【仮面ライダー555】その3 スパイダーマン「オルフェノクって、それはないでしょ!」 (273)

本スレは

【仮面ライダー555】スパイダーマン「オルフェノクって、それはないでしょ!」シュッシュッ
【仮面ライダー555】スパイダーマン「オルフェノクって、それはないでしょ!」シュッシュッ - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1624708012/)

【仮面ライダー555】その2 スパイダーマン「オルフェノクって、それはないでしょ!」
【仮面ライダー555】その2 スパイダーマン「オルフェノクって、それはないでしょ!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1624810562/)

の続きです

・仮面ライダー555×マーベルユニバース(MCU)のクロスSSです
・シネマだけではなく、エージェント・オブ・シールド(AoS)のキャラも登場します
・時系列としては、エンドゲーム直後くらいになりますので555側の年表が本編とは違います
※ワンダビジョン、ファルコン&ウィンターソルジャー、ロキのネタは入ってません
・励みになるので感想、ツッコミ、質問等々レス頂けると嬉しいです

SS投稿初心者なので、無作法あればご指摘お願いしますm(‗ ‗)m

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1625386919

――1年数ヶ月前 東京

??「泣かないで」

巧「でも、おまえ、こんな」

??「ねぇ乾くん、私ね、秘密があるの」

巧「秘密?」

??「こういう場合、嘘っていうのかな」

巧「なんでもいい。嘘でも秘密でもなんでも!それでもお前が生きてさえいれば!」

??「やっぱり、乾くんはやさしいなぁ」

??「私、壊したくない。あなたとの関係を」

??「だって、私は、あなたの初めてのオトモダチだから」


デッデ テレレ テッテーテレー デッデ テレレ テッテーテレー
JustiΦ's
広がる宇宙の中Can you feel?

https://www.youtube.com/watch?v=OvlscOhqSYs

第三部


――夜 西洋洗濯舗 菊池 リビング

グッグッグッグッ

真理「もうひとりのファイズ?」

グッグッグッグッ

啓太郎「そうなんだよ」ハフハフ

グッグッグッグッ

真理「しかも、新しいファイズは人を襲って、煽り運転までしてくるって?」

グッグッグッグッ

啓太郎「驚きだよね」ハフハフ

グッグッグッグッ

真理「災難だったわね」ハフハフ

グッグッグッグッ

啓太郎「あんな人、ファイズに相応しくないよ!ねぇたっくん!」ハフハフ

巧「・・・」ムス

真理「どうしたのかしら?巧さん?」ハフハフ

巧「見てわかんないのか?」ムス

真理「あら?〝スキヤキ〟はお気に召しませんでした?」

巧「ああ、ツッコむのも疲れた」

真理「それはそれは。これに懲りたらもっと人に優しくしましょうね」

巧「啓太郎。フーフーした肉よこせ」

啓太郎「フーフー」

真理「甘やかさない!」

啓太郎「でも、たっくん今日頑張ったし」

ピンポーン

真理「え?こんな時間に誰?」

巧「俺が見てくる誰かさんのせいで〝暇〟だから」ピキピキ

真理「ええ、よろしくお願いしますね」ピキピキ

啓太郎「相性いいよね本当」

ピンポーン

――玄関

巧「はいはい。どなたですか」

ガチャ

沙耶「やっほー」

巧「・・・」

沙耶「驚かないの?」

巧「真理ーお客さんだぞ」

沙耶「あら、知ってたの?」

巧「変な事吹き込みやがって」ボソッ

真理「あれ?沙耶師匠!」

沙耶「…その師匠ってのはやめて」

真理「どうしたの?こんな時間に」

沙耶「会いにきたの」

真理「え?今日も会ったのに」

沙耶「乾くんに会いにきたの」

真理「え?え?」

巧「はぁ……」

沙耶「私のオトモダチ。乾巧くん」

真理「えぇぇぇぇぇぇ!!!」

啓太郎「どうしたの?真理ちゃ…あっ!たっくんの元カノさん!!!」

――リビング

グッグッグッグッ

沙耶「私まで頂いちゃってよかったんですか?」フーフー

啓太郎「ええ!お肉たくさん買ったので!!」ポワーン

巧「」フーフー

真理「」ハムハム

沙耶「啓太郎さんってやさしいんですね」ニッコリ

啓太郎「はふぅ」ドキドキ

真理「啓太郎、キモい」キッ

啓太郎「はふ……」ズーン

沙耶「」フーフー

巧「」フーフー

沙耶「はい。乾くんお肉」サッ

巧「サンキュ。あ、春菊嫌いだよな。それくれ」サッ

真理「」アゼン

沙耶「たまご、たま…」

巧「はいよ」サッ

沙耶「サンキュ」カパッ

真理「いや、おい」

巧「どうした?食わないのか?肉無くなるぞ」

沙耶「大きくなれないよ?」

真理「いや、もうやりとりが夫婦じゃん」

啓太郎「自分の家なのにすごい疎外感だった」

沙耶「あら、申し訳ありません。私ったら」アハハ

巧「まぁ、昔から図々しいとこあるからな」フッ

真理「いやいやいや、お前誰だ?乾巧か?本当に乾巧か?」

巧「何言ってんだお前?」

啓太郎「なんだろう、たっくんから優しさが溢れ出てる」

沙耶「乾くんっていつもカリカリしてるからね」フーフー

巧「してねぇよ」フーフー

真理「おい、フーフー夫婦」

巧「つまんないぞ?それ」

真理「そもそもなんで沙耶は巧に会いにきたの!?」

沙耶「真理と話してたら、もしかしてって思って」

沙耶「あと、この前道でばったり会った時、啓太郎さんの車にこのお店の名前が書いてあったから」

真理「洞察力がエグい!!」バッ

沙耶「乾くんとは話したい事いっぱいあるし」

巧「ああ、俺もお前と〝いっぱい〟話したい事がある」

真理「」グワッ メラメラメラ

啓太郎(これ、修羅場なのかな?)

真理「そう。お好きにどーぞー」ガシャン

真理「ごちそーさま!!」ガタッ

巧「真理」

真理「なによ!」クワッ

巧「なにカリカリしてんだ?思春期か?」

沙耶「そうよ?まだ残ってるんだから最後まで食べないと」

真理「あたしはあんたらの…」ワナワナワナ

真理「子供じゃないっつーの!!!!」バン!!!

