【となりの吸血鬼さんSS】ソフィー「軽い灯の重い思い」 (19)

ヤンデレっぽい灯が書きたかっただけです。
短いです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1546072972

ソフィーの家

ソフィー「うーむ、参ったな…」

灯「どうしたの?」

ソフィー「血がどこにも売ってない」

灯「また通販サイトがお休み?」

ソフィー「いや、違う」

ソフィー「どうやら法改正で個人への血液の販売が禁止されるらしい」

灯「えっ」

ソフィー「個人で血を買うのなんて吸血鬼くらいのものだから、実質的には吸血鬼に対する販売禁止だな」

ソフィー「いずれにせよ、その前の駆け込み需要でどこにも在庫がない様だ」

ソフィー「いつかはこんな事態もあり得ると思っていたが…まさか本当になるとは」

灯「ど、どうするの?」

ソフィー「さてどうしたものか…」

ソフィー「こうなる前に買いだめすべきだったか?」

ソフィー「いや、それも所詮は一時しのぎに過ぎないな…」ウーン

エリー「あら、何かあった?」

灯「エリーちゃん、実は…」

エリー「へー、そうなの…残念ね」

エリー「血のお風呂もこれで最後にしないと」

ソフィー「おいやめろ」

エリー「冗談よ」クス

ソフィー「君が言うと冗談に聞こえん!」

エリー「でも本当に困ったわね」

エリー「今度は何日か我慢すればいいって訳でもないんでしょ?」

ソフィー「そのようだ」

エリー「だったら仕方ないわね」

灯「エリーちゃん、どこ行くの?」

エリー「狩りに出かけるのよ」

エリー「血を手に入れる手段が他に無いならもう遠慮しないわ」

エリー「好みの娘から好きなだけ頂くつもり」

ソフィー「エリー、よせ!」バッ

エリー「何よ?ソフィーだって昔はやってたじゃない」

ソフィー「言っただろう!?今は時代が変わった、吸血鬼と人間は平和的に共存すべきなんだ」

ソフィー「人を襲って吸血するなんて馬鹿げてる!」

エリー「ソフィー…やっぱりあなた、私が寝ている間に随分と変わったみたいね」

エリー「博愛主義者にでもなったつもり?」

ソフィー「くっ…」

灯「あわわ…」

エリー「時代が変わったとしても吸血鬼は変わらないわよ?」

エリー「そして、人間の本性も」

エリー「いい?これは人間の吸血鬼に対する戦線布告だわ!」

エリー「血を手に入らなくさせたのは人間なんだから、その代償は人間が払うべきよ!」

ソフィー「それは違うぞ、エリー」

ソフィー「全ての人間が吸血鬼に敵対的な訳じゃない、それは君が一番よく知っているはずだろう?」

エリー「…」

ソフィー「灯もひなたも、朔夜も夕も美月も、私達を吸血鬼と知った上でそれでも仲良くしてくれている」

ソフィー「それに、学校のクラスメイト達もだ」

ソフィー「それだけじゃない、森さんや田辺さんにもずっと良くしてもらっているんだ」

ソフィー「彼らの信頼を裏切るつもりも無いし、そんな行動を君に許すつもりも無い!」

灯「ソフィーちゃん…」

エリー「ふーん、決意は固いようね」

ソフィー「ああ」

エリー「ならしょうがないわね、ソフィーのたっての頼みなら聞かないこともないわ」

灯「エリーちゃん…!」

エリー「その代わり、灯の血を吸わせてもらうわよ?」

灯「!?」

ソフィー「バッ、何を…!?」

エリー「だって、灯なら合意の上で吸血させてくれるでしょ?」

エリー「そうよね、灯?」

灯「うーん…」

灯「エリーちゃんなら、いいよ?」ポッ

ソフィー「いやいやいや…」

ソフィー「言ってるだろう!?灯の血のマズさはトラウマ物だぞ!」

エリー「そう聞くけどどうかしら?匂いを嗅いだ限りでは悪くなさそうだけど」スンスン

灯「あっ…///」

ソフィー「エリーは噛むと痛いんだぞ!」

灯「痛いのも何か悪くないかなぁ…って」テレテレ

ソフィー「」

エリー「決まりね」

エリー「まあ仮にマズかったとしてもあなたのような美少女の血なら大歓迎だわ」

灯「よ、よろしくお願いします…」ドキドキ

エリー「それじゃあ、いただき…」

ソフィー「や、やっぱりダメだー!」ドン

エリー「いたたた…何するのよ?」

ソフィー「エリー、悪いが君には灯は吸血させない!」

エリー「はぁ?なんで?」

ソフィー「そ、それは…」

ソフィー「…それは灯は私のモノだからだ!」バーン

灯「そ、ソフィーちゃん…///!?」

エリー「えぇ…」

エリー「…あらあら、妬けちゃうわね」フゥー

エリー「いいわ、灯には手を出さないであげる」

エリー「そ・の・か・わ・り…」

ソフィー「ひっ…」

エリー「ごちそうさま♡」

ソフィー「」

エリー「んー、慣れ親しんだ味も悪くないわね」

エリー「今日はもう満足したから寝るわ、明日からの事は明日考えましょう」

ソフィー「そうしてくれ…」ゲッソリ

エリー「後は若いお二人さんで楽しんで」

ソフィー「なっ…」

エリー「なーんちゃって、おやすみなさーい」ガチャン

ソフィー「エリーめ、余計な事を…」

灯「…」

ソフィー「灯…」

灯「…」

ソフィー「灯、怒っているのか?」

ソフィー「すまない、人を個人の所有物みたいな言い方をしてしまって…」

ソフィー「ただ、その…」

ソフィー「どうしても灯を取られたくないと思ってしまって…」

灯「ふふふ…」

ソフィー「灯…?」

灯「ソフィーちゃん!」ガバッ

ソフィー「わっ」

灯「私、怒ってなんかないよ?ソフィーちゃん」

灯「逆にね、すっごく嬉しかったの…ソフィーちゃんに『私のモノだ』って言われて」

灯「覚えてる?あの時ソフィーちゃんと森で出会った後すぐに気付いたんだ…これは運命なんだって」

灯「ソフィーちゃんを絶対私のモノにするんだーって」

ソフィー「そ、そうか…」ドンビキ

ソフィー(しまった、私とした事が…言い過ぎたか?)

灯「ちょっと嫉妬を煽ってみて良かったー」

灯「…やっと同じ気持ちになれたね、ソフィーちゃん?」

ソフィー「あ、ああ…」ゾゾゾ

灯「ねぇ、ソフィーちゃん…もう新しい血液買えなくなっちゃったんだよね?」

灯「だったら、私の血を吸ってよ…このままだと飢え死にしちゃうよ?」

ソフィー「灯、だからそれは…」

灯「なんで?やっぱりマズいから?」

ソフィー「いや、どっちかと言えばその…」

ソフィー「少し舐めた程度だったが十分美味しかったと思うぞ?自信を持ってくれ」

灯「う、うん…ありがとう?」

灯「って、だったらなおさら…!」

ソフィー(何故私は火に油を注ぐようなマネを…)ガーン

ソフィー「だから、友人からは吸血しないと…」

灯「エリーちゃんはやってるじゃん!どうして私はダメなの!?」

ソフィー「いやアレはだな、エリーが一方的に…」ブツブツ

灯「ソフィーちゃん、私はソフィーちゃんのモノなの」

灯「この身体も…心も、好きにしていいんだよ?」

灯「吸血鬼になったって構わないんだから」

ソフィー「うっ…」ドギマギ

灯「そうだ!ソフィーちゃん、私を吸血鬼にしてよ!」

灯「そして2人で永遠を生きようよ、世界が終わる…その日まで」

ソフィー「どこまで話を飛躍させる気なんだ!?」

ソフィー「えーっと、灯…」コホン

ソフィー「それはできない」

灯「どうして?」

灯「こう見えても覚悟はちゃんとしてるんだよ?」

ソフィー「いや、だって…」

灯「だって?」

ソフィー「そもそも吸血鬼は生きてないし」

灯「へ?」

灯「…もー!そうやってすぐごまかす!!」

ソフィー「おっ、やっと普段の灯に戻ったか…」ホッ

ソフィー(滅多な事は言うもんじゃないな…)フゥー

灯「吸血鬼になればソフィーちゃんの血も吸い放題なのに!」

ソフィー「エリーが2人になるのか…」

ソフィー(そう考えると絶対無理だな)

通学路

灯「…で、血が手に入らなくなっちゃって」

ひなた「えっ!?大変じゃん」

灯「そうなんだけど、ソフィーちゃんが動物の血ならまだ買える事に気付いたの」

灯「何かソフィーちゃんね、昔野生動物の血を吸ってた時があるらしくて…」

ひなた「へー」

灯「最終的にはしぶしぶだけどエリーちゃんもそれで納得してくれたんだよ!」

ひなた「エリーが?意外だなー」

灯「そんな事より!昨日ソフィーちゃんが珍しくデレてさー」

ひなた「ん?」

灯「『灯は私のモノだ』なんて言っちゃって~///」ニヤニヤ

ひなた「は?何を言ってるんだ?」

灯「だからー、ソフィーちゃんが?///」デレデレ

ひなた「灯は私のモノだぞ?」シレッ

灯「そ…んん!?」

おわりです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

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