虹夏「なんかぼっちちゃんウザくなってきたな…」 (34)

スタジオ

ジャラ~ン

虹夏「ふー、今日はこれぐらいでいいかな」

リョウ「郁代、随分良くなってきてるよ」

喜多「ありがとうございます!」

虹夏「この後どうする?どこかご飯食べに行こっか」

ひとり「あ、あの、申し訳ないんですけど私はこの辺で…」コソコソ

虹夏「あ、そうなんだ」

ひとり「わ、私のことはお気になさらずに行ってください、そそれでは」ヘヘ

バタン

虹夏「…」

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ファミレス

虹夏「うーん…」ズズー

リョウ「虹夏、ドリンクだけでも飲ませて」グー

喜多「どうしたんですか伊地知先輩、眉間に皺寄せて」

虹夏「ぼっちちゃんのことなんだけどさー」

喜多「ひとりちゃんですか」

虹夏「バンドやり始めてから半年は経つじゃん」

虹夏「もうちょっと打ち解けてくれてもいいんだけどなぁ」

リョウ「ぼっちはああいう性格だし」

虹夏「それにしたってさー」

喜多「引っ込み思案が行き過ぎてるのは分かりますね」

虹夏「でしょー?」

虹夏(ぼっちちゃんは憧れのギターヒーローだった、一緒にバンドを組めるのは本当に嬉しい)

虹夏(でもぼっちちゃんはライブになると極度に緊張して動画で見せた実力を発揮できていない)

虹夏(安定して弾けてないから演奏中私は気になって集中できない時もある)

虹夏(それに加えあの内向的な性格…あの時「ギターヒーローがぼっちちゃんでほっとした」とは言ったけど)

虹夏(正直うと扱いずらいんだよね…接し方に困るというか)

虹夏「はあ~」グデー

リョウ「ぼっちは文化祭ライブの後クラスでの様子は変わった?」

喜多「それが…『突然ダイブした変な人』って認識されていて…居心地悪そうにしてるみたいですね」

リョウ「あのインパクトが強すぎたか」

虹夏(ギターヒーローは尊敬してる…でもその正体のぼっちちゃんはまるで正反対だ)

虹夏(憧れと現実は違うってことか、それにしても…)

虹夏「なんかぼっちちゃんウザくなってきたな…」ボソ

喜多「え?」

リョウ「ん?」

虹夏「ん、どした?」

喜多「伊地知先輩、今『なんかぼっちちゃんウザくなってきたな…』って」

虹夏「え!?嘘、声に出てた!?」

リョウ「私もはっきり聞こえた」

虹夏「あ、いやその、これは」

リョウ「私も正直同感」

虹夏「…え?ほんと?」

喜多「リョ、リョウ先輩…」

リョウ「もっと堂々としてほしい」

リョウ「人前で演奏だってそれなりに経験積んできてるはずだろうに、いい加減慣れてきてもいいでしょ」

リョウ「いつまでもオドオドされると鬱陶しい」

喜多「リョウ先輩なにもそこまで」

リョウ「郁代は気にしないの?」

喜多「え、えっと…」

虹夏「どうなのさ」ジッ

喜多「確かに、思うところはあります…」

虹夏「ほら、みんな正直思ってたでしょー、私だけじゃなくて安心した」ハー

リョウ「これからバンド活動続けるうえで不安材料になりうるよ」

虹夏「んーぼっちちゃん時々すごい演奏するけど波が激しいからなー」

リョウ「…極論、ぼっちがメンバーであることにこだわる必要はないんじゃない?」

喜多「え?」

虹夏「それは思った。調子いい時と悪い時が分からないから安心して頼めないんだよね」

喜多「そんな、そこまで言わなくても」

リョウ「郁代はぼっちに引き留めてもらった恩があるのは解かるけど、これからのこと考えたほうがいい」

虹夏「バンド続けるなら安定したパフォーマンスができる人じゃないとね…他のギター探してきた方がいい気がしてきた」

リョウ「『バンドは第二の家族』って言ってたみたいだけど、割り切った関係も仕方ないし」

喜多「…」

学校

ジャーン

喜多「ふう…どうだった今のは」

ひとり「は、はい…前よりも随分早く弾けるようになってます」

喜多「…そういえばさ、前に教室じゃなくてここで演奏する意味聞いたでしょ?」

ひとり「はい…」

喜多「あの時は私が『教室じゃうるさいから』って勝手に納得してたけど、ホントは違う理由があるんじゃないの?」

ひとり「えっ…」

喜多「どうなの」ジィ

ひとり(き、喜多ちゃんがいつになく真剣な目を…)

