モブウマ娘とトレセン学園【安価】 (627)

唯一抜きん出て並ぶ者なし


この学園の存在意義はこの校則に全て込められているといってもいいと思う



全国の中小あるトレセン学園の中でもこの中央の大きさは他の比にならない。そんなこのトレセン学園に『私』は合格することができた



どうせ試験がダメなのはわかっているから、中央が落ちたあとは地元のトレセン学園を受けるつもりだったのに……気が付いたらこの学園の生徒になっていた



慌ただしくも入学準備を終え、トレセン学園の制服に袖を通してから暫く経ちようやく慣れてきたところ



さて、今日も一日が始まる……



下1~3
『私』の特徴や性格など。全て採用するかはわかりません

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授業に出るために寝巻きから制服に着替える



「ふぅ」



また下着がキツくなったように感じる。私の身体は恵まれた体型といえるだろう


身長が高いだけならよかったがこの胸は流石に邪魔だ。走るときは抑えつけているが日常生活では邪魔で仕方ない



キツくなった下着を眺めながら先日のことを思い出す。青い髪のロケットだとかジェットだとかの子が私の下着を見てメロン入れだ!と騒いでいた



その子の保護者みたいな子……ナイスネイチャがごめんだとか謝ってきたけど私は



「よかったら使う?」



と返したら凄く驚いた顔をしてた。私は無口な方だけど喋らないわけじゃない。こっちからコミュニケーションを取ることが少ないだけだ

着替えが終わると次は身嗜みに入る。芦毛のこの髪は自分でも気に入っているから時間をかけてセットしている



以前は短くしていたが長い方が似合うとわかってからはずっと伸ばし続けている。手入れに手間はかかるがそれも悪くないと思う



「今日の授業は……よし、準備できてる」



身嗜みを終えていよいよ学園に向かう。とはいっても寮からなので距離はほとんど無いがそれは気持ちの問題だ



今日は午前に授業が終わってあとはトレーニング。トレセン学園では午後の授業は体育扱いでトレーニングになったり、ダンスになったりすることが多い



下1~3
学園内での活動やトレーニングまで

授業が終わってトレーニングのことを考えだした時



サクラバクシンオー「バクシンしてますか!!」



面倒なのに絡まれた。委員長だから自分になんでも相談しろと言ってくる暑苦しいウマ娘



でもその実力は本物で短距離で最強。あの飛び級の子をもってしても勝つことはできなかった



短距離といえばサクラバクシンオー。サクラバクシンオーといえば短距離。それくらい有名な猛者だ



サクラバクシンオー「なんだか悩んでいるような顔をしていましたよ!!私の目は誤魔化せません!!」



とはいっても面倒なのは面倒。成績も良くないみたいだから会話が成り立たないことも多い気がする

委員長から解放された私はトレーナー室に向かっている。私の悩み……下着のサイズが合わないと相談したところ



サクラバクシンオー「いっそ下着を着けないのはどうでしょうか!!そうすればどれだけ大きくなっても悩みませんよ!!」



という答えになっていない答えを出したところで周りがざわついてしまった。また大きくなったんだ……という誰かの声も聞こえた



レースの成績はともかくこの身体だとどうしても目立ってしまう。胸も大きいほうだから余計に目立つ



レースで期待されるのは別としてこんなことで目立ちたくない。私は人混みをかき分けてその場を立ち去った



そして今こうやってトレーナー室へと向かっている。幸運にも私にはトレーナーが付いているのでその指示を仰ぐ



スタミナが課題なのは自分でも理解しているのでそのトレーニングだと予想はつく。あまり激しくないものがいいけど……



下1~3
直近の成績とレースでの適正

私は芝とダートに適正がある珍しいウマ娘……けれど成績は良くない。掲示板に入ったり入らなかったりを繰り返している



先行か差しでレースは走る。距離は短距離が苦手でマイルと中距離がメイン。長距離は得意な方だけどスタミナが問題



この前は中距離のレースでもスタミナが切れてしまった。それがなかったら一着が狙えたかもしれなかったのに



トレーナーもそれをわかっているから私にスタミナを鍛えろって言ってくるけど、いくらやっても伸びない



体力はそう簡単につくものじゃないけど、それにしたって伸びが悪い。スタミナが私の大きな課題だ



短距離は走れなくもないってレベルだから得意じゃない。スタミナが無い子は短距離路線でいくことが多いけど……

サクラバクシンオー「バクシィィーーーーン!!」



アレに勝てない。短距離最強のあの委員長に勝てるウマ娘はそうそういない。だから他の皆んなは短距離路線にいくことを躊躇う




マイルならまだ可能性があるけどそれでも猛者は多い。私がたまに良い結果が出るときは強力なライバルがいない時だ



持っているものは悪くないとトレーナーは言うけど、レースに勝てないのは私が悪いってこと。遠回しにそう言われるのは少し嫌だ



けどこんな私を担当してくれるだけでもありがたいから文句は言えない。トレーニングもちゃんとしてるからなにも悪くない



せっかく合格できたのにこんなのでいいのかな。私はそう思いながらトレーニングを始めた



下1~3
トレーニング中でのイベントやトレーニング後の活動

トレーニング後にトレーニングのことを相談してみた。相手は海の向こうからやってきたウマ娘だから何か特別なことが聞けると思った



半ばヤケクソだったのかもしれない。誰でもいいから何か知りたいって感じで歩いてたら彼女と出会った。だからスタミナのことも聞いてみた



けど彼女は私の期待する答えはくれなかった、私の意識の問題だと言っていた。それは感じていたがすぐにどうこうできるものじゃない。けど彼女はそれすらも否定した



?「彼女の前でそんなことを言ったらどうなるかわかっているの?」



そう言われてなにも言えなかった。彼女がわざわざこの国からまで来たのは『同僚』を癒す為のプログラムの一環。走る為にトレセン学園に来たわけではなかった



その同僚は心を病んでいた。ただそれだけで海を渡るはずもなくちゃんとした理由がある



レースに向かう途中のバス。中に乗っていたウマ娘は同じトレーナー施設に通っていた仲間。運転していたのは彼女たちのトレーナー



運転手だったトレーナーが突然発作を起こし、バスは……



結局生き残ったのはその『同僚』だけだった。その事故は日曜日に起きた静かで悲劇的な事故だったそうだ

『同僚』は精神を病みドラッグにまで手を出した。このままでは塀の中は確実ということでそれを逃れる為ここまで来た



『同僚』については気の毒だとしか言いようがない。そして彼女が言いたいことも理解した



「走れるだけで幸せだって言いたいんでしょ」



?「そんな悩みは贅沢過ぎるわ」



「私は『同僚』じゃないから関係ない」



冷たいかもしれないが事実だ。私は『同僚』じゃないからそんな話をされてもどうにもできない



『同僚』の更生プログラムのお守りをさせられている彼女に対しても特別な感情は無かった



結局心にモヤモヤしたものを残したまま会話は終わった。トレーニングのコツも聞けず大損した気分だ



今日はもう終わろう。私はトレーニング場を後にした



下1~3
寮内でのイベントや他の何か

ダイワスカーレット「なによ!」



ウオッカ「なんなんだよ!」



寮の前で二人が言い争っていた。この二人はライバルでもあるけど二人で言い争っている印象しかない



巻き込まれると厄介だけどご丁寧に寮の入り口の前で言い争っているから避けれない。トレーニング終わりにこれは罰ゲームでしかないと思う



ウオッカ「お前もそう思うよな!?」



ダイワスカーレット「おかしいのはコイツよ!」



ほらきた。罰ゲーム確定



けどここで下手なことを言うと更に面倒なことになるから仕方なく会話に混ざる

ウオッカ「ギムレット先輩の蹴りって凄いよな!」



「そうかな」



ダイワスカーレット「だからってアレはないでしょ!」



ウオッカ「先輩は枠に縛られないってことなんだよ!」



ウオッカが指を指す方向にタニノギムレットがいた。その側には壊れた壁の破片が散らばっている



タニノギムレット「フッ……」



蹴り壊したであろう壁の側でギムレットがポーズを決めている。この人はなにをしているのだろうか



ウオッカ「なーー!?カッケェだろ!」



ダイワスカーレット「ただの器物損壊じゃない!」



「寮に入りたいんだけど」



タニノギムレット「フッ……」



寮の入り口でこんなことをやっていたら当然目立つ。騒ぎを聞き付けた寮長が現れて私達は注意されることになった



私達……?私はなにもしてないよね……



下1~3
このあとどうした、どうなった?

寮長であるフジキセキはちゃんとわかってくれた。スカーレットとウオッカは注意、ギムレットは生徒会に呼び出しになった



部屋に戻って着替えようとしたとき寮長は私に話しかけてきた



フジキセキ「何か悩み事があるなら言ってみなよ」



寮長だから他の子の表情はよく見ているという。私が悩んでいることはすぐにわかったと言ってくる



「確かに悩みはありますけどその前に質問してもいいですか?」



フジキセキ「構わないよ」



「胸を露出させてるあの勝負服恥ずかしくないの?」



フジキセキ「全く恥ずかしくないよ」



勝負服だからね、とフジさんは続ける。



フジキセキ「街中であんな格好なんかできない。だけど勝負服なら別なんだ」



トレセン学園に所属していても一部の子しか着ることのできない勝負服。G1を走る権利を得るには生半可な努力では足りない

フジキセキ「キミが伸び悩んでいるのは知っているよ」



こんな私の詳細を知っていることが意外だった。レースでもパッとしない私の走りが認知されていることに驚いた



フジキセキ「キミはなんの為に走っているんだい?」



その質問になにも答えられなかった。さっき騒いでいたあの三人は大きな目標があって勝負服も持っている



私は何の為にここに来たのか



三冠なんか目指すつもりも無いし有馬なんて夢のまた夢。勝負服を着ることもなく現役を終える可能性が高い



フジキセキ「やっていることは間違っていない、あとは気持ちの問題さ」



そう言うとフジさんは去っていった

「はぁ……」



すっかり遅くなってしまったので浴場には私一人だった。汗を流しながらフジさんに言われたことを思い出していた



運良く三着や四着に入ったとき、私より下の順位の子は本気で悔しがってた。私なんかよりも必死に努力してたに違いない



その子を見ても私は何も思わなかった考えることも無かった。私は負けて悔しいとも思わなかった



トレセン学園に入れた時点で『勝ち』だと思ってる。中央で走っていたというだけで将来役立つことが確定したようなもの。地方で走ってたウマ娘より中央の方が何かと優遇はされる



走ることが関係のない仕事でもこの傾向はある。だから私は成功することが確定している状況だ



「この気持ちはなんなんだろ」



私の独り言は誰にも届かない



下1~3
お風呂後のイベント、又は次の日以降のイベント

タイキシャトル「Oh!」



「あっ」



ぷにゅん



浴場をあとにして部屋に帰ろうとした時、タイキシャトルとぶつかってしまった。胸同士で当たったから痛くはなかった



痛くはなかったけどどこかから歯軋りのような声が聞こえた……気がする



タイキシャトル「すいませんデシタ!」



「こっちもごめん」



お互いに怪我がないことを確認したから部屋に帰ろうとしたのを呼び止められる。こんな遅い時間に風呂上がりなのを不思議がっていた



嘘を言う必要は無いので起こったことをそのまま話した。破壊王といつもの二人に巻き込まれた結果こうなったことを伝えた

タイキシャトル「あの二人はライバルデスからネ!」



「だから?」



ダイワスカーレット「いつでもバチバチデース!」



見てる分には面白いかもしれないけど巻き込まれると損しかない。この人はきっと巻き込まれたことが……いやこの人ならそんなことは関係ない



誰とでも仲良くなれるしいつでもハイテンションなタイキシャトルなら困ることはない、むしろ困らせる側だ



タイキシャトル「折角デスからもっとお話ししまショー!」



私は部屋に帰りたいのに……



下1~3
タイキシャトルとのイベント又はそのあとのイベント


ジューーー



タイキシャトル「焼けましたヨ!」



どうしてこうなっているんだろう。早く部屋に帰りたかったから適当に返事をしてたらバーベキューが始まってた



オグリキャップ「美味しいな」



同じ芦毛でも怪物と呼ばれてる方、オグリキャップもなぜかこの場に居る。匂いに釣られてやってきたんだと思う



タイキシャトル「まだまだ食材はありますカラネ!」



お腹が空いているから有り難くバーベキューは食べ……



オグリキャップ「んまい」



私の分は残してて欲しいけど残ってないかもしれない

タイキシャトル「スタミナが課題なんデスカ」



オグリキャップ「んぐ」



せっかくだから私の課題のことについて話してみた。お肉を食べながらいい答えが聞けるとは思わなかったけど、話してみないとわからない




タイキシャトル「ばーーっと走ってギュンって感じでやれば問題ありマセン!」



「えっと」



タイキシャトル「イェーーース!」



オグリキャップ「スタミナは大事だ」



バーベキュー女の話はよく分からない。けどオグリキャップならいい答えをくれるかもしれない

オグリキャップ「そういえばこのお肉はどうしたんだ」



アドバイスよりお肉が気になったようでタイキシャトルにそう質問する。するとバーベキュー女はアホなことを言い出した



タイキシャトル「大きい冷蔵庫から頂戴シマシタ!」



寮に出てくる食材を保管している大きい冷蔵庫。普通の家庭用の冷蔵庫は皆んなが色んなものを入れていて自由に使える



けど大きい冷蔵庫だけは触るなと寮長に何度も注意されていた。それなのにこの女はそこから食材を持ってきたのか



オグリキャップ「…………」



オグリキャップの手が止まる。彼女も大きい冷蔵庫の件で何度も何度も注意されている。コトの重大さを誰よりも理解している



タイキシャトル「ワッツ?」



後ろから寮長がやってくる。姿は見えないがオーラが見える。ドス黒い怒りに満ちている



逃げるなら今しかない、怪物の方も同じことを考えていたようで器と箸を持って走り出した



証拠隠滅のやり方がプロのそれだ。私も彼女の真似をしてこの場を走り去った

「お腹空いた……」



バーベキューも満足に食べたとも言えず食堂も閉まっていたので空腹のまま寝るしかなかった



同室の子にも心配されたがどうしようも無かったので適当に返事をしておいた



今日はもう寝よう、課題は無かったことに……そう思って寝ようとした瞬間トレーナーから連絡がくる



[これからのことについて明日話そう]



私の路線変更かなと思ったけどそれなら文面がおかしい。これからのことってなんだろう



「あ……そっか……」



担当外れるってことかな。トレーナーになってみたけど思ったのと違うからって外れることは多い。



トレーナーの指示は的確だったそれに応えられなかったのは私。トレーニングで伸びなかったのも私



中央で活躍したいのはウマ娘だけじゃなくトレーナーもそう。せっかく中央のトレーナーになったなら伝説級のトレーナーになりたいはず



トレーナー無しでこれから頑張るしかない、やれることをやっていこう。そう決めて私は目を閉じた



下1~3
翌日のイベント又はトレーナーとのイベント



翌日のトレーニングはプールで行われることになった。トレーナーからの話というのはスタミナを強化したいとのことだった



彼の目にはクマができていた。こんな私なんかの為に徹夜でトレーニングのメニューを考えてくれたんだ



このトレーナーの気持ちは裏切れない、いつもより真剣にトレーニングに取り組んでいこう



トレーナー「ええっと……」



泳ぎ方は自由でいいからと言われたからバタフライで泳いでいたら変な顔をしてた



トレーナー「クロールは泳げないの?」



「息継ぎできない」



この胸が邪魔だからというとそう……と返してくる。平泳ぎも同じ理由で苦手だし背泳ぎは他の子に止められる



今日は他の子が少ないから背泳ぎでもいいかなと考えていたら、向こうの方からウマ娘がやってきた

BNWの三人だ。あの三人のウマ娘を知らない人は居ない。最大のライバルであり親友でもある三人はトレーニングも一緒なことが多い



ウイニングチケット「いっくぞーー!」



準備運動もせずに飛び込むのを嗜めるビワハヤヒデ、その横で一人ストレッチをするナリタタイシン。どこでもいつもこんな調子だからこの光景は見慣れている



「凄い」



思わず声が出るくらいのトレーニング。そこまで本気でやるのかってくらい追い込んでる



本気ではやってるけど無理はしていない。自分の身体のこともよくわかってる、これが一流のウマ娘なんだろう



ビワハヤヒデ「私達が気になるのか?」



ナリタタイシン「騒ぎ過ぎだって言ってるじゃん」



ウイニングチケット「うるさくてごめんねぇぇぇぇ!!」



思ったよりもジロジロと見てしまっていたようで話しかけられてしまった。どうしよう



下1~3
BNWとのイベント

「ひぃぃ……」



トレーナー「物凄いことになってたね」



トレーニングが終わりプールから這い上がる形でなんとか脱出できた



迷惑をかけてしまったからと特別にBNWのトレーニングに参加させてもらったまではよかった。こんなことになるだなんて思わなかった



この三人はこんなトレーニングを毎日やっているのか、それは強くなって当然だ



「ひい……ひぃ……」



ビワハヤヒデ「あ、おい!」



突然視界が暗くなる。それは私が意識を失いかけているからだと気付いた時にはもう遅かった



私の意識はそこで途切れ世界は暗転していく



下1~3
保健室でのイベント

見慣れない天井にふかふかのベッド。ここが保健室であることはすぐにわかった



ハードなトレーニングで倒れたと言えば凄いのかもしれないが実際は違う、そんな格好いいものじゃない



「カッコ悪い……」



他のウマ娘のトレーニングに途中から参加して倒れただなんて恥晒しもいいとこ。普段どれだけ楽なことしかやってないのって言われて終わり



身体が弱いわけじゃないただ体力が無いだけ。BNWの三人もきっと呆れてしまっただろう



体調に問題無さそうなのでトレーナーの所に行こうと体を起こす。するとベッドに誰かがもたれかかっているのが見えた

セイウンスカイ「トレーナーさんね~ずっと心配してたよ~」



隣のベッドでサボっていたセイウンスカイによるとトレーナーはずっと私の心配をしていたそうだ



セイウンスカイ「いいトレーナーさんだね~」



心配するだけなら誰でもできるから。そんなことを思ってしまうのは私の性格が悪いだからだろうか



私の代わりにトレーナーをベッドに寝かせて保健室を出て行く。セイウンスカイは彼を起こさなくていいのかと言っていたが休息が必要なのはトレーナーの方。そのままにしてあけで欲しいと告げておく



