ロリババア狐「お前にこの神社を守れる力はあるのか?」巫女「守る?」 (277)

注意
グロなし、本番なし、特殊性癖あり
です。

言い忘れましたがギャグメインです
ロリババア狐は長いのでロ狐と記載します

ロ狐「お前にこの神社を守れる力はあるのか!」

巫女「守る…?」

ロ狐「そうじゃ!」

巫女「えーっと…接客業を経験してるので!迷惑な参拝者の対応とかなら慣れてます!」

ロ狐「なんの話しじゃ!」

巫女「えっと…あれ?そういう事じゃなかったですか…?」

ロ狐「妖怪共からこの神社を守れるのかと聞いておるんじゃ!」

巫女「よ、妖怪!?」

ロ狐「何を驚いておるんじゃ?巫女としてこの神社に来たということはつまりそういう事じゃろう」

巫女「いやいやいやいやいや!つまりどういう事ですか!?」

ロ狐「巫女の仕事は当然!妖怪退治!この神社を守ることが仕事に決まっておるじゃろう!」

巫女「初耳ですけど!!!」

ロ狐「まあ知識など後々つければ良い!戦えればそれで良いのじゃ!」

巫女「無理です!戦う!?喧嘩だってしたことないのに!」

ロ狐「ほう…」

巫女「すみません!!!雇っていただいて申し訳ないんですが…どうやらこの仕事向いていないようなので本日をもって」

ロ狐「お主…なかなかやりおるのう」

巫女「へ?」

ロ狐「感じるぞ…ワシにはわかる。お主の隠しきれない妖力をな…」

巫女「え?なんの…話ですか?」

ロ狐「とぼけるでない。もう隠す必要は無い。ワシにその力を見せてみよ!」

巫女「いや!ほんと!すみません!何の話かさっぱりで!隠してるとかじゃなくて!」

ロ狐「………まさか…自分でも気づいておらんのか?お主にはなみなみならぬ妖力があることに…」

巫女「妖力とか…もう訳わかんないですよー!!もうなんなんですか!!仕事に来てみたら、なんか狐耳つけてるロリっ子がおばあちゃんみたいな喋り方で『ワシがこの神社の神じゃ』とか言ってくるし!」

ロ狐「お、お、な、なんじゃ!」

巫女「なぜか下着は縞パン限定だし!」

ロ狐「縞柄の下着は神聖な力を持っているから縞柄限定なのじゃ!」

巫女「妖怪退治しろとか言ってくるし!」

ロ狐「巫女の仕事をはたせと言っておるだけじゃ!」

巫女「もう帰りたいよー!!」

ロ狐「お、落ち着け!落ち着くのじゃ!」

巫女「はぁ…」

ロ狐「なるほど分かった。お主、それだけの妖力がありながら一般人として生活してきたようじゃな」

巫女「いやだから妖力とか言われても…」

ロ狐「妖力とは…妖力が持つ力じゃ。一般の人間では到底なしえないようなことも…この妖力があれば実現出来る。どれ、少し見せてやろう」

巫女「ほえ?」

ロ狐「はっ!!」ビュワッ

巫女「うわっっ!すごい風っ!」

ロ狐「ほう…。お主、ちゃんと縞柄の下着を履いてきたんじゃな」

巫女「えっ…ちょっ見ないでくださいっ///」バッ

ロ狐「とまあこんな感じじゃ」

巫女「す、すごい…これが妖力…スカートをめくれるんですね」

ロ狐「そういうことに使う力ではない!!」

巫女「…なんでこの神社は巫女服がスカートなんですか…」

ロ狐「女袴が一番妖力を引き出せるからじゃ」

巫女「ホントですかそれは…」

ロ狐「お前には、こういったことが出来る妖力があるのじゃ。その力、眠らせておくのは勿体なさすぎる…」

巫女「ええっ…私にも…あんな魔法みたいなことが出来るんですか?」

ロ狐「うむ。可能じゃ。鍛えればな」

巫女「き、鍛えます鍛えます!頑張ります!」

ロ狐「やる気になったか!では、今から特訓じゃ!」

巫女「はいっ!」

ロ狐「さっきのような簡単なものであればコツを掴めばすぐじゃ」

巫女「ええっ!本当ですか!」

ロ狐「まずはワシの動きを見て学べ。いくぞ」

巫女「はい!」

ロ狐「まずは念じる。腹の辺りに溜まっている妖力を…手に集中させるイメージじゃ」

巫女「ほ、ほうほう…」

ロ狐「そして…手に集中させた妖力を風に変えることをイメージしろ」

巫女「ほ…ほう…??」

ロ狐「そして一気に放出!」ビュワッ

巫女「おおっ」

ロ狐「ちゃんと毎日下着を変えるのじゃぞ」

巫女「だ、だから見ないでくださいっ!///」バッ

ロ狐「やってみるのじゃ」

巫女「は、はい…。お腹の中にある妖力を…手に集中…ムムムム」

巫女「集中させた妖力を風に変える…」

ロ狐「しっかりとイメージできておるか?」

巫女「う、うーーん…」

ロ狐「イメージすることが大事じゃ」

巫女(イメージって言われても…妖力がイマイチ分かんないし…)

ロ狐「妖力がイマイチ分からないという顔をしておるな?」

巫女「は、はい…」

ロ狐「妖力に形はないからのう…。よし、お主の体に触れてイメージをさせてやろう」

巫女「体…ですか?」

ロ狐「妖力があるのはだいたいこの辺りじゃ」パン

巫女「おふっ…もう少し優しく触れてください…」

ロ狐「お主全く体を鍛えておらんな?これから妖怪と戦う日々になるんじゃから筋トレもするのじゃぞ」ムニムニ

巫女「も、揉まないでくださいっ///」

ロ狐「まあそれは置いておいて、この腹の辺りから腕の方に…このような流れで妖力を集める」スー

巫女「ちょ、ちょっと!くすぐったいですっっ」

ロ狐「我慢せい!」

巫女「あっちょっ今さりげなく胸触りましたか!?」

ロ狐「し、仕方なかろう!腕の方に力を送る時に胸も経由するのじゃ!」

巫女「セクハラですよセクハラ!」

ロ狐「な、なんじゃ!騒ぐな!女同士なんじゃからちょっと触れたくらいでぴーぴー言うな!」

巫女「ぴ、ぴーぴー!?」

ロ狐「修行に集中せい!」

巫女「ま、まあなんとなく流れはわかりました!」

ロ狐「まあまずはやってみることじゃな」

巫女「イメージイメージ…」

巫女(力のイメージはだいたいできた…次は風…風…。風のイメージってどんなのだろう…さっきみたいな風…)

巫女「よしっ!はぁぁっ!」

ロ狐「……」

巫女「……」

ロ狐「まあ最初はそんなものじゃ」

巫女「なんかすっごい恥ずかしい!!ホントに私にも妖力あるんですか!?」

ロ狐「ある!それは間違いない」

巫女「うう…精進します…」

ロ狐「うむ……ん?」

巫女「…どうされました?」

ロ狐「…風を感じる…」

巫女「風…?どっか建物に穴でも空いてるんですかね?」

ロ狐「いや…お主の真下から」

巫女「ほえ?」ビュワッ

巫女「ってうわっ!な、なんですかこの風っなんで私の真下から!///」

ロ狐「お主…自分の女袴を捲りあげる風をイメージして妖力を使ったのか……」

巫女「ちょっ!なんでそんな!白い目で見てるんですか!べ、別にパンツ見せる趣味があるとかじゃないですよ!!だって!神様が私のスカート捲るから!風のイメージそれしか無かったんですもん!!」

ロ狐「とんだ変態巫女を雇ってしまったな…」

巫女「違いますって!!」

ロ狐「しかし一発目から風を起こすとは…やはり並外れた妖力」

巫女「まさか本当にできちゃうなんて思いませんでした…」

ロ狐「テクニックさえ身につければ…わしを超えることも不可能ではないな」

巫女「神様を!?」

ロ狐「無論そう簡単には超えられんがな」

巫女「す、すごい…私…」

ロ狐「さて、次は戦闘訓練じゃ」

巫女「せ、戦闘ですか!?」

ロ狐「妖怪と戦うことになると言ったじゃろ」

巫女「うう…そうですけど…」

ロ狐「とりあえず、妖力の使い方がろくに分からんお主が使える武器となると…箒じゃな」

巫女「箒!?こ、こんなので妖怪倒せるんですか!?」

ロ狐「ただのほうきではない!妖怪をはらうことが出来る箒じゃ!」

巫女「あ、もしかして妖怪を掃除する~的な感じでちょっとかけてます?」

ロ狐「はぁ?」

巫女「すみませんなんでもないです」

ロ狐「見るからに腕力がないお主でも、この箒を使えば妖力を吹き飛ばすことだって可能じゃ」

巫女「酷い言われよう!」

ロ狐「その箒でわしを殴ってみよ」

巫女「えぇ!そんなこと出来ないですよ!」

ロ狐「ふっ…もちろんわしもただつったっておる訳では無い!」サッ

巫女「ふぇっ!?き、消えた!?」

ロ狐「後ろじゃ後ろ」

巫女「えっいつの間に!」

ロ狐「さあ、わしの動きをとらえて一発当ててみよ」サッ

巫女「う、ううう早すぎて全く見えない!」

ロ狐「このくらいの動きにはついてこれんと話にならんぞ!」サッ

巫女「ううう!えいえいえい!」ブンブン

ロ狐「当たらん当たらん!」サッ

巫女「はぁ…はぁ…」

ロ狐「次はこちらからいくぞ」

巫女「えっ」

ロ狐「防御も大事じゃぞ!しっかり守るべきところを守るのじゃ」サッ

巫女「うええっ」

ロ狐「例えば首とか…」スー

巫女「ひぅっ///」ビクッ

ロ狐「胸とか…お主なかなかあるのう…」ムニムニ

巫女「ちょっ!///セクハラですよ!」

ロ狐「ちょっと確認しただけじゃ~」サッ

巫女「ぐぬうぅ…」

ロ狐「そんなことより武器である箒を手放すとは…」ヒョイ

巫女「あっ!」

ロ狐「全く…敵に拾われたらどうするんじゃ!使われてしまうぞ」サッ

巫女「あっちょっと!」

ロ狐「大丈夫か~?急所ががら空きじゃぞ?」サッ

巫女「急所…?」

ロ狐「ではせっかく箒を拾ったことじゃし…コイツで」サッ

巫女「ほえ?」

ロ狐「金的!」コーン

巫女「っっっっ」ドタッ

ロ狐「玉がなくともそこは痛いから気をつけるのじゃぞ」

巫女「うぅぅ…」プルプル

ロ狐「とりあえず今日の修行は終わりじゃ!飯を食って風呂に入って…寝るとするか」

巫女「ううう…痛くて立てないですよぉ…」

ロ狐「これから戦う日々になるんじゃからそういうこともあるじゃろう。慣れじゃ慣れ」

巫女「こんなの慣れたくないぃ…」

~巫女宅-寝室~

巫女「はぁ…なんか大変な一日だったなぁ」

巫女「……妖怪と戦うなんてほんとに出来るのかなぁ…」

巫女「…妖力…扱えるようにならなきゃ…」

巫女「並外れた妖力なんてホントにあるのかなぁ」

巫女「分かんないことだらけだよ…」

巫女「とりあえず…とりあえず明日も頑張ろう!」

巫女「気合いで何とかなるよ!」

~朝~

巫女「……眠い…」

巫女「……まだ寝てたい…」

巫女「……こんな気持ちも妖力で吹き飛ばせたりして…」

巫女「……眠気を風で吹き飛ばすイメージ…」

巫女「……えい!」ビュワッ

巫女「……あっあっ!ちょっと!ホントに風が出ちゃった!部屋の中の物吹き飛ばさないで!!」

(更新は遅いです…待ってくださっている方…すみません)
あと見直してみると誤字が多いですね…
特に「妖怪」と「妖力」を間違えることが多いです。
気をつけます。もし気づいたら脳内で文字の変換をして読んでいただけると助かります。

~神社~

ロ狐「さあ走れ走れ!神社を50周じゃ!」

巫女「はぁ…はぁ…ぜぇ…」

ロ狐「なんじゃ…まだ5周しただけというのにだらしないのう」

巫女「いや…スパルタすぎますよ…私…まともに運動もしたことないのに…いきなり…こんな…」

ロ狐「お主にはすぐにでも戦力になってもらわんといかんからな」

巫女「せめて…運動服に…着替えを…巫女服では走りづらいです…」

ロ狐「何を言っておるか!実際に戦う時は巫女服を着ておるのじゃぞ。その服で激しい運動をするのも修行の一環じゃ」

巫女「はぁ…はぁ…って言うか…いいんですか?こんな…神社の周りを走り回って…バチが当たりそう…」

ロ狐「神であるわしが許しておるんじゃ。誰がバチを当てるんじゃ?」

巫女「あー…確かに…」

ロ狐「それに、あえてこの場所の走り込みをさせておるんじゃぞ」

巫女「え?」

ロ狐「妖怪共はこの神社を壊しにやってくる…ということは必然、戦いの場はここになる。この場所での動き方を身につけることはかなり重要なのじゃ」

巫女「なるほどぉ!」

ロ狐「何を休んでおる!走らんかー!」

巫女「は、はーーーいっ…!」

巫女「はぁぁぁ…はぁぁぁ…ふぅぅ…ひぃぃ…」

ロ狐「さて、次は妖力の修行じゃ」

巫女「ま、待って…ちょっ…息を…整えさせてください…」

ロ狐「だらしないのう。ではその間に今日の修行の説明をしてやるから、耳だけこちらに向けておけ」

巫女「はぁぁぁ…はぁい…」

ロ狐「昨日お主に渡した箒があるじゃろう。今日は妖力を使い、あれをより強力な武器にする方法を教えてやる」

巫女「はぁ…はぁ…より…強力に…?」

ロ狐「そうじゃ。この箒に…こうして……風を纏わせる!!」ビュワッ

巫女「す、すごいっ…箒の周りに…風が…!」

ロ狐「こいつは若干の技術を要する…が、巫女の技としては基本中の基本じゃ。身につけてもらわねば話にならん」

巫女「はぁ……。なるほど…」

ロ狐「基本は昨日教えたのと同じじゃ。腹の中にある妖力を手に集中させ、箒に風を纏わせるイメージをしっかりと作り…手から放出…と言った感じじゃ。ただ今回はあくまで箒に風を留めなければいかん。勢いよく放出してはならんぞ」

巫女「は、はい…!」

ロ狐「さぁ、やってみろ」

巫女「は、はい!」

巫女「お腹の中から妖力を手に集中…そして箒に纏わせるイメージ…」

ロ狐「まずはしっかりイメージを作るところからじゃな。時間をかけてよい。慣れればわしがやったようにすぐ出来るようになる」

巫女「イメージ…イメージ…」

ロ狐「…前回のように真下から吹き上げるでないぞ」

巫女「ちょ、ちょっと!イメージ崩れるんで!」

ロ狐「ふははは」

巫女「イメージイメージイメージイメージ…」

巫女「よし!はぁ!」ビュワッ

ロ狐「ほほう…やるな。一瞬だが箒の周りに風が留まった」

巫女「はぁ…でもすぐ離れちゃいましたね…」

ロ狐「いやいや。一瞬でも上出来じゃ。さあ、繰り返し行うのじゃ。妖力の修行は数が物を言う。馬鹿でも千回万回と行えば身につくのじゃ」

巫女「なかなか脳筋な能力なんですね…」

巫女「よーし…やるぞー!」

ロ狐(…………今はまだ妖怪の気配はないが…いつ来てもおかしくはない…。この巫女が強くなるまで待ってくれるとよいんじゃが…)

~数時間後~

巫女「イメージ…イメージ…」

ロ狐(こやつ…まだやっておったのか…数時間続けても尽きぬ妖力…やはり化け物じゃな…)モグモグ

巫女「よし!はぁぁあ!」ビュワッ

ロ狐「…!」

巫女「神様!見てください!」

ロ狐「見ておる。纏っておるな…風を…」

巫女「はい!今回は一瞬だけじゃないですよ!あ…でも弱まってきた…あぁ…扇風機の弱くらいの強さに…」

ロ狐「ものの数時間でそこまでやるとは…」

巫女「これ……枯葉の掃除とか楽そうですね!」

ロ狐「……呑気なやつじゃ…」

巫女「あ、でも風邪とか吹き飛ばしちゃって集めるのには向かないか…」

ロ狐「よし、一旦休憩じゃ。妖力を回復させるのじゃ」

巫女「はい!…って回復?」

ロ狐「甘いものを食べれば回復する」

巫女「なんですかそれ!女子力みたいですね!」

ロ狐「じょしりょく?…?お主妖力の他にじょしりょくというものも持っておるのか?」

巫女「あ、いやそういう能力的なものではなくて…えーっと…なんでもないです…」

ロ狐「伝え忘れていたが、妖力は使えば使うだけ減っていくんじゃ」モグモグ

巫女「そうなんですか?」モグモグ

ロ狐「うむ。当然使い切ってしまうと妖力を使っての攻撃等は行えない」

巫女(ゲームのMPみたいな感じかな…)

ロ狐「そうなった場合は回復する必要がある。主に食事や睡眠で回復させることが出来る。時間の経過でも回復するが…時間がかかりすぎる。まあ戦闘中であればあまり現実的な回復方法ではないな」モグモグ

巫女(完全にMPだ…)

ロ狐「じゃから…今食べておるような菓子を携帯しておくのも巫女としては基本じゃ」

巫女「え、なにそれかわいい!はい!お菓子携帯します!!」

ロ狐「…なーんか気が抜けておらんかお主…」

巫女「そ、そんな事ないですよ!」

ロ狐(まあ、妖怪との戦闘を経験すれば少しは気が引き締まるか…)

ロ狐「さて、一息ついたところで。今日の修行の成果を見せてもらうとするか」

巫女「実戦ですか…!今日はなんかやれる気がします!」

ロ狐「ふっ。まあ根拠の無い自信も戦闘には必要じゃからな。そういうところもお主の良いところじゃ」

巫女「根拠のない自信じゃないですよ!修行したんですから!」

ロ狐「さて、外に出るぞ。昨日と同じじゃ。その箒を一発わしに当ててみろ」

巫女「ふふふ…この風を纏った箒でお掃除してあげますよ!」

~外~

巫女「イメージ…そして…!はぁぁぁ!」ビュワッ

ロ狐「ほう…。風を出すまで大分早くなったのう。成長が早い」

巫女「ふふーん!」

ロ狐「まあ…風の威力は扇風機程度じゃが…」

巫女「ふえーーん…これじゃ夏場に役立つ送風機能がついた箒だよ…」

ロ狐「しかも数十秒で風は消えるしのぅ…」

巫女「タイマー機能と呼んでください」

ロ狐「お主それで良いのか…」

巫女「い、いいんですよ!また電源をつけてやれば!とりゃ!」ビュワッ

巫女「風を纏うので!」

ロ狐「まあ修行を続けておれば風が消えることも無くなる。では行くぞ!」サッ

巫女「ぐぬうぅ…相変わらず見えない…」

ロ狐「さあさあどうした!」サッ

巫女「むやみやたらに箒を振ってもダメなことは分かってる…とにかく相手の動きを観察しなきゃ…」

ロ狐「どこを見ておる~わしは後ろじゃ!」サッ

巫女「えっ…!」バッ

ロ狐「ははは!これではどちらが観察しておるのか分からんな!」ササッ

巫女「ううう腹立つうう!」

巫女「くそぉぉどこだぁ…」

ロ狐「前におるぞ?」

巫女「え、どこどこ!?」

ロ狐「信じるな馬鹿が…後ろじゃ…」

巫女「えっ」

ロ狐「必殺……慈悲深き『神』の『弔』い!」

巫女「っふぐっっ」

ロ狐「これをくらったものは……便秘が治ると言われておる」

巫女「な、なんか…かっこよく言ってますけど……ただのカンチョーじゃないですかっ…」プルプル

ロ狐「どうする?続けるか?」

巫女「つ、続けますよ…こんなので負けたくない…けどちょっと待ってください…」

ロ狐「はっはっは。立てるまで待ってやろう」

~再開~

巫女(くそおお…なんとかして追う方法を考えないと…)

ロ狐「さあさあ、かかってこい」サッ

巫女「なんとかして…なんとかして…そうだ!」

ロ狐「んむ?」

巫女「地面の土を掴んでーー上に撒く!」

ロ狐「なんじゃー?そんなもの当たらんぞー」サッ

巫女「ふふふ…狙って当てるのが無理なら!四方八方に!この風つき箒を振り回して!飛ばして当てる!」ブオンブオン

ロ狐「うぉっ…!砂がっ!」

巫女「いたっ!!怯んでるところ申し訳ないですが…ぶん殴らせていただきます!」

ロ狐「ぬぉっ!」

巫女「とりゃぁ!」ブン

ロ狐「なんの!」サッ

巫女「よ、避けられた!?」

ロ狐「なるほどっ…やるのぅ…砂の目潰しとは!成長したな!」サッ
巫女「でしょう!」

ロ狐「ならばわしも見せよう!必殺技を!」サッ

巫女「ま、またカンチョーですか!?」バッ

ロ狐「ふふっ…尻ばかりおさえおって!」

巫女「こ、これ以上カンチョーされたら…出ちゃう気がするので…」

ロ狐「ならば前から!必殺…袴捲り!」バサッ

巫女「ちょっ!それただのスカート捲りっ///」

ロ狐「からのっ!必殺…金的 玉潰し!」コーン

巫女「っっっっ」バタッ

ロ狐「うむ。ちゃんと今日も縞柄を履いてきたのじゃな」

巫女「うっ…うぐっ…ついてなくてよかった…私女でよかった…」プルプル

ロ狐「さて、良い汗をかいたところで風呂に行くか」

巫女「全然いい汗じゃない…」プルプル

~巫女宅~

巫女「はぁ…疲れた……絶対明日筋肉痛だ…」

巫女「こんなに動いたの何年ぶりかな…」

巫女「……はやく扇風機から脱しないと…とても戦えないよ…」

巫女「戦う……え、私戦うの!?修行してるけど全然そんな実感なかった…」

巫女「戦ったら…怪我とかするよね…最悪…死んじゃうなんてことも…」

巫女「い、いやいやいや考えない!そんなこと考えない!って言うか!神様がいるじゃん!神様めっちゃ強いしきっと助けてくれる…!って言うか神様が戦えばいいのでは!?」

巫女「明日聞いてみよ…」

巫女「とりあえず寝よ……」

~神社~

ロ狐「………」

ロ狐「……まあ、強くなるまで待ってくれなんて…そんな都合のいい話はないか…」

ロ狐「……早ければ明日…奴らがくるな…」

おやすみ

~神社~

巫女「おはようございます…って…なんかいつもの雰囲気と違いますね神様…」

ロ狐「うむ…おはよう巫女…ってお主の方がいつもと違わんか!?足ガクガクではないか!」

巫女「いや案の定筋肉痛になりまして…」プルプル

ロ狐「まあよいわ…。巫女よ…今日はお前に基本でもあり、最も大事でもある妖力の使い方を教えてやろう」

巫女「おお!!」

ロ狐「妖力を使い…己の身体能力を爆発的に上げる技じゃ」

巫女「そんなこと出来るんですか!?」

ロ狐「うむ…。もしかしたらお主は、妖力とは風を操る能力か何かかと思っているかもしれんが…。妖力とは本来普通ではありえない摩訶不思議な現象を起こす力じゃ。風を操るなんてのは妖力の使い方の一部にすぎん」

巫女「なんか抽象的ですねぇ」

ロ狐「まあな…。だがしかしそれが妖力じゃ」

ロ狐「わしがお主と戦う時にみせたあの動きがまさにそれじゃ。妖力で身体能力を上げていたのじゃ」

巫女「なるほど!!だからあんなに早く動けたんですね!」

ロ狐「うむ。ではいつも通りやり方を見せる。しっかり見ておけよ」

巫女「はい!」

ロ狐「今回はいつもと違う。腹の中にある妖力を…体全体に行き渡らせることをイメージするのじゃ。慣れるまでは手を左右に伸ばし、足も開いた方がイメージしやすいはずじゃ」

巫女「ほうほう…」

ロ狐「妖力を行き渡らせれば行き渡らせるほど己の身体能力は上がる。だがしかし、そのぶん体に負荷もかかってくる。耐えられないほどの負荷がかかれば…」

巫女「かかれば…」

ロ狐「死ぬ」

巫女「ひぇっ…」

ロ狐「十分注意しろよ。特にお前はひ弱なんじゃから」

巫女「は、はい…」

ロ狐「お前にさせている筋トレも意味があるということじゃ」

ロ狐「やり方はこれだけじゃ。後はひたすら妖力を体全体に送り続ける」

巫女「な、なるほど…今回は送り続けないといけないんですね」

ロ狐「うむ。保つために妖力を消費し続ける必要がある。まあ、妖力だけは一丁前にあるからなお主は。枯渇することを心配する必要は無いはずじゃ」

巫女「は、はい!」

ロ狐「さあやってみろ」

巫女「よーし…体全体に送るイメージ…」

ロ狐「自分の体が耐えられるだけにするのじゃぞ」

巫女「それってどれくらいなんだろう…」

ロ狐「そうじゃな。体が急に重くなる感覚があるはずじゃ。重くなったあたりで止めておけ」

巫女「でも不思議ですね。お腹の中には全ての妖力があるのに、体全体に行き渡らせたら死んじゃうなんて」

ロ狐「腹は貯蔵庫のような仕組みになっておるのじゃ。それ以外の場所は多くの妖力を貯めこめるようにはなっておらんのじゃ」

巫女「なるほどぉ……?」

ロ狐「理屈は分からんでも良い。出来させすればな」

undefined

巫女「体全体…体全体…」

巫女「っ!体が急に…重く…だるい感じが…」

ロ狐「そこで止めておけ。きつければ少し減らした方が良い」

巫女「はい…。じゃあこれくらいで…後はひたすら送り続ける…」

ロ狐「そうじゃ。消費した分を補充し続けるイメージじゃ」

巫女「これで私…神様みたいに早く動けますか!?」

ロ狐「わしほどは無理じゃが、いつもとは比べ物にならんくらいは動けるはずじゃ」

巫女「よ、よし!ちょっと走ってみよ」

ロ狐「ま、待て待て!」

巫女「よいしょっ…って…えっっ」ビュンッ

巫女「えっあれ…ここどこ…って外か…。あれ?でも私さっき中にいたよね?」

ロ狐「全く…。お前の身体能力は今、普通の人間の数倍はあるんじゃ。まずは力の使い方、加減に慣れろ」

巫女「か、神様!え、すごい…さっきの私の動きについてきたんですか!?」

ロ狐「うむ。お主の動きは、ワシからしたら牛が歩くのと同じくらいのスピードじゃからな」

巫女「ひょええ…」

ロ狐「今晩妖怪が来る」

巫女「ほぇー……って、えぇ!?急すぎませんか!?」

ロ狐「何を言う、奴らは四六時中ワシらを狙っておるんじゃ。急もクソもない」

ロ狐「だから、お主は今日の夜までにその力を使いこなせるようにしておけ」

巫女「えっえっえっ!!おおぉぉぉ!は、はい!!え、でも!四六時中狙ってるってことは昼間に来る可能性も!」

ロ狐「ゼロではないが…奴らは朝や昼を苦手としておる。能力が下がってしまうからな。逆に夜は奴らの時間じゃ。暗くなればなるほど能力が上がる」

巫女「ほええ…なるほど。それなら夜に来た方が相手は得ですよねぇ」

ロ狐「そういうことじゃ」

巫女「えぇ…今晩初の戦闘かぁぁ…」

ロ狐「もしお主がその力を使いこなせば…妖怪なんぞ怖くもなんともないはずじゃ」

巫女「ええ…なんでですか?」

ロ狐「軽く地面を叩いてみよ。軽くじゃぞ。軽く」

巫女「か、軽く?はい…」ドンッ

巫女「う、うわぁぁ穴が!!なんで!?」

ロ狐「それも妖力のおかげじゃ。骨も皮膚も筋肉も常人の域をはるかにこえておる。故にその破壊力」

巫女「ほえええ!」

ロ狐「攻撃力だけでなく防御力も然りじゃ。今のお主なら象に踏まれても痛くも痒くも無いはずじゃ」

巫女「え!!すごい!!」

ロ狐「だからじゃ。だからお主がその力を使いこなせるようになれば…妖怪共なんぞ敵ではないということじゃ」

巫女「なるほど!!!私頑張って身につけます!……でも今回は何でこんなに上手くいったんですかね?いつもは全然上手くいかないのに…」

ロ狐「お主に合っていたんじゃろうな」

巫女「え?」

ロ狐「おそらくお主は力を複雑に操る必要が無い、とにかく妖力の量がものを言うような技を得意とするタイプ」

巫女「なんか物凄い脳筋って言われてます?」

ロ狐「だから風を起こしたり、物に風を纏わせるような技術がいるものは習得までは時間がかかるじゃろう」

巫女「そんなぁー…」

ロ狐「まあ、そういった技術がいるものも大事じゃが、一番は今日教えたこの技じゃ。こいつが使えんと妖怪とまともに戦えんからな」

巫女「まあ確かに…」

ロ狐「これでお主も簡単に殺されることは無いはずじゃ」

巫女「安心しました…」

ロ狐「さあ修行じゃ。修行!安心するのは使いこなしてからにするじゃな」

巫女「は、はい!!」

~夜~

巫女「……な、なんとか…歩いたり走ったり…普通の動きは出来るようになりましたけど…」

巫女「神様みたいな動きは全然できません…」

ロ狐「当たり前じゃ。わしだって長い月日をかけて修行して今があるんじゃからな」

巫女「神様も修行してた時期があるんですか!?」

ロ狐「当然じゃ!!」

巫女「な、なんか意外です」

ロ狐「…んむ…。そろそろじゃな」

巫女「何がですか?」

ロ狐「感じぬのか?奴らの気配を」

巫女「奴ら…ってもしかして妖怪ですか!?」

ロ狐「他に何がある。この空気の淀みや重みを何も感じぬのか」

巫女「んーー……感じません!」

ロ狐「……巫女としては絶望的じゃな…。まあよい、そのうち分かるようになる」

巫女「あ、そうだ!!そう言えば聞こうと思ってたことがあるんですけど…神様は戦わないんですか?って言うか神様めちゃくちゃ強いですし、何も私が戦う必要は無いのでは?」

