速水奏「はー……」モバP「はー……」 (31)
速水奏「遅いわね」
モバP(以下P)「遅いな」
奏「何か手はある? Pさん」
P「……最寄りの新幹線の駅を調べてくれないか」
奏「嫌よ。私だけ返すつもりでしょう」
P「なら次のPAに入って自分で調べる」
奏「その前に下道に降りちゃった方が早いんじゃない?」
P「降りられればいいんだけどな」
奏「次のインターまで35kmね」
P「時速15kmくらいで動いてるし、渋滞を抜ければ」
奏「あら。渋滞なくても最寄りの新幹線の駅まで1時間半ですって」
P「は? えっ、いま何時だ」
奏「午後9時過ぎたわ」
P「……」
奏「東京への新幹線は10時が最終みたい」
P「……随分と調べる手際がいいじゃないか」
奏「ふふ、ありがとう」
P「含みを持たせたんだけど気づかなかったか。間に合わなくなる時間まで黙ってたろ」
奏「気づいたわ。でもそうじゃなくて、新幹線の手段をとって欲しくなくて黙っていただけ」
P「ははは、言いやがったなこの小娘」
奏「ふふふ」
P「ははは……どうすんだこれ」
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速水奏のSSです
(アイマスでは)初投稿です
はやみんかわいいよかわいいよはやみん
P「だから今日の帰り、ロケバスで帰った方がいいって言ったんだ。それなら直帰できたろ」
奏「知り合いいないんだもの。スタッフさんたちはいい人たちだけど、どうせならPさんと帰りたいわ」
P「遠方でのロケだから、奏の仕事終わった後ついでに別の営業しに行くから遅くなるって言ったのに、撤収始まったらさっさとこっちの車に乗ってくるんだもんなぁ」
奏「Pさん午後から見に来たじゃない。私、早朝集合で撮影行ったのよ」
P「なおさらロケバスの方が早く帰れたろ」
奏「だって……朝一緒に行けなかったのに、帰りも一緒じゃないなんて……」
P「……」
奏「私、Pさんとなら……」
P「奏…… ……演技上手くなったな」
奏「でしょう?」
P「いやー、やっぱりフランス帰りは違うわー」
奏「鍛えられたわ。楓さんのおかげね」
P「ははは……和やかに話してても解決しないのが辛いところだ」
奏「ふふふ」
奏「でも、もうどうしようもないじゃない?」
P「奏を今日中に東京に返すのは無理だな」
奏「でしょ」
P「……なあ、さっきの新幹線の駅までの経路、本当に最短か?」
奏「ん? んー……いいえ?」
P「なんだよ。ちゃんと最短で言ってくれ」
奏「逆車線ならひとつ前のインターから、1時間で」
P「……」
奏「現地点から検索したらそう出たの」
P「……意地悪」
奏「ちょっと拗ねないで、気持ち悪い」
P「え、ひどくない?」
奏「ふあ……」
P「可愛いあくびだな」
奏「あら、可愛いだなんて」
P「あくびのことだ」
奏「むぅ」
P「朝からだもんな、さすがに眠いか」
奏「疲れてはいるけど、大丈夫。Pさんが営業行ってるときに車の中で寝てたわ」
P「ああ……」
P(とはいえ、疲れているのは本当だよな)
P「んー……」
奏「まだなにか、手を考えているの?」
P「考え続けることが大切だろ」
奏「時には感情に身を任せるのも良いものよ」
P「いまはその時じゃないだろ」
奏「あらそう」
P「いま感情に身を任せたら、全部放り出して寝てしまいたい」
奏「私と?」
P「そういう意味で申し上げたのではない」
奏「夜中のドライブと思いましょう?」
奏「プロデューサーとアイドルの、長い夜のドライブ」
P「……」
奏「ドキッてした?」
P「魅力的な響きではある」
奏「でしょ? 私としては、Pさんとドライブできて悪くないと思ってるわ」
P「まあ、俺も一人でこれ帰るのはちょっとな」
奏「ね。むしろ、二人の時間が長くてうれしいくらい」
P「そうか」
奏「演技じゃないわよ」
P「……そうか」
P「……」
P「いや違う」
奏「何のこと?」
P「一人でだったら、とっくに諦めてどこかのSAかPAで寝て過ごしたよ」
奏「なるほど、そういう手段があるのね」
P「さすがにアイドル連れてそれはなぁ」
奏「そうね……Pさんとなら構わないけど、どうせ寝るならベッドかお布団がいいわ」
P「……」
奏「『俺と?』ってやり返すところじゃない?」
P「いやそりゃ……ちょっと思い浮かんだけど、さすがに言葉飲み込んだって」
P「進み始めたな」
奏「……」
P「ん?」
奏「……すぅ……」
P(寝落ちたか)
P(さて、渋滞は抜けたけど、結局のところなぁ)
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キッ ガク
奏「ん……」
奏(車止まった?)