「まだ少しキツイかも」



今日はもう走ることはできないし部屋に帰ろう。少し脚もふらつくけどここから部屋までなら問題ない




下1~3
次のイベント

アグネスタキオン「スタミナについて悩みがあると風の噂で聞いてね、私の実験に付き合わないかい?」



部屋に辿り着く前にアグネスタキオンに話しかけられた。胡散臭い雰囲気はいつも通りだが今日は話を真面目に聞く気になった



アグネスタキオン「詳しい話は私の実験室でしよう」



その言葉に釣られるように私は実験室に向かう。過去に爆発や異臭騒ぎを起こした実験室がまともなわけがないが今はそんなことが気にならない



少しでも現状が良くなるなら藁にも縋りたい。この気持ちは弱者にかわからないだろう

アグネスタキオンの実験室は雰囲気が凄かった。明らかに怪しいフラスコやおどろおどろしい色のした試験管が並んでいる。正気ではないのは確かだろう



アグネスタキオン「キミは魂を売ることができるかい?」



できる。彼女から詳細を聞く前にそう答えてしまっていた。この返答に彼女は満足げな表情を浮かべている



アグネスタキオン「薬物による一時的なドーピングほど白けることはない。しかし恒常的に接種すればどうだい?」



強くなれるとわかっているのにその手段を取らないのは愚者だ。彼女は自分の理論を高らかに語る



薬物がどんなものなのかは知らないが体への影響は良くないだろう。それでも躊躇う理由にはならない



「私でよければ協力します」



アグネスタキオン「キミのようなモルモットを待っていたんだよ」



注射器を持ったアグネスタキオンが私の腕を捲る。副作用で何かあるのかくらいは聞いておいても良かったかもしれないがもう遅い



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実験室でのイベントかこのあとのイベント

数日後、私はまた実験室を訪れていた



アグネスタキオン「あれからどうだい?」



「スタミナに不安が無くなりました」



アグネスタキオン「それは素晴らしい、今日もデータを録らせてもらうよ」



どんなものを注射されているかは聞いていないし聞くつもりもない。ただ普通ならこんなものは注射しなくても生きていける



副作用で命を縮めることになっても構わないそれで速くなれるのなら安いもの。他人ではなく自分を犠牲にするのは何よりも容易い



容易いのはいいが少し困ったことにはなってきている。それがこの目に見える副作用だ

どたぷんっ



アグネスタキオン「バストが大きくなったねぇ」



「サイズが三桁になりました」



アグネスタキオン「成分を調整すれば豊胸剤として売れてしまうね」



大きくて少し不便だったレベルの胸がとんでもないことになっている。足元が全く見えない



肩こりも酷くなっていて頭痛がしてくる。胸だけで数十キロの重さは確実にある



レースの時が一番楽かもしれない。無理矢理押さえつけていれば走りやすいし前もしっかり見える



もしレースで勝てるようになればライブのメインダンサーで踊ることになる。この胸でダンスができるのか不安でしかない

アグネスタキオン「まだ大きくなるかもしれないよ」



「……」



アグネスタキオン「その代わりスタミナで悩む必要は無くなるんだ安いものだろう?」



「はい」



アグネスタキオン「もうすぐレースなんだってね期待しているよ」



モルモットとして私の理論の完成させてくれたまえ。アグネスタキオンなりの激励を受けて私は実験室を去る



スタミナに不安が無くなってから初めてのレース。どんな結果になるかはわからない



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レースでのイベントかそれまでのイベント

レース直前の控え室、今回の作戦はどうするのかという最終ミーティングも終わりあとは着替えてパドックに向かうだけ



制服から体操服に着替える為に更衣室に向かおうとした所をトレーナーに呼び止められる



トレーナー「これを使ってくれないかな」



彼が手にしていたのはサラシ。いつも使っている物じゃなくて肌触りの良いかなり良質な物だ



トレーナーは男の人だから私の身体を見てしまうのは仕方ない。ちょっと動いただけでも揺れる胸に顔を赤くするし



そんな彼がこれをプレゼントしてくれたことが嬉しい、少し気分が高揚してきた



調子は悪くも良くもなかったがこれで好調に傾いた。トレーナーに応える為にもこのレースは頑張ろう

一番人気……



ゲート前にいるといつもの実況が聞こえてくる。それと同時に観客の声も聞こえる



「……」



この身長と胸は走りに向いた体格じゃないのはわかってるけど他人に言われる筋合いは無い。黙らせるには勝つしかない



七番人気……



ここでやっと私の名前が出てくる。これまでの走りを見ていたら妥当な評価だと思う



絶対に勝つとは言えない。だけど自分がどこまでやれるのかは知りたい



クスリに頼りはしたけど他のウマ娘もやればいいだけのこと。私はその一線を超えたんだ



全員がゲートに入った、もうすぐレースが始まる



下1~3
レースの結果

ワワァァァァァ



二着。トレセン学園に入ってから一番の結果だ。しかも一位はあのオグリキャップだからこれはかなり価値のある二着に違いない



オグリキャップ「良い走りをしていたな」



同じ芦毛の彼女に握手を求められそれに応える。こんな清々しい気分は新しい以来だろう



いつまでもレースの余韻に浸っていたかったがそういうわけにもいかない。すぐにライブがあるのでその準備に取り掛かる



バックダンサーではなくメインの一人として踊るライブ。同じライブでも踊る場所が違えば全く別のものなのは自分がよく知っている

振り付けを間違えることもなく無難に終わらせることができた。観客も喜んでいたみたいだけどトレーナーも喜んでいるに違いない



少しワクワクした気分で控え室の扉を開けた先に居たのは私が期待したトレーナーではなかった



トレーナー「隠してること、あるよね?」



そこに居たのはいつもの彼ではなく冷たい顔をした男が居た。こんな表情ができるのかと恐怖すら覚えた



表情からは怒りは見えない、深い哀しみだけが伝わってくる



トレーナー「……座って」



沈黙のあとトレーナーは私に席に着くよう命じる。いつもの控え室が地獄のように感じた



下1~3
控え室やトレセン学園でのイベント

アグネスタキオンから口止めもされていなかったので、トレーナーには正直に全てを話した



どんなものかは知らないがクスリを定期的に注射し、そのデータも彼女に全て渡していることも伝えた



私の話を聞き終えたトレーナーは怒ることはなかった、むしろ怒って欲かった



彼は怒るどころか泣きそうな表情のまま口を開いた



トレーナー「一言でもいいから声を掛けて欲しかったよ……」



怒鳴られるより殴られるより痛かった。こんなに心が痛いと思ったことは初めてだ



トレーナーはドーピングが悪だとは言ってない。私が相談しなかったことがショックなんだ



私は彼の気持ちを踏み躙ってしまった

正直に言ってトレーナーのことは舐めていた。なにか余計なことをしても仕方ないねと言って許してくれた



今回もそうだと思ってた。クスリを使ったくらいじゃ怒られることはまずないと思っていた



強くなれる手段でクスリを使うというアグネスタキオンの考えは間違いじゃない。間違うどころか正論だ



でもそれは一人でやっていいものじゃなかった。トレーナーが居るんだから真っ先に相談すべきだった



地獄のように感じていた控え室は本当に地獄になってしまった。私がなにか喋ればトレーナーは更に傷付く。彼が何かを口にしても傷付く



せっかくの二着のトロフィーが私には泥細工のゴミにしか見えなくなっていた



下1~3
このあとか寮に帰ってから、もしくはこの場でのイベント




寝ます
主人公の名前は基本無しか、何か良さげなものがあればそれで

トレーナーの希望に応えられない自分が嫌だったからこんなことをしてしまった。自分の気持ちを正直に伝えた




「ごめんなさい」




私にできることは謝ることだけ。誠心誠意謝ることしか私には許されない



沈黙が続いたあとトレーナーは重い口を開いた



トレーナー「僕も君の事に気付けなかった。トレーナー失格だごめん」



やめて。思わず叫びそうになったのを必死で堪える。トレーナーに謝られたら私にできることが無くなってしまう



トレーナーに謝られたら私はここでなにをすればいい?黙って下を向くことくらいしかできることはない



私にはもう何もするなと言いたいのか、だからトレーナーが謝っているんだ。これでトレーナーとは終わりなんだ



アグネスタキオンに魂は売ったが心は売っていない。魂も心も失った私はもう生きる意味はない



彼がなにを言おうともう私には届くことはないだろう。私はもう……



意識が暗闇に落ちかけたとき、彼の手が私の頭を撫でていることに気付いた

トレーナー「二着おめでとう」



トレーナーが優しく頭を撫でてくれていた。過程はどうであれ二着という結果は誉めるべきだと言っている



こんな私を労ってくれているのか、これなら怒鳴り散らした方がよっぽど嬉しい



これからは薬に頼らなくてもいいように効率的なトレーニングを考えると、いつもの優しい笑顔を見せながら話してくれる。でもその目は何処か悲しげだった



レースや身体に関する事は一言声を掛けると約束して欲しい。そう言われて断れるはずは無い



トレーナー「約束してくれて嬉しいよ」



彼は笑顔で私の頭を撫でている。他の人から見れば微笑ましい光景なのかもしれないが、私はトレーナーとの間に深い深い溝が出来たように感じた



そう感じたのは私だけじゃなくて彼もそうだった。悩んでいるのは私だけだと思っていたのが大間違いだった



人はウマ娘よりも簡単に壊れてしまう。ウマ娘に比べ人間が脆い、それは身体だけのことでは無いうことを本当に理解したのはこの時だった



下1~3
学園内でのイベント

レースが終わってすぐにアグネスタキオンの研究室に向かった。もうクスリの件で協力できないと言いに行ったのだけど



アグネスタキオン「それは無理な相談だねぇ」




トレーナーが何故ですかと驚いた表情で問い詰める。私もこの答えは予想していなかったから同じように驚いた




アグネスタキオン「突然止めてしまうのは体に悪影響だからさ」




私の筋肉や呼吸器官にクスリは染み渡っている。それが突然補給されなくなると細胞が壊れてしまうのだという



壊れる細胞は体だけじゃなく脳も。最悪の結果が待っているだろうと悪びれる様子もなく語る



トレーナー「どうしてそのことを彼女に言わなかったんですか」



アグネスタキオン「彼女は魂を売ると言ったからね」



トレーナーが私を見ている。どんな感情が込められているのかは絶対に確かめたくない

そんな私たちを見てか彼女はちゃんと補足をしてくれた。突然止めることは不可能なだけで、投薬の感覚を伸ばしていけば実質止めることができる



今までのように二日に一度の注射から間隔を空けていき、いずれは半年や一年に一度まで減らせる。アグネスタキオンは得意げに語っている



アグネスタキオン「現時点である程度のデータも揃った。キミはモルモットとして最高の働きだったよ」



彼女は上機嫌で話し続ける。それもそうだろう、自身の仮説を私が身をもって立証することになったのだ



私はクスリを止める決断をしたが続けていればもっと強くなる。このクスリがウマ娘にとって一般的なものにまでなるかもしれない



そうなれば私のモルモットとしての働きは十分過ぎる。私は強さを手に入れ彼女はデータを手に入れた



win-winの関係であり誰も憎めない。悪いといえばトレーナーに相談しなかった私だけなのだ

もうここには用は無いと力の抜けたトレーナーが立ち去ろうとすると彼女が呼び止めた



アグネスタキオン「彼女は体のバランスが悪い。スタミナが伸びなかったのはそのせいだ」



アグネスタキオン「胸の重さに体が振り回されている。本気で勝ちたいのなら胸の切除をオススメするよ」



切除以外にも鍛える場所を工夫した方が良いと教えてくれた。ちゃんとアドバイスもくれるから彼女は悪いウマ娘では無い



アグネスタキオンが善になるか悪になるかはその人次第だろう。私がもっと強くなりたいと願えばもっと強力なクスリもくれる




もしトレーナーが気付かなければ私はどこまで行ってしまっていただろうか



バレてしまった今はそんなことは考えるだけ無駄だと割り切った



下1~3
寮かトレーナーとのイベント

それからすぐ学園のトレーナー寮に戻って荷物を取りに行った。レースも終わって疲れたいるだろうから今日はゆっくり休んでと彼は優しく言う



その優しさは私にとって毒だそんな言葉は聞きたくない



この機を逃せば口にすることはないだろう。だからトレーナーに気持ちを吐き出した



「優しくしないで欲しい」



トレーナー「え……どういう意味?」




「怒ったり担当外れるって言ってくれた方がまだ気持ちが楽」




担当を外れるのは言い過ぎだが全く怒らないのは違う。こんなことを許すならトレーナー失格だ



強く言えないにしても絶対に注意はすべき。私に怒れる場面は何度もあった



実験室では周りの目があったとしてもここには他に誰も居ない。たとえ怒鳴ったとしても誰にも文句は言われない



ここまで言ってもトレーナーは何も言わなかったので私は寮に帰った

レース観てたよ!

二着って凄い!



寮に帰ると皆が今日のレースを褒めてくれた。ただの二着かもしれないが、オグリキャップに次いでの二着ということで注目されたようだ



フジさんもレースを観てくれていたようで結果は誉めてくれたけど表情は少し暗かった。多分気付いているんだと思う



フジキセキ「あとで話が……ううんなんでもない」



思う所があるのか私と話すつもりは無いみたいだ。フジさんもクスリを使えるのなら使うんだろう



寮長という立場だからそれができないのか、それとも他の理由があるのか



考えてから気付く、他の理由……トレーナーに決まってる。フジさんは私みたいにバカじゃないから一人で何かしたりしない

夜。仲の良い子と今日のレースのことを褒めてもらったあとすぐに眠りについた



「……っ」



ギリギリと万力で締め付けられるような頭痛。胸が大きくなって肩こりからくる頭痛だと思っていたがそうではない



これはクスリの副作用なんだと思う。副作用で全身に痛みが出る可能性があるとさっき教えてくれた



体の痛みは無い、痛むのが頭だけで本当に良かったと思う



私が悪くて私が苦しむのならこれ以上楽なことは無い。今は頭より心が痛い




トレーナーや今後のレースのこと、学園でのことを考えながら眠りについた




下1~3
翌日以降のイベント

次の日、控え室でトレーナーと昨日のことについて話していた。私なりに気持ちを伝えたがうまく伝わった自信はない




トレーナー「約束を交わしてくれたから怒らなかったんだ」




昨日約束したから次に破ったときに怒ればいい。トレーナーがそう解釈したのだとわかって安心した



ほっとした私とは対照的にトレーナーは泣きそうな顔になりながら一枚の紙を取り出した




トレーナー「担当を外れて欲しいなら君の意見を尊重するよ」




机の上に置かれたのはトレーナーの解任届。そこには既に彼の名前が書かれていた



トレーナー「こんな形で終わるのは残念だけど……」



待って、待って、待って、待って。なんでそうなるの?

トレーナーとウマ娘の関係を良好にする為、トレーナーは極力ウマ娘を叱ったりしてはいけない決まりになっていたのを私は知らなかった




過去に指導がキツイトレーナーとウマ娘の間で喧嘩となり、トレーナーが大怪我をしてしまう事件が学園で起こっていた




仕方なく怒る必要があるときは生徒会や学園を通してから。そんなルールがあるだなんて全く知らなかった




彼にしてみればそれは当たり前のルールで、それを当然私も知っていると思っていた。だから私がトレーナーに言った怒って欲しかったというのは無茶苦茶なことだと解釈された



無茶苦茶で支離滅裂だと解釈してくれたらまだ良い方だ。私がわざと怒らせてトレーナーをクビにさせようと思われたかもしれない




トレーナー「君の活躍を祈っているよ」



「違う、違う……違うの……」



私が言い訳するよりも先に彼は控え室を出て行った



した1~3
この次のイベント

私にはトレーナーを追いかける選択肢しか無かった。トレーナーを後ろから抱き締める



「違うの本当に外れて欲しかったわけじゃない」



「許して……ごめんなさい、見捨てないで……」



トレーナーは私の行動に驚いていたと思う。後ろからだったから表情は見えなかったけど体が反応してた



トレーナー「落ち着いて、落ち着こうね?」




「嫌だ嫌だ嫌だ」




子供が駄々をこねるように嫌だと言って聞かない。こうなると自分で自分をコントロールすることも難しい



「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!」




私から去ろうとしているトレーナーを失いたくない。私はそれしか考えることができなかった

トレーナー「わかったから離して……」




私は気付いていないけど周りにはウマ娘が集まっていた。これだけの騒ぎを起こしていたら注目されて当然だ




「私の前から居なくならないで!!」




トレーナー「一旦落ち着こうよ」




彼の声も届かないくらい感情が抑えられない。居なくならないでという気持ちしか無い



暫くして生徒会のメンバーがやってきて私はトレーナーから引き離された。それでもまだ取り乱している私は保健室送りになった



「トレーナー!!」



冷静になれない私はトレーナーが遠くに行ってしまうと思い込んで叫び続けていた。冷静になれればこうはならなかったのに



下1~3
保健室や学園でのイベント

あれから数日経った。あの時の出来事はかなりの人数に見られていたことを後から知ることになった



なにがどうなったのかはわからないが、私とトレーナーの一件は凄まじい事件として噂になっていた



「あの話知ってる?」


「アグネスタキオンを利用して薬漬けにしたヤツでしょ」


「かなり依存性の強い薬だったから禁断症状も凄かったんだって」


「だからあんなに叫んでたんだ!」


「トレーナーも鬼畜だよね、自分好みの体型に改造してたんだって」


「薬を使われてから胸が大きくなってたって同じ寮の子が言ってた」


「あの子も可哀想だよね」


「オグリキャップに僅差まで迫ってたって」


「入学して一年経ってないのにあの怪物と並ぶんだから本物だよ」


「早く元気になるといいよね」


「あ、話してたら来たよ、あの子だ!」

聞こえてる。全部聞こえてたけどどうしよう



どうするのが最適かわからなかったので俯いたまま横を通り過ぎた。その様子が悪かったのかまた話が盛り上がってしまった



「可哀想にあんなに元気無い」


「前はもっと明るかったんでしょ?」


「心配だな」



元々明るくないしこれで普通だと言えば納得するだろうか?いや多分しない。無理をするなと慰めてくれるだろう



ただの噂だと自分で否定すればいいのだがこれから私が向かうのは神経内科。生徒会が通院するようにと命令されたから従うしかない



噂がこれ以上広まらないようにとコソコソと病院に行こうとしたが、数日前に同じ寮の子に見つかってしまった。これが更に噂を広める結果になってしまった



こういう時はなにをしても無駄だと諦めた

私のトレーナーは謹慎処分。それは重過ぎると弁解に向かった……のが良くなかった。学園側も謹慎は重いと考えていたようだが、私の行動がトドメを刺してしまった



もう何もしない。そう決めていたがまたしても他人を巻き込んだ



いきなりクスリを止めるのは良く無いと言ったのはアグネスタキオンだ間違いない。だが私は中毒者扱いされた哀しきモルモットということになっている



クスリの接種をなんとしても止めようと必死に私を庇う子と実験室で少し揉める。その時運悪く薬品AとBが溢れてしまい更にその上に薬品CとDが



アグネスタキオン「爆発するっっ!!」



アグネスタキオンの実験室は瓦礫の山になった



今の私はなにか行動を起こすだけで迷惑をかける。できるだけなにもせずに噂が消えるまで待とう



逆効果なのは知りつつもそうするしか無いので俯きながら学園の外に向かう




下1~3
学園内か外でのイベント

この商店街を抜ければ病院まであと少し。今日は誰とも会わずに済むと思っていたのに、後ろから声をかけられてしまった



ハルウララ「こんなとこでなにしてるのー?」



「貴女はどうしたの?」



ハルウララ「皆とランニングしてたんだけど、おいていかれちゃったからここにきたの!」




もうすぐレースが近いから追い込みなのだと言っているがそれで良いのだろうか。いや気にしたら負けだまた面倒なことになる前にここを離れよう



そう思うより先に揚げ物屋のおばちゃんがハルウララを見つけたようで近付いてくる。ここで走り去るのは不自然かと思いやり過ごすことに決めた

「アンタ体は大丈夫かい?」



なんで学園の外の話がここまで伝わっているのだろうか。鬼畜、外道、変態トレーナーに酷いことをされたと商店街でも噂になっていた




「元気無さそうで心配だ。揚げ物で良かったら食べるかい?」




ハルウララ「いただきまーす!」



ここで貰わないのも怪しいだろうと揚げ物を受け取る。これで最低限の混乱で済むと思い目的地に向かおうと……



ハルウララ「○○ちゃんはどこに行こうとしてたの?」



やはりこうなる運命なのだろう。これから行く病院の種類を聞き揚げ物屋のおばちゃんは大袈裟に心配しハルウララが首を傾げるのも決まったことなんだ

ハルウララ「ついたね病院!」



なぜこうなってしまったのか



私の症状が大変重いものであると誤解したおばちゃんがハルウララに付き添いを頼んだ



私はいいと遠慮しようとしたが、するだけ無駄なのは知っているので着いてきてもらうことにした



「一人で辛かったね……もう大丈夫だから」



余計に心配された。無駄だとわかってもあそこは断る場面だったようだ



一緒に病院には来たが彼女には病室で大人しくしててもらえばいい。軽くカウンセリングを行うだけなのですぐに終わる



「行ってくるから大人しくしてて」



ハルウララを待合室で待たせて私は診察室に入る



下1~3
ここやそれ以降のイベント

「トレーナーは悪くない……私が悪いんです」



医者「酷いトレーナーに担当されて災難でしたね」



「違うのに……」



私が絶対的な被害者と決めつけていて全く取り合ってくれない。医者は悪くが脅されてそう言わされてるとも思っている



ウマ娘に対して性暴力を振るうことは難しい。武器を持った大人でもウマ娘には勝てないから力づくで、ということがない



じゃあどうするのか?ウマ娘にも効くような強力な薬物を摂取させるしかない。私もその被害の一人だと思われている



医者「彼はロクな人間じゃなかったんでしょうね」



話をきいてくれないだけなら我慢できたけどトレーナーを罵倒されて思わず掴み掛かってしまった

ハルウララ「暴力はダメーーーー!!」



診察室にハルウララが飛び込んできて私に抱き着く。そこまで力を入れていなかったがそれは私(ウマ娘)の感覚だ



医者「彼女に……鎮痛剤を注射……」



ハルウララ「暴れちゃダメっ!!」



どうしてこうなるのかはもうわからない。こうなればいっそ行くところまで行ってしまおうかとも思えてきた



ハルウララに抑えられたまま鎮痛剤らしきものを打たれ意識が遠のく。次はどうなっているのか楽しみにも思えてくる



下1~3
この直後や数日後のイベント

一ヶ月も経つと騒ぎも収まって周りも静かになった。けれどトレーナーは悪くないという意見は最後まで通らなかった



トレーナーは間違っていない、それを証明する為に彼が考えてくれたメニューを必死に頑張った



学園内の模擬レースでも一着を取れるようにまでなったのに、もう全てが遅かった



自慢じゃないけど私には才能がそれなりにあったようだ。だから学園は私を受け入れてくれたのだと理事長が教えてくれた



秋川やよい「その才能を彼に摘まれるのは惜しい!」



理事長は私の話をちゃんと聞いてくれた。私の意志でアグネスタキオンのクスリを使ったことも信じてくれた



ちゃんと全てを聞いた上でトレーナーとは契約解除。彼は地方のトレセン学園へと左遷になった




「彼は悪くないと言ってるのに!!」




秋川やよい「そういう問題では無い!」



彼と一緒に居る限り私のイメージは払拭されない。噂というものは面白おかしく広がってしまうのだ



秋川やよい「未来のあるウマ娘の将来が優先されるべき!」



彼は私の為にこの学園を去っていった。異動先でも歓迎されることは無いとわかっているのに、それでもトレーナーは辞めなかった



彼とはもう会えない。その代わりに私の手元には手紙が残った

こんな形で終わってしまったのは残念だけど新しいトレーナーと頑張って欲しい。手紙にはそんなことが書いてあった



最後の一言は私のことを応援している。私のことを責める内容は一つも無かった



「最後まで怒ってくれなかった…………」



怒ったり叱ったりするには関係が築けていないとできないと聞いたことがある。私はトレーナーとちゃんと向き合えていなかった



彼は徹夜で私のことを考えてくれたのに私は何をしていた?渡されたトレーニング表をただこなしていただけじゃなかったのか



彼は私を信じてくれたのに私は信じようとしなかった。それが全ての原因だった



強くなりたいと心から思えていればこんなことにはならなかった



重いものを背負ってしまった。一人のトレーナーの人生を壊してしまったんだ。これはちょっとやそっとじゃ軽くはならない



臨時で就くというトレーナーには全てを話そうか。いやちゃんと契約するとなったら話すんだ



彼のことは忘れない。そう心に決めて私はトレーニングを続ける



下1~3
臨時トレーナーとのイベント



寝ます
クラウデイは良いかも

トレーナーに裏切られ心を病むウマ娘は多い。ちょっとしたきっかけで良くなったり、走ることを諦めるしかないような子もいる



私が理事長に依頼された子もそうしたうちの一人なんだろうと思っていた。男という生物はあらゆる手段を使って女を好き放題しようとする



今回の子も私にかかれば大丈夫。今まで何人も立ち直らせてきたんだ、私なら彼女を癒せる



臨時トレーナーとして指導するのは技術面より精神面。何があっても大丈夫、私は味方なんだと彼女に知っておいてもらう



学園の外に頼れる人を作るのがどれだけ重要なのかわかるいい機会と思ってくれれば一番だ



私と彼女には似たところがある、その話からしてあげると仲良くなれるだろう

彼女の走りを見て違和感を覚えた。走りだけじゃなく問題のあったトレーナーもそうだ



性問題を起こすトレーナーはどれも中途半端。けど低レベルじゃないからウマ娘も騙されてしまう



けどこの子のトレーナーが残したトレーニングは理に適っていて彼女のことをよく考えてある。ここまでレベルの高いトレーナーは少ない



これだけのトレーナーならあの子より優先されるべきじゃ……そんなことを考えてしまうくらいに彼女はおかしい



気持ちが沈んでいるのではなく重荷を背負っているような感じ。実際には見えないのに百キロ近い重りが彼女に乗っている



この現象は見たことがある。これは精神的な重さ、今まで何人も見てきた害悪トレーナーが背負っていたものだ



彼女は被害者のはず、その重りを背負う必要は無い。一体どういうことなのだろう



いくら考えても原因がわからず、彼女との距離間も測れない



下1~3
臨時トレーナーとのイベント

ウマ娘といえば甘いもの。甘味が嫌いな子はまず居ないということで彼女とスイーツバイキングに出かけることにした



まずはなにがあったたかを聞いてみる。ここで大事なのは絶対に否定しないで聞くことに徹することだ



『それは違う』だなんて絶対に言っちゃいけない。私は敵じゃないってことを知ってもらう



「……」



彼女は口を開かないけど全く言うつもりが無いわけじゃない。彼女のペースで気持ちを整理するまで待てばいい



貴女の為なら時間はいくらでも使える。私の気持ちが伝わるまでは何時間でも待ってあげるから

やがて彼女はポツリポツリと話してくれた。例のトレーナーが悪くないと言い出した時は恋愛感情があったからなのかと思ったが事情が違う




「私は被害者なんかじゃない……」



彼女の話が本当ならむしろ被害者はトレーナーと言えるが状況から考えると、被害者はこの子になってしまうだろう



「洗脳なんか受けてない……あんな優しいトレーナーは他にいない……」



優しいと言われて引っかかる。今の話ならトレーナーは悪くなかったと学園に不満を漏らすのが普通だ



あのトレーナーは中央をクビになり地方に左遷された。これが彼女の言う優しいと結び付くのだとしたら



女トレーナー「全てトレーナーのせいにしたのね」



彼女は涙を流しながら頷く。全ての行動が裏目に出たとしてもどこかで訂正できるタイミングはあったはず



理事長が貴女を優先して彼を処分したと言っても抵抗くらいできた



ここで私は気付いた。彼女が背負っているものはトレーナーの輝しい未来だ。この子が彼の栄光を奪ってしまった



下を向き大粒の涙を流すこの子をどうするのが一番なのか。私のキャリアにかけて最適な答えを見つけてみせる



下1~3
学園の外でのイベント

女トレーナー「仕事はどうなの?」



トレーナー「ぼちぼちです」



順調なわけが無いのに決して弱音は言わない。それは同じトレーナーである私にもそうらしい



会ってくれるかどうか怪しかったが二つ返事で快諾してくれた。彼はそういう性格なのだろう



世間話もそこそこに私は一番聞きたかったことをいきなり尋ねる



女トレーナー「あの子に未来を奪われて恨んでないの?」



トレーナー「恨んでなんかないませんウマ娘の事を第一に考えるのがトレーナーです」



自分が悪役になるくらい安い物だと言い切った。彼は本物のトレーナーだ、こんなことが言えるトレーナーは中央に何人も居ない



トレーナー「彼女に伝えてくれますか?もし自分の事が気掛かりで走るのを辞めたりしたらその時こそ本当に怒りますよって」



彼女に伝えることを約束して彼とは別れる。彼は罵声にも負けずきっと一流のトレーナーになれるだろう

彼女には突然休んだことを謝った。どこに行くかを言ってしまうとよくないと思い場所は伏せていた



私が彼に会いに行ったと言った瞬間、彼女は掴みかかってきそうな勢いで近付いてくる



「トレーナー……っ!!」



嘘偽りなく全てを話した。彼は進んで悪役になったのだと彼女も理解できただろう



そうなるきっかけを作ったのは彼女だが、この結果を望んだのは彼自身。その荷物は背負う必要が無いと諭す



「ごめんなさいごめんなさい……」



彼はそんな言葉は望まない。気持ちに応えるのなら強くなるしかない



この子がどれだけ伸びるのかは未知数。持っているものは素晴らしいからあとは本人の気持ちにかかっている



彼とこの子は離れていてもレースでなら繋がれる。そのことを彼女が忘れ無ければどこまでも強くなれるだろう



下1~3
学園内でのイベント

あれから何度かの話し合いをした結果、今年中に勝負服を着ることを目指すと決まった



勝負服が着れるのはG1のレースに出るということ。その為には勝たなければいけないレースがある



勝負服を着て走る姿を彼に見せたい。この子だけの良い目標だと思う



G1を目指すだけではなく一着も目標にしたいところだがそれはまだ早い。新しいトレーナーがその時期を見極めるだろう



これで私の役目は終わったと思っていたがそんな簡単な話では無かった。彼女に次のトレーナーの話をすると激しく動揺してしまった



「また私は捨てられるんですか……?」



彼は捨ててなんか無いと慌てて否定する。感情が敏感になっているようなので、別れに関する時は慎重に言葉を選ばなければいけない

この子の面倒は私が見ると言えればいいのだが、そういうわけにはいかない。次の子の予定もあるし、その次も予定がある



それに私はちゃんとした担当を持たなくなって暫く経つ。以前と同じように指導できる確証が無い



私の迷いを悟ったのか彼女の表情がみるみるうちに曇っていく。口に出していないだけで心の内側では大嵐が吹き荒れている



「もうトレーナーと別れたくない」



理性で狂気を必死に抑えながら彼女はそう言う。その気持ちに応えなければトレーナーとは言えないだろう



女トレーナー「貴女のような子を元気付けるのが私の仕事。それはわかってくれる?」



「わかってる」



女トレーナー「どうしてもって言うならオンラインって手段はある」



直接指導できることは殆ど無いが映像を確認してアドバイスなら可能だと彼女に伝えると、途端に表情が明るくなった



周りからは無口で無表情だと思われていたようだけどそんなことは無い。表に出にくいだけでちゃんと喜怒哀楽もある普通のウマ娘だ



彼女のトレーナーになるのなら私も覚悟を決めなくてはいけない。G1に出ることがどれだけ大変なのかは身をもって知っている



下1~3
学園内か女トレーナーとのイベント

中央にはギリギリまで残ってこの子のトレーナーとして支えていく。些細なことでもプラスになるよう努力をする



学園の控え室に置かれていたボロボロにさったサラシがあった。気持ちを新たにして欲しいから捨てようとしたが彼女に止められた



「トレーナーがくれた大切なものだから」



そう言われれば質が良く量販店で簡単に買えるものでは無いことがわかる。これは彼女にとって宝なんだ



大切なものであることはわかったがこのボロさが気になる。大事に扱っていればこうならないのでは?



