【安価】先生「落ちこぼれクラスの立て直し」【コンマ】 (174)

転任してきた教師が落ちこぼれのクラスを受け持って安価&コンマで卒業まで導くスレ
適度なペースの投稿予定


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1615377322

主人公である先生のプロフィール

【名前】
【性別】
【詳細】

↓3の中の1つを採用。21:20まで

【名前】 渡来 悠
【性別】 男
【詳細】 どことなく冷めてる

【名前】 渡来 悠 (わたらい ゆう)
【性別】 男
【詳細】 どことなく冷めてる

>>6に決定しました。読み方が間違っていれば指摘お願いします。
舞台設定
1.現代の日本
2.異世界系(登場人物に他種族、背景に異世界要素の追加)
3.1と2を混ぜた感じ

↓3まで多数決。同数になればコンマが1番高いものを採用

3を採用します


コンコン


「入りたまえ」

「……失礼します」


ガチャ


「おぉ、君か。えーと、確か今年から赴任してきた……」

「渡来です」

「あぁ、そうだ。渡来クンだ。すまないね、最近どうも物忘れが激しい」

渡来「いえ、お気になさらず」

「そうか。……ふむ、どうだね?ウチの聖メシア学園は?」

渡来「あぁ……そうですね」

渡来「築80年を感じさせないほど綺麗にされた学園、品行方正な生徒たち」

渡来「『世界一の学園』の異名は伊達じゃないという事がよく分かりました」

「そうだろう、そうだろう。学園長の私が言うのもなんだがね、ここはどの部門においてもほかの教育施設に引けを取らない」

「君が手を煩わせる事は無いはずだ」

渡来「えぇ、そのようですね」

「……さて。私も繁忙期でね。君もまだやるべき事があるだろう?」

「世間話はこの辺にしよう」

「君の受け持つ学年とクラスは後日連絡させてもらうよ」

渡来「はい、ありがとうございます」

「うむ、退出してくれて構わないよ」

渡来「……では、失礼します」



ガチャ


バタン


「……学園長、彼が?」

「あぁ、以前の勤務先で問題を起こしたという男だ」

「まったく、とんだ疫病神がやってきたな」

「誇り高き我が学園はいつからお払い箱となった?ん?」

「申し訳ありません。ですが国の決定に逆らうわけにもいかず」

「ふん、ここを教育者の矯正施設か何かと勘違いしてるらしいな」

「人の性根というのは変わらん。屑は屑でしかない」

「今更環境形成云々の話ではなかろう」

「……あぁそうだ。良い事を思いついた」

「と、申しますと」

「屑に相応しい最適な場所がある。適材適所というやつだ」

「……あぁ、なるほど。ではそのように?」

「あぁ頼んだ」

「はい。承知しました」



~後日~


渡来「2年F組……」

……俺は渡来悠。教員歴3年目の若造だ

以前勤務していた場所でのちょっとしたトラブルから、ここ、『聖メシア学園』に今年の春から移動になった。

移動……というよりは、左遷。と言うべきか

まぁここのランクを考えると左遷という言葉も正しくはない

聖メシア学園は国内はおろか、世界で最も優れているとも称されるほどの教育機関……

毎年各分野での逸材を排出している

前の赴任先と比べると天と地の差だ

……あぁ、そうだ。教育的指導なんて響きがしっくりくるな

一度世界一を見てこい。という国からのお達しだ、これは

渡来「何も赴任させなくても良かっただろうに」

……いや、何も考えるな

俺のやる事はひとつ、穏便に卒業まで迎える

生徒たちには悪いが……ここは俺にとって踏み台でしかないんだ

記憶に残らない先生になるだろうがそれでいい。むしろ、それがいい

……しかし、だ

渡来「2年F組がないな……」

2年生の階の教室は一通り見たが、2年F組はどこにもない

教室がない、なんて事はないだろう。どこの過疎地域だそれは

……仕方がない。ほかの先生方に聞くしか

渡来「あの、すみません」

「はい?」

渡来「2年F組の教室はどこにあるのでしょうか。私、恐れながら今年赴任してきたばかりで……まだ構造を把握出来ていないんです」

「……もしかして、2-Fの担任ですか?」

渡来「えぇ、そう聞いております」

「……あぁそうだしたか。それは……」

……どうして哀れむような目で見つめるんだ

渡来「……あの、何か?」

「い、いえ!2年F組ですよね。それなら━━━━」

渡来「……これはマジなのか?」

案内された所に行ってみれば、思わず目を疑ってしまう光景だった

学園の広大な敷地の端にひっそりと佇む、廃校舎(っぽい建物)

これは本当に聖メシア学園の内部なのか?

そしてさらに驚きなのが、ここに2-Fがあるという話だ

こんな物置小屋(みたいな建物)に生徒がいるのか?

あの学園長、ここの存在認知しているのか?

渡来「……俺はもしかして、虐められているのか?」

その可能性も高い。前の職場で問題を起こした張本人だということは全員把握済みのはず

先生間での悪質ないじめというのも少なくない

むしろ生徒間よりも多いという話も聞く

渡来「いや、仕方がないか」

渡来「俺はそうされてもおかしくない事をしでかした」

何も考えるな。そうすればいつの間にか全て終わる

ひとまずここの内部に行くとしよう。そうすれば分かる

渡来「……これは……そうだな……」

歩く度に軋む廊下、今にも足場が抜け落ちそうな階段

開けると廊下中に嫌な音を立てる扉、なんか割れてる窓ガラス

渡来「ここに人はいないだろ、さすがに」

声が思わず漏れてしまうほどの酷さ

外から見てる方がマシだったと思えてしまう酷さだ

渡来「……やっぱり虐めっぽいな」

これが(俺への)挨拶だとするなら、今後キツい展開しか見えない

一発目から早速。嫌われたもんだな本当に

渡来「なら早く退散するとしよう。生徒をあまり待たせるのも━━━━」

渡来「………ん?」

微かにだが、奥の教室から人の気配がする

しかも1人じゃなくて数人……

渡来「いや、まさか…………」

だが、もし本当に生徒がいるなら?

2-Fがあるなら……そこは俺のいるべき場所だ

渡来「……違うなら違うでいい。見るだけ見ていくか」

仮にサボっている生徒だとしても過干渉はしまい

絶対ろくな奴らじゃないしな

……そもそも聖メシア学園には、そんな生徒いないはずなのに

渡来「この光景を見ていると、いてもおかしくはないと思ってしまう」

イメージとやらは信用出来ないな。つくづく思う

『0:40まで生徒を募集します。数人ほど採用します。

【名前】
【性別】
【詳細】

異世界系も混ぜてるので他種族にしてもらって大丈夫です。よければ名前にルビを振ってください。』



キュルキュルキュル


扉が変な音を立て、ゆっくりと視界が開けていく。

目の前に広がる光景は────とても信じられないものだった。

渡来「……は?」

思考の停止。

つい最近もこうなった記憶がある。あの現場を目撃した時だ。

衝撃的な光景を見て脳の理解が追いついていないのだろう。

視線の先には……木製の椅子と机。

20席ほどあるが、大半が空席。

そしてまばらではあるものの、制服を着た生徒(らしき人たち)が座っていた。

────僅か4人。

なんだこれは?俺は夢でも見てるのか?

「おーい」

と思った矢先に誰かの呼び声で現実に戻される。

夢を見てるわけではなかったらしい。いやまぁ、分かってたがな。

「もしかして私たちの担任?」

渡来「え、あー……ここが2-Fなら、そうだ」

「じゃあ貴方だね!よろしく!」

「……って、うわ~なんか目が死んでるよ?ほらリラーックス!」

渡来「いや、リラックスというかだな……」

いろいろな思考や事実が混濁して整理できない。

ここが本当に2-Fなのか?ここは本当に聖メシア学園なのか?

ここが、本当に俺が受け持つクラスの現状なのか?

何事にも動揺しないつもりではいたが、さすがに感情は激しく揺れ動いた。

「……その様子だと、何も知らないで来たって感じね」

渡来「あ、あぁ……実は、そうなんだ」

肌がやけに青白い女の子から声をかけられて、動揺を包み隠さず伝えるように俺は受け答えした。

今更隠す方がおかしい。というか現状を知るには素直に受け答えする方が得策だ。

「ここは学園の落ちこぼれが集まるF組。アンタはその担任」

やけに簡潔とした説明に、柄にもなく目を回してしまう。

欲しい情報を1割だけ渡された気分だ。

いや、ていうか実際そうだ。

「おい、そんな説明で伝わるのか。端的すぎやしないか」

「……じゃあ、アンタが説明したら?」

「俺は別になかよしこよししたいわけじゃないぞ。話すのは極力最低限だ」

「なにそれ、まるでアタシが仲良くしたがってるみたいじゃん」

「ていうかそれなら口挟まないで。出来もしないのにケチつけるって何様なの」

「なんだと?俺がいつ出来ないと言った?」

「ふっ、2人とも、落ち着いてよぉ……」

渡来「おっ、おい。喧嘩は──────」

「黙れ」

「黙ってて」

……俺、担任だよな?

