かのん「野球をしよう…チーム名は、リエラバスターズだ!」 (105)

きな子「…」

すみれ「…」

四季「。。。」

夏美「えー…」

メイ「いやいやいや」

恋「確かに9人いますけど…」

千砂都「リしかあってないよね?」

可可「何とあってるデス?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1660183723

かのん「そうだよね、そういう反応になるよね」ウンウン

きな子「そりゃそうっすよ…」

四季「野球、やったことない…」

メイ「小学校の授業でやったきりだな」

可可「中国ではそこまでメジャーではないデスね。やるなら卓球デス」

恋「冗談はさておき、練習に移りませんか?」

かのん「おーっと、これが冗談じゃないんだよね」

恋「え?」

かのん「今日、偶然グラウンド使う部活がなくってさ。使い放題なんだよね」

恋「そういえばそうですね」

夏美「えっ!? じゃあ本当に野球やりますの!?」

千砂都「いいんじゃない? たまには外でスポーツっていうのも」

すみれ「そうね。色々な体験をして体を鍛えるっていうのはアリね」

すみれ「こういう多くの経験がショウビジネスでも役立つのよ」フフン

可可「そうして器用貧乏なだけのグソクムシが生まれたのデス」

すみれ「うっさい」

メイ「うわぁ…本気か」

かのん「そしてみんなの能力を考えて、打順と守備位置はこのようにしました」ドヤァ

恋「いつの間に決めてたんですか…」


1遊 千砂都
2二 メイ
3投 すみれ
4捕 恋
5中 夏美
6一 かのん
7三 きな子
8右 四季
9左 可可


夏美「私クリーンナップですの!?」

メイ「千砂都先輩と二遊間…!?」

すみれ「ふーん、この私を投手に抜擢とはやるじゃない」

可可「すぐ打たれてかのんと代わるのがオチデス」

すみれ「三塁が運動苦手なきな子だし、アンタの負担少なくないから覚悟しなさいよ…」

千砂都「そうそう、三塁って結構強いボールが飛ぶことが多いんだよね」

千砂都「だから、きな子ちゃんのとこは大変だろうから頑張ってね」

きな子「えーっ!? ムリムリっすよー!!」

恋「私、キャッチャーの動きをよく分かってないんですが…しかも4番って」

四季「ライパチ…」

かのん「はい、そして当然相手も用意しております」ススッ

夏美「準備良すぎですの」

可可「って…アレハ!?」


侑「どうもー、今日はよろしくお願いします」


1中 桜坂
2一 中須
3三 朝香
4遊 宮下
5左 ヴェルデ
6二 天王寺
7右 近江
8捕 上原
9投 優木

可可「レジェンドスクール…ニジガク!?」

可可「ニジガク…ニジガクデス!」

きな子「知ってるんすか?」

可可「知ってるなんてもんじゃないデス!」

可可「優木せつ菜の投手力」

可可「朝香果林、宮下愛の打撃翌力」

可可「そしてエマ・ヴェルデの華やかさと存在感」

可可「レジェンドベースボールスクールアイドルなのデス!」

きな子「えっ、野球で有名な人たちなんすか…?」

侑「お互いに礼!」オネガイシャース

ランジュ「さぁ、急遽始まった一戦、結女VSニジガクのまさかの野球対決!」

ランジュ「実況はこの私、ショウランジュ」

ミア「解説はミア・テイラーでお送りするよ」

栞子「一回の表、虹ヶ咲の攻撃は一番・中堅、桜坂」

きな子「素人の草野球に審判実況解説ウグイス嬢までつくんすね…」


かのん「さぁ、まずは守るよ! Liella!――」

「スーパーS・T・A・R・T!」

メイ「先頭バッターは…!」

四季「直前の練習ですごく足の速かった人…」

夏美「要注意ですの!」


しずく(私は野球選手…! 野茂…岩隈…ダルビッシュ…!)

すみれ「ふふん、ショウビジネスの世界で鍛えた私の投球術、見せてあげるわ!」ストライーク

しずく(松坂…田中…佐々木朗希!)ストラーイク


ランジュ「あっという間に追い込まれたわね」

ミア「そりゃそうだよ。運動は出来るけど球技は苦手って自分で言ってるし」

しずく「あんっ!?」ストライーックバッターアウッ

ミア「野球選手になりきってるみたいだけどあれ全部投手だしね」

すみれ「恋ー、しっかりボール取れてるじゃない」ポスッ

恋「はい、これならなんとかなりそうです」


栞子「二番・一塁手、中須」

かすみ「ドンマイしず子」ポン

しずく「うぅ…」

かすみ「さーて、それじゃあ世界一可愛いかすみんの打撃、見せてあげますかー!」

可可「ほおおおお! 世界一可愛いかすみんデス!」

可可「かすみん( ゚∀゚)o彡! かすみん( ゚∀゚)o彡!」フリフリ

すみれ「相手を応援してどーすんのよ!」

かすみ「…」コツン

メイ「えっ…!?」

恋「セーフティバント!? しまった…!」

ランジュ「初球、絶妙に球の勢いをなくしたセーフティバント! 三塁線ー!」

ミア「子犬ちゃんは打撃は大したことないけどバントは上手いタイプだね」

きな子「あわ、わわわわ!?」アタフタ

かすみ(ふふーん! 向こうの三塁守備が穴なのは分かってますよ)

かすみ(相手の弱点を突いてすかさず出塁! これぞ『かしこいかわいいかすみん』で――)

すみれ「  」シュババッ…ビシュッ

かのん「ナイスフィールディング!」シュパッ

侑「アウトー!」

かすみ「…え?」

ランジュ「おおー! これは好守備! 反応早いわね!」

ミア「あわや内野安打のセーフティバントを鮮やかに刺したね」


すみれ「これがショウビジネスの世界で鍛えた私の守備力よ!」ドヤーン

メイ「すっご…」

夏美「ショウビジネス万能すぎですの…」

可可「ハン、偶然デス」

せつ菜「あれは偶然の動きじゃないですね。守備は私よりはるかに上手いです」

璃奈「瞬発力、捕球から送球へのスムーズな動作、正確な送球、どれも一流」

愛「…とはいえ、投球自体は平凡だね」

果林「ええ… 私に打てない球じゃないわ」

千砂都「ツーアウトー!」

かのん「ツーアウトー!」

夏美「あれってなんで声を掛け合ってるんですの?」

四季「多分、ああやってあとアウト一つなのをチーム中に意識づけてるんだと思う」

夏美「先輩たち野球に詳しいですのね?」

栞子「三番・三塁手、朝香」

果林「さぁ…いらっしゃい」ゴゴゴゴゴゴ

恋(なんて圧力…! いかにも打ちそうな感じです)

果林(かすみちゃんの突いた弱点の通り三塁の守備が穴ね。それにその後ろも…)

可可「?」

果林(カウント2-2からのフロントドア…四球を嫌って入れてきた――!)カキン

恋「っ!?」

ランジュ「引っ張ったーー! 鋭い打球ー!」

きな子「ひいいぃぃぃっ!」

ランジュ「三塁の頭上を越えてボールは外野へ!」

可可「可可に任せるデス!」ダッ

すみれ「しっかりボール見て取るのよ!」

千砂都「姿勢を低くしてボールの真正面!」

可可「ホイっ」シュパッ

可可「取りまシタ! 千砂都ー!」ポイッ

千砂都「可可ちゃんナイス捕球ー!」ポシュッ

ランジュ「レフト前へのシングルヒット! 先制のランナーが出たわね」

栞子「4番、遊撃手・宮下」

果林(外野も後ろに逸らしたらそのままランニングホームランと思ったけど取ったわね)