グッグッグッグッ

真理「ふん!!!」ツカツカツカ

啓太郎「ま、真理ちゃん?ちょっと待って!」タッタッタッ

・・・・

グッグッグッグッ

沙耶「乾くんってモテるんだ」ボソッ

巧「勘弁してくれ、そういうのじゃないって分かるだろ」ハァ

沙耶「…真理は、居場所を守りたいんだね」

巧「」フーフー

沙耶「乾くんの知らない顔みて戸惑ってるみたいね」

巧「お前、悪魔みたいな性格してんな」

沙耶「かわいい妹だもん。いじめたくなっちゃう」フフフ

巧「」ガチャン

沙耶「怒った?」ニコ

巧「いや、質の悪い冗談を聞いて食欲が失せただけだ」

グッグッグッグッ

巧「で、何が目的だ?」

グッグッグッグッ

沙耶「改めて口止めしておこうと思って」

グッグッグッグッ

巧「・・・」

巧「〝同窓会〟のことなら話してない」

沙耶「そっか…」

グッグッグッグッ

沙耶「ねぇ乾くん」

沙耶「私たち、どこで間違えたのかな?」

――2年前 都内 風都市近くの喫茶店

カランコロンカラン

マスター「いらっしゃい。お、沙耶ちゃん」

沙耶「マスター、いつもの」

マスター「はいよ。仕事は順調?」コポコポ

沙耶「まだ始めたばかりだから大変だよ」ハァ

沙耶「今日もお休みなのに、これから講習行かなきゃだし」

マスター「まだ若いのに偉いね」カチャカチャ

沙耶「偉くないよぉ、ひとりで生きてるから必死なだけ」ヘラヘラ

マスター「はい、“いつもの”ホットラテ」ホカホカ

沙耶「あ、ありがとう」グルグル

マスター「〝昔〟から好きだよねぇホットラテ」フキフキ

沙耶「うん。ここのホットラテ美味しんだもん」グルグル

マスター「嬉しいねぇ~こんな可愛い子が俺のファンだと思うとウキウキしちゃうよ」

沙耶「マスターのコーヒーのファンだよ」ニコ

マスター「いなし方も上手いね」ハハハハ

カランコロンカラン

巧「マスター。これ、郵便」

沙耶「・・・」グルグル

巧「・・・」ジーッ

マスター「おう。サンキュー。あ、沙耶ちゃん、こいつ新人の乾」

沙耶「あ、どうも木村沙耶です」グルグル

マスター「沙耶ちゃんは昔から家族でここの常連さんでね」

マスター「前に海外に引っ越しちゃったんだけど、最近また戻ってきて…」

沙耶「マスター」ハァ グルグル

巧「・・・」

マスター「ごめんごめん、まぁつまり火曜日の常連さんだ。乾、自己紹介して」

巧「乾巧」ムス

マスター「こら!もっと愛想よくしろ」ハァ

巧「あ、すみません」ツカツカツカ

沙耶「・・・」



〝一目惚れだった〟


――

カランコロンカラン

マスター「いらっしゃい」

沙耶「マスター、いつもの」

マスター「はいよ」

店員A「沙耶さん!」ニコニコ

店員A「今日はお仕事ないんですか?」

沙耶「…ええ。急に休みになって」ハハ

マスター「はい、ホットラテ」カチャ

沙耶「ありがとう」グルグル

店員A「沙耶さんならきっと立派な美容師になれますよ」

沙耶「…そうですか?ワインディングもまともにできないんですよ私」

マスター「ワインディング?」

沙耶「あーパーマ当てる時のクルクルするやつで…」

カランコロンカラン

巧「…おはよっ…す」

沙耶「あ…」ペコ

巧「・・・」ペコ

店員A「乾くん!あいさつはちゃんとする!」ムスムス

巧「おはよう、ございます」ムス

マスター「乾、講習はどうだった?」

巧「よく眠れました」ファァ

店員A「乾くん!」

沙耶「」クスクスクス グルグル

巧「・・・」

マスター「お前、まじめに受けないとバイク免許取れないぞ?」ハァ

巧「まぁ、実技はちゃんとやるんで。それじゃ」トコトコトコ

店員A「なんだアイツ」チッ

沙耶「あの人、バイク免許受けてるんですか?」グルグル

マスター「ああ、そうなんだよ」

店員A「費用、マスターが貸したんですね?なのにあの態度」

マスター「ちゃんと毎月分割で返して貰ってるつーの」ポカ

店員A「いた」サスサス

マスター「乾も来たし今日は、もう上がっていいぞ」

沙耶「・・・」グルグル

――それから数週間

ザーザー

カランコロンカラン

バサバサ

沙耶「マスター、いつも…の…」アッ

巧「…らっしゃい」

沙耶「あの、マスターは?」

巧「買い出しに」

沙耶「そう…なんだ」ウッ

巧「…カウンター、どうぞ」

沙耶「あ、は、はい」ヨソヨソ

・・・

巧「」カチャカチャ コポコポコポ

沙耶「雨、すごいですね」

巧「ああ」カチャ

沙耶「・・・」

ザーザー

コポコポコポ

ザーザー

巧「はい。これ」カチャ

沙耶「え?でもこれいつものじゃ」

巧「おごり」

沙耶「でも私、ブラックは…」

巧「水割り」

沙耶「え?」

巧「コーヒーの水割り」

沙耶「なんですそれ?」

巧「いいから飲んでみて」

沙耶「は、はぁ」ズズズ

沙耶「あ…」

巧「あんた、ネコ舌だろ?」フッ

沙耶「え、なんでわかったんですか!」

巧「いつも、ホットラテをグルグルしてたから」

沙耶「あ、あー…なんかここ最近熱いのダメになっちゃって」ハハ

沙耶「でもそれ言うとマスターに悪いかなって…」ハハ

沙耶「本当、困りますね、ネコ舌って」

ガタッ

巧「俺、乾巧!よろしくな」パァァァァァ ニコニコ

沙耶「え、あ、はい!木村沙耶です!」

巧「ネコ舌同士、がんばろう!」

沙耶「なにを!?」

巧「熱い時はな、フーフーすると飲みやすいぞ」

沙耶「フーフー?」

巧「あぁ、こうやって」フーフー

沙耶「」フーフー ズズズ

巧「な?飲みやすいだろ?」ニコ

沙耶「そうだね」フフ

――2週間後

カランコロンカラン

\ワハハハハハ/

店員A「おはようございます」

沙耶「もう!乾くんの方が不器用じゃん」アハハハ

巧「うるせぇな!」ムスー

店員A「」ムッ

店員A「なんです?あれ?」

マスター「おお、乾がな大口叩いてワインディングをやったんだが」

マスター「それがもう下手くそでな」プッ

店員A「へ、へぇ…」

マスター「おい乾、今日はもう上がっていいぞ!」フフ

巧「あ、はい」

沙耶「じゃあ私もそろそろ!乾くん!バイク乗っけて!」

巧「はぁ?歩けよ!」

沙耶「そう言いつつヘルメット用意してるの知ってるよ?」

巧「お前の為じゃないし」

店員A「」ボーゼン

マスター「あれはお互い満更でもないな」ニヤ

店員A「っ」グッ

マスター「乾!沙耶ちゃんを送ってやれー!」

巧「マスターまで!」

マスター「最近、この辺じゃ痴漢が出るらしいぞ!」

巧「うっ」

沙耶「だって」キラキラ

巧「わかったよ」トホホ

沙耶「やったー!」

マスター「青春だねぇ」

店員A「あ、沙耶さん!あの」

カランコロンカラン

店員A「っ・・・」グッ

――巧のバイク

ブォォォォォォォォォッ

沙耶「乾くんーこの後ひまー?」

ブォォォォォォォォォッ

巧「あぁー?暇じゃないー」

ブォォォォォォォォォッ

沙耶「暇なんだー!ご飯行こうよー」

ブォォォォォォォォォッ

巧「あのなぁ!そういうのは勘違いされ
沙耶「聞こえなーい!ほらあそこ!」

ブォォォォォォォォォッ

――スキヤキしゃぶしゃぶ『ギューギュー楽園』

グッグッグッグッ

巧「・・・」

沙耶「・・・」

グッグッグッグッ

巧「なんでわざわざスキヤキなんだよ!」

沙耶「食べたかったんだもん」フーフー

沙耶「ほら、ネコ舌仲間じゃないとさ、お肉取られちゃうじゃん」フーフー

巧「…それもそうか」フーフー

沙耶「はい。乾くん。あーん」

巧「やめろ、くれるなら普通にくれ」

沙耶「あ、春菊嫌いだからあげる」ポイ

巧「お行儀悪いぞ」フーフー

・・
・・・
・・・・

沙耶「あーお腹いっぱいー」

巧「そうだな」

沙耶「あ!そうだ、ここ行こう!」スマホ ポチポチ

巧「公園?」

――東京 星美公園

リンリーン

沙耶「みて、乾くん!星!」

巧「またこりゃ安易な場所だな」チラ

イチャイチャ イチャイチャ

巧「カップルだらけだし」ハァ

沙耶「そういうこと言わない」

巧「なんかあったのか?」

沙耶「なんで??」

巧「今日はわがままが多い」

沙耶「へぇ、乾くんよくわかってんじゃん」フフ

沙耶「」クルッ

沙耶「…乾くんさ、3年前何してた?」

巧「それなりに生きてた」

沙耶「私さ、施設にいたんだぁ」

巧「へぇ」

沙耶「興味なさげ」ムスー

巧「別に珍しいことじゃないだろ。あんな事があったんだから」

沙耶「まぁ最近はね、でも私は指パッチンの前から施設育ちなの」

巧「そうか」

沙耶「乾くんもなんでしょ」

巧「……」

沙耶「同じ目。なんかわかっちゃうんだよね」

沙耶「みんな、どこか寂し気な目になるから…」

沙耶「…私達ってさ、どうしてひとりなんだろうね」

巧「そんな話がしたいのか?」

沙耶「あ、ごめん。無神経だったね……」

巧「・・・」ハァ

巧「ガキん時、家族で行った飯屋のビルが火事になった」

沙耶「・・・」

巧「その時からひとりだ」

沙耶「私は10才の時。お父さんの仕事の関係でラゴスってとこに住んでたんだけど」

沙耶「事故に巻き込まれて…それから」

巧「よく戻ってこれたな」

沙耶「うん。新しいお父さんが迎えに来てくれたから」

巧「そうか」

沙耶「乾くんは、迷惑に思うかもしれないけど」

沙耶「なんかこういう話したかったんだよねぇ」

巧「迷惑じゃねーよ」

沙耶「ありがとう…」

巧「別に…」

沙耶「あの喫茶店はさ、お父さんとの思い出の場所なの」

沙耶「〝いつもの〟ホットラテも思い出」

巧「そうか…」

沙耶「乾くんが出してくれたコーヒーの水割り、不味かったよ」

巧「随分とロマンチックなクレームだな」

沙耶「でもね、新しい自分と向き合えたんだ」

沙耶「思い出にすがるだけじゃ前に進めないもんね」

巧「そんな深い意味はねぇよ。あのコーヒーには」

沙耶「私の“いつもの”が、前に進めた」

沙耶「乾くん、私ね…」クルッ

巧「・・・」

沙耶「ううん、なんでもない」

巧「そうか」ホッ

沙耶「あ、告白されると思った?」ニコ

巧「またわがまま言われるんだと思った」

沙耶「そっか」フフ

カランコロンカラン

海堂「おっす」

マスター「いらっしゃい。お、直也!練習はいいのか?」

海堂「サボりだよサボり!言わせんなちゅうの、奥いい?」

マスター「おう!いいぞ!」

海堂「サンキュ」チラッ
海堂(あ、沙耶さんがいる…今日もお美しい)ポワーン

沙耶「……」アッ ペコ

海堂「あ、どうも…」モジモジ トコトコ

沙耶「はぁ…」

沙耶「はぁぁぁぁぁ」

マスター「で?うまくいったの?」ニコ

沙耶「いや、脈はあると思うんだけどなぁ…」

マスター「あいつ素直じゃないからね」

沙耶「そーなんですよ……ってなんの話してるの!?」

マスター「いや別に」ニヤニヤ

沙耶「ニヤニヤしないで!」カァァァァ

カランコロンカラン

沙耶「あっ」パァァァァァ

店員A「おはようございます」

沙耶「…あ、おはようございます」ニコ

マスター「あれ?お前今日シフトじゃないだろ?」

店員A「ええ!今日はお客としてきました!」

マスター「おお、そうか。何にする?」

店員A「では〝ホットラテ〟を」

マスター「はいよ」

沙耶「あ、マスター。私ぬるいコーヒーおかわり」

マスター「はいよ」フフ

沙耶「笑わないでよ!もう!」カァァァ

店員A「あれ?沙耶さん、ホットラテは?」

沙耶「あ、私……」

マスター「誰かさんと同じのを飲みたいんだよね」

沙耶「そういうんじゃないから~!もう!」カァァァァ

マスター「はいはい」ニヤニヤ

店員A「・・・?」

カランコロンカラン

巧「おはようっす」

店員A「・・・」ムッ

巧「あ、ども」ペコ

沙耶「乾くん!乾くん!あのさ」

巧「あ、〝沙耶〟今日時間あるか?」

店員A「〝沙耶〟?」

マスター「おっ…とうとう」コポコポ

沙耶「え?じ、時間?オールで空いてるよ!オールで!」

巧「そうか、じゃあシフト後にここで」トコトコトコ

マスター「はい。ホットラテとおかわりのコーヒー」

沙耶「」ポーッ

マスター「沙耶ちゃん?」

沙耶「えー?なんですかぁ」ニマー

マスター「わかりやすっ」タラーン

店員A「・・・」プルプル

――5時間後

カランコロンカラン

マスター「いらっしゃ…」

沙耶「さっきぶりです」キラキラ メイクバッチリ

マスター「気合がエグい」

沙耶「え?なんですか?」ニコー パァァァァァ

マスター「眩しい!美少女って気合が入ると本当に光るんだ!?」

巧「おう、来たか」ニコ

沙耶「乾くん!」

巧「勝負だ!!」

沙耶「うん?」ニッ

――20分後

巧「」クルクル カチャ

巧「よし……どうだ」エッヘン

マスター「25分20秒…」

沙耶「」ニコニコ

沙耶「はい?」ニコニコ

巧「俺の勝ちだな」フフ

沙耶「それで?」ニコニコ

巧「ワインディング練習したんだよ!」

巧「これで俺のことを不器用とは言わせないぜ」ニコニコ

マスター「負けず嫌いだなぁ」

沙耶「なるほど、そういうこと」ニコニコ

マスター(沙耶ちゃんって怒るとニコニコするんだね)

