ゆるーく死なない程度に生活していく流れをどうか大切に
誰かと出会って楽しく生きてくださいませ
あなた「ん……んん…………」
あなたは気が付けば何処だか分からない場所に倒れていました
この先どんなことがあなたを待ち受けているのでしょう……
↓1
あなたはどんな世界のどんな場所で起き上がったのでしょうか
ざっくりでも事細かにでも構いません。教えてください
あなた「あぁ……よく寝た、気もする……」
あなたが倒れていたのは自然豊かな森の中
眩しい陽光に目をすがめて手を巡らせればそこには土と草
それなりに快適な、そう温暖で昼寝には丁度良い気候
生きていくには悪くない、そんな場所なのでした
あなた「…………」
↓2
あなたのお名前やちょっとしたプロフィールをお教えください
これもまたざっくりでも事細かにでも構いません
亮「んん……良い場所だな」
浜野亮ことあなたは一人になることが好きです
そして、趣味はキャンプ
一人で豊かな時間を過ごすのがあなたにとっての幸せ
だとしてこれからを楽しく生きていけるのかは、分かりませんが
↓2
精神:メンタルの強さや勇気(蛮勇)に影響
運動:肉体的な能力。上がらないことも無い
知能:知識や判断力。アホでも以外と生きられる
100でマックス
上三つへ自由に割り振ってください
ポイント、というか基礎値は100
運動能力全振りの脳筋でも良し、
知能だけはあるもやしっ子でも良し、
メンタルお化けの無能でも良し。
亮「なんなんだよ、これ」
精神:50
運動:25
知能:25
メンタルは強めですが運動能力や知能は多少……ええ
勿論、これはサバイバルなんてことをしなければいけない状況下での目安
こんな場所に放り込まれる以前は、きっと普通に生きていたのでしょう
亮「取り敢えず……何しようかな」
いや寧ろ、精神力が強いというのはどんな場所どんな時にも有効な能力
運動能力も知能も、状況によっては無効になってしまうのですから
↓1
服以外の持ち物を教えてください
無くたってそれは仕方の無いことですが
↓2
特殊な能力があれば教えてください
勿論普通はそんなものありませんが
亮「なんだってこんな……いや、この際大事になる気はするけど」
あなたが持っているものは着ているものを除けば一振りのナイフ
ただしそれはただのナイフなんかではなく、よく手に馴染んだもの
一人で豊かな孤独を楽しむときは常に共にある、そういった相棒
長過ぎず、短過ぎず、取り回しに長け、切れ味も鋭い
それはまさに心強い味方と言えましょう
さぁ、寝起きの頭で自分を思い出し認識するのはここまで
なんなりと思うように、生きてくださいませ
♢
亮「気候は悪くない。ナイフもあるからそれなりに頼りになる味方はいる、が」
起き上がってみればそれは見知った自室ではなく森林のただ中
こんなことは創作の世界だけだと思っていた
思ったよりも順応していなくもないが驚きと警戒はどうにもならない
元々大して高くもない判断力でどうにかしなければならない
亮「夢、だったらなぁ……」
夢の中で万能な自分がキャンプを楽しむ、なんて
そんな素晴らしい状況であれば、いいのだけれど
↓1
周囲に人や物はいたりあったりする?
それともただの森?
