::::/:::::::.......　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　:::::::::::::::{ rｰ＝＝ﾐ'ｰ彡ｨ-三二￣ヽ.:::::::::::::::::::::::::.:.:.:
　　　　逆賊に選ぶ道などないぞ。　　　　　　　　　　／................::::::::::::::ム.ﾍ弋竺ｧゞY ヒ"ﾞtァﾃﾐ ,-ﾍ:::::i::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　::::::::::::::::::::::::::::Y⌒ヽﾍ:::　.:.:.| ﾞ'´ }:.:.:.￣　 {　,込:.ﾍ::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　劉曜の下で裁きを受けるがいい。　　　　　 i　::::::::::::　_ 三＝{ !{｀王ﾍ::: .:.:.|　....ヽ:.:..　　人|i王}::ゝ丶ー ‐--
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 {　::::::::::∠　＿＿ゝj`王::∧ :.: ゝ:.レ′ 丶　　l王!::::_::::::.:.:.:.:.ヽ
　　　　連れて行け　　　　　　　　　　　　　　_ -‐≠込　 :::人　　　 _　ﾚi｀王::::∧ 'r ‐‐-- ､　 :.:.∧}王|:人｀ ‐ ...＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨチ　/´　　　＞ ..　 `‐ _〆//lﾍ_〉ｰ'::::::ﾄ, :.:.￣.:.:.: 　　 |　ﾞ　 }:.:... `＜＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　弋　　　　　　　￣　 ∨　ゝ__ ﾉ`':.:.l ｉ　 :::　　　　∠ゝ _.ノ:.:.:.:.＞´　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く _　　ゝ　＿＿＿　　 -〆 . . : : : : . :.:.:.} ゝ＿＿／.:.:.:.:..　＞' ´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　 r ‐-､　　　　＞'´　: : : : : : : : ::::〈　:.:｀ ;:.:.:.:.:.:.　＞ ´ 　　　

┏─────────────────────────────┓
　しかし、悪を助長させて改悛せず、誠心を奉じた使者を殺してしまった。
┗─────────────────────────────┛

　　　　　　　　　。∴{!　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,ｨ(。
　　　　　＿,ｨ(　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'''´⌒'・
　　　　　,ｨ圭||ｱ　'’　　　　＿_　　　　　　　　　　　　 ,ｨ(＿＿＿_,ｨ∵ 　　　　　　　 ,ｨ(＿
　　　　　炸圭( 　　　 ,ィ升彡　　　　　　　　　　　ノ圭圭圭圭そ　　　　　　　　　。　佳圭心､_
　　　　 ⌒`寸ﾄ､　　 ,{抄'⌒ 　　　ﾉ斧ﾐ､　o　　 ∴炸圭圭圭|iて ',∴ ･　　　　　　　　 _ノ佳佳佳て。
　　　　　　゜　　　　ﾉ/　　　　　 ⌒∴　　・　ﾉ(_ノ圭斥⌒',寸ﾐ､　　　　　　　　',.:,：･'｀¨∵¨¨⌒´
　　　　　,,、　　　／/　　　ノ(　　　　　　　　　/少'⌒ `　　　　　　　..,, _,.｡x≦少"・　　　　　　　,ｨ(＿∴_,：･・
　　π_ノ心､_ノ(,炸||(　　 ,,.,⌒　・っ　　∴ ･　　　　　　　　　　　　　 ;,,ｨ炒⌒;.　　　　c=≠二,ｨ炸圭圭(;''
　　　)圭圭圭圭圭ア　　∴：¨'`　　　`　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',∴ ･　　　　　⌒　寸筵τ'⌒``
　τ｀Ⅷ:圭圭圭圭(_ノ廴　τミx｡、∴＿_　　　　　　　ノ廴_,ｨ炸廴ｨ
　　　)}圭圭圭圭圭そ `⌒'・　　 __,ｨ圭掛x、∵　　　 ,ｨ炸圭少⌒'・
　_,ｨ炸圭圭才寸圭廴｡x:≦少"´⌒''''⌒¨∵¨´　　　　　 ⌒¨¨∵：･　
　　　⌒`寸ﾄ､∴｀寸ﾐ､　∵：･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　`寸そ：¨'`沁っ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲﾉl/ ―　ﾄl!: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l:/|/● 　　　●　　ト、: :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒ヽ__|ﾍ　丶_ノ　　 ..ｲ:i : :/⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . .＼ /:ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}ﾉ/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　//ヾゝ八__／:.:.//ﾍ､__∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_　,'

┏────────────────────┓
　帝王の起業に定めがあろうか。

　趙王・趙帝は私自身で得るものであり、
　名号の大小はそちらの節度によるものではない。
┗────────────────────┛

　　　　　　　　　　　　　　　iヽ/ﾂii|}}从､}iii)''ijﾘﾘ}　､　　　　　ﾉﾂﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　ii}}y"}!､iii､'';/r"t}}}（iij,yiiヽ-ﾘヽii}j､,,　"ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　t,｀､i､}ヽ''ii）;;|iMtヽ''" ｀" ﾉ　""ノﾉﾉjjり ''ﾌ

　　　　　　　　　　　　　､)" ミ;;,,t､ti;i､ t;;､､）)ﾘiﾉﾂノ／""''彡"彡ョ
　　　　　　　　　　　　　　i､｀''i ;;;;:::ijj}､｀';;;;;;'"":::;;;'"　,,,,　　廴r''ﾂ r'
　　　　　　　　　　　　　 't､ ;;;､ t;; ::;;;｀;;;;;;;;;;|}:::'"::;;'"ii"　　､迄彡ﾉﾂ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ, ;) (|;;ヽ;;､;;;;;;;;;ﾉ':::i:::;'":::';;"　　::'≡　" ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　 'i ,;i,,､;;､､,;; ;;;;､;;;i'i},,ir')ノ,,,,,,,,___　:::ミ≡:r'i
　　　　　　　　　　　　　　　t ;t;;iitｰﾐｩﾃ;;､刈ｼ='r'-ﾐｭｫヲｦ　 ')'''/'|:|　　　　　　　　　　　　　　　襄国へ帰るぞ
　　　　　　　　　　　　　　　 '',､,i'"｀￣"::::了 j''"｀￣:::::"　　 ;;ﾘ/)ﾘ/i　　　　　　　,,
.　　　　　　　　　　　　　　　　t､i'::::　　:::::::| ,'　 j""　　　　 :::ﾘ'､/ｲ'(,, ､､ -ｰ '",､　~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽt::::::: :::::t,,ハ　,､)　　　　;;;;:::i-ｰ'"t)）::::: ..;､-'",, "　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i;t :::::::::::~'- '":"　　　了 ,i;;;;:::　 t:::;､-'"　'"　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ,,, ､ - ｰt;ヽ ::::::::;;､､､:::,,,　　　;;'" /;;;;:::　,､'":::::彡
　　　　　　　　　 ,,､- ''":::::::::::::::::::t:;ヽ :::::":::::::::::::｀'　 /　, ';;;;;;;r''":::::::...
　　　　　　 ,,､-'"::::::::::::::::::::::::::::::::::t::;;ヽ ;;;:::::::::　　　 "／;;;;／::::::::::
　　　,,､- '"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;ヽ　:::::::::::: 　､';;;;;r'"::::::::

.　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;;;;'､;;;;;;;;;,､-';､-'":::::
　/　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｿ:::;;;､ - ｰｰ'''":::::::::::　....::''"

./　 ;;;;;;;;;;､ -ｰｰ ''''' """ '''' ｰ,-ｰ''''::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::
"""　　　　　　　　　　ｰﾆ"､,,,,,,,,＿:::,,,,,,,,,:::＿＿,,,､ -ｰ'"

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　布告文の言い分を素直に信じるなら、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒は漢の忠臣であり、かつ劉曜の配下になるつもりだった事になる。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .どこまで本気か怪しいものだが、結果として自立の格好の口実にはなった
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１９年２月　漢　雍州　長安】

　　　　　　　　　　　-=ﾆ二二二二二ニ≧==--
　　　　　　　　　 -=ﾆ二二二二二二二二二二二二≧=-
　　　　　　　　-=ﾆ二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ}
　　　　　　　-=ﾆニニ二二二二二二二二ニニニニニﾆ=-

　　　　 -=ﾆニﾆ=-≦γ⌒ヽ }ﾍ三三≧=--=ﾆニニﾆ=ノ
　　　　　-=ﾆﾆ=-≦{ {ﾆ乂　ﾉ }ﾉ三三三三三三三三ﾉ
　　　　　{=-≦三三ゝ'三三三三三三三三三三＞'´ ｀｡

　　　　　ゝ〈三三三-=≦ﾆ二二ニﾆﾆﾆ=-　ﾍ　　　　　ﾟ｡
　　　　　　　Y≦ニニ二二二二ニﾆ=-／　　ﾟ｡　　　　　｡
.　　　　　 /ﾆﾆニニ二ニニニﾆ=-／　 |　　　｡　　　　　ﾟ
.　　　　　　　-=ﾆニニニニニﾆ=イ　　　 |',　　　lﾟ｡　　　　｡
　　　　　　 /　-=ﾆﾆﾆ=- イ　 l.　　　 | | 　 | |_ ｡　　　　ﾟ
.　　　　　　 i　　 / 　ﾄ､　　ト--ヽ　　　l'.| 　 | |　lﾟ
.　　　　　　 | 　ｉ　　 .l　ヽ__l__　　＼__ |.从___/__:!ﾍ　　　　　　　　　　　　　　石勒め。
　　　　　　　乂　|　　.∧く　{ﾉ笊｀　　　　´{ﾉ笊ﾉ ∧　　　　ﾟ｡
.　　　　　　 /ヽi　 ./ (ﾍ.　乂ソ　　　　乂ソ　/ﾉ∧　　　　ﾟ　　　　　　　　どの口がそれを言う
.　　　　　　　/　　　 !/ヽﾍ　　　　　　i}　　　　 /／/∧　　　　ﾟ
　　　　　　/　　　　////}::::::.　　　　　　　　　 /::ｉ ///∧　　　　ﾟ｡
.　　　　　 /　　　　/////::::::::ヘ　 - ､ o ＿_ .／:::::∨///∧　　　　｡
　　　　　/　　　　/////:::::::: ＜￣　ー＜　　｀　､::::∨///∧　　　　　＼
.　　　 /　　　　/////{:::／　　/ー -- ､＼ノ　　｀　＜////＼　　　　　＼
　　　 /　　　　∧/// イ　　.ノ　／＜／ゝノ　　　　　　｀ヽ///,＼　　　　　＼
.　　　l　　　　///／　　　　ゝイ　＞'　ｘ＜＞. 　　　　　　 >‐､//＼
.　　　| 　　／/≧=-　　　fく:::::::::ゝ-イ　　7´::::::::::::7¨¨T　／ﾆニ∨//,＼

.　　　|　 /.//二二二≧x'//＼::::::::::::! 　/::::::::::::／///／ﾆ二二ﾆ∨/// ＼

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ここに至って、匈奴を中心とした漢の分裂は決定的となる

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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紀元３１９年６月　漢　雍州　長安】

　　　　　 -==≠二三三二ﾆﾆ/
　　 x≦二二二二二ニニニﾆ/
　　｛ﾆ(ヾ' 二二二二二二二ﾆ＼

　　 Y=(∧)二ニﾆﾆ=-　' 　　　＼
.　　 }ニニｒ ) '=-=／　　　＼　　　｀
　　　`…’〉'ﾆﾆ／　　　＼＼ヽ。　 ∧　　　　　　　　　　　　私の先祖は北方で興った。
　　　　　｀ﾃ¨´./　　＼　.＼　iﾊ　//∧
　　　　　 | |　l.|　|､　　.|ヽx==ﾐｖ- 、　　　　　　　　　　　　　光文帝が漢の宗廟を立て民望を従えたが、
　　　　　 | |　､!､r=ﾐヽ┘"π'c!ﾘヽ'　　∧　　　　　　　　　　今、国号を改めて冒頓単于を祖としようと考えている。
　　　　　｀＾ｰ/-夂ｿ　　 `ｰﾟ　ﾝ　　//∧
　　　　　　　　 i　人　'　_ _　　ｲ、　　　　＼　　　　　　　 .皆の意見を聞かせてほしい
　　　　　　　 >‐-_＞、_　.イノ=ﾄ､　　＼　　＼
　　　　　　 /:::::／ﾆ/〃└,=-=人= .､　＼　　｀ー　
　　　　　／{:::<ﾆﾆ/_, ｖ／ニﾆﾆ{:::＼_〕ﾄ､　＼
.　　　　／::::;=「ﾆﾆ/　／ﾆ|ニニﾆ{:::::::::::::::∧. 　＼
　　　.／::::/ｘニ|ﾆ_/／ニニﾆ==‐:::::/:／::::::::∧　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /ﾆＹﾆヽ　　　　　　　　　　　/ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / （0)(0）ヽ　　　　　　　　　　/ （0)(0）ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　￣｀´￣　＼　　　　　　　／　￣｀´￣　＼
　　光文帝の最初の封地は中山国の盧奴、　　　　　　　　　　　　　|　,-）　　　　（-、.|　　　　　　.|　,-）　　　　（-、.|

　　陛下は即位前中山王に封じられていましたっていう。　　　　　 | l　＿＿＿＿　l |　　　　　　 | l　＿＿＿＿　l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀ ⌒´　／　　　　　　　＼　｀ ⌒´　／
　　中山は趙の故地なので、国号は趙にすべきですっていう　　,､-='l　＼_,ﾝ g< ＼　　　　　 ,､-='l　＼_,ﾝ g< ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ＼　└〆＼ i=i|＼' ＼　　/ ＼　└〆＼ i=i|＼' ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　i　　＼　＼=i|　/ 　i|　丿　　i　　＼　＼=i|　/ 　i|

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.東晋の太興二年。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　劉曜は長安を都に定め、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　六月には国号を漢から趙に改めた。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　歴史上、前趙と呼ばれる王朝で、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　国号の由来は光文帝（劉淵）と劉曜の封地の古名から来ている
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

【>>176修正】
【紀元３１９年６月　漢　雍州　長安】

　　　　　 -==≠二三三二ﾆﾆ/
　　 x≦二二二二二ニニニﾆ/
　　｛ﾆ(ヾ' 二二二二二二二ﾆ＼

　　 Y=(∧)二ニﾆﾆ=-　' 　　　＼
.　　 }ニニｒ ) '=-=／　　　＼　　　｀
　　　`…’〉'ﾆﾆ／　　　＼＼ヽ。　 ∧　　　　　　　　　　　　私の先祖は北方で興った。
　　　　　｀ﾃ¨´./　　＼　.＼　iﾊ　//∧
　　　　　 | |　l.|　|､　　.|ヽx==ﾐｖ- 、　　　　　　　　　　　　　光文帝が漢の宗廟を立て民望を従えたが、
　　　　　 | |　､!､r=ﾐヽ┘"π'c!ﾘヽ'　　∧　　　　　　　　　　今、国号を改めて冒頓単于を祖としようと考えている。
　　　　　｀＾ｰ/-夂ｿ　　 `ｰﾟ　ﾝ　　//∧
　　　　　　　　 i　人　'　_ _　　ｲ、　　　　＼　　　　　　　 .皆の意見を聞かせてほしい
　　　　　　　 >‐-_＞、_　.イノ=ﾄ､　　＼　　＼
　　　　　　 /:::::／ﾆ/〃└,=-=人= .､　＼　　｀ー　
　　　　　／{:::<ﾆﾆ/_, ｖ／ニﾆﾆ{:::＼_〕ﾄ､　＼
.　　　　／::::;=「ﾆﾆ/　／ﾆ|ニニﾆ{:::::::::::::::∧. 　＼
　　　.／::::/ｘニ|ﾆ_/／ニニﾆ==‐:::::/:／::::::::∧　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /ﾆＹﾆヽ　　　　　　　　　　　/ﾆＹﾆヽ
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　　光文帝の最初の封地は中山国の盧奴、　　　　　　　　　　　　　|　,-）　　　　（-、.|　　　　　　|　,-）　　　　（-、.|

　　陛下は即位前中山王に封じられていましたっていう。　　　　　 | l　＿＿＿＿　l |　　　　　　.| l　＿＿＿＿　l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀ ⌒´　／　　　　　　　＼　｀ ⌒´　／
　　中山は趙の故地なので、国号は趙にすべきですっていう　　,､-='l　＼_,ﾝ g< ＼　　　　　 ,､-='l　＼_,ﾝ g< ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ＼　└〆＼ i=i|＼' ＼　　/ ＼　└〆＼ i=i|＼' ＼
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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　劉曜は長安を都に定め、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　六月には国号を漢から趙に改めた。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　歴史上、前趙と呼ばれる王朝で、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　国号の由来は光文帝（劉淵）と劉曜の封地の古名から来ている
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　/i'，　　∨i:i:{／＼___ ＞―　＜＼／　　 ____'，
　　　　　　 {Ｌﾊ　〈〉　Vi:i:〉／i:i:i:i:i＼_i:i:i:i:i:i:i＼ヘ、／⌒ 　}
　　　　　人 {i:i＼＿/i:i:iVi:i:i:i:／⌒`i{⌒，⌒∨_i:i＼__　　/
　　　　　　辷＼⌒Vi:i／ｉ:{i:i:i:/　　　 ,i{ 　 ', 　 |　Vi:i/⌒ア
　　　　　　　　⌒＼ _]__／Ｌi/　　　/八　 ', 　| 　}∧_／
　　　　　　　　　　_ ‐⌒　　/' 　　 (莎ヽ＼ハ/| 　}i:i:iア　　　　　　　　　　陛下。
　　　　　 _　-　　　　 {/ |　　{ 　{　　　莎/| 　}／‐ _
　　　-　￣　　＿　　　　ィ|　l　　＼{ 　　 '　/ノ　/,　rく＼_‐ _　　　　　　近頃またお酒の量が増えたのでは？
／-‐　　　⌒ア⌒￣　　　ｌ　ｌ　　　(､　｀`　ィ } 　/　',〈＼{＼V⌒ ‐　_