沙耶「マスター、お願いします」ニコニコ ウデマクリ

――20分後

沙耶「」クルクル カチャ

沙耶「よし…」

マスター「23分16秒…」

巧「」ガタッ

巧「嘘だ!」

沙耶「乾くん、私仕事でやってるから」ニコニコ

沙耶「これでもお店では遅い方だからね」ニコニコ

マスター「力の差を見せつけたね」

巧「くそっ」

マスター「乾、お前は何になりたいんだ」

巧「夢は、夢はない」ジワッ

沙耶「」ゾクゾク

マスター「いや、重い話したいわけじゃないんだ」

沙耶「マスター!」

マスター「どうしたの?」

沙耶「最高の気分れぇふ!」ハァハァ

マスター「何かに目覚めたね」

巧「覚えてろ!」ダッ

沙耶「待って」ガシッ グッ

巧「え?」

沙耶「敗者がタダで帰れると思うの?」ニコニコ

マスター「これが狙いか」

――3ヶ月後

カランコロンカラン

店員A「いらっしゃい!沙耶さん!」

沙耶「…あ、どうも、マスターは?」

店員A「買い出しです!」キュッキュッ

沙耶「そうですか…」

店員A「カウンターどうぞ!」

店員A「今、〝いつもの〟出しますね!」

沙耶「あ、はぁ…」

店員A「僕からのオゴリです!」

・・・・
・・・
・・

店員A「それで、マスターがね」ペチャクチャ

沙耶「は、はぁ…」ジッ

〝ホットラテ〟ホカホカ

沙耶「・・・」フーフー

店員A「どうしたと思います?」

沙耶「え?なんでしょう?」フーフー

店員A「カレーを間違えて出したんですよ!」アヒャヒャヒャ

沙耶「へぇ…はは…」フーフー

店員A「沙耶さんはハヤシライス好きですか!?」ニコニコ

沙耶「いやー私は冷たいのが好きですね」フーフー

店員A「僕も冷たい食べ物好きですよ!気が合いますね!」

沙耶「そ、そうなんですか」フーフー フーフー

カランコロンカラン

巧「おはようございます」

店員A「おぅ!おはよう!」

巧「…どうしたんすか?」

店員A「何が?」

巧「いや……」チラッ

沙耶「お、おはよう」フーフー

巧「おぅ」

沙耶「」フーフー

沙耶「」フーフー ハハ

巧「いや、そんな締まりのない面して気持ち悪りぃなって」

・・・・
・・・
・・

マスター「やめろ!ふたりとも!」

店員A「てめぇ乾!!調子のんな!!」ガッ

巧「うるせぇんだよ!気持ち悪ぃな!!」

沙耶「もういいから!乾くん!!」

巧「お前は関係ねぇだろ!」

マスター「乾!!」

店員A「沙耶ちゃんになんて口聞くんだよ!!」

巧「あんたさ?沙耶にちょっかい出す前に仕事ちゃんとやれよ!」グッ

マスター「乾!もうやめろ!!」

沙耶「乾くん!やめて!」

店員A「はぁ?意味わかんねぇし?お前おかしいんじゃないの?」キョロキョロ

沙耶「乾くん!お願い!」

巧「おまえも無神経過ぎんだよ!!嫌なもんは嫌ってハッキリ言えよ!」

店員A「被害モウソーだな!被害妄想!」

沙耶「乾くん…」

巧「そういうどっちつかずな態度がこういう奴を勘違いさせんだよ」

店員A「勘違い?お前、沙耶ちゃんの何なんだよぉ!!」

巧「はぁ?」

店員A「お前こそ、勘違いしてんじゃねぇーの?」

沙耶「・・・」

マスター「お前たちいい加減にしろ!!」

巧「・・・っ」

店員A「沙耶ちゃんの何なんだよぉ!お前はぁぁぁぁ」

巧「友達だよ!!」

マスター「…っ乾、お前」

店員A「〝ただ〟の友達かよ」ボソッ

巧「…いや、だい
沙耶「そうですよ。乾くんは〝オトモダチ〟です」

マスター「沙耶ちゃん…」

沙耶「あの、私、帰ります」ペコ

タッタッタッタ

カランコロンカラン

マスター「乾…」

巧「…すみません仕事もど
マスター「いや、追いかけろ」

巧「・・・」

マスター「追いかけろ」

店員A「なら俺が」

マスター「お前は店を片付けろ!!」

店員A「は、はい!」スタタタタ

マスター「乾!!ちゃんと話してこい!!」

巧「」ペコ

カランコロンカラン

マスター「はぁ…不器用過ぎるだろ。あいつら」ポリポリ

――星美公園 ベンチ

沙耶「」ヒッグ…ヒッグ…

〝巧「友達だよ!!」〟

沙耶「・・・っ」ジワッ

沙耶「やだなぁ…かっこわるい」

沙耶「こんなとこ、流星塾のみんなが見たら…笑うだろうなぁ」


〝沙耶を泣かせるやつは、あたしがぶっ飛ばすから!!〟


沙耶「…本当、いやだ」ツー

〝巧「俺の勝ちだな」フフ〟

〝巧「その時からひとりだよ」〟

〝巧「お行儀悪いぞ」フーフー〟


沙耶「やだ・・・」


〝巧「な?飲みやすいだろ?」〟


沙耶「・・・きなの」ジワッ

〝巧「ネコ舌同士、がんばろう!」〟


沙耶「友達じゃ・・・」


〝一目惚れだった〟


沙耶「乾くんが……好き」ポロポロ…


巧「」ハァハァ


沙耶「」ポロポロ…

巧「泣くな」

沙耶「タイミング悪過ぎだよ」ゴシゴシ

巧「あーその…ちゃんと最後まで言ってないし」

沙耶「やだ、聞きたくない」グスン

巧「大事な友達だ」

沙耶「・・・」

沙耶「残酷だなぁ・・・」グスン

巧「俺、友達いないんだ」

沙耶「でしょうね!!」

巧「だから、その」

巧「沙耶が初めての友達だ」

沙耶「・・・」

巧「だから、どうしていいか…」



〝この人、恋した事ないんだ〟



沙耶「そっか」


〝友愛も恋愛も、わからないんだ〟


沙耶「じゃあ、男女の友達の仲直りの仕方…教えてあげる」


〝それなら、恋人じゃなくていい〟


巧「え?性別で作法とかあんの?」


〝一生、別れないオトモダチが1番いいじゃん〟

沙耶「そうだよ。こっちきて」

巧「おお」サッ

沙耶「目つぶって」

巧「いや、お前それは」

沙耶「目、つぶる!」

巧「わかったよ!!…これで」

沙耶「」グッ

巧「むぐ」グワッ

沙耶「っ…」ギュッ



〝私の勝ち〟


巧「っぷ……おま!これ!」

沙耶「あー照れてるー」マッカ

巧「いや、お前、これ!」アワワワワ

沙耶「これで仲直りだね!乾くん」

巧「おい、沙耶!こういうことは!」

沙耶「〝私たち〟はするんだよ〝オトモダチ〟だから!」

巧「いや……俺初めてだったんだぞ!」

沙耶「私もだよ」

巧「はぁ?」

沙耶「ファーストキス」

巧「おま、おま、なおさら!」

沙耶「初めてが私じゃイヤだった?」

沙耶「私は、乾くんで大満足だよ」

巧「・・・っ」

巧「勝手にしろ!」プイ

沙耶「耳まで真っ赤じゃん~」ニコォ

巧「帰るぞ」カァ

沙耶「お詫びにスキヤキ奢ってよ」

巧「もうお詫びはしたろ」

沙耶「あれはお詫びじゃないよ。スキンシップ!」

――現在 西洋洗濯舗 菊池

グッグッグッグッ

沙耶「ねぇ乾くん。私たち、どこで間違えたのかな?」

グッグッグッグッ

巧「間違い?」

グッグッグッグッ

巧「いや、今んとこ間違いだと思ったことはない」

沙耶「さびしいやつ」ボソ

巧「・・・」

沙耶「知ってる?人って泣きながら生まれてくるんだよ」

巧「俺は泣かなかった」

沙耶「乾くんは、生まれた時から文句垂れてそうだね」

巧「ああ、出すのが遅いってな」

沙耶「」フフ

沙耶「でも死ぬ時は笑顔か泣き顔か、それは自分で決められるじゃない?」

巧「ああ、そうだな」

沙耶「私は笑顔がいいんだけどなぁ」

巧「俺は…」

沙耶「しかめっ面してないで一緒に笑顔になろうよ」

巧「何が望みだ?」

沙耶「渡したい物があるの」

巧「・・・」

沙耶「でも、それを渡したら最後になる」

巧「何考えてんだお前」

沙耶「一緒に行かない?ふたりで…あの時みたいに」

グッグッグッグッ

≪オープンユアアイズ フォザ ネクスト 555≫
デッデ テレレ テッテーテレー デッデ テレレ テッテーテレー♪

デイジー「3本目のベルト?」

草加「忘れもしない……〝同窓会〟の日だ」

沙耶「乾くんには、友愛も恋愛も……家族愛も全部一緒」
真理「単純そう」
沙耶「1番複雑だよ」

巧「……死なないでくれ、お願いだから」デッテンテンッテテン♪

いったんここでストップします。また今日の夜に書き込む予定です。

――同時刻 東京 シティホテル屋上

スパイダーマン「草加さん、こっち」

草加「ありがとう」ヨロ

スパイダーマン「気にしない
カマラ「マサト!」

ドン

スパイダーマン「うわぁ」スッテンコロリン

草加「カマラ…悪いけどティシュを」

カマラ「ボロボロじゃん!シモンズ博士!早く!」

カラカラカラカラ

ジェマ「クインジェットに乗せて!早く!」

捜査官「わかりました!!」

草加「・・・っ」ドサッ

カラカラカラカラ!

カマラ「マサト?聞こえる?マサト」

草加「ああ、聞こえてる。ティシュをくれ」

カマラ「これでいい?マサト?」フキフキ

草加「…自分でやるから、放っておいてくれ」

ジェマ「鎮静剤を
草加「待て!その前にみんなと話がしたい」

カマラ「やだよ!マサト!私を置いていかないで!」

草加「死なないよ。意識失う前に話したい事があるだけだ」フキフキ

ジェマ「こんな時まで…」

スパイダーマン「僕も……いるんだけど」ドサッ

――クインジェット内

デイジー「3本目のベルト?」

草加「ああ…あいつはデルタギアと言っていたが…」

フィッツ「ファイズは、くそウォードが持っていてカイザはこっち、じゃあもう一つのデルタは誰が?」

草加「もしかすると流星塾の誰かが持っていたのかもしれない」

フィッツ「流星塾?」

ジェマ「花形社長が開いてた孤児院兼学校ね」

草加「さすがシモンズ博士だ。もうファイルを読んだのかい?」

カマラ「ファイルって?」

ジェマ「スマートブレインから貰ってきた極秘ファイルよ」

ジェマ「でも残念なお知らせ…ファイルは破損してた」

草加「まぁあんな戦闘があったんだ、命があるだけラッキーということか」

ジェマ「ええ、だからコピーした時に私が読んだ分しか情報は得られなかった」

デイジー「それでも大収穫よ。それで?その流星塾のメンバーはどこにいるの?」

草加「死んだ」

デイジー「え?」

草加「アメリカで全員、死んだんだ」

ジェマ「・・・」

デイジー「小出しにしないで全部教えてよ!」

草加「流星塾のメンバーは父を探しにアメリカに来たんだ。カイザのベルトと一緒にね」

草加「シモンズ博士は知ってるみたいだから隠しても無駄だな」

ジェマ「ええ、カイザのベルトは使用者への負荷がかかり過ぎるの」

ジェマ「個人差はあるけど、変身が解けたら使用者は灰になる」

カマラ「じゃあマサトは!?」

草加「僕は適合したらしい。だから死ななかった」

カマラ「マサトぉぉぉぉ」ダバー ガバッ

草加「今死にそう」

デイジー「カマラ、ハウス」

ジェマ「でもマサト。本当に大丈夫?資料によれば適合者は…」

草加「ああ、それなら大丈夫さ…スマートブレインは俺の存在を知らないからね」

デイジー「知らない?」

草加「シモンズ博士。人体実験のことは?」

ジェマ「去年の11月16日…10代~20代前半の男女を使った極秘実験があった」

ジェマ「記号適合実験って書いてあったけど、それのことよね?」

草加「ああ、思い出したくもないが…その被験者は流星塾のメンバーだ」

ジェマ「そんなはずないわ!!」

デイジー「ジェマ?」

ジェマ「だって、全員カテゴリーレッドだったのよ?」

カマラ「カテゴリーレッド?」

フィッツ「被験者、死亡」

カマラ「うそ……」

デイジー「・・・っ」

草加「そうだ。そして俺は被験者として囚われる直前に逃げ出した」

〝??「ガルルルル」〟

草加「忘れもしない……〝同窓会〟の日だ」

ジェマ「なんでその日に亡くなった人達がアメリカに現れたの?」

草加「……」

草加「俺にも、それはわからない」

カマラ「どちらにせよその人達はもういないんだから、ここで行き詰まりじゃない?」

草加「いや、アメリカに来なかった子がいる。その子なら」

――西洋洗濯舗 菊池 真理の部屋

真理「・・・」グダー

〝沙耶「大事なオトモダチ」〟

真理「・・・」ゴロゴロ

〝沙耶「身体は大きいけど、心はチワワかぁって」〟マリー

真理「絶対好きじゃん」ボソ

〝啓太郎「スタイルよかったよ?」〟コンコン

真理「」ガバッ

真理「・・・」

真理「」モミモミ

真理「・・・」

〝沙耶「ワンちゃーん」〟ガラガラ

〝沙耶「アハハハ」ストン キュッ キュッ〟

真理「乳は勝ってる」モミモミ

沙耶「失礼な事考えてない?」

真理「沙耶!!?なんで!」

沙耶「何度も呼んだよ?ノックもしたし」

真理「マジ?」モミモミ

沙耶「あ、ごめん…」

真理「?」モミモミ

真理「」ハッ

真理「違う!」モミモミ

沙耶「自分の乳いじくりながら言われても」サー

真理「違う!そうじゃなくて!乳は沙耶に勝ってるって思っただけ!」

沙耶「やっぱり失礼な事考えてた」ニコニコ

真理「あ…」

沙耶「少し話さない?」

真理「う、うん」

――ベランダ

沙耶「・・・」フワッ

真理「」ポー

真理(いや、女神か?綺麗過ぎるでしょ)

沙耶「風、気持ちいいね」フワッ

真理(大気まで味方につけた!?)

沙耶「乾くん…」

真理「え?」

沙耶「可愛いでしょ?」

真理「いや、どこが?」マガオ

沙耶「素直じゃないなー」

真理「いやいや、マジでどこが?」

沙耶「人の事ばっか考えて、損な役回り引き受けて」

沙耶「いっつも泣きそうになってるところ」

真理「誰の話してる?」

沙耶「もちろん、乾巧くんの話」

真理「じゃあ見解の相違だね」

沙耶「そう?あの人の泣き顔なんて」ゾクゾク

沙耶「考えただけでドキドキする」ニマー

真理「うわー」(うわー)

沙耶「心の声、漏れてるよ」

真理「絶対好きじゃん…」

沙耶「え?そうだよ?」

真理「いや隠しても…え?」

沙耶「乾くんのこと、大好き」

沙耶「大好きなオトモダチ」

真理「ああ、そういう…」

沙耶「彼ね、愛を知らないの」

真理「修羅の国から来たんだもんね」

沙耶「なにそれ」フフ

沙耶「乾くんには、友愛も恋愛も……家族愛も全部一緒」

真理「単純そう」

沙耶「1番複雑だよ」

真理(怒ってる?)

