【ラブライブSS】かのん「曲が弱い……?」 (54)

体育館ライブの夜
かのんの部屋

かのん「いやー、今日のライブも盛り上がったなあ」

かのん「お、可可ちゃんもう動画をアップしてくれてる。再生数伸びてるぞー。
    コメントは……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1659961468

『待ってました!』

『新メンバー可愛い』

『泣いた』

『衣装かわいい』

『ダンスうま』

『チンアナゴw』


かのん「うんうん、頑張ったんだから」

『聞いたことあるイントロ』

『あまり印象に残らなかったなあ…』

『最近のLiella!の曲はどれも似てる』

『カップリング曲みたい』

『他校の曲みたいにブチ上がらない』

『よっしゃーみたいなインパクトが無い』

かのん「ん……」

『曲が弱い』


かのん「曲が弱い……?」

次の日
結ヶ丘女子高等学校
普通科の教室

ナナミ「かのんちゃん昨日のライブ良かったよ!」

ヤエ 「最高にブチ上がったよ!」

かのん「本当に? ありがとう…」

ココノ「かのんちゃん?」

かのん「あの……率直な意見を聞きたいんだけど、私たちの曲って弱いかな?」

ナナミ「え? そんなことないよ!」

ヤエ 「どうしたのかのんちゃん?」

ココノ「最高だよ!」

かのん「じゃあ、曲のどこか歌ってみて? どこでもいいから」

ナナミ「え? えーと…」

ヤエ・ココノ「……」

かのん「ごめん! 変なこと言って! 忘れて忘れてっ」

放課後
スクールアイドル部 部室


きな子「お疲れ様っす!」

千砂都「きな子ちゃんお疲れ。早いね」

きな子「はいっす! ライブやって最高に楽しかったっす! もっとやりたくなったっす!」

可可 「スクールアイドルの魅力に目覚めたデスね」

きな子「早く次のライブをやりたいっす!」

すみれ「次に向けて新曲も作りたいわね」

きな子「新曲っ……」ホワーン

かのん「おつかれー」

恋  「かのんさんも来ましたね。それではミーティングを始めましょうか」

恋  「体育館ライブは成功裏に終わりました。みなさんお疲れ様でした」

千砂都「1年生も盛り上がってくれたよね」

すみれ「これで入部希望者が増えてくれるといいんだけどね」

可可 「次のライブは去年みたいにサニパ様と神津島でライブしたいです」

恋  「私は神津島に行ったことが無いので是非行ってみたいです」

きな子「こうづしま?」

可可 「サニーパッション様の住んでる島です」

千砂都「ここから南西約180kmだけど、一応東京都なんだよ」

きな子「はえー、そんなところまで東京なんすかー」

恋  「今年度のラブライブ大会はまだ先ですが、今から新曲も増やしていきたいと思います」

千砂都「また夏っぽい曲が欲しいなー」

すみれ「私をセンターにしなさいよ」

可可 「Liella!は6人になったからセンターはナイです」

わちゃわちゃ

かのん「……」

恋  「かのんさんはどんな新曲を作りたいですか?」

かのん「あのさ……私の曲って弱いかな?」

恋  「え?」

千砂都「どうしたのかのんちゃん?!」

かのん「うん……動画のコメントとか見てたら…」

みんな「……」

すみれ「アンチコメントなんか気にしてたらショウビジネスの世界でやっていけないわよ」

かのん「そうだよね」

すみれ「でも……最近の曲に勢いが無いのは事実かもしれない」

かのん「!」

可可 「何言い出すんですかこのグソクムシ!」

かのん「待って!可可ちゃん、みんなの率直な意見聞きたいから……」

可可 「かのん……」

千砂都「まあ、振り付け考えてて盛り上がりに欠けるって感じることも有ったかも……」

恋  「1年生の時はいろんなタイプの曲がありましたが、最近は似た曲が続くとは思ってました。
    ただそれはLiella!としての個性が固まってきた結果だとポジティブに考えてましたが……」

かのん「みんな、意見ありがと……」

きな子「……」(うぅ〜、気まずいっす!)