　　　　　　／　　　　　　　＞､　　＼７〔⌒l〈／,　　〈＼＼ ∨　　　
　　　　　/　　　　　　　 /　　 `　､＼＼／{　＿',　　}＼　( 　,⌒ ‐
　　 __ /　　　　　　　　 {　　　　　}＼＼}{＾⌒＼ , 　「「 V ⌒ ',　　
‐ ⌒ア　　　　　　　 /∧　　　 ∨/}　j ＼＼v 　/　{　{'　　　,　　　　　　　　　　　　＿＿　　-==- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 {二二二二二ﾆﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　前趙　皇后　羊献容　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂二二二二二ニﾆ≧ｘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=≦三/≧=-- ､二二ニニﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀ -=≦三三≧==--- ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 l　　-==≦三三/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　/　　　 :|　　　　　 |　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　 |　　　　　 |　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　　　 |　　　　　 |　　　|
　　　　　　　　　　　　　飲まなければやっていられない　　　　　　　　　　　　　　.!　　　　/|　　　　　 |　　　ﾄ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 ',　　　/ :|　　　　　 |　　　| ﾟ｡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 }　　/　 |　　　　　ｉ　　　|　ﾟ｡-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ:::/　 /　　:|　　　　 ′　　| 　ヽ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..　　　　{:::::/　 /　　　|　　　 ,′　　 :|　　　＼
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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　また、羊献容が皇后に立てられ、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　彼女が生んだ劉煕が皇太子となっている。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .何度目の皇后返り咲きだろうか？
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　 .余談になるが、
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　　前趙では冒頓単于を天に並べ、劉淵を上帝に並べていたという
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　┌｡_
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｿ　ﾍ　　.／　　~"'･｡､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ_,.＿ﾊ／　　　　　　 iﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ｨ====ﾉjr,,／」====┐　　　 /ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌'""〔￣{勺≫≫===========┐=r＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ﾍ_,.､r'"Ull＼lUUll「　ll「!!!!!( _({__丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ll￣llUU」ﾍ＼U」ﾍr-‐''"　　ﾍﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,　　.,,　　　　 └===lUUUUﾍlU ｿ　 .ll　　　 i j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿彡彡彡彡彡彡彡　　 .ﾍUUUUlUﾍj＼┘　　 .ﾉ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ___ゝ lﾍ.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.彡彡彡_,.､.∽(0)∽lclﾍ　＼,.｡*･'ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'ヽ彡.;.;.ll.;.;.;.;.;r.;.;.;.;.;.;.;.;.;.; ＼ﾍﾍﾍﾍ//二二ﾉ　└'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ.;.;.;.().;.;.__ﾉ.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;,,.｡*'l￣￣l＼ﾍUlj┐,---､､、　　　　,,..-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ.;.;.ll┐.;.;/ﾍ.;.;.__ ,,.｡*'".;/U＼!i!i!i!│:::::::│.;.;.;.;.;.｀'～／彡ﾐミミﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│　 ==│=┘.;.;..／／/UU(ﾍ＼!i!i!＼::::│.;.;.;.;.;;.;.;.;.;.ﾍ　　ﾐﾐミミミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヘ___,.　ﾉ　　f ／／.;.;.ヽUUヽj.__＼ ∥''"´.;.;.;.;;.;.;.;.;.;;..)　　　　ﾐミミミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/｀ｰ--‐'ﾍ｀.;.;.;.;.;.;.;;..└-┘ l.;.;.;.;.;.;.;.__.;.;.;.;..;.;.;.;.;;..;. /　　　　　　ﾐミミ彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.;.;,.､-､.,.;._ ゝ.;.;.;.;;..;.;../ ﾍ-- j.;;.;.;.;.;.;._,.ﾍ.;.;.;;.;.;.;;..;.;/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./.;.;/　　　　　／／＼../;.;丿-　l.;_,.､-‐'l".;.;.ヽ;..;;;;.;.;｀`'～､､，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(.;.;ノ　　 _,.､'"´.;.;._,.-‐"└===┘　　　　ﾍ.;.;./ /`'～､､，.;.;.;.ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j__〔　　「.;.;.ィ-‐'"　　　　　　　　　　　 j.;.;.l │　　　ﾍ.;.;./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │ _ﾉ　　.＼｀'～､ヘ　　　　　　　　　　　ノ.;.;.;.│　　　 /.;.;/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼____l__厶　　　　　　　　／.;._､-‐''　　　　j.;.;.ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.;_／　　　　　　 └.;.;ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /____」　　　　　　　　ﾍﾉへ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.,l

　　／ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
　ｲ:.:.:.:/-|/|∧:;､:.:.〈

　ﾘ:.:./ ● 　　く!:,:.:..、
　 l:.:.l　　　　●/:./￣
　　vﾍ　 - 　ノ:./　　　　　　　　この前趙。
　 _,-+　匸ﾍ/V
　,《　ﾋ⌒j　》、　　　　　　　　　　何やらエロゲメーカーがソシャゲメーカーに

　l::＼ l　/∥::l.　　　　　　　　　　鞍替えしたかのように見えるのは私だけだろうか？

　|:::::::ﾄ,Ｖイ:::::|　
　 |:::::::l介l:::::::|　
　 l::::::|人|:::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ::::_,､ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{::::/_ヽ=ヾヽヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>} r-､＜ヽヽ:::｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜`丶､ｲ｀ヽ',:::::ヽ::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､｀:::::､:::ゝ::::::ヽ::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾヽ、　 .　 -　‐‐｀-＜ヽ::::ヽ、::::ヽ::::Ｙ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ, ｀ ´　　　　　　　　｀　､y､ｲー‐ '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　//　 ∨､　　ヽ、　　ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/./ l l　　N ヽ　　 .y､　　 .ﾘ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　l　/ .l　从　　ヽヽ｀,ｨ=､ﾊ　　/　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l. l　 Nｨﾞヽ､ヽゝﾞ_ノ´ 　∨-イヽ　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 ', !　l. {　　}｀　　 {　　γ"う.l　ﾊ　　ﾊ
　　　　やめて！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ_Y´)_..ノ　 __ .. ｀二ゝ- ' ∨ｨ'ー､　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ. >'　r='､"y､. ｲヽｲ',　　　 ,　)　ﾉ､　ﾊ
　　　　確かに国家運営厳しい所はあるけど！！　　　　　　　　/　l {　.!ﾞ" ｀　｀　　.ﾘ　　　､__ノ　　　　ﾊ　　　　　,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l. 　ヾ､ゝ､≦二二＞' 　　,.ｲ　ヽ　　　　ゝ= .. ノ´　)、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 l＞ . _＿_＿__ ,. ., '‐-､､ヽゝ､　　　　　/　　/ 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ヽ , ､7ﾊ＞＜::::::::::::::) ヽ　丶　｀　ﾊ　　　 /　l',Yヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　 /::,.ヽ= ､::::::＞:::::::ノヽ　ヽ __　, ﾉ /　ﾉ｀ヽ- ' ´ヽ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　 /::r_＞==)::::うｨ' ´､::::/ヽ Y　ﾉ Y ./　／ﾉ　　　　 ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ／:::::::::人| ﾟ lf:::/ ヽ"::::::::ｲ-､ｨ　 .入_　_ノヽ)

【紀元３１９年４月　晋　冀州　襄国】

　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_

　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ
　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　　　　　　　漢を離れた以上、俺も王号を唱えるべきか？
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒　　　　　　　　　　　　　　　＿.,. -‐- ....､
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　　　　　　　　　　　　　　 x≦〃〃／ミﾐミﾐミ､
　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾉノﾉ〃ヾ⌒彡ミミﾐミﾐ､
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　/ミﾐﾙ'　／＿＿ヾ彡ミﾐミﾐ､.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾐ'''´ 　 {∠仡孑　　`ヾﾐﾐ毛刈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';ﾊ, ｀〕､ Yミ　　　　;::::　∨ソYﾊ　　　 x≦￣ア´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:( くﾂ1 | っ　　　 {:::　　　ｰりﾘ　／ :::::::／:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:ヽ ,ﾉヾｰ'⌒ヽ　ヾ　　 Y￢从〃:.:.:.／:::::::::::　
　　　　将軍。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ { √￣~｀ヾ　　　　 Y ヾﾘ ||:.:／ :::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　沁ヾ　⌒　　　　　:／　　 /∧:::::::::::::::::::::::　
　　　　王号・帝号につきましては、今しばらく時間頂戴したく　　　　　　　ﾊ　　r::.......,..::／//　／:::::::::≧=＝＝＝　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　{///,／///　＞'ﾞ´:::/:|幵幵幵幵　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀T¨¨´///＞'ﾞ´::::::::／:ﾆ|幵幵幵幵　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.．-―∨　　／::::::::::::／ :三圦W幵
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/////::∧／::::::::::::／ :::三三/八幵
　
───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　石勒と劉曜が本格的に衝突するのはまだ先となる。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　双方周囲に多くの敵を抱えていた

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　　石勒将軍。
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　　 .豫州の晋軍が陳留郡に向けて進軍を始めました。
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､

　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　　　　　　同地の塢主陳川が帰順を条件に援軍を求めております
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!　
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|

;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　
　　　　　　　　　　　季龍の軍勢を差し向けろ　　　　　　　　　　　　　　　　　Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.太興二年四月。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　龍驤将軍の陳川が

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　浚儀で反乱を起こし、石勒に降伏したと『晋書』『元帝紀』は記す。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　陳留郡の塢主であり、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　以前祖逖の譙攻略に援軍を派遣した人物だ
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　陳川は豫州における祖逖の勢力拡大を苦々しく思っていたらしい
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/

i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　 ,:ｲ
　　最近じゃ祖逖を主にしたいって声が大きくてな。　　　　　　 |　＼_＿＿/　　＿＿＿　,,),,) ＿＿＿　ヽ＿／　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/　　　ヾ::::::::::/　　|　　　/　
　　豫州へ逃げた奴もいたもんだから、　　　　　　　　　　　　　＼　....::::;;;;ジ:::::::　ヾ;;;;;/　　　　ヾ;;;;;/　　 |;;::. シ　　
　　腹いせに豫州へ攻め込んでヒャッハーと洒落込んだのさ　　￣￣￣|:::::::::::::::::　　i￣i￣i￣i　　　　　|￣　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::￣￣￣￣￣　　　ノ

【紀元３１９年４月　晋　豫州　陳郡】

イ
¨´`''＜￣⌒ー---''´￣￣￣二ー-ミ､
　「ﾉ　ヽ　　　　　　　　　/ ／￣`''ーｚ＞ｘ　　　　　　　　　　　　　_rー---ミ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r＜￣￣「
　　　,　　i/　　　　　　　　i　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛￣￣｀ヽ　　　　　　　_. イ´　　　｀''ト､＼　　　　　　　　　　　　　　　　.／￣:.:.:.: ｀ヽ　|
≧≫-ミ .辷ミｘー----ミ､ヽ|:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾐ､.ィ≦二ｱアア￣￣/ /　　　　　　ヽ＼｀7⌒¨⌒ー＜￣￣Y´￣￣7:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i　.|

∠＿＿＼__／￣￣￣`　≧}ｲ:.:.:i!:.:.i!:.;､{ /:::::::::／ /, ' 　　 ./ /　　　　＼＼｜ムﾍ＿__r―― ､＼　＼:.:.:.: i:|:.:.:i:.:|!:.:.|!: V　ﾑ
ー-､　￣　　　　　　　　　　　`ー==≠　`''＜::::廴//　　　　 i　|　＼　　Y }　寸/　　＼　　　　　＼! 　　＼:.从:. 川|:.:.ﾘⅣ ./ｲ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　　　陳川を追えッ！　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y
　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
　ﾄ､　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　 ,:ｲ　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　|　＼_＿＿/　　＿＿＿　,,),,) ＿＿＿　ヽ＿／　|　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　|　　　　 ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/　　　ヾ::::::::::/　　|　　　/　　　　 ≧　　　略奪されていた品は民に返してやれ！！　　ニ=-
　＼　....::::;;;;ジ:::::::　ヾ;;;;;/　　　　ヾ;;;;;/　　 |;;::. シ　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　￣￣￣|:::::::::::::::::　　i￣i￣i￣i　　　u　.|￣　　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::￣￣￣￣￣　　　ノﾔﾍﾞｯ

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ところが、陳川の軍勢は豫州諸郡で略奪を働くも祖逖軍に敗北。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　これを恐れた陳川が、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .石勒への帰順を決断したというのが大まかな経緯となる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

【紀元３１９年４月　晋　豫州　譙】

　　　　/＼＿＿_／ヽ

　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　　　　　　　　　祖逖将軍。
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　　　　　陳留郡の陳川が
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　　　石勒軍と通じていると報告がありました
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､

:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_∠:.'´:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ／
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `、／:.:.:.: /|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.i :.:.:.:.ﾄ､:,:.|:.:.:.:.:.:. i:.:.:.／:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.|:.:.:.ｉ:.| /:.:|:.:.:.:.:.:. |／:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.|:.:.:.|:.|'__Vｌ:.:.:.:.:|:.:|'⌒ヽ:.:.:.:.:.:`、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.|:.:.:.:ｨ'ﾊ } |:.:.:.:.:ﾄ::〈ヽﾉ }:.:.:.:／:`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
　　　　　陳留郡はこっちで抑えておきたいわね。　　　　　　 .人:.ﾄ､:.:.| ｔﾘ　|:.:.:.:.:||:i:;∨ ,:.:／:／ :.`､:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.: `､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　>ゝ　 |:.:./lﾉ|:|_〉Ｖ:,_:.:.:.:.:.:.:.:./:`､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
　　　　　私自ら出撃しましょう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .く　　　／　 :|:|　ヾ、｀'～､;./ﾍ:::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　ヽ、__　　　 ::! 　　　　 ∨))､:::::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　　心　　　　 ,l:|　　　　　　　∨__＼:::::: ＼:.:.:.:.:.:.i:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ-‐≦{ ヾ:、　　　　　 У/＼､::::::::ヽ:.:.:.:|:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ /ﾊ　　　　 .／／　　ヽ､＿_}__:.|:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jＩ斗:r''　|:i}　　／／　　　　／　　　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /´ / : : l　　Vk　　／　　　／　　　　 /　　

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　祖逖は兵を率いて陳川討伐に出陣

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１９年４月　晋　冀州　鄴】

　　　　　　　　　　　　　　 |＼_／￣￣＼＿／|
　　　　　　　　 /＼／＼＼_| ▼　▼　 |＿／
　　　　　　　 /　／＼　＼＼皿　／　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　（）)ノ__　○二○二⌒/../　　　
　　　　　　／／||(二ニ) （＿＿_/../　几l　　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨　
　　　γ ⌒ ／|Ⅲ||彡Ｖミ/⌒＿ノ二二ノl0　　　　　　　　　　　　　
　　　l|　(◎).|l　|((||（(ﾟ )/⌒/||三三三・） ||　　(´⌒(´　　　　　　　
＿＿ゝ_＿ノ　　　￣（_＿_）￣　　ゝ＿_ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣(´⌒(´⌒;;　　　　　　　　　,,（（彡从((彡;;;;彡彡彡彡,､;;',､"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'"ｲヽ从从〉从//从从彡彡ｰ彡彡彡;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|（（;;;;从ijj|从〉/从彡彡;;;彡彡彡彡彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｱミ从ﾐ十ン＜<ヽ{（ヽ从三三三;;三|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（(~ﾐミ三ii从ﾐ三ﾐ);| ヽ三;;;;三ミミミミﾐ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'=三((（（（从iii」（ヲ''~￣'''ヽ~;ヽ~'　ｰ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾇ彡tヽ,=マ~;（;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ii;;;;L;;;;＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (彡''~＊｡;ﾘ⌒' ､; ;;;;;;;;;;;;;ノ";;ﾉ''|;;;;;;;)）ヽ
　　　　　　　　祖逖？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |i　ij;;;;;;/ﾉ::::::::::'､＝=≦ｰ'"::: |/ﾚノノﾉ;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'itk;;;;ノi､｀:::''つ:::.､　 ::::::::::::::::::::彡,r';;;;;;;;;;;;'ﾘ､
　　　　　　　　譙を守っていた奴だな　　　　　　　　　　　　　　　　~'ｰt''~:::｀';;､::::::::::::::　　　:::::::ﾘ｀~;;"ヽﾉ）;j;;;j､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　:: ,ｧ'''' ｰ-､::::::　　:::::j;;;;:;:;:;:;:;:::: :::: t;;､,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: " (⌒'::::::::::　　:::::/;;;:;:;:;:;:;:;:::: ::::: ヽ;;;ﾐ~~~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　ヽ''''" '':::::::::::::::;､-'";;;'"彡:;:;:;:::::: :::::: ）ﾐ;;;r'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　...::::::::;､-'";;;;;;'"::::::;:;:;:;:;:;:::::::::／ﾐ;;;;t､;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　,,､､｀'t'''''''''";;;;;;;;;;;;;;;;::::::;:;:;:;:;:;;;;;;;／ミ;;;;;;;";;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,､-ｰ ''''"~;;;;;;;;;;;;ヽ　　　つ;;;;;;;;;;:::;:;:;:;:;:;;;;／~' ､;;,,､-ｰ''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;ﾚ;;r;;;;;;／／／ヽ　:::::　;;;;;;;;:;:;:;:;:;''":::/:: ;;;;;;;;:;:;:;~""''''

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　対する石勒軍も石虎率いる五万の兵が陳川救出に出陣

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　○壺関　　　ト､_　　　　〇鄴　　　　　　　　　　〉
　　并　　　　　州　　　　　　　　　| 　｀`ヽ､_　　　　　【魏郡】　　　　　,/
　　　　　　　　○長子　　　　 /　　　　　｀`ヽ､　内黄　　　　 _,/ 　〇
｀‐-､　　　　　　　　　 _,,ノ′　　蕩陰×　　｀, 　 ○　＿,,,-‐´　　東武陽
　　ｌ　　　　　　　　　　「　　【汲郡】　　　　　　,'　　／　○　　　　　　　　　【東平国】
　　 ,!　　　【上党郡】　　ｌ　　　　　　枋頭　 /黎陽/　頓丘　【東郡】
　（　　　　　　　　　　　　　〉　　黄橋〇　○　i´ ○／河　　　　　○鄄城
　　 `ヽ､　　　　　　　 /　　　　　　　　ヽ／ ○　　 ○濮陽　〇廩丘　　　【山陽郡】
　　　　 `ヽ､　　 _,,,,,,-‐'′　【河内郡】　　／　白馬
　　　　　 `‐-‐´　　　　　　　　　 ,-‐'´○東燕　　　　　　　　　　　　　昌邑
　　司　　　　　　　　　　　　　　隷　_,-‐'i´ ○延津　　　　　　【済陰郡】　○　　　　　○

,_　　　河橋　温　　　○懐_,,,-‐'´黄　｀-､　　　　　　　　　　　　定陶
　｀｀`‐-,,　_○　○ ＿,,,-一'´ ×官渡 ○陽武　○封丘　　兗　　　　州

　　　　　￣｀ﾞ~~~´　　　　〇滎陽　　　　 !浚儀　　　　　　　　　　　　 ,-､
　　　　　 ◎洛陽　　　　　　　　　 ○ ｀○､　陳留　　【陳留国】　　／　/　 _,,,_
　　 ○　　　　　　【河南尹】　　　　中牟○ ● ○　　　　　　　／　（_,／　｀ヽ
　　河南　　＿,,..-‐- ､,＿　○密　　　　,,開封蓬陂　 ○雍丘　 ,,-‐′○蒙城
　　○　　('´ 　○輪氏　｀､　　　　 ,／　　　　　　　　　　ヽ　　　【梁国】
　新城　　｀`'''‐-､,,_　　　｀‐-‐'''´´　｀~~`ヽ､　　　 ,,_○圉＿,,-‐′
　　　　　梁○　　 _,,) 　　〇陽翟　　　　×洧倉.--′｀´○陽夏　　　　　　　　　　　　　蕭
　　　　 ,,,_　　 ,ィ´【襄城郡】　　　　　 ○許昌　　　　　　　　　【陳国】　　　　　　　　　　　○
　　　 ,／　｀~´　ヽ　　　　　○　　【潁川郡】　　　　　　　　　　　　　　譙
　　,／　　　魯陽）　　　襄城　　　　　　　　　　　　　　　　 ○寧平　　　○　　【譙郡】
,,／　　　　　　　○ ｀`'''i　　　　　　　豫　　　　　州　　○陳
　　　　　　　　　　　ゝ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　荊　　　　　州　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　【南陽郡】　/　　　　　　　　　　　　　　　南頓　　　　　　　
　　　　　〇宛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○　　　　○項
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【汝南国】　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　安城

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○　　　　○新蔡

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　　　五月。
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　　　両軍は陳川の本拠地である蓬陂で激突した
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/

i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::ヽ
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|　　　　『晋書』『元帝紀』に曰く　　　　 .|:::::::::::::|　　ゝ::::|
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
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　　　　　　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´
　　　　　　　　　　　 | |　　　ヾN ゞｿ　　ゞｿ//　
　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜　　　　　　　　 .結果は王師が敗績したとされている。 .
　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　イ |::::::::|　
　　　　　　　　　　　 | |　　　＞-､＼!　 !／::,-＜　　　　　　　　つまり祖逖が石虎に負けたのだが、　　
　　　　　　　　　　　 | |　　/´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､　　　　　　戦の経過を追っていくと一概にそうとも言い切れない
　　　　　　　　　　　 | | 　ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　 | |　 /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|　
　　　　　　　　　　, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|　
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　　　　　　　　　　ヽﾆj　} 　＼:／＼　|:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　〈:| |Ｖ　　　 }>､___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
　　　　　　　　　　　|:!.|:＼　　ﾉ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
　　　　　　　　　　　|:!.|::::::`ー':::/　 /　 |::::|:::::::::::::::::!:::::!
　　　　　　　　　　 |:|_!:::::::::::::::/　 /　　|:::::!::::::::::::::::|::::::|
　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::/　 /　　.!:::::!::::::::::::::::|::::::l
　　　　　　　　　　|::::::::::::::::/　 /　　　 !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
　　　　　　　　　　　!:::::::::::／　 /　　　　|::::::|::::::::::::::::|::::::::!