ロ狐「うむ。その通りといえばその通りじゃな」

巫女「え!!!!」

ロ狐「単純な話じゃ。神は参拝者やこの地域に住むものに幸福を与えるのが仕事、巫女は参拝者の相手や妖怪退治が仕事。それだけじゃ」

ロ狐「それに!夜は誰だって寝たいじゃろ?妖怪の相手などいちいちしたくない。だから巫女、お主がやれ。ということじゃ」

巫女「ええぇー!!それだけですかぁ!?」

ロ狐「それだけじゃ。と言うか、お主はわしとこんな風に友達感覚で話しておるが、実際はもっと上下関係のようなものがあるんじゃぞ!?他の神社に行けば分かるわ」

巫女「ほえええ…そうなんですねぇ…」

ロ狐「そうじゃ!だからもう少しわしの為に頑張るという姿勢を見せるのじゃ」

巫女「は、はーーい…」

ロ狐「…まあもう少し突っ込んだ話をすると…。妖怪共はわしが持つ宝物を狙ってきておるんじゃがな」

巫女「宝物!?お宝ですか!?」

ロ狐「目を輝かせおって…。まあその話はまた今度じゃ。妖怪の気配をすぐ近くに感じる。外を見てくる」

巫女「え!は、はい!」

ロ狐「お主は一旦中に居れ。気配が読めぬまま外に出るのは危険じゃ」

巫女「ひ、ひぃ…。なんか急に緊張してきたぁ…」

~外~

ロ狐「……なるほど。初試合の相手としてはちょうど良い……。雑魚じゃな」

???「言ってくれるじゃねぇか…」

ロ狐「ほぉん。お前は…河童か」

河童「やたらと大きな妖力に引き寄せられ来てみたら…ここの神は小娘か。拍子抜けだ」

ロ狐「なんじゃぁ?見た目で強さを決めるのか。だから雑魚なんじゃお前は。感じぬのか?お前とわしの妖力の差を」

河童「ふっ。俺は妖力で決まる試合をしに来たんじゃない…」

ロ狐「はぁ?」

河童「お前に……相撲を申し込む!!」

ロ狐「………つまり…単純な強さでは適わないから自分の土俵に相手を上げて勝ちたいと…そういう事か?」

河童「ち、違う!!相撲こそが!!!至高!なんでも相撲で物事を決めるべきなのだ!それを世間がわかっていないんだ!それを分からせるために各地を回っているんだ!」

ロ狐「…苦しい言い訳…情けないやつじゃ…」

河童「な、なにをっ!?貴様!逃げるつもりじゃあるまいな!?俺は雑魚なんだろう!?なら倒してみろ!!」

ロ狐「ふっ。別に良いが…今からお前と戦うのはわしではない!」

河童「な、なにっ!?」

ロ狐「巫女よ!出てこい!」

巫女「は、はい!!」

河童「な、なにっ!?み、巫女だと!?」

ロ狐「そうじゃ!わしと戦いたくばまずは巫女を倒してみよ!」

巫女「ってう、うわぁぁ!妖怪!褌一丁の河童みたいなのが居ますよ!神様!」

ロ狐「みたいではなくこいつは河童じゃ。どうやら相撲をとりたいらしくてな」

巫女「す、相撲!?!?なんか想定してたのと違う戦いなんですけど!?」

ロ狐「まあまあ良いでは無いか。殴り合いより平和じゃ」

巫女「…確かにっ!相撲なら死ぬことないですもんね!」

河童「言っておくが…もしお前が負けたら尻子玉を頂く」

巫女「し、尻子玉…って何ですか?」

ロ狐「尻子玉とはつまり…妖力の事じゃ。ケツから手を突っ込んで腹の中にある妖力を抜きとると言っておるんじゃ」

巫女「ど、どぇぇぇ!?」

ロ狐「だからまあ、せいぜい負けぬようにするんじゃな」

巫女「そ、そ、そんな…全然平和じゃない!」

河童「さあ!準備をしろ!相撲だ!」

ロ狐「しっかり妖力を体全体に行き渡らせておけ。河童は相撲を得意としておるからのう。技術はやつの方が上じゃが、妖力で言えばお主の方が上じゃ」

巫女「ここまで来たらやるしかない!!絶対負けない絶対負けない絶対負けない!!」

河童「おい巫女…始める前に少し説明しといてやろう」

巫女「は、はい!」

河童「素人でも分かりやすいようにルールは簡単になっている。この土俵外に先に押し出されたり、土俵内で地面に手や足を着いた者が敗者…というのは当然だが、厳密に言えば土俵内外問わず、先に地面に体の一部が接触した方が敗者だ。いいな?」

巫女「は、はい…何となく分かります」

河童「そして大事なのは立合いだ。この様に腰を落とし片手を着く…そして向かい合った両者の気があったタイミングでもう片方の手をついて相手に向かっていく…この様にして始めるんだ」

巫女「うわぁ…それ難しいかも…」

河童「これがルールだ。まあ、間違えた時は仕切り直しにしてやるから安心しろ」

巫女「は、はい…」

ロ狐「何を偉そうに…自分の有利な試合に持ち込んでおいて」

河童「う、うるせぇ!」

巫女(言われてみれば確かに…)

ロ狐「さあさあ。さっさと始めるのじゃ」

巫女「う、うう…では…えっと…よろしくお願いします…」ペコッ

河童「ああ…」ペコッ

巫女「あ…なんか頭のお皿の水こぼれましたけど…」

河童「なぁっ…しまった!!お前!これを狙っていたな!?皿の水が減ると俺が弱くなることを知っていたな!?」

巫女「え、いや!そんなの全然!知らなくて!」

ロ狐「アホじゃろ…。なら頭を下げなければ良いだけの話…」

河童「お辞儀にお辞儀を返さないなんて失礼にあたるだろう!」

巫女(なんかこの河童…実は悪い妖怪では無いのでは?)

河童「ではさっき言った通り…まずは腰を落とし…」

巫女「は、はいっ…」

河童「なっっ…」

巫女「えっ…な、なんですか…」

河童「く、くそっ…お前…無駄にデカい乳だな…」

巫女「ええええっ!な、なんですか急に!」

河童「ち、近くで見ると…な…。ま、まあいい!」

巫女「む、胸ばっかり見ないでください…///えっち…」

河童「ぐっ…や、やりづれぇな…くそ…」

ロ狐「……んー…?

巫女「と、とりあえず腰を落として…次は足を開いて…」

河童「ぬぁっっ!」

巫女「つ、次はなんですか!」

河童「なっ…くそっ…な、なんでお前スカートなんだよ…」

巫女「えっ……。あっっ…ちょっ…い、今見ました!?見ました!?」

河童「み、見てねぇよ!///」

巫女「あー嘘だ!!!絶対私のパンツ見た!!」

河童「ふ、普通スカートなら下に何か履いとくだろ!なんで縞パンなんて…」

巫女「やっぱり見てるじゃないですかー!!サイアクー!!!」

河童「く、くそっっ…」

巫女「もういいですもう!!こうなったら絶対勝ってぶん投げてやるぅぅ…!ほら!河童さんもはやく手をついてくださいっ!」

河童「なっっ…お、お前!す、少しは隠せよ!」

巫女「もう一度見られたら二度も三度も同じですよ!それより早く試合して!ささっと終わらせましょうよ!!」

河童「う、うぐぅぅ…よ、よぉし…いいだろう…」スッ

ロ狐「うむぅ…まさかこの河童…」

巫女「いきますよ…」

河童「ぐ、ぐうぅ…」

巫女「………」

河童「……(ぐぅぅ…くそぅ…)」

巫女「………」

河童「………」

巫女「…ちょっと、全然タイミング合わせてくれないじゃないですか!」

河童「う、うるせぇ!気が合わねぇだけだ!」

ロ狐「……おい」

河童「あ、あぁん!?なんだよ!」

ロ狐「おい河童。少し耳を貸せ」

河童「な、なんだよ…」

ロ狐「お主…まさかとは思うが…」ゴニョゴニョ

河童「な、なんだよ…」

ロ狐「今…勃っておるのか?」ゴニョゴニョ

河童「なっっっっ…!!///」

ロ狐「お?お?やはりか!!やはりかぁ!あはははははは!!」

巫女「?」

河童「なっ…ば、ばっきゃろう!そ、そんなわけ!」

ロ狐「ほほぉん?ならば一度腰を曲げず真っ直ぐ立ってみよ」

河童「っっっ…ぐぅ…」

ロ狐「やはりっ!!やはり勃っておるではないか!!あははは!!勃っておるから立てないんじゃろぅ???」

河童「ぬぐぐぐ…///」

巫女「た、たっているから…たてない?」

ロ狐「おぬしぃ…巫女の胸と下着を見て勃起するとは……まさか童貞か…?」ゴニョゴニョ

河童「ち、ち、ち、ち、ちげぇよ!」

ロ狐「ぶわははははは!やはりか!やはり!童貞かっっ!!あっはははは」

巫女「う、うぇぇぇ!?な、なんの話してるんですか二人でっ!///」

ロ狐「おい聞け!巫女よ!こやつ童貞じゃぞ!!!」

巫女「い、いや聞こえてましたけどっ…」

ロ狐「童貞河童じゃ童貞河童!!あはははは!」

巫女「い、いやそんな!笑ったら可愛そうですよ!!」

ロ狐「おいおいやめておけ!童帝は優しくされるとすぐ好きになってしまう習性があるんじゃ。下手に優しくすると惚れられるぞ」

河童「ば、ばっきゃろ!巫女に惚れるなんてことあるか!」

巫女「そ、そうですよ!そんなすぐ人のことを好きになるなんてありえませんよ」

ロ狐「だと良いがなぁ~」ニヤニヤ

巫女「さ、さあ!仕切り直しです!いきますよ!河童さん!」

河童「お、おおぉ…おぉう!」

ロ狐「なあなあ河童よ…」ゴニョゴニョ

河童「な、なんだよ!いつまでここにいやがるんだ!離れてろよ!」

ロ狐「相撲中にどさくさに紛れて胸を揉んでやったらどうだぁ~?きっとバレんぞ~?あの大きな桃を鷲掴みしてやれ…」ゴニョゴニョ

河童「なっおまっ…!!///」

ロ狐「あの袴もどさくさに紛れて捲りあげてやるのも良いかもなぁ~…」ゴニョゴニョ

河童「っっっ…///」ムクムク

ロ狐「いやぁすまんな邪魔をして!さ、始めてくれ」ニヤニヤ

河童「くそっ…あいつ…」

ロ狐「お?どうしたー河童?さっきからずっと腰を落としたままで…腹でも痛いのかぁ~?」ニヤニヤ

河童「ち、ちげぇよ!!」

巫女「…体調良くないんですか?」

河童「ち、違ぇつってんだろ!」

河童(何も考えるな俺…あの狐の言うことは全部忘れて…勝負に集中だ…)

河童(よーし…おさまってきた…)

巫女(大丈夫かな…)

ロ狐「……(何とかしてもう少しこいつで遊びたい…)」

河童「よし…じゃあ…始めるか…」

巫女「大丈夫なんですか…?」

河童「だ、大丈夫だっ!いくぞ!!」

巫女「は、はいっ…!」

ロ狐「…(思いついた!!)」

ロ狐「待てっ!!」

河童「な、なんだよ!!」

ロ狐「…分かった…分かったぞ!」

巫女「え…何がわかったんですか?」

ロ狐「河童がなかなか勝負しなかった理由じゃよ!」

河童「なっ…お、お前!」

ロ狐「巫女!お前の服装が悪かったんじゃ!!」

巫女「ええぇっ…わ、私ですか?やっぱりスカートだと集中できない…とかですか?」

ロ狐「それもあるが…相撲といえば…な?もっと適した服装でなければなぁ??」

巫女「そ、それはどういう?」

ロ狐「河童の姿を見ればわかるじゃろ?」

巫女「えーーっと……」

巫女「えっと…まさか……ふ、褌?」

ロ狐「そうじゃぁ!いやーすまなかったなぁ河童よぉ~!相撲と言えば褌じゃよなぁぁあ!やはりちゃんと褌でやらねば集中できんよなぁ~!!」

河童「なっ…!べ、別にそんなことは気にしてねぇよ!!」

ロ狐「いやいやいやいや!気を使わんで良い!さぁ巫女よ!着替えるぞ!」

巫女「ええええぇ!私褌でやるんですか!?」

ロ狐「そうじゃ!!」

巫女「で、でもっっ…褌なんか持ってないし…締め方も知りませんよ!?」

ロ狐「わしが持っておる!そして締め方も分かるから安心しろ!さぁ行くぞ!」

巫女「そ、そんなぁぁ…!」

※褌の読み方はまわしでした…失礼しました

ロ狐「さあさあ脱げ脱げ!さっさと締めるぞ」

巫女「そ、そんな急かさないでくださいよ!」

巫女「あ、あの…上はどうするんですか?まさか上は裸…なんて事ないですよね…?」

ロ狐「嫌か?」

巫女「当たり前ですよ!!」

ロ狐「仕方ないのう…さらしでもまくか…」

巫女「さ、さらし…」

ロ狐「おいっ!早く下を脱がんか!」

巫女「う、うう…パンツの上からじゃダメですか…?」

ロ狐「駄目じゃ」

巫女「わ、分かりましたよ…ぬ、脱ぎますよ…」

ロ狐「なんじゃ恥ずかしいのか?別に見ても興奮せんわ!脱げ脱げ」

巫女「ぐぅぅ…いくら女同士でも恥ずかしいんですよぉ!もぅ…分かりました脱ぎます!はい!これでいいですかっ!」グイッ

ロ狐「お主……意外とちゃんと処理しとるんじゃな」

巫女「冷静に見つめないでくださいっ!!///」

ロ狐「よしよし、これをこうして…おい、こっちの端を持って股の下に通すのじゃ」

巫女「は、はぁい…(死ぬほど恥ずかしい…)」

~数分後~

ロ狐「よし、これで完璧じゃな!」

巫女「この格好で外出るのめちゃくちゃ恥ずかしいんですけど…」

ロ狐「いいではないか。童貞河童にしか見られないんじゃから」

巫女「ま、まあそうですけど…」

ロ狐「きっと上と下から涙をこぼして喜ぶぞっ!ふははははは!!」

巫女「…下から?」

ロ狐「きっとビンビンギンギンにやる気が出るはずじゃっっ!さあ、ゆくぞ!」

巫女「は、はぁい…」

~外~

ロ狐「いやぁすまん!待たせたな!」

河童「お、おせぇぞ!」

巫女「お、お待たせしました…」

河童「ぬ、ぬごっっ…!!」

ロ狐「おぉー??なんじゃ急に前屈みになって…やる気マンマンじゃなぁ…!」

河童「う、う、うるせぇなぁ!」

巫女「うぅ…じゃあ…やりましょう…」

河童「お、お、おうっ!」

河童(ま、まずい…さっきよりも勃っちまった…こ、こんなもんおさまるわけがねぇ…)

ロ狐「さぁ始めろ始めろ~」

河童(くそっっ…あの小娘…俺で遊びやかって…)

河童(くそっ…このままやつの思い通りにさせてたまるか!!)

巫女「……」

河童「……いくぞっ」

巫女「…!」

ロ狐「おおっ…!」

河童(真っ直ぐ立たず…腰を曲げて相手を掴めば!バレないはず…!!)

ロ狐「ぶわははははは!なんじゃ!めちゃくちゃ腰が引けておるではないかっっ!おぉーどうしたどうしたー?」

河童(くそっ…まあ言われることは想定内だ…)

巫女「ちょ、ちょっと…どこ掴んですかぁっ」

河童「ど、どこって褌だよっ…」グィ

巫女「い、いやらしぃっ…」

河童「相撲で褌掴むのは当たり前だろうがっ…!///」

巫女「あ、あと何でそんなに前屈みなんですかっっ!」

河童「こ、こういう戦法なんだよっっ!」

巫女「やりづらいぃ…!」

河童「こっちのセリフでもあるんだよ…!」

巫女「離れてくださいいぃ!」ググ

河童「だ、誰が離れるか…」グィ

巫女「それなら…上から押さえつけるまでっ」

河童(ぐっ…それはまずい…)ガシッ

巫女「うひゃあっっちょっと!急にくっついてこないで……って!顔!胸に当たってるんですけどっ」

河童「こ、これは不可抗力っ!不可抗力だっっ///」ムクムク

ロ狐「おぉ!らっきーすけべじゃらっきーすけべ!」

巫女「ヘンタイ!胸に顔埋めないでください!!」

河童「べ、別にそういうことしてるんじゃねぇよっっ///」

巫女「気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いいぃぃ!」ブンブン

河童「おっふっ…ゆ、揺らすな揺らすな!」

巫女「ぐううううこの変態河童…」ゴゴゴ

河童(なんだ…この妖力…!)

巫女「ぶん投げてやるぅぅぅぅ!!」ガシッ

河童「なにっ」

巫女「どりゃぁぁあ!!」ブォン

河童「ぐぁっっ…(なんて力だっっ…!)」

ロ狐「ほほう…怒りでコントロール出来る妖力が一時的に増加したか…」

ロ狐「ただのお遊び勝負の予定だったが…少しは成長に繋がったか…?」

ロ狐「さぁてさて?河童よ。お主の負けじゃなぁ」

河童「くそっ…」

ロ狐「で、お主が負けた場合はどうなるんじゃ?」

河童「は…?」

ロ狐「巫女が負けたら尻子玉を抜かれる…お主が負けた場合は?」

河童「お、俺が負けた場合…」

ロ狐「まさか自分は何も賭けずに勝負していたなんてことは無いよな?」

河童「ぐ、ぐぬぬ…」

ロ狐「図星か~??ならわしが考えてやろう…。巫女が負けたら尻子玉を抜かれる予定じゃったわけじゃから…お主の場合は…」

ロ狐「二択じゃな」

河童「二択…?」

ロ狐「うむ。目か金…どちらかの玉を一つ潰す」

河童「っっっ…!!」ヒュン

ロ狐「まあ良いでは無いか~。どちらも二つついておるんじゃ。一つなくなっても生きていけるじゃろ?」

河童「う、ぐぐぐ…」

巫女「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!」

ロ狐「あん?」

巫女「い、いくら何でもそれは…やりすぎですよ…」

ロ狐「はぁ?何を言っておる!こいつはお主のケツから手を突っ込んで妖力を奪おうとしておったんじゃぞ?その上相撲中も胸に顔を埋めたりとやりたい放題…こんなやつに情けなどいらんじゃろ」

河童「い、いやだからあれは…」

巫女「確かにとんでもない変態ですけど……。それでも…そこまでしなくてもいいと思います…」

ロ狐「なら…どうするんじゃ?このまま帰すのか?」

巫女「いや…それは腹立たしいので、私がこの箒でぶっ飛ばします」

河童「えっ」

ロ狐「それだけか!?」

巫女「はいっ…!私はそれでいいです!」

ロ狐「はぁ…甘っちょろいのう…。まあお主がそれで良いなら良いわ…」

ロ狐「という訳じゃ河童。良かったな。だが二度と顔を見せるでないぞ。次会うことがあったら…片目片金ではすまんからな」

河童「はっ…はいっっ!」

巫女「じゃあ……飛んでけ変態っ!!!」バシッ

河童「ぬぐぉぉぉぉっっ」ビューン

ロ狐「…そんな甘い考えでは…いつか足元をすくわれるぞ」

巫女「慣れっこです!」

ロ狐「……」

ロ狐「まあ、とりあえず、初勝利じゃ。勝ててよかったな」

巫女「うーーん……。なんか勝ったーって感じしないんですけど…」

ロ狐「まあほとんど痴漢撃退みたいなものではあったが勝ちは勝ちじゃ!」

ロ狐「今日は飲もうではないかっ!」

巫女「お酒ですかっ!?やったー!」

ロ狐「その前に!」

巫女「はい?」

ロ狐「なんか汗臭いし風呂はいってこい」

巫女「酷い!頑張ったのに!」

~お風呂~

巫女「ふぅ…」

巫女「とりあえず…生き延びたぁぁあ…!」

巫女「勝ったーって感じしないけど…負けてたら死んでたんだもんね…ほんと勝ってよかった」

ロ狐「入るぞー」ガチャッ

巫女「うえぇっ!!」

ロ狐「なんじゃ?」

巫女「え、いや!えっと!…神様の裸初めて見ました」

ロ狐「そりゃそうじゃろ…普段は服を着てるんじゃから」

巫女「そ、そうですけども!え、いいんですか!?見ても!」

ロ狐「な、なんじゃ!気持ち悪い!まさかお前…そっちなのか!?」

巫女「ち、違いますよ!いや!その!神様ってこう…神聖な感じ…ですし!なんか…いいのかなって」

ロ狐「ほほう。お主も少しはわしとの関係性を理解してきたか。良い事じゃ。さあ、背中を流させてやろう」

巫女「あ、あ、はい!」

巫女「では…」

ロ狐「うむ」

巫女「うおぉっ…」

ロ狐「なんじゃなんじゃ」

巫女「分かってはいましたけど…ロリ体型ですね…肌の柔らかさとかもう完全に…。犯罪の香りが…」

ロ狐「なんじゃなんじゃ!お前やっぱりそっちなのか!?しかもロリコンか!?」

巫女「違いますってば!!!」

ロ狐「い、いやじゃぞ…これ以上はそっちの知り合いは要らぬ…」

巫女「え、これ以上…?」

ロ狐「い、いやなんでもない…早く流せ流せ」

巫女「は、はい…」

巫女「神様…」ゴシゴシ

神様「なんじゃ」

巫女「妖怪との戦いって…あんな感じなんですか?」

神様「いや…あれは特殊じゃな…。まあ正直くそ真面目に相撲なんかする必要なかったんじゃがな。面白そうじゃったからのってやったんじゃ」

巫女「えぇー」

神様「次からは殴り合いの勝負になるじゃろうから覚悟しておけよ」

巫女「は、はい…」

神様「まあ、真面目に修行しておれば心配も要らん」

巫女「で、ですよね!頑張ります!」

ロ狐「……さて、わしは浴槽に入る」

巫女「じゃあ私も」

ロ狐「お主はさっき入っておったじゃろ!先に出ておれ」

巫女「えぇー!背中を流すために出たからまた体冷えましたよー…」

ロ狐「むううぅ…狭くなるのは腹立たしいが…仕方ない…。ではお主の上に乗る」

巫女「え?乗る?」

ロ狐「ほれ、早く入れ」

巫女「は、はい…」チャプン

ロ狐「膝の上に乗る」チャプン

巫女「ああなるほど…」

ロ狐「こうすれば狭くないからな」

巫女「…なんかすごい…妹感ありますね」

ロ狐「歳はわしの方が上じゃがな」

巫女「いくつなんですか?」

ロ狐「秘密じゃ」

巫女(変なところ乙女だなぁ…)

ロ狐「そう言えば話が途中じゃったな」

巫女「話?」

ロ狐「わしの持つ宝物の話じゃ」

巫女「あー!」

ロ狐「この神社に代々伝わる剣があるんじゃ。それが宝物じゃ」

巫女「おおぉー!かっこいい!いかにもお宝ですね!で、どこにあるんですか!?」

ロ狐「秘密じゃ」

巫女「ちぇー…」

ロ狐「その剣には九尾の妖狐が封じ込められており…どんな災いも祓うことが出来ると言われておる」

巫女「ひゃー!カッコイイ!!!使ったことは!?」

ロ狐「ない」

巫女「えー!そんなにかっこいいのに!?」

ロ狐「ふっ…宝剣なんてものは飾っておくものじゃ。実戦で使うものでもない。それに、そんな剣など使わずともわしが負けることはないからな!」

巫女「わぁー…神様らしい…」

ロ狐「……しかし許せんな」

巫女「何がです?」

ロ狐「…その胸じゃ!!」

巫女「えぇ!?」

ロ狐「妖力もでかい上に胸まででかいとは…」

巫女「急になんですか!?」

ロ狐「急ではない!!さっきからわしの背中に当ててアピールしてくるではないか!!」

巫女「あ、当ててるわけじゃないですよ!膝に乗ってきたから当たるんですよ!」

ロ狐「何を食ったらそんなでかくなるんじゃ…!!」

巫女「い、いや特別なものは…」

ロ狐「理不尽じゃ…理不尽な世の中じゃ…」

巫女(その体型で胸が大きいのもちょっとアンバランスな気もしますけど…)

巫女「あっ…そう言えば」

ロ狐「んん?」

巫女「揉んだら大きくなるとは聞きますけどね」

ロ狐「…………ほんとか?」

巫女「いやぁ…噂ですけど…」

ロ狐「………」

巫女「………」

ロ狐「………」

ロ狐「………こうか?」モミモミ

巫女「たぶん…」

ロ狐「………」モミモミ

巫女「…他人に揉んでもらうと効果があるらしいとか」

ロ狐「………嘘じゃないだろうな?」

巫女「い、いや!すみません!!噂です!!」

ロ狐「……お主のそれは誰かに揉まれたから大きくなったのか!?まさか…か、彼氏か!?彼氏持ちか!?」

巫女「い、いや違いますよ!!彼氏はいません!」

ロ狐「ほ、ほーん…おらんのか…そうか。というかお主は本当になんの努力もせずに大きくなったのか!?きたないやつめ!」

巫女「そ、そんなこと言われても!」

巫女「…神様は…お付き合いされてる方とかいるんですか?」

ロ狐「おらんわ!!」

巫女「し、失礼しました!!」

ロ狐「………では…」

巫女「…はい?」

ロ狐「お主が揉め」

巫女「えぇ!?」

ロ狐「お主しかおらんじゃろ!わしは独り身なんじゃから!!」

巫女「わ、わ、分かりましたよ!(地雷踏んじゃったなぁ…)」

巫女「で、でもいいんですか…?触っても…」

ロ狐「特別じゃぞ…!この胸を大きくするために特別触らせてやるだけじゃ!!」

巫女「は、はい…じゃあ…し、失礼します…」

ロ狐「う、うむ…ま、まあマッサージだと思ってやれば良いのじゃ」

巫女「は、はい…」モミモミ

ロ狐「ぐ、ぐぅ…くすぐったいのぅ…」

巫女「す、すみません」

ロ狐「よ、よいわ…」

巫女(あぁ…なんかすごい…犯罪臭が!こんなところ他の人に見られたら即通報即逮捕だよね…)

ロ狐「ぐぬぬ…屈辱じゃが…これは胸を大きくするために巫女にマッサージさせておるだけじゃ…うむ…」

巫女「そ、そうですよ…!マッサージマッサージ!」モミモミ

ロ狐「む、むぅ…これはどれくらいやるんじゃ」

巫女「ど、どうなんでしょう?そろそろやめますか?」

ロ狐「うむ…。ま、また頼むぞ」

巫女「は、はいっ…!」

巫女(…なんだろう。すごくやってはいけないことをやってしまった感…)

ロ狐「そろそろあがるとするか」

巫女「そ、そうですね!」

ロ狐「お主ビールは好きか?」

巫女「はい!」

ロ狐「良いなぁ良いなぁ!今日は朝まで飲むぞ!」

巫女「神様お酒ほんとに好きなんですねぇ」

ロ狐「まあな!ビール、日本酒は常に置いてある」

巫女「日本酒!!良いですねぇ!」

ロ狐「酒好き巫女は助かるのぅ!一人もいいが誰かと飲むのも楽しいからな!」

巫女「誰か…。神様は…友達の神様と飲んだりするんですか?」

ロ狐「ん、んん…。まあ…な」

巫女(おっとまた地雷踏んだか…?)