俺を巡って(?)肌の青白い子と顔が黒龍のドラゴニュートの子が喧嘩を始めてしまった。

割って入れる雰囲気でもないでもなさそうだな……

「あーりゃりゃ。喧嘩が始まっちゃったね」

渡来「いや、止めなくていいのか?」

「えー?だって怪我はしたくないじゃん?」

「それに~、先生と仲良くなっておこうかなって!」

同じヒューマン族っぽい子が膨らんだ2つのものを押しつけるように腕にしがみついてくる。

渡来「お、おい……それは……」

……っと、これで動揺してる場合じゃない。

渡来「そっ、それよりも。どういう事だ?落ちこぼれって?」

「んーとね……聖メシア学園が優秀な人材育成に秀でているのは知ってるでしょ?」

渡来「あぁ。それはもちろん……」

「けどね、実際は優秀じゃない子もいるわけで……」

「そういう子たちがお払い箱的な感じで集められてるのが、F組なんだ~」

渡来「聖メシア学園に、そんな裏話が?」

初耳だぞ。

……いや、この事実が知られてないからこそ聖メシア学園は高く評価されているんだろう。

この情報がリークされないって、余程情報漏洩に対策しているらしいな……

渡来「……で、ここがそうだと?」

「そそ!そして、貴方は見事担任に選ばれたのです!パチパチ~!」

渡来「……」

あの学園長、この事知っててああやって言ってたのか?

……どうやら教師間ではなく、学園のトップから虐められてるらしい。

渡来「それで……ここに来てない生徒たちは?」

「んー?えーっとねー……」

「まぁ、ここに来たら人生終わり?詰み?みたいな感じだからさ!」

「みんな諦めて学校来てないの!それだけだよ!簡単でしょ?」

渡来「……」

理由がぶっ飛んでいる気がしなくもないが。

それほどまでにF組という経歴は強烈だという事か?

渡来「……大体は分かった。……それで?」

「え?」

渡来「キミの名前は?」

冷静になると、素朴な疑問に気付く事が多々ある。

そういえばこの生徒の名前知らないな。と、ふと思い立ったのもそれが原因だ。

「……ぷっ。あはははは!」

「先生面白いね~!急に冷静になられたらこっちが笑っちゃうって!」

渡来「……そこまで笑う事か?」

「いやいや、私ちょっとツボが浅いからさ!気にしないで!……ぶふっ!」

今の子の笑いのツボが分からない。

「あー笑った!久しぶりかもこんなに笑ったの!」

「よろしくね、面白い先生!私はイノ・フィッツガラルド!先生と同じヒューマン族だよ!」

渡来「面白い先生じゃなくて渡来だ。」

イノ「じゃあ~……渡来と先生でワタセンね!よろしくワタセン!」

……あまり干渉したくないからグイグイ来ないでほしいんだがな。

イノ「教卓の上に出席名簿あるから、それでみんなの名前覚えたらいいと思うよ!」

イノ「でもせっかくだし、私が教えてあげるね!感謝してよ~ワタセン!」

渡来「何がせっかくなんだ」

イノ「お近づきのしるしって事だよ!ニブチンだね~もう!」

イノ「あの肌の白い子は麗ちゃん!雪女らしいよ!」

渡来「ちょ、ちょっと待て……」

出席名簿を手に取って急いで生徒の欄を確認する。

麗、麗……あ、この子か。氷川麗。

母親が代々雪女の家系……

イノ「んで~喧嘩してるドラゴニュートの子はグラブくん!」

グラブ、グラブ……邪馬・D・グラブ。コイツか。

ドラゴニュートは竜人族の別名。ドラゴニュートの方が一般的で竜人族は堅い表現だ。

イノ「で~、止めようとしてるのがファムちゃん!」

ファム……ファム・ファタール。サキュバスの一族か。

24人もいて4人しか居ないのか?6分の1?

……いや俺にとってはむしろ好都合か。

受け持つ生徒は少ない方がいい。問題も起きやしないだろう。

このまま修了過程をもらえれば……

ファム「あ、あのぉ……」

渡来「どうした?」

ファム「その、ドラゴさんが机と椅子を全部燃やしてしまってぇ……」

ファム「床も氷川さんの冷気で凍結して───ひゃあっ!?」ツルン

ファム「うっ、うぅ……痛いです……」

氷川「しつこいんだけど」

グラブ「お前が負けを認めれば済む話だ」

渡来「……」

……一度直談判はしてみるか。

~後日~

コンコン


「入りたまえ」


ガチャ


渡来「失礼します」

「あぁ、キミか。どうだい?ウチの学園は?満足出来ているかね?」

渡来「……それは、分かって言っているのですよね」

「ん?何の事かね?」

渡来「……」

「……とぼけるのも流石に無理があるな」

「悪いね。キミはキャリアがあるから新任でも大丈夫だと判断させてもらったよ」

渡来「私以外にもキャリアの長い先生方はいらっしゃいますよね」

「空いてるクラスが他に無くてね。悪いとは思っている」

「それに、聖メシア学園での修了過程が欲しいんだろう?」

「あのクラスは特段何もしなくてもいい。ただ2年ほど受け持ってくれるだけでいいんだ」

渡来「……本当にそれだけですか?」

「と、言うと?」

渡来「……あのクラスを私にそのまま放置させて、国に報告。と考えておられるのでは?」

「……」

渡来「傍から見れば私は赴任して早々クラスを崩壊させた張本人。そうすれば私は教師の資格を失うでしょう」

渡来「それどころか社会的地位を失う……」

渡来「ほとんど繋がりのなかった私に学園長がそこまでする……わけないとは思っていますが」

渡来「すみません。心配性なもので」

「……思ったより頭はキレるみたいじゃないか、感心感心」

渡来「それはどうも」

「……そこまで言うなら、ゲームをしないか?」

渡来「……ゲーム?」

「なに、教師の仕事を全うしてもらうだけだ」

「キミがあのクラスを立て直し、見事全員卒業させたら特別修了過程をあげよう」

渡来「!」

「キミにとって悪い話ではないはずだ」

「特別修了過程は普通の修了過程とは違い、復帰後にレポートの提出や監査員からの監視の目も無くなる」

「なにより教職員として高い地位に就ける」

「出世話は、嫌いじゃないだろう?」

渡来「……」

渡来「分かりました。その挑戦、受けましょう」

「キミならそう言ってくれると信じていたよ」

「では頑張ってくれたまえ。下がっていいよ」

渡来「はい、失礼します」



ガチャ


バタン


「……よろしいのですか?」

「ん?何がだ?」

「特別修了過程は、世間一般的には買収というイメージが強いです」

「わざと問題を起こしてお金の力で赴任先のトップを買収し、特別修了過程を得る。といった事も少なくありません」

「特別修了過程を得た者も与えた者も奇異な目で見られます」

「このままでは学園長の経歴に……」

「……キミは彼があのクラスを立て直し出来るとでも?」

「! ……これは、失礼致しました」

「負と負を掛け合うと正になるのはもちろんだ」

「しかし……奴らに掛け合うことなど出来ん」

「奴らは足す事しか出来ん無能だ。負と負は足しても負だ」

「F組の奴らは誰の言う事も聞かない。ひねくれたクソガキどもだ」

「過程は2つだが、彼の運命は1つだ」

「心身ともに疲労し、教職員の道を自ら絶つか」

「何も出来ず2年が経ち、私から教職員の道を絶たれるか」

「いずれにせよ彼は辞める事になる」

「手出しは無用だ。今はまだ」

「……承知しました。ではそのように」

渡来「……」

放課後、静まり返ったF組の校舎を歩いて回る。

あれは挑戦状だ。受けなければ俺はどんな目に遭うか分からない。

……これは俺の教職員としての人生の、延命措置に過ぎない。

あのクラスの立て直しは絶望に等しい。

そんなのは、第三者から見ても明らかだ。

それでも俺はやるしかない。

俺に残された道はあれだけだろう。

希望はほんのわずかだ。それを逃さず掴むしかない。

例え希望が無いとしても、俺は信じてやるしかない。

……これは、生徒のためじゃない。

俺のために、だ。

その過程に生徒のためになる事があるだろうが、全部に俺に繋がるならそれでいい。

─────こうして、俺の地獄の2年が始まった。

一回目の投稿は以上となります。お疲れ様でした。
探りながら投稿している状態ですので、反省しつつ次回に活かしていこうと思います。
今回は出てきていませんが、いくつか生徒採用したキャラもいますのでお楽しみに。よければ次の投稿までに生徒案出してくださっていれば採用させてもらうかもしれません。では。

報告
今日は1日出来そうにないので、今から1時間ほどだけ進めます。安価コンマはまだ少なめなのでぱぱっと。次回は13~15日のどこかで投稿予定です。

翌日 4月2日 (火)


渡来「……今日から気合を入れる必要があるな」

昨夜、直談判が終わってしばらくして教職員に支給される携帯に学園長から直々にメールが来ていた。

『立て直しという抽象的な内容ですまないね。』

『キミも具体的でないと対策が出来まい。私はそこまで意地悪をするつもりはない。』

『まずは2-Fの連中を全員出席させなさい。』

『失敗すれば、連帯責任という事で2-Fの連中全員退学。もちろんキミにもこの学園を去ってもらう。』

『期間は2年生の間だ。しかし、生徒によっては残り数ヶ月で退学という者もいる。』

『生徒個人のデータはこちらから送っておこう。』

『よく考えて行動したまえ。』

『なお、捏造や偽装工作などという馬鹿な真似はくれぐれも気をつけてくれよ。』

『健闘を祈ろう。』

渡来「……イカれてるのか?」

出席率約15%から1年で100%?

