【デレマス】未成年のアイドルが食べられちゃう話 (25)

凛「ふぇ……」

その日、俺は

凛「……うぇぇぇぇぇんっ!!」

担当アイドルが仕事関係以外で……

凛「うわぁぁぁぁんっ!!」

泣いてしまうのをはっきり見てしまった



原因は……そう、こぼれしまった水はもう還ってこないから

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――その日の午前中

モバP(以下P)「おーい、すまんがちょっと机の上を空けてくれないか?」

蘭子「虚無の空間を維持せん!(はい、わかりました)」ガサガサ

文香「えっとこの本を移動させて……」

ありす「文香さん、手伝います」テキパキ

周子「あと、ポテチはそっちにやる?」バサバサ

加蓮「うん。で、何々?その荷物は?」ガサゴソ

奈緒「ガスキン&ビギンズ?……あぁ、セブンデーアイスか!!」

P「御名答。奈緒には一番最初に選ばせてやろう」

凛「奈緒……」ジーッ

颯「アイス……」ジーッ

千枝「アイス……」ジーッ



奈緒「あぁ、もぉーっ!」

ワイワイガヤガヤ

美優「で、どうしたんですか?このアイスは?」

瑞樹「もぅ、ダイエットが明日からになるわ」パクパク

楓「本当に……アイスで肝を愛すます……ふふっ」シャリシャリ

P「15点」

楓「え゛っ」ガーン

P「うん。さっき由愛と聖とむつみでそのアイス屋の宣伝の撮影をして」

肇「戴いてきたのでしょうか……?」

P「うん。あ、全員分はないから今日いるみんなだけな」

美波「アーニャちゃん、まだ来てませんけど……」

飛鳥「まぁ、保冷剤も入っているし、魅惑の虜になるのはまだ早いという所か?」

李衣菜「アイスもロックになるぐらいカチカチに冷凍できるかなぁ?」

つかさ「そんなもん、誰かに食われちまうだけだな」

P「ま、ライラ達の分は今から俺が持って行くけど、後は早い者勝ちというわけで」

みんな『はーい』

凛「あ、でも私今から撮影があるから……」

奈緒「ん?直ぐにぱーっと食べればいいと思うが?」

凛「ヤダよ。せっかくのプロデューサーからの差し入れを」

奈緒「はいはい。チョコでいいんだよな?」

乃々「凛さんといえばチョコレート……多分みんな周知してます」

ありす「私といえばいちごのようにですね!」フンヌ

雪美「……」ムーッ

千枝「あ、あの……雪美ちゃんもいちごが好きなはず……」オロオロ





乃々(もりくぼも、ミルクティーが好きって設定なはずなんですが……いぢめなんですかね?)

小梅(でも、アイスはミルクティー味を選べたんだよね?)

乃々(あ、はい……というか、人の思考に紛れ込まないでください……)

小梅(あ、ご、ゴメンね……)

P「チョコレートもいいが、由愛が食べていた初めはカラメルとプリン部分の別の味が楽しめ、溶けかかると混ぜて別の味が楽しめるミルキープリン」

P「聖の同じ様に赤と黄色と青の三種の味が楽しめるトロピカルサイダー。それからむつみのスイカドラ焼きも美味しかったぞ」

奈緒「スイカドラ焼きだぁ?!」

晴「それはうまいのかなぁ……?」

珠美「珠美はパスで……」

凛「あの三人は意外に…………あれ?」





凛「ねぇ。今、『美味しかった』って言ったよね」

P「あ」ヤベ

みんな『へぇ……』

加蓮「ふーん。たしかPさんは、アイドルを差し置いて自分だけ先に食べる人じゃないよね?」

蘭子「妖精達の乱舞場!?(ちっちゃい子達に食べさせてもらったの?)」

奏「ふふっ、大方『あーん』をしてもらったんでしょうね……」

P「ひーふゅーふしゅー」

奈緒「下手か!」

奏「なら、どうかしら?私の食べさしだけど、二人で青春の味を楽しむのは?」

つ【スポーツドリンク味】

美波「あ、ずるい!」

比奈「ずるいって……美波さんも対外っスね」

P「ちょちょっ、待って……あ、そうだ。ライラ達に」コソコソ

美優「それは私が届けます」

七海「さぁ、吐いて楽になるのれす!」

あきら「# 修羅場なう」パシャパシャ

凛「さぁさぁ!」

P「」



ギャー

凛「とりあえず、撮影に行ってくるから」

奈緒「お、おぅ……」

加蓮「じゃあ、残ったアイスは冷凍庫に入れとくね」

凛「うん。お願い」

バタン





「じゃあ、凛ちゃん。このドリンクを持って……そうね。最初は俯いて」

凛「こう……ですね」

「そうそう、次はドリンクをほっぺたにやって」

凛「はい」





凛(アイスか……)