すみれ「 」シュバッ

果林「!」

かのん「おー!」シュパーン

ランジュ「一塁牽制ー! セーフ!」

果林(危なっ…)

せつ菜「牽制も上手いですね!」

かのん「だけど投球は平凡…。まさに器用貧乏…!」

メイ「変化球投げてる時点で女子高生として平凡ではないと思うんだけど」

愛「さ、カリンをホームに返さないとね!」

千砂都「ツーアウトー! 打者集中でいこー!」

メイ「ツ、ツーアウトー!」

きな子「ツーアウトっすー!」

愛(今のところ、そこまで早くないストレートとスライダーかな?しか投げてない)

愛(しずくもかすかすも球数稼げなかったしなぁ…。とりあえず甘い球待つかな)

すみれ「…」シュバッ

恋(振ってこない…)ストライーク

愛「…」ボール

すみれ(外スラにも反応なし…)ボール

ランジュ「カウント2-3!フォアボールは与えたくないわね!」

すみれ(仕方ない…)シュッ

愛「来た! 甘い球………!!?」クッ

愛「えっ!?」ブルン

愛「しまった…! 落ちる球もあったんだ!?」

ランジュ「落ちる球で空振り三振ー! でもキャッチャーボール零してるわー!」

かのん「恋ちゃん! すぐボール拾ってこっちに投げて!」

恋「は、はいっ!」シュッ

ミア「振り逃げにはならず、ニジガクは初回0点か」

すみれ「ふふん、これが私の『グソクムシンカー』よ」

かのん「えっ何ソレ…」

千砂都「変化球に名前つけてるんだ…」

可可「ダッサイデス」

すみれ「正直言ってみて恥ずかしいと思ってるわ…」

メイ「…先輩たち、すっげぇなぁ」

四季「うん。すみれ先輩の投球…凄かった」

メイ「守備も牽制も上手い。変化球も2つ投げられる」

きな子「そもそもボールがキャッチャーまで届くのが凄いっす…」

夏美「地味に可可先輩もかのん先輩も恋先輩も、ちゃんとボールが取れて凄いですの」

メイ「千砂都先輩はよく声出して指示してるし…」

きな子「先輩たち、実は野球好きなんすかね…?」

歩夢「向こうのチーム、結構強いね」

愛「本当ー。変化球2つも操れてコントロールも抜群」

かすみ「おまけにあのフィールディング。バントで出塁は無理っぽいですね~」

果林「球速はないから打つのは難しくないわ。打ち損じでもいいから三塁方向を狙いましょう」

璃奈「外野まで飛べば長打コース。璃奈ちゃんボード『ファイトー』」

彼方「zzz」

せつ菜「さぁ、守備です!」

せつ菜「要は打たれなければいいんです!」

せつ菜「向こうの投手にいいところを見せられた分、こちらも見せてあげましょう!」

せつ菜「私たちの守備を!」

栞子「1回の裏、結ヶ丘の攻撃は、一番・遊撃手、嵐」

かのん「ちぃちゃーん! 一発いっちゃえー!」

千砂都「…」

メイ「凄い集中力…!」

歩夢(集中しながら何か言ってる?)

千砂都「ドゥンドゥンジャン!ドゥンドゥドゥンYo!」

歩夢(いやこれ歌ってる!?)ガーン

せつ菜「ペースを乱されたらダメですよ! 行きます! 歩夢さん!」ビシュッ

千砂都「私マンマル好きすごくスキ! 満月好きSoマルがスキ!」ストライーック

四季「うわ…」

夏美「球速っ!すぎですの!?」

ランジュ「初球から飛ばしてるわね、せつ菜」

ミア「バッターは振らなかったね」

せつ菜「もう一球ストレート!」

千砂都「Hey Yo!私CHISATO!嵐千砂都!」ストライーク

歩夢(また振らなかった…? もしかして速球に合わせてリズム取ってる?)

歩夢(だとしたら緩急! ゾーンの変化球で三振取ろう)スッ

せつ菜「…」コクリ

千砂都「生まれはこのへん特技はダンス!」

せつ菜「行けっ…!『DIVE!ボール』!」

かのん「変化球ー!?」

千砂都「嵐を呼ぶっす ちぃちゃんダンス!」カキーーーーーーーン

せつ菜「え」

歩夢「えっ…」

しずく「えーーーーっ!?」

ガシャーンッ!………

ランジュ「ホ…」

ランジュ「ホームラン!? 初回先頭打者ホームラン! ええぇ…」

ミア「なんで初見の変化球をフェンスまで運べるんだ…?」

ランジュ「まさかの一発で結女先制! 0-1!」

かのん「いぇーい! ちぃちゃん! うぃっすー!」

可可「うぃっすー!」

すみれ「うぃっすー!」

恋「うぃっすー!」

千砂都「うぃっすー! うぃっすー! うぃっすー! これぞまるまる旋風《センセーション》!」

かのん・可可・すみれ・恋「まるまるイェイイェイー!」

メイ「流石千砂都先輩…!」キラキラキラ

夏美「なんであれが打てたんですの?」

千砂都「それはね…」

千砂都「『まる』のお陰だYo!―――」

千砂都「説明しよう。私の『満月まるまる打法』は―――」

可可「イヤ、千砂都の変態打法なんて誰も真似できないデス…」

千砂都「変態!?」ガーン

恋「その細い体でフェンスまで飛ばせる理屈が分かりません…」

四季「実はゴリラなんじゃ…」

千砂都「ゴリ!?」ガーン

かのん「それは言い過ぎ。でも実際あんな遠くまで飛ばすのは無理かなぁ…」

千砂都「まぁそれはそうかも。だって私は――」

千砂都「『かのんちゃんに出来ないことをする』女だからね」ビシィッ

かのん「ちぃちゃん…」キュン

かのん・千砂都「うぃっすうぃっすー♡」

せつ菜「いやー、化け物ですね」

愛「あの細見でフェンスまで放るのヤバいね。ゴリラだね🦍」

璃奈「ミニゴリラ…」

果林「むしろパンダね🐼🐼🐼」

かすみ「パンダではないでしょ」

歩夢「とにかく、今のは事故として落ち着いて行こう?」

せつ菜「そうですね。今のは攻めが短絡的でした」

せつ菜「こちらもストレートと二つの変化球を使い分けていきましょう」

せつ菜「『DIVE!ボール』と『CHASE!ボール』を!」

メイ「うわっ!」ストライーックバッターアウッ

せつ菜「激しく燃えるような『CHASE!ボール』」

すみれ「当たらないったら当たらないのよー!」ストライーックバッターアウッ

せつ菜「海底まで沈む『DIVE!ボール』」

恋「速すぎです…」ストライーックバッターアウッチェンジ!