ただの不良や引きこもりならまだ幾らかマシだっただろう。

しかし、昨日の生徒たちを見る限りおそらく全員一筋縄ではいかない生徒ばかりのはずだ。

それに生徒を引っ張り出すにあたって、生徒への過干渉が時には必要になる。

……さっそくスタンスが崩れそうだが、やはり干渉はできるだけ避けたい。

それに……全員退学。

俺と一緒に、面倒なF組を排除しようということか?

聖メシア学園は歴史の長い伝統ある学園だ。

このF組制度が昔からあったとするなら……流石に隠し通すのも無理が出来てくる頃だろうな。

これを皮切りに3年、1年のF組にも手を出していくに違いない。

つまり……俺は約80人ほどの生徒の命運を握っているわけだ。

渡来「こういうのは柄じゃないな」

いや、以前はこういうのが好きだったから……柄じゃない。と、言うのも不自然だな。

渡来「……早い奴は2ヶ月で退学が決定か」

渡来「留年……の制度は、例外で適用しないつもりか」

まさに権力の濫用だ。親御さんにはなんて説明するつもりなんだ一体。

渡来「……ああ、くそ。考えるのはやめだ」

あれこれケチつけて現実から逃げようとしてる自分がいる。

このまま問題を先送りにするのは悪手というやつだろう。

渡来「ひとまず、生徒を集める。これが最優先事項」

渡来「次に生徒たちの成績を上げる。全員来て成績悪けりゃ退学なんて言われたら遅すぎる」

渡来「教えられる奴は今のうちに教えておくべきだろう」

渡来「後は……そうだな、教室にいた奴らと話をして他の生徒の話を聞くのもアリだな」

生徒のプライバシーにあまり関与するのは気が引けるが……

必要な事なら仕方がない。

渡来「課題は山積みだ。俺自身がこの学園に慣れていくしかない」

全然投稿できていませんが本日はここまでです。お疲れ様でした。時間がある時はまたこまめに更新しますがおそらく予告した日になるかと思います。システム説明などもしたかったのですが、それもまた後日。では。

お疲れ様でした
質問一つ、ここは全寮ですか?

今夜更新予定です。

>>51
寮は無いです。ただし必要な人(遠方の人など)は特別にお迎えが来ます。多分空飛ぶタクシーとかです。

始めます。途中少し離脱しますがまたすぐ復帰します。



キュルキュルキュル……


渡来「おはよう」

イノ「あっ、おはよー!ワタセン!」

渡来「……ワタセンはやめてくれないか」

イノ「えー?いいじゃんワタセン!覚えやすいよ!」

先生の方が覚えやすそうだが。

氷川「……」

グラブ「……ふん」

ファム「お、おはようございますぅ……」

……あまり歓迎はされてないみたいだ。

好感触。とまではいかないが……イノとファムは会話ぐらいなら出来そうだ。

氷川とドラゴは……どうだろうか。昨日の喧嘩が尾を引いているのか、はたまた俺の事が嫌いなのか。

渡来「とりあえず出席を取るぞ。席に着いてくれ」

イノ「はーい!」

氷川「取るほどの人数でもないでしょ」

渡来「教師として仕事はしなくちゃならない。めんどくさいとは思うが我慢してくれ」

氷川「……めんどくさいとかじゃないんだけど」

ドラゴ「いちいち突っかかっていくその態度、感心出来んな」

氷川「は? 何? アンタはアタシの何な訳?」

渡来「あーはいはい。静かに」

面倒事は避けないとな。先が思いやられる……

渡来「……連絡は以上。15分後に1限が始まる。遅れないように」

氷川「……何言ってんの、アイツ」

ファム「えっ、えぇっと……授業をする?って事でしょうか?」

ドラゴ「不服だが俺も同感だ。授業をするだと?本当に何も知らないらしいな」

渡来「……何を言ってるんだ?」

まるで授業をする事に驚いているかのような────

渡来「待て。まさか……」

イノ「んー、先生の思ってる通りかも」

イノ「F組に授業を受ける義務は無いんだよ。だから授業は無いものだと思ったんだけど……」

氷川「ついでに言うと先生たちも来ない。F組はしないものだと思ってるし」

渡来「……」

流石に絶句した。

授業を受ける義務が無い?本当なのか?

……いやしかし、そうなら生徒たちが学校に来ていない説明もつく。

そもそも受けくなくていいから来てないのか。

……それにしても先生たちも来ないってどういう事なんだ。

F組の生徒は誰一人として学校に来てないものと思っているのだろうか。

というか、条件に生徒たちの授業は入っていないよな?

立て直しは出席させて卒業させるだけだよな??

まさか一定の点数取れなければ……とかは無いよな???

無い……と、言い切れないか。くそ。

渡来「あー、そうだな……」

……仕事が増えるのは好きじゃないんだが。

渡来「授業は、する」

ファム「え?でも先生たちは……」

渡来「……俺が全教科する」

ドラゴ「何だと?」

渡来「俺は教師だ。一応お前らに全教科教えられるだけの知識はある」

手段はこれしかないだろう。

まさに俺一人だけの力で立て直し、というわけだ。

これも見越してゲームを持ちかけたのか……

……過干渉はNGにしたらすぐこれだ。

氷川「マジで言ってんの」

渡来「……残念ながらマジだ、な」

ファム「せっ、先生は大丈夫なんですかぁ?」

渡来「負担は増えるが……まぁ、何とかしよう」

ドラゴ「……そこまで俺らに肩入れする理由があるのか?」

渡来「……あー、それは……」

あまりこの事は言わない方がいいんだろうが、どうしようか。

イノ「まぁまぁ! そんな事言わずにさ!」

イノ「みんな今帰っても暇でしょ?せっかく登校したんだし、していこーよ!授業!」

ファム「……そ、そうですねっ。私は、いいですけど」

ドラゴ「まぁ、学生の本分は勉強と言うしな。よかろう」

意外とみんな乗り気だな。これなら……

氷川「くだらないね」

ファム「氷川さん……?」

氷川「悪いけどアタシは帰る。受ける義務も無いんだ。帰るのも自由でしょ」

渡来「……まぁ、そうだな」

氷川「授業は受けない。出席だけはするから。じゃあ」


キュルキュルキュル……


渡来「……」

……無理にでも引き止めるべきなはずだ。

俺自身の人生に関わる事だ。ここは引き止めなければならないのに。

体が動かない。なぜかフラッシュバックするあの日の記憶。

俺は……

イノ「ワタセン?」

渡来「!! ……どうした?」

イノ「いや、引き止めなくていいのかなーって」

渡来「……いや仕方ない。あいつの言う通りだ」

渡来「いるメンバーだけで授業する。準備をしててくれ」


キュルキュルキュル……


渡来「……俺は、弱いな」

トラウマはやっぱりなかなか乗り越えられないらしい。

思い出さないようにいこう。

ここからやっと安価です。お待たせ致しました。
1日には昼行動と夕行動があります。平日の昼は授業、夕は自由です。休日はイベントがない限り基本フリーです。
現時点では昼には普通の授業と個人面談が出来ます。普通の授業は成績の向上、個人面談はキャラ別の友好度が上がります。
(学力も友好度も具体的な表示はないです)

現時点で決まっているシステム

【絆システム】
生徒たちとの絆を視認化したもの。
☆から★になると絆が深まった事になります。最大値は5です。
ストーリーを進めるのに最適なほか、生徒別のgood endに直結しています。
是非全員のgood endを見れるように頑張って下さい。

【退学】
2年生での課題は【全員の出席】です。
生徒によって退学までのカウントダウンが異なります。そのため、まめなチェックが大切です。なお、絆と退学はあまり関係はありません。一度復帰した生徒が絆を深めなかったから来なくなる。という事はほぼ有り得ません。
誰か一人でも退学となれば失敗となります。

安価
1.普通の授業
2.個人面談(誰と面談するか名前指定)

