海防艦について (19)
日振型 日振 から 択捉型 福江 まで
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【 日振 】
お気に入りの歯磨き粉はイチゴ味。大東はバナナ味。
日振「あ、歯磨き粉がないよ」
大東「貰ってこなきゃ」
日振「五十鈴さん、歯磨き粉ください」
五十鈴「えっ?あっ、発注忘れてた」
大東「えーっ、どうすんだよ」
日振「五十鈴さんのを貸してください」
五十鈴「うーん、アンタたちには辛くないかしら」
大東「子供扱いすんなって」
日振「何味なんですか」
五十鈴「フレッシュミント」
◇
日振「げふぉっ!?ぶはぁっ!何これ!」
大東「何だよこれ!げふげほっ!」
五十鈴「あー、やっぱ無理かー」
大東「何でこんなの使ってんだよ!」
日振「お口がヒリヒリするよ~」
五十鈴「ゴメンゴメン、新しいの頼んどくから」
五十鈴「お詫びに何か買ってあげるわ」
◇
日振「アイス美味しい」モグモグ
大東「チョコミント最高」ペロペロ
五十鈴「何でそれは平気なのよ」
【 大東 】
佐渡と並び悪名高い悪ガキ界のツートップ。じっとしていると死ぬ。
落ち着きのないアホの子に見えるが危機察知能力は低くなく、本当に危険な相手の前ではふざけない。
大東「神通せんせー、さよーならー」
神通「はい、お疲れ様でした。さようなら」
◇
神通「大変な問題児と聞いていたのですが」
提督「大人しくしてた?」
神通「ええ、とっても。行儀良かったですよ」
提督「ええー?ホントに」
神通「上手く指導出来るか不安でしたけど、みんないい子で良かったです」
提督「そ、そうか」
◇
大東「あれはヤバい。マジでヤバい」
日振「そんなに怖い人なの」
大東「ガチだ。アタイじゃなきゃ死んでたね」
佐渡「まつなんかずっと直立不動だったからな」
日振「優しそうに見えたけど」
佐渡「佐渡サマなんてちょっとチビったぞ」
大東「アタイはうんこ漏らした」
キタネーナ! マジヤバイ! ワイワイ ガヤガヤ キャーキャー
天龍「おめーら、静かにしろ!」
阿武隈「話を聞いてくださーい!お願ーい」
【 占守 】
ロシア艦と親好深い海防艦。
ガングートとも仲が良いが、酒に強くないのでウオッカは飲まない。
占守「へー、響は四姉妹っすか」
響「姉が一人と妹が二人いるよ」
石垣「どんな娘なの」
響「みんないい子ばかりだよ」
八丈「響みたいに賑やかなのかな」
響「響みたいに、ってのはよく分からないけど」
響「そうだね、私よりは賑やかかな」
響「暁や雷は元気だし、電は大人しいけど私よりは明るいよ」
響「姉妹の中では私が一番物静かかな」
占守「えー?」
国後「みんな響よりも騒がしいの?」
占守「想像つかないっしゅ」
響「そうかい?」
◇
響「ハラショー!」グビグビプハーッ
響「おかわりはまだかな」ゴキュゴキュ
響「暑いからパンツ脱ぐよ」スッポンポーン!
響「カニ缶があったはずだね」フラフラ
響「うわあ、転んだあーっ」ドンガラガッシャーン!
響「不死鳥の名は伊達ではないよ!」ウラウラーッ!
八丈「これよりも騒がしいとか」
国後「想像つかないわね」
占守「暁型、恐るべしっしゅ」
【 国後 】
幼くとも軍属の端くれ。
羽目を外し過ぎる事もなく、規則正しい日々を送っている。
国後「……」ゴロゴロ
国後「……」モゾモゾ
国後「……眠れない」
にも関わらず、数日置きに訪れるこの不眠の症状。
原因が分からない。
◇
占守「クナ、今日は何にするっしゅ」
国後「今日はコーヒー牛乳かな」
占守「じゃあ占守はイチゴ牛乳ー!」
八丈「ハチもイチゴにしようかな」
佐渡「ガッキーもイチゴかー?」
石垣「今日はフルーツ牛乳の気分」
佐渡「おー、フルーツ牛乳もいいよなー」
松輪「松輪は……普通の牛乳で」
佐渡「えー?甘くないじゃん」
国後「……」コクコク
択捉「あれー?フルーツ牛乳売り切れですか?」
八丈「イチゴならまだあるよ」
国後「……」ケフ
眠れるか、眠れないか。毎日回るルーレット。
結末は布団に入るまで分からない。
原因は分からない。
【 八丈 】
ガングート「ウオッカハラショー」
タシュケント「ボルシチハラショー」
響「ロシアハラショー」
ウオッカを飲みボルシチを食べ雪を眺め静かに暮らす。
退屈な日々のロシア艦を、沖縄に連れてきた。
八丈「慰安旅行!」
石垣「石垣島!」
響「ウラーッ!」
◇
ガングート「泡盛サイコー」
タシュケント「ソーキそばサイコー」
響「沖縄サイコー」
泡盛を飲みソーキソバを食べ海を眺め静かに過ごす。
石垣「あんまり変わらないね」
八丈「この人たちブレないな」
響「海ぶどう採ってきたよ」
【 石垣 】
ガングート「大変だ!浜辺で寝てたら顔が黒くなったぞ」
石垣「日焼けですね」
八丈「沖縄の日差しは強いから」
タシュケント「知ってる!これオハグロって言うんだよ」
ガングート「おおっ、これが噂の」
タシュケント「昔はシブーヤに沢山いたらしいよ」
ガングート「なるほど、ビビンバーというやつだな」
タシュケント「オハグロー」キャッキャ
ガングート「ビビンバー」キャッキャ
八丈「楽しそう」
石垣「イメージ変わるね」
八丈「どこで間違えて覚えたんだろ」
響「足てびち貰ってきたよ」
【 御蔵 】
御蔵型の制服は他の海防艦と比べて少しだけ凝っていて、少しだけ可愛い。
マエストラーレ「着させてー」
日振「取り替えっこしようよー」
御蔵「だ、ダメだよぅ……」
大東「いいじゃん、ちょっとだけ」
グレカーレ「ミクラー!お願ーい」
ジャーヴィス「ミクラ、プリーズ!」
御蔵「は、はうぅ…… ///」
◇
提督「龍驤」
龍驤「着んから」
提督「だってすごい人気だぞ」
龍驤「知ってた?ウチ軽空母やねん」
提督「似合うと思うんだけどなー」
龍驤「空母ってな、大人やねん」
提督「あれはマジでオシャレだよな」
龍驤「そもそもサイズが入らんから」
提督「いや、絶対似合うんだけどなー」
龍驤「なあ、話聞いてる」
提督「龍驤なら絶対可愛いんだけどなー」
龍驤「いや、だからキミなぁ」
提督「見たいなー、龍譲の可愛いの見たいなー」
龍驤「着んから!ウチは絶対着んからー!」
◇
龍驤「……」
龍驤「あー、キミ。ちょっとええかな」
御蔵「あっ、はい」
龍驤「あんな、ちょっち相談なんやけど……」
御蔵「はい…?」
【 屋代 】
おひさま燦々、洗濯日和。
海防艦には力がなく、毛布やタオルケットを干すだけで精一杯。
けれどお姉ちゃん(駆逐艦)は違う。
一人でも濡れた布団を抱えて干せる。お姉ちゃんはすごい。
提督「おっ?暁、布団干してんのか」
暁「し、しし司令官!?」
提督「大変だな、手伝おうか」
暁「だ、だだ大丈夫よ!ひとりで平気なんだから!」
提督「遠慮しなくていいぞ、ほら」
暁「来ないで!来ちゃダメ!司令官!」
屋代「暁ちゃん、また布団干してる」
御蔵「毎朝干してるね」
大東「すげーなー、偉いなー」
日振「よっぽど綺麗好きなんだね」
【 択捉 】
強くならなくてはならない。立派にならなくてはならない。
自分はネームシップなのだから。
みんなを、妹たちを引っ張っていくような、勇気ある艦娘にならなくてはならない。
生真面目な一番艦は、強い決意で今日を迎える。
択捉「今日からシャンプーハットは使いません!」
福江「えーっ?」
佐渡「マジかよ」
日振「そんなの無理だよ」
択捉「もう大人だから、大丈夫です」
択捉「お姉ちゃんの背中を見ていてください」
松輪「択捉ちゃん……」
◇
択捉「あああああぁぁーーっ!」
択捉「目が!目がああぁぁーーっ!」
福江「ムスカ!」
松輪「ムスカちゃん!」
日振「ムスカちゃん頑張って!」
択捉「目があぁぁ!いだああぁぁああーーいっ!」
【 松輪 】
生まれたての小鹿より繊細で臆病。
愛宕が大声でぱんぱかしただけでショックで死ぬ。
◇
大好きな司令と遊んでもらえるのは、積極的な大東や佐渡ばかり。
大人しく待っているだけではいけないと、松輪は勇気を振り絞る。
佐渡「一緒に遊んでほしいのか」
松輪「でも、何て言えば」
佐渡「そのまま普通に言えばいいじゃん」
松輪「普通に……」
松輪「司令、あたしと遊ばない」
提督「」
◇
佐渡「抱っこしてほしいのか」
松輪「失礼じゃないかな」
佐渡「何言ってんだよ、みんなしてもらってるぞ」
松輪「何て言えばいいのかな」
佐渡「普通でいいんじゃねえか」
松輪「普通に……」
松輪「司令、抱いて」
提督「」
【 佐渡 】
ベストオブ悪ガキ。
行く先々で騒動を巻き起こすトラベルメーカー。
車内放送「停車時間は三分です」
佐渡「司令!売店でアイス買ってこようぜ」
提督「間に合わないからじっとしとけ」
佐渡「ダッシュで行けば大丈夫だって」
提督「いや、お前絶対乗り遅れるからやめとけ」
佐渡「佐渡サマに任せとけって、司令はバニラでいいな」
提督「おい!?マジで行くのか」
◇
提督「あ、転けた」
大淀「転けましたね」
提督「ヤバい、泣きそう」
大淀「半泣きですね」
提督「お、こらえた、偉いぞ佐渡」
大淀「頑張りましたね」
提督「アイス拾ってる」
大淀「時間ロスですね」
提督「また転けた」
大淀「顔からいきましたね」
提督「あー、無理か」
大淀「いえ、立て直しました」
提督「ギリいけるか」
大淀「佐渡ちゃん頑張って」
◇
佐渡「司令ーっ!買ってきたぞーっ!」ニカー
提督「偉いぞ佐渡。よくやったな」
佐渡「ほらな!余裕だったぞ」
提督「よし、とりあえず鼻血拭こうな」
◇
車内放送「次は横浜駅です」
佐渡「司令ー!シウマイ買おうぜ!」
提督「いいからじっとしとけ」
【 対馬 】
ワンピースにするか大胆にビキニにするか、悩ましく
試着室での葛藤はまだまだ続く。
提督「えっ?対馬だよな」
五十鈴「あのくらいの歳なら普通よ」
提督「だって海防艦だろ」
五十鈴「アンタ、本当に女を知らないわね」
提督「女って、おい」
五十鈴「もうすぐ見せにくるから、ちゃんと誉めなさいよ」
五十鈴「適当に見てると分かるんだからね」
提督「マジかよ」
【 平戸 】
平戸「トラベルじゃなくて……その、トラブルです」
提督「えっ」
平戸「えっと、トラブルメーカーが正解です」
提督「えっ?マジかよ」
提督「『行く先々』で大騒動だからトラベルじゃねーの」
平戸「あの、その……行く先々で『大騒動』だから……トラブルです」
提督「えーっ、そうなのか」
平戸「申し訳ありません.。差し出がましくて」
提督「いやいや助かったよ。さすが平戸だ、頼りになるな」
平戸「そ、そんな……平戸は、別に」
提督「いやー勉強になるなー」
提督「また間違ってたら教えてくれよな、平戸」ナデナデ
平戸「は、はいっ。平戸にお任せください ///」
五十鈴「扱い上手いわね」
大淀「基本的に女たらしですから」
【 福江 】
初見で正しく読める者は、おそらく一人もいないであろう最難読名艦娘。
自分の名前は嫌いじゃないが、これだけ読み間違われるとやっぱり辛い。
択捉「女の人は大人になると名前が変わるみたいです」
福江「!」
日振「え、何それホントに」
択捉「テレビで言ってました」
国後「じゃあ、あたしは五十鈴」
大東「アタイは天龍がいいな、カッコいいし」
択捉「勝手には変えられないようです」
占守「じゃあ、どうやるっすか?」
択捉「好きな人の名前に変わるようです」
福江「!!」
対馬「好きな人……」
八丈「えっ、ちょっと待って」
八丈「それじゃあ あたしたち、みんな同じ名前になっちゃわない」
平戸「 ///」
松輪「……うん ///」
石垣「そうなるね ///」
佐渡「……?」キョトン
佐渡「なあだい、どういう意味だ」
大東「アタイが分かる訳ねーだろ」
佐渡「何だよバカだな」
大東「佐渡だって分かってねーじゃんバカ!」
佐渡「何だとー」
大東「やるかー」
八丈「あの二人また喧嘩してる」
国後「ホント仲いいわね」
福江「好きな人…… ///」ポー
以上です。
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