その質問をしようとしたが疑問はすぐに解決した。彼女の体にサラシが耐えきれなかったのだ



彼女が上下に揺れればたゆんたゆんとメロンが二つ揺れる。これに耐え切れるサラシは存在しないだろう

女トレーナー「貴女の身体って失礼だけど男の人には毒よね」



「トレーナーは恥ずかしがってはいたけどそんな風には見てなかった」



それは凄いと思う。同じ女の私でも息を呑むこの身体。それを前にして欲望を抑えていたのは賞賛に値する



この子さバストだけじゃなく身長も高い。学園で一番背の高いヒシアケボノに並ぶ大きさも活かすべき



この大きさを活かすなら作戦は差し。パワーを特別鍛えなくともガンガン前に出れる



脚には全く不安が無い、課題のスタミナも改善されている。この才能を活かせなければトレーナー失格



レースに本気になったのはいつ以来だろうか、熱いものが身体を巡ってくる感覚は一種の快感だ




下1~3
レースや学園内のイベント

今日はあの子のレース当日。G3でどんなレースをしてくれるのだろう。私はレース場で見守っている



観客「あの子が例のクズトレーナーが担当してた子か」



観客「可哀想に陰鬱な顔をしている」



観客「薬で豊胸ってどんな変態だよ」



この声がどうかあの子に届かないようにと思っていたが、その心配は無駄だった



「………………」



コロシテヤル



口の動きでわかる。暴言を吐いていた観客に向けてあの子は殺意を向けてしまっている



女トレーナー「こんな奴らは走りで黙らせなさい!!」



あの観客の声が聞こえているなら私の声も聞こえる。私の言葉で正気を取り戻したのか大人しくゲートに入っていった



貴女やトレーナーのとやかく言う人はこれから何人も出てくる、それを黙らせるにはレースしかない



彼女が不安定になってしまうのは仕方がない。それをすぐ正気に戻せればロスは最小限になる



トレーナーのことはすぐに解決とはいかない。心は無理に治す必要がない、あの子と向き合って一歩ずつ進んでいけばいいんだ

レースは見事に一位だったが当たり前の結果でもあった。強豪ウマ娘もいないこのレースなら確実に勝てるのはわかっていた



彼女もそれがわかっているのかあまり喜んではいない。でもそれじゃいけないと彼女に声をかけようとした時だった



観客「新しいトレーナーの腕が良かったんだ」



観客「前の変態はダメトレーナー野郎だったんだな」



マズイ。彼女の目が曇りきってしまった。ライブどころの話じゃない、一秒でも早く彼女を落ち着かせる必要がある



関係者にはライブに出れないと頭を下げるしかない。私が注意されて怒られるだけならそれでいい。彼女を終わらせてしまうわけにはいかない



私は昔を思い出したかのように全力で走る。人混みを掻き分け急いで彼女の元に走った



下1~3
レース場かその後のイベント



寝ます

「大丈夫。ライブはやるよ」



ウイニングライブは応援してくれたり支えてくれた人の為にやるもの。だから自分はトレーナーの為にライブをやると言う彼女を止められなかった



彼女は自分とも戦っている。強く握りすぎて拳を血で滲ませるほどの怒りを殺そうとしている



止めるのではなく背中を押してあげるべき。なにかあれば全ての責任は私が背負う覚悟で彼女をライブのステージに送った




観客「おおお……」




観客は圧倒され誰も彼女を貶したりはしなかった。彼女がセンターで踊るだけでいつものライブが映画のようにまで感じる



あの子はスケールも大きい。恵まれた体を全て使ってのライブは目を見張るものがある



観客「やっべぇよアレ……」



男性にとってはアレは刺激が強過ぎるだろう。体操服で踊っていてるのに大きな山が二つ揺れているのが確認できる



思春期の学生からしたらモザイクが必要なレベルかもしれない……

ライブが終わると彼女は落ち着きを取り戻していた。手の治療をしながら次のレースに向けて軽くミーティングをする



「次はG2を走りたい」



女トレーナー「私もそのつもりだったけど、次からは私は来れないのよ」



臨時トレーナーとして次のウマ娘の所に行かなければならない。タイミングが合えばレース場に向かうことはできるが難しいことの方が多い




女トレーナー「私が居なくてレースは平気?」



彼女は答えに詰まる。今日はもし私がここに居なければどうなっていたかわからないということなのだろう



かなり不安が残るがG2のレースになれば同じ寮のウマ娘や頼れる先輩たちもレースに出る。もし彼女が動揺しても止めてくれるだろうがこれは楽観的過ぎる



レースの直前にはなんとか時間を作って電話をしてあげよう。この子のトレーナーならそれくらいはして当然だ



下1~3
学園内やレースのイベント

臨時トレーナーの○○さんは学園から離れてしまった。私のようなウマ娘を助けるのにあの人の力が必要なのは理解できる



学園から離れてもトレーニングの確認とミーティングは毎日行っている。時間が合えば動画を繋いだままのトレーニングもやっている



それでも直接頼れる人が居ないのは心細い。○○さんが居なくなってから授業に出れない日が出てきてしまった



授業は午前だけなのにそれに出れないのは大きな問題なのはわかってる。けれど体が動かない



精神的なものであろうという推測は立てれるのだが自分の脆さに情け無くなってくる。自分でもこんなに心が弱いとは思っていなかった



学園内でウロウロしていると他のトレーナーや教師に見つかってしまう。普通なら怒られるところだが私の事情を知っているのでやんわりとしか注意されない



教師「無理しなくていいのよ」



哀れむようなあの目が嫌いだ。私を被害者と決めて気の毒なウマ娘だと情けをかけてくるのが許せない



しかしこちらは授業に出ていないという落ち度があるので怒ることはできない。ゆっくりできる場所を探して保健室に辿り着いた

セイウンスカイ「セイちゃんが先客ですよ~」



彼女も授業をサボっているようだった。そういえば前にここで会った時も授業には出ていないと言っていた



私が授業に出れない理由は聞かず暇だしお喋りでもしようということになった



セイウンスカイ「トレーナーさんの件は残念だったね~」



「残念って言葉じゃ言い表せない」



セイウンスカイ「優しそうだったしセイちゃんの担当にもなって欲しかったよ~」




いつもの私なら嫉妬に狂ってもおかしく無かったが不思議とそんな気持ちにはならなかった。彼女ならトレーナーと良い関係になれそうだと直感した




セイウンスカイ「もっとあの人とちゃんと向き合ってればこうはなってなかったんじゃない?」



え、と思わず口から漏れる。彼女は彼が優しい人だと知っている数少ない人だった



セイウンスカイ「彼に全部押し付けることになったのも可哀想だよ~」



彼女は私が悪いのだと言っているのだ。理事長ですら私を責めなかったのにセイウンスカイが私が悪いと言ってくれている

「ううううう……っ」



セイウンスカイ「わ~~!泣かないでそんなつもりじゃなかった!」



この涙はそういう意味じゃない。私を加害者だと言ってくれたことが嬉しかった



私を悪いと言ってくれて救われたとも勘違いしてしまう。悪いとてくれることがどれだけ私にとって嬉しかったか



涙の理由がわからず狼狽える彼女の前で私は泣き続けた



下1~3
学園内やレースのイベント

セイウンスカイにも全てを話して事実を知ってもらった。私が泣きながら説明するので理解するまで時間はかかったが、自分の言いたいことは全て伝えた



セイウンスカイ「偏見は付き纏うけど頑張るしかないね~」



それが彼にできる罪滅ぼしだと信じて走るしかない。私の目標も応援してくれると言ってくれてとても嬉しかった




気分も晴れたから少しくらい授業に出ようかと思ったが既に午後になっている。トレーニングが始まっている時間なので明日以降に頑張ることにした



セイウンスカイには何度もお礼を言った。彼女は責めたのにお礼を言われることに戸惑っていたが最終的には受け入れてくれた

保健室を出てトレーニングに向かおうとした道中でBNWの三人とバッタリ会った



ビワハヤヒデ「君のトレーナーのことについて聞きたいことがある」



ナリタタイシンは私を睨むように凄んでいる。ウイニングチケットにもいつもの明るさは無い



この三人は私が倒れた時にトレーナーがどういう行動をとったのかを目の前で見ていた。彼が鬼畜なはずが無いと知ってくれていた



本当のトレーナーを知ってくれている人は存在する。それがわかって心がとても軽くなった



私が真実を伝えればこの三人も私を注意してくれるだろう。それが普通で当たり前なんだ



私は責められ怒られる度に心の雲が晴れていくのを感じた




下1~3
学園内やレースのイベント

ナリタタイシン「はぁ?何それ薬に手を出したアンタが全部悪いじゃん」



ナリタタイシン「あんな当たりのトレーナーそういないってのにバカじゃん」



ウイニングチケット「いい人なのに可哀想だよ~!!」



隠すことはないと全てを三人に話す。ナリタタイシンは呆れてしまいウイニングチケットは彼が可哀想だと泣いている



ビワハヤヒデ「そんな事情があったのか」



納得したようにうんうんと頷く。わけを聞くと彼が左遷で済んだのが甘過ぎると思っていたようだった



聞いていたことが全て事実ならトレーナーは地方でも同じことを繰り返す。この学園がそんな危険なことはしないと考えていた



だからこの話には裏があるとビワハヤヒデは考えていたみたいだった。彼女は自分の考えが合っていたことに納得していた




ビワハヤヒデ「過去はもう変えられない。重要なのは今後のキミ自身の行動による」



呆れもせず泣きもせず冷静にそう口にするビワハヤヒデ。この冷静さは絶対に私も身につけてなければいけない



呆れられてそこで終わればなにも残らない。BNWのような人たちからは常に学ぶことがあると彼は教えくれた

私は三人にこの話を他人に話してもいいと言った。予想外だったようでナリタタイシンはチラッとこっちを見た



「もう私は逃げません」



事実を知って罵倒する人がいるならそれも受け入れる。むしろそうなってくれた方がいい



トレーナーは悪くない絶対に悪くないのに!!



ビワハヤヒデ「落ち着くんだ」



そう言われて平穏を取り戻すが同時に鈍い痛みが手からしてくる。ああまたやってしまった



ビワハヤヒデ「激しい感情でレースに出るウマ娘は存在する。しかし君のは危険過ぎる」



私の激情は殺意のそれに等しい。目標を叶えるには感情のコントロールは必須だ

後日、私の感情は激しく揺さぶられることになる



G2のレースに出る新人の注目株として記者達が取材に来た。初めは断るつもりだったが○○トレーナーは取材の応対もウマ娘に必要だからと渋々受けることにした



記者「なるほどなるほど」



質問の殆どが当たり障りのない内容か私ではわからないものだった。トレーニングのことはトレーナーに聞いた方が早いのに



いくつかの質問のあとこの記者は言ってはいけないことを口にした



記者「劣悪なトレーナーとの件をどのようにして振り切ったんでしょうか?」



直接的な言葉は使っていないが彼がいかに酷いトレーナーかだったをこの記者は口にしやがった



彼のことなんか何も知らない癖にどの口が言ってるんだこのクズ



トレーナーは悪くない悪くない悪くない悪くない!!




下1~3
取材はどうなったか、もしくはその後のイベント

このゴミを潰そうと手を伸ばしかけた時に気付く。取材ということでカメラが回っている。私の行動が撮られてしまっている



トレーナーが見てしまうかもしれない、それだけは嫌だ!!



殺意を押し殺しどうすべきかを考える。カメラの前で真実を言えば彼のことをわかってくれるのではないか



きっとそうに決まっている、私がやるべきことはそれなんだ



記者に対して全てを語るといい真実を話す。悪いのは私であってトレーナーはなにも悪くなかった



涙を流すことはなく自分の言葉で全て伝えることなら私にもできる

記者「こりゃ酷く洗脳されてるな……」



私は真実を語ったのにこのクズ共は認めようとしない



記者「まだ彼と繋がりがあり脅されてるのではないんですか?」



もういいカメラなんか知らない、全員コロシテやる。まずはこの記者からだとターゲットを決めた時、後ろから誰かに抱きつかれた



ダイタクヘリオス「イェーーカメラじゃん映ってるぅ?」



メジロパーマー「こっちも映してよカメラさん!」



カメラの前にはハイテンションな二人が、私に抱きついてきたのはセイウンスカイだった



セイウンスカイ「一緒に遊ぼうよ~」



振り解こうとしても全く動かない。抱きついてきたのではなく拘束されいる状況に近かった



秋川やよい「その取材待った!!」



更には理事長も来て状況が混沌とし、取材どころでは無くなった

取材は理事長に許可を得ていないということで没になった。クズ共は許可を取っていたと言っていたそうだが、理事長が出していないと言えば出していない



取材の映像も没収となり学園が預かったと聞かされ、そして私は理事長に呼び出された



秋川やよい「メディアの前で勝手な発言は控えてるように!君の為にもそして地方に飛んだ彼の為にも!!」



「納得いきません」



秋川やよい「こんなことは彼は望まない!!」



学園は私が被害者になることを望んでいる。メディアも私が被害者であれば話が面白くなる



「クズが」



私の独り言は理事長には聞こえていたはずだが何も言われることはなかった





下1~3
学園内やレースでのイベント

メジロパーマーが接触してきた。事情をある程度セイウンスカイから聞いたらしく、真実を明らかにする為に手は貸してくれるらしい



メジロパーマー「メジロ家のコネを使えば可能だよ」




ただしそのためには実力が必要、GⅠで勝つことが条件になると言う。私の目標はG1に出ること、それ以上の結果を出さなければいけない



「やってやる」



今年中にG1を走るにはこれから出るレースに全部勝てばいい。入学してから一年以内にG1に出ることのハードルが高いことは嫌でも知ってる。芦毛の怪物レベルの走りしなくてはいけない



それでもやる、やってみせる。私は被害者なんかじゃないと自分の口で伝えるんだ

メジロマックイーン「一度身に付いた噂が消えることはありませんわよ」




彼は真実を知った人が貴女を批判することを嫌がる。何も知らない女が何を言ってるのかと一気に怒りが込み上げる



メジロパーマー「とりあえずスティクシュガーは置いといて話を聞かせてくれる?」



出されていた紅茶に添えられていたはずの砂糖を直で食べながら、トレーナーのことを言われたのにも腹が立った



口の中でジャリジャリと音をさせながら砂糖女は彼のことを語る



メジロマックイーン「彼とは一度仮契約した事があるから彼の性格は知ってますの」



実績は無かったがウマ娘のことを第一に考えるお手本のようなトレーナーだった。若さゆえの粗さを情熱でカバーできる素晴らしい人間である



それは私が一番知っているいつでも私のことを一番に考えてくれる彼が大好きだった



メジロマックイーン「そんな彼を裏切ったのは貴女ですのよ」



そう言われて返す言葉も無い

砂糖女としてはそのままトレーナーになって欲しかったが若さ故にメジロ家の許可が下りなかった。あと一年違えば彼はメジロ家専属のトレーナーにもなれていた



トレーナーが私と契約したと知った時は悔しくて仕方なかったとも言ってくる



メジロマックイーン「私が有マを制した暁には、メジロ家の力を使って彼を奪うつもりでしたのよ」



メジロパーマーがかなり驚いた表情をしている。こんなに感情を出す砂糖女が珍しいということなのだろう



メジロマックイーン「貴女は私の敵。よく覚えておきなさい」



どんな手を使ってでも潰す。そう言える立場なのにそうしなかったのは彼女がメジロマックイーンだからだろう



彼女の気持ちは私なんかでは理解できない。有マに出る為、勝つ為に努力していたのにそれを私に台無しにされたのだ



私が悪いというのならそれを訂正する義務がある。彼は悲しむかもしれないが理解してくれるはずだ



トレーナーは私のトレーナー。彼だけが私のトレーナーなのだ



下1~3
学園内やレースのイベント



寝ます


モブがクラウデイなら臨時トレーナーはヒバリかなと思ってます

メジロマックイーン「そもそも彼は貴女を守る為にわざと被った物でしょう?また今度も彼の意思を無視した自分の独善的な判断で、彼を引っ掻き回すつもりなんですのね」




砂糖女は明らかな敵意を向けてくる




メジロマックイーン「悪評の誤解を解いたところで貴女の自己満足に過ぎません」




自分の罪が少しでも軽くなったと思いたいだけ。こちらの核心を突いたような表情で言ってくるが私は動揺することはない




メジロマックイーン「貴女がもし本当に彼のためを思うなら、二度と彼に関わらずに忘れてしまうのが最善だと思いますわ」



コイツは何もわかってない。そう確信した私は笑みを浮かべながらこう言った



「彼とはたかが仮契約だったウマ娘は黙ってて」




向こうの感情が昂ったのがわかったので殴り合いで決着をつけようと立ち上がる。先輩だろうが関係ないと掴みかかってやろうとしたのをメジロパーマーに止められてしまった

なにかあれば報告する約束になっていたので臨時トレーナーに砂糖女とのことを話した



女トレーナー「メジロマックイーン……厄介なのに目付けられたわね」



アイツは長距離だけじゃなく中距離も得意だから必ず衝突すると言っているが関係ない。レースでぶつかるなら勝てばいいだけ



女トレーナー「彼がメジロと繋がりがあったなんて。想像以上に優秀な人材だったのね」




中央も惜しい人を手放したと言っているがそんなのは当たり前だ。理事長もそれがわかっているのに私なんかを優先させたんだ



彼が素晴らしいトレーナーだという真実を広めなければいけない。それができるのは私だけ



トレーナーの為なら私は二度と走れなくなってもいい。この覚悟はあの砂糖女にはない



たかが実家の為に走っている甘やかされている女とは全てが違う

やることは決まったのでこれからトレーニングの毎日だがその前に腹ごしらえ。学園内のカフェで軽食を食べる




甘いものは控えつつカロリーを抑えすぎない。トレーナーが全てにおいて一番だがこのカロリー計算は臨時トレーナーに教えてもらった



臨時トレーナーも現役の時にトレーナーから教えてもらっていたらしい。そこそこ昔の考えのはずだが今でもちゃんと有効だ



臨時トレーナーの怒った顔が見えた気がしたのでこのことを考えるのはやめる。もう結婚してていい年齢なのにまだ結婚できてないのも……



(あぁ?)



聞こえた、完全に私の心に臨時トレーナーの声が響いた。この話は二度と考えない



冷や汗をかき始めた所で同じ寮の子が慌てて駆け寄ってきた。その子の手にはスマホが握られていて、画面を見るように急かしてくる



○○とメジロ家令嬢のバトル勃発!!



よくあるSNSに私と砂糖女の写真が載っていた。あの時のやり取りを誰かが撮っていてそれがアップされたようだった



私は手を出しかけたがそれは向こうも同じだったようだ、興奮していたからわからなかった。むしろ砂糖女は私に殴りかかる寸前だった。



メジロパーマーが止めていなければ殴られていたのは私だったのだ



下1~3
学園内やレースのイベント

この投稿を見ているのは私だけじゃなかった



メジロマックイーン「学園内で収まってたはずの彼の悪評もこんな風に広まったんでしょうね」



遠くの席に座っていた砂糖女がわざわざ近付いてくる



メジロマックイーン「他の子ならまだしもこんな無名な脂肪の塊を庇うだなんて」



キレた私はここがカフェだということも忘れ大声をあげる



「黙れまな板女!!」



お互いに戦闘体制に入るがカフェの主であるマンハッタンカフェとメジロのウマ娘に止められる



メジロドーベル「二人とも冷静になりなさい!」



冷静になんかなれるはずがない。この女とは絶対に決着をつけなければいけない

会うたびに揉め事を起こしていてはキリがないと正論を言われ返す言葉もない。しかしこっちが譲る気は絶対にない



ならば現時点での格付けをして大人しくさせるのはどうか。メジロライアンからそう提案された



メジロライアン「レースはこっちで主催するから!」



誰にも邪魔されず決着をつけられるのは魅力的だが公正かどうかでまな板女は納得していない



負けるのが怖くて日和っているのかと思ったが状況を考えるとアイツの考えはわかる。G1で何勝もしている先輩が入学して一年目の後輩をレースでボコボコにしてしまえば悪評が立つ




悪評が立てば実家に悪影響。まな板女はそこまで考えている



「……は?」



私は舐められいるのか?違う物凄く舐められている



コイツは自分が勝つことが前提で公平じゃないと言い放っているのだ



実家のことを考える前に私のことを考えろ!!



私と話していたメジロライアンが目を離した隙にまな板女の方に駆け寄る



メジロライアン「マックイーン!」



まな板女の名前が呼び切られる前に私の拳が顔面に届く



下1~3
学園内やレースのイベント

217は無視。なんだコイツ



下1~3

まな板の顔面を殴った感触がない。私の拳はすんでのところでメジロパーマーに止められた




メジロパーマー「決着ならレースでつける!」



私にそう言っただけではなくこの女に対しても



メジロパーマー「メジロ家のことを気にするのならケンカなんて最初から売るな!」



とクギを刺す。そう言われ私はある程度納得できたので拳を下ろす。しかしまな板はまだ納得していない



メジロパーマー「そういうとこが私は嫌いなの!!」



同じメジロにまで嫌われるコイツはやはりそういう奴なんだ。こんな奴に私が負けるはずがない



この一件があってからメジロパーマーは私の味方をしてくれるようになった

メジロ家がレースを主催すると言っていたが私がG1を目指す上でスケジュールに余裕が無いことがわかった



勝負の舞台はG2でも構わないと思ったが臨時トレーナーに止められた



やはり殴り合いしかないと考えたがそれはメジロパーマーに止められてしまった



「ムカつく」



決着をつけるなら学園の模擬レースでも構わないのに、SNSで拡散されてしまったせいでそう簡単にはできない



下手に注目を浴びると決着をつけることすら難しい。これが走るウマ娘の宿命なのだと初めて意識した



やっていることは喧嘩でも私にとっては成長する糧になる。あの女も私の踏み台にしてやる



下1~3
学園内やレースのイベント

トレーナー「……もしもし」



メジロマックイーン「電話に出てくれて感謝致しますわ」



トレーナー「メジロ家のプライベートナンバーだから出ない訳にはいかないから」




メジロマックイーン「貴方とは話したいことが山ほどありますが今回は要点だけ。貴方をメジロ家で匿います」



メジロマックイーン「根も葉もない噂で貴方が傷付けられるのは耐えれません!」



マックイーンの叫びがトレーナーに響く。しかしトレーナーは動じることなく淡々と返す



トレーナー「僕を匿ったら君やメジロ家、彼女に迷惑が掛かるし噂が真実になってしまうよ」



メジロマックイーン「貴方は!!」



このままでは感情に任せて口を開く。それだけはしていけないと自分を制し冷静を装いながら電話を続ける




メジロマックイーン「そこまでして私たちを庇う理由はなんなんですか」




トレーナー「トレーナーだからだよ」



自分のことよりウマ娘を優先するのがトレーナー。走って結果を出し脚光を浴びるのはウマ娘だとトレーナーは言う

今回の騒動もSNSに載せられ、彼女だけでなくマックイーンもトレーナーと関わりを持っていたことが知られた



トレーナーはウマ娘を誑かし洗脳するトレーナーだと記事も書かれ更に評判が落ちた



そこから考えられる結末は容易に想像できる。決してそうであって欲しくないと希望を込めてマックイーンはトレーナーに聞く



メジロマックイーン「いまどこにいるのかしら」



トレーナー「それはちょっと言えないかな」



あああっ!!



