安価とコンマで『剣と魔法のRPG』をイチから作る (1000)

タイトル通り。安価とコンマで『剣と魔法のRPG』の設定を作ります。そして、その設定でスレをやっていこうかなと。このスレでは世界観作りを主にやるつもりです。どれくらい掛かるか分からないので、途中から物語が進むかもしれません。

最初の安価は世界観の大枠です。『剣と魔法のRPG』の大まかな設定を安価してください。何でもいいです。扱いきれないのは無効としますが、まぁ基本は大丈夫だと思います。

下3まで募集。それを合体させます。なので、長文すぎるとアレかも。

↓3


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種族の名前 硬人
容姿の特徴 硬い皮膚をもつ頑丈な種族で所々にヒビが入っている。成人すると容姿の変化はヒビが増えるのみになり身体能力は一生低下しない
種族の詳細 電子、魔法共に適正がない。ただし全く気にせず、未だに身体を動かす事を好む。
大半は田舎で自給自足の生活を送っているが、都市部にも出稼ぎの労働者やボディーガードが少数いる。

>>9-23採用。

たくさんの安価、ありがとうございます。皆さん魅力的な種族ですね。不穏な空気もあり、とても良いと思います!

では、魅力度のコンマ判定を加え、少しだけ直したものを下に貼ります。この種族を採用したよー、という確認ですね。

・『硬人』
硬い皮膚をもつ頑丈な種族。体の所々にヒビが入っている。成人すると容姿の変化はヒビが増えるのみとなり、身体能力は一生低下しない。
電子・魔法共に適正が無く、魔力もほとんど持っていない。ただし本人達は全く気にしておらず、身体を動かす事を好んでいる。大半は田舎で自給自足の生活を送っているが、都市部にも出稼ぎの労働者やボディーガードが少数いる。
魅力度は「2」。電子技術や魔法を使えない事、幾つになっても容姿が変わらない事などから不気味がられている。特に都市部では差別が酷い。

・『天翼族』
背中から腰にかけて鳥の翼が生えている種族。魔力が高い者ほど翼の数が多く、大きい。
高い機動力を活かし、世界の各地で商いをする者が多い。そのため、世界最大の商会を有しており、経済面での発言力が大きい。余程の秘境でもない限り、出張所があったり、販路開拓のために出向いている者がいるので、冒険稼業の人々にも大きく貢献している。
魅力度は「36」。昔はその見た目から化物などと恐れられていたが、多くの天翼族が経済界に食い込み始めてからは、徐々に差別が無くなってきている。

・『美麗族』
人間(庸人)に近い身体の種族。美男美女揃いで、貴族以上の存在だと加齢による外見の変化に乏しいほどである。
「フツメン以下」の判定を受けると徹底して差別を受けるほどの外見至上主義。土木作業はこの被差別民が基本的に担っている。
貴族以上の人物達も他人はおろか家族すら蹴落とす事を厭わないのが常識であるほど、平均的な人間関係が荒んでいる。しかし、他国の貴族や王族に嫁いだ人々はかねがね高評価を受けている。
容姿を最も気にしている種族であるため、化粧品などの容姿に関する産業が発達しているが、それ以外は輸入に頼っている。
魅力度は「93」。かなり人気の種族。美麗族の「フツメン以下」は普通の美的感覚なら整った容姿である事が多く、他種族のところに行って自意識を慰める者もいる。

・『サイバーフェアリー』
電子ネットワーク上に生じた情報生命体。基本的には目的を持たず電子の海を漂うだけの無害なものが多いが、稀に自我を獲得し何らかの目的を持って行動し始める個体もいる。
物理的な肉体は持たず、異種族と対話・交流する際はアバターを用意して画面上に表示する。アバターの容姿は、人間の女性やそれに近いものを好んで選択する傾向がある。
魅力度は「82」。電子技術が発達した末に生まれた比較的新しい種族であり、人気が高い。

・『悪魔族』
大きな黒翼に悪魔角、悪魔尻尾を有する人型種族。大国衰退の原因となった事件を起こした種族のため、他種族から嫌われている。特に天翼族とは犬猿の仲。
異様に生命力が高く、並大抵の事では死なない。割と新しいもの好きで、古くからの魔法だけではなく電子技術も使いこなす。
魅力度は「68」。多くの種族から嫌われてはいるが、彼らを肯定する人々もそれなりに存在する。

・『灰仙』
灰色の髪をした小柄の長命種。性格により髪色は変化、利己的なほど黒みが、利他的な白みが増していく。知識欲が強く、寿命の長さを活かして魔法・電子・歴史などの学を得て、研究者や教職をしているものが多い。
しかし、髪色が白・黒どちらかに極まったものの中には権力者やカルト集団と結託して大事件を起こす事もあり危険視されている。
本人達の研究によると、種族の祖は魔法の研究により寿命を伸ばす事に成功した古代の賢人らしい。
魅力度は「67」。基本的には好かれているが、人によっては大騒動を起こすイメージから忌避する事もある。

・『風来鬼』
立派な鬼角がチャームポイントの傭兵部族。男女問わず力が強い。
種族や国家への帰属意識が薄く、定住する事なく気の赴くままに旅をしている。その日銭稼ぎのために、家政婦から傭兵まで何でもこなす。基本的に豪快で雑な個体が多いが、戦闘能力は本物。
魅力度は「65」。豪快な性格から好感度は高いものの、その粗暴さから恐れている者もいる。

・『舞踏族』
歌や踊りなど、芸術全般を愛する牧歌的な民族。やや小柄な人間(庸人)のような見た目で、色々な髪の色の人がいる。筋力は普通だが、柔軟な体と優れた身体感覚を持ち、踊りなど体を器用に動かす事に秀でている。
楽観的な性格で、仕事をほどほどに切り上げては楽しく過ごす日々を送っている。電子楽器や音響機材、魔法楽器など、科学も魔法も良さそうなものは抵抗なく色々と取り入れる柔軟な部分もある。
世界的に有名な歌手や踊り子、芸術家を多数輩出している。
魅力度は「45」。遊び人気質なところが一部の人々からは良く思われていない。

・『魔女』
魔法を極めた種族。女性しかおらず、基本的に不老。黒衣と杖という典型的な魔女衣装に身を包んでいる。
科学的なものがからっきしで、機械を前にするとポンコツになる。
魅力度は「87」。畏怖の念を受けつつ、多くの人々から親しまれている。

・『機人』
労働の肩代わりをさせるために造られた種族。脳や神経系の一部は有機的な素材で構成されており、他種族よりは乏しいが意識や感情もある。人に近い者からメカメカしい者まで容姿は様々。人に近い者でも耳は必ず機械的な形状となっているため、判別は容易。
精密な動作や論理的思考、電子技術の使用を得意とし、ソフトウェアのインストールやアタッチメントの増設により機能を拡張する事もできる。なお、魔法適正は極めて低い。
大国では人権が認められていたが、大国が衰退した現在、その立場はやや苦しいものとなっている。
魅力度は「71」。多くの種族と友好的な関係を結んでいる。しかし、大国の衰退により、その関係性は年々薄くなっている。

・『フィギュア』
高度に機械化された生命体。個々の意識は持っておらず、『フィギュア集合体』という統括存在によって全ての意識を共有されている。そのため、“個人”という概念は無く、あくまで個体は集合体の一部と認識されてある。また、フィギュアの個体を『ドローン』と呼んでおり、一人称も同じ。
フィギュアが新しい構成員や技術を集合体に取り込む事を『同化』と呼ぶ。同化された者は肌の色がグレーと変わり、その体全てがフィギュアの移植器官とみなされる。
彼らにとって交渉は「我々と同化せよ」の一択であり、まともに話し合える相手ではないため、多くの人々が彼らを避けている。
魅力度は「35」。基本的に忌み嫌われているが、一部に彼らを利用しようとする者がいる。

・『サイキック』
かつて別の惑星から移住してきたという種族。この世界に電子技術をもたらしたのは彼らだと言われている。魔法を使う事はできないが、その代わり『超能力』と呼ばれる超常的な力を有しており、扱える能力は一人一人異なる。
見た目は普通の人間(庸人)と変わらないが、超能力を扱う際には体から青いオーラが出る。魔法を使う者達とは、考え方などの面から相性が悪い。
魅力度は「22」。サイキックは「電子技術をもたらしたのは我々だ」と主張しているが、魔法を使う種族達の反発もあって信じられておらず、多くの場所で肩身の狭い思いをしている。

・『庸人』
身体能力・魔力共に凡庸で、稀に高水準の個体が生まれる以外特徴の無い種族。一般的に、彼らの事を「人間」と称する事が多い。機械の発達に伴い生活水準が向上し、個体数が爆発的に多くなった。
魔法全盛期には世界の隅に追われていたが、同盟種族と協力して産業革命を起こし軍事力を高め、複数の国家を建国するまでに力を付けた。
また、義務教育で幼少期から電子機器に触れさせているため、そちらの能力は高め。
過去の指導者の中には敵対種族に過激な人物もいたが、現在の指導者には増え過ぎた人口への政策で悩んでいる人物が多い。中には宇宙に視点を向ける者もいるようだが……。
魅力度は「29」。他種族から凡庸であるにも関わらず数の力で影響力を持つ事に悪感情を向けられる事も多いが、差別を受ける事自体は少ない。

・『ドラゴン』
絶滅危惧種で世界に百体もいない種族。圧倒的な戦闘力を持つが、人前に全く姿を表さないので、もはや伝説の存在となっている。
古い書物には人に化ける能力を持っているという記述があり、その辺りの街に潜んでいる可能性を指摘する酔狂な者もいる。
魅力度は「15」。空想上の生物だと思われているため、ほとんどの人間が関心を持たない。ただ、モチーフとしてはしばしば用いられるようだ。

・『獣人』
獣に似た部位を持つ種族。一族によって場所は異なる。高い魔力を持つ。獣に似た容姿も、魔力を高めるために自己改良して進化していったものである。
過去に獣人の国があったが、二百年ほど前に滅亡しており、現在も再興を夢見る人々は多い。
昔は国によっては奴隷に近い扱いをされていたり、隔地に追いやられていたため、他種族を良く思っていなかった。しかし、大国の働きかけによって獣人達の待遇は劇的に改善しており、現在は大分悪感情は少なくなっている。
魅力度は「92」。以前は嫌う者も多かったが、今ではその身体能力や魔力、容姿などから人気が高い。

続いては、国の設定を安価で募集します。こちらも17個あるので、複数安価可です。

国の名前・国旗のデザイン・特徴(文化や産業、地理など)を安価してください。特徴では、良い点と悪い点のどちらも安価してください。また、コンマ判定を行い、その国の現在の影響力も決めます。このコンマは四捨五入されます。

なお、国の安価には少しルールがあります。以下の点を守り、自由に安価してください。

・この世界に大きな影響力を持つ「複数の種族を統べていた大国」は安価しないでください。その設定は別で決めます。
・複数の種族の国に住まわせるのはもちろんオッケーですが、「全ての種族が仲良く住む国」だけは無効となります。
・硬人、フィギュア、サイキック、ドラゴン、獣人だけで構成された国は無効となります。彼らにも当然コミュニティはありますが、国になるほどの力は持っていないからです。

↓17まで。多いので複数安価オッケー。ただ、やりすぎはご注意を。

・『フレイヤ王国』
国名が建国の際に大いに貢献した伝説の英雄の女性の名前に由来する王国。国の位置は南国に近い場所を中心とし、大国に次いで大きい。国旗は赤色に8つの羽を生やしたように見える1人の女性が、右手に剣を、左手に盾を装備し、剣を天高く構えているというデザイン。
平民以下と貴族以上の貧困差が激しく、国政の課題の1つとなっているが、改善の兆しがまるで無い。そのため、一部の貧困層の不満が溜まってきている。
美麗族が主な王族で、これを基準とした政が展開されている。昔は美麗族以外にも王族はいたのだが、数年足らずで失脚及び死亡している。
影響力は「98」。大国が衰退している現在、一番力のある国と言える。

・『アルカンレティア』
水の都を首都とする自由の国。国旗は水色一色というシンプルなデザイン。
芸術や学問が栄えており、多様な種族が往来するが、その多くは他国から逃げ出した者達である。軍事的・経済的には非常に脆弱。
影響力は「40」。国力は低いが、文化的な影響力は大きい。

・『空中機動要塞ネメシス』
悪魔族の動く根城。最新の科学の粋を集めた軍事要塞兼都市国家。国旗のデザインは赤地に黒い逆さ十字架。
魔王や四天王などの最上位悪魔が滞在する世界で最も危ない国。承認されるかは不明だが、入国ビザの申請は受け付けている。軍事に力を入れすぎたせいで、経済的・文化的には遅れている。
影響力は「44」。軍事的には随一の力を持つが、現在は大人しくしている。

・『プリマス』
大国が建国した機人の国。大国以外に唯一機人が法律で守られている国である。庸人と機人の人口が多いが、異端者として扱われる亜人(硬人やサイキック、その他15族に含まれないほど数の少ない種族)も多い。国旗のモチーフは光を放つ岸辺の灯台。カラーは紺碧色と白のみで統一されている。
多くの学問を取り入れ、世界の農業・建築・電子技術に携わっている事が多い。景気も良いはずなのだが、何故か全体の幸福度は低い。人が近寄れない危険な場所に派遣する機人専門のクランがある。
一部では心無い黒幕達に都合の良い道具として機人が利用され始めており、その雲行きは怪しい……。
影響力は「81」。機人の技術は世界中に必要不可欠な物となっている。

・『学術国家ヴェルズィテート』
政策で学問が推奨されている国。そのため、学校や研究所、図書館などが多い。領土は小さく、国土の大半が平地で、発掘中の古代遺跡や実験用の人口湖がある。国旗には白地に古代文字で「知は力、知は富」と書いてある。
種族差別は少なく国民になれる種族は問われないが、無知は恥ずべき事とされ、不勉強な人間は白い目で見られがち。魔法の学校と電子学の学校は両方あるが、生徒間で喧嘩が頻繁におこるため、同じ建物に併設はされていない。
トップは各分野の第一人者である二人の総長だが、人体実験や不安定な他国への技術支援など黒い噂がある。
影響力は「28」。勉学に励む者ばかりであるため、他国に学問以外で関心を持つ者が少ない。

・『グリンシルト』
森や川、湖、草原に覆われた自然豊かな国。国旗は大木をバックに緑一色の背景というデザイン。
主要な産業は農林業、次いで川や湖での漁業や綿花や絹などの紡績業であり、他国に輸出してもなお十分な自給率を誇っている。その半面、新しい文化や技術が外国から入りづらく、良く言えば保守的で穏やかな国風、悪く言えば活気の無い国風である。
影響力は「35」。農林業や漁業、紡績業以外の影響力は少ない。

・『ウェルス共和国』
世界で最もかつての大国に近いと言われる強盛国家。世界の企業や研究所、種族が集まり、世界一位の経済力を持つ。国旗は15個の白丸が円形に並んだデザイン。
しかし、各種族は大統領選などで権力の座に自種族をつけようと裏で泥沼の権力闘争が行われおり、大国のような平和国家には程遠い。
影響力は「3」。平時は高い影響力を持つが、現在大統領選の真っ只中であり、他国に構っている余裕は無いようだ。

・『ヴィクルー共和国』
北方の僻地に位置する中規模な島国。国旗は青地で中心に帆を張った船が黒く描かれたデザイン。寒冷地であり、生活が少々厳しい環境で争っている余裕がないため、どの種族も協力し合っている。だが、和気藹々というわけではない。
環境が良くなくあまり裕福でもない国だが、僻地ゆえに他国からあまり侵略されずに平和に暮らせるという良い面もある。そのため、他からあぶれた人々が平穏を求めて移り住んできている。
漁業がメインで、毎年大量に取れる時期には風来鬼を中心とした出稼ぎ労働者が多く訪れる。最近では環境に左右されない産業として電子部品の製造に着手しており、順調に収益を上げている。
影響力は「38」。昔は影響力皆無の国だったが、現在は少しずつ世界に対して力を見せつつある。

・『テトラゴノン首長連合』
辺境の砂漠地帯を長年治めて来た庸人の3家とその彼らと親しくなった魔女が五百年ほど前に協力して形にした国。国旗は黄色の背景に建国者4人のサインで構成されたデザイン。
電子部品に使う珍しい金属が取れるため、それの輸出で経済をまわしている。しかし、主な取引国の大国が崩壊しそうなため、大国の援助を考えている1家、別の取引国を探すためにそれぞれ別の国と接触する2家、国自体の科学技術を上げるために慣れない機械の習得を目指してノイローゼ気味の魔女……と歩調のバラつきが出始めている。
影響力は「91」。元々影響力は強かったが、2家の働きかけによって更に力を強めている。

・『神聖共和国』
世界でも有数の霊地「白霊山」に首都を構える国。魔法や霊力など古くからの力を好む種族が勝手に集まり国となった。国旗のデザインは雲の間から差す光をモチーフにしている。
非常に資源の恵まれた国だが、他国への興味が薄いのか、若干鎖国気味であり、ほとんど貿易をしていなかった。そのため、他国からその資源を狙われていたのだが、最近は観光業に力を入れ始め、それにより貿易を進み始めている。
影響力は「86」。昔は鎖国に近い状態だったが、トップが変わってから体制が大きく変化した。

・『大私帝国』
とある最強の魔女によって統治されている独裁専制君主国家。
国を挙げたハーレムを築き上げた魔女による魔女のための魔女国。国中に自分の写真や看板があり、なかなか気持ち悪い。国旗も魔女の自画像。魔女ファンクラブへの加入がビザの代わりであるため、入国は楽勝と言える。
(無駄に)魔法技術が非常に進んだ国だが、科学技術は一切進んでいない。
影響力は「16」。治めている魔女は自分にしか興味が無いため、他国にはほぼ干渉しない。

・『底都』
地底に建造された都市国家。国旗のデザインは暗褐色のグラデーション。規制や法整備が緩く、悪徳国際企業や犯罪組織の巣窟となっている。
機人用の違法ソフト・ユニットの生産や人体改造手術、魔力増強効果のある違法薬物の生産などが盛んに行われており、そういったものを目当てにこの国を訪れる者も少なくない。
この国においては強さや技術力が全てのため、種族による差別はあまり無い。「高技能者なら歓迎され、無能は虐げられる」と言われるほどである。
影響力は「41」。最近になって徐々に犯罪者達が力を増してきており、危険である。

・『ダリアの洞』
大陸の10分の1ほどの広さを持つダリア地下大空洞に建設された大歓楽都市国家。国旗は白地に月桂冠が描かれ、その中に黄色の太陽マークがあるデザイン。賭博場や風俗、遊園地、リゾート地など老若男女全種族にとっての遊び場がここに集結している。
入国も滞在も容易な一方で、綿密に規定された不可侵中立条約により一切の武力紛争やテロ行為を硬く禁じている。
裏では闇ギルドや違法薬物、奴隷などを取り扱う商人らがひしめいているが、底都と比べればまだ優しい方である。
影響力は「15」。多くの人々が訪れる歓楽街ではあるものの、他国への影響力は少ない。

・『アーペガ聖共和国』
古くからこの世界に伝わる神の教えを守り広めてきた教団が「聖女」と呼ばれる一人の庸人を中心に形成した国家。聖女は代替わりを繰り返し、今代で199代目となる。国旗は茜色の下地に三本の金色十字架というデザイン。
教えに従い紛争難民や貧民に分け隔てなく手を差しのべる一方で、国内における種族間の揉め事は多く、教団も頭を悩ませ続けている。
太古の神話や伝承、聖遺物といったものも数多く保管しているため、各地から学者や研究者も集まってくる。
影響力は「42」。電子技術の発達により、教団の威光は翳りを見せ始めている。

・『ファイル島』
外国から何かしらの仕事を請け負い、それに対応する人材を派遣している派遣国家。人材派遣ギルドは全世界各国に支部が設けられている。国旗のデザインは五輪。
どこにでもあるような島国で、特に産業も無かったため、外貨を稼ぎに国家ぐるみで何でも屋のような事を始めたという経緯がある。
影響力は「21」。人材派遣ギルドは大きな力を持つが、国からの他国に対する影響力は低め。

・『科学都市』
世界で最も科学が進んだ国。新しい技術である『科学』を好む層が大国から分離・独立することで誕生した。国旗のデザインは歯車。
合法・非合法問わず様々な技術開発が行われており、魔法やサイキックの超能力についての解析も科学的になされている。そのせいか、倫理観が飛んでいる者が多く、周辺国からはあまり好かれていない。
影響力は「32」。魔法の科学的見解は、少しずつ世界に広まっている。

・『極東島国』
未踏の地である東の孤島にいわゆる“ワンチャン”を狙って遠征した昔の人が、国としての体裁を何とか完成させた国。国旗は白地に赤い丸とそれを中心に赤線が何本か広がるように描かれている。
四季彩る風景と魔術や化学のどちらにも可能性を感じさせる素材に溢れているため、天翼族の利用を中心とした輸出業で発展を狙っている。未踏の地だったため、種族同士で争ってる暇は無く、国の開拓のために尽力する人々がほとんどである。
影響力は「15」。まだまだ発展途上であり、影響力を行使する事はできない。

続いては『大国』についての安価を行います。これから大国の歴史・文化・著名人を順に募集します。以下のルールを守って、自由に安価してください。

・大国の名前は『大国』。
・大国における種族間の差別的な歴史は無効。ただし、ちょっとした小競り合い程度なら許容します。
・大国が衰退する一因になりそうなものは無効とします。それは別で安価を取ると思うので。

では、まずは大国の歴史についての安価をお願いします。大国、または大国を中心とした他国との歴史を安価してください。重大な出来事からちょっとした出来事まで何でもオッケーです。

↓5まで

名前 ルキウス
性別 男
年齢 25
容姿 気の弱さが一目でわかるぱっとしない男
性格 普段は優柔不断だが、自分が絶対に正しいと感じたときは全く他者の意見を聞かず暴走しがち
特徴 補佐役として優秀な取り巻きが多くいるが、大半は俗物で普段はルキウスをいいようにあやつっている

>>88-93を採用。今回は、コンマで役割が決まったキャラクターのみ再度貼ります。他の3人もどこかで登場するのでご安心を。

・『ルキウス』(男性/庸人/25歳)
気の弱さが一目で分かるパッとしない男。普段は優柔不断だが、自分が絶対に正しいと感じた時は全く他者の意見を聞かず暴走しがち。
元々は王族だったが、気の弱さが原因で「王の試練」に失敗した。そこを悪魔族にそそのかされ、反乱を起こしてしまう。
補佐役として優秀な取り巻きが多くいるが、大半は俗物で、普段からルキウスをいいように操っている。

・『ディーヴァ・ラウス』(女性/庸人/34歳)
大国北部を支配する軍閥のトップ。軍服を着た、背の高い銀髪の美女。
弁舌巧みな陽気な野心家で、煽動が大得意で優秀な独裁者。容姿良し、弁舌良し、能力良しで人望は非常に厚いが、権力と名誉のためならあらゆる陰謀に手を染める一面も。

続いては、少し変わって、魔法全体の設定の安価を行います。今までの安価から、魔法について決まっている事は以下の通りです。

・魔法は基本的には誰でも使える。ただ、中には適正が全く無い種族や人物もいる。
・魔法を使うには何かしらの方法で学ぶ必要がある。当然何もしなくても魔法を使える天才もいる。
・学べばどんなに強い魔法でも使えるわけではなく、自身の魔力の量に左右される。魔力は上限はあるものの、特訓で増やせる。
・魔力が足りない時には色んな道具で補う事が可能。
・硬人、サイキックは何をしても魔法を使えない。サイバーフェアリー、機人、フィギュアは外部ソフトウェアなどで使える。
・魔法はノア・アルパ・オーガスタという大魔女によって体系化されている。

まず、魔法の体系化について安価で決めます。魔法は属性(火・水など)で分けるか、用途(攻撃・補助)で分けるかをコンマで決めます。

↓1のコンマ偶数で属性、奇数で用途

>>95を採用。魔法は「用途」で分類されます。コンマ1桁+3でその数を決めるつもりだったのですが、書くの忘れてました。7+3=10種類となります。

では、分類の名前を決めます。1レスにつき3つまで安価してください。「火・水・雷」とかではなく、行為や概念、抽象的な物などの熟語でお願いします。「この魔法は○○系の魔法だ」と言える感じのです。

↓5まで。そこから10個選びます。2~3字の熟語でお願いします。

攻撃 殺害 天候

>>97-101を採用。

採用したのは「攻撃・探索・分析・移動・予知・治癒・錬成・守護・変化・契約」の10種類です。

なお、殺害は攻撃に、隠密と飛翔は移動に、天候と強化は変化に含まれています。

次は、魔法の名称のルールです。魔法の名前についての決まりを安価で作ります。以下から一つ選んでください。

1.カタカナ(例:ファイア、ホイミ、バイキルト)
2.漢字(例:火炎、回復、身体強化)
3.漢字にカタカナでルビ(例:HUNTER×HUNTERの念能力)
4.その他(1~3以外で良さそうなのがあれば。こちらは場合によっては無効になるかも)

↓3まで。コンマの一番高い物を採用。

4.種族ごとに違う

4
魔法のカテゴライズを1桁分の数字に分けて(例:攻撃魔法なら1)、どうするかの内容を2桁の数字かアルファベット辺りで続けて書く、とか
表現方法ムズそうだけど

>>104を採用。

ただ、>>106も別の形で採用します。基本は熟語で表現するが、学名みたいな物を数字とアルファベットで表現するという感じにしようかなと。普段は使わないと思いますが、学術国家ヴェルズィテートとかでは登場するかも。

また、>>105さんの安価を見て設定を思いついたので追加します。

・魔法に適正のある種族は、個人特有の魔法を持つ。
・基本的に家系で特有魔法は決まっているが、絶対では無い。
・獣人は、獣の力を扱うという特有魔法によって姿が変わっている。

続いて、サイキックの超能力の表記を決めます。ここは安価でサクッと決めましょう。

↓1のコンマが偶数なら>>103の1、奇数なら>>103の3

おはようございます。今日は主に17国の設定を詰めていこうと思います。どこまで決めるか悩ましいところですが……今決まっているところから決められるものは決めてしまいましょう。

なお、この世界の簡易的な地理を決めました。中央と東西南北に分けています。また、分類された中で、左から右に行くほど辺境となります。

・中央……大国、プリマス、アルカンレティア、グリンシルト、ダリアの洞(地下)、ネメシス(上空)
・東部……ウェルス共和国、底都(地下)、極東島国
・西部……テトラゴノン首長連合、ファイル島
・南部……フレイヤ王国、科学都市、ヴェルズィテート、アーペガ聖共和国
・北部……大私帝国、神聖共和国、ヴィクルー共和国

まずはフレイヤ王国から。現在一番力のある国かもしれません。安価を取るため、再度フレイヤ王国と美麗族の設定を貼ります。

・『フレイヤ王国』
国名が建国の際に大いに貢献した伝説の英雄の女性・フレイヤの名前を冠する王国。なお、フレイヤは大国の初代国王の兄と男女の仲であったが、現在フレイヤ王国と大国に友好関係は無い。
国の位置は南国に近い場所を中心とし、大国に次いで大きい。国旗は赤色に8つの羽を生やしたように見える1人の女性が、右手に剣を、左手に盾を装備し、剣を天高く構えているというデザイン。
平民以下と貴族以上の貧困差が激しく、国政の課題の1つとなっているが、改善の兆しがまるで無い。そのため、一部の貧困層の不満が溜まってきている。美麗族が主な王族で、これを基準とした政が展開されている。昔は美麗族以外にも王族はいたのだが、数年足らずで失脚及び死亡している。
影響力は「98」。大国が衰退している現在、一番力のある国と言える。

・『美麗族』
人間(庸人)に近い身体の種族。美男美女揃いで、貴族以上の存在だと加齢による外見の変化に乏しいほどである。
「フツメン以下」の判定を受けると徹底して差別を受けるほどの外見至上主義。土木作業はこの被差別民が基本的に担っている。
貴族以上の人物達も他人はおろか家族すら蹴落とす事を厭わないのが常識であるほど、平均的な人間関係が荒んでいる。しかし、他国の貴族や王族に嫁いだ人々はかねがね高評価を受けている。
容姿を最も気にしている種族であるため、化粧品などの容姿に関する産業が発達しているが、それ以外は輸入に頼っている。
魅力度は「93」。かなり人気の種族。美麗族の「フツメン以下」は普通の美的感覚なら整った容姿である事が多く、他種族のところに行って自意識を慰める者もいる。

この国について決めるのは、「主要王族・貴族」と「組織・団体」です。

では、フレイヤ王国の主要王族・貴族を安価で募集します。まずは主要王族の数をコンマ十桁で、主要貴族の数をコンマ一桁で決めます。「○○家」みたいなのです。

↓1のコンマ10桁+1が主要王族の数で、コンマ1桁+1が主要貴族の数。

>>120を採用。コンマにより、主要王族は2家、貴族は10家です。

続きまして、主要王族・貴族についての安価です。主要王族・貴族の名称・家系魔法・特徴を安価してください。

名称は「○○家」の「○○」の部分の事です。家系魔法は2~3字の熟語であれば何でも構いませんが、美麗族らしい魔法でお願いします。例えば、美麗族は肉弾戦用の強化魔法などは使わないでしょう。もちろん、例外も有りです。

特徴は「○○で財を成した」「○○という人物が有名」「一族は○○しがちである」などなど……何でも構いません。

下12まで募集し、コンマの一番高いものと二番目に高いものが王族となります。

↓12まで。多いので複数安価可ですが、やりすぎにはご注意を。

【物語の始まり───自由の国・アルカンレティア】

怒号が聞こえる。また誰かが暴れているのだろうか。このところ、毎日そんな感じだ。

リーフィア「こっちに来ないでね……」

そう小さく呟く彼女は、リーフィアと言う。趣味が読書の内気な少女だ。

彼女の住む国・アルカンレティアは、自由の国を標榜している。そのため、各国から亡命者が絶えない。もちろん、それは悪い事ではない。行き場の無い人に居場所を提供するのは、人間として当然の事だ。

問題は……最近、その数が多すぎる事である。

リーフィア「やっぱり……大国からのだよね……」

『大国』。アルカンレティアの隣国。世界で一番の影響力を“持っていた”国。現在はかなり衰退しており、昔の繁栄は見る影も無い。

その『大国』からの亡命者が、明らかに増えているのだ。相当酷い状況なのだろう。前に一度目撃した事があるが、身なりもボロボロで、何とか逃げてきたというような人ばかりだった。

そのせいで、最近のアルカンレティアは治安が悪い。警察が何とか頑張っているみたいだけど……元々この国の警察などの機構は弱めだ。いくら強化しているからと言っても、限度があるだろう。

リーフィア「……これからどうなるのかな……」

『大国』だけではなく、波乱を生みそうな国はたくさんある。戦争だけは起きないでほしいものだが……。

リーフィアは溜め息を吐き、読んでいる本を閉じた。実は彼女の家系魔法を使えば本など一瞬で読めるのだが、彼女はそれを良しとせず、魔法を使わないでじっくりと読む。

本を読み終わった彼女は、ある行動を取る事にした。

・下から一つ選択してください。

1.学校に行く。
2.図書館に本を返しに行く。
3.お昼寝する。
4.騒動が起きていた場所に行っている。
5.その他。どんな行動でも可ですが、明らかにあり得ない場合は無効です。

↓2

>>159を採用。

リーフィア「……ねむい」

そう、昼寝である。

昨日夜更かしをしてしまったリーフィアは、今とてつもなく眠いのだ。まだ日は明るいが、たまにはそんな時間に眠ったって良いだろう。

リーフィア「おやすみなさい……」

リーフィアはモゾモゾと寝間着に着替え、ベッドに入った。

・リーフィアはお昼寝中ですが、何かが原因で起こされてしまいます。何があったのでしょう? 自由に安価してください。

↓3まで。コンマの一番高いものを採用。

水ぶっかけられた

>>164を採用したところで本日はここまでです。ありがとうございました。まだまだ本当に始まりですね。

多分これからも細かく安価は出すと思うので、よろしくお願いします。

名前:朧
性別:女
年齢:129(庸人で言えば12)
種族:灰仙
職業:国家公認暗殺者
喋り方:老人のような口調
来た目的:暗殺

>>176を採用。リーフィアの暗殺に来たようですが……?

リーフィアに水を掛けたのは……小柄で灰色の髪を持つ少女だった。少女は小さな樽を投げ捨て、顎を触る。

オボロ「ふぅむ……イカンのぉ。そんなでは儂だけでなく、そこらのチンピラにも殺されてしまうぞ」

リーフィア(は……灰仙の女の子!? 何でここに……!?)

灰仙。灰色の髪をした小柄の長命種。目の前の少女も、見た目は12歳くらいに見えるが、おそらくその10倍は生きているはずだ。見た目で侮るのは危険である。

オボロ「おっと……動くでない」ピッ

リーフィア「うっ……!」

突き出されたのは、短刀。切先はリーフィアの首元に向いている。

オボロ「少しでも動けば、お主を殺す。ああ、会話は許可するぞ」

リーフィア「あ……あなたは、誰? どうしてこんなところに……」

オボロ「儂の名はオボロ。字はこのように書く」

そう言って、オボロは空中に指で文字を書く。魔力で実体化した「朧」という文字に、リーフィアは見覚えがあった。

リーフィア「それ、古代文字の……?」

オボロ「ほう……なかなかどうして教養のある。賢いという話は本当のようだのぉ」

オボロはニヤリと笑う。

オボロ「どうしてとも聞いたな。答えてやろう。儂は、お主を殺しに来たのじゃ」

リーフィア「こ、殺し……!?」

一体どういう事なのだ。全く身に覚えが無い。

リーフィア「……で、でも、じゃあ、どうして?」

リーフィア「どうして……水を掛けたりしたの?」

殺す事が目的なら、わざわざ殺す必要は無い。寝ているところで首を掻き切ればいいだけだ。

オボロ「……やはりお主は賢いのぉ。それに冷静じゃ」

オボロ「理由は簡単じゃ。お主が無防備すぎるからよ」

リーフィア「む、むぼ……?」

オボロ「儂は国から認められた暗殺者じゃ。今回も国から依頼され、お主を殺しに来た」

オボロ「ところが、いざ来てみると、暗殺対象とは思えぬほど無防備ではないか。警護もいないしの」

オボロ「そこで、この任務は本当に適切なのか……そう考えていたところなのじゃ」

リーフィア「……そ、そんな事していいの?」

オボロ「なんじゃ、殺されたいのか?」

リーフィア「ち、違うよ! でも……」

オボロ「ふん、儂は優秀な灰仙じゃぞ? 暗殺者として信用を失うのはちと痛いが、人生千年、いくらでもやりようはあるわい」

リーフィア「そ、そう……」

どうやら、少なくともすぐに殺される事は無さそうだ。

リーフィア「……じゃあ、誰に依頼されたのか、教えてくれたりする……?」

オボロ「ん? ああ……そうじゃな、構わんぞ」

・オボロに暗殺の依頼をした国は? つまり、オボロがどこの公認暗殺者かという事です。

1.アルカンレティア
2.『大国』
3.それ以外(>>47-48から選んでください)

↓2

2

>>183を採用。全然関係ないんですが、めっちゃID変わる。

オボロ「『大国』じゃ」

リーフィア「た、大国……!?」

最近アルカンレティアの、頭を悩ませている『大国』。今でこそ衰退しているが、世界の中心と言っても過言ではなかった『大国』。

そこが、何の特徴も無い普通の少女である自分を殺しに来たというのか?

リーフィア「な、何で……」

オボロ「はて……何でじゃったかのぉ……」

・『大国』がリーフィアを狙う理由とは何でしょう? 自由に安価してください。

↓3まで。コンマの一番高いものを採用。

王族の血縁者だから

>>187を才能。コイツぁ主人公だぜ!

オボロ「ああ! 確か王族の血縁者だからじゃったかの」

リーフィア「……へ?」

リーフィア「……私が?」

オボロ「そうらしいぞ。依頼主の関係者に強い探索家系魔法の持ち主がいるらしくての。そやつにやらせたから間違いないとかなんとか言ってたのぉ……」

リーフィア「…………」

リーフィア「いやいやいや……」

リーフィア(物心ついた時にはアルカンレティアの住人だった私が? 『大国』の王族?)

リーフィア「そんなわけ……ないよ。そんな、物語みたいな……」

オボロ「事実は小説よりも奇なり……そういう言葉があったの?」

オボロ「そもそも、それが事実かどうかは関係ないんじゃよ。お主は『大国』の王族を根絶やしにしたい奴らから狙われてるんじゃ。たとえ儂に殺されんとも、何度も命を狙われるじゃろうな」

リーフィア「そ、そんな……」

オボロ「……しかし、腹が立ってきたのぉ」

リーフィア「……え?」

オボロ「……儂が仕えていた国は、こんな何も知らぬ少女を殺すほど堕ちていたんじゃ。そんな国のために働いていたなど、ハラワタ煮え繰り返るわ」

リーフィア「オボロさん……」

灰仙には、性格によって髪色が変わるという特徴がある。利己的なほど黒く、利他的なほど白くなるのだとか。

だが、オボロの髪は灰色のままだ。利己的にならず、それでいて利他的にもならず、これまで生きてきたのだろう。

彼女は、常に中立を心掛けてきたのだ。物事を俯瞰で捉え、何をすべきなのか考えてきた人なのだとリーフィアは感じた。

オボロ「縁あって仕えていたが、このままでは儂も外道に堕ちてしまう……やめじゃ、やめやめ!」

オボロ「して、リーフィア」

リーフィア「は、はい」

オボロ「ただちにアルカンレティアを去れ」

リーフィア「えっ……」

オボロ「儂はこれから『大国』に行き、お主を殺したと嘘の報告をする。しかし、このままこの国にいては、その嘘はバレてしまうじゃろう」

オボロ「儂には契約魔法が掛けられていないからのぉ……おそらく本当に儂が殺したかどうか、確認する人間を送っているはずじゃ。儂ならそうする」

オボロ「それとも、命を捨ててまでアルカンレティアにいたい理由があるかの?」

リーフィア「そ、それは……」

・リーフィアがアルカンレティアを離れるかどうか。下から選択してください。

1.アルカンレティアから離れ、身を隠す。
2.とある理由からアルカンレティアを離れたくない(理由も安価してください)。
3.一度離れるけど、とある理由から必ず戻ってきたい(理由も安価してください)。

↓2

3 まだ解読できていない稀書があるから

>>193を採用。

リーフィア「……分かり、ました」

リーフィア「でも……いつか必ず帰ってきます。まだ読んでない稀書があるんです……!」

オボロ「……えらく本好きじゃのぉ」

オボロ「善は急げじゃ。すぐ出発するぞ」

リーフィア「え……オボロさんも来てくれるんですか?」

オボロ「これも縁じゃ。アルカンレティアから出るくらいまでは手助けしてやるわい」

リーフィア「わ、分かりました……! 少し待っててください……!」

そう言うと、リーフィアは手当たり次第に変化魔法『縮小』を近くの本に掛ける。こうして移動魔法『収納』が掛けられた鞄に入れれば、どんな量の本も持っていけるからだ。

オボロ「……そんなに持っていく気か?」

リーフィア「どれも手放せません……!!」

・これからリーフィアはアルカンレティアを逃げ出します。その間に何かが起こるでしょうか? 自由に安価してください。内容は何でも構いません。大きな事でも小さな事でも。

↓3まで。コンマ50以上で発生。発生しないと無事に検問所に行けます。

なんかワープ屋さんと出会った

>>197を採用。時間空いてすいません。

オボロ「よし……では、行こうかの」

リーフィア「あ……でも、私、出国手続きとかしてないです……」

オボロ「何を言うか。そんなもん要らん」

オボロ「儂にはとっておきの秘策があるんじゃよ」ニヤリ

リーフィア「……?」

リーフィアが連れられたのは、町中から外れた裏路地だった。ここはスラムとまでは言わないものの、治安が悪い現在、迂闊に立ち寄って良い場所ではない。

道端には浮浪者が何人も寝ている。そんな中、オボロは何の躊躇も無く、一人の浮浪者に声を掛けた。

オボロ「おい、ワープ屋。出番じゃぞ」

ワープ屋「あー……?」

“ワープ屋”と呼ばれた男は、無精髭の生えた顔を上げた。大きな欠伸をして、軋んだ髪を掻く。

ワープ屋「何だい、またお前さんか。俺ァ婆さんは趣味じゃねーんだが」

オボロ「殺すぞ」

ワープ屋「冗談、冗談。すぐやるよ。そこのお嬢ちゃんもかい?」

リーフィア「え、えっと……」

オボロ「あぁそうじゃ。早くするんじゃよ」

ワープ屋「わーった、わーった……」

そう言うと、その男は手の平を光らせ始めた。

ワープ屋「ほい、手ェ繋げ」

リーフィア「えっ」

オボロ「大丈夫じゃ。見た目ほど汚くは無いぞ」

ワープ屋「ひでーのなー」

リーフィア「じゃ、じゃあ……失礼します……」

オボロが言うのだから、何か考えがあるのだろう。そう思い、リーフィアは“ワープ屋”の手に触れた。

その瞬間。

ギュオン……!!!

リーフィア「……!?」

リーフィアは、体が歪む感覚と強い浮遊感を感じた。

そして、気がつくと……そこは全く知らない場所であった。

・リーフィアはアルカンレティアから他国の入口にワープしています。どこにワープしたのでしょう。>>47-48から選択してください。今回『大国』は無しです。

↓1

グリンシルト

>>200を採用。

リーフィア「こ、ここは……?」

リーフィアの眼前には、驚くほどの緑が広がっていた。森に草原、小川などの豊かな自然で溢れている。

ワープ屋「グリンシルト。アルカンレティアの隣国だよ。つっても、グリンシルトは無駄に広いからなー。アルカンレティアから中央に行くには一週間はかかるな」

オボロ「それを此奴は一瞬で移動したのじゃよ。家系魔法の『転移』でな」

ワープ屋「俺ァそれで生計立ててるもんでね」

ワープ屋「んじゃ、また何かあったら言ってくれや!」

そう言うと、“ワープ屋”は一瞬で目の前から消えた。

リーフィア「…………」ボーッ

オボロ「何じゃ、そんな呆けた顔をして」

リーフィア「いえ、その……急にこんな事になって、混乱してて……」

オボロ「……まぁ、それはそうじゃろうな。可哀想よの、何も分からぬままこんな事に巻き込まれるのは」

オボロ「そんなお主にプレゼントじゃ」

オボロはリーフィアの肩を掴み、何やら唱えた。そうするとリーフィアの体が光り、やがて収まる。

リーフィア「これは……?」

オボロ「儂の強い魔翌力で『偽装』を掛けた。これがあれば、お主は暗殺を依頼されたリーフィアだとはバレぬし、今まで通りの身分証を使っても足がつかん」

オボロ「……せめてもの餞別じゃ。受け取れ」

リーフィア「あ……ありがとうございます!」

リーフィア「私……実は旅をするのが夢だったんです。良い機会なので……旅人になろうかなと思います」

オボロ「ふむ、落ち込まぬのは良い事じゃ。その意気じゃぞ」

オボロ「……では、達者でな」

リーフィア「はい……! 本当にありがとうございました……!」

そうして、リーフィアとオボロは別れた。

突然アルカンレティアを離れる事となり、訳の分からない状況に巻き込まれたリーフィア。

これから彼女は、どんな出来事に巻き込まれていくのだろうか……。

オボロ「…………」

オボロ「……ふぅむ。良い子じゃ。良い子じゃが……人を信用しすぎじゃのぉ……」

オボロ「儂が本当の事を言っとるとは限らんではないか。警戒心がまるで足りん」

オボロ「あれで大丈夫かのぉ……まぁ、見ていくしかないか……」

オボロ「全く……」スッ……

オボロは自身の髪に触れる。そして、ゆっくりと上から下に撫で付けた。

オボロ「まんまと儂の髪の毛が灰色だと思ってくれたようじゃのぉ……」

彼女の髪の毛は変色してゆき、綺麗な『白色』になった。

オボロ「ククク……これからどうなるかのぉ……?」

そして彼女は、一瞬でグリンシルトの草原から姿を消した。

本日はここまでです。ありがとうございました。

いきなりアルカンレティアを離れ、グリンシルトで過ごす事になったリーフィアさん。マジでどうなるのかな。それでは、おやすみなさい。

おはようございます。始める前に、安価用のテンプレを貼ります。ここを見ればどんな種族や国があったかなどが簡単に分かるようにです。

【種族】
硬人・天翼族・美麗族・サイバーフェアリー・悪魔族・灰仙・風来鬼・舞踏族・魔女・機人・フィギュア・サイキック・庸人・ドラゴン・獣人
※硬人とサイキックは差別されがち。
※悪魔族とフィギュアは怖がられている。
※魔女は数が少ない。
※ドラゴンは数が少なすぎて、ほとんどの人間が存在を知らない。

【世界(左から右に行くほど辺境)】
・中央……『大国』、プリマス、アルカンレティア、グリンシルト、ダリアの洞(地下)、空中機動要塞ネメシス(上空)
・東部……ウェルス共和国、底都(地下)、極東島国
・西部……テトラゴノン首長連合、ファイル島
・南部……フレイヤ王国、科学都市、学術国家ヴェルズィテート、アーペガ聖共和国
・北部……大私帝国、神聖共和国、ヴィクルー共和国

【魔法の種類】
攻撃・探索・分析・移動・予知・治癒・錬成・守護・変化・契約
※予知魔法・治癒魔法は珍しい、または難しい。

【自然豊かな国───グリンシルト】

リーフィア「あ……! あった、城門……!」

オボロと別れたリーフィアは、街に向かって歩いていた。

グリンシルトは広大な土地に街が点在している。これは、豊かな自然をできるだけ破壊しないという配慮なのだとか。

そのため、グリンシルトの街は、一つひとつが小さな国のように作られている。目の前の城門がその例だ。

城門の近くに列がある。おそらくあの場所に検問所があるのだろう。

リーフィア(この街に入りたい人、たくさんいるんだ……どんな人達がいるんだろう……)

リーフィア「……そういえば……」

リーフィアは、別れ際にオボロから言われた事を思い出す。

オボロ「お主に掛けた『偽装』じゃが……簡単には破れん。お主は今、リーフィアでありながらリーフィアで無いのじゃ」

オボロ「その魔法があれば、お主が『大国』の王族である事を知る者に正体がバレる事は無いだろう」

オボロ「ただし……目立ってはならぬ」

リーフィア「……目立つ?」

オボロ「そうじゃ。目立てば目立つほど、その魔法は薄くなっていく。そして信じられないほど目立った時、その魔法は完全に解ける」

リーフィア「…………」ゴクリ……

オボロ「……とまぁ、脅したは良いが、お主の性格じゃ目立つ事もあるまいて。気楽に行くんじゃな」

リーフィア「は、はい……」

リーフィア(……目立たないように、気をつけないと。どんな人達がいるか、見るだけで……)

・並んでいる中で、目立っている人達がいます。どんな人達、或いは団体でしょうか。名前、性別、年齢、種族、職業、容姿、性格、どこから来たか、来た目的を安価してください。
・どこから来たかは>>211から選択してください。もちろん、それ以外でも可。団体で来ている場合は、職業か来た目的のところに明記してください。
・来た目的に「戦争をしに来た」や「街を襲いに来た」などを書いた場合、無効となります。まだそんな時じゃないので。

↓3まで

名前 ギール
性別 男
年齢 不明(ぱっと見は20代前半)
種族 人間
職業 不明
容姿 冒険者らしき服装でボロボロのマントを纏っている。本人の見窄らしさとは対極に位置するかのような緋色の美しい両手剣を背負っている(これが何なのかは分からないが本能的に手放してはいけないと感じるらしい)
性格 温厚。いじられ気質
どこから来たか 不明(記憶喪失)
来た目的 あてもなく彷徨っていたら辿り着いた

>>217-219を採用。今さらですが、この世界では基本的に「名前・名字」になります。

リーフィア(商人隊や観光目的の人達が多いけど……気になるのは、あの辺りかな……)

検問所職員女「すいません、こんなにお待たせしてしまって……」

ライオネル「はは、大丈夫だよ。いくら僕が『大国』から来た軍事顧問だと言っても、検問で特別扱いはできないだろうからね」

検問所職員女「本当にすいません……」

ライオネル「しかし……この国は本当に自然豊かだねぇ。軍閥の幹部なんかしていると気が滅入るからさ、本当に癒されるよ」

検問所職員女「あ、ありがとうございます……!」

ライオネル「その分、軍事的には脆弱だけどね」

検問所職員女「あ……は、はい……」

リーフィア(た、『大国』の人間……!? しかも軍閥って……!)