P「起きたか?」
奏「ん……あ、ごめんなさい、少し寝落ちてたわ」
P「謝ることは無いだろ」
奏「でも、話し相手がいないと退屈でしょ」
P「運転に集中してたらそうでもない。あのあとすぐに渋滞抜けたし」
奏「そうなんだ。ここは?」
P「ちょっと休憩にPA寄った。コーヒー買ってくるけど、どうする」
奏「一緒に行くわ」
ガチャッ
ヒュゥゥ
P「うわ、寒いっ。コートとマフラーしてけよ」
奏「風、思ったより強いのね」
バタン
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ガチャ
P「ふー。エンジン切りたくなかったな」
奏「そうね。でも待ってるだけなのも嫌だったから。エアコンつけ直しましょう」
バタン カチ キュルルブオォン…
奏「はいカップ」
P「おう、ありがと……えーと」
奏「えーと?」
P「どっちが俺のカップだ」
奏「Pさんブラックよね。私がカフェラテだから、飲んで甘い方じゃない?」
P「飲まないと判別できないのか」
奏「蓋開けて閉め直すより早いわ。じゃあ、一口飲むわね」
P「ん……あ、おいちょっと待て」
奏「ふふっ、待たない」
ゴク
奏「あら。こっちがブラックだったわ」
P「……」
奏「はい、どうぞPさん。気にしないでいいからね」
P「……これくらいで気にすると思うか?」
奏「そうねえ。私が口を付けたカップが、世間的にどれくらいの価値があるのかは気にしてそうかな」
P「それはなんというか……思ったより俗っぽい発想だな」ゴク
奏「そうかも。あ、一口頂いた分、私のカフェラテ飲む?」
P「それはいい」
奏「ふふっ……ふぅ、ようやく暖かくなってきた」
P「さて、のんびり休憩しちゃってるけど、11時回ったか……」
奏「このまま走って帰る?」
P「そうしたいところだけど……あと4時間くらいはかかるんだよな」
奏「朝3時ね。17歳にして朝帰りしちゃうなんて」
P「またそう言うことを……奏、明日の予定は?」
奏「明日はオフよ。もう親にもLINEしたわ」
P「……なんて」
奏「Pさんとお泊り、って」
P「おいおいおい」
奏「やだ、冗談よ。渋滞で遅くなるって」
P「それなら、まあ」
奏「Pさんも一緒ってこともね」
P「駄目だった」
奏「でも、スタッフさんたちと一緒にいるよりも安心してると思うわよ」
P「そう思われるのは有り難いことかもしれないけど、そうじゃない」
奏「そんなわけで、明日まで連れ回してもらって結構なんだけど、Pさんは?」
P「明日の夕方に事務所に行く用事がある」
奏「ふうん」
P「ん? ……あ、いや待った。明日の午前中には着いておかないと」
奏「慌てて嘘ついてもダメよ」
P「んん……」
奏「そういうところ、正直なのよね。嬉しいけど」
P「あーもういい、わかったよ」
奏「明日の夕方までいいなら、やりようはあるんじゃない?」
P「そうだな……でも、出来るだけ早く帰るぞ」
奏「そうね。変な噂立てられると困るでしょ」
P「言っちゃなんだけど、この状況を作ったのは君だ」
奏「私は困らないもの」
P「はぁ……渋滞なくてもてっぺん回ってたろうしな。奏を乗せた時点で俺の負けだったわけだ」
P(さてどうするかな。このまま運転して帰れなくもないけど)
P(正直睡眠をとりたいってのはあるし、奏もしっかり休ませないといけない)
奏「Pさん?」
P「ああいや、このまま走って帰るのは難しそうだなって」
奏「……どこか、休憩できるところ?」
P「ああ、SAなら休憩施設も充実してるけど、アイドルそこに放り込むのもな……」
奏「じゃあ例えば……高速道路脇に良く建っているようなホテルとか?」
P「あのな。まあその手段もアリかもしれないけど」
奏「えっ、アリなの」
P「比較的なら安い方だし、そうなったら二部屋とる。けどその前にビジネスホテルだ」
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P「はい、一人です。ではその部屋で……よろしくお願いします」
ピ
P「この先のインター降りた近くで一部屋取れたから、そこ行くぞ」
奏「あら……一部屋なの」
P「四の五の言ってられないから、そこで奏が寝て、俺はどうにかする。シートベルト締めて」カチ
奏「どうにかならなかったら?」カチ
P「車で寝るよ」
奏「ダメよこの季節に。Pさんも疲れてるでしょ」
ブロロロロ…
P「部屋がとれたら大丈夫だろ」
奏「ねえその」
P「シングルだ」
奏「……質問する前に答えるなんて。用意していたみたい」
P「シングルということにしておいてくれ」
奏「本当はツインかダブルなんでしょ」
P「奏、君は鋭いけどそれを口に出さないでくれると助かるんだがな」
奏「何よその洋画の下手な和訳みたいな口調。子ども扱いしてくれて」
P「そうしないといけないんだよ。一人でもう予約したし」
奏「そんなのフロントでどうにもなるわ」
P(どうにでもなるな。中学生組みならこれで通せるんだが)
P「……理由はまだある」
奏「?」
P「奏だけなら経費で落ちる」
奏「えーと……でも、仕事で泊まるんでしょ」
P「ちひろさんが出すと思うか」
奏「思わないけど」
P「だろ」
奏「いいじゃない。Pさんも一緒で」
P「だから、一部屋しか」
奏「二人部屋なんでしょ。なら二人で泊まるべきじゃないかしら」
P「ダブルしか空いてなかったんだから仕方ないだろ」
奏「語るに落ちてるわ」
P「同室だって問題なのに同衾とかできるわけないっての」
奏「私はいいけど」
P「こっちが良くない」
奏「ねえ、私とは嫌なの?」
P「そうは言って…… いや、嫌だね」
奏「……」ムッ
P「奏にも俺にも立場がある。全部ひっくるめて、どっちが後悔しないかってことだ」
奏「……はぁー」
P「わかったか」
奏「一人の男性すら落とせないなんて。速水奏もまだまだなのね」
P「あのな、立場が無ければ俺だって……」
奏「あら」
P「……いや、そういう意味じゃない」
奏「俺だって? どんな意味かしら?」
P「失言だ、忘れてくれ」
奏「現役女子高生アイドルに手を出すんだ、ってこと?」
P「おっ、お前な……」
奏「そんなPさんだから、私は安心して一緒に寝られる、なんて言えるのね」
P「……コンビニ寄る必要あるか」
奏「あは、強引に話そらしたわね。大丈夫、最低限の用意はしてあるわ」
P「用意いいんだな」
奏「遠出する時は念のため、ね」
P「本当、手がかからなくて助かるよ……いや、そもそもこんな事態にならなければもっと助かったけど」
奏「褒めるだけにしてくれればよかったのに」
P「少しは責任感じてくれないか」
――ホテル前
キッ
P「着いたぞ。必要なもの用意しておいて。チェックインしてくる」
奏「ねえ、Pさん」
P「なんだ」
キュッ
P「……手、放してくれ」
奏「本当に、一緒に泊まらないの?」
P「泊まらない」
奏「私の隣で寝るの、耐えられない?」
P「……そうだって言ったら諦めてくれるか」
奏「それが聞けたら、ますます引き止めたくなるわ」
P「奏」
奏「……」
P「どうしたんだよ今日は」
奏「だって、こんな時でもないとあなたを独り占めできないじゃない」
P「……あまりからかうもんじゃない」
奏「そうね。からかいすぎると、いくらPさんでも何するか分からないわよね」
P「……」
奏「行きましょう。Pさんのホテルも探さないといけないわ」
P「その件だが」
奏「ん?」
P「本当に二人でチェックインするか?」
奏「えっ」
P「そうすれば、俺のホテルを探す必要はなくなる」
奏「あら……その気になった?」
P「……」
奏「……あの」
P「行くぞ。フロントで人数変わったことを伝えないと」
奏「Pさん?」
P「奏、俺をからかうのはいいけど、それなりに注意しろよ。そうじゃないと」
グイッ
奏「あっ」
奏(腕、掴まれて……)
P「こう言うことになるかもしれない」
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ピッ ガチャ
P「カードキー入れは……と、ここか」
パッ
奏「……それでライト点くのね」
P「ビジネスホテルにはよくある」
奏「……」
P「奏、部屋に入って」
奏「ええ、そうね……」
パタン
P「コートかけて……ジャケットも一緒でいいか」
奏「……良く泊まるの? こういうところ」
P「出張なんかあるとな」
奏「そう」
P「奏も、コートくれ」
奏「あっ、自分でやるわ」
P「なら俺はポットに水でも入れておくか」
カチャカチャ ジャー…
奏(……コート、ジャケットも脱い……いや、まだいいかしら)
奏(私のコートとPさんのコートが並んでる……)
P「奏」
奏「な、なに?」
P「ポットでお湯沸いたら、蓋を開けておくといい。加湿器の代わりになる」
奏「あ、うん……」
P「それと、シャワーだけ浴びさせてもらっていいか」
奏「えっ」
P「先がいいか?」
奏「いえその……どうぞ」
P「悪いな」
パタン
奏「……」
ザーーー
P(やっぱりしり込みしてるな)
P(まあ、少しはいい薬だ)
P(……)
P(華々しいアイドル、文句なしの美貌、歌も踊りも演技もこなせるようになって、あれでまだ17歳)
P(こんな仕事してなきゃ知り合う機会もないだろうから)
P(そうイライラしないでくれよ、我が愚息……)
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ザーーー
奏(シャワーの音……)
奏(今すぐそこで、Pさんが浴びている……)
奏(やりすぎた、かな)
奏(でも……)
ガチャ
P「空いたぞ」
奏「あっ。……ええ」
奏(バスローブ姿……)
P「浴びるだろ?」
奏「それはもちろん……髪、濡れてないのね」
P「体の汗だけ流したかった。それに、湯冷めしたくなくて」
奏「そう」
P「まあ、ゆっくり浴びてくるといい」
奏「じゃあ、浴びてくるわ」
パタン カチャ
P(……しっかり鍵かけてるな)
P(そうだよな)
P(それでいい)
ゴソゴソ
P「うーんと」
P(毛布は……ああ、2枚あるな。でも、フロントで止められるかな~……)
P「さて」
P(あとはタイミングみて……)
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スル… パサッ
奏(どうしよう……)
奏(もちろん、シャワーは浴びるけど、けど……)
奏(そこまでのつもりはなかったけど……Pさん、本気で……?)
奏(心臓が、早い……息が浅い)
奏(緊張してるのか、後悔してるのか、それとも……興奮してる?)
奏(あっ、顔まで熱くなってきた)
コンコンコン
奏「ひゃっ」
P「奏」
奏「……なっ、なに、Pさん?」
P「言っておかないといけないことがあった」
奏「言っておかないといけない?」
P「ああ」
奏「なに?」
P「おやすみ」
奏「え……」
P「明日朝は7時でいいな。迎えに来るから用意しててくれ」
奏「ちょ、ちょっと」
カチ ガチャッ
奏「Pさん!」
奏(あ……服もスーツも、コートも着て……部屋のノブに手をかけて……)
P「どうした、ドアから顔だけのぞかせて」
奏「それは、いま服着てないから……」
P「まあそうだよな。それぐらいのタイミングで声かけたんだから」
奏「……」
P「どうした」
奏「ずるい」
P「そうだよ。だから言ったんだ、からかうもんじゃないって」
奏「最初からこのつもりだったの」
P「そりゃまあ」
奏「私の気持ちも考えず?」
P「……考えていても、俺は部屋から出ていくと思う」
奏「……」
P「奏にとって俺は『安心』じゃないといけないだろ。俺もそう思うよ」
奏「私って……思った以上に愛されているのかしら」
P「そうかもな」
奏「ねえPさん、ちょっとだけ待って」
パタン
P「?」
ガチャ
P「お、おいバスローブだけってお前」
奏「当り前よ。この下、何も着てないんだから」
P「う……」
奏「想像した?」
P「……用件はなんだよ」
奏「危険のある男は……魅力的よね」
P「それは……秘密が美貌の秘訣、みたいな?」
奏「そうね。そうかも」
奏「でも……いまはPさんの『安心』が嬉しい」
奏「ありがとう。今日は、ごめんなさい」
P「そうだなぁ。何だかんだ俺も楽しかったし。いいんじゃないか」
奏「そう言ってくれると、今日の寝つきが良くなるわ」
P「惚れるなよ」
奏「残念、手遅れ」
P「ははは」
奏「ふふっ」
奏「でも今は……毛布を持ち逃げしているサラリーマンにしか見えないわ」
P「自分で言うのも情けないけど、そのものズバリだよ。朝には返すから……」
奏「私は……Pさんならいいって、いえ、Pさんだったらいいなって」
奏「漠然と考えていたわ。さっきまで」
奏「でも、Pさんがそこでシャワー浴びて……私も浴びようとしたとき、分からなくなってしまった」
奏「だから多分……いまは、これでいいのよね」
P「そうだな」
奏「だからね、Pさん。おやすみ」
P「ああ」
奏「……キスは?」
P「ん?」
奏「寝るのなら……おやすみのキスが欲しいものじゃない?」
P「子どもみたいだな」
奏「子どもなのよ、私」
P「手のかかる子だ」
奏「……ねえ」
P「奏」
奏「今日だけ。ダメ?」
P「……今日だけ、本当に今日だけの特別だ」
P「これでいいか」
奏「ん……」
P「じゃあ」
ガチャッ
奏「Pさん……」
P「ん」クル
奏「……」
奏(言ってはダメ)
奏(やっぱり一緒にいたいなんて。それは困らせるだけ)
P「なんだ?」
奏(だから今は、まだ……)
奏「また明日」
P「おやすみ、また明日。奏」
パタン
奏(……)スッ
奏(額にまだ感触が残ってるみたい)ドキドキドキ
奏「ふふ」
奏(キス、されちゃった)
奏「うふふっ」
奏(……でも)
奏(あのまま本当に引き留めていたら……)
奏(もし本気で、Pさんがここに泊まっていたら……)
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パタン
P「ふぅ……」
P「エアコンは……あー、だめだバッテリーあがる」
P「ホテルの床の方がマシだったかなぁ」
P(……でも)
P(あのままあそこに泊まっていたら……)
P(あとで後悔すること、してただろうなぁ)
奏「はー……」
P「はー……」
奏(もったいないことしたかも)
P(もったいないことしたかも)
おわり
ありがとうございました。
いまのところ書きたい話としては、
LiPPSでエロコメとか
奏でシリアスとか
凛乃々亜季でほのぼのとかを考えています。
html依頼出してきます。
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