亮「マジか……マジかこれ……」
パッと見で分かる
どう考えても現代日本で見るような場所じゃない
仮に現代の地球だとしたってきっとここは何らかの実験施設の類いだろう
なんたって生物がおかしい
見たこともない色の花や捻じ曲がって生える木に人の手の様な形をした葉
なにより、牛のようで牛じゃない
豚のようで豚じゃない
意味の分からない生物が呑気に草をもしゃもしゃ食している
体躯はまぁ……うん
取り敢えず動画でしか見たことの無いサイズ
北米辺りにいそうな馬鹿でかいヘラジカと同じくらい
亮「夢……夢なら……夢……」
メンタルが強い方で良かった
感想はそんなものしか無いけれど、これ以上何を思えばいいのか
取り敢えず、襲って来なければいいなぁ、なんて
↓1
どうしようか
食事は大切だし、寝床も大切だ
それとも、誰か自分以外の人間を探した方が良いだろうか
亮「寝床、寝床だなまずは」
キャンプとサバイバルが同じかと言われると違うと思う
けどまぁ自分の持てる能力を生かすならその方向だろう
それならまず大切なのは、寝床だ
拠点になる寝床があれば当座の雨露は凌げるだろう、たぶん
多少なりとも安心できる場所があるのは大体凄い、きっと
場所さえあれば水や火はなんとかなるだろう、恐らく
亮「森林ってことは洞窟とか背中を預けられる大きな岩とかあと川とか……」
そういう丁度良いのがあればいいんだけどな
↓1
見つけた場所の特徴があればお願いします
コンマが高ければ高い程安全
ゾロ目で事故
亮「えぇ……」
古城、見た感じの印象はそれだった
苔むして蔦の巻き付いた石で固められた姿はまるでファンタジーだった
尖塔や壁上を見るに雰囲気は中世っぽいあれだろうか
こんなところに放り出されるならラノベ辺りのテンプレ通りチートが欲しいところだった
どう考えても着の身着のままでナイフだけ持った自分である
何かできるのかと思ってポーズを取ったり叫んでみたのは永遠に秘密にしておこう
亮「まぁ、これなら変な動物は……はっ? 」
目に入ったのは、火
それも焚き火だった
自然では有り得ない文明の光り
ファンタジー染みた世界の苔むした古城で初めての邂逅だった
どんな人だろうか
同じ世界の人の方がいいだろうか
いや、そもそもこんな状況であるのなら人であるのかどうかも分からない
それともこの世界を知る現地人(?)の方がいいだろうか
期待することは、攻撃的ではないということだが……
↓2
古城にて焚き火をしているのはどんなやつ?
例によってざっくりでも事細かにでも構いません。教えてください
↓で
「……あ? 」
亮「ヒッ……」
誰か人がいる、そんな衝動に突き動かされたのが間違いだったか
何も考えず焚き火に向かっていって、この様だった
いつの間にか背後には異様な威圧感があって
首筋にはナイフというには長過ぎる殺意
「お前は、誰だ」
亮「誰って、誰って言われても……」
いきなり意味の分からない場所に飛ばされて
ちょっと歩いて見つけた古城でナイフを突き付けられる
そんな場所で誰だと訊かれても、無理だ
「俺はユリウス。お前は? 」
亮「え、えっと……えーと……」
ユリウス「……ゆっくりでいい。殺意は無いんだ。…………当座は」
亮「…………」
当座は
つまり何も無ければいいが癇に障れば、と
メンタルが強い方でつくづく良かったと思った
亮「亮、浜野亮。どこにでもいる男です」
ユリウス「リョウ、リョウか……分かったリョウ。取り敢えず離してやる。いきなり襲ってくるんじゃないぞ? 」
この状況で暴れられるのなら最初から刃物を擬されたりしないと思った
↓1
ユリウスさんってちなみに現地人(?)?
それとも元は地球にいた人?
或いはもしかして別の異世界的なアレの人?
♢
ユリウス「そうか……君はニッポンというところから」
亮「ええ、そんな感じです」
ユリウス、と名乗った古傷だらけの威圧感がヤベぇ人は記憶までヤバかった
記憶喪失なんて初めて見た
ユリウス「数日前からの記憶しか無いんだ。身に付いた能力は有効だったんだが……」
ただ身のこなしだけでも分かる
話を聞けば狩人であり、更にサバイバル能力も半端無かった
亮「つまり、俺と殆ど変わらない? 」
ユリウス「あぁ。どうにもこう……記憶に靄がかかったような状況でな。右も左も分からん」
右も左も分からない人間は普通古城で平然と焚き火をした挙げ句他人の首に刃物を突き付けないと思う
ユリウス「…………」
亮「…………」
とはいえ
彼と出会ったのは思いがけない僥倖だったのかもしれない
一応は誰か話のできる他人がいる
これは精神安定上凄まじい意味を持つ
幾ら豊かな孤独を楽しむ趣味を持つとはいえ
ひたすら無言でサバイバルをする自信は無かったからだ
加えて狩人的な能力を持つ相手なんてもしかして当たりなのでは、なんて
取り敢えず、今すぐ死ぬことは無さそうだった
↓1
とはいえ危険度は低くも無い(48/100)
夜になって何かある?
それともその前に何かしようか
亮「で、えーと……」
ユリウス「何かな。自称記憶の無い男に答えられることなら喜んで答えよう」
嫌味だか皮肉だか分からないが自嘲する姿が実に似合う
顔に走る創傷の歪み方がもう尋常じゃなかった。威圧感がヤバい
良い人(?)なのはなんとなく分かるが……
亮「えーと、取り敢えず何食べて過ごしてました? 」
ユリウス「食べ物か……確かに重要だなそれは。うん、君は頭の良い男のようだ」
亮「やー……」
勝手に納得してうんうん言ってるのはどうかと思う
別にこの先を心配して言ったわけじゃない
よく分からん威圧感たっぷりで古傷だらけのヤバいおっさんとできる会話なんて知らないから言ってみたんだ
ユリウス「そうさな……まぁ」
このおっさんなら正直さっきみた牛豚擬きを解体していても驚かないが……
↓1
現地の木の実とか動物かな?
軽い気持ちで訊いてよかったかな?
ユリウス「普通にその辺りにいる動物を狩って」
亮「え、ええ」
ユリウス「焼いたり燻製にしたり、って感じだ」
亮「お、おう……」
さすがにソースやタレは無いだろうが
塩や胡椒があるのか、とは訊けなかった
鬼気迫るだとかそういう理由じゃない
単純にあっけらかんと当然のことのように話されたからだ
サバイバルってこんなものだろうか? いや、違うと思う
ユリウスの話はサバイバルとかそういうレベルの話ですらなかった
既に野人とかその類いである
ユリウス「まぁ暫くこのままいければ死ぬことは無かろうよ」
亮「は、はぁ」
肉ばっか食って栄養はどうなの、なんて現代人の価値観だろうか
別にニキビが盛り盛りだろうが下痢になろうが良いのかもしれないが
ユリウス「それよりだな、この古城害獣や雨には効果的なんだが……夜に、な」
亮「はぁ」
ユリウス「どうにも、な……」
何かあるのかこれ
別に今更驚きようも無いとは思うが……
↓1
夜になんかあるそうです
幽霊かな? 獣かな?
それともなんか超常的なもっとヤバいあれかな?
モンスター祭り迎撃って楽しいなぁ!
亮「えぇ……」
ユリウス「なんというか……異形のモノがこうわらわらとな」
やっぱりサバイバルとかそういうアレじゃなかった
意味の分からない森林とかファンタジー染みた古城とかはもう舞台装置だ
夜になってモンスターに襲撃されるって何それB級クソ映画か?
ユリウス「俺は弓も剣も一通り使えるし魔術も心得はあるんだが……」
亮「魔術ぅ……? 」
弓や剣はまぁ自称狩人としてあり得ることだろう
しかし、魔術?
いよいよファンタジー染みてきた
ユリウス「俺が思うに君は……あぁ」
魔術能力判定能力があるなんておっさんどれだけ有能なんだそれ
↓1
コンマが高い程適性有り
ゾロ目で再判定
わーい
ユリウス「…………可も無く不可も無く。寧ろ低いな」
亮「でしょうね……」
こっちはキャンプが趣味なだけの日本人だぞ巫山戯んな
寧ろキャンプ好きでメンタル強めな分褒めてほしい
魔術能力とかそんな意味の分からないものがあってたまるかというレベル
いや、ホントマジでチートとかそういうのが無いって逆に凄いと思うけども
ユリウス「っと……そろそろ夜も深くなる頃か。やつら、来るぞ。
この辺りの部屋にいればどうということは無いからいるんだ」
亮「は、はぁ……」
弓に矢筒に長剣
それから触媒にするんだかなんだか分からないがゲームっぽい粉だかなんだか
いっそ杖でも持っていけば本気でそれっぽい
立ち上がったユリウスの背中は頼りになることこの上無かった
↓1
とはいってもどうせ安全なら古城探索とかしたいよね
何か見つけられたかな?
亮「ん? これは……」
それはネックレスだった
古城に遺されたものとしては妥当な品物なのかもしれないけれど
なんというかやっぱり場違い感はある
極大の真珠のような何かが連なった宝飾品
それも苔むし省みられないような場には相応しくない美しさ
現代の地球ならば超一流の職人が丹精込めて磨き手入れも請け負っている、そんな美しさ
背後にユリウスの怒声やモンスターであろう何かの阿鼻叫喚が聞こえるが……
亮「……触った瞬間呪われるとか、無いよな? 」
たまたま開いた部屋のたまたま開けた引き出しのたまたま取り出した箱
その中にあったネックレス、最悪もし蛮人でもいればぶん投げて命乞いでもしてみようか
↓1
手に取って何か起こった?
それとも本当にただの高価な宝飾品かな?
亮「いや、まぁ蛮族的なあれがいたとしてネックレスでどうなおおうっ!? 」
くいくい、いや、グイグイか
ネックレスに身体を持っていかれるなんて本格的に呪いだろうか
手放そうと思ったが時既に遅し
指に絡み付いて離れないそれは呪いか否か
亮「いやこれマジにヤぶばぁっ! 」
痛い。普通に痛い。激痛である
思念でも持っているのか強引に引っ張りやがるネックレス
そいつに引っ張られるままに抵抗はしたものの千鳥足で歩き壁に激突
石造りの壁はそれはもう痛かった
亮「こんなのもうメンタルとかサバイバルとかそういうのじゃ……うぇっ? 」
ぶち当たった壁は何故だかゴリゴリと動いて扉になった
いや、マジで意味分かんないよこれ
亮「おっ、お、おおう……!? 」
グイグイくる無生物に抵抗するのは諦めた
諦めたら諦めたで引きが弱くなった辺りはさすが謎ファンタジーアイテム
意識でもあるのかもしれない
亮「大概こうヤベーもんに導かれるのがお決まりだけども……」
案の定隠し部屋にはヤベーもんがあった、というかきた
亮「……いや、どうせーと」
言ってしまえば廃墟染みた古城の隠し部屋
刀傷だらけの骸骨よりはマシだろうか
そこにいたのはふっつーにヤベーくらい綺麗なお姉さんだった
大富豪のハネムーンイメージでしか見ない豪奢な天蓋付きベッドに寝て
亮「…………」
揺すれば起きてくれなくもないだろうがどうだろうか
いきなり掴み掛かってきてぶっ殺されることは無いと思いたいが……
↓1
お姉さんは綺麗です。いや、もうホント綺麗ですヤバいです
どうしようか
なんなら待っていれば起きてしまいそうでもあるけれど……
亮「ええっと……あの」
優しく起こしてみようじゃないか
いや、さすがに初対面でおっぱい揉んだりするのはおかしいと思う
それはさすがに男としてどうか
ましてや謎ファンタジー世界でのそれは無謀である
それにユリウスやモンスターの声は聞こえないが用心に越したことはない
化け物なら兎も角強そうなおっさんに痴漢魔扱いされるのはヤバい
亮「あのー……たぶん起きた方がいいと思うんですが……」
ゆさゆさ、ゆさゆさ
キスで起こしてみようかなんて思ったけど止めた
いきなりネックレスが飛び付いてきて絞め殺される可能性も無いでは無い
亮「おーい……外はモンスター祭りですよー……」
「んん……ん…………? 」
亮「あ、起きた」
「…………>>57」
亮「はい? 」
「>>57……! 」
私、生きてる
「私、生きてる……! 」
亮「は? 」
「私、生きてる…………! 」
亮「いや、そりゃそうでしょ」
「私、生きてる……………………っ! 」
亮「えー……」
脳震盪起こして頭バグってんじゃないのかこのお姉さん
生きてんのは見れば分かる
同じことしか喋らないとか大丈夫か?
いや、本人には何かしらの事情でもあるのかもしれないが
亮「えーと……俺は亮、浜野亮。あんだすたん? 」
「…………? 」
古城で覚醒したお姫様って言葉にすれば幸せなファンタジーだけども
敵意とか殺意は無さそうだけども
亮「…………あの、どなた様でいらっしゃいますので? 」
「私は……」
↓1
名前とかスタイルとか立場とかその辺
謎人物っていうのもそれはそれで
別に言いたくないなら言わなくてもいいけども
例によってざっくりでも事細かにでも構いません
「私は……えぇと……」
亮「や、別に言いたくなければ構いませんけども」
「はぁ」
突然起き上がって混乱しているのか何なのか
取り敢えず向けられた笑み的に包容力はありそう、というか有り余ってる
ついでに優しそうな顔立ちでよかった
これで悪鬼みたいな顔してたらヤバかったと思う
それから大きなお胸がどうもこう、ヤバい
包容力とかでは片付けられないエグさである
「…………リョウ? 」
亮「ええ、まぁ、亮です、俺」
「私、生きてます? 」
亮「生きてるんじゃないですか。ここがあの世なら俺も死んでるってことになりますけど」
「んん……それでは少々、申し訳無い、否、つまらないでしょうね」
亮「はぁ」
とんがり耳って何だ? エルフか? エルフ的なアレなのか?
大きなお胸に包容力有りそうな笑みにどこなミステリアスな雰囲気
あと大事なことだけど大きなお胸ってエルフか?
亮「で、あなたは何故ここに寝ていたので? 」
「寝て、いた? 」
亮「寝てたでしょう。ここで」
「ここ……で? 」
亮「ええ」
「…………」
考え込むような顔をするお姉さん
腕を組んで額に手を当てる姿はまさに美そのもの
恐らく無意識に持ち上げられた形になったお胸に思わず意識を持っていかれそうになるが、耐える
ユリウスが頼りになりそうとはいえあくまでおっさんである
意味の分からない世界ではお決まりの華が必要だと思う
初手で嫌われていては話にならない
亮「取り敢えずまぁ、えーと、外はモンスター祭りでして」
「モン、スター……? 」
亮「はい」
本当にエルフなのかどうかは知らないが知ったことか
こういうときに覚醒した女の子はヤバいくらい強いと相場が決まっている
そうに違い無い、というかそうであってほしい
これで好いてくれればもう言うことは無い
甘んじてこの謎ファンタジーも受け入れられようというものである
「…………>>63」
低級の神くらいなら倒せるけれど……
「…………低級の神くらいなら倒せるけれど……」
亮「神……? 」
「ええ、神。この生きとし生けるもの有る世界において神の息吹は欠かせないもの」
亮「はぁ……」
ちょっと何言ってるか分からないです。俺はそう言いたい
ちょっと剣が使えるとか魔術で炎出せるとか
なんかこう序盤ってそんな感じじゃないのか
それとも最近の流行りは最初っから全力なのか?
それだったら俺にも何かくれ。いやマジで
小っ恥ずかしいポーズ取って叫んでも何も無かったんだぞ俺は
「ああ信じてないでしょう? やって差し上げます」
亮「え、やるって何それ殺るってこと? え、え? 」
「あなたは悪いヒトでは無さそうですし……えーと、取り敢えずは外の生き物を根絶やしにすればよろしいのですか? 」
亮「根絶やしってあんたね……あ、いや、別に信じなくはないけどおっさんが一人戦ってるんです。
その人だけは助けてあげてください本当頼みます」
「あぁ……ええ、認識しました。…………えーい」
亮「えーい……? それは何かの呪文でしょうか? 」
「呪文……? えっと、申し訳ありません、意味が分からないです」
亮「えぇ……」
意味が分からないのはこちらの方である
♢
首を傾げながら戻ってきたユリウスは思ったよりも冷静だった。すげぇ
いや、マジですげぇと思う。語彙力無いけど本当マジで
「えーと……」
ユリウス「ユリウスだ。狩人としては一端の者だと自負している。
助力、というよりは殲滅の類いだが……まぁ感謝する」
亮「改めて、亮です。浜野亮。キャンプ好きのしがない男です」
「ユリウス、リョウ……ええ、覚えました」
ユリウスの話によればモンスターは文字通り消滅したらしい
跡形も無く、というか塵一つ残さずに
残ったのはユリウス本人がぶっ殺したやつの死体だけ
ユリウス「不躾で悪いが君は何者だね。どうも人間ではないようだが……」
亮「さすがに古城で寝てたお姫様が実は黒幕でしたー、なんて安直ですからやめてくださいよ? 」
「お姫、様……? あぁ、そんなに可愛らしいものではありませんが……」
いや、謙遜になってないと思うんですよそれ
可愛らしい存在であってくださいよマジで
「私は……」
↓1
名乗ってくださいな眠り姫
それとなんか言いたいこともあればどうぞよろしく
コンマゾロ目で病み(デレ)
「私はアポカリプス……それ以上でもそれ以下でも無い、神により与えられし黙示を享受する者。
在りしことにより意味を与えられる秘密の暴露そのもの」
亮「は? 」
ユリウス「……頭が痛い」
超絶美人なお姉さんは意味の分からないことを宣う御仁だった!
で終わっていいのなら終わりたい
凶暴なモンスターを排除してくれたことには感謝しておくから何処へなりとも消えてくれていい
幾ら美人で包容力がありそうでカッコよくてお胸が大きくても限度はある
アポカリプス「私はこの世の摂理で生かされ、しかしてある意味では反逆する罪深く、それでいて罪を裁く者」
亮「…………」
ユリウス「…………」
アポカリプス「嗚呼……何故、何故私は生きて? せめてここが私の知る世でなければ良いのですが……」
ちょっと本格的にヤバい気がする
情け無い程語彙力が無いので仕方が無いと思うが、ヤバい
ラノベの主人公とかのメンタルってスゲぇんだと思う。怖いくらいに
アポカリプス「…………」
亮「…………」
ユリウス「…………」
アポカリプス「…………お腹、空きました」
亮「えぇ……」
ユリウス「お、おう……肉しか無いが、まぁ」
敵意が無いことに感謝すればいいのだろうか
眠り姫はどうにも掴めない人物(?)のようだった
↓1
何、しようか
それとも何、されるのか
或いは、何かが起きたのか
♢
アポカリプス「塩のみの食事も悪くはありませんね……ええ、それこそが生の醍醐味やもしれません」
亮「はぁ……」
以外や以外、ユリウスは塩だけは確保していたらしい
野蛮人や蛮族の類いで狩人とは名ばかりの野人を想像していたのは訂正する
割に肉厚で脂身も程良い美味な食事だった
アポカリプスと名乗ったお姉さんの言うように悪くは無い
勿論、謎生物の肉というのは必死に忘れて食べたが
ユリウス「人手があるというのは良いものだな。……お嬢さんがいたようにこの城もまだ謎ばかりだ」
亮「で、探検してみる、と」
ユリウス「使えるものがあれば使うべきだろう。俺は仮令固い石の上でも安眠できるが」
亮「……なるほど」
アポカリプス「私はあの寝台があります故食器類が欲しいところですね」
空腹を満たして次にやることが家探し
いや、否応無しのサバイバルにおいて気にしてはいけないのもしれないがどうなんだそれは
確かに、ユリウスに加えて超常の存在染みたアポカリプスがいれば安全も安全なのだろうが……
ユリウス「私は一人で構わん。お嬢さんさんはリョウといてやってくれ」
アポカリプス「ええ、承知致しました。これでも重いものだって持てますからね」
亮「そういうことじゃないと思うんですが……」
ユリウス「は、はは……」
せめて重いものくらいは持とう。今決めた
↓1
謎の人物(ヤバい)が仲間になりました
ネックレス以外に何かあったかな?
亮「多種多様なコインに食器類に古地図になんかあからさまにヤバそうな剣か……」
アポカリプス「食器は大事ですよリョウ。手掴みの肉食ばかりでは品も失われてしまうというもの」
亮「剣の方は置いといてもせめて古地図に関心示してくれませんかね」
アポカリプス「はぁ、よく、分かりません」
ユリウスと別れ幾つかの部屋を回って得たものはそう少なくなかった
もしこの世界が地球と同じか似た価値観ならば硬貨があって悪いことは無い
仮令この時点では発行されていないものでも金や銀そのものの価値は見出せる
古地図だって多少変わっていたとしてこの世界を理解する一助となるだろう
剣は……まぁ、剣だな。あからさまに聖性を放つってのもよく分からないが
アポカリプス「古地図の方はユリウスと合流してから検分しましょう。……リョウ? 」
亮「はい? 」
アポカリプス「その剣、鞘から抜いてみなさい。抜いて」
亮「はぁ」
あからさまな聖性って寧ろ罠なんじゃないのか、なんて
変に興味津々な美人に見つめられて断れる筈は無かった
↓1
どんな剣なのかなこれ
コンマゾロ目で適性○
亮「うわおっも。この剣おっも」
アポカリプス「剣とは重いものです。敵意ある者を貫き、叩き、切り裂く武具であるからして」
亮「は、はぁ」
アポカリプス「それは見たところ肉を切り裂くことに特化した剣ですね。
代償として植物を断つことは決してできないでしょうが」
亮「それでいいんじゃないですか? 剣なんだから」
アポカリプス「ええ……まぁ、そうなのかもしれませんね。あなたがそう言うのならば」
亮「???? 」
アポカリプスの言う言葉は相変わらずよく分からなかった
剣だって肉を引き裂くことに特化しているらしいとはいえ重過ぎて到底自分には振るえないだろう
勿論全く動かない相手に叩き付けるくらいはできるだろうが
アポカリプス「しかし嗚呼……誰をも傷付けない術を持つ者の手になれば……其れはこの上無い幸せ。
禍福すら劈く魔性を宿す、それは鬼札にもなりましょう」
亮「…………ユリウスと合流しましょうか」
どうやら彼女と完全な意思疎通を図るにはもう少し修行が必要らしかった
今後ミステリアスの意味を理解できることを祈っておこう
♢
ユリウス「地図か……悪くは無いどころか最高の結果かもしれんな」
アポカリプス「ええ、リョウが必死になって得たのも頷けるというものです」
亮「はぁ……」
単に蜘蛛の巣だらけの部屋で主すら干涸びた中闇雲に探しただけである
それも地図目当てでは無くて何かしら意味のあるものが無いが動き回っただけ
扉の敷居を断固として跨がずただ眺めていたお姫様には勇気に見えたのかもしれないが
ユリウス「古いものではあろうが……ふむ」
アポカリプス「この城は……これでしょうか」
亮「うーん……? 」
羊皮紙、というやつすら初めて生で見た
これが羊皮紙なのか、という感慨は別に無いがちょっとだけ感動しなくもない
普通に現代日本で生きていて博物館て古文書を見たくらいの感想ではあるけれど
アポカリプス「リョウ? 分かりますか、これ」
亮「はい? 」
アポカリプス「この地図を理解できるのか、という意味です」
亮「えーと……」
↓1
コンマ75以上で何故か理解できる
ゾロ目で事故
亮「ごめんなさい……全く分からない」
アポカリプス「そう……いえ、それで構わないのです。寧ろその方が良い」
亮「はぁ」
地図、というものは本来地形を把握する為にあるものだ
山や川、それから砦や城らしきものは何となく分かる
ただ、そこに記されている文字は全く見たことも無いものだった
アルファベットやキリル文字であれば仮に理解はできなくともまだ見たことはあると言えたのだが
ユリウス「…………分かるのか? お嬢さん」
アポカリプス「あら、あなたも理解できなくて? 」
ユリウス「情け無い話だが……」
アポカリプス「いえ、構いませんよ。これはそう、雑に言っても数百年は昔の古地図ですから。
記されている文字だって今を生きる者には縁遠いものでしょう」
ユリウス「なる、ほど? 」
亮「…………じゃあ何故アポカリプスさんは分かるのかって、話なんだけど」
アポカリプス「決して、私が年老いているわけではありませんよ? 」
亮「え、ええ」
ユリウス「……そういうことにしておこうか」
アポカリプス「? ……ま、良いでしょう。読めるものは読めるのですし、分かるものは分かるのです」
亮「……ええ」
アポカリプス「取り敢えずこの古城はこれ。一番近い街といえばここ」
ユリウス「あー……何て街なんだ? 俺たちに発音できるものとしては」
アポカリプス「オワットゥエール、が近いでしょうね。さして疎通に問題も無いでしょう」
ユリウス「そうか」
亮「……終わってる? 」
偶然だとしても現代日本人からすれば不吉なことこの上無い
そりゃあ漫湖とかそういう類いの名前もあるにはあるけども
アポカリプス「大体ここから歩いて二日くらいでしょうか。行くのならばそう苦労もしないでしょう」
ユリウス「話が通じるのならば誰かがいるところに行きたいものだが……」
亮「判断は任せますよ。俺はどうせお荷物だろうし」
アポカリプス「お荷物? 背負うのならばユリウス、お願いしますね。私には無理ですから」
ユリウス「…………ええ」
頭の中がどうなっているのか知りたいところだがどうだろう
今のが冗談なのだとしたら無駄に演技力が高いということになる
まさか怪我も無い男が真顔で背負うことを拒否されるなんて普通は思うまい
↓1
取り敢えず街へ行くことにしたようです
道中何かありましたか?
それとも何も無く無事に?
さすがに寝ますが今日また来るかと思います
ありがとうございました
↓
ちょっとだけやっていきます
♢
アポカリプス「嗚呼……天の御使いとはまた面倒な」
亮「いや、ちょ、は? 意味分かんないですけどっ! 」
ユリウス「待て待て待て……俺の知る魔術にこんなにも強力で素早く展開できる防壁構築術など……」
古城からは持てるだけのありったけを掻き集めた
当座は頼りにするしか無い例の古地図に硬貨
最低限使えそうなナイフやフォーク、皿といった食器類
それから肉を切り裂くことに特化しているらしい剣
絶対に必要になると力説するアポカリプスは無責任にも自分から放棄し
またユリウスも自前の弓と剣があるからとこちらは至極当然な理由で断られた
結果としてまともに振るえもしない俺が剣帯付きで背負っている
アポカリプス「滅してやっても構いませんが……目を付けられるのも面白くありませんね」
亮「滅するってあんた」
ユリウス「なんだこれは……なんだこれは……」
三者三様、取り乱したり取り乱さなかったり
御使い、というのはこう天使ってやつのことなんだろう
オワットゥエールの街へ行く道中のこと
突然に木々の間を裂いて空から襲い掛かってきやがったのだ
何事かを感じて咄嗟に剣を抜いたユリウス
胡乱な目で空を見遣りいきなり手を掲げたアポカリプス
それから慌てて剣を鞘ごと抱き締めた俺
どうやら俺は言うに及ばずユリウスさえ必要が無いようだが……
アポカリプス「……お話する知性があれば良いのですけれど」
あくまでほんわかとして包容力のある顔ではある
けれど、眉間に少しだけ皺を寄せて彼女は物騒なことを呟いた
↓1
天使さんはお話できる方々でした?
できたのなら何故襲ってきたの?
ゾロ目で事故
♢
アポカリプス「つまり何です、私の存在を感知し無謀にも襲い掛かってきたと? 」
亮「あぁ、そういう……」
ユリウス「然もありなん」
「当然のことでしょう、それは。私とて早々下界に降りてなどこないのですよ」
突然空から舞い降りてきて光り輝く矢やらゲームでしか見ないビームを撃ってきた相手は思いの外素直だった
暴れることも無く、特に怒り狂うことも無く、泰然と
勿論、目には何も見えないにも拘らず手足が不自然な形で硬直しているからかもしれなかったが
アポカリプス「はぁ……それで? 」
「それで、とは」
アポカリプス「私も無闇矢鱈と存在を誇示したいわけではありません。
お引き取りいただいてもよろしいでしょうか」
「む……」
本当に相手が天使なのか、またその天使が俺の世界でいうところの天使と同種のものなのか
そこのところが分からないので流れもよく分からない
パワーバランスが崩壊しているような気がするのはきっと正しいとは思うが
「あなたがそう……ええ、悪意の無い存在であるのならばこの話は終わりです、ですが」
アポカリプス「まだ何か」
「そちらの人間、検めさせていただいても? 」
亮「え、俺? 」
ユリウス「何をする気だ。……………………俺じゃなくてよかった」
亮「おいおっさん」
アポカリプス「……検めるとはまた随分な言い方ですね。これでもリョウは私の
「拒否などせぬことです。私一人であれば敵わぬとも私など天界では端役もいいところ。
私たちは何度でもそこな人間に聴取致します」
アポカリプス「…………」
亮「えーと……あー…………何ですか? 裸にでもなればいいので? 」
天使様に要求されるものなんて何も無い筈だ、たぶん
変わっていることといえば精々が異世界から飛ばされてきたということくらいで……
亮「あっ」
ユリウス「……あっ、てなんだよ」
「…………>>94」
精霊信仰のようですね。畑違いなので勝手に野垂れ死んでてください。それでは
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