ひとり「えっと…その…」

喜多「…」

ひとり「わ、私みたいなじめじめした人間が喜多ちゃんみたいな人と一緒に練習してたら、喜多ちゃんまで変な目で見られるかもって…」

喜多「ひとりちゃんさ」

ひとり「は、はい」

喜多「卑屈すぎ」

ひとり「え?」

喜多「『失敗したらどうしよう』『嫌われたらどうしよう』なんて考えてたら何も出来なくなっちゃうでしょ」

ひとり「そ、そうなんですけど」

喜多「ひとりちゃんはマイナス思考ばかり働いてるけど、それでもバンド組んでここまでやって来たじゃない」

ひとり「あう」

喜多「ひとりちゃんのクラスメイトにも『ひとりちゃんと話してみたい』って思ってる子もいるかもしれない」

ひとり「わ、私みたいな陰キャに…そんな」

喜多「『ハイになってダイブしちゃいましたー』って自分からネタにするくらいの勢いで行かなきゃ!」

ひとり「むむむ無理です」ブンブン

喜多「それに…」スッ

ひとり「え!?」ドキ

喜多「前髪上げたら印象も変わるし」グイ

ひとり「はわ、はわわ」ガクガク

喜多「待って死なないで!」

喜多「ここをこうして髪を固定して…」

ひとり「ど、どうですか…」髪留め

喜多「…いい!すっごく美少女だよひとりちゃん!」ニコニコ

ひとり「び、美少女なんて…家族以外に言われたことなかったのに…身内の贔屓目かと」

喜多「髪切らずに伸ばしっぱなしだからさっきの根暗な印象よりもずっといいわよ!」

ひとり「ね、根暗…」ズーン

喜多「ご、ごめんなさい、つい本音が」

ひとり「え?」

喜多「いや、なんでもないの」

ひとり(ほん、ね…本音?今までそういう風に見えてた…?)

ひとり「…」

ピロン

喜多(伊地知先輩からロイン?バンドのグループロインじゃない)チラ

虹夏『ぼっちちゃん抜きのブループロイン作ろうと思ってさ。ぼっちちゃん以外の三人で今日スタジオ借りようと思ってるんだけど』

喜多「え…」

ひとり「ど、どうしました?」シュン

喜多「あ、ちょっとクラスの友達からね(落ち込んでる…?)」

喜多「じゃ、呼ばれてるから今日の練習はこれで切り上げるわね」スッ

ひとり「はい…」

タタタ

喜多(私…どうしてとっさに嘘を…)

虹夏「お、来たねー」

喜多「あの、ひとりちゃん抜きというのは」

虹夏「そのままの意味だよ」

リョウ「ぼっちがいなくなった後のことを見据えて三人で練習する」

喜多「え…」

虹夏「よくよく考えたら最初にぼっちちゃん誘ったのは私だし、『バンド辞めて』って伝えずらいんだよ」

リョウ「こっちが迷惑してるって空気を出す。危機感覚えれば必死に変えようとするし、狼狽えるだけならそれまでの関係ってこと」

喜多「そ、そんな陰湿な…」

リョウ「郁代、もう切り替えよう」

虹夏「楽しくバンドしたいならさ、ね?」

喜多「…」

翌日 スターリー

ひとり「お、おはようございます」

虹夏「…」

ひとり「に、虹夏ちゃん?」

虹夏「…あ、ぼっちちゃんおはよー」

ひとり(今の間は…?)

リョウ「…」チラ

ひとり「リョ、リョウ先輩、喜多ちゃん、おはようございます」

リョウ「」フイ

ひとり「え…」

喜多「ひ、ひとりちゃ」

リョウ「郁代、昨日も良くできてた」

喜多「あ、ありがとうございます」

ひとり「あ、あの、昨日というのは」

リョウ「三人でスタジオ行ってたんだよ」

ひとり「…え?」

リョウ「あれ、ロイン来てなかった?」

ひとり「き、来てません…」

リョウ「まぁ三人でも新鮮でなかなか面白かったよ」

ひとり(ど、どういうことだろう…私のロインの調子が悪いのかな…)

喜多「ちょっとトイレ行ってきます」ガタ

ひとり「あ…」

リョウ「ところでぼっち、お金貸してくれない?もうすぐお小遣い貰えるんだけど金欠でさ」

ひとり「え、この間貸したばかり…」

リョウ「頼むよ」

ひとり「で、でも今あまり手持ちが」

リョウ「…」ズイ

ひとり「う!?」

リョウ「なに?『先輩』の頼みが聞けないの?」ギロ

ひとり(きょ、今日のリョウ先輩すごく怖い!?)

