ホワイトデー　事務所


P「はいっ、可奈。バレンタインのときはありがとう。これ、ホワイトデーのお返しな」ｽｯ

可奈「わあっ！　ありがとうございます、プロデューサーさんっ！」

可奈「開けてもいいですか？」

P「ああ、もちろん」

可奈「それじゃあ……」ｶﾞｻｺﾞｿ

可奈「あっ！　これって、高音質スピーカーですか！？」

P「ああ、前に欲しいって言ってたからな。スマホに入れてる曲も、Bluet〇〇thで繋げて再生できるぞ？」

可奈「えへへっ、ありがとうございます！　プロデューサーさんっ！」

可奈「やったー！　みんなの歌も～、可奈の歌も～♪　たくさん聞けて～、たくさん歌えるかも～♪」

このみ「ふふっ。良かったわね、可奈ちゃん」

莉緒「このみ姉さんも早く貰ってきたら？」

このみ「……いつ貰ったって別に変わりはしないでしょ？」

杏奈「そう、かな……？」

莉緒「もう、そんな意地張らなくったっていいのに」ﾌﾌｯ

このみ「莉緒ちゃんと杏奈ちゃんはもう貰ったの？」

莉緒「ええ、もちろん♪」

杏奈「杏奈も、お返し貰った……。スイ〇チのコントローラー……欲しかった、限定色……！」

このみ「ふうん、なるほどねえ」

莉緒「ほらほら。そんな『羨ましい』って顔するくらいなら、今すぐプロデューサー君からお返し貰ってきなって」ｸﾞｲｸﾞｲ

このみ「ちょっ。莉緒ちゃんちょっと待って！　まだ心の準備が！」ｱﾀﾌﾀ

莉緒「プロデューサー君！」

P「ん？　莉緒、どうした？」

莉緒「このみ姉さんもお返しほしいって！」

このみ「ち、ちょっと、莉緒ちゃん！」

可奈「プロデューサーさん、このみさんの分のお返しは……？」

P「もちろん、用意してるぞ」ﾌﾌﾝ

このみ「！」

P「ちょっと待ってて。えっと……あった、あった」ｶﾞｻｺﾞｿ

P「はいっ。どうぞ、このみさん。バレンタインのときはありがとう」

このみ「え、ええ、どういたしまして。プロデューサー、こちらこそありがとう」

このみ「……開けてもいい？」

P「もちろん」

このみ「それじゃあ、お言葉に甘えて……」

このみ「あっ」

可奈「わあっ、オシャレ……！」

杏奈「本当……。キレイな色のネックレス、だね……」

このみ「とっても素敵……」

P「普段からよく付けてるから、どうかなって思ってさ」

このみ「こういう色のペンダント持ってなかったから、欲しいなって思ってたところだったの」

莉緒「このみ姉さん、すっごく顔がにやけてるわね♪」

このみ「にやけてないわよっ！　嬉しいけど！」//////

このみ「……でもプロデューサー、本当にありがとう」ﾆｺ

P「……うん、どういたしまして」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

莉緒「ねえ、プロデューサー君」

P「どうした？」

このみ「？」

莉緒「このみ姉さんさんのお返し、1つだけなの？」

P「うん、そうだけど？」

莉緒「バレンタインの時、姉さんはいくつプレゼントをくれた？」

P「そりゃあ、2つ……あ」

莉緒「そこよっ！」ﾋﾞｼｨ

このみ「あー……」

莉緒「バレンタインにせっかく姉さんが2つも用意してくれたのにお返しは1つだなんて、お返ししてないに等しいわよ！」

可奈「プロデューサーさん、本当に忘れてたんですか？」ｼﾞﾄｰ

P「えっと……」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

杏奈「ときメモなら……暗闇でポツンと、主人公が座ってる……エンド」

P「もろバッドエンドじゃないか」

このみ「でもまあ、高校の時にチロルチョコ渡してお返しにしてたヤツがいたらしいけど、そいつよりは100倍マシだけどさ」

このみ「お返しもこんな上等なものだし、これだったら私が渡したのを一まとめにしてお返しされても良いかなって思ってたけどね」

P「じ、じゃあ……！」

このみ「でも実際指摘されて自覚しちゃうと、思いっきり腹立ってきたわ」

P「」

可奈「このみさん、本当に怒ってるのかな？」ｺｿｺｿ

杏奈「ううん……。多分……莉緒さんの話に乗っかって、楽しんでるだけだと、思う……」ｺｿｺｿ

P「ﾕﾙｼﾃ……」

このみ「……『もちろん、用意してるぞ』」ｷﾘｯ

莉緒「ヒューッ！　このみ姉さんイケメーン！」

P「やめてぇ！」

杏奈「……ほら、もうイチャイチャし始めてる」

可奈「あ、ホントだね」

杏奈「このみさんも、ああして茶化してるけど……多分、ほとんど照れ隠し……」

P「このみさん、……本当にすみません」ｽﾞｼｬｱ

このみ「ち、ちょっとやめてよ五体投地なんて。地べた汚いでしょ」

P「許してください……。何でもするんで！」

莉緒「おっ」

杏奈「今」

このみ「何でもするって言ったわね？」

可奈「？」

P「ｱｯ､ﾊｲ」

このみ「ふうん、何でもかあ……どーしよっかなー♪」

P「あの、優しくさえしていただけたら……」

このみ「おい。私が何をすると思ってるのよ」

このみ「そうね……。そうだっ、プロデューサー。今日の夜は空いてるかしら？」

P「えっと……。うん、今日はそんな遅くならないし、空いてるぞ」

このみ「よーし。じゃあ今夜は飲みに連れてって、おごってよ」

P「へっ？」

このみ「……ダメ？」

P「いや、いいけど。……もしかして酔いつぶした俺を東京湾に沈めようとか……？」

このみ「んなことできるわけないやろーが」

P「なんかもっと大きなのを求めてくるかと思ったから。それに一昨日に飲みに行ったばっかりだし。……いいの？」

このみ「いいの。私が今一番そうして欲しいって思ったことをお願いしてるんだからさ」

このみ「ね？」

P「うん、分かった」

このみ「よし、決まりね♪　じゃあ待ってるから、早くお仕事済ませてよ？」

莉緒「はーい！　このみ姉さん、私も！」

このみ「ダーメ。だって、プロデューサーから私へのお返しなんだから」

莉緒「でも今、オトナ組のみんなに『プロデューサー君のおごりで飲み会』ってL〇NE送っちゃった。……ごめんね？」ﾃﾍﾍﾟﾛ

Pこのみ「「えっ」」

その後Pちゃんの財布が飲み会のおかげでスカンピンになったり、数日後このみさんと2人で飲みに行ったりするのはまた別のお話。


……つづく？

このみさんにかわいいワッペンの付いたポシェットをホワイトデーに渡してぶん殴られたい人生でした。