【紀元３１９年５月　晋　兗州　蓬陂】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rν'`｀｀`ヾ7〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ζ⌒>{ 　　}　　}i'⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,ノ／,λ　人　从‐-ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,．-‐=ｧ=／（＾)乂ｧ'⌒ヽ　）　)乂__　　　　　アウトレンジで爆撃よ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ´ 　　,　　(　_,ノ7^/　　　＼ (乂______
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;　　　 {　　 |[　r{　　　__,,,..,,_　｀¨＼｀｀｀`ヽ　　　　　　　　　　　　　　_／
　　　　　　　　　　　　　　　　 {いぃ{　　　 ∥=‘　　　 |＼ｰ‐ 　｝┐ )ぃ}. 　　　 _,,. 　 -‐　'' "´／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∥='　;　　　　|. 　＼─ .ノ〉.　-‐　'' "´　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∥='　｝　　ｿ八'' "　Υ 　｝　　　　　　　_,,､丶´
　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,.. 　-‐∥=' 　∥"~~~"'〉　　 |｢=7/　　　　　_,.､　　 ´
.　　　　　　　　__,,. 　 -‐　'' "´　　　　　∥='　 /　,'　　 |ｉ ∧　_ﾉ乂/-‐=＝-‐ ''"´
　 ─--＝==ニ二￣　　　　　　　　 ∥='　｛　,'　　.乂.　〉〈乢ﾉ"´
　　　　　　　　　　　　 ‐-＝====＝-∥=' /／)>ノ⌒)_,ノ⌒∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∥=' ｛ノ｝Ｙ　　　｛.∨⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　７='　　ﾌ|.　|　　　｛ ┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　　|　 |　,､　'''7　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　／　　　〉　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ｛_ ／　 ;′≧　　　　　　敵兵を近付けるなッ！！　　　　　　　　　ニ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　｝　　　}　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼ {　　 .′　　,;　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　 {　　　∥
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　　＼＼' 　　∥
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼. }　＼＼　 {　　　　　　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾉ　 |　　＼　　　　　　　　　　　　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∥ 　 |l　　 }＼　　　　　　　　　　　　）　　　放てッ！！！　　　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l.ﾍ　 |l　　　　　ｰ-ミ　　　　　　　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |lＬ|ﾍ.乂〕ｈ．　　　｝　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |iＬ|⌒` 　 ─'

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『晋書』『祖逖伝』には次のようにある

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .∧ ヽ
　　　 , '￣￣￣￣ﾞヽ　　　　　　　　　　　　　　　/　 ',　',
,イ　/　ﾉ(　　　　　　ヽ　ﾄ､　　　　　　　　　　　 /　　 !　!
i ヽ─､　^　　　　　　　 |ー'　i　　　　　　　　/　　　││
ヾ＿,,;;;》　〉　ヾj　j/　〈;;＿ノ　　　　　　　　　　/　　　　 |　|　　　　　　若！
　　 l 　　ヾﾆｱﾐ　fﾆｱl 　　　　　　　　　　　　〈　　　　　|　.!
　　 i　　〈　　　　　　　i 　　　　　　　　　　　　　}　　　 ,'　,'　　　　　　敵軍の射撃が激しくて近付けませんぜ！！
　　 .|　　　ｲrｪｪｪｭ　/　　　　　　　　　　　　　./　　　 /　/　
　　.|　　　＼｀ﾆﾆ´／　　　　　　　　　　　　　/　　　　/　/　　　　　　　どうします？

　　| 　　　ヽー '＿　　　　　　　　　　　 /　　　　/　/　
　,-ー､　　　　ヽ;;;;;;;;;;;｀ー-､　　　　　　　　/　　　　/　/
　;;;;;;;;;;＼ー､　,-i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ.. 　　　　/　　　　/　/　
　;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　　 i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　　　　/　　　　/　/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡:.:.:./:/:.:.:ﾍ: !:./:./;,'i^ﾘ:.〃ﾊﾐヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（::'⌒:.〃:.,:.:i:.::!:./:,:':::::::ﾄ、:!:.:ﾊ: 彡　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡'⌒'::::, '人从{ﾘ:;{:::::,'/）ﾉｿ:.:.人ﾊ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く</ﾊ:.::/　¨ﾓｪ,ﾐミ;ﾄ^'´く::/:.::/::.:ﾉﾉ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{⌒ヽ　　　　　　　　ﾊ:、「!;'　　　　＾'　; 人ミﾐ ji:.:,、'’　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　＼__　　　　　 .{:./:ゝ　　　　　　　,:' ＾ヾ'　ﾉ:ｲ/　
　　　　　　兵を撤退させて守備を固めておけ。　　　　　　　　　　　、 ,..⌒>.、　　　ﾉﾉ::,’:i　　　 _ ｀¨ﾗ^　　 /:;':ﾉ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >　 '　入　　{;i!:.:}　i:、　 ¨-=:,':、　　 ,.::,.:.’　　
　　　　　　蓬陂が陥落しなければそれでいい　　　　　　　　　　＿,ｨ'　　 .／　,:⌒ﾐV:.:.:!　i　　　　　　ｲ/{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,...ｨ'　　　　ｨ'´ 　／　　　＼|　　　＼　　　イ .ｨﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　'" 人＿_,.-＝＝ﾍ_／　 _,. 　　＼_＿}:::::.¨¨´ 　 .ij　iﾄ--　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::　　　　　 'ー＝/ﾊ人_¨'⌒,ﾉ､　　　　　}＼:.:／　　ｨ'　/ﾊ.　　＼＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;::::　　　　　　　 -=＜￣::'^¨¨:'-‐ﾐ＿＿ __ﾉ　ﾉ }-v' ´　　//　　、　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒¨¨¨¨¨¨¨ゝ＼　＿, '　/ ﾊ＼　 /.::.:.:.:.　　＼

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.祖逖は兵を率いて陳川を討伐した。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石季龍は兵五万を率いて陳川救援に赴くも、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　祖逖が奇策をもって石勒軍を撃ったため、季龍は大敗した。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　直接対決は、むしろ祖逖軍の勝利に終わっている
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　/＼＿＿_／ヽ

　　／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　　　
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　　　　　　　　　石虎の軍勢が退いていきます
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､

:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|　
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　　!　　　　　　　　　　　 !ヽ　　　　　　　　　 |ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　　 !　　　　　　　／`∧､〉　〉_.-‐── -　､　|　＼＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　　!　　　　　　/:::::::/ ヽ|／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼／::::::::::::ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　{　　　　　!　　　　　/:::::::::::￣::::::::::::::_:::::::::::::::::::::::ヽ:::::ヽニフ＿:::_

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　 !　　　 /::::::::::::::::/ ::::::: /　|:::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ:::::::::::::ト
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　 !　　　/::::::::::::::::∧ ::::::/　　|::::::::::|::::::|:::ヽ:::ヽ:::::|ヽ::::::::::::!` ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　 !　　/／::::::::::::|::/ :::/　　 |:::::::::|ヽ:::!ヽ:::ヽ::ヽ::|::ヽ:::::::::::..　ヽ
　あれが石勒軍の精鋭よね？　　|　|　　　　　　! ／:::::::::::::::/:∧{:::::|｀`丶､|ヽ:::::|_,,ヽ|-ヽ::|::::|人::::ヽ::::::::::ヽ　!〉

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　　/::::::::::::::::::/:/ {!'.:::::|ｨ〒ﾑ　　ヽ.| ,ｨ==r､ヽ|::::|　|＼::ヽ:::::::::ヽ

　だったら、　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　 /:::::::/:::::::::::/　 |　ヽ! 弋ツ　　　弋ツ/´/!::|　 |::::::＼::ヽ:::::::＼
　相手の力量は把握できたわ　　|　|　　　　 /::::::/:/:::::::::/　　　／ヽ'''''　　､　　 '''''／/|ﾘ/　　ヽ::::::::＼::ヽ::::::＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ─､ｨ､　　/::::::/:::|:::::::::::::|　／::/.　､　　r - .,　　ノ |:::〈　　　　＼:::::::＼|:＼::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉─-┤ 〉　/::::::|:::::|::::::∧:::|／/::/　　＞. ヽ .ノ　イ　　|::::|　　　　　＼::::::::|::::::＼:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/─-┤/　 {::::::::|::/|::::/　〉´| /::/　　　＿ |　` ´ 　.|　　 |ヽ|　　　　　　　＼:::|::::::::::|:::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `!￣二!'〉　　〉:::::|/ |::::|　/∧ｨ::/─‐/　 /　　　　.〉ヽ__|＿＿,,.. -　‐　'' ､ヽ::|:::::::::|ヽ::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `_|　|/∧　|:ヽ:::|　|::::| / /　|:|　　/＿∧　　　　／／ｒ´ヽヽヽ::ヽヽ:ヽヽ:ヽヽ::::|:::::::|:::| }:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　| /∧ |:::|ヽ|　|::::{／　 {!　 ./ フ/三≧ｰ-<＿/　＼:::ヽヽヽ__,,..-‐　'''" "＼／|:::| |:/

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.ただし、『晋書』『石勒載記』にはこうある。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　祖逖が蓬関の陳川を攻めたが、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石季龍が陳川を救援したため、祖逖は梁国へ撤退して駐屯した。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　これだと、陳川討伐自体は失敗したのだから
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　『晋書』『元帝紀』も王師敗績という記述になるだろう
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１９年５月　晋　冀州　襄国】

　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_

　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}　
　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　　　　　　　季龍よ。
　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y
　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　　　　　　 .次は拓跋部を討ってもらうが、祖逖の軍勢をどう見た？　 .
　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /
　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　
　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　
　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒　
　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.ｙﾄｰゞｒッヽｖ,､_,.　
　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,rk´ﾐ､''ﾅ;;爻'､ｰ;;〃彡;,.
　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 vf戈ﾊﾄｼ〈'"ﾘﾞ､ヾ､;;jﾘ､〃､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｙﾒ从k;;､;;ij;;;ii;ヾ;ｯ;仆､ヾくｿ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}ｿﾘ"i!;;;;;l;;i;;､;;:;:;;:;';;;};;iﾘドｼゞ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾂ;;;;;;;;;;ﾄ､;;_ﾘ;;;i!;;ﾄ;=;､t;;;ｌ;;ﾋ'　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｦ;i!､:::r',;､=;'､;"ﾘ,､=;''"ﾘ;ij´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 };lヾ;;j　￣´.〃ｌﾞ￣´ ,';ｨ′
　　　　　　　　強い。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 7;;;;|',　　 =､j,. 　 /仆､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　ゞ;|:ヽ　 ,:ニ>　/:: ﾚｿ＼,.､- ' "´;;￣::
　　　　　　　　そこらの賊と違って、よく統率されている　　　　　　　　　　　　"￣＞.ﾆﾄ､:＼` "''　/／／,r／:::::::_,..､'''　..,,

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､'-‐'ｌ"￣ﾘ;/::;;/::} `:::｀:ー'／'∠;:／｀ﾞヽ・．‐´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :;/::;;;{!　`ｒ‐'"フ´〃ｼ:;;/　" ヽ､.　ﾘ'"　　,､_,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . '",.ィ/￣_:;/::;;ｲ `'ー ''／ｦﾘ/;/r'/,r─‐-､　(∴,､-''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ/.:;;/ ｀ｰ-‐/Ξ/ｯ/ｒﾚヘ{ |￣|　｀''"

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.史書の記述を総合すると、このようになるだろうか？
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　祖逖は陳川を攻撃したが、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石虎が救援に来たので一当たりして撤退した。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　加えて、直接戦えば祖逖軍の方が強いとも受け取れる
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌‐　┌ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ　　　　　　　　　　　　　そうか
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　　　￣｀　:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒ヽ__　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　　＿＿＿＿_＼
.　　　　　　　　　＿＿　　　　　／　　　ﾉ)　　i　　 } / 　 /　　　　　　　　　´￣　　--── ､￣￣｀　､
　　　　　　　　　 ´　　　　￣￣＿＿＿＿＿　　　＿　　--――一' 　／　　　　/　　　　　＼　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ノ´　　　　　　　　　 /　　＼　　　　　　　　　　　ヽ　　　　丶
　　　　／　　　　　　　／　　　　　　　　　ｒ'　　　　　　　　　 i　　　　　ー―　　　　　　　　　　＼　　＼
.　　　／　　　　　　　／　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　 /　　　　　　／　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　|　　　＼　　　　　　　　　ヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　こうした戦況が、後の両者の関係性を決定付けたのかもしれない

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　 _,.ｙﾄｰゞｒッヽｖ,､_,.　
　　　　　　　　 ,rk´ﾐ､''ﾅ;;爻'､ｰ;;〃彡;,.
　　　　　　　 vf戈ﾊﾄｼ〈'"ﾘﾞ､ヾ､;;jﾘ､〃､
　　　　　　　Ｙﾒ从k;;､;;ij;;;ii;ヾ;ｯ;仆､ヾくｿ　
　　　　　　　}ｿﾘ"i!;;;;;l;;i;;､;;:;:;;:;';;;};;iﾘドｼゞ,

　　　　　　　ﾂ;;;;;;;;;;ﾄ､;;_ﾘ;;;i!;;ﾄ;=;､t;;;ｌ;;ﾋ'　
　　　　　　　ｦ;i!､:::r',;､=;'､;"ﾘ,､=;''"ﾘ;ij´　　　　　　　　　　　　　　それで、拓跋部だったな？

　　　　　　　 };lヾ;;j　￣´.〃ｌﾞ￣´ ,';ｨ′
　　　　　　　 7;;;;|',　　 =､j,. 　 /仆､
　　　　_　　　ゞ;|:ヽ　 ,:ニ>　/:: ﾚｿ＼,.､- ' "´;;￣::
　　　　　　"￣＞.ﾆﾄ､:＼` "''　/／／,r／:::::::_,..､'''　..,,

　　　,､'-‐'ｌ"￣ﾘ;/::;;/::} `:::｀:ー'／'∠;:／｀ﾞヽ・．‐´

　　　　　　 :;/::;;;{!　`ｒ‐'"フ´〃ｼ:;;/　" ヽ､.　ﾘ'"　　,､_,　　　　　　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}　
. '",.ィ/￣_:;/::;;ｲ `'ー ''／ｦﾘ/;/r'/,r─‐-､　(∴,､-''"　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　　　ヾ/.:;;/ ｀ｰ-‐/Ξ/ｯ/ｒﾚヘ{ |￣|　｀''"　　　　　　　　　　　　　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ
　　　　うむ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ
　　　　鮮卑段部の争いの漁夫の利を狙うばかりか、　　　　　　　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈
　　　　和を求めるこちらの使者を斬り捨てたという話だ。　　　　　　　　　　 .lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　我らの恐ろしさを思い知らせる必要がある　　　　　　　　　　　　　　　 .‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ここで一度北方に目を転じたい

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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紀元３１９年秋　晋　幽州　薊】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∫ι＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ./丁了

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾｰ─ｰ─ｰ──ｰ──ｰ──ｰ─ｰ,ィ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|　||　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|　||　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ ﾌ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋ｪｪt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ｪ,ｨ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iｌ＿,└───────┘ ,　 i!　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣||　|￣￣|i　|￣￣||　|￣￣|l　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|￣￣|￣||

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ|￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|ｌ
　|￣￣|i　　　|￣￣|ｌ　　　|￣￣||　　　||￣￣|￣￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣|￣￣|￣||　　　|￣￣||　　　|￣￣|i　　　|￣￣||
￣|￣`~|i￣￣|￣￣￣i￣￣|ﾞ ''￣i￣　||￣!￣￣/ ￣￣￣￣￣￣ﾞヾ￣|￣￣.|ｉ￣|￣`~|i￣￣|￣￣￣|￣`~|i￣￣|￣￣
|￣￣i￣″|￣￣|i ￣￣|￣￣i`~￣|￣ｉ|￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣||￣￣i￣″|￣￣|i￣|￣￣i￣″|￣￣|i￣
|￣i￣￣|￣￣i￣~￣|￣;ﾞ|i￣￣l ￣￣||￣|￣￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣ｉ￣￣||￣i￣￣|￣￣i￣~`|￣i￣￣|￣￣i￣~`ll`l
ｌ￣￣|￣｀~|i￣″| ￣￣i￣￣|￣￣i､ ;||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣|ｌ￣￣|￣｀~|i￣″|￣ｌ￣￣|￣｀~|i￣″|￣
|￣|￣￣i|￣￣|￣￣i￣｀~|￣ヾｌ;￣￣ｌ|￣|￣￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣|￣￣||￣|￣￣i|￣￣|￣￣|￣|￣￣i|￣￣|￣￣
|￣ﾞﾞi￣￣|￣ヾ|￣`..￣|￣￣i￣￣|￣||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣!￣||￣ﾞﾞi￣￣|￣ヾi|￣ﾞﾞi￣￣|￣ヾi|￣
|￣i￣￣|￣￣i￣￣ |￣￣　|￣!,,￣￣ｉ|￣!￣ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : ｉ￣|￣￣||￣i￣￣|￣￣i￣￣|￣i￣￣|￣￣i￣￣ll
|￣゛|￣￣|i￣￣|￣|￣~~i￣￣|￣ i;￣||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣||￣゛|￣￣|i￣￣|￣|￣゛|￣￣|i￣￣|￣___

　　　　　　　　　　　　　　　　　(~)　　　　　 (~)
　　　　　　　　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ　 γ´⌒｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}　　{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　お腹空いたねー
　　　　　　　　　　　　　　　（　´・ω・）　（・ω・｀　）
　　　　　　　　　　　　　　　（　　　　）　　.(:::O┬O　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ねー
　　　　　　　　　　　　　　　　し─Ｊ　 ◎-ヽJ┴◎
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ

::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　段匹磾の勢力は、
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　 .段末波との相次ぐ戦いで部衆が乖離していたと『魏書』『段就六眷伝』にある
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′

　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

【>>195修正】
【紀元３１９年秋　晋　幽州　薊】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∫ι＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ./丁了

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾｰ─ｰ─ｰ──ｰ──ｰ──ｰ─ｰ,ィ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|　||　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|　||　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ ﾌ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋ｪｪt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ｪ,ｨ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iｌ＿,└───────┘ ,　 i!　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣||　|￣￣|i　|￣￣||　|￣￣|l　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|￣￣|￣||

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ|￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|ｌ
　|￣￣|i　　　|￣￣|ｌ　　　|￣￣||　　　||￣￣|￣￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣|￣￣|￣||　　　|￣￣||　　　|￣￣|i　　　|￣￣||
￣|￣`~|i￣￣|￣￣￣i￣￣|ﾞ ''￣i￣　||￣!￣￣/ ￣￣￣￣￣￣ﾞヾ￣|￣￣.|ｉ￣|￣`~|i￣￣|￣￣￣|￣`~|i￣￣|￣￣
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|￣゛|￣￣|i￣￣|￣|￣~~i￣￣|￣ i;￣||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣||￣゛|￣￣|i￣￣|￣|￣゛|￣￣|i￣￣|￣___