かのん「強い曲ってどういうのかな? ライブで盛り上がるような速い曲とか?」

すみれ「サルみたいに騒げれば強い曲って訳じゃ無いと思うわよ。
    例えば恋が作曲した微熱のワルツはゆっくりした曲調でも心に残る強い曲だった」

恋  「すみれさん」

かのん「そっか、じゃあこれから恋ちゃんに作曲してもらえば良いかな……
    私帰るね」ダダッ

千砂都「あ! かのんちゃん!」

みんな「…….」

可可 「すみれ! ナンテこと言うですか?!」

すみれ「率直にっていうから言ったのよ」

恋  「でもこれからラブライブで優勝狙うには避けられない問題かもしれません」

可可 「恋も!」

恋  「ラブライブでは1曲のパフォーマンスで他のグループよりも聴衆の心を掴まなければいけません。
    勝つ為に強く印象付ける曲は必須です」

千砂都「またかのんちゃんばかりに負担かけちゃってたね……
    でもかのんちゃんなら乗り越えられると思う」

すみれ「相変わらずかのんに厳しいわね」

千砂都「厳しいんじゃなくて信じてるんだ。かのんちゃんを」


かのんの部屋


かのん「ぐすっ、ぐすっ……」

かのん「私だって一生懸命作ってるのに……」

かのん「ひどいよ…ぐすっ」

ありあ「おねーちゃーん! ごはんだよー!」

かのん「いらない!」

かのん「ぐすっ……」

かのん「大体強い曲って何? サニパの曲だって似たようなもんじゃない」

かのん「……」

かのん「そういえば他の学校の曲ってどうなんだろう? 動画調べてみよう」

かのん「こ、これは…!」

かのん「すごい! 一回聴いただけで歌詞やメロディーが頭に残る」

かのん「曲のジャンルも沢山! 
    え、グループ内でユニットを組むなんてあり? 曲のジャンルが無限に広がるじゃん!」

かのん「スクールアイドルってこんなに自由なんだ……」

かのん「ん? スクールアイドルフェスティバル? 
    いろんな学校が参加してるけどラブライブ大会とは別の大会かな?」

かのん「わぁ……みんな活き活きしてて楽しそう。
    え? 高校生が主催してるの?」

かのん「またやるんだ。 お台場って近くじゃん」

スクールアイドルフェスティバル当日
虹ヶ咲学園

かのん(来ちゃった)

かのん(大きい学校だなあ、生徒も多い…… 新設校のうちとは大違い)スタスタ

かのん「……」

かのん(メインステージってどこだろう? 学校の中で迷うなんて)

かのん(あ、あのチラシ配ってる人スタッフかな? 聞いてみよう)

かのん「あの、すみません……」

侑  「はい! あっ」

かのん「メインステージに行きたいんですけど」

侑  「……」ジー

かのん「あの?」

侑  「あ、メインステージですね。案内しますよ」

かのん「わざわざすみません」

侑  「はい、パンフレットどうぞ。高校生ですよね?」

かのん「あ、はい」

侑  「私は虹ヶ咲学園 音楽科2年 高咲侑って言います」

かのん「私は澁谷かのんって言います。私も2年生です」

侑  「同学年だね。 澁谷さんもスクールアイドルやってるの?」

かのん「え?! まあ、一応……」

侑  「やっぱり! かわいいもん」

かのん「私が、かわいい?!///」

副会長「侑さん、ちょっとよろしいですか?」

侑  「どうしたの? トラブル?」

副会長「はい、講堂の音響設備が鳴らなくなって、今天王寺さんに見てもらっているのですが……」

侑  「講堂はもうすぐ紫苑女学園がやる予定だったね。
    修理が間に合わないかもしれないから紫苑女学園のライブは空いてるAステージに変更して」

副会長「わかりました」

かのん「高咲さんはこのフェスの運営スタッフなんですか?」

侑  「侑でいいよ。一応スクールアイドルフェスティバルのオーガナイザーってのをやってる」

かのん「すごい! 同じ高校生なのに沢山の学校をまとめて」

侑  「スクールアイドルが大好きなだけだよ」

かのん「侑さんはスクールアイドルじゃないんですか?」

侑  「うん、私は応援する側。作曲もするけど」

かのん「え?! 侑さん作曲もするんですか?」

侑  「音楽科に編入したてでまだまだだけどね」

かのん「編入……すごい」

侑  「はい、メインステージに着いたよ」

かのん「忙しいのにありがとう、侑さん」

侑  「どういたしまして。あ、ライン交換しない? 良かったら感想とか聞きたくて」

かのん「え? いいですよ」

侑  「ありがとう。じゃあ楽しんでってね!」

書記 「ただいまよりメインステージで虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会によるライブを始めます」

かのん(虹ヶ咲学園。侑さんの学校……)


歩夢 「♪飛び立てる Dreaming sky〜」

かのん(ソロのスクールアイドルなんだ)

かすみ「♪届け!届け! 地球の果ての果てまで〜」

かのん(全然違う曲調!)


