【仮面ライダー555】スパイダーマン「オルフェノクって、それはないでしょ!」シュッシュッ (132)

――4日前 ニューヨーク クイーンズ とある裏路地

黒人青年「……」

強盗A「おい、そこのお前」ナイフチャキ

強盗B「金だしな」

黒人青年「」チワワナデナデー

強盗A「こいつ子犬持ってるぜ」ヘヘ

強盗B「丁度いい。そいつも渡しな」ヒヒヒ

黒人青年「HA…チャコ、ゲッアウト」

チャコ トコトコ


ブワァァァァ トゥントゥントゥン
ブシャァァァァ


クロコダイルオルフェノク「」

強盗A「な、なんだこいつ」ナイフ カラーン

強盗B「バ、バ、バケモノ!」

クロコダイル「」ザシュ


レントゲン シンゾー ボワッ


強盗A「あがっ」ドサッ

強盗B「お、おい!!」

強盗A 「ア、ア、」(灰化)サラサラサラサラ

強盗B「ヒィィィ!」

クロコダイル「」スタッ スタッ スッ

??「ハイ!ちょっと待ったぁ!」 シュッシュッ

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シュタッ

ピーター「親愛なる隣人…スパイダーマッ!……ってアレ?」
ピーター「えぇぇぇ!どこの星の人!!?」アセアセ

クロコダイル「」ブワン

ピーター「おかしいなぁ」ヒョイ
ピーター「サノスのお仲間は、みんな消えた筈なんだけど?」ヒョイヒョイ

クロコダイル「!?」ブワン
強盗B「ヒィ」ブルブル
ピーター「あーそこの人、早く逃げた方がいいよ。こういうやつって結構危ないから」ヒョイヒョイ

クロコダイル「」ブワン ブワン

強盗B「ヒィィィ」スタタタタタ
ピーター「またねー!」

ピーター「じゃあ本気出しますか」シュッシュッ

クロコダイル「」カオニ ウェブシューター

クロコダイル「」バタバタ

ピーター「よっ、と!」ドカッ
ピーター「ほっ、」ドカッ
ピーター「もういっちょ」ケリー

クロコダイル「」ガシッ
黒人青年 影「フッアユー?」シュゥゥ

ピーター「うわ!足つかまないでよ!」ケリケリ

黒人青年 影「ユア カイザ?」ガンガン

ピーター「カイザ?誰?」

クロコダイル「」グッ


ピリリリリリ ピリリリリリ

クロコダイル「……。」
ピーター「……。」プラーン


ピーター「あー電話鳴ってるよ?」

クロコダイル「……」カチャ
黒人青年 影「Hello」

ピーター「早っ、てかどこから出したのそれ」

??『も~しもーしぃ!は~い♪お姉さんですよ~じぇいさんですかぁ?シャチョーからの命令でぇーすぅ!』
??『カイザのベルトはァー、もうテネシーに移動しちゃったみたいですぅ!ぴえん』シクシク

クロコダイル「」
黒人青年 影「オーマガッ…」

ピーター「ねぇ降ろしてくれない?」プラーン

??『シャチョーが、いますぐ向かってほしいって言ってまぁ〜すぅ!すぐ向かってくれると、お姉さん嬉ピ~なぁ~』

クロコダイル「」
黒人青年 影「OK」
クロコダイル「」ポイッ
ピーター「ちょっちょっ待っ」ドサッ

??『ありがと~♪まったねぇ~』ガチャ

クロコダイル「」
黒人青年 影「チャコ。GO」

チャコ「クーン」トコトコトコ

ピーター「逃がさなっ」
クロコダイル「……」ジャキーン

ピーター「わぉ…武器持ってたなら早く出せばいいのに」

クロコダイル「」スッ チャキッ

タッタッタッタッ!!!!


警官「両手を上げて頭の後ろにつっ、うわぁ!!バケモノ!」

黒人青年 影「チッ 次に会ったら、殺す」
クロコダイル「」バッ モクモクモク シュッ

ピーター「うわぁ!!ケホケホ 意外と素早い ケホケホ あと普通に喋れるんだ ケホケホ」ケホケホ

強盗A「」サラサラサラサラ

ピーター「?」

強盗A「サラ フワァァァ

ピーター「なんだこれ?」



デッデ テレレ テッテーテレー デッデ テレレ テッテーテレー

JustiΦ's
広がる宇宙の中Can you feel?

――5年前 東京

千恵「かわいー!これ勇治の小さい頃?」ペラッ
木場勇治「そうだよ!こっちが小5で、あっこれは小3だね」

千恵「ほとんど変わらないじゃん♪」

木場「さすがに大人になったって 笑」ハハハ

木場母「お熱いわね~」

千恵「すみません、ハシャいじゃって」ニコニコ

木場母「いいのよー!もう勇治、千恵さんみたいなステキな人は絶対離しちゃダメよ」

木場「うん!」ニコニコ

木場母「あなたにはもったいないくらいよ 笑」

木場「うん!」ニコニコ

木場母「もう!なんでもウンウン言わないの!ごめんなさいね千恵さん、つまらない男で」

千恵「いいえ 笑 でもそんな勇治さんだからこそ私はそばに居たいって思えたんです」ポッ

木場母「ありがとう千恵さん」ニコニコ

木場「あ、見て」ペラッ
千恵「あ、あたしだ……ここからあたしが一緒にいるんだね」ポッ

千恵「もう1年かぁ…」

――後日、木場が運転する車


木場父「もう1年になるのか」

木場母「それで、この子、今度の1年記念に自転車デートするんですって」

木場父「自転車?車で行けばいいじゃないか」

木場「ほら、俺さ 千恵と出会った時、まだ免許持って無かったじゃない。だから千恵が出会った時と同じデートがしたいって言うんだよ」

木場父「ほう…素敵な娘さんじゃないか」
木場「うん!」ニコニコ


トラック フラフラー


木場母「もう!勇治!なんでもウンウン言わないの!」


トラック フラー


木場父「まあまあ、いいじゃないか母さん。でもな、勇治覚えておきなさい」


トラック フラ ブォン


木場父「ここぞという時は愛する者の為に戦う。それが男ってもんだぞ」

――同時刻 ワカンダ


サノス「ハァハァ……」

サノス「ぁ…頭を…狙うべきだったな」スッ

パチッン

ソー「っ!!やめろぉぉぉぉぉぉ」

――木場の車

木場「ぁ…」

木場父「?」

木場母「ゆうじ?」

木場「…とう……かあ……ち…ェ フワッ



ガシャーン ドーン


パッパー…パー
<ジコダー
<ウワー ナンダコレー

――現在 夕方〝西洋洗濯舗 菊池〟リビング

アナウンサー『私たちはまだあの日に取り残されているのかもしれません』

園田真理「……」

アナウンサー『今日の特集は!隠れた名店!ビストロ ツガミに密着!このあとすぐ』

CM『ライフイズ

真理「」パチッ

<モウ!タックン!ナンデコンナコトモ
<ウルセェンダヨ!

真理「うるさいのはお前だっつーの」ボソ

乾巧「あぁん?なんだと??」ドカドカ

真理「アンタさぁ、ネコ舌のくせにジゴク耳なの?頭イカれてんじゃないの?」

巧「かんけーねぇだろ!耳はいいんだよ!昔から!!」

真理「あーほんと、うるさい!人が感傷に浸ってる時に、ほんと耳障り!」

巧「んだと?何が感傷だよ!くだらねぇ」

真理「くだらなくないわよ!さっきまでブリップの特集やってたの!世界中で困ってる人がいるのよ!?それを」

巧「それをみて、アーカワイソ、ワタシハヨカッターって思うんだろ?くだんねぇ」

真理「…サイテー。引くわ。大体さ九州にいた時からアンタは」

菊池啓太郎「はい!そこまで!」

巧「ああん?なんだよ!言ってみろよ!」

啓太郎「たっくん!」
巧「たっくん言うな!」

啓太郎「真理ちゃんも煽らないの」

真理「やだ…啓太郎おかん味がスゴい」

啓太郎「あまり嬉しくないなぁ、、それにブリップしたからって5年間意識を失ってた訳じゃないんだから」

巧「そもそもブリップってなんだよ!指パッチンだろ!指パッチン!」

真理「だからその言い方は軽すぎるつーの!人の気持ち考えなさいよ!!だからアンタ友達いないのよ!」
巧「あぁん?関係ないだろ!友達くらいいるわ!」

啓太郎「あのさ!黙っておくのもアレだから言うけどね!!」

真理&巧「何よ!」「何んだよ!」

啓太郎「僕と、僕の家族、ブリップしたんだよ」

・・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・・・・。

真理「えー、えーと、そう…なんだ」

啓太郎「うん。でもみんなが思ってるような死ぬみたいな感覚は無くてね、こう……瞬きしたら5年経ってましたーみたいな感じでさ!」

真理「そう…なんだ」

巧「…おい、お前のせいだぞ」
真理「はぁ?」

巧「お前がくだらねぇテレビなんか見てっからだろ?さっさと謝っとけよ」

真理「マジで感性も品性も人間性も疑うんだけど」

啓太郎「たっくん」

巧「…あーもう……悪かったよ。」

啓太郎「いや、謝るようなことじゃなくてさ。なんだろう?一瞬で5年経つとさ、時間って大事なんだなぁって思うんだよ」

真理&巧「??」

啓太郎「最初は戸惑って家族みんなでオロオロしたんだけどさ」

啓太郎「この家は親戚が守っててくれたし」

啓太郎「ご近所さんも優しく接してくれたし」

啓太郎「父さんと母さんが今まで歩んできた人生がここで実ったっていうか」

真理「…啓太郎」

啓太郎「そしたらさ、恩返ししないとって思ったんだよ!」

啓太郎「世界中のみんなを笑顔にしようって!」

啓太郎「まぁそれでアフリカでクリーニング店開業するって父さんも母さんも行っちゃったんだけどね」

啓太郎「だからさ、僕も旅をしてたってわけ」

巧「お前さ…いい話してると思ってんだろ」
真理「なっ」

啓太郎「変…だよね」ハハ

巧「いや、いい話だよ…それ」ボソッ
啓太郎「たっくんんんん」

真理(ないない。キュンとしたけどないない。)

・・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・・・・。

真理「えー、えーと、そう…なんだ」

啓太郎「うん。でもみんなが思ってるような死ぬみたいな感覚は無くてね、こう……瞬きしたら5年経ってましたーみたいな感じでさ!」

真理「そう…なんだ」

巧「…おい、お前のせいだぞ」
真理「はぁ?」

巧「お前がくだらねぇテレビなんか見てっからだろ?さっさと謝っとけよ」

真理「マジで感性も品性も人間性も疑うんだけど」

啓太郎「たっくん」

巧「…あーもう……悪かったよ。」

啓太郎「いや、謝るようなことじゃなくてさ。なんだろう?一瞬で5年経つとさ、時間って大事なんだなぁって思うんだよ」

真理&巧「??」

啓太郎「最初は戸惑って家族みんなでオロオロしたんだけどさ」

啓太郎「この家は親戚が守っててくれたし」

啓太郎「ご近所さんも優しく接してくれたし」

啓太郎「父さんと母さんが今まで歩んできた人生がここで実ったっていうか」

真理「…啓太郎」

啓太郎「そしたらさ、恩返ししないとって思ったんだよ!」

啓太郎「世界中のみんなを笑顔にしようって!」

啓太郎「まぁそれでアフリカでクリーニング店開業するって父さんも母さんも行っちゃったんだけどね」

啓太郎「だからさ、僕も旅をしてたってわけ」

巧「お前さ…いい話してると思ってんだろ」
真理「なっ」

啓太郎「変…だよね」ハハ

巧「いや、いい話だよ…それ」ボソッ
啓太郎「たっくんんんん」

真理(ないない。キュンとしたけどないない。)