せつ菜「そして渾身のストレート!」

ランジュ「先頭打者のホームラン以後はきっちり抑えたニジガク!」

ランジュ「三者連続三振で次の攻撃に勢いをつけたわね!」

メイ「まったく打てる気がしなかった…!」

メイ「どうしたら千砂都先輩のように出来るんだ…?」

ランジュ「2回の表、四球で出したランナーを一塁に置いて、迎えるは6番・天王寺!」

璃奈「璃奈ちゃんボード『やったるでー』」

千砂都「メイちゃん、少しベースに寄っといて」

メイ「え? お、おお…」

夏美「あれはどういう理由があるんですの?」

可可「ゲッツーシフトというそうデス」

可可「二塁手・遊撃手が二塁ベース寄りで守ることで併殺を取りやすくする陣形だそうデス」

夏美「へぇー…。可可先輩よく覚えてますの」

可可「ククはお勉強は得意デス!」

璃奈(ここはバントか、一塁側に打って進塁打がセオリーだけど)

璃奈(せっかく遊撃手が二塁寄りに移動したことだし、穴の三塁側に打つべき…?)

璃奈(甘く入ったストレート! 狙い球!)カキン

きな子「また私の方ーー!?」ワタフタ

ランジュ「またも三塁に強い打球ーー! を…?」

千砂都「すみれちゃん!」パスッ…ポイッ

すみれ「メイ! ベース踏んで一塁!」シュッ

メイ「よしっ」シュッ

かのん「はいっ、ダブルプレー!」パスッ

愛「はあっ!? 6-1-4-3のダブルプレー!?」

璃奈「璃奈ちゃんボード『意味不明』」

ランジュ「今のどーいうことなの? 解説のミア!」

ミア「ボクにも信じがたいけど…」

ミア「まず、ゲッツーシフトを敷いたフリをして遊撃手が二塁側に寄る」

ミア「これは守備の穴である三塁側に打球を集めるための囮。案の定、璃奈は三塁側に打った」

ミア「ゲッツーシフトを取ったフリをしていた遊撃手は投球と共に三塁側へとダッシュし…」

ミア「打球をキャッチ! そしてここでもう一人、三塁側にダッシュしていたのが投手」

ミア「遊撃手から背面パスを受けてすかさず二塁に送球した」

ミア「三塁側にダッシュしてる遊撃手は二塁にボールを投げるためには体を反転させないといけない」

ミア「だから投手が中継役で動いてたんだね」

ミア「恐らく投手もこのゲッツーを取るためにわざと甘いストレートを投げ込んだんだね」

きな子「????一体何が起こったんすかー???」

夏美「私にもさっぱり分かんないですのー???」


果林「これまた凄いプレーね」

かすみ「事前に打ち合わせるのは当然として、相当お互いを信頼してないと出来ないですよぉ」

しずく「チームプレーは完全に向こうが上ですね」


彼方「ありゃー…」

ランジュ「7番の近江を打ち取り3アウト! 結ヶ丘、2回表も無失点で抑えたわね」

四季「先輩たちのお陰でまた無失点…」

メイ「…」

夏美「ひいぃぃっ!?」ストライーックバッターアウッ

可可「うぅーむ、守備が良くても点が取れないとジリ貧デス」

すみれ「球速すぎ。あんな球打てるのこのゴリラだけよ」

千砂都「ゴリラはやめよう? パンダ🐼にしよう?」

四季「パンダ🐼ならいいんだ…?」

千砂都「丸いパンダ🐼なら…」

すみれ「個人の能力は向こうの方が上。である以上はチーム全体で対策するしかないわ」

恋「具体的にはどうするんです?」

千砂都「あんな速球ずっと続けられるわけないから、球数稼いで後半勝負かな」

メイ「…」

かのん「…」ファール

歩夢(粘るね…。でも打つ気はあんまり感じない)

せつ菜(私のスタミナを削る気か、それとも変化球の軌道を見る為か…)

歩夢(打ち気がない以上、ボール球はいらないよ。直球で押していこう)スッ


メイ「あの、先輩」

千砂都「どしたの? メイちゃん」

メイ「先輩たち…どうしてこんなに真剣なんだ? 今日の野球って遊びだよな?」

メイ「先輩たちが野球好きなのは分かるんだけどよ…」

可可「甘い! 甘いデスよ! メイ!」

メイ「え…?」

可可「ニジガクはレジェンドスクールアイドルデス。…ですが、なぜレジェンドなノカ」

可可「……ラブライブで、彼女らの姿を見ましタカ?」

四季「そういえば見てない…」

夏美「同地区ですのよね?確かに…」

可可「ニジガクは『ラブライブに出ない』強豪校デス」

可可「チームとしての活動より個々の活動を優先した結果だそうデスね」

可可「ラブライブには出ない分、『スクフェス』の開催など独自路線で表現の場を設けてるのデス」

四季「へぇ…」

可可「その成果でファンはたくさんいマス。レジェンドに数えられるほどデス」

可可「そんな彼女らが…次年、ラブライブに出るという噂があるのデス!」

メイ「…!」

四季「実力も人気もある人たちが…」

夏美「じゃあ、私たちの最大のライバルですの!?」

すみれ「そういうこと。私たちもさっき可可から聞いたことなんだけど」

千砂都「負けられないよね。たとえ野球の勝負でも」

四季「確かに…その通り」

可可「ソウ、絶対に負けられないのデス!」

メイ「理由は分かった! じゃあ…私たち、何をすればいい?」

四季「今は先輩たちが凄いから戦えてる。そして私たちは足を引っ張ってる…」

夏美「私たちだって力になりたいですの!」

千砂都「みんな…」

すみれ「………そうね。あんたたちの力がないと、勝てないわ」

千砂都「まずはメイちゃん!」

メイ「はい!」

千砂都「一緒に内野守備の確認! コンビプレーの動きを確認しよう」

千砂都「その後は2番打者としての打席についてね!」

すみれ「夏美、アンタをクリーンナップに推したのは私よ」

夏美「えっ…!?」

すみれ「ポテンシャルは高いんだから期待に応えなさいよね?」

夏美「は…はいですの!」

可可「四季は私と同じ外野手デス。外野は後ろからみんなを見渡せマス」

可可「四季はいつも通り、一歩後ろからみんなをサポートするデス!」

四季「なるほど…」

かのん「あはは…結局押し切られちゃった」

きな子「いやいや先輩すごいっす! 何球粘ったんすか?」

かのん「覚えてないけど頑張った! ちぃちゃんの指示通り!」

きな子「そういえば、中のみんなが沢山投げさせてスタミナ削ろうって話してたっすね」

かのん「うん―――今頃この野球がどういう勝負かも話したはず」

きな子「え?」

かのん「きな子ちゃん」

きな子「へ?」

かのん「きな子ちゃんはやれば出来る子! 速い球が来たら怖いかもしれないけどさ」

かのん「勇気をもって止めに行けば守備だってきっと出来る!」

かのん「しっかりバットを振って、ボールに当たれば外野まで飛ぶ!」

かのん「だから頑張ろう!」

きな子「は…はいっす!」

恋(それは――私が初めに感じた違和感)

恋(次年のラブライブの最大のライバルになるかもしれない相手との勝負で)

恋(『躍動する先輩たち』に追いつき追い越そうとする後輩たち)

恋(その正体に気付くのは――まだ先のこと)


恋(この時の私には知る由もない)

恋(この物語の主人公が『躍動する先輩たち』でも追いつき追い越そうとする後輩たちでもなく)

恋(私であることを――)

可可「…」ゴクリ

歩夢(完全に振り遅れてる。9番打者だもんね…)

歩夢(ここは直球で押し切ろう)スッ

せつ菜「…」コクリ

可可「ドゥンドゥンジャン…ドゥンドゥドゥンYo…」

歩夢(さっきの歌―――!?)