沙耶「だから、真理が乾くんに感じてる愛は」

沙耶「彼には伝わらないよ」

真理「な、なんの話をしてるの?」

沙耶「恋みたいにドキドキしない、友情みたいに楽しくない、家族愛みたいに無償でもない」

沙耶「じゃあ真理ちゃんは何を求めてるでしょう?」

真理「さっぱりわからない」

沙耶「乾くんが取られそうになるとヤキモキするし、乾くんが離れると追いかけちゃう、乾くんがいなくなったら身が引き裂かれる思いになる」

真理「・・・」

沙耶「それは、彼に〝安心〟を求めるから」

真理「違う!そんなの求めてない!!」

沙耶「彼を独占したいのは、そうする事で安心していられるから」ニコニコ

真理「違うよ!」

沙耶「機嫌が悪い時は、いじめちゃうの。だって彼は受け止めてくれるもん。」

沙耶「我慢するでもなく、無視するでもなく、圧倒的な力でねじ伏せるのでもなく」

沙耶「対等に、同じ速度で、〝一緒に歩いてくれる〟」ニコニコ

真理「私はそんな風にあいつを見てない!!」

沙耶「でもね真理、もう乾くんを解放してあ
巧「大きなお世話だよ」

真理「巧!」

タッタッタッタ

真理「私、そんな事考えてない!私!」ガシッ

巧「わーってるよ。そんな器用な脳味噌してねぇだろ」ヨシヨシ

沙耶「もう、甘やかすんだもんなぁ」プイ

巧「お前はいじめ過ぎだ」

沙耶「反省してまーす」フン

真理「え、なんなの?なんで2人ともこんな和やかなの?」

巧「あぁ、あのな真理…」

巧「俺しばらく、この家を離れる」

――1年半前 喫茶店

マスター「21分31秒」

沙耶「また私の勝ち」

巧「何故だ!なんで勝てねーんだ!!」

店員B「乾くん力みすぎなんじゃね?」

巧「ならやってみろよ!」

店員B「いや仕事中だから」ムカ

沙耶「ほら、すぐ吠えないの」

巧「うるせぇな!」ガルルル

沙耶「よしよし、お姉さんが相手してあげるから」

巧「同い年だろ!」

店員B「はぁ、イチャイチャするならどっか別の場所でやれよ」チッ

マスター「まぁ確かに、デートでもしてきたらどうだ?」

巧「いや、デートって」

沙耶「乾くんはここが1番落ち着くんだよねぇ」ニタニタ

巧「こんな不気味なマネキン持って他のところ入れないだろ!!」

マスター「うちもやめてくれよ」

店員B「マスター、マスター」

マスター「はい、マスターです」

店員B「ふたり付き合ってるんですか?」

マスター「沙耶ちゃんはそのつもりだろうね」

店員B「はぁ?じゃあ乾の方は遊びなんすか?」

マスター「いや、そんな軽薄なヤツではないよ」

店員B「でもそれじゃ沙耶ちゃん可愛そうじゃないですか」

マスター「よそは他所ってやつさ。案外ああいうタイプが気付いたらゴールインかましてるもんだよ」

店員B「なんか釈然としませんね。なんで乾とあんな美人が」ギリギリギリ

沙耶「乾くん!乾くん!」

――その2か月後 アパート 巧の部屋

ミーンミンミン、ジリリリ

沙耶「乾くん、その段ボールこっち」

巧「はいよ」

沙耶「えーとこれは」ガサゴソ

巧「……なぁ」

沙耶「あ、ハサミとって」パッパッ ドサ

巧「ほれ」サッ

沙耶「サンキュ」

巧「あのさ…」

沙耶「あとは…」ウーン

巧「おい、沙耶」

沙耶「なに??」

巧「なんでうちで荷解きしてんだ」

沙耶「え?一緒に住むから」

巧「だからなんで一緒に住む流れなんだよ!」

沙耶「だから、うちが老朽化による立て直しで引越ししないとって話で」

沙耶「マスターがふたりで住めば?って言ったから」

巧「だからなんでそれでOKって話になるんだよ!」

沙耶「だってここ、マスターの実家のアパートだし」

巧「そうだけど!俺の意思はどうなるんだよ!」

沙耶「ダメなの?」ビックリ

巧「お前なぁ、年頃の男女が一緒に住んで間違いがあったらどうすんだよ!」

沙耶「正解にしたらいいんじゃない?」

巧「謎かけしてるわけじゃねぇよ!!」

沙耶「乾くんは狼になるタイプじゃないでしょ」

巧「……まぁ」

沙耶「あ、自信ないんだー」

巧「いや、友達にそんな事はしない」

沙耶「なんか、それはそれで傷つくなぁ」

ミーンミンミン

沙耶「あー暑い」チラ

巧「扇風機回すか」

沙耶「あー暑いなぁー」チラ

巧「…何考えてんだ」ハァ

沙耶「しーらない。シャワー浴びてくる」

巧「じゃあコンビニ行ってくる」

沙耶「〝一緒に入ってくる〟?」

巧「どういう耳してんだよ!!率先して間違いを犯すな!!」ムスー

バタン

沙耶「間違いかぁ」

・・・・
・・・
・・

沙耶「」ズズズ
巧「」ズズズ

沙耶「そうめんって最高だね」

巧「冷奴、盛り蕎麦、冷やし中華に次ぐネコ舌界の救世主だからな」ズズズ

沙耶「乾くんってネコ舌の話になると饒舌だよね」ズズズ

沙耶「あ、乾くん。私ふとんは持ってないから」

巧「」ズズ



カァー カァー カァー



巧「」ズズズ

巧「お前!今、言うか!?」

沙耶「覚悟を決めて来ました」

巧「決めるな!そんな覚悟!」

沙耶「でも一晩くらい大丈夫でしょ!なんなら1組あればOKじゃない?2人だし」

巧「2組必要だろ!!」

沙耶「興奮しすぎだって、ちょっと照れるなぁ」

巧「照れるな!照れるな!あーもういい!今日は漫喫に」

沙耶「ダメ」

巧「そういう訳にもいかんだろ」

沙耶「お願い。何もしないから」

巧「セリフが逆だ」

沙耶「お願い……1人にしないで」

巧「わかったよ」ハァ

巧「そのかわり…」サッ

――

沙耶(寝袋を持っていたとは…迂闊だった)