――数ヶ月前 東京

木場「千恵!!」

パッパー <バキャヤロー シニテーノカー

木場「え、ここは…」

ブロロロロ

木場「車は?」

プップー

木場「父さん?」

プップー プップー

<オチツイテクダサイ!ワレワレハセンリャクコクド

木場「母さん?」

捜査官「みなさん!落ち着いてください!我々は戦略国土調停補強配備局 S.H.I.E.L.D.の者です!」


――数時間後、仮設帰還者センター

捜査官「えー、木場勇治さん」

木場「は、はい」

捜査官「ご年齢は21歳…今年26歳ですね」

木場「え?26?」

捜査官「それでは、直前までのお話を聞かせください。」

木場「あの、家族と車に乗っていて…」


――三ヶ月後 仮設帰還者センター

公務員「木場勇治さまー」

木場「はい…」

公務員「こちらが返却物となります。この書類にサインを」

木場「あの、俺に誰か面会とか迎えとかは…」

公務員「少々お待ちください」カタカタカタ
公務員「特にございません。大丈夫ですよ。お帰りください。」

木場「いや、俺の両親とか親戚とか…」

公務員「申し訳ありません。お答え出来ません」チラッ

捜査官「……」チラッ スッ

木場「え、あ、…ありがとうございました」アセアセ

――数時間後、木場叔父の家


一彰「……」キッ

木場「久しぶり…」

一彰「ああ」スタスタ

叔父「いやぁ勇治くん。無事でよかった!何よりだよ!」ニギニギ

木場「あのおじさん…ここに来る前に家に寄ったんですが」

叔父「ああ、あの指パッチンの後にね、キミのお父さんの会社は倒産してね」

木場「え?」

叔父「借金が膨れていたから家を売ってしまったんだよ」

木場「え、あのじゃあ父さんと母さんは?」

叔父「え?何を言ってるんだね」



〝あの事故で亡くなったじゃないかー〟

――いつかも、どこかもわからない道


〝キミのわき見運転が原因で〟


〝トラックが衝突〟


〝2人は即死でキミは指パッチンした〟


〝幸いトラックのドライバーは軽傷〟


〝示談が成立して〟


〝それもあって会社は無くなったよ〟


木場「嘘だ…うそだそんなこと」



〝申し訳ありませんでした〟


〝顔を上げたまえ〟


〝オヤジ、もういいだろ〟


〝おい、人殺し。2度と顔見せるなよ〟


〝申し訳ありませんでした〟


木場「なんで…」キーン

木場「うっ…耳が…」キーン


〝あいつ、出ていったよ。今更引き取るとかヤメてくれよ?〟
〝そんなことはさせんよ〟
〝でもいいのかよあんなウソついて〟
〝会社も家も勝手に売ったんだろ?〟
〝嘘などついておらんよ。示談は本当じゃないか〟
〝面倒だっただけじゃんw あのトラックどう見たって勇治の車に突っ込んでたしw〟
〝相手は北岡って弁護士だったんだ。示談金も良心的だったし、まぁ死人に口無しだな〟
〝生きてても口無しだけどなwwwいやー笑い堪えるの大変だったわwww〟

木場「うそだ…全部うそ…」

木場「あ、ここ…」キョロキョロ

――数分後、千恵の家の前

カチャッ

千恵「え?」

木場「やぁ…」

千恵「ゆう…じ」
木場「千恵、おかえり」

千恵「その自転車、どうしたの?」

木場「俺たちの一年記念、自転車デートだったでしょ?これから」

千恵「ごめん。勇治…勇治には一瞬だったかもしれないけど、私は…」
千恵「もうあの頃の私じゃないんだよ」

木場「何言っ
一彰「千恵!」

千恵「一彰!」タッタッタッタッ サッ

木場「え?」

一彰「勇治、そういうことだからさ。人殺しが顔見せんなよ、千恵の事考えてやれよ。」

木場「え、いやちょっと」

千恵「さよなら。勇治。」

タッタッタッタッ バタン

<チョーコワカッタ
<アイツアタマオカシイカラ キヲツケロヨw
<ウン!カズアキダイスキダイテー
<ヤベタッテキタwww

木場「うっ……うわぁぁぁぁぉぁぁぁぁ」

――現在 ニューヨーク クイーンズ 高層ビル

リーリリン リーリリン リリーリーー リーリリン♪

ピーター「はぁい!ハッピー?今日は大人しくして」
??「どうも、スパイダーマン。S.H.I.E.L.D.です。」

ピーター「え?S.H.I.E.L.D.?フューリー長官のお使いの人?」

??「ハハハ、私はあの人とは別で動いてましてね、貴方に相談がありまして」

ピーター「相談…。それはハッピーに相談してみないと」

??「ハッピー・ホーガンになら私たちからお願いしておきますよ。S.H.I.E.L.D.ですから」

ピーター「…本当にS.H.I.E.L.D.の人?」

??「何故疑うんですか?」

ピーター「なんか優しいから」

??「ちょっと意味がわからないですね?」

ピーター「S.H.I.E.L.D.が優しい時は、偽物か死を覚悟するような任務を伝える係の人だ」
ピーター「ってスタークさんが言ってた」

??「HAHAHAHA あの人は相変わらずだ」


ピーター「それで?S.H.I.E.L.D.って証明できる?」

??「そうだねえ、証明としては、第一にこの番号を知ってる事」

ピーター「まぁマッチングアプリとかに使ってたら誰でもわかっちゃうけどね」
??「え?」

ピーター「いや、やってないよ!?そりゃ考えた事はあるけど」アセアセ
ピーター「ほら、ブリップしてたし、有名人だから!」

??「まぁ年頃だからね。でもこの番号ではやめてもらえると嬉しいかな」

ピーター(あーもう何言ってんだよ)
ピーター「他には?証明できる?」

??「綺麗なお姉さんが迎えに行くよ」

ピーター「誰似?ゼンデイヤ?ダヴ・キャメロン?…じゃなかった!」

ピーター「そんなんで信じられると思う?」

??「キミは本当にトニーに似てるな。じゃあ、これでどうかな?」


??「よろしく頼むよ。ピーター・ベンジャミン・パーカー君」

――数分後 ニューヨーク 旧アベンジャーズタワー ヘリポート跡

シュタ


ピーター「あーS.H.I.E.L.D.のひとー?スパイダーマンですー!」



シーン



ピーター「ああ、そうか合言葉…」

ピーター「タヒチは夢の国ー」



ヴォオオオン シュタッ



ピーター「あ、どうも・・・えーと」

??「はじめましてスパイダーマン」
??「私はエージェント ジョンソン。S.H.I.E.L.D.の捜査官よ」

ピーター「どうも!…」ジー

デイジー「私の顔に何か?」ニコ

ピーター「え?いや…本当にキレイなお姉さんが来たからびっくりしただけ」ウンウン

デイジー「あら、お世話は美味いのね」

ピーター「?」

デイジー「でも嘘はヘタ。貴方の考え通り、私はインヒューマン」ニコ

ピーター「え?なんで」
デイジー「わかったのかって?」

デイジー「これでもS.H.I.E.L.D.のエージェントだからね」フッ
デイジー「あと…続きは後にしましょうか」ニコ

ピーター(この人やりづらいなぁ…)

デイジー「じゃあ早速だけど行きましょう」

ピーター「行くって、どこに?」

デイジー「お姉さん達の秘密基地」

ブォォォオォォォ ギュイィィィン

ピーター「クインジェット!?」

デイジー「さぁ、乗って!話の続きはこの中で」

――ニューヨーク上空 クインジェット内

デイジー「約4日前、テネシーのとある牧場で不思議な遺体が発見されたの」
デイジー「全身が灰化しているご老人の遺体。でも火傷等の外傷は見られなかった」

ピーター「僕が見たのと同じだ」

デイジー「あなたが4日前にクイーンズで発見した男性の遺体。外的特徴も酷似していたわ」

ピーター「外的特徴も?じゃあ他にも?」

デイジー「ええ、両者とも心臓は消失し、内臓の一部が見たこともない器官に変化してたそうよ」

ピーター「うぇ、想像しちゃった」

デイジー「あなたは犯人と戦ったんでしょ?」

ピーター「うん。犯人は灰色の彫刻みたいなワニの姿をしてた」

ピーター「サノスの仲間にしては小柄だったし、なんだか…」

デイジー「なんだか?」

ピーター「〝生き物〟って感じはしなかったよ。でもロボットでも無さそうだし」

デイジー「そう…その灰色の怪物だけど、ここ数ヶ月で目撃者も被害者も多発してるの」
デイジー「私達は怪物の事をグレーと呼んでる」

ピーター「あれは何?まさかチタウリとか?」

デイジー「いいえ、どこのデータとも照合は取れなかった。」
デイジー「知り合いの〝神様〟にも聞いてみたけど、心当たりがないそうよ」

ピーター「アスガルドの人がわからないんじゃお手上げじゃない!」

デイジー「…だから戦った事のある貴方に頼みたいの」

デイジー「私達と一緒に犯人を探しましょう」

ピーター「……。」

ピーター(スタークさんの言う通りだ。S.H.I.E.L.D.が優しい時は)
ピーター(死を覚悟するような任務を伝える係の人か面倒ごとを持ち込んでくる係の人かって)

――数週間前 東京 薄暗いトンネル


一彰「ハァハァ」


木場「」シーン


一彰「誰も見てないよな」キョロキョロ

一彰「勇治、お前が悪いんだぞ、ハァハァ、お前は死んでるべきだったんだ」


〝僕は…〟



一彰「お前が死ねば、“消失者保険”も入るし」
一彰「千恵と海外旅行に、行ける、ハァハァ」


〝あぁ…くだらない〟
〝なんてくだらないんだろう〟


〝人間って〟



木場「」<◯> <◯> グワッ

一彰「燃やしちまえば…証拠も残らない」ガソリン

木場「」ムクッ スッ

一彰「よ、よし、やるぞ…あ、え?」

シーン

一彰「なんで、あいつ、どこに…」

木場「一彰…」

一彰「ひっ」ビクッ

木場「キミの言う通りだよ。」トコ

一彰「お、お前!なんでピンピンしてるんだ!車で引いたんだぞ!」

木場「ボクは生きてちゃいけない人間なんだ」

一彰「お、おい!待て!話し合おう」

木場「もういいだろ?ボクは〝口無し〟なんだから」<◯> <◯> グワッ

ブワァァァァ トゥントゥントゥン
グシワシャ シューン

ホースオルフェノク「」ブロロロロ
一彰「ひぃぃぃぃぃ!」

木場 影「〝ボクはキミのこと〟」
木場 影「〝大嫌いだっだよ〟」


ホース「」ジャキ
一彰「うっ」

レントゲン シンゾー グサッ
ボワッ

一彰「」ドサッ

ホース「」ブロロロロ ヒィヒィーン

シュゥゥゥゥゥ

木場「…」

木場「なんだこれ…」

一彰「」ピクピク

木場「僕は…う、うわぁぁぁぁぁ」タッタッタッタッ



シーン



一彰「」サラ

一彰「」サラ…サラ…

一彰「」<◯> <◯> グワッ

一彰「」ムクッ スタッスタッ

ガチャ バタン ブゥゥゥゥ

――十数分後 千恵の家

千恵「フーンフン♪フフンフーン♪」カチャ ボッ
千恵「フーンフ♪フフンフーン♪」トントントントン

一彰「」<◯> <◯> プワァァ

千恵「キャッ!え?一彰!?」

一彰「…」

千恵「もう!脅かさないでよぉ!今日はシチューだから、座って」

一彰「」サラ
千恵「待ってて…え?どうしたの一彰?」

一彰「チエ・・・ブワサァァァァ ドサッ

千恵「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

――現在より少しあと 東京 タワーマンション前

巧「おい、マジでここかよ」

啓太郎「うん」ポチポチ

巧「お前、行ってこいよ」

啓太郎「うーん。待ってぇ」シュ ポコン

巧「おい。」

啓太郎「はぁぁ」ポチポチ

巧「おい!!」

啓太郎「うわぁぁ!なんだよ!急に!」
巧「急じゃねぇよ!!何度も話しかけてんだよ!」

啓太郎「え?ああ、ここの503のキタザキさんって人に配達すれば」

巧「そうじゃなくてお前が行けって話をしたんだよ!」

啓太郎「なんで?」

巧「…ここは、気まずいんだよ。」

啓太郎「たっくん」ジー

巧「なんだその目は」

啓太郎「謝りに行こう」

巧「なんで俺が謝る前提なんだ!!」

啓太郎「そりゃぁ…ねぇ…」

巧「もう謝ったから気まずいんだよ」ボソッ

啓太郎「ホラ、やっぱり」ハックション!
啓太郎「汚い心アレルギーも出たし」ハックション!