現時点で来ていない生徒及び氷川との面談は不可です。

↓1

2 ファム把握

4/2 (火)昼

ドラゴ「おい」

渡来「どうした?」

ドラゴ「どうして俺は貴様と1対1でお話しているんだ」

ドラゴ「俺は授業を受けると言ったはずだ。貴様と話したくて残ったわけでは……」

渡来「すまないな。だがこれも必要な事だ。未熟な先生のわがままを聞いてやってくれ」

ドラゴ「ふん……」

……何も考えなしに面談をしているわけじゃない。

生徒の学力、態度、家庭環境を聞く事で生徒自身を把握する。

あくまで把握するだけだ。干渉はできるだけしないスタンスは崩さない。

こうすることで生徒ひとりひとりとの接し方を変えて、継続して出席してもらうようにする。

上手くいけば勉強への取り組み方も指示出来そうだ。

氷川はまだ出席するだけマシだが、この中から出席すらしない生徒が出たら二度手間だ。

そうならないための、いわば事前対策。

渡来「以上で終了だ。教室に戻っててくれ」

ドラゴ「まったく、時間が無駄でない事を祈るぞ」

渡来「次は……」


キュリキュリキュリ……


「しっ、失礼します……」

渡来「ファムか、そこに腰掛けてくれ」

ファム「は、はいっ……」

渡来「改めて自己紹介しておくか。私は渡来悠。よろしく」

ファム「は、はい! わっ、私も渡来です!」

いや違うだろ。

ファム「……って、あぁ間違えましたぁ!」

ファム「えっと、ファム・ファタールです。その……はっ、初めてなのでお手柔らかにお願いします!」

まるで変な事するみたいな挨拶のされ方だな。

渡来「……緊張してるか?リラックスしてくれ」

ファム「は、はいぃ……」

ファム「先生がいきなり『私』なんて、畏まった言い方するので……」

ファム「その、なんだか緊張がより一層高ってしまって……」

渡来「あー、それはなんだかすまなかった」

あまり俺に非は無い気がするが。

渡来「まぁあれだ。こういうときに俺と言うと少し生徒との距離が近しい気がしてな」

渡来「個人的に気になっただけだ。気にしないでくれ」

かくいう俺も畏まった感じは苦手だったりする。

ファム「そっ、そうなんですか……それは失礼しました……」

渡来「いや、気にするな」

ファム「……あの、生徒と距離が近かったら、そのぉ……ダメな事でもあるんですか?」

渡来「え? ……まぁ、生徒があまりよく思わないんじゃないかと思ってるんだ」

ファム「そっ、そうなんですかぁ?私は構いませんよ……?」

渡来「え? そうか、うん。そうだな……考えておく」

渡来「……」

ファム「……」

……なっ、何だこの空気。

とりあえず話題を……


1.F組になった理由について
2.クラスメイトとの交友関係について
3.ファムの種族について

↓1

質問って一個だけ?
安価なら3で

undefined

undefined

渡来「ファムの種族は……サキュバスだったな確か」

ファム「はっ、はい!」

渡来「サキュバスとヒューマンに何か違いはあるのか?」

渡来「まぁその、生物学的に違うのは知っているが……」

渡来「生活スタイルとか、そういう面での違いというか」

ある程度種族ごとの歴史は習っていて、サキュバスもその例外ではない。

しかし風習といったものは現在進行形で移り代わっている事が多い。

そういうのを逐一調べるのは民俗学の分野だしな。

ファム「そうですね……」

ファム「私もあまりヒューマンの事を知らないので違うのかは分かりませんけど……」

ファム「サキュバスは体に細心の注意を払え。とよく言われます」

渡来「体に細心の注意?」

健康的な意味だろうか?それなら他種族でも言われて当然だろうが……

ファム「はっ、はい。健康面でもそうですが、傷や肌荒れといった肉体的な感じといいますか……」

ファム「えっと、サキュバスは体を使った仕事が多いんです」

ファム「……グラビアモデルとか、よっ、夜のお仕事だとか……!」

夜のお仕事といって顔を真っ赤に染め上げていくファム。

どうやらそっち系には耐性がないらしい。

夜の仕事は間違いなく不向きだろう。

ファム「なっ、なのでサキュバスは体が資本と。よ、よく言われますぅ……」

渡来「なるほど。ありがとう、勉強になった」

サキュバスやインキュバスといった、俗に言う淫魔は昔からの根強いイメージからか現在でも差別や酷い扱いが残っている。

第一印象が大事。とはよく言ったものだが、これでは第一印象もクソもないな。

と言ってもこれはあくまで一部界隈でだ。一般的には他種族と変わらない扱いを受けていると言っても過言ではない。

ファム「あっ、あのぉ……」

渡来「ん? どうした?」

ファム「こういう話を聞きたいって事は……つまり、先生はその……」

ファム「そっ、そういう事に興味があるって事でしょうか……?」

渡来「え、いや、ちょ、ちょっと待て。俺は話題を広く提供したつもりだが」

ファム「せっ、先生って……えっ、エッチな方なんですね!」

渡来「いや、待ってくれ。おい聞いてるかファム?」

勝手に誤解していくファムを説得するのは至難の業だった。


4/2 (火)夕

イノ「じゃーねーワタセン!」

渡来「あぁ、寄り道せず帰れよ」

手を振って校舎を出ていくイノ。

ファム「せっ、先生……今日はいろいろとすみませんでした。で、では」

渡来「あぁ、次からは気をつけてくれ」

……夕日のせいだろう。顔が赤いファム。

ドラゴ「うぅむ……頭が痛いぞ。これが知恵熱とやらか……」

渡来「意味違うけどな。家でしっかり休んでこい」

頭を抱えながら空を飛んでいくドラゴ。

三者三様で、それぞれの性格を表している気がする。

そう思うほど一日であの3人の事を知れた気分だ。

これを上手く各自の教育方針に活かしていくとしよう。

渡来「……さて」

F組を受け持っているせいか、はたまた学園長の喧嘩を買った事が知られたのか……定かではないが仕事を持ち寄られない。

……ほかの先生に話しかけづらくなるのは少し難点だが。

まぁ非常にありがたい事だ。すぐに帰れるし。

……いや、むしろ忙しいのはここからか。

残りの20人を集める必要がある。

それにはこの空いてる時間で探して呼び戻すしかない。

ときには休息も必要だ。或いは今日来ていた生徒と話してみるのも悪くないだろう。

ほかの生徒の情報も聞き出せるかもしれない。

……今日はどうしようか?

1.生徒を探す(後に追加安価あり)
2.生徒と交流する(既出の生徒から選んでください)
3.休む(その日の夕行動を消費。たまに挟みましょう)

↓1

【生徒名簿】

No.1
【小悪魔系陽キャ】
イノ・フィッツガラルド
絆:☆☆☆☆☆

No.2
【コンプレックスの権化】
邪馬・D・グラブ(やま・ドラゴ・ーー)
絆:☆☆☆☆☆

No.3
【クール代表】
氷川 麗(ひかわ れい)
絆:☆☆☆☆☆

No.4
【淫魔から最も遠い淫魔】
ファム・ファタール
絆:☆☆☆☆☆

No.5
【イタズラ切込み隊長】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り5ヶ月半》

No.6
【スクラップ場の一匹狼】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り2ヶ月》

No.7
【孤独を恐れる留年生】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り10ヶ月》

No.8
【呪われた大空の戦士】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り4ヶ月》

No.9
【自業自得プレイボーイ】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り5ヶ月》

No.10
【疑心暗鬼な財閥令嬢】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り6ヶ月》

No.11
【完璧超人メイド】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り6ヶ月》

No.12
【引きこもりの極み】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り2ヶ月》

No.13
【ビューティ・オブ・ビューティ】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り7ヶ月半》

No.14
【ツンツン時々デレ】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り10ヶ月》

No.15
【その男、神童につき】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り3ヶ月半》

No.16
【死のリサイタル】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り9ヶ月》

No.17
【働く吸血鬼様!】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り4ヶ月半》

No.18
【美食より暴食を】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り6ヶ月》

No.19
【未公開】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り??ヶ月》

No.20
【未公開】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り??ヶ月》

No.21
【未公開】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り??ヶ月》

No.22
【未公開】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り??ヶ月》

No.23
【未公開】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り??ヶ月》

No.24
【未公開】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り??ヶ月》

未公開はまだ未決定の生徒です。随時埋めていく予定です。
またこちらでコンセプトだけ決めたキャラがいます。選ばれた際には安価を取り、採用の流れを取らせてもらいます。
5~18の生徒から1人 ↓1

15把握でここまでにします。お疲れ様でした。
回答消えてましたので再び
>>71 1回の面談につき1つです。次からは自由安価つけときます。
設定の質問などならご自由に。

報告
次の更新はできれば今夜、無理だった場合は水曜日となります。
それでは。

もう夜も更けましたが少し更新させてもらいます

【ミコト・トゥプクスアラ】

成績優秀、1年生ながら聖メシア学園を代表とする生徒に選ばれる。

しかし時が流れるにつれて彼の本性が暴かれていく。

周りを見下すような発言は挙句の果て教師にまで届き……

退任する教師が後を絶たなかった。

彼はゲームと称し、教師を人生のどん底に追いやる。

誰の指示も受けずに頂点に君臨するさまはまさに暴君そのもの。

こうして素行不良といった名目で彼は聖メシア学園の顔からどん底のF組へと落ちることになる。

最も、彼がどん底に落ちて絶望しているとは誰も思っていないだろうが。

F組に落ちたという話を聞いても被害に遭った教師は社会復帰できず。

元同級生さえも何かに怯えているようだった。

渡来「……ここがミコトという生徒の家か」

情報から推測はしたがどうやら外れたようだ。

成績優秀、周り見下す態度。

どんな金持ちかと思ったが住んでいる場所は普通より少し良い一軒家だ。

とは言っても、この家にはこの生徒以外住んでいないらしい。

そう考えたら一人暮らしにしてはデカすぎる。

両親はこの世にいないのか、一緒に住んで居ないだけなのか詳しくは書かれていなかった。

F組に関する資料だから雑なのか? と思ったが、どうやらそうではないらしく。(雑な資料の奴もいたがおそらく1年の時からF組の生徒だろう)

どうやら最初に詳しく聞くのを諦めてたらしい。

賄賂でも渡されたか、情に絆されたのかは知る由もないが。

世界一だと自画自賛する割には杜撰な部分が多くて頭が痛くなる。

渡来「不在じゃなければいいんだが」

残された時間も少ない生徒もいる。無駄足である事が一番キツい。

仕事が無いからといって一日に数人の生徒の元へ訪れる余裕も無い。


ピンポーン……


夕暮れ時にチャイムの音が軽やかに響き渡る。

……そもそも教師潰ししてる奴と最初に話すって大丈夫なのか?

選択ミスしてないか?

後退しても教師人生終わり、前進して転けたら教師人生終わりってハードモード過ぎないか?

そうこう考えているうちに玄関の扉が開く。

「どちら様でしょうか?」

そこに現れたのはふくよかなある程度年食ってそうな女性。

渡来「え? いや、ん? えーと」

思わず動揺。

おかしいな。両親はおろか親族と暮らしている情報は載っていないが……

F組になってから一緒に住んでいるという事だろうか?

それなら説明はつかなくもない。

一度深呼吸して(自分を)落ち着かせる。

今までの焦りを無かった事にするかのように再び話し始める事にした。

渡来「初めまして。私、ミコトさんの新しく担任となりました渡来といいます」

「あぁ、渡来様ですか。ミコトさんから『その名前の方を家へあげろ』と言われましたがまさか本当に来るとは……」

渡来「え?」

ミコトから家へあげろと言われていた?どういう事だ?

顔写真も見たし名前も見たが、確実にこれまでに会ったことのない人物だった。

割と記憶力は良い方のため、自信はある。

再び動揺して固まっていると家の門が開いた。

「どうぞ。ミコトさんは2階の一番奥の部屋にいらっしゃいますよ」

渡来「……あの、差し支えければですが。どのようなご関係で?」

「……あっ、私とミコトさんですか?」

「私は家政婦でして、ミコトさん個人に雇われております」

「雇用主と従業員。という関係です」

渡来「な、なるほど」

こんな家に住んでいて家政婦を雇う資金もあるのか?

成績優秀とは書いてあったが、何をして生計を立てているんだ?

新築のような傷一つない床に、軋むことのない階段。

加えて塵一つない様子からあの家政婦はかなりの手慣れらしい。

まさか一流中の一流を雇っているとは。

とんでもない男なのだろう。それだけは間違いなく言える。

一番奥の部屋の前に立ち、ノックをする。


コンコン


「渡来悠だな。入れ」

何故だか分からないが学園長室に入る前の気持ちになる。

いやそれ以上の緊張かもしれない。

生徒一人に教師が肩の力を入れてしまうとは情けない話だが。

渡来「失礼します」

思わず敬語で入るものの、礼儀としては間違っていないと自分を肯定する。

渡来「初めまして、のはずだ。ミコト・トゥプクスアラ」

ミコト「あぁもちろん。俺もこんな生意気な教師は知らない」

ミコト「知り合っていたらとうの昔に潰しているはずだからな」

ふふっ。と不敵な笑みを浮かべこちらを見下すような視線を向ける。

本に囲まれた……いわゆる書斎部屋で椅子にまるで王様のように座る目の前の男が、客人を歓迎している様子ではない事は誰の目から見ても明白だった。

端正な顔立ちに成績優秀という肩書き。

この冷たい目と捻れに捻れた性格が無ければ、今頃学園至高の宝として扱われていただろう。

渡来「……なぜ俺の名前を知っているんだ?」

いろいろ聞きたい事、話すべき事はあったがまずこれが思わず口から出てしまった。

ミコト「最近の教師は礼儀を知らないらしいな。藪から棒に質問とは」

ミコトは明らかに不満げな顔色を浮かべ、舌打ちを重ねる。

ここまで歓迎されてないと清々しいな。

ミコト「……まぁいいか。こっちも饗す気はさらさら無かった」

ミコト「願わくば早くお帰りいただきたいからな」

ミコト「俺はお前の事を知っていた。それは何故か? そんなの簡単だ」

ミコト「ただ情報を仕入れた。それだけだ」

考えていたよりも端的な説明で、更に口を開こうとする────

ミコト「お前が学園長と取引をしている事、そのためにF組の生徒を復帰させようとしている事もな」

────も、それはミコトが放った言葉によって飲み込まれた。

急激に早くなる鼓動。汗が滲み出る。

どうして知っているんだ?学園長が情報を漏らしたのか?

ミコト「学園長が情報を漏らしたのか? という顔をしているな」

渡来「!!」

ミコト「そんな馬鹿な事は二度と思うな。俺は学園長のような大人が二番目に嫌いだ。絶対に繋がりは持たない」

ミコト「そうだな……俺ぐらいの頭脳があれば、この世界で起こっている事全ての把握も可能。と言えば分かるか」

ミコト「それならこんなちっぽけな話、知っていてもおかしくないだろ」

……なんなんだコイツは。

俺は今、未知の生物と遭遇している気分になっていた。

予測のつかない言動に精神がすり減っているのが分かる。

ミコト「結論から言おう。俺は出席はしない」

ミコト「あの学園にもう用はないしな」

ミコト「教師とゲームをするのも飽きたところだった。そんな時にF組に落ちるとは……本当に良い機会を貰えたよ」

ミコト「それになにより────」

ミコト「俺は人から指示を受けるのが嫌いだ。特に教師からな」

渡来「……」

早々と出される結論。

淡々と、顔色一つ変えずに喋るミコトはまるで無機物のようだ。

ここで終わるならコイツはただのクソガキということだろう。

しかしコイツには類稀なる頭脳がある。

それが俺の言葉を阻む。

何か言いたくても、言葉がすぐに引っ込んでしまう。

ミコト「……しかし、だ」

何も言えずにいる俺に、ミコトはすかさず言葉を繋げた。

ミコト「お前となら、特別にゲームをしてもいいと思っている。今ならな」

渡来「……ゲーム?」

ミコト「俺の情報は仕入れているだろう。なら分かるはず」

ミコト「俺がゲームと称し、多くの教師を退任させた事を」

渡来「!! ……あぁ、そうだったな」

渡来「それを俺とならやってもいいと?」

明らかに誘い込まれているのだが、敢えて近寄る事にした。

どの道俺に退くという選択肢は残されていないからな。

ミコト「あぁ。お前の事をよく調べているうちに面白そうだと思ってな」

ミコト「───以前の赴任先での事件を」

渡来「!!」

渡来「お前、どこで……」

刹那によぎるあの日の─────



『先生の、嘘つき……』



ミコト「二度も言わせないでくれ。同じ事を再び説明させる行為は反吐が出るほど無駄で嫌いだ」

ミコト「俺の頭脳ならそうどうって事もない」

ミコト「というか、学園長との取引の情報の方が引き出すのは難しいからな」

ミコト「教師の事件なんぞ、探せばいくらでも記事は出る」

更に汗が吹き出す。

思い出したくもないあの日の記憶。

胃の中の物が全て出そうになるあの光景。

まるで自分が谷底に落とされていくような感覚に陥った。

ミコト「余程どうやらショックな出来事らしいな。ふふっ、笑える」

ミコト「……これ以上は無駄な時間だな。本題に戻ろう」

ミコト「お前に残された選択肢は2つ」

ミコト「俺の挑戦を受けるか、このまま1年迎えて教師をやめるか」

ミコト「俺の挑戦を受けたところで結果は見えている気もするが……まぁ今は目を瞑ろうじゃないか」

ミコト「さぁどうする。早いとこ決めるんだ」

渡来「……」

俺は……


『お前は、先生を続けろっ!!』


『一生忘れないように!!戒めとして!!』


『辞める事は……俺が許さない。このクソ野郎が』


『生涯かけて償え! 逃げるなよ卑怯者……!!』

渡来「分かった。その挑戦受けよう」

ミコト「ほう」

渡来「前も後ろも地獄だ。なら前に進んで地獄に落ちる事にしよう」

……天国から救いの手が差し伸べられるかもしれないのは前に進む方だ。

なら、そっちに向かうだけだ。

ミコト「いい度胸だな。そこまでして教師という役職に拘りたいか」

ミコト(ここまで教師に執着する理由。大方予想はつくが────)