ロ狐「…あまり他の奴らとは仲は良くないからな…。まあ一人だけ一緒に飲む奴もおるが…んー…あいつは…いやなんでもない」

巫女「ほ、ほう…」

ロ狐「そう言えば来週……。嫌なことを思い出した。よし、飲んで忘れるぞ」

巫女「は、はい!そうしましょうそうしましょう!(これ以上機嫌悪くされたら困る!!)」

~2時間後~

ロ狐「ほれほれ、もっと飲めるじゃろ~」

巫女「いやもうだいぶ飲みましたよこの2時間で~」

ロ狐「なんじゃ案外酒弱いんじゃのぅ~」

巫女「言いましたね~!まだまだ本気出してませんからね~飲んでみせますよ~!」

ロ狐「よーしよしその調子じゃ!!」

~4時間後~

巫女「……もうダメだぁ…ああ…眠い…」

ロ狐「ぐーぐー…」

巫女「寝てるし…私も…寝よ…」

~次の日の昼~

巫女「……あぁー…痛い…」

ロ狐「…なんじゃ…朝か…」

巫女「…うー…気分悪い…」

ロ狐「ん?生理か?」

巫女「二日酔いですよ……」

ロ狐「なんじゃ二日酔いか。やはり案外弱いな」

巫女「うー…。いや…ビール、日本酒、ウィスキーをあんだけ飲んだら…そりゃ…こうなりますよ…」

ロ狐「仕方ないのう。今日は特訓は休みにしてやろう」

巫女「ありがとう…ございます…。ちょっとトイレ行きます…」

ロ狐「汚さないようにな」

巫女「あー…い…」

ロ狐「はー。良い朝…いや昼か」

ロ狐「毎日こうして遊んでいたいが…そうはいかんのが神の辛いところじゃな」

ロ狐「……また思い出してしまった。はー…来週かぁ」

巫女「あぅー…」

ロ狐「スッキリしたか?」

巫女「少し…。お茶ください…」

ロ狐「神に茶を入れさせるとは。まあ、今日だけじゃぞ」

巫女「あいがとーございます…」

ロ狐(…まあ、今は…この巫女との時間を…楽しむか…)

~次の日~

巫女「おはようございます!」

ロ狐「うむ。おはよう」

巫女「いやあ昨日はすみません…。すっかりダウンしてました…」

ロ狐「酷いもんじゃったぞお主」

巫女「あはは…」

ロ狐「では…早速じゃが」

巫女「はい!」

ロ狐「走り込みじゃ!!昨日の分も加算して神社100周じゃな!妖力は使うなよ!」

巫女「うぇええええ100周!?」

ロ狐「さあ、行ってこい!」

巫女「そんなぁぁ…」

ロ狐「ぼさっとしとると150周にするぞ」

巫女「い、行ってきます!!!」

巫女「…はぁ…はぁ…」

巫女「……なんか…冷静に考えて…これ…本当に巫女のやる事なのかな…。走り込みする巫女って見た事ないけど…」

巫女「今更…常識とか普通とか…考えてもしょうがないか…」

巫女「…なんか走ってると…境内の汚れに目がいくなぁ…。いつか掃除しなきゃ…」

巫女「はぁ…はぁ…100周とか無理だよぉ…」

~数時間後~

巫女「はぁ…はぁ…100…周…終わりました…」

ロ狐「だいぶかかったのう」

巫女「そりゃ…もう…だいぶ走りましたから…」

ロ狐「全く。根性も体力もないのう。あるのは胸だけか~?」

巫女「この胸だって…重いんですよ…一種の重りですよ!」

ロ狐「よーし重くて困っているならわしがちぎってやろう」

巫女「す、すみません!調子乗りました!!」

ロ狐「ふんっ。さて次は妖力の特訓じゃな」

巫女「ちょ、ちょっと休憩を…」

ロ狐「言うと思っておったわ。そこでじゃ、今回は座学にしてやることにした」

巫女「座学!助かります…」

ロ狐「お主にこれを貸してやろう」

巫女「おお…それは一体?」

ロ狐「この書物には、妖力の扱い方、扱える技などが書かれておる。貴重な書物じゃ。汚したりなくしたりするでないぞ」

巫女「ほえええ。はい!分かりました!」

ロ狐「……タオルを貸してやるから汗をふけ…」

巫女「助かります…(もっと早くに貸して欲しかった…)」

巫女「ほええ…。なるほど。水や炎も出せるんですね…」

ロ狐「言ったじゃろー。妖力は風を出すためだけの力ではないと」

巫女「なんか風より炎の方が強そうじゃないですか?」

ロ狐「何を言う。炎は風で吹き消されるじゃろ」

巫女「そう言われるとたしかに…。じゃあ水は?」

ロ狐「水も風邪で吹き飛ばせる」

巫女「じゃあ岩!」

ロ狐「風で吹き飛ばせる」

巫女「…発想が脳筋すぎませんか?」

ロ狐「力こそパワーじゃ」

巫女「……」

巫女「……ん?なんか後ろのページの方に付箋が」

ロ狐「付箋…?……あっ!!!!」

ロ狐「そ、そのページは!!!」

巫女「えっ…?」

ロ狐「い、いや…べ、別にお主が見たいなら…見れば良いぞ…」

巫女「…?」

巫女「…なになに?二人用…愛の力で発動できる技…」

巫女「あっ…」

ロ狐「なんじゃ!!あっ…とはなんじゃ!!」

巫女「い、いや!別になんでもないですよー!」

ロ狐「なんじゃ!わしは独り身じゃが!?それがどうかしたか!?」

巫女「い、いやなんにも言ってないですよ!!」

ロ狐「ふんっ!何が愛の力じゃ!そんなもの要らん!わしは最強なんじゃ!!」

巫女「あっはは…。…でも…ここに付箋貼ってるってことは…神様、彼氏できたらこの技使ってみたいなーとか思ってたりして?」

ロ狐「ば、ば、バカを言うな!!そんな事あるかぁ!!そ、その付箋は!そこから先はまだ読んでおらんから貼ってあるだけじゃ!!」

巫女「あー…。彼氏できたら読もうと思ってるんですね」

ロ狐「そ、そういう訳では無い!!」

巫女「…かわいい」

ロ狐「…明日は200周走らせるから覚悟しておけ」

巫女「そんなぁぁあ!!!」

しばらく忙しくて書けなくて
書こうと思ったらvip落ちてて
もう誰も読まないだろうけどストーリー構成出来てるし最後まで書くかーと思ったら…読んでくれてる人いたんですね…

嬉しいです

巫女「じゃあ神様には悪いけど私だけここから先読んじゃおうかなぁ~~」チラチラ

ロ狐「す、すきにしろ!別に止めはせん!」

巫女「へ~。じゃあ遠慮なく」チラチラ

ロ狐「ぐ、ぐぬぬ…」

巫女「……もー!嘘ですよ!神様が楽しみにしてるところを先に読むなんてしませんよ~」

ロ狐「ふ、ふんっ!」

巫女「でも私が生きているうちに彼氏作って読んでくださいね?私もこの先気になるんで」

ロ狐「か、彼氏なんて要らんわ!と言うか、そんな事ばかり気にしておらんとほかの大事なところを学ばんか!」

巫女「もーちょっとした女子トークじゃないですか~」

ロ狐「全く…」

巫女「私もなんか…こう…テクニカルな技が使ってみたいなー」

ロ狐「まあ今お主ができるのは箒で吹き飛ばすか風で吹き飛ばすくらいじゃしな」

巫女「あまりにも脳筋すぎる…」

ロ狐「強ければその2つがあれば誰にも負けんがな」

巫女「だとしてもー!せっかくこんなに色々出来る可能性を秘めてるんですから!色々やってみたいです」

ロ狐「そうじゃな…あまりあれこれ浮気するのは勧めんが、離れた所から物を操作したりする技はどうじゃ」

巫女「えーー!!超能力じゃないですか!カッコイイ!!」

ロ狐「極めれば自在に操れるが、わしやお主はおそらく不向きな種類の技じゃ。まあ不向きとは言えどある程度は出来るようになる。このように…」

巫女「えっえっ!すごい!消しゴムが浮いてる!」

ロ狐「このように浮かした物を相手にぶつけて攻撃したりもできる」ヒュン

巫女「イタッ!」

ロ狐「さっきの仕返しじゃ」

巫女「根に持ってる…」

ロ狐「そして飛ばした物を…このように手元に持ってきたりもできる」ヒュン

ロ狐「この技を身につければ、仮に武器を落としてしまっても安心じゃろ」

巫女「やっぱり考え方が脳筋…」

巫女「えーでもすごい!やりたい!やりたいです!」

ロ狐「ではこの消しゴムで練習してみよ」

巫女「よーーーし!」

ロ狐「まあイメージとしては、指先から妖力の紐を伸ばし、物に絡ませる感じじゃ」

巫女「なるほどなるほど。紐を絡ませて自在に操ると…」

巫女「うぬぬぬ…」

ロ狐「安心しろ。最初から上手くいくことは無い」

巫女「や、やる気削ぐようなこと言わないでくださいよー」

巫女「ぐぬぬぬ…動けぇ…動けぇ!」

ロ狐「お?おお!」

巫女「え!動いてますか!?」

ロ狐「浮いておるぞ!1mmくらい」

巫女「微妙!!!!意識してみないと気づかないレベル!」

ロ狐「まあそんなもんじゃ」

巫女「はぁ…練習あるのみかぁ…」

~数時間後~

巫女「………だめだー!ぜんっぜん上手くいかない…」

ロ狐「言ったじゃろー。わしやお主には合わない技じゃと」

巫女「私や神様はものをぶち壊す技の方が合ってるってことですか?」

ロ狐「まあそういう事じゃな」

巫女「確かに…私不器用だし…」

ロ狐「まあ根気よく続ければ多少はできるようになる。1日、2日である程度出来るようになっていた方が異常じゃったんじゃ」

巫女「そうなんですね…。疲れたのでお風呂行っていいですか?」

ロ狐「当たり前のように風呂を使うようになったな…。まあ良いが…」

巫女「お胸お揉みしますよ」ワキワキ

ロ狐「その発言ただの変態じゃぞ」

~お風呂~

巫女「さあ!どうぞ!膝の上に!」

ロ狐「なんかお主楽しんでないか?」

巫女「妹みたいでかわいいんですもーん」

ロ狐「妹の胸を揉むのがそんなに楽しいか…」

巫女「違いますよ!!それはそれ!これはこれです!」

ロ狐「まあ…良いが…」

巫女「頭なでなでしていいですか?」

ロ狐「は?」

巫女「なんでもないです…お胸お揉みします…」モミモミ

ロ狐「う、うむ…。ぐぅ…胸を触られるのはやはり慣れんのぅ…」

巫女「私も…いざやってみるとやっぱり…罪悪感がすごいです」

ロ狐「ええい!くっつくな!乳を背中に当てるな!」

巫女「えーでも離れるとやりにくいので…」

ロ狐「くそぅ…腹立たしい…」

巫女「なんか豆乳を飲むのも良いらしいですよ」

ロ狐「ほぅ…そ、そうなのか…。まあ気が向いたら飲んでやる」

巫女(とか言いつつ明日から意識して飲んでそう…)

ロ狐「…やはりまともな飯を食ってこなかったからなのか…?お主は何か気を使って食べておるものはあるのか?」

巫女「…ないです」

ロ狐「……」ゲシッ

巫女「ちょっ!踵で私の膝蹴らないでください!痛い!無言なのも怖いし!」

ロ狐「これだから巨乳は嫌いじゃ!!」

ロ狐「…んむ?」

巫女「どうしました?」

ロ狐「妖気を感じる」

巫女「えっ!!」

ロ狐「まだ近くはないようじゃがな。準備をしよう。出るぞ」

巫女「は、はい!」

ロ狐「……おい」

巫女「……はい」

ロ狐「いつまでわしの胸を触っておる!!準備すると言ったじゃろ!」

巫女「い、いや!違うんですよ!手が!離れないんですよ!」

ロ狐「はぁ??何をわけをわからんことを!遊んどる場合じゃないぞ!」

巫女「いやホントなんです!手が離れなくて!」

ロ狐「何を馬鹿なことを……。って…な、何じゃ足が重たい…」

巫女「うわっっ!な、何か足が引っ張られる感覚が…」

ロ狐「なに!?」

巫女「な、何かよく分かりませんけど…ヤバいですね!?」

ロ狐「考えることを放棄するな!ええい…わしが右足を動かすと…」

巫女「わ、私の右足が引っ張られます」

ロ狐「左足を動かすと…」

巫女「私の左足が引っ張られますね…」

ロ狐「…お主の膝から離れようとすると…」

巫女「膝が…引っ張られますね」

ロ狐「なぁ、これ…くっついておらんか?」

巫女「…くっついてますね」

ロ狐「……」

巫女「……」

ロ狐「おそらく妖怪の力だとは思うが…くそっ…なんで今なんじゃぁぁあ!」

巫女「ど、どうしましょう!?」

ロ狐「こうなってしまったら仕方ない…この状態で戦うしかないじゃろ!!」

巫女「えええええ!?」

ロ狐「今回はわしも協力してやるから!とりあえず風呂から出るぞ!」

巫女「は、はい…」

ロ狐「幸い、物とはくっついておらん。わしの手は自由に動かせるから浴槽のヘリをもって状態は起こせるはずじゃ」

ロ狐「歩くのはお主じゃぞ。立ったら、わしは完全にお主にくっついて宙に浮いておる状態になるんじゃから」

巫女「分かりました!」

ロ狐「いくぞ…!よいしょっと…」

巫女「うわぁっ!なんか変な感覚…」

ロ狐「絶対に転ぶなよ!?」

巫女「気をつけます…!」

巫女「うう…すごい変な感覚。重りをつけてるみたい…」

ロ狐「神を重り扱いするでない!」

巫女「神様を装備してるって考えるとすごい縁起いいですね」

ロ狐「呑気なやつじゃ…」

×状態(上体)を起こす→○立てる

巫女「あの…お風呂から出れたはいいですけど」

ロ狐「なんじゃ?」

巫女「下着とかどうしましょう…」

ロ狐「それは…」

巫女「まさか無しとか言いませんよね!?」

ロ狐「お主だけならまだしもわしまで下着なしは嫌じゃ!!」

巫女「酷い!」

ロ狐「そ、そうじゃな…。とりあえず腰を曲げてみろ」

巫女「こ、こう…ですか」

ロ狐「よしよし…下の方まで手が届くぞ。次は足を上げてみろ」

巫女「こ、こう…ですか」

ロ狐「よしよし。これなら履けそうじゃな」

巫女「よかったぁ…」

ロ狐「うむ……ん?」

巫女「どうしました?」

ロ狐「鏡を見ると…今の状態はなかなか…酷いな」

巫女「え?」

ロ狐「完全に後櫓じゃろ」

巫女「うぇ!?うわっっホントだ!!こんなとこ見られたら私終わりですよ…」

ロ狐「しかも胸まで揉みおって…」

巫女「ちょ、ちょっと!変な言い方しないでくださいよ!!」

ロ狐「ド変態巫女め…」

巫女「膝に妹を乗っけてただけなのに!!なんでこんなことにぃぃ!」

ロ狐「よし、お主の下着を履くぞ」

巫女「私のですか!?」

ロ狐「縞柄の方が良いからな」

巫女「神様のは!?」

ロ狐「わしは巫女ではないからな。縞柄は履いておらん」

巫女「えええええ!でもまだ洗ってないんですよ!?」

ロ狐「我慢してやる」

巫女「パンツ共有なんてやだぁぁあ」

ロ狐「わしも嫌じゃが仕方ないじゃろ!」

巫女「妖怪…許すまじ…」

ロ狐「ほれ!はよ足を上げろ!」

巫女「はぃ…」

ロ狐「よっと…。ぐぅ…さすがに2人で履くとキツいが…とりあえずこれで下はいい。問題は上じゃな」

巫女(神様がロリ体型だからギリギリ何とかなったけど…めっちゃパンツくい込んでる…)

ロ狐「厳しそうじゃな…」

巫女「なしで行くんですか!?」

ロ狐「まあお主はわしの体で隠れておるし…わしのはお主の手で隠れておるから…要らんといえば要らんな」

巫女「そんなぁぁ!」

ロ狐「時間が無いんじゃ!仕方あるまい」

巫女「服はどうしましょう。巫女服はさすがにこの状態では着れませんし…」

ロ狐「タオルを巻くか」

巫女「変態じゃないですかそんなの!」

ロ狐「この状態では服も着れん!タオルを巻いてわしの顔のところだけ切り抜くぞ!」

巫女「そんな新手の露出狂みたいなスタイルで行くんですか…」

ロ狐「妖怪をさっさとぶっ飛ばせば全て解決じゃ」

巫女「でも…まだ遠くにいるのに私たちをくっつけることが出来るなんて、よっぽど強い能力の持ち主なんじゃ…」

ロ狐「まあ、可能性はあるな」

巫女「か、勝てますかねぇ…」

ロ狐「わしがなんとかする」

巫女「頼もしすぎる…」

ロ狐「完成じゃ」

巫女「……見た目が変態すぎる…」

ロ狐「なんと情けない姿…一生の恥じゃ…」

ロ狐「よし、今のうちに体に妖力を回しておけ。敵はだいぶ近づいてきておる」

巫女「は、はい!」

ロ狐「一応言っておくが、わしはだいぶ自分の体を強くできる。おそらく敵の攻撃もさほど痛くはないだろう」

巫女「ほほう」

ロ狐「だからと言って盾にするなよ??」

巫女「も、もちろんですよぉ~~…」

ロ狐「わしが食らった分明日の走る距離を増やすから覚えておけ」

巫女「は、はぁい…」

ロ狐「だいぶ近いな…外に出るぞ」

巫女「出たくないぃぃ…けど頑張ります…」

ロ狐「怒りは敵にぶつけろ」

巫女「はい…!」

~外~

巫女「うううう寒い…」

ロ狐「さすがに下着とバスタオルだけでは冷えるな…」

巫女「どこに居ますかね…」

ロ狐「むっ…。あそこじゃ!」

???「…変態が神社から出てきたと思ったが…中々のやり手じゃないか。僕を見つけるなんて」

巫女「……なんですか。あの丸いの」

ロ狐「うーーむ…分からん」

???「おい!僕を知らないのか!!僕はべとべとさんだ!」

巫女「べとべとさん…なんか聞いたことあるかも」

ロ狐「べとべとさん?わしは知らんな」

べとべとさん「このぉ…。まあいいさ。これから世の中に僕の名を知らしめていくからね」

巫女「あっ!あれですよ!なんか人の後ろをストーキングする妖怪ですよ!で、お先にどうぞ~って言ったら離れていくっていう話を聞いたことがあります」

ロ狐「お前も十分変態ではないか!!」

べとべとさん「ストーキングって言うな!!」

ロ狐「しかしなんじゃ。弱そうな妖怪じゃな。球体に足がついておるだけとは。モブではないか」

べとべとさん「うるさいうるさい!僕は強くなったのさ!!確かに昔は人の後ろをついていって驚かせることしか出来なかった…でも今は違う!!」

巫女「確かに…こうやって私たちをくっつけることが出来るわけですもんね」

べとべとさん「そう!!人をくっつける能力を手に入れた!!べとべとっとね!!」

ロ狐「対して強くないじゃろ…」

べとべとさん「うひひ…戦ってみれば分かるさ」

ロ狐「さっさとケリをつけるぞ!やつに近づけ!」

巫女「はい!」

べとべとさん「おぉっと!」ダッ

ロ狐「あんだけ偉そうなことを言っておいて…あやつ逃げたぞ」

巫女「とりあえず追いましょうか」

ロ狐「そうじゃな」

べとべとさん「ここまでおいで~」

巫女「すぐ追いついてみせますよ!」ダッ

べとべとさん「うひひ…くらえ!」ボンッ

巫女「うわっ!なんか口から吐き出した!?」

ロ狐「あれは…人間の手足じゃ」

巫女「うぎゃぁぁぁぁああああ!!」

べとべとさん「うははははは!!」

巫女「ぎゃぁぁぁあ」

ロ狐「こ、こら逃げ回るな!!奴から離れるでない!」

巫女「だって!だって!人間の手足ですよ!?」

ロ狐「そんなもので怖がるでないわ!」

巫女「そんなもの!?」

ロ狐「おそらく奴が殺めて食った人間の手足じゃろう」

巫女「何をそんな冷静に!!」

ロ狐「調子に乗った妖怪が人を殺めるのはよくある話じゃ」

巫女「そんなぁあ!?」

ロ狐「さあ、さっさと奴の元に戻れ!敵に背を向けるなんて攻撃してくれと言っておるようなもんじゃぞ」

巫女「うううう…はぃ…って、うわぁぁあ」

ロ狐「なんじゃ騒がしいな!」

巫女「手と足がぁぁ!ずっと追いかけてきますよぉぉ!」

ロ狐「なにっ!?」

べとべとさん「うははは!人間をくっつける能力…こういう使い方ができるのさぁ!」

ロ狐「なるほど…あの手と足…わしらにくっつくまで追いかけてくるきじゃな。しかもよく見たら刃物がついておるではないか」

巫女「うぎゃぁぁぁぁあ」

ロ狐「こざかしい…風で吹き飛ばしてやる」

巫女「ちょっっ!!タオルの隙間から手出してくださいよ!タオルが風で飛んじゃいますよっ」

ロ狐「ここまできてそんなことを気にするな」

巫女「神様だって気にしてたくせにー!」

ロ狐「とりゃあ!」ビュオッ

巫女「おお!さすが神様」

ロ狐「どんなもんじゃ!」

べとべとさん「やるなぁ…でもたとえ遠くに飛ばしても君達を追い続けるからね!いつか戻ってくるぞ~」

ロ狐「さあ!今が好機じゃ!」

巫女「はい!」

べとべとさん「それなら…これでどうだ!」ボンッ

巫女「また出したぁ!」

ロ狐「騒ぐな!わしが吹き飛ばす!」

べとべとさん「出来るかなぁ~これ全部を!」ボンッボンッ

巫女「神様!四方八方から来てます!!」

ロ狐「ぬぐぅ…面倒なことを。一気に全部吹きとばすのは無理じゃ!とにかくお主は走れ!少しずつ吹き飛ばしてやるから」

巫女「お願いしますよ!?私はアレが刺さったら死にますからね!?」

ロ狐「わしを信じろ!」

べとべとさん「うへへへ!」

ロ狐「くだらん時間稼ぎなんぞしおって…とりゃ!」ビュオッ

べとべとさん「時間稼ぎねぇ~?それはどうかなぁ…うへへへ」ボンッボンッ

巫女「うわぁ…どんどん出してきますよぉ…」

ロ狐「いくつこようと関係ない!全て吹き飛ばすまで!」ビュオッ

べとべとさん「うへへへ…」

ロ狐「このまま奴の方へ突っ込め!こんなお遊びに付き合ってやる必要は無い。近づいたらわしが奴を潰す」

巫女「えええ!?大丈夫ですか!?どんどん手足出してきますよ!?」

ロ狐「神を信じろ!」

巫女「かっこいい…。分かりました!信じます!」

べとべとさん「怖いなぁ…。でも…大丈夫かい?足元に気をつけた方がいいよ」

巫女「えっ」

ロ狐「…!!どりゃ!」ビュオッ

巫女「っっ!ひぇっ…つ、土の中からも来てたんですか…」

べとべとさん「言っただろう~?どこまでも追いかけるって!」

ロ狐「ふんっ。この程度で自慢げにしおって」

巫女「でも厄介ですよぉ!土の中から急に出てこられたら…。安易に近づけませんよ…」

ロ狐「台風をおこしていいならあの雑魚なんぞ一撃なんじゃが…」

巫女「そんなことしたら神社壊れますよ…ボロボロで今にも崩れそうなんですから」

ロ狐「仕方あるまい。あまり好みではないんじゃがな…ちょっと技を見せるか」

巫女「おおっ?」

ロ狐「おい巫女よ。とりあえず残りの手足も全て吹き飛ばす。走って時間を稼げ」

巫女「は、はい!」ダッ

べとべとさん「何をする気だ~?」

ロ狐「とりゃ!とりゃ!」ビュオッ

巫女「はぁ…はぁ…走り込みしといて良かったかも…」

ロ狐「よーし。すっきりしたのう」

べとべとさん「へへん!全部飛ばしたからなに~?僕の体の中にはまだまだ手足のストックはあるよ~?」

ロ狐「くだらん時間稼ぎの技でいきがりおって」

べとべとさん「逃げ回ってるくせによく言うよ~」

ロ狐「言っておくがな?神社や周りの住宅のことを考えて力をおさえておるんじゃぞ?あと巫女が臆病じゃから近づけんだけじゃ」

巫女「私が悪いんですか!?」

ロ狐「ふんっ。よーく見ておれ。力の使い方をな」グッ

べとべとさん「うーん?」

ロ狐「ほーーれ。戻ってきたぞ。わしが吹き飛ばした手足がな」

巫女「えっっ!それってマズイんじゃ!?私たちを追ってきてるんですよね!?」

ロ狐「さぁ。それはどうじゃろうな」

べとべとさん「んん…あ、あれ…なんか僕の方に来てないか!?」

べとべとさん「な、何でこっちに!?と、とりあえず避難だ!」ダッ

巫女「あ、あれ?なんで妖怪を追ってるんでしょう…」

ロ狐「追っているわけではない。わしが操作しておるんじゃ」

巫女「えっ?」

ロ狐「昼間にお主に見せてやったろう?あれじゃ」

巫女「あぁー!あれですか!?妖力の紐をからませて操作するっていう…」

ロ狐「それじゃ。風で吹き飛ばした時に絡ませておいた」

巫女「うええ…器用なことを…。でも得意じゃないって言ってませんでした?」

ロ狐「あほう。わしは神じゃぞ。これくらいの事はできる」

巫女「すごい…」

べとべとさん「ひぇっひええ」ダッ

ロ狐「ふははは!さあさあ!二の矢三の矢がくるぞ!必死になって逃げ回るが良いわ!」

べとべとさん「なんで!なんで僕が逃げ回らなきゃいけないんだ!」

ロ狐「少し力を持っていきがっておる妖怪なんてこんなものよ!奴はここから反撃する手段なんぞもっておらん」

巫女「って言うことは…。あとはあの妖怪の体力がつきるまでここから眺めるだけですか」

ロ狐「そうなるな。じゃが時間がもったいない。さっさとケリをつけよう」

巫女「どうやって?」

ロ狐「奴が自慢げに見せてきたあれを真似してやろう」

べとべとさん「はぁ…はぁ…!」

ロ狐「おい!モブ妖怪!足元にも気を配った方が良いぞ」

べとべとさん「モブじゃない!僕は……えっ」

ロ狐「ほれ」

べとべとさん「っっうぐっ」グサッ

巫女「うぎゃっ…痛そう…」

ロ狐「さあこれで終わりじゃな。あと何本あったかのう。忘れてしまったが…全部ぶっ刺してやろう」

べとべとさん「ま、待ってくれぇ!!僕の負けだ!!殺さないで!!」

ロ狐「人を何人殺した?自分が殺すのは良くて殺されるのは嫌は通じんじゃろ」

べとべとさん「殺してないんだ!!僕は殺してない!!」

ロ狐「おおん?」

巫女「1度…話聞いてみます?」

ロ狐「で、どういう事なんじゃ?」

べとべとさん「は、はい…。えっとですね…。これはその…貰い物なんです」

巫女「急に大人しくなりましたね…」

ロ狐「貰った?」

べとべとさん「はい…えっと、この僕の人をくっつける能力も貰い物でして…この能力をくれたお方に武器として手足も頂いたんです…」

ロ狐「能力を貰ったじゃと…?お主貰い物の能力でいきがっておったのか?小物すぎじゃろ…」

べとべとさん「おっしゃる通りでございます…」

巫女「見るに耐えないかっこ悪さ…」

ロ狐「で、その能力をくれた奴の名は?」

べとべとさん「そ、それは…」

ロ狐「まさか言えんのか?」

べとべとさん「ぐ、ぐぅ…。誰にも言うなと言われておりまして…」

ロ狐「そうか…ではどんな死に方がいい?選ばせてやるぞ」

べとべとさん「ま、待ってください!!殺さないで!!」

ロ狐「次はないぞ。さあ、誰に貰ったのか言え」

べとべとさん「ぐ、ぐぬぬぬ…」

巫女「そ、そんなに怖い人なんですか?」

べとべとさん「はい…。もしかしたら…貴方たちより強いかも…」

ロ狐「…わしより強い?」

べとべとさん「あ、ああ!いえ、そんなことは!え、えっと…」

ロ狐「ほう…」

ロ狐「そうか…。分かった。もうよい」

べとべとさん「えっ…」

ロ狐「わしより強いなら、いずれその名を聞くこともあるじゃろう。お主が喋るのを待つことも無い」

巫女「神様が…珍しく優しい!」

ロ狐「勘違いするな!わしはさっさと寝たいだけじゃ!」

巫女(ツンデレー!)