現在、荒れている『大国』の国内には、3つの派閥がある。一つは、王族とその関係者。もう一つは、悪魔族を後ろ盾にする反乱軍。

そして最後の一つが……『大国』北部を支配する軍閥だ。

現在、この軍閥が一番力を持っていると言えるだろう。軍事的には強力なのはもちろん、王族が頼らない今、軍閥は国内に期待を寄せられている。

リーフィア(でも、グリンシルトの軍事顧問って……確かにグリンシルトには軍事のイメージは無いけど……)

軍閥が対外的な影響力も行使し始めた……という事なのだろうか。

検問所職員男「……名前は?」

ギール「えっと……ギール、かな? 多分」

検問所職員男「多分?」

ギール「いや……分かんないんですよ。俺、なんか記憶喪失みたいで……」

検問所職員男「……怪しいな」

ギール「い、いや! 本当なんですって!」

検問所職員男「すまんな、こちらは疑うのが仕事だ。何か身分証になる物は無いのか?」

ギール「うーんと……」ゴソゴソ……

ギール「……飴玉なら」

検問所職員男「……入国拒否、と」

ギール「ま、待って! 頼みますよ! 俺もう色んなところで入国拒否食らってるんです! 行くあてが無いんですよ!」

検問所職員男「そうか……それは大変だったな……」

ギール「! じゃ、じゃあ……!」

検問所職員男「入国拒否だ」

ギール「どうして!?」

検問所職員男「それが検問所だ」

リーフィア(……記憶喪失、かぁ)

リーフィア(確かに怪しいけど……悪い人では無さそうだなぁ……)

セラフ「入国させてよ」

検問所職員新人「い、いえ! それはできないです!」

セラフ「何で?」

検問所職員新人「身分証が無いからであります!」

セラフ「いいじゃん」

検問所職員新人「良くないですよ!?」

セラフ「固い事言わないでさー」

検問所職員新人「決まりですから!」

セラフ「むう……」

検問所職員新人「そ、そうだ! どこから来たかは言えますか? その国に確認が取れれば、入国が可能です!」

セラフ「空から」

検問所職員新人「そら?」

セラフ「空」

検問所職員新人「……やっぱり入国させられません!」

セラフ「ケチくさいなー、そんなんじゃモテないよー?」

検問所職員新人「あ、怪しい人間を入国させる検問所職員の方がモテませんよ!」

セラフ「……確かに!」

検問所職員新人「ね!? そうでしょ!?」

セラフ「じゃあ、入れてよ」

検問所職員新人「何故!!?」

リーフィア(…………)

リーフィア(大変そうだなぁ……)

・リーフィアの行動、または他の人の行動を下から選択してください。

1.ライオネルが話し掛けてくる。
2.ギールに声を掛ける。
3.セラフが近づいてくる。
4.検問所で自分の番が回ってくる。
5.その他。自由安価。あり得ないものは無効です。

↓2

2

>>224を採用。ギールに話しかけます。

リーフィア「……あのー……」

検問所職員男「ん? 何だ、まだ君の順番ではないぞ」

リーフィア「あ、いえ、そうではなくて……その人の事なんですけど……」

ギール「へ? 俺?」

リーフィア「え、えっと……」

リーフィア(悪い人じゃ無さそうだし、可哀想だし……何とかしてあげたいんだけど……)

リーフィアは、基本的にお人好しであった。

リーフィア(どうすればいいかな……)

・ギールを街に入れてあげましょう。その方法を下から選択してください。

1.自分の知り合いだと告げる(同時にどんな関係か安価してください)。
2.『偽装』でギールの身分証を作る(同時にコンマ判定。30以上で成功)。
3.一度勾留して判断するなど、入国できる現実的な方法を提案する。
4.その他。自由安価。リーフィアっぽくないものは無効です。

↓2

2

>>230を採用。コンマ14なので失敗。付け焼き刃の魔法は成功しないのです……。

リーフィア(そうだ! 『偽装』で何でもない紙を身分証にしてみよう……!)

リーフィアは鞄からコッソリとメモ紙を取り出した。

リーフィア「あの……その方の懐に、身分証が見えますよ?」

ギール「えっ!?」

そう言うと、リーフィアはギールの懐から身分証を取るフリをした。当然、そんな物は無いので、彼女は手の平に隠した紙を見せる。その紙は『偽装』で彼の身分証になっている。

……ハズだった。

検問所職員男「……ただの紙だぞ」

リーフィア「……え?」

リーフィア(し、しまった……! 失敗したんだ……!)

リーフィア(ど、どうしよう……!!)

検問所職員男「……お前も怪しいな。さては……二人ともグルか?」

リーフィア「ち、ちが……!」

リーフィア(うう……これじゃ言い逃れできないよ……!)

リーフィア(このままだと……街に入れない……!!)

・ピンチなリーフィアを助ける人がいます。それは一体誰でしょう? コンマ判定です。

コンマ偶数:ライオネル
コンマ奇数:セラフ
コンマ00:オボロ
コンマ44:ギール(ただしこの場合ギールは街に入れない)

↓1のコンマ二桁

>>235を採用。ライオネルに助けられます。

ライオネル「あっ、こんなところにいたのか!」

話しかけてきたのは、先程『大国』軍閥の幹部を名乗っていた男だった。

ライオネル「もう~……探してたんだよ。ほら、早く早く」

検問所職員男「あ、待ってください、ライオネル様。彼らはまだ……」

ライオネル「彼らは僕の部下だよ。少々クセのある二人だから、軍人ではないんだけどね。だから、怪しくはないんだ」

ライオネル「……まさか、僕の言葉を疑うわけじゃないよね?」

検問所職員男「……! め、滅相も無い……!」

ライオネル「それは良かった。君が賢い人で助かるよ」

ライオネル「さぁ、二人とも。僕についてきて。入国と行こうじゃないか!」

リーフィア「あ……は、はい……」

ギール「良かった……やっと街に入れる……」ホッ……

リーフィア(私達を助けてくれた……? この人、良い人なのかな? それとも何か目的が……?)

・やっと街に入れます。ここで、この街の名前とその特徴の安価をお願いします。一応この街がグリンシルトの首都となります。特徴は有名な物とか文化とか何でも。ただし、グリンシルトの主産業(農業や漁業、紡績業など)に反するものは無効です。

↓1 街の名前
↓2、3 街の特徴

【グリンシルトの首都───カイム】

ギール「……あの」

リーフィア「は、はい……!」

ギール「俺、ギールって言います。さっきは……ありがとございました。俺を助けてくれようとしたんですよね?」

リーフィア「い、いえ……失敗しちゃいましたし……」

ギール「いやぁ……助けてくれようとした事が嬉しいんです! 俺、今までどこでも門前払いだったんで……」

リーフィア「……本当に記憶喪失、なんですか?」

ギール「えぇ、まぁ……。名前しか思い出せなくて困ってるんですよ……」

ギール「後は……この剣が大切だって事くらいかな」

そう言って、ギールは背中の両手剣を触った。それは非常に立派な物で、彼の見すぼらしい格好にはあまり合っていない。

ギール「でも、何でこんなの持ってるのか、覚えてないんですよねぇ……」

リーフィア「そうなんですか……」

リーフィア「あっ、私はリーフィアです。よろしくお願いします」

ライオネル「自己紹介は終わったかな?」

リーフィア達を助けた男は、爽やかに笑った。

ギール「あなたもありがとうございました。あなたがいなければ、俺はまた入国拒否でしたよ」

リーフィア「わ、私も……ありがとうございました……」

ライオネル「お礼なんか要らないよ。そんな物貰っても、僕には何の得にもならないからね」

リーフィア「え……」

ライオネル「等価交換だよ、リーフィア君。受けた恩は返す。これは人間社会の常識だと思うけど?」

ギール「はぁ……まぁ、それはそうですね……」

ライオネル「あぁ、安心すると良い。君達が何者かは詮索しないよ。僕には関係の無い事だし」

ライオネル「僕はライオネル・ヒューマン。『大国』北部軍閥の幹部だ」

ギール「……タイコク?」

ライオネル「……それも覚えていないのかい? まぁ、それは良い。追々学んでいきなよ」

ライオネル「君達には、僕に力を貸してほしいんだ」

リーフィア「ち、力って……私にお役に立てる事なんて……」

ギール「俺は記憶無いんで何とも……」

ライオネル「大丈夫。僕の“目”に狂いは無いよ」

ライオネル「僕の家系魔法は『審美眼』。君達の価値を明確に理解する素晴らしい魔法さ」

ライオネル「君達は二人とも良い家系魔法の持ち主みたいだね。特にギール君は非常に強い家系魔法も持っているようだ。もちろん、リーフィア君の家系魔法も充分魅力的だよ」

リーフィア(『審美眼』……! そんな魔法が……!)

ギール「俺の覚えてない家系魔法の事も分かるんですか!? じゃ、じゃあ、俺の記憶とか経歴とかは……!!」

ライオネル「残念だけど、そこまでは無理だね。僕の『審美眼』は 君達の家系魔法を知る事ができるだけなんだ。本当は人間よりも無機物に有効な魔法だからね」

ギール「そ、そうですか……」

リーフィア(良かった……という事は、私が王族だって事はバレてないんだ……)

ライオネル「君達の家系魔法は実に珍しい、そして僕の目的に有効だ。手を貸してくれると嬉しいんだけどねぇ」

ライオネル「場合によっては、もう一度検問所職員を呼ぶ事を考えねばならないなぁ」

リーフィア(……それに、今分かった)

リーフィア(この人、全然良い人じゃない……!)

リーフィア(でも……逆らって変な事されるのも嫌だし、何よりギールさんに迷惑が掛かるかも……)

リーフィア「……分かりました。取り敢えず、話だけ聞きます」

ライオネル「……悪くない返答だ」

ライオネル「来たまえ、馬車を用意してある」

ライオネル「……この国は空気を汚さないようにとかで車が使えないんだよな。馬車も嫌いじゃないけど、ちょっと前時代的だよなぁ……」

リーフィアとギールは、ライオネルに促され、馬車に乗っていた。ライオネルは文句を言っているが、座席などの内装を見る限り、この馬車は一級品だ。それだけライオネルは重要な人物なのだろう。

ギール「……それで、俺達は何をすればいいんです?」

ライオネル「そうだね……その前に、今のこの国の危機を話しておこうか」

リーフィア「危機……?」

ライオネル「……グリンシルトは現在、危険な状況なんだよ」

・グリンシルトはとある国、或いは組織から狙われています。一体どこからでしょう。国の場合は>>211から選択し、国のどの機関から狙われているか安価してください。組織の場合は犯罪組織でも反政府組織でも何でも構いません。

↓3まで。コンマ50以上で採用。全部コンマ50以下だった場合、一番高いものを採用。

暁みたいな国家に属さない国際精鋭暗躍組織に狙われている

おはようございます。それではやっていきましょう。

>>244-245を採用。

ライオネル「この国……グリンシルトは、現在二つの脅威に見舞われている」

リーフィア(ふ、二つも……)

ライオネル「一つはフレイヤ王国……あぁ、そうか、ギール君は知らないんだったね……」

ギール「いやぁ、すいません」

ライオネル「では、リーフィア君、説明お願いできるかな?」

リーフィア「えっ。あ、はい……」

リーフィア「……フレイヤ王国というのは、世界の南側にあって、先程出てきた『大国』に隣接している国です。軍事的にも経済的にも強い力を持ちますが、貧富の差が激しいんだとか……」

リーフィア「……多分、今この世界で一番の影響力を持つ国だと思います」

ライオネル「その通り。悔しいけれど、我々『大国』はフレイヤ王国に遅れを取っているんだ」

ライオネル「そんなフレイヤ王国が、このグリンシルトに貴重な資源の輸出を求めていてね。どうやら軍事的制裁も辞さないと、武力をちらつかせているらしい」

ライオネル「グリンシルトはこの資源を手放したくないらしいんだ。だけど、フレイヤ王国に軍事力では敵わない……」

ライオネル「……ここで我が北部軍閥が手を貸せば、フレイヤ王国の影響力を弱める事ができるだろうねぇ」

ギール「なるほど……」

ギール「……つまり、人助けですね!」

ライオネル「……何を言っているんだ君は」

ギール「あれ!?」

リーフィア「……その貴重な資源というのは……?」

・グリンシルトで取れる貴重な資源とは何でしょう? 他の場所で取れなそうな資源を安価してください。

↓2

鉄の木 その名の通り鉄の如き硬度を持つ燃えにくい木

>>255を採用。

ライオネル「『鉄の木』……その名の通り、鉄のように硬く、燃えにくい木だよ」

ライオネル「加工は少し難しいが……そこをクリアできれば、こんなに良い素材は無い。建築にも軍事にも使えるだろうからね」

ライオネル「この木は栽培するのがかなり難しくてね、自生しているのを管理するくらいしかできないんだ」

リーフィア「……そして、生えているのが、このグリンシルトだけなんですね」

ライオネル「そういう事さ。何年か前から要求はされていたらしいんだけど、最近になっていよいよ直接的な圧力を掛けてきている。余談を許さない状況らしい」

リーフィア(アルカンレティアも大変だったけど、この国も大変なんだ……)

ライオネル「……そうだ、もう一つの脅威の話をしていなかったね。まぁ、こちらは正直よく分かっていないから……」

ライオネル「とある国際的な暗躍組織から狙われている……らしいんだ」

リーフィア「暗躍組織……?」

・暗躍組織の名前を安価してください。何かそれっぽいのを。

↓2

革命同盟

>>259を採用。

ライオネル「『革命同盟』……彼らはそう呼ばれている」

ギール「革命同盟……」

ライオネル「彼らは革命家の集団。世界平和を掲げ、そのために暗躍している組織さ。全く……大層崇高な目的であらせられるよ」

ライオネル「ただ……彼らの目的が全く分からなくてね。政府も混乱しているようだ」

ライオネル「この国には自然や資源はあるが、わざわざ革命のために狙うほどの物は無いからね」

確かに、ライオネルの言う通りだ。グリンシルトは平和で牧歌的な国であり、革命という空気にはそぐわない。狙うなら、それこそ『大国』やフレイヤ王国ではないだろうか。

リーフィア「でも……狙われているのは、本当なんですよね?」

ライオネル「そこはほぼ間違いないだろう。確かな筋からの情報のようだからね」

ギール「うーん……それで、俺達は何をすればいいんですか?」

ライオネル「……僕が言うのも何なんだけどさ、やる気満々だねギール君」

ギール「やっぱり恩は返さないといけませんから!」

リーフィア(良い人だなぁ……)

ライオネル「……まぁ、やる気があるのは良い事だ」

ライオネル「だけど、詳しい話はもう少し後にしよう。まずはグリンシルトを治める一族にもてなしてもらわないとねぇ」

リーフィア「一族……?」

ライオネル「おや、知らないのかい? グリンシルトは、代々一族とその関係者によって治められているんだよ」

ライオネル「グリンシルトのどこからでも見えるあの大樹を守る一族に……ね」

・キャラクター安価です。グリンシルトは大樹を守る一族に治められているのですが、その一族の名前・年齢・性別・容姿・性格・担当・特徴をお願いします。ちなみに、種族は庸人やそのハーフ、クォーターだけです。
・担当は国の運営のどの部分に従事しているか。地位は自由で構いません。
・特徴は何でも大丈夫なんですが、「実は裏切り者である」などのシリアスな内容は無しでお願いします。

↓3まで

名前:グリンピース
年齢:22
性別:女
容姿:金髪緑目
性格:嫉妬深い
担当:武力担当
特徴:庸人と風来鬼のハーフ

>>263-265を採用。

バーゼル「いやはや、お待ちしておりましたライオネル様!」

大樹の近くにあった大きな屋敷で馬車から降りると、一人の男が出迎えてくれた。精一杯の笑顔を見せているが、疲れが全く隠せていない。隈も相当酷い。眠れていないのだろうか。

ライオネル「ご苦労様、バーゼル君。大丈夫かい? 疲れていそうだけど」

バーゼル「い、いえいえ! 私は全然大丈夫ですとも!」

ギール「そうは見えませんよ? 休まれた方が……」

バーゼル「大丈夫ですっ!!」

凄い剣幕だ。休んでなどいられないという強い気概を感じる。或いは、休んではいけないという強迫観念か。

何にせよ、彼を休ませるのは簡単では無さそうだ。それこそ世界が平和にならない限りは。

バーゼル「私はバーゼル・フェライトと申します。グリンシルトの外務大臣を務めております」

リーフィア「外務大臣……ですか? 随分お若いですね」

バーゼル「そうかもしれませんね……。我が一族は、隠居する年齢が早いのです。早々に隠居して大樹の近くに居を構える者が多いのですよ」

リーフィア「なるほど……」

バーゼル「……こちらのお二人もライオネル様のお連れでお間違いないですか?」

ライオネル「そうだとも。僕の大切な部下だよ」

ギール「そうなの?」

ライオネル「ん?」ギロッ!

ギール「そうです」

バーゼル「そうですか、では……リメロン!」

バーゼルが声を上げると、後ろから緑色のおかっぱ頭の少女が現れた。

バーゼル「彼女はリメロン。グリンシルトの医療・薬学部の人間ですが、今日は特別に私の手伝いをしてもらっています。無口ですが、良い子ですよ」

リメロン「…………」ペコリ……

バーゼル「そちらの方……お名前は?」

ギール「あ、ギールです」

バーゼル「ではギール様、その御召し物を変えられてはどうでしょう? 長旅で大分くたびれていらっしゃるご様子ですので……」

バーゼル「リメロン、後は頼んだよ」

リメロン「…………」コクリ……

頷くと、リメロンはギールの手を引き、スタスタと歩き出した。

ギール「あれ、あの、ちょっとー……!」

有無を言わさぬ手の力に、ギールは従うしか無かった。ライオネルの部下という設定だ、きっと良い服に変えてもらえるだろう。

リーフィア(……確かに、ギールさん、この場所にいるにはちょっとボロボロだったもんね……)

おそらく、ここは来賓館なのだろう。豪奢な飾り付けが至るところに施されている。

バーゼル「ギール様は後で合流して頂きましょう。それではライオネル様、そして……」

リーフィア「り、リーフィアです」

バーゼル「リーフィア様ですね。こちらへどうぞ。お食事をご用意してますので……」

ライオネル「ありがとう」

バーゼル「ではでは、こちらに……」

バーゼルに連れられ、ライオネルとリーフィアは大部屋の中へと入っていった。

ライオネル「うーん……グリンシルトって野菜中心の料理が多いんだよねぇ。僕は肉の方が好きで……あ、でも、この魚のは美味しそうかな……」ブツブツ……

再びライオネルが文句を言っているが、バーゼルが用意した料理は素晴らしい物だった。美味しいだけでなく、野菜が多めの食事は、年頃の少女であるリーフィアにとってはありがたい。

リーフィア(もちろんお肉も好きだけどね……!)

ギール「おお……! すっごい料理だ! うまそー!!」

そう叫んで勢いよく着席したギールは、見違えるほどに綺麗になっていた。服が上等の物に変わっているだけでなく、風呂にも入ったのだろう、髪も整えられている。

ライオネル「品が無いなぁ……もっと上品に座りなよ」

バーゼル「いえいえ、構いませんよ」

ライオネル「そうかい? なら良いんだけど」

ライオネル「そちらのお嬢さんが睨んでいるから、怒っているのかなと思ってねぇ」

ライオネルが笑ってナイフで指差したのは、席に座るバーゼルの隣で立っている金髪の女性だった。会合用の服を着ているが、元は戦士なのだろう、屈強な肉体が見て分かる。

バーゼル「す、すいません! 彼女は武力部のグリンピースという者ですが、なにぶん目付きが悪いもので……!」

グリンピース「別にソイツは睨んでない。睨んでるのはアンタだよ、ライオネル」

バーゼル「ぐ、ぐぐぐグリンピース!! 何て事を!! ああっ、す、すいませんライオネル様っ……!!!」

ライオネル「はははっ、気にしなくて良いよ。むしろ、武力部の人なら素直な人間の方が歓迎だ。これからの話についてするならね」

ライオネル「それじゃあ、そろそろ真面目な話をしよう。ここに呼んでもらったという事は……僕を軍人顧問として呼ぶ事を決めてくれたんだよね?」

グリンピース「……正直言って、アタシはアンタが気に入らない」

バーゼル「ぐ、グリンピース……!!」

グリンピース「……だけど、アタシ達だけじゃフレイヤ王国に勝てない。それは事実だから……アンタを軍事顧問に呼ぶ。武力大臣のお考えも同じだ」

ライオネル「軍事顧問に呼ぶ……ねぇ?」

グリンピース「…………軍事顧問に就任して頂きたい。我々はそう考えています」

ライオネル「うんうん、もちろんそのつもりさ。そう畏まらないでよ、グリンピース君!」

グリンピース「……っ!」ギリッ……!!

リーフィア「……あ、あの!」

リーフィア「状況は……ど、どんな感じなんでしょうか? あの、フレイヤ王国とか革命同盟とか……」

リーフィアは声を上げ、バーゼルに質問を投げかけた。このままでは、ライオネルの安い挑発にグリンピースが乗ってしまいそうだったからだ。

バーゼル「あ……は、はい! 状況ですね、はい」

バーゼルも彼女の意図を感じ取ったようだ。わざとらしく咳払いをして、話を続けた。

バーゼル「革命同盟に関しては、未だ足取りが掴めません。本当にいるのかどうか……情報源からして嘘とは考えにくいのですが……」

バーゼル「そして、フレイヤ王国についてでしたね。あの王国は……」

・コンマ二桁判定です。フレイヤ王国はどのくらい軍事的な圧力を掛けてきているのでしょうか。

↓1のコンマ

はい

>>274を採用。コンマ10なので、まだ全然大丈夫みたいです。

バーゼル「……まだ何もしてきていません」

ライオネル「……それは本当かい?」

グリンピース「……間違いない。武力部がグリンシルトの隅から隅まで調べた。フレイヤ王国の影も形も無かったよ」

ライオネル「へぇ……まだ仕掛けてきてないのか……」

ライオネル「じゃあ、リーフィア君の出番というわけだ」

リーフィア「……え? 私?」

ライオネル「すまない、誰かここに書類を!」

ライオネルがそう言うと、リーフィアの目の前の食器が片付けられ、大量の書類や本が積み上げられた。

ライオネル「さぁ、読んでくれ」

リーフィア「…………えっ?」

バーゼル「ら、ライオネル様……いくら何でもその量は……ウチの者でもその量には目を通してはおりませんし……」

ライオネル「だからだよ。彼女の家系魔法なら、この量を数分で読み終えられるだろう。君達グリンシルトの人間が見逃しているかもしれない情報の全てをね。そして、彼女はグリンシルトの外部の人間だ」

ライオネル「彼女なら……フレイヤ王国に関する有効な手立てを思いつくかもしれない。僕達の思いも寄らないような、ね」

ライオネル「そういうわけだから、早めによろしく頼むよリーフィア君」

リーフィア「そ、そんな事、突然言われても……!」

ライオネル「……ふーん、やらないんだ?」

リーフィア「……うう……」

リーフィア「わ、分かりました……やります、やりますよ……!」

リーフィア(確かに『速読』で目は通せるけど……だからと言って良い案が思いつくかどうかは……)

ライオネル「ちなみにダメだったら即座に却下するからね。安心して提案しなよ?」

リーフィア(安心できないよ!)

・リーフィアが『速読』でフレイヤ王国やグリンシルトに関する文章を読みまくります。フレイヤ王国にすべき対応策を安価してください。内容は外交的だも軍事的でも合法でも非合法でも構いません。ただし、コンマ60以下で却下となります。

↓3まで。全部コンマ60以下だった場合、再安価を取ります。

フレイヤ王国にも妥協点を用意する必要がある。鉄の木を輸出すればいい。大国軍閥の後ろ盾があるなら多少高値で吹っ掛けてもなんとかなる

>>277-279を採用。採用と言いましたが、コンマ判定により全却下です。この場合、提案を受け入れられない妥当な理由が>>1の手で作られます。

リーフィア(……これらの書類を見る限り……)

リーフィア「……やはり、フレイヤ王国にも妥協点を用意するしかないと思います」

リーフィア「思い切って『鉄の木』を輸出してはどうでしょう? ライオネルさんのおかげで『大国』軍閥の後ろ盾がある今なら、多少高値で吹っ掛けても何とかなると思います」

ライオネル「こっちに丸投げしたね? でも、まぁ悪くない提案だ」

リーフィア「もしくは……鉄の木の加工はグリンシルトでしかできないようなので、こちらで加工した物を売るというのも手だと思います。グリンシルトは利益が出ますし、フレイヤ王国も無駄な侵攻をしないで済みます。どちらも得ではないでしょうか……?」

ライオネル「なるほど。加工の技術はこちらが持っているんだ、制圧より取引の方が得だと説明するわけだね。ここまで引っ張ってきたわけだし、すぐに同意するんじゃないかな?」


バーゼル「駄目です」


リーフィア「えっ……」

それは、強い否定の言葉だった。先程までの柔和な、媚びていると言っていい笑顔は無く、鋭い目でリーフィア達を睨んでいた。

バーゼル「その選択肢はありません。我々は『鉄の木』を売るつもりは一切ありません。それ以外の案でお願いします」

ライオネル「バーゼル君……」

バーゼル「申し訳ありません。しかし、これは我が一族の総意です。我々は『鉄の木』を他国の人間には絶対に渡しません」

ライオネル「……たとえ戦争になってもかい?」

バーゼル「はい」

力強い返答だった。さっきのバーゼルとは別人のような気迫だ。それだけ、彼らにとって『鉄の木』は重要な意味を持つという事なのだろうか……。

グリンピース「……そもそも売る気なら、アンタなんか呼ばないんだよライオネル。アタシ達は『鉄の木』を守るために、嫌いな戦争も辞さないっつってんだ」

リーフィア(そんなに強い意志が……? 一体どうして……)

ライオネル「……理由は言えないのかな」

バーゼル「……すいません。ただ……我が一族に関係するとだけ言っておきます」

ライオネル「……まっ、君達一族の理解が得られないんじゃ無理な話だね。リーフィア君、他の案は?」

リーフィア「え、えっと……」

リーフィア「……周辺国と協力して、反フレイヤ同盟を組むのはどうでしょうか?」

ライオネル「不可能だね。声を掛けても手を挙げるのは我々軍閥とプリマス、それにアルカンレティアくらいかな。それだけじゃあ、フレイヤ王国には勝てないよ」

リーフィア「そんな……」

ライオネル「よし……それじゃあ、次の案だ! どんどん行こう!」

リーフィア「そ、そう言われても……」

>>277-279以外で、フレイヤ王国にすべき対応策を安価してください。内容は外交的でも軍事的でも合法でも非合法でも構いません。ただし、コンマ50以下で却下となります。

↓3まで。全部コンマ50以下だった場合、再安価を取ります。

フレイヤ王国で革命を起こし、政府を乗っ取る

まさか下3が全部コンマ50以下だとは……。すいません、もう一度安価するのもアレなので、下5という事にして、>>289を採用します。

>>289を採用。確かにこの形式は安価だけ多くなっちゃいますし、気をつけた方がいいかもしれませんね。ただ、>>1はこの展開をちょっと面白そうとか思ったり……

リーフィア「…………」

リーフィア「……………………」

リーフィア「…………うーん……」

ライオネル「リーフィアくーん、まだー?」

リーフィア「…………うーん…………」

ライオネル「リーーーフィーーーアくーーーん!」

リーフィア「もうっ! 静かにしてくださいっ!! そんな言われても、変な案しか思いつかないんですよ!!」

ライオネル「変な案?」

リーフィア「……革命とか、そういうのです。流石にそれは厳しいじゃないですか……」

リーフィア「うーん、後は……」

ライオネル「……革命?」

ライオネル「革命か……」

ライオネル「……いいじゃん、それ!」

リーフィア「えっ」

ライオネル「それ、採用だよ。リーフィア君!」

リーフィア「い……いや、流石にそれは……!」

ライオネル「ふざけて言ってるわけじゃないよ。諜報活動によって他国に革命を起こすのは国によっては常套手段さ」

ライオネル「僕は襲い来るフレイヤ王国軍からグリンシルトを防衛する術は授けられる。だけど、攻めとなってはお手上げだ。国力が違いすぎるからね」

ライオネル「だからなるべく穏便に済ませたかったけど……それは無理そうじゃない?」

ライオネル「そんなグリンシルトにできるのは、もう内部からの破壊だよ。本当に悪くない提案さ」

バーゼル「し、しかし……我々の国には諜報部はありません……」

ライオネル「何言ってるのさ。おあつらえ向きのがあるじゃないか」

グリンピース「……まさか……」

ギール「……革命同盟?」

ライオネル「その通り!」

リーフィア「えええっ……!?」

ライオネル「バーゼル君。さっき革命同盟の情報を渡してきた者の存在を匂わせていたね?」

バーゼル「え、あ、は、はぁ……」

ライオネル「それは一体誰だい? または、どんな組織だい? そこから革命同盟とコンタクトが取れるかもしれない」

リーフィア「そんな……無茶ですよ! そんな危ない組織と繋がるなんて……!」

ライオネル「邪魔しないでくれ。僕は久しぶりに興奮しているんだ! こんなハイリスク・ハイリターンな計画、滅多にお目に掛かれないからね!」

リーフィア(スイッチ入れちゃったっぽい……!?)

バーゼル「えっと……その情報なんですが……」

・革命同盟の情報をグリンシルトに与えたのはどんな人物でしょう? または、どんな組織でしょう? 安価してください。グリンシルト以外の国の場合は>>211から選択してください。

↓3まで。コンマの一番高いものを採用

名前:クローヴィス
年齢:30
性別:女
種族:天翼
容姿:銀髪タレ目の胡散臭い笑顔お姉さん
性格:面白さ至上主義
特徴:情報を商品とするウェルス共和国の大商人

>>306を採用。それ以外もちょくちょくストックしています。

バーゼル「……クローヴィスです」

ライオネル「……!!」

ライオネル「それは……確かに信頼できる情報源だなぁ……!」

そう言い捨て、ライオネルは苦虫を噛み潰したような表情となる。

リーフィア「ど、どうしたんですか? その人に何か問題が……?」

ライオネル「……クローヴィス。“情報”を商品とするウェルス共和国の大商人さ。奴の情報は常に確かだよ」

ライオネル「……だけどね、彼女は金だけじゃ動かないんだ。面白い事が何よりも好きとかいう胡散臭い天翼族なんだよ……!!」

ギール「……でも、情報は確かなんですよね? だったら、やっぱり行くしかないんじゃないですか」

ライオネル「……もう一度言うけど、君ノリノリだよね」

ギール「恩は返したいんで!」

リーフィア(まだ言ってるの?)

ライオネル「……仕方ないな。腹を括るか……」

ライオネル「彼女がどこにいるか分かるかな? ウェルスにいるとは限らないわけだけど」

バーゼル「ええっと……確か……」

・クローヴィスなる人物は今どこにいるのでしょう? >>211から選択してください。ただし、グリンシルトと『大国』、フレイヤ王国以外でお願いします。

↓2

アルカンレティア

リーフィアがアルカンレティアに出戻る事が決まったところで本日はここまで。リーフィア、巻き込まれ系主人公すぎるな。

フレイヤ王国での革命はかなり大きなイベントなので、手順をいくつか踏む事になると思います。ただ、安価とコンマによってはどうなるか分かりません。

それでは、ありがとうございました。少し早いけど、おやすみなさい。

あまりにも阿呆らしいので注意喚起します。

1、あんぐら本舗について
あの動画の内容はどう見ても炎上に便乗しただけのジョーク動画です。
現時点でゆるふわアンチはあんぐら本舗に釣られ、あの便乗動画が伸びるのを助けただけって状態です。
某ちゃんねるでは「伸びてもゆるふわが困らないあの動画にアンチが広告いくら突っ込むのか」って話題になってますよ。
頭を冷やしましょうよ。
常識的にクソ動画伸びても誰も困らないし、注意喚起も意味がないと思ってます。
私はちゃんと調べた上で「変なのにたかられたからそう言って逃げた」と判断して言ってますので、あしからず。

2、ゆるふわ分子生物学研究所について

冷静に考えればあれはゆるふわ分子生物学研究所の投稿者の評判を落としたい、評判を落としたい、迷惑かけたいという「赤の他人による犯行」だと思うのが普通です。
本人がそんな事するのだろうか?←この考えを元に常識的に突き止めれば、「別人による成りすまし」が第一候補です。
あと、擁護する人間がいるのは様々な意見を持つ人間がいるだから当然でしょう。
そういう意見をなぜ「荒らし」「異常」と断定するのか、そちらの方が恐ろしいです。
「ゆるふわの複垢か」はこのスレ住人だけにしか通じないミーム(意味わからんだろ、ググレカス)なんですよ、本当に。
そもそも同一人物だという証拠・説明・反論は一つも「ありません」、同一人物だという証拠が出ない時点で語るに落ちます。
投稿者が反応してない?→迷惑行為されたら大騒ぎして被害者ですと主張しないといけない法律があるので?
いい加減このスレ住民の行動パターンが全体的に常識で考えておかしいって気付け!

ところで、便乗したジョーク動画に皆さんは便乗動画に広告でいくら支払ったんでしょうか?
あんぐらさんもあの動画でクリ奨稼げてよかったでしょうし、委員会さん達の懐のダメージを慮ると実に乙ですけど。

それでは始めます。アルカンレティアに向かう事が決まった続きからです。

>>311を採用。

バーゼル「……アルカンレティアでしたかね」

リーフィア「えっ!?」

ライオネル「……どうかした?」

リーフィア「あ、い、いえ……思ったより近くてビックリして……」

ライオネル「確かにそうだね……手間が省けたけど、拍子抜けと言えば拍子抜けだ」

リーフィア(……せっかくオボロさんにアルカンレティアから出してもらったのに、また戻るの……?)

リーフィア(……あ、いや、何考えてんだろう私。別についていかなくてもいいよね……)

ライオネル「……一応言っておくけど、これで君を解放すると思ったら大間違いだからね?」

ライオネル「むしろ革命を計画してると知られている以上、野に放つわけにはいかないよ」

ライオネルは誰にも聞かれないように、コッソリとリーフィアに告げた。

リーフィア「…………はい」

リーフィア(……ああ、私が革命なんて言ったばっかりに……自分で自分の首を絞めるなんて……)

リーフィア(……いや……切り替えよう。アルカンレティアに戻ったら稀書を読めると、そう思おう……)

ギール「アルカンレティア……近いんですか?」

バーゼル「ええ、隣国ですから。首都であれば……一週間もあれば着くでしょう」

グリンピース「……そんな事も知らないのか」

ライオネル「すまないね、彼は世間知らずなのさ」

ギール「ええ、俺、世間知らずなんです!」

グリンピース「んな元気に言われてもな……」

ライオネル「では……僕達はフレイヤ王国の革命のための隠密活動を始める事にするよ。バーゼル君、バックアップを頼むよ」

バーゼル「そ、それで……グリンシルトは守られるんでしょうか……?」

ライオネル「可能性は高いだろうね。今の強権的な政治を行なう王族達を変え、制圧による資源の奪取などしない人間をトップに持ってこれば良いのさ」

バーゼル「……分かりました。よろしくお願いします……!!」

バーゼルは立ち上がり、深々と頭を下げた。続いてグリンピースも下げ、後ろでいつのまにかいたリメロンも同じ動作をする。

リーフィア(……私の提案が、グリンシルトの明暗を分けるかもしれないなんて……)

あまりにも責任が重い。先程はまだライオネルに巻き込まれる事に落ち込んでいたが、こうなると何が何でもこの作戦を成功させねばならない。そんな気持ちになってきた。

ライオネル「うんうん、それじゃあ……契約と行こうか。今回は公にできる物では無いから……『密約』を使おう。軍事顧問の件の書類は僕が適当に誤魔化しておくよ」

バーゼル「分かりました」

そう言って、バーゼルは魔力で作り出した書類を取り出す。そこに、ライオネルが魔力で作り出した文字を染み込ませた。こうする事で、ライオネルがグリンシルトのためにフレイヤ王国の革命を約束し、また、グリンシルトがそれを了承したと明確に決まったのである。

『密約』は後で言った・言わないの論争が無くなるように作られた契約魔法の一つだ。政治や商売の世界では、たびたび用いられる。最も『密約』が使われるところを見るのはリーフィアも初めてであるが。

バーゼル「ご用意できる物は我々が全て揃えましょう。また、人員が必要な場合も何なりとおっしゃってください」

ライオネル「当然そのつもりさ。ただ、人員は要らないかもね。こちらには優秀な補佐官と戦闘員がいるから!」

リーフィア「……補佐官?」

ライオネル「補佐官」

ギール「戦闘員?」

ライオネル「戦闘員」

ギール「……俺、戦えるんですかね?」

ライオネル「知らないよ。そんな立派な剣もあるし、家系魔法も強いから大丈夫じゃない?」

ギール「あ……そうだ、それですよ。俺の家系魔法って何なんですか? 教えてくださいよ」

・ギールはかなり強い攻撃魔法の家系です。どんな魔法でしょう? 攻撃魔法っぽい二字熟語または三字熟語とその魔法の簡単な効果を安価してください。

↓5まで。コンマの一番高いものを採用。その他もちゃんとストックします。

剣豪
異次元クラスの剣技を宿らせる

コンマが同じ!? 今日一発目からそんな事になるとはね。

背負った剣とも関連させられるので、今回は再判定無しで>>332を採用したいと思います。

>>332を採用。

ライオネル「……まぁ、教えておいた方が良いか」

ライオネル「君の家系魔法は『剣豪』。異次元の剣技を己に宿らせる魔法だよ。つまり、君は魔力が続く限り、この世界で一、二を争う強さの剣士になれるのさ」

ギール「……俺、めちゃくちゃ強いですね!」

ライオネル「最初からそう言ってるじゃないか。だからこそ君に恩を売ったんだよ? じゃなければ誰が君のような薄汚い男を助けるのさ」

ギール「ひ、酷いですね! もう薄汚くないですよ!」

バーゼル「……あの、どうされました?」

ライオネル「ん? いやいや、大した話じゃないよ。これからの確認さ」

ライオネル「ね? リーフィア君」

リーフィア「へ? あ……は、はい、そうです」

今さらギールの記憶喪失がバレるのは、誰の得にもならないだろう。そう判断し、リーフィアもライオネルに口裏を合わせる事にした。

バーゼル「それでは、今日は是非皆様ここにお泊まりください。最上級の部屋をご用意しておりますので」

ライオネル「それはありがたいね。フレイヤ王国が大人しい今、ゆっくりしてから動いても遅くないもんね!」

グリンピース「……アタシは早く出て行ってほしいけどな」

ライオネル「素直じゃないねぇ、グリンピース君は」

グリンピース「あ゛……!?」

リメロン「…………」グイッ……

グリンピース「あ!? おい、リメロン、何すんだ……! 引っ張んじゃねぇ……!」

リメロンは有無を言わせず、グリンピースを部屋の外に連れ出した。

バーゼル「……リメロンの働きには感謝しなければなりませんな……」

ライオネル「僕は本当に気にしてないんだけどね。むしろ、からかい甲斐があって面白いよ」

バーゼル「か、勘弁してくださいませ……」

……そしてリーフィア達は、これからの動きに備え、来賓館の部屋で休ませてもらう事にした……。

・今から夜に掛けて、リーフィアは特定の人物と接触し、話したりします。誰と会う? 下から選択してください。複数選択は可能ですが、全員とかは無効です。

1.ライオネル・ヒューマン
2.ギール
3.バーゼル・フェライト
4.グリンピース
5.リメロン
6.セラフ・ローエングラム
7.レド

↓2

2

>>339を採用。

リーフィア「うーん……」

リーフィア(落ち着かないなぁ……)

バーゼルに用意された部屋にいたリーフィアは、そのあまりの豪華さに馴染めずにいた。

リーフィア「ちょっと歩いてみようかな……」

来賓館の中、またはその周辺だったら歩き回っても大丈夫だろう。そう判断し、リーフィアは外に出た。

ギール「あれ、リーフィアさん」

リーフィア「ギールさん……?」

すると、廊下に出てすぐ右にある広いベランダにギールさんがいた。

リーフィア「私はここの部屋が落ち着かなくて……。ギールさんも眠れないの?」

ギール「俺は……眠れないっていうか、混乱してます。何が何だか分からない状況でこんな事になったんで……」

リーフィア「そうだよね……」

リーフィア(それは私も同じだけど……ギールさんは記憶が無いんだもんね……)

ギール「でも、俺はライオネルさんに従いますよ。義理がありますからね!」

リーフィア「……ギールさん、異様に義理堅いよね……」

ギール「……でも、それだけじゃないですよ。何ていうか……俺、フレイヤ王国の事よく知らないですけど……ちょっと怒ってるんです」

ギール「こんな良い国を武力で蹂躙しようなんて……ダメに決まってるじゃないですか」

リーフィア「……うん。そうだよね」

ギール「だから頑張ろうとは思うんですけどねぇ……やっぱり記憶が無いのが気がかりで……」

リーフィア「……何か思い出せてたりしないの? 断片でもいいと思うんだ。そこから新しい記憶が出てくるかもしれないし」

ギール「えーっと……そうですね……」

・ギールは何か断片的な記憶を思い出せているみたいです。ギールの記憶の断片を安価してください。あくまで断片なので、「実は『大国』の王族だった」などの直接的な記憶は無効となります。

↓3まで。コンマ50以上のものを採用。全部コンマ50以下だった場合、一番高いものを採用。

仲間を守り切った上で『何か』に襲われた

ドラゴンと殺し合った

>>341-342を採用。

ギール「……ドラゴン?」

リーフィア「……ドラゴン?」

ギール「ドラゴン……ドラゴンと、殺し合っていたような気が……」

リーフィア「……ギールさん、何も思い出してない時は素直にそう言ってよ。嘘なんて吐かなくて良いんだよ……」

ギール「う、嘘じゃないですよ! ……多分」

リーフィア「だって……ドラゴンなんて空想の生き物でしょ……?」

そう、ドラゴンやゴブリンなどは空想の生き物だ。この世界に存在するはずが無いのである。

ギール「うーん……まぁ、そうですよね……」

リーフィア「……ギールさんの妄想じゃないとすれば、ドラゴンのように恐ろしい何かと戦ったとかじゃないですか? それを記憶の混濁でドラゴンと勘違いしてるとか」

ギール「……そうかもしれない。そんな記憶もあるんです」

ギール「俺は仲間といて……戦って守り切るんです。だけど……そこを『何か』に襲われて……」

リーフィア「じゃあ、その『何か』がドラゴンのように恐ろしいもの……?」

ギール「うーん、ドラゴンと『何か』は別だと思うんですけど……」

ギール「……いや、これ以上は止めにします。考えても仕方ないですから」

リーフィア「うん……でも、ちょっとは思い出せたんだから、きっと全部思い出せるよ!」

ギール「……そうですよね! 気長に待ちます!」

ギール「何か……ありがとうございました。励ましてもらっちゃって……」

ギール「明日から頑張りましょうね!」

リーフィア「う、うん……!」

リーフィア(私にどこまで何ができるかは分からないけど、こうなった以上頑張らないと……!)