可可「ほぉっ!」カーン

ランジュ「おーっと! フラフラと上がったボールは一塁手の頭を超え…ライト前ポテンヒーット!」

きな子「おおおお!! すごいっす!」

恋「可可さんがヒットを!?」

可可「やったデス! グソクムシより先に打ってやったデス!」ブイッ

すみれ「喜ぶとこそこ!? …でもま、よくやったわね」

ランジュ「0-1の3回裏、ワンナウト1塁で打席には先ほどホームランの嵐千砂都!」

かのん「――というわけで、ちぃちゃんの歌のリズムで振れば直球のタイミングは計れる」

かのん「もちろん毎回同じコースに速さなわけじゃないけど、だいぶ絞れるよね?」

四季「十分厳しい…」

夏美「変化球はどうすればいいんですの?」

すみれ「素人に変化球打ちは厳しいわ。初回の千砂都のフォーク?打ちもコースが甘かったからだし」

すみれ「まずは狙いをストレート一本に絞るわよ」

かのん「バットを思い切り振ればいつかはいいとこに飛ぶ! とにかくやってみよう」


かのん「点は――ちぃちゃんが取るから」

千砂都「キセキヲオコスアーイコトーバは~、い~つも、1.2.3!」カキーン

歩夢(2打席連続! 本当どうなってるのこの子の体!?)

せつ菜(CHASE!ボールまで打たれた…!? また初見の球を!?)

果林「やはりパンダ🐼ね」

愛「パンダ🐼好きだね…。これで0-3かぁ」

メイ「千砂都先輩! う…うぃっすー!」

千砂都「うん! うぃっすー!」

メイ「あはは」

千砂都「さ、行っておいで」

メイ「よしっ!」

せつ菜(もうあの打者のことは事故と割り切るしかない…)

歩夢(他の打者は抑えられてる。落ち着いて、せつ菜ちゃん!)

メイ「ドゥンドゥンジャン…ドゥンドゥドゥンYo…」

歩夢(やっぱり同じリズムで打つ作戦なんだ…。変化球で行ったほうがいいかな)スッ

メイ「と、見せかけてのー! あったれー!」カーン

せつ菜「えっ!?」

かのん「よっし! 甘く入ったボールを見逃さず、三遊間を抜くヒット!」

歩夢(コースは甘かった。けどそれ以上に完全に見透かされてる…!)

メイ(千砂都先輩の言ってた通り、真ん中に遅い球が来た…!)

メイ(すごいすごい! 私にも打てた!)

きな子「メイちゃんすごいっすー! 1年生初ヒットっすよー!」

夏美「私も早く打ちたいですのー!」

恋「…」ゴクリ

歩夢(3番の子はファーストゴロに抑えたけど、打ったのはCHASE!ボールだった)

歩夢(こうなると狙い球が分からない…!)

せつ菜(ストレートでガンガン行きましょう。悩むのは後です!)

恋「…」


恋(ここまで無失点で抑え守備まで完璧にこなす、すみれさん)

恋(的確な指示を出しチームを鼓舞し、ホームランを二本も放った千砂都さん)

恋(かのんさんも地味に球数を稼いでいますし、一塁手としてソツがない)

恋(そして何より可可さん。運動が苦手なのに守備をこなし、ヒットも放っています)

恋(私も、負けられない―――!)

せつ菜(追い込んでからの…低めにDIVE!ボール――!)

恋「っ!」スパァン


恋(沈んでいく―――)

恋(海の底へと沈むように)

恋(まるで――――――――――――――――)


歩夢「よしっ! ナイスボールだよせつ菜ちゃん!」

恋「また、三振…!」

きな子「ドンマイっす! 恋先輩! 低めに決められたら打てないっすよ!」

夏美「守備も頑張りましょうですのー!」

果林「ずいぶん離されちゃったわねぇ。けど、まだまだゲームはこれからよ」

すみれ「恋、この人にはさっきも打たれてるわ。厳しく攻めるわよ」

恋「はい。しかし、一体どうやって…」

すみれ「それなんだけど」

恋「?」

すみれ「恋、あなたリードしてみない? こう、ミットを動かして」

恋「私がですか?」

すみれ「それがキャッチャーの仕事なのよ。それに、扇の要としてチームに指示を出すのもね」

恋「分かりました…。やってみます」

恋「ふぅ…」スウウウウウ

恋「みなさーん! しまっていきましょうーーーーー!」

恋「…///」

恋「外野バックー!」

四季「えっ?」

夏美「どのくらい?」

可可「可可と同じくらいデス。ラインは維持したままデス」

恋(すみれさんにはコントロールがあります。とにかく低めに集めましょう)スッ

すみれ(OK)コクリ

果林(低め――でもタイミングは合ってる!)カキィン

きな子「またこっちー!」

きな子(けど―――!)

かのん『勇気をもって止めに行けば守備だってきっと出来る!』

かのん「きな子ちゃんーーー!」

きな子「ぁ…」

千砂都「きな子ちゃん! 大丈夫!?」

きな子「っ…!」

きな子「取りました! 取ったっすよー!」ピョンピョン

かのん「良かった…!」

すみれ「良くないったら良くない! ランナーもう一塁に到着いてるわよ!」

きな子「あ」

千砂都「まぁ、今のはしょうがないよ。内野で止めただけでも御の字!」

きな子「そうっすか…?」

可可「そうデスよー! きな子、ナイスプレーデース!」

きな子「みなさん…」ウルウル

きな子「はいっす!」

愛「っ―――! しまった、打ち上げちゃったかー」

夏美「つ、ついに私のところにも来ましたのー!」

夏美「あわわわわわわ」

四季(横から見てたら分かる。もう少し下がらないと…!)

四季「夏美、あと5歩後ろ…!」

夏美「!」

可可「3,2,1…今デス!」

夏美「はっ!」パスゥッ

夏美「と…取りましたのーーー! 初めてでフライを取ってやりましたのーー!」

きな子「夏美ちゃん凄いっすよー!」

千砂都「ふふ、夏美ちゃんうぃっすー! それに四季ちゃんもうぃっすー!」

夏美・四季「うぃっすー!」

メイ「ワンナウトー!」

恋「いい雰囲気ですね」

恋(これは…もしかして)

恋(この試合、1年生たちにチームプレイの大切さを教えるために組んだのでしょうか?)