彼方 「Zzz〜」

かのん(個性的なアイドルが次々出てきて飽きさせないライブ!)

かのん(あれ? みんな出てきた)

歩夢 「最後の曲聞いてください、Love U my friends!」

かのん(全員曲もあるんだ!)

虹ヶ咲「♪キラキラ繋がって〜」

  \Yes!/

かのん(会場が一体になってる)

虹ヶ咲「♪Love U my friends!」

かのん(みんなソロで衣装もバラバラなのに集まった時の爆発力)

かのん(すごい……)


かのんの部屋


かのん(スクールアイドルフェスティバルすごかったなあ)

かのん(優勝も特別賞も無い、競うことが目的じゃ無いライブ。そんな世界もあるんだ。
    最近の私は勝ち負けにこだわりすぎてたのかもしれない)

かのん(作曲のインスピレーションが湧いてきたぞ)

かのん(侑さんにお礼言いたいな)


かのん <侑さんこんばんは。案内してもらった澁谷かのんです。今日はとても楽しかったです

侑   <かのんちゃん?! 感想ありがとう!

かのん <虹ヶ咲さんの曲もすごくよかったです。侑さんが作曲したんですか?

侑   <まあね。私もかのんちゃんの作った曲聴きたいな。今度会わない?

かのん <え? 会いたいです! 作曲の話とか聞きたいです。

休日
東京テレポート駅


かのん「あ、侑さん。お待たせー」

侑  「かのんちゃん。こんにちは。
    あ、ギター! かのんちゃんはギターで作曲するの?」

かのん「うん。侑さんは?」

侑  「私はキーボードだよ」

かのん「へー」

侑  「とりあえずデックスあたりでお茶しよう」


デックス

かのん「うわー、スクールアイドルとコラボしてるんだ」

侑  「うん。お台場のお店はたくさん協力してくれてるよ」

かのん「そういうのも侑さん達が交渉してるの?」

侑  「みんなで手分けしてね」

かのん「すごいなあ」

……

かのん「それで曲が弱いとか言われちゃって」

侑  「うんうん」

かのん「ごめんなさい。なんか私ばっかり話しちゃって」

侑  「全然いいよ」

かのん「作曲のこととかラブライブのこととかいろいろ有って……
    不思議と侑さんに話したくなっちゃう」

侑  「ねえ、私の部屋に行かない? かのんちゃんのギター聴きたいな」

かのん「うん」

侑の部屋

侑  「遠慮せず入って。今日親いないから」

かのん「おじゃまします……」

かのん「あ、このキーボードで作曲してるんだね」

侑  「うん。まだまだ音楽科の課題こなすので精一杯だけどね」

かのん「私は音楽科落ちてそのままになっちゃったから、編入するのすごいよ」

侑  「そんなことないよ。ヤリたいことをやってるだけ。
    一緒にセッションしてみる?」

かのん「うん」

……

侑  「楽しかったー」

かのん「侑さん合わせるのうまいね」

侑  「そうかな、かのんちゃんの歌声かわいいよ。トキメいちゃった」

かのん「そんな…///」

侑  「ちょっと休憩しようか」

......

侑  「……」

かのん「……」

侑  「かのんちゃんはこの指でギター弾いてるんだね」スッ

かのん「え? うん…」

侑  「すべすべでかわいい指」サワサワ

かのん「侑さん? くすぐったい///」

侑  「かのんちゃん」ジー

かのん「へ?///」


侑  「…」チュッ

かのん「!!!〜っ!」

かのん「ちょ、ちょっと!///」

侑  「嫌?」

かのん「いやっていうか、侑さん誰にでもこんなことしてるんでしょ「違うよ」

かのん「!」ドキッ

侑  「私ね、初めて見た時からかのんちゃんのこといいなって思ってたんだよ…」

かのん「侑さん……///」ドキドキ

侑  「…」チュッ

かのん「……」チュッ

……
...
.

結ヶ丘女子高等学校
スクールアイドル部 部室

恋  「かのんさん、新曲聴きましたよ。すごくいいですね!」

可可 「今までに無い曲デス!」

すみれ「一皮むけたみたいね」

きな子「しかも、かのん先輩最近大人びた気がするっす!」

千砂都「すごくノレる神曲だよ。かのんちゃんならやれるって思ってたんだ」

かのん「えー、そうかなー」フフッ



⎛(cV„Ó ᴗ ÒV⎞おしまい

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom