加蓮（プロデューサーが来る……嬉しい）ﾎﾞｰｯ

加蓮（……あれ？まずくない？）

加蓮（部屋掃除してないし……髪ぼさぼさだし、声がらがらだし、冷えピタ貼ったまんまだし、パジャマだし、汗かいてるし、ブラ付けてないし……）

加蓮（動かなきゃ……）ﾓｿﾞﾓｿﾞ

加蓮（えっと……なんだっけ。部屋。部屋片づけなきゃ……でもやだなぁ。今動きたくない）

加蓮（あぁ、そっか。これ夢だ。なんかボーっとするし。夢でもなきゃプロデューサーお見舞いに来てくれたりしないよ。忙しいだろうし）

加蓮（夢か。夢夢夢。じゃあいいやこのままで。寝よ。夢でよかったぁ）

加蓮（掃除しなくていい……着替えなくていい……私は今日休んでない……だからプロデューサーにも怒られない……）

加蓮（夢でよかったぁ……）ｽﾔｧ

P「おーい、来たぞ加蓮」ｶﾞﾁｬｯ

加蓮「あれぇ……？」

P「風邪、大丈夫か？」

加蓮「うぅ……夢じゃないじゃん……あほ」ﾌﾄﾝｺﾓﾘ

P「……なんで布団被る」

加蓮「髪とかパジャマとか、今全部見られたくない……」

P「あぁ……そう。ヨーグルト買ってきたけど、食べない？」

加蓮「ごめんなさい……」

P「なんで謝る。ヨーグルト食べるかって聞いたんだけど」

加蓮「だって、私のせいで今日のお仕事……プロデューサーが頑張ってくれたのに、私……」ｸﾞｽｯ

P「……別に、気にしなくていい。怒ってないから」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

加蓮（あ……今撫でられてる。布団越しだけど、やっぱ落ち着くな……）

加蓮「なんで？私、迷惑かけたのに……」

P「なんでって……そうだな。すまん。気にしなくていいってのは嘘だ。言い過ぎた。どう言いつくろっても仕事の日に休まれちゃ迷惑だしな」

P「でも、怒ってないってのは本当だ。なんだろうな……お前が風邪って聞いてからずっと心配で……怒ってる暇なんてなかったよ」

加蓮（心配……してくれてたんだ……）

P「まぁ、風邪くらい誰でもひくしな。治るまでゆっくり休んで、それからまた頑張ろう。二人で」

P「大丈夫だ。俺はずっと加蓮の側に居るから」

加蓮「……本当？」ﾋｮｺｯ

P（頭だけ出てきた）

加蓮「……ねぇ、もっかい言って。頭直接撫でながら、手も握って」

P「注文多いなぁ」

加蓮「……ごめんなさい」

P「謝らなくていいって。そういうつもりで言ったんじゃない。俺もお前にわがまま言われてる方が落ち着くし」ｷﾞｭｯ

P「俺はずっと加蓮の側に居る」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

加蓮「……うぅっ」ｸﾞｽｯ

P「また泣くのか。風邪ひくと涙腺弱くなるタイプか？」

加蓮「だって、今、なんか、すごい、安心して」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

P「……うん。俺もなんか、安心した」

加蓮「手、握ってて。私が寝るまで、寝ても。ずっとずっと握ってて……」

P「うん。分かった」ｷﾞｭｯ

加蓮「好きぃ……大好きぃ……！」ｷﾞｭｯ

次の日の朝



加蓮（ん……朝……）ﾊﾟﾁ

P「ぐぅ」

加蓮（あ、プロデューサー本当に朝まで手繋いでてくれたんだ……嬉しい……）

加蓮（昨日……）

加蓮「なんかとんでもないこと言った気がする」ｽｯ

加蓮（風邪でボーっとする頭にかまけて……好きとか大好きとか……）

P「んお、加蓮おはよう」ﾊﾟﾁ

加蓮「ねぇプロデューサー。頭がボーっとしてたから私よく覚えてないんだけど、昨日どんな話したっけ」

P「えっ覚えてないの？残念だなぁ。結婚してって言われたのに」

加蓮「そ、そこまでは言ってない！」

P「ん？『そこまでは』？」

加蓮「語るに落ちた！」

P「ははは。そんなに大きな声が出るなら。風邪は治ったみたいだな。良かった良かった」

加蓮「あぁーっもう！一旦部屋出てって！」

P「おっ、早速わがままだな」

加蓮「これはわがままじゃない！」

P「なんで部屋を出なくちゃいけないの？」

加蓮「だって部屋汚いし、髪ぼさぼさだしっ……私アイドルなのに！」

P「あー、まぁ確かにテレビには映せないけど、今は俺しか居ないし別にいいだろ」

P「そういうちょっとだらしない所も、俺は好きだぞ」

加蓮「とっ、とんでもないこと言わないで！」



　　－終わり－