トレーナーが聞いていることが頭から抜けているのか大声で叫ぶ。あんな記事が出てしまえば地方のトレセン学園にも在籍することは難しいだろう



彼はトレーナーという職を失った



メジロマックイーン「どうしてなの!?貴方はなにも悪くないのに!!」



トレーナー「これでよかったんだよ」



よくない!!マックイーンはそう叫ぶが彼は全てを受け入れていた




トレーナー「彼女とマックイーンの活躍を心から応援してるよ」




そこで電話は切られた。かけ直しても彼が二度と出ることは無いとマックイーンは知っている



メジロマックイーン「絶対に……許さない……」




限りなく殺意に近い敵意が彼女に向けられる




下1~3
学園内やレースのイベント

G1を目指しつつ奴に勝つトレーニングが必要。スタミナトレーニングを重点的に行うことになった



中距離ではなく奴が得意な長距離で負かしてやる。私の気持ちを伝えると、普段のトレーニングに加え追加のを考えてくれた



ハルウララ「あっ、○○ちゃんだ~!」



トレーニング中にいきなり抱きつかれた。誰かと確認するとハルウララが気持ち良さそうにしている




ハルウララ「○○ちゃん柔らかい!マシュマロみたい!」




私を抱き枕のように抱き締めてくる。マシュマロと言われるのはどうなのか?そう考えていると一緒にいたキングヘイローがじっとこちらを見ていることに気付く



キングヘイロー「た、確かにキング級よね…」



彼女が見ているのは胸のことだろう。試しに上下させてみると彼女の息を呑むのがわかった

よほど抱き心地がよかったのかまた抱き着かせて欲しいとハルウララは言ってきた。そのお礼に長距離が得意な子を紹介するからと言われ私はその条件を呑んだ




ライスシャワー「えっと……ううう」




ハルウララに紹介されて来たはずのライスシャワーはおどおどしていて話にならない。後輩である私にビビるはずは無いと思うのだが




ライスシャワー「どうしよう……」



そう言われてもこちらからはどうしようも無い。とにかく話を聞いてみるしかない



ライスシャワー「ごめんなさい……」



コイツはあの女と知り合いでトレーナーのことを知っていると言う。彼が世間から悪役扱いされてる姿に親近感を覚えていたとまで言いやがった



「お前も敵か」



敵ではないが味方をすることもできない。コイツは弱気に見えるが強い芯を感じる。あの女よりは出来る奴だ




コイツはあの女なんかよりも強い。喧嘩になっても勝てる気がしない



敵を増やすことは得策ではないのでコイツとはここまでの付き合いだ。コツは聞けなかったがその分努力で補えば良い



下1~3
学園内やレースのイベント

タイキシャトル「長距離が得意な人知ってマース!!」



バーベキュー女が私の話を聞きつけたようで三人も紹介してくれた。スーパークリーク、タマモクロス、イナリワンというかなり豪華な面子に驚いた



この三人の走りは一流。説明下手だというイナリワンでも走りを見るだけでかなり勉強になった



「走りながらスタミナを回復……そんな技術があったなんて」



他にも長距離でのコーナーのコツを教わることができた。差しで走るなら必須とも言える技術も教えてもらえた




タマモクロス「チッ」



タマモクロスはずっと機嫌が悪い。コイツもライスシャワーと同類かと警戒したがそうでは無いらしい



タマモクロス「なんやこれイジメか?」



まな板女よりも更に無い。地面のような胸はそうそう見ない



タマモクロス「じろじろ見てんなやデカ乳!!」



気に障ったのか強めに胸を叩かれるがその反動でタマモクロスは転んでしまう



タマモクロス「なんでやねん……」



力のない突っ込みが空に響いた

彼女がタマモクロスたちとトレーニングをしている時、フジキセキは寮で一人悩んでいた



フジキセキ「ドンドン歪んでいく彼女が心配だ」



彼女にとってトレーナーはそんなに大きい存在だったのか。フジキセキから見た二人は仲は悪くはなかったが良好ともいえなかった



それがどうだろうか二人が別れるとなってから彼女は異常なまでに固執するようになったのではないか



フジキセキ「調べる価値はあるかもしれないね」



世間で彼は鬼畜トレーナーだと言われているがそれは噂が広まった結果だ。クスリで彼好みの体にさせたことは間違っている



本当に洗脳は無かったのか?アグネスタキオンのドーピング以外にも薬を持っていたのではないのか?



寮長としての直感がこれは単純な話ではないと告げている



下1~3
学園内や外でのイベント






学生だしモラルガバガバだと思う。モブであればあるほどリテラシーも低いはず
ライブでバックダンサーしかできないモブはストレス抱えまくってるから晒しは憂さ晴らしもある

なんで主人公が性格悪くなったのかとマックイーンがこうなった理由は一応考えてある
見てる側が納得するかは別の話だけど
あとマックイーンのは恋心じゃなくて別の感情

寮長であることの人脈を活かし彼のことを詳しく調べたみたが、結果は納得のいくものではなかった



「大人しい人だった」



「目立たなかったが仕事熱心なトレーナーだった」




どれもこれもありきたりなことばかりで特別な話は聞けなった



「女性トレーナーにサラシの事聞いてた」



「噂が流れる前廊下で二人が揉めてたような気がする」



こんな話も聞けたが洗脳や薬など自分が予想したものと結び付ける証言は出てこなかった



彼に問題が無いのなら違うアプローチから考えるしかない

フジキセキ「これしかない」



メジロマックイーンと○○の話は集めやすかった。噂で誇大されているものが多かったがそれらを除いて推測を立てることはできる




フジキセキ「ここまで考えていたなんて」



自分の考えが合っているのならトレーナーには恐怖さえ覚える。そんなことを考えてもやろうと思う人間は居ない



洗脳は無かったが単純な話でもなかった。フジキセキが寮長を務めるようになってからこんなトレーナーは見たこともない



安心できるのは彼が既にトレーナーという職を失ったこと。メジロマックイーンたちと彼が会うことも無ければここに来ることもない



彼女たちが真実を知ったときどうなるかフジキセキでも予想はできない




下1~3
学園内、外かレースのイベント

アグネスタキオン「○○くんの元トレーナーを聞き回ってるようだねぇ」




協力してくれるのかとフジキセキが聞くがどうだろうと濁す。わざわざ会いにきて意味がないわけがない




フジキセキ「取引ということかい?」



睨み付けながらそう言うがタキオンは否定する




アグネスタキオン「答え合わせといこうじゃないか」




アグネスタキオンは全てを知っているのか。その疑問を知る為には彼女と話すしかない

フジキセキは絶句するしかなかった。自分の予想が当たってしまったことにショックを受けている



アグネスタキオン「彼と私は最初から組んでいたのさ」



タキオンがクスリという甘い餌をチラつかせれば○○は間違いなく飛び付く。トレーナーは彼女に一線を超えるよう仕掛けた



なぜそんなことをしたのか。答えは単純で○○の為でしかない



彼女は走る理由が無い。中央を熱望していたわけではなく、なんとなく受験したら受かっただけだ



「彼女には芯が無いんだ」



彼はタキオンにそう言った。限界を超えるような力を出せるほど走る動機もない彼女は数年したら中央を辞めてしまう



それはあまりに惜しい。自分が犠牲になれば彼女は走る理由ができると彼は考えていた

マックイーンも○○と理由は似ている。メジロ家の為だけに走る彼女は限界を超える力を出せない



敵意ではなく嫉妬や殺意のような強い力が無ければマックイーンの花は咲かない



フジキセキ「ふざけている……」



やっとのことで出てきた言葉がそれだった。彼はここまでの絵を描いていて全てがその通りに運んでいる



彼は一体何者なのか?



アグネスタキオン「彼はトレーナーだよ」



『一流の』と付けなかったのは彼の思考が危険過ぎるからだろう



下1~3
学園内外やレースのイベント

アグネスタキオン「彼には実験台になって貰ったり、身の回りを世話して貰ったよぉ」



○○君のトレーナーじゃなかったら私のモルモットになって欲しかった。そう言うタキオンの話はフジキセキには聞こえない



普通のトレーナーは自分の利益や栄光、お金の為にウマ娘をトレーニングする。自分の事も顧みずウマ娘を鍛えようとする彼は異常だ




「なんの話してる……トレーナーの話?」



刺されたような衝撃がフジキセキに走る。虚ろな目をしてる彼女の存在に気付くことができなかった



こんなに近くで彼女の顔を見るのは久しぶりだ。よく見てみると目や表情が曇りきっている



彼女は危険だ、本能がそう叫んでいる

そんな荒んだ感情での勝ち負けは流血沙汰に繋がりかねない。マックイーンはともかくとして○○だ



どうにか臨時トレーナーに連絡してメンタルの改善を図らなければならない。死人が出てからでは遅い




残念ながら罪を犯してしまうウマ娘は過去に存在した。狂気に満ちたあの目と○○の目は似ている



「トレーナー……」



虚空を見つめそう嘆く彼女を見ていると時間が無いことがわかる。導火線に火がつけばあっという間に爆発してしまう




下1~3
学園内外やレースのイベント

フジキセキからの連絡を受け彼女は事実を飲み込めないでいた。そんなことができる人間は狂気がなければ不可能なのだ



ヒバリ「彼の事を忘れろなんて言えない」



言ってしまえば彼女に自分も敵だと認識されてしまう。そうなれば彼女を止められる人物が存在しなくなる



とりあえず次に出るG2の話をリモートで話してみて様子を伺う。正気が残っていなければ然るべく措置が必要だ



施設に入れられてしまえば彼女は走れなくなる。それでも彼女を犯罪者にすることだけは絶対に回避する



どうかいつも通りでありますようにと祈りを込め通話ボタンを押す

彼女との通話は無事に終わった。目の曇りは増していたが正気は保てているようだった



彼女の精神状態を考えると直接彼女をケアしてくれる新しいトレーナーが必要なのではないか



もし何かあった時に対応できるよう自分と同じウマ娘のトレーナーであれば最高だ



ヒバリ「そんな知り合い居ないわよ」



頭を抱え悩んでも最適解がわからない。オンラインでの心のケアが万全に出来る保証がない



ヒバリ「どう転んでも最悪の結果が待ってる」




今年中にG1を目指している彼女に入院を勧めれば暴れ回る。このまま心がケアされなければ近いうちに爆発する。またマックイーンと喧嘩になったら次は怪我人が出る




自分の選択が彼女を生かすのか殺すのかを決めてしまうのだ



下1~3
学園内外、レースのイベント



体調悪



今日は無理かもしれない

所属サークルのノルマがやばいので今日も無し

10月って31日まであるねん
30日までやなかったわ

ヒバリとの会話を終えると○○はすぐに横になる。明日はG2で負けられないレースだ



今回のレースにはダイワスカーレットやウオッカといった強豪も出てくる。実力が無ければ勝てない相手が揃っている




トレーニングに妥協は無く不安は無い、あとは調子を好調に保つだけ。こればかりは本人次第になってしまう



「アレを出してこよう」



何重にも重ねられた袋の中に入っていたのはサラシ。トレーナーから貰ったサラシを抱きしめてベッドに横になる



匂いを嗅いでも自分の匂いしか感じられない。だがほんの微かにトレーナーのことを感じることができた



「トレーナー」



恍惚としたのは一瞬。これの替えはもうこの世に存在しないので再び厳重にしまいこむ




このサラシは持って年内だということは彼女も理解している。これがなくなれば好調を保って走ることは不可能に近い




G1で勝つ為にはG1に出る権利を得なくてはならない。彼女にとって妥協は許されない

レース当日、彼女は好調を維持したままパドックに立っていた



ヒバリとのミーティングも終わらせてあとは全力でレースに挑むだけ。トレーナーの為にも負けられないレース



ダイワスカーレット「ーー!」



ウオッカ「ーーっ!」



隣で二人が言い争っているがその声は聞こえていない。枠順は彼女の右にスカーレット、左にウオッカ



うるさい二人に挟まれていても彼女の集中は途切れない




私はこんな所で負けていられない。彼女の気持ちが体から溢れている



下1~3
レースやその後のイベント



G2とは思えない強豪が揃ったこのレース。結果は誰も想像できないものになった



ダイワスカーレットが先行しウオッカが差してくる。トップ争いは見慣れたこの二人だと思われたが今日は違った



スカーレットとウオッカを追うもう一人のウマ娘○○が差してきた。いち早く彼女に気付いたウオッカがブロックしようとするが力負けてしまう



ウオッカ「マジかよ!」



その勢いのまま先頭のスカーレットも差し切る。スカーレットは負けたことよりもウオッカ以外に差されたことに衝撃を受けていた




○○は鬼畜トレーナーの被害者ウマ娘としか思われてなかった。彼女に実力があるとは誰も想像できなかった



このところG3では勝っていたがG1に比べると勝ちの意味は低い。今日のレースもG2だったが彼女はスカーレットとウオッカに勝った



彼女はただの被害者ではない。このレースでそれを証明することになった

あんなレースのあとのライブなので盛り上がって当然だった。なかでも今日は異常な盛り上がりだったと言える



ダイワスカーレット「本当、男ってバカばっかよね」



一着の○○と二着のスカーレット。四つの山が揺れるその光景は幸せ溢れるものに違いなかった



ウオッカ「俺たちと勝負ができる奴が現れるとはな!これってアレ以来だよな?」



ダイワスカーレット「やめなさいよ!」



悪かったとウオッカがバツの悪そうな顔をする。本来ならもう一人ここにライバルが居た。彼女は先に彼方にいってしまったがその走りは誰も忘れていない




ウオッカ「アイツの代わりって言っちゃなんだがお前もライバルだな!」



ダイワスカーレット「もうとっくに帰ってるわよ」



○○はライブが終わるとすぐに荷物をまとめて帰ってしまっていた。帰路に着きながら今日のレースの出来をヒバリに報告する



下1~3
このまま続きか学園内外でのイベント

その頃研究室ではアグネスタキオンがレース中継を見ていた



アグネスタキオン「君が犠牲になる事で○○君の花が咲いたねぇ。全て君の思惑通りじゃないか」



彼女がG2で勝つなんて前じゃありえない光景だと誰かと連絡を取っている。その相手はトレーナーだ



トレーナー「彼女が走る理由を見つけられたならそれでいいんだ」



自分を犠牲にするくらい安いものだと冷静に言い切る。このトレーナーの態度にタキオンは目を輝かせる



アグネスタキオン「その自己犠牲の精神は素晴らしいモルモットとして生きる気はないかい?」




トレーナー「どうだろう考えておくよ」



仕事と金は同じものと考えていい。彼は金を投げ打ってまで○○という大輪を咲かせようとしている



花は一輪だけではなくマックイーンという花も咲かせるつもりだ。彼ほど献身という言葉が似合う人物は居ない



アグネスタキオン「常に人体実験ができるのは素晴らしい」



トレーナーがどこでなにをしているのかは知らないが金に困っているのは間違いない。その気になれば彼は金で買える先に手を打っておいて損はないとタキオンは動きはじめる

○○から一着になったと連絡を受けたヒバリ。嬉しいが複雑な感情を抱いてしまう



ヒバリ「これが本当に彼がやりたかった事なの?」



自分の人生を犠牲にし彼女の精神を壊してでも彼女を走らせたかったのだろうか?そこまで彼女を一着にしたかったのか?本当に彼はフジキセキが言っていた人物なのか?



以前会った時は裏がある人間だったとは思えないと悩むヒバリ。悪役になって彼女を救おうとする善良なトレーナーにはどうしても思えなくなっていた。




ヒバリ「ここから先は私の仕事ね」



トレーナーの目的はわかった次は彼がどんな人物なのかを知る必要がある。人前で平気で嘘が言える人間が善であるはずがない



彼女のトレーナーは今は私なのだとヒバリは意気込む



下1~3
学園内外やレースのイベント

トレーナーのもとに電話がかかってくる。いつも通り無視しようとしたが番号を見て出ることに決めた



トレーナー「あの時以来ですねヒバリさん」




どうやってこの番号を教えてもらったのかを尋ねるとヒバリはタキオンから教わったと答える



トレーナー「こっちの端末はプライベート用なんだ」



登録されているのはごく僅かな人物のみ。それ以外の着信に出ることはないが今回は特別らしい




トレーナー「答え合わせをしたいんですよね」



タキオンと同じようなセリフを吐きながら悪びれる様子もなく応える。ヒバリは自身の仮説をトレーナーに全てぶつけた

タキオンはトレーナーは悪人ではないが善人でもないと言っていた。その意味がよくわかるとヒバリは彼の話を聞きながら思っていた




ヒバリ「何故そんな事をしたの?どうして彼女を壊したのよ!?」



トレーナー「だって、走るのが一着になるのがウマ娘の喜びでしょ?それに彼女はもうすぐ僕の事なんか忘れる」



走る楽しさ勝つ喜びに気付くから自分のことなんか忘れると言い切る。電話の向こうでトレーナーがニコニコ笑っているのが嫌でもわかる




こんな恐怖は現役時代の時でも感じたことは無い。同じ人間だと思えないくらい頭がおかしい



トレーナー「彼女は今年の有馬で勝つ。そうしたら事件の真実を公表しようだなんて思えないよ」



なにより周りがそうさせないし。そう言われまさかと頭を抱える



ヒバリ「学園もグルだっていうの!?」



トレーナー「理事長には話を通してあるから」



ウマ娘のことを第一に考えるのがトレセン学園。確かな才能を持ちながら散っていくウマ娘がどれだけいただろう



トレーナーと二人三脚で頂を目指すのが理想。しかし現実は理想だけでは回らない



トレーナー「覚醒したマックイーンとルーキーの○○。かつてシンボリルドルフの独壇場に沸いたあの時の盛り上がりを学園は欲しいんだ」



彼女たちは無理矢理磨かれ星として生きていかされるよう仕組まれていた



下1~3
学園内外やレースのイベント

変なレスあったら下3の範囲外でもどんどん書いといて

トレーナー「さっき、彼女を壊したと言ってましたが壊れてませんよ。だって貴女がいるじゃないですか」



ヒバリがいれば彼女はこれ以上壊れない。○○とヒバリは信頼関係にあるとトレーナーは言う




その言葉に偽りは感じなかった、彼女はヒバリを信頼しているという確信はある。だからこそヒバリは恐怖を感じる



もし彼女のケアに失敗して彼女が壊れてしまえば彼(異常者)に何をされるか分からない




ヒバリ「彼女が真実を知ったら貴方を恨むわよ」



トレーナー「それでも全然構わないし、むしろそうなって欲しい」



自分が恨みの対象になれば見返す為に走るはず。自分はお金も栄光もいらないただ彼女達が輝く姿が見たいだけで手段や方法は問題じゃない



それを聞き思わず電話を切る。これ以上会話を続ける気持ちにはなれなかった



彼女が走りを辞める選択をしない限り彼や学園の思惑通り。彼女が走りを辞めたら自分がどうなるかわからない



ヒバリ「わかっててやってるわね」



貴女は僕のように自分を犠牲にすることは無理ですよね?トレーナーがそう言っているようにしか聞こえない

冷や汗をかくヒバリとは対象的にタキオンは上機嫌だ



アグネスタキオン「彼は中々素晴らしいだろう?早く私のモルモットになって欲しいねぇ」



彼がウマ娘を誑かすトレーナーという評判は間違ってないかも知れない。○○やマックイーンやタキオンだけではなくライスシャワーも興味を示していた



ナリタタイシンは彼を当たりのトレーナーだと言いセイウンスカイも担当になって欲しいと言っていたらしい



ウマ娘が人間に恐怖を覚える瞬間は少ない。武器を構えていてもナイフくらいなら楽に無効化できてしまう




トレーナーからは底知れぬ恐怖を感じる。向こうの思惑通りにならなければ殺されるとまで考える



この感情は間違ってない。確証は無かったがヒバリは確信していた



下1~3
学園内外やレースのイベント

なんとかスケジュールを合わせヒバリは○○と直接会って話をしていた



「いい走りができた」



トレーナーの言う通りこの勝ちで情緒が安定したようで普通に会話ができている。



自分に見せてくれた彼の笑顔や言葉は嘘だったのかと自問自答する。あれも嘘偽りない本性なのだろうか。もしかすると彼に最初から裏表は存在しない。優しい姿も先程のサイコな姿もどっちも本性なのだろうという結論に至る



「どうしたの?」



難しい顔をして考え込んでいるのを心配されてしまう。なんでもないからと遇らうと○○は出たいレースがあると言い出した

アグネスタキオン「ふぅン次は長距離か」



二人の会話を盗聴していたタキオンはこの事をトレーナーに知らせる。すぐに返信があり彼は行動を開始する



アグネスタキオン「こうやって貸しを作る所からだねぇ」



コソコソと盗聴するのは自分の信条からは外れるが目的の為なら手段は選んでいられない



実験の為なら命を削ってくれるモルモットが手に入るのなら安いもの




アグネスタキオン「その時が愉しみで仕方ないよ!」



致死量ギリギリの毒を盛られたら血流はどうなる?目を潰せば神経はどうなる?



タキオンが知りたいデータはまだこの世界に存在しない

トレセン学園近くの廃屋にライスシャワーは居た



トレーナー「次に彼女が出るレースに君も出て欲しいんだ」



ここに案内したのはトレーナー。彼女には専属のトレーナーが居ないので出るレースはライスが決められる



トレーナー「彼女を負かしても構わないよ勝っても負けても君と走れば彼女の闘争心はより沸くはずだから」




ライスシャワー「うん!」



頑張るからねお兄さまとトレーナーに恍惚な表情を見せるライス。彼女はすっかり彼のことを信頼してしまっている




彼女は心に傷を負っていた。ミホノブルボンの三冠を阻止した時の罵声が頭からこびり付いて離れない



その傷を彼なら理解してくれる、自分と同じヒールだから



ライスの想いはある種の盲信と同じだ




下1~3
学園内外やレースのイベント

この人なら自分の心の痛みがわかってくれると確信し彼に打ち明ける。トレーナーは何も言わずライスの言葉を全て受け止める



トレーナー「菊花賞一着おめでとう、ライスシャワー。君はすごいウマ娘だ」



彼女の頭を撫でて一着になったライスを褒める。あのレースで褒められる事なかった一着を褒められ心が救われるような錯覚に陥る



ライスシャワー「お兄様、ライスのトレーナーになって欲しい」



ライスの頼みに応えたいが今の自分にはトレーナー免許が無い。でもここに来ればトレーニングをすると彼は提案する



ライスシャワー「ライス頑張るから!」



ライスシャワーを丸め込むトレーナー。彼女を心配する優しさと利用したい感情が混ざり合っている



トレーナー(彼女の活躍はシナリオには入っていない。僕の好きにしてもいいんだよね)



学園の盛り上がりに使われるのは○○とマックイーン。ゴールへと導く為に修正プランはいくつも用意してあるが、そのどれにもライスは関係ない



トレーナー(ひょっとしたら彼女は使えるのかもしれない)



自分がアグネスタキオンのターゲットになっていることは知っている。彼女に借りを作るのもシナリオ通り



しかしライスを使えばタキオンから離れられるかもしれない



トレーナー(タキオンもヒトのもの手を出さないよね)



喜ぶライスをそっと抱き寄せるトレーナー。彼女は拒否することなく身体を彼に預ける

○○が、G2の長距離に出場が決まる。このレースに勝てばG1への出走権が得られるはずで今回のレースには猛者は出ない



ヒバリはそう考えていたのだが出馬するウマ娘の中にライスシャワーを見つけ驚いた



ヒバリ「何故今更彼女がG2に?」



去年の菊花賞の走りは見事だったあんな走りができるのなら舞台はG1でいいはず



ミホノブルボンの件で精神を病んだとも聞くがレースには出ていた。調整の為に出るとしか考えられないが、このレースである必要性は全くない



ヒバリ「作為的なものを感じるけど証拠がない」



ライスにトレーナーはついていないがアドバイザーなら居てもおかしくない。○○の邪魔をするよう命令された?



