魔王「得意な魔法はなんですか?」勇者「雷魔法です」 (18)

魔王「……? もう一度お願いします」

勇者「雷魔法です!」

魔王「お前……勇者だろ」

勇者「いや、某は雷魔法が得意なさすないの剣士でございまする、なにゆえ」

魔王「明らかに口調が変わってるし、雷魔法は勇者しか使えんやつなのよ」

勇者「いや、勇者だけが雷魔法を使うことが出来るとは限らないんじゃないか?」

魔王「え?」

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勇者「雷魔法は、古代では神の力とされた雷を司る属性の事だ」

魔王「あ、あぁ……そうなの?」

勇者「だから神に選ばれし勇者が雷魔法を使うことが出来るってのは分かる」

勇者「ただ、果たして俺だけが使える魔法なのだろうか?」

勇者「もし神に選ばれし者が使うことが出来るのだとしたら、神を信仰している聖職者はどうだ?」

勇者「僧侶や神父などは使えないかもしれないが、最高司祭なんかはどうだろう」

勇者「神に仕える上での最上の位だ」

勇者「本来ならば、そのような存在も雷魔法を使えて道理なんじゃないか?」

魔王「た、確かに……」

勇者「という訳で、必ずしも俺が勇者であるという可能性が100%ではないという事は証明できたかな」

魔王「う、うむむ……」

側近「いや、手の甲に思いっきり勇者の紋章あるじゃないですか」

勇者「……」

側近「しかも魔王と相対しているからか滅茶苦茶光り輝いてますよ、滅茶苦茶臨戦態勢になってますよ」

魔王「ほんとじゃん! あぶね! 何かに呑まれる所だった! よく考えたら滅茶苦茶勇者じゃんこいつ!」

勇者「ふっふっふ、バレたのならしょうがない」

魔王「いや帰さんけどね」

側近「まず勇者ともあろうものが、何故魔王軍の面接に?」

魔王「そうだよ、なんでいるんだよ、てかなんで一次面接と二次面接は受かってるんだよ」

勇者「普通にいけたわ」

魔王「普通にいけるな」

側近「人事部、一回見直した方がいいかもしれないですね」

魔王「んで、なんでその神に選ばれし勇者とやらが魔王軍の最終面接に来たのかっていう理由を聞かせろよ」

勇者「いや、まぁ……良くね? 良くないっすかぁ?」

魔王「決して良くはないな」

勇者「なんかさぁ、俺……疲れたよの」

魔王「ほう」

勇者「色んな所行ってさ、魔物倒してさ」

勇者「なんかー四天王? とか倒して魔王倒してみたいなことするんだっけか」

魔王「まぁ、そうだな」

勇者「いや、面倒くさいよ、そんなの」

側近「勇者がそんなこと言うもんじゃないですよ」

勇者「という訳で、勇者が魔王軍側についたら一瞬で世界征服できて楽なんじゃないかなって」

魔王「おぉ……? うん……」

勇者「だから、入れてよ。魔王軍」

魔王「うーん……」

側近「まぁ、いいんじゃないですか? 私の潜在眼《ラテント・アイ》を持ってしても敵意は感じ取れませんし」

魔王「そんな能力あったっけ?」

側近「ないです」

魔王「……」

勇者「まぁ、成立ということで宜しいんですね?」

魔王「うーん、うん、いいよ」

勇者「よしきた! それじゃあ王様に言ってくるわ!」ビューン

魔王「行ってしまった……まるで嵐のように」

側近「本当に良かったんですか?」

魔王「いや、とりあえず魔王城に滅茶苦茶強い結界張っといて」

側近「了解しました」

適当に脊髄で書いているからいつ終わるかは未定

間の国の王がいる所────

勇者「ども、王様ー」

王「おぉ、勇者じゃないか、どうしたんじゃ?」

勇者「突然だけどさ、僕魔王軍側つくわ」

王「え?」

勇者「んじゃあ、さいなら」ビューン

王「え?」

王「……え?」

魔王城の魔王のいる所────

勇者「ういー、ただいま」

魔王「おぉ、おかえり、どうだった?」

勇者「王様に魔王軍行きまーすって言ってきたよ、あと魔王城に凄い強い結界仕掛けたのお前?」

魔王「そりゃまぁ、人間の王もビビったろうなぁ」

勇者「僕が話してた最中、ずっと鳩が豆鉄砲くらったかのような顔してたぜ、あと魔王城に凄い強い結界仕掛けたのお前?」

魔王「それで、まず具体的には何をすればいいの?」

勇者「それを考えるのが魔王だろうが、あと魔王城に凄い強い結界仕掛けたのお前?

勇者「まぁ、普通に人間の国に攻めに行ったらいいんでねーか?」

魔王「まぁそうなるのかなぁ」

勇者「ぶっちゃけ今の僕らって無敵だし」

魔王「勇者と魔王に加え、側近と四天王もいるからね」

勇者「……てかさ、僕って魔王軍に入ったじゃん」

魔王「うん」

勇者「ここでの立ち位置って何になんの?」

魔王「えぇ……勇者じゃだめなの?」

勇者「魔王軍側に入った時点で勇者ではないと思うんだよな」

魔王「まぁ、単身で魔王城に乗り込んでるし勇気ある者でもいいと思うけどね」

勇者「うーん」

魔王「あ、そうだ、四天王の中に入ったら?」

勇者「お、いいじゃん!」

魔王「あーでも、そしたら五天王になっちゃうね」

勇者「語呂悪いなー」

魔王「というか、そもそも五人組の呼び方って知らないよね」

勇者「三人とかだったら御三家だけど……御五家?」

魔王「御五家て」

勇者「まぁ、五天王でいいかなぁ……?」

魔王「それで行くか……側近、四天王呼んで」

側近「かしこまりました」

火の四天王「なんだなんだぁ? 急に呼び出して……」

風の四天王「い、嫌な予感がする……」

魔王「今回諸君に来てもらったのは他でもない、魔王軍の四天王に新しいメンバーが加わるという話だ!」

火の四天王「な、なんだってー!?」

水の四天王「それはまた急に……」

土の四天王「それで、一体誰を……?」

勇者「どうも」

火の四天王「!? お前は勇者!!!」ボォッ!

魔王「落ち着け、ひーちゃん。こいつは味方だ」

火の四天王「な……んな訳ねぇだろ!」

風の四天王「嫌な予感がすると思ったんだ……」

魔王「ふーちゃんも落ち着けって、大丈夫だから。な、側近」

側近「えぇ、勇者の敵意性の無さは私の心眼《マインド・アイ》で確認済みです」

火の四天王「そ、そんな能力あったか?」

側近「ないです」

火の四天王「……」

魔王「という訳で、勇者が入って五天王となりました、みんな仲良くしてね」

火の四天王「オレはこんな奴信じねぇぞ!」

勇者「まぁまぁ落ち着けって姉ちゃん、短期は損気やで?」

火の四天王「今までで一番ムカついた」
 
勇者「とは言っても、やっぱり昨日まで敵だった奴が急に仲間になってもよく分かんないよな」

土の四天王「まぁ……確かに」

水の四天王「当事者がそれ言うの中々ないですけど」

勇者「という訳で! 親睦を深めるためにー?」

勇者「チキチキ! 五天王大富豪最強決定!!!」

勇者「いぇーい!!!!!!」

火の四天王「……? おー」

風の四天王「……?」パチパチ

勇者「それじゃあ行ってみよう! レッツー?」

勇者「UNOOOOOO!!!」

土の四天王「う、うのー!」

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