　　　　　　　　　　　　　　　　　(~)　　　　　 (~)
　　　　　　　　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ　 γ´⌒｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}　　{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　お腹空いたねー
　　　　　　　　　　　　　　　（　´・ω・）　（・ω・｀　）
　　　　　　　　　　　　　　　（　　　　）　　.(:::O┬O　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ねー
　　　　　　　　　　　　　　　　し─Ｊ　 ◎-ヽJ┴◎
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ

::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　段匹磾の勢力は、
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　 .段末波との相次ぐ戦いで部衆が乖離していたと『魏書』『段就六眷伝』にある
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′

　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

　　　　　　　　 ,;: '';..,　,..,'' :,
　　　　　　 ,;:'';, ,;　 ;　　;　 ;　''':,
　　　　　,;'':.:.　 ;　　;　　 ;　 ;　　'';,
　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　　　,'ii;:ii;:ii;:ii;;ii;:ii;:ii;:ii:;ii;;ii;:ii;;ii;;ii;;ii',

　　　　 ,iﾞ　／　　　　　　　＼　ﾞi!　　　　　　　東から段末波、南から石勒軍が攻めて来る現状、
　　　　i!　　　●　　　　●　　　,l　　　　　　　これ以上離反する者が増えると薊を守り切れません
　　　　ﾞi,,＊　　（__人__）　　＊,/
　　　　　ヾ､,,　　　　　　　　 ,／
　　　　　　 /::::::::::::::::・:::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |人>::∧
　　　　　 /::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::i!　　　　　　　　　　　　　 /＼　　　　　 ,....:.:.:.:.:.:.:|人>:::: ト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <人>＼＿__／:.:.:.:.:.:.┌i.:―ミ::::|:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<人>:::::::::/:.:.:.:.√|:.:: Ⅵ:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<人>／:.:.:.:.:/:::ﾘ:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.:.:.:.｀､:.:.:.ﾊ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　匸[_匸_]:.:.:.:/:::/:.:.:.:.//:∧:.:.:.:.:.:.:｀､:.:人__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,≫―==彡/::/＿／:::/:.:.:.:.〈/:/　∨:.:.:.:.:.:.:|:.√￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く/ ┌―=≦∠＿＿／:.:.:.:.:.:.:.:厶イ ∨:.:.:.:.:.j/:.:.:.:.:.:.:.:.＼

　　　　　仕方ない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／¨¨¨ア:.|:.:.:.:.:∧￢ト／}/　　　　∨:.／:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:｀、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 ∠__:.:|人:.:{ ,≫￢y　　　-=彡 У:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀、
　　　　　兵を率いて上谷郡へ移ろう　　　　　　　 ./　　 ,，‐┬'’:.:.:.:.＼ヽ弋ツ　　　　 '''／:.:.:.:.::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′ /´　　/:.:.:＼:.:.:.:.:.:.ﾊ ''' 　　　　　/:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:|　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.′　|　　 /:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.込、　 -　　 |:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〈 <ﾉ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′　 |　 ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.＞　　イИ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／}∧:.:.＼_ノ〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀､__／ア┘　　|:.:.:.:.:.:.:._＿／⌒＼ `'ー‐彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i 　　 |　 |{_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ　 ./｀　 ´／|:.:.:.＜/::::/: : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.　　 ├―ﾍ　＼:.:.:.:.:.∧.:.::|　 |'⌒У　八(⌒´::::/: : : : : : : : : ﾆ=┐　

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ここに至って、ようやく段匹磾は残る兵を連れて上谷郡へ移る決断をした

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

【紀元３１９年秋　晋　幽州　上谷郡】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,､
　　　　　　　　　　　　　　盛楽　　　　　　　　　　　　　､-' ﾍ
　　　 ,r'｀ｰ-､_;＿,　　　○　　　　　【上谷郡】薊　　　　/´　　/
　　 r'´　　　　　　￣ヽ,　　　　　　○　　　　 ○　　　 ,r'´　　　r'　 r‐
　　 }　　　　　　　　　　{　　　　　　平城　　　　　 ,.､＿ﾉ　　　　_"7 /
　　/　　　　　　　　　 r'　　晋陽　　太　　　　　 /　　　　　　　 'ｰ'´
　 ./　　　　　　　　　ﾉ　　　　○　　　　　　　　　ヽ
　 '　　　　　　　　　　{　　　陽邑○行　　　　　厭次ｰ､　　　 r'‐-,_,_ｨ_
　　　　　　　　　　　 } 　　　　　　　　　○襄国　○ ／ヽ＿r'　　　 _r'´
　　　　　　　　　　　 {　平陽　　　山鄴　○　r-'´　〇　　　　　r' ' 　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　｀ヽ　　　}　○　壺関○　○広宗ノ　　　臨淄　　}'ｰ'　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　{　　 {　　　　　　　脈　　　　r○廩丘　　　　r'　　　　　　　＜　　　　大変ですッ！！！　　＞
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.. ‐''广''''―　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i'"ﾞ._.. -'|'''''―- .＿|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |''″　　.!　　 / 三　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,|∩　∩.!　　.lﾞ三三!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　l　　　　 !　　l ｀ﾞ^'''''￢ｰっ..,,..,,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _./　　゛　　　　!　　| ﾞﾞ'''～　....,,_ ヽｌ　ﾞ'(￢ｰ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,./ '″从ﾘj"Wﾞﾘw;yﾉ　　│ 　　　　｀''､,!三ヽ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 ;ゞゞ; ;ゞ　　　　〉　　　　　 ,!゛三三ヽ　　.ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　从ﾘj"Wﾞﾘw;yﾉ　　　　　　　ミ彡ミ彡　　 / 三三三 | WWwjjw､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／　　　　;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"WWwjjwv　　ミ彡》／三三三／ |"ヾ ;ゞ ;"ヾ.｀''ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ._..-"　ゞ ;" "ゞゞ　WWwjjwv　　　 " ヾ ;ゞ ;"ヾ／　三三_..‐" .／,!ｿ;;;)ヾﾐ;ｿ(;;;ゝヾ;))`-.、
　　　　　　　　　　　　　　ｰ'''″　　　　　　　　 |ﾞ'.ｌ￣￣''ｰ　＿＿＿　 -'´　三三,／゛._..-'゛　 .ｌ　　WWwjjwv　　　　　｀''-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|;;;;Wiwノノ;;::! llﾞ'-、三三 | .|____ﾞ“'''―---- ／　,／゛　　　　ij从
　　　　　　　　　　　　　　 '",,iiゞ　　　ミ;;;;Wiwノノ;; !'､,　 ll｀'-､,三`'ミｰ..,´ﾞﾞ''''―----'"　　　　　WWiiiwWゞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　",,iiij从ミWﾘﾘWii-''l　＼　　ll　｀''ｰ､.ﾞ''-ﾐ～ ..,_　　　　　　　　,ii''"`

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.上谷郡。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　薊の北西の山岳地帯に位置し、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　胡漢の交易地の一つで、四方平地に面した薊よりは険阻な地だった。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　『魏書』『段就六眷伝』によると、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　段匹磾は上谷郡の軍都の険によって、段末波らを阻もうとしたという
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　(~)
　　　　　　　　,へ,__ 　γ´⌒ヽ

　　　　　　＿|　 i　｀ヽ{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　
　　　　 .／／| 　〇__（｀･ω･´)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　西から拓跋部の軍勢が
　　　（／.／⌒)＿__,>､_ 　　) 　(´⌒(´⌒;;≡≡　　　　　　　　　　　この上谷郡へ向かってきます！！
　　　　.|／　／／､ヽ､＿ノ　　(´⌒(´≡≡≡(´⌒;;;≡≡
　　　／　／／^ヽ､i 　 |≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
　　（___.／￣｀⌒ヽ､　丿(´⌒(´⌒;;

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {＼　　　　　　　　　　　＿_|　〉〈　　`:、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧　＼　　　　　_､丶｀.:.:-‐┴‐--ミ　 ‘,:..、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉:::〉　　｀丶､丶´￣.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ‘,.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉:::〉／￣}／.:.:／:/:::::: |.:.:.:.＼.:.:.:.:.:.:.:.＼〉.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {_／:::::／.:.:.／.:. /::::::::::|.:.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.:.:.::＼.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::／.:/.:./.:.:.:.:/:::::::::::/:.:.:.:.:.:.:.:.::|.:.:.:.:.:.:.:.::∧.:.:.:.::.::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {＿／/.:./.:.: |.:.:.:./::::::::／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧.::/.:.:.::/.:∧.:.:.:.:::.ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　／／７:/: :/ |.:.:.|.:.:./::::／.:.:.:.:.:.:./.:.:.::/　〈.:.:/.:.:./.::∧.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く／　 /:/.:./ :.:|.:.:.|／／/.:.:.:.:.:.:.:/ |.:.:/,．-‐∨:/ |.:.:/.:.|.:.:/￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/７.:./.:＿|／／:^ﾒ廴__.:.:.:.广「/´: : : : :.∨.:.|.:.:.:.: |:/.:.:.:.:|.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|イ.:|⌒T¨´.:|＼|: : :＼／: : : ｯｆ灯⌒ﾌ |.:.:.|.:.:.:／.:.:.:. : |.:.:.:.:|.:.:.:＼
　　　　　　　　なんですと！？　　　　　　　　　　　　　|八: :.:.:＼.:ｬﾋ巧ぅﾄ: : : : : : 乂ン　　 j.:ノ|／.:.:.:.:.:.:.／.:. :. |.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : :＼: :.:.:.:込乂ﾝ　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.::|.:.:.:.:.:.:.:ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /: : : : :| ＼.:.:___):、　　　 '　　　　　J　/.:.:.:.:.:.::／.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:./.:.::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:/: : : : |.:.:.:.:/┌‐､〉　　┌～　つ　　/.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:／.:.:./.:.:.:.:.:./.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |: : : : : ＼_:|／^''込、　 '⌒￣　　　|.:.:.:／.:.:.／￣.:.:.::／.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |: : : : : : :|　　／>､〉:.＞｡,　　　　イヽ/.:.:／.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　い,: : : : : ::|　　￣￣〉.:.:.:.:|'´うT　　 }　/.:.:/.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼.:.:..:∧　　￣_｝.:.:.:.:|／｝　　/　|.:.:/.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:イ.:.:.:.:.:.:／

【紀元３１９年秋　代　首都　盛楽】

　　　　　　　 /,　　　／心、　　　　　　　　　　　　 ∨Yｰ'/
　　　　　　　　 /∧‐=ﾆ´=ゞ-'ミヽ.∧　　　　　　　　　　 /∨￣
　　　　　　／:ｰ:'´: : :／: : : :｀ヾ￢ミ　　　　　　　 /.:/
　　　　　　　 ,i : { : i: :_:/｣_: :鬱 :ﾄ､: : : : ｀ヽ　　　　　　/.:/
　　　　. -‐'八 : : ﾄ､.;_」{ :｀ : ノ ^}､:}i : : : :}　　　　　/.:/
　　／. : : : : l :ヽゝY{_,ﾊ｀ヽ(　,ﾆﾑｲﾘ : : :ﾘ　　 /⊆ヽ'
　　/( : : : : : : ｌ: : : :＼ゞﾟ'′　ん} 〉厶ィﾉ'　　　 ' {_ヽ. }　　　　　　　段匹磾が上谷郡へ逃げてきた？
　　 )ﾍ : l : : :l : : : : : ヾ゛＿_ '`ﾟ',,｢{: :く　　　　　 V.:::〉/|
　　　　Ｖ|: : :八 : : : : : .∨_У　八: : : ヽ. 　　 /.::/' /　　　　　　　これは上谷郡を併合する絶好の機会。
　　　＿人: (‐-＼: }: : :}　　 ,.＜: : :ヽ: :ハ　　/.::/｀/
　　　＼:::::::｀ヽ:::::::)ﾊ: :ﾉ≧´; :∠); i}: :/　　 ,/(_/　 !　　　　　　　　.進みなさい拓跋部の勇者たち
.　　　　　Ｙ／.:::::::::::::::}'＼(0_{::::∠刈:/ 　　《_Ｖ| 　 !
　　　　／.:::::::::::::::::::／｀Ｙ7::::;;(::::::::::`ｰ=┐　　 |　　',
.　　　 {::::::::::::::::::::::/ 三､ｊ |:::込)::＼::::.｀ヽ:`ｰ-ミ,|　　',

　　　　　　　　代　代王　拓跋鬱律

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (~)　　　　　　　　　　　(~)　　　　　　　　　　　　(~)　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .γ´⌒｀ヽ　　　　　　　 γ´⌒｀ヽ　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　 .{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（｀・ω・）∧,,∧ 　　　（｀・ω・）∧,,∧ 　　　（｀・ω・）∧,,∧　
　　　　　　　　　おう！　　　　　　　　　　　　　< >(ニＯ　・　・　　　< >(ニＯ　 .・　・　　　　 < >(ニＯ　・　・　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ.　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ.　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ_（⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o).⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o)（⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (,　l!､￣| |ッ　　(, 　　(,　l!､￣| |ッ　　(,　　　(,　l!､￣| |ッ　　(,
　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒;;（⌒;;_ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ. _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ

　　　　　　　　　　　　　（⌒;;（⌒;;（⌒;;(,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ(,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ (,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ッ_) 　　　　　　　　　　ッ_) 　　　　　　　　　　ッ_)

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　しかし、これを聞いた代王拓跋鬱律が動いた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　精鋭の騎兵に段匹磾を攻撃させており、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .彼らにとっても上谷郡は獲得したい場所だったのだろう
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

【紀元３１９年秋　晋　幽州　上谷郡】

　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　／:::/):|
　　　　　　　　　 |ヽ)＼　　　　　　　　　　／:::::::/)::√
　　　　　　　　　 ∨ヽ)::＼　　　　　＿＿＿___／::::::::::/)::::√
　　　　　　　 ∨ヽ):::::＼,，.:.:.:.:.:.:j＼:.:.:.:.:.:＼:::::::/):::::√
　　　　　　　　　　 ∨::ヽ)／]:.:.:.:.:.:.:/:::/:.:.:.:.ﾊ:.:.:.＼＿__/
　　　　　　　　　冫</T|:.:.:.:.:.:／／:.:.:.:.://:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ＼
　　　　　　　　　＿/:._/:._]|:.:.:.／／:.:.:.:.:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.￣＼
　　　　　　　／:.:.:.]厂:.]厂:∠／.:ﾊ:.:.:.:<／:./＼:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　／:.:／:[/:.:.:[/:.:.:.:.:∧:./ И:.:.:./|/　／∨:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　／:.:.／:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|￢ト､　|／　　 ´　　ﾔ:.:.:.:.:ﾘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..＼
　　　/:.:.／:.:.:.:.:.:.人:.:.八:.:.:.八　　＿_　　　斗‐￢|:.:.:／:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ∧:|
.　　/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀、:.:.＼:.:.:｀ﾏ^⌒　　　　　 :::::厶ｲ:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　]|
　　|:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.＼:.八::::　　＿__　　　√:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾘ　ﾘ　　　　　　にゃー！
　　|:.:.人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.}∧|　　/´￣　｝　人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/}/
　　∨:.:..∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:込、　丶　_,ノ／:.:.:.＼:.:.:.:.:.＼:.:.／　　　　　　　　　　にゃにゃにゃにゃにゃー！！
　　＼:.:.{＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:.:}＞　　イ∨:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:._＞
　　　　￣　＼＿＿:.:.:.:.:.:.:.:/／ V　　　　　|Y ＼＿__:.:.:.:.:.:.:.＼＿
　　　　　＿___／:.:.:./⌒)_／ : : : :八 __　　,，-} : : : : ||｀丶----＜　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／

　　　　　＼＿＿／　　 |::::|| : : : : : ｀､/⌒＼/: : : : : ||::::::i　∨　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
.　　　　　　　 /　　　|::::||: : : : : : : ｀、⌒/ : : : : : 八::: |　 |　　　　　　　　＜　　段匹磾様が壊れた！！　＞
　　　　　　　　　 |　　　 ∨||:/￣￣＼__∨/＿／￣￣|::: |　 |　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　 |　　　 ∨人　　　　　Y∩Y　　　　　|‐┘.八　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　/ 　　　 |::::::}／⌒^Y |[　 ]|＜　　　 |::::У⌒⌒＼
　　　　　　　　 / 　　　 /::::/　　j 　 V┐⌒＼＿＿/::::ﾉ　､ j　〉_⊥　-‐=ﾆ￣
　　　　　　　 |　　　／::ノ　_j_厶ﾑ.ﾉノ二ﾆ=―━=ﾆ￣￣￣
　＿　　 --―┷==ﾆ二￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.. ‐''广''''―- ..､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i'"ﾞ._.. -'|'''''―- .＿|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |''″　　.!　　 / 三　l
　　　　　　　　　　　　　　　 _,,|∩　∩.!　　.lﾞ三三!　　　　　　　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　l　　　　 !　　l ｀ﾞ^'''''￢ｰっ..,,..,,、　　　　　　　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿
　　　　　　　　　　　　 _./　　゛　　　　!　　| ﾞﾞ'''～　....,,_ ヽｌ　ﾞ'(￢ｰ、　　　）　　　　にゃー！！！　　（
　　　　　　　　　 ,./ '″从ﾘj"Wﾞﾘw;yﾉ　　│ 　　　　｀''､,!三ヽ　　＼￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　／　　　 ;ゞゞ; ;ゞ　　　　〉　　　　　 ,!゛三三ヽ　　.ヽ　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼,
　　　　　　　／　从ﾘj"Wﾞﾘw;yﾉ　　　　　　　ミ彡ミ彡　　 / 三三三 | WWwjjw､、　　　　　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
　　　　　.／　　　　;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"WWwjjwv　　ミ彡》／三三三／ |"ヾ ;ゞ ;"ヾ.｀''ｰ､
　　 ._..-"　ゞ ;" "ゞゞ　WWwjjwv　　　 " ヾ ;ゞ ;"ヾ／　三三_..‐" .／,!ｿ;;;)ヾﾐ;ｿ(;;;ゝヾ;))`-.、
ｰ'''″　　　　　　　　 |ﾞ'.ｌ￣￣''ｰ　＿＿＿　 -'´　三三,／゛._..-'゛　 .ｌ　　WWwjjwv　　　　　｀''-
　　　　　　|;;;;Wiwノノ;;::! llﾞ'-、三三 | .|____ﾞ“'''―---- ／　,／゛　　　　ij从
'",,iiゞ　　　ミ;;;;Wiwノノ;; !'､,　 ll｀'-､,三`'ミｰ..,´ﾞﾞ''''―----'"　　　　　WWiiiwWゞ
　　　",,iiij从ミWﾘﾘWii-''l　＼　　ll　｀''ｰ､.ﾞ''-ﾐ～ ..,_　　　　　　　　,ii''"`
　　　　　　ろ::::::....　　..k!　　 .｀'-､　　　||　｀'‐､,｀''ｰ..,,.｀ﾞ'''- ､,,iiゞ~ ;:_ヽゞ ;"　　;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"
　　　　　ﾗ:::::::::::;;;;;;;;;;;;;;:lﾞ　　　　　｀''-..,,　　　||｀'-､二 ''ｰ､　｀''-､ヾ ; ;:_ヽゞ ;" "