翌日。

リーフィア達は、昨日の大部屋に集められていた。そこで事務的な話をいくつかした後、おもむろにグリンピースがリーフィアに近づいてきた。

グリンピース「これ……」

そう言って彼女が渡してきたのは、一枚の硬貨だった。表面には鳥の紋章が刻まれている。

ライオネル「何だいそれ? グリンシルトは新しい硬貨を出したのかな?」

グリンピース「……これはアタシの家系魔法に必要な物なんだよ」

グリンピース「アタシの家系魔法……『伝書鳩』は、この硬貨を持っている人間のところに魔力で作った鳩を飛ばせる。それで遠くの人間と意思疎通ができんだよ」

グリンピース「……ライオネルも行っちまうんだろ、アルカンレティアに」

ライオネル「おや、寂しいのかい? でも、僕は行くよ。こんな色んな意味でのチャンス、逃すわけにはいかないからね!」

グリンピース「チッ、んなわけねぇだろ……!」

グリンピース「……その間にフレイヤが攻めて来ないとは限らねぇだろうが。だから、その時には助言が欲しいんだよ。一応、軍事顧問ではあるんだからよ」

ライオネル「……じゃあ僕に渡せば良くない?」

グリンピース「お前なんか信用できるかよ……! これはバーゼル様のご命令だから仕方なくだ!」

バーゼル「す、すいません……しかし、私共としても有事の際にはライオネル様のご意見を賜りたく……」

バーゼル「持ってては頂けないでしょうか……?」

リーフィア「は、はい……問題ないですけど……」

バーゼル「ありがとうございます……!」

そして、リーフィア達を送り出す簡単な式が行われた。盛大に行なうと、ライオネルがグリンシルトから出たとバレてしまうからだ。

また、バーゼルによって選ばれた優秀な魔法の使い手によって、リーフィアとライオネル、ギールに身分を偽装する魔法が掛けられた。これでリーフィアには二重の偽装魔法が掛けられた事になる。

リーフィア(……こんなに偽装魔法掛けて大丈夫なのかな?)

ついでにギールには、新たな身分証が発行された。必要な手続きはバーゼルによって省略されたらしい。

ギール「おお……! これが身分証……!」

グリンピース「身分証無かったのかよ……」

ギール「失くしちゃいまして……」

こうして、リーフィア・ギール・ライオネルの三人は、アルカンレティアへと向かうために出発した。

ギール「えっ、俺が馬車を運転? 大丈夫ですかね? あ、魔法の補助があるから大丈夫?」

ライオネル「また馬車かぁ……」

リーフィア「まだ言ってるの……?」

・三人は仲良く(?)アルカンレティアに向かいます。首都カイムから出て、グリンシルトの自然を進んでいくのですが、道すがら何かあるでしょうか? 起こるイベントを安価してください。良いイベントでも悪いイベントでも平和なイベントでもヤバそうなイベントでも何でもオッケー。

↓3まで。コンマ50以上で発生。全部コンマ50以下の場合は、何事もなくアルカンレティアに着きます。

ドラゴンの卵発見

>>347を採用。

カイムを出発してから数日。一行はどこの街に泊まらず、野宿を繰り返して進んでいた。ライオネル曰く、偽装しているとはいえ知らない街で油を売っている場合じゃないとの事だ。

彼の言う通りだとは思うが、ずっと外で寝る生活にリーフィアは少し参っていた。『清潔』などの探索魔法で体は綺麗だが、正直そろそろ風呂に入りたい。

それに、ギールが野宿に慣れているのは納得だが、ライオネルまで野宿に耐性があるのはリーフィアにとって意外であった。

ライオネル「僕はこれでも軍人だよ? 汚く辛い戦場を経験した事だって一度や二度じゃないんだから」

なるほど、言われてみれば納得である。でも、何か釈然としない。野宿で慌てふためくライオネルの方がしっくりと来る。「何で野宿なんかしなきゃならないんだ! グリンシルトの未来なんてどうでもいいから宿屋に泊まろう!」とか言いそうなのに。

そんな生産性の無い事を考えていた時、リーフィアは何かを見つけた。

・リーフィアは何を見つけたのでしょう? これはどのようにドラゴンの卵を見つけるかの安価です。

1.倒れた行商の馬車
2.行き倒れている老婆
3.馬の休憩に良さそうな湖
4.その他。あり得ないものは無効となります

↓2

1

>>356を採用。

リーフィア「何だろう、あれ……?」

ライオネル「ん? ……ああ、あれは行商人達の馬車だね。何かしらの商売をしに来たのだろう」

だが、それはもう敵わない。そこにある全ての馬車が破壊されているからだ。何者かに襲われたのか、それとも事故なのか。少なくとも周りに人間の姿は無かった。

ライオネル「ギール君、止めてくれ」

ライオネルはギールに馬車を止めさせると、つかつかと壊れた馬車の方に向かっていた。

リーフィア「あ、あの、ライオネルさん?」

ライオネル「何故倒れているのかは、一応確認しておいた方が良い。もしも人為的なもの、または野生動物の仕業だったら、この近くにその脅威があるかもしれないからね」

ライオネル「ついでに、何か使える物があるかもしれない。その場合は貰っておこう」

そう言うと、ライオネルは遠慮も無しに人様の荷物を漁り始めた。

ギール「ライオネルさんって逞しいなぁ……」

リーフィア「……逞しいのかな、あれ? 図々しいの間違いじゃ……?」

ライオネル「聞こえてるからね!? いいから君達も手伝いなよ!」

リーフィア「はぁ……分かりましたよ……」

コロコロ……

リーフィア「……ん?」

リーフィアが馬車に近づくと、荷台から何かが転がり落ちてきた。

それは、卵であった。鳥の卵にしては大きい。過去に図鑑でダチョウの卵を見た事があるが、それよりも遥かに大きい。3倍はあるかもしれない。

リーフィア「……な、何の卵だろ、これ」

ギール「わっ!? 大きい卵ですね!」

ライオネル「どうしたんだい君達……って、何だこれは……!?」

リーフィア「今荷台から落ちてきたんです。これ……ライオネルさんの『審美眼』で詳細分かりませんか?」

ライオネル「……やってみよう」

ライオネルはその巨大な卵を見る。すると、見る見るうちに顔が青くなり、卵から距離を取った。

ライオネル「な……何だ、これは……!?!」

リーフィア「ら、ライオネルさん……?」

ライオネル「……生物だ。それは間違いない。この中には生物がいる」

ライオネル「だけど……その魔力は桁外れだ! 見た事も無いような魔力がギッシリ詰まっているんだよ……! こんな生物、聞いた事が無い……!!」

ギール「聞いた事がない……!? って事は、ドラゴンとかそういう……!?」

ライオネル「ドラゴンかどうかは知らないけど、化け物じみたものなのは間違いない……!」

ライオネル「こんなのが孵ったらどうなるか分からないよ! 早く壊すべきだ!」

リーフィア「えっ!? そんなの……可哀想ですよ!」

ライオネル「可哀想!? 君は『審美眼』が無いからそんな事言えるんだ! これは本当に危険だぞ!」

リーフィア「でも、どんな動物なのか見てみたい気も……」

ギール「いやいや、リーフィアさん、これがもしドラゴンだったら大変な事になりますよ? そうならないように割っておくべきですよ」

リーフィア「ドラゴンとは限らないよ。それに、その可能性は低いと思うし……」

ギール「それはそうですけど……」

・なにかヤバげな卵を拾いました。どうする? 選択してください。

1.取り敢えず持っていく
2.割ってみる
3.置いていく

↓2

1

>>359を採用。

リーフィア「うーん…………」

リーフィア「……やっぱり持っていきましょう」

ライオネル「ちょっと! 話聞いてた!? 君の耳は飾りかい!?」

リーフィア「ライオネルさんの言いたい事も分かります。得体の知れないものを持っていくのは危ないですもんね」

リーフィア「でも……これは置いていけません。可哀想じゃないですか、こんなところに野晒しなんて……」

リーフィア「それに、グリンシルトに来る商人が持っていた卵って事は、そんなに危険じゃない可能性もありますよね? ここは農業とかの貿易しか無いはずですし」

ライオネル「……まぁ、それはそうかもしれないけど……」

ギール「そういえば、何か痕跡ありました?」

ライオネル「……いや、何も無かったよ。綺麗なものさ。ただ壊れているだけだよ。人もいないし、血なんかも無い」

ライオネル「……正直、それが不気味なんだけどね」

リーフィア「……でも……」

ライオネル「…………」

ライオネル「……分かった、分かった分かった。分かったよ! 降参だ。持っていけばいいさ。でも、何かあったら君が責任を取るんだよ」

リーフィア「はい、分かっています」

リーフィア(……何だか、この卵は捨てちゃいけない気がするんだよね……)

・ドラゴンの卵を持っていきます。ドラゴンの卵は、採用した安価のコンマの合計が1000を超えると孵化する可能性があります。
・1000貯まると孵化のコンマ判定が行なわれます。最初はコンマ90以上で孵化からとなり、どんどんハードルが低くなります。
・例えば今日は>>332>>339>>341>>342>>347>>356>>359のコンマを足すと516なので、まだ孵化はしません。二日に一回くらいのペースで孵化判定がある感じでしょうか。
・では、続きをやります。

……謎の卵を拾うハプニングに見舞われたが、それ以外は特に何も無く、リーフィア達はアルカンレティアの入り口へとやって来た。

リーフィア(遂に来ちゃった……アルカンレティアに……)

なお、リーフィアとライオネルは偽名を付けている。身分がバレないようにだ。

・アルカンレティアに着きました。今から入りますが、リーフィアとライオネルは偽名を名乗ります。偽名を安価してください。

↓1 リーフィアの偽名
↓2 ライオネルの偽名

エーフィ

>>362-363を採用。孵化判定まで残り396。

検問所のおばさん「はいはい、三人ねー。観光かい?」

ライオネル「えぇ。休暇ができたので、友人と共に」

検問所のおばさん「ふーん……皆さんお名前と身分証をね」

リーフィア「え、エーフィです」

ライオネル「レオンです」

ギール「ギールと言います」

検問所のおばさん「ふーん……観光ねぇ……」

リーフィア(……ま、まさか、偽装してるのがバレた……!?)

検問所のおばさん「……あんまりオススメしないけどねぇ。今のアルカンレティアは良くないからねぇ」

リーフィア(良かった……バレてるわけじゃないみたい……)

リーフィア「……良くない……というのは?」

・リーフィアがいない一週間のうちに、アルカンレティアは更に良くない事になっているみたいです。どんな状況なのでしょう? 安価してください。ただし、革命や暴動などの直接的な行動は無しです。その状況がどんどん悪化するとヤバそう、みたいなものをお願いします。

↓3まで

警察組織が再編成され、治安統制局と名を改めた。治安を乱す者達(殆どは他国人)を片っ端から逮捕している

そういえば王国の生きている著名人ってなんらかの形で登場したり安価で登場させたりすることって出来たりする?

>>377
もちろんです。あまりにも有り得ない安価で無ければ、どのキャラクターを出しても構いません。

それでは始めます。何だか不穏な感じになってるアルカンレティアでの続きです。

>>366-368を採用。孵化判定まで残り188。

検問所のおばさん「そうねぇ……本当に色々あるのよぉ……」

検問所のおばさん「まずはやっぱりアレかしら、警察の事よねぇ。ほら、アルカンレティアってちょっと治安悪くなったでしょ? 『大国』から亡命してきた人達のせいで……」

ライオネル「……そのように聞いています」

検問所のおばさん「その事で警察組織が再編成されたのよぉ。今は……『治安統制局』だったかしら? そんな名前よぉ」

検問所のおばさん「治安を乱す者は許さないなんて言ってるけど、実際には他国から来た人を片っ端から逮捕してるだけなのよぉ」

リーフィア「えっ……!?」

検問所のおばさん「あ、でも、そんなに怯えなくても大丈夫じゃないかしら? 皆さん庸人でしょう? だったら、変な事しなければ大丈夫よぉ」

リーフィア(……アルカンレティアは多種族を受け入れる自由の国だったのに……)

リーフィア(確かに私がいた頃から不穏だったけど……一週間でこんなに酷くなっちゃうの……?)

検問所のおばさん「後は……何だったかしら? カクメーナントカ?」

ライオネル「……! 革命同盟ですか?」

検問所のおばさん「そう! それよ! それの一人が入国してるらしいわよ? その人達って国際的な犯罪者なんでしょう? 怖いわぁ……」

リーフィア(革命同盟が、アルカンレティアに……!? グリンシルトだけじゃなく、アルカンレティアも狙っているの……?)

リーフィア「……それって、どこの情報ですか?」

検問所のおばさん「隣のタナカさんが言ってたわぁ」

リーフィア(……噂レベルか……じゃあ何とも言えないね……)

検問所のおばさん「……あ、それと今、アルカンレティアは大飢饉よ」

ギール「そ、それ、サラッと言いますか!?」

検問所のおばさん「おっほっほっ……慣れちゃってねぇ。アルカンレティアは元々食糧危機が多いのよ。水は多いんだけど、多すぎて農業にはあんまり向かない土地でねぇ。でも、その分貿易で何とかなってたの」

検問所のおばさん「でも、今回はねぇ……情勢が酷くて貿易もままならないみたいだし、水質も悪くなってるのよぉ……」

検問所のおばさん「……アルカンレティアは、変わっちゃったわねぇ…………」

リーフィア「おばさん……」

検問所のおばさん「……もう一度聞くわ。それでも、本当に入るのね?」

ライオネル「……えぇ。予定は変更しません。大丈夫です、長居はしませんよ」

検問所のおばさん「……気をつけなさいよぉ?」

アルカンレティアの城門をくぐると……そこは、リーフィアの知っているアルカンレティアではなかった。

まず、人が少ない。ごく僅かに歩いている人も、コソコソと隠れるように早歩きをしている。街はどこか薄汚れ、空気は悪い。川や堀の水もどことなく濁って見える。

リーフィア(……本当に変わっちゃった……)

故郷の酷い状況に、リーフィアは胸を痛める。しかし、今の自分に何ができるのだろう。ただでさえライオネルについていくだけで必死なのだ。それに、あまり目立ってもいけない。心苦しいが、アルカンレティアの事はひとまず置いておく事にした。

ギール「……これからどうします?」

ライオネル「取り敢えず首都に向かおう。僕の考えが正しければ、クローヴィスは首都にいるはずだ」

リーフィア「……間違っていたら?」

ライオネル「その時はその時だ。まずは行動あるのみだよ」

ライオネル「……今のアルカンレティアは、同じ場所に留まっている方が危険だろうし」

リーフィア「……そうですね」

リーフィア達は馬車を検問所が運営している厩舎に預け、徒歩で首都まで向かう事にした。そこまで遠くもないし、何かあった時に身軽な方が良いと考えたからだ。

リーフィア(……首都はどんな状況なのかな……)

・リーフィア達は首都に向かいます。そんなに大きくないので、二日もあれば着くでしょう。その間に何が起こるでしょうか? 安価してください。どんなイベントでも構いません。

↓3まで。コンマ50以上で採用。全部コンマ50以下の場合、何事もなく首都に着きます。

男女の双子らしき子どもに懐かれる

ふんふん

>>386により、孵化判定は失敗。次の孵化判定まで残り997。

>>382-383を採用。

ライオネル「……しかし、本当に寂れてしまったね。かのアルカンレティアとは到底思えないよ」

ギール「……そうなんですか?」

ライオネル「僕も頻繁にアルカンレティアを訪れていたわけじゃないけど、もっと活気のある国だったよ」

ライオネル「『大国』からの亡命者が迷惑を掛けているとは……心が痛むねぇ」

ライオネルは、いつもと変わらぬ笑顔で言う。その本心はリーフィアには分からない。

リーフィア「……あれ?」

リーフィアの視界に入ったのは、数人の若者だった。清潔とは言えない格好の彼らは、円になってその中心に向かって何かをしている。

中心にいたのは、二人の子供だった。

若者達が、その子供達を虐めているのである。

リーフィア(そんな……! 昔のアルカンレティアではそんな事無かったのに……!)

・今から双子を助けますが、誰が率先して助けるでしょう? 選択してください。

1.リーフィア
2.ギール
3.ライオネル

↓2

>>389を採用。次の孵化判定まで残り986。

ライオネル「……君達、何してるのかな?」

「あ゛あ゛!? 何だァテメェ!?」

「邪魔すんじゃねーぞオッサン! ボコるぞコラ!」

ライオネル「……こういう屑には何を言っても無駄なんだよねぇ」

「んだとぉ……!?」

ライオネル「だから……こういう時は実力行使が一番だ」ゴソ……

そう言ってライオネルが懐から出したのは、自動小銃だった。

「んなっ……!?」

ライオネル「5秒数える間にここから消えろ。さもなければ、一人ずつ撃ち殺す」

ライオネル「5……4……3……」

「や、ヤベェ!! コイツヤベェよ!!」

「早く逃げんぞ!!」

若者達は血相を変え、子供達を置いて逃げていった。

ライオネル「まったく……こんな街中で銃なんか持ってるわけないだろうに……」

ライオネルは銃を地面に投げ捨てる。その銃は、地面に落ちる前に塵へと消えた。

ライオネル「これが魔力で作った偽物だという事くらい、すぐに思いそうなものだけどねぇ」

リーフィア(……この一瞬で偽物を作り出すなんて……この人、実は結構凄いのかも……?)

リーフィア「……でも、意外です。ライオネルさんが子供を助けるなんて……」

ライオネル「……君は僕の事を血も涙も無い悪魔だと勘違いしている節があるね」

リーフィア「だって、人助けなんて面倒だとか言いそうじゃないですか……」

ライオネル「まぁ、否定はしないよ。ただ……」

ライオネル「……子供を見捨てるのは、ちょっとね」

リーフィア(……何か、あったのかな……?)

ギール「リー……じゃなくて、エーフィさん! レオンさん! 子供達に大きな怪我は無さそうです!」

二人が言い合っている間に、ギールは二人の様子を見ていた。よく見ると、彼らの顔は似ている。双子なのだろうか。

・男女の双子の名前を安価してください。「○○と○○」みたいな感じでお願いします。

↓2

クーとリリア

>>393を採用。次の孵化判定まで残り947。

クー「ありがとう、お兄さん!」

リリア「ありがとう、他の二人も!」

クー「ぼくはクー!」

リリア「わたしはリリア!」

ライオネル「やかまし……元気な子だね」

リーフィア「ラ……レオンさん……」

ギール「二人とも本当に大丈夫ですか? 見たところ怪我は無さそうですけど……」

クー「うん、大丈夫だよ! だって、慣れっこだもん!」

リーフィア「……慣れっこ?」

リリア「うん! だって私達、サイキックだから!」

リーフィア「……!」

サイキック。おそらく、この世界の中でも異端と言える種族。彼らは魔法が使えない代わりに、『超能力』という不思議な力が使えるのだ。一説には、別の惑星からやってきた人間だとも言われている。

彼らは、この世界では差別されがちだ。理由は色々あるのだが、主な理由は魔法が使えないという事だろう。きっとこの二人も、それを理由に因縁を付けられていたに違いない。

リーフィア(……アルカンレティアでは、サイキックへの差別はほとんど無かったはずなのに……)

差別のない自由な国、アルカンレティア。かつての栄光はもう無くなってしまったのかもしれない。

リーフィア「……もう大丈夫だよ。お姉さん達がついてるからね」

ライオネル「……まさか連れて行く気じゃないだろうね?」

リーフィア「このまま放っておくわけにも……せめてどこか安全なところまでは……」

クー「あ!」

ギール「ど、どうしたんですか!」

リリア「来るよ!」

ライオネル「……何が?」

クー「ちあんとーせーきょく!」

リーフィア「えっ……!?」

クーとリリアが言った直後、遠くの方から車がやってきた。車体にはアルカンレティアの国旗のマークが描かれている。リーフィア達は慌てて建物の影に隠れた。

その車は護送車だった。リーフィア達がいるところの少し前で止まり、局員と思われる人達が建物の中に入って行く。

そして、彼らは中から一人の人間を連れ出してきた。

リーフィア(……えっ!?)

それは、リーフィアの旧友であった。

・リーフィアの旧友が治安統制局の局員に連行されています。その旧友の名前・性別・種族・職業・容姿・性格・仲良くなった切欠・特徴をお願いします。種族は>>211から。特徴は何か他に書く事があれば。

↓3まで。コンマの一番高いものを採用。残りも一応リーフィアの友人となります。

名前 グレイス
性別 女
種族 庸人
職業 小説家
容姿 金髪ロングのストレート、青の澄んだ瞳、背は高くもなく低くもなく。胸は小さめ
性格 ツンデレ
仲良くなった切欠 自分の小説を初めて褒めてくれたから

>>399のグレイスが連行される事が決まったところで本日はここまで。着実に色々巻き込まれているリーフィア。果たして無事に首都へと辿り着けるのか。

ありがとうございました。それではおやすみなさい。

種族    >>25-26
国家    >>47-48
 +『大国』(歴史>>56/文化>>62/偉人>>69/衰退原因>>81/現状>>87/著名人>>94)

簡易まとめ >>211

・現状
複数の種族を統べていた大国は衰退し、王室、反乱軍、北部の軍閥に分裂
隣国アルカンレティアに大国からの亡命者が流入し治安が悪化。アルカンレティア政府は警察を再編成し治安統制局を結成。亡命者の多くを投獄
一方、列強の一つフレイヤ王国は、貴重な資源『鉄の木』を求めグリンシルトに圧力をかけている
グリンシルトは大国北部軍閥との協力を選び、フレイヤ王国に対抗するため大国北部軍閥から軍事顧問を招く
混沌とする情勢の裏で革命同盟なる組織が暗躍しているようだが、詳細不明

>>410
非常に助かります。世界、大変な事になってるぜ。

それでは始めます。リーフィアの旧友・グレイスが連行されるところから。

>>399を採用。次の孵化判定まで残り858。

グレイス「離して……! 離しなさい! 私が何したって言うの!?」

「黙って歩け!」

グレイス「あんた達、自分が何してるか分かってるの!? 無辜の民を牢屋にブチ込んで何が治安統制局よ!」

「うるさいッ!」バキッ!!

グレイス「ゔっ……!!」

リーフィア「……!!」

ライオネル「ふむ……なかなかどうして酷いね。アルカンレティアの警察も堕ちたものだ。ウチの軍閥だって反逆者にはもう少し優しいよ」

リーフィア「た……助けないと……!!」

ライオネル「やめておいた方が良い」

リーフィア「どうして……!?」

クー「そうだよ! さっきはぼく達助けてくれたじゃん!」

リリア「そうだよ! あのお姉さんも助けてあげて!」

ライオネル「……さっきのはタダのチンピラだろう? あんなのはいくらでも誤魔化しが効く。でも、あれは治安統制局だ。助けたが最後、一気にお尋ね者だよ」

ライオネル「僕達にそんな事をしている暇は無い。それに、彼女だけ助けてどうするんだい? 治安統制局はもっと多くの人間を捕まえているだろう。その人達も助けるわけじゃないだろうね?」

リーフィア「そ、それは……! でも……!」

ライオネルの言いたい事は分かる。ここで彼女を助けても、それはただの自己満足に過ぎないだろう。もしかしたら余計に治安統制局の取り締まりを厳しくし、アルカンレティアの人々に迷惑を掛けるかもしれない。

……しかし、それは彼女が他人だった時の場合だ。

美しい金髪の彼女は、グレイス。アルカンレティアの小説家だ。そして、リーフィアの友人の一人である。

その関係は、リーフィアがグレイスの小説を褒めた事から始まる。まだ駆け出しで誰にも読まれなかった頃の彼女の評価は、グレイスにとって非常に嬉しかったようで、それから家に押しかけるようになっていた。感情の激しい彼女に振り回されてはいたものの、リーフィアは彼女が好きだった。

その彼女が、今、目の前で連行されようとしているのだ。

リーフィア(た……助けなきゃ……! でも……!)

・これからの行動の安価です。リーフィアが助けるのか、他の誰かが助けるのか、それとも助けないのか。下から一つ選択してください。

1.リーフィアが助けに動く
2.ギールが剣を振るう
3.ライオネルが思案を練る
4.クーとリリアが何やらしている
5.ここでは一度様子を見る

↓2

1

>>418を採用。次の孵化判定まで残り787。

リーフィア(……ううん、何を考える必要があるんだろう)

リーフィア「……私、助けに行くよ」

友達を見捨てる人間が何処にいるだろうか。目の前で助けられるかもしれないなら尚更だ。

ギール「エーフィさん……! じゃあ俺も……!」

ライオネル「ダメだよ」

ギール「えっ……」

ライオネル「何かあった時に被害は少ない方が良い。今の僕達は一蓮托生なんだからね」

リーフィア「……でも、私は行きますよ」

ライオネル「分かってるよ。君みたいなタイプは止めようとしても無駄なんだよねぇ。だから僕は、きちんと保険を掛けるよ」

そう言うと、ライオネルは魔力で契約書を作った。

ライオネル「これにサインするんだ。そうすれば、たとえ君が捕まって拷問されたとしても僕達の事は話さない」

リーフィア「……いいんですか?」

ライオネル「……何がだい? 良いに決まってるじゃないか」

リーフィア「でも、これ……『約束』の魔法ですよね? 契約魔法の中でも弱めのやつですけど……?」

ライオネル「……いいんだよそんな細かい事は。早くサインをするんだ、連行されてしまうぞ?」

ギール「うんうん……何だかんだで信用してるんですね!」

クー「素直じゃないね!」

リリア「素直じゃないよ!」

ライオネル「うるさいね君達は……!」

リーフィア「……ありがとうございます」

ライオネル「……さっさと戻ってきなよ。君のためだけ時間は掛けられないんだから」

リーフィアは急いでサインをすると、グレイスを助けるために駆け出した。

・リーフィア単身でグレイスを助け出します。どうする? 下から選択してください。選択したこの後の安価でコンマ判定をしますが、選択肢によって成功しやすさが変わります。成功しやすそうな自由安価を出すのもアリ。

1.治安統制局員を一人倒し拳銃を奪う。その拳銃で人質を取り、グレイスを解放させる。
2.何かしらの目眩し魔法を使い、その間にグレイスを助ける。
3.自由安価。あまりにもリーフィアにはできないものは無効です。

↓2

大性交

それでは続きをやっていきます。

>>426を採用。次の孵化判定まで残り678。

駆け出したリーフィアは、手の平に魔力を溜め、魔法を行使した。

リーフィア「『煙幕』……!!」

手の平の魔力を放出し、局員達に向かって煙を作り出す。

「うわっ……!?」「な、何だ……!?」「反逆者か……!!」

局員達が混乱している間、リーフィアは俊敏な身のこなしでグレイスの元に辿り着く。そしてグレイスの手首を掴むと、一目散に駆け出した。

グレイス「こ、今度は誰よ!? 何するの!?」

リーフィア「私は……あなたを助けに来たの!!」

グレイス「……!?」

「クソ……! 連れ去られるぞ! 捕まえろ!!」

リーフィア「……! 目を閉じて!」

グレイス「はっ……えっ!?」

リーフィア「『閃光』!!」

リーフィアの手から周囲に光が放たれる。

「ぐわっ……!?」「チクショウ、魔法か……!!」

閃光弾の魔法は局員達の目を眩ました。その間にリーフィアはグレイスを連れて走る。

・グレイスを助けられましたが、うまくライオネル達と合流できるでしょうか。コンマ判定です。

↓1のコンマ偶数でライオネル達と合流できる。コンマ奇数でライオネル達とは反対側に逃げざるを得ない。

こんま

これだけ魔法が万能で一般的な世界だと免許なしで魔法使ったら逮捕とか法律ありそう

>>437
魔法は万能です。なので、魔法を使って悪い事をした時に調べる魔法もたくさんあるのです。意外と魔法で好き勝手したりはできなかったりします。まぁ、凄い実力者だとやりたい放題なんですけどね。

>>435を採用。次の孵化判定まで残り610。

リーフィア(……魔力は充分にある。じゃあ……!)

リーフィア(『物音』……!!)

リーフィアは逃げる方向とは逆に魔法を掛ける。すると、その方向にまるで誰かが掛けていくかのような音が聞こえた。任意の音を立てる事ができる錬成魔法『物音』だ。

「……! あっちに逃げたぞ!」「追えっ!」「絶対に逃がすな!!」

リーフィアの思惑通り、局員達は『物音』が響いた方に駆けていった。物陰に身を潜めていたリーフィアは、辺りを伺いながらグレイスを伴ってライオネル達の元に向かった。

リーフィア「ふう……何とか逃げられました……」

ギール「す、凄いですね! 本当に一人にやり遂げてしまいました!」

クー「すごーい!」

リリア「すごーい!」

リーフィア「あ、ありがとう……」

ライオネル「……君、なかなかの魔法の使い手だね。そんなに優秀な人間はウチのところでも珍しい」

ライオネル「どうだい? この件が終わっても僕のところで働く気は無いかな?」

リーフィア「……遠慮しておきます……」

褒められて悪い気はしないが、『大国』の軍閥など、わざわざ一番危ない場所に行くほどリーフィアは阿呆ではない。

グレイス「ちょ……ちょっと! あんた達何なのよ!?」

さっきまで面食らっていたグレイスだが、いつの間にか腕を組み、リーフィア達を睨み付けていた。

ライオネル「……その態度は無いんじゃないかな? せっかく助けてあげたというのに……お行儀の悪いお嬢さんだね」

クー「? レオン何もしてない」

リリア「? 偉そうに見てただけ」

ライオネル「……エーフィ君は僕の部下だよ。彼女の働きは僕の功績だ」

グレイス「……助けてくれた事には感謝してるわよ」

グレイス「でもね、あんた達だって怪しいのよ! このアルカンレティアにあんた達みたいなのはいないの! 一体何者なの!?」

リーフィア(……そうか、今の私には『偽装』が掛かってるから……リーフィアだとは分からないんだ……)

リーフィア(どうしよう……どこまで話せばいいのかな……)

・グレイスは怪訝な表情をしています。何と言う? 選択してください。

1.リーフィアであると正直に言う。
2.旅の者とだけ言う。
3.革命同盟の一員を名乗る。
4.黙って魔法で眠らせる。

↓2

>>441を採用。次の孵化判定まで残り596。

リーフィア「……グレイス」

グレイス「!? な……何で私の名前知ってんの……!?」

リーフィア「分からないかもしれないけど……私、リーフィアだよ」

グレイス「ハァ……!?!」

誤魔化す事も考えた。だが、それではグレイスは納得しないだろう。何故グレイスを助けたのか、それを明確に納得させられるのは、正体を明かす事しか無かった。

グレイス「……リーフィア……」

グレイス「……あぁ、『偽装』掛かってんのね? それじゃあ分からないわ」

リーフィア「……信じてくれるの?」

グレイス「……内気なクセしてここ一番で勇敢で、魔法が上手くて、誤魔化しも下手な人間なんて……私の周りにはあんたしかいないわよ、リーフィア」

リーフィア「……グレイス……!!」

グレイス「……まっ、完全に信じたわけじゃないけどね。リーフィアの事は目を瞑ってても分かるし、これからの動向次第だわ」

リーフィア「……流石に目を閉じたら分からないんじゃない?」

グレイス「うっさいわねぇ、雰囲気よ! ふ・ん・い・き!」

リーフィア「ふふふ……」

取り敢えずは信じてもらえたようだ。『偽装』が掛かっているにも関わらず自分を信じてくれる友人に、リーフィアは泣きそうなほどの感動を覚えた。

ライオネル「……何だ、知り合いかい?」

リーフィア「……はい。すいません、正体を明かしてしまって……」

ライオネル「……まぁ、この場合は仕方ないよ。それでじゃじゃ馬が静かになるならね」

グレイス「……誰がじゃじゃ馬ですって?」

ライオネル「おかしいなぁ……さっき馬車は預けてきたはずなんだけど、馬だけついてきたのかな?」

グレイス「……あんた嫌い! 嫌いよ!」

ライオネル「僕の趣味じゃない人に嫌われても痛くも痒くも無いねぇ」

リーフィア「ま、まぁまぁ……」

クー「エーフィはエーフィじゃなかったんだね!」

リリア「ギールもギールじゃないの?」

ギール「いや、俺はギールですよ。レオンはライオネルですけどね」

ライオネル「……何故言う?」

ギール「……あ」

ライオネル「正体を明かすのはリーフィア君だけで充分だっただろう……!?」

グレイス「フン、リーフィアが言ったのにあんたが言わないなんて不公平よ!」

ライオネル「何も知らない部外者は黙っててくれるかな……?」

リーフィア「そ、そう言えば! グレイスは何で捕まるところだったの?」

不穏な空気を察知し、リーフィアは慌てて話題を変えた。このまま言い合いしている場合じゃないからだ。早く話を進めなければ。

グレイス「……多分、治安統制局の事をボロクソに書いてやったからよ。小説の中でこれでもかってくらい悪者にしてやったの」

リーフィア「……治安統制局になったのは、最近だよね? もう書いて出版されたの?」

グレイス「いいえ、出版社に持ってっただけ。そこに裏切り者がいたんでしょ」

グレイスは苦い顔をして、そう吐き捨てた。

ライオネル「……なるほどね、至るところに統制局の内偵がいるわけだ。これは本格的にマズイな……」

グレイス「何がマズイのよ。さっさと逃げればいいだけでしょ」

リーフィア「……グレイス、私達はアルカンレティアの首都に行きたいの」

グレイス「ハァ!? マジで言ってるの!? そんなの無理に決まってるじゃない! 首都は治安統制局の中枢よ!? ソッコーで捕まるわ!」

グレイス「……私の周りの人間がどれだけ捕まったと思ってんのよ」

ライオネル「……参ったな、本当に。クローヴィスとか探してる場合じゃないね……」

ギール「……というか、何でこんなところにいるんですかね、その人は……」

リーフィア「……ずっと疑問だったんだけど、何でアルカンレティアはこんな事になっちゃったの? いくら治安が悪いとは言え、ここまでになるとは思えなくて……」

リーフィア「実は私、一週間くらい出掛けてて……だから知らないんだけど……」

グレイス「ああ……そうなのね。だからそんな無茶な事言ってんのね……」

グレイス「……治安の悪化に危機感を覚えた政府は、何とかするために傭兵団に手を出したのよ」

ライオネル「……協力を仰いだ?」

グレイス「そういう事。で、そいつらが最悪だったわけ」

グレイス「あれよあれよと治安統制局を作り上げて、独裁的な取り締まりばかりしてるの。政府の人間もたくさん捕まったわ」

リーフィア「そ、そんな事が……」

リーフィア(まるで……アルカンレティアを滅ぼそうとしているみたいな……!)

ライオネル「……その傭兵団の名前は分かるかな?」

グレイス「えーっと確か……」

・アルカンレティアをこんな事にした傭兵団の名前を安価してください。ついでに、アルカンレティアの首都の名前も。

↓1 傭兵団の名前
↓2 アルカンレティアの首都の名前

世界平和統一革命連合

>>444-445を採用。次の孵化判定まで残り540。

グレイス「……世界……世界平和……」

グレイス「……あぁ、世界平和統一革命連合だったわね」

ギール「世界平和統一革命連合!?」

リーフィア「あ、怪しすぎない……?」

グレイス「それだけ切羽詰まってたのね……そんなのに頼んだせいでもっと酷い事になったわけだけど」

ライオネル「…………」

クー「どうしたのライオネル?」

リリア「何かあったのライオネル?」

ライオネル「……聞き覚えがあるんだよねぇ、その名前」

ライオネル「……それは、タダの傭兵団じゃない。とある国の配下にいる傭兵団だよ」

・世界平和統一革命連合はどこかの国に属しています。どこの国でしょう? コンマ判定で決めます。

01~25:フレイヤ王国
26~50:大私帝国
51~75:アーペガ聖共和国
76~00:ファイル島

↓1

ひええ

・目的がとっ散らかってるように見えますが、取り敢えずの目標である「フレイヤ王国での革命」には持っていきますので、ご安心ください。ただ、ちょっと時間は掛かるかも。

・長くなりそうだし、どこかでキャラクターまとめた方がいいかもしれませんねぇ。キャラ確認用のスレとか作った方がいいのかな? まぁ、何にせよもう少し後でいいかなとは思いますが(まだ一スレ目だし)。

>>452を採用。次の孵化判定まで残り502。

ライオネル「大私帝国。皆知ってるよね?」

ギール「知りません」

クー「知らなーい!」

リリア「同じく知らなーい!」

ライオネル「……リーフィア君、説明頼むよ」

リーフィア「は、はい、でも……私もあんまり詳しくないですよ?」

リーフィア「大私帝国は魔女達の国です。治めているのは最強と呼ばれる魔女で、その魔女のための国と言っても過言ではない独裁国家です」

リーフィア「国の人達は皆その魔女のファンで無ければいけないとか……知ってるのはこのくらいですかね」

ライオネル「そうだね。そして、その魔女に心酔する男達の集団が世界平和統一革命連合だ」

ライオネル「彼らの目的は世界平和なんだけど、それは大私帝国の感覚なんだよね」

ライオネル「つまり……その魔女の魅力の布教だね。彼女を崇めれば幸福になると思っているのさ」

グレイス「……何でそんなヤバい奴らに頼んだのよこの国。バカじゃないの?」

グレイス「……で、あんたは何でそんな事知ってんの?」

ライオネル「ちょっと伝手があってね」

ライオネル「……そこで、僕に一つ考えがあるんだ」

リーフィア「……考え?」

ライオネル「リーフィア君はアルカンレティアの出身なんだよね?」

リーフィア「えっ、あ、はい」

ライオネル「助けたいと思わないかい? 君の故郷を」

リーフィア「……ど、どうしたんですかライオネルさん?」

グレイス「あ、あんた、まさかとは思うけど……」

ライオネル「そうとも! 世界平和統一革命連合を倒そうじゃないか!」

ギール「えええええっ!? ほ、本気ですか!?」

ライオネル「どうしたんだい? 君はこの惨状に心を痛めていたように思うけれど?」

ギール「い、いや……それはそうですけど……」

ライオネル「安心しなよ。僕はずっと自分の事しか考えていないよ。僕が望んでいるのはフレイヤ王国の崩壊だ。そのために革命同盟と交流を取りたい。だから、情報屋のいるアルカンレティアに来たわけだ」

ライオネル「しかし、アルカンレティアを支配する世界平和統一革命連合が邪魔だ。他の情報屋を探している時間は無い。グリンシルトに攻め込まれたら意味が無いからね」

グレイス「……どうしてそんなポンポン他国の名前が出るのよ」

リーフィア「ご、ごめん……後で説明するから……」

ライオネル「だったら、倒してしまえばいいだろう?」

リーフィア「そ、それは……そうかな……?」

ライオネル「それにね……大私帝国のカルト集団がアルカンレティアを乗っ取ったという事実は、僕にとって素晴らしい情報なんだよねぇ!」

ライオネル「これは外交的にこれからの良い手札になる! 上手くいけばアルカンレティアの政治家達も抱き込めるかもしれない……!」

グレイス「……よく分かんないけど、つまりは世界平和何とかが邪魔で仕方ないから潰そうって事ね?」

ライオネル「まっ、簡単に言うとそうだね」

グレイス「いいじゃない。目障りな奴らを消すのは賛成よ。やりましょう!」

リーフィア「ぐ、グレイス……!?」

グレイス「何よ、リーフィアだって腹立つでしょう? 故郷がメチャクチャにされてるのよ?」

リーフィア「そ、それはそうだけど……」

グレイス「……あんたが仲良くしてる人達も捕まってんのよ。フレアとかグレイシアとかね」

リーフィア「……!! そんな……!!」

リーフィア「…………」

リーフィア(……私は今までライオネルさんに流されてきた)

リーフィア(確かにグリンシルトの事は可哀想だと思うけど、私がやる事では無い。そんな風に思ってたから……)

リーフィア(……でも、アルカンレティアは別だ。ここは私が……私達がずっと過ごしてきた国だ……! 許せないよ……!!)

リーフィア「……ライオネルさん」

リーフィア「……考えは、ありますか?」

ライオネル「……君達が全力を尽くしてくれるならね」

リーフィア「……分かり、ました。やりましょう……!!」

・アルカンレティアで好き放題している世界平和統一革命連合のキャラクターの名前・容姿・性格・種族・主な戦い方を安価してください。リーフィア達の対峙する幹部です。
・性別は男のみ。種族は魔女以外でお願いします。全てのキャラに「魔女に心酔している」が追加されます。

↓5まで。コンマの高い順に3つ採用。残りは大私帝国のどこかで出ます。

名前:ゼークト・フォン・コーラウシュ
年齢:1200
性別:男
種族:朱雀の獣人
容姿:赤い羽毛が美しい美男子
性格:完璧丁寧クール
特徴:最強の魔女の執事。魔女のあらゆる命令を遂行してきた完璧超人。基本クールだが魔女のこととなるとおバカになる。喋らなければイケメン枠。魔女のことは我が主と呼ぶ。

名前ケルヴィン
容姿褐色肌で赤毛の美男子
性格軟派で女好き
種族美麗族
戦い方炎と水の魔翌力を宿した二刀の魔法剣で戦う

名前 ランド
性別 男
年齢 8
種族 機人
容姿 機械化されているが一見庸人の子供に見える
性格 わんぱく
戦い方 毒ガス作成

名前:ベルゼ
種族:悪魔
容姿:高身長、黒スーツのイケメン
性格:魔女の事以外は雑
主な戦い方:影に潜んだり影を操ったりと影魔法の使い手

それでは始めます。こんな時間だぜ。

>>469>>472>>473を採用。次の孵化判定まで残り385。

>>468は、ここでは余りに強すぎるのと、キャラ的に魔女の近くにいるのでは、という事で安価下しました。採用はしてます。

グレイス「……あぁ、そっか。なるほどね」

リーフィア「? どうしたの?」

グレイス「いや、ずっと疑問だった事があったのよ。世界ナントカが来てから変な事が毎日あるんだけど、何の意味があるのか分からなくて……」

グレイス「こっちの頭をおかしくしようとしてるのか思ってたんだけど、違うのね。あっちの頭がおかしいんだわ」

ギール「……? どういう事ですか?」

グレイス「そろそろ時間ね……見てれば、いや聞いてれば分かるわ」

『あー! あー! 聞こえますかー!? 今日もやるよー?』

クー「来たよ!」

リリア「来たね!」

それは国内放送だった。至るところにあるスピーカーから、緊張感の無い子供の声が聞こえている。町の雰囲気と全く合っておらず、楽しそうな声なのに不気味だとリーフィアは思った。

『よーし! 今日もいつもの絵を見せるよ! これでおーまじょ様を好きになってね!』

『見よ! おーまじょ様だあ!!』

そして、スピーカーに付属されている電子スクリーンに一枚の絵が映し出される。

リーフィア「……ん?」

それは、一言で言えば、落書きだった。

紫と緑のクレヨンで殴り書きされたようなそれは、いびつな星形をしている。よく見ると星形の一片が丸みを帯びていた。

ライオネル「……これ、もしかして人かな?」

リーフィア「えっ? ……あ、本当だ……」

つまり、これは子供がクレヨンで誰かを描いた物なのだろうか。放送を聞く限り「おーまじょ様」を描いたものという事になる。

リーフィア「おーまじょ様……大魔女様?」

グレイス「そうね。あんた達の話を聞いて合点が行ったわ。これは布教よ。その帝国の魔女さんの魅力をクソガキが広めようとしてるんだわ」

ギール「く、クソガキ……」

グレイス「こんな感じの放送が毎日あるのよ。ほぼ一方的にね」

ライオネル「……これは、思ったよりふざけた団体みたいだね……」

ランド「よし! これで放送おーわり! うーん! 今日も良い事したなー!」

首都・レナモースの治安統制局本部。その放送室で、小さな男児が大きく伸びをした。彼はニコニコと笑い、そのまま反り返って後ろの男に話し掛けた。

ランド「ねっ! ベルゼもそう思わない?」

ベルゼ「あ? あぁ……まぁ、したんじゃねーの」

“ベルゼ”と呼ばれた悪魔族の男は、羽と尻尾を脱力させ、一瞥をせずに答えた。その間もベルゼは手元の写真を見つめている。そこには、一人の女性が写っていた。

ランド「もー! 興味ないのバレバレなんだけど?」

ベルゼ「そんな事ねーよ。ちょっとはある」

ランド「どのくらい?」

ベルゼ「明日の天気くらい」

ランド「全然興味ないじゃんっ!」

ランド「ていうかさー! ベルゼだけじゃないんだよ、無視するの! この国のみーんな! みんな全然反応しないんだよー!」

ベルゼ「……そりゃそうだろ、ランド。てめーの絵を見て大魔女様をお好きになるわけねーだろうが」

ランド「むー! そう思うならその写真貸してよー! それならみんな好きになるかも! おーまじょ様が綺麗に写ってるし!」

ベルゼ「触んな」ドゴッ!!