沙耶「乾くん、寝た?」

巧「寝た」

沙耶「そっち行っていい?」

巧「ダメ、寝袋は1人用、あと暑いからいやだ」

沙耶「めっちゃ拒否るじゃん」フフ

巧「……お前さ」

沙耶「なーに?」

巧「自分を大切にしろよ」

沙耶「なにそれ」ム

巧「なんでもねーよ」

沙耶「いや、聞き捨てならない」ガバッ

巧「だから、なんでもないって」

沙耶「私が軽い女って言いたいの?」

巧「だから、そうじゃなくて」クルッ

沙耶「じゃあ何?」ジワッ

巧「泣くなよ…」

沙耶「そんなイモムシみたいな格好でキメ顔されても騙されないよ!」ゾワゾワ

沙耶「怒ってりゅんだかりゃね」ニヤ ム ポロ ニヘラ

巧「喜怒哀楽全部出すやつ初めてみたわ」

沙耶「乾くんだからこう言うこと言うし、間違いが起きてもいいって思うから一緒にいるんじゃん」

巧「間違いは起こすな」

巧「間違いは起こすな」

沙耶「だいたい間違いって何?友達だから?寝たら間違いなの?」

巧「そういうことじゃないだろ。冷静な判断ができない年齢なんだから」

沙耶「真面目なタイプの教師なの?気持ちの問題じゃん」スクッ

巧「おい、何してんだ」

沙耶「間違いじゃなければいいんでしょ?正解なら」ガバッ

巧「どうみても間違ってるだろ」

沙耶「」ギュ

巧「おい」

沙耶「寝た」

巧「おい、コラ」

沙耶「うるさい、寝た!ぐーぐー!」

巧「暑いって」

沙耶「私はイモムシ抱いてるだけ、抱き枕」

巧「・・・」

沙耶「静かにしないと、お隣から怒られるよ」

沙耶「夜の音がうるさいってマスターの耳にも入るよ」

巧「それは困るな」

沙耶「そしたら既成事実成立して」

巧「何もしてないのに…」

沙耶「責任オバケの乾くんは、私をお嫁さんにするしかなくなるよ」

巧「選択肢は無いんだな」

沙耶「新婚旅行はバイクで九州にいく」

巧「なんで九州?」

沙耶「妹に会いにいく」

巧「ああ、施設の…」

沙耶「こんな人のどこがいいの?とか言われて乾くんはうるせぇって言ってケンカする」

巧「お前の妹、そんな口悪いのか」

沙耶「結婚式はしない。乾くん友達いないから。新郎側空席とかイヤだし」

巧「返す言葉もない」

沙耶「新婚生活は結構上手くいくの、喧嘩も少なくて町内で仲良し夫婦として有名になる」

巧「そりゃ素敵だな」

沙耶「子供は2人産みたい。男の子と女の子。男の子は乾くんにそっくりで心配性で面倒見が良くて、さびしんぼう」

巧「可愛そうなガキ」

沙耶「女の子は私に似て、気が強くて意地っ張りでこうと決めた事は曲げないの」

巧「お前がふたりいたら俺は過労死するな」

沙耶「お父さんかっこいい、ダメ、お父さんはママのだよ!いつまでやってるんだよ!おふくろーってキャキャするの」

巧「呼び方のジャンルは統一させたいな」

沙耶「」ギュ

沙耶「幸せな家族をふたりで取り戻すの」ギュゥ

巧「・・・っ」

沙耶「いつしか、子供たちは大人になって…私達もおじいちゃんおばあちゃんになる」グッ

沙耶「日向ぼっこして、手を繋いで、たまに熱海の温泉に行って」

沙耶「孫が生まれて、もう一度人生が華やかになる。」

沙耶「お正月、節分、桃の節句、入学式、夏休みのキャンプ、ハロウィン、クリスマス、またお正月」

沙耶「家族みんなで全部やりたい」ツー

巧「・・・」

沙耶「最後は笑顔で、みんなにバイバイしたい。乾くんの泣顔を見て笑ってバイバイするの」

巧「俺、残されるんだ」

沙耶「大丈夫。乾くんの事だから、寂しくなってすぐ私のところに来ちゃうから」ポトッポトッ

巧「そうだろうな」ギュ

沙耶「その気になった?」ポロポロ

巧「なるかよ・・・っ、バァカ」ギュ

沙耶「じゃあ、このまま眠れるね」

巧「あぁ、久しぶりにゆっくり眠れそうだ」

沙耶「おやすみ。愛してるよ巧」

巧「男前かよ」フフ

――1か月後 喫茶店

沙耶「うーん」

女店員「沙耶さん何唸ってるんですかね?」

店員B「美容師の試験勉強らしいよ」

店員B「なんか指パッチンの影響で試験要項の年齢とかが緩和されたみたいでさ」

店員B「今年から受けられるようになったんだけど、試験日がもうすぐなんだってさ」

女店員「へぇーでもなんでここで?」

店員B「ああ、それはアイツがいるから」ムッ

カランコロンカラン

巧「おはようございます」

女店員「げっ…おはようございます」

沙耶「乾くん、いつもの」ウーン

巧「他の店員に頼めよ」

店員B「早く、煎れてやれよ」

巧「ああ…」ツカツカツカ

店員B「・・・」

女店員「ふぅ…私あの人苦手です」

店員B「マスターと沙耶ちゃん以外はみんなアイツが苦手だよ」

女店員「え、沙耶さんあの人と仲良いですか?」

店員B「そうかキミ、この曜日の時間帯に入る初めてか」

女店員「はい、でも沙耶さんとは面識ありますよ?」

店員B「沙耶ちゃんってめちゃくちゃ美人だから目立つもんな」

女店員「隠れファンも多いですよね」

店員B「だからこそ、この時間帯の沙耶ちゃんは強烈だぞ」

女店員「??」

店員B「もう上がる時間っしょ?コーヒー飲んでいきなよ。すぐわかるから」

・・・

沙耶「乾くん!」

巧「はい、いつもの」

・・・

沙耶「乾くん?」

巧「」フーフー

・・・

沙耶「いぬいーくーん」

巧「勉強してろ!勉強を!」

沙耶「だって疲れたんだもん!」

・・・

女店員「先輩、アレ誰ですか…」

店員B「乾くんモードの沙耶ちゃんだ」

女店員「絶対、付き合ってるじゃん」

店員B「お友達らしい」

女店員「怖っ美人って怖っ」

店員B「しかもな、前にいたアルバイトのやつが沙耶ちゃんと話してたら」

店員B「急に乾が突っ掛かってきて喧嘩になったんだって」

女店員「乾先輩、重ww」

店員B「殴り合いだったらしいぜ」

女店員「暴力とか最低っすね!そのアルバイトの人は大丈夫だったんですか?」

店員B「気まずいから辞めたらしいけど?乾に脅されたって噂」

女店員「怖っ、なんで乾先輩ふつうに働いてんの?」

店員B「なんかマスターと縁の深い知り合いなんじゃね?マスターが経営してるアパートに住んでるっぽいし」

女店員「コネじゃん、怖っ」

店員B「しかもさ、そのアパートから沙耶ちゃんが出てくるのを見た人もいるんだって」

女店員「やばwwお友達ってそういうことwww?」

巧「おい」

女店員「ひっ!!」

店員B「なっなんだよ!?」

巧「ああん?」

店員B「あ、もう上がりの時間だ!じゃ、じゃあおつかれした!」タッタッタッタ

巧「あ、ああ。おつかれさん。お前は何の

女店員「ああ!もうこんな時間だ!帰らないと!じゃあ!」タッタッタッタ

カランコロンカラン

巧「むんだ…」

沙耶「ぷっ」

巧「なんだよ」

沙耶「〝もう時間だから上がれ〟〝何飲むんだ?〟って言おうと思ったんでしょ?」フフ

沙耶「素直に言えばいいのに」

巧「うるせぇな」

沙耶「本当、身体は大きいけど、心はチワワなんだから」

巧「おい、どういう意味だ。こら!」

沙耶「木村沙耶流 乾巧の愛し方その1だよ?」

巧「知ってる前提で言うな」

店員B「じゃあ、おつかれ!沙耶ちゃんまたね!」スタコラ

巧「ああ、おつ

カランコロンカラン

巧「・・・」

沙耶「・・・」クックックッ

巧「笑いたきゃ笑え」

――

巧「あー乾です。」

マスター『おお、乾!どうだった?マスター代理は』

巧「いつもと変わらないっす」

マスター『そうか!すまんな、法事の予定でズラせなくて』

巧「あー大丈夫。もう戸締りしたんで、じゃあおつかれさんでした」

マスター『おう!またな』

ピッ

沙耶「乾くんー今日何食べる?」

巧「冷やし中華」

沙耶「そろそろ冬だよ?」

巧「オールシーズンいけるだろ」

沙耶「うーん。スキヤキとかいいんじゃない?」

巧「そんな余裕はねえよ」

・・・・
・・・
・・

元店員A「さやちゃん・・・」ガチガチガチガチ

――夜中 アパート 巧の部屋

沙耶「寝た?」

巧「寝た」

沙耶「寒いからそっち行っていい?」

巧「いい」

沙耶「素直になったね」モゾモゾ ギュ

巧「諦めたんだよ」

沙耶「乾くん、あたしの寝言聞いた?」

〝ママ、パパ!いやぁ〟

〝ヒーローなんて、うそつき〟

巧「ああ、〝お腹いっぱい〟って言ってたぞ」

沙耶「そっか…乾くんといるとあの夢みないんだ」

巧「…そうだ……な」

沙耶「今度の試験さ、合格したらなんでも一個お願いきいて」

巧「なんで俺がご褒美あげないといけないんだよ」

沙耶「モチベーションアップのため」

巧「そんなことしないとモチベ保てないなら、試験なんて受かんねぇよ」

沙耶「ひどっ!そこはさ、なんでも聞くって即答するとこじゃない?」

巧「なんとでも言え」

沙耶「あ……クリスマス何しようか?」

巧「…ケーキ買う。」

沙耶「プレゼント交換は?」

巧「しない」

沙耶「そっか…」ギュ

巧「もう、寝るぞ」

――クリスマス

沙耶「」ハァハァ タッタッタッタ

沙耶「」ハァハァ タッタッタッタ

カランコロンカラン

沙耶「乾くん!私ね!」

マスター「沙耶ちゃん!乾どこに行ったのか知らない?」

沙耶「え?」ハァハァ ハァハァ

沙耶「来てないの?」

マスター「いや、さっきまでいたらしいんだけど」

女店員「やっぱアイツじゃん」ボソッ

マスター「アイツはそんな事はしないよ」

沙耶「」ハァハァ

店員B「マスター、俺たちお店予約してるんすよー、もう警察に届けましょうよ」

沙耶「警察?」ハァハァ

店員B「店に置いてあった金が無くなって、乾に聞いたら逃げたんすよ」

沙耶「乾くんが?」

女店員「って、先輩も言ってることですしアイツで確定ですよ」

沙耶「・・・」

マスター「いや、そんな筈はない」

店員B「いや、本当ですってだって乾は

沙耶「そんなこと彼はやらない!」

店員B「…でも沙耶ちゃん俺嘘ついてないよ?」

沙耶「どんな言い方しました?犯人って決めつけてないですか?」

女店員「なにそれ」

マスター「沙耶ちゃん、もういいよ」

マスター「あー2人も大丈夫だ。俺から乾に事情聞いてみるよ」

マスター「それからどうするか決めるから」

店員B「あ、はい。でも窃盗犯と一緒に働くのはイヤですよ」

沙耶「」グワッ

店員B「じゃ、じゃあ」ビクビク

女店員「〝セフレ〟相手に必死すぎでしょ」ボソッ

マスター「なっ!」

沙耶「ちょっと!どういうこと?」

女店員「なんでもないでーす。おつかれっしたー」

沙耶「待って!さっきの何!?」ガッ

店員B「いやいや、沙耶ちゃん、いいからそういうの」

マスター「沙耶ちゃん、落ち着いて」

女店員「うざっ」ボソッ

沙耶「目を見て言って!!」

女店員「だから〝セフレ〟の為に必死過ぎって言ってんの!!」

女店員「あんたらお友達なんでしょ?これから盗んだ金で豪遊してパコパコしてりゃいいじゃん!!」

バシッ

女店員「・・・っ」

店員B「ちょ!なにすんの!沙耶ちゃん!」

沙耶「」ジワッ

沙耶「私と乾くんはそんなんじゃない」

沙耶「私達のオトモダチはそんな……心ないものなんかじゃない」

マスター「落ち着いて!君たちは帰りなさい!」

女店員「あ、あたしこの店やめまーす」ワナワナ
女店員「このお客さん、怖いんで」ワナワナ

店員B「お、俺もやめようかな」

マスター「好きにしなさい!何でもいいから帰れ!!」

カランコロンカラン

沙耶「・・・っ」グスン

沙耶「私、乾くん探してきます」

マスター「あ、ああ。今日はこの店閉めるから…」

沙耶「乾くんから、電話させます。あと…犯人も探します」タッタッタッタ

マスター「いや、危ない事は!」

カランコロンカラン

――

〝乾くん。どこ?〟

〝どうして?いつも人を遠ざけるの?〟

〝どうして、ひとりで抱え込むの?〟

〝乾くん〟

・・・
・・・・

〝声、聞こえる〟

〝そういうことか〟

〝こういう人たちが、あの人の邪魔をして〟

〝あの人から強さを奪うんだ〟

〝あの人を解放してあげなきゃ〟

――ホテル街

女店員「マジ最悪」ツカツカ

店員B「沙耶ちゃん怖かったねぇ」

女店員「ちょっとモテるからって調子乗りすぎじゃない?」

女店員「てか、端金なくなっただけで騒ぎ過ぎだし」

店員B「まぁいいじゃん。今日は朝まで盛り上がろうよ。これで」フウトウ サッ

店員B「無くなった売り上げぇ~」

女店員「最低だしwww」

店員B「いやぁうまくいった!乾さまさま!」

女店員「こういうのは日頃の行いだしねwww」

店員B「マスターに乾じゃね?って言ったら警察行かないのわかってるからねw」

女店員「さすが先輩!頭いいw」

店員B「ちょっと高級なとこ入る?」
(本当は沙耶ちゃん飲ませてホテルコースって考えたけど、まぁこの女でいいか)

女店員「えーその前にクリプレ欲しいな」
(ブランド品買ってもらったら本命とこ行こ♪)

女店員「あれ……先輩あれ」

店員B「うん?なんだあれ?仮装?」

ジャキン ジャキン‼︎

女店員「 ドサッ サラサラサラ
店員B「 サラサラサラサラ

――星美公園

巧「」ボー

〝店員B「乾、昨日の売り上げどこやった?」〟

〝店員B「どうかんがえてもお前だろ?マスターもお前に聞けっつてたぞ」〟

〝店員B「あんだけ良くしてもらって、窃盗とか、マスター裏切るんじゃねぇよ」〟

巧「…いや、やっぱマスターには電話」

巧「電源切れてるし……」

〝沙耶「乾くんが……好き」〟

巧「……さすがに説明するか」ジー

巧「これも一緒に食う約束してるし」クリスマスケーキ

沙耶「巧!!!」

巧「!?」ビクッ

沙耶「・・・」ジワッ

巧「おま、ケーキ落とすとこだったぞ」

ザワザワ
<チワゲンカ?
<スゲービジン

沙耶「何やってんよ!!心配したんだから!!」

巧「落ち着けこれから説明をs

沙耶「バカァ!!なんでいつもちゃんと自分のこと話さないのよ!!」

巧「はぁ?なんの話してんだよ」

沙耶「マスターも心配してた!乾くんがやってないって、話に行こうよ!」

巧「……聞いたのか」

沙耶「マスターも私もs

巧「がっかりしたろ。もうあそこじゃ働けないな」

沙耶「・・・」


巧「今更、何言っても無駄だろからどっかで金作ってマスターに渡すさ」

巧「悪いな、心配かけて。これからは俺のことは忘れt

沙耶「」ツカツカツカ

バシン!!

<イタソー
<エ?ワカレバナシ?