　　　　ﾗ::::::::::;;;;;;;;;;;;;;:::;;!　　　　　　　　｀''-、　　 ||＼二二｀''-､｀'-、,__,,wyyvヾ ;ゞゞ
　　　ﾐ;;;;,,ゝ;;;ﾚ/;;;::::ｋ亅　　　　　　　　　　｀'-、　 : ﾘヽ二二二＼ . ＼　　　;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"
;ゞゞ; ;ゞ ;"`w:!iiii!wWk'ゝ!　　　　　　　　　　＼　ヽ.ヽ二二二　＼　＼, ;:_ヽゞ ;" "ゞゞ ; ;
　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／　 .二二＼　｀､
　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　二二二｀'､　ヽ　　　.ｨ;;wﾘﾞW゛jﾘwj
　-=ニ　　　　　　段匹磾が逃げたぞ！！！　　　　　　　　≦ 二二二二ヽ　ヽ　ﾗ:::::::::;;;;;;;;;;;;;;:::;;;;ゞ

　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.『魏書』『段就六眷伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　段匹磾は恐懼して南の楽陵郡へ逃走した。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .当時段匹磾の部衆は飢えで離散し、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　段匹磾自身は妻子を捨て邵続の下へ逃げたと『晋書』『石勒載記』は記す
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　 (~)　　　　　　　　　　　(~)　　　　　　　　　　　　(~)　　　
　　　　　　　　　　 .γ´⌒｀ヽ　　　　　　　 γ´⌒｀ヽ　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ　
　　　　　　　　　　　{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　 .{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}　　
　　　　　　　　　　（｀・ω・）∧,,∧ 　　　（｀・ω・）∧,,∧ 　　　（｀・ω・）∧,,∧　
　　　　　　　　　　 < >(ニＯ　・　・　　　< >(ニＯ　 .・　・　　　　 < >(ニＯ　・　・　　　　　　待てーっ！
　　　　　　　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ.　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ.　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ
　　　　　　ミ_（⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o).⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o)（⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o)　　　　今日の晩飯！！
　　　　　　　 (,　l!､￣| |ッ　　(, 　　(,　l!､￣| |ッ　　(,　　　(,　l!､￣| |ッ　　(,
　　　（⌒;; _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ. _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ　　
（⌒;;（⌒;; .(,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ(,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ (,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ┣¨┣¨┣¨

　　　　　　　　　　　　　ッ_) 　　　　　　　　　　ッ_) 　　　　　　　　　　ッ_)

　　　　　　　　　　　 /＼　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　 {)::::::＼　　__＿＿__　　　,:┐　
　　　　　　　　　　　　　　{):::::::::::冫:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.｀／:.:.|　
　　　　　　　　　　 ┌ｎ￢／＿___:.:.:.:.:.:.:.:.:/「):::八｀、
　　　　　　　　　　　 ┌=ナ'⌒:.:.:.:.:.}＼:.￣｀丶:「)::::::::::|:.｀、
　　　　　　　 ┌y:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:／:::/:.:.:/):.:.:.:＼:::::／:.:.:ﾊ　　　　　　　　　,，⌒＼　　だからウマ娘は食用じゃないと
　　　　　　　　 [|:.:.:.i:.:.:.:.:._,，'’::／:.:.://:.:.j:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.|　　　　　　／　　　　｀、
　　　　　　 ┌√ﾍ ∨:.|＜＿＿／:.:.:.:.く/:.:./:.:.:.:.:.:.|ア⌒¨¨``丶、／＼　　　　　　　｀
　　　　　　　| .| |　|. ∨:.:.:.:.∧:./:.:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼//∧　　／＼　｀、　　　　　.
.　　　　　 /｀ | |　|┐∨∧| И:.:.:.:.:.:.:／∨:.:.:.:.:.:./:.j:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:ﾊ∨∧／　/:.:.丶、＼_　　　　＿__
.　　　　　 |　┘　.ｉ｜ ∨:.:ﾊfﾝ}／}／／　∨:.:.／:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀、:.:.:.| ∨∧　 |:.:.:.:.:.:.:ﾊ　　｀丶／⌒Ⅵ
　　　　　　j 　　 /丿 ,/＼:.:|　　 ⌒苳ｋ,,_j／:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨:.:.|　∨/　 j:.:.:.:.:./　＼＿＼〉　　 |[
.　　　　 ,ﾞ　　　' / ／＼_j八 '　　　弋ツ./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.∨ﾘ　 У　/:.:.:.／　　　　/ 　⌒Y _.八
　　　　　 j_　　イ ⌒＼ ∧　ヽつ　　u |:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|/ .／　 .:.:.:／　　　　／＼／∨ /　|
.　　　　 /　　　丿　　　 V∧　　 >―=≦人:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／)__／　／＼／／　　　　.／　　 /　　＼_.丿
　　　　 ′　　 ,　　　　〉⊥ﾆ=―ヘ |＿　＼|:.:.:.:.:.:.:.:.:.::(＿　／　 }/ﾊ￣＼　　 , ﾞ　　 /
　　　 {　　　 /　　,ｘ≪⌒¨´ 　　　 |///＼__＞―┬―=≦ /　　,//| |:::::::::::＼ /　　　 /
.　　　八　　, ﾞｘ≪ 　　　　　　　 |///////////,＼　　　　　_/／ /:::::::::::::::::∨　　 /
.　　　｀¨¨　　　　　　　　　　　　　　＼＿＼/////// ＞―‐＜／／::::::::::::::::::::::|　　 , ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒＼＿___,,ｘ＜￣＿／::::::::::::::::::::::::::/　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 √:::::::::::::::::::::::::::::::::/_／┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

　　　　　　　　　　　　 (~)　　　　　　　　　　　(~)　　　　　　　　　　　　(~)　　　
　　　　　　　　　　 .γ´⌒｀ヽ　　　　　　　 γ´⌒｀ヽ　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ　
　　　　　　　　　　　{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　 .{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}　　
　　　　　　　　　　（｀・ω・）∧,,∧ 　　　（｀・ω・）∧,,∧ 　　　（｀・ω・）∧,,∧　　　　　　白馬は馬だから、
　　　　　　　　　　 < >(ニＯ　・　・　　　< >(ニＯ　 .・　・　　　　 < >(ニＯ　・　・　　　　　　ウマ娘も馬じゃないか
　　　　　　　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ.　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ.　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ　
　　　　　　ミ_（⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o).⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o)（⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o)　　　　だからウマ娘は食える
　　　　　　　 (,　l!､￣| |ッ　　(, 　　(,　l!､￣| |ッ　　(,　　　(,　l!､￣| |ッ　　(,
　　　（⌒;; _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ. _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ　　　　　　　　　　　　　お前マジ天才
（⌒;;（⌒;; .(,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ(,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ (,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ┣¨┣¨┣¨

　　　　　　　　　　　　　ッ_) 　　　　　　　　　　ッ_) 　　　　　　　　　　ッ_)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (~)　　　　　　　　　　　(~)　　　　　　　　　　　　(~)　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .γ´⌒｀ヽ　　　　　　　 γ´⌒｀ヽ　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　 .{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}　
　　　あれ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　（｀・ω・）∧,,∧ 　　　（｀・ω・）∧,,∧ 　　　（｀・ω・）∧,,∧　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　< >(ニＯ　・　・　　　< >(ニＯ　 .・　・　　　　 < >(ニＯ　・　・　　
　　　段匹磾どこ行った？　　　　　　　　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ.　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ.　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ_（⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o).⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o)（⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o)
　　　　　　　　　　　　　┣¨┣¨┣¨　　　 (,　l!､￣| |ッ　　(, 　　(,　l!､￣| |ッ　　(,　　　(,　l!､￣| |ッ　　(,
　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒;;（⌒;;_ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ. _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ

　　　　　　　　　　　　　（⌒;;（⌒;;（⌒;;(,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ(,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ (,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ッ_) 　　　　　　　　　　ッ_) 　　　　　　　　　　ッ_)

　　　　　　　　　　　　 (~)　　　　　　　　　　　(~)　　　　　　　　　　　　(~)　　　
　　　　　　　　　　 .γ´⌒｀ヽ　　　　　　　 γ´⌒｀ヽ　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ　
　　　　　　　　　　　{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　 .{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}　　
　　　　　　　　　　（｀・ω・）∧,,∧ 　　　（｀・ω・）∧,,∧ 　　　（｀・ω・）∧,,∧　　
　　　　　　　　　　 < >(ニＯ　・　・　　　< >(ニＯ　 .・　・　　　　 < >(ニＯ　・　・　　　　　　　　　　ん？
　　　　　　　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ.　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ.　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ　
　　　　　　ミ_（⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o).⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o)（⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o)　
　　　　　　　 (,　l!､￣| |ッ　　(, 　　(,　l!､￣| |ッ　　(,　　　(,　l!､￣| |ッ　　(,
　　　（⌒;; _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ. _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ　　
（⌒;;（⌒;; .(,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ(,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ (,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ┣¨┣¨┣¨

　　　　　　　　　　　　　ッ_) 　　　　　　　　　　ッ_) 　　　　　　　　　　ッ_)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,（（彡从((彡;;;;彡彡彡彡,､;;',､"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'"ｲヽ从从〉从//从从彡彡ｰ彡彡彡;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|（（;;;;从ijj|从〉/从彡彡;;;彡彡彡彡彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｱミ从ﾐ十ン＜<ヽ{（ヽ从三三三;;三|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（(~ﾐミ三ii从ﾐ三ﾐ);| ヽ三;;;;三ミミミミﾐ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'=三((（（（从iii」（ヲ''~￣'''ヽ~;ヽ~'　ｰ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾇ彡tヽ,=マ~;（;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ii;;;;L;;;;＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (彡''~＊｡;ﾘ⌒' ､; ;;;;;;;;;;;;;ノ";;ﾉ''|;;;;;;;)）ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |i　ij;;;;;;/ﾉ::::::::::'､＝=≦ｰ'"::: |/ﾚノノﾉ;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'itk;;;;ノi､｀:::''つ:::.､　 ::::::::::::::::::::彡,r';;;;;;;;;;;;'ﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.~'ｰt''~:::｀';;､::::::::::::::　　　:::::::ﾘ｀~;;"ヽﾉ）;j;;;j､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　:: ,ｧ'''' ｰ-､::::::　　:::::j;;;;:;:;:;:;:;:::: :::: t;;､,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: " (⌒'::::::::::　　:::::/;;;:;:;:;:;:;:;:::: ::::: ヽ;;;ﾐ~~~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　ヽ''''" '':::::::::::::::;､-'";;;'"彡:;:;:;:::::: :::::: ）ﾐ;;;r'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　...::::::::;､-'";;;;;;'"::::::;:;:;:;:;:;:::::::::／ﾐ;;;;t､;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　,,､､｀'t'''''''''";;;;;;;;;;;;;;;;::::::;:;:;:;:;:;;;;;;;／ミ;;;;;;;";;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,､-ｰ ''''"~;;;;;;;;;;;;ヽ　　　つ;;;;;;;;;;:::;:;:;:;:;:;;;;／~' ､;;,,､-ｰ''"

　　　　　　　　　　　　 (~)　　　　　　　　　　　(~)　　　　　　　　　　　　(~)　　　
　　　　　　　　　　 .γ´⌒｀ヽ　　　　　　　 γ´⌒｀ヽ　　　　　　　　γ´⌒｀ヽ　
　　　　　　　　　　　{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　 .{i:i:i:i:i:i:i:i:}　　　　　　　　 {i:i:i:i:i:i:i:i:}　　
　　　　　　　　　　（｀・ω・）∧,,∧ 　　　（｀・ω・）∧,,∧ 　　　（｀・ω・）∧,,∧　　　　　あの、すいません。
　　　　　　　　　　 < >(ニＯ　・　・　　　< >(ニＯ　 .・　・　　　　 < >(ニＯ　・　・　　
　　　　　　　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ.　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ.　　　ッッ) ,_lﾐl !､　　ﾞｉ　　　　うちら拓跋部の者ですが、
　　　　　　ミ_（⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o).⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o)（⌒~(, (__)|｀ッ　ﾄ,o_o)　　　 .段匹磾という奴知りません？
　　　　　　　 (,　l!､￣| |ッ　　(, 　　(,　l!､￣| |ッ　　(,　　　(,　l!､￣| |ッ　　(,
　　　（⌒;; _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ. _ッ／ッッ~'''''''(, ッ~ﾞｉﾞｉ　　　　　.今、そいつを追っていまして
（⌒;;（⌒;; .(,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ(,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ (,ッ　　ﾞｉ_)　　　|_|ﾌニッ

　　　　　　　　　　　　　ッ_) 　　　　　　　　　　ッ_) 　　　　　　　　　　ッ_)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゞ､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i(ｒ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,､_ﾂ､::.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ:.:.:.:.:.:.:ヽ､__ﾌル'_,- ､' ､:.:.:.:.:.:.:.:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐ彡:.:.:.ﾐゞｰヽﾋｰ'´_=≠ﾐ　ヾ.:.:ﾐ:.:.く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ,:.:.:.ヾ,_,ﾍﾊ`ー´`ｰ'´　　　',:.l'ﾍ:.ゝ　　
　　　　　段匹磾？　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾙ:.:ﾚ r‐ｨｯ{ ﾞ' ￣￣　　　 |ﾘ　!:.ﾄ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:.ﾍ `´/ﾋ.ｰ=ｧ　　　　ﾄ_ノ:.:i!　　
　　　　　あいつも敵の一人だが、　　　　　　　　　　　ヾﾍ　　ﾞ`ｧ＿　　　　　||　 ',:.:.)　
　　　　　今日はお前らを討伐しに来た。　　　　　　　　　｀ﾍ.　　i'´二　｀　　 ,ｲl　 i:.ｿ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ､　　　　　　∠ /l　 li ＞､.. _
　　　　　お前ら、拓跋部なんだろう？　　　　　　　　　　　　　ilヘ　＿　ｲl/ //l　 ||lミﾐ､ヾ､≧ー─ー=＝ュ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾍ三_ ﾆ __　i/// l　 |/i三ﾐﾐ､ゝﾐ三三二／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ... -≠イ ∨/､_,_,.　丶`ｰV//　 ,|/∧　∨ﾐ,､｀ゝﾐ,ｨﾁ´ｪ.._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋｰ='' ´　　彡ｼ´ ﾐ∨ﾉ ..ィﾍ::　　＼`ヾ`､　ｲ　　',　 ∨彡,ｨﾁ´三ニニ≧ ＿ ,y;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　-‐= ≧=ｭ。.._≠ｲ ,ｲﾐV,ゝ'´ rｲﾊ.:　　ヾ ` ｀ｰ､ニ_＝V三≧x＜_三三三三ﾐ;;ゞ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　∠´　〈///////三ニ≧ｭミミ/::;:　.:::ゞ､ﾍ::　　　　r　= ´, ｨ`x.{三＝　三二ﾆ＜∨彡;;ゞ´ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ( ＿＿＿｀＝≡≧…丁三シ ;;:　　..::::::｀"ゝ､ _ /,'´ ／:....　-=≧ｰ--､三三(_) ﾉ/彡ﾞﾞ゛';　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　冫￣　　　|≧≠二三≫ｲ´　;;:.,,　　　　:::::::／ヾ i::./:::::::,´:...／::...／´　ンー-く--〃__　j　　 }

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
　　　　　　　　　　　 __ 　 ≡⌒)_;;⌒)//⌒);;⌒)　　⌒)⌒)
　　　　　　　　 __　 // ⌒);;⌒)//⌒);;⌒)　⌒) ;;⌒) 　⌒) ;;⌒)　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　　　　　　 //　//≡≡;;;;⌒);;⌒);; ⌒); ;⌒)　;;;;⌒);;⌒)⌒);;⌒)　　　　　　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿
''''゛゛゛''゛゛゛''''゛''゛゛''''゛゛''゛゛゛'''''゛´''゛'''''゛゛゛''゛゛゛''''゛':'''''゛゛゛"""''"""''''':'"''''"""''"　　）　　　　逃げろッ！！　　（

　　　　　　　　　　　　　　　゛゛゛　　　'''゛゛゛''゛゛゛''''　　　゛''"　　'''""''"　　　''''"￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　:::::::::::::::::'''''''''''''ﾞﾞ゛　　"ﾞﾞ゛"ﾞﾞ゛"ﾞﾞ゛"ﾞﾞ゛　　　　　　　"ﾞﾞ゛"　　"ﾞﾞ゛"ﾞﾞ゛"ﾞﾞ゛　　　　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼　
＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／

　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
＜　なんかヤバそうなの来た！＞
　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(

　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'"ｲヽ从从〉从//从从彡彡ｰ彡彡彡;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|（（;;;;从ijj|从〉/从彡彡;;;彡彡彡彡彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｱミ从ﾐ十ン＜<ヽ{（ヽ从三三三;;三|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（(~ﾐミ三ii从ﾐ三ﾐ);| ヽ三;;;;三ミミミミﾐ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'=三((（（（从iii」（ヲ''~￣'''ヽ~;ヽ~'　ｰ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾇ彡tヽ,=マ~;（;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ii;;;;L;;;;＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (彡''~＊｡;ﾘ⌒' ､; ;;;;;;;;;;;;;ノ";;ﾉ''|;;;;;;;)）ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |i　ij;;;;;;/ﾉ::::::::::'､＝=≦ｰ'"::: |/ﾚノノﾉ;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'itk;;;;ノi､｀:::''つ:::.､　 ::::::::::::::::::::彡,r';;;;;;;;;;;;'ﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.~'ｰt''~:::｀';;､::::::::::::::　　　:::::::ﾘ｀~;;"ヽﾉ）;j;;;j､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　:: ,ｧ'''' ｰ-､::::::　　:::::j;;;;:;:;:;:;:;:::: :::: t;;､,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: " (⌒'::::::::::　　:::::/;;;:;:;:;:;:;:;:::: ::::: ヽ;;;ﾐ~~~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　ヽ''''" '':::::::::::::::;､-'";;;'"彡:;:;:;:::::: :::::: ）ﾐ;;;r'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　...::::::::;､-'";;;;;;'"::::::;:;:;:;:;:;:::::::::／ﾐ;;;;t､;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　,,､､｀'t'''''''''";;;;;;;;;;;;;;;;::::::;:;:;:;:;:;;;;;;;／ミ;;;;;;;";;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,､-ｰ ''''"~;;;;;;;;;;;;ヽ　　　つ;;;;;;;;;;:::;:;:;:;:;:;;;;／~' ､;;,,､-ｰ''"

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　この頃、石虎は拓跋部を討伐し、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　二万人を斬首し、捕虜三万余・牛馬十余万を得た。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .拓跋鬱律は朔方へ逃げたと『晋書』『石勒載記』は記している
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::'''''ﾍ-..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冫:::::::::::::::::`ｰ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冫＿::::::::上,,⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/VﾆﾆﾆﾆﾆVl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾉ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｀'ｬ｡,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,｡ｬ'´ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆく

　　　　　　　　　　　　 _.--_上,,,,,,..-‐ノ'　　　　　　　〉ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ',　　　　..l1
　　　　ｌ、」'、ノ`-'"ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ`ﾞ''ﾞ亡ｰ-L　　　, 'ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ',　　　　.l|　　　　　　　　 l1
　　　　_..ﾉ宀'’ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ~~''‐ﾆ-- , 'ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ'.,　　 │'‐‐　　　　　 .l|
　　　./=ｧﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ',　　l/l　　＼,,,,,,.　　│'‐‐
　　-/レ彡ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-┘　l..|--　　　　 /　　.l/l　　＼,,,,,,.
　＼ニニlﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ',　　l:lj''ｰ----‐'´　　　.|-　　　　 /
　　　　￣.',ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ┌ﾅﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ.',　l.│　　　　　　 :lj''ｰ----‐'´
　　　　　　',ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ', l 彳　　　　　　 │
　　　 ,-'''''ﾞﾞﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆl┐ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ',.│　　　　　　　彳
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　　　 lﾆﾆﾆﾆﾊﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆl　 lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼,｡ｬ------、
　　　　',ﾆﾆﾆ≧',ﾆﾆﾆﾆﾆﾆlミlﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ

　　,｡sニニニニﾆs｡,ﾆﾆﾆﾉ　',ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ---､
　/ニニニニニニニﾆヽ´,｡ｬ'',ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ＼

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　段匹磾逃走や拓跋部討伐と前後して、石勒軍は幽州諸郡を平定

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　○壺関　　　ト､_　　　　〇鄴　　　　　　　　　　〉
　　并　　　　　州　　　　　　　　　| 　｀`ヽ､_　　　　　【魏郡】　　　　　,/
　　　　　　　　○長子　　　　 /　　　　　｀`ヽ､　内黄　　　　 _,/ 　〇
｀‐-､　　　　　　　　　 _,,ノ′　　蕩陰×　　｀, 　 ○　＿,,,-‐´　　東武陽
　　ｌ　　　　　　　　　　「　　【汲郡】　　　　　　,'　　／　○　　　　　　　　　【東平国】
　　 ,!　　　【上党郡】　　ｌ　　　　　　枋頭　 /黎陽/　頓丘　【東郡】
　（　　　　　　　　　　　　　〉　　黄橋〇　○　i´ ○／河　　　　　○鄄城
　　 `ヽ､　　　　　　　 /　　　　　　　　ヽ／ ○　　 ○濮陽　〇廩丘　　　【山陽郡】
　　　　 `ヽ､　　 _,,,,,,-‐'′　【河内郡】　　／　白馬
　　　　　 `‐-‐´　　　　　　　　　 ,-‐'´○東燕　　　　　　　　　　　　　昌邑
　　司　　　　　　　　　　　　　　隷　_,-‐'i´ ○延津　　　　　　【済陰郡】　○　　　　　○

,_　　　河橋　温　　　○懐_,,,-‐'´黄　｀-､　　　　　　　　　　　　定陶
　｀｀`‐-,,　_○　○ ＿,,,-一'´ ×官渡 ○陽武　○封丘　　兗　　　　州

　　　　　￣｀ﾞ~~~´　　　　〇滎陽　　　　 !浚儀　　　　　　　　　　　　 ,-､
　　　　　 ◎洛陽　　　　　　　　　 ○ ｀○､　陳留　　【陳留国】　　／　/　 _,,,_
　　 ○　　　　　　【河南尹】　　　　中牟○ ● ○　　　　　　　／　（_,／　｀ヽ
　　河南　　＿,,..-‐- ､,＿　○密　　　　,,開封蓬陂　 ○雍丘　 ,,-‐′○蒙城
　　○　　('´ 　○輪氏　｀､　　　　 ,／　　　　　　　　　　ヽ　　　【梁国】
　新城　　｀`'''‐-､,,_　　　｀‐-‐'''´´　｀~~`ヽ､　　　 ,,_○圉＿,,-‐′
　　　　　梁○　　 _,,) 　　〇陽翟　　　　×洧倉.--′｀´○陽夏　　　　　　　　　　　　　蕭
　　　　 ,,,_　　 ,ィ´【襄城郡】　　　　　 ○許昌　　　　　　　　　【陳国】　　　　　　　　　　　○
　　　 ,／　｀~´　ヽ　　　　　○　　【潁川郡】　　　　　　　　　　　　　　譙
　　,／　　　魯陽）　　　襄城　　　　　　　　　　　　　　　　 ○寧平　　　○　　【譙郡】
,,／　　　　　　　○ ｀`'''i　　　　　　　豫　　　　　州　　○陳
　　　　　　　　　　　ゝ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　荊　　　　　州　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　【南陽郡】　/　　　　　　　　　　　　　　　南頓　　　　　　　
　　　　　〇宛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○　　　　○項
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【汝南国】　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　安城

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○　　　　○新蔡

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　　十月には、再度蓬陂に侵攻してきた祖逖の軍勢と交戦
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/

i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　

【紀元３１９年１０月　晋　兗州　蓬陂】

　　　　　　 /＼＿＿_／ヽ
　　　　　／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
　　　　　|（●）,　　　､（●）､ :|
　　　　　|　⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::|　　　　　　　　　　　　祖逖将軍！
　　　　　|u　{,｀ﾄ===ｲ ,} 　::::::|

　　　　　＼　　ヾﾆノ　　.::::/"''=-　　　　　　　　　.督護の陳超殿が討ち死にしました！！
　　／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、
.　　i／ﾍ"　ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/　　　ﾞヾノヽ
　 /（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ　''"ヽi、　をノ
　（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、

　 ^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）　　　　　　　　　　 ,,-r￢_}　l／: : : : : : : : : : --:、: : : :ゞ : : : : : : : : : ＼
　　　（::::ヽへ、: : : i　　　 i/　ﾞ''ヽ,/ 　　　　　　　　　 {{∧　{:／: : : r―― ＜: : : : : ＼: : :/:`､ : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: :ヽ/＿: : :.:|: : : : : : : ヽ : : : : : : /: /: `､: : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : : :/ : : : :｀ヽ| : : : : : : : : '，: : : : : ∨ / : ＼ : : : : : : : : : : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , : : : |: : : :ｉ:.:.ﾄ､|ｉ; : : : : : : : : :、: : : : : ∨: : : : }＼ : : : : : : : : : :`､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′: : :|: : : :|:.:.|＾~＾'，:.:ｉ: : : : ｉ :}＼:_: : : :.∨: : :,′ ヽ: : : : : : : : : : `､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , : : : : :|: : : :|:.:.|　　 '，ﾄ : : : |jﾉ´__ヽ: : : ｉ｢ヽ/　　　 '，: : : : : : : : :.:`
　　　　ぐぬぬ……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′ : : :.:|: : : :l:ｰ|-ミ　ｉ:| l: : :ﾉｨf:心 }} : : ﾊ|.ﾉ}　　　　　'，: : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,: : : : : : :|: : : :|:.:.|ｨ灯ぅxlﾉ |／　乂ソ　!: :/{ /ノ　　　　　　'，: : : : : : : :

　　　　力攻めじゃ犠牲が大きいわね。　　　　　 .′ : : : : 从: : :|:.:.ﾄ　 Vり　　　　　ノイヾf/__　　　　　　　'，: : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : : : : : : : :/|＼|ヽ| ∧　　､　　　　　　〈ヾ)_｀　　　　　 '，: : : : : :
　　　　作戦を練り直しましょう　　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ :|:　　　ｉ:込、　　 v ∋　　／　　》￣｀　ｰ--ミ　　 '，: : !:: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ: : : : : : :.,'|: :|:　　　 |:| 　 ≧s｡.,_　　／　　 ∥　　./　　　＼　 '， |: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : : :ｉ |: :|　　　　ヾ　ア 7~::::/¨´:}i　　 ∥　　/ 　,　　　　ヽ　'; ﾄ､:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : : :| |: :|　　　　　　/　_l ::::::|| 　 ||__-＜　　 / 　/　　　 -- '，}ﾉ　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　『晋書』『元帝紀』によると、祖逖配下の督護陳超が戦死。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　『晋書』『石勒載記』には、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .祖逖が淮南方面に撤退したとあるので、蓬陂攻略はまたも失敗した模様
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１９年１０月　晋　冀州　広宗】

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　　　几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几
　　　|＼＿／￣￣＼＿／||＼＿／￣￣＼＿／|.|＼＿／￣￣＼＿／||＼＿／￣￣＼＿／||＼＿／￣￣＼＿／|
　　　|＼＿／￣￣＼＿／||＼＿／￣￣＼＿／|.|＼＿／￣￣＼＿／||＼＿／￣￣＼＿／||＼＿／￣￣＼＿／|
　　　＼＿|　▼　▼　|＿／＼＿|　▼　▼　|＿／＼＿|　▼　▼　|＿／＼＿|　▼　▼　|＿／＼＿|　▼　▼　|＿／
　　　|＼＿／￣￣＼＿／||＼＿／￣￣＼＿／|.|＼＿／￣￣＼＿／||＼＿／￣￣＼＿／||＼＿／￣￣＼＿／|
　　　＼＿|　▼　▼　|＿／＼＿|　▼　▼　|＿／＼＿|　▼　▼　|＿／＼＿|　▼　▼　|＿／＼＿|　▼　▼　|＿／

　　　　　　＼　皿　／　　　　　　.＼　皿　／　　　　　　＼　皿　／　　　　　　＼　皿　／　　　　　　＼ .皿　／　　　
　　　　　　／　　　.＼　　　　　　／　　　.＼　　　　　　／　　　.＼　　　　　　／　　　.＼　　　　　　／　　　.＼　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　 ,:ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　＼_＿＿/　　＿＿＿　,,),,) ＿＿＿　ヽ＿／　|　　俺たちは陳留郡に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/　　　ヾ::::::::::/　　|　　　/　　その人ありと知られた陳川一家。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　....::::;;;;ジ:::::::　ヾ;;;;;/　　　　ヾ;;;;;/　　 |;;::. シ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣|:::::::::::::::::　　i￣i￣i￣i　　　　　|￣　　　　.今日から広宗でお世話になります
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::￣￣￣￣￣　　　ノ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　戦後、石勒は蓬陂にいた陳川配下五千余戸を冀州広宗に移住させている

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【紀元３１９年１０月　晋　冀州　襄国】

γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
|　　　最近、あちこちで普請が多いな　　　 |
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌冂冂｢:|丁Ｔi　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､
　　　　　　乂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿＿＿|_ 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 X爻爻爻爻爻爻爻爻
　　　　　　　　爻爻爻爻爻ﾞ　　　　　　　　　ｒ┐┌iT┤＿＿__|二ﾆ|　　　　　　　　　　　　　　水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
　　　　　⌒￢爻爻爻⌒　　＿_　　　　　　 |:└└ :|└ L.|.:.:.:.|￣｢　　　　　　　　　　　　　　　乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
　　⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| |｜|　　　　　 |: : : :_:_:|＿　｜.:.:.| 　|　　　　　　　　　　　　　　淡淡淡炎炎爻爻炎淡炎爻
メﾐ　メ爻爻爻父父爻爻爻''|＿|　　　_┌Г|￣卩: :|　ﾛ ¨| : : | 　|　　　　　　　　　　　　　炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎

乂爻爻爻乂乂乂乂乂ミ＿ |┌|_冂「 |└二|: : : : : :|　　　|丁Ｔ┬Ｌ　　　　　　　　　　　　　　淡淡淡炎炎淡戀戀淡淡淡

い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s｡　　,｡s≦ﾏ≧s｡: :.:|_┌'¨:|￣￣~~||li　　　　 |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二|　　 :|　　 |: : : : |:.:. :|　Ｉ　Ｉ　|¨ＴT┐　_|二二⊥ニニﾆ|　　　　　｀｀｀｀｀∨Ｌ,イシﾟ
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jﾉ⌒|┌i |￣|┌┐:|　卩|￣＼|:.:: :|　Ｉ　Ｉ　| : |　 |¨|_| |: : : : :| 　［］　|　　　　　　　000 ∨ﾚ'
￣|｀｀``爻彡从ミﾐ'⌒∩　　 |└' |─|└┘:| 　　¨¨¨¨¨|: : |　Ｉ　Ｉ　|_ :|　　: : : |: : : : :|　　　|￣L|￣| 　　 ||　 {i:i{
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|i:i|　∪　∪　　 |　　ﾞΤ¨¨¨~~:|　　　　 :|: : |　ｉ⌒ｉ　 | :|　　: : : |: : : : :|:　 ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
￣￣￣￣￣|i:i|洲州ｘｘ　　　|　п |￣|　　 |　ﾛ　　　　:|: : |　|　 |　 | :|　　: : : |: : : : :| 　 |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}＿
　|￣| 　冂 |i:i:|洲洲洲￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　 :|: : |　|王王王王王王王王王王王───‐ |￣|===ｒﾉi:i:i{
｢￣￣￣￣ |洲￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　＿|: : |　|¨¨7~¨:|￣”二¨¨¨“““　　''''|　　　　　 |　辷三|ﾉi:i:i:乂
　　　　　＿jjjjＬ　　---──……￢冖'''　¨¨￣___二二￢三三二ﾆ|ｨシ´　｀':,　γ⌒ヽ |　　　┌┴-- 　　＿
￣￣￣￣＿＿　　　　‐……￢冖ﾆ二三三￣　　　　=ニ　三三　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
￣￣￣───………………ΞΞΞΞΞ　　　　　 =ニ　 =三　 |　　　新しく役所や学校建てるんだとさ　　 |
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ　　　　　 =二　三　 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　: : : : : : : : : : : : ──==＝ΞΞΞΞΞΞ　　　　　　=二　三　二　　 =====二二　- - ￣　: : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.一方、内政面では太医・尚方・御府を相次いで設置。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　太医は天子や皇族の治療に当たる役所、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　尚方は天子が用いる器物を制作する役所、御府は宮中の倉庫を指す。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　また、襄国の四方の城門に小学を設置し、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　将軍・豪族の子弟百余人を教育すると共に、襄国の守衛を兼務させている
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　君たち、某月から新たに銭を流通させる事になってね。
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　.中絹一匹で千二百銭、
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　　　　 .下絹一匹で八百銭で取引を行ってほしい。
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　　　　　勿論、新しい銭でだ

. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!　
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　 ,:ｲ
　　　　その相場はおかしいですよ。　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　＼_＿＿/　　＿＿＿　,,),,) ＿＿＿　ヽ＿／　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/　　　ヾ::::::::::/　　|　　　/　
　　　　中絹一匹四千銭、下絹一匹二千銭じゃないと　　　　　　＼　....::::;;;;ジ:::::::　ヾ;;;;;/　　　　ヾ;;;;;/　　 |;;::. シ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣|:::::::::::::::::　　i￣i￣i￣i　　　u　.|￣　　
　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾀﾞｲﾀｲｾﾞﾆﾀﾘﾅｲﾀﾞﾛ　ヽ:::::::::::::::::::￣￣￣￣￣　　　ノ
　　＼　　__　　／
　　＿　（ｍ）　＿
　　　　　 |ミ|
　　／　.｀´　＼
　　　　　/ﾆＹﾆヽ

　　　　/（ﾟ )( ﾟ）ヽ
　　／::::⌒｀´⌒::::＼　
　　|　,-）＿＿＿（-、|　　　　　　　　　（お上から千二百銭で絹を仕入れて、他の連中に四千銭で売れば！）

　　| l　　 |-┬-|　　l |
　　＼　 `ー'´ 　／

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ちなみに、新たに銭の鋳造・流通も行ったが、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　私銭で官製の絹を買う不正な取引が横行し、三年もたずに頓挫している。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .不正に関わったとして十数人が殺された
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　　　　同じ頃、律令の制定にも着手。
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　　　　　　　　ところがこれも難航し、

　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　　　　　　　　遂には石勒がこんな布告を出している
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/　
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌‐　┌ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ
　　今は大乱の後であり、律令は厄介なものである。　　　　　　　　　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈
　　よって、律令の重要な部分を採集して施行する制度を作るように　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　.そうして成立したのが、
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　　『辛亥制度』と呼ばれた簡易版の律令である。
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　　　　　 .全部で五千字と『晋書』『石勒載記』にあるので、相当簡略化されたのだろう
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/　
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌‐　┌ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ
　　　　　これを十年運用した後、律令の運用を始めるとしよう　　　　　　.　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　　　　以下私見。
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　　　 .この石勒の布告を見ると、彼は律令を見聞きしていた事になる。
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　　　　　　　.旧西晋の士大夫の進言、
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　　　　　　　あるいは彼らから『泰始律令』を提供されたのかもしれない
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/　
i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　´　　　　　　　　　　　　｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/ .'　／　 _ 　 -─　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 ,　　 i{/／／´　_＿　　　　　　　　　　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　ヾY　_　-　⌒＼､｀丶､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .'　〃⌒i{´ 　　　　 )}＼　＼　 .　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.′ ｉ{　　l乂__ 　　　＿　ヽ　　　　l　　　　 |　　　ｲ　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　/トミ　｀　　／´￣　　　　:　　　　|　　　　 ( ＼ │{　/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨八─- ､　　 ,. --　　　　ｌ　　　 |l　　　 __| >､寸ｌ/ /
　　さあ、どうかしら？　　　　　　　　　　　　　　　　　　V　ヽ　- ､　　　　　　 |　　　 ||l　て＿__｀＼！.| /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ∧ 　　　　 --==彡' |　　　 |||l　　　ノ｀ト　ヽ |′
　　けれど、石勒将軍の気分一つで、　　　　　　　　　　 / /x=彡,　　　　　　 |　　　 ||||　　/　／　　ﾉ′
　　官吏の首が飛んでしまうようではね。　　　　　　　　 .V ∧　　　　　　　 │　　　八| 　 i／　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, 込、　　　　　　　 |　　 / :|l:　V　　　　 /
　　本人も自覚があったのか、　　　　　　　　　　　　　　　　 :　　＼　´　｀　　　イ　　 /|　||　人　＿_{_
　　指摘しろだの法を守れだの布告しているぐらいだし　　|　　 | l〕ｈ｡..　 .　　/　　 /-l　||　　r. : : : : : ト　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 | |´　 /´ |／/　　 /　＼乂__l : : : : : : |　　｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　 | |＿/　 /　/　ｌ　i'　-─=ミ､│: : : : : : |　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　〃_ﾉ´／√｀l／ｲ　|　|: : : : : .　-.ﾉ. .-─‐. . ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　({　　:{´ : : イ人_/　(/　ﾉ　|: : :／: : :/: : : : : : : : : : :ｌ≧=- ､　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ　　|: : : : :l' ／{___彡' 　ﾉ: / : : : : {: : : : : : : : : : : :|ﾉ　} |ハ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,x‐ﾊ　│ : : ／／　　　／: : ' : : : : : l: : : : : : : : : : : : |　ﾉ l　:l　|

【紀元３１９年１１月　晋　冀州　襄国】

γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
|　　　魏郡太守・繁陽侯石虎及び……　　　|
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌冂冂｢:|丁Ｔi　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､
　　　　　　乂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿＿＿|_ 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 X爻爻爻爻爻爻爻爻
　　　　　　　　爻爻爻爻爻ﾞ　　　　　　　　　ｒ┐┌iT┤＿＿__|二ﾆ|　　　　　　　　　　　　　　水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
　　　　　⌒￢爻爻爻⌒　　＿_　　　　　　 |:└└ :|└ L.|.:.:.:.|￣｢　　　　　　　　　　　　　　　乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
　　⌒爻爻爻爻爻爻T丁「| |｜|　　　　　 |: : : :_:_:|＿　｜.:.:.| 　|　　　　　　　　　　　　　　淡淡淡炎炎爻爻炎淡炎爻
メﾐ　メ爻爻爻父父爻爻爻''|＿|　　　_┌Г|￣卩: :|　ﾛ ¨| : : | 　|　　　　　　　　　　　　　炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎

乂爻爻爻乂乂乂乂乂ミ＿ |┌|_冂「 |└二|: : : : : :|　　　|丁Ｔ┬Ｌ　　　　　　　　　　　　　　淡淡淡炎炎淡戀戀淡淡淡

い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s｡　　,｡s≦ﾏ≧s｡: :.:|_┌'¨:|￣￣~~||li　　　　 |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二|　　 :|　　 |: : : : |:.:. :|　Ｉ　Ｉ　|¨ＴT┐　_|二二⊥ニニﾆ|　　　　　｀｀｀｀｀∨Ｌ,イシﾟ
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jﾉ⌒|┌i |￣|┌┐:|　卩γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ|ﾚ'