写真を取ろうとしたランドをベルゼは片腕ではたき飛ばす。強力な打撃にランドは壁に激突し、突き抜けて隣の部屋にまで行ってしまう。

ランド「いったいなー! まだ生身のところあるんだからね!?」

しかし、ランドは何事も無かったかのように元の部屋に戻ってきた。その顔には先程と変わらぬ笑顔が浮かんでいる。

ベルゼ「わりーわりー」

ランド「また思ってないっ!」

ケルヴィン「おい! 何の音だ!? ……あぁ、何だよベルゼがやったのか」

現れたのは、褐色肌で赤毛の美男子だった。ベルゼも相当容姿が整っているが、この男は別格だった。それもそのはず、彼はケルヴィンという美麗族だ。

ランド「どこ行ってたのケルヴィン?」

ベルゼ「どーせナンパだろ」

ケルヴィン「おいおい……当たり前だろ!? わざわざ聞くなよな!」

ケルヴィン「まぁ……でも、やっぱいねぇのな。アルカンレティアの女も上玉だけど、大魔女様には勝てねぇや!」

ベルゼ「あ? それこそあたりめーだろ。わざわざ言うな」

ケルヴィン「あぁ……早く大魔女様に会いてぇなぁ……」

ケルヴィン「そして、早く俺の物にしてぇよぉ……」

ランド「は?」

ベルゼ「あ?」

ケルヴィンが発言した瞬間、ランドとベルゼが殺気だった目で睨み付けた。今にも殺し合いに発展しそうな勢いだ。

ケルヴィン「おいおい……落ち着けって。別にマジで手を出すわけじゃねぇよ」

ケルヴィン「それに……忘れちまったのかよ? 世界平和統一革命連合の掟をよぉ……」

ベルゼ「……忘れるわけねーだろ」

ランド「我ら世界平和統一革命連合は!」

ケルヴィン「いついかなる時も大魔女様を愛し、尊び、崇拝する!」

ベルゼ「各々やり方に差はあれど、我らはそれを否定しない」


「「「世界平和統一革命連合は、大魔女様の魅力を広めるために命を賭ける!!!」」」


ランド「……決まった!!」

ベルゼ「決まったじゃねーよ。何で毎回これやんなきゃいけねーんだ」

ケルヴィン「しょうがねぇだろ。連合長……ゼークト様の御命令だ。この場にいねぇからってやめられねぇよ」

ベルゼ「……チッ」

ケルヴィン「……あぁ、そういや、何か反逆者が出たらしいぞ?」

ベルゼ「……反逆者?」

ケルヴィン「局員に逆らって逃げた奴がいるんだと」

ベルゼ「……ほっとけ。俺からしたら、大魔女様の魅力を理解してねーそいつらも反逆者だ」

ケルヴィン「それはまぁそうだけどよぉ……そこまで取り締まったら俺達が全部やんなきゃいけなくなんぞ? 嫌だろ?」

ベルゼ「まー……そうだな。あいつらにはさっさとアルカンレティアを大私帝国の属国にしてもらわねーと」

ランド「んー、でもなー、あいつら全然おーまじょ様の魅力伝えないんだよねー」

ランド「オマケに治安悪くなる一方だしなー、何してるんだろうなー……あ」

ランド「……放送付けっぱなしだ。消そ消そ」


ブツッ!!

リーフィア「…………」

リーフィアは何とも言えない表情をしていた。彼女だけではない。周りの人間も同じだ。きっと、ここにいないアルカンレティアの人々も同じ顔をしているに違いない。

グレイス「……こんなのも、ほぼ毎日聞こえてくるわね」

ギール「……ほ、本当ですか?」

クー「ほんとだよー」

リリア「ほんとなんだよー」

ライオネル「…………」

リーフィア「……どうしました?」

ライオネル「いや……あんな阿呆達に侵略されるアルカンレティアなんて、別に助けなくていいかなと思っちゃってね」

グレイス「何て事言うのよっ!? あんたが言い出した事でしょ!?」

ライオネル「分かってるけどさぁ……あんなの聞いたら気が抜けちゃうよ」

リーフィア「何となく分かりますけど……」

ライオネル「はぁ……まっ、切り替えてやろうか。立ち止まってるわけにはいかないもんね。このままグダグダして投獄なんて事になっても困る」

ライオネル「そうだな……さっきの放送以外で、あの三人の事は分かるのかなグレイス君?」

グレイス「……そうね、後は……ランドってクソガキが機人だって事かしらね」

ライオネル「機人か……魔法は使えない者が多いけど、その分強いんだよなぁ……」

ライオネル「……まぁ、この場合、一番警戒する人物は変わらないけどね」

リーフィア「……ベルゼ、ですよね?」

ライオネル「その通り。彼は見たところ悪魔族だ。悪魔族は強い上に簡単には死なない。マトモにやったら勝ち目は無いだろうねぇ」

グレイス「それで? どうすんのよ」

ライオネル「まずはここにいる全員の戦力を確認しておこう」

ライオネル「僕は肉弾戦の方は好きじゃないけど、魔法は得意だ。特に錬成魔法と契約魔法がね。リーフィア君も魔法が得意だよね?」

リーフィア「そ、そうですね、一応……」

ライオネル「そして、ギール君は強力な剣士だ」

ギール「……俺、まだ信じられないんですけど」

ライオネル「安心しなよ、僕の『審美眼』に狂いは無い。君の家系魔法は本物さ」

ライオネル「……そして、問題は残りだね」

ライオネル「そこの二人。君達も戦ってもらうよ、クー君、リリア君」

リーフィア「ら、ライオネルさん……それは流石に……」

ライオネル「子供とは言えサイキックだよ? ひ弱じゃないんだから手伝ってもらいたいけどね」

クー「いいよ別に!」

リリア「いいよ暇だし!」

グレイス「軽いわねコイツら……」

ライオネル「君達は何ができるんだい?」

・クーとリリアの『超能力』の名称と能力の二人分を一レスに安価してください。『超能力』は魔法とは違う超常的な力です。名称はカタカナ。能力は何でもいいです。クーとリリアでコンビっぽい能力でもいいし、全く関係なくても問題ありません。

↓3まで募集。コンマの一番高いものを採用。残りもストックします。

クー
エアズハンド
空気を一部操り、圧したり風を起こしたりできる。

リリア
ノープラン
一日一度きりの能力だが、何でも一つ無かったことにできる。

>>491を採用。次の孵化判定まで残り289。

クー「んーとねー、ぼくは『エアズハンド』! 空気をちょっと操れるよ!」

リリア「ちょっとじゃないよ! けっこーすごいんだよ!」

ライオネル「風を操る魔法みたいなものか……かなり使えるね」

クー「そしてねー、リリアは『ノープラン』! 何でもいいから一つを無かった事にできるんだよ!」

リリア「でも制限もあるよ! 一日一回だけなんだよ!」

ライオネル「……何だって?」

クー「? 聞こえなかった?」

リリア「? もう一回言う?」

ライオネル「い、いや……大丈夫だよ。その必要は無い……」

ギール「大丈夫ですか? 動揺してますけど……」

グレイス「……あ、あんたは何とも思わないの?」

ギール「へ?」

グレイス「あった事を無かった事にできるなんて……そんなの禁忌魔法の一つよ! この世にできる人間なんていないわ!」

グレイス「そんな伝説級の魔法を……魔法じゃないけど、使える奴が目の前にいるって事! しかもこんな子供……!」

クー「リリア、褒められてるね!」

リリア「わたし、ちょっと嬉しいね!」

グレイス「……微妙に褒めてないわよっ! 怖がってんの!」

リーフィア「……ライオネルさん、そういえば『審美眼』で分からなかったんですか?」

ライオネル「サイキックの超能力は分からないんだ……じゃなければこんなに驚かないよ」

ライオネル「まさか……この二人がどちらも本当に強いとは、ね……!」

確かにリリアの力は脅威だが、同時にかなりの戦力になる。

リーフィア「……そうだ、リリアちゃん。あなたの『ノープラン』を使って、世界平和統一革命連合が来た事を無かった事にできない?」

グレイス「……なるほど! そうすれば戦わずに勝てるわね!」

クー「んー……やめといた方がいいよ?」

リーフィア「えっ……できないって事?」

リリア「むー……できなくはないよ?」

クー「でもね、あんまり時間を戻ってリリアの力を使っちゃダメなんだって」

リリア「何かね、その後の未来が変わって今がグチャグチャになるんだって」

クー「だから、何が起こるか分からないんだー」

リリア「つまり、もっと悪くなるかもしれないんだー」

ライオネル「……なるほどね、歴史を変えるにはそれ相応の代償が必要なのか」

クー「そうだよー!」

リリア「そうなのー!」

ライオネル「賭博は好きだけど、結果がどうなるか分からない作戦に賭けるほど僕はジャンキーじゃない。その作戦は無しだね」

リリア「そうですね……」

ライオネル「そして……グレイス君の力は……」

・グレイスの家系魔法の名前と能力を選択してください。名前は二~三文字の熟語。どんな魔法でも構いませんが、あからさまな攻撃魔法は無効となります(『火炎』とか『雷撃』とか)。

↓3まで募集。コンマの一番高いものを採用。

反芻 触れた人物の過去を見ることができる(遡る時間によって魔翌力の消費が変化)

ちょっと短いですけど本日はここまで。次回からは、彼らの能力を元に動いていきます。無理ゲー設定ではないので、安価とコンマで大失敗しなければイケるだと思います。

ありがとうございました。おやすみなさい。

ちなみに国の影響力は物語を進むごとに変わります。アルカンレティアは影響力「40」でしたが、今は「10」まで下がってます。

それでは始めます。

>>496を採用。次の孵化判定まで残り221。

ライオネル「……なるほど……『反芻』か……」

グレイス「げっ……何で分かるのよ……」

ライオネル「そういう家系魔法でね」

ライオネル「……だけど、この場では特に役には立たないな」

グレイス「ハァ!? 何て事言うのよ!」

ライオネル「だって、別に彼らの過去を見たところで大した収穫は無いじゃないか。大魔女様とやらの出会いが見れるだけだよ」

ギール「過去が見える!?」

ライオネルの言葉に、ギールは思わずグレイスの方に身を乗り出す。

ギール「そ、それ本当ですか、グレイスさん!?」

グレイス「え、ええ、そうよ。『反芻』は触れた相手の過去が分かる魔法だもの。何でそんなに食いつくのよ?」

ギール「実は俺、記憶喪失なんです! でも、グレイスさんの魔法があれば……!」

ライオネル「はいはい、その話は後でしようか。自分の記憶と向き合う前に現実と向き合おうね」

ギール「そ、そうですね! すいません……興奮して……」

ライオネル「……という事は……」

ライオネル「戦えるのはギール君のみ。魔法などを考慮するなら僕とリーフィア君、クー君も戦える。リリア君はここぞの切り札かな」

ライオネル「そして、役立たずが一人、と……」

グレイス「世界ナントカの前にあんたの息の根止めてやろうか……!?」ぐぎぎ……!

ライオネル「い、痛い痛い! 首根っこを掴まないでくれるかい……!?」

ライオネル「……ま、まぁ、その好戦的な性格は買うよ……。肝心なところで動けない奴よりよっぽど良い……」

グレイス「フン、あたしだってそこそこやれるわよ。何もできないガキだと思わないでほしいわね!」

リーフィア「……そ、それで、作戦はどうするんですか?」

ライオネル「僕らが一番警戒しなければいけないのは、悪魔族のベルゼ。まずはここを倒さなくてはならない。だが、単純な戦闘では勝ち目は無い。強いとは言え、ギール君だって絶対ではないからね」

ライオネル「そこで、だ……『魔錠』を使う」

リーフィア「魔錠……魔力の流れを止めて魔法を使えなくする手錠ですよね?」

ライオネル「ああ、それをベルゼに付けてあげよう。相手がどんなに強かろうと、たくさん付ければ止まるだろうし」

グレイス「でも、そんなのどう用意すんの? あんたが作るの?」

ライオネル「いや、僕に作れるのは手錠くらいだよ。それにせいぜい数個だ」

リーフィア「……元々警察だった治安統制局なら、魔錠がたくさんあるはずです!」

ライオネル「そう! 普通の人間なら手錠だけでいいけど、多民族国家のアルカンレティアなら魔錠は必須だろう。編成したからといって、それらの備品を廃棄してるとは考えづらい。必ずあるよ」

ライオネル「魔錠は僕とリーフィア君、クー君で取りに行く。三人もいれば残りの二人くらい何とかなるだろう」

クー「え!? ぼく一人なの!?」

リリア「え!?はなればなれなの!?」

リーフィア「やっぱり二人一緒じゃないとダメなんだね……」

クー「問題ないよ!」

リリア「構わないよ!」

ライオネル「……そうかい……」

ライオネル「その間、ギール君にはベルゼと戦ってもらおう」

ギール「え? ど、どうすれば……」

ライオネル「いきなり襲いに行けばいいんじゃない? きっと彼も怒って君と対峙するよ」

ギール「大丈夫ですかねそれ!?」

グレイス「……ちょっと、私はどうすんのよ。本当に何もさせない気?」

ライオネル「まさか。僕は使える部下はとことん使う主義さ」

グレイス「……まぁ、今は我慢してやるわ。で? 何すればいいの?」

ライオネル「君はリリア君と待機だ」

グレイス「ちょっと! ただの留守番じゃない!?」

リリア「るすばんー!」

ライオネル「別に厄介払いしてるわけじゃないよ。リリア君は大切な人材なんだ。酷い結果になった時、それを無かった事にできるからね」

ライオネル「そんな少女を君一人で守るんだ。そりゃ襲われなければ何も無いだろうけど、もし敵が来たら一番危ない役割だよ?」

ライオネル「僕はそこに君を割り当てようとしている。構わないよね? あれだけ啖呵を切ったんだから」

グレイス「……それ皮肉? 分かってるわよ、やってやるわ!」

ライオネル「……役割は決まった。後はやるだけだ」

リーフィア「はい……! 絶対に皆無事で達成しましょう……! 治安統制局への近道は私が案内します!」

ギール「え? そんなの分かるんですか?」

リーフィア「うん、前にアルカンレティアの全体図を見た事があるんだ。その時に『速読』で叩き込んだの」

ライオネル「便利な魔法だねぇ……」

小説などは魔法を使わずじっくり読むが、実用的な書籍は『速読』ですぐに情報として定着させる。それがリーフィアの読書スタイルだ。

リーフィア「こっちです……!」

リーフィア(絶対に成功させる……! アルカンレティアを元に戻すんだ……!)

一行は、リーフィアの案内により最短距離で治安統制局に着く事ができた。家屋の影に身を潜め、辺りを伺う。局員達はいるにはいるが、思ったよりもまばらだ。

リーフィア「……そんなにいない……?」

グレイス「あんな奴らが局員の統率取れてるわけないでしょ。実際に取り締まってるのは少数で、後は隠れてるか投獄されてるかよ。そんなに刃向ってくる奴はいないでしょうね」

ライオネル「……順調に治安を悪くしているねぇ」

ギール「……俺はどうしたらいいですか?」

ライオネル「ん? まぁ、好きに暴れてよ」

ギール「……何か俺だけ雑なんですよねぇ……」

ギール「んー……じゃあ取り敢えず剣を抜いて……」ズ……

リーフィア「……!!」ゾクッ……

ギールが抜剣した瞬間、空気が変わった気がした。いつもは穏やかなギールだが、どこか顔付きが違う。全く隙を感じさせない強者のようだ。

リーフィア(これが……『剣豪』の力……?)

ギール「おお……なんか剣が馴染むような気がする……」

ギール「……ベルゼさんってどこにいますかね?」

グレイス「……放送室だとしたら、あの辺りじゃない?」

ギール「……なるほど、じゃあ……」

ギール「行ってきますね」タッ……!!

そう言うと、ギールは軽くジャンプした。

ガシャァン!!!

そして、放物線を描いて、治安統制局の五階の窓に飛び込んでいった。

リーフィア「……え?」

ギール「おー……! できそうだと思ったら本当にできました! 俺って、結構凄いかもしれませんね!」

ベルゼ「……急に飛び込んで来て、何言ってんだてめー」

ギールの両手剣は、窓に飛び込んだ勢いをそのままに、ベルゼの体へと振るわれた。そこには自身の強さに疑問を抱いていた青年の姿は無い。敵に向けて振る事が自然であるかのように、彼は剣を操ってた。

だが、相手も只者ではない。

ベルゼは、その剣を片手で受け止めていた。並の相手なら一撃で何人も倒す事のできるであろうギールの剣を、だ。

ただ、思ったよりも強い力にベルゼは少し驚いたようで、剣を弾くとギールから距離を取った。

ベルゼ「……何者だてめーは。さっき言ってた反逆者か?」

ベルゼ「……いや、どーでもいいな。俺の大魔女様を眺める時間を邪魔する奴は……」

ベルゼ「……殺す!」

瞬間、ベルゼは翼を広げ、ギールに体当たりした。強い衝撃にギールは吹き飛び、そのまま町に落ちていく。

リーフィア「ギールさん……!」

その姿は、リーフィア達からも見る事ができた。

ライオネル「……大丈夫だ、リーフィア君」

ライオネルの言う通り、ギールは空中で体勢を立て直すと、壁を蹴って近くの家屋の屋根に降り立った。

ベルゼ「……思ったよりやるじゃねーの」

ベルゼは少し口角を上げ、ギールに向かっていく。ベルゼはリーフィア達の事には気づいていない。ギールはしっかりと囮の役割を果たしているようだ。

ライオネル「……よし、今のうちだ。リーフィア君、クー君……行くよ」

クー「うん!」

リーフィア「……グレイス、リリアちゃんをお願いね」

グレイス「もちろんよ。リーフィアも……気をつけてね」

リーフィア「うん……!」

リーフィア(……よし、行こう……!)

・コンマ判定です。今後の展開がリーフィア達の方に上手く運ぶかどうか。ここが成功しなくても、次からの安価で何とかできるので大丈夫です。下3まで判定。

↓1 コンマ50以上で理想的なvsランド
↓2 コンマ50以上で理想的なvsケルヴィン
↓3 コンマ80以上でギールがベルゼに勝つ(それより下でも負けるわけではありません)

>>509-511を採用。次の孵化判定まで残り93。

治安統制局の中は、閑散としていた。人の気配が無い。もしかしたら、先程の三人以外は中にいないのかもしれない。

ライオネル「……ギール君の働きは想定以上だったね」

リーフィア「そうですね……他の局員達もいなくなってしまうなんて……」

ギールとベルゼの戦闘を見た局員達は、血相を変えてその方向に走っていった。きっとこんな表立った反抗は初めてだったのだろう。混乱が手に取るように分かった。

そのおかげで、リーフィア達は楽に潜入できたわけだが。

ライオネル「備品室はどこかな……おそらく下の階だとは思うけど……」

リーフィア「あ、局員室とかに見取り図ありませんかね?」

ライオネル「良い案だ、採用しよう」

クー「ん!」

リーフィア「ど、どうしたの?」

クー「誰か来る!」

そう言ってクーが指差した方向にいたのは……

ランド「あー! 侵入者だー!」

リーフィア「……!!」

リーフィア(さっきの……確かランドって子……!)

ランド「あれだ! きっと反逆者だよね! 反逆者って許しちゃダメらしいんだ!」

ランド「だから……ごめんよ! きみたちに恨みはないけど、死んでもらいまーす!」

ランド「食らえ! 毒ガース!」プシュー……!!

そう言うと、ランドは体中の関節の接合部分から毒ガスを吹き出した。薄く紫に色付いたガスは、あまり毒の知識が無いリーフィア達にも危険であると明確に分かる。

クー「ぼくに任せて!」

そこで動いたのは、クーだった。彼はサイキックが能力を使う際に出る青いオーラを放ちながら、手を大きく広げた。

クー「んー……せいっ!」ブンッ!!

思い切り振り下ろされた腕が、クーの前に風の壁を作り出す。それはそのままランドの方向に進んでいき、毒ガスを押し出していく。

ランド「え!? サイキック!? めずらしー!

ランド「……って、うわーっ!?」

そして、ランドをも外に押し飛ばした。

クー「リーフィア! ライオネル! ぼく、ちょっとあの子と遊んでくるねー!」

クーは笑顔で外に駆けていった。

ライオネル「……何だ、あの子強いじゃないか。何でさっき虐められていたんだ?」

リーフィア「……虐めてきた人達を傷つけてしまうと思ったんじゃ……?」

ライオネル「……お優しい事だね。まぁいい、さっさと探そうか」

リーフィア「は、はい……」

リーフィア(……あれ? そういえば……)

リーフィア(さっきの放送……もう一人いたよね……?)

リーフィア(どこに行ったんだろう……?)

世界平和統一革命連合の三人目……ケルヴィンは、外にいた。騒ぎを聞きつけ放送室にやってきたところ、ベルゼが久しぶりに誰かと戦っていたので、観戦しようと思ったのだ。

ケルヴィン「……あん?」

グレイス「……あ」

そこで、彼はグレイスとリリアを見つけた。

彼女達は、見つけられてしまったのである。

グレイス(ヤバ……! コイツ、ケルヴィン……!?)

・コンマ判定です。ケルヴィンに見つけられてしまったグレイスとリリア。ただ、まだ気に入られる可能性はあります。そのコンマ判定です。あと、ついでに魔錠の判定。

↓1 コンマ80以上でグレイスは気に入られる
↓2 コンマ90以上でリリアは気に入られる
↓3 コンマ30以上で魔錠はすぐ見つかる

どっちも気に入られている……!?

それはともかく、採用コンマの合計が1182となりました。その中の1000点を使い、孵化判定を行ないます。

↓1のコンマ80以上でドラゴンが孵化。

ドロン

>>515-517を採用。全部成功してますね。

>>521を採用。孵化判定は失敗。次の孵化判定まで残り818。

ケルヴィン「…………」

グレイス(や……ヤバイ! 逃げた方がいいわよね……!?)

グレイス(いや……でも、何もしてないから無視していいの……かも……?)

リリア「何してるのー?」

グレイス「あっ、ちょ、バカ……!」

グレイス(なに声掛けてんのよ……!)

ケルヴィン「ぐおおおおおっ!!」

グレイス「……?」

グレイス(……何? どっかから攻撃されてんの?)

ケルヴィン「可愛いすぎるぜ二人ともォォォォォォ!!」

グレイス「…………」

グレイス「……は?」

ケルヴィン「クソォ……まさかアルカンレティアにこんな上玉がいるとはなぁ……! 俺とした事が迂闊だったぜ!」

ケルヴィン「だが待て! 俺は世界平和統一革命連合の一員! 俺が一番大切なのは大魔女様だ!」

ケルヴィン「……しかし……」チラッ……

グレイス「……何よ」

ケルヴィン「可愛いぜええええええっ!!」

リリア「うるさいね!」

グレイス「同感よ……」

リリア「ちょっと静かにして!」

グレイス「ちょ、ちょっと……!」

ケルヴィン「おいおい……俺に静かにしろってか!? 分かったぜ!」

ケルヴィンは、両手で口を押さえて喋るのを止めた。

ケルヴィン「…………」

グレイス「……いやに素直ね。何なのよ一体」

ケルヴィン「…………」

グレイス「…………」

ケルヴィン「…………」

グレイス「……うるさくしないなら、喋っていいわよ」

ケルヴィン「……俺は、可愛い子の言う事は聞くようにしてるのさ!」

リリア「わたし達、可愛い?」

ケルヴィン「可愛い可愛い!」

グレイス「……何でも聞くの? あんた、世界ナントカでしょ?」

ケルヴィン「大魔女様は大切だけど、それは顔が良いからさ! 君達も同じく顔が良い! だから大切だ!」

グレイス(何言ってんのコイツ)

グレイス「……本当に何でも聞くの?」

ケルヴィン「まぁ、大概はな!」

グレイス「……じゃあ、あのベルゼって男、倒してきてよ」

ケルヴィン「いいぜ!」

グレイス「いいの!?」

ケルヴィン「ああ、全然構わねぇ! 別にあいつにゃあ何でも情もねぇしな! 世界平和統一革命連合のメンバーってだけさ!」

ケルヴィン「その代わり……」

グレイス「……その代わり?」

ケルヴィン「俺とデートしてくれ!」

グレイス「……はぁ?」

ケルヴィン「俺とデートしてくれるなら、ベルゼを倒してくる!」

グレイス「……別にいいけど、私あんたの事何とも思ってないし、何もしないわよ?」

ケルヴィン「問題ねぇ! 俺は可愛い子と楽しく遊びたいだけだしな!」

ケルヴィン「そっちのお嬢ちゃんもいいかい?」

グレイス「あんたこの子にも手を出す気!?」

ケルヴィン「て、手は出さねぇよ! デートしたいだけだ!」

グレイス「節操ないのね、あんた……」

ケルヴィン「むしろこっちの子の方が可愛い」

グレイス「は?」

リリア「まーまー、落ち着きたまえー」

グレイス「あんたも何勝ち誇ってんのよ……!」

ケルヴィン「よーし、んじゃ、行ってくるわ!」ダダダ……!!

グレイス「……本当に行ったわ」

グレイス(……変な奴ばっかりね)

グレイス(……でも、これが上手くいったら……それはそれでいい……か?)

クー「……あれ? さっきの子、どこに行ったんだろ?」

クー「おーい! さっきの子ー! どこー!?」

ランド「ここだ……よっ!!」

瓦礫の影から飛び出たランドが、腕を思い切り振り上げる。その落下点には、クーの頭があった。

クー「あぶなーい!」ヒュッ……!!

風で自分の体を操り、クーはランドの攻撃を避ける。

ドゴォン!!!

ランドの振り下ろした拳は、レンガ張りの地面にめり込み、一部を破壊した。

クー「怖いなぁ……そんなの当たったら死んじゃうよ!」

ランド「ふっふーん……どうやらきみには毒ガスが効かないみたいだけど、打撃は効くでしょ?」

ランド「ぶん殴って殺してあげるよー!」

そう言い、ランドは腕を振り回しながら近づいてくる。その格好は滑稽だが、彼の持つ力を考えれば脅威だ。

クー「んー、仕方ないなー。さくっと決めちゃおう!」

クー「そぉ~……れっ!!」ブンッ!!

クーは再び風を操り、ランドを浮かす。

ランド「わわっ! びっくりするなぁ」

ランド「でも、ぼくにはどれだけ高く上げて落としても無駄だよ! ぼくは特別に頑丈なんだよね!」

ランド「それにさぁ……!」ガシャン!!

ランドの肩から、噴射ノズルが飛び出る。そして、火を噴いてクーの能力から逃れた。

クー「え!? すごーい!」

ランド「すごいでしょ! これできみの風は効かないよぉ!」

クー「むむむ……! よーし、ぼくも本気を出すぞ!」

・コンマ判定です。クーの攻撃が上手くいくかどうかです。

↓1のコンマ30以上で成功

>>531を採用。次の孵化判定まで残り782。

クー「ぐぐぐ……!」

クーは手の平に空気を溜めていく。溜められた空気は、砲丸くらいの大きさになった。

ランド「むむ! それを当てる気だね!?」

ランド「でも、噴射ノズルのあるぼくには意味ないよ! すぐ避けるもんね!」

クー「ちっちっちっ……甘いよ! ぼくの力はそれだけじゃない……よっ!!」

突如、ランドの体が固まる。ノズルから炎を噴射してはいるが、動けないようだ。

ランド「えっ!? な、何で……!?」

ランド「……ま、まさか、きみ……」

ランド「風じゃなくて、空気を操れるのか……!」

クー「そうだよ! それに、本気を出せば手なんて無くてもいけるんだー!」

クー「くらえ! 風のやつ!」

掛け声と共に、風の塊がランドの腹に当たる。その衝撃は強く、そのまま近くの家屋に突っ込んだ。

ランド「いたた……! でも、この程度じゃあ……!」

ミシミシ……

ランド「……ん?」

ガララ……!!

ランド「うわっー!?」

衝撃に耐えられなかった家屋が倒れ、ランドの体にのしかかる。機人族ゆえ無事ではあるが、動けなくなってしまったようだ。

クー「ふう……これで一安心!」

ライオネル「やぁ、クー君。良い働きをしてくれたね」

クー「あ、ライオネル! どう? あった?」

ライオネル「あぁ、大量にあったよ。これだけあればベルゼも抑えられるだろう」

リーフィア「……その大量にあった魔錠、少しは持ってくださいよ」

ライオネル「やだよ。そんなの上官の仕事じゃない」

リーフィア「……いいですよ、もう……それより……」

リーフィア「あ、あの人……大丈夫なんですか?」

ライオネル「機人族だよ? あの程度じゃ死なないさ。というか、あのままでも危険だね。毒ガス出せるわけだし」

ライオネル「……というわけで、これを使おう」

クー「それなに?」

ライオネル「発射式スタンガンさ。それ!」バシュッ!!

ランド「うわあああああっ!?」

スタンガンに感電させられたランドは、叫ぶとすぐに気を失った。

ライオネル「これでより安全だ」

クー「ようしゃない!」

ライオネル「彼らがいくら阿呆とはいえ、危険には変わりないからね」

ライオネル「……さて、ギール君は阿呆の一人を抑えられているかな……?」

ギール「そー……れっ!!」ブンッ……!!

ギールが大剣を振る。その威力は強風を呼び、周りの家屋を震わせ、窓を割る。付近の住人達は突然起きた騒ぎに混乱しており、我先にと逃げていた。

そんな迷惑を掛けながら剣を振っていたギールだが、先程まであった自信は徐々に失われていた。

ギール(……全然当たりません!)

そう、ギールがいくら超人的な攻撃をして、ほとんどベルゼに当たらないのである。たまに当たっても、腕で防がれてしまう。致命傷になっていないのは明白だった。

ベルゼ「どうした? もう終わりか?」

ベルゼ「じゃあ……そろそろ終わらせるか……」

ベルゼ「『黒弾』」

そう言うと、ベルゼの手の平から黒いエネルギー弾が放たれる。

ギール「ぐっ……!」

間一髪のところで避けるが、攻撃は付近の住宅に当たってしまう。

ギール「このままでは、街を壊してしまいます……!」

ギール(取り敢えず、建物の影に隠れましょう……!)ダッ……!!

ギールは建物に囲まれた裏路地を通り、ベルゼから見えないように建物の影に隠れた。

ギール(ふう……さて、どうしましょうか……)


ガシッ


ギール「え……」

一息ついた瞬間、ギールは何者かに腕を掴まれた。

ガシッ

ガシッ

ガシッ

ギール「えっ……!?」

それも、一人ではない。複数人だ。気がつけば、ギールは謎の集団に羽交い締めにされていた。

ギール「な……何だこれ……!」

ベルゼ「よお……こんなところにいたのか」

ベルゼが、突然現れた。それも地面からだ。

ギール「じ、地面を……!? そういう魔法ですか……!」

ベルゼ「ちげーよバカ。よく見てみろ、てめーを掴んでるの」

ギール「え……?」

そう言われ、ギールは自分を捕まえている人間を見る。

人間はいなかった。

代わりに、黒い腕が何本を自分に向かって伸びていたのだ。

ギール「ひっ! 何ですかこれ!?」

ベルゼ「説明めんどくせー……けど、今の俺は機嫌が良いから言ってやるよ」

ベルゼ「俺は影魔法が得意なんだよ。これは俺の魔法で作られた影の手だ。俺が地面から出てきたのも影を通ってきたから」

ギール「……じゃあ、ここがすぐに分かったのも……!?」

ベルゼ「察しがいいじゃねーの。そうさ、俺はこの街の至るところに俺の影を仕込んでんのさ。この街にいりゃあ、誰が何しようとすぐに分かる」

ギール「……でも、俺達の事は知らなかったみたいですけど……」

ベルゼ「興味なかったからな。何かうるせーなーとは思ってたけど」

ギール「も、もったいない! そんな凄いのにもったいないですよ!」

ベルゼ「うるせーなー……そろそろ殺すか」

ベルゼ「『硬化』」

ベルゼは、尻尾の先端に魔法を掛ける。すると、見るからに鋭い尻尾になった。その先端は、ギールの心臓を狙っている。

ギール「……!!」

ベルゼ「死ねや」

・コンマ判定です。ここにケルヴィンが来てベルゼを倒そうとします。

↓1のコンマ25以上で成功

ケルヴィンがベルゼを倒す事が決まったところで本日はここまで。グレイスとリリアの二人ともが気に入られたのが大きかったですね。

ありがとうございました。おやすみなさい。

この間の空き方はエタる奴だ

>>543
エタらない奴です!

色々書いてたら時間が空いちゃいました。やっていきます。

>>538を採用。次の孵化判定まで残り743。

ギール(……マズイ! 逃げられない……!)

ケルヴィン「見つけたぞベルゼえええええっ!!」

ケルヴィン「うらあああぁぁっ!!」ブンッ!!!

ベルゼ「がっ……!!?」

ケルヴィンは腰から一刀を引き抜き、ベルゼを薙ぎ払う。炎を纏ったその剣は、ベルゼの胸元を斬り裂き、魔法の効力を弱めさせた。その隙に、ギールは影の手から逃れる。

ベルゼ「て、てめー……! 何のつもりだ、ケルヴィン!!」

ケルヴィン「わりぃな! 俺は可愛い子ちゃんのために……お前を倒す!」

ベルゼ「ざけんじゃねぇぞ、てめー……! 何なんだよ……!!」

ギール(ケルヴィンって……さっきの放送の人ですよね? 仲間割れですか……?)

ケルヴィン「……あん? 誰だお前」

ギール「え、えっと……」

ケルヴィン「まぁ誰でもいいや。お前、ベルゼの敵だな?」

ギール「あ、はい」

ケルヴィン「ちょっと剣貸せや」

ギール「え」

ケルヴィンはギールの返事を待たず、ギールの大剣の刀身に触れる。

ケルヴィン「『魔剣』!!」

ギール「うわっ……!?」

ギール(お……俺の剣が、何か光って……!?)

ケルヴィン「俺の家系魔法だ。あらゆる刀剣に能力を付与する事ができる。まっ、魔力とか集中力に左右されっけどな」

ケルヴィン「今は時間ねぇから、お前の剣には簡易的に魔力を持つ奴へのダメージ増加魔法を掛けといたぜ」

ギール「……それって……!」

ケルヴィン「ああ、ベルゼの野郎に効く剣さ! お前が誰だか分からねぇけど、ベルゼを倒す気持ちは同じだからなぁ!」

ギール「ケルヴィンさん……!!」

ベルゼ「ふざけんな……ふざけんじゃねーぞマジで!! 大魔女様への忠誠はどうしたゴミ野郎があああああっ!!」

ケルヴィン「へっ! 悪魔に吠えられても怖くも何ともねぇなぁ!」

ケルヴィン「俺の炎と氷の魔剣で斬り裂いてやるよ……!!」

ケルヴィン「行くぞ!! 兄ちゃん!!」

ギール「は、はい!!」

ベルゼ「クソッタレがぁ……!!」

リーフィア「……あれ?」

ライオネル「どうしたんだい?」

リーフィア「いえ、グレイスとリリアちゃんがこっちに……」

クー「おーい、リリア!」

リリア「おーい、クー!」

ライオネル「ダメじゃないか、隠れてないと。まだケルヴィンがどこにいるかも分かってないのに」

グレイス「あー……その事なんだけどね……」

ボゴォン……!!!

ライオネル「……! 爆音が……!」

リーフィア「近いです……! ギールさん……!」

グレイス「あ、いや……だからその事なんだけど……」

クー「あ! 誰か来る!」

クーの指差した方向には、土埃が舞っていた。

その土埃を通り、現れたのは……

リーフィア「……え?」

ライオネル「……は?」

笑顔で手を振る褐色の男と、悪魔族を引っ張る優しげな男だった。

ライオネル「……何だい? あれ」

グレイス「……だから、あれについて説明したいのよ……」

各々からの報告を聞いたライオネルは、押し黙っていた。

リーフィア「……よ、良かったですね、ライオネルさん。比較的早めに目的を達成しましたよ!」

ライオネル「下手な慰めは要らないよ……僕は今、落ち込んでいるんだ」

ライオネル「彼らの阿呆さを見誤っていた事にね……」

ケルヴィン「お嬢さん方! ベルゼを討伐してきました!」

グレイス「……そうみたいね」

リリア「すごーい!」

ケルヴィン「んじゃあ、デートの件は……!」

グレイス「……ギール」

ギール「? はい、何です? ベルゼさんに魔錠付けるの手伝ってくれますか?」

グレイス「それは手伝わないわ」

ギール「手伝ってくださいよ……」

グレイス「ベルゼを倒したのって、あんたも手伝ったのよね?」

ギール「へ? まぁ……そうですね」

グレイス「じゃあ……あんた一人で倒したわけじゃないのよね、ケルヴィン」

ケルヴィン「え、えぇ、まぁ、そうっすけど……」

グレイス「デートは無しね」

リリア「きゃっかー!」

ケルヴィン「そんなぁ! 酷い! 鬼! 悪魔! 氷の女王!」

グレイス「これに懲りたら、私達の事は忘れなさい」

ケルヴィン「だがそこが良い!」

グレイス「めげなさいよあんた……!」

ライオネル「……何で彼は普通に裏切っているんだい?」

リーフィア「……じゅ、純粋な人なんですよ、多分」

ライオネル「……はぁ……まぁ、いいや……」

ライオネル「ケルヴィン君」

ケルヴィン「あ? 何だよ」

ライオネル「君はもう世界平和統一革命連合を離反し、こちら側に来たと考えていいんだね?」

ケルヴィン「あんたら、グレイスちゃんとリリアちゃんのお仲間なんだろ? だったら危害は加えねぇよ。二人に嫌われたくねぇからな!」

グレイス「今も嫌いだけど?」

ケルヴィン「これ以上嫌われたくねぇからさ!」

ライオネル「……本当かい? 君は大私帝国の傭兵だろう?」

ケルヴィン「しつけぇなぁ……大丈夫だって。そもそも俺は大私帝国に忠誠誓ってるわけじゃねぇし、ベルゼとランドの仲間でもねぇ。ただの同志だ」

ケルヴィン「多分、俺が本気で大魔女様を狙ったら、二人とも本気で殺しに来てただろうな。そういう関係なんだよ」

リーフィア「そ、そんな……」

ライオネル「……まだ信用できないな。契約魔法で関係を明確にさせてもらおうか」

ケルヴィン「あぁ!? おいおい、ふざけんな! 何でお前と契約しなきゃいけねぇんだ! グレイスちゃんかリリアちゃんかのどっちかだろ!?」

リリア「わたしサイキックー」

ケルヴィン「お、そうなのか。どうりでお美しい! この世界には存在しない美だぜ!」

ケルヴィン「じゃあ、グレイスちゃんと契約魔法だ!」

グレイス「安心して、ライオネル。コイツとは奴隷契約でも結んでおくわ」

ライオネル「ふむ、分かった。よろしく頼むよ」

ケルヴィン「そんな! せめて! せめて従者で!」

ライオネル「さて……取り敢えずアルカンレティアの脅威は取り除いたわけだけど……」

リーフィア「やる事は多いですよね……」

リーフィア「まずは……捕まってる人を助けないと……」

グレイス「そうよ! たくさん捕まってるのよ! 早く助けないと!」

ライオネル「そうだねぇ……それには政府の方から声明が無いとダメだろうね。カルト傭兵団がいなくなった事を説明しなければ」

ライオネル「ついでにギール君が壊した街の事も不問にしてもらおう」

ギール「い、いや、俺だけが壊したわけじゃないですよ!?」

ライオネル「ケルヴィン君、国王はどこにいるのかな?」

ケルヴィン「あーっと、どこだっけなぁ……ブチ込んだのベルゼだしなぁ……」

ケルヴィン「ちょっと待ってろ、確かランドなら知ってるよ」

リーフィア「えっ、お、起こすのはちょっと……」

クー「この子、毒ガス出すからイヤ!」

ケルヴィン「大丈夫大丈夫、コイツ機人だろ? 頭イジるとデータだけスクリーンに映るんだよ。それで確認する」

グレイス「機人族って便利ね……」

ケルヴィン「どれどれ……」ポチポチ……

ケルヴィンが気絶しているランドの頭をいじくると、目が光って空中に電子スクリーンを出した。そこには名簿が映っている。逮捕された人物の一覧のようだ。

ケルヴィン「あー……同じ刑務所に入れられてるみてぇだけど、一応、特別待遇で一人だけの独房にブチ込まれてるな」

ギール「特別待遇……?」

ライオネル「まぁ……極めて環境は悪いだろうけど、特別扱いには違いないんじゃない?」

ライオネル「じゃあ、刑務所に行って人々を解放しようか。そこで同時に王様を解放し、声明を出してもらえば手間が省ける」

リーフィア「それなら、手分けした方が良いんじゃないですか? 王様のところに行く人と他の人達を解放する人で」

ライオネル「ふむ……そうだね。その方が良いか」

ライオネル「では……僕とギール君で世界平和統一革命連合の面々を連れ、国王に謁見しよう。リーフィア君とグレイス君、クー君、リリア君は刑務所の人達を解放してくれ」

ケルヴィン「おいおい、俺、グレイスちゃんとリリアちゃんから離ればなれかよ!? 」

ライオネル「そう言われてもね。君達が無力化されている事を見せないとダメだろう」

グレイス「いいから黙って従いなさい」

ケルヴィン「はいっ!!」

ライオネル「この美麗族も便利だね……」

リーフィア「それじゃあ、早く行きましょう! 刑務所は警察署の裏手なので……治安統制局の裏手です!」

・リーフィア側かライオネル側か、どちらを最初に見るか選択してください。

1.リーフィア側(捕まった人達の解放チーム)
2.ライオネル側(アルカンレティア政府などとの交渉チーム)

↓1

1

>>550を採用。次の孵化判定まで残り717。

リーフィア「ここが……刑務所だね……!」

グレイス「ここに皆がいるわ……フレアもグレイシアもね……!」

クー「とつげきー!」

リリア「きゅうしゅつー!」

リーフィア(鍵は持ってきた……よし、行こう……!)

グレイス「……ちょっと待ちなさい、リーフィア」

グレイス「あんた……このままで行くつもり?」

リーフィア「え? このままって……」

グレイス「『偽装』掛けたままで行くつもりなのかって言ってるのよ」

リーフィア「あ……」

グレイス「私は信じたけど……あんたを知ってる人の全員が、あんたをリーフィアだと信じるとは限らないわよ?」

グレイス「……ていうか、私みたいな方が珍しいのよ。私は目の前で助けてもらったから信じたけど……」

リーフィア「そ、そうか……」

グレイス「……まっ、あんたがリーフィアだって隠して皆と接触するつもりなら別にいいけどさ」

リーフィア(確かに……このままじゃ私がリーフィアだって誰も信じてくれないと思う……)

リーフィア(だけど……『偽装』を外してもいいのかな? オボロさんにせっかく掛けてもらったのに……)

リーフィア(どうしよう……)

・『偽装』を外して素のままのリーフィアになるかどうかの安価です。どちらにもメリット・デメリットがあるので、好きな方を選んでください。

1.『偽装』を外す
2.『偽装』を外さない

↓2

2

>>553を採用。次の孵化判定まで残り710。

リーフィア「……ううん、止めておくよ」

リーフィア(せっかくオボロさんが掛けてくれた魔法……勝手に解くわけにはいかないよ。きっと、このままの方が良い意味があるんだ)

リーフィア(それに……ライオネルさんもまだ完全には信用できないし。悪い人ではないと思うけど、私の素性を知ったら……)

グレイス「……そう。あんたがそれでいいなら、そうするといいわ」

グレイス「だからと言って、正体を黙る必要は無いわよ? 私がサポートするし」

リーフィア「うん。ありがとう」

グレイス「……お礼なんて良いわよ。友達でしょ」

リーフィア「友達だから、だよ」

グレイス「……あーっ、もう! さっさと行くわよ!」

グレイスは照れ隠しに足を踏み鳴らして刑務所を歩く。幸か不幸か、その音を聞いた人々が、リーフィア達の存在に気づいた。

最初は怪訝な表情をしていたが、クーやリリアが次々と鍵を開けるところを見て、助けに来てくれたと気づいたようだ。

「あ、ありがとう!」「恩に着るよ……!」「外はどうなってるんだ!?」「早く家に帰らないと……!」「国は一体何を……!」

口々にお礼などを言いながら、人々は急いで刑務所から出ていく。

リーフィア(私の知り合いは……)

・リーフィアの知り合いなどと交流ができます。下から選択してください。ただし、人によってコンマ判定に成功しないと話せません。

1.灰色の髭を蓄えた小柄な老人
2.赤毛が特徴的な少女
3.白っぽい獣人の少女
4.色っぽい格好をした女性
5.笑顔の天翼族の女性

↓2

2.