巧「・・・」ヒリヒリ

沙耶「逃げちゃだめ。立ち向かわないと」

巧「・・・」

沙耶「乾くん、人間を嫌いにならないで!…ううん、あなたを愛する人を嫌わないで」ブワッ

沙耶「あなたの事が好きで好きで堪らない人たちを…」ポロ

沙耶「大事にしたいって思うなら離れないで一緒に歩いて」ポロポロ

沙耶「歩くスピードが違くても、例え誰かを置いていく事になっても」ポロポロポロポロ

巧「お、おい」オロオロ

沙耶「っ・・・」ゴシゴシ

沙耶「私は!乾くんが好き、大好き!大大大大大好き!知ってるでしょ!!」

巧「お、おい!やめろって!」カァァァァ

沙耶「私は乾巧のことが!地球で!宇宙で!銀河で1番好き!」

<ウチュウ キタァァァァァ

沙耶「だから!私とこれからもi

元店員A「いぬいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」ナイフチャキ

巧「お前!!?」

<アイツナイフモッテル!?
<キャァァァァァァ

ザワザワザワ

元店員A「さやちゃん、おぼえてる?ねぇぼくですよ」

沙耶「あ、店員さん……」

元店員A「なまえよんで?何度もお話ししたよね?」

巧「沙耶!逃げろ!」バッ

ケーキ グチャ

元店員A「じゃま、だ、いぬい、おまえのせいで、さやちゃんは僕の事わすれちゃったんだ」

巧「沙耶、早く」

沙耶「……勘違いって…こういうこと?」ボソッ

元店員A「笑ってくれたんだ、ボクと好きなもの同じだった、デートにさそうはずだった」

沙耶「…ごめんなさい」

巧「バカ!煽るな!」

沙耶「私はあなたの名前を知りません」

元店員A「たくま、だよ。僕はたくまだ」

巧「早く逃げろ」ガシッ

元店員A「いぬい!!僕のさやちゃんにさわるなぁぁぁぁぁぁ!!!」ダダダダダダダ

沙耶「乾くん!!!」ドン

ザシュッ



巧「え?」

沙耶「……」ニコ

沙耶「」ドサッ

ナイフカラーン

<キャァァァァァァ
<ヒトヲサシタ‼︎ケーサツ
<キュウキュウシャ

巧「・・・」

元店員A「なんで!なんで避けたんだ!なんで!お前が!お前が刺されなきゃ!」ボカッボカッボカッ

巧「・・・っ」

<キャァァァァァァ
<ウワァァァァァ

・・・・
・・・
・・


ヒッグ…ヒッグ…

沙耶「泣かないで」サワッ

巧「でも、おまえ、こんな」

沙耶「ねぇ乾くん、私ね、秘密があるの」

巧「秘密?」

沙耶「こういう場合、嘘っていうのかな」

巧「なんでもいい。嘘でも秘密でもなんでも!それでもお前が生きてさえいれば!」

沙耶「やっぱり、乾くんはやさしいなぁ」

沙耶「私、壊したくない。あなたとの関係を」

沙耶「だって、私は、あなたの初めての」

沙耶「〝オトモダチ〟だから」

巧「・・・」

沙耶「」チラ

元店員A「」ボワッ

沙耶「あーあ、…負けちゃったんだ」

巧「……死なないでくれ、お願いだから」

沙耶「」





沙耶「」<◯> <◯>



≪オープンユアアイズ フォザ ネクスト 555≫
デッデ テレレ テッテーテレー デッデ テレレ テッテーテレー♪

海堂「言うこと聞かないオルフェノクをお仕置きするのが俺様の仕事だ」

草加「真理ちゃん」
真理「久しぶり」ニコ

沙耶「乾くんはさ、なんで戦ってるの?」
巧「…10年後に答えてやる」

村上「ええ、〝王の間〟もこちらにあります」

木場「じゃあ、ボクがここでキミを止める」<◯> <◯>デッテンテンッテテン♪

今日はここで終わります。また明日続きを書きます。

――現在 タワーマンション 勇治の部屋

結花「」フワッ

結花「」サラサラツヤツヤ

結花「ふふ」ツヤツヤ

ガチャ

海堂「木場、いるか」

結花「海堂さん!」タッタッタッタ パァァァァァ

海堂「おお、結花」

結花「随分、お久しぶりな気がします!」ファサ

海堂「そうかまだ2日くらいしか経ってないぞ?」

結花「私が、生まれ変わったからかも」ファサ ファサ

海堂「おお、そうか」

結花「どこが変わったわかりますか?」ファサ ファサ

海堂「ああ、心当たりはある」

結花「どこでしょう!」ファサ ファサ ファサ ファサ

海堂「あーうざい!お前は獅子舞か!!」

結花「もうジョイくんじゃありません!!」

結花「パンテーンです!」アタマグワングワン

海堂「ビジュアルバンドのライブみたいになってるから!頭を振るのはもうやめろ!」

海堂「木場は!木場はどこだ!」

木場「かいどぅ…」カサカサ

海堂「ひぃ!!」ビクッ

木場「ゆかを、止めてくれるか」

海堂「何があった…」

結花「パンテーン!!」

木場「初めての美容院で…テンションが」

海堂「結花、落ち着け、気持ちはわかるけど」

海堂「お前の歳でそれやると支援が必要な人みたいになるから」

結花「でも初めてで!ゴワゴワしない!」パァァァァァ

木場「結花、もう美容院に行ったのは2日前だよ」

結花「たのしいです!」グワングワン

海堂「だめだ。もう放っておこう」

――

木場「ファイズのベルト?」

海堂「ああ、それで言うこと聞かないオルフェノクをお仕置きするのが俺様の仕事だ」

木場「でもそれは……人間を襲わないオルフェノクを殺すってことだろ?」

海堂「いや、お仕置きだ。警告みたいなもんだ」

木場「・・・」

海堂「んでだ、これは俺様からの最後の警告だ」

海堂「本社の命令に従え。もしくはサージの訓練を受けろ」

海堂「今んとこ活躍してないがファイズは強いぞ」

海堂「特にバイクロボは反則級に強い」

木場「バイクロボ?」

海堂「じゃそれを言いに来ただけだ」

木場「海堂!」

海堂「あん?」

木場「ありがとう」

海堂「お前、何言ってんだ?俺たちは敵になるかもしれn

木場「だからボクと結花を心配して、話に来てくれたんだろ?」

海堂「・・・」

木場「だから、ありがとう」

海堂「まぁ好きなように受け取れ」

海堂「じゃあな

結花「海堂さん、もう帰るんですか?」

海堂「ああ」

結花「シャンプーとトリートメントするところ見て行かないんですか?」

海堂「お風呂場でか?」<◯> <◯>ピクッ

結花「はい!」キラキラキラ

海堂「よし!確認してやる!」ハナノシタビョーン

木場「海堂、かえれ」<◯> <◯>

――同日 昼 西洋洗濯舗 菊池 店舗入り口

入り口の扉 カランカラン

・・・・

ダダダダダダダ

真理「巧!?」

草加「や、やぁ」

真理「啓太郎ーお客様ー」シュン

<ハイハーイ

草加「真理」

真理「はい…え?誰?」

草加「僕だよ。真理ちゃん。いつも君には助けてもらっていたね」

真理「・・・」

草加「これで思い出せるかな?」スッ テヲサシノベ

〝マサトー!こっちー〟
〝マリちゃん!待ってー〟

真理「……あっ」

草加「真理ちゃん」

真理「久しぶり……柏崎くん」ニコ

草加「・・・」

草加「草加だ」ニッコリ

真理「え、草刈くん!?あの洗い物の魔術師の!?」

草加「ちがうよ。草加雅人だ」ニッコリ

啓太郎「いらっしゃいー本日は何を」

真理「啓太郎!この人、私の知り合いの草鎌 サトさん!」

草加「どこで切ってるのかな?草加だ」ニッコリ

啓太郎「そうなんですね!草加田さん!」

草加「ちがう。草加雅人だ」ニッコリ

――

真理「草加くん?本当にあのヒョロガリビチグソビョンビョン丸の?」

草加「影でそうやって呼ばれていたのかな?」

啓太郎「真理ちゃんの幼馴染みさんでしたか!」

草加「ええ、君は確か」

啓太郎「菊池啓太郎です!この店のオーナーになるのかな?それでこっちは地獄のネコ舌 乾巧」

真理「あっ」シュン

草加「?」

草加「誰もいないようだ……あっ」(察)

草加「どうも草加雅人です。地獄のネコ舌 乾巧くん」エア握手 ガシッ

啓太郎「イマジナリーフレンドじゃないです」シュン

草加「そうか…」シュン

真理「この場にいないのに、全員を傷つけた。やっぱ巧ってすごい…」

草加「ということは、あの失礼な男が乾巧くんか」ボソッ

真理「巧を見たの!?どこで!?」

草加「いや、乾くんかどうかは…」

真理「初対面の人に失礼なやつって言わせるなんてこの世で乾巧しかいないよ!!」

・・・・
・・・
・・

啓太郎「じゃあ!草加さんがあのカイザだったの!?」

草加「ああ、君たちが助かってよかった」

真理「そうか、その時に…」

草加「安心してくれ真理、乾くんがいなくても僕がキミを」

真理「うん。あんがと」ポヤァァァァ

啓太郎「あーこれはダメだ・・・」

草加「啓太郎くん、ちょっといいかな?」コソ

啓太郎「はい?」

草加「その、乾という男は真理と、おつおつおつ・・・おつ・・・」

草加「異性間交友があったのかな?」

啓太郎「逆に卑猥に聞こえるよそれ」

真理「いやいやないから。そういうのじゃないから」

啓太郎「真理ちゃんにもだだ聞こえしてたね」

草加「そうか、真理があまりにも落ち込んでいたから、そのいい相手だったのかと」ホッ

真理「なんだろうねぇ、なんか心弄ばれたみたいな」

草加「啓太郎くん、その乾とやらは鈍器で殴れば死ぬのかな?」

啓太郎「意外と頑丈だから難しいかも」

真理「お兄ちゃんが嫁さんと自立したみたいな」

草加「啓太郎くん!その乾巧義兄さんの大好物は何かな?」

啓太郎「初対面の人との喧嘩かな?あとソーメン」

真理「とにかく、ぽっかり穴が空いた気分」

啓太郎「うちは今、乾ロスの真っ最中なのです」

真理「よく考えたらさ、巧がここに残る理由なんてもうないのよね」

真理「ファイズギアは無いし、バイト代は安いし、美人の彼女はいるし」

草加「美人の彼女?ほぅ乾くんとやらは隅に置けないな」

真理「あー言い忘れた。それがさ!驚きだよ!」

真理「その彼女っていうのが、木村沙耶だったの!」

草加「!?」ガタッ

真理「え?そんなに驚く?あ、まさか草加くん沙耶のこと好きだったの?」

啓太郎(あ、真理ちゃんってニブいんだ)



草加「バカな・・・」




草加「沙耶が・・・生きてる???」

――風都市近くの喫茶店

ボロッ

〝にっ逃げろ!乾!〟

巧「・・・」

沙耶「・・・」ガッショウ

巧「・・・」

沙耶「」ジワッ

沙耶「乾くん。マスターのこと教えてくれてありがとう」

巧「もっと早くに教えてやるべきだったな」

沙耶「色々あったし、充分だよ」

沙耶「あーここで、喫茶店やるっていうのもありかな?」

巧「はぁ?」

沙耶「名物はぬるーいコーヒーとたまにしか現れない美人オーナー」

巧「いや、毎日いろよ」

沙耶「こう見えても売れっ子美容師なんだよ」

巧「美容師免許取ったのって・・・ああ、あのクリスマスか」

巧「随分と早熟だな」

沙耶「見習い時代からお客さんいたからね」

沙耶「イメージDVDも出したし」

巧「お前、美人を使い倒してるのな」

沙耶「美人も才能だよ!鼻にかけないけど謙遜もしないってのが丁度いいの」

巧「勉強になるわ」

沙耶「・・・」

巧「・・・」

沙耶「乾くんは、あれからどうやって生きてた?」

巧「バイトで食いつないでた」

沙耶「私もバイトしてたよ」

巧「人気の美容師なのにか?」

沙耶「特別なバイト。頼まれた時だけね」

巧「副職やる暇があるなら夢に本気になれ」

沙耶「そうだねぇ、でもあの日から私の夢、変わっちゃったから」

沙耶「・・・」

沙耶「乾くんはさ、なんで戦ってるの?」

巧「・・・10年後に答えてやる」

沙耶「それは、いじわるだなぁ」

――スマートブレイン本社 地下 医療セクター

ウォード「・・・」シャク

ウォード「・・・」シャク シャク

レディ「サージ様、リンゴお持ちしました♪」

ウォード「もういらん」

村上「あなたほどのお方が。中の下ですね」

ウォード「下の下でないだけマシだな」

村上「しかし、デルタも日本にあるとは…花形さんは一体何を」

ウォード「久しぶりに捜査官じみたことでもやってみるか」

村上「お調べになるのですか?」

ウォード「簡単な推理だけさ」

ウォード「そもそもライダーズギアは日本にあった。ここで王を迎えるために」

村上「ええ、〝王の間〟もこちらにあります」

ウォード「ということは花形は王が日本で生まれると仮定していたわけだ」

ウォード「何を根拠に?」

村上「それは花形さんにしかわかりません」

ウォード「まぁこういう探し物は大体灯台元暮らしというからな」シャク

ウォード「おお、そうだ。ナオヤの事だが」

村上「何かお考えでも?」

ウォード「もうぶつけていいと思っている。まだ力不足だが、あまちゃん同士丁度いい」

村上「いいと思いますよ。私も賛成です」

ウォード「お前とは意見が合うから楽しいよ」

――同時刻 東京 街中

ツカツカツカ

草加「まさか、沙耶が・・・それに乾巧か」

カマラ「マサトーこっちこっち!」

草加「カマラ、丁度いいところに」

カマラ「うん、待ってたからね!」

草加「例の通信機は持ってるかい?」

カマラ「もちろん!」

草加「繋いでくれ」

カマラ「ちょーと待ってね」

ピポパポ ヴォーン

ジェマ〝あら?カマラ、どうしたの?〟

カマラ「マサトがなんか話があるみたいだよ」

草加「シモンズ博士。都内のどこかにいる人を探す事はできるかい?」

ジェマ〝え?まぁ警察に協力を仰げば〟

草加「できれば一般人を巻き込みたくはない」

ジェマ〝そんな危険な相手なの??〟

草加「用心は必要という範囲かな」

タッタッタッタ

真理「草加くん!血相変えていきなり飛び出して」

啓太郎「沙耶さんに何かあったの?」

草加「いや、君たちには」ハッ

草加「真理、乾巧のバイク。ナンバーと車種はわかるかい?」

カマラ「マサト、この人たちは?」

草加「あとで説明する。真理!どうなんだ?」

真理「いや、さすがにナンバーまでは・・・」

啓太郎「えっと、ホンダのXR250でナンバーは・・・」カクカクシカジカ

真理「え!なんで啓太郎知ってる?」

啓太郎「事故とか起こしそうだし控えてたんだよ。オーナーの務めさ」

真理「初めてオーナーらしいことしたわね」

草加「シモンズ博士、今伝えたナンバーのバイクがどこにいるか探って欲しい」

ジェマ〝ええ、でも〟

デイジー〝それなら私に任せて。こう見えても凄腕ハッカーだから〟

カマラ「ハッカーだったんだ。無駄にエロいだけかと思ってた。」

草加「あとで大変な目に合うような発言は控えた方がいい」

真理「草加くん!説明して!」

ジェマ〝このバイクに何が?〟

草加「これは、あくまでも予想だけどデルタのベルトは木村沙耶が持っている」

真理「デルタのベルト?」

草加「そして、バイクは乾巧が乗っている。沙耶と一緒にだ」

カマラ「つまりデルタのベルトはそこにあるってことだね」

真理「全く意味がわからないんだけど?」

啓太郎「でもついでにたっくんも見つかるみたいよ?」

デイジー〝風都ってところの近くにある監視モニターに対象のバイクが映ってる〟

草加「風都の近く」

真理「もしかすると、その近くの喫茶店かも」

啓太郎「じゃあ、僕車持ってくる!」

草加「いや、君たちはここに」

真理「私達も行く。だって巧を」

草加「取り戻したいのか・・・」

真理「どつき回したいの」

真理「なんも話さず勝手に出てったあいつをどつき回して、沙耶を貼り付け獄門にしてやるの!」

草加「キミは、悪魔に魂を売ったのか?」

真理「草加くんにもたっぷり説明してもらいますからね」

カマラ「この人、怖い・・・」

――同時刻 タワーマンション 勇治の部屋

木場「そうか……わかったよ。海堂。それじゃあとで」ピッ

木場「はぁ…」

結花「海堂さん、なんて?」

木場「スマートブレインからボクを倒すように言われたって」

結花「それじゃあ!」

木場「ああ、戦いに行く」

結花「どうしてですか!海堂さんが連絡してきてくれたのは、木場さんを逃すためで」

木場「おそらくね。でもボクが逃げ出したら、海堂がやられる」

結花「それなら私も戦います」

木場「いや、キミはここにいて欲しい」

結花「そんなの納得できません!私達家族じゃないですか!」

木場「だからこそだよ。ボクはキミも海堂も守りたいんだ」

結花「・・・ずるいです。そんなの」

木場「大丈夫。海堂を連れて帰ってくるさ」

木場「だから美味しい料理を作って待ってて」ニコ

――同時刻 街中

海堂「ああ、だからお前と戦う。」

海堂「あとでな」ピッ

海堂「木場、気付いてくれよ。俺様のメッセージに・・・」

ブォォン ブォォン

海堂「うん?あそこにいるのは・・・」

沙耶「」

海堂「沙耶さぁぁぁん!」ブンブン

沙耶「あれ?あなたは確か・・・」

海堂「お久しぶりです!海堂直也です!」

沙耶「マスターのところで何回かお会いしま…」

海堂「はい!何回か!今日はどうされたんですか?あ、あのお店ならもう…」

沙耶「えぇ、オトモダチから聞いて手を合わせに」

海堂「そうだったんですか…」

沙耶「海堂さんは、どうしてこちらに?」

海堂「いやー嫌な事があるとついついあの店に行きたくなっちゃうですよーもうないのわかってるんですけどねぇ」

沙耶「そうだったんですか」

巧「沙耶、言われた通りに水を…」

海堂「お前!!?」

巧「お前!!?」

巧「…何のようだ!」グッ

海堂「こっちのセリフだ!ちゅうかなんで俺の場所がわかった!」

巧「はあ?意味わかんねぇ」

沙耶「まぁまぁ乾くん。海堂さんも落ち着いてください」

沙耶「おそらく偶然ですよ」

海堂「でもこいつは」

沙耶「私のオトモダチです。ほらあのお店でも会ったことあるでしょ?」

巧「どういう事だ?」

沙耶「常連さんでしょー忘れたの?」

海堂「うーん?いました?」

巧「いたか??」

沙耶「まぁ乾くんのシフトの時間と海堂さんが来る時間はズレてたから仕方ないか」

沙耶「海堂さん、私達この後用事がありまして…この辺で」

海堂「え、ええ!それではまた!」

巧「おい、待て」

海堂「あぁん?」

沙耶「気にしないで海堂さん」ニコニコ

海堂「はいわかりました!!」パァァァァァ

巧「おい」

沙耶「乾くん。そのお話は私が聞くから」

沙耶「海堂さんご機嫌よう」ニコ

海堂「またどこかでお会いしましょう!」

ブォォォォォォン

巧「アイツのバイク!?」

沙耶「ねー探し物あったでしょ?」

巧「お前、知ってたのか?」

沙耶「偶然だよ。ここは泳がせた方がいいなぁって思ったの」

巧「追うか」

沙耶「もちろん。タイミングをみて取り返しましょ」

――同時刻 啓太郎の配達車

ブォォォ

草加「彼女はカマラ・カーン。インヒューマンだ」

カマラ「どうも!マサトの相棒です!」

真理「相棒??」

草加「気にしないでくれ、彼女は少し残念な子なんだ」

カマラ「ひどっ」

啓太郎「カマラさん日本語お上手ですね」

カマラ「あーこれは博士が作った翻訳コンニャクで話をしてるんで」

真理「ドラえもん?」

草加「翻訳コネクトライザーだよ。翻訳用のナノデバイスだ。秘密道具みたいなものさ」

真理「結果・・・ドラえもん?」

真理「それより、沙耶が生きてるだのどうだって話は何?」

草加「ああ、沙耶は去年の11月に死んだはずなんだ」

真理「え?私同窓会の日にあったし、その後そんな連絡」

草加「あー、えーと」

真理「何を隠してるの?」

草加「俺も詳しくは知らないんだが・・・」

草加「沙耶は父さんの手伝いをしていた」

真理「沙耶が?どうして?」

草加「父さんはね、ライダーズギアの研究をしていたんだ」

草加「増田先生がアメリカにきた時に教えてくれた」

真理「どうして、先生がそんな事知ってるのよ」

草加「先生も父さんと一緒にベルトを研究していたからさ」

草加「沙耶はこのカイザギアの被験者だった」

真理「沙耶が?てか被験者って」

草加「このベルトはね、適合していないものは変身後に灰になるんだ」

真理「え?超危ないじゃん」

カマラ「でもマサト・クサカは大丈夫!」

草加「ああ、俺は適合したらしい」

真理「じゃあ、沙耶は・・・」

草加「適合しなかったと聞いていた・・・」

啓太郎「みんな!あれ!たっくんのバイク!」

啓太郎「どこかに向ってる」

草加「追ってくれ」

啓太郎「わかった!」

カマラ「いいねぇこういうの燃える!」

――十数分後 浜辺

ザバーン ザバーン
ザザザザザ

ザッザッザッ

木場「海堂・・・」

海堂「来るか普通・・・」

木場「一緒に戻ろう」

海堂「そーいうわけにはいかないだろ。俺はファイズなんだし」

木場「俺たちみたいなオルフェノクを襲うなんて間違ってるよ」

海堂「俺はな、王を探すんだ。死にたくないからな」

木場「じゃあ、ボクがここでキミを止める」<◯> <◯>

海堂「ああ、かかってこい」カチャ

5…5…5 キュイイイイン
<スタンディンバイ
キュイイイイン キュイイイイン キュイイイイン

海堂「変っ身!」

<コンプリート
キュルルルキュイイイイン パラパラパラ

ファイズ「」

木場「変身」

ブワァァァァ
グシワシャ シューン

ホースオルフェノク「」ブロロロロ

ファイズ「」ダッ

ホース「」ヒィヒーン

≪オープンユアアイズ フォザ ネクスト 555≫
デッデ テレレ テッテーテレー デッデ テレレ テッテーテレー♪

沙耶「真理、去年の11月の同窓会の事覚えてる?」

巧「変身」カチャ

カイザ「あいつは、おそらくオルフェノクだ!」

沙耶「自分の姿が嫌いなんだね」<◯> <◯>

啓太郎「あれがデルタ!?」デッテンテンッテテン♪


近日公開!!!

久し振りに続き書きます

――米軍基地内 セーフティエリア


ブルース「それじゃぁピーター。話をきかせてくれるかい?」

ピーター「なんか緊張するな」ハハ

ブルース「世間話をする感覚でいいさ」

ピーター「うーん。でもなんでケガの治療にカウンセリングが必要なの?」

ブルース「・・・」

ブルース「PTSD対策だよ。ほら、オルフェノクなんて異常な生物と戦ったからね」

ブルース「用心するに越したことはないよ」

ピーター「サノスに比べたらなんでもないと思うけどなぁ」

ブルース「まぁね。じゃあ最近の話を聞かせてくれる?」

ピーター「うーん。オルフェノク以外の話題だと・・・」

ピーター「あ、スタークさんが“この前”」

ブルース「“この前”・・・ね」

――浜辺

沙耶「やってるねー」

巧「変身しちまったぞ」

沙耶「それじゃあ
真理「巧!沙耶!」タッタッタッタ

巧「なっ!?」

沙耶「真理、まだ1日も経ってないよ?」

真理「ふざけないで!理由だって聞いてないのに」

啓太郎「たっくんー!わっあれ!向こうでファイズとオルフェノクが戦ってる!」

沙耶「タイミングが悪いなぁ」

草加「沙耶!!」

沙耶「あれ?雅人?いつ日本に戻ってきたの?」ニコ

巧「!?」

草加「ついこの前さ。先生からキミは死んだと、聞かされていたが?」

沙耶「そっか、そういう事になってたんだ」

草加「・・・?」

沙耶「真理、去年の11月の同窓会の事覚えてる?」

巧「・・・」

草加「やめろ!」

真理「え?覚えてるよ?」


沙耶「そこに雅人はいた?」

真理「草加くん?そういえば草加くんは結局来なかったよね?」

草加「なっ!?」

真理「え?どうしたの?」

沙耶「雅人、せっかくアメリカに逃してあげたのに。戻ってくるなんて」

草加「・・・」クワッ

草加「」カチャ

9…1…3キュイイイイン
<スタンディンバイ
キュイイイイン キュイイイイン キュイイイイン

真理「草加くん!?」

啓太郎「草加さん!!」

草加「変身!」

<コンプリート
キュルルルキュイイイイン パラパラパラ

カイザ「」

沙耶「しかも、よりによってそのベルト持って」

カイザ「」ヴォン



カイザ「うぉぉぉぉぉ」ダダダ


巧「変身」カチャ
<スタンディンバイ
<コンプリート
キュルルルキュイイイイン パラパラパラ

デルタ「」

真理「巧まで!?」

啓太郎「あれがデルタ!?」

デルタ「オリャ」パンチー

カイザ「グッ」バチン

沙耶「・・・」

カイザ「何をする。乾巧」

デルタ「おまえ・・・俺の名前知ってんのか」

真理「やめてよ!2人とも!」

啓太郎「そうだよ!どうしちゃったのさ!」

沙耶「・・・」

真理「意味わからないよ!こんなことになるの!?」

カイザ「・・・」

デルタ「・・・」

沙耶「さぁ?どこで間違ったんだろうね」

――米軍基地内 セーフティエリア

ブルース「トニーが・・・そんなことを?」

ピーター「なんか顔色悪いよ?」

ブルース「ピーター・・・落ち着いて聞いてくれ」

ピーター「?」

ブルース「死んだよ・・・トニーは、死んだんだ」

ピーター「え?」

――浜辺

ファイズ「オラオラ!」ドカドカ

ホース「」バチン バチン

ファイズ「リャァ」ドガ

ホース「」ガッ ウデ ウケトメ-

ファイズ「はっ!?離せ!!」

ホース「」ブロロロロ

ホース「」トモエナゲー

ファイズ「うわぁ!」

ファイズ「ぐはっ」ドテン!

ホース「」ジャキン ヒヒィーン

ホース「」ブァン

ファイズ「ぐわー!」バチン!