巧「お前、バカにしてんだろ!!」

木場「あれ?貴方は…」
巧「あっ…」

長田結花「…」ペコ
啓太郎「あ…」

木場「お兄さん!どうも!今日はどうされたんですか?」

巧「見ればわかるだろ」

木場「…?…ああ漫才の稽古?」
巧「配達だよ!配達!クリーニングの!」

啓太郎「あ、あの!西洋洗濯舗 菊池です!」
啓太郎「うちのたっくんがすみませんでした!」

巧「なんで謝るんだよ」

木場「いえ、もう気にしてませんから」

巧「おい。話をスムーズに進めんな」

木場「うちのってことは…お兄さん働いてるんですね」ニコ

巧「うっ…」

木場「良かった!これからはあまり妹さんに迷惑かけないでくださいね」ニコ

啓太郎「妹さん?」
巧「いいから!その話は!」

木場「それじゃぁ、行こうか」
結花「…」コク

巧「おい、ちょっと待て」

木場「何か?」

巧「あんたら、どんな関係だ」

啓太郎「ちょっと!たっくん!」

巧「平日の昼間、どうみても未成年の女。おかしいだろ」

啓太郎「ちょっ!何考えてるのさ!!」カァァァ

木場「長田さんは…」

結花「腹違いの妹です。兄がお世話になってます。」

巧「腹違いの」
啓太郎「妹さん…」

結花「会って間もないので、他人行儀が抜けてないんです」

結花「今日は、父の葬儀と同居についての話し合いに来ました」
結花「みません“余計な”ご心配を掛けまして」

巧「あ、あぁ」

結花「これで、ご満足ですか?」

巧「はぁ?…いや、ああ」

結花「失礼します」ペコ スタスタスタスタ

木場「ちょっ長田さん!」タッタッタッタッ

巧「……」

啓太郎「オサダさんって名前なんだぁ」ボソ

巧「おい。メル友の彼女はどうしたんだよ。」

啓太郎「ちがうよ!!そんなんじゃないよ!!随分ハッキリと話す人だなぁって思っただけ!」

巧「ああそうだな…」

啓太郎「でもたっくんにしては珍しいね」

巧「あぁん?」

啓太郎「人の心配してあげるなんて」

巧「はぁ?ちげぇよ!あのニヤケ野郎の汚い部分を引き摺り出して野郎と思ったんだよ!」ケッ

啓太郎「ハイハイ、そういうことにしときましょう」ニコニコ

巧「でも…」
啓太郎「?」

巧「あれは嘘だ。」

啓太郎「え、あそこまでイヤな感じ出しといてまだ疑うの?たっくん歪んでるよ」

巧「お前は、お人好し過ぎなんだよ!」ポコ
啓太郎「痛っ!たっくんが叩いたぁ!」ビェーン

巧「あいつの顔…ありゃ嘘つく時の顔だ」
巧「俺も嘘つきだからわかるんだ」

啓太郎「え?なんて言ったの?」
巧「うるせぇ!早く配達いくぞ!!」

啓太郎「ちょっと!待ってよ!たっくん!」

??「あれ?…ワンちゃんだ」ニヤ

――啓太郎のスマホ SNSアプリ Bleinより

ケータロ 既読
→yukaさん
お元気ですか?僕は元気です。

ケータロ 既読
→今日はとても良いことがありました。
ブリップから帰ってきて初めて夢が見つかりました。

ケータロ 既読
→僕はやっぱり世界のみんなを笑顔にしたいです!
スーパーヒーローみたいには戦えないけど、
ヒーローを手伝うことで世界中の笑顔を守ることも出来るんだと思いました!

ケータロ 既読
→yukaさんの夢は何ですか?

yuka
→ケータロさん
とても素敵な夢!ケータロさんは立派な大人なんですね!

yuka
→私は今日、朝から成績が上がったことをパパ、ママに褒められました!
私の方が恥ずかしくなるくらい

yuka
→姉のミッちゃんもとても喜んでくれました
今日も放課後はミッちゃんとお出掛けします

yuka
→ケータロさん、私ケータロさんに会いたいです

――現在より数週間前 早朝 某県 長田家

叔父「道子、聞いたぞ!また成績上がったそうだな!」

道子「まぁ当然よ!高校の問題、5年前より簡単になったんじゃない?」キャキャ

叔母「この子ったら 笑」

トン…トン…トン…
\ワハハハ / \アハハハ /

結花「…おはようございます」

シーン

叔母「それでミッちゃんとも話したんだけど、何かお祝いしたいねって」

叔父「お、じゃあ久しぶりに家族3人水入らずで外食に行くか!」

結花「」ゴハン ヨソヨソ
結花「」ミソシル

道子「アタシ、中華食べたい!」ドン
結花「あ…」ヨロ

バシャーン

結花「あ、あの!申し訳ありません!」

叔父「……」ガタ

バチーン

結花「いっ…」

道子「どんくさ」ボソ

――数分後 某県 通学路

女子A「」ニヤニヤ

女子B「」ニヤニヤ

道子「ゆーか!」

結花「ミッちゃん…」

道子「お金貸してくんない?」

結花「もう、ないよ」

道子「嘘つくなよ。昨日バイト代入ったろ?知ってんだよ」

結花「これは新しい鞄買うお金だから」ボロボロ

女子B「ミッちゃんセンパーイww」

女子A「手伝おうか?ww」ニヤニヤ

道子「だっ…だってさ、どうする?」チラチラ

女子A「つか、遅刻したらミッちゃん先輩のせいだかんね?」

道子「はっ、早く出せよ!!」プルプル

結花「…わかった」ガサガサ

道子「あーもう!財布ごとでいいよ。」バシッ

結花「あ…」シュン

女子B「はやくー」

道子「ごめーん!」スタタタ

女子A「てかいいの?妹なんでしょ?」

道子「妹って言っても今は年上だし、あいつウチで問題ばっか起こしてるから迷惑料テキな?」

女子B「だよねーミッちゃん先輩16才だもんねぇー」

女子A「ちょwww不謹慎www」

女子B「ねぇ指パッチンって痛いの?ww」

道子「そんな訳ないじゃん」ワラワラ

結花「……」グスッ

――5年前 長田家

結花(12才)「ミッちゃん…あの…勉強したいから机を」

道子(16才)「……」ポチポチ

結花「あの…」

道子「うざっ」チッ

結花「でも…あの…」

道子「ああうざい!!なにこれ?作文?」

結花「う、うん…家族について」

道子「ガキかよ」

結花「……」シュン

道子「貸して」グシャ
結花「や!やめてよ!」

道子「うるさい!!!」ドン
結花「きゃ!!」ドサッ

ガシャガシャ

道子「わたしの家族 長田結花」


わたしの家族は、本当の家族ではありません。
でもわたしを本当の娘のように育ててくれます。
お父さんは、日曜日にはレストランに連れて行ってくれます
お姉ちゃんは、勉強を教えてくれます。
お母さんは、毎日頭を撫でてくれます
わたしは、


道子「嘘書いてんじゃん!!」

結花「だって」グッ

道子「いつも嘘ばっかついてさ!!」ビリビリビリ

結花「……」キッ

結花「じゃ、じゃあ…毎日無視されてて、ガレージがわたしの部屋ですって書けばいいんですか?」

道子「はぁ?」イラッ

結花「姉のミッちゃんは、気に入らない事があるとわたしを叩きます。」
結花「お父さんは、私を無視します。でもお風呂には一緒に入ってくれます。」
結花「お母さんはわたしを見るたびに、嫌な顔をします。」
結花「わたしの〝本当〟のお母さんの事を私の家族は嫌いだから」

結花「わたしは悪い子だから…〝バケモノ〟だからって」

道子「……」

結花「これで、満足ですか?」

道子「ふざけんな!!生意気なんだよ!!お前は!!」ガッ

叔母「どうしたの!大きな声だして!」
叔母「なにしてんの!こら!やめなさい!」

道子「うざいんだよ!」ガシッ
結花「やめてよ!」パシッ!!

道子「ぁ……」パサッ

叔母「道子!?」

結花「え…」ギョッ

道子「お……ころ…し フワッ

ファサッ

叔母「み・・・ちこ?」

道子「 ファサ フワァァ

叔母「いや…だめ…みちこ…」ガサ…ガ…
叔母「ダメダメダメダメ」ガサガサガサガサ

結花「お母さん…?」

叔母「ダメ、いっちゃダメ、ダメダメダメダメ」ファサ ファサ サー

結花「ミッちゃん…どこ?」

叔母「……たが…」

結花「え?」

叔母「アンタがやったんだろ!!!!」

――同日 夜中 長田家 ガレージ

結花「……ます…ちがい…ます」

叔父「……」ブン ドカッ

結花「やめでぇ!やめでぇくだざい」ゲボ

バタンバタン

叔父「だから、嫌だったんだ」バギッ

叔母「みちこぉ、みちこぉ、みちこぉ」ナデナデ ファサ

結花「なにもぉ、じでまぜん」

叔父「化物の子供を預かるなんて」バギッ
叔父「おまえの母親も美人だが、化物だった」ドカッ

叔母「美人?」ギロッ

叔父「いっ一般論だよ」アセアセ

結花「ぼんどぅに、なにもじでない」ゲホ

叔父「だまれ!!」バシン

結花「いやぁぁぁぁぁ」バタバタ

叔父「騒ぐんじゃない!!」

叔母「…しましょう」

叔父「え?」

叔母「この子、殺しましょう。みちこ、しんぢゃったんだもん。この子。殺しましょう。」

叔父「いや、それは…それよりこの事をシールドの奴らに言って殺処分してもらっ」
結花「いゃ…」

叔母「殺しましょうぅぅぅよぉぉぉぉ」ギュゥゥゥ

結花「ぁっ…がっ…」ジタバタ

\ドン!ドン!/

捜査官〝長田さん?何かありましたか!?〟

叔父「おい!やめろ!」

\ドン!ドン!/
捜査官〝長田さん!!〟

ガシャーン ガラガラガラ

捜査官「何してるんだ!!?」

――現在より数週間前 某県 校舎裏

キーンコーンカーンコーン

<オツカレー
<コレカラ カラオケイクケド

ザワザワザワ

結花「…あの」

女子A「早く、謝んなさいよ!」

女子B「あんた、サイテーだね」

女子C「ヒグッ…うっ…」

結花「え…あの…これは?」

女子B「この子の彼氏誘惑しておいて被害者ヅラ?」

結花「でも、あの、なんのことだかわからなくて…」

女子C「この人がぁ…ユウくんをぉぉぉ」ビエーン

女子A「あんたこの前ここでこの子の彼氏に呼び出され告白されてたんでしょ!!」

結花「え?わたし、知りません…そんなこと…」

女子C「うそつき!」ビエーン

結花「本当に知らないんです!」

女子B「ふーん、だってさ、道子ぉ」

道子「……」キョロキョロ

結花「ミッちゃん…?」

女子B「道子さぁ、見たんだよね?こいつが色目使ってるところ。」

女子A「ユウくんが呼び出したオサダさんはこいつの事なんでしょ?」ニヤニヤ

道子「…うん」

結花「わたし、知ら」
道子「ウソツイテンジャネェヨ」ボソ

女子B「あー、もうハッキリしてくんない?」
女子B「道子さぁ、あんたもう21でしょ?」

道子「」ビクッ

女子B「もっとハキハキしなよ。」
女子B「どっちがユウくんが呼んだオサダかわかんねぇけどさ」
女子B「オトシマエつけないとこの話終わらねぇからさぁ!」

道子「…ぅ」グスン

結花(ミッちゃん…)



結花「…シデス」グッ

女子B「あぁん?」

結花「私が、その子の彼氏を誘惑しました」

女子C「びえーーーん」
女子A「よしよし」ナデナデー

女子B「じゃあ、覚悟は出来てるよね?」

道子「……」

・・・

・・・・・

・・・・・・・

女子B「じゃ、もう人の男を寝取るんじゃねーゾ!」

女子A「その時はこの動画ばら撒くからねぇ」

女子C「ヒグッヒグ」

道子「……」ジー

結花「……」

女子B「ミッちゃん先輩w行くよぉ~」

道子「う、うん!」タッタッタッタッ

結花「……」ガサガサ

結花「……だいじょうぶ」ボソッ




ワタシハ〝ウソツキ〟ダカラ


――結花のスマホ SNSアプリ Bleinより

yuka 既読
→ケータロさん!
今日は女子高生らしいお悩み相談を受けました!
友達の元カレが、私の姉に告白したみたいで
みんなで話し合いました!

yuka 既読
→ちょっとケンカ?っぽくなったけど…
最後は誤解が解けて、みんなで一緒に帰りました!

yuka 既読
→ケータロさんはお友達とケンカする事はありますか?


ケータロ
→すごい!青春ってカンジですね!

ケータロ
→僕も友達とはケンカする事はありました!
でも最近は、みんな立派な社会人になっていて
会う事が少なくなりました

ケータロ
→ ブリップしたことで
同年代とズレが出ちゃうのは仕方ないけど
やっぱ寂しいですね 笑

yuka 既読
→そうですよね…
姉も周りに溶け込むようにがんばっていました。
だから私が助けてあげないとって思って
あ、ケータロさんはまだ九州にいるんですか?

ケータロ
→お姉さん大変そうですね…
でもyukaさんみたいな素敵な妹さんがいるなら、安心ですね!
僕はまだ九州にいます!なんかすごいカンジの悪い女の子と一緒です。

yuka 既読
→カンジの悪い女の子??

ケータロ
→ちょっと事故に巻き込まれちゃって…仕事が滞ってたんですよ!
そしたら、その女の子が助けてくれたんですが…
僕が人助けする度にずっと文句言ってくるんです

yuka 既読
→おかしな子ですね。人助けしてるのに文句言うなんて
事故に巻き込まれたんですか…大丈夫ですか?

ケータロ
→ですよね!!
事故は本当軽いものだったので、身体は無事です!心配かけてごめんなさい!

yuka
→ケータロさんが東京に戻ってくるの楽しみにしてます。
そしたらやっと、会えますね

――夜 某県 線路側の陸橋

<ヤバ!ユキフッテキタ
<サイアクー カサナインダケド

結花(ケータロさん、私…)

カンカンカンカン プワァー

結花(素敵な妹に、なれたのでしょうか)

ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、
ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、
ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、
ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、
ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、
ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん
ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、
ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、
ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん、ケータロさん


〝ケータロさん、会いたい〟

ツルッ

結花「きゃっ!」

ダダダダダダダダダ ドサッ



カンカンカンカン プワァー

結花「」



〝聞こえる〟



〝誰かの、声〟



〝断末魔みたいな悲痛の声〟



〝お母さんの…声?〟



結花「」<◯> <◯> グワッ



結花「…私、転んだ?」

結花「」ムクリ トボトボ

――土手沿い


道子「やば、遅くなっちゃった…」

ブォォォオォォォ パッパッー

道子「きゃ!」ドサッ グルグルグル

ドサッ

ブォォォオォォォ
<ヤベェ ナンナンダアイツ ニゲロ

??「」ザザザザザザ シュン

道子「何あの車…痛っ」

道子「痛っ…足っ…」

道子「だれか」キョロキョロ

道子「誰かー助けて!!」


シーン


道子「お母さん…助けて」


シーン


道子「うっ…誰かぁぁぁぁぁ!!」

道子「誰か!助けて!!」

――数分後 長田家

叔父「道子、遅くないか」

叔母「何かあったのかしら」

ガチャ

叔父「道子ぉ!」

結花「あ、た、ただいま戻りました」

叔父「なんだ…お前か」

結花「申し訳、ありません」

叔父「道子はどうした」

結花「え…友達と、先に帰って」

叔母「あんた!なんで道子を1人にしたの!」

結花「え、あの、ミッちゃんは友達と…」

叔父「役立たずが…母さん。やはり道子は帰還者支援のある学校に」

叔母「何度も話したでしょ!あんなところ!道子は普通の子なんです!!帰還者なんて言わないで!」

〝ケテ…〟

結花「え?」

〝タスケテ…ダレカ…〟

結花「声…」

叔父「?」

〝道子「誰か!助けて!!」〟

結花「ミッちゃん!!」ダッ!

ガチャ バタバタ

叔父「行こう!」
叔母「え、ええ」

タッタッタッタッ

――数ヶ月前 長田家

結花「…ミッちゃん、私17才になりました。」

(道子の写真)

結花「もう5年経つんだね」

結花「お母さんもお父さんも少しづつですが現実を…」

道子「おまえなんて殺してやる!!」

結花「」ビクッ!!

道子「え?」

結花「ミッちゃん…」

道子「え?誰?…ですか?」

結花「ミッちゃん!!」ガバッ

道子「え?なに?え?」


トントントントン ガラッ


叔母「うるさい!!静か…みちこ?」

道子「お母さん?この人誰?」

叔母「みちこ!!よかったぁぁぁ」ガバッ

道子「なにが、どうなってんの?」

叔母「みちこぉぉぉぉ」ウワーン

結花「ミッちゃん!!!」グスン



〝これで、元どおりになる。〟



〝全部、元どおりになる〟


――土手沿い


結花「ミッちゃん!!!」

道子「ゆか…どーして」グスン


〝どうして、あんたは、綺麗で、やさしくて〟


叔父「道子!」
叔母「道子!!!」


〝突き離しても、突き離しても〟


叔父「どうしたんだ!」
道子「土手から落ちちゃって、痛っ」
叔父「どこをケガした!!」
道子「足、挫いただけ」
叔母「病気にいきましょう!」
叔父「ああ、そうだな!急ごう」


叔母「結花…ありがとう、あなたが見つけてくれたから」



〝わたしから、お母さんを奪おうとする〟



道子「やめて!お母さん!ありがとうなんて言う必要ない!」



〝わたしがブリップしたのも、おまえのせいだ〟



道子「そいつが」



〝わたしが生きづらくなったのも全部、全部〟



道子「そいつが、わたしを突き落としたんだよ」

結花「え…」

叔父「本当なのか?」

結花「違います!」

叔父「じゃあ、なんでこの場所がわかった」

結花「それは…」

叔父「出て行け。もう約束などしらん。あの怪しげなやつらのところにでも行け」
叔父「このバケモノが!」

結花「私じゃ、ない。ミッちゃんを落としたりなんかしてな

バチーン‼︎

叔母「……」キッ

結花「お母さん…」

叔母「もう、あたしたちに近づかないで!!」

――深夜 繁華街

ザーザー

ザーザー

結花「……」トボトボ

ユウイチ「お姉さん?何してんの?あれ?」クイ

結花「……」トボトボ

ユウイチ「あーやっぱり!ミッちゃんのお姉さんでしょ!傘も刺さないで何してんの?」

結花「……」スッ

ユウイチ「俺、ユウイチ!ミッちゃんとは同じクラスでーす」

結花「……」ジッ

ユウイチ「ミッちゃん元気?最近素っ気なくてさぁ」

結花「……」トボトボ

ユウイチ「無視しないでよぉ!ねぇこのあと時間ある?」
ユウイチ「俺ん家近いんだけど、今日家族いなくて暇でさーカラオケとか行こうよ!」

結花「あの…」

ユウイチ「なに?」

結花「家近いなら、一晩、泊めてもらえませんか…」

ユウイチ「……」ニコニコ
ユウイチ「それ意味わかってる?」ニチャア

――翌日 校内


女子B「ゆーかーちゃん♪」

結花「」ビクッ
結花「…どうも」

女子B「聞いたよぉ。道子んち追い出されたんだって?」

結花「関係ないでしょ」

女子B「マジウケるwwwwそれで早速、約束破っちゃったんだぁ」

結花「え?」

女子B「ユウイチってさ、学校一のヤリチンで最低男なんだよー」
女子B「あいつさぁ楽しそうに話してたよぉアンタとの事」

結花「……」

女子B「これなーんだ」スマホ スチャ

〝ほら、早く自己紹介ぃ〟
〝お、長田結花です〟
〝なんで裸なんですかー?キャハハハ〟
〝わ、私は、男の子が大好きで〟
〝だ、誰でもいいから、せっ、せっくちゅ〟
〝ギャハハハハ ヤベェ 噛んでんのwww〟
〝だれ、だれでもいいから〟

女子B「みーんな見たよ」ニヤァ

結花「イヤ、イヤ…」
結花「イヤァァァァァァァァ」ドタッ

女子B「ゆーかちゃん。放課後、体育館においでよー。」
女子B「来なかったら、まぁこの動画がツィートとかされちゃうかもね」
女子B「じゃーあねぇ♪」タッタッタ♪

結花「」グスン、グスン

――結花のスマホ SNSアプリ Bleinより

yuka
→ケータロさん
私、本当は嘘つきなんです。
本当は、姉の事が少し嫌いです。

yuka
→お父さんも、お母さんも嫌いです。
私のことを助けてくれたシールドってとこの人も嫌いです。
学校の友達も嫌いです。

yuka
→もっと早く、ケータロさんと知り合いたかった。
もっと早く、本当の事を言えば良かった。

yuka
→1番嫌いなのは、こんな自分です。

――放課後 体育館

男子A「ホントに、いーの?1000円で」
男子B「ちょー楽しみなんだけど!」
男子C「あんまがっつくなよwww」

ガヤガヤガヤ

女子A「うちのクラスの男子ほとんど集まってんじゃんwwww20人くらいはいるじゃんwwww」

女子B「いきなりヤリマンデビューだねぇ。ねぇユウイチ」

ユウイチ「あーもうそういうのいいからぁ興味ないし」ポチポチ

女子B「ミッちゃん先輩wもさぁ、楽しみっしょ」

道子「う、うん…でも、大丈夫?こんな事して」

女子B「なに?ビビってんの?」キリッ

道子「いや、そういう訳じゃないけど」ビクビク

ユウイチ「ミッちゃんさぁ」ハァ

道子「な、なに?」

ユウイチ「結花っちの事なんで嫌いなの?」

道子「え?いや」

ユウイチ「結花っちは、ミッちゃんのこと大好きみたいよ?寝言でミッちゃんミッちゃんって言ってたし」

女子B「寝言とかwwww」
女子A「ちょwwwwエローいwwww」

ユウイチ「エロくねぇよー痛い痛いって暴れるし、マグロだしwwww」

女子A「コイツ、マジでゲスなんだけどwwww」

キィィィィ ガラガラ

結花「……」ボォー

男子達「ザワザワザワ」ゴクリ

女子B「はい!主役のご登場~痴女お姉さんの長田結花さんでーす」

男子達「オゥー」ザワザワ

ガヤガヤガヤ

女子A「ヤバwwwwもうAV女優じゃんwwww」

ユウイチ「マジでAVみたいwwww」

道子「……。」

結花「ミッちゃん」

道子「な、なによ」

結花「私ね、ウソツキなんだ。」

道子「しっ知ってるし。」

女子B「なになに?wwこの茶番w」

ユウイチ「面白そうw感動再会シーンみたいじゃんww」

結花「ミッちゃんが消えた時、良かったって思った。これでいじめられなくなるって」
結花「あまり変わらなかったけど…」

結花「それでも、お父さんとお母さんは少し変わったよ。」

結花「謝ってくれたの。もう叩いたりしないって」
結花「S.H.I.E.L.D.の人達の前で、約束だって」

道子「……」

結花「ミッちゃんが戻って来た時に」
結花「これで元通りになるって思った」

結花「本当に元通りに…だから嫌だった。」

道子「な、なにわけわかんないこと!」

結花「ミッちゃんが辛いなら、私が助けなきゃって!!それがお母さんとの約束だったから!ガマンした!!」

道子「」ビクッ

結花「でも私、ウソツキなんだよ。ミッちゃんのこと大好きだけど、大嫌いなの」

結花「だから、この嘘、もう終わりにする」

女子B「いや、意味わかんないからwwww」

結花「だまってて!!」

女子B「ああん?あんた状況わかってんの?」

結花「……」キッ

女子B「こっちはあんたとパコりたい男子がウズウズして待ってんの」
女子B「てか、別にあんたじゃなくてもいいんだけど?」
女子B「大好きなミッちゃん先輩wが変わってくれてもいいんだけど!!」

道子「」ビクッ


シーン


結花「私は、あなたのことが嫌い…です」ジッ

女子B「奇遇ぅー。あたしもあんたの事嫌いだけど?」

道子「ね、ねぇヤバイよ。もうやめよ?」ゾクゾク

女子B「はぁ?意味わかんないからwwww」

道子「だ、だってあいつバ、バケモノの子供だし」

女子B「あーインヒューマンだっけ?」

女子A「あたし、見た事な~いww見てみたいんだけどww」

女子B「身体とか伸びるの?火とか吹くwww?」

道子「えっと…」アセアセ

結花「身体は伸びないし、火も吹きません。」


結花「私は人間です。」



女子B「じゃあ、問題ないじゃんwwwバカなの?wwww」



結花「でも…ごめんなさい。私」



結花「〝嘘吐き〟なんです」



<◯> <◯> プワァァ

ブワァァァァ トゥントゥントゥン
グシワシャ シューン

キィィィィ ガラガラ ピシャン

\ギャァァァァァァァ/ \ギャァァァァァァァ/

――夜 長田家

カチッカチッカチッ

叔父「遅い…また何かあったんじゃないのか」

叔母「道子…」ソワソワ

ガチャ バタン

道子「…」

叔父「道子!どこにいってたんだ!」バッ
叔母「道子!!」ガシッ

道子「ただい…ま…」<◯> <◯>

道子「 ブワサァァァァ

ドサッ

叔父「道子!!」
叔母「イヤァァァァァァァァ!」バサッ

スゥ…

結花「ただいま〝叔父さん〟〝叔母さん〟」ニコ

叔父「ゆ、ゆか」サァー

叔母「道子ぉぉぉみちこぉぉぉぉ」バサバサ

道子「 サラサラサラ

叔父「お前!何をしたんだ!!!」

叔母「いやよ!いやぁぁぁぁ!元通りになったのに!」
叔母「イヤァァァァァァァァ」

叔父「答えろ!バケモノ!」

結花「安心して、〝叔父さん〟」ニコ

結花「今度は本当に」




結花「私がやったから」<◯> <◯> スゥ


―― 一日前 大きな公園

木場「千恵…」

千恵「…勇治」

木場「あの、どうしたの?」

千恵「私ね、間違ってた。あなたがいなくなって私不安で」

木場「…もう気にしてないよ」

千恵「あの、あのね!私達やり直せな…」ビクッ

木場「千恵?」

捜査官「」サッ

千恵「追われてるっ」サァー

木場「え?誰に?」

千恵「ちがう!私じゃない!私は、一彰を殺してない!」

千恵「いやぁぁぁぁ!」スタタタタタ

木場「千恵!!」タッタッタッタッ

捜査官「くっ・・・ピッ 追跡します」タッタッタッタッ

――――橋の近く

捜査官「森下さん!」ガバッ

千恵「いや!やめて!!離して!」

捜査官「戦略国土調停補強配備局です。あなたを疑っている訳ではありません。」

千恵「私はやってない!」

捜査官「わかっています!あんな事、普通の人間には出来ませんから!」

木場「千恵!」ハァハァハァ

千恵「普通の…あ、あいつです!」

木場「え…?」

千恵「あいつ、ブリップしてるんです!普通の人間じゃない!あいつが一彰を殺したんです!」

捜査官「いや、それは…」

木場「…」ハァハァ サッ

捜査員(目を逸らした?)

捜査官「あの、お話をお聞かせ頂けますか?」

木場「…くっ」タッタッタッタッ

捜査官「待ちなさい!」

千恵「私はやってないって言ったでしょ!」スタタタタタ

捜査官「あ…こりゃ1人じゃ無理だ」ハァ

捜査官「エージェント・マッケンジー」ピッ

捜査官「こちらの捜索は終了。森下千恵は無関係です。ええ確認しました。」

――数分後 ガード下


千恵「」ハァハァハァ

千恵「ここまでくれば」

木場「千恵。」スゥー

千恵「ゆ、勇治!」ビクッ

千恵「あの!違うの!さっきは怖くて、あの」アセアセ

木場「千恵は、かしこいよ。ブリップしたヤツは、普通の人間じゃない」

千恵「あの、それは、ほら、そう言えばあの人の注意を引けると思って!」

木場「でもボクは人間だ。人間だから傷つくし」



木場「絶望もする」



ブワァァァァ トゥントゥントゥン
グシワシャ シューン

ホースオルフェノク「」ギロッ フシュー


千恵「いや…あ、ゆ、夢よ」ブルブル

千恵「あはははは、起きたら勇治がいて」

ホース「」フシュー

千恵「そして、いつもみたいに笑い合うの」

ホース「」ジャキ

千恵「うっ」

レントゲン シンゾー グサッ
ボワッ

千恵「」ドサッ

ホース「」ブロロ…ロロ…

??「は~い♪よくできましたぁ♪ぱちぱち」パチパチ

ホース「」ギロッ ジャキッ

??「そんな怖い目で見たらお姉さん泣いちゃうぅぅ~しくしく」シクシク

シュゥゥゥゥゥ

木場「…どなたですか?」

??「オルフェノクの味方!スマートレディさんです♪」

木場「オルフェノク…?それこの姿のことですか!?」

レディ「そうでーす♪もっとオルフェノクのこと知りたくないですか♪」

木場「聞かせてください!」

レディ「ではこれからシャチョーに会いにいきましょう♪」

木場「社長?」

レディ「そうでーす♪シャチョーはアナタに会いたくてワクワクしてますよぉ♪」

レディ「でもその前に」ニャ

千恵「」サラサラサラ

木場「……」

ブウォォォン

千恵「」サラサラサラ ファサァ

木場「あ…」

レディ「この車で、泣いてる女の子を迎えに行ってくだちゃい♪」ニコニコ

木場「女の子を?」

レディ「はい♪お迎えは、昔から白馬の王子様の仕事でしょ♪」

――深夜 裏路地


結花「」ブルブルブル


〝我ラニ仲間ヲ〟


結花「なにこれ」ブルブルブル


〝人間ヲ殺セ〟



結花「誰なの・・・」



〝殺セ、殺セ、殺セ〟



結花「なに・・・」



??「安心して」 トコ…トコ…トコ

結花「だ、誰ですか!!」

木場「ボクはキミの仲間だよ。」

結花「仲間?じゃ、じゃああなたもあの姿に?」

木場「うん。キミとは少し違うと思うけど」

木場「ほら」<◯> <◯> プワァァ

結花「そ、そんな気軽に出さないでください!」

木場「あ、ごめん…それでキミの名前は…」

結花「長田、長田結花です。」

木場「長田さん。はじめまして木場勇治です。」

結花「に、人間なんですか?」

木場「もちろん。キミも人間でしょ?」

結花「私は…に、人間です」

結花「私に何が起こったんですか!」
結花「どうして!あんな姿に!!」

木場「落ち着いて、長田さん。」

結花「ハッ…も、申し訳ありません」

木場「とりあえず、行こうか」

結花「え?」

木場「ここよりも安全な場所に」

結花「あ、あの…」

木場「うん?」

結花「青少年保護育成条例に淫行条例っていうのがありまして!」

木場「いやいや、そんな事しないから…」タラーン

――数分後 木場の車


ブォォォ

結花(そういえば…ケータロさんからのメッセージ…)

結花(未読…5件…)



ケータロ
→yukaさん、何かあったんですか!?

ケータロ
→僕は、yukaさんが好きです。
いつも愛に溢れてて、誰かを愛そうとしていて

ケータロ
→もうすぐ東京に着きます。もしよかったら、これから会いませんか?
yukaさんの話が聞きたいです。
あなたの力になりたいです。

ケータロ
→yukaさん、急にごめんなさい。
あなたに助けて貰ったように、今度は僕が力になりたいです!
もし僕にできることがあれば言ってください。お返事待ってます。

結花(ケータロさん…)


木場「彼氏?」

結花「え?」

木場「いや、なんか嬉しそうだったから」フフッ

結花「木場さんって、意外とイジワルなんですね」フン

木場「え、どうして?」

結花「なんか、いたずら好きのお兄ちゃんみたい」

木場「お兄さんいるの?」

結花「いえ、姉がいます。ブリップから帰って来たので年下になっちゃいましたけど」

木場「へぇー…ブリップか」

結花「珍しい話じゃないですよね。だいたい半分くらいの人が経験してますし」

木場「…長田さんは、ブリップした人たちのこと、どう思う?」

結花「何かの試験ですか?」

木場「え?」

結花「あの姿になれる人にしか入れない秘密結社の入団試験とか」

木場「……プッ」

木場「アハハハ!長田さんっておもしろいね!」ニコニコ

結花「真面目に聞いてるんです!」

木場「ただの世間話だよ」フフッ

結花「そうですか…」フン

結花「私は…かわいそうって思いますけど」
結花「でも少し羨ましいです。」

木場「どうして?」

結花「5年分の苦しみを体験しないで済むから」

木場「……。」

ブォォォ

結花「私、虐待されてたんです。ブリップした姉は本当の姉じゃなくて」
結花「本当は従姉妹で…最初はブリップしたの私のせいだって言われて」

木場「そんなバカな…」

結花「バカですよね。でもあの人たちは大真面目でした」

木場「なんでそんなことに」

結花「…私の本当のお母さん。インヒューマンだったんです」

木場「インヒューマンってあの超能力とか使えるって人たちのこと?」

結花「はい。私のお母さんは声を操ることが出来たそうです」

結花「他人の声を操って喋らせたり、自分の声を使ってモノを吹き飛ばしたり」

結花「だからあの人たちはバケモノって呼んでました」

木場「同じ人間なのに」

結花「優しいんですね」

木場「いや…」

結花「私はバケモノだって思います」

結花「人知を超えた力を持ったら、それはバケモノですよ」



〝ごめんなさい。ケータロさん。私はもうあなたに会えません〟



〝私はバケモノだから〟


結花「木場さんはどこまで知ってるんですか?この姿のこと」

木場「オルフェノクって言うらしい。」

結花「オルフェノク…」

木場「実はボクもあまりよく知らないんだ。少し前スマートブレインの人に会ったんだけど」
木場「キミを迎えに行くように言われて、まだ詳しい話も聞けていないんだ」

結花「スマートブレインが私を?」

木場「彼女たちは、誰がオルフェノクになるのかを知ってるみたいだった」

結花「まさか…オルフェノクを作ってる?」

木場「あり得ない話ではないと思う」グッ

木場「でも安心してボクはキミの味方だから」

結花「え?」

木場「ボクらは、人間だしね」

結花「そう…ですね」

ブウォォォン

――翌朝 スマートブレイン本社

真理「あの花形の娘なんですが、父に会いにきました。」

受付「アポイントメントはございますか?」

真理「あ、あぽあぽ…いえ…」

受付「申し訳ございません。そうなりますとお繋ぎするのは難しいかと」

真理「え、でも…」

巧「あのさ」グィ

巧「実の娘が会いたいって言ってるんだから、どうにかならねぇの?」

受付「申し訳ございません」ペコ

巧「だからさ」

警備員「」チラッ

真理「巧、いいよ、もう」ガシ
巧「はぁ?お前せっかくここまで来て」
真理「いいから!」

真理「すみません!出直してきます!」ペコ

巧「おい!いいのかよ!」
真理「いいから!」ドン

結花「……」

木場「長田さん。こっち」

結花「あ、は、はい」

木場「10時から約束してる木場です。」

受付「木場様、お待ちしておりました。」

――スマートブレイン本社前

巧「」ムスムスムス

真理「なんであんたがムスムス歩いてんのよ」

巧「人の歩き方に変な擬音つけるな!」

真理「あ、あたしの代わりに怒ってくれるのは嬉しいけどさぁ」チラッ

巧「ちげーよ!ここまでの無駄足に怒ってんだ!」ムスムス

真理「あーそーですか!!すみませんでした!!」ベー

巧「こうなったら、意地でもお前の親父に会ってやる」

真理「え、どうすんの?」

巧「IDで入れるだろ。」

真理「そりゃぁそうだけど」

巧「誰かから盗む」

真理「やだ…この子天才」キラキラ

――スマートブレイン本社 応接フロア

レディ「木場勇治くーん、長田結花ちゃーん♪どーも♪お姉さんだよ!」

木場「どうも」

結花「す、スマートレディ!?」

木場「あれ?知り合い?」

結花「木場さんテレビ見てないんですか?」

結花「1年くらい前からスマートブレインのイメージキャラクターですよ」

木場「1年前から…か」

レディ「いや~ん♪結花ちゃんが知っててくれてお姉さん嬉ピー」

レディ「でも勇治くんが知らないのは仕方ないよねぇー」ニヤニヤ

結花「?」

木場「あの、それで…」

レディ「今日は貴方達に紹介したい人がいまーす♪」

レディ「戸田さーん」

スッ

戸田「戸田だ。よろしく」

木場「あ、木場勇治です」

結花「長田結花です」ペコ

レディ「オルフェノクの事とか、狩りの事とかは、戸田さんに聞いてください♪」

結花「狩り?」

レディ「それじゃ!お姉さんはこの後に予定があるので」

木場「え?」

レディ「さみしーけど、ここでお別れですしくしく」シクシク ペコ

タッ タッ タッ タッ

戸田「……」
木場「……」
結花「……」

結花(気まずい…)

シーン

戸田「さっそくだが…お前達にオルフェノクの力について教える。」

木場「は、はい」
結花「よろしくお願いします」

戸田「オルフェノクは、人間を殺す為に存在している」

戸田「ただしオルフェノクの目的は殺戮ではない」

戸田「目的は、使徒再生だ」

木場「シトサイセイ」

トントントン!

戸田「入れ」

青年「アルバイトの鈴木です!ここに来るように言われました!」

戸田「待ってたよ」<◯> <◯>

ブワァァァァ トゥントゥントゥン
グシワシャ シューン

青年「ひっ!ヒィィィ!!」

木場「っ!」
結花「!?」

スクィウッドオルフェノク「」ツエ スチャ

青年「むぐっ」カオ ニ イカスミ ビチャ

レントゲン シンゾー ジュワー
ボワッ

青年「」ドサッ

シュゥゥゥゥゥ

戸田「このようにオルフェノクは、特有の攻撃を行うと人間を一瞬で殺す事ができる」

戸田「この攻撃方法はオルフェノクによって個体差がある」

戸田「俺はさっきの棍棒を使うが…」

結花(杖じゃなかったんだ)

戸田「この攻撃こそが使徒再生だ。」

青年「」<◯> <◯> ガバッ

結花「ひっ!!」
木場「!?」

戸田「使徒再生によりオルフェノクエネルギーを注入された人間の細胞は急速に進化し」

戸田「適合すればオルフェノクになれる」

青年「ありがとうご ブワサァァァァ ドサッ

戸田「こいつはハズレの部類だ」

結花「は、ハズレ?」

戸田「気にするな。大体は体がオルフェノク化に耐えられず灰と化して、死ぬ」

結花「そうですか…」

戸田「もちろん耐えた奴はオルフェノクになる」

戸田「そいつらの事はコピーと呼び、俺たちのような者はオリジナルと呼ばれている」

木場「オリジナル?」

結花「死を経験して、自らオルフェノクになった人…」

木場「え?」

戸田「そういうことだ、お嬢ちゃん。飲み込みが早いな」

結花「……」ペコ

戸田「俺たちオリジナルは希少だ。コピーも数は少ないが、それよりも発生率は極めて低い。」

戸田「つまりは…俺たちは神に選ばれたんだ。」

木場「……」

――スマートブレイン本社前


〝今日はここまでだ。〟


〝明日、この喫茶店に来い。〟


木場「……」

結花「あの、木場さん。」

木場「うん?」

結花「今日、泊めて貰えますか?」

“それ意味わかってる?”

結花「あ…」ビクッ

木場「?」

木場「ああ、それなら今ボクがいるところに住む?」

結花「え?いや、その、それは…」

木場「今いる所は元々スマートブレインの持ち物だし、一緒にいた方が待ち合わせとかなにかと便利でしょ」

結花「ああ、確かにそうですね」


ガサガサ

巧「あいつにしよう」サッ

真理「でも2人いるよ」サッ

巧「大丈夫、どっちも弱そうだ」

真理「確かに」

――数十分後 東京 タワーマンション 駐車場

バタン、ピッピッ

結花「うわぁ…すごいマンション」

木場「長田さん、こっちだよ。」

結花「は、はい!」テクテクテク


ブオォォォン

真理「ここかぁ」バイクカラオリル
巧「しっ」バイクカラオリル

巧「」ソロリソロリ

真理「すごいマンション。ここ住みたいなぁ」

巧「おい真理、車の中」クイ

真理「あ!IDあるじゃん~」キラキラ

巧「よし、これで」マイナスドライバー カチャカチャ

真理「ちょっと早くしなさいよ。」

巧「黙ってろ・・・」カチャカチャ

トントン

巧「静かに!」
真理「ちょっ巧」サァー

トントン

巧「うるさい!」

管理人「なにやってんの?」ニッコリ

真理「あちゃー」

――マンション管理人室

木場「……」タラーン
巧「……」シュン
真理「……」シュン

管理人「白昼堂々と車上荒らしとはね」ハァ

木場「まいりましたね…」ハァ

管理人「で?なんでこの人の車狙ったの」

巧「いや…それは…」

真理「」ガバ

真理「びぇぇぇぇぇん!すみませんでしたぁぁぁぁ」
真理「仕方なかったんです!!」

巧「真理・・・」

真理「もう3日もなにも食べてなくて誰の車でもよかったんです!」グスン

巧「ま、真理?」

真理「だってお兄ちゃんん!働かないからぁぁぁ!」
巧「なっお前!」

真理「こんな態度だからどこも長く続かなくてぇぇぇ」ビェーン
巧「おまっ」

木場「」ジー
管理人「」ジー

巧「うっ…すみませんでした。」

管理人「どうします?警察に突き出しますか?」

木場「いえ、事情もあるみたいですし、今回は不問で」

管理人「まぁ木場さんがそういうなら」

木場「ただ…」チラッ

真理「びぇぇぇん」

巧「いや、お前…」ムス

木場「差し出がましい意見ですが、お兄さん。」

巧「は、はい」

木場「ちゃんと働いた方がいいですよ。自立しましょう」ニコ
木場「もう大人ですし」ニコ

巧「なっ…うっ」

真理「」チラッ

巧「はい…」

木場「じゃあ、ボクはこれで」ガチャ

管理人「はい。ありがとうございました。」

真理(素敵な人♪)

巧(ムカつく野郎だ)

――タワーマンション前

真理「いやぁアレは大人の余裕だね。素敵だったなぁ」ウンウン

巧「……」ズカズカ

真理「ねぇ!聞いてんの?てか何怒ってんの?」

巧「わからないのか!?逆に驚きだよ!」

真理「ファインプレーで現行犯逮捕を回避しただけじゃん」ムッ

巧「人のことをニートのクズ兄貴に仕立ててな!」

真理「ほぼノンフィクションじゃん」

巧「フィクションだろうが!全部!注釈入るレベルのフィクションだろ!」

真理「いや、その性格で仕事が長続きする訳ないじゃん」

巧「うるせぇな!」カチャ ブロロロロ

真理「ちょっとどこ行くのよ!」

巧「関係ねぇだろ!」ブオォォォン

真理「マジでガキっ」チッ

――テネシー州 とある牧場

モー モー

牧場主「おーい!青年!今日はもうおしまいにしよう」

好青年「はーい!…さてと元気でな」フキフキ

モー モー

――リビング 食事中

牧場主「助かったよ。青年」ニコニコ

好青年「いえ、野宿しないで済むのでこのくらいは当然ですよ」

牧場主「若いのにしっかりしているねぇ、キミアジア人だろ?」

好青年「ええ、日本人です。」

牧場主「日本人か!手際がいいのはそのせいか」ウンウン

牧場主「英語もうまいし、キミみたいな男がどうしてこんな田舎まで来たんだい?」

好青年「自分探しの旅というやつです」フキフキ

牧場主「そうかそうか、旅の成果はどうだね?」ニコニコ

好青年「そうですねぇ、俺が何をすべきか、というのはわかってきました」

牧場主「うむ、何をすべきか、か。人生は目的があると華やかになるし」
牧場主「深みも味も出てくる。この肉のようにね」クチャクチャ

好青年「……」ニコ

好青年「そういえば…ご家族はどうされたんですか?」

牧場主「あー…家族は居ないんだ。みんな出て行ってしまったよ」

好青年「そうでしたか。失礼しました。」

牧場主「今は男手ひとつで頑張っているさ。HAHAHAHA」クチャクチャ

好青年「……」ニコニコ

――深夜 納屋


ザッザッザッザッ


??「」ザッザッ

??「」ナイフ カチャ

??「」ニヤリ

好青年「どうされたんですか?」

??「!?っ」

好青年「おじさん」

牧場主「や、やぁ、青年!寝心地はどうかと思ってね」アセアセ

好青年「ふーん。寝心地ねぇ。ナイフで何かわかるんですかね」ニヤ

牧場主「くっ…」

好青年「ま、最初から怪しいと思ってたから驚きはしないが…」

牧場主「な、なにを言っているんだ!」

好青年「街で聞いたんだ。この牧場には仲のいい老夫婦が住んでいると」

好青年「あなたは、どう見ても老人ではないね」

牧場主「……」

好青年「あんた、誰なんだ?」

牧場主?「…ふふふ」

牧場主?「命までは奪わないつもりだったが気が変わったよ」<◯> <◯> プワァァ

ブワァァァァ トゥントゥントゥン
グシワシャ シューン

オックスオルフェノク「」モゥゥ グシュー

好青年「……」

オックス「」モゥゥ
牧場主? 影「人間風情がナメた真似を」

好青年「…」ジー

オックス「」ブルルルル
牧場主? 影「どうした!怖くて動けないか!」

好青年「…」フッ

オックス「」モゥゥ
牧場主? 影「何がおかしいんだ!?」

好青年「なんの勝算もナシにこんな話すると思ったのか?」フキフキ

好青年「バケモノと言っても、低脳なんだな」フキフキ

オックス「」ブルルルル
牧場主? 影「やめろ、俺をバカにするな」ワナワナ

好青年「…」ニヤリ フキフキ

オックス「」ブルルルル
牧場主? 影「その目、ヤメロ!」

好青年「…」ジー フキフキ

オックス「」モゥゥゥゥ‼︎
牧場主? 影「手を拭くのも!!ヤメロぉぉぉぉぉぉ!」


ドガーン


〝変・・・身〟



バーン ガラガラガラ

――東京 とある喫茶店

カランコロン

マスター「すみません。今日はもう閉店」

巧「…」

マスター「お前、乾じゃないか」

巧「…久しぶり」

マスター「心配したんだぞ!今までどこに」

巧「これ」フウトウ サッ

マスター「なんだこれ?」

巧「盗んだ金、返しにきた」

マスター「寄せよ。お前が盗んだんじゃないだろ。」

マスター「金が無くなった時、バイトのみんなはお前を疑ったが」

マスター「長い時間一緒に働いてた俺にはわかる」

巧「…っ」

巧「俺が盗んだんだよ。遊ぶ金ほしさに」

マスター「なんでそんな頑ななんだ」

マスター「確かに、お前は態度も口も悪くて」

マスター「ネコ舌だけど」

巧「ネコ舌は、かんけーないだろ」

マスター「悪いやつじゃない」

巧「っ」

マスター「嫌われようとするなよ」

巧「関係ないだろ」フイ

マスター「明日、コーヒー飲みに来いよ。」

マスター「俺の最後のコーヒー」

巧「!?」ハッ

巧「店やめるのか」

マスター「ああ、明日で閉めるんだ。」

マスター「お前とあの子が好きだったぬる目のホット。淹れてやるよ」

マスター「思う存分フーフーしていいぞ」

巧「わかった」

マスター「彼女も連れてこいよ」

巧「彼女なんていねーよ」

マスター「そうかそうか」ニコリ

――数十分後 西洋洗濯舗 菊池

啓太郎「真理ちゃん」

真理「」ムス

啓太郎「何か、あったのかな?」

真理「べつに」

啓太郎「なんかすごい怖いなぁ~って」

真理「今日の夕飯 どれがいい?」メモ ポイッ

啓太郎「どれどれ…スキヤキ、鍋、湯豆腐、シチュー」フムフム
啓太郎「たっくんが…何かしたの?」ニコ

真理「はぁ?なんであいつが出てくんの?」

啓太郎「いやぁ夕飯のメニューが」

ガチャ

巧「ただいま」

真理「」ジロ

巧「啓太郎」

啓太郎「な、何?」

巧「…っ。金貸してくれ」シュン

――数分後 西洋洗濯舗 菊池


真理&啓太郎「スピード違反で免停になった!?」

巧「ああ」シュン

………。

真理「ダっ!サァァァwwwwww」アヒャヒャヒャ

啓太郎「ま、真理ちゃん…プッ…わら…笑い過ぎだよ」プルプル

巧「……」

真理「かっこつけてww颯爽とwwバイク飛ばしてww免停ぃ?www」アヒャヒャヒャ

巧「別にかっこつけてねぇよ…」

真理「天罰よwww天罰www日頃の行いのwww」ヒーヒー

巧「なんだよ!それ!」

啓太郎「まぁ、たっくんも困ってる事だし」

啓太郎「罰金、いくらなの?」プッ

巧「ああ!もういい!お前の金は借りん!ここも出て行く!!」ガタッ

真理「ちょっと待ちなさいよ!困ってるんでしょ!啓太郎に借りなよ!」

巧「うるさい!」

真理「意地になってる場合じゃないでしょ!!」

啓太郎「そうだよ!免停のままだと困るでしょ!」

巧「うっ…」

真理「じゃあ、こうしよう」

・・・

・・・・

・・・・・

巧「」ムスー エプロン

巧「なんで俺がこんなマネを」

真理「給料の前借りってことでなら啓太郎から借りたって訳じゃないでしょ」プッ

巧「お前、楽しんでるだろ」

啓太郎「ふむ、乾巧くんと言うのかね。うちを志望した理由はなんだね?」

巧「お前もノリノリで経営者ごっこしてんじゃねぇよ!」

真理「ほら、トレーニングするよ!」

巧「なんでお前が1番偉そうなんだ!」

真理「アタシ、先輩だからね」

啓太郎「園田くんにはキミの教育係をしてもらうのだよ」コホン

巧「だからそれやめろ!」

真理「ほら!お客さんやるから挨拶して」

巧「シャイ」

真理「もっと笑顔!」

巧「シャシャイセー」

真理「もっと!!」

巧「イシャシャイセー!!」

真理「まぁこんなもんで良しとしましょう。」

啓太郎「ごめん。普通にいらっしゃいませって言って」

――現在 アメリカ上空 クインジェット内


ピーター「ねぇクェイクさん。」

デイジー「なに?…あっ」

ピーター「あーやっぱり、どっかで見たことあると思った」

デイジー「別に隠してるわけじゃないけど…」

ピーター「同人誌まで出されてるもんね」

デイジー「見たの?」

ピーター「友達がね!僕はホラ!健全なティーンだから!」

デイジー「はぁスパイなのに、顔が売れるって意味わかんないわよね」

ピーター「…」

デイジー「はぁ…」

ピーター「やっぱりブラック・ウィドゥと親しい仲だったの?」

デイジー「会ったこともない。あと私、レズじゃないから」

ピーター「じゃあやっぱり、ファルコンとの約束は」

デイジー「会ったこともない。あと私、男のシュミは良い方だから」

ピーター「キャップからアベンジャーズに招かれたっていうのは?」

デイジー「会ったこともない。あと私、年上過ぎる男は論外だから」

ピーター「じゃあ!誰に会ったことあるのさ!!」

デイジー「ないのよ!会ったこと!あなたの方がアベンジャーズと親しいの!」

ピーター「親しいって程でも」モジモジ

デイジー「あーでも、フィル・コールソンなら」

ピーター「えーと…?」

デイジー「あ、大丈夫。もうこの話やめましょう。」

デイジー「それより…私はあなたの事が気になるなぁ」ニコリ

ピーター「え!いや僕は!ほら!高校に好きな子いるし!」アセアセ

デイジー「それで?」ニコ

ピーター「綺麗なお姉さんは好きだけど!そういうのは!」

ピーター「同人誌でもスパイダーマン×クェイクは見たことないし!」

デイジー「クェイク×スパイダーマンかもよ?」

ピーター「攻めなの!?クェイクさん攻め!?」

デイジー「試してみる?」ニヤリ

ピーター「ちょっと待って!あーどうしよう!こんな時に!あー」

デイジー「例えば…」スッ

ピーター「ああ!ダメ!それ以上は!!」

デイジー「このスーツの中に」

ピーター「あわわわわわ」

デイジー「誰も入ってない事とかわかっちゃうんだなぁ」フゥ

ピーター「あああああ、バレた」ガーン

デイジー「最初からバレバレ。振動で感知できるし挙動ですぐにわかったわよ。」

ピーター「スタークさんだったらもっと上手くやるのになぁ」

デイジー「さ、そろそろ着くわよ」フフッ

デイジー「私たちの秘密基地」

ギュイィィィン

―― ベースキャンプ


ピーター「なんか…こじんまりしてるね」

デイジー「言ったでしょ。秘密基地だって」

デイジー「それにアメリカの中心にあるでっかいビルとか、大規模な地下基地とか宇宙要塞みたいのは映画の世界の話だから」

ピーター「ふーん。大人の事情ってやつね」

デイジー「ほらこっちよ。蜘蛛男くん。」

シュッ バシュゥ

ジェマ「デイジー!おかりなさい!」

デイジー「ハァイ!ジェマ。」

ジェマ「そちらの彼がスパイダーマンね!はじめまして、ジェマ・シモンズです!」

ピーター「どうも、スパイダーマッ
ジェマ「スパイダーセンスの時ってどんな感じなの?動体視力が通常の人間より高いみたいだけど普段はどんな風に見えてるの??」ペラペラペラ

ピーター「え、あ、あの」

デイジー「ジェマ…彼困ってるわよ」

ジェマ「あぁ、あたしったら、ごめんなさい」

デイジー「彼女は生命科学の博士なの。興味があるものを見つけると死ぬまで調べるわよ」

ジェマ「大袈裟よ〝あたしは〟死なないわ」

ピーター「じゃあ誰が死んじゃうの?」

デイジー「フィッツは?」

ジェマ「ああ、さっきまでそこにいたんだけど…フィッツー」

ダダダダダダダダダ

フィッツ「スパイダーマンが来てるって!?」

ピーター「また濃そうなのが来たなぁ」

デイジー「ええ、彼がスパイダーマッ
フィッツ「そのウェブシューター見せてくれない?ちょっと待って!そのスーツ、スターク社製!?おい嘘だろ!やっぱ彼は天才だな!しかも遠隔操作してるって!?まいったな!これはスゴい!!」ペラペラペラ

ピーター「あー、エンジニアでしょ」ゴソゴソ カチャ

デイジー「ええ、特に兵器関係のね」

デイジー「彼に武器を渡したら解体されて調べ尽くされるわよ」

フィッツ「すごい!このクモの糸の発想はなかったなぁ」フムフム ウェブシューターバラバラ
ジェマ「見て!これ、技術的には外宇宙のものに近くない?」バラバラ バラバラ

ピーター「遅かったみたい」

デイジー「フィッツシモンズ。ちゃんと直してあげなさいよ?」

フィッツ「直すどころか!」パァァァァ
ジェマ「もっと良くしてあげる!」パァァァァ

ピーター「なんか、思ってたS.H.I.E.L.D.とちがう」

――数日前 西洋洗濯舗 菊池

啓太郎「仕事休みたいの?」

巧「ああ今日は用事があってな」

啓太郎「いいよ!昨日急に決まった事だし」

真理「免停のくせにどんな用事があんの?」ペラッペラッ

巧「別にいいだろ。なんでも」

真理「ふーん。隠したい事なんだぁ」ペラッペラッ

巧「別に。話したくないだけだ。」

真理「ほーん。」

真理「・・・女?」ギロッ

巧「ちげーよ。」ムカ

真理「ま、カンケーないけど」パタン

真理「で、どうやって移動すんの?」

巧「どうって、バイクで」

啓太郎「免停中でしょ!ダメだよ!」

巧「通知が来るまではいいんだよ!」

啓太郎「常識的にNGだよ!!」

真理「乗っけてってあげようか?」

巧「ああん?」

真理「バイクの後ろ」

巧「いや、結構だ」

真理「なんでよ!何が気に食わないのよ!」

巧「どうせまた、イチャモンつけたり、送迎代とか言って俺から搾取する気だろ!」

真理「どこのヤクザよ!それ!」

巧「いま、俺の目の前にいるヤクザだよ!!」

啓太郎「はい。2人とも」パンパン

啓太郎「真理ちゃんはたっくんをバイクで送る」

啓太郎「たっくんは真理ちゃんにお茶でもご馳走する」

啓太郎「僕は仕事する!これでいいね!」ニコ

真理「…いいです。」

巧「…」ポリポリ

巧「じゃあ、行くか」

真理「うん。」

――玄関前

真理「それでどこ行くの?」

巧「風都市の近くにある喫茶店」

真理「用事ってコーヒー飲みに行く事なの!?」

真理「ネコ舌なのに!?」

巧「ああ、世話になったマスターの最後のコーヒーだからな」

真理「……。」

巧「なんだよ」

真理「じゃあアタシもそこでご馳走になろうかなぁ」

巧「ああ、いいんじゃな…」

〝マスター「彼女も連れてこいよ」〟

巧「やっぱダメ」

真理「なんでよ!!」

巧「俺だけのコーヒーだからダメだ」

真理「なにそれ!意地でもそこでご馳走になるからね!」

巧「マジで勘弁してくれ」ナミダメ

真理「何その態度!調子狂うわ!!」

――東京 とある喫茶店

木場「…」

結花「…」ドキドキ

カランカランカラーン

マスター「いらっしゃい」

男「ホットひとつ」

マスター「おお、直也。来てくれたのか」

男「ま、お世話になった、し」

マスター「ゆっくりしてけ」

男「へいへーい」ドスン

結花「…木場さん」

木場「うん?」

結花「今日って何するんでしょう?」

木場「うっ……」

結花「…すみません」

木場「いや、でもオルフェノクの事を知るチャンスだし」

カランカランカラーン

マスター「いらっしゃいませ」

トコトコトコ

戸田「時間通りだな」ドスン

戸田「むしろ5分前行動か」

木場「お待ちしてました」

戸田「まぁそう堅くなるな。昨日話した内容の復習だ」

結花「それって」

戸田「見てろ」

戸田「おい、兄ちゃん」<◯> <◯> プワァァ

男「あぁん?なに?」

ブワァァァァ トゥントゥントゥン
グシワシャ シューン

スクィウッドオルフェノク「」キュー グニョ

男「うぁ、うぁぁぁぁぁぁぁぁ」

マスター「なっなんだ!!!」

スクィウッド「」ツエ スチャ

男「むぐっ」カオ ニ イカスミ ビチャ

レントゲン シンゾー ジュワー
ボワッ

木場「や、やめろ!!」

結花「こんなところで!?」

マスター「ひっ、ひぃー」ヘナ

戸田 影「どうした。お前たちもやれ」

戸田 影「これは実技講習みたいなもんだ」

木場「ボクはやらない、ボクはぁぁぁぁぁ」タッタッタッタッ
結花「木場さん!!」

カランカランカラーン

戸田 影「おい。嬢ちゃん。」

戸田 影「なんであんた、あんなヤツと一緒にいるんだ?」

結花「私は…」

戸田 影「お前、もう知ってんだろ?血の味を」

結花「私は…私は人間です!」ダッ

カランカランカラーン

巧「だからついてくんなって」
真理「だからなんでダメなのよ!」

結花「」ドンッ

巧「痛っ!」

結花「」スタタタタタ

真理「ちょっと巧!大丈夫!?」

巧「なんだ?あいつ…」イテテテ

マスター「にっ逃げろ!乾!」

巧「え?」
真理「オルフェノク!?」

スクィウッド「」ツエ スチャ

マスター「むぐっ」カオ ニ イカスミ ビチャ

レントゲン シンゾー ジュワー
ボワッ

巧「マスター!!!」

真理「巧!逃げないと!」ダッ

スクィウッド「」キュー グニョ

――喫茶店の外

真理「巧!ベルトは!?」タッタッタッタッ

巧「啓太郎ん家だ!」タッタッタッタッ

真理「あんた!変身まで免停になった気!?」タッタッタッタッ

巧「かさばるんだよ!アレ!」タッタッタッタッ

真理「役立たず!クズ!玉なし!ネコ舌!!」タッタッタッタッ

巧「言い過ぎだろ!!」タッタッタッタッ

シュゥゥゥゥゥ

戸田「さて、久しぶりの狩りを愉しむとするか」ニヤ

――現在 アメリカ ベースキャンプ内 グリーティングルーム

デイジー「それでコレがテネシーで発見された遺体の映像」

〝老人夫「」サラサラサラサラ〟

ピーター「うん。僕が見たサラサラ死体と同じ」

ジェマ「このご遺体の細胞は灰化してたのよ」
フィッツ「大量のエネルギーを浴びたみたいね」

ピーター「それってガンマ線みたいな?」

フィッツ「ガンマ線でもここまで細胞が破壊される事はない」
ジェマ「それにガンマ線汚染は緑色だしね。灰色の肌なんて見た事ないわ」
フィッツ「本当に?僕は見たことあるような気がしてるけど」
ジェマ「やめて、初期のハルクの話はそこまでよ」

ピーター「仲いいね2人」

デイジー「夫婦だしね。話聞きづらいけど」

ピーター「でもコレだけじゃ何も判断できないね」

フィッツ「コレだけじゃないよ」

シモンズ「テネシーの牧場でねもう一つ発見されたの。コレを見て」ピッ

ピーター「これは納屋?地震でも起こったみたい」

デイジー「あたしじゃないわよ?」

シモンズ「もう!デイジー!ジョークがうまいのね!」HAHAHAHA
フィッツ「これはどう見ても倒壊じゃなくて爆砕なのにね」HAHAHAHA

ピーター「どこがジョークだった?僕の知らない言葉で韻を踏んだとか?」

デイジー「そのうち慣れるわ。コツは英語を話す宇宙人と会話してるって思うこと」

ピーター「宇宙人との方がもっとコミュニケーション取れたよ?唯一話せなかったのは樹木の人だけ」

デイジー「それで?この納屋が何?」

フィッツ「爆砕した納屋から灰が見つかったんだけどね」ピッ

ジェマ「ほとんど崩れてるけど、グレーの死骸だと推測したわ」

ピーター「彫刻みたいな模様もある。でも僕が戦ったやつとは違う気がする」

フィッツ「そうなると、やっぱりグレーは複数体存在するのかもしれない」
ジェマ「生態系どうなってるのかしら」

ピーター「倒壊前の衛星写真はある?」

フィッツ「よくぞ聞いてくれました」
ジェマ「フィッツ、この子気に入ったわ!頭いいもの!あーこんな子ども欲しい」

デイジー「ノロケる展開が見えて来たから、先に進めて」

フィッツ「コレが爆砕前と直後の写真」

フィッツ「これがそれを3D化したホログラム」ボワー

〝オックスオルフェノク〟

ピーター「牛?それにこっちは…」

〝???〟

デイジー「アイアンマン?」

ピーター「違うよ。これ…」

ピーター「仮面ライダーだよ」

〝913〟

――数日前 東京 どこかの林

真理「わかった。ありがとう。じゃあまた後で」ピッ
真理「啓太郎、届けてくれるって」

巧「そうか」キョロキョロ

真理「あの、その」

巧「なんだ?」

真理「あのオルフェノク倒そうね」

巧「お前…俺を慰めようとしてんのか」

真理「だって、お世話になった人なんでしょ?」

真理「私も、気持ちわかるから」

巧「やめろやめろ、気色悪い」

真理「巧…」

巧「そんな親しくもなかった」

真理「…」シュン

巧「あー…すまん」

真里「え?」

巧「最後になるかもしれないから言うけど」

巧「いつもすまん」

真理「どうしたの?」

巧「お前や啓太郎が俺のことを見離さないでいてくれるのは」

巧「その…嬉しく思う」

真理「…」

巧「俺、怖かったんだ。マスターと親しくなっていくのが」

真理「どうして?」

巧「人から裏切られる事よりも、俺が人を裏切る事が怖い」

巧「俺の〝本性〟が、人を傷つけるのが怖い」

真理「あんた…あんだけ性格悪い姿がネコ被りした結果だっていうの?」サァー

巧「おい」

真理「だとしたらどんだけ邪悪もん背負って生きてんのよ。それともゲキ的にネコ被りがヘタなの?」

巧「……」

真理「あーもう。調子狂うなぁ!そこは〝お前に言われたくねぇーんだよ〟とかさ!」

真理「いつものツッコミはどうしたのよ!」

巧「しっ」

スクィウッド「」キュー グニョ

戸田 影「見つけたぜ・・・お二人さん」

――現在 アメリカ ベースキャンプ内 グリーティングルーム

デイジー「覆面ライダー?」

ピーター「仮面ライダー!日本の都市伝説だよ」

フィッツ「詳しく聞かせて」

ピーター「まだスタークさんがアイアンマンになる前くらいに日本で流行った都市伝説でね」

ピーター「スーパーパワーを持った怪物が街の人々をこっそり襲ってたんだって」

ピーター「その怪物は人間の姿をしていたから怪人って呼ばれてて」

ピーター「怪人たちを倒すスーパーヒーローの仮面ライダーってのがいたらしいんだよ」

デイジー「アイアンマンよりも前にスーパーヒーローがいたなんて聞いた事ないけど」

ピーター「うん。だから都市伝説なんだ。チュパカブラと一緒」

フィッツ「でもあり得ない話ではないよ。現にキャプテン・アメリカは二次戦のヒーローだし」

ジェマ「キャプテン・マーベルもいるしね」

デイジー「じゃあチュパカブラもいるかもね」

ピーター「それにコイツが都市伝説の仮面ライダーと同一人物とは限らないし」

ピーター「都市伝説を知ってる人がマネして作ったコスチュームかもしれない」

デイジー「でもなんで日本の都市伝説に出てくるヒーローがテネシーにいるの?」

ピーター「僕が戦ったグレーがなんか言ってた…たしか」

“カイザ”

ピーター「それってこの人の事じゃない?」

フィッツ「仮面ライダーカイザ」

ジェマ「なんかそれっぽいわね」

ピーター「それにこのベルトについてるガジェット…どこかで見たことがあるんだよねぇ」

フィッツ「あっ!!」

デイジー「どうしたの!?」

フィッツ「そうだこれ、見たことある!」カタカタカタ

ボワーン

ピーター「SBフォン?日本製の携帯電話!」

フィッツ「日本でガラパゴス進化した電化製品だよ」

ジェマ「じゃあ電化製品でグレーを倒したってこと?」

フィッツ「あるあr・・・ないでしょ!」

ピーター「じゃあただのコスプレ?」

ジェマ「それはあなたが言ったらダメじゃない?」

デイジー「もしかして、兵器を電化製品に見せかけてたり」

シーン……

ピーター、フィッツ、ジェマ「あ~!なるほど!」

フィッツ「それはあり得る!〝日本人〟だし!」

ピーター「〝日本人〟だもんね!」

ジェマ「なんていったって〝日本人〟だもの!」

デイジー「あなたたち日本人にどんなイメージ持ってんの?」

ピーター「もしかして、日本に何か関係があるんじゃない?」

デイジー「マックがブリップした人の保護の為に日本に立ち寄ったことあったわね」

フィッツ「もしもし、マック。日本に立ち寄った時の事なんだけど」

ピーター「早っ」

フィッツ「うん。なるほど。わかった。見てみるよ」ピッ

フィッツ「このファイルだ。」ブワン

デイジー「何か手がかりになそうなものある?」

ジェマ「ブリップした人って日本だけで5千万人以上もいるのよ?このファイルの中から探すなんて無謀よ」

ピーター「事件性〝なし〟、死因〝不明〟、〝灰のようなもの〟で検索」

ジェマ「そんな曖昧な案件なんて」

フィッツ「300件ヒットした」

ジェマ「ウソでしょ!!」

デイジー「なんで、こんな共通点が多いものが放置されてるの!?」

ピーター「日本ってさ、事件性なしで片付くならそっちの方がいいって思ってるんだよ」

ジェマ「普段勤勉なのに…」

フィッツ「こういう時だけ、怠惰だよね」

ピーター、フィッツ、ジェマ「〝日本人〟だもんねぇ」

デイジー「怖いくらい息ピッタリな偏見に満ちた発言ね」

ピーター「灰化死体の発見場所をマッピングして」

フィッツ「関東圏だけ数が多いね」

ジェマ「でもここなんて、1日で20人以上も灰化遺体が見つかってる」

ピーター「このSBフォンのメーカーって」

フィッツ「スマートブレイン社だよ」

デイジー「スマートブレイン・・・」

ジェマ「本社は日本の東京で、ニューヨークにも支社がある。」

ピーター「ここだ。ここが何か知ってるはず」

――数日前 東京 海辺

巧「くっ」タッタッタッタッ

真理「ハァハァハァ」タッタッタッタッ

スクィウッド「」キュー グニョ

戸田 影「どうした。追いついちまうぞ」

真理「きゃ!」ズザ

巧「真理!」

パッパー! ガチャ

啓太郎「たっくん!ベルト!持ってきたよ!」

巧&真理「〝遅い!〟」

啓太郎「そんなぁ」

巧「早く投げろ!」

啓太郎「受け取れーー!」ブン

ガシッ

チャッチャッ パカ

戸田 影「あれは!?まさかお前」

巧「」カチャ


5…5…5 キュイイイイン

<スタンディンバイ

キュイイイイン キュイイイイン キュイイイイン


巧「好き勝手やってくれたな」

キュイイイイン

巧「コーヒーの恨みは…重いぜ」

巧「 変 身 !! 」

<コンプリート

キュルルルキュイイイイン パラパラパラ

パァァァァァァ

スクィウッド「」キュー グニョ
戸田 影「ファイズのベルトか」



ファイズ「覚悟はできてるんだろうな?」スチャ

真理「さすが巧…自分が優位になった途端に強気になるなんて」パァ

啓太郎「そこがたっくんの良いところ!」パァ

ファイズ「うるせぇな!早く逃げろよ!」

スクィウッド「」キュー グニョ ガバ

ファイズ「ハッ!」ガシッ ドカ
ファイズ「デリャ!」ケリー

スクィウッド「」キュー
戸田 影「これほどとは…しかしこれはどうだ」

スクィウッド「」ツエ スチャ イカスミ ビュ

イカスミ ビュ

ファイズ「よっ」ヒョイ

スクィウッド「」ツエ スチャ イカスミ ビュ

ファイズ「うわっ!」イカスミビチャ

ファイズ「うわぁぁ!」バチーン

ジュゥゥゥゥゥ

ファイズ「これ溶けるのかよ」

ファイズ「お返しだ」

カチャ ピロロ ピロロ ピロロ
<シングルモード

ファイズ「おら!」ファイズフォン チィューン チィューン

スクィウッド「」バシーン!バシーン!

スクィウッド「」ヨロ

ガチャ
<レディ


ファイズ「あんたらに、どんな理由があるか知らねーけどな」


カチャ ピピッ
<イクシードチャージ
キュュュュュュ


ファイズ「俺に喧嘩売ったこと後悔させてやるよ」


プワァァァァァン ピピピピピ


スクィウッド「」ギュルン ガチガチガチ


ファイズ「ぜやぁぁぁぁぁぁ!」

クリムゾンスマッシュ!!! Φ

ブワァァァァァン

スクィウッド「」バーン!
戸田 影「ぐっ」

スクィウッド「」シュッ!

ファイズ「……」

シュゥゥゥゥゥ
ピロローン

巧「あいつ・・・どこに消えた」

――東京 住宅地

結花「木場さん!」

木場「ボクは、人間だ!人間なんだ」ワナワナワナ

結花「落ち着いて!」

ブワァァン ガチャッ…

戸田「くっ…」

木場「!?」 ハッ

結花「なっなんですか!」

戸田「お前たちに、最後の授業だ。」

戸田「オルフェノクの死」ボッ

木場「っ!?」

戸田「魂の消滅。完全なる死だ。」ボッ ボッ

戸田「消滅した魂は〝ヴァルハラ〟に召される事も」メラメラメラ

戸田「…許されない」ドサッ ボワァァァァァ

木場「青い炎…」

結花「……」ゴクリ

ボワァァァァァ メラメラメラ

ガサガサ

結花「…」ビクッ

男「うぅ」ヨロヨロ

結花「木場さん、あれ…」

木場「え?」

男「ここは…どこだっ…ちゅーの」<◯> <◯> ブワァァァァ

結花「さっきのひと」

スネークオルフェノク「」シューシュー ギチ

木場「まさかオルフェノクに覚醒した?」

シュゥゥゥゥゥ

海堂「」ドサッ



第一部 完

需要あるかわからないまま投稿続けてすみませんでした。
とりあえず今日はここで終わります。

このSSまとめへのコメント

1 :  MilitaryGirl   2022年04月21日 (木) 02:59:45   ID: S:T-Ezqv

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