リョウ「先輩を助けたいでしょ?さぁ」

ひとり「…うぅ、は、はい」スッ

リョウ「助かるよ」クル

ひとり「…」

リョウ「…言われたらさっさと出しなよまったく」ボソ

ひとり「!?」ビク

ひとり(きょ、今日のみんなの雰囲気がおかしい…すごくギスギスしてる)ブル

虹夏「ぼっちちゃーん、こっち来てー」

ひとり「は、はい」

虹夏「ドリンク早く提供できるようになったか一通りの動き、やってみて」

ひとり「い、今からですか」

虹夏「いいから」ジッ

ひとり「は、はい」ビク

虹夏「グレープフルーツね」

ひとり「ええと…ここに」バタ

虹夏「ぼっちちゃん、そこ違う棚」

ひとり「す、すいません」

虹夏「次は氷でしょ?」

ひとり「はひ、こ、ここ氷」ガタ

虹夏「そこじゃなくてひとつ上」

ひとり「あ、そ、そうでした」

虹夏「…」ハァー

虹夏「…ねえぼっちちゃん、ここにきて何か月経つの?」

ひとり「す、すみません」

虹夏「多少マシになったのかと思ったら、後ろで見られてたらドリンクひとつもろくに提供できないの?」

ひとり「ご、ごめんなさい」

虹夏「あと喋るときどもる癖直しなよ。聞いててイラっとする」

ひとり「う…、…すみません」ビク

虹夏「じゃあグレープフルーツの代わりに蛇口の水注いで」

ひとり「は、はい」ポロッ

ガシャン!

虹夏「…」

ひとり「あ、あ、すいませんわざとじゃ…」





虹夏「………ちっ」

ひとり「!!(し、舌打ち…虹夏ちゃんに舌打ちされた…)」

虹夏「あーあ割れちゃった」

ひとり「す、すぐ掃除します!」

虹夏「いいよもう…こっちで片づけるから」

ひとり「でも…」

虹夏「いいから!!」

ひとり「っ…」ビク

虹夏「はあー、余計な仕事増やさないでよね」

ひとり「すみ、ません…」トボトボ

喜多「だ、大丈夫ですか、なにか割れた音がしましたけど」

虹夏「いいのいいの気にしないで」

リョウ「もうすぐ開店するから準備しよ」

喜多「は、はい…」

ひとり「…」

リョウ「ぼっち、何突っ立ってるの?今日一日そうしてるつもり?」

ひとり「は……はい、手伝います…」

廣井「メンバーに嫌われてるって?んなことでウジウジ悩んでもしょうがないってー」

ひとり「でも…」

廣井「それなら私は志麻に嫌われぱっぱなしだよ、何千回何万回も[ピーーー]って言われてるし」

ひとり「それ、お姉さんに原因があるんじゃ」

廣井「ぶっちゃけそうなんだけどさ。でもひとたびライブが始まると息ピッタリなんだこれが」アハハ

ひとり「も、もう…どうしていいか分からなくて」

廣井「全員に嫌われてるの?」

ひとり「き、喜多ちゃんは仕方なく虹夏ちゃんやリョウ先輩に合わせてるみたいですけど…最近は私抜きでやってることが多くなって」

廣井「そりゃあ最後通告だね」

ひとり「と…いうと」

廣井「『君このままだとクビだぞ』ってこと」

ひとり「そ、そんなの嫌です!」

廣井「だったら自分が変わるしかないじゃん、私に相談する前にみんなの所に行ってきなよ」

ひとり「で、でででも、怖くて…」

廣井「…ぼっちちゃんさぁ」ガタ

ひとり「は、はい…」

ドンッ

ひとり(か、壁に押し付けられた…!)

廣井「いい加減覚悟決めなよ」ギロ

ひとり「…!」ブル

廣井「自分を変えたくてバンドやってるんだよね、バンド追い出されそうになって危機感覚えてるんだよね?」

廣井「悩んでる暇あったら行動してるでしょうが。違う?」

ひとり「ひぃ…!」

廣井「今の自分の居場所を失くしたくないなら死んでも手放すんじゃねえよ!」

ひとり「お姉、さん…」

廣井「あー、大声出したら酔いが覚めてきちゃった」ゴソ

ひとり「お、お姉さん」

廣井「ん?」チュー

ひとり「わ、私、行ってきます!」

廣井「ん、ぶつかってきなよ」

スターリー

星歌「ぼっちちゃんにバンドを抜けてもらう、か…まぁ致し方ないか」

虹夏「ギターはまた誰かに声をかけるつもりだから」

星歌「私も多少目をかけてたんだけどね…普段の接客も目に余ってたしな」

リョウ「いなくなって清々する」

喜多「…」

ガチャ

ひとり「お、おはようございます」

虹夏「…」

リョウ「…」

ひとり「っ…お、おはy」

リョウ「ぼっち、こっち来て」

ひとり「…な、なんでしょう」

リョウ「ちょっと貸してくれない」

ひとり「ま、また…」

リョウ「そう言わずにさ」

ひとり「…」

リョウ「どうした?」

ひとり「い、い…」

リョウ「?」





ひとり「嫌、です…」

リョウ「……は?」

ひとり「嫌だと…言ったんです」

リョウ「何、私の頼みを断るの?ぼっちのくせに」

ひとり「リョウ先輩の家はお金持ちで、お小遣いを沢山貰ってるのに楽器に使い込むから金欠なんですよね?たまには、節約したらどうですか」

リョウ「…急に歯向かってきて生意気になって」グイ

ひとり「うっ」

喜多「リョウ先輩!胸倉なんて掴んじゃ…」

ひとり「そもそも!虹夏ちゃんのせいでもあるんですよ!」

虹夏「はぁ!?」

ひとり「普段リョウ先輩を甘やかしてばかりだから後輩に金をたかる人間になっちゃうんです!」

虹夏「それは!」

喜多「わ、私もひとりちゃんに同意です!」

虹夏「!?」

喜多「伊地知先輩はそういうところがあります!」

リョウ「郁代はぼっちの味方するんだ」

喜多「この際言います!リョウ先輩はだらしなさすぎます!」

リョウ「…とにかく、どもった喋り方もムカつくし、こっちはもうウンザリしてるんだ」

リョウ「まともにメンバーとコミュニケーション取る気のない奴はお金を貸すぐらいしか役に立たないだろ!」ブン

バターン!

ひとり「い、痛っ…」ズキ

喜多「ひとりちゃん!」

星歌「お、おい!」ガタ

廣井「待ってください先輩」スッ

星歌「お前いつの間にっ…、で、でも」

廣井「いいから」

リョウ「分かったかぼっち…」ハア…ハア…

ひとり「う、うう、うあああああ!!」ダッ

ドン!

リョウ「うあ!?」ドサ

喜多「ひ、ひとりちゃんがリョウ先輩に馬乗りに」

ひとり「私は!リョウ先輩の奴隷じゃない!!」ボカッボカッ

リョウ「がっ…や、やめ」

喜多「ひとりちゃん待って!リョウ先輩謝ってください!」グイ

虹夏「喜多ちゃんまだぼっちちゃんを庇うの!?」ガシ

喜多「だって…!皆さんひどすぎますよ!」

虹夏「なにさ!喜多ちゃんだって最初はギターできるって嘘ついて逃げた癖に!」

喜多「今蒸し返さなくていいじゃないですか!」

虹夏「あと私だけ苗字で呼ぶのはどうなの!?すごく距離を感じるんだけど!」

喜多「それは…アレですよ!アレですよ!」

虹夏「誤魔化さないで!」

リョウ「ごほ…言わせてもらうけど郁代…毎回私にきゃんきゃん言ってくるの…正直迷惑」

喜多「リョウ先輩まで!?」

ぎゃーぎゃー

数分後

ひとり「はあ…はあ…」ドサ

リョウ「いた…口の中切れてる」ヨロ…

虹夏「はー、はー」ゼエゼエ

喜多「ふー、ふぅー…」

虹夏「…あはは」

喜多「伊地知先輩…?」

虹夏「なんだかんだ…みんなが誰かに不満を持ってたんだね」

リョウ「…そうみたいだ」

喜多「あの…色々言いすぎました」

虹夏「ううん、逆にすっきりしたよ」

リョウ「…ぼっち、ごめん」

ひとり「…」

リョウ「謝って済む問題じゃないかもだけど…」

ひとり「いいんです…みんなの本音、聞けましたから」

リョウ「お互いがお互いいがみ合って…ある意味じゃ『結束』してるかもね」

虹夏「ぷ、なにそれ」

ひとり「ふふっ」

喜多「あ、久しぶりにひとりちゃんの笑顔、見れたかも」

ハハハ…

星歌「一応丸く収まったのか…?」

廣井「仲良しこよしのバンドやってちゃどこかで無理が生じる」

廣井「こういう時は殴り合いの喧嘩でもして意見をぶつけ合った方がいいんですよ」

星歌「…そういうもんかな」

廣井「まさに『ロック』でしょ?」

星歌「まぁ、一時はどうなることかと思ったが」

ひとり「店長さん、ハサミ持ってますか?」

星歌「どうした…物騒だな、まさか…」

ひとり「違います」

星歌「ここにあるが…」スッ

ひとり「ありがとうございます」

ジョキ…ジョキ…

虹夏「ぼ、ぼっちちゃん!?」

リョウ「自分の前髪を…」

喜多「…!」

パサ…

ひとり「今までの臆病な私とはおさらばします…どうか、新しい私を見てください」

喜多「ひとりちゃん…どもらなくなってる」

リョウ「でも…」

虹夏「ぼっちちゃん…斜めに切ってるから前髪すごいことになってるよ」

ひとり「え!?」

虹夏「あはは…、あのさ、ぼっちちゃん」

虹夏「私もひどいこと言ったりきつく当たったり、本当にごめん!」ガバ

ひとり「私もダメダメなところはありました。心を入れ替えます」

虹夏「うん、改めて、これからもよろしくね」ギュ

リョウ「借りたお金はお小遣い入ったら必ず返す」

喜多「ひとりちゃん、良かったね」

ひとり「はい…!」

翌日 学校

クラスメイト1「それでそのバンドがー…」

ひとり「私もそのバンド聴いてます」

クラスメイト2「あれ後藤さん、珍しいね」

ひとり「よく耳コピでギター弾くんですよ」

クラスメイト1「ああギター、もしかして後藤さんもバンドとかやってるの?」

ひとり「はい、放課後下北沢のライブハウスで…」

クラスメイト2「後藤さん意外と活動的なんだね」

ひとり「よかったら少しギター触ってみます?」

クラスメイト1「いいの?わーそれなりに重いね」

喜多「ひとりちゃん…あんなに積極的になって」ホロリ

同日 スターリー

虹夏「おはようござ…!?」

ひとり「虹夏ちゃんおはようございます」

虹夏「ぼっちちゃんそのメイド服…!」

星歌「着てみたいって言ってきたんだよ、こっちもびっくりした」

リョウ「姿勢も良くなってる」

ひとり「今日はこれで掃除します」サッサッ

喜多「学校でも自分からクラスの子に話しかけていってるんですよ」

虹夏「いやー見違えるようになったねー」

廣井「尻に火が付かなきゃ人間変わらない時もあるからねー」

星歌「お前は当たり前のように居座ってるな」

リョウ(どもる癖もなくしてはっきり物言い出来るようになって…)

虹夏(社交性を身に着けてギターの演奏も上手くて…)

喜多(そして何より…)

ひとり「ふんふーん」タプン

三人(胸が大きいなんて…)

虹夏「非の打ち所ないじゃーん!くぅー悔しー!」ガバ

ひとり「虹夏ちゃん!?」

虹夏「このたわわに実った胸が羨ましぃー」モミモミ

ひとり「そんな鷲掴みにしちゃ……ああん!」ビク

三人「!!」

虹夏(ぼ…ぼっちちゃん、こんな色っぽい声出せるんだ)ドキドキ

喜多(な、なんだかイケナイことに目覚めそう)ドキドキ

リョウ(ぼっち…)ドキドキ

ひとり「あの、虹夏ちゃん…」ハアハア

虹夏「ぼっちちゃん!」ワシワシ

ひとり「ひん!」

リョウ「脇腹はどうかな」モミモミ

喜多「あ、二人ともずるいです!私も太ももを!」サワサワ

ひとり「あ…んあぁ…だめ…」ビク

星歌「おい、ウチはそういう店じゃないぞ!」

佐藤愛子「こんにちはー!ばんらぼってバンド批評サイトで記事を書いてるぽいずん♡やみといいますがー」バタン

三人「え?」サワサワ

ひとり「んあ…」ピクピク

佐藤「そういうお店でしたか失礼しましたー!」クル

星歌「おい待て!誤解だ!」ガシ

喜多「やりすぎちゃいましたね」

虹夏「あはは…」

リョウ「ぼっち大丈夫?」

ひとり「はひ…大丈夫です」


終わり

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