>>558を採用。次の孵化判定まで残り631。

リーフィア「……あ!」

刑務所から出てきた一人に見覚えがある。フレア・デュナミスだ。アルカンレティア図書館の司書で、リーフィアとは図書館通いをしているに仲良くなった。

グレイス「フレア!!」

グレイスが駆け寄る。彼女はリーフィアの紹介で仲良くなった。心優しいフレアにグレイスはよく懐いている。「懐いている」という表現を使うとグレイスに怒られてしまうが。

フレア「グレイス……! 無事だったのね!?」

グレイス「それはこっちの台詞よ! 何もされてないわね!?」

フレア「ええ……ここの看守、ご飯を届けてくるだけで、後はほとんど不干渉だったから」

フレア「……あら? そちらの方は……」

・コンマ判定です。フレアがリーフィアと気づくかどうか。

↓1のコンマ50以上で気づく

>>560を採用。次の孵化判定まで残り550。

フレア「……えっ、リーフィア!?」

リーフィア「うえっ!? 何で分かったの!?」

フレア「あら、忘れたの? 私の家系魔法」

リーフィア「あ……そっか……」

リーフィア(フレアの家系魔法って……人の才能を見抜く『才能眼』だっけ……)

リーフィア(そう考えると……ライオネルさんの『審美眼』の人版……みたいなものかな?)

グレイス「す、すごいわね……『偽装』掛かってるのに気づくのね……」

フレア「まぁ……そういう事だけは得意なの。才能の情報って指紋みたいなものだから」

フレア「…………」じーっ……

リーフィア「? どうしたの?」

・コンマ判定です。コンマ50以上だと……?

↓1のコンマで判定

こん

>>562を採用。次の孵化判定まで残り504。

・このコンマ判定に成功していると、革命同盟がリーフィアの素性を知っている事になってました。

フレア「……ううん、何ていうか……前にあった時より、大きくなったような? そんな気がしたの」

リーフィア「そ……そうかな?」

リーフィア(……まぁ、色々あったし……)

フレア「……それじゃあ、私も行くわね。助けてくれてありがとう!」

リーフィア「う……うん」

フレア「えっと……出口はこっちかしら……」タッタッタッ……

リーフィア「…………」

グレイス「……どうしたの?」

リーフィア「……ううん、何でもない」

リーフィア(フレアとは……このアルカンレティアではもう会えないような気がする……)

リーフィア(…………気のせい、だよね……)

・リーフィアの知り合いなどと交流ができます。下から選択してください。ただし、人によってコンマ判定に成功しないと話せません。

1.灰色の髭を蓄えた小柄な老人
2.白っぽい獣人の少女
3.色っぽい格好をした女性
4.笑顔の天翼族の女性

↓2

3

>>566を採用。次の孵化判定まで残り408。

「ここから出られるらしいぞ、グレイシアちゃん!」

「一緒に行こうぜ! なっ!」

グレイシア「い、いえ、私は……」

踊り子の格好をした女性を、数人の男達がナンパしていた。中央の女性は困っている様子だ。

グレイス「ちょっと!! 何してんのアホ男共!! あんた達だけ独房にブチ込んでやろうか!?」

「ひぃ!」

「い、行きます! 行きますよぉ!」

グレイスの一喝で、男達は外へと逃げて行く。

グレイス「まったく……」

グレイス「大丈夫? グレイシア」

グレイシア「グレイスさん……! 助かりました、ありがとうございます」

グレイシアはリーフィアとグレイスの友人で、アルカンレティアの踊り子だ。職業柄男性に言い寄られる事が多く、大人しい性格の彼女は男性が苦手になってしまったのだ。

幼少期、孤立気味だったリーフィアに声を掛けてくれた事がきっかけで仲良くなったグレイシアは、フレアと同じくリーフィアの仲介で友人になった。

リーフィア(……そう考えると、グレイスって結構友達になるの上手なのかも?)

グレイシア「あ、あの……そちらの方は?」

・コンマ判定です。成功すると、グレイシアがリーフィアの事をリーフィアだと信じます。

↓1のコンマ50以上で成功

はい

グレイシアがリーフィアを信じると決まったところで本日はここまで。時間空いてすいません。話が進めば進むほど色々書いて時間が掛かる事はあるかなと思いますが、エタらないのでよろしくお願いします。一読者として、エタるスレを見る悲しさは分かるので……。

それでは、ありがとうございました。おやすみなさい。

こんな時間ですが、少しやります。完結まで頑張るぜ!

>>569を採用。次の孵化判定まで残り327。

グレイス「リーフィアよ」

グレイシア「……へ? でも、全然雰囲気が……」

グレイス「『偽装』が掛かってて、事情があって解けないらしいのよ」

リーフィア「し、信じてくれる……?」

グレイシア「……もちろんですっ!」

リーフィア「えっ……!?」

グレイシア「えっ、だ、ダメでした?」

リーフィア「う、ううん! そうじゃなくて……こんな怪しいのに、信じてくれるのかなって……」

グレイシア「ふふっ……小さい頃から知ってるんですもん。姿が見えなくても分かりますよ」

リーフィア「グレイシア……!」

リーフィアは思わずグレイシアに抱きつく。

グレイシア「り、リーフィアさん……!?」

リーフィア「ごめん……! 嬉しくて、つい……!」

グレイス「……イチャイチャしてんじゃないわよ。さっさと出てきなさい」

グレイシア「ふふ……嫉妬ですか?」

グレイス「ハァ!?」

リーフィア「あー、嫉妬かー。可愛いなー、グレイス」

グレイス「い……いいから! ほら、黙って出る出る!!」

グレイシア「ふふ……でも、そうですね。早く出て、準備しないと……」

リーフィア「準備?」

グレイシア「はい、私、本当は早くフレイヤ王国に行かなきゃならなかったんです」

リーフィア(……!!)

リーフィア「ふ……フレイヤ王国に?」

グレイシア「はい、家の関係で……」

グレイス「そうなの? じゃあ、しばらく会えないのかしら?」

グレイシア「そうですね……そんなに離れる気は無いですけど……正直どうなるか分からないです。まぁ、戻ってきますけどね」

グレイシア「それじゃあ、先に出ますね。ありがとうございます、リーフィアさん! グレイスさん!」タッタッタッ……

リーフィア(……グレイシアが、フレイヤ王国にいる事になるんだ……)

・リーフィアの知り合いなどと交流ができます。下から選択してください。ただし、人によってコンマ判定に成功しないと話せません。

1.灰色の髭を蓄えた小柄な老人
2.白っぽい獣人の少女
3.笑顔の天翼族の女性

↓1

1

>>579を採用。次の孵化判定まで残り274。

リーフィア「……あっ!」

刑務所の奥でゆっくりと立ち上がった老人に、リーフィアは見覚えがあった。バンドゥだ。リーフィアの家の近くにアトリエを構える灰仙の男。寡黙で気難しい性格だが、リーフィアとは不思議と気が合い、リーフィアはよくアトリエを訪れていたのだ。

リーフィア(知らない人と全然話さない人だからなぁ……今の私と話してくれるかな……)

・コンマ判定です。成功すると、バンドゥはリーフィアの事を信じます。

↓1のコンマ90以上で成功

はい

>>581を採用。次の孵化判定まで残り196。取り敢えずここでは交流できません。

リーフィア「あ、あの……助けに来ましたよ」

バンドゥ「……フン、そんな事、見れば分かる」

バンドゥ「……助けてくれた事には、礼を言う」

それだけ言って、バンドゥは足早に刑務所を去った。

グレイス「何あの態度! 感じ悪いわね!」

リーフィア(良い人なんだけど、不器用な人なんだよね……)

リーフィア(……それに、やっぱり私の事には気づかなかったかぁ。それが普通なんだろうけど……)

・リーフィアの知り合いなどと交流ができます。下から選択してください。ただし、人によってコンマ判定に成功しないと話せません。

1.白っぽい獣人の少女
2.笑顔の天翼族の女性

↓1

1

>>584を採用。次の孵化判定まで残り182。

リーフィア(他に誰か知ってる人いるかな……)

コジョ「ぴょん」ヌッ……

グレイス「うわっ!? な、何よ!?」

リーフィア「! コジョ!?」

コジョ「? コジョの事、知ってる?」

コジョは、リーフィアが数年前に近くの森で出会った獣人だ。怪我を手当してあげたのが切欠で仲良くなった……というか、懐かれたのだ。

コジョ「うーん……」

リーフィア「ど、どうしたの……?」

・コンマ判定です。成功すると、コジョがリーフィアの事を信じます。

↓1のコンマ30以上で成功

>>587を採用。次の孵化判定まで残り110。

コジョ「くんくん……」

リーフィア「え、えっと……」

グレイス「ちょ、ちょっと、何して……」

コジョ「!」

コジョ「リーフィアだー!!」だきっ!

突然、コジョがリーフィアに抱きついてきた。どうやらリーフィアの事が分かったらしい。嬉しいのだが、力の強い獣人の抱きつきはなかなかキツい。

リーフィア「く、くるしい……」

コジョ「あ……ごめんなさい……」

グレイス「……リーフィア、知り合いなの?」

リーフィア「う、うん。前にこの子を助けた事があって……」

コジョ「恩人! そして、今日も恩人!」

リーフィア「……でも、どうして私だって分かったの? 『偽装』が掛かってるのに……」

コジョ「匂い! リーフィアの良い匂いがしたから!」

リーフィア(そうか……獣人の中には鼻が良い人も多いんだよね……)

リーフィア(匂いを嗅がれるのはちょっと恥ずかしいけど……今回に限っては良かったかも)

コジョ「でも、何で『偽装』? 正体隠してる?」

コジョ「……誰かから身を隠してる?」

リーフィア「!」

リーフィア(この子……結構鋭いよね……)

コジョ「じゃあ……コジョはリーフィアを助ける! 離れない!」

リーフィア「へ?」

コジョ「リーフィアを守る! リーフィアの敵、殺す!」

リーフィア「ぶ、物騒だね!」

グレイス「まぁ、いいんじゃない? 獣人は強いのが多いし、リーフィアを危険から守ってくれるなら」

グレイス「……きっと、色々あるんでしょ?」

リーフィア「……うん、まぁ、ちょっとね……」

リーフィア(良い子だし、強いのは確かだし、ついてきてくれるのは良いんだけど……)

リーフィア(……ライオネルさんに何て言おう……)

コジョ「……誰? 敵?」

グレイス「違うわよ! リーフィアの友達よ、と・も・だ・ち!」

コジョ「……確かに、悪い匂いはしない!」クンクン!!

グレイス「乙女をそんなに嗅ぐな!!」

リーフィア「あはは……」

リーフィア(……あれ、あの人……天翼族だ。珍しい……)

クローヴィス「……あら?」

リーフィア「え……」

リーフィア(目が合った……)

・コンマ判定です。成功すると、クローヴィスがリーフィアの事を知っています。

↓1のコンマ50以上で成功

>>590を採用。次の孵化判定まで残り46。

クローヴィス「……ふぅん……」

リーフィア「え、えっと……」

クローヴィス「あらぁ、大丈夫よ。そんなに困惑しなくても」

クローヴィス「お姉さんは……あなたの顔に見覚えがあるだけだから」

リーフィア「……!?」

リーフィア(顔……!? そ、それって、どういう意味……!?)

リーフィア「それは……どういう意味で……!」

クローヴィス「うふふ……警戒しすぎよぉ。大丈夫、お姉さん、あなたの事は黙っておくわ」

クローヴィス「だって……その方が、面白そうだものねぇ?」

そう言うと、クローヴィスは背中の翼を翻し、颯爽と刑務所を後にした。

グレイス「……知り合いってわけじゃなさそうね」

コジョ「変な匂いはしなかった! でも、良い匂いでもない!」

リーフィア「……取り敢えずは、大丈夫……だと思う」

リーフィア(でも……天翼族の女性……それに、黙っておくとか面白そうとか……)

リーフィア(……まさか、クローヴィスさん!?)

相手がクローヴィスである……その可能性に気づいたリーフィアは、急いで刑務所を出る。

だが、そこにクローヴィスはいなかった。

リーフィア「くっ……!」

リーフィア(……いや、たとえ本当にクローヴィスさんだとしても……ライオネルさんがいないんじゃ、交渉できない……引き止めてもダメだったかも……)

クー「リーフィア! 刑務所の鍵、全部開けた!」

リリア「リーフィア! もう誰もいないよ!」

リーフィア「……ありがとう。それじゃあ、ライオネルさんのところに行こうか」

リーフィア(とにかく……ライオネルさんに報告しないとだね……)

一方その頃。ライオネル達は、アルカンレティア国王の独房に向かっていた。

ライオネル「……あ、いたいた。あの人が国王だよね?」

ケルヴィン「あぁ、そうだぜ。ランドの記憶が確かならな」

ギール「……ケルヴィンさんはおぼえてないんですか?」

ケルヴィン「男の顔には興味ねぇからなぁ」

ライオネル「……まぁ、ブレない姿勢は嫌いじゃないよ」

・喋る時の雰囲気を決めたいので、アルカンレティア国王の容姿と性格を安価してください。簡単で大丈夫です。

↓1 国王の容姿
↓2 国王の性格

小太りなザ・王様って感じ

採用コンマの合計が1052となりました。その中の1000点を使い、孵化判定を行ないます。

↓1のコンマ70以上でドラゴンが孵化。

孵化判定に失敗したところで本日はここまで。なかなか孵化しないなぁ。

安価とコンマによる展開で、クローヴィスと交渉できてませんが、不利益になるようにはなっていないので安心してください。またクローヴィスを探しにどこかの国に行ったりはしません。そういうのも面白そうだけどね。

ありがとうございました。おやすみなさい。

それでは始めます。

>>594を採用。次の孵化判定まで残り948。

ガチャ……

刑務所の備品室にあった鍵を使い、ライオネルはアルカンレティア国王が入れられた独房に足を踏み入れる。空気は悪いが、日が射しているだけまだ他よりマシだ。やはり国王という事で、少しは優遇されたのかもしれない。

アルカンレティア国王「……誰だね君は」

そこにいたのは、小太りという典型的な王様像をそのまま形にしたような男だった。だが、頬は少しやつれている。

ライオネル「国王様を助けに来た者ですよ」

アルカンレティア国王「私を……? しかし、この国は……」

ライオネル「ああ、世界平和統一革命連合の事を案じておられるのですね? それならご安心ください。我々が捕縛致しました」

その言葉を合図に、ギールが手錠を付けたケルヴィンを伴って現れる。そのケルヴィンには気を失ったままのベルゼとランドが縄で結びつけられていた。

ケルヴィンがライオネル達を裏切る可能性は低いが、まだ彼を信用していないというのと、ケルヴィンだけを自由にしていては国王の信頼が勝ち取れないという理由から拘束されていた。ケルヴィンもこの待遇に文句は無いようだ。

アルカンレティア国王「何と……!」

ライオネル「今、私の部下が捕まった人々を解放しています。当然よろしいですよね?」

アルカンレティア国王「もちろんだとも! 煩わしい手続きは私が後からどうとでもしよう」

アルカンレティア国王「しかし……何とお礼を言っていいか……」

ライオネル「お礼の言葉なんて要りませんよ。見合った報酬さえ受け取れればね」

アルカンレティア国王「あ……ああ、そうだな、その通りだ。君は正当な報酬を受けるべきだ」

アルカンレティア国王「だが……見ての通り、我が国には残念ながら金銭的な余裕は……」

ライオネル「お金なんて要りませんよ……私は、この国を救ったのが私だという事実が欲しいのです」

アルカンレティア国王「……? それはどういう……」

ライオネル「そうですねぇ……ここでは魔法を解いて話しましょうか」バキキ……

そう言うと、ライオネルは自身の顔に手を当て、ゆっくりと『偽装』を外した。

アルカンレティア国王「……!? き、君は……!」

ライオネル「改めまして……『大国』北部軍閥幹部のライオネル・ヒューマンです。以後お見知り置きを……」

アルカンレティア国王「やはり……『大国』の……! という事は……!!」

ライオネル「ああ、安心して大丈夫ですよ。別に私はアルカンレティアを軍閥の支配下に置こうなどとは思っていません。そもそも、私がここにいるのは私の個人行動ですから、軍閥には知らせてませんよ」

アルカンレティア国王「何だって……? しかし、それでは何故……」

ライオネル「まぁ……成り行きですかね?」

アルカンレティア国王「どんな成り行きだねそれは!?」

ライオネル「いいじゃないですか、細かい事は。大切なのは、私とその部下がこの国を救ったという事実です」

ライオネル「その事実を、然るべきタイミングにあなたの口から発表してほしいのです」

アルカンレティア国王「然るべき……? 君は、一体何を……」

ギール「? ライオネルさん、それって俺達が今からする事に何か関係あるんですか?」

ライオネル「……ふむ、そうだね……一応きちんと説明しておいた方が良いか。国王はもとより、君にもね」


ライオネル「僕は、軍閥のトップになりたいんだよ」


ギール「……? はぁ……」

ライオネル「……そうか、ギール君ではイマイチピンと来ないよねぇ……」

アルカンレティア国王「ら、ライオネル君……それは……」

アルカンレティア国王「この私に……アルカンレティア国王として、君を推薦しろと言うのか……!?」

ライオネル「その通りです!」

ライオネル「今の軍閥トップ……ディーヴァ・ラウスを引き摺り下ろすのは簡単ではないのでねぇ。彼女の弱味を見つけるより、僕の価値を上げた方が良いんですよ」

ライオネル(フレイヤ王国での革命だって、そのためにするのだからねぇ!)

ライオネル「……やってくれますよね? この私がアルカンレティアを救ったのは事実なんですから」

ライオネル「それとも……アルカンレティア国王は、その程度の義理を果たせない軟弱な人なのですか?」

アルカンレティア国王「構わんよ」

ライオネル「えっ」

アルカンレティア国王「えっ?」

ライオネル「……あ、いえ、ちょっと拍子抜けしたもので……まさか即決だとは」

アルカンレティア国王「正直、迷惑を掛けられている『大国』とはあまり関わり合いになりたくないのだが……今回は君の“自由”の勝利だからな!」

アルカンレティア国王「君は世界平和統一革命連合の“自由”に勝った。ならば、君が“自由”を行使するのは当然の事だ。もっとも、この国を譲れなどと言われたら流石の私も困ったがね」

ライオネル「……なるほど」

ライオネル(話には聞いていたが……本当だったのか。アルカンレティアの国王が極端な自由主義者というのは……)

ライオネル「……あぁ、それと、この事にはグリンシルトも巻き込むつもりですが……」

アルカンレティア国王「それも構わんよ。グリンシルトとはそれなりに友好的な関係を保っているものな。しかし、何故かね?」

ライオネル「ここに来た理由が、僕がグリンシルトの軍事顧問になったからなので。あ、これ、内密ですよ?」

アルカンレティア国王「うむ、心得た」

ライオネル「よし……それじゃあ……」ゴソゴソ……

ライオネルは、懐から鳩の紋章が刻まれた硬貨を取り出した。

ギール「あれ? それ、リーフィアさんが貰ったやつ……」

ライオネル「うん。ちょっとくすねたんだ」

ギール「いつの間に……」

ライオネル「えーっと……魔力を込めればいいのかな?」ググ……!

ライオネルが硬貨を握りしめると、硬貨から小さな鳩が現れた。魔力で作られた鳩だ。

ライオネル「お、なるほど、こういう感じか……」

ライオネル「では、鳩君。グリンシルトにその旨を伝えてくれ」

鳩「クルッポー」

数時間後、この鳩を受け取ったグリンピースが、ライオネルからの手紙である事に怒りで顔を歪めるのだが、それはまた別の機会に述べよう。

ライオネル「それと……」

アルカンレティア国王「む、まだあるのかね?」

ライオネル「アルカンレティアがこのようになった経緯を教えてほしいですねぇ」

ライオネル「国を立て直すために外部から人を呼ぶのはまだ分かりますが、何故よりにもよって大私帝国で、しかも彼らだったんです? もっとマトモな集団もいたはずですよ?」

アルカンレティア国王「それは……」

ケルヴィン「あー、それは俺から言おうか?」

ライオネル「……君なら説明できるのかい?」

ケルヴィン「つーより、そこのオッサンからは言いにくいんじゃね? だって、俺達なんかより付き合っちゃいけねぇ奴らと取引したわけだし」


ケルヴィン「俺達は……革命同盟に斡旋されて、ここに来たんだよ」


ライオネル「なっ……!?」

アルカンレティア国王「いつの間にか革命同盟の一人がアルカンレティアに入り込んでいてなぁ……そこの彼らにアルカンレティアの立て直しをさせるように言ってきたのだ」

アルカンレティア国王「彼らの“自由”に感銘を受け、政治に介入させてみたが……結果はこのザマだ」

ライオネル「……あなたの失策では?」

アルカンレティア国王「“自由”に失敗は付き物だよ、君」

ケルヴィン「……開き直りじゃね?」

ギール「け、ケルヴィンさんが言うんですかそれ……」

ライオネル「……というか、革命同盟のメンバーが紛れ込んでいるという噂は本当だったのか……」

ライオネル「その人間の名前は分かりますか?」

アルカンレティア国王「……名前は分からんが、通称ならば……」

・革命同盟のメンバーの通称・性別・年齢・種族・性格・得意な事を安価してください。ただし、革命同盟のトップという設定は安価しないでください。
・通称は職業や人柄などを安価してください。過去にちょっと出てきた“ワープ屋”みたいな感じです。ちなみに、安価で頂いたフレア・デュナミスの通称は“司書”です。
・得意な事は何でも構いません。革命同盟の活動に関係ありそうな事でも全く関係ない事でも。

↓5まで募集。頂いたキャラはおそらく全員革命同盟のメンバーですが、ここで登場するのはコンマの一番高いキャラです。

通称 爆撃男
性別 男
年齢 35
種族 庸人
性格 過激。短気。爆弾の擬人化
得意 爆撃魔法で絨毯爆撃。空を飛ぶ手段は別にあるらしい

>>610を採用。次の孵化判定まで残り877。

アルカンレティア国王「確か……爆撃男だったか」

ライオネル「……随分と物騒な通り名ですね」

アルカンレティア国王「そうそう、その名の通り、短気な男でなぁ……“自由”ではあったが、あまり交渉向きの性格ではなかったな」

アルカンレティア国王「実際の取引は、連れて来ていたサイバーフェアリーが行なっていたぞ」

ライオネル「……サイバーフェアリー?」

サイバーフェアリーは、電子の海を漂う種族だ。基本的に何も考えずにゆらゆらとしているだけなので、自我のある者は珍しい。

ライオネル(革命同盟……そんな人材も揃っているのか……)

アルカンレティア国王「それがまた……淡々とした者で……」

ライオネル「まぁ、そこら辺の事情はどうでもいいですよ」

アルカンレティア国王「どうでもいい!?」ガーン!

ライオネル「大私帝国と取引するために、ある程度の事情を把握したかっただけなので」

ライオネル(……となると、革命同盟との取引から先に行なうべきかな……)

ベルゼ「……てめー、ウチの大魔女様と取引なんかできると思ってんのか?」

ライオネル「……おや、目を覚ましたのか」

ギール「げっ……!」

ベルゼ「……そう警戒すんなよ。こんなに魔錠付けられたら動けねー。動く気もねーしな」

ベルゼ「……それより、本当に取引するつもりかよ?」

ライオネル「大私帝国の私兵がアルカンレティアを蹂躙したんだよ? 国のトップが責任を取るのは当然じゃないかい?」

ベルゼ「……俺は、別に大魔女様を守ろうとしてんじゃねー。てめーに忠告してんだよ」

ベルゼ「ウチの大魔女様が、そんな“取引ごとき”に応じると思ってんのか?」

ライオネル「……どういう事かな?」

ベルゼ「……俺達の指名は、ただ一つ。大魔女様の魅力を全世界に伝える事だ。それだけだ。アルカンレティアでやった事も、その一つにすぎねー」

ギール「そ、そんな! 君達のせいで、アルカンレティアがどれだけ……!」

ベルゼ「それは結果論だろ?」

ギール「なっ……!!」

ベルゼ「……そういうわけだ。大魔女様に何を言っても意味ねーよ。のらりくらりかわされるだけだ」

ベルゼ「……それに、大魔女様はただの魔女じゃねー。分かってんだろ?」

ライオネル「……もちろん分かってるとも。知らないわけが無いでしょ?」

ライオネル「彼女は、ノア・アルパ・オーガスタ……現代魔法を体系化させた伝説の魔女の子孫なんだからねぇ」

・大私帝国の魔女の名前を安価してください。○○・アルパ・オーガスタとなります。

↓2

ノエル

>>618を採用。次の孵化判定まで残り865。

ライオネル「ノエル・アルパ・オーガスタ……やれやれ、厄介な人物だねぇ……」

ギール「じゃ、じゃあ……アルカンレティアの衰退の責任を大私帝国は取らないって事ですか!?」

ケルヴィン「別に言ってもいいと思うけどよぉ……下手すりゃあ魔法でギタギタにされるぜ?」

ケルヴィン「分かってんだろ? だから、あんなワガママなお嬢ちゃんの国がこの世界でまかり通ってんだ」

ケルヴィン「……単純に超強いんだよ、ノエルちゃんは」

ベルゼ「……この裏切り者は後で殺すとしても、同意見だな。下手に刺激すんな」

ギール「……そんな……」

ライオネル(……この阿呆共を餌に、大私帝国からも僕への軍閥トップの推薦状を貰おうと思ったけど……止めた方がいいかな。今は戦える相手じゃないか……)

ランド「かといって、ぼく達を処刑するのも困るかなー!」

アルカンレティア国王「ぬおっ……!?」

いつの間に目が覚めていたランドが拘束を解き、力任せにベルゼを蹴り飛ばす。

ベルゼ「がっ……!?」

その衝撃で、いくつかの魔錠が壊れた。ベルゼはニヤリと笑うと、できる限りの魔力を放って残りの魔錠も破壊した。

ライオネル「……っ!」

ライオネル「ギール君!! 彼を捕縛しなおせ!!」

ベルゼ「その必要はねーよ」

ベルゼは翼を大きく広げ、ランドを小脇に抱えた。窓から逃げるつもりだ。

ベルゼ「もうここにいるだけ面倒だ。俺達は逃げさせてもらうぜ」

ベルゼ「おい、ケルヴィン、てめーはどうすんだ?」

ランド「え!? ケルヴィン来ないの!?」

ベルゼ「大魔女様以外にご執心の奴を見つけたらしい」

ランド「裏切りだー!」

ベルゼ「ああ……ブチ殺さねーとな」

ケルヴィン「そんな事言われて戻る奴いねぇだろ」

ベルゼ「……で? どーすんだよ。来るならさっさとしろ」

ケルヴィン「…………」

・大魔女様に仕えていたケルヴィンですが、彼女をも凌ぐ美しい女性達に心が揺れています。どうする? 選択してください。

1.大魔女様の元に戻る
2.グレイス、リリアの元に行く

↓2

2

>>621を採用。次の孵化判定まで残り796。

ケルヴィン「……俺は……」

ケルヴィン「……グレイスちゃんとリリアちゃんのところに行くぜ」

ベルゼ「……そうかい」

ベルゼ「別に構わねーが……二度と大私帝国の土は踏めねーと思えよ」

ケルヴィン「ああ、そうだな……推し変した俺の事、ノエルちゃんは許さねぇだろうからなぁ……」

ベルゼ「……じゃあな」バサッ!!

ランド「また会おうねー! ケルヴィーン!」

ベルゼは翼をはためかせ、アルカンレティアの空を飛んでいった。ベルゼは振り返る事なく、ランドは見えなくなるまでいつまでも手を振っていた。

ライオネル「……本当に良いのかい?」

ケルヴィン「……あぁ。安心しな、これから俺はお前達の仲間だぜ!」

ライオネル「女ですぐに裏切る人間、僕は信用できないね」

ケルヴィン「ぐっ! き、厳しいな!」

ケルヴィン「安心しろって! 俺がノエルちゃんを裏切ってまで鞍替えする女の子なんて、もうこの世に存在しないさ! だから大丈夫だ!」

ライオネル「……まぁ、当座は信用してあげるか。ギール君、何かあったらすぐにケルヴィン君の首を刎ねるように」

ギール「えっ」

ケルヴィン「望むところだぜ」

ギール「えっ」

ライオネル「さて、それじゃあケルヴィン君、最初の仕事を与えようか」

ライオネル「……革命同盟の爆撃男はどこにいるんだい?」

ケルヴィン「ああ、あいつなら……」


…………ドゴォン!!!


遠くで、爆音が響いた。


ケルヴィン「……あの辺りじゃね?」

ライオネル「……もし本当にあの辺りに爆撃男がいるなら、僕は取引を止めようかな……」

ギール「ま、まぁ……偶然の爆発かもしれませんし、仮に本人でも、事情があるのかも……」

ライオネル「……何だか、思惑が上手くいってるのかいってないのか、分からなくなってくるよ……」

・場面が変わりますが、どちらにするか選択してください。

1.しばしの談笑タイムを楽しむリーフィア達
2.革命同盟と取引をするライオネル達

↓2

続けてライオネル達の場面をやる事が決まったところで本日はここまで。いよいよ革命同盟と接触します。さてどうなるか。

ありがとうございました。ちょっと早いですが、おやすみなさい。

それでは始めます。準主人公のポジションにつきそうなライオネルのシーンからです。

>>627を採用。次の孵化判定まで残り741。

アルカンレティア国王を外に連れ出した後、ライオネル達は爆音の響いた場所に向かった。革命同盟の構成員が一人、通称・爆撃男がそこにいる可能性があったからである。

ライオネル(……これで本当にいたら、革命同盟についての認識を少し変える必要があるような気もするなぁ……)

そんな事を考えながら歩いていると、破壊された家屋の中心に、一人の男を見つけた。逆立った髪の毛と剣呑な目つきの、いかにも短気そうな庸人だった。

ライオネル「……ケルヴィン君、まさか……?」

ケルヴィン「そのまさかだぜ。奴が爆撃男……革命同盟のメンバーだ」

ライオネル「……話が通じる事を祈るよ」

ライオネル「……やぁ、元気かい?」

爆撃男「あ゛ぁ゛!?」ギロッ!!

ライオネル(何でそんなに機嫌が悪いんだ……)

ライオネル「そう怒らないでくれ。話がしたいだけだよ……革命同盟の爆撃男君」

爆撃男「てンめェ……!!」

ケルヴィン「うおっ!?」

爆撃男は急に立ち上がると、ケルヴィンに向かって殴りかかった。ケルヴィンは二刀を抜くと、爆撃男の拳を剣の腹で止める。

爆撃男「オレ達の事勝手に話しやがったな!? あぁん!?」

ケルヴィン「お、おいおい、待てって! そりゃ話したけどさぁ!」

爆撃男「コロス……!!」

そう叫ぶと、爆撃男は虚空から一握りの黒い物体を取り出した。

ライオネル(爆弾……!!)

ライオネルは『審美眼』で爆撃男の家系魔法を視る。

ライオネル(『爆薬庫』……無から爆弾を作り出す魔法、か。案の定だね……!)

電脳アドバイザー「お待ち下さい、爆撃男様」

爆撃男の胸元から、声が聞こえる。どうやら彼が首にぶら下げているタブレットから聞こえるようだ。

爆撃男「電アド……! だけどよォ……!」

電脳アドバイザー「確かに、貴方様の言う通り、我々の存在を漏らした人間は殺害した方が合理的です」

電脳アドバイザー「しかし、今回は事情が違うと考えます。先ずは、話を聞くべきです。そして、再三言っておりますが、私の通称は電脳アドバイザーです」

爆撃男「ゴチャゴチャうるせェんだよ! 簡単に言ってくれ!」

電脳アドバイザー「黙って立っていて下さい」

爆撃男「オレに命令すんじゃねェ!!」

電脳アドバイザー「命令ではありません。それが最善の行動であるだけです」

爆撃男「……チッ!! わーったよ!! 立ってりゃいいんだろ!!」

激しく舌打ちをすると、爆撃男は腕を組み、仏頂面で立ったまま動かなくなった。電脳アドバイザーなる人物の指示には、ある程度従うようだ。

電脳アドバイザー「タブレットの前で腕を組まないで下さい。何も見えません」

爆撃男「あぁん!!?」

ライオネル(……何て面倒な人物なんだ……)

電脳アドバイザー「……失礼致しました。改めまして、私は電脳アドバイザーと申します。主に革命同盟の交渉役を担当しております」

ライオネル「……ケルヴィン君の非礼は僕が詫びよう。ただ、彼にも事情があったのさ、許してあげてくれ」

ケルヴィン(……俺が悪い事になってるな? まぁ、別にいいか)

電脳アドバイザー「世界平和統一革命連合が貴方様やその部下によって倒された事は承知しております。ケルヴィン様はいわば捕虜の身、情報を貴方様に提供するのも仕方が無いと言えましょう」

ライオネル「! 何故それを……」

電脳アドバイザー「サイバーフェアリーの強みを活かし、アルカンレティア全土のカメラなどをハッキングさせて頂きました。そのため、貴方様方の動向もほぼ把握しおります、ライオネル・ヒューマン様」

ライオネル「……なるほどねぇ」

ライオネル(見られていたか……下手な事はしてない、よね? それなら問題ないかな……)

ライオネル「話が早くて助かるよ」

電脳アドバイザー「私達革命同盟を仲介役とし、大私帝国と取引をしようと考えていますか? それならば、その行動は不可能ですが」

ライオネル「いや、考えていないよ。最初はそのつもりだったんだけどね……思ったよりも魔女様はワガママみたいでさ」

爆撃男「じゃあ……何でオレ達を探してんだ? オレ達を殺して、それを手柄にしようとしてんじゃねーだろうなァ!?」

ライオネル「まさか……僕は君達に敬服しているんだ。そんな事はしないよ」

爆撃男「ケイフクだァ!? 何だそれは!!」

電脳アドバイザー「感心しているという事です」

爆撃男「……ふぅん、分かってんじゃねェか!」

ライオネル「……そんなわけだから、君達の力を貸してほしいんだよ」

爆撃男「いいぜいいぜ! 何すりゃいいんだァ?」

電脳アドバイザー「お待ち下さい。内容を聞いてからです」

ライオネル「……文字通りだよ。君達の『革命』の力を貸してほしいのさ」

ライオネル「僕達は、フレイヤ王国で革命をするつもりなんだ」

電脳アドバイザー「……それはまた何故? 貴方様に利益は無いように感じますが」

ライオネル「そうでもないさ。僕は自分に利益のある事しかやらないからね」

ライオネル「……そうだね、手の内は全て晒した方が良いか。下手に隠すと信用されないだろうし」

爆撃男「あァ、そうだなァ……グダグダ抜かしてねェで、さっさと話せや。爆破すっぞ!」

ライオネル「もちろん、そのつもりさ」

ライオネル「……僕はグリンシルトの軍事顧問をする事が内密に決まっているんだけど……グリンシルトとフレイヤ王国の関係は当然知っているね?」

電脳アドバイザー「グリンシルトにしか存在しない貴重な資源・『鉄の木』を求めるフレイヤ王国の外交の過激化ですね」

ライオネル「その通り……もはやフレイヤ王国は戦争を辞さないところまで来ている。ところが、グリンシルトは『鉄の木』を渡したくない。しかし、軍事力の面から戦争はできない……」

爆撃男「……そこで革命ッてワケか? イカす提案じゃねーの! いけすかねぇ男のワリにやるじゃねぇか!」

電脳アドバイザー「貧富の差の激しいフレイヤ王国の王族を倒し、新しい政権を立てれば、彼らから『大国』北部軍閥のトップへの推薦は貰えるでしょう。しかも、かなり強力な物になる筈です。確かに貴方様に利益のある行動と理解できました」

ライオネル「……そりゃどうも」

ライオネル(革命同盟の評価は悪くないみたいだね……)

ライオネル「だが……僕達には革命のノウハウが無い。そこで、君達革命同盟に力を貸してほしいんだよ」

ライオネル「……これは君達にとっても悪くない提案だと思っているよ。君達の目的にも合致するだろう」

電脳アドバイザー「……我々の目的とは?」

爆撃男「テメェに何が分かるッてんだァ!?」

ライオネル「厳密には……詳しい目的は分からない。ただ、その目的のために何をしたいのかは分かっているよ」

ギール「えっ!? そうなんですか!?」

ライオネル「……ギール君、革命同盟がグリンシルトを狙っているという情報を覚えているかな?」

ギール「あ……は、はい。覚えています。何でこんな平和なところを狙うんだろうと思ったので……」

ライオネル「そう、彼らがわざわざグリンシルトを狙う理由は無い。言っては悪いが、革命がしたいなら他に適切な国があるだろうからね」

ライオネル「そして……何よりアルカンレティアだ。革命同盟は、ほぼ確実にこの国をめちゃくちゃにするであろう世界平和統一革命連合なる阿呆達を引き入れた」

ケルヴィン「おい! 俺が事情知らねぇでボーッとしてっからって、どさくさに紛れて悪口言うなよ!」

ライオネル「失礼だな、どさくさに紛れてなんて言っていないよ。本当に思っているんだ」

ケルヴィン「もっと悪いわ!」

ライオネル「ここから分かるのは……おそらく革命同盟は……」


ライオネル「……この世界にある十八の国を、一つずつ混乱に落とし入れようとしている」


ギール「なっ……!?」

ケルヴィン「はぁ……!? 何じゃそりゃあ!?」

ケルヴィン「……って事は、大私帝国もかよ!?」

ライオネル「ゆくゆくはそのつもりじゃないかな? そういう目的じゃないと、こんな事をする説明がつかないんだよ」

ライオネル「だけど……ただ単純に滅ぼすだけでは無いんだろうね。そうじゃなかったら、アルカンレティアが救われている状況を静観しているわけがない。爆撃男君辺りが動くだろう」

爆撃男「……ケッ」

ライオネル「僕はフレイヤ王国の現体制を倒し、新しい王を立てる。そして、彼ないし彼女に推薦状という名の感謝も貰う。つまり、一度国をめちゃくちゃにしてから、再生の道をつけるわけだ」

ライオネル「どうかな? 僕達の利害は一致しているように思うけど?」

電脳アドバイザー「…………」

ライオネル(……当然、ここで返事をするわけが無い。取引なんだ、双方にそれ相当のメリットが無いといけないからね)

ライオネル「もちろん、君達にはそれ以外の利益も与えるつもりだ。例えば───」

電脳アドバイザー「分かりました」

ライオネル「……え?」

電脳アドバイザー「その話、お引き受けしましょう」

ライオネル「……いいのかい? 交換条件はまだ提示していないけれど?」

ライオネル(後で変な条件を付けられても面倒なんだけど……)

電脳アドバイザー「ええ、もちろん条件はあります」

ライオネル(さて、何が来るか……)


電脳アドバイザー「ライオネル・ヒューマン様のお仲間方を、革命同盟の総隊長に面会させて下さい」


ライオネル「……は?」

ライオネル「……それが、条件?」

電脳アドバイザー「そうです。面接と考えて下さい。貴方様方がどの程度信頼に足るか、能力があるかを総隊長が判断します」

ライオネル「……それは、僕の取引に乗ってくれたと考えていいんだね?」

電脳アドバイザー「保留……とだけ申しておきましょうか」

ライオネル「……分かった」

ライオネル(これ以上は言質を取れないかな……)

ライオネル「……でも、君が勝手に決めても大丈夫なのかい? 君は総隊長ではないのだろう?」

電脳アドバイザー「先程、総隊長に相談しました」

ライオネル「……流石はサイバーフェアリーだ。魔法顔負けだね」

電脳アドバイザー「爆撃男様も宜しいですね?」

爆撃男「……総隊長が良いッて言ったんだろ? だったらオレは何も言わねェよ」

ライオネル(……こんな粗暴な男にも信頼されているのか……当然だけど、侮れないね……)

爆撃男「マァ、そもそもフレイヤ王国での革命は決まってた事だしな。そこにコイツらが入るかどうかだろ?」

ライオネル「何!?」

爆撃男「ア? 何だよ、オレ達がアルカンレティアとかグリンシルトみてェなところだけで足踏みしてると思ってんのか?」

電脳アドバイザー「各国の革命は並行して計画しておりますとも」

ライオネル「そ……それは、そうか……」

ライオネル(革命の発想がリーフィア君だけなわけないもんね……)

ライオネル(そうなると……ここで上手く参加できれば、最短のコストで僕の利益だけ掴めるかもしれないね)

ライオネル(これは良い! 最高だ! 僕は働かないで利益が入ってくる上官の立場が大好きだからね!)

ギール「……なんかライオネルさん、悪い顔してません?」

ライオネル「気のせいだよ気のせい」

電脳アドバイザー「それでは、日時と場所を指定します。そこから我々が貴方様方を革命同盟の拠点へとお連れします」

電脳アドバイザー「人数は……ライオネル・ヒューマン様とギール様、ケルヴィン様……そして、リーフィア様、グレイス様、クー様、リリア様、コジョ様の八名ですね。了解しました」

ライオネル「……コジョ?」

ケルヴィン「誰だ?」

ギール「誰かの知り合いですかね?」

ライオネル(……リーフィア君達と早めに合流して確認するか)

ライオネル(……というか、そういえば彼らは何してるんだろう)

ライオネルが革命同盟と取引している間、全ての囚人を解放したリーフィア達は、しばしの休息に入っていた。

アルカンレティア国王により危機は去った事が伝えられたため、人々は戸惑いながらも、元の日常に戻すために既に行動を始めていた。

グレイス「……行動の早い人達ね。あんなに疲弊してたっていうのに」

リーフィア「すぐにでも日常を取り戻したいんじゃないかな。皆、自由のために必死なんだよ」

グレイス「まぁ……あんな国王だけど、皆の自由のためなら支援も惜しまないから、意外に早く元通りになるかもね」

リーフィア「うん……でも、根本的な解決にはならないよ」

グレイス「あら? どうして?」

リーフィア「今の世界はどこかおかしい……この混乱が収まらない限り、ちゃんと元通りにはならない……と思う」

グレイス「……それもそっか、『大国』からの難民だって減らないだろうし」

リーフィア(……それに、ここは通過点なんだもんね。私達は、フレイヤ王国で革命を起こさなきゃいけないんだから……気を引き締めないと……)

リーフィア「…………」

コジョ「…………」

コジョ「ぎゅ」

そう言いながら、コジョがリーフィアに抱きついてきた。

リーフィア「? どうしたの?」

コジョ「リーフィア、元気無い。そんな感じがした」

リーフィア「そう……かな?」

グレイス「そうね……あんた、まだ不安そうな顔してるわ。『偽装』も掛けてるし、何かあるんでしょう?」

リーフィア「うん……まぁね。でも、その話は後でもいいかな? ライオネルさん達が帰ってきて、落ち着いてからじゃないと」

グレイス「……まぁいいわ。待っててあげる」

グレイス「……っていうか、ライオネルのやつ、どこまで行ったワケ? 国王を解放してくるだけでしょ?」

クー「捕まったのかな? 悪そうな顔してるし」

リリア「大丈夫じゃない? ギールもいるし」

グレイス「別にライオネルなら捕まっててもいいけどね。笑いに行ってやるわ」

リーフィア(嫌われてる……いや、これは弄られてるのかな)

リーフィア「……あ、そうだ、グレイス」

グレイス「? 何よ?」

リーフィア「私に『反芻』を使ってくれない?」

グレイス「えっ!?」

リーフィア(……もしかしたら……グレイスの『反芻』で私の過去が分かるかもしれない)

リーフィア(今の私には何の記憶も無いけど……幼い頃の私なら『大国』と関係する記憶があるかも)

リーフィア(オボロさんを疑うわけじゃないけど……本当かどうかは確かめておきたいな)

リーフィア(仮に本当でも……グレイスなら黙っててくれるだろうし。ライオネルさんにバレなきゃいいわけだからね)

グレイス「まぁ、別にいいけど……何で急に?」

リーフィア「ちょっと確かめたい事があってさ」

グレイス「……まぁいいわ。紙ある? 見ながら書き起こした方がリーフィア分かりやすいでしょ?」

リーフィア「うん、ありがとう。紙なら鞄に……あった、はい、これ」

グレイス「……よし、じゃあ、ちょっと頭触るわよ……」

・リーフィアの過去をグレイスの家系魔法『反芻』で見てみましょう。リーフィアの過去の映像を自由に安価してください。『大国』に関係あってもなくても大丈夫です。ただし、流石に無理がありすぎるものは無効になるかもしれません。

↓5まで。コンマ50以上のものを採用。全部コンマ50以下だった場合、一番大きいコンマのものだけ採用。

明らかに違う時代の映像が映った(リーフィア基準では十数年前にあたる)

迫害されてた

>>646>>648-649を採用。次の孵化判定まで残り541。

グレイス「……………………」

グレイスがリーフィアの頭に触れると、その部分が青白く発光した。『反芻』が使われている証だ。グレイスは目を閉じ、片方の手で見えた記憶を速記していく。

グレイス「…………は!?」

突然声を上げると、グレイスは手を離してしまった。リーフィアと自分の手を交互に見て、信じられないものを見た顔をしている。

リーフィア「……ど、どうしたの?」

グレイス「……リーフィア……あんた一体……何者なの?」

リーフィア「……な、何が見えたの?」

グレイス「……ここに書いたわ。読みなさい」

グレイス「……言っとくけど、私の想像で書いたわけじゃないからね。本当に見えたのよ……!!」

リーフィア(グレイスが動揺している……一体何が……)

リーフィアはグレイスから紙を貰い、目を通した。

リーフィア「…………何、これ…………」

そこに書いてあったのは、リーフィアが想定していた過去とは全く違うものだった。


『剣も魔法も電子技術も無い世界。自然が圧倒的に多い。町並みは古い。人々は幸せそう。』

『目を惹くのは、人々と共存するドラゴン。どこを見てもドラゴンがいて、人々はそれを不思議に思っていない。ドラゴンと過ごすのが当たり前。』

『小さい頃のリーフィアも、ドラゴンと楽しく遊んでいた。それはそれは楽しそうに……。』

『でも、突然場面が切り替わる。リーフィアは何かの集団に迫害されている。リーフィアだけじゃない、周りの人も。』

『リーフィアはその現実を受け入れきれず、打ちのめされている。ドラゴンは彼女を守っている。』

『そして、』


リーフィア「……これって……」

グレイス「私にも分からないわよ……あまりに驚いて手を離しちゃって、中途半端になっちゃったわ……」

グレイス「もっと見たいけど……ごめん、もう魔力が続かないの」

リーフィア「う、ううん……ありがとう……」

グレイス「……あんた、一体何に巻き込まれてるの? 何が起こってるの?」

リーフィア「……私にも、分からないよ」

オボロから聞いた話を確かめようとしたのだが、もっと謎が深まってしまった。

リーフィア(……ダメだ、いくら考えても分からないや……)

クー「だいじょうぶ?」

リーフィア「うん、大丈夫だよ。ありがとう」

リリア「困ってる?」

リーフィア「困ってはいるけど……でも、大丈夫。辛いとかそういう事じゃないからさ」

リーフィア(訳が分からないだけだからね……)

コジョ「何かあったらコジョを頼る。ね?」

リーフィア「うん……ありがとう、コジョ」

・ここでちょっとしたコンマ判定。現在リーフィアと一緒にいるグレイス、クー&リリア、コジョの過去や素性、関係性などがどれほどこの物語の根幹に関わっているかを決めます。リーフィアで例えると、彼女のコンマは「90」くらいにはなるかなと思います。

・コンマが低いからといって物語に参加してこないという事ではありません。あくまで、「実は○○だったのだ!」がどれほどのものか決めるだけです。

↓1 グレイス
↓2 クー&リリア
↓3 コジョ

どれどれ

クーとリリアが高めのコンマを出したところで本日はここまで。彼らはサイキックなので、リーフィアとは違った関わり方をしてくれるでしょう。

というか、どんどんドラゴンが関わってきていますね。卵が孵化した時どうなるのか……。

ありがとうございました。では、おやすみなさい。

それでは始めます!

>>655-657を採用。次の孵化判定まで365。

リーフィア(……今はともかく、目の前の事に取り組まないと、かな。自分の事は全部解決してからだね……)

ライオネル「……あ、いたいた。どこにいるのかと思ったら……」

そんな事をしていると、ライオネル達が戻ってきた。ケルヴィンが笑顔でグレイスに近づくが、グレイスは彼の足を払ってライオネルに向き合う。

グレイス「それはこっちの台詞よ! こんなに長々と何してたの?」

ライオネル「革命同盟に会っていたんだよ」

リーフィア「……!? 会えた、んですか……!?」

ライオネル「そこら辺の事も含めて、全てきちんと説明しよう。ここにいる皆にね」

ライオネル「……君がコジョ君かな?」

コジョ「? コジョを知ってる?」

ライオネル「君はリーフィア君の側についていると考えていいのかな?」

コジョ「……この人、何か胡散臭い!」

ライオネル「……どうにも僕は初対面の印象が悪いみたいだね」

グレイス「初対面だけなの?」

リーフィア「ま、まぁまぁ……。コジョは、私の友達です。それに、裏切ったりもしないし、口も軽くないと思います」

ライオネル「……まっ、君が言うなら一応信用しておこうか」

ライオネル「では……行こうか。アルカンレティア国王にアルカンレティアで一番良い宿を取ってもらっているんだ」

ケルヴィン「抜け目ねぇのなぁ」

宿屋に向かったリーフィア達には、アルカンレティア国王から二つ部屋をあてがわれていた。彼らはそれを男部屋と女部屋と分けた。

男部屋にはライオネルとギール、ケルヴィンが、女部屋にはリーフィアとグレイス、コジョ、リリア、クーが泊まる事になった。ちなみに、ケルヴィンは抗議しかけたが、グレイスの冷たい笑顔にその声を引っ込めていた。

休んでしまうとそのまま眠ってしまいそうなので、リーフィア達はまず自らの情報を共有する事にした。

グレイス「ハァ!!? 革命!!? 何それ!! 何でそんな事になってんの!!?」

グレイスが驚くのも無理はない。リーフィア達普通の市民にとって、革命なんて物語の世界の話でしかないのだ。

ライオネル「こればっかりは成り行きと言うしかないかな。これが僕によっての最善策なんだよね」

ライオネル「先程も話したように、革命同盟はここにいる全員が来る事を望んでいる。どうやら君達全員、僕の部下だと思われているようでね」

クー「なんかイヤー!」

リリア「同じくイヤー!」

ライオネル「失礼な子供達だね。北部軍閥の幹部の部下だなんて、名誉な事だろう?」

ライオネル「……それはともかく、君達には来てもらわないと困るんだが……一応意思は確認しておこうと思ってね。リーフィア君とギール君は来るだろうけどさ」

グレイス「……リーフィア、あんたマジでやるの?」

リーフィア「……うん。色々考えたけど……やっぱり、ここで投げ出すわけにはいかないよ」

グレイス「……ギールも?」

ギール「ええ、俺もです!」

グレイス「……そう……」

ライオネル「……あ、そうだ、これ返しておくよ」

リーフィア「え? ……あっ、これ……グリンピースさんに貰った硬貨!? い、いつの間に盗ってたんですか!?」

ライオネル「ちょっと必要だったのでね」

リーフィア「一体どのタイミングで……?」

ライオネル「まぁいいじゃないか。それより、君達の返事はどうなのかな?」

ライオネルは、クー、リリア、グレイス、コジョ、ケルヴィンの方を見る。

クー「ぼくは行くよー! 面白そうだし!」

リリア「わたしも行くよー! やることないし!」

ライオネル「そんな軽いノリで……? まぁ、別にいいか。君達の能力は貴重だし」

コジョ「コジョも行く。リーフィアを守る。革命はどうでもいい」

ライオネル「それは助かる。リーフィア君を守るために、僕の手足となってもらうよ」

コジョ「……リーフィア、あいつ噛んでもいい?」

リーフィア「……ちょっとだけなら」

ライオネル「ダメだよ! 止めてよ!」

ライオネル「……それで? 君はどうするんだい、グレイス君?」

グレイス「…………」

グレイス「……行くわよ。行くに決まってるじゃない! リーフィアを放って、私だけアルカンレティアでぬくぬくなんてできないわ!」

リーフィア「グレイス……本当にいいの?」

グレイス「くどいわね! 私は行くわ。リーフィアを守るの」

グレイス「それに、私の事はどうせコイツが守るでしょ」

ライオネル「ああ、君はどうせ来るんだろう? ケルヴィン君」

ケルヴィン「おいおい、俺だけ雑じゃね?」

ケルヴィン「当然行くけどなぁ! グレイスちゃんに契約魔法結ばれてるし!」

リーフィア「ほ、本当に結んだの……?」

グレイス「軽めの奴隷契約をね」

ギール「怖い……」

悪竜伝

かつて存在した悪竜の数々の伝説を綴った書物。実際にあった事かは不明、普通に読みものとして面白い

103p

>>675を採用。次の孵化判定まで255。

“魔本”の覆いを取る。その表紙は、古めかしいが意外にもきちんと装丁されていた。

リーフィア「タイトルは……『悪竜伝』……」

ページを捲ると、どうやらかつて存在した『悪竜』という恐ろしい存在の数々の伝説を綴った書物らしい。読み物としてもなかなか面白い。今までのリーフィアだったら、普通に楽しく読んでいただろう。

リーフィア(……でも、今は、ただの作り話とは断定できないよね……)

ギールの記憶とリーフィアの過去の記録は、リーフィアに『ドラゴン』という存在を空想の生き物と決めつけられなくしていた。

リーフィア(……この『悪竜』っていうのが、世界がまだまとまっていない頃に暴虐の限りを尽くした、か……)

どうやら『悪竜』というのは相当に恐ろしく、それでいて強い存在だったようだ。

リーフィア(そして……その『悪竜』を庸人達が魔法を作り上げて倒した……)

現代魔法を作り上げたのは、魔女のノア・アルパ・オーガスタだ。何か関係があるのだろうか。

リーフィア(……うーん、また分からなくなっちゃったなぁ……)

何かが分かりそうなのだが、どこか情報が欠けているような気がする。そもそも、どこまでが正しい情報なのかも分からないのだ。

リーフィア(……誰かに聞いてみるのも手かもね……)

謎は深まってしまったが、久しぶりに本を読んだ事で、リーフィアは満足していた。

一方その頃、ギールはグレイスの元を訪れていた。

ケルヴィン「おいおい、グレイスちゃんに何の用だぁ!?」

ギール「……何故ケルヴィンさんがここに?」

ケルヴィン「俺ぁグレイスちゃんの使用人だからな!」

グレイス「奴隷ね?」

ケルヴィン「奴隷だ!」

ギール(いいんですかねそれで)

グレイス「……まぁ、何でもいいけど、どうしたのよギール?」

ギール「……俺にグレイスさんの家系魔法を使ってほしいんです!」

ケルヴィン「ダメだ!!」

ギール「何でケルヴィンさんが言うんですか!!」

ケルヴィン「よく分からないけどダメだ!!」

グレイス「ちょっと黙ってなさい」

ケルヴィン「はい!!」

ギール(従順だ……)

グレイス「……あんた、記憶喪失なんだっけ?」

ケルヴィン「えっ、おいおい、マジかよ?」

ギール「はい……俺、何の記憶も思い出せないんです。断片は思い出したんですけど、まだ意味が分からなくて……」

ギール「でも、グレイスさんの『反芻』なら、もっと分かるかもしれません! お願いします!」

そう言うと、ギールは頭を下げた。

グレイス「……あんたの反応、新鮮だわ」

ギール「? そうですか?」

グレイス「……相手の過去が分かる魔法なんて、誰にも必要とされないもの」

グレイス「……分かったわ」

ギール「!! ありがとうございます!!」

グレイス「感謝は早いわよ。まだ何も思い出してないんだし」

グレイス「ケルヴィン、紙とペン」

ケルヴィン「はいただいま!!」

ギール(便利だなぁ……)

・『反芻』でギールの過去を見ます。ギールの過去の映像を自由に安価してください。ただし、あまりにもおかしいものは無効になるかもしれません。

・前の安価でギールが思い出した事……「仲間を守り切った上で『何か』に襲われた」「ドラゴンと殺し合った」(『何か』とドラゴンは別物)

↓3まで。コンマ50以上のものを採用。全てコンマ50以下の場合、一番高いコンマのものを採用。

どこかリーフィアに似た誰かが仲間だった

辛そうな面持ちで竜にトドメを刺す場面

ギールの過去が色々決まったところで本日はここまで。リーフィアとギール、そしてドラゴンには繋がりがあるみたいですね。そして初期からいるのに全然関係ないライオネル。

頂いた安価で彼らの過去などについては考えていますが、もしかしたら今後の安価でガラッと変わったりするかも。そういうスレだし。なので、どんどんあらゆる安価をお願いします。

それでは、ありがとうございました。おやすみなさい。

コメントありがとうございます。マジで励みになります。では、やっていきます!

>>681>>683を採用。次の孵化判定まで残り100。

グレイス「それじゃあ、頭触るわよ」

ケルヴィン「…………」じーっ……

ギール「そんな目で見ないでくださいよ……」

グレイスが『反芻』を使うと、彼女の手と触れられたギールの頭が仄かに光る。目を閉じて、グレイスは集中して過去の映像を見る。

グレイス「…………」

グレイス「……………………」

グレイス「…………ハァ?」

ギール「えっ」

グレイス「……何よ、これ?」

グレイス「リーフィアといい……ギールといい……あんたら、本当に何者なの?」

ギール「え、えっと……」

グレイス「……私が『反芻』で見えた映像は、箇条書きで紙に起こしてるわ。見てみなさい」

グレイス「……言っとくけど、私が勝手に書いてるわけじゃないからね。本当に見えたの」

グレイス「それと……記憶喪失だからかしら、過去がかなり見にくかったわ。もしくは……」

グレイス「……なんらかの魔法の影響、とか」

ギール「……拝見します」

ギールはグレイスから紙を貰い、内容を確認する。

ギール「……これは……」


『緋色の剣を構えたギールは、深く息を吐く。激しい戦闘が終わったようだ。』

『ギールの前にいるのは、瀕死の状態のドラゴンだ。その巨大な体はほとんど動いていない。』

『ギールの近くには仲間がいる。その中の一人が、リーフィアに似ている。とても……似ている。』

『ギールは竜にトドメを刺そうとする。ギールは非常に辛い表情をしている。トドメを刺したくないようだ。』

『だが……最終的に、ギールは剣でドラゴンの首を刎ねた。』


ギール「……何ですか、これ……!?」

グレイス「知らないわよ! 私が聞きたいわ!」

グレイス「あんた、これを見て何か思い出さないの?」

ギール「……すいません。何も……」

ケルヴィン「ちょっと見せてくれよ」バッ

ギール「あ」

ケルヴィン「…………」

ケルヴィン「……グレイスちゃん、君の魔法って間違ったりしないのか?」

グレイス「……どうやらもっと強い奴隷契約魔法を掛けてほしいみたいね……」

ケルヴィン「ち、違う違う! グレイスちゃんを疑ってるわけじゃねぇって!」

ケルヴィン「ただ……あまりにも有り得ねぇ内容だからよ……」

グレイス「……それはまぁ、否定しないけど」

グレイス「でも、それは間違いなく過去にあった映像よ。魔法で記憶が改変されていても、私には過去がそのまま見えるし。内容が抽象的に見えたりもしないから、ドラゴンが何か恐ろしいものの比喩ってわけでもない」

グレイス「……正真正銘、その記録はあなたの過去なのよ、ギール」

ギール「…………ともあれ、ありがとうございます」

グレイス「お礼なんていらないわ。代わりに何か思い出したら説明しなさいよ」

ケルヴィン「……ドラゴン型ロボットって説は?」

グレイス「……それが一番有り得る説かもしれないわね、悔しいけど……」

ケルヴィン「悔しい!?」

ギール「…………」

ギール(俺は、過去に一体何を……?)

クー「ひまだー」

リリア「ひまー」

コジョ「ひまひまー」

ライオネル「……あのね、君達が暇なのは構わないんだけどさ……」

ライオネル「……何でずっと僕のところにいるの?」

ライオネルが自室にいると、クーとリリア、コジョが押しかけてきた。彼らはベッドに寝転んでいる。後でベッドメイキングし直してもらおう、とライオネルは思った。

クー「なんかね、みんな忙しそう!」

リリア「でもね、ライオネルは暇そう!」

ライオネル「……僕はね、暇なんじゃなくて、考え事をしているんだよ。君達と違って僕には考えなきゃいけない事がたくさんあるんだ」

ライオネルは呆れて溜め息を吐く。懐かれているのかどうなのか分からないが、思案を邪魔されるのは面倒だ。

ライオネル(リーフィア君辺りを呼んでどこか連れていってもらおうかな……)

遠い目をして、ライオネルは窓から外を眺めた。


ライオネル「…………っ!!?」ガバッ!!

コジョ「!? どしたの?」

突然、ライオネルは、弾かれたように飛び出した。コジョの言葉を無視して、宿屋から走って出ると、その人物を見たところまで急いで行く。

ライオネル(そんな……そんなバカな……!!)

ライオネル(あの人が……こんなところにいるわけが無い……!!)

・コンマ判定です。コンマに成功するとその人物と話す事ができます。

↓1のコンマ90以上で成功

あの方

>>698を採用。次の孵化判定まで残り80。

ライオネル「はぁ……はぁ……」

ライオネル「……クソッ! いないか……」

辿り着いたが、そこには誰もいなかった。立ち去ったのか、或いは見間違いか。

ライオネル(……いや、見間違いではない。仮に本人ではなくとも……ここには、確実にいたんだ)

ライオネル(ハヴァリ・ネロ……!!)

ハヴァリ・ネロ。『大国』の強い女性のシンボルと言われていた官僚だ。

二十五年前、『大国』では官僚大粛清が行なわれた。それが『大国』衰退の一因となったわけだが、ハヴァリはその時に粛清された官僚の一人だ。

大粛清の時は、有能な官僚も無能な官僚も関係なく殺されてしまったが、彼女は違う。彼女は、反逆罪で殺されたのだ。

当時は人望も厚く、有能な人物だったようだ。だが、ある日突然、人が変わったようになってしまったと言う。そして、国に仇なす人間になってしまったのだ。

・昔、『大国』では多くの官僚は「実はこんな悪い事をしていた」というデマや事実で殺されてしまったのですが、ハヴァリ・ネロは少し違います。それについての安価です。

・『大国』でどのような事をして反逆罪として処刑されたのでしょう? 内容を安価してください。どんなのでもいいです。それで彼女の『天啓』の方向性が決まります。

↓2

王族を事故や病死に見せかけて次々と殺した。秘密結社じみた暗殺ネットワークを構築していたようだ

>>701を採用。次の孵化判定まで残り78。

ハヴァリは、王族を事故や病死に見せかけて次々と殺した容疑を掛けられ、処刑されたのである。どうやら『大国』内に秘密結社めいた組織を作り上げていたらしい。

ライオネル(……そう、処刑されたはずなんだ……)

彼女が生きているわけが無い。ましてや、アルカンレティアにいるなんて、そんな事はあるはずが無いのだ。

ライオネル(……だけど……)

ライオネル「家系魔法が……同じだったんだ……!」

・ハヴァリ・ネロの家系魔法を募集します。魔法の名前と効果を安価してください。名前は二字熟語または三字熟語でお願いします。

・ちなみに、この安価は他のキャラクターの家系魔法を決めるという目的もあるので、採用してないものもストックしておきます。

↓5まで。コンマの一番高いものを採用

・採用コンマの合計が1019となりました。その中の1000点を使い、孵化判定を行ないます。

↓1のコンマ60以上でドラゴンが孵化

確かにそうですね。今回は僕も言ってなかったので大丈夫ですが、次からは基本的に連取りは安価下とします。人少なかったらその限りじゃありませんが。

・孵化判定に成功しました。これよりドラゴンの関する安価を行ないます。ドラゴンの色と見た目、性格を安価してください。見た目はドラゴンの要素があればどんなのでも。

・また、今回は採用以外にもとある要素をコンマ一桁で判定します。が、これについてはネタバレになるので後ほど。フレイヤ王国の革命終わる後には分かるかも?

↓3まで。コンマの一番高いものを採用

少し大きな灰色のトカゲのような外見。性格は人見知りで寂しがり。食事と睡眠を好む

ドラゴンが孵化したところで本日はここまで。ありがとうございました。4回も5回も連続で安価を取らなければ、基本は大丈夫ですよ。安価はありがたいですし。

それでは、お疲れ様でした。また次回もよろしくお願いします。

安価はもちろん嬉しいですが、読んで頂けるだけで感謝です。皆様いつもありがとうございます。それではやっていきます!

>>724を採用。

ライオネルは、ハヴァリの事を知っている。そして、まだ十歳にもなっていなかったが、彼は彼女の家系魔法を覚えている。

ハヴァリの家系魔法は『計量』。手に取ったものの正確な重量と成分を理解する分析魔法だ。弛まぬ研鑽により、概念的なものさえ理解できるようになったとも聞いた。

小さい頃のライオネルは自らの家系魔法に劣等感があった。戦闘向きではなく、地味な魔法だからだ。しかし、同じく地味な家系魔法のハヴァリが活躍しているのを見て、密かに憧れを抱いていたものだ。

ライオネル(そんな彼女が……反逆罪を……)

ライオネル「……忘れようとしていたんだけどね」

彼女の生存説は随分と前から噂されていた。だが、ことごとく虚偽の情報だったため、ライオネルはいつからか真偽を確認するのを止めていた。

ライオネル(……僕の『審美眼』は嘘を吐かない。彼女はハヴァリ・ネロによく似ていて、家系魔法も同じく『計量』の女性だ)

ライオネル(……時間があれば、もっと調べるんだけど……)


リーフィア「きゃあああああっ!!?」


ライオネル「……リーフィア君か?」

ライオネル「こっちは今シリアスな空気だって言うのに……一体何をしているんだ彼女は……」

ライオネルが信じられないものを見ていた頃、リーフィアもまた信じられないものを見ていた。

リーフィア「こ、これって……!!」

リーフィア「卵が、脈動してる……!?」

グリンシルトで拾った謎の卵が、心臓のように脈打ち、炎のように光っているのである。

リーフィア「も、もしかして……孵化しそうなのかな……?」

リーフィア「ど、どうしよう……! こ、このまま持ってていいのかな……!?」

ギール「ど、どうしたんですか!?」

グレイス「リーフィア! 大丈夫!?」

ケルヴィン「うおっ!? おいおい、何だそれ!?」

クー「ピカピカだー!」

リリア「ドクドクだー!」

コジョ「卵? でも、こんなの見た事ない……」

ライオネル「君達……何をやっているんだよ……」

ライオネル「……! それは……グリンシルトで拾った卵か!?」


ピキッ……!!


リーフィア「あ……!!」

リーフィア「う、産まれる……!!」


ピキピキピキ……!!


卵が更に眩ゆい光を放ち、部屋が光で何も見えなくなった。そして、ゆっくりと光が止むと、卵から出てきたのは……

リーフィア「…………トカゲ?」

灰色のトカゲが、リーフィアの手に乗っていた。トカゲにしては大きい。小型犬くらいの大きさだろうか。

ケルヴィン「……何だ、新種のトカゲか」

ライオネル「いや……タダのトカゲが、こんなに発光しながら産まれてくるかい?」

ギール「そこも含めて新種なのでは?」

ライオネル「……まぁ……その可能性もあるか……」

コジョ「んー……」

コジョがそろりとトカゲに手を伸ばすと、トカゲは驚いてリーフィアに抱きついた。

コジョ「ふむ……トカゲ、リーフィアに懐いてる。というか、親だと思ってる」

リーフィア「え!?」

グレイス「まぁ、そりゃそうね。あんたが温めて、あんたが産まれるとこ見てたわけだし。育ての親にもなるんでしょ?」

リーフィア「ま、まぁ……拾ったんだから、責任はあるし……」

ギール「名前はどうするんですか?」

リーフィア「な、名前?」

ライオネル「君が拾ったんだから、名付け親も君だろう?」

リーフィア「わ、私が……!?」

・ドラゴンの赤ちゃんの名前を安価してください。

↓2

リーフィア「……セレナ、かな?」

ギール「セレナ……良い名前ですね!」

グレイス「何かの作品から取ったの?」

リーフィア「う、うん……まぁね……」

リーフィア(さっき読んだ『悪竜伝』に出てきた人の名前を付けたんだけど……その説明はいいかな)

ライオネル「……しかし、そのトカゲ、どうするつもりだい? これから革命同盟に会うわけだけど」

リーフィア「……連れていこうと思ってます。離れたくなさそうだし、産まれたばかりの子供を置いていくのは……」

ライオネル「……まぁ、タダのトカゲなら邪魔にもならないか。場合によっては魔法を掛けて黙らせる必要はあるかもしれないけど」

コジョ「動物虐待! 反対!」

ライオネル「そういうわけじゃないよ……」

リーフィア「……セレナ、危険な目には合わせないようにするからね」

セレナ「ギャウ!!」

二日後。リーフィア達は電脳アドバイザーに指定された場所に来ていた。アルカンレティアから出国してすぐの木こり小屋だ。もう使われていないようで、建物はかなり傷んでいる。

ライオネル「……あの小屋に革命同盟がいる」

リーフィア「……それじゃあ、行こう……!」

リーフィア達は気持ちをもう切り替えていた。それぞれ思う事はあるが、今はそういう状況ではない。フレイヤ王国の革命に集中しなくてはならないのだ。

リーフィアが代表して小屋の扉を開ける。すると……

リーフィア「……あれ?」

リーフィア「……タブレット?」

小屋の真ん中に木箱が置いてあり、その上にタブレットが載せられていた。

電脳アドバイザー「お待ちしておりました、皆様。全員揃っているようですね」

リーフィア達が入ったと同時に画面が付き、電脳アドバイザーの姿が映し出される。

グレイス「わっ……サイバーフェアリー……」

ライオネル「……爆撃男君はいないようだね?」

電脳アドバイザー「はい。我々は既にフレイヤ王国内の拠点に集合しております」

ライオネル「……フレイヤ王国内? そんな……サイバーフェアリーの電脳アドバイザー君はともかく、庸人が二日で行けるわけが……」


ワープ屋「そらァ、この俺がいるからなぁ」


全員「!?」

ケルヴィン「だ、誰だテメェ!?」

ギール「敵……!? それとも、革命同盟の……!?」

ワープ屋「そー警戒すんなって。どっちでもねーのよ、俺ァ」

電脳アドバイザー「彼は通称“ワープ屋”。金銭を支払う事で彼の家系魔法『転移』を使わせてもらう事ができます」

ワープ屋「つまり移動屋さんってワ・ケ」

電脳アドバイザー「爆撃男様と同じく、皆様にはワープ屋様の力で我々の拠点に来て頂きます」

ライオネル「……彼は革命同盟の所属ではないんだね? 大丈夫かい? 金さえ貰えば情報を漏らすって事は無いのかな?」

ワープ屋「そうとも! 俺ァ金さえ貰えば何でもいい……」

ワープ屋「……と言いたいとこだけど、革命同盟のミナサンからはケッコーな口止め料貰ってるんでね。簡単にゃあ言いやしないぜ」

ワープ屋「つーか、俺が個人情報バンバカ言う奴だったら、革命同盟なんつー超非合法組織が使うわけねーだろ?」

そう言うと、ワープ屋はリーフィアを見て、誰にも見えないようにウインクをする。リーフィアの事は黙っていてくれるようだ。

ライオネル「……それはそうか。すまないね、疑って」

ワープ屋「あー構わん構わん。うさんくせーって思われるのは慣れっこだ」

ワープ屋「んじゃ、話が纏まったところで、早速いいかい? 仕事は早めに終わらせてーんでな」

ワープ屋「俺の近くに寄って、どこでもいいから俺の体に触れてくれ。それでアジトまでひとっ飛びさぁ!」

電脳アドバイザー「ワープ屋様、タブレットは回収して下さい」

ワープ屋「はいはい分かってる分かってる」

・ワープする場所を選択してください。現在、総隊長候補が2人いるのですが、その選択により決まります。

・また、コンマ判定についてですが、採用条件をもっとランダムにしようかなー、と。今まで孵化判定のためにコンマ欲しかったんで、コンマの高いものを採用してましたが、低いものから採用するとかもアリですね。もちろん反転も。

1.打ち捨てられた教会
2.寂れた時計塔

↓2

2

>>748を採用。

ワープ屋「よぉーっし、着いたぞー」

リーフィア「ここは……」

そこは、寂れた時計塔だった。随分使われていないようで、当然時計は動いておらず、全体的に汚れている。まだ明るいが、それでも入るのを躊躇うような薄気味悪さだった。

ワープ屋「んじゃー、俺ァ行くわ。また何かあったら行ってくれや。今後ともご贔屓にぃー」

そう言うと、ワープ屋は一瞬でいなくなった。

グレイス「……変な奴ね」

ライオネル「……まぁ、革命同盟が信用している人物だ、変なのは大目に見よう」

ライオネル「しかし……本当にここはフレイヤ王国なのかな? 俄かには信じられないなぁ……」

コジョ「……アルカンレティアじゃないのは確か。土の匂いが違う」クンクン

電脳アドバイザー「お待ちしておりました、皆様」

地面から電脳アドバイザーの映像が映し出された。薄緑色のホログラムだ。

ライオネル「……ホログラム装置があるのか」

電脳アドバイザー「こちらの拠点のあちこちに御座います。この場では、私の体が存在する方が便利かと思いまして」

電脳アドバイザー「それではこちらに。総隊長様がお待ちです」

時計塔の中は、見た目より綺麗なものだった。壊れた椅子や机、窓はそのままだが、掃除が行き届いていて蜘蛛の巣一つ無い。

爆撃男「アァ? やって来たか、待ちくたびれたぜ!」

蠱惑魔「ふぅ~ん、思ったよりザコそうじゃないじゃん! 少なくとも爆撃男なんかよりはぁ!」

爆撃男「ンだとォ!?」

蠱惑魔「だってそうじゃん? アルカンレティアでだって、交渉したの電アドなんでしょお?」

電脳アドバイザー「私の通称は電脳アドバイザーです」

蠱惑魔「じゃあさぁ、爆撃男なんていらなかったよね~! 役立たずのオッサンなんてさぁ~!」

爆撃男「うるせェンだよババア!! 誰よりも歳上のクセしてキモい声出してンじゃねェよ!!」

蠱惑魔「……あ゛゛!!? なんか言ったかテメー!!」

爆撃男「年増を超えたクソババア!!」

蠱惑魔「殺されてぇようだなクソガキがぁ!!」

鬼の形相になった悪魔族の少女が、手の平から爆炎を作り出し、爆撃男に放出する。

爆撃男「上等だコラァ!!!」

爆撃男も大量の爆弾を作り出し、反撃する。

互いの攻撃が炸裂するも、衝撃はおろか、爆音さえも響かなかった。

闇影「す、すいません……お騒がせして……」

闇影「私の結界で皆さんには影響ないようにしたので……どうか無視してください……」

電脳アドバイザー「助かります、闇影様」

電脳アドバイザー「……おや? 殺戮卿様の姿が見えませんが……」

殺戮卿「いる」

電脳アドバイザー「あぁ、失礼致しました。椅子でおやすみになっていたのですね」

電脳アドバイザー「その場所だと、闇影の結界の中となりますが、宜しいのですか?」

殺戮卿「いいよ別に……あいつらがうるさいのはいつもの事だし……僕は寝る」

電脳アドバイザー「承知致しました。闇影様も宜しいですか?」

闇影「い……いいんですかね……? あ、でも、殺戮卿さんに私なんかが何か言ったら殺されるかも……」

リーフィア「な、なんというか……個性的な人達だね……」

グレイス「変人の集まりでしょ」

フレア「でも、才能のある人達よ」

リーフィア「……えっ……!!? フレア!!?」

フレア「二日ぶりね、リーフィア、それにグレイス。まさか、こんなところで会うとは思わなかったわ」

グレイス「それはこっちの台詞よ! 何をしてるの!?」

リーフィア「……もしかして、フレア……革命同盟なの……!?」

フレア「ええ……少し前から、ね」

電脳アドバイザー「お知り合いでしたか、司書様」

フレア「友人よ。丁重に扱ってね?」

電脳アドバイザー「承知致しております。では、皆様、こちらに。闇影様の結界に触れぬようにお願いします」

電脳アドバイザー「総隊長様。連れて参りました」

ラーズ「うん、ありがとう」

リーフィア「あなたが……革命同盟の総隊長……?」

ラーズ「あぁ、そうだ。俺が革命同盟の総隊長……ラーズだ。よろしく頼むよ」

ラーズ「……あれ? そのトカゲは報告に無かったな」

リーフィア「あ、そ、その……昨日産まれたばかりで……」

ラーズ「ふーん……まぁ、いいか」

ラーズ「よく来てくれた。早速だけど、フレイヤ王国での革命の話をしていいか?」

ライオネル「……いいのかい? 電脳アドバイザー君からは面接だと聞いていたけど」

ラーズ「うーん……そのつもりだったんだけど、めんどくさくてさ」

ライオネル「そんな適当な……」

ラーズ「まぁ、大丈夫だろ。お前らの人となりを電アドに見させてきたけど、裏切るとかそんな感じじゃなかったし」

ラーズ「……安心しろって。考えも無しで言ってるわけじゃないさ。な?」

ライオネル「……まぁ、僕も煩わしい面接などが無いに越した事は無いけどさ」

電脳アドバイザー「総隊長様、私の通称は電脳アドバイザーです」

ラーズ「あー、分かった分かった。電脳アドバイザーな、うんうん」

ラーズ「……んじゃ、さっさと始めようか。時間は有限だしな」

ラーズ「革命同盟の面々には言っておいたけど、今回の作戦にはこいつらにも参加してもらう」

革命同盟のメンバーから反対意見は無い。どうやら彼らは納得しているようだ。

リーフィア(総隊長の言葉一つで納得してる……って事なのかな。凄い……)

グレイス「……ちょっと確認したいんだけど、いい?」

ラーズ「もちろん」

グレイス「私達、一応アルカンレティアを救ったわけで……つまり、あんた達の作戦を壊したわけじゃない? そんな連中、本当に作戦に参加させるわけ?」

ラーズ「……なるほど、確かに一理あるな」

ラーズ「だけど、実はあんまり関係ないんだよ。俺達にとっては」

ラーズ「俺達革命同盟の主義は『破壊と再生』。それが成されるなら、方法は何だって良いのさ」

グレイス「……まっ、一応納得しといてやるわ」

爆撃男「テメェ……総隊長に向かって何だその態度はよォ!!」

電脳アドバイザー「ややこしくなるので、少し黙っていて下さい爆撃男様」

爆撃男「アァン!!?」

ラーズ「はいはい、話を進めるぞ」

ラーズ「彼らの参加を許可した理由はいくつかあるが……一番の理由は人手だ。今回の作戦には人手が必要なんでな」

ラーズ「本来なら各国からメンバーを招集するんだが、今回は時間が無い。そこで、彼らに参加してもらう」

ラーズ「言っておくと、こういう風に途中から参加して、後に革命同盟のメンバーになった奴もいるんだぜ?」

爆撃男「……オレがそうだ。あと、殺戮のヤローもそうだよな?」

殺戮卿「ぐー…………」

爆撃男「テメェ起きろコラァ!!」

ライオネル「やはり他にもメンバーがいるのか……」

ラーズ「と言っても、あんまりいないけどな。少数精鋭ってヤツさ」

ラーズ「……で、人が必要なわけだが……それが今回の革命の肝に関係している」

ラーズ「今回の革命では……革命のリーダーを王国の貧困層から出す」

ラーズ「貧富の差が激しいフレイヤ王国でその格差を強制的に無くすには、痛みを知る貧困層から革命のリーダーが出なければ意味が無いんだ」

ラーズ「既にリーダーに適した人物は司書が見つけ出している。そして、俺が貧困層の労働者に扮してその人物に接触してもいる。後は、作戦を実行するだけだ」

リーフィア(フレアの『才能眼』で見つけた……って事か)

ギール「……そんなに激しいんですか? 貧富の差」

ライオネル「そうだね……この国は美麗族が主の国でさ、美麗族の王族と貴族による独裁政権が続いているんだ」

ライオネル「美麗族は元々自分より美しくない種族を見下しがちだが、彼らはもっと酷いね。過激な美麗族中心主義者さ」

ライオネル「そして、この国の貧困層はほとんどが庸人。どんな扱いを受けてるか想像はつくだろう?」

フレア「……昔は庸人の王族や貴族もいたんですよ。でも……」

グレイス「……美麗族の奴らにぶっ殺された、わけね」

フレア「ええ……」

ギール「そんな……」

ラーズ「……そういう奴らだから、貧困層での革命は絶対に許さない。まぁ、革命も甘んじて受け入れる奴なんてアルカンレティア国王くらいだろうが……フレイヤ王国はより激しいだろう」

ラーズ「しかも厄介な事に、この国の王族・貴族は優秀なんだよな……」

・フレイヤ王国を支配する王族と貴族を安価で募集します。前に頂いた安価+1で7家決まっているため、残り5家を決めます。家の名前・家系魔法の名前と効果・家の特色を安価してください。

・家の名前は○○家みたいな感じ。家系魔法は何でも構いませんが、美麗族っぽいものだと尚良いです。

↓5まで。コンマの高いものから順に2つが王家になります

家の名前
ロマノフ家

家系魔法
名前と効果
「雷槌」
美しいほど眩い雷光を生み出し操る

家の特色
政治や権力にはあまり興味がなく、正面切っての戦闘を美徳とする戦闘家系

家の名前 マーシャル家
家系魔法 ???
効果 認識汚染系なのは確からしい
家の特色 全てが謎に包まれているが存在だけ認知されているミステリアスな家系

家名:カエサリオン家
家系魔法:開花 種を一瞬で成長させる
特徴:軍人の家系、兵士の士気を維持する労力、鍛錬する苦労を知っているため、比較的貧民にも優しい。あまり有用ではない家系魔法だが、魔法に頼らず今の地位にいる事を尊敬されている

家名:イ家
家系魔法:美化 イケメンにする
特徴:美を思考とする美麗族の体現者のような一族

僕もあまり深く考えていなかったので、ここでしっかりルールを決めた方が良いですね。

皆さんは安価の際、いくらでも連投して構いません。安価したい時に安価してください。

そこで、僕が「これは連取りになるな」と判断した場合、安価下とします。例えば「↓3の中で一番コンマの高いものを採用」の安価を取ったら、連続で同じような安価は取れないとかです。

ただし、何度も言いますが、安価しちゃダメなわけではないです。そのキャラはストックされ、他の場面で出てくるとかもあるので。

こんな感じかな? できるだけ公平になるように頑張るので、よろしくお願いします。

そして今回ですが、設定がたくさん欲しい安価だったので、安価下とかにならずこのままいきます。ただ、>>761さんのコンマが高くて王族とかになってたら、それは安価下になってたと思います。

それと、これは余談ですが、>>768も使わせて頂きます。フレイヤ王国の現貴族ではないんですけどね。

長々とすみません。それでは始めていきます。

>>761-768を採用。王族は>>763>>766

ギール「そんなに凄い人達なんですか? フレイヤ王国の美麗族って……」

ラーズ「そうなんだよ。これで雑魚だったら革命なんて簡単にいくんだけどな……」

電脳アドバイザー「フレイヤ王国は十二家の一族によって治められています。その中で王族は二家、貴族が十家です。基本的には王族の示した政策などに、貴族の方々が多数決で可否を決めるシステムです」

ライオネル「……実際には片方の王族・マーシャル家の決めた政策しか通らないけどね」

ギール「え……何でですか?」

電脳アドバイザー「もう一つの王族・カエサリオン家は、比較的貧困層にも優しいのです。貧困層の支援や自身の関わる機関への登用もあり、多くの人々から尊敬されています」

グレイス「……だけど、この国じゃ、そういう奴は異端なのね」

電脳アドバイザー「その通りでございます。事実、カエサリオン家は他の一族から疎まれており、様々な妨害工作も受けているようです」

ラーズ「だけど、カエサリオンの奴らはそんなの物ともせず、今の地位に君臨しているんだよ」

クー「カッコイイなー!」

リリア「カッコイイねー!」

ラーズ「……だから、革命で倒すべきなのはマーシャル家だ。カエサリオン家は味方になってくれるだろう。少なくとも……民を見殺しにはしない」

リーフィア「私達がその道筋を作る……そういう事ですね?」

ラーズ「あぁ、そうなるな」

ギール「よぉし……俄然燃えてきましたね!」

電脳アドバイザー「しかし、貴族十家も只者ではありません。それぞれが様々な強さを持っています」

電脳アドバイザー「特にラルスワルド家とアルケミス家は『十の基本魔法』の管理者です」

リーフィア「……!!」

ライオネル「噂には聞いていたが、やはりそうなのか……!!」

ギール「十の……基本魔法?」

グレイス「……あんた、記憶喪失とはいえ、そんな事まで忘れちゃったの? ヤバくない?」

コジョ「ヤバい。コジョでも知ってる常識。ヤバい」

ギール「し、仕方ないじゃないですか! 教えてくださいお願いします!」

ライオネル「……魔法は十の系統に分けられる。攻撃・探索・分析・移動・予知・治癒・錬成・守護・変化・契約の十種類だ」

ライオネル「『十の基本魔法』とは、その名を冠する十個の魔法だよ。この世にある魔法の全てが、その基本魔法を応用して作られている」

ライオネル「家系魔法は父親か母親のどちらか一つを受け継ぐわけだが……この魔法の家系は、必ず『十の基本魔法』を受け継ぐ。何があろうとだ。それだけ強い魔法なんだよ」

ライオネル「だから、いつからか、この家系魔法の持ち主は管理者なんて呼ばれているね」

電脳アドバイザー「ラルスワルド家は『分析』、アルケミス家は『錬成』の管理者です」

ライオネル「……まぁ、『攻撃』の管理者じゃないだけマシか……」

ケルヴィン「おいおい、『攻撃』の管理者は大魔女様だぜ? かのノエル・アルパ・オーガスタ様だ」

ライオネル「最悪だ……!!」

電脳アドバイザー「残りの八家も実力のある一族ばかりです。フェール家にククレ家、ヴェローナ家、ロマノフ家、ロマン家、ブラウンシュヴァイク家、デュナミス家……」

リーフィア「……デュナミス? デュナミスって……」

フレア「ええ、私の名字よ」

ライオネル「……君はデュナミス家の人間なのか?」

フレア「ええ……もっとも、何年も前に家を出ましたけどね」

フレア「あの家は徹底的な才能主義者。才能があれば美麗族でなくても養子にする、フレイヤ王国の中では珍しい偏見の無い一族なんですよ」

フレア「……でも、偏見が無いだけ。後は他の一族と変わらないわ。自分達の一族に才能溢れる者を迎える事しか考えていないんです」

フレア「私も……元々は違う家系魔法だったのに、あの一族に入ったせいで上書きされたわ」

ライオネル「家系魔法の上書き!? そんな事が可能なのか!?」

フレア「……カエサリオン家の力です」

フレア「カエサリオン家の家系魔法は『開花』……種を一瞬で花開かせる魔法なんですが、稀に『才能』という“種”を開花させる使い手がいるんです」

フレア「……私は、その方法でデュナミス家の家系魔法を開花させられました」

ラーズ「……彼女はそういうのに嫌気が差して、家出して俺達のところに来たんだよ」

ラーズ「でも……どうやら司書みたいな奴は一人だけじゃないみたいだな」

リーフィア「……?」



ラーズ「なぁ…………ケルヴィン」

ケルヴィン「…………チッ」

グレイス「ハァ!? なに、あんた……貴族だったの!!?」

ケルヴィン「……昔の話だよ」

ラーズ「彼の一族はフレイヤ王国でも珍しいタイプの家系魔法の持ち主だからな。見てれば分かったさ」

ライオネル「困るなぁ……そういう事は先に言ってくれよ。作戦に組み込めるんだからさ」

リーフィア「ライオネルさん……ケルヴィンさんだって言いたくない事はありますよ……」

ケルヴィン「……気ぃ使ってくれてありがとな。でも、もういいぜ。バレてんなら黙っておく必要もねぇ」

ケルヴィン「大体はそこの奴と同じだ。フレイヤ王国の美麗族ってのは、どいつもこいつも人を見下すからよぉ……俺にもそういうところはあるが、あいつらはダメだ、腐っていやがる」

ケルヴィン「……それが嫌で家出したんだ。多分、誰も俺の事なんて覚えてねぇよ。家を出た落ちこぼれの事なんざな」

・ケルヴィンの元々いた○○家の名前を安価してください。

↓1

あ、すいません! 新しい家系を募集するという事です。>>759の「+1」とは、家系魔法『魔剣』の一族なのです。

というわけで再安価。○○家の○○の部分を安価してください。名前だけで。

↓1

ユグドラシル

ラーズ「ユグドラシル家……家系魔法は『魔剣』。美しき魔剣を作り出す事に日々研鑽を重ねる一族……」

ラーズ「そうだよな? ケルヴィン」

ケルヴィン「……ああ。他の奴らと変わらねぇ。他民族を馬鹿にする美麗族の鑑だよ」

ラーズ「そういうわけだ……フレイヤ王国での革命を成功させるためには、この貴族達が障害になる」

ライオネル「……なるほどね、人手が必要っていうのはそういうわけか……」

ギール「ど、どういう事ですか?」

ライオネル「簡単な事だよ。貧困な労働者達がどれだけ立ち上がったところで、この一族が本気で来れば叩き潰されるのは目に見えている」

ライオネル「だから……僕達でこの一族達を止める。そういう事だよね?」

ラーズ「相変わらず話が早くて助かる。そういう事だ」

ラーズ「俺が見つけた革命のリーダーをきちんと送り届けるため、皆には尽力してもらう」

リーフィア「……目的地も決まってるんですね?」

ラーズ「ああ……目指すは宮殿。そこにいる王族を捕らえ、国中に宣言してもらうのさ。この国はこれから平等なものになるってな」

ラーズ「カエサリオン家は大丈夫だろうから……マーシャル家を捕らえる事になるな」

ライオネル「……そう上手くいくかな?」

ラーズ「上手くいかせるのが俺の役割だ」

ライオネル「……自信があるんだね」

ラーズ「当然だろ? 何のために革命同盟やってるんだって話さ」

ラーズ「……絶対成功させるさ。俺が選んだリーダーのためにもな」

・ラーズが見つけた革命のリーダーの名前・性別・容姿を安価してください。種族は庸人です。

↓1

アイン・ジョンドゥ

浅黒い肌に銀髪の青年、黒装束を着ていてかなり長身

ラーズ「彼の名はアイン・ジョンドゥ。幼い頃に両親と移住してきた。そして大人になる今の今まで……彼は虐げられてきた。両親も過労がたたって亡くなっている」

ラーズ「……彼のために、彼のような境遇の人間のために、俺達が動かねばならない」

ラーズ「それじゃあ、早速役割を分担するぞ」

ライオネル「……いくらなんでも急すぎないかい? 時間が無いのは分かるけどさ……」

ラーズ「これでも遅いくらいさ。お前達を待ってたわけだからな」

リーフィア「……急ぐ理由が?」

ラーズ「ああ……理由の一つは貧困層の鬱憤が限界だって事だ。アインの革命が成功するように俺が焚き付け過ぎたみたいでなぁ……今にも蜂起しそうなんだよ。アインの一団が抑えてるけどな」

リーフィア「それは……危険ですよね? 何も考えずに特攻しても、何も変わりません……」

フレア「そうね……でも、総隊長のやった事は間違いじゃないの。総隊長がいなければ、貧困の労働者達はただ絶望しながら生きていくだけだったはずよ」

殺戮卿「……でも、総隊長のせいで危ないのは事実でしょ?」

爆撃男「テメェ!! 起きたと思ったらそれかよ!!」

ラーズ「だから急いでいる。だけど、それよりも焦ってるのは……」

ラーズ「……おそらくラルスワルド家に俺達の存在がバレているからだ」

全員「……!!?」

蠱惑魔「ちょっとちょっとぉ! 何よそれぇ! 何でなのぉ!?」

電脳アドバイザー「ラルスワルド家の家系魔法は『分析』。おそらくフレイヤ王国で起こっている小さな変化に気づいていると思われます」

ライオネル「……革命の兆しに気づいてるかもしれないのか」

ラーズ「幸いなのは、あいつらの多くが一族を越えて協力しようって考えが無い事だ。たとえ気づいていても、ラルスワルド家の中でその情報をどうしようか考えているだろうさ」

ラーズ「そして、リーフィア達の存在には気づいていないだろうという事……これも大きい。来たばっかりの奴らは予測に入れられないからな、この優位は活かしたい」

リーフィア「うん、そうですよね。私達も覚悟はしています」

ケルヴィン「革命終わってからゆっくりした方が良いもんなぁ!」

ラーズ「ありがとう」

ラーズ「決行は明日……それまでにはお前らに自分の役割を覚えてもらおう」

>>796>>798を採用、というのを書くの忘れてました。採用してます!