ヒバリ「ただの考え過ぎかしら」



トレーナーのことで少し疲れたかもしれない。なんでもかんでも彼に結び付けても疲労の元なので深く考えることは止めた



相手が誰でも勝つしかない。次のレースはG1を目指す上で負けられないことは変わらないのだから



下1~3
学園内外かレースのイベント



真実を彼女に言うべきかヒバリは悩む。そもぞも言ったとして彼女は信じないだろう



仮に信じて彼を憎んでもそれもはや学園の思惑通り。そもそも今の彼女は真実を知っても彼を憎むだろうか



自分に走るきっかけをくれたと感謝しかねない。どう転んでもトレーナーや理事長のいいようになる



○○は活躍することを仕組まれたのだ、この策略から逃げることはほぼ不可能



自分に出来るのは彼女のメンタルをケアして最適なトレーニングするだけ。それさえできなければ自分は消される
 



ヒバリ「いいようにはさせないわよ」




このままなにもかも思惑通りにいかせるわけにはいかない。何か最善の策があると頭を働かせる

ライスシャワー「……」



学園の隅でライスは一人SNSを見ていた。そこには○○のことが書かれている。次に出るG2の長距離レースのことで注目を集めていた




次はネットの掲示板を見る。そのレースに自分が出ることでヘイトを集めていた



『コイツまたかよ』


『自分たちが注目してる娘の邪魔ばかりするな』



『消えろ疫病神』



胸がズキズキと痛むやはり自分の走りは誰にも歓迎されなていないと悪い方にばかり思考が向く



しかし今日はその痛みがすぐに治まり代わりにトレーナーのことが頭に浮かぶ



ライスシャワー「見ていてねお兄さま」



彼は自分を受け入れてくれた。そのことがライスの心の大きな支えになっている



下1~3
学園内外やレースのイベント

トレーナー「頑張ってねライス」



廃屋でライスのトレーニングについて話していた。事細かに記されたメニューをライスは大事そうに抱えている



彼女の強みはレースにかける勝利への執念。実力の自負は人一倍強くどのウマ娘よりも精神力が素晴らしい



あれだけのブーイングを受けて少し落ち込む程度で済んでいるのは彼女だからだろう



精神は肉体を超越する、それは正に彼女の事だ



トレーナー(興味深いな)




学園が欲してるのは○○とマックイーンいう星なら彼女は自分が貰っても構わないと決断するトレーナー



この才能を潰してしまうのは勿体無いと思うのは普通だ



ライスシャワー「あのねお兄さま次のレースに勝ったら……」



プライベートでも彼女を自分の物にしてしまうのも有りだろう。トレーナーはそうも考えていた

ミホノブルボン「ライスさんの情報が欲しいと言うんですね」



ライスシャワーのライバルであり三冠を阻止した相手のブルボンの所に○○は居た



ブルボンは心の中でレオタード女と呼ぶだけの存在だったが、ライスのことは彼女に聞くしかない



ミホノブルボン「それを教えてどうなるというのでしょう」



自分に得が無いから教えるつもりは無いという態度を示すブルボン。菊花賞の敵討ちをすると言える関係でもない



「教えて下さい」



勝ちたいからそのヒントが欲しいと頭を下げることしかできない。交渉できるだけの材料をなにも持っていない



万が一身体を差し出せと言われても有益な情報なら受け入れるしかない。純血を捧げるに足る情報は欲しい



映像だけではわからないライスの強さ、怖さを○○は知りたい



下1~3
ブルボンか学園内外のイベント

337は無視で
なんか人少ない?

ミホノブルボン「ライスさんは普段とレースの雰囲気は全然違います。貴女は飲まれてしまうのではないでしょうか」




純粋にライスシャワーという壁は高いとブルボンは告げる。三冠を掴みかけたウマ娘が言うのだから間違いはない




ミホノブルボン「それとライスさんは精神力が人一倍強いです」



それ以上教えるのはフェアじゃなくなる。そう言われ○○も納得し引き下がる



スカーレットとウオッカは自分の持っているものを出せば勝てる相手だったがライスシャワーは違う



持っているものも負けているしレースの経験でも負けている



努力以外にも必要なことがあると○○はヒバリに相談することに決めた

ブルボンは○○と別れたあとライスの行動に意味はあるのかと考えていた



強豪ウマ娘も走らず言っては悪いが無名しか出ないレースに出走する意味は無いように思える



○○と戦ってみたいからという理由くらいしか思いつかないがライスは彼女を意識している話は聞かない



長距離は調整で走るレースには向かない。ライスの行動をブルボンはどうやっても正当化できない



ミホノブルボン「ひょっとしてライスさんが最近嬉しそうなのが関係しているのでしょうか」



ライスの目はかつての輝きを取り戻しただけでなくそれ以上に光っているがレースに出る為の光ではない



まさか男だろうか?ライスの性格を考えればあり得るかもしれない



ライスを利用しようとする輩がいるなら排除しなければいけない。それが自分の役目だとブルボンは確信している



下1~3
学園内外、レースのイベント

ブルボンは直感を頼りにライスの跡を付けると廃墟で彼女が男がトレーニングをしている現場を見つける



よく見るとその男は鬼畜トレーナーとして追放された○○のトレーナー



ミホノブルボン「ライスさんが危ない!」



助けなければとその場に飛び込もうとしたが様子がおかしい。廃屋という場所にも関わらず質の良いトレーニングをしているように見える



ライスが嫌がっている様子もないがあの男の評判はすこぶる悪い。何かあってからじゃ遅いので自分が対象する



ライスが帰宅するのをじっと待ちトレーナーを排除することを決める

ミホノブルボン「ライスさんに近づくな!」



トレーナーに掴み掛かるが男は全く動揺しない。それどころか恐怖も感じていないようだった



トレーナー「掴むなら胸ぐらより首を掴んだ方が良いですよ」



ブルボンが掴んだ手を自らの首に添えるトレーナー。その表情はニコニコと笑顔を浮かべている



ミホノブルボン「ひ……!」



圧倒的有利なはずの自分が怯えているこの男は何者なのだ?なぜ自分は恐怖を感じているのか



訳もわからずトレーナーから手を離し後退る。彼はこうなることがわかっていたかのように笑顔のままだ



トレーナー「もう行っていいかな?」



待て!心ではそう言っているが言葉にすることができない。もう一度掴みかかる気になれない



トレーナー「さよなら」



笑顔を崩さぬままトレーナーはこの場を去っていった



下1~3
学園内外やレースのイベント

後日、トレーナーとライスの廃屋トレーニングにブルボンも参加していた



トレーナーからライスを守る為に参加したのだが当のライスは不服の様子を見せる



ライスシャワー「ライスだけのお兄さまなのに」



その様子を見たトレーナーは二人の方が効率いいトレーニング出来るとライスを言い包める



ライスはレースが迫っているのでここからは調整だとトレーニングを切り上げ、ブルボンにある紙を渡す



それはブルボンのトレーニング表なのだが僅か数日で組まれたとは思えないくらい密度の濃いものだった



まるでこうなる事が分かっていたのだろうか、ブルボンは今一度彼への警戒を続ける



トレーナー(そろそろ部屋に呼んでみようかな)



トレーナーもライスを自分のものにする為に動き出す。どれだけブルボンに邪魔されても調整という言葉を使えばいくらでもライスと二人の時間を作れる

その頃○○とヒバリはライス対策のミーティングを行っていた



実力も経験も負けているのはヒバリも知っているが勝てないというわけでは無い



先行で走るライスシャワーに対して差しは有効。一定の距離を保ちつつ最終コーナーで仕掛けるしか勝ち目が無い



ヒバリ「離され過ぎてたり前が固まってたら負けと思うしかない」



少ないチャンスに全てをかけるしか勝機が無い。それほどライスシャワーの走りは強い



「勝ち目があるなら最後まで頑張る」



○○も目の曇りが晴れつつあり以前のような危なさは感じられない。チャンスが殆ど無いからと言って折れることもない




ヒバリは悩み答えを急がなければと焦る。彼女をこのまま星にしてしまって本当に良いのだろうか



下1~3
学園内外やレースのイベント




下1~3

遂にG2が開幕する。○○はゲートが狭く感じ不快そうにしているが身長と胸のせいでそう感じるだけ



気持ちを切り替えなければ出遅れてしまうと一度冷静になる。すると観客席から声が耳に入ってくる



「三冠阻止の次はルーキー潰しかよ」



「ライスシャワーはヒール路線に切り替えたのか」



観客の興味はライスに向いている。自分もおかしいと思っていたがやはり彼女のような実力者がこのレースに出る意味がわからない



自分を潰そうとしているというのは間違っていないかもしれない。すると別の観客の声も聞こえてくる



「○○はクズトレーナーから離れてからは調子良さそうだ」



こいつらはまだトレーナーを……感情が曇りかけたが隣のゲートから異様なものを感じる



ライスシャワー「……」



ライスシャワーが明らかにキレているのがわかる、怒りで目から青い炎が飛び出ているようにも見える



限界を超えた時や怒りが頂点に達するとオーラのようなものが見える時がある。彼女はそれくらいキレているのか



長時間考える暇はなく間もなくゲートが開く。今はレースに集中しなければならない

レースは予想していた通りに運び○○はライスに次ぐ二番手で走っている



間も無く最終コーナー。ヒバリの言う通りここで仕掛けるがそれよりも早くライスがスパートをかける



ライスシャワー「貴女には負けない」



小さな声でそう呟くと○○を引き離していく。スパートをかける○○よりも速く走る



最後の直線は彼女だけが走っていた、○○はどうやっても追いつけない




鬼気迫る走りに観客も圧倒されるだけで罵倒すら出てこない



ライスシャワーは大差で○○を離して一着、○○は二着という結果になった




下1~3
レース後のイベント

控え室ではヒバリはやはりライスシャワーがこのレースに出るなんておかしいと考えていると、ライブ準備で一度○○が戻ってきた



「負けた……悔しい……次は勝つ…」



彼女の瞳にトレーナーの姿はもう存在しない、勝てずに悔しい思いをする純粋なウマ娘になっていた



今の彼女なら大丈夫と真実を告げることを決意し、トレーナーと学園の思惑を伝える



「プールで助けてくれたり徹夜でトレーニングを考えてくれたり保健室で看病してくれた事は偽りじゃない」



だから彼を恨まない。ヒバリもそこは否定しなかった、その行動は彼の紛れもない本心だろう



自分が持ち上げられることに対しても嫌悪を感じていないようだ



「私はレースで勝つだけだから」



学園の思惑も自分には関係ない、ただ走るだけだと彼女は言う。彼の言う通りの展開になっている



彼女がやる気になるのは喜ばしいが学園とトレーナーへの不信感をヒバリは拭えない

廃屋ではトレーナーが流石ライスだと褒めていた



トレーナー「君は僕のヒーローだよ」



抱き締めながら頭を撫で優しく褒め称えられライスはウットリとしている



この結果は主人公はよりレースに対する闘争心が湧くだろうと彼は考えていた。今回のレースで三着以内だあれば○○はG1へ出走することができる



彼女の着順は二着、次からは舞台はG1になる。そこで○○とマックイーンの対決でレースはもっと盛り上がっていくだろう



ライスシャワー(お兄さまの心はまだライスのものじゃない)



彼の中には自分以外のメスがいる、それをどかさない限り自分が彼を独占することはできない



ライスシャワー(お兄さまのぜーんぶはライスがもらうからね)



○○とは違いライスの目は曇っていない。しかし真っ黒でドロドロとした感情が渦巻いている



下1~3
学園内外のイベント

〇〇の修行パート
ヒバリトレも見てくれてるし、G1用のハードめの新しいトレーニングプランがトレーナーから来たのでやる気マックス

秋川やよい「僥倖っ!」



○○が三着以内に入りG1に出場できるようになり、思惑通りにことが進み満足そうにしている



秋川やよき「彼女はルーキーウマ娘達の星になれる。無名である彼女が活躍すれば強豪に勝てないウマ娘達も自分達も努力次第で勝てる!」



○○はオグリキャップのように鳴り物入りで入学してきたウマ娘ではない。ここに来るまで無名中の無名だった



その彼女が入学一年以内にG1の舞台で走る。メディアも注目しトレセン学園がまた話題の中心になる



全てが思惑通りだがただ一つ気になることはあった。この前のレースでライスシャワーが出たのは想定外だった



自分の知らない所で何かが起こっているのか?気まぐれにしては何かがおかしい



理事長という地位を使えばすぐに違和感の正体は掴める。万が一が無いよう入念に準備を進めていく

G1への出走権利を得たことでヒバリと祝勝会を行った。レースは二着だったので軽く済ませ本題はこれからのトレーニング



G1用に対応したハードな新しいトレーニングをやっていこうと言われ○○も気合いが入る



しかし彼女とは対照的にヒバリの表情は明るくない



ヒバリ「勝負服をどうするかなのよ」



入学した時点で活躍が見込まれているウマ娘はある程度勝負服が出来上がっている。だが○○は何も用意していなかった



「忘れてた……」



レースとライブのことで頭がいっぱいだったようでデザインも何も考えていないという



ヒバリ「着たい衣装とか無いの?普段着てる服ってどんな感じなの?」



「着れるサイズのを着てる」



彼女は色々と規格外なのでお洒落な服は着れない。着れる服が売っている方が珍しいのだ



G1の舞台で体操服で走るわけにはいかない。早急に対応する必要がある



下1~3
勝負服イベント

〇〇「ヒバリトレの伝手も頼れなさそうだし……(胸見つつ)」
ヒバリトレ「は?」
決して決して貧ではない、〇〇が大き過ぎるだけと言い訳しつつ、ドトウなど大きいサイズの子に相談して見る

「ちょっといい?」



メイショウドトウ「ひゃいっ!?」



食堂に居たドトウに声を掛けたがオドオドしてばかりで本題に入れない。一応自分は後輩なのだがなにをこんなに怯えているのだろう



ドトウはいつも謝っているイメージしか無かったが最近になってあのオペラオーと互角の勝負を繰り広げていることを知った



世紀末覇王に並ぶその実力は本物なのにこの自信の無さは何なのか



それを置いても実力者であるには変わりなく胸のサイズの近いので勝負服の相談相手には最適だ




メイショウドトウ「あ~~!」



こっちは相談したいだけだから早く落ち着いて欲しい。わたわたと動くドトウをじっと見つめて止まるのを待っている

メイショウドトウ「頑張って下さいね!」



勝負服に関してサイズは気にしなくていいという答えをドトウから得ることができた



よく聞くとドトウもかなりの大きさであることがわかった。普通の服ではサイズが無いのも同じだった



しかし勝負服だけは気にしなくていいという。専用のサイズでイチから作ってくれるので問題はデザインだけ



自分には可愛いものは似合わない。ならカッコいいという選択肢になる



ケイエスミラクルの勝負服を見た時、直感的にカッコいいと思ったことを思い出す



「ヒラヒラはいらない。私らしさが欲しい」



勝負服を着る為に地獄のようなトレーニングを積んでいるウマ娘を知っている。そんな子が見るかもしれないレースで中途半端な勝負服は着れない



彼女も勝負服がどれだけ神聖なものかは知っていた。それを自分が着るというイメージが出来なかった



「本当に着るんだ、勝負服」



今更になって○○はG1に出るという重みを知った




下1~3
勝負服イベント

勝負服の案を○○から聞くとそれを了承しデザイン会社に報告しておくと伝える



ヒバリ「貴女の目標は彼に勝負服を着て走りを見せること」



彼の本性を知ってもそれはそれは変わらないのかとヒバリは聞く




「トレーナーがサイコパスだったとしても私の中で彼の存在が大きいのは変わらない」



でも勝負服で走る姿を見せたいのは彼だけじゃない。勝負服を着るのを諦めているウマ娘達に自分の姿を見せたい



こんな私でも勝負服を着て走れるんだと伝えたい。目を輝かせながら言う○○にヒバリは危機感を覚える



彼女の才能は歪んだ感情により育ち開花した。他のウマ娘では簡単には真似ができない



そのことをメディアの前で言わないように注意しなければいけない。それに彼女には恵まれた体があった



『こんな私でも』という部分はインタビューなら削除してもらった方が良いだろう。ヒバリは彼女が無駄に敵を作ることを警戒している

ヒバリ「どうなってるのよこれは!?」



デザイン案をいくつかの企業に送ったが全て断りの返事が来てしまった



鬼畜トレーナーの件でどの会社からも敬遠されてしまっている。あの安心沢にも断られてしまいなすすべが無い



ヒバリ「こうなったらアレしかない」



彼女への取材依頼は何件も来ていたが全て断っていた。以前の件もあり○○はとても人前に出せるような状態ではなかった



今とあの時では状況が違う。メディアへの対応を練習しつつ勝負服の会社探しもできる



インタビューを受ける代わりに勝負服の会社を探していることを記事にしてもらう。これしかないとヒバリは連絡を取る



下1~3
取材のイベント

取材された記事が出たあと直ぐに売り込みをかけてきた所が
文面からも分かるほど熱量があるが提案されているのは〇〇の希望とは真逆のヒラヒラフリフリロング袖
どんなサイズの人でもカワイイ衣装を着れる様にしたいのだそうだ
悩む二人

こちらの要求を伝えた上でなら取材に応じるという条件を呑んだメディアが一つだけあった



G1も迫っているのでなるべく早い方が良いとすぐに取材の日程が決まる



記者「なるほどなるほど」



よくある質問に対して当たり障りのない答えを返す。殆どの取材はこれが出来れば乗り換えられる




記者「では次の質問です」



例のトレーナーとはどうなのかという質問がくる。他のメディアも一番聞きたかったことに違いない



○○は記者の方を向き真っ直ぐに答える



「私は彼に酷い事をされたのは事実です。無理矢理薬を飲まされました」



記者の目が見開く。自分たちが欲しかった答えを彼女が口にしたことで思う存分記事が書けるのだ



「彼のせいでデザイン会社に断られていて勝負服を作ってもらえません」



練習通りちゃんと喋れていることに安心し取材の様子を見守っているヒバリ。この問答は事前にヒバリが考えたものだった



トレーナーが加害者になるのを望むなら望み通りにしてやろう。この取材の答えは学園も想定していない



全て学園の予定通りとはいかない。それを示すことが大事だとヒバリは台本を書いた


トレーナーには一ミリもダメージがないのがもどかしいが、これが考えられる抵抗なのだ

ライスシャワー「ううううう!!」



ライスがビリビリに破いたのは○○の記事。増刊号に早速掲載され、ヒバリが思うような記事が載っていた



鬼畜トレーナーが全て悪かった、彼のせいで勝負服が作ってもらえない。この記事を見たデザイン会社は喜んで協力すると言うだろう




トレーナー「いい記事だと思うけどな~」



ライスシャワー「あの女お兄さまの悪口言った……」



ライスは優しいねと頭を撫でられるとすぐに機嫌が治る。ブルボンはこの状況がよくないと理解はしている



ライスがどんどんトレーナーに心酔し、このままでは男女の仲になるのも時間の問題だ



この廃屋をマスコミにリークすれば彼は終わりライスを助けられるのにそれが出来ない



トレーナーに対しての恐怖もあるが、彼のトレーニングが非常に良いのだ。その証拠に自分のタイムも伸びている



それに彼と長く話すと何故か……



ブルボンも彼に惹かれ始めてしまっていた



下1~3
学園内外のイベント

トレセン学園の旧校舎はいわゆる不良や落ちこぼれ達がたむろしている



そんな彼女たちをまとめているのがシリウスシンボリ。落ちこぼれても他人を傷付けることはさせないと見張っている



普段は愚痴や悪口を言い合うだけなのに彼女らはやけに張り切ってトレーニングをしているの。シリウスはそれが気になっていた




話を聞いてみると無名の癖にG1にまで行ったウマ娘がいるらしくそいつに影響を受けたとの事だった




シリウスシンボリ「へぇアイツか」



その無名は○○というデカいウマ娘なのを知る。彼女の元トレーナーを遠目で見た事あるがあれはヤバいと気付いていた



優しいそうに見えたが目的の為なら他人どころか自分をも犠牲にするのを躊躇わない、そんな目をしていた



他の人間ではありえないサイコ野郎に興味があったシリウスは不良たちに情報を求めた

シリウスシンボリ「よぉ調子はどうだい」



なぜここにとトレーナーにしては慌てた様子でシリウスの方を振り向く



シリウスシンボリ「この廃屋に出入りしてるのを見られてるんだよ」



彼女が独自に作り上げた情報網にトレーナーは引っかかった。彼はどこからどう見ても怪しい風貌では無かったが、わかる人にはわかるのだ



シリウスシンボリ「アンタが隠したものが何なのか当ててやろうか」



シリウスが話し掛ける直前、彼は気配を感じ咄嗟にあるものを隠した。これは流石に見えていなかったはずとトレーナーは安心する



シリウスはソレが何なのかは見えていなかったが想像はできた。自分の経験から当てはまるものは一つしか無い



シリウスシンボリ「こんな薄汚い廃屋で貫通式とは洒落てるな」



ライスをホテルに連れて行かないのがお前なんだなとシリウスは笑う。トレーナーは返事をせず黙ったままだ



シリウスシンボリ「ゴムのことは黙っててやるからこっちに協力しな。アンタの腕は確かなようだ」



サイコ野郎と言ってもただの下心のある男。期待外れだったが利用できるだけしてやろうとシリウスは考える



不良や落ちこぼれの中にも原石がいる。可能ならば彼女らを表舞台に返してやるのがシリウスの理想だった



下1~3
学園内外のイベント



寝る

シリウスシンボリ「どんなサイコ野郎か期待してたが期待外れだったな。相当溜まってんのか?」



トレーナーをからかうシリウスシンボリに対して勝手に期待したのはそっちだと彼は反論する。しかしシリウスは無視し利用価値はあるだろうとあるリストを取り出す



シリウスシンボリ「コイツらのトレーニングを考えろそしたら黙っててやる」



面倒見てる不良たちのリストを見せる。何十人もいる上に適正もバラバラで統一性も無いが、トレーナーはすぐに返事をする



トレーナー「これくらいなら一日あれば十分だよ」



シリウスはハッタリだと判断し明日までにやってこなければ通報だと言って立ち去る。本当に通報する気は無くトレーナーを不良たちのストレスの捌け口にするつもりだ



シリウスシンボリ「下心しかない男はサンドバッグでいい」



殺さない程度に殴り続ければこんなことは二度と起こす気にならない。男を反省させるには暴力が一番早いのをシリウスは知っている

「これがアタシのトレーニング表!」



「あんな落ちこぼれトレーナーなんか比較にならない!」



翌日、シリウスはトレーナーをリンチする為に不良たちを連れて廃屋にやってきた。しかし彼女の予想とは違いたった一日で全員分のトレーニングを考えてきたのだ



トレーナー「君の分もあるからね」



シリウスにトレーニング表を渡すトレーナー。ここまでやれるとは思わず上出来だとトレーニング表を受け取る



トレーナー「気に入ってくれてよかったよ」



彼は笑顔を浮かべるが目は笑っていない。瞳の奥には真っ黒なものが広がっている


悪意の無い殺意。それが一番近いのだろうとシリウスは直感する。久しぶりに面白い奴に出会えたと彼女も笑みを浮かべる



下1~3
学園内外のイベント

シリウスや不良達にトレーニング表を渡している様子をライスとブルボンは覗いていた




ライスシャワー「ライスだけのお兄さまなのに」




ライスは嫉妬に狂いかけているがブルボンは理解できないという表情を浮かべている



ミホノブルボン「なぜ彼女らにトレーニングを教えたのでしょう」




彼女達は○○と違って伸びるとは思えない。G1に出れるようは才能が無いのは走りを見ればわかる



ライスを冷静にさせたあとトレーナーに聞いてみよう。シリウス達が去っていくのを二人はじっと待つ

彼女たちが帰ったあとトレーナーは二人に理由を語る




トレーナー「ウマ娘に強い弱いの概念は無いんだ。どんなウマ娘にも個性がある」



それぞれその個性にあった適材適所がある。例えばハルウララ、彼女はレースには勝てないが世間からの人気は高い。彼女の明るさと前向きな姿勢は走りで勝つよりも価値がある




トレーナー「僕の考えたトレーニングなら彼女達は自分の個性を見つけられると思う」



レースに勝てなくともハルウララのように客寄せには使える。レースで勝てなくとも歌が上手ければライブ専門という道もある




シリウスが従えていた不良たちは不良品では無かった。落ちこぼれはしたが磨けば光るものがあった



そもそもウマ娘に生まれた時点で勝ち組なのだとトレーナーは言い切る



トレーナー「人間の上位種が輝けないわけがない」



その言葉にライスは納得し、ブルボンは恐怖を覚えた



下1~3
学園内外のイベント

シリウスが部屋に帰るとトレーニング表に混じって一冊の本があることに気付く



シリウスシンボリシリウス「帝王学だぁ?」



人の上に立つ為にはどうするのか。この本は人間だけでなくウマ娘にも使えるとメモも入っていた




トレーナーは不良や落ちこぼれを纏めるだけでなく次のリーダーの素質があると考えている




シリウスシンボリ「ホント面白ぇ奴だな」




皇帝の後を継ぐのは自分だとトレーナーは言っている。少し読んだだけでわかるがこの本はこれから大きく役に立つ



学園にいるうちに捕まえときゃ良かったと考えるがサイコ野郎をコントロールできるはずも無い



ギブアンドテイクの関係を続けるのがベストだと次の行動を始める

シリウスもトレーナーのことが気に入りこの廃家には三人のウマ娘が頻繁に訪ねるようになった




トレーナー「ちゃんとトレーニングを考えたんだからここに来る理由は無いよね?」



シリウスシンボリ「お前はまだまだ利用価値がある」



断れば通報かリンチにすると脅すのをライスが睨み付けそれをブルボンが止めるという奇妙な関係が出来上がっていた



シリウスシンボリ「次はどうすんだよ」



シリウスは○○がG1に出るという噂を耳にしていた。勝負服の問題があったはずだがどうにかできたというのだろうか



○○の邪魔をするならまたライスを走らせる。やることはそれしかないよなとシリウスは笑う



トレーナー「僕のやるべきことは他にもあるよ」



ライスの機嫌を取るため頭を撫でながらそう言うトレーナー。○○は自分の手を離れたが利用できるなら利用する



下1~3
学園内外、レースイベント

熱がヤバいコロナか?
とりあえず寝る

コロナではなかったが咳が止まらない
ぼちぼち再開予定

エアグルーヴ「あれを見てどう思う」



ナリタブライアンとエアグルーヴが見ていたのはシリウスの取り巻きや不良達。彼女らにはトレーナーがついていないが真面目にトレーニングをしている




ただ漫然的にやっているのではなく質がいいものをやっている。普通の学生なら問題ないが彼女らは事情が違う




生徒会として彼女らに事情聴取をしようとしたがお前らに関係ないと会話にならない



ナリタブライアン「企みがあるのは確かだろう」



なにかを強制すれば問題を起こしてないのに難癖付けて邪魔したと騒がれ下手に近付くことはできない



「なに見てやがんだよ!」



「そうだ!帰れ!」



エアグルーヴ「く……」



他のウマ娘に危害を加えていなのなら生徒会は動けない。彼女たちは自分の長所を伸ばすべくトレーニングを積み重ねていく

シリウスも自分の実力が磨かれていく実感があった。G1への参加資格は持っているので久々に出てやろうかと思っているとある噂を耳にする



○○が次のG1に出るというのだ。それはおかしいとシリウスは噂の出所を聞くが確かな情報ではなかった



○○は勝負服を作ってくれる会社が見つからず苦労し、受けた取材について生徒会から注意された



どうやら取材の中で露骨に企業の協力を仰いだというつまらない理由だった。生徒会は他にやることがあるだろうとシリウスは鼻で笑う




勝負服の問題は解決したのか?それとも○○とそのトレーナーが自分から流した噂なのか?