￣|｀｀``爻彡从ミﾐ'⌒∩　　 |└' |─|└┘:| 　　|　　 ……以上、文武の官百二十九人が上奏致します　　|;:i{
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|i:i|　∪　∪　　 |　　ﾞΤ¨¨¨~~:|　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂 j:}
￣￣￣￣￣|i:i|洲州ｘｘ　　　|　п |￣|　　 |　ﾛ　　　　:|: : |　|　 |　 | :|　　: : : |: : : : :| 　 |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}
　|￣| 　冂 |i:i:|洲洲洲￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　 :|: : |　|王王王王王王王王王王王───‐ |￣|===ｒﾉi:i:i{
｢￣￣￣￣ |洲￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　＿|: : |　|¨¨7~¨:|￣”二¨¨¨“““　　''''|　　　　　 |　辷三|ﾉi:i:i:乂
　　　　　＿jjjjＬ　　---──……￢冖'''　¨¨￣___二二￢三三二ﾆ|ｨシ´　｀':,　γ⌒ヽ |　　　┌┴-- 　　＿
￣￣￣￣＿＿　　　　‐……￢冖ﾆ二三三￣　　　　=ニ　三三　ﾆ……===ニニニﾆﾆ|＿　　 |　　　　　　　　￣￣
￣￣￣───………………ΞΞΞΞΞ　　　　　 =ニ　 =三　ニ　　====ﾆﾆﾆﾆ￣三三三三￣三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ　　　　　 =二　三　ﾆ　　 =====二二　　‐‐……　　‐…==＝＝＝三
　: : : : : : : : : : : : ──==＝ΞΞΞΞΞΞ　　　　　　=二　三　二　　 =====二二　- - ￣　: : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　.γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ

　　　　　　 |　　石勒将軍におかれましては、劉備が蜀に在り、魏王が鄴に在った故事に倣い……　　 |
　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　 _,.ｙﾄｰゞｒッヽｖ,､_,.
　 ,rk´ﾐ､''ﾅ;;爻'､ｰ;;〃彡;,.　
..vf戈ﾊﾄｼ〈'"ﾘﾞ､ヾ､;;jﾘ､〃､

Ｙﾒ从k;;､;;ij;;;ii;ヾ;ｯ;仆､ヾくｿ　
}ｿﾘ"i!;;;;;l;;i;;､;;:;:;;:;';;;};;iﾘドｼゞ,
ﾂ;;;;;;;;;;ﾄ､;;_ﾘ;;;i!;;ﾄ;=;､t;;;ｌ;;ﾋ'　
ｦ;i!､:::r',;､=;'､;"ﾘ,､=;''"ﾘ;ij´　　　　　　　　　　　　　　　　　もう十度目だぞ。

..};lヾ;;j　￣´.〃ｌﾞ￣´ ,';ｨ′　
　 7;;;;|',　　 =､j,. 　 /仆､　　　　　　　　　　　　　　　　　いいかげん承諾しろ
　　ゞ;|:ヽ　 ,:ニ>　/:: ﾚｿ＼,.､- ' "´;;￣::
. ＞.ﾆﾄ､:＼` "''　/／／,r／:::::::_,..､'''　..,,

ﾘ;/::;;/::} `:::｀:ー'／'∠;:／｀ﾞヽ・．‐´　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
:;/::;;;{!　`ｒ‐'"フ´〃ｼ:;;/　" ヽ､.　ﾘ'"　　,|　　 ……大将軍・大単于・冀州牧・趙王を称するよう請うものであります　　 |
/::;;ｲ `'ー ''／ｦﾘ/;/r'/,r─‐-､　(∴,､-''ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

:;;/ ｀ｰ-‐/Ξ/ｯ/ｒﾚヘ{ |￣|　｀''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　
　　　　　　　　　　　　　　　　仕方あるまい　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.十一月。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　石勒は群臣の求めに応じる形で、大将軍・大単于・冀州牧・趙王を称した。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .そして、冀州・并州・幽州に跨る二十四郡、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　南は孟津、西は龍門、東は黄河、北は長城に至る地域を趙国とした
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ´│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ー|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ー| __ ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　/　/　/｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／)|ｰl⌒|⌒|　 }!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　〕　辷辷辷ﾉ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　⌒ヽ　ノ　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　　 } 　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿,人＿,ノ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト======彳

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′ 　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　∧　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　　 }　　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,､＿_　　　　　　　　　　 /　＼＿＿＿／|　　　）　　趙王！　趙王！　（
　　　　　　　　　　　 __rｆぐ(　{厂jﾄｘ__,　　　　　　　　　 /　　　￣￣￣　│￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　し{lK＾Ｙ{({Ｙ7癶i{　　　　　　　　　 | 　　　　　 l 　！　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
　　　　　　　　　　　　　上豸ｨ斧ぅ^ｆ斥ﾉｦ　　　　　／￣{ 　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　}/じ} ｀ﾄ　くﾉ} ｀У　　　　　　/　　　＼/　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　込ノ　廴'⌒　ノ{　　／￣￣′'"´￣ﾉ　　　　 i　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　jｿ〈＿、 ⌒ヽ/ l　／　　　 i　　　　　　　　　　　 } ／
　　　　　　　　　　　 /|　 i　 ≧=彡　|/　　　　　 |　　　　　}　､＿　　　ノ＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　/　　＼　/　 _,ノ}　　　　 |　　　　 / 　　 /￣　/ 　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　 ___/　＿＼___〕　'´　,ノ　　　　　ｌ　　　／{　　　　 __／　＜　　　大単于ーッ！！！　　　＞
　　　　　　＿＿,　´　¨¨　　　　 i　　　　　　　　　　　／　＼　''"´ /　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　'⌒'´　　ﾉ　　　　　　　 {　　　　　　　　　 ∨　　　　　　 /　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
.　　　　　／　　　　　　　 {　　　　　　　　ｉ　　　　　　　／
　　　　 /　　　　　　　　　人_ 　　　　　　　 l　　　　／　
.　　　イ＼__　　　-‐　　＿／　　　￣ ¨¨　ｰ-=ﾆ __ノ＼＿__／　　　
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　国号の由来は本拠襄国が属する趙郡からと思われる。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　後世、後趙と呼ばれる王朝と言いたい所だが、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　石勒が皇帝を名乗るのはこの十一年後の話になる。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　今回の趙王即位を例えるなら、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　曹操の魏王即位に近く、晋王朝の領域内に趙王国が成立した格好だ
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　 _,...........,__
　　　　 ,.ｨ'" ...:::;;;;;;;;;;;~`:;、
　　　 /　　...::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
　　　 | ,rrｪヒﾐ〈;;;:リﾅナｸ,;:l!
　　　 !斥ｙ'r｡xﾂﾍ '･`,,,ｼﾐ;:;;:|
　　　 |ﾄﾆ斗ﾃi"| :;ﾌﾊｺ=7-i;;|　　　　　　　　　　　.おいおい、皇帝になるんじゃなかったのかよ？
　　　 :|::ll::::l!:|l|ﾊ::;;| | ! !| li　,l、
　　　 .|ﾄ|!:::l!:||ｋｷ;|干!,!,!ﾉﾉ:,!;l　　
　　　　!|ヽヾヾﾄ'＾"~'' ,'' "//;;;;'、　
　　| ,r'-:ゝ ,ｨ;'　 ,.-...,,;:,,'　/l::::;;;`　
　　-'ﾐ　　,:':;/ヾ､　　.,,.　,,_;:' l!

　　ミ::`:'";;,'　　`:;､　:;;:　,;'　.,!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /　
　　　　河北も制覇しておらんのに皇帝など笑い話ではないか　　　　　　Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　以下しばらく趙国に関する雑学を『晋書』『石勒載記』より。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　この趙国では元号は用いられず、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　春秋列国の例に倣い、趙王元年と称している。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　（ややこしくなるので、このスレでは東晋の元号で統一する）
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　＿.,. -‐- ....､
　　　　 x≦〃〃／ミﾐミﾐミ､
　　　／ﾉノﾉ〃ヾ⌒彡ミミﾐミﾐ､
　　/ミﾐﾙ'　／＿＿ヾ彡ミﾐミﾐ､.　
　　{ﾐ'''´ 　 {∠仡孑　　`ヾﾐﾐ毛刈
　　';ﾊ, ｀〕､ Yミ　　　　;::::　∨ソYﾊ　　　 x≦￣ア´
　　 }:( くﾂ1 | っ　　　 {:::　　　ｰりﾘ　／ :::::::／:::::
　　ヾ:ヽ ,ﾉヾｰ'⌒ヽ　ヾ　　 Y￢从〃:.:.:.／:::::::::::
　　　｀ヽ { √￣~｀ヾ　　　　 Y ヾﾘ ||:.:／ :::::::::::::::
　　　　　沁ヾ　⌒　　　　　:／　　 /∧:::::::::::::::::::::::
　　　　　ﾊ　　r::.......,..::／//　／:::::::::≧=＝＝＝
　　　　　　 '､　{///,／///　＞'ﾞ´:::/:|幵幵幵幵　　　　　　　　　　　　　　|: .＼〈 .／ . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : ./
　　　　　　｀T¨¨´///＞'ﾞ´::::::::／:ﾆ|幵幵幵幵　　　　　　　　　　 |___. :｀~: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :/
　　　　　 ,.．-―∨　　／::::::::::::／ :三圦W幵　　　　　　　　　　　　〔＿__´"^'　 ‐- 　 .,,_ . : . : . : . : . : . : . : . : . : /　
　　　／/////::∧／::::::::::::／ :::三三/八幵　　　　　　　　　　／ニニニニニﾆﾆ=-　　_´" '　-　 _ . : . : . : . : /　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ニニニニニニニニニニニニ=-冖┘ _ : . : . : /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └‐━━━━━━━‐‐　ﾆこ⌒＼|ﾄ.　　 | ¨ - _/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │小 √芯　　　　'＾芹丐ﾐ:､　|l | 　 ,: 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八 l| l　 l以　　　　 |/｢j | }/　'　　 /　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',| |:　　　　　　ヒZｿ　 /　　 /　l 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ |i 　 ′　　　　　　　 /　　 /　 .| 　ｌ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l八　　　　　　　　　 /　　 /　　 | 　 |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　＼　｀　　　　 /　　 /l　　　| 　 l　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　＿＼　 _　.. - ' 　 , 1l |　　 l　　 l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:{/////厂.-─／　／. :|　|　　　,　　 ':l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ∨///lT | .イ　／. : . : {　|　　 ′　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　 ∨//|／　／_ . -=. : ＼　　　　,　　 ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　〉／　 , . : . : . : . : . : . :＼　　 ′ 　　､

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　石虎は単于元輔・都督禁衛諸軍事とされた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　張賓は大執法の職を加えられ、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　朝政を総覧させ、位冠は官僚の首席として宰相格の扱いを受けている。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　経学祭酒・律学祭酒・史学祭酒が設置され、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　経学祭酒には裴憲と傅暢が任命されている
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　
　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　
　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}　　　　　　　　　　　　張賓。
　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ
　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ　　　　　　　　　　.さっそくだが、
　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ　　　　　　　　　　.胡人に法を遵守するよう徹底しろ。
　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈
　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ　　　　　　　　　漢人の士大夫への無礼は許さんともな
　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿
　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿.,. -‐- ....､
　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒　　　　　　　　　　　　　 x≦〃〃／ミﾐミﾐミ､
　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾉノﾉ〃ヾ⌒彡ミミﾐミﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ミﾐﾙ'　／＿＿ヾ彡ミﾐミﾐ､.　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾐ'''´ 　 {∠仡孑　　`ヾﾐﾐ毛刈　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';ﾊ, ｀〕､ Yミ　　　　;::::　∨ソYﾊ　　　 x≦￣ア´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:( くﾂ1 | っ　　　 {:::　　　ｰりﾘ　／ :::::::／:::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:ヽ ,ﾉヾｰ'⌒ヽ　ヾ　　 Y￢从〃:.:.:.／:::::::::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　御意　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ { √￣~｀ヾ　　　　 Y ヾﾘ ||:.:／ :::::::::::::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　沁ヾ　⌒　　　　　:／　　 /∧:::::::::::::::::::::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　r::.......,..::／//　／:::::::::≧=＝＝＝　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　{///,／///　＞'ﾞ´:::/:|幵幵幵幵　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀T¨¨´///＞'ﾞ´::::::::／:ﾆ|幵幵幵幵　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.．-―∨　　／::::::::::::／ :三圦W幵　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/////::∧／::::::::::::／ :::三三/八幵　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .門臣祭酒と門生主書という聞き慣れない職も設置された。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　この二つの官職は

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　胡人の領内への出入り・胡人の訴訟を担当したという。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　石勒は胡人に禁令を重視させ、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　衣冠の高い士大夫への侮蔑を許さなかったとにある
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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【>>222修正】

　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　
　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　
　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}　　　　　　　　　　　　張賓。
　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ
　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ　　　　　　　　　　.さっそくだが、
　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ　　　　　　　　　　.胡人に法を遵守するよう徹底しろ。
　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈
　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ　　　　　　　　　漢人の士大夫への無礼は許さんともな
　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿
　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿.,. -‐- ....､
　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒　　　　　　　　　　　　　 x≦〃〃／ミﾐミﾐミ､
　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾉノﾉ〃ヾ⌒彡ミミﾐミﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ミﾐﾙ'　／＿＿ヾ彡ミﾐミﾐ､.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾐ'''´ 　 {∠仡孑　　`ヾﾐﾐ毛刈　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';ﾊ, ｀〕､ Yミ　　　　;::::　∨ソYﾊ　　　 x≦￣ア´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:( くﾂ1 | っ　　　 {:::　　　ｰりﾘ　／ :::::::／:::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:ヽ ,ﾉヾｰ'⌒ヽ　ヾ　　 Y￢从〃:.:.:.／:::::::::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　御意　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ { √￣~｀ヾ　　　　 Y ヾﾘ ||:.:／ :::::::::::::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　沁ヾ　⌒　　　　　:／　　 /∧:::::::::::::::::::::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　r::.......,..::／//　／:::::::::≧=＝＝＝　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　{///,／///　＞'ﾞ´:::/:|幵幵幵幵　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀T¨¨´///＞'ﾞ´::::::::／:ﾆ|幵幵幵幵　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.．-―∨　　／::::::::::::／ :三圦W幵　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/////::∧／::::::::::::／ :::三三/八幵　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .門臣祭酒と門生主書という聞き慣れない職も設置された。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　この二つの官職は

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　胡人の領内への出入り・胡人の訴訟を担当したという。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　石勒は胡人に禁令を重視させ、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　衣冠の高い士大夫への侮蔑を許さなかった
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　
　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　
　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}　　　　　　　　　　それともうひとつ。
　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ
　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ　　　　　　　　.以後、趙国では胡の名称の使用を禁じる。
　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ　
　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈　　　　　　　　.今後、胡人は国人と号するように
　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ　
　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{
　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿
　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿.,. -‐- ....､
　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒　　　　　　　　　　　　　 x≦〃〃／ミﾐミﾐミ､
　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾉノﾉ〃ヾ⌒彡ミミﾐミﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ミﾐﾙ'　／＿＿ヾ彡ミﾐミﾐ､.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾐ'''´ 　 {∠仡孑　　`ヾﾐﾐ毛刈　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';ﾊ, ｀〕､ Yミ　　　　;::::　∨ソYﾊ　　　 x≦￣ア´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:( くﾂ1 | っ　　　 {:::　　　ｰりﾘ　／ :::::::／:::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:ヽ ,ﾉヾｰ'⌒ヽ　ヾ　　 Y￢从〃:.:.:.／:::::::::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　御意　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ { √￣~｀ヾ　　　　 Y ヾﾘ ||:.:／ :::::::::::::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　沁ヾ　⌒　　　　　:／　　 /∧:::::::::::::::::::::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　r::.......,..::／//　／:::::::::≧=＝＝＝　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　{///,／///　＞'ﾞ´:::/:|幵幵幵幵　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀T¨¨´///＞'ﾞ´::::::::／:ﾆ|幵幵幵幵　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.．-―∨　　／::::::::::::／ :三圦W幵　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/////::∧／::::::::::::／ :::三三/八幵　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　また、胡という名称を使用禁止にしている。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　記録によれば、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　胡餅は麻餅、胡豆は国豆と胡とつく物は全て改称された。

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　現代風に言えば、外人や黒人と呼ばないようなものだろうか
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨﾚ'＼ﾉ　　jﾉ　ノ )ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ﾉY∨　　　　　　　　　ﾉノ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,人　　ﾉ　) }}　　　　　＿　 ,ﾉｨ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　冫　､　《巛《　jﾘﾚﾉﾉノ⌒　　人　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂__ﾂﾄw{N{ﾘﾉノイ'⌒´{　彡'ノ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-{ ﾉ　　 j 　 ,ﾉ　ﾉ　∨イ彡'）　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾐ{N､＿〈人__,ｨｚ--ｧ人ミ　彡ﾄ､ヽ　　　　　俺が軍を起こして十六年、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミｉ r‐榮ぅ {ﾝｒ‐ｔ笋ラ　｀Ｙ ,ｲ| } ﾉ　　　　　文武の将士で俺に従った者は、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ} ´￣　} |　｀ヽ￣　　|　 }ﾉ_)　|ヽ　　　　　皆が矢石を怖れず辛苦を嘗めた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　 |　　　　　　　{　人__／〈　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾄ､　弋'⌒ｿ　　　 |　 /　ｊノ ,ｉﾊ　　　　.葛陂の役にいた者は
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｉ　　＿＿ ,　　　 /　　ﾚ人{　　　　.功が顕著であり、恩賞を優先しよう
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘,　　､＿__　　　ノ　　　　i　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧ 　〈　　　　ィ´　/　　　　　ﾄ､＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　廴｣　イ　 }　 {　　　　　;　　　　　　￣｀　:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ　　＼　　|　/ 　 j　　　　ﾉ　　'⌒ヽ__　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 |　　　　ヽ,ﾉ / 　 /　　　　　　　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
.　　　　　　　　　＿＿　　　　　／　　　ﾉ)　　i　　 } / 　 /　　　　　　　　　´￣　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿　　
　　　　　　　　　 ´　　　　￣￣＿＿＿＿＿　　　＿　　--――一' 　／　　　　　　）　　　待ってました！！　（　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ノ´　　　　　　　　　 /　　＼　　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣　　
　　　　／　　　　　　　／　　　　　　　　　ｒ'　　　　　　　　　 i　　　　　ー　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
.　　　／　　　　　　　／　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　 /　　　　　　／　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　|　　　＼　　　　　　　　　ヽ

───────────────────────────────────────────────

　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　こういった石勒の胡人・漢人への対応は興味深い。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　胡人と漢人が対立すれば、

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .国家経営が成立しない事をよく理解していたといえる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　　　　　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　　　殿下。
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　　　良い機会ですので、
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　　　　　　殿下のここに至るまでの御活躍を書物に残されては？
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､

. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!　
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ´ミ仆爪／/ j } /ﾉハ｀ヽ、ミ≧=-ゞY､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦ミfｿ￣} } / ,'　＿＿　　　＼ﾐ下千f=-仆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ }}ｿV i/ ゝ　Vゝ斗ｲ､ヽ　　　　ヽミ仆≧=}}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂./　 /　三ミ　￣　　 ',{　　　　　ﾊﾐﾐ　＿ｿ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦{ 辷i　　≧=-　　　　　}　　　　　 }ﾐ彡　 .Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､~ﾊヽ　‐　ｲ　　　　　j　　　　　 iﾐｿ ~ｲ /
　　　　　　　　　　　　　　いいだろう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y､ ',　ゝ-=＿＿,　　　',　　　　　V　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　 /｀´＿＿　　　　',　　　　　i≧=´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　壬//≧=-　　　 }　　　　 }////　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｉ　 Y　　　　　　　　 {　　　／//´⌒　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 {　　　　　　　　　}, イ/////　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{　ヽ-=≦≧=-､-=≦///　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .',Y//////////////ｲ　　　　　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　石勒の趙王即位に際し、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『上党国記』『大将軍起居注』『大単于志』などの書物が編纂された。

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .趙国の正統性を示すためだろう
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　{　　
　＼　　　　|l|w/L ,rVk､　
　　＼＼{ｗ└ ¨ ´　 Vﾄ､` ー､　　
　　　　＼´　　　　　　Vk　`ｰ､ i　　
≡ = -　>　； ’　　∠ Vk　　l/ .
　　　／　　　　　　}|　　Vk　　　　　
　　／´ヾ,　　r､r‐|＾` 〆　.〉　　　
　　　　　/／　 }´　 /　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..::=‐ ''¨￣|::::::＼＿__＼:Y´＼　　＼　　
　　　　/　　　　　　ゝ- ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　／'´　　　　　　￣￣￣￣￣＼_/￣￣￣￣＼　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,　　　　　／　　　　　　　　 |l＼:::::::::::::::::::::::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　　/　 /　＼　　　　　　　　|:＼:＼::::::::::::ｘ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　　　/　 /　　　＼　＼　　＼`、::＼):__／＼l
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　 /　 /　　　 '　 /　　　　　`、　|　　　 ',＼＿＿l＼:::_;>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ' 　 |　　 /|　/　　　　　　∨ |＼　　 i| 　　 V:|￣　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: 　 / :|:/　　　　　　　 V:|　 ∨　il　　　〈|　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　　 | 　/＼|＿彡　｀`￢‐--〈|‐￢∨｜　　　　|　　　|
　　　付け焼刃の割には、　　　　　　　　　　　　　 |　　 |: /　　　ヽ　　　　 ´￣｜　　Vi|　　　　 ∨　　|
　　　礼楽がさまになっているわね。　　　　　　　i|　　 |∧ xzzzzzx　　　　　 ,ｘzzzzzzｘ　〈|　　,′ 　V ＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　∨'八乂_ソ　　　　　乂_ソ　ﾉ　 |　 /　　　 i　　`、
　　　文武諸官の出で立ちもまあ……　　　　　 |　　＼Ｖ|　　　　　　　　　　　　　 /　/　'　　　|　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　＼_､_　　　 '　　　　　　　　　　/ イ　/ 　　　|　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l 　　　圦￣　　　　　　　　　　　　　　 /|: /　　　　「＼　　　　｀`～､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　 | 　`、　 |/:＼　　 └ｒ┐　　　　　　　イ｢|/ 　　　 | : : ＼　　　　　　｀`～､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／|　　＼　V : 个　　　└'　　　　　ィ/ /ﾉ,″ 　　　 !: : : : :ヽ,,＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 :|　　　　＼V: : : : |:.`ト　＿,.　＜　／／「/　　　　　　,′ : : : : |: : : :＼　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　／　　 ∧　　　　　ヽ: : : : |: :.:]　　ﾄ､＿／／　(/　　　　　　/ : : : : : : : : : : : : :}

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　朝会では常に天子の礼楽によって饗応が行われ、

　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　群臣の威儀・衣冠は従容としており、見事なものだったという

　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌冂冂｢:|丁Ｔi　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､
　　　　　　乂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿＿＿|_ 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 X爻爻爻爻爻爻爻爻
　　　　　　　　爻爻爻爻爻ﾞ　　　　　　　　　ｒ┐┌iT┤＿＿__|二ﾆ|　　　　　　　　　　　　　　水爻爻爻淡淡淡乂乂乂乂
　　　　　⌒￢爻爻爻⌒　　＿_　　　　　　 |:└└ :|└ L.|.:.:.:.|￣｢　　　　　　　　　　　　　　　乂爻淡淡淡爻爻爻淡淡淡
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メﾐ　メ爻爻爻父父爻爻爻''|＿|　　　_┌Г|￣卩: :|　ﾛ ¨| : : | 　|　　　　　　　　　　　　　炎淡淡淡乂乂父炎淡淡炎炎

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い乂爻父乂乂乂乂乂乂乂≧s｡　　,｡s≦ﾏ≧s｡: :.:|_┌'¨:|￣￣~~||li　　　　 |¨|_|¨|_|¨||¨||¨淡淡淡炎炎炎炎乢刑淡炎
;';';'乂爻炎爻乂乂乂爻爻爻∠二二|　　 :|　　 |: : : : |:.:. :|　Ｉ　Ｉ　|¨ＴT┐　_|二二⊥ニニﾆ|　　　　　｀｀｀｀｀∨Ｌ,イシﾟ
爻爻父父炎灸炎i爻i爻jﾉ⌒|┌i |￣|┌┐:|　卩|￣＼|:.:: :|　Ｉ　Ｉ　| : |　 |¨|_| |: : : : :| 　［］　|　　　　　　　000 ∨ﾚ'
￣|｀｀``爻彡从ミﾐ'⌒∩　　 |└' |─|└┘:| 　　¨¨¨¨¨|: : |　Ｉ　Ｉ　|_ :|　　: : : |: : : : :|　　　|￣L|￣| 　　 ||　 {i:i{
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|i:i|　∪　∪　　 |　　ﾞΤ¨¨¨~~:|　　　　 :|: : |　ｉ⌒ｉ　 | :|　　: : : |: : : : :|:　 ∩┐┌┐┌┐┌┤ ,{i:j:}
￣￣￣￣￣|i:i|洲州ｘｘ　　　|　п |￣|　　 |　ﾛ　　　　:|: : |　|　 |　 | :|　　: : : |: : : : :| 　 |::|└┘└┘└┘└‐}i:i:i}＿
　|￣| 　冂 |i:i:|洲洲洲￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　 :|: : |　|王王王王王王王王王王王───‐ |￣|===ｒﾉi:i:i{
｢￣￣￣￣ |洲￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　＿|: : |　|¨¨7~¨:|￣”二¨¨¨“““　　''''|　　　　　 |　辷三|ﾉi:i:i:乂
　　　　　＿jjjjＬ　　---──……￢冖'''　¨¨￣___二二￢三三二ﾆ|ｨシ´　｀':,　γ⌒ヽ |　　　┌┴-- 　　＿
￣￣￣￣＿＿　　　　‐……￢冖ﾆ二三三￣　　　　=ニ　三三　ﾆ……===ニニニﾆﾆ|＿　　 |　　　　　　　　￣￣
￣￣￣───………………ΞΞΞΞΞ　　　　　 =ニ　 =三　ニ　　====ﾆﾆﾆﾆ￣三三三三￣三三二ニ=…ー
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: ────‐ΞΞΞΞΞΞ　　　　　 =二　三　ﾆ　　 =====二二　　‐‐……　　‐…==＝＝＝三
　: : : : : : : : : : : : ──==＝ΞΞΞΞΞΞ　　　　　　=二　三　二　　 =====二二　- - ￣　: : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、　
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ　
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.

: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ　
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　. ところで、先程趙国の版図が冀州・并州・幽州の二十四郡と述べた
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′

　∧＼　ﾏ三ｿ| .＼　
./: : ＼＼ヾ-〃 ..∧　
ｌ; : : : : ＼＼.り／: : :i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､-' ﾍ
　　　 ,r'｀ｰ-､_;＿,　　　　　　　　　　　　　　　　　【遼西郡】´　　/
　　 r'´　　　　　　￣ヽ,　　　　　　　　　　　　　【右北平郡】　　r'　 r‐
　　 }　　　　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　　 ,.､＿ﾉ　　　　_"7 /
　　/　　　　　　　　　 r'　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　 'ｰ'´
　 ./　　　　　　　　　ﾉ　　　【太原郡】　　　　　　ヽ
　 '　　　　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　　　　'ｰ､　　　 r'‐-,_,_ｨ_
　　　　　　　　　　　 } 　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ＿r'　　　 _r'´
　　　　　　　　　　　 {　【平陽郡】　　　　　　　　r-'´　　　　　　　r' 　
　　　　　　｀ヽ　　　}　　　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　}'ｰ'　　
　　　　　　　　{　　 {　　　　　　　　　　　　r　　　　　　　　r'　　
　 '´｀ー-,　　　ヽ　 /　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　 r'　　　
　　　　　＼　　 'ｴ＿,.-‐'｀ー―‐'―= ‐'　　　　　　　　　 .,　　
　￣￣｀ー‐'―'´　　　　　　　　　　　【陳留郡】　　　　　　　>　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾍ'　ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r-v'γ　ヽ　ﾊ_
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、

:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　しかし、石勒が征服したものの、
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　住民を強制移住させた太原郡や平陽郡は数に入っていない。
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　　　また、祖逖と係争中だった陳留郡、

　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　　　盟友段末波が実効支配していた遼西郡・右北平郡も同様だ
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/

i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八_ノ. . . . . . 八::::ヽ^'，::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/. .／￣￣ノ:. :＼:. :.:'，::.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉/／)¨¨´:.}:. :＼:. ＼:.'，ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／／.: ./⌒＼＼:. ､:.，＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .乂__／.:/／ x==ﾐ}/:.:.＼:.:l､:::::＼　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八込^　　　ノ.:.::|:. :.. :| ＼::::::＼
　　　　　　ウチは独立勢力なのに、　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|:. :､::.､Vフ　|.:.: /.:: .:: |　　＼::::::

　　　　　　何故五胡十六国にカウントされないのでしょうか？　　　　　　　　八:. ::.≧=‐≦､／.: .: .:ﾉ　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:. .: ノWノ.:.:.:.:／-ﾐ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l.:)／个､(.:: ／　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｢__//::::/:::::|八＼　　　l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　⌒¨⌒゜ |/,　＼____〕　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八: : : 0: : : : :|//, 　　___|　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､-' ﾍ
　　　 ,r'｀ｰ-､_;＿,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /´　　/
　　 r'´　　　　　　￣ヽ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　r'´　　　r'　 r‐
　　 }　　　　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　　 ,.､＿ﾉ　　　　_"7 /
　　/　　　　　　　　　 r'　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　 'ｰ'´
　 ./　　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 '　　　　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　　　　'ｰ､　　　 r'‐-,_,_ｨ_
　　　　　　　　　　　 } 　　　　　　　　　　　　【楽陵郡】ヽ＿r'　　　 _r'´
　　　　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　　　　 r-'´　　　　　　　r' 　
　　　　　　｀ヽ　　　}　　　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　}'ｰ'　　
　　　　　　　　{　　 {　　　　　　　　　　　　r　　　　　　　　r'　　
　 '´｀ー-,　　　ヽ　 /　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　 r'　　　
　　　　　＼　　 'ｴ＿,.-‐'｀ー―‐'―= ‐'　　　　　　　　　 .,　　
　￣￣｀ー‐'―'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾍ'　ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r-v'γ　ヽ　ﾊ_

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､

: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　　　ただし、冀州東端に位置する楽陵郡は
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　　　　石勒が支配していないのに趙国の版図とされている。
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:　　　　　　　　　　　　　同郡の厭次は晋の冀州刺史邵続の本拠地となっていた

　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼
./: : ＼＼ヾ-〃＿ !＿＿＿__　
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/　　　　　　　　/

i: : : :::＼::＼i../　　　　　　　　/　

【紀元３１９年１１月　晋　冀州　厭次】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

　　　　　　　　　　　　　　盛楽　　　　　　　　　　　　　､-' ﾍ
　　　 ,r'｀ｰ-､_;＿,　　　○　　　　　　　　　　　薊　　　　/´　　/
　　 r'´　　　　　　￣ヽ,　　　　　　○　　　　 ○　　　 ,r'´　　　r'　 r‐
　　 }　　　　　　　　　　{　　　　　　平城　　　　　 ,.､＿ﾉ　　　　_"7 /
　　/　　　　　　　　　 r'　　晋陽　　太　　　　　 /　　　　　　　 'ｰ'´
　 ./　　　　　　　　　ﾉ　　　　○　　　　　　　　　ヽ
　 '　　　　　　　　　　{　　　陽邑○行　　　　　厭次ｰ､　　　 r'‐-,_,_ｨ_
　　　　　　　　　　　 } 　　　　　　　　　○襄国　● ／ヽ＿r'　　　 _r'´
　　　　　　　　　　　 {　平陽　　　山鄴　○　r-'´　〇　　　　　r' ' 　　　
　　　　　　｀ヽ　　　}　○　壺関○　○広宗ノ　　　臨淄　　}'ｰ'　　　　
　　　　　　　　{　　 {　　　　　　　脈　　　　r○廩丘　　　　r'　　　　　　
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

　　　　.. .　... :. .: .: : : . .: .... ..: : : : : ..　　　　　　　. : : : . ..　 ..　... . .: : : : . . . 　　　　　　 ,癶ﾆ癶、　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　.. : : : : : : : : ... ....　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f竺竺竺竺i_ 　　　
　　　　.. . : : : : : : : : : .... ... 　　　　　　.. .　... :. .: : : : .. .... ..: : : : : : . .　... ..　 ...　　　　 {:i:i:i| ﾛﾛﾛ}〕iト｡,,_＿＿＿
　　.... . : : : . . .　　　　　　_＿__　　　　　　　　　　　　.... .: : : :. . ..　　　._,,.._＿＿__ __,,..ｨi{￣￣￣￣￣}ト｡,_.＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　,癶ﾆﾆ癶、　　　　　　　　　　　　 ,,..ィ´.;'.;{__＿___ｉ_}竺r‐r{辷ｉ^~¨爻x､,,⌒＼';';';.;'.;'.:.
_,、　　　　　　　　　 .ｨi三三三｢i:}h､_＿_ 　　　　　　,,..， ─‐‐;'.;'.;'.;'.;'.;':｢ﾛ　ﾛ [i:云zzz:辷ｉ.;'.;'.;'.;'.; r‐r‐r‐r‐┐__,,
.:.:.~ﾞ'^'~⌒'ー'';'; 冂__冂__冂__冂]｢ｉ¨¨i二i}_,,,..， ‐─‐' '.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.; i{ﾆ｢辷j＼i￣｀ヽ辷ｉ＿__＿_|:i|＿＿＿|.;'.;'.

.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'{￣￣￣￣￣i{￣ｉ¨¨i二i}.;'.;': : .;'.;'.;'.;'.;'. ': : : : : . ;'.;'.;'.;'.;'.; └ ､＼辷 i＼_,,..ｨ'⌒￣ｉ_,,..ｲｉ:i| ﾛﾛﾛ｜.;'.;
.;'.;'.;'.;'. : : : : ;'.;'. {　[]_　[]　 []　i　[ｉ　[i　[i{〕iト｡,.;'. : : '.;'.;'.;'.;'.;': : : : : : ;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'＼}ｉ≫''"　 _,斗*''~￣〔i:i:i|───|;'.;'.;
'~⌒'ー': : ;_＿__j＞' }_}i_＿__ノi]…── ‐〕iト｡,.:￣￣￣￣￣￣ ⌒ﾆ=- _ -=ﾆ⌒_,.斗*''ｉ〔　　　.:.:.:.:.:.:i:i:i|￣￣￣|＿;ﾞ
.;'.;'.: : : :.:/〈￣￣__ｉノ／⌒¨ : :i]＿__＿＿_i:i:i:ｉ:.:. ￣￣￣￣￣¨¨¨¨ ‐───‐‐‐‐=ﾆ⌒ 　　　 .:.:.:.:.:.:i:i:i|_,,..从_,,..x爻
.;'.: : : : :/ .ｲ￣￣￣ {i__,.ｨ⌒ヽi]三三三ｱ¨ヽi:＿_￣ ‐─‐‐:.:.:..　‐─‐‐.:.:.. 　.:.:. 　ｰ─‐‐ ..:.: ＿__,,少'⌒'';'';'';'';'';'';''';'';
.;'.;'.;'.;'. i冖ｉ￣￣￣ {i: : : : : : :i]三ﾉ￣¨;': :;'.;'.;'.;';'爻x､_,,＿___＿_,,..,,_.:._:.:._,,x_,,_.:_＿＿_,,.､丶´.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'
.;'.;'.;'.;'. |＼＼￣￣￣}＼ : : .ノi]:'､';'';'';'';': : '';'';'';'';':'､;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ;':ﾞ';'';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ';ﾞ',ﾞ:'､'.;'.;'.;'.;'.
.;'.;'.;'.;'. |:.:. ＼}ｈ､￣＼i:＼j_,ノi,ﾞ:'､';'';'';': : : :'ﾞ:'､';'';'',,_';'';'';'';',';'';'';'';''
.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:｢{ ￣￣￣`'＜}iノ';'';'';'';',';ﾞ':､,.'´: : : : : : :ﾞ:'､';'';'';'';'';'';'';
.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:i├┐￣i＼＿j}';';';';';';'';'';'';',';ﾞ':､: : : : : : : : : ﾞ:'､';'';'
.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:lﾆニiﾆﾆ|:.:.:|￣| '.;'.;'.;'.;'.;'.;'. <＼ﾞ':､ : : : : : : : : :''｀'
.;'.;'.;'.;'. |:.:.:.:.:.:iﾆニiﾆﾆ|:.:.:|⌒i_＿_ '.;'.;'.;'.;' {ｉヽ込'.､..,,_..,,: : : : : :
.;'.;'.;'.;r＜￣￣￣￣＼＼|⌒〕iト i〕iト｡,r─i:.:<＼.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.;'.ﾞ':
.;'.;'.;'.;|i:i:ｉ:〕iト＞ｰ───|/⌒i＿＼＿i〕辷i:.:.:.ヽ込.;'.
.;'.;'.;'.;|i:i:i:i:i:i:i:i:i〕iトｰ──|/⌒i辷竺i￣j:.:辷i:.:.:.<＼.;'.

　 |┃　　　　　　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　 |┃　　　　　　　　　 ./（ﾟ )( ﾟ）ヽ
　 |┃　三　　　　　／::::⌒｀´⌒::::＼　　　
　 |┃　　　　　　　 |　,-）＿＿＿（-、|　　　　　　　　　　邵続様！
　 |┃　. 　　　　 | l　　 |-┬-|　　l |　　　
　 |┃　　　　　　　＼　 `ー'´ 　／　　　　　　　　　　幽州刺史の段匹磾様がお会いしたいと！！
　 |┃　　　　　　／　　　　　｀ヽ.　　　
　 |┃　三　　　.／　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　.僅かな手勢を連れておいでになられましたっていう！！
,⊆ﾆ´⌒￣￣ "　　y　　　　　　　 r､　ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´　|　　　　　　| l"　 |
　 |┠ '　　　　　　　　|　　　　　 l/'⌒ヾ　
　 |┃三　　　　　　|　　　　　 |ヾ___ｿ　　　　　　　　: : : : : : : : :|: : : : j: : : : v　　　　　∨ : : : : : : : : : ∨ : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : !: : : : |: : : : :{　　　　　　∨: : : : : : : :∨ : : : : : : : : |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : |: : : : |: : : : :{　　　　　　　Ｙ: : : : : : :Ｖ : : : : : : : : : |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : :.」_＿: {: : : : .{..,-‐＝＜＾　 | : : : : : :Ｖ : : : : :l : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : :／. : : ; ＼: : : /:{　　　　＼仆: : : ::∨ : : : : : | : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : :|. ::了~丐､＼:.|: j　斗千笊ﾐ≠: : : ::∨: : : : : : :! : : : : |
　　　幽州で消息不明と聞いていましたが、　　　　　.|: : : : : :|. : 圦ゞﾋ夕　|ｆ´　　　戈ツ刈: : :∨: : : : : : : | : : : : :|
　　　無事こちらへ逃れてこられたようですね。　　　.|: : : : : :乂: : : ､゛´　八　　　　￣´〃 |: : /: : : : : : : : :| : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : :/ Υ ト。:､___／,　＼　　　　／　厶イ : : : : : : : : / : : :／

　　　すぐにここへ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|: : :/　/ /i!: : : )h､　　　　￣￣　　　／i: : : : : : : : :/＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨/⌒〉/ |i: :|: : : : ＞　＾　　　　／　i|

やる夫が正史を書くようです５８ (702) 【現行スレ】