恋(それに、きな子さんの度胸のように個々にある課題を解消する目的もあるように感じます)

千砂都「ワンナウトー!」

恋(千砂都さんの考えそうなことですね…。かのんさんも一緒でしょうか)

恋(…思えばすみれさんも可可さんも始めから一年生たちにアドバイスをしていたような)

恋「あれ…? どうして私にはこの試合のことを話してくれなかったんでしょう」ズキン

恋「…」

恋「考えすぎでしょうか…?」

彼方「ありゃー、また彼方ちゃんボテボテ…」

メイ「かのんさん!」シュッ

かのん「オッケイ! ピンチ脱出!」スパン

夏美「よーっし! 絶好調のオニナッツ! 打席に出陣ですのー!」ピョンピョン

メイ「私たちもどうやって打っていくか考えるぞ」

四季「うん」

恋「…すみません、少しトイレに行ってきます」

すみれ「うん? いってらっしゃい」

千砂都「…」

千砂都「恋ちゃん」

恋「はい?」

千砂都「グラウンド脇のトイレ、あんまり綺麗じゃないしさ。校舎の方行ったら?」

すみれ「!!」

恋「え? 確かにそういう話を聞きますね…。けど次の守備までの時間が」

千砂都「かのんちゃんがまた粘り打ちするから大丈夫だよ」

恋「えー…。では、そうしますね」ダッ

可可「…」

すみれ「千砂都…アンタ」

千砂都「もう4回。そろそろ頃合いだよ」

四季「…先輩たち?」

メイ「え、一体何…?」

恋「…ふぅ」

恋「やはり…私が頼りないのでしょうか」

恋「今回の試合は1年生と、『私も』鍛える為の試合だということ」

恋「だから捕手という立場をこなしてみんなを纏める力を培って欲しい、と…」

恋「けど、同じ2年生なのですし少しくらい言ってくれても…」

恋「…」

恋「…」

恋「…?」

恋「えっ…!?」

恋「っ…!?」

恋「これは一体…!!?」

恋「はぁ、はぁ…」

かのん「お帰り、恋ちゃん。ゴメンねー、あんまり粘れなかったからすぐ守備かも」

恋「夏美さん」

夏美「へ? なんですの?」

恋「今は何回、何アウトですか? カウントは? スコアは?」

夏美「0-3、4回裏?、2アウトで…確かまだワンストライク? そんなのスコアボードを見れば…」

メイ「スコアボードなんてあったか?」

夏美「ないですの」

夏美「途中までは実況の人が言っててくれたからカウント出来てたんですのね」

夏美「…あれ?」

夏美「実況…なくなってませんの?」

メイ「そういえば…解説もなくなったしウグイス嬢のコールもないぞ?」

恋「それだけじゃありません…」

恋「今、校舎の方に行ってきました」

恋「下駄箱近くのトイレまでの僅かな距離ですが…」

恋「誰一人、人がいませんでした…」

メイ「は?」

夏美「職員室もですの!?」

恋「はい…!」

恋「かのんさん」

かのん「…」

恋「何か、知っていませんか?」

かのん「…うーん、分かんない」

可可「…」

恋「嘘です。ずっと一緒に過ごしてきて、それくらいは分かります」

かのん「分かんないものは分かんないよ」

恋「では、隠し事をしていませんか?」

かのん「それならあるよ」

恋「それはどのような?」


かのん「この世界の秘密だよ」

恋「…は?」

--------Liella!Busters! Refrain-------


恋「この世界の秘密? 何の話ですか?」

きな子「うぅ…、まだまだ打つのは無理っす…」

きな子「って何すか? この雰囲気…」

四季「??」

千砂都「さ、守備だね! 行こう!」

恋「…」

かのん「行こう? 恋ちゃん」

すみれ「…」

可可「レン…」

恋「そう、ですね…」

恋「…」

恋(世界の秘密…? 一体何の話なんでしょう)

恋(それは置いといて、実況解説の人や結女の生徒も職員もいない理由は…)

恋(かのんさんが?千砂都さんが帰した?何の為に?どうやって?)

すみれ「恋、恋ってば!」

恋「へっ!? はい!」

すみれ「打者集中よ。相手の8番9番…捕手と投手は打撃も侮れないわ」

すみれ「それと」

恋「?」

すみれ「かのんの言うことは気にしなくていいからね」

恋「は…?」

恋(どういうことなんでしょう?)

恋(かのんさんの言うことは気にしなくていい?)

恋(この世界の秘密とやら…?)

すみれ「やばっ、浮いた…!」カキィン

四季「ー!」ダダダッ

夏美「あと2歩ですのー! 2,1!」

四季「私にも取れた…」シュパッ

夏美「ナイス四季ちゃん! 私たち、結構いいコンビになれますのね!」

メイ(流石に2打席連続HRの千砂都先輩は敬遠された…)

メイ「でも、盗塁してチャンス! 私が打って返す!」

メイ(狙い球はストレート!)

メイ「っ…」ガキィン

メイ「あー、ダメだったか。でもレフトまで飛ばした、次はいける!」

かのん「…」

千砂都「…かのんちゃん」

かのん「…分かってる。分かってるよ」

かのん「うん。大丈夫」

可可「っ…」

すみれ「…させないわよ。このままでいいじゃない」

かのん「このままじゃダメなんだよ。だから――――」

すみれ「くっ…!」

夏美「な、なんだか急に相手の打線が強くなった気がしますの」

四季「3・4番の人はともかく、2番の人ちゃんとヒット打てたんだ…」

恋「ノーアウト満塁ですが落ち着いて行きましょう!」

すみれ「かのん…千砂都…あんたたち…!」

恋(なぜ…そこでかのんさんと千砂都さんの名前が出るんです?)

恋(この試合は一体…)

恋「この存在感…! 5番のこの人はパワーがあります! 打者集中ーー!」

すみれ「大丈夫…大丈夫…! …HRなんか打たれないんだから…!」

すみれ「グソクムシンカー!」シュッ

カキィン!!!

すみれ「しまっ…! なんて打球速度―――――――――!!!!」

可可「っ…!」バチィッ

すみれ「可可ーーーー!」

きな子「可可先輩!? 今…」

可可「グラブに当たって弾いただけデス! それより!」

四季「ボール、フェンス横に転がってる!」

夏美「そっか! 私がフォローしないとですのね! ああっ遠い…!」

メイ「ランナーがどんどん返っていく…」

夏美「恋せんぱーいっ! うわっ全然とどかないですのー!」ヒョロッ

恋「ああ…、打者まで返ってしまいました…ランニングホームランです」

きな子「え…? ってことは4-3…逆転されたんすか?」

すみれ「かのん…! 千砂都…! そういうことなのね」

可可「すみれ、可可は大丈夫デス! 運動苦手だから弾いちゃったダケで…」

すみれ「っ」ギリッ

すみれ「―――茶番よ! かのん―――!」

かのん「うん、茶番。その通りだよ」

千砂都「これで条件は揃ったね。あとは…」

すみれ「っ…」

可可「すみれ…」

すみれ「可可…ゴメン…」

可可「いえ…すみれの気持ちは分かってマス…」

恋「すみれさん…? かのんさん…? 千砂都さん…???」

恋「大丈夫ですよ! まだ1点差、ここから逆転しましょう!」

四季「うん…。相手投手のストレートにも慣れてきた、と思う…」

メイ「次は絶対打つ!」

きな子「わ、私も!」

かのん『しっかりバットを振って、ボールに当たれば外野まで飛ぶ!』

きな子「打ちます!」

夏美「ですの! まだまだ…えっと…3回ありますの!」

すみれ「そうね…。このまま行けば、ね…」


??「―――学園スクールアイドル同好会、選手の交代をお知らせします」

恋「え…!? ウグイス嬢さん…ですか? 復活した…!?」

??「投手:澁谷かのん 捕手:嵐千砂都―――――――――――」

きな子「…ん?」

メイ「え? 交代?」

千砂都「うん。『相手の』投手と捕手が交代。私たちにね」

かのん「手加減はしないからね」

夏美「ええええーーーーっ!? いやいやいやなんなんですのー!?」

四季「そんなルールあり?」

恋「というか、そんなの相手チームが許さないでしょう!?」

恋「…」

恋「私たち」

恋「一体誰と戦っていました…?」

メイ「え…?」

きな子「そういえば…?」

夏美「なんで覚えてないんですの? ほら! 最大のライバル!」

恋「最大のライバルは サニーパッション では? 今戦ってたのは…」

メイ「え? サニパはもう…」

四季「? サニパはもう予選で倒したはずじゃ? それに来年は卒業してるし…」

恋「んん…!?」


恋(これは一体どういうことなのでしょう?)

恋(夢?)

恋(幻?)

恋(集団催眠? 記憶の混濁? 夢遊病?)

恋(この世界は…どうなっているんですか…?)

かのん「そういうのはもういいんだよ。ほら、打席について。この際誰でもいいよ」

きな子「誰でもいいって…!」

かのん「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

四季「何この圧力…打てるわけない…!」

かのん「可可ちゃんは治療、すみれちゃんは付き添ってあげてね」

すみれ「言われなくてもそうするわよ!」

夏美「何がどうなってますのー!?」

千砂都「ほら、点とらないと負けちゃうよ? メイちゃん?」クイクイ

メイ「!」

メイ(さっきの人の球だって打てたんだ…! 絶対打てる!)

かのん「うんうん、良い目だね! じゃあ…全力全開!!」

メイ「!!?」ドスゥン…!

四季「は…」

夏美「さっきの人よりはっやいですのー!? ゴリラーー!?」

かのん「パンダ🐼ね」

千砂都「かのんちゃん、手痛そうだけど大丈夫?」

かのん「いや、ムリなんですけど…」ジンジン

千砂都「これで最後なんだから無理してでもやる! じゃないと、2人にも『みんな』にも…」

かのん「分かってる。さ、ノーボールワンストライク!」

きな子「はぁ、はぁ、はぁ…」

きな子「っ」ガキィン

かのん「ファールだね」

千砂都「メイちゃん三振、夏美ちゃん三振、四季ちゃんは当てたけどキャッチャーフライ」

千砂都「そしてきな子ちゃんは2連続ファウル! 徐々に良くなっていくね!」

きな子「全然良くなってないっすよー!」

きな子「けど」

きな子「…私だって、負けたくないっす…!」

きな子「なんだか分かんないけど…今先輩たちと向かい合ってる意味も…何もかも…!」

きな子「それでもこの1年間、先輩たちから教わったことをぶつけたい」

きな子「何故か分からないけど…そんな気分っす」

かのん「きな子ちゃん…! うん!」

きな子「とりゃっ! …うぅっ」

千砂都「残念、ピッチャーフライ」

かのん「――けど、いいよ。1年生のみんな、良い目してる」

メイ「次は絶対打つ!」

夏美「追いつけ追い越せーですの!」

千砂都「あとは―――」

恋「私が行きます」

かのん「恋ちゃん」

恋「かのんさん、私の力もまた、及ばないかもしれません。けど――」

かのん「恋ちゃんの力が私に及ばないわけないよ。恋ちゃんの能力は知ってる。認めてる」

かのん「だから―――本気の本気の勝負だよ」

恋(私は捕手、みんなを纏める立場)

恋(そして4番…このチームの主砲です!)

かのん「とうっ!」ビシュゥッ

恋「ふっ!」ガキィン!

恋(重いっ…!! けど!)

すみれ「恋…」

可可「レンレン…」

かのん「澁谷キャノン!」ビシュゥッ

恋「負けません! かのんさんにも! 千砂都さんにも可可さんにもすみれさんにも!」

恋「私は…Liella!の葉月恋ですっ!」ガキィィン

かのん「…はは」

ボツッ…

きな子「やっ…!」

四季「て、ない…!」

メイ「距離的にはショートゴロって感じか…!」

夏美「もう一回! 私が行きますのー!」

恋「くっ…」

かのん「…いや、私の負けだよ」

千砂都「かのんちゃん…」

かのん「今のはホームランだよ。少なくとも、私にとっては」

恋「え? いやいやショートゴロでしょう?」

かのん「だってほら、私の後ろ誰も守備いないし」

恋「そういうことですか!? なんだか釈然としない…」

かのん「ゴメンね? ちぃちゃん」

千砂都「いいよ。かのんちゃんが負けなら私にも勝てない!」

かのん「すみれちゃん、可可ちゃん」

かのん「…いいかな?」

すみれ「はぁ…茶番ったら茶番よ、本当」

可可「私は元よりそのつもりデス」

可可「ゴメンナサイ、すみれ。私も…」

すみれ「分かってるったら分かってる! はぁ…」

かのん「恋ちゃん、きな子ちゃん、メイちゃん、四季ちゃん、夏美ちゃん」

かのん「みんなの勝ちだよ」

かのん「さ、試合も終わったしミーティングにしよっか」

きな子「ええ…」

四季「なんか釈然としない終わり方…」

かのん「いいの。相手がいなくなって試合続行不可能、4-4の引き分け!」

メイ「そう、それ! なんで相手の人たちは…」

夏美「この試合の意味は何だったんですのー!?」

恋「そして、かのんさんたち4人の隠し事は一体…」

可可「もちろん、全部話しマス」

すみれ「うん…」

かのん「そうだね。話すよ――」

かのん「この世界の秘密を」

かのん「この世界を一文字であらわすと『夢』。虚構世界って呼んでた人もいた」

かのん「私たち4人で作っている『夢』。厳密には手伝ってくれている人たちがいるけど…」

かのん「とにかく、現実世界じゃないんだ」

かのん「夢じゃないと私が120km/hの球なんて放れるわけないじゃん」

きな子「 」ポカン

メイ「 」ポカン

夏美「 」ポカン

四季「非現実的」

かのん「その反応で合ってるけど起きてることがすべてだよ。現にニジガクの人消えたよね?」

すみれ「校舎の他の人間もね」

メイ「ニジガク…! そういえばそんな名前の人たちだった…!」

恋「そ、それはそうですが…! この世界が、現実じゃない…!? 夢…!?」

かのん「現実の私たちは『とある事情』でこの夢の世界を作らないといけない状況になったんだ」

かのん「そしてその『夢』の世界に恋ちゃんと1年生4人を引き入れた」

千砂都「理由は恋ちゃんが感づいている通り、みんなを鍛える為」

千砂都「そして…私たちの想いを、結び繋ぐため」

恋「…!!」

千砂都「―――信じられないと思うかもしれないけど、本当の話」

千砂都「さ、ここまで説明したんだ。私はもう――」

すみれ「!!」

可可「!!!」

千砂都「かのんちゃん」

かのん「…うん」

千砂都「大好き」

かのん「…うん、私も」

千砂都「―――お別れだよ、みんな」

千砂都「こんな丸バカと一緒に過ごしてくれて、ありがとう――――――――――」






恋「え…」

四季「今…!」

きな子「消えた、っす…!?」

夏美「千砂都先輩!? じょ、冗談ですのよね…!?」

すみれ「冗談じゃないのよ」

すみれ「これで分かったわよね? これは現実世界じゃない」

かのん「―――話を戻すね?」

恋「え…!?」

恋(千砂都さんが消えたというのに、かのんさんもすみれさんもそんな…!)