裏がありそうで面白そうだとシリウスは○○の元に向かう




下1~3
主人公とのイベント

シリウスシンボリ「よぉ、そこのデカいの。生徒会と一悶着あったみたいだな」



○○に突っかかるが彼女は首を振る



「ヒバリさんにその件は話すなって言われてる」




勝負服はどうするのか聞いても同じ答えが返ってくる。どうやらシリウスのことを警戒しているようだ




シリウス(生徒会とこじれたなこりゃ)




自分は味方だから安心して話せなんて言う柄でもなければそこまでする理由も無い。生徒会を突つけば早そうだ



○○と話すだけ無駄だと立ち去ろうとするがそれも面白くない。なら遊んでやろうとシリウスは口を開く




シリウスシンボリ「お前が執着してるトレーナーに聞いてきてやるよ」



彼女が鬼畜トレーナーに執着しているのは知っている。本当に何かするわけではなく脅しだが○○には効くはず



しかし○○から返ってきたのは期待したものではなかった

「執着?貴女だってシンボリルドルフに執着してる」




シリウスシンボリ「あ?なんだって……?今なんつったよ」



彼女はシリウスの踏んではならない地雷を踏み抜いた。二人の間に冷たい空気が流れるが○○は気にしていない




「私はもうトレーナーに執着はしてない」




シリウスシンボリ「二度とそんな口がきけないようにしてやろうか?」



やれるものならやってみなよと○○は挑発ともとれる行動を取る。周りに誰もおらずここで何かあっても気付かれる可能性は低い




シリウスは○○を睨み付けている




下1~3
このあとのイベント

ヒバリとの電話でシリウスとの一悶着を報告する○○。ヒバリはその話を聞き深いため息をつく




ヒバリ「マックイーンに次いでまた敵を作ったわね……」



生徒会や勝負服のことを話さなかったのは偉いが彼女にシンボリルドルフの話をしたことは悪かった。ヒバリは○○の対応を素直に評価する




シリウスはレースで潰しに来る筈だが皇帝や帝王に比べれば劣る。対策をすれば勝てる相手だと言い○○も同意する




「今の私じゃルドルフとクリスエスには勝てない」



マックイーンとシリウスも弱くはないが勝てる自信がある。以前の○○では考えられないくらい自信に満ちている



ヒバリ「でも勝つにはG1に出ないといけないのよね……」



ヒバリと○○は同時にため息をつく。勝負服の問題はなにも解決していないのだ

○○の記事を見て声をかけてくれたデザイン会社はあった。どの会社もサンプルデザインを持ってきてくれたがピンとこない




とりあえず試着してみたいと全ての会社に連絡するも、連絡をくれたのは大手の会社ではなく中小企業ばかり



すぐに試着できるようなサンプルもすぐには作れない。おまけに○○のデザインも固まっていない




ヒバリ「勝負服の問題は解決したって噂は流したけど長くは持たない」




G1に出れるのに勝負服の問題で出れないとなるとそれは恥でしかない




「わかってる……考えてるから」



勝負服の問題だけではなく生徒会とも決着がついていない。鬼畜トレーナーの記事を訂正せよという生徒会の圧に屈しかけている



走ること以外で悩むことが多いのもG1を走るウマ娘の宿命なのだろう




下1~3
学園内外のイベント

「お前の元担当、くっそムカつくな…お前に執着してたんじゃないのかよ」と聞くシリウス。
「僕に対する執着なんて走るきっかけに過ぎないよ、この前のレースで克服したみたいだね」
ライスは「ライスはずっとお兄さまに付いてくよ!」
ブルボンが「彼女…○○さんは勝負服の事で揉めてるらしいですね」と話す

流石に勝負服の件は盲点だったな…と負い目を感じるトレーナー助け船を出そうと安心沢妹に連絡を

いつもの廃屋に四人が集まっているがシリウスの機嫌が良くない




シリウスシンボリ「お前の元担当はムカつくな、お前に執着してたんじゃないのかよ」



トレーナー「僕に対する執着なんて走るきっかけに過ぎないよ」



あの子には『芯』ができたからねとトレーナーは淡々と語る一方でシリウスのストレスは溜まっていく



ライスシャワー「ライスはずっとお兄さまについてくよ!」



ありがとうライスと頭を撫でる所だがブルボンがその間に入る



ミホノブルボン「○○さんは勝負服の事で揉めてるらしいですね」



トレーナー「うーん……」



学園と協力し自分の人生を傷付けてまで彼女を星にする作戦は完璧だった。しかし勝負服の件は完全に盲点だった



男という時点で女性よりファッションには疎い。自分のせいでデザイン会社が躊躇するなどと思いもしなかったのだ



トレーナー「これは完全に僕が悪い」



負い目を感じたトレーナーは○○に助け船を出そうと安心沢妹に連絡を取る。彼女ならきっと○○を助けてくれるだろう

「うわ、出た」



学園で度々出る不審者注意報。今日もその注意報が鳴ったと思っていたら目の前に不審者が表れたのだ




安心沢妹「怪しい者じゃないわ!」



怪しくないなら堂々と入ってきたら良いと言われても笑って誤魔化す。安心沢姉妹はこんなことを数百回は繰り返している



安心沢妹「今日は貴女に会いにきたのよ!」



○○の体格を見て新機軸のアイデアが出来たから試させて欲しいと安心沢は言うが○○は断る



「貴女の会社には一度断られています」



安心沢妹のデザイン会社はトレーナーの件で○○の勝負服の製作を断っていた。今更話しは無いと○○は突き放す



安心沢妹「あれは会社として断っただけ、これは個人的な相談!」



安心沢妹はあくまで個人的なお願いだから、あの時とは状況は違うと言い張る



○○としては今になって味方面されるのが気に入らない。安心沢妹はトレーナーからの依頼というのもあるが、会社として味方ができなかった罪滅ぼしをしたいと考えている




下1~3
安心沢妹とどうなるか



寝る

安心沢妹の希望は〇〇の希望とは真逆のヒラヒラフリフリロング袖
どんなサイズの人でもカワイイ衣装を着れる様にしたいのだそうである。

ここで安心沢を逃したらもうチャンスは来ないかもしれないと判断し○○は提案を聞くことに




安心沢妹が出してきたデザイン案は○○の希望とは違いヒラヒラでフリフリのものだった



「こんなの着たいと思ってない」




この勝負服のコンセプトはどんな身体の大きさでも可愛い衣装を着れること。○○のような背が高い女性でも問題無いというのを示したい




安心沢妹が作る勝負服は素晴らしいものばかりでこの衣装も例外ではない。あとは○○が納得するかどうか




サイズを合わせて作るのでヒラヒラとフリフリが邪魔になることは無い。G1の舞台で走れる衣装が手に入る




これでいいのか?これを着て走るしかないのか?○○はデザイン案をじっと凝視している

デザインを気に入っていない様子を見た安心沢妹はとりあえず一度着て走ったらどうかと提案する



勝負服の変更は登録した衣装を着て一度レースを走れば可能になる。毎回勝負服を変えるウマ娘も存在するので問題は無い



今の自分に必要なのは拘りではなくレースに出ること。そう判断した○○は彼女にそのまま作って欲しいと伝える



安心沢妹「次のG1には間に合わせるから安心して!」



勝負服のせいで出走を諦める寸前だったG1に出ることができる。嬉しいことだが調整が間に合うかは微妙だ




「ヒバリさんに相談しよう」



出て醜態を晒すより次のG1に向けてトレーニングなのか。G1には出るだけで価値があるので勝負に行くのか




この判断は○○にはできない、ヒバリの意見を聞くしかない




下1~3
ヒバリとのイベント

ヒバリ「困ったわね……」



勝負服のことで連絡を取りミーティングを行ったが二人の意見が割れてしまった



ヒバリは最初に出るG1は得意なマイルか中距離がいいのではと話すが○○はマックイーンやライスと戦いたいから長距離に出たいと言う




それに勝負服のことでも意見が合わない。衣装を変えられるといってもG1のデビューを妥協した衣装で走るのはどうかとヒバリが待ったをかけた



○○のことを尊重してあげたいが後悔だけはして欲しくないとヒバリも簡単には譲れない



○○もヒバリの意見は正論だと理解しているが折れるつもりは無い



結局ミーティングは平行線のまま終わってしまい結論は出なかった

○○は部屋で考えていた。ルームメイトは遠征に行ってしまったので珍しく一人でいる




衣装は変えれば良いと思っていたがヒバリにG1のデビュー戦と言われ心が揺れた



ケイエスミラクルのような衣装が良いのは確かだが自分の中に『コレだ』という正解が無い



マックイーンとライスと走りたいのも本音だが得意な距離で勝ちたいとも思っている



「わからない」



何が正解でどうするのが合っているのかさっぱりわからない。どの選択肢を選んでも外れる気がする




ヒバリの言う通りにするのが一番後悔しなさそうだが、彼女の選択肢は後悔しないだけ



マイルや中距離のレースに出て勝てるとは限らない。それなら長距離で自分の力を試したい



答えが出ないまま時間が過ぎていく



下1~3
学園内外のイベント

トレーナーが安心沢妹にお礼の電話を掛けていた。その様子を見ていたシリウスが「あの、不審者(安心沢)と知り合いだったのか」と聞く

「意外かな?こう見えて仲良い知り合いが多いんだよ」「たづなさん、安心沢さん、理事長代理、ウマ娘のプロデューサー、それに元同期のトレーナーには名門のお嬢様もいるよ」

こいつの意外な交流の広さにシリウスほんのちょっと驚く

癪だけどトレーナーに頼るしかない?……と答えを出せない〇〇にヒバリも焦る

夜、シリウスは学園を抜け出し廃屋に向かっていた。廃屋に着くとトレーナーが誰かと電話をしていた




トレーナー「ありがとうございます安心沢さん」



電話の内容は○○の勝負服についてのようでシリウスはトレーナーが彼女と交流があったことに驚く




トレーナー「さてと待たせてごめん」



シリウスはあの不審者と知り合いだったのかと聞く。トレーナーは知り合いが多いらしい




たづな、安心沢、理事長代理、プロデューサー、それだけでなく元同期には名門のお嬢様もいる




トレーナーの意外な交流の広さにシリウスは驚くも納得する。こんな奴だから交流の幅は広いのだろう

シリウスシンボリ「自慢はいいから新しいトレーニング考えろ」



効率の良い新しいトレーニングをと急かす。トレーナーは余裕そうな表情で答える



トレーナー「大丈夫色々と考えているから。それにそろそろ『閃き』そうだよ」



言っている意味はわからないがこの余裕は嘘ではない。閃きに頼るのも癪だが既にその恩恵は受けている



わかりましたと素直に返事をして帰れるはずも無くどうするかとトレーナーを観察しているとあることに気付く




シリウスシンボリ「お前はこれからライスとお楽しみか?」



トレーナーの表情が変わる。いつもより身なりがしっかりしていて香水のような匂いもしていた




シリウスシンボリ「貫通式で閃いたトレーニングってのも悪くないな」




『閃き』がなにかわからないが今夜ライスとここで会うのはほぼ確実。トレーナーにダメージを与えられればそれでいい



シリウスは一通り満足するとトレーナーの前から姿を消した




下1~3
学園内外のイベント

>>444

あのトレーナーみたいに常に余裕そうな奴が焦る姿は見ていて面白いと寮に戻ったシリウスは喜んでいた



トレーナーはライスとやる事をやってる癖に女に対して耐性が低い。貫通式の事を弄ったら動揺していたし○○を担当して頃も奴の胸を直視していなかった



これからもストレス発散でからかってやるかと思っているシリウスの前にもう一人余裕そうな奴、シンボリルドルフが現れる




シンボリルドルフ「学園を抜け出すとはいい度胸だ」




自分の行動を邪魔する気かとシリウスは喧嘩腰で話し掛けルドルフは冷静なまま続ける




シンボリルドルフ「ここは学園だ」




秩序ある行動をしろと言うルドルフに対し笑って答えるシリウス。今まさに処女を散らしている奴のことはいいのかと挑発するがルドルフは乗らない




シンボリルドルフ「私はお前に対して注意をしている」



二人の睨み合いは続く

そんな二人の様子を遠くから○○が見ていた。どうにも寝付けないので学園内をウロウロしていた時に見つけてしまった



シリウスとはこの前一悶着ありルドルフとは記事の件で注意された。シンボリ達とはウマが合わないんだろうと○○は考えていた



明らかに穏やかな雰囲気ではないが仲裁する義理も無いのでその場で引き返す。部屋に帰っても寝れる気がしないが二人に見つかるよりはマシだ




答えを出さないといけないというプレッシャーが彼女を更に悩ませる。こんな日々が続けば体調も崩してしまう



「絶対に譲れない所を考えよう」



ヒバリの意見を全て飲み込むのが正しいと思わないが自分の意見も絶対に正しいとは言えない



彼女に対してこれだけは譲れないことを書き出す為に○○は部屋に急ぐ

ヒバリ「どうすればいいのよ~もう」



一方でヒバリも悩んでいた。自分が強く言えば意見が通るだろうがそうすることが正解とは思えない



そんな強行策を取れば彼女との間に深い溝ができてしまう



ヒバリ「癪だけどアイツを頼るしかない……」




この事態を引き起こした責任もあるであろうトレーナーを頼るしかない。二度と頼ることはないと思っていたが今回ばかりは仕方ない




もしかすると○○を星にする為にどのレースに出るのか、そこまで考えていても不思議ではない




悔しいが彼を頼るのが一番良い方法であろう



下1~3
学園内外のイベント

ヒバリトレ、トレーナーに相談「○○のG1デビュー戦どのレースに出したら正解か貴方なら分かる?」と質問「簡単ですよ、彼女が……走っていて『楽しい』と思うレースに出してあげればいいんですよ」「ヒバリさんから見て彼女が楽しそうにしていたレースはどれですか?楽しそうに走っていた距離のレースに出してあげればいい」「そこからまた話し合いで目標を決めればいい、まずはG1を楽しむ事がリラックスする事が大事です、彼女にも今までのレースでどれを楽しめたか聞いてもいいかもです」


まずは勝つ事じゃなくレースを楽しむ事が大事だと話すトレーナー。

>>453
+マックイーンとレースさせる為に長距離を走らせるべきだとか言うと思ってたから意外な答えに唖然。
確かに彼女が走って楽しめるレースが一番よね…となる

>>454+>>453+勝負服の件は申し訳なかった、自分の考えが甘かったと謝るトレ
「貴方…性格が歪んでなければいいトレーナーだったのに……出会いが違ったらいいトレーナー仲間になれたと思うわ」
と寂しげに言うビバリ

彼を頼るしか無かったヒバリはトレーナーに相談する



ヒバリ「○○のG1デビュー戦どのレースに出したらいいか貴方なら分かる?」



トレーナー「簡単ですよ、彼女が走っていて『楽しい』と思うレースに出してあげればいいんです」



ヒバリから見て○○が楽しそうにしていたレースはどれか、楽しそうに走っていた距離のレースに出してあげれば良い。トレーナーの意外な答えにヒバリは驚く




ヒバリ「まともなことも考えられるのね」




確かに勝つことよりもレースを楽しむことが大事。自分もそのことに現役中に気付けなかった




楽しむことができなくなればあとは地獄しか待っていない。トレーニングが苦痛でしかなくなる日々を彼女には送って欲しくない




トレーナーとして担当を苦しめることだけはやってはいけないとヒバリは心に決めている

○○には今までのレースでどのレースが楽しかったのかを聞いてみる。それから出るレースを考えればいいと方向性は固まった



これだけで大きな収穫だったがトレーナーは申し訳なかったと突然謝罪してくる



トレーナー「勝負服の件は僕の考えが甘かったとしか言えない」



自分の悪名が勝負服に影響するとは1ミリも考えられなかった本当に申し訳ないと謝罪を繰り返す




ヒバリ「貴方……性格が歪んでいなければいいトレーナーだったのに」




彼は人間として性根が歪んでしまっている。それさえなければ誰からも愛される善良な人間でいられただろう




安心沢妹のデザインはイマイチだとトレーナーに伝えるとそれも対応すると即答する。どうする気かは知らないし考える必要もない




彼とトレーナー仲間でいられる未来もあったかもしれない、そう考えるとヒバリは寂しさを感じていた



下1~3
学園内外のイベント

明くる日ヒバリは○○と通話中にこんな質問をした




ヒバリ「今まで出たレースで楽しかったレースってある?」



○○はそう聞かれ昔に走った短距離が楽しかったと答える。中距離や長距離でら味わえない爽快感が楽しかったという




 
短距離を走らなくなったのはバクシンオーの影響で楽しく無くなったわけではなくまだ好きだと話す




その話を聞いたヒバリは一度だけ短距離を走ってみないかと提案する




「楽しいだけで適正は無いから勝てない」



ヒバリ「勝ち負けは一旦忘れてレースを楽しんで欲しいのよ」




そういえばトレーナーもレース後はどんな順位でもいつも楽しかったかどうかを聞かれていたことを思い出す

学園では○○がG1への出走資格を手にして最初に走るのが短距離レースなのはどういうことなのかと噂になっていた




鬼畜トレーナーの洗脳がまだ完全に溶けていなかったなど噂はどんどんと広がっていくが本人はまるで気にしない




短距離に出ること自体が嘘だと思った数人が○○に確認しに行くと既にエントリーを終えたと返事が来る




こうなれば噂に信憑性が増していく一方だが○○は気にせずトレーニングを続ける




○○にとって短距離のレースを走ることにメリットはある。サンプルが遅れている勝負服のことであったりG1デビューをどのレースにするのかをじっくり考えられる



勝つことだけがレースじゃないとトレーナーに教わった。勝負を忘れて全力で楽しむことが今の自分には必要だと○○は前を向く



下1~3
学園内外やレースのイベント

サクラバクシンオー「短距離G1に出場するとの事なので偵察に来ました!」



大声でそう宣言しながら堂々と○○の元にやって来たのはサクラバクシンオー。そんな彼女を見て○○はただ混乱する




「えっと短距離には出るけどG1じゃないから」



ちょわぁっ!とよくわからない悲鳴を近距離で聞いてしまい耳鳴りが起こる○○。失礼しました!とバクシンオーは謝りつつ詳細を確認する




○○は短距離を走るのは路線変更ではなく事情があってのこと。勝負服やこれからのことがまだ決まっていないから出ることになったと説明する



サクラバクシンオー「なるほど!!」



新たな挑戦を委員長として応援するという話を聞いていたのかどうかわからない返事に○○は困惑する




やはり自分はこういうタイプが苦手だと○○は再確認する

サクラバクシンオー「中距離や長距離にも挑戦したいのですがいつもトレーナーさんに言い包められて出して貰えないんです!」



話は終わったので早く帰ってもらいたいがバクシンオーは帰ろうとしない。どう言えば話を終わらせられるかと○○は考えている




サクラバクシンオー「私のトレーナーさんも貴女の元トレーナーさんと同じ悪人なのかも知れません!」



その言葉は聞き捨てならない、そっちとこっちは別だと反論してしまう。言ったあとで後悔するがもう遅い




サクラバクシンオー「委員長として悪の企みは許せません!私のバクシン的走りで改心させてみせます!」



高笑いしながらバクシンオーは去っていく。反論したせいで会話時間が長くなってしまうかと後悔していたがそもそも彼女は人の話をよく聞かない



自分の言いたいことを言ってしまえば去っていくのが彼女の習性なのだろう。○○は一つ賢くなった



エントリーした短距離のレースにはバクシンオーは出てこない。彼女のことを気にすることなくレースを楽しめると○○は久しぶりにレースを楽しみにしていた



下1~3
学園内外やレースのイベント

○○の短距離レースの前日になんとか時間をつくり学園へとヒバリはやって来る。○○に辿り着く前にとあるウマ娘と出会う




アグネスタキオン「久しぶりだねぇ」



ヒバリは彼女を無視しようとしたがタキオンが不満げな顔で立ち塞がる。どうやら言いたいことがいくつかあるらしい




アグネスタキオン「よくも取材であんなことを言ってくれたねぇ……」




取材でトレーナーのクスリの入手先はタキオンだと言い切っている。それが原因でメディアからの連絡があとを絶たないという





アグネスタキオン「脅されて作ったんだろうってもうウンザリさ」




研究にも支障が出て困り果てていると話すがヒバリは謝るそぶりはない




ヒバリ「まるで被害者みたいに話してるけど全て知った上で薬を作った貴女も悪いのよ」




元凶はトレーナーと学園(理事長)だがそれに加担したのは事実でタキオンは完全な被害者ではないとヒバリは言う

アグネスタキオン「薬を飲んだのはあくまで○○君の意思だ彼女に完全に非がないとは言えないねぇ」




それは当たり前で取材でもそう答えている、○○が被害者ぶったことは一度もない。タキオンはそれがわかっているのか更に続ける




アグネスタキオン「君は彼女が星になるのは反対かい?」




学園は○○に才能を見出し世代を代表するウマ娘にしようとしている。そのことが悪いわけでは無いのだ



ヒバリ「それは否定しないけどやり方が良くないのよ」




アグネスタキオン「彼女はあのやり方以外じゃ走らなかった」



そう言い切るタキオンに反論することができない。この一連の流れで○○は本気で走るようになりトレーニングにも打ち込んだ



この事件が無ければ○○は有象無象のウマ娘と一人として消えていったことは違いない。ヒバリはトレーナーとしてそのことはわかってしまう




トレーナーは全てを犠牲にすることまで考えていた、ならこのウマ娘も何か企みがあるのではないか



ヒバリはタキオンを警戒しいつでも逃げられるよう退路を確保しようとする





下1~3
学園内のイベント

同時刻の校舎裏ではシリウスと取り巻きが屯ってた



「この前G3で一着になれた!」


「こっちはG2で3着だ!」


「ライブで歌と踊りが良いって言われたよ」


「これも全部兄さんのお陰だな」




トレーナーのお陰で活躍できていると取り巻きたちはシリウスに話す。シリウスは奴を利用して正解だったなと笑う



シリウスシンボリ「あのサイコを信頼し過ぎんなよ」



ああいう類の人間は深入りしないに限ると注意を促すが取り巻きたちは別の捉え方をした



「まさかシリウスさんあの男にホの字なんじゃ…」



「や、ヤキモチ!?」



「そういえば毎日のように会いに行ってるような…」




シリウスシンボリ「おい」



「はいっ!!」


つまんねぇ事言うなと彼女たちを一喝する。確かに毎日廃屋に行ってるが奴は利用してるだけ。そんな気持ちは全くないと確認するように言い聞かせる

「急用ができたから今日はそっちには行けない」



こんなところだろうねぇとヒバリのスマホを操作し○○にメールを送る。ヒバリは臨時トレーナーとして忙しいのも○○は理解しているので不自然な点は無い



アグネスタキオン「現役を退いたウマ娘を実験台にしたかったんだよ」



あ、あ。声にならない声を出しながらヒバリは床で痙攣している



タキオンの手には空の注射器がありその中身は既に彼女に使用されてしまった




アグネスタキオン「責任を取ってもらわないとねぇ」



報いは身体で受けろとタキオンは言う。間違っても殺すつもりは無いがそれも悪くないと思えるくらいに迷惑しているのだ



自分はトレーナーのように甘くは無い、それを○○に知らしめる為にも必要な制裁だとタキオンは嗤う



下1~3
学園内外のイベント

あええええあえああああ



理性というものが一つも感じられない言葉を吐いているのはヒバリ。口から出ているのは言葉とも言えないものだ



アグネスタキオン「参ったねぇ」



V薬とX薬を組み合わせただけなのにこうなるとは想像できなかった。ヒバリはもう二度とまともに喋ることはできないだろう



アグネスタキオン「なぁに実験に犠牲はつきものさ」




自我を失った彼女は使い道がある。思わぬ形でウマ娘のモルモットを手にすることになったタキオンは笑みが溢れる




この日を境にヒバリは生涯タキオンの実験室から出られることは無かった

同時刻いつもの廃屋ではライスとブルボンがここに来る途中ヒバリとタキオンを見掛けたと話していた



トレーナー「なるほどね……」



ヒバリがマッドサイエンティストの実験台にされればトラウマになってトレーナーを辞めるかも知れない、それで済むならまだ良い



彼女が完全に壊れてしまえば○○は走らなくなりそれは計画は終わりを意味する



ライスシャワー「どうしたのお兄さま?」



新しい星の候補にライスを推しても良いが彼女はもう自分の物で学園には渡したくない



ならどうするか……戻って助けるしかないと『目覚まし時計』を取り出す




トレーナー「僕は学園には行けないからヒバリさんに連絡かな」



ジリリリリリリリリリ



目覚まし時計のベルが鳴り響く

○○の短距離レースの前日になんとか時間を作り学園へとヒバリはやって来る。○○に辿り着く前にとあるウマ娘と出会う




アグネスタキオン「久しぶりだねぇ」



ヒバリは彼女を無視しようとしたがタキオンが不満げな顔で立ち塞がる。どうやら言いたいことがあるらしい




アグネスタキオン「よくも取材であんなことを言ってくれたねぇ……」




取材でトレーナーのクスリの入手先はタキオンだと言い切っている。それが原因でメディアからの連絡があとを絶たないという





アグネスタキオン「脅されて作ったんだろうってもうウンザリさ」




研究にも支障が出て困り果てていると話すがヒバリは謝るそぶりはない




ヒバリ「まるで被害者みたいに話してるけど全て知った上で薬を作った貴女も悪いのよ」




元凶はトレーナーと秋川やよい(学園)だがそれに加担したのは事実でタキオンは完全な被害者ではないとヒバリは言う

アグネスタキオン「薬を飲んだのはあくまで○○君の意思だ彼女に完全に非がないとは言えないねぇ」




それは当たり前で取材でもそう答えている、○○が被害者ぶったことは一度もない。タキオンはそれがわかっているのか更に続ける




アグネスタキオン「君は彼女が星になるのは反対かい?」




学園は○○に才能を見出し世代を代表するウマ娘にしようとしている。そのことが悪いわけでは無いのだ



ヒバリ「それは否定しないけどやり方が良くないのよ」




アグネスタキオン「彼女はあのやり方以外じゃ走らなかった」



そう言い切るタキオンに反論することができない。この一連の流れで○○は本気で走るようになりトレーニングにも打ち込んだ



この事件が無ければ○○は有象無象のウマ娘と一人として消えていったことは違いない。ヒバリはトレーナーとしてそのことはわかってしまう




トレーナーは全てを犠牲にすることまで考えていた、ならこのウマ娘も何か企みがあるのではないか



ヒバリはタキオンを警戒しいつでも逃げられるよう退路を確保しようと……せずタキオンに向かって何かを投げつける



アグネスタキオン「ぎゃあっ!」



投げつけたのは催涙スプレーの成分が詰まった球のようなもので五感が敏感なウマ娘には効果は抜群だ




ヒバリ「うえっ!!げほ……げほっ!」



当然ヒバリもウマ娘でダメージはあるがタキオンに比べれば軽い。この隙にヒバリは走って逃げる

ヒバリ「トレーナーに感謝……しなきゃいけないのよね……」



足元がふらつきながらも学園内を移動し○○の所へ向かう。今日タキオンに襲われそうになったらアレを使えばいいとトレーナーから連絡を受けていたのだ



彼が自分を襲うようタキオンをけしかけた可能性はあるがそんなことを考えている余裕は無い。1秒でも早く○○の元に向かわなければならない



ヒバリ「こんなところで終われないのよ!」



自分の助けが必要なウマ娘はまだまだ存在する。○○をG1で活躍させるという使命も残っている



あんなマッドサイエンティストに全てを奪われるわけにはいかない。その強い気持ちが彼女の脚を動かす



下1~3
学園内外のイベント

「どうしたの大丈夫?」



○○に会うも苦しそうなヒバリを見て心配そうにそうにしている。レース前なので心配させるわけにはいかないと月のものだと誤魔化す




「そんなわけないじゃん」



今までそんなことは無かったのに急に重くなることなんか無い。更年期かと思いかけたがギリギリそんな年齢ではない




男ができてヤることをヤると重くなると聞いたことがあるが行き遅れたヒバリに男が出来るはずも無い。言い訳にしてはお粗末過ぎると○○は呆れたように言う




ヒバリ「貴女ねぇ……」



更年期や男がいないなど好き勝手言われ腹は立つが誤魔化したのは自分。それ以上文句は言えない



「何があったか言ってくれないと怒るから」



嘘がバレた時点でヒバリにできることは真実を伝えることだけ。レース前にこんなことは言いたくなかったが○○にこれ以上嘘はつけない

○○はタキオンの実験室を訪ねると彼女はどうしたのか尋ねてくる。例のクスリの注射はもう必要無いと言われていた




アグネスタキオン「モルモットになってくれるのなら歓迎するよ」




○○に使ったクスリの他にさまざまなモノがありそれを使う日が楽しみだとタキオンは笑っている




「ヒバリさんになにをしようとしたの」



ピクっとタキオンは反応する。先程ここでどんなことが起こったのかヒバリから説明は受けている。タキオンの服装はいつもの白衣ではなく珍しくジャージを着ている




アグネスタキオン「復讐とは浅はかだねぇ」



彼女がここに来た理由を理解し○○を牽制するタキオン。万が一暴力沙汰になれば○○には罰が与えられる




アグネスタキオン「ヒバリ君は生徒会に報告でもしてるんだろうねぇ」



タキオンにはトレーナーが居ない。シリウスシンボリやその取り巻きたちにもトレーナーがおらず、それが原因で問題児が野放しになっている



その対策をすべきだとヒバリは生徒会に直談判に向かっていてそこで何らかの結論は出るだろう



タキオンはその結果に基づいて対処される。それを大人しく待つしか方法はない



ヒバリからもそう説明され○○は頷いたがタキオンの実験室にやって来たのだ

「貴女の顔面を全力で殴れば謹慎」



アグネスタキオン「わかっているじゃないか」



「鼻が折れるくらいに殴ったら明日の短距離には出られない」




アグネスタキオン「暴力沙汰にはうるさいからねぇ」



「鼻血が止まらなくなるくらい殴られたらどれくらい痛いと思う?」



アグネスタキオン「……」



ジリジリと近付く○○にタキオンは待てと叫ぶ




アグネスタキオン「謹慎で済まない可能性がある!それがわからないはずないだろう?」



「貴女を殴りたいくらい怒ってるわけじゃない」



じゃあやめるんだとタキオンは叫ぶが○○は冷静に答える




「人のトレーナーに手を出されて黙ったままのウマ娘と思われたくない」



アグネスタキオン「待ーー」



言葉を口に出す前にタキオンの顔面に○○の拳がめり込む



暴力で復讐することは悪だが大人しくタキオンの処分を待てるほど○○は善良でもない。その結果加減なしの一撃がタキオンに放たれた



下1~3
学園内外のイベント

タキオンを殴り飛ばした瞬間腕に痛みが走る。何が起きたか理解する前に○○はその場に倒れ込む




アグネスタキオン「やってくれたねぇ……」



転んでもただでは起きないと殴られた瞬間カウンターで○○の腕に注射器を刺していた。○○はタキオンが白衣でなかったので注射器への警戒をしていなかった



うつ伏せなって倒れたまま動かない○○。動けないだけでなく泡を吹いてしまっている



アグネスタキオン「さぁ実験といこう……か……」



実験という名の倍返しを行おうとした矢先、タキオンの意識が途切れかける。ふと自分の姿が鏡に映り何が起こっているか自覚する



上半身は血まみれで鼻からの出血が止まらない。蛇口を捻ったかのように血が流れ出ている




血を止めなければ最悪の事態もありえる早く止血を……そこでタキオンの意識は完全に切れた




タキオンの実験室で二人は相打ちとなってしまう。どちらも危険な状態で一刻も早く助けが必要な状況だ




ヒバリ「○○っ!!」



シンボリルドルフ「これは……」




生徒会室から戻ったヒバリは○○が居ないことに気付き慌ててここにやってきた。ルドルフはタキオンに注意する為に実験室を訪れた



ヒバリの的確な応急処置により二人とも大事に至ることは無かった

アグネスタキオン「とんでもなく酷い目に遭ったよ、これもみんなキミのせいだよぉ!」




タキオンはその日のうちに病院から寮に戻り○○は念の為入院することになった。その間に処分は決まり二人は仲良く一ヶ月の謹慎処分




ミホノブルボン「SNSでは早速話題になってます」



○○は鬼畜トレーナーの手先であるウマ娘Aが毒殺を試みる



今回のことを大袈裟に面白おかしく扱っている記事だが、○○が泡を吹いていたという目撃証言が出てしまい信憑性が増してしまう



それに○○が入院している病院も特定されてしまい悪い意味で盛り上がってしまっていた



これ以上騒ぎが大きくなるのも不味いしタキオンが星やそのトレーナーに手を出すのも避けたい



ここはタキオンの機嫌を取ろうと薬の実験台になるからと彼女を宥める



アグネスタキオン「それは素晴らしい!」



毒や目玉を潰すなどの危険実験はやらないとだけ釘を差すがタキオンは聞いているのかどうかわからない



モルモットを好き勝手にできるという悦びが彼女を支配していた



下1~3
学園内外のイベント

○○とタキオンの件を重く見た生徒会はトレーナーがいないウマ娘達に監視の意味も込めてトレーナーを配属する事に決める




しかし生徒会のメンバーであるブライアンがトレーナー配属を強制させることに否定的だ



ナリタブライアン「私に見合ったトレーナーがいない」




ウマ娘の実力とトレーナーの能力が見合わないパターンは少なくない。下手なトレーナーに自分の実力を下げられる可能性がある




ブライアンは一人でG1を連覇できる実力があるがトレーナーはずっと存在しない。居るだけかえって邪魔だと言い切る




ルドルフもそれはわかっているので強制はしないがそれに近い形を取るという。エアグルーヴは強制で良いと反論するが聞き入れられない




シンボリルドルフ「トレーナーという名の監査役が落とし所だろう」



ブライアンにもトレーナーはつくがトレーニングには干渉させない。あくまで素行を監視する為のトレーナー



ブライアンもトレーニングに干渉しないのならと肯定する。監視役のトレーナーにどこまでの権限を与えるのかは議論を詰める必要がある

その話を生徒会室の前で前立ち聞きしていたブルボンは強制されることは解せないとブライアンと同じことを考えていた



だが強制的にトレーナーが付くようになればあのトレーナーとライスの関係も終わるだろうと安心もする



もう彼のトレーニングを受けられないのは残念と思ってしまうがこれでよかったのだと自分を納得させる



もしかしたら彼を『マスター』と呼ぶ未来もあったかも知れないがその未来はその未来は存在しない




新しく付くトレーナーが期待できない人物でも自分のやることはこれまでと変わらない。ライスと共にトレーニングを続けていけばいい




このことを彼とライスに報告しもう二度とあの廃屋にはいけないと知らせるのが最後



そのことを伝え終われば彼がどこでどうなっても自分たちには関係ない、これで全てが終わるとブルボンは胸を撫で下ろす




下1~3
学園内外のイベント

「レース前にごめんなさい」




耳も元気がなくへたったままヒバリに謝る○○。ヒバリは手遅れにならなくて良かったと責める言葉は口にしない




ヒバリ「私こそ迂闊だったわ」



生徒会への報告を一人でなく一緒に行こうと言っていればこうならなかった。ヒバリの注意が足らなかったと後悔している



一ヶ月の謹慎のうち最低でも一週間の入院が必要になったのも反省点だとヒバリは頭を抱える




そこまで落ち込まなくともとヒバリに声をかけるが自分がこうなっているのでそれ以上言えることがない

そんな時扉がノックされ入ってきたのは空のカゴを持ったオグリキャップだった



カゴの中には見舞い品のフルーツをが入っていたそうだが途中で何故か無くなったらしい。彼女のお腹が膨らんでいるのでそういうことだろう




オグリは以前○○といいレースが出来たのでG1に来るのを楽しみにしていたから今回のことは残念だと肩を落とす




私と適正が似てるからまた勝負が出来る、次の機会を楽しみにしていると笑顔で語りかける




(まさか怪物にそんな事を言われるなんて)



以前の自分じゃありえないと○○は驚く。やはりトレーナーは自分にとって悪い人ではなかったと思い返しているとオグリキャップからトレーナーについての話を聞く




全てのウマ娘にトレーナーがほぼ強制的に付けられると決定したそうだ。自分に見合ったトレーナーがいないのでいつもは一人でトレーニングをしている



もしくはタマやクリーク達とトレーニングしてたからオグリは不安だと口にする




オグリキャップ「追放されてなければ君の元トレーナーに担当して貰いたかったな」




そう言われ○○は驚きが隠せない。見ていて彼のトレーニングは凄く良く彼の世間の評判はあまり納得いかないとまで話す



まさかオグリまでとヒバリも驚く。彼はウマ娘を魅了し惑わす何かを持っているという仮定が確信に変わりかける



強制的にトレーナーが付くようになり彼はもう学園とは関わることはないだろうと考えるが『何か』を持っている彼は不安要素でしかない




下1~3
学園内外のイベント

トレーナー強制配属に納得がいかないシリウスは廃屋でトレーナーに対し愚痴をこぼしている



シリウスシンボリ「納得いかねぇ」



トレーナー「暴挙とも言えるよね」



どうすればいいか考えろと無茶なことを言うが僕はもう学園の人間じゃないからと答える



シリウスシンボリ「お前もライスと離れたくないだろ」



確かにその通りだとトレーナーは腕を組み考え込んでしまう。彼女を手放すことを避けたいのは本音だ




それに強制的に付いたトレーナーに対しライスが何かしらの行動を取る危険性もある。事故にみせかせて命を奪うことくらい平気でやってしまいそうなのだ



もしライスが殺したいと相談してくれれば一緒に完全犯罪を行うことはできるが、彼女の性格を考えると相談する前に行動してしまうだろう



死体を処理するのは骨が折れるしライスだけに手を汚して欲しくないどうしようか。トレーナーの思考は別の方向に向かっている

考え込むトレーナーに後ろからタキオンが抱き着く




アグネスタキオン「私に弁当を作っておくれよぉ~~」




ここじゃ作れないからとやんわり断るがタキオンはトレーナーから離れず甘えている




それが気に入らないシリウスはライスは緩くなったから乗り換えかと鼻で笑う。そんなことはないとトレーナーは否定しタキオンに自分から離れるよう促す




アグネスタキオン「謹慎はつまらないから私の相手をしておくれよぉ」



学園はトレーナー強制の件でざわついているが謹慎中のタキオンには関係ない。寮で大人しくできる性格でもないので廃屋に毎日やって来ている




トレーナー「どうしようかな……」




強制トレーナーを止めることはできないならその対策をするしかない。急に決まったルールなのだから抜け道は必ずある



本当にどうにもならないのならライスと共謀してやるべきことをやる。自分のやることが決まったとトレーナーは真剣に思考を巡らせる




下1~3
学園内外のイベント




寝る

○○の病室にはオグリキャップ以外に次々と見舞いがやってくる




ハルウララとタイキシャトルは早く元気になって欲しいと騒ぎ過ぎ看護師に怒られていた



うるさいのは好きではなかったが自分の為に心配してくれるのが嬉しかったので○○は自然と笑みが溢れる



彼女らとヒバリが帰ったあとにやってきたのはフジキセキだった。寮長として入院はどのくらい必要なのか具体的な日にちを確認に来た




寮に一人居ないだけでも色々なところに影響が出るので必要なことらしい




「お見舞いはついでなんだ」



不貞腐れたように○○は言うが寮長として優先することがあるとフジキセキは言い切る



フジキセキ「心配しないわけないじゃないか」



機嫌を直してとどこからか帽子を取り出したところを○○は慌てて止める。こんな所で鳩を出されても困る



フジキセキ「もう遅いよ」



「ああっ」



数羽の鳩と引き換えにフジキセキの姿が消える。残された鳩をどうすればいいのかと頭を抱えることしかできない

ヒバリが学園に帰るとウマ娘たちが騒いでいる様子が目に入る。トレーナー強制の件で騒いでいるのかと思ったがそうではないらしい




ウイニングライブとは違うライブという言葉が耳に入る。そういえば自分が現役のときに聞いたことがあるような



思い出せそうで思い出せない、もう少しで出てくるのにとうんうん唸っているとある人物がヒバリに近付いてくる




ライトハロー「ヒバリさんですよね?」




ヒバリ「貴女……ライトハロー?」




後輩であるライトハローとの再会を喜ぶヒバリ。どうしてここにいるのかを尋ねるとある計画を始めるのだという



ヒバリ「グランドライブ!そうよそれが出てこなかったのよ」




かつてウイニングライブとは違う形で行われていたウマ娘全員が主役のライブ。今のライブはセンターを勝ち取ったウマ娘の為のライブでありグランドライブとは考え方が違う




ライトハローはそれを復活させようと学園やウマ娘と協力していくのだという



自分が現役の時もセンターで踊る機会は最後まで無かった。そのことを考えるとグランドライブ復活には参加したい



協力できることがあるならするとライトハローに約束しその場を離れていく




ライトハロー(誰が協力してくれるのかも知らせておきましょう)



学園の中を知るにはウマ娘だけでなく外部の協力も必要になる。そこでトレーナーはライトハローに学園に潜り込むよう協力を仰いだ



ライトハローもグランドライブの再建が目的ではあるがトレーナーに情報を流すのが大きな目的になっている




下1~3
学園内外のイベント

その頃教室ではいつもの5人が話し合っていた



スペシャルウィーク「毒殺事件にトレーナー強制配属にグランドライブ。短期間に色んな事が起きてるね」



キングヘイロー「トレーナー強制配属ね。悪いけど中央の癖に全体的にトレーナーの質悪くないかしら?」



グラスワンダー「例の鬼畜トレーナーの件もありますし、トレーニングは自分達だけで十分です」



エルコンドルパサー「下心しかない男は成敗するだけデース!」



彼女らはグランドライブよりトレーナーが強制配属されることを気にしている。そこまで警戒することでは無い事案なのだが鬼畜トレーナーの事件があったので警戒心が高くなっている



セイウンスカイ「トレーナー付いたらサボれなくなっちゃう~~」



セイウンスカイだけは別の意味でトレーナーは要らないと言っている

そのまま話題は鬼畜トレーナーと○○の話になっていく



スペシャルウィーク「ウララちゃんに聞いた話だと毒殺未遂で間違いないって」



グラスワンダー「酷い……」



キングヘイロー「アグネスタキオンは追放すべきよ!」



タキオンの一ヶ月謹慎では足りないというのが多数派のようで学園内でもその意見が殆どを占めていた



トレーナーの質が良くないのは中央ではトレーナー免許が別途必要になることだとグラスが説明する



オグリキャップも地方では素晴らしいトレーナーが付いていたが免許の関係で中央に来れなかった



エルコンドルパサー「免許を廃止すべきデース!」



スペシャルウィーク「トレーナーは私たちを助けるための制度なのに」



このままでは精度のせいで自分たちが不利益を得る。ウマ娘の為のトレセン学園なのにこれで良いのかと5人は不満を口にする




下1~3
学園内外のイベント

タキオンを追放するべきだと言う意見に
ダスカ「はぁっ!?タキオンさんは○○に殴られてるのよ正当防衛よ!!」
カフェ「流石にタキオンさんも毒殺なんて……するかも知れませんね」
とタキオンを慕う者たちからこんな声が上がる

いつもの廃屋ではタキオンとトレーナーが二人きりで座っている。普段ならまだ授業が行われている時間だがタキオンは謹慎中



アグネスタキオン「学園では私を退学させるかどうか話し合ってるみたいだねぇ」



トレーナーに後ろから抱きつき頬ずりして甘えているタキオン。退学されそうだというのに余裕そうだとトレーナーは答える



アグネスタキオン「これからは君がいるからねぇ私の面倒をしっかり見てくれよ」



トレーナー(思ってる以上に懐かれちゃったな)



タキオンの態度に困惑するトレーナーだが彼女は更に彼を困惑させる




彼女は抱き着いたままトレーナーの肌や目を触ったかと思うと上半身を撫で始めた



アグネスタキオン「透き通った白い肌、男とも女とも捉えられる顔立ち、そして……」



トレーナーの正面に回り込み顔を近付けるタキオン。唇同士が触れる距離まで近付きトレーナーの顔を凝視する

アグネスタキオン「君の狂った色の瞳……最高だよ」



悪い予感がしたのでトレーナーはタキオンから離れる。その反応が期待外れだったのか彼女は浅くため息をつく



トレーナー「君の面倒見てもいいけど危ない実験はしないよ」



残念だねと耳がパタリと倒れるが表情は変わらない。自分から離れたトレーナーの所に向かい今度は前から抱き着く




アグネスタキオン「こうされないと劣情の一つも湧かないのかい?」



再び顔を近付け距離が無くなる。少しでも動けば唇が触れ合ってしまう



タキオンはこういった行為の経験は無かったが目を瞑らずじっとトレーナーの目を見続けている



トレーナーへの感情は好意ではなく興味や恐怖が占めていたがそれが彼女の好奇心を煽る



彼と結ばれればどうなってしまうのか、退学という人生を左右する問題よりも興味が勝ってしまっている



下1~3
学園内外のイベント

タキオンを追放するべきだと言う意見に
ダスカ「はぁっ!?タキオンさんは○○に殴られてるのよ正当防衛よ!!」
ツヨシ「100%ツヨシにしてくれました!」
カフェ「流石にタキオンさんも毒殺なんて……するかも知れませんね」
とタキオンを慕う者たちから反対意見が

学園ではタキオンを追放すべきだという意見が大多数を占めていたが一部のウマ娘は強く反対していた




ダイワスカーレット「タキオンさんは悪くないわ!」



ツルマルツヨシ「100パーセントツヨシにしてくれた恩は忘れられません!」



マンハッタンカフェ「流石のタキオンさんでも毒殺は……するかもしれません」




スカーレットはタキオンの扱いにも日頃から不満を持っていたこともあり怒りを爆発させている




ツヨシとカフェは完全に擁護している形ではないが退学はやり過ぎだと周りに同意を求めている




タキオンの追放に賛成しているウマ娘の殆どは次は自分かもしれないという不安を抱えているからだ



○○のように目立ってしまえば鬼畜トレーナーの命令でタキオンに殺される。そう思われても仕方ない状況になっている

その話をヒバリも知ることになる。彼女としてはタキオンが学園から居なくなった方が都合が良いとは考えていた



しかし中央がそう簡単に退学という判断を下さないのも知っている。自分の時でも酷い後輩イジメを行っていたウマ娘は結局退学にならなかった




タキオンはレースへの意欲を示さず授業やテストにもあまり出ない問題行動が多いウマ娘ではあるが退学はさせられないだろう




怪我で走れなくなる以外に退学という処分は下されない。この学園の良い所であり悪い所がタキオンを守ることになる



○○が毒殺未遂というのは大袈裟かと思ったがそうでも無いらしい。毒に耐性のあるウマ娘が泡を吹いて倒れるようなものを注射されたのだ



注射されたものの正体は昆虫毒の一種でタキオンがより毒性を強めたもの。人間相手ならば確実に死んでいたという




注射された量が少なかったので大事には至らなかったが殺人未遂で立件されてもおかしくない事案だった



それを庇ったのは学園でタキオンは謹慎で済んだ。これを許す学園側にヒバリは不信感を強く覚える




ヒバリ「彼女を守るのは私の仕事」



トレーナーと学園は大人しくしているはずがない、何か起こる前に○○だけは守ると決意を固める



下1~3
学園内外のイベント

トレーナー強制やタキオンの件などで生徒会は慌ただしくなっていた。特に中央は外部からトレーナーを呼ぶことは出来ないので対応に苦労している



そんな中ブライアンはタキオンについて納得がいかないことがあるとルドルフと話す




ナリタブライアン「全部例の鬼畜トレーナーが悪い。奴が脅されたなら警察にでも言えばいいだけだ」




シンボリルドルフ「彼は地方を追い出されてからは行方不明だ」




行方知れずといってもタキオンと切れたわけではない、彼女を尋問すべきだとブライアンは提案する




タキオンは学園によって守られているので尋問どころか退学も不可能。会長としてできることはないとルドルフは悔しがる

エアグルーヴはタキオンは脅されて薬を作り毒殺しようと企んだらしいが彼女の性格を考えて脅しに屈するのかと疑問が浮かぶ




○○も無理矢理薬を飲まされたと言っていたが人間がウマ娘に無理矢理などという行動がとれるのかと次々に疑問が浮かぶ




タキオンと○○が鬼畜トレーナーを追い出す為に策略したのではないか。エアグルーヴはその路線もありえると独自に調査していた



しかし今回の騒動でその線は消えた。○○は下手をすれば死ぬ可能性がありタキオンの出血量も演技とは思えないものだった




二人が協力していることは否定されたがこれは単純なものでなく複雑な何かが絡み合っているとエアグルーヴは確信している




場合によってはこの二人も敵に回る可能性もあるとエアグルーヴは自分以外を信用できなくなっていた

「はぁ、ふう」



病院では○○がトレーニングを行なっていた。本当なら退院となっているはずだったが体調が良くないとして入院を伸ばしていた




実際に体調が悪いわけではなく退院しても謹慎中はトレーニングができないことを知り○○は病院に残ることにしたのだ



幸いにもこの病院にはリハビリ施設やルームランナーなど簡易ではあるがトレーニングを行える環境があった




謹慎中にトレーニングをしようとすると学園を抜け出しトレーニングジムに向かうか、学園から離れた場所で走るしか選択肢はない




それなら退院せずここでトレーニングを行おうと彼女は閃いた。入院が延びることによりよからぬ噂が広がるかもしれないが自分はここにいるので問題はない



ヒバリにもあとで話を通しておこうと○○はトレーニングに励みながらそう考えていた



下1~3
学園内外のイベント

トレーニングを終えた○○が病室に戻ろうとすると、彼女に会いに来たライトハローとぶつかってしまう



「わっ」



むにゅんというまるでマシュマロがぶつかり合ったかのごとく柔らかい衝撃音が走る
 



お互い謝ったあと○○は貴女は誰で何の用だと質問する。ライトハローはヒバリの担当でありトレーナーの担当でもあると聞いたので挨拶に来たと答える



「ヒバリさんと知り合いなの?」



ヒバリとは現役時代の先輩後輩でトレーナーは自分がプロデューサーになってからの知り合いだと言う



トレーナーはライブやイベントでアドバイスをくれる優秀な人と認めているので薬の事件は何かの間違いだと思ってるとも話す
 



彼女になら真実を伝えても構わないかと考えるが初対面で信頼するにはまだ早い。ヒバリから許可を得てから事情を話そうとこの場は流す




その代わり自分の入院が延びたことをライトハローに伝えると彼女は興味津々といった感じで聴き入る



この人は私の情報を欲しがっていた。反応が記者のそれと同じことに気付き○○はライトハローへの警戒を高めた

ライトハローは○○は謹慎が開けるまで入院を続けるのという情報をトレーナーに報告する



トレーナーはそのことに対しお礼を言いその言葉でライトハローは一気に高揚する



トレーナーの本性は分かってるが既に魅了されてしまっており無条件で彼に協力してしまう



プロデューサーとしてではなく一人の雌として彼に魅了されてしまっているのだ




報告が終わりそのお礼に何かが欲しい。そう思っていたが電話口の向こうから雌の声が聞こえてくる



トレーナー「彼女が星になるのはもう少し引き伸ばしだね」



アグネスタキオン「言っておくけど私のせいじゃない」



声の質でわかるこの雌はトレーナーと親しい関係にある。どこの誰と一緒にいるのかと問い詰める必要がある



トレーナーを質問責めにしようとした所で電話の向こうから雑音が聞こえてくる。それは雑音というよりもまるで……



音の正体に気付いたライトハローはスマホを地面に叩き付ける。電話口の雌はこちらに気付いてあんなことをしたのだ



自分と電話をしていたトレーナーの口を口で塞いだ。しかも音が聞こえるようにわざと激しく音を立てた



雌の正体を暴いて制裁を加えてやる。普段の彼女からは想像できないほど嫉妬に狂ってしまっている



下1~3
学園内外のイベント

ヒバリに謹慎明けまで入院する事とライトハローが来た事を伝える。「嘘でしょ…?ライトハローまで彼の味方なの…?」と絶句「いや、彼と知り合いってだけで考え過ぎ…?」とも

唐突なタキオンのキスに驚くトレーナー、急になにをするんだい?と聞くも「彼女とはもう関わらない方がいい」「君はウマ娘を誘惑するフェロモンを出してる事に気づいた方がいい」と言われ「?」を浮かべる

>>546+>>547
+彼女のグランドライブには興味があるが、彼女はなるべく避けるべきかも
と考えるタキオン

唐突なタキオンのキスに驚くトレーナー。キスという行為は二回目だが前触れもなく急にされたことで動揺を隠せない



トレーナー「急になにをするんだい?」



辛うじてそう答えるが彼女とはもう関わらない方がいいとキスに関しての返事では無かった



トレーナーの質問に答える代わりにタキオンは再度彼に顔を近付ける



アグネスタキオン「君はウマ娘を誘惑するフェロモンを出してる事に気づいた方がいい」




意味がわからないと不思議がるがタキオンはスカートをめくりその証拠を見せつける。たった一回のキスで灰色の下着の一部は黒くなっていた




私は自制心が人よりあるから抑えられるが並のウマ娘ならとっくに強姦されているとタキオンは見せつけながら言う



スカートを直すよう何度も注意しようやくタキオンはスカートを戻す



ライトハローが復活させようとしているグランドライブには興味があるが彼女はなるべく避けるべき。タキオンはそう考えライトハローから距離を置かせようと企んでいた



先程のキスでライトハローの標的は自分になりトレーナーのことは後回しになる。そこまで考えての行動だった



自分でさえこうなってしまうのに○○はよく我慢できたものだと思っていたがそれは違うのかもしれない



アグネスタキオン「魂か」



ウマ娘は別世界の名前と共にこの世界に生まれ落ちる。その魂が彼に惹かれているのだとしたら



○○には別世界の名前が無いのではなかろうか。タキオンの仮定は積み上げられていく

ライトハローに続きヒバリも○○を訪れる。ヒバリに謹慎明けまで入院する事とライトハローが来た事を伝える



ヒバリ「嘘でしょ……ライトハローまで彼の味方なの?」



いや自分の考え過ぎだ彼女は潔白だと思い直すも○○は自分のことを語った時のライトハローのリアクションを伝える



ゴシップを求める記者と同じものだったと伝えると呻き声をあげながら○○のベッドに倒れ込む




ヒバリ「あの子は可愛い後輩だったのに……」



「邪魔だからどいて」



ヒバリをベッドから引き摺り落とし今後の対応をどうするかを話し合う。グランドライブには参加しない方が良いのは確かだという共通の認識はある



しかしグランドライブが盛り上がりそうなら参加しない方が不自然になる。当分の間は様子を伺おうという結論に至る




「やっぱりトレーナーって凄い人だ」



ヒバリ「凄いの意味が違うのよぉ……」



サイコが自分の知り合いにまで牙を剥いていると知りヒバリはショックで立ち直れない




下1~3
学園内外のイベント

学園では「グランドライブ向けて逃げシス頑張ろ~」「はい」「嘘でしょ…また巻き込まれてる…」
スマートファルコン、ブルボン、サイレンスズカが逃げシスのミーティングを

スマートファルコン「グランドライブ向けて逃げシス頑張るよ!」



ミホノブルボン「はい」



サイレンススズカ「嘘でしょ……また巻き込まれてる……」



学園ではグランドライブに向けミーティングを行っていた……とはいってもファル子が強引にやっているものでスズカは何も知らされていなかった



逃げシスのゲリラライブは数回行ってきたがどれも観客が少なくどうすれば良いのか悩んでいた。そんなときグランドライブを知りこれしかないとファル子及び逃げシスは参加を決めた




彼女らが参加したことにより学園内でのグランドライブの認知度は上がり複数のウマ娘に興味を持たれている



このチャンスを逃げシスが逃すわけにはいかないと真剣にミーティングを進めていく

スマートファルコン「最近ブルボンちゃんミーティング参加してなかったけど何かあった?」



これまでも逃げシスのミーティングは行われていたがブルボンはトレーナーの元に向かっていたので参加していなかった



ミホノブルボン「ご心配掛けましたこれから問題なく参加します」



もうすぐトレーナーが配属されライスと彼の関係は終わる。これで心配事が無くなりステータスも好調になっていた



その後もミーティングは続き具体的な対策やレッスンの内容も決まる。レース以外にもやることができ頑張っていかなければならない



頭ではそう理解しているが心の奥にモヤモヤしたものがブルボンの中で蠢いている



この感情が何なのか答えを出せず大きな悩みとなってしまう。ライスの心配が無くなり心は軽くなるはずなのにかえって重みが増していく




下1~3
学園内外のイベント

トレーニング出来るとはいえ入院生活は暇だと思っている○○、病院内を徘徊してたら同じく入院していたウマ娘メジロアルダンと出会う。

メジロというかマックイーンとは一悶着あったので気まずくて目を逸らす

>>557
話は聞いてます、あれはマックイーンにも非があるから気にしなくていいと話してくれた。
その後、「貴女、マックイーンの元トレーナーとはメジロ家に来てくれた時に一度話したことがある」
「腫れ物扱いされてる自分にも分け隔てなく話してくれる優しい人だけど」
「彼と話してると心が安らぐ彼には危険な甘さがある」だから正直マックイーンの担当を外れて安心してると話す

トレーニングが出来るとはいえ入院生活は暇なので○○は病院内を徘徊していた



「あっ」



メジロアルダン「貴女は確か○○さん?」



すると同じくこの病院に入院していたメジロアルダンと出会う。マックイーンとは一悶着あったので気まずくて目を逸らすがアルダンは気にせず話しかけてくる



マックイーンにも非があるからそこまで気にする必要はない。他のメジロも同じ意見だから安心して欲しいと○○を安心させる




マックイーンはどうでもよかったが他のメジロと仲が悪くなるのは不利な気がして避けたかったので○○は良かったとホッと息をつく




いがみ合う必要が無いのなら暇つぶしに話そうと雑談に誘うとアルダンは自室でならと○○を誘う



彼女は松葉杖をついていなかったが脚を引きずっており状態が良くないことがわかる。立ち話をしてる場合じゃないと○○はアルダンをおぶって彼女の病室に向かう

話していくうちにトレーナーの話題が出てくる。するとアルダンは過去に一度話したことがあるという



メジロアルダン「こんな私にも分け隔てなく話してくれる優しい人ですけど、彼と話してると不思議と心が安らぐんです」



彼には危険な甘さがありマックイーンの担当を外れて安心したとまで言う。○○はトレーナーが危険だと言われる意味がわからなかった



「あの人は異性としては見れなかった」



○○はトレーナーに執着はしたが恋愛感情や劣情を抱いた経験は一度も無い。男性として魅力があるとは決して言えなかった




しかしアルダンは彼は危険だとまで言い切る。トレーナーを嫌ってるわけではないのはその態度でわかる




メジロアルダン「嫌な予感がするんです」



トレーナーを巡ってよからぬことが起こるのでは無いか。アルダンはそれを自分の脚よりも心配している



下1~3
学園内外のイベント

>>562
危険と言ってもピンと来ない○○、「ヒバリさんはトレーナーの事嫌い?」と聞くヒバリは「好きか嫌いかと聞かれれば好きではない」「嫌いかと聞かれれば…そういうわけでもないし」複雑な表情を見せるヒバリ

>>563
「でも貴女と同じ異性として魅力は感じないわ」
「男とは思えない透き通った肌や中性的な顔は悪くないと思うけど……」
「たまに見せる凍り付くような目付きが最悪ね」と語るビバリ

翌日、ヒバリにアルダンとの話の内容を話す。ヒバリはトレーナーの本当の危険さを理解してる娘がいる事に安心する



しかしトレーナーが危険と言っても○○はピンと来ていない。ヒバリはトレーナーの事嫌いかと聞くと好きではないと答える



ヒバリ「でも嫌いかと聞かれれば……そういうわけでもないわ」



複雑な表情を見せるが○○と同じく異性として魅力は感じないと言う。男とは思えない透き通った肌や中性的な顔は悪くはない



世の中の男性の中でも上位に入るくらいに良い見た目をしているので無条件に嫌われることはないだろう




ヒバリ「たまに見せる凍り付くような目付きが嫌ね」



彼の目付き、『目』に関しては○○も同意見だと言う。不気味なような気味が悪いような、とにかく良くないものだと表現する



不快の一歩前、ギリギリ許せるようなあの目だけは気に入らなかったと○○は彼に対し珍しく不満を零す



トレーナーが危険なことには変わりないのでこれからも警戒を続けようという結論になり、○○はトレーニングに向かった

実験に必要なものを手にしながらタキオンは廃屋に向かっていた。その最中にトレーナーについての事象を考えていた




彼には間違いなくウマ娘を惹き寄せる何かがある。どういった意味で惹かれるのかはウマ娘によることもわかっている




ライスシャワーは彼に同情し心を惹かれた。身体の関係はあるようだがそれは成り行きの上での行為



自分はトレーナーに対し全くの好意は無いがあの瞳に劣情を抱き身体が反応してしまう



自制心が強ければ自慰で欲求は満たされ強姦という選択肢は消える。トレーナーと唇を合わせるだけで身体が熱くなっても問題はない



私はそれで済んだが自分と同じようなウマ娘が居たとしたら?そんな仮定を並べながら廃屋に向かい足を進めていると見慣れたウマ娘の姿を目にする




ミホノブルボン「……」



誰も居ないことを確認し廃屋に入っていく。タキオンはブルボンが自分と同類なのではないかという直感があった




アグネスタキオン「ふふふ……」



ニチャッという不敵な笑みを浮かべ廃屋にそっと近付くタキオン。これから中で何が起こるのか仮定が証明されるほど面白いものはない




場合によってはブルボンもモルモットに堕とすことができる。タキオンの笑いを堪えるのに必死になっている



下1~3
学園内外のイベント

ブルボンは自分にはトレーナーが付きライスにもすぐにトレーナーが付くのでここにはもう来ないと宣言する



今までトレーニングをしてくれた恩があるからこの場所は喋らないと約束する、これで関係は終わりだと言い立ち去ろうとする



しかしトレーナーは本当にそれでいいのかとブルボンに問いかける。その言葉に彼女は動揺する




ブルボンに付いた新しいトレーナーは短距離を走るように命じていた。三冠ウマ娘を目指しているブルボンには不満しかなかった



トレーニング表を見てもありきたりなものばかりでトレーナーが居なかった時より悪いともいえる




トレーナー「君の夢は叶うのかい?」




三冠ウマ娘を目指す上で新しいトレーナーの指導でやっていけるのか。出会って日は浅いがとても信用することができない




トレーニングの質だけでなく新しいトレーナーには惹かれるものが何一つとして無かった

トレーナー「僕はそれで構わないけど自分の夢を諦めるのはいけない」




優しい言葉を掛けられブルボンの心が揺さぶられる。よく考えてみると彼が考えてくれていたトレーニングは三冠ウマ娘に必要なトレーニングばかりだった



彼は自分の夢に挑戦をさせてくれる人なのではないかとトレーナーに惹かれていく




アグネスタキオン「どうしたものかねぇ」




隠れて様子を見ていたタキオンは自分の想像した展開にはならなかったが面白いことにはなっていると期待する




ブルボンの背中を押せば彼をトレーナーとして認めることになる。そうなった場合自分にメリットはあるだろうか




ライスはともかくブルボンは口先で誤魔化せる相手ではない。モルモットとして扱うことは難しい




トレーナー(モルモット)への実験はこれからどんどん過激さを増していく。いずれは片目をくり抜きそれを宝石のように飾ろうとも考えている




そんなことはライスが許さない、だから彼女を先に処分もしくは調教し完璧はモルモットに仕上げる



その過程でブルボンもモルモットにすれば良い。実験台は多ければ多いほど良い結果を得られる



ウマ娘の可能性を導く為自分のとる道は一つ。狂気ともいえる使命を勝手に決めているタキオンはブルボンをトレーナーに引き入れる為に行動する



下1~3
学園内外のイベント




寝る

タキオンは廃屋に入り新しいトレーナーより彼に従う方が君の為だとブルボンの背中を押す



突然タキオンが現れたことに驚いていたがすぐにトレーナーの方を向きその姿をじっと見つめる




アグネスタキオン「彼の目をよく見たまえ」



新しいトレーナーよりも信用出来るとブルボンにトレーナーの目を見るように指示する。 



ヒバリや○○には気に入らないと吐き捨てられたトレーナーの瞳はブルボンには宝石のように綺麗に見え引き込まれる




ミホノブルボン「あ、あ」




目を逸らそうにもタキオンが頭を掴み彼の目だけを見せるようにしている。彼女はトレーナーの瞳しか見えていない




ミホノブルボン「マ、マスター……」




その反応にタキオンはニチャっという邪悪な企みを含んだ笑みを浮かべる

そんなタキオンにトレーナーは不信感を覚える。このままじゃ自分はともかくライスに危機が訪れる




それにやたらの自分の目に拘る理由もわからず彼女をどうしたら良いのかと悩んでいる




こうなったらこの場所を捨てライスと共に逃げるしかないのか。他に選択肢があるのならそれに越したことはない




アグネスタキオン「モルモットくぅん」



抱き着き甘えてくる彼女には好意ではなく危機を覚える。ブルボンには悪いがライスには変えられないとこの場所を捨てることを決断する




ライスにはまだ現役でいて欲しいので彼女にだけ場所を知らせる。タキオンやブルボンに責められるだろうが少しの間の辛抱だ




学園(秋川やよい)はタキオンを庇っているがそれを止めるようアドバイスすれば彼女は学園から消える。そうなればこちらも手が出せる




実験台になるとは言ったが裏切らないとは言っていない。トレーナーはタキオンに見切りをつける



下1~3
学園内外のイベント

その日の夜トレーナーはライスに自分は場所を探す事を伝え見つけ次第すぐに連絡すると専用のスマホを渡す




ライスシャワー「お兄さま……」



当分は会えなくなってしまう悲しみで強く抱き付きトレーナーはそれに応えるよう唇を重ねる




ライスシャワー「んぁ」



水音が漏れるくらい激しく舌を絡ませる。このキスは性的なものではなくお互いの気持ちが溢れたもの




関係を保つ為に彼女の純血を奪ったときよりも心で繋がっていることが嫌でもわかる




永く続いたキスはその長さの分だけ互いの気持ちを伝え合う時間となった

数日後ライスにもトレーナーが付くことになったが彼に比べると二つ、三つと劣るトレーナーだった




こんなトレーナーに教えてもらうくらいなら消した方が早いと考えるがそれは彼に止められていた




トレーナー「ライスが他のトレーナーといるのは嫌だけどライスの手は汚して欲しくない」




彼のこの言葉で新しいトレーナーを殺めることはしないと誓っていた。殺すのは簡単だがトレーナーに迷惑がかかることにもなる




ライスシャワー「大好きだからねお兄さま」




ライスはもう二度と彼と会えないだろうと考えていた。あの日のキスでトレーナーがどういう人物かを知ってしまった



妄想を見たと言えばそれまでだが、あの時確かにライスの脳内には彼が今までやってきたことの映像が見えた




秋川やよいと共謀し○○を星に育てようとしたこと、とても合法とは思えない手段で邪魔者を追い込んだこと




彼の本心は別にありサイコじみた行動を繰り返し自分を慕うウマ娘を好き勝手に使っていること



彼が人を殺し死体を処理したこと



その全てを知ってでもライスは彼に対する気持ちを強めていた。彼と結ばれても幸せになれるはずがないとわかっても止められない




二度と会えなかったとしてもライスの愛する人はトレーナーだけなのだ

「大変なことになってるみたい」



ヒバリとの電話で学園が大混乱になっていることを知る。退院まであと一週間となったが入院を延した方が良いと思えるくらいに荒れているらしい




強制トレーナーが大失敗で混沌を招きその対応に生徒会、シンボリルドルフが苦労している




学園は一切の責任を取らず全てを生徒会に丸投げし理事長は学園から消えた。名目上は出張になっているそうだ




強制トレーナーが失敗した原因はその質の悪さでとても中央のトレーナーとは思えないほど酷い




中央のトレーナー免許は金を出せば取れるという噂があるが、それは真実かもしれないと広まっている




「戻るなら今がチャンスかも」




混沌としている中に帰りたくはないが自分の噂はもう回っていない。戻るならこのタイミングしかない




体調が悪いと嘘をついて退院を延ばしたのでその逆もできるはず。事情を説明して早めに退院しようと○○は学園に戻る準備を進める




下1~3
学園内外のイベント

やりすぎ?
タキオンはモルモットと出会ってなかったらこれくらいかと思ってた
あとトレーナーが本当に人を殺したとはまだ確定はしてない

あまりに納得いかないならリセットする?
こっちも安価来ないと書けないし

ヒバリきてからリセットかクスリやる前に戻る
[ピーーー]にしてもマーチャンみたいにボカせってことね

リセットか続きからかアンケとる
頼んだ

わかったこのまま締めて完結させて新スレ建てて初めからでいく
終わらせ方は思い付いたけど最後にどんなことが起こったとかの安価だけ出しとく。全部は採用しないかも

下1~3で頼んだ

自分はどこで間違えたのか。人気が無い場所でトレーナーはじっと考えていた



○○を新しい世代の星にするという考えは間違っていなかった彼女の才能は素晴らしいものだった




シンボリルドルフに並ぶかそれ以上の結果を出せると確信していた、それなのにこれはどういうことなのか




考え抜いたトレーナーはアグネスタキオンと出会ってしまったことが悪かったという結論に至る




アグネスタキオンのせいでこうなっているのなら彼女との出会いを無かったことにすればいい。トレーナーは目覚まし時計を取り出し戻ることを決断する




トレーナー「これで残りは3つか」




気に入らない結果でも『トレーナー』は5回まで無かったことにできる



戻ってすぐに計画を練り直し○○を完璧に星にしてみせると意気込むトレーナー。そんな彼の肩を誰かが叩く




アグネスタキオン「逃げたモルモットには罰が必要だねぇ」



トレーナーの意識はそこで途切れ二度と目を覚ますことは無かった。手から滑り落ちた目覚まし時計は運悪く壊れることが無かった

「なにこれ」



○○が学園に戻ってくるとそこは地獄と化していた。強制トレーナーの件でウマ娘の鬱憤が溜まり暴徒と化していたのだ



学園中の建物は半壊しトレーニングやレースなど行える状況ではなく警察の特殊部隊が学園内をうろついている




「なに……これ……」




トレセン学園というウマ娘の栄光は消え去った。ここにはもう自分の居場所は無いと○○は学園から立ち去る




これからどこに向かうのか自分も分からない、当てもなくふらふらと○○は歩き続ける




学園の惨事を知ったヒバリから着信が続いたが○○はスマホを近くの川に投げ捨てる




彼女がどこに行き何をしているのか誰も知らない





目標未達成……

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