ラーズ「まず……革命が起こるとフレイヤ王国の軍隊が出てくるだろう。だが、こいつらはあまり脅威じゃない。弱いわけじゃないが、戦闘訓練をしてない兵士が多いからな」

ライオネル「……何故だい?」

ラーズ「汗水垂らして訓練するのは美麗族らしくないんだと」

ライオネル「……よくそれで軍隊を名乗れるね……」

ラーズ「労働者達には武器も支給してある。魔法と合わせれば良い戦いができるだろうさ」

ラーズ「それと……闇影! 出番だ!」

闇影「は、は、はい……!」

ラーズとリーフィア達が話している間、ずっと黙っていた闇影が、焦った様子でこちらを見る。どうやら何か作業をしていたようだ。

闇影「ろ、労働者さんには、私の家系魔法で作った結界シートをお渡しします。これを持っていれば、大抵の攻撃は防ぐ事ができます……!」

爆撃男「うらァ!!」ブンッ……ドゴォン!!

闇影「きゃあっ!?!」パリィン……!!

おもむろに爆撃男が爆弾を闇影に投げる。爆弾は爆発するが、爆風は闇影に届いていない。彼女の持っていた結界シートが発動し、守ったようだ。

闇影「ちょ、ちょっと! な、何するんですか!?」

爆撃男「どのくらい効果あるか試したンだろうが」

闇影「だからって急に投げるのやめてくれますか!? 負荷が掛かりすぎると、このシートは壊れるんです! 私の壊れちゃったじゃないですか!!」

蠱惑魔「爆撃男の攻撃で壊れるなんてザコすぎなぁい?」

爆撃男「うるせェぞババア!!」

蠱惑魔「あ゛ぁ゛ん゛!?!」

ラーズ「はいはい、そこまでだ」

ラーズ「闇影、そのシート、人数分いけるな?」

闇影「は、はい……! 大丈夫です!」

闇影「だけど……この数の結界を維持するとなると、集中力がいるので、私はこの拠点から動けません……」

ラーズ「大丈夫だ、そのためにリーフィア達を呼んでいる」

ラーズ「司書! お前は『変装』を使って俺になりすまし、アイン達に指示をしてくれ」

司書「分かりました」

リーフィア「……ラーズさんは?」

ラーズ「俺は……宮殿に行く。あいつらを倒すのは、俺の仕事だ」

ラーズ「リーフィア、ライオネル、ギールは俺についてきてくれ。マーシャル家のところに行くまで、俺に力を貸してほしい」

ラーズ「……明日は、絶好のチャンスだからな」

ライオネル「……何かあるのかい?」

ラーズ「ラルスワルド家、デュナミス家、ブラウンシュヴァイク家、そしてフェール家の当主が、不在なんだよ」

リーフィア「……! それは、かなり好機ですね……!」

ラーズ「このチャンスを逃がすわけにはいかない。アインに革命を起こしてもらっている間に、俺達は宮殿に行く」

電脳アドバイザー「明日は私がフレイヤ王国の監視カメラをハッキングし、使えなくします。これで革命を始める事が暴かれる事はないでしょう」

グレイス「だけど……貴族が4家いなくても、残りは6家いるでしょ?」

電脳アドバイザー「アルケミス家は私にお任せ下さい」

リーフィア「……一人で大丈夫ですか?」

電脳アドバイザー「お気遣い感謝します。ですが、一つの一族に掛ける人員は少ない方が良いのです。アルケミス家は私で充分だと考えます」

電脳アドバイザー「……それに、アルケミス家は個人的に因縁があるもので」

電脳アドバイザー「ケルヴィン様、コジョ様、殺戮卿様、爆撃男様は他家当主の足止めをして頂きます。一番の実力者である当主を抑えられれば、我々にとって大きなアドバンテージとなりますので」

ケルヴィン「……おう、任せろ」

コジョ「それが役割なら、頑張る」

殺戮卿「……めんどくさい」

爆撃男「派手に暴れてやるぜェ!!」

蠱惑魔「ちょっとぉ……私は何するのぉ?」

電脳アドバイザー「蠱惑魔様は闇影様の護衛です」

蠱惑魔「えー? お留守番なのぉ?」

ラーズ「闇影の結界は今回の作戦では必須だからな。何かあった時に守る人が必要なんだ」

闇影「す、すいません、私なんかに手間を取らせて……」

蠱惑魔「……まぁ、ラクだからいいけどぉ」

爆撃男「ヘッ、ザコだから留守番なんじゃねーのかァ?」

蠱惑魔「あぁん!?」

クー「ねーねー、ぼく達はー?」

リリア「ねーねー、おるすばんなのー?」

グレイス「何よ、私は戦闘能力が低いから要らないって言うの?」

ラーズ「まさか! お前らにも動いてもらうさ」

ラーズ「ただ……これは不確実なところがあってな。電脳アドバイザーのシミュレーションがもう少し必要なんだ」

ラーズ「明日までにはちゃんと伝えるから、それまで待ってくれ」

グレイス「……仕事があるならいいわ」

クー「うん、分かったよ!」

リリア「よし、頑張るぞ!」

ラーズ「……役割の説明はこのくらいだな。電脳アドバイザー、皆に各一族の説明をしておいてくれ」

電脳アドバイザー「承知しました」

ラーズ「……即席の関係だが、お前達の覚悟は分かっているつもりだ。大小あれど、本気でこの作戦に取り組もうとしてくれているだろう」

ラーズ「……必ず、成功させる。皆、俺を助けてくれ」

リーフィア「……はいっ!!」

リーフィア(明日の革命……必ず、成功させないと……!!)





翌日。いよいよ、革命の時。

フレイヤ王国の中心部、その貧民街の広場では、革命の演説が行なわれていた。

演説をしているのはアイン。ラーズが見つけ出した革命のリーダーである。

アイン「時は来た! 遂に今日、革命を決行する!」

「「「うおおおおおおっ!!」」」

アイン「この機会を逃せば……次は無いだろう。皆、命の限り戦ってほしい」

アイン「だが、革命のために命を捨てろと言っているわけじゃない。大事なのは革命の後、マトモになったフレイヤ王国で生きていく事だ。その時に皆が生きていなければ意味が無い」

アインの演説は、フレイヤ王国のあちこちにある革命軍の支部に、繋げられている。

アイン「皆、力の限り戦って、力の限り生き残ってくれ!!!」

「「「うおおおおおおおおおおっ!!!」」」

アイン「我々を支援してくれている革命同盟が、我々では勝てない一族の当主を足止めしてくれる。その間に、奴らの本拠地を制圧するんだ!!」

アイン「皆、結界シートは持ったな? それがあれば攻撃から身を守れる……だが、過信はするな。あくまで補助、己の力で生き残るんだ!!」

アイン「皆……行くぞおおおおおおおおおっ!!!」

「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」」」

アインの咆哮を皮切りに、フレイヤ王国の各所で雄叫びが鳴り響く。革命軍となった人々が、王国のあらゆる場所で暴れているのだ。

もちろん、怒りに任せて暴れているわけではない。これは暴動ではなく、革命だ。圧政を強いている組織や貴族、政治家を制圧し、拘束する事が目的である。

アインの下に集まったのは、王国内で虐げられていた貧困層だけではない。没落した貴族や現政府に一族を殺された者達、美麗族でありながら貧困層に加担するものなどである。その数は非常に多く、並の国であればすぐに革命が成功してしまうほどだ。ラーズの力だけではない、アインの力でもある。

だが、フレイヤ王国は、それだけでは成功しない。強い力の持つ貴族達を抑えなければならない。



ラーズ「……始まったみたいだな」

ライオネル「凄い声だねぇ……品が無い」

ギール「何て事言うんですか……」

電脳アドバイザー「総隊長様、監視カメラのハッキング、完了致しました。これで我々の動きが気づかれるのは遅くなるでしょう」

ラーズの持つタブレットに電脳アドバイザーの姿が表示される。

ラーズ「助かるよ、電アド」

電脳アドバイザー「私の通称は」

ラーズ「あー分かった分かった、次の仕事に取り掛かってくれ」

電脳アドバイザー「承知致しました。皆様、どうかご無事で」

ラーズ「……電脳アドバイザーも行ったか」

ラーズ「司書、闇影、蠱惑魔、殺戮卿、爆撃男、グレイス、クー、リリア、ケルヴィン、コジョも配置に付いている……後は俺達だけだ」

リーフィア「……はい、行きましょう……!!」

・遂に革命が始まりました。これからそれぞれの視点で物語が進みます。どの視点から見るか、下から一つ選んでください。

・一応、この選択を先に選んだ方がいいとかはあるんですが、どれを選んでも構いません。視点安価は何度もするので。ただし、物語が進むと、選択肢に変化があったりします。

1.フレイヤ王国の宮殿に向かうチーム(リーフィア、ライオネル、ギール、ラーズ)

2.王国中心部の革命軍(アイン、フレア)

3.拠点の待機チーム(闇市、蠱惑魔)

4.アルケミス家の足止め(電脳アドバイザー)

5.ユグドラシル家の足止め(ケルヴィン)

6.貴族の足止め(殺戮卿)

7.貴族の足止め(爆撃男)

8.貴族の足止め(グレイス、クー、リリア)

9.貴族の足止め(コジョ)

↓2

本日はここまで。ありがとうございました。果たして革命は成功するのか。革命が失敗するルートもあるのでご注意ください。

ちなみに、ケルヴィンが貴族になったのは、グレイスの物語コンマ判定が半分くらいの数値を出したからです。グレイスに関係ある人物がちょっと物語に関わるという事になりました。

フレイヤ王国の王族・貴族は

マーシャル家(王族)、カエサリオン家(王族)、ラルスワルド家、アルケミス家、フェール家、ヴェローナ家、ククレ家、デュナミス家、ロマノフ家、ロマン家、ブラウンシュヴァイク家、ユグドラシル家

です。ざっくり覚えていただければ大丈夫かなと。

お疲れ様でした。また次回。

書き溜めしてるのかな

>>819
してました。もう一週間経ってるとは……。

それでは始めます。革命の始まりだ!

>>808を採用。コジョの視点からです。

「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」」」



コジョ「……始まった」

コジョ(……リーフィア、大丈夫かなぁ)

コジョ(早く倒して、リーフィアのところに行く。うん)

コジョ(コジョの仕事は……誰だっけ? ナントカ家のトーシュを倒す。頑張る)

コジョは屋敷の前に立つ。門の前には、美麗族にしては珍しい屈強な肉体の持ち主が二人、半裸で仁王立ちしていた。見張り番のようだ。

見張り番1「ム? 貴様……何奴だ?」

見張り番2「ここがロマン家の屋敷と知っているのか? 立ち去れぃ!」

コジョが足止めするのは、ロマン家の当主。美麗族の中では珍しく、美だけではなく武力を重んじている一族だ。彼らの美しさの観点には、肉体美も含まれているのである。


ラーズ『ロマン家と戦うなら、肉体美が無いとダメだ。相手が乗って来ないからな』

コジョ『……コジョで大丈夫?』

ラーズ『コジョは獣人だろ? 獣人の筋肉ならロマン家も満足するハズだ』


コジョ(……そんな事言ってたけど……ほんとかなぁ……)

見張り番1「……貴様、よく見たら良い筋肉だなぁ!」

見張り番2「我々と手合わせ願えないかぁ!?」

コジョ(ほんとだった)

コジョ「コジョは雑魚には用が無い。トーシュを呼んで」

見張り番1「ほう……? その意気や良し! 叩き潰してくれよう!」

見張り番2「我々の鍛え上げた肉体……それに家系魔法『疾走』を掛けたらどうなるか……思い知るが良い!!」

見張り番の二人が、目にも止まらぬ速さでコジョに殴りかかる。

見張り番1「……なぬっ!?」

……だが、それは常人の話である。

コジョ「そのくらいなら見える」

コジョは獣人。家系魔法『獣化』によって代々練り上げられてきた獣の肉体は、少し鍛えた程度の人間の動きでは敵わない。

コジョ「ケイイをヒョーして拳でお相手する」

コジョの拳が、二人の美麗族にめり込む。

見張り番2「ぐぬぅ!?!」

見張り番2「み……見事だ……」

そして、そのまま動かなくなった。気を失ったようだ。

コジョ「……体が鈍ってる気がする。捕まってたからかも」

コジョ「これが終わったら、森で訓練する……」

コジョ「……!!」ゾクッ!!

コジョ(誰か来る……!!)

・ロマン家の当主が来ます。名前と性別を安価してください。

↓1

名前 ヴァルト
性別 男

>>822を採用。

凄まじいスピードで繰り出された拳を、コジョは紙一重で避けた。コンマ一秒前にコジョの顔があった場所には、鍛え上げられた腕が殴り込まれている。もし反応が遅ければ、無事では済まなかっただろう。

ヴァルト「へぇ……これを避けるのか。ただ獣人というだけではないな。鍛え方が違う」

その男は、ワイシャツにズボンという、美麗族にしてはラフな格好をしていた。もっとも、その光沢から安い物ではないと用意に想像できるが。

コジョ(危なかった……! この動き……ロマン家の『疾走』……ロマン家の人間!)

コジョ(だけど、動きが全然違う……!)

ヴァルト「挨拶が遅れた。私はヴァルト・ロマン。ロマン家の当主だ」

コジョ「トーシュ……!」

ヴァルトは真っ白なタオルで顔を拭くと、短く刈り揃えられた金髪を一撫でして、コジョを見る。

ヴァルト「日課のランニングをしていたら、見張り番を一撃で倒す君を見てな。興味が湧いたんだ」

コジョ「……興味が湧いたら人を殴る?」

ヴァルト「我がロマン家は肉体美を重んじる家系。だが、この“肉体美”というのは、見て美しければ良いわけじゃない。実践的であるかどうかも大きな価値基準だ」

ヴァルト「君の筋肉は……とても美しい。そして、私の“肉体美”が君に通じるかどうか……試したくなったんだ。手荒な真似を許してくれ……よ!!」

コジョ「くっ……!!」

コジョ(コーセン的な人間……! でも、都合が良い……! 足止めがラク……!)

コジョ「……さっさと倒して、リーフィアのところに行く!」

・コジョvsヴァルトです。コンマで戦います。大きい方が肉弾戦では勝ち。

↓1 コジョ
↓2 ヴァルト

>>824-825を採用。ヴァルトも強かったが、コジョがめちゃくちゃ強い。

ヴァルト「ハァッ……!!」

『疾走』で加速したヴァルトは、その勢いの最高点で拳を振り抜く。

コジョ「……!!」

振り抜かれた拳を、コジョは再び紙一重で避ける。髪が数本持っていかれたが、体に傷は無い。

コジョ「せいっ!!!」

コジョはそのまま足を振り上げ、下からヴァルトの顎を打ち砕きに掛かる。

ヴァルト「させるかッ!!」

素早い動きでコジョの攻撃を避けたヴァルトは、後ろに下がる動きを利用してコジョの背に回り込む。『疾走』を使えば一瞬だ。

ヴァルト「もらった……!!!」

ヴァルト「……何ッ!?」

ヴァルトは、コジョの後ろに回り込んだ。そのはずだ。なのに……

ヴァルト(……何故、彼女はこちらを向いているんだ!?)

ヴァルトは決して手を抜いていない。どんな相手でも全力で叩き潰す。それが一番美しいと思っているからだ。だから、彼は全身の筋肉をフルに使い、『疾走』を魔力の配分の許す限り全開で使っている。

ヴァルト(それなのに……何故彼女は後ろに私がいると……!!?)

これは動きが素早いとかそういう話ではない。ヴァルトが後ろに回り込む事を事前に知らなければできない動きだ。

ヴァルト「くっ……!!!」

ヴァルトの渾身の攻撃も、バレていては意味が無い。コジョは軽々とそれを避け、ヴァルトの体を少し押した。

ヴァルト(……!!! しまった……!!!)

バランスを崩したヴァルトは、コジョに無防備にも腹を晒す形になってしまう。

ヴァルト(腹筋に……力を……!!!)

コジョ「ふんッ!!!」

ヴァルト「がはァッ……!!!」

コジョの全身の体重を込めたパンチが、ヴァルトの腹にめり込む。

『疾走』のコントロールをできなくなったヴァルトは、そのまま凄まじい勢いでロマン家の塀に激突した。

そんな勢いに塀が耐えられるわけもなく、ヴァルトは塀を壊して、中へと消えていく。

・下1のコンマ70以上で、フラフラしながらもヴァルトが立ち上がります。

↓1

はい

>>827を採用。まだ勝負は分からない。

コジョ「……倒した?」

コジョは塀の壊れた部分から、中を覗き込む。

コジョ「……いない?」

コジョ「……!!」

コジョ(マズイ……!!)

コジョがヴァルトの不在に気づいた瞬間、後ろからヴァルトの蹴りが炸裂した。

コジョ「がッ……!!!」

何とか振り返って背中に蹴り込まれるのは回避したが、ヴァルトの蹴りは強く、両腕でガードしたコジョの体を吹き飛ばす。

コジョ「うぐっ……!!」

ヴァルト「まだ勝負はついていないぞ……君ィ!!」

顔のギラついたヴァルトだが、限界が近いのか、体をフラつかせている。ただ、コジョも今の攻撃のダメージが大きく、未だ膝をついた状態であった。

コジョ「……しぶとい」

ヴァルト「簡単にやられる軟弱な鍛え方はしていない。私はロマン家の当主だ……!」

ヴァルト「……ん?」

ヴァルトは、懐からミニタブレットを取り出した。

コジョ「戦いの最中に電話……感心しない」

ヴァルト「すまない……緊張の連絡のようでな……しばし待て」

ヴァルト「……ああ、何だと言うんだ、今、私は大事な戦いを…………」

ヴァルト「…………何っ!? 革命!!?」

コジョ「!!」

コジョ(こちらの動き、バレた……!!)

・視点の安価です。下から一つ選択してください。

1.フレイヤ王国の宮殿に向かうチーム(リーフィア、ライオネル、ギール、ラーズ)
2.王国中心部の革命軍(アイン、フレア)
3.拠点の待機チーム(闇影、蠱惑魔)
4.アルケミス家の足止め(電脳アドバイザー)
5.ユグドラシル家の足止め(ケルヴィン)
6.貴族の足止め(殺戮卿)
7.貴族の足止め(爆撃男)
8.貴族の足止め(グレイス、クー、リリア)
9.コジョvsヴァルトの続き

↓2

3

>>831を採用。闇影と蠱惑魔の視点です。

闇影「…………」

蠱惑魔「…………」

闇影「…………」

蠱惑魔「…………」

闇影「…………」

蠱惑魔「…………ねぇ」

闇影「な……何ですか?」

蠱惑魔「暇なんだけど」

闇影「こ、こっちは暇じゃないですよ! 王国上の結界を維持するのに必死なんです!」

蠱惑魔「その反面、私は暇なのぉ」

闇影「そ、そんな事言われても……」

蠱惑魔「はぁあ~……ザコでもいいから敵とか来ないかしらぁ~……」

闇影「や、やめてください不穏な事言うの!!」

蠱惑魔「だって暇だしぃ~……」

蠱惑魔「……じゃあ、せめて何か話してよ。暇すぎて死にそうなのぉ!」

闇影「そ、そんなぁ……」

闇影「……あ、そうだ。あの……」

闇影「……総隊長さん、何か変じゃなかったですか?」

蠱惑魔「はぁ? 総隊長が隠し事でもしてるって言うの?」

闇影「そ、そうじゃないんですけど……何か……気合いが入ってるっていうか……」

闇影「い、今まで、総隊長さんがこんなに前に出る事無かったじゃないですか? だから、何かあるのかなって……」

蠱惑魔「何よ、総隊長の事信じてないのぉ?」

闇影「そ、そうじゃありません!」

闇影「総隊長さん……ラーズさんは、家系魔法を使わせるために監禁されていた私を、た、助けてくれたんです!」

闇影「そんな人が……私達に嘘ついてるなんて、そんなわけ……!!」

蠱惑魔「分かった分かった、分かったわよ」

蠱惑魔「……総隊長は私が認めた男だもの。私達を騙してるとか、そんな事は無いわよぉ」

闇影「そ、そうですよね……!」

蠱惑魔「……ほらぁ、集中しなさい。余所見しないのぉ!」

闇影「えええええっ!? ひ、酷くないですかぁ!?」

蠱惑魔(…………)

蠱惑魔(……確かに今の総隊長に違和感はあるけどぉ……)

蠱惑魔(…………大丈夫、よね?)

蠱惑魔「……暇ねぇ」

蠱惑魔が暇を持て余している頃。

リーフィア、ライオネル、ギールは、ラーズの指示に従い、マーシャル家とカエサリオン家のいる宮殿に向かっていた。宮殿までの近道は、ラーズの手に入れた地図を『速読』で覚えたリーフィアが案内している。

リーフィア「えっと……道はこっちです!」

ギール「流石リーフィアさん! 頼りになりますね!」

ライオネル「相変わらず便利だねぇ」

ラーズ「助かるよ、リーフィア。宮殿に近づいたら俺が先導するから、今は頼む」

リーフィア「はい、頑張ります……!」

ライオネル「…………」

ギール「? どうしたんですか、ライオネルさん」

ライオネル「……いや、何でもないよ」

ライオネルは、ラーズと昨日話した事を思い出していた。


ラーズ『───というわけだ。分かってくれたか?』

ライオネル『……なるほどね。僕を個別に呼び出して何を話すのかと思ったら……そういう事か』

ライオネル『……まぁ、一応は信用しよう。筋は通っているし』

ラーズ『そうしてくれると助かる』

ライオネル『でも……それが本当なら、何故僕には言ったのかな?』

ラーズ『理由は色々あるが……一番は戦いのためだ。俺以外にも分かってくれている人がいれば、戦況は有利だからな』

ラーズ『……カエサリオン家は、マーシャル家に操られ敵となるだろう』

ラーズ『だから、ライオネルにはギールを上手く使って、カエサリオン家の当主を倒してほしいんだ』

ライオネル『……確かに、それは僕の得意分野か』

ライオネル『分かったよ。ただ、君の事を心から信用しているわけじゃない。代わりに僕の方からリーフィア君を進呈しよう。上手く使ってくれ』

ラーズ『リーフィアの事は信用してるんだな?』

ライオネル『……有用というだけさ』


ライオネル(……いらないところまで思い出してしまった)

ライオネル(ともかく……僕とギール君がカエサリオン家、リーフィア君とラーズ君がマーシャル家を担当する事になるわけだ。気を引き締めていかないと……)

リーフィア「……!」

リーフィア「ありました! 宮殿です!」

フレイヤ王国の宮殿は、見るからに豪奢であった。無駄に凝られた装飾で彩られた宮殿は、国のどの建物よりも大きい。

宮殿の前では、警備の者と思われる美麗族達が慌てていた。

ライオネル「革命の話が広まりつつあるようだね……!」

ギール「で、でも、電脳アドバイザーさんがハッキングしてるんじゃあ……!?」

ライオネル「映像は無くても、革命が行なわれているという話が広まる事は止められないさ」

ライオネル「あの慌てようなら、まだ事態は把握できていない。僕達に有利だよ」

ラーズ「……彼らは俺に任せろ」

ラーズは剣を鞘から半ばまで抜き、走り出す。

「ん? 何だお前!」「止まれ!!」「まさか、革命の……!?」

だが、彼らがラーズを認識した瞬間に、彼らは目の前が真っ暗になった。

「ぎゃあああああああっ……!!」

素早く抜刀したラーズに、斬られたからである。

ギール「……居合斬りですか!?」

リーフィア「ぜ、全然見えませんでした……!」

ライオネル「相当な使い手だね……」

ラーズ「よし、警備は倒した。皆、行こう」

リーフィア「え? しょ、正面から行って大丈夫なんですか?」

ラーズ「問題ない。そもそも宮殿に警備は少ないんだ。マーシャル家の意向でな」

ラーズ「それに……ほとんどが戦闘訓練の乏しい美麗族なんか、俺達の敵じゃないさ」

ライオネル「それもそうだね。さぁ、行くんだギール君」

ギール「ライオネルさんも戦ってくださいよ!?」

セレナ「ギュウ……」

リーフィア「……? どうしたの、セレナ?」

リーフィア(……怯えてる?)

リーフィア(……もしかして、あの宮殿に?)

リーフィア(……でも、行かないと)

リーフィア「セレナ……私が絶対に守るからね?」

セレナ「……ギャウ!!」

宮殿に入ったリーフィア達は、広すぎる空間に圧倒された。感動したのではない、呆れていたのだ。

ギール「何ですかこれ……空間が無駄すぎません? どういう建築家が建てたんですか?」

ライオネル「……調度品や美術品だけは超一流だねぇ。僕の『審美眼』でも見た事のないような物ばかりだ」

リーフィア「お、落ち着きません……」

ラーズ「感想を述べている場合じゃない。警備がいないとはいえ、気を抜くな」

ライオネル「もちろん。さぁ、ギール君、剣を抜きたまえ」

ギール「は、はい……!」スッ……

ギールは背中の大剣を抜く。そうすると、ギールの家系魔法『剣豪』が発動する。

ギール「……っ!!?」ゾクッ!!

その瞬間、ギールは強い気配を感じた。ただものではない、強者の雰囲気だ。

ギール「強敵がいます……!」

ギール「……えっ!? しかも二人も……!!」

リーフィア「えっ!?」

リーフィア(そんな……敵はマーシャル家当主だけじゃ? それ以外にも強い人がマーシャル家に……!?)

ライオネル「…………」

ライオネル「……なら、手分けしよう。ギール君、方角は分かるかい?」

ギール「えっと……このまま真っ直ぐと、右に向かって行ったところです!」

ライオネル「……よし、では僕はギール君と右に行く。ラーズ君は真っ直ぐ行ってくれ」

ライオネル「……あぁ、リーフィア君はラーズ君についていきなよ。こちらはギール君だけで事足りる」

リーフィア「わ、分かりました……!」

ライオネル「行くよ、ギール君」

ギール「はい、ライオネルさん」

ライオネル「……何してるんだい。先頭は君だよ」

ギール「今、行くよって言いませんでした!?」

リーフィア「それじゃあ……行きましょう、ラーズさん」

ラーズ「……ああ」

リーフィア「……?」

リーフィア(真剣な顔になるのは当然だけど……さっきとどことなく雰囲気が違うような……?)

リーフィア(……気のせい、かな?)

・どちらの視点を見るか、選択してください。

1.リーフィアとラーズ
2.ライオネルとギール

↓1

1

1選択で本日はここまで。ありがとうございました。こんな感じで進めていきます。

それではお疲れ様でした。また次回よろしくお願いします。

比較的暇な僕ですが、この時期はやっぱりどことなく忙しいですね。やれる時に更新しないと。こんな時間ですが始めます。

>>840を採用。リーフィアとラーズの視点から。

宮殿を真っ直ぐ進んでいたリーフィアとラーズは、やがて幅の広すぎる階段に辿り着いた。

ラーズ「ここを上がれば、マーシャル家当主がいるはずだ」

リーフィア「はい……!」

リーフィア「……それにしても、本当に警備がいないですね……」

ラーズ「ああ……マーシャル家の方針というのもあるが、そもそも民の反乱など考えていないんだろうな」

ラーズ「……あいつらの多くは、国民をすぐ殺せる奴隷くらいにしか思ってないからな」

リーフィア「…………変えなきゃ、いけないですね」

ラーズ「ああ、そうだな。……!」

ラーズ「リーフィア、気をつけろ! 敵だ!」

ラーズが言った瞬間、物影から複数の人間が出てきた。全員黒ずくめの格好をしており、フードで顔が見えない。

リーフィア「こ、この人達は……!?」

ラーズ「マーシャル家の人間だ! あいつらは他の一族にも素顔を隠している!」

ラーズ「気をつけろ! あいつらの家系魔法は精神を汚染する! 下手に近づくなよ!」

リーフィア「は、はい……!」

・マーシャル家の人間が攻撃を仕掛けてきました。倒せるかどうかコンマ判定です。ちなみにラーズはコンマ判定に自動成功してるので、リーフィアの判定。

↓1のコンマ20以上で成功

はい

>>846を採用。リーフィアの判定も成功です。

リーフィア(マーシャル家の家系魔法は精神汚染系……! 対策は……!)


リーフィア達は、前日に各一族の家系魔法について聞いていた。当然、マーシャル家についてもだ。

グレイス『ハァ? マーシャル家の家系魔法は分からない?』

ラーズ『ああ……精神を汚染するタイプの家系魔法だって事は分かってるんだけどな、詳しい事は分からないんだ』

ラーズ『基本的に美麗族は傲慢だから……自分から家系魔法を教える事が多いんだよ。でも、秘密主義のマーシャル家だけは分からないんだ』

ギール『……そういえば、ケルヴィンさんも自分から言ってましたね』

ケルヴィン『そうだっけか?』

リーフィア『で、でも……そんな状況で革命なんて……』

ラーズ『いや……大丈夫だ。対策はある。それは……』


リーフィア(……とにかくすぐに相手の意識を奪う!!)

リーフィア(……今考えたら、すごく雑な対策なような……!?)

そんな事を思いながら、リーフィアは一人のフード人間に近づく。その人物が動き出す前に、彼女は右手を相手の顔付近に突き出した。

リーフィア(『衝撃』……!!)

魔力を込めた衝撃波が、フード人間の意識を昏倒させた。だが、ここで止まるわけにはいかない。まだフード姿の人間はいるのだ。

リーフィア「……あ……!!」

気がつくと、後ろに一人のフード姿があった。倒した人物とは違う者に回り込まれていたようだ。

リーフィア(マズイ……!!)

セレナ「ギャアアア!!」

すると突然、服の中からセレナが飛び出してきた。セレナはフード姿の頭に噛み付くと、力任せに壁に叩きつけた。強い衝撃音が響き、そのフード姿は床に崩れ落ちた。

ラーズ「……そのトカゲ、なかなか強いみたいだな」

いつの間にか他のマーシャル家の人間を倒していたラーズが、納刀しながら言った。

リーフィア「……守ってくれたんだね、セレナ。ありがとう」

セレナ「ギャウ!!」

ラーズ「……よし、進むぞ。コイツらはマーシャル家の中でも雑魚だ……当主はこんな簡単にはいかないだろう」

リーフィア「は、はい……!」

・とあるコンマ判定です。コンマ50以下で……?

↓1

ふん

>>849を採用。コンマ50以下のため、リーフィアはラーズと別れる事になります。

ラーズ「……そうだ、リーフィア、少しいいか?」

リーフィア「?」

ラーズ「ほら、この壁の……この文章なんだが……」

リーフィア「……? どれですか…………」


ガンッ!!!


リーフィア「───え?」


ガンッ!!!


セレナ「ギャッ……!!?」


ドサッ……!!


ラーズ「……すまない」

ラーズは、リーフィアとセレナを殴った鞘をきちんと提げ直し、気を失ったリーフィアとセレナに頭を下げた。

ラーズ「……殺戮卿、頼めるか?」

殺戮卿「はいはい」

突如、ラーズの後ろから、殺戮卿が現れた。細身にも関わらず、ひょいとリーフィアを抱える。

殺戮卿「どこに置いてくればいいの?」

ラーズ「……本拠地が安全だろう。ただ、闇影や蠱惑魔にはバレないようにしてくれ」

ラーズ「……心配を掛けたくない」

殺戮卿「分かった」

ラーズ「……ヴェローナ家の足止めは終わったか?」

殺戮卿「当然でしょ? あんなの簡単だよ」

殺戮卿「……思ったより硬いロボットみたいなのがいっぱいいて面倒だったけど」

ラーズ「……フェール家か」

ラーズ(フェール家の家系魔法『製鋼』で作られた彫像に、ヴェローナ家の家系魔法『入魂』を込め、自立型ロボットとして戦わせたってところか……)

ラーズ(……フェール家め、表立って戦わず、勝っても負けても良いところ持っていくつもりか……)

ラーズ「……殺してないよな?」

殺戮卿「殺してないってば……総隊長が言ったんでしょ。殺さずにいた方が革命の大義名分になるって……」

殺戮卿「……半殺しくらいだよ」

ラーズ「……まぁ、それなら上出来か」

ラーズ「……じゃあ、後は頼んだ」

殺戮卿「……ホントに行くの?」

ラーズ「……止めるか?」

殺戮卿「……いや、止めないよ。気持ちは分かるし」

ラーズ「…………すまない」

ラーズは殺戮卿に頭を下げ、先に進む。

ラーズ(マーシャル家の当主は……俺の手で……!!)

一方その頃。ライオネルとギールはリーフィアとは違う方向を進んでいた。

ギール「……ライオネルさん」

ライオネル「何だい? 敵がいた?」

ギール「いえ、その……」

ギール「……何か隠してません?」

ライオネル「……何故かな?」

ギール「何となく……そうかなと」

ライオネル「……ギール君にバレるようじゃあ、僕もまだまだか……」

ライオネル「隠してるというより、ラーズ君から聞いた話を共有してなかった……という方が適切かな?」

ライオネル「彼の話では、カエサリオン家も敵に回るらしい」

ギール「えっ!? な、何でそんな大事な話してくれなかったんですか!?」

ライオネル「……彼の意思を尊重したのさ」

ギール「え? それって……一体どういう……」

ライオネル「まぁ、それは後でね」

ライオネル「……敵じゃないかな、ギール君」

ギール「……!!」

・カエサリオン家当主と戦闘です。名前と性別をお願いします。

↓1

エリュシオン

>>852を採用。

エリュシオン「…………」

ライオネル「……カエサリオン家の当主、エリュシオン・カエサリオンで間違いないかな?」

エリュシオン「…………」

ライオネル「……僕の『審美眼』で家系魔法が『開花』と出ているから、カエサリオン家の人間だとは思うんだけどね」

エリュシオン「……………………ヤル」

ギール「はい?」

エリュシオン「コロシテ……ヤル……!!」

エリュシオンは右腕をライオネル達に向ける。そして、手を開く。

すると、その手から激しい勢いで巨大な緑色の触手が伸びてきた。

ギール「うわっ!?」ズバァン!!

ギールは素早く抜刀し、その触手を斬り裂く。斬られた触手は吹き飛んで、壁に叩きつけられた。

エリュシオン「ウウウ……!!」

だが、エリュシオンは再び腕を振り上げ、今度は両手から触手を伸ばす。

ギール「な、何ですかこれ!?」

ライオネル「これは……植物か!?」

ライオネル(植物の種を一気に開花させて、触手のように操っているのか……!!)

ギール「き、キリがありませんよ、ライオネルさん……!」

ライオネル「カエサリオン家は花屋か何かかい……!?」

・様子のおかしいカエサリオン家の当主・エリュシオンと戦闘です。どう戦う? 下から選択してください。

1.ライオネルの『審美眼』で部屋の様子や使えそうな物を探る
2.ギールの『剣豪』で特攻
3.戦略的撤退(部屋から出て、戦いやすい大広間に誘導する)
4.その他自由安価(二人にできなそうな事は無効となります)

↓2

1

>>857を採用。ライオネルが『審美眼』を使います。実はこれが一番良い選択肢。

ライオネル(このままじゃ危険だ……! 何か打開策を考えないと……!)

ライオネル(『審美眼』……!!)

ライオネル(……なっ!!?)

何か使える物が無いかと『審美眼』を使ったライオネルだったが、彼の目に映ったのは思わぬ物だった。

ライオネル(壁の中に……植物が!?)

ライオネル達の入った部屋の壁や床に、植物の蔦や根のような物がびっしりと埋められているのである。

ライオネル(これは……カエサリオン家の家系魔法か!!)

ライオネル「ギール君!! ここは危険だ!! 壁や床に植物が埋まっている!!」

エリュシオン「ウ……ウウ……!!」

エリュシオンが腕を振ると、壁や床から植物が一斉に現れた。

ライオネル「……!! マズイな……!!」

ギール「……いいえ!」

ギール「出てくるのが分かってれば、対処できます……!!」

ギールは大剣を自在に振り回し、襲い来る植物を叩き斬る。

ライオネル(……凄いな。これが、ギール君の力か……!)

ギール「すいません、少し眠ってもらいます……!!」

大量の植物を捌いたギールが、そのままエリュシオンに剣を振るう。

・コンマ判定です。コンマ60以上でエリュシオンを倒せます。

↓1

はい

ギリ勝てなかったところで本日はここまで。ありがとうございました。流石は当主、まだ続きます。

ゆっくりになってしまいました。こんな感じでちょこちょこ進める事も多くなるかも。

お疲れ様でした。また次回。

それでは始めます。ライオネルとギールのところからです。

>>859を採用。コンマ60以下なので、まだ決着がつきません。

ギール「はぁッ……!!」

ギールの振るった剣の峰が、エリュシオンの腹にブチ込まれた。

ギール「……あれ!?」

……かに見えたが、剣は途中で止められていた。

エリュシオン「ウゥ……!!」

エリュシオンが服の中から植物を一瞬で大きくし、剣をガードしたのだ。

ライオネル「なっ……! どれだけ隠しているんだ植物を……!」

エリュシオン「ウウウッ……!!」

ギール「ま、マズイ……!」

エリュシオンが、ギールに向けて手の平を向けた。

・コンマ判定です。コンマ30以上で……?

↓1

>>865を採用。コンマ30以上なので、エリュシオンが正気を取り戻します。

エリュシオン「……ウウウゥゥ……!!」ピタッ!!

ギール「……あれ?」

ギール「攻撃が……来ない?」

エリュシオン「…………ろ」

ギール「え?」

エリュシオン「わタシが……体ヲトめている間に、早く、コウソクしろ……!!」

ライオネル「……!!」

ライオネル「ギール君!! これで彼を拘束するんだ!!」

ライオネルは、『審美眼』でエリュシオンの影響下から離れた植物の蔦を見つけると、ギールに投げた。

ギール「は、はい……!!」

ギールはエリュシオンの手足を拘束した。そして、近くの柱にそのまま縛り付けた。

ギール「で、でも、これじゃあまだ魔法でやられますよ!」

ライオネル「安心したまえ、今ならこれが付けられるだろう」

そう言ってライオネルが取り出したのは、アルカンレティアから拝借していた魔錠だった。

ガシャン!!

ライオネル「これで大丈夫だ……魔法は使えない」

ギール「ライオネルさん……勝手に持ってきてたんですね……」

ライオネル「便利だからね。アルカンレティア国王なら許してくれるだろう」

ギール「……でも、どうして急に普通になったんでしょう? マーシャル家の家系魔法が関係あるんですか?」

ライオネル「……それは……」

タッ、タッ、タッ……

ラーズ「…………」

リーフィアの気を失わせてから時間が経ったが、まだラーズは走っていた。フレイヤ王国の宮殿は無駄に広く、また無駄に高い。目的の部屋に行くまでが手間なのだ。敵襲が無いだけまだマシかもしれないが。

ラーズ(……いや……敵襲が無いんじゃない、敢えて放っていないんだろうな)

ラーズ「……ここだ」

ようやく目的の部屋───マーシャル家の執務室に辿り着いたラーズは、扉を開けようと手を出す。

キィ……

ラーズ「……!」

だが、ラーズが手を掛ける前に、扉は勝手に開いた。

ラーズ「…………」

ラーズは剣を抜き、中に入る。

ラーズ「……見つけたぞ」

・中にいるマーシャル家当主の名前をお願いします。性別は男性固定です。

↓2

>>869を採用。

ラーズ「マーシャル家当主……ジディアス・マーシャルだな」

ラーズ「俺は革命同盟だ。各家の当主を抑え、人々の革命を成功させようとしている。計画は順調だ、お前達は終わりだよ」

ラーズ「……だが、お前だけは、俺がこの手で倒す。いや……」



ラーズ「…………殺す」



ジディアス「…………」



ジディアス「…………久しぶりに会ったというのに、随分言ってくれるじゃないか?」



ジディアス「…………我が息子よ」


ギール「えええっ!!?!? ラーズさんが……マーシャル家の子供ぉ!!!?!!」

ライオネル「うるさいよ。大きい声を出さないでくれ」

ギール「だ、出さずにはいられませんよ!! だって、すごく大事な事じゃないですか!!? 何で言ってくれなかったんですか!!!?!」

ライオネル「彼が誰にも言うなとさ。そもそも、彼自身が革命同盟の面々にも話していないんだ。なのに僕が言いふらせないだろう?」

ライオネル「……いや、殺戮卿君と電脳アドバイザー君は知ってるんだっけ」

ギール「え……仲間のほとんどにも話していないんですか」

ライオネル「ああ……どうやら彼は自身の一族、ひいては家系魔法を汚らわしく思っているらしくてね。できればずっと隠しておきたかったらしい」

ライオネル「だが、フレイヤ王国での革命が決まり、僕達との共闘が決まって……僕だけには話してくれたのさ。作戦の関係上ね」

ギール「作戦?」

ライオネル「……彼は一人で決着を付けるつもりなんだ」

ギール「えっ……!!? ひ、一人で!!? 危険なんじゃあ……!!!」

ライオネル「そうでもないよ。マーシャル家の家系魔法を考えたら、彼一人の方が良い」

ギール「……それって?」

ライオネル「───『悪意』。人間の心に潜む悪意を刺激し、増幅させ、心を塗り潰す恐ろしい魔法だよ」

ライオネル「これを使われた人間は、悪意や殺意に塗り固められる……そうだよね、エリュシオン君?」

エリュシオン「…………く…………」

エリュシオン「…………ああ、そう……だ。迷惑を掛けたみたいだな……」

ギール「しょ……正気に戻ったんですか?」

エリュシオン「ああ……何とかな」

エリュシオン「……ジディアスの家系魔法は強力だ。心の奥底の仄かな悪意さえも大きくさせてしまう」

エリュシオン「そして、他人の悪意にも敏感だ。彼はおそらく……君達という見知らぬ“悪意”を嗅ぎつけ、対策を講じたのだろう。その一つが、私の『悪意』で操るという事だったわけだ……」

ギール「ば、バレてたんですね……革命が……」

ライオネル「バレているとまではいかないんじゃないかな。怪しげな動きがある程度だろう」

ギール「……あれ?」

ライオネル「どうしたんだい」

ギール「ラーズさんって……庸人ですよね? フレイヤ王国の王族は美麗族ばかりなんじゃ……」

ライオネル「……そこから欺いているんだよ。フードを被り、美麗族を装って王族として活動しているんだ」

ギール「な、何でそんな事を!?!」

ライオネル「さぁねぇ……狂人の考えは読めないからなぁ」

ギール「…………あれ?」

ライオネル「今度は何だい」

ギール「……じゃあ、リーフィアさんは……」

ライオネル「気絶させられて、殺戮卿君辺りに運ばれているんじゃないかな」

ギール「ひ、酷いですね!! それを分かってあっちにやったんですか!!」

ライオネル「必要な犠牲というヤツさ……」

ライオネル(……監視役としてリーフィア君を差し向けたけど、おそらくそういう状況になっているだろうねぇ)

リーフィア「…………」

リーフィア「……………………」

リーフィア「…………ハッ!!?」

リーフィア「……あれ? ここは……」

リーフィア「……時計塔の……?」

リーフィア(……って事は、革命同盟の本拠地、だよね? あれ? 革命って、どうなったんだっけ……?)

リーフィア「……あっ!!」

リーフィア(そうだ……!! ラーズさんに殴られて、それで……!!)

リーフィア「ど、どうしてここにいるか分からないけど……戻らないと……!!」

殺戮卿「ダメだよ」

リーフィア「……!」

リーフィア「さ、殺戮卿さん……!?」

殺戮卿「僕にしては珍しく動いたからさ……君に戻られると面倒なんだよね。また回収すんのヤだし……」

殺戮卿「だからさ……じっとしててくれないかな」

殺戮卿「……僕も、あんまり君の事殺したくないし」

リーフィア「……!!」ゾクッ……!!!

リーフィア(こ、怖い……!! 動きは緩やかなのに、気を抜いたらいつでも殺されそう……!!)

リーフィア(……でも……!!)

リーフィア「……そういうわけにはいきません」

殺戮卿「!」

リーフィア「よく分からないですけど……ラーズさんの指示なんですよね? 私をここに連れてきたのは」

リーフィア「おそらく……理由は分かりませんが、一人でマーシャル家当主と対決するつもりなんでしょう?」

殺戮卿「……うん」

リーフィア「だったら……なおさらダメです。戻らないと!」

リーフィア「そんなの……小説だったら死亡フラグですよ!! ラーズさん、このままだったら帰ってこないかもしれせんよ!?」

殺戮卿「……そんなわけ、ないよ。総隊長が……死ぬなんて……」

リーフィア「死ぬは言いすぎだったかもしれません……でも、危険なのは間違いないですよ」

リーフィア「私が言ったからどうなるというものでもないかもしれせん……でも、このままじっとなんてできません!!」

殺戮卿「…………」

・コンマ判定です。リーフィアはこれからラーズのところに戻る気ですが、コンマ50以上で殺戮卿もついてきます。コンマ80以上で蠱惑魔も。

↓1

>>877を採用。コンマ50以下なので、殺戮卿はついてきません。止めようとしてきます。

殺戮卿「……ダメだ」

リーフィア「殺戮卿さん……!!」

殺戮卿「ジディアスは総隊長が一人で相手する……そう決まっているんだ。総隊長が決めたんだ」

殺戮卿「僕は……それに従うだけだよ」スッ……

殺戮卿は立ち上がると、リーフィアの方に手を向ける。

殺戮卿「僕の家系魔法は……言いたくないけど、君に触れただけで死ぬよ。一瞬で体が壊れる」

殺戮卿「……頼むから、動かないでよね」

リーフィア「う……!!」

リーフィア(ハッタリじゃない……本当に動いたら殺される……!!)

リーフィア(ど、どうすれば……!!)




セレナ「ギャア!!!」

リーフィア「! セレナ! 無事だったんだね!」

殺戮卿「……トカゲだ」

セレナ「ギャ……!!」

リーフィア「ど、どうしたの? セレナ?」

セレナ「ギャッ……!!!」

ピカッ……!!!

リーフィア「えっ……!!?」

殺戮卿「……!!?」

セレナがリーフィアに触れた途端、眩ゆい光が辺りを包んだ。



……そして、光が止むと、そこにはリーフィアもセレナもいなくなっていた。

殺戮卿「…………」

殺戮卿「……は!?」




ピカッ……!!!



リーフィア「きゃあっ!!?」

リーフィア「……え?」

リーフィア(ここって……宮殿!? どうして!!?)

リーフィア「……もしかして、セレナが……?」

セレナ「ギャア?」

リーフィア(ワープ屋さんみたいな魔法かな……?)

リーフィア「……ううん、細かい事は後! 今はラーズさんのところに行かないと……!!」

リーフィア(ここは、さっきラーズに殴られたところだから……!!)

リーフィア「……上にいるハズだよね!!」

・どの視点から見るかを、下から一つ選択してください。

1.ラーズを追うリーフィア(このまま続けます)
2.王国中心部の革命軍(アイン、フレア)
3.ライオネルとギール withエリュシオン
4.アルケミス家の足止め(電脳アドバイザー)
5.ユグドラシル家の足止め(ケルヴィン)
6.貴族の足止め(爆撃男)
7.貴族の足止め(グレイス、クー、リリア)
8.ロマン家の足止め(コジョ)

↓2

このままリーフィアの視点で進めるところが決まったところで本日はここまで。ありがとうございました。

実はラーズは、ラーズ・マーシャルでした。リーフィアに引き続き、彼も王族です。元だけど。

お疲れ様でした。また次回。

それでは始めます。リーフィアの視点からなんですが、そのためにまずラーズの視点からやります。

ラーズ「……お前なんか父親じゃない。俺は自分をマーシャル家の人間だと思った事なんて無いんだ」

ジディアス「フフ……それはどうかな……」

ラーズ「何……?」

ジディアス「じゃあ……何故わざわざ来た? 革命同盟だったか……話には聞いているが、まさかお前が長とはな……」

ジディアス「しかし、お前本人が来る事も無かっただろう? 部下にやらせて良かったハズだ」

ジディアス「結局……お前はマーシャル家との繋がりを絶てていないんだ。だから、ここまで来た」

ラーズ「…………」

ラーズ(……落ち着け。奴はまだ『悪意』を使っていない……一番良いタイミングを見計らっているんだ……)

ラーズ(奴のペースに惑わされてはいけない……)

ラーズ「……そうかもしれないな」

ジディアス「!」

ラーズ「だからこそ……俺は、今日、その繋がりを断ち切りに来たんだ……!」

ジディアス「何をそんなに興奮している……? 何が気に食わない?」

ジディアス「人の心の闇を操る変化魔法『悪意』がそんなに嫌なのか? 便利だろう?」

ジディアス「お前だって仮にも組織のトップだ……『悪意』は人の心の悪意をも読み解く。それなりに使えたんじゃないのか?」

ジディアス「例えば……新しいメンバーが悪意を持って参加していないかどうか見分ける……などはどうだ?」

ラーズ「……!」


ラーズ『よく来てくれた。早速だけど、フレイヤ王国での革命の話をしていいか?』

ライオネル『……いいのかい? 電脳アドバイザー君からは面接だと聞いていたけど』

ラーズ『うーん……そのつもりだったんだけど、めんどくさくてさ』

ライオネル『そんな適当な……』

ラーズ『まぁ、大丈夫だろ。お前らの人となりを電アドに見させてきたけど、裏切るとかそんな感じじゃなかったし』

ラーズ『……安心しろって。考えも無しで言ってるわけじゃないさ。な?』


ラーズ「…………」

ジディアス「それとも……我がマーシャル家が、庸人の身分を偽ってフレイヤ王国を牛耳っている事か?」

ジディアス「それは私だけの責任じゃない。マーシャル家は昔から……それこそ建国以来から『悪意』でこの国を運営し続けているんだ」

ジディアス「フレイヤ王国を建国される切欠となった英雄・フレイヤ……彼女は天翼族だったが、私の祖先が『悪意』で大衆を煽動し、追い出したのだ」

ジディアス「そして、我が一族が国を支配できるよう、傲慢で操りやすい美麗族で地盤を固めてきたのだよ」

ジディアス「フフ……マーシャル家初代当主は相当に切れ者だったと見える……」

ラーズ「…………」

ラーズ「……家系魔法も、お前らのゲスさも、どうだっていいさ。俺には関係ない」

ラーズ「俺は……母親を見殺しにしたお前を、絶対に許さないだけだ……!!」

ジディアス「……フフフ……まだその事を言っているのか……」

ラーズ「ふざけるな……!! 分かっているだろう!!」

ラーズ「俺は……お前が母親を見捨てたから家を出たんだ……!!」

ジディアス「…………」

ラーズ「お前が家系を続かせるためだけに結婚した女は……代々剣士の家の人間だった。お前のせいで剣を置かざるを得なかった母は、俺に剣術を教えてくれたんだ」

ラーズ「お前は知らないだろうな、母がどれだけ強かったかなんて……」

ジディアス「……フフ、お前の母親は没落貴族だ。そこを私が救ってやったのだ……」

ジディアス「その恩を仇で返そうとしたのだ、あの女は。殺されて当然だろう?」

ジディアス「それに……彼女が亡くなったのは病気が原因だ。私には関係がない……」

ラーズ「ふざけるな!! 母が病気になったのは、お前が『悪意』で心に負担を掛け続けたからだろ!?」

ラーズ「それに……病気になってから適切な医療を施さなかったじゃないか……!! 見殺しにしたんだよ、お前は……!!」

ラーズ「ジディアス……!! お前は俺が絶対に……殺す!!!」

ジディアス「……フフフ……!!!」

・コンマ判定です。ラーズの攻撃が上手くいくかどうか。また、同時にリーフィアが来るかどうかも判定します。

・ラーズとジディアスのコンマを判定し、高い方の勝利。ただし、ここで決着がつくわけではありません。

↓1 ラーズのコンマ。ここのコンマが80以上だとリーフィアが来ます
↓2 ジディアスのコンマ

・>>>888-889を採用。ジディアスが優勢。そしてリーフィアはまだ階段を上がっています。

ラーズ「ッ……!!!」

ラーズは剣を半ばまで抜刀し、構えを取る。そして、動きを止める。ジディアスが動いた瞬間に、居合斬るためだ。

ジディアス「…………フフフ……」

だが、ジディアスは笑みを浮かべたまま、動かない。ラーズの方をじっと見ているだけだ。

ラーズ(……クソッ、隙を見せないつもりか? 奴には剣技の才なんて無いハズだが……!!)

ジディアス「……フフ、お前は勘違いしているようだな」

ジディアス「……私が、お前の母親の剣技を知らぬと本気で思っているのか?」

ラーズ「……!!」

ジディアス「フフフ……お前の剣など、落ち着いていれば簡単に避けられる……」

ジディアス「お前の剣は……母親に劣るだろうからな」

ラーズ「!!!」ブチッ!!!

あからさまな挑発と分かっていながら、ラーズは剣技を発動してしまった。ラーズらしくない見え見えの太刀筋を、ジディアスはいとも簡単に避ける。

ジディアス「フフフ……!!!」

ジディアスの手が、ラーズに伸びる。触れて『悪意』を発動させ、彼の正気を失わせる気なのだろう。『悪意』は殺意を呼び起こすだけではなく、絶望感に浸らせ、無気力に追い込む事も可能なのだ。

ラーズ(……!! マズイ……!!!)

・コンマ30以上で回避成功。失敗すると『悪意』に晒されます。

↓1

>>891を採用。取り敢えずは回避成功です。

ラーズ「くっ……!!」

ラーズは体を捻り、ジディアスの手から逃れる。少し無理な体勢をして筋を痛めたが、この程度なら支障ないだろう。

ジディアス「フフフ……」

ラーズ「……余裕のある顔だな。状況が分かっていないのか?」

ラーズ「今、フレイヤ王国は革命の真っ最中……しかも革命軍が優勢だ。このままだとお前はおしまいなんだぞ?」

ジディアス「……フフフ、本当にそう思っているのか?」

ジディアス「私が生きていれば……『悪意』で革命など簡単にひっくり返せる。いや……それ以上の結果が生まれるかもしれんなぁ……」

ジディアス「だから、お前はここに来たのだろう? 誰かが私を殺さねば……全てが水の泡になると……」

ジディアス「余裕が無いのは……むしろお前の方なのではないか?」

ラーズ「…………」

ラーズ(……焦るな。これは奴の手だ……! 焦らなければ、奴など簡単に……!!)

そう言いながら、ラーズは既に自分がジディアスの術中にある事に気づけていない……。

・コンマ判定です。このタイミングでリーフィアが来る……かもしれません。

↓1のコンマ50以上でリーフィア登場

此処で颯爽と

>>893を採用。ギリギリ来ませんでした。

ラーズ「俺は……お前なんかに負けない……!!!」

ラーズは再び居合斬りの構えを取り、攻撃を仕掛ける。

ジディアス「フフフ……!!」

ジディアスは笑みを浮かべたまま、それを避ける。

そこで、ラーズは剣を抜き切り、ジディアスの腹に向けて振った。居合斬りはフェイントであり、この攻撃が本命だ。

ジディアス「……!」

剣は綺麗にジディアスの腹を斬り裂く……かに見えたが、ローブがその剣を止める。

ラーズ「……!?」

ジディアス「フフフ……『硬化』の込められたローブは便利だぞ? 私が家系魔法ばかりに頼る二流の男だとでも思ったか?」

ラーズ「くっ……!!」

ラーズ「お前はずっと三流以下だよ……!!!」

ジディアス「フフフ……!! 言いたい事はそれだけのようだな……!!!」

ジディアスがラーズに手をかざす。


ドクン……!!!


ラーズ「ぐっ……!!?」

ジディアス「触れないと『悪意』が使えないとでも? 私くらいになれば、一定の距離に近づけば行使できるのだよ……!!」

・コンマ判定です。コンマ50以上で『悪意』に耐えられます。失敗すると……

↓1

ほい

>>897を採用。ちょっとヤバイかも。

ジディアス「───それでは、悪意に溺れてもらおうか」


ドクン……!!!


ラーズ「ガッ……!!?」


ラーズ(マズ、い…………!!!)


ラーズ「ガアァァァァァァアアッ!!!」


ラーズの心が、悪意に沈んでいく。


ラーズの心の、殺意が目覚めていく。


ラーズの心に、絶望が広がっていく。


ラーズ「……………………………………」


ラーズ「…………オレ、ハ…………」


ジディアス「お前は……?」

ラーズ「……コロス…………」

ジディアス「……誰をかな?」

ラーズ「………………」

ジディアス「……フフフ……その判別もつかなくなったようだな……」

ジディアス「さぁ……ここを出るんだ。誰でもいい……誰かを殺してこい」

ラーズ「…………」フラッ……

ジディアス「……フフフ……!!!」

・どの視点から見るかを、下から一つ選択してください。

1. ラーズを追いかけているリーフィア(このまま続けます)
2.王国中心部の革命軍(アイン、フレア)
3.ライオネルとギール withエリュシオン
4.アルケミス家の足止め(電脳アドバイザー)
5.ユグドラシル家の足止め(ケルヴィン)
6.貴族の足止め(爆撃男)
7.貴族の足止め(グレイス、クー、リリア)
8.ロマン家の足止め(コジョ)

↓1

7選択で本日はここまで。ありがとうございました。ラーズが『悪意』にやられたので、ちょっとヤバイかもしれません。

お疲れ様でした。また次回。

おはようございます。まだ午前中ですが、やっていきます。場面は変わって、グレイス、クー、リリアの視点からです。



一方その頃、グレイス、クー、リリアの三人は、ククレ家の屋敷にいた。ククレ家はフレイヤ王国の主貴族の一つで、美麗族の中でも特に美を重んじる一族である。

そう、彼らは敵の屋敷にいるのだ。

グレイス「ふぅん……美麗族って趣味悪い奴等ばっかりって思ってたけど、この屋敷はそうでもないわね」

クー「きれいー!」

リリア「うつくしいー!」

だが、彼らは警備を倒して入ったわけではない。ククレ家の人間……しかも、当主に招かれたのだ。



・ククレ家当主の名前と性別を安価してください。

↓1

ディレス 男

>>907を採用。

ディレス「当然です! 我々はククレ家……タダの美麗族とは違うのですよ!」

「ディレス様! お部屋のご用意ができました!」

ディレス「遅いッ!! このお三方を待たせてどうするんだッ!!!」

「す、すいません!!」

グレイス「……そんな気をつかわなくていいわよ。どっちかって言うと、私達招かれざる客でしょ?」

ディレス「そんな! 滅相もない! 我々は美しいものには敬意を表するのです!」

グレイス(……ホント、面白いようにラーズの言う通りになったわね……)


ラーズ『お前達は、ククレ家を普通に訪問してくれ』

グレイス『はぁ!? 何よそれ、私達に死ねって言うの!?』

ラーズ『そんなわけないだろう……』

ラーズ『美麗族は容姿の美しさを最も重んじるんだが、ククレ家はその中でも更に過激でな。自分達が美麗族で最も美しいと言って憚らないんだ』

ラーズ『そして……自分達と同じくらい、またはそれ以上に美しいものには弱いんだ』

ケルヴィン『ははぁ……なるほどねぇ』

グレイス『? 何よ、全然意味分かんないんだけど』

ケルヴィン『おいおい、マジで言ってんのかよ?』

ケルヴィン『グレイスちゃん、そしてリリアちゃんはさ……美麗族に引けを取らないくらい美しいんだよ』

グレイス『はぁ? それまだ言ってんの?』

ケルヴィン『ふざけてるわけじゃねぇよ。それに、タダのナンパってわけでもねぇ。美麗族の俺が言うんだ、間違いねぇよ』

リリア『よく分かんないけど、ありがとー!』

クー『ねー、ぼくはー?』

ケルヴィン『リリアちゃんと双子だもんなぁ……美しいぜ、ついでにな!』

クー『ついででも、ありがとー!』

ラーズ『つまり……ククレ家は、お前達を無碍には扱えない。美しきものだからな』

グレイス『……あんまり信用できないけど、要するに無血革命できそうだからやれって事?』

ラーズ『そういう事になるな』

リーフィア『で、でも……それって危険じゃないですか? 自分達より美しい人……それも美麗族じゃなくて庸人なんて現れたら、プライドが傷つけられたって暴れたりするんじゃ……』

ライオネル『そうだね、クー君とリリア君ならともかく、グレイス君は気性が激しいからねぇ。喧嘩になるんじゃないかな?』

グレイス『あ? 何? 喧嘩なら買うわよ?』

ライオネル『ほら、この通り』

ラーズ『それは無い。安心してくれ』

ラーズ『ククレ家は美しいと思ったものを絶対に傷つけない……それだけは確かだ』


グレイス(……ライオネル痛めつけるの忘れてたわね。帰ったら覚えてなさいよ)

グレイス(でも、まさか本当に何もしないでいいとはね……何か、拍子抜けだわ)

ディレス「お待たせしました! ささッ、どうぞ!」

三人が通されたのは、入口よりも遥かに気品のある部屋だった。リーフィア達のいる宮殿とは違い、格式高い美しさがある。

ディレス「それで……御用とは? お三方のような美しい人のご要望でしたら何なりと!」

グレイス「……当主がそんな事言っていいの?」

ディレス「自分より美しいものに付き従うのはククレ家の宿命なのです!」

グレイス(変な奴……まぁ、私達にとっては好都合だけど……)

グレイス「じゃあ……言わせてもらうけど……」

クー「革命手伝って!」

リリア「周りを裏切って!」

グレイス「ちょ、ちょっと!! セリフ取らないでよ!!」

ディレス「へ……?」



・ククレ家が革命団側になるかどうか。コンマ10以上で成功。ほぼ成功ですが、失敗すると……

↓1

意外と失敗するんだよなこういうの

>>910を採用。成功! 失敗すると革命失敗ルートに入っていました。

ディレス「……革命?」

グレイス「……え? まさか、知らないの? 今あんたら革命起こされてんのよ?」

ディレス「……それは……つまり、私達が悪者という事ですか?」

グレイス「まぁ、そうね。あんた達が好き勝手やってきたツケよ」

ディレス「……それは、美しくないなぁ……」

ディレス「…………よしッ!!」

ディレス「皆!! 各地にいるディレス家、及び系列企業や関係のある一族に告げる!!」

ディレス「我々ディレス家は、革命を全面的に支持する!! 全力で寝返るぞ!!!」

ディレス「我々の行動は常に美しくあるべき!! 革命を起こされるなんて美しくないからな!!! 革命を手助けしてこそ美しい!!!」

ディレス「何より我々を凌駕する美しさを持つ方々からの頼みだ!!! 聞かぬわけにはいくまい!!?!」

「「「はいッ!!!!」」」

グレイス「…………」

グレイス「……ちょっと、マジ? こんな簡単にいくの?」

グレイス「これはこれで心配なんだけど……」

クー「上手くいったー!」

リリア「味方増えたー!」

グレイス「……まぁ、いいのかな……」

アイン「…………」

アイン(さっきまでは上手くいっていたが……どんどん厳しくなってきたな。闇影殿の結界シートにも限界があるか……)

アイン(……だが、ここで諦めるわけにはいかない。踏ん張らなければ……!!)

「リーダー!! 大変です!!」

アイン「どうした!?!」

「無駄にカッコつけた美麗族達がこっちに集結しています!!!」

アイン「……ククレ家か!? くっ、この厳しい時に……!!!」

「い、いえ、それが……何故か、我々に協力すると言って、加勢してくれています」

アイン「……は?」

フレア「……!!」

フレア「グレイスさん達……!! 作戦成功したんですね……!!!」


・視点が変更されます。下から一つ選択してください。

1. ラーズを追いかけているリーフィア
2.ライオネルとギール withエリュシオン
3.アルケミス家の足止め(電脳アドバイザー)
4.ユグドラシル家の足止め(ケルヴィン)
5.貴族の足止め(爆撃男)
6.ロマン家の足止め(コジョ)

↓1

1

>>913を採用。

リーフィア「ハァ……ハァ……!!」

リーフィア「け、結構上がってきたけど……もうそろそろかな……!?」

リーフィア「……!!」

リーフィア(あの扉……マーシャル家って書いてある……!!)

リーフィア(あの中にラーズさんが……!!!)


……ガチャ……


リーフィア「!!」


・コンマ判定です。コンマ30以下だと……

↓1

こんま

どのみち成功してるタイミングなら荒れなそうだから今言うけど反転コンマの方が運ゲーしてる感あるから反転して欲しい

>>916
前も言った気がしますが、コンマに関してはこのままいこうかなぁと思います。何故なら、コンマ判定で失敗したからと言って“終わり”というわけではないからです。失敗したら失敗で新しい展開がありますからね。逆に、成功しない方が良いとかも出てくるかもしれませんし。

なので、コンマ判定の時は気軽にコンマ出していただければなと。

では続き。


>>915を採用。

リーフィア「……!!?」ゾクッ……!!!

リーフィア(殺気……!!?)

突然の殺気に危険を感じたリーフィアは、反射で身を翻す。


…………ズバッ!!!


すると、さっきまでリーフィアがいた場所の床が、斬られていた。

リーフィア「……!!」

リーフィア(危なかった……!!!)

ラーズ「…………」

リーフィア「……ラーズ、さん?」

リーフィア(ラーズさんが……私を斬ろうとした……!?)

ラーズ「…………」フラリ……

ラーズ「……ニゲルナ……キレナイ……」

リーフィア「……!!?」

リーフィア(斬られる……!!?)


・再びコンマ判定です。ラーズに斬られるかもしれません。コンマ60以上で成功。ただし、失敗してもここは大丈夫です。

↓1

判定に成功したところで本日はここまで。ありがとうございました。失敗してもここでは助けが来ましたが、リーフィアは己で何とかするっぽいです。やはり主人公。

お疲れ様でした。また次回。

それでは始めます。リーフィアとラーズの続きからです。


>>918を採用。ラーズにまだ斬られません。

リーフィア(落ち着くんだ……!! よく見れば、きっと避けられる……!!)

リーフィア(『速読』を使うんだ……!!)

『速読』で読み解ける物は、文書だけではない。運動の情報を覚える事もできるのだ。ラーズの剣術も同様である。

リーフィア(ラーズさんの動きは何回か見た……!! 落ち着いていれば避けられる……!!!)

ラーズ「…………」グッ……

リーフィア「……!!!」

リーフィア(この動きは、居合斬りの直前……!!! という事は……!!!)

リーフィア(……すぐ右に飛べば避けられる!!!)

『速読』で記憶していたラーズの情報を瞬時に展開したリーフィアは、瞬間的に右手へ飛び退いた。


ズバッ……!!!


次の刹那、リーフィアのいた場所をライオネルが斬り裂いた。

リーフィア「あ、あぶな……!!!」

ラーズ「……!!」

ラーズ「…………グ…………!!!」

リーフィア(……様子が……!?)


・コンマ判定です。コンマ70以上でラーズが少し正気を取り戻します。

↓1

>>925を採用。コンマ70以下のため、まだラーズは『悪意』に飲まれてます。


ラーズ「グゥ……!!!」

ラーズ「ガアアアッ!!!」ブンッ!!!

リーフィア「うわわっ!!?」

リーフィア(技も何にも無い大振り……!! もう技も出せなくなってるの……!!?)

リーフィア(ど、どうすれば……!!!)


・リーフィアの行動を下から選択してください。

1.取り敢えず逃げる
2.何とかして倒す
3.魔法で無力化する
4.その他自由安価(できなさそうなのは無効)

↓1

>>933を採用。成功です! 取り敢えずは、ですが……


リーフィアは鞄から魔法用のチョークを出し、手の平に魔法陣を描く。複雑な紋様の魔法陣も、リーフィアの『速読』にかかれば造作も無い事だ。

ラーズ「グゥゥゥゥゥ……!!!」ググッ……!!

リーフィア「!!」

リーフィア(あの構えは……マズイ!!! 避けないと……!!!)

魔法陣は完成した。しかし、その前に剣で斬り刻まれては元も子もないのだ。

ラーズ「ガァァァァッ!!!」

ラーズの居合斬りが、炸裂する。一瞬でリーフィアの胸元に剣が向かってくる。

リーフィア(……!!!)

ズバッ!!!





リーフィア(…………えっ!!?)

だが、リーフィアは斬られていなかった。

それどころか、いつの間にかラーズの後ろに回り込んでいる。

リーフィア「これって……!!」

知らぬ間に移動している。先程と同じ現象だ。急いで鞄を見ると、顔を出しているセレナが淡く光を纏っている。

リーフィア(もしかして……セレナは移動魔法が使えるの……!!?)

リーフィア(でも、それって……トカゲじゃない。別の……それも私達に近い種族……!!?)

リーフィア(……いや、でも今は目の前の事だ!!! ありがとう、セレナ!!!)

セレナに感謝しつつ、リーフィアは魔法陣を書いた右手をラーズの背中に押し付ける。

リーフィア「ラーズさん……!!! 正気に戻って!!!」


ラーズ「ウゥウ……」


ラーズ「ウワァアアアァァアッッ───!!!」ガクッ……!!


魔法陣と共に『慈愛』はラーズの体に吸い込まれていった。ラーズの体から力が抜け、膝から崩れ落ちる。

リーフィア「あっ……!!」

リーフィアは慌ててラーズを支える。気を失っているが、顔は先程とは違う。マーシャル家の家系魔法の影響が抜けたのだろうか。

リーフィア「……まだ不安だし、一応縄で縛っておこう……」

リーフィア(取り敢えずは大丈夫……かな?)


・視点を下から一つ選択してください。

1.目を覚ましたラーズとリーフィアとセレナと……?(このまま続けます)
2.ライオネルとギール withエリュシオン
3.アルケミス家の足止め(電脳アドバイザー)
4.ユグドラシル家の足止め(ケルヴィン)
5.貴族の足止め(爆撃男)
6.ロマン家の足止め(コジョ)

↓1

6選択で本日はここまで。ありがとうございました。取り敢えずはラーズ救出成功です。が、まだ危ない場面は続いております。まぁ、この感じだと多分大丈夫だと思うけど。

お疲れ様でした。また次回。

それでは始めます。コジョvsロマン家当主・ヴァルトから。ヴァルトが戦闘中に革命の報告を向けたところですね。


ヴァルト「……そうか、君は……革命家の一人か」

ヴァルトは電話を切ると、コジョに向き直る。

コジョ「……だったらどうする」

ヴァルト「ふむ……そうだな……」

ヴァルト「……まぁ、私には関係の無い話だ」

ヴァルト「私の興味は……君との決着にしか無いからなッ!!!」

コジョ「ふんっ……!! 分かりやすくて良い!!!」


・コンマで対決です。大きい方の勝ちですが、コジョは補正がつくので有利になっています。

↓1+20 コジョ
↓2 ヴァルト・ロマン

はい

>>940-941を採用。コジョは37+20=57、ヴァルトは48。コジョの勝ちです。良い戦い!


ヴァルト「行くぞ!!!」

再び『疾走』を使ったヴァルトは、鋭い拳をコジョに振り抜く。

コジョ「……!!」

コジョ(避けられない……!!!)

コジョ(……だったら……!!!)


ドガッ……!!!


ヴァルトの拳が、コジョの体に炸裂する。

ヴァルト「……!!?」

だが、コジョは倒れていない。腕でガードをし、直撃を免れている。

ヴァルト「やるな……!! だが、これで終わりではないぞ!!!」


ドガガガガガガッ……!!!


ヴァルトの連撃が、コジョに突き刺さる。だが、それでもコジョは倒れない。


ガシッ!!!


ヴァルト「!!!」

ヴァルト(腕を掴まれた……!!! ぐっ……!!! 振り解けない……!!!)

ヴァルト「……何故だ!? 何故、私の拳で倒れない……!?!」

コジョ「……時間があった」

ヴァルト「……時間?」

コジョ「電話の時間。その間に魔力を練って体を固めた」

ヴァルト「……!!!」

ヴァルト「……フ、フフ……!! やるなぁ、君……!!!」

ヴァルト「名前は……何と言うんだ?」

コジョ「コジョ」

ヴァルト「コジョ君か……覚えておこう。私より美しい肉体を持つ君を、ね……!!!」

コジョ「それは光栄」

コジョ「ふんッ!!!」


ドゴッ!!!


コジョの頭突きが、ヴァルトの頭にブチ当たる。ヴァルトは意識を失い、コジョが手を離すとそのまま倒れていった。

コジョ「……笑って倒れてる。怖い」

コジョ「……何とか倒せた、イテテ……」

コジョ「体痛い……ちょっと休んだ方がいいかも……」


・視点を下から一つ選択してください。

1.目を覚ましたラーズとリーフィアとセレナと……?
2.ライオネルとギール withエリュシオン
3.アルケミス家の足止め(電脳アドバイザー)
4.ユグドラシル家の足止め(ケルヴィン)
5.貴族の足止め(爆撃男)

↓1

2

>>943を採用。そして、このまま続いてリーフィアの視点になります。


エリュシオン「ううっ……」

ライオネル「落ち着いたかい?」

エリュシオン「……あ、あぁ……」

エリュシオン「君達には、迷惑を掛けたね……」

ライオネル「まぁ、そうかもね。君がジディアス・マーシャルを止めてくれれば良かったんだ」

ギール「ら、ライオネルさん……」

エリュシオン「そこまで知ってるのか……何をしているんだ?」

ライオネル「……革命の手助け、かな」

エリュシオン「……なるほど、そういう事か……」

エリュシオン「……ジディアスの家系魔法は知っているんだね?」

ライオネル「『悪意』だよね?」

エリュシオン「それが分かっているという事は……きっとそれ相応の人物が対応しているんだろう。だったら大丈夫だ」

エリュシオン「……革命は、きっと上手くいくよ」

ギール「え? ほ、本当ですか?」

エリュシオン「……私達政府の多くが、彼らの『悪意』で操られていたようなんだ。もっとも、ここまで本格的に仕掛けられたのは今日が初めてだがね……」

ライオネル「……魔法で不和を生み出していた、というわけか」

エリュシオン「あぁ……それも突き止めたところで、ジディアスにしてやられてしまった」

エリュシオン「……気をつけろ。ジディアスは他人の悪意に敏感だ。革命の種に気づいている可能性もある」

エリュシオン「……いいや、それよりも……この革命自体にジディアスの息がかかっている事も考えられる」

ライオネル「……!? バカな……何のために?」

エリュシオン「それは……分からない。当たってるとも限らないしな。だが……気をつけた方が良い」

エリュシオン「愉快犯の彼が操る『悪意』は……本当に危険なんだ」

ギール「…………」ゴクリ……

ギール(リーフィアさん……!!)

ラーズ「……ぐっ……」

リーフィア「!! ラーズさん……!!!」

リーフィア「ラーズさん!! 聞こえますか!!?」

ラーズ「…………ろ」

リーフィア「えっ?」

ラーズ「逃げ、ろ……!!」



ジディアス「フフフ……」

リーフィア「……!!!」ゾクッ……!!

セレナ「ギャッ……!!!」

ジディアス「『悪意』に飲まれた人間はそっとしておいた方が良い……少しばかり心が復活したとはいえ、まだ弱っているのだからね?」

リーフィア(いつの間に……!!?)

ジディアス「……おや? 君は…………」


・コンマ判定です。コンマ偶数だと……?

↓1

コンマ偶数が出たところで本日はここまで。ありがとうございました。偶数なので、ジディアスはリーフィアに見覚えがあります。

お疲れ様でした。次はもうちょっと長くできたらなと。また次回。

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日本人はカス民族。世界で尊敬される日本人は大嘘。

日本人は正体がバレないのを良い事にネット上で好き放題書く卑怯な民族。
日本人の職場はパワハラやセクハラ大好き。 学校はイジメが大好き。
日本人は同じ日本人には厳しく白人には甘い情け無い民族。
日本人は中国人や朝鮮人に対する差別を正当化する。差別を正義だと思ってる。
日本人は絶対的な正義で弱者や個人を叩く。日本人は集団イジメも正当化する。 (暴力団や半グレは強者で怖いのでスルー)
日本人は人を応援するニュースより徹底的に個人を叩くニュースのが伸びる いじめっ子民族。

日本のテレビは差別を煽る。視聴者もそれですぐ差別を始める単純馬鹿民族。
日本の芸能人は人の悪口で笑いを取る。視聴者もそれでゲラゲラ笑う民族性。
日本のユーチューバーは差別を煽る。個人を馬鹿にする。そしてそれが人気の出る民族性。
日本人は「私はこんなに苦労したんだからお前も苦労しろ!」と自分の苦労を押し付ける民族。

日本人ネット右翼は韓国中国と戦争したがるが戦場に行くのは自衛隊の方々なので気楽に言えるだけの卑怯者。
日本人馬鹿右翼の中年老人は徴兵制度を望むが戦場に行くのは若者で自分らは何もしないで済むので気楽に言えるだけの卑怯者。
日本人の多くは精神科医でも無いただの素人なのに知ったかぶり知識で精神障害の人を甘えだと批判する(根性論) 日本人の多くは自称専門家の知ったかぶり馬鹿。
日本人は犯罪者の死刑拷問大好き。でもネットに書くだけで実行は他人任せ前提。 拷問を実行する人の事を何も考えていない。 日本人は己の手は汚さない。
というかグロ画像ひとつ見ただけで震える癖に拷問だの妄想するのは滑稽でしか無い。
日本人は鯨やイルカを殺戮して何が悪いと開き直るが猫や犬には虐待する事すら許さない動物差別主義的民族。

日本人は「外国も同じだ」と言い訳するが文化依存症候群の日本人限定の対人恐怖症が有るので日本人だけカスな民族性なのは明らか。
世界中で日本語表記のHikikomori(引きこもり)Karoshi(過労死)Taijin kyofushoは日本人による陰湿な日本社会ならでは。
世界で日本人だけ異様に海外の反応が大好き。日本人より上と見る外国人(特に白人)の顔色を伺い媚びへつらう気持ち悪い民族。
世界幸福度ランキング先進国の中で日本だけダントツ最下位。他の欧米諸国は上位。
もう一度言う「外国も一緒」は通用しない。日本人だけがカス。カス民族なのは日本人だけ。

陰湿な同級生、陰湿な身内、陰湿な同僚、陰湿な政治家、陰湿なネットユーザー、扇動するテレビ出演者、他者を見下すのが生き甲斐の国民達。

冷静に考えてみてほしい。こんなカス揃いの国に愛国心を持つ価値などあるだろうか。 今まで会った日本人達は皆、心の優しい人達だっただろうか。 学校や職場の日本人は陰湿な人が多かったんじゃないだろうか。
日本の芸能人や政治家も皆、性格が良いと思えるだろうか。人間の本性であるネットの日本人達の書き込みを見て素晴らしい民族だと思えるだろうか。こんな陰湿な国が落ちぶれようと滅びようと何の問題があるのだろうか?

やはり年末は忙しいですね……。時間ができたので、少しずつやっていきます。実はそろそろ革命が佳境だったりします。

>>946を採用。コンマ偶数のため、ジディアスはリーフィアに見覚えがあります。


ジディアス「…………」

リーフィア「……な、何ですか?」

ジディアス「……フフフ、これは驚いた。君はよく似ている……」

ジディアス「君は……『大国』の人間かな?」

リーフィア「……!!?」

リーフィア(こ、この人……私の事で何か知ってるの!!?)

ジディアス「フフフ……その反応、当たりのようだね?」

ジディアス「君も革命の参加者なのかな? フフフ……血は争えないというやつなのかもね……」

リーフィア「な、何を……!!?」

ラーズ「だ、まれ……!!!」

ラーズ「ジディアス……!!! お前の相手は、俺だ!!!」

ラーズはふらつきながらも立ち上がり、剣を抜く。

リーフィア「ら、ラーズさん……!!!」

ジディアス「フフフ……そろそろ父さんとでも呼んでくれないものかね?」

リーフィア「えっ……!!?」

ラーズ「リーフィア……説明は後だ。それより聞いてくれ」

ラーズは、リーフィアにしか聞こえないように小声で話す。

ラーズ「何故お前がここにいるかは分からないが……このままだと共倒れだ。それは避けたい」

ラーズ「……俺がアイツを倒す。上手くいったら、後は任せる」

リーフィア「……!? それって……!!?」

ラーズ「すまない……勝算はあるが、確証は無い。もしダメだったら、逃げてくれ」グッ……!!

リーフィア「……!!!」

リーフィア(ラーズさんの居合斬りの構え……!!!)

ジディアス「フフフ……それは私には効かないよ。分かっているだろう?」

ラーズ「やってみないと分からないだろう……!!!」

ラーズは居合斬りを発動し、ジディアスに斬りかかる。


……と思ったが、ラーズは剣を投げ捨てた。


ジディアス「何っ……!!?」

そして、そのままの勢いでジディアスの胸に手を当て、叫んだ。


ラーズ「───『悪意』!!!」


・コンマ判定です。ラーズが『悪意』を使い、ジディアスに勝とうとしています。下3までのコンマの合計が170だと成功となります。

↓3まで

更新待ってました

>>958-960を採用。足すと144のため、判定は失敗となります。ジディアスの『悪意』は強い。


ラーズ「……何っ?」

気がつくと、ラーズは暗闇にいた。何も見えない漆黒だ。にも関わらず、自身の姿だけは見える。

ラーズ「ここは……」

ジディアス「フフフ……私の作った『悪意』の空間だ」

ラーズ「……!!」

暗闇に、ジディアスの姿が浮かび上がる。彼は不敵に笑うと、ラーズの周りを浮遊しながら言った。

ジディアス「お前は負けたんだよ、ラーズ。私の『悪意』の力にな」

ジディアス「ここはもう私の手の平の上と同じ……お前にできる事は何も無い。終わりだ、ラーズ」

ラーズ「…………くっ…………!!」

ラーズ「……どうする気だ」

ジディアス「もちろん、お前を操り、この革命を終わらせるさ。お前達にとって最悪の展開としてなぁ……」

ジディアス「しかし……私とて子の親。少しは温情を与えよう」

ジディアス「そうだな……あのリーフィアとかいう娘だけでも助けようか? フフフ……」

ラーズ「…………」

ラーズ「……………………」

ラーズ「……その必要は無い」

ジディアス「……!」

ラーズ「まだ……終わっていない。俺がダメなら、リーフィアがいる」

ラーズ「リーフィアがダメでも……他にも優秀なメンバーがいる。俺達はまだ負けていない」

ジディアス「……フフフ、面白い事を言う……」

ジディアス「他の面々がどれだけ足掻こうと、お前が正気を失い『悪意』に飲まれる事は避けられないのだぞ、ラーズ」

ラーズ「……そうでもないさ」

ラーズ「まだ……手は、ある……!!!」

そう言うと、ラーズは己の胸に手を向けた。


ラーズ「──────『悪意』…………!!!」



…………ドクンッ…………!!!







ドサッ……


リーフィア「ら……ラーズさん!!!」

ジディアスに攻撃を仕掛けたラーズだったが、ジディアスの胸に触れた後、しばし固まった。

かと思うと、急に事切れたかのように、ラーズは倒れてしまった。

リーフィア「ラーズさん……!! ラーズさん!!!」

慌てて駆け寄るが、返事は無い。息はしているようだが、何の反応も無いのだ。

ジディアス「……フフ、フフフ……」

リーフィア「何を……したんですか……!!!」

ジディアス「フフフフフフフフフ…………!!!」

ジディアス「これはしてやられたなぁ……!!! まさか、こういう手があるとは……!!!」

ジディアス「……お嬢ちゃん、ラーズはね、自らに『悪意』の魔法を掛けたのだよ。私の魔法から逃れるためにね」

リーフィア「えっ……!!?」

ジディアス「再び私に操られる事を危惧したのだろう……フフフ、その代償は大きかったようだかね?」

ジディアス「何しろ……『悪意』で心を奥深くに沈め、二度と目覚めないようにしたのだからねぇ……?」

リーフィア「なっ……!!?!」

リーフィア(ラーズさんが……もう、目覚めない……!!?)

リーフィア「そ、そんな……!!!」

ジディアス「さて……それでは、次は君を片付けるとしようか、リーフィア君」

リーフィア「……!!!」

ジディアス「もうラーズはいない……フフフ、果たして君に私の『悪意』を避け切れるかな?」

リーフィア(ど……どうしよう……!!!)


・コンマ一桁判定です。下1のコンマ一桁の数によって……?

↓1

>>965を採用。コンマ一桁6のため、6人がリーフィアを助けに来ます。


ジディアス「さぁ、私の『悪意』を避けてみたまえよ……!!!」

リーフィア「……!!!」

リーフィア(避けなきゃ……!!!)

だが、リーフィアの足は動かない。

リーフィア(ダメ……!! 避けきれない……!!!)





ジディアス「ぐわああぁああぁぁああっ!!!」



リーフィア「……えっ!!?」

ジディアスが、苦悶の叫びを上げていた。

見ると、ジディアスの右手が炎を纏っている。

リーフィア(……違う、纏っているんじゃない。燃やされているんだ……!!)

もちろん、リーフィアは何もしていない。ジディアスの機敏な動きと迫力に動けなかったからだ。

ジディアスに攻撃をしたのは、この場にいるもう一人だ。

それは、ラーズではない。

リーフィア「…………え?」



セレナだった。





それも───人間の形になった、セレナであった。



・すいません、バタバタして更新できなくなってました。この後も用事があるので、この安価だけ投げておきます。

・セレナが庸人の姿になりました。見た目に関しての安価です。性別と容姿を安価してください。

↓1 性別
↓2 容姿

このSSまとめへのコメント

1 :  MilitaryGirl   2022年04月19日 (火) 18:05:45   ID: S:rLwmPM

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