恋(いや、夢の世界だからいい、のでしょうか…!?)

かのん「現実世界で起きた『とある事情』」

かのん「それは…!」

すみれ「私たち9人を乗せた船の転覆事故が起きたの…」

すみれ「千砂都が先に行った…。そうよね…分かってる」

可可「すみれ」

すみれ「可可…!ゴメン」グスン

可可「すみれが謝る必要はありまセン。泣かないで、すみれ」

可可「貴女は…私を少しでも長く、この世界に残したかったんデスよね?」

すみれ「うん…! 少しでも長く、この世界で貴女と…!」

すみれ「だって、この世界が終わったら…!」

可可「あはは、甘ちゃんデス。ありがとう、すみれ」

可可「かのんが…千砂都が正しいことは分かってまシタ。でも踏ん切りがつかなかっタ」

可可「謝るのは私の方デス。そして」

可可「ずっと一緒にいてくれて…ありがとう」

可可「――レンレン!」

恋「は、はい!」

すみれ「恋…」

可可「握手をしまショウ」

可可「友情の証に」

恋「…はい」

すみれ「私もお願い…」

恋「もちろんです」ギュッ

可可「ありがとう、恋。Liella!は―――」

すみれ「不滅よ」


夏美「可可先輩とすみれ先輩も…!」

四季「消えた…!」

恋「千砂都さん、可可さん、すみれさん…!」

かのん「…」

かのん「これで、残ったのは私だけかぁ…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

きな子「ひっ!? じ、地震!?」

かのん「『夢』の世界が崩落しているんだ。もうこの世界を支えているのは私しかいない」

メイ「どこか避難しないと!」

かのん「校門からここを出ることが出来るよ。…だから、走って!」

かのん「決して振り返らずに!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

四季「…!」

夏美「きゃっ!?」ガタガタ

メイ「捕まれ! 走るぞ!」

きな子「ひぃぃいいぃぃっ!」

恋「かのんさん! かのんさんも…」

かのん「――私は行けない」

恋「なぜ…」

かのん「私は――この世界からみんなが出るのを見守らないといけないから」

恋「かのんさん…貴女は…貴女たちはまさか…!」

恋「その、転覆事故で…」

かのん「うん、その通り。生き残れるのは恋ちゃんと1年生だけなんだ」

かのん「ラブライブ予選でサニパに勝ち、本戦へと進出した私たち」

かのん「合同合宿の為に神津島に行く途中の連絡船」

かのん「悪天候と、恐らく船員の不注意か機材トラブルで何かに衝突して船は転覆した」

かのん「…衝突からの時間は地獄だった。揺れ、浸水、色々なものや人とぶつかった」

かのん「そして…」

かのん「ちぃちゃんとすみれちゃんが1年生たちを庇って重傷を負った」

かのん「私と可可ちゃんで二人を抱えて避難しようとした。でも」

かのん「見つけることが出来た救命胴衣は5着だけだった」

かのん「5着の救命胴衣は意識を失っていた恋ちゃんと1年生に着せた」

かのん「そこから先は、そういうことだよ」

恋「な…!!!」

恋「そんな…そんなことって…!」

かのん「あるんだよ。それが…この世界の秘密。現実なんだ」

かのん「そしてここからはまた夢の話」

かのん「水底に沈みながら、私たち4人は夢を見た」

かのん「なんとか生き残ったけど、私たちを失って解散してしまったLiella!」

かのん「それだけじゃない。自暴自棄になって皆酷い人生を送る、そんな夢」

かのん「だからこの『夢』の世界にみんなを引き入れ、鍛えることにしたんだ」

恋「それが、野球…?」

かのん「うん。普段と違う刺激じゃないと見つけられないこともあるから」

かのん「もっとも、すみれちゃんたちはこの世界で少しでも長く生き永らえたかったみたいだけど」

かのん「―――私だって、そうできるならそうしたかったよ…」

かのん「さぁ、話はもうここで終わり」

かのん「世界が終わる。恋ちゃん、走って――」

恋「そんな…! そんな話を聞いて行けません! かのんさんも…!」

恋「私だってかのんさんが…みなさんが好きです! 生きていて欲しい!」

かのん「そんなの、当たり前だよ!!!」

恋「!!」

かのん「そりゃあ私だって行きたいよ! ずっとずっとみんなで一緒に居たい!」

かのん「なんでこんなに理不尽なの!? 私の方が恋ちゃんよりみんなのこと大好きなのに!」

かのん「こんなの…ないよ。わけわかんないよ…」

恋「かのんさん…!」

かのん「もう迷わないで…! とっとと走れえぇーーー!」


――冷たい。雨…海水…ここは海の真ん中?

――痛い。全身のいたるところを打った。

――そして吐き気…ここは?揺れている?

恋「あ…あぁ…!」

――降りしきる大雨、荒れる大波。私たちの乗る救命ボートは揺れに揺れている

――ふと動かした指先に、夏美さんの手が触れた

恋「夏美さん…きな子さん…メイさん…四季さん…」

――寝ているのだろうか? ぐったりしている。でも…ちゃんと息をしている

――それを見て、記憶が戻っていく

――最後に見たのは、飛んでくる何かから千砂都さんとすみれさんが守ってくれたこと

恋「あぁ…!」

恋「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

――――2月後

きな子「…」

四季「…」

メイ「…」

夏美「…」

恋「みなさん完治しましたね」

きな子「はい…」

恋「では…今日から部活を再開しましょう」

恋「今年のラブライブは辞退となってしまいましたが…また来年があります」

四季「え…」

夏美「出る、つもりなんですの…!?」

恋「当然です。私たちはスクールアイドル部、Liella!なのですから」

夏美「あんなことがあったのに!? 先輩たちが…」

恋「夏美さんは、覚えていませんか?」

恋「あの日…夢を見たんです」

メイ「夢…」

恋「かのんさん、可可さん、すみれさん、千砂都さん、そして皆さんとした野球」

恋「その中で託された想い。Liella!とは、結び紡いでいく物語なのだと」

恋「『私たち』がいなくても…! 生きて、欲しいと…!」

四季「その夢…!」

きな子「なんでか分からないけど覚えてる…! あの日、確かに見ていた夢…」

メイ「…やりましょう」

恋「メイさん…」

メイ「私たちは受け継いだんだ。あの人たちの想いを」

メイ「絶対、ラブライブ優勝!」

四季「メイ…」

四季「私も、Liella!で優勝したい」

きな子「恋先輩、私も頑張るっす!」

夏美「やりますの! やるったらやりますの!」

恋「みなさん…」

恋「やりましょう!」

恋「Liella!―――――」

「スーパーS・T・A・R・T!」

恋(そうして、私たちはスクールアイドル活動を再開しました)

恋(『スクールアイドル17名が命を落とした事故の生存者』としての話題性もありましたが)

恋(必死の練習で培った実力で私たちは勝ち抜き、見事ラブライブ優勝を果たしたのでした)


恋「かのんさん、可可さん、すみれさん、千砂都さん」

恋「私…やりましたよ」

恋「Liella!には新しい部員も入り、次年度以降も活動を続けていきます」

恋「もちろん、目標は連覇です」

恋「…」

恋「私はこれから大学に行きます。理事長の跡を継げるよう、頑張りますね」

恋「だから…」

恋「これからも生きていきます。見守っていてください―――」






これで、いいの?





―――実はあの夢の中で一つ、私も嘘をつきました

―――野球をしている中、一人校舎に向かった時のこと

恋「どうして、誰もいないんです…!?」

??「―――諦めたら、ダメだよ?」

恋「えっ…?」

??「もしやり直せるなら、私を呼んで」

??「少しだけ戻すことが出来るから」

恋「っ…?」




―――よく、ありません

―――だってLiella!はみんな揃ってLiella!なのだから

恋「!」

恋「ここは…!? あの日の船内…!!」

恋(『少しだけ戻すことが出来る』とはこういう…)

すみれ「zzz」

千砂都「zzz」

きな子「zzz」

恋「すみれさん…千砂都さん…」

恋「いえ、感傷に浸っている場合ではありません!」

恋(どうせならもう少し前まで戻して欲しかったですが文句は言えません!)

恋「事故を防がないと…!」

恋(あの日この時、どうすれば良かったのかは幾度も頭に描きましたから…!)

恋「!」

可可「オヤ? レンレンも眠れまセンカ?」

かのん「恋ちゃんも混ざる? 野球盤。お隣さんから借りたんだけど」

恋(まさか野球が出てきたのはこういうことなんですかね…?)

恋「いえ、そんなことよりお二人にお願いが」

かのん「?」

可可「??」



可可「ハァ…」

かのん「よく分かんないけど必要なことなんだね?」

恋「はい」

恋「私は…ある人を見つけにいきます」

恋「あれは…」

果林「乾杯」

エマ「ふふ、みんなが寝た後に2人でこんなことしてる」

果林「貴女と話しておきたかったのよ、合同合宿が終わった後の予定///」

エマ「うん。果林ちゃんの実家に挨拶かぁ、緊張するなぁ///」

恋(あの華やかさと存在感…! やはり『夢』で野球をした人たち!)

恋(『手伝ってくれている人『たち』は彼女ら…被害者17名のうちの12名がニジガクの皆さん)

恋(彼女らのことも、救わないと!)

恋(もう時間がない…!)

恋「いた――――!」



ドオオオオオオオオオオオオオオン!

恋「!!」グラリ

恋「この揺れ―――! 岩礁に乗り上げるのは避けられませんでしたか…」

かのん「その通り! ゴメン!」ダッ

可可「あの船員なんなんデスカ! 酒飲んで寝てるなンテ! 言ってた通り機材も壊れてまシタ!」

恋「今すぐみんなで避難しましょう」

千砂都「うん、突然起こされてビックリしたけど準備は出来てる!」

すみれ「揺れが酷くなる前に行くわよ!」

きな子「は、はいっす!」

恋「あとは…お願いします!」

??「」コクリ

恋(あの日)

恋(事故が起きた原因は船員数名の飲酒、そして機材トラブル)

恋(揺れと浸水と飛び交うもの・人で重傷を負う人が続出した)

恋(けれど、残った船員たちにより救命ボートに乗り船外へ避難できる人が大半だった)

恋(私たちもまた、意識を失いはしましたが救命ボートに乗せられ船外へ出ていた)

恋(問題はその後…)

恋(大雨と海の荒れにより、救命ボートの幾つかもまた転覆してしまった)

恋(私や1年生と別のボートに乗ったかのんさんたちが命を落としたのはこれが理由)

恋(そして――)

恋(Liella!4名、ニジガク12名ともう一人、この船に乗っていたスクールアイドルの被害者)

恋(この方こそ『夢』の世界で、私を呼んでくれた方―――)

恋(レジェンドスクールアイドル―――――――――――――――――――)

??「雨」

??「やめぇーーーーーー!!!」



かのん「雨が…」

可可「止んでいきマス!」


恋「ありがとうございます! 貴女も避難を」

??「うん!」

??「…諦めないでくれて、有難う」

恋「こちらこそ、あの『夢』の世界に協力してくれてありがとうございます!」

恋「レジェンドスクールアイドルの方」

――船が沈んでいく

――しかし、乗客は全員ボートに脱出し…晴空の下で救助を待つことが出来ました

かのん「恋ちゃんのお陰でみんな避難できた。ありがとう」

恋「いいえ、私は大して何も。レジェンドの方のお陰です」

恋「それに…今、この時があるのはみなさんのお陰ですから」

かのん「??」

――この、かのんさんたちを助けられた世界では、『夢』の記憶があるのは恐らく私だけ

――かのんさん、可可さん、すみれさん、千砂都さん…

恋「良かった…!」ポロポロ

かのん「もう、そんなに泣かなくてもいいじゃん恋ちゃん」

かのん「私たち…助かったんだからさ…!」

かのん「ありがとう…! 本当に…!」ポロポロ

――2日後

悠奈「パァ! みんな災難だったね…。大丈夫?」

摩央「とりあえずゆっくり休んで?」

恋「いえ、大丈夫です。合宿、よろしくお願いします」

悠奈「…なんか雰囲気変わった?」

摩央「予選で私たちを倒したから? ってだけじゃないわよね?」

可可「デスよね? 私たちも急に迫力増してビビってマス」

すみれ「恋はもともと頼りになるわよ?」

千砂都「そうそう」

悠奈「それでね、ラブライブ本戦の課題なんだけど…みんなの到着が遅れている間に発表されたんだ」

摩央「課題は…『野球』よ」

恋「え」

きな子「…」

四季「…」

メイ「…」

夏美「ってなんでですのー」

かのん「野球の応援歌を作れってことですかね?」

悠奈「ガチの野球らしいよ?」

すみれ「ラブライブって一体なんなの?」

可可「野球なんてやったことないデスよ…? アリェ? やったことあるカモ?」

摩央「まぁそうよね。けど大丈夫」

悠奈「せっかくの合宿! 練習相手はしっかり呼んでるよ!」

侑「よろしくお願いしまーす!」

可可「アリェ?」スカッ

可可「紙一重デシタね」

すみれ「いや、全然当たってなかったけど…」

可可「先日見た夢だとちゃんとボール取れたしヒットも打てたんデスが」

すみれ「そりゃあ夢なら都合の良い話になるわよね」

千砂都「私は夢の通りスタンドに叩き込んだよ?」

かのん「そっちは夢であって欲しかった! 私の幼馴染、ゴリラ🦍だった!?」

千砂都「ゴリ!? せめて」

恋「パンダ🐼にしてあげましょう?」

千砂都「うん、それそれ! …??」

きな子「ワンナウトー!」

メイ「バッター華やかさと存在感あるぞー! 夏美、四季、下がれー!」

夏美「またフライ飛んで来たらサポートよろしく!」

四季「心得た…」

すみれ「なんか、1年生たちもよく声出てるわね」

千砂都「いいことじゃない」

かのん「うん。私たちも、追い越されないように頑張らないとね」

恋「はい、さぁ皆さん!」


恋「―――しまっていきましょう!」


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