凛(いつものようにチョコレートにするか……プロデューサーがおいしいっていってたのにするか)

凛(それとも……)

チラッ



ドリンクキャッチコピー「アナタが選んだのはあの人の好きな味……かもね」



凛(好きな人が選んだ味かぁ……)

凛(夏の思い出のエピソード……なんてね)

凛「……ふふっ」

「いいわよぉ!すごい自然体の微笑みよぉ!!」パシャパシャ

「じゃあ、お疲れさま。Pちゃんにもよろしくね」

凛「はい、ありがとうございました」

「あと、これ試供品だから。発売日、楽しみにしててね!」ゴソッ

凛「はいっ!」

テクテク

凛「ふぅ……」

凛(やっぱり外は暑い)

凛(でも仕事をやり切った感と、帰った時の楽しみがあるから心は爽快感で溢れていた)



凛(なのに……)

(凛が帰る少し前)

バタン

涼「ただいまーっと」

亜季「おや、誰もいないでありますね」

マキノ「帰ったわけじゃないわね」ユビサシ

二人『んー?』



ホワイトボード『アイスあります。早い者勝ちだよ』

亜季「お、アイスでありますか!」

涼「プロデューサーの差し入れか?ずいぶん太っ腹だな」

マキノ「ん……今日のプロデューサーの行動からすると、CMの撮影先のそれかもしれないわね」

亜季「さすがマキノ殿。オシント解析は得てますな」

涼「オシント?」

マキノ「OSINT。公開情報のことよ。ほら、スケジュールが書かれたダッシュボード」

涼「ホントだ。『成宮、望月、氏家のアイスCM撮影。P、先方挨拶』ってある」

マキノ「コミントやエリントを使わない情報収集活動手段の基本よ」

亜季「日本ではそれらの活動はほとんどが違法になりますからですね」

涼「??」

涼「と、とりあえず、アイスってことは冷凍庫がある給湯室ってわけだな」

マキノ「えぇ。何が残っているか楽しみね」

亜季「ですな」

涼「何って残りモノでも美味けりゃいいんじゃ?」

ガヤガヤ

涼「お疲れー」

奈緒「あ、涼さん。お疲れ様。っと、アイスだろ?えっと、後は何が残っているんだ?」

李衣菜「えっと、ブラジャーとラムネ入りラムネとメープルバニラにソーダレモンに……」

春菜「それからスイカドラ焼きとチョコですね」

亜季「スイカドラ焼き……でありますか?」

周子「意外に美味しかったけど、甘党向けかな?」

亜季「甘いモノは疲労回復に向いていると言いますから、自分はそれで」

涼「チョコは凛のか?」

奈緒「あ、やっぱりわかるかな?」

涼「なら、ラムネが入ったラムネにしておくか」

マキノ「それじゃあ、さっぱり系のソーダレモンもいただくわ」

奈緒「ほいほい」

李衣菜「あ、スプーンはテーブルにあるから」

涼「サンキュ」

春菜「それから眼鏡を」

マキノ「それは結構よ」

奈緒「涼さん達も来たし」

李衣菜「ライラとアーニャはもうPさんが持ってったんだよな」

周子「残ったのはブラジャーとメープルバニラか……」

李衣菜「……礼子さん辺りならブラジャーを食べるのかなぁ?」

奈緒「そうすると、里美かかな子ぐらいしかアレは食べないな」

春菜「アレはちょっと……」

奈緒「なんせ」

回想

文香「では……メープルバニラを……」

ありす「はい、文香さん」

文香「ありがとう……ありすちゃん」

ありす「どういたしまして」

文香「それでは」

文香「パクッ」



その時、彼女は気がつかなかった。名前からして甘いであろうというこのアイスの強暴さを。そう名前だけなら単なるバニラアイスにメープルシロップがかかった甘党には堪らないであろうそれは……実は工場の手違いで牛乳の代わりにコンデンスミルクを使用した通常の三倍の甘さを誇るような超特濃バニラアイス(当社比)に、カナダ産メープルシロップ(Syrup)1に対して、ブラウンシュガーとバニラタブレットを混ぜて作った人工シロップ(Sirup)9の比率のシロップを混ぜた、カルピスの原液にガムシロップを混ぜるに似た甘さの権化である。それに耐えられる舌を持った生物など、アイドル業界に於いても極少数。それをパクリと、スプーンに載せられるだけ載せたものを口にした彼女の運命等結果がわかったようなもの



文香「」

ありす「文香さん?」

文香「」パタリ

ありす「文香さーん!?」

この後、医者に診断された彼女は、急性糖尿病一歩手前だったそうだ

回想終了



奈緒「……だったからなぁ」

李衣菜「うん……」

涼「それは……」

亜季「もはや兵器ですな」





タッタッタッタッ

凛「ただいまーっ!」

奈緒「お、凛も帰ってきたか」

李衣菜「お帰りーっ!」

春菜「お疲れ様です。はい、眼鏡ですよ」

凛「うん、ありがとう……でも汗かいてるし、眼鏡はいいかな」

春菜「」ショボーン

亜季「まぁまぁ、今度サバゲーをやるので良いゴーグル選びに付き合ってもらえないでしょうか?」

春菜「喜んで!!」ガバッ



凛(ゴーグルでもいいんだ……)

奈緒(眼鏡じゃないよな……)

奈緒「チョコでいいよな?間違ってもメープルバニラは選ぶなよ」

凛「わかってるって。加蓮からメールが来てたしね」

周子「ブラジャーはどうすんの?」

凛「プロデューサーかちひろさんにでも食べてもらおう」

李衣菜「無難だけどそれが正解かな」



カツカツ

P「よ、お疲れだったな。凛」

凛「ん?うん。カメラの人も喜んでくれてたよ」

P「そうかそうか……で、アイスは後の残りはそれだけか?」

奈緒「そ。問題作のメープルバニラとブラジャー。あとは凛のチョコだけ」

P「後で茄子が来るから、残りは押し付けるとするか」ニシシ

奈緒「うわぁ……あくどいなぁ」

周子「しゅーこちゃん知らないよーん」

マキノ「彼女なら、どうにかしそうだけど……データ不足ね」

李衣菜「でもロックですよ。このドキドキは」





茄子「私がどうかしましたか?」

みんな『うわぁ!?』

皆が驚いた瞬間、それは起きた

まず、驚いた李衣菜が机に手をやり、その手に体重の半分がかかったため机が斜めになる

そして、斜めになったためアイスが落ちそうになり、凛とプロデューサーは同時に拾おうとした

しかし、周子が先に拾ったため二人の間に障壁はなくなり

その時、奇跡が起きる



chu!

P・凛『!?』



マキノ「な!」

周子「へ?」

奈緒「嘘だろ!」

李衣菜「うわぁ……」

茄子「あらあらぁ~」



偶然斜めを向いていた二人は、鼻の接触もなく口と口とで接吻をしてしまった

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P(凛が泣いている。それはそうだろう……)

P(こんなオッサンと……き、キスしてしまうなんて)

P(……これはプロデューサー失格だ)

P(みんなからの視線も非難している以外に思えない……)

P(いっそ、この窓から……)





凛(嘘……嘘、嘘……)

凛(ぷ、プロデューサーとき、キス……しちゃった)

ポロッ

凛(や、やだ……嬉しいのに……)

ポロポロ

凛(涙が止まらない……)

凛(だって、好きな人との……ファーストキスだもん)

凛「うわぁぁぁぁぁんっ!」

奈緒「で、どうするんだ?」

周子「凛ちゃんはいいとして、プロデューサーのあの顔は」

李衣菜「どう見ても、アイドルに手を出してしまった……な顔ですね」

涼「めんどくさい連中だな……」

マキノ「とりあえず、プロデューサーを先に状態回復に勤めないと」

奈緒「じゃあ、凛は私が当たるか」

凛「プロデューサー……」

P「り、凛。すまない……」

凛「どうして謝るの?」

P「それは……未成年のアイドルのキスを奪ったことで……」

凛「うん……ファーストキス……だよ」

P「」

凛「ふふっ……多分Pのことだから、責任とかいろいろ考えていると思うけど」

凛「私は嬉しいから……」

凛「いつも、私に一番欲しい言葉、歌、仲間、トップアイドルの座……いっぱいくれた」

凛「だけど、その中で望んでいても手に入らないものもあった」

凛「だから……脅迫と言われてもいい。策略と思われてもいい」

凛「今、叶えられるって信じて……」

P「り、りん……」



スッ

凛「大好きだよ……プロデューサー」

chu

P「うぅ……」

凛「じゃあ、Pを裸にするからね」ゴソゴソ

凛「今日はトランクスなんだね」ゴソゴソ

凛「まだ……臨戦状態じゃない……ならこっちから」コシコシ





なお、奈緒達により凛の活動記録……もとい、記憶はここまでになっている





ちなみにそのメープルバニラなるアイスは、好きな人と一緒になれるおまじない的存在としてバカ売れしたとか……



おしまい

なお、途中で出てきたブラジャーとは

【モバマス】モバP「最近、ブラジャーに凝っちゃって」
【モバマス】モバP「最近、ブラジャーに凝っちゃって」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1566299079/)

こちらと同じで「ブランデー」+「ジンジャー」=「ブラジャー」という造語になります

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