ロ狐「さて、巫女よ。こいつをどうする?」

巫女「そうですね…いつも通り…箒で吹き飛ばしちゃいますか」

ロ狐「甘っちょろいのう」

巫女「やっぱり殺すのは…なんか気持ちよく寝れそうにないので…」

ロ狐「慣れたら気分がいいものじゃがな。では、やるとするか」

巫女「箒どこでしたっけ」

ロ狐「そういう時にこの技じゃ」ビュンッ

巫女「おぉー!なるほど…離れた場所にあっても持ってこれると…」

ロ狐「ではモブ妖怪。覚悟はいいか?」

べとべとさん「えっ…」

ロ狐「わしの力は強いからのう。どこまで飛ぶかは分からんぞ」

べとべとさん「ちょ、ちょっと待って…」

ロ狐「待ってじゃと…?次はないと言ったはずじゃ!どりゃあ!!」ブォンッ

べとべとさん「ぬぐぅはっ…!!」

巫女「うわ…すごい威力…」

ロ狐「はーすっきりした」

ロ狐「おっと…」ストン

巫女「おっっ…とれましたね!!」

ロ狐「一件落着じゃ。ではタオルと下着はわしが借りていく!」ダッ

巫女「えっ…あっ!ちょっ」

ロ狐「お主いつまで裸で外をうろつくつもりじゃー」

巫女「あ゛っっ!!ちょ、ちょっと待ってくださいよー!!」ダッ

ロ狐「やーい露出狂巫女!」

巫女「露出したくてしてる訳じゃないですー!!!」

~次の日~

ロ狐「…はぁぁ」

巫女「……」

ロ狐「…はぁぁぁぁぁぁあ」

巫女「…あ、あのぅ…」

ロ狐「なんじゃー…」

巫女「ど、どうされました…?」

ロ狐「……行かなければならんのじゃ」

巫女「ど、どちらへ?」

ロ狐「集会じゃ…」

巫女「集会…?」

ロ狐「明日集会があるんじゃ…」

巫女「な、なんの?」

ロ狐「言っておらんかったな。月に1回な…神の集会があるんじゃよ」

巫女「か、神の集会!?めちゃくちゃ縁起良さそうですね」

ロ狐「あんなもんクソじゃクソ!大嫌いじゃ!」

巫女「神様の集会をクソって…」

ロ狐「集会だなんだと言って…結局やっておることは自分の神社の自慢大会じゃよ」

巫女「自慢大会ですか…」

ロ狐「今月の参拝者が何人来ただとか…お賽銭をいくら貰っただとか…つまらん話じゃ」

巫女「あー…。なるほど。確かに…この神社は参拝者全く来ませんもんね…」

ロ狐「なぜ来んのじゃ!わしはこんなに頑張っておるのに!」

巫女「だって皆神様が頑張ってる姿見てないですし…。って言うか、今更ですけど神様の姿って皆に見えるんですか?」

ロ狐「見えん。妖力がそれなりにあるやつには見えるだろうがな」

巫女「なるほど…。じゃあやっぱり皆は神様が頑張ってる姿見えないですししょうがないですよ」

ロ狐「あーー行きたくない…」

巫女「なんか…神様も大変なんですね」

ロ狐「他人事だと思って…。おい巫女、さっさと外を走ってこい!200周じゃ!」

巫女「昨日より増えてる!なんか私に八つ当たりしてません!?」

ロ狐「しておる!!!」

巫女「正直だっ!!」

期待していただいているようなので頑張って更新していきます~

巫女「はぁ…はぁ…」

巫女「当たり前のように走り込みして…部活動みたい…。とても巫女とは思えないなぁ」

巫女「そろそろ神社掃除した方がいいと思うんだけど…」

巫女「にしてもあの神様があそこまで嫌がるなんて…集会ってそんなに嫌なのかな」

巫女「他の神様ってどんな感じなんだろ」

巫女「たまには他の神社に行って様子とか見てくるべきなのかな…」

~次の日~

ロ狐「……」

犬神「おうおうどうした狐。ぶすーっとして。月に1度こうして皆で顔を合わせて、楽しく酒を飲もうという会なんじゃ。もう少し楽しそうにせんか」

ロ狐「お前らと飲んでもつまらん」

犬神「そんな悲しいことを言うな。わしはお前と飲めるのを楽しみにしておったんじゃぞ~?さあさあ、注いでやるから」

ロ狐「いらんわ!おい犬!くだらん話はいい。さっさと始めろ。わしは帰って寝たいんじゃ」

犬神「おお怖い怖い。では、始めるとするかのう」

犬神「で、どうじゃった?今月は。わしの所はいつも通りじゃ!何人来たかは分からんが…1000人は超えておったかのう」

猿神「さすが犬神さんだ!」

ロ狐「……」

犬神「おい猿、お前のとこはどうじゃ」

猿神「はい!あっしのところは100人ほど!犬神さんには全然かなわねぇやぁ~」

ロ狐「……」

犬神「はっはっは。いやいや、良い調子ではないか」

猿神「はぃ~!少しずつですが参拝者は増えております!」

犬神「猫!お前のところは?」

猫神「はい!60人です!」

犬神「うむうむ。いつも通りじゃな」

猫神「はい!来月はもっと来て貰えるように!私!!頑張ります!!!」

犬神「うむうむ。精進せい。では狼、お前のところはどうじゃ」

狼神「…ボクのところは100人くらいかな」

犬神「うーむ少し減ったか?」

狼神「おじいさんが足を痛めてね。山の上にあるボクの神社へは来たくても来れないと言っていたよ」

犬神「痛めたといっても1人じゃろ」

狼神「よく来てくれるおじいさんなんだ」

犬神「とは言っても1人は1人じゃ。来月はもっと参拝者が増えるように頑張るんじゃぞ」

狼神「…ああ」

犬神「で、じゃ」

ロ狐「……」

犬神「おい狐よ。お前の所はどうなんじゃ?」

ロ狐「………」

ロ狐「…1人…来ておった気がする…」

犬神「ぷっ…くくく…。ひ、1人…か…」

猿神「くっ…ふふふ」

猫神「少ないですね!!!!」

ロ狐「うるさい!!」

犬神「し、しかも…来ておった気がすると言ったか?もしかしたら見間違いの可能性もあると?」

ロ狐「ぐ、ぐぬぬぬ…ひ、1人は確実に来ておったわ!」

犬神「そ、そうかっ…。いや待て、そう言えばお前…最近巫女を雇ったそうじゃな」

ロ狐「そ、それがどうした」

犬神「まさかその巫女を1人として数えておらんじゃろうなぁ?」

ロ狐「ま、まさか!そんなことあるか!」

犬神「巫女として雇う前に参拝に来ておった…などという屁理屈はこねるなよ?」

ロ狐「うっ…」

犬神「お前その顔は…ぷっ…はははは!図星か!!」

猿神「あっははははは!ってことは0じゃないですか!」

猫神「少ないって言うか!!!いないんですね!!!それは酷い!!!」

犬神「おいおい!0はさすがに酷いんじゃないか狐よ!」

ロ狐「わしは頑張っておるのに周りの人間共がそれを分かっておらんのじゃ!」

犬神「お前が頑張っているのは妖怪退治じゃろう。もっと神としての仕事をした方がいいんじゃないのか?」

ロ狐「妖怪の相手をするのも立派な神の仕事じゃ!お前らも巫女を雇う前はやっておったじゃろ!」

犬神「いつまでそんな事をしているつもりなんじゃ?さっさとわしらと同じところまで上がってこい」

ロ狐「なんじゃ!わしが下でお前らが上とでも言いたいのか!」

犬神「そうは言っておらん。じゃがな…数として出ておるじゃろ。その神社の価値、神の価値がな」

ロ狐「参拝者の数が神の価値じゃと?訳の分からんことを」

犬神「狐よ。数なんじゃよ。わしらに言いたいことがあるのなら、数をだして実績を残してから言うんじゃな。そうでなければ…まるで響かん」

ロ狐「ぐうぅぅ…これじゃからお前らと話すのも酒を飲むのも嫌なんじゃ」

犬神「相変わらずの脳筋じゃな~。神という立場はな、頭を使う必要があるんじゃ。お主もそろそろ力ではなく頭の使い方を学べ」

猿神「頭が弱い狐さんに学べだなんて!そいつぁ酷な話ですよ犬神さんっ!」

犬神「おいおい!お前さすがにそれは言い過ぎじゃっ!はっはっは!!」

猿神「おっと!こいつぁ!失礼しやした!しつけのなってねぇあっしの口がつい!機嫌を悪くしないでくだせぇ!狐さん!」

ロ狐「こんのぉ…舐め腐りおって…」

犬神「そんな調子で巫女の給料は出せるのか?」

ロ狐「……給…料」

犬神「おい…まさか給料の事を忘れておったのか?」

ロ狐「そ、そそ!そんなことあるか!とりあえず…貯金から今月は出してやる予定じゃ!」

犬神「ほーーん…。まあ、わしには関係ないからどうでも良いが」

ロ狐(忘れておったぁぁあ!!貯金今いくらあったかのう…。というかあいつの給料はいくら出せばいいんじゃ…求人票にいくらと書いたかのう…)

犬神「で、せっかくじゃ。どんな巫女を雇ったのか教えてくれ」

ロ狐「どうでもいいと言っておきながら…」

犬神「よいではないか。初の巫女なんじゃろう?お前も話したいんじゃないのか?」

ロ狐「ふっ…。まあ良いわ。話してやろう。あいつはな…最強じゃ!まあ今はまだ弱いがかなりの素質がある!お前のところの巫女なんぞ敵ではないな!」

犬神「ふははは!お前と似て脳筋巫女か!」

ロ狐「ふっ!言っておれ!!家系だ家柄だとくだらん事ばかり気にしている小綺麗な巫女なんぞわしはいらん!強ければそれでよしじゃ!」

犬神「そうかそうか。お前好みのやつが見つかってよかったな」

ロ狐「信じておらんな?わしの巫女の強さを」

犬神「巫女は経験者なのか?」

ロ狐「…いや、うちが初めてじゃが…」

犬神「ふっ…それで最強じゃと?何をもって言っておるんじゃ?」

ロ狐「感じるんじゃ!素質をな!」

犬神「ふはははは!!感じる?感じるじゃとっ!あっははは」

猿神「か、感じるっ…うはははは!」

猫神「狐さん!!そういうの!!!社会じゃ通用しませんよ!!!」

ロ狐「ぐ、ぐうううう」

犬神「そうかそうか!!感じるか!!強い気がするから強いんですと…そういうことかっ!」

ロ狐「ぐ、ぐぬぬぬ!!ええええい!しゃらくさい!!ならばその目で見ればよい!!おい犬神!!お前のところの巫女と勝負させろ!」

犬神「……はぁ?」

ロ狐「殴りあって、わしの巫女が勝てば最強である事を認めるしかなくなるじゃろ!」

犬神「脳筋が過ぎるぞ…」

ロ狐「ごちゃごちゃ言うな!!まさか逃げる気ではあるまいな!?」

犬神「安い挑発…。お前はチンピラか。誰がやるかそんなこと。場がしらけるようなことを言うな」

狼神「…いいんじゃないかな。やってみても」

犬神「……なに?」

狼神「皆証拠が欲しいんだろ?コン…いや、狐神の巫女君が強いという証拠が」

狼神「確かに安直ではあるけど、間違ってはいないし、なにより分かりやすい。何年も修行を積んで巫女になった犬神の巫女君を、狐神の巫女君が倒せば…なるほど確かに素質ありだ。皆もそれを目にしたら認めざるを得ない」

猿神「…まあ確かに…そうですねぇ…」

犬神「おい猿!!」

猿神「し、失礼しやした…」

狼神「皆あれだけ馬鹿にしたんだ…。言うだけ言って勝負は受けませんなんてかっこ悪くないかい」

犬神「ぐ、ぐぅ…」

ロ狐「そうじゃそうじゃ!!かっこ悪いぞ犬神!!お前は口だけは達者で度胸がないチンピラ以下の神じゃなぁ!」

犬神「な、なんじゃと…」

ロ狐「負けるのが怖いんじゃろう?負けて猿や猫に馬鹿にされるのが怖いんじゃろう?」

犬神「……」

ロ狐「おい見ろ!猿!猫!お前らが尊敬する犬神様は口だけじゃ!勝負する度胸もない肝っ玉の小さい雑魚神じゃ!」

犬神「…分かった」

ロ狐「ああん?」

犬神「分かった…。良いじゃろう。うちの巫女と勝負させてやる。だがしかし…条件がある」

ロ狐「ほほう。なんじゃ」

犬神「もしうちの巫女が勝ったら…わしの神社で裸踊りをしろ!!狐!!」

ロ狐「な、なんじゃと!?」

犬神「最強なんじゃろ!?お前のところの巫女は!なら負ける心配などする必要はないはずじゃ!どうじゃ!この条件はのめるか!」

ロ狐「よ、良かろう!!!裸踊りでもなんでもしてやる!!ならうちの巫女が勝ったら!!!お前は尻にきゅうりを刺して全裸土下座しろ!!」

犬神「なぜお前まで条件を出してくる!?」

ロ狐「わしとわしの巫女を愚弄したことに対しての謝罪が必要じゃろ!!なんじゃ!もしかしたら負けるかもしれない等と思っておるのか?」

犬神「そ、そんな訳あるまい!!良いじゃろう!全裸土下座でもなんでもしてやる!!!」

猿神(あーあー…熱くなっちゃって…)

猫神「おしりに刺すのは!!きゅうりじゃなくて!!マタタビの木方がいいかと!!!!」

狼神「…面白くなってきたね」

ロ狐「という事で勝負することになった。負けは許されんからな」

巫女「いや唐突すぎます!!!」

ロ狐「なんじゃ、もう一度説明してやろうか?」

巫女「いやいやいや!意地の張り合いで勝負することになったのは分かったんですよ!」

ロ狐「なら何が分からんのじゃ」

巫女「え!巫女どうしで戦うんですか!?いいんですかそんなの!?」

ロ狐「神が許しておるんじゃ。なんの問題がある」

巫女「いやまあ!そうですけど!あーーもうなんか!何でもかんでも神が許しているって言うのずるい!何も言えなくなる!」

ロ狐「勝負は1週間後じゃ!今日から更に修行を厳しくするから覚悟せい!」

巫女「ええぇー!!っていうか!神様同士のいざこざは神様同士で勝負して決着つけてくださいよ!」

ロ狐「それが出来るならとっくにしておるわ。神同士はな、絶対に争ってはならんという決まり事があるんじゃ。面倒じゃがな」

巫女「そ、そうなんですか?」

ロ狐「強力な力を持っておるからな。力の加減を間違えればこの街事消し飛ばしてしまうかもしれん。じゃから直接の争いは禁じられておるのじゃ」

巫女「なるほど…だから代理で巫女を争わせると…」

ロ狐「まあそういう事じゃ」

巫女「そんなぁ…」

ロ狐「なんじゃ、お主まさか自信が無いのか」

巫女「ないですよ!そりゃ!だって相手は何年も修行をつんでるんでしょう!?私なんかまだ1ヶ月も修行してないんですよ!?」

ロ狐「安心せい!!勝機はある!!」

ロ狐「まず、相手は巫女としての素質がない」

巫女「えっ…どういう事です?」

ロ狐「今回勝負する相手はな、確かに修行はつんではおるが巫女になったのはつい最近じゃ。三姉妹の一番下で、どうやら一番巫女としての素質がなく出来損ないと言われているらしい」

巫女「ほええ…なんかかわいそう…」

ロ狐「次に、やつらは対人戦の経験が全くない!!」

巫女「ほう…」

ロ狐「妖怪相手に小綺麗な戦い方ばかりしておる奴らにお前が負けるはずが無い!」

巫女「ま、まあ確かに…私たちは綺麗な戦い方はしてませんよね…」

ロ狐「狙うは目突き、金的!あと浣腸!対人戦に慣れていない奴らには有効じゃ!」

巫女「神様…私もっとクリーンに戦いたいです…」

ロ狐「はぁ!?クリーンじゃと??お前!普通に巫女の技術で勝てるわけないじゃろ!!相手の方が格上なのは確実じゃ!」

巫女「そ、そうですけどぉ!相手は妖怪じゃなくて人ですよ!そういうのはちょっと…」

ロ狐「目は怪我しない程度に突けば大丈夫じゃ!!股間は相手も女じゃし多少強く蹴っても大丈夫!浣腸も奥までやり過ぎなければ…多分大丈夫じゃ!」

巫女「全然大丈夫じゃないと思います!!って言うか、もしかしたらそういうのルールで禁止されてるかもしれませんよ?」

ロ狐「るー…る?」

巫女「だって、相手はお堅いところの人なんでしょう?それなら勝負の時にルールをがあってもおかしくないですよ」

ロ狐「……ぐ、ぐぬぬぬ…一理ある」

巫女「だから!もっとクリーンな…巫女らしい戦い方の修行をしましょう!」

ロ狐「ぐ、ぐう…だがしかし、その勝負となれば…お前の勝機は無いに等しいぞ…」

巫女「うぅ…ですよね…」

ロ狐「よし分かった…」

巫女「何か策が!?」

ロ狐「敵の服を脱がせる技の練習というのはどうじゃ」

巫女「何も分かってない!!」

ロ狐「なぜじゃ!服をぬがせたらきっと戦いに集中できなくなるぞ!」

巫女「確かにそうかもしれませんけど!!」

ロ狐「きっと服を脱がせてはいけないというルールまでは考えていないはず!」

巫女「そういう相手を辱めるやつじゃないやつで!!」

ロ狐「ぐぬぅ…分かった。だが絶対に勝てよ!?クリーンに戦ったから負けましたはなしじゃからな!?」

巫女「はいっ…!」

ロ狐「今からやれる事があるとすれば…。お前が持つ妖力をしっかり使えるようにするくらいじゃな…」

巫女「というと…」

ロ狐「…神社ではダメじゃ。場所を変えるぞ」

巫女「はい!」

~海沿い~

巫女「だいぶ遠くまで来ましたね…」

ロ狐「とは言ってもまあ、妖力を使って走ればすぐ来れる距離じゃがな」

巫女「ここで何を…?」

ロ狐「風の威力をできるところまで高めるぞ」

巫女「おお…」

ロ狐「見ておれ…竜巻をおこしてやる」

ロ狐「おらっ!!」ブォン

巫女「っっ!!!な、なんですかこれ!すごい風っ」

ロ狐「まだ本気ではないがな。それなりに妖力を使えば竜巻だって出せる」

巫女「ひぇっ…」

ロ狐「この竜巻の中に鋭利な刃物が舞っていることを想像しろ…」

巫女「えっ」

ロ狐「これがわしの奥義の一つ…鎌鼬(かまいたち)じゃ!」ブォン

巫女「っっ!な、なんかさっきと違う…周りのものを切り裂きながら竜巻が動いてる…」

ロ狐「どうじゃ。これを完璧ではなくとも身につけることが出来れば…勝てる可能性が出てくる」

巫女「こ、こんなすごいの…出来るかな…」

ロ狐「できるできないでは無い。やるしかないんじゃ」

巫女「は、はいっ!」

ロ狐「何度も言っておるが、お前が持っているその妖力は凄まじい量じゃ。修行をすればそれなりに貯めこめる量も増えるが…生まれ持っての素質には敵わない」

ロ狐「つまり何が言いたいかと言うと…短期間の修行で勝てるようになるには…ゴリ押しで勝てるようにパワーを鍛えようということじゃな」

巫女「力こそパワーという事ですね…!!」

ロ狐「だが単純ではない!!お前の持つ妖力を引き出し…技として使うには技術も要する。今日からこの海辺で地獄の修行じゃ!!」

巫女「は、はい!なんだか久々にまともな修行な気がします!頑張ります!」

ロ狐「ではまずは竜巻を起こせるようになるまでひたすら風をおこせ!お主の妖力が枯渇するまでやめてはならんぞ!」

巫女「は、はい!!」

巫女「よぉし…竜巻のイメージ…竜巻のイメージ…」

ロ狐「遠慮はいらん。今出せる妖力を全て込めて放て」

巫女「はいっ!」

巫女「どりゃあ!!」ビュワ

ロ狐「それなりに風は出たが…竜巻には程遠いな…」

巫女「ぐぬぬぬ…。でも確かに…私こういうパワーでごり押す感じの技の方が向いてるのを感じました。悔しいですけど…」

ロ狐「ほう。分かってきたな」

巫女「よーし!もう1回だ!!」

~数時間後~

巫女「はぁ…はぁ…竜巻のイメージ…」

ロ狐(まだ妖力が残っておるか…。やはり素質は間違いなくある。この力さえ活かせれば勝てる見込みはあるはずじゃ…)

巫女「うりゃぁぁあ!!」ビュオン

ロ狐「ほう…。ここにきて威力が上がったか。妖力のコントロールが上手くなってきたな」

巫女「どうですか…!はぁ…。はぁぁー…もう限界…」

ロ狐「ふむ…。まあ良いじゃろう。コツを掴んだな。少し休憩にしよう」

巫女「やったー」

ロ狐「お主ちゃんと菓子は携帯しておるか?」

巫女「一応!クッキーとかなら」

ロ狐「うむ。そういうとこはしっかりしておるの」

巫女「そういうとこって!全体的にしっかりしてますよ!私遅刻だってした事ないじゃないですか」

ロ狐「まあ言われてみればそうか」

巫女「はぁー。すごく疲れました…。でも、なんか…今までで1番やりがいがあって楽しい仕事だなーって思います」

ロ狐「まあやりがいは間違いなくあるじゃろうな」

巫女「ですねぇ~。あーお給料日楽しみだな~」

ロ狐「っっ!」

巫女「頑張って働いて稼ぐ!稼いだお金で美味しいものを食べる!生きてるって感じしますね!」

ロ狐「う、う、うむ」

巫女「時給2000円っていう求人票をみた時は、ほんとに貰えるの!?って思いましたけど、命がけの妖怪退治ですもんね~。それくらい貰えますよね!」

ロ狐「2000円!?!?」

巫女「えっ?」

ロ狐「あ、いやなんでもないぞ…」

巫女「…そういえば私全然休んでないなぁ。一日だけ二日酔いで休みもらいましたけど…。まあ楽しいからいいんですけどね!それにお給料増えますし!」

ロ狐「……」

巫女「私疲れるのはいいんです。人間関係で精神すり減らすのが一番苦手で…」

ロ狐「なあ巫女…」

巫女「はい?」

ロ狐「疲れておらんか?肩、揉むぞ」モミモミ

巫女「え゛っ!?ど、どうしたんですか!?」

ロ狐「いや…こう、思い返してみたら…お前には少し無理をさせたなぁと…」

巫女「な、なんですか急に!?」

ロ狐「あーーお前肩がめちゃくちゃこっておるではないかーー。一週間後の勝負が終わったら二日間くらい休め休め」モミモミ

巫女「えっえっ!?なんですか!?ま、まあお休み貰えるなら…休みますけど…」

ロ狐(時給2000円じゃと!?そんな額で募集したのかわしは…この巫女一日何時間働いておった!?下手したら朝から深夜まで神社におったぞ…多少ちょろまかしてもばれんか…?)

巫女「二日間のお休みかぁ。どこか行こうかなぁ…。それとも家でのんびりしようかなぁ」

ロ狐「そういえばお主家では何をしておるんじゃ」

巫女「家ですか。基本ゲームか寝るかですね…」

ロ狐「………」

巫女「なんですかその『こいつ女として終わってるな』って目は!?」

ロ狐「まあ…良いと思うぞ…。人それぞれじゃしな…」

巫女「絶対良いと思ってないですよね!?言っておきますけどね!私お菓子作ったりもするんですよ!?このクッキーだって手作りですから!!」

ロ狐「ほぉ。なんじゃ、料理もできるのか」

巫女「できますよ!!食べてみてください!美味しいですから!」

ロ狐「………」

巫女「なんですかそのめちゃくちゃ微妙な顔は!!美味しいですよ!ほら!食べて!」

ロ狐「分かった分かった…。仕方ない。食ってやるわ」

ロ狐「……」モグモグ

巫女「どうですか!」

ロ狐「…まあ、あれじゃな…。美味い…」

巫女「ほらね!!美味しいでしょう!!」

ロ狐「ぐぬ…悔しいが美味いではないか…」

巫女「悔しいってなんですか!」

巫女「神様は料理とかするんですか?」

ロ狐「わしはせんなぁ…」

巫女「………」

ロ狐「おいなんじゃその『神様の方が実は女として終わってるんじゃないか?』という目は!」

巫女「神様…神社ではいつも何をしてるんですか」

ロ狐「戦うか寝るか食べるか…」

巫女「いつの時代の人ですか…」

ロ狐「いいんじゃ!!神はそういうもんなんじゃ!」

巫女「私がイメージしてた神とはかけ離れてますね…」

ロ狐「人間のイメージする神なんて知らんわ。妖怪を殴り倒して飯食って布団で寝るのが神じゃ」

巫女(そうなのかなぁ…)

ロ狐「さあ、そろそろ修行再開じゃ」

巫女「はーい。頑張ります!」

~夜~

巫女「うううー…もうダメ…」

ロ狐「ふむ…。まあ一日二日では無理じゃろうからな。とりあえず今日は終わりにするか」

巫女「はーーい…」

ロ狐「明日もここで修行じゃからな」

巫女「はぃ~」

~二日後~

巫女「どりゃあ!!」ビュオン

ロ狐「……」

巫女「はぁ…はぁ…」

ロ狐「確実に強くなっておるが…」

巫女「竜巻には遠いですね…」

ロ狐「うーむ」

巫女「大丈夫ですかね…。もう今日で三日目ですよね…」

ロ狐「……」

巫女「このままだと…やばいかも…」

ロ狐「人体の急所を狙う修行に切り替えるという手もあるぞ」

巫女「い、いや私頑張ります!なんとかしてみせます!」

ロ狐「頑なじゃの…」

巫女「巫女としてクリーンに勝ちますから!!」

ロ狐「変なことにこだわりおって」

巫女「ほら、スポーツでもクリーンな戦いの方がカッコイイじゃないですか!」

ロ狐「妖怪退治はスポーツではないんじゃぞ」

巫女「今回は妖怪との勝負ではないのでっ!」

ロ狐「はぁ…。まあ、お主の言った通りルールがある可能性があるからの…今回は良いが」

×二日後
〇一日後

ロ狐「お主、回転の意識が足りておらんのではないか」

巫女「回転の意識…」

ロ狐「風の威力はそれなりに上がってきた。だが完全に物を遠くに吹き飛ばす風じゃ。巻き込むような風ではない」

巫女「なるほど…。分かりました!分かりましたよ神様!」

ロ狐「なんじゃ」?