ミコト(まぁいい。それは俺が勝利してから聞き出すとしよう)

ミコト(俺のつまらない憶測より、面白い背景がある可能性が万が一にもあるならその可能性に賭けようじゃないか)

ミコト「決まりだ。ならばこちらからゲームの内容を提示しよう」

ミコト「そうだな……ならば謎解きゲームといこうか」

渡来「謎解き?」

ミコト「あぁなに。簡単なルールだ。俺が指示した場所へ向かい最終的に指定した場所に辿り着けたらお前の勝ちだ」

本当にそれだけなのか?今度は単純すぎて疑ってしまう。

渡来「それに俺が勝てばお前は出席するのか?」

ミコト「『出席してくれるのか』の間違いだろ? 謙譲しろ」

ミコト「まぁ考えておく。とだけ言っておこう」

渡来「それだと俺に不利すぎないか」

ミコト「最初にも言ったはずだ。俺に出席する気は無い」

ミコト「今は、な」

ミコト「お前が謎を解いていく中で俺をその気にさせてくれたら出席してやってもいい」

渡来「その気にさせる? どうやって?」

ただ謎を解くだけでその気に出来るとは到底思えない。

ミコト「少しは自分で考えたらどうだ?教職者として生徒に教わるなんて恥ずかしくないのか」

ミコト「その足りない脳みそでじっくり考えて熟成させろ」

……いちいち癪に障る言い方をするが、ここで挑発には乗らない。

渡来「……あぁ。そうするとしよう」

ミコト「今日中に指令書を送ってやる。俺の退学までに辿り着けるかな果たして」

またしても不敵な笑みを浮かべるミコト。

どんな謎がくるかは知らないが、一秒たりとも気を抜けないのは確かだ。

そう心に刻んで、俺はその笑みを背にして部屋を出た。

今回はここまでです。お疲れ様でした。
次回は水曜日の更新となります。
キャラの枠はもう少しで埋まりそうです。引き続き御協力よろしくお願いします。では。

そういえば学園の校舎はどんな感じなのだろう
F組のほうの校舎はなんとなく想像つく

水曜日更新と告げて木曜日になってしまい申し訳ありません。
今からどれほど進められるか分かりませんが始めます。
生徒は全員決まりました。とりあえず募集は締め切ります。ご協力ありがとうございました。

>>110 伝えづらいですがなろう系とかによくある西洋風な学園と思っていただければ。私はそう考えています。中には食堂と称したフードコートやカフェテリアなどあります。なんとなく大学っぽいです。

渡来「……」

渡来「ふー……勢いで受けて立ったのはいいが……」

死に物狂いでゲームに挑むのを前提としても、勝てる気がしない。

そもそも教師を何人も潰しているという時点でろくな奴ではないし、神童という呼称は伊達じゃない事が分かる。

それに─────


ミコト『お前が謎を解いていく中で俺をその気にさせてくれたら出席してやってもいい』


渡来「その気にさせたら、か」

どうも嫌な予感がする。

……いや、俺の過去を知っているんだ。予感じゃないのは間違いないだろう。

確実に悪い未来が待っている。

それはアイツに負けて俺が教師を辞めるという最悪な未来だけだというわけではなく……

大小はともかく俺にとって何かしらの悪い未来。

渡来「それでもやるしかなかったというのが、俺の立場を物語ってるな」

中間管理職の人はこんな感じなんだろうな。と家への帰路で思う。

もうすっかり日は暮れて、仕事終わりの社会人らしき人々が行き交っているようだ。

みんな同じように疲れた顔をしている。中には自殺でもしそうな顔もちらほらと。

渡来「……逆にこっちが滅入ってしまう」

とっとと帰って食事、風呂、睡眠。これを済ませるとしよう。

直下コンマ
75以上で後日イベント発生 ↓1

75未満なのでイベント無し

【4/2(火)終了】
収穫
・ファムとの仲が少し深まった
・ミコトとゲームをする事になった

Next→4/3(水)

4/3(水)快晴

渡来「今日は雲一つない空だな」

晴れが特段好きというわけでもないが、やっぱり晴れていた方が気分は良い(気がする)。

こういう日はコーヒーが美味しく淹れられる(気がする)。

……何にしても気がするだけだが、それだけでも一日の気分というのは変わるのだから人は単純だ。

トーストも上手く焼けた(気がする)のでこの説は間違ってないだろう。

渡来「……さて。そろそろ家を出るか」

電気やテレビの点けっぱなしが無いか確認。

鍵を閉めて一度閉まっているかノブを引いて確認。

一人暮らしには少しの電気代すらも勿体ない。

……特に趣味も無いから金に困った事は無いが……

本来もっと少なかった電気代を見るとどこか虚しくなるため、そこは注意しておく事にしている。

戸締りも……まぁ、取られたら困る物は無いが。

知らない人物が勝手に家に上がりこんだ。と考えると悪寒がするからな。

それに習慣づけておかないと、いざという時に失敗しそうだ。

いつものルーティンをこなして出勤する。



キュルキュルキュル……


渡来「おはよう。出席を取るぞ。席についてくれ」

イノ「あ、ワタセンおはよー!」

渡来「ワタセンはやめてくれ」

ファム「お、おはようございますぅ……」

氷川「おはよう」

ドラゴ「……ふん」

今日は氷川が挨拶してくれたな。

やっぱり昨日は喧嘩が尾を引いていたようだ。

ドラゴはどうやら普段からああいう感じらしい。

まぁ対応はどうであれ出席してくれればそれでいい。

少なくとも俺にとっては。

渡来「……以上で連絡事項は終わりだ。15分後に授業だからな。準備をしててくれ」


キュルキュルキュル……


氷川「……じゃあアタシは帰る」

イノ「麗ちゃん今日も帰っちゃうの?」

氷川「……あんまり馴れ馴れしくしないでほしいんだけど」

氷川「今日もっていうか、毎回帰るつもりだから」

氷川「この日は勉強しようなんて日は多分来ないから安心して」

イノ「安心って、私どっちかっていうと来てほしい側なんだけどなぁ」

ドラゴ「ふん、俺は清々するがな」

ファム「ちょ、ちょっとドラゴさん……喧嘩はダメですよぉ……」

氷川「あっそ」


キュルキュルキュル……


バタン!


ドラゴ「……」

イノ「……ドラゴくんだけっぽいね、引きづってるの」

ドラゴ「俺を未練がましい奴扱いするな!」

安価
1.普通の授業
2.個人面談(誰と面談するか指定)

現時点で来ていない生徒及び氷川との面談は不可です。
普通の授業を選ぶメリット
・学力が上がる(学力が上がり、学期ごとにある考査で良い点を取れた生徒は仲が深まりやすくなる、特別なイベントが発生する場合があるなど良い事づくめです)
・全員との仲が深まる(個人面談ほどではなく微アップって感じです)

個人面談のメリット
・生徒一人との仲が深まりやすい
・個別イベントが起きやすくなるor発生する

↓1

報告
今夜22時30分から更新予定です

更新していきます


~数学~

渡来「だからな、このたすきがけというのを使えば……」

ドラゴ「おい待て。そもそも何故数字を分解するんだ?」

渡来「……」

イノ「えーとこことここは偶数だ、か、ら……あー分かった」


~現代文~

渡来「この作者の最期のひと文。ファム、どうして書いたと思う?」

ファム「えっ!? えっとぉ……書くのが間に合わなくて無理やり締めくくったんじゃ……」

渡来「……そういう解釈もあんまり否定できないな……」

イノ「読者にその先を考えさせるためかな?」

渡来「あぁ、その通りだ」

渡来「……これで連絡事項は終わりだ。じゃあ下校だ、解散していいぞ」

ドラゴ「……」

ファム「はうぅぅ……」

渡来「……」

……と言ってもすぐに出来そうに無いらしいな。

イノ「あはは……みんな疲れてるね~」

渡来「まさか本当に学業が疎かになっていたとは……」

イノ「いやー、面目ないよほんと。ごめんねワタセン!」

渡来「……いや、お前は出来ていただろ」

苦戦している2人を他所に、難なく問題を解いていたイノ。

特につっかかってる場面もなさそうだったし、学力はかなりあるらしい。

イノ「いやいや!私もF組の一員だしさー、まだまだだよ!」

渡来「……」

なんだか知らないが認めたくないらしい。

自己肯定感が低いのか知らないが……まぁあまり言及するのはやめておこう。

イノ「じゃ、私はお先に!また明日ワタセン!」

渡来「あぁ」

ワタセンはやめろ。と言おうとしたが、足早に去っていくイノを見て言うのはやめた。

ファム「なんだか頭が痛いですぅ」

ドラゴ「2日続けて頭痛は堪えるぞまったく……」

頭を抱えていた2人もようやく帰る支度を始めたようだ。

ドラゴは教科書を恨めしそうに見つめながら黙って荷物を詰めている。

ファムはため息をつきながらも少し教科書をパラパラと捲って今日の授業を振り返っているようだ。

……この2人は学業でF組に落ちたらしい。多分。

氷川は分からないが……授業に参加していないって事は一定の学力はあるはずだ。

氷川とイノ。 この2人はF組に落ちた理由は分からないな。

生徒の個人情報にはF組に落ちた理由なんて書かれてない。

……理由を調べて────

……いや、今の俺にそこまでする義理はないか。

4/3(水)夕

渡来「さて、今日はどうしようか」

1.生徒と交流する(後に追加安価あり)
3.休む(その日の夕行動を消費。たまに挟みましょう)

↓1

すみません、説明が不足していました。
1と2は統合しました。既出の生徒も未登場の生徒も1にまとめてあります。既出の生徒と交流したければ1→生徒指定で大丈夫です。
ファム安価把握してもうひとつ安価取っておきます。

ボーナス安価
1.生徒と交流する(後に追加安価あり)
2.休む(その日の夕行動を消費。たまに挟みましょう)

↓1

No.1
【小悪魔系陽キャ】
イノ・フィッツガラルド
絆:☆☆☆☆☆

No.2
【コンプレックスの権化】
邪馬・D・グラブ(やま・ドラゴ・ーー)
絆:☆☆☆☆☆

No.3
【クール代表】
氷川 麗(ひかわ れい)
絆:☆☆☆☆☆

No.4
【淫魔から最も遠い淫魔】
ファム・ファタール
絆:☆☆☆☆☆

No.5
【イタズラ切込み隊長】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り5ヶ月半》

No.6
【スクラップ場の一匹狼】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り2ヶ月》

No.7
【孤独を恐れる留年生】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り10ヶ月》

No.8
【呪われた大空の戦士】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り4ヶ月》

No.9
【自業自得プレイボーイ】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り5ヶ月》

No.10
【疑心暗鬼な財閥令嬢】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り6ヶ月》

No.11
【完璧超人メイド】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り6ヶ月》

No.12
【引きこもりの極み】
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り2ヶ月》

No.13
【ビューティ・オブ・ビューティ】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り7ヶ月半》

No.14
【ツンツン時々デレ】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り10ヶ月》

No.15
【その男、神童につき】
ミコト・トゥプクスアラ
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り7ヶ月半》

No.16
【死のリサイタル】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り9ヶ月》

No.17
【働く吸血鬼さま!】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り4ヶ月半》

No.18
【美食より暴食を】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り6ヶ月》

No.19
【緋色のヒーロー】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り10ヶ月》

No.20
【人類の発展への犠牲】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り5ヶ月半》

No.21
【瞳の奥の隠者】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り11ヶ月》

No.22
【スパイドワーフ】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り11ヶ月》

No.23
【ポンコツと天才は紙一重】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り4ヶ月半》

No.24
【オールラウンダーアイドル】
???
絆:☆☆☆☆☆
退学まで《残り5ヶ月》

↓1

分からない子がちらほら

休憩どの頻度でとればいいんだ週一くらいでいいのか

>>138 こちらでコンセプト(?)だけ考えたキャラです。
名前や詳細は決まっておらず、随時安価を取ります。

No.12が選ばれたので安価取ります。

【名前】
【性別】
【詳細】

↓3までの中からひとつ採用。埋まらなければ来た分から

コンセプトだけ決まっているキャラは何人いるのやら?

>>139 それぐらいの頻度で大丈夫です。
こちらから疲労のサインを出す事もあります。
疲労が溜まりすぎると特殊イベントも発生する(予定)ので見たければ過労してください。

>>146 4人ほどです。

【童神 舞子】

日本に主に生息している妖怪『座敷童子』の血族。

座敷童子がいる家には幸運が訪れるという話が日本では有名だ。

しかし、彼女は自らに不幸が降り注いでいる。

周りには振りかからず自分だけに降りかかる不幸。

外に出ると死を感じるほどの不幸に見舞われる。

鉄骨の落下。道路の陥没。川の氾濫。巻き込み事故。

外に出る度に起こる不幸。家への引きこもり生活を余儀なくされる。

故に彼女は元の明るい性格から一変、暗い性格となってしまう。

元々中学生の頃もその不幸の影響か、出席率もかなり低くお情けで卒業出来たようなものだった。

学業の方は充実していたものの、聖メシア学園は出席率の低下と学力が比例する事を懸念しF組へと追いやる決断をする。

F組の話は彼女にトドメを与え、そのうち彼女は出席する事を諦めた。

F組のヒューマン実質二人だけなのか、人種もとい種族のサラダボウルだな

報告
22~25までおそらく更新ができませんので、今夜と明日の夜更新予定です。
ただ明日の夜は今と同じぐらいの更新時間になると思うので大して更新できないかと思います。申し訳ないです。

>>149多様性を重視した学校ですので(適当)


渡来「ここが童神 舞子(どうがみ まいこ)の家だな」

学園から少し離れた雑木林の奥、ひっそりと佇む和風の家。

豪勢。とまではいかないが少なくとも普通の家よりは大きい。

町の中にあれば思わずくぎづけになるだろう。

和のテイストが好きな人はこの家を理想としている人が多そうだ。

周りの木は桜だろうか。地面には桜の花びらが広がっている。

ちょっと古びてはいるがそれがより味を出している。

……呼び鈴を鳴らしたが外には聞こえないタイプらしい。

壊れている可能性も捨てきれないので一応外から呼びかける。

渡来「……童神ー。 新しく担任になった渡来だ。よろしく」

渡来「少し話したい事がある。 時間をくれないか」

童神はいわゆる引きこもりらしく、家には間違いなくいるとは思うんだが。

……

渡来「たまたま外出してるなんて事があるのか?」

……果たして何ヶ月も引きこもっている奴が外に出るだろうか?

今の時代、外に出なくても生きていける。金さえあれば。

そう、例えば────

「童神さーん。 お届け物でーす」

「はいはい。今来ましたよっと─────げ?!」

渡来「初めまして。童神舞子」

渡来「さっきはよくも無視してくれたな」

案の定家の中にいたな。

引きこもりっぱなしなら買い物はネットで済ませているはず。

お届け物を偽った来訪。 かなり犯罪チックだが……

まぁ取って食おうとしてるわけでもない。これぐらいいいだろう。

童神「あーあはは。いやー、呼び鈴の調子が悪いらしくて────」

渡来「外から呼びかけたが」

童神「ヘッドホンしててですね────」

渡来「本当か?」

童神「……」

渡来「……」

童神「……そうですよ。無視しました」

やっぱりか。

童神「別にいいじゃないですか。教師なんて学校に来いしか喋らないロボットです。相手する必要なんか無いんです」

童神「大体社会にろくに出た事もない人たちに社会の厳しさなんか教えられたくないっていうんですよ」

童神「少し早く生まれただけで偉そうにして……」

俯きがちになって童神はブツブツと独り言を話し始めた。

ハッキリとは聞こえないがどうやら教師に対する文句らしい。

教師の目の前で教師の悪口を言うなんて肝が据わっているというか。

いや、教師の俺がいるからこそ文句を垂れているんだろうな。

童神「というかあなた何? 人の家に来て大声で叫んだかと思えば」

童神「配達員を装って誘き出すなんて! 犯罪だしこんなの」

童神「犯罪者が教師だなんて……今の世の中どうなってんの本当に。 終わってるわ」

……その点については流石にちょっと反省すべきだな。

渡来「まぁそれはすまない。 話だけでも聞いてほしくてな」

童神「出た。 浮気がバレた男が女に言う言葉第3位」

渡来「俺とお前はそんな関係じゃないだろ」

だが1位と2位はなんだろうか? 少し気になる。

童神「話だけ聞いてほしいと言って自らの意見を押しつける。クソ大人がよくやる手口。本当に嫌だ」

……かなり教師、というか大人に対する嫌悪感が強いな。

なんか最近大人が嫌いな奴にあった気がする。

F組って大人が嫌いな奴が多いのか?

渡来「じゃあ約束する。 10分で帰ろう」

童神「……口約束なんて何の意味にもならないし」

渡来「こういう約束は守って信頼を築いていくのが俺のモットーだ」

……絶対守るとは保証できないが。

童神「……なら10分ね。 私体内時計で計るの得意だから」

渡来「分かった」

渡来「単刀直入に言おう。 学校に来てくれ」

童神「……何を言うかと思ったら。 予想通り過ぎて逆に驚き」

童神「私が引きこもりなのは百も承知だよね?」

渡来「まぁそうだな」

じゃなきゃ配達員なんか装わない。

童神「それ知ってて言うなんてどうかしてるよあなた」

童神「大体私なんて来ても来なくても一緒でしょ」

童神「クラスの雰囲気が悪くなるし」

渡来「そんな事は無いだろ。 少し話したが特段悪い奴は……」

渡来「……今来てる奴にはいないな」

童神「ねぇ何その含み。何? 今来てる奴? 来てない奴には心当たりあるって事だよね? ねぇ?」

……まだ2人目だが前途多難な予感しかしない。

1人目、2人目でこれだからな。

含みのある言い方しか出来ない。

渡来「まぁとにかく。 2年生になったし、このままズルズル来ないよりもここで来ておくのがベストだと思わないか?」

童神「いや思わない。私はズルズル続けていい。はい1分経過ね」

童神「このまま長引かせるのが悪いみたいな言い方だけど、私の引きこもり理由知らないの?」

渡来「いや、特には」

1年の頃に優秀なクラスだったミコトと違って童神は最初からF組。

生徒資料には大した事書かれてなかったし、調べようにも材料が無くて調べようが無い。

童神「はぁ……説明するのめんどくさいな」

童神「私は外に出ると不幸がこの身に降りかかる体質なわけ。分かる?」

渡来「不幸?」

童神「そう。町に出ると車がこっちに追突してきたり」

童神「ビルが倒壊したり、風で看板が飛んできたり」

童神「ほんと何で私ばっかり……誰か変わってほしい」

渡来「それはえげつないな」

不幸って財布落とすとかのレベルじゃないのか?

もはや死に関わるレベルだな。

童神「そんな私に外に出ろと? もう一度言える? あ、今3分ね」

渡来「……それは、だが……」

……それで亡くなってしまったら責任は取れない。

他人の人生を背負うのはもう懲り懲りだ。

だがこれでは学園長との勝負に負けてしまう。

渡来「そうだ。オンラインで参加はどうだ?」

渡来「家に引きこもりながら出席の確認だけ出る。これならお前でも簡単に出席できるな」

童神「一人だけオンラインとか余計浮いちゃうじゃん」

童神「それにF組卒業なら中卒でいいよ」

渡来「……マジで言っているのか?」

おい、F組ってそこまで落ちこぼれているのか?

流石に驚きなんだが。 中卒の方がマシ? この学歴社会で?

童神「……新しく担任って言ってたけど、あなた全然調べてないじゃん」

童神「そんなんで聖メシアは生き残れないよ?」

童神「私みたいな卑屈陰キャは教室の隅しか居場所は無いし。はい後5分」

渡来「……そのカウントダウンはなんだか煩わしいな」

童神「そう思ってくれてるなら効果あるみたいだね。良かった」

童神「大体私なんか今更出席しても遅いでしょ」

童神「こんな引きこもりに未来なんか無い。 あー嫌だ嫌だこんな世の中」

童神「来世はチート級美少女でありたいなぁ」

渡来「人は変わろうと思えばいつでも変われる。遅いなんかは無い」

渡来「それにチート級美少女になったとしても、その性格はどうにかしなきゃじゃないのか」

童神「ははっ。そりゃそうだ。私のこの性格じゃ無理だね」

童神「あー後2分かな、うん」

渡来「……急に冷静になって時間を確かめるな」

っていうかあー後2分って何だ。 絶対計り忘れてただろ。

あの短時間に3分も経過したか?

童神「そもそもループするようで悪いけど、私には不幸体質があるわけだよ。分かる?」

童神「けどこの不幸体質で外に出れない。かといってオンラインも嫌だ。詰みだよ詰み。人生ツムツムだよ」

渡来「何言っているのかは分からんが八方塞がり状態なのは分かった」

だったらプライド折ってオンラインにするしかないと思うが。

どうやらオンラインは断固拒否らしい。

本当にどうしたもんか……

童神「とにかく私は行かないよ。残り1分ね」

くっ……どうやら今日は無理そうだ。

1分でどうこう出来るわけがない。ここは引くしか……

と考えていると、何やらミシミシという音が聞こえる。

何か踏んだかと思って視線を下に落とすと、細長い影がこちらに近づいてくる。

上を見上げると大木が倒れてきて─────

渡来「危ない!!」

童神「きゃっ!?」

童神を突き飛ばして、自分も童神の方に倒れ込む。

大木は先程童神がいた辺りに鈍い音を立てて横たわった。

渡来「……」

……これが不幸体質?

こんなのが倒れてきたら最低でも骨は折れてたぞ。

童神「……」

渡来「大丈夫だったか。怪我は─────」

童神「……分……」

渡来「え?」

童神「……10分。終わり。じゃあね」

渡来「あ、おい。怪我は無いのか?」

童神「無いから早く帰って。もう今日は終わり」


ガラガラ……


ピシャ!!


渡来「……仕方がない。今日は出直すか」

……ん?待てよ。『今日は』終わり?

という事は……明日以降も来ていいって事か?

渡来「まぁどの道来るつもりだったからどっちでもいいか」

暗くなるとこの辺は視界不良になる。ひとまず今日は帰るとしよう。

なんだか最後の様子が変だったが、本当に怪我は無かったのか?



ガラガラ……


ピシャ!!


童神「……」

童神「……」

……今日は巻き込まれる前に防がれた。

あんな事今まで無かったのに。私鈍臭いし危機回避能力が無いから。

……いや、そんな事より……

童神「……お、お……」

童神「男の人に押し倒されたッ…!!」

童神「私なんかには、心臓が悪すぎる案件……」

童神「き、緊張した……態度おかしかったかも」

……あの人はもしかしてああいう事するの私が初めてだったかな。

だとしたら……なんだか申し訳ない。私なんかに初めてあげちゃってるし。

……いや初めてじゃないかもしれないし。うん、そう考えよう。

童神「……はぁ。なんだか今日は疲れた……」

早く部屋に戻ってゲームでもしよう。新作ゲーム、もうすぐ届くはずだけど……

オンライン通信が出来るゲームだし、先に練習して上手くなっておこう。

他の人に迷惑かけるわけにはいかない。一刻も早く……

渡来「……ふぅ。やっと抜けたか」

雑木林を抜けるのに少し時間がかかったものの、なんとか日が落ちきるまでには出れたようだ。

渡来「もうちょっと早い時間に行ければいいんだが……そうもいかないか」

勉強を教える上で幾つか課題も見つかった。

じっくり時間をかけて教える必要がある生徒もいる。そうそうこっちの方も簡単には削れない。

渡来「効率良く戻したいものだが……どうしたものか」

残り18人とはまだ話してすらいない。先は長そうだ。

渡来「……ん?」

雑木林からしばらく歩いた所に、なんだか見覚えのある奴が……

渡来「あれは……ファム?」

建物の中にいるようだが。あそこは確か……図書館か?

もう少しいこうかと思いましたが限界なので今日はここまでです。お疲れ様でした。
次回は明日の夜。ファムとの交流からスタートです。それでは。

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用事がかなり遅くなってしまったので今日は更新無しにします。
次回の更新は26日とさせていただきます。本当に申し訳ないです。それでは。

報告
今から更新します。あまり更新できないかもしれませんができるだけ駆け足で

【メイダース図書館】

このメイダース図書館は世界的にも名高い古書が多く現存されている事で広く知れ渡っている図書館だ。

国の機密書や危険な魔導書なども存在するらしく、司書でさえ全ての本を把握出来てないとかなんとか。

……あくまで噂話程度だが。

そんなだだっ広いメイダース図書館は1階のホールと2階に勉強場所がある。

まぁ1階は外から丸見えだからあまり使っている人は見た事ない。

対して2階は完全な個室で防音も兼ね備えているからほとんど埋まっている。

だからこそ、1階にいるファムを見つけられたわけだが……

ファム「えっと……ここが、あ……そっか」

ファム「あれ、でも……?あれぇ……?」

……話しかけるべきなのだろうか?

どうやら熱心に勉強しているらしい。

そこに話しかけるというのは薮蛇な気もするが……

どうやら手間取っていると見てよさそうだ。

学校で教えるのはともかく、外で先生が生徒に勉強を教えるってどうなんだ?

なんだか分からないが凄く気持ち悪い気がするな。

……いや、その前に俺は生徒に過度な干渉はNGだったな。

本当に分からなければ明日にでも聞いてくるだろう。

そもそも俺じゃなくてもいい。イノなんかに聞けばすぐ分かりそうだ。

ここは静かに立ち去ると────

ファム「あれ……? 先生ですか……?」

渡来「……やぁファム」

……考え事をしすぎていたな。

ファム「先生もこの図書館に用があったんですかぁ?」

渡来「あー……まぁな、少し。けどもう終わった」

ファムを見かけたから立ち寄った。

……とは言えないな。 犯罪の臭いがする。

渡来「ファムは……ここで勉強か?」

ファム「えっ? えぇっと……そっ、そうです」

ファム「今日の授業の内容ですが、私にはとても理解が追いつかなくて」

ファム「ここで少しでも理解していって、明日には持ち越さないようにしたんですけどぉ……」

ファム「どれだけ読み返しても分からなくて……うぅ」

まぁ大方予想通りだったが……今日した部分は本当に入り口レベルだったんだがな。

F組に行くだけの事はあるらしい。 もちろん褒めていない。

渡来「……やけに勉強熱心だな」

ファム「はっ、はい」

渡来「最初は授業する事にあんなに驚いていたのに、いざ始まればこんなに真面目に取り組めるものなのか?」

理解力は無視するとして、授業の進度から離れないようにしようとしがみつく姿はF組とは微塵も感じさせない。

これだけ真面目にやれれば、F組とは縁の無かったはずだ。

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