フキ「今日はハロウィンか」 (33)
フキ「なんか色々と賑わってんなぁ」
サクラ「今日はハロウィンッスからね」
フキ「あぁ?」
サクラ「先輩。ハロウィン、知らないんッスか!?」
フキ「知ってるよ、バカ」
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フキ「ただ、こんだけ人が多いと、テロリストが紛れ込んでても不思議はねーな、って思ってな」
サクラ「ラジアータも、今日は大忙しになりそうッスね」
フキ「お前のバカな行動を予測するくらいしか出番がないかもな」
サクラ「ちょっ、あっしの行動はテロリストと同等ってことッスか!?」
フキ「なワケねぇ、出来れば何も検出しないくらいには平和に行きたいってだけだ」
サクラ「ハロウィンくらいは遊びたいッスからね!」
フキ「遊びじゃねーぞ、バカ」
サクラ「でも現にこうして、二人で街に繰り出してますし」
フキ「支部(リコリコ)に届け物を届けに行くだけだ」
サクラ「帰りに遊びに行きましょーよ」
フキ「あのなぁ……第一、命令受けたのは私だけなんだが」
サクラ「先輩のパートナーッスからね!」
フキ「パートナーねぇ」
サクラ「それに、リコリコに行けばだんごやパフェが食べれる……」
フキ「命令は届け物だけだ。そっちは諦めろ」
サクラ「え~、食べたい~」
フキ「ダメだ」
サクラ「フキせ~んぱ~い」
フキ「あぁ、うっせぇ」
◆
カラン,カラン♪
サクラ「ちぃーッス」
ミカ「おや、いらっしゃい」
フキ「どうも」
ミカ「今日は二人で、何用かな?」
フキ「司令からのお届け物です」
ミカ「楠木からか、分かった。そうだ二人とも、何か食べるか?」
サクラ「じゃあ、この前食べ損ねただんごセット」
フキ「いえ、まだ任務中なので」
サクラ「えぇ~」
ミカ「ならせめて、このお菓子くらいは持って帰ってくれるか?」
サクラ「えっ、マジ? お菓子あるんッスか?」
ミカ「今日はハロウィンだからな」
サクラ「ありがとございまーす」
フキ「ありがとうございます」
ミカ「楠木への返事は今の方がいいか?」
フキ「いえ、後でも構わないと司令は」
ミカ「分かった」
フキ「あの、千束とたきなは?」
ミカ「二人なら子供たちとハロウィンだ」
サクラ「えー、遊んでるんッスか?」
ミカ「依頼を受けたからな」
サクラ「かぁー、あーしらが常日頃から頑張ってるってのに、なんてお気楽能天気な」
フキ「お前はなんもしてないだろ」
サクラ「サポート、してるッス」
フキ「ちっ」
ミカ「まぁでも、二人がいない分、私がなんとかしないとな」
フキ「ん?」
ミズキ「アンタはいい加減に働け!」
クルミ「今は休憩中だ。そういうミズキも、昼間っから酒を飲むのやめろ」
ミズキ「うるへぇー、高級バーの会員証無効にされて、男との出会いが……」
クルミ「あー、はいはい」
ミカ「あんな感じだ」
サクラ「営業中にも関わらず飲んでるなんて、そりゃ男も寄り付かないッスよね」
ミズキ「あんだとー!」
フキ「では先生、私達はこれで帰ります」
サクラ「まだだんごセット注文してない……」
フキ「サクラ、行くぞ」
ガシッ
サクラ「そ、そんなぁ……」
ズルズル
サクラ「だんごー、カムバーック!」
フキ「うるさい!」
サクラ「ヘルプミー!」
フキ「少し黙れ!」
◆
千束「おっ、フキじゃん」
フキ「ちっ」
サクラ「ちぃーッス」
千束「そっちも居たかぁ」
サクラ「いるッスよ~」
千束「こんなとこで会うなんて、なんかの任務?」
サクラ「そんなとこッスね」
フキ「で、お前はそんなコスプレして、何やってんだ?」
千束「んと、たきなが手が足りてるから他の依頼こなせって」
サクラ「その格好でッスか?」
千束「おー、この格好じゃなけりゃ全裸になっちゃうよー」
フキ「なった瞬間、お前を撃ち殺す」
千束「もぉー、怖いなぁフキは」
サクラ「そんで、その持ってる白い袋は?」
千束「これ? 依頼料の札束」
サクラ「スゲェー、諭吉がたんまりじゃないッスか!」
千束「そうそう、今の私はハロウィンのコスプレをしたサンタクロースってワケ」
フキ「なんだその盆と正月が一気に来たみたいなやつは?」
千束「例えだよ、例え」
フキ「ちっ」
サクラ「こんなとこでそんな大金見せびらかしたら、盗まれるかもしれないッスよ」
千束「そんなヘマをするような千束さんじゃないよ、カリアゲ頭君」
サクラ「ちょっ、ちゃんとサクラって名前があるッスよ!」
千束「じょーだん、じょーだん」
♪~
千束「っと、そろそろ戻らないと、たきなに怒られる。じゃね、二人とも」
フキ「おう」
サクラ「うぃーッス」
フキ「相変わらず能天気なやつ」
サクラ「あーいうの見てると、あっしらもやってみたい気になるッス」
フキ「ここにも能天気が一人いたわ」
サクラ「やりたくないッスか?」
フキ「やらねー」
サクラ「魔女のコスプレとかは?」
フキ「似合わねー」
サクラ「それじゃ、ミイラみたいに包帯グルグルとかは?」
フキ「鬱陶しい」
サクラ「吸血鬼とかは?」
フキ「もっとマシなのないのか?」
サクラ「ゾンビ」
フキ「アイドルやるワケじゃねーんだぞ」
サクラ「もうないッス……」
フキ「よし、帰るぞ」
サクラ「はい……」
◆
サクラ「さすがに本部に『トリック・オア・トリート』するやつはいないッスね」
フキ「国有地だし、来たとこで門前払いだな」
サクラ「まっ、山奥で遠いッスからね」
フキ「そんなアホがいたら見てみたい」
サクラ「ですね」
フキ「司令に報告を」
受付「司令室にて待機しておられます」
フキ「どうも」
サクラ「今日はハロウィンだから、ラジアータも大忙しかと思ったんッスけどね」
フキ「むしろハロウィンなら、サードリコリスで対応できそうなものばかりなのかもな」
サクラ「お祭り気分でテロリストも遊んでるとか?」
フキ「だといいけどな」
フキ「さて、司令に報告したら飯食って」
サクラ「先輩、あっしが先にドア開けていいッスか?」
フキ「あっ、まぁ構わないが」
サクラ「ふふーん」
フキ(なんか企んでやがるな)
コンコン
フキ「春川フキ、乙女サクラ、任務を終えて帰還致しました」
楠木「入れ」
ガチャ
サクラ「トリック・オア・トリート! お菓子くれなきゃ、イタズラしちゃうぞー」
楠木「イタズラが目的なら」
バァン!
楠木「鉛玉をプレゼントしてやろう」
フキ「!」
サクラ「はっ?」
ドサッ
フキ「サクラぁぁぁぁぁぁ!」
楠木「ふむっ」
フキ「司令ぇぇぇぇ!」
楠木「悪ふざけも大概にしろ」
フキ「おい、サクラ、サクラ、サクラサクラ!」
サクラ「って、いきなりなんなんッスかマジで!?」
フキ「サクラ!?」
サクラ「いきなり撃つことないッスよ司令……」
楠木「少し脅かしてみただけだ」
サクラ「人が悪いッスよ」
楠木「考えたのは彼女だ」
助手「私です」
フキ「あ、あのぉ……状況を説明して貰っても」
楠木「説明も何も今日はハロウィンだ」
フキ「は、はぁ」
楠木「あとラジアータが、乙女サクラがバカをやると検出した」
サクラ「バレバレッスか、さすがラジアータ」
助手「ですので、空砲で脅かしてみようと司令に提案しました」
楠木「本当なら実弾をぶち込む予定だったがな」
サクラ「勘弁してください……」
楠木「ともあれ、報告することはあまりないような気もするが」
フキ「先生から回答は後ほど」
楠木「ついさっき貰った。それから近々、大規模な討伐作戦が開始される」
フキ「はい」
楠木「今日はハロウィンだ。のんびり過ごせるのも今だけだろうから、少しは羽を休めることも必要になる」
フキ「はい」
楠木「私からは以上だ。もう下がって休みなさい」
フキ「あの、ハロウィンの会場とかでテロリストとかは?」
楠木「今のところはない。あっても、サードリコリスで対応可能だ」
フキ「分かりました。失礼します」
サクラ「ッス」
ガチャ
フキ「ふぅ」
サクラ「いやー、マジでビビったッスよ!」
フキ「あぁ、私もだ」
サクラ「なんか、めっちゃ疲れたッス」
フキ「そうだな。飯食って風呂入って、寝るか」
サクラ「へーい」
サクラ「そうだ。討伐作戦って、なんッスかね?」
フキ「真島のだろ」
サクラ「やっぱ、それッスよねぇ」
フキ「それしかないだろ。つか、サクラ」
サクラ「はい?」
フキ「今日はハロウィンだ。ちょっと、オンラインゲームでもやるか?」
サクラ「はい!」
フキ「なんか色々とすっきりはしないからさ」
サクラ「ゲームですっきりしましょうよ!」
フキ「よっしゃー、とりあえず私はあの『CHISATO』ってのをぶっ倒すぞ!」
サクラ「そうそう。ついでもって『TAKINA』もボコボコに!」
フ・サ「やるぞー!」
千束「ちょちょちょ、たきなぁ!また『FUKI』ってのが来たぁ!」
たきな「わたしは『SAKURA』の相手で忙しいんです!」
千束「わー、やばやばやばやば」
たきな「たきなスペシャルを喰らわせます!」
ミカ「ゲームは程々にしておくんだぞ」
千・た「はーい」
ミズキ「いや分かる? 男ってのは」
クルミ「うざい……」
ミズキ「おい聞け、おい、おーい」
クルミ「こうはなりたくないな……」
千束「負ける、負ける、負ける!」
たきな「そう来ますか!」
フキ「往生しろCHISATO!」
サクラ「吠え面かかせるッスよTAKINA!!」
楠木「ゲームは程々に……あっ、クソこいつ!」
助手(司令も人のこと言えませんね)
おしまい
タイトル表記漏れ
リコリス・リコイルSS
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