巫女「今の私が竜巻を出す方法…それは!私自身が回転して風をおこす!」

ロ狐「はぁ?」

巫女「うおりゃぁぁぁあ」グルグルグルグル

ロ狐「そんな方法で…」

巫女「どりゃあ!!」ブォン

ロ狐「…おぉ!」

巫女「竜巻…!っぽいのが出ましたね…」

ロ狐「ああ…ほんのり竜巻を感じるものが出たな…」

巫女「これいけそうじゃないですか!?」

ロ狐「可能性が出てきたのう!よ、よし!もう一回じゃ!」

巫女「はい!!」

巫女「うりゃぁぁあ!」グルグルグルグル

巫女「どりゃあ!!」ブォン

ロ狐「うむ…回転の意識が出来てきたか」

巫女「まあ…私自身が回転してますからね!」

ロ狐「よし、この練習を続けるぞ!」

巫女「はいっ!でもこれ…目が回って気分悪いです…」

ロ狐「うむむむ…軟弱な三半規管じゃな…」

巫女「あー…気分悪い…」

~数時間後~

巫女「はぁ…ふぅ…」

ロ狐「うーーーむ…思ったより進捗は良くないのぅ」

巫女「疲れるし目が回るし気分悪いし…回転するのいいアイデアだと思ったんだけどなぁ…」

ロ狐「悪くはなかったがのぅ…」

巫女「何が足りないんだろう…」

ロ狐「うーーむ。なんとか今日中にもう少し進めたかったが…これ以上は明日に響くな…。今日は終わりじゃ。また明日にしよう」

巫女「はぃぃ…このままここで寝れちゃうくらい疲れました…」

ロ狐「ほんとに寝るでないぞ?風邪をひかれては困るからのう」

巫女「頑張って家まで帰ります…」

ロ狐(足りないもの…。神社に帰ってから考えてみるとするか…)

~次の日~

ロ狐「巫女よ!!わしが一つ良い案を考えてきたぞ!」

巫女「おぉ!良い案とは?なんでしょう?」

ロ狐「これじゃ!!」

巫女「…それは…箒?武器として頂いたやつですよね」

ロ狐「そうじゃ!とりあえずこいつを持って、回転して投げてみろ」

巫女「は、はい」

巫女「うおおおお」グルグルグルグル

巫女「とりゃ!」ブン

ロ狐「うむ。どうじゃ、回転してとんでいったじゃろ?」

巫女「はい」

ロ狐「あのイメージじゃ!あんな風に風もグルグル回ってとんでいくのをイメージするんじゃ」

巫女「なるほど…!イメージしやすくなりました!」

ロ狐「ほれ、次は妖力を使って箒をぶん回すのじゃ!飛ばした箒はわしが回収してやる」パシッ

巫女「ありがとうございます!私も早く武器回収できる力身につけないと…」

巫女「よーし今日こそいけそうなきがする!」

巫女「うおぉぉ」グルグル

巫女「おりゃぁ!!」ブォン

ロ狐「おぉ!!よい!よいぞ!かなり良くなった!」

巫女「やった!!なんとかカタチに出来そうですね!」

ロ狐「うむ!勝機が見えてきたぞ」パシッ

巫女「もっかいいきます!」

ロ狐「よし!」

~数時間後~

巫女「おりゃあ!!」ブォン

ロ狐「よしっ!!合格ラインじゃ!」

巫女「やったー!!」

ロ狐「次は箒なしで合格ラインを目指すぞ…!」

巫女「はいっ!」

巫女「いくぞぉ…」グルグルグルグル

巫女「どりゃ!」ブォン

ロ狐「う、うむ…。まあいきなりは無理じゃな…」

巫女「で、ですよね…」

ロ狐「よし、とりあえず休憩にしよう。妖力を回復してからにしよう」

巫女「はーい!」

ロ狐「では、いつものをよこすのじゃ」

巫女「はいはい」スッ

ロ狐「うむ!」

巫女「すっかり私のクッキーにハマっちゃいましたね~」

ロ狐「お主料理が特技ならそう履歴書に書けば良いのに」

巫女「なんか特技って言われると…そこまで得意では…ってなるんですよね」

ロ狐「だからと言って特技に頑張ることはないじゃろ」

巫女「だってそれしかないんですもん…」

ロ狐「お主よく他の仕事に着けたな…。うちは妖力させあれば雇うが他はそうはいかんじゃろ。なんじゃっけ、前は接客やっておったんじゃろ」

巫女「人が足りないからってことで…とりあえず雇って貰えました」

ロ狐「なるほどのぅ」

巫女「今度から料理って書こうかなぁ」

ロ狐「なあなあ。次は夕飯も作ってくれんか」

巫女「えぇー!神様自分で作ったりしないんですか」

ロ狐「料理なんてまともにした事ない」

巫女「よく生きてこれましたね…。夕飯かぁ…」

ロ狐「うちで夕飯を作って、一緒に食べて帰れば良いでは無いか」

巫女「うーーん…でもなぁ。食べてお風呂行って寝るっていうのが流れになってますからねぇ。作って食べてそこから家まで帰るの面倒なんですよねぇ…」

ロ狐(もう一押しか…)

ロ狐「簡単なやつで良いから!」

巫女「簡単って言っても」

ロ狐「お姉ちゃん」

巫女「えっ」

ロ狐「お姉ちゃん!夕飯作って欲しいのじゃ!」ギュッ

巫女「えっ…。えへへへ…。し、仕方ないですねぇ~。妹の頼みとあれば…作るしかないかぁ~♪」

ロ狐(ふっ…ちょろいやつじゃ)

巫女「でも神様も料理できた方がいいですよ」

ロ狐「料理なんて面倒じゃ」

巫女「彼氏出来た時に全く料理出来ないと困りますよ」

ロ狐「ぐぬっ…。ご飯はなにも女が作らねばならんものでは無いだろう!」

巫女「作らなくてもいいですけど…。『お前の作ってくれるご飯、とっても美味しい』って言って貰えませんよ」

ロ狐「なんじゃそれは。別に言ってもらう必要なんてない」

巫女「想像してみてくださいよ。神様に素敵な彼氏が出来て…」

ロ狐「む、むぅ…」

巫女「神様がお弁当を作ってあげて」

ロ狐「なんで弁当をわしが作ってやらねばならんのじゃ…」

巫女「いいからいいから!そのお弁当を彼氏が食べて『ありがとう。とっても美味しいよ。愛してる』って言ってくれるわけですよ」

ロ狐「……///」

巫女「どうですか!?嬉しいでしょう!?」

ロ狐「ま、まあ…」

巫女「という訳で神様も料理覚えましょう!」

ロ狐「ぐ、ぐぬぬぬ…仕方ないのう…そこまで言うならやってやる」

巫女(ちょろいなぁ)

巫女「簡単なカレーから始めましょう」

ロ狐「わ、わかった。今日は帰りに材料を買って帰るか」

巫女「カレーの材料って何買えばいいか分かります?」

ロ狐「それくらいわかるわ!肉、人参、じゃがいも、玉ねぎじゃろ!」

巫女「おぉー」

ロ狐「しかしあのドロっとした茶色い液体はどうやって作るんじゃ」

巫女「えっ!」

ロ狐「な、なんじゃ」

巫女「カレールーをご存知でない?」

ロ狐「おいその言い方やめろ!すごくバカにされておる感じがする!」

巫女「まさかルーを知らなかったとは…」

ロ狐「る、ルーとはなんじゃ!」

巫女「何って言われると困りますね…。まあ四角いやつで…とにかくそれを水に溶かせばカレーが出来るんですよ」

ロ狐「そうなのか!?なるほどそれは簡単で良いな!」

巫女「はい!カレーさえ作れればシチューとか鍋も作れるようになりますよ」

ロ狐「おお!なんじゃ!料理とは簡単なもんなんじゃな!」

巫女(まあカレー作れるからって料理できます!とはあまり大きな声では言えないけど…)

ロ狐「少し楽しみになったぞ」

巫女「それは良かったです!」

ロ狐「よし、ではそろそろ休憩終わりじゃ!修行を再開するぞ」

巫女「はーい!」

~数時間後~

巫女「はぁー…。ひぃー…」

ロ狐「むう。一応ギリギリ合格点と言ったところか」

巫女「やっぱり普通に出すのは難しいですね…」

ロ狐「まあこの技自体、1週間で身につけるようなものではないからな」

巫女「えっ。じゃあ1週間もたたずに合格ラインまできた私はかなり天才…?」

ロ狐「まあ素質はあるな」

巫女「いやぁ~。人間ホントにどこで才能が開花するか分からないものですね~」

ロ狐「浮かれおって…」

ロ狐「言っておくが本番はここからじゃぞ。次はあの竜巻にものを切り裂く力を付加せねばならん」

巫女「任せてくださいよ!」

ロ狐「今日、明日、明後日で習得せねばならんのじゃ。気合い入れるんじゃぞ」

巫女「はいっ!」

ロ狐「もう一度見せてやる。こうやるんじゃっ」ビュオン

巫女「おぉ…」

ロ狐「さあ、やってみるがよい」

巫女「よし…。切り裂く風…」

巫女「うおおお」グルグルグルグル

ロ狐(出来れば回らずに出せるようにしたかったが…時間が足りんな…)

巫女「おりゃあ!!」ブォン

ロ狐「まあ…そう簡単にはいかぬ」

巫女「はぃ…」

ロ狐「夜も遅い。今日は帰るぞ」

巫女「はーい!料理ですね料理!」

ロ狐「やけに楽しそうじゃな…」

巫女「妹と料理なんて夢だったんですよ~」

ロ狐「妹ではないが…ま、まあ良いわ」

~神社~

巫女「さあ!お姉ちゃんと一緒に料理を学びましょうね!」

ロ狐「妹扱いするでない…」

巫女「とりあえず野菜の皮をむいたり、切っちゃいましょう!」

ロ狐「ほほぉ」

巫女「はい、人参とピーラーを持って」

ロ狐「うむ」

巫女「こんな風にやるんです」シュー

ロ狐「こうか」シュー

巫女「そうですそうです!」

ロ狐「ほほぉ…」

巫女「むけたら、次は切りましょう」

ロ狐「うむ」

巫女「ま、待って!!」

ロ狐「なんじゃ?」

巫女「包丁を高く振り上げるのはやめてください…」

ロ狐「なんでじゃ?切り刻むんじゃろ?」

巫女「野菜をきざむのにそんな勢いでやる必要ないので!」

ロ狐「むう。そうか…」

巫女「左手をこんな風に添えて…」

ロ狐「ほう」

巫女「こうやって切っていけばいいんですよ」トントン

ロ狐「なるほどな…」

~数分後~

巫女「で、ここでルーを投入するんです」

ロ狐「これがルーか!!」

巫女「そうですよー」

ロ狐「なーるほどな。カレーの正体はこいつじゃったか」

巫女「正体って…」

ロ狐「なんじゃカレーとは簡単なんじゃなあ」

巫女「はい!簡単に出来るんですよ。だから神様もまた作ってみてください」

ロ狐「うむ。これなら手間もかからんし作ってやっても良い」

~数分後~

巫女「はい!完成です!食べましょう!」

ロ狐「うむ!」

巫女「きっと自分で作ったカレーはいつもより美味しいですよ」

ロ狐「そうかぁ?変わらんと思うが」

巫女「もー反抗期の妹ですねぇ」

ロ狐「妹ではないと言っておるじゃろ!」

巫女「はい、どうぞ~」

ロ狐「いい香りじゃ…」

巫女「ですねぇ~。では、いただきます」

ロ狐「どれどれ…」モグモグ

巫女「どうですか?」

ロ狐「美味い!」

巫女「やっぱり自分で作ると美味しいでしょう?」

ロ狐「まあ確かに、この神であるわしが作った訳じゃしな!美味くなるのは当然じゃな!」

巫女「あ、あはは…。でも神が作ったカレーって言われると…なんか神々しいですね…。私が作ったものよりよっぽど価値がありそう…」

ロ狐「そりゃあな!」

巫女「わーなんか悔しいっ!」

~1時間後~

巫女「……」ウトウト

ロ狐「…眠そうじゃな」

巫女「めっちゃ眠いです…」

ロ狐「…仕方ないのう。今日は泊まっていけ」

巫女「いいですか…?助かります」

ロ狐「そんな状態で帰り道に車に轢かれては困るからな」

巫女「じゃあ…お風呂かりますね」

ロ狐「うむ」

巫女「揉み揉みしますか?」

ロ狐「う、うう…あれはしばらく嫌じゃ!もうくっつきたくない!」

巫女「そうそうくっつけてくる妖怪は出てこないと思いますけど…。とりあえず了解です」

~お風呂~

巫女「…あー…眠い…」

巫女「とりあえず体は洗ったけど…ダメだ…浴槽から出られない…」

巫女「………」スヤ

ロ狐「いつまで入っとるんじゃー!」ガチャッ

巫女「うわぁぁ!」

ロ狐「わしが入りたいのに入れんじゃろ!」

巫女「び、びっくりしたぁ…」

巫女「入りたいなら一緒に入ればよかったのに…」

ロ狐「言ったじゃろ。もうくっつきたくないのじゃ」

巫女「トラウマになってますね…」

ロ狐「わしが体洗っておるうちに浴槽から出るんじゃぞ」

巫女「はーい…」

巫女「ううー…」

巫女「体が重たい…」

巫女「…出られません」

ロ狐「ならわしが出してやろう」

巫女「えっ」

ロ狐「ここじゃろ。ここが重たいんじゃろ」ガシッ

巫女「えっわっちょっ!」

ロ狐「胸にこんなでかいものぶら下げておるから体が重くなるんじゃ」ギュゥゥ

巫女「あいたたたっ!ちょ!そんな握らないでくださいっ!すみません!出ますから!」

ロ狐「全く…。これだからデカ乳は…」

巫女「い、いや別に胸が重たいから出られないとは言ってませんよぉ…」

巫女「はぁ…。大変な目にあった…」

巫女「もう寝よ…ってどこで寝よう。まあどこでも寝れるけど…」

巫女「出来ればお布団がいいなぁ。二つあったりするのかな」

巫女「ちょっと見てこよ…」

~寝室~

巫女「お布団は~ここかなぁ~」ガラガラ

巫女「お、ここだここだ。これが多分神様のやつでー…お、もう一つある!」

巫女「よーし、気の利く巫女さんが神様がお風呂から出る前にお布団を敷いてあげますよ」

巫女「よいしょっと」

巫女「…ん?お布団の中に何か固いものが…」

巫女「これは……。っっっ!で、で、電気…アンマ!」

巫女「…か、神様…いつもこれを使って…」

巫女「っていうか神様もそういう事するんだ…。ってそんなこと言ってる場合じゃない!は、早くしまわないと!!」

巫女「はい!!私は何も見なかった!!私は布団いりません!どこでも寝れるので!!Good night!!」

ロ狐「ふぅー。おお、巫女。なんじゃ、そんなところで横になって。お主の布団もあるぞ」

巫女「え、いやぁ…そんな、泊めて頂いてる身なので布団で寝かせて欲しいなんて贅沢言えませんよーー…」

ロ狐「なんじゃ、お主なら『布団じゃなきゃヤダー』とか言うと思ったんじゃが」

巫女「そんな!子供じゃないんですからーー」

ロ狐「じゃがそんなところで寝たら体が休まらんぞ。布団で寝るのじゃ」

巫女「えっ…。あ、はい…では…お言葉に甘えて…」

ロ狐「うむ」

巫女「じゃあ、布団敷き終わるのここで待ってます!」

ロ狐「お主謙虚なのか不遜なのか分からんな!?せめて敷く手伝いをせい!」

巫女(いやいやいや!私は気を使ってるんですよ!!電気アンマ隠せるようにここで待ってるんですよ!気づいてください!!)

ロ狐「ほれ、行くぞ」

巫女「う、うぅ…はい…」

~寝室~

ロ狐「よい…しょっと」

巫女「……」

ロ狐「…なんじゃ。なんで壁を見ておるんじゃお主」

巫女「いや…いい壁だなぁと思って…」

ロ狐「なんじゃ…壁が好きなのか」

巫女「まあ…」

ロ狐「ほれ、お主も敷け」

巫女「は、はーい」

ロ狐「おいなんじゃ!?なんで壁を見ながら移動しておるんじゃ!?」

巫女「気にしないでください…壁を見ながら歩く癖があるです」

ロ狐「いやそんな癖一度も出たこと無かったじゃろ!」

巫女「よ、よーしお布団敷こーっと…」

ロ狐「なんじゃ…お主変じゃぞ…」

巫女「よいしょっ…あれーお布団重いなー中々持ち上がらないなー」

巫女(さあ!今のうちに!!神様のお布団の中にある電気アンマ隠して!!)

ロ狐「何を言っとるんじゃ…布団がそこまで重いわけないじゃろ」

巫女(布団は軽いですけど気分が重たいんですよ!!)

巫女「よ、よーし。気合い入れて…よいしょっと」

巫女「ほいっと……って…」

巫女(えええええええ!電気アンマ丸出しになってるー!!ええ!!隠してない!なんで!?えっ、もういいやって感じなんですか神様!?)

ロ狐「ん?なんじゃ?」

巫女「いやっ…えっ…いや…」

ロ狐「なんじゃ。これか?これが気になるのか」

巫女(いやむしろそれ以外何も目に入らない…)

ロ狐「これはな。電気アンマというらしい」

巫女(いやそれは知ってますけど!!私が気になってるのは名前じゃなくてっ!)

ロ狐「これはマッサージ機じゃ。なかなか気持ち良いぞ」

巫女(いやっ気持ちいいって言われても…。なんて返したらいいか…。もしかして神様ってそういう所オープンな感じなの!?)

ロ狐「お主も使ってみるか?」

巫女「ええぇっ!?」

ロ狐「なんじゃ?使わんのか?」

巫女「え、あ、いや、その…」

ロ狐「気持ちいいんじゃぞ。こうやって電源を入れてな」ヴィィィン

巫女「うぇっ!?い、今からするんですか!?」

ロ狐「ん?そうじゃが?寝る前にいつもやっておる」

巫女「いつも!?!?」

巫女(神様…性欲強かったんだ…)

ロ狐「毎日疲れるからの。やりたくなるんじゃ」

巫女「あ、ああ…あはは。なるほど…」

ロ狐「電気アンマは持ってないにせよ…他の物でお主もやったりはせんのか?」

巫女「え゛ぇっ!?わ、わ、私は…その…たまーにしますけど…///」

ロ狐「うむうむ。やった方が良い。そうそう、それでな電源を入れたら…ココにあてるんじゃ」ヴィィィン

巫女「はわぁ……って…えっ」

ロ狐「なんじゃ?」

巫女「えっ…ココって……肩…ですか」

ロ狐「ん?ああ。わしは肩がこるからの。勿論他のところにも使えるぞ」

巫女「あ、ああー。あー。マッサージ機…ですもんね…」

ロ狐「お、おお。そうじゃ。そう言ったじゃろ」

巫女「あ、あはは。なるほど…そういう使い方ですか…」

ロ狐「なんじゃ…やっぱりお主さっきから変じゃぞ」

巫女「はーーー…疲れた」

ロ狐「そんな時にこれじゃ。ほれ、使ってみろ」

巫女「あはは…ありがとうございます…」

~夜中~
巫女(あーー疲れた。体も疲れたけど心も疲れたよ…。さっと眠れるかと思ったけど、やっぱり枕が変わるとすぐには眠れないなぁ)

ロ狐「………」

巫女(神様もう寝ちゃったかなぁ)

ロ狐「……寝れんか?」

巫女「ふぇっ!お、おきてたんですか」

ロ狐「お主がやたら見てくるからな…。体を狙われておるのかと思って」

巫女「いやそんなわけが」

ロ狐「まあそれはいいとして。眠れんなら…寝かしつけてやろうか」

巫女「えっっ!?」

ロ狐「なんじゃ」

巫女「寝かしつけるのは私の役目ですよ!」

ロ狐「なんでじゃ!」

巫女「だってお姉ちゃんは私ですから!」

ロ狐「言っとくけどな!歳はわしが上じゃぞ!」

巫女「そうですけどぉー…」

ロ狐「ほれ!わしが姉じゃ!」

巫女「なんか納得いかないなぁ…」

ロ狐「ほれ!分かったら横になって目を瞑れ!」

巫女「はーい…。で、どう寝かしつけれてくれるんですか」

ロ狐「頭を撫でてやる」

巫女(私がやりたかったこと…)

ロ狐「よしよし」ナデナデ

巫女「おぉ…。あれ、なんか…気持ちいい」

ロ狐「ふっ…どうじゃわしのなでなでは」

巫女「気持ちいいです…」

ロ狐「そうじゃろう」

巫女(案外撫でられるのも悪くないかも…)

ロ狐「眠れそうか?」ナデナデ

巫女「なんか…眠れそうです」

ロ狐「ふっ…そうじゃろう」

巫女「お姉さん力もあったんですね…」

ロ狐「そりゃそうじゃ!何年長く生きておると思っておる」

巫女「確かに…………」スヤ

ロ狐「むう。寝たか」

ロ狐「…明日も修行頑張れよ」

ロ狐「………」

ロ狐「………」

ロ狐「巫女…」

巫女「………」スヤ

ロ狐「…わしを一人にするなよ…」

ロ狐「……寂しいのは嫌じゃからな」

巫女「…しませんよ。まだこの仕事に就いたばっかりですし。楽しい仕事なので」

巫女「辞める予定なんてありませんよ」

ロ狐「………」

ロ狐「お主…起きておったのか……///」

巫女「いや、寝てたんですけど…神様が頭から手を離した瞬間に目が覚めました」

ロ狐「………」

ロ狐「よし、安らかに眠らせるしかないようじゃな」

巫女「え、ちょ、安らかにって…ま、待って!首を締めようとしないでください!!」

ロ狐「なんで起きるんじゃっ!!寝ておれ!!!」

巫女「いや、そんな!怒らなくても!!」

巫女「いや!分かりますよ!神様の気持ち分かります!なんかこう…そういう雰囲気でしたもんね!!なんかそういう事言いたくなりますよね!ほら!夜って人を大胆にするって言いますし!」

ロ狐「うるさい!!!いいか!?忘れろ!さっきの事は忘れろ!!///」

巫女「は、はい!忘れます!1...2の...ポカン!巫女は『わしを一人にするなよ。寂しいのは嫌じゃからな』をきれいにわすれた!」

ロ狐「貴様おちょくっておるな!?///」

巫女「すみませんすみません!はい!本当に忘れますので!!」

ロ狐「くそぅ…。最悪じゃ!もう知らん!わしは寝る!!」

巫女「あははは…」

巫女(神様の珍しいデレを見た…)

~次の日~

ロ狐「さて、では今日も引き続き鎌鼬の修行じゃ」

巫女「はーい」

ロ狐「今日明日で身につけなければならん。出来るなら今日中に身につけて明日は実戦といきたい」

巫女「ですよね…。ここ最近戦ってませんし」

ロ狐「まあどういう状態であれ、明日は実戦のじゃが…鎌鼬を身につけての実戦が望ましい。というか身につけよ」

巫女「はい!任せてください!」

ロ狐「相変わらず自信だけはあるのう…。まあここで自信ありませんと言われるよりも良いが」

巫女「なんとかなる気がするんです!」

ロ狐「………」
-----------------------------
『犬神「ふっ…それで最強じゃと?何をもって言っておるんじゃ?」 』

『ロ狐「感じるんじゃ!素質をな!」』
-----------------------------
ロ狐「…似ておるなぁ」

巫女「えっ?」

ロ狐「なんでもない。では、始めるぞ」

巫女「はい!」

ロ狐「最初に言ったが、鋭利な刃物が舞っていることを想像するんじゃ」

巫女「よーし、刃物…刃物…」

巫女「うおおおお」グルグル

巫女「とぉりゃぁ!」ブォン

ロ狐「むーん…」

巫女「あ!ほら!ちょっと削れた跡がありますよ!」

ロ狐「まあ…進歩では…あるか。一応」

巫女「いけそうなきがするー!」

ロ狐「そ、そうじゃな。朝からこれなら良い調子か」

~数時間後~

巫女「うぉぉぉ」グルグル

巫女「らぁ!」ブォン

ロ狐「うむ…少しずつじゃが上達の跡は見える」

巫女「はぁ…はぁ。少しかぁ…今日中…今日中になんとかしたいけど…」

ロ狐「…うーむ。よし、今日中に合格ラインに到達したら…美味いものを食わせてやろう」

巫女「美味しいもの!?美味しいものってなんですか!?」

ロ狐「お主の好きな物で良いぞ。何が好きじゃ?」

巫女「すき焼き!!」

ロ狐「よし。すき焼きを食わしてやる」

巫女「やったー!」

ロ狐(すき焼きでこの喜びよう…ガキじゃな…)

巫女「やる気出ました!!よぉし…いくぞぉ…」

巫女「はぁぁ…。うぉぉぉ」グルグル

巫女「おりゃっ!」ブォン!

ロ狐「なっ…」

巫女「どうですか!?!?今の!いけてましたよね!?」

ロ狐「うむ…。今の一撃は十分な威力の鎌鼬じゃった…」

巫女「ってことは!!今夜はすき焼きですか!?」

ロ狐「う、うむぅ…。まあそうじゃな…」

巫女「やったー!!」

ロ狐(こやつ…顔の前に人参をぶら下げたら本領発揮するタイプか…?)

ロ狐「まあ今夜の夕飯は決まったが、さっきの鎌鼬をまぐれで一発打てました…では意味をなさんからな。本番でもしっかり出せるようまだまだ修行を続けるぞ」

巫女「はい!集中切らさず!いきます!」

ロ狐「よし、続けておれ」

巫女「あれ、神様はどこか行かれるんですか?」

ロ狐「夕飯の食材をな…」

巫女「あ!買ってきてくれるんですか?」

ロ狐「う、うむ」

巫女「楽しみ楽しみ~♪」

ロ狐「う、うむ。楽しみにしておれ」

巫女「頑張るぞ~」

ロ狐「……」

ロ狐「……」

ロ狐「ま、まあ奴なら…多少貸してくれるじゃろ」

ロ狐「都合よく使っているのは申し訳ないが…」

~夜~

巫女「ご飯ご飯~♪すき焼きすき焼き~♪」

ロ狐「うむ。頑張ったな。あの後も数発鎌鼬を使えておったな」

巫女「はい!神様みたいにポンポン出さないですけど、使えるようになりましたよ!」

ロ狐「よくやった。これで犬神の巫女ともやり合えるようにはなったはずじゃ」

巫女「ですかね~。ん?そう考えたら…。すき焼きは明日の方がいいのでは?ほら、本番前の景気づけでいいものを食べた方が」

ロ狐「何を言っておる。勝負前日は健康に気を使った食事が一番じゃ。食べすぎや胃もたれで体調を崩したら最悪じゃからな」

巫女「はええ…。な、なんか神様…そこら辺真面目ですよね」

ロ狐「当たり前じゃ!もしそれが理由で負けでもしたら…わしは犬神の神社で裸踊りせねばならんのだぞ!」

巫女「えっ!?!?そ、そうなんですか!?知らなかった…」

ロ狐「言っておらんかったか。まあ、その時はお主も道連れじゃから覚悟しておけ」

巫女「ええええぇっ!?そんなぁ!!」

×出さない
○出せない

ロ狐「まあ、そういう事じゃから良い飯は今日のうちに食べておくのじゃ」

巫女「はーい♪」

ロ狐「まあ…お主が頑張っておったから…その…いい肉を買ってきてやったぞ」

巫女「えっ!?も、もしかして…1g1円以上するお肉ですか!?」

ロ狐「うむ。いい肉…らしい」

巫女「らしい?」

ロ狐「…友が言うにはな」

巫女「友?友達ですか?」

ロ狐「うむ…」

巫女「神様の友達…って言うと…。あー一人だけ仲のいい神様がいるって言ってましたね。友達と一緒に買ってきたんですね」

ロ狐「わし一人で買えると言ったんじゃがな…どうしてもと言って着いて来おった」

巫女「仲良いんですね~。…あれ?着いてきた?てっきり買いに行った先であったのかと思ったら…。何か用があって友達の神様に会いに行ったんですか?」

ロ狐「うっ…。ま、まあその辺は気にするな!!」

巫女「ま、まあ…すき焼きが食べられるなら私は全然構いません!」

ロ狐「で、これじゃ」

巫女「ふぇっ!?あれ!?もう出来てる!?めっちゃくちゃ美味しそう!!神様が作ったんですか?」

ロ狐「わしは料理できんと言ったじゃろ。その…友が作っていってくれた」

巫女「えー!!めっちゃいいお友達ですね!?そしてめちゃくちゃ料理上手いですね!?」

ロ狐「むう…。器用なやつなんじゃ」

巫女「ほええ…。今度お礼に行かなきゃ」

ロ狐「明後日の勝負が終わったら…会いに行く予定じゃ。その時に着いてくるか」

巫女「はい!そうします!」

ロ狐「では、いただくとするか」

巫女「はーい♪」

巫女「……美味しい!!!」

ロ狐「うむむ…。美味い…」

巫女「あぁ…私こんな美味しいすき焼き初めて食べました…感動して涙でそう」

ロ狐「これが高級肉の味…。味わって食べねばな」

巫女「ありがとうございます神様…。私のために高いお肉買っていただいて…」

ロ狐「うっ…。い、いやいや…いいんじゃ。勝ってくれさえすればな」

巫女「ぜっったい勝ちます!あー…神様のお友達さん…お優しいし料理上手いし…。結婚したい」

ロ狐「残念じゃったな。奴は女じゃぞ」

巫女「あー。だから神様そのお友達さんと付き合わないんですね。でもそんな素敵な人なら女性でもいいから結婚したいなぁ」

ロ狐「じゃあ会った時に結婚の申し込みでもするか?」

巫女「い、いやいやいや…さすがにそれは」

ロ狐「スタイルもなかなか良いぞ」

巫女「えっ!写真とかあります?」

ロ狐「ない」

巫女「えぇー。友達とプリクラとか撮らないんですか?」

ロ狐「なんじゃぷりくらとは…」

巫女「知らないんですか!?」

ロ狐「知らん…。まあ、明後日の試合を見に来るとも言っておったからな。会えるかもしれんな」

巫女「楽しみだなぁ~」

~一時間後~

巫女「食べた食べた~…、おなかいっぱい…幸せ」

ロ狐「ふぅ…。満腹じゃ…」

巫女「なんか、いきなり勝負する事になって大変ですけど、美味しいもの食べれるなら勝負も悪くないですね」

ロ狐「飯一つでそこまで思えるか…」

巫女「だってめちゃくちゃ美味しかったんですもん♪」

ロ狐「美味かったのは間違いないがな」

巫女「友達の神様に料理教えてもらいたいなぁ。ここまで上手くできるなら自信もって特技って言えますね」

ロ狐「神を料理の先生扱いか…」

巫女「あっ…。そっか…他の神社では神様と巫女の間にすごい上下関係があるんでしたっけ」

ロ狐「そうじゃぞ。こんなに緩いのはわしのとこくらいじゃ。まあわしがそういう面倒なのは嫌いじゃからあえて緩くしておるんじゃが」

巫女「なるほど…。じゃああれですね…友達の神様にお会いした時は礼儀に気をつけないと…」

ロ狐「わしにも少しは気を使うのじゃぞ。全く…寝転がりながら神と会話しおって…」

巫女「あはは…すみません…」

~次の日(修行最終日)~

ロ狐「さて、今日は最終日じゃ。実戦といこう」

巫女「神様と実戦かぁ。久しぶりかも」

ロ狐「わしがしっかりしごいてやるわ」

ロ狐「とは言ってもじゃ。今必要なのは明日勝つ力、いつもと違う戦いにするぞ」

巫女「と言いますと?」

ロ狐「まず、ルールを設ける。要はお前の言うクリーンな戦いにする」

巫女「なるほど。明日はそうなる可能性が高いですもんね」

ロ狐「うむ。そして、わしは相手が使ってくるだろう戦法で戦う」

巫女「ほほう」

ロ狐「犬神の巫女は基本遠距離での戦法じゃ。具体的にどうしてくるかは知らんが、昔そう言っておったのを聞いた」

巫女「なるほどなるほど」

ロ狐「まあ簡単に言うとこんな感じじゃ。お主はいつも通りで本気で、殺す気でかかってこい」

巫女「分かりました!」

巫女「よし…いくぞ」

巫女「早速一発かましてやりますよ!」

巫女「うぉぉぉ」グルグル

巫女「りゃぁ!」ブォン

ロ狐「早速鎌鼬か。そんな大振りで当たる技ではないぞ」ダッ

巫女「うう…やっぱり避けられるよね…」

ロ狐「まあわしはお前の手の内をしっておる…と言うのもあるがな。じゃが相手が手練なら難なく避けられるじゃろう」

巫女「ぐぬぬ…」

ロ狐「こないならこちらからいこう」

巫女「遠距離技って言うとどんなものが…」

ロ狐「何でもできるぞ。まずはこれじゃ…岩なだれ!」ドドド

巫女「どえええっ!どこから岩が!?」

ロ狐「風、水、炎、氷、岩…なんでも出せる。妖力の恐ろしさをその身に教えてやる」

巫女「うわぁぁ!!」ビュン

ロ狐「逃げるか。それもまた一つの手じゃが…いくらでも岩は出せる。逃げ切れるか?」

巫女「ううう…そうだ…逃げていても窮地に追い込まれるだけ…」

巫女「それなら…!神様が言っていた通り…風で吹き飛ばす!!」

巫女「おらぁ!!」ビュオン

巫女「ってダメじゃん!!ちょっと勢いが弱まっただけ!!」

ロ狐「今のお主に全ての岩を吹き飛ばせる力はない。自分に当たる岩だけを狙い撃て」

巫女「そんな器用なことできませんよぉぉ!」

ロ狐「なら今できるようにするしかないな。明日の戦いはこれくらいのことは当たり前に起きるじゃろうからな」

巫女「ううう…。分かりました…。覚悟を決めます!」

ロ狐「今日は血が流れるじゃろうが…これも修行じゃ。容赦はせん」

巫女「はいっ!」

ロ狐「さあ、どんどん岩を放ってやる。的確に狙い撃てよ。下手したら死ぬことになるかもしれんからな」

巫女「うううう怖いよぉ…」

ロ狐「いくぞ…岩なだれ!」ドドド

巫女「よし…!おりゃあ!!」ビュオン

巫女「よし!止まった!」

ロ狐「油断するな!次がくるぞ!」

巫女「はい!どりゃぁ!どりゃあ!」ビュオンビュオン

ロ狐「よし、その調子じゃ」

巫女「おら!おらおら!!」ビュオン

ロ狐「さあ、巫女よ。次じゃ。その状態からわしに攻撃を仕掛けろ。今のままでは防戦一方じゃぞ」

巫女(この状態で攻撃に転じろって…どうやってええええ)

ロ狐「さあさあさあ。そのままでは妖力が尽きて岩に押しつぶされるぞ」ドドド

巫女「ぐううスパルタすぎる…」ビュオン

巫女「…そうだ!ただ風で吹き飛ばすだけじゃなく…吹き飛ばした岩を神様にぶつけてやる!」

巫女「おりゃぁ!」ビュオン

ロ狐「ほほう」パシッ

巫女「どええ…片手で受け止めた…」

ロ狐「まあ、及第点じゃ」

巫女「赤点回避…」

ロ狐「岩雪崩を突き進んでくる気概は見せて欲しかったがな」

巫女「い、いきなりは無理ですよ…」

ロ狐「では次じゃ。炎を見せてやる」

巫女「ひええっ」

ロ狐「戦いに休憩時間などない。気を抜くなよ」

巫女「はいっ」

ロ狐「ゆくぞ!火炎放射!」ブォン

巫女「どぅえっ!これは普通にヤバいやつっ…風で対抗だっ!おりゃあ」ブォン

ロ狐「ふはははは。わしと力比べか?よし、では勢いを強めてやろう」ブォォォ

巫女「ぐううぅ…おされてる…。神様と力で勝負しても勝ち目はない…」

ロ狐「さあどうするどうする。そのままでは丸焦げじゃぞ」

巫女「ぬぬぬ…。直接当たらなければ…大ダメージは防げるはず!」

巫女(真正面から風を当てるから力勝負になるんだ!)

巫女「横から風をぶつければ!」ビュオン

ロ狐「ほう」

巫女「この隙に横に交わして…本体を殴りに行く!!」シュッ

ロ狐「よしっ。良いぞ。なら次は氷を見せてやろう」サッ

巫女「えっ」ツルンッ

巫女「あいたっ!!滑った…って何!?地面が…さっきまで土だったのに…氷になってる…」

ロ狐「はははっ!どうじゃ。ここまで来れるか?」

巫女「こ、このぉ…!い、行ってやりますよ…。うわっ」ツルンッ

ロ狐「ふはははは!間抜けな姿じゃなぁ!」

巫女「ぐ、ぐうう…」

ロ狐「うむ?今日の下着は紫の縞柄か。新しく買ったのか?」

巫女「ちょっ!見ないでください!!」

ロ狐「お前が開脚して見せつけてきたんじゃろ」

巫女「開脚とか言わないでくださいっ!///転んだだけです!」

ロ狐「まあ下着を見せて相手の油断を誘うというのも手じゃが」

巫女「別に技として使う気は無いですからね!?」

巫女「ぐ、ぬぬ…歩けないのなら…滑ればいいんですよ」

ロ狐「なんじゃ。そんな器用なことが出来るのか?」

巫女「どうでしょう…やってみます!」

ロ狐「ほほう?」

巫女「立ち上がるまでは何とかできますからね…。その状態で風を自分の後ろに放つ!」ビュオン

ロ狐「なるほど。風の勢いで滑ってくると」

巫女「よ、よしっ!これならいけそうっ!」

ロ狐「ふっ。いい思いつきじゃが。自在には動けんじゃろ。この技を避けられるか?」スッ

巫女「…!」

巫女「氷の柱!?」

ロ狐「さあ!その氷の柱を縫ってわしを殴りに来るが良い」

巫女「よーし!避けきってみせますよ」

巫女「自由自在とはいきませんけど…風を放つ方向を変えればっ!」ビュオン

巫女「右でも左でも動けますからっ!」

ロ狐「やりおるな。だが次々柱はたてられるぞ」サッ

巫女「いくらでも避けれますよ!」ビュオン

巫女「おりゃおりゃ!」ビュオン

ロ狐「ほおお。運動神経がないわりにはやりおるのぅ」

巫女「案外やれば出来るもんですねっっ」

巫女「そこだぁぁ!渾身の…右ストレート!!」ビュン

ロ狐「まあ、合格じゃな」パシッ

巫女「どぅええっ…う、受け止められた…」

ロ狐「やりおるではないか。わしが思ってた以上に動けておった」

巫女「ありがとうございます!」

ロ狐「案外明日も余裕を持って勝てるかもな」

巫女「えっ…そ、そうですかねぇ!」

ロ狐「まあ油断は禁物じゃがな。さぁ、今日はこの調子で夜まで実戦を続けるぞ」

巫女「はいっ!」

~夜~

巫女「ぐへぇ……クタクタです…」

ロ狐「よし、まあこれくらいやれば明日の実戦も頑張れるじゃろう」

巫女「はぃぃ…」

ロ狐「これ以上は明日に支障がでる。帰るとするか」

巫女「あぃ…」

ロ狐「勝負は明日の12時じゃ。遅刻が怖いなら神社に泊まっていっても良いぞ」

巫女「泊まります…」

巫女「そういえば勝負はどこでするんですか?」

ロ狐「犬神の神社の近くにある鍛錬場じゃ」

巫女「なるほど…」

ロ狐「観客もいるとは思うが…緊張で固くなるなよ」

巫女「は、はい…。頑張ります…」

~明日 朝~

巫女「………」

ロ狐「…おい」

巫女「は、はいっ」

ロ狐「箸が止まっておるぞ。まだ時間があるとはいえ、のんびりはしておれん。さっさと食って支度して出るんじゃから」

巫女「そ、そうですよね…。すみません…」

ロ狐「……」

巫女「……」

ロ狐「…おい」

巫女「……」

ロ狐「…おいっ!」

巫女「は、はい!」

ロ狐「緊張しすぎじゃ!!」

巫女「す、すみませんー!」

ロ狐「多少は仕方ないとは思うがな!?酷すぎんか!?」

巫女「駄目なんですよ…スポーツとかしてこなかったので…観客に見られながら何かを競うとかホント苦手です…」

ロ狐「お前…本番に弱いタイプじゃったか…」

ロ狐「仕方あるまい…わしが緊張をほぐしてやろう」

巫女「えっ…何かいい方法が?」

ロ狐「撫でてやる」

巫女「おぉ…」

ロ狐「まずは頭から」ナデナデ

巫女「あぁ…。確かに落ち着くかも…」

ロ狐「次に背中」

巫女「あぁー。なんか昔お母さんに撫でてもらったなぁ…。リラックスしてきました…」

ロ狐「どうじゃ?緊張はほぐれたか?」

巫女「はぃ…。ありがとうございます」

ロ狐「ついでに尻もなでとくか」ナデナデ

巫女「なんでですかっ!!」

ロ狐「落ち着くじゃろ?」

巫女「落ち着きませんよ!!」

ロ狐「さあ早く飯を食え」

巫女「は、はぃ…」

巫女「…勝てるかなぁ…」モグモグ

ロ狐「負けるという選択肢はないぞ」

巫女「も、勿論…勿論ですよ」

ロ狐「相手も対人戦の経験はない。こっちが自信満々でいけば相手もビビって動きが固くなるかもしれんぞ」

巫女「なるほど。自信満々かぁ」

ロ狐「わしくらい胸を張っていくのじゃ」

巫女「神様は本当に強いからなぁ…。でも見習ってやってみます」

ロ狐「虚勢もたまには大事じゃぞ」

巫女「ですよね…。負けるという選択肢がないなら…負けるかもとか考えない考えない…よーし!」

ロ狐「うむ、その意気じゃ」

ロ狐「…まあピンチになったら、どさくさに紛れて急所に蹴りを入れるという手も」

巫女「クリーンに勝つので!!」

ロ狐「奥の手があると思えば少しは緊張もほぐれるじゃろ」

巫女「奥の手が反則って…」

ロ狐「まだ分からんからな!もしかしたらルールを決めておらんかもしれん!」

巫女「まあ…」

ロ狐「もしそうなったらお主も急所を狙われるんじゃぞ?その時はどうする」

巫女「むむむ…。その時は…まあ…奥の手として…」

ロ狐「また甘っちょろいことを」

巫女「い、いいんです!私は風の力で勝つんですー!」

ロ狐「全く…」

ロ狐「さあ、食い終わったか?支度してゆくぞ」

巫女「は、はぁい…」

ロ狐「試合中に漏らさんように便所に行っておけよ」

巫女「い、言われなくても行きますよ!」

ロ狐「なんなら一発シコっておいた方が緊張もほぐれるかもしれんぞ」

巫女「し、シコ…っ///やりませんよ!!普通にトイレ行ってきます…!」

~犬神神社 鍛錬場~

ロ狐「ここじゃ。ここが試合会場じゃ」

巫女「ひえぇ…おっきい…ここで試合するのかぁ」

ロ狐「おい…頼むぞ…。もっと気を強く持たんか」

巫女「ううぅ…はい…」

ロ狐「さあ、殴り込みと行こう」

巫女「はい…!」

???「ふっ…。ちゃんと遅刻せずに来れたか。偉いのぅ」

ロ狐「おうおう、相変わらず腹の立つ顔しとるのう。犬神」

巫女(こ、この人が犬神様…。犬耳の付いた普通に美人なお姉さんだ…。神様って皆がロリなわけじゃないんだ…)

犬神「こいつがお前の言っておった最強の巫女か」

巫女「あっあっ…初めまして!私狐の神様の神社で巫女をしております」

犬神「最強…なぁ」

ロ狐「ここで言い合うために来たわけじゃないわ。さっさと中に入ってお前のとこの巫女をぶん殴らせろ」

巫女「ちょ、ちょっ!神様落ち着いて!」

犬神「品がない奴じゃのう。まあ良いわ。せいぜい楽しませてくれよ」

ロ狐「さあゆくぞ巫女よ」

巫女「えっあっ…はい…」

~鍛錬場内~

巫女(ひえええおっきいぃ…なんか沢山の人が見てるー!え、誰…この神社の関係者の人かな…)

巫女(って言うか…。対戦相手の巫女さん可愛いなぁ!!こんな可愛い子を殴らなきゃいけないの!?すごい気が引ける…)

ロ狐「おうおう。犬神よ。お前のところの巫女は殴りがいのある顔をしとるのう」

巫女(ドSすぎる…)

犬神「はっはっは!妖怪とやり合ってもな、いつも無傷じゃから顔が整っておるんじゃ」

ロ狐「甘っちょろい修行ばかりしておるから…の間違いじゃないのか?」

犬神「甘っちょろい修行かどうかは…今からの試合を見ておれば分かる」

ロ狐「ふんっ。一応聞いておくがルールはあるのか?」

犬神「ほう?お前の口からルールなんて言葉が出るとは。当たり前じゃがあるぞ。説明してやる」

犬神「まず、殺傷能力の高い技の使用は禁止じゃ。これは殺し合いではないからな。次に、持ち込めるものは武器一本のみ。こちらも殺傷能力の高い刃物や銃は禁止じゃ」

ロ狐「ふむ」

犬神「そして、意図的に頭部や下腹部へ攻撃するのも禁止じゃ。まあ、試合じゃし攻撃が入ってしまうのは仕方がないが…その場合は試合は一時中断し続行できるようであれば続行する。余りにも何度も攻撃が入るようであれば意図的なものとみなして失格とする」

ロ狐「なるほど。だ、そうじゃぞ巫女よ」

巫女「クリーンにやるので!!」

犬神「試合はどちらか片方が意識を失うか負けを認めるまで続ける」

ロ狐「おお、よいルールではないか」

巫女(いや恐ろしいルールだと思いますけど!?)

犬神「まあこんなものじゃ。あとはスポーツマンシップにのっとりやってくれ」

ロ狐「ふんっ。何がスポーツマンシップじゃ」

巫女(神様でもこんなに違うもんなんだなぁ…)

ロ狐「ふんっ。試合の日だからといって洒落た服など着て来おって」

犬神「お前はいつも通りの貧乏臭い服じゃのう。少しはお洒落というものはせんのか?そんな調子じゃあいつまでたっても独り身じゃぞ」

ロ狐「偉そうなことを!お前だって独り身じゃろう!」

犬神「まあ…今は、な」

ロ狐「…な、なんじゃその含みのある言い方は」

犬神「別に、なんでもないが?」

ロ狐「……まさかとは思うが…恋人がいる訳ではあるまいな…?」

犬神「………」

ロ狐「おい!答えろ!」

犬神「全く…まあ、自分からは言わぬつもりじゃったが…聞かれたら答えよう…。恋人、おるが?何か?」

ロ狐「な、な、なんじゃとぉぉぉお!?」

ロ狐「お、お前!いつからじゃ!いつからおった!?」

犬神「そんな事を聞いてどうする?」

ロ狐「最近まではそんな素振り見せておらんかったでは無いか!最近じゃろ!最近できたんじゃろ!」

犬神「さあ、どうじゃろうな~」

ロ狐「やたら良さそうな服を着ておるのも…そういう事か!!」

犬神「恋人が見に来ておるんじゃ。お洒落するのは当然じゃろ」

ロ狐「どこじゃ!どこにおる!恋人とやらは!」

犬神「お前のような野蛮なやつに居場所など教えるわけが無いじゃろ」

ロ狐「なーにが野蛮じゃ!お前こそ性格の悪い腹黒犬神じゃろう!どうせその事を恋人には隠しておるんじゃろ!わしが暴露してやるわ!!」

犬神「はぁぁ…非リアの僻みほどキツいものは無いな。他人を不幸にするよりも自分が幸せになれるように努力したらどうじゃ?」

ロ狐「ぐぬぬぬぬぬぬ!!貴様ぁ…絶対に…絶対に恋人が見ている前で全裸土下座させてやるからなぁ…!」

犬神「そういう品がないところから直した方が良いぞ」

ロ狐「クソが!!!おい!早く始めろ!」

犬神「やれやれ。では始めるとするか。準備は良いな?」

巫女「は、はい!OKです」

犬神の巫女(以下、犬巫女と表記)「はい!」

犬神「…一応言っておくが、負けるなよ?」ギロ

犬巫女「と、当然です!」

犬神「姉達もお前には期待しておるからな」

犬巫女「は、はい…」

犬巫女(負けられない…絶対に。私はここで認めてもらうんだ…!神様にも、姉さん達にも!)

犬神「では、試合開始じゃ!」

巫女(はぁぁぁじまっちゃった…!とりあえず武器はいつもの箒…。相手は…つ、杖?小さな杖一本…。魔法でも使う気!?いやまあ妖力って魔法みたいなものだけど…)

犬巫女「いきます…ハァッ!」シュッ

巫女「えっ?」ドンッ

巫女「ぐっ…」

犬神「くっ…ははは!」

犬神「おいおいおい!これは勝負になるか?狐よ!あの巫女、攻撃が見えておらんぞ?」

ロ狐「ぬぅ…。なるほどな…お前のところの巫女は」

犬神「おっと、助言になるようなことは言うなよ?」

ロ狐「くっ…」

巫女(いっっ…何この痛みは…何か鋭いものが体にぶつかったような痛み…)

犬巫女「ごめんなさい…でもこの勝負勝たなければいけませんので…」

犬巫女「…ハァッ!」シュッ

巫女「ぐぁ゛っっ…」

巫女(どんな攻撃をされてるのかも分からない…これは…ヤバいかも…)

巫女(ぐぅ…いてて…。って、な、なんか濡れてる!?まさか血が!?)

巫女(…出てない…。水…?なんで濡れてるんだろう…)

犬巫女「負けを認めるか…気絶するまで攻撃し続けます。私もいたぶるようなことはしたくありませんから…負けを認めるなら早くお願いします」

巫女「……水ですか?」

犬巫女「……」

巫女「水を飛ばしてるんだ…。すごいスピードで」

犬巫女「…気づいてもどうすることもできないでしょう」

巫女「何とかしてみます。だから、負けは認めません…」

犬巫女「そうですか…では…。ハァッ!」シュッ

巫女「ぐぁっっっ」

巫女(……飛ばしてから避けるのは無理だ…それなら…!)

巫女「走り…続けてやるっ!!」ダッ

犬神「あっはは!あれがお前のところの戦闘法か?クソダサいのぅ」

ロ狐「戦いにかっこよさなど求めておらん!あるのは勝ちか負け、生きるか死ぬかじゃ!」

ロ狐「理にかなっておるではないか!あの様に動き回れば水を当てることは出来んはずじゃ」

犬神「あほう。あの様に逃げ回るのは想定しておるわ」

ロ狐(まあ、そうじゃろうな。じゃがな…この巫女は戦闘の中で学ぶんじゃ。巫女よ…耐えて学べ…。そして勝ち筋を見つけるんじゃ…)

犬巫女「試合を続けるというのなら…優しさを見せるのもここまでにしておきます」

巫女(次は…何をしてくるの!?)

犬巫女「秘技、大波!」ザバッ

巫女「どええぇ!」

巫女(飲み込まれたらやばいっ…けど逃げ場がない…!それなら立ち向かうしかない!)

巫女「波に風穴あけてやる!おりゃぁぁあ!」ブォン

犬神「ほう、中々の威力じゃ」

ロ狐「言ったじゃろ。あの力は脅威じゃ」

巫女(よし!!貫けた!パワーは私の方が強いんだっ!)

犬巫女「ぐっ…聞いてた通り…力だけはあるんですね」

巫女「今度はこっちの番!このまま貴女ごと吹き飛ばしてあげますよ!」ブォン

犬巫女「簡単には当たりませんよ!」ドボン

巫女「えっ…えええぇ!?」

巫女「じ、地面に!沈んだ!?えっ!どういう事!?」

犬神「格の違いじゃ。これがな。持っている技のレベルが違う」

ロ狐「想定内じゃ。これくらいはな」

犬神「強がりおって」

巫女「ど、どこに…」

犬神「後ろですよ」

(誤って途中で送信してしまった)

(当然ですが最後の一行は犬神ではなく犬巫女)

巫女「ふぇっ…」

犬巫女「秘技 大波!」

巫女(やばいっ!この距離で出されたら…)

巫女「うぉりゃっ」ブォン

巫女(貫ききれないっっ)

巫女「ぶわっっ」

巫女「ぐぇ…」

巫女(痛い…壁がぶつかってきたみたい…骨とか折れてないよね…)

ロ狐「おい!巫女!立て!足が折れておっても立て!」

巫女(鬼畜だ…)

巫女「ゲホッ…ゲホ…た、立てますよ…まだ立てます」

犬神「満身創痍ではないか。そろそろ休ませてやれ狐よ」

ロ狐「うるさい!あいつは追い込まれてから本領発揮するんじゃ!」

犬神「無理に続けて腰が折れても責任は取れんぞ」

ロ狐「その時はその時じゃ」

巫女「えぇ!?」

犬巫女「根性があるんですね。でも、倒れるまで続ければいいだけの事…」ドボン

巫女(また消えた…。とにかくこの技を見破らないと勝ちはない…)

巫女(どこ…どこにいる?また後ろに出てくる?)バッ

巫女(って後むいたらその隙に回り込んでくるんでしょっ)バッ

巫女(むううう踊らされてる…!)

犬巫女「横ですよ」

巫女「っ!どりゃぁあ!」ブォン

犬巫女「おっと」ドボン

巫女「ぐぬぬぬ!ずるい!」

犬神「ふははは!まるで子供と大人!」

ロ狐「ぬぬぬぬ!」

巫女(…なんか…これ似てる)

巫女(私がまだ妖力を上手く使えなかった頃にやった神様との実戦…こんな感じだったよね)

巫女(あの時私…確か砂の目潰しで動きを止めて…まあその後やられちゃったけど。砂…砂は目潰しできるほどここにはないよね…)

巫女(っていうか足元水しかないし…。って…そっか…!相手はこの水の中に隠れてる!?)

ロ狐(やっと気づいたか…だが問題はここからじゃぞ)

巫女(タネが分かっちゃえば簡単じゃん!床の水を移動してるなら…)

巫女「風で床の水を吹き飛ばしちゃえばいい!ドライヤー作戦だ!」ブォン

犬巫女(何っ!?移動できる範囲が…狭まってる!)

犬神「力技じゃのう…」

ロ狐「やはり戦闘の才能があるな…あの巫女は」

犬巫女(くっ…早く出ないと…水を一箇所に集められたら狙い撃ちされる…)ザバッ

巫女「あっ!いた!今度こそ!くらえ!」ブォン

犬巫女「ぐぅっ…」

犬巫女「ぐぁっ」ドンッ

犬巫女(一撃くらったけど…所詮吹き飛ばす程度の技…!この程度ならまだまだやれる!)

巫女「まだまだー!箒で追撃!!」ブンブン

犬巫女「くっ…」サッ

巫女「ぐぬぬ…素早い…」

犬神「……」

犬巫女(持久戦になると不利…。さっさとケリをつけなきゃ…)

犬神「つまらん…」

ロ狐「おん?」

犬神「グダグダとした試合はつまらんな」

ロ狐「むう?そうか?戦闘とはこんなものじゃと思うが」

犬神「…ふぅ」スッ

犬神「おい!!」

犬巫女「っ!?」

巫女「??」

犬神「何時までやっておる?『そろそろケリをつけろ』分かったな?」

犬巫女「は、はいっ…」

ロ狐「なんじゃ。何をそんなに急いでおる?」

犬神「………」

犬巫女(犬神様も…これ以上試合が長引けば妖力が少ない私の不利になると思って…)

犬巫女(『あの技』を使えと…言うんですね…)

巫女(犬神様も怖いなぁ…)

犬巫女「…では、お遊びもここまでにしましょう」

巫女「えっ…お遊び!?」

犬巫女「行け…水龍!」バンッ

巫女「えっ……どええぇっ!?」

犬神「ふっ…」

ロ狐「な、なんじゃとっ!?あやつ…あんな技を使えたのか…。というか、使いこなせるのか!?」

犬神「さあ、どうじゃろうな」

ロ狐「なに!?下手をしたら人を殺めかねんぞ!?使いこなせないならば使用すべきでない技じゃ!お前も最初にルールとして言っておったではないか!危険な技は使ってはならんと!」

犬神「言ったな。確かに」

ロ狐「ならば…」

犬神「大丈夫じゃ。死にはせん。使いこなせば死にはせん。あの巫女もそう思ったから水龍を出したのじゃろう」

ロ狐「……。汚いことを…」

犬神「汚い…?」

ロ狐「お前が使わせたんじゃろう!」

犬神「わしは水龍を使えなどとは言っておらんが?」

ロ狐「決めておったんじゃろう…?ケリをつけろとお前が言ったら水龍を使うという事を…」

犬神「証拠もないのに適当なことを言うな」

ロ狐「くっ…。のらりくらりと…」

犬神「まあ、お前のとこの巫女が死にそうになっておったらそこで試合を止めれば良い」

ロ狐「そういう問題ではないじゃろ!」

犬神「水龍自体は殺傷能力はさほど高いものでは無い。最強である巫女であればなおのこと死ぬなんて事は無いはずじゃが?」

ロ狐「ぬぬぬぬ…」

ロ狐「…場合によっては試合にわって入るぞ…」

犬神「好きにせい。言っておくが当然そんな事をしたらそちらの負けじゃぞ」

ロ狐「………」

犬巫女「終わりにしましょう…!」

巫女「素人目に見てもやばそうなのが出てきたっ…」

犬巫女「切り裂け…水龍!」

水龍「グゥアアア!!!」ビュン

巫女「早いっ…!」サッ

水龍「グゥアア!」ザシュ

巫女「地面が酷いえぐれ方を…こんなの当たったら死んじゃうんじゃ…」

犬巫女「はぁ…はぁ…」

ロ狐(犬神の巫女は完全に妖力を使い切ったな…。あの水龍を召喚するのが最後の手段だったんじゃろう…)

ロ狐(巫女よ…とにかく水龍の攻撃を避けて本体に一発入れて気絶させろ…。そうすれば水龍も消滅する!)

犬巫女(やっぱり…私には使いこなせない…。こんな事して本当に良かったのかな…)

巫女(通じるかな…神様に教えてもらったあの技…鎌鼬!)

巫女(でも、神様みたいにサッとは出せないし…)

水龍「グゥアアア!」ビュン

巫女(このスピード…!これを避けながら鎌鼬は出せないよ…!)

犬神「ふっ…。防戦一方のようじゃが…これは勝負ありか?」

ロ狐「…最後の手段なんじゃろ?もしこの窮地をうちの巫女が脱したら…」

犬神「はっ。どうやってじゃ?この状態から勝ちに持っていくなど…無理だと思うが」

ロ狐「わしの教育をなめるなよ」

巫女(水龍の攻撃を避けながら相手からの攻撃も避けるのは厳しい…ってあれ?座り込んでる…?)

犬巫女「はぁ…」

巫女(となれば…本体を殴りにいくしかない…!)

水龍「アブルル!」ビュン

巫女「ってそれが出来たら苦労しないよね…!」サッ

巫女「直接殴るのが無理なら…!この箒!ぶん投げてぶつける!」ブォン

犬巫女「…くっ」

水龍「ウウウ!」バシッ

犬神「そんな単純な攻撃、水龍が守るに決まって」

巫女「まあ本体を守りに行くよね…。でもそれは予想通り!」グルグルグル

巫女「一瞬の隙が欲しかった!くらえ!鎌鼬!」ブォン!

ロ狐「おぉ!鎌鼬!練習の成果が出ておる…!」

水龍「グゥアアア!」ガガガ

巫女「どうだっ!」

水龍「グゥア!!」バシッ

巫女「うぇぇ…ふ、防がれた…」

犬神「ふははは!頼みの鎌鼬?も防がれたな。狐、お前の教育1歩及ばずのようじゃ」

ロ狐「ぬ、ぬぬぬ…。確かに…確かにこの展開は想定外じゃ。だがな…あいつなら…あいつならここから何とか出来るとわしは信じておる」

犬神「感じるだ信じるだと…。少年漫画の読みすぎじゃないのか?大事なのは結果と数字じゃ」

ロ狐「お前は椅子に腰かけて物を見るようになってから落ちぶれたな」

犬神「なに…?」

ロ狐「まあ良いわ。結果でも見せてやる」

水龍「グゥアアア!」ビュン

巫女「ヒェッ…」サッ

巫女「バトルフィールドが抉れていく…」

犬巫女(意識が朦朧と…。だめ…ここで倒れたら負けになる…)

犬巫女(少しでも…相手の動きを止められたら…)

巫女「うぉっと…ひぃっ…」サッサッ

犬神「ふん。しぶとく逃げ回りおって」

巫女「よっ…。よしっ!!!箒回収完了!!」パシッ

巫女「さあここから…」

犬巫女(今だ…!!)

犬巫女「一瞬でいい…動きさえ止められれば…!ハァッ!!」シュッ

巫女「…うぐっ…これはっ…水の弾丸…」

犬巫女「いけ…!水龍…!」

水龍「グゥアアア!!!」ビュン

巫女「マズイ…!」ブォン

犬神「ほお…器用な。風の力で空に飛んだか…。だが空は悪手じゃろ。敵は龍じゃぞ」

犬巫女「いけ!切り裂け…!」

水龍「グゥアアア!」ビュン

巫女「くっ…風で対抗するしかない…!」ブォン

水龍「グゥアア!!」ザシュッ

巫女「ぐはっ…」

犬神「切り裂いた…!!!」

ロ狐「ぐっ…」

犬巫女「…!」

犬神「おうおう。高く吹き飛ばされたのう。どうじゃー?抉れたか?」

ロ狐「巫女…!!」

巫女「…まだだ…」

巫女(まだ…負けてない…負けられない…!)

ロ狐「傷は浅い…!鎌鼬を受けきったが故に、水龍の力は弱まっておる…!」

犬神「ふむ。だがこちらが有利なことに変わりはない」

巫女「どぉりゃぁああ…!!」グルグルグル

犬神「なんじゃ…あやつ…空中で回転しながら落ちて…」

犬巫女(…!まさか…さっきの鎌鼬を…!?)

巫女「全力全開…!落下鎌鼬だぁああ!」

犬神「しぶといな…」

犬巫女「くっ…いけ…水龍!」

水龍「グゥゥゥアア!」ビュン

巫女「この一撃に全てを…賭ける!くらえ水龍…!」ブォォォン!!

犬神「ふん…もう一撃くらい…耐えることなら…」

ロ狐「それはどうじゃろうな…」

犬神「な、なに…?」

水龍「グゥゥゥ…アアアゥゥ…!」ガガガガ

犬巫女「…だ、だめだ…水龍が…」

巫女「貫けぇぇ!」

水龍「グゥアアッッッ」シュー

犬神「…!!水龍が…消えた…」

ロ狐「ふっ…今回の鎌鼬は…箒付きじゃからな!箒ぶん投げ鎌鼬の方が威力が高いんじゃよ」

犬巫女「くっっ…ぐぁっっ…!」ビュオン

ロ狐「……勝負あったな」


巫女「はぁ…はぁ…。うぅ…いててて…」

犬神「………」

ロ狐「犬神の巫女は…うむ。気絶しておるな…」

巫女「大丈夫ですかね…?」

ロ狐「大丈夫じゃろ。多分」

巫女「た、多分って」

ロ狐「で、犬神よ。お前の負けでよいな?」

犬神「…くっ…」

ロ狐「おい。はっきりと答えろ!お前の負けでよいな?」

犬神「ぬぐぐぐ…。わしの…負けで…よい…」

ロ狐「よし!!!!よくやったぞ巫女!!」

巫女「やったー!」

犬神「…出来損ないめ…」

犬神「この出来損ないめ!!何時まで寝ておる…!」バシッ

巫女「ちょ、ちょっと!」

犬巫女「……はっ…。い、犬神様…」

犬神「お前に任せたわしが馬鹿じゃったわ…。巫女になって1ヶ月の素人に負けおって…」

犬巫女「も、申し訳ございません…」

犬神「お前のせいで恥をかいたぞ…」

ロ狐「恥をかいた…??」

犬神「な、なんじゃ…」

ロ狐「まてまてまて。犬神よ。恥をかくのは……これからじゃろ??」

犬神「なっ…」

ロ狐「来い犬神。あっちの物陰で話そう」

犬神「ぬ、ぐぐ…」

巫女「何を話に行ったんだろう…」

犬巫女「………」

~物陰~

ロ狐「忘れたわけではあるまいな…?」

ロ狐「全裸土下座…♪」

犬神「くぅっ…」

ロ狐「折角じゃし恋人にも見てもらおうではないか」

犬神「ぐぬぬぬぬ…」

ロ狐「ほれ、ケツに刺すキュウリも買ってきてあるんじゃ」

犬神「うううぅ…」

ロ狐「唸ってばかりおらんとさっさと服を脱がんか」

犬神「………な、なぁ」

ロ狐「ん?」

犬神「………まさか本当にやる訳では…ないよな?」

ロ狐「はぁ?」

犬神「そ、そんなはしたないこと…本当にやらせたりはせんよな?」

ロ狐「この期に及んで往生際の悪い…。やるに決まっておるじゃろ」

犬神「た、頼む…なぁ…やるなら別の事にしよう?」

ロ狐「お前…。わしが負けておったら裸踊りさせると言っておいて…自分が負けたら罰は受けたくないなどと…」

犬神「う、受けないとは言っておらん!そ、それにじゃな…わしも本当に裸踊りさせるつもりはなかったんじゃ!!」

ロ狐「ガタガタ抜かすな!キュウリをケツではなく前の穴に刺すぞ!」グイッ

犬神「や、やめんかっ…///」

ロ狐「恋人のより太くて長いからクセになるかもしれんぞ」

犬神「え、ええい!下品なことを言うな!!」

ロ狐「さあさあ脱げ脱げ」

犬神「う、うぐぐぐ…」

ロ狐(………ふっ。やはりこうなるか。分かっておったわ。わしの本当の狙いは全裸土下座などでは無い!今となっては謝罪などどうでも良い!)

ロ狐(真の狙いは……金じゃ!!!巫女の給料分…金を要求する!!もう少し揺さぶってから…金を要求するぞ…)

ロ狐「脱げぬなら 脱がしてやろう 神様が」

犬神「一句読みながら脱がそうとするな!」

ロ狐「お前が脱がんからじゃぞ」

犬神「な、なあ頼む!他の事ならなんでもする!恋人の前で…そんなはしたない事は出来ぬ…」

ロ狐(おお!なんでも!きたぞ…ここで金を…!)

犬神「あの人…あの人に嫌われたらわしは……終わりじゃ…」ウルウル

ロ狐「ほう…そんなにか?」

犬神「初めての…恋人じゃから…」

ロ狐「ほぉん」

犬神「…わしが今までお主に嫌がらせをしてきたのは認める…。悪かった…。でも…!わしだって初めからこうだった訳じゃない…」

ロ狐「…まあ、そうじゃったな。昔は皆…どうすれば神社が大きくなるかお互い話し合っていた」

犬神「…地位がなければ…欲するものは手に入らぬのじゃ!」

ロ狐「……」

犬神「初恋も…次の恋もその次も…。ボロ神社の神だからといって相手にされんかった…。だからわしは地位、名誉、富に固執するようになった…」

犬神「何度も何度も…想い人を他の女にとられ…悔しい思いをしてきた。だからわしは必死に神社を大きくした。そしてやっと出来た恋人なんじゃ…」

ロ狐「……」

犬神「…お主をいびって遊んだことは本当に悪かった…。じゃが…恋人の前でだけは…格好の悪い姿は見せられぬ…」

ロ狐「………もう良いわ」

犬神「……えっ」

ロ狐「……興が冷めた。もう土下座なんぞどうでも良くなったわ」

犬神「よ、よいのか…?」

ロ狐「なんじゃ。やりたいのか?」

犬神「い、いやいや…!」

ロ狐「ふんっ。恋人恋人と。うるさいヤツじゃ」

犬神「…案外…優しいところがあるんじゃな…」

ロ狐「勘違いするなよ!不憫に思った訳では無いわ!」

犬神「う、うむ…」

犬神「まあその…あれじゃ。次からは…その…純粋に神社の運営について相談に乗るぞ。もういびったりはせん…」

ロ狐「うむ…。それは助かる」

犬神「では…そろそろ戻るか…」

ロ狐「ちょっと待て!!」

犬神「な、なんじゃ?」

ロ狐「土下座はもう良い。じゃが!他に頼みたいことがある」

犬神「な、なんじゃ?」

ロ狐「……金をくれ」

犬神「な、なんじゃと!?」

ロ狐「金じゃ…。金」

犬神「ぐぬぬぬ…優しいところもあるかと思ったが…土下座が出来ないとなったら金か!!ゆするつもりか!」

ロ狐「な、なんじゃ!!失礼なやつじゃな!!」

犬神「いくらじゃ…いくら払えと言うんじゃ」

ロ狐「40…万じゃ」

犬神「なかなかの大金じゃな…。しかしもっとふっかけてくると思ったが…」

ロ狐「必要な分だけ貰えればそれでいいんじゃ」

犬神「必要な分…?使う先が決まっておるのか?」

ロ狐「うぐっ…」

犬神「まさかお主……巫女の給料を…」

ロ狐「ぬぬぬ…そ、それがどうした!!何に使うかはわしの自由じゃろ!」

犬神「給料は払えると言っておったでは無いか!しかもお主、40万も渡すのか!?」

ロ狐「い、いや…40万まるまる渡すわけではない…」

犬神「じゃあなぜ40万なんじゃ」

ロ狐「そ、それはあれじゃ!給料と…色々と頑張った巫女になにか美味いものを食わしてやりたいと思って…奢ってやる分の金じゃ」

犬神「あのなぁ…そういうのは自分の財布から出すから格好がつくんじゃぞ…??」

ロ狐「え、ええい!分かっておるわ!次からはそうする…が、今は…金がないから無理なんじゃ!」

犬神「はぁ……まあ良いわ。負けたのはわしじゃし…最初に言っておった土下座も出来ぬと言ってしまったしな…」

ロ狐「そ、そうじゃそうじゃ!」

犬神「じゃが来月分はどうするんじゃ。本当に払えるのか?」

ロ狐「……」

犬神「…本格的に神社の運営頑張るんじゃぞ」

ロ狐「む、むう…」

ロ狐「いやぁ、すまんな皆の者待たせた」

巫女「あ、帰ってきた」

ロ狐「まあ、犬神と色々話しておってな。あれじゃ、仲直りしてきた」

巫女「えぇー!?!?な、何があったんですか!?」

ロ狐「昨日の敵は今日の友ということじゃ!気にするな!」

巫女「えぇ…(そんな軽い感じで仲直りできるなら私たち戦わなくても良かったんじゃ…)」

犬巫女「…犬神様…申し訳ございません…」

犬神「起きたか…。全く…こんな成り立ての巫女に負けおって」

犬巫女「……」

犬神「出来損ないと言われても仕方ないな?」

犬巫女「はい…」

巫女「……で、でも!すごく強かったです!!これが試合じゃなくて、本当に殺し合いだったら…私負けてました。最初に殺さないように手加減されたから勝てただけです」

犬神「勝たねば意味が無い。勝たねばな。あーだったら勝てた、こーだったら勝てた…等と言い訳は意味が無いのじゃ」

犬巫女「…その通りです」

巫女「うぅ……」

犬巫女の姉1「前々から出来損ないだとは思っていたけど…まさかこんな巫女に負けるなんて…」

犬巫女の姉2「恥さらしね。あなた巫女はむかないのよ。辞めたら?」

犬巫女「…姉さん…」

巫女「そんな…酷い…」

ロ狐「……」

巫女「確かに試合には負けちゃったかもですけど…一生懸命頑張ってました!そんな風に言うのは」

犬巫女の姉1「うるさい」

巫女「えぇっ…」

犬巫女の姉2「出来損ないに勝ったからって調子に乗らないで。私達に意見出来るような立場じゃないでしょ?」

巫女「……」

ロ狐「なんじゃ?その巫女いらんのか?なら、うちが引き取ってやるぞ?その出来損ないを」

犬巫女の姉1「えっ!?」

ロ狐「確かに出来損ないじゃ。じゃが…そうじゃな。うちで修行すれば…1年で姉2人を超えられるくらい強くなれるぞ」

犬巫女の姉1「な、何を…」

ロ狐「試しにやってみようではないか。どうじゃ?犬神」

犬神「む、むむむ…」

犬巫女の姉2「犬神様!まさか提案を受けるおつもりですか!?」

ロ狐「別に誰も損はせんじゃろ?いらない巫女を引き取って育ててやると言っておるだけじゃ」

犬神「…本人に任せよう…」

犬巫女「わ、私は…」

ロ狐「どうする?はっきり言ってここにおっても強くなれんぞ。うちに来たら今よりも何倍も強くなれる。出来損ない出来損ないと罵倒もされん」

犬巫女の姉1「まさか行くつもりではないだろうな!?犬神様を裏切るつもりか!?」

ロ狐「辞めろと言っておいて引き止めるとはどういう事じゃ?」

犬巫女「私は…。申し訳ございません…狐神様。私は犬神様の元で修行を続けます…。犬神様のお役にたてるように頑張りたいんです」

ロ狐「…振られたか。残念じゃ…」

ロ狐「ふっ…。だが、見たか?姉二人の焦りよう。出来損ない等と言っておるが、お主が強くなることを恐れておった」

犬巫女「……」

ロ狐「口ではあー言っておるが、才能があることは認めておるんじゃ。頑張れよ。もし嫌になったらいつでもうちの神社に来て良いからな」

犬巫女「はい…!ありがとうございます」

ロ狐「さて、帰るとするか!巫女よ」

巫女「はい!」

ロ狐「今日はなにか美味いものでも食べるとしよう!」

巫女「いいですね!お酒も飲みましょう!」

ロ狐「うむ!勝って飲む酒は最高じゃぞ!」

巫女「わーい!!楽しみ楽しみ!」

ロ狐「犬神!約束忘れるでないぞ!」

犬神「わ、分かっておるわ…」

ロ狐「いやぁ気持ちが良い」

巫女「神様、優しいんですね」

ロ狐「何がじゃ」

巫女「犬巫女さんのことを誘ったのって、断られること分かってて誘ったんですよね?」

ロ狐「いや、来ると言ったら本当に迎え入れてたぞ。そして修行もつけてやるつもりだった」

ロ狐「まあ、断られるだろうとは思っておったがな」

巫女「やっぱりー!出来損ない出来損ないって酷いなぁって思ってたんですよ。あのお姉さんたちが焦る姿が見れてスッキリしました」

ロ狐「弱いくせに偉そうにしておったからな。少し懲らしめてやったんじゃ」

巫女「よ、弱そうには見えませんでしたけどね…」

ロ狐「まあ、そんなことより。お疲れ様じゃな巫女よ。明日から2連休、ゆっくり休むがよい」

巫女「ありがとうございます!何しようかなーって思ったんですけど…やっぱりお家でゆっくりする事にします!」

ロ狐「お主ならそう言うと思ったわ」

巫女「だってここ一週間めーちゃくちゃ運動したんですもん!疲れましたよ」

ロ狐「まあ、じゃろうな」

ロ狐「連休明けに狼神に会いに行く」

巫女「えっ!」

ロ狐「色々世話になったからな。礼をしに行く」

巫女「だったら休むより先に会いに行った方が良いのでは…?」

ロ狐「いや、狼神がしっかり巫女を休ませてやってくれと言っておったからな」

巫女「な、なるほど…」

ロ狐「まあそれに、わしにとっては友人みたいなもんじゃ。そんなに気を使うことも無いわ」

巫女「わ、分かりました。では、ゆっくりさせてもらいます」

ロ狐「うむ。では酒を買って帰るぞ!」

巫女「はーい!」

~2日後~

巫女「おはようございます~。今日もちゃんと遅刻せずに…」

ロ狐「おお。おはよう」

巫女「…何してるんですか?」

ロ狐「見てわからんか?おみくじを作っておるのじゃ」

巫女「え、おみくじ?おみくじ作って…遊ぶんですか?」

ロ狐「遊ぶわけではない!作って売るんじゃ」

巫女「う、売るんですか…!?」

巫女「って言うか…今更ですけど、神社的には買うとか売るって言葉は良くないとか何とか聞きましたけど」

ロ狐「まあ、そうじゃな。巫女、お前は売るではなくお授けという言葉を使うんじゃ。じゃがな、わしは神じゃ。神が人間におみくじを売る。別にこれはおかしな言葉遣いではあるまい?」

巫女「ん、んんー。んー??んー…そ、そうです…ね?」

ロ狐「あくまで人間が神聖な場所や物に対してそういった言葉遣いをする必要があるというだけじゃ。わしからしたら販売であり、売って得た金は売り上げじゃ」

巫女「ん、んん…なんだか納得していいのか分からないですけど…その通り?ですね」

ロ狐「よーし、出来たぞ。巫女よ、今日からこのおみくじを売るぞ!」

巫女「は、はぁ。おみくじですね。分かりました」

ロ狐「ちゃんと神が作ったおみくじと言うのじゃぞ」

巫女「えぇ!?いやそんなの詐欺じゃないですか!」

ロ狐「どこがじゃ!?実際に神が作ったんじゃから詐欺ではないじゃろうが!」

巫女「た、確かに…確かにそうなんですけども!皆には神様の姿が見えてないわけですし!神が作ったとか言ったら逆に買ってもらえなさそうなんですけど!」

ロ狐「むむむ…面倒じゃのう」

巫女「1回100円とかですか?」

ロ狐「神が直々に作ったんじゃから1回1万くらいでいいじゃろ。それでも安い方じゃ」

巫女「商売下手すぎません?」

ロ狐「なんじゃと!?」

巫女「誰が1回1万でおみくじ引くんですか!?100円ですよ100円!」

ロ狐「1枚1枚妖力をこめて全部手書きで作ったんじゃぞ!?それを100円で売れというのか!?」

巫女「うぅー…値上げできたとしても200円ですよ!それ以上は絶対売れません!」

ロ狐「ぐぬぬぬ…そんな額では10枚売れてやっとお前の1時間分の給料じゃぞ!?そうなったら最低でも1日80枚は売らねばならん…」

巫女「い、いやなにもおみくじ1本で儲けを出そうとしなくてもいいのでは…」

ロ狐「他には何で儲けられるんじゃ?」

巫女「なんか神社で儲け儲けって罰当たりな…いや、その罰を当てる神がこの神様なのか…」

巫女「あれですよ、お守りとか」

ロ狐「お守り…なるほどのぅ!それはいくらで売れるんじゃ?」

巫女「んー…500円とか?」

ロ狐「おおぉー!よし、おみくじは止めてお守りにするぞ!」

巫女「いやそれはまたそれで違うと思いますよ!?」

巫女「って言うか、狼神様の所に行かなくていいんですか?」

ロ狐「ん?おお、そうじゃったの」

巫女「忘れてたんですか!?」

ロ狐「神社の経営について考えておったからのぅ!」ドヤッ

巫女「いやドヤ顔されても…」

ロ狐「よし、では行くか」

巫女「はい!狼神様の神社はどこにあるんですか?」

ロ狐「普通に歩いていけば遠いが、妖力を使って行けばすぐじゃ。少し離れた山の上にある」

巫女「はえぇ…。了解です」

ロ狐「遅れず着いてこいよ」シュンッ

巫女「え、あ、ちょ!待ってください!」シュッ

~狼神の神社~

ロ狐「ここじゃ」

巫女「うわぁ…立派な神社…」

ロ狐「お主、狼神に会うのは初めてか」

巫女「そうですねぇ~。って言うか、今更ですけどどういうお礼をしに来たんです?」

ロ狐「言っておらんかったか?狼神がすき焼きを作って帰って行ったわしの友じゃ」

巫女「あぁー!なるほど!!それはお礼しなきゃですね!」

ロ狐「さあ、行くぞ」

巫女「はーい」

巫女「いやぁホントに立派な神社ですねぇ…」

ロ狐「わしの神社もいつかこれくらい大きくしたいのう」

巫女(私が生きてる間に少しでも大きくなるといいけど…)

巫女「んー。でも全然人がいませんね」

ロ狐「まあ、山の上じゃからな。それにそれほど有名ではないしのう」

巫女「ほえぇ…。あっ!あそこに一人参拝者さんが」

ロ狐「あいつが狼神じゃ」

巫女「えっ…」

狼神「やあ。そろそろ来る頃じゃないかと思って、外に出てきたんだ。待ってたよ、コンちゃん」

巫女「ふぉぉ…。綺麗…大人の女…着物美人…」

巫女「って…コンちゃん…?」

ロ狐「ぐ、ぐぬぬ…その呼び方は二人の時だけにしろと…」

狼神「まあまあ、いいじゃないか。それと…初めまして、巫女君」

巫女「え、あ!はい!初めまして!!」

狼神「コンちゃんから聞いてると思うけど、ボクは狼神。よろしくね」

巫女「よ、よろしくお願いします!」

巫女(ひえぇ…超絶美人…結婚してくれないかな…)

~神社内~

狼神「はい、コンちゃん。コンちゃんの大好きな羊羹だよ」

ロ狐「うむ。すまんな」

巫女(なんか娘とお母さんみたい…)

狼神「巫女君もどうだい?羊羹は好き?」

巫女「は、はい!好きです!」

狼神「ははは。そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」

巫女「は、はは…いや、美人すぎてつい…」

狼神「それはどうも。おっと、お茶が出てないね。うちの巫女にいれさせるよ」

ロ狐「うむ。頼む」

巫女「ちょ、ちょっと神様!頼むって…言い方!」

狼神「いいよいいよ。コンちゃんとは友達だからね」

ロ狐「そうじゃそうじゃ。と言うか、わしは神じゃぞ!お主忘れておらんか!?」

巫女「ん、んんー…なんか感覚が狂うんですよねぇ…」

狼神「『おいち』にお茶をいれるように言ってくるよ」

巫女「『おいち』?」

狼神「ああ。うちの巫女のことだよ。おいちって呼んでるんだ」

巫女「なるほど!おいちさんって名前なんですね」

狼神「いや、名前じゃないよ。愛称…と言うのかな」

巫女「え、愛称…ですか?」

狼神「ああ。すごくお淑やかな子なんだ。だから、お淑やか1号と呼んでいてね。お淑やか1号を略しておいちなんだ」

巫女「えっ…お淑やか…1号…?えっ??」

ロ狐「巫女よ。こいつはな、こういう奴なんじゃ。ちょっと変わっとるんじゃ」

巫女「え、あー…。なるほどぉ…」

狼神「さあ、コンちゃん。こっちにおいで」

ロ狐「なっ…」

狼神「お礼をしに来てくれたんだろう?」

ロ狐「ぬ、ぐぐ…分かった…」

巫女「えっ」

狼神「よーしよし」ナデナデ

ロ狐「ぐぬぬ…」

狼神「いやぁ。料理を作っただけでなでなで出来るなら毎日でも作るけどね」

ロ狐「毎日お主に撫でられるなど…絶対に嫌じゃ」

巫女「なんだか微笑ましい光景です…」

狼神「そうかい?」

巫女「いやぁ…神様にもちゃんと友達がいたんだなぁって…」

狼神「あはは。コンちゃんは一匹狼…いや一匹狐だと思われていたんだね」

狼神「コンちゃんは口調が荒々しくて、誤解されやすいけどいい子なんだよ」

ロ狐「子供扱いするでないわ!」

巫女「ってそうだそうだ。お料理とっても美味しかったです!!ありがとうございました!」

狼神「いやいや、気にしなくていいよ」

巫女「あのすき焼きのおかげで勝てましたよ!」

狼神「あっはは。あれは巫女君の努力の結果だよ。いい試合だったね」

巫女「ありがとうございます!試合とか初めてで緊張しましたけど、なんとか勝てました」

狼神「コンちゃんの言う通り、かなり素質のある巫女君みたいだね」

ロ狐「わしが見込んだ巫女じゃからな!」

狼神「はい、あーんして」

ロ狐「あーー…って何をしとるんじゃ!」

狼神「お菓子を食べさせてあげようと思って」

ロ狐「自分で食えるわ!」

狼神「ボクが食べさせたいんだよ」

ロ狐「撫でるのは許すがあーんは…」

狼神「毎月食費を送ってあげてるじゃないか…」コソコソ

ロ狐「ぐ、ぐぬぬ…」

巫女「…?」

ロ狐「し、仕方ないのぅ…」

狼神「よーしよし。はい、あーん」

ロ狐「ぬぅぅ…。あーーん…」

狼神「いい子だね」

巫女「ええぇ!あの神様が…。ホントに仲良いんですね」

狼神「まあね」

ロ狐「くぅぅ…」

おいち「失礼します」

狼神「ああ、おいち。お茶を持ってきてくれたんだね。ありがとう」

巫女「ありがとうございます」

おいち「お出しするのが遅れてしまい申し訳ありません」

巫女「いえいえそんな!あ、えっと初めまして!狐神様の巫女です。よろしくお願いします」

おいち「狼神様の巫女のお淑やか一号です。よろしくお願いします」

巫女「あ、ああ…よろしくお願いします」

狼神「彼女もお淑やか一号という愛称が気に入っているんだ」

おいち「気に入ってます」

巫女(ホントかな…)

ロ狐「おいち。修行中の神社警備、ご苦労じゃった」

おいち「とんでもございません」

巫女「え?神社警備?」

ロ狐「ああ、修行中にわしの神社の警備を頼んでおいたんじゃ。さすがに疲れ果てたお前を深夜に叩き起こすことは出来んからな」

巫女「そうだったんですか!?すみません!ありがとうございます!」

おいち「雑魚妖怪が2.3体来ただけだったので、大した仕事はしていませんよ」

巫女(雑魚妖怪…お淑やかとは…?)

狼神「そうだ。コンちゃん、巫女君。この後ボクとお風呂に入らないかい?」

ロ狐「急になんじゃ!?」

狼神「いやいや、実はね、この神社の裏に温泉があることが分かったんだ」

ロ狐「お、温泉じゃと!?」

狼神「ああ。おいちが修行で地面を殴って掘り進んでいたら発見したらしい」

巫女(お淑やかとは!?)

狼神「せっかくだし入っていきなよ」

ロ狐「む、むぅ…それは入りたいが…」

狼神「入りたいが…?」

ロ狐(こやつとは入りたくない…)

巫女「えー別にいいじゃないですか。皆で入りましょうよ」

狼神「ほら、巫女君も言っていることだし」

ロ狐(余計なことを!!)

狼神「コンちゃんの神社の電気代、水道代、ガス代…誰が払っているか知ってるかい?」コソコソ

ロ狐「っっっ…ま、まさか…お主が!?」コソコソ

狼神「ああ、そうだよ」コソコソ

ロ狐「……そ、そうじゃのう。温泉は…やはり皆で浸かるものじゃよなぁ~」

狼神「だよねぇ」

巫女(たまに二人でコソコソ話してるのは何なんだろう…)

巫女「いやぁでも、温泉っていいですねぇ…。毎日入れるじゃないですか!うちの神社にも欲しいなぁ」

狼神「ホントにありがたいよ。おいちが見つけてくれて良かった。まだ、参拝者さんには秘密にしてるけど、いつか参拝者さん達も入れるようにしたいね」

巫女「その時は私も入りに来ます!!」

狼神「いやいや、巫女君ならいつでも入りに来てくれていいよ」

巫女「ホントですか!?ありがとうございます!!」

ロ狐「よし、巫女よ。帰ったら庭を掘って温泉を掘り当てるぞ」

巫女「えぇ!い、いやぁそれはちょっと…。そんな都合よく見つからないと思いますよ」

狼神「コンちゃんも入りたいならいつでも入りに来ていいんだよ?毎日でも大丈夫さ」

ロ狐「ん、んん…」

狼神「気になって仕方ないみたいだし、そろそろ行こうか?」

巫女「はいっ!」

狼神「コンちゃんとお風呂…楽しみだなぁ」

ロ狐「お、おぉ…」

おいち「狐神様の巫女さんとお風呂…楽しみです」

巫女「え?」

狼神「さあ、こっちだよ。着いてきて」

巫女「え、あ、はい」

~温泉~

巫女「うわ…すごい…」

狼神「山の上とはいえ、とりあえず周りからは見えないように壁は作っておいたよ」

巫女「助かります」

狼神「まだ脱衣所とかは出来てないから、とりあえず濡れないところに服は置いておいて」

巫女「はーい!」

狼神「さあコンちゃん、服をぬがせてあげよう」

ロ狐「自分で脱げるわ!」

狼神「そうかい?ならいいけど」

巫女「仲良しですね~」

おいち「ですね」

巫女「じゃあ私達は私達で、仲良く入りましょうか」

おいち「はい…?」

巫女(…な、なんだろう…なんか怖い…)

狼神「ふ、ふふふ…。コンちゃん…可愛いね」

ロ狐「う、うう…じろじろ見るな!」

おいち「ふふ…巫女さん…可愛いですね」

巫女「そ、そうですか?ありがとうございます…」

狼神「ボクが背中を流してあげるよ」

ロ狐「うむぅ…いや自分で洗うが…」

狼神「まあまあ。遠慮せずにさ」

ロ狐「むぅ…」

おいち「巫女さん。お背中流しますよ」

巫女「そんな!大丈夫ですよ!」

おいち「いえいえ。私がやりたいだけですので」

巫女「そ、そうですか?じゃあ…お願いします」

狼神「はぁ…。相変わらず触り心地がいい背中だね」

ロ狐「いちいち触るな!普通に洗ってくれれば良いのじゃ!」

狼神「ちょっとしたスキンシップじゃないか」

ロ狐「お前は触り方がいやらしいんじゃ!」

狼神「そんなつもりは無いんだけどなぁ」

ロ狐「さっさと背中を洗ってくれ…。わしはその間に前を洗うから」

狼神「そんな!!コンちゃんは座ってるだけでいいんだよ!前は後でボクが洗うから!」

ロ狐「あ、アホを言うな!前は自分で洗う!何がなんでもじゃ!」

狼神「…いくら必要なんだい?」

ロ狐「おい…もうそれは色々違うじゃろ…。わしの体は金では売らん!」

狼神「くぅ…!」

ロ狐「そんなことで悔しがるな…」

おいち「せっかくの可愛らしいお体が…傷だらけですね。この前の試合のせいですか」?

巫女「そうですね…って言うか、知ってるんですか?」

おいち「はい。見ていましたので」

巫女「あはは…なんだか恥ずかしいですね」

おいち「恥ずかしいだなんて。とても素晴らしい戦いでした。お二人共可愛くて…」

巫女「ありがとうございます……?」

おいち「近くで見ると…やはり大きいですね」

巫女「大きい…?そんなに身長は高くないですけど」

おいち「いえ…胸が」

巫女「あ、ああ!胸ですか!よく言われます」

おいち「素敵です…」

巫女「あ、はは…」

おいち「お揉みしましょうか?」

巫女「えぇ!?」

おいち「肩を」

巫女「あ、ああ!いやいやいや!そんな!」

おいち「でも、やっぱりそんなに大きいと肩こりませんか?」

巫女「まあ、そうですねぇ」

おいち「ですよね。では、せっかくですし肩もみしますよ」

巫女「ではお言葉に甘えて…」

おいち「私マッサージ得意なんですよ」

巫女「そうなんですねぇ」

おいち「はい。狼神様のマッサージをさせていただいてますので」

巫女「はえぇ。私も神様のマッサージとかした方がいいのかなぁ」

おいち「狐神様が望まれるなら、した方が良いかと」

巫女「んー。一回聞いてみます」

おいち「ああ、やっぱりこってますねぇ」モミモミ

巫女「あーー気持ちいい…。なんだかおばさんみたいなこと言っちゃった」

おいち「おばさんだなんて。まだまだお若いじゃないですか」

巫女「若くありたいですよ…」

おいち「じゃあこのまま全身マッサージして、心も体も若く…なんてのはどうですか?」

巫女「全身マッサージですか…?」

おいち「例えば太ももとか」

巫女「太ももですか?」

おいち「太ももは老廃物がたまってぷよぷよしてきちゃいますからね。マッサージして老廃物を出すのは大事ですよ」

巫女「なるほどなるほど」

おいち「じゃあ試しにちょっとだけ…」ムニッ

巫女「うぇっ…ちょっ…」

おいち「あっ…すみません。胸当たっちゃってますね。でも近づかないと太もものマッサージできないので」

巫女「い、いやいやいや!そんな!今からじゃなくても!」

おいち「試しにちょっとやるだけですよー」モミモミ

巫女「うっやっぱり他の人に太もも触られるのはっ…くすぐったいので…後で服きてからで」

おいち「はぁ…はぁ…素敵ですね…」

巫女「えぇっ…」

おいち「分かりました…。後でたっぷりじっくりマッサージ致しますね」

巫女「は、はぃ…」

巫女(いい人そうなんだけど…なんか怖いな…おいちさん…)

ロ狐「これだから嫌だったんじゃ…」ブツブツ

狼神「くそっ…あと少しだったのに…」

巫女「い、いいお湯ですねぇ…」

おいち「本当に…掘り当てて正解でした…」チラチラ

巫女(神様が一緒に入るのを渋っていた理由が少し分かりました…)

~狼神神社~

ロ狐「では、わしらはそろそろ帰る」

巫女「お礼をしに来たのに温泉まで入らせてもらっちゃって…ありがとうございました」

狼神「いやいや。いいんだよ。会えてよかった」

おいち「また来てください。必ず。そして温泉に入ってください」

巫女「あ、あはは…はーい…」

ロ狐「わしはもう勘弁じゃぞ…」

巫女「では、また」

ロ狐「じゃあな」

~狐神神社~

ロ狐「さて、挨拶もすませたことじゃし」

巫女「特訓ですか?」

ロ狐「いや、特訓もしたいがそれより重要なことがある」

巫女「と言いますと」

ロ狐「それは勿論。金儲けじゃ金儲け!!」

巫女「取り憑かれてますねぇ…お金に」

ロ狐「なーにを言うか!全ては金じゃ金!金がなければお主の給料も出せんじゃろうが!」

巫女「ま、まぁ。じゃあ具体的には何を?」

ロ狐「………」

巫女「えー…」

ロ狐「お前も頼ってばかりじゃなくて何か考えるんじゃ!」

巫女「そうですねぇ……。掃除とかどうですか?」

ロ狐「掃除したら金が入るのか?」

巫女「いやいきなりは入りませんけど…。この神社汚くないですか?外だって落ち葉とかたまりまくりで」

ロ狐「だからなんだと言うんじゃ」

巫女「汚い神社には人も寄り付きませんよ。綺麗な方が参拝者さんも来やすいかと」

ロ狐「なーーーんだか…遠回りじゃなぁ」

巫女「そういう地道な仕事も大事ですよ!前から気になってたんです」

ロ狐「まあ一理ないことも無い。分かった。掃除から始めるとしよう。じゃあお主は外の掃除を頼む」

巫女「はーい!」

~外~

巫女「いやぁ…やっと掃除できる~。もう落ち葉とかたまってるし雨の汚れとかもついてるし」

巫女「キレイキレイしましょう~♪あーなんだか巫女さんしてるって感じ!」

巫女「落ち葉を集めて、燃やしてさつまいも焼いちゃったり?ちょっと憧れかも」

巫女「ふんふーん♪あ、手が落ちてる~これもきれいに………」

巫女「………ぎゃぁぁぁぁぁあ!!!」

ロ狐「なーーーんじゃ騒々しい…」テクテク

巫女「か、か、か、神様!!!!!手が手がぁー!」

ロ狐「…手?」

巫女「あ、あぁ…手が落ちてます…神社の下から手が伸びてます…!!」

ロ狐「んむ。なるほど。確かに人間の手のようじゃな」

巫女「な、なんで…手が…」

ロ狐「しかし…これは落ちておるのか?」

巫女「えっ…」

ロ狐「神社の下で誰か死んでおるのではないか?」

巫女「えっ…あ…確かに…。この手の先に胴体があるかも…」

ロ狐「まあ、どちらにせよ迷惑な話じゃな。わしの神社で死ぬとは。さっさと引きずり出して火葬するなり海に投げ捨てるなりするか」

巫女「えぇ…」

ロ狐「ほれ、はよ引きずり出さんか」

巫女「いや無理無理無理無理!!」

ロ狐「全く…ならわしが引きずり出してやるわ。よいしょっと…」グッ

巫女「うぎゃぁぁっ」

ロ狐「いちいち騒ぐな!」

???「あ…ぅ…」

巫女「うぇっ…あ、あれ…浮浪者のおじさんかと勝手に思ってましたけど…。お、女の子…しかも今喋りましたよね!?」

ロ狐「んむ。喋ったな。まだ死んでおらんのか」

巫女「じゃ、じゃあ早く病院に!」

???「み……ず…」

巫女「み、水…?水が欲しいんでしょうか?」

ロ狐「そうなのかもな?」

巫女「と、とりあえず水持ってきます!!」

巫女「はい!持ってきました!」

巫女「どうぞ!……って飲めますか?」

???「あ………」

巫女「あぁ…かなり弱ってますね…。飲ませてあげます」

ロ狐「むぅ。せっかく助けてやったんじゃから死ぬなよ」

???「……」ゴクゴク

巫女「大丈夫ですか…?」

???「は…い…」

ロ狐「いや大丈夫なわけないじゃろ」

巫女「とりあえず救急車ですかね?」

ロ狐「むーん。いやぁ…普通の人間なら救急車を呼んで終わりじゃが…こいつは…少し話がしたい」

巫女「えっ…?」

ロ狐「飯と水が飲めず弱っとるだけじゃ。飯を食わせてやろう」

巫女「わ、分かりました!何か作ってきます!!」

ロ狐「とりあえずおかゆと野菜スープでも作ってやれ」

巫女「は、はい!ちょっと待っててくださいね」

~数分後~

???「うぅ…」

巫女「とりあえずお水を飲んで食事も終わりましたけど…」

ロ狐「おい。お主喋れるか」?

???「はぃ…」

巫女「弱ってますし後にした方が…」

ロ狐「うーむ…。まあ、気にはなるが急ぎでもない。回復してからにするか」

巫女「じゃあとりあえず神社の中に」

ロ狐「ま、待て!!このきったないのを神社の中に入れるのか!?」

巫女「えぇ!でもそれ以外ないのでは!?」

ロ狐「外に置いておくなりお主の家で飼うなりすれば良いではないか」

巫女「置いとくって!置物じゃないですし!しかも飼うってペットじゃないんですから!」

ロ狐「ぬぅ…着てるものは洗濯して、とりあえず風呂に入って綺麗にしてくれ」

???「はぃ…」フラフラ

巫女「わ、わわ…一人じゃふらついて危なそうですね…。私が洗ってあげます」

???「おね…がい…します…」

ロ狐「むぅん…」

巫女「どうされました?」

ロ狐「お主が洗うのは別によいが…」

巫女「はい」

ロ狐「確認せんで大丈夫か?」

巫女「何をですか?」

ロ狐「性別を」

巫女「え?」

ロ狐「いや脱がしてみたら立派なモノがついとるかもしれんぞ」

巫女「え、いや、どっからどう見ても女の子じゃないですか」

ロ狐「顔や体つきは女じゃが胸はかなり貧相ではないか」

巫女「えっ…神様も…あ、いやなんでもないです」

ロ狐「あぁん?」

巫女「い、いえ!なにも!」

ロ狐「先に確認した方がよいじゃろ」

巫女「確認ってどうやって…」

ロ狐「そんなもの。こうやって……股ぐら触れば一発じゃろ」ムニュ

???「はぅっ…///」

巫女「ちょ、ちょっと!!!!」

ロ狐「おう。女か」

巫女「神様!?!?セクハラって言うかもう犯罪ですよそれ!!!」

ロ狐「仕方ないじゃろ!!これが手っ取り早いんじゃ!それにお主だって立派なサオがついておるやつを洗うのは嫌じゃろ!!」

巫女「そ、そ、そうですけども!!!もう!」

~お風呂後~

ロ狐「まあ勿論じゃが、貸し出す下着なんぞないからな。とりあえず今のところはさらしと褌で我慢してくれ」

???「…はい…///」

巫女「あ、あぁ…私が買ってきますよ…下着」

???「大丈夫…です…。明日…自分で…」フラッ

巫女「ちょ、ちょっと!」

ロ狐「寝てしまったな。まあ疲れておったんじゃろ。起きたら話を聞こう」

巫女「なんだかとんでもない事になりましたね…」

ロ狐「掃除をしたら人間を拾うとはな。しかもただの人間ではない」

巫女「あ、そう言えばそう言ってましたね。どういう事なんですか?ただの人間じゃないって」

ロ狐「んーむ。分からん」

巫女「えっ」

ロ狐「ただ、なにか力を感じる。まあそれは明日直接聞けばハッキリすることじゃ」

巫女「は、はぁ」

ロ狐「とりあえずお主は掃除の続きじゃ」

巫女「えぇっ!!」

ロ狐「そりゃそうじゃろ。掃除はまだ始まったばかりじゃ」

巫女「うぅ…気になって集中できないぃ…」

~夜~

巫女「あーーー疲れた!疲れたー!」

ロ狐「騒ぐでない…わしもめちゃくちゃ疲れたわ…」

巫女「いやでもかなり綺麗になりましたね。落ち葉はとりあえずなくなりましたし、神社の汚れもそれなりにはとれましたし。まあそれでもまだまだ汚いですけど…」

ロ狐「これで人が来てくれると良いが」

巫女「いきなりは来ないでしょうね…。これに加えて何か参拝者さんが来たくなるような事しないとですね」

ロ狐「あーもぅめんどくさいのぅ!!!」

巫女「ま、まあ今日はとりあえず考えるのはやめましょうか!疲れましたし…」

ロ狐「うむ…もう頭を使うのはいやじゃ」

巫女「さぁそろそろ私はかえ……ん?」

ロ狐「ほぉ。やっと気づくようになったか」

巫女「何か力のある…妖怪?が…」

ロ狐「まあ、雑魚ではあるが感じるな。連休でなまっておったりせんじゃろうな?」

巫女「まーさか!2日ぶりに私の強さ見せちゃいますよ!」

~外~

巫女「さーてさて…今日の相手は…」

ロ狐「お主も少しわしに似てきたな…?」

巫女「戦う度に強くなれている気がしますからね!」

ロ狐「その意気じゃ。まあうちの巫女ならそれくらいでなければな」

???「おお。人間だ!それと…となりの子供はなんだ…?」

巫女「!!今日の相手は貴方ですか……ってうわぁぁぁあ!」

ロ狐「子供じゃとぉ!?わしは…神……ってなんじゃお前!!お前の!その!それは!!」

??「んん?それって?」

ロ狐「それと言ったらもうそれしかないじゃろ!!」

巫女「変態だぁぁあ!警察!警察呼びましょう!」

ロ狐「な、なんという…大きさ…ここまででかい…タマキンは見たことないぞ…」

???「ちょっとちょっと。あんまり見つめないでよ」

ロ狐「嫌でも視界に入るわ!!お前は何者じゃ!」

豆狸「ボクは豆狸だよ」

ロ狐「豆狸!?名前とは真逆のようなタマキンじゃな…」

巫女「ちょ、神様あんまりタマ…って言わないでください…」

ロ狐「何を恥ずかしがっておるか!事実じゃろ!そこまで大きいと歩きづらくないか!?」

豆狸「まあねぇ。ボクの場合は玉袋だけじゃなくて玉も大きいからちょっと大変かな…」

ロ狐「で、お前もこの神社の宝が目当てか?」

豆狸「まあねぇ。ある人から力を貰って…その力を試したいってのもあるかな」

ロ狐「またある人…か」

巫女「前のべとべとさん?が言ってた人と同じ人ですかね…?」

ロ狐「どうじゃろうなぁ。まあ、この狸をぶっ飛ばして聞いてみるかのぅ」

豆狸「怖いガキンチョだなぁ…」

ロ狐「神じゃと言っておろうが!!!」

豆狸「どうもそうは見えないんだよなぁ~」

ロ狐「ほほう…舐め腐りおって…」

巫女「か、神様?」

ロ狐「おい巫女よ…今回はわしがぶっ飛ばしてやるわ。お前はそこで見ておれ」

巫女「えっ…」

豆狸「やる気だねぇ」

巫女(なんか…なんか違和感。挑発に乗らない方が…)

ロ狐「準備は良いか?」

豆狸「いつでもどうぞ?」

ロ狐「どりゃぁ!!」ビュン!

豆狸「ぐはぁ!!!」

巫女「ええええ!!!普通に殴られてぶっ飛んだ!!」

ロ狐「よ、弱すぎじゃろ…」

豆狸「ふ、ふふ…い、いや別に…痛くないけど…」

ロ狐「ならもう一発顔面に入れてやろうか?」

豆狸「や、やりたいならどうぞ?」

ロ狐「オラ!」ボコッ!!

豆狸「ブフゥ!」

ロ狐「オラオラ!」ボコボコ!

豆狸「ヌゥグゥ!!」

巫女「か、神様!も、もうそれ以上は…」

ロ狐「まだやるか?」

豆狸「ふぅ…ふぅ…。こ、こんなもんかぁ…神って…」

巫女「なんで強がるの!?」

ロ狐「ほぉん。そうか…なら容赦は要らんな」

豆狸「手加減とか…しなくていいよ…」

ロ狐「ふむふむぅ。ならば…」

ロ狐「そのでっかいタマキン蹴り飛ばしてやるわ!」コーン!!

豆狸「オンッッッ!!!!!」

巫女「うぎゃっ…」

豆狸「オッフッ…オッ…」

ロ狐「どうじゃ?まだやるか?今負けを認めたらカタキンにならずにすむぞ?」

豆狸「フゥッ…ンン…フゥゥ…」

ロ狐「おい返事をせんか!」

巫女「い、いやぁ…今喋れないんじゃ…」

ロ狐「めんどくさいやつじゃのう…」

豆狸「ふ、ふふ…」

ロ狐「あん?」

豆狸「作戦…成功…」

ロ狐「作戦?」

豆狸「挑発…すれば…必ず…グゥゥ…」

ロ狐「なんじゃ!はよ喋らんか!」

豆狸「必ず蹴ってくると思ったよ…。作戦どおりさ…」

ロ狐「なんじゃお前…ドMなのか?」

豆狸「違う…。ボクの力は…玉を蹴られることによって発動する…!」

ロ狐「…なんとも扱いにくい力を貰ったんじゃな…」

豆狸「君は…毒に感染した!」

ロ狐「毒…じゃと?」

豆狸「巫女を見るんだ…!」

ロ狐「巫女?」チラッ

巫女「はい?」

ロ狐「なんじゃ。見たがいつも通り間抜け面をしておるだけではないか」

豆狸「それはどうかな…」

ロ狐「んん?……うぐっ…」ドクンッ

巫女「神様…?」

ロ狐「な、なんじゃ…心臓が…」

巫女「えっ!?」

ロ狐「はぁ…はぁ…動悸を感じる…」

巫女「ま、まさか毒が!?」

ロ狐「なんじゃ…これは!おい狸!」

豆狸「くくく…毒が効き始めたね…」

ロ狐「なんじゃ…どんな毒を出しおった!」

豆狸「巫女を見ていればわかるよ…」

ロ狐「な、なんじゃと…」

巫女「私を見ればわかる…?どういう事…」

ロ狐「はぁ…はぁ……あ、あれ…」

巫女「…?」

ロ狐「お、お主…」

巫女「なんですか…?」

ロ狐「そんなに…可愛かったか…?」

巫女「は?」

ロ狐「む、胸も…なんじゃ…普段なら憎いはずのに…おかしいぞ!魅力的に見えてしまう…」

巫女「ええ!?!?あの神様が!?」

豆狸「ふははは!!完全に毒におかされたね!」

巫女「ど、どういうことなんですか!」

豆狸「その毒は!!性欲が中学生男子並になってしまう毒だよ!!」

巫女「は????」

豆狸「中学生男子の性欲をなめないほうがいい…。特に君のような巨乳巫女なんてヤツらにとってはいいオカズなんだ!!」

巫女「何言ってるんですかあなた!?」

ロ狐「はぁはぁ…。おい巫女よ…」

巫女「は、はいっ」

ロ狐「少し……揉ませろ…」

巫女「はぁ!?」

ロ狐「良いじゃろ!!わしのも前に揉ませてやったんじゃ!!お主のも揉ませろ!」

巫女「い、いやちょっと!待ってください!冷静になってください!今はそんなことよりあの狸をぶっ飛ばすのが先では!?」

ロ狐「うるさい!あいつは揉んだ後倒す!」

豆狸「これが中学生男子の性欲の怖さだよ!理性より性欲の方が勝つのさ!!」

巫女「何くだらないことを自慢げに語ってるんですか!?」

ロ狐「おい!巫女!早く揉ませろ!」

巫女「うぅっ…わ、分かりましたよ!ちょっと触ったら早く倒してくださいね!?」

ロ狐「よっし!!!!」

巫女(めちゃくちゃ喜んでる…)

ロ狐「おぉ…おっほほ…」モミモミ

巫女「………」

ロ狐「はぁ…はぁ…」モミモミ

巫女「も、もう…もういいですか?」

ロ狐「もう少し…もう少し…」

巫女「いやもう充分触ったじゃないですか!早く倒しましょう!」

ロ狐「ええい!あんなやつ放っておけ!」

巫女「ダメですよ!?」

ロ狐「ふぅ…。あ、そうじゃ」

巫女「な、なんですか…」

ロ狐「今日は何色のを履いておるんじゃ…」ペロン

巫女「ちょっと///」バッ

ロ狐「白と緑の縞柄か…ふぅ…ふぅ…」

巫女「こ、興奮してる…」

巫女「豆狸さん…!この毒いつになったら抜けるんですか!?」

豆狸「まあ毒を抜こうと思ったら…ヌクしかないね」

巫女「…は?」

豆狸「うん。そういう事。ヌいてだせば治る」

巫女「………」

ロ狐「なるほど…。ならば仕方ないな。巫女よ、わしは厠へ行く」

巫女「神様!?」

ロ狐「毒を抜くためじゃ…これは仕方ないことなんじゃ…」

巫女「え、いやまあ…そ、そうですけど…」

ロ狐「では、行ってくる…あとは頼んだぞ。その狸はタマキンさえ蹴らなければ雑魚じゃからな…」

巫女「えっあっ…はい…」

ロ狐「…そうじゃ。巫女よ」

巫女「は、はい…」

ロ狐「……ことを効率よく進めるために…。お主の下着を借りたい」

巫女「はぁ!?」

ロ狐「早く脱いでわしに渡せ…はぁ…はぁ…」

巫女「嫌です!!それは絶対嫌!!」

ロ狐「口答えするでない!!」

巫女「落ち着いてください!ぜっったい後で後悔しますよ!?巫女の下着をオカズにしたとなったら!」

ロ狐「ぐぅ…だがしかし…それでもじゃ!!脱ぐ気がないなら脱がせるまで!!」バッ!

巫女「ちょ、ちょっと!!///」

ロ狐「とりゃっ!!」ズルッ

巫女「うわっっ///」

ロ狐「よ、よしゲットしたぞ!!こ、これで早速…!」ダッ

巫女「中学生男子の性欲…恐るべし…」

豆狸「アッハッハッハッハッ!!愉快だ愉快だ!」

巫女「ほ、ほんとに…毒は抜けるんですよね?」

豆狸「ああ。ほんとさ。いやぁ愉快なものが見れた。じゃあこれでボクは失礼するよ」

巫女「ええ!?宝はいいんですか?」

豆狸「ああ。いらないいらない。と言うかボクの力では君たちを倒すなんて無理だよ」

巫女「ぐぬぬ…最初から遊びに来たってことですか」

豆狸「そうそう。まあ玉を蹴られて痛かったけどそれなりに遊べたからいいよ。ボクはカタキンにされる前に帰るとするよ」

巫女「は、はぁ…」

豆狸「あ、そうだ。ほら見てよ。ボク、玉はデカいけど竿は小さいんだよね…」

巫女「……変態さんには容赦はいりませんね」

豆狸「えっ」

巫女「目潰し」ブスッ

豆狸「うぎゃぁぁぁ!!!」

巫女「…とりあえずこれで解決…?かな…」

~30分後~

巫女「そろそろ…戻ってもいいかな?」

巫女「暗い中外で掃除して時間潰すのも飽きたし…」

巫女「戻ろ…」

~神社内~

巫女「神様~。戻りましたよ~」

ロ狐「うむ…」

巫女「あの…終わったならパンツ返してほし…いや、洗濯して返して欲しいんですけど」

ロ狐「…うむ…」

巫女「ど、どうしたんですか…そんな神妙な顔して」

ロ狐「何故だかな…今は一人にしておいて欲しい気分なのじゃ」

巫女「えっ」

ロ狐「今わしの中に邪念はない…。これまでの生き方、そしてこれからの生き方を深く考えておるのじゃ」

巫女「え、ちょ、どうしたんですか!?」

ロ狐「わしにもわからん…。これ程までの脱力感は初めてじゃ…欲というものを全て捨て去る事が出来たような気持ちじゃ」

巫女「…これはまさか…俗に言う『賢者タイム』…?」

巫女「…中学生男子の性欲を発散して…賢者タイムに突入したんですね…」

ロ狐「…賢者、か。なるほど。確かに今のわしは賢者かもしれん…」

ロ狐「ちなみに下着は燃やしてしまった」

巫女「なぜ!?!?」

ロ狐「何故あんなものに欲情していたのか。全てがどうでも良くなってしまってな…。不要なものと判断し、燃やした」

巫女「いやいやいや!!私にとっては必要なものなんですけど!人のもの勝手に燃やさないでください!」

ロ狐「静かにせい。もう夜なんじゃ。騒がず、寝よう」

巫女「いや何を悟ったような顔して!!」

ロ狐「また明日話そう」

巫女「だめだ…完全に賢者になってる」

巫女「もー…弁償してもらいますからね…」

~次の日~

ロ狐「…さて」

巫女「元気になりましたかね…?」

ロ狐「どうじゃろうな。喋れるくらいにはなったんじゃないか」

巫女「でもまだ寝てるみたいですしまた後で…」

ロ狐「何を言っておる。もう9時じゃぞ。起こして聞けば良い」

巫女「えぇ…」

ロ狐「飯を食わせて服をあたえて、風呂も入らせて寝床も貸してやったんじゃ。起こしても文句は言うまい」

巫女「ま、まあ…」

ロ狐「おい、起きろ」ツンツン

???「…zzZ」

ロ狐「おい!起きろ!」ペチペチ

???「…zzZ」

巫女「ここまでされて起きないのはなかなかですね」

ロ狐「水ぶっかけるか」

巫女「寝起きドッキリじゃないんだから!」

ロ狐「それくらいせんとこいつ起きんじゃろ!」

巫女「いやいやいや!もう少し根気強く起こせば起きますって!」

ロ狐「ぐぬ…。おい!起きんか!いつまで寝ておる!」ペシンペシン

???「い、いたっ…」

ロ狐「やっと起きたか…」

???「…zzZ」

巫女「…寝ましたね」

ロ狐「良い度胸じゃな」

巫女「あ、わ、私が起こしますから!水はかわいそうですよ!」

ロ狐「水なんてやわなものでは済まさん!」

ロ狐「よく見ておれ巫女よ!我が奥義の一つじゃ」

巫女「お、奥義…?」

ロ狐「この様に寝ておる相手の両足を持ち!」ガシッ

ロ狐「がら空きの股間を踏む!名付けて玉踏みじゃ!まあこやつは女じゃから玉はないが!」

巫女「いやそれは電気あんまと言うのでは!?」

ロ狐「こら!起きんか!」ガッガッ

???「ふっぐっ…!は、はいっ…な、なんですかっ…!」

ロ狐「なんですかではない!!いつまで寝ておる!」

???「す、すみません……。いてて…」

巫女「すみません…うちの神様乱暴で」

ロ狐「謝る必要なんかあるか!」

???「お、起きます…。色々話さないといけませんし」

ロ狐「そうじゃ!話じゃ話!」

ロ狐「で、お主は何者なのじゃ」

???「はい…。私は陰陽師…の卵と言いますか…なりそこないといいますか…」

巫女「お、陰陽師!かっこいい!」

陰陽師「い、いえ!ダメダメの陰陽師なのでカッコよくはないです…」

ロ狐「なるほど陰陽師か。何か力を感じると思ったがそういう事か」

陰陽師「色々あって家を飛び出してきたんですけど…行くあてもなくさ迷っていたら神社を見つけて…。とりあえず雨風をしのげると思って神社の下に住んでいたんです」

ロ狐「無断で住むんじゃない」

陰陽師「はい…すみません…」

巫女「行くあてもなく…って事は、ここを出ていったらまたさ迷うことになるってことですよね…?」

陰陽師「まあ、そうなります…」

巫女「・・・」チラチラ

ロ狐「・・・なんじゃ」

巫女「この子・・・うちで養ってあげましょうよ!」

ロ狐「無理じゃ!!」

巫女「そんなぁ!でもこの子、行く宛がないんですよ!?」

ロ狐「お前一人食わしていくのに必死なのに、これ以上増やすなんて無理に決まっておる!!」

巫女「ううううでも・・・」

ロ狐「まあ、飯さえ食わしてもらえれば十分です。お金はいりません。必死に働きます。というのなら別じゃがな」

陰陽師「そ、その条件で大丈夫です!」

巫女「えええ!?」

陰陽師「雨風しのげて、ご飯を食べられるなら・・・!それ以上は望みません!それに命を救っていただいたお礼もしたいですし・・・」

ロ狐「ほほお・・・。ほほお!!殊勝な心掛けじゃな!!!いやぁ気に入った!」

巫女「うわぁ・・・。こき使われる陰陽師ちゃんの姿が見える・・・」

ロ狐「こき使うなどと失礼なことをいうな!」

陰陽師「私頑張ります!」

陰陽師「それで、その・・・他に何か聞きたいこととかありますか?」

ロ狐「ふむ。そうじゃな。お主の家庭の事情とやらに首を突っ込む気はないし。わしが聞きたいことは一つ。お主、強いのか?」

陰陽師「えっ・・・。いやぁ・・・」

ロ狐「実戦経験はあるか?」

陰陽師「一応・・・何回か」

ロ狐「ほほう!巫女とどちらが強いか・・・」

巫女「え、戦うんですか!?」

ロ狐「・・・いや!陰陽師よ!わしとやろう!」

陰陽師「ええ!?」

ロ狐「陰陽師と闘うのは初めてじゃ!わくわくするのぅ!」

陰陽師「え、闘うんですか!?今から!?」

巫女「ごめんね。この神様、殴り合い大好きで・・・」

陰陽師「えええ・・・」

ロ狐「うちで働くということはつまり妖怪退治をするということ。どれくらい戦えるかを見ておくのは大事じゃからな。さあ、外に行くぞ!」

陰陽師「は、はい!」

このSSまとめへのコメント

1 :  MilitaryGirl   2022年04月21日 (木) 08:39:20   ID: S:i9mpzk

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