ドサッ

ファイズ「木場・・・降参するなら今のうちだぞ」ガチャ ファイズショット

ホース「」ブロロロロ

ファイズ「木場ぁ・・・」

ガチャ
<レディ

カチャ ピピッ
<イクシードチャージ
キュュュュュュ

ファイズ「うわぁぁぁぁぁ」ダダダダダ

ホース「っ」

ファイズ「・・・くっ」ピタッ スンドメ

ホース「・・・」ブロロロロ ジャキ

ホース「」ブォン

ファイズ「うわぁぁ」バチーン

ピロロロロ
<エラー

ガシャン

パァァァァァ

海堂「うっ・・・」

――

沙耶「あっちは終わったみたいね」

カイザ「どけ、乾!」ヴォン

デルタ「どくわけないだろ!偉そうにしやがって。」ヒョイ

真理「巧!ちゃんと話してよ!何が理由があるなら協力するから!」

デルタ「・・・っ」

カイザ「どんな理由があろうと!!!」

ブレイガン ガチャ

ドヒュン ドヒュン ドヒュン

真理「草加くん!やめて!」グィ
カイザ「うお」グラ

カイザ「しまった!狙いがっ」

ドヒュン ドヒュン ドヒュン

バチンバチン

デルタ「沙耶!」

真理「いやぁぁぁぁ!」

カイザ「な、なに!?」

モクモクモク

モクモクモク

沙耶「・・・」シュゥゥゥゥ

モクモクモク

沙耶「真理。人が銃を撃ってるときに邪魔したら」

モクモクモク

沙耶「あぶないでしょ」ニコ<◯> <◯>

真理「うそ・・・」

カイザ「真理、あれはもう沙耶じゃない」

カイザ「あいつは・・・オルフェノクだ!」

真理「沙耶が・・・?」

啓太郎「じゃあ、たっくんはなんで・・・」

デルタ「真理、啓太郎」

デルタ「俺は・・・」

啓太郎「オルフェノクを助けるなんておかしいよ!たっくん!」

デルタ「」グッ

デルタ「黙ってろ!」

啓太郎「たっくん・・・」

沙耶「乾くん、任せてもいい?」

デルタ「ああ、早くとってこい」

沙耶「うん」タッタッタッタ

カイザ「いかせるか!!」ブレイガン ガチャ

デルタ「ファイア」スッ カチャ
<バーストモード

ドドドドドドヒュン

カイザ「くっ」

カイザ「貴様ぁ!!」

デルタ「気づいたか?手加減してやってたこと」フン

カイザ「うぉぉぉ」ヴォン

デルタ「」スチャ

デルタ「おりゃ!」ドガ

カイザ「ぐわ」バチン

ズザザザザザ

カイザ「デルタの力・・・これ程とは」

デルタ「言っとくが、もう手加減しないぜ?」

カイザ「この手は使いたくなかったが・・・カマラ!」

カマラ「はいよー!!どかーん」ドガガン

デルタ「なんだこのデカい手は!?」グッ

カマラ「マサト大丈夫ー?」ギュルン

デルタ「・・・インヒューマンかよ」ボソッ

――浜辺

ホース「」ブロロロロ

海堂「・・・」チッ

トコ…トコ…トコ

沙耶「こんにちは海堂さん」

海堂「沙耶さん!?」

海堂「こんなところで何を!?」

ホース「」ギロ

沙耶「あら、お馬さん、まぁそんな怖い目をしないで」

ウォード「やっぱりダメだったか」ストン

海堂「サージ!」

沙耶「・・・・」

海堂「何しに来た!木場は俺が!」

ウォード「いや、状況が変わった。お前じゃ勝てない」

ホース「」ギロ ジャキン

海堂「頼む!木場は・・・」

ウォード「そっちじゃないさ」

海堂「え?」

ウォード「まだ本調子じゃないが…」ギュルン

ホース「!?」

海堂「沙耶さん!危ない!」

沙耶「」ガキュン! バチバチ

ウォード「はっ!やっぱりそうか!」

ウォード「お前、あの時のデルタか!」

海堂「沙耶さんが、電撃を出した・・・」

ウォード「デルタのベルトは、使用者が人間の姿をしていても・・・」

ウォード「力が使えるようになる〝副作用〟があるんだったよな」

ホース「」ブロロロロ

ウォード「デルタにカイザ。王のベルト達が揃ってる。絶好のチャンスだ」

沙耶「させないわ」

ウォード「どうする気だ?デルタのベルトをしていないお前が俺に勝てるのか?」

沙耶「そもそも戦わないって手もある」

ウォード「おいおい。俺が見逃すと思うのか?」

沙耶「そこのお馬さん!海堂さんを連れて逃げなさい!」

ホース「」ブロロロロ

沙耶「戦う気はないんでしょ?」ニコ

ホース「」ヒィヒーン! ガバ

海堂「やめろ!木場!オイコラ!」

ウォード「いかせるか!」

沙耶「やらせない」バチバチ

ホース「」グワン パカラパカラ

ウォード「ちっ」

シュゥゥゥゥゥ

沙耶「あなた、戦いは慣れてるけど、オルフェノクの力には慣れてないでしょ」

ウォード「そんなことで俺が動揺するとでも思ったか」

沙耶「オルフェノクの力はね、年月、頻度、人間を殺した数で強まるの」

沙耶「あなたは殺した数は多いわね。でも年月と〝変身頻度〟は少ない」

ウォード「・・・」

沙耶「自分の姿が嫌いなんだね」<◯> <◯>

ウォード「死にたいようだな。望み通りにしてやる」ビュルン シュバッ

沙耶「」ヒョイ

ウォード「フッ」バシュン

沙耶「ほら、大したことない」ヒョイ ヒョイ

沙耶「よっと」クルクル シュタ

ウォード「ちょこまかしやがって」

沙耶「にゃあ」ニヤ

――

カマラ「よっしゃ」ギュィン グルグル

デルタ「くっ」ギチ

カマラ「捕まえた!」

カイザ「乾、キミからは色々と聞きたいことが出来た」

デルタ「あーそうかい。俺はお前とは話したくないね」

真理「巧・・・どうしちゃったの?」

真理「こんなのおかしいじゃん!なんでオルフェノクを守るの!?」

デルタ「・・・っ」

カイザ「真理!こんな奴と話すな!」

真理「巧・・・答えてよ」

デルタ「・・・オルフェノクだったら殺されたって文句ないだろってか」

真理「そういうことじゃなくて」

デルタ「オルフェノクになったら、友達だろうが兄弟だろうが…敵なのか!」

真理「そんなこと言ってな
デルタ「同じことだろ!沙耶はお前の姉ちゃんなんだろ!!」

真理「それは・・・」

カイザ「お前が・・・」ワナワナワナ

カイザ「流星塾の関係を語るな!!!!」

デルタ「流星塾だろうがなんだろうが関係ねぇよ!沙耶は沙耶だ!」

デルタ「オルフェノクだろうが、人間だろうが!関係ない!」

カイザ「詭弁だな。オルフェノクは人を襲う。だから俺はオルフェノクを殺す」

デルタ「お前とは馬が合わないな」

カイザ「奇遇だね。俺もそう思ってるよ」

デルタ「・・・」カチャ

デルタ「スリーエイトトゥワン!」

<ジェットスライガー カム クローザー

バシャーーーン

カイザ「何!!?」

ザバァァァァァン

カマラ「うわぁ!!」シュルルル ビシャァァァァ

真理「きゃ」ビチャビチャー

啓太郎「なんだあれぇぇぇぇ!」ビチャビチャー

デルタ「勝負はお預けだな」カチャ

ヒュュュュュ ドッ
バババババババ



啓太郎「なにあれ・・・今週のビックリドッキリメカ?」

――浜辺

バシャーーーン

ウォード「ジェットスライガーだと!?」

沙耶「乾くんもう使っちゃったんだ」ハァ

沙耶「よっと」ベルト カチャ

ウォード「ファイズのベルトが!」

沙耶「いただき☆」

ブワァァァァァァァ ギュィン

デルタ「よう。触手のおっさん」カチッ

キュィィィィィィン

ミサイル スババババババ

ヒュン ヒュン ヒューン


ウォード「くっ!!」


ドゴォォォォォン

パラパラパラ

デルタ「沙耶!大丈夫か!」

ストン

沙耶「躊躇なくミサイル撃ち散らかしたよね?」プスプスプス

デルタ「ああ、すまんな」

沙耶「ちょっと焦げたからね」プスプス

デルタ「あいつが追ってくる前に行くぞ!」

オートバジン「ピィー」

オートバジン「」

―――――――――――――――――――――――

▼オートバジンがなかまになりたそうにこちらをみている
 なかまにくわえますか?

→はい
いいえ

―――――――――――――――――――――――

デルタ「お前もこい」

オートバジン「ピロロロ!」

沙耶「機械には優しいのね」

キュィィィン スババババババ
ブォォォォォォ

――

シュゥゥゥゥゥ
ピロローン

草加「くそっ!逃した!!」フキフキフキフキ

カマラ「あーーん!おニューのコスチュームがビショビショだよぉぉぉぉ」

啓太郎「なんだったの・・・あれ」

草加「わからない、あんなの見た事がない」

啓太郎「草加さん、説明書って読んだ?」

草加「キミは何を言ってるんだ?そんなものがあるわけないだろう」

啓太郎「あーカイザのベルトって説明書なし、キズありで受け取ったんだ」

草加「え?」

真理「・・・」

草加「真理・・・」

啓太郎「きっと、たっくんには何か事情があるんだよ!じゃなきゃたっくんが・・・」

〝オルフェノクだったら殺されたって文句ないだろってか〟

啓太郎「たっくんが・・・あんなこと」

真理「草加くん」

草加「?」

真理「あたしをチームに入れて」

草加「いや・・・キミを巻き込むわけには」

真理「もう巻き込まれた!ううん、私が巻き込んだ!」

真理「私が、巧も啓太郎も巻き込んだ!次は草加くんまで巻き込んだの!」

草加「真理」

真理「ファイズギアは、お父さんが私に送ったものだよ。」

真理「あのバイクも・・・なぜか巧に懐いてるけど」

カマラ「バイクが懐くってここ以外で二度と聞きそうもない」

真理「私は知りたい!巧と沙耶に何があったのか!同窓会の日に何があったのか」

草加「それは・・・」

真理「雅人!」

草加「は、はい」

真理「私は昔と何も変わってないよ」

真理「雅人がカイザになっても、沙耶がオルフェノクになっても・・・」

真理「私はあの時の園田真理だよ!だからあなたを守ってあげる」

真理「私は園田真理だから!!」

草加「真理ちゃん」フキフキフキフキ

カマラ「私もマサトを守るよ!ミズマーベルだから!」

草加「少し静かにしてくれないか?」

カマラ「ひどっ。落差が激しい」

啓太郎「でも真理ちゃん、美容院はどうするの?」

真理「ふたつやる。夢も追うし、巧も追う」

草加「それは難しいんじゃ」

真理「正直難しいけど、やる」

啓太郎「わかったよ。真理ちゃん」

啓太郎「草加さん、僕からもお願いします。真理ちゃんの望み通りにさせてあげてください」ペコ

草加「しかし・・・」

啓太郎「たぶん、ここで断っても彼女ひとりで探しに行っちゃうし」

啓太郎「そうなったら、僕だけじゃ彼女を守れないので」

草加「・・・」

カマラ「マサト?」

草加「不本意だが、啓太郎くんの言う通りだ」

草加「カマラ、デイジーに連絡してくれ」

草加「園田真理、菊池啓太郎を連れて行くとね」

啓太郎「ありがとうございます!!」

真理「さっさとそう言えばいいのよ」ウデクミ フン

カマラ「うわ!ツンデレだ!マサト!ツンデレだよ!」ミテミテ

真理「見てなさいよ。巧。あんたのこと見つけて今回の事について吐かせてやる」

〝流星塾だろうがなんだろうが関係ねぇよ!沙耶は沙耶だ!〟

真理「沙耶。あんたにもしっかり訳を聞くからね。オルフェノクだろうがなんだろうが関係ない」

真理「ここまで人の心を乱したんだから、それなりの報いを受けてもらうわよ」ギリギリ

啓太郎「気合が、怖い」

カマラ「執念だね」ウンウン

草加「さすが真理ちゃんだ」フキフキ

真理「やられたらやり返す」

真理「倍返しよ!!!」


第三部 完

――米軍基地内 セーフティエリア


ブルース「ピーター。トニーはみんなの心に生きている」

ブルース「確かに世界の為に公表は避けたがあの時確かに」

ピーター「それは〝スタークさん〟とは違うんだ!」

ブルース「ピーター!落ち着いて!」

ピーター「スタークさんは・・・トニーじゃない」

ブルース「・・・どういうことだい?」

ピーター「スタークさんからの伝言」

ピーター「トニーの家に言ってみろだって」

≪オープンユアアイズ フォザ ネクスト 555≫
デッデ テレレ テッテーテレー デッデ テレレ テッテーテレー♪

結花「ここでいいよ。2人まとめて相手してあげる」ニコ

巧「なんだあいつ!」

??「また会えるといいなぁ~結花っち」ニチャア

結花「あなた、嘘吐きでしょ」
巧「お前と同じでな」

結花「あなたが初めてでよかった」デッテンテンッテテン♪


次回 第四部 近日公開したい!!

――数時間後 浜辺

ザパーン

ブワッ!!

ウォード「」<◯> <◯>

このSSまとめへのコメント

1 :  MilitaryGirl   2022年04月21日 (木) 02:38:58   ID: S:qXzGWR

今夜セックスしたいですか?ここに私を書いてください: https://ujeb.se/KehtPl

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom